第015回国会 農林委員会 第27号
昭和二十八年三月十日(火曜日)
   午後二時八分開会
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 出席者は左の通り。
   委員長     山崎  恒君
   理事
           瀧井治三郎君
           三橋八次郎君
           東   隆君
   委員
          池田宇右衞門君
           石原幹市郎君
           小串 清一君
           宮本 邦彦君
           島村 軍次君
           小林 亦治君
  衆議院議員
           中馬 辰猪君
  政府委員
   調達庁不動産部
   長       川田 三郎君
   農林省農林経済
   局長      小倉 武一君
   農林省畜産局長 長谷川 清君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安樂城敏男君
   常任委員会専門
   員       中田 吉雄君
  説明員
   農林省農地局入
   植課長     和栗  博君
   農林省畜産局飼
   料課長     花園 一郎君
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  本日の会議に付した事件
○農林政策に関する調査の件
 (日本国に駐留するアメリカ合衆国
 軍隊の行為による特別損失の補償に
 関する法律案に関する件)
○飼料の品質改善に関する法律案(衆
 議院送付)
○農業災害補償法の一部を改正する法
 律案(内閣送付)
○農業災害補償法に基く家畜共済の臨
 時特例に関する法律案(内閣送付)
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○委員長(山崎恒君) 只今から委員会を開きます。先ず昨日水産、農林合同会員会におきまして、小林委員から提案されましたところの、日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊の行為による特別損失の補償に関する法律案の取扱を議題といたします。
○島村軍次君 昨日この問題に関して小林委員から御発言があり、本日の農林委員会において申入れの決定をみることになつておつたのでありますが、私はむしろこの際却つて例示的に挙げたことのほうが本法制定の目的に合するものと考えるのでありまして、お話のように政令で定める問題になりますと随分例示がない場合にはどうするかという問題もあるようでありますが、損害賠償、この法律案の特別損失に関する補償に関しては、むしろ現実に非常に困つておる問題を中心として考えますと、むしろ例示したほうが実効を挙げるのではないかと思うのであります。法律論としてはいろいろ考えられると思いますけれども、さような意味において農林委員会としての申入れとすることには私としては、反対をいたしたいと思います。
○小林亦治君 今島村さんからの御意見を伺つたのでありますが、具体的な問題が起きておるものに対しては、成るほど例えば防潜網とか或いは防風の施設、かような具体的な問題が起きておるものに対しては、法文に例示したほうがむしろ損害の賠償を早からしめるという効果があることは御尤もなのであります。ところがやはり一つの対抗法として作り上げるためには、やはり法律としての体裁を整えなければいけない、首尾一貫したものでなければならない。そういう見地から、いやしくもこの例示に洩れたものに対しては民法で与えておるところの補償すら困難になるという憂いがありますので、昨日のような案を出したような次第なんです。先ほど党の部長にもお出で願つて、私どもの会派のほうの衆議院側の諸君にもお立会い願つて別室で審議をしたのでありますが、特調側といたしましては、具体的にこの政令で定むるところの行為というものを並べて表現されたものについては、将来の成文化に努力をする、取りあえず政令の内容の具体的なものをできるだけ多く発表しましよう、お約束しましよう、かような御言明を得られましたので、先ほどの私どもの話合のような具体的内容をこの席で御発表願い、その立法化に努力せられるということでありますならば、あえてこの申入をしなくてもこのまま原案に賛成したいと思います。そこでもう一遍御面倒でも該当する行為といつたようなものを目算においておる全部を御発表願いたい。なお先ほどのお話合の上本席上においても立法化に努力するという御言質を頂きたいと思います。
○政府委員(川田三郎君) 現在提案になつております特別損失に関する法案の十一条三号、「その他政令で定める行為」これにつきましては、政令の案がまだ政府部内において固まつておりませんために資料として差出すことができないのは甚だ遺憾でございますが、その政令案の内容となるべき損失の具体例をここに本委員会に資料として本日提出いたしました。これによつて御覧下されば、現在政令にとり上げなければならぬと考えております事案が御了解願えると存じます。そこで只今お手許に資料として差出しました表につきまして、三十四例上つておりまするが、これは全く従来発生いたしまして陳情等もあり調査を行つたものもございます。そのうち今後の政令の骨子ともなるべきものを挙げた次第でございまして、これと共通する事故が発生いたしました場合には、ここに具体的に挙げておらないものでも、やはり政令によつて補償の対象となる次第でございす。ここに資料の当該行為という欄が右のほうにございます。それでその全部については時間の関係上省略をさせて頂きますが、比較的政令に関係のあります部分で一つの例になつておる、これから、申上げます。
 一番の水源の利用阻害、これは水の問題でございまして、具体的には山形県の若木村、山口村につきまして、水源を軍と共同で使うことになりましために、使用水量が増大いたしまして従来の灌漑用水が不足となつて来る。こういう事例につきましては、水源の利用を阻害したという軍の行為という規定をいたしまして、こうした損害の補償をいたすようにする。又三番にございますように農業と漁業に両方関係いたしますような防風施設の損壊という行為がございます。これは具体例といたしましては、宮城県の矢本飛行場建設に際しまして、防風林及び魚附林を伐採いたしましたために、附近の農産物、漁獲物に収獲上の被害を与えておる。こういう関係は従来の接収による農業補償、漁業制限による漁業補償を以ていたしましては補償の途がなかつたわけでありますが、今回この法律施行と同時に政令のほうでとり上げまして、現在法定になつております法定事項の防潜網や防風施設の点で若し補償ができない場合は、更に政令を以てこの補償を行う。大体これは三番は防風施設云々と申します第二号で補償できると存じます。四番にはやはり水の問題がございまして、第一番と共通でありますが、宮城県の王城寺に軍が水源そのものを利用しておりますために灌漑用水が不足する、こういう問題も接取区外でありますために従来の法令によつては補償ができなかつたのでありますが、今回の法令に基く政令によつて補償をしよう、こういうわけであります。その他少し先に参りまして
