第019回国会 運輸委員会 第5号
昭和二十九年九月二十七日(月曜日)
   午後二時十七分開会
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  委員の異動
九月二十四日委員鈴木一君辞任につ
き、その補欠として松浦定義君を議長
において指名した。
  資格消滅
九月二十四日委員大倉精一君議員の資
格を消滅した。
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 出席者は左の通り。
   委員長     高木 正夫君
   理事
           重盛 壽治君
   委員
           仁田 竹一君
           村上 義一君
           大和 与一君
           村尾 重雄君
           木島 虎藏君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       古谷 善亮君
   常任委員会専門
   員       田倉 八郎君
  説明員
   運輸政務次官  岡田 信次君
   運輸省自動車局
   長       眞田  登君
   日本国有鉄道総
   裁       長崎惣之助君
   日本国有鉄道営
   業局船舶課長  篠田寅太郎君
   中央気象台総務
   部長      北村 純一君
   中央気象台予報
   部長      肥沼 寛一君
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  本日の会議に付した事件
○運輸一般事情に関する調査の件
 (気象業務に関する件)
 (青函連絡船遭難事件に関する件)
 (自動車行政に関する件)
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○委員長(高木正夫君) それではこれより運輸委員会を開会いたします。
 先ず運輸一般事情に関する調査を議題といたします。先ず気象業務に関する件を議題といたします。
○大和与一君 この際私は気象業務の整備充実に関して動議を提出いたしたいと存じます。
 先般来当委員会で、あつみ丸の船長、或いは気象台の関係者をお招きしていろいろと実情についてお話を承わりました。併し、かねてから運輸委員会で気象業務の整備充実については特段のカを注いでいるにもかかわらず、なかなか予算獲得その他において十分でなかつた。又、今朝の新聞などによりますと、大変な事故が青函連絡船にもありました。それが或る人の談話によると、やはり気象予報が十分でなかつたのじやないか、こういうふうなことすら、ちよつと談話として書いてございます。真偽のほどはわかりませんけれども、そのようにただ物の被害だけでなくて、人命にも重大な影響もございますので、この際もう一層一つ充実した決議をいたしたいと思います。それでその決議案を今から読みます。
 気象災害による毎年の莫大なる国富
 の喪失と、貴重なる人命の犠牲に鑑
 み、政府は万難を排して気象業務の
 整備充実に努めねばならないことは
 言う迄もないことであつて、本委員
 会においても屡々政府に対して強く
 要望してきたのであるが、未だ満足
 なる成果をみていないことは遺憾で
 ある。
 気象災害を最小限度に喰い止める
 方策は能う限り早期且適確なる気象
 予報に基いて防災態勢を整えるにあ
 り、面して
 気象予報業務遂行のため最も基本的
 なものは本土周辺の広汎なる範囲に
 亘る気象観測に基く総合判断であ
 る。
 然るにわが国は敗戦により本土周辺
 の属領を失つたためにそれらの地方
 において戦前行われていた気象観測
 は不能となり、且又わが国の気象に
 極めて密接な関係にある中国大陸の
 気象データは全く入手し得ない状況
 にあり、かくて北に南に西に気象上
 の触角を失い、台風進路の適確なる
 予報は極めて困難なる条件下におか
 れているのである。
 かかる事態に対処するに政府は僅か
 に南方洋上一定期間を限り、定点観
 測船一隻を配するの糊途策を講ずる
 にとどまつており、かてて加えて波
 浪荒れ狂う荒天下において台風と苦
 闘するこの定点観測船も旧海軍の老
 朽船であり、又乗組作業要員に対す
 る処遇も極めて不充分である。
 これでは台風の中心位置もつかめず
 適確な進路予報は到底期待得ずと断
 ぜざるを得ず、現に本年の台風予報
 は辛うじて米軍気象隊による飛行観
 測の通報に支えられているという心
 細い有様である。
 これらの事情は台風予報を含む気象
 業務の重要性に関する政府の認識程
 度を疑わしめるものと言わざるを得
 ない。
 よつて政府は戦後における気象観測
 網の実情に対処し(一)本委員会が屡々政府に要望してい
  る北方定点観測の復活を実現する
