第015回国会 農林委員会 第6号
昭和二十七年十二月五日(金曜日)
   午後一時四十八分開会
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 出席者は左の通り。
   委員長     山崎  恒君
   理事      
           徳川 宗敬君
           三橋八次郎君
           東   隆君
   委員
          池田宇右衞門君
           小串 清一君
           西山 龜七君
           宮本 邦彦君
           赤澤 與仁君
           小林 亦治君
           岡村文四郎君
  衆議院議員
           中馬 辰猪君
  政府委員
   農林大臣官房長 渡部 伍良君
   農林省農地局長 平川  守君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安楽城敏男君
   常任委員会専門
   員       中田 吉雄君
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  本日の会議に付した事件
○農林水産業施設災害復旧事業費国庫
 補助の暫定措置に関する法律の一部
 を改正する法律案(衆議院送付)
○農林政策に関する調査の件
 (食糧需給促進法要綱案に関する
 件)
 (食糧増産五ヶ年計画に関する件)
○参考人の出頭に関する件
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○委員長(山崎恒君) 只今から農林委員会を開きます。
 去る三日農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案、衆議院の中馬辰猪君外二十六名提出が予備審査のために当委員会に付託せられましたので、只今からこれが提案理由の説明を求めます。
○衆議院議員(中馬辰猪君) 只今議題となりました農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案者を代表して提案の理由を御説明申上げます。
 農林水産業施設の災害復旧に対する国の補助を制度化するために昭和二十五年第七国会において現行法が制定を見たのでありますが、過去二カ年に亘る本法施行の状況に鑑みまして、これを更に合理化するため、今回この改正案を提出いたした次第であります。
 即ち改正の第一点は、災害復旧事業に対する国の補助方法を合理化するという点であります。
 現行法におきましては、災害復旧に対する補助率は、農地、一般林道については事業費の五割、農業用施設、奥地幹線林道及び水産業協同組合の維持管理する漁港施設については、事業費の六割五分を補助し、又施行者の負担が一定の限度を超える場合はその超える部分に対しては、スライドして国が補助することになつておりますが、原形復旧事業費のみを対象にしておりまして、原形復旧に要する金額を超える金額即ち超過事業費につきましては、一般改良事業の補助率と同率の補助を行うことと相成つております。近時災害復旧事業の激増によりまして、勢い超過工事も増加し災害激甚な地方においては、地元負担のみによつて復旧工事を施行することが甚だ困難な実情にあり、従いまして復旧工事の円滑な施工が不可能な状態に立ち至らんとしております。
 更に理論的に考えましても法第二条第五項におきましては、災害復旧事業の定義に「原形に復旧することが不可能な場合において当該農地等の従前の効用を復旧するために必要な施設をすることを含む」とし、第六項においては「災害によつて必要を生じた事業で、災害にかかつた施設を原形に復旧することが著しく困難又は不適当な場合においてこれに代るべき必要な施設をすることを目的とするもののうち、一箇所の工事の費用が十五万円以上のものは、この法律の適用については、災害復旧事業とみなす」としてあるにもかかわらず、第三条第五項において特に超過の補助率を規定しておりますことは、無理に費用の上から原形復旧と超過工事と二つに分けたものでありまして合理的なものとは申せないのであります。
 災害復旧事業については、本来超過事業などという観念が誤りでありまして、原形復旧することが不適当な場合、これに代る施設をすることは災害復旧事業なのであります。従いまして、今回、超過事業費という言葉を削りまして、第三条第一項の災害復旧事業費には、農林水産業施設に関する災害復旧事業の事業費のすべてを含むように改正せんとするものであります。
 改正の第二点は、現行法におきましては、第二条第五項及び第六項において、一カ所の工事の費用が十五万円以上のものを補助の対象としておりますが、これを改正して、一カ所の工事の費用を十万円以上に引下げて国庫補助の対象とすることにいたしたのであります。これは近時の災害状態をみまするに、災害が局地に累積し、而も十五万円以下の工事が相当多く貧弱なる地元負担のみを以てしては、その復旧が不可能な場合が多く、災害を誘発する結果となる虞れがあるからであります。
 以上説明いたしました二点が、本改正案の趣旨でありますが、先に申上げました第三条の改正規定につきましては、その取扱の公平を期するため、過年度に発生した災害で昭和二十七年三月三十一日現在において国の補助金の交付を受けていないものについても適用させるよういたす所存でありますし、後に述べました第二条の改正規定につきましては、過年災にさかのぼつて査定をし直すことは不可能でありますので、二十七年災害から適用することといたしたいと思います。以上簡単でありますが、提案の理由の概要を申上げました。何とぞ慎重御審議の上、速かに御可決あらんことを切望いたす次第であります。
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○委員長(山崎恒君) 本法案については次回から審議を始めることといたしまして、次の議題に移りたいと存じます。先ず食糧自給促進法案を議題に供します。政府の説明を求めす。
○政府委員(平川守君) お手許に自給促進法案要綱というのをお配りいたしておるのでありますが、先日御説明いたしました食糧増産の五ヶ年計画を法律でその目的なり、或いは目標なり、或いは手段なりにつきまして明記いたしましてこれを確実に遂行して行こうというのがこの法案の趣旨でございます。その極く重要な点を御説明申上げますと、この要綱の第一は、その目的を書いたわけでありますが、第二に増産の計画を掲げてございます。これは一応米麦を目標といたしております。三十七年度までに大体現在の輸入しておる米麦を自給で賄う目標を以ちまして、差当り二十八年度から三十二年度までに第一次の五カ年計画といたしましてこの次の表にありますような増産計画を遂行したいというのでありまして、この計画につきましては、先般御説明を申上げたわけであります。ただこの表の中で二十八年度という欄の農地の関係の百八十五万石という数字が載つておりますが、これは実は二十七年度の補正予算を見込んでおりますので、これが先般の補正予算の査定で落ちておりますために、これが多少減るわけでありまして、約百二十七万石ぐらいにこれが減る見込でございます。それからこの註にいろいろ説明がございますが、この拡張計画の中には開拓計画等もございまして、開拓地等におきましては米麦のほかに雑穀でありますとか、或いはいも類等の生産を土地の性質上生産いたす場合が多いのであります。これは一応目標の中には掲げませんけれども、この註の(4)にありますように、これに附随してこの程度のいも類一億四千五百万貫、雑穀九十万石程度がこの事業に附随して生産されるということを註に謳つておるわけであります。耕地改善のほうにつきましては詳細の説明が先般ございましたから、又私から御説明申上げるのは適当でございませんから省略いたします。
 それでこれだけの増産目標を達成するために第二項にありますように、必要な経費を予算に計上するという義務を政府が持つ、こういうことを明記いたしたわけでございます。この点につきましては、なお大蔵省といろいろ折衝中でございまして、これについて、こういうような形について大蔵省が賛成するかどうかはまだはつきりいたしておりません。
 次に第三でございますが、これはこういう増産計画を達成する上において補助的な項目といたしまして、いろいろ障害となりますところの租税関係の減免を考えているわけでありまして、第一項は、団体以上の規模において土地改良をいたしました場合に、その地元負担金というものを年々組合等で徴収をいたすとありますが、その負担金はいわゆる所得税法においての必要な経費というものに算入して差引いてもらうということを規定いたしたわけであります。それから第二項のほうは、この施設をいたしました場合に、いわゆる減価償却の計算について、ほかに何か産業合理化の線に沿つた特例があるそうでありまして、その特例に準じた特典を与えてもらいたいということで、この普通の減価償却として収入金額から減らし得る金額について、この事業に使いましたときから三カ年間だけは特に百分の百五十と五割増にその償却金額を計算してもらうという特例を規定したわけであります。それから第三項は、昔ありましたような開墾或いは干拓、更に新らしい問題としては東北その他における裏作の導入につきまして、これを奨励するために五年間、又裏作導入については三年間は所得についての所得税を免除してもらうということを書いたわけでございます。それから四は、固定資産税について同様の減免を図り、工事完了後十カ年間固定資産税を免除する、又は固定資産税の評価を変えない、こういう規定であります。それから同様のことを農機具、農業用施設等についても第五項に規定をいたしました。第六は、輸入税について、農業用の機械、器具等についての輸入税の免除の規定でございます。これらにつきましても同様大蔵省との関係がございますので、現在折衝中でありまして、はつきりと政府として決定したというわけではございません。
