第015回国会 大蔵委員会 第18号
昭和二十八年二月十七日(火曜日)
   午前十一時二十三分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     中川 以良君
   理事
           大矢半次郎君
           伊藤 保平君
           菊川 孝夫君
   委員
           黒田 英雄君
           西川甚五郎君
           小林 政夫君
           小宮山常吉君
           杉山 昌作君
           森 八三一君
           松永 義雄君
           堀木 鎌三君
  政府委員
   大蔵政務次官  愛知 揆一君
   大蔵省主税局長 渡辺喜久造君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       木村常次郎君
   常任委員会専門
   員       小田 正義君
  説明員
   大蔵省主税局税
   制第二課長   塩崎  潤君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○所得税法の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
○法人税法の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
○富裕税法を廃止する法律案(内閣送
 付)
○相続税法の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
○酒税法案(内閣送付)
○酒税の保全及び酒類業組合等に関す
 る法律案(内閣送付)
○登録税法の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
○揮発油税法の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
○国有林野事業特別会計法の一部を改
 正する法律案(内閣送付)
○開拓者資金融通特別会計において貸
 付金の財源に充てるための一般会計
 からする繰入金に関する法律案(内
 閣送付)
○漁船再保険特別会計における漁船再
 保険事業について生じた損失を補て
 んするための一般会計からする繰入
 金に関する法律案(内閣送付)
○日本輸出入銀行法の一部を改正する
 法律案(内閣送付)
○連合委員会開会の件
  ―――――――――――――
○委員長(中川以良君) それではこれより委員会を開きます。
 最初に政府側にちよつと申上げたいのでありますが、自然休会後本日政府側の各提案の説明を伺うべく委員会を開いたのでありまするが、すでに一時間以上皆待つておりますので、昨年の委員会においても大蔵大臣の出席は極めて悪いのであります。どうぞ今後は委員会に対してもう少し重視して頂いて、出席も一つ確実にお出ましを頂きたいことを申上げます。
 それでは本日は所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案、富裕税法を廃止する法律案、相続税法の一部を改正する法律案、酒税法案、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律案、登録税法の一部を改正する法律案、揮発油税法の一部を改正する法律案、国有林野事業特別会計法の一部を改正する法律案、開拓者資金融通特別会計において貸付金の財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案、漁船再保険特別会計における漁船再保険事業について生じた損失を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案、右十二案を一括議題といたします。
 先ず提案理由の説明を聴取いたします。
○政府委員(愛知揆一君) 説明いたします前に先ほどの委員長の御発言に対しまして一言申上げますが、大蔵大臣初め大蔵省の政府委員に対する出席が時間その他の点につきまして誠に申訳ございませんでした。自今十分注意いたしますので、よろしくお願いいたします。
 只今議題となりました所得税法の一部を改正する法律案ほか十一法律案につきまして、提案の理由を御説明申上げます。
 政府は、国民の租税負担を軽減合理化するため、さきに昭和二十八年分所得税の臨時特例等に関する法律によつて、本年一月から三月までの給与所得に対する源泉徴収所得税の軽減等を行つたのでありますが、今回、この措置を平常化するほか、更に国民生活の安定と資本蓄積の促進に資するため、所得税、法人税、相続税及び酒税その他について、軽減合理化の措置を講ずることといたしているのであります。
 第一に、所得税法の一部を改正する法律案について、その大要を申上げます。
 所得税におきましては、先ず、先に臨時特例法によつて実施いたしました控除及び税率の改正を平常化することとして基礎控除額、扶養控除額、給与所得についての控除の限度額を、それぞれ引上げると共に、最低税率を引下げております。なお、今回富裕税を廃止することに伴い、新たに課税所得金額のうち、三百万円を超える部分について六〇%、五百万円を超える部分について六五%の税率を設けることといたしておるのであります。
 次に、資本蓄積の促進に資するために、有価証券の譲渡所得に対する課税を廃止し、又、生命保険料の控除限度額を四千円から八千円に引上げることといたしておるのであります。
 更に、医療費控除については、現在医療費が所得金額の十%を超える場合にその超える部分について十万円を限度として控除しているのでありますが、これを所得金額の五%を超える場合にその超える部分について十五万円を限度として控除することといたしております。又、退職所得についての控除額も、十五万円から二十万円に引上げることとしているのであります。
 次に、青色申告者について認められている専従者控除の限度額を五万円から六万円に引上げると共に、専従者となる者の範囲を十八歳以上の者から十五歳以上の者に拡張することといたしておるのであります。
 更に、山林所得、不動産等の譲渡所得及び一時所得については、その負担の軽減と課税の簡素化を図ることといたしております。即ち、山林所得については、十五万円を控除し、五分五乗の方式によつて他の所得と合算して課税することとし、不動産等の譲渡所得及び一時所得については、その合計額から十五万円を控除した後の半額を他の所得と合算して課税することとしております。
 これらの措置により、所得税の負担は相当軽減されるのでありまして、特に低額所得者につきましては、かなり顕著な軽減となるのであります。
 なお、この機会において課税の簡素化と適正化を図るため若干の措置を講ずることといたしております。
 第二に、富裕税法を廃止する法律案について申上げます。
 富裕税は、その施行の状況等に鑑み、負担の調整と税制の簡素化を図るため、昭和二十八年分から、廃止することといたしております。
 第三に、法人税法の一部を改正する法律案について申上げます。
 法人税につきましては、資本蓄積の促進に資するため、企業合理化促進法及び租税特別措置法による特別償却の適用範囲の拡張及び価格変動準価金制度の改善、貸倒準備金の限度引上げ等の措置を講ずると共に、貿易の振興に資する等のため、輸出契約取消準備金制度の新設及び海外支店設置の特別償却を認めることとしておりますが、これらの措置は近く提案を予定いたしております租税特別措置法の改正案により又は関係政令の改正によつて実施することを考慮するものでございます。
 而して、法人税法の改正案におきましては、個人の有価証券に対する譲渡所得課税の廃止に伴い、法人の解散等の場合における剰余金に対する課税を曾つて行なつていたように法人の清算所得課税によつて行うこととし、又、法人の支出した交際費、接待費等が一定の限度を超えるときは、その超える額の二分の一は損金に算入しないことといたしておるのでございます。更に、外国で生じた所得に法人税を課税する場合には、法人税額からその所得に課せられた外国の税額を控除することとして、国際二重課税の防止を図る外、課税の適正簡素化のため所要の改正を行うことといたしておるのであります。
 第四に、相続税法の一部を改正する法律案について申上げます。
 現在、相続税は、相続、遺贈又は贈与によつて取得した財産について取得者の一生を通じて累積課税いたしているのでありますが、今回、実行上の難点等を考慮いたしまして、これを相続税と贈与税とに分けて課税することとし、負担の一層の軽減合理化を図ることとしているのであります。即ち、相続税は、相続及び包括遺贈によつて取得した財産について、その都度課税し、贈与税は、贈与及び特定遺贈によつて取得した財産について、一年間分を合算して課税することといたしておるのであります。
 次に、基礎控除額は、相続税については、従来の三十万円を五十万円に引上げ、贈与税については、十万円を控除することとし、又、死亡保険金及び退職金についての控除額は、それぞれ二十万円から三十万円に引上げておるのであります。
 更に、税率につきましては、相続税にありましては、最高税率の七〇%は据置いておるのでありますが、課税価格三千万円以下の税率をそれぞれ五%程度ずつ引下げて、負担の軽減を図ることとし、又、贈与税にありましては、負担の権衡を考慮して相続税の税率より若干高めとし、おおむね現行税率と同程度といたしておるのであります。
 以上のほか、相続税の納付を容易にするため、延納の条件を緩和する等の措置を講じておるのであります。
 最後に酒税法案について申上げます。
 酒税につきましては、今回税率を引き下げると共に、この機会において酒税法の全文を改正し、最近の事態に即応せしめることといたしたのであります。
 酒税の税率については、先に昭和二十五年末に軽減措置をとられたのでありますが、なお相当高率であり、酒類密造の弊害も著しいので、今回、特に大衆的酒類に重点をおいて、二割乃至三割程度引き下げることといたしておるのであります。これによりまして、自由販売酒の小売価格は、例えば、清酒第二級では、一升五百二十五円が四百四十五円程度に、焼ちゆうは、同じく三百八十円が三百円程度になる見込であります。又、現在の基本税と加算税の制度は、酒類の大部分が自由販売酒で、且つ、税率も相当引き下げられる後においては、その意義が少くなると認められますので、これを一本の税率に統合することといたしておるのでありますが、指定販売業者及び配給酒の制度は、なお向う一年間存置することといたしております。
 なお、酒税法の改正は取引の実態に鑑み、来る三月一日から施行したいと考えておるのでございます。
 第六に、酒類の保全及び酒類業組合等に関する法律案について申上げます。
 酒税が国税収入のうちに占める地位に顧み、酒税の保全と酒類の取引の安定を図ることが肝要であると存ぜられますので、この際、酒類製造業者等が組合を組織し、酒類の自主的な需給調整を行うことができることとすると共に、酒税の保全のため必要な場合には政府が必要な措置を講ずることができるようにするため、この法律案を提出した次第であります。
 その大要について申し上げますと、先ず、酒類製造業者又は酒類販売業者は、大蔵大臣の認可を受け、原則として税務署の管轄区域をその地区として、酒類の種類別、卸売、小売別に、それぞれ、法人格を有する酒造組合又は酒販組合を組織することができることといたしているのであります。
 組合は、政府の行う酒税の保全措置に協力するほか、酒類の需給が均衡を失したことにより酒類の代金の回収が遅れる等のため酒税の納付が困難となり、又は困難となる虞れがあると認められまする場合においては、組合員に対し酒類の製造石数、販売石数或いは価格に関する規制等をも行うことができることとしているのであります。この規制を行うにつきましては、独占禁止法、事業者団体法等との関係もありますので、大蔵大臣の認可を必要とすることとし、その内容が消費者の利益を著るしく害する等適正を欠くと認められる場合においては、大蔵大臣は認可をしてはならないこととしておるのであります。更に、大蔵大臣は、右の認可をするに当りましては、あらかじめ公正取引委員会の同意を得なければならないことをする等、規制の実施については十分慎重を期している次第であります。
 単位組合は、都道府県ごとに連合会を、連合会は、更に中央会を組織することができることとし、おおむね単位組合の事業に準じ、その総合調整等を行うこととしております。
 以上の外、現行酒税法による酒類の種類等の表示義務を規定する等、政府が酒税の保全のため必要な措置を講ずることができることとしているのであります。
 なお、この法律は、酒税法の改正と同様、来る三月一日から施行したいと考えているのであります。
 第七に、登録税法の一部を改正する法律案について申します。
 登録税につきましては、最近における不正印紙の使用の状況に顧み、登記所等において登録税の納付に使用された印紙が偽造等不正のものであることを発見したときは、これを税務署に通報することと、これによつて国税徴収の例にならい、登録税を追徴することができることとする等の改正を行うこととしておるのであります。
 第八に、揮発油税法の一部を改正する法律案について、申上げます。
 揮発油税につきましては、直接国税の場合と同様に、指定納期限までに揮発油税を完納しなかつたときは、その翌日から納付の日までの日数に応じて日歩四銭の利子税を徴収することとする等規定の整備を図つておるのであります。