 二十番には水の性質を変えるという、こういう軍の行為がございます。これは具体的には、新潟飛行場の拡張工事の際、石灰が流出いたしまして又水洗便所の消毒薬が流出いたしまして、河口の魚の種、稚魚や魚の卵、そういうものが損害を受け、やがてその漁獲が皆無となつたという例がございます。
 こういうものは漁業補償の世界におきましても水質の汚濁という一つの性質をとり上げまして、政令で軍の行為を原因として数える水質水量の変更とか、水源の損壊とか、そういう表現を以て政令に規定いたしたいと存じております。更同じ欄にございますのは、もう一つ飛行場のこれは専門の言葉だそうでありますが、飛行機が入つて来るときに危険である角度というものがございます。それを進入表面と申しておりますが、進入表面というのは、飛行機の入つて来る角度によつて危険が感ぜられる一つの立体的の面でありまして、その附近にございます建築物、そういうものに対して航空機を発着させるという行為を原因たる行為に数えます。これによつてここにございますように、海岸が航空機の進入表面にあるために地引網の作業が不能であるという事例や、航空機の進入表面の農家が危険のために移転をしなければならない、その移転費がかかる、こうした事例も損害賠償の対象にとり上げようという考えでございます。その他只今申上げましたような行き方で、この表に出ております問題、林道でありましても、自動車道でありましても、政令の中に林道の利用阻害でありますとか、自動車道の利用という一つの枠を設けまして、これに当てはまるものは果してそれが損害を与えておるか、おらないかという、その個々のケースにおける折衝を成るべく簡略にするようにいたしまして、一つの考え方の枠をきめまして、それに適合する、当てはまるものについては補償を進めて行きたいと存じております。以上のような考え方に立脚しておりますので、政令事項となりますものについては、現在までに問題になつておりました事故については能う限り多く政令にとり上げるように私どもとしては努力する考えでございます。
○島村軍次君 この表を見ますると、附託になりましたのは水産委員会でありますが、被害の最も大きいのはやはり農業、林業等の問題が相当多いように見受けられるのであります。従つて農林省としてはこの政令予定事項に関して十分な御調査があり、且つ特別調達庁との間に相当検討を加えられたものと認めますが、この点に関して農林省の御意見を一つ伺いたい。
○説明員(和栗博君) お答え申上げます。農林省のほうといたしましては、いろいろ地元からの要求もございまして、その都度調達庁のほうともよく連絡をとつてやつて参つております。
○小串清一君 私はやはり島村君の意見に賛成ですが、はつきりしないのですが、ここに防潜網その他水中工作物の設置並びに防風施設、これらも最も目立つた大きな問題です。あとは政令によつて定めるということがここにないと損害の程度が民法の損害と同じようになつてしまう。こんな法律を作らなくとも民法で以てやはりそういう害を受ければ損害を請求する権利があるのです。それが特別立法によつてこういう法律を作つてまでもそういう被害者を保護しようというのに、それをただぼんやりとしておくということには私は反対なんです。ですからこれは一つ活かしておいて、それからここにあるほかにも出てきましよう。これは政令で追加するほかはない。だからこれはこの案のほうがよろしという考えです。
○小林亦治君 このままでよろしいとは私は思わない。この政令で定むる行為というものは、でき得る限りすべてのものを包含できるようにできなければ、だんだんその可能性に近づくような何か補償かなければいわゆる民法に対しての第二立法なのですから、これには賛成できないと申上げたので、その点を一つ当局から保証を頂きたいと思います。そうでないとやはり昨日来の議論のように、民法では全般を保護しておるにかかわらず、これこれのもの以外には補償しないという、いわば一つの枠をこれによつて設けることに帰着するので、民法の保護を撤回するの結果になりますので、その点は私は気にしておる。
○政府委員(川田三郎君) ここに挙げましたような事例に基いて、現在政令の文案を急いでおりますので、今後新らしい事例が出て参りました場合も幸いに政令に委任されまする関係上、適時にこれを追加いたしまして、損害の補償をするということについては、国民の間に不公平の起らないように私どもは善処する考えでございます。従つて政令事項につきましては、現在発生しております事故を成るべく多数に網羅するように関係各省と協議をいたしまして、努力する考えでございます。
○小林亦治君 いま川田部長の御言明の通り是非そうありたいと思うのですが、本日この配られたところの資料によりますと、該当行為として挙げられておる範囲というものは、これは三十四欄に分れておりますが、大ざつぱに見ますと、極く一部分だと思うのであります。駐留軍の行為によるところの損害というのはこれのみにとどまらんので、現在問題となつておるものをすべて挙げたようにおつしやるのですが、昨日例えば三橋委員が質問されたように、乳牛に対する被害とか鶏の被害とかそういうものまで網羅することになりますと、まだまだ相当該当行為と目さるべき事項が多いのであります。どという観点からこれだけのもののみをピツク・アツプしてそれらのいわば問題となつておるものを除外せられたが、何かそれにわけがあるならば伺つておきたい。
○政府委員(川田三郎君) 現在でもこの表につきましては、各省から更に追加すべきものがあるかどうかという点を地方の出先官庁を通じまして、各省間においても調査をしております。従つて出て参りましたものについて私どもは他の法令によつて補償されるかされないかを吟味いたしまして、他の法令によつて補償されるものは、それを二重になりますのでこの表から外す、又この表に加えないという行き方で参ります。それは決して補償をせないという趣旨ではございません。
