第019回国会 建設委員会 第3号
昭和二十九年九月十五日(水曜日)
   午前十時四十一分開会
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  委員の異動
八月三十日委員小滝彬君辞任につき、
その補欠として松野鶴平君を議長にお
いて指名した。
九月七日委員小笠原二三男君辞任につ
き、その補欠として藤田進君を議長に
おいて指名した。
九月十一日委員藤田進君辞任につき、
その補欠として小笠原二三男君を議長
において指名した。
九月十四日委員小笠原二三男君辞任に
つき、その補欠として湯山勇君を議長
において指名した。
本日委員湯山勇君辞任につき、その補
欠として小笠原二三男君を議長におい
て指名した。
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 出席者は左の通り。
   委員長     堀木 鎌三君
   理事
           石井  桂君
           石川 榮一君
           三浦 辰雄君
   委員
           小沢久太郎君
           赤木 正雄君
           北 勝太郎君
           木下 源吾君
          小笠原二三男君
           近藤 信一君
           田中  一君
  国務大臣
  大 蔵 大 臣 小笠原三九郎君
   通商産業大臣  愛知 揆一君
   建 設 大 臣 小澤佐重喜君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       菊地 璋三君
   常任委員会専門
   員       武井  篤君
  説明員
   大蔵省主計局次
   長       原  純夫君
   建設大臣官房長 石破 二朗君
   建設省河川局長 米田 正文君
   建設省計画局長 渋江 操一君
   建設省道路局長 富樫 凱一君
   建設省住宅局長 師岡健四郎君
   建設省営繕局営
   繕計画課長   小林 清周君
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  本日の会議に付した事件
○建設行政に関する調査の件
 (台風第十二号及び十三号の被害状
 況に関する件)
 (過年度災害復旧に関する件)
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○委員長(堀木鎌三君) 只今から建設委員会を開会いたします。
 本日は先に御通知申上げましたように、過年度災害復旧に関する件につきまして調査を進めて参りたいと思いますが、それに先立ちまして台風第十二号及び十三号の被害状況につきまして、建設省の河川局長がおられますので河川局長から御説明を承わりたいと思います。
○説明員(米田正文君) 今回の台風十二号についての被害の概要を御説明申上げます。お手許に「台風第十二号による被害の概要」という資料を差上げてあると思います。これによつて御説明申上げます。
 この資料の表紙を入れて三枚目に図面が入つております。台風の径路はこの図面に示してございます通りに、鹿児島県の枕崎に九月十三日の十七時に上陸をいたしたのでございます。右のほうに書いてございます数字は九月十三日の十七時という意味です。気圧は九百六十ミリバール、こういうふうに表示してございます。御承知のように初めの予想は本州を縦断するのを中心にしていろいろな対策、準備をいたしておつたのでございますが、幸いにもこれが九州を縦断しまして日本海に抜け、ウラジオ方面に抜けて参りましたので、今のところ当初予想をいたしておつたほどの被害がなくて済んだのでございます。併しこの台風は更に北海道の区域には今後多少影響を及ぼす懸念も残つておりますので、完全にこの台風は済んだとも言いきれない点もございますが、まあ大体は被害は大したことはなかつたというのが結論でございます。
 前のページの本文に返りまして、この概況にそういうことを、この台風の進路、大きさ等を書いてございますが、今度の台風の特徴は新聞で御承知のように半径五百キロといわれております。直径にいたしますと千キロといわれておりました。而も台風の眼が半径百キロ、直径二百キロというふうにいわれておりましたので、従来にない非常に大きな台風の規模である。而もその周囲には非常な強風と豪雨を伴つておるということでございましたが、そういう影響から特に受けました被害は宮崎県の大淀川の上流になります都城盆地で約千ミリに達する雨量が報告をされております。これが今度の台風で一番大きかつた地域でございます。あとは各地の雨量については、そのページの下の後半に各地の雨量として屋久島、宮崎、都城、人吉と書いてあります。ここには都城が六百七十九ミリとなつておるのでございますが、私の今申上げました千ミリというのはこれよりなお東方に当ります山地における雨量でございまして、これは平地である都城の雨量でございます。あとはその次に比較的降雨の多かつたのは高知県でございまして、仁淀川の上流地でございます。それらが降雨の大きいところでございます。風は各地で非常に当初から強くて、特に九州の沿岸各地に海岸の被害を生じた模様でございます。それらはあとに書いてございます。一応台風の概況としてはそういう性格を持つた台風でございます。
 でその被害は三ページに各地の被害状況というものがあります。これは県からの電話の報告の程度で、内容はまだ詳細ではございません。宮崎県は被害地域は宮崎市、都城市、日南市、延岡市というような地域でございます。主な被害を受けた公共土木施設の個所といたしましては、河川関係では大淀川及び綾北川、綾南川、これは大淀川の左の支川になつております。これらの川の堤防決壊等が各所にございます。特に都城盆地は殆んどあの大平野が全浸水をしたと言われておるくらいに非常に被害が大きかつたのでございます。特に恐らく農産物の被害等がひどかつたものと想像されます。実はまだ交通も通信も復旧いたしておりませんので、正確な被害がまだわかりませんけれども、そういう推定をいたしております。橋梁は宮崎市の附近の大きい橋梁で木橋は流出をいたしたのでございます。鹿児島のほうも実はこれは電話不通その他で詳細が不明でございますが、特に球磨川上流が最も降雨が多くて出水もひどかつたのでございます。それから鹿児島市を中心とする海岸地域も風浪のために各地に被害を受けておる模様でございます。大分県に入りますと、大分県も各地で非常に心配をされまして、特に大野川のごとき鶴崎の町を中心にして、非常な心配をして事前の処置をいたしたのでございますが、幸いに大分県内は各河川とも大被害を生じないで済んだのでございます。その次に熊本県は、これはやはり球磨川の人吉附近の氾濫がございます。それから福岡県に参りますと、福岡県は主として海岸地区、小倉から行橋一帯の海岸が風浪のために被害を受けております。愛媛県は重信川を中心に大出水をいたしておりましたが、海岸は多少の被害はあつたと思いますが、併し出水の被害のほうが大きかつたと思います。あと徳島、高知、香川、山口、広島、岡山等ございます。なお長崎、愛知といつたようになつておりますが、これらは大被害に属さない程度に済んでおる模様であります。
 その次に、その次のページをめくつて頂いて、もう一枚飛ばして頂きますと、直轄河川の被害状況というのがあります。ここにございますように、宮崎県の大淀川の被害の状況を更に詳細に書いてございます。要するに大淀川の下流、宮崎市の附近では、まだ右岸の工事が完成していない地区から溢水をして氾濫を起したものでございます。それから綾南、綾北という大淀川の支川がございますが、その上流において破堤が起つております。それから大淀川の上流に参りますと、大淀川の上流はもう全面浸水をいたしております。それからその次に小丸川、これは大淀川の北のほうにございます。これはやはり宮崎県内にございます。これが高鍋という町がございますが、その町の附近で破堤をいたしております。これは計画高水位以上出水をいたしております。それから五ケ瀬川は、これも宮崎県でございますが、これも計画高水位を突破いたしております。その次の大野川は、先ほど申上げましたように事前の対策もよかつたために被害が極く少くて済んだものでございます。あと大分川、山国川、番匠川等は被害がなくて済んだ所でございます。なお肝属川というのはこれは鹿児島県でございますが、これは計画高水位を突破いたしたのでございまして、破堤のために氾濫をいたしております。あとは球磨川が大出水をいたしまして、計画高水位に近い出水を見ております。
 次のページに参りますと、これは中国、四国の建設局管内でございまして、主として四国でございます。四国は吉野川も相当な出水をいたしております。それからその次の重信川、これは計画高水位を突破する出水でございます。仁淀川はこれは計画高水位に殆んど近いような水位にまで上昇いたしたのでございます。あと肱川、物部川、芦田川等がございますが、これらは被害がなくて済んでおります。
 その次の表は、今度の台風による被害の調べで、これは警察の調べによるものでございますが、御参考に申上げますと、建物の被害としては……、左側は人的被害、建物被害、耕地被害、こういうふうに書いてございます。それで御覧になりますように、全壊が一番右の計の欄で八百六十三戸、半壊が二千二百三十八戸、流失が二百十二戸、一部破損が一万一千六百五戸、それから次へ行きまして、床上浸水三万一千八百六十一戸、床下浸水十一万二千三百というような数字でございます。
 耕地の被害は流失埋没が五百一町歩、冠水いたした区域が二万七千三百九十九町歩、今のは耕地の中でも水田でございます。次に畑のほうで申しますと、流失が二百三町歩、冠水が八千六百六十六町歩というような数字でございます。これが主な被害の概要でございます。
 ここには書いてございませんが、まだ各地の府県からの災害の報告が正確なものが来ておりませんので、まだ被害額を弾き出すことができないのでございますが、我々のところで今一応そういう各地からの電話等の状況から判断をいたして、大体推定いたして見ましたが、これは推定数字でございますが、直轄河川で大体十三億円程度、それから府県、市町村合せて大体八十億程度、合計して九十三億円程度が今度の被害規模ではないかと今推定をいたしております。いずれこれは正確な数字が整い次第又御報告いたしたいと思いますが、大体これで今度の災害の規模が御了解願えるかと思つて出した数字でございます。
 以上でございます。
○委員長(堀木鎌三君) ついでに十三号を簡単に説明してもらいましようか。
○説明員(米田正文君) 十三号について御説明申上げます。
 十三号はその次の「台風第十三号による被害の概要」をお開き願います。この台風も御承知のように、非常に進路としては十二号台風の径路によく似ておつたのでございます。やはり鹿児島の大隅半島に上陸いたしましてそれで九州を縦断して日本海に抜けたのでございます。これも各地の雨量をその第一ページの一番下のほうに、八日六時までの各地の雨量というのがございますが、こういう雨量でございましたが、十二号に比べますと相当雨量も少かつたのでございます。風の強さもずつと弱かつたのでございます。
 その次に各地の被害状況として被害の概要を書いてございます。広島、山口、徳島、愛媛、大分、宮崎、鹿児島、岡山として、県及び市町村の被害額五億七千六百七十三万四千円という概数を挙げております。これは各県からの報告の数字でございまして、まだこれはなまの数字でございますので、そのつもりで御覧を願いたいと思います。
