第018回国会 通商産業委員会 第4号
昭和二十八年十二月七日(月曜日)
   午前八時五十一分開会
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 出席者は左の通り。
   委員長     中川 以良君
   理事
           松平 勇雄君
           加藤 正人君
           海野 三朗君
           小松 正雄君
   委員
           石原幹市郎君
           小林 英三君
           西川彌平治君
           酒井 利雄君
           團  伊能君
           岸  良一君
           豊田 雅孝君
           西田 隆男君
           藤田  進君
           三輪 貞治君
           武藤 常介君
           白川 一雄君
  国務大臣
   通商産業大臣  岡野 清豪君
   労 働 大 臣 小坂善太郎君
  政府委員
   大蔵政務次官  愛知 揆一君
   通商産業政務次
   官       古池 信三君
   通商産業省軽工
   業局長     中村辰五郎君
   労働政務次官  安井  謙君
   労働省労政局長 中西  實君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       林  誠一君
   常任委員会専門
   員       山本友太郎君
   常任委員会専門
   員       小田橋貞壽君
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  本日の会議に付した事件
○公共企業体等労働関係法第十六条第
 二項の規定に基き、国会の議決を求
 めるの件(アルコール専売事業)
 (内閣送付)(第十七回国会継続)
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○委員長(中川以良君) それでは只今より通商産業委員会を開きます。
 先ず最初に仲裁裁定の案件につきまして衆議院においては去る土曜日に委員会が政府原案を可決いたしております。最初にこの経緯、それからこれに対する政府の今後の方針等につきまして、本来申しまするならば労働省側よりこれを聴取すべきでございまするが、未だ労働省側の政府委員も見えておりませんので、愛知政務次官より特にこれを御説明を願うことにいたします。
○政府委員(愛知揆一君) 一昨日の衆議院の労働委員会の経緯につきましては、私は所管が遣いますので私から御報告いたすことは如何かと思いますが、労働省或いは内閣のほうからの出席がないようでございますから便宜上私の知れるところを御報告いたしまして、追つて間違いがございましたら訂正して頂くことにいたしたいと思います。
 只心委員長からのお話の通り、一昨日の衆議院の労働委員会におきましては、政府からの原案が承認を与えれることに決議せられました。なおそれに関連いたしまして労働委員会としては決議をせられたように承わつております。その決議は、年末の給与につきましてそれぞれの公社なり現業の間におきまして団体交渉等によつて円満に妥結するようにという趣旨の決議がございましたようであります。要するに仲裁裁定を明年一月から実施するということにつきましては、政府の希望に対しまして衆議院としての御承認が与えられ、これに関連して年末若干の色をつけるということについては、それぞれ団体交渉によつてきめるということになつたようでございました。それに対しまして政府側としては昨日の日曜日もいろいろ打合せがあつたようでございますが、これは私が参加しておりませんので、その点につきましては、別の者から御説明するほうが適当かと思います。
 なおこの機会に、今月まだ藤田君がお見えになつておりませんから如何かと思いますが、先週金曜日に私が当委員会で私見を申上げました点は、追つて政府の見解が統一された場合に統一された見解としてお答えすると申上げておいたのでありますが、その点をちよつと補足させて頂きたいと思います。
 藤田君の御質疑の要旨は、国会が裁定についての意思表示をせられなかつた場合に、即ち本会期中に何らの意思表示をしなかつた場合に、一方補正予算のほうは政府原案通り国会を通過した場合に如何なる結果を生ずるかという御質疑でございました。私は私の私見といたしましては、予算上の款項について法律を必要とする場合、その法律案のほうが審議未了になつた場合と同様、予算の執行はできないと考えるというふうに御答弁いたしたのでありますが、この点を訂正いたします。裁定について国会が意思表示せられない場合、補正予算が一方国会を通過いたしました場合は、その国会を通過いたしました補正予算の範囲内で認められた金額については裁定が実施せられるものと解釈する、これが政府全体の統一せられたる見解ということに相成りましたので、私が申上げましたところの一部は間違いでございましたから、その点を御了承願いたいと思います。
○委員長(中川以良君) それではこれから質疑に移ります。どうぞ順次御発言をお願いします。
○海野三朗君 私は大蔵大臣にお伺いしたいのでありますが、愛知政務次官が見えておりますから、政務次官にお伺い申上げます。この仲裁裁定につきましては、予算上実施ができないという議論でございますが、私はこの仲裁裁定は実行すべきものである、それが政治の常道であるというふうに考えるのでありますが、政務次官といたしましてはどういうふうにお考えになりますか。私はそう行くのが正しい行き方でああ、そういうふうに考えるのでありますが、これが都合上これを明年一月からやるのだ、政府のほうでは言うた通りにやつたじやないかというふうに申述べられておるけれども、それは根本においては法に仲裁裁定を設けた以上は、この裁定に従うべきことが常道ではないか、正しい道ではないかというふうに私は信ずるものでありますが、如何ようにその点については政府当局はお考えになつておるのでありますか。
○政府委員(愛知揆一君) この点は先週の金曜日にも縷々御説明に努めたのでありますが、仲裁裁定は政府におきまして尊重しなければならんということは私もよく承知しておるところでございます。
○海野三朗君 尊重をするというお話でありまするが、そうすると八月から実施すべきものである。そうするのが政治の常道である。若しこれを実行できなくて一月とか或いはこれをずらすということになりますと、そこにいろいろ政治のあり方として、それは褒めたあり方でない、そのあり方は正しいあり方でないというふうに私は思うのでありますが、政務次官はそれを正しいとお考えになつておるのでありますか。政治的信念でありますが、そこを私はお伺いいたしたいと思うのであります。それが正しいとお考えになつておるかどうか。
○政府委員(愛知揆一君) 私は諸般の情勢から現在の段階におきましてはこれ以上に方法がないという意味合におきまして正しいと思つたから政府はこういう案を出しておるのでありまして、正しくないなどとは断じて思つておりません。
○海野三朗君 私がお伺いしましたのは、政治の常道としてこの仲裁裁定を実行せらるべきものである。それが常道である。それを諸般の情勢からやり得ないといたしますれば、現在の政治のあり方というものはまずいのだという結論になりはしませんですか。
○政府委員(愛知揆一君) それは私どもから政治としてまずいということは申上げられません。そういうふうにおつしやることは御意見としては承わりますが、私から正しくないのだということを言わせようと思つても無理だと思います。
○海野三朗君 政府当局がこれよりほかにやれないとおつしやるから、それは政府側から見れば止むを得ないのでありましようけれども、私は冷静な見地に立つてこれを批判いたします場合に、この仲裁裁定ができないのだということ自体が政治の貧困を物語るものである。私は全体から考えましてこれをやつたときとやらないときとでは、これより来るところの全体の損害というものをもつと広い見地に立つて見なければならないのではないか、例えばこのたばこのほうにおきましても、或いはこの鉄道のほうにおきましても、働く人たちがそれに油が十分乗つて来ない、従つてその働く結果においては非常な損害がここに出て来るのである。この全体を見て政治というものはやつて行かなければならないのじやないか。こういう見地から考えますると、仲裁裁定は当然やるべきものである。それをやり得ない。やり得ないとすれば、私はここに政治の貧困を物語るものではないかというように考えるのでありますが、その点に対しては、政府当局はこれしかやれなかつたのだからこれが正しいのだという論法は成立たないのじやないかと私は思うのでありますが、その点についての御信念は如何なものでございましようか。
○政府委員(愛知揆一君) これは幾ら申上げましても、結局は見解の相違だと思うのでありますが、先ず第一に我々は仲裁裁定を実施しないのだということを頭から前提にしてお問いのようでありますが、私どもとしては仲裁裁定は実施するのだ、併し諸般の財政、経済、その他の情勢から申しまして、又金曜日のお答えを繰返して恐縮でございますが、裁定自体においても、各裁定の実施の時期は、できれば画一的に考えるのが筋であるという、そういう裁定でありますから、八月からはできないが、一月からはやりたい、こういうのが私どもの気持でございます。政治の貧困とおつしやいますが、併しこれは金曜日にも申上げましたように、現在の労働攻勢と申しますか、そのことだけを取上げてお考えになれば、まさにこれは裁定を丸呑みにできないのは政治の貧困かも知れません。併し若しこれを全面的にやり、且つ八月からやるということになりますれば、更に非常に大きな鉄道の料金の値上げをやつたり、或いは電電公社等におきましても五カ年計画の遂行はできなくなる、料金は非常に高くなる、それやこれや勘考して考えましたならば、一月から実行するということが政府の責任のある立場におきましては、総体から見てこれは一つ御納得が頂きたいというのが我々の信念でございます。率直に申しますならば、政治の貧困というよりは、こういうことができない、一部少くともできないということは、これは日本全体の私は経済の貧困であり、敗戦後の現在のいろいろの状況がこうしておるのであつて、あながち私は政治の貧困ということではないと思うのでありまして、これを如何に打開して行くかということが我々の現在のお互いの問題ではなかろうかと考えます。
○海野三朗君 それでは今のお話はその程度に私は承わつておきますが、もう少し方向を変えまして、この前申上げましたように、これより生じて来るところの損害、皆が本当に張りつめて仕事ができない、或いは賜暇戦術であるとか何とか、そういうふうな、いわゆる遵法闘争をやる、そうするとそういうことから国家がこうむるところの損害というものは、大体見当をつけていらつしやるのでありましようか。若し見当をつけていらつしやるとすれば、それよりこうむるところの損害は何億くらいにお考えになつていらつしやるのでありましようか。