 それからここに上つております軍の行為の種類が現在の損害を網羅しないのではないかという御懸念に対しましては、私どももその御趣旨をよく体しまして、政令を決定いたします際に十分現在の損害を他の法令以外の一つの救済方法としてとり上げる、洩れのないように気をつけて参る考えでございます。又「とり」、卵それから産卵そういう関係でありますが、これは従来見舞金でとり上げた例もございまして、現行の行政協定の十八条に基く損害補償、これによつても補償できると存じますし、これは違法性又は施設の可否という一つの要素がありますために、それがない場合にやはりこの特別損失のほうに入れるように努力いたしたいと存じます。
○小林亦治君 よくわかりましたが、この第一条の第一項一号、二号、例えば防潜網とか防風施設、かように特別に例示せられたという原因は、防潜網に対するところの損害補償の運動が相当燃烈であつたために特に出たように承わつておるのですが、いま島村委員からもお話があつたように非常に農林関係の該当事項が多いのでありまして、結局にぎやかに運動したものだけがれいれいとこの法律によつて、その隠れたる運動といいましようかとにかく活撥に行動をとらない部面に対しては、これは政令、こういうような結果になつて、立法上非常に体裁がまずいと思うのでありますが、そこで今部長がおつしやつたように、この該当行為として現在出ておるこれらの名前をつまり項目と言いましようか、これをこの際第一条に具体的に書いてもらうわけにいかんから、これでわからないもの或いはこの後に各省聞から出て参つたものは、これは政令ということで、現在わかる程度のものだけでも例示願えないか損害の額から行きましても防潜網に劣らないところの損害額の出て参るものも政令事項にはたくさんあると思うのであります。あえて防潜網のみを真先に持つて来ることは権衡上どうか思うのであります。
○政府委員(川田三郎君) 現在わかつておるものをこの法定事項に入れるという御意見は成に結構で、私どもも希望いたすくらいでありますが、そのとり上げ方がなかなか各省会議におきましても異論が出まして、その表現等について結論が容易に出ないわけであります。そこで今ここで法定の各号として挙げますことは理想的なのではありますが、一応政令事項といたしまして、これが若し比較的永続する事故でございましたならば、将来本法案の施行後の改正といたしまして法定事項に盛込んで行くという行き方もございます。現在法定事項をここに加えますためには、やはり相当時間をかけなければなりませんために、できるならば現在水陸の両面において非常に問題になつております防風林の関係、防潜網の関係を先ず法定事項としてとり上げ、それから政令事項を更に将来法定事項にとり上げるという心組もあるわけでございまして、この際二項だけを法定事項としその他を政令事項とすることにし、そういう事情で原案がこうなつておるという点を御了承願いたいと存じます。
○小林亦治君 それからこのおしまいの附則のところなんですが、附則の一に、「この法律は公布の日から施行する。」そうしますと、この法案の出た原因に遡つて考えてみますると、すでに損害も発生しておる、たくさんそういう事例がある。それらに対して速かに賠償をなすべきものだというお考えからこういう法案が出たわけなんですが、公布の日としますと、これは将来のことなんであります。その点これを遡及するような方法に持つて行かなければいかん。でき得るならばそうすべきだとこう思うのですが、若し遡及しない場合はこの法律の施行前に出た損害に対してはどのようなお取扱をなさるか。損害の補償について不公平のないように、この法律が出たと出ないとの相違によつて補償を、得られるもの、得られないものといつたような絶対的な差がつかないように努力すべきだと思いますが、その点についてどういうふうにお考えになつておるか。
○政府委員(川田三郎君) 施行期日につきましての御意見は誠に重大な御注意であると存じます。この法文の解釈から申しますと、一説には駐留軍でありさえすれば、本法施行後これによつた損害は四月の二十九日から遡及して補償できるという説もあつたのでございますが、今日一般の多数の説といたしましては、本法公布の日から施行してその施行の日から発生した軍の行為によるものだけこの法律で補償するということになりまして、法律上の補償はこれから先のものということになります。その解釈では必ず今日と占領が終つたときとの間に空白の時代が生じます。この原案によりますと、農林大臣がそこに特別の行政措置を講じて、補償の繋ぎをつけると申しますか、やはり見舞金というような形式をとらなければならない、こう存じております。
○小林亦治君 もう一点だけですが、そうすると、その見舞金の金額がやはりこの本法施行によつて算出せられるものと差があるのですか、ないのですか。
○政府委員(川田三郎君) 理想的には差をつけないということがよろしいのでありますが、財政上から申しますると、本法によつて補償される場合には、その補償すべき客観的の金額を予算のほうが追随いたしまして、補償の債務として如何なる方法を以ても予算を組まなければならない責任が生じて来る。併し見舞金でありますと、理想は全額を見舞うということがよろしいのでありますが、法律上の債務がないということになりますならば、そのときの財政状況に支配されまして若干の減額を受けるということもあり得るのです。
○小林亦治君 この法律の施行によつて、一方は権利となり、施行前のものは恩恵にすがるというような誠に天地の相違があると思うのですが、このアンバランスを直すためにはどうしてもこの附則の公布の日以前に遡らせる必要があると思う。その余地があるか、ないか。
○政府委員(川田三郎君) これは各省の協議を経まして法制局の意見に基いてこうした原案となりました関係上、現在政府といたしましては本法施行の時から法律上の債務を負担するという線でやつて行きたいと存じております。
○小林亦治君 これは多分予備審査でありましようから、追つて本論的な討議の機会があろうと思いますのでそれに持越すことにして、ほかの案件もございましようから、これに関する私の質問はこの程度にしておきます。
○委員長(山崎恒君) 本法律案は水産委員会に本付託になつておりますので、状況によりましては水産委員会に当委員から再び申入れて発言をするという機会が得られればそういう方法をとりたいこう思います。一応本委員会といたしましてはこれを以て委員会としては打切るということで御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山崎恒君) それではさよう取計らいたいと思います。
