第019回国会 法務委員会 第11号
昭和二十九年十一月一日(月曜日)
   午前十時三十八分開会
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 出席者は左の通り。
   委員長     高橋進太郎君
   理事
           小野 義夫君
           宮城タマヨ君
           亀田 得治君
   委員
          池田宇右衞門君
           梶原 茂嘉君
           岡田 宗司君
           棚橋 小虎君
           羽仁 五郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       西村 高兄君
   常任委員会専門
   員       堀  真道君
  参考人
   日本農民組合鳥
   取県連合会書記
   長       竹本  節君
           田中 一巳君
           田中 球恵君
           中村 君義君
           上山恵美子君
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  本日の会議に付した事件
○検察及び裁判の運営等に関する調査
 の件
 (鳥取市秘聴器事件に関する件)
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○委員長(高橋進太郎君) ただいまより委員会を開きます。
 本日は検察及び裁判の運営等に関する調査中、鳥取市秘聴器事件に関する件を議題に供します。本日はお手許にお配りいたしました通り、五人の参考人の方々の御出席を得ましたので、本件につきまして種々実情についてお伺いいたすことにいたします。
 なお、本日参考人の方々は大へんお忙しい中おいで下さいましたことを委員長から厚くお礼を申し上げます。
 それではこれより参考人各位からお話を承わることにして、まず日本農民組合鳥取県連合会書記長の竹本さんから本件に関する概略のお話を願います。
○参考人(竹本節君) 日本農民組合鳥取県連合会の書記長をやつております竹本節と申します。
 今年の九月十五日、共産党の方々から、私ども日農でありますとか、あるいは鳥取県の労働組合協議会でありますとか、またその他の大衆団体に対しまして、警察が鳥取市の今町一丁目の竹内アパートというところに盗聴器をつけていたのを現物を発見したから、各団体の代表者はぜひともこの事情を聴取してもらいたいというような申入れがございましたので、各団体の代表者約五十名が現場に出かけまして、その実情を調査いたしたのでありまして、聞違いなくいわゆる盗聴器が設置してございましたし、附近の方々から聞きますと、どうも警察が備え付けたものであるように思うというようなお話でございましたので、当日鳥取県の警察本部長の神田さんとか、警察本部の警備課長の岸本さんがたに厳重に抗議を行なつた次第であります。
 で、私どもの日農あるいは労働組合というようなものは、御承知のごとく、共産党と関係のない団体でございます。むしろ目農県連などは、いわゆる主体性派の日農組本部に属しておる団体でありまして、むしろ共産党には必ずしも賛成でない組合員が多数おりますし、組合員の中には、自由党とか、改進党とか、そういう政党を支持することは自由であるというふうな、政党支持自由の建前になつておりまして、特別に共産党の運動を応援しようとかいう性質の団体ではないのでございますが、こういう盗聴器が警察によつてつけられましたので、政党の運動あるいは労働組合の運動、さらに発展して家庭の秘密、交友関係の秘密、常業の秘密というようなことまでもひそかに聞かれるということは、鳥取県のすべての団体にとつて重大な問題であるというふうに考えまして、鳥取の弁護士会の方々も超党派的な立場から最初からこの調査に当つて頂いたというような、そういう立場で、私どもは警察に抗議することを決心いたしたわけであります。
 当日神田隊長にお会いしましていろいろお尋ねいたしましたところ、この盗聴器というようなものは警察は関係はない、鳥取県の警察には盗聴器あるいは秘聴器というようなものは一台も購入していないから、責任を持つて警察がやつたものでないということを断言できるというようなお答えでありました。また万一警官がやつていたとすれば、どういうふうに責任をとつていただけるかというふうに追及いたしましたところ、もし警官がやつていたとすれば、厳重に処罰する、しかし鳥取県下の警官の中には一人もそういうことをする者はいない、自分の部下にはそういう者は一人もいないということをあえて断言するという御回答でございました。これは各新聞社立会の上になされた回答でございまして、当時の新聞にも詳しくその内容は発表されておるわけであります。また岸本警備課長にお会いいたしましたところ、警備課には山根という警官が三人もおるし、あなたがたは山根秀男警部補がやつたらしいということを言われるけれども断定できない。しかし三人ともそういうことはやつていない。そこで盗聴器の現物を示しまして尋ねたところ、警察にはかような器械はない、初めて見るものであるというようなお答えでございました。それで私どもはこのままで行きますと、警察は知らん存ぜんというようなことで、誰がやつたかわからないというようなことで、問題をうやむやにしてしまわれるであろうというふうにおそれまして、各団体の代表者十名ほどで調査団を編成いたしまして、夜遅くまで調査いたしました結果、確実にこれは鳥取県の警察の警備課に勤務いたしておられます山根秀男という警部補がやられたものであるということの結論を得たわけであります。どうしてそういう結論になつたかと言いますと、ここにおいでになつておる中村さんにもお尋ねいたしましても、同じ会社の君司で運転手をやつておる日下部さんという方にお尋ねいたしましても、また現場の附近の山田サービスという自動車の修理をするところの御主人などにも会いましていろいろお尋ねいたしましたところ、その警官は警官であるとともに運転手をやつておるというようなこと、そして曾つて郡家の警察署に勤務していたというふうなこと、あるいは鳥取の警察で交通謀に勤務していたというふうなこと、そういうことが人々の証言によつて明らかになりましたし、また警察方面に用いて見ましたところ、山根という人の経歴が明らかになりまして、どうしても山根秀男さんがつけられたものであるということがはつきりして参りましたので、六人の人々の証言を詳しく新聞記者団に発表いたしまして、鳥取県の民主団体は責任をもつて盗聴器をつけた人が県警察に勤務しておる山根秀男警部補であるということを断定して新聞に発表いたしたわけであります。それと同時に九月十六日に秋久委員長初め三人の公安委員の方にお会いいたしまして私ども抗議をいたしたのであります。そのとき、公安委員長はこういう行為は憲法に違反し、基本的人権を侵害するものである。であるから万一警官がやつていたとするならば、公安委員会は責任をもつて神田本部長以下関係の警官に責任をとらしめることを約束する、こういうふうにおつしやつたわけであります。その公安委員会との交渉の席上に神田本部長も岸本警備課長もおいでになりまして、神田本部長は再び自分の部下にはそういうものはないということをおつしやいますし、岸本警備課長は実は神田本部長からこの盗聴器を備えつけた犯人が誰であるかということを捜査する命令を受けておるから、私が警察の捜査権を発動して犯人を調査して県民に公表するから、あなた方はしばらく静観しておつてもらいたい。自分が捜査の責任者であり、それは神田本部長の捜査命令に基いて行うのであると、こういうはつきりした御回答が、ございました。
 このようにして二回にわたつて警察が関係がないということを全県下に新聞、ラジオを通じて声明されたのでありますが、私どもが同時に先ほど申し上げました六人の人々の証言に基く盗聴器をつけた人は山根秀男警部補であるということを発表いたしまして、警察当局がそのような態度をとつていても、県民は誰も信用しない。警察は非常なうそをもつて県民を偽つて責任を回避するということが、県民から非難を受けるというような状態に立ち至りましたので、九月二十日に公安委員会の声明という形式をもちまして、実はあれは警察がやつたものである、その機械も警察の備品である、しかしこれは犯罪捜査の必要上やつたものであつて、何らの違法はないのである。憲法にも違反しないし、基本的な人権を侵害しないのである、こういうふうに発表されました。そうして九月二十五日には県の公安委員会は問題の岸本警備課長を北海道の札幌方面の警察本部の警備課長に栄転させるというようなことがございましたので、私どもは二度も三度も県民を偽るような発表をし、そうしてその後に至つてそれとは逆な声明を行い、かつ事件の中心人物である岸本さんを北海道に転任させるというようなことは、県民を偽り警察行政の前途を不安にするものであるというふうに考えましたし、法務委員会から亀田先生が調査においでになるというようなことも当時新聞に発表されておりまして、法務委員会の調査に肩すかしを食わせるというような、非常に警察の悪らつなやり方であるというふうに考えまして、そのころ鳥取市で県民の大衆の抗議大会を開催いたしまして、約一千名ほどの各団体の代表者が集つて、その決議として警察が県民を偽つたというようなこと、また盗聴器を備え付けて、そして政治活動でありますとか個人の秘密というようなことを盗み聴きしようとしたというようなこと、それから事件の責任者を急遽北海道に転任させたということ、大体これらの三つのことはいずれも正しくないというようなことで、この公安委員長、警察本部長、岸本さん、山根さんというような方々が自然的に辞職していただきたいというようなことを満場一致決議して、警察当局に要請したような次第でございます。なお、その後十月六日、十月七日ごろ二回にわたりまして、鳥取市の弁護士会の人権擁護委員をなさつております君野駿平弁護士と私、一緒に各団体を代表いたしまして、田中さんや中村さんなどに聴取書を取らしていただいたりして、いろいろ事情を調査いたしたのでありますが、警察が調査目的を明らかにしないで、中村さんや田中さんをうまく偽つたり、あるいはうまく警察に協力させるようにしてそうして非常に軍法な調査活動をやられたというようなことも明らかになりました。そうしてまたこういうことをやられましたことが新聞に出ましたために、田中さんのあんまさんの業務が非常に打撃を受けまして、訪れる人も非常に少くなつて収入は三分の一、四分の一に減つて、そうしてその日の生活にも困つておられるというような悲惨な状況も明らかになりましたので、十月八日に、亀田先生のおいでになりました日でありますが、田中さんも一緒に民主団体の代表者と出かけて行つて、警察当局に警察の警備活動のためそれに協力しようとした県民が、生活上の重大な被害を受けた場合に、警察としては当然その損害を賠償すべきではなかろうかということを切々と訴えたわけであります。しかし県当局は言を左右にして数時間の折衝の後、ただまあ善処しようという回答が得られただけでありまして、基本的人権の中で最も大切な生活権、そういうようなことが盗聴器をつけるというような手段で侵害された場合に、警察は幾ら本人なり民主団体がお願いしても、あまり耳を傾けないというような状態に直面いたしまして、私どもはこういう警備活動のあり方では、鳥取県の県民は皆んな不安な状態に陥るのではないかというふうに心痛して今日に至つたわけであります。
 その後十月の十八日頃であつたかと記憶いたしておりますが、公安委員長外二名の公安委員が田中さんの宅を訪れられまして、五千円を見舞金という包紙につつんで田中さんに提供されておることがわかりましたが、新聞などの報道によりましても、私どもまた同じ意見でありますが、こういう重大な参議院の証言を前にしてひそかに五千円を贈るというようなことは、警察としてそれが法にかなつていようとも、あるいはいなくても、そういう問題は別として適切な行為ではない。損害を受けたことに対しては、もつと公明に県民が納得するような方法で田中さんに補償するのが妥当ではないかというような問題が起つておるわけであります。
 なお、鳥取県で法務局が調査を開始しておりますが、その法務局の係員の方が田中さんのお宅に調査に来てお出でになるのを、朝から田中さんの家に、さして用事もないのに参議院から自分の家だけには通知が来てないが、あなたの家には来ましたかというようなことを尋ねに出かけて行つて、そうして二階にがんばつていて、田中さんの奥さんが法務局の人にお答えになるのを二階から聞き耳を立てて山根警部補が聞いていたというようなことが事件後に起りまして、これは機械を用いてはおりませんが、こういう盗聴器事件が起りまして、参議院の法務委員会の諸先生にいろいろと御調査をわずらわしているときに、その問題について法務局の調査を一番の関係の深い山根警部補が二階から聞いているというような状態がまた起りましたことは、私どもの県下の民主団体はもちろん、自由党や改進党の方々まで、一体警察は何をやるのかわからないというような、警察行政に対する非常な不安を起しておるわけでございます。
