第015回国会 水産委員会 第19号
昭和二十八年三月二日(月曜日)
   午後一時四十一分開会
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 出席者は左の通り。
   委員長
           秋山俊一郎君
   理事
           木下 辰雄君
           千田  正君
   委員
           青山 正一君
           玉柳  實君
           片柳 眞吉君
   委員外議員   小林 政夫君
  政府委員
   調達庁不動産部
   長       川田 三郎君
   経済審議庁調整
   部長      岩武 照彦君
   農林省農林経済
   局長      小倉 武一君
   水産庁長官   清井  正君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       岡  尊信君
   常任委員会専門
   員       林  達磨君
  説明員
   水産庁生産部水
   産課長     藤波 良雄君
   通商産業省繊維
   局絹化繊課長  岡嶋 楢文君
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  本日の会議に付した事件
○水産政策に関する調査の件
 (化学繊維漁網の金融に関する件)
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○委員長(秋山俊一郎君) それでは只今から開会いたします。
 お諮りいたしますが、この議題に掲げてあります、化学繊維漁網の金融に関する件を議題といたします。これに対して委員外の小林議員から発言を求められておりますが、これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(秋山俊一郎君) 御異議ないものと認めます。それでは小林政夫君。政府委員は只今通産省の繊維局岡嶋絹化繊課長と、それから水産庁の藤収水産課長が見えております。なおあとから見えると思うのですが、安本は令向うを出たそうですが……。
○委員外議員(小林政夫君) 一緒に聞いてもらつたほうがいいのですが、特に先ず最初に委員長の御好意によつて、水産委員の皆さんの御理解によつて、私に委委員外発言の許可を与えられたことに対して深謝いたします。ちよつと……。
○委員長(秋山俊一郎君) 速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
○委員長(秋山俊一郎君) 速記を始めて。
 それでは経済審議庁の岩武調整部長が見えられましたので始めたいと思います。
○委員外議員(小林政夫君) 合成繊維漁網について政府はどういう施策を考えておられるか。一応参考にそれを水産庁からお聞きしたい。
○説明員(藤波良雄君) 水産庁といたしましては、合成繊維に関しましては、本年度二十七年度に千三百万円ばかりの実用化試験の予算を組みまして、これを現在各県に流しまして、各県でそれぞれ試験場で船を持つているところはその船を使い、直接そういう船のないところでは漁業者と一緒になりまして、合成繊維の漁具としての実用化の試験を現在行なつております。その最終的な結果報告は参つておりませんですが、中間の報告の程度ではいろいろ聞いております。
 来年度二十八年度におきましては、この実用化試験をもう一度続けるかどうかということがございましたが、大体今までの試験の結果から見まして、だんそれ発展して行くものでありますが、すでにもう実用化にどんどんされている状態でありますから、これに対しまして例の基金制度を設けまして、漁業者がその合成繊維の網を買います場合の一つの金融措置を三十八年度から講じて、その資金は大体必要金額の半分を見ることとしております。それと平行しまして、これか只今いろいろ審議中でございますが、その前の段階の絹屋の段階におきまして、いろいろ技術的に改良を施す面があると存じますから、その点について融資をしたらどうか、そういうことにつきまして、現在二十八年度における需要の見通しとか、それから工場の能力の問題のことを通産省と一緒になりまして、目下検討中でございます。
○委員外議員(小林政夫君) それから入用化試験の結果として、政府は将来漁網というものは、合成繊維にもいろいろございますが、用途によつてアミラン系、惑いはビニロン系、いろいろあり、又塩化ビニロンというようなもりがあるわけですが、いずれにしても合成繊維に漁網は替るべきものだというふうな考えを持つてやつておられますかどうか。
○説明員(藤波良雄君) 最終的な結論としてはまだ我々のほうに報告が全中参つておりませんから、最終的の結論として申上げることはできませんが、私どもが今まで聞きました関係では将来はそうあるべきものだ……。
○委員外議員(小林政夫君) そうすると、今水産庁長官が見えましたが、水圧庁としては勿論長官以下その合成繊維漁網についてはお考えは一致しておつて、課長の今までの答弁はすべて水産庁長官の答弁と心得ていいわけですね。
○政府委員(清井正君) この問題につきましては、私早速当該の課長、部長より話を聞いておるのでございますが、本問題は水産関係の資源という見出から申して極めて重要な問題だと思います。残念ながら私まだ期間が早いりで研究を十分にいたしておりません代なおこの問題につきましては、重女問題として将来研究して参りたい、こういうふうに考えておるのでありますので、課長からお答え申上げましたことは、無論水産庁としての意見と私は申上げてよい、同様でございます。さよう御了承願います。
○委員外議員(小林政夫君) そうしますと、合成繊維も将来いろいろ研究されて進歩するわけでありますが、一応従来この漁網原料というものは、主として殆んど大部分が輸入原料である綿或いはマニラ麻、このものが全部合成繊維に変るといたしました場合における合成繊維の総量における需要量しいうものを、水産庁としては漁網用の合成繊維の需要量というものをどの程度にお考えですか。
○説明員(藤波良雄君) 大体七千万ボンドの一応の計画はございます。
○委員外議員(小林政夫君) それは年同需要量ですね。
○説明員(藤波良雄君) この数字は五一年間で転換を終る、そういう一応のこれはまだ正式に決定した数字ではございませんのですが、五カ年計画を一応作りますので、そのとき五カ年間で一応綿糸なり、マニラに代る分として七千万ポンド、そういう数字は一応出ております。
