第018回国会 建設委員会 第3号
昭和二十八年十二月七日(月曜日)
   午後一時四十一分開会
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 出席者は左の通り。
   委員長     石川 清一君
   理事
           石井  桂君
           石川 榮一君
           三浦 辰雄君
   委員
           石坂 豊一君
           小沢久太郎君
           鹿島守之助君
           赤木 正雄君
           江田 三郎君
           田中  一君
  国務大臣
   建 設 大 臣 戸塚九一郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       武井  篤君
   常任委員会専門
   員       菊池 璋三君
  説明員
   建設大臣官房長 石破 二朗君
   建設省河川局長 米田 正文君
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  本日の会議に付した事件
○建設行政に関する調査の件
 (昭和二十九年度建設省関係予算編
 成方針に関する件)
 (報告書に関する件)
○請願及び陳情に関する件
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○委員長(石川清一君) それでは只今から建設委員会を開会いたします。
 本日公報で御通知いたしました通り、昭和二十九年度建設省関係予算の編成方針について御説明を承わりたいと存じます。建設大臣より御説明がございます。
○国務大臣(戸塚九一郎君) 二十九年の予算につきましては、いろいろまだこれから研究せられることもありまして、そう詳しく申上げる段階に立ち至つておらないのでありますが、例年大蔵省に早く一応の数字の要求をする建前になつておりまするので、只今大蔵省に提出してある面について申上げてみたいと存じます。
 本年度におきまする災害の実情に鑑みまして、特に治山治水対策に重点を置いて国土の保全に万全を期するということを最も大きく取上げておるのでございますが、治山治水対策といたしましては、西日本の水害、それから十三号台風等の経験に鑑みまして、従来の河川計画、治水方式等に相当根本的な再検討を加えたのはすでにしばしば申上げた通りでございます。初年度といたしましては、改訂治水計画を実施する当初の方針といたしまして、これに要する経費として約九百億を要求いたしております。但しこれは今も申上げましたように、事務的に要求する必要がありましたので、かねて御承知の基本要綱に基いていたしたのでありまするが、御承知のようにまだ基本要綱の中でも、財政計画につきましては目下その小委員で研究をいたしておる段階にあるのでありまするので、一応九百億といたしましたが、他の関連等もあり、財政計画として果してどういうふうになりますかはまだ今のところ決宗をいたしておらないのでございます。そのほか災害復旧事業につきまして、二十四年度以降二十七年度までのいわゆる過年度災害の残事業がございまするが、これを二十九年度におきまして完了するという目途の下にこれに要する経費を約五百億を要求いたしております。これも本年の災害等も考え、又只今申上げました恒久対策等を勘案いたしすしていよいよ巨額に上るのでありまするので、これを相当制約をいたしたい。只今過年度災害につきましては、全部に亙つて再査定と申しますか、再検討をいたし、殊に従来の机上査定であつた関係もありまするので、余りはつきりしないのもどうかと思いまするし、又相当金額も切詰めて考えなければいけないというようなことも考慮いたしまして、再査定をいたしておるのでございます。この頃までに数件再査定をいたしましたところでは、約二、三割は減じておるようであります。まだこれは私だけの考えでは、その上に今まで延びておつた所であつて、将来の治水計画に伴つて工事をつまり改良事業として実施することができる分量もあるんじやないかというようなことも考えまして、金額と言いますか、事業費を少くして、成るべく過年度災害を全部解消するところへ持つて参りたいというので、目下只今申上げましたような方法で研究いたしておるのであります。
 本年度発生の災害につきましては、これも目下査定続行中であります。先ほど本会議でも申上げましたように、約六割の査定が終つております。ここで議会後各班に分れて早急に全部の実地査定を終りたいというふうに考えておるのでございまするが、その査定が決定いたしましたのちに、いわゆる三・五・二の割合で二十九年度分を五割、これに加えて本年度の不足というものを要求いたしたいと考えておるのであります。
 道路事業につきましては、第十六国会で成立いたしました道路整備費の財源等に関する臨時措置法に基く道路整備の五ヵ年計画を改めて樹立いたしまして、これに要する初年度経費として二百八十億円を予定いたしております。そのほかに一般道路事業費として約四十億、計三百二十億円を要求いたしております。
 住宅対策といたしましては、二十九年度は先に国会の承認を経ました公営在宅建設三カ年計画の最終年度に当つておりまするので、同計画において定められた全戸数の建設を完了するための十万四千戸分、四百二十億円を要求いたしております。
 都市計画事業といたしましては、昭和二十四年決定いたしました戦災復興再検討五ヵ年計画の残事業全部を完了いたすための経費約四十億円、及び自立経済達成のために産業貿易等の振興に関係のある重要都市の整備事業に要する経費として十五億円を要求いたしております。なお二十九年度予算の編成につきましては、目下大蔵省において検討中でありますが、建設省といたしましては、今後所管事業の完遂のために、その予算的裏付けについて大いに努力いたしたい、かように考えておる次第であります。
○委員長(石川清一君) 御質疑がございましたら、逐次発言を願います。
○江田三郎君 これは、どうも聞いても答えられんということになるのかもわかりませんが、大体大蔵大臣の言う一兆六百億というような財政規模から言うと、建設省あたりは歩留りどのくらいという見当ですか。
○国務大臣(戸塚九一郎君) 各省関係の新規事業を控えるとか、節約するとか、いろいろ言うておりますが、どれくらいにそれが参りますか、相当困難な点もあるのではないか、ことに一兆六百億とか七百億とかということになると、只今私どもの考えておる線には相当距離があるという心配もいたしております。ただ閣議でも総理大臣も重点的にということを頻りに申しておりますし、特に治水関係の災害、並びに恒久対策については相当にこのほうに重点を置くということを発言されておりますし、これに加えて道路に関しては、もう日本の産業と関連して欠くここのできないものであるから、これは必ずしも他の事業のように節約ということは考えないというふうなお話もございました。とかく他の省のことばかり言つては悪いのですが、整理ができますか、そういう点は重大な点になつて来ると思うのであります。只今歩留りがどの辺になるかということを言われましても、はつきりとお答えいたしかねます。今申上げました治水恒久対策、過年度災害と本年の災害、この三つを合せると相当大きな額になります。その点はかねてから江田さんに殊に御心配頂いておるのですが、私どもとしては極力その点で国民の期待に副うようにしなければならんという固い決心は持つておるのであります。今幾らになるということは……。
○江田三郎君 いずれにしろ、我々から言うと、これだけの額は大臣首をかけても守れ、こう言わなければ義理が悪いわけですけれども、実際問題としていずれにしたところで削減を受けざるを得んということは考えなければならんのですが、その際大蔵省は大蔵省の考え方があるのですが、建設省としては仮に予算の要求額に比べて、建設省全体のトータルから何%落ちるというようなことがあつても、それは一律にどこもかしこも落して行かれるということになりますか。若しそういうように落さなければならんということになつても、どれとどれとを重点的にやつて行かなければならんということで、特にこの中で最後まで強い態度で重点を置かれる事業というものはあるわけでありますか。
○国務大臣(戸塚九一郎君) 只今申上げましたように、治水関係と道路ということか私一番重点ではないかと考えております。併し住宅問題などもなかなか軽く考えるわけには参りません。ただここに要求してありますのは、三カ年の計画に基いて残つたものを全部出してあしますので、これはどつちかというと、継続的と申しましようか、ということになつております。本来ならばもう少し本年度と照し合せてみて要求すべきものであるかも知れませんが、併し三カ年の計画というものが議会で御決議になつておる建前もありますので、かように要求いたしております。軽く考える気持はありませんけれども、比較すれば今申上げましたようなわけでございます。
○江田三郎君 まあなんぼになるか、大いにやつてもらわなければならんのですが、そのきまつた予算を使われるのに、一つお聞きしたいのですが、実はこの間土曜日ですか、建設委員会があつたとき、河川局長が見えられて、そこで例の愛知、三軍の海岸堤防の問題についてお尋ねしたのですけれども、どうも行つて見ると、腹が立つようなことが多いわけなんです。誠に脆くやられている。勿論経験したことのないような大きな破壊力が加わつたことはわかりますけれども、それにしても壊れた跡を見ると、よくこんなことをやつて平気でおれるものだなあという感じがして、勿論その中には戦争中にセメントがなくて二和土でやつたのだとか、いろいろな特に考慮しなければならないような事情もありますけれども、例えば同じ愛知でも神野新田のような、明治三十年来の個人の力でやつたものと比べてみて、近頃おやりになつている仕事というものが非常に脆いという感じを受けるのです。それは折角技術者が技術者として良心的に考えておつても、政治力やいろいろなものが加わつて、無理に堤防なら堤防、道路にしても延長を拡げなければならんということで、これでは危ないということが技術者としてわかつておつても、いろいろな力に押されて、技術者の良心に反するような工事があつたという場合もありましようけれども、そうでない場合も私はやはりあるのではないかと思うのです。必ずしも不正ということではなしに、どうも自然の力というものを少し甘く見すぎているというような面があるのではないか。これは堤防だけでなしに、例えば道路一つとつてみても、まあ我々は素人だからよくわかりませんけれども、併し何か簡易舗装かなにかやつている。何カ月目かに通つてみるともう大きな穴が明いている。そして又何かやつている。そういうことになりますと、長い目で見て行くと、これは全く国費の濫費ということになつてしまつているのではないかと思う。そういう点をまあほうぼうから陳情もあるし、いろいろな要請があつたりして、何でもかんでもたくさんの個所を、或いは広い面積をやらなければならんということがあるのではないかと思うのですが、一体将来建設省の方針としてはどういう考えでやられるのかということを……。延長ばかりやつて質的に弱いものじや仕方がないと思うのですが、その点私は相当建設省としても反省を要するのではないか。それに関連してこの間土木研究所の人が見えておりましたけれども、土木研究所なんかに聞いてみると、全く土木研究所の体をなしていない。それは安易な、安易と言つては叱られるかもわかりませんが、とにかく自然を甘く見た経験主義だけで本当に基礎的な研究がないのではないか。そういうようなことについて何かこれから治山治水とかいうようなことになると、何にしても百年の大計なんですから、折角表面だけできて、又すぐに壊れるようなことになつちや困るのですから、そういう点について大臣として何か根本的にお考えになつているかどうかということをお尋ねしたいのです。
○国務大臣(戸塚九一郎君) 一つ一つ御尤もで、私も見てやはりそういうふうな感じを抱くのです。言訳をするようでおかしくおとりになつてはいけませんが、愛知、三重の海岸の堤防の工事は確かに県でつい近年に県事業として取り上げた程度のものである。従つてその前には町村工事でやつた所もあればいろいろまちまちであつたようであります。勿論、建設省がタツチしておらんからという言訳をするつもりじやありません。今度は地盤沈下の関係もありますし、どうしてもあそこを本当に護るのでなければいかんという意味で、県からこちらに委託を受けて建設省の技術員を総動員して、しつかりしたものを作りたい、こういう建前にいたしておるのであります。
