第015回国会 電気通信委員会 第5号
昭和二十七年十二月十一日(木曜日)
   午前十時五十六分開会
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 出席者は左の通り。
   委員長     溝淵 春次君
   理事
           山田 節男君
   委員
           鈴木 恭一君
           新谷寅三郎君
           佐多 忠隆君
           水橋 藤作君
          池田七郎兵衞君
  国務大臣
   郵 政 大 臣 高瀬荘太郎君
  政府委員
   郵政省電気通信
   監理官     金光  昭君
   郵政省電波監理
   局長      長谷 愼一君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       後藤 隆吉君
   常任委員会専門
   員       柏原 栄一君
  参考人
   日本放送協会会
   長       古垣 鉄郎君
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  本日の会議に付した事件
○放送法第三十七条第二項の規定に基
 き、国会の承認を求めるの件(内閣
 送付)
○参考人の出頭に関する件
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○委員長(溝淵春次君) それでは只今より電気通信委員会を開会いたします。放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件(予備審査)につきまして、前回に引続き質疑をやつて頂きます。本日は日本放送協会の古墳会長と理事の岡部さんが来ておられます。郵政大臣、電波監理局長が出席されておりますから適当に質疑願います。
○鈴木恭一君 前回の委員会におきまして新谷委員からの質問に対して大臣の御答弁によつて大体そのテレビジヨンに対する方針と申しますか、それは明らかになつたのでありまするが、根本方針としては電波監理委員会の方針を踏襲する、即ちテレビジヨンは民間と公共の二本建にする、その意味は放送法を尊重するんだ、なおそれは単に放送法に規定されておるということだけでなく、将来の方針としてもそういうふうな考えを自分は持つているんだ、そこでNHKが公共放送をやるのが適当であると考えたので、これを免許したい、その前提としてこの承認を求めるんだ、こういうお話のように承つたのであります。政府が意図されておるところはよく了解されるのでありまするが、更に私は一歩深く考えまして、このテレビジヨンというものをどういうふうに政府としては認識されてそういう方針をお立てになつておるのか、勿論放送法の二条では、放送というものの定義がしてありまして、明らかにサウンドの放送、テレビジヨンの放送、これは同じ放送という文字で表現されておるんでありまして、この電波法並びに放送法というものが、テレビジヨンを包含しておるということを私は考えておるんでありまするが、そこでですね、公共放送というものと民間放送の二本建ということを、こう簡単に考えておられるように私は思うのでありまして、実際はいわゆるサウンド放送である。それとテレビジヨンというものとどういうふうに考えられておるか。法としてはこの法律がこの電波法なり、放送法が公共の福祉を増進するという目的で作られておる。そこに国の政策というものが私はあると思う。この前は日本放送網株式会社に民間放送として予備免許を与えた、又今度はNHKに対して公共放送として免許を与えようとしておる。又ラジオ東京でございますか、これも申請をいたしておる。そこでこの声の、音のですね、放送というものとテレビジヨンとをどういうふうにお考えになつているか、その点をお聞きいたしたい。
○国務大臣(高瀬荘太郎君) 今の御質問は技術的な点をお考えになつての御質問でございますか。ただそういうことを考えない、いわゆるラジオの放送というものと、テレビジヨンの放送というものとの関係とか違いとか、こういう意味での御質問でありましようか。
○鈴木恭一君 私技術者でないんでございまして、技術的にどうこうということを申上げているのじやないのであります。政策としてサウンドのものとテレビジヨンというものをどういうふうにお考えか。
○国務大臣(高瀬荘太郎君) そうしますと、まあサウンドだけの放送というものと、テレビジヨンの放送というものとの違いというような意味にとつてよろしいじやないかとも思いますが、その違いといつても、それらの意味があるかと思いますが、無論その放送の状況が違うのは勿論でございますが、その結果から来る社会的な影響とか何とかというような意味ではないかと考えますが、私も去年までは日本でのテレビジヨン放送は見ませんでして、アメリカに去年行きまして初めて見たものですが、まあ帰つて来ましてからは放送協会でやつておる試験放送は見ております。まあ私も技術的には全く素人でありますが、私どもが常識的に考えているところから言いますと、無論それぞれ特徴はあると思います。どちらにも。で、聴取者なり、見る人なりに与える影響から申しますと、確かにサウンドだけよりもテレビジヨンのほうが強い影響を与えるというように考えられます。従つてその点はいずれも考慮して行かなきやならない問題だと思いますが、アメリカあたりでもそういう点から言つて、教育的に非常にいい面もあるが、悪い面も現われておるということを言つております。ですからまあどちらもラジオにしても、テレビジヨンにしても公共的な性質を持つているものでありますから、悪い影響を与えるようなことがあつちやいけない。こういう点で以て愼重に考えなければならない。内容等について愼重に考えて行かなければならない。そのことがラジオよりはむしろテレビジヨンのほうがむしろ強くなるこう考えております。
○鈴木恭一君 私は、その問題もさることながら政府が或る事業を一定の方針の下に認可されようとする場合には、ここにサウンドの放送とテレビジヨンの放送と二つあるわけでありますが、日本放送網株式会社でありますか、これがテレビジヨンだけをやる会社のように私ども承わつております。そこで日本放送協会はテレビジヨンだけでなしに、サウンドもやつている放逸企業体、それに許可されましたのは、たまたま放送協会がこれを免許の申請をしたから許したのか、サウンドとテレビというものを混合一体としてのものとの認識の上に立つて御許可になろうとしているのか、その点をお伺いしたい
○国務大臣(高瀬荘太郎君) まあ各国の例について私どもが聞いているところでは、大体そのサウンドだけのものとテレビジヨンと両方同じ経営体でやつているのが非常に多いように思います。併し先般許可されたテレビジヨン放送網株式会社の現在の計画はテレビジヨンだけということになつているわけであります。これが許可されているわけであります。今度の日本放送協会のは、今まですでにサウンドの放送をやつている、そこへ今度テレビジヨンの放送も加えようという点で違いが相当あると考えます。まあさつき申しました各国の例などから申しまして、むしろ前に認可されたサウンドもやる、或いはサウンドをやらない、テレビジヨンだけをやるというほうがむしろ数が少いわけで放送協会のように両方やる計画のほうが多い。そのほうがむしろ通例じやないかと思います。そういう意味でも別に両方やるからこれを許可するとかしないとかいうことは出て来ないと思います。ただ併し一つの場合にどうするかというようなことは、もうすでに認可されているわでありますから、その問題には触れませんですが、今度の日本放送協会の計画は両方やるということで、まあよその国から言えばむしろこのほうが普通の経営体であろうということも考えているわけであります。
○鈴木恭一君 今民間のサウンドの放送免許は何か十七局とか、或いは更に十九局とかということをお考えになつているようでございますが、将来テレビジヨンというものが発達すれば、私はサウンドの放送というものは非常に衰退するのじやないかという心配をするのでございます。非常にまあテレビジヨンも費用もかかりますが、サウンドの放送も相当なやはり負担をして行かなければならん。将来はテレビジヨンというものとサウンドというものをどういうふうにお考えになつて行かれるおつもりでございますか。
○国務大臣(高瀬荘太郎君) 今お話のように、将来テレビジヨンとサウンドが発展の状況でどうなるかというようなことについては実はまだ私ははつきりした見通しを持つておりません。従いまして将来どういう見通しを持つてこれをやるかというようなことになりますと、ちよつとはつきりしたお答えができないので、もう少しやはりテレビジヨンをやつて見て、それがサウンドだけの放送にどういう影響を与えて行くかということも見た上でありませんと、はつきりしたお答えが実はできないわけであります。
