第016回国会 農林委員会 第10号
昭和二十八年七月六日(月曜日)
   午後二時八分開会
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 出席者は左の通り。
   委員長     片柳 眞吉君
   理事
           宮本 邦彦君
           森田 豊壽君
           白井  勇君
   委員
           川口爲之助君
           重政 庸徳君
           関根 久藏君
           横川 信夫君
           上林 忠次君
           北 勝太郎君
           河野 謙三君
           河合 義一君
           清澤 俊英君
           戸叶  武君
           松浦 定義君
  衆議院議員
           金子與重郎君
  国務大臣
   農 林 大 臣 保利  茂君
  政府委員
   農林省農林経済
   局長      小倉 武一君
   農林省蚕糸局長 寺内 祥一君
   食糧庁長官   前谷 重夫君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安樂城敏男君
   常任委員会専門
   員       中田 吉雄君
  説明員
   農林省農地局管
   理部長     細田茂三郎君
   食糧庁総務部検
   査課長     松岡寅治郎君
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  本日の会議に付した事件
○開拓融資保証法案(内閣提出)
○農林政策に関する調査の件
 (凍霜害対策に関する件)
○農産物検査法の一部を改正する法律
 案(衆議院提出)
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○委員長(片柳眞吉君) 只今から委員会を開会いたします。
 先ず開拓融資保証法案を議題にいたします。本法律案につきまして、引続いて御質疑がありますれば御質疑を願います。
○清澤俊英君 先般私もいろいろなことをお聞きしましたが、その中で中金から二銭六厘の金利を付けてやる。それは末端でもその金利で借入の農家に引渡す、こういうような御答弁でありますので、その点はいろいろ土曜の日に御検討になつたそうでありますから、あとでよく速記録を拝見させて頂くことにいたします。そうしますと、この保証協会の運営の経費というものをどこからどういう形で出して行くのか、これが一つの大きな疑問に残りますので、中央の保証協会或いは地方の保証協会等の経費は貸出金の幾らかの鞘等を中心にして、それに組合員の掛金等を中心にして出して行くというような形になりますが、掛金は御承知の通り積立金となつて、これを事務費等に使うことはできないことになりますので、そうしますと、必然的にこの事務の運営をやつて行きます費用等のものが大体どこから出て行くかという疑問が出て来ると思いますので、中金の言われるような、二銭六厘の中金が出したものを末端の二銭六厘という単協での貸出というお話は到底納得しかねますので、それが納得行くように一つ御説明を願いたいと思います。
○説明員(細田茂三郎君) この法律を通して頂きました後におきまして、末端(幾らの金利の金を流すかという問題は、今後私どもが中金と折衝をいたしまして、できるだけ軽減してきめたい、こう思つております。従いまして、それが具体的に何銭何厘になるかというところまでまだ今日至つておりませんので、そうなりました際に、それじや末端に幾らで流して経費はどうやるかということは、ちよつと御説明しかねると思います。ただ現在やつております基金制度のやり方は大体どのぐらいのことになつているかということを、現状をありのままに申述べて見たいと思います。中央の開拓融資保証協会は、大体年額千五百五十万円ぐらいの経費を使つております。この内訳を申して見ますと、そのうち約三百二十四万円というものが理事者並びに職員の人件費と地方の保証協会の指導費であります。残りの千二百三十万円ばかりのものを地方の保証協会一へ交付金として交付をいたしております。大体一保証協会当り二十七万円ばかりの交付金になつております。これが一つの地方の保証協会のまあ事務費を賄つて行きまする財源となつておるわけであります。それではこの中央の千五百五十万円ばかりの事務費というものは一体どこから出て来るかということでございますが、中央保証協会というのは現在一億五千万円の農林債券を持つております。それからあと四千五百万円というものを中金に預金をいたしまして、その利息をもらつておるわけでございます。その両方からして今申しました約一千五百五十万円の財源が出ておる、こういうことであります。それから中央保証協会のほうは、先ほど申上げました中央保証協会から一保証協会当り、これは大小がございますけれども、平均いたしまして二十七、八万円というものが出ておりまして、それにあとやはり各地方保証協会が基金を預金をいたしておりますので、それが大体平均で申上げますと、一保証協会が三百八十万円程度になつております。これを預金いたしまして約二十二、三万の利息が出ております。これを先ほど申しました中央からの交付金と合せまして、大体平均いたしますと一保証協会当り五十万円程度のそこに財源が出ております。これを以ちまして平均三名乃至四名くらいの職員の人件費が出ますのと、あと多少指導費等が出ておると、こういう現状であります。
○重政庸徳君 前回の委員会で、この開拓資金の利息は根本的に高いという議論を出したのでありますが、御承知のように、中金から余り明快な答弁がなかつた。それで本委員会で決議をすることになつておるのであります。農林省では勿論何厘ということはわからんが、どのようにお考えでしようか。なお、どのくらいに下げたら適当であるか、又御希望のようなものがあれば承わりたいと思います。
○説明員(細田茂三郎君) まあ開拓者の融資でございますから、安いに越したことはないのでございますけれども、私どもとしましては、一般農家につきましては農業手形制度による保証があるわけでございますから、少くとも農業手形の利率を超えない範囲におきまして、できるだけ低額に今後きめて参りたいというふうに考えております。
○重政庸徳君 まあ中金もやはり営業でやつておるので、農業手形と同じになれば、二銭になれば、これは最もよいのだけれども、これは日本銀行から一銭幾らですか……、の特別な資金が流れておるわけで、そうなれば至極結構だけれども、なかなかむずかしいのではないかと思う。私が言うのは、今七億円貸出をしておる。そこに四億円という預け金がある。これは即ち担保に入つておるわけであります。これが一銭六厘ですか、極めて安い利率で担保に入つておるというような状況であるのですから、それを二銭六厘で貸出しておる。その四百億だけで考えて見ても、恐らく七億の中ではその四億は出しておるのではないか。それだけから考えて見ても、計算して見れば六百万以上の利鞘をその開拓金融で中金は得ておるというような状況であるのです。一つそういうことを勘案して、銀行も不当な利益は得んが、営業上立つて行く利益を得るし、そうしてできるだけ安く抑えるという方向に行くのが最も合理的ではないかと思うのであります。一つそういうことを勘案して、今の二銭六厘はどこから考えて見ても最初から高率であるという結論に達しておるのでありまするから、どうか将来……将来ではない、直ちに強い折衝をして頂きたいと考えます。
○清澤俊英君 先般の私の質問に対して、大体貸出額は一人一万幾らと、こういうお話でありますが、これは実際必要者としては最近の金の一万円くらいのものはどこへも使いようのないもので、最近における自作農の融資制度などに対しても、全国で五千円くらいの金額ではどうにもならんから、一つ五万円くらいの金額に殖やしてもらいたいというような大運動も起きておりますので、この法案の骨子が貸出一万円程度を中心にしておられますることは、どうもちよつと無理があると思いますが、その点に対する御所見は如何でございましようか。同時に、近く又何らかの途を講じて融資額を増大するお考えを持つておられるのか、これを一つお伺いしたい。
○説明員(細田茂三郎君) この前も御説明申上げましたように、大体一口千円としますと、その大体十二倍までは中金が最高貸出すという約束になつておりますので、大体一万二千円くらいが一口の加入であれば限度であろうということを申上げたわけであります。これが法律制度ではつきりして参りますれば、私どもこの限度を更に増すという方向としましては、例えば国の出資を少し増すとか、現在御承知のように一億しか出しておらんわけでありますが、仮にその一億を更に追加すれば、ここにその六倍の六億くらいの融資は可能になるということもございますし、それから御承知のように開拓者のレベルというものがだんだんと上つて参りまして、開拓者自身の出資金というものも或る程度殖えるという将来性を持つておりますので、そういうふうにどちらから見ましても、この金融制度というもの現状よりだんだん固くなつて行くというか、非常に有望なあれがあるわけでございますから、従つてそういう方法もありますし、又片や中金におきましても、そうなつて来ればその三倍しか貸さないということに必ずしも拘泥するということでもないと思うのです。そういうことから言いましても、更にこれはもつとおつしやいますような趣旨融資がいろいろ行ける途が幾らでもある、こういうふうに考えておりますので、是非そういうふうに措置をして参りたいと考えております。
○清澤俊英君 ちよつとこれは取扱い方によりましては議題にないかも知れませんが、先般五月、六月の第二台風以後の長雨による災害の調査に参りましたが、岡山県の第七区の農業開拓地におきましては、入植三ガ年目であります。もう入植の営農資金は全部使い果してそうして漸やく本年あたりから営農の途が立とうというとき、この大災害に会いましたので、従つて初めからし直さなければならんこういうような非常な状態に立至つておるものがあるのであります。これは現実であります。これらを急速に救う場合には到底今言つた一万二千円ぐらいのものでは問題にならないと同時に、掛金すらも無理ではないかと、こう思われる状態にあるのでありますが、これは特別な御考慮を農林大臣等にも交渉はいたして参りたいと思いますが、そういう場合には、この法律を使つて五万円とか、十万円とかというような相当額のものを御融通して頂くことができるものだと、今の御説明を解釈しておりますが、そう解釈してよろしうございますか。
○説明員(細田茂三郎君) そういうふうに御理解になつて結構だと思います。現に現状におきましても、例えば償還期が参りましても、それを繰延べてやるとか、或いは借替をしてやるとか、或いは何らかの名目でまあ普通以上の融資をしてやるとかいうような臨機の措置はとれるだけとつております。
○森田豊壽君 再三この問題は資金の問題で問題になつておることでありますが、この融資の問題はひとりこの法律案の範囲の農民のためのみならず、一般農業者に対しましても、法律は作つたけれどもいよいよこれ実行する場合におきまして、資金の面で高いものを使わなければならんということになりますと、こんな法律があつても、ほかの方法が手取り早いというようなことになるわけでもありまするしいたしますから、仏作つて魂なきものであつてはいけない。従つて融資を、而も安易に活用すると同時に、その金利が先ず低いことが第一であろう。その金利負担が最も低減されたものでなければならない。この点はこの法律を作るに当りまして、これを実施する場合に如何なる資金が開拓者に流れるかという末端の状態をはつきりしておかなければ、これは先ほど申しましたように仏作つて魂なきような結果になると思うのです。その点をはつきりお尋ねしておきたいと思います。ただ、今までのお話だというと、二銭六厘ということで貸付になるということであつて、末端も二銭六厘であり、その間に何ら利鞘をとつておらないという説明であつて、而もその経費は政府の一億五千万円や、或いは下から吸上げましたる四千五百万円でしたか、四千万円でしたか、その金を以ちまして吸上げた、即ち出資を預入れることによりまして、それで経費を償なつておるということでありまするが、吸上げるものは確実に吸上げて、又政府は与えるものは与えているわけでありますが、吸上げるものは確実に吸上げさしておいて、その経営費は成るほど現在の段階におきましては借入金の利鞘を以ちまして、三名か、四名の職員の俸給に充てるということでありまするが、そういう職員を飼うための、法律の悪口を言えば、そうなつては相成らんのでありまして、開拓者の負担を軽減することを目的としなければなりません。吸上げの部分が非常に莫大であつて、金に対する四倍か、十倍かのものを貸付ける、或いは十二倍のものを貸付けるという説明でありましたが、そういう問題に対して利子を安くしてやるということに対する規定がないようであります、これを読んで見ますと……。それに対する処置は一体どういうお考えでありまするか、ただ中金を呼びまして、中金は高過ぎるとか、安過ぎるといつたところで、これは成るたけ安く貸してもらいたいという、まあ希望的であつて、中金のその時期におきまする資金の状態によりましては、余つている金があるとか、ない場合は削つたりしなければなりませんが、その点に対しましての農林省の根本的な考え方を一つ承わつておきたいと思うのであります。どうか一つこの点を……。
○説明員(細田茂三郎君) この制度で只今すぐ考えておりますることは、中金から出ます金利を現状のレートよりも下げてもらおうということには考えておりません。将来更に進みまして、或いは利子補給の問題というようなことを御相談願う段階が来るかも知れませんが、現状では再三申上げましたように、中金等もほぼそういう線で今折衝いたしておりますので、そういうことで、取りあえずこれでいいと、かように思つております。
○上林忠次君 今まで基金協会というところでこういうことをやつて来たところ、今度は相当こう法制化した保証協会というものを作つたというようになつておりますが、これは前の基金協会というのを置いておくのですか、壊さずに……。保証協会ができたら前の基金協会というのはどうなるのですか、二重になつてやるのですか。
○説明員(細田茂三郎君) その点は、この法律が考えておりますように、現在ありまする協会というものは自然消滅をいたしまして、新らしくこういう協会を作るということに相成るのであります。
○上林忠次君 終りのほうに、九千四百万円以上で一定の金額を定める予定と、その程度で中央開拓融資保証協会に対し出資する、これは前の基金協会がやめになつてこれに肩代りするという意味ですか。
○説明員(細田茂三郎君) そういう意味です。