 なお、工事をする人というふうな問題もありましようと思いますが、全力を尽して御期待に副うようにいたしたいと私は考えております。
 又今道路のお話がございましたが、これも日本の道路は、日本の悪口ばかり言つてはしようがありませんが、全く道路の構造としては余り進んでおらないというのが実情であります。殊に近年非常に重量の大きな車が通る。車の数そのものも多くなつているというようなことで、道路のいたみ方が、作るよりもいたむほうが早いというようなことに現在はなつております。で道路も、ここで改めて今後の道路の構造といいますか、それから修理なら修理についてのやり方についても今までの惰性、今までの慣例でやつておつたようなやり方ではいけない。どうしても道路の構造というものについて一つ根本的に考え直して行かなきやならんというので、目下道路局でその点についても十分に考究をさしておるのであります。打ち割つて言えば、この工事をする人の側の欠陥もありましようし、それから又予算面等から制約を受けるというような点も、つい不十分と知りつつやつたこともあるのじやないかと思いますが、今後はそういうことのないように、やはり本当に役に立つ工事をして行くという建前で行かなきやならんと、内輪でもこの頃特に話合つておるのであります。なかなかこちらの思う通りにばつかり進まないものでありまして、そういう点には十分今後も注意いたしてやつて参りたいと思つております。
○江田三郎君 そういうそのお気持はよくわかりましたが、そういうことをやるのに、やはり研究機関の拡充というような必要があるのじやないでしようか。ただ今の機構のままでそれぞれの部署々々によつて研究するということもいいでしようけれども、ちよいちよい我々が聞きましても、アメリカやその他の国あたりでは相当技術というものは、これは土木だけでなしに、ほかのものも日本の技術より遥かに高いところに行つているようなことをちよいちよい開くのですが、どうも日本の場合にそういうものを一つ系統的に受け入れて、そうして総合的にこなして、それをすぐ現場ヘ持つて行けるような、そんな機構というものがないのじやないか。或いは今の土木研究所というようなものを拡充強化してそれができるならばそれも結構でしようし、何か来年度今のお気持のように、いろいろ設計等について根本的に検討しなきやならんということなら、それを生かすために何か研究所のようなものがもつと力のある、充実した、そうして高邁な理論の研究もいいでしようけれども、すぐに研究所の一つの作業が現場へ持つて行けるような総合的な機関、こんなものはお考えになつてもらえますか、どうでしようか。
○国務大臣(戸塚九一郎君) 土木研究所も実は私まだ内容を詳しく知らないままで、甚だ申訳ありませんが、どうも今までのやり方は一つの工事、一つの事業にしましても、調査ということを割合日本ではおろそかにしている傾向があるのです。でそれは何でもこれからは調査だと、調査を先にやらなきや本当にいかんということを今言つておりますが、まあこの頃はやりの電源開発事業にしましても、どうも調査が不十分だという点がだんだん出て来ている。こういう点についてはこれも内輪で特に今後調査ということも重きを置いて行くようにしたいということを話合つております。土木研究所の機構、或いは技術の内容については私十分に承知いたしておりませんので、どういうふうにこれを変えて行くかということまではこの際申上げかねますけれども、誠にその点御尤もだと考えております。今の道路の構造並びに今後の補修のやり方等について研究して行くのも、そういうところで今までと違つた、今までと全く考え方を変えた行き方でなければ、現在の状況には合つて行けないという意味で研究をさしているわけなんであります。なおこの研究所等についてはもう少し詳しく私どもも研究して見たいと思います。
○鹿島守之助君 ちよつとそれに関連いたしまして、確かに今江田委員が言われたように、調査研究は非常に重要でございますが、これは政府でやつてもらいたいのですが、我々のほうでも民間でも痛感いたしまして、自分たちの技術改善をやりたいためにアメリカなり、ドイツなり、技術者派遣をしようと思いますけれども、二人ほど実は派遣しようと思つたこともあるし、それからアメリカから雇い入れたい、こういうふうに思いましたが、なかなかスタツクですか、あそこでそういう外貨の割当てがないわけです。そういう技術研究のために建設省のほうから一つ便宜を図つて頂けないものでしようか。
○国務大臣(戸塚九一郎君) それは極力御相談に応じます。
○鹿島守之助君 どうぞよろしくお願いいたします。
○国務大臣(戸塚九一郎君) 申し遅れましたが、道路のことではつい先だつて道路企画課長をアメリカヘ派遣しまして、道路の修理或いは構造というものについて今研究に参つております。
○小沢久太郎君 只今江田さん並びに大臣の研究所と調査費の問題で、私も全く同感ですが、今までの研究所では、実は私も建設省にいたわけでございまして、私どもはこれまでの研究所の在り方を変えて欲しい、その変えて欲しいということは、まあ学問を研究することを直接それを今度仕様書かなんか作つて、すぐその研究を、高邁な理論を、現場にその仕様書がすぐにアドバイスできるように、そこまで研究所でやつて頂きたいということが一つ。
 それから現在の研究所は通産省とかほかの研究所に比較して非常に予算が足りないのですが、この点は私が申上げるまでもなく、大臣が来年度の予算を編成されるときよく御研究なさつて、役所の土木建築だけでなくて、日本のあらゆる土木建築を入れますと、何千億という金を使つておるのですが、相当金を費してやつて頂きたい。それからそのテーマにつきましても、土木研究所と建設省とよく研究をされまして、来年はこういうテーマをやろう、これは何年度からやるとか、どこまでやるということを組織的にやつて頂きたい。そういうふうに一つ来年度の予算編成のとき是非お願いいたしたい。
 調査費の問題は、これは大臣のおつしやつた通り、日本の公共事業は調査費が足りませんで仕事を再々変えて行く。そのために非常に負担が多いので、これは又結局予算のことになるのですが、十分予算をつけて頂きたい。調査費、研究費は少々予算を殖やしましても、全般に対しまして決して大なる額ではありませんから、十分御検討を願いたい。そういうことをお願いしたいと思います。
○国務大臣(戸塚九一郎君) 只今のお話、私も全く同感でありましてそういう方針で今部下にも指示をいたしております。来年度の予算についても、調査費その他について強力に推進して行きたいと考えております。
○赤木正雄君 今大臣から、従来建設省としても外国に二人か出しておるというお話で、結構だと思いますが、私が希望しておきたいのは、外国に行つた人が研究、調査した結果を報告書として出して欲しいのです。ただ御本人だけそれを習得するにとどめないで、いわゆる業者又は建設委員の連中に、どこではどういう仕事をするとか……。実は外国にたくさん人が行きましても、目的を持つて行くべきもので、向うに行つていろんなテーマをとるのにも一つの目的を持つて各自が深く調査して来る、それで調査した結果は、国会図書館でもいいし、どこでもいいから、立派な調査報告書として出して欲しい。実は今まで、戦前でも随分調査に外国に行つておりますが、研究、調査の報告書が恐らく出ていないで、各人の考えにとどまつています。でありますから、折角国の費用を使つて行くのでありますから、その報告書を必ず利用し得るように一つ御配慮を願いたいと思います。
○江田三郎君 今の調査なり研究なりに対する問答ですね、これはそれだけでもいいようなものですけれども、一つそれを一層コンクリートなものにするために、この次でも適当な委員会のときでいいですから、従来に変つてこういうようにする一だということがはつきり素人にわかるように作つて、説明をちやんとして頂きたいと思います。
○国務大臣(戸塚九一郎君) 承知いたしました。
○石川榮一君 明年度の予算にも関連を持つのですが、本年度の災害は戦後最大のものでありまして、三・五・二の割合によつて災害復旧をするとすれば、本年度のものとその残りと明年度の五〇%を合わすと約一千億に達すると思う。そういう厖大な災害を背負わされ、而も過年度災害が七、八百億もあるという形である。明年度も勿論そうでありましよう。そうすると、国家の財政というものは災害に殆んど食われるという形になりまして、そうかと言うてこれをなおざりにすれば、なお災害が増大するということになりますので、非常な危機に立つていると思います。現在の災害を復旧することも勿論大事ですが、ややもすると、治山治水根本対策要綱なるものを発表されているようでありますが、これらのものが軽視されるのじやないかということを非常に心配する。若しそういうことになりますると、治山治水の根本策が立てられても、依然として予算の裏付け等が思うように行かないということになりますれば、本当に災害に災害を重ねるという事態になりまして、建設行政が根本から私は崩壊するような状況で、国家の経済自立も危機に追込まれてしまう。こう思うのですが、本年の災害は非常な国民的な輿論を喚起しております際であるだけに、特に治山治水根本対策要綱なるものを御発表になつた以上、あれを強力に予算化して頂くような御高配を願いたいと思うのです。これは勿論御異論ないと思いますが、然らばこれをやるにはどうしたらいいかということを考えますと、今までのような予算のいわゆる各省の奪い合いという形で行きますと、又各議員も選挙民のためにみずからの主張を成る程度曲げてでも予算の獲得に狂奔するというような国会の情勢等から考えますと、ますます不安を感ずるわけであります。そこで思い切つて特別会計でも設けまして、治山治水の要綱を決定したものを十年でも十五年でも、或いは二十年でも結構です、少くとも特別会計でも設置をして、そうして如何なる内閣が実現しようとも、その特別会計から継続して、年次的な計画によつて進められるようなことを二十九年度においてはつきりして頂く必要があるというお考えはありますか。要するに治山治水根本策に対する特別会計を設置して、そうして如何なる財政的な状態が起ろうともこれは貫くというような線を二十九年度予算で出して頂きたいと、こう思うのですが、御所見を伺いたい。
○国務大臣(戸塚九一郎君) 特別会計はとにかくといたしまして、少くとも或る程度継続費でやれるようなことに話合いをしたいと私としては考えます。
○石川榮一君 継続費でありますれば、或る程度まで年次がきまりまするからいいと思いますが、それでも継続費でもやはりその繰延等のことも起り得ると思うのですが、何か抜本的なお考えを持つて特別会計でも設置しておやりになるというような決心をして頂く必要があるのではないかと思いますが、どうですか。
○説明員(石破二朗君) 御構想誠に結構でございまして、要するに治山治水事業費を確定してしまうというお考えは大変結構でございまして、特別会計という制度につきましても、実は事務的には考えてみたこともあるのでございますけれども、現在ありますような特別会計の観念で行きますと、ちよつとこれは型が違うのじやなかろうかと思うのでございます。有料道路の特別会計にいたしましても、これは財政出資なり、預金部資金から借入れて一定の事業をしまして、それから収益を上げてこれを返して行くというようなのを以て普通特別会計と言つておるのでありまして、現在あるのとは違うので、今度の治山治水の御構想のような治山治水特別会計というものは少し違うのじやなかろうか。法律的には不可能だとは考えませんけれども、ちよつと違うのじやないかと思うのでございますけれども……。
○石川榮一君 今の御答弁ではよくわからないのですが、何か財源が、特殊なものがなければ特別会計はできないということであれば、一般会計から何彩か必ず繰り入れるという建前をとれば、それを財源にしまして、そうしてそれによつて特別会計を設置する。若し必要があれば治山治水公債のようなものも発行させる権能を与えまして、治山治水の公債等も受入れられるということにやつて行けないものでしようか
○国務大臣(戸塚九一郎君) 理論上できないことはないと思います。もう少し研究いたしたいと思います。