○委員外議員(小林政夫君) それじや完全に五カ年計画で転換を図るといたしまして、転換してしまつた最終年度における合成繊維の需要量は幾らですか。
○説明員(藤波良雄君) 合計でございますか。
○委員外議員(小林政夫君) 合計でなしに、一応綿なり麻なりが合成繊維に代つたとした場合の年間需要量。
○政府委員(清井正君) ちよつといろいろ計数を当つているようでありますが、正確なことは今別途計算いたしまして、はつきり申上げたいと思いますから御了承願います。
○委員外議員(小林政夫君) 一応あとで数字をお知らせ願うこととして、併せてそうなつた場合に、現在綿なり麻なりを漁網用原料として入れておりますこれに要する外貨はどれだけに見積られるか、これだけの節約はできるということになるわけですね、外貨所要量が減るわけですね、その合成繊維漁網に転換することによつて、輸入原料に要しておつた外貨は幾ら節減できるか、年間。
○説明員(藤波良雄君) 大体年間百五十億と踏んでおります。
○委員外議員(小林政夫君) 単位は。
○説明員(藤波良雄君) 円でございます。
○委員外議員(小林政夫君) 繊維局のほうに、通産省側に伺いますが、今の数字は水産庁のほうにおいて確定するといたしまして、この七千万ポンド、ちよつと私は数量が少いと思うのですが、一応七千万ポンドとして、これに見合うだけの合成繊維の繊維自体の生産は可能であるかどうか。又その現在合成繊維の生産状況等について説明を願いたい。
○説明員(岡嶋楢文君) それでは先ず現在の合成繊維の生産状況を申上げます。
 先ずビニロンは昨年一カ年で五百八十万ポンド、それからナイロンは百九十万ポンド、それからサランが昨年初めて工業化されまして、これが約二十万ポンド、そういう状況でございます。この能力から申しましてビニロンが現在日産十八トン、ナイロンが八トン、サランが一トンでございます。こういう現状に対しまして、我々としては先ほどおつしやつた綿なり麻、或いは毛の輸入原料をできるだけ少くするように持つて参らなければならんという考えから、合成繊維の五カ年計画と申しますか、今後輸入原料に置換わるべきときを考えまして、一応五カ年後に目標を置きまして、合成繊維で大体約一億ポンドの生産をやりたい、そのときの生産能力はビニロンで日産九十トン、ナイロンで二十五トン、サランで二十トン・かような計画で今後合成繊維の増産を図つて参りたいと思つております。
○委員外議員(小林政夫君) そうすると、合成繊維の生産量の五カ年計画後における年生産量は一億ポンド、約一億ポンドの中で、水産庁のほうで計数をはつきりするということでありますが、その漁網用の合成繊維は確保される見込でありますか、又確保するつもりであるか。
○説明員(岡嶋楢文君) 今七千万ポンドというお話がありましたが、我々農林省から聞いておるところでは、大体五カ年間の転換のために約七千幾らかかると思うのであります。そうして最終年次におきまして漁網、それから漁網を併せまして約二千六百万ポンドくらいになるかと思うのであります。我我としては年間一億ポンドのうち大体二千五百万ポンドくらいは漁網のほうに行けるのではないかと思うのでありますが、問題は合成繊維ができましても、これの網、綱の製造設備に問題があるのではないかと思います。現在大体合成繊維の網綱の製造設備が大体百五十万ポンド程度ではないかと思うのであります。これにつきまして、いわゆる現在の網綱の製造設備を合成繊維のほうに転換せしめる、そのために例えば熱処理であるとか染色、そういつたような特殊設備の新設或いは転換ということが問題になるのではないかと思うのでありまして、このためには相当の助成措置を考えなければいかんのじやないかと、かように考えております。
○委員外議員(小林政夫君) これからまだお尋ねしようと思つておつたことを答えてもらつたわけですが、今の二千五百万ポンド、一億ポンドの中で二千五百万ポンド、従来の綿乃至麻の漁網用として使われておつた数量から考えると非常に少いと思います。併し耐久力があるからということでこうなるにしても、一応転換の当初においてはもつと多いんではないか。まあだんだん五カ年計画を逐次やつて行くから、五カ年計画達成後の初年度においては、そのとき現在全国で使われておる漁網、漁綱用の合成繊維量から言えば、そうなくてもいいので、新らしくこれから新規に投入する合成繊維としては二千五百万ポンド、こういう計算であろうかと思いますが、それにしても一応今の一億ポンド乃至その中における二千五百万ポンドという生産は確実に通産当局としては見込める数字でありますか。と申しますのは、一応そういう生産計画を立てておつても、今までの例から考えると、綿花或いはマニラ麻が安くなる、安くなるとこの第一次メーカーである合成繊維メーカーは算盤が合わないというようなことで、増産計画が足踏みをするという事態が起つて参るのであります。この点についてどういう対策を持つておられるか、又どういうお考えであるか。
○説明員(岡嶋楢文君) 合成繊維の今後の計画につきましては、我々その五カ年計画の中でいろいろな措置を考えておるわけであります。先ず現在合成繊維そのものが本当の価値を知られ「ていない、そういう点から先ずこれの需要面の開拓と申しますか、需要喚起ということを積極的にやつて行く。それに応じまして、いわゆる量産態勢の確立ということが必要となつで参るわけであります。現在各工場共経済単位に達しておりませんので、早く経済単位に持つて参つて、コストを切下げるということが必要となる。そういう需要面の拡大と、それから量産態勢の確立と、この二点に重点を置いた施策を講じたいと思います。その後者といたしまして、現在としては政府資金をこれに低利、長期のやつを強力に投入する、そういう面と、税制上その他でいろいろ助成措置があるわけですが、これを更に範囲を拡大するようにしてもらいたい。それからなお今後のいろいろな研究なりにいたしましても助成措置をやるということ。それから将来といたしまして、電力その他の面でもいろいろな優先的な扱いを講じて参る、かような方法を講じて大体目標程度には持つて参りたい、かように考えております。
