第016回国会 通商産業委員会 第2号
昭和二十八年九月十一日(金曜日)
   午前十時四十二分開会
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 出席者は左の通り。
   委員長     中川 以良君
   理事
           松平 勇雄君
           海野 三朗君
   委員
           西川彌平治君
           酒井 利雄君
           豊田 雅孝君
           西田 隆男君
           藤田  進君
           小松 正雄君
           武藤 常介君
           團  伊能君
           白川 一雄君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       林  誠一君
   常任委員会専門
   員       山本友太郎君
   常任委員会専門
   員       小田橋貞寿君
  説明員
   農林省農林経済
   局長      小倉 武一君
   通商産業省軽工
   業局化学肥料部
   長       柿手 操六君
   通商産業省公益
   事業局長    中島 征帆君
   通商産業省公益
   事業局次長   森  誓夫君
   通商産業省公益
  事業局業務課長  生駒  勇君
   通商産業省公益
  事業局需給課長  森崎 久寿君
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  本日の会議に付した事件
○硫安工業合理化及び硫安輸出調整臨
 時措置法案(内閣送付)
○通商及び産業一般に関する調査の件
 (臨時硫安需給安定法案に関する
 件)
 (電気ガス法令改正審議会の審議経
 過に関する件)
 (本年度電力需給計画及び融通計
 画、電気料金地域差の推移に関する
 件)
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○委員長(中川以良君) それでは只今より通商産業委員会を開きます。昨日参考人よりいろいろ意見を聞きましたので、それに関連をいたしまして本日は政府側に対して御質疑を願いたいと思います。なお出席の政府側のかたがたは、通産省は、化学肥料部長の柿手さん、それから化学肥料部第一課長の石井さん、それから化学肥料部第二課長の原間さん、以上三名でございます。それから農林省側が、小倉農林経済局長、それから林田農林経済局肥料課長、以上でございます。なお本日は通産大臣の出席を求めておりまするが、只今閣議がございますので、直ちに出席ができないような状態でございます。
○白川一雄君 昨日参考人の御意見をいろいろ承わつたのでありますが、我々委員長の参議院らしくこれを検討するという趣旨に基いて勉強しておるのでございますが、昨日の参考人の御意見を聞きますと、大体この法案というものは製造家を中心にして出て来ておるものであるということが見られるのであります。で、昨日の参考人としましては、貿易関係のほうの代表の人たちの意見が余りに低調で、我々十分参考にならなかつたのであります。恐らくまあ将来のいろいろな思惑から言うべきことも控えた点も多分にあるんじやないか、こういう観察ができたので、各種の参考人を一緒に意見を聞いたのでは正確な意見は聞けないのじやないかという感じがするのでございますが、そういう意味から、輸出業者の意見だけをもう一度聞かしてもらう機会があればいいのじやないか、こういうように考えておるのでありますが、そういう機会は得られるものでございましようか。
○委員長(中川以良君) 只今の御意見誠に御尤もだと存じますが、私もそういうふうに昨日は感じたのでございますが、ただ本委員会が閉会中今日と明日になつておりますので、その今日明日の間にはちよつと無理かと存じまするが、どうせ臨時国会が始まりましたら直ちにこの法案の審議にかかりまするから、その際には是非今白川委員の御希望通りに委員長といたしまして取計らうことにいたします。御質疑ございませんですか。
○西田隆男君 昨日参考人からいろいろ御意見を聞きましたので、私自身は甚だ納得が行かなかつたのですが、従つて今日は政府側のほうからとの両法案が通過してこの適用を見るようになつた場合の硫安工業の生産部面と、それから貿易面の見通しを少し数字的に詳しく御説明願いたいと思います。わかりにくければ要約して申せば、昨日の大仲さんの説明を聞いておりますと、二百三億の投資をすれば七ドルくらいは安くなる。この七ドル安くなるという七ドルが貿易額の五十万トンの輸出額に対しての七ドルなのか、或いは日本の全硫安の生産量に対する七ドルなのか、これが昨日はちつともはつきりしなかつたことが一つ。それから輸出会社を作れば適時に随所に輸出ができる、これだけでも五ドルなり六ドルくらいは高く売れるようになるということが宇部興産の常務の話だつた。これが五十万トンなら五十万トンの輸出額に対して五ドル乃至六ドル高くなる、或いは高くなつたことによつて実際の輸出する五十万トン、今約十五ドルくらい国際相場より高い、こう言われておる。この輸出する五十万トンだけに対して七ドルと六ドル、十三ドル、その御説明によつて輸出するものはすでに国際価格によつて国際競争が完全にできるというような見通しを持つておるというようなはつきりした御意見はなかつたようですが、そういう点について政府側でどう考えられておるのか。それからもう一つの点は、三百三億の設備資金と、それから輸出会社を作ることによつて十数ドル軽減されるということが国内の価格に、どういうふうな大体影響を及ぼすか、又国内の肥料価格をどう操作する考え方を持つているか、これが一つと、それから昨日聞いてはつきりしなかつたことは、メーカー側の意見としては、輸出会社ができて、国際競争に服する間に、生産費との間にアンバランスが生ずるが、それはメーカーが将来負担するのである。こういうふうな御説明のようでしたが、その負担をするというのは、いつ頃からどの程度の負担ができるようになるのか、それから負担をするようになるまでの間に、これは国際貿易の見通しですから、困難だろうと思うが、一応どれくらい赤が出る見通しを持つているか、この点を伺いたい。それからそういうような点に関連して、総括的に、二法案が通つたあとの日本の硫安工業の生産見通し、生産原価の内容かどうなるかということ、それから貿易が確実に対外競争に堪え得るようになるか、堪え得るようになつた場合に、今度は国内の硫安の販売価格はどの程度下げられるのかというような点について政府側の見通しを、数字があれば数字を挙げて、御説明を願いたいと思います。
○説明員(柿手操六君) 只今の御質問は非常に広汎でありまして、そう短時間で御説明しにくいのでございますが、この法案が審議されまする一番初めに、こういう硫安の二法案を、政府が提出いたさなければならなくなりました経緯をお話したと思うのでありますが、それも極く簡単にもう一遍繰返しまして、そうして具体的なお答えをしたいと思うのでありますが、実は昭和二十五年八月に、長らく戦前戦後に肥料の価格及び割当配給等についての統制をやつておつたのでありますが、二十五年八月に国内の需要量に対しまして、国内の生産量が大体合つて来た。むしろ少し余分に国内生産ができるようになつて来たということから、統制を撤廃して来たのであります。併しながら肥料という商品の特殊性から、全然自由ということも困難だということから、余つたものの輸出については自由にすることは許さないで、政府の許可を受ける。而も政府部内においても、通産大臣が許可するときには、消費部門を担当する農林大臣の同意を得てやるというようなことで統制は撤廃しましたけれども、そういうような制度を続けて来ているわけであります。そこで二十五年八月から昨年の夏頃までは大体そういう制度で実行して参りまして特に著しい問題はなかつたのでありますが、というのは、国内の販売価格よりも常に五ドル乃至十ドル高い価格で輸出ができたのでありますので、これは問題なかつたのでありますが、去年の秋以来、いろいろな原因がありますが、国内の販売価格よりも相当低い、安い値でなければ輸出ができない。種々の原因がありますので、詳しいことは御質問によつて答えますが、輸出は安くなければできないということに当面いたしました。国内の農民側とすれば、そんなに安く売れるのであれば我々にもその値で売つてもらいたい、国内の値を下げてもらいたいという先ず要求が出たのであります。無理からぬ率直な気持だと思うのでありますが、更にだんだんそういう問題について輿論がやかましくなつて、いろいろ検討をして見ましたのでありますが、統制撤廃だと申しましても、常に肥料の価格というものは、社会的ないろいろな議論の的になるのでありまして、常にメーカーも或る程度の、自由価格でありますけれども、自粛をして参つておつたのでありまして、そんなに安い輸出価格で国内で売れるかどうかということになりますと、なかなかそうは参らんのでありまして、それについてもいろいろ論議がありましたが、だんだんにわかつたことは、それは、非常に下落した国際相場で国内にも売るということは無理だろうということとはだんだんわかつて来たのでありますが、そんなに安売りをして、いわゆる出血輸出をするということは、これはやがてはやはりその肥料の消費をする農民に、硫安会社の出血輸出の損というものは転嫁されて来るであろうという議論が起つてそうしてそういうふうな点については反対だという輿論も起つて来たのであります。そこで政府として考えましたことは、そういうふうになりますというと、この際無理な輸出はやめて国内の需要にミートするだけの生産に行くか、それからこの際出血輸出は強行しても、生産を落さずに、将来できるだけ早い機会にコストの低下を図つて、そうして国際競争に堪えて行く方途を講じて、そのコスト低下によつて国際競争に堪える期間、強行輸出をやる措置を講じて行く。同時にそういうことをやる場合におきましては、国内の消費者に対する悪影響のないように価格の限度を調べて公定価格制度を布き、更に国内需要量についても、いやしくも不足のないような需給調整の制度を作るということを、両方の制度をすることにするのが適当であろうという結論に立つてこういう制度を作つたわけであります。
 そこで生産のスケールでありますが、これは御承知のように化学肥料、特に硫安の製造には非常に大きな電力を必要としますので、電力の開発計画との関連において考慮しなければならんのであります。肥料対策委員会の開催当時におきまして、そういう面と両方睨み合せて、大体五年後の規模としましては、現在硫安が二百十万トン程度の実生産を上げているのでありますが、これを二百五、六十万トン程度までに上げて行くことは可能であろう、大体そういうことを考えております。そうしてその生産に対しまして国内の需要量でありますが、これは或る程度年々必ずしも一定でありませんので、多少のでこぼこはありますが、大体百六、七十万トンが現状の実際消費であろうと考えますので、五年後におきましてもそう非常に大きな国内の需要増加はないのじやないかというふうに見ますと、現在約五十万トン程度の輸出をしなければならん量がありますが、五年後において大体八十万トン乃至百万トン程度の輸出余力はあるのじやないか。昨日も参考人のかたからも意見がありましたが、東南アジア地区において十分その程度の需要はあるであろうと考えております。
 それからこの輸出会社が五カ年問にどういうふうな運営になるかということでありますが、これは今後の世界の国際市場の相場の変動及びコスト低下の実効がどの程度に挙るかということにかかりまして、先の見通しを年次別に今ここで数学的に御説明申上げますことは困難でありますが、大体この前の国会にも御説明申上げましたように、製造設備の近代化、合理化等によりまして私どもとしては六ドル程度のコストの低下ができるというふうに考えておるのであります。そうして電力の増強に伴いまして、操業度の向上を二百十万トン程度から二百五、六十万トン程度、約二割強の操業度の上昇によりまして四ドル乃至五ドルの低下が期待をされるのであります。更に私どもとしては石炭の合理化と申しますか、石炭のコスト低下の方策を別途通産省といたしまして考えておるのであります。それによる硫安のコスト低下も三ドル乃至方法によつては五ドル程度の低下ができるのじやないかというふうに考えまして、昨日の参考人のお話の、この輸出会社ができるがために有利に輸出を、技術的に商売の仕方を有利にして現在より幾ら安くと言いますか、有利に輸出して、輸出の損をどの程度軽減するかというような点は私どもとして甚だ困難でありますので、そういうことは無論あろうと思うのでありますが、私どもとしてはそういう点は計算ちよつとしかねておるのであります。大体コストを十三ドル乃至十五ドルは今申上げましたようなことから軽減できるだろう、こういうふうに考えておるのであります。そうして大体合理化計画を五カ年計画といたしておりますけれども、大部分は、八、九割までは三カ年計画でやりたい、こういうふうに考えておりまして、初め二、三年はまだ相当の赤字を覚悟しなければならんであろう。併し漸次合理化の進むにつれて輸出による利益を期待し得て、最後にはそう大きな赤字でなく、この会社の経営ができて行くのではないか、大体そういうふうな見込を持つておるのであります。
○西田隆男君 総括説明は、大体昨日の御意見と同じようなことでわかつておるのですが、一つ具体的に細かな点を聞いて見たいと思う。
 第一、昨日私が非常に注意を喚起されましたのは、今御説明があつた二百三億の投資をすれば七ドル安くなる、これは輸出価格が七ドル安くやれるともとれたのですが、それは大体全日本の硫安の生産量に対してトン当り七ドル安くなるのか、或いは輸出される五十万トンに対してトン当り七ドルだけ安くなるのか、これが昨日はつきりしなかつた。これを一つどつちなのか御説明願いたい。
○説明員(柿手操六君) それは昨日の参考人のかたの説明が不十分でしたが、コストですね、トン当り全体のコストの平均七ドルという意味を参考人は言つたと思います。私が今六ドル弱と申しましたのは、五年後に二百五、六十万トンの生産ベースに達した場合において二百五、六十万トンが現在より平均六ドル程度のコストが下つて来るであろうというふうに見ておるのであります。
○西田隆男君 そうしますと、日本の全生産量がトン当り七ドル下るということになれば、日本の硫安の国内販売価格というものもやはり七ドルだけは下げて販売ができるわけですか。
○説明員(柿手操六君) コストがそれだけ下りますれば、国内には無論それだけ下げて販売してもペイするわけであります。
○西田隆男君 そうすると、今五カ年と言い、三カ年と言われておりますが、七ドル下るというのは二百三億という投資が終了したときのことを想定しておるものですから、年次的に、これを会社に投資を始めた、そうすると初年度には幾ら安くなる、次年度には幾らで販売される、三年目には何ドル下るというような何か数字的な根拠によつて、この七ドルというのは出しておられるのですか。政府当局はそういう数字を持つておられるのですか。
○説明員(柿手操六君) 一応の最終目標は計算をいたしておりますが、年次別には、これはこれから初年度に幾ら、次年度に幾らということの実際のプランができるのでありまして、一応の私どもの手許で推定したものはございますけれども、非常にがつちりした計画はまだ出ておらんのでございます。
○西田隆男君 国家資金を投入するのか、会社に金を貸すのか知りませんが、いずれにせよこの資金不足の状態から、二百三億という投資をするということになれば、その消費者の農民諸君にも初年度は幾ら安く国内に販売できる、次年度は幾ら安くします、三年度で完成した場合には七ドル分だけは消費者農家に安く肥料がやれるのだというような点をはつきりさせなければ、いろいろな議論が起きて来て、ただメーカーだけに利益を与えるのではないかというようなことで、反対せんでもいいのに反対をされる原因を作ると思うのです。そういう点が今までも私は肥料の助成みたいな金が出る場合に、必ずしも明らかにされてない。そうして昨日も白川君が言つておりましたが、メーカーが責任を持つてない。従つて投資したあとの価格というものが、必ずしも法律を説明されるときのような状態で下つてないということに対して、我々も非常に困るのですが、国民大衆は、特に密接な関係にある消費者は、非常な不安と不満を持つていると思う。こういう点を法案審議の過程においてもう少し計画的にはつきりさせてもらいたい。これは政府に要求するだけでありませんが昨日のメーカーのかたたちも、参考人として呼ばれている以上もう少し自分たちの仕事を国民に理解してもらうという建前から、ただ自分たちに都合のいいことだけ言わないで、もつと言つてもらいたいと思つたのですが、そういう点を、業界の考え方も悪いと思うのですが、それはやはり監督官庁である各官庁が指導され、是正せられ、納得の行くようなことを数字的に、計画的に説明して納得させる状態に置いてもらいたいと思う。それが一つ、それから輸出会社ができた場合、これは今の問題と関連があると思うのですが、輸出会社が生産会社から輸出する硫安を買取る価格は何が基準になつて買取るのですか。
○説明員(柿手操六君) これは硫安需給安定法のほうで、政府は生産業者の生産費について報告を求め、更に必要があれば直接工場、事務所等に参りましていろいろな調査をいたします。生産費がどうなつているだろうかということを法律的有権的に政府はそれを調査いたします。その調査に基きまして国内の販売価格を公定いたします。その公定価格で輸出会社が買取るというふうに運営するつもりでおります。
○西田隆男君 そうすると、さつきの七ドル生産費が低減されるということと密接不可分の関係にあるわけですね。投資はしたがこれを頭の中に入れないでおいて、又実際の生産費だけ、数字で挙げたものだけ計算する、まあ肥料審議会で作つた輸出の価格がありましたね、ああいうふうな恰好で価格が決定されることになれば、生産費が安くなつただけは安く国内に販売する、その価格で輸出会社は肥料を買取つて、そうして海外に輸出するということになるわけですね。
○説明員(柿手操六君) そうであります。
○西田隆男君 そうすると、今の七ドルの生産費が安くなるということはこれは非常なウエイトを持つて来るわけですね、肥料の価格をきめる場合は……。
○説明員(柿手操六君) その通りであります。
○西田隆男君 そんならなお更これに対する調査なり計画なり、それがあなたのほうではなかなか行かんということですね。これは一つこの法案の審議の過程において数字的にお考えになつておることを資料として出して頂きたい。
○説明員(柿手操六君) それはこの前も申上げましたように、最終目標をそういうふうに考えておりますが、年次別に計画を一応想定いたしますれば、その七ドルは初年度は何ドル引下げる、二年度は何ドル引下げるということをいろいろ想定いたしますとできるのでありまして、我々の手許でできるだけそういうものを想定した経費の内容も一つお示ししたいと思うのであります。
○西田隆男君 それからもう一つお尋ねしたいのは、さつきあなたは年産現在二百十万トン程度だと、これを五年後には二百五十万トン乃至二百六十万トンに生産を殖やしたい。結局国内の消費量は百五十万トン、だから百万トンぐらいは輸出をするのだというお話があつておりましたが、日本の硫安を輸出する地域、その地域の硫安の消費量と世界の消費量のお話がさつきされておつたようですが、それとの関係が、日本で百万トンの国際価格と変りないような程度に生産ができるようになつたと仮定して、百万トンの輸出をする可能性の話だけでなくて的確に予測されるかどうかの問題が又一つ大きな問題だと思う。その点についての政府の考え方をもう少し詳しく説明してもらいたい。