○上林忠次君 先ほども委員からお話がありましたように、農業金融というのは利子が高いからということで、実際借りたくても借りられないということで皆困つておるのでありまして、高い金利では折角途を作つてやつてもこれを利用しないのであります。結局苦しい農業経営がますます続くということでありまして、何とかもつと安い金利で貸してもらえるというようなことを考えてやらないといかんのじやないかと思つておるのであります。先ほどの委員のかたと私も同様に考えておりますが、そこまで併し徹底しないと、これは役に立たないのじやないか、そういうような点も政府で考えて頂きたい。もつと徹底した融資の効果が上るような金利に引下げてもらうということをお願いしたいのです。
○河野謙三君 金利の問題ですが、政府のほうではその中金のほうと、二銭六厘をどこまで引下げるかということについて何か御折衝がありましたか、それについて一つ……。
○説明員(細田茂三郎君) 私のほうは前から何とか下げてくれんかということで折衝いたしておりますけれども、何銭何厘にしてくれということをまだ申込んだことがございません。
○河野謙三君 そうすると、折衝はそういう具体的な折衝はしておらんけれども、農林省のほうとして、他の商工業又は一般農家、これらの融資等を勘案して、開拓者の場合には、あなたの立場では、大体中金は理論的には幾らにすべきであるという、こういうふうな腹案がおありになるかどうか。当然これは中金で内部で相談して、その結果農林省の意向を質されてと、当然そういうことになりますが、この場合に農林省としては、一体理論付けと言いますか、又進んで農林省は幾らにすべきであるという御腹案があれば一つ伺いたい。
○説明員(細田茂三郎君) これは農林省全体としまして、全体の金利体系から言つて、開拓者のものは幾らであるべきかという結論はまだ出ておりません。従いまして、これは今後農林省全体として研究、考えてきめて参りたいと思いますが、私ども農地局の局の態度といたしましては、せめて農業手形が末端で二銭五厘であれば、末端で二銭五厘になるような中金融資を欲しいというようなことを考えて、従来は参つておるのです。
○河野謙三君 実は私それを伺つたのは、我々がこの決議をする場合に、農林省のほうであらかじめ我々が意図しておるような線に近いような農林省が腹案を持つておられれば、農林省と中金にお任せしてもはいと思つたのですが、今ちよつと伺いますと、農業手形を基準にしてのお考えのようでありますから、そういたしますと、我々が今ここで持つております常識と余りにかけ離れます。従つて私は決議のしようもその点において変つて来ると思う。もう少し我々は具体的に我々の委員会としての意見をまとめて、具体的にかくかくであるべきある、こういうふうに出さるべきであると思うが、そういう意味合で、これは私の個人の意見になりますが、今のように農林省が我々の考えておるのとは全く常識がかけ離れておりますので、それで伺つたのですが、それ以上別に御腹案がなければ、私はそういう意味合で伺つたので、あと御答弁は結構でございます。
○森田豊壽君 実は中金の貸出利子の問題につきまして、ひとりこの問題のみならず、あらゆる方面で農業団体等幾多の農民の代表機関が口を揃えて、これに対して、日本農業を救わんとするならば、資金の低利なることを先ず第一番に考えて生産力の増強を称えるべきだということを言つておるのであります。とかくいろいろの法律を眺めておりまするというと、開拓融資保証法案を出しましたが、こういう法律がたくさん出ることによりまして、中金はますます大をなす、中金を保障するようなものだというようなことになりまして、こういう法律が幾多出ることによりまして、中金はますます事業分量が増加し、而も完全なる運営ができておる、然るにもかかわらず、法律は誠に有難いように見えるが、実際これを利用するところの農民は、僅かな金を借りるのに幾多の手数をかけなければならんという実情でございます。この開拓業者においても実際の声はそういうところにあると私は思うが、そういう点を農林省といたしまして、もう少し総合的な観点から行きまして、我が国農業のあり方、又農業に携わる幾多の関係者、又部分的に言えば開拓業者とか、或いは生産業者とか、森林業者とか、一般農業者ということになるでありましようが、そういうものに対する総合的な一つの考え方を出しまして、而も扱い者は大体において中央金庫であるわけでありますから、その中央金庫に対する折衝を根本的にしてもらわなければならん。一つの法律に一つがきまれば以下同文だということになりまして、前の例があればこういうふうになる、又それに対して中金がやり切れないというのであれば、その中金に対しまして政府はどういうふうにしてやるかということをこれは考えるべきである。ただこれを押してやつておつて、若しも農林中金のほうと農林省が折衝いたしまして、向うに適当なる答弁材料がありまして、その折衝におきまして負けた場合にはこれは何にもならんことになつて、農林省は、余分なことになりますけれども、幾多の監督権を持つておりまするが、こういう問題になりますというと、監督権いずれにありやと言わなければならないような状態になりまして、むしろ逆に押される兆候があるということも考えられるのです。これは私がこういうことを申上げることは甚だ……、中金のことを申上げることは、私といたしましても中金の理事者の一員でありますから、理事でございますけれども、これは世論といたしまして、そういうことをはつきりして置くことがやはり中金の大をなすことであり、又お互いのいいことであると私は考えまするので、私はこの席上のみならず、すべての団体の会議におきまして、それを強調しておるのであります。この際にただ開拓融資保証法を通過させるだけで以て、ただ利率がどのくらいであるということであるということよりも、総合的にとの問題については農林省内部におきまして、担当の人ばかりでなく、この問題については一つ農林大臣を初め或いは次官等に、お互いに皆さんのこういう意見を一つ皆さんからお伝え下さいまして、農林省としての考え方をはつきりして頂くことが必要ではなかろうか、私はこう思うのです。どうかこの開拓融資の保証法案に対しましても、先ほど河野委員からもお話のありました通り、これをはつきりした線をして頂かなければ、ただここで法案を我々が決議しただけでお任せしておいたところで、実際はどうかという点があるわけであります。若しもこれが農林省のほうとして、農林省のほうで折衝するというよりも、この委員会の意見はどうだということであるならば、委員会として協議いたしまして、私としてはこう考えるというところを決定しておいて交渉して頂く、その範囲においてやつてもらうことをここで以て話合つてやつて頂きたい。本当はあなたがたのほうから中金へお話をして頂きまして、ここへ具体案を盛つて頂きたかつたのでありますが、今日ぐちを言つても仕方がありませんから、この際にどうしたらいいかということを我々のほうで交渉して、これは大丈夫できるという確信を持つておつたならそれでいいが、若し持つていないとするならば、委員会のほうでどのくらいの程度がよろしいでしようかということであるならば、率直にここで言つて頂きまして、そして協議して決定しなければ、こういう話はいつまで経つても徹底しないということになると私は考えるのです。どうかそういう点から行きまして、あなたのお考え方、これを安くするにはこうした方法があるということであつたならば、ここで率直に聞かせて頂きたい、こう私は思うのです。どうぞよろしくお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(細田茂三郎君) 私どもは先ほど申上げましたように、個人のその末端で農業手形と同率くらいには少くともしたいというように考えておるわけでありますが、と申しますことは、釈迦に説法でありますけれども、いろいろ農業手形につきましては、日銀の特殊な応援があつてそこまで行つておるわけでありまして、従来この開拓者の融資の問題につきましても、日銀とはしばしば話合をしておるのでありますけれども、未だその開拓者というものが、いわゆる日銀の適格手形に載るだけの信用を得るところまで行つていないところに困難があるのであります。そこで私どもの見通しといたしましては、さまざまのことは別といたしまして、この法律を通して頂きまして実行する、直ぐ目先のやり方といたしましては、先ずその辺に目標を置いて漸進的に行くより仕方がないんじやないかというふうに感じておりますので……。
○河野謙三君 私は今の森田さんの御質問に関連して伺いたいのですが、今のこの政府の答弁ですね、根本的に我々と出発点が違うのです。それは融資をする場合に資金源がどうであるとか、金融機関がどうであるとか、従つて金利が幾らになる、こういうことで我々は考えるのじやないと思う。この開拓融資の問題は、この金利をこれだけとつたならば一体開拓者の経済が引合うか、引合わないか。開拓者の経済というのは、私はここで経済局長に聞きたい。開拓者の農家経済の調査ができているのかどうか、開拓者の農家経済は一般農家の経済調査とどういう差異が起つているか。同時に特に伺いたいのは、開拓者の資金の回転率は一般農家と開拓者とどうなつているか、こういう点から出発して開拓者の経済に幾らかでもこの制度によつて恩恵を与えるために、金利は幾ら以上であつてはならないという計算の上に立つて初めて出されるべきである。それから日銀から出ているとか、金融公庫から金が出ているから、資金源がどうであるから安く貸せるとかということは議論の本末を顛倒したものである。私は今もちよつと別室で調べてもらつたのですが、例えば日本の重工業と言われる造船、鉄鋼等に開発銀行の金を幾らで貸しているか、二銭五毛ということである。これは資金源から言つて安く貸せられるということでありますけれども、そういうことでなくして、我々から見ればこの重工業が一体この政府資金を借りて幾らの資金を回転しているか。それによつて幾ら利潤を得ているか、こういうことから二銭五毛というのが出ていると思う。そういう意味で開拓者の経済から出発して、政府がこの開拓者に本当に恩恵をもたらすためには幾らでなければならんという計算の上に立つて出してもらいたい、こういうのでありますが、若しこの席で御答弁頂ければ経済局長から伺いたいと思います。
○政府委員(小倉武一君) 普通の農家と開拓農家の経済的な調査から見ました場合の、一般の金利に比べて開拓者の金利が如何ほどであるべきかという調査は私のほうでは実は持つておりませんのでありますが、或いは農地局の開拓課でなされているかも知れませんが、遺憾ながら私のほうでは只今持つておりません。なお部分的なものかも知れませんが、必要でありますれば別途調べて御答弁したいと思います。
○河野謙三君 今資料がお手許にない。私は少くともこういう法案を農林省が出す以上は、そういう理論的に開拓者の金利というものは幾らを超えてはならないという私は計算の下に出すベきである、常識的に考えてですね。一般農家より開拓のほうは金の回収が遅いのはきまつている。それ以外の条件でもすべて悪い。開拓者のほうが一般農家よりも悪い。だから開拓者のほうが経済調査は悪いのがきまつている。そういうような悪条件に現在おかれている開拓者に対して施策が講じられなければならない。それで施策は講じられるけれども、さつきの森田さんのお話じやないが、せつかくできても金利が二銭五厘とかということでは何も恩恵がない。そういう意味で私は一つ将来の参考に、開拓者についての農家経済調査の数字を詳細な資料を頂きたいと思います。
○河合義一君 先刻来の各委員の質疑、それに対する政府委員の答弁を聞いておりますと、殆んど全部の委員の意見は金利が高い。農業者に、殊に開拓者には安い金利を使わせなければならないという意見、それに対する答弁は農林省内の農地局ではこう考えている、それ以上には出ておりません。私は現下の重大な問題、食糧増産というようなことを考えますと、これは非常に重大な問題だと思いますから、こういう論議は必ず農林大臣に質すべきであると思います。これ以上の審議はやはり農林大臣の出席を求めて、農地局の意見でない農林省の意見、農林大臣の意見、現内閣の意見というものを私は聞きたい。どうか皆さんにお諮り頂きまして、御賛同を得ますれば、そういうふうにして今後の審議を進めて行きたいと思います。
○委員長(片柳眞吉君) 只今河合委員からの御要求如何でしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森田豊壽君 賛成ですが、この法案というのは保証法ですが、保証ばかりはつきりして、この農民を助けるのか、金融業者を助けるのかわからないというのが私の感じです。そういう考え方を根本的に直して頂きたいというのが私の願いであるわけですこれを読んでおりますと、金融業者の育成強化法案であるというわけであります。こういう法律が幾つも出て来ますと、下のほうではそんな法律があつたかなんて言うんで、よほど教えなければ知らないような……、農民にはもつと簡単に、こういうような法律ができたけれども、最高は幾らという最高の点を言つて、それよりも安い金利はこれこれだということにならないと、これはわからない。農民もそれを望んでいる。従いまして、この問題のごときは、再三繰返すようですが皆さんからお話のように一体幾らで貸せるかということをはつきりしなければ、魂を入れたものではない。いやしくも農民のためということであるならば、それに対する答えができなければならん。いろいろうまく書いてありますが、皆これは枕言葉であつて、結論は金融業者の保証法案而も金融業者を育成強化する法案であるということを言われても返答のしようがないということになると思う。どうかこれは今のお話に賛成ですが、この点はちよつとはつきりしませんので、意見を申上げたのですが、この点を十分考えて、今のような農業手形に相並んでというふうな、失礼ながら今までの常識のような話をしないで頂いて御配慮を願いたい。それが御回答できないというならば、今お話の通り大臣に来て頂きまして、この問題はほかのことにも影響を及ぼすのでありますからはつきりしたお答えを願いたい私は考えます。
○河合義一君 私はもう一つ質問があるのであります。中金の、株式会社で申しましたならば、営業簿記というようなものがあるのでありましようか。その経営の内容、預金等の処分一切のことを知りたいのですが、そういう資料を見ることができますならば、それを見たいと思いますから、その資料を要求したいと思います。
○政府委員(小倉武一君) 農林中金の収支決算書でございますが、そういうものを提出の御要求と思うのでございますが、それは必要でありますれば早速提示いたしたいと、かように思います。
○重政庸徳君 私が前に質問して管理部長がお答えになつたのですが、極めてあいまいで、私は考え違いしておつたのですが、農業手形と同じように末端においてそういうように考えているというお話であつたのですが、私の考え方は全く違うので、中金が農業手形の場合には信連に下す、その利子と私は考えておつたのでありますが、そういうことでだんだんいろいろな議論が出て来る。二銭五厘で、そういうことで末端まで行くということになると、その間には信連及び農業協同組合等も入つているので、そんな率では全く承服することができない。私の考え違いです。それから又私の質問に対するさつぱり当を得たお答えではなかつたのでありますが、それだけ補足いたしておきます。