○鈴木恭一君 そうすると今度の放送協会にこのテレビジヨンを免許なさろうとするのは、たまたま日本放送論協会が申請したから、それに対して免許を与えるのだ、こう了解してよろしうございますか。
○国務大臣(高瀬荘太郎君) それで結構であります。
○鈴木恭一君 その次に、今後日本放送協会というものにテレビジヨンを免許されるということの前提としては、日本放送協会の持つ性格として、全国に、あまねくその電波を国民に与えるという使命を持つているわけでございます。従つてそういう考慮もあるし、このテレビジヨンについてもお考えになつてやつておると思うのでありますが、そう了解してよろしうございますか。
○国務大臣(高瀬荘太郎君) 今度出されておりまする計画及び予算は、今年度だけの問題でありますが、将来テレビジヨン放送について、NHKはどういうふうに考えておるのかというようなことは、無論参考として聞きましたし、読んでもおるわけで、相当全国的にやろうという計画を持つておられる。これはまあ今度許可された予算で実行されて、そうしてそれが順調に発展をして行つて、そうしてそれが将来の計画が必ず実行されるということになるのでありましようから、これからのやはり実際の発展の状況によつて、これがどうなるかということがきまるのじやないかと思つております。
○鈴木恭一君 大臣は何か将来の発展に待つてそれはきめて行くというふうにお話になりましたのですが、いやしくも日本放送協会というものに免許されますということは、私は、只今も申しましたような使命を持つ日本放送協会というものが前提となつて、私は免許されるのじやないかと思うのです。これが単に公共放送ということだけで一、新たな別な公共企業体というものができまして、日本放送協会とは別な使命を持つ、使命と言いますか、性格を持つたものが出て来れば、それは私何とも申さないのでありますが、特に日本放送協会にこれを免許しようとなさる場合には、当然にそれが前提になつておらなければならないように私は思うのでありますが、いま一遍大臣の御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(高瀬荘太郎君) 実は私の意見書にも、日本放送協会は公共の福祉のため、可及的速かに、あまねく日本全国においてテレビジヨンの受信ができるように放送を行うことを究極の目的として、その計画を進めており、というふうに書いてありまして、放送協会の計画は確かにそういことになつておるし、現在においては放送協会の計一画は大体において妥当だと、こういう見地の下に意見書を出してれるわけであります。
○鈴木恭一君 くどいようでありますが、結局その日本放送協会の性格なり、使命というものを認められた上に許可されたと、こう了解いたしてよろしうございますか。
○国務大臣(高瀬荘太郎君) 放送協会の将来の計画等につきましは、一応現在においては妥当であると考えて、意見書を出したとお考え下つて結構であります。
○鈴木恭一君 そこでその全国にこれがまあ日本放送協会、或いはその他全国に拡充されるということは、国民として願わしいことなのでありますが、さしむきそれをいたしまするにつきましても、いわゆる中継装置というものを当然考えなければならない。マイクロ・ウエーヴの中継装置というものはどこにやらせようとなさつておられますか、その点をお聞きしておきたい。
○国務大臣(高瀬荘太郎君) その点、マイクロ・ウエーヴということについては、私余り専門的知識を持つておりませんから、局長からお答えいたさせます。
○政府委員(長谷愼一君) 只今の御質問に対しましてお答え申上げます。御指摘のようにテレビジヨンを全国的に計画をいたします場合には、そのマイクロ・ウエーヴの中継という問題が起つて来るわけでございますが、その中継を如何なる方法でやるかは、最近の技術によりまと、殆んどマイクロ・ウエーブでやるのが最近の傾向になつておるように存じております。以前はコンセントリツク・チユーブでやつておりましたけれども、資材、経費等の面から、今後はマイクロ・ウエーブのほうによる傾向が、先ほど申上げたように強くなりつつあるようでございます。このマイクロ・ウエーヴによるテレビジヨンの中継は、従来NHKもその研究所で相当研究をやつて来ておりますが、一方電電公社において、磁気通信省時代から、マイクロ・ウエーヴによる多重電話の通信方式として研究を進めておりまして、両者とも大体その結論が出て、実施期に入るような状態になつております。併し電波の有効的な利用という面から、これが二社、或いは三社でマイクロ・ウエーヴを日本国中に持つということは無駄なことにもなりますので、両者の問でいろいろお話合いの結果、電電公社が施設ができた場合には、放送協会はこれを借用して、又電電公社のほうはマイクロ・ウエーヴによつてテレビジヨンの中継をしようという要求がある場合には、これをNHKだろうと或いはほかのほうのかたであろうと、その需めに応じてマイクロ・ウエーブの回線を提供する用意を持つて準備を進めておるように伺つております。
○鈴木恭一君 そうすると、中継装置というよものは、特にマイクロ・ウエーブの中継装置というものは、公衆通信としての業務に包含されておるとは解釈されておらないわけですか。
○政府委員(長谷愼一君) 御案内のように、電電公社は、公衆通信そのものに対する施設をし、その運用をする以外に、通信施設を他人の用に供する業務も兼ねて行える形になつておりますので、このテレビジヨンの中継の場合は、後者のようなことに該当する場合だと存じます。
○鈴木恭一君 そうすると、それはマイクロ・ウエーヴの中継装置を作ろうとするものの協議とか、話合いというものによつて、おのずからきまるであろうというお見通しの下にお考えになつておるわけでありますか。
○政府委員(長谷愼一君) 電波法の建前から申上げますと、マイクロ・ウエーヴをみずから使うということで、みずからその施設をすることの妨げには実はなつておりません。従つて、例えて申上げますと、日本放送協会なり、或いはほかのテレビジヨンの事業をやろうとされるかたが、マイクロ・ウエーヴによる中継回線を作られることも、決して禁止はされておらないのでございますが、先ほども申上げましたように、電波の有効適切な利用、或いは国全体の経済というような点から申しまして、でき得るならば、これが一本に活用される、これをもう少し……、具体的な例を申上げて甚だ恐縮でございますが、恐らく当分の間はテレビジヨンの放送というものは、一日、四六時中行われるわけではないであろう、例えば放送協会の計画を見ましても、或いはそのほかの計画を見ましても、一日四時間とか、六時間というような程度でございます。マイクロ・ウエーヴの施設は、テレビジヨンが行われておる場合にはテレビジヨンの中継に使われ、その他の時間は一般公衆、或いはその他の專用通信に利用されるならば、その効用が十二分に発揮できるわけでございます。そういう点から申しましても、先ほど申しましたような公社の手によつてこの施設がか行われる限りり、いろいろな利用者がそれを十二分に活用するということが、最も電波の利用面から習いましても又経済面から言いましても妥当であろう、こう思われまして、関係者のお話合いもその線に則つて進んでおるように承知しております。
○鈴木恭一君 了解いたしました。そこでいま一つ、日本放送協会がこれを、テレビジヨンを実施しまして、終局の目的として全国にこれを普及させるという場合に、中継装置が将来どういうふうになつて行きますか、この点は暫らくおきまして、電波の面からこれが制約を受けるというふうなことはございませんでしようか。最近郵政大臣から電波監理審議会ですか、このほうへ諮問されまして、例えば東京には三局とか、名古屋、大阪には二局というようなものが現在のテレビジヨンの特徴としては可能であるというふうに聞いて、今御審議中と承わつておりますが、この四つ乃至三つり限られた電波を使いまして、技術的にはあまれく全国に電波が送られるものなのでありましようか。この点お伺いいたしたい。
