第016回国会 文部委員会 第14号
昭和二十八年七月二十八日(火曜日)
   午前十時三十九分開会
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 出席者は左の通り。
   委員長     川村 松助君
   理事
           荒木正三郎君
           八木 秀次君
   委員
           大谷 贇雄君
           剱木 亨弘君
           谷口弥三郎君
           横川 信夫君
           吉田 萬次君
           杉山 昌作君
           高橋 道男君
           安部キミ子君
           相馬 助治君
           深川タマヱ君
           長谷部ひろ君
  衆議院議員
           天野 公義君
           大西 正道君
           前田榮之助君
  政府委員
   文部政務次官  福井  勇君
   文部省初等中等
   教育局長    田中 義男君
   文部省管理局長 近藤 直人君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       竹内 敏夫君
   常任委員会専門
   員       工楽 英司君
  衆議院事務局側
   常任委員会専門
   員      横田重左衞門君
  説明員
   文部省初等中等
   教育局中等教育
   課長      大田 周夫君
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  本日の会議に付した事件
○学校図書館法案(衆議院提出)
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○委員長(川村松助君) 只今から文部委員会を開会いたします。先ず学校図書館法案を議題にいたします。本法案は去る七月二十四日に発議者から提案の理由の説明を承わつております。質疑は本日が初めてでございます。
 なお天野代議士、前田代議士、大西代議士がお見えになつておられます。なお文部省のほうからは田中局長、近藤局長が見えております。御質疑のあるかたは逐次御質疑を願います。
 なお念のために伺いますが、質疑は総括質問と逐条審議と別々に分けておやりになりますか。差別なしにおやりになりますか。
○荒木正三郎君 一緒に……。
○委員長(川村松助君) それでは総括、逐条の差別なしに御質疑を願います。
○大谷贇雄君 この法案につきまして発議者に御質問を申上げます。この法案の第一条は学校図書館が学校教育において欠くことのできない基礎的な設備である。従つてその健全な発達を図つて学校教育を充実すると、こういうことが目的とされております。而して第二条にはこの学校図書館が小学校、中学校、高等学校においてこれを持つのであるということが説明をされておるのでありまして、公の学校、私立の学校もこの中に当然含まれておると解せられるのであります。然るに第十三条に至りまして、国の負担の条項がありまして、この負担の点については、地方公共団体が、その設置をする学校図書館の云々ということで私立の学校に対しましては何らの条文が入つておらんのでありますが、これに対する御意見を承わりたいと思います。
○衆議院議員(大西正道君) 私立学校が我が国の教育の発展の上に果した役割は非常に重大なものでありまして、この私立学校の将来の発展のためには国は十分なる用意をしなきやならんと我々は考えておるのであります。併しながら現在の財政事情を勘案いたしますというと、この際私立学校の重大性は十分考えておりますが、国においての援助におきましてはこの際この法案においては省かざるを得なかつたということを御了解願いたいのであります。併しながら私立学校振興会法その他の面におきまして、統一的に一つこの私立学校に対して援助の手を差延べることのできるように我々は期待をいたしておる次第であります。
○大谷贇雄君 財政上の点から私学に対する補助の条項を設けなかつた、こういうお話でございますが、この法案が成立いたしますると、大体総額どのくらいになる御予定なんでありますか。
○衆議院議員(大西正道君) 大体これは図書の購入の費用といたしまして十八億を五カ年間にこれは均等に割当てておるわけであります。従いまして年間三億五千万円を計上しておるわけであります。
○大谷贇雄君 恐らくこの私立の学校を加えましてもその数の上から申しましてそれほどの財政負担ではないと考えられるのであります。今お話がありましたように今日私学は国家がこれを経営いたしまするならば非常な負担となるのでありますが、私学の設置されておりますることによつて国の経費も軽減をされており、又その貢献はお話のように非常なものであると存ずるのであります。従つて恐らく公立学校の図書館に要する経費と比べますれば、財政的負担も極めて少いものであると思われるのでありますが、大体若し私立学校を加えるとするならばどのくらいなその以外の経費を要すると御計算になつておりますか。
○衆議院議員(大西正道君) ここには私立学校を省いておりますが、若し私立学校を加えますというと大体九千万円増加すると、こういうことになります。
○大谷贇雄君 私は今大西さんから私学振興会等においてそういうような考慮を払うことを期待をするというお話でありますが、私学振興会は御承知のごとく土地建物等に関しまして、殊に戦災の教育施設におきましては公立学校のほうは本年もすでに本予算に計上されております。私立のほうは私学振興会ができたためにその中に含まれておるのでありまして、主としてその方面に費用を出すのであります。従つてこういうような方面に出すということにはならんと思うのであります。そこでこの産業教育の法律におきましても、公私均衡を保つた措置が講ぜられておるのでありまして、との法案に義務だけを、学校図書館を設けねばならんとか、司書を置かなきやならんとか、義務だけを負うて、そうしてその措置がとられておらんということは甚だ遺憾に実は思うのでありますが、その点に関しましてどういうお考えをお持ちでありますか。
○衆議院議員(大西正道君) 今義務だけを平等に私立に負わして、これに対する援助については片手落ちだと、こういうお話でありますが、少しまあ理窟を申上げますれば、これは学校教育法の第三条に基くところの学校教育法の施行規則の第一条には次のように規定されておるのであります。「学校には、別に定める設置基準に従い、その学校の目的を実現するために必要な校地、校舎、校具、運動場、図書館又は図書室その他の設備を設けなければならない。」このように明らかに設置義務を負わせているのであります。従いまして私立学校も当然この設置義務を負うていると、こういうことでありまして、この法案の第三条に「学校には、学校図書館を設けなければならない。」このように規定しておりますけれども、新たにこれで設置義務を課したというわけではないのであります。この点を一つ御了解を願いたいと思います。
○大谷贇雄君 今のお話でありますとこれはまあ理窟になり出すが、学校教育法においても設置義務があるということであり、ここにはそれを明確にしたということであるならば、なお更私立の学校に関しましては助成の途を講ずるということが、先ほどお話があつたように、私立学校に対してのなお一層の助成をいたすということになると思うのであります。私はここに私学のことが入れてないということを実は非常に遺憾と思うのでありますが、この点に関しましては文部当局のほうはどういうような御見解をお持ちでありましようか。
○政府委員(田中義男君) 只今いろいろ御答弁がございましたが、一応私立学校振興会法によりますと法文の上から申しますれば私立学校に関する助成、援助はこれをなすことになつておりますので、予算その他の措置ができますなら、すべての学校における事業に対しまして、これをあまねく助成することは可能なわけでございますが、ただ現実の問題として現在私立学校の実情は、その施設、設備等、その他まあ経営上の問題で非常に悩んでおる実情でございますから、従つて積極的な各事業等についてまで一々これを助成するだけの必要はあるものの、なかなか国家財政としてもそれだけの助成を、これのみを通じて成し得る状態では実はないと考えます。併しこれもやはり国家財政の実情から申しまして、各方面それぞれの必要に応じてそれにあまねく均霑をさせるというほどの財力もないようでございますので、従いまして文部当局におきましても、現実の情勢からいたしまして、今回は止むを得なかつた、かように考えておるのでございます。