○石川榮一君 私は二十九年度の予算で、これが何とか治山治水の根本対策が確立されて、それが継続費で以て出されて、而もしつかりした特別会計のようなもので枠をきめて、できるならば私どもは一割を出せ、一〇%を出しなさいと。それで一千億でありますれば十五年か二十年でできる、今のように二百億や三百億では、これは四十年も五十年もかかる、結局やらないのと同じじやないか。その間に災害がどんどん殖えて行くということになりまして、いつまでたつても災害というものは増大する一途を歩むのです。そういう点から、この二十八年度の災害の大きかつたことが、非常な私はこの際そういう大きな確立した計画を立てる絶好のチャンスじやないか。建設大臣としては十分に主張し得る立派な資料をお持ちになつているときじやないかと思う。是非そういう点で一つ御検討を願いまして、できることでしたならば特別会計を設置して頂きまして、一般会計から、丁度食糧管理法の特別会計と同じようなものです。足らないところを特別会計から出すという建前をとつているようですけれども、あれとは少し違いますけれど、できるならば一般会計から或る程度のパーセンテージのものを入れる、止むを得なかつたならば、治山治水公債というものでも発行して受入れることができるし、止むを得なければ特別な増税をするというようなことも、或る品目についちや増税を認めるというようなことも研究されて、何とか一千億程度のものを安心して投入ができるようなこの際計画を立てて頂きたい、こう私は希望をするわけであります。元気を出して頂きまして、善処を要望いたします。
○国務大臣(戸塚九一郎君) 只今お話の、チヤンスだと、まさに本当にチヤンスであると私は思います。が、先ほどの私の治山治水協議会で財政面の研究を今いたしておるから、それに従つて行きたいと思う、という意味は、本年度九百億の恒久対策を要求しているけれども、果してそれが実現できるかどうかわからんということを申上げたのは、過年度災害、或いは本年度災害の負担がかなり巨額でありますから、これを合せますというと非常に大きなものになる。それはたとえ絶対的に必要だというふうに考えましても、やはり国の財政という面、或いは頻りに大蔵大臣が心配しているインフレ問題等等考え合せるというと、そこまで行けるかどうかという歩留りが心配だということを申上げたのであります。併しながらお話の恒久的な対策を本当に講じて行くのでなければ、又災害に追い駆けられるようになるということも、これ又見えすいている。そういう点をかれこれ考え合せて、相当国民の期待に副えるようにはいたしたいというふうにまあ考えております。
○石川榮一君 もう一点、国の予算にどうしても抑制されて、災害費が多いために依然として治山治水費の予算の増額は期待ができないというようなことになりますと、我々は治山治水根本対策要綱なんていうものを発表されても殆んど意味がないことになる。そこで止むを得なければこの治山治水公債、こういうものを直轄河川の周辺にある市町村等の協力を得まして、そういうような公債を発行されまして、そしてそれを財源にして、治山治水ですから、私は三年、五年にしなくもいいと思う。五年、七年に、或いは十五年に仕上げなくてもいいので、恒久対策だけに三十年、五十年に亙りましてもその償却はいいと思う。必ずしも現代に償却しなきやならんということでなくて、次の時代も背負つていいのでありますから、そういう意味合いで治山治水公債というものをこの際思い切つて出して頂きたい。それがややもするとインフレが起るというような御心配もあるようですが、農村の者などは預金、或いは箪笥貯金というものも相当の額だと思います。関東地区を例にいたしますと、どんな町村でも三千万や四千万の貯金のない、預金のない農村はない。でこれらの農村は又大災害を食う町村ですから、これらの町村の意向を聞きますと、真にやつてくれるならば、できるだけ応募をしようという空気があるのです。それは結局治山治水費というものは農村の労賃というものに大部分落ちます。ですから災害費というものは又返りますから、返つたものを又引揚げるということにしますれば、さまで私はインフレは起らないのじやないかと思うのです。併しインフレが起るくと言つていれば、そのうちに災害は来てしまうので、インフレと災害がどつちが恐ろしいかということを考え、インフレも恐ろしいのであるが、災害亡国も恐ろしいというような点を考えますれば、ただインフレという声に怯えて何ら手も足も出ないような予算措置をしておつたのでは、全くこれは私は日本の治山治水なんというものはあとで救うことのできないことになるのじやないか、こうまあ心配しておるわけなんです。我々は財政のことはよくわからんが、インフレインフレというような声に怯えて、治山治水のような建設的な公債まで発行できないというようなことはどうかと思うのですが、まあ一つ御研究なすつて頂きまして、できる限り……、少しは無理がありましても、勇敢に一つ案を立てて突つ張つてもらいたい、こう私は希望して今日の質問を終ります。
○三浦辰雄君 だんだん来年の予算の問題も迫つて来るわけですが、そこでもうこの治山治水の根本対策という問題になれば、いつもやはり問題になるのは、例の河川法の問題があるのじやないか。最近いろいろと又言う人があつて、いわゆる従来の直轄河川と言い、中小河川と言い、普通河川と言い、それらはいずれもそれぞれ沿革があつて、二つのいわゆる工事をしている国費の負担のまあ一つの種類によつての川の区分というような面も相当にあるので、だからこの際思い切つて、いろいろ問題ではあろうが、河川法というものを根本から建て直すということをスタートにして、そうして行くのでなければ、やはり治山治水の根本対策をやるのだと言つてもなかなか困難じやなかろうか、こういう問題が出ているようでありますが、一体河川法はいろいろな事情はあろうけれども、一体建設省としては来年のつまり今度の通常国会あたりに出そうという考えが本当にあるのかどうかという点をこの際一つ聞かして頂きたい。
○国務大臣(戸塚九一郎君) 河川法の改正は、是非この通常国会までには成案を得たいというふうに考えて今研究をいたしておりますので、いずれそのうちに又御意見をお伺いする機会があろうと存じます。
○三浦辰雄君 いろいろと御研究中だろうと思うのですが、だんだん突きつめて参りまするというと、河川というのは一体何だ、どこから一体河川というものは始まるのだ、こういう問題になるとなかなかむずかしい問題なのです。で私は最近こうも思うのです。河川というものはその流域を、源の発するいわゆる山から入れるというような一つの見方があるだろうし、中には渓流の奥へ参りますと、いわゆる地形的にくぼんでいる所を雨が降つている盛りには通るけれども、普通の場合にはいわゆる地下に潜つておつて或る点からいわゆる川の形と申しますか、沢の形になつて出て来る。その水の出て来る所からだと言う人もある。ところがそういう不確定な所はそれぞれの沢々によつて違うところで、区分ができるかどうか。だんだんこの多目的なダムのような問題が強く反映して参りますると、私は河川というものが勢い或る程度山に登るだろう、奥に入るの、だろうという傾向はどうも考えられる。そこへ行くと、かねてからこの従来の農林と内務省、最近では農林と建設省、これとがいろいろと問題にしているいわゆる渓間工事と申しますか、砂防の事業が一体どこにどういうふうな形において現われるかと言いますか、どういうふうにその点は考えたらいいかという問題がだんだん出る思うのです。で私は根本の問題としては砂防事業というものが、ここに赤木さんもいらつしやいますが、非常に大切だ、工事の種類として非常に大切な部分であるということは、これは誰しも否定することはできないのだけれども、だんだんこの河川というものが山のほうに深く入つて、元からやつて行くという考えが認められなければならないとすれば、結局山の問題といわゆる河川との問題であつて、その間に今までやつていた砂防の区域というものがあるのだが、その線が非常に何と言いますか、仮に山と川とを区別しようとすれば、その間に砂防というものを地域的に持たなければならないということは私はなくなつて来るのじやないかと思うのです。砂防事業が大切でないという問題じやありません。ただ如何にも通念的に川と山との間には何と言うか、地域的に砂防地域があるという観念が今まであつたようにも思うのですけれども、私はそう何だか近頃思わなくなつて来た。この点についてはどういうふうにお考えになられますか。私は河川法等を考える場合に、今までのどことどこが所管していたということじやなしに、本当にそれを洗つて行つた場合には、今町上げたような点がどうも出て来るように思うのですけれども、如何でございましようか。
○国務大臣(戸塚九一郎君) 私もお話のように思つておりまして、川はだんだん山へ上らなければいけないのだというふうに考えております。併しただ余り山の形を詳しく存じませんものですから、その境目がどこになるかということについては、ちよつと詳しいことは申上げられませんが、少くとも今までの考えよりはもう少し川が山へ上らなければいけない。で、現在砂防地域というようになつている点について、相当川の区域を大きくしたような考えで行かなければいけないのではないか、これは自然農林省の山林の関係となかなか調整のむずかしい点があるかも知れませんけれども、これは私が建設大臣でおるから勝手に言うのじやなくて、本当にこの砂防ということが川の源として一番大切だということから言えば、相当の所まで川の区域として考えて行つて、水源である山地の砂防を徹底的にやるというところへ持つて行かなければいけないのではないか、かように私は考えております。併し従来もしばしばその点でいろいろ議論があつたようでありますので、結局今度のこの河川法の改正ということも、一番主な点がそういうところへ行くのじやないかという点を心配いたしておりますが、これは是非とも話を片付けなければいけないというふうに思つております。
○三浦辰雄君 川が山に上ると、そうだと私も思うんです。そこでいわゆる砂防の問題ですが、そういつた傾斜地におけるところの土石を流さないようにいわゆる止める、安定させる。そこで傾斜地にいわゆる土木的に或る程度の工事をし、渓間を安定させるという問題で砂防というものの仕事が勿論大きく浮ぶわけですが、一体植生というか、木とか草ですね。植生で以てそういつた傾斜地を安定させるか、或いはいわゆる土工的手段によつて或る程度安定させるか、それはその土地におけるところの地質なり、そこの傾斜なり、そこらの気象状況なり、こういうものによつてそれぞれ適切な、或いはそれを組合せた一つの安定工事が必要なんで、いわゆる土木的な施設に主としてやろうというものが従来言われておるところの砂防工事であり、そうして植生によつて覆つて行こうというのがいわゆる山林関係の主たるいわゆる治山工事になつているわけなんですが、これはその場所その場所における状況によつて無駄なく工事のいい施行をしなければならないのはもう申上げるまでもない。私はそこでどうしてもこの河川上流における安定というものは、山が普通今健全だと思われてはいるが、その山全体を含めたものとして考えて行くことが私はむしろ本質的な問題じやなかろうか。だから地域的に砂防という地域があるんでなしに、それは仕事の種類としてある。大きく言えば河川というものと山林というものとの二つの緊密な連絡があつて、それぞれ適当な工夫というものがその間になされるということによつて初めて上から繋りが、いわゆる安定した治水事業ができる。或いはそれを基にした利水というものが全きを期し得る。まあこういうふうに思うのですが、その点についてはどういうふうにお考えでしようか。
○国務大臣(戸塚九一郎君) 私も大体御意見と恐らく違わない結論だと思いますが、砂防を部分的にやるところ、それが今度植林のほうと仕事の上でマツチさせるというのでしようか、限界のところになるのじやないか。これはなかなかそれじや砂防工事ができてから今度は植林の可能な所には植林をして行くという話がスムースに行きますればこれは一番いい。これはやはり私は繩張りという感じを抜いてやれば、仮に農林省と建設省という別々の所管の省がありましても、この間はマツチさせて行くことができるんじやないかというふうに思いますが、まあ実際の現地についてはなかなかむずかしいところがありましようが、考え方としてはやはりそうして行かなければならん。先だつての和歌山県の災害の跡を見まして、私はこの山のほうまでは参つておりませんけれども、有田川の上流の模様を考えますというと、あれでは山のてつぺんまで砂防という観念で行かなければ治まらんのだというお話も私は聞いております。そうするというと際限のないわけでありますが、そこにおのずから限界があり、今申上げたように砂防と植林というものとを調整させて行くことができるんじやないか、こういうふうに私は抽象的に考えております。