○政府委員(長谷愼一君) 只今の御質問についてお答え申上げます。只今御指摘になりましたように、東京、名古屋、大阪地区にきまして、過般郵政大臣から電波監理審議会に御諮問になりまして、その電波の割当計画につきまして各方面のかたがたの御意見も審議会がお聞きになつた上で過般答申がございました。原案を妥当とするという答申がございました。それは只今お話のございましたように、東京に三局、大阪及び名古屋におのおの二局ずつ、局という言葉を使いましたが、これ語弊がございますので改めますが、実はチヤンネルの数でございます。これは実際的には局になりますので同じことになりますが、チヤンネルの数として割当が一応決定されたわけであります。この三個所のチヤンネルの計画が立ちますれば、これに基いて全国的なチヤンネル・プランを作成すべく、現在私どもの局で準備を進めております。然るべくそのほうにおいて御決定を願うことになつておるのでありますが、現在におきましては、国際条約に基いて電波の割当計画が御案内のようにきまつておりますが、それによりますと、第三地域、つまりアジア地域におきましては、日本の主管庁としてのほかの通信に使います電波の関係等からもいたしまして、大体六つのチヤンネルが将来取りあえず超短波の範囲内ではテレビジヨンに使えると、又使おうと、こういうようなことが、今申上げたチヤンネル・プランの基礎になつておりますが、そのうち二つのチヤンネルは現在駐留軍に使用しております。駐留軍のほうではできるだけ早く、而も日本側のほうに返還するべく、現在いろいろ準備や計画を進めておられますが、現在はまだそういう状態になつておりません。従つて現在は四チヤンネルだけが使用できる状態でございます。仮にこの四チヤンネルで全国的なプランを考えて見ますと、大体局の数で申上げますと三十乃至四十局が作られる形になります。三十乃至四十を作りますというと、全国の世帯数の約六十から七〇%の世帯数がその放送局の中に入る形になります。将来只今申上げました二つのチヤンネルが同様にテレビジヨンに使えるという状態になりますれば、これが、このパーセンテージが更に増加、増大するわけでございますし、又御案内のように超短波ばかりでなしに、もつと短かいほうの波もテレビジヨンに利用されます段階におきましては、尤もこれは四百メガサイクルのところでございますが、この範囲は御案内のようにアメリカにおいても最近その実施に入ろうとしておりまして、又どこの国でもテレビジヨンに実用にされておりません。併しこれは今から数年後には十分実用になるものと技術上からも考えられますので、更に短かい範囲の、つまり四百メガサイクルのところの電波がテレビジヨンに利用されます段階になりますれば、十分に国内をあまねくカバーできるようになると存じます。
○山田節男君 NHKの本年度の追加予算、それから事業計画、これは郵政関係の方面でやはり政府のテレビジヨン国策を将来どうするか。これは過日前委員会において政務次官がおられまして聞いたのですが、なおこの際この議題に入る前にはつきりしておきたいと思うところを少し具体的に御質問を申上げます。これは前に大臣も説明されたが、電波監理委員会、総理庁の直轄の電波監理委員会がきめたこと、これはもう政府の施策としてきまつたたわけだ。而も前に仮免許された全国テレビ放送網株式会社、これは全国のネツト・ワークを持つという立場になつておつて、而も民間放送でやるということがきまつておつて、そうして公共放送のテレビジヨンもこの追加予算並びに事業計画を国会が承認することによつて仮免許されるというようなふうに私了承しているのですが、これも私、大臣に対して極めて最近御就任になつた、而も専門家でない大臣にそういうことを質問して、或いは即答はできないかも知れませんが、とにかく公共放送というものを日本も始めるのだということに我々としてはとつているわけですが、そういつた場合に、さつき鈴木委員も質問されましたが、国策として日本のように狭い国、アメリカにおいてもあれたけの大きな大陸であつて本年度に六つの大きな放送会社が全国のテレビ放送網を張つてるわけです。日本のような小さい島で、而も経済的に言えば貧困な日本で、全国のテレビジヨンのネツト・ワークを持つものが二つあつて、これが果して……而も一方は公共放送である、片一方は民間放送である、これらの二つを比べて両方のテレビジヨンが果たして併存してやり得るかどうか、そこの国策を一体どういう見通しを持つておいでになるのか、この点を先ずお聞きしたい。
○国務大臣(高瀬荘太郎君) 私は日本テレビジヨン放送網株式会社の免許当時においては、郵政に関係なかつた人間で、十分その当時の状況は承知しておりませんが、あの会社の免許は東京のみというここに承知をいたしているのであります。初めには全国というような計画を持つておつたようでありますけれども、免許の申請の場合は東京のみになつているように思います。無論山田委員のおつしやつたように、テレビ普及につきましては、その国の経済的条件にどうしても制約をされますので、日本のような国ではなかなか経済条件のいい国のように急速な円滑な発展がむずかしいということは考えられるのでありますけれども、テレビ放送というものの社会的、文化的重要性ということを考えますと、何とかしてできるだけ早くこれを普及させることが国策上必要である。こう考えているわけであります。
 それで日本放送協会は先ほどからの質疑で申上げましたように、計画としては全国的な計画を持つているわけであります。計画通りに行けば放送協会によつて相当の程度の全国的な放送が行われるということになりましよう。それも無論十分完全な形で以て理想的に行われるということは、日本の条件から申しますとむずかしいことではありましようが、とにかくこれが実現できますれば非常に国家的見地から申しましてもいいことであろう。こういう考えを持つているわけであります。
○山田節男君 これはもう大臣御存知ないのだろうと思うのですがね。大体日本において初めてテレビ放送を開始する準備について、民間放送か公共放送か、これはヨーロツパと同じように日本でもこれは相当本委員会で議論されたわけでありますが、ところが電波監理委員会は民間放送を先に許してしまつた。ところが今回第四次吉田内閣においていわゆる放送法による日本放送協会に全国網を持つテレビジヨンを許可するということは、前の第三次吉田内閣がやつた、電波監理委員会がやつた先ず民間放送、これを第四次吉田内閣においては、このNHKのテレビ放送開始準備に伴う追加予算を承認することによつて、公共放送に重きを置いて行くのだ、こういう政策ですね。第三次、第四次吉田内閣のテレビ国策に対する一つの修正ができたのかどうか。こういう意味です。この点を一つお伺いしたい。
○国務大臣(高瀬荘太郎君) 私の解釈では別に修正になつたものとは考えておりませんで、前の国会で公共放送網テレビジヨンによつてテレビジヨンができるという態勢も行われておつたわけで、法律によりましてすでに再建ということが、やはり前の吉田内閣の時代にきまつているわけでありますから、今回すでに日本テレビジヨン放送網会社が認可されているからといつて、それへ又NHKを認可いたしましても、別に方針の変更ということにはならないと考えております。
○山田節男君 そうしますと、過日この電波監理局から発表したと私は了解しますが、このテレビジヨン用の周波数のバンドを三チヤンネル東京放送で認める、大阪に二チヤンネル、それから名古屋、京都、神戸、これが一チヤンネル。それで東京、大阪、片方は東京は三チヤンネル、大阪は二チヤンネルということに発表いたしました。東京に三チヤンネルということに割当てたのは、一つは準テレビ放送に使い、一つはNHKのテレビジヨンに使い、もう一つは、現に申請しているテレビ放送の希望の団体があるわけであります。そうすると、東京に三チヤンネル割当てたということは既存の、すでに仮免許を受けている一会社、これからNHKだ、もう一つテレビの放送を免許するつもりなのか、大阪に二チヤンネルの割当があるということは大阪においても又独立したテレビジヨン放送を許すという下心があつて、ああいう周波数のチヤンネルの割当を決定したのかどうか。この点一つ明らかにして頂きたい。
○国務大臣(高瀬荘太郎君) チヤンネルの割当てというものは決してどこに、又幾つ免許するというようなことを土台にしてやるべきではないと私は考えております。無論割当の範囲において免許をしなければならないということから、免許すべき数は限定されて参ります。けれども割当をきめる場合にどこへ免許しようというような考えから、これをきめたものではないと私は信じております。それから現在テレビ放送の申請をしている会社が東京にも地方にもあるわけでありますが、これは無論愼重に検討をしなければならないわけでありまして、まだ何にも具体的にきまつているというわけではございません。