○委員外議員(小林政夫君) いろいろ助成の方法を考えておられる。電力も安く供給し、或いは免税等も考える、或いは低利資金の融通ということもまあ助成策としては勿論やらなければならんことでしようが、併しお話に需要の開拓ということをおつしやつたわけであります。これが私が先ほど言つた非常に従来の繊維、綿なり麻なりが非常に安くなつたという場合においては、少々耐久力がよくても今までのものでよろしいというようなことになつて、非常に需要が不安定になるわけであります。そうなつて来るとメーカー側としては増産を手控えるということになる。ところがここに漁網用は大体において我々の見解においては、繊維についてナイロンにするかビニロンにするかというような問題についてはなお業種によつて検討の余地がございますが、一応漁網用として五カ年後においてあなたのほうの見積りでも二千五百万ポンドは要ると、こういうことですでに漁業界においてはかなり需要はまあ確約されるという状態にある。現在の生産量はビニロン、ナイロン、塩化ビニロンを合せて、只今の数字の発表によると七百九十万ポンドしかできていない。漁業用を充足するだけでも更に相当の増産をしなければならん。而もこれは安定需要と考えてもいいと思うのでありますが、これについて最終需要と結びついたここに一つの合成繊維の需要として確保されるべき数字があるわけであります。これにいろいろほかにも合成繊維としては用途もありましようが、更に合成繊維に関する施策を取りあえずとにかく漁網用に集中して考えるという考え方を持たれるべきではないかと思うのだが、あなたのほうの見解は如何ですか。又これについては経済審議庁のほうのかたから御答弁を願いたい。
○説明員(岡嶋楢文君) 現在合成繊維の中で、漁網用にどのくらい使われておりますかという率でございますが、大体ナイロンが半分程度、それからビニロンは約十分の一程度ではないかと思うのであります。結局現在はまだ合成繊維そのものの品質が十分使用者のほうに理解されておらないという点と、それから多少ほかのものに比べて割高である、特にナイロンなんかは高いわけであります。そういう面でまだ需要が十分ないのではないかと思うわけです。こういう点で需要が更に増しますならば、それに応ずるだけの用意は十分いたさなければならない、かように思つております。むしろこの問題は現在の日本の繊維事情というものをよく考慮において、たとえ綿が安くなりましようとも、あれだけの輸入の原料を使いまして、実は綿だけの収支バランスを考えましても、約一億ドル近い赤字なんでありまして、従来ならば大体綿花を買つた金額と綿製品の輸出金額が同じになるわけでありますけれども、現在すでに赤字である、そういう事態におきまして、速かに綿の消費を少くして、こういう日本の国内資源の活用による合成繊維を使つて行く、そういう方向へはこれは強力に推し進めて行くべきではないかと、かように考えております。
○委員外議員(小林政夫君) 経済審議庁……。
○委員長(秋山俊一郎君) 小林委員に申上げますが、農林省の小倉農林経済局長もお見えになつております。
○政府委員(岩武照彦君) 今の合成繊維の現実の状況は、今通産省のほうからお答えになつた通りであります。漁網のほうは比較的早く需要は開拓され出て、割合安定しているように聞いております。非常に結構と思つております。ただ私は余り合成繊維のことは存じませんが、合成繊維は普通の綿なり或いは化繊、麻と違つた特殊のまあ強度とか或いは強靱性とか、或いは又生地における色の問題、いろいろ単に値段の関係だけでなくて、そういうものに非常に長所があるように聞いております。従いましてこの工業用的な原料といいますか、漁網方面或いはその他のいろいろ工業用途がございますが、その方面に相当異なつた性質から販路を拡大して行く、これは当然であろうと思つております。ただ合成繊維全体として考えまして、漁網だけではとても今後の増産計画による生産物を賄えないということは、これは事実でございます。併せましているくな衣料用のほうの需要開拓も必要なことと存じております。まあ今伺いますれば、いろいろ生産の上昇の計画もございますし、又それに応ずるいろいろな助成措置も我々のほうで考えておりますので、恐らく通産省からはつきりした数字はございませんが、まあ漁網を合成繊維で全部代替いたしますかどうか、この農事いろいろな問題も起ると思いますが、大体漁網の平年度化した需要は賄えるのじやないかと思つております。これはただお話のように値段が高い、ほかの繊維との関係で生産を調整するというようなことは、化学繊維の生産工程の特質上なかなか容易なことではありません。むしろ値段が或いは若干割高でも、ほかの繊維と違つた特質で需要を開拓していけるのではないかと、こう思つております。従つてこれは今後の経済情勢にもよりますけれども、漁網の平年度化した需要はこれは賄つていけるのではないか、こう思つております。ただ問題は先ほど岡嶋課長も申上げましたように、一つは今の合成繊維の生産状況が本当に量産の態勢になつていない。従つてコストも比較的割高というような問題が一つでございます。これはマス・プロの態勢でコストが下つて行くということしか方法はないと思つております。それからその次には加工面にお遂まする、まだいろいろな難点が十分に克服されていないのじやないか、これは漁網のほうではどういうことか私はよく存じま、せんが、衣料方面には御承知のようにいろいろの染色の問題でありますとか、或いは合成します際におきまするいろいろの改善の問題とか、いろいろあるように思いますが、或いは若干漁網のほうも編み立て工程におきます技術的な問題も或いはあるかも知れません。これらも何と申しましても合成繊維を奨励いたしますからには、そういう方面の隘路も並行して打開して行かなければならんと、こういうわけです。従いまして、今後合成繊維の生産が進みますれば、原料方面におきまする安定した量産態勢、加工方面におきまする何といいますか、一応レールに乗せまして、技術面の克服と相待ちまして、ほかの繊維にみられない特質を活かして行くことになると、こう思います。
○委員外議員(小林政夫君) 私の言つておる趣旨は、いろいろ今までも合成繊維加工に対しては、政府として開銀融資、或いはその他の通産当局から話があつたような助成措置は講ぜられておるが、その割合に伸びておらない、この原因はあれもこれも、漁網用も或いは織物用もというようなことでいろいろやつても、必ずしも需要がくつついて来ない。こういうところで、ちよつと他の繊維が安くなれば、折角増産態勢で開銀融資なんかで資金を付けたけれども、その通り使われずにほかのほうにその資金が流れるというようなことがあるわけであります。そこで余りほうぼうやらずに一つ一つ問題を解決する、縦に一応最終需要まで、例えば今の当面の問題である漁業用としての合成繊維を如何にして作るか、これに縦割に政府の施策を集中すべきじやないか、織物もやる、メリヤスもやるというようなことでなしに、少くとも漁網用としては結論的に、今の段階においては水産庁当局も言つておるように、将来全部合成繊維に代る、こういう見通しを持ち得るような状態にある、而もその量は相当大きい量である、そこで先ずその漁網用の合成繊維というものを確保すべきことは勿論、繊維自体も研究を要するし、又その繊維を受けての漁網用に加工する段階においてもいろいろ研究を要する点もある。