○三浦辰雄君 まあ抽象的だものですから、いろいろのことが言えるんですけれども、私は根本的にはこの植生で覆うところのいわゆる山林という問題は、その一部禿げている所或いは崩れている所、それらのものに行われなければならない土木的な手段のもので、これは場所々々によつて渾然一体の姿をして行くということが、何と申しますか、やはり本体だと思うのです。
 そこで今度はだんだん考えられますことは、森林法は今度の治山治水対策協議会ですか、あの協議会、治山治水協議会でも保安林制度の拡充をするということを一方挙げているのです。第十四回か三回かの国会では、森林法を改正して保安林というものを或る程度強化し、更にいわゆる施設地区として或る特定の土地を抑えると申しますか、施設地区として指定して、そうしてその指定したその地区については、いわゆるその目的に副うような仕事をする予定で一カ年だけの間はそれを指定してそうして若しその間に何も施工をしないものは自然時効が来て解消するといつたまあ或る意味においては政府が責任を持つもりでございましようが、そういう指定地区というものを設けて行つているのでありますから、従来ありました砂防指定地というものとの関係が、全く或る意味においては重複する関係が出て来るのです。それでこの問題も併せて今の川というものの定義と申しますか、そういうものとの関連においてやはりそこにはつきりしなければならん問題があると思うのです。この点についてはどういうふうにお考えになるのですか。だんだん時期も迫るので、とかくあとで面倒になる問題だから十分意見を交換して全体として治山治水の事業というものが円滑に行くようなことに努めなければならないと思うものですから、これは私は端的に言えば大臣もおられるので聞くわけなんですが……。
○国務大臣(戸塚九一郎君) 露骨に申しますと、この砂防法というものを河川法と併せてもう一遍考え直して行く必要がある、こういうふうに私は考えております。
○三浦辰雄君 考え方はここで一々やつていても仕方がありませんが、大方の考え方の点は一応わかりましたから、草案でも何でもできたら一つ是非早いところこの委員会でも実際うまくやつて行けるように一つ根本的にやらなけりや私は予算を、立場を変えて私が大蔵省にいて出そうという場合でも、ただ従来の仕来たりにおけるそれぞれの分量といつたようなことでは、この国家財政がああいうようなときに如何に大切であるかわかつていても、能率よく、効率よくその目的を端的に達成されるといつた背景がやはり或る意味においては望ましいと言いますか、欲しい、従つてそういつたもろもろの問題があればこの機会に、先ほどいいチャンスという問題があつたようですけれども、この機会にこそ一つ真剣にやるべきときだろうと私はこう思うので、要項でも何でもでき次第早くこの委員会等にもお廻しを願い、或いは問題がありそうであるなら農林のほうにもお廻しを願い、そこで端的にどうすればいいかという問題の結論を早く出したらいいと思うので、私はこの点の希望だけ申上げておきます。
○江田三郎君 河川法のことはいいのですが、そのほかに次の通常国会へ建設省として出されようとする重要な法案は大体どういうものがあるのですか。
○説明員(石破二朗君) 私から代つてお答え申上げますが、出したいと思つて我々で考えておるのはたくさんございますけれども、果してそれがどういう結果になりますか、各省とも相談しておりませんし、それから法制局には勿論まだ審議を経ておりませんし、予算措置を伴うものにつきましても勿論予算もきまつておりません。ただ我々が考えているところだけ御参考に申上げたいと思いますが、先ず第一に河川法を改正したいと考えております。ただこれは衆議院の建設委員会の有志のかたにおかれましても去る特別国会でございましたか、議員提案でやりたいというような御意見もあつたようでありまして、果して政府提案になりますかどうかは別でありますが、そういうことも考えております。
 それからその次にはやはり河川法に関係する分といたしましては水防法の一部を改正いたしまして、水防責任を明確にすると申しますか、水防態勢を強化すると申しますか、そういう措置をとると同時に、水防によつて怪我をしたような人を救済する措置を講じて、やはり水防に一生懸命になつて頂くというようなことをやつたらどうかと考えております。
 それから河川法の改正と関連いたしまして、或いは公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の一部も場合によれば改正しなくちやならんようになりはせんかとも考えております。
 それから海岸保全法でございますが、これも長らく当委員会でも御検討頂いておるわけでありまして、これにつきましても議員提案でお願いするか、建設省の責任において提案するかは別といたしまして、事務的には検討をいたしております。大体河川に関係いたしましてはそういうようなものであります。
 それから道路に関しましては、特定道路整備事業特別会計法の、期間はたしか二十九年度で終ることになつておるので、あれを延長する措置をとらなければならない、かように考えております。
 それから住宅関係につきましては、住宅金融公庫の業務の範囲を拡張する、土地の取得とか何とか非常に面倒になりまして、単に金を貸せるだけではうまく所期の目的に合わない点があるので、もう少し金融公庫の業務を拡張したらどうかという住宅金融公庫法の一部改正ということも検討いたしております。
 それから計画局に関しましては、これも懸案事項もたくさんあるわけでございますけれども、一番準備を進めておりますのは、従来土地整理法案というような名前で呼んでいましたが、そういうのが或いは間に合うかと考えております。これの名前につきましては、或いは土地整理というと、何か国土一般を整理してしまうような感を与えますので、実態に合せて、或いは市街地の区画整理というような名前にしたほうがいいかと思いますが、まあそういうことで考えております。
 それから建設業関係につきましては、建設業の機械化ということが非常に要望されているにもかかわらず、この建設機械の購入が各業者の短期資金によつて賄われているという状況でございます。先ず長期資金によつて建設機械を容易に購入し得るように、具体的には建設機械の抵当法のようなものを作つて、これによつて長期資金の借入に便宜な方法を講じたらどうか、かように考えております。更にこれに関連しましてなお保証というような問題が起るかも知れませんので、建設事業の保証会社に関する法律の一部を改正いたしまして、保証会社をしてそういうよりなものを保証させるということはどうかというようなことで検討いたしております。大体以上のようなものを検討しておりますが、一番先にお断りいたしましん通り、関係省と話合いが付いたものは一つもまだありませんので、その程度で御了承願いたいと思います。
○田中一君 今九つばかりの改正法が提案されようとしているように思いますが、衆議院で継続審議中の建築基準法の改正はあれは議員提案になつているけれども、あれはまあ議員提案で、おれは知らんというようなことであつてはならないと思います。議員提案でいろいろ問題があつたものを建設省が出すような意向があるのかないのか、伺いたいと思います。
○説明員(石破二朗君) あれは只今お話の通り継続審議になつておりますので、現に議員提案で継続審議になつているものについて、政府で別に提案をするというようなつもりは目下のところ持つておらんと申上げておきます。
○委員長(石川清一君) ちよつと申上げますが、大臣が所用がございまして、退席をしたいということであります。再び大臣がここに来なくてもいいようにしたいと思いますから、できるだけ大臣への質疑をお願いいたします。
○田中一君 では建設大臣に伺いますが、先般電源開発その他国土総合開発に対するいろいろ施策が立てられております。そうして国営の水の調節ダムなどが造られておりますけれども、大体どこの地点におきましても必ず補償費の問題が大きな問題として取上げられて、それがネックになつておる。そうして工事が計画通りに遂行しないで、土地收用法の一部を改正して、斡旋委員会などを作りましても、それが何ら実効を上げていないというような点に鑑みまして、予算の編成上一応の計画があるならば、補償費の問題は初年度において大部分、八割でも七割五分でも大部分を織込んで、三年、五年後に水没し、又よそへ行かなければならんというような犠牲者を一応精神的な安定を保たしめて、積極的に国土総合開発に協力するような態勢に行かせるという方途、予算の組み方、現在では年度割の事業に対する補償費のみしか計上されておらん現状です。そのような措置をとらなければ今後ますますそうしたトラブルが大きくなつて事業の遂行には支障を来たすのじやないか、こう考えるのです。従つて根本的な予算の編成上の対策を立てる考えがあるかどうか、又どういう考えを持つているか、伺いたいと思います。
○国務大臣(戸塚九一郎君) 予算の編成の面で考えてよろしゆうございますが、年度計画で初年度非常に少いような場合には或いはどうかと思いますが、大体話さえつけば初年度で補償が支払えるように、こういうように計らつて行きたい、かように考えております。
○田中一君 そうしますと、二十九年度は今大臣の御答弁のような方針で進みたいということに了解してよろしゆうございますか。
○国務大臣(戸塚九一郎君) その通りであります。
○田中一君 もう一点伺いたいのは補償費の認定、いわゆる政府の懐ろ工合で左右されるというような点があつては困るのです。これが政略的に使われては困るという意味もあるのですが、この際ああして閣議決定の要綱も出ておりますから、大体の大まかな線だけは立法化する意思はないかどうか。これは私は常に考えております。今の民主的な政治というものは知らしむべしという方法です。由らしむべく知らしむべし、俺を信用しろというのではなくて、これはこうなつておるからこの通りじやないかと、少くとも法律を以てそれを国民に知らせるという親切さが欠けておると思うのです。従つて用地課長なり何なりの認定で一応きめられる点があつて、そればかりじやいかんから補償の立法化という点を考えて欲しいと思うのです。この点はどうです。
○国務大臣(戸塚九一郎君) 補償の問題はなかなかむずかしい。殊に近年各地に補償の問題で競合うようなことも出て来まして、相当これの扱いには今後何とかもう少し対策を考えなければいけないというふうには思つておりまするが、まだ只今具体的に申上げるところには参つておりません。その他事務的の詳しいことは官房長からお答えを申上げます。
○説明員(石破二朗君) これは先般土地收用法一部改正の法律を御審議願いました際に、委員のかたから御意見が出たのでありますが、土地収用になるならば、これは一定基準でやるからこれはいいけれども、任意売買たとどうも係のものが叩いて困る。又同じ政府でありながら国有鉄道が買う場合、農林省関係で買う場合、建設省関係で買う場合、建設省関係でも道路と河川で買う場合、それから又同じ河川でも甲の工事事務所と乙の工事事務所で買う場合と、これはいろいろ違うから、こういうものを法律化したらどうかというお話があるのでございまして、私はそのときに十分研究さして頂きたいと、こう申上げたのでありますが、御承知の通り電源開発会社が買います際には、閣議決定で補償の要綱の基準が示されておるわけでございますが、建設省に関する限りは補償の要綱案というものができて目下大蔵省と折衝中でございますが、これも誠に長引いておりまして今年の春頃からまだ大蔵省と妥決に至つておりませんので、これが正式に決定いたしますれば、少くとも建設省の関係ははつきりすると思いますけれども、仮にこれがはつきりしても、果してこれで国民が納得するものかどうか、任意売買とは言いながら役所側もほかに代替地のない所を要求しているわけでございまして、土地所有者には或る程度少くとも心理的には強制的に取上げる……というと言葉が悪いのですけれども、売つて頂くというような筋合のものでもございますので、或いは法律化したほうが穏当ではなかろうか、特にほかの省との関係、政府の要綱を同一ならしめる、そうして国民の納得を頂くという面からいうと、法律化したほうがいいのじやないかと事務的にはそう考えておりますが、次々にやりましても、只今お話の通り折角御審議願つて土地收用法の一部を改正して頂きまして、斡旋委員の制度を作つては見たのでございますが、なかなかこれも皆出々々も忙しいのでうまく軌道に乗りませんので、矢継早に法律を作つてしまいましても果してうまく行くかどうか、もう少し検討さして頂きたいと思います。