○大谷贇雄君 只今田中局長の御答弁では、私学振興会法でもでき得る措置になつているということでありますが、これに関しましては又改めて御質問を申上げますが、後段におきまして、今回は止むを得んがというお言葉であつたわけでありますが、そうしますると将来につきましてはこけ公立学校に対しては経費の負担をし、私立の学校に対しましては補助をするという御意思があるかどうか承わりたいと思います。
○政府委員(田中義男君) 先ほど申しましたように財政上の措置等の都合からいたしまして、私立学校振興会法等のあの法律の完全なる実施ができ得るだけの措置があれ、できますればそれで結構だと存じます。ただそれで不十分である場合に、更に他の方法においてそれを考えるかというお話でございますが、私どもとしては事情許しますならさようなこともそのときの状態に応じまして考慮しなければならんと考えます。
○大谷贇雄君 この問題に関しましては、本員は是非とも私学に対しましても不均衡なあれでなくて、将来において是非とも助成、補助の途を開かれんことを強く希望をいたしまして質問を打切ります。
○深川タマヱ君 十三条がやはりどなた様も問題になるらしうございますけれども、この原案によりますと「国は、地方公共団体が、その設置する学校の学校図書館の設備又は図書が審議会の議を経て政令で定める基準に達していない場合に」これは二分の一を補助するというようなことに書いてありまするけれども、今日の地方財政の実情から考えますと、なかなかこれは重い負担になつておりますので、当然必ずしも狡くなくとも、じつと放つて置いたら国家が経費の二分の一を負担してくれるということになりますと、成るべく手を着けないで放つて置く府県が多いと思います。少しばかり手を着けまして、成るべくあとは未完成のままにあれで置いておきますと、国家の補助のほうが多いわけです。ですから、府県によつてこういうふうに狡いところと正直にやるところと随分差ができますので、こういうふうな学校の図書館というようなものは、やはりこれは義務教育の一部分でございますので、これは機会均等、教育無償の原則がここにもやはり普及されると思いますので、むしろ府県の差別なく学校図書館というものを作るなら、きまりよく最初から半額国庫負担というふうにおきめになるほうがいいと思うのです。大抵大蔵省が渋つたからこんなことになつたのだろうと思うのですけれども、それともう一つ連関するのですけれども、附則のところで司書教諭を置いても置かんでもいいというのです。当分の間は置かないでもいいというのであります。そうすれば大抵置かんと思う。専任のこういう教諭を置くと金がかかるのだから、たいがいは置きません。ところが司書教諭という者が相当重い役目を負担しておるということは、この原立の中でもわかります。文部大臣が指定した特別の施設におきまして特別の履修科目とか単位なんかを履修した専門の司書教諭を置かなければならないというほど重要視しているほどの司書教諭ならば、置いても置かんでもいいような、どつちでもいいような、こういうふうな条文になさいませんで、必ず置く、置くなら経費が要るのだから必ず経費の半額は国庫が負担とかなんとか、財政的にもはつきりしておきませんと、狡いところとそうでない県とは非常に子供のこうむる、何と言いますか、利益が違つて参ります。そこのところを……。
○衆議院議員(大西正道君) 今深川先生のおつしやることは、私たちの、この法案を作る考えと全く合致しているのであります。そのような考えでこの政府その他に一応の打診をして見たのでありますけれども、どうしても現下の財政事情におきましては、そのような理想的な形が一挙にして実現し得ないという、こういう状況でございます。国家において半額負担をするということも、ここでは地方がこの一定の基準に達するまでのものを置こうとした場合には、自動的に国家においてこれを半額国庫負担にする、こういう形をとつていることも、これは地方の財政状態が逼迫しておりますので、これが抜きになつては困るという、こういう配慮からでございます。又司書教諭は非常に重大な仕事を持つているのでありますけれども、定員の問題にいたしましても今まで算定基準で以て非常に低い基準で抑えなければならないこの現状におきましては、これも又緩和規定を設けざるを得なかつたわけであります。併しながら先生のおつしやる帆ことは私どもの考え通りでございますから、できるだけ早い機会にそういうふうな基準に達するように又教育の機会均等の目的を実現するように努力をいたしたいと思つておる次第であります。
○深川タマヱ君 司書教諭を置かないといたしますと、当然学校の教員の中のどなた様かがこういうふうな司書教諭の代役を務めるだろうと思うのですけれども、相当な負担になると思います。そのときその先生に対して勤労手当のことなどお考えでございますか。
○衆議院議員(大西正道君) これは、むしろこの問題につきましては、文部省のほうからのお答えを頂きたいと思うのでありますが、大体文部省の考えておりますところの学校図書館基準案というものがございます。これによりますと大体四百五十名以下の生徒のある学校におきましてはこの司書教諭は兼任しておいて、それ以上は学校においては専任を置くとこういうふうな基準を立てておるのであります。で、現在におきましても、この先生方が一般の授業を担当いたしながら、その余暇を割いてそうしてこの司書教諭の仕事に没頭いたしております。併しながら当然我々が考えますれば、このような過重な労働に対しましては、やはり特別の配慮をしなければならんかと思つておりますが、これとてもやはりこの財政事情を勘案いたしまして十分のその考え通りにならんということは遺憾に思つておる次第であります。
○深川タマヱ君 備えつけの図書などにつきましては、文部省から指導でもあるのでございましようか。私も折角図書館を作りまして、子供に書物をたくさん読ますということは、結構なことのようではございますけれども、この書物の選択を誤まりますと、飛んでもない方向に行くと思います。私が現に東京都の或る高等学校の読書会に呼ばれて、その子供達の質問を聞いてみますと、まあ酷い赤なんです。ここの司書教諭になる人が、特に文部大臣の指定されるところの講習を受けるという……、講習する人が大学の教授だというのですけれども、どういう講習を受けてくれるかわかりませんが、恐らく図書館で子供の指導に当りますかたは、読書力の強い先生ですね。幸いにして赤でなければ幸いなんですけれども、現在歴史も、地理も、お修身も、学校で教えていないようなことで、教科書も全然ないわけですね。そういうときに、一体図書館あたりに書物を備えつけるのは、徹頭徹尾読ましてしまつたら自己批判も起きるでしようけれども、生半可噛りに部分的に本を読んで、飛んでもない方向へ行つたら、却つて百害あつて一利なしというようなことにもなると思いますので、この備えつけの図書につきまして、一体誰が指導するのですか。
○衆議院議員(大西正道君) これは何かこの法律によつて画一的なことを押しつけるということはいたしません。併し大体この備えつけの図書が偏らないように、文部省のこの学校図書館基準の案では次のような大体バランスを考えておるのでありますが、参考のためにちよつと申上げたいと思うのであります。大体哲学、宗教、歴史、化学、社会科学、自然科学、光学、工芸、産業、芸術、語学、文学、これらを小学校、中学校、高等学校の学校種別に応じまして、それぞれパーセントをきめまして、大体この辺のこの割合で書物を選ぶことが望ましい、こういう程度のもりをこの中央において示しておるだけでありまして、その他はやはりこれは地域社会の要求に応じ、又指導する先生方の自主的な判断におきましてこの子供の要求を容れ、又教育の一つの理想から適当なものを選定することが必要であろうと考えます。
 なお参考までに申上げますというと、全国のこの司書教諭、或いは図書館を預つております先生方が、全国で結成いたしておりますところの、全国学校図書館協議会では、これは何ら文部省、或いはその他に拘束されないで先生方の自主的な立場からこの書物の選定推薦をいたしております。
○深川タマヱ君 御指摘になりました科目の中で、歴史というのが入つておりました。先日日本の国では、総理大臣が文部大臣に対して歴史と地理との教育を本年度からするということになつているのに、一体どうなつているかという催促があつております。そのときに文部大臣が、至急に準備を整えると答弁されていらつしやるくらいでございますので、まだ日本に歴史教育が行われておりません。従つて歴史の新らしい教科書もできていないわけなんですけれども、ここで用いる歴史の書物というものは、戦争以前乃至戦争中に使つていたその歴史の本を、そのまま備えつけるのでしようか。
○衆議院議員(大西正道君) これは一つここで立法の前提として解決を私しておかなかつた問題ではなかろうと思います。これは私、私見として戦争以前の図書というものについては十分なる取捨選択、戦後の新らしい教育の考え方から、これは考えなければならん問題だと考えておる。考えておるのでありますが、そのような問題は、この法文の中に規定をいたしておりまするところの、中央の図書館審議会等におきましても、十分検討された上で、法の適用の上においてこれは解決されるものであると考えます。
