第016回国会 予算委員会 第4号
昭和二十八年五月三十日(土曜日)
   午前十時二十二分開会
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  委員の異動
本日委員石坂豊一君、古池信三君及び
瀧井治三郎君辞任につき、その補欠と
して、上原正吉君、鹿島守之助君及び
佐藤清一郎君を議長において指名し
た。
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 出席者は左の通り。
   委員長     青木 一男君
   理事
           秋山俊一郎君
           西郷吉之助君
           井野 碩哉君
           森 八三一君
           中田 吉雄君
           永井純一郎君
           堀木 鎌三君
           木村禧八郎君
           三浦 義男君
   委員
           伊能 芳雄君
           石原幹市郎君
           泉山 三六君
           岩沢 忠恭君
           大谷 贇雄君
           小野 義夫君
           鹿島守之助君
           佐藤清一郎君
           白波瀬米吉君
           高野 一夫君
           高橋  衛君
           中川 幸平君
           吉田 萬次君
           岸  良一君
           小林 武治君
           新谷寅三郎君
           田村 文吉君
           高木 正夫君
           中山 福藏君
           村上 義一君
           岡田 宗司君
           亀田 得治君
           小林 孝平君
           佐多 忠隆君
           藤原 道子君
           三橋八次郎君
           湯山  勇君
           天田 勝正君
           加藤シヅエ君
           棚橋 小虎君
           松澤 兼人君
           武藤 常介君
           最上 英子君
           杉原 荒太君
  国務大臣
   内閣総理大臣  吉田  茂君
   法 務 大 臣 犬養  健君
   外 務 大 臣 岡崎 勝男君
  大 蔵 大 臣 小笠原三九郎君
   文 部 大 臣 大達 茂雄君
   厚 生 大 臣 山縣 勝見君
   農 林 大 臣 内田 信也君
   通商産業大臣  岡野 清豪君
   運 輸 大 臣 石井光次郎君
   郵 政 大 臣 塚田十一郎君
   労 働 大 臣 小坂善太郎君
   建 設 大 臣 戸塚九一郎君
   国 務 大 臣 安藤 正純君
   国 務 大 臣 緒方 竹虎君
   国 務 大 臣 大野 伴睦君
  国 務 大 臣 大野木秀次郎君
   国 務 大 臣 木村篤太郎君
  政府委員
   内閣官房長官  福永 健司君
   人事院総裁   淺井  清君
   自治庁次長   鈴木 俊一君
   経済審議庁次長 平井富三郎君
   大蔵政務次官  愛知 揆一君
   大蔵省主計局長 河野 一之君
   大蔵省主税局長 渡邊喜久造君
   大蔵省銀行局長 河野 通一君
   農林大臣官房長 渡部 伍良君
   食糧庁長官   前谷 重夫君
   通商産業大臣官
   房長      石原 武夫君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       野津高次郎君
   常任委員会専門
   員       長谷川喜作君
   常任委員会専門
   員       正木 千冬君
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  本日の会議に付した事件
○理事の補欠選任の件
○昭和二十八年度一般会計暫定予算補
 正(第1号)(内閣提出、衆議院送
 付)
○昭和二十八年度特別会計暫定予算補
 正(特第1号)(内閣提出、衆議院
 送付)
○昭和二十八年度政府関係機関暫定予
 算補正(機第1号)(内閣提出、衆
 議院送付)
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○委員長(青木一男君) これより予算委員会を開きます。
 昨日理事の高橋進太郎君が委員を辞任されました。つきましては理事の補欠選挙を行いたいと思いますが、先例
 によりまして、成規の手続を省略し、委員長が指名することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(青木一男君) 御異議ないと認めます。それでは秋山俊一郎君を理事に指名いたします。
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○委員長(青木一男君) 質疑を継続いたします。
○佐多忠隆君 この予算委員会の冒頭において私、資料を早急に提出して頂くようにお願いをいたしているのでございますが、二、三の資料が出て参りましたけれども、重要な資料がまだ出ておりません。非常に予算の審議も切迫をいたしております。この資料はいつお出し願えるのか、その点を委員長から御説明願いたいことが一つと、もう一つは、特に私たちが非常に重要に考えますところの防衛関係の諸費、防衛支出金、安全保障諸費一保安庁の経費、平和回復善後処理費、これの二十七年度の使用状況がどうなつているのか、実際に契約をし、或いは使用をした分、それから従つて残が幾らあるのかというようなことを詳しい資料にして審議の前にお出しを願いたいと言つておるにかかわらず、まだ出て参つておらないのでございますが、こういう状況では審議に入れないと思うのですが、この点はどうなつているかをば御説明願いたい。
○委員長(青木一男君) 只今佐多君の御発言のことについては、至急政府に催促いたしまして、その返答を促すつもりでおります。
○政府委員(河野一之君) 佐多さんからお話のありました防衛関係の経費の二十七年度における使用状況、契約の状況等でございますが、これは御承知のように只今出納整理期間でございまして、繰越について一々内容を見まして、その内容を精査いたしまして承認する制度になつておりまして、只今そこのところまで実は行つておりませんので、今月、まあ明日が五月三十一日でございますが、もう少し御猶予を願いたいと思うのでございます。全体的な繰越の関係を今やつておるところでありますので、御了承願いたいと思います。
○佐多忠隆君 年度のはつきりした確定的なまとまつたものは、或いは若干の時日を要するかも知れませんが、或いは年度まではつきりしたものでなくても、例えば二月末までとか、相当のことは、事実上の消費した問題は簡単に毎月の報告が出ているはずでございますから、そのわかるだけのものでもいいんですが、我々がこれを審議する前に是非提出をお願いしたいと思います。
○政府委員(河野一之君) これはこの前の緊急集会の際にも申上げたのでございますが、非常に多数の支出官に亘つておりまして、道路なんかにつきましては各府県ごとございますし、それから保安庁費につきましては、この前緊急集会でございましたか、御提出申上げたと思います。これは支出官が中央でありますのでできるのでありますが、支出報告につきましては、支出の翌月までに報告をいたすという会計法の建前になつておりますが、これは実際問題として従来二、三カ月遅れております。殊に四、五月におきましては、前年度の分と本年度の分と両方支出をいたしますので、従来相当遅れるのであります。これを取りますのはちよつと時間を要するのでございまして、甚だ申訳ないのでございますが、二十七年度の分は今やつておるところでございますので、もう暫らくお待ち願いたいと思います。
○佐多忠隆君 この間、この前の国会で、年末ぐらいまでのものをお示し願つたこともあるが、その後にここでわかるだけのものを、とにかくこの予算を審議する前に、これはこつちの要求がなくてもお出し願うのが当然だと思います。どうもそれがないとなかなか審議ができない。私たちはここに一番大きな問題があるというふうに前々から主張をいたしておるのでありますし、一番重要な費目の問題でありますから、是非何とかその点を、まだできていないからというようなことでなしに、何とか御考慮願いたい。
○中田吉雄君 その問題に関連してですが、私も資料の要求をいたしておつたわけであります。それは昭和二十八年度の地方財政の収支計画であります。不成立になりましたが、国家予算が九千六百五億の際に立てられておつた地方財政の規模は八千四百十七億で、国家予算に殆んど匹敵するぐらいな大きな財政規模を持つておるわけであります。ところがこのたび組まれておるところの財政規模は二千六十三億という財政規模に踏んであるわけでありますが、それについて平衡交付金、起債、短期融資をそれぞれなされておりますが、それで地方財政が賄えるかどうかということを判定いたしますためにも、地方財政の昭和二十八年度の全体の計画を出して頂かなくてはなりません。中央、地方の財政収支が合つておるかどうかわからないと思うわけであります。これも先般特に発言を求めましてお願いしてあるんですが、どうなつているのでありましようか。
○政府委員(河野一之君) 二十八年度の全体の地方財政計画は、これは国の予算の編成と密接な関係がございまするので、本年度の本予算の編成と併せて目下検討中であるわけでございます。ただ四月乃至六月分における暫定的な地方財政の計画等は、これはできておりますので、或いは多分お手許に御配付申上げたんじやないかと思いますが、若しお手許に参つておりませんようでしたら自治庁から提出いたさせるようにいたします。
○中田吉雄君 やはりこのたび短期融資を百六十億、起債を三十億、平衡交付金を二百八十億というのを組まれましたのは、二千六十三億という財政規模で組んであるようであります。併しそれが妥当であるかどうかというような問題は、やはり全体の計画と睨み合わせてやらねばいけないと思いますし、すでに新聞なんかではあらましのことが出て、すでに大体全体の計画をお立てになつて、そうしてその一部分として三カ月分として二千六十四億ですか、組まれたように聞いているんですが、それはまだできていないんですか。今後の問題ですが、そういうことはないと思うのですが、恐らくすでに昭和二十八年度の本予算も目下すでに大体の方針はきまつておると思うのですが、それとの関連なしにはできないと思うのですが、それはどうなつておるでしようか。
○政府委員(河野一之君) 国のほうの予算で幾ら平衡交付金を出すか、義務教育費についてどうなるか、或いは公共事業費に伴う起債をどの程度認めるか、これが地方財政の計画に非常に大きな影響を持つものでございまするので、これは一体となつて一緒にでき上るものでございまするので、本予算につきまして目下鋭意編成されておりますが、地方財政についてもまだその段階でございまして、確定的な資料としてお出し申上げる段階にないのでございます。
○中田吉雄君 この暫定予算がどこに一番しわ寄せされておるかということを考えてみますると、何と言つても地方財政にそれがクツシヨンとして、塵捨て場のような形で殆んどしわ寄せされておると思うわけであります。併し国全体を考えます際には、中央、地方を通じてのバランスの取れた財政措置がなされることが必要であつて、私たちとしては地方財政の窮状に鑑みてどうしても二千六十三億という措置が妥当であるかということは、大体のやはり一つの趨勢ぐらいは示してもらわんと、最終的な決定はともかくとしまして、この予算の審議に十分な材料が整つたとは言い得ないと思うのですが、万全なことはなかなかできんと思いますが、大体の便概ぐらいを一つ至急に、すでにずつと前にお願いを申上げておる次第でありますから、委員長において何分の御処置をお願いしたいと思います。
○委員長(青木一男君) 政府当局に申上げますが、今委員から御要求の資料未提出の分は、本日成るべく速かに御提出あらんことを希望します。
○佐多忠隆君 成るべく速かにでなくて、審議に入る前に何とかできないものか。それでなければ成るべく速かとおつしやつても、いつも今までの慣例によれば、それがうやむやに、時間切れになつたからもうその要求した資料なしにうやむやに決定してしまうというのが今までの慣例なんです。私はだからこの冒頭において、今度からはそういうことがないように一つきちんと、少くとも資料に関する限りきちんとして審議を御開始願いたいということを特にお願いいたすのでありますから、この点はもう少しきちんとお定め願つて、その上で審議に入つて頂きたい。
○委員長(青木一男君) 今の資料は審議と並行して速かに提出を希望いたします。
 それでは田村君。
○田村文吉君 それでは大蔵大臣、通産大臣両方に関連のある問題を一つお尋ねいたしたいと思います。
 経済界が全般的に何かしら暗雲低迷しているような感じを持つのでありますが、これが一面又政局不安の一つの原因ともなつておるかと考えるのであります。即ち昭和二十五年ぐらいにいわゆる安定しかかつた日本の経済が朝鮮事変のために、いわゆる朝鮮事変のブームのため物価が非常に上つた。或いは三割或いは五割、非常に急激に物価が上りました。その結果は日本の物価が国際物価の水準の上からいつて非常に高いものになつてしまつたということが、今日輸出振興の一つの大きな障碍と相成つておるように考えられるのであります。でございますから、或いは若干今後アメリカの軍需物資関係で注文等があるといたしましても、将来輸出が非常に伸びないというようなことが、日本の今日の経済界の非常に不安になつておる原因ではないかと思うのであります。もう一つは今日のいわゆる東南アジア方面の貿易でありまするが、これはややもするといわゆる国営貿易のような非常に国家の大きな権力によつて貿易が押えられておるような関係で廉価でいい物を作つてもそれがいつも出るというような状態になつておらんような感じもいたすのであります。これらの問題が解決されませんことには今後の輸出の振興という問題は困難であると、かように考えられるのであります。そこで最後にそれじや日本も、甚だ面白くないことではありまするが、食糧の絶対自給という問題を初めといたしまして、大体輸出のできる程度に輸入をするというような鎖国的の消極的な考え方でやつて行くか、こういうような三つの問題が考えられると思うのであります。
 そこで第一の物価をどうして引下げるかということにつきまして考えられることは、いわゆる今日の状況をもつと進めて、いわゆるデフレーシヨンの政策で自然と不景気を作つて物価を下げる、こういうことも考えられるのでありまするが、これは非常に今日の経済界の状況から申しまして危険もあるのでありまするし、面白くない点が多いのであります。然らば又為替相場を引下げまして、国際的に物価を引下げる。こういうようなことをやることも考えられるのでありますが、これが一番簡単に比較的に経済界に急激な打撃を与えることがなくてできるかも存じませんが、そういう場合も考えられます。そのほかに、いつも仰せになつておるような企業の合理化でありまするとか、或いは又最近に基幹産業に対して補給金を出すというようなことも言われておるのでありまするが、私どもはこの企業の合理化というものはもう数年前から言われておりますことで、民間ではそれぞれすでにもうやつておる。物には程度がございまして、企業の合理化で生産費を下げて物価を下げるというようなことはもうすでにマージンの限度になつておりはしないか、こういうふうに考えられます。又基幹産業に補給金を出して物を安くするというようなことは、過去において我々がしばしば嘗めたにがい経験でもございますので、今更通産大臣としてもそういうことをお考えになつておらないと考えるのでありますが、要は今の自然にこのまま不景気に持込んで行つて物価を下げて国際的に出せるような、今の三百六十円のレートで出せるような価格に持つて行くか、或いは為替相場を切下げてこの際国際的に物価の切下げをやるか、こういう問題がどつちかに行かなければならないというようなことであると思うのであります。現在のままで推移いたして参りますというようなことは、到底これ以上忍びがたい経済界の状況に相成るかと考えるのでございますが、それにつきまして先ず第一に大蔵大臣にはどういう方針を以てこの物価引下げに対する方針をお考えになつておりましようか、これを伺いたい。
 第二に通産大臣に対しましては、東南アジア貿易のいわゆる国営的な特殊の貿易状態になつておりまするが、これに対しましては何か外交的にこれを打開する途があるのかないのか、又努力しておいでになるかどうか、併せて中共の貿易につきましても通産大臣はかなり積極的な御意見も御発表になつたこともあるようでございますが、こういう問題につきましてもどういうふうにお考えになつておいでになりますか、さような点につきまして順次御答弁をお願いいたしたいと存じます。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 田村さんにお答え申上げます。御指摘のごとくに、私どももデフレ政策によりまして、今の日本の物価を引下げ、それで輸出競争力をつけるというようなことは、これは現在の日本では避くべきであると考えております。然らば為替レートを変える、このことは国際信用上極めて重要なことでございまして、私どもは飽くまで現行為替レートは堅持すべきであると考えております。それならばどういう方策でやるかというお話でございますが、これにつきましては、私どもは今仰せになりました日本のこの各企業の合理化というものが相当行われておる部分もございますけれども、まだこれは田村さんもよく御承知のように、なお合理化を要する部分、特に能率的、効率的に持つて行かなければならん部分が非常にたくさんあるように存じます。そういうようなことに対して、例えば優秀な機械を入れて設備を変える等の事柄によりまして、これができるものにつきましては機械の輸入について無税の措置をとるとか、或いは外貨の割当をするとか、そういうような各種の方法を講じております。又税制の措置によりまして賄える部分につきましては、それに伴う税制の措置をとりたいと考えております。併し今田村さんも仰せになつたように、私どもも補給金その他の問題は、これはすぐ対外関係にも影響がありますので、これらの問題は、その利弊についてなお篤と考究して見なければならんと考えておるのでございます。(「金利の引下げは……」と呼ぶ者あり)
○田村文吉君 多分さような答弁があるのじやないかと考えたのですが、どうも企業の合理化とかというようなことは、ずつと前から、何年も前から言われておることでありまするが、それも或る程度まで来ておりまするし、これ以上のことを言つても、いわゆる観念的な問題でありまして、そういうことで以て今日の経済界の不安とか、そういうものを除去するということにはならない。どうしてもこの際は、一つの非常な大きな矛盾にぶつかつておるのでありますから、これはどちらかに方針をおきめになつて、或いはどういう怪我人が出ようが、今日の経済界の自然のままに注文がなければならない、輸出が振わなければ振わない。又そこらに倒産者、破産者が出ても止むを得ないという、こういうことで行くのだ。行くなら行くでそういう方針で行くのも結構でございますが、然らずしてやるとするならば、大体朝鮮事変の起りましたときに三百六十円のレートを三百円ぐらいに上げちまつて、そうして今度これを三百六十円に戻すということになつていれば、大変好都合だと思うのでありますが、そういうことが当時行われませんで今日に至つたわけでありますが、何とかこの作業をいたしませんことには、恐らくは第二の問題である東南アジヤ方面、中共方面の問題が解決いたしましても、輸出というものは非常に困難であります。そうすると又誠に悪いことでございまするが、アメリカの援助の下に日本というものが生きて行かなければならない。経済の自立というようなことは到底できない。こういうような考え方を国民全部に与えるのであります。これは非常な難局に処して大蔵大臣に御就任になつたのでありますが、この問題については、今度二十八年度の新らしい予算をお作りになりまするに当つて、根本方針として私は是非お立てになつておかなければならん問題だと、かように考えまするので、お伺いいたした次第でありまするので、そうい)ただ企業の合理化とかそういう観念的の議論では私もういかんと思うのでありまするが、どうお考えになりますか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 誠に御尤もな御意見でございますが、私ども別に観念的に申しているのじやなくて、只今ちよつと申上げましたように、これは田村さんも御覧になつてもわかりますが、まだ合理化の行われている部分が甚だ少くないのであります。従いまして例えば機械のごときものでも、相当多額な機械で優秀な機械を輸入しますことを要望されておりまして、そういうようなこと等による合理化もやつて行きたい、こう思いまするが、田村さんのおつしやる最も要点は、恐らくはもう少し資金を効率的に使うことにしたらどうか、こういう点にあるのじやないかと思うのであります。私どもも今日金融機関に対しまして効率的に使うように指導はいたしておりますけれども、統制という面についてはまだ考えておりません。考えておりませんが、この日本の実情に鑑みましてもう少し重点的に、又もう少し資金を効率的に使つてもらう配慮を一段と金融業者に要望いたしますと共に、日本の金利はさつきちよつと向うでお尋ねがございましたが、非常に高いのでございますから、でき得るだけこれを低く持つて参りますような工合に努力をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
○田村文吉君 今の問題につきましては、第二の問題で大蔵大臣に特に御質問申上げますので、取りあえずその問題は打切りまして、通産大臣から御答弁をお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。東南アジアの貿易に対する私の考え方を申述べてみたいと思います。先ほども田村さんから仰せになりました通り、幾らいい品物が安くできましても、今手放しでこれが売れるというわけの国際情勢ではないことは、これは田村さんのおつしやる通りでございます。尤も、そこで我々といたしましては、輸出貿易を振興しなければならん、そうして今我々としても重きをなすところは東南アジアだ。東南アジアの貿易はやつて行くが、これはやはり先ず第一に外交的の立場から向うとの貿易協定をますます拡大充実して行く、こういうことにして行くことが一番大事だと思います。只今台湾とかフイリピンとかインドネシアとかタイとかというものに貿易協定ができておりますが、これもいろいろ外務当局の努力によりまして相当程度まで実はできておるのであります。これを又ますます拡大して行く。例えて申しますれば、今五千万ドルくらいの台湾との貿易をやつておりますが、これを七、八千万に増して行くというふうにしまして、ともかく先ず第一に外国が買つてくれる、又買い得るようにしてもらうということが先ず第一、無論通産省と外務省は緊密なる連絡を取りまして、そうして一心一体になつてやつておりまして、そういう方向へ貿易を進展して行きたいと思います。
 それからもう一つは、私はまだ日本の商品が非常にいいとか又技術がいいとかいうことが余り多く知られていない。いいだろうという意味において向うも非常に飛付いておるようでありますが、その点もどうも宣伝が不足じやないかと思います。先般の二十八年度の予算におきましても、技術相談室とか何とかいうようなものを各地におきまして、そうして日本の技術それから商品なんかを一つよく見てもらつて、又指導して行く、そうして向うに買う意慾を起す、こういうようなことにしてみたいと思つております。無論コストの切下げもしなければなりませんが、一番大事なことは、外交交渉によつてできるだけ新販路を確保する。又その新販路に対して協定によつて貿易のできるボリュームを増して行つて、そうしてやつて行きたい、こう思つております。
 それから中共貿易のことにつきましては、これは大分新聞で大きく書かれましたが、私の考えておりますことは、これは無論国連の協力の点について我々は国際的な義務もありますし、条約の義務もありまして、非常な制約を受けておりますけれども、併しその国際信義に忠実であつて、而もその以外において私は貿易のできる範囲があると思います。そこで、まあこれは例えて申しますれば、戦略物資として中共へ輸出していけないという物もありますけれども、この範囲は自由民主主義国家でお互い話合つて、このくらいの物はやつていいのじやないかというようなことを協定しまして、そうしてその枠を縮めて行けば、輸出ができる品物が増して来ると思いますから、そういう意味において私はできるだけ制限物資を緩和しまして、そうして中共との貿易をやつてもらつたらどうかと思います。これを私が考えを起しましたゆえんは、昨年二十七年度に六十万ドルしか中共に対して輸出がなかつたのでありますが、この輸出物資の制限緩和をしました昨年の秋以来の貿易を見て来ますというと、この一月三月の間に二百二十万ドルに増進しております。一年に六十万ドルしか輸出ができなかつたものが、一―三月の間に二百二十万ドルの輸出ができたということは、やはり我々が戦略物資の制限緩和ということに努力した結果でございます。そうしますれば今後ますます努力して行つて、中共なんかと貿易ができればして行きたい、こう考えております。そういう意味におきまして、先ず第一に外交交渉ということが一番先に立つ。我々としては外国のエージェンシーなどと一致してこれを進める、又日本の品物を十分宣伝いたしまして、そして向うに買気をうんと起すというふうな方向にも進めて行きたい、こういう考えでおります。
○田村文吉君 なお、重ねて通産大臣に伺いますが、第一に大蔵大臣に伺いました物価問題、例えば現在日本の石炭を使うよりはアメリカから重油を輸入してそれを使つたほうが安いと、こういうような非常に大きな値段の違いがあるのです。こういう問題になつておるのを、ただ合理化というようなことでこの問題が解決が付くとはどうしても考えられんのです。大蔵大臣は一応そうおつしやつておりますが、通産大臣としては輸出振興の上からいつてどういうふうにその点をお考えになつておりますか、お伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(岡野清豪君) これは大蔵大臣と意見が食い違つておりませんので、とにかく只今のところでは非常な経済上の問題になりまして、そして物価高というものをどう処置して行くかということについては、これは一番大事なことでございまして、それには先ほど仰せになりましたように、国内のデフレが来てもやるべきじやないか、これも一応の御議論でございます。又もう少し飛躍いたしまするというと、為替相場の影響までも受けなければならんほどの問題であります。そこでその点におきましてはお互いに、私も就任早々でございまして、よく閣内で意見を取りまとめまして、できるだけ効果的の方法を急速に考えたい、こう考えております。
○田村文吉君 その問題につきましては御関係の大臣と十分に御検討いたされまして、今日どうその方向が進むかということについて経済界も非常に不安の念を持つておるわけであります。で一日も早く一つ明るい見通しを持つた貿易の振興状態を考えるということに、いずれ今度の本予算が出ますときに又御質問申上げるようなことになるかも知れませんが、どうか今のうちに十分に御検討おきを頂きたい、かようにお願いいたしまして第一の質問を打切ります。