  とともに南方定点における観測船
  を強化し、更に一歩進んで飛行観
  測の実現に努力し、(二)定点観測船
  の業務の特殊性に鑑み乗組作業要
  員の処遇について改善し、又(三)中
  国大陸における気象データの入手
  について中国と折衝する努力を致
  すべきである。
  右決議する
 この決議案を動議として提出いたします。
 なおこの字句については委員長に御一任をいたしまして、なお言葉その他適当に整備をして頂きたいと思います。
○村尾重雄君 只今大和委員から御提出になりました気象業務の整備充実に関する決議について賛成いたすものであります。
 理由はすでに大和委員から繧々述べられましたので今更私から申述べる必要もないと思います。本決議案は非常に時宜に適したものとして賛成いたすものであります。
 ただ一言申上げたいことは、昨日の函館湾における暴風雨による洞爺丸を初めとする遭難があり、又非常に不祥事を出来していることに鑑みてこの決議案が出されたのでは決してなくして、たびたび気象台の対策については、こうした決議の国会の意思表示があつたことであり、特にこのたびの十二号台風、十四号台風、十五号台風に対して、何らかの気象台としてのいま少し積極的な強力な措置とその気象予報について対策が望ましいということからこうした決議案を出されることに相成つた、こう思うのであります。そうした意味合いにおいて、この決議案の趣旨を十分に急速にこの意思を実現されることを切に要望いたしまして、本決議議案に対して賛成いたします。
○委員長(高木正夫君) 只今の大和君の動議、気象業務の整備充実に関する決議を政府の関係当局に申入れることといたしまして、その申入当局については委員長に御一任を願いたいと思うのであります。
 なおその字句の熟しない点につきましても、大和委員の動議のように委員長にお任せを願いたいと思います。そういうことに取計らつて御異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高木正夫君) 全員一致御異議がないと認めますので、そういうように決定いたします。
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○委員長(高木正夫君) 次に、青函連絡船遭難に関しまして政府当局から発言を求められておりますので、これを許可いたします。
○説明員(岡田信次君) 運輸大臣が急拠北海道に参りましたので、私から代つて昨夜の青函航路の事故につきましてお話申上げます。
 昨夜第十五号台風によつて、国鉄青函航路の連絡船五隻沈没、二隻大破いたしまして、特に旅客船洞爺丸の沈没によつて多数の船客の死亡又は行方不明の事故を惹起いたしましたことは誠に遺憾のことでありまして、申訳なく存じます。国有鉄道未曽有の大きな事故でありまして、原因の詳細につきましては目下調査中でありますが、速かに原因を究明するとともに、犠牲者の弔慰方法につきましては、万全を期したいと存じます。
 なおこの事故により本州、北海道間の輸送力は大きな打撃を受けるわけでありますが、今後速かにあらゆる方策を講じて、できるだけの輸送力を確保したいと考えております。
 なお事故の内容詳細につきましては、国鉄当局からお話申上げることにいたしたいと存じます。
○説明員(長崎惣之助君) 昨夜青函、特に函館港の内外に起りました事故につきまして、只今政務次官から御説明申上げた次第でありますが、私からも補足的に申上げ、委員各位並びに国民の皆様に非常な御心配と御心痛を与えましたことを申訳なく又遺憾に存じておりますことを冒頭に一言申上げます。
 只今政務次官からお話がございましたように、青函連絡船は、貨物船が十隻、客船が四隻あります。そのうち客船の一隻洞爺丸が遭難いたしました。大雪丸という客船は損傷を受けております。これは確認はまだいたされておりませんが、修理の上就航が速かにできる見込でございます。そのほかに貨物船が一隻やはり故障しまして、大雪丸の近所にこれは沈まずにいるようでございます。そのほか貨物船四隻が沈没いたしたのでございます。この沈没の原因につきましては、目下いろいろと調査中でございまするし、細部について、台風によつて起されたものではございますが、なお細部についての処置その他調査を十分にしなければ原因は明らかにはならないのでございます。私どもといたしましては、もとよりこの原因について詳細なる調査をいたしまして、今後再びかくのごときことのないようにしなければならないことはもとよりであります。併しながら御承知のように海事につきましては、これをよく研究調査するところの特別な機関がございますから、それらの機関の調査等も待つて十分なる対策を今後立てて行かなければならんと考えております。