○清澤俊英君 経理部長に御意見を聞いておきたいのでありますが、いろいろな融資制度が、この開拓問題ばかりでなく、農地の問題もありましようが、その他いろいろの問題で融資されるでしようが、そういう場合、現に明らかに出ていますのは農地の問題ですが、特別な措置で特別な方法で融通しておられる農手、日歩四銭乃至五銭で現に短期で貸している。これは群馬県などで私は聞いている、新潟県などの場合には、大体三銭が通例で、貸出がどうも農民から聞いて見ると三銭だというので、どうもこれはおかしいと思うのです。結局そういう融資の金が中金を通じて末端に参りまする場合には、法案の中に、これはどなたかおつしやつたように、最高貸出の利率を明記して、これ以上末端において貸出してはならないというくらいのものを付けないとこれは大問題であると思いますので、そういう点も調査も済んでいるであろうと思いますので、大体御意見はどんなものでございましようか。
○政府委員(小倉武一君) 農手は末端におきまして相当の高利で以て貸している事実は、私どもお話は承知しておりませんのでございまするが、若しそういう事実がございますれば、具体的なお話もお知らせ願いまして、私どもとしても善処したいと思います。先ほどもいろいろお話が出ておりましたように、中金が二銭で末端が二銭五厘といいうのが農手の利率でございます。この点は勿論中金の資金繰り、この資金のコスト状況から見ますと、中金といたしましては、詳しい数字が手許にないのでございますが、逆鞘になつているのでございます。中金の資金コストとしては八分程度近く現になつているのじやないかと思いますが、農手も実際は日歩二銭は、年に直しますと七分三厘くらいでしたかになるものでございまするので、そこで若干の逆鞘になつておりまして、勿論日銀が引受けてくれればいいのでありますが、只今の中金の金繰りから申しますると、お話のようになつて参りませんので、百工、三十億であると思いますが、逆鞘になつております。従いまして一般に農業資金といたしまして、農手に限らず、その他におきまして更に金利を下げるということは、中金自体の収支から見まするというとむずかしいのでございまするが、勿論先ほどもお話が出ておりましたように、そういうことからだけで、特に開拓者といつたような特別の経済状況下にあるかたに融通するわけにも参りませんので、若し非常に金利を下げるということでございますれば、そこにやはり何らか特別の措置が必要ではないかと、かように思つております。
○清澤俊英君 今、日銀からの貸出の点で逆鞘になつている、こういうようなお話を初めてお伺いしまして、誠に自分の不勉強に驚いているのですが、私の聞いた範囲では、日銀三銭五厘貸出だという話がありますが、中金は非常に長いというようなお話も聞いておつたのでありますが、大体そういう鞘で、全く二銭三厘が正当である、こういうように今までの通常の常識になつていたのが、今日の審議中の二銭二厘というような線まで出ておつて、逆鞘とは考えておりませんでした。いつ頃からそういう逆鞘になつておりますか。
○政府委員(小倉武一君) 日銀から中金の借りる場合の農手だけでも一銭八厘でございます。それから日銀から借りまして、これを入れて流すということになりますから、二銭でありますが、逆鞘になることはむしろないわけでございますが、只今のところ日銀に持つて行く量は非常に金額が少いものですから、中金のいわば自己資金でやつているわけでございます。そこへ逆鞘という現象が出て参つております。勿論中金の金繰りの状況等によりましては、日銀がこれを引受けるということになりまして、そこら辺の話合は勿論できるわけでございます。ただ現在の状況から申しますると、去年から今年にかけての状況から申しますると、農手だけを切離して考えれば中金としては逆鞘になつている、こういう状態でございます。むしろ日本全体のそういうことについては、これ又全然別でございますから、その点を切離した場合の話でございます。
○森田豊壽君 ちよつと今はつきりしておかなければいかんと思いますが、会員というのは、出資を千円で一口或いは二口というような適宜力を持つているのでしようが、農手をもらつた場合に、状況によつては貸せない場合があるわけですね。
○説明員(細田茂三郎君) 国内としては、証券界が保証することになつておりますから、理論的にはないわけでございますね。併し現状はそれじやどうであるかということになりますと、これは或いはそういうことがあり得るかも知れません。
○森田豊壽君 私のお伺いしたいのは、そのために保証をしているわけだから、初めからそう会員は選ばないはずであると思いますが、その開拓者として、会員になり得る資格を有するものに対して、それが不幸な状態になつて、非常に生活が不如意であつても、又それに対しては貸せるということを建前とした保証法案でなくちやならんと思うのですが、その点は貸すほうでも監督上黙つている、こういうわけですか。
○説明員(細田茂三郎君) この法律が通りますれば、監督規定がはつきりして参りますので、御議論の点は、そういうものは飽くまでないようにすることになると思います。
○森田豊壽君 そうすると、絶対に借りられるということになるのですね。
○説明員(細田茂三郎君) そうでございます。
○宮本邦彦君 管理部長にお尋ねしたいのですが、実際に私どもは開拓者が経営している今日の状況を見れば、恐らく二銭六厘では経営のベースに乗つて来ない農家が相当あるのじやないかという気がされるのですが、そういうことを御研究、御調査になつたことはおありでございますか。
○説明員(細田茂三郎君) 大体開拓農家が全国で十五万戸近いのじやないかと思いますが、現在までにこの制度を利用して融資を受けておりますのは九万戸です。従いまして戸数から言つて六万戸ばかりのものは、どういう事情であるかは知らないけれども、とにかくこのことには与つておらないということになつておりますので、その中にはやはり希望しても借りられんというようなものがあるのじやないかということが想像できます。
○宮本邦彦君 今二銭六厘で末端にまで流す、こういう御方針でおると御説明になつたのですが、二銭六厘で貸してくれれば、これは干天に慈雨というような気持で皆飛びついて来ると思いますけれども、飛びつくことによつて、その農家がベースに乗つて来ない経営状態であれば、それによつて開拓者の経営状態も一層悪くなるのじやないか、そういう心配がございませんかどうかということをもう言お答えを願いたいと思います。
○説明員(細田茂三郎君) 実はこの開拓者の営農の調査というものは、いろいろ私どものほうの手許にあるにはあるけれども、何せ、そういうことを的確に判断するほどに、十分御承知だと思いますけれども、実は資料が不備なわけです。そういうことから言いまして、想像しては申上げられますけれども、的確な資料によつてそれが二銭六厘で、どのくらいが経営可能で、あとはできないという判断を私どもは現在いたしかねておるようなわけでございます。
○宮本邦彦君 そういたしますというと、御説明によれば、今日はまだその調査は実際にできないという部分や、或いは不備だということではつきりした目度が付いていない。そういうときにこの二銭六厘で末端まで流すという融資の体制を法律案でお認めになるということは控えて頂かなければならない。そういう場合には、そういう結果が起つたときには、国は又その面倒を見るという気持がおありで出しているのかどうか、その点を一つ承わりたいと思います。
○説明員(細田茂三郎君) まあ現状におきましては、末端まで二銭六厘で行くという建前になつておりますが、少くともこの法律ができますれば二銭六厘よりはもつと安い、まあ先ほど私どもが申上げておる気持は、高い場合でも二銭五厘の農手程度にはしたい、その程度なら今までの中金との交渉の経過から言いましても、これははつきり実現ができると私は思つておりますが、でありますから、これが法制化しましても、現状より高く金を借りるということは少くともあり得ない、というよりも、むしろ現状よりは、程度の差でいろいろ御議論がありますかれども、現状よりは低いものになり得ると、これを作つて頂くことによつて、むしろそういう交渉は容易に実現ができるというような気持で私どもはこの立法をいたしたわけです。
○宮本邦彦君 私のお尋ねがはつきりしなかつたのかも知れませんけれども、私はそれを承わつておるのではなくて、先ほど森田先生から、これは金融機関をふとらせる法律案である、それから又河野先生から、本質的なものを考えておらん、理論的でない法案ではないかというお考えのように私は承わつたんですが、私の今御質問申上げておることは、そういう御説明を要求しているんではなくて、農林省は開拓地のいろいろな調査その他も不備であるから、取りあえずは金融機関その他との事務的な折衝で、大体話合の付いたこういう法案で出すということまではわかるんです。この金融機関との折衝の結果によつてこの法案が出た場合、そうして皆さんが御折衝になつて、できるだけ金利を安くした場合、なお且つ開拓者の農業経営にその金利が乗つて来ないとき、そのときは国はなおもう一歩新らしい措置をとつて、そうして農林省で立案された不備を補うだけの心持が、御用意がおありかどうか、それを承わつているんです。
○説明員(細田茂三郎君) 随分御意見を頂きましたように、私どもとしても開拓農家というものの本質から出発をしまして、何と言いますか、最も適当な金利に収めたいと考えることは当然でございまして、ただそれをやりますには多少時間をかして頂かなければ、まあ率直なことを申上げまして、時間をかして頂かなければならんということでございまして、取りあえずこういう立法をして頂きますれば、冒頭にも御説明申上げましたように、非常に法律関係が明確になつて参りますしそれから皆さん方のおつしやるような方向に持つて行く上にも、何と言いますか、下地ができて来る。今のように単なる次官通達で行政措置としてやつておるというようなやり方では、どうも身が入つて参らんというようなことも現実の問題としてはあるわけでございまして、そういう意味で私たちも御趣旨のありますような点を今後大いに検討いたしまして是非そういうふうに持つて行きたい、こういうのが私どもが立案をしました本当の気持であります。
○上林忠次君 この農業協同組合のうちに開拓農業協同組合の指定、この点でありますが、正会員の七〇%以上、この開拓関係者が七〇%以上含んでいるということが条件になつておりますが、七〇%というのは少し多いのじやないか、もつと下げたらどうか、これだけで押えておきますと、組合が今でも単位が小さくなつて経営に困つている一これからだんだん単位を大きくして行くというとき、現在ある組合を又細分化する、そういうような傾向に追い込むんじやないかと思う。このパーセントをずつと下にしておきまして、三〇%なら三〇%、それから戸数で片一方はつかみ、三十戸母上という工合にパーセントをもつと低くしなければいかんのじやないかと私は考えます。併し果してそれじやこの七〇%以下のさような開拓者の少ない組合は、他の手で救済されるならいいのですが、開拓者は救済する途がないということになると思いますが、このパーセントをもう一度考えてもらつたらどうか、これに対する政府の御意見如何ですか。
○説明員(細田茂三郎君) 大体内地におきましては、いわゆる開拓協同組合と名を付けておりますものはほぼこれくらいのところで押えれば殆んど全部が吸収されるという見当で一応片付けております。併しなおこれが非常に実情に合わんということでございますれば、必ずしも七〇%に固執するわけじやありません。それは現実に合うように規定いたします。
○上林忠次君 このパーセントですが、更に下におろしていいパーセントじやないかと考えるので、そうこれで救い得るというような、或いは一部は漏れるぞというような懸念のあるパーセントじやなしに、大体全部救えるぞというところまでおろしてくれるなら、この法案としちや欠けるところがないのじやないかと考えているのであります。それに対しまして、もう一度もう少し下げたほうがいいのじやないかということを御検討願いたい。
○説明員(細田茂三郎君) 御趣旨のように、現実に合うようにもう一遍再検討さして頂きます。
○河合義一君 農林大臣がお見えになつておりますから、先ほど私が御質問申上げました趣旨によりまして、本日の会議の大体のことをまとめて委員長から農林大臣に説明をして頂きまして、そうして今問題の中心であります開拓農業者に対して金利の二銭六厘ということは高過ぎる、それは実情に適合しないから、金利を安くしろということ、これが大体の議論であります。これに対して只今の説明員から、農地局で言えばこうだということを承わつております。私は農林大臣に農林省としての御意見を一つはつきり伺つておきたいと思うのであります。
○委員長(片柳眞吉君) 大臣に私から補足して申上げまするが、この河合委員から御質疑があつた点であります。現在の開拓者に対する肥料資金等の営農資金は日歩二銭六厘でいたしているわけであります。ところが一般農業手形の資金は二銭五厘であります。従来も農家経済はむしろ非常に苦しいにもかかわらず、開拓者の営農資金のほうが高いという現状である、今回開拓融資保証法案を政府から提案になりました。正確な法人格を与えて法律上正式な保証もでき得ることになつたので、この機会に開拓者に対する資金の金利を相当低下すべきじやないかしろ開拓者の経営の実態からして、現在の開拓者の経済に相応する低金利で出すべきではないかという御意見のように私は聞きとつたのですが、それに対して農地局管理部長の答弁では、農地局としてはできるだけ安いことを希望するが、併し現在の農業手形を二銭五厘ぐらいにすることが大体意見である勿論それ以下であれば結構ですが、先ず差当りは農業手形と同じような率にするこれに対して農地局だけの意見では困る、農林省としてどの程度にこれを考えておりまするか、大臣から、農林省として、農林大臣としての御見解を聞きたい、これが大体の河合君の申されたことであります。なお足らなかつたら補促をいたします。
