第019回国会 通商産業委員会 第17号
昭和二十九年三月五日(金曜日)
   午後一時三十四分開会
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 出席者は左の通り。
   委員長     中川 以良君
   理事
           松平 勇雄君
           加藤 正人君
           藤田  進君
   委員
           石原幹市郎君
           大谷 贇雄君
           黒川 武雄君
           小林 英三君
           西川彌平治君
           酒井 利雄君
           高橋  衛君
           岸  良一君
           豊田 雅孝君
           西田 隆男君
           海野 三朗君
           三輪 貞治君
           武藤 常介君
  政府委員
   通商産業省公益
   事業局長    中島 征帆君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       林  誠一君
   常任委員会専門
   員       山本友太郎君
   常任委員会専門
   員       小田橋貞寿君
  参考人
   公益事業学会理
   事       細野日出男君
   経済団体連合会
   電力委員会委員
   長       青木 均一君
   日本商工会議所
   代表
   (横山工業株式
   会社社長)   横山 公雄君
   日本貿易会常任
   理事      野崎 一郎君
   東京証券業協会
   会長      小池厚之助君
   日本興業銀行調
   査部長     梶浦 英夫君
   電力建設協力会
   常務理事    門屋 盛一君
   日本電機工業会
   常務理事    伊藤 操治君
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  本日の会議に付した事件
○議員派遣に関する件
○本委員会の運営に関する件
○通商及び産業一般に関する調査の件
 (電気料金に関する件)
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○委員長(中川以良君) それでは只今より通商産業委員会を開きます。
 最初に皆様に御報告を申上げまするが、本日午前中に委員長、理事打合会をいたしまして、次の件を決定をいたしましたので、御了解を頂きたいと存じます。
 第一は、先般お話がございましたガス事業法案に関連をいたしまして、石油資源の開発状況の視察の問題でございまするが、第一班を秋田地区、第二班を新潟地区に分けまして、来る三月十三日より十六日の火曜日まで、これが第一班、秋田地区でございます。それから第二班は三月十三日より十五日までにいたしております。そして派遣議員数は両班とも三名宛ということにいたしております。只今までにお申込を頂いておりまするのが、第一班の秋田地区が岸君、三輪君、西川君、それに海野君でございまするが、これはなおほかに御希望があるかと存じまするが、若しも超過をいたしましたならば、委員長において然るべく公正に取極めをするということをお任せ頂きましたので、さようにいたしたいと存じます。それから第二班の新潟地区は、藤田君、白川君、それに私、これが只今の申込でございます。なお申込の御希望者は至急私のところまでお申出を頂きたいと存じます。丁度国会開会中でございますので、土曜日、日曜日を特に挾みまして、国会の審議に差支えのないようにいたした次第でございます。さように決定をして御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中川以良君) それでは御異議ないものといたします。
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○委員長(中川以良君) それから来週の日程でございまするが、三月九日火曜日は午後一時より開会をいたしまして、特別鉱害法案、この特別鉱害法案は衆議院におきましては委員会が上りまして、恐らく明日の本会議でこれは衆議院可決いたしまして、本院に送付をいたして参ると存じます。従つてこの法案は極めて簡単な法案でございまするし、或る程度御審議も願つておりまするので、火曜日には討論採決まで入りたいと存じまするので、各会派どうぞ一つ御相談をして、さようなお心組で御出席を願いたいと存じます。
 なお時間が余りましたならば、国際的供給不足物資等の需給調整に関する臨時措置に関する法律の一部改正法案、これの提案理由の説明を聞きまして、更に時間が余りましたら、中小企業関係の二法案の審議をいたします。
 それから三月十一日の木曜日午前十時より、過般打合せを申しました通り、輸出保険法案の参考人の意見を聴取いたします。参考人に関しましては、先般委員長にお任せを頂いておりますので、然るべく取計らいたいと存じますから、さように一つ御了承を頂きます。なお当日は午後一時から同法案の審議をいたします。それから三月十二日午後一時から輸出保険法案につきまする討論採決に入りたいと考えております。これは十一日の今の参考人の意見聴取及び審議が済みましたならば、本法案は参議院か先議になつておりますので、できるだけ十二日には上げたいという心組でいたしたいと存じますので、この点は各会派ともさような意味において御相談を頂きたいと存じます。
 なお当日は時間が余りましたなら硫安関係の二法案並びに近く提出の参議院先議が予定されておりまする商品取引所法案等につきまして審議をいたしたいと考えております。
 以上のように来週の日程を決定いたしまして御異議ございませんか。
○西川彌平治君 ちよつと十一日は午前十時からですか。
○委員長(中川以良君) 午前十時から参考人の意見聴取、引続き午後一時から審議をいたすことにいたします。御異議ございませんですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中川以良君) ではさように決定をいたします。
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○委員長(中川以良君) それでは本日は昨日に引続きまして電気料金の改訂につきまして一般の御意見を伺いまして調査をいたすことにいたします。
 本問題につきましては、産業の経営並びに国民生活の上から見ましても極めて大きなる関連を持つておりまする次第でございまして、更に政府が意図いたしております諸物価の引下げの政策にも至大なる関係を持つておる次第でございます。かような重要性を持つておりまするが故に、本委員会といたしましては料金問題を特に取上げまして慎重に取扱つて参つて来た次第でございます。これがため本委員会といたしましては二月五日以来通産大臣及び政府当局に対して質疑を重ねて参りますると共に、二月十日及び十一日の両日に亙りまして、電気事業者側首脳部より説明を聴取をいたしまして、更に昨日及び本日は、需用者並びに経済関係の各方面のおかたの参考意見をお聞きをいたすことに相成つた次第であります。
 次に参考人の皆様方に御挨拶を申上げます。本日は御多忙のところを、当委員会のために特に御出席を賜わりまして誠に有難う存じました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申上げます。当委員会といたしましては、本問題につきましては、飽くまで公明なる立場におきまして、多角的にこれを検討を加え、且つ道義的に良心的に私どもは飽くまで正しき審議をいたして参る考えでございます。どうぞこの機会に皆様方は率直に適切なる御意見を御開陳を賜わりまして、本委員会の、今後の本問題に対しまする調査の上に、最も尊き参考の御意見を賜わりたいと念願を申上げる次第であります。本日はあらかじめ御通知を申上げておりまする通りに、お一人の御公述を願いまする時間は約十五分といたしまして、順序は差上げておりまする名簿の順序によつてお話を伺うことにいたしまするので、さように御了承をお願いいたします。なお皆様方の御公述が全部終りました上において、委員各位よりいろいろ御質疑があると存じますので、どうぞそれに対する御回答を賜わりたいのであります。恐縮でございまするが、本日は最後まで一つ御列席を願いたいことを特に私からお願いを申上げる次第でございます。それでは最初に公益事業学会の細野理事にお願いを申上げる次第であります。
○参考人(細野日出男君) 私は交通論を本来専門としております学会の一員でありますが、交通論のうちに公益事業に属するものがたくさんございます。その面から公益事業研究にも入りまして、公益事業学会の理事もいたしております。中央大学で交通論と公益事業論を担当しておるものでございますが、学会の一員としての立場から意見を述べさして頂きたいと思います。
 公益事業という言葉に対しまして、昨日あたり傍聴に参りますと、やはり公益事業ではなくて、これでは私益事業であるというような言葉がございますが、実はこの公益という字が、少しミス・リーデイングであるかと思いますが、公衆の用役を独占的に提供する事業という意味でございまして、実はこの公益性が非常に強いということは勿論出て参りますけれども、独占性の強大ということが一番のポイントになるわけでございます。そこでは実は三つの関係者がございまして、一番問題になりますのはユージング・パブリツク、利用公衆というものでございますが、併しそれに対立すると考えられておりますところの業者のほうでは、これはやはり二つに分けますと、資本家側というものは、やはり非常に多勢の資本家がおります。それでインベステイング・パブリツクという言葉があるわけであります。そこでその従業員も非常に多勢おるわけでありまして、レイバーリング・パブリツクという言葉があるわけでありまして、いずれも多勢の関係者が対立的に存在しているかのように見えます。併しながらこれらの間の対立を調整する手段としまして、例えばカストマー・オーナシツプ、エンプロイ・オーナシツプといつたようなものも或る程度にはあるわけでありますが、公益事業学者という立場から申しますというと、やはりこの関係者全員に対して公平な立場に立つて、結局公共事業令や、それから公益事業委員会規則の料金算定基準の第一条のほうにもありますような事業の健全な発達を図ると共に、電気の利用者の利益を確保する。つまり相対立する、利害相対立しておるような関係にあるように見えますけれども、これらのものを全体に対して公正な立場から、つまり一部の立場ではなく、全体の立場から述べますのが学会人としての念願なのであります。
 で、先ず第一に公益事業料金の決定機構と公益事業料金の決定原則というふうな原則論をちよつと、これは十分おわかりになつておることでございますけれども、述べさせて頂きたいと思いますが、公益事業料金の決定機構といたしましては、国会が決定するもの、各省が決定するもの、独立規制委員会、或いは独立行政委員会が決定するものというふうな三通りがございます。で、この電気事業などは御承知の通り独立規制委員会たる、まあ日本としてはむしろ一番典型的なものでありましたところの公益事業委員会というものが作られておつたのでありますが、それが一昨年なくなりまして、通商産業大臣、つまり各省に上る決定ということに変つてしまつたわけでございますが、同じ公共事業のうちでも国有鉄道運賃、電信、電話料金及び郵便料金というものはこれは法律によりまして国会がおきめになる。それから放送事業料金などはこれは予算、放送局の予算を通すという形で以て料金決定が行われる、やはり国会がその予算をお通しになるということで以てきめられるわけであります。ところが私営公益事業のほうは運輸事業でも、電気、ガス等の供給公益専業でもこれは法律にはよりませんで、やはり大臣がこれは独立規制委員会によつて決定するという機構になつておつたわけでございますが、その独立規制委員会のほうはもうなくなつたわけであります。ただ運輸省では運輸審議会という諮問機関の形をとつておりますけれども、常任委員会がございまして、これが必ず諮問を受けて公聴会を開いて決定するというようなことになつております。このほうは諮問委員会でありますけれども、やはり委員会制度であるというところが前の公益事業委員会に非常に似た点でございます。