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○委員長(山崎恒君) 次に飼料の品質改善に関する法律案を議題といたします。昨日に引続いて質疑に入ります。
○三橋八次郎君 もう質疑も余りございませんけれども、先ず第一に第五条の三項でございますが、「当該申請に係る飼料の品質と異なるときは、その記載事項を訂正すべきことを指示することができる。」とありますが、これは具体的にはどういう場合でございますか。
○政府委員(長谷川清君) 登録の申請者が、その申請書と申請に係る飼料の内容が違つておりますような場合におきまして、ただそれだけの理由で登録を拒否するということは適切ではない。従つてそのような場合におきましては、その違つておるという事項をあらかじめ指摘してそれを直させる、その上で登録をするかしないかということを一応やつてやるということが親切ではないかというような気持からこの規定が生まれておると存じます。
○三橋八次郎君 その場合、申請書に記載した事項よりも実際の品質がよろしかつた場合、その場合はどういうようなお取扱になつておりますか。
○政府委員(長谷川清君) その場合は無論入ると考えております。それが一般的な名称で売られまする飼料の一般の品質をそれが代表するということがはつきり認定されれば、それも該当するというふうに考えていいと思います。私は併し一般的にはむしろ悪い場合、申請書と内容と比較いたしまして、内容のほうが悪いという場合に指示する例が多いのではないかと考えております。
○三橋八次郎君 内容のほうが悪い場合に、書類のほうを悪く直させるということよりも、飼料の品質改憲というようなことであれば、書類はそのままにしておいて品質のほうを直させるというようなふうにしたほうが、立法の目的のほうに適するということになりそうではありませんか。
○政府委員(長谷川清君) お話のような場合が多々あると思います。そういうふうに実際問題といたしますれば、できるだけ指導をいたしまして、要はお話のようにこれによりまして良質の飼料が普及をするというふうな趣旨に運用いたしたいというふうに考える次第でございます。
○三橋八次郎君 併しこの場合におきましては、書類を直させるだけでありまして、現物を直させるというようなことは一つも入つておらんのでございますが、それは指導で行くということでございますか。
○政府委員(長谷川清君) そうでございます。実は御承知のように、登録につきましては、一件二千円の登録手数料を出すことになつておりますし、今申上げましたような事例のために一々これを却下いたしまして、又改めて申請を進めるということで、一々二千円の手数料をとるのもどうかというような気持で恐らくこういう規定がされておるのであります。御指摘の点は指導によりまして十分期待を以てやつて参りたいと思います。
○三橋八次郎君 それからこれは一般的なことでございますが、施行期日が非常に遅いということは、勿論これは準備期間ということがございましよう。この準備期間中におけるこの法を施行するに当りましての諸計画、並びにその時期に要する予算の関係を承りたいと思います。
○政府委員(長谷川清君) この点は昨日も中馬議員よりお話がありましたように、只今お手許に配付してあります法案では、施行期日が明年の四月一日ということになつておりますが、衆議院の委員会におきまする予算審議の結果、これを本年の十二月末までの期間において政令で定める準備が整い次第、成るべく早くこの法案を施行するようにせよという御趣旨だと考えるのであります。大体先ず予算の措置を必要といたすのでございまするが、恐らくそれまでの期間におきましては、補正予算等の機会があり得るのではないかというふうに事務的に考えておるのでありますが、若しそういう機会がありませんような場合におきましては、予備費等を支出して頂くことに努力をいたしたいというふうに考えておる次第であります。
 なおその他の実際上の準備といたしましては、一般当業者に本法の趣旨を徹底せしめるための会議等、或いは業者につき、或いは関係都道府県の官吏等につきやりますほか、分析検査の具体的の方法についても更に専門家の意見を聞きまして、誤りなきを期したいというふうに考えておるのでありまするが、又飼料の検査所の場所等、或いはその設備等につきましてもできるだけ急いで準備を進めるようにいたしたいと考えておる次第であります。
○三橋八次郎君 今度はこれは関連の質問でございますが、政府のほうにお願いしたいと思います。輸入「とうもろこし」などが輸入飼料として大量に輸入されておるわけでございますが、それが発酵原料に流用されておるということをよく聞くのでありまするけれども、その実情がおわかりでありましたらお聞きしたいと思うのでございます。
○説明員(花園一郎君) 御説明申上げます。輸入「とうもろこし」につきましては餌用として入りますもののほかに、直接アルコール原料用として入つて来ておるものがあります。併しながらこれは当然に同じアルコール原料でありまする国内生産の「いも」との価格の関係におきまして、「いも」の価格が安ければ「とうもろこし」はむしろ餌のほうに流れる可能性があります。それで昨年の秋以来の「いも」の値段の安値のために、その後の「とうもろこし」はむしろアルコール原料から逆算しておつた恰好でございます。それが最近の「いも」の食糧庁からの買上措置でございますか、そういつた面からの「いも」の高値のために、今度は「とうもろこし」にも或る程度アルコール原料のほうへ又流れて行くという傾きもあるやに聞いておりまするが、現在までのところむしろ餌用のほうへ流れておるのが実情でございます。
○三橋八次郎君 これは只今お話を伺いまして安心したのでございますが、餌用として輸入したものを発酵原料に横流れをするということは、畜産の振興の上から考えましても、又「いも」作ということから考えましても、非常に障害のある問題でございまするので、これは一つ厳重な措置を講じて、餌用は餌に全部使わせるというふうにして頂きたいと思います。
 なお「いも」類の飼料化につきまして、積極的なこれは研究を進める必要かあると思うのでありますが、飼料の方面につきまして、「いも」を利用するという積極的方策がありましたならばこの際御計画でもよろしうございますから、承りたいと思います。