 以上が大体私ども労働組合とか農民総会その他のいろいろな諸政党などがこの問題について関係いたしました経過でございますが、最後に日農県連がこの問題を特に関心を払つて今日まで一生懸命国会あるいは県当局などにお願いして、ぜひともこれは全日本の立場から、公明正大に解決していただきたいということを必死にお願いしておりますのは、決してただ共産党に対してだけこういうことが行われておるのではなくして、何ら共産党に関係のない、どの政党にも関係のないというような県下の純真な農民運動などに対して、昨年来この種の警察の行動ボいろいろと行われておる。これを防がなければ、県民が安心して仕事に一生懸命働いて行くことができないという状態に追いやられておるからであります。たえば鳥取県では、非常にヤロビの運動が盛んになつて参りました。これはソビエトから出たものでありますけれども、やつてみまして、米や麦や綿、蔬菜などの増産に役立つておりますので、自由党の指導者の方々などのうちでも、増産になることはソ連のものだろうと、アメリカのものだろうと、皆やつてみようじやないかと言つて、超党派的に運動をやつております。増産運動、赤の運動としてではなくて、現実に貧乏な百姓が一粒でも二粒でも米のたくさんできることはいいことなんだからやろうと言つて、超党派的にやつております。もちろんその中には一部共産党の方々も熱心にやつておいでになりますが、しかし誰が見ても、県の農事試験場なども取り上げて協力してくれております。こういう運動に対しまして、八頭郡船岡町の青年団がこれを熱心にやつているので、ヤロビの会合に誰と誰が出たか、女子青年は誰と誰が出席したかというようなことを、夜遅くなつてからその家に出かけて行つたりして、警察は調査活動をやつておりました。そのために結婚が二つほど破談になつたようなことがあります。純朴な農村で、縁談の進行中に警官がやつて来まして、ヤロビをやつているかどうか、青年団にどういうふうに出席して、どういうことをやつているかということを問われますと、あれは赤ではなかろうか、秘密に共産党にでも入つているのではなかろうかというようなことが親族間に問題になりまして、そういう危険な青年ならば縁談はやめようというようなことは、山間の農村では起りやすいのであります。そういうようなことが二件ほど起つて、一つはその縁談が不調に終りましたし、もう一つは縁談が不調になりかけて、青年団の幹部諸君が、決してわれわれは共産党の運動をやつておるのではない、農村が豊かになればと思つてヤロビの運動などを熱心にやつておるのだ、決して赤でも何でもないからというように、関係者を説得してまるく納まつたというようなことがあります。こういうようなことがしよつちゆう行われておりますので、こうした盗聴器というようなことも、単に共産党にだけなされるのではなくして、あらゆる政党、あらゆる大衆団体の行動を知らない間に聞いてしまつて、もう秘密というようなことはどの政党にもどの団体にも当然あるべきことですのに、それをこつそり聞こうとしておるという、そういうことは農民の切実な問題である、決して他人のことではない、そういうつもりで私どもはこの盗聴器のことをいろいろな方面にお願いしておるわけであります。なお、警察は、私たちも日農の立場から、これを本当に犯罪捜査の立場からやられたのなら、上山さんというここにおいでになつておる共産党員の方も決して逃げ隠れはしていないのだから、警察は逮捕して疑わしい人を取り調べる権限を持つておるのだから、逮捕して取調べてくれてはどうか。何カ月も何カ月も犯罪の容疑があるというようなことを言つて、その内容も発表せずに、盗聴器を備え付けたことは合法的な捜査活動であると、こういうふうにいつでも言われる。そうして職務上の秘密である、捜査中の秘密であると言われて、何も県民に知らせずにこういうことをやられたのでは、非常に重大な不安に陥るではないか。治安を乱すのは警察ではないか。そういう状態が鳥取県に起つておりますので、いろいろと盗聴器の問題を参議院の法務委員会を中心にして明らかにしていただいて、県民の不安を一掃していただきたいというような、政党政派を超えた県民の立場からこの問題に参加しておるような次第であります。
 非常に簡単でございますけれども、大体この盗聴器事件が起りましたことにつきまして、私どもが関係いたしました経過と、それから大衆団体の立場を御報告申し上げさしていただいたようなわけでございます。
○委員長(高橋進太郎君) 委員の方にお諮りいたしますが、一通りお聞きしたあとで質疑をお願いいたしたいと思います。それでは次に、この問題につきまして田中さんからお願いいたします。
○参考人(田中一巳君) 山根さんという警部補の方は、これはあとからわかつたのでありますが、一月の多分かかり頃ではなかつたかと思つておりますが、一回治療に来られたことがあります。そのときには何もそういうことは言うておられなかつたわけでありますが、その後十五、六日頃に、自分は警察の者である。一つ調査のために、調査上どうしてもこれは必要ですから、あなたのところに、隣からお聞きしたい、それについては機械を取付けさしてもらいたい、これは何も別にあなたのほうに迷惑はかかることでもありませんし、調査のためですから、ぜひお願いいたします、絶対御迷或をおかけいたしませんから、これはしかし誰にも言つてもらつては困りますから黙つていてもらいたい、そうですが、よろしゆうございましよう、それじやあ、まあやつて下さいと言つて承知しておりました。ところが、一週間ばかりたつてからですか、隣の奥さんの言われますのには、誰か自分の家には来なんだか、どなたか知りませんけれども、あなたのところに男の方が出入りしておられたようでしたが、誰ですか、あなたの家誰かに貸されたのですか、自分のところは別に貸したのではない、警察の人が貸してくれと言われたのでちよつと貸しておるのですが……、来られたことは事実ですか、確かに来ておられるようでした、どなたか知りませんでしたがあなたの二階に来ておられた人がおりましたよ、ああそうですか、警察が何であなたのところを借りられたのでしようかねと、自分が尋ねましたところが、ヒロポンの調査をしたいとか言われました、ああそうですが……、そのときに自分が思いましたのは、ははあ、これは黙つておつてくれと言われるから僕は知らん顔しておつたが、さてはヒロポンというと、自分のところは二階におります以上、下にマイクが取付けてありますので、それで下にちよいちよい来られる人といえば、上山さんというお方よりほかの方が来て下で話される人がない。さては上山さん、これはヒロポンの何かやつておられるかなというような感じがしておつたのです。ところが夜分を過ぎて自分のところの家内が上山さんに向つて、自分の所に来ることは避けて下さいと言うたがもとで、上山さんが感づかれたのか何されたのか、それは大へんだというので、九月の十五日の日にほかの方を連れて一緒に来られて、そして調査されたところが、そのマイクというものが見つかつた。僕は知らん顔をしておりましたけれども、はてな、さては誰か気がついたのかどうかな。さては上山さんこうごそごそしておられるのだが、なんでかいなと思つておつたのですが、下に下りて家内に、お前はこのマイクが家に取り付けてあるということを上山さんに言うたのかと聞いたところ、それとは言わなんだが言うた、それで上山さんが感づかれたのだなということが初めて僕はわかつた。共産党のどうこうということはあとからわかつたのですが、自分の所は最初に共産党の者の話を聞くためにそういうものを取り付けるのかそういうふうなことは知らん。調査のためと言うから、何かほかの秘密の調査のためだろうと思つておつたわけです。ところがその後いろいろとあちこち竹本さんなりほかの人がおいでになつてこれは知つておつたのか知らないのか、最初黙つておつてくれと言われるので、実のところ自分は知らん言うておつたのですが、どうもこれは知らん言うておつたのでは、それというのは、東京のほうから亀田先生おいでなられる。これではいい加減のうそをついておつたのではいかん。本当のことを言つたほうがいいと思つて、実のところは、わしは初めから知つておつて、それで承知の上でこれは取り付けさしました仕事です。そうですかと言われる。その後そのためかどうかしりませんが、非常に最近は患者がてんでなくなつた。それと同時にこの九月の十五日にそれが発見されたわけですが、それからその後てんで治療というものがなくなりました。非常に困つております。いろいろと公安委員長さんにもお願いはしており、亀田先生と一緒に出ましてお願いしたところが、さつそくどうこうということはできんが、何とかしようと言つていただきました。何とかしていただけると思つてあてにしておつたところが十月の十七、八日ごろだつたと思いますが、これは非常に御迷惑をかけて済まない、これはほんのあれですから、お見舞の心持ですからと言つて五千円持つておいでになりましたけれども、これも自分のところは要らんと言うてお断りしましたけれども、そんな要らんと言われるほどのものでないし、あとでどうこうという御迷惑のかかる金でないから受け取つてくれと言うので、そこまでおつしやるならいただきましようかといただいておるようなわけであります。現在のところ相変らず、いまだに治療のほうとしても思うように行きませんので、困つておりました次第です。どうぞ悪しからずよろしくお願いいたします。
○委員長(高橋進太郎君) では次に田中球恵さん。
○参考人(田中球恵君) 私はずつと勤めに出ておつて何にも知らなかつたのですけれども、九月の十三日にそれを実は見たのです。朝から休んでおつたものでして、朝からちよつと休んでおつて、掃除をするときに見たのです。それでこういうことがもし共産党の上山さんのほうに、共産党の人にでも聞えたら悪いだろう。そのときにどうしようかと思つてしばらく考えたのです。でもとにかくこれは上山さんさえ家に来られないようになつたら、きれいに済むだろうと思つて、こうこうしてあるから、大きくこういうあれが出んようにとにかく家へ来んようにしてくれと言つたのです。上山さんは、そのときは来んようにすると言つて帰られたのですけれども、十五日の朝来て探がさせてくれと言われたのです。それで今探してもとてもわからんから、じや明日にしてと頼んだのです。だけれどもその日に私はまた仕事に出たものですから、そこで上山さんが探がされたらしいのです。お昼に帰つて見たら大きな騒ぎがあつた。それから先は今言つたようなことでして、私も勧めなものですから、出れんようになつてしまいまして、子供もあつて困つております。何とかして下さい。
○委員長(高橋進太郎君) 田中さんの奥さんはどこへ勤めておられるのですか。
○参考人(田中球恵君) パチンコに出ておつたのですけれども……。
○委員長(高橋進太郎君) それでは中村さん。
○参考人(中村君義君) この事件が発見される前といいますか、ちようど二カ月あまり前に都合上、その家をちよつと空けておりまして、大工町、現在の今町でございますが、そうしてその大工町のほうに家を変つて、そうしてその家を自分たちはちよつと空けておいたような状態でありました。それで大工町のほうに変つて約一カ月ぐらい……。そのときでしたか、山根さんというお方が、自分は君司という会社に勤めておつた……、そこに訪ねて来られまして、あすこの家は、家が聞けばあいているようだから、ちよつと貸してくれんかというようなことでありました。それで自分もその家を全部返しぎりに、家主さんのほうに返しぎりにしておるのでしたら、自分はそういうことはないが、都合上、大工町のほうに変つておりましても、またすぐこちらのほうにでも帰らなければならないというようなことも考えられまして、その家を家主さんのほうにはお返しせずに持つておつたような次第でありまして、それで家族連れとか何とかでしたら、また、わずかな間といつても、出ていただくことも気の毒だが、そういうようなところに、そういうちよつと捜査の、してみたい捜査もあるし、だからちよつと貸してくれんかというようなことを言われましたので、まあ自分たちに別に、そういう別に迷惑のようなことはかけていただくようなことはなかつたら、どうぞ家は空けておるようだし、留守番がてらに一つ使つて下さいというようなことで、その家を山根さんというお方にお貸ししたような次第でありまして、そうしておりましたところが、あれは九月の十五日ですか、自分が会社に勤めておりましたところが、三十人あまりの人が会社に押し寄せて来たのです。中村、お前は、何かスパイか、その何かしておらせんかというような、まあ町のほうの働く人たちがどういう関係の人か知らないけれども、とにかく会社に何十人という人が押寄せて来て、自分にぶちかかつて来たんです。自分はそういうことは非常にびつくりしてしまつた。何も自分としてはそういうことは知らない。あそこの家は別に自分たちがずつと寝泊りをするんじやないんだし、ただ山根さんというお方が家を貸してくれと言われたので、そのお方に家を貸したような次第であつて、そこの家には自分としては少しも近寄らずするのに、なぜお前たちはそういうことを言つて自分につつかかつて来るか。そこからいろいろその連中も自分にいろいろなことを言つてくれましたけれども、自分としましてはそういう内容を知つておつてお貸したようなことじやなし、ただついもと警察のほうに勤めておられたというようなお方であつたら間違つたことはないだろう、またそして家財道具も全部大工町の別のほうにかわしておつたわけでありませずすれば、まあ留守番がてらに自分としてはそこにおつてもらうようなものが、今日こうして自分にこういうことをなぜ言つてもらうか、そのときびつくりしたような次第であります。実際自分は山根さんというお方に対してどういう関係であつたか、どういう話合いでお貸ししたかということは、そういういろいろたくさん町のほうのいろいろなかたが来ておられましたけれども、そんなことを言つたつてしようがないから、まあお前たちのほうに責任者があるだろうから、その責任者の方にお話するけと言つて、自分はあとからいろいろ事情を聞いていただいたような次第でありまして、そのときに家のほうに家内がおつたところが、隣りからこういうような線が入つた、お前のところには何か二階のほうにある、とにかくそれを見せてくれというようなことでありまして、家内としましても一旦山根さんというお方に貸してあるわけだし、自分たちが勝手にどういうことをしておられようと、それはどうもあんた方に直ちに見てもらうわけにいかないから、家のほうも山根さんという方に貸しているわけたしすりや、皆が立会のもとに、一つそれはどういうことをしていられようと、それは待つて、帰つて下さい、それまではここに入つてもらつて、どうも自分としては責任を負わしてもらつたつて困るから、そのことをしてもらつちやならんと言つてお断りしたわけですけれども、どういうことか、まあそういう機械と申しますか、それを持つて帰られたというようなことでありまして、自分たちとしましてはどうも別にこのことにつきましてどういう関係があつたということもなし、そういう工合で家を貸しておくれと言い、それから留守番がてらどうぞそういう具合だつたら御自由に使つて下さいと言つて、家を留守にしておつたものですから、鍵も家のほうもお貸しして、そして帰られるときにはまた家のほうも戸閉りをして下さい、というようなことでお貸ししておつたようなことでありまして、まあこういうことになつた結果としますか、そういうような事情で、別にどうも初めからこういうことは考えなかつた次第であります。