 それから次にこの料金の決定原則はいわゆるコスト主義ということで、そのコストというもののうちには正直にして能率のいい営業費、それから公正なる資本報酬、これを含めたものを総括して、いたしたものとして、料金総収入はそれに等しからしめるというのがこれが一応の原則になつておるわけでございますが、ただ我が国の立法例におきましてはこの算定基準というものをはつきり法令で以て出しておられるのは電気事業、ガス事業関係だけなのであります。鉄道や電信、電話や、郵便等についてはそういう算定基準というものはまだできておりません。そのためにいつでも値上げのときにはいろいろな問題が起りまして、いつまでたつても同じ問題を繰返し繰返しやるというような、手間もとれ、又雑音が入ると非能率だということになりがちなのであります。ところがその公益事業委員会規則で以てこしらえられました算定基準という、これによりますというと、算定基準に合つているものは認可しなければならないというような、そういうふうに非常にこれはまあアメリカから与えられたものだということもありますけれども、全くアメリカ流のはつきりしたものができておるわけでございます。ですから一応電気料金につきましては、すでにあるところの算定基準という規則に従つて行けば比較的議論は少いのではないかと思うのであります。
 それから次に、各種の物価というものと、それから公益事業料金というものとを比較してここで考察して見たいと思うのでありますが、インフレーシヨン前後におきまして、各種の物価は実は非常なアンバランスの状況で、或るものは非常に上り、或るものは上り方が非常に少いというようなことになつております。物価の比較統計はこの参考資料のうちにもたくさん出ておりますが、実はそれらの物価の中で、卸売物価指数、小売物価指数、生計費指数というものがよく平均値指数として出されましてそれより高いもの、低いものというようなものが比較されるわけでありますが、いわゆる物価の中に普通入れて考えておられないものでもつて、実は生計費や企業のコストに大きく食い込んでおりますものが、これが金利と租税であります。この租税というものは、実は物価レベルに比べますというと一番上つておるものの一つであります。昭和十年に九億二千六百万円だつた租税が、二十九年では七千七百六十三億円ということになつておりまして、これは七百五十倍に増加しておるわけであります。人口も殖えておりますから、一人当りの計算から行きますと、六百倍から六百五十倍見当に殖えていると考えられます。これは国家の租税でありますが、地方税、これも昭和十年頃に六億三千万円の地方税でありましたものが、これは二十九年の統計は私まだ入手しておりませんが、年鑑などによりますと、二十六年で三千九百十八億円となつております。これだけでもすでに六百五十倍であります。人口当りという点から直しますと、五百倍から五百五十倍くらいになろうかと思いますけれども、併し二十九年度あたりはこの地方税も相当高くなつておるだろうと思いますから、これ又国税と余り違わないような高いレベルにあるのだと思うのであります。それから一般の金利というもの、これは実は典型的な従価価格であります。値段を上げれば自然に上るというところの価格でありますが、百円について日歩一銭だとか、或いは五分だとか、六分だとか、一割とか、一割一分というのでありますからして、インフレによつて資金が余計要れば自然に収入が殖える、即ち利子というものはほぼインフレ・レベルについて上つて行くものであります。ところがその市場金利その他のいわゆる金利なるものがインフレ後は非常に上つているのであります。国債でさえも三分五厘から六分、七分というところに行つて来ておる。公社債というようなところが利廻り七分四厘というようなところに行つている。その他の株式市場の利廻りというようなものは非常に高い、一割一分或いはそれ以上というようなところに行つておるのでありますからして、このほうはインフレ・レベルが平均三百五十倍といたしますというと、それの七、八割増、やはり六百倍見当へ来ている。企業や生計のところで以て電気料金が上げられては困るということは、こういうふうに非常に高くなつてい過ぎるものにすでに先にとられてしまつているということが、これが事実上値上げを反対する、つまり払えないという一番の根拠だろうと思うのでありますが、そのほかに各種の物価がございますが、この家庭主婦の代表というようなかたたちは、口を開けば絶対反対ということをおつしやいます。この家庭の経費のうちから見ますと、やはり食糧とか衣料とかいうものは大体インフレ・レベル以上に上つているわけであります。そういうふうに高くなつているものがたくさんありますのに、公益事業関係の料金というものは、これは非常に安い。レベルから申しますというと、半分以下というものが大部分であります。例えば電燈料金は、これは東京都の調べのほうの数字をここで申上げさして頂きますが、三十キロワツトで二円九十銭であつた。それが去年の十一月には二百五十五円六十銭になつております。八十八倍見当だ。水道は百七十倍見当、それから電話が二百倍、電報が二百四十倍、国鉄の旅客運賃が平均で行きますというと百三十倍強、学生定期などは八十倍以下、これは昭和九年―十一年、戦前に比較してでございますが、都電の運賃が百四十倍見当、都バスが百五十倍、ラジオは百倍乃至七十五倍、これは五十銭から七十五銭に上つた。七十五銭に上つたというときから見ますというと七十五倍ほどでありますが、五十銭の時代から見ればまだ百倍なんです。鉄道の、国鉄の貨物運賃は百六十倍見当、公益事業料金のうちでインフレ・レベルに追付いておりますのは郵便料金だけであります。郵便料金が三百三十三倍であります。第一種、第二種が三百三十三倍に行つております。第四種などはもつとずつと高くなつておるというようなわけでありますが、これらのうちで共通しております点は、非常に安くなつておるというものは固定施設の非常に大きいものであります。固定施設の非常に大きなものは、要するに過去のインフレ以前の安い資本の時代に投下した資本主の犠牲において非常に安くなつておる、貸したほうの金のほうは当然インフレの犠牲になつておるわけであります。それから株式、自己資本のほうも再評価というものは非常に低いところにまだおいてありますからして、これも安くなつておる。公益事業のコストは固定資産が非常に大きくものを言う事業でありますから、過去の固定資産がものを言うものは安くなり得る一番大きな根拠であります。郵便などはその安くなり得る根拠たる固定設備がないというところからそういうことが言えるわけであります。こういうのはいろいろありますが、結局物価が非常にアンバランスである。アンバランスであるということがこれは不安の元でありまして、不当に安いものは結局濫用を招く。又不当に安いものを元にしまして、そうしてその上に、これが基礎物価だということで以てその上に企業や生活が成立つということになりますというと、それはいわゆる竹馬経済、竹馬生活ということになるのでありますからして、長くその状態で以て苛烈な国際競争というようなものに堪えて行くことは非常に困難だということであります。又基礎物価であるから値上げは反対だという立場をとりまして、無理に低く抑えておくということをいたしますというと、それは将来改訂をますます困難にするということになつて来る。やはりだんだん経済が落ちついて来れば、社会が落ちついて来れば、そこでしわ寄せをやつてだんだんに均衡安定を取返すというところに持つて行かなければ経済の安定は得られないのではないかと思う。
 それから次に電気料金の改訂は今度一割四分四厘だということでありますが、鉄道などは値上げを再々やつておりますけれども、これはやはり新線建設ということは殆んど大したものはございません、とまつておりますので、経費の増加ということがインフレによつて経費が高くなつて来るということが主たる原因でございますが、電気事業の場合は実はここにいろいろ書いてあります通り非常に大規模な電源開発をやつておる、その電源開発は現在の非常に高くなつておるところのインフレ価格でやるのであるというところから大きな高い資本負担がかかつて来るわけでありまして、その点が鉄道運賃なんかと大分違うところでありますが、併し鉄道運賃も電気料金も、丁度レベルから言いますというと、同じような低い、一般物価レベルの半分以下、四割くらいのところに置かれているというのに対して、非常な大幅な新らしい資本が、高い資本が入つて来ましたからして、どうしてもこれは高くなる、原価主義から言えば高くなるわけであります。これを覚悟して電源開発を国家の政策としてやるのであるかどうかということがむしろ根本の問題なんでありますが、すでに電源開発政策がきめられ、とられておるのでありまして、やはりそのことは否でも応でも認めて対処して行かなければならないことではないかと思うのであります。そういう意味から、電気料金の改訂というものはコスト・プリンシプルに従つて相当程度の値上げというものは認めざるを得ないのではないかと考えておる次第であります。それを認めなければどうなるかという問題でありますが、それは要するに公衆から申しますと、二者択一の問題になるわけでありまして、停電が多い、或いは電圧が下つて螢光灯がちつともつかない、或いは休電日が始終ある、実は休電があるということは、丁度一昨日でしたか、金田一京助博士などが新聞に出しておられましたが、実際我々が電気をつけつ放しで来ている、いつの間に火事になるか、アイロンだとか、スタンドだとかで始終危険を感じておる、家庭生活でもそうでありますが、企業のほうでは一層休電が多い、或いは停電が多い、電圧低下、電気の量と質が足らない、量と質が足らないということは大きな損害だろうと思うのであります。家庭ではローソク代のほうが却つて高くつき、映画館では自家発電設備などをやつて週に一回しかやらない、非常に高くつくものになる、或いはデパートでも自家発電装置を持つておるといいますけれども、これも非常に高くつく、むしろ能率的な、電力会社をして根本的な電源の開発をさせてその料金を或る程度増額して負担したほうが安くつくのではないかということを感ずる次第であります。
 それから次に、時間が何でございますが、利用者側の値上げに対する態度、受入態勢ということはどうしたらいいかということでありますが、ただ反対しておりましてもこれは解決しない問題でありまして、結局個人生活においては、自分の生活を合理化して、必要なものの値上げは吸収に努力するということをしなければなるまい、企業のほうでもやはり企業の合理化ということに努力して、電力の値上げによるコスト高というものは吸収する努力をしなければならないということだと思います。経済生活、社会生活の合理化ということ、実はこれは日本の戦後の国民経済、社会生活というものが非常に妙なものになつておりまして、例えば競輪だとか、競馬だとかパチンコだとか、こういつたようなものに非常に金を使つておる。実は競輪の統計もこれはやはり通産委員会の御担当だと思いますが、競輪のほうは二十八年には五百八十五億円国民が使つております。競馬のほうは五年間にどれだけ使つておるかといいますというと、競馬の五年間に使つた総額というものは実に千七百十億円ということになつておるようであります。競輪はそのうちから地方の財政収入になつておるのは僅かに五十七億円、一割足らずしか財政収入にはなつていない。競馬のほうは競輪よりも少し総額から言えば少いようでありますけれども、これ又国家の、或いは地方の財政収入になつておるものはほんの一部分でありまして大部分は生産的でない、ボスのふところに入るといつたようなことになつておる。国民はこれに対してこんな大きな支出をしておるわけであります。又パチンコの数字も専売公社の調査によりますというと、パチンコには国民は実にたくさんの金を使つておるようでありまして、二十七年度には八百億円から九百億円使つておる。二十八年度には九百億円から千億円使つておるだろうという数字が出ております。東京都なんかではパチンコの機械だけでも二十四万台ある。人口三十人に一台である。こういうようなことは結局家計に食い込んでおる。