○政府委員(愛知揆一君) それは海野さんのおつしやるように、非常な混乱が起るということを前提としてお考えになつておれば、これは金額としては私は勘定できない問題だと思います。私が縷々申上げておりますものは、大蔵省の立場におきまして若し全部の裁定を八月から実施さるということになればこういう状態になるということを申上げておるのでありまして、それならば三公社五現業について、或いは又総括的に財政全体の問題としてお答えをすることはできると思いますが、今お尋ねのような全体の混乱が起るのだ、皆んな働けなくなるというような御点から、これを金額に見積れとおつしやることは、これは私にはお答えできません。
○海野三朗君 この間たばこのほうのことも新聞に見えておりましたが、ともかく損害であることは確かなんでございましよう。金額にお見積られないとおつしやつた、それはそうといたしますとならば、ともかくそういうようなことが起つて参りますると、それは莫大なる損害であるということはお認めになつていらつしやるわけでありますか。
○政府委員(愛知揆一君) 私はもう再々申上げておりますように、私はこの内容その他を、我々の考え方というものが組合のかたがたに納得して頂けるものである。従つて今御指摘のいろいろの遵法闘争というようなことも最近の機会には私は必ず解決する、こういう自信を持つております。
○小松正雄君 一昨々日の委員会の終りの際に、この問題については裁定された以外に何とかの方法を以て支給する方法を緒方副総理等によつて話合われておるというようなことについて、次官がお帰りになつたら、それが支給できる方法ができれば幸いであるが、御交渉願いたいということを申上げておきましたが、そのことについてお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(愛知揆一君) 今朝小松さ んの御出席になる前に、私の権限外ではございますが、金曜日のお話がございましたので、その後の経過を御報告いたしたわけでございますが、もう一度繰返しますと、一昨日御承知のように衆議院の労働委員会でこの仲裁裁定案の取扱がきまりまして、それに関連いたしまして労働委員会としても決議をせられました。それを受けて政府といたしましては、金曜日に小松さんの御質疑がございましたような線に沿うてそれぞれ団交をいたしまして、大体せめて年末の若干の給与の、給与と申しますか餅代と申しますか、或いは一般公務員の年末にもらいますところの諸手当を睨み合せまして、それぞれ団交において円満に解決をして頂くというような……、この気持を受けまして政府としても善処することにいたしまして、誠意を尽くしてそれぞれの団交の状態を我々としては円満なる結果が出ることを期待しておるわけでございます。それに対しまして財政当局として御協議を受けるようなことがありますれば、基本線がさようなことにきまりましたら、我々といたしましても誠意を尽して理窟のつく限りこれに応ずるつもりでおります。
○委員長(中川以良君) なおちよつと申上げますが労働大臣は間もなく出席をいたしますから労働大臣に対する御質疑がございましたならば、もう暫らくお待ち願いましたら、大臣が参りますから……。
○小松正雄君 通産大臣は……。
○委員長(中川以良君) 通産大臣と大蔵大臣は出席を要求いたしておりまするが、今のところはまだ出席いたしかねる状態にあるそうであります。
○小松正雄君 代りの人が誰か見えておりますか。
○委員長(中川以良君) 政務次官が間もなく参ります。
○小松正雄君 局長は誰か見えておりますか。
○委員長(中川以良君) 見えておりません。
○小松正雄君 じやあ、今の大蔵政務次官の御説明の中にありますが、その所管の関係者から要求があれば誠意を以てこれに充てたい、こういう大蔵省関係として考えておるということでありますが、これに対して通産省は何か専売公社のために大蔵省に折衝されたのでありますか。
○政府委員(中村辰五郎君) 労働委員会におきます要望につきましては、勿論我々といたしましては御趣旨のあるところに従いまして努力して参したいと考えておる次第であります。本年末におきます手当のことにつきましては、一般公務員の手当に劣らざるようできるだけの努力をいたすつもりでございます。
○小松正雄君 それに対する回答はどういうふうなことになつたんです。
○政府委員(中村辰五郎君) 団体交渉におきましては、目下この問題について交渉をいたしておるのでありますが、目下両者の間の意見の一致を見ておりません。
○委員長(中川以良君) それでは只今労働政務次官より発言を求められましたのでこれを許します。
○政府委員(安井謙君) 只今大臣が参りまして、又十分御説明すると存じますが、時間の関係もございましようし、一応経過を事務的に御説明申上げます。一昨日の労働委員会におきまして、仲裁裁定に対しまする各八企業体に対するそれぞれの議決が行われた次第であります。その議決はいずれも労働委員会で一昨日の夜十一時頃行われたわけでありまして、恐らく本日の本会議を通過して直ちにこちらへ回付されると存じますが、事前に事情を御説明申上げますと、企業体の仲裁裁定そのものにつきましては、実施の時期を一月以降にこれを実施する、こういうふうにそれぞれの八企業体が決定をいたした次第でございます。なおそれに伴いまして、別個に労働委員会としての決議ができました。その決議の内容もこれも非公式でございまするが、読み上げますると、
  三公社、五現業の職員の年末に際して支給せられる手当等については、その企業の内部において協力して業績を挙げ、源資を確保することに努め、一般公務員の手当に劣らざるように努むると共に、団体交渉により適宜の処置を講ずることとする。
   右要望する。
 これが決議として委員会で採択されたものでございます。これはまだ本会議にかかつておりませんので、ただ衆議院におきまする審議の経過の実情を御説朝をするわけでございます。
○三輪貞治君 先ほどの小松委員の質問に対する局長の御答弁ですね、団体交渉をしているけれども意見の一致を見ないと、それは要求はどうであり当局のほうの主張はどうであり、どれだけが食い違つておるのか、御説明願いたいと思います。
○政府委員(中村辰五郎君) 団体交渉は実は昨日やつております。本日もやる予定になつております。組合側の要求は二カ月の要求を続けております。私のほうとしましては一般公務員手当に劣らざるような線で解決をいたしたい、こういう考え方であります。
○藤田進君 私干若遅れて参りましたので、金曜日の愛知政務次官のお答えと若干訂正されたようでありますが、ただ私非常に遺憾に思いますのは、当日愛知政務次官に対する私の質問は、大臣と全く同じやはりお答えが頂けるだろう、殊に愛知政務次官は私の独断ではありますが、大変優秀なかたで、場合によつて大臣よりはやはり信の置ける御答弁も頂けるし、それに値いする人だと実は尊敬していたわけです。まあまま大臣といつても本当に仕事に取つ組んでいないで、でくの坊みたいのもあり得るので、案外政務次官或いは局長といつたようなかたがたのほうが事情にも精通されておるし、本当に仕事をやつておるというふうに思つておつたのですが、大変どうも本件に関する限り、アルコール専売の仲裁裁定に関する限り、どうも私の期待が外れたので、この点不満に思つておるわけです。例えば緒方副総理なども年末手当には若干の考慮を払いたいという動きがあるようだがどうですか、そういうことは政府としては考えていないというのが四時半ちよつと、五時前だつたと思う、三時にはすでに緒方副総理も、更に小笠原大蔵大臣に小坂さんは行つて会つて、よろしい公務員並みに
〇・二五をプラスしようという話がもう済んでしまつて、新聞発表まで、これは誰がしたのか知らんがなつておるような状態に私は聞いたわけですが、政府はそういう考えはない、一体そういう事情を全然御存じなかつたのか、御存じであつてそういうお答えが得られなかつたのか存じませんが、非常に私は残念に思います。同時に仲裁裁定の扱いの結果と予算案のそれがどのように修正されるか、原案が。この関係の御解釈につきましても誠にどうも本日は御主張と違つた政府は態度をとつているという点も、僅かにあれは土曜日でしたか、或いは金曜日でしたか、二、三日のうちにどうも変わつてしまつている、どこまで一体本当の政府の立場なのか、非常に口が悪いようですが、私自身真剣に質問し、この事態はどうしたならば政府と公共企業体、現業の皆さんとの関係がうまく国家的な見地から調整ができだろうかと思つて、こうした質問もしておるわけでありまして、誠に残念であります。従つてそういう面については私はやはり大蔵大臣に直接聞かなければ、次官と大蔵大臣の間に緊密な連絡がなしと見ざるを得ないのでありまして、ただ先ほど政務次官の言われたそれぞれの公共企業体、現業、それは一月実施で納得をしてくれる、現在の事態は間もなく収拾というか解決できる自信があるという御答弁がなされたわけです。私はこれを抽象的に、はあ、そうですが、ということで安心するわけには参りません。聞くところによると今明日やはり全官公の団体におかれては、第二次というか、団体交渉が政府の態度当を得ないためにスムースに行かないということで、むしろ事態は楽観した状態ではない、そんな状態ではない、このように把握いたしております。従いまして、これに、この分析に反する、全然変つた楽観的な御答弁が今本委員会においてあつたわけですが、具体的に各企業体、現業ごとに一つどういう情勢にあるから先ほどの結論が、断が出た、速かに解決せられるというものが出たか、団体交渉の場裡においては、なかなか〇・二五には衆議院における幾多の事情もありましたために、これは問題なかつたとしても、今日すでに労働大臣と、それから議会の方面或いは両当事者間においては附帯決議といいますか、この決議の解釈をめぐつて新らしい紛争がむしろ出て来てさえいる状態です、こういう状態の中にあなたは非常に楽観された結論が出ておりますが、いつどのような形で解決するという内容をお持ちであるのか、この点を一つ、より具体的に事実問題としてお答え願いたいのが第一点であります。