○委員長(高橋進太郎君) 中村さんにお尋ねしますが、中村さんはお勤めはどこですか。
○参考人(中村君義君) 君司興産株式会社、酒とそれから飲料水のほうを作つておる会社であります。
○委員長(高橋進太郎君) では次に上山さん。
○参考人(上山恵美子君) 私は盗聴器事件で中心的に被害者になつた上山でございます。私は昭和二十七年に鳥取市高等学校の普通科を卒業いたしまして、その年の六月に今町にありました山陰興業株式会社という藁工品を作つておりました会社に入社いたしました。そのときに工場のほうで畳の下に入れるこもを作つていた田中球恵さんを初めてそこで知つたわけなんでございます。田中さんのアパートが会社のちようど裏つ側にありまして非常に近かつたものですから、親しくなるにつれて、おぼん休みによくたずねて行くとまあいろいろ話し合つておりました。そうして二十八年の二月に会社バ非常にやつて行けなくなつて困つているからやめてくれないかということで、企業整備という形で首になりました。それでそれから私はしばらく家におりましたが、鳥取市の駅前市場商業協同組合という魚屋さんの組合がありまして、そこに六月に事務員として入つたわけなんでございます。それからもその駅前市場商業協同組合とそれから今町の田中さんの家とは非常に近くなもんでして、田中さんもよくお魚なんかも買いにいらつしやつておりました。それで続けて田中さんの所に遊びに行つておつたわけなんです。
 そのうちに鳥取市の今町にありました以前の山陰興業株式会社という会社がつぶれてしまいまして田中さんは失業したわけなんです。それで田中さんが家にいらつしやいまして今年の三月に、田中さん働く所がないからとずつと就職を探していらつしやつたのですけれども、パチンコに勤めるということを三月に聞いたわけなんです。それで私は今度の事件が起りましたのは、九月の十四日に私が田中球恵さんから開いたわけなんですけれども、ちようど十四日の晩に私がそこへ行きましたら、田中さんがかぜを引いてふせつていらつしやつたんです。すぐ私の所に来て耳もとに口をつけるようにして、小さい声で教えて下さつたわけなんです。それで日にちはいつかはつきりわからないけれども、約一月ほど前に警察の人が来て盗聴器をつけさしてくれと言われて、そして菓子折を置いて帰つたということを聞いたわけなんです。そうして主人は承知の上でそういうことをして、そしてある日田中球恵さんにつけられているということを教えてもらつたというわけなんです。しかし私は絶対にその菓子も食べてないし買収されてないから、あなたには教えるとおつしやつたわけなんです。しかしこういうことを言つてはいけないと主人が言つているのを教えたのだから、気がつかれりや大へんなことになるから、あなたもうここに来ないでくれ、しかし急にばつたり来なくなつたということになると、また変だから、だから徐々に来なくなつてくれとおつしやつたわけなんです。で、私はそのとき非常にびつくりいたしまして、すぐにでもそのかくされているマイクを探さなければいけないと思つたわけなんですけれども、その日夜八時ごろだつたものですから、その日はそのまま帰つたわけなんです。それで九月の十五日の日に共産党の闘志ですけれども、宮本みどりという女の同志と一緒に朝八時ごろ調査に来たわけなんです。そしたら田中さんがあまりわつさわつさやつてもらうと、主人に感づかれては悪いから大掃除をするということにして、そして夫婦除をすれば出て来るだろうからそうしてくれとおつしやつたわけなんです。おつしやいましたけれども、しばらく探しておりまして、私がちようどえんの下にでもかくされているのではないだろうかと思いまして、えんの下をのぞいておりましたら、宮本同志が上川さんあつたと言つてかくされていた盗聴機を引つぱり出したわけなんです。盗聴機は中村さんの家からコードが出ておりました。そうしてそのコードの上を壁と同じ紙で張つてありまして、そしてその盗聴機は壁とそれから水屋の間に隠されておりました。なかなか見つけることができなかつたわけなんです。そして私が共産党員であるからやられたのではなくて、私でなくても今までいろいろな形で平和を守るためにどうしたらいいだろうかというような話をしておるのを開かれていた。警察が聞いていたり、それからいろいろ聞込みをしたり何かしている例が鳥取市を中心にいたしまして、特に今年に入りましてから非常にそういつた例が多くなつて来ております。それでこれは私だけの問題ではないということを考えまして、すぐ民主団体に訴えまして、一緒にこの問題について闘つてくれるようにと言いましたところ、すぐ皆さんがかけつけて来て下さいまして、そしてこういう問題になつたわけなんですけれども……、話が非常に前後いたしますけれども、田中さんのところの盗聴機に手が触れたときにも、私はもう何というのか、無我夢中で傍にありました鋏でコードを切つてしまつたのです。そしてそのコードが中村さんのところから出ているということがわかりまして、中村さんの奥さんに、あなたのところにはこういうことがないだろうか、誰かに二階を貸していらつしやるということがないだろうか、確か私はあるだろうということを言つたわけなんです。そしたら奥さんはそういうことはないとおつしやいました。そして私はちようどそのときに警察が二階に今いるのではないだろうかということを考えておりましたので、誰かが今二階にいるのではないかと言いましたところ、いやそういうことはないとおつしやつたのです。そしたら二階から子供さんが顔を出していらつしやいまして、そしてその子供さんに陽子ちやん二階に誰か来ているのじやないと言つたら、おじちやんが来ていると、まあ顔を出して言つわけなんです。誰かいるとそれはたしか言つたわけなんです。そして奥さんに調べたいから二階に上らせて下さいと言うと、そしたら全然何も知らないし、誰もいないからそういうことはいけないとおつしやいましたのですけれども、確かに陽子ちやんは二階に誰かいると言つているし、誰かいらつしやるはずだから、それで奥さんが先に立つて私が二階に上つて行つたわけなんです。そうしましたら中村さんのところは何か引越しのようなことで雑然としておりましたが、ちよつと階段を上つてすぐ目に付きましたのは、下からコードが上つて来ている気配がはつきりと見えたわけなんです。それでそのコードを私が引張りますと、ここへ持つて参つておりますけれども、コードの捲取機が壁とそれから箪笥の間にかくされておりました。そして私はそれを引張り出しまして、中村さんに、中村さん実は私が田中さんのところに行つているということを警察が知つて、そしてこういうものを仕掛けて話を聞いておるのだと、それでこういうことは非常に不安だし悪いことではないだろうかと、私は本当に誠意をもつて中村さんの奥さんにそう言つたのですけれども、中村ざんはいやそういうことは知らない、ここへ来ている人がお父さんの知り合いの人であつて、そういうことをする人ではないということを言つたわけなんです。私はマイクが手に触れたときにすぐ鋏を取つてそれを切取つたように、中村さんの二階でも捲取機に手が触れたときに憎しみで一ぱいになつて、それを切り取つてしまつたのです。そうしているうちに民主団体の方々がそこへお出でになりまして、そうして田中弁護士さんもお見えになりました。そこで先生に現物品をどうしたらいいだろうかということを相談いたしましたら、正式に預書を書いて、そうして警察のやつたことがはつきりわかり、そのことが何ゆえどういう目的の上でやつたのかということがはつきりわかるまではこれは絶対に返さなくてもいいから、預書を民主団体の名前において書くようにということをおつしやつたわけなんです。それで私たちは日農、それから東部労協、それから自由労働組合部落解放委員会、日本共産党因幡地区委員会と五団体の名前で盗聴機の現物品を一時預かることになつたわけなんです。そうして私が田中さんの家を何ゆえ借りていたのかということを申上げますと、私は二十八年の末頃にちようど秋ですけれども、日本共産党に入党いたしまして、勤めのかたわらずつと平和活動をやつて来たわけなんでございます。それれで今年の三月にビキニの水爆実験をアメリカがやりまして、非常に大きな損害を三たびにわたつて日本人が受けたということ、それから毎日のラジオの報遵で水爆のおそろしさというものがなまなましく伝えられるのを聞くにつけて、どうしても私たちは水爆を禁止しなければいけないということを強く考えまして、それ以来ずつと平和活動家としてやつて参りました。そのために私は今まで田中さんの家に私がよく遊びに来ておりましたし、それからそこにある職場に勤めている男の同志ですけれども、その同志が私が田中さんのところによく遊びに行つているということを知つておりまして、よくたずねて来ておつたわけなんです。そうしてそこで私たちは平和運動の問題について話合つた。それからずつと以前から私はその人に対してはつきりした形ではなかつたわけですけれども愛情を感じておりましたし、そういう関係から田中さんの所をお借りするようになつたわけでございます。それから平和活動家として私がはつきり働くようになりまして、その問題がただ個人的に今までそこでその人と会つていたという関係から平和問題をそこでいろいろと打合せをしたり、それから簡単に今後どういうふうにしなければいけないだろうかというようなことを話すのに、一週間に一度、または十日に一度ぐらい田中さんの家を借りるようになつたわけでございます。この問題が起きましてから、私はいろいろと噂さに上つているわけでございますけれども、警察が側面的に中村さんの奥さんにヒロポンをやつている人があなたのところにいるから、調査のために盗聴器を備えつけられているのだというようなことを田中さんに言つておるものですから、田中さん先ほどもそれではときどき来て話をしている上山さんがヒロポンに関係したことをしているのではないかということを先ほどもおつしやつておりましたけれども、私はヒロポンというようなことを全然知りませんし、そういうようなことで何か私を犯罪者扱いにしようとしているということに対して、私は警察に対して非常に憎しみを感じておるわけでございます。そうしてどういう目的で捜査をやつたのか言つて下さいということを、私たちが本当に何回も抗議団に加わつてそのことを話しているにもかかわらず、そのことは捜査上の秘密で申し上げられないと言い、そうして一方私を何か犯罪者として扱つていることについて非常に私は憤慨しているわけでございます。
 大体以上です。
○委員長(高橋進太郎君) ちよつと上山さんにお聞きしますが、上山さんは今お勤めはどこですか、先ほどの商業組合に勤めておられるのですか。
○参考人(上山恵美子君) いいえ、商業組合をやめまして、そうしてしばらく自宅におりましたけれども……二月にやめたのです、あまり月給が安かつたものですから三千円ほどしかいただいておりませんので……。そうしてどこかほかにいいところがあればと思つてやめたのですけれども就職はなかつたわけなんです。それでそうしているうちに三月のビキニの問題が起りまして、そうして私はやはり平和活動家としてその仕事に専念しなければいけないということを深く感じたものですから、日本共産党常任活動家として今働いております。だから従つて就職はしていないわけでございます
○委員長(高橋進太郎君) もう一点……、あれですか、今おられるのはお宅におられるのですか、あるいは何かアパートの一室を借りておられるのですか。
○参考人(上山恵美子君) 鳥取市西品治二百二十九番地の自宅におります。
○委員長(高橋進太郎君) そうすると、アパートの関係は、田中さんの奥さんところへおいでになるというだけの関係ですね。
○参考人(上山恵美子君) そうでございます。
○委員長(高橋進太郎君) それではいかがいたしますか。質疑は午後にして一応午前中はこの程度に……。よろしゆうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高橋進太郎君) それでは午前中は参考人のお話をお聞きする程度にいたしまして、一時半から再開いたしまして質疑をいたします。
 暫時休憩いたします。
   午前十一時四十三分休憩
   ―――――・―――――
   午後一時五十六分開会
○委員長(高橋進太郎君) これより午前に引き続き委員会を再開いたします。
○岡田宗司君 二、三の事実についてお伺いしたいと思います。まず田中さんの御主人に伺います。山根という警部補があなたのところへ最初に治療に来た。それまでは、その警部補のことほあなた全然知らなかつたのですか。
○参考人(田中一巳君) 知つておりませんです。
○岡田宗司君 知らなかつた……。
○参考人(田中一巳君) 知りません。