奥さんたちが電気料を上げては困ると言いますけれども、実は困つておるのはおやじがパチンコをやつたり、或いは競輪に夢中になつたりしておることで困ることのほうがよほど多いのであります。これは滑稽な言い方でありますけれども、現実にそうだと思うのであります。料飲店で酒を飲むといつたようなことも、これは実は会社の経済面においては非常に使い過ぎておるのでありまして、こういつた面の生活の合理化をやるということが消費者の態度として是非必要なことではないか。企業のほうから言いましても、やはり交際費、いわゆる社用族といつたようなものもマージヤンだとか、ゴルフだとか……或る一流の貿易会社の社員たちが毎日マージヤン付き合いしなければならん、寝る時間がなくて困つておるというようなことを現実に聞いておるのでありますが、こういつたようなことは企業の合理化の極く一部の例でありますけれども、これをやるということによつて国民の生産向上或いは生活の向上ということのために必要な電気の料金の値上げといつたようなものは或る程度吸収する努力をしないと、ただ反対しておつたのでは全然問題は解決しない、こういうことを私は一般ユージング・パブリツクに対しては要望したいのであります。又電力会社に対しては言うまでもなくこれは経営の合理化、それから殊に問題になりますのは一般利用公衆は、独占事業でありますからして、電力会社には常に誅求されておるという感覚を持つわけであります。独占だから勝手なことをやつておるだろう、相場というものは立たないのでありますから、自由競争でないのでありますからして勝手なことをやつておる、そういう印象を与えないように経営の内容というものをガラス張りにする、このガラス張りにしたところの経営の内容を、監査して、本当にそれが全く正直で能率のいいものであるかということを監査するのは、これは通商産業省の最も重要な任務だろうと思うのであります。又建設、電源開発にいたしましても非常にこの土木建設費というものは高い値段になつておるわけであります。むずかしいところに行つて、非常に奥のむずかしいところになりまして、現在価格の非常に高いコストをかけるものでありますからして、これを如何に安く上げるかということに対しましては、絶対的な、文字通り万全の努力を払つて頂きたい。いやしくも只見川といつたようなことが新聞に言われるような妙な支出といつたようなものはすつかりカツト・アウトして、国民から疑惑の眼を以て見られるというようなことのないような努力を以てやつて頂きたいと思うのであります。それから通商産業省に対しましては料金算定基準というものを確立して、これによつて合理的な料金の認可を行う、そういうはつきりしたルールを立てて頂きたい。そのためにはいわゆる国民一般に対するところの理解というものを進めて頂かなければなりませんので、いわゆる監督官庁と業者とが馴合いになつておるといつたような印象を与えるというようなことは絶対にないように、最も信頼される統制機関である……、これはアメリカのインターステート・コンマース・コミツシヨンという交通関係の規制委員会は最も信頼されているのでありますが、そういつたものにまで行くようにやつて頂きたいと思うのであります。
 最後に国会に対して、要望を申上げたいことは、国会は立法機関であり、政策機関であり、予算を決定される機関であります。国会にお願いしたいことは、如何にして電気料金のコストを安くできるかということに対しての御尽力をお願いしたいのであります。それには先ほど申しました一般的な減税、或いは金利を低下するというような政策を強く推進して頂きたい。電気事業に対しては、勿論低金利で税金が安くなるような措置をできるだけとつて頂きたい。電気税といつたようなものがあつたり、固定資産税というようなものがあつたりいたしまして、これがすべて電気料金の中に入つて国民負担、利用者の負担になるのでありますから、そういつたようなものを少く、殊に建設地におきましては、近頃問題になつているようでありますが、水没補償その他の補償費が非常に割高のものについて来ているそうでありますが、これなども、いわゆる土地收用法の関係もございますし、収用委員会、或いは調停というような問題もやはり知事が公選であるというようなことが地元に対しては強くは出られないというような面もあるやに聞いております。こういつたようなことに対しても、国会としては十分にお考えになつて頂きたいと思うのでございます。政策機関として、できるだけコストが安くなるように仕向けて頂くということを重ねてお願いする次第でございます。
○委員長(中川以良君) 有難うございました。
 委員諸君に申上げますが、今の細野先生の御開陳賜わつた御意見の要旨を委員長の手許に書面でお出し頂いております。これをプリントするお時間がなかつたようでございますので、委員会でプリントをいたしまして、後刻お配りを申上げますから御了承頂きます。
 それでは次に経済団体連合会の青木電力委員会委員長にお願いをいたします。
○参考人(青木均一君) 青木でございます。経団連といたしましては、この問題は実は最後の結論を出しておりません。只今電力委員会で審議しまして、僅かのうちに最後の結論を出す段階になつているのでございます。今日その結論をこの席でお話申上げることができないのは残念でありますが、ただ今までの審議の経過から言いまして結論的に申しますと、電気料金は上げることは止むを得ない、併しながら値上げの幅はできるだけ圧縮して欲しい、そうして実施の時期は延期して欲しい、こういうことだけは今のところ間違いなく皆さんの意見でございます。それでありまして、今日私の与えられている問題は大変たくさんありまして、経団連の委員会の意見として申上げるのはどうかと思いますので、私がここで個人の資格でお話申上げて、その大部分は大体において経団連の皆様の意向と一致すると思いますが、どうか悪しからずお含み願いたいと思います。
 私の与えられておりまする課題は、第五という表題の中のイ、ロ、ハ、三つございますが、その第一は電気料金を改訂するというと、我が国の物価体系にどの程度の影響を及ぼすと考えるか、そうしてこれを防止するためにはどのような手段をとつたらよろしいか、それが第一の問題であります。
 電気料金が諸産業のコストにどのくらいの比率を占めているかと大体いろいろ調べて見ますと、特殊の産業を除きましては、一般的には比較的予想よりは低い率であります。例えば綿糸、紡績のごときは〇・五%以内、スフの産業においては一・二、三%、或いは鋼材、これを一貫作業でなくて鋼材単独のメーカーについては一・四%、或いはセメント、石炭においては、これは全体のまだ数字は十分でありませんが、三乃至五%前後、さような形でありまして、コストの占める割合が五%以内のものにつきまして、仮に一割、二割上りましても、その比率は非常に低いのであります。でありますから、産業界として、常識的に考えられますのは、かような僅かの値上り率については当然次の段階において吸収すべきである。生産業としましては、コストの要素の価格変動は常にたくさんあるのでありまして、燃料、原料、運賃、加工、あらゆるものが常に変動しております。従いまして、一%、二%という小さい数字につきましては、大体においてこれを常に吸収する心がまえはあるわけなのであります。でありまするから、この程度のものは、一般産業としては、次の段階において吸収すべきではないかと考えているんでありますが、ただ電力を原料としている特殊の産業、例えば化学肥料ですとか、カーバイト、荷性ソーダ、或いは特殊製鋼、或いは電鉄のごとき、かようなものについては、非常に原価の中の電力料の占める率が大きうございます。これに対して大きな変動がありますと、これは経営も困りましようし、又それか消費者に転嫁されるようになりますと、一つのこれは問題になるのでありますが、この防止につきましては、今のところ我々考えておりますのは、今度の値上げにつきまして、特約制度を設けて、できるだけ電力料の値上げが相手産業に大きな影響を与えない、相手産業の原価に大きな影響を与えないことを電力業者も考えているようでありますし、官庁におきましても、我々も考えております。それが特約料金として現われて来る。従いまして特約料金制度を十分に活用しまして、できるだけ上げない、大きな値上りをしないということ。それから私鉄のごときについては、ちよつと先ほども細野先生からお話ありました、消費税、各産業かなり消費税を免除されておりますが、私鉄のごときは、今以て免除されておりませんで、電気料の一割を消費税として取られております。これなどを免除しますと、値上りのほうは非常に緩和されるのじやないか。或いはこれは一つの見方でありますが、割当制度というものを廃止する今度の料金の建前であるが、さようなことが大きな影響を及ぼすとすれば、割当制度を活かしたらどうかという意見も一部にはあるのであります。なお先ほど細野先生から御指摘ありました電燈料金が割合に上つていない、電力料は非常に上つております。基準年度を見まして、只今お話のように電燈料金が八〇倍前後、それに対して電力料金は三百倍ぐらい上つております。英米の実例を見ますと、電燈料金が非常に高くて、電力料が非常に安くなつております。電燈料金はそのまま消費するものであります。電力料金は再生産されまして、非常に国民経済に寄与するものでありますから、大きな立場から見ますと、電力料金を安くしているという英米のやり方は一応考えるべきものでありまして、日本が直ちにそれを真似るかどうかは別としまして、日本の現在電力料金が格段に高いということについては、一応考えなければならんじやないかという考えもいたすのであります。防止する措置につきましては、なお時間がありましたら後刻お話申上げたいと思つておりますが、第一の問題は、さようにして心得えております。
 第二の問題としまして与えられましたのは、割当制度廃止に関してはどうか、それから申請総括原価に対してどういう考えを持つているか、更に料金原価増加分中で租税、金利引下等の政府の施策に待つを適当とするものはどんなものがあるか。この三つの問題を与えられております。第一の割当制度廃止に関しましては、これは経団連におきましても、業者おのおの利害がありますものですから、賛否相半ばしていると申上げてよろしいのじやないかと思います。ただ私が心に思いますのは、割当制度という過去の一つの習慣になつたような形のものを以てこれから将来も電力の負担を業者に願うということが産業政策上から見ていいかどうかということに鑑みますと、今の、今度の料金制度の原価主義によりまして公平な扱いをする行き方というのは理論としては一応筋が通つているように思うのであります。併しながら現実が割当制度でありまして、現実から一遍に理論的の飛躍をしますと現実を破壊する問題が生れて参りまして、ここにいろいろのむずかしい問題が出るのじやないかと思うのであります。従いましてこの問題はむしろ皆さんにおいて一つ御判断願つたほうがよろしいのじやないかと私存じております。先ほど申しましたように仮に割当制度を廃止しまして、現在のような申請の制度を以ちましても特約制度その他におきまして適当に頭打ちをしたい、つまり青天井に幾らでも上るということをしない、三割なら三割、二割五分なら二割五分何か特定のところに頭打ちをしてそれ以上は絶対に上らんという方策を講ずる必要があるのじやなかろうかと思います。これにつきましては恐らくこれからも皆さんもお述べになると思いますからこの程度にとどめておきます。
 それから申請総括原価に対する批判。この申請総括原価のうちの大きなフアクターというのは第一が人件費、第二が燃料費、第三が維持修繕費、このほかに税金、金利等がありますが、これは電力会社としてどうもなかなかすることができない問題で、問題は申請しておる原価の内容を見るときには果して人件費が適当であるかどうか、燃料費が適当であるかどうかということは一応判断ができるのじやないか、燃料費につきましては大体二四%ぐらいが、二十九年度の総括申請の中の率を占めているのは原価のうちの二四%を占めております。そのうちの更に二二%ぐらいが石炭費であります。ここで問題になるのは石炭費がもつと縮められるかどうか、炭価がもつと下るかどうか、果して今の出している炭価でよろしいかどうか、そしてそれを縮めるとしてどういう形で縮めるか、実質的に低品位のもので置換えまして、そうして実際はエフイシエンシー等に対して支障ない、而もコストが下る見込があるかどうか。いろいろなさような問題に対しまして我々素人としましては、電力会社がこの点に対して更に一段の工夫をしてもう少し下げられれば下げてもらいたい、下げれば非常にこれは大きな数字になります。とにかく燃料費は一割下げれば五百億で二千百億の総括原価の中の五百億が燃料費であります。石炭だけ下げましても四十億減る。一割というのは大過ぎるかも知れませんが、とにかくそういう形においてこれは政府、特に公益事難局あたりでよほどお調べになり、御検討になつて差支えないものではないかと存ずるのであります。