○山田節男君 何ですね、周波数のチヤンネルの割当をするということは、今大臣甚だ失礼ですが私より素人でいらつしやるのです。少くとも周波数の限られたバンド、周波数を割当てるという、テレビジヨンのために三つのバンドをきめるということは、これは周波数はテレビジヨンのように非常なメガサイクルから言えば大幅なものをとる、強いものをとるものなんです。これは非常に最小限度とすべきが国策なんであります。若し三チヤンネルをニチヤンネルにして、この一チヤンネルをほかの方面に使えば、これはまあ非常に多方面に使えるわけであります。にもかかわらず、テレビジヨンのために東京に三チヤンネルも割当てるというその気持は、今大臣がおつしやるような気持じや了承し得ない。なぜそれじやそんな六メガにしても、六メガのものを他の無線に使えば非常に価値のあるものである。それをあえて三チヤンネルに予定したというところには、何か将来のテレビジヨンに対する国策がなければ、そんな無駄なことをするはずはない。これは大臣から御返答を受けられなければ、長谷局長でもいいですから、この間の事情を一つはつきりしておいて頂きたい。
○国務大臣(高瀬荘太郎君) それでは長谷局長から……。
○政府委員(長谷愼一君) 只今の点につきましてお答え申上げます。山田委員から御指摘になりましたように、テレビジヨンの放送は非常に幅の広いチヤンネルを必要といたしますし、電波の使用という面から前後して、そのチヤンネル割当等を考えなければならん点は、お説の通りでございます。その点も、いろいろ標準方式を考えた場合でも、そういう点を常に考慮に入れなければならん問題でございますが、なお御案内のように、電波の割当につきましては国際条約によつて、大体各地域ごとに共通のところがきめられている、それによりますると只今日本で、先ほど鈴木委員から御質問の際に私からお答え申上げましたように、六つのチヤンネルを将来考えまして、日本でテレビジヨン放送用に予定いたしましたのは、丁度そのバンドの範囲の周波数は、国際的にテレビジヨンを含めまして、放送用というふうにきめられている範囲でございます。それ以外には使えない電波たということに、協定がなつている範囲でございますので、その中を超短波による放送とテレビジヨンとの関係を考えまして、大体六チヤンネルを見込んだわけでございます。なお先ほども申しましたように、将来全国的にテレビジヨンがあまねく普及すると申しましようか、これを聴視できるようなことを考えますというと、どうしても六チヤンネルぐらいは最小限必要となつて参る、その点から考えましても、六チヤンネルを一応妥当と見たわけでございますこの六チヤンネルを土台といたしまして、全国的な計画なり、都市を中心とした計画を作つて参ります場合に、先ほど申しましたように、取りあえずは四チヤンネルしか実用可能でございませんが、これを技術的に、単なる技術的に、先ほど大臣からもお話がございましたように、どこに幾つ許可するというようなことでなしに、単に短波の面から技術的に割当可能な数というものを土台にしましてチヤンネル・プランを立てたのでございます。これはこの考え方は諸外国でも同じような考え方をとつておるようでありますが、そういたしますと、最大限東京附近では取りあえずは三つの電波が割当可能だという数字が出たわけでございます。この間の先ほど申上げました東京、大阪、名古屋地域での間の問題は東京に三つ可能であるかどうかという問題ではなしに、いろいろな議論が出たのは、むしろ大阪と名古屋との関係でございます。これを御参考に申上げますと、それは大阪に若しも三つ置くということを考えますと、名古屋は一つになつてしまう、どちらかを三つにすると必ず片方は一つになつてしまうという電波の混信問題から考えまして、いろいろ御意見の末に大阪二、名古屋二という全く技術的な点からそういう結論が出たわけでございまして、いろいろ実際問題といたしましては山田委員から御指摘のような問題を十分考慮して行かなければならんのでございますが、チヤンネル・プランそのものは先ほど申上げましたように純技術的な観点からでき上つた数字でございます。
○山田節男君 そうすると、長谷局長の御説明によれば東京に三チヤンネルスの割当をしたということは必ずしも更にテレビジヨンの一局を、単独の独立したテレビジヨン放送局を、放送会社とか、それに許可を与えるとかいう前提じやない、さように了解していいわけですか。飽くまでこの現在仮免許を受けている一社と更に来たるべきNHKのみである、こういう方針と見ていいのですね。
○国務大臣(高瀬荘太郎君) 私からお答えいたします。只今局長から説明がありましたように、チヤンネル・プランによつて決定されたところによりますと、東京で三つということになつておりますから認可は三つ無論できるわけであります。併しそれを三つ認可するか、その三つのうち一つをどうするかというようなことはまだ決定いたしておりません。
○山田節男君 決定するしないは未定だということをおつしやつています。これはやはり先ほど鈴木委員も言われたような意見の、将来のTV国策というものは日本の経済情勢社会情勢から見て厳正に比べて、端的に申上げますれば、この独立した行政委員会だつた電波監理委員会がこういつたような民間放送を優先的に免許したというところに大きな国策的な過ちがある。これは現大臣には責任はないかも知れませんが、吉田内閣には責任がある。そこに今のテレビジヨンの国策的な日本の社会情勢、経済情勢でどう見るかということを御質問申上げたい。まあこれで私は一応その点は了承いたしますが、更にこの議題を国会の承認を求めるに当つて私は政府がどういうこれは肚がまえを持つておるのか、この点を一つ二つお聞きしたいと思う。
 第一に事業計画を見ましても、少くとも三年間は赤字だと、こういう計画になつております。而も先ほど大臣がおつしやつたように、このNHKのテレビジヨンの放送はいわゆる放送法によつて全国にネツト・ワークを作るテレビジヨン会社、こういうことになればこれは政府としては公共放送をいよいよ開始する、而も一方において他日民間放送も始まるという今日において、NHKにテレビジヨンの放送を免許するということの場合に私はお考えにならなくちやならん問題が多々あると思うのですが、その第一は、ここにもNHKが出しております資金計画を見て、成るほど今年度におきましても追加予算においては約三億、二億九千五百万でありますが、これは更に二年度三年度とちやんと事業計画が出ておりまするが、この資金計画というものはこれは放送法によつてきまつておる、放送法の第四十二条の第二項によれば、NHK日本放送協会が発行し得る債券の最高額は三十億にきまつておるわけです。先ず資金計画から見てそういつたような放送協会が今日いわゆるサウンド放送において三十億債券を発行し得ると限度が定められておる。更にサウンド放送に加うるにテレビジヨンの放送ということになれば、この資金の借入についても当然これは幅を持たすべきが常識ではないかと思うのですが、あえてこういうことも考えないで、国会にこういう議題を出されたということは、これは他日これを修正するという含みがあるのかどうか、この点承わりたいと思います。
○国務大臣(高瀬荘太郎君) 資金計画の詳細な点につきましては、NHKのほうからいろいろお答えを申上げるということになると思いますが、私のほうで大体の見地から検討いたしましたところでは、これはほぼ妥当であろう、こういう立場で今回の提案をいたしたわけであります。併し、無論確定いたしましたことは本年度の計画と予算であります。将来のことは只今御承認を受けようというわけではございませんで、いずれ又御承認を得なければならない問題になります。併し無論そういう見通しを何も持たないで、本年度だけの御承認を求めるということは適当でないわけでありますから、大体の計画の見通しというものを考えながら提案はいたしておるのでありまして、まあ大体においてこの計画を妥当と私どもは考えたわけであります。併し細かい点につきましてはなおNHKのほうから説明申上げることにいたしたいと思います。
○山田節男君 それに附随しまして、こうしてまあ赤字を覚悟しての発足をするわけですが、一つのテレビジヨン国策として日本の放送協会のテレビジヨンが始まるということになつて、まあ借入金をするということは企業形態から成るべくしないほうがいい。こういつたような公共性を持つテレビジヨンを開設するということになればこれは最小限度の極めて低く見積もつた事業計画だと私は思うのですが、これは英国で問題になつておるのですが、将来このテレビジヨンを建設拡張して行く場合に、或いは電電公社が将来建設すベきマイクロ・ウェーヴの中継の費用、こういつたような方面においてむしろ国一庫からテレビジヨンの建設に対して借入金をするというか、政府が国庫で全額負担するか、或いは部分的に国庫が負担するか、こういつたようなことについては今までお考えになつたことはないですか。