 第四条は継続費の問題でございます。御承知のように現在土地改良事業等がそれぞれ単年度の予算になつておりますために、事業のはつきりした計画なり見通しなりができないわけでありまして、明年度以降その事業についてどれだけの予算が付くかということがはつきりいたしませんために、計画として能率が悪い。事業そのものを高能率に進めることができませんのみならず、増産の目的も甚だ速かに達成できない状態にあるわけでありまして、全体の事業でこれだけの金がかかり、それを何年に幾らずつ出すかということをあらかじめ計画を採択いたしますときにはつきりさして置くことが必要であるという意味において、継続費の制度を一般にとりまするほかに、更にこの条文にありまする意味は、都道府県の行う普通のいわゆる補助で行う事業に対しましても、国が補助金を継続費で支出できるようにしたいという趣旨でございます。県の事業についても同様にいたしたいという趣旨であります。
 第五は、農業改良のほうの宣言的な規定でございます。
 第六は、これらの事業に対して長期低利の資金を融通する。これは現在農林漁業の長期資金として融通しておりますものを融資したいという趣旨を言明したわけであります。
 第七は、この増産計画を実行いたしまする段取りを第七条以下に書いておるのでありまして、農林大臣が毎年増産実施の計画を作る。そうして第二項は、この計画を作りまする場合に、それがいろいろ電気の関係とか、或いは治水の関係とか、いろいろの他の方面に関係をいたす場合がございますので、そういう場合にはそれらも考えて或る一定の広い地域の全体計画も定めるということでございます。そうしてこれらの計画を定めまする場合には、あとで出て参りますところの食糧増産審議会の議を経るということにいたしまして、これに関係の各省の代表或いは学識経験者を以て構成する増産審議会を作つて、そこにかけてこの計画を決定する、こういうことにいたしたわけであります。それからこの計画が定まりましたならばこれを公示する、公表するということを第四項に謳つております。
 第八は、この計画の実施の主体等をきめておるのでありまして、土地改良法その他一般の法律によりましてその手続を規定しておるわけでございます。土地改良法その他の法律によりまして国とか府県とかいうものが実施するということを書いておるのであります。
 第九からあとは先ほど申しましたような電源或いは治水等と関係のあります場合でありまして、第九は、一般的にできるだけこういう全体の事業について総合的に効果を挙げるように留意するという宣言規定でございます。
 それから第十は、農林大臣が、この増産計画を行います場合に、ほかの方面と関係があります場合は、そういうほかの方面の長に対して必要な処分等を行なつてもらいたいということを協議することができるということにいたしておりまして、その協議が簡単に調わないというような場合には、総理大臣に対して調整を申出ることができるということにいたしたわけでございます。
 それから第十一は、やはり同じくそれらの事業に関係があります場合において農林大臣のほうから、例えば電気或いは治水と共通の目的を持つところのダムを建設したいというような場合において、従来例えば電源開発促進法等におきましては、電気のほうから共同でやる場合の申出等ができるわけでありますが、逆に食糧増産のほうの計画のために、同時に発電なり、或いは治水の目的を達するダムを建設したい、こういう場合には、農林大臣のほうからその事業者に対しまして共同で施設をしたいという申出をすることができる。そうしてこれについて協議が調いません場合には、総理大臣の裁定を求める、それによつて共同の仕事を達成するという場合を書いたわけでございます。
 それから第十二は、私どもとして最も重点を置いておる条項でございまして、食糧増産について非常に大きな国費を投ずるわけでございまするから、この事業が完成いたしました場合に、どれだけの効果を発揮しておるかということについて、毎年農林大臣がその成果を国会に報告するという義務を農林大臣に課しておるわけであります。この点が従来事柄の性質上なかなかむずかしいために、必ずしもはつきりと公表されておらないということが、一面においてそれだけの国費を投ずるに値するかどうかという議論を起しておるわけでありまして、非常に多額の国費を要求する代りには、その成果をはつきりと声明いたしたい、こういう考えであります。第十三、第十四等は、これは例文でありまして、必要な書類の提出を求めたり、或いは必要な場合に立入検査を行うという例文でございます。第十五以下は、食糧増産審議会の規定でございます。先ほども申しましたように、計画をいたす場合、又その成果を国会に報告いたします場合の案について、食糧増産審議会の議を経るということにいたしました。食糧増産審議会は、ここにありますように、各省の次官及び学識経験者等を以て組織するということにいたしているわけであります。
 食糧自給促進法の要綱といたしましては、極く簡単でございますけれども、大体こういう内容を考えているわけであります。
   〔委員長退席、理事東隆君委員長席に着く〕
○理事(東隆君) それでは前回の食糧増産五カ年計画と只今の食糧自給促進法案と一括して質疑をいたします。
○岡村文四郎君 この法案は我々長年要望しておりました。いろいろと疑義がありましても全体的には非常にいい法案だと思いますが、大蔵省との折衝はどこまで行つているのか。実は農業に対するいろいろな助成の伴う法律を打つて見ても、実際に行おうとするときには非常に手続が徒らにあつたり、わかりにくくて、全く長年やつている事業は、大よそわかつているからそれでいいが、新らしい事業になると非常に困つて何にも助成なんか要らない、もらつても税金に取られて駄目だというのがたくさんあります。農業に対する法律を作る時分に、大いに協議をされたら、もうあとは農林省任せで大蔵省があつちもこつちもぐずぐず言わんようにしてはどうか。これからしてかからんと、これは継続予算になるようで、当然継続予算でないと始めても駄目だと思いますが、そればかりでなくて、ほかに継続予算にしなければ駄目なものもたくさんあると思いますが、そういう始末で非常に困つておりますが、とにかく大蔵省との折衝がどこまで行つているか。それを先ず聞いてからでないと、よう言つてみても無駄になると思いますから、それをちよつとお聞きします。
○政府委員(平川守君) 大蔵省との折衝が結局お話の通り尤もな、重要な問題でございまして、この法案の一つの眼目になるわけなのでありますが、これにつきましては御承知のように現在二十八年度予算を大蔵省に要求いたしましてその説明を終りまして、現在大蔵事務当局で査定いたしているという考えでございます。私どもといたしましては、先般の政府の重要政策としても取上げられているわけでありますが、その線に沿つて具体的に金額をはじき出してもらいたい。従来のように前年度こうだから大体これに何割増しというような考え方でなしに、全体の食糧の自給計画というものを睨んで、それに即応してのこの五カ年計画の頭で根本的に考え直してもらいたいということを主張いたしているわけであります。実は先ほどまでも大蔵省でいろいろ議論して参つたような状態でございますが、まだこれについてはどの程度まで大蔵省はこれを呑むかということは、依然としてはつきりしておりません。今後の政府部内における最高政策の一つとして決定して頂くより仕方ないと、かように考えております。
○岡村文四郎君 まあ今平川局長のお話のような経緯では、いろいろな新規のこともできないわけでありますから、予備審査だから、それでもいいかと思いますが、私は一体日本の食糧が現在の耕地で八千四百万の国民が食うだけあるかないかという先ず問題をお聞きしたい。そこで例えて申しますと、二毛作ができるのにやらない地帯、やつてくれない地帯、従いましてこれが関東平野に一番多いことが、いつでしたか関東平野の平地林が非常に多いので、その調査をしようと思つてかかつたのでございますが、若槻内閣のときに平地林の伐採というので非常に騒いだが、その当時の書類があるというので探して見たが、なかなかそれは破つたりなくなつたりしてはつきりしなくて、探しましたがはつきり出て来ません。そこで関東の人から言いますと、平地林をみんな伐つては困る、これは当然のことで、こういう所は平地林を全部伐つては困るが、防風林くらいを残して、あとは伐採すればいいと思いますが、今それを飛行機に乗つて見ると、関東平野ほど平地林の多い所はありません。北海道なんかは一カ所もない。そこで先ず以て二毛作をしてもらうのにはいろいろな経費の関係でおやりにならない。そこでお隣りの長野県があれだけの苦労をしてあの二毛作をやつておることを考えた場合に、関東平野の二毛作は実に簡単です。それをやると今度は麦しかとれない。今度は北海道で御承知のようにあれだけ豆類を作つております。北海道の豆は今はよろしい、やがては豆ではいけないという時代が、そう長くせんうちに来るということを実は私は言明したいわけなんであります。そこでそれを麦に変えれば非常にいいのですが、全体的に麦に変えるわけには参りません。例えば秋播きの麦を北見のほうでやりますと育ちます。十勝へ持つて参りますと秋播きの麦は育ちません。それは方法があるので、あの満州でやつたようなことをやればできるということを言つてやりましたが、米ばかり作つているわけにはいかないから、麦を国民に食わす方法をどこまで一体政府は考えているか、あなたに聞いてもしようがないが、それから先ず以て始めなければいけない。米ばかり食うというと非常に経費ばかり食つてしようがないし、なかなか食糧増産は困難だと思いますが、今の日本の現状は配給しても御辞退申上げるというので、こういうわけで麦の統制はとれたわけであります。ですから私に言わせると、先ず以て本当に輸入をしないで食わす方法から考えて行くべきだ。今度の食糧増産の五カ年計画、十カ年計画をやつても、これは作る麦は国民が食わん、こうなつたのでは非常に困るのですから、先ず以て食わす方法をどこから考えて行くかということをお考えにならんといかんと思うのですが、これは農地局長に聞いても無理なんですが、関係者がおりますから伺いたいと思います。