○政府委員(長谷川清君) お話のように、「いも」の飼料の普及ということにつきましては、畜産局におきましてもいろいろ研究をし、これの普及を図るように努力をいたしておるのでありまして、現に新潟県等におきましては、相当これが普及をし、その結果もいい成績を収めておるという実情があるような状況でございまするが、特に「いも」の質は主として澱粉質が多いのでございまするので、これに蛋白を補給するというような問題等が更にあるのであります。実は来年度農林省関係の応用研究費の研究題目の一つといたしまして、甘藷の飼料化に関する研究費といたしまして、大体十九万円程度をこの研究に充てるということで、目下話合を進めておるような状況でございます。
○三橋八次郎君 この「いも」の飼料化の研究はどこでなさるのでございますか。
○政府委員(長谷川清君) ちよつと今研究主体をはつきりいたしませんので、後ほど調べましてからお知せすることにいたします。
○東隆君 私はこの法律を見ますと、飼料業者が製造をする品質をよくすれば従つてそれを使う農家がよくなるのだ、こういう考え方の下にこの法案ができ上つておるように見るわけで、その通りに直接農家のため、こういうような意味がぼかされておるように考えられていたしかたがないのでありますが、その理由としてこのやり方で行きますと、大きな飼料製造業者に非常に特権を与えるような形になるんじやないかと思うのであります。例えば輸入飼料、その他の配給、その他も恐らく大きな飼料製造業者に特権的に与えられるとこういうような形が当然起きてくると考えますが、その点はどうなんですか。
○衆議院議員(中馬辰猪君) 昨日も同様な御質問がございましたのでお答をいたしたのでありますけれども、実は私どもがこの法律を制定しようとした動機が最初から飼料の不良なるものの取締をやるというのではなくて、飽くまでも取締という考え方は第二におきまして、品質の保全乃至は改全を図るために、只今御指摘がございましたように、飼料の登録検査等を行うことによつて品質を保全して以て飼料の公正な取引を確保したい、いわゆる飼料の品質が向上することによつて農家が安心してこの飼料を買うことができるというのがこの法の本来の建前でございますので、飽くまでも私どもは取締ということはでき得るならばこれを避けたいという気持があつたのでありますけれども、併し全然これを無放任に全く無統制に放任しておつたのでは農家としても非常に困ると思いましたので、任意登録の制度を実は考えておつたわけであります。同時に、又只今御指摘がございましたように、大きな輸入業者等だけに特権を与えることになりはせんかという御質問でございましたけれども、私どもの考え方では、大きな業者であつても小さな業者であつても登録を受けた者は、ことごとく平等な政府の保護を受けるということを考えております。大きな業者であるから特権を受ける、小さい業者であるから特権を受けないというようなことは予想いたしておりません。
○東隆君 私は今提案者のほうからの説明を聞いてそれだけで安心をすることはできないのですが、例えば飼料というもの、特に配合飼料は特権的な大きな者によつて多量に生産され、そして長い間実は置かれたり何かいたしますと、性質として非常に粗悪なものに変質をしてしまうと思うのです。飼料はやはりできるだけ新鮮なものを快給せんければならないと思いますか、そういうような点でどうしても地方的な面を考え、そして各地に配合飼料工場ができて非常に簡単に地方的に配給をせんければならん、そういう性格を持つておるものだと思います。そういうふうな場合にこの方法でやつて行く場合は、非常に少しずつ生産をするけれども併し多数のものが集つて相当な量を構成するところのもの、そういうような者に対する保護はどちらかというと与えられないような形になると思うのです。これが一点。
 それからもう一つはこの登録をすることによつて保護されるということになろうと思いますが、この登録をしない者と二つに分れると思うのです。登録をしない者は、一つは善意で構成しておるところの組合員のために配合飼料を作ると、こういう協同組合がやるような場合を典型的なものと考えますが、そういう場合には何も品質の改善のために登録をする必要がないのです。それから競争をしてまでやる必要はないと思うのです。そういうような場合と、それからもう一つは営利を目的に地方の業者がこれは申請をしない場合が非常に多く出てくるんじやないか、そのものによつて非常に農家がいためつけられる、こんな場合が非常に多く出てくると思う。この心配があるわけです。だからこれによつて総体的に飼料が改善されるかというと非常に大きな疑問があるわけです。というのは特定のものについては品質その他が保証されるかも知れんけれども、地方の場合を考えてみると、協同組合なんかは問題ではありませんけれども、それ以外のものについては却つて保証をされない、逆な現象が起きんかという心配を持ちますが、この点はどうですか。
○政府委員(長谷川清君) お話のように飼料、特に配合飼料等につきましては地方的にいろいろの種類がございます。その関係上地方の人が登録を受けます場合に、地理的に或いは時間的に不便を感ずるという点は確かに或る程度止むを得ないことではないかと思うのでありますが、併し御承知のように、大体配合飼料は現在ありますのは二百二十ばかりでありますし、大体その工場の数というようなものもきまつておりまして、さほど業者に御迷惑をかけることは少いのではないかというふうに思うのであります。
 なおお話の登録をしない業者と登録をした業者との関係でございまするが、我々は先ほど来申上げますように、できるだけ広範囲に登録をするように慫慂、指導して参りたいというふうに考えておるのでありまして、登録をいたしました者が結果的に一つの国の保証と申しまするか、保護を受けるということは、むしろ本法の狙つておるところであります。政府が保証すると申しますか、保証票を与えるような良質な飼料がたくさん流通をするということにできるだけ指導によつてやつて参りたい、こういうふうに考えておる次第であります。
○東隆君 指導奨励によつてできるだけ登録をさせるようにするのだ、こういうことを理想にしておる、こういうお話のように承わるのですが、若しそうだとするならば、或る程度以上の製造をする者については登録をどうしてもさせるのだ、こういう強制規定をして、業者及び家畜飼養者を保護する方法を考うべきじやないでしようか。