そういうところに政府の全施策を、一応合成繊維としては先ず政府の施策を集中すると共に、縦割に漁網用の繊維を完全にするという面に向うべきじやないか。そうすると一つここに二千五百万ポンドという需要を持つた漁業用の合成繊維というものが全部綿乃至麻を駆逐して、合成繊維化するということになれば、ここに一つの安定した需要が合成繊維メーカーにもできるわけです。これを基盤として政府の施策を集中する以上は、国策的に考えて当面必要なものに集中されなければならないが、次に工業用繊維というものに逐次打入つて、先ず取りあえず漁網用というところにあらゆる施策を集中すべきじやないかということが私の見解なんです。それについてどう思われるかというのです。そうしないと非常に今までの開銀融資等についてもアイドル・キャピタルを起している。本当に開銀で合成繊維メーカーに対して融資をしたけれども、綿が安くなつて、或いは麻が安くなつてほかのものは使わないということになると、折角開銀の融資をつけたけれども、真の合成繊維の増産には役立つておらなくて、他の部門の、他のほうの運転資金になつたというようなことが絶対ないとは私は言えない。そういう点を掘り下げて研究をして見てもらいたいし、今のについての御意見はどうですか。
○政府委員(岩武照彦君) 需要のほうから固めて参るというお話は当然と思います。ただ漁網のほうは、開銀のお話が出ましたけれども、どういう問題がありますか実は私まだよく存じておりません。過日農林省のほうから問題の開銀についてのお話もございましたが、まだ具体的には検討されておりません。
○説明員(岡嶋楢文君) 合成繊維の今の御意見誠に我々尤もと存じている次第でございまして、漁網の分野だけを見ましても、ナイロンの漁網は漁網の中のどういう部門に適する、ビニロンものはどういう部門に適する、同じ漁網と申しましても、非常にそれぞれ繊維の特質によつて使い方があると思うのであります。かようにやはりそれぞれの合成繊維の性質に適した用途に需要を持つて参るということが必要じやないかと思つております。こういう点は今までいろいろなほうに手を出して来ている、これは最初の段階でございましてなかなか業者のほうとしましても、本当にどういうところに適するかという点がわからなかつたと思うのであります。相当研究も進みまして、本当に合成繊維に適した用途に需要を持つて参るということが適切じやないかと思つております。
○青山正一君 大体小林さんのお話になつたように、むしろ漁網用の合成繊維というか、ナイロン、或いはビニロン或いは塩化ビニロン、これは何というのですかサランというのですか、そういうふうな関係のものが相当研究も積まれ、例えば昨年度の北洋の漁業の鮭鱒に使う漁業用の網とか、或いは今年度便おうとする漁業用の網、こういつたものは相当需要度が高められ、実際使われている。ところがむしろ中央においての施策のほうが非常に遅れているというような感じがしてならないのですが、一体この昨年度の予算は大体千三百万円、こういうふうにおつしやつておりましたのですが、今年度のこういつた漁業用の化学繊維に対してどれだけの予算が計上されておるか、その点について一つ御説明願いたいと思います。
○説明員(藤波良雄君) 本年度は実用化試験の費用をとつておりません。
○木下辰雄君 関連して、一番最初のこの合成繊維に対する試験ですか、試験はまだ完備していない、中間の報告はあつたけれども結果はわからない。今年度においても更にその試験をやるかということはまだ決定していないというお答えですがさようでございますか。
○説明員(藤波良雄君) そうでございます。
○木下辰雄君 そうすると、本年度の試験の結果がわかつてから主務省としてはこれに対する対策を立てられるというおつもりですか、どうですか。
○説明員(藤波良雄君) 基本的に申しますと、試験の結果が全部出て参りまして、それから対策を立てるのでございますが、その試験でやらしております中間報告もございますし、それからそれ以前に例えば長崎県とか千葉県あたりですでに長いこと、長いと申しますか、二年くらいやつた試験の結果の報告も水産・庁で全部揃つておりますから、そこいらから見まして、この関係を促進してもいいじやないかと、そういう考え方で来年度からの開銀のほうの購入資金の融資のほうを今いろいろ検討しておるのであります。
○木下辰雄君 只今のさようなお考えのように、民間においても一両年からこれは試験をしておる、そうしてすでに試験の域を脱して実用にも使つておるということも聞いておる。今頃水産庁として試験の結果を待つて云々ということはいささか遅過ぎると思う。それで今までのいろいろな民間でやつていること、その他の結果等を総合して、来年度においては相当まとまつた助成法を講ずるという意思があれば承わりたいと思う。
○政府委員(清井正君) 只今、来年度相当まとまつた措置をとるかどうか、こういう御質問だと思いますが、確かにこの合成繊維の漁網の効果につきましては、すでに北洋の鮭鱒等の場合実績が出ておるわけでございまするし、すでに役所の研究というよりも民間の実用として成果を挙げておるというようなこともございますので、私どもといたしましては実施的な措置に入りたいということで開銀の融資等の措置を講ずるという段階に入つておるわけでございます。この問題は先ほど来いろいろお話がございました通り、延いてはいわゆる競争繊維と申しますか、いわゆる麻、綿等の輸入の問題等もからみまして、これが漁網について合成繊維が高度に利用されるにおきましては、相当その意味においての外貨節約もできるということも併せ考えなければなりませんし、又その漁網自体の面から申しましても、相当従来の綿製品或いは麻製品に比べまして非常に長所がある。ただ価格の点についてのみまだ問題があるけれども、実地的に相当長所があるということでございますので、私どもといたしましては、この問題につきましては相当積極的に措置を今後講じて行かなければならんと、こういうふうに考えるのであります。ただこれがどういうような形でこれを処理して行くかということでございますが、これは先ほど通産省及び審議庁の管からいろいろ御答弁がありまししたが、特にこの問題は先ず需要の開拓が非常に大切なことは勿論のことでありますが、それに伴つて或いは電力なり、価格なり、資金の斡旋なり等の問題も是非これは考えるべき問題でありますし、更に先ほど小林委員からお話がありました、いわゆる施策を集中するということにつきまして、これは漁網用に集中してはどうかという問題も御尤もと思います。この問題は私もすぐにどうという結論は付きかねますけれども、確かにこういうあらゆる施策を総合して、実施段階に入つたときにおいて合成繊維を漁網のほうに使用するということにおいて総合的に施策を進めなければならん、こういうふうに考えるのであります。従いまして、水産庁独自でいたしますことはいたしますが、なお関係省ともいろいろ相談しなければならん点につきましては更に相談をまとめまして、いろいろこの問題につきまして合成繊維を漁網用に使つて、その利用を更に強化する、こういう方向でいろいろな施策を強化して参りたい、こういうふうに考えております。