○政府委員(渡部伍良君) 日本の食生活の内容を変えなければいかんというお話ですが、農林省としましても、それに向つて努力しておるのであります。終戦後否応なしに、現在の三百万トンの輸入を見ましても、二百万トン以上が麦になつている。どうしてもこれはそういうふうに持つて行かなければいけないという見地から、この食糧増産五カ年計画も出て来ております。殊に終戦以来学童給食によりまして、幸いなことに若い時代の人々がそれに相当慣れて来ておりまして、これを更に推進し、又一方国民全体の米一辺倒の考え方を改めるという考え方を更に推し進めて行きたい、こういうふうに考えております。その意味で畜産増殖計画も入つておりますし、ただこの増産計画の数字的の表現方法としては、この間もちよつと御説明いたしましたが、米麦換算にしないとよくわからないものですから、米麦換算になつておりますが、そういう点米麦以外の食糧を十分食つて行くという考え方をそこに盛つて増産計画を進めて行きたい、こういうふうに考えております。
○岡村文四郎君 そこでさつき申上げました関東平野の二毛作をやつてもらう方策を講ずるつもりかどうか。
○政府委員(平川守君) これは勿論申すまでもないことでございまして、この排水計画、灌漑計画の中には一毛作地帯を二毛作化するというものを相当含んでおるわけであります。ただ関東平野等の場合において、水源がない、或いは排水が不良であるというために一毛作を止むを得ずやつておるという所も相当あるわけでありまして、この土地改良事業が完成いたしますならば、それらの土地に、気候はいいわけでありますから、当然麦作は相当入つて来るということを増産計画の数量の中にも相当盛り込んであるわけであります。それから今のいわゆる平地林についても、或る程度の防風林その他必要なものを残したあとの開拓ということも勿論考えておるわけであります。
○岡村文四郎君 官房長にお聞きをしてみたいんだが、畜産計画を利用してやらんと、これはとても麦をたくさん作つてもなかなか買つてくれん。現在我々が役所へ行つて話を聞くと、パンで結構だ、二食はパンで結構なんで、一食くらい米を食わねばならんけれども、パンはなぜ食わんか、こういうので話がわかる。そこであながち畜産ばかりに頼らなくても僕は面倒ではないと思つておるが、これは御承知と思うのだが、一番問題は現在の麦の価格では無理ではないかと思う。そこで池田さんのおつしやるように、金のある者は米を食え、金のないやつは麦を食つておれというのは昔の時代なんで、今の自由になりかけた、余り自由でもございませんが、半自由の時代にそういうことを言つても、これは反感を買うばかりで、そうでなしに、国民全体が同じような生活をする権利を持つておるというのですから、そういうことでなしに、もう少し麦を喜んで作るようにならないと、現在の価格で麦を作りましても、とてもそれはほかのものと比較はとれません。それでそれも併せてお考えになつておるかどうか。こればかりを進めてただ反別と石数だけを勘定してみても、どうも勘定倒れで、実際無理が出て来るのでは困りますから、ここに雑穀九十万石とかお挙げになつておるが、こういう副食物が出るということであるから、どの程度に慣れているという事実もないと始らんと思うのだが、私は決して米になれとは申しません。だが余りにも今の価格では安くて、百姓がそれに応ずることができないようなことになりはせんかという心配なんですから、それをお考えになつておるなら伺いたいと思います。
○政府委員(渡部伍良君) 麦の対米比価が高過ぎるというお話でありました。これは統制時代にはもつと比価が高かつたのでありますが、今度麦の統制を緩和するにつれて下つて参りました。更にもつと下げないと消費がついて来ない、こういう問題がある。一方それでは農家のほうで採算がとれないから生産しない。こういうのでどうしてもその矛盾を解決する方法を考えない限り、直接二重価格制にするか、或いは麦作地帯の補助をもつと拡げるか、こういうことをやらない限り意味がない、こういうのでありまして、例えばこの増産法の中にも裏作を奨励する、その中で裏作をやつた場合には税金を一定年免ずる、そういう考え方の片鱗が出ておりますが、更にはつきりどの程度麦の二重価格制をとらなければいかんという点は只今検討中でありまして、これは農産物の価格全体の支持制度と一緒に解決したい、こういうふうに考えております。
○岡村文四郎君 僕ばかりではいかんからこの程度で今日はやめますが、今この法律を審議する前にこれだけ申上げて置きます。米と麦はどうしても二重価格にしなければ駄目だ。そうぜんと殊に麦のようなものはまあパンにすればいいのですが、実は食い慣れぬ人に食つてもらおうとすると非常にまあ感じが悪いということなんで、僕は予備隊にも食つているかと聞いたら、食つているというから、それでいいわけなんですが、我々は麦で育つたのですから米を食うことは余り感心せんですが、これはどうもこういう悪い育ちの人が言うことなんで、それは一般には通用しません。そうかといつて販売価格のような、現在の状態では今申上げたように百姓は困るから、どうしてもこれは国民全体が二重価格にして、価格を背負つてそうして大いに増産を進めて行かなければいかんと思うから、一つ今からそれを大いに考えて、米と麦は必ず二重価格にする、そうして生産価格と消費者価格というものがはつきり開いて、その負担は国民全体が背負う、こういうことを考えてもらつておかんと、なかなかどつこい進めても僕は困ると思う。その点をお願い申上げて置きます。これで終ります。
○宮本邦彦君 私はこの食糧自給促進法案について二、三お尋ねしてみたいと思います。もとは食糧増産基本法というような構想だつたように承わつたんですが、その当時も私これは大変なことだ、これはこれだけの構想を拝見したときに、これだけのことをやるに当つては、農林省自体としてももうちよつと真剣に考えてもらわなきやならんごとがたくさんあるんじやないかということを実は気が付いておつたわけであります。で、恐らく名前は変つても、この先日来御説明を頂きましたような内容のものをやるとすれば、名前は変つても、実態は農村には同じような大きな問題が起つて来るんじやないかということを感ずるのでございます。私、今日はそういつた根本的な問題がありますけれども、そういつた執行だとかそういうような面については又別の機会に御質問することにいたしまして、取りあえず私は今日はこの促進法によつて御計画のような事業を執行しておいでになるそのやり方は、現在農林省でやつておいでになる補助規程だとか、或いは内規だとかいうようなものそのものを基準にしてこういう枠をやつておいでになるかどうかということをちよつと承わりたいと思います。
○政府委員(平川守君) 御質問の趣旨が必ずしも的確につかめないかと思うのですが、これだけのことをやつて参りますためにいろいろと改正しなければならない点、或いは実際の運用面においては強化しなければならない点がいろいろあると思つておるのであります。ただいわゆる補助規則或いは金の出し方等につきましては、差当り非常に大きな変更をいたそうとは考えておりません。
○宮本邦彦君 私は日本の農村について、ずつと農村の問題として大きな問題は何かというと、やはり今日農村の人たちがこの事業を安心してやるという気持を持つてもらわなければできないということを私いつも考えているのです。ところが地方に参りますというと、実に農村はまだ遅れているというか、そういう気持が強いのであります。例えば地元負担金があるのでこわくてしようがない。地元が負担する事業ならちよつと困る。端的に言えば、そういう空気なんです。これはどういうことかと言いますと、曾つての日本の農村が、農村のこういつた事業の負債によつて非常に苦しんだという経験から来ているのでございまして、特にそういう主張を強くする人たちは、やはり曾つての農村で非常に負債に苦しんだ年輩、例えば五十歳、六十歳以上の人たちがその負債をたくさん持つたのであります。私は新らしい事業を御計画になるときによほど考えて頂かなければならないのじやないか。特に国が、こういう一つの法案を作り、そしてこの法案によつて義務を負うて大事業を執行しようとするときに、もう一度曾つての農村のそういう問題を起して、はならんのじやないかということを私は申上げたいと思うのであります。従つて具体的に申上げれば、補助率の問題だとか、そういうものも、もう少し再検討する余地があるのではないか。例えば急傾斜、段々畠の問題にしましても、農道は三割或いは二割というような補助率が議題になつたのです。雪寒地帯だと農道は二割だからこれは二割でなければ困るというような、全くどこに根拠があるかというようなきめ方をしておるわけです。これは大蔵省の立場から言えば、雪寒地帯の農道は二割で、今度急傾斜のほうの農道の負担を三割にすると、雪寒地帯の農道を又三割にしなければならないから困るというような、そういつたような全く駈引のようなことで以て、この補助率をきめるというようなことは困るじやないか。