○説明員(柿手操六君) その問題につきましては、この前の国会に資料を差上げてある中に、東南アジア地区における硫安の消費の見込量という資料があるはずでありますが、それをちよつと御説明いたしますと、インド、パキスタン、セイロン、中国、台湾、北鮮、南鮮、フィリピン、蘭領インド、ビルマ、インドシナ、香港、タイという程度の需要量が、これはいろいろな資料で必ずしも一定しておりませんが、それらを総合いたしまして、二百五万トン程度と見ておるのであります。そうしてその地域のいろいろ肥料工場の現在の或いは計画中のもの等を見まして、大体そのうち四、五十万トン見当はそれからの地区で将来自給するのじやないかというふうに考えられますので、それらを差引きますと、百五、六十万トン程度の要輸入量というものが見込まれると見ておるのであります。それを地域別に申上げますと、インドは十九万トン、パキスタン三万トン、セイロン七万五千トン、台湾三十五万トン、朝鮮は南北合せますと、北鮮は極めて僅かで五万トン程度と想定しております、北鮮、南鮮五十五万トン、フィリピンは十二万五千トン、蘭領インド五万五千トン、ビルマ四千トン、インドシナ三万トン、香港十万トン、タイ一万トンという程度のことは価格の点勉強すれば需要があるというふうに見ておるのであります。そのうち八十万トン乃至百万トンは……、これはどう見ても日本の非常な至近な地域でありまして、欧米に比べて運賃の差が相当あります。昨今非常に船運賃が下つておりまして、運賃の有利さが非常に減つておるのであります。これが一つの日本の輸出が困難になつた原因であるのでありますが、去年の春頃までは六体西欧あたりから二十ドルくらい高かつた地域であります。それに日本からは三ドル乃至五ドルで行ける地域で、相当有利な地域でありますので、将来の船運賃がどうなるかはつきりはわかりませんが、とにかく地理的に相当な有利な地域であると見て、コストの低下について努力をいたせば輸出についてそう悲観すべきでもないだろうというふうに考えております。
○西田隆男君 現在の日本の硫安製造会社の中で、現在の優秀であるものと優秀でないものがあるでしようね。優秀な企業で今の国際価格に匹敵するような生産原価で生産している会社がありますか。あるとすれば幾つくらいありますか。
○説明員(柿手操六君) これは優秀、優秀でないということは主として製法の違い、それから原料の、まあ電気でありますが、自家発電所を持つておるか、持つていないか、これは水力電気のことでありますが、そういう発電所を、戦前ずつと物価が安いときに開発した発電所を持つているか持つていないかによりまして相当な差はあります。併し昨年の秋以来というものは非常に国際相場が下りまして、六百円台というようなのがあつたのであります。そういうような値段では今あるものの硫安、条件のいい、今言いました自家発電所を持つておるようなものであつてもそういう価格では引合わない。こういうふうに考えております。
○西田隆男君 国際価格がべら棒に下れば引合わないと、こう言つておるのですが、日本の硫安製造会社の中で優秀なものと、然らざるものとの一トン当りの生産原価の開きは一体どのくらいあるのですか。
○説明員(柿手操六君) これは現在のところでは各社のコストは私どものほうでは法律的にはとつておりませんので、まあはつきりとは申上げかねるのであります。今年の二月頃肥料対策委員会でコストが問題になつたときに、藤山委員から平均コストをお出しになりまして、更に又、各社別には出さないけれども、一番高いグループ、一番低いグループ、その中間と、三つのグループに分けての資料の提出があつたのでありますが、それによりますと、高いほうのグループが九百八十円で、一番低いのは八百九十円、中間が九百四十円、一叺九十円、トンに直しまして二千五百円ぐらいになります。
○西田隆男君 この上、中、下の生産数量は大体どのくらいですか。
○説明員(柿手操六君) 二千四、五百円の差があるということであります。生産数量のウエイトは、一番安いほうが二四%であります。一番高いほうが約一五%、真中の平均のところが六一%というふうになつております。
○西田隆男君 この生産費の高下が非常にあるのですが、なぜ生産費が高いかという大ざつぱな説明ができますか。
○説明員(柿手操六君) これは、このときの調べは、昨年の九月乃至十一月当時の実績を基にして、それを各社が提出したものでありまして、先ほど申上げましたように、硫安は非常に電気を余計使う事業でありまして、季節的な電気の供給の事情によりまして非常に操業度も変つて来るのであります。従つて、そういう短期間の状態を出したのでは、なかなか年間全体の実態を現わすのに必ずしも適当でないというのでありまして、この結果からだけ見て、どうしてAグループがこんなに安くてCがこんなに高いかということについての的確な判断ができないのでありますが、まあ概して言いますと、電解法のほうが、石炭法、ガス法に比べてコストが安いということは言えると思います。大体現在の生産量から申しますと、電解法が二割五分乃至三割、ガス法、石炭、コークス法のほうが七割乃至七割五分という程度であります。
○西田隆男君 政府側としては、こういう生産原価に非常なまあ差があるのですが、この差のあるものに対して、投資を二百三億されるということなんですが、生産原価の非常に高いものを非常に安いところまで持つて来るためにもやはり投資されるのですか、或いは優秀な設備を持つて非常に安く上げておるところになおより安く上げるために投資をされるお考えなんですか、これは一体どういうふうなお考えなんですか、生産会社のほうでこういうことをしたいという計画を鵜呑みにされてそのままやられるのですか、或いは政府側で計画的にこれとこれとこれ、これはよろしいから、これをもつと生産原価を安くさせるという観点から二百三億という金を投資されるのですか、そういう点をもう少し詳しく御説明願いたい。
○説明員(柿手操六君) この二百三億の問題でありますが、これは総体で二百三億程度の合理化を考え、肥料対策委員会におきまして審議いたしましたときに、各工場別に二百三億程度の総設備資金でやるのが適当であろうというふうに御審議願つたのでありますが、そのうち国家資金の融資対象として取上げるべき工事は百六十億くらいなものを考えてよかろうと、而してその百六十億の中でも、全部国家資金の供給を考えなくても、大体その半額の八十億程度の国家資金……、結局開発銀行の融資ということに在るのでありますが……を考えればいいだろうというふうに考えておるのであります。そうして、その百六十億の国家資金融資対象工事の主なるものはどういうのかと申しますと、結局電気の料金は世界の各国に比較いたしまして日本は大体高くない。電気料金については、現状そう高くないのであります。石炭、コークスにつきましては、日本は御承知のように諸外国に比べまして相当割高でございます。日本が国際競争に相当の不利を持つておりまする原因の一つが、やはり石炭、コークスの高いということが原因であるのでありまして、大体硫安一トン当り平均石炭コークスを、石炭に換算いたしまして、方法によつて違いますが、大体硫安一トンに石炭一トンというものを使うのでありまして、相当生産費の中で大きな部分を占めておりますから、この合理化につきましても、石炭法の石炭費の節減という方向に主として集中いたしまして、例えば石炭法における水素原料の製造におきましては、いわゆる原料炭を品質のよい石炭、日本で割と生産量の少いよい石炭を原料にしなければ水素の製造が困難であるというのが現状でありますが、いわゆるコツパース法によりまして、常磐の炭の而もすそものを使つても水素の製造ができるというような新らしい設備、これはまあ相当の設備資金を要するのでありますが、今まである水素ガス発生炉というものはあるのでありますけれども、それを取りやめまして、それに代るにコツパース炉というようなものを作りまして、粗悪な炭を原料として水素を作るというようなことも考えております。それから原料水素を製造しない場合でも、アンモニア工業は非常な高温高圧の工業で、いろいろなところに相当のスチームを、プロセス・スチームを非常に使うのであります。従つてその方面のスチームのロスを少くする、スチームの効率を上げるというような意味で、いろいろな方面にその少いスチームで効果を挙げるというような工夫を、相当設備的にもいたしておるのであります。先ほど申上げましたように、この電解法の工業をやつておりまする工場におきましても計画がありますが、二百三億の中で更にそのうち国庫資金の対象融資の百六十億の主体は、そういう方面にこういうことをいたしておると思います。
○西田隆男君 元に返つてもう一遍聞きますが、生産原価の一番安い二四%の生産力を現在持つておる工場の増産の増産余力は大体どのくらいあるのですか。増産余力というか、生産余力というのですか……。
○説明員(柿手操六君) これは大体現在の二百十万トンというものが、二百五、六十万、二割程度の増産になるのでありまして、Aグループが特に多いというふうに考えておらんのであります。大体平均二割程度は上るものと見てよいと思います。
○西田隆男君 なぜ私はくどく聞くかと申しますと、二千五百円というのは約七ドル近い差があるのです、一トンでね。そうしますと、国際価格に今十五ドルぐらい下げなければ貿易はできないというような状態の下において、六ドルも七ドルも余計かかる生産費でしか生産できない工場に金を入れて高いものを造らせるということは、結局日本の全体の硫安生産原価がいつまでたつても安くならない。六ドル、七ドルの差をつけて、それで生産計画も立てなければならないし、貿易する場合の輸出の単価もきめなければならない、こういうことになると、総合的にこれをプールして、国なら国が責任を持つてやるという場合に、これは別な観点から考えなければならないと思いますが、自由経済の機構の下においては、自由競争が原則であるにもかかわらず、生産原価の高いものまでも同じ二〇%の増産設備をして生産をさせる。生産能力がなければ止むを得ないのだが、生産能力設備をカバーすれば安い生産原価で物ができるというところを、同じ二〇%というような増産対策、生産方法では、これは国民は納得しませんよ。やはり企業会社を重点的に考えてという非難を受けても仕方がないという結論になりそうですが、そういう点は政府当局はもう少しお考えになつてみんな納得する形で、硫安の生産増強なり、或いは単価の切下げなりをされるというような観点に立つての御方策を、何とかお考えになる御意思がありませんか。
○説明員(柿手操六君) これは公定価格がどういう点できまるかということに関連があると思うのですが、この前の国会においても御質問があつたかと思うのでありますが、五年後のことを申上げますと、仮に二百五十万トンの生産ができた場合においては、全会社がコストの上でぺイするような価格をきめるということは考えておらないのであります。二百五十万トンの生産があります場合においては、生産費の安い工場から……、国内で需要いたします数量、仮に百七十万トンなら百七十万トンとしますと、それから異常な生産減、或いは需要が伸びたがために百七十万トンの見込んだ数量が国内の農民に支障を来たすということはあります。それに備えるために約一割程度のリザーヴをして目標をきめようということにしておりますが、その量を加えたものを目標にしまして、その程度までのコストを取上げて見て、それの加重平均で価格をきめて行くというふうに考えておりまして、非常に高いものをまで全部賄うような価格はきめないで行こうという方針でこれを考えております。
○西田隆男君 私の言つていることを裏から言い換えますと、仮に輸出会社ができますね。輸出会社ができまして、国内の生産と輸出と二つに分けるわけですが、この上、中、下の生産原価の差異のあるものが、国内価格が幾らにきまるかわかりませんが、今の御説明では、一番高いものにはきめないのだというような御意見のようですね。従つてプールしたような価格ができるのです。すると生産原価がプールよりも、上廻つておる生産会社、これは国内で売つても、輸出をしても、どつちにしたつて損をせねばならんという結果になりますね。従つて国内は百七十万トンも消費があるという話ですが、生産されたものを百七十万トン国内で売る奴、売るものは、これはもう生産数量に比例するかどうかして、按分的にされるのですか。
○説明員(柿手操六君) 今の或る基準以上の公定価格では立つて行かない企業というものは、これはあり得ないとは言えないのでありまして、これはできるだけ各企業が立つて行くように、努力はすると思うのでありますけれども、どうしても国内で売る場合も、輸出する場合も、損をして立つて行かんという会社は、これは努力が足りなければあり得ると思つております。
○西田隆男君 いや、そういう抽象的なことではなくて、国内価格が決定されて、その国内価格が決定されている場合、生産原価を上廻る会社は、結局国内では売れない。売れないでもいいわけですね。そうすると今度は輸出会社ができれば、輸出会社は価格はこれは幾らで買うか、今わかつておりませんけれども、輸出して損失する奴を輸出会社が買上げするということなら、皆輸出にそれが廻されるということも考えられるわけですね。そういうことについては、当局として何か方法を考えておられますか。いわゆる生産原価の高い、国内価格にきまつたより以上の国内生産原価でしかできない会社の商品というものは、全部輸出に向けられるという場合も考えられますね。
○説明員(柿手操六君) ちよつと御質問の趣旨がはつきりわかりかねるのでありますが、こういう制度でありましたら国内で売る場合も、輸出会社に売る場合も、値段は同じでありまして、輸出会社に売る場合に、国内へ売る場合よりも高く売れるということはないのであります。従つて公定価格以上でなければできない企業は、これは何とか始末をしなきやならないというふうに考えております。
○西田隆男君 それは何ですよ、輸出価格というものは、いつまでもいつまでも赤が出ておるという場合は、今あなたのおつしやることは通るだろうが、輸出価格のほうが高くなつたというような場合ですね、その場合は何ですか、やはり国内価格で決定されたものでしか輸出会社は買わんのですか。
○説明員(柿手操六君) いや、それは輸出会社がある限りにおいてはそうであります。
○西田隆男君 その輸出会社の上げた……。輸出価格が高くなれば利潤が上りますね。その利潤は、輸出価格が安かつた場合の赤をカバーして、余つたものは、それはどうされるのですか。輸出会社の利益になるのですか、輸出会社だけの……。
○説明員(柿手操六君) そうであります。
○西田隆男君 一応それで私のはやめておきましよう。
○白川一雄君 今のに関連してお尋ねしたいのです。資料を拝見しておりますと、合理化を、或いは石炭の値が安くなるようにとか、或いは電力が安くなるように、勿論これは原価は安くなるのでございますが、これは生産者の努力じやなくして、他力的なものだろうと思うのであります。そのほかに挙げられることは、金融措置であるとか、或いは金利の引下げ、運賃引下げ、或いは法人税の引下げ、これも製造業者の努力によるものでなくして、国民の納得して初めて実現するものだろうと思うのです。そういう点から言いますと、どうしても生産業者としては、近代設備の合理化と経営の合理化というところに非常に重点を置いてもらわなければならない。こう考えますと、昨日からの話でも、工場によつて非常に差があるというのでございますが、これを援助して近代設備にさすという事柄は、同じレベルにならすようにするということに重点を置いておるのか、或いは合理化したあとも差のあるものは差のあるままにしておくのであるかという点がはつきりわかりませんので、若しできるならば各工場の現在の生産原価表というものと、合理化の計画書というものの資料を頂いて、研究さして頂きたいと思うのでございます。一つ私の手許に合理化の計画書というようなものも、持つておるものもありますが、非常に仮定が前提になつておるものが多いのでありまして、実際にそれを責任を持つてやるところの責任観念ありや否やということについては、非常に疑問を持ちますので、国民のというか、国民の援助に基いてやるとするならば、生産業者は合理化の計画に対しては、良心的にも、又現実的にも責任を負う制度を設けませんといけないのじやないか。或いは例を引いて申しますれば、経営者は全面的に書任を負うとか何とか、いろいろな責任制度をつけないで、大きな金額を国が放出するということについては、かなりな疑問があるのではないか。こういうように思いますので、我々の知つておる範囲では、幾ら手を入れ、金を入れ、合理化しても、その努力と投資と比例して、合理化の実を挙げられないところの設備があるのじやないかというようなものは、早く何か転換するように諦めさして、最も合理的に行つておる設備のところに重点的に行かなければ、単に輸出で値がようなるというくらいのことではなくして、国内の需要の値段が下るというところに全面的に働きかけなければならんという点からも、その点が当局としては、各工場別にそれの合理化の具体的方策というものを、先ず先決にして頂かなければ、末のことが先になつて、根本のところがどうもなおざりになつておるのではないかという感が非常にするのであります。又輸出会社の点も、昨日の話を承わりますと、もう単に数人の人だけおる程度の事柄で、大して経費をかけんようにするのだということを言つておりますが、そんなことでは容易にできるはずがありませんし、逆又に大袈裟にやつてもらつたのでは、あの交易公団の二の舞を演ずるようなことになつてしまうのではないか、若し昨日のお話のようならば、通産省に肥料部というものもあれば、通商局というものもありますので、そこで十分事が足りるのではないか、あえて輸出会社というものを作る必要もないのじやないかという感が非常にするのでございますが、その辺について政府のお考えを承わらして頂きたいと思うのであります。
○説明員(柿手操六君) 各十四社硫安工場があるのでありますが、それらに総花的に事業合理化資金を注ぎ込むのか、或いは重点的にやるのかというお説でありますが、必ずしも総花的にやつて、各社のコストを平均化するということを考えているのじやないのでありまして、どの工場でも、現在のコスト低下に役立つ最少の資金で、最も効果を挙げるものという見地から、一応お手許に差上げたような計画をしているのであります。そうしてそれによつて一応のコスト低下の目標を計算してありますが、現実にそれのコスト低下の予定を実際の公定価格の面に現わして行くという、いわゆるこの企業をやつているものにそこまで責任を負わす制度はどうかというお話でありますが、これは結局公定価格をきめますときに、相当対策委員会でも非常に議論があつたのでありますが、厳重な価格のきめ方をやつて行くということが、結局合理化の非常に刺戟になつて来るというふうにも考えますので、公定価格決定の際にそういう点を十分考えまして、恣意に流れないようなふうに、公定価格を作つて行くという方法を考えたほうがいいのではないかと考えます。それから輸出機構の問題でありますが、これはちよつと先ほども申上げましたように、結局これは当分出血輸出も覚悟してやらなければならんというふうな状況であります。而もこれはその出血の損失をメーカーにおいて、自主的に処理させる、これを国家で補償するとか、補助金を出すとかいうようなことは厳にこれを避けて、メーカーだけにこれを負担せしめるという制度をとるべきであろうという対策委員会の結論、而もこれはややもすればその損失を肥料を消費する農民に転嫁するという虞れがありますので、その経理を完全にセパレートする、分離しておく。量的にも経理的にも分離するということ、更にそういうふうにいたしましたものを、できるだけ有利に外国へ売捌くという点からいたしましても、やはりメーカーによる共同輸出体制というものが必要であるように思うのであります。官庁でそういう事務をとるということは、ちよつとむずかしいのではないかというふうに考えております。