 それから直轄河川については先ほどの宮崎県の大淀川の関係の被害が一部ございました。先に申上げました九十億円程度の今度の十二号の規模と比してこれは五億七千万円程度、六億円弱の規模でございます。規模として非常に差があつたということを御了承願えると思います。台風の径路は今度の十二号と非常に似ておりましたが、要するに十二号にしましても十三号にしましてもシベリヤ方面に抜けて行つたということは、秋型の台風としては非常に異例でございまして、秋型の台風は高気圧が非常に発達しておるために、シべリヤに上陸しないで日本列島に沿つて北上或いは北東進するのが大体通例でございますが、まだそういう気象配置になつておらなかつたために今度の台風の被害が少なかつたのではないかと我々は想像いたしております。
○委員長(堀木鎌三君) 何か河川局長の説明に対して御質問ございませんか。
○小笠原二三男君 その点今後相当建設省の査定或いは大蔵省の査定とで時間はかかると思いますが、今の政府の考え方としては、今度の十三号、十二号台風の災害復旧費というものはどういうふうに捻出する計画を持つておるわけですか。
○説明員(米田正文君) これは御承知のようにいつもとつておる処置の通りでありますが、先ず県及び地建ではそれぞれ応急の処置をしなければなりませんので、地建については応急処置をしてよろしいという指示を昨日、九州にはいたしておきましたから、遺憾なく応急処置をやつておると思います。各府県はやはり応急処置としては府県及び市町村自体で応急工事をやらしておる。そこでそれらの応急工事について相談がしたいという府県が、各地で非常に要望して来ておりますので、我々のほうで今係官をすでに福岡に二名、四国に四名ほど、それから中国筋にも今待機さしておりますから、それらをできるだけ県の要望に副つて県の相談に乗れるように各県に配置をそういうようにいたしております。すでに指示をいたしております。そういうふうにして応急対策をやつて、それから爾後今度は予算の査定になるわけでございます。
 御承知のように災害の査定には大分時間がかかりますが、それまでの繋ぎの融資の問題は、各県からの要望書を取りまとめた上で善処いたしたい、こういうように考えております。
○田中一君 今の十二号、十三号台風、十三号台風のほうは先に消滅してしまつたのですが、その六億程度の被害というものは十三号台風で、六億というものは十二号台風に呑まれてしまうような被害というふうに現われて来るのじやないですか。その点は別途のものに、ああいうものは独立されているのですか。
○説明員(米田正文君) これは、今度の十二号、十三号は番号より逆に来ましたが、要するに十三号が先で、十二号があとになりましたけれども、これは県で、十三号の災害個所というものは調べてありますし、今度の十二号が来たために又被害を受けたのでありますから、金額からいえば非常に差がありますから、十二号は今度殆んど大部分だつたと思いますが、十三号と或いはダブつておるところがないと言えないと思います。これらは十三号としてとるか、十二と号してとるかは現地の状況によつてやりたい。どうせ二十九年度災害に違いありませんから、全体として現地の状況によつて善処いたしたいと思つております。
○田中一君 まあ大蔵大臣が来れば建設大臣と一緒に……、聞きたいと思う資料を出してもらつていますが、こういう災害の査定ですね、こういう点について今のような問題が、やはり事務当局としてり態度を明ろかにしないと、あとで来れば質問しようと思つておりますから、あなたのほうの心がまえ、態度だけはきめておいて頂きたい。
○説明員(米田正文君) これは事務的には、十三号は十三号、十二号は十二号として明確に区分して災害の査定をやることになつております。ただ併し重複しているようなものがあるかも知れません。この辺は現地の状況をよく見ませんと判定しません。
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○田中一君 次に資料についてですね、前回の委員会でも要求した資料について御説明を願いたいと思うのです。
○委員長(堀木鎌三君) まだ大臣も来ませんから、お手許に配付してあります、二十九年度実行予算の節約計画、二十八年度災害復旧費建設省査定根拠基準、二十八年度災害復旧補助金の交付状況その他について説明を聴取いたすことにいたしてよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(堀木鎌三君) では建設省のほうのおのおの担当官から御説明を願います。
○説明員(石破二朗君) 前回の委員会で御説明申上げました通り、二十九年度予算は、施設費、物件費を節約の対象といたしまして、原則として公共事業費につきましては一割程度の節約計画を立てて、目下実行中でありますから、勿論あのときも申上げました通り、実行の状況、財政の状況を勘案して、今後場合によりその節約を解除するという前提がついておるわけでございますが、そういう状況に相成つておりますので、建設省といたしましては、これを如何にして、予算額は節約しても、事業の量を減らさないようにするということで、いろいろの方法をとつて参つておるのでありますが、お手許にお配りしてあります資料の中の「昭和二十九年度実行予算の節約計画」というのにその概要が示されておるわけでございます。
 一番初めの所をお開き願いますと、そこに今年の七月二十日付で事務次官名を以て都道府県知事に「予算節約に伴う補助事業の実施について」ということで根本方針を示しております。方針は、今次節約の本旨に即応いたしまして、不要不急経費を抑制し、極力事業の効率の実を挙げるよういたしたい。具体的に四つばかりの項目を示しておりますが、これは第一番目には、実施計画の作成に当つては、実施設計の内容、特に設計単価について再検討を行なつてもらいたい。予算配賦当時に比べまして、建設材料の中には相当値下りしたものもあるわけでございますので、この設計単価を再検討してくれということを先ず第一に言つております。それから二番目には、契約に際しては、予定価格は従来の入札残金の比率を考慮に容れ、且つ低物価政策に副うよう留意して策定すること。これは従来の入札の例によりますと、予定価格の大体三%とか四%平均しまして差金が出るのが実情でございますので、そういう点も考慮して予定価格を作つてくれと、それからなおその次に書いておりますのは、低物価政策に留意して策定するといいますのは、物価がだんだん下つて来ておる状況をよく把握して、それに合う予定価格を作つてもらいたいという意味でございます、ちよつと誤解があるかも知れませんが、予定価格に織込まれるところの単価を故意に下げておいて、そのほうから強制的に物価を下げようという趣旨のものではございませんので、ちよつと言葉が足らんかと思いますから御了解を願つておきたいと思います。三番目には、事業の実施に当つては、使用資材の合理的入手を図り、調弁価格の引下げを考慮すると共に工事の機械化等効率的施行を図ること。四番目には、二十九年度完成を予定された事業については、特に本年度完成に齟齬を来さないように留意する。全体としては予算総額は減るわけでありますが、これを個所別にどこで節約するかという場合には、二十九年度完成を予定しておるものは、これを三十年度完成に持込むということのないように、個々の個所の節約についてどこで節約するかという場合にはこういう措置をとつてもらいたいということを書いておるわけであります。なお、今回節約の対象外になつております災害復旧関係予算についても、大体この対象になつております費目と同じような方針で節約をしてもらいたい、こういうことを通知しておるわけであります。
 これが根本でありまして、その二枚目以下に計画局、河川局、道路局、それから住宅のほうの節約要領のことを書いております。それから営繕局も書いております。これらにつきましては、それぞれ所管の局長から具体的の事項について御説明申上げたいと思いますが、ただ、私立ちましたついでと申上げては失礼でありますけれども、建設機械費の節約の点だけにつきまして私から御説別申上げておきたいと思いますが、建設機械につきましては、そこに資料として差上げておりますが、実はこれを作りましてから今日まで少し時日がありましたので、これと若干違う関係になつておりますから、資料としてはここに新しいのを付けておりませんが、現在において建設機械整備費の節約の結果、それが事業の量にどういう影響があるかという点について申上げておきたいと思いますが、最近建設機械の購入費は予定価格よりか大幅に下つておる状況でございます。極端な例をいいますと、八千万円程度の機械が、それが予定価格でありましたのが、その中から二千数百万円という入札残金が出るというような状況でございまして、建設機械購入費は当初考えておりましたよりか相当下るという見通しでございます。結論におきましては建設機械整備費につきましては予算が減りましてもそう大した影響なしに当初の予定事業がやれるという見通しでございます。
○委員長(堀木鎌三君) では次に渋江君。
○説明員(渋江操一君) 計画局所管の予算節約の実施方針につきまして御説明申上げます。
 お手許にお配りしてございます資料の表紙を加えまして三枚目でございますが、一般の方針につきましては只今官房長からの説明がありました点で尽きております。それに付加えまして更に計画局所管の事業費の特質性からいたしまして、節約方針をその観点から付け加えておるのであります。
 先ず第一点でありますが、建設省の計画局の所管の事業費の内容は、御承知のように都市計画事業、殊に区画整理乃至は街路事業というものが相当事業量として大きな部分を占めておりますが、そこでこの事業費を節約しながら一方に事業量を減らさないという工夫を如何にいたすべきかという観点からいたしまして、補償費を減らすわけには行かないということからいたしまして、それ以外の費目におきましてできるだけ節約をするという考え方に立ち至つたわけであります。
 即ち第一点といたしまして、工法に工夫をいたしますと共に、特に工事用の機械器具費、それから工事雑費、事務雑費の節約によつてこの節約分の実効を挙げよう、こういう考え方であります。工事雑費、機械器具費の事業費に占める比率は大体一〇%くらいになつておりますので、これを相当量節約することによつて、事業量に対する影響をできるだけ少くして節約の実を挙げるという目的が達せられるという考え方に立ちましたわけであります。以上の趣意からいたしまして、機械器具費の新規購入を差控えて、従来からの手持の機械器具或いは機械の借用等によつてこの節約分をはじき出す、こういう考え方でございます。工事雑費、事務雑費につきましては特に御説明を申上げる必要はないかと思います。
 第二点でございますが、第二点と第三点はこれの手続方式をきめただけでございます。以上のような趣意からいたしまして、補助内示額をすでに出しまして、実施設計の承認を建設省本省に提出いたしましたものにつきましては、内示した補助額がすでに節約額を含めまして内示をいたした関係がございますので、その意味からいたしまして、従前の単価通りにはじいて参りますと節約を機械的に呑んだ事業量の設計になります。そういうことに対する節約方法、事業量を減らさない意味の節約方法を今回示したわけでございますから、そういう意味からいたしまして実施設計の承認済みのものについてはこの承認済みの設計を更に修正申請をするという必要があるわけであります。その手続を規定をいたして示したわけであります。それから補助内示額に基く実施設計の申請をいたさないものにつきましては、この趣意からいたしまして事業量を減らさない実施設計にいたして本省の承認を受けてほしいと、こういう手続を示したわけであります。