○清澤俊英君 私の考えておるところからしますれば開拓という問題は第一が食糧増産という目的の上に立つて、農村の人口問題を取扱い、二、三男対策等に波及し、又大きく言いますれば、終戦後の失業対策等も加味して行われておる開拓事業だと考えるのであります。従つてこれらは社会保障的な社会政策的なものが強く打出されて行かなければならん。従つてこの保証協会の根底をなします掛金と言いますか株金と言いますかそういうものを、全部これから裸一貫で開墾地へ入つて行つて、そうして荒土と闘つて自分の生活を維持したり同時に国の基本線をも全うしようという非常な決意を持つて、場合によつては死ぬか開拓地に入るかというような決心を持つて入る人たちの気持を考えまするならば、この保証協会の根本におきまする掛金を国が全部持つて、そうしてこういう制度を作つてくれるのが本体ではないかと思う。それを掛金を、そういう一銭の金もないというような人が入りますのに、千円かと思いましたが、出資金を出して、そうしてでき上りましたその金が中金へ入つて、そうして中金の利子で大体の賄をしておる、その株を仮に中金が買つて、足らんからほかから融通して来るから、従つて二銭六厘にもなるというようなことでは、これは全く私は考え方がなつていないと思う。少くともこれの運用等は共済組合の運用と同じことで、国の補助で協会の維持費の幾分かは補助してやつて、そうして出て参りますものは従つて自己資金で幾らかでも安く自分のものは自分で使うというようなことまで考えられると同時に利率につきましては国の運用部資金であるとか、或いはその他の特別な財政融資をしてやつて、そうしてこれらに対しまする中小企業等に対しまする或いは基幹産業に対しまする大きな融資をやつておられる場合のような、私は本当の心構えを持つた融資をせられるべきが正当ではないかと、こう考える。ところがそういう面はこの法案の中に一つも見えておらないということが私は誠に不満に堪えない。従つて農林大臣からここに折角出て頂きましたのでありますから私は金利の問題はもう外してよろしい、従つてこういう開拓農民というものの将来において取扱われる心構えとして今まで通りのまあ山へ追込んだのだ、あそこで仕事して、幾ら金がないからちよつと貸してやる、二十何万円かの営農資金も工面してやつたのだから、それで何とかして行けそういう簡単なお考えでは私は駄目だと思うので従つて根本的なお考えと同時にこの金利の問題に対してのお考えと同時に中金の力で日銀に交渉するとか、或いは他の融資機関、金融機関と交渉をして、そうして成るべく安い金利で貸出そうというような方針、そんなしちべらぼうの金利方針をとることなく、もつと保護育成して、根底は社会問題として、あなたがたの一つお考えをお伺いしておきたいと、こう思うのであります。
○戸叶武君 この問題もやはり焦点をぼかしてはいけないので今までやはり問題になつているのは、現実的において利子の問題だと思うのです。融資の問題、その問題に対して中金のほうの回答というものは、開拓農民においては危険負担ということを考慮しなければならんので、従つて利子が高かつた、又それに対する質問において、そういう危険があつたか、現実にあつたかというと、そういうことは一般の農家と比較してなかつた。むしろ成績はよかつたというような答弁でありましたが、問題はそういう実体の上に立つているにもかかわらず、この高いと思われるところの利子を今まで継続させるという中金のやり方というものが、農業金融機関として特別の政府から庇護を受けておる中金のやり方が我々は怪しからんということで、一つの中金だけの問題でなくて、当然政府の農業政策に関連するものでありまして、或いは中金が、或いは農林省が、どういうふうに、この開拓農民の利子を現実的に具体的に引上げるような対策を講ずるか、こういう問題を具体的に私たちは農林大臣からお聞きしたいと思うのであります。
○国務大臣(保利茂君) この開拓者のかたがたが困難な農業条件の下に、而も入植をせられて営農を営なまれて行く、それが一般既成の農家において出されている農業手形の二銭五厘、それ以上の金利を以て恵まれざる条件下にある開拓者に二銭六厘という金利を背負わせるということは穏当ではない、御尤もだと思います。全く私も開拓者の営農実態から申上げて当を失しているというようには感じます。少くとも農業手形の金利以下にこれを持つて行くということは必要であろうと感じます。農林中金におきましても、まあこれは農村のための金融機関でありますから、手を尽しまして、金利の引上げにつきましては具体的に実現いたしますように努力をいたして参りたいと考えております。
○河野謙三君 今農林大臣から気持だけは伺つたのですが、具体的に私たちは論議をしておる。この具体的な問題は、我々が具体的に論議をする前に、少くとも議会にこういう法案を提案する以上は大臣のところに御相談がなければならんはずです。大臣はこの提案をされる前に一応これについての担当の農地局と御相談をされましたか。
○国務大臣(保利茂君) 私はもう早々でございまして、まだこの提案前に具体的には承知をいたしておらなかつたのであります。
○河野謙三君 これは誠に奇怪千万なことを聞くもので、大臣が変られてその引継のこともあつたかと思いますが、私たちは何もそういうことを責めようとは思わない、ただ、今気持がわかつたから、その気持を具体的に我々はここで要求をしておる。先ほど伺いますと、開拓者の金利というものを、この金を借りたことによつて開拓者が今までよりも恵まれるということでなければ、この法は意味がありませんね。そうでしよう。ところが今までの事務当局からのお話を伺いますと、中金の資金源から言つて二銭六厘でなければ中金が行けないという、それが一昨日までの議論、本日になつたら農業手形が二銭五厘であるから、農業手形とのバランスにおいてせめてそのくらいまでは中金に交渉したい、こういう御答弁なんです。それでは大臣は今の御答弁の気持と合わないでしよう。大臣はこういう制度を作り、この安い金を廻すことによつて開拓者に恵みを与えるのがこの精神です。それは今あなたの答えられた通りです。然るに二銭六厘の金を借りて、一般農家でさえもどうかと思つておるような二銭六厘という金を借りて、開拓者に恩恵があると思つておりますか。開拓者がその金を借りて農業をやつて、一年間に一体何回金が回転すると思いますか。政府は一般開拓者の経済状況を調査をして御覧なさい。一般農家と同じ金利の金を借りて開拓者が引合うわけがない。この法案を出す以上、大臣の気持を生かすならば、この金を借りることによつて今までよりも営農がより一層楽になつたというところでなければならん。そういう点から私は開拓者のこの法案による金というものは、金利が幾らでなければならんという理論的の数字が経済局の調査によつて出るはずです。それはそういう理論的な算盤を弾かないで、我々と全く逆な観点に立つて、金融機関の資金源がどうであるとか、ほかのバランスがどうであるとか、そんなことは余計なことです。そんなことは言う必要がない。やる以上は今言うように開拓者の経済調査を緻密にして、この経済状態においては幾ら幾らの金利の資金を、営農資金を廻してやらなければならんという理論的の金利というものが私は出て来なければならんと思う。それによつて中金と折衝する、若し中金においてそういうふうなあれが出ましても、それは開拓者の一方的な経営から出て来る基本的な数字であつて、中金は理論的には引合わんというのなら、その資金源を更に何とか考慮してやる、それでもいけなければ政府が利子補給をしてやる、こういうことで理論で積上げた金利でなければ私は意味がないと思います。これについて今折角管理部長に聞いておるのですが、大臣から、気持はよくわかります。私たちと一致しております。今度は更に具体的に改めて幾らになるかということを聞きたい。中金が承知しないなら別です。大臣としては具体的に幾らでなければならないと思われますか。
○国務大臣(保利茂君) 私ども不案内な問題なんでございますが、この金利が農業手形の二銭五厘に比して高い、それは開拓営農の上から言つてもう少し低いものにしたほうがいいということはそうであると思いますが、同時に又それじや今結局関係者間で話の一応できたところが二銭六厘であると思いますが、その二銭六厘の金利を以てもなお開拓者に融資の措置を講じて行くということも又必要であろうと思いまして、今河野さんのお話のように緻密な経済調査をして合理的な金利がそこに幾ら幾らでなければならん。その話が整わないからこの法案をそれまで見合しておこうということは、却つて私は開拓者のかたがたの融資を、これでも或いはいいと言われるかたもあるだろう、そういうかたにやはり途を開けておくことが開拓者に対して必要じやないか。で、この金利を将来も固執して参るということではございませんで、飽くまでこの金利の引下げについては具体的に努力をいたして参りますけれども、ともかくも開拓者のかたがたに対する融資の途を講ずるところとして今日関係者の間でまとまつた二銭六厘でスタートさして頂きたい、こういうふうに考えております。
○河野謙三君 それは大臣に今までの委員会の審議の経過というものは全然報告がないから、大臣はそういうような不認識なことを言つておられる。この委員会で、誰でも金利がたとえ二銭六厘でもないよりは増しだからこの法案を通すという委員は一人もおりません。現に今自由党の森田委員から、この法案について、急所は金利である、二銭六厘というような金利でこれを通すならば、結果は開拓農民は何にも恩恵はないから、ただ徒らに金融機関であるところの中金だけの懐ろを殖すのだとか、金融機関の擁護法案だという結論さえも私は聞いておる、誰も喜んではおりませんよ、こんなもの……。今日ここに開拓者が来ておられるかどうか知りませんけれども、開拓者といえども、このままでは私は恐らく喜んではおられないと思います。そういうことであるから、もつとこの法案を通す一番の重要な条件というものは、この金利を一体政府は中金と交渉した結果幾らにするかということが問題なんだ。若しこれが二銭五厘、二銭六厘の金利であるならば、これは私個人の意見でありますけれども私は全然こういう法案は意味ないと思います。ほかの委員からも大体そういう意見のように私聞いております。でありますから、今特に大臣の御出席を求めて伺おうということになつたのです。これはもう一遍御答弁を願います。
○国務大臣(保利茂君) 二銭六厘の金利を以て発足したのでは、これは無意味である、やらんほうが増しだというお話であれば別でございますけれども、一応法案のスタートとしては、これでやらして頂いて、そうしてこれは責任を持つて一つ中金と速かに引下げの実現をいたすように努力いたしたいと考えております。
○河野謙三君 大臣が折角中金と交渉の結果金利引下をやつて見る、こういうことでありますから、私はこの法案の審議は、少くとも大臣が中金と本日のうちにも、そう面倒な問題じやありません。中金の大世帯から言つても、この間も申上げたのですが、これを極端に言えば一銭五厘で貸しても金利体系を乱すわけではありません。これは農林省の施策の一環としてやる以上は、中金が金額にしても六億か、七億の金であります。でありますから、本日はこういう簡単な問題でありますから、大臣は中金の理事長を呼んで、そうして直接折衝をされまして具体案を持つて私はこの委員会に臨んで頂く、それまでは私はこの審議は一時留保して頂く、こういうように特に委員長に私は希望いたします。
○河合義一君 先ほどから大臣の率直な御答弁を聞きまして私は衷心喜んでおります。もう一つ聞いておきたいことは、今中金と一つ話合をした上でというお話でありましたけれども、これは一つ財政上の措置を以ちまして、大きな船会社へ安い金利で金を貸してやるとか、ああいうふうに何とかこういう食糧増産のためには、まあ中間に介在するものをなくして、一つ政府自身安い利子で金を使わすというふうな方法はないものでありましようか。こまかしいことは下僚にお任せになつて結構だと思いますが、そういう金を一つ予算からたくさんとるとか、まあそういう財政上の措置をするとかいうような、そういう大きな問題に一つ大臣はうんと力を入れて頂きたい、そういうことはできないものでありましようか、お伺いいたします。
○委員長(片柳眞吉君) 農林大臣はこれでちよつと時間がないそうでありますから…。
○国務大臣(保利茂君) 食糧増産は今日の大きな国民的課題になつております。私は無論農林省に相当の計画を持つておると思いますし、又おるわけですから…。併し私としましては、この食糧増産につきましては一つ微力でございますけれども再検討をいたしまして、そして御趣意等の点につきましても研究をいたしまして、全体につきまして私はもう一遍検討をいたして見たいと考えておる次第であります。
○委員長(片柳眞吉君) 先ほど河野委員から農林中金と具体的の折衝を至急いたして、その目鼻の付くまで本法律案の審議を先へ送りたいという御発言がありましたが、如何でありましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(片柳眞吉君) それでは、前回の委員会では本日討論採決の予定でありましたが、今言つたような事情もありますので、農林中金と具体的な話の大体付くまで本法律案の審議は延期をいたします。
○河野謙三君 その場合に今大臣は帰られましたけれども、管理部長を通じて日を切つて下さい。無理なことを言つてもいけませんが、農林省と委員長と打合せの結果、幾日かということに日を切つてもらいたいと思います。
○委員長(片柳眞吉君) ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
○委員長(片柳眞吉君) 速記を始めて下さい。それでは開拓融資保証法案は後日になお譲ります。
  ―――――――――――――
○委員長(片柳眞吉君) その次に、戸叶委員からの御要求でありまするところの凍霜害対策の件につきまして御発言を願います。
○戸叶武君 政府が行なつた桑の凍霜害対策に対する経費のならし方でありますが、特に桑園凍霜害対策特別講習会の名の下に約三百万円と思いますけれども、それを全養連に流して全販連系統には何らの連絡がなかつたということでありますが、特に栃木県等におきましては、予算関係の八割までは経済連でやつておりますので、それに関して農林省の蚕糸局の蚕糸課長並びに局長に交渉いたしましたところが、蚕糸課長のほうの答弁といたしましては、そういう講習会を欲するならば全養連に加入せよというような御意見であり、又蚕糸局長のほうは全養連に入らないならば、その講習会を受けなければよいだろうというようなお話であつたけれども、これは非常に暴言だと思うのでありまして、少くともこの予算関係を、現在において全養連が非常に大きな力を持つておるかも知れませんが、協同組合運動の過去の歴史に照しまして、全敗連系統の経済連なり、販連なりというものが取扱つておるのに対して、全養連一本で行き、全販連系統のところには、そういう連絡をしないという、そういう根拠はどういうところに根拠を持つて農林省でやられたか、御答弁を願いたいと思います。