で、私はここで以て一、二例を申上げますると金融の問題でもそうなんです。今の農林漁業の金融は補助のないものは四分五厘、補助のある事業に対しては六分五厘ぐらい、こういう数字が出ているのです。ところが、この補助は二割であろうと三割であろうと、五割であろうと六割五分であろうと、皆同じに四分五厘、六分何厘で片付けられる。併しここらは甚だ私何といいますか、杜撰なものがあるのではないかと思うのです。これはこういうようにきまつているからしようがないのだということは、きめたほうが杜撰なきめ方をしておる、ここらは大いに考えなければならない問題じやないかと思うのです。もう一つ例を申上げますと、私はここで以て第十二項でございますか、第十二の「第七の実施計画による事業の成果について調査を行い、その結果を食糧増産審議会の議を経て、毎年国会に報告しなければならない」、こういうようなまあ何がありますが、これは従来は非常に不明確であつて、而も不明確であつたために増産成果が落ちておつた。世間にそれだけ認識されなかつたということを経験する意味において、又新らしい事業を、画期的な事業をやつておいでになる行き方としては当然だと思うのですけれども、この事業をやるときに大事なことは、これは私はしばしば経験していることでありますけれども、県営以上くらいの段階の事業になりますと非常に大きいのでございます。この事業が五割、或いは国営でありますと六割というような国庫負担分だから、これは非常に地元としては有利だというふうに考えられるのですが、実際は有利じやないのでございます。私はこの点を実ははつきり申上げたいと思うのであります。ということは、そういつた広地域の事業になりますというと、関係するところが非常に多いのです。例えば国道がある、例えば鉄道橋がある、こういうようなものを改修しなければその事業はやつて行けないのです。ところが、これは実際問題として全部この土地改良事業或いは農地水利事業というものに責任を負わされてしまう。これは責任を負うのは当然でありますけれども、それはいわゆる国道であれば建設省の事業であり、鉄道であれば運輸省の事業なのです。ところが、これは現実にはどうかというと、国営事業或いは県営事業をやつておる母体が責任を負わなければならない。責任を負わなければ実際はできて行かないのでございます。ところが、これは附帯事業として今日やつておる額が相当大きいのでございます。はつきり申上げると、まだ農林省のほうでは恐らくこれを御調査になつたことがないのじやないかと思うのです。で、私は昔からその問題は気がついておつて、しばしばそういう矛盾を感じたものでありますから、折々地区によつてテストをするのです。これは全く農業関係の事業でなくて国の交通機関だとか、或いはそういうものに投資しなければ事業が成立たないために、事業が進行しないために、止むを得ずやらされている事業が非常に大きいのでございます。これはどうかというと、はつきり申上げれば、事業全体から言えば、やはり農民が負担している。こういうものがすつきり計算に出て来ない限りこの十二の項目でお調べになつたらとんでもないことになるのではないかという気が私はいつもしているのでございます。これはどうせ国の事業、国営事業あたりでは、国が六割負担しているのだから、六割はやつているのだからそれでいいのだということは、これは大まかには考えられるけれども、少くともこの効果というものが、この事業によつて算出しなければならないというような法律になつて来て、そういう義務を負わされるということになりますれば、これは何も国道橋を掛けて、それが増産になるというところまでここで以て考えなければならんということは私はないのではないかと思う。そういうことから行くと、まだ従来の農林省でやつておいでになる補助規程だとか、或いはういうものに再検討を加えて行かなければならん面が出て来るのではないかということを、実は私は前々から考えておつたわけなんです。それでこの問題は、なぜそういうことを申上げるかというと、農村の農民の人たちの経済というものは非常に薄弱な経済です。内容が悪いばかりでなく性質も非常に農業経済というものは混沌としております。一農家について見ますと、消費経済であるか生産経済であるか、そんな面は完全になくなつているわけです。これがいつまでたつても農村の私は発達しない理由じやないかと思う。その延長が、こういつた食糧増産の事業にまで延びてきているということは私は非常に遺憾に思う。特に、この問題だけは一つ再検討をされて、本当に農家をして経済生活をするという方向に持つて行かれるためには、この事業の補助事業としておやりになる、或いは国営事業としておやりになるというにかかわらず、そういつた面をもう一度再検討される余地があるのじやないか。で、そんなふうにしてやつて頂いて行かないというと、折角の食糧増産が、金は三千億かかつたけれどもその効果はこれだけであつた。実際は二千億くらいしかその効果には働いていなかつたということが隠されて来るのじやないか。まあ特にその点について今後これは私希望として申上げてもいいんですが、再検討して頂くように申上げておきたいと思います。
○政府委員(平川守君) この補助率の問題につきましては、非常にむずかしい議論のある問題でございます。殊に今例に挙げました急傾斜地帯の農道などにつきましては、私どもも必ずあれが適当だとは思つておりません。ただ全般的に申しまして、ともかくも食糧増産の効果の上る仕事を行うのでありますから、農家もそれによつて利益を得るわけであります。従つて国家目的からいたして相当額の国が経費を出し、又或いは県等がその補助を付け足すという、こういうことはもとより必要でありますし、又それも相当高率に現在行われておるわけであります。併し若干二割なり三割なりの負担、或いは団体営等の極く小規模なものになりますれば、五割或いはそれ以上の負担を農家がいたすのでありますけれども、この程度の問題が、どの辺が適切であるかということになると非常にむずかしい問題だと思いますが、プリンシプルといたしましては、非常に大規模に行うものについては、今お話のように非常に間接的な費用も余計かかつて来る。事業それ自体を行うために或いは鉄道を横断しなければならんというような、いろいろお話のような問題も起つて来るのであります。これに対しては高率の補助をする。極く小規模な団体営のものについては比較的低率の補助をするということで、考え方としては合理的なんじやなかろうか。現在我々のほうで土地改良計画その他を採択いたします場合には、それぞれの規模のものにつきまして今お話のような間接的な、例えば鉄道を横断する、鉄橋下を抜かなければならんというようなことも全部包含をいたしまして、全体の事業費がどのくらいある、その事業費に対して増産はどのくらいの石数が上るかということを調査いたしまして、極く大体申上げますと、一石の増産を上げるのに三万円から四万円くらいの事業費でできるというようなものを採択の標準にいたしておるのであります。従いまして仮に三万円といたしますと、国営事業でありますれば六割の国庫補助と、それに若干、県によつて違いますけれども、県が二割くらい持つ、地元が二割くらい持つということになりますから、六千円か七千円くらいの負担を農家がいたすという、それによつて仮に一石増産になるといたしますれば、米価でも七千円とか乃至一万円くらいの収入増があるということで、この程度の負担力ならばあるのじやなかろうかというようなことで、計算をいたしまして採択をいたしておるわけでありますから、従つてお話のような間接的な事業費も全部ひつくるめた全体の事業費に対して、増産石数はこのくらい、従つて農家の負担がこのくらいという、こういう考え方で先ずこの程度の負担ならば可能ではないか。もとより農家経済自体を見まして、この経済が貧弱である、これをもつと向上させなければならんということは別問題として考えられますけれども、とにかく現在の状態に対して農家がこれだけの増産をすることになる、それに対してこの程度の負担ということでありますから、少くとも事業そのものについての負担関係から申せば、農家の増収する収益に対してそう不当なる負担にはならん範囲にとどめるというふうな考え方をとつておるわけであります。もとより補助率の問題は非常にむずかしい問題でありまして、今朝も大蔵省と議論をして来たのでありますけれども、大蔵省的な考え方から申しますと、逆に補助率は下げて資金を十分貸して低利にしてやつたらいいんじやないか、こういうような考え方が大蔵省にはあるわけなんであります。この辺は必ずしも普通の企業のようなわけには参らないと思いますけれども、一応私どもとしてはそういう考え方で農家が増収をする、その増収の収穫増による収入増の一部分を以て返済をして行ける範囲内、而もそれも相当その中のそう無理でない数字、そういうところに抑えたいと、かように考えでおるのであります。