 なお先ほど官房長から話がございましたように将来の節約額の解除に伴う事業費の追加につきましては、その際における状況判断の上に重点配分をいたすということを付加えまして、先ほどの二十九年度完成事業等についての配慮等と併せまして、補助事業の重点配分ということを解除の際には実施したい、こういう考え方でございます。
○説明員(米田正文君) 河川局としましては大体の先ほどから御説明のありましたような趣旨においては同一でございますが、河川の性質上違つた点を主として申上げたいと思います。
 一番には、災害復旧費及び災害関連事業費は節約の対象外とするということは、これは一般方針に示されておる通りですが、改めてここで提起をいたしました。それからその他の費目については一律に一〇%減を原則にいたしましたが、年度内に三%が緩和されるということを目標にしておりますので、若し三%緩和して返つて来たらこれは各費目に還元をするということを書いてあります。ただ直轄調査費或いは調査費の補助については、これは殆んど人件費が主でございますので、物価値下りが殆んど影響がない種類のものでありますので、調査費からは減額をしないで他の工事で減額をその分でしたい、ということは調査費そのものが非常に金額も少いことであるしという趣旨でございましたが、その後大蔵省と折衝をした結果、三%は節約をするようにしてくれということで、あとの七%分を他の費目で補うというようなことになつたので、その旨を現地に指示をいたしておるところでございます。それから三の直轄河川総合開発事業費並びに河川総合開発事業費の補助については、これは一律にということが非常に困難でございますので、というのはこの工事は弾力性を持たないものが非常にありますので、これらは個々に検討をするということにいたして個々に各地方と打合せをして、総額で一〇%になるように一応したのでございます。
 それから四は、その他の一般の費目についてはその一〇%の減額をした結果、その範囲内において実施設計を立てて本省の承認を受けることといたしたのでございます。その次の五は、これは実施計画の承認の事務手続について触れた問題でございます。一〇%計画がその設計の中で確実に節約されるという見込があるならば、その設計の中で減額をして、それは設計で明確に一〇%が減るような方法にして行くようにと、それを設計を強いて今変える必要がない場合にはこれは竣工の認可のときの精算書類でよろしいと、こういうふうに事務の簡素化をここで図つたのであります。他はやはり事務手続のことを書いてございますが、実施計画の承認又は実施設計の認可を終えていないものについては当初一〇%減らさんときの額で一応設計をして、それがこう減つたという内容をはつきりするようにという指示をいたしております。ということは、若しそういうふうにしないというと、初めから減らしたまんまで設計を立ててやつてしまうというと、一〇%どこでどういうふうに節約したか、物価の影響がどうだろう、或いは能率のために減つたのかどうだろうということがわからないようになることを防ぐ意味でこういう処置をいたしたのでございます。
 以上でございます。
○説明員(富樫凱一君) 道路事業費の節約計画を御説明申上げます。
 道路事業費につきましては道路整備費の財源等に関する臨時措置法の規定によつてやつておりますので、削減は困難でございます。ただ事務的に考えまして、未曾有の大災害の発生等によりまして、この法律が改正されなければならないというような事態も考えまして、一応一割を削減して実行をいたしておるわけでございますが、これは十月になればこの節約の方向もわかるわけでございまして、この際には解除されるということを期待しておるわけでございます。
 この一割節減と申しますか、道路事業については保留と申したほうが適当かと存じますが、このやり方は、この一に書いてございますが、完成するものは完成させて節減はその他の完成しない工事で節減するという考え方でございます。これは国道、地方道を通じて同じ考え方にいたしております。第二が設計単価の再検討、不急不要経費の抑制等で極力事業の伸長を図ることとしておりますが、節約するものは節約いたしまして事業を伸ばすようにしたいという考えであります。三は、これらに伴う事務的な処置でございますが、これによつて実施設計変更の承認は省略するということを言つております。
 このほかに有料道路の事業がございますが、有料道路につきましては一割を節減することになつておりまして、この節減のいたし方は、完成するものは節減をしないで、完成しないものから節減したい、全体の一割を節減したい考えでございますが、これらについては只今大蔵省と折衝中でございます。
○説明員(師岡健四郎君) 住宅関係の節約の実行方針について御説明申上げます。
 一般的な方針につきましては各局と同じように、先ほど官房長が御説明した通りの方針でやつて行きたいと思つております。なお住宅の関係の特殊の方針といたしまして、お手許に差上げました資料によつて御説明申上げます。第一には、公営住宅の建設計画につきましては、団地数をできるだけ減じまして、団地規模を大きくした計画としまして、これによりましていろいろの工事費の軽減を図る、かようにしまして節約を図つて行く。それから工事の発注時期の問題でありますが、これは災害とか或いは一般の建築の工事発注が輻湊しまする際を避けまして、できるだけそういう工事の少いときを狙いまして発注するようにしまして、少しでも単価の経費の節約を図る。その次には入札に当りまして業者の選定を慎重に行いまして、成るべく団地ごとの一括入札としまして工事費の低減を図る。それから資材の調達についてでありますが、これ又事業主体の設計統一というような方法によりまして資材やいろいろの建築部品の規格の統一を図りまして、そうして県におきまして一括購入斡旋を図る、これらの方法によりまして建設費の低下を図り目的の達成に努力協力して欲しいということで現在地方庁においてこの方針でやつてもらつておる次第でございます。
○説明員(小林清周君) 営繕局長が外遊中でございますので、計画課長から御説明申上げます。
 官庁営繕費は予算額七億六千三百八十万七千円でございまして、このうち節約額七千五百六十一万七千円でございます。一律に落してございませんで、特に庁舎の非常に古いものがございます関係と、それから国会のお話で鉄筋コンクリートに成るべくすべきである、こういうふうな話でございますために、大部分が合同庁舎にしわ寄せをいたしまして、合同庁舎の節約の主たるものは、中央の四台はできておりますが、端の四台は二台を節約いたしまして、なお南側の増築の部分、地下室並びに一階となつておりましたのを基礎だけにいたしまして繰延べたわけでございます。なお工事の内容といたしましては、極力設計を再吟味いたしまして、質の低下を図りまして予算の節約を図つたわけでございます。
 各細かい事項はプリントの通りでございます。
○田中一君 これにつきましては大蔵大臣、建設大臣が見えてから質問したいと思いますから、今の説明はこの程度にして打切つて頂きたい。
○赤木正雄君 私は今質問したい。官房長にもう一度承わりまするが、事業量は減さないで節約すると、そういうふうにおつしやつたように聞きましたが、そうですが。
○説明員(石破二朗君) 昭和二十九年度の予算節約につきましては、方針といたしましては、曾つて当委員会におきまして建設大臣が申上げました通り、事業量は減らさないようにして当初計画した事業は飽くまでも実行して行きたい、こういうつもりでございます。
○赤木正雄君 今官房長のお話の通りに私も聞いています。その際に大臣は労銀が安くなることを考えて節約するとおつしやいましたが、以前に大臣がおつしやつた当時と今頃はどれほど労銀が安くなつていますか。
○説明員(石破二朗君) 私大臣が労銀が下るということを申上げたかどうかよく覚えておりませんけれども、私どもといたしましては、労銀の値下りにそう期待することはできまいと実は事務的には考えておつたところであります。で考えられます点は、主として建設材料の値下りに期待をかけるというのを主な狙いとし、更にそのほかに能率の増進でございますとか、設計の工夫だとか節約だとか、そういう点で何とかしてこの節約を受けて事業量を減らさずに済まそう、こういうことを考えたわけであります。
 御参考に材料の点について申上げてみたいと思いますが、セメントにつきましては、セメントの購入価格を従来よりか大体二%、メーカーの渡します価格を二%、一トン当り百七十円見当になりますが、そういうことを大体目標にして買うことにいたしております。従来より二%程度下げて買おうということにいたしております。なおセメントの購入につきましては、従来ややもすると例えば空袋の回収が不十分でありますとか、それから小運送の点に研究が足りなかつたとか、いろいろの点がありますので、そういう点を更に役所においても十分努力することによりまして、トン当り百三十円程度以上の実質上の節約ができるだろう、合計セメントにおきましてはトン当り三百円程度以上の節約ができるであろうという見通しでおります。それから木材につきましては、これは使います材料が規格がいろいろありますので、どれを標準に申上げていいかちよつと迷うわけでありますけれども、仮に今年の四月頃と現在と比べてみますと相当の値下りを見ておるわけでありまして、勿論物によりましては三%程度しか下らんというようなものもあるようでありますが、物によりましては二〇%程度下つておるというのもあるようでございます。更に鋼材につきましてはもう少し値下りが多いのでありまして八%程度以上、二九%程度も下つておるものがあるような状況でありまして、まあ材料の値下りというのに期待をかけておるわけであります。
○赤木正雄君 今お話の通りに労銀のことは余り値下りに重きをおいておらない、材料の値下りに重点をおく、これは私は御尤もと思つて、万事そうしてほしい。さつきのお読みになりました次官通牒を見ますとずいぶん苦しい文句があつて、不要不急な経費を抑える、これは今更こんなことはおつしやらなくても当然だと思います。それから事業について機械化を図るとありますが、これは節約するために特にこういうことをしなくても当然機械化を図つておられるはずだと思うのですが、どうなんです。
○説明員(石破二朗君) お話の通り、そう言われますと正にその通りでありますが、私ども平素から考えておるのでありますが、常に自分がやつておることは毎日々々これ以上はできないというつもりではやつておりますけれども、やはりどこまでも努力して行かなきやいかん。現在決して不十分なことで満足しておるつもりはないのであります。そういう気持を主にして書いた次第でございます。
○赤木正雄君 建設省の苦しい立場はよくわかりましたが、要するのに事業量は減さない、こういう方針だそうでありますから、その点で私は質問を打ち切ります。
○田中一君 あとの資料に対する説明は建設大臣から……。
○小笠原二三男君 この建設事務次官の通牒はこれは毎年毎日やらなければならん筋合のもののように見られますが、どうです。
○説明員(石破二朗君) お話の通り、毎年毎日やらにやならんことと心得ております。
○小笠原二三男君 今まではこうでなかつたということをこれは立証しておる通牒でございますか。
○説明員(石破二朗君) 先ほども赤木委員の御質問にもお答えいたしました通り、我々としましては一年三百六十五日このつもりでやつてはおりますけれども、やはり人間のことでございますので、気分の緩みも出ますしいたします。これはまあ止むを得んところでありましてこういう通牒を出すことによつて、やはりそういう人間の弱味も改められるような機会も出るわけでございまして、平素この通りやつておつたといたしましても、こういう気持でやつておるといたしましても、こういう通牒をこの際出すことは私は大いに意味があると、かように考えておるわけであります。