○岡田宗司君 二度目に来たときにあなたに対してまあ盗聴器を備え付けることの承諾を求めたのですね。
○参考人(田中一巳君) はい。
○岡田宗司君 で、そのあとで、あなたに対して何かお礼をするとか何かそういうようなことがありましたか。
○参考人(田中一巳君) その後一週間はどたちましてから、約五百円お金をいただきました。
○岡田宗司君 それ一遍きりですか。
○参考人(田中一巳君) それから、その問題が起きまして十日ほどたちましてから、たばこをいただきました。山根さんからいただいております。
○岡田宗司君 その問題が起きてからあとでたぱこをもらつたときに、何かあなたに対して、こういうことを言うなとか、ああいうことを言うなとかいう口どめがありましたか。
○参考人(田中一巳君) いいえ、それは口どめは何もありません。ただこの問題が起きましたときに、たばこをいただいたときにも、ただ自分は非常に迷惑をかけて申しわけがない、すまない。とにかくこれをあれするから、自分の気持だけのことですから、たばこなど吸つてくれ、またあらためてお邪魔さしてもらいたいということを言つてお帰りになりました。
○岡田宗司君 またあらためてお邪魔さしてくれと言つて、その後来まして、何かあなたにわびるとか、あるいはあなたに頼むとか何かしましたか。
○参考人(田中一巳君) その後もちよつと用事があつて来られましたけれども、実に申しわけない、こんな迷惑がかかるとは思わないで本当に申しわけないということを言いましたが、そのほかのことは、いただいてもおりませんし、聞いてもおりません。
○岡田宗司君 中村さんにお伺いいたします。あなたの部屋があいておつて、そこへ山根警部補があなたからまた借りて聞くことになつたわけですが、あなたはその山根警部補があなたの留守にしておる部屋を借りるときに、何か家賃というか、部屋代というか、そういうものをおきめになりましたか。
○参考人(中村君義君) 別に金のほうを幾らこちらへいただこうというようなことはしなかつたわけです。
○岡田宗司君 全然あとにもそういことはございませんか、金を持つて来たとか……。
○参考人(中村君義君) それは全然のほうの金高を幾らということはきめなかつたわけですけれども、家を借りるのだから、部屋代というものはあなたがたにも出さなければならないということは言われました。
○岡田宗司君 それで金を持つて来ましたですか。
○参考人(中村君義君) ええ、それで二週間か半月ほとしてから五百円持つて来ていただいたのです。
○岡田宗司君 それは一遍きりですか。
○参考人(中村君義君) そうです。
○岡田宗司君 問題が起りましてから、何かあなたの所へ来てこういうことをしやべつてもらつちや困るとか何かということを言われたことはありませんか。
○参考人(中村君義君) そういうこはありません。
○岡田宗司君 上山さんにお伺いします。先ほど上山さんが田中球恵さんと知り合いになつた経過を詳しくお伺いしました。田中さんの家に警察のほうで盗聴器をつけるようになつたというのは、あなたが田中さんの所へ出入りするということを向うが目を付けたからだと思うのですが、まああなた一人でなくて会合があるだろうということを予想して、おそらく据え付けたものだろうと思います。あなたは田中さんの所で会合をやるようになられたのはいつごろからですか。
○参考人(上山恵美子君) 会合という形式ばつたものではないのです。それで私がそこをそういうふうに使い出したのは四月ごろからだつたと思います。それまでも私がそこによく行つておるということを、私を探してそこへ尋ねて来るようになつたのです。それではつきりと、いつごろからそこをそういう連絡場所に使い出したかということは私もよくわからんですけれども、多分四月頃からじやなかつたかと思います。
○岡田宗司君 田中さんの部屋を連絡場所に使い出したのは、あなたでなくてまああなたのほうの党員の人が貸してくれ、そこを使わしてくれということで連絡場所に使い出したのですか。
○参考人(上山恵美子君) それは違います。そうではないのです。
○岡田宗司君 そこの会合の場所へ大ぜい人が出入りするので警察が目を付けるようになつたのですか、大ぜいの会合はやらなかつたのですか。それをやつたのですか。
○参考人(上山恵美子君) いえ、大ぜいではないわけなんです。私とそれからもう一人の男の同志と二人だけでした。
○岡田宗司君 田中さんの奥さんのほうにお尋ねいたしますが、上山さんがそういうふうに連絡場所に使われましてから、警察のほうで来まして何か上山さんの動静について聞いたというよなことがございましたか。
○参考人(田中球恵君) 勤めに出ておつたものですから、全然家のことはわからなかつたのです。
○岡田宗司君 御主人のほうに伺いますが、盗聴器を据え付ける前に、警察が来て上山さんのことについて聞いたことがございますか。
○参考人(田中一巳君) 警察のほうから上山さんのこととして聞かれたことはございませんです。
○岡田宗司君 よろしゆうございます。ありがとうございました。
○亀田得治君 上山さんのほうで盗聴器の現物を持つておられますね。
○参考人(上山恵美子君) はい、持つております。
○亀田得治君 ちよつと参考までにそれを出して、複雑なことは要りませんから簡単に田中さんのほうにはこうついていて、これが中村さんのほうにこういうふうに引いてあつた、その格好だけちよつと示してくれませんか。
○委員長(高橋進太郎君) 速記をとめて。
  [速記中止]
○委員長(高橋進太郎君) 速記を始めて。
○岡田宗司君 田中さんにお伺いしますが、あの盗聴器をつけるときにどういう人が来ました。あれは山根警部補自身で付けたのですか、それとも誰か別の警察の人か、あるいは電気屋か何か連れて来てつけさせたか、どちらでしたでしようか。
○参考人(田中一巳君) 山根さんという方はあとからわかつたわけですけれども、まだ他に人が見えておつたようでしたが、警察の方かどなたかわかりませんが、二人連れでおいでになつたようでした。
○岡田宗司君 中村さんにお伺いしますが、あれを取り付けるときは山根警部補一人でしたか、それとも今田中さんの言われたように別の人と一緒でしたか。
○参考人(中村君義君) 自分はそこの家にいなかつたものですから、全然どういうお方がつけられたかということはわからなかつたわけです。
○岡田宗司君 中村さんにお伺いしますが、聞くのは、あなたがそこに据え付けられてからあと行つたことがございますか、その部屋に……。
○参考人(中村君義君) 二回あまり行きました。
○岡田宗司君 山根警部補なり、あるいはほかに警察の方なりが実際それを聞いておるところ、もしくは何か機械を使つておるところを見たことがございますか。
○参考人(中村君義君) 別にどうもそういう機械を使つているようなことは見なかつたのです。だが一回か来ておられたのは見たわけです。
○岡田宗司君 ありがとうございました。
○亀田得治君 まず竹本さんからお尋ねしますが、各民主団体でこの問題を取り上げて、警察に質問等をされた経過は午前中聞いたわけですが、その結論としては、警察は捜査の必要上これをやつた、こういうことを最後には言つているようですが、それではいかなる捜査の必要に基いてやつたのかという点について、皆さんのほうではおそらく質問をされたと思うのですが、その点に対して警察はどのように諸君に対しては答えておられますか。
○参考人(竹本節君) お答えいたします。私どもが何回その点をお尋ねいたしましても、目下捜査中である、その捜査が終るまでは内容は一切発表できないとかように答えられるのであります。それでその捜査というのが三カ月、五カ月で終るのか、あるいは二年三年、五年というふうにかかるようなものなのかお尋ねいたしましても、それはわからない、いつ終るかわからないが、捜査をしているから答えることができない、こういうふうに警察が言つておりますので、そういう答え方からいたしまして、私どもや、また私どもの団体に加盟しておりますたくさんの県民は、何ら犯罪捜査の事実はないけれども、答えることができないために捜査をやつていると言つて県民をごまかしているのだろうというので、ますます問題に対して疑惑を深めているような状態であります。
○亀田得治君 捜査の被疑事実の罪名ですね、たとえば団体等規正令違反とか何とか……
   〔委員長退席、池田宇右衞門君着席〕
そういうふうな抽象的なことも皆さんに対しては説明がないわけでしよう。
○参考人(竹本節君) その点につきましても、前後五回あまりも警察当局と会見いたしましてお尋ねしておるのでありますが、全然お答えがありません。そして、たとえば私のところに誰が書いたのかわからないような脅迫状が参りまして、その中には地下に入つておいでになる徳円さんをはじめ、いわゆる八幹部を警察は調べておるのであるとか、北海道の白鳥警部補事件の犯人を鳥取県で調べておるのであるとかいうようなことを書いて、各団体が共産党の手先になつて、共産党の重要な犯罪捜査を妨害しておるのはけしからん、腹を切つて死んでしまえというような脅迫状等が参りましたのですが、そういうものを警察にもつて行きまして、そういうことでないにしても、何か犯罪というものの捜査を本当にやつておるのならば、抽象的でいいからそういう内容、八幹部の捜査であるなら、それはいい悪いは別として、そういうものであるというふうなことを発表していただかなければ、どうもこれほど問題化して来ておる関係上、ますます紛糾するからというふうに述べましても、とにかく抽査をやつている、捜査中であるから一切答える必要はないと、答えないのが警察の捜査を完全に行う途である、かように公安委員長はじめおつしやいまして、全然そのことについては包みかくすという態度をとつておいでになります。
○亀田得治君 そういう脅迫状のようなものは何通くらい来たでしようか。
○参考人(竹本節君) 二、三通でありますが、
   〔委員長代理池田宇右衞門君退席、理事小野義夫君着席〕
その中の一通は私どもや、それから言論機関は盗聴器という言葉を使つておりますが、その中に、その脅迫状は秘聴器と書いてありまして、秘かに聴くという秘聴器という言葉が書いてありまして、不審に思いまして、すべての新聞が盗聴器と言つておりますから、普通の人でありましたら盗聴器という言葉を使うのに、秘聴器と書いてあるのは、警察だけが、鳥取県では声明書に使つておる言葉を書いてありますから、警察の内部なり、あるいは右翼団体の人がやつたのではなかろうかというようなことで、警察のほうにそういうことを追及いたしましたが、内部の者か、外部の者かわからないというようなことを当局では申しておりました。
○亀田得治君 上山さんに次にお尋ねいたしますが、あなたが田中さんの家に出入りをして連絡をしていたという、その相手の方ですね、差支えがあれば、差支えがあるから言えないとおつしやつてもらつてもいいのですが、差支えがなければどういう方か、お答え願いたいと思うのですが、どうでしようか。
○参考人(上山恵美子君) その人はある職場に勧めておるわけなんです。こういうことが、その人の名前が出るということがあり、その人は私と平和運動について連絡をとつていたということがわかれば、今のような情勢であれば、必ず首になると私は考えております。それでその人の名前を言うことはできないのです。
○亀田得治君 田中さんのお宅でそのかたとお会いする場合には、先ほどもあなたのほうから御説明がありましたが、平和運動の関係の連絡ということが主なことだつたのですか。
○参考人(上山恵美子君) はいそうです。
○亀田得治君 これも先ほどちよつとあなた自身が触れられましたが、何かその方と個人的なそういう何といいますか、愛情とかそういつたような関係はあつたのでしようか。
○参考人(上山恵美子君) ええ。
○亀田得治君 これもまあ大へん質問もしにくいことなんですが、しかし明日からの審議にやはり非常に重大な関係があると思つて私聞くのですが、まあ差支えがあれば答えをしなくていいと思うのですが、何か平和運動の話のついでにその男の方とやはりそういう個人的な気持の問題とか、生活の問題とかそういうことについて、やはりお話になられたようなこともありますか。
○参考人(上山恵美子君) はい。初めはそういつた平和運動に対する連絡ではなくて、私がその田中さんのところへ来ているということがわかつてそこへよく尋ねて来てそこで会つていたわけなんです。その後平和運動に対して私も専念するようになりましたし、それから米子で五月三日に山陰の平和集会が開かれ、そのあとで八月十五日には八・一五鳥取平和大会が開かれております。ずつと平和運動というのが非常に発展して来たものですから、その中でそういつた関係で平和運動について話をするということが出て来たわけなんです。そういう話をしたあと、個人的ないろいろ問題について話合つたこともあるわるけで、警察が聞いていればそういつた私たちの個人的な問題も通じているわけなんです。相手の人の写真なんかもひよつとしたら、とられているかもわからないと思いますし、その点で私は非常に心配しているわけなんです。
○亀田得治君 次に田中さんにお尋ねします。八月の中頃に山根という、あとからわかつた山根警部補があなたの家に盗聴器をつけることを頼まれた。そうしてあなたは承諾されたわけですが、その際に調査のために必要なんだとこういうふうに山根警部補からお聞きになつておるようですが、何の調査かという点はどうでした、お聞きになりましたか。まああなたからその点質問でもされたのでしようか。山根警部補からあなたに調査のために盗聴器をつけるのだとここまではお話あつたわけですね、午前中のお話によると……。そこでその調査というのは何の調査かということをあなたが山根警部補にお尋ねになつたかどうか。