 以上が税法関係の八つの法律案の大要を申上げた次第でありますが、昭和二十八年度の租税及び印紙収入の総額は七千八十億四千九百万円でありまして、今回の税制改正による減収額は総額千九億五千八百万円であります。このうち所得税の減収額は特別減税国債の購入による減収額二十五億円を含めまして総額九百三十一億円、富裕税の減収額は約十九億円、法人税の減収額は特別減税国債の購入による減収額四十二億円を含めまして約百二十九億円、相続税の減収額は約十億円となつております。なお酒税につきましては、今回の税率引下げは相当大中でありますが、この引下げ後の収入は密造酒類を駆逐すること等によりまして、おおむね現行税率による場合と同額程度の収入を確保し得ると見込んでおるのであります。
 次に国有林野事業特別会計法の一部を改正する法律案につきまして提案理由を御説明申上げます。
 農林省の林野庁におきましては、従来、政府直轄の民有林野の治山事業を一般会計に所属する職員が行つて参いつたのでありますが、この民有林野の治山事業は、国有林野における治山事業とその性質においても、又、労務、技術の面においても共通いたしますので、この際、両者を併せて国有林野事業として併わせ行わせることとすると共に、政府直轄の民有林野の治山事業及びその附帯業務に従事する職員についての給与その他の経費の財源は、一般会計から繰入金をすることができることとしようとするものであります。
 なお、従来、国有林野事業の附帯業務として行なつて参りました公有林野官行造林地の管理及び経営の事業をも国有林野事業とするものを明かに定める等の措置を講じようとするものでございます。
 次に開拓者資金融通特別会計において貸付金の財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申上げます。
 開拓者資金融通法による農地の開拓者に対する資金の貸付に関する歳入歳出につきましては、開拓者資金融通特別会計を設けて経理いたしており、同特別会計法におきましては、開拓者に対する貸付金の財源は、同会計の負担による公債の発行又は借入金によつて調達することとなつておりますが、従来、この貸付金の財源は、一般会計からの繰入金をもつて充てることとする措置が講じられてきたのであります。
 昭和二十八年度におきましても前年度と同様、開拓者に対する貸付金の財源に充てるため、一般会計からこの会計に十七億二千五百万円余の繰入をしようとするものであります。
 なお、この繰入金は、将来、貸付金がこの会計に償還された際に、繰入額に相当する金額に達するまで、予算の定めるところにより、この会計から一般会計へ繰り戻すことといたしております。
 次に漁船再保険特別会計における漁船再保険事業について生じた損失を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申上げます。
 漁船損害補償法の規定により拿捕、抑留等の事故を保険事故とする特殊保険につきましては、昭和二十七年度において保険事故が異常に発生いたしましたため、漁船再保険特別会計の特殊保険勘定における再保険金の支払が著しく増加し、その支払財源に約五千万円の不足が生じたのであります。この不足金は、その事故の性質にかんがみまして、一般会計からの繰入金をもつて補てんすることが適当であると考えられるのであります。
 以上の措置を講ずるため、この法律案を提出した次第であります。何とぞ、御審議の上、速かに御賛成あらんことをお願い申上げます。
 最後に、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案の提案の理由を御説明いたします。
 日本輸出入銀行は、昭和二十五年十二月に設立せられまして以来、その融資活動によつてプラント輸出を中心とする貿易の振興に努めて参つたのでありますが、最近における貿易の状況及び同行の業務運営の経験等に顧みて、同行の機能の拡充を図ることが適当であると認められますので、今回日本輸出入銀行法の一部を改正し、日本輸出入銀行の業務の範囲を拡張すると共に、その融資の条件等に改善を加えることといたしたいと存じます。
 次に今回の改正の要点を申上げます。
 まず第一に、海外投資のための資金の供給及び海外において生産事業を営むための設備資金の供給を融資の対象に加えたことであります。輸出の振興を図り、海外市場を確保するためには、国内産業と海外市場との資本のつながりを緊密にすることが極めて有効な方法であることは、申すまでもないところであります。而して、これがための資金は、その回収に長期間を要することが通例でありますので、その融資期間は一年以上十年以内とし、止むを得ない特別の事情があるときは十五年まで認め得ることといたしました。第二に、輸出金融の対象を設備輸出に関する入札保証金の融資にも拡げることといたしました。設備輸出契約の国際入札の場合における入札保証金は、金額においても、その期間においても、市中金融の対象にとり上げられ難いことが多く、かねて各方面からこの点について強い要望があつたものであります。第三に、輸入金融について加えられていた条件を若干緩和すること、現在最長五年に制限している融資期限を七年まで延長すること、市中銀行との協調融資の方法によるべき建前に対し単独でも融資し得る例外を認めること、業務を行うに必要な範囲内に限つて外国為替業務を営み得ること等の改正を加えると共に、日本輸出入銀行が設立後五年を経過した後は、新規融資を行なつてはならぬ旨の制限を除くことといたしました。
 以上が今回の改正の要点であります。
 何とぞ御審議の上、速かに御賛成あらんことをお願いいたします。
○委員長(中川以良君) ちよつと速記をやめて。
   〔速記中止〕
○委員長(中川以良君) 速記をつけて。
○小林政夫君 建設常任委員会と連合審査をいたしておりまする道路整備費の財源等に関する臨時措置法案について、明日第二回の連合委員会をするわけでありまするが、その際に次の人々を呼んで頂きたいと思います。先ず第一に大蔵大臣、建設大臣、それからかねて当委員会においてはガソリン税の軽減についての請願並びは陳情を受けております。で昨日の連合委員会の席上における提案者の発言によると、ガソリン税軽減を要望しておつた向きも、提案者の提案するようなふうに、道路の整備関係にガソリン税が使われるというようなことであるならば、軽減の希望を当分諦めてもいいというような発言があつたのでありまするが、必ずしもそうでないような気配も見えますので、一応当委員会に対して軽減の請願をしておつた向きに対して、当委員会においてはその請願を採択していることでもあるので、参考人として出席を求めて、その見解を質したいと思います。ついては全国石油協会、日本トラック協会、全国乗合自動車協会、日本自動車会議所、この各団体の代表者の出席を当委員会として要求して頂きたいと思います。
○委員長(中川以良君) お諮りをいたします。この小林委員から御提案になりました事項につきまして、小林委員御要求の通りに取計らいまして差支えございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中川以良君) それでは委員長より建設委員長のほうにさように申入れをいたしまして、明日は大蔵大臣、建設大臣の出席を求め、更に参考人といたしまして全国石油協会、日本トラック協会、全国乗合自動車協会、日本自動車会議所、それぞれの代表者に出席願うことにいたしたいと存じます。
○小林政夫君 丁度大蔵政務次官が見えておりますから、昨日主計局次長から主計局の見解を聞いたわけです。多少事務当局でもあるし、遠慮気味の発言のようでもありました。都合によつては速記をとめてもいいのですが、一つ政務次官の該法案に対する見解、或いは御承知になつている経緯等についてこの際承わりたいと思います。
○政府委員(愛知揆一君) できたらちよつと速記をとめて頂きたいのですが。
○委員長(中川以良君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
○委員長(中川以良君) 速記を始めて下さい。
 それでは暫時休憩いたしまして、午後一時より再開いたします。
   午後零時三分休憩
   ―――――・―――――
   午後一時三十八分開会
○委員長(中川以良君) それでは休憩前に引続きまして再開いたします。
 所得税法の一部を改正する法律案ほか税制関係の七法律案につきまして政府側より内容説明を聴取いたします。ちよつと速記をやめて。
   〔速記中止〕
○委員長(中川以良君) 速記を始めて。
○政府委員(渡辺喜久造君) お手許に二十八年度の税制改正の要綱という資料がお配りしてございます。一応これによりまして今度の税制改正の全貌を御説明申上げまして、それからあと別途各税についての詳細につきましては又別の機会に順次御説明申上げて行きたいと思います。
   〔委員長退席理事伊藤保平君委員長席に着く〕
要綱の七頁を御覧願いますと、各税の一収入予算額表というのがついてございますが、これによりますとD欄に七千八十億という数字がございます。これが今度の二十八年度の政府の予算に計上してございます租税及び印紙収入の額でございます。これは前年度に対比いたしますと、一番最後の欄にございますように二百二十七億の増収になつております。併し現行法による収入見込額八千九十億円に比べますと千九億円の減収、但しこの中には六十七億、国債による減収分が含まれておりますので、これを差引きますと九百四十二億という減収になります。これが税制改正による減収でございますが、それによります大体の税制改正の全貌というものを御説明申上げたいと思います。
 最初の一頁から御覧願いたいと思いますが、今度の税制改正は何と申しましても全体といたしましては、さきに成立をみました臨時特例法の平常化というのが中心を成しております。もう一つお手許に租税及び印紙収入の説明という書類がお配りしてあると思いますが、この三頁に各事項別の総収入の額が詳しく載つてございます。これを御覧願いましても全体の千九億の中で特例法の平常化による分が所得税において八百三十七億、大部分がこれに当つているわけでございます。その他におきましては相続税の負担の軽減、それから酒税の税率引下げ、それからあとは負担の調整、課税の簡素化、資本の蓄積のための措置ということが全体の狙いになつております。
 それで先ず所得税でございますが、そこの一に書いてございますことは、全部特例法のまあ延長といつたような考え方でございます。即ち基礎控除を五万円から六万円に上げる、扶養控除におきまして最初の一人の二万円を三万五千円に上げる、勤労控除の最高限度を四万五千円に上げる、社会保険料を控除する、税率を百分の十五の税率を作る、これはいずれもその趣旨でございます。ただ一つ特例法以外の問題は、三百万円超に百分の六十、五百万円超に百分の六十五という税率が盛られております。これは別途行おうと思つております富裕税の廃止に見合いましてこういう措置を行おう、なおこれによる増収の見込は説明の三頁のほうにございますが、一応八億円見積つてございます。それから生命保険料の一控除を四千円から八千円に上げる、これ以下は特例法にないことでございます。四千円から八千円に上げる。それから医療費控除でございますが、現在は医療費は所得の一割を超える場合において控除をする、控除の限度は十万円、これでは適用してみましてもなかなか十分の効果がないようでございますので、所得税の五分を超える場合におきましては、医療費控除を認めると同時に控除額を十五万円にすれば、適用する数がずつと殖えて来ると思つております。
 それから四は青色申告の問題ですが、この場合にいわゆる専従者控除という制度があることは御承知だと思います。現行の五万円は基礎控除の額と合せてございますが、そこで今度基礎控除の上る機会におきましてこれを六万円に上げたい、それから同時に適用される人の範囲でございますが、現在は高等学校十八才以上というのを、十五才以上と中学校卒業程度を頭におきまして拡げて行こうと思つております。
 なおこれに関連しまして青色申告の制度の簡素化ということも別途法律事項ではございませんが検討しております。
 退職所得につきましては現在十五万円を差引きましてそして残りを半額にして税率を適用するということをやつておりますが、今度はその控除額を二十万円に上げたい。あとの制度は同じでございます。
 それから有価証券の譲渡所得に対する所得税の課税でございますが、いろいろの議論の末、これは今度廃止したい。
 それから山林所得、不動産の譲渡所得等の一時的所得につきましては、いろいろ複雑な制度になつておりますので、これの簡素化と負担の軽減を図ることを考えております。いずれも後刻又別の機会に詳しく申上げますが、大体の考え方としましては、山林所得は現在変動所得として扱つております。あのシヤウプの勧告による変動所得という扱いは非常に複雑な点もございますので、もつと単純化しましていわゆる五分五乗、百万円所得がありますと、五分した二十万円に税率をかける、それを五倍にした五分五乗の制度に変えよう、他の所得と合算した上での五分五乗ということを考えております。
 なお山林所得につきましては、現在十万円控除することになつておりますが、これを十五万円に引上げようと考えております。その他第三次再評価の関係で或る程度の負担の軽減も考えられると思います。
 それから措置法の問題といたしましては、現在の課税の場合に財産税当時の価格がはつきりしないのでいろいろ課税上の紛議がある、分りにくいという問題もありますので、概算経費のような観念で、いわば標準率的のものを使うことができるということも考えてみたいと思つております。これはいずれも措置法において考えております。
 それから不動産の譲渡所得につきましては半額課税ということを考えております。なお控除額は現在山林所得、譲渡所得、一時所得全部合せまして十五万円でありますが、今度の案では山林所得は山林所得だけで十五万円、それから不動産所得、一時所得その二つを合せて十五万円ということを考えております。