 とにかく何を申しましても国鉄始まして以来の非常な事故でございます。損傷或いは行方不明になつておられます幾多の方々、遭難の方々の救護収客ということは、我々の目下何事をおいても急がなければならない、又これを早くなし遂げなければならんということを考えております。又不幸にして難にあわれて生命を失われました方々に対しましても十分なる弔慰を表示しなくてはならんというふうに考えている次第であります。
 国鉄としましては、この善後策といたしまして今朝運輸局長を急派しまして、午後には副総裁、片岡理事、それからなおこのお客さん方には米軍関係のお客さんも五十数名おられますので、渉外部の次長というような人々を急派いたしまして、善後処置を講じて行きたいと思つております。又内地といたしましては上野駅、仙台駅並びに青森の駅に事故の連絡事務所を設けまして、お客さん皆様の問合せ、その他の事務に万遺憾なきを期しておる次第であります。
 次に、我々として今考えておりますることは、今も申しましたように客船四隻のうちの一隻、更にこの客船四隻のうちのもう一隻の摩周丸は目下修理のために浦賀ドックに来ておるのであります。従いまして実は大雪丸は先ほども申しましたように故障を起しておりますので、羊蹄丸一隻、旅客の輸送力が端的に申しますと四分の一に低下しているというようなことでございますので、取りあえず下関にありまする徳寿丸を廻航いたしまして、差当り徳寿丸、羊蹄丸の二隻でお客さんの輸送をいたし、又摩周丸の修理工事もでき得る限りこれを急がせまして、今のところその結果十月の十日前後になりますと摩周丸も就航できるのじやないか、大雪丸のほうはまだ実は曳航する船もことごとく救護、収容に当つておりまする関係上、現場に行つて曳いて来るわけに行かないので、どの程度の損傷であるかわかりませんが、これも鋭意一つ急がせまして、そして秋冬繁忙の際に北海道及び本州とのお客さんの連絡に万遺憾なきを期したいと考えております。
 次に貨物でございますが、貨物の十隻のうち四隻以上大破或いは沈没いたしたのでございますので、これ又相当な打撃を受けるわけでございます。それにつきましては、やはり宗谷丸、今国鉄の使う石炭を運んでおりまする宗谷丸を廻航いたしまして、これをも手助けきせる、そのほかに修理中のもの、或いは先ほど申しました大雪丸のそばにある貨物船の大破したものの修理を急ぐ、或いは運航のやり方を変えるというふうなことによりまして、急にすぐそこまで参らないといたしましても早急に一つ輸送力の回復を図つて、何とか秋冬繁忙期を切り抜けて行きたいと考えております。どうしても間に合わなければ、或いは傭船その他の方法によりましても、北海道と本州との間の物資の交流に遺憾ないようにして行かなければならんと、かような心がまえで目下いろいろと作業いたしておるような次第でございます。
 何を申しましても非常に大きな事故でございまして、原因如何を問わす私といたしましては誠に遺憾であり、国民の皆様に御迷惑をかけ、心配をかけたことを申訳ないと存じておる次第であります。
○委員長(高木正夫君) 只今の御説明に対し、御質問の方は順次御発言を願います。
○重盛壽治君 実に未曽有な災害ですが、今の御説明の中に関係者は急速現地に行つておりますが、調査機関が調査をしておる云々ということを言われておりますが、この調査機関というようなものはどういう機構でできておりまするか一つ、それから十分なる弔意を表すと言つているが、このような大きな事故は私どもも記憶がないと考えるが、その十分なる弔意という内容といいますか、そういうようなものの同様な例があるのか、どのように考えておられるのか、そういう点わかりましたら一つ説明して頂きたいと思います。
○説明員(長崎惣之助君) これはいろいろな例があるようでございます。例えば甚だ残念なことでございましたが、例の桜木町のときと、いろいろな例がございまするが、その例をも参酌いたしまするけれども、何もそれに捉われることなしに、私といたしましてはでき得る限りの方法をするようにというので、早速副総裁は現地に参りましてなにする考えでございます。
 それから調査の機構につきましては、これは運輸省からお答えするのが本当かも知れませんが、海難審判所がありまして、もう調査を始めておられるんじやないかと思います。
○村尾重雄君 なぜかような重大な事故が発生したかということについては、恐らく関係当局もそうでしようが、青函当局もそうだと思いますが、国民全体が非常に疑問を持つておると思います。もとより急激な五十メーターを越えた暴風雨が出来したということのためであろうと思いますが、何分ともこの青函連絡というものは、私は余り詳しく、歴史的にも又実際の事情についても知りませんが、国鉄当局が長い間この連絡の衝に当つておられた。而もざつと図面を見せてもらうと函館港内で、而も防波堤近くで四千三百何十トンという船が事故を起しておる。