○政府委員(長谷川清君) お話の通り登録及び保証制度につきましては、強制的に全部やらすという場合も徹底した方法としては考えられると思いまするし、先ほど提案者のほうからも、お話があつたのでありまするが、この際の段階といたしましては、そこまで急にやるということが業界に与える影響と、従つて又これによつて或いは取引の混乱を来すというようなことになつても如何かと、こういうような点が考慮せられるのではないかと思いまして取りあえずは任意登録制度で行く。併し実質的には成るべくこの趣旨によつて登録を受けるような指導でやることにこの案がなつておるというふうに考えるのであります。ここはいろいろ考え方の相違かも知れませんが、成るほど徹底してやるということも一つの方法でありまする代りに、又行政的によく本法の趣旨を了解せしめて、任意的ではあるけれども実際の面においては全部の飼料にこれが適用されるということになれば、なお一層その効果を挙げ得るのではないかというふうに考えておる次第でございます。
○東隆君 くどいようですけれども、私は営利を目的としない協同組合等が飼料の製造をやる場合と、営利を目的とした会社その他によつて飼料の製造がなされる場合等においては非常に性格が違うと思うのです。そこでこの餌の取締を考えてみたときに、どちらを中心にするかというと、営利を目的にした飼料製造業者のほうを取締らんければならん。その場合に或る程度以上の量を生産するもの、これは大きなもので恐らく登録をするであろうと予想をされてあるところのものに相当すると思うのですが、その分については強制的に登録をさせる、こういうことを考えておる。これは仕事の方面においてもその他の面においてもそう差支えはないと思います。従つてそういうふうに考えてやるときに、本当の監督もでき、それから品質の改善もできるわけです。だから私はもう極く少数のものをやるもの全部登録をさせるというふうに考えれば、これはもうできない相談でありますけれども、相当量製造をしてそうしてそれの影響するところが極めて大きい、こういうような業者に対しては当然登録をさせるということを前提にしておくべきが必要だとこう考えるわけです。そういう意味において登録をしない、免れてとんでもないことをする、こういうようなものによつて被害を受ける家畜飼養者を保護しなければ、実はこの法律の目的を達せられないと思うのです。そういう意味で強制登録をする。併しそれは勿論製造するところの限度をきめればいいわけで、そういうことをやれば非常に品質の改善に私はこの法律よりももつと効果を挙げることができるのではないか。こう考えますが、その点はどうですか。
○衆議院議員(中馬辰猪君) 営利を目的とする業者の場合と、然らざる例えば協同組合等の場合とは取扱を異にしたらどうか。即ち営利を目的とする業者に対しては、強制登録なり或いは強制検査というようなことをやつたらどうかというようなお話でございます。実はこの点につきましては、私どもも再々研究をいたしたのでございますけれども、現在の段階におきましては、営利を目的としたものと然らざるものとを判然として区別して取扱をするということは、非常な摩擦を生ずるのではなかろうか。又登録を申請せざる業者が不良なる飼料を販売或いは製造いたしまして、そのために農民が非常な迷惑をこうむるのではないかというお話でございます。私どもこの点については心配をいたしておることは事実でございますけれども、併し政府が製粉を保証して保証製粉をされるような制度になつた場合においては、恐らく政府の登録ということは相当な或いは相当以上な権威を持つことになりますので、殆んどすべての業者の方々も登録の申請をされるのではなかろうか。又農民の方々も登録のないような飼料は買わない傾向になつて行くのではなかろうかというふうに私どもは考えておりますので、現在の段階におきましては、この二つを区別するとか、或いは或る程度以上の規格を持つておる業者は強制的に登録せしめるということは少し時期が早いのではなかろうか。若し本法を施行いたしまして、どうしてもこの程度では所期の目的を達成することができない、登録をしない業者のほうが非常に数が多かつたり、或いは生産数量が多かつたりいたしまして、そのために農民が非常な迷惑をこうむるというような事態が発生し、或いは予想せられるような具体的な事態が来た場合においては、我々は只今の東先生の提案の趣旨に副うように本法を切替えるということも実は予想をいたしておるところであります。
○東隆君 一応の実施の経過を見てなおそれもと、こういうようなお話でありますけれども、それからもう一つは協同組合と営利業者との関係は業者間に大きな摩擦を起す、こういうお話がありました。私は、協同組合の販売関係の事業で以てやる場合は大分違いますけれども、仮に購買加工で以てこれをやる、こういうふうな場合を考えたときには、これは農家の自給の部面を拡大したものであつて、そう監督を受ける必要のないものだと、こういう考え方を持ちますし、そのために協同組合をこしらえておるのですし、従つてその部面こそ家畜を増加さして行つたり何かする上に大きな役割を果さすべきであつて、その面についての若し営利業者との間の摩擦があるとするならば、協同組合関係の部面のものを保護助長して、そうしてそつちのほうを大きくすべきである、こういう考え方に立ちます。従つてこの際は、営利を目的に飼料製造をやりこれを販売をする面における方面の質の改善その他を当然考うべきであつて、これに対しては、例えば中にある栄養関係のパーセントを少し下げてそうして量を殖やして売ると、こんなような形も出て来るでありましようし、それから原料が安ければそいつを混ぜると、こういうような形で以て異物混入のような形も出て来る。こんなようなことが往々出て参るのはその方面が多いと思うのです。従つて協同組合関係と業者との間に摩擦が起きるという面は、十分に一つ調整をとる必要が勿論ありますけれども、その摩擦を考える必要がないと思う。この場合考うべきものは、やはり営利業者によつて製造されるところの飼料、これの品質の改善ということを中心に考えられた場合に或る程度の取締規定をしなければ、これは問題にならんと思う。その場合に登録ということは、登録をすることによつて間接に業者を保護することになりまして、決して任意の形でもつてやるようならば保護することにはならんわけです。ですからこれはどうしても成る程度の製造原料、取扱の数量、そういうようなものに限度を設けて、それ以上のものは当然登録を受くべきである。こういうふうな形にこれを持つて行かなければ、これは法律が目的としておるところのものを達しがたいのではないか。こう考えますので、この点は先ほどからのお答え等から聞きますとどうも解決しそうにもありませんけれども、そういう意見を強く私は持つておりますからその点を一つ申上げておきます。