 次に、第二に大蔵大臣に私伺いたいのは、丁度先刻お触れになりましたので、私は実は大蔵大臣とむしろ反対の考えを持つております。物の統制の上から申しまするというと、米だけは統制が残つておりますが、以外の物は全部統制が撤廃になつておる、ところが資金の面だけにつきましては未だに統制があるのかないのか、よくわかりませんが、金を借りに行こうとすると、まだ甲種だとか乙種だとか、丙種だとかということを銀行が言つておる。こういうような差別はいわゆるすべてが統制されている時代には、好かれ悪しかれ止むを得なかつたかも知れんと思うのでありますが、物の統制というものがなくなつた今日さようなことをなさつていらしても、一番金を出してならんと思う料理屋であるとか、その他の娯楽設備等に対しては金を出さないはずのものが一番早く復興している。一番早く振興しているのであります。こういうようなことでございますから、私に資金についてそういう統制をおとりになること自体が間違いじやないか、そういうことを未だに今後ともお続けになるおつもりか、そういうことはもう銀行に対してはおやりにならんおつもりでいらつしやるのか、これを先ず第一に伺いたい。
○国務大臣(小笠原三九郎君) これは田村さんも御承知のように別に資金の統制を政府がいたしておるわけじやございませんが、日本の資本の蓄積が思うように参つておりませんのに、今丁度お話になつたように、いわゆる料理屋とかネオンサインの輝くような方面には非常な金が流れているというようなことは、日本の現状から見て誠に面白くございませんので、やはり日本の重点とする各種の産業のほうに資金が分配されるようにという希望を持つて、まあ一口に申しますれば、何ら統制の根拠を持つておりません、統制をいたしておりませんが、指導はいたしておる次第でございます。今後ともやはりこの程度の指導は必要である、現に指導しておりましても、今御指摘になりましたようなネオンサインの輝くような方面に金が行つて、相当な非難を浴びているような次第でございますので、との程度のことで、私どもはこれに対して金融業者のかたの良心ある自覚の下に、必要な方面に金の流れて行くということを心から希望いたしておる次第でございます。
○田村文吉君 勿論水力電気の開発でありますとか、或いは又今までにおいて造船のために資金を増すとかいうようなことについては、国民も或る程度優先的にやられることにつきまして納得もしておるのでございまするが、未だに、大蔵大臣は御承知ないのか知りませんが、金を借りに参りますと、まだ甲種とか乙種とか、丙種とかということをよく言うのであります。一体こういうことをまだ大蔵省として若干お残しになつていらつしやるのかどうかということを先ず私は第一に伺いたいのです。
○国務大臣(小笠原三九郎君) そのことは政府委員から御答弁を……。
○政府委員(河野一之君) お答え申上げます。金融統制に関する考え方は、今大蔵大臣からお話になつた通りに考えております。甲種、乙種、丙種というものは現在名目的に残つております。特に丙種は御承知のように、例えば今お話がありました料理屋でありますとか或いは映画館でありますとか、そういつたふうなものに対する資金はできるだけ抑制してもらいたいという考え方の下に丙種というものは残しております。
○田村文吉君 そういたしますと今でもやはり甲種、乙種、丙種によつて銀行は差別をつけて貸出をしているということに承知いたしてよろしいと思うのでありますが、そういうようなことは、もう今日になりまして、すべてものに対して統制がなくなつたのに、まだ資金の面についてそういうようなことをなさること事態がむしろ逆効果を招くというような意味から、私は注意を喚起いたしたいのであります。
 それから第二の問題といたしまして、我々昔のことを申すようで甚だ恐縮でございますが、いわゆる政府の財政資金とか財政出資或いは投資というようなものが非常に殖えて来ているということはどういうことを意味するかというと、大蔵省が金を民間から税金とかその他の名前で取上げておいて、そうして政府、大蔵省がこの金をどういうふうに廻すかということで、大きな日本の資金の統制を未だに強化こそなされそれを緩和していない、こういうことなんでありまするが、勿論私たちはすべての統制経済或いは計画経済というような場合においてさようなことをなさる場合に、私はこれはいい悪いにかかわらず、まあ議論にならんのでありますが、今のような時代において未だに金を政府がすべていじる、政府の顔色一つでどうにもなるというような考え方というものは、非常に産業の自由な闊達な伸び方を阻害している、かように私は考えておるのであります。言い換えれば税金はできるだけ安くまけてやつて、そうして民間の資本蓄積をやらして、民間の金融業者がおのおのその信ずるところに従いまして堅実なものに金を貸してやり、又その事業の意義の深いものに対して融資をしてやるというふうに行くのが本当なのでありまして、大きな役所がいわゆる自分の息のかかつた金融機関によつてこれを廻させるというようなやり方をいつまでもお続けになることは、私はノーマルでない、正常の状態でないと、かように考えますので、こういう点につきまして新しい大蔵大臣は従前の通り、やはり財政投資或いはあらゆる金融機関に対して、大蔵省の息のかかつたものによつてこれをやるというような現在までの方針をお続けになるつもりかどうか、これを一つお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 御意見の点には御同感できる点も多いのでございまするが、併し現在の日本では御承知のように資本の蓄積は思うように参つておりませんので、民間銀行のほうでの金融だけでは、国の各種の重点的な企業を振興さして行く上において非常に遺憾な点が少くないのであります。私どもは毛頭計画経済その他をやる考えを持つておるわけではございませんが、国としてはやはり一定の計画を立てることは是非必要でございまして、例えば五カ年間の電源開発をどうするとか、或いは造船についてはどうするとか、鉄鋼についてはどうするとか、石炭をどうするとかというような、主な産業について一つ一つの計画を持つてやることが必要でございまして、その線に沿つての財政投融資は、資本の蓄積が十分でない現在の段階では引続きこれを行なつて参るのが、一番実情に合うのではないかと考えておりますが、田村さんが仰せになつた点で、この統制を強化して行くというような考えは毛頭持つておりません。国としての計画化された下で出して行く程度では、これを続けて行くべきであろうと、かように考えております。
○田村文吉君 或る程度に国が計画を持つことが必要であるという御趣旨で、或いは電源の開発とかそういうものについてのお考えがあるということはわかるのですが、さようなもの以外に、一般に未だに新らしい金融関係のものを、政府の出資によるものができて行つて、それが政府のお声がかりの下に投資する、出資するようなことをやめるには、税金をお減らしになる、税金が高いから民間の蓄積はできんのだ、税金を減らして、そうして民間の蓄積によつて、民間の自由な投資にするという方法があるのであります。そこで私は単に資本の蓄積もなしに、ないからやる、できないというのでは、いつまでたつても水掛論でありますから、どこか民間に資本蓄積ができるように、先ず減税をして、そうして民間に資金を自由に廻させるようにすることが、いわゆる自由経済における創意工夫を活かすゆえんのものであります。こういうふうに私は考えるのです。併し一方全然観点を変えて、すべてを計画経済でやるという御方針ならば、そこはひとり資金の問題だけではない、あらゆる問題につきまして計画をお立てばならなければならん、そう考える。そういう意味で私は未だに財政出資というものが非常に殖える、こういうような形にあることを大蔵大臣はどう考えておるか、こういう意味でお伺いしたのです。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 田村さんの御意向はよくわかりました。私どもも今のような電源開発とか造船とか、鉄鋼、石炭等、こういうものばかりではございませんので、つまり民間のほうの資本蓄積が足らんために、例えて申しますと、中小企業金融公庫を作るとか、或いは農林漁業の公庫を作るとか、そういう中小企業とか農林漁業とか、そういう方面に出しますものも実はあの財政投融資で、或いは国民金庫に対するもの、そういうふうなものも含まれております。併しながら仰せになつたような、成るべく税金を減らすことによつて資本の蓄積を図れという御趣旨は誠に御尤もでございまして、私ども速かにそういう時代を期待したいと実は考えておる次第でございます。
○小林孝平君 私は農林大臣、通産大臣、大蔵大臣に御質問いたします。最初に農林大臣にお伺いいたしますが、今回の暫定予算の中に新麦の価格対策の費用が盛られておるのか盛られておらないのか、お尋ねいたします。若し盛られておらないなら、これは七月分の暫定予算に組まれるのか、本予算に組まれるのか、お尋ねいたしたいと思います。
○国務大臣(内田信也君) 小林さんにお答えいたします。六月分の暫定予算に載せておらんので、又七月にも載る予算になつておりません。ですから本予算に載るつもりになつております。
○小林孝平君 本予算に組むということでございますと、私は時期的にこれは間に合わないと思うのであります。それはともかくといたしまして、今の麦の生産者価格、生産者が売るいわゆる自由価格でありますが、この自由価格は、小麦については政府の買上価格と大体同様でありますが、大麦、はだか麦は政府の買上価格を上廻つております。そこで政府はこの新麦の価格を決定いたします際に、この現在の大麦、はだか麦の政府買上価格を上廻つておるこの実勢価格をどういうふうに新しい価格の中に織込まれるのかをお尋ねいたしたいのであります。
○国務大臣(内田信也君) 私から申すまでもなく、これは農業パリティの推移と睨み合せまして米価審議会にかけて、六月中旬頃に決定するのでございますが、小麦はお言葉の通り大体市中価格と同様でございますが、大麦に対してはやはり御指摘のように多少上廻つておるように思いますから、その点も十分実勢と睨み合せて遺漏なきを期するつもりでございます。
○小林孝平君 パリティによりますと、私は最近のパリテイが幾らになつておるかわかりませんけれども、大体パリテイは横這いであるから、理論的に計算いたしますれば大麦、はだか麦も大体今までの価格と同様になろうと思うのであります。ところが今農林大臣はこの実勢価格を織込むということでありますから、相当大麦、はだか麦の改訂価格は値上になると考えてよろしゆうございますか。
○国務大臣(内田信也君) 農業パリテイはお言葉の通りこの一年間大体横這いになつております。それで大麦の実勢価格は小麦に比してやや上廻つておるということは先ほど申上げた通りでありますが、その結論として、私が米価審議会の答申を待たないで、これは大麦のほうは上げるのだということを今日申上げることは如何かと存じます。(「それは差支えない」と呼ぶ者あり)
○小林孝平君 政府の考え方として、実勢価格を織込むつもりであるかないかということをお尋ねいたしておるのであります。
○国務大臣(内田信也君) 先ず只今申上げました通り、米価審議会がどういうふうに織込んで答申して参りますか、その答申を待つて善処したいと存じます。(「政府の原案を聞いておるのだ」と呼ぶ者あり)
○小林孝平君 従来の米価の決定を見ますと、米価審議会というものは極めて権威ないように、政府の取扱い方はそういうふうになつておるのであります。今回農林大臣は極めてこの米価審議会を重要視されるようなお話でありますが、(「ヒヤヒヤ」と呼ぶ者あり)今後米価審議会の答申には政府は全面的にこれは御採用になるのかどうか、農林大臣の御意見を伺いたい。
○国務大臣(内田信也君) 政府委員からお答え申上げます。
   〔「大事なことだよ」「大臣の責任問題だ」「米価審議会の問題は大臣が答えなくちや駄目だ」「数字を聞いておるのじやない」と呼ぶ者あり〕
○国務大臣(内田信也君) 米価審議会の答申を全面的に取入れるものと、こういうことには……私はお話の通りに全面的に取入れるとは申上げかねますが、尊重いたしますということで以て御了承を願いたいと存じます。(「尊重していない」と呼ぶ者あり)従来米価審議会の答申を尊重しておらんぞというお言葉が脇からありまするが、私は今回初めて就任いたしまして、未だ米価審議会の答申をどこまで尊重したか、どこまで軽視したか、実例はないのでございますから、その点は御了承願います。
○小林孝平君 農林大臣は新たに就任したから前のことはわからない、これは自由党内閣でずつとやつて来ておられるのでありますから、農林大臣の今の御答弁は少し穏当を欠いておるように思うのであります。そこで私は新農林大臣は非常に農業政策には堪能な識見ある大臣と私は考えて、私たちはこれを歓迎しておるのであります、そこで少くとも従来の政府の米価審議会に対する態度よりも、新農林大臣は米価審議会の権威を認められるのかどうか、それくらいはお答えになれるだろうと思います。
○国務大臣(内田信也君) 只今申上げたので、幾度お答えをしても同じことでございますが、米価審議会の答申を私は決して軽視はいたしません。十分に尊重申上げます。
○小林孝平君 農林大臣も就任早々で、余りまだいろいろ御勉強が十分でないようですから、まあこのくらいにいたしまして、次は二重米価の問題でございますが、大蔵大臣にお尋ねいたしますが、二重米価を採用される意思があるのかないのか、この点を一つお伺いいたします。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 二重米価の問題は、経済上にも予算上にも至大の関係を持つておりまするので、とくと検討の上できめたいと考えております。(「もう予算方針はきまつているじやないか、予算編成がきまつておるのにそれがきまらないということはないじやないか」と呼ぶ者あり)
○小林孝平君 大体そういう御答弁を伺うと思つたのですが、私は大蔵大臣が農林大臣をおやりになつた経験からいたしまして、二重米価はよいとお考えになりますか、悪いとお考えになりますか。検討中でございましようけれども、それくらいはお答えになれるだろうと思います。一つ御答弁を願います。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 私が農林大臣当時の考え方は、二重米価をなすべきものにあらずという考え方でおつたのでございまするが、いわゆる情勢の変化もございまして、その点等をとくと考えて、(「改進党の要求だ」と呼ぶ者あり)その結論を得たいと考えております。(「政界再編成の道具か」と呼ぶものあり)
○小林孝平君 農林大臣にお尋ねいたしますが、今の二重米価を農林省としてこれを採用するという原案を出されるつもりですか、どうですか、お伺いいたします。
○農林大臣(内田信也君) 私は二重米価については利益もございます。現金が今すぐ直接農民のふところに入りますからして、生産意欲を刺激しますし、又直ちに農民の購買力が増加して、中小商工業者の殷賑も招くと、こう考えておりますが、又一方において今日の制度でありますれば、直接農民には金は行きませんけれども、土地改良その他を成るべく余計実施すれば、やがて増産となり、農民のふところも温かくなり、国民の食糧も殖えて、国民全体も仕合せとなり、又その土地改良その他の工事費等が農民のふところに入つて農民のふところの間接の収入が増す。両方に利益がございますので、いずれをとるかを私は勘案中でございます。
○小林孝平君 農林大臣が大臣に就任されました際に、私は新聞紙上で見ましたのですけれども、農林大臣は、就任いたしまして最初に頭に浮んだのは、この二重米価制度である、こういうふうなお話をされております。そういうくらいであれば、相当二重米価制度についてはいろいろお考えになつておると思う。そこで二重米価制度というものをこれはいいとお考えになるか、悪いとお考えになるか、或いは二重米価制度というものを実施すれば食糧政策上どういう結果になるか、具体的に申上げると、二重米価制度を採用すれば食糧の統制は撤廃されるのか、或いは継続されるのか、この二点をお尋ねいたします。
○国務大臣(内田信也君) 二重米価制度も利点があり現行法も利点があるということを只今申上げましたが、どつちがいいということは私は今日申上げることはできないのであります。又二軍米価制を用いますれば、私は原則として統制経済は離れるものと思います。(「おかしいね」と呼ぶ者あり)
○小林孝平君 二重米価制度を採用すれば統制は撤廃される、こういうふうにお考えになつておる、こういうふうに御答弁があつたのですが、そういうふうに解釈してよろしゆうございますか。
○国務大臣(内田信也君) それは私言い間違えたか知れませんが、統制下においてこそ二重米価制度があるということを私は御答弁申上げました。
○小林孝平君 そうなければならんと私は思うのですが、非常にこういうふうに二重米価制度というのは現在問題になつておる。而も農林大臣は今申上げたように就任早々この問題が最初に頭に浮んだ、そういう問題を、これをやれば統制は撤廃されるというようなことでは、これは二重米価制度をおやりになる考えはないし、これから二重米価制度というものについて何ら考えていないということを表明されたようなものだと思うのであります。単なる人気取りで二重米価制度を考えておる、こういうふうに言われたに過ぎないと私は解釈しておるのでありますが、まあその点はそれといたしまして、次に農産物価格安定法案についてお尋ねいたします。
 この問題についても農林大臣は先般の新聞紙上によりますと、記者会見の際に、この農産物価格安定法というものが必要である、こういうふうに言明されておるのであります。私は非常にこれは我々も同感であるのでありまするけれども、現在澱粉等は食管特別会計で以て買上げをして、まあ実質上の価格操作をやつておるのであります。ところが今後だんだん農作物の生産が多くなつて来て、菜種とか或いは大豆とかその他の農産物の価格の下落が予想されますので、こういうものについても価格操作をやる必要が生じて来るだろうと思うのであります。そこでこういうものの価格安定をしなければならんのでありますが、今のやつておる政府の価格操作を、更に買上げ制度を制度的に恒久化する意思はあるのかないのか、具体的には農産物価格安定法案というものを国会に提案される意思があるのかないのか、これをお尋ねいたします。
○国務大臣(内田信也君) 農産物の価格安定をいたしたいと思うのは私の念願でありますが、併しこれを実行するに当りまして只今御指摘の澱粉等の例もありますし、又アメリカでああいうふうに無制限にストックが殖えるという実例も灰かに聞いておりますので、念願といたしましては、成るべく多方面に亘つてこの農産物の物価安定の恒久策を講じたいと私は念願しておりますが、これを立法化するに当つて只今事務当局に外国の例その他を検討さしております。
○小林孝平君 この農産物価格安定法案は農林省の事務当局において立案いたしまして、そうしていろいろ各方面に打合せをいたしました際に、この前の国会に提案される予定で準備されたはずでございます。その際に、これは大蔵省の反対に会いましてこれが実施にならなかつたと我々は承知いたしておるのであります。そこで大蔵大臣にお尋ねいたしますが、当時の閣僚の一人として、この大蔵省が反対したいきさつはどういうのかという点をはつきりお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 私の記憶が誤つておるかもわかりませんが、当時の考え方は甘薯澱粉、馬鈴薯澱粉等は、これはもうすでに含まれているので、今でも買上げ得ることになつております。そのほかのものへだんだん種目を拡張して行くということは、絶対にそれがその価格安定という、まあ価格の維持が必要かどうかと言いますると、やはりその当時においては絶対にそう価格安定ということの必要度がそれほどに強く考えられなかつた。先ず甘薯澱粉、馬鈴薯澱粉等のところでよかろうということになつておりました。一方にはいろいろそれに伴つて又資金関係等も出て参りますので、それらの点が当時閣議としてはまとまらなかつたもとであると考えております。
○小林孝平君 今農林大臣のこの制度の必要性を非常にお認めになる、又大蔵大臣のお話によりますと、そう大した必要がないとして、これは現行制度のままやつておつて十分だろうというような経過であつた、こういうふうなお話でありますが、農林大臣は今申されたように非常にこの制度の必要性を認められておる。更に今の農業事情を考えますと、農産物の下落は漸次はつきりと現れて来て、農家の経済は非常に困窮いたしておりまするから、今後この制度の必要性というものは何人も認めるだろうと思うのであります。そこでこの制度が具体的に農林当局から示された場合に、大蔵省はこれに今後反対されるのですか、賛成されるのですか、それをお尋ねいたします。
○国務大臣(小笠原三九郎君) なおちよつと今当時の事情を聞いてみましたが、例えば菜種等に及ぼすとしますると、余つたときにただ買えということでは困るので、そうすると作付統制というところまで行かなければならんことになるだろう。そういうことになることはこの段階では望ましくないといつたようなことも一つの理由になつておつたようであります。従いまして、現在におきましてその案の内容如何によつて私ども十分検討してみたいと思いますが、一方には何にも統制を加えずに、ただ物が少し下り過ぎたから買上げるということでは大蔵省の立場としては容易に賛成しかねるように存じます。
○小林孝平君 そうしますと、大蔵省の立場では価格安定法案のごときは作付統制を前提としなければ今後こういうものには賛成しかねる、こういう御意見でございましようか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) これはまあ事情にもよることですが、そうしてまあ私ども考えたのは、そういうふうにしなければ例えば非常に見込みが有利だろうと思つてたくさんのものを作つたが、どうも下る見込みが立つて来たからこれを買えということでは、国がこれを賄うのはどうだろうという考えを持つておるのでありまして、従つて作付統制というほど強い言葉で言つていいかどうかは存じませんが、その点についての十分な考慮をいたしたいと考えておるのであります。
○小林孝平君 この今の自由党の内閣の下において作付統制及びそれに類似の制度というものはもう到底実施される御意思はないと思うのでありますが、従つて、そういうことになれば農林大臣は非常にこれに関心を持ち、或いはあたかもこれを次の国会に提案されるような言明をされておつたのでありまするけれども、大蔵当局のそういうような御見解であれば、これは農林大臣がちよつとこの自分の私見を述べて、そうしてそういうこともやるかなというふうに農民を喜ばしたに過ぎないという結果に終つたと私は考えるのでありますが、この点は更に追及いたしませんで、次の問題に時間の関係もありますから入りたいと思います。
 次に肥料問題でありますが、内田農林大臣は衆議院の予算委員会において肥料の出血輸出については非常に苦慮しておられる、又肥料対策については肥料対策委員会で結論を近く出すからまあ待つてくれと、こういうようなお話でありましたので、本日は時間の関係もありまして、この問題をここには繰返しませんけれども、私は一つお尋ねいたしたいのは、出血の負担を農民にかぶせない、こういうふうに農林大臣は衆議院の予算委員会において言明されておるのであります。それを具体的に農民にこの出血の負担をかふせないということを農民も政府もどういうふうにして確認される制度をお考えなのか、その点を一つお尋ねいたします。
 もう一つは農林大臣が今申されたように、そういうことを農民にかぶせない、こういうふうにお話になりましたけれども、その農林大臣のお考えに反してメーカーが農民にその出血の負担をかぶせたときはどうされますか、この点をお尋ねいたします。
○国務大臣(内田信也君) 衆議院の予算委員会においても御答弁申しました通り、肥料対策委員会の結論が六月のたしかし旬頃には出るはずでございますからして、それを尊重して、私の考えといたしましては、この出血を農民にかぶせたくないという信念を以てこの対策委員会の答申と併せて善処いたしたいと、こう存ずるのでございます。
○小林孝平君 私の申上げているのは、そういうふうにやられて、農林大臣は今おつしやつたようなお考えですけれども、メーカーが農林大臣の意思に反してその出血の負担分を農民にかぶせるようなことをやつたらどういうふうな対策を講ぜられるのか。又農林大臣は農民にはかぶせないとは言われるけれども、それをかぶせないということを具体的に政府も農民もどういうふうに確認される制度をとるか、こういうことをお尋ねしているのです。
○国務大臣(内田信也君) そういう仮想的な問題は事実に直面して私は善処したいと存じます。(「仮想的じやないよ」と呼ぶ者あり)
○小林孝平君 仮想的というのはどうかと思うのであります。現に内地の硫安は九百円で、輸出されるものは六百円で、その出血の負担分は農民にかぶされているというので全国の農民は騒いでいるのです。それを仮想的とか何とか言うのはおかしいのです。現実にそういう問題があるから農林大臣はこれを苦慮していると、こうおつしやつているのです。この点はどういうふうにお考えですか。
○中田吉雄君 関連質問ですが、その問題について、肥料は二月から六月ぐらいまでが最需要期ですが、四十三万トンも一遍に許可し、更に最盛期であります現在三万トンも朝鮮向けのを許可して、内需は非常に逼迫していますが、これが政治資金規正法によるあの日本硫安協会の献金と関係があるのじやないかということが言われているのですが、その関係を一つお願いしたいと思う。それは昨年九月十五日に、十月一日に選挙がありましたが、日本硫安協会から自由党に二百五十万、改進党に百五十万の献金があり、更に今回の総選挙においても、日本硫安協会は同じような献金をしていることがです、日本の農民には高いときには千円ぐらい、安くなつても九百円で売り、インドには六百十二円で売つた最大の原因は、肥料の輸出を許可した大きな問題は日本硫安協会の献金に関係があるということをうすく百姓が察知していますから、それとの関係において一つ小林君の質問と併せて御答弁願いたいと思う。
○国務大臣(内田信也君) 御承知の通り私の就任前のことでありまして、その当時より詳しい事務当局がここにおりますから、事実について御答弁申上げます。(「事務当局じやないのだ、政治方針の問題だよ」と呼ぶ者あり)
○政府委員(渡部伍良君) 小林委員からお話のありました肥料の輸出価格を国内価格よりも安く輸出することの損を如何にして日本の内地の農民にかけないかという問題であります。只今大臣から話がありましたように、大前提は肥料対策委員会の結論を待つてやらなければならないのでありますが、今まで対策委員会の中における議論等を総合してみますと、先ず国内価格について現在やつております安定帯価格を或る程度有権的なものにしなければならない。即ち公定価格というようなきついものでなくても、最低最高の幅を持つた価格を先ずきめなければならない。そのきめるのには硫安の生産費をこれも又有権的に調べなければならない。そうしまして一方国務価格は御承知の通り国内的な力では如何ともいたすことができないのであります。と同時に、現在の硫安の生産能力は国内需要が二百万トンに対しまして、硫安、石灰窒素を合せまして二百五十万トン以上ができますので、この五十万トン内外が輸出に振向けられることになるのでありますが、これを安い価格だから輸出をやめるということになれば生産制限をやらなければならないことになるのであります。生産制限をやりますと、却つて国内価格を高くしなければメーカーの採算がとれない、こういうことになりますので、その点をどういう数量によつてやれば現在の輸出価格の見通しからいたしまして、最も農民の利益と肥料メーカーの再生産の継続可能性という利害の調整点に到達するかということを見出して行かなければならない、こういうふうに考えておるのであります。恐らく只今の対策委員会の話では、今申上げましたような計画で国内価格を或る程度法的に固定すると同時に、輸出によつて当面は石炭或いは金利、その他の生産費の重要項目が日本と欧米と比べますと、倍、半分というような関係になつておりますので、そこまで合理化を進めるのにはここ数年かかるだろうと予想されますが、そこまで合理化に持つて行かなければならない。そうしましと、その間輸出の損をどうしてカバーするかという一案として、輸出会社を作つて、その輸出会社にその損を棚上して、企業合理化によつてそれを順次カバーして行こうというような案も出ておりますが、或いは又もつと強くその分は補給金を出してくれというような意見も出ております。そういういろいろな意見を調整しまして、先ほど大臣が申上げましたように、日本の国民経済全体からみて、各方面の消費者、生産者等の利害の調整を加えて行くような結論を出したいと、こういうふうに考えております。(「輸出の許可と政治献金はどうか」と呼ぶ者あり)