 第二の点は、むしろ私の意見が入ると思いますが、仲裁裁定を実施するのだ、ただ八月が一月になるのだ、こう言われておりますけれども、これは過般の本委員会において、通産大臣も私の質問に対して確かにそこまで厳密に言えば、仲裁裁定の実施ではない、それはその通りだと大臣は言われておる。これは仲裁裁定というものは、一万四千二百円、アルコール専売について。この金額だけではない。これはやはり実施の時期というものが特に賃金、労働条件に関する限り、非常に重大な一つの、いわばワン・セットをなすものであつて、その中を部分的に選択して、これだけは含むということで仲裁裁定を実施するのだということは、これは誠におこがましい話で、ごまかしです。これは極端な例を申上げると、一年間先に、一年間たつたその先に金額だけ呑もうと言つたつて、時すでに、物価の変動の激しい今日においては、もう一万四千二百円なるものは、第二回目の仲裁裁定が出るかも知れない状態にあるときに、これは数字的に極端な、一年経過したあとに、一夜のうちに賃金のベース・アツプの状態になるのでなく、漸次月々何%か物価、生計費が嵩んで行くという、これはもう過去の事例であります。年末については、統計が表わすように、かなり急カーブで物価の上昇を来たすけれども、一年間の平均というものは大体バランスされて、毎月一定の方向を辿つて行く。今後についても無論こういうことは否定できない。これは経済の一つの原理だと思います。殊に今の情勢におきまして。こう考えて来るときに、今の仲裁裁定というものは裁定者自身が言つておりますように、実施期日と、そうしてあの金額というものは、これは切離せないものてす。待つて仲裁裁定というものは結局これが実施できなかつた、ただその中にある一つの金額を政府が採用して、これを一月から実施しようと言つたに過ぎない。これはもう法律上も、又現実論としましてもその通りなんです。これをも仲裁裁定を実施するのだという理論がどの点から出て、そうして何人も成るほどその理論には立向うことはできない、成るほど仲裁裁定は現実に実施されているのだ、されていないと言うほうが間違いだという点があれば、明白にこのインフレの合いろいろ議論があることは御存じでありましようから、あなたの御見解として一つ仲裁裁定が実施されたという、この理論を一つ聞かして頂きたい。それによつて我々は先ず理論の面では若し負けるならば屈服せざるを得ないかも知れません。私は若干見解を異にいたしておりますので、この点一つ明快にして頂きたい。
○政府委員(愛知揆一君) 先ず御質疑の二つの点に入ります前に、その前段にお述べになりました点について私からも申述べたいと思います。一つは十二月四日金曜日の午後、政府としてはすでに年末の手当について態度をきめた云々のお話がございましたが、御承知のように、十二月四日金曜日の午後は私は一町三十分より六時十分過ぎまで当委員会におりましたことはあなたも御承知の通りであります。その時間の内部におきまして、事柄は緊急を要することでありますから、政府としては、私は当委員会に出ておりましたが、やはり関係の心配しておるかたがたは、各方面に非常に多いのであります。その間の時間の中におきましても、できるだけ何とか打開の途はないかということで、奔走するのは、これはもう当然なくらい当然でございます。私が当委員会におりました間にそういう話が、非公式にあつたことは、結果から見ればそれは町間的に同時間でございましたでしようが、私がここにおつたときに、そういう話が一方で行われておるというような段階において、政府としてそういうふうにきめたということを言えるかどうかということは、時間的な関係から申しましても、或いは実態から申しましても、或いは政府の中における私の立場から申しましても、そういうことは言えるはずがあるかどうかということを一つお考え願いたいと思います。そういうことで誠意を疑われるということになれば、私これだけの誠意を尽しておるのに、私としては極めて不愉快に感ずるのであります。なおもう一つ附加えますが、その点につきましては、只今のところ、ということを私ははつきり申したつもりでありまして、これは速記録をお調べの上、更にこの点で私の申したことが不誠意というのであるならば、その点改めて調べた上で、私としてもあかしを立てて頂きたい。
 それから第二の点の裁定については、国会の意思が表示されない場合、で、予算のほうが成立した場合の法律関係はどうなるかというお尋ねに対しましては、私は頭からその点については、はつきりした政府の統一した見解をお答えする自信はございませんということをはつきり申上げておるのであります。私としては誠意を尽して申上げておるのであります。併しお前の考え方はどうかとおつしやられるから、私一個の見解としてはこうこうこういう、私はそれが裁定の場合はともかくとして、予算の項目について立法事項である場合に、その法律のほうが不成立の場合と同様に解すべきではなかろうかと思うということを、私はさような前提の下に一個の見解を申上げただけであつて、統一された見解については追つて御答弁をいたしたいということを申上げました。従つて今朝私がここへ出て参りましてから、あなたの御出席がございませんでしたが、早くこれは申上げるべきだと思つたので、私の言つたことは間違いました、予算が成立すればその成立された予算の範囲内においては裁定は実施されなければならないのだ、こういうのが政府の統一した見解であることは、私といたしましては、金曜日の晩に早速所管の閣僚並びに法制局長官に集まつてもらいまして、その解釈というものをはつきりさせたわけであります。従つてこれは本委員会の冒頭に申上げたのであります。私としては最善を尽しておるのであります。これ以上のことは私としてもできません。
 そこで御質問の二点に入りますが、第一は楽観して断定しておるとおつしやつたのでありますが、私はこうこうこういう事情にあることを賢明なる組合の諸君に理を尽して我々が誠意を以てお話をすれば納得して頂けるであろう、これは私自身の希望も勿論入つておりますが、さような点を申上げただけでございまして、私は三公社、五現業の団体交渉に付き合つておる立場におりませんから、私としては三公社、五現業の内容について各団体交渉の経過、或いは組合の動向その他について私は御答弁はできません。
 それから裁定の実施であるのかないのかということにつきましては、私も自分の言い方に十分注意を払うつもりでありますが、私は理論的或いは法理論的に仲裁裁定の実施であると考えてはおりません。藤田さんのおつしやるように、その内容が我々としては仲裁裁定を尊重して、そうしてそこに取上げられておるあの案については、私は非常に敬意を表するのでありますが、できるだけそれに近いようなものが実施できるようにというのが我々の気持であるということを申しましたのと、それから実施の時期については一月ということを我々は考えておる。八月実施と一月実施との間ではその基礎になるところのいろいろの条件が異なつて来る、ズレがある、而もそのズレの解釈や研究の経過につきましては、私は金曜日に取消しましたけれども、例えば一万四千幾らというものが、私の研究の過程におきましては、十一月の実際上のベースということにも見られるから、そのズレという問題についてもだんだんと解釈が歩み寄つて来ることがあるであろうというような趣旨を申上げたのでありますが、それはお前の言い方が悪いとおつしやついましたから、私は取消したのでございます。私はあなたのおつしやることに対しては、全く誠意を尽してまじめに答えておるつもりであります。
○藤田進君 一時から六時までいて云々と言つて、それが正しいように言われるが、私は心外です。いやしくも委員会とはいいながら、政府、大臣を代表してそれに代るべき立場で御答弁願つておるのに、事態が変つているのにかかわらず、その連絡がないから知らんということだと思うのです。一時から六時までいたので、自分はそれを知らなかつたという意味も含まれていると思う。成るほどそうかと言つて私は済ますことはできません。それは大蔵大臣か、或いはあなたのほうからか、どちらのほうにいたしましても、刻々情勢が変つているならば、政府答弁としては、その変つたことにマツチして、それによつてやはり責任ある答えを願わなければ、委員会の審議としては誠に遺憾だと思うのです。その点はやはりどの省の場合におきましても、緊密なる連絡の下に、而も政府を公式に代表して見えておるその立場の人に対しては、間違いなく刻々の情勢の変りというものは、殊にかような大きな問題の変りというものは、連絡されて然るべきではないか。私はその点を遺憾に思うのであつて、むしろそれは他のかたがたには若干のそういつた連絡なり何なりがあつたのではないだろうかという疑いさえあるので、あなただけが御存じなかつたように私は思うのであります。而も、そういうことが全く非公式で、委員会などでは言えないかのごとき御発言でありましたが、そうであるならば、その御発言になるニユアンスはいろいろあるでしようけれども、この間の御答弁では、すでにその話がもう三時頃きまつてしまつている。而も副総理、更に労働大臣、更に大蔵大臣の了解も全部済んで、党のほうでは佐藤幹事長が出られて……、こういう状態は、何人がどう言われようとも、全然それは非公式なそこらのとるに足らん者がやつていることであつて問題にならんということは言えないと思うのです。結果的にこれを論じてもそうです。そういうことは連絡がなかつたならば御存じないかも知れませんが、将来については、やはり責任ある御答弁をされる以上は、刻々のそういう移り変りというものは、必ず政府当局としても、人もいるはずですから、連絡を密にされるのが、至当であるし、要望したいと思います。
 更に私は仲裁裁定の定施について特に質問いたしましたのは、海野委員の質問に対してのお答えが、実施しないしないと言われるが、政府は実施すると言つておるのです。ただこれが一月だと、こう抗弁されるので、答弁というより、も……、それで私は、それは違いはしないかと、こういう意味で申上げたのでありますから、これ以上このことを追究しようとは思いません。ただ第二の、私の希望的観測だということでありましたが、そうであれば、そういう希望もあなたの御随意ですけれども、先ほどの答弁も非常に自信ありげに解決するということを言われていたので、私は又何か新らしい情勢が、我々の知らない情勢が出て来たか。昨晩までの団体交渉を見るときに、必ずしもそう私は楽観していない。非常に事態は困難な状態に陥つてしまつておるという矢先、非常に楽観が出ていたので、私はここにお答えを求めただけでありまして、この点は御希望であればいたし方ございません。そこで本論ですが、先般いろいろ調査いたしましたが、アルコール専売に関しては、他にも無論これはよく似通つたものがありますけれども、予備金から一月以降の源資を捻出しようということで、それぞれ源資計算をなされておりますけれども、遂に衆議院ではかような状態になつて、誠に遺憾だと思うわけですが、このようにそれぞれの企業体、現業について仲裁裁定がなされ、この経過というもは団体交の渉、調停がすでになされた上に立つておりますし、この受けて立つ当局としても、それぞれのやはり舞台において交渉がなされて来たと思うのです。いわば金曜日に大蔵政務次官が言われた、個々の独立採算制、個別賃金、個別労働条件というこの吉田内閣の一貫した方針、こういつた建前からしても、当然に仲裁裁定の扱いについてもこの建前を例外としないで貫かれるのが至当ではないか。併し、これも若干この間と重複いたしますが、他に新らしい事情の変更があるならば、これも認められると思いますけれども、この際各現業、企業の内容というものは、源資的に見ても極めてアンバランスがあります。アンバランスがあるということは、これは民間産業に例えればもつと明確になるわけですが、いつの場合でも民間産業においては、やはり個々の企業単位に調停がなされ、斡旋がなされて、解決がなされておるわけであります。この企業体、現業に関する限り非常に無理に一本化されるということが、どうも我々には納得行かないのです。このことが、或る意味では賃金の統制であります。又このことは、非常にバラエティーに富んだ各企業労働者の構成を無視したやり方でもあるし、企業努力等に対する影響というものは非常に又これは問題があるのではないだろうか、アルコール専売、或いは印刷などを調査いたしますと、その感が特に深いのでありまして、先般も申上げたように、家族構成も非常に生計費を高く要する内容を持つておりまするし、又源資的に見ても、かように極めて楽に実施が可能であるという、こういうものまで、而も対象人員は千四、五百名という僅かな人員についてこういつた非常に無理押しなやり方をいうものは、今後非常に悪い影響を持つのではないだろうか。これは一般に対してもそういう印象を深めるのではないだろうか。若しこれが政府の今後方針となるならば、民間産業に対する労働政策としても当然このシステムがとられて、仮に石炭が賃金値上げになれば、同じ比率を以て他の産業もというような工合に、やはり政府としてはこの事実を否定できなくなるのではないだろうかと、こう思われるわけですが、先般来、或いは均衡の面から、或いは予備金が使えないからといろいろ大蔵政府次官としては言われて、私は結局まあ最後に御答弁になつたものが真実であろうと推定する以外にないので、いろいろなことが言われておりまするので、アルコール専売についてなぜあのように一月にせざるを得なかつたか、源資的に、或いはその他の事情がありますならば、一つ明快にこの際最終的な御答弁としてお答え願いたいと思います。