○国務大臣(高瀬荘太郎君) 現在のところはそういうことは考えておりません。
○山田節男君 それからもう一つ、こうして公共放送のいよいよ発足に当つて、このNHKの事業計画等を見ますると、このサウンド放送のラジオとテレビジヨンを同一会計に置く、こういうように見えるのですが、政府としてはこの公共企業体の日本放送協会がテレビジヨンを始める、こういうことになれば、これは少くともテレビジヨンの何と言いますか、事業上の独立性を明確にさせるという意味で収入支出予算というものは、これはやはり画然と分けたほうがいい。これは私過日読んで記憶しておるのですが、イギリスでもBBCがテレビジヨンを始める、ビヴアリツジ委員会はこの業務上においてははつきりとサウンド放送とテレビジヨン放送を分けるべきだと、こういうようなことが言われておる。政府としてはこの点についてどうお考えになつておるか、この点を承わりたい。
○国務大臣(高瀬荘太郎君) 確かにその経理を両部門明確にするということはお説の通り最も望ましいことであります。ですから計算的な面におきましてはやはり両方の収支というもを分けることが望ましいと私は思います。ただ併しNHKというものが一つの企業体でありますから、一会計年度における全体の収益とか損失ということになりますと、両者が一緒になる結果にはなると思つております。
○山田節男君 最後にこのNHKの出しておられるテレビジヨンの視聴料ですね。これを月額二百円ときめてある、二百円であれば年額二千四百円ですか、これは今日の日本の物価或いは社会生活の程度から見てこれを妥当として、これを承認されておるのかどうか。と申上げることは、将来発足するテレビジヨンの開設が飽くまでこれは自主独立性を持たなくちやならない、今おつしやつたようにラジオのほうで余つたものをテレビジヨンのほうへ流用するということが健全であるかどうかということを、これは政府として十分根本的に考えをしなければいけないと思います。併し今のあなたのおつしやるところではそれは共通会計でいいのだ、こういうことをおつしやいますが、然らばその料金は月額二百円というNHKの案に対して、これは妥当だというように御承認なさつた根拠を具体的に承わりたいと思うのであります。これはまあ参考のためですが、イギリスは年額二ポンド、約二千円です。ラヂオが十シリングであつたのが一ポンド、約千二百円ですか、そういうことから勘案して、勿論これはイギリスにおいてはこの独立会計制度をテレビジヨンにとらせようということで、視聴料をこれは上げてもいい、上げるべきだというビヴアリツジ委員会の勧告もあるわけです。そういうことから勘案して、この月額二百円という視聴料が妥当だとお考えになつた具体的な根拠を承わりたい。
○国務大臣(高瀬荘太郎君) これについての細かい計数的な考え方というものは、あとで又詳しく当局から申上げるということにいたしまして、大体の私の意見を申上げますと、テレビジヨン放送のコストというものが、大体において標準放送の四倍くらいかかるということであります。今五十円の標準放送に対して四倍となれば二百円になりますが、併し無論コストだけできめられる問題でもありませんので、ほかの要素も考えなければならないわけであります。それにつきまして、まあ大きな比較とすれば、新聞の購読料だとか映画の入場料だとか、そういうようなものとも比べて見る必要があるわけでありますが、それらとも比べて見まして大体この程度ならばそう多過ぎもしないと、こういうような見解を私は持つておるわけであります。併し細かい点には、なお御必要があれば当局のほうから御説明を申上げたいと思います。
○山田節男君 そのNHKの当局は、これは一つの企業の責任者として、相当これは計数上の根拠があつて出されたものに違いはないが、それを政府か一応国会に出すべくそれを承認したという理由は、今大臣がおつしやつたことでは、非常に私は根拠が薄弱だと思うのです。日本の将来の物価政策もあり、又これは財政政策なり物価政策から言つて愼重に考えるべき問題だと思う。でありますから今あなたのおつしやつたようなことでは、非常に私は根拠が薄弱だと思う。これはどなたか、実際政府でこの衝に当つたかたの、どういう理由でこれがリーズナブルと見られたのか、これをはつきり聞きたい。
○国務大臣(高瀬荘太郎君) いや、局長から御説明いたします。
○政府委員(長谷愼一君) 只今の御質問に対しまして私から多少補足さして頂きます。只今大臣から御答弁がございましたように、根本的な考え方はそういう観点から見たのでございますが、これは只今お話のように実際にテレビジヨンを日本で行います場合にどれだけの経費がかかるか、その経費を賄うために受信者にどれだけの聴視料を期待するのが適当であるかという画と、テレビジヨンの効用面から考えまして、一般のラジオ放送とか、只今御引用になりました新聞、雑誌、映画等にやや類するものとの関係、或いは国民の生活基準、国民所得等から見て考えなければならないのでございまして、先ほど山田委員から御指摘になりましたように、諸外国の例等も考えまして、大体結論的には二百円の受信料が妥当だという意見になつたのでございますが、それを考えます場合に、先ほど来申上げましたように、コストの点から考えた点を最初に申上げますというと、御案内のようにテレビジヨンの施設或いは放送の施設等は、相当複雑な機械施設を持つておるのでございます。従つてそれの償却ということを常に考えて行かなければならないのでございますが、それともう一つは、日本放送協会にテレビジヨンの実施を政府が認めて行く場合には、先ほど来御指摘になりましたように、全国的な普及ということを究極の目的として考えなければなりません。そういう点から考えまして、普及計画と償却、その施設の償却計画、或いは又一方の点から申上げますと、先ほど来お話が出ましたように、相当多額の借入金がございますので、その償還というようなことも当然考えなければならないわけでございまして、そういう点から申上げますと、私どもが、これはほんの御参考でございますが、一応放送協会の立てておるこの計画を、一応妥当だと仮に仮定して見ました場合に、二百円で大体どのぐらいの年間で運営が黒字になり、償還を始められるかということを見ますと、大体五カ年目から黒字になつて、償還を始められるということになるのです。テレビジヨンというようなものができるだけ国民に早く普及するということを考えますならば、勿論この聴視料だけではございませんので、受像機の値段ということにも関連いたしますけれども、聴視料そのものも成るべく低廉なほうがいいわけであります。仮にこれを百円の場合で私が計算いたして見ますと、約十カ年余りかかるのでございます。これでは、而もいろいろの点で仮定につておりますので、最初から十カ年も赤字が続くというようなことでは、十分なる運営も考えられないわけであります。又逆に三百円の場合を私ども考えて見ますと、これはもう三カ年余りでもう償還ができる、黒字になつて行くというようなことになります。もうこの点は、この計算と申しましようか、これは聴視者の普及ということの見込み方等によりまして、随分違いますので、一概にはこの数字だけでは検討はできませんけれども、こういうような検討もいたして見たわけでございます。又一方先ほど大臣からもお話がございましたように、今回の議案になつております昭和二十七年度の追加予算の内容もさようでございますが、テレビジヨンの運営費は諸外国の例もさようでございますし、日本の現在実用化試験局等で行なつている例から言いましてもさようでございますので、そういう算定になつておりますが、一般のラジオの放送の四倍の経費を見込んでございます。その点等からも勘案いたしまして五十円の一応四倍の二百円という数字を出したわけでございます。尤もこの数字は物価の今後の変動によりまして、なお検討を加えなければならないことは勿論でございますけれども、只今申し上げたようなことから二百円を一応妥当と見たわけでございます。
○山田節男君 それは私はまだありますけれども、時間もないので、これはいずれNHKの当局者に質問する場合にやはり電波監理委員会関係のかたに出て頂いて、並行して質問をさして頂くことを保留いたしまして、私は一応打切ります。
○鈴木恭一君 ちよつと今の山田委員の御説明に関連して、これはほんの参考のためにお聞きしたいのですが、電波法の十三条の、放送を目的とする無線局の免許というものは三年というものを一応予定しているわけですね。いや、そうした場合にこの今の収支計算等はもう全然いわゆる免許される場合の制限を越えた後のことをいろいろお考えになつて免許されているそのこと自体がどうかと思うのですが、それはどういうふうに御解釈になるのですか。