 なお、政治献金の問題でありますが、これはよく調べまして……。(「大臣々々」「答えないでいいよ」と呼ぶ者あり)
○永井純一郎君 政府献金の問題は、あとで大臣が答えてくれると思いますが、私は今の答弁の中で、関連して念を押しておきたいと思いまするが、硫安の需給なり価格なりについて、今後、今事務当局が考えておる考え方は、紳士協約のようなことから一歩抜け出して、価格なり需給について有権的なものにしなければならないという方向に行つておるという結論になると思う。又有権的ということを今説明をしておつたのでありますが、ここで私は大臣に念を押しておきたいと思いまするが、肥料に関しては、今の紳士協約から一歩出て有権的なものにこれを持つて行くというふうに方針をとられるおつもりでおられるかどうか、ここで確かめておきたいと思います。
○国務大臣(内田信也君) 只今政府委員から申上げましたのは、対策委員会の中の意見をお取次ぎいたしたのだそうでございまして、まだ私といたしましては、有権的にどうするこうするということの結論には達しておりませんので……。
 なお政治資金の問題についてお言葉でございますが、私全く何も存じません。神明に誓つて何も存じません。
○中田吉雄君 全国の農民の代表機関である全購連、農民組合等から肥料の最盛期にたくさん輸出してもらつては困る。農林省の事務当局も反対するにかかわらず、大量の肥科が輸出されているのは全く政治献金による圧力があつたからだということが言われているのですが、その関係を一つ副総理からでもはつきりして頂きたいと思うわけです。これは政治資金規正法によつて成規の届出の分だけでありまして、これは氷山の一角であるとすら言われておるのであります。はつきりしてもらいたい。
○国務大臣(緒方竹虎君) 私その間の事情を全然承知しておりませんので、ここでお答えすることができません。
○中田吉雄君 それでは調査してはつきり午後でも結構ですから、自治庁の選挙課に届出が出ていますので、それは巷間の流説ではなく、成規に届出た昨年の九月十五日に自由党に二百五十万、改進党に百五十万というのが日本硫安協会から出ているが、ちなみに日本硫安協会は硫安のメーカー団体であります。
○小林孝平君 通産大臣に肥料の輸入の問題についてお尋ねいたします。
 硫安は、内地の価格は今申したように一俵九百円、輸出価格が六百円、こういうふうになつております。そこで農民は、農民の売る米は統一価格制度によつて七千五百円に押えられておつて、農民の出血というものはどこにも持つて行きようのないことになつているのであります。硫安のほうはこういうふうにその出血は農民にかけるということも考えられますけれども、農民の米を売る場合は、その出血はどこにも持つて行くところがないという現状であります。そこで今全国の農民組合、或いはその他の民主的農業団体は、この外国の安い硫安を輸入してもらいたい、こういう希望が非常に大きいのであります。そこでこの今年の秋時に用いるために、農民が海外からこの安い硫安を輸入してもらいたいというふうに政府にお願いしたら、政府はこれをお許しになるかどうか。輸入行政を握つておられる通産大臣に一つそれをお尋ねいたします。
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。私就任早々で実はそういう農民の声が耳に入つておりません、甚だ残念でございますが……。併し御趣旨は、外国の安い肥料があるから、それを農民が輸入してもらいたいという希望があれば、それに対しては賛成するかどうか、こういう御趣旨でございますね。私聞くところによりますと、西独が肥料を輸出しておりますが、西独の国内価格がたしかトン五十ドルと思つております。それに対して運賃諸掛りが十三ドルくらい加わるのですから、結局日本で消費する場合には六十三ドルくらいにつくはずになつておると私は聞いております。将来問題は別といたしまして、只今の日本内地におけるところの肥料は、これは叺で立てておりますから、帆で八百九十五円から八百二十五円という間の安定価格制度をとつていますが、そういたしまするというと、八百二十五円で換算いたしますと、六十二ドルに当ります。それから八百九十五円で、これは叺でございますから、トンに直しますと六十六ドルになりますから、六十二ドルから六十六ドルくらいなことになるわけです。そこでこれを日本内地に大量に輸入して、安い肥料を供給するというのには、この価格の換算の上から行きますというと、まだ検討しなければならんじやないかと思います。と申しますことは、これは六十三ドルで入りまして、いわゆる最高の八百九十五円で若し農民が買うとすれば、その間三ドルくらいの利益がございますが、併しこれを大量に輸入するとなりますというと、今度は運賃が上つて来ますもんですから、恐らく今までの運賃では行かないと思います。そこでそういう点において相当私研究しなければならん点がございますから今暫く一つ御猶予を願いまして、事務当局ともよく諸種の点を検討しまして、結論を出したいとこう考えます。
○小林孝平君 今の通産大臣のいろいろの西独との生産費の比較或いは運賃等のお話がありましたけれども、これについては、私はなお十分納得できん点がある。又今これは単にトン当りの価格を言われましたけれども、これは窒素の含有量の問題等も考慮せられなければならんから、単にトン当り幾らということだけでは比較できないのであります。ところが、私は今この通産大臣のお話を聞いて、通産大臣は価格の相違は余りないから、だからこれは考慮の余地がある。こういうふうにお話になつたのでありますが、そういうふうに価格の点だけで考慮の余地があるとかないとか言われるならば、本当に価格が安く、そうして輸入の希望があつたならば許される意思を解してよろしうございますかどうか。
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申します。先ほどもう一つ申し落しましたが、それを考える一つの条件としましては、やはり外国貿易の収支ということを相当考えなければならんと思います。これは無論食糧の生産を確保し、又食糧の増産を目標とする大きな食糧政策の立場から行きますれば、何はさておいても大事なことでありますから、輸入しなければならんということも考られます。そこで今度物の軽重の点におきまして外貨予算の割当というようなことも考慮を払わなければなりません。そういうこともやはり併せ総合しまして検討して行くべきと、こう考えております。
○小林孝平君 今外貨予算等のお話がありましたが、今銀座街頭にはイギリスの本国においては飲むごとのできないような高級なウイスキーが氾濫している。或いは本当に農民が買おうと思つても買えないような香水、これは農民だけじやなくて一般の大衆が買おうと思つても買えないような高級の香水その他が氾濫しておるのです。こういうような状態になつておるとき、この農民の生産に欠くことのできない肥料を輸入してくれ、こういうのに、これはちよつと外貨予算に関係もあるというのは、それはちよつと道義的にも考慮の余地がある。それでこの点はもう一つ、通産大臣はこういう点をどういうふうにお考えになつておるかという点を御説明願いたいと同時に、これに関連いたしまして、大体日本の肥料工業というものは食糧の増産上の基礎資材であるというので、有形無形に国の名において非常に大切に取扱われておる、温存されておるのであります。私はこの考え方は正しいと思うのでありますけれども、こういうふうに一つの工業を非常に手厚く温存されるということに対しては警戒を要する点があるのであります。そこで肥料工業の現状から見ますと、ややもするとこの温存に押れて安易な道を辿ろうとする傾向が現に顕著に見受けられるのであります。そこで一方において農民に安い肥料を供給する立場から、一方にはこの日本の安易な取扱に押れた日本の肥料工業の大成を期待するという意味からも、私はこの外国の安い肥料をここに当分輸入することを許すということは非常に意義があることを考えるのであります。この点を通産大臣はどういうふうにお考えになるか。これらの点につきまして、お伺いしたい。
○国務大臣(岡野清豪君) お答申します。成るほど私たち外国を巡つて見ますと、イギリスあたりではジヨニー・ウオーカーは見られない。而も日本にはそのジヨニー・ウオーカーが来ている。その点は我々非常に戒心しなければならんと思います。
 そこで、今後輸出貿易第一主義になりまして、とにかく国際収支のバランスをとつて行くということについては相当に考えをいろいろな方面に及ぼして政策を新たにしなければならんと、こう考えております。でございますから、高級な自動車とか、高級なウイスキー、高級な香水というものが日本よりまだ経済事情のいい所で使つていないものを日本で使つているということは確かに事実で、御説は至極く同感でございます。私はまだよく調べておりませんけれども、優先外貨によつて、そういうものが輸入されることがないとも限りませんし、又優先外貨と申しますのは、結局輸出貿易を促進するために与えるものでございますから、これも又制限するということは変なことになりましようが、その辺のところは非常に細かくよく研究いたしまして、そうして今後は不急不要の高級品はできるだけこれを禁止するという、若しくは制限するという方向に持つて行かなければならんということは、これはもう御説の通りであります。そういう方向に持つて行きたいと考えるのであります。
 それから今お説の、先ほどの問題に移りますが、安い肥料をどんどん輸入して、そうして日本の業者がよう供給し得ないような値段でいいものを安く農民に与える、これは無論その通りであります。そこで先ほど申上げましたように、そういうことを一つもう少し今伺つておきまして、研究してあらゆる面から結論を出したいとこう考えております。
○天田勝正君 私は農林大臣を中心にして質問したいのでありますが、関連した事項につきまして、関係大臣から御答弁願いたいことを先ず以て申上げておきます。
 第一の点は、総理に質問してから農林大臣に伺うことが妥当のことでありまするが、それは去る二十六日の閣議の直後におきまして、初の記者団会見が行われております。この席上において五ケ年計画の問題について記者からの質問がございました際に、それに答えられた総理は、五ケ年計画などということは書生論であつて、こうしたことは汽車の発着と間違えておるのだ、こういうことを言われておるのであります。このことは、最近あらゆる国が少くとも計画的な経済を行なつておる今日からいたしますと、妥当を欠いた言葉であると私は思うのであります。昨日も本委員会において木村委員から見通しがない財政の見方があるかという追及がございましたが、そこでこれを農林関係について考えますと、ある国会におきまして、食糧自給促進法案が提出されて成立を見ずに終つたのであります。これは明らかに五ケ年計画を目途としてなされたのでありまして、総理が言つたように五ケ年計画などは書生論だというならば、こうした食糧自給促進法案のごときは提出されないはずであります。そこで私は国会においてこれが成立を見なかつたとはいいながら、自由党の内閣においては再びこうした食糧自給促進法案を提出されて、食糧の増産に寄与しようという意図があるかどうか。更に又農林大臣は先の記者団会見における総理の言明と睨み合せまして、どういうお考えに立つておるかを第一にお伺いいたします。
○国務大臣(内田信也君) お答えいたします。自給促進法によつて五ケ年計画を立てたことは私も承知しております。私は国家経済の全般に亘つて何年計画を立てるのがいいか悪いかというようなことは、私は総理が何かお考えがあつて説明したことと思いますが、これに関する増産問題につきましては、五ケ年計画で私は進むつもりでおります。(「閣内不統一じやないか」と呼ぶ者あり)
○天田勝正君 そういたしますと、この食糧自給促進法案の五ケ年計画も経済の一環としてのいわゆる計画でありますか。総理がどう言われようとも農林関係においては五ケ年計画を遂行する、いわゆる計画経済に則つてやつて行くというお考えであるか、念を押しておきます。
○国務大臣(内田信也君) その考えでおります。
○天田勝正君 凍霜害につきましては、各委員から質問があつたと思いますが、最終的にはまだ閣議の決定がみられておるかどうかは私は承知いたしておりません。それは昨日の衆議院における予算委員会におきまして、大蔵大臣が五億八千万円の金を支出するというような言明をなされて、それは本日の閣議で決定する、こういうことであつたそうであります。そこで私は、この五億八千万円につきまして、どうした配分によつて、更に又これが四、五月の予備費から支出されるということでありますが、それならば更に六月の暫定予算におきまして、その五億八千万円を支出したあとの不足と申しますか、更に助成しなければならない部分につきましてはどのような方針、どのような額によつてこれを行われようといたしておりますか。それをお伺いいたします。
○国務大臣(内田信也君) 凍霜害対策につきましては、閣議では終了いたしました。それでその五億八千九百四十万円のうち、その実施に当りましては、樹勢回復肥料代補助が一億三千八百万円、病虫害防除費補助が一億四千六十万円、それから稚蚕共同飼育施設費補助が四千万円、技術特別措置費が八百万円、災害融資利子補給補助が五千八百万円、試験研究調査費補助が一千九百八十万円、農林漁業金融公庫出資が一億八千五百万円でございます。
○天田勝正君 後段の質問にお答えになつておられませんが、私の承知いたしておりまするところでは、全国農業委員会協議会から提出されて、これは国会側にも農林大臣のお手許にも、又大蔵大臣のお手許にも提出されておりまする陳情書でありますが、それによりますると、応急対策の助成の措置といたしまして十五億九千万円が要求されておるのであります。で、今御説明になつたうちで、これに該当いたしましておりまする分は三億九千万円と私は承知いたしておるのであります。今の御説明の中の災害融資の利子補給でありまするとか、或いは技術員に対する給料の問題とかにつきましてはこれは別の項目で、応急対策として直ちに支出してくれという分については、御説明の数字の中では五億八千万円と言いましても、三億九千万円がこれに該当する、見合うということになるのであります。そうしたしますると、その差はどのような措置によつて行おうといたしておりまするか、伺つておるのであります。
○政府委員(渡部伍良君) お答えいたします。全国農業委員会その他府県等から災害対策費として要求が出て来ております。その数字と決定いたしました災害対策費との相違の問題でありますがこれは損害の見方なり、或いは要求されるほうでは、或る程度掴み金が欲しい、こういうようなお話もあります。私のほうでは相当従来の補助基準からは特別に枠を外して出しておりますが、一定の被害面積に対する被害程度、つまり例えば桑で申しますと、六万八千町歩に対して三割以下の被害がどう、五割以下の被害がどうというような内訳を精査いたしまして、それに応じてそれ相当の助成がかかつて行く計算をしておりますので、私どもの計算によつて大体御満足が願えるのじやないかというふうに考えております。
○天田勝正君 そういたしますると、五億八千万以外の支出はする意思はない、こう受取つてよろしいのでございますか、大臣にお伺いいたします。
○政府委員(渡部伍良君) 被害の調査が、これは相当進行中のものもありまするので、そういう点は更に被害を精査して、増すべきものは増さなければいかんと思いますが、各費目の査定の、査定といいますか補助率等の問題についてはこの方針で行きたいと、こういうふうに思つております。
○天田勝正君 これは政府の方針の問題でありまして、さつきから他の委員からも別の項目について申されておりましたが、一体政府の方針をお伺いしているのであつて、数字の細かい点につきましてはいろいろ変つて行くでありましよう。従つて私はこの凍霜害の対策としてはこれだけ以外には考えておられるかおられないか、更にこれを精査した結果においては十分出すという意図があるかどうか、この方針を伺つておるのでありますから、大臣から御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(内田信也君) これは御承知の通り各派共同して御相談の結果集つた項目並びに数字によつて決定したのでありますが、なおこのほかに事情止むを得ざると認めるものが出て来ましたときには、政府はこれを考慮するにやぶさかでないと存じます。
○天田勝正君 大蔵大臣のお考えはどうでありますか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 具体的に協議がありました節に考慮いたします。
○天田勝正君 各党共同の案と申されましたが、それは七月の暫定予算から取りあえず出すということから各党が承認したことでありまして、私はこのことについて念には念を入れてお伺いするのは、今日政党政治でありまするから、政党の意向というものが大きく影響して参るのでありますけれども、それにつきまして特にこの問題に関連して考えまするときに、この国庫支出については自由党の池田政調会長が反対である、こういうことが新聞に出ておるのであります。これは例の池田放言と笑つてすませばそれだけでありますけれども、政党の意向ということは、これも総理がしばしば言われた我が党の内閣であるとか、自由党内閣であるとか、こういうことからいたしましても、当然政党即内閣ということに考えてよろしいのであります。そういう観点からすると、池田自由党政調会長が国庫支出は反対だ、こういうことを言つておるので私は念を押しておるんです。で、時間もございませんから本日はこの点はただ簡単に、大蔵大臣がこれにつきましては、池田政調会長の言うていることは自由党としても現内閣としても問題にしないのであるかどうか、この点だけを念を押しておきます。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 池田政調会長がどう言われたか私よく存じませんが、併し、私自身は凍霜害対策としてああいう予算を計上した次第でございまするので、さよう御了承願います。(「今後の問題だよ」と呼ぶ者あり)
○天田勝正君 時間がありませんから、まだ質問したいんですが、その点はそれだけといたしまして、次の問題は繭糸価格安定法ごついてでありますが、これは成立いたした当初から自由党の内閣は製糸資本家だけを擁護するという建前で糸価安定法を提出いたしましたのを、国会側において、農民の繭のほうも保障しなければということから繭糸価格安定法になつて参つたのは御承知の通りであります。ところがこの家族労働費の見積りでありますが、それによりますると、男が月にいたしまして五千八百五十円、女が四千八百八十五円ということでありまして、この数字というのはいわゆるニコヨンの日雇労務者の賃金、こういうことから換算されているのであります。日雇労務者はこれは御承知の通り失業保険の期間が切れた人たちや、或いは又その枠に該当しない人たちを社会保険の一つとしてこれに支出するということになつているのでありまして、どうも日雇労務者と同じにこれを取扱つて、それさえ保障すれば製糸価の安定ができる、農民の生活が守れる、こういう考え方は甚だ不穏当であると思うのでありますが、政府におきましては、これの改訂を考える御意思があるかどうか。
○政府委員(渡部伍良君) 繭価の決定方法の費目の労働費の問題でありますが、これは農村におきまする雇用労働賃金を見まして、それを基にしてやつているのであります。今詳しい統計等を持つておりませんが、大体農村の農業労働の賃金はたまたま仰せの都市の日雇労働に近い数字になつております。従つてこの労働費をどういうふうに見れば最も適正であるかということについては、今後更に検討を加えて行きたい、こういうふうに考えております。
○天田勝正君 先ほど来独占禁止法の改正がしばしば問題になつておりまして、これの直接の影響を蒙むるのが農民、こういうことになるのでありますが、そこに又別なことについて油脂の輸出共販会社を作る、こういうことが新聞にも出ております。そういたしますると、これが国内価格が又上るのであるということが伝えられているのでありますが、その際にその原料は勿論農民が作りますけれども、肥料と同様にこれが又国内の生産者を押えて国外に安く売るという犠牲は農民にというコースが、又一つここに出て参るという危険を私どもは感ずるので、そこで政府はこうした肥料にいたしましても油脂にいたしましても、現に先の国会に提出されたような形、即ち犠牲は農民にかけるという行き方の、独占禁止法の改正の意図を持つておるかどうか、その点を一つだけお伺いして終ります。これは経済審議庁長官に伺いたい。
○国務大臣(岡野清豪君) 独占禁止法はこの前の国会に出しましたのでありますが、いろいろ国会にも御議論がございましたし、若しあれを出すといたしましても、相当内容を検討しなければならん。まだ只今のところでは、まあ大勢といたしましては出すようになるだろうと、こう私は考えております。併しその内容の検討は今後公正取引委員会とよく協議いたしまして、よい案を一つ御審議願いたい、こう考えます。併し必ず出すか出さんかということを只今は申上げかねます。御了承願います。
○委員長(青木一男君) 暫時休憩いたします。午後一時より再開いたします。
   午後零時九分休憩
   ―――――・―――――
   午後一時二十二分開会
○委員長(青木一男君) それでは会議を開きます。
○堀木鎌三君 実は昨日も総理大臣にお聞きしたわけなんですが、まあ一番今財界で最近経済危機を唱えられていろいろな案が出て参つたことは、これは大蔵大臣も御承知の通りだと思います。併し一番むずかしいところに誰も手を触れていない。それは何だといえばみんな品では、要するに日本の国内物価が国際価格を上廻つたという点が貿易不振の一つでもあり、経済について根本的に建直さなければならないという声なんでありますが、品でいえばその点についての解決策はどこにも出てないのです。これは私が改めて申上げるまでもないんで、朝鮮事変の勃発いたしました六月を一〇〇にすれば日本の国内物価は一五二七となつておる、にもかかわらず英米ブロックの主たる英国、米国を見ますと、米国は一
○九九になつておる。英国は百一二八となつておる。而も日本の為替レートが三百六十円に設定されましたときから見れば日本の物価は一七〇を越しておる。そういたしますると、これからこの問題を解決しなければならない。併し朝ほど田村委員の御質問にもありましてお答えになりましたが、国際通貨基金にも三百六十円レートで日本は加入している。又この問題をいじると日本の国際信用にも、これは大蔵大臣の言われるように非常に関係をして重大な問題になつて来る。併しそれじや為替相場をいじらないで物価を一体低落させる方法があるかという問題になつて参るわけです。そうすると大蔵大臣の今朝ほどのお話ではこれはもう財界や経済界で言つてることを、そう言つちや失礼ですが「おうむ」返しに言つておられるだけなんです。企業の合理化を促進する。それについてはもつと能率化を図らなくちやならないから、能率化に必要なそういう機械類の購入をしてもいい、又税制の問題からそういう方面に特段の処置を講じるんだ、場合によれば金利の問題も考えてみよう、こういうお話なんでございますが、実はその前に一体この三百六十円のレートと日本の国内の物価高というものについて真剣にお考えになる必要が私はあると思うんです。まあそう言つちや失礼ですが、自由党の過去の政策は無論総理大臣も言いましたように物価の抑制ということについて或る程度の努力をされた点はあるんです。私率直に申上げるとドツジの処方箋に従つているときは相当強くその点が出ていた。併し朝鮮事変の勃発からは殆んどその政策がないというので、ここで当時の大蔵大臣の池田君と周東安本長官と物価政策がないじやないかということを私は申上げて、二時間くらい議論したことを覚えておる。で、どうも無論個々の産業に十分合理化の余地があることは私認めます。石炭につきましても、或いは鉄鋼につきましても、造船につきましてもその他基幹産業についての合理化、物価低落を来すような方法というもの。価格の切下げができるような余地があることは認めますが、大蔵大臣はそれじや一体日本の国内物価を国際的に見たときに、どの程度にその価格の引下げというものが行けばできるのか、それは果して今言われたような政策で以て解決できるとお思いになるのか、その根本をおきめにならなければ実は予算の筋金は入つて参らない、又日本経済の建直しもできない。無論このことに関しては単に予算の面のみならず金融の面も十分入つて来る。で、そういうふうなことをどういうふうにお考えになつておるか先ずお伺いいたします。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 堀木さんのお話のうち誠に御尤もな点も多いのでありますが、私どもは為替レートの問題ではこれは解決し得るものではない、為替レートの問題は飽くまでいじるべきでない、これはこれを堅持すべきものである、こういう強い主張の下に立ちまして、ただそれならどう持つて行くか。こう申しますると、現在の価格の構造についてのそれぞれの取調をいたしておりますが、やつぱり主たるものは何と言つても合理化を促進して行くことが主眼になると思うのであります。そこで基幹産業について先ずやつておりまして、御承知のように石炭のごときものはもうこの過去半年間の合理化で相当下つて来ております、なお下る見込みも立つているのであります。こういうことがだんだんと及んで行きますから、もう少しこれを強力に進めて参るならば相当国際競争力をつけ得るということになて行くと思つて施策をその方面に注いで参りたいと考えているのであります。
○堀木鎌三君 三百六十円の為替レートはいじらない、堅持するというお話からいえば、やや物価は下降傾向に持つて行かなければならん。急激な変化はようおやりにならんだろうし、又おやりになつてもどうかも知れませんが、是非物価を下降傾向に持つて行くのだというお考え方だけは間違いないのでございましようか。念のためにこの点はつきりとお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 御指摘のように日本の物価が国際的に割高であるという点がございますので、下降傾向に持つて参りたいと考えております。