○政府委員(愛知揆一君) この点は、去る四日の日にも縷々申上げましたように、煎じ詰めたところは、私は裁定の実施の時期を足並みを揃えたいということが第一の理由でございます。それから第二には、予備金、或いはその他のアルコール専売に関係のある問題につきまして、できれば裁定の実施の時期を一月にするということのほうがベターであるという見解に立ちまして、アルコールの場合におきましても裁定は一月に実施して頂きたいのだと、これが私の最終的な統一した見解でございます。
○委員長(中川以良君) 藤田君の御質疑中でありますが、労働大臣只今出席をされましたので、労働大臣よりこの際承わりたいと思うのでありまするが、実は本委員会は臨時国会以前休会中からもこの問題は審議をいたしまして、臨時国会を通じて審議をして参つたのでありまするが、不幸にして今日まで一度も担当の大臣であらせられる小坂労働大臣が御出席なかつたために、本日は特にこの委員会は八時半から開会をいたしまして、大臣の御出席をお願いをいたしたわけ、であります。つきましては、従来労働大臣の本仲裁裁定についておとりになりましたところの御方針並びに衆議院の委員会を通じての今日に至る経緯、そうして衆議院の委員会が一昨日政府原案を承認をいたしましたので、その際に委員会といたしましては決議をいたしております。この決議に伴つての大臣としての御所見等に対しまして一応御開陳を願いたいと存じます。
○国務大臣(小坂善太郎君) 只今委員長からお示しのような内容につきましてお答えを申上げます。
 三公社、五現業についての仲裁裁定並びに人事院の勧告をも含めてでございまするが、政府はこれに如何なる処置をするかということにつきまして、種々政府部内におきまして検討いたして参りましたのでありますが、過般召集に相成りましたいわゆる救農国会に際しましては、仲裁裁定中印刷、造幣等の仲裁裁定が十月末に提議せられましたので、その裁定を見て以来非常に日も浅かつた関係もあり、かたがた御承知のように公労法第十六条の規定がございまして、国会が開会せられているときは十日以内、開会せられていないときは開会後五日以内に国会に提出すべしということになつておりますので、取りあえず政府の方針としてはできる限り仲裁を尊重するけれども、目下のところ予算総則中の給与総額を上廻ることになるので、これにつきまして国会の御意思を御決定頂くというそうした措置をとりましたのでございます。併し政府としてはできる限り、予算上、資金上可能なる限りの処置をとるべく努力をすることを申しげて参つたのでありますが、その後鋭意検討いたしました結果、本国会におきましては御承知のように一月から実施をするという方針に則りまして補正予算を提出いたしたのであります。即ちこの補正予算の限度内におきまして予算上、資金上可能なるものとして国会において御承認を賜わりたい、こういう態度をとつております。なお年末手当等につきましては、国家公務員の場合は〇・五カ月分を追加いたすことに相成りました。従来〇・七五残つておりますので、一・二五分の年末手当を支給することに相成つた次第であります。なおこの三公社、五現業の職員につきましては、三公社、五現業の特徴もございまして、いわゆる業績が挙れば業績賞与も出る、そういうこともございまするので一般官公吏との均衡も考えつつ、この点は団体交渉によつて適当の額を出して頂いて、そうして官公吏との間の均衡を得てもらうように考えまして、そうした趣旨で国家の御審議を頂いておりますわけであります。衆議院におきましては御承知のごとく、予算通過後に一月から実施するという政府の考え方について御承認を頂き、そういう御議決を頂いたのでございまするが、その際に附帯する決議として、「三公社、五現業の職員が年末に際して支給せられる手当等についてはその企業の内部において協力して業績を挙げ、原資を確保することに努め、一般公務員の手当に劣らざるように努めると共に、団体交渉により適宜の処置を講ずることとする。右要望する。という御決議を頂いております。即ちこの決議議の趣旨も私が今申上げたような政府の趣旨と同様であるのでございまして、年末手当等即ち年末に支給せられる手当や賞与はできるだけその企業において業績を挙げて頂き、その業績の挙るということを通して、団体交渉によつて源資を確保して、確保せられたる源資の配分をきめて、そうして一般官公吏との間に均衡ある処置をとられるように、こういう了解の下になされましたものでございまするので、今その方針によりまして団体交渉を精力的に進めて頂くように組合並びに公社現業当局に要望いたしておりまする次第でございます。以上簡単でございますがお答え申上げます。
○委員長(中川以良君) それでは質疑に移ります。
○三輪貞治君 先ほど愛知政務次官が金曜日の御発言に対して取消されたような御発言があつて、事態がはつきりいたしましたが、それは裁定の出し方と補正予算の出し方というものが非常に微妙な関係にありまして、若し補正予算が通過後においても、裁定が、別な形において国家の意思が表示された場合にはどうするかということで、この前金曜日に質問をいたしました場合に、愛知政務次官は、それは再びそういう事態になつたときには予算を修正すべきものである、こういうような、これは一個の見解として御発表になりましたが、今日は政府の統一された意見として、いや、そうではなかつたのだ、補正予算がすでに通過したならば、その予算の範囲内で裁定は実施するのだ、こういうことになりますると、これは我々がもう裁定についてこの委員会でいろいろ論議することは実に無意義になる、こういうふうに思うのです。というのは、すでにもう衆議院を通過いたしましたし、本当を言えば今労働大臣の言われたように、これは法律ではちやんと、開会中であつたならば十日以内、閉会中であつたならば開会直後五日以内というふうにきめられているのは、何もそういうふうに出しさえすれば、一遍出しつ放しでいつまで結論を延ばしてもいいのだということでなしに、若しこれに関係した予算等が裁定の内容を拘束するような形で通過してはいけない。予算は予算の前提に、これに関する限りは、裁定の結論が国会に出されて、然る後に予算が組まれるべきものであるというような精神から出されておるにかかわらず、この場合は裁定の結論が出ない前にすでに衆議院においては予算が通過してしまつた。而もその予算というものは裁定を拘束するものである。こういうふうなことでありまするならば、これはもう私たちが裁定についてとやかくいろいろとここで貴重な時間を費すことは全く無意義であつて、私は参議院としては裁定に関する限り審議権を放棄すべきである、こういうふうに考えるわけであります。委員長の御見解を一つお伺いいたしたいと思います。この委員会においては委員長取扱ですから……。
○委員長(中川以良君) 私は本委員会といたしましては、本委員会の責任上飽くまで委員会全員諸君によつてその結論を出すまで審議をすべきだと存じます。
○三輪貞治君 ところがこれは如何なる結論を出して見たつて、実施されることはきまつているのです。これは猿芝居ですよ。やつて見たところで、それは実施されることはわかつているが、一応の形を出そうという、これはわかります。併しもうすでにきまつているのです。
○委員長(中川以良君) 三輪申に申上げまするが、衆議院は委員会は一応政府原案に承認を与えましたが、まだ本会議においては決定をいたしておりません。これは委員会の責任上やはり委員会として飽くまで最後まで審議をすべきで、審議を放棄するというようなことはいたすべきでないと委員長は信じます。
○三輪貞治君 それは委員会の結論であつて、予算は通過しているのです。それは参議院は勿論通過していません。併しこれは予算は参議院に優先しますから、幾らここで違つた結論が出ても、両院協議会の議がまとまらなければ、衆議院の決するところによりますので、参議院が議決しなくても三十日たてば実施されるということになれば、事実上予算は通過していると見るべきである。そうすると通過した予算には裁定のほうが従はなければならん、そういう先の統一された政府の見解であれば、ここで審議することは無意味だと私は思う。勿論出そうとすれば違つた形で出せましよう。出したつて無意味だ、だから、私はなぜそういうことを言つているかというといやがらせを言つているのではない。第十七国会において多少期間を延期しても、これに対する国会の意思が表明されなければ、予算が組めなかつたはずなんです。それを裁定論議に一つの拘束を与えるような形で予算が同時に出されておるという形が、私はこの裁定の取扱方が非常に軽視されておるということを申上げたいためにこれを言つておるのであります。労働大臣のこの裁定の出し方も、それから予算の出し方ということに対する労働大臣の、これは果して合法的な取扱であつたかどうかということについての見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小坂善太郎君) 公労法三十五条には、裁定は当事者を最終的に拘束すると書いてございますが、十六条に該当する場合にはそれによるということでございます。第十六条によりますれば、予算上、資金上不可能なる内容を持つ如何なる協定も政府を拘束しないということになつております。又それにつきまして国家の承認がなければ払つてはいけない、承認があつて初めて払えるのだ、こういうことが書いてございます。私どもの見解は仲裁委員会の裁定というものが誠に尊重すべきものであるし、その労作というものは誠に敬意を表すべきものであるのでありますが、さりとてそうした機関の決定というものが民意を代表して国会によつて選ばれて作られた政府の予算編成権を拘束するものではないと思いますし、又政府がそうして出して参りました予算を審議せられる国権の最高機関としての国会の予算審議権というものを拘束するものではない、こういうふうに思つております。従いまして今回政府のとりましたような態度が私は法の素直な解釈によるものであろう、こう思うのですが、裁定万能でない、こういうことであります。