○参考人(田中一巳君) 自分は先方から先に調査のためにということを言われましたものですから、警察の方がせられることなんだから、われわれ聞く必要もないというような考えでもつて聞きませんでした。
○亀田得治君 警察の方が言われるのだからせんさくする必要がないとこう思つたのですか。
○参考人(田中一巳君) はい。
○亀田得治君 あなた自身はこれは何の調査だと考えたのでしようか。何も考えなかつたのですか。
○参考人(田中一巳君) 何も考えませんでした。
○亀田得治君 それから午前のお話によりますと、警察の方は迷惑をかけない。田中さんには決して迷惑をかけないから、こう言われたということなんですが、その迷惑というのは、どういうふうにあなたとりましたか。
○参考人(田中一巳君) 迷惑をかける……、結局われわれ治療方面に被害を与えるというようなことのないというように感じたわけですが……。
○亀田得治君 自分の商売に差支えの起るようなことにならない。そういう意味ですね。
○参考人(田中一巳君) はい。
○亀田得治君 だからあなたとしては警察が何か調べられるためにやるのであれば、自分の商売に迷惑にならなければそれでいい。そういうふうに一応考えたわけですか。
○参考人(田中一巳君) そうです。
○亀田得治君 それからあなたは警察の人にそういうことを頼まれたことを妻には大分長くかくしていたようですね。それはどういう気持だつたのです。
○参考人(田中一巳君) これは警察の方から絶対秘密にしておいてもらわんと困るから秘密にしておいてくれということであつたから、かくしておりましたのです。
○亀田得治君 妻にはいつ話をしましたか。この事件が発覚したのは九月十五日ですが、発覚したどれくらい前でしようか。
○参考人(田中一巳君) 何がですか。
○亀田得治君 妻に話したのは……。全然しないのですか、したんですか。どうも午前のみなさんのお話、その点あまりはつきりしないのですが。
○参考人(田中一巳君) 妻には言うておりましたです。
○亀田得治君 妻にも言うた。それはいつごろですか。
○参考人(田中一巳君) いつごろというのははつきりわかりませんけれども、言うたことはこの事件の前に言うたことがあります。
   〔理事小野義夫君退席、委員長着席〕
○亀田得治君 事件が起きる前ですね。起きるどれくらい前ですか。
○参考人(田中一巳君) そのことははつきり覚えておりませんですが…。
○亀田得治君 これを取り付けてからだいぶんたつたあとですね。
○参考人(田中一巳君) はいそうです。
○亀田得治君 妻にはどういうふうに話をしたのですか。
○参考人(田中一巳君) 家内には警察が何の調査のためか知らんけれども、調査のためだというのでこういう仕掛けをしているから黙つておれ、誰にもしやべつてはならんということを口どめしておりました。
○亀田得治君 警察の言われたことは話をしたが、妻に口どめをしておいた……。
○参考人(田中一巳君) はい。
○亀田得治君 もう一点あなたにお聞きしておきますが、警察の調査だというのですが、何の調査かあなたはあまり考えなかつたと、そういう先ほどのお話ですが、結果から見て、そういう人の話をするといいますか、普通の犯罪の調査とこれちよつと違うのですがれ。現在はあなたわかるでしよう。
○参考人(田中一巳君) はい、そうです。
○亀田得治君 こういう調査だということが初めから警察官からちやんと説明をされておれば、あなたはどういうふうにしたと思いますか。
○参考人(田中一巳君) 警察の話を一応尋ねて、それはどういう……。今はその共産党の話では上山さんどうこうということはわかつたのですが、それにつきましても、やはりどういうことを聞くのだということを聞いておつたとしたら、取り付けさしておらんかもしらんです。又、話によつたらさしておるかもしらんです。
○亀田得治君 あなたはこの機械を取り付けさした後に、中村さんの奥さんですか、上山はヒロポンの商売に何か関係があるようなそんな話聞いたことがありますか、ないですか。
○参考人(田中一巳君) あります。
○亀田得治君 それを聞いた……。まあちよつと言つて下さい。
○参考人(田中一巳君) それは取り付けましてから一週間はど後、中村さんのところは留守をしておられました。それでその一週間ほど後に帰つて来られて、奥さんが、誰かうちに入つた様子でしたか、何か知つておられませんですかと尋ねられましたから、御主人かどなたか知りませんが、とにかくどなたか知りませんが入つておられました、入つておられましたが、お宅さんの御主人とは違つておりましたですか言つたら、いやうちの主人は帰つて来ん、実のところは警察の人が貸してくれと言われますのでちよつと貸しております、で、その人が来られたのでしよう、警察の人が何でまたお宅なんか借りられたのでしよう……と。僕も警察のほうから何の調査ということは聞いておりませなんでしたし、中村さんのほうから何の調査ということは初めから聞いておつたのですが、絶対秘密であるから駄つておつてくれと言われておりましたから僕は知らん顔をして、何のために警察がこういう調査をするのか、ひよつとしたら中村さんのほうで知つておられるのではないかと思つて、何のために警察の人があなたのところを借りられたのですかと言うと、何かヒロポンの商売をしておる者が近くにあるようだ、それでそれを調べるのには丁度お宅さんの二階がよく見えるので調べるのに便利がよいから貸してくれと言われるので貸しておる、そのときに初めて自分は、ああ、自分のところにマイクが備え付けられてありますのは、下でありますものですから、下へ来られる人というのは、来てちよいちよい話されるのは上山さんよりほかにはない、そうすると上山さんがヒロポンか何かの商売をしておられるんだな、これはとてもヒロポンというものは、いいものでしたらいいが、あまりいいものじやないということを聞いておるものですから、それだつたらぜひとめさせなければいかん、それだつたらいいことだと思つて僕は賛成して、何にも言わずにおつたわけです。
○亀田得治君 次に中村さんにお尋ねしますが、最初山根警部補に部屋を貸す際に、元警察の者、こういうふうに言われたのですか。その通りですか。
○参考人(中村君義君) その通りであります。
○亀田得治君 現在は何をしておる人というようなことは、あなたは聞かなかつたでしようか。
○参考人(中村君義君) それはまあ警察のほうに関係はしているということは言われました。
○亀田得治君 警察のほうに関係しておる、しかし警察官ではないですね、元の警察官ですね。
○参考人(中村君義君) まあ前は警察のほうに勤めておつたという……。
○亀田得治君 前は警察に勤めていたと言われ、今は警察のほうに関係があるものだ……。
○参考人(中村君義君) そう言われました。
○亀田得治君 で、あなたとしては、幾らかそういう警察のほうに関係ある者なら、自分の荷物を置いてあるので、留守番代りに丁度いいという軽い気持であつたわけですか。
○参考人(中村君義君) はい。
○亀田得治君 この部屋を借りるのは、期間はどれくらい貸してくれというわけですか。何かそういう意思表示はあつたのですか。
○参考人(中村君義君) いや、別にいつまでというような期間もきめていなかつたわけです。
○亀田得治君 ちよつと貸してくれというのですか、どういうことなのですか。
○参考人(中村君義君) ちよつとといいますのが、まあそう長いことはない。自分たちも三カ月も四カ月もの仕事だつたらあれですが、話がそう長い期間のようなことも言われぬので、自分たちもそういうふうに察したわけです。
○亀田得治君 そこを借りる目的ですね、これはあなたにお話がありましたか。
○参考人(中村君義君) そう詳しいことは言われなかつたですけれども、ちよつと調査に必要なことがあるし、それでちよつと貸してくれんかというような話でした。
○亀田得治君 調査に必要ということをあなたに警察官が言われたのですか。
○参考人(中村君義君) はい。調査といいますのが、そのときの事実のことは、ヒロポンなんかちよつとほかにもあるし、そういうことを調べたいからということを言われたわけです。だから調査といつて、いろいろつまりそういうことを思つたりしまして、それより以上に詳しいことは、自分たちとして警察のほうにお伺いする必要といいますか、そういうこともないからお尋ねしなかつたわけです。
○亀田得治君 そういうヒロポンというお言葉はお使いになつたのですか。
○参考人(中村君義君) 警察のほうからですか。
○亀田得治君 ええ、警察のかたが……。
○参考人(中村君義君) ええ、ヒロポンのほうの捜査は、とにかくそういうようなことを言われました。
○亀田得治君 あなたの妻は、この部屋を貸すときには、あなたの傍におりましたか。
○参考人(中村君義君) おりませなんだです。
○亀田得治君 そうしたら中村さんはあなたの妻に、こういう目的で二階を貸したからということを話したですか。
○参考人(中村君義君) はい、話しました。
○亀田得治君 田中さんの奥さんにちよつとお尋ねします。あなたが午前中お話になりましたのは、上山さんに家へ来んようにしてくれ、こう言つておるのですね。そうして荒立てんようにしてくれ、このことを……。こう言いましたね。
○参考人(田中球恵君) はい。
○亀田得治君 それはあなたの亭主から秘密にしておけということを厳重に言われていたので、そういう言い方をしたのですか。その辺の気持を少し聞かしてもらいたい。
○参考人(田中球恵君) 秘密で誰にも言われんと主人が言つておつたものですから、ひよつとしたら上山さんのことじやないかなと思つて、上山さんにも教えて上げなければいかんと、ただそれは友情から上山さんには教えて上げたんですが、それをまた主人があとで聞いたらとても怒ると思つて、なるべくならこの問題を大きくせんように、あなただけ家に来てくれなければそれでいいのだから、そう言うたのです。
○亀田得治君 あなたは主人からこの話をどういうふうにお聞きになつたですか。聞いた通り言つて下さい。
○参考人(田中球恵君) 警察の人がマイクをつけて隣りで聞くようにしておる。けれども、誰にも言われんぞと主人は言つたんです。
○亀田得治君 その際誰を目当てにしてそういうマイクを付けておるということは言われなかつたですか。
○参考人(田中球恵君) はい。たぶん上山さんだろうと主人は言つたんです。
○亀田得治君 それであなた自身はその話を聞いてどう思いましたか。上山さんだろうというのは、それでは上山さんの何を一体調べると、その点どういうふうにあなたは感じられたですか。
○参考人(田中球恵君) 上山さんは共産党だというのを私は前に聞いて知つておつたものですから、それで共産党の何かを探つておるんじやないだろうかということを……。
○亀田得治君 最後に一つ田中さんにお聞きしますが、この事件が起きて、警察は迷惑をかけないと言つていたのだが、非常に迷惑はかかつているとあなたおつしやるのですが、もう少しその点具体的に言うと、どういうふうに迷惑がかかつているのですか。はつきり言つて下さい。
○参考人(田中一巳君) 治療方面に大きな被害を受けております。以前は、その事件が起きるまでといいますものは、患者にしましても平均六人から七人くらいあつたわけですが、その後というものは平均しますと二人くらいに減つてしまつたわけです。それともう一つは、このためか何でか知りませんけれども、家内の勤めるようになつておつた先も断わられるというようなことで、非常に大きな被害を受けておるわけです。
○亀田得治君 ちよつと忘れたのがありますが、中村さん、あなたは先ほどお貸しになつた目的について、警察官から聞いたことをまあお話になつたのですが、この事件が起きてからの事件というものは大分違うわけですね、今問題になつていることは……。で、こういうことが初めから中村さん自身がわかつておれば、そういう目的であつてもこの部屋をお貸しになるかどうか。これは先ほど田中さんにもお聞きしたことなんですが、一つあなたのお気持も聞かしてもらいたい。
○参考人(中村君義君) 警察のお方がまあ調査といいますか、捜査といいますかに必要だから貸してくれというようなことでありますれば、まあ自分としましてはお貸しするだろうと思います。
○亀田得治君 警察の方が必要だということであれば、あとから調べてそれがどういう目的であろうと、ともかく貸していいと、そういう気持なんですか。
○参考人(中村君義君) 自分たちはすべてまあ世の中と申しますか、そういう詳しい方面のことはわかりません。けれどもまあ警察の方が、そういう非常に日本の国を治める役に立たれておられる警察の方がある捜査といいますか、調査のために必要だからというようなことでありますれば、協力するというわけじやないが、とにかくまあそういう工合だつたらお使い下さいという心持になつております。
○亀田得治君 警察を大いに信用される気持はまあわかりますがね。わかりますが、今問題になつているような、たとえば人の立聞きをすると、しかもそれが問題になつて、犯罪捜査のためだというのだが、それが具体的に少しも話もされない。そういうことが初めからわかつていても、あなたは貸しますか。
○参考人(中村君義君) そういう今のようなことになつて、そういうことだつたらどうか、まあ判断がつきませんです。
○亀田得治君 わかりませんか。
○参考人(中村君義君) はい。
○亀田得治君 まあその程度にしておきましよう。
○委員長(高橋進太郎君) ほかに……。
○羽仁五郎君 最初に竹本さんにお伺いを申し上げますが、最初に詳しく御説明をいただいたのは、この法務委員会あてにお出し下さいました鳥取市盗聴器事件に関する報告、本年十月一日付の報告書と大体一致してお述べ下さつたのですが、最近のことをお付け加えになつたようですね。この報告書にお書きになつたことで、何か間違いだつたというような点はございませんか。
○参考人(竹本節君) 別に間違つている点はないと考えております。
