第019回国会 決算委員会 第3号
昭和二十九年九月一日(水曜日)
   午前十時五十二分開会
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  委員の異動
八月三十一日委員加瀬完君及び羽仁五
郎君辞任につき、その補欠として千田
正君及び平林太一君を議長において指
名した。
本日委員小沢久太郎君及び入交太藏君
辞任につき、その補欠として田中啓一
君及び剱木亨弘君を議長において指名
した。
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 出席者は左の通り。
   委員長     小林 亦治君
   理事
           青柳 秀夫君
           谷口弥三郎君
           島村 軍次君
           岡  三郎君
           八木 幸吉君
   委員
           雨森 常夫君
           石川 榮一君
           植竹 春彦君
           木村 守江君
           剱木 亨弘君
           田中 啓一君
           飯島連次郎君
           奥 むめお君
           大倉 精一君
           木下 源吾君
           久保  等君
           永岡 光治君
           東   隆君
           深川タマヱ君
           千田  正君
  事務局側
   常任委員会調査
   員       林  道雄君
  説明員
   食糧庁総務部長 新沢  寧君
   会計検査院事務
   総局検査第三局
   長       小峰 保栄君
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  本日の会議に付した事件
○昭和二十七年度一般会計歳入歳出決
 算(内閣提出)
○昭和二十七年度特別会計歳入歳出決
 算(内閣提出)
○昭和二十七年度政府関係機関決算報
 告書(内閣提出)
 (黄変米問題)
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○委員長(小林亦治君) 只今から第三回委員会を開会いたします。
 本日は昨日の委員会において決定いたしました通り、食糧庁所管のいわゆる黄変米問題について、当委員会として配給中止に関する決議をいたしたいと存じます。決議の案文は只今お手許に配付いたさせましてありますが、これについて御意見のおありのかたはどうぞ御発言を願います。
○木村守江君 誠に皆さんに申訳ないのですが、この決議文のいろいろ討議に入ります前に、二、三点是非とも食糧庁関係に聞いておかなければならないことがあるので、どうぞ質問をお許し願いたいと思います。
○委員長(小林亦治君) どうぞ。
○木村守江君 ちよつとお伺いいたしますが、黄変米菌と白色病変米菌とは同一のものであるかどうか。それからこの菌が排出する毒素、毒素というものの性質は同じものであるかどうか。先日来の答弁を聞いておりますと、白色病変米から出る毒素は、黄変米、いわゆる黄変米から出る毒素よりも非常に強いというようなことを言われておりますが、それは毒素が違つて強いのであるか。それとも毒素の量が多いために強いのであるか。その点を明快にしてもらいたいと思います。
○説明員(新沢寧君) 私専門家でございませんので、専門家から聞きましたことをお伝えいたしますので、或いは十分詳細を期しがたいかとも思いますが、あらかじめお断り申上げておきたいと存じます。
 第一点の、白いいわゆる病変米についている菌の問題でございますが、現在問題とされております、病変米とされているものにつきましては、これは菌の種類は同じでございます。黄色い黄変米と白いものと同じでございまして、白い病変米と、病変米と申しますか、白い米を培養した結果いわゆる有害菌とされているものが検出された場合に、それを病変菌としているわけでございます。
 それから毒の量の問題でございますが。これは現在のところ、十分な研究が進んでいないようでありまして、黄色いもののほうが毒量が多く排出されるか、白いもののほうが多く排出されているのか、その関係はまだはつきりされていないようであります。ただ一部のかびのほうの学者の意見を聞きますと、かびの発育につれて色素を排出する。それと同時に、毒素も併せて生産して行くということを言われております。毒素と色との関係は今のところはつきりしていないようでございますが、かびの発育が進んで来れば、色も濃くなつて来るということは言われるようでございます。