 なお預貯金利子等に対する源泉選択の率でありますが、現行は五十になつておりますが、いろいろの議論がございますし、最高税率を上げる際であるからむしろ上げるべきではないかという議論と、貯蓄奨励という考え方からむしろ下げるべきではないかという考え方もあるのですが、いろいろ勘案しました末、四十という税率に考えております。以上が所得税につきまして中心的な問題でございます。
 次に法人税でございます。法人税につきましては第一が企業合理化促進法及び租税特別措置法に基く特別償却を認める範囲を拡張する。合理化促進法におきましては所得の年、半額の特別控除を認める、租税特別措置法におきましては三年間五割増しの特別償却を認めるということになつておりますが、業種、機械等を指定しておりますその範囲等を拡げようという考え方であります。
 貸倒準備金でございますが、これは期末の売掛の金額に対しまして例えば卸小売ですと千分の十とか、それから製造業、金融業でございますと千分の七とか、或いはその他ですと千分の五という率をかけた場合の金額と所得の二割に相当する金額、いずれか小さいほうを積立ててよろしいということになつておるのでありますが、この千分の十に当るものを今度千分の二十に引上げよう。それから千分の七に当つておりますものを千分の十に引上げよう、千分の五を千分の七に引上げようということを考えております。
 価格変動準備金でございますが、これにつきましては新らしく考えておりますのは国債を対象に入れようということと、もう一つ現在四期に分けまして四分の一ずつ積立てて行つてよろしいというのを、その制限を外してしまおうということを考えております。三でございますが、貿易商社につきまして、五年を限りまして輸出契約取消準備金制度と、海外支店設置費の特別償却、取消準備金のほうは大体貸倒準備金と同じようにその期における契約高の千分の幾つという数字と利益の何割という数字のいずれか少いほうを積立ててよろしいということを考えております。それで輸出契約の取消等によりまして損が出ましたら、それからそれを払つて行つてもらう。支店の設置費のほうでございますが、これにつきましては、合理化法と大体同じような線で、最初の年に半額の特別償却を認めて行きたい。ただ家屋のようなものになりますと、そのまま半額を認めるのはちよつと無理でありますので、これは措置法並みに三年間五割増しくらいの償却を認めたらどうかと考えております。以上はいずれも法人税法のほうには出て参りません。一と二はこれは政令の問題になつております。三は特別措置法の改正のときに御審議を願いたいと思つております。で、税法に出て参りますのは四と五でございます。四の問題はいろいろ御議論があるわけでございますが、考え方といたしましては、資本蓄積のためにまあ随分税法上いろいろな措置をやつている。従いましてそれの措置と裏腹のような意味におきまして、こういうことを考えたらどうかというのが交際費、機密費の一定額以上の分については、二分の一を損金にしないという考え方でございます。で、内容につきましては、詳しくいずれ御説明申上げたいと思つておりますが、考え方といたしましては、大体飲み食いの金を中心にしましてそれと年末、年始、中元等の贈答費関係の金を中心にこの定義をきめた次第であります。なお限度はなかなかむずかしい問題でございますが、資本金或いは利益金額、それから取引金額、こういつたものが一つの基準にとつていいのじやないか、業種別に或る程度区分を作る必要もあるじやないかということを考えて、今折角資料を集めております。それから五でございますが、これは個人の有価証券の譲渡所得税を課税することはいたしますが、それの連関でございますが、法人が解散した場合の解散の分配金に対する課税、或いは合併の場合の従来みなす配当といつたような課税の問題でございます。譲渡所得税に当る分については課税しませんが、配当に相当する分はやはり課税して行くべきじやないか。それで昔清算所得という制度でそれをやつておりまして、譲渡所得は課税しておりませんでしたが、その昔に帰りまして、法人のところで清算所得を課税をして行くということをしたらいいがというのがこの五の考え方でございます。
 それから第三に富裕税でございますが、富裕税は昭和二十八年分から廃止しよう、これによる減収は一応十八億と見積つております。
 それから相続税でございますが、相続税は従来のやつは、いわば累積課税制度と呼んでおりますが、人の一生を通じましてその相続或いは贈与によつて取得したものを積み重ねて行つて、三十万円になるまでは課税にならん、三十万円超したら課税になるという制度でございましたが、これは税務署のほうの仕事の上から行きましても、納税者のほうから言いましても、それがいささか理論倒れで、ちよつと実行がむずかしいようでございます。それでこれをやめまして、相続につきましては相続の都度、贈与についてはその一年間分を合算して相続税又は贈与税を課税して行きたい、ただ昔やつておりましたような遺産税の考え方ではございませんで、どこまでも取得者に対する課税というふうに考えて行くつもりでございます。従いまして遺産が一千万円でございましても、昔の相続税ですと、その一千万円に税率を掛けて税額を出して、五人のかたが均分相続すれば、それを五分の一づつ納付するということになつておりますが、今度の考え方では一千万円の財産を五人のかたが二百万円ずつ均分で相続されますと、それぞれ二百万円ずつの相続税として課税する、税率の適用関係から行きましても、ずつと低い税率が適用されるということになるわけであります。なお基礎控除は三十万円から五十万円に上げる、それから贈与税につきましては、従来は一緒になつておりましたので、三十万円の控除が一本ございまして、別に十万円の控除を作ろう。なお均分課税で取得者課税でございますから、先ほどの例についてちよつと考えてみますと、遺産課税の場合ですと、一千万円の金額に対して五十万円が一回しか引かれませんが、現在のやり方ですと、二百万円ずつ均分相続すれば、五人のかたにそれぞれ五万円の控除が行くということになるわけであります。税率の無理が相当緩和されるものと思つております。それから死亡保険金及び退職金に対する控除、これは現在二十万円になつておりますが、これは三十万円に引上げよう。御承知のように生前に退職金をもらわれますと、退職所得として所得税の課税になります。在職中に亡くなられたかたが、死後遺族のかたに退職金が渡りますと、ここに言う相続税の問題になるわけであります。それから税率につきましては最高一億円超七十、この税率はそのままにしておきますが、下のほうは大体五ずつ引下げる。大分相続税の税率が高いように思われますので、五づつ引下げた税率といたしております。なお贈与税につきましては、これは何回にも分割して贈与する、それによつて贈与税の負担軽減を図るといつたようなこともありますものですから、多少税率を引上げておくというのが贈与税の一般的な常識になつておりますが、今回それに倣いましてこの法は大体現行税率の程度の税率にしております。なお延納を認める範囲の問題でございますが、現在は金銭を以て納付することが困難な場合に延納を認めるということになつておりますが、今度は多少考え方を変えまして相続税の額が一万円を超えた場合におきましては、延納を認める。原則としては五年、それから不動産、立木等が相続財産の半額以上ですと十年、但し一回に納付する金額は一万円を超えないということを考えております。最終回は特別で、従つて三万五千円の税額でございますと、三年間一万円ずつお払いになつて、四年目に五千円払つて頂く。それから十万円でございますれば、二万円ずつ五年間に払つて頂く、こういうふうな考え方に相続税ができております。なお贈与税につきましては、これは多少事情が違いますので、現在と同じように金銭を以て納付することができない場合に五年乃至十年の延納を認めるということになつております。
 次は酒でございます。酒につきましては、二割乃至三割税率を引下げるということを考えております。併し全体の収入は密造酒の駆逐等によりまして大体現行程度に近いところに数字を計上してございます。これによりまして小売価額は一応清酒で言えば四百四十五円、合成清酒で言えば三百三十円、焼酎は三百円、ビールは百五円というふうに下げるものと一応そこに書いてございますが、実はこの数字はその後いろいろ検討しております。相当生産者それから卸し、小売のマージンの減がこの中に入つておるわけでありますが、マージン、生産者コストの切下げにつきましていろいろ数字を検討して参りますと、この数字が多少動きはせんかということを今考えております。但し五円以上は動くことはめつたにあるまいというふうに考えております。御了承願いたいと思います。なお酒の税率引下げにつきましては、丁度花見酒の季節にもなりますし、四月一日にこれが実施ということになりますと、非常に取引の関係で困難もありますし、業者のかたも迷惑なさいますので、何とかして三月一日からこれを実施するようにいたしたいというふうに原案ができております。それから二の基本税と加算税の問題でございますが、この加算税の制度はこれは御承知のように配給酒が大部分で、自由販売酒に加算税ができまして自由販売酒だけ高く売ろうというので始つた制度でございます。最近は御承知のように、配給酒が非常に少くなつて、大部分が自由販売酒になつたということが一つと、それから税率が大分下つて参りまして、今度の引下のごときも、若し加算税だけについてその引下を適用しますと、もう加算税は殆んど残らんというようなものもございます。そこでこういう制度はこの際やめてしまつたらどうか、但しこれに結び付きます配給酒の制度、指定販売業者の制度でございますが、これはいろいろ事情もございますので、とにかく一年間はこれは残しておくという考え方でございます。
 それから砂糖消費税については、分蜜白糖、再製糖に対する税率を二割上げたい。鹿児島県、高知県等でできます樽入黒糖、樽入白下糖のごときは、これは四百円の税率を変えるつもりはございません。
 それから物品税につきましては、貴石、貴金属製品等につきましては、製造課税を小売課税に改めて、昔これは小売課税でやつていたものでございまして、製造課税に直しましたが、大分無理な点もございますので、これを小売課税に改めたい。なお財源としまして一応二十億ほど用意してございますが、これ長つていろいろな負担の調整を行いたいということを考えております。
 それから有価証券取引税、これは昔の有価証券移転税のような税金をこの際作りたい。税率としましては、業者が売る場合には、売渡人に課税するつもりでありまして、素人の売る場合には千分の二、業者の売る場合につきましては、ここには一応千分の一の程度になつておりますが、現在考えておりますのは、万分の八という税率で提案したらどうかと考えております。大体歳入見積もそれでできております。
 それから第三次再評価でございますが、第一次、第二次の再評価につきまして、第一次、第二次再評価を行いましたが、第二次再評価は、いわば第一次再評価の基準日も、再評価限度も同じでございまして、第一次再評価をやり得なかつた人に、期間の延長の利益を与えたわけでございますが、第三次再評価は多少性質が違いまして基準日も最近の二十八年一月一日にし、再評価限度も新らしい物価の変動を考えまして引上げよう。それでこれを会社等が行う時期でございますが、余り期間を短かくしますと、第一次のあとで、第二次をしなければならなかつたようなことも考えられますので、といつて余り長くなりますのもいろいろ支障がございますから、二年間に一回限り任意に行うということに考えております。なお再評価の税の問題にはいろいろ御議論もありますが、結局従来と同じように百分の六の税率で課税したいというのが、この考え方でございます。
 それから減税国債の問題でございますが、これは今度三百億を限度としまして、投資特別会計の資金のために発行するもので、ございましてその税の関係だけがここに載つてございますが、法人について御説明すると一番わかりがいいと思いますが、法人が百万円購入すると、その半分の五十万円分が、いわば損金に算入される。それだけ税金がかからん。税率が四十二でございますから、百万円に対して二十一万円だけ税金がかからん。税金が安くなるわけであります。それと見合いまして個人の場合は四分の一、百万円を買われますと、二十五万円というものを軽減したい。なお軽減を受けることの購入額につきましては、法人については所得の百分の四十、それから個人の場合は税金の百分の二十と一応の限度をおくことになつております。なお利率は四分、償還期限は三年据置きでありまして、四年五年と均分償還ということが考えられているようでございます。個人においては、利廻りが一割二分五厘ですが、法人が一割五厘というような計算になるわけでございます。
 その他としましては、登録税について収入印紙の不正使用を防止するため、登録税法について必要な改正を行いたい。
 それから間接税については、現在利子税はとつておりませんが、やはりほかの税との均衡もありまして、利子税をとるようにしたい。尤も担保の提供がありまして、延ばしている期間はこの利子税はとるつもりはございません。
 それから今度酒税法の全文改正で、現在の酒税法の五十二条の規定はやめることになつておりますが、それなどを見合いまして酒類団体業法といつたようなものを作りまして、組合の設置、それから組合の自治による生産の統制、価格の統制を行うことができるといつたようなことを考えておるわけでありまして、そのために酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律を別途提案しているわけでございます。
 その他税法の規定につきまして、いろいろ細かい問題ではありますが、かなり重要な問題としていろいろ議論されている問題もありますが、それらのことにつきましては、別途それぞれの税につきまして御説明申上げる機会に詳しく御説明申上げたいと思います。
 以上が大体今回考えられております税制改正の概略的なものであります。
