第019回国会 建設委員会 第26号
昭和二十九年四月十六日(金曜日)
   午後一時三十二分開会
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 出席者は左の通り。
   委員長     深川タマヱ君
   理事
           石井  桂君
           石川 榮一君
           三浦 辰雄君
   委員
           石坂 豊一君
           小沢久太郎君
           島津 忠彦君
           赤木 正雄君
          小笠原二三男君
           小林 孝平君
           田中  一君
  政府委員
   建設政務次官  南  好雄君
   建設大臣官房長 石破 二朗君
   建設省計画局長 渋江 操一君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       菊池 璋三君
   常任委員会専門
   員       武井  篤君
  法制局側
   参     事
   (第二部長)  岸田  実君
  説明員
   建設省計画局都
   市計画課長   鶴海良一郎君
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  本日の会議に付した事件
○土地区画整理法案(内閣送付)
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○委員長(深川タマヱ君) 只今より建設委員会を開会いたします。
 前回に引続きまして土地区画整理法案並びに同施行法案につきまして逐条審議を進めて頂きます。本日は十六ページの第二節からになつております。第一款について先ず質問なさいますか、二十三ページまででございます。
○三浦辰雄君 ちよつと遡つて恐縮なんですが、法案の六ページ、第三条の四項なんですが、二行目に、つまり行政庁がやる場合です。建設大臣がやる場合ですが、「都市計画事業として」というふうに限定しておるのですね。このことは恐らく公共施設との関連が必ずや出て来る。まして前提として、国の利害に重大な関係がある事業ということが前提なんだから、恐らく公共施設との関連が非常に濃厚に出て来る。だから都市計画事業としてやや大規模でもあるし、特に指定してやらせるのだというふうにも読めるのですがね。併しその後のほうに行つて、「この場合において、建設大臣は、これらの事業が、その施行する公共施設に関する工事とあわせて施行することが必要であると認められるとき、」は直接とこう、一青つて、公共施設と併せてやるという場合を又言つておるのですね。そうであれば、初めすらつと読んだときには、そういう公共施設関係と必ずや非常な複雑な形において出て来ることが必然と一応考えて「都市計画事業として、」と限定したのだと思つていたのだけれども、何か後に公共施設と併せて施行する必要があるときと又更に謳つておるところを見ると、又別に意味があつて、特に行政庁のやられる四項の場合には都市計画事業としてやらせるというのか、どういうのか、この点だけ明らかにしておいて頂きたい。
○政府委員(渋江操一君) この場合にも都市計画事業として条件を入れておりますのは、行政庁施行で土地区画整理事業をいたす場合は、そのこと自体がかなり重要性を持つた土地区画整理事業であるということは、その前段に掲げておる条件等でおわかりになることと思います。そこでそういう事情と腕み合せまして、都市計画事業としての事業決定をするということなのであります。結論的に言えば、都市計画事業としての事業決定をしてということは、建設大臣が都市計画事業を都市計画事業審議会に付して、これでよろしいかということを諮問した上で、土地区画整理事業を内容とするものを事業決定してさせると、こういう慎重な手続をとろうと、こういう考え方であります。
 それから後段にお述べになりました公共施設と結び付くから云々という問題は、これは前段の場合においても勿論公共施設との関係で土地区画整理事業をやる場合を当然想定しておるのでありまして、ただ後段に申述べております公共施設に関する工事と併せて施行することが必要であるという条件は、これは建設大臣が国の直轄事業としてやる場合のことを規定しておるわけでありましてその施行する公共施設に関する工事というふうに更にその条件を絞つております。即ち、建設大臣みずからが公共施設に関する工事をやるのだと、例えて申しますれば、直轄河川に対する改良工事を行う、河川改修工事を国直轄という形式でやらなければならないという場合におきまして、その河川の幅を拡める、拡幅する、それに伴う市街地の例えて申しますれば区画整理を、その仕事と河川の直轄工事と同時に施行することが必要であるというふうに考えられた場合に、その土地区画整理事業も併せて直轄事業として国が行うのであると、こういうことに規定したわけであります。
○三浦辰雄君 都市計画のいわゆる責任者と申しますか、それの総元締である建設大臣がやられる場合には、特に慎重を期するために都市計画審議会にかけるような手続をとると、府県知事といいますか、地方団体がやる場合においては、慎重を期さなくてもいいから一般の土地区画整理事業ということでやつてしまつておると、何か逆なのですね。私は大臣がやられる場合には、当然最高責任者という立場であるから、わざわざ形式的に審議会にかけなくても、むしろ実態はそれに副つたもので必ずあらねばならんだろうと思うし、一方から言つて組合であるとか或いは地方団体がやる場合にこそ都市計画との関連を付けながらやらなければならないということを、それは事業計画を若し規定するならばすべきである。あなたのほうは恐らく言うでしよう。その計画書が出てきて審議の場合においては、都市計画審議会決定のその線と対照しながら認可すべきか認可すべきでないか、或いは修正を命ずる場合がありますので、御心配ないと、こう言うかも知れない。併し法律論としてはいささかおかしい。
○政府委員(渋江操一君) この個人施行、組合施行の場合においては、自分の権利を自分で処理するという形を一応とるわけであります。でそういう関係において、十分区域内の利害関係者の意見というものは施行者としては尊重するという立場をとらなければいけませんけれども、国の立場としましては、みずからの権利をみずから処分するという関係において、この土地区画整理事業の施行のやり方についての考え方、とり方というものを根本的にそういう考え方でとつているわけであります。今お話になりましたもう一つの要点は、公共団体施行の場合においてこそむしろ行政庁施行の場合よりも重要な慎重な手続をとるべきじやないか。一応御意見としては御尤ものように思われますが、行政庁施行というのはいわゆる行政機関の権限に基いて行うということでありますから、従つてそれに対する権利者の保護という関係からいたしまして、事業の計画或いはこれに対する条件のしぼり方、こういつたようなものをかなりきつくいたしておるというふうに考えられるのでありますが、公共団体施行の場合におきましては、地元のやはりこれは都道府県議会或いは市町村議会、こういつたようなものが公共団体としてこの仕事をやるべきかどうかということを一応審議してかかるわけでありましてそういう点から区域としては都市計画区一域にしぼつておりますけれども、公共団体がやる事業の性格上からこれは当然都市計画として決定された区域内に限るという点でしぼつておりますけれども、さような関係において取扱いを行政庁施行の場合と異にしておるというふうに考えておるわけであります。
○委員長(深川タマヱ君) では十六ページの第一款の御質問にお戻り願います。
○石井桂君 ここの第一款に出ております組合施行の区画整理と、前にある個人施行の場合と、施行する人が違うのですから、内容はそれぞれその施行する人に適当した規定になつておると思うのですが、利害得失とか、国によつて与えられる利益があるとすれば、そこの差異があるかどうか、そういう点ありましたら一つ説明を願いたい。全く同じですかどうですか。国によつて保護されるところがあるとすれば、個人施行の場合と組合施行の場合と違うかどうか。
○政府委員(渋江操一君) 個人施行の場合におきましては、これは数人で共同して施行する場合におきましても、それぞれの所有権者、借地権者、これはいずれも規約等を作りまして同意の上で事業を施行する。組合の場合におきましては、組合を設立しようとする者が七人以上ここに共同してその事業計画を定めて申請して、これが許可になりました以上は、その組合内の権利者は強制加入を受けるという点で、先ず大きな点としましてそういう違いがございます。
○石井桂君 それ以外にはあとは手続上とかそういう問題の違いでございますね。質問が雑駁ですからおわかりにならんかも知れないけれども……。
○政府委員(渋江操一君) 大体わかりました。そこでこのあとの手続の点でございますが、手続につきましては大きな事業計画の中で最も重要視される換地計画にいたしましても、清算処分の問題にいたしましても、それらの処分決定、計画決定、これらは個人施行の場合でありますれば関係者全員の同意を必要とするわけであります。で組合施行の場合におきましては、組合員の数にもよりまするけれども、少い場合におきましても、これは多数決で決定されます。それから多い場合においては、これは総代会等がその代行機関になる場合もございますが、総会乃至は総代会で多数決でこの手続をきめて行く、処分決定をする、こういう点で違つておるわけであります。
○石井桂君 個人施行の場合には七人以上何人あつても差支えないかどうか。
 それからもう一つ、これに関連して組合施行の場合には七人以上ときめられておりますが、七人ときめた根拠は慣習ですか、何か相当の理由があつたものですか。
○政府委員(渋江操一君) 七人は最小限度の定数をきめましたわけでありまして、即ち七人は最小限度この設立申請の際に必要である、こういうわけであります。七人をなぜとりましたかと申しますのは、この七人の最小法定員数というのは、組合の役員の構成の上でどうしても七人を必要とする。即ち理事五人或いは監事二人を最小限度の定数といたしておりますが、これらの定数を充たすためには、どうしてもこれだけの設立者を必要とする、こういう関係から七人といたしたわけでございます。
○石井桂君 もう一つ、個人施行の場合に七人以上何名あつてもよろしいですかという質問が残つております。
○政府委員(渋江操一君) 個人施行の場合七人以上であつても勿論差支えない、何人以上でもかまわないわけであります。ただ実際問題の手続として多数になる場合に、先ほど申上げましたような全員の同意その他を得ることが極めて困難である、こういうことが予想されるわけであります。法律上は何人であつてもかまわない、こういうわけであります。
○三浦辰雄君 第十八条ですね。今第一款が全部議題になつているわけですか。
○委員長(深川タマヱ君) さようでございます。
○三浦辰雄君 十八条のところでこれを御説明願いたいのですが……。
○政府委員(渋江操一君) 十八条は組合の定款と事業計画に関する宅地の所有者、借地権者の同意の方法を書いておるわけであります。先ほど御説明いたしましたように、組合の設立の認可をする場合におきましては、一定の区域内の所有権者乃至借地権者が七人以上共同して設立認可の申請をすればそれで要件は充たされるわけでありますが、その際におきまする定款、事業計画、これを決定するにつきましては、この十八条に規定してありますように、区域内の宅地にある所有権者と、それから借地権者のそれぞれ三分の二以上の同意を得てこの計画を定めて、これを設立認可の際に併せて認可を受けなければならない、こういうことになつておるわけであります。これは設立認可のほうの十四条に定款、事業計画の決定を経てこれを認可を受けなければならないということを規定してありますが、その事業計画について関係宅地の所有者、借地権者の同意を必要とする、こういうことを規定したわけであります。そこでそれぞれの三分の二以上ということを規定してございますので、借地権者全員の三分の二、それから所有権者全員の三分の二というふうにそれぞれ権利者別に分けましてれそれぞれのグループごとに三分の二以上の同意を得なければならないというふうに規定をいたしてあるわけであります。
 そこで十八条の後段の規定でございますが、ここに面積率を同意の上に或る程度加味しなければいけない、こういうふうに規定をしておるわけであります。この所有権者或いは借地権者におきまして所有者ごと或いは借地権者ごとに宅地がそれぞれ均分化されておりますれば、頭数の上で三分の二の同意を取つたことは面積の上で三分の二の同意を取つたことに必ずなるわけでありますが、地域内の宅地の均分化されておるということは必ずしもないわけでありましてれその中に大地主もいる、借地権者として大きな宅地の地積を占めておる者も予想されるわけであります。さような場合に頭数だけで同意を得たということを確定することは如何かと存ぜられますので、そこに面積率を更に加味いたしまして、区域内の宅地の総地積と、それから同意を得た者の有する宅地の総地積との比率が、やはり全地積に対しまして一二分の二以上なければいけないということで、面積比率の上においても全地積に対して同意を与えた者の権利の対象となつておる地積が三分の二以上あつて欲しい、こういうことを規定いたしたのであります。
○三浦辰雄君 結局私の聞きたいことは、「この場合においては、」という後段の分なんですが、前段では数の三分の二を謳い、今御説明のように後段では対象となるところの宅地の面積比率を言つておるわけなんですね。そこで後段のところでちよつとお聞きしたがつたわけなんです。「同意した者が所有するその区域内の宅地の地積と同意した者が有する借地権の目的となつているその区域内の宅地の地積との合計が、その区域内の宅地の総地積と借地権の目的となつている宅地の総地積との合計が三分の二以上」、そのことは例えば十万坪の土地があつた、そうして後段の場合これの三分の二といえば、大雑把にいつて六万七千坪です。この六万七千坪というものを所有者の持つておる面積の比率が三分の二で、又賃借権或いは借地権というもの、その宅地の区域内における借地権を持つてお暑の総懐の券の二、おのおの権利の糖類による別の三分の二という要件は要るのですか要らないのですか。