○木村守江君 ちよつともう一つお尋ねしますがね。これは先日来、白色病変米から出る毒素は、今までのいわゆる黄変米から出すところの毒素よりも強いということを再三お答えされているのです。特に厚生省の公衆衛生局長から、食糧庁のために出されたいわゆる配給基準というものは、前のいわゆる黄変米、いわゆる黄変色米ですか、そのときの配給は一%までは常食としてもよいというのであつたが、今度の白色病変米ですね、それに至りましては〇・三プロというものが基準になつております。そういう点から考えると、この比率を以ても白色病変米のいわゆる害毒が大きいということを裏付けておるように思うのです。それで私の聞いているのは、その菌は同じだ、菌は同じだが、排出する毒素は同じ毒素なのか。その毒素の量の多いために、白色病変米のほうが毒力が多いのかどうか。これはだんだんに変色するとか、そういうことでないので、まあ量が多いのか、毒素の性質が違うのかということなんです。
○説明員(新沢寧君) 毒素の性質は黄色いものと白いものと同じであると言われると思います。ただ毒素の量について、黄色いほうが多いのか、白いほうが多いのかという関係は、これは現在の研究の結果、全然出ていないようであります。わからないと言つたほうがいいと思います。ただ黄色い黄変米の時代に許季限界一ブロというのが、白色のほうについて〇・三プロに下つたということは、これは白いものが黄色いものよりも毒の性質が悪いとか、或いは毒の量が多いという意味で変つたのではないのでありまして、前の一プロの時代から、昨年の二十八年のたしか六月だと思いますが、きまつた基準でございまして、その後研究が進んで参りまして、一プロの基準から、動物試験の結果出た〇・三というのは、その後行われました京都大学における人体試験の結果、三%の混入率の米を食べた場合に障害が現われたということを基にしてきめられた基準でございまして、米そのものについての毒量の差に基いてきまつたのではありませんので、その後の研究の進行と申しますか、進み方によつて基準が変つて来たというふうに、私どもは厚生省から聞かされております。
○木村守江君 どうもいろいろな人の話が皆違つておりましてね。いずれを信じていいか、ちよつと私どもにしては迷う次第でありますが、この問題はこれだけにしまして、その次にちよつとお伺いしますが、昨日その一〇%以下のいわゆる黄変米の混入米はみそ等に使つてもいいという話でありましたが、みそは御承知のように、米が五倍になつて、いわゆるみその中にはまあ二〇%の米きり混入していないというようなことになりますと、これは一〇%の若しも黄変菌を含んでいる米を使つた場合に、相当濃厚な病毒を持つたみそができるというようなことになつて来るのですが、これはどういうわけで一体一〇%以下のやつはみそに使つてもいいということになつたのですか。
○説明員(新沢寧君) これも当時基準がきめられたときの説明でございますが、みそ等の場合におきましては、二つ理由があるということであります。一つは、みそを作る場合におきます醗酵過程において、相当強い酸化作用が行われるから、それによつて毒素が相当破壊されるのではないだろうかということが一点であります。但しこの点につきましては、まだ十分な証明が、ございませんので、これはむしろ第二次的な理由とされているようでありまして、第一次的な理由は、みその場合におきましては、みそを作ります過程において、ほかのいろいろな原材料が混つて参りますために、全体として一〇%の混入率の米が用いられても、結果としては非常に薄くなるということ、それからもう一つ実際に食べる場合におきましても、非常に微量と申しますか、微量を実際の食用としては用いられることになりますので、人間が摂取した場合のことを考えますと、毒量が極めて僅少のものになり、人体に障害を及ぼさない程度までの量になるということが、みその場合の理由とされているようであります。
○木村守江君 どうも今の御答弁を聞きますと、すべて推定のようでありますね。これはやつぱりみその醗酵作用によつて、酸化するために毒力が減退するだろうというようなことは、酸化するために却つて毒力が強くなるかも知れない。そういう例は幾らでもあるのです。酸化されるから毒が減退するというようなことは、到底学問的に言い得ない。そういうことを以てこれは差支えないだろうと思うというようなことであつては、これはやはり国民がちよつと納得しないと思うのですがね。もつと学問的にどういうような酸化物ができて、この酸化物は人体に害毒がないのだというような証明があつて、初めてこれはもう国民に奨められるものだと思うのですが、そういうような点から、これは非常に納得のならない点がありますが、専門家でありませんので、この程度にとどめておきますが……。