○宮本邦彦君 私は新らしい大きな構想の事業に対して、何かこう農林省の考え方に、或いは政府の考え方にすつきりしない点があるのじやないか。この間大臣の説明を見るというと、冒頭に書いてあるのはやはり輸入食糧をともかく減らして、そうして四億ドルからの外貨をなにする、この立場ははつきり……、これは日本経済の立場なんです。この日本経済の立場というものは今日の日本の国内米価の問題ではないのじやないかと思うのです、はつきり申上げれば……。そうするとこの事業の狙つておるところは、むしろそういう考え方に重点がありとすれば、これは今の補助率を改訂して、国際物価になじむような事業を目標にして計画されて、その差額は国が新らしく負担なりしてこの事業を遂行させるということでなきやならんと思うのです。又農家経済だけ考える考え方ならば、これは今局長が御説明になつた通りでいいんじやないか。従来までの農林省のやつておいでになつたやり方は、これは私も知つているのですが、計画というものができて、そうして経済指数とか何とかいうものをはじき出して、そうしてやつておいでになる。その経済指数というもののはじき出される根拠は、そのときそのとき決定されておるところの生産者の米価、これによつてその指数がはじき出されておるわけなんであります。これは明らかに日本の農家経済を基本とした事業の運営の仕方じやないかと私は思うのです。ところが、今度のこの事業をやるという大きな政治的な意味はそうでなくて、国際物価を対象としていいんじやないか。例えば米なら米の国際価格を常に対象にして事業は考えられるべきものだ、こういうふうに思うのです。従いましてそうなりますというと、現在の農地局でやつておいでになるところの経済指数というものは、それに当てはまつて行かないわけなんです。従つて私は現在の、考え方の相違なんだけれども、その不足の部分、例えば国際米価と国場内米価との差額に相当するものは、これは補助率とか、或いはそういうもので以て補つて行くべきじやないか、そうしないことには大きな線まで連絡のあるような大きな新らしい、大臣がこの間説明されたような目的は達成されないのじやないか、そこに無理があるのじやないかということを私考えている。で、私の申上げたいと思つていることは、そういう点について農林省は調整した考え方をお持ちかどうか、調整して頂けるかどうか、ということなんです。
○政府委員(平川守君) 国民経済的に考えました場合に、そのいわゆる生産効果なるものを外国食糧を輸入する場合の価格で計算をして、事業の効果を判定すべきじやないか、これはもうその通りと思います。私どもも現在この大きな四千億からの事業費を要求いたして、そうしてそれによつて五カ年計画を遂行することにつきましては、国の限られた財源、国家資金というものを各種の産業に注込む場合において、農業にこれだけ注込むということの重要性を主張しておるわけであります。その重要性を判定する材料といたしましては、お話の通りの外国食糧を防遏する、従つてその価格も外国食糧の価格で計算をするということで然るべきだと思うのであります。従つてこの場合には仮に国内の価格で計算した計算額というものが比較的少くありましても、あえてその事業を国費を注込んでやる、こういう意味をなして来ると思うのです。例えば先般来私どものほうで愛知県の愛知用水という計画を国際復興開発銀行から金を借りたいという申入れをいたしておるのであります。これを計算いたします場合にも、計算をいたしてみますというと、これが完成いたしました場合に農家の農業の得る利益と生産の増加というものを計算いたしますと、毎年いわゆる経営費的な経費を引きまして、八億五千万くらいは出る。三十億見当の総生産が上りまして、そのうち二十一、二億の経費がかかる。従つて八億五千万くらいの利益があき、こういう計算が出るのであります。併しこれに対して施設に対する償却費等を考えますと、殆んど利益がないと、こういう結果になるのであります。併しこれは国内価格で計算しての話であります。仮にこれを生産物を外国食糧として計算するということになりますと、非常に高い収益計算が出て来るわけです。で、私どもとしましては、この仕事は国内価格で計算すれば殆んど利益の少いいわゆるコスト・ベネフイットの点で行きますと一・〇幾らというような数字になるのでありまして生産物を国外価格に基きましてコスト・ベネフィットが一・三幾らになるというふうにまあ国家的に見れば非常に効果の高い仕事である、こういう証明になるわけであります。従つてそういうことはこの仕事をやるべきかやるべきでないかという、この国としての政策を決定する材料としては十分考えておる積りであります。ただ農家に対する補助といたしましては、現在国営六割とか、県営五割とかいう補助をいたしておりまして、これによつていわゆる今のお話の差額と申しますか、その差額をきちんと計算しておるわけではありませんけれども、農家の生産物を国内価格で買上げると国内価格で又販売しなければならんという面に対する不利益はそういうことでカバーをいたしまして結局において私どもは睨んでおりますのは、農家がこれだけの増産をするのに対して年々これだけの負担がある、これは収穫物の極く一部分で返して行けるんだというところに目安を置きまして、そういう意味での補助金ということを考えておるわけであります。
○宮本邦彦君 私はくどいようだけれども、もう一つそれについて申上げますが、この三千億のこの五カ年計画、そして第二期として多分又おやりになるのじやないかと思う次の五カ年計画、そうしますと現在の補助規程やそういうものでやつて参りまして或るところへ行けばもうペイしなくなるのじやないか、そうするとそれから先の例えば四年なり何なり先の事業量は現在の補助規程や、そういうものによつて農家経済としてはペイする、何とかやつて行けるけれども、五年目からやる事業は、もう農家経済から考えれば、ペイしない事業になつて来やせんか。そうしますとそこで以て初めて補助率を変えるとか何とかいうことをすることは、前年にやつた農家とあとでやつた農家とは非常に大きな問題が出て来るのじやないか、そういうことを僕はやつちやいけないのじやないか。少くとも国際価格というものがあつて、そしてそれにペイするだけの事業としてやられるのはこれだけの新らしい増産計画の事業だというなら、今日からもうそれをやつて行かなきやいけないのじやないかと私は思うのです。そういつた矛盾に対して農林省は何か、だから私が当初申上げたような補助規程とか、或いはそういうものを従来やつて来たものと変つて再検討される御意思があるかどうかということをただ承わつたわけなんです。それでないと恐らくこの増産計画というものは、本当の増産計画じやないと私は申上げたいのです、はつきり申上げて……。
○政府委員(平川守君) 只今考えております五カ年計画及びその先の十カ年計画までの全体の事業分量は一応全体として昨年末の単価で総事業費約八千五百億という程度に抑えておりまして大体まあその一石の増産をいたしますのに三万円乃至四万円見当の事業でこれだけの分量は賄えるというふうに考えております。今の五カ年計画でもこの四千億ばかりの事業のうちで、まあ大ざつぱに申しますと千五百億くらいは現在やりかけておる仕事、千億ぐらいは少くともやりかけておる仕事の残事業であります。それから更にあと新らしく出ておりますものも、一応計画としましては各地区別の一応の荒つぽい計算がかなりあるわけなんですが、これも大体今の三万円乃至四万円の線に納まる、十カ年計画全体としましておしまいのほうの二割ぐらいになりますと或いは多少単価が高くなるのじやないかと考えております。現在では十年分の平均よりはずつと安いところでやつておりますので、大体この辺までは現在の補助率で仕事が十分やつて行けるのじやないかと一応考えておるのであります。ただお話のように初めは比較的安いものが、効果の高いものが出て来る。あとになるとだんだんその効果の悪いものになる。これはその通りだと思います。ただ私どもとしましては一応この辺の見当で十カ年分ぐらいの事業は大体ある。これより更に十一年目になりまして更に食糧増産しなきやならんという場合には、或いはお話のように補助率を変えて又やらなきやならんかと、こういうふうに大体考えておるわけであります。
○宮本邦彦君 この間の実はあの事業の計画調査を御説明になつたやつをはじいてみますと、今のお話のやつは三万七千五百円出ておるわけです。この三万七千五百円で事業費の当初の五カ年分のそれをはみ出すものはないというお答えならば私はそれでいいと思うのです。
○政府委員(平川守君) もとより或る程度平均的なところを抑えておるわけでありますから、例外的には五万円になるものもございます。併し大部分は四万円以内ぐらいの見当に少くとも最初の五カ年計画の分は納まるつもりでおります。
○小林亦治君 この食糧増産政策が単なる農政ではない。再建日本の国策の根幹であるということは第八国会以来口をすつぱくして私どもは唱えて参つたのであります。丁度この前に頂戴した食糧増産計画のその達成のための施策というパンフレットを拝見したのです。大変結構なスローガンなんですが、丁度私の国会で申したことをそのままお写しになつたのじやないかと思うほどそつくりした文句がこれにあるのであります。ところがその内容を見まするというと、いささか失望に堪えない点がたくさんある。これだけのたくさんの事業をやれば、国内の食糧の自給が十カ年でできる。差当つてその五カ年がこれだという内容なんです。どうも概括的に見まするというと、殆んど技術的な面が多い。政治的な恒久政策といつたような経綸を窺う点が殆んどないのではないか。こんな技術だけで増産ができると思つておつたら間違いであるということを申上げたい。増産というからには、農民の間において継続的な再生産が旺盛になつて参らなければならない。それを引き出すには、やはり根本的な政治というものを裏付けなければならな。その裏付けとして先ほどの要綱を伺つたのでありますが、まあ大体申上げまして、事務官僚的な小手先きのみが窺われるというのは、この要綱が十八項目まであるんですが、依然として根本的なものは第四までである。第五から向うは機構の構成とか権限とか、連絡関係、こういうもので、裏付けとしては私どもは失望に堪えないのでありまして、そこでこの要綱の第二、第三、第六この項目を思切つて強化拡大したところの立法ができ上るならば、前に御説明を頂き、頂戴したところのパレフレツトに盛られておるところの政策には実現性を期待することができるのであります。