○木下辰雄君 大体只今長官のお話で御方針はほぼわかりました。この合成繊維というものはいろいろたくさんの種類がある。最も効果のあるものはナイロンであつて、それからビニロン、サランという工合にだんそれ差があるようでありますが、これは立派な試験の結果を待たなければはつきりしたことはわからんかも知れませんが、どれか特殊な最も効果のある合成繊維を選定しておやりになりますか、或いは民間の希望によつてどれでもかまわん、その需要によつてそれに対して助成の方法を講ずるか、その辺のところはどういう工合になりますか、まだ納得できませんが、一応お話を願いたいと思います。
○説明員(藤波良雄君) 只今の御質問の御趣旨は、どういう繊維はどういうあれにいいかということを施策としてはつきりするかどうかという御趣旨かと思うのですが、この点につきましては、従来の実績、民間でやりました結果とか、それから役所でやりました結果で或る程度……私技術的なことは細かくわかりませんですが、どの部分はナイロンでなければならん、どの部分はビニロンでも大丈夫だと、いろいろそういう研究の結果がございます。そういう試験の結果を全部まとめまして、現在水産庁として各方面に流しておるわけでございます。それ以上は特に水産庁として製品について措置は特別講じておりません。
○委員外議員(小林政夫君) 藤波水産課長がいろいろ研究しなければならんと言うのは、細かくどの業種にはどういう合成繊維がよいかというような技術的な点だろうと思うのですが、要するに合成繊維が漁網用として……合成繊維申してもいろいろ種類があるわけでございますけれども、要するに合成繊維は漁網用には特によいのだという結論においては相当荒つぽいかも知れませんが、そういう点については間違いないのでしよう、あなたの信念としては。
○説明員(藤波良雄君) そういう点については疑問はないと思います。
○委員外議員(小林政夫君) そうすると、同じ農林省内で水産庁はそういう考えで行こう、これをいろいろ助成して行こうという場合においては金も伴うわけで、農林省の経済局のほうにおいてはどういうふうにお考えになりますか。
○政府委員(小倉武一君) 只今お話が出ておりますように、合成繊維につきまして試験がまだ完了してはいないようでございますけれども、優秀なものであるということは私ども聞いております。従いまして必要な設備資金の供給ということにつきましては、これは私どもも優先的に考えて関係筋へ交渉して行く、かように考えております。
○委員外議員(小林政夫君) 経済局の所管でありますが、農林漁業金融公庫が四月一日から発足するわけですが、例の中小漁業融資保証保険法ですか、あの保険の対象として合成繊維漁網は大体設備と同じような取扱で資金の回転等についても三カ年くらい見たいというようなことを、あの案を審議する際我々大蔵委員会において所管課長から答弁があつたのでありますが、公庫はおおむね設備資金に限られておるようでありますが、合成繊維漁網を設備資金並みに考えて、その漁業者の購入資金について考慮してみるという考えはありませんか。
○政府委員(小倉武一君) お尋ねの趣旨は合成繊維でできました漁網を漁業者乃至団体が買う場合に公庫から融資ができるか、こういう御趣旨だと思いまするが、これは御承知の通りそういう特別の資金の枠はございませんけれども、漁業者団体で業者で買うといつたような場合にはその他の枠から考えることができると私は思つております。具体的に資金の枠はございませんけれども、実際上においては考慮することはできるかと存じます。
○委員外議員(小林政夫君) 只今の小倉局長の答弁で満足でありますが、いずれにしても、協同組合としての共同購入する場合において相当これは耐用年数の長いものでもあるし、従来の設備資金と同じような意味において考慮すべきだと思います。今の御答弁の趣旨で是非実現に努力をして頂きたいと思います。
 それから通産省並びに経済審議庁のほうに重ねて尋ねますが、一応先ほどの答弁で、縦割に施策を向け、取りあえず合成繊維の助成策としては漁網を対象とすると、まあそういうふうに資金を効率的に使うという意味においても、アイドル・キャピタルを起さないということにおいてもいいじやないかという見解に対しておおむね賛成された、そうすると、第一次メーカ1である合成繊維メーカーについては従来いろいろ開銀融資或いはその他の税法上の問題等についても助成策が講じられておりますが、この繊維を更に撚糸にし、或いはいわゆる漁網にする加工段階に対しては、未だ何らの助成策が講じられてない、これについて水産庁或いは通産省の事務当局においては最近考えておられるようでもありますが、一体その点についてどういう策を現在とらんとしておるか、又とるべきであるとお考えでありますか。
○説明員(岡嶋楢文君) 漁網のほうにつきましては、漁網の需要に即応した製造計画を立てるということがまあ必要でございまして、現在のところ開銀融資の点については、どの程度の需要があるか、それから又これに対して当該工場が今までの実績からみて立派なものを作つておるか、そういうような技術的な面等も考慮いたしまして、適当な融資の方法を考えておる次第でございます。なおこのほか税制等においても考えるべきでありますが、現在なお研究中でございます。
○委員外議員(小林政夫君) 開銀融資の問題については経済審議庁等とも話合いは進んでおりますか。又今の税制の問題では大蔵当局とはどういう話合いになつておりますか。
○説明員(岡嶋楢文君) 現在通産省の中で資金の配分の見通しというものを考えておるわけでございますが、その中に織り込んで省内で検討の段階でございます。なお税制のほうはまだ大蔵省とは正式に折衝しておりません。特に漁網のほうは設備が小さいというようないろいろな困難な点があるのではないか、もう少し省内で研究して大蔵省側と図りたい、こういうふうに考えております。
○委員外議員(小林政夫君) 経済審議庁のほうにおいては何か考えておりますか。