その他湾内各所で各国鉄関係の船が事故を起して人命千名を上廻るんではないかという観測をされておりますが、このような事故が発生したということについては、相当当局も、ただに五十メーター以上の急激な風によるんだということのみでなくして、相当これに対する態度についても、私は長い間の習慣といいますか、今日まで事故もあつただろうと思いますが、こういうような大きな事故というものはなかつたために、それは油断があつたものとこう思わざるを得ないのです。この点は不可抗力というような考え方を、これから調査の結果どうお持ちになるか知りませんが、私は速急にこれが調査の結果というものを、この委員会に報告して頂きたいと思います。その上について、いろいろ我々も質したい点については質したいと思うのですが、先ず私が今申上げましたように地図を見ますと、湾内で而も防波堤附近で沈没事故が起つた点について、こういうような点で、気象台の暴風雨の予測の誤りというように青函連絡当局が言つておられることが新聞記事にも載つておりますが、今私らが考えて湾内でこういう事件が起つた、而も防波堤附近でこうした大きな船が沈没しなければならんということが起つたということは、ちよつと私は心にゆるみがあるように感じてしようがないのですが、如何ですか、そういう点では。
○説明員(長崎惣之助君) これは非常に技術的な問題がいろいろあるようでありまして、私は御承知のようにあれじやありませんから、私の申すことが必ずしも当らんかも知れませんが、その経験者の話を聞きますと、あの際に防波堤内或いは岸壁におることのほうがむしろ危いんでありまして、港外に出て仮泊をする、そういうことのほうが安全だという見方があるんだそうであります。それで非常に風が強かつたので一時港外へ出まして凪を待つてやつて行こうと、こう考えたもののようであります。そのときにまあこれも想像でございますので、まだ詳報がございませんからかわりませんが、どうも錨が切れたんじやないか、錨が切れたということが非常な大きな事故になる原因じやなかつたろうかというようなことも言われております。これはまあ併し洞爺丸の場合であります。その他の船の場合もございますので、これを全部総合的に考えないじやないか、私はそう思つております。先ほどお尋ねにお答えいたしましたように、運輸省には海難審判所がございまして、そういうことを専心に研究もし、調査もする機関もございます。それらの機関にも十分調査研究して頂き、無論我々のほうとしましてもデータを集めまして調査をいたすことでありますが、今まで申されておるところをかいつまんで申上げますと、そんなことも言われておるのでございます。
○村尾重雄君 こうした風のときに繋留しておくよりか少し沖へ出して待避するというようなことは、これは普通常識上からわかる話なんです。まあ青函の場合にはやはり人を積んで出たこと自身がこうした事故を起した大きな原因だと思います。それも当時の事情を見れば無理からぬことだと、責めるべきことじやないかということがあり得る場合もあると思いますけれども、何といつたつて非常に無理をしたものだということは国民全体がやつぱり気にするのです。それで今のところははつきりした事情がわかりませんから、その上に立つていろいろと審議したと意見をお聞きすることはできませんので、ただ願うところは、何といつても国鉄恐らく始まつて以来だと思うのです、千名を上廻る遭難者を出すというような事故を出したというのは。そこでこれらの調査ももとよりでありますが、遭難者の救済応急対策並びにこれらの人の将来の救済方法について、十分万全誠意を以て当られんことを切に望んでおきます。と同時に、今後青函連絡に対しても速かに対策をやはり速急とつて頂きたいということを希望しておきます。重ねて多く申すようでありますが、これはやはりあの暴風雨か永年の経験で特に地域的に特殊な場面ですからその予測ができなかつたというところには、何か科学的な設置か、常の費用を惜しんでその予報すらキヤツチする機関というものが、国鉄ではなしに運輸関係に何か手抜かりがあつたと、こういうふうにとらざるを得ないのですね。その点で早く調査を一つ終結をしてもらつて、その結果早い結論を出してもらつて十分な対策をして、かかる事故の再びないように対策を講ぜられんことを要望しておきます。
○大和与一君 ちよつと小さい話ですが、七重浜から洞爺丸までの距離ですね、大体どれくらいあつたのかおわかりだと思いますが、大体でいいです。
○説明員(篠田寅太郎君) 約千二百メートルぐらいでございます。
○大和与一君 丁度気象台の予報部長もおられますから気象台にお尋ねしますが、当時の気象予報、或いは今回の事故が起つて後に現地からどういうふうな報告が来ておるかお尋ねしたい。