○政府委員(長谷愼一君) 只今御指摘になりましたように、電波法の第十三条によりますと、免許の有効期間がきめられておりまして、放送局の場合は三年ということになつており、而もテレビジヨン放送の場合も同様でございますので、この条項によりますと三年ということが適用になるのでございますが、但し再免許を妨げないということになつているわけで、一方日本放送協会の存立期間というようなものはもう全然制限がございませんし、その使命からいたしましても相当長期な計画で公共の福祉に合うような線で計画をもう進めて行くのが当然だと思いますし、又これはやや立ち入つたことを申上げるようになるかも存じませんが、再免許とこの免許の有効期間をきめました場合の、再免許を審査をする場合には特別にその過去においての運営等が適法でなかつたというようなことがある場合は別といたしまして、多額の資金を投じ、而も放送のようなことは単にその当事者の利用だけではございませんので、多数の聴視者が受像機その他に投資をしまして、つまり多くの大衆との結び付きができておりますので、再免許の際に若しも免許を下さないというようなことは極めて慎重に考慮しなければならんだろうと思うのです。そういう点から考えまして、勿論放送協会の行なう放送も再免許は得られないというケースがないということは断言できませんけれども、普通の場合にはそういうことが起らないだろうという考え方でございます。
○委員長(溝淵春次君) ちよつと議事進行上お諮りいたしますが、本日参考人として日本放送協会の古垣会長及び理事の方も来ておられますので、この程度で一遍全般的な御説明をこの段階でお聞きしたらいいと思いますが、如何ですか。
○新谷寅三郎君 賛成ですが、一つ政府に一つ聞きたいと思つているんですが……。
○委員長(溝淵春次君) どうぞ。
○新谷寅三郎君 この前の総括質問のときに時間がなくてやめたのですが、これは局長にお聞きしたいのは、昨年以来問題になつていますメガサイクルの問題ですが、これは一応電監委等で決定されたということになつておりますけれども、決定書を見ても七メガのほうがよければそれを変更することについて何か、差支えない、やぶさかでないというようなことがあつて、また技術的な検討について多少の余地を残しているんですね。そこで私どもこれはどちらからどういうふうな意見があつてどうなつたかという過去の経過は繰返して見たくないんですけれども、どうせカラー・テレビに移行しなければならないということは誰が考えて見ても明瞭な事実だと思うんです。それでカラー・テレビに移行する場合に少しでも国民負担を軽減する意味で技術的な負担を軽減し、受像機の値段を安くするというようなことから七メガということに対してまあここで捨ててしまうのは非常に早計じやないかと思うんです。そこで関係機関にかように研究して来い、研究の結果を持つて来たら考えてやるというような政府の態度なのか、政府自体もそれに対して相当の経費を使つても研究をして行くというような態度か、それから先ほどの研究機関に対する郵政省の基本的な方針をここでもう一遍伺つておきたいんです。
○国務大臣(高瀬荘太郎君) この問題は前の監理委員会の経過との関連もありますし、技術的の問題もありますので局長から…。
○政府委員(長谷愼一君) 只今御質問の点は、標準方式に関する、いわゆる六メガ、七メガの問題だと存ずるのでございますが、当時電波監理委員会で標準方式を決定すべくこれを聴聞会に附しました結果、第一回の聴聞会の結果では政府原案の六メガを妥当と決定いたしたのでございますが、その後関係者の間から異議の申立がございまして、その異議の申立に基く第二回目の聴聞会を開かれましてその結果審理官の提出された意見書、調書等にも基き、当時の電波監理委員会が慎重に検討いたしました結果、結論としてはやはり六メガを妥当とする、但し若しも七メガを主張される側から七メガでやつた場合が、これは先ほど山田委員からも御指摘になりましたように、六メガから七メガに拡ければそれだけ電波を余計占有されるわけでございますので、そういう電波の占有を行なつても十分余りあるだけの効果が現われるということが実証されました場合には、もう一度考慮して見ようというようなことが電波監理委員会の決定書の中に謳われているんです。従いまして七メガについて実験を関係者がおやりになつて、その効果が如実に示された場合には、勿論思考することはやぶさかではないという態度を表明されたのでございますが、その一つの考え方としては、政府としては六メガが一応妥当と見るという結論でございます。一方六メガによる規則の上では明らかに標準方式が六メガとして限られているわけでございますので、現状ではその規則に則つて仕事を進めている状態でございます。併し御指摘のように、六メガにするか、七メガにするかということは無論将来カラーの、いわゆる天然色のテレビジヨンにする場合にどちらがいいかという問題になるわけでございます。現在の技術の状態では六メガでも十分にカラーを出し得るのでございますが、御指摘になつたように、或いは七メガによつた場合がより経済的に受像機機等安く行くかも知れないという点がございますが、これは実は特許等の問題もからまつておりまして、いろいろの点で問題が実はございます。それから先ほど申上げましたように、このためにテレビジヨンに余計メガサイクルのバンドを占有させるわけでございますので、これが国家全体に見まして電波の有効な利用活用等の面から考えましての研究問題もございます。いずれにいたしましても、只今政府としてはこの六メガ、七メガということにつきまして真正面から取つ組んだ実際的な実験研究は行なつておりません。理論的な研究は続行いたしておりますが、実験は行なつておりません。又聞くところによりますと、異議申立をされました関係者も実験は行なつておらないようであります。併しながら先ほど来申上げましたように、これは将来天然色のテレビジヨンになる場合の問題でございますので、天然色のテレビジヨンは如何なる標準方式でやるべきか、今申上げたメガサイクルの問題もどうあるべきかという問題も含めまして、来年度以降政府といたしましても十二分とまで行かなくともできるだけの研究実験を行いたいということで予算措置等はそのつもりで進めておりますが、来年度の予算でまだ計数的には最後的に申上げかねる状態になつておりますが、そういう考えでおります。
○新谷寅三郎君 大体わかりましたが、長谷君御承知のように前の電監委員といろいろ話合つた際に、当委員会では六メガでなければならないのだ、六メガのほうが将来に対してもよりいいのだということについてのはつきりとした電監委員の意見がなかつたし、又我々の質問に対しても、国民負担を軽減するというような点からいつてこれは七メガのほうが現在の技術の段階では国民負担を軽減するのに役立つということは認めますというような発言もあつたのであります。で、そういう点からいつて、まあ電監委員が過去に六メガでとにかく白黒のテレビジヨンを実行して行くのだという決定をされたことについて今ここで取上げてくれと言うのじやありませんが、少くともあなたが言われるように、カラー・テレビに移行する場合はどうしてもこれは根本的に増え直して行かなければならん問題だと思うのです。ですから、末年度以降予算措置について今考慮中だとか、どこまで行くか知らんがまあ考えて見ようというような程度でなく、カラー・テレビはアメリカのほうでこれが相当近いうちに普及して来れば日本にもすぐこれは伝染するにきまつている。そういう場合を予想して今から国民負担を軽減するということはこれは事業者に任したつてやりませんよ。だから郵政省が国民のために国家の経費を割いてもこれは当然やるべき仕事だと思いますから、郵政省が自分の責任において相当の予算を取つてどこかに研究所を指定して、或いはみずからの研究所でもいいのですが、非常に真剣に取組んで行かなければならん筋合いだと思うのですが、郵政大臣その点は今の局長の答弁以上に補足せられるところはないですか。
○国務大臣(高瀬荘太郎君) 御趣旨の線に沿つてできるだけ努力して参りたいと思います。
○委員長(溝淵春次君) それでは古垣日本放送協会全長。
○参考人(古垣鉄郎君) 先ず最初に私ども公共放送機関としてのNHKの業務運営の全般に対しまして常に当委員会におかれまして格別の御配慮と御指導を頂いておりますことをお礼申上げます。又この度はNHKのテレビジヨン放送に関しまして、その事業計画及び予算等の問題につきまして御審議を頂いておりますことを厚くお礼を申上げます。