○政府委員(岩武照彦君) 漁網のほうの合成繊維を作る設備というお話が水産庁のほうから参つておりますが、具体的に一体どういうことなのか、まだ検討しておりません。と申しますのは、先ほど岡嶋課長の話にもありますが、アミランは大体二分の一程度が漁網のほうに入つておる。ビニロンのほうは割合に低いのでありますが、そういうことは現在の設備、つまり今まで持つておつた設備でやれるのか、或いは他の新らしい設備が要るのか、それとも要らんのか、そういうような問題もございます。その次の、今までのように漁網のほうのいろいろな業態もありますので開銀融資、仮に財政資金を使うとしましても、開銀融資しかほかに途がないのか、或いは開銀融資でなくても市中のベースでも行けるのかどうかという問題もありますので、もう少しまあ実態、つまり技術的な問題、或いは経済的な問題等の実態を検討しませんと、開銀の融資の対象に指定するかどうか、ちよつとまだ想像しかねております。
○委員外議員(小林政夫君) 開銀融資の対象とすれば、開銀のこの資金配分の資料が予算の審議と関連して出ておりますが、その中のどの項目で考えるということになりますか。
○政府委員(岩武照彦君) 予算の説明資料から申しますると、御承知と思いまするが、資金運用の面に「その他」及び「予備」という欄がございます。この両者を総合して考えたいと思つております。ただこれは御承知と思いますが、個々の業種ごとに資金幾らという額は設けませんで、中のあれは指定業種の範囲内では開銀のほうに一任しておりますので、まあこれは指定することになりますればそういうふうに取計いたいと思つております。
○委員外議員(小林政夫君) そうすると経済審議庁のほうでは大体メーカーに対する助成ということになると、従来の所管区分からいうと通産省ということになるわけですが、通産・農林、水産庁、両方の意見がまとまつてあなたのほうに持つて行くということになれば、先ほど来の論議の何からいつて、なおそれに一般のコンマーシャル・ベースに乗らない、どうしても開銀、政府資金を以てしなければならんというケースの場合においては考えるべきだとお考えになりますか。
○政府委員(岩武照彦君) その点が実は問題なのでありまして先ほど申上げました意味は、一体どういうふうなところに金が要るのかという点がはつきりしませんと……、まあ私も余りよく存じませんが、今までの綿漁網を作つていた設備でそのままやれるのか、或いはそれに若干手を加えるのか、或いはそれらは駄目で、新しく編網機を入れるのか、まあそれらは私よく存じません。今までアミラン系統のものが半分程度漁網に使われておつたところを見ますと、平たく言いますれば、まあ今までの設備で大体やれるんだろう。ただそれに若干の技術的の改造程度は、これは必要かも知れませんということではないかと、実は今想像している程度でありまして、なおこれは検討しまして、間違つておれば訂正しなくてはならんと思います。
 それから只今業態と申しました趣旨は、御承知のように今度中小企業の金融公庫ができます。漁網のほうではこれは御承知のように大メーカーもございまするが、或いは又比較的中小のメーカーもございまするので、向うのほうの対象になり得る企業もあるんじやないか、或いは比較的大メーカーで、ほかのほうの兼業もやつているものもございまするが、これはむしろ市中のベースでも行けるのではないか、その辺もなお検討しなければいかんのじやないかと思います。
○委員外議員(小林政夫君) そういう開銀融資が如何なるものに可能であるかということは、水産庁並びに通産省当局においても十分承知しておられるはずなんですね。この漁網に限らず、従来のいろんな経緯から考えて、そういう趣旨の上に立つて水産庁当局はこれは成る程度、全部が全部というわけでありませんが、開銀融資に待たなければならないというお考えに現在なつているのかどうか。
○説明員(藤波良雄君) 従来水産庁といたしましては、製氷とか冷凍とか造船とか、いろいろそういう関係で開銀融資のことを取扱つているわけでありますが、合成繊維の問題につきましても、技術的に漁網として優秀なることがわかりましても、最終的にはやはり従来の綿の製品に比べまして、一応購入資金としてやらなければならんのじやないかということが、一応ここで打明けると申しますか、それが融資の方法じやないか、それが対象、対象と申しますか、そういうことで政府資金でこの途を開いてやれるのじやないかと考えます。そういうことから、開銀で融資に使いますところの資金の項目として水産庁としては是非挙げたい、そういうつもりで本年はいろいろ問題を検討しているわけでございます。
○説明員(岡嶋楢文君) 我々のほうでは漁網の製造設備のうち特に合成繊維の熱処理設備でありますとか、或いは染色、樹脂加工、そういうものは従来の綿なり麻の製造設備ではなかつた点でありまして、こういうものは特に合成繊維の漁網製造のために新設を要する。それから次に撚糸でありますとか或いは染色撚糸、そういうような部門においては多少従来の設備を改造することによつて使えるのじやないか、かように考えております。そういう特殊な新設部門については十分の考慮が要るのじやないか。それからなお開銀融資につきましても、実際金が出るというのはまあ今年の末になるのじやないかと思います。一方市中との協調ともうことも必要なので、そういう点とも併せて考えなければならないのじやないか、こう考えております。
○委員外議員(小林政夫君) だからそれは市中との協調融資という部門もあるでしようが、とにか何ほどかは開銀の融資に持つて行くべきだというお考えで進めておられる、一番業態について詳しいのは通産省当局なので、その通産省当局の考えで、是非これは成る程度金額の高はあるけれども、開銀融資をやらなければならんという考えで現在考えておられるのかどうか。
○説明員(岡嶋楢文君) 我々はさような考えで今仕事を進めているわけであります。
○委員外議員(小林政夫君) そうすると、最後に審議庁の岩武さんですね、今需要者側を代表した水産庁、又実際にメーカーを主管している通産省側もそういう見解に立つておるわけであつて、又先ほど来私の言つている合成繊維を縦割に最終需要まで一貫して施策を集中するという意味においても、合成繊維を漁網用に普及させるために今までの綿或いは麻、輸入繊維に代えて国内繊維を置き換えるという意味においても、関連産業に対しては十分な開銀融資等においてただ第一次産業にだけに紐をつけただけでは問題は解決しないので、その関連産業をも併せて考慮するという配慮を以て考えられるべきだと思うのですが、当然そうあつて欲しいと思いますが、その点十分考慮されますか。