 もう一つお聞きしたいことは、輸入米が内地に、日本の港に着きまして、それから大体どのくらいの間に国民に配給されますか。
○説明員(新沢寧君) 正確な統計ではございませんので、大体で申上げますが、恐らく平均三カ月くらい期間がかかつているのじやないかと思います。
○木村守江君 この厚生省から出しましたものだと、いわゆる厚生省で黄変菌を調査した調査期間が、百五十日も、百六十日もかかつているのがたくさんあるのです。そうしますと、こういうやつは、いわゆる国民に配給したあとに、その黄変菌があつたということがわかることになるのですか。
○説明員(新沢寧君) 現在までのところによりますと、仰せの意味の事例が若干あつたわけでございます。
○木村守江君 若干と言えばどのくらいでしようね。
○説明員(新沢寧君) 現実には三万トンあつたということであります。
○木村守江君 じやこれは誠に私素人でわからないのですが、まあ輸入米は砕け米の混入がどのくらい、何%くらいなのを普通の米として輸入しておるのですか。参考までに……。
○説明員(新沢寧君) これは輸出国の輸出規格によりまして、各国とも同一ではありませんのでありますが、特に砕け米が多いものを出している国はタイとビルマでございますが、タイの場合には一応輸出規格として契約いたしておりますのは、砕け米の混入率が一五%以内ということでございます、実際に入つて来ておりますのは、大体一〇%内外のものが入つて来ております。それからビルマのほうは、輸出規格がもう少し甘くなつておりまして、四〇%以内ということになつております。
○木村守江君 こういうことをお尋ねするのは、実は昨日、いわゆる黄変米というものを見て参つたのですが、まあ黄変米の実態というものは、肉眼的に掴めませんでしたが、非常にこの米の中に砕け米が多いというようなことを我々肉眼で認めましたので聞いたのですが、四〇%の砕け米があつても差支えないということになつておるのですか。
○説明員(新沢寧君) ビルマの米につきましては、そういうことになつております。
○永岡光治君 今の話でちよつと気になりますので、一つだけお尋ねしておきますが、一%以下は害がなくて、一〇%は害がある。一〇%以上害があるということに結局なると思うのでありますが、これはパーセントだけではやはり解決できない盲点があると思うのです。摂取量がある。百グラムの一%は一グラムですけれども、三百グラグの一%は三グラムということになると、一体どのくらい一日に摂取すれば、何グラム摂取すれば害になるのか、その点おわかりでしたら一つ。これば子供と大人とも違いましようが、その点わかつていたら一つお知らせ願いたいと思います。
○説明員(新沢寧君) これは古い基準の一%の場合のきめた量から出発しているわけでございますけれども、古い基準の一%以下害がないということは、動物試験、鼠を使いました試験の結果出たわけでございますが、その場合に、鼠の場合に、濃いものからいろいろな段階に分けまして実験をやつた結果、一〇%においては障害があつた。一%においては継続して食べさせても障害が現われない。一%は安全だ。鼠の場合は安全だという数字であります。ただ人間に適用する場合に、人間に直ちに安全な線をそのまま適用するわけには参りませんので、人間の場合には、更にこれに安全率を見て適用しなくちやならんのでございますが、鼠の場合、一%で障害を受けなかつたということは、実験に用いられました鼠は体重が百グラム前後でございます。それに対しまして一日二十グラムの米を食べさせております。従いまして体重に割合いたしまして、非常に大きな量を食べていたということなのであります。それで本来ならばお話のように、毒の量でお話の通り判断するのが当然なんでありますが、現在のところまだ研究がそこまで進んでおりませんで、米の中に含まれている毒の量を測定するところまで行つておりません。ただ有害なるかびがついているかどうかということが判定の一つの基準であります。その場合鼠の場合にとらせましたのは、これは純粋培養をいたしまして非常にもう完全に繁殖させた状態であります。ということは恐らく毒量の生産も最大量まで発揮されているということでございます。実際に人間が食べていいかどうかという問題になつているのは、前回の委員会でも見本を御覧に入れたかと思いますが、又昨日も御覧頂いたかと思いますが、かびが生えているかどうかは眼で見えない程度でございます。そこにおいて実際の自然の米に生えているかび並びにかびから発生される毒の量と、それから動物実験に使いました純粋培養をして存分にかびを発生させ、毒を十分に出させた場合との間に、その場合における当然存在する安全量、それから体重の差に基きます摂取量の差、そういうものを全部見合せまして、鼠の場合に一%で毎日食べても安全だということは、人間でも人間が自然の米で眼に見えない程度のかびのついておるものを一%食べても、非常にいろいろな点で大きな安全度が見られておるならば大丈夫である、むしろあろうといつたほうがいいと思いますが、研究段階が非常に不十分でございますので、そういうようないろんな推測が加わりまして、できました基準でございます。