○三輪貞治君 それは第十七国会に裁定を出され、それについての予算を出されなかつたのはどういうわけですか。
○国務大臣(小坂善太郎君) 公労法の命ずるところに従いまして五日以内に国会に提案したのでございまするが、これは国会の御議決を求めるというのでありまして、不承認を求めたのでもなければ承認を求めたのでもありません。要するに政府は国会の御意思を伺いつ、又なお可能なる限度においてできる限り早い機会において予算を提出するという考えの下に国会の御意思を伺いつつあつたのでございますが、国会の御意思はそう短期間には表明せられないことは当然でございます。その後には政府において鋭意検討の結果ここまでは予算上、資金上可能であるという確信を持つに至りましたので補正予算を提出し、御承認を求めておる次第でございます。
○三輪貞治君 先ほど申された公労法第十六条の資金上、予算上支出不可能の場合は拘束しないということはよくわかりますが、併し労働大臣のお話を聞いておりますと、資金なり予算というものが裁定というものを拘束するように聞えます。それは出され方もそうなんです。そういう御見解を持つておられるのですね。
○国務大臣(小坂善太郎君) 政府が責任を持つて考えまする場合の予算なり資金なりというものがどの程度まで可能であるか、こういうことは政府としては当然考えなければならんことと存じます。その限度において裁定の実施ができるという判断は政府においてなさるべきものと思うのでありますが、併しそれは政府が不能ではない、政府としてそういう判断をいたしましたる場合、国会の御議決を頂けばその御議決を頂いた範囲内において支払える、こういうふうに考えております。
○三輪貞治君 十六条の二項というのは飽くまでも例外規定ではないのですか。
○国務大臣(小坂善太郎君) 例外といいますか、要するに予算上、資金上不可能な場合はあるわけなんであります。例外であろうと又一般的であろうと、或る場合は一般的であり、或る場合は例外でありましようが、そういう場合はあるわけでありますので、そういう場合を規定したものであります。
○三輪貞治君 今まで予算上、資金上可能であつて、裁定を実施された例がありますか。
○国務大臣(小坂善太郎君) 今まで裁定は十回出ております。そのうち一回は国鉄の年末賞与の支払を団体交渉でやれという話でございましたけれども、これは金額には関係ございませんが、九回のうち五回は完全に実施しております。
○藤田進君 初めてですが、ここはアルコール専売だけをやつておるので御承知だと思いますが、そのアルコール専売は資金上、予算上と言つても、予算上確かに人件費、給与総額というものの文字を変えれば問題はないのです。問題があると言われればお答え願いたいのですが、我々の調査では問題ないと思います。なぜならば四千六百万円からの予備金があり、必要な金額は完全に八月から実施しても二千九百万円ばかり、半分余り予備金を使えばよろしい、そのあとの予備金というものは今のところアルコール専売については予備金の使途について年度末に近いけれども、これに要るだろうという何にも予定はないそうです。大地震でもあれば別ですが、併しこれも工場が殆んど地方に分散しておりますから大したことはないでしよう。水害の季節でもありませんし、むしろ渇水して困る、こう考えて来ますと、一体どういうわけでアルコール専売に実施がされないのだろうか、政府の方針としては労働大臣はしばしば言つておるように、企業の負担能力という経理的な事情、このことは今日の公労法等を貫いておる個々別々の企業におけるその労働問題の解決、労使の契約、こういうことであつて、法的にも又従来の政府方針としても一貫しておる、個々の企業のやはり許す範囲において、必ずこのことを忘れないでということを附加えられていたのです。だからストライキをやめろということで民間などもやかましく言つておる。ところが今度私ははたと当惑しますのは、この問題に取組んで見て何ら理由がないのに一月からだということを言つておられるわけですね。この点私は非常に労働政策として変つたのか、これは政府にとつて不利だからこれだけを特別な例にされたのか、これは誰も了解のつく御答弁がないのです。参考までに申上げれば通産大臣はまあやはり時期が同じように裁定が出ておるのだから、時期を変えるというのも悪いだろう、国鉄などは勿論ないからと言つて出さなかつたら困るだろう、こういうことを言つておるのですが、それは困れば出してやればいいが、私は極端に表現すれば、やはりこの際我々のこの委員会で審議しておる限り、ほかは出せなければ止むを得ない、これは出したらいいじやないか、それが政府の方針じやないか、むしろ我々のほうが逆にそれは困ると言いたいところではないだろうかというのに、どうも今度の場合主客転倒な形になつてしまつておるので、そこのところを一つ労働大臣は労働政策の担当者ですから明快にお答え願いたいのが第一点です。
 第二の点は、今度決議ができたということで、今朝来再三聞かされるわけですが、新聞の報道によりますと、真偽は別として、どうもその決議について肝心要な解釈が非常に食い違つておるように聞きます。それが報道だけでなしに、現実の団体交渉の場に現われていて、どうも昨日までのそれぞれの三公社、五現業の交渉を見ますると、殊に国鉄などを中心にその解釈問題がむしろ俎上に乗つて、紛争に更に拍車をかけているような感さえある。私が聞いております範囲では、先ず一般公務員並み、劣らざるようとまあ書いてあるので、これも公務員より上はいいのかも知れませんが、真訳すれば劣らないというのですから、併しまあいずれにしても〇・二五といいますか、〇・二五はこれはまあ耳を揃えよう。併し真接団体交渉において、無論〇・二五も団体交渉の形式はとりますけれども、併し政府とそれからいわゆる院内のそれぞれの、何といいますか、立場との了解では、〇・二五というものはもうすでに団交に待つまでもなく、形式はともあれ解決している。ただ問題になつているのは、むしろプラス・アルフアーという表現で新聞は扱つておりますが、これについても団交で以て解決しよう、これは個々の企業についてそれそぞれ源資的な事情もあるだろうというようなふうに聞き、更に資金についての問題がある場合には、これは政府において然るべき善処があるような状態があるのではないか、このように考えていたのですが、その点の解釈が労相談話が出たとか出ないとかというようなことで、どうもときならんときに変なものが出て、却つて解決することができなくなつたというような評判があるのですが、解決されるようになされているはずなんですから、そこのところがいろいろな折衝の場に直接出られたあなたとして、解釈のとり違いということはあり得ないと私は思うのですが、ここらの点、決議文にも何だか、経過を経て、又変つた名文句ができたとかいうような話も聞きましたのですが、一つ、第二点としてその紛争を起している。これは率直に一つお答えを願いたい。私も或る程度は聞いておりますので、違えばここで明確にしたいので、そう明確にしなくても、少し明確になるようにお答え願います。更に院外におきましてかような三公社、五現業の団体交渉を、今明日開いて、この問題を解決しようとして、組合も非常な努力をしようとしている。この状態を思い浮べつ一つ御答弁願いたい。
○国務大臣(小坂善太郎君) 最初に、当委員会において御審議の対象になつておりますアルコール専売のことでございますが、非常に資金的或いは予算的余裕があるという御見解も何とか考えましたが、私の聞いておりますのは、やはり今、年度の途中でございますので、不時の支出等相当考えていなければならん。殊にこの原料糖蜜の値上りというようなものも現実にあるわけでございますので、そうしたものを勘案しながらやつて行かなければならん、こういつた点が当局の非常な問題点のように私は聞いております。なお一般の行政管理の面から申しまして、アルコール専売は御承知のようにアルコール一課、二課とございまして、課長とか或いは課長補佐乃至は人事関係の職員というものは、これは一般の公務員でございます。その机を並べているそれ以外の人が、これは公労法の関係である。それが予算上、資金上非常によろしいからといつて莫大もなく、どび離れてしまつて、或いは時期が違つて上るということとなると、やはり行政運営の上から見て、どうも均衡を失して、労働政策ということが適当かどうか存じませんが、非常にやりにくくなる、一般の官業の能率或いは国家の行政運営の実態から見て、殊に運営がやりにくくなる、こういう点がございますので、その点はやはり頭を揃えておくほうがよかろうという私どもの考えです。これは推測でございますが、やはり仲裁裁定も八月から実施ということも、これはやはり頭を揃えておりますのは、そういう考慮に出たものではないかと思うのです。アルコールが非常によければアルコールは八月から実施しろ、仮に国鉄等は四月からやるがよかろう、そういうようないろんな特別な考慮もなされていないので、全部八月実施ということにいつております趣旨は、ただそういうものだろうと思つておるのであります。なおいわゆる議についてのいろいろお話がございましたが、私も当初から立会つておりますので、よく事情を承知しております。昨日の私の申しましたのは、何かあの決議は非常に特別に団交に圧迫を与えているというような点があるので、これは一つ何かはつきりしたことを言つて欲しいということでございましたので申上げたのでありますが、先般の申合せにつきましては、いろいろ差障りがあるといけませんから、私はあつさり申します。あつさりと言いますが、違つたことは申しませんが、誰がどうしたということになりますと差障りがありますからその点は差控えますが、要するに団交を早くやつてくれ、こういうことです。団交をやりまする際に、団交の出発点が一・二五だ、プラス・アルフアだけが団交の対象だ、こういうことになると、団交に入れないのです。結果的にはどうなろうと、これは私が申上げるのはやはり団交を始めるということはここにも書いてありますように、年末手当等の等というのは、年末手当、賞与を含めたもの、そうしてそれが幾らになるかという水準はきめてない、天井はきめてないのですが、出発点は予算のあるところから始めなければ、公社というものは予算上、それぞれ責任を持つておる立場にあるわけです、公社なり現業の官庁というものは予算を提出して予算の上においては一というところが限界になつている、そこから団交を始めてもらわないと、国会で以て一・二五をきめてこれから先をやられる、それから先になると、国会が予算がないのに公社の案を呑むということになるので、これは非常に責任問題を生ずると思うし、私は気持においてはわからん点はないと思うのでございますが、そういうことが現実にできないのだということは藤田さんも一つ組合のほうの諸君にいろいろ教えられることでございましようが、やはりこれは話合いでございますから、両方の立場を尊重してやらないと、話はできないので、そういう点を御理解願つてどうか一つ円満に団交に入つて、団交を精力的にやつてもらうようにしてもらいたいと思つておりますので、その点御了解願いたいと思います。私のところにも若干組合の人なども見えましたので、その話をして団交をとにかく進めるようにしてくれということを申しておりまして、今日は済むのではないかと期待をしておるのです。