 それから人件費、これはやはり二〇%先占めておるようでありますが、人件費は実はこれ経営合理化の常に対象として問題視される問題でありまして、如何にも電力会社は余剰人員を擁しておつてけしからん、日発と九配電会社が合併して以来人間が減らずにおるじやないかというような非難を受ける点があるのであります。一応御尤もな点があると考えられるのでありますが、この労働基準法の施行されましたときを中心にしまして二十二年の三月、二十四年の三月の発送電に関するだけの、日発、配電会社の日本全国の発送電に関する数字をちよつと私調べて見ますと、約五割強の人間が殖えております。結局労働基準法、仕事量が大して殖えていないのに労働基準法の関係でどうしても殖えたものが発送電だけをとりましても約五割を超している、一万五千を超えておるというような数字がありまして、これは一つはこの点よほど同情して見ないといけません。今後の人件費につきましては私どもはこれからの発電が多くなりますのを如何にして現在の陣容を殖やさずにこれまでの人間で消化するか、そして一人当りの、一人当りというよりも一キロワツト当りの人件費を下げるということを若し実現できたならば電力会社としては非常な功績ではないか。現在のところ頂いております数字を見ますと、一キロワツト・アワー当りの資本費はとにかく八割三分まで上つております。人件費は二%上つております。需用端の一キロワツト・アワーに対して人件費が下つてもらえば、これは私は電力会社のほうにいつも合理化について、あなたがたが問題にされることはない、非常に能率的に人間が動いている、能率を発揮しているという例証になつて或る程度いいのじやないかということを申上げたことがあるのであります。人件費についてもやはり電力会社としては考えなければならんのじやないか。
 それからもう一つよく問題になります維持費、修繕費ですが、これは私ちよつと考えを変えて、余りこれを責めないでおいたほうがいいのじやないかという考えを持つております。これはパーセンテージにしても一一%ですが、日本の電力の特徴は非常にロスが多いことであります。送電ロスが非常に多くて三〇%前後常に出ておりました。最近非常に改善されましたが、この改善された一番の原因というのは修繕が行届いて来ましたから改善されて来ましたが、今日は二四、五%になりまして、もつとこれを下げることを目標にしております。従つて維持費を惜しむことによつて、修繕費を惜しむことによつてロスを多くすることがいいか、ロスを少くするために修繕費を出したほうがいいかといいますと、どうも修繕費を出しても、或る程度奮発してもロスを減らしたほうがいいようであります。この点につきましては世論にいろいろ注意があるようでありますが、私は修繕費については責めたくない、主として燃料費とか、人件費においてできるだけ合理化を行なつてやつたらどうかというような批判の考えを持つております。
 その次の料金原価増加分中で租税、金利を引下げる政府の施策としてどうしたらいいだろう。これは大体我々通産当局の意見としまして決定を見ているように聞いておりますが、開発銀行の金利を一分下げる、六分五厘にする、大蔵省の六分五厘にする。それからなお諸税金において、これは事業税、法人税、それから固定資産税一切につきまして、或る程度の軽減をしまして、今度の総括原価に対して約三%くらいを軽減するという原案かできているのであります。そうしますと、一四%四が二%下れば二一%四になります。先ほど申しました企業努力によつてどのくらい下るか知りませんが、二%乃至二%半くらい下るとすれば現在の値上りは一割、或いはそれ以下に圧縮できるのじやないかとも考えられますが、なお政府としましてお考え願いたいと思うのは、今後とも建設が進みまして、そうして電力料金の原価は上るわけでありますから、結局今後の資本費の増加の一番大きなフアクターはやはり金利であります。従つて金利については特別の措置を一つお考え願うことがいいのじやないか。我々としましては大体開発銀行の資金コストがどのくらいかよく存じませんが、五%ぐらいとするならば五%まで引下げてもいいのじやないか、そうしてやれば将来その方面から非常に料金コストが安くなる、かようなことも考えております。なお固定資産税等につきましても一般産業に比較していささか酷である点が見受けられますので、このほうにつきましても考えてやつて差支えないのじやないかと思うのであります。
 それから簡単にあともう一点、これは題は非常に長い題でありますが、要するに五カ年計画に向つて今後とも進むべきか、或いは料金の抑制を目標として開発のテンポを落すのか、どちらがいいだろう、こういう御質問があります。全文をちよつと略しますが、要するにこれかはなかなか大変だが、なお且つ五カ年計画に向つて進むべきか、或いは料金の抑制を目標にしまして開発のテンポを落すか、こういう御質問でありまするが、私はちよつとこの料金の抑制を以て開発と比較する、でどつちを取ろうかというような料金そのものの抑制をそう大きく考えておりません。開発は国民経済の将来の発展と勘案しまして、絶対必要ならやらなけりやならんのです。又必要の程度がありまするならばその程度をどうしてもやらなければならん。料金は別途に出る問題でありまして、これはさつき申しました手で抑制の方法はあろうかと思います。若し開発をするかしないかということになれば、これは電気が要るか要らないかという問題が一つ、それからもう一つは電気の開発資金を投ずるよりは日本の経済としまして他に投じたほうがよろしいと思う問題ができれば、これは電気をやめましてそちらへ投ずることができます。或いはそれでなければ甚だ残念な言い方ですが、日本の実力如何ともしがたくて、電力に対しましても最大の投資をしたくてもなお且つできないような国力がないのだというような事態ができまして、開発ができない。さようなことならば開発をやめる、或いは電気を遅らせるということは考えられますが、電気料金を抑制して開発を遅らせるということはどうも納得が行かないのであります。他に電気料金の抑制ということについては適当な方策があるのではないか。かように考えておるのであります。それから一審最後に、或いは他に何か方策があるかということでありまするが、これは私見で技術的の見解でありませんので非常に恐縮なのですが、水力電気はともかくコストが高い。資金コストが高い。イニシヤル・コストが高い。それに対して火力は半分でできる。而も時間的にも非常に早くできる。水力もだんだんコストが上るとしたならば、或いは又時間も非常にかかるならば一部火力と取替える途がないかどうか。これは一応研究の余地があるのではないかと思います。勿論当局において十分御検討のことと思いますが素人耳にはちよつとこういう感じがありまするので……、これを以て私の公述を終ります。
○委員長(中川以良君) 有難うございました。
 次に日本商工会議所の横山代表にお願いいたします。
○参考人(横山公雄君) 風邪をひいておりますので声も通りませんので十分尽せないと思いますので……。会議所としましても経団連と同じように間もなくいろんなものを脱稿する段階になつておるのであります。一応緊急のように感じましたので意見番を出しましてお手許へ先ほどお配りしておいたかと思いますが、従つて青木さんと同じように詳細について会議所側の意見としてまだ申上げる段階でないかも知れませんが、これもまあ私の考え方を一応申上げて御参考にしたいと思います。まあ皆さんも同じようにお考えのものだろうとやはり思うのであります。御質問の事項については細野先生や青木さんと大分ラツプする面があるようでありますからむしろ時間もかかりますから箇条書で一つ申上げて見たいと思います。
 大体ものの上るということが現在の状態においては好ましいことでないということになるのでありますが、電気料金についても電燈会社が十分に御検討になつたものであるし、又これが産業方面から見ますと、先刻お話のあつたように、これのみ大きな原価構成に影響を持たないような数字も案外見えるのであります。尤も肥料のように電解のような非常に大きな重要なものは別といたしまして、一般にはこれほど大きな影響のないような数字が出ておるのでありますが、併しながら公益事業というようなものの政策面から考えまして、むしろ経済面より心理的の影響のほうが非常に大きいのではないかというような考え方を持つておるのであります。言葉は簡単にしまして仮に値上げを認めたというにしても、経済面から見れば我慢はしなければならんかも知れない。併しそれよりもむしろそれを認めるなれば、良質の電気をたくさんもらいたい。例えば先刻お話になつたように停電もなかつたり、ローソクも使わなかつたりというような良質の電気をもらえるなれば、むしろこの程度の電気料の値上げは認めてもいいと、こういうふうに実は私は考えておるのであります。そういうことになりますると、結局政府の政策のほうに大いに御研究を願いたいというようなことになると思うのであります。どつちにいたしましても幾らか上るということについては経済的には多少の影響があることは当然であります。割当制度の廃止について御質問がありましたのですが、大体独占大企業でありますから統制ということをやりますと横暴にならないようにして欲しい。こういうことがまあ考えられる。従つて統制廃止ということは誠に結構だと思います。結局我々に十分に安心させるように一つやつて頂きたい。こう思うのであります。
 それから統制の基準を過去の二年の実績においてやるというようなことがされておるのでありますが、これはその後企業の発展というような問題も相当にあるのでありますから、これは我々について過去の平均した基準だけで与えられるということが非常に迷惑することがあるのです。ですからこの点は今後御研究を頂きたい、こう思つております。
 それから電力の割当制度廃止に関する意見というのがあるのですが、これはどつちにしましても需要と供給のバランスがとれていないのでありますから、このバランスのとれていないものを統制を外す、こういうふうなことになりますと、勢いそこにいろいろな障害が起つて来ると思いますが、特に今度は官庁が抜けて電燈会社が面接おやりになる、こういうことにつきましては、相当にやはり官庁においての監督というものについて御考慮を願いたい、こう考えております。
 それから申請総括原価に対する批判ですが、二十七年度の総括原価というものは千四百四十八億円になつておる。二十九年度が二千百二億、差額が六百五十四億だ。そうすると差引電力増加による増収というものが三百九十億円になる。差引増加額が二百六十四億円、それが一四%四になるのだ。これを今度値上げの材料にするのだ。こういうようなお話でありますが、この全部を電燈会社は一銭も損をせんで、これを全部他に転嫁しようということは少し妥当でないように考えられます。結局は先刻申上げましたように我々はいい電気をたくさん頂きますれば電気料はこの程度に上つても上る結果にならない、こういうように考えるのであります。このいい電気を十分頂きますためには、更に時間があると思う、従つてこの一四%四というようなものを、全部電燈会社以外のもの、いわば政府なり需用家が全部負担するということについてはどうかと考えるのであります。結局その点についてはいわゆる電燈会社、政府、需用者、この辺で適当な按排の負担をすべきではないか、かように考えます。
 それから料金原価増加分で租税、金利引下等政府施策に待つを適当と認める程度、こういうことでありますが、これは結局三〇%乃至四〇%程度を租税の減免、それから金利の引下というような財政の措置によつて財政が吸収してはどうかということを一応は考えております。