○羽仁五郎君 そうすると、最初に盗聴器が問題になつたときに、警察の盗聴器ではないということを警察の側で言われた。それは警察のどなたが責任をもつて言明されたわけですか。
○参考人(竹本節君) 神田本部長もはつきりそうおつしやいましたし、それから岸本警備課長もその品を目の前に持つて行きまして交渉いたしましたところ、一度も見たこともない、そういう命令を部下に下したこともない、しかも私たちだけでなしに、鳥取市にありますすべての新聞社の代表者の方々を前にしまして、そして絶対に警察のものでないということをこの神田さんと岸本さんとがおつしやいました。
○羽仁五郎君 その際、その神田本部長、岸本課長のお二人、あるいはそのどちらかの方が、これは警察のものでない、それからそういう指図をしたこともないというのに付け加えて、こういうものを使つて人の話をひそかに聞くということは、憲法に違反することだから、そんなことはあり得ない。従つてそのことがあれば大へんだから、自分のほうで調査をする、そしてその調査をした結果自分のほうにそういうことがあれば責任をとるということも言明されたですね。
   〔委員長退席、理事亀田得治君着席〕
○参考人(竹本節君) その点は、神田本部長はもし警察官であれば処分するというふうにおつしやいました。そこで私たちが、部下を処分されるとおつしやるけれども、あなた自身の責任はどうされるのか、こういうふうに追及いたしましたが、自分の部下にはそういう人は一人もいないから、そういうことは考えていないというふうに言葉を濁されたわけです。その後また翌日、今度は公安委員長及び他の二人の公安委員を交えまして交渉いたしました際にも、公安委員長もはつきりと警察のものであれば責任をとらせるということを言われました。なお、憲法の問題、基本的人権の問題につきましても秋久公安委員長、神田本部長、岸本警備課長はそれぞれそういうものを用いて、警察であれ警察外の人であれ、他の団体なり個人の秘密をひそかに機械で聞くというようなことは憲法に触れるおそれもあるし、同時に刑法に触れるおそれがある。しかしどの刑事上の犯罪になるかということはにわかに断言はできないけれども、そして罪になるかならないかということはわからないが、刑法に触れるおそれがあるので、それで岸本警備課長にその盗聴器を付けたのは誰であるかということの捜査を命令を下した。それでそれは自分らのほうで調べるからということでございました。そこで私たちが、悠々と調べられたのでは困るということでおりましたところ、警察側のほうから自主的に九月二十日までに誰がつけたか、何のためにつけたかということを警察の責任において調査して社会に公表するから、それまでは待つてもらいたい。山根警部補と対決して、民主団体側が、まるで警察であるかのように警察官を取り調べるというようなことは、一つ譲歩していただきたい。こういう話でありまして、御自分のほうで二十日にその内容を調査して発表するからと言われていて、今度は二十日には実はこれはあれは警察のものであつて捜査のためにやつたのであるという発表が行われましたので、私どもますます警察の行為について疑惑を深めたような次第であります。
○羽仁五郎君 その九月二十日に前言を翻して今度はそれを警察のものだということを言明された方はどなたですか。
○参考人(竹本節君) 公安委員長であります。それは文書にいたしましてそれを朗読して発表されたわけであります。その資料は提出してあると思います。
○羽仁五郎君 ありがとうございました。やはり竹本さんにお伺いをしたいのですが、先ほど、最後にあなたのほうでこの問題を重大に考えておるという理由を御説明下すつたのですが、そのとき日農としては、というふうにおつしやつていたように伺つたのですが、それは目農県連、あるいは全国組織としてそういう必要を感じておられる、いずれなんでしようか。
○参考人(竹本節君) 日農県連としてでありますが、やはりこれは全国的な問題であると考えまして、総本部やその他の団体にも報告しております。
○羽仁五郎君 ありがとうございました。
 上山さんにお伺いしたいのですが、あなたは山根警部補という方を前から御承知だつたでしようか、どうでしようか。
○参考人(上山恵美子君) 実は山根秀男というのは湖山の出身なのであります。で、鳥取市の以前の市警察の署長で山根長十郎という者がおつたわけであります。それとは兄弟なわけであります。それで私と、それから山根の関係が実はあるわけなんです。といいますのは、私の今は亡くなりましたけれども父の継母なんです。継母というのが湖山の出身なわけなんです。私の義理のお婆さんになるのですけれども、そのお婆さんの子供の子供なんでしようか、何でもその私の父とは義理の従弟になるという関係でございます。それで私の家の内容というものを山根は知つているわけなんです。それで今年の丁度二日、三月ごろでした。私の母が、父が亡くなりましたあと県庁に勤めているわけなんです。そうしますと、今まで見向きもしなかつた山根秀男がなれなれしく私の母の所にやつて来まして、そうして私の様子を脅迫するようにいろいろ聞くというわけなんです。それで警察の者が母の所へたずねて来て、そうして時間中にいろいろなことを聞くということで非常に母が、何かお前悪いことでもしているのではないかと聞いていたわけなんです。それで親戚の者だから何も悪いことはせんと、そういうふうに言つて来ていたことが今年の二月から三月にかけてあつたわけです。
○羽仁五郎君 立入つたことを伺うようで、もし失礼であつたりなんかしたら、お答えをいただかなくてもけつこうなんですが、その山根さんという方が、何かあなたに対して個人的な感情を持つていたのじやないかというふうに想像されるようなこともあるのですか。
○参考人(上山恵美子君) いいえ、そういうことは全然ございません。山根は奥さんがありますし、子供が二人あります。そういつたことは全然ないわけなんです。それで私の母のところへ行つていろいろ聞いたのは、やつぱり共産党に入つているということで、そしてどういう仕事をしておるのだとか、母親としてお前はそういつたことを黙認していていいのかという形で聞いて来ているわけなんであります。
○羽仁五郎君 ありがとうございました。
 竹本さんに一つ伺い洩れをしたのでもう一つお伺いいたしたいと思います。先ほど御説明の中に脅迫状あるいはそれに類似したものを数通受取られた、その中の一通には盗聴器と書いてないので、秘聴器と書いてあるので警察からよこされたものではないかという御説明でした。その脅迫状は委員会のほうにお出しになつているのでしようか、どうでしようか。
○参考人(竹本節君) それは委員会のほうに報告を出しましたずつと後に来ましたので、まだ提出いたしておりません。
○羽仁五郎君 その脅迫状は今どこにあるのでしようか。
○参考人(竹本節君) その手紙は本日持つて参りませんでしたが、私が保存しております。なお、地方の新聞には内容はその当時発表いたしました。
○羽仁五郎君 その現物は今どこにあるのですか。
○参考人(竹本節君) 鳥取にあります。
○羽仁五郎君 鳥取に……。その脅迫状を誰が出したかということについてあなたのほうでどの程度お調べになつたのですか。さつき御説明いただいた程度でしようか。
○参考人(竹本節君) さようであります。調べにくいものですから、警察に抗議するというような程度にとどめております。
○羽仁五郎君 その脅迫状を警察に現物をお示しになつてこれを警察の人が書いたのではないかということはお尋ねになりましたか。
○参考人(竹本節君) いつでありましたか、それを持つて行つて公安委員長さん方に示してそうして警察がこういうことをやるのだろうということを言いました。
○羽仁五郎君 警察はそれを認めたのですか、否定したのですか。
○参考人(竹本節君) 警察はそういうことは内部の者か外部の者かわからないと言われました。
○羽仁五郎君 そういう脅迫状を受け取つた人は不安ですから、そしてまた警察としてもそういう脅迫状を送る人があるということは困ることですから、警察のほうでそれを調べるとか、あるいはあなたのほうでこれは誰が出したのか調べてみようとか、あるいは警察のほうで自発的に調べてみるとか、そういつたことはどうなんですか。
○参考人(竹本節君) 警察は大体共産党とか、社会党とか、日農とかというような、そういう運動をやつております団体に対するそういう圧迫に対しては、非常に従来消極的でありまして、たとえば私など実際に暴力を振う人に襲われたりしたこともありますけれども、そういう生命の危険というようなことに対して非常に消極的で、あまり熱心に取り調べてくれないわけであります。それでその問題になつております警部補の山根さんの兄さんの山根長十郎さんというのも、最近鳥取市警察の署長を退職になつたのですが、もとはそういう暴力団の取締を意識的に行わないというようなことが、鳥取市議会の問題などになりまして、まあ、輿論が紛糾して、退職になつたというようなこともあるくらいでして、一通や、二通の脅迫状なんか問題でないというふうに、むしろ鼻であしらつているような態度であります。
○羽仁五郎君 これは委員長なり、委員会の皆さんの御意見もあることですが、この脅迫状の現物を委員会において御審議の必要があるように私は考えるのですが、いかがでしようか。
○理事(亀田得治君) ちよつと速記をとめてもらいます。
  [速記中止〕
○理事(亀田得治君) 速記を始めて……。
○羽仁五郎君 次に、田中さんにお尋ねをいたしたいと思うのでありますが、先ほど伺いますと、この盗聴機を据え付けるのは、かなり簡単に、ちよつと置いた程度のものでなくて、壁を貫いたり、紙を張つたり、大分手数のかかつたように伺つたのですが、あなたがおいでになるときに、そういう人がやつて来てそういう工事をごそごそしばらくやつていたんでしようか。
○参考人(田中一巳君) はいそうです。自分はおりました。
○羽仁五郎君 そうすると、かなり長い時間かかつて、どのくらいでその工事といいますか、大工事でもないけれども、どのくらいの時間かかつてやつていたものでしようか。
○参考人(田中一巳君) 一時間半くらいのものですか、そのくらい……。一時間くらいですかと思います。
○羽仁五郎君 そうすると最初の、先ほどの御説明で、まあ警察の方が考えて、そういう必要があるということで、まあそれを信頼してお許しになつたわけですが、一時間くらいもかかつて、そういうようなかなり大がかりなことをやつておられるときに、あなたはどうもこれはだいぶん話が最初の話と違うんじやないか。大きな話じやないかというような感じは抱かれなかつたのですか。
○参考人(田中一巳君) そういうことを感じませんでした。
○羽仁五郎君 中村さんに伺いたいのですが、先ほど一応御説明がありましたのですが、この留守番がてらという意味でお貸しになつたということですが、その際に特にその部屋を貸すことについて、その貸料とかというようなものをはつきりおきめにならなかつたということだつたのですが、で、その点についてもう少し詳しく……。
○参考人(中村君義君) はい、まあ部屋代としましてといいますか、その前、向うさんもどれだけを出すからということも言われなかつた、こちらもまあ留守番がてらにおつていただくのだから、まあ金をくれというようなことは話さなかつたのです。
○羽仁五郎君 その点について田中さんと中村さんとお二方から卒直にそのときの状況を話していただきたいのですが、まず田中さんに伺いますが、警察のほうからそういう盗聴器のようなものを据え付けるということのお話があつたときに、あなたのほうで断りたいという気持が多少あつても、それを言えないような形で、いや応なしにされたようなところが、少しでもおありになつたのでしようか、どうでしようか。
○参考人(田中一巳君) 警察のお方がされるのだからというので、いや応なしというので、いやだ、好きだというようなことは、それほど考えておりませんでした。
○羽仁五郎君 その点くどく伺つては失礼なんですけれども、警察の人だから信頼して喜んで承知したという場合と、あまりうれしくないけれども、警察の人だからまあ承知したほうがいいだろうというのか、どつちなんですか。
○参考人(田中一巳君) 警察の方のことですから、協力したほうがいいだろうという気持でおりました。
○羽仁五郎君 喜んでというわけでもないのですね。
○参考人(田中一巳君) はいそうです。
○羽仁五郎君 喜んでというわけでない……。
○参考人(田中一巳君) はい。
○羽仁五郎君 ありがとうございました。
 中村さんその点いかがですか。
○参考人(中村君義君) まあ今田中さんが言われるような気持、まあ警察の方が必要だからと言われれば、自分たちはお貸ししなければならない……。
○羽仁五郎君 断わると……。
○参考人(中村君義君) それで断わるというような意味でなしに、とにかく警察のほうの方がまあ捜査のためとか、調査のためとかというようなことに必要だからと申されれば、当然お貸ししなければならないというような感じであります。
○羽仁五郎君 最後に上山さんにもう一つ伺いたいのですが、ヒロポンのことがさつき出て、先ほどのあなたの御説明では、ヒロポンというようなことは聞いたこともないということでしたけれども、あなたのお近かい方か、お友だちとか、あなたの知つておられる方でヒロポンに関係している方がどなたかお出でになるか、心当りがおありになりますか。
○参考人(上山恵美子君) ありません。
○羽仁五郎君 全然ないのですか。
○参考人(上山恵美子君) 全然ありません。
○羽仁五郎君 お友だちにも…
○参考人(上山恵美子君) ええ、ありません。
○羽仁五郎君 これはやはり上山さんに伺いたいのですが、お差支えがあれば答えをいただかなくともけつこうなんですが、この盗聴器の備え付けられた部屋でお会いになつていたあなたの友人の方は、お勤めになつているということだつたのですが、それは民間の関係のところにお勤めなんですか、そうでないのですか。