○理事(伊藤保平君) 何か資料の要求か何かありましたらこの際。
○堀木鎌三君 私は一つ資料を頂戴したいと思うのは、法人税法の九条の十にあるものが一体どれくらいあるというお考えであるのか。歳入で、このうちでどのくらい見込まれるのか。そういう点がはつきりしておつたら聞きたいのです。
○政府委員(渡辺喜久造君) 九条の十による増収は一応。
○堀木鎌三君 今資料がなかつたらあとでも結構です。
○政府委員(渡辺喜久造君) 一応歳入見積としましては立つておりますが、なかなか実は線の引き方で以て歳入の点は非常に動くものでございますし、それからどのくらいの線を、限度のものでございますが、引いたらいいかということについては、かなり検討をしているところでございまして、大体一応の数字の見積はできておりますが、今各業態につきまして、代表的なものでどの程度の交際費が出ておるかということを折角検討しておりますので、或いは後刻詳細に伺いまして必要な資料を出したいと思います。
○堀木鎌三君 この問題について聞きましたのも、今御説明のように、命令の定むるところによつて計算したる金額というやつがきまつて来なければわからないはずだが、それを述べて頂けば大体見当つくのだが、こういうふうに思つたのですが、と同時に、税法上こういう消費面に向いた部分を税制の面から何と言いますか、考えなければならないというふうな問題が新らしく提起された一つだと思うのですが、そのほかの問題についても、そういうお考えが何かあり得るかどうか、つまりもう少し砕いて言えば、消費面に非常に向いている金を生産面に動員するためには、何らかの税法上の措置があるのかどうかという問題を、どういうふうにお考えになつておられましようか。
○政府委員(渡辺喜久造君) これとまあ同じような事例は寄付金の事例が一つございますことは御承知の通りでございます。それで税法でこういうことをやるのがいいか悪いかいろいろ御議論があるように思つておりますが、随分昔から議論されまして、なかなか実行がむずかしいところも一つありまして、従来まあ取上げられなかつたのじやなかつたかと思つておりますが、資本蓄積の関係で随分いろいろな措置を講じております現在としましては、やはり何らかこうした措置を講じたいと考えておるわけでございますが、このほかに何か他に考えておるかという御質問につきましては、現在のところ具体的な問題につきまして、他に考えておる問題はございません。
○小林政夫君 法人の法人税と個人所得税との比較をやつてみたいわけなんです。それで大体今所得階層にはかつて或る程度のあなたのほうの、私のほうもやつておるのですが、あなたのほうでいろいろな場合を想定して一応比較表を作つて提出願いたい。
○政府委員(渡辺喜久造君) かしこまりました。こういうような考え方でよろしうございますか。一定の所得の法人をとりまして、そうして税金がどれくらいになるのか、若し同じような仕事をしていた人が個人であつたらばどれくらいの、所得になるか、こういうような考え方ですか。
○小林政夫君 そうです。
○政府委員(渡辺喜久造君) かしこまりました。
○小林政夫君 その場合に個人企業を法人に変えた場合に、事業主が、おおむね社長とか重役になる、その重役報酬の関係、それに対する源泉所得税の関係、こういうことも含んで資料を作つて頂きたい。
○政府委員(渡辺喜久造君) かしこまりました。
○菊川孝夫君 今御説明願いました所得税のうちの六番目の有価証券の譲渡所得に対する国税の課税を廃止する、有価証券の譲渡所得というやつはなかなか捕捉できなかつたと言いますか、随分最近株式ブームでえらい繁昌しておる割に成績が挙つておらんように思うのですが、一体現在の現行法によりますると正しいあれが全部挙るものと大体想定すると、我々素人考えにもこれはどうも抜かれておるものは大分多いのじやないかと思われるのだが、あなたのほうの予定されたのと、それから実際に挙つたのとの比較を一つ教えて頂きたいと思うのですがね、それは資料で困難だとするならば、ここで速記なしで御説明願つても結構だと思うのですがね。
○政府委員(渡辺喜久造君) 有価証券の譲渡所得だけについて特別な予算の見積というのは実は余りしておりません。それで大体有価証券の譲渡所得につきまして、課税がなんで困難かという点について、私もこの間までは東京で国税局長をしておりまして、多少現場の近くにおりましたので、見て随分苦労をしておつたのですが、何と申しましても、有価証券の売買に対する資料が一番大事なわけなんですが、ところが余り小さな株数の場合にも資料を出すことを有価証券業者にお願いすることはこれはもう物理的に不可能のようでございましてそれで当初は三百株以上の分、現在は千株となつておりますが、千株以上の取引があつたらば資料を出してくれということになつておりますが、どうも千株以上の資料になつた場合には、大体干株が境目ですと、千株に分けて、一万株動かしても十回に分けて動かすということで、大体資料から抜けて行くといつたような事例が多いようでございまして、それでそこを税務署が強く突つ込みまして、いろいろ調査を進めて参りますと、今度は株の取引、或いは証券の取引に非常に恐怖的なものが起りまして、そちらの面から非常に面白くない面が出て来る。その辺のいろいろ手加減が非常にむずかしいものですから、そこにやはり実効が挙らないという理由があるのじやないかというふうに考えております。
○菊川孝夫君 そういたしますと、これは質問ではないのですが、第八の有価証券取引税、これを設定しましたらそういうことは全然なくなるのですか。
○政府委員(渡辺喜久造君) 有価証券取引税はいずれ法案で御審議願いたいと思いますが、これは結局株屋が自分で売つた総額とか、或いは委託によつて取引した総額とか、その総額によつて税金を納めてもらいますから、その内容が誰とか彼とかいつたような問題も全然ございませんし、それから市場の取引額なんというものははつきり表へ出ておりますから、そこにトラブルが起きるということも考えられませんでございますから、こちらのほうにはそうした問題は全然ないと思つております。
○小林政夫君 議事進行について、一応酒のほうを聞きましよう。酒税関係以外のことは後日に譲つて。
○理事(伊藤保平君) 酒税法は三月一日が目標で急ぎますから、これのほうから先にいたします。
○松永義雄君 簡単にちよつと。今度酒税はお酒が下つてやはり幾らか税金は下るのですか。併し酒を造る量は殖えるわけですか、それに対して米はどのくらい余計使われるのですか。
   〔理事伊藤保平君退席、委員長着席〕
○政府委員(渡辺喜久造君) 今松永委員の御質問の点につきまして、簡単に御説明申上げます。お手許に二十八年度の収入予算の説明書が差上げてあると思いますが、そこに歳入見積の詳しい説明がございます。その二十一頁を御覧願いたいと思います。これは現行法の場合における酒税の見積を一応考えております。米は今度は九十四万石でございまして、昨年の米の割当は七十四万石でございましたから、約二十万石殖えております。それでその大部分が清酒に特配、増配されるわけでございます。従いましてそれによつて大体清酒の造石高を見込みまして清酒を二百万石一応見込んでございます。ただ最近の合成酒、焼酎等の売れ行を見て参りますと、大分供給のほうが過剰になつている傾向もございまして、若し現在の程度の値段でございますと、恐らく清酒が殖えただけ全部酒の消費量が殖えるということは困難ではないか、清酒が殖えれば合成酒なり焼酎等は相当売れ行が止まるのではないか、こういうことで焼酎、合成酒につきましては相当の出荷の減を見積つております。そういうような考え方で以て、一応現行税法の場合によりましては、大体出荷は五百二十九万石程度になるのではないか、この場合におきまして大体税収としましては千四百六十億円という数字が出してあるわけです。
 それでその次の頁は一応今度の新らしい改正後の見積でございます。大体の考え方といたしましては、前の五百二十九万石、これに対して使われる消費資金は、税金が安くなりますし、値段も下りますので、資金の量としては減らないのじやないか、大体今までお酒に使われた金は、量が殖えても大体お酒に相変らず使われて行くのではないかということを一応の前提にしまして、そのほかに密造酒でございますが、これはまあどれくらい、どうなるかいろいろ問題はりますが、大分値段も焼酎等は三百円程度に下つて参りますので、五十六万石程度密造酒がこちらに入つて来る、正規の酒に代つて行く。こういつたようなことを考えまして、同時に清酒につきましては大体米の量で以て限度がきまつておりますから、これは二百二十一万石、それから合成清酒が八十一万石、それから味醂、焼酎で百六十二万石、ビール百九十一万石、その他を合せまして全体で六百七十九万石、それと値下げ前の買控えの分が三月になつて相当多く売れて行くというのを二十万石見積りまして、両方合せますと臨時的なもの二十万石を含めまして六百七十九万石、税額にしまして千四百六十二億、こういう考え方で見積りをしております。収入としましては大体似たりよつたりの数字ということを考えているわけでございます。
○松永義雄君 これは食糧庁長官のほうにお尋ねすることかも知れませんが、お米が二十万石殖えたということは、どういう目途からなんですか。三十万石殖やしたら余計だとか、十万石だと少な過ぎるとか、二十万石が適当だということは、一体どういうところから来るのですか。
○政府委員(渡辺喜久造君) まあ大蔵省といたしましては、一応現在の清酒の生産設備等を考えまして、それからやはり酒による税収というものは、相当重要でございますので、一応百万石程度の割当要求をしたわけでございますが、農林省としてはいろんな考え方があつたかと思いますが、両者折衝の結果の結果九十四万石に一応きまつた経緯でございまして、まあ食糧庁の立場で九十四万石をどうしてきめたかという点につきましては、別途関係の人から説明して頂きたいと思います。
○松永義雄君 これは御承知の通り米が十分あれば結構なことですが、来年度の米の輸入量は二十七年度よりも殖えていると思うのですが、どうでしようか。
 なお補給金も自然それで殖えることになつているのじやないかと思いますが、尤も米の価格の問題もありましようし、輸入価格の問題もありましようからどういうことになりますか……。
○政府委員(渡辺喜久造君) 今ちよつと関係の資料を持つて来ておりませんので、別途御報告申上げます。
○松永義雄君 その点一つ資料で出して頂きたいと思います。それでいいです。
○委員長(中川以良君) 只今のは資料で出して頂けばいいそうです。
○政府委員(渡辺喜久造君) 一応この資料は、主計局の予算の説明というのがございますが、これの二十九頁に一応簡単に説明は出ておりますが、それによりますと、二十八年の米の輸入量は九十六万トンになつております。この数字は二十七年度の数字が百五万トンになつておりますから、九万トンほど減の数字になつております。
○松永義雄君 これは食糧庁長官の関係でしようが、去年米が割合増収であつたからということから来ておるのですか、それとも五カ年計画というものが順調に進むからということになつたのですか。そういうことはまあ大蔵省にお尋ねするのはどうか知れませんが、若しお答えができれば……。
○政府委員(渡辺喜久造君) 詳細につきましては別途食糧庁関係の政府委員なり、農林大臣からお答え申上げたいと思います。
○松永義雄君 それじやそれでいいです。
○委員長(中川以良君) ほかに御質疑はございませんか。
○杉山昌作君 酒税法は大分厖大なものですが、逐条というと何ですが、ここが変つたというような御説明をお願いしたら順序がいいかと思いますが……。
○説明員(塩崎潤君) 酒税法案について御説明申上げます。
 今回の改正案は全文改正でございますが、基本的な考え方は、現行の酒税法が昭和十五年にできました法律でございまして、そのときの経済事情、或いは戦争中であつた関係等におきまして、それらの事情によりまして、その規定の仕方が現下の実情に合わない点があるというようなことも相当ありますので、この法律を現下の情勢に即するような酒税法にいたしたい、こういう意味におきまして改正いたしたわけでございます。改正の趣旨はそういうところにあるのでございますが、そのほかに大きな目的は、先ほどから説明のございます減税でございます。それから只今局長からもお話がございましたが、酒税法五十二条というものが若干規定の不明確な点がございますので、これを酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律のほうに譲りまして、酒税法は主として酒税の賦課徴収に関する法律というふうにいたしたわけでございます。而もその根本的な考え方といたしまして、大体現行制度におきますところの酒税の賦課徴収の制度は原則として維持する、根本は維持いたしますが、若干枝葉の点におきまして現下の情勢に即しない点を改めるというようなつもりで改正いたしたわけでございます。前置はその程度にいたしまして逐条的に簡単に御説明申上げたいと思います。
 第一章の総則でございますが、総則関係におきましては主として定義が一番問題になるわけでございます。
 第一条は課税物件でございます。これは現在あります酒類には酒税を課するということを宣言いたした規定でございます。現行もございます。
 第二条は酒類の定義及び種類、これも大体現行制度を踏襲いたしております。酒類というものはアルコール分一度以上の飲料、而もアルコール専売法の規定の適用を受けますところの九十度以上のアルコールは除外いたして、アルコール専売法の適用を受けるということになつております。これも現行の規定通りでございます。それから酒類の分類でございますが、これも現在ありますところの九種類の種類というふうに分類いたしております。これも現在ある程度でございます。