 協会はテレビジヨンを以て国民生活に極めて貴重且つ有益な必要な文化財であるという見地に立ちましてそ実施に当つております。これをできるだけ早い機会に全国民にあまねく受信できるようにいたしたい、全国の中で地域的に、或いはその住民の階層に偏在があつてはいけない、或る地方にのみ十分普及して、或る地方には甚だ薄いとか、或いは或る階層には相当普及しながら或る階層には普及しないというようなことがないようにいたしたい。それから又テレビジヨンの影響力が、先ほど来の御審議にもしばしば伺われましたように極めて影響力が大きい。現在の中波放送に数倍するところの大きな影響力を持つておりますから、そのテレビジヨン放送の内容でありますところの番組は常に万全の注意と考慮と工夫等をいたしまして健全明朗な番組にいたしたい。かようにいたしましてテレビジヨンが国民大衆の友として一人でも多く利用して頂きますように、先ず全国の公共の場所、公衆の集まる場所、学校とか公民と館か等々に設置いたしますばかりでなくて、各家庭で一家揃つて楽しむことができ、又生活を豊かにして我が国の文化を高めるのに役立つものとして参りたい。そのために現在まで行なつておりますところの中波のラジオと一体として、両者の長所、又両者の性格を十分に発揮させ、一体としてバランスのとれた番組の編成に努めて参りたいという考えでございます。これを実施いたしますに当りましても、NHKはすでに全国的な中波の施設を持つておるのでありまするから、現有の放送施設及びその機能を十二分に活用いたしましてテレビジヨン放送に要する建設費、運営費等はできる限り節約いたしまして国民の負担をこの面でもできるだけ軽くいたしたいと考えております。協会は以上のような趣旨によりまして、公共の福祉のためにできるだけ速かにあまねく日本全国においてテレビジヨン放送を受信できますように放送を行うことを究極の目的としてこの予算を組んだ次第でございます。そういたしまして、このNHKのテレビ計画は、先ず東京において年度内に本放送を開始いたします所要の動力工事を行いますと共に、究極の自的に一歩々々近付きますために、大阪と名古屋におきましても来年度に放送を開始いたしたいと考えております。それに必要な調査を本年度内に行う予定になつております。このように逐次枢要の地から放送網計画を取進めまして、五カ年の後には全国に三十二局のテレビジヨン放送局を建設いたしまして、これによつて全国総世帯の六五%をカバーする計画でございます。又この五カ年間の計画が完成いたしますると、更に次の究極の理想に付近くための第二次、第三次の計画を立てまして進みたいと存じております。而もNHKは本放送実施の態勢を着々整えまして、すでに東京では、去る十一月の十四日に実用化試験局の免許を受けまして、三キロワツトで放送を行なつており、番組も毎週火曜日と木曜と土曜の三日本放送に準ずる本格的な番組を以て放送いたしておりますが、これも極く近い機会に毎日実用化試験の放送を行うところまで進んでおります。又大阪では本年二月から実験放送を開始いたしましたが、十一月からは生駒山の送信所から五キロワツトの出力で放送をいたしており、名古屋におきましても十一月一日以来五百ワツトで実験放送を行なつております。又これら三局を結びますところのマイクロ・ウェーブ、中継回路も年内に完成いたしますので、日本電信電話公社の計画が完成いたしますまでは、この施設によりまして、東京の番組を大阪や名古屋に送ることが可能となる次第でございます。このNHKの本放送実施計画は、一に二十四年に亘りますところのNHKのテレビジヨン実験研究の成果に立ちまして、海外諸国におけるテレビジヨン時代への移行の趨勢に即応いたしまして来たのでありますが、更には最近テレビジヨンというものが、決して単なる娯楽慰安の機関でなくて、国民生活、国民の社会生活の上に文化国家として不可欠の要素となつているという認識の下に、国民大衆の圧倒的な輿望にも応えなければならないというこの事態によるものと存じます。公共放送によりますNHKが、テレビビジヨン放送を担当いたしますことによつて、我が国の文化、国内産業、電波技術等の振興に寄与するところが頗る大であるということも私どもは信じております。且つ祖国再建の一助として、単に経済の面と言わず文化の面と言わず、治安の面と言わず全般的祖国の再建、文化国家、平和国家の再建の上にテレビジヨンを是非実施して参らなければならないという責任を感じておる次第でございます。又NHKの計画には、すでにお手許に資料としてお送りいたしましたように、各地の自治団体、教育団体、ラジオ覇組合、文化団体等から公共放送によるNHKのテレビジヨン本放送を一日も早く開始するようとの要望や決議が国会を初めといたしまして私どものほうへも寄せられております。で、その一部を御参考までに拔萃いたしまして御高覧に供した次第でございます。私どもはこれらの全国的な国民皆様の要望に副い、テレビジヨン放送の全国普及に邁進いたしたいと存じておる次第でございます。なお私どもといたしましては、白黒のテレビジヨンの次に参りますものは、先ほどもお話がございましたが、必ずカラー・テレビジヨンであると存じます。而もその到来の日も決して遠くないということを考えております。すでに研究を開始いたしまして一応の成果を挙げましたので、東京、大阪等でこのカラー・テレビジヨンの公開展覧等をもいたしまして、今後更に積極的にこのカラー・テレビジヨンの研究を進めることにいたしております。
 次にこの貴重な機会を頂きまして少しくテレビジヨン以外の協会の業務全般について申上げたいと存じますが、私どもはこのテレビジヨン放送計画と併せまして、中波及び国際放送の面でも内には放送文化を通じて国民の福祉に寄与し、外に対しましては、国際放送を通じて国際親善と世界平和に力を尽しますよう施設及び番組面の拡充に努めております。先ず番組面につきましては、国会の御審議の際にお示し下さいましたいろいろの御趣旨を体しまして、正確にして迅速なニユースの豊富なる提供、青少年教育放送の拡充、健全明朗な娯楽放送の充実、ローカル放送の拡充、国際知識の普及等を始め広く国民大衆の要望に応えますと共に、我が国文化の向上に寄与することを念願して参りましたが、特に次代を担いますところの青少年に対する教育放送の番組には特に力を入れたいと存じます。学校放送や職業教育通信講座等の拡充、というような方面に力を入れておる次第であります。又国際知識の普及の面では、アメリカやイギリス、フランス等に特派員を配置いたしまして、海外各放送局とも番組資料等を交換いたしますほか、更に海外諸国の著名芸能人を招聘いたしましたり、或いは生の放送を中継し、或いは録音によりまして交換放送をするというようなことで、海外の重要な事件と優れた芸能文化の紹介にも努めておりますが、今後ともますますこの世界的視野に立つて番組の編成に力を注ぎたいと存じております。更に私どもといたしましてはこれだけで満足せず、将来はたとえ聴取者が、聞く人がそれほど多くありませんでも、高度の芸術及び教養番組、特殊な通信講座といつたようなものを国の文化の面上というような気持で取入れたいというようなことも研究中でございます。
 又海外放送は祖国の独立に先立ちまして、本年二月から北米を初めといたしまして五つの方向に電波によりまして海外放送、国際放送を行なつておりまして、海外からも非常な反響を呼んでおりますので、更に多くの方面に向いましてこの放送を計画、拡充を図り、その趣旨に副いたいと考えております。
 次に施設の画では第一放送、第二放送とも民聴区域一〇〇%を目指しまして、放送局、中継局の増設を行なつておりますが、更にこれからは単に日本中に放送が聞えるというだけではなくて、各地域々々で地方の行政とか地方の文化によくマツチした、密接に結び付いた放送を提供いたしますように放送局のあり方を確立、その方針に従つて放送局のあり方を確立いたしたいと存じて、そのための支局の連絡を進めて、国民の生活に結び付いた放送局たらしめたいと思つております。
 最後に研究機関のことでありますが、公共放送を承わる私どもといたしまして、この研究機関の充実ということが非常に必要であるという見地に立ちまして、技術の研究所、放送文化の研究所、この二つの研究機関には力を入れまして、必要な経費を持ち、又単に機構を充実するばかりでなく、それに当面する人は優秀な研究員を動員いたしておりますが、更に放送局内に限らず、部外の権威者のかたちと協力いたしまして、共同研究も実施いたしまして、とにかくこの研究機関を重要視して放送運営と直結させ、いわば放送の原動力としてやつて行くという方針でございます。