○委員長(山崎恒君) 他に御質疑がございませんでしたならば、一応本法律案につきましては予備審査は本日を以て打切りまして、追つて本付託の上は残余の質疑を終えて直ちに討論採決に入りたいと思いますが、如何でございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山崎恒君) 本日はこの程度で予備審査を打切るということで如何でございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山崎恒君) それではさよう取計らうことにいたします。
  ―――――――――――――
○委員長(山崎恒君) 次に農業災害補償法の一部を改正する法律案を議題に供します。本法案については去る三月五日提案理由の説明を受けましたから、本日は先ず法案の内容その他参考事項について説明を求めます。ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
○委員長(山崎恒君) 速記を始めて下さい。農林省の経済局長から説明をお聞きすることにいたします。
○政府委員(小倉武一君) 災害補償法の一部を改正する法律案につきまして概略御説明をいたします。本案なり要綱を御覧になつて頂きまして順々にお話をしたいと思います。
 第一点でございまするが、この法律の十二条の改正でございます。これはどういう趣旨であるかと申しますると、現在の建前から御説明することになるわけでございますが、これまで共済掛金の農家負担と国庫負担の割合をここで示しておるわけであります。従来現行法によりますると、通常共済掛金標準率のうち、全国最低の府県のものを差引いた残りの二分の一を国庫負担と農家負担でやる、こういうことになつております。二分の一が国庫負担、二分の一が農家負担、かようになつておりまして、この全国最低部分につきましては、全く農家負担ということに相成つておつたのであります。そこでこのたびはその点を改正いたしまして、従来の全く農家負担になつておりました部分につきましても、三分の一は国庫負担ということにいたしたのであります。それによりまして農家の負担が若干軽減される、こういうことに相成るのであります。お配りしたものに図表がございますと思いますが、これを御覧頂きますとよくおわかりになると思うのでありまするが、この図表について只今申上げましたところを若干敷衍しながら申上げます。この図の一番左の方が現行に基くものであります。大体反当の共済金額を六千円と、こうふみました場合の図でございます。現行制度によりますと、通常共済掛金標準率、異常共済掛金標準率、超異常共済掛金標準率、こう三つに分れておりまして、最低の部分につきましては全然農家負担、残りの通常の部分の半分が国、半分が農家、異常となりますと、同じように半分が国で半分が農家、超異常は全部国庫負担、こういうことになつておるのであります。改正法案におきましてはその右の真中の図になるのでありまして、従来最低の全く農家の負担にされておりました部分についても三分の一は国庫負担にする、こういうことであります。
 そこでこの際もう一点補足しますと、昨年申上げましたように、水稲につきましては安全割増分というのを昨年の料率のときに削除いたしたのでありますけれども、この際やはりそれを復活したほうが連合会の経営に安全性を増す、それからこの際復活いたしましても農家負担は増加しないということに考えまして、安全割増分を復活いたしたのであります。この安全割増の部分につきましても全然農家負担ということではありませんで、半分は国が負担する、半分は農家負担、さようにいたしたのであります。これが十二条の改正の趣旨でございまして、従来のやり方と今回のやり方とを比較いたします場合に、両方とも六千円の反当の共済金額でいたしますと、これも図表の線で書いてございまするが、従来の割合で申しますと、農家負担は四六・五%、国庫の負担は五三・五%、かようになつておるのでありまするが、今回の改正によりますと農家負担は四〇・四%、国庫負担が五九・六%、かようになりまして、農家負担が軽減されるということに相成るのであります。
 次のページでございまするが、第二点といたしましては、組合の設立の認可の点が二十五条の改正法律案になつております。従来の設立の認可につきましては、いわば準則主義の認可でございましたのでありまするが、そこに若干の自由裁量の余地を残す。と申しまするのは、共済組合の公共性と申しまするか公益性に鑑みまして、或る程度のやはり若干の自由裁量の余地を残す必要がある、かような趣旨で以てここに改正をいたしたのであります。
 なお二十六条で、認可の申請がありましてから行政庁が認可又は不認可の通知をするまでの期間が、従来一カ月ということでありましたのが如何にも短いので、これは二カ月に直すことにいたしたのであります。
 なお又細かくなりまするけれども、認可の申請がありましてこの設立の状況につきまして設立の発起人等に照会をいたす、こういつた場合には、いわばこの期間が中継されるといつたような規定を念のために入れておいたのであります。
 次に第三十二条以下の規定でありまするがこれは共済組合の役員の責任についての規定であります。従来ともこういう趣旨で役員が組合なり連合会の運営をいたさなければならないことは言うまでもないのでありますけれども、忠実の義務と申しますか、忠実に職務を遂行しなければならんという趣旨を、三十二条の二という条文を追加いたしましてその旨を明かにしたのであります。その義務に伴いまして責任の規定も又おのずから若干重くいたしておるのであります。
 それから責任の規定と関連いたしまするが、行政庁の監督の規定につきましても、若干の強化を謳つておるのでありまして、それが八十条の規定でありまして、従来行政庁が団体を検査いたしましてそこに若干の違法のことがあるという場合には、必要な措置を命ずることができることになつておりましたが、措置を命じまして必要な措置をとらない場合はいきなり団体の解散ということに相成つておつたのでありますけれども、そこに役員の改選命令或いは役員の解任というふうな処分ができるような規定を入れたのであります。
 次は蚕繭の関係でありますが、御承知の通り現在の建前で申しますると、春蚕繭と夏秋蚕繭が一本の補償制度になつておりましたのを、それを春蚕繭と夏秋蚕繭に分けまして、補償制度の目的が更に十分行くようにいたしたのでありますが、これによりまして春蚕繭につきましては相当程度農家負担が軽減されるということに相成ろうかと存じております。