○堀木鎌三君 非常にはつきりした御答弁で私は満足なんです。私は経済界のことは無論空理空論はいけないと思う。併し自由党の内閣に財界なり経済界で一番希望するのは政策の方向さえもどこに行くかもわからないのだ、こういうことが一番問題なんで、その点に御決心なさることは、私は併し小笠原大蔵大臣としては余ほどの御決心がなくちやできないことかと思うのであります。曾つて浜口内閣時分に二割程度物価を引下げる傾向にあつた時にどれだ世間から非難されたかわからない。それだけのことを御覚悟でやらなければならないと思いまするが、そういたしますと、第二番に問題になつて参りますことは、今各省がいろいろな経済政策をやつております。併し一つもその点についての有機的な連関性がないために施策が効果的に現われて参りません。私はこの点について大蔵大臣の御注意を喚起したいし、実は今朝ほどからの同僚議員との質疑応答を聞いておりますと、どうも小笠原大臣はいろいろ質問によつて、非常に何と申しますか、八方美人的な御答弁をなすつておられる。例を挙げますれば、田村委員に対して、そういうふうなお考えがあれば違つた方向が出て来ると思いますが、いろいろ自由主義経済的な観点から田村委員がおつしやる、そうするとそれにも或る程度の同感を表せられる。一体そういうふうな程度で以て本当にそういうことができるだろうか、そういう点で各省にまたがつてそういう御方針がきまれば、それに従つての一つの強い総合的な施策がなくてはならない。是非そういうものについて、何と申しますか余り議会答弁式になさらないで、そうして政策が作つて行けるようにして行きたい。いろいろ申上げたいのですが、ここに時間が三分といいますから余り申上げません。幸いに、通産大臣及び経安の長官を兼ねている岡野さんもおいでになりましたのですから、十分その点はお打合せ願いたいというふうに考えるのであります。私の考え方で言えば、口でお言いになつても、そういう仕組が総合的にできなくてはできるものではない。それらはいずれ本予算のときに譲ります。
 それから特にここで実は大先輩の農林大臣もおいでになつていまするのでお聞きしておきたいと思うのでありますが、今の価格体系の上から見ますると、すべてのものは国際物価を結局国内物価は上廻つているということは事実なんですが、食糧だけ実は日本の国内の体系のすべての他の場合と違つている。つまり国際価格の方が高い。その高い国際価格のものを輸入して食糧の不足を補つている。こういうのが私は日本の現状だと思う。そうすると、ここで一応財政を扱うところの大臣と農林大臣とは価格体系について確固たる御信念があれば、これは農産価格特に主食についてお考えにならなければならない。私不思議に思いますことは、農林省が七千五百円の米価を御決定になるときにパリテイ計算その他で無論出て来たものでありますが、そのパリテイ計算が如何なる形でされておるかもここで申上げる必要はないと思います。併し私どもの考えでは、そうすると農林省の関係の人は米価が比較的安く決定される。それをどこで従来の内閣かごまかしておるかというと、供出代金その他供出奨励金とか包装費だとかいろいろなものでしておる。併し足りない。従つて供出の数量を減らして自由販売価格の数量を殖やして、そうして幾分でも農家の負担を軽減させよう。非常に私はあいまいなことをしておると思うのであります。これは自由主義経済を貫こうとするための苦悩だとこう申上げてもよい。私どもは物価体系を上げないで下げる方向、健全通貨わ維持しようとする観点から見まして、ここに一つの政策が出て来なければならない。農民の供出も殖やしてもらわなければならん。他の物価との関係から農産物価格について考えなければならん。つまり生産者が生産費を償つて行ける価格を考えなければならない。併し一方において値段をそのままにいたしますれば消費者に影響し、物価に影響して来る。そういう循環過程を断ち切るために二重米価主義を唱えておる。如何にもどうも私はその点で大蔵大臣に嫌味を言いますと、情勢の変化によつて考えるかも知れないと言われると、社会党の諸君からは改進党との何だろう……私どもが二重価格を唱えるは、決して浅薄なただそれだけ上げればよいのだという考え方ではない。日本の価格体系を直さなければならない。而も下向に持つて行つて通貨の安全を図らなければならない、健全化を図らなければならないという観点からは当然の帰結としてそういうものが出て来ると思うのであります。どうか改進党の政策をそう便宜的におとりにならないで、根本に基くところの一つの財政理論、経済理論があるということを十分お認めになつて善処されなければ到底私は問題にならないと思いますが、そういう点から内田農林大臣は米価の二重価格についてどういうふうなお考えをお持ちになるのですか、この際承わつておきたい。
○国務大臣(内田信也君) 只今堀木さんから十分詳しい御説明を承わりましたが、米価の二重価格はただ情勢によつて左右するというような考えではございませんが、本年の作柄のまだ見極めが付くどころではない、ほんの苗代時代でありまするし、九月の米価審議会できまるのでございまするから、それまで堀木さんの御説の通りそう簡単にやれるものではない、十分にこれは研究すべきものだと思いまして、九月までに各方面の御意見も十分尊重し、みずからも研究に研究を重ねて万遺漏なきを期したいと存じております。
○佐多忠隆君 ちよつと関連して一点だけ。物価問題について非常に重要な御答弁があつたと思うのでありますが、と申しますのは、大蔵大臣は今後の物価政策の目標を国際物価に並行する価格体系を確立するのだ、そこへ置くのだという御説明であります。そうであつて然るべきだと思いますが、併しこれは非常にむずかしい問題である。そのむずかしいことも十分御承知の上で御言明になつておることだと思いますから、併せてお尋ねをしたいのは、若しそういうことを目標にお立てになるのならば、予算編成の方針として従来のような撒布超過をみるような予算であつてはならない。そういう点において新らしい予算は二十八年度不成立予算とは編成の方針を根本的に変えることが第一点。
 第二点は大臣自身の御所管であるところの金利の問題、これは先ほどもちよつと御答弁がありましたが、これを自分の所管の問題として先ず第一に手をお着けになる必要があるが、これもはつきりお考えになつておるのかどうか。従来さしも強力に政策を推進いたした池田大蔵大臣も銀行資本家の一撃に会うと一なくとして退陣しなければならないような過去のいきさつを十分にお考えの上に、なお且つそれを決意しておられるのかどうかということが第二点。
 第三点は、合理化を非常に強化することであつて、従つて日本の相当大部分の産業を整備して行かなければならない。そういう決意が、そういうあふりを受けてなおかつやるだけの覚悟があると通産大臣はお考えになつているのかどうか。それらはちやんと意見が合つているのかどうかという問題が第三点。
 第四点は同時にそういう合理化、そういうコストの切下げ方をされるならば非常に大量の失業者が出て参る、そういう点について万遺漏なき措置をちやんとお考えの上に言明しておられるのかどうか。そういう総合政策をはつきりお考えになつているのかどうか、それらの点を各大臣から明示して頂きたい。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 御答弁申上げた通り、日本の物価が国際的に割高でありますからこれを国際的物価水準のところまでもつて参るという方向ははつきりいたしておりますが、申上げました通り一度にこれをそうもつて参りますことは日本の産業に大打撃を与えることに相成りますので、一方合理化その他各種の方法を促進しつその方面にもつて参る、それが各種のいわゆる三カ年計画、五カ年計画等ともなつている次第でありまして、その方向に向つて極力努力しつつある次第でございます。
 それから今度の予算についてのお話でございましたが、昨日も私が申上げた、例えば旅費のごときものも庁費のごときものもこの際相当削減する、こういうことを申したくらいでその方向に向つての努力を今後続けて参るわけであります。但し今度の予算につきましてはまだ実は予算の方針を決定いたしておりませんので、これは閣議決定をいたしまして本予算を出しますときに申上げさせて頂こうと存ずるのであります。そのほかの問題は大体御趣意を承わつておきましてその方面に進みたいと考えております。
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。今年度の本予算を組みますことにつきましては、まだ閣議も開いておりませんしいろいろ意見もございますので、よく御趣旨を尊重いたしまして我々も閣内協力一致して行きたいと思つております。
○委員長(青木一男君) 労働大臣お見えになつておりませんから……。
○木村禧八郎君 先ず大蔵大臣に今度の暫定予算の性格についてお伺いしたいのです。この暫定予算はどういう方針でお作りになつたか。これは何回も御答弁になつているようですけれども、一応あとで御質問することに関連して先ず承わつておきたい。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 六月分の暫定予算は国の政務執行上欠くべからざるものを盛ることを主といたしまして、そのほか例えば法律上きめてある夏期手当〇・五分であるとか、或いは公共事業費その他のもので継続しておりますもので、積雪寒令地帯の東北、北海道、こういうふうな所に対しますものは時期的にこれを処理する必要もありますので、その継続分を取扱うとか、或いは地方に対する関係についてもそういう点が考慮されております。大体におきましてはいわゆる骨格予算でございますけれども、その点だけは考慮してございます。
○木村禧八郎君 そういたしますと、いわゆる政策的なものとかそういうものは緊急やむを得ないもの以外は含んでいない。そういうお話ですが、七月分の暫定予算については、この間大蔵省の主計局次長正示さんの答弁では、これは二十八年度一カ年分の年間予算の一部として考慮される、こういうお話であつた。そういうこともあつて若し事務的な単なる骨格予算を出すならば六、七同時に出せるはずなのに、なぜ七月分を切離して出したかといえば、その年間予算を一応これからの予算編成方針に基いて組んでその一部分として出される、こういう話でありましたが、それではこの七月のこれから出されるであろう暫定予算と、今度の今出されている暫定予算との違いですね。どういうところにありますか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 只今出している暫定予算については申上げた通りでございますが、七月分の暫定予算を出しますときには実は年間を通じた本予算を、これは来月なかばに出したいと思つております。但しそのあとでどうしても止むを得ん場合は七月分の暫定予算を出そうと思つておりますので、これは皆さんの御意見の中で全然問題がないような新規のもの、例えて申しますれば食糧増産のようなものについてであります。そういつたようなものについて全然御意見のないようなものについてはこれは多少新政策のものを、新政策と申すほどかどうか知りませんが、新らしいものを織込んでいいのではないか。こう考えておりまして、又実は衆議院等でも非常に新らしいものを織込めという要望に接しておりますので、これは皆さんの空気で盛込んで差支えないものであれば、事情に合うように盛込んだらどうかとこう実は考えている次第でございます。
○木村禧八郎君 そうしますとこれまで大蔵当局が我々に説明して来ました暫定予算というものの性格から言つて、この七月分の暫定予算はこれまでの御説明と違うのです。それは程度の差はあるかも知れません。原則としてやはり政策を織込む、又織込まざるを得ません。年間予算の一部とすれば織込まなければ変だと思います。そこで暫定予算には二つの性格がある。政策を盛込んでよろしい暫定予算と、政策を盛込むべきじやないという暫定予算と二つある。こういうふうに御解釈になりますか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 暫定予算はその性質上いわゆる骨格予算であるべきはずだと存じます。これが原則だと存じます。併しながら今のような季節的その他の問題のあります分についてそれくらいの考慮を加えることが実情に合いますれば、今各方面とも予算の不成立で非常に皆さん損害を受け、又苦しんでおられるのでありますから、そのお心持もくんで上げていいのではないかと考えておりますが、まだ実は本予算案を出しておりませんし、まだ七月分の暫定予算も組んでおりませんから、今心持だけを申上げた次第であります。
○木村禧八郎君 それは心持はよくわかるのですが、併し建前として今まで説明して来た暫定予算の当局の説明と違うのですよ。ですから非常に矛盾があるのです。ここにそれなら暫定予算というものは原則としてやはり政策的なものを織込んでもかまわないのだ、こういう主張で来ておれば差支えないのですよ。ところがそういうものは織込むべきじやないということを主張して来られたんですよ。ですから私はそこに矛盾があると思うのです。それはもう便宜によつて原則を変えるべきものじやないと思います。今後もやはり我々予算委員として暫定予算というものはなんであるか、そういう原則をきめる場合にそんな便宜的にきめたのでは、そうしたらいつでも都合によつて変えられるのであつてこれはなんら論議ができない。従つてそこに非常におかしいことがあるので、若しそういう政策的に織込まないとすれば何故六、七を一度に出して来なかつたか、別に出して来たところに私は割切れないところがある。併しこれはもう議論しておる時間がありませんから……。とにかく私は矛盾しておると思います。
 それから次にお伺いしたいのは、この暫定予算において緊急止むを得ないもの、こういうものについてはどういうようなお考えになつておりますか。
○政府委員(河野一之君) 緊急止むを得ないと申しまするのは、いろいろまあ解釈のしようがございますが、その期間においてどうしてもやらなければならないもの、例えば中共の引揚、この期間に帰られるとかというようなものがその中に入つておると思います。又時期的にもこの期間を失してはできないもの、併しこの新規のものについては御承知のように六月分については入つておりませんが、そういつたものが考えられると思います。
○木村禧八郎君 それは事務的なお考えですが、我々この緊急性についてはやはり政策的なものを離れて緊急性は考えられません。保安隊の経費、こういうものは緊急止むを得ざるものかどうか。最近朝鮮和平の兆が見えて来ております。だんだん平和になろうというのに保安隊の費用をもうすぐ出さなくつても間に合うのです。むしろだんだん減らして行つても削つてもいいと思つております。こんなようなものは不急不用だと思つております。それに反してもつと緊急止むを得ないというもの、例えば結核対策費とか、社会保険費とか或いは住宅費とか、失業対策費とか、そういうものは緊急止むを得ない、もう緊急を要しているのです。そういうものについての考慮というものは、暫定予算においてそういう意味での緊急性というものは、やはり考慮されないのですか。
○政府委員(河野一之君) 暫定予算は本予算が成立するまでの暫定的の措置でありまして、勿論六月と七月と多少性格が違うと存じますが、そういつた新規のものはまだ本予算が編成、御提出申上げてない段階でございまするので、従来の国務継続のために必要な限度は計上されておりますが、新らしい政策のものは盛り込まなかつた次第でございます。
○木村禧八郎君 七月の暫定予算については政策的なものを織り込む。併し六月の暫定予算については政策的なものは織り込まない。そんなばかな話はないと思うのです。ですから暫定予算といつてもこれは政策的なものを織り込むか、織り込まんかは程度の問題であつて、原則として政策的でない費目というものはあり得ないのですよ。それをこれまで詭弁を弄して大蔵当局は説明をして来たのです。ですからそこのところは到頭この七月の暫定予算を組むに当つてその矛盾がここにはつきりして来たのですよ。ですから我々はこの暫定予算の組替を要求するときにも、その緊急性というものについて、我々は政策的な考えの入らない緊急性というものは出て来ないと言うのです。そこでやはり暫定予算というものは、もう全く事務的な骨格予算とそんなふうに窮屈に我々は解釈しない。政策的に緊急を要するものはどんどん出してもいい。我々はそう考えているのです。だからここは見解が違うわけです。
 次にお伺いいたしたいのは堀木さんからも質問があつたのですが、予算編成方針ですね。今度のこれについてはまだ編成中ですから恐らく大蔵大臣は答弁できないとおつしやるかも知れませんが、併しこの程度のことは私は大蔵大臣としてお考えになつておられると思いますので質問したいのですが、二十八年度の流れた予算を編成した当時と現在とは、国際情勢、国内情勢、非常に変つている。このことはお認めだと思うのです。従つてこの変化に応じてこの予算編成方針を変えて行く、そういう予算編成方針をおとりになるだろうと思うのですが、この点についてはどうですか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 著しい変化のある部分につきましては調整を要するとは信じております。
○木村禧八郎君 私は単なる調整程度では済まない。先ほどの、これは佐多委員からも質問がありましたが、予算の性格を変えなければならないような段階に来ているのではないか。最近輸出が激減しつつある、特需も減つて来る。そういうことになれば日本の国際収支はもう重大な危機に直面するので、合理化というものを唱えてやつて来ているのですが、併しインフレ予算は組めない、物価は下降の方向に持つて行こう、そうしたら予算の性格を変えて行かなければならん。予算の編成方針が基本的に変えられなければならない。部分的調整なんということでは私は済まないと思います。そこで今後の経済の見通し、総理大臣は見通しというと下らないと言いますけれども、経済審議庁でおやりになつているはずです。そこで私は資料として先ず要求しておきたいのは、この前世界銀行のガーナー氏に出したW・B作業の資料と、最近の新情勢、朝鮮の平和の兆が見えてから世界経済、国内経済変つて来ましたのでそれを基礎にして、又アメリカの景気も一九五五年頃景気後退の段階に入る公算が大きいだろうと言われております。そういうものを織り込んで行つた最近の見通し作業があるはずです。これは新聞に出ております。この二つの資料を御提出願いたいと思います。ここでは審議庁長官にその見通しについてお伺いいたしたいのです。
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。先のガーナーに出したもの、これはございますから後ほど差上げられます。又あとのものは私いろいろ聞いておりますけれども、四月一日に発足しましてそうした分析作業をやつておるのですが、まだまとまつておりませんから、まだ少し時日がかかると思いますから。
○木村禧八郎君 できましたら。
○国務大臣(岡野清豪君) ええ、できましたら提出いたします。
○木村禧八郎君 次に先ほど産業合理化による価格の引下げについての質問に対して大蔵大臣から御答弁がありましたが、最近の日本の価格を下降状態にあなたは持つて行かれるように言つておられますが、この独占価格が引上げられて来て鉄鋼なんか今度引上げられておるのです。そうして輸出価格を下げておる、こういう情勢になつておるのです。最近は輸出価格が下つて来て国内価格は上つて来ておるのです。これは輸出の出血価格を国内価格の独占によつてカバーしようと、こういう傾向にあるのです。ですから産業合理化をやつて現に価格が下つたものがございますが、合理化々々々といいますけれどもそれはコストの切下げであつて価格の引下げではないのです。政府なんかがたくさん融資してコストは下げる、併しながら価格は上つておるのです。独占価格で伸ばして来た、そこで企業利潤は非常に殖えておる、そうして輸出は出血輸出でこれを国内価格の独占によつてカバーして来ておる、こういうような形になつておるのです。ですからさつき大蔵大臣の言われた価格を下降傾向に持つて行くというのはどういう意味であるか、今二重価格になつておるのです。輸出価格は下げ国内価格は上げて行つておるのです。引下げるという意味はどういう意味なのか、輸出価格を下げるという意味か、国内の今の独占価格を下げるという意味か、この点ですね。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 私どもは例えば石炭のごときものを見ましてもこれは相当下つております。又鉄鋼につきましてもこの二十八年度で完成するいわゆる合理化三カ年計画が完成しますると、これは確に下がるということを確信いたしております。従いまして今お示しになりましたが、これは内外を通じて下向傾向に持つて参りたい、かように考えております。
○木村禧八郎君 MSA関係について伺いたいのですが、MSAと独禁法との関係ですね。先ほど岡野通産大臣は今度独禁法を仮に出す場合には、前のような形じや出せないと、相当検討してみたいとおつしやいましたが、このMSAの御承知の通りに五百十六条によれば、MSAの援助を受けた場合カルテルが結成できない、そういうことが条件になるやに我々MSAの法律を見るとなつております。従つて若しあれを受ける場合にはカルテル結成、独占価格の結成というものはできない、従つて独占禁止法の緩和ということは私は困難になるのじやないかと思うのです。この独占禁止法とMSAとの関連、これを伺いたい。
 それからもう一つ。MSAの援助を受けた場合にはバトル法の適用が非常にきつくなるのではないか、こう思います。そうしますと、岡野通産大臣はさつき言われました日中貿易をやはり相当枠を拡げて、戦略物資の入つておるものを増大して行こうというこのお考えと矛盾して来るのじやないかこのMSAの援助と。この点を伺いたい。
 それから以上は岡野通産大臣に御質問いたすのでありますが、岡崎外務大臣お見えになつておりますか。MSAと憲法との関係ですね。これは五百十一条の関係。これは外務省の方がおれば大臣でなくても結構です。MSAの五百十一条と憲法との関係。あのMSAには御承知のように、五百十一条で援助を受ける資格というものの条件がいろいろあるようですが、その揚言本国憲法第九条との関係はどういうようにお考えですか。
○国務大臣(岡崎勝男君) MSAの問題は、非常に私の見るところでは幅が広いように思います。従つて五百十一条でしたかのaというのにいろいろ書いてありますが、それが全部が条件になるのやら、その一部が条件になるのやら、それはまだ話してみなければ不明だと思います。いずれにしましても政府としては憲法を守るのは当然でありますから、憲法の規定に反するようなことはできない、これは当然のことだと思います。
○国務大臣(岡野清豪君) お答申上げます。MSAがどういうような内容で出て来るのか、これはちよつと私まだ知りませんし、政府のほかの方に聞きましてもわからん。そうすればわからんことを前提にして独禁法の内容に検討を加えるということはちよつとできかねますから、一応とにかくこの前に独禁法の改正の内容があるのですから、それをその後の事情に合せましてとにかく提案をするように準備はしております。けれどもその準備はまだ検討中でございます。それでMSAがどういうふうな形で入つて来るかによつてもう一つそれは考えなければならんことでございますから、まず前提の内容がわからないうちにはそれに対する確たる御答弁は申上げかねると思います。
○木村禧八郎君 MSA関係でやはり考慮されておる、こう了承してよろしいですか。
○国務大臣(岡崎勝男君) いや、考慮しておりません、MSA関係の内容がわからないものですから。
○木村禧八郎君 わかつたら。
○国務大臣(岡崎勝男君) わかつたら考慮しなきやならない。
○佐多忠隆君 関連して。今の外務大臣の御答弁について改めて御答弁を願いたいと思いますが、五百十一条の解釈で被援助国が次のことに同意している場合だけ援助をやるんだとして、御承知の通り1から6までの資格条項があると思うのですが、今の御質問によるとその二、三を具備していればいいので、必ずしも網羅的に全部具備する必要はないというような御意見だと私は聞いたのですが、この条項はどういうふうに解釈になつているのかどうか。
○国務大臣(岡崎勝男君) 私はたびたび繰返しておりますように、まだアメリカと話をしているわけじやないのでありますから、その一、二を具備すればいいのかどうかということは、わからないのであります。ただ幅が広いように思われるということを言つておるので、将来アメリカと話をしてみなければ具体的にはわからない。それをしない前にここでいろいろ申上げても、これは実際正確でないことをただ想像で言つておることに過ぎないのですからいたしかたないと、こう思つております。
○佐多忠隆君 話がないといつても安全保障法は私から申上げるまでもなく五一年からすでにできておる。この法律をどう解釈をするかということは、もう当然準備をしておられるはずだと思う。従つて今お聞きしているのは全条項を具備しなければいけないのかどうか、その全条項でなくて二、三を具備していればいいのかどうかという解釈の問題を聞いておる。一つ一つの条項を具体的な日本の場合に当てはめてみてどう解釈するかという問題は、今おつしやつたように向うからいろいろな提議がありお話合をしなければわからないことでありましようが、そうでなくて1から6までの全条項はこれは少くとも完全に具備しなければならない条項と考えられるかどうか。さつき外務大臣は非常にルーズにそれは二、三を具備すればいいと思うというようなことを言われるから、私は改めてそれだけをはつきり聞いておきたい、こう言つたのです。
○国務大臣(岡崎勝男君) 私も今何と言つたか、速記録を見なければ、忘れてしまいましたが、私の言う趣旨は幅が広いということであります。もう一つは、アメリカと話をしてみなければあなたのおつしやるような六条項全部具備しなければならんかどうかということもわからないということを申上げたのです。(「それはおかしい」「関連質問」と呼ぶ者あり)
○木村禧八郎君 これはもう私質問時間がなくなりましたので質問じやありませんので、MSAの援助を受けている国に関する資料を頂きたいのです。そういう国はやはりどういうMSAの条項に基いて、あの資格のうちのどういう条項に基いて援助を受けておるのか。これは実際についてもう五一年、五二年、五三年とあるのですから、それを資料として参考のために出して頂きたい。よろしうございますか、委員長。
○委員長(青木一男君) 要求します。
○国務大臣(岡崎勝男君) 承知いたしました。
○森八三一君 昨日総理の質問に際しまして、只今も木村委員から御質問のございました暫定予算の性格についてお伺いをし、七月分を特に切り離してお考えになつておる考え方について承わつたのであります。その際の御答弁は、七月分については只今もお話ありましたように多少新政策を織り込んだようなもので考えて行きたい、それには昭和二十八年度の全体の予算を一応まとめてみないとはつきりしないので、そのとりまとめのついた上でそのうちから七月分だけを取り外して考えて行きたい。こういうような御答弁のように拝承いたしたのでありますが、そこでお伺いいたしたいことは、そうなつて参りますると、特に今朝来からもいろいろ論議のございました、又政府も御答弁になつておりまするように、何と申しましても当面国際収支の均衡を十分保つて行くという問題が一番大きな課題であると思います。こういうような課題を解決して参りまするのには、当面輸出の振興ということも大切な問題であること当然でありますが、一面におきましては多年政府も唱えられて参つておるし実施をして参つておる国内食糧の自給を確保して行くという問題が非常に大きな要素を占めて来ると思います。そこで午前中からも論議のございましたように、国内食糧の自給を確保をして参りまするというこの目的を十分に達成して参りまするために、当然二重価格の問題が起きて来ると思います。これについて只今農林大臣は、今年の作柄を見なければこの問題の結論が出ないというように御答弁があつたのでありまするが、二重米価制度をとるかとらんかということは、今年の作柄を見なくても当然の政策として方向は打出されて来なければならんと思うのでありますが、重ねてこの点について農林大臣の所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(内田信也君) 私の申しました意味は、二重米価を採用するにいたしましても、九月までにきめれば今年間に合う、こういう意味でございます。