○白川一雄君 今お話ありましたが、この製造工場というものが、生産の合理化を図る計画とかいうようなものが、商売なんかと違いまして、会社の運命を決する非常に真剣なものであるはずなんです。そういう意味から、少くとも合理化を図るとするならば、各社において合理化の確信を持つた、又精魂を打込んだところの計画というものがあるはずなんです。その計画書を資料として各社の計画を頂けんものかということを要望したいのでありますが、いろいろ通産省のこの資料を拝見し、或いは工業会の資料を拝見いたしましても、非常に合理化の抽象論であつて、この工場にはどういうように持つて行く、あの工場にはどういうように持つて行くという現実の面に副うたものがありませんので、我々としてはどの工場がどういうように合理化して行くのかという点がわからないのであります。ただ金融措置の面だけが資料によつてはつきりわかるのでございますけれども、なかなか製造工場というものが合理化を図るという事柄は、非常に会社の中の最も大きな、大事な、真剣な仕事であるはずなのであります。その資料は各社別に当然あるはずでないかと、こういうふうに考えるのでございます。私どもは生産さえ合理化してできるだけ安くできるようにして置けば、あとの事柄は技術の問題で、製造工場である限りは、生産の原価が安くなるというところにあらゆる面が協力してこれを実現するようにするのが第一の問題でないかと、こういうように考えるので、各社の合理化計画というものを頂きたい。こういうように考えるのであります。
○説明員(柿手操六君) 只今御要求になりました資料の一部は、硫安工業合理化五カ年計画という資料を一応提出いたしておりますが、更にこれのデイテエールにつきましてもできるだけの資料を取りまとめて後刻御提出いたしたいと存じます。
○小松正雄君 ちよつと委員長にお尋ねいたしますが、この閉会中にこうして委員会を開かれてこの案の審議を進められなくちやならないということはどういうことからですか。
○委員長(中川以良君) それは視察いたしまする個所に硫安工場を見ることになつておりまするので、それまでに一応もう少し勉強をして行きたいというお話が、ございましたので、特にこれをやつております。然るが故に硫安の問題と、電源開発の問題を取上げましたわけでございます。
○小松正雄君 いろいろ先輩各位から御質問がありましたので、私の問わんとするところも承服しましたので、二、三お伺いしたいと、かように思うのでありますが、先ず政府は多額の金を各工場に援助する、まあ極端に言えばそういうふうに私は考えるのでありますが、そうして硫安を生産する目的はどこにあるかということを先ずお尋ねしたい。
○説明員(柿手操六君) 日本の農村に対しましてできるだけ安い肥料を十分に供給いたしたいというのと同時に、安く而も豊富に供給いたします場合には、やはり量産をいたさなければならないのでありまして、そのマスプロをやりましてコストを下げ、そうしてその余力を以て輸出をいたします。この硫安工業は原料その他一切国の資源と国の労働力によつて生産されるものでありますので、輸出した場合にはその一〇〇%の外貨が入つて来るというような、輸出商品として非常に豊富な商品であります。而も東南アジア地区に相当な需要がありまして、東南アジア地区との通商関係からも又適当な商品であるわけでありますので、国内農村に対しましての農業必需資材を豊富低廉に供給上ますと共に、外貨獲得、国際収支の改善に資するために相当の効果があると存じます。
○小松正雄君 そうすると政府は国内で、国民の消費する食糧を増産することを目的としてこの硫安の大量生産のできるようにしようということが目的であるか、或いは又今お話のように諸外国にこの硫安を輸出して、そうして外貨獲得を目的としてやるのであるか、どちらですか。
○説明員(柿手操六君) これは両面のことを目的にしておりますが、まあ順序から言えば先ず国内の農業に必要な肥料を安く豊富に供給するということを先に考えて、そうするためにやはり量産をして輸出する、そうして外貨を受けるという、まあ目的は二つあるのでありますが、順序でと言いますか、ウエイトはやはり国内の農村に対する農業生産の必需資材を低廉に供給するということがまあ先だと思います。
○小松正雄君 そうすれば食糧増産を中心として、大量増産することを目的としてその大量増産ができるために、農業のかたがたにこの肥料を安く売るということを第一目的としておるということに考えていいですね。余つたものは輸出に、第一目的としては今私が申しますように食糧増産ということを目的として、この硫安の大量生産をするということに私は考えていいかということをもう一遍お伺いしたいのであります。
○説明員(柿手操六君) その通りでございます。
○小松正雄君 そうすると今までの、例えば終戦後の硫安の生産が漸次増加されてある表も昨日見たのでありまするが、これに伴つて農業に必要である、食糧増産のために必要である、この硫安が終戦後漸次増産されてある、この硫安価格というものが漸次一俵当り幾らかずつかこの差額を以つて安く販売されておるかということをお尋ねしたい。
○説明員(柿手操六君) 終戦後二十五年八月までは統制をいたしまして公定価格を決定していたのでありますが、その場合に御承知のようにずつと物価が騰貴いたしまして肥料の生産費も上つて参つたのであります。併しながらこれはその物価騰貴に応じて農民に高い肥料を供給するということは更に食糧を高くいたしますから、二十五年八月までは政府が補助金を出しまして生産者価格から更に低いところで農民に供給するというような方法を講じて参つたのであります。物価がああいうふうに上りませんでしたらばこういうふうな量産をいたしますと当然に下つたであろうと思うのでありますが、御承知のような終戦後の物価騰貴の状況でありまして、補助金を以ちまして農家にはそう高くないように配給をいたしたのでありますけれども、生産者価格が量産にかかわらず一般物価の上昇によりまして生産者価格も上つて参つたのであります。
○小松正雄君 そこでこの硫安が大量漸次増産をされて参りましたにもかかわらず、今日私どもが聞くところによりますると、輸出の価格とこの食糧生産に必要である、その食糧増産に従事されておる農民に対して販売をされておる価格とが大差をつけておるということから考えますると、政府がただ単にこの食糧を増産させることを目的として硫安の大量生産をするということと正反対に相成ると思うのでありまするが、その点について例えば本年からでも相当安く売るというのか、或いは又ここに輸出会社ができようとしておる、輸出会社ができて輸出しようとするその価格と同じ単価にして農民に販売しようという、させようという意図があるかということをお尋ねしたいと思います。
○説明員(柿手操六君) 二十五年八月以降は、
   〔委員長退席、理事松平勇雄君着席〕
統制を撤廃いたしまして、価格の公定をやめ配給のこともやめたのでありますが、先ほど御説明いたしましたような硫安の状況になりましたので、輸出の統制もいたしますると同時に、国内につきましても生産者のコストを十分調べまして、そのコストに基いて適正なる価格を公定いたしまして、そういう価格以上には売らないようにするという制度を布き、輸出の価格と一応切離しまして生産費から見て適正な価格で売らせるという制度をとつております。
○小松正雄君 この硫安生産会社は十四社とこれはまあ言われておりまするが、この十四社の各会社は、年次硫安操業に伴つて、例えば昨日も白川委員から話されておりましたことと関連いたしまするが、こういう工場は国の施策という観点から、国があらゆる面に譲歩されてそうしてこの工場が漸次貯蓄をし、その工場は大きくなつて来ておる。又その半面にまあこの農民というものは食糧増産に従事しながらにも、そういう相手方のほうにもこの実際に食糧増産をさせなければならないという政府の建前から考えまするときに、この食糧の増産をできないようなふうに追い込んでおるのじやないか、かようにまあ考えるのでありまするが、私はこの際にこの硫安が輸出されようとするならば、その輸出される価格より一層安く農民にその肥料を販売するようにして頂きたいと思いますが、その点はつきりここで安く売るようにできるということが幸いにして当局として仰せられることができまするならばお願いしたいと思います。
○説明員(柿手操六君) お話の通りの事態になることを目標にいたしましてこの制度を作つて、政府としても努力いたしたいと思つておるのであります。昨年の七月、八月頃までは先ほども御説明いたしました通り国内の販売価格よりも五ドル乃至十ドル高く売れておつたのであります。それが去年の秋以来諸種の事情から国際価格が急落いたしまして、いわゆる出血輸出という問題から、その出血を将来消費者に転嫁するという問題からこういう制度を作らなければならない羽目に陥つたのでありますが、そういう事態に対しまして、こういう制度で暫らくは国際相場よりも高い肥料を農民に、農家に負担してもらわなければならないかも知れませんけれども、ただそれは不当なものではございません。輸出価格に比べて相当厳格なコストによつて公定価格を作つて合理化するが、暫らく我慢してもらう。そうしてお話の通りにコストを低下いたしまして、相当外国に高く売れるようになつて来ますれば、国内には去年の春の前のような状態で販売価格を輸出価格より更に安く売れるように期待をしておるのであります。
○小松正雄君 話は又前に戻りますが、食糧増産をすることを目的として硫安を生産することに対して、各会社に政府はできるだけの援助をしてやつて来て、その余るようになつて来たものを外国に輸出することになつたと、こういうことであつたと思いますが、その余るようになつたから、ここに輸出会社というものを作つて、そうして政府はその輸出会社に対しては又何と申しますか多額な金を援助をして……何の方面からか援助をしてこの会社というものを作つて、この会社というものによつて輸出をする目的のために硫安を買占めてしまう。要するに一つの会社によつて販売をなさしめるということに相成ると思いますが、その場合に個々の会社で安い所もあれば高い所もあると昨日も言われておつたし、今日も白川委員が言われたところでありますが、この会社ごとに安い高いというものがある。これを調節をして一定の価格にして輸出しようというお考えのように承わりますが、そういうことがどういうことで一定的な単価になそうとするのでありますか。
○説明員(柿手操六君) 輸出会社に対して特別な資金的な援助をするという考えは今ありませんが、この会社ができた当分は輸出買入価格よりも輸出価格は当分安いだろう。従つてその損が累積するだろうということは予想されますので、その損失に対しまする国の融資はしなければならんと考えております。特別の補助は考えておらんのであります。その負担につきましてはその会社を組織しますメーカーの負担にするというふうに考えております。
 それからもう一つ、この会社が買入れる価格を各社のコストによつて差をつけて買入れるか、一本価格でやるかというお説のようでありますが、これはかかつただけのコストで買上げるということにしますれば、むしろ合理化を妨げる結果となることでありましてむしろ一本価格で、その価格の違うものは更に勉強しなければならんというふうに、一本価格のほうが適当でないかというふうに考えておるのでありまして、この買入価格につきましては、国内の価格も一本価格でありますから、この会社が肥料を買入れる場合にも同じ価格で一本で買入をいたしたい、こういうふうに考えております。
○小松正雄君 そうなりますと、この十四社の中で安いのと高いのとある、それが一本の価格にまとめたいということになると、コストの高いほうの会社には補助をするとかいうような考え方ですか、一本価格にするためには。
○説明員(柿手操六君) それはそういうことは考えておりません。コストの高い会社はそれだけ経理が悪くなる。平均よりコストの安い会社はそれだけ経理がよくなると考えております。
○小松正雄君 そこでこの十四社の中で、経済状態或いは経営状態から来る単価コストというものがでこぼこがある。そこで安く生産をしておる会社はどういうことをしておるから安いとか、或いは又高くなつておる会社は経営方針がどういうふうであるからして高いのだと、こういうことを先ず考えられましたときに、安く生産のできる会社のみにとどまるようにするというお考えはありませんか。
○説明員(柿手操六君) 生産費が安い会社だけに生産をさせて、その高い会社は製造をさせないようにしたらどうかという御質問のようでありまするが、これは先ほども御説明いたしましたように、一番悪い会社もペイするような価格をきめるつもりはないのでありまして国内で消費される程度の数最の目標を以てそこまでの会社の生産費を而もその一番高いところできめるのではなくて、それらの会社の又更に平均の原価を元にしてきめるということにするのでありますから、若し高い会社が合理化を怠つておれば、これはこの価格の決定によりまして、そういう会社はすぐではないでしようが間もなく脱落せざるを得ないものができて来ることもこれは止むを得ないというふうに考えております。
○小松正雄君 最後にもう一言お尋ねしておきたいと思いますが、硫安が食糧増産のために目的とせられることでありまするならば、少くとも国家百年の大計を保つ上からも日本国民としてなくてはならないものでありまするが、これらの食糧が年次増産されて行かなくては、年次国民も人口は殖えて行くことでありまするし、そういつたことから考え合せまするときに、日本にある原材料というものも一応いつかは尽きるのではないか。かようなことも考えまするのでありまするが、幾ら硫安を今後大量に生産しても、日本国のある限り原材料というものはあるということでありますか、お尋ねしておきます。若しそれが時来たれば原材料がなくなるということでありますならば、昨日も参考人のほうでお話があり、又小野議員よりのお話の中でも、明治五年頃初めて国内に濠洲より五トンという硫安の肥料が入つて来た。その後今日まで相当この硫安生産には苦労して来たというようなお話も聞いたのでありまするが、そういうことから考え合せまするときに、なくてはならない硫安ということを考えまするときには、国の資源が持来たればなくなる、なくなつたあとはどういうふうになるか。只今では増産せられてそれによつて外貨獲得をし、以てこの日本の経済を保つということも必要であるかも知れませんが、幾百年も続いて原材料があるというのならともかくでありますが、少量にして時期来たればなくなるということでありますならば、そういう時期が来たときに逆に又高い硫安を買入れて、そうして食糧の生産に努力をしなくてはならないという時が来るということを憂うる場合におきましては、少くとも日本の食糧の増産のみに使うようにされるような措置を講ずべきだと思いますので、それを先ず要望としてお願いをして私のお尋ねを終ります。
○海野三朗君 十四社の生産費を見るというといろいろでこぼこでありますが、そのでこぼこを救うために、安い肥料を造るためにお金を貸そうというのが今度の法案の骨子であると考えるのでありますが、これに対して政府のほうではどういう腹案をお持ちになつておりますか。どこの会社には幾ら、どこの会社には幾ら、そうして設備はどういうふうに改めさせるという腹案がおありになることと思いますが、如何でございましようか。
○説明員(柿手操六君) 先般肥料対策委員会で硫安工業の合理化の御審議を願うときに、一応の会社別の国家資金による設備というものを御審議願いましてお手許にも差上げてあると思いますが、一応五カ年間にそういうふうな改造工事及び金額を想定いたしておるのでありますけれども、そのうちどの工事に何年度に幾ら財政資金を貸出すかということにつきましては、五ヵ年間の全体についてまだきめておりません。ただ今年度やや遅れましたが、二十八年度の融資としましては、目下開銀と具体的な工場及び具体的な合理化計画工事及びその融資金額というようなことにつきまして目下打合せをいたしております。目下のところは六社ぐらいでありまして、大体融資金額は十億ぐらいに今考えております。第一年度分としてそういうようなものを計画しておりますが、更に数社目下計画を練つておりますが、これがまとまりますれば更に追加としていたしたいと、かように考えております。
○海野三朗君 その御計画を御提示願いたいと思います。それが一つと、在来の肥料会社に政府が融資したその融資額と生産費と、それからその会社の株の配当の一覧表を頂きたいと思います。例えば第二国会、第三国会のときに起りました昭和電工のあの事件のような実に杜撰な貸方をしておつたと私は申さざるを得ない。多く政府が融資されるのは誠に結構でありまするが、世の批評を聞いて見ますると、ボロ会社を救うためにやるのだというような批評もときどき聞くのであります。この点を思いますときに、曾つての肥料会社に対して融資して来た、そうしてその融資の返還状態がどういうふうになつておるか、それと生産費と、それからその会社の株の配当を如何ような株の配当をやつておるか、そういう資料を只今すぐとは申しませんが、努めて近いうちに御提出を願いたいと思います。又融資いたしましたその金がどういう方向に使われておるのか、その大体の説明をしました資料の御提出も願いたい、こういうふうに思うのであります。これは私が資料提出をお願いすることであります。
 つきましてその御提出を願うことのほかに私が今お伺いしたいと思いますことは、肥料が国内で余るという話、昨日もそうであります、そう言つておられますが、実際地方の農家へ行つて農家の現実の姿を政府御当局は知らないと私は思うのであります。私は親しく百姓家を何度ももう歩いて見ておるのでありますが、肥料が欲しくても実は金がない。金がなくて買えない。それですから肥料が余つておるのです。もつと引下げさえすれば私はそう余らないでもつと有効に使えると思うのであります。その使えない農家が非常に多い金がないから買えないのだ。その現状をよく御承知なのかどうか。そういうことをお調べにならないで、ただ地方の農業会とかそういうところの結果だけを農林省の御当局は見ておられるのじやないか、こういうふうに思いますが、如何なものでございましようか。農民の現実の姿を直視して見ておられるのかどうか。決して肥料が余るということはないのであります。私は今名前を挙げて指摘してもいいのでありますが、金がなくて買えない、今年はそれはどこそこでは使えないのだ、そういう現状であります。それをよく御承知になつておるのかどうか。そういうことはお調べになつたことがありますかどうかをお伺いいたします。