○政府委員(寺内祥一君) 過日の凍霜害対策の経費の一つといたしまして、今回の凍霜害が何十年来の非常に大きな凍霜害でございまして、これに対する技術者の手当も末端の技術者に対して不徹底でございますので、これを中央からそれに対する対策を考えようということが一つの議題になりまして、最初はこれを中央に集めて講習をしようというまあ予算だつたのでありますけれども、こういう忙しいときにそういうこともできないので、各県でそういう講習会をやろうということになりましたが、この講習会は何十年来の末端の技術者の経験のない対策に対して、中央の試験場その他の権威者の技術を徹底させるということでありますから、これを而も技術的対策をいたしまして、夏秋蚕の増産に間に合わせるということで時期を急ぐというようなこともございますのと、そういう統一した技術を全国に流すという必要がございますので、或る程度やはり一本の系統でこれを流すことが必要であると我々は考えたのであります。で、御承知の通り只今戸叶委員もおつしやいました通り、繭の取扱は全養連と全販連両方で扱つておりました。併しながら我々の統計によりますと、全養連のほうが全産繭額の九一%を扱つておりますし、全販連のほうは僅かに〇・五%なのであります。而も全国的に見ますると、大部分の県には県養連というものがあります。これは全養連に入つておりますが、富山、福井、静岡というような約全国で十の府県におきましては、成るほど全販連系統の県の県販連或いは県の農業協同組合というものもありますが、これらのものも同時に全養連にも加入いたしております。なお栃木県その他或いは徳島というようなところには、県養連と県販連との両方の系統がございます。これはいずれも県養連のほうは全養連に入つております。そういうような関係もございまして、技術を一元的に流すということと、緊急にこの処置をしなければならないというような点がありましたので、全養連に全額を委託いたしまして至急講習を実施してもらつたわけであります。これによりまして只今申上げましたようなことが、全養連系統で参りまして、全国の大体末端に普及できると思う点があると思つたのであります。ただ栃木県につきましては、成るほどお説の通り県の養連と、それから県の販連と両方でやつておりまして、むしろ販連のほうが取扱数量が多少多いというようなこともありますので、こういうところにおきましては、全養連に委託いたしたと申しましても、その又下請をいたします県の養連におきまして、十分県の販連と協調いたしまして、或いはそこで共同主催というような恰好でもできるのでございます。これらの点につきましては、特に私どものほうといたしましては、全養連にも十分注意をいたしまして、役員会総会のありましたときには遺憾のないように注意いたしましたし、特に私から金養連の会長にもお願いいたしまして、こういう点について遺憾のないように処置いたしたのであります。それから先ほど課長や私が個人的に何か申上げたように申しておりますが、私はいわゆる受けないでもよろしいということを公式に申上げたことはございません。若しそういうふうに間違つておとりになりましたら、私の用語の不十分の点については御了解願いたいと思います。
○戸叶武君 今の言動を聞いていると、明らかに全養連一本にして統制して行くというような農林省の意向を露骨に現わしているということが誰でも察知できると思う。そういう意向の下にこの対策が講じられたのですか、その点明言願います。
○政府委員(寺内祥一君) 只今の繭の取扱いにつきましては、自由経済の原則に基いて自由にいたしておりますのでどこの団体を主としてこれを統制して行くというようなことは毛頭考えておりません。只今のような技術講習につきましては、技術を一元的に末端まで普及させるという趣旨におきまして、これに最も適当な団体と思いまして全養連に委託いたしたのであります。
○戸叶武君 一元的に末端までこれを徹底させるといつても、事実上において、製糸資本をバツクとするところの全養連というものが大きな比重を持つているとしても、全敗連の系統にそういうものがあるのに、これを全然無視して全養連一本で以てそれを強行して行くというような態度は明らかに全販連系統におけるところの組合活動というものを無視したやり方を農林省みずからが、少くとも蚕糸局においては意識的に、やつていると見受けなければならないのであります。而も栃木県において重要な関連性があるのは、佐野市を中心する再選挙の問題すらやかましくなつているのであります。これはその会長なり何なりが政治的な色彩を帯び、而もその選挙に関連性が多分にあるような場合において、栃木県下においてそういうことがなされたということは、農林省の蚕糸局と全養連との何らかの結託の下において、そういうことがなされたのではないかというようなことすらも栃木県下においては問題にされているのです。少くとも農林省における蚕糸局長の地位にあつて、その取扱いに関して慎重を期さなければならない立場にありながら、自分はそういうことを言つた覚えはないなどといつておりますが、今日我々の前で発言するところの内容とその態度というものは、明らかに蚕糸局長そのものが一元化を名として強引に全養連一本に統一して行こうという態度を現わしている以外の何者でもないじやありませんか。そういう誤解もある際でありますから、それに対するあなたの、いい悪いじやない、善後措置並びに今後においてもそういう態度と意向の下にやられるかどうかをここで明言してもらいたい。これは栃木県だけの問題ではない、ここに河野委員もおりますが、他にもあることだと思います。
○政府委員(寺内祥一君) 今回のこの技術の徹底につきましては、只今申上げました理由によりまして全養連に全額委託いたしたのでございますが、今後の繭につき幸しては、これにつきまして全養連のみを支持するというような考えは毛頭持つておりません。
○河野謙三君 ちよつと関連してお尋ねするのですが、私の神奈川県で最近の凍霜害の対策資金、これの資金の流し方を、全養連を抜けた組合には行かないということを言つて訴えて来ておりますが、これは私は何かの間違いだと信じておりますが、少くとも一昨昨日そういうような陳情を受けているのです。これはそういう間違いはないでしような。これはよく調べてもらいたい。なお今この席でそういう間違いはないという断言ができるならば、私はそれをそのまま受けて地元に行つて私の手で解決します。それを一つ伺いたい。
○政府委員(寺内祥一君) 今回の凍霜害のいろいろな補助金、委託金につきまして、全養連を通してやりましたのは、只今問題になつております講習会の経費だけでございまして、あとは皆県を通しての補助金でございますし、その職員の俸給にしましても、これは全養連ばかりでなく、例えば県販連において技術員を雇つておりますれば、それが一応行くのでありますから、全養連系統以外の組合にはやらんというようなことは絶対ございません。
○河野謙三君 具体的にあなたからも調べて頂きます。神奈川の相模原です。これは養蚕の中心地です。今養蚕は一貫目三十円ですか、ぴんはねを食うというようなことで脱退したのです。ところがその犬の糞の仇討ちみたいに今度の凍霜害の対策について、養連に加盟していないところには行かない、やらない、こういうようなことを言つて、脱退したところが非常に狼狽しているのです。この事実は確かにあるのです。それはあなたのほうではお聞きじやないかも知れないが、そういう事実がありますから、至急神奈川県庁なり、神奈川県の養連と連絡して、そういう事実がなければ結構でありますが、ありましたら、局長の趣旨に副つてその事実を至急に訂正してあなたのお気持通りに一つ善処して頂きたい、こう思います。
○政府委員(寺内祥一君) 早速事事を調査いたしまして、若しもそういう間違つたことをやつておりますれば直ちに訂正いたさせます。
○戸叶武君 蚕糸局長は全販連と栃木県の県養連の代表がお願いに行つたときに、全養連の主催でいけなければ講習会を受けなければいいじやないかという発言をなされたそうでありますが、そういう言葉を言つた覚えはありませんか。
○政府委員(寺内祥一君) 栃木県については県養連と県販連とあるならば両方で共同主催の形でやつたらよかろうと、こう申したのであります。
○戸叶武君 これは私のほうもあとで確めなければなりませんが、私が聞いた範囲内では、そうでなかつたのであります。今までの蚕糸局長の言動を見てもそうでなかつたろうということは大体私は推察され得るので亙りますが、今まで農林省で、蚕糸局で少なくともやつた一元化を名として、時期的に拙速を尊ぶからというような言訳があるようでありますが、今までにやつた処置が飽くまでも正しかつたか、それを間違つておつたから今後気を付けるという態度か、その点を明らかにしてもらいたい。非常にあいまいだとあとでこういうことは悔いが残りますから。
○政府委員(寺内祥一君) 少なくとも只今とりました技術講習の点につきまして、全養連に金額委託いたしたということにつきまして原則は間違つておつたとは思わないのでありますが、例えば栃木県のような特殊の事情のところにつきましては、特殊の方法、手段をとるべきであるというふうには考えております。
○森田豊壽君 今お話を聞いておりますると大分深刻なお話でありましたが、私の聞いている範囲におきましては、蚕糸局は全養連を主体としてやることは、これも尤もだと私は思いますが、但し今のような特別の場合もあるのでありますから、金版連の関係にしましても、十分連絡をとつてこれからやつて頂かないというと、この問題ばかりでなく、いろいろな問題につきまして、そういう空気のありますることは私どもも聞いているのであります。どうかそういうところにとかく誤解も生じやすいので、十分蚕糸局長はそういう問題につきましては、特別のものが少ないからという数の上でないのでございまして、そういう場合のあることは勿論問題でありますから、あらかじめそういう全販の面を通してなり、或いはその県に対しましては、やはり一応はそういう場合にはこういう考えだということを教えて頂かないというと、全養連一本でやることというようなことを建前としてお話になりますというと、とかく誤解されやすいと思うのでありますから、私は今後この問題がたびたび起ることを予想されますので、どうか金版等ともよく連繋をとりまして、蚕糸局に関する限りはおれが皆やるのであつて、下のほうはどうなつておつてもそれは知らんというようなことじやなくやられることを私は希望として申上げておきます。
○戸叶武君 このことは私は簡単なようだけれども極めて重要だと思うのであります。凍霜害対策というものは全般の農民に対するところの対策なのであつて、一全養連に対する対策ではないのです。少くとも蚕糸局長なり、蚕糸課長というものが、このくらいのことを心得なければならない。而も農業協同組合運動が非常に困難な途を歩んでいるときに、蚕糸局なり、蚕糸課というものが特別な意図の下に、自分の直轄するような団体を育成するために農業協同組合の運動を無視して行くというようなやり方ならば、おのずからそこに政府の対策との根本的対立という問題が起きて来ると思うのです。この蚕糸課長の言動にしろ、蚕糸局長の言動にいたしましても、明らかにそういう点が露骨に出ておりまして、官僚的なセクシヨナリズムというものがどれだけ全農民に対する被害を与えるかわからないのでありますから、今後においては、飽くまでも頑固に今までとつた態度は間違いでないと思う、それは特殊なことだなどと言つておりますが、河野委員が先ほど発言されましたように、全養連を脱退すれば、それには講習を受けさせない、栃木県のように全養連に関連がないところの、そういう経済連の動きであるならば、それはオミツトされる、そういうことでは全農民を対象として凍霜害の費用を出したところの国会の意思というものを無視するものであり、而も政府の属僚であるあなたがたが、それによつて大きな顔をしておるということになるのでありますから、率直にそういう点は今後注意し改めるということを申述べたほうが、あなた並びに蚕糸局長のためによいと思う。もつと謙虚になつて自分たちの誤まりを直して行くという考え方をしなければ、官僚に直轄した、官僚にぺこぺこする団体のみがそこにでき上つて来るというような危険性が多分にあると思いますから、御注意願います。
○政府委員(寺内祥一君) 私どもといたしましては、全養連もやはり農業協同組合の一つでありますので、農村の協同組合運動の一環と思つてこれを見ておるのでありますが、なお現実の問題といたしまして、二つの系統があるので、それを今後御注意によりまして認めて参るというふうにいたしたいと考えております。
○清澤俊英君 ちよつと、凍霜害とは筋が外れて参りますが、大体基本的な線として養蚕連を中心としてやつておられるという線は、まあ私ら新潟県でも見ております。この点は確かに見ております。その根底をなしておるものが、これは大分養蚕農民の間に問題になつておるのでありますが、例の販売した繭に対して、一貫目に対して六十円でありましたか、前には三十円でありましたかの養蚕家のまあ寄附金と言いますか、そういうものが来るのだ、その金が入りますことによつて養蚕技術家を養つておるのだ、こういう結論がたしか出ておると思うのでありますが、そういう関係上、どうも蚕糸局も養蚕連も、それを中心にして何かしら縄張り式な、他を排撃するような傾向が強く出ておるのでありまして、これはまあ確かでありますから、そういう点に対して一つお伺いしたいことは、現在行われております製糸家から出ている三十円か、六十円の割戻しをすると言いますか、寄附金という形になつております。これは現に掛目を作りまする際に、私は余り養蚕のことは知りませんが、原料副費というものを大体六万円と見て、これを糸価から引いて掛目を出すことになつている、その六万円の中にすでに製糸家から廻る補助金でありますか、寄附金でありますか、とにかく製糸家が蚕連に出します一貫目幾らの金というものは頭から引いてある。こういうことがもう今明確な事実として現われている。従つて農民に言わせますれば、自分らの繭を安く買われて、それを製糸家からもらうという形は甚だ怪しからん、こういう議論が相当抬頭しておるのでありまして、それらの官僚が従つて養連と農民との溝を一日ごとに深くしておると考えますので、この間の事情をもつとわかりやすく御説明願いたいと思います。
○政府委員(寺内祥一君) 只今の御質問は、全国的に大体一般に行われております繭の取引におきまして、県養連を通じて繭の共同販売をいたしますと、それに対して製糸のほうから指導費、集荷費とか、或いは奨励費というような、全国的にたしか一貫当り三十円程度の資金が県費連に渡されるという恰好になつておるのでありますが、これはほかの農産物の共同販売におきましても、単協なり、県の連合会を通して共同販売をいたしますれば、どうしてもそれらを通ずる機関の手数料というものが要るのであります。普通でありますならば、それを一括して組合がとる、そのうちからそういう手数料を差引いて組合員に渡されるのでふりますが、繭につきましては特殊の事情がありまして、繭の代金そのものは直接組合員からその手数料に相当するものを指導費、奨励費という名目で以て、製糸家側から直接県の連合会に渡されるというような傾向になつております。私たちはこれを理論的には普通の農産物で、やはり組合が善引く手数料である、ただその支払の方法がそういう特殊の形態をとつておると考えておりますので、特にこの繭の販売についてのみ、単協なり、県の連合会というものが頭をはねておるとは考えておらないのであります。