○森八三一君 そこで新農林大臣としては、二重米価制度をとることが、国内食糧自給の度を高めて行くためにどういうような結果が生まれて来るであろうかということは、相当お考えになつておると思いますので、そのお考えに基いてどうこれを処理されようとするか、その考え方を承わりたい。
○国務大臣(内田信也君) 二重米価を採用するの利点も今朝ほど申上げましたが、現行法におきましても又利益の点があるのであります。即ち農民に直接お金を差上げるのがいいか、又それをまとめて増産計画に入れて土地改良、耕種改善等に入れて増産を図つて、そうして数年後に農民諸君が増産によつて利益を得、国民も又食糧の増産によつて利益を得、国家も又只今お話の通り今日二千万石も足りなくて多量の外貨を海外に払つて高い米や若しくは麦を輸入しているのでありますから、それを防ぐという利益もありますので、直接に二重米価によつて金を余計に農民にお払いするのがいいか、又は食糧増産の方にインヴエストするのがいいかというような点について考慮を廻らしておるのでございます。
○森八三一君 食糧確保の問題は非常に重要であるという一点につきましては、意見が一致いたしておると思います。そこでひとり食糧の問題を米麦に求めて行くということになりますると、現在の非常に狭小な国土だけでは容易ならん問題があると思うのであります。そこで日本の年々歳々自然的に生まれている台風の関係であるとか、水利の関係などから考えますると、畑作の問題を中心とするいもに食糧の解決を求めて行くということは極めて大切な問題であろうと思います。戦時中にはいも類は主食の代用として統制に置かれ、国民の重要な主食の役割を果して参つたのでありまするが、戦後外国輸入食糧の増加に伴いまして、いもの問題が主食の枠から外れて、ややともしますると非常に軽視されているというように見られるのでありまするが、これは国の置かれている輸入食糧の現況等から考えますれば十分注意しなければならんことであると思いますが、今後このいもという問題についてどういうように考えていらつしやいまするのか、お伺いしてみたいと思うのでございます。
○国務大臣(内田信也君) ちよつと今聞えなかつたものですから失礼しましたが、いもの話でございますか。……いもは御承知の通り澱粉と大きな関係がありますので、御案内の通り澱粉の買上げを行なつておりまするが、これらによつて、市価を成るべく維持したい、今余りにいもの値段を崩すと、お説のように延いては主食にも影響する、こう考えております。
○森八三一君 そうしますると、午前中に小林委員からも御質問ございましたこれに関連して、いもの重要な用途として加工されておりまする澱粉の価格を維持することが、いも作の維持を図ると同時に農家の経済を維持して行ぐ重要な根幹であるという観点から、澱粉価格の安定を期するための具体的な法律を制定するという気持で御進行願うというふうに理解してよろしいかどうか、重ねてお伺いします。
○国務大臣(内田信也君) 大体その意見を持つて進んでおりますです。
○森八三一君 大蔵大臣にお伺いをいたしますが、戦後二、三回に亘りまして所得税を中心とする税制の改革が行われました。更に昨日も首相は、最近の情勢に即応いたしまして税の根本的な改正をするというような意向を洩らされたように拝承いたしているのでありまするが、そこでお伺いをいたしたいことは、今まで税制の特に所得税を中心とする改正が行われました場合の政府の御説明の内容には、当時鉄道運賃の改訂とか或いは消費者米価の改訂等がございまして国民の負担が相当増大をする。この増大する部分だけは少くとも税の軽減によつてこれを吸収して行くのだ、勿論これは所得税改正の全部の内容ではございませんが、そういう意味のこともしばしば御説明があつた。その当時私は、そういうことになりますと、農民とか中小企業者等のいわゆる零細な庶民大衆には所得税に直持関係を持つておりまする階層は極めて少いので、所得税の軽減という措置が講ぜられましても、そういうような政府の物価政策の変更に伴う負担の増大をカバーするというわけには参りかねますので、こういうような庶民大衆の負担を軽減して行くという狙いが何らかの方法によつて達せられなければならんのではないか。少くとも政治はこの点をみつめて行かなければならんのではないかというような所論からいたしまして、こういうような中小企業者或いは農民などから申しますれば、所得税の軽減によつてその恩典をこうむることのできないような立場に置かれている人々のために、そういう人々が主として集まつて組織している各種の協同組合などの法人税は、これを全免することが妥当ではないか。といたしますれば直接ではありませんが間接的にそういうような救われざる大衆の負担を軽減するということにもなりまするので、そういう点を十分考慮すべきではないかというような意見を申上げたのでありまするが、その際当時の池田大蔵大臣も、更に向井大蔵大臣も、非常に大切な問題であるので税制改正のときには十分考慮をいたしたいということをはつきり述べられておりますのでありまするが、新大蔵大臣は、新しく税制の根本改正を企図せられまするに際しまして、こういう問題についてどうお扱いになりまするか所見をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 昨日閣議でもその問題が出ましたので、私どももよくこの税制調査会に諮つて十分御意向の点等を検討し、適当な処置をとりたいと考えております。
○森八三一君 最後に厚生大臣にお伺いいたしたいのでありますが、四・五月分の暫定予算をきめまする際に、社会党の藤原委員だつたと思いますが御質問がございまして、この暫定予算では国立病院が九十九ございまするうちから、十五だけは結核関係の病院として処理が済みまして、残つている八十四の国立病院のうち五つだけを昭和二十七年度中に地方に移譲をして、昭和二十八年四月からは七十九の国立病院になるという計算になりまするので、七十九の運営に要する費用だけが暫定予算に組み込まれているという御説明でありましたのであります。そこで質問は、国立病院を地方に移管するということについては無理があつてはならない、飽くまでもその引受ける団体の十分な了解の上に立つて、これがとり進められて行くべきであるというような御発言があり、当局もそういうふうに善処をするというお話であり、そういたしますると、三月二十日暫定予算成立の目から、年度僅かに十日を残しておるのみでありましたので、その十日間に残されておるその五つのものを地方に委譲するということ、無理なしに強制なしに行くということは、非常に困難ではないかというようにお話がありましたのでありまするが、当時当局は十分それらについて見通しを持つておりましたので、年度中に処理がつくものと存じますというようなお話があつたのでありまするが、その後の国立病院の処理の状況は如何相成つておりましようか、お伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(山縣勝見君) お答え申上げます。四―五月の暫定予算を組みまする際には、一応七十九カ所、今お説の通りでありまして、併しその後現実には入院患者の数にも多少余裕がありましたのと、機械等の整備費は必らずしも四月に或いは五月に買う必要もございませんので、そういうものも流用いたして、大体本来……。その前に申上げたいことは、九十九カ所から十五カ所を今お説の通り引きますと八十四カ所になりますが、それから秋田、山形の二カ所は二十七年度中に移管いたしておりまするから八十二カ所、従つて三カ所が予算上一応四――五月の暫定予算では不足になりまするが、その三カ所の不足に対しましては、只今申しました通り入院患者等の数において余裕がありましたのと、或いは機械等の購入において多少運用をいたしまして、大体四百ベットくらいに相当いたしまするが、大体支障なく参つております。併しその後この六月の暫定予算におきましては、実は六月一日に若松、飯坂の二病院は大体これは確定的に委譲し得ると思いますから、六月の暫定予算におきましては、この二病院の予算は要らんはずでありますが、余裕をとつてこれは六月の暫定予算に計上いたしております。
 なお七月には大体三カ所委譲できる予定で、今話を進めております。なおその他只今お話のような御趣旨によつて無理のないように進めて参りたいと思いますが、予算上は六月の暫定予算においてはさような措置をとつておりますので、懸念の点はないと思います。なおこの際、秋田、山形の二カ所を委譲いたしましたのちの経過につきましては、大体予期いたしましたように順調に参りまして、入院患者等も増加いたしまして経営上支障なくやつております。
○湯山勇君 私は公務員の給与並びに期末手当について御質問申上げたいと思います。昨年の十二月二十五日に成立した一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律、即ち三百二十四号の別表第一から第六までのうちの、別表第一から第五までの各表の末尾に次のような備考が附されております。「本表は、暫定的のものであつて、なるべく速やかに合理的改訂を加えるものとする。」こうなつているのでございますが、この備考が初めて取上げられたときの趣旨は、記録によりますると、あの困つている公務員の姿に目を蔽おうとすることなく、又口実を他に求めて、そうして何とかごまかすといつたような方法でなく、謙虚な態度でこの問題を是非研究を進めて行つて、できれば年度内においてもこれを出す、こういうようないわゆる一層の誠心誠意を以つてこの問題を研究して頂きたい、こういう意味で提案になつたはずでございます。年度内にできればやるという趣旨は、人事院の勧告を待たなくても、政府の独自の立場においてやるという意味をも含んでいるものと思いますので、この趣旨に従つて政府が具体的に年度内にどのような検討をなされ、研究をなさつたか。更に今次暫定予算の編成に当つても、どのようにこの点に対しての具体的な検討がなされたかを先ずお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 目下この別表備考の趣旨に従いまして、現行法規を検討中でございまするが、暫定予算におきましては、その性質上ベース・アップとか、或いは俸給表の是正、こういつたような計画的な措置を織り込むことが困難でございましたので、今度お出ししてありまする六月分の分にはこれらのことが見てございません。
○湯山勇君 今読み上げましたように、この趣旨は、現在実施されている公務員の給与では、公務員の生活が非常に苦しいから、成るべく早い機会にこれを改訂せよという意味だと思うのです。併し現在の状態においては、公務員の生活はあの当時と少しも変つていない。むしろ生活の圧迫というものは累積して来ている。更に又今民間給与の実態、更にそのことを緩和するための民間給与の夏季手当における実態を見ますると、いずれも、夏期手当のみについて見ましても、今回の暫定予算に出ておるよりも多額のものが出ているのでございますが、これらの点については大臣はどうお考えになるか、御説明頂きたいと思います。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 現在のところ私どもは公務員の給料が決してよいとは考えていませんが、併し税制その他の改正も行われまするので、実質においては漸次幾らかずつでもよくなりつつあると考えております。
 なお民間給与との釣合の関係についてのことでございましたが、これは大体この間のベース・アップで二〇%ほどよくなつておりますので、現在のところ民間との釣合は殆んどとれておるように考えているのでございます。
 それから更に夏期手当の問題でございますが、夏期手当の問題につきましては、先に人事院の勧告もございまして、〇・五を制度化して法律に盛つたのでございますけれども、併しその後人事院の勧告もございませず、今回のところは又財政負担等の問題もありまして、新規には盛り得ない状況にあることを御了承願いたいと思います。
○湯山勇君 先ほど大臣は暫定予算の性質上ということをおつしやいました。何回も御答弁になつた。暫定予算の性質上、公務員の夏期手当のように法律できめられたもの、それから季節的な要素を含んだものということをおつしやいましたが、明らかに夏期手当というものは季節的な要素を含んでいると思うのです。而もこの法律ができましたときに、すでに〇・二五というものは、この法律できめられたもの以外に出されている。そういうことを考えますと、今回の夏期手当におきましても同じような考え方に立つて、法律できめられたというようなものじやなくて、季節的なつまり吉田総理大臣もおつしやいましたように、盆とか暮とか、そういうことを考慮して、法律できめられたものというのじやなくて、更にこれに何らかの考慮をする。そういうことは考えられないだろうか。お答え頂きたいと思います。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 御承知のように昨年の暮の〇・二五というものは超過勤務手当で実は出したような次第でございまして、法律では〇・五となつておりますので、法律に基かずしてさようなことは取計らいかねると存じております。
○湯山勇君 今の質問の趣旨を取違えていると思うのです。法律では〇・五となつているものを、期末手当ですね、それを特にそのような超過勤務手当の繰上げというような形において支給したというのは、これは政府のほうの、まあ平たい言葉で言うと親心だつたと思うのです。そういう期末における親心を、今回もこういう季節的な配慮をしてやる意思はないかどうか、そういうことをお聞きしている。
○政府委員(河野一之君) 昨年は当委員会に申上げましたように、年末における職員の繁忙の状況を見て、実情に即して超過勤務手当を支給いたしたのでございます。そういうことでありまして、法律の範囲内、予算の範囲内において運用いたしたのでありまして、今回において特にそういうことを考えようとは思つておりません。
○湯山勇君 あの〇・二五の支給というのは、必ずしも超過勤務の繰上げでなかつたと思うのです。何らかの方法で、超勤の繰上げ支給、その他の方法というのが通牒にはあつたと思うのです。つまりこれは法的な根拠はなくても何とかして支給してやれということにほかならない。だから今のような御答弁では納得できないと思います。重ねて御答弁を願います。
○政府委員(河野一之君) それはたびたび申上げましたように、法令の許される範囲内においてやりましたので、違法の措置は別にとつておりません。
○岡田宗司君 関連質問……。違法の措置はとつておらん、それはまあそれでよろしい。併しながら、その昨年の暮に〇・二五十出たということは、成るほど違法の措置ではなかつたけれども、〇・五というきめたものにプラスをしたことになつている。それは大臣のほうで以ておやりになつたのですから、これはあなたの見解でなくて、今度小笠原大蔵大臣はそれをおやりになるかどうかということをお聞きしたい。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 財政事情等もありますから、よく考えてみます。
○岡田宗司君 財政事情等もあるからよくお考えになるということは、これは七月の暫定予算において何らか考慮する余地もある、こういうことに解釈してよろしうございますか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) どうも法律の根拠がありませんから、私どもまあ考えてはみますが、実際的にはどうかと思います。
○岡田宗司君 前例があるのでありますから、例えば超過勤務手当なり、その他ということもございますから、その範囲内で考えて御覧になつて、実施ができるものであるならば実施して頂きたいというのが私どもの要望ですが、成るたけ実施のできるようにお考え願えるものかどうかということをもう一度重ねてお伺いしたい。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 率直に申しますと、現在の段階では困難ではないかと存じます。
○岡田宗司君 そういたしますと、初めからはつきりとお断わりになればいいのだが、今までの御答弁を聞いていると、何か考えておられるように思われるのでお聞きしたのですが、もう一度はつきりできないのかできるのか。考えるというのは、何らかの余地があるのか、余地が残つておるのかどうか、そこをもう一度はつきりお願いしたい。
○中田吉雄君 それに関連して……、衆議院の予算の採決を間近に控えたときには、もつと形の変つた含みのある答弁をされたやに承わつているのですが、二枚舌にならんように、一つその辺のことをよく勘案して……。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 衆議院で御答弁申上げたのは、とくと考えますと、こう申上げたのでございます。それで今ここに申上げますのは、できるかできんかと、今率直に申上げると、今の財政事情では、又法律の根拠がないことは無理ではないかと思うが、併し事情もわかるから、考えることは十分一つ考えてみたい、こう申す意味でございます。決してお上手を申す意味ではございません。
○湯山勇君 この問題はただ単にここで新たに起つた問題ではなくして、前国会から引続いての問題だと思うのです。こういう継続した問題を真剣に取上げて行くことが参議院の一つの性格たと思うのですが、こういう点について大臣の今の御答弁は誠に形式的であつて、誠心誠意解決するという御態度が見えないことを極めて遺憾に思います。そういう意味合において御善処を要望しまして、次に長官にお尋ねいたします。
○委員長(青木一男君) 次長が見えておりますが、よろしうございますか。
○湯山勇君 長官にお願いしたい。
○委員長(青木一男君) それではあとに……松澤君。
○松澤兼人君 大蔵大臣にお伺いいたします。
 国家財政がこういうふうに暫定的にこま切れ的になつておりまして、国家財政もさることながら、地方財政は非常に窮屈な状態になつております次第であります。これは府県知事会或いは市長会或いは町村会、各方面から政府に対しましても陳情が出ておるはずでございまして、四月、五月及び六月の暫定予算を通じて見ましても、収入不足が百五十七億ということになつておるから、こういう状態でございますと、全く地方財政の運営ということが極めて困難な状態になり、更にその上七月予算が暫定であるということになりますと、年度半ばにおいて地方財政は殆んど破綻に瀕する状態になることは必至であると考えるのであります。七月におきまして、将来、この地方財政の窮境を如何にしてお救いになるお考えであるか、或いは又八月以降における地方財政に対して大蔵当局は如何なる考えを持つておられるか、この地方財政の破綻に瀕しておる状態に対して大蔵大臣として如何なる御所見を持つておられるか、承りたいのであります。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 地方財政の困難なる原因についてはいろいろあろうかと存じますので、その困難な諸原因を検討し、且つ地方制度調査会に諮りましたその上で、根本的問題を取上げたいと考えておるのでありますが、六、七月等の問題につきましては政府委員より答弁をさすことにいたします。
○政府委員(河野一之君) 四、五月分の暫定予算に平衡交付金を百八十七億計上いたしました。六月分には二百八十億を計上いたしておりますが、そのほかに短期融資として百六十億円、更に起債として三十億円を予定いたしまして、この期間における地方財政の暫定計画としては何とかやつて行けるのではないかというふうに考えております。勿論十分でない点もあるでございましようが、とにかく暫定的な予算としては地方財政における最小限度の必要経費を賄うのに十分であろうかと考えております。
○松澤兼人君 現に四、五、六月におきまして、先ほど申しました百五十七億という赤字が出ておるわけでありますが、これが七月においてどの程度或いは八月以降においてどの程度赤字でなくなりまして、今後地方財政が確立されるかという見通しについてお話願いたい。
○政府委員(河野一之君) 一応四、五、六月の暫定計画においては赤字百五十七億とこうおつしやつたのですが、これは収支上の差額が一応百五十七億出ておる、こういう関係も考慮いたしまして、百六十億円の短期融資をいたしておる。この短期融資はのちに地方債によつて埋められるものもございましようし、それから又平衡交付金によつて埋められるものもあると思います。これは本予算編成のときにおいて措置せられることであります。
○松澤兼人君 只今のお話を聞きますと、これは振替えられるからして結局年間を通じては赤字にならないというお話でございました。併し若しそういうふうに単に数字の辻褄を合せるだけで地方財政が確立されるということでありますならば、これは誠に結構なことであります。併しここ数年来地方財政が苦しくなつておる、或いは国家財政の均衡のために地方財政が犠牲になつておるということは、これはもう天下の輿論になつておるわけであります。これがこの二十八年度を通じまして地方財政が確立されるという見通しを私は伺つておるのでありまして、本年も又同様に、今までと同じように国家財政のために地方財政が犠牲になるのではないかということを私どもは心配しておるのであります。将来の見通しに対する、安定できるかどうかということについて、はつきりとお答え願いたいのであります。
○政府委員(河野一之君) 地方団体は年度の初期におきましては、国の補助金の関係、これが多少遅れて参ります関係、それから税金の徴収時期の関係上、年度の初めにおきましては財源的に多少不足が出て参りまして、これを短期融資その他で埋めるのが最近の例でございます。従いましてこの百五十七億がそのまま赤字であるというふうに私どもは考えておりませんので、今後この期間のものとしては一応収支差額は出ますが、年間を通じてはバランスするように地方財政の計画は持つて行くべきものであり、又平衡交付金等もその方針で考えるべきものである、こう考えております。
○松澤兼人君 更にお伺いしますけれども、結論的に言いますというと、この年間を通じて地方財政は安定する。或いは確立する。何らの赤字もないというふうに楽観的にお受取りいたしましてよろしうございますか。
○政府委員(鈴木俊一君) 将来地方財政が今お話のごとく赤字がありますのが安定するかどうかということでございますが、地方財政の個々の団体の実態を見ますと御指摘のごとく相当窮屈なやり繰りをいたしておるのが少くないと思うのであります。これはやはり原因といたしましては、地方団体の財政運営の適切を欠くという面も勿論ございまするが、同時に国の関係において、例えば非常に多くの法令等によりまして義務的な負担が地方に加わつておる、財政規模を努力によつて圧縮しようといたしましても、なかなかそれだけでは圧縮ができないというような面もあるのであります。従いましてこれはやはり国なり地方なりが一緒になりまして、それぞれの原因に属しまするところを解決して行かなきやならないと考えておるのでありますが、その根本の方針はやはり地方制度調査会の答申を待ちまして、政府として速やかに案を作りたいというふうに考えておる次第でございます。
○岡田宗司君 委員長、議事進行について。只今地方財政の問題が大分御論議になつております。先ほど湯山さんの質問もありますので、一つ地方自治庁長官の御出席を急いで頂きたい。
○委員長(青木一男君) 私今急いで要求しております。
○岡田宗司君 それまで休憩されたら如何ですか。
○委員長(青木一男君) 一括してあと廻しにして、ほかの質問を進行願います。
○松澤兼人君 それではその問題はあと廻しにいたしましよう。最近吉田内閣総理大臣が東南アジア貿易の促進とか、或いは東南アジア開発に対する協力とかいうことを言われておるようでありまするし、又我々中共を含むアジア貿易の規模を増大せしめることが、底の浅い日本経済にとつて不可欠な要件であるということを考えるのであります。具体的に申しまして、それでは東南アジア貿易の促進なり、或いは東南アジア開発に対する日本の協力というものは、どういう形で行われる、或いはどういう点から接触して行くかという点について、外務大臣及び通産大臣の御答弁をお願いします。
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。昨年の貿易から見ますというと、東南アジアの貿易が日本の貿易の総額に対してどのくらいのパーセンテージを占めているかと申しますと、輸入が約二割、それから輸出が三割六分に当つております。これは日本の貿易としましては非常に重要な市場でございます。今後日本はやはり東南アジアに対して、この貿易をうんと促進して行かなければならんということは、これは自明の理でございまして、できるだけ我々もこれに対してやつて行きたいと思つております。ただよく世間で言われましたように、日本の政府が東南アジア開発計画とか何とかいうことを考えておるとか言いますけれども、我々といたしましては、ただ市場をうんと拡張して、そうして同時に又向うで独立後各国が急速に経済界の発展を図るためにいろいろな近代設備にしようとか何とかいうような計画があるものですから、それに我々は乗つかつて行つて、できるだけ日本のものを使つてもらい、日本のものを売る、又やつて行く、こういうことにやるわけでございまして、昔申しました八紘一宇などというような調子でやるんじやなくて、向うの要求が非常に旺盛で経済開発をしようとしておる、それに対して我々としてはできるだけの援助をしながら、而も日本の貿易を促進して行く、その基地にして行きたい、こう考えております。只今のところでは、我々先ず、たびたび申上げることでございますが、何と申しましても、非常に貿易には制約を受けておりますので、第一段といたしましては、やはり外交交渉によつて貿易協定とか通商航海条約とかいうものをやつて行き、又貿易協定を作りましても、その枠をだんだんと拡めて行くというところに外交的に努力をし、同時に日本のいろいろの業者の技術とか品物の宣伝とかいうようなことにも努力をして行きたいと思います。行く々々は向うへ派遣員を出しまして、そうして技術の相談を受けるような設備にして行きましようし、もう一つ申上げて置くことは、これは日本の輸出入銀行で外国に対して長期の投資をすることがまだできておりませんが、この輸出銀行法の改正でもして頂きまして、長期の投資がその銀行を通じてできるということになつたら、ますます金融上も、そういうような日本の業者が出て行つて仕事をするのに都合がいいことと思います。いろいろなことを考えて東南アジアの各国が開発せんとするその方向に向つて、日本は援助をしながら市場の拡張をして行きたい、こういう考えでおります。
○国務大臣(岡崎勝男君) 大体只今通産大臣の申しました通りでありますが、更に東南アジアと言いますと、区域が非常に曖昧でありますが、まあ要するにいわゆるアジア地域の諸国、これらにはすでに大使なり公使なり、或いは総領事なりがそれぞれ出ておりますので、これらを通じて貿易協定とかその他貿易の促進になる方法はできるだけやるつもりであります。又それに関連していろいろ只今通産大臣の申されたような経済的な協力というようなことが、できるものであるならば、喜んでいたしたいと考えております。
○委員長(青木一男君) 松澤君にちよつと申上げますが、自治庁長官が見えましたから今留保された質問を……。
○松澤兼人君 その点は保留いたします。