大蔵省と折衝しなければならないといつたようなことなのでは、将来でき上る立法というものは、非常に圧縮せられたなきにまさる程度のものじやないかという憂いを持つのであります。そこで本当に食糧の自給を達成する、再建日本の基底をなす食糧の自給の角度からやると言わんがためには、やはり第二次農地改革で終つておるところの、打ちとめになつておるところの第三次農地改革というものが切つて落されなければならない。差詰めそういつた要件を抑えるだけの目薬にはなるかも知れませんが、私どもは年来主張して来ておるところの食糧増産政策というものから、相当これは隔りがあるのであります。具体的に申上げますれば、恒久的な再生産意欲を盛んにするためには、何としても先ず重税にあえぐところの農村というものを直視しなければならない。この要綱にありますところの第三のこの減税というものをよく考えて見てもらいたい。これは実は減税にならないのです、第三では……。新たに耕地を切開いたばかりの三年間というものは、投下する労力のほどに収穫というものはないのであります。これは当然なことを当然に書いたに過ぎないのである。思い切つた減税、まあ換えて言えば高度な補助率を与えなければならないのであります。その次が農村の金融なんであります。こういうところから根本施策を開いて行かなければならない。山林地主の解消、いわば山林原野の解放なんです。これは私どもは年来主張して参つたが、いささかもそれには触れておらないようなんです。従つて根本的政策が見られないというのが私が申上げたい趣旨なんであります。それに対してどういうお考えを当局はお持ちになつているか、それを伺いたいと思うのであります。
○政府委員(平川守君) 例えば税の問題にいたしましても、根本的にはいろいろ税制そのものの、農家負担全体をお考えになつた大きなお話のようでございますが、私は別途の問題として、差当りこの法律では食糧増産を促進するために土地改良その他の仕事をやる。それに関連して関連した租税の軽減ということだけを考えておりますので、お話のような非常に根本的な見地から見ると非常に不十分と申しましようか、それに触れておらん、こういうことであるかと思うのであります。又平地林等の問題にいたしましても、これは別途の法律によつて施行をいたしております。開拓等をそれによつて進めて行く、ただそのためのここで資金源を確保する、一定の計画を以てそれに必要な資金源を確保して、開拓にいたしましても或いは干拓にいたしましても進めて行く、こういう考え方でありまして、この法律そのものが食糧自給に関して、或いは増産に関して何もかも書いているという考え方ではないわけでありまして、そういう意味でこの法律を御了解願いたい。このほかにいろいろ根本問題なり或いは基本的な法律なりというものがこの下に更に大前提としてある、こういう考え方をとつているわけであります。
○小林亦治君 前に申上げた要綱の第三は、これは相当思切つて立法的な見解を思切つた線に持つて行かないとこの要綱の狙うところの効果が達成しないということを申上げたのでありますが、一体要綱として出る場合には、間口も玄関も非常に堂々とでかいのであります。いつもならばでき上つたものはちつぽけなバラックといつたような経験も持つているのであります。今日大問題になつている、十三国会以来政府がお約束をしておつたところのものから比較して見ますというと、遙かに小さなものができ上つているというのがこの要綱なんです。まあ言いますれば、要綱案を示すといつたような段階においては、もつともつとでかいもの我々の前に拡げてもらいたかつたのであります。できたものが漸くこれに過ぎないということになりますと、非常に心細さを感ずるのでありましてどうせ要綱を我々も承認し、皆さんも御納得が行つた上で十分大蔵省との交渉なり、閣議でのいろいろな問題があるのでありますからもつともつとでかいものを拡げて、大風呂敷を拡げて成るべく余計獲得するような線で行かないと、政治的な狙いというものはきき目がないことになりますので、遠慮なく要綱なんというものはもつともつとでかいものを出してもらいたいと思うのであります。
 なお具体的な点をお聞きしたいと思うのでありますが、何でしようか、説明というのは今日だけなんですか。この増産計画とその達成のための施策、この内容の詳しい説明というものはまだこの次にあるのでありますか。
○理事(東隆君) 只今のところ一応今日で以てこの関係の部分を切上げたい。
○小林亦治君 じや、今申上げた点について御意見を伺いたいと思います。
○政府委員(平川守君) 間口の広い大きい案をということなのでありますが我々としてはどうも気が小さいのかも知れませんが、一応基本的な全体に関する法制なり或いは制度なりというものをその前提として、基礎に現在の状態を考えまして、そうしてその上に現在行なつております農地改良なり拡張なりを特にこれを促進する、これを促進するのについて、現在行われておる法律なり制度なりのほかに、特にこれに関連して必要なもの、例えば若干の税の減免でありますとか、或いは継続費の制度でありますとか、或いは増産成果の報告でありますとか、金融でありますとか、これに直接に関連して必要な項目をここに謳つたわけであります。例えば先ほどもちよつとお話のありましたような農産物の価格というものは、食糧増産の面から見れば基本的な問題じやないか、これも誠にその通りなのでありますが、これは食糧管理法のほうにお任せをする、そういう前提において、この法律としては増産事業に関連をする面を考える、特に間口が広いという意味から参りますると、これは御不満かも知れませんが、我々のところで考えますると、これでも現在のやつております改良なり拡張の規模から申しますと三倍以上になるわけでありまして、実は大蔵当局としては非常にこれでもまだなかなか難関であるわけであります。今後この計画なり法律が政府として認められるということになりますれば、それでも現在の制度から見ますれば非常なる進歩であるというふうに考えておるわけでありまして、初めに余り御期待に副うような大きなものではないかも知れませんが、その代りには一つこの程度は、私どもは相当叩いたところでありますから、是非一つこのままでこれ以上値切られることなしに出すというところに全力を尽したい、かように考えておるわけであります。
○赤澤與仁君 この五カ年計画なり自給促進法につきまして、事務当局のかたが非常な御手腕と精細な統計によつてでつち上げられましたその御努力なり、この案自体には敬意を表します。ただ先ほど岡村議員も言われましたように、従来農業政策につきましては仏を造つて眼を入れない苦い経験を持つているわけなのでございますが、この法案を見ましても、国の財政上の投下資本と申しますか、財政上の措置がなければ私は何にもならんのじやないかというような心配をいたしますわけでございますが、先ほども御説明がありましたように、十大政策に取上げられておるから、或いは大蔵省に折衝をしておるのだというだけではどうも私ども満足が行かないのでありまして、八百屋の店頭に並べられたように、十大政策の一つに取上げたから何とかなるであろうというような事柄で満足はできないのでありまして、少くともこの吉田政府が、少くとも再軍備と申しますか、自衛力の漸増計画とこの食糧の自給というようなものを二大政策として大上段に取上げて、そこから出発しなければならん、かようにまあ考えておるわけなのでありますが、これは勿論大臣にお聞きしなければならんと思いますが、先ほど来農地局長さんのお話を聞きますと、農地局主管の事柄の全きを期したいという意味合いから、そう多く出ておらないような心細い感じを受けるわけなのであります。従いまして私は二大政策としてまあ広義の自衛と申しますか、というような意味から、この内閣がこの食糧自給というものと自衛力の漸増としての防衛態勢というものを二大スローガンに掲げるくらいの政治力を持つて進まなければならんのではないかと、こういう工合に存ずるわけでありますが、承わつておるところによりますと、そういう工合に積極的に推進すべきものであるか、或いは又一面に再軍備その他からの予算上の圧迫からして一応要塞として防ぐ砦としてこういうような旗頭を立てておいて、その方面から来るところの予算上の圧迫を防ごうとするような消極的な意味で満足されるのか、この点だけを事務当局に伺つておきたいと思います。
○政府委員(渡部伍良君) お話の点御尤もでございますが、先般大臣が施政演説で申上げましたように、とにかく食糧を輸入するということ、それに今までのように貿易の三分の一近くも、貿易費の三分の一近くもドルを使うということは、日本の自立の土に絶対に避くべきことであります。従いましてこれを防衛費等の予算上の圧迫から逃れるためにこういう案を立てるというのでなく、日本の国の自立の達成のためには絶対にこの点が必要である、こういう確信を持つて我々は計画を樹立してこれを進めて行きたい、こういうふうに考えております。
○赤澤與仁君 次に先ほども平川局長からお話がありましたが、米麦の価格の問題については、食糧管理法に一応任しておいてというお話がありましたわけでございますが、この自給を促進して参りまする場合に価格政策というものも併せて取上げなければならない問題だと思うわけでありますが、一応現在の統制下におきまして米麦というものが管理下にあるといたしましたならば、現在の価格政策で事足れりとなさつておるかどうか。或いは又統制から外れましたその他の農産物の価格安定施策というものも併せて取上げなければ私はいけないのじやないかというような気持がいたしますわけでありますが、この価格政策を併せて考えて行くお考えがあるのか。又それらに関連しての考えを伺つておきたい。