○藤田進君 詳細の点は労働大臣でないかたにお聞きしたいと思いますが、今団交に入るというのはどちらに労使があるわけで両者を言われておることだと解されるのですが、当初から団交に入つて、〇・二五というのは各当局も出されて、その段階としてはあると思うのです。だから〇・二五は団体交渉の対象ではない、別だというのではなしに、それはもう当局から出されておるのです。これはそういう過程を経て昨日までの段階としては御承知のように、それではどうも収まりがたいというので、すでに団交がかなりデッド・ロックに乗り上げつある、こういう情勢を見ております。そこでこれは、やはり交渉は両当事者の誠意に待つほかないので、ここでとやかく言う筋合いではありませんし、団体交渉自体に対してあらかじめ一つの規制をすることも、これは至当ではありません。ですが、ただ国会の場裡において労働大臣も立会われて進んで行つたならば、このいわゆるレールというか、これを外さないようにやはりこれはやるべきではないか。これは両当事者について私はそう思います。然るにどうも、〇・二五まではよかつたわけですが、それからあとレールに歯止めがあるのかないのか、その歯止めに突当つてしまつてどうも進まないのですね。そこのところを、進まないときには、現業或いは公企体自身独自の立場では……、資金繰り等ですね、これは法律的な根拠は弾力条項なり何なり求められるとして、緒方副総理も立会われ、当面の労働所管大臣もその一人として立会われて解決がついている以上、やはりそのレールにまつすぐに乗つかつて進むようにされるのが至当ではないだろうか。そのためには資金繰りなどの点について、先ほどもちよつと触れましたように、むしろ今日の状態では公共企業体のそれぞれの管理者、理事者としてはなかなか解決できない、いわば荷物の重いものもあるわけですから、もうここらあたりでは、そう団交々々と言つてこじらせないで、小坂労働大臣あたりで実質的な解決への役割を演じられたらどうだろうか。もうレールは敷かれているわけです。その上を如何にスムースに走らせるかということについて、新聞発表に変な発表をされないで、この間のは変だとは申上げませんが、変な発表をされる虞れがあるかも知れませんが、そうではなしに、問題はやはり資金繰りの点等もあつて、そうスムースに、容易に今の公企体、現業の当局として、所轄庁として受入れるということは労働大臣に叱られはしないだろうかというやはり危惧はあるのじやないだろうか。いろいろきまつたことでも、大蔵大臣なり何なりが大蔵当局の部課長のところに厳重にこうしろと言われながら、なかなか下のほうは歯車が動いていないのが現状のようです。私は昨日もその事情を聞いて、特にその点を注意してもらいたいということを私にも注意がありましたが、何といいますか、役所の機構というものは、非常に皆さん下部に行くほどまじめなものですから、上から達しがない以上、新聞なんか見ただけでは、それだけではやはり実施できない。現にそのことが先ほど来の愛知大蔵政務次官についても言えるわけで、上のほうでは話がきまつているのに、委員会では、まだそのようなことはできませんといつたようなこの間も答弁があつたわけです。年末手当で若干考えたらどうか、考える余地はありませんという答弁、上のほう、大臣クラスではきまつていたのですね。このようにだんだん下へ行くほどなかなか趣旨が徹底しないで井おりますので、今度の交渉の場裡においても、院内といいますか、国会場裡において、いろいろ解決へのレールを苦心して敷かれた、それに最後の華を添えて行かれるのがもうそろそろ本日あたりその時期ではないだろうか、七日、八日、……。こじれますというとなかなか収拾しがたいものでありまして、こういつたような点から、これ以上お聞きしないほうが却つていいかも知れませんが、私の要望として、私も若干事情を聞いておりますので、是非一つ、国会も忙しいでしようが、そういう面に十分連絡を密にして頂きたい。三公社、五現業の理事者側に解決するようなやはりアドヴアイスというか、系統がいろいろあるでしようから、労働大臣という立場から一つやつて頂きたいと思います。
 それから軽工業局長か政務次官に……。
○委員長(中川以良君) 御発言中でございますが、労働大臣は他の委員会に出席されますから、労働大臣に対する御質疑だけをお願いいたします。もう暫らくして御退席を願うことになつております。
○国務大臣(小坂善太郎君) ちよつと速記をとめて頂きたい……。
○委員長(中川以良君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
○委員長(中川以良君) 速記を始めて。
○小松正雄君 私は労働大臣に対しまして、先国会でも申上げましたように労働大臣は私ども労働者の親であり兄であるということを前提として私の要望を申上げて見たいと、かように考えるわけであります。大臣は本席に来られまして劈頭、前国会は救農国会であつたと、こういうことを申されたのであります。誠に私どももそうであつたと思います。それで農業を中心として先国会では審議を進めたのであります。今国会は又これに替る、年末でもあり、親である労働大臣としては、今国会ではその反対に労働国会であるというふうにお考えになつておると私は考えるために、大臣はさような考え方でおられるかどうかを先ずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小坂善太郎君) 今国会におきましては、そうしたような趣旨で私も……、実は非常に政府の財政も苦しいのであります。恐らくこの未曾有の風水害乃至は凶作対策ということによつて多額の財政支出を必要としなかつたならば、もう少しこういう問題も労すること少く解決する軌道を滑らかに走り得たかも知れんと思わるのでありますが、非常に財政も逼迫しており、これはもうできんというのが通説であつたのでありますが、何とか一つここのところは、仲裁裁定を尊重するという建前もあるし、人事院の勧告も出ておるのだから、何とかその苦しいところを捻り出してくれというので、非常にこんなことは手前味噌になつて恐縮なのでありますが、まあ努力をいたしまして、一月からということの予算化を見たのであります。人によりましては、大体労働問題というものは、もう結局力と力によつてさつと解決が出て来ないと解決ができないのだから、むしろあんなものを予算に出さんでおいて、そうして燃えてから一月から三月までやればもう年末手当ても何もなかつたので、お前は詰らんことをしたではないかというような御非難もあつたのでありますが、併し私は、政府と国家公務員或いは官公労の関係というものは、これは一般の資本家対労働者という関係ではなくて、やはり国民の信託によつて政治を行なつておる、又その財源も国民から得ておるという立場で、政府というものは、いわゆる労働問題、一般に言う私企業間の労働問題を離れて、誠意を尽してここまではやつたのだと、この上騒いで捻り出すというようなものではなくて、できる最大限を予算化してもらつておりますのでありまして、誠におつしやるような意味で、労働者といいますか、官業の勤労される人々のために、できるだけ年末を温かく、又来るべき年においてもできるだけ生活を豊かにしてもらうための考えであるべきであるということは、私は同感でございます。ただ事情を申上げるとそういうことなのであります。
○小松正雄君 そこで、大臣のお気持もはつきりいたしまして、その御苦労に対しましては心から感謝を申上げるわけでございまするが、何と申上げましてもやはり不足は大臣に言いたいというような結果に相成るわけでありまするが、そういたしますると、大臣は今国会の中心となるのはこの労働関係のものなりとして、そういうお考えがあつた。そうしますると、その間に私はこういうことをまあお尋ね申上げたいと思いまするが、常に大臣は働く者を中心として、働く者の親である、兄であるという考え方に立たれて、これらをどうして生活の面を楽にさせて行くような方法があるか、できるかというようなことについて、能率的に、要するに能率給によつて支給する方法も考えられたりしたことがありまするかどうか。
○国務大臣(小坂善太郎君) そういう方向が一番望ましいと思うのであります。日本の全体がやはり豊かになりませんと、これは分配ばかりを考えておつたのではいけませんので、やはり生産を上げるという面に非常に注意すべきものだと考えております。
○小松正雄君 そこで各企業体の内容をお調べになつたことがありますか。例えば黒字になつておるか、赤字になつておるか、各企業別にお調べになつた、能率ということを基礎において各企業体のあり方をお調べになつたことがありますか。
○国務大臣(小坂善太郎君) さようにいたしております。
○小松正雄君 そういたしますと、大臣はこの仲裁裁定というものの機関はあるが、仲裁裁定というものを待たずに、おのずから労使協調せられ、提携せられるように、その間に立たれて、例えば本国会が労働を中心とする国会であり、又それを担当される大臣としては、当然この問題が起つて来るということを予測いたしまして、企業別に収支的赤であるか黒であるかを調べられて、そしてそれを予測された場合に、団交に入らせる前に双方の代表を招かれるか、或いは進んでその内容に入つて行かれて、そして先ず団交に移る前に意見をお聞きになつたことがあるかどうか。
○国務大臣(小坂善太郎君) 双方一緒に招きまして意見を聞いたことはございませんが、まあそれぞれの立場からその内情或いは意見等も聞いております。ただ私としまして、この団交をさせる以上は、そこに第三者が初めから枠をはめるということはよくないというふうな考え方で、団交はやはりフランクに両方がスタートを一つにして始めてもらいたい、そういう気持でおります。