○湯山勇君 自治庁長官にお尋ねいたします。先に知事会等の強い要望がありまして〇・二五に対する財源措置が一応なされたと思うのですが、にもかかわらず現在地方公務員でその支給をされてないのがあります。その理由とするところは予算操作が不可能である、或いは地方公務員のための〇・二五の財源措置だけではないのだ、或いは県財政の逼迫、まあそういつた理由で支給されないために、現在もなおその紛争が続いている、そういうのがありますが、これらについて自治庁長官はどのようにお考えになるか。今後どのように解決して行こうとなさつているのか、お伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(塚田十一郎君) お答え申上げます。昨年末の、御指摘のこの特別の支給につきましては、地方財政が非常に窮乏しておりますために、或いは政府の考え通りに行つておらんものもあるかとも思つておりますのであります。ただ政府といたしましては、当時の財政計画に則りまして、できるだけの措置はまあいたしたつもりでおるのでありますが、或いはそれが十分に行つておらない面があつて、そういうようなことになつておるかも知れないのであります。実は地方財政が非常に窮乏して地方自治団体に御迷惑をかけているということは十分に承知いたしておりますので、これは徹底的にこの機会に何とか解決をしなければならないと、こういうように考えておりますので、今折角地方制度調査会の意向なども成るべく早く結論を出して頂いて、今までの累積した赤字はどうするか、又二十八年度の予算についてはどういう工合に措置をするか、更に二十九年度以降の恒久的な地方財政計画についてはどういうようにするかというように、三段に考え方をまとめて解決をいたしたい、こういうように今考えておる次第でございます。
○湯山勇君 只今の問題について、現在そのようにして支給されていないものに対しては、今後自治庁としてはどのような措置をとられるかをお伺いいたしたい。
 なお次にお尋ねいたしておきます。今回暫定予算において地方公務員並びに教職員に対して夏季手当の支給の予算が組まれておりますが、この算定が地方公務員は政府職員よりも高いということを従来言つておりますが、そういう政府が考えた基準によつて〇・五を組んだものか、実支出を基準にして組んだものか、その点も御答弁頂きたいと思います。
○国務大臣(塚田十一郎君) これは現実に自治団体が御支給になつたかならないかは、実は政府としては関与することのできない問題なのでありまして、ただそういうことによつて財源が不足いたします場合にその財源を何か政府として考えるべきものは考えなければならない、こういうようにまあ考えておる。そこでその方法として、昨年年度末に特別起債というようなものを考えて、できるだけの措置をいたしたつもりではございますが、或いは十分でない面があるかも知れない。その面は先ほど申上げましたように本質的な問題は掘り下げて解決をして行く、こういうように考えております。
 なお第二の問題点につきましては、御指摘の通りやはり地方が中央より高い部分は一応中央に準拠して計算をしておるわけでありまして、この点につきましても非常に問題点があると私も考えておるのでありまして、今までに生じております地方財政の窮乏、赤字はその面から生じて来た面が多分にあると思うのでありまするが、今のように平衡交付金若しくは起債の枠で、中央が相当程度面倒をみるという構想で行きます場合には、やはり中央と地方を同じように考えるということでないと、ちよつと政府としては扱いにくいのでありまして、併し今申上げますようにいろいろ問題点がございますから、そうしてこれらの点は今度の地方財政計画の恐らく大きな問題点の一つになるであろうと考えておるわけであります。その機会に是非解決いたしたいと考えております。
○湯山勇君 今の御答弁で切下げた額についての財源措置がしてあるということでありますが、教職員の場合は国庫負担法によりまして、定員定額ではなくて実際に支出されておる額を負担するということを長官は衆議院におきまして御答弁になつたと思うのです。そうだとするならば、今なされた財源措置というものはそれとは非常に矛盾しておると思うのです。つまり給与はこれだけ、一カ月分は実際の額を負担し、期末手当においてはその半分に足りない額、つまり政府において算定した額を予算計上されるということでは、その間に矛盾があると思うのですが、これはどのように調整されるおつもりなのか、承わりたいのであります。
○国務大臣(塚田十一郎君) 御指摘の通り義務教育費半額国庫負担法の考え方と平衡交付金の考え方とは、若干考え方に矛盾があると私も実は考えておるのであります。併し平衡交付金の考え方は御承知のように、基準財政需要と基準財政収入というものの相関関係で以て計算して参りますのでありまして、従つて平衡交付金の額がそのまま義務教育費ということには繋らないのでありまして、義務教育費も含めた財政需要というものを基礎にして平衡交付金はきまる、こういうようになつております。但しその義務教育費を、基準財政需要の中においての教育費を計算いたします場合に、やはり政府は切下げた額というものを一応考えておりますから、その面において御指摘のような矛盾が若干ございますので、それらの点は一つこの機会にこの点も根本的に考え直したい、こういうように考えておるわけなのでございます。
○湯山勇君 こういう問題は、ただ単にそういう理論的の問題ではなくて、直ちに地方公務員なり教職員が直面して、このことがもとになりまして、いろいろ地方では問題が起ります。従つて根本的な研究じやなくて、当面どうするかという問題が承わりたいのです。
○国務大臣(塚田十一郎君) まあ当面の対策といたしましては、先般提出いたしましたあの予算で一応私どもは何とか地方においても御協力願つて、あの線で財政需要が十分満たされるようにやつて頂きたいという考え方でおるわけでありますが、併し更に考え直すべき面は、これはまあどうしても足りない面があれば、年度の中途において或いは何らかの措置をお願いしなければならないようなことになるかも知れない、こういうように考えております。
○湯山勇君 最後にお聞きいたします。年度の途中とおつしやいましたのは、次期暫定予算、早期にやらなければ、恐らく今ここできまりましても、支給は七月に入るし、場合によつては八月に入るところもできると思うのです。そこでそういうことも考慮いたしまして、次の暫定補正の機会にそのような金額に対する補正を考慮する余地があるかどうか、その点を明確にお示し頂きたいと思います。
○国務大臣(塚田十一郎君) 今日の段階におきましては、恐らく大蔵大臣もそのようにお答えになつておると思うのでありますが、政府としては勿論補正予算というようなものを考えておりません。私も今の段階ではそういう必要はないと、又ないようにいたしてもらいたいものだというように考えておりますが、併し現実の結果として計算の間違い、そういうものがあつて不足を生じるということであれば、これはやつぱり放つておかれませんから、何かの機会に何かの措置をしなければならない、今の段階ではそのように必要を生じておるとは思つておりません、こういうようにお答え申上げます。
○松澤兼人君 先ほど来地方財政の成行きについてお伺いしておるわけでありますが、只今の御答弁によりますと、いずれは地方制度調査会の結論を見てはつきりとした対策を立てるというお話でございますが、それでは二十八年度に対しまして、四、五、六の暫定及び七月の暫定、それ以後の本予算ということによりまして、数年来国家財政の皺寄せによつて地方財政が犠牲を受けておる、その犠牲を払拭することができるかどうか、この年度中に赤字を出さないでどうにかこうにか財政需要に対して見合うだけの収入を平衡交付金を含めてやつて行ける自信があるかどうか、この点をお伺いしたい。
○国務大臣(塚田十一郎君) 二十七年度以前におきまして、御指摘のように何がしかの地方財政に不足が生じておる、それが繰上流用の形で不足になつて出ておるということは、私も承知いたしております。その額が私どもの推定では約百億ぐらいになつておるかと思うのでありますが、併し二十八年度におきましては、政府の考えますところでは、大体そうして又そのようにいたしたいと思うのでありますが、今度国会に提出いたしまして御審議願う予算におきましては、そういうことの起きないように措置をしたものを出して御審議をお願いしたい、こういうように考えておるわけであります。
○松澤兼人君 それでは外務大臣にお伺いいたしますが、私どもはいわゆる特需でありますとか、或いは戦争経済であるとかいうようなものによつて日本の経済の自立を図るということには反対でございます。どこまでもアジア全体の平和とアジアの人民の生活安定のために日本が協力できるという分野を開拓し、それに協力するということが必要であると考えておるものであります。そこで外務大臣にお伺いいたしたいことは、いろいろアジア開発に対しましては、ポイント・フォアの計画であるとか、或いはコロンボプランでありますとか、エカフエでありますとかいうようなものがあるのでありますが、私どもといたしましては、再び植民地経済を再現するということでなく、どこまでも世界の人類が幸福と利益を受ける方式に結び付いて開発に協力するという方法をとつて行かなければならないと、こう考えておるのでございます。従つて、このアジアの開発計画に対する日本の協力というものが、どういう方法によつて、どういう点で結び着くことができるかという点についてお漏らしを願いたいのであります。
 又私どもは、アジアにおける経済専門家などの会議を開催して、将来のアジアの開発及び経済の自立、独立と平和ということのために協力をしたいと考えておりますが、そういうアジアの経済会議というものが近い将来に開催される見通しがあるかどうか、或いは日本として如何なる方法によつてこういうものに協力するかということについて、御所見を承わりたいと思います。
○国務大臣(岡崎勝男君) お話の趣旨は、私も全く同感であります。従いまして、小さなことでありますけれども、例えば東南アジア開発なんという言葉を使いたくなのいで、とかく開発などという言葉は誤解を招くのであります。又そういう意味におきまして、例えば日本が主唱してお話のような会議を開くということは、これはよほど考えなければならんことだ思つております。若しそういう会議が何かうまくすらくと行くものであれば、非常に結構なものであると考えます。又今おつしやつたコロンボプランとか、ポイント・フォアとか、いろいろありますので、これに加わつてその一部としてやり得れば、日本が何か独占したというのは語弊がりますが、日本だけが勝手にやるのだという印象は残さないで、世界の諸国と協力してやるのだということになつて、よい面が非常にあると思いますが、他面には、一部の人ではありましようけれども、やはりこういう各国の計画を前の植民地政策の継続であるというようにとつておる向きも必ずしもないとは言えないのであります。その辺のところを十分我々も注意して、お話のように本当の経済的な、ほかに何も考慮のない純然たる、経済的お互いの福利を増進するという趣旨に実際の仕事をして行きたいと、こう考えて、只今いろいろ研究中でございます。
○松澤兼人君 人事院総裁にお伺いしたのですが、新らしいベースアップの改訂は勧告をいつ頃お出しになりますか、或いはどの程度まで作業が進捗しておるか、言いにくいことではございましようが、現在のベースに比較して将来はどの程度が適当であるというふうにお考えになりますか。
○政府委員(淺井清君) お答えを申上げます。人事院といたしましては、新らしいベースのことにつきまして鋭意調査中でございます。実は公務員法のことは松澤さんよく御存じのことでございまするが、毎年一回給与が適正であるかどうかを国会又び内閣に報告しなければならないことに相或つておりまするので、その毎年というのは前の勧告から計算いたしますので、この八月一日までには国会並びに内閣へ報告をしなければならない。その節若しこれを引上げる必要があれば併せて勧告すると、こういうことでございます。そこで、勧告するかと仰せられますると、只今の状況ではまだするとは申しかねるのであります。一にこれはどのような結果が出て来るかによる問題であろうと存じます。御承知のごとく、ベースの計算は民間の給与調査と標準生計費と二つの上に立つておりますので、只今民間の給与調査を全国に亘りましてやつておるのでございまして、従いましていつまでにこの報告兼勧告がなされるかいとうことは、ここで申上げることができませんのであります。
○松澤兼人君 よくわかるのでありますが、併し若し勧告する必要があるということでありますならば、当然予算に関係があるのでありまして、その時期はもうない。本予算が組まれるその以前になされなければならないのであります。然るに余すところ半月くらいでありまして、その後に勧告がなされるとするならば、これは実際上何ら公務員の利益なにらない。政府は補正予算を組まないと言つておりますし、勧告の出し放しという結果になるのであります。そういう点を考えてみますと、勧告を出されるならば本予算の組まれる前に出されなければならないと私どもは考えておるのであります。なぜそれができないのか、なぜそれをおやりにならないのか、その点明確にお答え願いたいと思います。
○政府委員(淺井清君) 御趣旨は誠によく了承いたすのでございまするが、人事院といたしましては、この給与の引上げということは国民に大きな負担をかけるものでございますからして、納税者が納得するだけの資料が整いませんければ、これはいつもできないのでございまして、その点はよく御了承願いたいと思います。ただ御趣旨に従いまして、成るべく早く勧告いたしたいと存じます。
○松澤兼人君 もう一点伺います。納税者を納得させなければならないことは勿論でありまするが、同時に法律から申しますならば民間給与なり、或いは生計費に著しい変動があつた場合においては、当然勧告をなさなければならない義務を人事院が負つておるわけであります。ですから予算のことをとやかくお考えにならずに、出されるものは当然出さなければならないと考えるのであります。この点について再び御答弁をお願いしたいのであります。
○政府委員(淺井清君) 実はお言葉を返して恐れ入るのでございますが、先ほどは予算を考えてやれという仰せで、只今は予算を考えずにやれというお尋ねのようで、ちよつと御答弁に当惑をいたすのでございますが、御趣旨はよく了承いたしましてやりたいと考えておるのでございます。人事院といたしましては、十分そのつもりでおります。
○松澤兼人君 時間がだんだんなくなりますので、議論はできませんけれども、予算に間に合せるように勧告をしろということは、私申しました。併し予算を入れるかどうか、組むかどうかということは政府の仕事でありますから、時期に間に合せるように勧告を出しなさいということを言つたのであります。勧告が出されるならば、政府が組まなくとも、或いは国会の意思によつて或いは組ませることもできるのでありますから、この二つの話には矛盾はないと私は考えます。そういう点をよく御了解をして頂いて、早急に勧告を出して頂くようにお願いいたしたいと存じます。
○政府委員(淺井清君) 只今のお言葉はよく御趣旨はわかりましたので、御趣旨に沿うように善処いたしたいと思いますが、ただ結果といたしまして、いつ勧告ができまするかは、ちよつとここで申上げかねます。
○中田吉雄君 最初に緒方副総理にお尋ねいたしたいと思います。昨年の十月一日に行われました総選挙、並びにこのたび行われました参衆両院の選挙に関しまして、各省の局長等の高級幹部、公社等の重要幹部の立候補についてお尋ねしたいと思うわけであります。なぜかと申しますと、国家予算大体九千五百億、地方予算八千五百億程度、これを私たちはできるだけ効率的に無駄なく実施いたしまして、国民の福祉に応えることが必要でありますが、特に今回の選挙におきまして、政府の高級職員の立候補に関しまして、国費なり、地方費の濫費されたのは誠に目に余るものがあると思います。当り障りがあつて発言がしにくいのでありますが、この点は御了承をして頂きたいと思うわけであります。私がこの目で見、この耳で聞いた限りにおいても、或る外局の人が立候補する際には、その部局長が、君のところには公共事業費を幾らやるからどうせいというような割当を政府の官庁でやつています。それだけではありません。選挙運動費を官庁内で配分した人も私は知つています。更に選挙中に各部局長が全国を駈けめぐりましたその出張回数というものは、恐らく普通の時期の調査とは格段に多いような状況であります。更に行政監察部ですか、そういう監査する人が、実際に選挙運動をやつて逮捕されたことも知つています。これは私が県会議長をしたときに、よろしくないので副知事を罷免した人でございますが、更に地方の公務員、地方課におきましては、町村合併の促進の会議をやるというようなことを言つて、全国区の人を町村合併で誰に入れるというようなことでやつて、誠に国費が濫費され、そして綱紀の紊乱していることはその極に達していると思うわけであります。これは人事院規則の政治的な行為の件、更に公識選挙法の百二十六条、地方公務員法の第二十六条の、政治的な行為の明らかに違反であります。恐らく総理がこのたび行政監察制度を強化されるというのは、誠に目に余るこういう事情が総理の耳に入りまして、誠に私は適切な措置だと思うわけでありますが、あつたことは仕方ありませんが、政府はこういうことに鑑みまして、高級識員の参衆両院の選挙に対する立候補の規制に関しまして、何らかの措置をされる、憲法の第十四条の政治的な自由の権利に触れずに何らかの、例えば立候補しようとする人は何年前に辞めるべきであるというような規定で憲法に抵触しないような仕方において、そして綱紀を紊乱しない国家、並びに地方財政を濫費しないような措置を考慮される用意があるかどうかという点と、更に各省で立候補された人の所属する各省の出張等に対して、私は是非次の機会にその頻度を明らかにしてもらいたいと思うのですが、これに対しまして御所見を承わりたいと思うわけであります。
○国務大臣(緒方竹虎君) お答えをいたします。政府の高級識員が衆参両院の選挙に当りまして、辞職とともに立候補する。そのために、今お話がありましたようないろいろな弊害が現われましたことは私も承知をいたしております。で、この弊害を救うためにどういう措置をしたらいいかということにつきましては、政府でまだきまつた意見はございませんけれども、私個人としての意見を申上げることを許されまするならば、高級職員の人は、現職を去つたのち、何がしかの期間を置かなければ立候補できんようにすることであれば、只今仰せの憲法にも触らずにそういう規制ができるのではないか。そういうふうな考えを持つております。それからそういう高級職員が現職を去つて立候補した場合、その曾つて所属しておつた官庁の職員が、その選挙のために出張した、その頻度についての調査、これは私は今何も存じておりませんが、いずれ書類にいたしまして報告できると思います。
○中田吉雄君 是非お願いしたいと思うのですが、甚だ言いにくいのですが、一、二の例を更に申上げたいと思います。私の京都大学の友達が或る勧銀の支店長をしています。ところが公共事業の金がそこに流れて行きまして、その銀行に絶えず残高が百万、多い時は五千万もあるし、少ない時にも百万はある。一票二百円で買収をやつたという計算で、そこでこれだけの票を出しなさい、そうぜんと金を引上げてしまうというようなことも、政府の役人が出張いたしまして言明いたしまして、誠に弱つた。これは革新系の私が申上げるのでなしに、その友達は保守派に属するのですが、なお何らかの措置をしてもらわなくちや銀行の正常な業務もできない、こういうことを申していますので、ぜひこの点は今後禍根を残さんように一つして頂きたいと思うわけでありますが、未だ私たちは逮捕されたりした以外には、この人事院規則なり、国家公務員法の違反者が処罰されたという話を聞きませんが、綱記粛清の意味においても、これはどういうふうにされるのでありましよう。この所管は誰でございましようか。どういうふうな措置をされますか。その点はつきりして頂きたいと思います。特に或る官庁で選挙資金の配分なんかをやつて逮捕状が来た者をもらい下げをやつたりして不問に付されているような事態すらあるわけであります。これは誠に党派を超越しましてなかなか等閑に付することができない問題ではないかと思うのですが、一体この人事院規則の違反、国家公務員法の違反に対してどういう措置をされるのでございましようか。これは国家予算、地方予算の効率的な使用にも関して非常に大切な点ではないかと思うわけであります。
○天田勝正君 今中田君が申された例でありまするが、それに対して副総理は文書を以て報告するであろうという話であります。そうでありますれば、私もここに一つの事実を申上げて文書によつて責任ある御回答を願いたいと思うのでありますが、それはやはり公社の幹部が選挙に当つて立候補するために辞職をされた。その辞職の後においてその人の主催の集りであるからというので文書課長通達ということによりまして、これを各方面に通達をしておつた事実を私はこの耳でその通達の終るまで聞いたのであります。こういうようなことで、仮にこれが輸出関係でありまするから、運輸の円滑なる作業を進めるために必要であるということで上司がその集りをいたすなら、勿論これは妥当でありますけれども、すでにその公社からは去つた人たちの集りに対して文書課長通達などということによつて選挙準備をやられましては誠に国民にとりましては迷惑千万でありまして、私はこうした事実をこの耳で知つておりまするので、これらの点を併せて十分御調査の上責任ある文書によつて御回答を願いたいと思います。
○国務大臣(緒方竹虎君) お答えをいたします。先ほどお述べになりました選挙に伴う出張その他網記紊乱の点につきましては、やはりそれぞれの行政官庁の長が監督し又処分すべきものを処分するというようなものであろうと存ぜられます。それからちよつと一言附加えておきますが、前にお答えいたしました出張の頻度というものは、どの程度にわかりますか、これは本当の正確なものはわからんかも知れませんが、わかる程度のもので御容赦を願います。
○中田吉雄君 まだいろいろその点でも特に吉田内閣の官房長官であられます福永さんは当選されたうちの最大の選挙違反である。その属しておられる市会におきましては市会すら開かれないという、市会を開く定数は半数ですが、半教以上逮捕されて開かれないということで、行政監察なり綱記粛正を唱えられる吉田内閣として甚だ問題だと思うのでありますが、この点について緒方副総理はどういうお考えを持ち、福永さんはどういう責任をお感じになつているか、一つはつきりしておきたいと思います。(「その通り」と呼ぶ者あり)又地方予算の審査に非常に差支えて、市会が開かれないというような実態でございますので、この点についてそれぞれ御答弁を願います。
○国務大臣(緒方竹虎君) 私、まだ正式の報告は何ら受けておりませんが、若しその結果として市会が開かれないというようなことでありますならば甚だ遺憾に存じます。(「遺憾ではすまされない」と呼ぶ者あり)
○岡田宗司君 只今中田君の御質問は、これは福永官房長官の選挙違反として起つたもんであります。それで昨日の衆議院の本会議における犬養法務大臣の御答弁をみましても、福永氏の家宅捜査をされているような事態、公明選挙を唱えながら、そうして公明選挙を推進される政府の中心に座つている人が、かようなことで責任をどうされるかというのが中田君の質問の要旨だと思います。これに対して甚だ遺憾であります、ただ市会が開かれないのは遺憾であるというだけでは、副総理の答弁としてはこれは見当外れも甚しい、責任逃れも甚しいと思う。この点について副総理並びに副永官房長官自身のこれに対する明快なる御答弁をお願いしたい。更にもう一つ、先ほど副総理のお話でありますと、この選挙違反によつて各省の局長或いは公社の高級幹部がいろいろ選挙違反を犯して引つぱれる、こういうことであります。こういう事態の責任といいますか監督は、これはそれぞれの大臣或いは公社の総裁にある。こういうような事態を起して、すでに明白になつておる事実が多いのでありますが、これに対してそのまま放置されておるのかどうか。ここに運輸大臣がおられるが、特に鉄道公社におきまして、非常に多くのそういう事態が起つておるが、その後それらの人々はどういうふうに処置されておるか、或いは自発的に退職されたのか、或いはこれを解雇さしたか。その点について運輸大臣からも御答弁を願いたい。
○国務大臣(緒方竹虎君) 福永官房長官に関する選挙違反につきましては、新聞でいろいろなことを承知しておりますけれども、実際にどれだけ福永君自身に責任があるのか、この点まだ私は明らかにしておりませんので、何とも申上げられません。(「怠慢だ」と呼ぶ者あり)
○国務大臣(石井光次郎君) 今のお尋ねでありますが、私も新聞等によつて承知いたしております。又話としては雑談的には申しておりますが、まだ正式の報告は受けておりません。それはいろいろな声がありますので、十分に調べて、そうして処理すべきものは処理しなければならないということを申しておるのであります。これはほかの方面もそうでありましようが、私の方面としては特にいろいろな声があります。十分調べまして処分すべきものは処分したい、そういうふうにいたしたいと思います。
○岡田宗司君 只今の緒方福総理の御答弁は甚だどうも誠意のない話だと思う。成るほど刑事的には福永官房長官の身辺には及んでおらないけれども、福永官房長官の選挙自体においてあれだけの違反を出した。公明選挙の推進の中心に立つ人物がそういうことをして、それで内閣の官房長官としての政治的道義に対して責任が負えるかどうか、こういうことをお尋ねしているわけなんです。これに対してもう一度明白なる御答弁が願いたい。
 それから今の運輸大臣の御答弁でありますけれども、これも甚だ当を得ない。雑談的に聞いておる、こんな馬鹿な話はない。若し新聞でそれを御承知になつたらあなたの監督官庁、公社のことである。すぐに調べなければならんはずだ。それをなされないで、雑談的に聞いておるということは何事でありますか。それで監督者としてのつとめになりますか。そういうようなことではいけない。もつとこの問題については真剣に考えなければならぬ。当然処置すべきものは速かに処置すべきだ。その処置の方法についても、あなたは方針を持つていなければならない。今のような答弁では、私どもはなおこの問題を追及する以外にない。どうお考えになるかもう一度お聞きしたい。
○国務大臣(緒方竹虎君) お答えをいたしますが、私が申上げましたのは、福永君の選挙に関連する選挙違反、その新聞等に現われておりまするものが、果して福永君に直接関係のあるものかどうであるかということについて私は承知しておりませんので、御了承を願いたいと申上げたのでございます。それ以上にお答えのしようがないように思います。
○岡田宗司君 政治的の責任は……。
○国務大臣(緒方竹虎君) それは本人としては、仮に直接自分に関係のないものでも政治的の責任を感じておると考えます。私は事実を確かめておりませんので、それ以上私から申上げようがないのであります。
○国務大臣(石井光次郎君) 私雑談的にと申しましたのは、まだ正式に報告を受けていないという意味でございまして、いい加減に放つておるわけではございません。これを今詳しく調べてもらつておるんでございますから、調べによりまして、それに対して適当なる処分をすべきものは処分するということであります。成るべく早い機会にそういう結論を得たいと思つております。
○岡田宗司君 只今の緒方副総理の御答弁ですと、福永官房長官はその点について政治的な責任を考えておられるように言われておりました。といたしますというと、やはりここに福永官房長官に出て頂きまして、その点をはつきりさして頂きたいと思いますので、福永官房長官をお呼び願いたいと思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○委員長(青木一男君) 中田君、出席までほかの質問があつたら御進行願つたらどうでしようか。(「出るのか出ないのか」と呼ぶ者あり)それは今請求しました。