○清澤俊英君 蚕糸局長の御意見によりますと、製糸家から出ます三十円の割増金ですか、そういうものは特別なので、製糸家が集荷手数料として特別に自分の利益或いは損しても出して行く、こういう御説明のようにお伺いしておりますが、現に新潟県の梶原審連専務は、二十万円の糸といたしますならば、その糸の中から六万円という原料副費というものを引いて、その中の三万円というものが返つて来るのが、これが大体三十円になつて返つて来るのだ。それは約一俵の生糸をとりますには百二十貫の繭が要る。従つてこれをとつて参りますと一貫目約三十円の割戻しになる。これは現に農民から繭を安く買つておつて、それを製糸家から何か特別な金を出して、製糸家が損をしても養蚕連へ何かを支払うという方法をとられるということは甚だ問題になつて来る。こういうのが中心になつておる。これは現に養蚕連の責任者がこういうことを言うておるのでありますから、恐らく間違いはなかろうと思います。私は養蚕協同組合ですか、養蚕連の組合法が出ました当時に、その当時の蚕糸局長と数日に亙つて渡り合つたことがある。決して製糸家が損してまでこの多額の金を出すことは絶対あり得ない。資本主義の圏内においてそういうものが出ようということを考えるのは無理だ、これは必ずどこかで穴をあけて、そうして農民から安い繭を買つて来て割戻しするだけの話であつて、これは技術家を養成する金がないから、一応の便利便法として蚕糸局でとつておる手品だ、こういう手品はおやめなさいということを言つて来たが、現在これがだんだん具体化して表面化しておる。で、こういうものが続きます限りには、農民と養蚕連の健全なる発達の上において、将来において一大桎梏を来たして大問題を起すと思います。各地にこれは現われて来ておると思います。少くとも新潟県には最近一部の農民がこれに反抗運動を起しておりますことは御承知だろうと思います。ああいう問題は、各地に燎原の火のごとく伝わつて、決してあなたがたが企図するような健全な養連の発達を来たし得ない状態に、終いにはなりやしないかと私は心配する余りに、現にこういうものをやつているならば、それでよろしいですから、要用なものなら要用なものでよろしいから、農民の納得する限りにおいてその方法をお考えになつたほうがいいと思う。ばかな手品みたいなことをやつて、それがために無理な協定販売をやるからとか何とかいうような、無理な販売方法を強要するがごとき養連が出て参りますならば、それは農民の養連ではなくして、製糸家の養連である、或いは政府と官僚と製糸家が結託した農民搾取の養連だと豪語しておるのであります。恐らくこれは河野さんでも戸叶さんでも、養蚕農家の多く集まつておりまするところならば、農民の率直な感情は、私の申上げることに嘘はないと思う。この重大な問題に対しまして、今そういうものはないのだと、こういう蚕糸局長の御答弁は誠に私は不満に堪えないのでありまして、この点はもう私はここで議論して見ましても始まらんと思いますから、あとへ持越しまして、もつと徹底的な、まあ究明なんていう言葉は使いたくないですけれども、結局日本の養蚕業のレベルをよくして、外国輸出のできるまで農民の生産を高めて行くという点を考えて私は申しておるのでありますから、まあいろいろ切実な御相談をして、全体の農民が高く繭を売るということでなく、現実に養蚕家が輸出の価格というものは二十一万円ぐらいであるということは、却つて糸価安定法案を出します際にも明らかになつているのでありますから、それが今二十四万、二十五万と行つているので、今どんどん増産をやつているだけでもおかしな話なんで、ああいうことを基本にしてもつと私は御相談したいと思う。その基本としても、こういう間違つたものを置かれては問題にならんと思いますので、私はこれで今日は質問はやめますが、あなたがたも腹を割つて、あつたらあつた、こういうふうになつているものならなつているものだということを梶原のごとくお明かしして頂いて、御相談にあずかりたいと思います。
○戸叶武君 私今までは蚕糸局で一番心配したのは、非常に遠慮しておつたのですが、この製糸資本と官僚との結託によつて全養連ができ上つているという非難が一般の農民その他から一ぱい出て来ているのです。そういう際に少くとも片倉財閥の関係者が官房長であり、片倉製糸を中心とする幾多の製糸財閥と官僚と全養連との結託で、協同組合の名によつてそういうことが強引に推し進められて行くという形になると、私は協同組合の名を冠しても、それに対する批判が当然起きて来ると思うのでありまして、我々社会党としては、特にこういう問題に対しては監視を緩めるわけには行かないのです。神奈川においても、新潟においても、そういう御非難が出ておるということでありますが、今後そういう意味において、とにかく局長なり、課長は十分言動も注意せられんことをお願いします。
○委員長(片柳眞吉君) この点で御質問はございませんか…。
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○委員長(片柳眞吉君) 時間が過ぎておりますが、もう少し勉強いたしたいと思います。
 農産物検査法の一部を改正する法律案の審議に入りたいと思います。本法案は去る四日衆議院から送附せられたもので、すでに提案理由の説明を聞きましたので、本日は法律案の内容その他参考事項の説明を求めたいと存じます。なお本日の御出席のかたは発議者の衆議院議員金子與重郎君、説明員といたしまして食糧庁の検査課長が見えております。これより説明に入ります。
○説明員(松岡寅治郎君) それでは農産物検査法の一部を改正する法律案の大体につきまして御説明を申上げます。
 今度の改正は大体四点ありまして、第一点は米麦の生産者がその生産いたしますところの米麦の加工を委託する場合に検査を受ける。尤もこの場合農家の自家消費するものはそれを除外しておるのは当然であります。第一点は、米麦及び精米につきまして検査を受けていないものを買受ける場合、その場合に検査を受ける。従来は生産者のみに受検の義務を課しておりましたが、この法律でそれを買受ける者或いは委託を受ける者が検査を受ける義務があるというように検査の義務が加わつたのであります。第三点は、立入調査の問題でありまして、農家、販売業者、加工業者、倉庫業者に対しまして、検査員が圃場、事務所、事業場、倉庫等に立入りまして、必要がある場合は報告を徴したり、或いは現物を見るというその立入調査の規定を新たに挿入いたしました。第四点は、検査規格の問題でありまして、従来検査規格を新たに設けたり、或いは改正したりする場合には、公布いたしまして三十日間、これは生産者その他関係者に周知徹底する必要上、三十日間の余裕期間が必要でありましたが、然るに今度のこういう災害の場合に規格を変えるといたしましても、一カ月待つておりましては間に合わない。それで今度はその余裕期間を短縮したい。それに罰則の規定に、今度新たに加わりました規定についての罰則の規定を最後に加えております。これらの諸点が今度の改正の主な点であります。
○委員長(片柳眞吉君) 前谷食糧庁長官も来られております。これから質疑に入ります。
○清澤俊英君 農産物の検査は、その趣旨といたしまするところは、農産物の生産者並びに消費者に対しまするサービスに考えられておつたと思うのでありまするが、従つて現行法の第二十条によりますと、生産者に対する罰則についてもすでに問題のあるところでありまするが今回の改正によりまして、更に売買取引者と加工業者に対しても罰則を以て向わんとしておられますが、真にその必要があればこれはやむを得ないところでありますが、又従来のように生産者のみ処罰するやり方には不公平があつた、こう思うのであります。そのことについて次の事項に関して提案者並びに政府の御所見を御説明願いたいと思います。無検査の麦の取引数量並びにこれが全取引数量に対しまするところの割合は今どうなつておりますか。第二番目が無検査麦の取引が行われておるその原因と認められますところは、大体どういうところでそういう無検査麦が取引されているかという点も一つお伺いしたい。第三点としましては、無検査麦の取引の主な原因についてお伺いしたい、こう思うのであります。第一が検査手数料の高いこと、政府は今回十円に引下げたが、一般には免除してくれ、こういう声が高いのであります。検査は国が検査をするのだから、一つこれをただにしてもらいたい、こういう声がありますが、これに対するお考えはどうであるか。今の検査から申しますると、検査の場所が一定場所にきまつておりますことと、農協の倉庫というようなことになつておりまするので、従つて検査の場所が非常に少いというようなこともありましようが、その数が少いために非常に朝早く暗いうちに持つて行つて、漸く忙しい調製の時期に、お天気のいい日、半日も一日も馬と一緒に待つていなければならんというような点が非常に多いのでありまするが、こういう点についてはどう考えておられるのか、検査のために少からん経費や手間がかかること等などが考えられておりますが、そのことにつきまして、一つ御両者のお考えを聞かせてもらいたい。それだけを一つ一応伺つて、あと又続けてお伺いします。
○衆議院議員(金子與重郎君) 昨年度の産麦でどれだけの未検査品として取引せられたものがあるかどうかということにつきましては、いわゆる麦の生産収穫高から、昨年度政府が買上げたもの、或いは業者を通して買上げたものと称して表へ出ているものと自家用との差額というものが当然そういうことになるのでありますが、その数字ということについては私は数字を持つておりませんから、当局から説明させることにいたしましてその次の問題といたしまして、何故に、今まで生産者を強制検査の形に置くこと自体にも、生産者を保護すべき、生産者にサービスすべき性格の検査というものが、なぜ罰則まで課して一方的に取締つたか。而もその上に今回買つた者或いは委託をした者まで、これを両罰のような形に持つて行つた理由はどこにあるか、こういうような問題だと思いますが、これは麦の産地におきましては、御承知のように製粉会社或いは精麦会社というものが非常に地元に多くあるわけでございます。従つて検査品として一つの建値が出て参りまするというと、その建値よりも余計に買わなければ、当然これは政府なり協同組合へ行つてしまうからして、業者のほうで当時の建値よりもたとえ一円でも幾らでも上廻つて買わなきやならんということが要請されていることは御存じの通りであります。但しそこを上廻つて買わないでも、未検査品でも同じに買えますよということになりまするというと、去年までは二十円も検査料がかかつておる。而も俵も検査を受けないで済む、こういうような取引が非常に殖えて行くということが未検査品がたくさんに取引されるという第一の理由だと思つております。第二の理由というものは、これは甚だ思わしくないことでありまするけれども、遺憾ながら実例でありますから申上げますが、農手その他を協同組合にこれを出すと、それらの検査費を差引きされてしまう。そうすると、やむを得んから背に腹は替えられんから横へ売るというようなことも甚だこれは遺憾なことでありますけれども実際においてはあるのでございます。そういうような場合に、前者の場合にいたしましても、後者の場合にいたしましても、その商いそれだけは確かに農民自体が有利のような気がいたすのでありまするけれども併しながら販売いたしますのにも、加工の委託をいたしますのにも、規格を付けるということが御承知の通り一等ならば一等、二等ならば二等は粉が何貫出る、或いは押麦製品にして何貫の製品歩合が出るということを主体として規格を付けておりますので、この規格を付けないものを販売したそのときは利益のようでありますけれども、やがてこの曾つて未検査品というものが農民には結論としては損害を来たしたように、やはり未検査品というものに行きますとあなたのはもう少しは製品が出ると思つたけれども、案外出なかつたとかいうふうな形においてやられて来る、そうして農家のかたがたは自分で自分の規格を付けることできませんからして、そういう結果になる、従つて繰返し申上げますと、端的にそのときだけは農民は利益のような気がいたしまするけれども村全体のそういうふうなものを加算いたしますると生産者全体の利益を阻害するのだ、こういうことを私どもは麦の産地におきまして痛切に感じましたので、この際この検査法を改正いたします動機というものは、今後災害を受けましたので五等麦を作らなきやならん、このときに先ほど検査課長が説明したように、三十日間の告示期間というものでは効果を奏しないから、これを短縮したいということが動機でこの改正法を申入れたのでありますが、その改正の際に当りまして、去年の統制撤廃以来の姿が却つて将来は農民のために損になるということを以ちまして、以上申上げた点を附加えて改正したいと、こういうことで衆議院におきます各派と相談の結果、この提案をいたしたのでございます。
○政府委員(前谷重夫君) 補足して申上げますが、大体取引数量は全体といたしまして二千万俵でございまして、未検査品が大体その二割の四百万俵程度が未検査品として流れておるだろう、かように推定いたしておるわけでございます。なお検査料の免除の件でございまするが、検査料につきましては、御承知のように政府に買入れまする場合におきましては、この検査料を加算して買上げております。従いまして政府の売りまする場合においては農家の負担にはなつていないわけでございます。なお市中に販売されまする場合におきましても、政府の買上価格は一つの水準になつておるわけでございますので、元来この点は消費者負担になるべき筋合のものでございますが、只今金子さんからもお話のようないろいろな事情、生産者と取引業者というふうな関係におきまして、必ずしもそうならない場合がございまするので、今回のような改正を考えたわけでございまして、手数料十円といたしましたのは、米の手数料その他の農産物等の点から行きまして、入荷の関係或いは過去におきまする検査料というようなものを勘案いたしまして十円にいたしたわけでございます。なお場所の拡充の問題でございまするが、御承知のように検査の場合は建前としまして公開の、公の場所において検査するということが、これは検査の原則でございまするので、現在におきましては公の集荷場、農協倉庫等におきまして検査をいたしておるわけでございます。これの拡大につきましては検査のそういう性質及び検査員の人数と申しますか、そういう点等を考えまして現在きめておりまするが、僻遠の地その他におきましては必要に応じて、地方の実態に応じまして食糧事務所において指定いたして参りたいというふうに考えております。
○清澤俊英君 そうしますと、ちよつとそこが、先ほどどうしても麦はできんかという私の質問に対しまして、検査料が高いという点と、いま一つは未検査であれば、それだけ検査料の差があるとは思うが、今の政府委員の御説明によれば差があると思うが、とにかくそれだけの自分が損をしているというようなここに差額が出て参りますので、まあそれらの点が中心で未検査のものが市場に流れている、そのことが結局農民が損をしている、こういう御説明になつておりますが、その麦の販売というものが、基本において自由販売が基本になつておることはもう私が申上げるまでもないのであります。従つて自分の麦をまだ委託加工なり加工するか、或いは一銭でも高い方面に売つたほうが得なことはわかつております。そういう態度のきまらない場合に、仮に自宅に麦を積んでおつた、そうしましたときこの検査が、自宅立入検査が、ただ自分の商品の目的が委託加工若しくは云々という条件付のものに限つて検査してくれる、こういうことになつておりますことは、これはどうもちよつとこの欠陥を除去して行くという建前から見ますと、そこにどうも大きな穴をまだ残しているのじやないか。少くともこれを先に申しましたように検査場に持つて行つて、農協の倉庫の前で検査を受ける、そうしてそれには非常な手間や時間やいろいろな面倒がかかる、運搬して行つたり、そういう大体農協の倉庫に入れれば、そのときは政府売付という形になつて自分の思わぬものがそこに出て来る。そうして見まするならば、自宅検査を昔の米のように全部やつて、その上で売りたいものは持つて行つて売るという制度にきちんと改めて参りますれば、そういう欠陥が全部とれるのじやないか、そこのところだけを、何かこうずつと壷にはめられたところにどうも割切れんものがありますので、その点をちよつと……。