○深川タマヱ君 では最後に、これは独り図書館のみでございません。今日の情操教育の監督は一体誰がしているのか、まあ恐らく教育委員がしているのだろうと思いますけれども、最近問題になつているのは、この町村程度の教育委員の人達は、失礼ですけれども、それはいろいろありましよう。能力にいろいろ差別がございましようけれども、その能力が問題視されているのも多いようでございます。それから県にいたしましても、そのところでは、ここにお差支えのかたが大分いらつしやると存じますけれども、教育委員の選挙に当ります有力な団体が左傾していた場合には、その県に出て来ている教育委員の先生が、非常に赤い人が出て来ていると言われておるところへ行つて先生が情操教育を監督したのでは、およそ結果が思い知られるわけなんでございます。そういうこともございますところへ持つて来て、今度のこの図書館に備えつける書物は、学校の先生が自由自在に選択なさるのだという、教育のほうでしたら、恐らく今日では教授準則とか何とかいうところがあつて、文部省も監督はしておるだろうと思うのですけれども、先生は自由自在に図書館に備えつける書物を選択をなされると思いますが、これは誠に失礼ですけれども、そういう危険なこともあると思いますので、今後図書館に本を備えつけるのに、今後国家を担う青少年のための教育ですから、余ほど一つ備えつける図書の選択、及び指導する先生につきましては、文部省当局もこの際十分考えて頂きたいと思うのです。この際文部当局から一つ御答弁を。
○政府委員(田中義男君) 学校図書館に備えつけますその資料が、学校教育上非常に大切であることはお説の通りでございます。従つてその資料の選択等については、学校教育法の精神、進んでは更に根本的には教育基本法等、それぞれの教育に関する在り方についての一定の基準というものもあるのでございますから、その線に沿つて学校教育が完全に行われるように取捨選択されることを期待いたします。又我々といたしましても、さように相成るように指導、助言をいたすつもりでございます。
○杉山昌作君 この法案の第十三条の但書の場合でありますが、但し義務教育費国庫負担法の適用を妨げないという、この意味がはつきりしないのですが、或いは何ですか、図書館の制度に要する経費の二分の一を負担したからといつて、国庫負担法の金を減さない、ダブつてやるのだというような意味なんでございますか。はつきりこの意味をしておいてもらいたいと思います。
○衆議院議員(大西正道君) 今おつしやつた通りの考え方なんであります。教材費のほうはこれは教授用の一般参考図書の購入に当て、こちらは半額国庫負担をいたします。ここで十三条に規定いたしておりますのは、これは一定の規準に達するまでの図書館資料の充実のために充てるのであります。
○杉山昌作君 それから同じ条文の今の本文のほうですが、「これに要する経費の二分の一を負担する」と言い切つちやつているのですが、予算との関係はどうなりますか。こうなりますと国家としては法律上の義務として、必らずその必要な額は出さなければならない。例えば予算は一億しか組んでいない。併し市町村のほうは設備費に三億かかつたというときには一億五千万円やらなきやならん。するとそこに予算不足の問題が起きるのですが、そういうふうなことについては、これは義務ですから、予算がないと言つてやらないとは言えない、これに対する政府のほうは、そこらのことは大蔵省のほうと十分御連絡がありますかどうか。
○衆議院議員(大西正道君) この法案は各派の共同提案でございまして、この提出いたしますまでには、与党の委員も十分これは検討いたしまして、十分その点は了解を得ているものとお答えを申上げます。
○荒木正三郎君 ちよつと関連して……。ちよつと今の問題は、今の義務教育国庫負担法の適用を妨げない、言い換えれば、義務教育費国庫負担法を適用しても行ける、こういう意味だろうと思うのですが、そこで義務教育費国庫負担法の内容は、御存じのように給与の問題と教材費の問題に限つて国庫補助をするということになつております。それから設備については、別に補助をするということはなかつたわけですが、で、教材費については二分の一というのでなくて、一部負担をするということになつておるんですが、実際に義務教育費国庫負担法を適用する場面が私はないように思うんですが、提案者のほうではどういうふうに解釈しておられますか。
○衆議院議員(大西正道君) これは今申上げましたように、最低の基準に達するまでの図書館の資料、特に図書についてその費用の二分の一を国庫が負担する、こういうのであります。
 最低の基準と申しますのは、我々はこの予算を弾き出す根拠といたしまして、小学校におきましては一校当り三百冊、中学校には五百冊、高等学校においては七百冊、これを最低基準と抑えましてそれに要する費用の半額を国庫が負担をする、こういうことにしておるわけです。
○荒木正三郎君 今の説明はよくわかるわけなんです。それで結構なんですが、そうであれば、但書は要らないという私は解釈です。二分の一を負担するというふうにはつきり明記されておるわけなんですから、「義務教育費国庫負担法の適用を妨げない。」という但書は要らない、こういうふうに考えておりますが。
○衆議院議員(大西正道君) 本年度はこの教材費が十九億になつておりますが、これを図書館の基本図書充実のための費用をこの中から差引くということは、我々は希望しない。従つてそこに区別を立てるということを誰つておるのがこの但書です。
○荒木正三郎君 ちよつと了解しかねるわけですが、勿論義務教育費国庫負担法の中にある教材費の予算をこちらのほうに流用するということはできないと思いますし、そういうことはしてはならん。飽くまでもこれはやはりここに書いてあるように一定の基準に達するまでですね、国家が二分の一を補助する、この精神は私はよくわかりますし、非常に結構なことなんです。それだけで法文としては事足りるのであつて、「但し、」以下の事柄は私は不必要のように思うし、これがあるためにどうもうまく了解しがたい点がある、こういうことを言つておるわけです。
○衆議院議員(大西正道君) 今この一定の基準に達するまでということを申上げましたが、従来は図書というものは、これは備品と考えられておつた。併しながら図書は多く五年経てばこれは使用不能になるので、償却というふうな考え方を文部省もとつております。従いまして一定の基準に図書を充実いたしますけれども、五年経てばその図書は順々に償却されて行くということで、その費用は一つこれは一般の教材費のほうで賄つてもらうことが含まれております。従いましてこの但書は生きて来ると思います。
○荒木正三郎君 それで提案者の趣旨が大分はつきりして来たように思うんですが、そういたしますと何ですね、一定の基準に達した場合ですね、それ以後は二分の一負担ということはなくなつて、その代りに義務教育費国庫負担法の中で諾われている教材費の予算からこつちへ廻して来ることができるんだ、こういう意味ですね。
○衆議院議員(大西正道君) いや違います。この最低の基準と申しますのは、今申しました小学校が三百冊、中学校が五百冊、高等学校が七百冊、こう言つておりますが、これは実は全く財政的の関係を考慮いたしましての最低の基準でありましてこれは教育の充実と共に、他の施設、設備等と同時に、順次に高められなければならないと我々考えておる。今のままの校舎の坪数の在り方とか、或いは教室の人数だとか、そういうものはこれは全く基準以下の暫定的な措置なんだ。従いまして図書もやがてはこれが基準を高めて十分この図書館本来の運営を有効ならしめるようにしなければならない。そういうことを考えておりますから、当然五年経ちましてもこれは継続するものだ、かようにお考え願いたいと思うのであります。
○荒木正三郎君 どうもたびたびお尋ねいたすようで何ですが、そうすると但書が私は不必要じやないかという感じがやはりするのです。基準に達しない場合は二分の一を補助する、逆に言えば二分の一に達すればもう補助する必要はなくなる、こういうことになるわけです。併し只今の提案者の説明によつて二分の一に達しても図書なんかは消耗して行くのですから、なお続いて消耗した分は補充して行かなければならんから二分の一の負担は継続する、これはよくわかります。併しやはり但書に「義務教育費国庫負担法の適用を妨げない。」というのでありますから、義務教育費国庫負担法を適用する。実際にどこを適用するか、義務教育費国庫負担法は給与と教材費の問題しかないが、給与は適用がされないということははつきりしている、教材費になるとその教材費は二分の一じやなしに一部を負担するという内容であります。その負担法を適用するということはどういうふうに適用するのかよくわからないのですがね、或いはこの負担法に盛られている教材費の予算をこつちに廻すことができるのだということならばそれはわかります。その善し悪しは別として筋はわかります。併しその予算も流用できないのだ、そこで負担法を適用するということが実際にどういうことになるか。これは文部省からでもいいのですが、伺いたい。