○中田吉雄君 それでは福永官房長官がおいでになるまで塚田長官にお尋ねしたいと思うわけでありますが、この暫定予算によつて一番財政難のしわ寄せがされ、財政調節のクツシヨンに使われて困つておるのは地方財政ではないかと思うわけであります。そこでお尋ねしたいと思うんですが、国のほうは暫定予算で編成していますが、地方公共団体は一体どういう予算の編成方針をとつているか、又これに対して解散等の関係から暫定予算を国が組んだが、地方にはどういう予算編成の御指導をなされたか。先ずその点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(塚田十一郎君) お答え申上げます。暫定予算の編成に当りましては、四、五月分は多少地方財政に赤字が出るというような恰好になつておりましたので、六月分の暫定予算におきましては平衡交付金、それから起債、そういうもので考慮いたしまして、この赤字が埋まるということを目途として計算をいたした数字を以て予算を組んだように考えております。
○中田吉雄君 そういうことでなく、私の聞いているのは国が暫定予算を組んだが地方公共団体、各級の地方公共団体もそれにならつて暫定予算を組んでいるか、或いは解散になるまでにすでに当初予算として二十一年度予算を出しておつたからそのまま大体組んで、執行で調節しているのかどうか。それらに対する自治庁の指導方針はどうであつたか。こういう問題であります。
○国務大臣(塚田十一郎君) 成立いたしませんでした二十八年度予算の際におきましても、自治庁といたしましては、平衡交付金は一応赤字を生じないというように組んでおりましたつもりでありますので、従つてその予算を大体頭に置きまして、その月割りであります四、五月及び六月分の暫定予算も、更に時期的にもそういう赤字が生じないようにということを考えて組んだわけであります。
○中田吉雄君 鈴木次長にお尋ねいたしますが、地方はどうなんですか、昭和二十八年度の年間の予算を組んでいるのですか。国と同様な暫定方式を採用しているのか。それに対する御指導の方針はどうか、こういう問題なんです。
○政府委員(鈴木俊一君) 只今のお尋ねの点でございますが、地方の予算の編成につきましては、御承知のように国の予算がまだ確定しない前に編成をいたしますものでありますから、大体国の予算の編成ができましたところを見極めまして組んでいるもの、或いはそれ以前に組んでいるものが多いのであります。従つて国の先般の予算は不成立に終りましたが、地方は一応予算を議決いたしているわけであります。従つてその予算は国のような方式の暫定予算ではなくて年間予算で組んでいるわけであります。ただそれを今お話のごとく実際の執行の上におきまして、国の予算において補助金を計上しなければ支出できないような仕組みのものは勿論執行をとめておりまするし、新規の問題については大体さような取扱いをいたしておりますが、今回の暫定予算、更に本予算がきまりましたところを見極めまして、それを地方においては追加し或いは補正をする、こういうような形になると考えております。
○中田吉雄君 地方財政に対しまして平衡交付金なり、地方債なり、短期融資をされたあの額で果して妥当であるかどうか。地方財政にしわが寄つていないかどうかということを見ます際に、先ず必要なことは、政府のほうで立てておられます昭和二十八年度の四月から六月までの収支見込額の財政規模を二千六十三億六千六百とされているわけである。これで先ず問題になりますのは、給与関係がどうなつているか、赤字がどうなつている小という同盟が歳出の面で問題になります。歳入の面で税収入、平衡交付金、起債、短期融資等が果して妥当かどうか、こういうことが先ず問題になると思いますか、この歳入の面からお尋ねしたいのですが、地方財政の二千六十三億という数字の中には赤字がないということになつているように存じますが、自治庁におかれて果して地方財政に赤字がないか、昭和二十七年度の決算も大体できていると思いますが、ないかどうか。私の承知している限りにおきましては、府県、市並びに町村でかなりの赤字があるように思いますので、それらについて先ずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(塚田十一郎君) 二十六年反の数字におきましては相当数の赤字か出て参つておることは、これは数字的な報告をとりまして大体数字を得ておるわけであります。二十七年度は御承知のようにまだ出納整理期間中でありますので、そういう意味の数字を得ておらんのでありますが、二十六年度の数字から推定いたしまして二十七年度について考えられますのは、大体先ほどちよつと申上げましたように、そういう地方財政の繰上げ流用をしておる、つまり赤字になつておる部分が七、八十億から或いは百億ぐらいあるかと、こういう工合に考えておるわけであります。勿論地方の自治団体からして自治庁に足りなくなつておるという報告が出ております数字を集計いたしますと五百六十億という数字になつておるのでありますけれども、この数字は二十六年度の場合にもやはり五百億以上になつておりましたのでありまして、そういう数字の報告が出ましても実際には決算をしてみますと、そのようには繰上げが行われないというのが実情になつておるように思います。従つて二十七年度の五百六十億という赤字の報告も決してそのようにはならないのじやないかというようにまあ一応考えておるわけでありますが、これは正確なところはなお決算の結果を見ませんとわかりませんわけであります。
○中田吉雄君 地方財政は私が申すまでもなく昭和二十四年頃をピークといたしまして一路急迫の度合いを加えています。只今昭和二十六年度から推計すると百億ぐらいではないかということを申されましたが、事務当局にお尋ねしますが、そういたしますと五百六十億という各級の公共団体の赤字を最近調べられて報告していると思いますが、その内訳を聞きたいと思います。更にそれは一体やまをかけてそうなつておるか、私も若干やまはかかつておると思いますが、塚田長官の言われたほど過大なやまでは私はないと思うのですが、その辺はどういうふうに踏んでおられますか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(鈴木俊一君) 地方の赤字の額がどのくらいかということでございますが、只今長官が申上げました地方から出て参りました生まの報告をそのまま集計いたしましたものが五百六十二億と申上げましたのは、これは昨年の十二月末現在で各都道府県市町村の分をとつたのであります。都道府県の分は都道府県が直接翌年の三月末の決算見込みを出して来たわけでありますが……、
○中田吉雄君 幾らですか。
○政府委員(鈴木俊一君) 今数字を申上げますが、市町村の分は県が一応とりまとめまして持つて来たものであります。従つて県の見方が加わつておりますので、本当の団体の生まの数字ではないわけであります。それらのものを合せますと五百六十二億ということであります。これはその後例えば昨年の暮の特別の融資起債五十億、或いは災害債を合せまして百億ぐらいになつておると思います。そのほかに特別平衡交付金が百十六億ございますが、そういうふうなものを差引きまして出た数字でございます。ですからもとは五百六十二億のもとになつておりますが、たしか七百億を上廻つておると思います。ただその後の実際の運営の状況を見ますというと、もう出納閉鎖も間近かになつておりまするが、上京して参ります知事なり、或いは市長等の話を伺つてみますと、相当にやはりそれが実際は減つておるように思われます。税収は大体財政計画の数字の程度には追つくように見受けられております。従いまして五百六十二億というのは、閉鎖をいたしますと、なお相当少いものになつて来るのではないかと思うのであります。
○中田吉雄君 一体それは自治庁ですからよくわかると思いますが、どういうところが水増しされて、どういうところが圧縮可能で、実際どの辺に踏んだら妥当だかおわかりだろうと思うのですが、その辺水増しの度合はどう見ておられるのですか。
○政府委員(鈴木俊一君) まだ昨年のとにかく十二月末の見込みをとつたのでございまするから、各費目ごとの歳出がどの程度になるか、歳入がどの程度になるのか、相当大きな見込みを立てておるわけであります。大体都道府県につきましては三月末の税収の状況がわかつて来ておりますが、この三月末の税収の状況と同じ程度の額を歳入として見込んでおるようであります。三月末の税収から更に四、五を見込みますと、大体あと百二、三十億は殖えて来ると思います。その百二、三十億ぐらいは大体赤字になるような見方をしておるのであります。それは一例でございますが、なおこれを一つ々々当つて見ますと、やはり計画と実際とのズレがそれほどないのではないか。そうなりますると、その見込額もやはり相当減つて来るのではないかというふうに考えるのであります。
○中田吉雄君 もう一つ、その点はあとで又やることにしまして、もう一つ問題は、二千六十三億というものが妥当であるかという際に問題になりますのは、給与関係をどう踏んであるかということが問題になると思いますが、これはちよつと触れられましたが、この都道府県の一般職員は国家公務員よりは五百九十四円、教職員は五百七十八円、市町村一般は九百八十三円高いということを調整した給与額を踏んでおられるのですか、その点を先ず……。
○国務大臣(塚田十一郎君) 平衡交付金の算出におきましては、御指摘の通り調整した数字を基礎にして計算をいたしております。
○中田吉雄君 そうしますと、この合計が道府県におきまして七十三億四千五百万、市町村が七十六億二千五百万で、合計いたしまして百四十九億七千万になるわけであります。併しこれは実際長い間の慣習その他もありまして、この給与を国は予算には財政規模としてこれだけしか組まれていないが、実際調整することは地方公共団体の市長としては実際困難であります。殆んどできていません。私の実態調査におきましても殆んどできていないわけである。そこで先ずこの百四十九億と塚田長官が固く踏まれて百億と言われておる二百五十億というものは、少くともこの平衡交付金なり起債、短期融資を見込まれた二千六十三億というものの収入の中ではすでに財政欠陥になつておるわけなんです。これが私は公共事業費を食つたりいたしまして、背に腹は換えられませんから役人はなかなか給与関係や、出張旅費を生み出すことは天才的な頭脳を持つています。必ず公共事業費やその他から何らかの形において捻出いたしまして、実際国から出された補助金が町村に廻らない。従つて工事を粗雑にして、総理もいつか言われたが、終戦後には、もうやつたらすぐこわれるような公共事業が非常に多いということは、少くとも二百五十億のしわ寄せが歳入面で行つておるわけだと私は思うわけでありますが、地方財政に格別の理解のある長官はこういうことに対してどう措置をして行かれますか、その点をお伺いしたいと思うわけであります。
○国務大臣(塚田十一郎君) 政府がここ数年やつて参りました平衡交付金の算出の仕方がそれがそのまま今御指摘になつたような数字で赤字になつたとは私どもは必ずしも考えておらんのでありますが、赤字の中にそういう部分が確かに含まれておるだろうということは全く私も同様に感じておるわけであります。そうしてそういうような状態が出て来る今の平衡交付金制度、更に又税制もこれに合せて考えなければならんかと思うのですが、そういう点が今度の、非常に今の財政制度においての根本的な欠陥の面であり、そういう点をこそ直して行かなければならないと考えておるわけでありますが、ただ先ほどもちよつと申上げましたように、平衡交付金というような形で国が尻を見るというような場合には、やはり国家公務員と地方公務員を、地方のほうは高くなつておるんだから、そのままで見て行くというような形には実は行きにくいのではないか、そういうように考えますので、今のような状態になつておるわけであります。この点どうぞ御了承願いたい。
○中田吉雄君 それはあの調査のめどで、それ自身が問題なんです。あれは例えば国家公務員なら大学を出て一年であれば幾ら、二年であれば幾らというあるべき基準を出して置いて、それに地方公務員は同じ大学を出てから何年経つたらこうという計算をやつている。その際には国家公務員は全然そのあるべき基準からずれがないという前提に立つておる。あれ自身がすでに我我の調査では非常に異論がある。あるべき公務員の基準から非常なずれがあるということは私たちが地方行政委員会で調査して出ておるわけなんです。まあそれはそれといたしまして、そういうふうに固く踏まれても百億くらいある。更に実際現在の知事、市町村長の立場から言つて給与の調整はできないということになるというと、どういたしましてもこれが地方財政の実際上のしわが寄りまして徴税はそれほど強化できないということになれば、公共事業費とか補助金その他を食つてしまうということになつて、国家全体の予算の効率的な国民経済全体の考えから言うとマイナスになると思うのです。そこで先ず長官にお伺いしたいのは、こういう赤字というのは一体地方公共団体の首長や、議会の運営よろしきを得ないものであるか、或いは地方行財政の制度的な欠陥から来ておるものであるか、そうしてそれらはどちらの比重が高いと思われますかという点、更に私もかく申しますからと言つて、地方財政を現状のままでいいとは申しません。特にお尋ねいたしたいのは、議会や知事の交際費は一体どうなつておるか。これはもう国会の参衆両院の議長なんかと比較にならんほど莫大な交際費を計上して、それぞれ数百万の交際費を持つておると思うわけでありますが、昭和二十七年度の集計ができていますれば、そういうものもお伺いしたいし、各県別、大体知事はどれくらいの交際費を持つておるか、更に議長はどれくらい持つておるか。それらは情勢止むを得ないものであるかどうかというような問題も含めて御答弁願いたい。
○国務大臣(塚田十一郎君) 地方財政に不足が生じる原因が制度自体にあるか、或いは地方議会の運営の仕方にあるかということのお尋ねでありますが、まあ両方にあるのじやないかとこういうように考えておるのであります。従つて赤字をなくいたしますためには、地方の首長及び議会にも大いに気を付けて頂かなければならん面があると共に、制度もそういうことが起きないようにやはり考えて改正をして行かなければならない。それでどちらの方向に重点があるかというお尋ねでありますが、残念ながら御答弁申上げるとすれば、推測の範囲を出ない御答弁しか申上げられませんから、これは御勘弁願いたいと思うのであります。
 それから、知事、議長の交際費はどうかということのお尋ねでありますが、先般こういうお尋ねがあるということの御通知を受けておつたので取調べさせましたところ、総体の額については一応の数字はあるのでありまして、二十五年、二十六年は知事及び議長の分を含めまして、全都道府県、市長村の分を含めて三億という数字になつております。それから二十七年度の分はまだ正確には集計はできていないのでありますが、大体推測いたしますれば四億くらいになつておるのじやないか。こういうように思います。なお各都道府県別にまだ知事、議長そういうものについて個々の数字は承知いたしておりませんので、若し事務当局が持つておりますれば政府委員から御答弁申上げさせます。
○中田吉雄君 それでは鈴木次長にお尋ねいたしますが、大体三億なり四億というような交際費の規模というものは国の予算における食糧費その他と比較して無理のない程度のものであるかどうか。更に大体中等程度の府県の知事や議長は大体何百万円くらい交際費を持つておるかどうか。一つ奥の奥まで知つておられる鈴木次長にこの点をお伺いいたします。
○政府委員(鈴木俊一君) 地方の交際費、知事、議会の議長の交際費はどのくらいかということでございますが、今大臣が申上げましたように二十五、六年の決算の三億、或いは二十七年の先ほどのこれは十二月の、昨年十二月末の見込の四億というのは大体平均いたしますれば七、八百万から一千万ということになるのではないかと思いますが、国の場合どの程度計上されておりますか、これは私は存じませんが、地方といたしましては中等規模の県では大体その平均値くらいのものが出ているのではないかというように考えております。
○中田吉雄君 どれくらいですか。
○政府委員(鈴木俊一君) 五、六百万から七、八百万くらいのものではないかというように考えております。
○中田吉雄君 塚田長官にお尋ねいたしますが、この暫定予算で地方財政は非常に困惑していますが、こういう異常な事態に地方財政が耐え得るかどうかということは、実は健全度を計る一つの指標になると思う。そこで昭和十九年におきましては、地方財政が国家財政に対して占める比率が最低で二〇%くらいであつたものが逐年増加いたしまして昭和二十六年度は七六・五%になり、昭和二十七年度は八二・六%になり、不成立になりましたが、九千六百五億というものを当初立てられた八千四百十七億とすると殆ど九〇%近く、逐年増加して来ているわけであります。ところがこれに見合いますところの地方税というものは、たつた、相当誇大に見積られても三千八十六億五千万円で四割にならない。こういう状態であとは国庫支出金と平衡交付金によつて賄われる。こういうことに……。この異常事態に対する適応度がないという大きな問題であり、こういうことが又予算を節約して使わないという一つの原因にもなるわけでありますが、地方制度調査会において平衡交付金制度を廃止するやのような塚田長官の意見も新聞に誤つて伝えられたりして非常に、各地方で大きな問題を起しているが、これに対する確たる予算答弁を願つておきたいというふうに尋ねて来ます者が二三あつたんでございますが、そういうことに対して一体どういう方向にこういう異常事態の困窮から健全な方向に発展せしむる改正の方向がどこにあるかということを、一つお伺いしておきたいと思うわけであります。
○国務大臣(塚田十一郎君) 新聞に伝えられました、私が、平衡交付金は廃止するということを言うたのは、全く誤報でありまして、これは私が多分参議院の地方行政委員会において御質問にお答えしたものが、誤り伝えられたものだと思うのでありますが、私がお答えいたしましたのは、只今も御指摘になりましたように、地方財政が非常に中央に依存する度合いが、年々高くなつて参りまして、そうしていざという場合の抵抗力か、非常に弱くなつているものの考え方として、今度の地方制度及び地方税財政の改革の場合には、やはり独自の財源を余計に認めて行くという方向に改革をするほうがいいのじやないか。そういたしますと、平衡交付金が、或いは固有の財源が認められた範囲においては、当然緊縮ができる。節減ができるわけでありますが、或いは現在よりも少くなることがあるかも知れないし、仮に少くならないとしても、今後地方が赤字であるからといつて、この平衡交付金をだんだんと増して、その方向において地方財政の不足をカバーして行く、補つて行くという考え方は、自分は適当ではないのではないかというようにお答えしたのが、誤り伝えられたのでありますが、そのようにどうぞ御了解願いたいと思います。
○中田吉雄君 ちよつと時間の関係があるのですが、そういうふうに歳出の面におきましては、赤字の問題と、実際調整できない給与の百五十億程度と、二つとが歳出面で私は地方財政にしわ寄せされておると思うのですが、そこで歳出のほうなんですが、このたび計上されました平衡交付金というものは、平衡交付金法の十六条の第一項ですか、この基準によつて決定された額ですか。この点技術的な問題に亘るかとも思いますが……。
○政府委員(鈴木俊一君) 今回の予算に計上しております平衡交付金の二百八十億、それから先般の四、五月分の暫定予算の百八十七億の平衡交付金の計上の仕方ですが、これは平衡交付金法の十六条には、四月、六月に大体四分の一ずつ出すという建前になつておりますが、併しこれは国の予算で平衡交付金の総額がきまつた場合の話であるわけであります。従いまして今回は二十八年度予算は不成立に終つたわけでございまして、総額がないわけでございます。従いましてその規定を働かしようがないわけであります。併し大体その規定の精神に従いまして処置することが適当であろうというふうにまあ考えまして、六月の暫定予算には二百八十億を計上したのでありますが、これは過般きまりました。きまつてまあ流産に終りました予算の基礎になつております地方財政計画では、御承知のように、義務教育関係を含めまして、千七百二十億という一応の平衡交付金の数字がきまつておつたわけでございますが、それから義務教育費に廻ります五百億を引きました千二百二十億、それから更に特別交付金になります分八%を引きました、たしか千百二十二億でありますか、それの四分の一の額が大体二百八十億になるのであります。それを六月には計上したのでございますが、四、五月には、やはり暫定予算の性格から申しまして、ぎりぎりのところだけを見る。こういうようなことから四月、五月の平衡交付金の月割額、即ち二カ月分だけを見まして、四分の一、即ち三カ月分を計上してございませんでしたのでその点で若干窮屈であつたかと思うのであります。これは更に七月の暫定予算におきましては、その辺を合せまして、大体平衡交付金が、仮に千二百二十億といたしまするならば、その半額に相当するものが出るようにして行きたい。こういうふうに考えている次第であります。そういうふうな処置で予算の計上をしているわけであります。
○中田吉雄君 そういう財政的な、歳入並びに歳出の面のしわが、日銀総裁の言によつても、地方銀行に非常にしわ寄せられ、たださえ逼迫している地方の金融に重圧になつているという問題になつていますが、こういう点は、どういうふうにお考えでありますか、地方債なり、短期融資等を十分手当しないために来ていると思いますが、各県等で、地方銀行に依存している度合が、一体端境期等はどうなつているか。その点お伺いしたいと思います。
○国務大臣(塚田十一郎君) 大体市中銀行に融資を仰いで何とかやりくりをしていると考えられます数字は、先ほど申上げましたように、私どもの推定では百億、あの数字が市中銀行に御厄介になつているのじやないか、こういうようにまあ考えているわけであります。こういう状態が或る短かい期間、或る程度続いているということは、これはまあ普通の状態としてそんなに心配することはないじやないかと思うのでありますが、だんだんと政府の地方財政に対する財政措置がうまく行かないことによつて、この数字がだんだんと嵩まつて行くというようなことになつては……、これは十分注意をしなければならないと考えているわけであります。
○中田吉雄君 もう時間がありませんので……、来るべき暫定予算なり本予算に対しては、先に申しましたように、ちよつと拾つただけでも、赤字に対する措置、実際調整不可能な給与単価の切下げというような問題も含めて、一つ是非地方財政だけにしわが寄らんように、健全化の方向で十分なる措置をお考え願いたいと思うのであります。
 更にもう一つお尋ねしたいのは、公共事業費につきまして、北海道、東北、北陸の積雪寒冷地帯には、十二月までに屋外工事を完了したいというような面から、昭和二十七年度予算のおおむね六分の一を計上して措置されていますが、積雪寒冷地帯というものは、何も東北、北海道、北陸だけでないわけでありますが、御存じのように、積寒法の適用された地帯は、なおそれ以外にもある。それらについてはどういうふうに措置されますか。この中にはここに書いてあるだけしか含まれていないのですか、積雪寒冷単作地帯のあの法案の適用地域は含まれているのか。更に七月も暫定予算を組まざるを得ないということになると、なお一層積寒地帯、東北、北陸以外も考慮される必要があると思うのですが、それはどういうふうになつていますか。その点をお伺いしておきます。
○国務大臣(塚田十一郎君) 御指摘の点は、国の予算におきましても、いわゆる急を要する積雪寒冷地帯というものの中には、必ずしも東北、北海道というものだけでなしに、山陰その他でも、事情の同じものは含んでおりますので、当然地方財政におきましても同じような考え方で予算を組んでおります。
○中田吉雄君 そうしますと国のは……大蔵省の主計局がお出しになつて、我々の頂いた説明書には、北海道、東北、北陸というふうに規定してあるのですが、大体積寒法の適用せられる地帯というふうに見てもいいんですか、これはその点はつきりしておきたい。
○政府委員(河野一之君) さようでございます。
○佐多忠隆君 先ほど地方自治体における〇・二五の支給状況の問題がありましたが、聞くところによると、未だ支給がなされない。いろいろ紛争を起しておる所もあるやに聞いておりますが、どういう所が支給をしていないのか、而もそれはどういう事情に基くのか、従つてそれを何か支給するようにどういう措置を政府としてはされようとしておるのか。それらの点について具体的に御説明が願いたいと思うのであります。
○政府委員(鈴木俊一君) 昨年の年末の給与改善措置の問題でございますが、これは当時地方起債を特別に額を増額いたしまして、都道府県、市町村合せまして五十億、そのうち三十億は資金運用部資金、残りの二十億を一般の公募債ということで、地方に割り振りをいたしたのであります。併しこれは直接に給与改善措置に使うということは、資金の性質上できないわけでございますから、結局地方におきましては、その財源を以ちまして、従来税なり平衡交付金の一般財源を以て充当しておりました事業費に振替えまして、よつて生じました余力を以ちまして、その余力も一般財源を以ちまして給与改善措置を講ずることになつておるわけであります。これは給与の改善は、それぞれの地方団体が条例なり予算の範囲内において措置いたすことでございまするから、政府がそれを期待いたしましたような結果に必ずしもなつていない所もあろうかと思いまするけれども、併し多くの府県におきましては、大体大同小異の措置がとられるのではないかと思つております。市町村、殊に町村等におきましては、さような措置が必ずしも行われていない所もあろうかと思いまするが、これらは給与の自主的決定という現在の地方公務員法の建前上、止むを得ないことであろうかと考えておる次第であります。
○佐多忠隆君 具体的に行われていない所、それからどういう理由なのか。
○政府委員(鈴木俊一君) 遺憾ながらどこの団体が行われていないか、それからどの程度しか行われていないか。その個々の団体における具体的の理由というものは、今私が一般的に申上げました以上にはつまびらかにしていない次第であります。
○佐多忠隆君 年末のことで、すでに五、六カ月も経過しておる。私各町村別というような野暮なことは申しません。ただ府県程度でいいのですから、それすら調査ができていないというのは、余りにも怠慢じやないかと思いますが、何もできていないのですか。
○政府委員(鈴木俊一君) 都道府県におきましては、極く概略の調査はたしかできておつたと思いますが、今ここに持つておりませんのでありますが、当初財源措置が参りまするのが、資金の性質上やはり遅れましたものでございますから、或いは貸付金でございますとか、いろいろの形で処理をいたしておつたと思うのでありますが、その財源が参りましてから後に逐次それを普通の給与に切替えるという措置をやつて来ておると思うのであります。併し団体によりましては、貸付というような方途になつておりましたものをそのままやはり処理しないでおるというような所があろうかと思いますけれども、五月三十一日までの出納閉鎖の時期までにはやはり何らかの措置が行われるのではないかというふうに考えておる次第であります。
○佐多忠隆君 その調べができておるのならば、それを至急に、一つ各県別にどういう支給状態にあるか、それをお出し願いたい。それを具体的に出して頂いた上でもつとこの点について質したいと思うのであります。(「休憩」と呼ぶ者あり)
○委員長(青木一男君) 先ほどお示しがありました福永官房長官が所用にて外出中で、出席がまだできませんから、この際休憩いたします。
   午後四時十五分休憩
   ―――――・―――――
   午後八時五十三分開会
○委員長(青木一男君) では休憩前に引続いて質疑を継続いたします。
○佐多忠隆君 先ほど答弁を留保していたのですが、労働大臣がお見えになつたようですから御答弁を願います。
○委員長(青木一男君) 労働大臣、佐多君の質問の内容をお聞きですか。