○小笠原二三男君 官房長から建設行政に携わる人がたの心理解剖まで承わろうとは考えなかつたのですが、緩みがあるのも止むを得ないなんというのは、これはとんでもないことで、そういうことは許されないと私は思うのです。で、ただこういう通牒が出される趣旨というものについては了解しますが、こと改めてこういうことをやるについては、今後においても実際実効が挙がるようにやるべきだろうと思うのですが、先ほど河川局長の説明を聞いていますと、事業量そのものが変らないで、当然節約で、設計変更で目的の仕事ができる、そういう場合でも、何ですか、どういう努力の結果そうなつたかという点を明細に示すように何か措置させるというような説明があつたようですが、初めからその事業をやるのに一〇%節約できてやれるものだつたら、初めからその設計でやることで何か異議があるのですか。私の聞き方が悪かつたかも知れませんけれども、何か無理々々これは努力して節約してこういうふうになつたのだという効果を示すに足るような資料を欲しがつているように思うのです。そんなものが欲しいなら欲しいでもいいだろうが、初めから節約できて事業遂行上も差支えないならこの上ないことなんで、その設計を元々の設計として事業遂行に当るということで何か困ることがあるのですか。元へ復元しなければならんということでなくともいいじやないですか。何か私の聞き方が間違つておるかも知らんのですけれども、殊更に節約したのだというところを示さなければならんというようなことは必要がないじやないですか。
○説明員(米田正文君) 私の先ほど説明した趣旨は、今仮にここに一千万円の設計がある。今節約をしない前において一千万円あるとすれば、その一千万円の一設計書の中で百万円分は節約するわけですが、でそれが一体材料でそのうち、仮の話ですが、六十万円安くする、それからあと四十万円が、創意工夫をこらすその他で四十万円の能率を挙げたいというようなことをはつきりさしたい、明確にさしたいという趣旨があるのです。これは今度の一〇%減というのが非常にまだ将来の見通しの仮定の下に立つておる問題を大分含んであるので、それらを明確にしたい。それからこれはひとり今度の問題のみならず、能率の向上等の問題は将来の大きな示唆を与える問題でもあるし、そういう資料を成るべく明らかにしたいという趣旨でそういう事務的な内容を指示をしておるところであります。これは内部の事務手続の問題ですけれども、それを改めて、今千万円の設計をすぐ九百万円の設計に変えんでもよろしいと、その中ではつきりさして九百万円で仕上げるようにすればよろしいと、こう言つておるわけです。
○小笠原二三男君 そうすると九百万円で仮に仕上げるとすると、やはり当初の見込みそのものが杜撰であつたと言われませんか。
○説明員(米田正文君) そこは私は先ほどから説明もあつたように物価の値下りによるものが大部分であつて、従来、去年までは御承知のように物価というのがだんだん上り気味でずつと上つて来たわけですね。今年になつて横這いになり或いは下がるという実例も出ておる。そこでまあ大部分がそれに当る、こういう趣旨です。
○小笠原二三男君 そんなものは節約だとは言えないのじやないですか、物価が値下りになつたら節約したくなくつたつてそれだけの仕事にしかならんじやないですか、私の言うことは当然でしよう。
○説明員(米田正文君) 節約の定義の解釈の問題であれば、これはまあ私どもはむしろ定義の解釈の問題じやなくて、今年の予算が一〇%減るか減らんかという実質上の問題であつて……。
○小笠原二三男君 減ることじやないでしよう、節約じやない。
○説明員(米田正文君) それはそうです。
○石川榮一君 只今各所管の御説明を聞いたのですが、河川改修その他砂防事業等に関する事業には一割節減することが可能だと思いますか。私どもの考え方では、住宅の建設などにつきましては資材が大部分を占めておるものについては格別ですが、河川改修、特にダム事業というものに対しては材料費の占める部面が少いから、労銀か或いは補償費、そういうようなもので節約せざるを得ない。それ以外にないと思います。そのほうは節約が私は困難てあると思う。現在のままでは、こういう希望を持たれても河川改修並びに砂防工事が一割節減することができるとは考えられない。若し考えられないとすれば、堂々とできないことを主張されて、河川改修或いは砂防工事に対しては三割を三分にしようとか二%にしようという強い主張をすべきであると思うのですが、それは全般的に一割の節減で唯々諾々としてこの通牒をできるという御確信がありますか。
○説明員(米田正文君) これはひとり河川の問題のみでなく全般の問題であると思います。一〇%できるとはつきりまだ言える段階ではないと思います。併し少くとも一〇%を節減するように努力するようにという趣旨が政府の方針としてきまりました以上、河川関係も極力その線に努力しようという最大努力の線を今出しておるのです。結果が果して一〇%きちつとになるかどうか、これはまだまだ我々にもはつきりいたしません。ただ今その目標に向つて努力をいたしておるわけですということであります。
○石川榮一君 その気持はわかりますが、恐らく私どもは不可能だと思います。河川改修というようなものに資材を投入するものは部面が少いので、主として労銀或いは補償費というようなものが多いのでありますが、恐らく一割の削減ということは、ほかの住宅等においては可能かも知れませんが、恐らく困難だと思います。困難だつたら困難のことを早く大臣に十分に確認をさせて、そうして他の事業をあと廻しにして、この事業を遂行することを目途とするならば、強い主張を常時やりませんと、結局三%或いは五%程度は緩和されると考えましても、或いはそうならないことがあるのです。そういう点について今一つ間違いのないように努力をして頂きまして事業量が若しはみ出すようであつたら追加予算でも何でもどんどん取つてもらうという強い主張をやつてもらいたい、これは希望です。
○三浦辰雄君 それに関連して。これは誰に聞いていいかわかりませんが、この間も念のために、閣議決定に基くものであるというので、その閣議決定を参考に付けてもらいたい、こう言つたのだけれども、これは付いていない。私はその書類を持つて来なかつたが、閣議決定の中にいろいろと尤もらしい次官通牒のようなことを言つたあと、最後に事業分量を減らしても止むを得ないということが謳つてあるわけです、あれには。閣議決定には謳つてある。みんなそれを言うと、予算編成権なり何かの問題とかいろいろやかましいものだから、あれには全然触れないで、一応事務当局さんもこういうふうな通牒を出して、今与党たる石川さんの立場からもきつい御注意があるというようなこれは現実だと思います。まあこの間部長さん、会議を開いていろいろとやつたけれども、恐らく部長さんだつてこんなよそゆきのような通牒だけで、はい承知しましたと言わない、きつと言わなかつたに違いない。言つたらおかしいと思う。
 そこで問題は、一枚まくりました場合、事業分量というものを恐らくあなたのほうとしては減らすという段階に来るか、あの一割というものをまるまるでなくても、三%どころでなく、もらわなければならないという段階に来ると思いますが、どちらかです。それをそういうふうに考えられているだろうと思いますが、それはいつのことだと思つていますか、参考までに……。いよいよ現実にぶつかつて行く、必ずぶつかる。而も閣議にはああいうふうに事業分量を減らせということを閣議決定の後のほうに書いてある、八項目の中に。そういうふうなものに一応触れないで行こうという努力については、我々としてもわからないわけじやないけれども、今日まで……、もう下期に入つて来てこれを見てもう猶予できない。一方においては一割を節約したい、うまく行つたら三%の還元と言つているけれども、それだけでは到底これらのものができない場合が相当にあるだろう思われる。いよいよどつちかにしなければならない。つまり経費をあの一割棚上げでは困るからどうしても戻してもらいたいというふうにやるか、それでなければあなたのほうでは今年計画した事業量というものを縮小するのも止むない。じやどこどこを縮小するか、こういう方向になつて来るにきまつている。さてそれはいつの頃とお考えになるか、一つそのお見通しを……。
○説明員(石破二朗君) たびたび申上げます通り、建設省としましては、一割事業の予算が減りましても、事業量は極力減らさないように今努力をしておる最中でありますが、併しいろいろ先ほど来からお話の通り、必ずこれを実行可能なものと確信しておるわけでも実はありませんので、その辺の、どの程度事業の量に影響があるかという点につきましては今調査中であります。県並びに地方建設局からも報告を取ることにいたしておりますので、それを待つてと考えておりますが、先ほど道路局長からお話申上げました通り、道路事業費の節約解除という点につきましては、災害等とも睨合せまして、遅くも十月中にはそういう措置はとらなければならんと思つておりますが、大体それらの時期までにはどの程度本当に事業量に影響があるか、一方物価の動きも、この災害のあるなしにかかわらず、相当影響があると思います。その辺を睨合せて事業量にどの程度の影響があるかということの見通しをつけ、節約解除という余地も閣議決定には載つております。そういう具体的の項目別に処置しなければならない、かように考えております。
○小笠原二三男君 大臣が来ると思つていたのですが……、三浦さんの御質問に関連してもついでに聞いておきますが、あなたたち事務当局としては、節約といつても、先に言うように材料費の値上り、これらは当然値下りになつた分を支払う必要はないのですから、結局創意工夫と言つたほうが節約の本旨だと思うのです。機械化とか労務の管理等をうまくやつて能率を挙げるとか、ところがそういうことで能率を挙げて仮に一〇%の節約ができたならば、予算をきめた国会側からいえば、初めから当初予算の見積は過大である、冗費があつたということも疑義なくはない。それから又そのくらいのものが実行可能であつたという先例を残せば、あなたたちは今後大蔵省に予算を要求するときだつて初めから査定は厳重になつて来る。痛し痒しのところじやないですか。この節約のための次官通牒なんというものも、そうしたけれども節約はできなかつたということで、結局金を当初の予算通りもらつて仕事をやるのを伏線として一応出しておくというようにも受取れるのです。本当に誠意を持つてこの実行予算通り実現できるかということを聞けばなかなかそうでもない。然るに又いわんや事業をやるほうはどうかと言えば、河川局のほうは当初の設計通り仕事は進めるという、或いは道路局のほうは一応九割までのところでは事業はさせるが、その解除を願つて一〇〇%の事業ができることを期待する、こういう待機の姿勢にあるのです。だからどつちに踏み切つてやつて行こうとお考えになつておるのか、この点は率直に事務当局から伺いたいのです。ただまあそういうふうにしてやつて行くうちに何とか恰好がつくだろうと考えておるのが本心なのか、徹底的に節約をして行こうというのが本心なのか、お尋ねしておきます。
○説明員(石破二朗君) この通牒にも書いてございます通り、これに別段に裏の意味はありませんので、正真正銘徹底的にこの方針でやつて行きたいというつもりでおります。
○委員長(堀木鎌三君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
○委員長(堀木鎌三君) それでは速記を始めて。
 只今大蔵大臣及び通産大臣が見えておりますから、できますならば大蔵、通産に関連した御賢明を主にして頂きたいと思います。