 それから電力需給の安定を目標とする五カ年計画に向つて進むべきか、料金の抑制を目標として開発のテンポを落すべきか、或いはほかに方策があるかということでありますが、これは五カ年計画は料金の抑制のためにテンポを落すというようなことがあつてはならんのだと、現に先刻申上げた通りに我々は良質の電気を欲しいという面から行きましても、是非五カ年計画は完遂して欲しい、殊に国策として一応取上げられておる以上はこれは落してはいかんのだと、こう考えております。
 それから発電の設備の新増設ということに気をとられ過ぎてやせんかという、結局資金の効率の高い改良工事、特に老朽、旧式の火力発電建設中のボイラーを高圧高温の高能性ボイラーを入替えてやつて、石炭の消費量の低減、熱効率の上昇を図るとか、それから電力原価を引下げるということでやるべきではないか、かように考えるのであります。
 それから火力発電所の利用率が現在では三五%である。こういうことでありますが、これはボイラーの入替えとか是正というようなことによつて利用率は上げられると思うのであります。それが六〇%に上げられるというようなことを電燈会社のほうでは言つておられますから、こういうことをしてやればこの分においても相当原価は安くでき上つて来るのじやないか、こう思うのであります。それからその場合において高能性のボイラーの入替えをしました場合の燃料費の低下も電燈会社のほうには一キロ当り五円六十銭のものがある、これは改良したなれば三円六十八銭で行くのだ、そのパーセンテイジが五六%も殖えるのだ、こういうことでありますので、そういうふうにされてはどうか、こういうことを考えております。
 それから今回の料金改正は輸出価格に、及び輸出量に対してどの程度に影響を及ぼすか、こういうことでありますが、生産原価の中の電力に占める割合というものが大体ここに三つ四つ基礎を調べて見ましたが、石炭、鉄鋼、機械、それから硫安と、大きなものに分けて見ますると、石炭に対して、今度の一四%と仮にいたしまして、上る率が〇・六三%、それから鉄鋼に対して一・一一%、機械に対して〇・四二と、それから硫安に対しては平均して一・五四%、これは勿論二つに分けて、電解とガスに分けられるのですが、これは電解は大きく二・五九という。パーセンテイジを占めております。これは価格の上ることが原価に及ぼす影響でありまして、従つて特殊の今の電解関係のようなものにいたしますと、先刻申上げた通りに、割合と大きな値上状態にならんのであります。
 それからその次は日本の輸出貿易は今後どういう商品に発展を求むべきか、そのためには産業構造をどういう方向に導くべきか、こういう御質問があると思いますが、この問題につきましては、日本の商品は機械の生産財、投資財というようなものに重点を置いてやるということは現在一般にも認められておるし、又そうあるべきだと思うのです。そのためには石炭、電力、鉄鋼、機械、こういうような基幹産業にどうしても影響を持つて来るのであります。そこでどうしても電力というものは調節ということを殖やして行く必要がある。それには新増設ということは先刻申上げた通りに成るべくこの際中止をするまでもないということでなく偏重を是正して、それから火力発電の古いボイラーの改造をやつて行つたらどうか、こういうことが思われるのであります。
 それから発電量の急速なる増加、資本費の低減、石炭消費量の低下、それから高能率の上昇、火力発電所の利用度の引上げによつて電気の、電力のコストの上昇傾向を抑制すべきであると思うのであります。
 それから電力料値上げが輸出阻害の重大な要因になる産業には、これは先刻青木さんのお話のように特別の処置をとつて行つたら行けるのじやないか、こう考えるのであります。
 それから結論は最後としまして、いい電気をたくさん供給してもらえればいいと、こういうふうに考えます。更に停電をさせないようにして欲しい、それから電燈会社のほうも更に企業の合理化を図つて行けばやつて欲しいと、こういうことを考えております。
 まあ一応まとまりませんようでしたが、少し今日は混乱しておりますので御判断を願いたいと思います。
○委員長(中川以良君) 有難うございました。
 それでは次に日本貿易会の野崎常任理事にお願いをいたします。
○参考人(野崎一郎君) お手許にプリントをお配りしてございますが、ちよつと御訂正をお願いいたしたいのですが、その中の銑鉄が一・四とありますが、製品原価に占める電力量の割合、昭和二十五年四月現在の安本調、その中の一・四と書いてございます、これが只今通産省のほうから、御訂正がございましたので、これは安本の調べがミスプリントだそうです。これは四・四だそうです。鋼材も同様なのでございます。従つて四・四に対するこちらのほうが〇・八八となります。それを御訂正願いたいと思います。
 私自分といたしまして、自分は貿易業者でございますから、とかく電力等については無関係であるものでありますから、頗る無関心でありましたけれども、少くとも現在の貿易実情を十分皆さん御存じでいらつしやいますが、なお認識を新たにして頂きますために、頗る冗長でございますが、一言述べさして頂きたいと存じます。
 米、英、西独を初めといたしましてその他の西欧諸国は目下健全財政方針をとつておりまして、それによりまして為替の安定化、国内的にはデフレ政策をなし、内需を抑えまして、輸出原価を引下げる一方、産業の合理化と労務者の生産性の向上によりまして輸出価格を引下げ、対外的の輸出競争に打勝とうといたしております。即ち適者生存以外の生存の冷厳なる事実以外にはないという誠に深刻な様相を呈しておりまして、世界的には農産物の豊饒がその過剰となりまして、価格はますます下落して参ります。かてて加えて世界景気の唯一の支柱であります米国景気も漸落傾向を辿つております。前にも申上げました、前の原因が原因となり、且つその結果となつて現われまして、世界の貿易競争はますます激甚に深刻になつて参ります。然るに日本の現状はどうでありましようか、申すまでもなく、この大人口を擁しまして、輸出貿易によりまして、外貨獲得以外には日本を救う途がないということは贅言を要しません。
 前に申上げました西欧諸国とはまるで心掛けの違つた日本の行き方では、どうして輸出ができるでありましようか。内需は多くありますし、輸出価格は世界の市場とは全く逆鞘になつておりまして、外貨を節約しようといたしますればすぐインフレ気がまえとなります。昨年度の輸出は二重価格リンク等の犠牲的方法によつて、やつと前年度の高を維持しているようなものにもかかわらず、輸入は非常に増額となりまして、外貨はもはや必要なる最低保有額まで落込もうといたしております。政府は二十九年度予算と日銀の金融引締の非常手段でインフレを食い止め、少しでも日本の物価が世界価格に鞘寄せができればと願つて、必死の努力をいたしておられます。これが最後の手段とも見られますし、又これが日本経済の生死の境の試練かとも考えられます。
 今や金融引締の効果も現われて参りまして、内需も減退して参りましたし、鉱工品の生産指数も依然として高いのでありますので、生産業者も、たとえそれが二重価格であつても、輸出価格を引下げて輸出に引合うとの覚悟も出て来ました。貿易商も無口銭に近い薄利で、或いは諸経費を見れば、出血輸出をしてもこれを助けようとの気分になつております。即ち生産業者、貿易業者相協力して輸出を励まし合つているような誠に涙ぐましい現状でございます。
 かかるときに電力料の値上問題の起つたことは誠に遺憾といたす次第でありまして、折角できた或る種の生産業者の輸出意欲を払拭しようとしております。極論いたしますれば、電力料の値上げは、折角軌道に乗ろうといたしております将来のある軍化学工業の輸出を根底から覆えした次第でありまして、誠に惜しみても余りある次第であると存じます。
 今回の電力料の値上げは、平均一四%四とありますけれども、割当の改訂やその他で、大口電力消費者にかなり強く当るようにできておりますので、平均二割以上の値上げは覚悟しなければならんと存じます。又この値上方法は個々の協定による等の複雑なものがございますし、且つ消費電力量等は各社によつて異なり、又機密に属しております関係上、正確なところはつかめませんで不明でありますけれども、安本の、二十五年四月……、お手許にお配りいたしました、二十五年の四月の安本の調査、基本原価計算、それから本年二月二十四日の日本化学工業協会からの電力料金値上げ、電力割当制度改訂に関する反対意見書に基きまして試算いたしましたのが、次の通りでございます。これはそれ以外に東電のも入つておりますし、それからフエロアロイ協会のも載つておりますし、ソーダ工業のも載つておりますし、個人の会社ですが、日本化学のもございますし、経団連の推定もございます。以上それをまとめまして別紙の通りに作りました次第でございます。
 以上を見ましても、重化学工業品の電解法、フエロアロイ、その他の電炉法が最も大きな影響を受けております。その製品であります硫安、燐肥等の肥料は、もともと国際価格より現在は確かに高値でありますけれども、日本の隣接国、即ち朝鮮、中共、或いは台湾等の方面でありますが、いずれも農業国であり、近いものですから、運賃の関係、立地条件、或いは納期等の関係で、高値でも相当数量売れておりまして、その値上げに会つては、この値上げ……、売れております次第でありますが、この値上げに会いますれば、輸出がとまらざるを得ない、全く致命的な状態に至つております。
 要するところ、以上の重化学工業品及び電炉法製品を除けば、電力料値上げの原価に及ぼす率は大体一%以下でありますので、この見当ならば生産業者、輸出業者が何とかして消化し切れるだろうとお考えでありましようけれども、目下輸出振興のために、先ほど申上げました通り、生産業者、輸出業者共に一体となつて、血眼になつて協力しておりますときに、一%といえどもこれが生命線となつております。これを電力業者のかたがたにおかれまして、十分念頭に記憶しておいて頂きたいと思います。特にそれが運輸、その他一般に影響して参りまして、はね返りがあり、原料の高騰、又生活費の膨脹と労銀の上昇を考えますれば、ひとり電力料だけの問題ではないと存じまして、誠に憂慮に堪えません。何とぞ会社側に対して固定資産税の軽減とか、或いは免税とか、或いは借入金利の低減とか、その他会社に対する負担を軽減せられますように、政府におかれましても十分考えられて頂き、又会社側におかれましても、合理化の経営と、それから或いは経費の節減等で、電力料の値上げを一時的にでも差控えて頂きまして、延期して頂き、デフレ政策の目途がついて、輸出貿易の一応の安定がつくまで遠慮して頂きたいという念願に堪えません次第であります。
 どうしても上げなきやならんというならば、一言自分として御意見を申上げますれば、目下硫安その他の主要の肥料の生産量が、非常に生産規模は十分増大いたしております。ですから若しもこの生産量を利用されて十分生産されますならば、例えば二重価格でありましても、現在の日本内需の価格を上げなくてもいいのであります。言い換えれば生産量の増加によりまして、価格の定価を下げ得ますし、従つて輸出にはその低価で以て、安い値段で以て輸出ができる次第であります。それには電力料を上げられますと、どうにもならんという次第であります。それで現在念のために調べて見ますると、硫安が昨年に輸出されましたのが、朝鮮、台湾その他でこれが三千二百十万ドル、それから石灰窒素が韓国で一万四千トンであつて、八十四百効ドル、それから過燐酸石灰が八万四千五百トン、これが二百五十五万ドルであります。それから苛性ソーダが二千五百トン、これが三十万ドル、合計三千五百七十九万ドル、それからフエロアロイが約三万トンでありまして、これが六百万ドル、それからアルミニウムが七千八百トンで、これが四百六十八万ドル、合計しまして、四千七百万ドルになります。これは自分の挙げましたのは、これだけの数量でありまして、それ以外の数量はちよつと関係筋がないものですから、調べなかつたのでありますけれども、こういう次第でありまして、これは完全にとまつてしまうという現状であります。でありますから、どうかその点を、生産量は十分にできるのでありますから、生産拡大をされるような方法を考えて頂いて、電気料金は何とか次に申述べるような方法で、できるだけ一つしわ寄せして頂きたいというふうに思つております。