○参考人(上山恵美子君) 官庁なんです。
○羽仁五郎君 もう一つ伺つておきたいのは、田中さんの奥さんにお伺いしたいのですが、田中さんの奥さんは上山さんに対して先ほど友情によつて忠告をして、あまりしばしば来ないように、またあまり大騒ぎをしないようにといつたと御説明がありました。それからまた上山さんの御説明では、あなたと上山さんはお友だちであつたように伺えたのですが、普通にいう意味のお友だちでいらつしやるのですか。さつき上山さんがおつしやつたような意味で工場でお知り合いになつて、その後もずつとお友だちとしておつき合になつておるというように伺いましたが、そうですか。
○参考人(田中球恵君) ただなんとなしに、ただ意気が合うというようなことで、上山さんはさつぱりしたいい人だと思いました。ただそれだけです。
○羽仁五郎君 そうするとお友だちとしてかなりよく上山さんを御承知なのですね。
○参考人(田中球恵君) 以前のことは知らんのですけれども、三年ほどはずつとおつき合をしております。
○羽仁五郎君 三年ほどかなり親しくおつき合になつて、上山さんが何か悪いことをしておるというような方ではない、警察が特に目を付けて盗聴器のようなものをぎようぎようしいものを備え付けて調べるというようなことがあるということをお聞きになつたときに、あの人ならそういうことがあるかもしれない、あの人ならそういうことはあるはずがないとか、どんな感じをお持ちになりましたか。
○参考人(田中球恵君) 上山さんなら警察が目を付けるということは全然ないと思つておりました。
○小野義夫君 これは少し参考人には御答弁がむずかしいかとも考えまするが、竹本さんに伺つてみたいと思います。組合運動とあなたのほうの農民組合連合会の目的と本件の人の秘密というか、それを盗聴するという事件との結びつきは、組合として許すべからざるものだという、組合役員諸君の決議に基いて大いに行動せられたのであるか、それともあなた個人として憲法上その他、法規の上から断じて許すべからざるものであるから組合はどうあろうとも、自分一個としてでもこれは糾弾に値いするという考えでおやりになつたのか。その点について組合とあなたの行動との関係を一応承わつておきたい。
○参考人(竹本節君) お答え申し上げます。九月十五日に共産党の方々から連絡を受けましたときには、突発的な事件でございましたし、日農の鳥取県連合会の正式の役員の方々に集まつていただいて、どうしたらいいかというようなことを相談するいとまもございませんでしたから、最初には県連の本部をあずかつております書記長として行動いたしましたが、その後供出の問題でありますとか、あるいは米の検査の問題でありますとか、そういうような問題を一緒に相談をする執行委員会がございましたのでそのときにこの問題を報告いたしまして、そうして、いろいろ従来共産党でない日農県連は同じような方法で、駐在所の警官の方があまり行き過ぎたことをやられるので、健全な組合運動が非常に影響を受けるというような実例がたくさん各組合にございまして、これは同じような性質の問題で、表面共産党弾圧で私どものほうには関係のないように見えるけれども、しかし、初めは共産党にこれをやり、あるいは社会党にやり、その他の政党にもやり、そして、何か警察を中心とする国の政治をやろうというふうな考え方がひそんでいるというようなことを相談しまして、そのときの役員は四、五十人くらい集まつていましたが、満場一致でこれは農民の問題としてやろう、これがもし社会党にされたのでも、自由党にされたのでも、どの政党であろうとも、こういうやり方で団体の秘密なり、個人の秘密なりを聞いて、それを警察の捜査だということはいけないということでやつておるわけでありまして、それは私個人が共産党と一緒に騒いでいるというような形ではございません。それからまた、日農はそうした考え方でありますけれども、団体の中には共産党と一線を面するという決議をしているから、共産党とは一緒にやれないけれども、自分らの組織だけで、やはりこれはいけないことだから、こういうことはやめてもらおうという運動をやつている労働組合とか、青年団体もございます。そういう状態でございます。
○小野義夫君 そうすると、今やこの鳥取県の民衆的の考え方として、いわゆる鳥取県の警察と申していいだろうと思いまするが、鳥取県の警察というものは、鳥取県民に対して常にかような、これに類似するような行動をとつておると、だから、これを粛正しなければならんというのが県民の大体、パーセントではつきりは言えないでしようが、県民全体の一致の議論とは私は考えてはおらんのでありまするが、あなたのお考えでは、どれくらいな分量においてかようの意思が今動いておるのでしようか。
○参考人(竹本節君) 私は警察の幹部の方を除いて、県民の九割以上、あるいは九割五分以上の人がわれわれと同じ考えであると思います。それはこの事件が問題になりましてから、すべての新聞に大学の学長さんでありますとか、弁護士会の会長さんでありますとか、あるいは自由党の幹部の方であるとか、改進党の代議士の方であるとか、そういうような方がたが、この問題について意見を発表されましたけれども、鳥取県で有識者といわれるかたは、こういうやり方がいいということを言われた人は一人もないのでございまして、全部共産党のいい悪いということは別な問題である、こういうやり方によつて捜査をする、また、警察がたくさんの報道機関を前にして、その最高責任者がうそのことを言つて新聞に報道させるというようなことをやりましたことも、それからまた、これをやつたあとの処置といいますか、警察行政といいますか、信用がおけないということは、大体県民のほとんど全部の声であるといつて、決して過言ではないと思つております。
○小野義夫君 そういたしますと、県民のほとんど全部がこの問題についていかんということを思つているのは、その点はポイントは、焦点は、秘密でそういう人の秘密なり、あるいは犯罪にしてもどちらにしても、捜査の手段方法として、かかるまあ卑劣というか不都合なるやり方をやつたということがいかんということでありまするか、あるいは警察制度それ自身が、鳥取県においては法規上、あるいはその他の通念から許さるべきことから逸脱しているから、警察当局、言いかえれば、知事を筆頭に、知事にどういう責任があるか知らんが、やはり若干の責任があるかもしれませんが、県当局というものが悔い改めるというか、みずからその責めをとるべきであり、とらなければどこまでもこれは追及して行こうというような趨勢でありますかどうか。その情勢について御報告を願いたいと思います。
○参考人(竹本節君) お答えいたします。こういうことは悪いことでありますから、どうしても公安委員長なり、それから警察の本部長なりは責任を明らかにして、もつと立派な、自分たちの行動について、信念とそれから真実を県民に語つていただける人たちによつて警察行政をやつていただきたい。まあ一般の県民といたしましては、この事件を通じて警察制度をどういうふうに変えるとかというふうなところまでは考えていないわけでありますが、こういうむちやなことはやめていただいて、人手にいたしましても、鳥取県でこういう事件を起しました岸本さんの代りに、釧路で何か破防法をあまり濫用されて、結局無罪になつたというような方が今度は代りに来られて、失敗ばかりされて一般の民衆の人気を、支持を失われるような人を鳥取県と北海道とで入替えてしまう(笑声)というようなこと、実際御承知のように、人口六十万に足らん、全国で最貧弱な県ですが、みんな、あまり鳥取県民を警察はあほうにしているというので、非常に腹を立てております。これは政党政派を超越して、こういう人事でこの問題をうやむやにされたのでは、実際屈辱を鳥取県民は感ずると、これはむしろおじいさんなどのほうが腹を立てております。そういう状態であります。
○小野義夫君 そこでこれは地方問題であり同時に中央の問題であると思うが、地方で最高機関といえば県議会だと考えますが、県議会にそれぞれの機関をもつて申出られる、まあこれは大体において公安警察独立で、公安委員長が当面の責任ですけれども、いわゆる県民としては県議会がまあ代表するわけですね。県議会のこの問題に対する動きというようなものはどんなような現状でありましようか。それもついでにお伺いいたします。
○参考人(竹本節君) お答え申上げます。誠にごもつともなお尋ねでございまして、その点私ども民主団体のほうも相談をしまして、参議院の法務委員会に調査をお願いし、その結果に非常に期待を抱いたのでありますが、県警察に起つたことでもあり、警察関係の県議会の常任委員会に調査をしていただくことがまず大切でありますし、それから市警察がなくなりましたけれども、市警察から県警察に変る過渡期に起つた事件でありますから、鳥取市議会でも置処に調査権はないけれども、県会や国会に対して議会としてこの問題を適当に解決していただくような要望、決議ぐらいはするのが当然議会の任務ではなかろうか、していただいて差支えないではなかろうかというようなことを考えまして、鳥取市議会に代表者一同頼みに行きましたけれども、議会のほうでは、参議院の法務委員会で人権侵害であるということがきまつたならば、そのときに決議しようというような、非常に不誠意な回答でありました。それから県会のほうには鳥取市の選出の県会議員にお願いしましたところ、その議員がおつしやいますのには、国会の法務委員会は、鳥取県の警察などとは決して具体的なつながりがないから公平に調査ができるであろうけれども、鳥取県の警察関係の県議会の常任委員会は、実は警察署長出身の人とかあるいは警察関係の土木工事というようなものをなるべく自分のほうで請負いしようとかいうふうに、自分らの口では言えないけれども、警察ボスの集りというような形で、調査などはとてもしない、まあその中の一部の人が県議会が開かれたときに、この問題について大演説をしようというような、これもまた期待に反する態度でありまして、そういう点からも警察だけが悪いのではなくして、地方議会の警察の行動を監視しなければならない、そういう警察関係の常任委員会などが警察に引きずられているというよな状態でありますので、私ども非常に失望していますし、同時に当然県議会が取り上げなければならないことを、参議院と呼応して取り上げなければならない責任のある、そういう調査活動をやつていただいてないということに対して、法務委員会の諸先生方に対して申しわけない県民として気持を抱いております。こういう情勢でございます。
○小野義夫君 そうすると県議会というものが委員会、いわゆる警察関係の委員会も、また県会としても、この問題に対してすこぶるヌエ的で、はつきり調査をし、またその結論によつて直して行くといいますか、それぞれの責任を明確にするということに躊躇をしておるという御説明と受け取つてもよろしゆうございますか。
○参考人(竹本節君) さようでございます。その議員の中には、次に県議会が開かれたときには当局を追及すると言つておられる議員も若干ございますが、常任委員会としては何ら調査活動を行なつてくれていない、それを躊躇しているという状態でございます。
○小野義夫君 そうすると、ここに重大な一つの問題が起るのですが、それはまあ私ども県民のほとんど大部分が非常なこの問題について警察に非難の声を持ち、また、うらみを持つて、何とか超党的にこの問題をやらなければならんというふうになつておるということは、私はそれを認めたいのです、あなたの御説明を……。しかるにその代表機関であるところの県会議員が自己の立場といいますか、いろいろな因縁いわれがあるということで、本問題を堂々と取り上げて追及しないようないわゆる県会議員諸君で県会を支配しておるというふしぎな一つの現象を認めるのでありますが、事実ふしぎであろうが何であろうが、そのようなのが実態であるというふうにあなたはお認めになりますか。
○参考人(竹本節君) 自分の県のことで、はなはだお恥かしいですし、申しわけないことと思いますが、そう認めざるを得ません。この問題だけでなしに、この前の警察の予算などにつきましても、県会で党派争いをしておりまして、すなわち十九対十八でありますか、それでいろいろなことを警察についての決議をしたのでありますが、議長が少数のほうを多数である、十八のほうが十九より多いというようなことで可決いたしましたというようなことが警察問題で起つたりいたしまして、全国に話題を提供したようなこともありまして、もうその一事、十九より十八名が多数であるというようなことを可決して、そうしてその後にそれをもう徹底的に県民にわびるとかいうようなことをしないで、何かなれ合のようなことにして解決するというようなことが警察問題で起こりましたし、そういうことと関連しましてこのたびのこういう皆さん方に御心配をかけております問題にも非常に消極的で、先ほど申しましたように、ただ県会で一部の議員が演説をするにとどめるというような態度から、ただいま委員さんがおつしやいましたような点を率直におわびしながら、一県民として認めなければならないと考えます。
○小野義夫君 次に地方にそれぞれ人権擁護委員というか、人権擁護委員会というものがあるわけでありますが、これは明らかに人権を蹂躪しておるかのごとく私もそういう断定は早計であるかもしれないけれども、一応今まで参考人各位からの御説明ではさような感覚が起るのでざいますが、これに対して各方面に対する訴えといいまするか、またそれを受けられてもちろん地方で起つたことであるから承知であろうと思うが、これに対してどういうことを考え、どういう措置をとられたかを御承知であつたら、御説明願いたい。