 その次は百六条の関係でありますが、百六条の現行法は実は附則で以て施行がされておりませんのであります。そこで収量によつて若干共済金額は違いますけれども、画一的な共済金額になつておつたのでありますけれども、今回はそこに若干の弾力性を持たせまして、危険階級によりましてこの収量区分による共済金額を定めることにいたしたのであります。この点につきましても先ほどの資料を御覧頂きますと右のほうの枠の中に書いてありまするのが、これが説明に当るわけであります。例えば現行法で申しますると、二石以上のものは七千六百円とこういうふうに画一的にきまつておるのであります。今回改正いたそうとされております点は、その右のほうの危険階級別に書いてございますが、危険階級の第一階級に属するものは従来通り七千六百円、併しながら第二階級に属するものは七千六百円か、七千二百円を選ぶことができる、第三階級に属するものは七千六百円か、七千二百円、それから六千八百円といつたような三段階を選ぶことができる、第四階級は更にもう一段加えまして六千四百円まで選ぶことができる。かようにいたしまして、この百六条の本来の趣旨を若干活かしましたので、この際百六条を改正して只今御説明いたしましたようなことにしたい、かように考えたのであります。
 それから百七条の規定はそういう措置に伴いまする技術的な規定の改正であります。
 次は百九条の関係でありまするが、これは先ほど申しましたように、蚕繭共済につきまして春蚕繭と夏秋蚕繭の二つに分ける、こういうことと相伴いまして現在の補償の限度は四割以上の被害について規定がされておるわけでありまするが、それを三割に下げまして補償の限度を拡大すると、こういう趣旨であります。
 百十条の規定は先ほど申しましたように春蚕と夏秋蚕につきましての期間の規定であります。
 大体以上がこの一部改正の法案の概要でございます。
 次に家畜共済の臨時特例に関する法律案の概要を御説明申上げます。
 この特例の目的は、法律の第一条に書いてありますように、家畜の死亡廃用の共済と疾病傷害の共済とをいわゆる一元化いたしまして、死廃病傷共済ということにいたしまして、これを一部組合に当てはめまして実験をいたしまして、今後の家畜共済制度の合理化に資しよう、こういうことであります。
 対象となりますのは第二条以下に書いてありますが、大体この死亡廃用と傷害疾病の共済を一元化してやり得るようなすでに地盤ができておるような地帯を重点に選びまして、その組合の同意を得て農林大臣が指定する、こういうことにいたしたいと思つております。勿論この指定につきましては途中都合によりまして指定をやめるというようなこともありますので、農家単位の場合と同じように指定の取消もできるようにいたしてあります。
 第三条の規定は、これはこの特例による家畜の共済が死亡廃用と疾病傷害とを一元化した死廃病傷、それから従来あります生産共済、こういうことになりますのは申すまでもないことであります。
 次に共済掛金率でありまするが、共済掛金標準率というものを定款できめまして、それによつてやるわけであります。この掛金率の範囲は二項に書いておりますように共済掛金標準率を下らないように定める。
 次のこの但書をおいた意味といたしましては、死亡廃用と疾病傷害を一元化しまするために、共済金額の非常に高い家畜におきます疾病傷害に当る部分の共済掛金が非常に多くなるということになりますと、これは農家経済の上から申しましても困りますし、又さようなことがあつてはなりませんので、さような場合におきましては例外を作つて、そういうことが起らないようにいたしたい、或いは疾病傷害事故というものが殆んど起らない、こういうことが確実に認められるような場合には、同じようにやはり共済掛金率を引下げる、こういう趣旨であります。
 次にこの掛金標準率のきめ方でありますが、これは法律には現われておりませんが、今考えております点は二つに分けております。一つはこの共済金の目的である診療費の問題でありますが、このうちいわば技術料と申しますか、人件費部分的なものを除いた部分を目的とするもの、もう一つはこの診療費のうち技術料的なものを含んだもの、この二つをきめたい、かように考えております。
 従いましてこの次の五条の共済金につきましても、先ほど申しましたような技術料を含んだものと、又含まないものと二種があり得るわけであります。この選択は勿論組合が全部組合員の意思にかかわらずきめるのではございませんで、組合員の個人の自由選択というふうに考えております。診療費のうち技術料を含んだ部分を選ぶか、或いは技術料を含まない部分を選ぶかということは組合員の自由意思にいたしたいと、かように存じております。第五条の関係はさようなことでありますが、次の会計の区分は、こういう実験をいたしまするので、指定組合にかかる分につきましては経理を区分する、そういうことによりまして、実験の一つの材料をよりよく得られるということ、なお又補助の関係もございまするので、かような措置をいたしておるのであります。
 次に今申しました補助金の関係は、第七条に別途今出て来ておるのでありまするが、この趣旨とするところは、死亡廃用と疾病傷害を一元化することによりまして危険率が低下する、死亡特に死亡廃用の危険率が低下するということが期待できるのであります。これも従来の実績によりましても疾病傷害の共済が相当進むと、死亡廃用の危険率が若干低下するといつたような実績もございまするので、そういう低下を見込みまして、それをこの指定組合の補助金に一つ充てよう、こういう趣旨であります。これによりまして疾病傷害に加入することによりまする共済掛金の若干が実質的には軽減される、かようなことに相成るのであります。
 次は第九条の審査会の規定でありまするが、この家畜共済の一元化の実験につきまして、いろいろ実施上の問題が生じて参ると存じまするので、この点につきましてはこの審査会にかけて、この意見を十分尊重してこの試験の運営の十全を期したい、かようなつもりであります。
 第十条は従来の家畜共済に関する規定の準用の規定であります。なおこの試験は約二年間実施をいたすつもりであります。附則におきまして三十年の十月というふうになつておりまするが、これはこの法案が通りましてもすぐに即日から新しくこの実験の一元化に切替わるということはできませんので、若干の準備期間を見てございます関係上、二年半余りに期間を予定をいたしておるのであります。
 附則の三項、四項、五項等は、従来の死亡廃用共済、疾病傷害共下洛が別々に行なつておりましたのを、この制度に切換えますための経過的な必要な措置であります。大体概略でございまするが。
○委員長(山崎恒君) 質疑は次回に譲ります。本日はこれで散会いたします。
   午後三時四十四分散会