 その方法といたしまして、先ほど青木さんからもお話がございました割当を、従来の割当制を廃止されまするのが、この多く上る理由の根本原因でありますので、これを一つ何かの形において、今までの形とは変えて結構でありますから、割当を一つ復活して頂きたい。これは個々の会社その他はまずいと思いますから、業種別において何とか割当方法を考えて頂いて、折角この日本の化学……、殊に電力が殖えますならば殖えるほど、日本の将来における重化学工業、或いは重工業等のために、この電力量を増すのでありますから、それが電力量の多いということが、日本の将来の輸出のために非常に大きな重大なる要件を持つておるのでありますから、この元を欠かないようにして頂きたい。
 それからその次に、先ほどお話がございました、電燈料と、それから電力料が、日本の現状は非常にくつ付いております。で世界は皆差違が大きいのであります。これが非常にくつ付いておりますので、言い換えれば犠牲は電力料によつて犠牲をされるというのが現状であります。それには家庭におかれましても、いろいろ反対もございましようが、これはかなり無駄に使つているのが非常に多い。日本は、この経済的危機が日本に迫つておるのですから、国民もその気になつて、一つ何とかこの危機を避けるためには、国民自身も自覚して頂いて、それで浪費を避けて頂くということによりまして、何とか再生産になるべき電力料を下げて頂く。言い換えれば上げて頂かないようにして頂きたいということをお願いいたしまして、貿易に関する点におきまして、一言申述べた次第であります。頗る行届きませんでございますけれども、これだけ一つ……。
○委員長(中川以良君) 有難うございました。
 それでは次に東京証券業協会の小池会長にお願いいたします。
○参考人(小池厚之助君) 電力料金の問題は、消費者の立場、或いは現下の物価政策の立場から申しますれば、できるなれば安いに越したことはないのであります。併し同時に今後の電力事業というものは、厖大な資金を必要とするのであります。その資金は政府資金のもございまするが、少なからざる部分が株式だとか、社債を通じまして一般大衆投資家の負担にかかつて参ります。私に与えられた問題は、即ちこの証券界の立場から、それは取りも直さず投資家の立場からの希望でございます。私に与えられましたる問題は、第一番に電力会社の配当はどのくらいが適正であるか、或いは無償交付を今後どういうふうに利用して行つたらいいだろうか、それから次に電力株の主な所有者、その安定化の方策如何、これが株式に関する御質問でございます。最後に社債発行の見通しについてのお尋ねでございます。資料を用意して参りましたので、その数字に触れますが、資料を御覧になりながら一つお聞き願いたいのですが、最初に配当の問題であります。
 お尋ねによりますと、電力会社は公共事業であるからして、配当は一割ぐらいでいいのではないか、一割ぐらいの配当を料金に織込めばいいのではなかろうかという説があるが、どう思うかということでございます。これに対しましては、私は現在の金利水準、現在の株式の利廻り水準から言いますと、最低一割二分の配当はして頂きたいということを申上げたいのです。慾を言いますと、実は一割五分の配当を、今後増資をなさつて行く以上は、一割五分の配当をして頂きたいのでありますが、抱合せの無償交付あたりを組み合せて頂きますれば、一割二分の配当でもいいかと思うのであります。併しこの一割二分が最低と思います。その理由を一つ申上げますが、参考資料としてお配りいたしました表の第一を御覧願いたいのです。有価証券の利廻り比較表、これには戦前の昭和十一年の東京電燈の利廻り、それからその当時の一般株式の利廻り、それからその当時の社債の利廻り、それからその当時の定期預金の利率、それを今日のそれぞれの利廻り、定期預金の利率と比較してある表でございます。これによりますると、戦前の昭和十一年の東京電燈は、一年間に高値、安値の平均をとりまして五十七円六十二銭でございます。その当時の東京電燈が八分の配当をいたしております。即ち平均いたしますると、東京電燈の利廻りは、六分九厘四毛であつたのであります。その際に一般の株式は、東京株式取引所の調べによりますると、利廻りが五分九厘五毛でございます。それからその当時の社債の利廻りが四分三厘六毛、それから定期預金の利率が三分三厘であつたのであります。ところがそれに対応する今日の情勢はどうかと申しますると、三月二日の東京電力の値段は丁度五百円、額面は五百円の株でございますから、五百円というと額面通りの額であります。大体東京電力の配当は一割二分を予想されますので、現在の東京電力の利廻りは一割二分と推定されるのであります。それから一般株式はどのくらいかと申しますると、東京証券取引所の調べによりますると、配当をしておる二百二種の平均が八分一厘七毛であります。但しこの二百二種の中には非常に利廻りを無視して高値に買われておる株がございます。例えば日本銀行だとか、或いは東京海上だとか、非常に利廻りの低いものもございますので、普通採算株といたしまして買われる二百種を、私どもの山一証券で調べました程度を毎日発表いたしておりますが、これが三月二日同日現在に、九分八厘三毛となつております。これは東京電力の利廻りよりも低いのであります。現在の株式は、憂良株は今度相当の無償交付が予想されます。それからなお何回かの有償増資の際の権利が見込まれておるのでありまして、そのためにそういうものを織込んでも、まあ九分八厘三毛であります。約一割近い。併し電力株というものは余りその値上りとか何とかいうものは、現在期待するわけに行きませんので、そのために今申しました増資による金利とか何とかいうものを余り織込むことができませんので、一割二分に廻るものと推定されるのであります。それから現在の社債の利廻りは九分一毛、それから定期預金の利率は六分であります。これらの数字を比較いたしまして、大体電力会社の株式の利廻りというものは大体定期預金の倍なければいけないんじやないか、これがいいんではないかと考えられます。そういたしますると、現在定期預金が六分でございますから、配当は一割二分いたすとすれば額面通りの値段が保てるということであります。併しながら増資をする場合は御承知でございましようが、若干のプレミアムがついておりませんと増資ができません。多数の失権株ができるのであります。ですから一割二分の配当をしておつたならば先ず増資はできない、辛うじて無償交付の抱合せでもやつて増資をするという結論になると思うのであります。従いまして配当は一割二分は最低である、而も増資の場合は苦干の無償交付の抱合せがなければいかん、こういう結論になるかと思うのであります。いずれにしましても私どもはまあ一割二分の配当というものを料金に織込んで頂くことが証券界と申しますか、投資家の立場からは要望したいところでございます。
 次に無償交付の最も有効な組合せ方法というお尋ねでございますが、これは今申しました今後電力会社は何回かの増資をしなければならないかと思うのでありますが、一回限りの増資じやございませんから、これを小刻みに無償交付をなさるがいいんでないか、従いまして先般昨年の暮から今年の一、二月にかけまして、九電力会社さんともいずれも増資をなさいました。その際は一対一の有償増資のほかに十円乃至十二円五十銭くらいの無償交付をなさいました。今後の増資に際してもやはりそのくらいの小刻みの無償交付をお付けになることが適当ではないか、こういうふうに考えられるのであります。
 次のお尋ねは電力株の主なる所有者及びその安定化の方策というお尋ねでございます。これは参考資料の二を御覧頂きますれば九電力会社の株式の分布表がございます。これは九電力会社の合計でございます。併し各電力会社とも殆んど同じような割合になつております。読み上げて見ますると、大体におきまして先ず所有者別と所有株式数別に分けてあります。この表を御覧頂きまして、数字は略しまして、ただパーセンテージだけ申上げますと、株主総数に対しまして〇・一七七%というものが政府及び公共団体、公共団体は主として府県――府だとか県であります。〇・一七七%というものが政府及び公共団体であります。それから金融機関が〇・三三一%、証券業者が〇・二九四%、その他の法人が〇・九四六%、外国人が〇・〇二一%、その他というのはこれは個人であります。個人株主が九八・二五%、個人株主がこれは圧倒的に株主数から見ますると多いということがわかるのであります。
 次に別の見地から所有株式はどういうふうになつておるかということはこれは又一つ株式のあれで以て、あとで補足いたしますが、要するに個人株主がやはり半数以上の株を持つておるのであります。これを五万株以上、一万株以上、五千株以上、千株以上、五百株以上、百株以上、百株未満と分けてパーセンテージを出しております。殊に五百株までの小株主というものは殆んど個人でございます。それから五百株以上が約七五%の株を持つているのであります。こういう数字から見ましても電力株の多数の株主はやはり一般大衆であるということがわかります。且つ又これが望ましい傾向だと私は思うのであります。実は正直なことを申しますというと、昨年度から今年にかけまして行われました増資あたりには、電力会社が相当大口消費者であるところの事業会社等に株を或る意味において無理に持つてもらつた傾向があります。こういうことは余りいい傾向ではないので、今後はやはり一般大衆がこれは安定した有力資産株として持つことが望ましいと思うのでありまして、こういう意味におきましても電力会社の株式というものが安定の配当が続けられることが望ましいと思うのであります。そうすると戦前の例を考えますると、大体定期預金の倍くらいの配当、これがやはり一般大衆に安定して株を持つてもらうのに望ましい率ではないか、こう考えられるのであります。
 最後に社債の問題でございます。これは参考資料の第三を御覧願いたいのでありますが、現在電力会社九社の社債の合計は三百六十三億ございます。一般の事業会社の社債の総額一千八百六十一億と比較いたしますと、全体の社債の一九・五%、約二〇%を占めております。而も昨年、昭和二十八年度におきましては、この電力会社が事業会社一般の社債の中に占める率は二五・八%で以て、だんだんと近年は、他の事業会社の社債を圧縮しても電力債を発行しようという趨勢になつております。従いまして、投資家のほうから申しますると、電力会社の社債が少し過剰になつて来たという傾向があるのでありまして、売行きもともすればにぶりがちであります。ほかの事業会社の社債が先に売れてしまつて、電力会社のほうが少し取残される傾向が見えておるのであります。私ども証券会社は、いろいろ工夫をいたしまして、その電力会社の社債の消化に努力はいたしておりまするけれども、そういう傾向のあることだけは御報告申上げる次第であります。併しいずれにいたしましても、結局は電力会社の経理内容がしつかりしておれば投資家も安心して電力会社の社債を買うということになると思いますので、この意味におきましても、電力会社といたしましては経理をしつかりして、勿論経営の合理化を十分努力されることが必要でありましようけれども、料金面におきましても、電力会社の経理がしつかりするように適正償却を認めておやりになり、それから配当も、今申しました通りの適正な配当をできるような、一般の会社に認めてやつて頂くのが穏当ではないかと思うのであります。これは電力会社が外資導入などをする際にも非常に必要と思うのであります。
 最後に、今回国会に提出されると仄聞しておりますが、まだ提出はされてないようでありますが、一般の租税特別措置法並びに一般の再評価の実施を奨励する法律が出るそうであります。そういたしますると、新規の増加資本に対しましては、配当の一割までは損失処分が認められるようであります。それから再評価をできるだけ行わせるために、固定資産税の軽減措置がとられるように聞いております。こういう措置がとられましたならば、当然今電力会社から提出されておるところの料金率というものは若干軽減ができるのじやないかと考えます。この点はやはり当然料金引上率から下げるべき数字だと思うのであります。大体それだけでございます。
○委員長(中川以良君) 有難うございました。
 それでは次に、日本興業銀行の梶浦調査部長にお願いいたします。