○政府委員(渋江操一君) その場合には延面積で、つまり所有権の対象となつておる面積、それから借地権の対象となつておる面積をそれぞれ合算しまして、延面積で全体面積を計算し、それに同意を得た宅地の面積と借地権の対象となつておる面積を延面積で計算して三分の二以上あれば足りる、こういう考え方であります。
○三浦辰雄君 どうもなかなかむずかしいのでぴんと来ないのですけれども、延面積でいうと十万坪が例えば十五万坪になる、或いは極端に言えば十八万坪になるというふうになるわけですね。そこで過半数の所有権からいえば六万七千という三分の二以上が賛成していても、今度借地権による面積がこれ又六万も七万もあるとしても、その合計が十八万坪の三分の二にならなければいかん、合計というのはそういうことですね。一応わかりました。
○委員長(深川タマヱ君) では次に進みます。
 次は第二款で四十二ページまででございます。
○田中一君 第二十五条の組合員、これはやはり承諾したものでなく、反対しても少くとも、組合が施行する土地区画整理事業に係る区域内の宅地について一応宅地を持つておる者、それから借地権を持つておる者、みんな組合員にならなければならないわけだというふうな規定なんですか。
○政府委員(渋江操一君) その通りでございまして、組合設立の結果といたしましては強制加入になる、こういうことであります。
○田中一君 強制加入に対して不服があつた場合には……、そこで一応組合員というか、承諾したものとみなされることになるということですか。
○政府委員(渋江操一君) これは承諾の如何にかかわらず、組合員となる、こういうわけでありまして、現在行われております土地改良法等の考え方と同じでございます。
○田中一君 農地と非常に地価が高い宅地の関係からいつても、若し本人が承諾しない場合には何か承諾しない理由があると思うのです。こいつを承諾させるというような、強制加入を納得加入にさせるような親切さはどこにもないのですか、これ以下の条文の中にも……。
○政府委員(渋江操一君) 少数反対者という形でないとはこれは限りません。ただ先ほど来御説明申上げておりますように、組合の設立認可の際における条件としての定款なり事業計画というものをきめます上におきまして、この所有権者或いは借地権者の三分の二以上の同意をそれぞれ設立者としては得なければならない。こういうことになつておりますので、これだけの宅地区域内の権利者の同意を得た上で認可されたものである以上は、これは強制加入として差支えないではないかという考え方でございます。
○田中一君 その宅地の場合にはこれは地主を一応保護する形だと考えられるのですが、これが借地権と所有権というものは常に抗争する場合が従来は多いのです。そこで十八条の規定というものは、借地権というものを分筆するわけです。大体宅地の面積の所有権者というものが二十人、その場合に借地権者が十人しかない場合には、今度はそれを分筆しまして三十人こつちに持つて来る、三十人に分筆するわけです。そうすると借地権者が殖えるわけですが、十名の場合なら二十名に殖えるわけです。そうすると今度は所有権者も架空の名義を作つて、そいつをよし借地権者が三十名ならおれのほうは又分筆をして登記をして四十名に持つて行こうというようなことが起るのじやないかと思うのです。というのは借地権者と所有権者というものの利害が常に一致しないということからして、こういう場合にそれを組合員の多数決できむべきものでしようから、それを制限するような方法はどこかにとつていますか。
○政府委員(渋江操一君) 別に規定いたしておりません。
○田中一君 今私が申上げたようなことは想定されませんか、そういうことが起るということは……。
○政府委員(渋江操一君) 只今お話になりました所有権者と借地権者の頭数の比率の変動ということは多数決の原則に対して影響はないというふうに考えます。ということは、例えて申しますれば、組合の設立の場合におきましても、この設立前に作為的に、今田中委員からお話になりましたように、借地権者の頭数を増すとか所有権者の頭数を増すことに仮になつたといたしましても、それぞれその借地権者ごと或いは所有権者ごとにグループ別にこの同意を三分の二以上を必要とするというふうにこの十八条は調つてあるわけであります。つまり所有権者と借地権者とこみにして多数決で考えて行くということではなくして、所有権者は所有権者ごと、借地権者は借地権者ごとという頭数ごとに、頭数三分の二以上の多数決という、こういう考え方に立つておりますので、私どもは影響はないと思つております。
○田中一君 組合ができまして、強制加入ですから、できまして運営の上においてそういう問題が起きはしませんか。この一対一という、所有権者も一、借地権者も一と、運営の場合には何がないわけですね。宅地の広さで以て発言が強い弱いとかいうことでなくてつまり借地権者という一つの人格に対して一票を行使するというふうになると後段から見られるのですが、その点どうでしよう。
○政府委員(渋江操一君) 組合の総会によつて組合の計画なり処分が決定されるわけでありますが、その場合の多数決、これは組合員の過半数で決する、こういうことになつておるわけであります。その中で特別議決事項に対しましては特に組合員の中で所有権を有するグループ、それから借地権を有する組合員のグループ、それぞれの三分の二以上の多数決でこの特別議決事項の決定をする、こういうような方式をとつておるわけでございます。そこでそういう方法をとる限りにおいては、いわゆる所有権者の頭数が多いことによつて借地権者の意向にかかわらず多数を制する、こういう形にはなり得ないのであります。
○田中一君 そうすると例えば組合設立の場合、これをやろうという場合、反対する者、その反対する者というものは二色ある、所有権者のうちの反対をする者もあるし、借地権者のうちの反対をする者がある、その二つの反対のうちの三分の二以上の議決ということになると、借地権者のほうが三分の二以上の同意を得て反対した場合、所有権者が三分の二以上の同意を得て賛成した場合、これはどうなるのですか、その場合は。
○政府委員(渋江操一君) その場合は成立いたしません。可決にならん、こういうわけであります。
○田中一君 それから反対しているけれども止むを得ず強制加入で組合員とならなければならない。従つて組合を設立した場合にその反対した連中を何か守るような権利を考えておりますか、自分は反対なんだという場合ですが……。
○政府委員(渋江操一君) そういう又強制加入後のその反対組合員の立場を特別に擁護するという規定はございません。
○田中一君 これは組合加入ということ、でき上つた後の権利義務の問題はいろいろ論議されるの手けれども、初めから反対しているという場合は何か守らんでいいでしようか。土地収用法ではどうなつておりますか。その点は土地収用法の場合ははつきり強制されるのですか。
○政府委員(渋江操一君) 問題は、反対している組合員を反対するが故にいわゆる不利な取扱いを受けることがあつてはならない、これは当然であろうと思うのです。それでそういう例えば換地計画の上においても、組合の設立、事業の施行そのものに反対している組合員なるが故に特別に不利な取扱いを受ける、これは許されないということになるだけでありまして、それ以上の組合運営の方法においての特別な保護措置というものはこれは必要ではないのじやないかと思つております。
○田中一君 二十七条の役員のうち、組合員外から総会の決議を以て役員をきめられるという場合はどういう場合を想定しておるのですか。それと三項と四項ですね、この二つの関連を……。三項と四項です。片方では組合員外からも総会の決議で選出することができる。片方は組合員でなくなつた場合は理事、監事はその地位を失うというこの二つの考え方です。
○政府委員(渋江操一君) 三項の但書の「特別の事情がある場合においては、定款の定めるところにより、組合員以外の者のうちから総会で選任する」、これは後にも公共団体の施行の場合に、土地区画整理審議会の委員の選任の場合にも同様の考え方が出て参りますが、いわゆる土地区画整理事業運営の特別経験者という者をこの役員として参加せしめることができる、こういう途を開いているわけであります。そこで四項の規定でありますが、但書以外の本文の規定に基いて組合員の中から選挙された役員、これが組合員の資格を失つた場合には当然役員の資格を失う、これは当然であろうと思います。
○田中一君 わかりました。七項はこれはリコールの問題ですね。
○政府委員(渋江操一君) その通りであります。
○田中一君 これはこのリコールは過半数の同意ということになつていますが、これは片方では今までずつと三分の二の決定になつていますが、これは過半数の考え方ですか、或いは従来こういうものに対するこういう形の……、土地改良法ですか、あれにもこういうふうになつているのですか。
○政府委員(渋江操一君) この三分の二以上の連署という条件を解任請求の一つの条件に規定しているわけでありまして、組合員の三分の一以上の連署ということを規定しております。そこでこの三分の一の連署の方式は、現在の地方自治法の規定等を参酌いたしまして規定いたしたものであります。
○田中一君 そうするとこれは組合員が組合員の権利を行使する場合リコール制が一番大きな問題になると思うのです。ほかのことは話合がついても、人の問題については常に現在でも紛争が起きているわけです。そこで又私はくどいかも知れんが、組合員というものは、さつきのお話では設立された組合の組合員という……、組合ができたから組合員になるわけですが、この際所有権者のほうの数と、それから借地権者のほうの数とこれは同数でないものがたくさんありますね。同じ比率で五対五というものでない場合があるですよ。そうするとさつき伺つたのは、組合員になつて、組合員の中から分筆をする、そうして所有権者が殖える、これはやはり組合員です。そういう方々もやはりリコールをやる場合は三分の一というもので数が殖えて来ますから、おのずから……、常識から言つて大地主があるようなところとしますと、地主側は人数が少いのです。借地権者のほうか数が多いところが多い。そうすると地主はこれに対抗するために自分の親戚縁者に向つてどんどん土地を売つて行くのです。そうして新らしい組合員が生れるわけです。その組合の土地区画整理事業を行なつている最中に……。こういう場合、そのやはり三分の一というものでリコールする場合、どうも初めの組合設立のときの組合員の構成の現状と違つて来て、借地権者のほうが不利になるようなことが多いのじやないかという考えを想像するのですが、そんなことはありませんか。
○政府委員(渋江操一君) 結局組合員の基本数が今お話になつたように分筆を作為的に行うことによつて殖やす。その結果として解任請求の条件も充たし、又解任請求の結果としての投票の上においても多数を制する。こういうことを懸念してお話があつたようでございますが、この規定といたしましては、これに対する可否の投票につきましては、組合員全員の投票に付しておるわけでありまして、今お話のような作為的の分筆を制限する、そういつたようなことは考えておらんわけであります。いわゆる分筆の必要が作為的の理由によるか、そうでない形のもので行われるか、これは田中委員のお話の例の場合は作為的に行われる場合を仮定してお話のようでございますけれども、私どもは現在まで行われておる土地区画整理事業の運営から見て、必ずしもさような設例の方式のみを前提として制度を立てることが果していいかどうか、これについては必ずしもそう考えておらんわけであります。
○田中一君 今まで組合でやつたのが全国で数千個所、東京でも私が知つているのは八個所くらいあつたと思うのですが、その場合うまく行つているものもあります。併しまづく行つているところは、やはり大体土地の所有者だけが組合員になつている関係上随分作為的ないろいろ荷と言いますか、区割なんか不公平が行われているのです。そういうものがあるとするならば、組合施行というものは非常に危険なんですね。結局力の強い者が勝つ、押通すということになるのですが、これは止むを得んでしよう。自分の事情によつて自分の私有地を売つたり買つたりすることはあり得ると思うのですが、何かそこにないものでしようか。やはり設立した当初の組合員というものの意思というものは、やはり事業の清算に至るまで一つ貫いたところの意思が欲しいと思うのです。途中にその権利者が変つたり或いは分筆をしたり、権利者が変る場合にはまだいいのですが、作為的に分筆されて、自分のほうに有利な組合員をうんと殖やす、そうして決議権を行使するということがあり得るとなると、何か組合設立の本当の当初の精神というものは、その清算まで同じような気持で行かれるということがいろいろな意味の問題を残さないと思うのです。そういう点考慮に入れておりましたか。
○政府委員(渋江操一君) 先ほどの問題に又遡るわけでありまして結局組合の重要事項の運営についてはできるだけ所有権者、借地権者というものの利害は、所有権者は所有権者、借地権者は借地権者という多数決の上で解決して行くような方法でこの議決を行なつて行く、こういう特別事項の規定が二十何条でございましたかあるわけでございますが、その程度に考えておるわけであります。
 役員の選任、解任請求のお話もございましたけれども、役員の権限、これも或る限定された範囲内においてこの法律で以て権限を任されておるわけであります。重要事項は総会に委ねられる、その総会のうちの又重要な組合運営に関する事項は特別総会に委ねられる、こういう形になつておるのであります。
○田中一君 組合員の権利義務の移転ですね、二十六条の……、私はそこまでは個人の私有財産に対する制限は持てないじやないかと言われればそれ切りですがね。今言う、例えば地積というものがきまつておつて、或いは宅地の面積がきまつておつて、定数があるならいいのですけれども、やはり借地権者一人が一票行使できる、所有者は宅地の大小にかかわらず一票の権利を行使できる、総会というものはそういうことでしよう。地上権者の総会、借地権者の総会というものが別々に開かれる、それで両方のもので以てものをきめるという総会でないと思うのです。これで見ますと、やはり借地権者が十人で所有者が五人の場合には、少くとも総会においては十人の借地権者の意思というもののほうが通ると思うのです。それは通らないですか、どうなんです。
○政府委員(渋江操一君) 借地権者の頭数と所有権者の頭数と同じである場合の取扱い、借地権者の議決権も所有権者の議決権も同じ取扱いであります。