○田中一君 河川流域変更ということは総合開発の観点からは重要な問題なんです。又しなければならんことが多いのですね。又そうすることによつて、日本の国富と言いますか、全体的な国民の利益というものがもたらされる場合が多うございます。この際例えば一つの例を申しますと、東北電力に対して水利権を与えた青森県の西津軽郡の赤石川のような問題です。上流地においてその水を河口から十二里も山の中からよその川に水を流し、その川には又よその川の水を流す、そうして二カ所、三カ所の発電をするというような場合、これは何百年来水を使用しているその流域の人間は、上のほうはその水をよそに持つて行かれる。幸いにして同じ府県の場合はまだ地方長官が地方の納得する形の調停もできるかも知れませんけれども、これが他県に亙るという場合には、銅山川の例を見ても百年近い争いが続いているわけです。そこでこういう場合、或いは赤石川なら赤石川の水を利用しておつた権利者に対しては、今の場合では法律的な補償の何ものもないというような現状のように私は考えておるのです。こういう問題を大臣はどうお考えになつているか、当然自分が何百年来父祖伝来使つておつた水が上流のほうで取れないで、脇の川へ行つてしまう。そうしてそこでは営利会社の東北電力が発電に利用する。営利会社の東北電力は又そのほうが建設費が安くなつて電力は安くなるという理由でしようけれども、そういう水利権の問題を明快に一つ御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(戸塚九一郎君) 流域変更ということはなかなかむずかしい問題で、今お話が出ました銅山川のことも私承知いたしておりますけれども、流域変更によつて従来水利権と言いますか、利益を得ておつた者を侵害してそのままというようなことは私ないと思います。只今お話の青森県の場合にどういう事情でありますか、十分私はつきりいたしませんが、若しそれが従来の流域の人の利益を侵害しておるという場合ならば、十分その点について考えなければならんかと思います。併し少くとも今までに扱つておつたところで、流域変更によつて従来の流域の受益者を侵害したままというふうな扱いはいたしておらないだろうと私は考えております。
○田中一君 観念的にはそう言えるのですが、事実秒速何万立米というようなものを持つて行く場合ですね。これは侵害しないということはあり得ないのですね、既得権をですね、あり得ないのですよ。それで私の言つているのは、そういう場合ですね、当事者が話合えぱいいじやないかということだけであつてはならないと思うのです。片一方は数十億の資本家です。片一方は農民です、本当の……。この場合に行政訴訟を起すにしましても、そうしたものには堪えられません。従つて政府としてはそれに対する何らかの明確な方針を指示する義務があると思うのです。現行法では訴訟なら訴訟を起すと言つて済むかわかりませんけれども、併しそれだけでは力の強い者に負けます。この点を……。私は流域変更大賛成。流域変更によつてたくさんな国の利益をもたらすことは結構なんですから、大賛成なだけに、これを何らか規制する方図をお示し願わなきやならんと思うのです。そうして、そうした意味の調査不十分なために、それに関係するいろいろな人たちが大変な損をするというようなことは、これは建設大臣の責任なんです。こういう点については大臣はそのほうは、まあ銅山川ではあなた相手方になつておつた過去もございますから、おわかりでしようけれども、現在河川局長でもいいから、その点はどういう工合に扱おうとするか。先ず大臣の見解を伺つて、それから河川局長の見解を伺いたいと思うのです。
○国務大臣(戸塚九一郎君) 流域を変更して、それがために今までの水量が減る、これはあります。併し水量が減ることが直ちに従来の受益者を阻害するということにも私はならんと思います。現実の場合にどういう点で利益が侵害されておるかという点をよくもう一遍調査してもよろしうございますが、この点は河川局長からお答えさせますが、少くとも私どもの方針としては、従来の利益を侵害させるようなやり方はいたしておらんつもりであります。
○田中一君 ちよつと局長の前に……大臣がそうおつしやるのは当り前なんです。それで結構なんです。それで結構ですが、事実において自分の所に流れた水が、そういう所へ行かないで脇の所に流れるということは、これは技術的な根拠を示して、十分調査をして、かかるが故に心配ないという報告をして納得さすならば、これは何にも差支えない、結構でございます。併し一河川ごとについてそのような基礎的な調査をする予算を建設省ではお持ちでございますか。又二十九年度以降でそういう徹底的な調査をするという予算を編成するつもりで、今のような言明をなさるのですか。私は今のような河川局の状態では、一河川ごとのそのような調査は不十分だということを予算上からも私は指摘いたしたいと思います。
○国務大臣(戸塚九一郎君) 必要な点は勿論調査をいたしておると存じます。又それがために予算を要すれば、これは当然予算を組まなければならない、かように考えます。
○説明員(米田正文君) 流域変更に伴う水利権の問題については、私ども非常に慎重に取扱つておるつもりでございますが、御承知のように日本の現在の未開発という面で、現在水の開発というものは非常に大きなものでございまして、この資源の開発をやるために、時に流域変更をやるというような計画が生れて来るのでございます。で水資源の高度利用のために、そういう計画については我々といたしましても、極力効率的な開発を図る努力をむしろすべきだと思います。ただ、今のお話のように、そのときに問題になりますのは下流に及ぼす水の影響であります。で我々の根本的な方針としては、下流部の既得権を侵害しないこと、これが何と言つてももう根本問題だと思います。ただ下流の既得権なるものが、それぞれの立場から見解を異にする場合が非常に多い。という意味は、非常に今までの水の量にしましても、一方の主張する水の量と被害を受ける側の水の量との見解が違うというような、一例を挙げましてもそれすらいろいろ見解がある。ましてや、その他いろいろな問題がありますが、それについてもいろいろな立場から見解を異にしております。そこで現在の河川法の制度では都道府県知事が許可権者になつております。そこで一応都道府県知事がその責任において現地の調査をした上で出願書類を検討して、建設大臣の認可を求めて来るのであります。そこでそういう求められたときに建設大臣としてはそれが適正なりや否やという判断を下す必要があるのであります。それらについての調査を必要とするのであります。が何と言いましても、特に水利調査その他の調査については出願者が先ず計画をしております。調査をしております。府県がそれを適正、不適正を判断するために必要なる調査を又やることになつております。我々のほうといたしましても、更にその上の現地判断をするのに必要な資料というものを求めなければならないのであります。で今のお話のように、あらかじめ建設省としてはどこの河川でも調べておいて、そういう出願が来た場合に、即時その判断をするというだけの資料は持つておらないのは、今のお話の通りでございます。そこでそれを持つているような状態にまで持つて行くことは勿論理想でございまして、逐次日本全国の川の調査を進めておりますから、将来はそういう時期も来ると思いますけれども、現在においてはどの川を持つて来ても、その日のうちに建設省として即日判断をするというところまではまだ参つておらんのが遺憾ながら今日の現状でございます。極力併しそういう面については努力をいたしたいと考えております。が要は、今のお話の中で御懸念になつておりますように、特に分水による水利権の変更の場合には、下流に対する影響については下流の既得権を損壊しないこと、損しないことというのを原則にいたしております。我々といたしましても、この問題はもうどのケースについても、起業者と地元との間に見解を異にして、直ちに円満な解決、妥結ができるという実情ではございません。我々としても苦心をいたしまして、我々の力の限りを尽して、その両者の公正な、妥当な解決を図るように努力をいたしております。
○田中一君 今建設大臣は水の管理者は都道府県知事であると、そこでそれに対して許可していいかどうかの問題は建設大臣のところへ来て、それを許可すると、で、今河川局長は、起業者は起業者の調査に基いて一応検討する、それに対して都道府県がその自分の府県の持つておるところの技術を以てその妥当性を証明し、且つそれを建設省が許可をするという方針だと言いますけれども、そうした各河川についての調査は不十分だと言つておる。大臣は、そういう金が必要ならばいつでも当然予算化するという言明があつたので、今電源開発会社或いは建設省が計画されている河川につきまして、二十九年度予算に大巾に予算を組んで頂きたい。これは大臣組むと言つておるのですから、組んで頂きたい。だんだんやろうというのじやなくて、当然現在問題にねつておる地点の調査を先ず十分予算を取つて調査して頂きたい。現に赤石川の問題についても何ら調査していないんです。県においては東北電力が持つているような技術陣を持つていないんです。例えば土木部長にしましても、あらゆる面の土木行政には通暁しておつても、河川の流域変更に伴ういろいろの問題を技術的にそれほどマスターしているとは考えられません。従つて、それは建設省に待たなければならないと思います。判定する基礎として。だから、二十九年度には必ずそうしたトラブルがあつた場合に、建設省は率先して一つの現場に百万かかろうが二百万かかろうが、予算を二十九年度に計上して、今大臣の言明した通り実施して、一日も早い総合開発の完成に目指して頂きたい。この点は、大臣行つちやつたから下駄を預けられなかつたのですが、官房長にお願いいたします。官房長よろしゆうございますか。
○説明員(石破二朗君) 只今のお話は、建設省がみずから分水をやりますなり、ダムを作るために必要な調査の経費は、これは勿論二十九年度予算に計上いたすつもりでおります。ただ民間の電力会社あたりが水利権の申請をして、その上にダムを作る場合を想定して、これに要する経費を当初から二十九年度にどれだけといつて十分の予算を組んでおくわけには参らんだろうと思いますが、よく河川局のほうとも検討いたしまして、計上できるものなら計上いたしたいと思います。
○田中一君 大臣は今計上すると言つていましたよ、そうすると、官房長は、あなたはおかしいなあ。建設省自体がするのが当然のことです、そんなことは心配しないでも。予算があるのですから、事業費があるのだから、電源開発をやる場合に、政府以外のものがやる場合に許可する、不許可にするということは建設省の権限なんですから、だからそれを持たなければならん。それに対しては持つと言つたんだから、あなたの御答弁でなくて。じや大臣にもう一遍来てもらつて質問しなければならん。今のあなたの否定は私はお返しします。大臣が来てはつきりと認めてくれなくちや納得しません。
○説明員(米田正文君) 勿論許可権者なり或いは建設省として、そういう出願書類が出て来たときに、それの妥当性を判断する程度の調査というものは、これは当然必要でございまして、まあこの調査も非常に広汎な分野になるのです。一水利調査という問題だけではすまないので、非常に広汎なものなんです。そこで、我々としてはあらゆる面からの正確な資料を集めるということも、これも私ども重要な一つの調査の事項なんです。そういう総合的に各種の調査の資料を集めて判断するのであります。今おつしやられたような意味は、その内容については出願者が当然調査すべきことと、それから府県が調査すべきことと、或いは我々が調査すべきことといろいろあると思います。今のお話の、要はそれらのできるだけ広汎な調査資料を集めることができるようにという御趣旨だと思うのですが、我々としても当然そうあるべきだと思つております。ただそれに今あらかじめ想定をして、どこに出て来るかというものを想定してやることは非常に困難でありますけれども、併しまあ我々は一面から水利調査というものを全国に亙つてやつております。そういう面はやはり今の開発が早期に行われるであろうようなところを主としてやつておりますから、大体田中委員の今のお話の必要な資料というものは収集できます。特にこういう点は来年もうはつきりそういうものが来るというようなところについての推定で水利調査というものをやつておりますから、大体御希望のような資料は得られると思います。