○衆議院議員(金子與重郎君) 一生産の少い地帯におきましては、結局この検査員の陣容と、それから一日の検査数量というものの少いために、やはり農協倉庫ということに限定することが或いは全国にあるかも知れませんが、生産の多い地帯になりますると、やはり農協の倉庫だけでは検査はとてもできませんからして、やはりその部落の区外検査は最近いたしませんけれども、部落一カ所乃至二カ所で集合検査をする。従つてそこで必ず農協はやらなくちやならんということはないのでありまして、これは麦の産地等におきましては、検査場に持つて行つたものを、それではおれのほうは、組合がそれだけの価格では駄目だと言つて引返してしまうのが実例としてあるようでございます。ですからその点は検査で抑えるというのでなしにやはり…。それからもう一つ、今お話のありました、家に積んでおるのはどうするかという問題は、これは勿論家に積んでおるのでありますから、売るときと加工の委託という経済行為に移るときに検査が必要だということなのでありまして、生産したときに検査をしなければならんと、そういうことじやないのであります。
○清澤俊英君 そこのところは私はおかしいようにごちやごちやしたものを残しておると思う。仮に集団検査を受けるとしましても、そこに持つて行つて検査を受けたものを持つて帰る、こんなばかな手間なことはないと思う。これはむしろ家にそつくり置いて、無検査のものを売つてはいけないということであれば、売るときは必ずどちらに売ろうと検査したものを売るわけですから、庭先検査で済ませるのじやないか、なぜそんな面倒なことをお互いにしなければならんのですか。
○政府委員(前谷重夫君) お答え申上げますが、御承知のように麦類につきましては、統制が外れておりまして、流通過程に入ります場合に検査をいたすわけでありまして、単なる生産検査じやなく、昔の移出検査と併せたような形になつておるものでございます。で、お話の庭先検査をなぜさせないか、これは過去の経験から見ましても、いろいろ検査というものが一応生産者、消費者両方の建前からして公正を期さなければなりませんから、一応公の場所でやるということが検査の建前になつておりまして、従来の事情から考えましても、庭先検査にはいろいろな問題がございましたから、庭先検査をやらないで、公開の場所でやる、こういたしますと、共同集荷場でありますとか、農協のところでやることになつておるわけでございます。
○清澤俊英君 これは食糧庁長官にちよつと……。闇米の問題ですが、関連してお伺いいたしますが、昨今闇米が非常に上つたということにつきまして、大体原因を那辺にあると見られておりますか、これをお伺いしたいと思つております。いろいろ言われておるでありましようが、私が、ではないかと思われる点を一つ申上げますと、米の買付が商人によつて行われるようになりましたために、相当大量のものが村内移動等が悪用せられて、大量のものが大量消費をするところに流れているのじやないかという相当疑いを持つているのでありますが、こういう点について何かお気付きの点がございませんでしようか。
○政府委員(前谷重夫君) 闇米の騰貴の原因でございますが、これは我々もいろいろ研究をいたしておりますが一第一に考えられますることは、昨年度におきまする、と申しますか、昨年の十一月から新米穀年度に入りましてから、一般消費者の消費量は非常に殖えているわけであります。これは家計調査等から見ましても、前年の騰貴に比べまして相当殖えておりますということが一つの大きな原因ではなかろうかと思います。それから御承知のように例年でございますと、円植え時期でございますから闇米の出廻りが減る。それからもう一つ考えられますることは、闇米の全体の騰貴の状態を見ますると、関東近県がやはり東京と同じような騰貴の型を示しておるようであります。従いまして消費の増加と両面を併せて考えて見ますると、供給地と申しまするか、闇米の供給地が相当遠隔な地になつて行つたんじやないか。現在は東北、北陸につきましてはまだ値上り状況はございません。そういう点からいたしまして、需給関係から闇米が上つておるんじやないか。で、清澤委員のお話のように、商人系統が特殊勢力によつてそれを横流ししているんではないか、これは私も絶無とは申しません。と申しますることは、二、三の例でございますがそういう例がありまして、この指定を取消したという例もございまするから、絶対にないとは申上げられないと思いますが、県外の大きな移動というものは、従来取締つておる状況から見ますると、それにかかつたという例はないようでございます。そこで我々といたしましても、この米の騰貴が麦の価格に影響を及ぼしているかどうかと言いますると、まだ麦の価格には響いていないようでございます。従いまして本来需給計画といたしましては、米が半分、麦が半分ということになつておりますので、一応所得関係等が相当よくなりましたので米の消費に集中した傾向がございますので、できるだけ麦等を出しまして、これに対処して行きたいということで、事態の推移を見守つておるわけでございます。最近は少し横這い気味、下り気味になつております。
○清澤俊英君 今一つお伺いしますが、こういうことが一つ考えられるんですが、ということは、二本建の方法で供米後のものの買付をしておる、これで超過供出等が、この二本建でやつた丸めに或る程度殖えているんじやないか、殖えているか減つているか、私どもから見れば一面殖えているんじやないかとも考えられる。非常に営農資金に困つて、早く売りたい関係で、肥料と交換というようなことで割合によく出ているんじやないかと思いまするので、相当量、農林省、管理庁が考えられたよりは超過供出の量が殖えていたろうと思う。若し殖えていたとすれば、その殖えた分は大体予算外の集荷という形になりますが、それらは大体どう処置せられておるか、積んで置くだけのことか、それをちよつと伺いたい。
○政府委員(前谷重夫君) 予算の面と…現在の集荷は、二千七百八十六万、約二千七百九十万石近い数字になつております。そこで予算上の数字と比べますと、予算では二千八百二十五万石というものを予定いたしておるわけであります。その中で超過供出数量は二百七十五万石、そうだといたしますと、まだ予算上の数字には達していないということでございまするが、需給計画といたしましては、ほぼ二千七百八十五万石程度を予定いたしております。先ず需給計画の数字には狂いはない程度に集まつております。そこでもう一つ昨年度との関係を申上げますと昨年度は二千五百五十万石ぐらいの集荷でございました。本年度はそれが二千八百ですから二百三十四、五万というものが今年は去年よりも集荷が多うございます。併し昨年度の生産と今年度の生産とを比べて見ますると、今年度の生産のほうが約六百万石程度多くなつております。生産の増加分が全部政府に来ておるこういうわけではないわけであります。
○松浦定義君 私はこの法案は過去におきまして非常に生産者だけが一方的に苦労したという点から、こういう一部改正に対しましては全然賛成でありますが、多少関連いたしますので、その点でちよつとお聞きいたしたいと思うのであります。この法案で見ますると、米麦に限つておりますが、将来やはり農産物と言いますと、又幅が広いわけでありますが、検査を受ける立場から行けば広いのでありますが、ただこの場合の修正だけで、現在政府としてはこれ以外の農産物に対しては、こういうふうな事態が若し起きた場合においても考えているかどうか。例えば近頃いろいろ問題になつておりまする農産物価格安定法案というものが出されると、そういう場合には甘藷並びに馬鈴薯の澱粉、まあ「なたね」だとか、大豆等においても相当強い要望がありますが、そういう場合には安定法の通過した場合におきまして、決してこのような問題と私はかけ離れた検査の立場は行われるべきじやない。こういうふうに考えておりますが、こういう意味から言つても米麦だけに限らないで、他の農産物に対してもそういうようなことがあつた場合には政府はやろうとするか、しないかということについて、一つ長官のほうから御意見を承わりたいと思います。
○政府委員(前谷重夫君) お答え申上げます。御承知のように現在の農産物の検査におきましては、この検査を強制いたしまする場合と、それから農家の自発的な意思によります任意の場合と二通りあるわけであります。そこで現在の建前を申上げますと、米と麦については検査を強制いたしております。従いまして米と麦につきまして検査を強制する、その強制検査との関係上かような改正をいたしたわけでありますが、その他の農産物については農家の任意意思ということになつておりますので、米麦と同様の取扱い方をする考えはないのでございます。ただ将来につきまして、その他の農産物について強制検査制度をとるかどうか、こういう問題があろうかと思いまするが、この点については今後そういう必要性が起つた場合におきまして十分研究いたしたい、かように考えております。
○北勝太郎君 近頃検査のことは余り知らないのでありますが、北海道における雑穀検査ですね、これはやはり国でやつているのですか。
○政府委員(前谷重夫君) お答えいたしますが、委託を受けましてやつております。これも任意検査でございます。強制じやございません。
○北勝太郎君 次に伺いたいことは、北海道でこの間聞いたのですが、何かその検査上に不祥事件が起つた、それがためにたくさんの検査員が今何か逮捕されている。而も一地方で逮捕されている。そうなると、この機会に検査員を補充しないと農家は非常に困るという話を聞いたのですが、果してそんなことでありましようか、どうでしようか。
○政府委員(前谷重夫君) 北海道の一部の何におきましては、実は従来御承知のように籾類の検査につきましては、検査を通つたもの、それは農家にお返しするという建前になつておりますので、それを農協のほうにお返ししておつたのでございますが、御承知のように北海道の検査は距離が非常に長いものでありまして、それでまあ夕方そこに集まりますと、一日のうちにやらなければならないというふうな関係が、ございまして、非常に検査員の手不足な上に、出廻り期には殺到する、これも一日のうちに徹夜してまでやらなければならないというふうな問題がございまして、農協のほうから、それは非常に気の毒だからということで、その刺し籾の何を慰労金としてもらつたという事実があるのでございます。それにつきましては、目下検察庁におきまして、その内容を調査いたしておりますが、我々といたしましては、検査がそれによつて支障のないように、他から応援させるなり、何なりで検査に支障を起すということは絶対にやらないつもりでありまして、これの事実も二十六年、二十七年の過去のことでありまして、現在補充しておりますから、検査に差支えるということはないと思います。又差支えるようなことにならんように、他から応援なり、他から補充するというようなことで、これは絶対検査に支障のないように処置いたしたいと考えております。
○北勝太郎君 先ほど来不祥事件の起つた問題も、実は聞くところによると、検査員に対しては超過勤務手当というものが一向にないのだと、而も農産物の出盛り期においては、農家の便宜のために夜遅くまで、夜はできないだろうが、時間外も、できるだけの時間も勤めるということで、朝早くからやつてくれる、そういうようなことになつておるために、つい情実的にそういうことが起つたということを聞くのですが、果してこの超過勤務手当というものを与えてないものかどうか、この点について。
○政府委員(前谷重夫君) 御承知のように超過勤務手当は予算面では何時間というふうに、単価、予算面で超過勤務というものを一応これくらいだろうということを推定いたしまして、予算で組んでおります。非常に出廻り期等に参りますと、その予算の単価でありまする超過時間だけでは、実際上農産物の検査の遂行ができない。こういう事実はあろうかと思います。そのために超過勤務手当以上にやつているということはあり得るわけです。だからやはり或る程度の超過勤務が予算上にありまするのは支出いたしておるわけでございます。それと実際上或る程度時期によりますると食違いがあるということで、こういうことが起りまするの、今後我々といたしましては、その点については十分努力をし、又末端に対しましては、十分そのようなことのないように戒心いたさせたいと思つております。
○北勝太郎君 私は今のことを知らんのですが、もと北海道道庁で農産物検査をやつておつた頃は、農産物の出盛り期には非常に忙しい。その他は北海道のときは生産が秋ばかりですから、まあ暇で殆んど遊んで暮した。そういうようなことから検査経済の上から実は嘱託費というのがあつた。それで非常にまあ便利にやつてくれたのですが、今でもそういう制度はあるんでしよか。
○政府委員(前谷重夫君) 現在御承知のように国家公務員法の定員でまあ極端に申しますると、小使、掃除婦までが全部定員に入るわけです。そういうような嘱託制度とか、そういうような臨時のものを何するということはできないわけです。
○松浦定義君 ちよつと私は今聞きたいと思つていたところなんですが、北委員から御質問あつたんですが北海道で発生いたしておりますのは、私のすぐ隣りの芽室町で、この問題は昨年から随分問題になつておりまして、私もいろいろと心配をしておつたのですが、先般地元の代表が参りまして、聞くところによりますとどうもこの問題は起訴になるらしいというので、非常にあわてておるのですが、この内容は私ども農民としましては、やはりどうしても今お話になりましたように、北海道は寒い関係で、忙しいときに検査員のかたが特に農民のために検査を早くしてまあ早く供出を促進させる意味において努力をしておることは見るに忍びないということで、雑穀が統制されておるときでも、やはり可能な範囲内においてはこれを行なつておつた。而も統制が撤廃になりました後においては、その品物を送る送らんは自由であるし、更に又これは今日検査を強制されないという建前から言えば、これは何ら受検組合として任意の立場からやるということは、取締り当局、検察庁でも警察でも取締る必要のないものであるし、又これが贈収賄ということで認定されるならば、これは別であるといたしましても、我々の受検組合の意向としては、若しそういう断定をするならば、警察と言わず、或いは学校と言わず、戦争中ですら相当食糧を送り、その他の協力をして、国の施設の足らない点は補なつて来た。特に検査関係においては特に北海道は非常に広い関係から、国が許されない範囲内においても自発的に検査所を設ける。その場合はやはり地方農民の或いは受検組合の負担においてこれをやつて来ておる。又当局においても、そうすればそれを認めようというような事態すらあつたというのは、これは事実なんです。そういう意味から言えば今起つた問題、というのは、必ずしも検査関係に対して起つた問題でなく、これは先ほど申上げましたように、教員或いは又警察員ですら随分協力をして来ている。協力せなければならない事態が今までとしてかなりあつたということで時たまこういう場合に指摘したということは何か意図があれば別ですが、正常な方針で行けば、検察当局とすれば、私は余りにも現段階においていろいろな立場を解釈しない立場であるということと、時たま農民がやはり検査を受けるということは、非常にこれは生産者としては重要な問題なわけでありまして、考え方によつてはそういうことをして、これが有利な検査を受けようとするような、一方的な考え方に立たれようとしているというような誤解をしているものが若しあつたとするならば、従つてあらゆる面に対する協力をせられるというような、これは十勝の二万の農家あたりは決議までしようとしているような重大な事態に立至つたわけでありまして聞くところによりますと、検察当局から中央へ、この問題の処理に対して打合せに来ているというようなことを聞いておつたのですが、当局としては、その後の事態がどういうふうであるか、この席上でどうしてもその必要がないと言われれば又別のときで結構でありますが、まあその検査法の改正の趣意から行きましても、こういうことは余ほど全国的にお考え願つておく必要があると思いまするので、必要な範囲内において一つわかつておりましたらお聞かせを願いたいと思います。