○説明員(小倉武一君) 後段の御質問の点でございますが、御指摘のように肥料に対する需要がございましてももう購買力がない、いわば有効需要がないという点は、個々の農家に当つて見ますればそういう点もあるのではないかというふうに思います。勿論その詳しい統計的な資料があるわけではございませんが、農家経済調査という農家の収支の計算をいたしておりまする調査を、毎年農林省でやつておりますが、それなんかによりまして耕作反別、各戸別に農家を調べて反当の施用量といつたようなものを見ました場合に、若干零細農家ほど反当施用量が少いといつたような傾向も窺われるように思います。そういうところから逆に見ますれば、今おつしやつたような点が推察されるのであります。それは勿論肥料の価格が或る程度下れば、需要が殖える面も勿論あり得ると思うのでありますが、なお又一方たくさん使い過ぎるのではないかというような非難もございまして最近のような、特に本年のような気候でございますると、余り硫安をやりますと却つていろいろの弊害が起つて来る、こういう事態と申しまするか、農家もなおあるのではないかというふうに思つております。併しながらおしなべて申しますれば、御承知のように価格が或る程度下れば、需要は当然殖えて来るというふうに考えられるのでございまするけれども、現在の硫安の全国的な施用量から申しまするというと、そう今後急速に需要が殖えるというふうな見方も、なかなかいたしかねるのではないかというふうに考えております。私どもの一応の試算でございまするけれども、今後の食糧増産計画、或いは農地の開発といつたようなことを考えた場合に、若干の推定を入れまするというと、或る程度の目安もつかないことはないかと思いますが、これはいろいろ前提がございまして、なかなか予測通りには参らんと思います。年々の需給計画を立てまする場合にも、本年一体幾ら硫安が農村によつて購買されるかということすら、的確にはなかなか予測ができないという実情でございますので、なかなかむずかしいことだというふうに思います。今のお説のような点につきましては、農林省といたしましても、例えば農業手形制度という融資の制度を設けて、金がないために、肥料が買えないといつたような点に対する対策の一つとしてやつておりますけれども、供出もしないような零細農家になりますというと、そういう制度も適用しがたいということになりまして、御指摘のような点は、これはあるのではないかというふうに私どものほうも考えております。
○理事(松平勇雄君) 化学肥料部長に申上げますが、只今の海野委員の資料提出を、近日中に提出して頂きたいと思いますが……。
○説明員(柿手操六君) 御要求の資料相当ありましたが、大分御提出いたしております資料の中にある資料もございます。
○海野三朗君 金のことはないでしよう。
○説明員(柿手操六君) それから例えば会社別の財政資金の融資額というようなものについての調べは出してないと思いますが、その他の資料をできるだけ、私のほうでも取調べて出したいと思いますが、ただ会社別の生産原価というのは、これはずつと前から、たびたび御要求があるのでありますが、そういうものの提出は、私どもで法律的な権限を持つて調べたものもないのでありまして、ちよつと提出は困難かと存じます。その他の資料につきましては、できるだけ取調ぺまして提出をいたしたいと存じます。
○海野三朗君 只今の資料について重ねてお願いをいたしますが、各会社の資本金、それに対して政府が融資した金高、その融資の返還状況、株の配当、その会社で作る生産原価でも或いは販売価格でも、どちらでもよろしいのでありますが、それの提出をお願いいたしたいと存じます。
○説明員(柿手操六君) 承知いたしました。
○海野三朗君 昨日もちよつと伺つたのでありますが、ぴんと来ませんのでもう一つお伺いいたしたいと思いますことは、農家の米の供出は輸入米よりも遙かに安い値段で供出させている。そうして肥料の値段は相当な価格で農民に配給している。或る場合においては出血輸出をしておりながらも、国内では値を下げないということは、裏を返して考えますると、農民に安い米を出させておいて、肥料は高い値段でやるというようなことでは、私は甚だ不合理であると思うのであります。安く米を供出させるならば、肥料もやはりその供出量に応じて量をきめ、そうして又値段も半分ぐらいの値段で農家に配付すべきものではないか。安く出させておるので安く肥料を与えるというのが本当ではないかと私は思うのでありますが、どうもこの点を私が考えるのにぴんと来ないのでありますが、政府御当局は如何ようにお考えになつておりますか。
○説明員(小倉武一君) 只今の輸入米の価格と硫安の輸出価格との御比較からの御議論でございまするが、これは感覚と申しまするか、農民的な感情から申しましても、お説のような点が実はあるのでありまして、その点が一つは今回御提出して御審議をお願いしていまする両法案の成立の一つの契機になつているかと存じます。ところでこの二つの法律案が御制定頂きました場合に、一体その点についての関係はどうなるかというふうなことで、お答えをしたいと思うのでありますが、どうしてもこれは生産費をやはり切下げて参りまして、国際価格に国内の硫安の価格を近付けて行くということでなければ問題はやはりどうしても解決しないのであります。
 もう一つは、出血輸出ということが俗に言われておりますが、それによつて生じまする損失が国内の硫安価格に転嫁されまして、従つてそれによつてより以上高くなるという虞れがあるのではないかという危惧もございます。そういう点も防止すというために国内価格と輸出価格を切離すといつたようなことも必要に相成るかと存じます。それから又そういう制度をやりますためには、やはり合理化を推進すると共に、それに基いて生産される工場原価を調べまして、その原価に基いた公定価格制度で価格をきめて行く、こういうことによりまして、只今お話のようなことも一つの大きな契機となつて現われました点でありまするこの硫安問題についての対策をしよう、こういう考え方でございます。勿論これは一挙にして解決されるわけではございませんが、先ほどからもお話が出ておりましたように、企業の合理化といつたようなことで、五分乃至七分程度のトン当りの価格の引下げ、或いは電気、石炭といつた面の合理化乃至今後の計画の推進ということによりましても、相当の価格の引下げの期待ができる。本格的にやはりどうしても、こういう全体として硫安の価格が国際価格に近付くような施策を強く推し進めて行くということ以外には只今御提出の問題に対する回答はいたしかねるのではないか、かような趣旨で、この両法案が考えられておると、かように考えておるのであります。
○海野三朗君 今のお話はよくわかりますが、私がお伺いいたしましたことは、米を安く供出させておるから肥料も又安く農民にやるべきものではないかということを私はお尋ねしておるのでありまするが、御当局はどういうふうにお考えになつておりますか。増産するには欠くべからざる肥料である。そのお米を安く供出させておるのであるから、その必要なる肥料も、普通の儲けのある価格ではなしに、その半分ぐらいの値段で農民には使わせるべきものではないでしようかということを私はお伺いしておる。如何ようにお考えになつておりますか。
○説明員(小倉武一君) 勿論この消費者の面から申しますれば、価格は安いほどよろしいのでございますし、又国内の食糧経済全体から申しましても一番大きな原材料である、いわば一種の原材料である硫安の価格が下りまして食糧の価格が下つて行くということが、国民経済的にもよろしいことであることは申すまでもないのであります。ただ硫安価格をそれでは思い切つて下げるということにいたしますというと、何かそこにやはり硫安工業全体に対しまするというか、或いは消費者である農民等に対しまして特別の助成措置と申しまするか、或いは補給金制度といつたようなことがどうしても現在のところ必要になつて参るのであります。ところがそういう補給金制度でこういう情勢の下でやつて行きますことにつきましては、却つて硫安工業の合理化、国際価格に近付いて行くといつたような面についての施策にはむしろ逆でございまして、いわば温室育ちにするということにもなり得まするので、むしろ時間はかかりまするけれども合理化方策を進めて行つて、お説のような点についての解決策を一つ見出して行く、こういうのが私どもの考え方であります。
○海野三朗君 もう一つ、十四社のうちの六社に対してやろうかというお考え、これは精細御調査になつているのでございましようか。技術的にも又工場の設備でも、そういうことも専門の立場からよく農林当局ではお調べになつているのですか。
○説明員(柿手操六君) 先ほど六社と申上げましたのは、差当り今二十八年度の財政資金を硫安工場の近代化、合理化設備をいたします資金として候補者に載せまして開銀と打合せしているというのでありましてこれは勿論私どものほうで十分調査をいたしてこれは適当であろうというふうに認めまして開銀に推薦をしているのであります。
○海野三朗君 今までいろいろお伺いをいたしましたが、どうもぴんと来ませんのは、農民に対する政府の態度、あり方という根本の問題になるのでありまして、黙つておればどこまででも抑えつけて行こうというふうに見えるのであります。米を安く出させておき、併し肥料だけは一万円の値段で買えと言う。今日農家に行つて親しく私どもが泊つて農民の現状を見るというと、何故にこういうふうに搾り上げられるのか、何故にこんなに貧乏であるのかということを私どもはつくづく感ぜられるのであります。米を安く買つておるならば肥料を安く与えるべきではないかという一点につきましては、私は満足したる御答弁を未だ曾つて頂いておりません。この点については農林大臣及び通産大臣の御出席を願つて私は率直に質問をいたしたいと存じまするので、私はこの質問は保留をいたしまして本日はやめておきます。
○理事(松平勇雄君) それではこれにて休憩いたしまして、午後は一時半から再開いたします。
   午後零時三十九分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時一分開会
○理事(松平勇雄君) 午前に引続きまして委員会を再開いたします。これより電力関係の調査に入ります。本日の予定は電気、ガス法令改正審議会の審議経過に関する件、本年度電力需給計画及び融通計画、電気料金地域差の推移等に関する点の二本建でありますが、先ず法令改正審議会の調査からいたします。審議会からは八月中旬に答申書が提出され、政府側ではこれに基いて十二月の通常国会に電気及びガス関係の法律改正案を準備中と聞いておりますので、本日は法令改正審議会の審議経過及び答申書中の重要事項につき御説明願います。中島公益事業局長。
○説明員(中島征帆君) お手許に配付いたしました審議会の答申につきまして簡単に御説明を申上げます。で、これは三つに分かれておりまして、電気事業関係、電気施設関係及びガス事業関係部会と三つ作りまして、それぞれの部会から答申がありましたので、答申書も三つに分かれております。法令改正審議会は今年の二月に設置されましたが、会長が通産事務次官でありまして、委員が総計三十九名、専門委員が二十一名、こういう構成になつております。で、このうちで電気事業部会、電気施設部会並びにガス部会というものの中で重複した方もございますけれども三つに分かれまして、今年の二月からガス部会が一番早く仕上りましたが六月くらい、電気部会八月まで、いずれも数回開きまして、一回は大体二日継続してやつております。八月十一日に総会を開いて、全体の審議会としての答申をまとめた、こういう経過になつております。
 先ず電気事業部会の答申でございますが、このいずれの部会に対しましても一応事務局といたしましてそれぞれの問題点を提出いたしまして、その問題点を中心に議論をして頂いたわけであります。電気事業に関しましては、この答申書の初めにございます通りに、規制の対象となる事業の範囲、以下十一点の問題点につきましてそれぞれ問題の所在と、それからその考え方についての資料を出しまして、逐次審議して頂いたわけであります。で電気事業に関しまして冒頭から一番問題になりましたのは、供給区域の独占の問題であります。これにつきましては特に電気事業者並びに需用家その他との意見がたびたび非常に対立したような事情もございましたが、結局におきまして、電気の性格から言つて供給区域の独占ということはこれは必要である、但し独占の弊が出ないような行政策は講ずべきだという結論に達しまして、その線で答申も書かれております。
 この問題点の内容につきまして、逐次簡単に御説明申上げますと、第一点の規制の対象となる事業の範囲、これは簡単な事業でありますが、現在公共事業令におきましても、一般供給事業と、卸供給事業と二つに分かれております。新法におきましても同様に、一般の電気事業者としての一般供給事業と、それから電気事業者に電気を供給する卸供給事業、この二つを対象とすることが必要である。このほかに更に自家発その他で一般の供給以外に他へ供給する場合が考えられますので、そういうものも必要な限度において電気事業者に準じて一定の規制をすることが必要だ、こういう考え方が一つあるわけであります。
 それから次の供給区域及び供給関係の問題であります。ここで供給区域の独占の問題が出ております。で、現在でも公共事業令の第二十八条に「同一の地域を供給区域とする二以上の公益事業の許可をしてはならない。」という明文がございまして、電気事業の地域独占を認めております。大体この原則は、ただそのために地域独占に安んじて電気事業者のサービスが悪くなるということでは困りますので、この点を是正するためには料金その他の供給条件等を十分に監督をするということと、更に場合によりましては、例えば供給区域の中で一部分未点燈区域等があつた場合、電気事業としてはそこになかなか供給をしないという場合には、供給区域の減少する、その部分の許可を取消すという考え方をとつております。それから更にこれは別の、後で出て参りますけれども、現存苦情申立制度というのが事実上ありますけれども、これは法律の根拠がありませんので、電気事業者の業務の方法といたしまして、需用家として苦情がある場合には申立をすることができる。通産大臣に申立をすることができるという制度を法定する必要があるという考え方をとつております。これは地域独占の弊をとめる一つの手段として考えた次第であります。それから卸供給事業者が、例えば卸供給事業はこれは電気事業者に供給するのが主たる目的でありますけれども、場合によつては特定の需用者に面接供給するということも考えられますので、そういうものも一般の使用者の利益を害しない限りは認めてもいいんだということであります。で、同時に電気事業者といたしましても隣接の区域、他の電気事業者の区域に対して、区域におきまする特定の需用家に対して供給をするということも必要な場合もございますので、そういう場合も例外的には認めるという考え方であります。
 それから第三が供給義務の問題でありますが、現在供給義務というものが法律上には明確にはなつておりません。一応何人に対しても電気の供給を拒んではならないという規定はございますけれども、供給責任ということがそこで余り明確でありません。その点につきまして現在の考え方は、例えば電圧、周波数の保持というものは法律にはございませんけれども、電気事業者が認可を得て実行いたしております供給規程等によつて、これこれの電圧並びに周波数を保持するという文句がありますけれども、その供給規程に違反しているという間接的な抑え方をしておりますが、今度の新法におきましては、これを明確に謳うべきであるという考え方をとつております。但し電圧、周波数等につきましては、技術的に非常に幅狭く規定するということは必ずしも適当でありませんので、その点に無理のない程度の幅は、これは認めざるを得ないというふうに書いております。それから現在の公共事業令の五十三条にあります正当な事由がなければ、電気の供給を拒んではならないということでありますがでその「正当な事由」というのがいつも問題になりまして、内容解釈がはつきりいたしませんから、できるだけこの点は明確に具体的に少くとも例示的に規定する必要があるだろうということを書いてあります。
 それから料金その他の供給条件の問題でございますが、問題のこの地域差の制度、これはいろいろ議論がございましたけれども、当分のうちはやはり存続する必要があるだろうという結論であります。それから電気料金に対します監督は現在同様に認可制をとる。これはまあ政府で決定するという考え方もありますし、或いは届出をさせるという方法でもよかろうというふうな意見もありますれども、現在の通り認可制をとるという考え方に結論付けられております。
 それからその次の会計及び財務の関係でございますが、これは多少経理技術的な問題が多くなつておりますけれども、社債の発行限度を現在のものよりか少しまあ額を殖やす、現在では資本又は純財産額の少いほうの二倍ということになつておりますが、それを三倍まで拡張するべきであるということであります。
   〔理事松平勇雄君退席、委員長着席〕それから一般担保制度も、これも現在認められておりますけれども、これを更に拡張いたしまして、長期信用銀行或いは保険会社及び信託会社、こういうふうなものにつきましても長期の貸付に対しましては一般担保を認めるべきだということになつております。それから渇水準備金制度は、これも現在実行されておりますが、やはりこれは今後存続すべきものだ、殊に現在の制度は法律の根拠はありませんけれども、今度は法律にはつきりこの制度は明定すべきものだということになつております。それから電気事業者の外債に対する政府の保証ということは、最近外資の導入に関しましていろいろまあ話が出るわけでありますが、現在では開発銀行に政府が保証するというような方法がとられておりまして、電気事業者に対する政府の保証の制度はまだできていないのでございます。今後又電力会社に入ります場合に直接電気事業者が貸付を受けることも予想されますので、その場合には電気事業者に対しても直接に政府が保証する制度があつたほうがよかろうという結論になつております。それから利益金の処分につきましては、これ又いろいろ議論がございましたけれども、現在同様に認可制をとる、こういうことでございます。
 その次の事業及び投資でございますが、兼業の制限というものは現在の公共事業令にもとられておりますが、やはり公益事業としての性格上当然これは許可制にすべきだ。この兼業のほかに投資につきましても或る一定額以上のものについては全然放任するということは適当でないので、一応届出制度をとつて、その内容が適当でない場合は変更の指示等ができるような方法を講ずべきである、こういうことになつております。
 それから公益事業としての一種の特権といたしまして他人の土地の使用或いは立入ということを現在でも認めておりますが、これを手続が非常に面倒でありますから、もう少し簡素化すべきである、こういう趣旨で答申がなつております。
 それから電気事業に対する監督的な規定といたしまして命令の制度がありますが、現在におきましては供給規程或いは料金の変更命令、それから地域差調整協定の締結命令、それから融通命令、こういうふうなものが行政命令として公共事業令でも認められておりますけれども、こういつたもののほかに更にいろいろな施設の変更でありますとか、或いは譲渡、借受又は共用、こういうようなことに関しまする協定の締結ということに対しても命令権を置くべきだ。それから電気の託送についても今後又いろいろ問題が起りますので、託送についての協定を締結せよという命令権を留保いたしまして電気の全国的な地域的な融通なり需給を円滑ならしめようということであります。それから更に独占事業としての電気事業の監督といたしまして供給業務或いは供給施設というものに対しまして改善命令をなし得る、特に苦情の申立等がありましたときにそれが適当である場合にはこういうふうな業務をこういうふうに改善すべきである、こういう改善命令の規定を置くべきだと、こういうことになつております。
 それから制度的な問題といたしまして電気事業審議会を置きまして、それで法規的な問題につきましては一応審議会の意見を聞くという制度にすべきである。現在では公聴、聴聞等の制度がございますけれども、むしろ常設的な審議会を設置いたしまして、基礎的な事項については審議会で常に審議するという制度をとつて行く。特にここへ持出されるように予定されますのは、料金の算定基準でありますとか、或いは使用制限に関する省令を出す場合、そういうふうな一種の法規的なものを原則としてかける、こういうことになつております。