○永岡光治君 結論は、ですから人間の場合何グラム食べたら害になるかということは出ていない、卒直に言つてそういうふうに解釈していいですね。
○説明員(新沢寧君) 卒直に言いますと、そういうことであると思います。ただ先ほど申上げましたように体重百グラムの鼠が二十グラム摂取したということは、体重五十キロの人間でありますと十キロということになりますから、普通我々が飯を食つても、一日に、配給でありますと、二合三勺で三百七十グラムですから、五合でも五百四十グラムということになりますから、非常に量に換算いたしましても安全度が見られておるということになります。ですから正確に何グラム食べてもいいというところまでの数字は出ていないけれども、普通人間が毎日食べている摂取量の場合においては、一%以下の混入率であつたならば、それを量に換算しても障害にならない程度の量しか含まれていないという推測ができるわけでございます。
○奥むめお君 有毒米の発見されたのは最近のことなんですね。そうすると、その前に有毒の発見されない前に、白い有毒米が配給されていることは確認できますね。
○説明員(新沢寧君) 確認できるかという言葉だと、ちよつとお答えいたしかねるのでありますが、今までの検査の結果、菌の実際の分布状況から見て、そうないと推定するよりは、あると推定したほうが正しいほうに近いんだと思います。
○奥むめお君 そうなりますと、現在家庭に残つている配給外米の中には、有毒菌があると我々見るよりほかにない。それが台所の湿つた所に置かれていて、培養されてだんだんに嘉の毒性の強さ或いは量というものが殖えて行くということも、私たち認めざるを得ないと思うのですが、如何ですか。それからまあこれは十分推定できることですが、そういうことの研究とか対策は今まで問題になつたことございましようか。又御研究しようとすることは計画にのりましたでしようか。
○説明員(新沢寧君) 確かに学者に言わせますと、かびの成育には、そのかびのついている米の水分量が関係するということでございまして、現在の規格の範囲内の米でありますと、かびが繁殖するに適当な水分量がないわけでございますが、普通の場合でありますと、米は置いておくに従いまして、米の水分量のほうが空気の水分量よりも多いのが普通でございますから、だんだん乾燥して行くというふうに考えるのが普通の状態でございますが、特に管理が悪くて湿つた所に置いておきますと、お話のような危険な状態も考えに入れなければならないと存じます。そこで今までの試験の結果によりますと、煙蒸をいたしますとかびは大体九〇%内外死んでしまうということでありますので、最近におきましては輸入米については全量煙蒸ということをやらしておるのであります。
○谷口弥三郎君 先刻来のお話を聞くと、どうもますますわからないようになります。例えば先刻の御説明の中にも、動物――鼠の体重百グラムに対して幾らやつたと、普通毒物学的に研究いたします際には、動物差を先ず第一に基にします。そうして又動物差が似ている場合には、その場合は一キロに対して何%とかいうのが、普通の毒物試験のやりかたでございます。その説明がどうもはつきりいたしませんので、誠にわかりにくいのでございます。殊に先刻木村委員のお話の場合に、醤油に対して一〇%を用いる。これに対しての御説明に三点を挙げられましたが、第一番に発酵作用を起す場合には毒力が減るという御説明或いは推測の説明がございましたが、これは私どもとしては、全然反対であると思います。御承知のように病変菌は、いわゆる黄変菌は、これはかびでございます。かびが起るような場合はいわゆる発酵させる場合だから、同じような関係でありますからして、決してその場合の毒が減るようなことの推測は困難と思います。無論これは実験によつてそうなつたというなら私も承服いたしますけれども、推測で発酵によつてというような御説明では、なお更それに対しても承服が困難なんであります。無論最後の第三点の量の関係において醤油は主食じやないからして、用いかたの分量が少いから、このほうは余り危険がなかろうとおつしやる点は、それは無論私どももさように考えておるのですが、まあ少しこう―誠に失礼でございますが、併し御専門でないから、そういうふうな御説明をするのも無理はないと思いますが、何とか、折角聞くならば、そういう方面にもう少し明るい―明るいというと失礼ですが、そういうふうな方にお聞きになつたほうがいいんじやないかと思いますが……。