○小松正雄君 それで私のまあ今申上げたことは、どういうふうにお考えになられたか知りませんが、私はこういうように考えねてお尋したわけですが、団交に入らせる前に大臣がお聞きになつたならば、その企業体によつて、当然これは或る企業体の代表の意見からすれば、そのくらいは容れてやるべきだ、或いは又一面赤字のほうのものに対しては、それは能率的にこういうふうで上げて、然る後にこういうふうに賃金を上げてもらう、こういうことにしてもらうほうがいいんじやないか、こういうような御見解の下にあなたは……、くどく申上げるようでありますが、労働者が一番頼りにする人でありますので、そこまで立入つて、そうしてそういうあり方がはつきりして来たならば、それに副うように努力をされるということにして頂きたいと、こういうことを考えておるのであります。なおそれに続きまして、大臣はまあ労働者から言うと本当の親であるということでありまして、単に政府の立場におられるから、民間から言いますると、資本家の立場に当るのだと、こういうふうな考え方は持つておらないのでありまするから、どうか今後、この裁定が容れられる容れられないということは別といたしまして、この仲裁裁定というものを頼らずに、大臣の力で相成るべく紛争の起らないように早めに手をつけられて、円満なる和気あいあいのうちに労使共に協調が進めれて行くというようにして頂きたい。同時に又、能率を中心にして、能率を本位にしてすべきだというあなたの御見解がそこにあるということでありまするならば、能率を中心として、こういうことが起らないように、能率のいいところには企業体別に特別な賞与方法といいますか、そういうようなことも考えられて、今後の団交等に入られてお世話をなさるような場合にはお考えを願つておきたい、こういうふうに思います。
○委員長(中川以良君) 只今本会議が始まりましたので、労働大臣は本日本会議で緊急質問に対する御答弁をされますので、これで御退席を願うことにいたします。
○海野三朗君 ちよつと労働大臣に一つ伺いたい。
○委員長(中川以良君) 本会議が始まりましたので、そういう本日は約束で来て頂いておりますので、御退席を願うことにいたします。
 ちよつと速記をとめて。
   〔速記中止〕
○委員長(中川以良君) 速記を始めて。
 それでは暫時休憩をいたします。十一時から再開をいたしまするので、去ように御了承を頂きます。
   午前十時二十八分休憩
   ―――――・―――――
   午前十一時三十五分開会
○委員長(中川以良君) それでは休憩前に引続き、これより再開いたします。
○藤田進君 いろいろ団体交渉などを持たれて、両当事者ともアルコール専売についての解決への方向が努力されつあるように思われるのでありますが、問題は八月、一月の問題と同時に、今日では年末の手当について、先刻労働大臣からも説明がありましたように、一般公務員に劣らざるものと同時に、プラス・アルフアと称するが、いわゆるプラス・アルフア、これについてやはり問題がやや集中されつある感があるのであります。アルコール専売についてはやはり従来の業績等から見て、弾力的な措置が十分できると我々は判断をいたしているのでありますが、なかんずく四千六百万円余の予備金について、必ずしも当面具体的に予想するものはないようにも考えられる、そのような御答弁でもありましたが、仮に一月一万四千二百円のベースを実施いたしますると、あの予備金について約三千万円近く余つて来ることになると思います。こういう面から約三千万円に近い予備金が残されて来るし、一方特に業績が挙つているという面を具体的に見ましても、例えば石炭だけの節約、合理化を考えて見ましても、大体金額にして二千六百二十八万円は予定よりも合理化、能率化されております。これを今度の一・五、仮に一・二五は当面当局側としても出されているようですが、これを更に諸般の政治的な解決の意味合におきまして一十・二五のプラス・アルフアをいたして、合計一・五、こういうふうにいたしますと、現在の従業員の頭数、並びにこれが基準賃金等から考えて、所要原資は約一千万円程度、このようになると思います。アルコールーキロリツター当りについて石炭が一・八トン、こういうふうに見られておりましたが、併しこれは従業員の努力によつて大変な合理化をされて、一・二トン、〇・六トンの合理化がなされておりまするので、結局当初申上げた二千六百二十八万円という金額がここに出て来ております。これを予備金の約三千万円に加えると、五千五百万円、一方所要源資は一千万円、こうなつて参りますると、差引きなお且つ四千万円の残余になる、プラス〇・五にいたしまして、合計一・五の年末手当といたしまして、民間並みから言えばかなり低位にありますけれども、この際ここらあたりで解決するといたしますと、さような実は勘定になると思うのです。私が今申上げたこれらの事実について、御当局としてそれは違う、数字に誤謬があるというような点がありましたら御指摘願いたいし、更にお伺いいたしたいのは、予備金について過年度いろいろ実績があると思います。これらの実績につきまして、事ほどさように予備金は今日の十二月の段階になつて、あと第四四半期といいますか、これが残されているだけの状態において、なおかような三千万円にもなんなんとするものが絶対に動かし得ない状態にあるかどうかをつかみたいと思いますので、過去の予備金を使われましたところの実績等についてもこの際御発表願いたいと思うのであります。これは通産大臣なら結構ですが、非常に細かい部分もございますので、然るべきかたに御答弁を願いたいと思います。
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。最後の予備金の支出でございますが、これは予備金は予備金でございますから、幾らかのやはり予備金がし内容とか、それから過去において予備金をどんなふうに使われたかということについては、政府委員から御答弁いたさせます。
 それから先ほどお述べになりました見込の数字、これも実はきちつと私も断定できませんから、政府委員から御答弁いたさせます。
 それから各職員が非常に努力してくれて、業績を挙げておるということは私も認めます。非常によくやつてくれておると私は存じます。
 それから最初の一・二五を確保して、プラス・アルフアとして〇・二五をつけて一・五にしてもいいじやないかというお話でございましたが、我々の考えておりますのは、一般の公務員と釣合いがとれたようにして行くというのが本旨でございますから、御承知の通りに一般公務員は一・二五になるはずでございますが、公社のほうは一・〇〇にきまつております。それを〇・二五くらい、即ち一般公務員がもらうだけに団体交渉によつてやつて行こう、こういう趣旨で今折角お話を進めつあると考えておる次第であります。この点いろいろ政府委員からも御答弁いたさせます。
○政府委員(中村辰五郎君) 御質問のうちの数字の点だけをここで申上げます。予備金の過去の使用の実績でございますが、昭和二十六年度の予備費総額が三千万円、これを商品費に一千万円使用いたしております。昭和二十七年度に予備費総額三千万円でございまして、これを給与改善のために二千二百三十四万円使用いたしました。本年度につきましては糖蜜の値上り、或いは今後の必要等の関係もございますが、一般給与の引上げを一月から実施するというための費用を予備費から出す予定にいたしております。
 それから石炭の合理化の問題でございますが、詳しい資料が手許にございませんが、先般価格改訂をいたしました際に、石炭の合理化によりますコストの低下という点を織込みまして、国際価格への鞘寄せと申しますか、非常に割高でございます国産アルコールの値下げをいたした次第でございます。
○藤田進君 そういたしますと、少くとも二十六、七年をずつと眺めて見まして、殆んど予備金というものは使つていない。二十六年に三千万円のところ一千万円商品費に使つたというだけで、残余については全然必要としなかつたやに見えますし、昨年度も給与以外につきましては何ら使う必要もなかつた、本年度になりますと、殊更あと僅かな残された年度でもありますので、一千万円余を人件費、給与費に使えば、あとは縷々御答弁があつたように予定がない、このようにずつといわゆる経理的に源資的に考えて見ますと、何らの支障もない、殊に石炭費の合理化については、これもお認めになつておりますので、細かい数字は別といたしましてそうすれば特に業績が挙つているという点についても、これ又異存のないことであろうと思うのです。そういたしますと問題は、仲裁裁定の完全実施か否かという問題に関連して、当然この年末手当というか、いわゆる民間産業その他公共企業体においても、従来もなされているいわゆる紛争議の解決のために、仲裁裁定、いわゆる賃金ベースというものとからみ合つた形で越年期末手当、こういうものが論じられて来ている過去の慣例から見ましても、今回政府としては一月から仲裁裁定の金額だけはそのまま実施したい、こういうことであるならば、当然アルコール専売に関する限り他にネックはありませんので、ここで容易なる解決ができるのではないだろうかというふうにも私推定いたすのであります。ただ残されておりまする問題は、一般公務員並みに一・二五にしたいというこの比較論だけであろうと思うのです。ところがこれにつきましては、すでにここで喋々するまでもなく、一般公務員の年末手当に劣らざるものということの衆議院における決議、これは取りも直さず政府も呑んでおられることでありますが、この中に今朝来説明がありましたこの〇・二五を更に合理化をし、見通しを立て、そうして何らかの努力をする、プラス・アルフアを団体交渉できめよう、こういう趣旨の御答弁があつたわけでありまして、この際均衡論というか、そういう比較的な論は一応すでにそう強く出すべき段階ではないようにも思うのであります。その高についてはいろいろ源資的な面もありましようけれども、本委員会としても衆議院の労働委員会並びに予算委員会の結論、更には本日本会議におきまする結論を想定いたしまして、未だに本委員会の予備審査ではございますけれども、そういつた現実の過程を今日考えますときに、やはり仲裁裁定の実施はさることながら、年末手当というこの問題について、今の労使間の紛争議を速かに収拾せられるのが妥当ではないだろうかと思いまするので、今大臣の言われました他の公務員との比較ということも一応ありましようけれども、その問題は重ねて申上げれば、一応過程として出たけれども、今日の段階ではそういう点は更に個々の企業、現業において、交渉の中で解決しようという大きな線としては解決を見ているのでありますから、あとは技術的な、殊に源資的な資金繰り等の問題だけが残されて来る。これも無論一つの限界がございましよう。プラス・アルフアである以上、もとの一・二五よりも比較的大きいかというようなことは、これは無論期待しがたいところでありますけれども、併し一・二五で以て木で鼻をくくつたようなことでは、やはり解決ができないのではないだろうか、延いては仲裁裁定の完全実施という問題の基本に遡つて紛争が起きるのじやないかということを憂慮いたしますので、更にそういつた観点から通産大臣の善処を煩わしたいと思いますと共に、御所見を承わつておきたいと思います。
○国務大臣(岡野清豪君) 私の伺います点におきましては、恐らく国体交渉が今進んでおりまして、話合いつあるわけでございますから、その団体交渉に待つよりほかに方法はないと思います。併し私の考えを率真に申上げるということになりますれば、私は一般公務員並みということが一番穏やかではないか、こう考える次第でございます。御承知の通り一般公務員と、それから現業の職員と机を並べてくつておるのに、片方は一・二五でとどめられ、片方は儲かつたから、又金がうんとあるからこれに余計やるというのは、ちよつと私はかわいそうじやないかという感じもするのであります。結局私の感じから申しますれば、本当に金持の苦痛というものを非常に感ずる次第であります。我々はほかの苦しい、赤字を出している国鉄や郵政というものがなければこれは藤田さんのおつしやる通りに、先ほども申しましたように、職員が努力してうんとよくやつてくれていると認めておるのでございますから、それに対して出て来た利益を上げてもいいだろうと思いますが、併し全般的に政府として考えますと、どうもこれは……政府でない、私自身のことにしましよう。私自身といたしましても一般の公務員並みにこの際は我慢してもらつて、そうしてほかの方面に嫉視の感じを与えないということにして頂きたいと、こう考えております。