○田中一君 その場合に借地権者が十人で所有権者が五人の場合には、借地権者の十人の意思のほうが通りやすいですね。そういう場合に今度は所有権者が自分の所有地を分筆して十五人に分けるのですが、そうする場合に、今度は地主のほうの権利が総会においても決定されるということになる。これは少くとも最初に総地積の面から考えられて一二分の二以上の同意を得てでき上つた精神を歪曲されることがあるのじやないかと思うのですよ。それを防ぐような方法、いわゆる最初の組合設立の意思というものが後に権利者の数によつて左右されることがあると困ると思うのです。そういう点を守る意味の何かの方法を考えておらないかということです。
○政府委員(渋江操一君) 設立当初のつまり事業計画なり定款が貫けないかどうかということに問題がかかるのでありまして事業計画そのものを立てるときの同意の取り方については、十八条によつ三二分の二以上のそれぞれの権利者の同意を取るのであります。それでその事業計画に従つて区画整理事業としては行われて行く。先ずその基本に従つてという前提に立つてものを考えておるわけなんであります。御心配になつた点が心ずしも全面的に果してそうでないということを私ども強弁するわけではございませんけれども、少くとも事業計画の決定、これが基本になり、それから定款が基本になり、それによつて組合運営が行われて行くという建前になつております以上、それでその定款なり事業計画というものが所有権者、借地権者のそれぞれの権利者ごとの同意を取つて動かされておる以上、先ずこれを以て私どもはそれぞれの借地権者……仮に所有権者、借地権者の対立が考えられたといたしましても、その同意の上に立つて運営されているものについては先ず公正な立場によつて行われておる、こういうふうに考えて参りたいと思うのであります。
○田中一君 私はその点が一番問題だと思うのです。私が承知している範囲、少くとも我々に訴えて来るものはおおむねそういうものじやないのです。それは現行法の不備と言えば不備でしようけれども、例えばその例は浜松の例にしましても、二十五メーターの幹線道路があつて、その道路に結ぶところの六メーターくらいの道路というものが全部斜に入つて来るのですね、斜に入つて来ている。直角に入れば危険は少いが、大部分は斜めに入つて来ている。こういうようなものは当初の設計を監督するのじやなくして、これは浜松市がやつておる仕事であつても、その当初決定された、市民に提示された案から二転、三転、四転して変つた案が出て来るのです。そして建設省で聞いてみますと、建設省はどうも地元がそういうのならこれは止むを得んのじやないかということを、行つておるのです。従つてそういうように当初計画された事業計画というものが途中で歪曲される。強い地主なら地主の意思が反映して、初めのものと違つたようなものができる危険性が多分にあるのです。こういう点をどつち側にしても、少数者のほうの意思も十分に……、最後の事業計画の決定権は政府が持つていますから、最初の案というものを大きな理由がない限りはこれを尊重するというようなことは、どつかの条文にありますか。
○政府委員(渋江操一君) 当初の問題は、今申上げた通り御了解願えると思うのですが、この事業計画の途中で変向になつたときに、その当初の計画の借地権者の意思が反映したものが歪曲された、こういうことを想定しているお話であります。事業計画の変更は然らばどういう手続で行われるかということになつて参りますと、これ又先ほど申上げましたような三十四条の二項でございますか、これで事業計画の変更についてはやはり所有権者ごとにそれぞれこれは訂正はいたすことになつておりますが……。
○田中一君 第何条ですか。
○政府委員(渋江操一君) 三十四条の二項でございます。ここに書いてございますように、三十一条の一号、二号というのは定款の変更なり事業計画の変更なり、それらにつきましてはやはり事業計画の当初同意を得たと同じような意味におきまして権利者ごとの頭数のそれぞれ三分の二以上を得なければならないという形になつておるわけであります。この結果変更されたものにつきましては、私は、事業計画そのものの決定の上において権利者それぞれの意見というものは、先ず公正に運営されておるものという想定を許して頂けるならば、これについてもやはり同様の考え方はなし得るのじやないかというふうに思うのであります。
○田中一君 これも今の三十四条は二色の権利者ということなんですね。所有権者としての組合員、それから借地権者としての組合員、このそれぞれの自分の村の三分の二以上で決議したものということになるのですね、それを持寄つて……。ところがこれが総会において決定されない場合は変更は駄目なわけですね。今度はそれを総会の決定で以て、分筆で幾ら権利者を殖やしても、やつぱり三分の二という結論ですか。そうすると、殖やせば殖やすほど自分のほうに利益というか、自分の申出が通るということは言えないわけですか。
○政府委員(渋江操一君) 言えるはずがないと思うのであります。
○委員長(深川タマヱ君) 次は四十三ページの初めに第三款というのがございますが、何か質問なさいますか。四十九ページまでになつております。
   〔「進行」と呼ぶ者あり〕
○委員長(深川タマヱ君) 進行いたしてよろしうございますね。では、次は四十九ページの第三節でございます。六十三ページまでになつております。
○田中一君 組合施行の場合と都道府県、市町村の施行の場合の一番大き」な相違点を局長から説明して下さい。
○政府委員(渋江操一君) 先ず事業着手の条件といたしまして、公共団体施行につきましては、都市計画として決定された区域に限るということが一つの前提条件になつております。これは三条の三項に規定をいたしておるわけであります。それから事業計画の事業の発足に対する条件としての必要な手続については、組合施行の場合と大体同様であります。即ち五十二条にありますように施行規程及び事業計画を定めて知事の認可を受けなければならないということになつております。
 それからもう一つの相違点でございますが、事業計画の決定なりそれの変更手続でございます。事業計画の決定につきましては、先ほど組合の場合については申上げました通りでございますが、即ち区域内の権利者の同意を得るという建前になつておるわけでありますが、こちらの場合におきましては、これを二週間公衆の縦覧に供してこれに対して利害関係者の意見提出を待つ、こういう方法をとつておるわけであります。で意見提出を待つた上でこれを都市計画審議会がこの意見書の審査採択に当りまして最終的に決定をする、この点が違つております。従つて権利者の同意に代るに縦覧、意見書の提出、都市計画審議会の審査、こういう手続がこれに対応して公共団体施行の場合には考えられておるわけであります。
 なお団体施行の場合におきます方式といたしましては、勿論施行主体は公共団体それ自身が当るわけでありますが、運営機関として区画整理審議会というものを設置しなければならないことになつております。これが重要な処分の審議機関として或いはこの同意の上で施行主体が処分をする、或いはこの意見を聞いた上で処分をする、こういうふうな規定になつておるわけでございます。これは五十六条の三項に換地計画、仮換地の指定、減価補償金の交付、保留地の処分、これらについてはこの法律に定める権限を行い、その上に立つて施行主体がこの計画の決定、処分の決定をすると、こういう建前になつておるわけであります。従つてこの審議会の構成につきましては、これは大体組合施行の場合の組合役員等に対する選任の方法なり、これに対する解任請求なり、或いは委員の構成の方法なり、それらについてはおおむね同様な考え方に立つておるわけであります。
 大体以上の通りでございます。
○田中一君 これは一番大きな問題は、土地区画整理審議会というものが大きな役目を持つわけなんですが、この数は十人から五十人までの間で以て政令の基準できめる、それから同時に工区ごとにも持つてもいい、持たんでもいいということですね、浜松市なら浜松市の全部を一工区と認めてもいいし、一つの区で持つてもいいということなんですね。そこで委員が……、従来こういうのがあるのです。現在土地区画整理委員というものは市会議員であり、それから市会の建設常任委員長であり、又は市会議員であつて審議会の議長である。そうして区画整理にかかつているというような少くとも公共団体の事業を行う場合、その理事者と目されるような人たちが区画整理委員に、一応その工区の利害関係者であるといつて選出された場合、こういうことが現在はあるのですが、そういうものはどういう形で以てこれは規制していますか。今度の新らしい法律ではそういうものは止むを得んという考え方ですか。
○政府委員(渋江操一君) 別に規則をいたしておりません。
○田中一君 私はこれが非常に重大だ一と思うのです。今まで各戦災都市の区一画整理がスムーズに行かないという理由は、一面において審議会において市日長以上の権限を持つ審議会議長なりがその地区における利害関係者であるという意味から、区画整理委員を現在やつているのがあるのです。こういう場合に直接区画整理審議会の委員としての役目のほかに、自分の事業遂行の当事者なんですね。それが若し市議会の建設常任委員会の委員長であるという場合には、そうした位置が非常に強く出て来まして、同じ人が二つの身分で、小さいところへ行けば行くほど政治的な圧力が非常に強いということが多いのです。そういう場合には少くとも市議会議員としてその市なら市の行政に参与している者がその土地区画整理審議会の委員を兼ねるということが、却つて不明朗なものを生む原因になるのじやないかと思うのです。こういうところは何か一つ全国の実情についてお考えになつたことがありますか。私はこの点だけは何とか考えられて、一定のわらじを穿くような形で審議会というものに圧力を加えないような形にして一欲しい、こう思うのですが……。
○政府委員(渋江操一君) この施行地区内に少くとも所有者、借地権者として、この権利者としている以上は、それに対する選挙権なり被選挙権の上の取扱においてはやはり同一に考えて行くべきではないか、選挙権、被選挙権の上で差別を付けるということはやるべきではないというふうに考えるわけであります。ただ今お話の上で特に言われておしますことは、さような委員の兼任と申しますか、権限を濫用する、兼任している他方の地位の力を濫用すると申しますか、そういう点が心配されるというところでございまして、それは選挙権なり被選挙権の資格の問題では私はないのじやないか。従つてさような構成の上に立つた審議会の運営なり活動が公正に行われてない、つまり地区内の所有権者なり借地権者なりの意思を公正に反映する形になつていない、こういう場合をどういうふうに救済するかということに結着するのではないかというふうに考えちれるわけであります。その点はやはりそういうことが相当の具体的な事実になつて現われるということが立証せられるならば、それを理由にして解任の請求なり、そういう方法をとられて然るべきではないかというふうに考えております。
○三浦辰雄君 この審議会にはいわゆる土地の所有者、借地権者が出るのですね。結局施行面積というか、その面積の割合において或る程度政令でそれを明らかにして出させる、こういう説明であつた。そこで前々から私はときどき触れているのだから想像が付くでしようが、借地権以外の地上権者ですね、これはいわゆる過小宅地等の関係においては換地となり、或る場合においては建物によつて代る場合があるとさえ考えているのですね、その処分については……。ところがこれの審議をされるところの審議会というものについては全然ノー・タッチなんです。それでいいか、こういう問題は初めから私は疑問なものだから、借地権以外の地上権者をどうするどうするということを随分聞いているのですが、従来の土地整理、耕地整理、こういつたようなことであればまだいいですけれども、いわゆる宅地行政、この目的となつている土地区画整理というような広範囲な事業をやるといつたような場合においては、私はそういう面からの利益代表といいますか、そういうものを多くなくともやらなくちやいけないのじやないか。前の未登記の問題については、あれはやはり申告の制度も与えてあるししておりますから、これはもう借地権者はそれでいいですよ。つまり実際上は借地権と選ぶことのないような宅地についての地上権者、これについては全然そのいわゆる分け前にあずかるという途は、しまいのところでこしらえているけれども、大事な計画なり審議の際につ捌いてはノー・タッチで、全部外側にあるわけですね、これについては一体どういうふうに考えますか。
○政府委員(渋江操一君) この点はやや同じ趣旨の御質問が衆議院のほうでもございまして、その点は私どもも御意見をいろいろの意味で傾聴しておつたわけでございますが、事業計画が根本になつて参りますので、この点については利害関係者の意見提出ということの処理の上でかなり慎重な手続をとらなければならないということを先ず第一に考えているわけです。それが一つと、それからもう一つは、これは施行規程その他のきめ方によつてきまることになると思いますけれども、いわゆる学識経験者委員というものを或る程度活用して頂くということに考えて行かなければならんというふうに思つております。で五十八条の第三項にございますように、委員の構成につきましては所有権者、借地権者等からそれぞれ選任される委員のほかに、五分の一を超えない範囲内において学識経験者から選ばれる委員というものをその中の構成員とすることができる建前になつております。これは施行規程でそれぞれ定めなければならないことになつていると思いますが、さような中立委員を、或る程度借地権者以外の保護を図らなければならないという意見を反映せしめる方法として、これを活用することがその一つではないか、こういうふうなことを申上げておるわけですが、大体審議会の運営の上或いは事業計画の決定の上においての、只今お述べになりましたような権利者の意見の反映の仕方、取扱方というものはこういうふうな考えで行つているわけであります
○三浦辰雄君 そうすると今の借地権以外の地上権者の場合は、縦覧に供された場合それについて意見を述べる、この意見は知事のほうへ持つて行くわけですね。そうするとこの意見があつた場合には、これを都市計画審議会に知事さんのほうでは下渡しになる、こういうことによつて修正を加えるということ、若しそれの借地権者以外の地上権者の言分が正しいとなれば、当然修正を加える、或いは命ずる、こういうことは予期しているわけですか。
○政府委員(渋江操一君) はあ、勿論知事の裁定にかかるわけでございますが、知事が相当の理由ありと認め、そうして都市計画審議会がその意見を採択した場合においては、それに従つた修正を加えなければいけない、こういうことにいたしておるわけであります。