○委員長(小林亦治君) あと十五分間ぐらいで農林大臣、通商産業政務次官、それから厚生省の公衆衛生局環境衛生部長が見えますので、それからになすつて頂きたいと思います。なお、その間にこの決議文の全文、字句、全体の体裁について、一つ御検討願つておきたいと思います。これは念のために申上げておきますが、まだ委員長も理事の各位も目を通してないほんとの作らした原文そのまま、生まのままを出したのですから御遠慮なく……。
○奥むめお君 大変矢礼ですが、私出かけなければならない用事があるので、ほんの簡単に意見を述べて失礼したいと思います。それは案文を読みまして感じますことは、配給をやめるということを政府が声明しろということ、それからあとの黄変米の処分の方法を厳重にするということは、大変結構でございますが、三番目の農林、厚生、外務、各省間に緊密な連絡を保つて確固たる方針を樹立すること、これは非常に弱い、非常に不満であるということと、今ままで連絡がとれて、しておることが、外米を配給するという、黄変米を配給するということを強行するということが、その連絡の結果出て来たことなんで、私どもこういうことじや何にもならんと思います。この三者の緊密な連絡というものが悪用されておると言いますが、国民から言えば、非常に不幸な事態になつておるのでございますから、今は厚生省は保健、人命というようなものを一番に守らなければならない立場にいながら、非常に強硬にこれを食べていいのだと主張しているし、農林省もこれを何とか処分しようとしておる、外務省もその背景になつておる、こうなりましたら、私どもはこれ以外の立場から、再びこういうことがないように、又病変米のようなものを買付けることがないように、その問の事情や、或いはそれを生産しておりますビルマなり、タイなりの米の問題から、或いはそれを売渡す際の問題から、いろいろな現地の事情を、国家的な立場から調べてくるという点になれば、ほかにも機関があると思いますけれども、むしろ会計検査院あたりに、もう一役買つて出てもらつて、この対策を究明してもらうということを、私は入れたいと思います。それだけちよつと意見を申しておきます。
○委員長(小林亦治君) 輿委員にお尋ねしますが、会計検査院がこの買付けとか、輸入とかにタッチしてもらいたいというのはどういう意味なんですか。従来の会計検査院の職務権限を拡張して、この点までも手をつけてもらいたい、こういう意味ですか。
○奥むめお君 これはこの委員会でもしよつちゆう議論が出ていたことだと思うのです。二十六年度、二十七年度、二十八年度とずつと年々この事件が起つていて、而も非常に激増して来た。その量が激増しているというようなことになれば、やはり前の年度に遡つて調べて行けば、現状も私はわかると思うのです。
○千田正君 関連して。今の奥委員の質問と同じことなんですが、会計検査院はこうした黄変米の輸入に対する支出に対しての検査を行つておらないのですか、どうなんですか。
○委員長(小林亦治君) 小峰局長が見えておりますので御亡見を伺つてみましよう。小峰局長にお尋ねしますが、只今の千田委員の御質疑なんですが、御意見ございましたらどうぞ……。
○説明員(小峰保栄君) お答えいたします。只今の御質問でありますが、御承知のように会計検査院は財政監督機関でございまして、黄変米につきましても、それが二十六年度二十七年度に輸入いたしまし文につきまして、相当多額の財政上の国は損をしております。この関係につきましては、詳細書きまして財政上の損失の立場から御報告しております。二十八年度の輸入の分が今問題になつております白い病変米でございますが、これにつきましては、まだ処分方法が全然きまつておりません。一部はすでに配給しておりまして、財政負担という立場からだけ考えますと、損をしていないわけでございます。まだ八万トン余り残つておりますが、これの処分をどうするかということを私どもは見まもつている状態であります。食糧庁のほうでまだこれをどう処分されるか、全然きまつていない状態でございます。私どもとしては、今の見地から、主として事態を見まもつている、こういう立場にあるわけでございます。
○千田正君 そうしますと、過去におけるこうした黄変米或いは病変米による国損に対する検査上の報告はしておるのでありますか。
○説明員(小峰保栄君) 二十六年度二十七年度に輸入いたしまして、二十七年度、二十八年度に処分いたしました黄ろい病変米、これにつき、ましては、詳細御報告しております。八億円余りの損失になつております。