 それから聴聞及び苦情の申立の制度は、これは現在でもございまするけれども、審議会を置きました関係で或る程度内容を整理いたしまして、審議会にかけないようなことにつきましては聴聞制度を置く。それから苦情の申立につきましては先ほど申上げましたように新たに法律で規定する、こういうことであります。
 それから最後に公納金の問題でありますが、これも非常に議論のあつたところでありますけれども、一応委員会としては廃止すべきだという結論になつております。で、無論これに対する一部の委員の反対がございまして、公納金に限りませず、特に議論のありましたことで違つた意見につきましては少数意見としていずれもこの答申案の中に書いてございます。
 それからつけたりといたしまして事業法そのものと直接の関係はありませんけれども、新らしい事業法ができれば当然現在の電源開発促進法との関係の問題が出て来ますので、その辺の調整をやつて見たらどうか。
 それから電源開発が進捗いたしまして次第に又電気の原価が上ります傾向にありますので、そういうものに対する対策を十分立てろということが期待されておるわけであります。
 以上が電気事業部会の答申の概要でございます。
 それから次が電気施設部会でありますが、内容が技術的な面とそれから業務監督というふうな意味で少し意味合いが違いますのて部会を二つにしたわけでありますが、法律といたしまして電気事業法と電気施設法と二つに分けるか分けないかということは、これは一応政府に任せられておりますが、まだ我々といたしましても結論を得ておりません。できれば一本にしたほうがすつきりするという気持も持つておりますけれども、一応法文を書いて見ましてそれで果して一本がいいか二本がいいかということをその上で検討しようということを考えております。まだそのところをはつきり肚をきめる段階に至つておらんことをお詫びいたします。一応形式としては別々に書いてありますが、電気施設部会の答申は電気施設法というものが別にできるという頭で書いてございます。併しこれをそういう別にするかどうかということはこれはどつちにしても内容も同じことだから政府に任せる、こういう断り書きがついております。一応そういうふうな頭で書いておりますことを御承知願います。
 それから施設のほうの関係は、電気の施設に関しまするもの、監督その他のところをまとめておりまして、保安上の見地と、それから電気事業自体の合理的な運営と申しますか、そういう面と両方が現われております。
 これにつきましての第一の問題点は、一般需用家の電気施設の保安ということについてどう考えるかという点であります。現在では一般需用家の電気施設につきましても電気事業者が責任を負うということになつておりますが、個々の住宅の内部でありますとかそういう所にまで電気事業者が責任を負うということは少し行過ぎであるという考え方をとりまして、この新法におきましては今までの制度を改めて、電気事業者としては検査を行う義務を持つておる、その程度の責任にとどめまして、実際の維持につきましてはこれは一応一般需用家の責任だ、こういうことになるわけであります。但し一般の需用家は電気に対しましての十分な知識もございませんから、責任を余りに窮屈にすることは酷でありますので、需用家といたしましては検査を受ける義務を負う、こういうことで検査を受けて、これは竣工検査のほかに定期或いは臨時検査等も考えられておりますが、検査を受ければ一応責任は解消されると、こういう考え方であります。
 それから施設法の対象といたしましてどういうところまで施設法の適用を受けさせるべきかという点でありますが、これは事業用の施設が入ることはこれは当然であります。同時に自家発につきましても或る程度以上のものは当然保安の問題もありますし、経済的の問題もございますので、やはり事業用と同じように自家用に対してもこの規制法を必要な最小限度において適用すべきだ、こういうふうな考え方であります。
 それからその次に電気工事人の関係でありますが、以前電気工事人取締規則という規則がありまして電気工事人の取締を行なつておりましたが、現在ではこの制度が廃止されております。併し電気事故というものがなかなか無視できませんので、今後はやはり工事人の免許制度を復活すべきだという意見にまとまりまして、それから制度といたしましては実際工事をやります工事人と、それから工事人の監督下でいろいろな工事をやります見習工事人、この二段制度を考える、で見習工事人から工事人になる、こういう考え方であります。工事人、見習工事人につきましてはいずれも、国家試験をやる、こういうことであります。それから、これは工事人でありますが、工事の請負をなす者、つまり工事業という企業体を考えました場合に、そういう工事をなす業者、企業そのものも規制すべきだという意見もあつたわけでありますが、例えば電気工事業というものの、或いは電気工事の請負業というものの登録制度を置いたらどうかという考え方もあつたのでありますが、これは手数的に言つても非常な行政的の膨脹になりますし、而もその効果というものはそれに比例するほどに上らない虞れもあるということで、登録制度はやめたほうがよかろうということになつております。但し事業そのものの登録はいたしませんけれども、請負をなす人としてはいわゆる工事人としての資格は持つておるべきだと、こういうことで、工事人の資格があれば電気工事を請負つてよろしいという考え方であります。
 それからその次は工事と関連いたすわけでありますが、電気用品の問題であります。現在製造関係を取締規則で以て取締つておりますが、今行なつております製造免許或いは型式承認というようなことが余り徹底的に十分行われておらんというふうな憾みもありますので、その辺のことをもう少ししつかりやつて行く、で製造免許或いは型式承認は今後も存続いたしまして、その上にその承認のない違法な電気用品の販売も取締るべきである、こういう考え方であります。それで今度これは販売を禁止するということを法定いたしまして、いま一つこれを徹底的にしようということになりますと販売店の登録という問題も出て来るわけでありますが、これも非常な大きな手続上の問題がありますので、そこまで行かない、ただ一応違法な電気用品は販売を禁止するというところでとどめておるわけであります。
 それから電気関係殊に施設法の関係の主務行政庁をどうするかという問題でありますが、勿論これは通産大臣の系統であることは問題はないのでありますけれども、地方に行きまして実際の保安上の監督その他については、通産局とそれから府県というものとの問題がありまして、できるだけ府県も権限を持ちたいという意見もかなりございまして、但し府県の中ではそれだけの意思も能力もないという所もこれは電気関係につきましてはございますので、この点につきましてはそれだけの能力のあるものについて考えるということであります。どういうことをそれではやるかということになるわけでありますが、大体この施設法の関係の行政事務といたしましては、例えば竣工検査、定期検査、こういうふうなことを電気事業者がやる義務があるわけでありますが、そういうふうな電気事業者に対する一般的な行政監督ということと、それから臨時に行政庁がその必要に応じて臨時に電気施設の検査をする、こういうこともやり得る途があるわけでありますが、その臨時検査、この二つのことが考えられるわけでありますが、一般的な電気事業者に対する行政監督ということはこれは通産省で統一すべきだ、それから臨時検査の場合は例えば府県におきまして適時検査の必要を認めてやる場合にはこれは府県もやつてもいいだろうということになりまして、臨時検査につきましては府県の実態に応じて権限をこれに任せるということが適当だという結論になつております。それから工事人の試験とかいうことになりますると、これは全国統一した方法でやる必要がありますので、これはすべて通産省が統一的に行う、大体こういう考え方であります。で、委員会の意見といたしましてはまあそういうことなのでありますが、できるだけ実際面で二重行政の弊に陥らないように簡素な運用に注意すべきだということが附加されております。
 それから次の工作物の合理的発達のための勧告及び命令でありますが、これは電気事業法に規定すべきであるか、電気施設法に規定すべきかということについていろいろ議論があつたわけでありますけれども、主としてこれは電気事業者に対する命令になりますので、むしろ電気事業を企業として監督する内容を持つております電気事業法に書くべきであつて、電気施設の合理的な運営とか或いは保安とかいう見地から電気施設法でこういう規定を置く必要はなかろうという結論になつております。
 それから障害防止の措置は、これにつきましては従来規定がございませんで、いろいろ問題も起きておりますが、電気工作物の相互の間或いは電気工作物とその他のものとの間のいろいろな電気的な障害の問題があるわけであります。これがいろいろ関係当局と打合せ等が現在行われております。委員会の考え方といたしましては、一応あとに設置する者がこの障害防止措置についての責任を負うべきだ、こういう原則をとつております。併し又これは個々別々にいろいろケースが違いますので、例えば当事者の一方が電気施設のあります土地の所有者でありますとか、占有者であるとか、そういうふうな場合、それから両方ともが電気事業者である場合、こういうふうな場合には、あとに設置する者が負うべきだという原則で貫くことも適当でありませんので、そういうふうな場合には又協議をするという途も開いておく、こういう結論であります。
 それから最後に電気主任技術者制度でありますが、これは非常に今までにこの制度は効果を挙げております。従つてこの主任技術者制度というものは今後も存続すべきだ。但しこれは国家試験をやるわけでありますけれども、主任技術者の責任と申しますか、或いは権能と申しますか、これを余りに強く考え過ぎるときには、電気事業者の経営の内部にまでも、目的に干渉するということになりますので、これは面白くない、こういう見解が非常に強くございましたので、主任技術者というものが、一応電気施設の維持補修等の責任はあるのでございますけれども、併し会社としての、企業体としての命令系統には服する、こういう考え方であります。例えば主任技術者が適当でないと認めた場合には、政府が解任命令を出し得るようにすべきだという意見もあつたわけでありますが、この点につきましては答申としてはそこまでは入らないということになつております。
 それから最後にガス事業関係でございます。ガス事業のほうは現在公共事業令一本で統制されておりますが、多少答申案の内容は電気事業と考え方の違うところもございます。
 第一に問題点といたしまして、ガス事業の範囲をどうするかという点でありますが、ガスと電気とは大分様子が変つておりまして、電気のように卸供給だけで成立つような事業というものがちよつと考えられないということから、ガス事業の範囲は一般供給に限る。要するに一般の需要に応じてガスを供給するというふうな、そういう形態のものをガス事業として考えるべきだという考え方であります。従つて、例えば製鉄業者等がガス会社にその余剰ガスを供給するものは、ガス事業としては取扱わない。但し準用事業的な扱いは又出て参りますけれども、ガス事業としての取扱はしない、こういうことであります。
 それから現在いろいろガス事業の許可、その他の手続的なものはたくさんございますが、できるだけ手続を簡素化すべきだということであります。必要最小限度やる。この趣旨で、例えば保安基準といつたものをはつきり作りまして、それで保安基準に合つておれば、大体許可、認可等もできるだけ簡便にやる、こういう考え方であります。それからガス事業の兼営の問題でありますが、ガスの場合は当然その事業の性質上、副産物等の関係から、ガス事業以外の事業が兼営される場合が普通であります。これは現在でもそういつたようなものは認められております。従つてそういうことを一々抑えるという趣旨はとつておりませんが、一応兼業する場合には許可を受けさせる、こういうことであります。例えばガスの製造をやる場合に、当然考えられますコークスの販売でありますとか、それからタールの蒸溜でありますとか、こういうふうなことは、ガスと密接な関係のあるものは大体当然やるべきことでありますので、そういうものを一々許可制にするということは、手続上余計なことでありますので、そういうものは初めから包括的に許可を与えておいたほうが適当であろう、こういう意見が出ております。
 それから供給区域の独占に関連する問題でありますが、ガス事業も電気事業と同様に供給区域の独占性は一応認めておるわけですが、ただ区域内で、電気の無点燈地域と同様に、ガスの供給の行われていない地域がときどきあるわけです。そういうものにつきましては場合によつてはそういうものを整理いたしまして、供給区域を減少しますとか、或いは事業の地域の取消をする、こういうことをやるべきだ、こういうわけであります。
 それから供給関係に関する事項といたしましては、料金、或いはその他の供給条件、こういうものの認可制をとるということは、電気の場合と同じ考え方であります。それから更に現在料金は一本の料金になつておりますが、需用の性質上、例えば特殊な大口の需用でありますとかというものに対しては、特定な特約料金で供給する方法も、場合によつては必要であるので、そういう考え方も必要なときにはとれるようにすべきだということであります。
 それから現在の法規では電気と一緒になつておりますが、いわゆる融通命令というのがあるわけであります。これはガス事業法の現行の法規の内容といたしましては適当でない。電気の場合と違いまして、ガスに関しては融通というようなことは先ず考えられないからというわけであります。それから大体供給関係の規定は、現行の公共事業令の考え方をとつていいということでありますが、以前には熱量の測定、ガスの成分に関する検定の方法とか、こういうふうなものが旧ガス事業法には入つておりましたが、こういうことも今後、やはり供給事務を十分果すべきだという趣旨から入れるべきだという考え方であります。
 それから会計関係といたしましては、できるだけこれは電気の場合も同じような考え方が出ておりますが、資本の蓄積が行われるように全体的に考えるべきだ、こういう前提でありまして、従つて社債、投資等も余り無制限にしないで、或る程度の限度を置くべきだということであります。それから償却或いは利益金処分につきましても、必要な場合に或る程度の規制ができるようにしておくべきだ、こういう考え方であります。それから電気の場合に前からもありますが、今度拡張されることになつております一般担保の問題は、ガスに関しましてはこれは関係の委員の多数が必要ないということでありまして、一般担保制度はガス事業に関しては置かないということになつております。
 ガスに関しましても主任技術者制度を置くということは、電気と同様であります。ただ現在では主任技術者というものが、ガス事業全般についての責任を負うことになつておりますけれども、少しその権限の範囲が広過ぎますので、製造と供給に分けて、別々の主任技術者を置けばよろしいという制度に改めたほうがよくはないか。大体こういうような意見であつたのであります。これは勿論国家試験によつて主任技術者の資格を与えられるのであります。ただ電気の場合には、この業務干渉を避ける意味で、主任技術者の解任ということはやる必要がないという意見でありましたが、ガスにおきましては、この点は逆に、やはり解任制度というものは置くべきだという命令をいたしまして、命令違反というふうなことでなくて、解任を指示するという程度で、業務干渉を或る程度回避する考え方でいいのではないか、こういう考え方であります。
 それから準用事業といたしまして、最初に申上げましたように、自家用のガスを他へ供給するというふうなものが出て来ます場合に、これは他に供給いたします場合には、当然保安上の問題もいろいろ出て参ります。設備につきましても、或る程度監督をする必要がございますので、そういうものをよそへ供給する場合には、準用事業として或る程度規制をさせる、但しこれはもうすべて如何なる小規模のものでも適用するということは、少し煩瑣になりますので、どの程度するかということは、これは政令等で或る程度絞る必要があろうと、こういう意見であります。これも規制をいたすと申しましても、許可制をとらないで、一応届出制をとりまして、それでその内容につきまして必要な最小限度の監督をする、こういうことになるわけであります。殊にこの主任技術者というような制度は、準用事業にもこれは適用することにいたしまして、自家発等によつて余り技術的に無責任なことのないように、準用事業につきましてはやはり主任技術者を置いて、十分その技術上の遺憾のないようにさせる、この辺が一つの狙いであります。
 それから公聴会、聴聞、或いは苦情申入制度というものは、これは大体電気の場合と同じような考え方でよろしいということであります。
 それからその他、土地立入り、植物伐採、損失の補償、こういうことも電気と同様に、もう少し手続を簡素化するということであります。
 それからガス事業に関しましては、ガスの使用その他、こういうふうなものに対しまして市町村等との報償契約の問題があります。この報償契約の内容につきまして、しばしば紛議が起きております。それは現在では全然当事者の話合いに任されておりまして、何ら裁定の方法がないのでありますが、これはやはり通産大臣に最終的には裁定させるべきだというふうな考え方がとられました。併し報償契約そのものにつきましては、できるだけ将来これは廃止すべきだ、漸次廃止すべき方向へ持つて行くべきものだという意見が相当強うございました。そういうことも答申案にあります。
 それからこの権限委譲の問題でありますが、これにつきましても特にガスに関しまして、電気と同様に、地方自治体と、それから通産省通産局というものとの関係をどうするかということは、非常に意見があつたわけでありまして、特に地方庁といたしましては、従来電気よりも一層このガスに関しましては、保安の見地から、かなり監督をいたしております。現在でも或る程度の権限は持つておりますが、この際ガス事業者としては、二重監督を成るべく避けて、一元化してもらいたいという意見が非常に強かつたわけであります。この点で結局最終的な結論は出ておりませんけれども、この委員会としては、結論は出さないが、できるだけ、どちらにいたしましても、二重監督にならないようなことを十分考えてもらいたい。こういうことを書いておりまして、結局両方の意見があつたということだけになつております。
 それからこのガス部会におきましても、やはり電気と同様に、この法案の内容と無関係でありますけれども、大体つけたりといたしまして、今年の初めに資源調査会におきまして「家庭燃料合理化に関する勧告」というものがされております。これでこの内容が、ガスの関係におきましては、森林資源対策等から考えて、できるだけ家庭燃料としてはガスを普及さるべきだ、こういう勧告がされたのでありますが、それはまさしくその通りであります。ですから政府におきましてもこの勧告の趣旨に副うように、ガスの普及乃至拡張について、できるだけの努力をすべきだ、これが最後として、つけたりとして加えられておるわけであります。
 で、現在この法案の立案状況は、ガスのほうが比較的早く完結いたしましたので、ガスは大体省内の審議を終りかけておるという程度であります。
 電気につきましては、いずれもまだ公益事業局で立案をいたしておるという程度であります。まだはつきりした外に出せるようなものにまでなつておりません。併し、いずれにいたしましても、九月、十月中に法制局の意見を、審議を終えまして、冬の国会には提出できるようにしたいという考え方で準備を急いでおる次第でございます。