○衆議院専門員(横田重左衞門君) 今の義務教育費国庫負担法の適用を妨げずというところでございますけれども、この案を作りますときに頭の中に入れましたことは、大体義務教育費国庫負担法のほうで負担してもらう金は、先ほども或いは提案者からお話があつたと思いますが、償却費にあたるものであつて、それから負担法の適用をしないで別個に出すお金のほうは基本図書費、こういう概念でやつたのでございまして、これは現に実は実際の問題になるのでありまして、文部省の財務課長などの意見も実際の問題を聞いて考えて、こういう表現をいたしたのでありますが、産業教育振興法の補助の状態を見ますと、あれは或る程度の準備のあるところから出発して、政令できめた基準に達するまで補助するということで、出発点がゼロというところに補助金を注いで行くのではないようになつているそうでありまして大体今までのそういつた補助金のやり方がそうなつているというので、財務課長にいたしましても、従つて適用を妨げずという、こういう方法でやりますと、負担法の適用を受けない基本図書の負担分はこれで行きますれば一定の基準に達するまでゼロのところから補助して行くことができるということで、非常に図書館にとつては設備充実のために有利ということであり、又担当者の補助金を配分する場合におきましても、そのほうがやり易い、大蔵省に対してもそのほうが又話がし易いのだということでございましたので、実は実際に財務課でやつている担当者の意見も容れましてこういう表現をしたようなわけであります。
○荒木正三郎君 横田君の説明はこの法律は申すまでもなく地方において負担したと同額の国庫補助をしよう、こういうところにある。零であろうが、何ぼであろうとそんなことは関係なしに、地方で負担をしたと同額を国で補助しよう。併し国で補助をする限界は政令で定める基準に達するまでということがはつきりしております。その後はどうするのか。基準に達した以後はどうするのか。横田君の説明では、そのあとは義務教育費国庫負担法の中の教材費を充当し得るのだ、こういうような説明であつたのですが、そうですか。
○衆議院専門員(横田重左衞門君) 政令で定める基準と申しますのは、現存学校図書館と言い得る最低の基準を実は作つて、それを予想しておるのでございまして、最低の基準でありまして、それだけでは存分な図書館活動ができるところまで充たされるということにはならないのでございまして、取りあえずこの法律によつて図書館と名のつくと申しますか、言い得る程度の最低の基準まではこういう方法で援助して行こう……。
○荒木正三郎君 こういう方法というのは、二分の一を負担するという方法ですか。
○衆議院専門員(横田重左衞門君) 国庫負担法とそうでない分との両方の費用をその最低の基準に達するまで援助して行こうというわけでございます。
○荒木正三郎君 ちよつと待つて下さいよ。最低基準に達するまでは、二分の一の負担と義務教育費国庫負担法の教材費の予算を持つて行つてやつて行こうというのですか。
○衆議院専門員(横田重左衞門君) そうでございます。
○荒木正三郎君 それは大変な説明ですよ。これはそんなものじやないですよ。
○衆議院議員(大西正道君) 荒木さんのおつしやつていることが私には最後のほうがよくわからないのですが、今申しました基準というのは非常に最低の基準ですから、この基準というものは他の施設とか或いは教材、人員の補充というようなことでどんどん高まらなければならないと思うのです。ですからこの基準というものは五年経つたらこれをストップするというものではない。この基準に達するまでの経費は半額は国庫で負担をして行く。併しながら図書は五カ年で一応これは償却されるものと見られるから、その償却分はこの中からは持たないで、いわゆる別の教材費の中からこれを充てるというのだから、これはこの但書というのがここで生きて来る。
○荒木正三郎君 大体趣旨はわかりましたが、そうすると、基準に達するまでは但書の前の条文で達するまでやつて行こう併しだんだん高めなければならん。図書は償却するものだから、次に補充して行かなければならん。その補充して行く金はいわゆる義務教育費国庫負担法の中に含まれておる教材費から出して行く、こういう説明ですね。
○衆議院議員(大西正道君) そうです。
○荒木正三郎君 そういう説明ならこれは私はわかります。「適用を妨げない。」というそのことの善し悪しは併し非常に重大であります。それで義務教育費国庫負担法の教材費を充当するということになれば、私は問題はこれは予想しなかつた重大な問題で、あれは義務教育の教材を整備するために特に立法されたものである。そうしてあれは本年度は十九億という非常に僅かな額ですが、これが図書館の方面に使われて行くということになれば、これは僕は問題があると思います。
○衆議院議員(大西正道君) 十九億の教材費の積算の基礎は、この中には大体二割の図書費が入つておる。ですから十九億の中で約四億というのは、これは当然図書に振り向けなければならん。併しながら現実にはこれはピアノを買つたり、ほかのほうに廻されているのです。これは、当然二割というものは図書の費用に充てられるのですから、それが図書館のほうの償却分に充てられるということはこれは何ら不合理でも何でもない。私が申上げたいのは、文部省の要求した十分の一にも足りない十九億の中から、その中から更にこれをへずつて取るということは非常に困るというような考え方でありますけれども、十九億というものは、これは将来もつと理想的な形に拡げなければならん。ですからそういう意味で決して教材費の中からこれをべずつて取るというような考え方は私は成立たないと思う。
○相馬助治君 発議者の最初の答弁を聞いていると、やはり荒木委員が疑問にしたような疑問が当然起きたと思うのですが、大体御説明を聞いているとはつきりわかつて参つたような気がしますが、念のためにこのことは明確にしておきたいと思うのですが、荒木委員が疑問と言われるのは半額国庫負担法における規定に対して本法案が積極的に教材費をどうこうするということを規定した積極規定であるかないか、こういう意味で問題だと思うが、私はこれは積極規定ではなくて、「適用を妨げない。」ということでそういう幅を持たせた、積極規定ではないという意味で私は問題ないと思うのだが、それでそういう理解で差支えないかどうか。
 それからもう一つは、こういうふうな公共のために設けられるものに対する補助の方法に三つあるわけですね。即ち今から新たに新設しようとするものに対してその意欲を起させるために積極的にその費用を国が負担するというのが一つ。それから第二には、或る基準を定めてそこまで行く努力をするならばその線に達するまでは一つ面倒を見てやろうというのか二つ。第三は、むしろ無制限に立派なものを作るならばどんどんそれに対して見合つて行こう。これに対して衆議院発議者は第二の道を選んだということは、飽くまで国の財政の実情に応じた賢明な策であろうと私は考えて本法案を読んで来たのであるが、さように理解してよろしいかどうか。
○衆議院議員(大西正道君) 第一の点はおつしやる通りにこれは消極的な調整の規定をここに調つたのであります。第二の点もおつしやる通りであります。
○相馬助治君 私はこの際政府当局に二、三お聞きしたいと思うのです。その前に一言附加えておきたいと思うことは、学校図書館法は十五国会で緑風会の、今議席におりませんが、堀越委員、それからここにいらつしやる高橋委員、それから議席を持つておりませんが、山本委員等が中心になつて非常に努力されたのですが、これを提案する段階にまで至らなかつた。これに対して衆議院が今回全会一致を以てこういう法律案を出して来たということに私はあなたに敬意を表するにやぶさかではありません。ただ残念なことには財源等のことについてはこれは考慮されておらないということ、これは将来発議者において善意の意思、積極的な意思があろうと思う。これについては先ほどの質疑で大体その意思はわかつておりまするが、若し発議者において積極的な意思があるとするならば、この際それらを明確にされたい。これが第一点。殊に政府に聞くことは、この法案は肝腎なところが政令に待つ、或いは文部省令に待つというふうに規定されておるのです。そこで第五条の第四項の「司書教諭の講習に関し、履修すべき科目及び単位その他必要な事項は、文部省令で定める。」、こういうことになつております。それでこの文部省令で定めるという調い文句に対して、これは議員立法でありまするが、文部省としては当然衆議院を通過したこの段階においては腹案をお持ちであろうと思うのであります。あるとするならばその腹案を承りたい。これが政府に対する質問の第一点であります。これに関連いたしまして質問の第二点は、具体的な内容でありまするが、何と申しましても図書館の事業を発展せしめるためには幾つかの必須要件があるが、人を得るということが重大な問題であることは先ほど深川委員が御指摘の通りでございます。従いましてこの司書教諭の履修すべき単位というものについては、私自身は一つの案を持つておりまするが、現在文部省としてはどの程度を予想しておるか。このことをお尋ねいたします。