○藤田進君 まあ団体交渉でその場で解決を願うことになるので、何もここで細かい問題についてイエス、ノーというのではございませんが、ただ方向として今の情勢を見ますときに、非常に憂慮すべきものがありまするので、若干の見解を質しているわけですが、今の御答弁には、私は私なりの又議論もあるわけでありまして、今朝来、労働大臣でございましたか、机を並べておるという、あたかも現実妥当なような御議論でありますけれども、これは現在の賃金、労働条件、或いは物価その他諸般の面についてそのようなことはむしろ慣行になつておるくらいであつて、机を並べ、或いはお台所を並べ、家を並べていても給与所得は非常に違つております。このことは単に課長とか一般の平公務員、現業員であるということで、そういう労働の質ということでなしに、企業が違うために非常なアンバランスがある。百貨店に勤めている、銀行に勤めている、或いは紙パルプ或いは何といいますか、私鉄とか、それぞれ考えて見てもありますようにあるわけであります。
 そこで舞台をずつと縮めましても、と机を並べているから仰せられますが、だから出してくれちや困るというものは一人もいないので、何とか出してやつてもらいたい、できるだけ多くの国民がいいお正月ができるようにというのは国民等しく考えておることであつて、あれに出してもらつては困るという議論はないはずでありまするし、又国鉄その他がなければどうこうとおつしやるわけですけれども、あつても、金があつて努力をして業績が挙つて、そうして仲裁裁定は八月のものが清算されますると越年については若干ゆとりのある越年もできると思つている矢先、どうも他の企業と同じだという理窟だけで抑えて行くということになりますると、これはやはりアルコール専売の従業員としては非常に期待外れ、そうして将来への能率ということについても非常な悪影響がありますので、他の国鉄その他の多数を占めておる公共企業体の団体交渉その他に影響があるというふうにお考えになつて、今日この段階ではなかなかむづかしいでございましようが、せめて解決への努力として、大きな筋としては、政府も一応呑んでおられまする決議、衆議院の労働委員会におきまする決議の線に沿つて十分なる善処を煩わして頂きたいと思います。通産大臣から、公務員並みということで、そう通り一遍と言つちや語弊がありますが、余り律儀な態度でなしに、何とか善処し、解決する努力をしようということで一つ御答弁ができるならば、この際お願いして他に移りたいと思います。
○国務大臣(岡野清豪君) 藤田さんの仰せのことはよく私にはわかるんです。わかりますけれども、私といたしましては、これは金持が贅沢して、ほかの者が指を食わえて、そうして社会不安を起すのと同じことなんで、公平化というものをこの際十分尊重しなければならんと思います。でございますからそういう残酷な私は気分にはなれないのです。よく昔の言葉にあるでしよう、隣り同士仲がよかつた、隣りに倉が立つてから非常に両方で喧嘩した、ですから金があるんだ、仮に今頃はないでしようけれども、自動車が出初めた頃には、やはり自動車を持つている者は同じ人間であつて、あれは金持だからあんないいものを持つている、我々はてくてく歩かなければならん、けしからんといつて石を投げたということを聞いておりますが、そういう感じを起させることが社会不安を起すゆえんだと思います。私はその点において、(「もう起している」と呼ぶ者あり)起しておればなお更この際起さないような方法をとるのが政治じやないか、こう考えております。(笑声)これはよくわかるわけでございますけれども、私の考えといたしましては、非常に多くの国家公務員並びに国鉄とか郵政なんかのおかたのことを考えまして、まあ儲つて、おれには相当の資力があるんだけれども、皆と歩調を合せて行こう、こういうふうな考えに実はアルコールの職員にもなつて頂きたいと考るのであります。まあ専売の役員がどういうような考えを持つているか知りませんが、恐らく私の気分は呑込んでくれると思います。
○藤田進君 吉田内閣には稀に見る立派な御主義ですが、実際にはなかなかそういう状態ではないことは御承知の通りで、私どもからむしろそのような社会を作つて行きたい、なかなか吉田内閣では無理だろうからというので、我々のほうで内閣でも担当しなければ駄目だろう(笑声)というので今鋭意努力中なんですが、結局今専売アルコールの諸君に石を投げつけられるようなそんな賛沢な生活ができるようなことをしてやれと言つておるのではないのでありまして、プラス・アルフア、もう山が知れている。その中でプラス・アルフアというのはもうおよそ高というのは知れていることなんで、又この議論は今初めて出ているのではないのであつて、そういう社会から異端者扱いされ、又羨望の的となつて石を投げつけられる、隣り近所の喧嘩の種になるというような、これは一例でしようが、およそこの例の範疇に入るようなことではないのであります。これは全然当らないことを引出されているように思うのですが、かといつて社会のいろいろな悪をこの際直すといいましても吉田内閣の政策全体が変らない限りなかなか直るわけではありませんけれども、せめてその中でこういつた、どこから見ても衝きようのない、反対意見の出しようのない、従つて金があつても出さない、それはよそ並みだという、こういう議論だが、視野を拡げて見ますると決してよそ並みではないのでありまして、同じ市場で買物をし、隣り同士でも今日の公務員なり現業、公共企業体の諸君の生活なりその水準というものはこれは確かに一部のかたは別です、特別職などは別ですが、一般的に見て大変なこれは低位にあるのでありますから、上げて行く努力のためにはその一角として、可能なところだけからでも上げて行く、これがむしろ自由党の政策、吉田内閣の政策であろうと思うのであります。およそなるところでも他がならないためにできないという、抑圧されて行くということであるならば、いつまでたつても国民生活水準というものは上つて来ない、或いは一般公務員、現業の皆さんの生活水準というものは上つて来ない。およそ人類として、国民として最大のやはり理想とし、目標とするのは生活のゆとりだと思うのです。これがやはり基本になつていると思います。なかんずく日本の現状において。こう考えて来まするというと、決して今の大臣のお考えというものが時宜に即したものとは考えられないのであります。一般の公務員が一・二五であるのに、今の議論の中で、その倍も或いは三分の一程度は多く出すとか、こういう議論をしておるのではなくして、予備金というか、金もすでにいろいろな今の議論を申上げて差引いた残りでも四千万円余つてしまうんです。而もこれは国家経済として幾ら余つても、そのことを又余ることが悪いとは言いませんが、結構ですが、当面の問題を解決して行きますためにはこの程度のことは善処されて然るべきじやないか。今ここで、この段階で、数字を幾らとは申しませんけれども、やはり十分なる御検討を願つた上で、おとなしき専売アルコールの従業員の皆さんのことですから、やはりこういつた企業努力とその態度等も勘酌されて、一つこの上御善処を煩わしたいと思います。同時に専売の裁定につきましては、予備審査の段階でありますけれども、これについて通産大臣の御意見はいろいろ聞きました。聞きましたが、私どもいたしましては、なお且つこの企業内容から推定いたしまして、これ又十分なる善処を煩わさなければならん。せめても年末手当の解決というものが十分行きませんならば、これ又非常に重大な問題になりますので、この際やはり年末手当かどうかというからみ合せの関係に過去と同じようになりまするので、併せて一つ御善処のほどを要望いたしたいと思います。
○委員長(中川以良君) ほかに御質疑ございませんか。通産大臣は予算委員会等において質疑の通告を受けておられまするので、御席退を願うことにいたします。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中川以良君) ほかに事務当局に対しする御質疑はございませんか。
○藤田進君 今の数字はありませんか。石炭の合理化の数字は……。
○政府委員(中村辰五郎君) あの通りかと思いますが、念のために当らしております。
○藤田進君 これは私ども質問の形でなかなかやりにくかつたのですが一つできれば詳しい合理化資料を、やはり政府の態度としては一月に実施し、どちらかと言えば出せるところも出せないような、勢いまあ心理状態がなるために……私どもの調査、僅かな知識、資料で見ただけでも非常に業績がいいのです、アルコールの専売につきましては。これは殆んど、今度の三公社、五現業については印刷とアルコールぐらいじやないかと思うのですが、こんなにいいのは……。資料をあと会期も僅かになりましたが、できればプリントに、できなければ取りあえず何といいますか、ペン書でも何でも結構ですが……私どもが得た資料では信憑性とか公的なやはりものにはなりがたいと思いますので、至急に私に見せて頂きたい。できればプリントにして皆さんに差上げて頂けば結構だと思います。
○政府委員(中村辰五郎君) 只今の石炭の問題でございますが、お尋ねの一・八トンが一・二トンになつたという御指摘でございますが、先般価格改訂におきまして原料その他の値下り或いはその他いろいろ問題がございますが、その際に石炭につきましては購入価格がトン当り約六百円値下りいたしまして、その値下りを価格改訂に織込みまして、それに相当するアルコールの販売価格を引下げたということでございます。一・八並びに一・二との数字につきましては或いは御質問のかたに私が根拠と申しますとおかしいのでございますが、数字については、その点についての御答弁はできかねると思います。石炭の購入価格が非常に下つたということでございます。
○藤田進君 数字はあとであれですが、購入トン当り六百円下つたように言われますが、ちよつと大きいように思いますがね。
○政府委員(中村辰五郎君) 補足させて頂きます。これは石炭の購入価格が下りまして、アルコールを一キロリツター造る石炭の量から見まして一キロ当り六百円下つた、こういう意味でございます。補足させて頂きます。
○委員長(中川以良君) ほかに御質疑ございませんか。
 それでは本日は最終日の前日でございまするので、一応委員会はこのまま休憩にしておきたいと思いまするが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中川以良君) それではこれにて暫時休憩いたします。
   午後零時六分休憩
   〔休憩後開会に至らなかつた〕