 第三条は酒税法に用いておりますところの用語の定義でございます。このうちで一番問題になりますのは、酒類の定義でございますが、現行酒税法は他の外国の酒税法と申しますか、酒税に関しますところの税法と異なりまして、その酒類の「たね」類と私どもは普通申しておりますが、酒類を相当沿革的な、通俗的な用語によつて分類いたしまして、それをベースといたして、そして課税いたしております。そのために製造方法、原料等につきまして種々問題があるわけでございますが、今度の改正におきましてもこの酒類の種類ごとの定義は変えない。現下の酒造技術その他によりまして種々問題があるわけでございますが、今回の改正案におきましては、この酒類の種類の実質というものは変えない、こういうふうにいたしております。一号のアルコール、二号のエキス分、これは現在の規定を明確化いたしたわけでございます。三号は清酒でございますが、これも現行税法で清酒といつております清酒をそのままとつて来ております。四号は合成酒でございますが、合成酒の規定につきましては、現在まで香味、色沢その他の性状が清酒に類似するものと、これを若干明確にいたしたつもりでございますが、その定義は変えておりません。濁酒、焼酎も大体変つておりませんが、焼酎につきましては、従来の税法では何度までが焼酎であるかということが問題になつておつたわけでございますが、今回の改正案におきましては、大体焼酎は常識的に考えましてアルコールが余りに高度で飲料にならないというものは焼酎というべきでなかろうと、而も焼酎の税率がその嗜好の階級等によりまして若干、酒類の種類と比べましてアルコール分等から見ると若干低目でございます。従つて焼酎の定義というものはアルコール分によつてはつきりいたそうじやないかということで、四十五度以下のものを焼酎といつております。従いまして四十五度を超えるものは雑酒のほうに入る。飲料の上から申しまして、四十五度を超えるものはやはり飲料にはなりにくかろうということで、そういうことにいたしました。度数の高い焼酎というものは沖縄にあります泡盛でございますが、これが大体四十三度くらいでございます。この程度に区切つてもよかろう、こういう意味から四十五度にいたしました。そのほか製造方法につきましては焼酎は変つておりません。味醂、白酒、ビールも殆んど現行通りでございます。ただビールに炭酸ガスを加えたものが新らしく今回の税法に入つておりますが、ビールというものは、そもそも醗酵過程において炭酸ガスができるわけでございますが、逃げる炭酸ガスを捉えて又ガスを吹込むという方法も行われております。これを法律上明らかにいたしておきませんと雑酒になる危険性がありますので、これを一つ明らかにいたしたわけでございます。十は果実酒でございますが、これも大体現行の制度をそのまま原則として踏襲いたしておりますが、告示、政令等で明らかに規定いたしておりますのは、エキス分の制度を法律に挙げたわけでございます。従来ならば大体アルコール分、エキス分とは相当政令等に譲られておつたわけでありますが、最近の法律の制定の仕方、それから税率等にも影響いたしますので、でき得る限りアルコール、エキス分等につきましても法律に規定すると、こういうふうにいたしておる次第でございます。十号の果実酒でございますが、イ、ロ、ハ、ニと、こういうふうにありますが、イ号につきまして、果実だけを原料といたしておりますものにつきましてはエキス分の制限はない。その他のアルコールを添加したり、加糖するものについてはエキス分の制限があるということになつておりますが、これは雑酒との関係、アルコール分の高いものは雑酒と紛らわしくなる、而も雑酒の税率とは雲泥の差がありますので、雑酒に類するような果実酒を加工するようなものはエキス分で押えて参る。果実そのままを原料とするものは、これは純粋の果実酒としてアルコール分の制限がないほうがいいだろう。而も現下の日本の情勢では果実酒でアルコール分が五度になるということはないということでこういう規定をいたしたわけであります。雑酒は今申しました酒類の種類以外の種類、今までの規定に該当いたさないものは雑酒に入る、こういう趣旨でございます。それからその次の酒造年度、保税地域は現行通りでございます。
 第四条でございますが、類別及品目、これは現在政令の段階、或いは告示の段階で規定いたしておりましたのを、同様な趣旨から第四条におきまして法律において明らかにいたしたわけでございます。焼酎、味醂はそれぞれ甲類と乙類に分類する。焼酎甲類はいわゆる新式焼酎といつておりますが、新式機械によりまして、新式蒸溜機によりまして作り上げました焼酎でございます。焼酎乙類というのは、いわゆる旧式、或いは中間式と申しまして、旧来の古い蒸溜方法によりますところの焼酎でございます。この二つは焼酎甲類のほうが純粋アルコールに近い、焼酎乙類のほうが若干雑味が残りましてアルコール分の純粋度が少いというふうな関係があります。嗜好のクラスも違います。企業形態も異なりますので、これは税率において区別いたしておるわけであります。味醂甲類、味醂乙類、これも大体現行の現定にある制度でありますが、味醂甲類というのは本味醂と申しまして、御承知の通り調味料として使われる飲料と申しますものでございます。味醂乙類のほうはいわゆる本直しと私ども称しておりますが、味醂甲類はアルコール分が少くてエキス分が非常に多い甘いものであります。味醂乙類は焼酎と本味醂の中間にあるようなアルコール分の多いエキス分の少いものであります。この味醂甲類、乙類は嗜好の階級も違いますので、税率を区別いたしておりますので味醂を甲乙分けております。「雑酒は政令で定める品目に分ける。」雑酒も税法上の種類におきましては雑酒というものになるわけでございますが、まあそのほかにウイスキー、リキユール、それから甘味果実酒、まあたくさんあるわけでございます。これによりまして、まあ免許の関係、それから税率の関係も違いますので、これは一つ品目に又細かく区分けいたそう、現在のところは告示で区分けいたしておつたのですが、法律でこれを挙げまして、その品目につきましては政令で定める、こういうふうにいたしております。
 その次は第五条でございますが、これは級別でございます。御承知のように清酒につきましては、特級、第一級、第二級によりまして税率が違うわけであります。合成酒は第一級、第二級とありまして税率が違う、雑酒は特級、第一級、第二級と、こうなつております。雑酒につきましては従来第一級、第二級、第三級及び第四級と、こう四級あつたわけでございますが、この四級の制度に分けましたのは、昭和十八年、戦争中におきまして原料の極めて、乏しいときに、極めて原材料の不十分なときに造りました、而も品質も必ずしもよくないというような雑酒につきまして、雑酒というものは大体ほかの種類の酒類に比べまして税率の高いものでございますが、まあそういうものに高い税率を適用するのは酷であろう、この事情が戦後も続きまして雑酒の第四級につきましては若干ほかの酒類の税率に比べまして低目であつたわけであります。まあ最近原料の事情もよくなりましてまあだんだんいいものも出来上るようになつたわけであります。而も雑酒につきましては、先ほど来申上げまするように原料につきましても又製造方法につきましてもその制限が極めて少い、従いましてだんだんいい材料を使つてその他の酒類に似るような雑酒四級のものを造つて参りますと、非常に酒税の負担が不公平になる、こういうような事情もございますので、今回におきましては、だんだん昔の税負担というようなことを考えて雑酒のほうにつきましては四級制度を三級制度にする。で、名前を特級、第一級、第二級というふうに改めまして、品質の向上を図ろうじやないか、こういうふうにいたしておるわけであります。この級別につきましては、品質、嗜好等の関係から考えまして現在やつておりますが、酒類審議会の諮問に応じまして国税庁長官が決定いたす。現行通りでございます。
 その次は第六条、納税義務者でございますが、酒税はいわゆる間接税でございまして、而も消費税でございますが、徴税の技術上の理由から、小売業者のところ、或いは料理店で課税するというようなことを昔からいたしておりません。従来通りやはり製造者課税の原則をとつておるわけでございます。又外国から持つて参ります際には保税地域から引取るときに課税する、こういうふうにいたしまして、引取人を納税義務者といたしております。
 第二章の酒類の製造免許及び酒類の販売業免許でございます。酒税につきましては昔から、古くから免許制度が製造業者についてとられているわけでございますが、これは取締上の見地、その他種々の衛生上の見地なんかからも必要があつたと思いますが、酒税保全の見地から製造免許制度を明治何年からとつておるわけでございます。今回もその製造免許制度を維持しておるわけでございます。而もその免許は酒類の種類ごとに、而も製造場ごとに従来渡しておりますので、その制度はそのまま維持いたしております。ただ昔から第二項にございますが、制限不達石数というものがありまして余り小規模の製造業者が現われますと、取締上煩瑣でございますので、毎酒造年度におきますところの製造見込石数が極端に小さいものはこれは免許を受けることができないというような制度をとつております。これにつきましては大体現行制度を維持いたしております。清酒につきましては三百石、合成清酒につきましては三百石というふうに、大体現行制度を維持いたしておりますが、ただ焼酎甲類につきましては、従来酒税法におきまして焼酎甲類、乙類の区分がなかつたために、焼酎というものは制限不達石数が五十石であつたのでこれはそのときの酒税法が大体旧式焼酎があるために、小規模の旧式焼酎業者のことを考えまして五十石といたしておつたわけだと思うのでございますが、今回は焼酎につきましては甲類と乙類と区別した、焼酎甲類につきましては何といつても大規模生産者のほうが支配的でございますが、これは三百石といたしております。雑酒、果実酒につきましては十石を三十石程度に上げるこういうふうな制度改訂をいたしておりますが、大体現行制度を維持いたしておる、こういうわけでございます。その他兼業者が僅かほかの酒類をやるような場合につきましては、この制限不達石数という制度を適用しないというようなこともございますが、それもやはりその制度を踏襲いたしております。
 それからその次は酒母等の製造免許、これも酒税保全上の見地から従来とつておるものでございます。酒母、もろみ、こうじ、これも従来から製造につきましては免許制度を採用いたしております。これも大体そのまま踏襲することにいたしております。
 それから第九条は酒類の販売業免許でございますが、これは昭和十四年以来酒税の税率がだんだん高くなりまして、製造業者の免許制度では酒税保全が完全を期し得られませんので、酒類の販売業者につきましては免許制度を酒税法におきましてとつておるわけでございます。これも大体その制度を維持いたすことにいたしております。
 第十条は免許の要件でございますが、従来も免許の要件につきましては、法律で或る程度の免許を付与する場合の要件が掲げられてあつたわけでございますが、その規定の仕方が若干抽象的に過ぎる面もございますので、今回は現在の税務の執行状況で行われておりますところの付与の免許を拒否する場合の要件を明らかにいたしております。十二号を掲げております。現行制度では僅か六号でございますが、それを明らかにする意味におきまして十二号というような免許要件を掲げております。例えば現行の税法では「資力不充分ト認メラルル者が酒類ノ製造業又ハ販売業ノ免許ヲ申請シタルトキという規定がございますが、資力不十分という解釈がなかなか面倒でございますので、例えばここにありまする通り、禁治産者であるとか、免許申請前二年間において国税等につきまして滞納処分を受けた者であるとか、資力不十分というような解釈を間違いのないように明らかにする、或る程度なかなかこの点はむずかしいのでございますが、成るべく付与する場合の条件を明らかにいたしておいたつもりであります。
 第十一条は免許の条件でございます。最近の酒類の生産状況は、御承知の通り原料事情が非常によくなりまして、生産は殖えておりますが、製造設備能力というものは全体の酒の事情に対しまして相当余つておるような状況でございます。そういうような際に新らしい免許を受けるような人が、余りに大きな製造場を持つというようなことはいいか悪いか、そのいうようなかたがたが酒税を又果して十分納められるかどうか、こんなような心配もありますので、酒税の保全上、酒類の需給の均衡を維持する必要がある場合には、石数に若干条件を付することができる現行の制度を踏襲しております。ただ現行の制度はこの規定の仕方より拡めておりますが、今度は一つどういうことをやるかということを明らかにいたしまして、免許付与の際の条件を改訂をいたしておるわけであります。
 第十二条は酒類の製造免許の取消でございますが、これは現行の制度を明らかにしたようなつもりでございます。ただ現行にあるような制度を踏襲いたしております。
 十三条の酒母等の製造免許の取消、十四条の酒類の販売業免許の取消、第十五条の免許取消の手続、それから第十六条の製造場又は販売場の移転の許可、第十七条の製造又は販売業の廃止、これはいずれも免許制度に伴いまして現在ある制度の規定をおおむね明らかにいたしつつ改正いたしたわけでございますが、制度の根本精神は現行にある通りであります。
 第十八条は、こうじの販売業の開廃業等の申告義務でございますが、この規定の制度は現在ありません。併し御承知の通り密造酒がなお現在でも相当横行いたしております。その元は相当こうじのほうから流れておる、こうじが自由に売られておることによつて密造ができるというような条件もございますので、こうじの販売については免許制度はいたさないのでございますが、販売業を開いたり廃止する際には一つ政府に届出ておいてくれ、必要に応じては政府がその購入者等を通じて密造も取締れるんじやなかろうかというような関係から、このこうじの販売業の開廃業に申告義務を入れて頂いたわけでございます。