○政府委員(福井勇君) 相馬委員のお尋ね御尤もでございます。五条の4にありまする「司書教諭の講習に関し、」云々、これは「文部省令で定める。」こうなつておりまするが、この点につきましては司書教諭の職務を完全に成し遂げますには専門的な多くの仕事がございます。公立の小、中、高等学校は約三万五千人、それに学校増加数等を見込みますと、四万五千人に上る司書教諭を養成しなければなりませんので、理想とする単位数の全部の講習を行うことは大変むずかしいのではないかと考えます。このような理由で講習計画は約十年間に亙りまして一年間に約四千五百人に対し図書館通論、学校図書館学概論、図書選択法、図書目録法、図書分類法、読書指導及び図書館利用指導法、青少年文献などの課目について講習する腹案でございます。なお司書教諭の必修単位といたしましての御指摘は文部省といたしましては大体四単位乃至八単位を履修できるように、その講習をするように研究中でございます。
○相馬助治君 第一段の答弁は私を満足せしめましたが、第二段の答弁は、四乃至八というのは少きに失すると思うのです。併しこれは議論に亙りまするから、いずれ他の機会に触れることにいたします。
 次にお尋ねしたいことは、附則の第三項に「地方財政法の一部を次のように改正する。」とありまして、「第二十四号の次に次の一号を加える。」とございまして、「学校図書館の設備及び図書の充実に要する経費」と、こういうふうに規定しております。従いましてこれは他の法案に波及をするのでございまするから、ここで一つ政府自身の意思を私はどうしてもお尋ねしなければならないのでございます。これを見ますると第十条に「地方公共団体又は地方公共団体の機関が法令に基いて実施しなければならない事務であつて国と地方公共団体相互の利害に関係がある事務のうち、その円滑な運営を期するためには、なお、国が進んで経費を負担する必要がある」として次の一項が加えられているのです。ところがこれに対しては先般の国会できまりました産業教育法についての産業教育の振興に要する経費というのが一項加えられておるのです。ところがこの産業教育の振興に要する経費というものはこの地方財政法で規定しているように円滑に現在支給されていないことは大かたの委員諸君が知る通りです。うまく行つておりません。そこで特にこれが議員立法で、そうして地方財政法の一部をこういうふうに手入れいたしまして一項を差入れるということになると、ただ法案の問題だけでは私は済むものではないと思うのであります。従いましてこれに対してはかなり地財委も、地方自治庁は勿論のこと、大蔵省との交渉に今後文部省は手を焼くと思うのですが、何かこの辺については大蔵省と事務局をして話合いをせしめておりますかどうか、これは立案者の諸君にお尋ねしなくちやならないのですけれども、問題は政府のかたのほうがこの際適任であろうと思うので、政府にお尋ねする次第でございます。
○政府委員(福井勇君) お答えいたします。地方財政法の第十条、御指摘になりましたこの点、即ち「地方公共団体又は地方公共団体の機関が法令に基いて実施しなければならない事務であつて、国と地方公共団体相互の利害に関係ある事務のうち、その円滑な運営を期するためには、」云々と、これには国が進んで経費を負担する必要がある。左の各号のそれぞれに該当するもの云々とあつて、第二十四に「産業教育の振興に要する経費」と、こういうものもここに御指摘の通り調つてあるのでありますが、この点につきましては学校図書館の設置が義務付けてございまするから、地財法の十条の規定即ち今申しました国と地方公共団体の利害関係の密接な事項については国が負担するということに当嵌ることになると考えております。なお大蔵省との関連について御指摘でございましたが、本件につきましては立案者の一人である大西委員が先ほどちよつと言及されたかと存じますが、提案議員の各位が殆ど各党各派の全部を網羅して非常に御熱心に本件を推進するために審議して下さつておりまするので、これらのかたがたの御熱意と大蔵省との今までの話合いなどで必ず相馬委員の御心配になるような点については円滑に進むものと期待しておりますし、又文部当局といたしましても更に努力いたしたいと存じております。
○相馬助治君 今の御答弁の前段の、この一項を差加えることが合法的であるかどうかということに私は問題があるのではなくて、これは当然地財法の十条の中に一項を設けられるべきものであるというのは、今の福井次官と見解を等しうするものでございます。ただこれが運営に当つては皆さまも御承知の通りに全国知事会が集まるといつも決議をすることがある。それは何かというと、国会の最近は怪しからん、経費の支出を義務付ける法律案を勝手に作つて、そうして二分の一は国が持つとか、或いは三分の一は国が持つからあとはそつちのほうでやれと言つて一向に財源を与えないじやないか、怪しからん、こういう抗議がありますから、本法案も全国の知事会からは極めて歓迎されざる法案であるということは、これは余りにも明瞭でございます。そういう意味合いで私は地財法の中にこの一項が加わつた場合において文部省がどれだけ積極的にこの費用獲得のために働くかということに多くの関心なきを得ないので、要望をかねて御所見のほどを質したのでございまして、これについては一つ十分不渡手形にならんように、前者の轍を踏まざるように超党派的に生れ、而も衆議院は自信満々として委員会省略をもつて、前例を見ざる方式をもつてあげて来たこの法案が、幸いに若しも本院において成立をした場合に、財政支出については一つ関係者は勿論、全国の次代を担う子供達の期待を裏切らざるように政府はやることをこの際きつく要請しておきます。
 それで最初の質問に戻りますが、私立学校の分について発議者は何か積極的にこの法律案成立後に考えておることがございますか。
○衆議院議員(大西正道君) この点は初めに申上げました通りに私立学校の財政的な補助というものは私立学校振興会法の改正その他におきまして統一的な援助の手を差延べなければならないと思いますと、こういうふうに考えておるわけでございまして本法案につきましてもそのような御意見を一つ皆さんの御審議の中におきまして希望条件として附されれば私たちは非常に幸いだと思つております。
○相馬助治君 次に文部省に対してお尋ねしたいのですが極めて事務的なことですから、係員をして答えせしめて下さつて結構です。この現在ありまする学校図書館基準というものはこれは現在の国家の財政規模に適応して、且つ又学校図書館を振興するための基準としてこれらの両面と見合つた立場からできておると思うのです。今回このような議員立法がなされて幸いにこれが通過した場合におきましては、文部当局は学校図書館基準というものを早急に改訂してそのレベルを向上せしめる用意があるのかないのか。これらの点について御見解を質しておきたいと思います。
○政府委員(福井勇君) お尋ねの点につきましては、当分の間改訂はしない予定でおります。
○剱木亨弘君 私は先ず私の意見としましては、新教育につきまして図書館活動が本質的なものであるという黄味合いにおきまして、提案者の提案理中にもありましたように、これを法制化して立案されましたことに対しまして心から私としましては実は感謝をしておるのでございます。ただこれは衆議院において満場一致可決されましてこの法案は参議院に参つたわけでございますが、私どもはこの法案が将来この現段階におきまして、これはこの程度で止むを得ないと思いますが、将来学校図書館の基準を増加し、又活動を活発にして、本当に新教育の中心になつて行くという意味合いにおきましては、なお私どもとしては相当研究しなければならん点があると思うのでございまして、その意味におきまして国会がこの法案を何らそういうことにつきまして論議しないで来たという点も如何かと思いますので、そういう意味合いにおきまして二、三の点について御質問を申上げたいと思います。