○田中一君 結構ですがね。念を押しておきますけれども、農民と事業主との間にトラブルが起きた場合には、建設省はただ一方的に事業主の報告書、並びに府県のまあ完全でない地方公共団体の部局の技術的な検討だけで判断してはならないというのです。その判断だけならば、あえて建設大臣盲判を押せばいいです。私の言うのは、その問題が起きた場合には、許可権を持つておる建設省はそのどちらが正しいかを調査する予算を組めということを言つておるのです。私が申上げておるのはそのことであるということを官房長もちやんと認めておつてもらわなければ困ります。
○説明員(石破二朗君) 調査という、田中委員の調査という意味と、私の申上げました調査という意味は少し食違つておりまして、私の申上げましたのは、河川管理者たる知事から申請して来た際に、大臣の指揮を仰いで来た際に、それに承認を与えるかどうかに必要な程度の調査費というものは、自分が起業者としてやる場合に比べますと、遥かに少い調査費で間に合う。一番極端なことを言いますと、役人の出張旅費だけで済むような場合もあるだろうと思いますし、その程度の予算でございますと、現在の二十八年度予算でも、或いは不足かも知れませんけれども、そう大幅な予算を計上しなくてもいいだろう。従いまして、特別のそういう場合を想定して調査費というものは取らなくてもいいだろうと申上げましたが、具体的に赤石川の事例は、私まだどういう建設省が調査をいたしたものかよく知りませんけれども、御心配のないように、起業者なり知事の言うことを聞いてそれで水利権を左右するというようなことは河川局においても決してやらないだろう、どういうことがありましても、それに必要な予算は計上いたしたいと思います。
○赤木正雄君 今の場合でありますが、これは電源開発をするのが民間でありますから、私はむしろこれが通産省が調査をして、どれほど下流の農民にその結果害を及ぼすか、こういうふうに考えるべきじやないか。無論河川は建設省でやつておりますけれども、通産省に大きな調査すべき責任があるように思いますが、官房長はどう考えますか。
○説明員(石破二朗君) その点はいろいろ御意見のあるところだろうと思いますが、確かに赤木委員のお話のような考え方もあると思いますけれども、やはり建設大臣は、私の考えでは治水利水の両方について責任を持つている。従いまして発電工事をして、分水をしてその結果下流にどういう影響があるかということの調査なり、下流に悪影響なからしむるという責任は建設大臣に私はあるように思います。ただ通産省といたしましては、全水系の発電の政策というような見地から、或いは通産省におかれましても、その結果下流の水利の状況、量流というようなものは当然通産省でも関心を持つて調査されるべき筋合のものだと思いますが、やはり建設大臣にも責任があるように私は考えております。
○赤木正雄君 今官房長のお話の通り、水を管理している関係上建設大臣の大きな責任であります。でありますが、併し民間においてそういう事業を起すために下流に害を及ぼすということについて通産省に大きな責任がある。その観点から通産省から建設省に協議を求め、建設省はどういう意見だと、こういうふうに持つて来るのが筋道で、とにかく通産省が第一に取扱うべきだと私は思うんです。
○説明員(米田正文君) 御承知のように、通産省で水力地点というのは全国に亙つていろいろ調査しているのでございます。ただ通産省はどこまでも水力発電のための調査が主でありまして、下流の広汎な影響についての調査は従来比較的少なかつた。これも御説のようにやるべきだと思います。ただ建設省の立場としては、今官房長からもお話申上げましたように、治水、利水というか、利水についても多目的の水利についての総合調整をやる責任を持つているのでございますので、やはり利水の調査というのは、目的がきまると、おのずからその目的が中心になつて調査されるものですから、我々建設省としては多目的水利の観点から調査する必要がある。やはりそういう調査を建設省としてはしておいて、通産省からの協議のあつたものについて即時その答えの出るようにするのが理想だ。併し今のお話は、水利権の出願が出たときに、例の通産省は通らずにずつと県から出て来た場合の話についてのお答えをいたしておつたので、通産省の関係は、御承知のように、水利権については同時に通産省の意見は別途に求めることになつておりますので、そちらのほうを通じて通産省から建設省に持つて参りますけれども、本筋、はやはり水利権許可の本筋としては都道府県知事から建設省、そのルートにおける調査なり、今の水利権許可の調査をいたしております。
○赤木正雄君 それは今局長がおつしやつたようにその通りです。そういたしますと、通産省は電源開発のために水利権を許す。その場合には下流の利害関係を殆んど無視しても電源そのもののために許すんです。その観点からも水に関する一元化をどうしてもなさなければいかん、結論はそうなんです。
○田中一君 住宅局長来ていないので、官房長に開きますが、来年で公営住宅五ヵ年計画は完了することになつておりましたね。そこでその通り二十九年度予算には組むつもりでおりますか。
○説明員(石破二朗君) 二十八年度までに出た残り全部、つまり十万四千戸でしたか、五千戸だけを予算要求をいたしております。
○田中一君 そうすると、おやりになるならば、少なくとも吉田内閣の住宅政策というものは、住宅金融公庫に貸付けるものも含めた枠内があの三カ年計画というものに織込まれたと考えるんです。十八万戸が織込まれたと考えるんです。住宅金融公庫のものも含まれない住宅政策はおり得ないと思うんです。ただ公営住宅は既定の通り、住宅金融公庫の融資住宅のほうは第一次補正予算で二十二億円減額になつております。これも含めたところの全部の住宅ということを考えるんですが、二十九年度には二十二億円のものも織込んだ新らしい観点から出したつもりかどうか伺いた。
○説明員(石破二朗君) 公営住宅のほうは国会の承認を頂きましたのは、住宅金融公庫とは別に国の公営住宅を三カ年に十八万戸を建てるということになつておりますので、今後の折衝で如何なりますかは別としまして、現在のところは公営住宅十八万戸を三年間に二十九年度までに建てる、その未完成分を全部要求しております。住宅金融公庫の今年の政府出資を二十二億減らしましたのは、計画としては減らすわけではありません、計画としてはむしろ西日本等の水害によつて滅失した家に対する融資住宅を殖やしたくらいでありますので、計画全体は減らしたわけじやありませんけれども、現実に二十八年度に金が要りませんので、それだけ減らしただけのことであります。来年は勿論二十二億を取返すという意味の事業も含めて予算を計上されるものと考えております。
○田中一君 今私は初めて聞いたのですが、二十二億円分は別の方途で西日本その他に融資したということになるのですか。
○説明員(石破二朗君) 二十八年度の住宅金融公庫の建設戸数というものは一つも減らしているわけではありません。むしろ西日本等の水害のために三千何百戸の増加を来たしているくらいであります。その三千何百戸と二十二億円は因果関係はありませんけれども、当局は住宅金融公庫の事業計画を減らしたわけじやありませんけれども、現実に二十二億の金が不用になりますので、翌年度に繰越すという意味で今年削除したのでございまして、来年の予算におきましてはそれを取返す意味も含めて予算に計上されるであろう、かよう申上げた次第であります。
○石川榮一君 先ほど来田中さんからもダムその他のことについて御質疑がございましたんですが、今計画されたダムの中でも大きいものは全国で十六カ所あるということになつている。将来ますます殖えて来る。ところが補償問題その他その犠牲地のかたがたの更生問題等に絡んで、なかなかスムースに行かない状況であるようです。非常に遺憾なことですが、これは住民としては当然のことだと思う。そこで第一に考えられますことは、ダムの建設をされる所は何ら予期しない所ヘそのダムができるのでありまして、要するに災害のない所へその災害を防ぐために犠牲にされるのでありますから、非常に厚い処遇をしてやらなくちやならんのは当然であります。特にダムでありますだけに、相当に深山に位すると思いますので。従つてその補償等につきましては、金銭ばかりでなしに、それらの山間部に住んでいる人が将来明るい生活かして行けるようなことをするためには、差当り国有林寺の払下げ、或いは民有林の買上げによつて現物を出してやるというようなことも大事であると同時に、そのダムに上る利水、要するに養魚或いは観光であるとか、いわゆる水面を利用する権利を優先的に犠牲者に与えるというようなことが必要だろうと思うんです。ところが現実におきましては、どの川もそうですが、上流部のダムのできるような所までも、地方々々におきましては漁業組合がその権利を取得しておる次第でありまして、頑強にこれらの権利をその地元民に与えることを拒んでおるわけであります。そういうようなことから、非常にダム地方の住民層をいら立たせまして、補償に納得が行かない、要するに地元が了解しないというような段階が多いように思います。そこでこの際そういうような点も各地にあるだろうと思いますから、ダム建設に関する閣議の申合事項ということでなしに、或る一定の基本線として国有林の払下げ、或いは民有林の買上によつてこれを提供し得る方法とか、水利権のようなものは、ダムによつてできたその水面における権利のようなものは優先的に犠牲地に提供するような措置をする必要がある。そういう立法によりまして、地元の既往の漁業権というものは制約されて、ダムのできるようなところのものは、それはできると同時にその犠牲地の人たちの生活の一助にもなり得るようなために、一方の既得権、漁業権者のその権利を制約し得るような立法措置を取得する必要があるのじやないかと思いますが、それらの御研究等をなすつていらつしやるかどうか、お尋ねしたいと思います。
○説明員(石破二朗君) 実は内輪のことを申上げますと、先ほどの政府提案の法律案の準備状況の際に申落したのでありますけれども、実は経済審議庁からも、只今石川委員のお話のような趣旨の法律案要綱のようなものを頂いておりまして、これを建設省で一つ考えでくれるなら自分のほうはやらなくてもいいのだけれども、是非一つ実現させるようなことにしようじやないかというような個人的な連絡でございますけれども、要綱も頂いております。これは是非御趣旨に合うように検討しなければいけないと思います。ただここで考えなければいけないのは、治水ダムの場合でございますと、まあまあ何とか解決の方法はあるのでございますけれども、発電ダムでございますと、それが電力のコストにすぐ影響するというような関係からなかなかむずかしい問題があるわけでございますが、経済的に言うとダム地点というものはそう余計ありはしませんので、会社側から見れば、何か金山でも買うくらいな元気を出して買つてもらつてもいいくらいに私ども考えております。水没地の補償については十分考えて行かなければならんわけでございますけれども、はやり発電コストに影響のないように、只今お話のありましたような権利を与えるとか、国有林を優先的に払下げますとかいうような、そういう方法で御趣旨に合うように検討して、至急成案を得たいと考えております。