○説明員(肥沼寛一君) 私どものほうで、現地との連絡は、中央気象台のほうで気象の資料を持つておりますために、こちらから指示報というものを流しまして、現地でそれをもとにして更に自分の所で天気図を書いて判断をいたしております。その結果注意報或いは暴風警報を出した場合には、こちらにいつ出したという報告がございます。その内容までは、そのときには通信が輻湊しますので、参つておりませんので、詳しい内容までは今わかつておりません、函館で出しましたのは、状況はお手許に差上げてあるかどうかちよつと存じませんが、先に台風の状況をお話しいたしますと、昨日の午後三時に九百六十ミリバールという強さで青森の西へ来ております。そうして三時間後の十八時には積丹半島のところりまで来ておます。そういう状況であります。これに対しまして函館の海洋気象台でとりました処置は、二十六日の午前十一時に暴風警報を出して、これは内容が実はわからなかつたのでありますが、そのあと問合せましたところによりますと、その内容は、台風が接近して正午過ぎから暴風雨になる。それから風の方向は初め東で後に、後にというのは通過したあとという意味でありますが、北西に変る、そうして風の強さは陸上で二十メートル乃至二十五メール、海上では二十五メートル乃至三十メートルという、こういう内容の警報を出したようでございます。先ほど御発言のありました五十メートルというのは、これは瞬間風速でありまして、瞬間風速というのは、実は今申しました風速の普通五割増しくらい、地形によつて変りますけれども、大体五割増し、三十メートルと申しますと四十五メートルくらいまでの瞬間風速があるという予測を立てていたわけでございます。実際にはそれより多少上廻る風が吹いたようでございます。そういう状況でございます。それから昨晩の二十時からあとは函館の線が切れてしまいまして、そのあとの状況はまだよく承知しておりません。今朝ほど函館へ非常電話をかけましたところ、本局まで、海洋気象台までは連絡ができなかつたので、重ねて今連絡をとつておる状況でございます。
○大和与一君 こちらの資料に突風五十メートル乃至五十五メートル、こういうふうに書いてございますが、これはどの程度の正確さでございますか。
○説明員(肥沼寛一君) これは五十三メートルというのは、これは時間が、これもまだ連絡がとれないでわかりませんが、台風の来た或る時間の瞬間風速が五十メートルになつたということは聞いておりますから、瞬間風速としては実測だろうと思います。
○大和与一君 これは根拠はどこですか。
○説明員(篠田寅太郎君) お答え申上げます。実は青函航路の風というのは、この台風もさることながら常時非常に風が強いので、我々としては風速をつかむことに実は非常に昔から苦労をしておるわけです。最近各船に全部新しい風速計をつけておるのでございます。それで沈まなかつた船あたりの、恐らくこれは青函鉄道局から入つた情報でございますが、各船からの風速の記録を恐らく生きている船から電話なり何なりでとつて総合した値を報告して来ておるものと思われます。で、どの船がどうなつたかということはまだ本当には詳細にはわかりませんが、そういつた風速計に現れたものから一応こちらへ報告して来たものと私は今推定しておるわけでございます。
○大和与一君 これはまあ正確な大体数字であるとすれば、これは瞬間突風であると思いますが、その他の情報も大体わかつておるのです。そうすると問題はやはり船が桟橋を離れたことがいいか悪いか、結果は別として出て来ると思います。今まででもよく私ども新聞で欠航なんということをしよつちゆう聞いております。欠航したときの状態というのは、気象情報なんか聞いたつて、新聞にわいわい書かれたほどじやなかつたこともあるので、その船を桟橋につけておいたら、併しあふりをくつて坐礁するということはあるかも知れませんが、そいつを離したということは何といつても大きな結果を生んだんでしようが、そういう点について、この風の速さ或いは気象台の予報などをお考えになつて、課長さんはよく現地についておわかりだと思うのですが、最善の策というか、少し無理をして出したんじやないかと思うのですが、こんなふうなことはどういうふうにお考えになりますか。今までの実例なんかでも、今まで大体欠航なさつたときにはどの程度で、判断の基礎はこうだ、こういうふうなことが若しもおわかりでしたらお話願いたい。
○説明員(篠田寅太郎君) 船が欠航するかしないかという問題については、これは非常にむずかしい問題なんでありまして、我々もこれを科学的に実は解明したいと思いまして、そういうことも一応考えておるのですが、まだ実際にそういう試験にとりかかつておりませんが、在来非常に長い経験を持ちました船長が大体そのときの判断をいたしまして出航するのでありますが、大体現在の青函航路は、これは実例でございます。海上で大体二十七メーター、二十五メーターから七メーターくらいの風のときに安全に実は航行しておるのでございます。それでこれはなお詳細調べないとわかりませんが、普通三十メーターくらいの風の場合ですと、二十五メーターくらいのときであれば船が走れますので、なるべく運航を杜絶しないというのが連絡船の使命の関係上、一応三十メーターくらいのときには大本湾内は比較的安全でありますので、湾内で待避しておりまして、海上の風速の落ちるところを待つて運航を継続するという方法を在来とつておるわけであります。なお今回の事故に当りまして、まだ非常に現地のほうからも、輻湊しておりますし、又乗組員の生存者も非常に少いようですし、適確な資料というものは今つかみ得ませんもので、私としては判断には苦しんでいるというのが実情でございます。なお詳細調査いたしまして、大いに今後の対策、改善ということに努力いたしたいと思つております。