 以上貴重な時間を頂戴いたしまして、非常に簡単ではございましたが、申述べましたが、NHKはテレビジヨン放送と中波放送を一体として、運営し、これを公共放送のいわば車の両輪として、その成果を遺憾なく発揮して行きたいと考えております。つきましては、今回提出されましたテレビジヨン放送の補正予算等につきまして、どうぞ格別の御同情を以ちまして、国家的見地から御審議をして頂きますことをお願い申し上げます。
○委員長(溝淵春次君) 如何でしよう。
○水橋藤作君 ちよつとこの際お伺いしておきたいのですが、テレビを普及させるには、言うまでもなくこの受信機の値段が相当、普及させる上においきな問題となると思うのですが、そこで日本の今置かれている生産能力によつて、放送協会の持つておられる事業計画と平行いたしまして、日本のメーカーによつて受信機が作られるかどうか、並行して行くかどうか。外国から輸入しなければならん結果になるかどうかということと、もう一つは値段が十五、六万もするようですと、なかなか普及が困難だと思いますが、一昨日の長谷局長のお話には、五年後には五、六万くらいでもできるようになるだろうという見通しを持つておられるようでありますが、この差が余りにも、五年後には半分以下になるという見通しからして相当日本のメーカーに我々期待し得るような感じがいたしますが、聞くところによると、アメリカとの競争で到底日本のメーカーは及ばないということも聞きますので、この点二つだけを、簡単で結構ですから御答弁願いたいと思います。
○政府委員(長谷愼一君) 只今の御質問につきましてお答え申上げます。本日お手許に差上げました資料の一つに、テレビジヨン受像機及びブラウン管の生産者販売価格推移予想表というのがございますが、一枚の紙になつておりますので、各社のテレビジヨン受像機生産計画に基いた形式別平均価格というのがございます。それを御覧願いますと先般の委員会で私から大体の現在の状況を御説明申上げましたように、大体画の大きさに比例して値段が違つております。大体一インチ一万円というのが現在のところ大体の見当だということを申上げましたが、この表にもございますように、これは日本のメーカーがみずから製造する場合に、これは前にも申上げましたが、大体大きなブラウン管は別といたしまして、十二インチ前後までは日本のメーカーでみずからの手で全部国産品で間に合う状態になつている。その辺の値段を見ますと大体一インチ一万円の見当になつておりますが、逐年これが表にございますように二十八年度、二十九年度と値段が下つて行く状態にある。
 なお御参考に、この前御説明を申上げなかつたかと思いますが、日本放送協会の受信者の普及の見込を立てる場合に、この受像機の平均の値段をどう見ているかという点と、只今申上げました、実際に各社が見込んでいる値段との関連を御参考に申上げますと、日本放送協会では二十七年度は十六万円、二十八年度は十万円、二十九年度は八万円、三十年度は四万五千円、こういう工合に一応見込んで、国民の購買力その他の関連を考えて普及をして行くという見込を立てているのでありますが、これを只今申上げました資料に基いての平均の値段を出して見ますと、二十七年度には只今御説明申上げました表と平均して見ますというと、十四万六千円、これが放送協会の十六万円に対応する値段であります。第二年度目には九万三千三百円、これが放送協会の十万円と見込んだ数字に対応している。二十九年度には平均して見ますと七万五千円見当になる。これが大体NHKが八万円と見込んだ数字でございます。この点から言いましても放送協会の考えている値段の推移というものはおおよそメーカー、その他が考えているものと大体線が同じだということになります。
○水橋藤作君 よくわかりましたが、もう一つ、外国のアメリカ等からの機械の値段と、日本のメーカーの作る値段との差額ですね、それはどんな現状でありまして、言い換ればどちらが安くておよそどのくらい違うかということが、何か参考資料がありましたらばお話願いたいと思います。
○政府委員(長谷愼一君) 外国品は外国で、例えばアメリカなりイギリスの製品が、アメリカ本国なりイギリス本国で売られているのを邦貨に換算して見ますと、確かに現在のところは、日本の製品より安うございます。併し輸入をする場合の運賃、それから貿易業者の利益その他関税と、そういう点を加算いたしますと、現在外国品で店頭に出ております価格と、それと同等のものを日本の製品の値段と比較いたしますと、大なる差はない状態でございます。
○水橋藤作君 大臣にちよつとお願いいたしますが、平和産業として今のテレビジヨンの受信機は、これから我が国の産業界にいろいろな大きな、要するに問題が残る、又一般国民の期待もそこへ寄せられると思うのですが、これに対しまして今長谷局長から言われた、外国品との差額はそうないということになりますと、自然これは、当然日本のメーカーによつて生産されることと思いますが、この場合競争の形に行かないと思うのですが、長谷局長の言われた値段は差額はないとするならば、競争がないにいたしましても、政府といたしましては、テレビジヨンの公共性に鑑みまして、メーカーに対しての何らか特殊の便法と申しますか、援助と申しますか、そういつたようなことを積極的にやる必要はあると思いますが、大臣はどういうふうにお考えになつておられるか。
○国務大臣(高瀬荘太郎君) 現在の政府の方針といたしましては、補助金等は出さないということが原則になつておりますので、原則的には出す考えはございません。ただ外貨の関係等で、為替管理等の問題で、できるだけ国産で間に合せなければならんというような事情、援助すれば国産が非常に発達するというような見込もあるということになれば、補助金という形は、今の政府の方針としては出さない方針と思いますが、そのほかの方法で、例えば資金的な援助をするとか、技術的ないろいろな援助の方法を考える、そういうようなことは、若し必要があるなら考えて行かなければならないと思つております。
○水橋藤作君 援助をするということは困難だと言われることも、我々も了解つくのですが、資金面とか或いは今困つているところのメーカーの資金を融通するとか、或いは仮に外資を入れる場合に、テレビばかりでなく、通信事業に対しての優先的援助をするとか、或いはこういう文化財に対しての、こういうものに対しての側面的の援助がなされれば、日本の平和産業及び文化国家の建設に相当大きな役割を果せると思うのですが、今政府は大体において平和産業には余り力を入れていない傾向にありますので、このテレビジヨンを通じて我が国の平和産業というか、文化国家を建設する大きな役割を果せると考えまするので、援助費を見積ることはちよつと不可能にいたしましても、資金の援助とか、或いは税金の免除とか、いろいろ方法があると思うのです。又研究費等も政府がNHK、日本放送会に一任しないで、こういつたものは、あらゆる研究費はほかにも援助されておりますので、こういう方面の援助をされることによつても援助される結果になりますので、そういう方面に十分大臣が一つテレビジヨンの普及ばかりでなく、通信事業のために、平和国家、文化国家の建設の大動脈を成すところの通信事業に格段の努力をされんことを、この機会に要望申上げます。以上であります。
○国務大臣(高瀬荘太郎君) ちよつと私から意見を申上げておきますが、御趣旨誠に賛成でありまして、ただその生産製造という方面の援助は、現在の機構では通産省が主にやることであります。まあ通産省方面とも連絡をしまして、そういう点を十分考えて努力をして行きたいと思います。
○水橋藤作君 先刻来から大蔵大臣の出席を要求しておりまするが、大蔵大臣の忙しいこともよく私もわかりますが、事務当局からの説明では用をなさないのでありまして、又この次の機会に大蔵大臣の出席を求めまして、私は大蔵大臣に対しての質問は保留しておきます。
○委員長(溝淵春次君) なおちよつと皆さんにお諮りいたしますが、先般来いろいろ御協議を重ねられたバンザント氏が二十一日頃メキシコのほうにお帰りのようでありますが、帰られるまでに適当の機会に、日本の電話施設改良について、一遍委員会に出て頂いて、独特な意見を一つ言つて頂いて参考にしたらという山田委員の御意見もございますのですが、如何なものでございましようか。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○委員長(溝淵春次君) それではその日程とそれから委員会の開会に対して御意見なり御希望がございましたら一つ、この際大体きめて……。速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
○委員長(溝淵春次君) 速記を始めて下さい。
 それでは本日の委員会はこれを以て散会いたします。
   午後零時四十五分散会