○三浦辰雄君 それに関連して、私この間実は有名な只見川のほうに先月の初め頃行つてみたのです。そこでいろいろな問題があります。私は基本的にこういうことを言つてみたのです。丁度それは建設基地になる宮渕という十九戸の部落が、すべてを知事に信頼して、そうして一応判を押しますという決心をする晩の出来事であつた。いろいろそこに問題があるが、一つ感じたのは企業会社、あそこの場合は東北電力ですが、どれまで一体補償という問題をはつきりしてやつているか、この点が部落の人もまだわからない。その際今国有林の話が出ましたが、周辺は国有林でもあるので、何とか一つ骨を折つてもらいたいという問題があつた。私もそれはできるだけのことをしようが、今これという法律はない、ないが、何とか我々としてもそれは考えなければならないが、基本的な考えとして、あそこらの生活は大体均らしたところが、金に見積つて一カ年の生計費二十万円、これがおよそ二十万円になるくらいまでのいろいろな対策については電源会社というものが責任を負うという考え方を基本に持つて、そしてそれから更に一割や二割、あの連中がいい生活というとおかしいが、今よりももう少しいい生活ということに対しては、県なり国なり、第二次、第三次のいわゆる受益者としての立場から言つてもすべきであろう。こういう意味で私はいろいろなことを聞いてみたのですが、大体そういうようなよそのダムの関係も出願がどうかという点も一点聞きたいのと、もう一つはコンクリートを作るのに、その宮渕部落で言えば田圃の九割二分というものが建設基地に取られてしまうのです。そこで今の渇水期に何とかあそこの部落の所は着手させたいというところから、知事も非常にああいう経過もあつて早急にきめたことであるから、何とか自分は絶対に皆さんに迷惑かけないという誠意を披瀝したことから、いろいろ注文があつた中で、田圃を造成してくれということが相当強く出た。その田圃を造成しようというところの地域はその下にないわけじやないが、工事のコンクリート材料の砂利をその造成しようとする僅かの川渕から取る、二メートル以上も取るというのです。そうして二メートル以上も取つた後に土を埋めて田圃にしなければならないから、農地関係の県庁の諸君は実際かなわんと言つている、あけすけの話です。ところが僅かあそこの只見から伊南川に向いて行つた所へ行けば幾らでも砂利があるんです。これは一体恐らく電源会社としてはコストの関係から言つて一番近い所から取りたいのは、これはもう想像はつくのだけれども、そういうような全体としての部落に対する同情、九割二分までを田畑を失なう部落に対する私は態度から言えば、多少コストは高くなつても成るべく近い所の伊南川からお取りになるというふうに行政官庁方面としては指図をできないものかどうか。そこで会社の補助というものの誠意と、そうしてそれをめぐるところの行政、県或いは国、こういうものとの間に何かしつくり行かない線があることを痛感して来たんです。これは工事者から言えば当然目の先にある砂利を取りたい。ところが部落から言えば、すぐその近くに田畑を造成してもらいたい。農地関係の技術者から言えば二メートル以上も深く砂利を取つちや後が大変だ。そこであそこらは岩山なんです。土を探して来てその後に埋めて、そうして田圃を造つてやらなければいけない。私は急がなければならない電源開発の事業に当つて、何か共通した会社と行政府といいますか、国と府県との間に共通した断面がそこに出て来たような感じがしているんです。こういう問題は果してそこだけの特有なものか、私の心配しているように共通したとも言うべき断面なのか、この点を聞きたい。
○説明員(米田正文君) 私どもの考えておりますのは、河川管理上の問題がまあ中心で指導監督に当つておるのが建前なんです。今のお話は工事施行上の問題が主になつておるようにも考えられますので、工事施行上の問題ですと、会社側としてはできるだけコストを下げようとする努力をしておる結果がそういうことになつたのではないかと思うのですが、地元に水田をこしらえてやるというようなことは、或る程度どこでもそれは必要な問題になつて来ると思います。そういうところは多少の土地の相違はありますけれども、今までもそういうことをやつておりますから、私はやつてできないことはないと思うのですが、ただ果してそれが希望する近くでできるかどうかが問題でしようが、併しそれらは私は主として当事者同士の話のときに解決をすべき問題じやなかつたかと思うのです。で、まあ我々としてもそういう補償問題の一環として一つの全体としての方針をきめるときには勿論指示なりをしますけれども、個々の問題になりまして、そういう工事上の問題になつてしまつたような場合には、そこまでの細かい手当は実は今日までいたしておりません。
○三浦辰雄君 まあ一応それは細か過ぎる問題ではありますが、何かやはり共通的な問題なんだ。これは或いは通産省関係の問題であるかとも思つているのですが、要はどこと言わず受けるのは部落であり、そうしてそれを何と言いますか、促進しなければならない立場にあるのは国であり県である。こういうような関係なのだから、そこの間は何とか協力一体の形になつて行くようにすべきものだ。だから従つて、又例の管理の問題とか、そういういろいろの一元化の問題に繋るものかと思うのですけれども、私は促進する意味においてはそういう無駄な問題が全体を通ずるとあるんじやないかとつくずく感じたので、併せて関連してお伺いしたのです。
○江田三郎君 ちよつと関連して……うまいことをいろいろ言うておられるけれども、一番肝心なことは本当は建設省だつて、頭の切替えができておらんと思うのです。大体工事認可をしないで勝手に工事をやらして、工事をどんどんやつて行けばこれは脅迫ですよ、あそこの被害を受けるものにとつては。とにかく工事がどんどん進んで行つて、そうして一つ一つ弱い面から切り崩されて行けば、言いたいことも言えんで結局泣き寝入りにされてしもう。あの態度を改めるということですね。これが私は一番肝心だと思う。そういうことを一体どうするのか、ちやんと補償問題が片付いてから、そうして水利権なり工事権なりをきちんとやつて行く。何にもしないで先にさつさとやらしておいてから、工事ができた頃に、そうして洪水を起して夜明ダムみたいに被害を起さして、然るのちにおもむろに許可するという態度を改めるということですよ。これはどうですか。
○説明員(米田正文君) 工事実施認可前に工事に着手しておるという事例は(「たくさんある」と呼ぶ者あり)実は各地というわけにも参りませんが、併し……(「全国至る所にたくさんある。名前を挙げてやつてもいい」と呼ぶ者あり)例が相当にございまするのは事実でございます。ただこれは従前そういう黙認をしておつたところがないとは言えないのでございますけれども、最近は、今年の初めからは厳重に指令を出しまして、実施認可前に工事に着手してはいけないということにいたしておりますので、最近の事例としては、最近着手しておるものについてはないと思つております。
○委員長(石川清一君) ちよつと議事進行について御相談しますが……。
○田中一君 一つだけお聞きしたい。これは大臣に聞こうと思つたのですが、大臣が行つちやつたから仕方がないのですが、これは官房長によく念を押しておきますが、曾つて特調が廃止されたとき、あそこから営繕関係の技術家が当時の予備隊とそれから建設省に吸収されまして、その際この営繕の技術家並びにそれに一連の建設省に来た職員は一級格下げになつて採用された、警察予備隊に行つたものは同等又は一級格上げされて移つて行つたという事実があるのです。これははつきり事実ですからお調べ願いたいと思うのです。そうしてどういう意図で建設省に入つた者が一級下つて入らなければならなかつたか。又どういう意味で予備隊に入つた者が一級格上げになつたかという点を、この真相を先ずお尋ねしたいと思うのです。
○説明員(石破二朗君) 予備隊のことはどの程度に格付けされて転職したか、それは一切開いておりませんから、よく調べて見たいと思いますが、建設省に関する限りにおきましては、大部分のものが前に戦災復興院から行つた連中が帰つて来ておるのでございます。御承知のごとく現在の給与制度はそれぞれ局長、課長、係長とか課長補佐とかいう名前がつきますと、比較的その格が上ることになつております。で調達庁におきましては、一つは新しい役所でありまして、役人が足らなかつたというせいもございましようが、本来ずつと続いて戦災復興院から建設院、建設省におつたとすれば、この程度しかしれないというものが、向うへ行けばずつと上つておつたわけでございます。それをこつちに返すとなりますと、やはり従来から建設省におる者と同じようなところに落ちつきませんと、やはり工合が悪いものでございますから、勿論本人の承諾を得て、仮に向うで十二級たつた者でも十一級に下つてもらつた。もう一つはそういうことのほかに現実の問題として級別定数が非常に窮屈で、思うだけ取れなかつたというものもあろうかと思います。
○田中一君 予備隊に、現在の保安庁に行つた者の給与は知らんと言いますけれども、大体においてそのような不公平があつちやならないのです。それで本人の納得づくで格下げしたと言うけれども、無論それはそうでしよう。首切られたら困るから納得するんですよ。そんなことを考えられて、公務員の首にいつも七首をつけて、そうして納得づくなんということはあり得ないのです。一つ保安庁の同じような立腹におる者の給与がどうなつておるか、これをお調べ願いたいと思うのです。そうして今言う建設省には補助員などがあつて、相当な経験と学識を持つている者が未だ何年もいわゆる事業費で以て、労務費で以て賄つているような人もいるのです。事業量はうんと殖えています。ましてや今度災害に関する予算も殖えていますし、こういう者たちを定員法を改正して、ただその公務員のみに、建設省の職員のみにしわ寄せして労働強化する、そして場合によつたら格下げする、いやならば首切りますよじや済まないと思うのですよ。そのような方針では恐らくますますこうした賃金闘争というものは激化するのです。そこで二十九年度は少くとも事業量にマツチした定員法に変える意思があるかどうかの問題をお伺いしたいのです。大臣に開こうかと思つたのですが、あなたにお聞きしますから、あなたが答弁できなければ大臣の答弁を開きたいです。
○説明員(石破二朗君) 初めに終りのほうの問題から御答弁いたしますが、準職員なるものを全部本職員にしてくれという意味で予算要求はいたしておりませんけれども、相当数の本職員を殖やしてくれということは大蔵省に要求いたしております。
 それから初めの問題でございましてお言葉を返すようで大変失礼でございますけれども、やはりこれはいい例かどうかわかりませんけれども、同じときに同じ学校を卒業して同じように役所に入つて来た、能力も同じ、甲乙がないというものが国全体の政策としていいか悪いかは別問題として現実の問題としては建設省と調達庁とは非常に開きがあつたわけであります。建設省に帰つて頂いた以上は、従来の者を上げてやればこれが一番いいわけでございますけれども、そう行かん場合には止むを得ずやはり同じことにいたしませんと、人事管理上も、調達庁に行つて来た、二、三年行つて来たために非常に儲けたというような結果にもなりますので、止むを得ずやつた次第でございますが、建設省と保安庁と比べて、給料が不当に建設省のほうが低いというような事情がございますならば、建設省全体の問題として検討いたしたいと思います。
○田中一君 今の官房長の言明は大臣の言明としていいのですか、そう考えて。そうして今の二十九年度予算の面における定員法の定員の増加並びに給与の点は片つぽうは、まあ吉田内閣は再軍備したい政策ですから、保安庁へ行けばどしどしと月給を上げてやる、建設省みたいな平和産業は、平和事業はこれは格下げをするということであつちやならないと思うのです。これは一貫した政策かも存じませんけれども、これは今申上げましたように、二十九年度予算の上においてそれは是正するということを建設省は言明したということに了解してよろしうございますね。
○説明員(石破二朗君) たびたびお言葉を返しますが、増員要求はいたしておりますが、大蔵省にこれは建設省としていたしております。二十九年度から現在の建設省職員の全体を保安庁と比較して上げるということは先ほど御答弁いたしませんでしたが、十分調査いたしまして、不当に建設省が安いという結論になりますれば、建設省全体の問題として検討しなきやならん、かように申上げた次第であります。大体御趣旨に副うようにいたしたいと思います。
○石井桂君 ちよつとそれに関連して私も聞きしたいのですが、実は人事の交流をしようと思つて、地方庁と建設省とやろうと思いますと、東京から行く場合には大概二級ぐらい下がるのですよ。実際に前例もあるのです。それで誰も行きたがらない。一遍行つて帰つて来れば修行になるから、だから行けばいいと思うのですが、二級下げられて帰つて来ると、二級下げられたままで入るわけですね。それで人事の交流ができないわけです、大都市は。ところが大都市ほど優秀な技術者がいる。だから今の田中さんの言つたのと同じかも知れないけれども、人事の交流をする場合に人材を建設省に集めようとするならば、恐らく建設省の給料は田中さんの言つたように安いと思うのですよ。だから従つて私のほうの分野では殆んど建設省に行くのを希望しない。だからと言つて数が余つているとは僕は言いませんけれども、本当に新らしい人材を求めて、立派な建設行政をやるという御意思があるならば、やはりその待遇ということをよくお考えになつたほうが官房長としてはお仕事の上でもまあ当り前なことじやないかと思うのですが。