○政府委員(渡部伍良君) 増産の前提条件として価格の安定確保が必要であるというのは当然であります。その点は先ほど農地局長が申上げました米については管理法に基く、麦についても現在のところは管理法に基いての施策になつておる。そのほかの主なものにつきましては、澱粉、いも対策として澱粉を買上げる、その他いろいろなものの価格安定政策を考えております。併してこれは米の統制をどういうふうにするかという大きい問題との関連において政府として整備して行きたい、こういうふうに考えております。そうしてこの増産促進法の中にそういう点を入れたらいいじやないか、こういうふうな御質問の趣旨と承わりますので、その点一言申上げますと、価格安定の制度を法制的にやるとすると、相当複雑な制度になりますので、これはむしろ増産促進法とは別の法律にしたほうがすつきりするのじやないか、こういう考えを持つております。
○赤澤與仁君 次に金融措置につきましての金融機関とか、或いはこれらの問題についてもう少し具体的な点を、おわかりになつておりましたらその構想をお洩らし願いたいと思います。
○政府委員(渡部伍良君) 国費の補助を離れまして、純粋に財政資金に基く償還を必要とする金融或いはこの一般の金融の点だけについてお答えいたしたいと思います。これは長期資金の点につきましては、一農林漁業資金融通法というものを更に強化拡大する意味において、農林漁業金融公庫の制度を確立しまして、その線で行きたいと思います。一方流動資金の面につきましては、系統機関の整備を図りまして、流動資金の疏通を図つて行きたい、こういうふうに考えております。只今農林中央金庫のほうの金は、預金だけを見ますと御承知のように年々まあざつと言つて百億くらいずつ枠が殖えて来ております。これは農村のかたがたの努力のみならず、やはり農業金融について相当の自覚が農家個々のかたにできておるのみならず、農業団体、農業協同組合の当事者の考え方がやはり系統機関を強化せにやいかん、こういう意図の現われではないかと考えられますので、そういう点を更に強化して行きたい、こういうふうに考えております。この程度です。
○理事(東隆君) いいですか、ほかに御質疑はありませんか。ないようでしたら……。
○岡村文四郎君 ちよつと……、これは直接これに関連はございませんが、実は農地局長のところへ二、三度行つたが、忙しいので会わないでそのままになつております。急傾斜地の補助金の問題なんですが、これはあのときに補助金なんてきめてかかればよかつたのですが、それをきめないものですから、今、更に交渉されておるようですが、その後どうなつたか。大蔵省との折衝が、現在の補正予算による二十七年度の補助率はどうなつておりますか。
○政府委員(渡部伍良君) 予算の査定では二割で来ております。これを交渉の結果更に五割まで持つて行けという交渉をやつておるのでありますが、大蔵省との間に妥結といいますか、大蔵省と妥結ができましたのは三割まで行つております。更にこれは全体について五割というような考え方をやめまして傾斜度の非常に強い所についてまあ少くとも五割をしなければならん。併し傾斜度の緩い所ではそれほどの補助金でなくても我慢しなければいかんのじやないか、こういうような立て方で交渉中であります。まだ結論に到達しておりません。
○岡村文四郎君 局長に話をしてくれと頼んでおいたのだが、どうもしてくれたかどうかわかりませんが、農地局へ行つて見ると、実際に全然知らん人がやつておるものですから、急傾斜というものは実際わからんと思う。実際を知らん者というのは全く駄目なものだから、局長に話をして二、三人現地へ行つて見て来い、そうすればぴんと来るから局長に言つてくれと頼んで来たのですが、言つたかどうか知らんが、大蔵省でもそうなんだ。そこで農地局の局長の下におるかたに話したところが、高知から松山まで自動車に乗つたので少し頭にあるので、それだけで話がわかる、こつちの話が。そういうわけで知らんという人には駄目なんで、まあ大蔵省のほうへ僕も行きましたけれども、二十七年度の現在の一億四千万で補助率は厚くすれば事業量は減るのだ、それでもいいかと言つたところが、減つても止むを得ないと言つておりましたが、局長がいなくて総務課長が代りに聞いておきたいというから話をして来ましたが、農林省だけにお任せしないで大いにやろうと思うのですけれども、農林省が弱くて三割とか三割五分とか変えて行くものだから駄目なのです。今官房長のお話のように私は十五度を五割にしろと考えておりません。併しながらそういう前提で最初法律をこしらえる時分に十五度の所が多く利用されて、本当に利用されるべき所が利用されないのじやないかという疑義があつたものですから、ここに三橋さんがおられるが、あれを通した根本がなくなりますよ、十五度ばかり考えてやつたのじや。こうしてやれということを触れ廻つた責任があるものですから、相当の補助率を取らなければ責任が済まんですから、一つ官房長もそれから局長も、補助率をきめなければいかんから、我々もやるから、一つ御努力願います。
○宮本邦彦君 私はこの十一というところにあるこれなんですが、いずれ又法律案ができますというと法律案の内容で以てお尋ねしたいと思つておりますが、この十一は水利に対する消極的な面だけが誰つてあるように思うのです。で、実際問題として、私増産計画で一番問題と思うのは水利じやないかと思うのです。はつきり申上げますと、水利の点が本当に増産計画にマッチして実施できないような状態ならば、恐らくこの増産計画というものは大きな壁にぶつ突つてしまいやせんか。今日御存じのように発電だとか河川改修のために農業水利は非常な損害を受けております。私の郷里の一つの例でございますが、私の郷里に岡田川という準用河川があるのです。これが上流半分はこれは天龍川、下流半分は三百町歩ばかりの耕地の排水河川、ところが二十四年度からこれを建設省のほうで取上げて河川改修をやつちやつたのです。従つて下流のほうの従来排水河川であつた半分を幅員を拡げて洪水を疏通させるために川幅を拡げたのです。一年で以て河床が一メーター五十乃至一メーター八十くらい上つてしまつたのですそれで三百町歩の排水が全完に機能を失つてしまつた、今日麦の作付けに……。これは長野県の善光寺平の二毛作の代表的な所なんですが、最も中心地帯が、今日三百町歩ばかりが、麦作に難渋しており、今年の麦作が到頭播種できない所があるのです。これは河川オンリーで以て実はやつたわけなんです。私びつくりして飛んで行つて県庁へ行つて耕地課へ行つて聞いたところが、耕地課では何の興味も持たない。実際河川課でやつちやつた。農民が非常に驚いちやつて県庁へ行つたのでは話にならんといつて私のところへ飛んで来たのです。私は県知事に会つて交渉したところが、これは全く申訳なかつた、これは河川課で以て独自にやつたので今日もうどうにもならんのだ、まあそういう実は事態が起つておるのです。発電でも、実は大井川の末流で大井川の発電水利の操作のために下流が非常な難渋をしております。全国至る所で今日発電の問題或いは河川改修の問題で農業水利が侵されておると言つちやおかしいけれども、非常な惨害も受けておる、そういう状態なのです。今度これだけの大事業をおやりになるという場合に、少くとも農業水利権というものに対して積極的な法律内容をここに盛つておかれないことには、恐らく私壁にぶつ突つてしまうのではないかという気がされるわけなんです。そういつた御準備がおありになるかどうか。或いは御準備がないならば、少くとも暫定的にでもこの事業計画が達成できるような措置を一つ御研究願いたいと思います。
○政府委員(平川守君) その問題は非常に大変な問題でありまして、曾つて御説明申上げましたような公共水法といつたような案で、建設省方面とお互いに河川をいじる場合についての関連を十分に連携をとつて、合理的な線で仕事ができるようにしたいということで、かねて申入れをいたしておるわけであります。御承知のように、なかなかむずかしい問題でありまして、永年の河川法等の関係もありまして、簡単に建設省のほうでも承知をしないという点がございますので、この法律案におきましても、その河川の関係の調整を盛り込むことを考えたこともあつたのでありますが、何分にも問題が非常にむずかしい問題で、現在経済審議庁のほうに総合開発審議会の一環としての水部会が置かれまして、そこで関係の者が集まつて相談をいたしております。又建設省のほうでも、河川の関係の審議会なんかを置きまして、その問題を検討しておるというような状況であります。そのほうにこの水の問題を一応任せまして、それも速急に一つまとめた、併しこの法律としては、一応そういう前提で、現在の状態を一応の前提として行く、併し根本的にはそのほうで早く両者の調整を考えるということを並行的に進めたいという意味において、ここにはこの程度のことしか盛られておらないという状況であります。
○理事(東隆君) ほかにないようでしたら、私ちよつとお聞きしたいのですが、それは、この計画は米麦を中心にして、それに必要な各方面の総合的な条件を計画されておる、こういうふうに考えるのですが、私は農地の上にできる食糧は、農産物、それから畜産物があると思うのですが、それをマッチさせなければ食糧の自給は到底できるものじやない、こういう考え方を持つわけであります。それは米麦を中心にしたり、或いは極端に米を中心にして考えますと、日本のあの戦争中に麦を馬に食わせるとか、いろいろな問題が出て来るわけです。農家が自分のところで食べる分については差支えありませんけれども、農家の自給部面が殖えて行きますと、市場に出る分が当然減つて来るわけであります。耕地面積を如何に殖やしても、それから生産を如何に上げても、農家の自給部面が殖えて来れば、市場に出る分が少いのでありますから、従つて食糧の自給態勢の解決ということにはならんわけです。そういうような意味で、私はこの食糧自給促進法によつての計画には、どうしても畜産の計画をつけんければならん、従つてそれにマッチして飼料の計画を立てなければこれは本物にならんと、こういう考え方を持つものですが、この計画にそういうような面の計画を当然附帯さすべきであると、こう考えますが、その点はどうなつておりますか。