○八木幸吉君 先ほども奥委員の御発言もありましたが、私は病変米は配給しないということが、食糧政策の根本であると思いますので、この決議案の三の一部をかように変えたらどうかと思います。それはこの案文の「その他に亘つて最も適切な方法を考究し」とありますが、「考究するとともに政府は混入率の如何にかかわらず、病変米を配給せざるために、食糧需給の計画に根本的再検討を加うること」、こう入れてもらつて、あと削つたらどうかと思います。
○島村軍次君 形式の問題が主体になりますが、全文を読んでみますと、前段に語つてあることが又書いてあつて、二回になつている。従つて前段を活かすなら、あとは要らない。併し昨日の御意見のようにするなら、前段をもう少し簡略にして、後段でその要点だけを上げる、こういうのが決議案の体裁と言いますか、同じことを語つているようですから、二回上げる必要はないのではないか。これが大体の意見です。具体的に申しますれば、八木さんのお話の点又奥さんの御意見の点、農林、厚生、外務、各省間に緊密な連絡というのを取つて直す。それから具体問題としては、後段の第三項にある「買付契約」というよりは、問題は、「買付方式、品質検査、輸入業者の選定その他に亘つて」云々と書くほうが、契約の問題というよりは、方式の問題じやないかと思いますから、そういうことに直す。後段を活かすとすれば、「巨額の国損を加重されたことは誠に遺憾である。よつて政府は左のごとき措置をとることを要望する」、これで全部のものが包含されるのではないかと思います。そういう意見を申し上げます。従つてこの案文の整理はあとで委員長のところで、そういう意味を体してお願いいたすということにいたしたいと思います。
○委員長(小林亦治君) 速記を止めて。
   午前十一時二十九分速記中止
   ―――――・―――――
   午前十一時五十二分速記開始
○委員長(小林亦治君) 速記を始めて。
 では、十二時から緊急理事会を開きまして、御委託の決議文の整理を行いますので、一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十三分休憩
   ―――――・―――――
   午後一時三十六分開会
○委員長(小林亦治君) 休憩前に引続き委員会を開会いたします。
 先刻理事会において黄変米に関する決議案がまとまりましたので、お手許に配付いたしましたが、別に御発言もなければ、本決議案も議題といたしたいと存す。
 本決議案の通り当委員会において決議することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林亦治君) 御異議ないと認めます。よつてさよう決しました。
 それでは只今から本決議を朗読いたさせます。
○調査員(林道雄君) 朗読いたします。
   決 議
  参議院決算委員会
  政府が二十六年度及び二十七年度に輸入した外米のうちに黄変米の混入しているものがあつたため、既に巨額の国損を来した事実があるに拘わらず、二十八年度以降に輸入したものにも多量の病変米の混入していることが発見され、巨額の国損がなお加重されようとしていることは誠に憂慮に堪えない。のみならず病変米の毒性については研究が未だ結論に達していないため、国民の間に深い不安を植えつけている。
  よつて政府は速かに左の如き措置をとることを要望する。
  一、政府は病変米の在庫量八万千余トンについては、国民が十分に納得するような科学的研究の裏付けと、これに対応する必要な処理を行つた後でなければ、これを主食として配給しない旨の声明を発すること。
  二、病変米を主食以外の用途に供する場合においても、その安全性を確保するは勿論、売渡先の選定、売渡価格の決定について特に慎重公正を期すると共に、売渡された不適格米が業者によつて配給外の主食として横流しされるような事態を繰返さないように厳重な措置を講ずること。
  三、今後の病変米輸入を防止するため、外米輸入の根本方針、買付方式、品質検査、輸入業者の選定、その他に亘つて、最も適切な方法を考発すると共に、政府は混入率の如何に拘わらず、将来病変米を配給せざるために食糧需給計画を根本的に再検討すること。
 右決議する。
   昭和二十九年九月
○委員長(小林亦治君) 以上であります。
 なお、本日予定いたしておりました副総理その他の農林、厚生両大臣はいずれも本日は要務のために出席できないと、かような通知がございましたので、直ちに総理大臣、農林、厚生、通用四大臣に本決議を送付しまして、なお、九月四日までに本委員会は開かれますので、その間に都合を見て、只今の四大臣を本席上に招いて、意見を聴取することにいたしたいと存じます。御了承願います。
 それから二十七年度決算に関して、明後三日から委員会を開いて、二十七年度に関する決算事項を審査したいと思いますので、その点も御了承願いたいと存じます。
 それでは今日はこれを以て散会します。
   午後一時四十一分散会