○三浦辰雄君 都市計画審議会というのは、今日の規定によりますと議員さんみたいなものが非常に多いわけですね、いわゆる有力者……、そういう世話焼きと言つては語弊がありますけれども、そうい連中の事なかなか聞きに来るのじやないか。つまり大の虫を助けるために小の虫をといつたようなことであれば、非常にこの運用に当つては文句が起きる問題があるのです。私は運用さえよくして頂けば、この法律で以て特に他の地上権者に対する条項を保護する意味において書くということもなかなかこれは容易でないたろうとは思つているが、是非この運用については私はその点を十分監督の立場にある建設省としてはやつて頂かないと、戦後殊に複雑になつているもろもろの地上権者の連中の不満を非常に買うのじやないか、私はこれを恐れるものですから気になつてしようがないのです。この公共団体施行ともなるような区域においては、或いは行政庁施行の区域ともなれば、そういう問題は実際問題として私は非常に出て来るだろうと思うのです。この点を特に御注意願いたいことを附加えて私の質問は一応打切ります。
○政府委員(渋江操一君) 衆議院の御質問がありました際も、その点は殊に借家権者の保護という立場におきまして強く論議されたわけであります。御趣旨の点は十分私どものほうにおきましても衆議院の御意見と併せて考えて参りたいと思つております。
○田中一君 五十八条の宅地の所有者と借地権者、これがおおむね比例しなければならんと書いてあるのはどういう意味ですか。同夜ということはどうして書かなかつたんです。
○説明員(鶴海良一郎君) おおむねという字を挿入いたしましたのは、一つには施行地区内の権利者の数というものは権利の譲渡その他によりまして絶えず変動いたすわけでありましてその変動を常に追つて行くということは不可能でありましておおむねという字を入れました。もう一つは、委員の数は非常に少いわけでありますから、ぴつたりと比例するということはできない場合が多いわけであります。大体比例するということにいたしております。
○田中一君 そうするとさつき局長が説明したように、やはり三分の二以上の同意で以て出されるもの、分筆されたものの組合員の増加で以てやはりこういう工合に変つて来るのじやないですかね。この結果において委員も同数でないとね。五対三の場合もあれば十対十五の場合もあるということになると、いわゆる審議会の議決といものは片寄る危険が多分にあるのじやないかと思うのですが、そういう点どうですか。
○政府委員(渋江操一君) 先ほどの御質問のときに当初の委員の、つまり権利者ごとの構成の比率、これが変るごとに、作為的に変えられることによつて当初の意思を、事業計画が決定された当時の権利者の意思を正当に反映しない運営の仕方になるのではないか、こういうことであつたわけでございましてその点はむしろ私どもは逆にそういう作為的なことによつて歪められない形で運営されることが望ましいということで、こういう意味で私ども考え方なり、法案の考え方を申上げたわけであります。その点はこの場合についても同様であろうと思います。即ち五十八条の第一項におきましては、借地権者、所有権者の頭数におおむね比例した形で審議会の委員の定数がきめられて行くということを規定しているわけであります。作為的にその後に歪められるという結果としまして、今鶴海説明員が申上げましたように、いちいちそれを追うことは困難である、追わない形で、できるだけ当初に比例の形を持つて行きたい、こういうことでありますから、考え方としては前の場合とこの場合と同じ形で貫いている、こういうふうに御了解願いたい。
○田中一君 ただ同じ考えを貫いているから、貫いた結果五対四というようなことが出るのじやなかろうかと思うのですよ。今言う若しそうなら、その考えで行くなら五対五という比率をちよつときめておいたらそういう問題はないのじやないですか。
○政府委員(渋江操一君) 只今鶴海説明員から申上げましたように、これは特に理想からいえば権利者の定数通りの形へ委員の定数も比例的に収められればそれに越したことはないのであります。それが実際問題として困難であるということを申上げたのであります。それだけの理由でございます。
○委員長(深川タマヱ君) 次に進みます。(「異議なし」と呼ぶ者あり)それでは六十三ページの初めの第四節でございます。
○田中一君 その前にちよつと一点だけ伺いたいのですが、六十五条の評価員ですが、評価員は大体どんな人たちが評価員になるかという考え方を、評価員とはどういう人を想定して考えられたかということ、これは聞いておきませんととんでもない評価員が出ると困るから速記録に残す意味で……。
○政府委員(渋江操一君) この六十五条に規定してございますように、土地、建物、即ち不動産評価について、経験を有する者ということを規定しておりますが、私どもの考えておりますのは、信託会社或いは銀行、税務関係者等で不動産評価に相当の実務経験を持つている人、こういうふうに考えておるわけであります。
○田中一君 そうすると例えば宅地建物取引業法で規定されておるところの業者ですね、こういうものも「土地又は建築物の評価について経験を有する者」なんです。それでこういう者はそれへ入りますか入りませんか。
○政府委員(渋江操一君) その不動産取引法の対象となつておる土地会社とか、そういつたものは実は考えておりませんで、むしろそれよりも裁判所における鑑定人、そういつたような資格条件を持つておると同じような経験者というものを一応考えておるわけであります。
○田中一君 そうすると宅地建物取引業法による業者というものは好ましくないという考え方でいいのですか。この法律を作る場合には、それを……。
○政府委員(渋江操一君) 端的に申しまして、土地ブローカ1のごとき者は、これは好ましくないというふうに考えております。
○委員長(深川タマヱ君) では六十三ページの初めの第四節に帰りましよう。
○田中一君 公共団体の場合との大きな相違点をもう一遍説明して下さい。
○政府委員(渋江操一君) 行政庁施行の場合におきまして公共団体施行と違います点は、これは又前の三条に戻りまして、事業着手の条件というものが違つております。三条の四項によりましてその点は詳しく申上げましたので省略させて頂きます。この事業計画、施行規程につきましては、これは地方公共団体の場合と大体同様でございます。行政庁施行でございますので、施行規程を形式上建設省令或いは府県市町村規則という法令形式をとるという建前にいたしております。これは公共団体施行の場合と違いまして、いわゆる議会議決を必要としない法令形式をとつてきめて行きたい、こういう意味でございます。
 それから施行規程につきましては、なお只今申上げましたような議会の議決を必要としない法令形式をとります関係からいたしまして、公共団体施行の場合におきましては、事業計画につきましては公衆の縦覧に供するという方法をとつておりますが、施行規程そのものにつきましては議会の議決によつてきめられた以上、もはや公衆の縦覧に供するというような手続を考えておりません。併しこの場合におきましては、これを施行規程についても事業計画と合わせまして公衆の縦覧に供するということにいたしております。
 なお審議会をやはり行政庁施行の場合につきましても置くことにいたしておりますが、審議会の構成なり権限なりにつきましては大体公共団体の場合と同様でございます。
○田中一君 この際、施行規程及び事業計画の決定とか変更には意見書が出た場合には、都市計画審議会に付議しなければならんということになつておりますが、こいつは現在この都市計画決定予定地域、指定地域には全部都市計画審議会ができておりますか。
○政府委員(渋江操一君) 都市計画審議会は都道府県単位に置かれておるわけであります。
○田中一君 ですから全部持たれてありますか。
○政府委員(渋江操一君) 全国都道府県ごとに必ずございます。
○委員長(深川タマヱ君) それでは次の六十八ページの真中の第三章の第一節を御質問下さい。八十八ページまででございます。
○三浦辰雄君 この「測量及び調査のための土地の立入」ですね、これはよそのほうでもよく問題になるんですけれども、ここには他の人の占有地と、こうなつておりますが、この区画整理の対象とする場合においては、いわゆる宅地外と申しますか、国だとか公社とかこれに準ずるようなものですね、鉄道なり、こういつたような土地がありますね。これについてはおのずから市町村長が管理者なんですね、これを見ますと。管理者と言いますか、「区域を管轄する市町村長の認可を受けた場合において」と、こういうふうにして、大体市町村長の認可を建前にずつと来ておるようでありますが、この問題はとかくこういつた場合に管理者たる国なり鉄道なり、こういうところからよく異議が出て問題になるようですが、この場合はあれですか、この条項については大蔵省或いは鉄道公社等の了解の下にできているんですか、その点について不便はありませんか。
○政府委員(渋江操一君) この立案に当りましては各条項、ことにそれぞれれ関係各省と協議をいたしております。いずれも同意を得た上でこの立案決定をいたしておりますので、異議はないと思います。
○三浦辰雄君 まあそのお言葉の通り聞けば問題はないような答えなんだから問題はないと思うが、実際問題といたしましては、私は国の管理している土地についてとかく問題になつている実例が従来たくさんあるんですね。そこで私はこの点を聞いているんです。というのは、前の何条でありましたか、前のところではそれぞれ所有者の同意を得る、だから鉄道の同意を得る、国の同意を得る、大蔵省がですね、そういう同意を得ることを建前としてこの事業というものは計画を進めなければならんということに規定しておりますね、ですからいいというのかどうか。私はただ立入についてはやはりあれと同じような方向で一条設けないと、実際問題として支障ができて計画者が困るといつたようなことが何か起きそうな気がするから聞いておるわけです。
○政府委員(渋江操一君) 事業計画そのものにつきましては宅地以外の土地を管理するものの承認という規定が第七条にございますが、即ち施行地区に編入される場合におきましては、国有地或いは公共施設用地それぞれの管理者の承認を得てこれを実行に移すわけでございます。まあそういう関係が区画整理事業施行のための立入におきましては、殊に今御指摘になりましたような国有地或いは公有地、公共施設用地というものに立入る場合においては、大本その地区に編入されている場合が多かろうと思いますので、そういう関係については摩擦はない、こういうふうに考えるわけであります。
○田中一君 七十五条ですがね、「技術的援助の請求」というのがありますね。これは法文化しなければこの援助が求められないのですか、求められないという理由はどこにあるのですか。
○政府委員(渋江操一君) 事実問題としてはないと思います。ただ併し個人施行或いは組合施行の場合におきましては、公共団体或いは行政庁の場合と違いまして、これだけの権限を持つということは、やはり一応法律に規定することによつて意義があるのではないかというふうに考えます。
○田中一君 でも相手が市町村なり国が、お前勝手にやつておるのだからおれは知らんぞと言つたのだつたら拒める、この法文で見ると。これに対して請求はあるけれども向うが承諾しなければ事実上できないのじやないですか。
○政府委員(渋江操一君) まあこれはそれぞれ施行者になつております個人なり組合にこれだけの権限は与えたわけでありますから、まあ正当な事由がない限りこの請求を受けました側としては拒めないということは当然運用上考えるべきだと思います。
○田中一君 この七十五条のこの法文で拒めないということが言えるでしようか。私はこれじや言えないのじやないかと思うのですがね。拒むことができるということのほうが強いのじやないかと思うのです。若し法律をお作りになつたあなた方がそういうお考えならば、何かそこに当然拒めないという……、正当な事由がない限りはそれを拒むことができないというのがあるならば今の御説明で満足しますが、この場合でいうと、ただ嬉しがらせのために法文に載せたに過ぎないのじやないか、こう思うのです。
○政府委員(渋江操一君) これを強制するというところまではこの規定の上では考えるわけにはそれは今のお説の通り行かんと思います。
○田中一君 じやどうしてこれを入れなければならない理由があるのですか、制限規定ですか。
○政府委員(渋江操一君) この技術的援助を受けられるか受けられないかというときに、規定しないでいわゆる個人施行者に対してもそういう方法はありますよということで個々的に考える場合に、かような規定をはつきり規定しておくこととは、やはりそこに差異はあると私どもは考えておるわけでございます。
○田中一君 全く個人施行者行者の場合でもちやんとこの法律に則つて許可を受けて認可を受けてやつている仕事なんですから、やはり強制規定に準ずというぐらいのものがなくてはただ嬉しがらせの法文になつてしまうのですね。併しながら求められた場合には正当な事由がない限りはそれを拒むことができないとか何とかいうことにならなければ、どうもあなた方が考えられている目的が達せられないと思うのですよ、どうですその点……。
○政府委員(渋江操一君) 今後の運用に待つべき問題だろういうふうに考えております。
○三浦辰雄君 しつこいようだけれども、さつきの七十二条の後段ですね。つまり鉄道の公社だとか国の所有地の所へは市町村長の認可を受けた場合はいいんだ、それでいいかという問題ですね。でそのときのあなたの説明の中には、事業計画を立てるときにその承認を受けるのだからもういいのだというような意味で、つまり前段の施行する場合のときのことについての説明みたようなお話がございましたが、一体その区画整理事業をやろうかやるまいかといつてその人たちの同意を求める、承認を求める前の予備行為というものがこの後段に書いてあるわけですね。これは予備行為なんだ、従つてまだ承認を得ていないのですよ。あなたは実施のときは承認を得た後だからいい、成るほどとも思えるけれども、これはまだ承認を得ていない前に踏込んで、よその管理者が、而も管理を受持つていないところの市町村長の認可を受けたからといつてやたら踏込まれてはかなわない、ということは私は恐らく了解しておりません、私はしていないと思うのです。この種類の問題は、下らんことだけれども、いつも問題になるのはそういうことなんだ、私はその点が一つおかしいのと、それからこの七十二条のところの最初のところに「建設大臣、都道府県知事又は市町村長」と、こうある。で今の事前に予備調査に入る場合のときに認可を受けるのは、市町村長の認可を受けた場合にできるというけれども、例えば東京とか何とかそういうようなところには市町村長に当る者は何なんですか、この二点。