 第十九条の製造業又は販売業の相続、この相続の際には免許がそのまま引継ぐようなことを担保する意味で、現在ある規定をそのまま採用いたしております。
 それから第二十条の必要な行為の継続等、こういうような制度がございますが、これも現在ある制度でございます。酒税法に基くところの免許制度を取消した場合に、その取消後なお原料、製品がある、或いは半製品が存するときには、必要に応じてなお製造業、販売業を継続するというような現行の制度をそのまま踏襲しておるわけであります。
 第二十一条は、免許等の通知、これは免許を付与したときに通知するということは当然でありますが、現行税法では明らかになつておりませんので、これは通知で明らかにする、不許可にする際には不許可の通知もするというようなことにいたしまして、規定の民主化を図つたつもりでございます。
 第三章は税率でございます。これが今回の改正の一番大きな狙いでございますが、大体二割乃至三割程度の税率の引下げをいたすわけでございます。で、税率の考え方は先ほど局長から申された通りでございます。或る程度最終の小売価格を考えつつ税負担を考える。例えば焼酎については三百円くらいにすることによつて密造の駆逐ができるのではなかろうか。清酒につきましてはどの程度、合成酒につきましてはどの程度ということを考えてやつたわけでございます。而もまあ大体その酒類につきまして税率の引下げの仕方を下を厚く、上のほうにつきましては薄くというふうにいたしましたのがこの制度でございます。アルコール分につきましては、大体酒税というものは、根本的に言えば、アルコール課税だというような議論がありますように、アルコール分が一石当り幾らということを想定いたしておりまして、こちらの考えておりますところのアルコール分を超えるようなものにつきましては、一定額以上の酒税の加算が行われるというような制度は現行もありますが、この制度は今回の改正におきましても、大体踏襲いたしておるところでございます。雑酒につきましては、先ほども申上げました関係から四級の制度を三級の制度に改めまして、おのおのの税率を持つております。
 第四章は酒税の徴収でございます。第二十三条にみなし移出という規定がありますが、これも現行ある制度でございます。酒税というものは庫出税でございますが、庫から出なくともとらなければならない。これは消費税の本来から行きまして、酒を消費したものは、庫から出ないものでもとらなければならないという理論的な根拠がございますので、みなし移出制度を設けております。例えて申上げますと、場内で飲用されたというようなときには、直ちにとるというような規定がございますが、これも大体現行制度にあるところでございます。
 第二十四条は、移出石数等の申告、これは現在もある制度でございますが、酒税法におきましては、申告納税のように申告によりまして税額を確定するような制度じやございません。製造者から移出石数の申告が出ますれば、それに基きまして税務署が切符を出しまして、そうして税額が確定し、酒類の製造者はその税務署から出ました切符に基きまして、翌月末までに税金を納めなければならない。こういうことになつておりますが、そういう意味におきまして申告納税と若干異なつておりますが、ともかくも申告でとるというようなことにいたしております。これは現行制度通りでございます。
 第二十五条は、課税標準石数の決定通知でございますが、これも現在ある制度でございまして、庫出石数を申告されたが、その石数が違つた際には、税務署が調査して、その調査石数を決定して通知する。これは申告所得税の更正決定に似たような制度でございますが、これは庫出税の制度からも当然であり、これも現行の制度でございます。
 第二十六条は納期でございます。酒税の納期は、庫出の月の翌月末までとなつております。この納期につきましては、最近生産が相当殖えて参りまして、その結果市場に商品がだぶつく、そのために相当決済が遅れまして、一部の業界からはその納期につきまして延ばしてくれというような要求もあるわけでございますが、この納期を延ばすことによりまして却つて業界の決済が余計延びるというような傾向もございますし、酒税もそのために収入状況が悪くなるというようなこともありますので、納期は今回は延ばさない、やはり現行制度通り一月にいたしております。その代りなお徴収猶予という制度がございまして、それは第二十七条でございますが、税額相当額の担保を出せば、第二十七条におきまして徴収猶予制度がございます。この担保の種類の範囲を若干拡めて、酒類製造業者のかたがたに、担保を提供いたしまして一カ月だけ延ばすことを考えようじやないか、現在延ばしているかたがたがございますが、担保の種類が国債等がなくなりました関係で少くなつておりますが、今度若干拡げまして、あとでも出て参りますが、製造業者の土地、それから火災保険に附した建物、又地方債を持つていることを考えまして、担保の種類を拡げて、納税の円滑を図りたい、こういうふうに考えている次第であります。
 第二十八条は、未納税移出又は引取、これも現在未納税移出と言いまして、これは間接税全般にある制度でございます。庫出のときに課税するのが製造課税の本質でございますが、併し同じ製造業者の中で庫が動くような場合、或いは他の種類の製造業者の原料になつて他の種類の製造者の庫から出るときに、もう一遍酒税が課せられるというようなときには、強いて酒税をとらないでもいいじやないか、酒税をとることによつて金融について問題を起すこともなかろということで、昔からある制度でございますが、この規定をどういう場合に承認を与えるかということが、現行の税法では若干不明確であつたわけでありますが、今回の酒税法改正に当りましては、本法の沿革から見まして、こういう場合には未納税移出を認め、こういう場合は未納税移出をやらないというようなことを明らかにいたしたつもりでございます。
 第二十九条は、輸出免税でございますが、酒税は消費税でございますし、内地消費だけに課税すべきだという議論、或いは輸出奨励の見地から輸出用酒類につきましては免税制度をとつておりますが、これは現行ある制度でございますが、現行におきましては、規定が若干不明確でございましたが、これも成るべく明らかにいたしまして規定いたした次第でございます。
 第三十条は、もどし入れ酒類等の酒税の控除等、これも現在ある制度でございます。製造者の庫を出まして、卸売業者、小売業者のところに出て行く、それが品質か何かの関係で又製造業者のところに帰つて来る。それが又製造者から再び直されて出て行くときに、又税金としてとつたのでは、如何に庫出税でもひどかろうというので、これはそのときには課税しない。又製造場から再び出たものが又再び帰りまして、級別低下で税率が安くなるときには、税金も引いてやらなければいかんじやないかというようなこともありますので、もどし入れ酒類等の制度が現行の制度に準じまして、規定を明らかにして入れたわけでございます。
 第五章は納税の担保でございます。担保については、先ほど申上げました担保徴収猶予のために担保制度がありますと同時に、これは各国にもある制度でございますが、カナダあたりでは特に極端にやつております。製造見込石数を毎酒造年度初めにとつて、その担保の全額出しておけという制度でございますが、日本の酒類行政はそういうことをやつておりませんが、これは滞納の虞れがある場合に、酒税の特質から、殊に酒税の税金が重い関係から、或る一定の場合には担保を出せというようなことの権限が留保されております。そこでどういう場合に担保の提供を命ずるか、それから担保の提供に代えて、酒類の保存を命じておくというような制度もございますが、これは現行ある制度をそのまま明らかにいたしたわけでございます。第三十一条の一号二号は、どういう場合に担保の提供を命ずる、これは未納税移出、輸出免税というようなときには、一応免税いたしますけれども、例えば輸出用酒類なら、途中の段階で消費しなければならないという懸念もございますので、担保を出しておけという現行制度にあります制度をそのまま踏襲いたしております。そういうことがずつと書いてございます。
 第三十二条は、担保の種類というふうにいたしております。これは現在政令がありますのも、事重要でございますので、法律に挙げて来たわけでございます。一号、二号、三号、四号、五号、六号、七号、新らしい制度は先ほど申上げました四号、五号、土地、火災保険に附した建物、その制度と、二号の国債及び地方債の部分でございます。その他は現在ある制度でございます。八号は「前各号の外、政令で定める」ということが現在ありますが、これをどういうふうに規定いたしますか。その他の担保物件の条件によりまして、必要なものがあれば規定するということで考えておるわけでございます。
 それから第三十三条は担保を出したが変えてくれという場合があるであろうというようなときに、担保の変換を認める。
 それから第三十四条の担保の処分、滞納するときには、直ちに担保物件にかかつて行くという制度であります。これは酒税保全ができませんので、先ず担保があれば、担保物にかかる。国税滞納処分の例によつてやつて行くという現行の制度を踏襲いたしております。
 第三十五条は保存酒類の処分禁止、これも当然で、それは命じた以上は処分を禁止する。
 第三十六条の酒類の差押、これも担保として提供しておりました酒類を差押えることができる現行の制度を踏襲しております。
 第六章は酒類審議会、これは税法に出て来ますのは若干唐突な感じがいたすわけでありますが、先ほども申上げましたように、酒類の級別等につきましては、現在の施行状況から見て或る程度官能によりまして級別決定をいたしております。これは役人だけで決定するということもできませんし、大かたの技術者の力を頂くわけでありますが、そのために酒類審議会がある、而も同時に本国会におきまして私ども提案さして頂いておりますところの酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律におきましては、或る程度酒類の取引の規制をいたす必要が起る場合もありますが、その規制をいたす際に大蔵大臣が諮問するというような機関として酒類審議会があるわけでございますが、これを酒税法に期待いたしておるわけでございます。これは現在は大部分政令でございますが、今回におきましては、大部分法律に持つて参りました。設置、組織、運営、これも従来の審議会制度に見られるような構成となつております。
 第七章は雑則でございます。
 第四十条は、利子税額、これは先ほど局長が申されましたように、新らしい制度でございます。従来日本の税制には利子税という制度はなかつたわけでございますが、アメリカ占領中に申告納税がとられましてから、利子税の制度ができて来たわけでございます。本来なれば間接税につきましては、滞納すれば直ちに差押えて行けば、利子税というような問題もないということになるわけでございますが、なかなか税務行政の実際におきましては、滞納して一日目に直ちに差押えるということにはなかなか行かないわけであります。若干放つたらかしになることになります。そういたしますと、法人税、所得税になりますと、放つときましても利子税がつくということになりまして、間接税には利子税がつかん、こんなことで或る一部の業者におきましては、先ず法人税を納めて、利子税のない酒税をあとにして、而も滞納した税金で設備を拡張するというような例もあつたようなこともありますので、酒税につきましては極めて滞納が少なかつたわけでございますが、その他の間接税と平仄を合せまして、利子税の制度を設けたわけでございます。併し先ほども局長が申されましたように、徴収猶予制度を持つておるというようなものにつきましては、法人税は徴収猶予につきましては、半分の二銭の利子税をとつておるのでありますが、間接税につきましては徴収猶予の本質が、酒類代金の決済が遅れて金が入らないというようなことから徴収猶予をいたすというような建前から見て、この徴収猶予制度につきましては、利子税はとるべきではないということになりますので、これは利子税はとらないという建前にいたしております。その点が相続税や法人税の徴収猶予制度の際の利子税と違う建前でございます。
 第四十一条は、酒類の検定でございます。これも現行ある制度で、造石税のときには相当ものを言つておつた制度でございますが、何と申しましても、完全に税金を把握いたしますには、酒類を製造したあとに製造石数をがつちり押えておく、そのときにアルコール分及びエキス分を検定しておく、そうしますと、そのあとで庫出いたしましても、庫出石数が容易に確認できるようになるということでありまして如何なる酒類につきましても、検定をするという制度が昔からとられておるわけでございますが、それをそつくりそのまま踏襲いたしております。
 次は四十二条は検定前の酒類等の処分を禁止する、こういうことにいたしたのであります。
 四十三条はみなし製造でありますが、みなし製造は現行ある制度を踏襲いたしておるわけであります。でき上りました酒に新らしいものを混ぜますと、これは新たに酒類を製造したものと認めて、でき上つたものの性質によりましてその酒類を判断いたす、こういうことになるわけでありますが、次のような場合にはいい。清酒の製造業者が、例えば税務署長の承認を受けまして、腐敗しかかつておつたようなものにアルコールを入れる、これは本来ならば新らしい清酒、でき上りました清酒にアルコールを混和いたしますと、他の酒類になるわけであります。これは承認を受けましてアルコールを入れました際にはいいという現行制度をそのまま踏襲いたしております。そういうように製造につきましては、免許の関係、或いは税率の関係その他によりまして、そういうふうにやかましく取締つております。四十三条の六項のように、ただ消費の直前において、例えばこれも政令で書くことになつておりますが、笑いぐさになるかも知れませんが、カクテルみたいなもの、カフエー、バーでカクテルを作る、これは酒類を製造したということで少くとも課税をされたのではおかしい、無免許製造で処罰されるのもおかしい。課税済みの酒で消費の直前にカフェー、バーで客の求めに応じてやるものは製造と見ないのだということは、これはあつても昔から慣行でやつておりましたものを、最近法律の制定の仕方に応じまして規定いたしたわけであります。