 第一点は私立学校の問題でございますが、大谷議員、相馬議員からお話がございました特にこの義務といたしましては、図書館の設置義務は命じてあると申しますが、学校教育法におきまして設置を命じたものはただ形式的な設置だけでありまして、図書館の内容をなすものはこの図書館の設備と、それから運営の衝に当る専門職員の設置ということが重十な内容をなすものとも思います。ところがこの法案におきまして、その図書館の図書その他の設備につきましては、公共団体の場合は十三条におきまして基準を定めてその基準に達しようとする場合には二分の一を補助するということがございますが、その基準は同時にやはり私は最低基準としましては、私立学校の図書館においてもこれを適用することを期待さるべきものだと考えております。従つて私立学校においてはその基準に達しようとしましても、現在達していない場合におきましては二分の一の国庫補助はこれはないという形になりますし、従つてその財力その他においてやることができなければ仕方がないというような、一つのこの法案だけから考えますと、一応理論的には言えると思います。
 なお第五条におきましてこれは司書教諭を当分の間置かないでもいいということになつておりますが、大理想を掲げまして「司書教諭を置かなければならない」という一つの義務をつけておるのでございます。このことは同時にやはり私立学校の図書館につきましてもこの「司書教諭を置かなければならない」というその理想はやはり適用になるのでございまして、この意味合いにおいて、内容においてはやはりその図書館について私立学校に対しても少くともこの公立学校と同じような義務的なものを命じておると考えていいんじやないかと思います。
 併し私立学校につきましては、先ほど提案者の御答弁にありましたように、私学振興会等をして適時これをさせるというようなことがございましたが、その御趣旨から私はここで法律の建前から言えば、或る一定の義務を命ずる限りにおきましては、やはり同様に、公立学校と同様に取扱うべきものであるが、併し私学の特殊性と申しますか、この自主性を尊重する意味におきまして、その助成は別個の方法を考える。そこで私学振興会をして考えるという意味合いにおいて、私学振興会に持つて参りましたのは、私学の自主性という意味からお考えになつておるのでございましようか。又そういう場合におきましてやはり公立の場合と同じように、若し私立学校振興会をして助成されるならば、国家として私学振興会に、公立学校と同じような助成が行くように、これを私学振興会に対しても、それだけの国が助成するというだけの何か目当があつてのことでございましようか、その点一応お伺いしたいと思います。
○衆議院議員(大西正道君) この私立学校の特色を生かして、官公立の学校では達成され得ない教育の目的を実現して行くということは、これは私は積極的な面から申しました私立学校の特殊な与えられたる権利だと思います。これは諸外国の例を見ましても、官公立の学校よりも、私立学校がその学校独特の校風を以て人材を養成し、国家の進展に寄与しておるということは、諸外国に多くの例を見るのであります。私立学校の本来の趣旨はそのようなものでありますけれども、我が国における私立学校の現状を見まする場合には、このような高遠なる理想を達成するためには、余りにも財政的な拘束面が私は多いと考え、従いまして私は現在国家が私立学校に対する態度は、そのような基本的な私立学校の本来の趣旨を達成させるためにも、財政的な面におきましてはこれを援助する。そうしてこの運営の問題におきましては、私立学校本来のよさを発揮させるという、こういう点をもとらなければならないと考えております。
 従いまして、私は目的の面におきましては、私立学校の自主性を大いに高揚させるために、その運営の基礎を培うために、財政的な面においてはできるだけ公立の学校に近寄せた援助を国家がやるべきだと考えております。
○剱木亨弘君 先に国会を通過しました産業教育振興法におきましても、私立学校に対しましてはやはり公立と同じように補助する、それから又今国会に衆議院に提案されておりまする定時制高等学校の場合におきましても、私立学校について援助するようにきまるやに聞いております。私はもとより私学の自主性を阻害するようなことはいけないと思いますけれども、今提案者のおつしやいましたようにやはり私学の財的な面というものはやはり国が如何なる形かで見なければ、どうしても私学の振興ということはできない現状でございますので、本来この点につきましては、私はこの法案といたしましては今日それが達成されるかどうかは別としまして、この法案の完全なる理想としましては、私学に対しましても同様な取扱いがなさるべきだと考えておるのでございまして、この点将来の点として申上げます。
 ただ次いでもう一つ申上げたいと思いますのは、これもこの学校図書館の理想的な形態と申しますか、達する意味においてお伺いしたいのでございますが、この法案の一条及び二条の規定から申しますと、相当学校図書館の本質的な定義を表わしておると思います。この点については私異論はございませんが、ただその中でその定義に、「図書、視覚聴覚教育の資料その他」とございまして、視聴覚の関係をここに取入れられております。私どもは又図書館活動が、今後の図書館活動として視覚聴覚教育ということを考えない図書館活動というものはあり得ないとすら思つておるのでございますが、然るにこの法案の定義にはこう掲げておりますが、法案の中をずうつと眺めて参りますと、たんだん視聴覚というものは薄らいで参ります。例えばこの審議会の議案の仕事の中におきましても、視聴覚ということは恐らくその他ということで含まれておるということになるかも知れませんが、なお又第十三条におきましても「設備又は図書が」とございまして、視聴覚につきましては最低基準におきましてもこれを定めるというところに至つていないと思います。現段階において視聴覚について理想的な基準を定めるということは非常に困難であろうとは思いますけれども、併しやはり図書館活動の本質的なものと考えられるならば、やはり視聴覚という問題につきましてもこれは御考慮を頂くべきではなかつたかと考えるのでございまして、この点につきまする提案者の御意見を承わりたいと思います。
○衆議院議員(大西正道君) おつしやいます通りにこの図書館の視聴覚資料につきましては是非ともこれは十分なる設備を、備え付けをしなければならんということはお説の通りでございます。今申しました意味におきまして、この財政的な制限から止むを得ず最低基準として図書の、而も最も低い基準をこの際考えざるを得なかつたということを一つ御了解願いまして、将来基準の向上の暁には、これらも含めて一つ考えて行きたいと思う次第であります。
○剱木亨弘君 この点は実は私は今まで質問しました点と多少逆になるきらいはございますが、第五条におきまして司書教諭を設置義務として置かれておるのであります。これは学校図書館の一つの理想的形態といたしまして、前に視聴覚につきましては一つの理想ではあるけれども、その実施につきましては実ははずされておる、いわゆる理想がはずれておるというのでございますが、その司書教諭につきましては一つの大理想を掲げられておると考えられるのでございます。ただ併しこの司書教諭という問題につきましては、やはり或る程度現実の問題を考えなければなりませんので、附則に当分の間これを置かなくてもいいとございますが、実はこの前本委員会におきまして審議いたしました教育職員の免許法につきましても、例えば僻敵地の教員につきましては、免許状を持たない科目教課につきましても教授することができると、はずされておるのでございます。やはり一般の学校の正規の授業においてすら免許状を持たないでもできるとはずしておる現状におきまして、僻陬地等の学校に必ず司書を置かなければならんということになりますと、これは勿論当分の間というのは相当長く続くかも知れませんが、併し殆んど近く実現の可能性のないような理想ということは、現実の法案としては如何かと思います心それでやはり私といたしましては現段階においては司書教諭を置くことができるという程度のほうが良心的ではないかと思うのでございますが、その点について一つ御答弁を頂きたい。
○衆議院議員(大西正道君) この山間僻地の小さな学校にもこの規定によりますと置かなければならんということでありまするけれども、これは文部省の学校図書館設置基準にも、これは私は非常に理想的なものだと思つておりますけれども、この基準によりましても四百五十人未満の学校には兼任でよろしい、こういうふうに考えております。私は現在のこの教育財政の事情を見ますというと、四百五十名で区切るということさえもなおこれは非常に困難であろう、全国の学校の基本的な形態でありますところの六百名乃至九百名で区切つてもよかろうと考えておるわけであります。併しながら法律のこの一つの規定の仕方といたしましては、やはり人の力というものは偉大なものであります。十分なる司書教諭の知識、技能を如何に身につけさせるということがこの図書館運営の最も眼目だと考えますので、規定は理想を高く掲げまして現実的な財政面を考慮いたしまして緩和規定をあとに設けた次第でございます。この点を御了解願いたいと思います。