○委員長(中川以良君) それでは次に、電力の需給及び料金関係に移りたいと思います。最初に本年度電力需給計画及び大口電力配当計画につきまして、資料によつて御説明を願います。
 なお大口電力の配当計画につきましては、昨日も本委員会におきまして、硫安工業合理化に関しまして、硫安用の電力の増配を強く要望されております。これにつきまして、昨年度において所要の増配が行われなかつたというような意見も出ておりますので、これらの経緯、及び今後の増配の見込等につきまして、この際御説明を願いたいと思います。
○説明員(中島征帆君) 昭和二十八年度電力需給計画比較表、こういう一番上の標題にあります表につきまして、内容を概略御説明いたします。この第一頁の左半分が全国の本年度の需給計画の総合でありますが、以下これを各社別に、それぞれの計画が載つておるわけであります。全国計で申上げますと、供給力といたしまして二十八年度が四百四十六億キロ・ワット・アワー、こういうことになつております。これを去年と比べますと、去年が四百十六億でありますから八%程度殖えております。これが需用端に参りまして、その真中の欄にございますが、二十八年度が三百三十億、前年度が三百五億と、これだけの違いがあります。それから、その今の欄の下から三行目でありますが、特別大口電力、これが割当の対象となるわけであります。それが去年が百二十億八千七百万キロ・ワット・アワー、これに対しまして、今年が若干殖えまして百二十五億四千三百万、こうういうことになつております。あと各社別の内訳は省略いたしまして、五、六枚あとに昭和二十八年度特別大口電力配当計画というのがございますが、これが本年度の特別大口の配当の内訳でございます。六頁でございます。これが全国計が肥料の特約も入れまして百二十三億ということになつております。この内容の昨年との比較等は、後ほど担当の課長から御説明させますが、本年度のこれから下期になれば電力が減るわけでありますが、この暫定計画を若干変える必要があるか、或いは余地があるかということにつきましては、現在検討中でございます。上期は非常に水の出が良好でありましたので、比較的需給が楽であり、又電力会社の経理も予想以上によかつた。下期はどうなるかということは、本来なれば下期に入り、一、ニカ月を様子を見ないというと、その前に、恐らく上期も豊水だから下期も豊水であろうというふうに想像することは危険でありますので、できるだけそういうことは避けたいと思いますけれども、一応下期につきまして、どういうような需給計画になるかということを、一応暫定計画を基礎といたしまして現在検討中であることを申添えておきます。
○委員長(中川以良君) それでは引続きまして、電気料金につきまして説明を聴取いたします。先ず地域差が従来から賛否両論がございまして、通常国会における今後の法案審査に当りましても、これは大きな問題になることと想像されるのであります。つきましては、現行法による地域差の調整の根本理由となつておりまする、石炭価格の変動が料金原価に及ぼしますところの影響に対しまして、資料によつて御説明を願います。なお実際の支払料金は、超過使用の多少により、地域料金により、更に上廻つておる場合もありますので、地域料金と併せて実際支払料金につきましても御説明を願います。
○説明員(中島征帆君) 資料の七頁からこの料金関係のことになつておりますが、この一番初めの表でございます。これが総括原価を地域的に比較したわけであります。一番上に裸原価単価というのがございますが、これで御覧になりますと、例えば北陸の二円十九銭、これが一番最低であります。それから中国の七円二銭六厘、これが最高であります。裸の違いではこれだけの差がありまして、それをいわゆる地域的に調整いたしまして実際的にはその次の欄にありますように決定料金単価としまして、二円三十五銭六厘と六円六十八銭五厘という程度に幅が狭くなつておる、こういうわけであります。それからその次の欄は、これは全国平均を百とした場合に、各地区がそれぞれどういうふうな高さになるかという指数的な比較でありまして、例えば今の中国と北陸を比較いたしますと、中国が一四八・三に対しまして、北陸は約三分の一の四六・三、こういうふうな比率になつておる。これは原価であります。それから実際の料金といたしましては一四一・一、四九・七、こういう程度なつております。こういうふうな内容を持つておるのでございます。それから下のほうは実際の料金の総金額を書いてございます。
 それからその次、これは昨年と今年との対照の比でありますが、水力調整金としてどれだけ各社が出し、それからそれを火力調整金としてどういうふうに配分して行くか、こういうふうな実際の金額の表でございます。で、水力調整金として各社がその設備に応じまして出すものが、合計で九十三億七千九百万、こうことになりまして、その同じ金額をその次に火力調整の方法によつて各社に分けます。そうすると結局出すほうともらうほうと両方あるわけでありますが、それを差引きましたのが右から二番目の欄の調整差額ということになるわけであります。結局これだけの差額、三角、ここが出し分になるほうでありまして何もないほうがもらう、そのやり取りが合計で五十億程度になる。これだけのものを出し入れをする、こういうことになつております。それを昨年度と比べますと、昨年が四十五億でありますから若干殖えておる。これは本来でありますと、この水火力調整は二十六年、つまり再編成当時の姿でやる、これは個々の開発その他で変えないという考え方をとつておりますので、二十六年、七年というものが違う理窟はないのでありますが、ここで違つておりますのは、このときにございました発電所の帰属が一部関西から北陸に行つたやつがございます、それが関西の単価と北陸の単価が違いますので、この関係でそれだけの違いができた、こういうことになります。
 その次が燃料費との関係でございますが、これはこの表といたしまして全体の関連性を直接には持つておりません。ここの左半分が、燃料費が全体の原価の中にどう占めておるかということを出しておりますが、仮に石炭が一割、或いは二割下つた場合にはどの程度燃料として浮くかというのが真中の欄にございます。それからその右の水火力調整金とありますのは、この前のほうにありましたものの資料をここへ持つて来ておるわけでございます。全然違つておらないわけでありますが、結局これで言わんとしておるところは、仮に石炭が一割下つた場合には、例えば北海道といたしましては、四億二千六百万円ほど水火力調整金としてもらい分になつておりますが、石炭が一割下れば二億九千八百万円だけ更に得する、こういうこと。それから、その次に真中の中部を御覧頂きますと、中部の場合は調整金といたしまして七億一千万円ほど払わなければならん。ところが仮に真中の欄で御覧になりますように、石炭が二割下れば八億五千八百万円ほどそこで利潤が出て来る、従つて水火力調整金で払分は、石炭の値下りによつて十分カバーできる、こういうような姿になる。その関係を一応出しております。必ずしもこの両方に関係があるとは申されませんけれども一応の想定に基く計算をやると、こういうことになつております。
 それから、その次の細かい表は、これは大口電気使用者の実際に支払つておる電気料金がどのくらいになるか、平均単価においてどうなるかという実際の姿を、これは地区別に抜取つて試算いたしておりますが、需用家の名前は書いておりませんが、業種だけをここにありますように石炭その他別々に出されておる。これで御覧になりますれば大体……、例えば石炭でありますと昨年度の第四四半期が九州において或る業者は二円七十四銭、或る業者は三円六十三銭とある。この二円七十四銭と三円六十三銭との差額は、これは結局火力を余計食つているところが高い、こういうことになるのであります。
 それからその次の十二頁の表でありますが、これは現在実行いたしております料金の算定基準になる総括原価であります。これは昨年の五月に改訂いたしておりますが、この総括原価に基きまして現在の料金が組立てられている、こういうわけであります。一番上の欄の、収入の欄の電燈とそれから電力と二つありますが、この合計を見ますというと、電燈の料金収入が六百七億、それから電力が八百四十七億、こういうふうな計数になつているということがわかるわけであります。結局全体の総経費といたしましては一番右の欄にございますように、千四百四十七億というのがその当時の予想された総括原価であります。
 それから次の表は、これは勘定科目が変つたので、その新らしい勘定科目によつて今の原価を整理したというだけでありまして、これは内部的なものであります。
 それから十四頁に昨年度の収支の実績がございます。収入が千七百八十六億、それに対しまして支出が千七百五十八億、差引二十八億程度の処分合計の利益だ、こういうことになつているわけであります。この中で渇水準備金がどうなつているかということが、今の支出の一番下から右のところに、渇水準備引当金というものがありますが、トータルが五十五億四千万円、こういうことになつております。各社の内容は各社別の数字で御覧を願います。
 それからその次が今年度の収支予想でありますが、これは今年度の需給計画を立てましたときに計算いたしましたものであります。今年度の需給計画は過去十カ年の出水率の平均をとりまして、それを平水というふうに想定いたしまして、その平水で全国の需給計画を立てまして、その平水でやつた場合に現行料金では電力会社の収支がどうなるかという想定であります。これでは合計欄にあります通りに、年間におきまして百九億のマイナスになる、こういう数字が出ております。その内訳は、上期が八億の赤字で、下期におきまして百億余り赤、こういうことになつております。従つて今年の下期というものが平水であれば電力電気事業としては非常に苦しい計上をしなければならないということが予想されておつたわけであります。こういう想定をいたしましたが、現在までのところは出水率の関係から比較的まだ上期の予想がはつきりしたものがとれておりませんが、相当な黒字を出しております。ただ各社、地域によつて非常に差がございまして、非常に有力なところも、或いは割合に水の出が悪く、収支のそれほどよくないところもありますが、全体的に見まして、恐らく利益配当をいたしましても下期に出し得るものが二、三十億程度はあるのじやないかという一応の予想をいたしておりますが、これはまだはつきりしたことは
 つかめておりません。
 それからそのあとに資料が二種類ございますが、特約料金制度と、それから深夜電力料金制度、これは特約料金は北陸電力、それから東北電力で推進いたしております。それから深夜電力の制度は関西電力が主として行なつておりますが、いずれも考え方といたしましては、火力と水力との抱き合せによりまして需用家に負荷調整をやつてもらうことを代償にいたしましてできるだけ火力を安く供給する、抱き合せた電力料金を一本にきめておりますが、
   〔委員長退席、西川彌平治君着席〕
そういつた考え方によつて需用家としては負荷調整をやる代りに比較的総括的に安い電力が使える。電気事業者といたしましては負荷調整をやつてもらつて区域の調整が楽になると、こういうふうなことになるわけであります。これはいずれもこの内容につきましては当局の御承認を得まして、実際の実行は電気事業者と需用家との個々の契約に基いてやつておるわけであります。これも内容につきまして若し必要でありましたら、お話を申上げます。
○委員長代理(西川彌平治君) 最後に特約料金につき調査をいたします。特約料金制は各社により幾分の差がありますようでございますが、本制度の狙い及び本制度の採用により電力割当制度を廃止する意があるのかどうかについて御説明を頂きたいと思います。
○説明員(中島征帆君) 特約料金制度の内容につきましては後ほど又別に説明をいたさせますが、狙いは先ほど申しました通りでありまして、負荷調整をやつて水、火力の総合した料金をできるだけ安く提供しよう、こういうことであります。これがだんだん普及いたしますというと、要するに一本料金化して来るということになるわけでありますが、将来、例えば来年度におきまして割当制度をどうするかということは目下研究中でありますが、我々の気持といたしましては、本年度すでに
   〔委員長代理西川彌平治君退席、委員長着席〕
百万キロワットに及ぶ新規電源が開発されますので、二十九年度においては電気の供給も楽になる。そうすれば来年度に入れば或いは割当制度というものは全然撤廃できるのではないかという考え方で研究いたしております。但しこれも果してそこまで自信を持つて行けるかどうか、更に各社別にいろいろ事業が違いますから、一律に一挙にできるかどうかという点につきましてはなお疑問があるのでありますけれども、一応そういうふうな目標を持つて現在研究いたしております。その場合におきましては大口に対します現在のような割当制度を廃止するというふうにいたしまして、それで料金もおのずからそういたしますと一本料金ということになるわけでありますが、一本料金化した場合に需用の状況によりましてはいろいろ又問題も出て参りますが、そういう点をどういうふうに考えるかということにつきましてはまだ明確な結論を得ておりません。それから一本料金化する場合に、現在やつておるような特約料金がどういうような関係になるかということでありますが、一本料金化という場合に一つの方法といたしまして特約料金的なやり方をどんどん推し進めるというような考え方も考えられる。併しこの現在やつております特約料金は一応考え方といたしましては役所の承認を得ておりますけれども、その内容は契約に応じて若干違つておりますので、これがそのまま新らしい電気料金制度としてそのままそれを引継ぐということは適当ではないと思います。従つて一本料金を考える場合には、現在やつております特約料金制度というものは一つの参考にはなりますけれども、それをそのままそこまで入つて行くということではなくて、やはり別個の見地から料金制度というものを考える必要がある、そういうふうに考えております。
○委員長(中川以良君) それから先ほど御説明中に御発言のありました、大口電力の配当計画について、殊に硫安の問題につきまして課長より説明をいたさせると申されましたが、それを一つ。
○説明員(森崎久寿君) 只今お配りしました資料の六頁を御覧願いたいと思います。この六頁に昭和二十八年度特別大口電力配当計画というのがございます。これの一番右側の全国の計を御覧願いたいと思います。真中あたりに化学肥料といたしまして二十九億七千四百万キロ・ワット・アワーという数字が出ておりますが、これが肥料に関係するところの割当でございます。それ以外に、一番下の総計の一つ上でございますが、特約といたしまして括弧して化学肥料と出ております。これが特約ベースによつて特別に割当てられたもので、この二つを加えました数字が化学肥料に対する本年度の割当というふうにお考え願いたい。全体の割当が百二十三億でございますので、この二つを足しました数字が約三十四億七千万キロ・ワット・アワー程度になりますので、全体の割当量の二八%が化学肥料関係に割当てられるということであります。我々といたしましては電力の割当によりまして一番大口の割当分をきめているというふうにお考え願いたいと思います。硫安のような化学肥料関係の割当を今年はどういう考え方でやつたかということでございますが、これは他の部門との関係もありますので、本年度の特別の大口電力に対する配当の大ざつぱなことにつきまして御参考までに申上げておきます。この大きな特別の大口電力の配当の中で大きく問題になりまする事業は、化学肥料部門以外に公共事業、例えば国鉄、私鉄、港湾関係或いはガス関係といつたような方面の公共事業のほうの関係がございますが、やはり電力を非常に消費いたしますところのアルミニユームの関係、それから石炭とか鉱山の保安電力の問題、こういつたものが非常に問題になる部門でございます。これに対しまして本年度は公共事業につきましては、本年度の電力消費の需用想定というものをきめまして、それの約九〇%を確保しようという考え方で進んでおります。それからアルミニユームの二十八年度の生産計画というものを基準にいたしまして、それに見合う電力の九五%程度のものを確保するというような見通しでやりましたが、実際問題といたしましては、昨年の割当量と余り変らない数字に落ちついたわけでございます。それから石炭とか鉱山の保安電力につきましては、これは保安関係でございますので、所要量にテン・パーセント加算いたしまして、そうして全般的な圧縮率によつて圧縮して割当てるという特殊の考慮を加えたわけでございます。さて残りました化学肥料部門でございますが、この部門につきしては昭和二十七年度に使いました実績がございますので、その実績に対しまして五千万キロ・ワット・アワーをこれに増加配分いたしまして、そういう形でこの割当をいたしたわけでございます。もう少し詳しく申上げますと、肥料全体に対しまして昨年の消費実績は三十五億九千万キロ・ワット・アワーということになつております。それに対して五千万の割当をいたしたわけであります。その割当によつてこれは含めておるわけでございます。それ以外の大口の需用業種はどういう形になつておるかということでありますが、これは原則としまして昨年よりも圧縮を加えまして、今年の計画から比べますと平均七割五分程度の圧縮を加えられておるというふうな形でありまして、昨年の消費実績よりも、平均しまして約五%減少というふうな形になつております。従つて一般業種の方面におきましては相当な圧縮が加えられたわけでございますが、先ほど申上げました肥料関係、石炭保安関係、或いは公益事業関係につきましては特別の考慮を払うという結果になつておるわけでございます。
○説明員(森誓夫君) 只今特約料金制度は会社によつて違つておるのではないかという御質問がございましたが、その点についてお答えいたします。「特約料金制度の実施要領」というのが先ほどずつと御説明いたしました最後のところに出ておりますが、最後から四頁前のところから始まつておりますが、この実施要領は省議決定としましてどの電力会社であるかを、問わずこの要領によつて実施するということにいたしております。相違があると目につく点は恐らくこの特約電力量の問題とその特約電力の料金額の問題、この二点についてであろうかと思うのでありますが、その点について若干御説明をいたしたいと思います。特約電力量のきめ方につきまして、第一頁と申しますか、最初の区切りの頁の半分のところの、下から四行目に「実施方法」とありまして、そこに書いてございますが、特約契約対象需用家に対する需給契約電力量、特約電力量ということですが、これは当該需用家の割当電力量に追加電力量に該当するものを加える、それに更に負荷調整の態様に応じて捕捉可能と認められるような特殊電力量に該当するものを加算してきめるということでございまして、或る需用家が特約制度に入る前に持つておりました一つの割当電力量というもの、それから又従来の需用家の実績から見ました追加電力量というもの、実績と申しますか、一つの割当需給計画作成のときに予想されておつた追加電力量というものがございます、それを加え、更にその工場の特殊電力量、特殊電力的なものを捕捉し得るような態勢に応じてこの量が増減して参りますが、そういうものを加えて行くのであります。捕捉可能と認められる特殊電力と申しますのは、例えば昭和電工のごとき工場は、特殊電力が発生してすぐ使つてもらいたいと電力会社から言つた場合には、もう五分以内でその特殊電力の受入態勢ができる。極めて敏速な受入態勢ができるのでありますが、こういうところはたくさん特殊電力が使える。それから電気銑のような工場は、どうしても二日くらい前から予告しておかないと特殊電力を使えないような、非常に身動きが重い工場であります、こういうところはどうしても特殊電力はそう簡単に使えないというような、会社の事業の種類によりまして特殊電力を捕捉し得る量が違うわけで、そういうようなものを加算したものを以て特殊電力の契約をいたします。これはその契約童だけは電力会社が必ず供給しなければいけない義務を負うわけでありまして、これは最低限度でございまして現実には特殊電力的なものはたくさん出ましてそれを火力で或る程度与えることができた場合には、それ以上のものを需用家が更に消費できるという事実が起り得るわけでありまして、実際はそれが又特約電力契約の妙味でもございます。こういう考え方で特約電力量をきめておるのでありますが、実際の場合にはそれぞれの要素が違つておるために数字は違つて来るかと思いますが、考え方の根本はこういうことであります。