○説明員(石破二朗君) 大変御親切なお言葉を頂いて有難うございました。実はどういう関係でございますか、建設省の予算は非常に窮屈でございます。単価は私はほかの省と比べて安いとは申しませんけれども、たとえて見ますと、ほかの新らしい役所では建設省の局長よりも遥かに下の者が次官になつている。まあ能力に違いもあるということはありましようが、どうも建設省の給料はその手腕力量に比べて低いじやないかと思われますが、一方又考え方を変えて言いますと、まあ長くこういう仕事を、好きこのんで入つたものですから、そう給料は上らんでも、長く一生懸命やつて行こうというような点からはまあこれは便利な点もあるところでございまして、建設省の平均の予算単価がほかの省と比べて私は安いとは考えておりません。ただ保安庁はこれは別個の問題でございますから、検討したいと思います。
○委員長(石川清一君) 実は発言を封ずるのがいやで皆さんの御発言を黙つてお聞きしておつたのですが、次の国会でそのことについて一応質しておかなければならんことがございますから、それをちよつとお聞きしておきたいと思います。ガソリンの目的税でございますが、整備五ヵ年計画は閣議の決定を経ておかなければならん、こういうことになつておりますが、これは建設省は閣議にかける前に委員会におかけになりますかどうか。そしてこの前の委員会に配付になりました資料にその後変化があるかどうか、変化があれば御提出願いたいし、閣議にかける前に委員会にお諮りになる意思があるかどうかお伺いしておきます。
 第二点は、先ほど建設大臣は石川委員の質疑に答えまして、この治山治水の根本対策に対する特別会計的なものは考慮するという程度にとどまつて、継続費を強力に設定したい、こういう意向でありました。これは現在の直轄河川を広汎に指定をするのが、総合開発の特定地域というような形の中で継続費を設定するのが、これも二十九年度予算要求の九百億の中に対して有力な力に建設省の予算獲得の面においてもなつて参ると思いますので、この点について河川局長にお伺いしておきます。その中に供水調整ダムと言いますか、こういうものが新らしく取上げられておるかどうか、取上げるとすれば、これは水没地の補償問題が単に電源開発等の問題より広汎になりますので、相当慎重に審議せんければならん、こういうように考えておりますから、これもお答えが願いたい。
 その次は先ほど話がありました特定道路の特別会計が二十九年度に切れることになつておりまするし、十二月の十一、十二日に三重県の道路が竣工式が挙げられて有料道路として新らしく出るようでありますが、これもこの道路整備法と関係を持つ重大な問題になりますので、この点に対する態度も予算の決定前に明らかにしておく建設当局の必要があるのではないか、この点も考えますから、これも一つ政府の態度を明らかにして頂きたい。
 その次は災害復旧費が昨年が二百五十億建設省関係、本年も確かに二百五十億出ましたが、来年度の要求が五百億と言われておる。これに対して最近再検討して二、三割減つておる。こういうように申しておりますが、単に予算がなかつたというだけでは過年度災害はそのままにでき得ないように今までの災害関係の委員会の経過から見て考えるので、これに対して大臣は強力な新しいと言いますか、公共土木国庫負担法よりもつと現実に合うような指示を今まで与えておつたかどうか、或いは又これを新しく相談の上で作つて二十八年度の、本年の災害に対しても同じような形で臨んで最終的な予算の獲得に対処するかどうか、この点をお伺いしておいて、あとの委員会に対する取上げ方の問題としたいと思います。
○説明員(石破二朗君) 道路整備五カ年計画の案につきましては、すでに参考案をお配りしておるわけでございまして、その後大蔵省とも事務的に折衝はいたしておりますが、まだいいとも悪いとも話合いが付いておりません。又道路審議会も一回開きましたが、まだ結論には勿論至つておりません。従いまして現在のところまででは変つていない、かよう御了解願つて結構でございますが、さてこれを閣議にかける前に当委員会の御審議を願うかどうかという問題でございますが、これは事務的になりまして誠に恐縮でございますけれども、やはり政府部内の、正式に申しますと、閣議決定したあとで国会の御批判を仰ぐというのが筋であろうと思いますが、ただそういう正式なものでなしに、政府としての案がまとまりましたならば、何らかの方法で当委員会の御審議も願い、御意見も承わつたほうが何かにつけて便利であろうとは考えておりますので、この点は大臣に申上げまして、正式に閣議決定する前に、できますならば、当委員会の御意見も十分拝聴するというような方法をとつたほうがいいのじやなかろうかと私は考えております。
 それから根本的の治山治水のやり方につきましてどの程度継続費を設定するか、又特別会計はどういうふうにやつて行くか、又水没予定地が相当あるのかどうかというようなお尋ねであつたと思いますが、この継続費につきましては、実は私のほうはできるだけ多く継続費を初年度から設定してもらいたいとは思つておりますけれども、御承知のごとく継続費を設定いたしますにつきましては十分な調査がなされなければならんと思うのでございまして、途中で調査が杜撰のために設計が変更されるとか、計画が変えられるとかいうようなことがあつては、継続費を設定する本来の趣旨にも反します。又大蔵省もそういうことでは困ると申しておりますから、どの程度の分について継続費が設定できるかどうか、これはまだはつきりここでお約束はできないと思いますが、できるだけ継続費に持つて行きたいと思つております。
 なお先ほど特別会計のお話がありまして、我々が従来考えておりました特別会計というような概念からは少しはずれるんじやないかと思いますけれども、お話にありました一部受益者が強制的に治水公債でも持つ、そしてそれを特別の財源に充てるというような制度を考えて行くとしますれば、或いは特別会計というようなことも考えられるんじやないかと思いますが、この点は至急に検討さして頂きたいと思います。
 それから洪水調節のダムも今度の治山治水新方式の主な点になつておることは御承知の通りでございまして、相当の水没地が出るものと、かように考えております。
 それから特定道路につきましては、将来とも政府としてはこれを継続してやつて行きたい、そのために必要な法律改正を是非ともやりたい、かように考えておる次第でございます。
 それから最後の過年度災害の問題でございますが、大臣が申上げましたことは、私は違つたことを申上げるつもりは毛頭ありませんけれども、若干大臣の言葉が簡単過ぎまして、或いは誤解があつたかと思いますが、再査定をしておると大臣が申上げましたのは、建設省の監察官が過年度災害のうちで机上査定によつた分について今調査をいたしておるのでござ、まして、数府県監査をした結果は大臣が話しました程度に、これは廃工にしてもしいいと思われるようなものがあつたわけでございまして、こういうことは再査定というような意味じやなしに、本当の査定があつたのをこれを是正するというだけの意味でございまして、それを今後極力やつて行くつもりであります。お話のごとく金がないから再査定するとか、一遍査定したものを金がないから減らすというような趣旨では勿論ありません。国費を法律に照らして正当に使うという以上には大臣のお話も出てはおりませんから、その点は御了解願いたいと思います。
 なお五百億を要求していると大臣がお話申上げましたのは、過年度災害で、つまり二十七年度までに発生した災害の復旧費を約五百億円要求しているわけでありまして、二十八年度に発生しました災害の分につきましては、その五割を復旧するに要する経費を査定完了後に要求する。更に御承知のごとく二十八年発生災害は二十八年度中には予算措置としては十三%しか復旧できないわけでございますから、三割と十三%との差額も加えて要求する。こういうことを申上げだのだと思いますから、御了解願いたいと思います。
○田中一君 二十九年度の予算に、今まで二十八年度までは職員の超過勤務手当というものが正しい姿で支給されていないという事実を一応指摘したいのです。そうして二十九年度行以降は超過勤務をした者には正しい賃金を払うという方式を織込む意思はないかどうか、伺いたい。
○説明員(石破二朗君) 常に建設省といたしましては正しい超過勤務手当を支給するように努力いたしているつもりでございます。今後はますますその趣旨に副うて努力したいと思います。
○田中一君 私はこの問題につきましては、若しも官房長が正しい賃金を払つていると言うならば、まあ今日は止むを得ませんけれども、或る機会に証人を呼びまして、例えば建設省の現場の人間とか、それから本省に勤めている人たちを皆証人に呼びまして、あなたが若し本当に正しい妥当な超過勤務手当を払つているなら、これは対決させたいと思う。そこでこれは保留しますが、二十九年度予算には大体正しい予算を組むことを私は要求するわけなんです。
○説明員(石破二朗君) 予算にそうそう大きな残業時間を見込んで組むということも、本来役人たるものは大体の勤務時間があるのが建前でございまして、そうたくさんの残業をせなければならんようなことは、本来定員なり、その定員と事業量というものがバランスを失しているのはまあ明らかなことでありますが、そうそう大きな予算を要求するわけには参らんと思います。実情に副う予算を要求いたしまして、そうしてその範囲内で残業をするというふうにやつて行く以外にはなかろうと思います。
○田中一君 随分含みのある妙な答弁なんですが、実際に若しもですよ、残業手当が出せないように仕事が多いならば、定員を増すことです。定員を増さないで、現場はそれで以て残業していながら手当は一応何というか、枠内でくれるということが実情なんです。こいつは御承知のように昨日か一昨日か衆議院ではああして年末手当もきまつてしまつた、そういうような不均衡な、まるで土方か請負人がやるどんぶり勘定のような割当式で以て、正しい賃金を要求しているにかかわらず払うということは僕はどうかと思う。そこで官房長にお伺いしたいのは、若しも二十九年度で妥当な正しい手当というものを全般的に織込まなければ、殊に建設省の場合には現場は非常に時間が長いのです、しないならば、私は恐らく一人の公務員からでも賃金不払いの起訴でも起きやしないかと懸念しております。これは一つ大臣にお伝え願つて、二十九年度は改めて賃金を織込むということをして頂きたいと思います。
○説明員(石破二朗君) 主として問題になりますのは現場の地方建設局の問題でございますが、御承知の通り二十七年度は職員平均して六時間しか、一月六時間たけしか見てなかつたわけですが、二十八年度つまり今年の予算はそれを倍にして十二時間組んでおる次第でございます。来年も勿論我々としては残業時間を多く獲得するように極力努力はいたしますけれども、まあ二十七年度から二十八年度に移り変つた状況等から一つ御了解願いまして……。
○田中一君 いや私は了解できない。
○説明員(石破二朗君) 私のほうも成るべく残業をそう多くささんでも済むようにまあ仕事のやり方も気を付けたい。又増員要求は先ほど申しました通り大蔵省にいたしております。
○赤木正雄君 議事進行。日程にあるこの請願、陳情は今日なさる方針なんですか、どうですか。
○委員長(石川清一君) 今それをお諮りいたします。ちよつと速記をやめて下さい。
   〔速記中止〕
○委員長(石川清一君) 速記を始めて。
 それでは次に、五日付を以て本委員会に付託されました請願三十件、陳情二十一件の審査を願いたいと存じます。速記をとめて。
   〔速記中止〕
○委員長(石川清一君) 速記を始めて。
 建設行政に関する調査につきましてお諮りいたします。本件につきましては、開会中調査を続けて参りましたが、その内容は広汎多岐な諸問題に亙つておりまして未だ調査を完了するに至つておりませんが、慣例によりまして、調査未了報告書を提出いたすことになつておりますから、これを提出いたしたいと存じます。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石川清一君) それではさよう決定いたします。
 未了報告書の内容については委員長に御一任願いたいと存じます。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石川清一君) それでは例によりまして御署名願います。
  多数意見者署名
    石井  桂  石川 榮一
    三浦 辰雄  石坂 豊一
    鹿島守之助  赤木 正雄
    田中  一
○委員長(石川清一君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十四分散会
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