 四十四条は、原料用酒類及び酒母等の処分禁止でございますが、これも現在ある制度でございます。酒母、もろみの製造業者が酒母、もろみを製造するときには、税務署の承認を受けまして、酒母というのは大体もろみの一歩前、もろみというのは濁酒と殆んど同じものでございます。そういう制度を現行の制度に倣いまして作つております。一項のほうは先ほど申上げませんでしたが、私どもは原料用アルコールと言つておりますが、最近まで清酒の原料の米は少くて、清酒の製造に当りまして相当アルコールを混ぜておりますが、その際に原料用アルコールというものを他の業者から買うわけでありますが、その原料用アルコールというのは、今度の酒税法によりますと、雑酒になる、アルコール分が大体八十八度になる、焼酎の原料になるわけでありますが、焼酎の原料として雑酒を作る。雑酒としての原料用アルコールを作るときには免許は要らん。当然焼酎の免許さえ持つておれば、雑酒の免許は要らんということになるわけであります。これを原料用アルコールの製造場から出すときには、税務署長の承認を受けなければなりません。原料用アルコールは承認を受ける、こういう今まである制度を踏襲いたしております。
 四十五条は、密造酒類の所持等の禁止、これも密造酒の取締の見地から、密造酒を譲り渡し譲り受けしてはいかんという制度を踏襲しております。
 四十六条は記帳義務、四十七条は申告義務、これも現行においては非常に包括的な、大蔵大臣は酒類の製造業者、販売業者に対して、製造販売について申告を命ずることができるという考え方で、大部分は政令に委任されておつたわけでありますが、今回はこれを成るべく明確化いたしまして、法律に書いたような次第でございます。
 四十八条は申告義務等の承継、四十九条は検査又は検定を受ける義務、これも現在ある制度をそのまま踏襲いたしております。手続的な規定でございます。
 五十条も現行ありますところの承認事項、これも大部分政令に譲られましたものを法律に持つて来ます。当然のようなことも多いわけでございますが、法律事項といたしたわけであります。
 五十一条は酒税証紙、これは新たにできました制度でございます。御承知かも知れませんが、物品税で御承知の通りサイダー、それから鞄等につきましては、物品税証紙を貼らしまして、脱税の取締に協力して頂いておるわけでございますが、最近雑酒等につきましても、相当密輸入品等がありまして、それから又一部の酒類につきまして脱税等もありますので、物品税で行われますような証紙制度を酒税についても採用したらどうであろうか。殊に雑酒につきましては慣行がありますので、その制度を採用いたしております。そのやり方は大体物品税と同様な方法でやつて頂きたい、こういうふうに思つております。
 それが五十一条、五十二条の関係でございますが、五十三条は税務官吏の権限、これも現在の権限と同様であります。
 それから第八章は罰則でございますが、大体罰則も現行の罰則を法務府と連絡をとりつつ採用いたしております。特に新らしく御説明申上げるほどの値打のあるような罰則は私どもはないつもりでおります。大体現在あるような罰則を踏襲いたしまして、その限度も殆んど変えておらないつもりでございます。
 それからその次は附則でございますが、この法律は只今のように改正いたしまして賛成を頂ければ大体三月一日から、先ほどから局長も申されましたように三月一日から施行いたしたい、こういうふうに考えております。三月にいたしますことは来年度の酒税の収入も三月にいたしたほうが買控えの関係もありますし、円滑に入るのではなかろうかというような考えを持つておりますので、三月から施行する、而も従来の製造時期から考えても好都合であるというようなことも理由になつておるわけでありますが、三月一日から施行いたす、こういうつもりでございます。三項、四項、五項あたりは、税法が変つて従来免許を受けておつたものが、免許がとんでしまうとかいうような心配もございますので、従前の酒税法によりまして免許をもらつておつたものは、今回の酒税法改正によつても当然免許は継続できるのだ、そういう意味で免許を受けたものとみなす、そういうような規定を設けておるわけでございます。而も免許の条件が不要の際に当該命令はなお当分の間効力を有するのだ、こういうわけでございます。ずつと六、七、八、九は経過的な規定で、特に御説明する必要はないわけでございます。問題は十七項でございます。その他は大体従来の規定の通りでございますが、先ほど局長からも御説明がありました通り、今回の酒税法におきましては、現行の酒税法にありましたところのいわゆる指定販売業者制度、加算税の制度を、建前としてはやめております。従いまして従来製造業者を出るときに一部課税し、指定販売業者のところへ行く間に一部課税され、指定販売業者を出るときにその残りの酒税について課税する、いわゆる加算税制度があつたわけでありまするが、今回はその制度がなくなつた、大部分今回の減税によりまして、その加算税額はなくなるわけでございますが、ただ中には今回の税率のほうが従前の基本税部分よりも高目のものがあるわけでございます。
 それから清酒、合成酒、ビールともう一つ三十五度の焼酎でございます。大部分は今回の減税によりまして加算税はなくなつておるわけでございますが、一部指定販売業者の面だけで見ればとり足らない部面があるわけでございます。本来ならば大体そういうときにはすでに低い税金が課税されたものを製造場以外のところで持つておりますれば、従来手持品課税と称しましてストツク課税をするわけでございますが、今回はそういうことをいたさない。これはやはり指定販売業者のところで、もう一遍課税するということにいたしたほうが……これは経過的に指定販売業者の制度は一年限り残すということにいたしておりますので、これは今回ストツク課税しない、いきなり手持品課税をして納期を設けてとるというわけじやなくて、指定販売業者のところから出るときにその不足分だけとるということにいたしておるのが十七項でございます。その次の十八項はその手続でございます。
 十九項はこれは先ほど局長からも御説明があつたと存じますが、指定販売業者も租税特別措置法にあります農村用に義務供出の完遂者に配給いたしますところの清酒等につきましては低目の、軽減した税率の酒が配給されるわけでございます。この制度も一年間残すということにいたしますので、やはり一年間くらいは基本税、加算税的なものを経過的に残さなければならないだろうという意味で、十九項を設けたわけでございます。でございますから、現在の指定販売業者は一年間存続する。そういたしますと、その指定販売業者のところに、製造業者のところに庫出する酒税は、今回の特殊用酒類と私たちは申しておりますが、農村用に向いますところの安い軽減酒類の負担を考えまして、一応製造業者のところにて徴収するのは先ほど申上げました二十二条で規定しておりますところの税額の七割と、ただ焼酎につきましてはこれも先ほどから申上げておりますように、他の酒類に比しまして若干本税におきまして低目に下げております。而も措置法がございまして、措置法におきましては二十度焼酎というのは、焼酎としては異例の焼酎を設けた、而も税金も若干低目でございますので、焼酎につきましてはそこまで軽減しなくてもよかろうという趣旨から、焼酎は製造業者のところから出るときは八掛をとつて行こう、そうして指定販売業者のところに出て行く、こういうふうに考えております。従つて農業用に出るときは七掛、八掛の酒が出るわけでございます。或いはまあ石炭鉱業とか酒類製造業に従事しておるところに行くときもございますが、そういう特配用酒類は七掛、八掛があるわけであります。一般指定販売業者から一般用として出るときは、これはやはりなお七掛のものにつきましては、三割とり不足、八掛のものにつきましては二割とり不足でございますので、二十一項で一年間に、指定販売業者から出るとき、このとれない分もとるというふうにいたしておるわけであります。まあ二十一項、二十二項はこういうふうなことが規定してあります。二十二項におきましては一年間でやめることになつておりますので、昭和二十九年三月一日に持越したものは、そこでストツク課税をいたし、そうしてもう二十九年の三月一日以後はこの指定販売業者に行くところのものは製造業者のところで酒税の本来の状態に帰りまして、製造業者のところでとつた税金だけで済まそうということにいたしたい、こういうふうに考えております。
 それから二十四項は租税特別措置法の改正でございます。この改正の趣旨は先ほど申上げましたように、酒税もこの程度下つたのだから特別用酒類というものは要らんのじやなかろうか、而も最近の状況ではなかなかその運用がむずかしい、特別な産業だけのものに安い酒を供給する必要があるかないか、このあたり非常に問題でございます。この程度税金を下げますれば、もう必要がないのじやないかという意見もあるわけでございますが、何分農家は、まだ米につきましては義務供出となつておりますので、こんなような状況ではなお一年間ぐらいは継続をしたらどうだろうという趣旨で、なお現在あるところの措置法を継続しておるのであります。ただ継続いたしますに際しましては、従来の基本税、加算税の額を変えまして、簡単な只今申上げました改正後の税額は清酒、合成酒、ビールにつきましては七掛、焼酎につきましては八掛でございますから、清酒、合成酒、ビールにつきまして三割だけ安い税金で、焼酎につきましては二割だけ安い焼酎が農村方面に流れる、こういうわけでございます。これは、横流しすると又とり返すという制度は現行通りの制度でございます。それから又二十五条の二というのがそのうちにございますが、これは二十度焼酎の制度を経過的に認めるというふうな制度でございます。御承知の通りに、焼酎というものは大体清酒とか合成酒とは違いましてアルコール分が高いものだというふうな常識的な概念がありますと同時に、そういう高いものはそのままでは飲めないので、九州あたりで行われておりますように、お湯を割つて飲む。従つてお湯を割つたのちは、まあ二十度ぐらいだという考え方が片つ方あるようでございます。而も最近の密造酒というものは二十度前後のものが相当多い。而もその額というものは二百二、三十円で売られておるということを聞くわけであります。それで、密造酒対策として二十度焼酎を認めてやつたらどうかということが盛んに言われるわけでございますが、他の酒類とのバランス上焼酎が二十度になりますとほかの酒類との関係、而も焼酎のアルコール分は相当高く、コストも簡単にできます関係で安い。そういう関係で簡単にこれを認めますれば、他の酒類との税負担の不権衡も起ります。而も焼酎というものは純粋なアルコールを水で薄めたようなものでございますので、容易に雑酒等に変り易いという性格を持つておる、でなかなかこの取締が容易ではないわけでございます。従いまして従来そういう要求があつたのでありますが、私どももなかなか認めていなかつたわけでございます。従いまして現在では二十度の焼酎も出せる建前になつております。どうしても二十五度で計算されましたところの税率が適用される、従いまして損得を計算いたしまして製造業者は出しておらないというような状況であります。今回密造酒対策の声が大きいのでありますので当分のうち認めよう、併しこの出荷方法につきましてはこの二十五度以上の特別用途酒類やこの二十度焼酎につきましては若干の規制をしたほうが酒税収入の関係、取締の関係がいいのじやなかろうかと私ども考えております。その税率は二十五度を本来なれば八掛にするということで足りるということを話もあるわけでございますが、それではやはり二十五度で出して水を割つたほうが税負担が同じということになりますので、二十五度のものは二十年に割つたものを大体一割安目くらいの税金にして出したい、これによりまして清酒の製造業者が水を割つて運ぶ運賃と量にかけまして出すか出さないかというようなことも私ども考えておるわけでございますが、まあそんなような考え方で経過的に二十度焼酎を認めておるわけでございます。二十五号は酒税法の関係の整理条文でございます。
 二十六号は印紙等模造取締法によりまして取締を改正いたしまして焼酎を模造したような場合には処罰するということでございます。
 二十七号は大蔵省設置法でございますが、従来酒類審議会の制度の中に配給というような戦争時代の言葉、最近の言葉がごいざましたので、これを最近の状況によりまして供給に改めるというようなこと、それから行政協定に伴う臨時特例のうちの法律番号を整理いたしましたのが二十八号、まあこんなふうな附則を設けておるわけでございます。
 以上相当大ざつぱでございましたが、今回の酒税法の改正案の趣旨を御説明した次第でございます。
○委員長(中川以良君) 御質疑ございませんか。
○杉山昌作君 今条文を逐つてやつてもよろしうございますか。
○委員長(中川以良君) ちよつと速記をやめて。
   〔速記中止〕
○委員長(中川以良君) それでは速記
 をつけて。
 それでは酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律案につきまして内容の要点の説明を一つお願いいしたます。
○説明員(塩崎潤君) 逐条にやつてよろしうございますか。まあ逐条的に大体の概要でよろしうございますか。
○委員長(中川以良君) はあ。(「簡単にやれ」と呼ぶ者あり)
○説明員(塩崎潤君) 御説明申上げます。非常に長たらしい題名で何のことだというお叱りを受けるかも知れませんが……。
○小林政夫君 読めばわかることはもう説明いらない……。