 それから料金のきめ方も次の頁の最初の半分のところに「料金」というのが書いてあります。上から四行目でございます。ここで書いてありますことをかいつまんで申しますと、料金は、一応先ほど申しましたような考えで特約電力の量をきめるのでありますが、それに含まれております割当電力量或いは追加電力量と特殊電力量、このそれぞれについてすでに或る単価がきまつておるわけであります。これはまあ全般的な今年度の料金単価をきめるときにこういうものがきまつておるわけでありますが、それを掛けまして金額の総額を出します。で、これがまあいわゆるエナージ・チャージ、電力量に関する料金であります。次にリマンド・チャージ、需用電力の料金というものも計算して出します。その合計したものを特約契約の電力量で割りまして一キロ・ワット・アワー当りの単価が出るわけであります。こういう考え方はいずれの電力会社であるかを問わず共通でありますが、この場合も追加電力量の割当が電力会社によつて違つております。或いは又ここに盛り込みまする特殊電力の量も又需用家の態様に応じて違つて参りますので、必ずしも同じ単価が常に出るということは言えないわけでございます。そういうわけでございまして、基本的な考え方に相違はないものと考えております。
○説明員(中島征帆君) 先ほど特約料金につきまして水火力を全部総合いたしまして特約料金をきめるということを申上げましたが、火力の問題は深夜電力のほうの制度の中で考えられておりまして、特約料金を実施しております。東北、北陸の地域は水力地域でありまして火力の調整ということはなくて、特殊電力をどういうふうに捕えてそうして合理的に料金を出すかという狙いでありまして、先ほど私の御説明いたしましたことと若干違つておりましたので、訂正さして頂きます。
○委員長(中川以良君) それではこれより一つ御質疑をお願いいたします。
○海野三朗君 この電力の料金の問題でありますが、我々うちで電燈に使つておる電力の料金と工場で使う電力の料金とどういうふうになつておりましようか。
○説明員(中島征帆君) これは各地域によりまして電力会社の料金が違つております。それは先ほど申しましたように、地域差調整で或る程度幅を狭めておりますが、併しながら安いところと高いところの開きは三倍近く出て来るというわけであります。併しこれは電燈用の電燈料金といたしましては、できるだけこれは一般の必需でありますので開きを少くするという趣旨におきまして電燈料金は各地域との差額は非常に狭くなつております。地域差というものが主として電力用の料金につきまして出ておるということが全体的な考え方であります。
○海野三朗君 一キロ当り電燈に使う料金と先ず同一地方につきまして工場で使う一キロとはどのくらい違つて来ますか、値段が……。
○説明員(中島征帆君) これは地域によつて違いますが、例えば東京の例をとります。電燈料金は需用料金と、それからアワーに対しまして取る、電力量に対しまする料金と二つあるわけでありますが、電力量に対しまして取る料金を見ますというと、これは定額電燈の場合と、それから従量電燈と違いますが、従量で申しますと、従量電燈のキロ・ワット・アワー当りの料金が、東北でございますが、七円九十六銭、こうなつております。それから電力料金、大口電力につきましては、これは又いろいろな点がございますけれども、一番安いいわゆる大口線、特別大口、一番大きい電力であります。この場合は一円六銭ということになつております。
○海野三朗君 電気に違いはないはずであるのに、大衆向けのやつが値段が高くて大口電力のほうが安いというのはどういうわけでありましようか、趣旨を御説明願いたいと思います。
○説明員(中島征帆君) これは使われる需用の性質にもよりますけれども、理論的に申しますというと、大口電力の場合と、それから家庭に使います電燈ということを比べますというと、例えば配電費等において非常に違いがあるわけであります。大口のものは一本まとまつて或る小さな場所に使つてしまうということになるわけでありますが、一般の電燈につきましては非常な広い地域に亙つて細かい配電線で供給されるという関係になつておりますので、主としてそういう考え方から電燈用が高くて電力用が安いという結果になつておるわけであります。
○藤田進君 関連してですが。勿論そういう要素はあるでしようが、併しそういう投資計算の面から、電燈が高くて電力料金のほうが安いという、それは樺かなウエイトじやないでしようかね。例えばその投資計算から言えば、電燈設備は、御承知の通り、そんな五年や十年でなくなるわけじやない。それから電力のロスの面から、それじや論じて見ても、ロスがそういうこういつた末端サービスで大きい、従つてそれだけ料金に織込む、こういう理窟もあるわけだが、これも僅かなものなんで、結局やはり政策じやないでしようかな、そういう科学的なものじやなしに。
○説明員(中島征帆君) この配電費も相当違いますが、その他の検針にいたしましても、それから集金にいたしましても、細かい需用家に対しましては非常に大きな手数があるというようなことも一つの違いになります。それから只今ちよつとおつしやいましたように、政策的な意味もあるかと思いますが、生産用に使われまする電力料金が余りに上るということは、これは工業政策上は適当でないという考え方もありますが、そういうふうな気持も或る程度は働いておると思いまするが、基本的には実際のコストの違いというふうに考えております。
○海野三朗君 只今の御答弁でありますが、広い地域に亙つておる、こういうお話でありましたが、そうして見れば、設備費、そういうふうなものも電力料金の中に入つておる、こう言われるのでありますか。私はその差額が非常に違う、換言すれば大衆の犠牲におて工業を助けて行つておる形ではないか。電燈料金が一般大衆には割合高く電気を売付けておつて、大口の需用者に安くやるということは、電気そのものには何らの変りはないはずである、それであるのに値段が何分の一という廉価で提供せられておるのは、大衆を犠牲に供しておるというふうに見て差支えありませんか。その辺の御説明を承わりたいと思います。
○説明員(中島征帆君) 電力料金のきめ方は原価主義を原則といたしておりまして、そういう見地から先ほど申上げましたような理窟になるわけでございまして、例えば電燈用の供給を確保するためには、これは電燈は夜間使われることは御承知の通りでありますが、特に夕方等のピークが非常にこれで高まるわけであります。そういう場合にそれを十分供給するためにそれに応じるだけの設備、発電設備というものを十分備えて置く必要があります。そういうことを考えますというと、どうしても一般供給の電燈用の電力のコストというものがおのずから高まらざるを得ないということになるのでありまして、特に一般需用家に比べまして不当に電力用の産業に対しまする負担を転嫁しておるというふうなことは考えていないわけです。
○藤田進君 関連してですがね、それはやはり局長は専門家ですが、科学的にそういつたコスト主義でそれが必要だと言われているのですが、私はもうむしろ政策面で……、アメリカの例えばパシフイツク・ガス電気会社のような料金システムだとこれはもう電燈でもかなり地域差をつけているのですね、末端では。併し日本の場合には総括原価で抑えられているでしようけれども、併し種別単価というものは相当違う。これは現実問題を挙げて見ても、高圧線から変圧、トランスなどですぐ低圧下して配線しておるということなんで、或るところまではやはり電力、電燈にかかわらず同一設備でやります。そうして殊に都市などの例ですが、まあ都市が需用が大きいわけですが、こういつたところを見ると、そんなに科学的な、いわゆる先ほど言つた投資面から、その設備から来るコスト高というものが、今の例えば東北では八円と一円、八倍ぐらいな単価の違いでしよう。これはやはりどう説明して見てもそういつたことの数字的な説明はこれは無論できない話なんだが、まあ併し政策単価だと言わざるを得ないのですね、やはり説明がつきますかね、それで、具体的に。
○説明員(中島征帆君) 今の点もう少し数学的に担当の業務課長から御説明いたします。
○説明員(生駒勇君) 只今のお話でございますが、局長の説明に補足して御説明いたします。総括原価の配分については御承知のように個別原価計算規則というのがございまして、それによりまして個別原価を定額電燈、従量電燈、大口電燈、電燈と電力に分けまして、その更に電燈の中から定額電燈、従量電燈、大口電燈、それから電力の中におきます小口電力、大口電力甲乙丙、特殊電力というふうに分けてあるわけでございます。まあこの分け方につきましてはお話もございましたようにいろいろ学説等もございますようでございますが、現在私どもがやつておりますのは原価的に見まして一応電圧別にそれを分けまして、更にそれを片側の種類別に見直しまして、これを両方の何と申しますか総合したような恰好で分けたということでございます。お話のように総括原価がそれでは電燈でどのくらいになるかと申しますと、一応二十七年度の原価におきましては電燈におきまして六百七億の料金収入を見込んでおるのでございます。これに対しまして個別原価は五百八十二億という数字になつておるわけでございます。それから電力のほうは八百三十九億を予定しておりますが、原価は八百六十五億になりますという点におきまして多少今お話もございましたような電燈に過大にかけられておるのではないかというような御質問が出ると思うのでございますが、これはいずれも想定追加率を含んでおりますために、想定追加率によりましてこの原価配分がどうにでも動くという恰好になつてしまうわけでございます。従つて今申上げました原価的な説明は飽くまで想定追加率が最初私どもが予定した通りであつた場合のお話でございまして、それを実績から振返つて見ますとこの計画通りの原価にぴつたり合つておらないという点もございますが、現状におきましては今申上げたように原価的にこれを仕分けをいたしまして作りましたものでございますので、それほど政策的に非常に電燈にかぶせ過ぎておるという議論よりは、実際上電燈のほうに仕分けをして参りました場合に、電燈なり電力なりの想定追加率との関係で問題になるというような点が問題になるのではなかろうかと、かように考えておるわけでございます。
○海野三朗君 只今のお話承わりましたが、要するに電気に、電燈の場合も電力の場合も違いないんでわないか。電気そのものは、それで以て電燈のほうが料金が高くなつておるのはどういうわけでございますか。それをお伺いしておるのであります。つまり大口のほうには安く売つておるのじやないか、つまり大衆の犠牲においてその大口をやつておるのじやないかというその点を今伺つたのであります。これが第一点。
 それからこの水力発電の場合におきまして水利権というものはどれくらいに見積つておられるのでありますか。水利権はただ開発会社にくれておるのかどうかというところも伺いたい。こう思うのです。
○説明員(中島征帆君) 初めの点でございますが、只今いろいろ説明いたしておりますけれども、例えばこれを一つ例示的にお考えになつて頂ければ御了解願えると思いますが、いわゆる特殊電力というのがございまして、雨が非常に降りましたときにわあつと電力が出るのでありますが、そういうものは当然安いわけであります。なぜ安いかと申しますとそういうものはコストも雨の関係で下りますから安くなるわけでありますが、そういうものを使い得るということがこれ又少いわけです。こういうようにそれを使うといたしましても使う方法がないわけでございます。そういうものを使つて水を無駄にしないというときに当然同じ電気でも安くなるということがある。それと又性質は違いますけれども、大口の電力とそれから電燈用というものが電気の使い方そのものにおいて大分違います。それが実際のコストの問題でも出て来るわけです。そういう関係からいたしまして相違が出て来る、こういうことになるわけでございます。
 それから水利権の問題でございますが、これは水利権に対しましては県知事が許可するわけでございますけれども、水利使用料というものは払つております。それから例えば某社が水利権を持つておりまして、それを次の別の会社に譲渡すという場合に、どういうふうに水利権を算定するかということはこれはその場合々々によつて違いますけれども、普通に考えられまするのは或る企業体が水利権の許可を持つておりまして、そこで水力電気を開発するという意図の下にそれからそれ以後いろいろ調査するわけであります。そういうふうな調査に要する費用というものがこれは水利権がだんだん具体的になりつつあるという姿でありまして、それを捉えまして調査費というものを入れて水利権の譲渡であるというふうなことも行われておる、そういうふうな考え方もあるわけです。それから実際の原価に対しましては例えば水利権を買収いたしました場合にはそれが発電の建設費となつて中に含まれて参りまして、それがコスト計算の上に出て来るわけであります。それから実際上水利権を持つておつてもそれほど経費もかけないで発電をしたという場合にはおのずから水利権としての金額も原価計算によつて出て来るものは小さくなる、従つてこれは場合々々によつて違うということになるわけでありますが、実際問題といたしましては大体水利使用料を除きましてはその水利権をもらつて、開発の準備に着手してから実際建設が終るまでの費用というものが、全体的にコストにかかつて来るわけでありまして、そこの中に建設費の一部として水利権というものも入つておるというふうに考えておるわけであります。
○海野三朗君 私がお伺いしたところにはぴんと来ておりません。水利権というものは認可した、しないという問題ではありませんで、水利権というものは無限の宝であります。その無限の宝を国家がつまり認可してくれたという、そのことがすでに間違つておるのではないか。その水利権というものは天然資源である、その天然資源の利権である。それでありますからそれは今までも政府当局が何とも考えずに、つまり水利権ならその水利権をただくれるというようなふうにやつて来られたのでありますが、そういうふうな水利権をただ零に見て、いわゆるただくれるというようなことは間違つておることではありませんかということを私はお伺いしたのであります。
○説明員(中島征帆君) その点は先ほど申しましたように水利使用料ということで国からもらつた水利権に対します代償を払つておるわけであります。
○海野三朗君 その水利権というものはつまりただ見ておるわけでありましようか。ただ水利権を幾らだということにおいて、国家にその電気会社から金を納めさせておりますか、いませんか。私はこの発電のほう、只見川の工事にいたしましても、天から降つた雨は何もその会社に特別にくれたわけじやないんだ、それをその水利権というものがその会社にただくれておるのではないか、その点については政府当局としてはぼんやりただ考えなしにやつておるのかどうか、そのことがすでに根本義において間違つておる思想ではないか、こういうことを私は今伺つておるのです。
○説明員(中島征帆君) 水利権の附与設定は府県知事がやるわけでありますが、設定以後水利使用料というものを各社が払うわけです。それは一馬力幾らというような料金がきまつておりまして、それに相応する金額を県に納めるわけでありますが、それが水利使用に対する代償ということになるわけでありまして、全然無償でこれの水利権を使わしておるという結果にはなつていない。
○海野三朗君 先ほどのことをもう一度お伺いしたいのは、その料金の問題でありますが、一方では八円だ、一方では一円幾らだというのでは余りそれは誰が見たつてね、誰が見たつて大衆の犠牲においてやつておるとしか考えられないので、その点については、政府当局はそのままでいいというお考えであるか、今後これを是正して行こうというお考えはないのか。それをお伺いしたい。
○説明員(中島征帆君) 料金制度そのものを考えるべきときが参りましたら、無論そういうことも考え直す必要があると思いますが、併し現在の考え方そのものが原価主義によつておりまして、その原価主義と申しましても計算方法その他考え方の相違でいろいろ違つた数字も出て来ようかと思いますけれども、一応原則的には原価主義で出された料金でありまして、その限りにおいてはあの考え方を根本から違つたふうに考える余地はないんじやないかと思いますが、これは又一つの問題でございまするから、次の料金制度そのものを研究するときにはあれを又もう一遍再検討するという必要はあると思います。
○海野三朗君 只今のお話わかりましたが、これをもう少し細かく申しますと、電燈料の場合でありますね、どこの電燈もドロップしておるのであります。それなのに料金だけは容赦なく電気会社が取つておるのです。それは実際計つて私は見ておりますから、六十燭光だといつても六十燭出ていない、送電されていない。それだけれども料金だけはちやんと大衆から取つている。それから又大口の工場で使うやつは皆メーターが付いておりますからきちつと行きましよう、何キロ何百と。いわゆる大衆の場合には電燈会社が裁量をして売つておるわけです。大口のほうは規定通り売つている。それだのに大衆のほうが高い。そうして大口のほうが安い。それは幾ら弁護なさつても、電気に違いはないのでありますから、私はそれが根本において不合理ではないか。その点の御説明をもう一遍承わりたいと思います。
○説明員(中島征帆君) 現在まで電源開発の進捗がまだ十分行われておらん時期におきましては、需給関係が非常に苦しいために電圧低下でありますとか、周波数、サイクルの低下というようなことが頻繁に起つております。これは甚だ電気事業者としても申訳ない話でありますが、そういう場合に、これはメーターがあります場合には当然それに応じて料金は安くて済むわけでありますが、例えば、一般の定額制の電燈需用家というような向きに対しましては、電圧低下などに対しまして、供給規程上は救済の方法がないのであります。その点はおつ上やる通り片手落ちの恰好になつておりますが、これは電気の需給関係が正常に復したならば当然元に戻るはずであります。併し、だからといつてこれを放任しておくということは適当でありませんので、先ほど説明いたしました法令改正審議会の答申にもありますように、新らしい電気事業法におきましては、サイクルとか或いは電圧というものについて、或る技術的に必要な幅は設けるにいたしましても、これを維持する義務を課する。従つて別に理由がなくて一定の線を落した場合は、これは当然電気事業法違反として罰せられるという制度にすべきだと考えております。又その際に電気事業者としても今度は民事的の責任ということもこれは当然とる必要があるわけであります。方法がありましたらそれに応じた料金の割引等も考える余地があると思います。現在の供給規程は定額制の電燈につきましては、一定の時間以上の停電があつた場合には、その時間数とか或いは日数に応じまして料金を割引くという制度はございません。こういう点をもう少し徹底的に考えるという必要があると思います。