○政府委員(渋江操一君) お話のように、まあ御質問の前段の点はまあそういつた意味では成るほど御質問の趣意かう旧しますれば、二の海軍といえども他の立入権の場合と同権に未解決の部分があるかも知れません。まあ併し法律の規定としては市町村長の許可を受け、而して五項に「正当な事由がない限り、第一項の規定による立入を拒み、又は妨げてはならない。」と規定しておるわけですが、これもほかの立入権の場合と同様であります。同様でありますが、法律の規定としてはこの程度で現在処理するよりほかに方法がないのではないかというふうに考えております。お話の第二点の東京の場合、土地区画整理事業の場合等における市・町村長の認可に相当する権限を持つておる者は誰かということでありますが、これは地方自治法の規定によりまして、条文はあとで御説明いたしますが、市町村長をそれぞれ区長に読み替える自治法の規定がございますので、それによつて区長の許可を受くべきものと考えております。
○説明員(鶴海良一郎君) 地方自治法の二百八十三条によりまして、特別区につきましては市の規定が適用になつております。それによりましてこの市町村長とありますのは区長ということになります。
○三浦辰雄君 今の法文の読み替えの問題はわかりましたが、前段の問題は六項にも関係があるのです。つまり公有地、大蔵省所管の公有地、或いは鉄道の用地、この中に入つて行つて、或いは伐採してしまつても遅滞なく届出ればそれでいい、こうも読めるのですが、この条文だとそう読めるのです。そういうことまでやつていいということは、私はあなたは法律の建前上はどうというけれども、これは今までの少くとも関係ではそういつた権限もないところの市町村長にその許可をもらつた人がやたら鉄道の中に或いは大蔵省の雑種財産なり大蔵省の所管の用地の中に入つて来て、市町村長の何というか、とんでもない筋違いの認可を持つて来てそうしてここへやたら立入つて来る、そうして場合によつては切つてしまつて遅滞なく届ける。こういうことはこの法律自身としてもやり得ないというようなことではないかと思うのですよ、管理者じやないのだから。
○政府委員(渋江操一君) 立入調査のための条件としましてはこの六項に、只今御質問ございましたような、現状を著しく損傷しないときにおいてはこの区長の認可によつて伐除することができるということにいたしておるわけであります。そこでお話のように、かような行為が管理者の同意なしに市町村長の認可の結果として行われることが如何かという問題でございます。あそのために「現状を著しく損傷しないときは、」ということにいたしておりますが、この一原則が仮に国有地或いは公共施設用地の場合に非常に不合理であるということでありますれば、これは私有地の場合においてもやはり同様の考え方があり得ると思います。そういうことになりますれば、かような場合においてはいずれも市町村、長の許可主義からむしろ占有者或いは管理者の同意主義に変えるべきである、こういう立法論になるわけであります。現在の立法論の建前としましては市町村長許可主義というふうに一応なつておりますので、土地収用法その他の関係も睨み合せまして一応同様の立法の仕方をとつたわけでございます。
○石井桂君 七十六条のことをちよつとお聞きしたいのですが、建築行為等の制限については、今回の法律改正によりまして現行の場合と変りがございませんでしようか。
○説明員(鶴海良一郎君) 現行法と趣旨においては変りありませんです。ただ、現行法では簡単に規定されておりますので、これをいろいろな条件を明らかにして規定をしたということになつております。
○石井桂君 現在区画整理事業が非常に長引く状態にありまして、長いのは五年くらいかかつておるのがあります。その間告示されて最後の決定まで建築工事をとめるということも非常に実際上できないというので、実際は半年とか一年とかいう期間だけが守られておるという現状なんです。そういう趣旨と変りがなければ何も意見ないのですが、こういうふうにお変えになつて、そうして実際にはどういう期間ぐらいを予想して建築を禁止するか、そういうお見込があつたら一つ御説明願いたいと思います。
○政府委員(渋江操一君) 七十六条の運用におきましては、法律上の要件といたしましては、それぞれの区画整理事業の施行についての計画決定認可の公告があつた目以後換地処分の完了に至るまでの間ということに制限をする期間を定めております。で、その期間をできるだけ短縮することがお説の通り必要なことだと私ども考えております。ただそれに対する許可の上での建築物の建築行為は許すと、こういう建前になつておるわけでありますが、その点についての運用の上でお話になつた点は、この規定の今後の運用の問題になると思いますが、私どもといたしましては、全体的な運用の上では現在の状況と別段変える考えはございません。
○三浦辰雄君 今の七十二条にこだわるわけではありませんが、後段の市町村長の認可を受けた場合というのは、東京都あたりではどこにそういうお尋ねをしたらいいのか。それは地方自治法の二百八十三条だと、こういう御説明があつた。で、二百八十三条というものは、「この法律又は政令で特別の定をするものを除く外、第二編中市に関する規定は、特別区にこれを適用する。」といつて限定された、地方自治法の第二編の市に関する部分だけに限定してここに言つておるように思われるのですが、若し何でしたら法制局の方もおられるようですから説明を受けたほうがよろしいのですが、先ずあなたのほうはどうですか。
○政府委員(渋江操一君) 調べましてあとでお答えを申上げます。
○三浦辰雄君 法制局の方がおられたらこの説明を聞いてどんどん進めたいと思うのですが。
○田中一君 七十五条の技術的援助の請求のことを伺つたときにどうもこれはおかしいと思つたのですが、土地改良法の第七条の三に「第一項の規定により申請をする者は、土地改良事業計一画及び定款を定めるため、都道府県に農地の改良、開発及び保全に関し専門的知識を有する技術吏員の援助を求めることができる。」、四項には「都道府県は、正当の事由がある場合を除いて、前項の規定による請求を拒んではならない。」、こういう規定がある。こういう規定があるのになぜそれを入れないかということ。これはちよつとあなたさつき僕は不満足ながら承知したのですが、土地改良法にこういうものがあるのでありまして、それはやはりこういう規定を入れなければ、これは単なる嬉しがらせの法律なんだよ。これは無論初めから認可を受けてやる事業ですから、これに対しては局長のさつきの説明だけでは、こういう事例がある限り私は承服できんと思います。
○政府委員(渋江操一君) 立法論としては土地改良法が勝つておるかも知れません。私どもの考え方としては、できるだけ、その規定はございませんが、そういう運用の方向に持つて参りたいというふうに考えております。
○田中一君 これはほかの与党の諸君もおるから石川さん……、こういう問題は土地改良法にはつきり私の疑問に思つたことが規定して法律化されておるのだから、この法律はこれはあとに出て来た新らしい法律なんで、我々も非常に期待しておる法律だから、こういうものが抜けておるということは、これは私はどうかと思う。局長に改めて申しますが、まだ衆議院で審議中なんですから、間に合うから、この一項を入れたらどうですか。
○政府委員(渋江操一君) 別に原案にこだわる気持も持つておりませんが、これはむしろ委員会の審議のことに関することでありますから、審議の結果を受けるという考え方にいたしたいと思います。
○田中一君 この問題は改めて総括質問でやります。
○説明員(鶴海良一郎君) 只今三浦委員の御質問に対しまして区長の権限を、区長がやる場合の根拠法規について御説明申上げましたが、条文の引用を誤つておりましたので、ここで訂正さして頂きます。自治法の二百八十一条の二項の二号の規定によりましてさようになるわけであります。
○田中一君 七十六条の四項のこの一項の規定に違反したときに、相当の期限を定めるとはどのくらいの期限を考えておりますか。土地区画整理事業の施行に対する相当の期限とはどのくらいと考えておりますか。
○政府委員(渋江操一君) する障害排除、原状回復命令の期限の一定め方でありますが、相当な期限と申しますのは、建築物或いはこれらの問題になります工作物の移転に、撤去に必要と認められる期限というものを考えておるわけでございます。
○田中一君 私はその項の一番おしまいに、「あらかじめ、それらの者について聴聞を行わなければならない。」ということが書いてあるのであつて、その猶予期間というものは、その物件の違反を発見した、取れといつて直ちにという意味には私は考えていないのですが、若しもそれを除去する期間なら直ちにということになるのですね、そうして無論直ちに取りこわしてしまう、終るまでには相当の期間になるという意味にはならないと思う。やはり何というか、期限付でこれは取りこわしをするということのように考えるのですが、そういう場合にはどういう条件のことを想定しているのですか。
○説明員(鶴海良一郎君) 七十六条の第四項の「相当の期限」でありますが、これはやはりその工作物の除去に必要な期限と申しますのは、建物等に人が住んでおるという場合に、その日からすぐ他に住むということはできないわけでありまして、社会通念上引越に必要な期限というものはあると思いますが、そういつた期限も見込んでおかなければならない、かように考えております。
○田中一君 物件の取りこわしの期限ならわかりますが、人間が住んでいて、人間が引越する意思がなければ制限はないですよ。従つて一応一カ月なら一カ月、ニカ月ならニカ月というものを想定して期限を切ると思うのですが、どれくらい考えているかと伺うのです。人間の住んでいるものは、例えば区画整理に何ら関係のない借家権者という場合にはどこまでも抗弁します。強制執行するならしてみろという態度というのが多い。そこで考えられている相当な期間というものは何日かと同つているのです。
○説明員(鶴海良一郎君) 人が住んでいる場合の期限をどの程度に定めるかということにつきましては、いろいろ、問題があろうかと思うのでありますが、例えば第七十七条の第三項に、これは第七十六条の規定にいう「相当の期限」ではありませんが、一つの例といたしまして三カ月というものを考えております。これが七十六条の分につきましても参考になるかと思います。
○田中一君 大体三カ月くらいというところに考えていいのですか。それは若し言いたくなければ言わなくてもいいですが。
○政府委員(渋江操一君) 現在までのかような「相当の期限」の判例といたしましては二カ月という判例が出ておるそうでありますが、私どもの運用といたしましても三カ月という程度のことは大体考えております。
○田中一君 それでも従わない場合はどうしますか。
○政府委員(渋江操一君) その場合における措置としては行政代執行をとる、こういうことになります。
○田中一君 七十八条のこの損失補償の問題、これはちよつと説明して下さい。具体的な例を。
○説明員(鶴海良一郎君) 七十八条の損失補償につきましては場合が二つあるのでありますが、一つは施行者が直接執行した場合の損失補償であります。それから他の一つは施行者から照会を受けまして、建物の所有者がみずから移転、移宅した場合の損失補償、この損失補償はいずれも通常生ずべき損失を補償することにいたしておるのでありますが、この中には例えば住居できなかつたことによつて生ずる損失であるとか、或いは営業ができなかつたことによつて生ずる損失であるとか、そういうものを含めて補償をいたすつもりであります。
○田中一君 そうしますとさつき三浦君がいろいろ聞いてい宿家権とか営業権とかそういうあらゆる意味の補償を考慮するということなんですね。
○説明員(鶴海良一郎君) 通常生すべき損失でありますればその種類を問わないわけであります。
○田中一君 そうするとこの区画整理事業をするために自分のところの前の道路を、自分のところは何もかかつていないけれども、自分の持つている上宅地とか自分の持つている家の周辺を掘りくつがえされて、歩くにも非常な困難をするという場合には、そういう場合の精神的な補償、これも考えておられますか。
○政府委員(渋江操一君) これは土地収用法による一般原則に返るわけであります。いわゆる起業損失補償という範疇に入りまして、さようなこの工事の、自分の所有地或いは宅地が公共事業の工事に直接かかつておりませんで、その音のために何するとか、眠られない、そういつたようなことによる損害、出入口が不便である、そういつたことによる損害、これにつきましては収用法の一般原則によつて損失補償すべきである、こういうふうに考えておるわけであります。
○田中一君 同じ七十八条の五項、建築物等について先取特権とか質権とか抵当権がある場合に、あるということを何で認定するのですか。
○説明員(鶴海良一郎君) これは通常の場合には登記によつて認定することになつております。
○田中一君 そうするとこの登記されているもの以外には補償金を供託する必要はないのですね。
○説明員(鶴海良一郎君) 施行者に対しまして対抗できるものであれば供託しなければならないのであります。
○田中一君 併し、そこまでこの法律は親切に考えておりますけれども、そういう今までの法令の例はありますか。どうもそこまで非常に親切に作られておるのだけれども、おのずから個人の貸借関係で以てそこまでこの法律に織り込むというと、すべてのものがそういうような立法例がなくちやならんと思うのです。
○政府委員(渋江操一君) 只今他の立法例を一調べておりますから、あとでお答えいたします。(「進行々々」「異議なし」と呼ぶ者あり)
○委員長(深川タマヱ君) 次は八十八ページ。
○田中一君 ちよつと待つて下さい。八十五条の権利の申告ですがね、これはどういうことに説明するんですか。
○政府委員(渋江操一君) 八十五条の規定は、未登記の権利、それに対する申告の方法についての規定であります。で施行地区内の宅地について所有権の以外の権利につきまして未登記のものがあつた場合、それから権利の移動の結果としましてそれを受けた場合につきましては、これを証明する他の権利者、即ち所有者或いは譲渡前の権利者、そういう者の連署の上で、或いはその他これを証明する書類或いは他の証明する書類等を以てこの内容を施行者に申告する、まあ申告義務を負わしておるわけであります。これによりまして未登記の借地権といえどもこの換地計画の取扱の上においてはこの申告の結果として登記の借地権者と同様な取扱にすると、こういうわけであります。第四項は次の問題といたしまして前段申上げましたようにこの換地計画の前提として借地権を確定すると、こういう必要からこの申告制度をとることにいたしておるわけであります。