○田中一君 私は先ほどからくどく言つているように、遠賀川の鉱害の問題について伺いたいのです。従つて建設大臣並びに通産大臣がおられないと同じような質問をしなければならないのですね。そこで建設大臣が一緒に出席願うことを希望するわけなんです。
○委員長(堀木鎌三君) もう間もなく見えるでしよう。ちよつと速記をやめて。
   〔速記中止〕
○委員長(堀木鎌三君) それでは速記を始めて。
○石川榮一君 通産大臣に審議庁長官としての立場から伺いたい。
 国土総合開発審議会が御承知のように開会せられまして、逐次各特定地域の審議を見まして、これの承認を求めておるようであります。
 最近アメリカの世界銀行或いはFOA、或いはアメリカの過剰農産物、主として小麦の買入れ、MSAの関係等があるようでありますが、これらの資金をめぐりまして、愛知用水或いは北海道のデルタ地帯、或いは八郎潟の干拓問題等が大きく政府の方針に従つて要請されておるようでありますが、その事態は今どうなつておりますかを一つ伺いたい。
 もう一つは、重要河川を中心とする河川の総合開発計画に関しまして、現在の国の予算の配分におきましては到底その計画を実現することが困難のような状況に陥つておるわけです。でありますから、農産物増産ということを主目的にしておるようでありますが、どの河川の総合開発も皆農産物を急激に増産しようとすることを大きな使命として計画ができておるのであります。でありまするから建設省を中心とするいわゆる総合開発計画に対する外資の導入ということも、どうしても政府としては考えておらなければならないと思います。このことにつきましては何ら今まで聞いておりませんが、総合開発計画に対する財政措置として政府のいわゆる予算措置が十分でないことに対しては、他の農林省関係の食糧増産を主とする外資導入計画の線に沿いましてこの国土総合開発計画に対してもなすべきじやないかと思いますが、一つ審議庁長官としての御意見をこの際お伺いしたい。
○国務大臣(愛知揆一君) 只今のお尋ねに対しましては大体こういうふうに考えております。
 第一の国土総合開発計画と外国からの融資の問題につきましては、只今御指摘もございましたが、一番の中心といたしましてはやはり農地の関係、即ち食糧の自給度向上に資し得るようなものを選びたい。その経済効果ができるだけ早く現われるようなものを選びたいということで考えておりますが、これは大蔵大臣から御説明願うほうがよろしいかと思いますが、外資を借入れます場合でも、これはその額はおのずから相当の制約をしなければならないと思います。それからいわゆるインパクト・ローンというものには相当問題がございまするから、日本全土に亙りまして総合的な大きなところを、必ずしも当面のところを取上げ得るかどうかということについてはなかなかむずかしい点もあるのではなかろうかと思つております。で、只今の農業関係のほうで世界銀行等からの融資を期待しておりまする額は大体二千万ドルぐらいの程度のところであり、且つこれは数年の計画ということにどうしてもなるだろうと思いますから、非常に大きな計画ということは私は言えないかと考えておりますが、併し国土総合開発計画並びにその他の基本のいろいろの計画と十分これは睨合せ、照応した計画にいたしたいと、そういう面に外資を導入いたしたいと考えておることは勿論でございます。
 それから進捗の状況といたしましては、現在世界銀行からはデフリユーズという人が、農業関係の部長でありますが、この人が現在滞日中でございまして、日本本土全体に亙りましていろいろの計画について実地に勉強してくれておるわけでございまして、まだどこにどういうふうに外資を導入するかという具体的の相談までは入つていないような状況でございます。
○石川榮一君 この農産物の増産を主目的になさるということを伺つておりますが、北上川にいたしましても利根のような川にしましても、その他の重要河川を含む総合開発計画の主なる目的は、やはり災害防除は消極的ではありまするけれども、食糧を確保するということであり、更にその高度の水の利用によりまして畑地潅漑或いは用排水の完璧を期するという面から、大きな食糧増産を狙つておるわけであります。でありますから一部的にちよつと見やすい点から考えますれば、或いは農林省の所管でありまする用水事業等のものが取上げられると思うのですが、大きい目で見ますれば、この大きな特定地域として指定しておりまして、すでに問題となつておりまするようなものにつきましては政府におかれましても一つ本腰を入れてお調べを願いまして、その食糧増産がどのくらいになるかということは計算の上で現われる。恐らく北上川でも三十万石から三十五万石の増産は見られるのです。利根川でも六十万石の増産は見られるのです。それは災害防除もできる、そういつた点を考えまして、全部に亙つてやるということはできませんが、最も特定的なダムなり或いは排水事業であるというような点につきましては特に重点を置いてお調べを願いまして、そういう面にも世界銀行とは言いませんが、いわゆるMSAによる過剰小麦の円資金、あれらのものを利用ができるように政治的な折衝をしてもらいたい、かように考えるわけです。
 それからもう一つ考えておりますことは、現在の治山治水というものは非常に御承知のように圧縮されておりまして、百年河清を待つというようなことでありますことは御承知の通りであります。このままで推移いたしますれば、いつまでたちましても災害は防ぎ得ないというような状況にありますので、予算で以て十分に賄いができないという見通しがあるならば止むを得ませんから、私どもは国民の協力を得まして、各水系ごとにいわゆる治山治水公債、総合開発計画によるところの総合開発公債というような特殊なものを計画せられまして、そうして沿岸民の協力を求め、それによる資金と政府の資金と、更にできますれば過剰小麦の円資金による外資の利用というようなものを含めまして、少くともここ十年乃至十五年のうちには大体の大河川の治山治水は完璧が期せられるというような大きな一つ考え方をとつて頂いて御研究を願い、立案をしてもらわなければ、いつまでたつても私はいたちごつこでありまして、台風にばかり怯え、台風によつて年々数千億円の損害をこうむることは火を見るよりも明らかであります。ここで一つ大きな政治的な狙いからそういうものを取上げて頂くことが私は大事だと思うのですが、中には建設公債は恐らく応募者はあるまいと言われておりますが、これは方法によつてはあると思うのです。少くもその河川々々には相当に熱意のある衆参議員もおることでありますから、又知事や、その他の治水団体もありますことですから、これらを動員しますれば或る程度の住民間の公債の応募も期待ができるのじやないか、そういう点において治山治水の完璧を早期に実現するという目標を立てて頂きたいと思うのですが、その点についての御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(愛知揆一君) 只今のお尋ねの最後の点は大蔵大臣から御答弁願うことにいたしたいと思うのでありますが、この過剰小麦の買入れの円資金の問題、それから我が国としての財政計画の問題、それから外資の導入問題といつたようなものは、只今御指摘のありましたように、総合的に見て進めて行く計画でございます。従つて過剰小麦の買入れ金のごときは、まだ実はアメリカのMSA法がどういうふうに今後の過剰小麦について法律としても変るか、その運用がどうなるか、又割り振りがとうなるというような基本的なこともまだはつきりといたしておらないようなものも随分たくさんあるようでございますから、こちら側だけで的確に御説明することは困難でございますが、要はインフレを起さないで、而も只今御指摘のような経済効果をできるだけ早く挙げて行きたい。勿論災害の防除も非常にむしろ優先するものであるかとも思いますが、それらの点を総合いたしまして、日本自体の財政計画、それから対外的に援助を求めるものと、これを総括して順位をつけて、可能なものからその結実を期待して参りたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 主として治山治水関係についてのお尋ねと了承するのでありますが、これは昨年度もまあ比較的乏しい予算のうちとしては若干増額をしておることは石川さん御承知の通りであります。けれどもこれは実に現状から見て足りないことは御指摘の通りであると存じます。従いましてこれらに対することはできるだけ予算の範囲で善処いたしたいと考えておりますが、ただ外資導入がこういうものに役立つかどうかということについては、只今丁度経審長官が説明された通りに、向うのほうでもまだこの間出した法律の内容、運用等について的確を欠いておる部分もございまして、さようなことが今のところでき得るかどうかはちよつとはつきりいたしません。併しお話のごとくにこの総合計画が食糧増産にも役立つことはこれは申すまでもございません。日本の国としては是非これをできるだけ早く予算の許す範囲でやりたいとは考えております。
○石川榮一君 今一つ落しましたが、建設公債の構想は……。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 建設公債の内容等につきましてちよつと私どもまだよく検討しておりませんから、意見を申述べかねるのでありますが、或いは鉄道の公債でも、まああれは公社債でありますが、電電公社の公社債でもかなり売行が窮屈であることは御承知の通りでありまして、従つて長い眼で見ますれば石川君のお話の通りであると思いますが、現在の金融状況等において、果してこの建設公債が支障なく消化し得るかどうかということには現在のところ相当疑いなきを得ないじやないかと、かように考えております。併しそういう考えも一つの考えでありますから、この問題はよく検討してみたいと思つております。
○石川榮一君 私は今の建設公債の構想について述べることもどうかと思いますが、目標は金融機関から公債を持つということでなしに、主として農民から、農民の貯蓄から建設公債を公募してもらいたい。それは今の大きな河川等の仕事をして行く上におきましては、国の予算もこれだけの窮迫状況でございますから、現在の人が全部背負わなくても、これは子孫が或る程度背負つてもいいという建前もあり、それから現在の農村では貯蓄をいたしましても土地を買うことができない。これは農地の制度からそうなつておりますから、結局貯蓄をいたしましても物見遊山に行くとか、或いは闇金利に走る、或いはその他のものに浪費するというような傾向が顕著になつておりまして、要するに農村には貯蓄目標がなくなつている。これらの点を考えて、できる限り農村にも余剰ができたならばその土地の再建のために建設公債に応募するということが農民にふさわしい使命だということを認識させるように十分にやつて行くならば、私は相当の建設公債が金融機関を煩わさなくてできる。又そうして打開しなければ、この治山治水というものの完璧は期されないと思いますから、これはインフレの御心配もありましようが、恐らく吸上げるのでありますからインフレは起らない。ですからこれは若し成功すれば私は非常にいいことじやないか、農民のいわゆる勤倹貯蓄の目標をその土地々々の治山治水に投入するのだ、それが再生産になつて来るのだという建前をとらせますときにおいては、精神的に私はいいと思う。こういう点から御研究願いまして、成るべく止むを得ませんからそういう方法をとれるような御研究を願いたい。
○田中一君 私は一カ月以上この三人の顔を拝見することを待つておつたんですが、やつとこの機会を得たことを幸いと思います。時間がないそうですから、短い言葉で質問申上げますが、二十八年度の西日本の水害におきます筑豊炭田地区の災害の因をなしたという遠賀川の植木町地区の堤防の決壊、これに関して御質問したいんです。同時にこの跡始末並びに今日の炭鉱並びに農地の現状、この点について政府の施策を、緊急施策を質問したいと思うんです。