○政府委員(渡部伍良君) お話の通りでありまして我々も雑穀、いも、或いは畜産計画を忘れておるわけではありません。この今の要綱の註の(4)にもありますが、いも類一億四千五百万貫、雑穀九十万石が増産されると、ただこの何と申しますか、整理の都合というか、要綱を作る、案を作る点から言つて、焦点がぼけてしまう虞れがありますので、その部分はプラス・アルフアーという考え方で、それぞれいもの生産の増加の施設、或いは雑穀の生産の施設等々につきましては、品種の改良であるとか、採種圃の施設とか、それぞれ予算には計上しておりまするが、この自給促進法の中には、これはそういう程度で考えておつたほうが焦点がぼけなくていいのではないかと、こういうふうに考えております。それから畜産の関係でありますが、畜産の関係につきましても、これは昨年以来有畜農家創設事業の推進についての施策が講ぜられておりますが、これを現在通りのやつで行くか、或いは有畜農家創設資金融通特別会計というようなものを設置してやるかということにつきまして、まあ現在のままでやるとすれば問題はないのでありまするが、それよりも更に強化したものにしたいというので案を練つておりますので、これもやはり別途に推進したほうがいいのではないかと、こういうふうな考え方からこの要綱の中には入れてないのであります。更にこの法案ができるまでにこれに入れたほうがうまく行くというようなことになりますれば、入れることも一向差支えないのでありまするが、これに入れるまでには、もう少しコンクリートにしてからのほうがいいのではないかと、こういうふうに思つております。
○理事(東隆君) 考え方をできるだけ一つ、農家における自給部面は十分に考えて市場にたくさん出るような考え方、そういうような方面における条件を私は整備をして頂きたいと、こういう希望を持つております。それだけ述べておきます。
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○理事(東隆君) ほかに御質疑がないようでしたら次にお諮りをいたしますが、それは只今議題となりました食糧増産五カ年計画、それから食糧自給促進法案、これは農業政策上重要な意義を持つものでありますので、その取扱は特に慎重を期する必要があると思われます。従いまして、この問題に関して、適当な方法によつてできるだけ広く外部の関係者の意見を徴することにいたしてはどうかと考えまして、先刻委員長及び理事打合会において、お手許にお配りいたしました食糧増産五カ年計画及び食糧自給促進法要綱案に関する意見聴取の件(案)、これを皆さんのところにお配りしてあるわけでありまするが、これを一つ御審議願いたいと存じます。これは皆さんのところへ行つておりますが、先ほど委員長及び理事で以て打合せをして訂正をするようにきまつたわけでございます。若し御異議がございませんでしたらそのように取計らいたい、こう存じますが如何でございますか。
○岡村文四郎君 これは今度の国会には出ないのですね。
○政府委員(平川守君) 間に合いません。
○岡村文四郎君 そこでそうなりますと、今委員長の言うようなことは、これはやつてもいいと思うのだが、そこで委員長、現在の要綱で質疑を聞いてもこれは困難だと思う。だからもう少し掘下げたものの資料を加味して、そうしてそれによつて聞くならいいかも知らんが、要綱だけで聞いたんじや妙なものばかり出て来てまとまつたものは出ないと思うのだが、この法律そのものに不賛成とかは恐らくないと思う。そこでやるならば今までのようにやる方法とか、それから本当に継続的にやる肚がきまつた後でないと、今はちよつと早いのじやないか、どうですか。
○理事(東隆君) それは各党各派のほうから、この人が適当だというような参考人を出して頂いて、そうしてその人から公述をしてもらう、そうして研究をする、こういうようなことを意見聴取の場合はやつて行こう、こういうので、この法案の中身、そういうようなものに囚われず、全体としての考え方からお選びになつて、そうしてそれをきめられたほうがいいのじやないか、こういうふうな話合いであります。
○岡村文四郎君 それは大変いいことだが、ところが情ないことには、これは予算のほうから見たら大事業ですよ。それで大蔵省の折衝も済んでおらん。自衛力か食糧かという先に、本当に本腰を据えてやるのでないと、五カ年に出す金は三千億か出さなければならんことになつているのですから、もう少し大蔵省と本当に打合せてやられたらやるのだという、こういうことになつてからにしたほうがいいのじやないか。どうですか。聞いてみるのに、そんなものは到底肚のきまつてないものを聞いたつてそれは困る。我々として聞くのは困ると思う。僕は、皆がいいというなら反対はしませんよ、結構なんだが、そんな気がする。
○宮本邦彦君 今、岡村さんの言われるように、法律案が出てからやりますか、同じものを。
○理事(東隆君) いや、これはそこに書いてありますように、十二月の中旬頃から来年の二月上旬頃までに一応この案を中心にしてありますけれども、それについての団体の関係者或いは学識経験者等を呼んで聞こう、こういう考え方ですから、法案を決して拘束するものじやないと思います。
○宮本邦彦君 そうすると、この要綱に盛られたものを中心としておやりになるということなんで、ございましようか。
○岡村文四郎君 そうじやない。
○理事(東隆君) 併し必ずしもそうでなくつても、もう少し広汎な考え方で差支ない、こういうような実は問答が、質疑応答が打合会の中にはあつたわけです。
○宮本邦彦君 だから私は要綱に囚われずに食糧増産五カ年計画というやつが農林省からしばしば伝えられている。或いは政府からしばしば報道されている。これに対してということなら別なんですが、要綱に対してということになれば、要綱でなくて本物の法律案が出たときのほうがむしろ大事じやないかという気が私はするのですがね。
○理事(東隆君) 今のお話も御尤もなんですがね、実はコンクリートになつたものが出てからでは却つて遅くなるのじやないか、それよりも前に一つ各方面から意見を聴取したほうがいいのじやないか、こういう考え方をしているわけです。
○宮本邦彦君 二十八年度の予算が直ちに関係するのだが、それも側面援助というような形でそれを利用されるなら、私は大反対なんですがね。
○政府委員(渡部伍良君) 私どもの考えは、一応農林省で研究の結果到達したのが今の段階でありまして、それに対して各委員のかたがたからこういう点こういう点とお話がありますので、細目に至りますとそれを今考えてるのをこうやつたらいい、こういう点も多々あるように考えるのであります。従いましてこれをやるものとすれば、まあ攻撃の対象というか、或いは比較の対象に出ているものを中心にされるのは結構だけれども、これに囚われなくつて、これを更に立派なものにするというような趣旨で出るように、その要綱を拝見したときに考えたのですが、ですからきまつてしまつてから知慧をつけられてもちよつと困るのですがね。
○岡村文四郎君 これは食糧増産計画というものがあるのだが、どういうことにしたら一番いいかというので聞くならこれは結構です。ところがそうでなくて、政府はこういう案を出したので、これはどうなるのだか、これと違うのだか、これからやろうという気持、これに基いて聞くなら、それならいい、だがそうでない、この要綱を出してやつたんじやちよつと困りはせんかと思う。併しながら法律によつてコンクリートにしてしまつてからでは困る、コンクリートになつてから入れる部分があつても困る、これは不賛成じやないのだが、いろいろな部分だけの考えによつてそれをやるのも結構だが、これの限界を広くして、そうして参考人に聞いてみて、そうしてこれを考えろというならそれはそれでもいい。
○理事(東隆君) 今岡村さんのお話になつたようなことになろうと思います。というのは、勿論中心問題がないといけませんから、それで案であるとか、或いは先般の委員会で説明があつた速記録程度のものは一つ送つて、そうしてその上に一ついろいろ意見を聞く、こういうことになろうかと思いますけれども、如何ですか、皆さん。そういう程度で御賛成を頂けますか。
   〔「賛成」「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(東隆君) それでは余り積極的な反対もないようですから、(笑声)賛成をして頂いたと、こういうことにして、そのように取運ぶことにいたします。
○岡村文四郎君 これはちよつと各県を廻るようなことになつてるのだが、それは、何というかね、日数がなくて、而も参考人に聞いて廻るのだと思うのだがね、これは日本全国誠に困つたもので、北海道の果てから鹿児島まであるので、地方々々によつて随分考え方が違うのだから、それを聞いて廻つて統一しようというのなら、これは骨が折れると思う。だから、やはりそれは食糧というものが将来自給をする目的には誰も不賛成ではないと思うが、それは大変いいが、僕はまあそういうことは余り感心してないが、細目に亘つて……
○理事(東隆君) 併し実情をやはり或る程度つかむ必要がありますから……。併しそうこれは何班も出すわけに参りませんし、普通の形態をとるのだ、こう思つております。
 それでは今日は大分時間が過ぎたようですから、これで散会をいたします。
   午後三時五十分散会