○委員長(中川以良君) できるだけ簡素に一つお願いします。時間も余りないことですから………。
○説明員(塩崎潤君) この法律の趣旨を簡単に御説明申上げます。
 昭和二十二年に酒類業組合法というものが私どもの所管にございまして、これが廃止になつたわけでございます。で、従来古くから酒造組合につきまして酒造組合法というのがございまして酒税の徴収補助、それから業界の取引の安定を図つておつたわけでございます。それを法律的に規制いたしまして大蔵省所管といたしまして交付金などを与え、酒税の徴収補助として御協力願つておつたわけでございますが、それが戦争中酒類の販売業者も引つくるめて、その団体も引つくるめて酒類業団体法となり、それが戦後民主化の見地で酒類業組合法というような名前に改名いたしたのでございますが、それが独占禁止法等の関係によりまして昭和二十二年に廃止されたわけでございます。その後業界におきましては根拠法規もなくて、任意的な団体によりまして業界の親睦乃至取引等についての打合せと申しますか、生産、出荷等につきましての状況報告が行われておつたようでございますが、最近漸く生産の面につきまして規制を図る必要があるのではなかろうか、而も規制を図らなければ酒税の滞納となり、或いは脱税となり、酒税全体ががたがたになるというようなことが言われておるわけでございます。で、酒税は何と申しましても国税収入中に占める割合も大きいわけでございます。酒類の価格の八割、七割というものは酒税でございますので、業者よりもむしろ大蔵省のほうがこの酒類の取引についての安定を図る要求が強いわけでございます。而もこういうような情勢がありますと同時に、最近独占禁止法も緩和され、臨時中小企業安定法が作られ、輸出取引法が出、最近では或いは重要産業につきましての独禁法の除外規定等が作られるように聞いております。そんなような空気を考えまして、原則的には酒税の保全を図るというような建前、それと同時に業界自体も酒税保全の見地から取引の規制を図ろうと、こういうような趣旨でこの法律を作つたわけでございます。で而も現行の制度におきましては、酒類の取引の規制につきましては、この現行の酒税法五十二条によりまして、昭和十五年に相当広汎な権限を政府に与えられました規定によりまして運用いたしておつたわけでございますが、その規定によりましては若干明確を欠く、或いは民主的でないというような声もございますので、この五十二条は酒税法から削除いたしまして、この新らしい法律の中に盛り込む、こういう思想でこの法律を作つたわけでございます。
 で、この法律の構成は、大体そういう趣旨でございますので、酒税法五十二条で運用しておりますこの制度を踏襲し、而も臨時中小企業安定法で盛られましたところの独占禁止法が現在ある状況下において、制度の許される限度内の取引の規制を製造業者、販売業者についてやつて行く、而も業界だけの力でやつて行けないような場合には、これは何といつても酒税が大きな要素を占めておりまするので、政府がその場合には発動するというような建前をとつております。でもう一つ、酒類の表示義務、或いは酒税滞納の場合の特殊な勧告、こういうような制度を盛込みまして、酒税法の補完法といたしまして酒税の賦課徴収の完全を期したい、こういうような趣旨がこの法律の狙いである、こういうふうに私ども考えておるわけでございます。
 逐条的に簡単に御説明申上げます。
 第一章の総則、目的、定義、これは大体お読みになつたらおわかりの通りであります。
 第二章酒類業組合となつております。業界の安定を図るというのは、そもそも私どもは第一義的に個々の事業体が強くなつて行くのが業界の安定を図る元となる、これは当然のことだと思います。私どもこれが一番いい方法だと思います。何といいましても個々の企業体の力だけでは業界の全体の安定は図れない。而も必要な場合には団体を作つて、而もその団体に法律的規制を与えて業界の安定を期そうじやないか、これが趣旨でございます。従来も任意的な団体があるわけでございますが、これを酒税の徴収補助の見地から団体を結成させ、団体の力によつて酒税保全のために取引の規制をいたそう、こういう趣旨でございまして、製造業者、販売業者が酒税の保全に協力し、及び共同の利益を増進するため、それぞれ酒類業組合を作ることができることにしたのが三条の狙いでございます。これらは法人格を与えることとしているのであります。組合を作るに当りましても第五条の要件が必要であります。即ちこれは独占禁止法から出て来る精神でございますが、営利を目的としない、任意加入、任意脱退である、議決権は平等あると、こういう要件であります。中小企業者が組織するような場合にも必要であるところの条件が酒類業組合を作る場合にも要件として制約があるわけでございます。
 第六条は名称でございます。酒造組合、酒販組合、旧来ありましたような名称を作るつもりであります。
 第七条は組合の地区でありますが、どういう単位で作るか、全国的な規模で作るということは、独占禁止法でときどき問題になります。而もこの狙いは酒税の保全でございますので、何といつても賦課徴収の第一線であります税務署を単位にして作るというのが原則でございますが、税務署の単位では業者が多いという場合は特別に地区を定めるというようなことに考えております。地区は重複してはならんというのが八条であります。第二組合はそのためにできることはない。
 第二節は組合員でございます。組合員の資格は何かということが第九条にございます。このあたりで大体中小企業安定、或いは輸出取引法その他の法案を参考といたしまして、大体製造業者がまあ作る場合にいたしましても、現在まあ酒類と申しましても、先ほど酒税法で申上げましたように酒類の種類というものは九つもある。そしておのおのが企業形態を異にし、製造方法を異にしておるというような業態でございますので、而も現行ありますところの業界の地区というものは、種類ごとにできておるということで、大体種類ごとのものが一つの組合員たる資格であるということにいたしております。これは第九条の資格でございます。酒販組合につきましては、卸売、小売業者ごとに組織する、而もこのような場合に、余り業界のための法律とも一部考えられますので、これが承認を受けた場合にはほかのところに入つてもいいというような若干のゆとりは認めておるつもりでございます。
 第十条は加入の自由、第十一条加入の時期、これは当然のことであります。第十二条任意脱退、第十三条法定脱退、それらは普通の組合にあるような制度で、而も独占禁止法から出て来るような制度でございます。
 第三節は設立でございます。第十四条が組合の構成要件、先ほど申上げましたように、組合の設立は自由でございます。いやなら作らなくてもいい。むしろ酒造組合法は酒税保全の見地から作られたものであり、強制設立、強制加入の制度で、免許をもらえば当然組合員になつたわけでございますが、今度は任意加入、任意脱退でございます。併しこれはあとにもございますが、酒税の保全に協力するという意味で国から交付金が若干出ております。そういう組合の構成も、僅かなものでは酒税の保全もつとまるまいという趣旨で、一定数以上の者が入つていなければならない、その資格を有する者の総数の三分の二以上入らなければ設立することができない。ただ製造業者が組織しますこの酒造組合につきましては、数だけ多く入りましても、その製造石数が、庫出石数が少いようなものにつきましても、これは又酒税保全の見地が無視されるということから、これはその地区において資格を有する者の庫出する全酒量の庫出石数の二分の一くらいが入つてなければいかんというような制限を設けておるわけでございます。余り小さな組合、余り数の少い組合、これは交付金の対象としても考えられませんし、酒税保全と私どもが大きく言つておることは崩れるだろうと考えるのでございます。あとは、十五条以下は発起人、定款、理事、監事というようなずつとあとの大体六節くらいまでの、七節登記、このあたりは殆んど商法、協同組合法、それから証券取引所、このあたりの公的な機関或いは商事会社の規定等を考えつつ準用するような気持で引張つて来てございます。特に御説明するほどのことはございません。法律的には問題のあることは多々あるのでございますが、政策的な問題といたしましては、述べるほどのことではないと思いますので省略さして頂きます。
 第三章は連合会及び中央会でございます。こういうような団体は、大体連合会とか或いは全国的に中央会とか私ども言つておりますが、組織するのが通例でございますが、やはり連合会、中央会を組織さそうというようなつもりでございます。大体同一種類の、或いは同一業態の酒造組合乃至酒販組合が、同一系列において連合会、中央会が設立できる、こういうことにいたしております。若干前後いたしましたが、第五節の事業だけ簡単に御説明申上げます。二十九頁の四十二条、これだけが若干重要ではなかろうかと思いますので、組合関係のうちの事業だけちよつと落しましたので特に申添えます。
 酒造組合、酒類組合は何をやるかということでございますが、ここに列挙してありますように、何と言いましても酒税保全の見地が第一でございますので、酒税保全の協力ということで趣旨が出ております。先ず第一に考えられますのは、例えば今度証紙制度をやる、証紙というのはなかなか製造業者が一々受払いして、瓶詰の封絨のところに貼るというようなこと、これは僅かな税務署だけの力じやできませんので、組合を一つ活用しようじやなかろうかというようなこと、或いはいろいろな報告を組合を通じて出さす、それから酒税法違反の自発的予防というような、四号に変な文句がありますが、密造酒の取締り、密造酒の販売をやめようじやないかというような宣伝、広告、こんなことも考えております。五号が酒類業組合について実質的な事業になるのではなかろうかと考えられますと共に、不景気の場合には業界の力によつて統制するのがいいのだ、物資不足のような場合には政府の力によつて暴利の取締等の見地から統制をするのがいいというような見地もあるのでございますが、先ず第一に酒類業界の取引の規制については、最近漸く生産過剰となりつつありますような状況下において、先ず組合員が取引の規制をする。で五号にありますように、こういうような条件に該当するような場合、需給が均衡を失して値段が下る、値下りし始めた、代金の回収が遅れて経営が不振になり、酒税が納付しにくくなつた場合には、ここにありますような製造数量の制限、それから出荷制限、販売石数の制限、価格協定、このあたりの仕事をやろう、これらの規制をやることを認めようじやないか、こういうわけでございます。その他現在の購入する物資とか、資金の借入の斡旋とか、これは大体ほかの組合法にありまするような事業を認める趣旨でございます。一番問題になりますのは先ほどの五号の取引の規制、これは組合員が協定をいたしましても、簡単にこれをやらすことは独占禁止法、事業者団体法が現在ありますような状況下におきましては、消費者の利益を害するような場合が多いわけでございます、或いは取引の相手方、製造業者でありますとか卸売業者が迷惑をこうむるということがあります場合は、認可を要する。大蔵大臣が認可をする。而も大蔵大臣が認可をする際には、公正取引委員会と協力するというようなことをいたしておりまするし、認可したのちにおいてその取引の規制の協定が実情に副わない場合には変更命令を出すというようなことにいたしております。で、認可のときには、不当に差別的であるとか、消費者の利益を害するような場合には認可しない。こんなふうにいたしております。連合会でも大体これと同様な事業ができる、こういうことにいたしております。
 それから元へ帰りまして、第四童の酒税保全措置、第八十四条でございます。酒税保全のための勧告又は命令、私どもが先ず第一義的には業界の力だけによります取引の安定を期待いたしているわけでございますが、業界だけの力ではなかなかうまく参らない。併し一番関心がありますのは酒税でございますので、大蔵大臣は業界の力によつてうまく動かないような場合は、業界がなし得るような取引の規制について、先ず第一に勧告をするなり命令をするといいますことは現下の情勢ではどうか。自由競争下の現在の状況下において、政府が官僚的な統制をやるのはどうかと考えますので、先ず勧告をやる。第二項によりまして、勧告によつては命令を達成することができんという場合には、勧告をした後に或いは勧告に代えて命令でこういうようなこともやり得るようにしておこうじやないかというのが二項でございます。三項は、大体酒税保全の見地ということを強く出しますのは、酒税というのは製造業者からとつておりますので、製造業者についてそういうものをしたらよかろう、酒販組合や酒類の販売業者についてはそんなことはしなくともいいということがございますが、酒類販売業者も酒税は消費税でございますので、この代金というのは消費者から販売業者が受取つて来るわけであります。従いまして製造業者だけについては目的が達せられない場合には、販売業者についても同様な販売石数の取引についての規制、それから価格についての規制、こういうものを大蔵大臣は勧告し、又は命令する、こういうような制度をとつておるわけでございます。
 以上が大体今回の酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律案の骨子でございます。あとの規定はお読み頂けばわかるような規定でございますので、大体以上酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律案を御説明した次第でございます。
   〔委員長退席、理事伊藤保平君委員長席に着く〕
○理事(伊藤保平君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
○理事(伊藤保平君) 速記を始めて下さい。
 本日はこれで委員会を散会いたします。
   午後三時四十一分散会