 先ず第一にお伺いしたいのは、河川局で遠賀川の工事は御承知のように、二、三十年来の全面改修工事をやつておりますけれども、未だに河川敷の下において或いは百メーター、三百メーター、五百メーターの下において、どのような採炭の坑道が掘られつつあるかという現状を把握しないで、今日まで河川改修工事をやつて来たという現状だそうであります。これにつきましては監督官庁としての通産省はこの公共施設であるところの、殊に大きな災害をもたらすような河川、この河川敷の下をこのように坑道が掘られつつあるというような資料をなぜ建設省に提出しないか。鉱業法によりますれば、はつきりと通産大臣に対しては年々地下に掘つておりますところの坑道に対しましては報告しておるはずでございます。この点について通産大臣はどういう形で、今までの遠賀川の河川敷の地下、遠賀川ばかりでございません、たくさんの河川がございますが、その下の地下に対する連絡は、建設省との連絡はどういう形をとつておられるか、先ず第一にこれをお伺いいたします。
○国務大臣(愛知揆一君) この点につきましては、実は私もいろいろと御説明いたしたいことがあるのでありますが、先ず一つは、遠賀川の堤防決壊の原因がどうであつたかという点については、随時私どもの見解を、或いは御答弁の形或いは答弁書の形で差上げておりますので、この見解については御承知の通りだと思いますが、これらの経緯或いは御懸念等に徴しましても、今後河川当局との間の連絡については、従来足りないところがあれば、必要な事項について十分に協議をとるように特に配意をいたしておるような次第であります。特別にこのために協議会を作るとか、或いは特別な何か組織を作るとかいうことは実は考えておらんのでありますが、要は通産当局と河川当局とがより一層緊密な連絡をとつて、必要な条事項について情報の交換をし合うというようなことが、今後いろいろの紛争を生じない最善の私としては策であると、こういうふうに考えておるわけであります。
○田中一君 私は今、遠賀川の決壊が鉱害にあるか、或いは建設省の堤防建設の技術の欠陥にあるか、或いは他の水の大出水によるところの不可抗力かということを伺つておるのではないのです。通産大臣はいつも各炭鉱から、地下に掘られておる現状というものの報告を受けておると思うんです。この報告を受けておるのを公表した例があるかどうか。或いは同じ政府側において建設大臣に提示して、これはこうなつておる、ああなつておるという連絡をしたことがあるかどうかを伺つておる。
○国務大臣(愛知揆一君) 只今お尋ねの地下の状況等についてこれを一般に公示したことは従来ございません。
 それから関係各庁との連絡でございますが、例えば河川局からこの河川の状況、地下の状況等についての調査をしたい、或いはどういう状況になつておるかというお尋ねがある場合には、勿論これは関係官庁として資料の提示をいたしておるわけであります。
○田中一君 私は、建設大臣は最近お見えになつたので、建設大臣に対する質問を代りに河川局長に申上げますが、河川局長は、その要求をしておりましたけれども、未だに出してもらつた例がないと言つておるのです。殊にこれは先般の当委員会におきましても、たしか菊池技監と思いましたが、菊池技監もそういうような発言をしております。実際にそういうことがあるのですか。或いは昨年の西日本の水害に基く鉱害というものが大きく浮び出て参つておりますが、実際に河川工事と一緒に地下の坑道に対しては、そういう連絡があるのですか、私はないように聞いておる。若しこれがあるならば、河川局長一遍、そういう点は今までの経緯を率直に、遠慮することはありません、御答弁願いたいと思います。建設大臣に代つて御答弁願いたいと思います。
○説明員(米田正文君) 遠賀川の調査にからんで、通産省等に我々のほうで常時連絡をとりながら、この原因についてはいろいろ調査いたしました。そのときに坑道に関する資料の提示方をお話をしてあります。で一応もらつたのでありますけれども、これは十分な資料でなかつたので、再度詳細な資料を今要求をいたしております。
○田中一君 河川局長にもう一遍伺いますが、それはいつ要求して、いつその資料が来て、それが不満足なために、又いつその資料の要求をしましたか、日時をお知らせ下さい。
○説明員(米田正文君) 最初の概要図については四月頃もらいました。その後詳細な資料を求めておりますのは、先月末頃であります。正確な今、日附はここに持合せておりません。
○田中一君 遠賀川の改修工事はもはや二十何年になるはずです。その間相当な採炭が行われておる。殊に戦時中も遠賀川の河川敷の下は掘られておるが、一体石炭を掘るには、一トンの石炭を掘るには、十トンの水をやはりポンプ・アツプして、それを遠賀川に捨てる、或いは地上に運び出すというような現状に伺つておりますので、そのように大きな河川なり地上に変革を与えるようなことをしておりながら、それを何ら連絡なしに遠賀川の計画的な改修工事をやつておつても意味がないのであります。
 現に先般行つて参りましても、昨年の決壊地点というものは一メーター以上も沈下しております。これでは建設省が一生懸命国民のために、地元のために堤防を作る。通産大臣はそれをこわすために一生懸命中で以て穴を掘つておるという現状なんです。殊に今お聞きのように、河川局長はあなたのほうにこの四月になつて初めて要求した。恐らく河川の技術官として、建設省としては、下でどういうことをやつておるかわからんのに上の改修工事ができるはずがない。これは通産大臣の責任重大であります。幾ら国費を以て遠賀川の改修をやつても、下で以て石炭一トン当り十トンの水を揚げていたのでは、これは地盤が沈下するのは当然です。この点は今までの連絡はどうなつておるか、今の河川局長の答弁は嘘であるか、本当であるか、実情を御説明願いたいと思います。
○国務大臣(愛知揆一君) 何か只今のお尋ねの中では、私は遠賀川の改修を妨害しておるかのごとき印象を受けたのでありますが、これは申上げるまでもなくとんでもないことであります。私どもの仕事のやり方について若しそういう仮もお疑いを受けるような事態があるとしますれば、十分事務連絡の方法等は改善いたします。
 只今の河川局長のお答えはその通りだと思います。四月に御要求があつて取りあえず手許の資料を差上げたのであります。それから先月末になつて改めてもつと詳細なものという御要求があつて、十分御希望に副うようなものが出ていないかも知れませんが、例えば現地の通産局の持つておる資料その他もございましよう、これは私どものほうといたしましては全力を挙げて御希望に副うようにいたしたいと思います。
 ただ先ほど申上げましたように、これは一般の公表ということはいたさないことになつておりますから、建設省の仕事なり計画なりが十分円滑に参りますようなその参考資料として私どもが政府部内の資料を提出するということは、これはむしろ当然であるというふうに考えております。
○委員長(堀木鎌三君) 田中さんにちよつと申上げますが、大蔵大臣に今日出席願つたのも、大蔵大臣が外国に行つてしまうので、できるなら外遊前に非常にいろいろお忙しい中を割いてもらつたのです。これは当然のことなんですが。で併し機会がないとあなたの御趣旨が達せられないと思つたので、できるなら愛知通産大臣と建設大臣のやつは幾らか時間があるのですから、大蔵大臣に関連したことに主力を集中して頂けませんか。
○田中一君 この今の問題が解明しませんと、結論を大蔵大臣に伺うわけに行かないですからやつたのですが、大蔵大臣お急ぎのようですから簡単に申上げますが、先ほど石川君からも愛知用水の問題が出ております。愛知用水は千五百億の金をかけて二千万石の米に換算しての生産を上げようという計画なんです。現在の北九州の筑豊炭田地区、これは約一万町歩の鉱害地区があるのです。若しもこれが従来の、元に還つて、せめて美田とならないまでも、通常生産ができるようになりますれば二十七万石取れるのですね、二十七万石の収穫があるのです。そうして御承知のように炭価は今下つております。石炭業は決して国家管理でもなければ国営でもないのです。自分の私企業として自分の思いのままに炭価が上れば掘りますし、下れば放棄するという現状なんです。現に特別鉱害法そんなものでやつてもどうにもならない炭鉱があるわけですね。そして又一面今年になつてからは大手筋三万人、中小業者としては二万人、計五万人の首切りを断行しておる。季節労働者は自分のうちに帰つて来ます。併し定住している労働者はまだあそこに数万の人間が失業対策費をもらつておりますが、これは恐らく九月か十月までに終ります。あそこで何も職場がないためにうごめいております。この現状を見まして、先だつての新聞を見ますると、十四億何千万円という鉱害復旧費を繰上げ支給してやつて行こうというようなことを言つておるそうでございますが、大蔵大臣としてこれだけの人間、五万人の失業者に対する、炭鉱労働者に対する、鉱害復旧をすれば、無論失対事業の金ばかりでなく、生産が伴うということを考えまして、どのくらいの考えを持つて今の鉱害に対する繰上げ支給をしようとしておるか、これを伺いたい。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 今ちよつとお話があつたのですが、それは一万町歩、二十七万石の食糧増産ができる、誠に結構で是非望ましいことであります。愛知用水については千五百億云々ということは、それは何かのお間違いで、私の承知しておるところでは三百億である。パシフイツク・コンサルタントの調べでは四百六十億減ずるということを言つておるのでありまして、これは多少数字の根拠が違うかと思いますが、これはどちらでもよろしうございます。
 今の問題のお話でございますが、現在私も各予算についての細かい実施状況については実は究めておりません。これはまだ報告を受けておりません。だが公共事業費等でやりますものについては大体一割をいわば留保しておりますような次第で、併しこれも実情に応じて解除に持つて参るというような工合で、個々に閣議決定を経て解除をする建前をとつております。従いましてお話の今の鉱害等の問題につきましては、これは私のほうでも予算の範囲内でできるだけのことはいたしますが、実はそういう問題は、これは大蔵省の立場をあえて弁明するのではございませんが、例えば食糧増産なら農林省のほうかも案が出て参つたものを私どもは実は査定する、鉱害の問題が出ますると通産省のお出し下さつたものについて私のほうでは検討をする。元を言いますと、実はそれぞれの原省にあるわけでございますから、私どもはそれに基いてできるだけの財政措置をとるということしかお答えできません。
○田中一君 通産大臣は鉱害復旧に対する繰上げ予算の計上というものに対しては大蔵大臣と相談したことはありませんか。
○国務大臣(愛知揆一君) この鉱害復旧事業の問題は先ほど田中委員から御指摘がありましたように、九州の一般的な中小炭鉱の緊急対策としてはいろいろな案が今考えられております。それから手も打たれておるわけでございますが、その一つとして、先般来経済審議庁で労働問題対策協議会というのを七月から熱心にやつておりますが、そのときには失業対策の一環としてできれば鉱害復旧事業費を、これは増加するわけではございませんで、差当り例えば年度末近くになつてから支出を予定されておるものであつても便宜繰上げて実施することができ得るものについてはさような措置をとつてもらいたいということで、これは大蔵省に事務的にも研究をお願いしておるわけであります。それでこれは細かくなりますけれども、例えば十四億円でつかみで以てこれを繰上げて施行するというような恰好ではございませんで、いろいろ制度上許され得る範囲で且つ効果が相当顕著に期待できるというようなものを大蔵省主計局の知恵を借りながら私のほうでお願いしておるという状況でございますから、大蔵省全体に対して御協議を申上げておるということは大分前から事実でございます。