○大和与一君 そうしますと、気象台の暴風警報発表状況を見ると、今のお話だと、大体瞬間突風は別として、今まで普通それくらいではいつも行つておつたという状態に考えられる、こういうことは言えますね。先ほどのお話で大体二十五メートルぐらいですか、それくらいは今までもずうつと航行しておつたということになるのですから、この気象台の予報によつて考える場合には、今回もそれくらいの風なんだからそれで出たのは大体問題なかろう、こういうふうにお考えになるのですか。
○説明員(篠田寅太郎君) 先ほども申上げましたが、その二十五メートルなら出るとか出ないとかいうことは、これは風速の絶対値というものだけでも行かないわけで、風の方向とか、それから風の方向によつては波も立ちますし、実際一応一つの例として風速についてお話したのですが、風速だけでものを判断するという簡単な事実であの船の操船はできないわけなんです。実際のそのときの天候をよく見極めませんとはつきりした見当はつかないと思うのであります。なおまだ詳細がわかりませんものですから、よく調べて御報告申上げます。
○大和与一君 先ほどのお話で、この船まで大体千五百メートルぐらいだろう、こういうふうなお話がありましたが、海上保安庁の救難事情、当時どの程度に働いて、どうしたということは全然政府はわかつていないんですか。……私がお尋ねしたのは、その後のばたばたしたことは当り前ですけれども、当時このくらいの、目と鼻のところで非常に波のひどい、風も強かつたけれども、一人でも人を多く助けるために努力を当時一体現地において海上保安庁はやつてくれたか、一人でも命を助けるために。若しも今詳細にわからなければあとからでも結構です。
○説明員(岡田信次君) 函館の海上保安部に配属されております巡視船が四隻ある、四隻はこの際洞爺丸のSOSを聞きまして出動し、りしり号、おくしり号が現場に急行して救助に当つたのでありますが、何分暗夜のため且つ風が三十メートル、四十メートルというので小型の船舶でもあり、十分にその任に尽せなかつたというのが実情でございます。只今申上げました四隻の巡視船並びにヘリコプターが出動して、連絡船そのほか漁船等の救助に当つておつたのでございます。なおその後塩釜或いはほかの管区からも現在十二隻の巡視船をあの附近に急派して救助その他に当つておる次第であります。
○村尾重雄君 もう一点、先ほどの長崎総裁の御意見で確かめておきたいことがあるのですが、海難審判庁の調査が行われ、その結果、原因がわかつて対策を立てるのだと伺つたのですが、今度の不幸な遭難者、この人たちの慰藉並びにこの人たちの家族に対する当局としての慰藉方法については、その海難審判庁の調査の結果を待つて処置するとおつしやつたのですか。それとも別途にこれは当局として御考慮なさるおつもりであるか。これをちよつと伺いたいのです。
○説明員(長崎惣之助君) 先ほどもちよつと申上げましたが、海難審判庁では責任の所在、或は人員の救助的なことをお調べになると思います。私どものほうといたしましても、お話のようにああいう事故を二度と繰返さぬような対策のほうは速かにいろいろ考えております。只今御質問の点につきましては、これはでき得る限り従来の例等にこだわることなく十分なる弔意を表したいと考えておりますので、これは現地に調査に行つてもらいまして、現地の模様その他を考えて速かに手当をしたい、こう考えております。
○重盛壽治君 これは質問というより、この問題に対しての処理等の問題要望でございますが、できた突発事故に対して、これは昨日できたことであつて、この問題に対する原因は運輸省としてだけの責任があるのか、或いは国鉄としてどういう手落があつたのか、或いは又気象通報に不備があつたか、いろいろな問題が総合的に調査せられた結果でなければ明確になつて来ないと思います。そうしたあとでいろいろな問題を又取上げて事故の原因その他は調査するとしても、当面できた事態に対して、急速に処置するということがより先決であろうと考えます。私はこの原因についての疑義は、得に気象通報などこ対しては連絡不十分その他があつたのではないかというふうに考えるし、我々が従来強く要望しておつたところの定点観測等のほうから来る手落もあつたのではないかというふうに考えるが、これは一応本日の場合は別な機関で調査することとして、ただ例によるという言葉だけではなくて、全機能を発揮して急速にこれの弔意と処理するということに重点をおくべきじやないかと考えますので、そういうことを私は特に要望して運輸委員会としての態度をきめて頂きたいと思います。従つて若し必要ならば運輸委員会からでも現地へ派遣することをお考えになることを、私は強いては申しませんが、委員長のお考えの線に従つて処理して頂きたいと思います。こういう現状を見ておいてあとの審議の参考に供そうということがあるならば、そういう点も睨み合わせて運輸委員会としての処理の中へ加えて預ければいいのではないかと思います。