○深川タマヱ君 最後に、どう考えて見ましてもやや不安が残りますので、もう一言附言いたしておきますけれども、初等教育の教科書を検定いたしますのは、やはり大事な第二国民の養成だからであろうと思うのです。更に子供の知識を発達さすために多読を誘うというのがこの図書館法の趣旨なんですが、その書物の選択に当りまして先生が銘々に選択するということは、失礼ですけれどもやや行き過ぎだと思います今日の日本の実情では。そこで文部大臣が指定されまして特別な審議会ができるそうですけれども、広汎に亙りまして大体ここの審議会で学校の図書館が備えてよい書物の認定ぐらいはすることが私はこの際大切だと思います。それは大分古くなりますけれども、ヨーロッパの例を見ましても、軍隊が赤化しない間は革命は成功しないという時期がございまして盛んに軍隊に赤化教育をいたしまして、とうとう革命に成功いたしました。日本には今軍隊がございませんけれども、警察が赤くならなければいけないというので盛んに警察の赤化に手を着けておる人があるそうであります。現に機密が全部警察のフラクシヨン活動の手を通つて漏れているような状態でございまして、第二の国民の養成、そうして双葉の芽生えと言いますか、こういう少年の教育に赤い方面から目を着けない道理はないと思いますので、検定も何もございません本を学校の先生が選択して、無制限に図書館に入れて子供に読ますということになりますと、やや危険性が伴う、小さい球根栽培ができると大変でございますので、一つやはり教育審議会で非常に大きな枠を入れましてそこで一応全国の図書館に備え付けられてよい本は大体でいいから認定してもらつてその範囲で一つ選んでもらいたいと私は考えます。
 それともう一つ、小学校の教科書の選択に当つてさえも、本屋の商人から盛んに贈収賄というのですか、中に賄路が行くのですが、そういう実情でございますので、検定をとつていない図書館に備え付ける書物に当つては私は猛烈な運動が行われると思います。国庫の負担金があつたりいたしますと、ここを先途として盛んに猛烈なる売込み競争が始まりますと思いますが、そういうことも考えますと、まあちよつとやはり大きい検定の枠を入れてもらいまして、大体そこで書物の値段などをきめて、その範囲で選定してくれまするならば、私たちも安心でございますし、第一父兄が安心だろうと思います。学校の図書館で夜遅くまで子供が本を読んで帰つて来て、一体何を読んでいるのか、今日の日本の御時勢ではやはりさぞ親が不安だろうと存じます。こういうことについてちよつと心配でしたからお尋ねいたします。
○衆議院議員(大西正道君) 深川先生の御心配は私はよくわかるのでございますが、これはこの法を制定したからその不安が急に増すというものではなかろうかと思うのであります。現在全国の学校におきまして小学校は二万一千五百二十八ございますが、そのうちの一万五百七十六、四九%がこの基準以上の図書館を持つて運営されておるし、中学校におきましても五三%、高等学校においては八七%、実際この基準以上の図書館が運営されております。而もこれに対して別段赤の侵入とかいうようなことは私は教育の面におきましては図書館と関連して私は考える必要は今のところないのではないかと思うのであります。併しながら先生の御心配の点は、我々はこの法案の問題と別個にいたしまして十分考えなくちやならんことだと私は考えておる次第であります。
○高橋道男君 十三条但書の解釈の問題につきましては私も若干疑念を持つておりますが、同じことを繰返すまいと思いますので、あとで休憩して解釈の統一なりその他の問題をきめられることを希望いたします。
 私が今お尋ねしたいと思いますのは、学校図書館は当然学校単位に、小学校、中学校、高等学校その単位ごとに設けられるものだと了解するのでありますが、公立学校にはそういうものが固まつて学校が設けられておる場合はないとは言いませんが、極めて少いと思うのですが、私立学校の場合には一つの法人の下に、経営の下に高等学校、或いは中学校、小学校が経営され、ている場合が、これは非常に多いと思うのであります。そういう場合にも学校図書館というものは各学校別に設けるべきものか、私はこれはまあ法人ごとに、法人を一つの単位として設けてもよいというように解釈をいたしたいのでありますが、その点は如何でございますか。
○衆議院議員(大西正道君) それは別段どうなけりやならんというようなことは、私はこの法律の面では問題にはならんと思うのでありますが、大学から小学まで同じような一つの法人におきましては、各学校種別ごとに十分この教育活動を発展させるために必要な図書を備えられるということは、私はむしろこれはいいのではないかと考えておる次第であります。
○高橋道男君 只今の御答弁の通りのことがこの法律案には載つていないと私は思うのであります。ですから確かめるのでありますが、法人、ことに法人を一単位として設けるというような解釈が許されるならば、むしろ結構だと存じますし、勿論その法人の規模の如何によつては学校の種別ごとに設けられることも勿論これは可能であり、そういうことは望ましいことでありまして、私立学校におきましても同様に財政問題がありますから、法人ごとに一つ持つということを基準にして考えてもよいというように御考慮願いたいと思います。
 それから次にもう一点お尋ねしたいのは、図書館法によつてこれは社会教育面から公共団体などで図書館を設けることが、これは義務設置ではありませんが肯定されておるのでありますが、それとこの学校図書館との関係について勿論緊密な連絡を図る云々と書いてありますけれども、どういうようにお考えになつておるか、私がお尋ねしたいと思う主眼の点は、先ほど来財政問題が一つの問題の中心になつておるのでありますが、そういう点から考えますと、すでに公共団体で以て一般の利用に供する図書館を設けておるところもあると思うのであります。そういうような図書館を学校図書館に準用するということも私はその内容如何によつては可能だと思うのであります。従つてそういうすでに図書館を設けておる公共団体にあつては、或いは今後も含んで考えてもいいと思うのでありますが、学校図書館の準用の機関にするというようなことについては如何お考えになつておるか、それを伺いたいと思います。
○衆議院議員(大西正道君) 図書館はこれは社会教育法の考え方に則りまして一般の成人に対しての一つのサービス機関であります。学校図書館は教育課程を展開するために寄与する学校教育法に基くところの一つの施設でありますから、おのずからそこに差別がございますが、先生がおつしやいましたように、これは非常に緊密な間柄にあるのであります。又これは当然十分なる関係を保ちつつ一つの教育の進展のために使わなきやならんと考えるのであります。で、具体的な今の公共団体で一般の図書館のあるところにおきましては、これは十分その内部におきまして学校図書館の理想とするところを実現させるような一つの運営の方法を一つ考究して頂きまして、できるだけこの間が緊密に進むことは私はこれは学校図書館法本来の考え方から申しましても、又一般公共図書館の考え方から申しましても至極尤もなことであると考えるわけであります。
○高橋道男君 文部当局に念を押しておきたいと思うのでありますが、只今の立案者のお考えでは、公共図書館も、学校図書館の運営に対して、或いはこれに代つて協力することが望ましいことの御発言がございましたが、この法律だけによりますれば、当然各学校に設ける義務設置を命じることになるわけであります。従つてこの法律そのままを適用いたしますれば、必ず学校には図書館を置かねばならんということになるし、勿論それは結構なことでありますけれども、地方の財政事情によつてそれが渉々しくないというような場合には、どういう措置を考えられるか、その点文部当局の御所信を伺つておきたいと思います。
○説明員(大田周夫君) お答え申上げます。私どもは学校にこの法案では義務設置を命じておりますので、学校図書館が一般の地域社会のかたがたのために公共図書館の役割を果してもらいたいということを考えております。今お尋ねの公共図書館が学校図書館の役割をすることができるかどうかということにつきまして、私どもまだ十分研究いたしておりませんので、ここでお答えいたすことができませんので、御了承願いたいと思います。
○荒木正三郎君 大体質疑が終つたら暫らく休憩してこの取扱について協議をしたいと思います。先ほどから私立学校の点については多くの委員から意見が出ておりますし、この問題についていろいろ御意見があると思います。それでその問題について、それから十三条の但書の点、これは解消しておりませんので、若干懇談をして、私もこの法案に賛成なんで是非上げたいと思つておりますが、やはり疑義は疑義として明らかにしておく必要があります。
○委員長(川村松助君) 速記を止めて。
   午後零時十一分速記中止