○参考人(梶浦英夫君) 私に与えられました問題は、八番目のイから二まで、四項目に亙りましてでございます。項目を追いまして、私の所見を申上げたいと存じます。
 先ず第一、金融機関より見たる料金改訂案に対する意見、各界から御覧になつた料金改訂案に対する意見は、話が出ましたが、私今これから申上げることが、果して金融機関からという限定にうまく合いますかどうですか、いささか自信はございませんが、電気事業に対しまして、国民経済的に見まして二つの大きな要請があるように思うのでございます。第一は、戦争中、或いは戦後を通じまして、石炭或いは石油と併せまして、いわゆるエネルギー源の価格というものを低くして行こうという低価格政策、これの最大の支柱としまして、いわゆる低電力料金、料金をできるだけ低くしておいてくれという要請が一つあるように思うのであります。
 第二の要請は、これとは性格が違いますが、電力が不足だ、この需給関係の逼迫を緩和するために電源の開発を大いにやつてもらいたい、こういう要請じやなかろうかと思います。ところがこの二つの要請というものは、以下申上げますように明らかに矛盾した要請のように思います。先ず前者、エネルギー源の低価格政策という問題でございますが、先ほどもお話がございましたように電力料金は一般物価が上つたのに対して非常に低いところにあるということでございます。日銀調べの東京卸売物価指数によりまして先ほどのお話とちよつと違つた見方を、或いは又もう少し大ざつぱな見方をいたして見ますれば、基準年九年―十一年の平均に対しまして、昭和二十八年では各物資の総平均は三五四倍になつておるのでありまするが、先ほど申しましたエネルギーの三要素と私ども言つております石炭は四百三十一倍、これは平均よりも高いのでありますが、石油は二百二十九倍、電力は更に低くて再五十七倍という現状でございます。この三つのエネルギー源を加重平均しましてエネルギー全体としてどのくらいになるかと計算いたして見ますると、二百七十九倍ということになりまして、各物資総平均よりも大分低い、約二%くらい低いという数字が出るのでございます。而もなお只今申上げました数字からもおわかり頂けますように、電力料金が低いために、これがぐつと引下げられておるということは申すまでもございません。こういつた低い電力料金の上に日本の価格構造というものが一応でき上つておる。戦争中から戦後へかけましてこういつたものを一つのベースにしまして、日本の物価というものができて来た、つまり先ほど申したエネルギー源の低価格政策というものが今日においてもまだ続いておるということが一応言えると思います。後者の電源開発の問題でございますが、申すまでもなく電力五カ年計画軌道に乗りまして、着々開発の歩みが進んでおるわけでございます。これに対してその事業の性質上、財政資金が大きく投下されておることは申すまでもないのでございますが、財政資金ばかりでは量的に不足いたしますので、民間の資金も大きくこれに動員されております。この資金がどういうことになるか、これはあとのほうで申上げるのでありますが、財政資金につきましては問題は割合に簡単かと思いますが、市中の資金を調達するにつきましてはどうしてもこの低価格政策というものと矛盾する面が出て来る。今回の改訂案等にも償却等について、資本費の問題が重点的に取上げられておるのでありますが、この観点から行きましても、何らかここで料金の改訂引上げということをやらないと、必要な市中の資金の調達が非常に困難になつて来るということを申上げたいのであります。ただそれではいわゆる原価主義の原則によりまして引上げていいのかどうか。これは各産業への影響という観点もございますが、私は先ほど申上げましたエネルギー源の低価格政策、非常に政策的に決定された料金、これを逐次正常なる物価構造の一環として置換えて行くその過程におきましては、一挙にはこれを原価主義によつて解決できないものがあるように思います。政策的にきめられたものを政策的にこの問題を解決して行くということが一つ考えられていいのではないかと思うのでございまして、すでに御意見も出ておりますような租税公課関係の問題、或いは金利の問題等につきまして何らかの措置というものがとられまして、今回の十四・四%という値上げ、これの値上げを軽減するという措置があつて然るべきではなかろうかと存じます。
 第二の問題、電源開発の大きな悩みは資金不足であるが、政府資金貸付の圧縮された今後、市中長期資金調達の見通しはどうかという御質問でございます。この問題は今日の経済情勢の下におきまして、率直に申上げて非常に見通しがむずかしく、私どももこの二十九年度において電気事業のほうの資金関係はどういうふうになるかということで、すでに大分前から鋭意検討を重ねておりますが、はつきりしたまだ結論には到達いたしておりません。従いましてここでは若干の問題点を申上げ、そうして大よその見当ということを述べさして頂くにとどめる次第でございます。
 市中の資金、これは一言で申しますと、銀行を二つに分けまして長期信用銀行と一般の市中銀行、更にもう一つこれは近年始まつたことでありまするが、信託会社筋から出ます貸付信託、そうして只今小池さんからお話のございました社債、こういうものをこめて市中ということが言えると思います。このうちで長期信用銀行の資金、これは私のおります日本興業銀行と日本長期信用銀行からとの二行から出るわけでございますが、ここ数年の例に徹しまして、この資金源は資金運用部の金融債引受け、これの額に大きく左右されるわけでございます。御承知のように二十八年度におきましては、この金融債の引受けの枠が三百億、これが二十九年度におきましては政府原案は百億減りまして二百億、更に過般衆議院を通過しました予算案におきましては、資金運用部の関係は金融債で更に十億削られたわけでございます。この数字、結局三百億という数字は、全部この二行だけでなくて、商工中金或いは農林中金の金融債引受けにも一部充てられるわけでございますが、従いまして三百億が百九十億になつたというその比率だけで勿論問題にするわけには参りません。今後この百九十億の分け方が決定されるわけでございますが、私のほうの日本興業銀行の二十八年度の例に徹しますと、運用部で大体興業債券を百三十億引受けて頂いて、電力に対して百十億出すというような関係に相成つております。今回百九十億ということになりますると、大分この関係が減つて来る。従いまして私ども一行だけを考えて見ましても、相当の減少は見込まざるを得ないと思います。
 次に市中銀行の要請でございますが、これは一般金融引締の影響から、当然見通しとしては大幅に減るだろうということが予想されるのでございます。特に今日近くなりましてからの市中銀行の預金の伸びの工合等から見ますと、二十九年度において果して幾ばくの電力関係の長期の資金が出て来るか、非常に心細い次第でございます。二十八年度の実績は、これもはつきりしたことはまだわからないわけでございまするが、大体百二十億ぐらいであろうと思います。これが相当大きく減るんではなかろうかというふうに予想いたしております。
 社債でございまするが、これは今小池さんからもお話がございましたので繰返す必要もないかと思いますけれども、簡単に蛇足を加えさして頂きますと、二十八年度におきましては百二十億出ました。今年度の電力債の消化をめぐります問題は、いわゆる荷もたれという情勢でありますので、なかなか百二十億の消化、前年と同じ額の消化自身もむずかしいように存じまするが、更にもう一つここに昨年と変りました事情がございます。それは過去における社債の期限が来るもの、或いは既往に発行されました社債の償還金、そういつたものが相当この二十九年度では出て来るのでございます。二十八年度におきまして百二十億出た。このうち借替えと償還をこめまして九億でありまするが、二十九年度におきましてはこれが一挙に四十六億程度に増加するのでございます。電源開発資金として問題になりますのは、会社の手に残りますネツトの金でございますので、仮に同じ額のものが出るといたしましても、手取りの金は非常に少くなる、そういうことが言えるように思うのであります。
 このような点を勘案いたしますと、どうもやはり市中の長期資金の調達というものは、二十八年度通りには行かないのではないか。幾らということは先ほど申上げましたように申上げるだけの根拠がないのでありまするが、相当程度減少するのではなかろうかということを懸念いたしておるのでございます。財政資金をこめましての二十九年度の見通しは、すでに役所においても検討されつつある状態のようでありますが、仮に二十八年度の大体千二百億、これに近い数字、若干減るくらいじやないかというような数字もあり、或いは又大分小さな数字も出ておるようであります。特に例の予算の組替えの影響というものが急に出まして、私どもの考えておりました根拠が大分ぐらついたのではありますが、現在のところでは全体としましてどうやら資金の量は二割以上減るんじやないかということを考えておるのであります。尤もこれは市中の預金の増勢如何ということに大きくかかるわけでございます。市中の手持のみならず、金融債は市中銀行及び地方銀行で消化して頂いている部分が多いわけでございまして、而も市中の預金の伸びの如何にかかわります。現在のところでは余り楽観的な見方ができないということだけを申上げておきします。
 第三点は、新設発電所発電原価の高いのは物価及び金利の高いことにあるが、今後の市中金利引下げの見込はどうかという御質問でございます。金利が高いので困るというお話は私ども始終伺つておることで、まあこういうことを申上げるのは、大体弁解して歩くようなことになるので非常に申上げにくいのでありますが、金利負担というものが、確かにこの新設発電所の発電原価を高くしている一つのフアクターであることには間違いないと思います。まあそれがありましてか、過般も開発銀行の金利について従来の七分五厘から六分五厘への引下げが行われたわけでありますが、一般のそれでは金利がどうなるのか、これはどうすべきかということを別にいたしまして、どうなるだろうかという問題を申上げたいと思うのでありまするが、今日現在におきましては金利が低下するという見通しは全然立たないと思います。むしろ昨年の末以来の金融引締政策、或いはこれは当然のことでございますが、一兆円予算とのからみ合いから、資金的な問題、資金面からの経済への影響というものが逐次出て来ておるのでありますが、物価の引下げを実現する、この最終目的である物価の引下げということにつきまして、どうもはかばかしく事態が進まないというのが今日の事態ではなかろうかと思います。現実の、じやあ金融事情はどうかといいますと、日銀の金融引締政策については、まあとかくの批判はあると伺つておるのでありまするが、相当強い引締政策を実行されておるように思うのであります。絞れば絞れるのだということ、金の問題でありますから、そういつたことも一概にこれ以上は絶対に絞れんということではないかと思いますが、ここ一両日の不渡手形の実情等を見ましても、相当行くところまで来ておるような感じがするのでございます。事実銀行の窓口への資金需要というものは一向に滅らない。需要者に満足を与えることができないというのが今日の金融機関の現状でございまするが、ここで金利を引下げるということは現実の問題としてなかなか実現しない。むしろここへ来ましては資金需要を抑えるために金利を上げるべきじやないかというような議論が出て来ておるのであります。私は、この電力関係の発電原価との関係におきます金利の問題、これと一般金利の傾向というものとどう考えたらいいのかということになるのでありまするが、これは何らかの方法によつてこの関係というものを断ち切らなければならん。断ち切ると言つては少しく大げさでありまするが、一般金利が上つたからこれは上げてもいいんだというふうには考えておりません。開発銀行の金利は先ほど申上げたように一分引下げられた。それでは次に長期信用銀行であるお前のところの金利はどうだ、下げたらどうかというお話になると思うのでありますが、現状におきましては遺憾ながらそれだけの余裕がないのであります。ただここで先ほど申した資金運用部の二十八年度における興銀債の引受けが百三十億、これに相匹敵する百十億の資金を私のほうでは電力関係に出しておるわけでありますが、この資金運用部の引受けの条件は全く市中と同じで、大体期限並びに利率とも同様であります。その辺の関係につきまして何らか新たな見方からの措置が可能でありまするならば、或いは長期信用銀行の金利というものも何らかのそういう別途の考え方ができるかも知れないというふうに思うのでございます。