○田中一君 どのくらいの額を大蔵省に相談しておりますか。
○国務大臣(愛知揆一君) 大体全体として約十二億円程度のところで、これは決して先ほど申しましたように増額というものではございませんで、全体の範囲としてここまで繰上げてもらえれば非常によろしいという我々のほうの案でございます。まだ大蔵省のほうから確たる回答はもらつておりません。従つて閣議決定にも至つておりません。
○田中一君 大蔵大臣に伺いますが、短く伺います。又十二号台風で大分今年も南九州は大変困つております。そこで昨年繋ぎ融資として熊本、佐賀その他府県に借しておる金がございます。これはまだ返してもらつていないのが現状だそうですが、これは長期債に変えるような意向はありませんか。又今度の十二号台風で、この資料を拝見しますと相当な被害が出ております。少くとも昨年の特別法で以て災害に補助しておるところの地区における繋ぎ資金、これは長期債に変えるというふうなお考え方を持つておらんかどうか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 只今お尋ねの点は、繋ぎ融資というものは、これは御説明するまでもなく、来年三月までに返してもらう予定をしてやつておるわけでございまして、決して長期債に変えるという考えを以てお出ししておるものではございません。もともと繋ぎ資金でございますので、その年の予算にあるものを、見込まれる分を最初出しておる、こういう実情なのでございまして、従つて来年三月までには返して頂くことに相成つております。但しお話の点が、来年三月になつてもときにどうこうということがございますれば、又そのときの実情について考えますことは、これは勿論考えなければなりませんが、只今のところこれを長期債にするとか何とかいう考えは全然持つておりません。
○田中一君 そうするとこれは先の問題になりますからどうも面白くないのですが、長期債にしないでも、来年三月で以て一億円でも返つて来ないという場合、補助金で相殺するというようなことはしないでしようか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 只今の繋ぎというものは補助金で相殺する建前になつておるのが繋ぎ資金の性質でございますが、併しそのときの実情に応じて、そう理想論のみが、又理窟のみが言えない場合もございましよう、そのときは改めて考えます。これ以上にお尋ね下さつても実はちよつと……。理論の上ならお返しを願いますというようなこつちからはお答えしかできません。
○田中一君 これは資料をもらつておつて、まだ資料の説明を聞いてないのですが、一番私は心配するのは、無論地方、都道府県から来る資料に基いて建設省は災害費というものを査定しておるのです。決してこれは鵜呑みではないと思います。少くとも技術的な専門家が全部現地に行つて細かい実態を調べて計上しているが建設省の災害査定だと思うのです。ところが常に大蔵省はその査定に対しては大幅に削減するのですね、従つて建設省からは査定の根拠を明らかにして頂きましたが、それで大蔵省は削除する根拠ですね、これを明らかにしてほしいのです。無論二十九年度は一兆円予算というものでしぼり、且つ政府としては黒星でいろいろな法案が否決されたというので、二百億の不足財源を得ようとし又ここに一割の天引を国民に強いている。苦しいのはよくわかりますが、どういう根拠で建設省の相当の技術官が行つて十分に実地を調べたこの数字を天引するのか、その根拠を明らかにして頂きたい。
○委員長(堀木鎌三君) 田中さん、通産大臣はもう帰してよろしうございますか。
○田中一君 明日でも次の近い機会にお願いします。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 実はお手許にたしか出ておると思いますが、私のほうで緊急監査をいたしました結果、大体二十八年度の被害総額が相当水増しがあつたり或いは不正な申告等があつた事実を認めましたので、まあ三割強を一応削減してかかつたのでありますが、その後だんだん調べましたところによると、これはお手許に行つているかどうかわかりませんが、主計局の監査官のほうで調べましたところによると、農業用水等では大体五二%というふうになつておりますが、尤も港湾などは九〇%、或いは今の建設省の分は相当建設省のほうでも厳しく御査定になつているので、私どものほうでかなり厳重にやつても六割六分というふうになつて、農林省よりはよくなつておるのでございます。そこでそういうふうなことで、大体農林省案に比べますると非常に建設省の分はどつちかというと厳格に行われておりますから、再調査をいたしましても余り減少しないだろうと存じますが、これは私のほうで実状に基いて緊急監査をしたその平均数においてやつておる次第であります。
○田中一君 私は小笠原大蔵大臣が縷縷として雄弁を振われても、地方の災害はちつとも救われていないのです。それで一体大蔵省設置法ではどういう土木建築の技術家を大蔵省が持つているか、どういう定員を持つているのですか、先ず最初に伺いたいと思います。若しも建設省が持つておりますところの技術陣を凌駕するような優秀な技術官がおるならば伺いたいのです。私の知つている範囲では大蔵省にはそういう技術的にものを判断するような職員はおらんと思うのですが。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 実はここに理由書がありますからちよつとそれをそのまま申上げて見ます。建設省の査定額に対しまして大蔵省はこういう理由で今の四百二十八億五千八百万円を削減している、こういうことでありますが、それは実地査定分を除いた未査定分のうち一割及び机上査定分の一割五分相当分を引いております。これが百十九億七千百万円、その次が土木及び都市の超過改良工事と見られるものを二六・七%相当額引いております。それが二百七十八億四千六百万円、土木及び都市の竣工工事の入札差額を四%引いております。それが三十億四千百万円、合計いたしまして四百二十八億五千八百万円というものを実は引いておる。
○田中一君 その引いている根拠は、一割ぽかんと引いているのはどういう机上査定で……、机上査定というもので災害復旧ができるとお考えになつているのですか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 机上査定はあとの監査の結果によりますと、そういうふうにいつも減つて参りますので、これを大蔵省が従来やつておる過去の実例からこういうふうにいたしておるのでありますが、なおこれは実は主計局で細かくやつておるのでございまして、主計局次長も来ておりますから、私以上に詳しく説明ができるかと存じます。
○説明員(原純夫君) 只今大臣が申上げました通り過去の実例乃至暮に行いました緊急監査の実績等を考えまして、机上で査定いたしますものは、実際について見ますとどうしても若干減つて参るというのをそういうふうな割合で落したわけであります。
○田中一君 今の原次長の答弁で建設大臣満足しておりますか。
○国務大臣(小澤佐重喜君) いずれにしても政府部内のことでありまして、現在では建設省と大蔵省との考えは違つておりますけれども、最終的にはこれは調整をやらなければならん問題でありますから適当なときに調整をとりたいと思います。
○田中一君 そうすると建設大臣は自分のほうの査定が正しいという信念を持つていらつしやるんでしようね。
○国務大臣(小澤佐重喜君) それは勿論です。
○田中一君 今建設大臣は、これは政府部内の問題だとおつしやるけれども、これは政府部内の問題じやないんです。
○国務大臣(小澤佐重喜君) その意味で……。
○田中一君 話合いの問題はあなたがたのほうは適当に話合えばいい。併し国民がこれによつて不幸になるか幸福になるかの問題なんです。おれに任せろというようなことはおかしいですよ。国会無視ですよ、そんなことは。あなたがたのほうで話合いできないからこういう結果になるんですよ、ね、そうでしよう。これは毎年々々やつているに違いないのです。話合いが付かないで、それでいろいろな関係からまあまあで以つて建設省が自分の技術的良心を捨てて大蔵省に屈服される。そういう現状じや日本の災害というものは原型復旧どころじやないですよ、何もできませんよ。私は信念を以つて建設大臣がただ内輪の問題だから、我々の仲間で相談するからいいじやないかという発言だけでは不満足ですが、もう少しあなたが、若し大蔵省で追求するなら、私は大蔵省があなたがた以上の、建設省以上の技術陣なり機関を持つているならいいけれども、単なる机上査定によつて相当な額のものが削減されるというようなことはありようがないんです。この点建設大臣もうはつきりと御答弁願いたい。
○国務大臣(小澤佐重喜君) それは、この問題はあなたにも何回も話した通り協定が付かない結果国民にどうこう影響するということはそれはあります。ありますからたとえ一日でも早くこの問題を解決を付けるように努力はいたしております。どこまでもこれは政府部内のことでありますから、部内の問題は部内で解決して行きたい。
○田中一君 この部内の金額の問題は、これはどうぞ予算の編成権はあなたがたが持つていらつしやるんだから結構です。実際の実害が建設省の査定の上にあるならば、それを予算の問題だけはおれのほうの権限だからやるというようなその点だけを我々は承服できない。それではこれは大臣は政治的な妥協をしても、恐らく良心的な局長連中は承服できんだろうと思うのです。そういう点で以て河川局長、一遍あなたは大臣の今の……、無論政治的な予算の編成権というものは政府が持つておりますから自由です。我々がそれに反対する賛成するという権利はありません。査定した河川局長としてどうお考えになりますか。
○国務大臣(小澤佐重喜君) どうもこの問題はたびたび話しておるのですが、要するにこの二十八年度の予算は政府の提案したものを国会が承認した予算であります。この総額には少しも異動がないのであつて、ただ結論が出て来るについての政府部内の観点が違つただけで、現実の予算の執行は別に変つていないのです。
○田中一君 勿論予算の執行には関係ありません。我々が反対してもあなたがたが通したのです。
○国務大臣(小澤佐重喜君) 無論その通りです。
○田中一君 結構です。政府部内のそうしたものに対する調査は自由でございますから。従つて二十八年度の予算と、こう聞くのは、三十年度の予算にどういうことになるかということを考えるわけです。(「その聞くのが悪いんだ」)と呼ぶ者あり)
○国務大臣(小澤佐重喜君) あなたがお聞きになるのは極めて正当な議論だから拝聴しているのです。その矛盾した点を調整するのが我々の役目なんです。
○田中一君 河川局長に伺いますが、二十八年度災害予算に対する査定というものは、良心的に正しいものとしてあなたがたがやつたのかどうか伺いたいと思います。
○説明員(米田正文君) 勿論我々のほうで査定官が現地に行つて査定をしておりますので、正しいと確信するのであります。ただ非常にたくさんの件数のものを短時間にやつておりますから、これは人間のやつたことですからそこに私は全然誤りがないという点については、これはまあそういう今言つたような事情もありますから、そこで実は大蔵省と我々との間に意見の食い違いがあるのは今の御指摘の通りであります。そこで大蔵省と今折衝をいたしておりまして、近くなお両者で一致した線に行きたいということでやつておりますが、併しこれはまあ今大臣からもお話ありましたように、近いうちにそういう一致点に到達する見込でございます。