○田中一君 そうすると一番最初に僕が伺つたように係争中のものですね、こういうものの権利はどういうことになるのです。まあこの区画整理をするために新らしい係争が生れたものですね、これは非常にたくさんあるように考えられるのですがね、これを一体どういうことに処置して清き一票の行使をさせるのですか。
○政府委員(渋江操一君) まあ権利の係争の薙がいろいろあると考えられますが、権利の対価その他につきまして係争のある場合もございます。ただここで問題になりますのは、その権利の係争の中でも、その存否につきまして係争があるという場合につきましては、これはやはり裁判の係争の確定、即ち裁判所の決定を以て初めて確定する、こういうふうに考えて取扱うつもりであります。
○田中一君 それは相当広い区域に亘つて件数も相当多くそういう問題が起きた場合、そうするとそれは仮に組合の場合でもどの場合でもそのほうが多い場合に一体どういうことになるでしようね。区画整理はしたいんだ、組合は作つた、よろしい、併しながらどうもそういう係争が多いという場合には事実上その仕事はできんことになりますか。それともその権利の行使をとめて仕事を進めて行くんですか。
○政府委員(渋江操一君) 事業の執行は係争があることによつて決して妨げられないというふうに考えております。
○田中一君 この場合係争中の双方のどちらかに権利があるわけなんですね。両方ともないことはまあ稀で、人のものでやつた場合にはあるかも知れないけれども、どちらかにある。正しい一票は権利はあるわけなんですね。そういう場合その権利の停止とか何とかいう問題がなければ、これはおのずから組合なら組合の決定というものは、訴訟が起きたら無効になる危険が多分にあると思う。はつきりその権利が中断されておる、停止されておるということがなければ、あとになつてからあの決定に対しては無効なりということの訴訟が起きても、これを受けて立たなきやならんと思うのです。これは大問題ですよ。従つてその権利の中断、中断じやないな、停止なら停止という何かの規制がなければ、これは問題が大きいと思うのですが、その点どういうふうにお考えになつておりますか。
○三浦辰雄君 関連して。その土地にお互いはそれぞれ権利だと思つておるのですが、だからこそ係争の問題ができる。従つてその権利というものは両方の側から同じ施設で同じ土地そのものについて出て来る。それはそのままとして一方において係争しておる。同じところについて二つの権利が出て来るのですから、同じものをめぐつて、ですからそれはそれとして、いわゆる事業計画といいますか、施行者はそのままを受継いで区画整理に入る、こういうことに行くんだろうと思うのです。そう行くならば田中さんの疑問というものはあえてなくなるのかと思うのですが、その点はどうですか。
○説明員(鶴海良一郎君) 係争中の土地につきましてはその係争のままを換地べ移すというのが区画整理の原則であろうと思うのであります。区画整理によりまして係争を解決するというふうなことは、これは裁判機能でありませんからできな’ので、喧嘩のある土地は喧嘩のまま換地に移つていい、かように考えております。
○田中一君 組合施行の場合にはやはり権利があるんです。例えば組合を設立する権利もあれば、総会でものを議決する権利もあるんです。それから審議会の委員を選挙する権利もあるんです。審議会の委員の場合には、この土地に関係する借地権者か土地の所有権者かどつちかがいるわけなんです。そういう場合に恐らくこれは後に民事訴訟が無効訴訟が起きるということが懸念されるのですが、この点僕は今の答弁じや満足しないから、法制局に来てもらつてちよつと説明してほしいのだがな。
○委員長(深川タマヱ君) さよう取計いいたします。
○石川榮一君 議事進行について。今の田中委員の御質問も相当重大なことと思いますが、今法制局も見えておりませんから、法制局が見えましたときに田中さんに対する答弁をしてもらうとして、次に移つてもらいたい。
○田中一君 八十五条の5ですがね、権利の問題は大きな問題ですから、一遍聞いておかないと困るんだよ、5の場合ですがね、ちよつと説明して下さいな。
○委員長(深川タマヱ君) おいでになりましたら又ここでいたそうではございませんか。
○田中一君 問題は別ですよ。
○説明員(鶴海良一郎君) 五項の規定は、換地計画なり換地処分を行います場合に、どの範囲の権利を取上げてそういつた計画を決定し、又処分を行うかということを規定いたしておるわけでございます。ここで問題になりますのは、それでは申告のない借地権は換地処分を行うと同時に消えてなくなるのではないかという御疑問があろうかと思うのであります。これは決して消えてなくなるのではないのでありまして、換地処分が行われた場合は、換地は従前の宅地とみなされるわけでありまして、従前の宅地に申告のない権利があれば、これはそのまま換地のほうに移つて存在はいたしておるわけでございます。
○田中一君 やはりその組合員として自分の権利の発言権というものは一番大きな問題なんですね。この権利の発言権がないものが、従つてまあ減歩は三分の場合でも四分になり五分になるという場合が考えられるとする、ちよつとこれは重大な問題なんですよ。従つて前段に申上げたところの権利という問題は、議決の無効訴訟が起されるという決定があると困ると思うから伺うわけなんですが……。
○説明員(鶴海良一郎君) 係争中の権利でありましても、権利の存在が立証できるものであれば勿論申告ができるわけでありまして、その申告がある限り組合員にもなれるということになるわけであります。ただ権利を立証するものがない場合には、これは施行者といたしましても、証拠なくして権利の存在を認めるわけには参らんわけでありますから、これは申告を受付けることができない結果になるわけであります。
○田中一君 その場合には、そのどちらのものか知らんが、あつたもの、そのものをどつかの換地で以てそれを認めようというのでしよう。り。それは原品則的な減歩というものは無論受けての換地ですね。
○説明員(鶴海良一郎君) 申告のない借地権がどうなるかという問題でありますが、これは借地権は必ず宅地の上に乗つかつているわけでございまして、その宅地が換地された場合には、減歩があればそれに応じましてその上に乗つております借地権も減歩を受けるという結果になるわけであります。
○田中一君 これはあとから又法制局長から伺います。
○委員長(深川タマヱ君) 次は八十八ページ、第二節からでございます。第二節換地計画とあります。おしまいは百四ページのしまいまででございます。
○田中一君 これは八十六条は大体前にやつたような規定と同じですね。こいつは。法令に違反……、三項ですね。
○政府委員(渋江操一君) 八十六条の三項は、認可、不認可の一つの条件を規定しているのでありましてこれは事業計画の場合と同様でございます。
○田中一君 八十八条の七項ですが、これは土地区画整理事業を行う中に農地又は採草放牧地があつた、それに別の自分の宅地があつたものがそこに換地されなければならない場合、そういうことですね。これは農地又は採草放牧地があつて、換地されたものがそこに移つてしまつたという場合にこの農業委員会の意見を聞くということになるのですか。又この農地又は採草放牧地が実際の適地であるかどうかという問題、土地区画整理地区としていいということを聞くのですか。
○説明員(鶴海良一郎君) この規定は、土地区画整理事業を行います施行地区内に農地が含まれた場合或いは採草放牧地が含まれた場合の規定でありましてその場合には農地又は採草放牧地につきまして原則として換地が与えられるわけであります。その場合にその農地又は採草放牧地の換地につきまして意見書が出ました場合は、これは農業委員会の意見を聞いて処理するということを規定したものでございます。
○田中一君 その意見を聞いてどうするのですか、その意見に従うのですか。
○説明員(鶴海良一郎君) 意見を聞いて処置するわけでありますので、法文上必ずしもその意見の通りにならなければならないというわけではありませんが、立法の趣旨からいたしましてその意見を尊重して処理するということになろうと思います。
○委員長(深川タマヱ君) 法制局から岸田第二部長がお見えになりました。田中委員御質問して下さい。
○田中一君 岸田さんに伺いますが、これは区画整理の土地区画整理法案ですが、御承知のように個人でも組合でも、組合の場合が主として多いのですが、借地権者の群とそれから所有権者と両方からほぼ同数の、三分の二の賛成を得て組合を作るということ、それからすべてそうした形で数の民主的な多数決の原則に則つてものをきめる。ところがその区域内の中にその事業の創設から終りまでの間にどの場合でもいいが係争中のものがある。どちらのものかわからないが、とにかく権利者であることは間違いない。そういう場合にその権利というものはそのままにして置いてどんどん事業進んで行かれる。そうしてまあ片方が係争中に裁判で以て確定した。した場合、今までのような権利の行使ができなかつた分に対して、無論組合員にもなれないはずです、権利者が不明確なんですから、それから総会における議決もできないといつたその場合に、すつかり事業が終つて後でも途中でも、権利が確定した場合には、その権利者から改めて今まで前にやつたことに対して異議の申立をすることが起きるような危険性があるのじやなかろうか。若しも法文上そうした者に対する権利の行使というものを一時とめておくならばこれはその危険はないけれども、それをそのままに、どちらかのものかわからないとして、民主的に組合を運営して行く場合、そういう危険がないかという質問をしたのですが、そんな危険はないだろうと、こう言うのですが、それはどうですか、そういう場合には。
○法制局参事(岸田実君) 非常に複雑の問題を突然聞かれまして、もう少し研究してみないと正確なことは申上げられませんけれども、大体において土地の所有とか借地とかいう関係でございますから、一応登記とか対抗要件等によりまして、第三者がいずれが所有者であるかどうかということは先ず判断できる場合が多いのではないか。併しながら実際問題としては、その土地が係争中のものであつて、後日裁判になつてそれが覆えるというようなことがあるかも知れませんけれども、併しまあ仮に例を挙げましたならば、或る人の土地として登記されておるとすれば、組合が扱います場合にはその対抗要件を持つておるところのその人を一応土地の所有者として扱うということに実際の場合はなるんじやないか、そういう対抗要件も何もなくして、誰の土地かはつきりわからんという場合が実際にあるかどうか、私はよくわかりませんけれども、そういう場合には組合としてはいずれも土地の所有者として扱うことができないのじやないかという感じがするわけでありますけれども、ちよつと答弁になるかどうかわかりませんが一応そういうふうに考えられます。
○田中一君 この法律は大体借地権というものを登記していれば文句はございません。おおむね現在の実情は登記していないのですよ。そこで登記していない場合をどうするかというと、賃貸料でも払つた受取でもあればよろしい、そういう証拠があると……。ところが仮に、殊にこれは戦災都市が多いのであつて、一応とにかく住んでいる。住んでしまつておれば、これは地代は取らないわけですよ。地代を取つてくれと言つても、お前立退けとこう言つて、三年、五年、八年とたつてしまつたところがたくさんあるのです。その場合まじめな人は一定の標準の、自分が勝手に標準の賃貸料というものを供託しておくということもあり得ると思うのです。駄目なやつは、取つてくれと言つても取つてくれない、その場合の条件としてはちよつと一カ月掘立小屋で置いてくれと言つてバラックが建つ。だんだんそれが本建築になり立派な店舗になつてしまつたという場合もあるのです。それでやはり係争している。裁判しないでも、地代も取らない、そういう証拠書類のない場合、居住権は生じておると思うが、そういう場合に区画整理事業が始まつたからこの際又新らしぐ訴を起す場合もあるのです。そういうようなケースは戦災都市ですから多いと思うのです。そういう場合に証拠書類がなくても、申告して確認すれば権利者だというようにこの法律はなつておる。だから若しそういう問題をなくするならば、その相手の権利の中断と言いますか、停止と言いますか、そういうものが盛られてあればそうした紛争がないのではないか、こういう気持から僕は申上げておるのであります。地上権の登記がなくしてもいいのです。申告して確認さえすれば……。
○委員長(深川タマヱ君) ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
○委員長(深川タマヱ君) 速記をつけて下さい。
○三浦辰雄君 八十九条の二項を一つ説明を伺いたいのですが。
○説明員(鶴海良一郎君) 八十九条は換地の原則を規定したものでありますが、二項では所有権以外の権利につきましてその換地の原則を規定したものであります。一項におきまして従前の宅地と換地とは照応しなければならんということを規定いたしますと共に、二項におきましてその上に乗つておりますもろくの権利につきましても従前のものと新らしいものとは照応しなければならんということを規定したのであります。
○三浦辰雄君 そういうふうに結論はなると思うが、そういつた「所有権及び地役権以外の権利又は処分の制限があるときは、その換地についてこれらの権利又は処分の制限の目的となるべき宅地又はその部分を前項の規定に準じて定めなければならない。」、この前項の規定に準じてということは、照応するように定めなければならんという意味であることは間違いないと思いますが、いわゆる一つの所有権、地役権というものの上に乗かかつた他の権利なのですから、その換地はその乗つかつた元のほうに乗つかるようにしなければならん。言葉を簡単に言えばそういうことになるのです。つまり元の親権利の上に乗つておるその他の権利は、その親権利の換地化されて行く場所の上に乗らなければならない、それが原則です。親と子とを離して行くことは、白紙であつた、そういうものを持つていない権利者は勿論応じないだろうし、やはり同じくもろくの他の地役権を付けておる土地所有者によつては、甲であろうが乙であろうが場合によつてはいいのですね。ですから親換地をしてそしてここにい、う「所有権及び地役権以外の権利又は処分の制限」というものは、その権利又は処分の制限として別に従来の親所有権、例えば所有権者を選ばないで環境を作るというふうに考えるのか、やはり親の行つたところにくつ付くと、こういう意味なのか、私はあとのほうだろうとは思うのだが、どういうふうに思うのですか。