○政府委員(岩武照彦君) 合成繊維の関連加工業におきましては、今年度も合成繊維用の樹脂、或いは繊維着色の顔料になりますか染料になりますか、そういうものについても一応指定業種にしておりますので、本当に合成繊維で漁網を作る漁網法自体におきまして、どうしても開銀融資をしなければならんということでございますれば、それは考え得る範囲にはなると思つております。ただこれはざつくばらんな話でありますが、いろいろ今まで具体的に私も検討しておりませんので、具体的にどういうところにどういうふうに行くのかはつきりしませんので、目下今日のところは抽象的な御返事で御勘弁願いたいと思います。なおこれはほかの三もございますが、いろいろ水産関係、いろいろな関係もございますので、これは予算書で御案内の通り、一般資金の枠も減つておりますので、その結果農林省関係或いは運輸省関係、通産省関係それぞれ巨額な申込みがございますが、私のほうで金を貸している立場ではございませんが、なにがしかはやはり相互間の問題は重点的に考えなければいがんだろう、こう思つております。
○委員外議員(小林政夫君) 有難うございました。
○木下辰雄君 先にビニロンは日産九十トン、ナイロンは二十五トン、サランは二十トンの生産を奨励するとおつしやつたのですが、さようでございましたか。
○説明員(岡嶋楢文君) さようでございます。
○木下辰雄君 誰が計画するのですか。
○説明員(岡嶋楢文君) これは我々の今の天然繊維の需要があるわけでございますが、ちよつとどの部分が天然繊維……、従つてほかの繊維に代替し得るというのをその需要別に分析しまして、大体この程度なら天然繊維に代り得るのではないかというような一つの推定から考えた数字でございます。この通り各メーカーのほうでもこれに従つた細かい計画があるというのではございませんで、一応このくらいは代り得るという一つの推定からいたした数字でございます。
○木下辰雄君 只今の計画は、官庁がメーカーに指示するのですか、或いはメーカーが自発的にこういうふうにやるのですか。
○説明員(岡嶋楢文君) これは先ほど申しましたように、具体的にこれはこれにすぐ代るべきだということは、いろいろな値段の点、或いはできました品質から考えまして、かような点はすぐ計画的に移すということは非常に困難でございまして、一応目標としてそういうものを示して、いわゆる国の経済自立と申しますか、そういう点からだんだんそういう方向に行くべきだというような一つの方向として考えたわけでございます。
○木下辰雄君 若しさような計画を、民間においてそれに従つて日産九十トンのビニロンができた、それから日産二十五トンのナイロンができた、それから日産二十トンのサランができた、これは年間においては厖大なものだろうと思う。その需要に対する斡旋その他に対して官庁は何らかの責任を負いますか。これはただ奨励するだけであつて、責任は一つも負わないのですか、どうですか。
○説明員(岡嶋楢文君) 厖大な数量ではございますけれども、綿が大体年間現在七億ポンド、そういうような需要或いは又生産量、それから人絹スフが年間四億五千万、それに比べますとまだ比較的少い数字でございます。これを海外の合成繊維の需要等から比べますと、実はまだまだ伸びるのじやないかというふうにも考えられるわけでございます。一つの方向として、需要者の選択の上においてこういうものをやつて行く、そして需要の喚起のいろいろな措置と合せて、それに応じてメーカーが生産の態勢を整えて行く、こういうふうになつているわけでございます。
○木下辰雄君 それでは官庁では大体このくらいは需要があるだろうということをメーカーに知らせるだけにとどまるのですね。
○説明員(岡嶋楢文君) 相当積極的に需要喚起の措置をとりたいと思います。
○木下辰雄君 需要喚起の措置をとりたいと今言われましたが、さつきちよつと質問したのも、例えばビニロンであれば何割政府が助成する。ナイロンであれば或いは十割、二十割助成する、そういう助成の方法をきめて、而も需要は例えば敷網であればビニロンを使うとか、曳網であればナイロンを使うとか、それを使わなかつたならば、それに対して助成はしないとか、そういうようなふうに一つのプランを立てて需要喚起の方法を考えられるわけですか、どうですか、このお考えを承わりたい。
○説明員(岡嶋楢文君) そういうふうに非常に計画的に参るということは我々として望ましいのでありますけれども、今後の値段がどうなりますか、或いは又品質の点で一概にそうはつきりした線で押すのも如何かと思われます。実際の本当の需要者が自分自身の選択においてそういう方向をとつて行くというのが現状において一番いいのじやないか。併し方向といたしましては日本も綿、羊毛、麻というものは輸入している。これをできるだけ少してもらいたいという方向において、是非そういうような合成繊維に移換して行くというふうに持つて行きたいと思います。
○木下辰雄君 需要喚起の方法をとると言われますと、どういう方法をとるか、それを一つお伺いしたい。
○説明員(岡嶋楢文君) 我々需要開拓の面で最も積極的にとりたいと考えますのは、官公庁の需要なんであります。国の厖大な予算を使つて官公庁の需要があるわけでございますが、こういうふうな非常に強度があり、且つ耐久力があるもの、そういうものであれば官公庁が率先して使つて行けばいいじやないか、そういう点で公官庁の需要についてはむしろ役所間の申合せによりまして、一つ合成繊維を使つて行こうじやないかというようなことを強力に進めて行きたいと考えております。現在保安隊、或いは国鉄、それから警察、それから現業官庁のユニフォーム、そういうようなものにおいて逐次変つておるわけでありますが、こういうふうな面を、現在使用した結果の成績によりましては、これを全面的に拡げて頂く。それから今後新らしい用途についてはいろいう性能試験をやり、又使用期間を設けてやつて行くというふうな方向で、官公庁需要については一番強力に進めて行きたい。
 それから、その次は生産資材でございます。これは先ほどからの漁網なんかも入るわけでございますが、生産資材という点は、各企業者が自分の計算において合理的なものを使うという点から、合成繊維の性質が本当にわかりまするならば、十分使われて行くのじやないか、そういうような点で漁網でありますとか、或いは口カフ、それから帆布、天幕、こういうようないろいろな工業用途に使いたい。それからその次は一般の衣料でございますが、これは実物等によりまして本当の性能を啓蒙して行くということによつて消費者自どの選択において使つて行つてもらつたらいいのじやないか。この衣料は一番弱い線であつていいのじやないか、こういうような考えで開拓ということをやりたいと思います。
○木下辰雄君 今の九十トンとか、二十五トンとか二十トンとかいう計画は陸上も全部加えた全需要ですか。