○田中一君 これはおかしな説明を受けたものです。今建設大臣は二十八年度災害及び二十九年度予算というものは国会の承認を得たと言つておりますけれども、何のために改めて又二十九年度予算を話合いで以てきめるというのか、そうすると補正予算を出そうというお考えですか。
○国務大臣(小澤佐重喜君) つまりこの査定が違うとか或いは違わんとかいう問題は、飽くまで実は二十八年度の災害の予算に対する大蔵省と建設省の査定が違うという議論なんでしよう。これはその予算の中身は二十九年度の予算を言つておられるんでしよう。そういうふうに私は聞いて答弁をしておるのです。あなたが補正予算のことを聞いておるのだつたら私の答弁は違います。二十九年度の予算の内容について、査定がお前たちは違つておるじやないかというから、その査定は成るほど違つておりますから……。結論は二十九年度、今年度の予算です。
○田中一君 今、査定の問題について査定が例えば今やつているような米価をきめるとかいう問題ではないのですね、あれは。これはもう二十九年度で以て二十八年度の災害の予算を組んでしまつた。これはやつているんです。
○国務大臣(小澤佐重喜君) そうです。
○田中一君 今度あなたがたがどんな話合いをしても、あなたがたが補正予算を出さない限り変更ないのです。いわゆる大蔵省の査定に屈服したのです、あなたがたが、そうでしよう。一方的にあなたのほうの査定した金額が違うのですから、大蔵省の査定に屈服して二十九年度の予算というものができたわけです。これを技術的に見てどうかというのです。
○国務大臣(小澤佐重喜君) どうも田中君の質問がはつきりわからんのですが、要するに二十九年度の予算において二十八年度に対する災害は……、政府が提出し国会が承認したわけですね。従つてただその結論の内容がいわゆるこの二十八年度の災害の三に該当するか六に該当するかという議論だけの問題、中身の問題です。従つてあなたの質問は、私のほうでは三〇%しかやらん、大蔵省のほうでは六〇%できるのだというこの議論の根拠を私は質問されておるものと思つて私は答えておるのです。
○田中一君 その通り。
○国務大臣(小澤佐重喜君) 従いまして実際の金を使う面においてはいずれにしても違うのです。従つてだから来年度予算を編成する場合には問題になつて来る。来年度の予算の場合には必ずそれまでには解決を付けようと、こう言うのです。
○田中一君 この二十八年度災害の現地はおおむねは県費で以て仕越工事をやつておるのです。仕越工事を未だやつておるのです。そこで御承知のように地方財政は破綻の一歩手前に来ておるのです。この始末をどうにかしなければならないことになつておるのです。これは建設大臣並びに大蔵大臣はこの災害に対する仕越工事に対する資金の面、これをどういう工合に措置なさろうとするのか、伺いたいと思います。
○国務大臣(小澤佐重喜君) 私のほうでは、いわゆる一兆円予算という狭い枠内で災害の復旧をやつておるので、いずれにしても罹災地は非常に困つておるということは認めております。従いまして予算以上の工事が進行した場合には、大蔵省の了解を得て何とかしてそのときにこそさつきの繋ぎ融資という点でカバーしたいと考えております。
○田中一君 大蔵大臣の答弁を頂きたい。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 勿論私どものほうとしては、自分の力で仕越工事をやられておるものと見ておりまするが、力が足らん場合においては、特別にいわゆる金融措置などとつておる分もありまするし、又とらなければならん分も出て来るかと考えておりますが、これは実情に応じてやりたいと考えております。
○小笠原二三男君 じや先ほどの田中君の質問に関連してお尋ねしますが、建設大臣は将来の予算を決定するための災害の全体的の査定については、将来大蔵省と話を付けるということですが、大蔵省が今回査定しておる八百五十二億というものは、大蔵省側としてはそういう要求に応じて動かす用意がございますか、ございませんか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) これはよく話してみますことですけれども、併し大蔵省としては実はこの私どものほうの査定を正しいと信じておるのでありまして、又それに基いてのみ予算措置がとられるのでありまするけれども、併しなお実際においてこれは全部再査定したわけじやございません。従つて再査定をしまして、実情に基いて、この工事そのものには当初の、つまり例えば年内に私どもは六割できると思つたものが或いは四割しかできていないところがありますれば、それはそれに対する措置はいろいろ講じたいと思つております。
○小笠原二三男君 それで大蔵省の査定が正しい正しいということをおつしやいますが、少くとも大蔵大臣が只今、先ほど御説明になつたような査定の基準として、土木及び都市の超過改良工事と見られるもの二六・七%相当額を削除しておる、削つておる。この土木及び都市の超過改良工事と見られるものという一方的な見方というものは、誰がこれをきめるのですか。大蔵省の、これこそ専門的な技術屋でなければ、改良工事であるか災害復旧であるかはわからんと思うのですが、財政官がこんなことを決定する、それだけの能力あるのですか。
○説明員(原純夫君) 超過工事の問題が恐らくこの問題の焦点であろうと思います。ほかにもありますけれども、そしてその点につきましての我々の考え方は、超過工事というものはつまり元の形なり機能なりに復旧する以上に改良するということは非常に結構であり、望ましいことであるけれども、これをその法律の災害復旧費としてやるかどうかということは、そのときの財政の力と、それからそのときの災害の大きさ、この辺が大きなフアクターになつてきまる。従いまして、端的に言いますれば、昨年のように災害が、恐らく今までに曾つてないというような大きな災害が起つた。それから財政のほうは、どうも締めて行かなければ日本の経済は危いというときにおいては、おのずから超過工事について相当締つた態度をとらなきやいかんというふうに考えました。
 そこでその次の問題は、建設省その他で査定されました総体の復旧工事費のうち、どれだけが超過工事分であるかという判定と、それから超過工事を我々も全然否定しようというのじやありませんので、或る程度は必要であろう、その或る程度というのはどの程度を妥当とするか。昨年のようなそういう場合にどの程度を妥当とするかという点でございます。それらにつきまして、第一の点につきましては、一応まあ率直に申しますれば、最近この超過工事につきましても補助率が通常の原形復旧の場合と同じようになつたというようなことから、又新聞紙上でもいろいろ災害待ちとい全うなことがいろいろ見られますように、超過工事が災害に際して行われるという傾向は相当強いものがあります。そして過去の、余りはつきりした統計は我々、各省持ち合わせておらないのでありますが、いろいろそうした趨勢を考えて、三分の一程度は超過工事をやろうという見当をつけ、そしてそのうち全然否定してはいけないというので、三分の一、つまり三三%三を除きますと六六%六になるわけでありますが、まあそれに一割程度の超過工事という考え方で、それに六・六六をのせますと、只今の七三・幾らですかというようなことになるのであります。なおそのほかに、別途に改良工事のほうに関連工事としてその七三%の一割程度に当りますものを組むというようなやり方をいたしておるわけです。その考えは、つまり率直に申して災害に超過工事が余計乗つかるということは、一方で便乗のきらいも、負担面の問題もありますが、同時にやはり国土全体をよく直して行くという意味においては、復旧でやられる上流の、支流の極く小ぽけなところが立派な護岸で直るということよりも、そういうものを集めてもつと大事なところの改修をやるというようなことも必要ではないかというふうに我々考えましてそういうふうな組み方をいたしたのであります。
 只今大臣からもお話がありました通り、査定権は各省大臣にあるのでありますから、我々は財政上の見地から、又災害の実情からそういうことを見極めて査定をいたし、建設省はその査定の各段階についてはいろいろ異論があつたけれども、結論の数字としては、とにかく一兆予算であるからこれで行こう。なお各段階の数字、つまり査定案がどうなるかということも十分練りたいというようなお話がありまして、我々も練つております。只今大蔵省も、只今申しましたような角度で建設省にいろいろ御意見を申上げておるということでございます。
○小笠原二三男君 そうすると大蔵省というのは、災害の実情を具体的につかんで査定をするということよりも、財政支出という面からいろいろの数字をいじくつて、適当な形にこれを収めておく、そしてそれを各省の専門家の査定したものを押え付けて行く、そう言われても何ともそれは言い分はないわけですか。財政支出のほうの観点から、こういう大銘を振つた査定というものが生れて来るのだ、こう一応は受取つてようございますね。と申しますのは、この改良を含む超過工事というものを建設省自身が、これは改良が入つておりますということで予算を査定して要求しているものではないと思うのです。災害復旧として要求しているものだと思う。それを一方的に大蔵省はこれは超過工事であろうというようなことで過去の実績等から見て行くというようなことで、二六・七%相当額の大鉈を振つたというわけではありませんか。超過工事がこれに入つておりますよということで、建設省から要求のあつたものですか、これは。
○説明員(原純夫君) 建設省のほうは、法律が昨年の春から超過工事も含めて一本の補助率になりましたために、資料としては、超過工事は幾らというのは区分されないで参つております。その中に相当の超過工事があるということも、これは常識でございます。従いまして非常にむずかしい見当でありますが、我々まあ極く僅かな過去の資料、過去にずつとやつて来た人たちの経験、曾つての実情についての、何といいますか、知識でございますね、そういうものの下に超過工事がどのくらいあるかという判定をして、そのうち残すものはこのくらいという、これは政策的な考え方になるのでありますが、その点は建設省とまだ話は一致しておりませ。どの程度残すかということは、それらを調整いたしまして、調整いたしました結果が、基本額において我々の当初査定しました額よりも増減があるということはあると思います。只今大臣が言われましたように、大変そういう非常にまあ大まかなやり方で査定いたしましたわけでありますが、農林関係におきましては、実査の結果、我々が査定いたしました額より以下に出しております。建設関係におきましては、どうも我々が査定した額以上になるというふうに考えております。それがどの程度になるというあたりまでまだきまつて参らないということであります。
○小笠原二三男君 そうすると今までの査定というのは大蔵省の、言葉は悪いけれども、一方的な査定であると言うてもいいと思うのです。ただそれを将来、そのために建設省側と意見が違つておる、従つて増額の必要が想定される、その金額はどれほどになるかわからん、その点は今年度中に調整をする、この程度の輪郭に私聞き取つたのですが、そう了承してようございますか。
○説明員(原純夫君) その通りと考えております。
○委員長(堀木鎌三君) では午前中はこの程度にしておきましようか……。ちよつと速記をとめて。
   〔速記中止〕
○委員長(堀木鎌三君) 速記を始めて。
 本日はこれで散会いたします。
   午後一時十一分散会