○説明員(鶴海良一郎君) 向うの規定は、宅地の上に乗つていますいろいろな権利は、この当該宅地の換地の上に移つて行くということを規定いたしますと共に、一つの宅地の上にいろいろな権利が乗つておるわけでありまして、例えば借地権が三つ乗つておるというような場合には、その換地の上におきまする借地権の範囲というものも規定してやらなければならんわけでありまして、そういつた部分もはつきり定めなさいということを規定しておるわけであります。
○田中一君 今の三浦君のと同じ条項ですが、八十九条の照応ということは、これらの環境に合うようにというのですか、若し合わんときにはどうするのですか。
○説明員(鶴海良一郎君) 原則といたしまして照応するように定めなければならんわけですが、区画整理によりまして道路が拡がるとか公園ができるとかいうことで、環境とかまわず若干の変更はあるわけであります。従いましてぴつたりと一分一厘も違わない換地というものは原則としてないと思うのであります。従いましてその照応しがたい部分につきましてどうするかといいますと、これは金銭で清算する以外にないのでありまして、その規定を九十四条に設けておるわけであります。
○田中一君 環境に照応するよりもつとよくなつた場合はやはり金銭で以てこれに対するものを支払うのですか。
○説明員(鶴海良一郎君) 区画整理を行います場合は、大抵従前よりもよくなるのが通例であります。この場合に清算をどうするかといいますと、これはいろいろ方港あろうかと思うのでありますが、一応清算は各種の権利の取扱いの不均衡を是正する、不均衡をならすというのが目的でありますので、平均いたしまして一割くらい皆よくなつておるというにもかかわらず、或る人な八分しかよくなつておらん、或る人は一割二分もよくなつておるというような場合に、一割の線でならすのがこの清算の目的であります。従いまして八分の人には二分だけ清算金をやると、それから一割二分もよくなつた人からは二分の分だけ取上げると、かようなことをいたすことにいたしております。
○田中一君 この換地の問題は非常に重大でして、これがいつも問題になるのです。一つの例を見ますと、浜松では換地をもらつたために三倍になつた土地もあるのです。どうもわからないのですがね。三倍になつたのですよ。換地をもらつたために三分の一くらいになつたこともあるのです。こういう場合には無論金銭で……、この法律が出ればそういう心配はなくなつて来ると思うのですが、そういう場合には現在でもやはり金銭で清算しておるのですか。
○説明員(鶴海良一郎君) 只今のお話でありますが、三倍になつたとおつしやるのは、恐らく価値において三倍になつたということであろうと思うのであります。現在でも清算方式といたしましては、只今私が説明いたしましたのと大体固趣旨で行われております。
○田中一君 九十一条、九十二条の関係ですが、大体これは過小宅地は政令できめるというのですが、政令できめる基準というものはどういう程度のものを言つておるのですか。
○政府委員(渋江操一君) 過小宅地につきましては、現在は特別都市計画法施行令の十三条に一つの基準を定めております。即ち施行地区の状況に応じまして甲、乙、丙という三段階に分けまして地区の種類を規定いたしまして、それに応ずる過小宅地の規模というものを定めておるわけであります。最小の過小宅地が百平米ということになつておりまして、これが現在最も規模の小さい過小宅地の規模になつておるわけであります。即ち三十坪ということが過小宅地の取扱いを受けない最低線になつておるわけであります。合「、回の過小宅地の取扱いをいたします基準といたしましては、これはこの法律に基いて政令を定めたいと考えておりますが、大体の考え方といたしましては、地区の種別をもう少し細分したい、三段階に分けておる現行をもう少し細分したいという考え方が一つと、それからそれに応じました過小宅地一つの基準となる規模、これをきめて行きたい、やや目を細かくして考えて行きたい、こういうことを一応考えております。
○田中一君 私はこれの次に第九十三条との関連がありまして、これは住宅金融公庫法の改正のときも随分これを論議したのですが、過小宅地をなくすということは実際問題としてできるのです。又区画整理をやる場合には過小宅地をなくして高度に利用し得る宅地を求めたいということが日本の現状であるのです。従つて私は非常に我が意を得たりと思うのは、この九十三条の法文が新らしくできたことなんです。これをもう一歩前進して建築物の面にまでもこの区画整理というものが立休的に拡げられて行くならば、これは個人の権利を高度に拡げてやるという見地からもう一歩前進した考え方を持ち得ないだろうかと思うのです。それは御承知のように耐火建築促進法で以て我々が審議しましたところの共同建築化ですね、共同化の問題、過小宅地はそのままで以て、今都市計画では約三十坪ということを考えておると言いますけれども、今の計画局長のお話でありますと、これをもつと細分しようということでありますと、日本の都市計画をしてよくなつたものが、ますます過小宅地というものが価値が減ぜられて来るということなんですね。そういう点から見て、この九十三条の規定をしようとするならば、共同建築の場合にはこうくだというような、立体化する場合糧こうくだという層化に対するいろいろな改正をしたらどうかと思うのですが、こういう点について局長考えられましたか、又考えようとするお気持がありますか。
○政府委員(渋江操一君) まあ九十三条との関係において、過小宅地の規模なり地区の選び方を考えて行くかどうかという問題であります。私どもの考、え方といたしましては、宅地の立体化の換地方法は、ここに規定してございますように、過小宅地の条件に入つて来る場合、それから権利者のそれぞれ同意を得る場合と、こういうふうに考えておるわけであります。そこで今田中委員の仰せになつておりますのは、過小宅地の規模その他の定め方で、大体こういう立体換地を行われる地区を相当大幅に考えられるではないかというお考えのように承わつたわけでありますが、建物の立体化を図るという上におきましてもう一つ考慮を加えなければならない点は、これは私は駐竟都市計画上の地域性、或いは現在の地域性の考え方をもう少し改めて行くよりほかに方法がないのではないか。つまり立体化の目的であります。方法としてはやはり地区によりまして建物の低さの制限、やはり高度地区といつたような地域性を別途考えて行くよりほか方法はない。これは併し区画整理法の取扱うべき範疇からむしろ都市計画法の範疇のほうの問題に移つて行く、こういうふうに考えております。
○田中一君 では建築物の空間に土地を与えるという考え方ですね。この前も石井君が質問したことがあつたようですが、空間の権利というものは他の法律を以て作用せん限りは使えるわけなんです。これを細分する、地区の種別を細分するということはどういう構想か、もう少し具体的に説明して欲しいと思うのです。そして空間の権利というもの、これでは空間の権利というものはあいまいなものですね。現在ある法律と関連を持たすことが不可能ならば、政令或いはその他で以て持たせるように考えて頂きたい。例えばこういうことがあるのです。都市計画をする、それについては耐火建築促進法という法律を噛み合してやつた場合に非常にいい面が促進される面も多分にあるのです。それは宅地の立体化の問題を言われると今後随分スムーズに仕事が進むと思うのです。そうするならもう一歩進んで、低さの制限というものを或る地区には布くということもできる。都市計画上の問題でしようけれども、都市計画そのものについては現在そういうような規定はないと思いますが、もう少し前進した考えを持つてないかどうか。
○政府委員(渋江操一君) 最後にお話になつた高度地区の問題は都市計画法上の問題であり、同時に建築基準法の問題だというように考えて申上げておるわけで走ります、目を細かくすると申上げた表現がちよつと或いは誤解を生ぜられたかと思いますけれども、過小宅地の規模を現在上りもつと小さくするという考え方は持つておりません。その点は御了解を願いたいと思います。
 耐火建築促進法との関係における運用の面において、いわゆる区画整峯業たまたまそれ伴うという地区で耐火建築促進法を実行するというような場合におきまして、宅地の立体化の九十三条の方法を大いに運用するということについては、私どももできるだけそ、ういうふうに考えて持つて参りたいと考えております。
○田中一君 宅地の立体化というものをどういう工合に権利を与えるつもりですか、どういう形式で以て権利を土えようとするのですか。
○説明員(鶴海良一郎君) 宅地の立体化につきましては九十三条にありますように、従来の宅地又は宅地に存しました借地権の代りに、建物の分及びその建物の敷地についての所有権の持ち分、これを与える方法にいたしております。
○田中一君 この土地区画整理法全部を通じて平面的な土地の法案なんです。土地の区画整理なんです。高さに及ぶというのはこれは権利の問題だと思う。それは所有権者は無論高さは一定の制約をされる線までは持つているわけです。借地権者が同じように現在では持てるわけなんです。そうすると過小借地をもらつて高さというもの、高い借地というもの、空間なんというものは他人の権利です。建築基準法によるところの百尺なら百尺というこの空間に向つて法律で以てそれにお前はあれを与えろということはありようがないと思う。個人の権利に対すそ侵害だと思うのです。従つてどういう形で以て空間の宅地を与えようとするのか、もう少し具体的に説明して下さい。個人として土地の所有者並びに借地権者が持つておる権利なんです。これを法律で以て与えろという形式はどういう形式で以て与えるのか、御説明願いたい。
○説明員(鶴海良一郎君) 只今お話のありましたように、何もない空間を指してあすこにお前の権利が行くということは、これはできないと思います。従いましてこの宅地の立体化を行います場合には、かまわず高い家を建てまして、その家の具体的な部分を示して、従来の宅地に関する権利はこの家のこの部分の所有権に変るのであるということを定めなければならんと思つております。或る人の宅地の上に家を建てて、その建物の部分を指定するのは私権の内容に対する侵害にならないかというお話がありましたが、この九十三条は一応換地の計画を定めたものでありまして、この計画が現実に実施されるのは換地処分という方法によるわけであります。この換地処分の方法によります場合は、そのときに一挙に権利関係が整理されるわけでありまして、人の宅地の上に家が建つたということにはならないと思うのであります。
○田中一君 納得しないのですが、もう少し、それではどういう形で建物の部分に平面的な土地の権利を与えるかというのです。与えられるという法律的な根拠を示して頂きたいのです。それは事業を執行するものが、その土地というものを、一応保留地というものを以てそれに建つて、これをやるのだというなら理由がありますけれども、そんな理由が、保留地をとることもできるということになつておりますけれども、それは相当大量にそういう保留地を非常にいいところへ、環境のいいところへ保留地をとるなんということは実際においてちよつと考えられないと思うのです。その場合に他人の持つておる権利、あなたは換地された場合には。パーになつちやうと言われるが、併し与えられれば、又換地が得られれば空間の権利が生じるわけなんですから、それに向つて一部分与えろという根拠を具体的に説明して下さい。
○説明員(鶴海良一郎君) 宅地立体化のための建物の建築は、この法律案では保留地に建てるということは考えておらんのであります。これは後ほど出て参りますが、仮換地の指定等によりまして、従前の土地の所有権は従前の土地を持つておつた人が引続き持つておるわけでありますが、仮換地の指定等によりまして、その土地の使用収益権の行使を停止させる手段を講じております。ところでこの使用収益権を停止させました土地につきましては、これはすでに議題になつて御審議願つたところでありますが、八十三ページの八十条の規定によりまして、使用収益することのできなくなつた部分につきましては、土地区画整理事業のために、人の所有しておる土地につきましてもこれに立入りまして施行者は工事ができる、こういうことに規定いたしておるわけであります。従いまして立体換地のための建物を建てます場合には、一応そこに現実に住んでおる人、或いはそこを現実に使つておる人に対しまして他の場所に仮換地を一応指定いたしまして、空いた所に立体化のための建物を建てる、建てましたら又前おつた人をその建物に戻しまして、その建物の中に収めて行く、かようなことを考えております。
○田中一君 私まだその点どうもはつきりわからないんですがね。建物を建てるといいますけれども、建物を建てるということが、この土地区画整理法の組合の場合ですね、組合の場合にそういうこともあり得るのですか。
○政府委員(渋江操一君) この点は前々から田中委員が非常に御研究になつておりまして、これをこの法案の審議の際に御披露なさる点は、私どもも(田中一君「ひどいことを言うな」と述ぶ、「その通り」と呼ぶ者あり、笑声)承知いたしております。立体化のために一つの方法として、この区画整理事業者に過小宅地を清算するための一つの収用権的な権限が与えられるということも一つの方法でございます。私どものこの考え方につきましては、今鶴海課長から御説明申上げましたように、仮換地におきまして一つの仮換地指定の効果としての従前の宅地に対する処分指令権というものを一時停止させるという方法を先ず準備行為としてとる、そうしてこの区画整理事業の施行者はこの法律に基く権限としてさような一つの立体換地の受入体制としての建築物を建てることができる、こういう形にしておるわけであります。これは従来からの考え方としての区画整理事業そのものではございません。ございませんけれども、この規定全体を通じて御覧願つておりますように、いわゆる区画整理事業を行うための附帯事業としてのさような事業を行うということを一応権限として与えておるわけであります、施行者に対しまして。その権限によりまして建てた建物に、この九十三条の施行者が処分する権限を有する建物の一部を供するという方法によつて解決して行く。まあこういう三段、四段くらいの仕組で以てこの結論にまで持つて行こう、こういう考え方に立つておるわけでございます。