○国務大臣(小坂善太郎君) いや、まだ承わつておりません。
○委員長(青木一男君) それじや極く簡単に質問の趣旨をお述べ下さい。
○佐多忠隆君 簡単に申上げますが、先ほど小笠原大蔵大臣の御説明によりますと、今後の物価対策としては国際物価に照応して日本の国内物価引下げて行くということを目標にして今後の物価政策を遂行して行くという御答弁であつた。そうであるならば非常に積極的な合理化なり、従つてそれに応じて失業等々の問題が非常に大きな問題として出て参りますが、それに対する適切な失業対策その他全部をお考えになつてそういうことを大胆に掲げておられるのかどうかというお尋ねなのであります。
○国務大臣(小坂善太郎君) お答えを申上げます。我が国が国際的な一つの役割を持ちながら、国際間の国といたしましてその地歩を確立いたしまするためには、どうしても貿易面におきまして相当な活溌な活動をしなければならんことは申上げるまでもないのでありまするが、これがためにはこの貿易を可能ならしむるところの経済的な基盤を持たなければならん、即ち競争力を持たねばならんのでありまして、その意味におきまして合理化と申しまするが、企業の合理的な運営をなすために必要な設備等を改善することが必要であろうということは申上げるまでもないことであると存じます。で、この合理化に伴いまして或る面におきましては、一時的に機械力というものが労働力に置換えられるということは或いはあると思うのでありまするが、他面におきましてこの機械的な装備というものが完備いたしまするときに、これが貿易の拡大となり、経済基盤の拡大となつて、これが一方において雇用機会の増大を来たすものである、こう思うのであります。従いまして窮極的に申しますれば、この雇用機会の増大を図るということが合理化策の目的でなければならんと思いまするが、一時的にはその間に失業者を生ずるという傾向も又否定しがたいと思うのであります。これに対しましては、労働省といたしましてはできる限りその間におきまして職安活動を活発ならしむる措置をとりまするし、又公共事業を起し、又企業の中にこの人口を吸収して行く、失業人口を吸収して行くということを努めるのでございまするけれども、これにつきまして只今目下の対策といたしましては、御承知の通りこの失業対策費としましては一日に十五万五千八百四十五人、日給といたしまして二百四十九円、就労二十日ということになつておりまするけれども、できるだけこの日数も殖やしまするように、単価も引上げまするような努力をいたし、財政当局とも折衝いたしておるのでございます。長い将来を見通しての小笠原大蔵大臣のこの日本の商品を国際的な競争力を持たし得るようなものに仕上げようというそのお考えは誠に妥当であると考えまして、私どもその意味において賛意を表し、今申上げましたような一時的な失業人口に対してはできるだけの措置をとりたい、こう考えておるわけであります。
○中田吉雄君 時間が大分切迫しましたので、最後に期末手当につきまして一点御質問しておきたいと思います。六月十五日に公務員に支給されますところの期末手当の〇・五ケ月分は、公務員の生活の実情、民間におきますところの夏期手当の支給状況、更に前国会の給与に関しまする決議の趣旨等に鑑みまして、今後速かに善後措置をとられますことが大切ではないかと思うわけでありますが、政府はどういうふうにお考えでございますか。政府の責任ある御答弁をお願いしたいと思います。
○永井純一郎君 関連して、私からも関連いたしまして只今の公務員の期末手当の問題についてお尋ねをしておきたいと思います。
 今日の吉田内閣におきます国民の、特に勤労大衆の信頼というものは非常に疑わしいものが生れて来ておる、それは先ほど来話がありました官房長官である福永君の選挙違反の問題等が中心でありますと共に、選挙の間際になつて政府の高級職員が立候補をいたしまして、そうして計り知れざる国費の濫費をいたしておる。而もこれらが関係省の業者と金を中心にして腐れ縁を結んでおる。まあこれらの点につきましては差障りもあるといけませんので、余り詳しく言うことを欲しませんが、こういつたような点につきまして今日国民大衆は国費の正当な使用というものに対しまして非常な疑惑の念を持つておる、ところが一方行政事務の円滑な運行のために真面目に働いておりまするところの公務員諸君の生活状態というものは非常に逼迫いたしております。六月の中間の年度、中間の支払が越せない、年末になるならばその年が越せないという実情があるのであります。こういう二つの面を考えてみますると、特に官庁で働く真面目な労働階級の諸君を中心として全国の勤労者の諸君が私は国費の使い方に対しまして非常な疑問を、不審を持つておると考える、こういう政府の責任からいたしましても、私はむしろこれは超党派的に、真面目に働くところの勤労者の諸君に対する生活の保障ということは、手当を支給するというようなことは超党派的に、これは国政の円滑なる運用の手助けをするこれらの諸君の生活を守つてやるということは私は非常に重要なことである、このように考えまして今度の予算を見まするというと、人事院勧告等から勘案いたしましても、従来の勧告等から勘案いたしましても、〇・五ということは非常に過小であるというふうに考えるのであります、こういう点を政府当局は十分に御考慮になりまして、この点について格別な考慮を私は今後されたい、これらに対する考え方を明瞭に伺いたい、かように存ずるのであります。
○国務大臣(小笠原三九郎君) よくお話を承りました。只今お尋ねの夏期手当の点につきましては財政事情もございまするので、篤と考慮いたします。
○委員長(青木一男君) 他に御発言もなければ質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(青木一男君) 御異議ないと認めます。
 昭和二十八年度一般会計暫定予算補正第一号、昭和二十八年度特別会計暫定予算補正特第一号及び昭和二十八年度政府関係機関暫定予算補正機第一号についてこれより討論に入ります。御発言のかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。
○中田吉雄君 議事進行について……、いよいよ暫定予算ではございますが、最後の討論採決の段階になりました。少くとも予算は内閣の生命であると思うわけであります。選挙の際に公約された一切の施策というものは予算に盛られて、吉田内閣の生命だと思うわけでありますが、吉田総理は只今御出席でないようでありますが、どういうことでございましようか。成るほど日本国憲法の六十条には衆議院に予算の先議権がございますが、そういうふうな観点からして、参議院の予算審議を軽視されて出席されないのであるか、或いは事情止むを得ないためであるか、そういうことについて、はつきり私たちの納得します御答弁を願つて、それから参議院の権威のためにも審議に入つて頂きたいと思います。副総理の責任のある御答弁をお願いします。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○木村禧八郎君 議事進行ですが、理事会の申合せでは、これが再開されましたならば、福永官房長官が見えて、先ほどの選挙違反に関する問題について釈明をされるということになつておつたのです。それが行われないことは、理事会の申合せに反します。従いましてこの点について委員長の私は善処方を要求いたします。
○委員長(青木一男君) 木村君の御発言のことについて私よりお答えいたします。その後他の話合いによりまして、御出席にならないことになつたようでございます。
○堀木鎌三君 先ほど本委員会において福永官房長官の行方不明ということはあり得ないのです。だから御出席願うということに委員長からもお話になつたはずであります。又理事会におきましても、その点については御当人自身、いつでも本委員会を開きましたら御出席になつて御答弁なさるという御了解ができておつたはずでございます。それを何らかの理由、他の理由によつて私は覆えされるわけはないと思うのでありますが、その点について委員長はどうお考えでありますか。
○国務大臣(緒方竹虎君) 総理大臣は予算の討議までには登院されることになつておつたのでありまするが、今ちよつと事情がわかりませんので、問合せ中であります。暫くお待ちを願います。(「福永官房長官は」「流会々々」「総理が来るまで休憩」と呼ぶ者あり)
○木村禧八郎君 議事進行。福永氏は来られるのか来られないのか、その点はつきりして議事を進めて頂きたいのであります。只今の委員長のお話では、理事会ではつきり申合せいたしましたのに、諮られませんから、その間の事情をもつとはつきり皆に徹底するようにお話し願いたい。見えるのか見えないのかはつきりして頂きたい。徒らに時間の空費になりますから、この点明快に裁断して進めて頂きたいと思います。(「暫時休憩」と呼ぶ者あり)
○委員長(青木一男君) それじや暫らく休憩いたします。
   午後九時九分休憩
   ―――――・―――――
   午後九時四十二分開会
○委員長(青木一男君) 会議を再開いたします。先刻委員長は討論に入る旨を宣告いたしましたが、福永官房長官から特に発言を求められております。この際これを許すことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○政府委員(福永健司君) 先刻岡田さんからちよつと私に御質問がございましたとき、丁度放送討論会に出かけておりまして、当委員会への出席が遅れましたことは誠に申しわけがございません。私の選挙運動をしてくれました人々の中で、違反容疑で取調べを受けております者がございますことは誠に遺憾に堪えない次第でございます。
○岡田宗司君 只今の福永官房長官は私の質問の趣旨に対する答えとはやや答えが違うようでございますが、本日は時間もございませんので、いずれ改めてお伺いすることにいたしまして、本日はこれを留保いたすことにいたします。
○委員長(青木一男君) これより討論に入ります。(「総理はどうした」と呼ぶ者あり)総理はすぐ見えるそうでございますから、進行いたしたいと思います。(「委員長はそのために休憩しておつたのだから断らなければだめじやないか」と呼ぶ者あり)
○岡田宗司君 私は本暫定予算に反対をする者であります。反対の理由は本暫定予算は暫定予算でございますが、大体二十七年度予算を事務的に踏襲し、たものでございます。私共は二十七年度予算にはいろいろな理由で反対いたしましたが、特にアメリカの要求によりまして設けられる事実上の軍隊でありますものを持つておりますところの保安庁の経費について反対をいたして参りました。この二十八年、四、五、六の暫定予算にそれらが盛られておる。従いまして私どもは前にそういう立場から反対いたしました同じ理由を以て、本予算案に反対いたさなければならんのであります。
 更にこの暫定予算には事務的なるもののほかに緊急必要なるべきものは盛られても仕方がないと思うのでありますが、その点につきまして例えば先ほど問題になりました国家公務員等の〇、五カ月の夏期手当の問題でございますが、我々は今日の国家公務員の給与の状況、或いは民間の労務者の給与状況、或いは夏期手当の状況等から見まして、六月の暫定予算にそれ以上のものが盛られておらないということを不満とするものでございます。更に又、五月に起りましたところの凍霜害に対しまして、当然六月分の暫定予算に政府は進んでこれらに対処すべき費用を盛るべきにかかわらず、盛つていない。漸く衆議院におきまして、各会派からの要求によりまして、四月、五月の暫定予算の中からこれを支出することにいたしたのでございますけれども、なお我々はそれを不満とし、六月分の暫定予算には更にそれに対処すべきものを盛るべきである、こう考えておるのであります。従いまして、こういうような観点からいたしまして、私どもはこの暫定予算に反対せざるを得ないのであります。これを以ちまして社会党左派の暫定予算に対する反対の討論といたします。
○西郷吉之助君 私は自由党を代表いたしまして、只今議題となつておりまする暫定予算三件に対しまして、賛成の意を表するものでございます。この暫定予算案三件は、いずれも現下の国政運営上必要且つ欠くべからざるものでございますので、かかる意味合いにおきまして、私は、この暫定予算案三件全部に対して、賛成の意を表するものでございます。
○松澤兼人君 私は日本社会党を代表いたしまして、只今上程されております二十八年度一般会計暫定予算ほか一案に対しまして反対の意思を表明いたしたいと存じます。吉田内閣の過般の無謀な解散によりまして二十八年度予算が審議未了となりまして、すでに四月、五月の暫定予算は参議院の緊急集会にかけられ、又ここに大月の暫定予算が審議されておるのでありますが、更に七月も同様な形式をとらざるを得ない状態となつておりまして、かかる政治の空白状態を招来いたしましたことは、経済、政治その他万般の国民生活に非常に混乱を惹起しておるので泊りまして、誠に重大な問題であると言わなければならないのであります。暫定予算の性格から申しまして、当然風民の福祉であるとか、或いは厚生というように、国民の利益そのものが優先されなければならないにもかかわらず、現在の経済情勢から見て、極めて必要であるという経費が除外されて映りまして、誠にこういう点を考えてみまして、我々は不満を感ずるものであります。即ち公共事業費、食糧増産費、北海道、東北、北陸の積雪寒冷単作地帯における公共事業は、今回の暫定予算に新らしく計上されなければ、時期的に見ましても実施不可能な状態となるのであります。かかる公共事業や、或いは食糧増産に必要なる新規事業が計上されていないということは、今申しました国民経済に誠に重大な問題を示しているのであります。
 更に、私どもは今回の予算に対しましては、必要なる組替えをしなければならないと主張しているのでありますいが、当面の問題といたしまして、先ほど来問題となつております国家公務員の、或いは地方公務員の期末手当の問題について一カ月分を支給しなければならないし、或いは凍霜害の対策、或いは中共引揚者の援護費などを含まなければならないと考え、又国民健康保険の国家負担の増額であるとか、或いは失業対策というようなものの増額も図らなければならないのであります。少くともかようなる措置は、低米価、低賃金に悩んでおります農民、勤労者に対する安定施策といたしまして、極めて緊急性を持つているのでございますが、政府はこういう施策を無視いたしまして、暫定予算の中に保安庁費でありますとか、或いは交際費であるとか、予備金であるとかいうようなものを突込みまして、我々の同意を求めているのであります。なかんずく、予算委員会において問題となりました、最近の凍霜害に対する被害は、誠に甚大であり、食糧自給の面から考えましても少くとも応急費としては十五億程度の予算を計上しなければならないのであります。国家公務員の期末手当につきましても、我々は一カ月を当然組まなければならないと考えているのでございますが、その理由は人事院のベースの勧告につきまして政府が小刻みにベース・アップをしているために、今日公務員の生活は極めて困難な状態になり、赤字の累積を見ておるのでございまして、少くとも日本の慣例から申しましても、お盆でありますとか、墓でありますとかいうものにおきましては、いろいろの救済の整備をする等の関係から申しまして〇・五では不十分と考え、先般来我々は強くこれを主張しているのであります。かような意味におきまして、私どもは政府がかかる緊急性のある予算項目を外しまして、現在暫定予算の名において、或いは戦争につながる特需に依頼いたしましたり、或いは秘密裡にMSAの援助協定を締結する等、我々は国会無視の傾向をここに見ることによりましても、この内閣の下において作られたかかる六月の暫定予算には反対しなければならないと考えるのであります。
 以上が我々の反対理由でございます。
○森八三一君 只今議題となりました昭和二十八年度暫定予算の補正の三案に対しまして、私は以下申しますような希望を述べまして、止むを得ないものとして賛成いたします次第であります。
 その第一は、地方財政の問題でありまするが、この委員会の審議を通じましてすでに明らかになりましたように、地方財政は極めて逼迫の実情にあります。実に憂慮すべき状態があると思うわけであります。政府におきましてもこれが調整につきましてはその根本を極めまして対処せられますることを約束せられておるのでありまするが、このことは極めて重要でありますると同時に、緊急を要することと存じまするので、七月分の暫定予算なり、或いは二十八年度の本予算案におきまして応急の処置を講ぜられますることも当然でありまするが、更にお話にありまするような、将来に亘りましてこういうような事態が生じませんような根本的の対策を講ぜられまして、地方財政の健全な発達に万全を期せられたいと存じます。
 第二の点は税制の改正に関する問題でありまするが、すでに政府も言明せられましたように、税制の根本的改革を企図せられておるのでありますが、中央、地方を通じまして適正で均衡を得た税制にいたしまして、総合的に国民負担の軽減を図りまするように留意せられますと共に、特に民間資本の蓄積によりまして産業の発達を図り得まするような方向へと改革の実を挙げて頂けまするように希望をいたすのであります。なお敷衍をいたしておきたいのは、再三政府御当局もその趣旨に賛同の意を表せられ、考慮を約束せられておりまする中小企業とか、農林関係等の庶民大衆が組織をいたしておりまする協同組合はどの法人税につきましては、理論的にも実際的にも免除をすることが妥当であるように存じますので、これらの問題について、この税制改正を通じて具体化を図られたいと存じます。
 最後に凍霜害対策の問題でありまするが、与党を含めまする各会派の共同の提案に対しまして五億八千九百余万円を暫定予算の予備費の中から支出をいたしまして、当面する応急の対策を講ずることになりましたことは、今回の凍霜害が極めて地域も広く当つておりまするし、その被害の程度も極めて激甚でありまして、急速にその善後策を実施しなければなりません現況に鑑みまして、十分とは申せませんが、誠に結構に存じまする次第でありまするが、承わるところによりますと蚕種代金の補助費などを融資のほうへ組替えるとか、或いは予備費から支出する了解でありましたものが、すでに計上せられておりまする一般の経費のほうへ振替えられる等、予備費の内容に変更を見ることになつたと承わるのであります。こういうことになりますると、災害対策に私どもが考えて参りました趣旨とは非常に違つた結果が生れて参りますのみならず、これによりまして計画されている一般的な事業の進行に支障を生ずることになる。結果といたしましては農業の発達に遺憾な結果が生れますることを懸念せざるを得ないわけでありますので、当初了解の通りこの五億九千万円の臨時応急の対策費は予備費から全額支出されるようにいたされたいと希望いたすのであります。
 以上三点の希望を附しまして原案に賛成をいたします。
○木村禧八郎君 私はこの六月分の暫定予算政府案に反対いたすものであります。
 反対理由を述べる前に、今後の予算審議を十分尽くすために、今回の予算審議に当つて遺憾の点のあつたことを私は指摘して置かなければならないと思います。それは予算審議前に各委員から政府に資料の提出を要求しておりましたが、これまでのように又再び資料が出されておらない、未提出のままこの審議が終つてしまつたということは非常に遺憾である。今後私は何回もこういうことを繰返して言うのですが、こういうことを繰返さないようにされなければならんと思います。そういう意味でこの六月分の暫定予算の審議は、非常に十分になされたと私は思わない。私の反対の立場は、暫定予算というもの、或いは又いわゆる講和後の日本経済の実態、そういうものに対して政府と根本的に見解を異にしております。立場も異なつております。そういう点から私はこの予算に反対するものでありまして、その反対理由は三つであります。
 第一は、この予算は暫定予算として出されましたが、最近におけるこの内外情勢の著るしい変化に対応するような何らの措置が考慮されていないという点であります。暫定予算であるからそういう措置を講じてなくてもよろしいということは私は言えないと思います。この暫定予算は二十七年度或いは二十八年度のいわゆる骨格予算を月割にして暫定予算として出しておるのでありますが、二十八年度の予算は、或いは二十七年度予算は、骨格予算といえどもこれは我々から見れば軍事的性格の強い予算でありまして、こういう軍事的性格の強い予算を月割にしたに過ぎない、ところが最近の情勢はこの戦争の危機が遠のいて平和的な情勢になつておるのでありますから、戦争の危機の濃厚であつた当時に作られた総予算の骨格予算を月割にして出した、そういう性格を持つておるこの予算は、最近平和情勢が強くなつて、従つてそういう平和的な性格を持つた予算に、私は暫定予算といえどもこれを作り替える努力をすべきであると思います。ところが何らそういう点では努力がされていない。依然として軍事的性格を強く持つた暫定予算である。そうしてこれが私の反対理由の第一であります。
 第二の反対の理由は、朝鮮休戦の交渉が進展するにつれて、平和的空気が強くなつて参りましたが、それに伴つて日本の経済は非常な不景気の段階に入つて来ております。いわゆる平和恐慌と言われておりますが、この朝鮮和平の進行と共に起つて来たいわゆる平和恐慌に対応するこの対応策が何らこの予算には盛られておらない。従つて最近では平和になると恐慌が来るので、むしろ平和を好まないというような、そういうような心理状態を醸成せしめておることは、これは世界情勢が平和になつたら平和に対応するところの経済政策をここで勇敢にとらなければならん。そうして平和的な手段によつて恐慌を防がなければならないのに、政府は依然として軍事的性格を持つた政策を行なつて、特需中心で行つておる。そうして又輸出も合理化によつて輸出すると言つておりますが、これは国民の耐乏生活を要求して、いわゆる飢餓輸出を中心とする輸出振興策であると私は思うのであります。最近ドイツの輸出が減りまして、景気下降状態に入つたので、最近ドイツではこの景気振興策として生活水準を引上げて、そうして生産を殖やして、大量生産によつてコストを切下げて、そうして輸出を殖やすという、生活水準引上げの形においてこの景気を回復しようとしておる。政府の政策は全くこれと反対である。国民の生活水準を引下げて、飢餓輸出によつて、そうして又片方で特需で景気を回復させようとしておる。この平和段階における平和的な政策ということは何ら織り込まれていない暫定予算であるからといつて、私はそういう平和的性格に日本の政策を切替える費目を持つてはならないということは決してないと思います。これが私が反対の理由の第二であります。
 最後に第三の反対理由といたしまして、この予算には先ほど同僚委員から指摘されましたように、不急不要不生産的な費目が含まれておる、即ち保安庁費その他の軍事的支出であります。こういうものは我々の立場からは不急不要不生産的な支出であつて、こういうものは削減して、そうして先ほどから問題になりました公務員の期末手当の増加、或いは結核対策費、或いは住宅対策費、或いは又社会保障費、こういうものはむしろ我々から見れば緊急の度を非常に加えておるのであります。こういう費目にこの不生産的な不急不要の軍事的支出を削減してそうしてそのほうにこれを振り向けるという努力をなすべきなのにこれがなされておらない。
 こういう以上の三つの理由から私は労働者農民党を代表いたしまして本予算案に反対するものであります。
○堀木鎌三君 私は改進党を代表いたしまして昭和二十八年度一般会計暫定予算補正ほか二件につきまして賛成の意を表するものであります。
 理由といたしますところは、本予算は六月分一カ月に限つておりまして、大体国政を運用するに必要最少限度の支出負担行為をなさんとするもので、僅かに例外といたしまして季節的にやらなければどうしてもならない問題というものが例外的に取上げられておるわけであります。そういう点におきまして私はこの支出はどうしてもしなくちやならないという観点に立ちまして賛成をいたすものであります。ただ、本予算委員会を通じまして論議のあとを辿つてみますると、実は四、五月の暫定予算におきましても、緊急集会下におきまして四、五月分では到底駄目なのであろう、又補正をしなくちやならないのではなかろうかという論議があつたわけでありますが、今回も又実はこの六月分の暫定予算を実施いたしましても、時期的に見ますると七月もやはり暫定予算でなければならないような状態であります。而も実は本予算委員会の論議を通じて見ますると、新内閣におきまして最近の国際情勢或いは経済情勢についての認識を頗る欠いておる、ともするとすでに解散前の国会に出されました二十八年度予算を事務的に最小限度の修正に止むるがごとき感を政府閣僚の説明から受けるのであります。私はその点につきまして非常に遺憾に考えるわけであります。少くとも今後七月及び本予算編成に当りましては、すでに現在閣議においていろいろと考究中であるようでありますが、少くとも新らしい国際情勢及び経済情勢、それについては委員会において申上げましたからここに繰返す煩を避けますが、こういう点について鈍感でなしに、又事務的でなしに、新らしい事態に対応するところの態度を以て四月及び七月の暫定予算及び本予算を提出されることを特に希望いたしておきます。
 これを以て私の賛成論といたします。
○三浦義男君 私は純無所属クラブを代表いたしまして二十八年度一般会計暫定予算補正ほか二件について賛意を表するものであります。
 その理由は、これらの予算はその性質から申しまして、国政を最小限度に運用して参ります予算に、時期的に又地方的に考慮すべきものが含まれておる程度でありますので、何ら政策的のものが考えられておりませんという理由からでございます。
 ただ私は以下述べますことを強く希望いたすものでございます。それは過般の国会において不成立となりました二十八年度予算の編成当時と今日の情勢は国内、国外共に相当に違つておる点でございます。又二十八年度に入りまして一四半期問を暫定予算で過ごして参りましたので、国政の運用の上にも又地方の行政の運営にも苦みながら今日に至つたのでございます。これは甚だ遺憾のことでございます。政府当局におかれましては、以上の二点をよく御考慮なされまして、七月の暫定予算及び二十八年度本予算の編成に当つてはこのことをよく考えられて御編成なさらんことを希望するものであります。
○委員長(青木一男君) これを以て討論の通告は全部終了いたしました。これにて討論を終結し、直ちに採決に入ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(青木一男君) 御異議ないと認めます。これより昭和二十八年度一般会計暫定予算補正第一号ほか二件を一括して採決いたします。
 三案に賛成のかたの起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○委員長(青木一男君) 起立多数であります。よつて三案は可決すべきものと決定いたしました。
 なお本会議における委員長の口答報告の内容は先例により委員長に御一任願います。
 次に賛成のかたは順次御署名を願います。
   〔多数意見者署名〕
    森 八三一  村上 義一
    高野 一夫  中川 幸平
    高木 正夫  高橋  衛
    吉田 萬次  西郷吉之助
    佐藤清一郎  岸  良一
    秋山俊一郎  小林 武治
    井野 碩哉  新谷寅三郎
    石原幹市郎  田村 文吉
    伊能 芳雄  堀木 鎌三
    泉山 三六  三浦 義男
    岩沢 忠恭  杉原 荒太
    小野 義夫  最上 英子
    白波瀬米吉  武藤 常介
    大谷 贇雄  中山 福藏
    鹿島守之助
○委員長(青木一男君) 御署名洩れはございませんか。御署名洩れはないものと認めます。
 これにて散会いたします。
   午後十時十四分散会