○海野三朗君 私はもつと質問がございますけれども、私ばかり質問してもおられませんから、本日は先ずこれを以て次の御質問のかたに譲ります。
○白川一雄君 私電力のことにつきましては深い知識がありませんが、今の御説明を聞いておりますと、電力が足りないので、これの需給調整をしなければいかんということはわかりますが、或る産業には他の産業に比べて高率の割当をし、且つ低料金で与えるということは、電力の配当割当ということが交付金的性格を持つたような感じがするのであります。電力を供給することによつて、産業を左右するということが、果してそういう姑息、不公正な方法によつて産業を統制するということがいいのか悪いのかということに非常に疑問を感ずるのであります。又硫安の問題に関連しても考えさせられるのでございますが、二百何億という金をかけて合理化を図る一方では、電力を多量に供給するということにして五十万トンほどの輸出を図るという事柄をやるが、それだけの特別の扱いを一般産業のほうにやれば、五十万トン硫安を輸出したよりも外貨を獲得できる線が生れるのではないかというような疑問が起つて来る点もあるのでございます。ですから、この電力の割当というのが交付金的性格を帯びたものではないかということが一つ。そういう意味かどうかをお尋ねいたしたいのと、それから又電力料金のことも、使用者ごとに差異がある、産業の業種ごとに違いがある、企業ごとに違う、又毎月相当の違いがあるというような電力の料金のきめ方は、現在の経済組織の下における価格の本質にもとつておるのじやないか。又企業活動を非常に不安定にし、公正な産業の競争を阻害するということになりはしないかということがこの料金について考えさせられるのでございますが、こういうふうにやつておりますと、九分割された電力会社の趣旨は、恐らく各個々に非常なる企業力を発揮して各地方々々に電力を開発して安い電力を供給するという目的で分割されたものだろうと思いますが、こういう事柄によつて統制されますと、各電力会社の自主性というものが少くなつて、能率化への意欲が私は失われることになりはせんか。又水利権を取りましても、水利権を取るということは、早く開発して一般大衆に電力を送るというのが目的なのでございますから、
   〔委員長退席、理事海野三朗君着席〕
取つた権利の上に眠つて、開発しないで権利としていつまでも保存するというようなことが起つて来るということは、非常な企業に対する妨害になりますので、この割当制度とか、或いは賃金価格のきめ方ということについてはもう少し根本的な有効適切な方法を御当局としては考えなければならないのじやないかという、こういう点を、御説明を聞いておる間に感ずるのでございますが、これに対して御当局の御批判を願いたいと思います。
○説明員(中島征帆君) 只今の割当制度の性格でございますが、今の標準料金の特別大口に対する割当ということが交付金のようなことになつておるという点は誠におつしやる通りでございまして、我々もこれは本来の電力割当、或いは電力の統制ということから考えて、むしろ横向きにそれておる結果になつておるということは非常に遺憾に思つておるのであります。従いまして我々といたしましてはできるだけこういうような制度を撤廃する方向に持つて行きたいと思つておりますが、現在の制度におきましては、特別大口の場合には標準料金を払う電力の割当を行なつておりまして、これはこの割当をやる場合には各業種公平にやるということでやつておりますが、一旦これが配当されますというと、今度は業種別に標準料金以外の追加料金、これは非常に高くなるわけでございますが、追加料金を出しても更にもう少し電気を使つて生産を上げたほうがよろしい、そういうような種類の事業と、又製品のコストの関係から、例えば肥料のごときはその最も典型的な例でありますが、標準料金以外に更に追加料金まで食つて電気を使うということは非常に不利であるという、そういう業種と二つあるのであります。それから又別な面におきましてはいわゆる特殊電力、特に不時に出ます水を利用します特殊電力を十分こなせる産業とそうでないのがあります。特殊電力は安いわけでありますが、そういうふうに産業の業種によつていろいろ生産のやり方が違つて参りますので、従つて電気の食い方も違つて来るわけであります。そうしますと、仮にこれは行政上の下手な点がありまして一〇〇%公正には参らないかも知れませんけれども、一応公平に割当てられたけれども、今度は電気を実際に使用しますという面からしますと、業種によりましては追加料金を払つて余計使うというものと追加料金を払つてやつては非常に不利であるという業種がありまして、平均した電力料金というものは当然違つて来るわけであります。従つてこれは同じ業者の中でもまあ企業別にそういうふうな違いが出て来るわけでありますので、これは一応配当は公平にやりましても実際使つておる電気の平均の料金というものが企業別に、或いは時期的に違うという結果になることは、これは現在の制度としては止むを得ないわけであります。併しいずれにいたしましてもそういうふうな標準料金制度、或いは割当制度ということがあるために、それが結果において補助金的な性格を持つ面がありまするものですから、その割当を取るために非常に各需用部門に大きな奪い合いがあるわけでありまして、この点は需用者も又電気事業者も我我も非常に面白くないことだと思つております。で、できるだけこういうことがないように早く撤廃したいのでありますが、先ほど申しましたように、今年度新らしく開発される電気が約百万キロございます。そうしまして来年、再来年もやはり同程度のものが現在の開発計画によつて追加されるわけでありますが、従つて一年々々と需給関係が楽になるわけであります。で、完全に需給のバランスがとれるのは五カ年計画によりますというと、昭和三十二年度ということになりますけれども、そこまで供給力が殖えないでも、もう来年ぐらいには或る程度の需給関係の、需給の違いというものがあつても相当緩和されたら、もうすでに割当制度というものは撤廃してもいいのじやないかというふうな気持を持つております。できるだけその方向に持つて行くように今研究いたしておりますが、これを撤廃いたしますということは、結局電気料金、現在あります標準料金と、それから追加料金というふうな、こういう二段制度の料金制度というものが全部一本化いたしまして、すべて同じ料金にしてしまう。で、これに一本化と申しましても電気の使い方等によつてこれは当然、現在大口と小口の差がございまように、いろいろ料金制度上多少の違いは出て来ることはありますけれども、業種的に違うとかいうようなことは成るべくないように全部同じ料金で行けるようにしたい、こういうふうに考えておるわけであります。
○白川一雄君 今承わつたような形になることをまあ非常に熱望して、ただ今のうちに追加料金を払つても仕事をやるという企業体の実情ですが、非常に利益を挙げて、電気料金を払つても仕事を殖やしたいというのと、或る程度電気を殖やしてもらつてやらなければ仕事が維持できないのだという、経営上の性格に違いがあるということについて、当局も細かくいわゆる下情に通じて頂かないと困るのじやないかということと、通産省の門をくぐることも知らない小さい企業家が電力不足のために非常に喘いでおるものもある。大口の人は政治力もあり渉外力もありますので、役所等にもうまくお願いに行く筋を持つておるかも知れませんが、そういうもののない非常に小さい企業がたくさんあるのだというような点をお含みの上、電気の割当等ということについてもお考えおき願いたいということを附加えて、私のお尋ねを終りたいと思います。
○説明員(中島征帆君) 今の点でございますが、割当をやつておりますのは特定大口だけでありまして、小口のほうは一応標準料金分で使える電気の枠がございます。これは機械的にまあ実績主義、簡単に申しますと実績主義をとつておりまして、過去の実績の範囲内は標準料金で行ける、それ以上使う場合には追加料金を取ると、こういう制度になつておりますが、ただ例えば昨年度の実績、標準料金で使える分の二倍も使つたという場合には、残りの分を全部追加料金にいたしますと、非常にこれは電力料金が高くなりますので、小口につきましては結果において追加料金は全体の二割以上にならないというふうな仕組になつております。従つて割当は一応過去の実績でまあ行くわけでありますが、それ以上に幾ら使いましても、使つた分の二割だけを追加料金で払えばそれでよろしいという、いわゆる頭打ちの制度がございまして、この点に関しましては小口に関しては一本料金に一歩近付いておるというふうになつておることを御了承願いたいと思います。
○藤田進君 答申されました内容についてそれぞれ三部会の説明を頂きましたが、この中でガス事業部の関連する法案については相当事務的な御審議も進捗して近く成案を得られるような御説明がありました。ところで電気事業関係についてはまだそれほど捗つていないように聞いたわけですが、この電気事業関係についても来臨時国会ということが予想されておりますが、これには御提案になる確実な見通しがあるかどうかという点と、それから内容についてですが、この答申は成るほど主要な部分とも言える若干部分についての答申がなされているのであつて、従来の電気事業法或いはその後の公共事業令、或いは現在の臨時措置法ですね、こういつた殆んど同一の内容を持つているあの現行法というものとかなり特徴的に変る可能性があるかどうか。いろいろこの答申の内容をそのまま尊重するかどうかについては従来しばしば審議会などの答申は尊重されないで、私はこの内容はそのままいいとは申上げておりませんけれども、かなり審議会の答申よりも変つた、場合によつては全く百八十度も違つた内容の法案が政府によつて提案されるというのが従来の私は実績だと思うのです。従いましてその提案されるであろう内容については余り詳しい説明がなかつたのでありますが、この答申並びに現行法を基礎にしておやりになることは間違いないと思いますけれども、特にこの九分割の上に立つてどういうように変るかという若し主要な従来と変つた点の予想があればお聞かせ願いたい。
 それから第三の点は、総括原価主義で行くということの関連もあるでしよう。当分の間水火力調整金の制度を残すということに答申を得ておりますが、これについて賛否なかなかやかましい今状態になりつつありますけれども、これは果して政府当局はどういうお考えで今度臨まれるかということを……、まだあるのですが、三つくらいずつ区切りましよう。
○説明員(中島征帆君) 電気関係の法律もこれは必ず暮の通常国会には提出できるつもりでおります。或いはこれは……、法制局の審議でいつも相当手間を食いますので、開会弾頭に出したい意図は持つておりますけれども、或いは来年に入るかも知れませんけれども、必ず通常国会には出すつもりでおります。それから提案されるその内容は、今度の場合は審議会の意見を全面的にそのまま法文化する建前をとつております。ただ技術的に或いはその後違つた別のほうからの関係の問題でその通り行い得ないというものが細かい点では出て来るかも知れませんが、全体的には向うの案をそのままとりたいと思つております。現益の公共事業令とそれから新らしくできる法律がどういうふうに違うかという点は、これは細かな点は先ほど申しました点でいろいろ違つた点もございますけれども、更に大きく方向が変つているということは大体ないというように御了解願つて結構であります。それから地域差調整の問題も、これは答申案でも当分存続するということになつておりますが、現在地域差調整をいたしましても、一番大きな開きは三倍くらい違つておる。これを全部撤廃するということは更に違いを大きくするわけでありますので、これ以上大きく拡げるということはちよつと無理ではないか、困難ではないかというふうに常識的に一応考えられるわけでありますが、逆に又この開きを更に少くするということにいたしますと、相当に又大きな金を動かさなければならんわけでありまするが、そういうことをいたしますると、九分割の趣旨という点につきましても問題が出て参りまして、折角の自主性というものがだんだん薄れて来るという見地から、まあやはり我々としては現在通り、現状通りで行かざるを得ないのではないかということを考えます。将来どうなるかという点でございますが、御承知のように水力開発が非常に新らしいものがコストが高い。それから逆に火力につきましては、現在できておりますものは大体古い設備のものと火力の発電原価は余り違いがないわけでありまするが、最近外国等におきましても、非常に優秀なボイラー発電機等が出ておりまして能率が非常によろしい。そういうものを入れますというと、火力の原価はむしろ下る、又一面におきまして石炭鉱業の合理化その他によつて炭価が下るということになりますと、その方面からも火力発電のほうが安くなつて参ります。両方からどの程度まで行くかちよつと予想はできませんけれども、水力の発電力と火力の発電力の違いが狭まりつつあるのではないかということが言えるのではないか。そうしますと価格調整のほうもだんだん将来に対してはもう少し軽くするとか、或いは或る時期には全部撤廃してもいいということになるかも知れませんけれども、まだその時期が来るのは当分先かと思います。これもどのくらいの時期かというと、これもはつきりはできませんが、数年間というものはやはりこういうものは置いたほうがいいのじやないかという気持を持つております。
○藤田進君 答申の内容については殆んど尊重したいということのようですけれども、公納金は撤廃すべきだということのようですが、この点は撤廃の措置を政府提案として次期国会に出されるかどうか、それから今通常国会と言われたが、臨時国会が当然急がれているという段階ですから、これに間に合わないという意味で特に通常国会という意味でお答えになつておるかどうか、その点を明らかにしてもらいたい。それから公納金に関連したような恰好ですが、電源開発促進法の適切なる改正を行われることを望んでおるというのですがね。これは時間が余りないようですから、主としてどういう点なのかお伺いしたいと思います。
○説明員(中島征帆君) 公納金の点は答申にもございますように、我々としてはその答申をそのまま取りまして、その通り撤廃したいという考えでありますけれども、これはまあいろいろな問題がございまして、やはり政府として大きくきめてもらわなければならんわけだと思つております。事務当局の原案としてはそういう方向で一応は参りますけれども、最終的に国会に出されるものはどうなるかということはちよつとまだはつきりいたしません。それから臨時国会が最近のお話では大分又延びるような噂も聞いておりますけれども、十月の初めにあるという予定のときには、到底十月には間に合わない、仮に十一月或いは十一月末ということになりましても、あと通常国会もすぐつながつて参りますし、十一月までに……、少くとも電気のほうはそれまでに仕上げるということはちよつとむずかしいのではないかという疑問を持つておりますが、従つてガスは場合によつては臨時国会に出せるということになるかも知れませんけれども、電気につきましては先ず先ず通常国会或いは十一月になつてからということになると思います。促進法との関係は、これはまだどういう点を議題にするかということは十分研究いたしておりませんが、電源開発促進法を、特にその根本になりまする電源開発会社というものが電気事業法でどういうふうに扱われるかということは現在は甚だ不明確であります。公共事業令の適用を受けるような、受けないような、又別な規定があつたりいたしまして、その辺甚だややこしい状況でございますので、それをもう少しはつきり割切つて、場合によつたら促進法の中にある一部の規定は電気事業法の中に織込むというものも出て参りましようし、又全体的に促進法そのものをもう少し考え直すということも或いは起り得ると思いますけれども、そういう点具体的にどこをどういうふうにするかということはまだはつきりしておりません。
○藤田進君 二十八年度の上、下、これは時間がかかるから次回にしましよう。大口の割当ですね、これは開発の百万キロだとか何とか増加しつつあるので、これは従来の水増し或いは新規に、特に例えば電気炉を新たに設置するとか、いろいろな問題があるようですね。現地工場でもそれが電気会社のほうでは通産省の問題だとかいつてそのままになり、結局手続その他ブランクのままで困つているというようなことで、むしろ私どものほうの問合せに会つて困つているような状態ですがね。この割当の大きな方針としてはどうですか。やはり水増しですか。それともそれぞれ申請に基いて、例えば工場によつて仮に電気炉なら電気炉にする、石炭からですね……というような場合には、電気に切替えるというような場合には大量なやはり割当を要するわけですね。そういつたものによつての方針はどうですか。これは運営の問題ですね。
○説明員(中島征帆君) 新らしい需用に対しましては、これは一応はわかつております場合には、その年間計画を立てるときに当然勘定に入れるわけでありますけれども、わからない分はこれは保留分から出すということになるわけであります。できるだけ大口の新規需用につきましては、電気事業者或いは通産省と、通産省の中でも公益事業局のほうと十分に打合せをして、無理な需用が急に起らないようなことに今やつておりますけれども、どうしても相当急に新らしい需用が出て来るということがよくありますけれども、そういう場合には、電気事業者も相当苦労はするわけでありますが、当局としては保留分のあります限りは保留分で行なつて、当初からそういうものに対しては十分の電気を供給することはできないので逐次殖やして行くということでやつております。
○藤田進君 それでは最後に、ちよつと細かい問題ですが、かねていろいろなことが伝えられているのですが……。今度の資料の二十頁ですね、二十頁の東北地区で二十七年度実績単価と特約単価と最後にありますがね、一番右の数字にありますが、この単価を見ると、先ほど海野委員の質問に対する説明に若干関連を持つて行くのですが、一番最後から五つくらいの附近ですね。日曹製鋼直江津、信越化学、日本ステンレス、これは直江津で私も昔から知つているのです。同じ場所でその単価が、例えば信越化学が一円三銭、一円四銭というような恰好で違うでしよう。これはお調べになつたらわかるかと思いますが、なかなか東北電力の扱い自身が現地扱いと、全然現地をバイパスしている扱いとがあるのですよ。それで現地自身が非常に不審に思つているのです。東北の附近は最近改められたかどうか。私は四月頃の事実ですがね。それで何か事情がありますかね。この単価関係だけを見ても……。
○説明員(中島征帆君) この単価は各社が違いますのは、これは特殊と常時をどういうふうに使うかという関係で組合せが違つて参りますので違うわけでありますが、この別表にありますように、こういうふうな考え方でやりますから単価は全部同じ統一した考え方で計算するというわけです。ただ関西の場合にも初めはそういう関係がございましたが、東北につきましても特約を結ぶにつきまして電力会社が多少圧力をかけたとか何とかいうような話もちよつと前には聞きましたが、そういう点はこちらでもその場合にその都度会社のほうに忠告いたしております。最近では需用家のほうでも十分この制度を了解いたしまして、今ではそういうふうな感情、或いは変な扱い、わだかまりはないのであります。
○理事(海野三朗君) ちよつと皆様にお諮りいたしますが、まだ御質問もあるかと思いますが、電源開発の審議の後に総括質問を続けては如何かと思いますが、如何でございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(海野三朗君) それでは本日はこれを以て散会いたします。
   午後四時十分散会