○赤木正雄君 それと関連ですが、この宅地を立体化したような法文が外国にありましようか。
○政府委員(渋江操一君) その点は十分外国の立法例を調べておるわけではございませんが、恐らくこれは区画整理事業そのものが日本の都市計画における一種の特有の方式、手段として今日に至つておるわけでありまして、従つてそれをもう一歩進めた立体換地方式というものにつきましては外国の立法例、これは十分調べておりませんけれども、余り例はないのじやないかと思います。
○赤木正雄君 区画整理は日本に特殊とおつしやいましたが、やはり外国の都市でも立派なものが立つていますし、立派なプランはあるのです。それに関連しますから、私はこの宅地の立体化したような例がこういう法文にしての例があるかないか、もう少し御研究願います。
 もう一つ、仮にこれを認めた場合に、場合によつては土地収用を適用されるものでありますが、今自分は三階におるんだ、この土地を取られてしまつた、土地収用のときにはそれに該当するような土地を又くれと言うことはできるのです。どこかよその土地の三階に土地収用の関係から請求することはできますが、そういうときどうしますか、こういう法律ができたときに。
○政府委員(渋江操一君) 御質問の御趣意が十分わかりませんですが。
○赤木正雄君 もう一遍言います。自分の住んでいると同じような位置を提供してくれ、これは土地収用で言えるはずなんです。でありますから、今自分はこの三階に住んでいるが、三階そのものが一種の宅地なんですね、住んでいるところが。これが結局いろいろな関係で取られてしまう、自分の土地が。自分の宅地ですな、立体化された宅地が取られてしまう。だからほかにこれに該当するような宅地をくれと言い得るのですね、土地収用に対しては。
○政府委員(渋江操一君) まあこの区画整理と今の土地収用法の現物補償といいますか、替地補償といいますか、あれとは法律的な基礎としては建前は違うわけでありますが、考え方としてはお話のように似ているところ、共通しておるところ、これは勿論あると思います。それでお話のようにこれは補償の対価として、補償の請求手段としての現物換地を要求するのとは、立体換地の場合における他人の建物を要求する場合は違つておるわけでありまして、むしろ現在持つておる建物の権利、これに代るこれと同じような建物の権利をくれということは、一つの換地計画施行者がそれを最終的に与えるという形になつて出て来ているわけであります。区画整理事業の施行者は個人の要求に基くということでなく、勿論根本は個人の要求に基くことになりますけれども、それらの計画は土地の権利者或いは借地権者、そういつたような者の意思を代表した審議会、区画整理審議会の意見によつて出された計画に基いてそれぞれ施行者が行なつて行く、こういう形になつておるわけであります。
○赤木正雄君 いや、これを質問していますと長くなりますから、今日は私やめます。
○田中一君 そうすると、僕はこの次の委員会までにもう少し研究して来ますが、使用収益権者が承諾した場合にはできるということを言つておるのですか、あなた方の場合には。
○説明員(鶴海良一郎君) この宅地の立体化の場合といたしましては二色あるのでありまして、一つは強権を以て立体化できる場合、一つは関係権利者の同意を得て立体化できる場合、それで強権を以てやり得ますのは、これは過小宅地、過小借地についてであります。それからそれら以外の宅地につきましても所有者及び使用収益権者が同意をいたしました宅地につきましてはこれを立体化することができるというふうにいたしております。
○田中一君 そうするとこれを具体的に実行する場合ですね、この場合には建築基準法並びに耐火建築促進法というものを、この目的を達成するためにはですよ、改正すればなおいい実行ができるということになるのじやないかと思うのですが、その点どうですか。例えばこの意味は、この部分で耐火建築促進法に規定している地区であるならば、あれをこれにすぐ適用せよ、適用することができるということになると、今度あつちの法律が生きて来るのです。まあ基本法ですからそこまで行かんか知りませんが、生きて来るのです。そうすると区画整理というものは、要するに減歩という犠牲が強いられるわけなんですから、これは高度に生きることになります。喜んでするようになつて来るですね。こういう点については考えられませんか。
○政府委員(渋江操一君) 耐火建築促進法はこれは一つの助成を規定した法律でありますが、ただ立体換地を行う上においては耐火建築、いわゆる高層建築、そういうものと裏腹をなしてやらなきやならない、こういう考え方に立たなければいけないということは、これは当然であろうと思います。そこで第九十三条の第五項に持つて参りまして、この区画整理の上の規定といたしましては、建築物の資格としては耐火構造のものでなければならない。建築基準法に基いた耐火構造のものでなければならない。こういうことで、その点は耐火建築との関係を結付けている、こういうわけであります。
○田中一君 私はここに突如としてこれを出すのは、やはり個人の権利を侵害していると思うのです。若し、これが防火建築帯においては当然です。こういう規定は何も要らんのであります。これが防火建築帯ならばことごとくこれは基準法によるところの耐火構造になつて来るのです。別の法律で規制されるのです。それを木造を作つてもいいような所に、高い宅地ですよ。二階も……、それを何もかも耐火建築、耐火構造でなす、ればならないということで規制するのは、これは余り好ましくないと思うのです。二階だつていいのです。二階だつて三階でも木造でできるか、百石井君。
○石井桂君 できる。
○田中一君 できるだろう。(笑声)そういうことをここでぽつんと突如としてやることは、個人のいわゆる権益を侵害することになる。実際、これはこんな必要は何も要らない。防火建築帯ならば必然的に耐火構造なんですから。
○政府委員(渋江操一君) この第五項の規定が個人の権利を侵害しているものであるという御意見の点につきましては、又十分調べましてお答え申上げたいと思います。
○田中一君 資料で提出された東京附近の都市計画の区域につきましても、今日もう耐火建築なんか要らん所が相当ありますよ、実際、実はそれが過小宅地がある。あつた場合にそれを耐火構造でなくちやならんと規定することは、これはどうかと思うので、今御説明のように調査してお答え願いたいと思います。
○政府委員(渋江操一君) いろいろ御がこれは立証されているわけなんで議論があるかと思いますすが同じ部内において、住宅局におい法の趣意といたしましては、従前の宅地に代る建物の権利でございます。そう言う意味でいわゆる恒久的な一応条件を持つた建物の権利といたしましては、そういう条件を持つた権理があたえられて行かなければ、個人のほうの権利の保障に老いても十分じやないじやないか、そういう意味におきまして耐火構造の建築物の権利を提供する、こういう趣旨であります。まあそういう配慮から規定いたしたのでございまして、個人の権利の侵害であるという点につきましては、これはいわゆる建築物を建てられるその敷地になる宅地、所有者の関係についてそういうことを、言つておられるというふうに私受取られたでありますが、その点は、これは建築物を建てて提供する、こういう関係になつているのでありまして、その宅地の所有者、敷地の所有者に対してそれを強制して義務付けるという関係にはなつておらんのでございます。
○田中一君 計画局長に言つて置きますが、こいつを促進してほしいのだ。促進してほしいから言うのであつて、もう少し私はいろいろ調べて来ますがね、これを阻止するというつもりじやないのですから、その点は御了解になつて、殊に今あそこに鮎川君もおられるので言いますが、このように宅地はこれが整理をしますとたくさん出て来る。又政府もこの立法者も、そのようにして市街地における宅地の利用ということをお考えになつて、あえて新しい宅地を求めなくともいいということがことがこれは立証されていることなんです。同じ部内においては平面的に宅地というものを高い面にまで待つて以降という二つの食い違つた意思があるので、これは私は計画局長のほうの案に大賛成でございますから、その点をお含みおき願いたいと思います。
○三浦辰雄君 今田中さんのご質問に対して局長から権利の侵害という問題があれば、それは過少住宅地の宅地所有者の問題であると、こういうお話になつた、そのとうりなんですね。で、私はこれを建物の一部だとか、或るいわ金銭において清算をすべき旨ももう申出がなくて、やつぱりそれがほしいと言つた場合ですね、過小宅地に当たる分の持つてる人、土地の所有者、これは何とも処置なくて、あれですか、いやいやでも建物の一部に換えられてしまうと、こういうことで、ほかに異議の申立もならんし、どうもならんということになるのですか。そこの所を……。
○説明員(鶴海良一郎君) 過小宅地につきましては、特別都市計画法によりまして、前々から金銭でも清算できることになつておつたのでおおりますが、今度は金銭なしに建物をあたえるという途を開いたわけでございます。但し建物がどうしてもほしくないという過小宅地の所有者があり得るわけでありますので、九十三条の二項によりまして、従来通り金銭を与えるということにいたしたわけでございます。
○三浦辰雄君 私不勉強でわからないのですが、是非ともこういう区画整理ができた場合においては、その区域の中に入つた場合、その区域の者が三分の二以上の賛成で遂に区画整理の議がきまつちやつた場合、この場合にはもう過小宅地の所有者というものは金銭で行くほか何ともならんと、こういうような、いわゆる何と言いますか、ことはもう元のあれできまつちやつているのですか、薬議題じやないのですか。
○説明員(鶴海良一郎君) 只今三分の二の同意で区画整理が始まつた以上は、過小宅地の所有者は金銭こよる清算を覚悟しなければならんかというお話でありますが、恐らく三分の二とおつしやるのは組合のことをおつしやつたことだと思います。この法案の九十三条によりますれば、強制的に宅地を建物に換えるというのは三項又は四項だけに限つておりまして、組合の場合には強制的に宅地を建物に換えるということは考えておらないわけでございます。
○三浦辰雄君 ああそうですか。わかりました。
○田中一君 九十五条ですがね。一項、これに学校も入つていますが、その学校は髪結学校でもいいのですか。
○説明員(鶴海良一郎君) これは九十五条に規定いたしておりますように学校等の、「施設で政令で定めるもの」というふうにいたしております。政令で定める場合には、髪結学校でございますか、或いは花嫁学校というふうなものを指定するつもりはありません。
○田中一君 それから、「墓地、火葬場、じんがい焼却場」なんというのは特別の考慮を払うということは、これはそこに置こうという思想じやなくてどこかに持つて行こうというような思想のように受取つていいのですか。
○説明員(鶴海良一郎君) 墓地等を都心地から郊外に移すということも考慮いたしております。
○田中一君 そのように都心地から移すという考え方で特別の考慮を払うということに理解してよろしうございますか。
○説明員(鶴海良一郎君) それだけではないと思うのでありますが、それも含まれているというふうに我々考えております。
○田中一君 それだけでない場合はどんな場合ですか。
○説明員(鶴海良一郎君) 区画整理を行います。場所は必ずしも都心地ではないのでありまして、郊外地でもあり得るわけですが、その場合に現地で換地をするということもあり得るわけであります。その場合に墓地等の施設はこれを通常の宅地並みの減歩を掛けるということはできがたい場合が多いと思われますので、こういう場合には現地でその地積で換地するという意味の特別の考慮ということがあり得ると思います。
○田中一君 それから上水、下水なんかはどういう工合に考慮するんですか、これには規定がないようですがね。
○説明員(鶴海良一郎君) 上下水道を規定しておりませんが、これは本条から省くという意味ではないのであります。これは確定したわけではありませんが、政令で将来規定して行きたい、かように思つております。
○田中一君 この九十六条保留地ですね。保留地は最初から保留地というものを割出して保留地をきめるのか、保留地の定め方はどういうふうに定めるのですか。
○説明員(鶴海良一郎君) 保留地の定め方は九十六条の一項と二項とでは若干違うと思います。一項では費用に充てるため又は規約若しくは定款で定める目的のために定めることができるとなつております。これは組合等でやります場合に、一定の土地を学校に寄付するというような場合もあるわけでありましてそういつたものを規定しておるのでありますが、そのように一定の目的のために保留地を取る場合は、これはあらかじめ設計において当初からきまつておるかと思います。ただ費用に充てるために第二項で保留地を定めます場合には、一応値上りの限度というものを押えておりますので、値上りの計算ができれば、保留地の地積なり位置を確定することはできないわけでありますから、大体どの程度値上りするだろうということが算定されました暁におきまして保留地が決定する、かように考えております。
○田中一君 この保留地を売却する場合、これは無論事業費に充てようとする意思の下にこの価格は抑制するつもりですか。それとも幾らでも高く売れればいいという気持でやるつもりですか。これは前回の委員会のときに利益を生んだ場合にどうなるか、利益というか剰余金を生んだ場合にどうなるかということに関連すると思うのですがね。
○政府委員(渋江操一君) 保留地の処分価格は時価相当額ということになると思いますが、換地計画の上の金銭清算等の方式もございますし、これについては別途評価員の評価方式がございますから、それらとの関係において保留地の処分価格をきめて行く運用が考えられると思うのであります。
○田中一君 そうすると、これは価格をきめるのを抑えるというわけですか。
○政府委員(渋江操一君) まあ抑えるという考え方でございませんで、むしろ適正価格で処分する、こういう考えであります。
○委員長(深川タマヱ君) 速記をとめて下さい。
   午後四時五十三分速記中止
   ―――――・―――――
   午後五時五十三分速記開始
○委員長(深川タマヱ君) 速記起して下さい。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時五十四分散会