○政府委員(前谷重夫君) この点につきまして、この問題がどういう解釈で……、現在は御承知のように贈収賄という形で取扱つておられるようですが、この法律解釈その他の事件に該当する事件でありや否やということは、これは検察当局の判断に待たなければならんと思いますが、我々といたしましては、検査等の実情なり、状態というものは十分説明をいたしているわけでございますが、今後これにつきましては、まだ起訴と決定いたしたわけではないようでございますけれども、今後どういうことになりますか、ということは、検察当局の考え方によるかと思います。
○白井勇君 期間の短縮の問題に関連してですが、凍霜害地帯なら凍霜害地帯としても非常に実施を急いでいるらしいですね。大体どういうような比較と言いますか、なつて、それはいつ頃発動されるような恰好になり、又政府で買います範囲というのはどの程度まで見ますか、それをちよつとお話願いたいと思います。
○政府委員(前谷重夫君) 御承知のように、本来検査としては、一つ恒久的制度でございますので、こういう場合は緊急の場合だけと思う。今年度の事情は、まあそういう臨時緊急の場合といたしまして、今年度に限りまして、而も災害地に限りましてこの制度を実施いたしたい。実施いたしまする場合に、現在標準麦等をとつて検査いたしておりますが、まあ一升重量とか、整粒割合等について、土地の状態に応じた関係を考えて行きたい。こういうことで目下各地区におきまして標準品をとり、そしてそれを製品化して歩溜り等を調整いたしております。本法案が可決になりますと、直ちに公示しまして、大体周知徹底の期間も必要かと思いまするから、まあ一週間以内、できれば五日くらいのうちにこれを決定いたしたい。規格を決定して実施いたしたい。規格を公示いたしましてから、一週間から五日くらいの間は間をおかなければならんじやないか、かように考えている次第であります。
○白井勇君 そうすると発動は二十日過ぎますか。
○政府委員(前谷重夫君) お答え申上げますが、法案の成立の時期の関係でございますが、成立いたしまして、まあ一週間以内にやりたい。
○白井勇君 一週間以内にやりたいと、そうすると、検査をしてもらえる、そこのところをちよつと……。
○政府委員(前谷重夫君) 法案が成立いたしますと、直ちに規格を作りまして、そしてその規格の実施が、周知徹底の期間をおきまして、一週間以内、五日か、六日ぐらいの間に周知徹底期間をおきまして、それで五日とか、六日とかいうふうにいたしまして、その期間後に政府が買上げをする、かように考えます。
○白井勇君 そうすると、今の規格から言いますと、どういうことになりますか。五等の下にできるわけですか。
○政府委員(前谷重夫君) 今までの一等乃至五等の規格は例年の一つの恒時的な制度でございます。この別途に作りたいと考えておりまする規格は本年限りの臨時的な措置でございますので、この一等から五等とは別個に、欄外で別途の規格を作りたいというふうに考えております。
○白井勇君 そうしますと内容といいますと等外のものが入つて来るわけですか、現在の……。
○政府委員(前谷重夫君) 今年の実情からいたしまして等外のものも或る部分というものは入ると思います。
○白井勇君 等外全部入るわけですか。
○政府委員(前谷重夫君) 大体私どもの考えておりまするのは、食糧管理庁といたしましては、食糧となり得るものということを前提においておりまするから、等外全部が入るということは考えておりません。簡単に申しますると、等外の上下がありますると、その上の部分がこの規格の中に入つて参るのがある、かように考えております。
○白井勇君 そうしますと、あれですか、被害麦の大体どれくらい救われるというような見通しが立つておられますか。
○政府委員(前谷重夫君) 現在各地におきまして、標準品を作り、又その土地の各地の実態を検討いたしておりまするので、全国的に平均どうなるかということを申上げるのは困難だと思いますが、実例等を申しますと、或る県におきましては、例えば本年度におきましては六等までに入るのが六割くらいできる、四割くらいが等外に落ちるという場合があろうと思います。そういう例も聞いております。その四割のうちの、等外のうちの食糧に適するものがこれの新らしい規格の内容として入つて参る、かように考えております。
○白井勇君 食糧になるものというのも非常にむずかしいことだと思いますが、大体今の等外の大分のものが新らしい規格に入つて来る、それも政府では買うことになると思いますが、そのほかに又規格外のものも政府で今度お買上げになるわけですか、そこの点どうなつておるのですか。検査の規格と買入の関係はどうなつておりますか。
○政府委員(前谷重夫君) 現在の考え方といたしましては、検査の従来の等級及び新らしく作ります規格のものについて政府は買上げをいたしたいと、かように考えております。
○白井勇君 くどいようですが、そうしますと規格外は入りませんですね。もう一つの点は、併せてお伺いしておきますが、今年のような麦の検査なり、或いは買入業務を遂行して参りまする上におきましての予算の増額というようなものが、それに合して考えられて来るのでございましようが。
○政府委員(前谷重夫君) 白井さんもよく御承知のように、規格外にはいろいろあるわけであります。我々といたしまして、原則として規格外は買わないという考え方で、食糧になり得るものというのですが御承知のように四等以上なんかで、本来等級品になり得る中で、一、二の条件を欠いたために、それが規格外になつたというふうな場合、これは殆んど例がないだろうと思います。そういう例も理屈の上では考えられるわけでありまして、そこのところは食糧になり得るものということで考えて行つたらと思つております。それからもう一つの点は、予算の点につきましては、現在まだこれによりまする買入数量の見込なり、その他の点が明確でございませんからして、現在予算をこれによつて増額するという考え方は持つておりませんが、将来の問題としては全体的な、特別会計の全体の問題としては考慮しなければならないのだろうと、かように考えております。
○白井勇君 私お願いを申上げておきますが、やはり現地としますと、その新らしい資格検査の等外のものも大分救われるような規格で検査をされるわけでありましようから、又買入もそれによつて行われるということで、大部分救われる面があろうかと思いまするが、やはり地方によりましては、今年のような状態でありまするというと、規格外でありましても、すぐそこで処分をしますならば、割合にこれは食用にも十分充当し得るというようなものもあると思いますが、操作の付く限りにおきましては、そういうものも一つお考えを願えるようにお願い申上げておきたいのであります。もう一つの点は、只今予算の点は取りあえずお考えになつていらつしやらないようでありまするが、これは長官もよく御承知の通りに、今年のような麦の実態を、而も今日審議になりまするような規格まで改正をして、適正にやつてやるというような措置を講ずるわけでありますが、これが、末端まで徹底をしまして、その趣旨に副うようなふうに果して検査が行い得るかどうかということは非常に私問題だと、こう思つております。御承知の通りに、もう被害の程度によつて非常に違つて来るわけでありまして、而もこれがただ外見によつて従来の見方と非常に違う判断をしなければならない、極端に申しまするならば、出て参りましたものを、一々製粉なり、精麦の歩溜の調査をやつて、その上において初めて格付ができるというような段階であろうと私は思います。従いまして、それらの調査をやりまする費用或いは又今まででありまするならば、何千俵というものが一カ月で簡単に検査ができましたものが、何度も何度もこれは検査を繰返して行かなければならない、こういうようなことでありまして、これは先ほど北委員のほうからも超過勤務云々の問題がありましたが、今年のような災害の年におきましては、この点を余ほどよくお考え願いませんと、検査官というものは適正な検査の業務というものを遂行し得ないと思います。折角こういうような法律改正までやりましても、運用上何の効果もないように考えるわけであります。この間凍霜害でいろいろ政府で対策をとりました場合におきましても、外部の職員でありまする養蚕連とか、ああいつた面に対する技術員に対しましては、六千百万円もいろいろな面におきまして助成を出している。ところが今のように何ら予算的措置を講じないということになりますると、如何にも自分の家内には「たくあん」の茶漬で飯を食えと言つて、外部の人には御馳走を食べさせるというような考え方と同じようにとれる面もあるわけでありまして、よくその辺のところをお考え願つて、この善処方をお願いしておきます。
○政府委員(前谷重夫君) 十分検討いたします。
○委員長(片柳眞吉君) 私から一点だけ質問したいと思いますがそれは今審議中の予算との関係であつて、検査手数料が政府の原案の十五円が米価審議会の交渉によつて十円ということになつておるわけです。そうすると、あれはたしか一般会計で受入れて、一般会計から相当額を食管会計へ繰入をすることになつておるのですが、そうすると、五円分減つて来ると、一般会計の歳入が減つて来るので、やがて食管会計の繰入が減るということになるかどうか。これは食管会計の今白井委員の言われた食糧庁の検査員の身分にも或いは関係を持つのじやないかと思います。手数料引下がどういうふうに予算上措置されるかですね、この点答弁願いたいと思います。
○政府委員(前谷重夫君) お答え申上げますが、お話のように現在の予算の下におきましては、二十円の手数料で以て一応収入が組まれておりますが、そこで十円になりまするので、大体こういう措置を講ずるごとによつて無検査物をなくすると申しますか、検査手数料を増加するという意味におきまして、一面におきましては収入の増が考えられるわけであります。以上を勘案いたしますと、一億か、一億三、四千万円程度は引下げることによつて減収になろうかと思います。で、その面につきましては、場合によりますと収入財源としての一般会計の繰入が実行上不用額というふうな形になり得る場合も予想されるわけでございますが、これは全体といたしまして検査関係の経費とか云々じやなくして、全体としてそういう趣旨に従いまして、食糧特別会計としては善処いたしたいというふうに考えております。
○委員長(片柳眞吉君) 重ねてお尋ねしますが、そうすると、手数料が減収になつて、一般会計の手数料収入が減つても、一般会計から食管会計に繰入れる分は変更がないと、こう理解してよろしいですか。
○政府委員(前谷重夫君) 予算の面ではそういう形になつておりますが、実際の面におきましては食糧特別会計全体として、若し検査の実績等によりまして予定したものが上らないという場合におきましては、食糧会計全体といたしまして或る程度の経費の節約によつて賄つて行きたいというふうに考えております。
○委員長(片柳眞吉君) ちよつとはつきりしないのですが、だから先ほどの無検査麦の数量から言つても、無検査麦がなくなつて全部正規の手数料が入つたとしても、当然二十円が十円になつて、その歳入欠陥はカバーできない。で、一般会計でどうしても持つが、持ち切れんと、さつき白井君の言つたように、更に費用が要るというときに、或いは食糧庁の人件費、事務費を圧縮するといつたときに、新たな一五%の一般事務費の節約が来ておるに加えて、そのしわ寄せが来ると、これは私は大問題だと思います。やはり一般会計で持つという趣旨をはつきり貫いてほしいと、こう私は思うのですが。
○白井勇君 やはり私の計算では、従来は五円の手数料が、それが金子先生のお話によつて十円になりますれば二億五千万円ですね。一人年間二十万円として千二百五十名ですから、それだけ改進党の行整政理にかかつて行く結果になるんじやないですか。
○政府委員(前谷重夫君) 今の問題として人員整理とか何とかという問題は考えておりません。
○白井勇君 そうだと思いますけれども、そういう将来に禍根を残すことは、この間も申上げたのでありますが、よくお考えを願つて、そういうものは当然これは政府で負担すべきものであるというように認識を大蔵省方面に与えておく必要があろうということであります。
○衆議院議員(金子與重郎君) これは十円に下げたのも、確かに私が言い出したことだし、それからこの間衆議院で、この法案が審議されますときに、成るほどこの法案が前あなたが課長をやつている時代に通すときには、大蔵省との建前上、独立採算ができるという建前に出なければこの法案はできなかつた。併しながら、そういうふうな事情であつたから高い検査料を農民に一年我慢してもらつたんだ、併しながら農産物の検査というものが、他の産業における同業組合の検査のように自主的になすべきものであるか、又なし得られるかどうかということを考えたときに、当然自主的になし得られないのだ、農業の特異性から言つても、特に今後の農産物の検査というものは、供出中のように抜打検査を一歩前進して、もつと生産の過去を振返つて見ての検査であり、又その検査したものが販売その他の先を通して農民の利益を擁護して上げるという有機的な方法で検査が進まなくちやならん、そうなつたときには国が独立採算をやるくらいなら、何も国営検査にしないで県営検査でもいいんだ。併しそれができない事情だから、農業増産の基本政策の一環として、検査というものは国営検査にしたのが実は意図なんだ、だから政府はこの際そろそろ考えを切替えてその方向へ持つて行かなければならん、私はそういうふうに信ずるということで衆議院はきまつたのであります。御了承を願いたいと思います。
○委員長(片柳眞吉君) なお御質疑があると思いますが、次回に譲りましてこれは委員長の考えでありまするが、本法律案は災害対策の趣旨が含まれておりますので、できれば明日の委員会で質疑を続行し、できれば討論採決をいたしたい委員長の考えであります。御了承を願いたいと思います。
○白井勇君 急ぐんですから、今日採決をしてもいいんじやないですか。
○委員長(片柳眞吉君) 大体明日質疑がありますればお願いいたしまして、引続いて討論採決をいたしたい考えでありますので、あらかじめ御了承を得ておきたいと思います。
 本日はこれで散会いたします。
   午後五時七分散会
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