   ―――――・―――――
   午後零時三十八分速記開始
○委員長(川村松助君) それでは再開いたします。
 質問を続行いたします。
○杉山昌作君 十三条の但書につきまして私最初に質問申上げ、それからいろいろ質疑を聞いておりますと、却つてその意味がはつきりしないように思うのですが、私の解釈するところでは、この但書をもう少し正確に言うならば、但しこれがために義務教育費国庫負担法による教材費の国庫補助を削減又は減額してはならないぞと、これだけの意味がはつきりすればいいのだと考えるのですが、その通り解釈してよろしうございましようか。
○衆議院議員(大西正道君) その通り一つ考えておりますから御解釈願いたいと思います。
○委員長(川村松助君) 大体質疑はお済みのようでございますが、本案に対する御質疑は終了したものと認めて御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶものあり〕
○委員長(川村松助君) 御異議ないものと認めます。
 それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。
○大谷贇雄君 この学校図書館法案に関しましては本委員も賛成をいたすのでありますが、先ほど来各委員から本法案の第十三条におきまして前の個条には私立の学校も含めて学校図書館を設置をするということになつておりまするのに、第十三条におきましては国が公立学校にのみ負担をいたし、私立の学校に対しては補助をすることが記載されておりませんので、皆様がたの御賛成を得まするならば、本委員会は、学校図書館法案について、次の附帯決議を附して賛成する。
  学校図書館の設置について必要な経費は、私立学校に対しても国が補助するよう適当な法的措置を可及的速かに講ずべきものと認める。
という附帯決議をしたいと思うのでございまするので、この案に対しましても併せて御審議を頂きまするよう、お願いを申上げるのであります。
○荒木正三郎君 私は社会党第四控室を代表いたしまして、本法案に賛成をするものであります。ただ、質疑の途中において、各委員から述べられましたように、私立学校についてもできるだけ近い機会に、この法案に含まれるように、政府においても特に配慮されるよう要望して賛成いたします。
○相馬助治君 私は社会党の第二控室を代表して、只今議題と相成つておりまする学校図書館法について、賛成の意思を表明いたします。
 学校図書館の、教育上における重要な意味を持つておるということは、もう申上げるまでもないことでございまして、法律によつてその設置を義務付けるということは極めて当を得たことであろうと存じます。ただ問題はその内容、その設備、これに従事する人、これらが問題でありまして、本法律が成立いたしたといたしましても、この法律の精神に従つて、政府当局並びに地方の公共団体、これらが財政的な面においてこの支出を喜ぶ、積極的にこれに当らなければ、画に描いたぼた餅になる心配があろうと存じます。従いまして質疑の段階において明らかになつたことではございまするが、特に文部当局にお多きましても司書教諭の資格向上の問題、或いは関係当局との財政的な交渉において、十分本法の精神に則つて適合したところの国の財政支出をなすと共に、地方の公共団体においても、これに見合うところの財政支出をなすように指導監督をするということが当面の責務であろうと存じます。特に学校教育というものが現在の日本においては、官立のもののみをもつて達成し得ないことは明らかでありまして、その観点からいたしまするならば、本法案に私立学校を含めてないということは、何としても片手落ちのそしりを免れないところであります。併しながら国の財政規模、その他種々の制約があつたために、かかる立法措置と粗成つたのであろうと存じまして、これらのことに対しまして、只今士谷委員提案の通りの附帯決議を附することによつて、私は本法案に対して賛成するものでございます。
 なお、本法案を積極的に提案されました衆議院の発議者各位に対して深井なる敬意を表し、同時に政府当局、特に文部省は先ほど来申しまする通り、本法案の精神が貫徹するように格段の努力をこの際要請するものであります。
○深川タマヱ君 学校図書館施設につきまして、国と地方財政との負担の分担の方法につきましてやや遺憾の点があると存じますので、たとえ貧弱府県といえども教育の機会均等の趣旨に副いまして、子供がその利益を公平に受けることができまするよう、格別の御配慮をされることと、備え付け書物の内容、指導教員の思想的傾向、書物売り込みに伴うスキャンダル等々の点につきまして、文部省は十分監督され、いやしくも第二国民の教育に当り遺憾なきを期せられんことの希望を付して、改進党を代表いたして賛成いたします。
○高橋道男君 私も本法案に賛成をいたすものであります。
 先ほど質疑の段階において相馬委員から、前国会において我々有志のものが、この法案の準備をいたしたことに言及いたされましたが、残念ながらその機を得なかつたのでありますが、今回衆議院の有志各位におかれて本法案を立案いたされ、この運びにまでお持ち頂きましたことに対して、厚く敬意の念を表する次第でございます。学校教育が将来の国民教育の上に欠くべからざることであることは申すまでもないのでありますが、その一つの要素として殊に民主的な思想の酒養というような上からいたしまして、この図書館の受持つ役割というものは極めて大きいものがあると思うのであります。現伏におきましては学校教育法などにその片鱗は出ておりましても、強くその実現を促進することはむずかしい状態にあつたのでありますが、この法案が成立いたしますればそういう気運も全国的に澎湃として起ることが予想いたされまするし、従つて我が国の学校教育の上に画期的な成果を挙げることも期待されると思うのでございまして、その念珠において私は衷心この成立を期待するものでございます。ただ本法案の審議の途中におきまして、法文の解釈について、特に十三条但書のことが問題になつたのでありまするが、この点につきましては、学校図書館の充実を期する上に大切な解釈であると思いまする上から、私は先ほど杉山委員から申されたように、この但書の規定が、そのまま義務小学校の教材費に充てられるべき額がこの図書館の図書のために圧縮されないという解釈を厳守することを条件として本法案に賛成いたしたいと思うのであります。
○委員長(川村松助君) 速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
○委員長(川村松助君) 速記を始めて。
 ほかに御発言ございませんか。御発言がなければ討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川村松助君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより採決に入ります。学校図書館法案を議題といたします。本案を可決することに賛成のかたの御起立を願います。
   〔賛成者起立〕
○委員長(川村松助君) 全会一致でございます。
 よつて学校図書館法案は全会一致を以て可決することに決定いたします。
 なお大谷君提出の動議を議題といたします。
 学校図書館法案に附帯決議を付することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○委員長(川村松助君) 全会一致でございます。よつて大谷君提出の附帯決議を付する動議は可決せられました。
 なお本会議における委員長の口頭報告その他の事務的手続は先例通り取扱うことを委員長に御一任願いたいと思いますが、如何でございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川村松助君) そういうことに決定いたします。
 御署名を願います。
  多数意見者署名
    荒木正三郎  八木 秀次
    大谷 贇雄  剱木 亨弘
    谷口弥三郎  横川 信夫
    吉田 萬次  杉山 昌作
    高橋 道男  安部キミ子
    相馬 助治  深川タマヱ
○衆議院議員(大西正道君) 本法案は学校図書館の教育上に果す役割の重要性に鑑みまして、衆議院におきまして各派の共同提案でありまして、参議院の文部委員会の皆さんにおかれましては、始終御熱心に検討の結果、ここに全会一致で御賛成を頂きましたことは誠に感謝に堪えない次第であります。今後の運営の面につきましてもいろいろと御配慮のほどをお願いいたします。これを以て挨拶といたします。
○委員長(川村松助君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
○委員長(川村松助君) 速記を始めて。
 それではこれを以て散会いたします。
   午後零時五十四分散会