○説明員(岡嶋楢文君) そうであります。
○木下辰雄君 このパーセンテージは、漁業用、水産用のですね、どのぐらいの。パーセンテージになりますか。
○説明員(岡嶋楢文君) 先ほど申上げましたように大体二千万から二千五百
 万ぐらいになるのじやないかと思います。それから多少又海外への輸出ということもあるのじやないかと考えます。
○木下辰雄君 日産九十トンの何。パーセントぐらいですか、漁網、水用は……。
○説明員(岡嶋楢文君) ちよつと全体で我々考えておりまして、ナイロンで幾ら、ビニロンで幾ら、ちよつとそこまで考えておらないのであります。大体まあ合計しまして、先ほどの二千万から二千五百万程度じやないかと考えております。
○木下辰雄君 最後にちよつと……。今のパーセンテージの九十トン、二十五トン、二十トンも陸上と水産との。パーセンテージがわかりましたら、次の機会に御明願いたい。
○説明員(岡嶋楢文君) ナイロンとビニロンと別でございますか。
○木下辰雄君 ビニロンの日産九十トンの生産計画、それからナイロンは二十五トン、サランは二十トンですね、その生産計画の需要。パーセント、陸上は何ぼ、海は何ぼ、そのパーセントをわかりましたらば次の委員会までにお知らせ願いたいと思います。
○説明員(岡嶋楢文君) これはむしろ需要のほうから見て頂いたらばよくわかるのじやないかと思いますが、我々需要の面に立つてそういうような計画を立てております。
○木下辰雄君 この併し九十トンとか、二十五トン、二十トンとかいう数字が出たのは需要を十分調べた上で大体できたのでしよう。そうしたらその需要は陸上と海との。パーセンテージはわかつているはずです。わかればお知らせ願います。
○説明員(岡嶋楢文君) 全体として見ましたので、特にビニロン、ナイロン分けたのじやございませんで、もう少目し立案したものに連絡して検計いたして参ります。恐らくそこまで分けていないと思いますが。
○委員外議員(小林政夫君) 本日は委員外で発言をさして頂いて誠に有難うございました。ついては先ほど来の質疑応答によつて御出席のかたには御了解を願つたと思うのでありますが、相当水産界の革命的な出来事でもあるし、又これを促進いたしますことが日本の対外収支を改善するゆえんでもあり、又漁業の振興にもなろうと思うのでございまするが、私は当委員会に席を置いていない関係上、本委員会としても只今質疑応答の過程において御了解願えたような線において、政府の施策をプツシユするように御努力を願いたいと思うのであります。
○委員長(秋山俊一郎君) 承知いたしました。
○玉柳實君 ちよつと私遅れて参りまして、或いは重複することがあるかも知れませんが、一点だけ水産庁に伺いたいと思います。漁業者がこの合成繊維の漁網購入に必要な資金の融資につきまして、農林中金及び水産庁においては未だ積極的に協力をしておられないと思うのでありますが、実例を以てお話をしますと、昨年の暮頃その合成繊維漁網の購入のために融資を希望する業者を連れまして、農林中金に参りまして、幹部のかたにいろいろ懇談並びに要請をいたしたのでありましたが、その際中金側のお話によりますと、合成繊維の漁網の購入に必要な資金を農林中金が貨出をした事例は全国に未だ一件もない。その理由はと伺いましたところ、最近水産庁におきまして、合成繊維の漁網の使用に関する協議会がときどき開催される、その際農林中金の係官も出席をしてして聞いておるのであるが、水産庁の技術者の説明によりますると、この合成繊維の漁網は未だ試験の域を脱しておらんので、従来山の綿漁網に比較して絶対に優位であるという決定版は出ていないような説明であるので、農林中金においても積極的融資をする段階まで来ていないというような意味の説明があつたのでございますが、そこでお伺いいたしたいことは、この合成繊維の漁網は従来の綿漁網に比較して絶対に優勢であるということについて、なおこの試験の段階にあるのか、はつきりした結論をお出しになつておられるのかどうか、その点だけを塩伺いしたいと思います。
○政府委員(清井正君) 只今のお尋ねの点は、先ほど来いろいろ御質問がありまして、私どもお答え申上げたことによつて尽きていると思うのでございますが、成るほどこの問題は新らしく起りました問題といたしまして、役所の立場といたしましては相当研究を重ねまして、相当自信があると……、相当と申しますか、はつきり民間に措置をしても差支えないという自信がなければ役所としては承認できないことは勿論でございまするが、併しながらこの研究についても段階がございますので、学問的に研究を進めて行きまして、どの程度で満足するかということもあるのであります。私どもといたしましては、この問題につきまして技術的な問題について研究を重ねて来ているのでございまして、まだ最後の点についているく研究すべき問題もあろかと思います。併しながら実際問題といたしまして、一部民間の府県において応用的な研究をいたしまして、実際上いろいろな性質の点からいつて品質がよろしいという結果も出ているのであります。更に昨年北洋に鮭鱒漁業に参りましたときにこの網を使いまして、非常に成績がよかつたという、実例も出ているのであります。従いまして、私どもといたしましては研究を続けて行かなければならんと思いますけれども、今の段階においてはこれも実際問題といたしまして応用的な段階まで進んでおるというふうに考えておるのでありまして、先ほど来お話がございました通り、中金或いは開銀等の融資等につきまして積極的にこれを進出するような方向に持つて行きたい、こういうふうに考えている段階に到達しておる、こういうふうに私ども考えておる次第であります。
○木下辰雄君 それでは只今玉柳君に言われたように、中金その他に対しても、これは大体において融資の対象になり得るという趣旨を水産庁からお話になる意思がありますか。
○政府委員(清井正君) この問題につきましては、先ほどもお話した通り、需要の喚起という非常に大切な問題もございますので、只今玉柳議員のおつしやつたこともございますから、私どもといたしましては融資関係方面に対して、私どもの所信を開陳いたしまして、その方面の融資が円滑に行くように今後努力いたしたいと考えております。
○委員長(秋山俊一郎君) ほかにもう御質問がないようでございますから、本件は本日はこれを以て打切ります。
 今日法案の審議に入るはずでありましたが、特に前回質問を継続しておりました片柳委員がどうしても止むを得ない用件がありまして席を外されましたので、本日は法案に対する質問は取止めまして、次回に譲ることにいたしたいと思います。
 それでは本日はこれを以て散会いたします。
   午後三時十三分散会