○委員長(高木正夫君) ちよつと速記をとめて。
   〔速記中止〕
○委員長(高木正夫君) 速記を始めてそのほかに御質問ございませんか。
 私からもう一つお伺いしたいと思うのですが、要するに今度の事件が起りましたのは陸を離れたということにあると思うのですが、これも先ほどの御説明で大体事情がわかるわけでございますが、乗船当時の風速が大体どのぐらいであつたか、それを一応お聞きしたいと思います。
○説明員(篠田寅太郎君) 実は乗船当時の風速は、残念ながら今まだ非常にたてこんでおりまして、実は報告がございませんのですが、なお後ほどよく連絡をとりまして申上げたいと思います。
○委員長(高木正夫君) まあ海事審判所なんかで御判定を願うことになると思いますが、ちよつと私ども素人で考えましたときに、船を離陸させたということは止むを得ないと思うのですが、これに客を乗せて離陸しているということに大きな禍いがあると思うのです。そのときに風が、風速がどの辺にあつたか、どのくらいであつたか、私ども経験があることであるのでありますが、よほどその際には慎重な態度で以て臨むべきではなかつたかと考えるのですが、それを調べてみないとわからないということであれば、これ以上お尋ねしてもしようがないと思いまいすので、急速にその点を一つお調べを願つておきたいと思うのであります。
○木島虎藏君 台風の程度によりますけれども、台風が接近するとよく列車や船舶の運行停止が行われるのですが、今回のときはそういう停止の命令をお出しになつたのですか、出さなかつたのですか。
○説明員(篠田寅太郎君) 私は船のほうの関係で、陸のほうの関係は詳細わかりませんのでございますが、船の場合も大体の標準というものはさまつておるので、陸上のほうの暴風が出ます場合には、その情報を各船に通知をいたしまして、各船はその船長の判断によりまして、安全なる場所に待避するか、運航を続けるかするわけです。安全なる場所に待避するか、運航を開始するかということは、船は洋上におるほうが比較的多いものですから、直接陸地からこういう情報であるということを流しまして、船長の判断によりまして適当な避難地に避難をするなり運航を続けるなり、判断の資料にしておるというのが実情でございます。それで今回の場合に青函局でそういうものを出されたかどうかという点は陸上のほうの関係で、私ちよつと担当者でないので、その点は情報をちよつととつておりませんものですから、ここで明確に御返答のできないのは残念でございます。
○委員長(高木正夫君) 他に御質問はございませんか……。御質問がなければ、本議題はこの程度にいたしておきたいと思います。なお調査の進行に連れまして又あとの委員会で御質問することにしたらよかろうと思います。本日は……
○大和与一君 まだ宿題がたくさんあるのですが、気象台の総務部長にまだお聞きしたいのですが、この前質問が中途で終つたのですが、大蔵省のほうにその外にも聞きたいことがあるし、あとは大臣が来なければ話にならんので、あとはあとでいいのですが、簡単に一、二聞かせて下さいませんか。
 気象業務の整備充実について只今決議をみたのでありますが、特に気象台長いないので総務部長が代理だろうと思うのですが、今まで運輸委員会で随分努力をしたのですね。それでこの決議の中にもあるように、中共の気象のデータの交換というか、これは昨日社会党が中国に行つたので、私のほうじや資料を作つて持たしてやつて、是非とも中国政府としても気象の交換、ラジオ放送くらいやつてもらいたいと、こういうことを強く資料を持つて行つてもらつて話をして来るつもりですが、たまたま台長も行かれるので丁度いいと思うのですけれども、それでただ気象台で今までどうもあなた方の御意見がはつきりしていないのです。それで実際この運輸委員会がさか立ちして一生懸命やつておるのに、あなた方当事者に聞くとどうもそれほどでない、何とかなる、こういうことを繰返しておつたのじや非常に、私たちは大変不愉快になるのです。大臣はあなた方の意見を十分まじめに聞いて、あなた方ができないと言えば、ちやんとそれをしつかりと大蔵省なりに要求をしてくれるわけなのです。ところが大臣があなた方に聞くと、あなた方はできますとか、何とかなりますというから、幾ら委員会ではつぱをかけてもどうにもならん、こういう結果が出て来ると思います。