○参考人(竹本節君) お答え申し上げます。その点につきましては各団体の代表者が人権擁護委員会の委員長さんをやつておいでになります山下弁護士さんにお願いをいたしましたところ、これは重要な問題であるから、弁護士会独自の調査をするとおつしやいまして、午前中も申し上げましたように、君野駿平弁護士さんが各関係者をお回りになつて聞取書などをお作りになり、それを鳥取県の弁護士会に報告されまして、さらに鳥取県の弁護士会の方々は全国の弁護士会に事情を報告して、人権擁護のために奮起しようというようなことをなさつて、いろいろ御心配下さつております。なお、弁護士会のほうや私どものほうで鳥取の法務局にもお願いいたしましたところ、中央のほうから調査をするようにというような正式な指示もあつた模様でありまして、目下鳥取の法務局人権擁護課が中心になりましてこの問題の調査を継続しておるような次第であります。
○小野義夫君 次に、それではちよつと田中さん御夫妻のほうにお伺いいたしますが、この事件後、非常に患者が激減して御迷惑を感じておられるというのでございますが、従来は自宅で治療なすつておられたのでありますか、それとも外に回つて治療をなさつておられたのですか、その業務執行の方法ですな、どういう状態でやられたのか、ちよつと簡単に
○参考人(田中一巳君) 自分は以前は宅治療ばかりやつておりました。と言いますのは、来られる方が多かつたものですから出るひまがありませんでしたので、自宅治療ばかりをやつておりました。
○小野義夫君 そうすると自宅治療を主としてやつておられたのがこの事件から来なくなつた、私どもがちよつと直感したので、はなはだ失礼な申し分ですが、あなた様のところにそういう聴取器を据え付けるなんていうことになると、あなたのところが警察の出先機関のごとくいわゆる民衆が考えて、あそこは民衆の怨府と申しますかになつておられる。そういうところへ治療に行つて君子危きに近か寄らずで、どういう結果が身に及ぶかもわからないというので、まあしばらく、永遠ではないかもしれないけれども、この問題がもう少し落ちつくまでは足を遠去かろうというのが、これは人間というものはデマでもそういう事件が起りますと、みなそういう用心をする人が多いから、さような結果からそういうことが起つているのかと思いますが、これに対してあなたはただ警察のことだからといつて依頼されたので、そういうような事実は、自分は非常な違法の企てをここでやるとは知らなかつたのであるから、警察というものはいわゆる自分をだましたのだ、従つて損害賠償を訴うべきだというほどの強い信念を持つてあなたは今日おられるか。それとも自分はこれは失敗した、そういうことを聞いてやらなければよかつたのだという、そういう御自分が自責で、この損害はみずから甘受するという考えでありますか、それとも許すべからざるものであるから、いわゆる法的手段をとつても損害賠償を訴う意思ですか、それを一つ承わつておきたい。
○参考人(田中一巳君) 自分としてはこれを法的に争つてどうとか、こうとかということもどうかと思つております。そういつて、じやこれを自分が失敗したことなんだからこれであきらめるということも、自分の現在の状態としましてできないつらい立場であります。
○小野義夫君 中村さんに一つお尋ねをします。あなたの勤めているところですか、大ぜい民衆がわいわいけしからんとかなんとか、この事件について非常に押かけて来た、自分は何だからんぷんかんぶんでわからないでやつて来たというのですが、それはまあ一応そういう激昂のときに大衆はやられたかもしれませんが、今、今日は、あなたは、非常にやはり民衆が憎しんで、それでなおそのことについてそういう情勢が自分のところに非常に危険、もしくはその他のことが迫るような感じをお持ちになつておりますか、その点はどうですか。
○参考人(中村君義君) 今では別にそういうことは受けておりませんですけれども、当時というものは、どうした加減か自分のわけも聞いてくれずに、頭から暴言といいますか、そういうことを言われまして、そういう何か詳しいことでも知つとつて、その連中に言われておるということなら、またこれはなんですが、全然知らないのに、頭から会社に何十人という人たちが来ておりまして、会社には事務の方々もおられるし、その前で頭からそういうことを言われるときに、自分としましては、別にそういう変つたことはしてないのに、頭からなぜどうも自分はこんなに言われんなんだろうかという感じをそのとき持ちました。
○小野義夫君 そのとき民衆の、群衆はあなたが共産党のほうのスパイであるとか、あるいはその他のことをやる男だと、そういう罵声、もしくはそういう言動をもつてあなたに迫つて行つたのですか。
○参考人(中村君義君) 町の働いておられる方々だと思いましたですが、中村は警察とぐるになつて、警察のスパイになつてやつておるじやないか、中村はけしからんやつだと、まあどうも頭からそのときは言われたわけです。
○小野義夫君 別に、それであなたに暴行を加えるとかあるいはその他のことはなかつたのでしよう。
○参考人(中村君義君) そういうことはありませなんだですけれども、言葉の上では相当なことを言われましたですけれども、あとからここにおいでになる竹本さんのような方々がおいでになつて、それでいろいろお尋ねになりして、自分もお尋ねによつてお答えさしてもらつたわけですけれども、どうもそのときどう言つてお答えしていいというか、どうもあまり突発のことでわからないような状態でありました。
○小野義夫君 わかりました。上山さんにお伺いしますが、田中さんのところ、普通そこに止宿でもすれば、間借ということもありますが、そういうあなたが平和運動なりその他活動されるということは、これは個人の自由でありますけれども、何も一軒のうちを借りて、そこでそういう、いわゆる社会的の運動を、もしくはそういう運動を審議するには当らんと考えるのですが、これは公開の席上でも言うことだし、どこでも言うのに、まして特に自分が部屋を借りて、そしてそこで御相談なさらなければいかんという理由はどこにあつたのですか。
○参考人(上山恵美子君) 去年の十月頃にも、船岡の例ですけれども、竹本さんも先ほどおつしやいましたけれども、村の青年がお米をたくさん作りたいというのでヤロビの研究をする。そうすると警察が必ず来る、青年団で歌を、集つて若い人たちが歌うのです。その歌にも警察が来る、それからまた私も学校を卒業しましてから、一緒に卒業した友だちと読書の会を作りまして、それでいろいろな本を皆さんで相談して買いましてそして本を読むと、みんなで読合うという会合を持つて参りました。そのときにも本当に執拗な態度で警察が近所の人たちにあそこの娘は何か変つたことはないかというような聞き込みをやつているわけです。私たちが平和運動をやりますときに、公然とやるということは非常にできないということなんです。で、私がそこでやりましたのも、今日この向うの部屋に写真を置いておりますけれども、田中さんの部屋が秘密な会合に使えるような家ではないわけです。亀田先生も御存じですけれども、たつた一間でガラス越しに幾らでも透かして見られるというような状態です。私たちのそこで話しました平和の話が秘密に誰かに聞かれて悪いという会合ではないわけです。しかしそれを公然とまたできないという鳥取の今本当に困つておる状態なんですけれども、公然とできない、もしくはそういうことをやれば、非常な圧迫が加わつて来るという状態であります。
○小野義夫君 その間代について何がしかの報酬をあなたはお払いになりましたか。それとも好意によつて拝借しましたか。
○参考人(上山恵美子君) 別に間代を払うというようなことはありませんでした。
○岡田宗司君 今日の傍聴のことですがね、傍聴者で鳥取県の警察本部の人が来られておるかどうか。それは委員長のほうでおわかりだろうと思う。
○理事(亀田得治君) 申し上げます。法務委員会の事務当局のほうには鳥取の警察の方が傍聴人としては入つておられません。実際におられるかどうかはわかりませんが、おられるとすれば、何か別個な立場でお入りになつておるのじやないかと思うのですが。ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
○理事(亀田得治君) 速記を始めて。
○岡田宗司君 傍聴券を出すときには、たしか職業等を記載される必要があるのですね。それをされて傍聴券が出ていますか。
○理事(亀田得治君) ちよつと申し上げますが、傍聴人ということでは、本日は一人も入つておられないようです。従つて何と申しますか、政府の何か連絡員のバッジですね、そういうものを国警か、警視庁かどこかでお借りになつて入つたのじやないか、こういうふうに想像されます。
○岡田宗司君 警察庁の人は来ておりますか。
○理事(亀田得治君) 来ておられるようです。
○岡田宗司君 警察庁のどういう課の何という名前の人ですか。
○理事(亀田得治君) 国会係りの者です。
○岡田宗司君 それを一つ名前を……。
○理事(亀田得治君) 岡田委員に申し上げますが、警察庁事務官鈴村昌夫。
○岡田宗司君 その鳥取県の警察本部の人ですね、その人がそういう連絡員のバッジなり何なりで入つたりしておる。これは名前が連絡負として入つたとすれば、当然こちらで名前を知るなにがありますので、一つ名前を明らかにしてもらいたい。何人入つておるか、そうしてどういう身分か、その名前を明らかにしてもらいたい。
○理事(亀田得治君) 岡田委員のただいまの御要求は、一つ事務当局のほうから調べさせます。ほかに御質問はありませんか。
○岡田宗司君 その連絡員として入るについてのバッジその他はどういう方法で借りたか、それを明らかにしてもらいたい。
○理事(亀田得治君) あとからでいいのですか。
○岡田宗司君 すぐわかるでしよう。
○理事(亀田得治君) ちよつと速記をやめて。
   〔速記中止〕
○理事(亀田得治君) 速記をつけて。
 本日委員会を傍聴された方の氏名は鳥取県の警察の方は一名です。それは警部の福田孝則、あとは全部警視庁または警察庁です。
○岡田宗司君 警察庁何人、警視庁何人。
○理事(亀田得治君) 警察庁は三名、その名前は谷口利明、下稲葉耕吉、鈴村昌夫、それから警視庁の方は三名、名前は藤岡三郎、吉田富男、岡部平信、以上です。これらはいずれも警視庁と警察庁の方は、国会の連絡バッジが一括して平生から渡されておりますが、それを使つて入つており、それから鳥取県の方は政府の連絡バッジをどこからか拝借して入られたようです。こういうことです。
○岡田宗司君 その鳥取の警察の人がどういうような経路でそのバッジを借りたかお伺いしたい。
○小野義夫君 関連質問、ちよつと速記をやめて。
○理事(亀田得治君) ちよつと速記をやめて。
   〔速記中止〕
○理事(亀田得治君) 速記をつけて。傍聴者の問題は一つ明日の警察側の発言等にも関連があると思つて、そういう意味が少しあつて岡田委員がお聞きになつたのじやないかと思うのですが、まあこの程度で大体御趣旨は通つておると思いますので、一つ岡田委員も御了承願いたいと思います。
 そこで最後に私ちよつと一つ落したのを上山さんか、あるいは竹本さんかどちらかでもいいが、お答えできたら答えてもらいたい。それは例の盗聴器ですね、これはどこの製品といつたようなことを誰か専門家等に調べてもらえば、あるいはわかるかとも思うのですが、何かそういうことをされたのでしようか。されなければいたし方ありませんが、されたのであれば、結果等について御報告を願いたいと思います。いかがですか。
○参考人(上山恵美子君) 専門家に調べてもらつたというようなことはないのですけれども…。
○理事(亀田得治君) なければそれでいいです。
 それからもう一つ私先ほどからお尋ねしようかどうかと思つていたのですが、ただいま岡田委員からああいう御発言がありましたので、私ちよつと中村さんに一言だけお尋ねしたいのですが、私鳥取へ行きまして、あなたに部屋を貸したときの状況をお聞きしたんですが、そのときには私念を押しておいたんですが、お部屋を警察のかたに貸す際には、目的等については全然告げられなかつた。たとえばヒロポンといつたようなことも告げられなかつたとはつきり私に言つているんですが、本日の言い方は、その点、たとえばヒロポンの調査といつたような程度のことは警察の方がしやべつたように先ほどあなたはおつしやつているんですが、この点非常に食い違いが私はあると感じております。私はこれはもうそういうこまかいことまでは聞かないつもりでいたんですが、ただうしろに警察の方ばかりが傍聴されている、何かそういうことと関連があつて、あなたのおつしやることが鳥取における言明と違うのであれば、これは私は大へんだと思いますので、この点どうでしよう。私はあなたのおつしやつたのを書いてちやんと記録にしてあるんですがね。
○参考人(中村君義君) お答えいたします。どうも亀田先生がおいでになつたときにそういう質問がありましたのですけれども、ただどうもはつきりしたことは聞いていないのですし、うやむやなことといいますか、そんなことを申し上げてもいけないと思つて、まあそう申し上げたのですけれども、まあ先ほど申しましたようなことが事実でございます。
○理事(亀田得治君) さらに私が鳥取で開いたときには、警察からはそういうお話はなんら聞いておらない、こうあなたが私におつしやつたことは事実でしよう。
○参考人(中村君義君) はい。
○理事(亀田得治君) その通り私に説明したことはですね……。その点だけでけつこうです。
 それでは委員会を代表して私からお礼といいますか、ごあいさつを申し上げますが、大へんお忙しいところを、しかも遠くから私どもの調査の参考のためにお出かけいただきしまして、いろんな点について発言いただきまして大へんありがとうございました。厚くお礼申し上げます。
 本日の委員会はこれで終了いたします。
   午後四時十一分散会