本当にあなた方気象台の皆さんが非常な苦労をされて国民から感謝をされて、誰も国民は気象台に文句を言つてないのに、その気象台が政府に向つてもつとこうやつてもらいたい、こうやらなければ国民全体のために、国家全体のためにいかん、こういうことはやはり明確にその意思を表示してもらわなければいけないと思うのですよ。ややこれはお小言めくけれども、その点十分考えてもらつて、今回の予算の獲得についても、あなた方が非常な決意をされて、気象台としては一本になつた意見を大臣こも話してもらい、我々委員会はそれに協力することに少しもやぶさかでないし、今までやつているのだから、その点今回の決議を契機として是非ともよく聞いてもらつておいて、なお今後のあなた方の決心を聞かしてもらいたいと思います。
○説明員(北村純一君) 只今大変我々の仕事に御理解のあるところの決議を頂きまして衷心感謝しておる次第でございます。又只今数々の御鞭撻も頂いておるのでございまして、私ども従前のいろいろな点で至らんことがありましたことにつきましては非常に深く反省しております。ただ私どもといたしましては、現在までのところ、台長を中心にいたしまして台内各層の万々といろいろ御相談いたしました結果、この点はこういうふうな方法でこういう点を実行をお願いするのが現在の最善の方法ではなかろうかと判断したところをやつて参りましたので、別段躊躇するとかいうことはないのでございますけれども、只今のお話もございますし、今後とも我々がやるべき仕事が非常にたくさんございまして、なかなか今の国家の財政状態に比べて、賛沢であるというような御批判をたびたび受けておりますけれども、その中でも何とかしてこの必要な、当面必要なところの気象の関係の予算を獲得いたしまして、国民の福祉増進に、微力ではありますが、貢献さして頂きたいとこういうわけでございますので、今後とも我々の仕事につきましては一層の御理解のある御支援をお願いしまして、御答弁に代えたいと思います。
○大和与一君 次に自動車局長にちよつとお尋ねしたいんですが。
○委員長(高木正夫君) 議題変りますか。
○大和与一君 はあ。
○委員長(高木正夫君) それでは次に自動車行政に関する件を議題に供します。
○大和与一君 道路の事情によつて車を入れる入れぬ、車の種類を制限する、こういうような法律ですか、政令ですか出るようにちよつとお聞きしましたが、その点今までの経過をお聞きしたいと思います。
○説明員(眞田登君) 道路法の四十七条第一項に、道路との関係における車両の制限に関する事項は政令で定めるという規定がございまして、これが案について建設省のほうでいろいろ御研究になつておつたのですが、今年の八月三日に一つの案を作られまして、我我のほうへ八月の四日に説明をして頂いたわけであります。で、いろいろ我々のほうでも研究いたしておりましたが、八月二十一日に建設省の道路局のほうに我々の意見としまして申入れをしたわけでありますが、その一つは、この政令案の要綱は、理論的には一応妥当なものと考えられまするが、併し道路の現況はこれと甚だしき懸隔があるように考えられる。相当程度の緩和規定を設ける必要があるのではないだろうか。それから第二項といたしましては、この政令の施行期日を道路標識令の改正並びに道路標識の設置等の準備期間も必要であろうから、そういうものを考慮して当分の間延期してはどうか。それから第三項といたしましては、路線バス及び路線トラックの事業用車両に対する適用を、法律施行の際まで遡るように書いておつたのでございますが、これは政令施行の日以後にしなければ困るのではないか、というふうなことを申入れまして、なお取りあえず両省でそれぞれバス路線について、道路の現況を調査して、その結果を持ちよつてからもう一度御相談しまして、こういうことになつておりまして、私のほうでも調査をいたしましたが、建設省でも調査なすつておりまして、まだこれの具体的な打合せをしておりませんので、それがその打合せを絡りましてからまあ考えなければならないと思つております。
○大和与一君 そうしますと、具体的には今度の国会では必ずしもやり得るとは限らないということになりましようか。これはまあ私たちはやるにしても、よほど慎重に御検討を願いたいと思います。こういう気持で、すぐやるということではないようにしてもらいたい、こういう気持なんですが。
○説明員(眞田登君) これにつきましてはまだ調査をして、打合せしようという段階でございますので、その結果によつていろいろと訂正する点、その他かなりあることと思まいすので、今までのお話のように早急実施ということはないと考えております。
○大和与一君 もう質問を終ります、このことは。
○委員長(高木正夫君) ほかに御質問ございませんか。
 自動車問題につきましては相当問題が多いと思まいすが、本日はこの程度でとどめておきたいと思います。
 それではこれを以て散会いたします。
   午後三時十九分散会