 次に最後の問題といたしまして、今後の需源開発の進め方は経済界の推移如何によるが、金融機関より見たる意見はどうか、この問題を考えますに当りまして、現在政府によつてとられております一連のデフレ政策、その最大の支柱は私は投資の圧縮ということにあるように思うのであります。その意味において財政投資が前年度に比較しまして大幅に減少したのだろうと思うのでございますが、その線に沿つて考えまする限りにおいて、資金の面からむしろ電源開発のテンポは緩くならざるを得ないというふうに考えるのであります。そうしていいかどうかということが次に残るのでありまするが、ここでも一つ問題として考えられますのは、二十九年度のデフレ経済の場合において、政府におかれても二十八年度と大体並行した生産の水準というものを予想されておる。今日現在におきましては、年度の初めからずつと上つて来ておりますので、平均的なものが横ばいということになるためには、二十九年度末においては相当前年度末に比較して大きく下らなければならないというふうに思うのであります。この生産と電力需用との関係、この問題は五カ年計画を立てられたときと大分今日の情勢は変つておると思うのでございますが、遺憾ながらその間生産指数の組み方などが変りまして、ここで直截に比較することはできませんのでありますが、もう一回この電力の開発計画というものをこの時点において、或いは現在、或いはこれからの日本の経済政策をどういう方向に持つて行くかという、そういう角度から再検討されていいのではなかろうかと存ずるのであります。ただそういう再検討の結果としましてどういうものが出て来るかはつきりわかりませんが、一般的に申してここで電源開発をやめちまえとか、非常に小さくしろとかいうような結論には恐らくなるまい。資金の関係から見ましても、当面の計画というものはそのまま続いて行くべきであろうと存ずるのであります。ただ金融機関の立場から申しますれば、その続いて行く場合におきまして、従来の計画に何らかの修正を加えるとしまするならば、これはどうしてもいわゆる継続工事優先ということになるのではなかろうかと存ずるのでございます。以上簡単でございますが……。
○委員長(中川以良君) 有難うございました。
○参考人(小池厚之助君) 私先ほどの公述に数字の誤りがありましたからちよつと訂正させて頂きたいと思います。
○委員長(中川以良君) どうぞ。
○参考人(小池厚之助君) 九電力会社の株式の分布表で以て先ほど申上げましたパーセンテージは総株数に対する株主数のパーセンテージでありまして、株式数のパーセンテージではないのであります。それが漏れておりますからちよつと訂正させて頂きます。政府及び公共機関は株主としては先ほど申しました〇・一七七%でありますが、所有株式数は九%であります。それから金融機関は株主の数から申しますと、先ほど申しました〇・三一三%でありますが、所有株式数は約二八%であります。それから証券業者は株主の数から言いますと〇・二九四%でありますが、所有株式数は〇・四一%であります。それからその他の法人は株主数は〇・九四六%でありますが、その所有株式数は〇・四八%であります。それから外国人のほうは株主数から申しますと〇・〇二一%でありますが、所有株式数は〇・〇一%であります。その他、これは主として、個人でありますが、株主数から申しますと九八・二五%、所要株式数は五三%であります。それを訂正して持参いたしますから一つ……。
○委員長(中川以良君) 有難うございました。
 それでは次に電力建設協力会常務理事の門屋盛一君にお願いいたします。
○参考人(門屋盛一君) 電力建設協力会の門屋でございますが、私ども協力会は昨年以来慎重な研究を続けました結果、この問題につきまして率直に申上げますと、今回の電気料金値上げは止むを得ないということに大体結論を出しております。同時にこの際まあ我々この電源開発の工事に携わつている業者といたしましても、相当の合理化を自分でもやらなければなりませんが、企業家であるところの電源開発会社を初め九つの電力会社でも相当の企業努力を続けて頂き、なお問題が非常に大きな問題であり、すべてのことが国の政策とか立法措置に待たねばならん問題がたくさんありますので、この際ここでそれらの手をいろいろと打つて頂かないと、電力の料金の値上問題は次々に起つて来るのではないかというふうに考えますので、これから与えられました課題の三つにつきまして申上げさせてもらいます。
 大体電源増強は我が国自立経済の確立上不可欠の条項であると考えております。我々電力建設協力会といたしましては、この我が国の基本産業であります電力不足を補いまして、産業上の隘路、家庭の不愉快を一掃したいという念願の下に、或いは山間僻地にありまして、あらゆる困難と隘路の下に、或る場合には生命の危険をもおかして多くの労務者と共に電源開発の工事に精進いたしているものでございます。もとよりでき得るならばこの現在の料金、或いはこれ以下の安い料金を以ちまして、性質のいい電気を使つて行くことが国民として望むところでございますが、戦時中非常な制約を受けておりました我が国の電気事業は、終戦のときは僅かに五百万キロ余り、六百万キロ足らずの電源を有したのみでありました。終戦以来今日までいろいろのことがありまして、電源開発に力を入れなければならんときには、まあ再編成とか向うの政治の下にいろいろな圧迫がありまして、一般の産業の進み方と人口の殖え方等から来るところの需給に対しては一時非常な不足に悩まされておりました。この不足は今日まで繰返されて来ているのであります。我々の考えといたしましては、電力は豊富に発電されまして、最も有利に送電及び配電されて、停電や休電日のない安心して使える電気になつてこそ、初めて基本産業として安定し、料金もおのずから安くなるときが来ると思うのであります。そこで甚だ僣越な申分でございますが、今回の料金改訂に対しましては、これに関連しまして、電気の質ということについて今少し慎重に御考慮を煩わしたいと思うのであります。例えば輸出振興のために生産費を安くするために、各産業はおのおのその合理化のために高度の機械化をするという動向にあるようであります。この機械化によりましてたくさんの機械を据付けまして、きよう日は非常に勤勉に働くという職工かまだそうたくさんはいないのですが、その余り勤勉に働く人の少い中からこの機械に熟練さし、いろいろと訓練しまして、いわゆる優秀な技能工を確保したといたしましても、そうしてそれによつて生産能率を上げよう、いわゆる貿易の市場で打勝とうというふうに生産工場で心がけられましても、現在のような電力不足で電圧は下つておる、その上一週間に一回、甚だしきは二回、三回というような休電日がありましたなら、私は決して安いコストの生産ができない。そうして品質のよい製品はできないと思うのであります。のみならず、貿易の中の非常に時期的に重要な契約をいたしておりますものについては、停電とか電気の少いために能率が落ちて、一番大事な契約の商機を逸するようなこともあるのではないか。又家庭の面から見ましても、中小企業の業務用電力の面から考えましても、例えば夕刻のように最も電気を必要とする時間に、いわゆるピーク時電力の不足のために節電若しくは停電を強いられるようなことでは非常に不安な暗い気持の生活を続けなければならないと思います。こういうことのないようにするためには、根本的に電力の需用と供給のアンバランスをなくするように努力せねばなりません。大体いろいろ御意見が出ておるようでありましたが、経済審議庁の五カ年計画によつて見ますと、昭和三十二年までにはおよそ千二百万キロの発電設備に増強されまして、この需用と供給のバランスがとれるようになつております。御承知のごとく昭和二十六年我が国の電気事業が再編成されまして、我が国に九つの電力会社が新たに生れました。そのおのおのの責任よつて独立採算制をとつて、このアンバランスの甚だしい電力事情の悪い下に、経営者も又電気産業に従事されておる皆さんも熱心に或いは電源開発とか又改良、線路の修理補強などに一般市民の目に見えない苦労をされておるのであります。併しながら、この足らない電気を補いますところの水力にしましても、新たに発電所を造るということはなかなか現在の社会情勢では容易ならざることであります。私どもは二十六年から二十七年に亙りまして、当時の公益事業委員会の要望によりまして、電源開発の計画に対し、その中の土木工事に必要なる機械の数量とか、労務者の数とか、資材等の綿密なる計画を立てましたが、この建設業者の資金は非常に乏しいのでありますが、その乏しい資金の中からできるだけの準備を整えまして開発工事に臨んで来たのであります。お手許に差上げました資料にあるように、大体百六カ地点の水力の電源開発工事に従事いたしまして三十三カ地点を完成させまして、増加電力三十六万七千四百二十九キロを出しております。なお今施工中のものが七十三カ地点で二百三万三千七百二キロということになつておりまして、現在この電源開発に使用中の機械は大体価格にいたしまして企業家設備の、電気会社で持つておるところのケーブル・クレーンであるとか、いろいろな企業家側のを除きまして約三百億の機械を使用しております。これに対しまして、ときに増減があるのでありますが、大体十万人から十五万人くらいの労務者を使用しております。そういうふうな状態になつておるのでありますが、先ほど細野先生からもお話がありましたように、今回のこの電力料金値上げの中に織込まれておりますところの、現在この年度に操業を開始される見込の地点の建設費が非常に高過ぎる、世間から見ますと、土木の建設費が非常に高い、こういうお叱りを受けるようでございます。そこで冒頭に申述べましたように、このことにつきまして少し申述べさして頂きたいと思います。現在私ども同業者は、今話しました通り約百カ地点の発電工事に携つておりますが、いずれも共通した悩みを持つております。その悩みは何かと申しますと、電気事業再編成に際しまして電力開発に関する保護的或いは促進的な立法措置がとられていない。電力は公益事業ではありますが、開発上何らの優先措置がないため、いろいろな問題が起つております。第一に、電源開発の建設費の最も高くなります原因の一つは、現在の社会情勢にあります。それは民主主義運用の誤りと電源開発促進のための法の体系が不備になつておりますために、水利権とか用地の補償などの地元問題の解決が非常に時間がかかり、そのために最も適切な時期に着工することができない。この着工の時期が非常に遅れるのであります。この着工の時期が遅れましても、これはほかの表で出ていると思いますが、電力は約六%から七%くらい現在でも不足している状態でありますが、どうしてもこの竣工の時期を遅らすということは、企業家としても、又その専業に携わる我々としましても、これは何としても、着工が遅れても成るたけ早く仕上げなければならないというような必要に迫られまして、一つの発電所が経済速度で施工いたしますならば、二十カ月か二十五カ月ぐらいはかかる工事も、この二十六年、二十七年に着手しまして現在仕上りました仕事は、殆んどまあ十八カ月なり、十二カ月とか、甚だしいのになりますと十カ月くらいで仕上げておるというような状態であります。又そのために二つの渇水期、今年の渇水期、来年の渇水期でやるのが適当な計画になつておるものでも、たつた一つの渇水期にやらなければならんというような場所がたくさんありますので、機械の準備、労務者の準備等も殆んど倍にしなければならんことと、又所によりますと降雪期にも休まずにやらなければならない、又こういう関係で意外の出水のために無益の出費を多くならしめておると、そういうふうに一挙に仕事を行いますために熟練した者だけでやるということが不可能でありまして、多数の未熟練工をも使わなければなりませんので、労働省あたりの統計でもわかりますように、最近におきましては非常にこの電源開発関係の災害が殖えておる、そういうような難関があるのであります。
 第二にはこれは労働問題でありますが、これはまあ私は常に言つておるのですが、労働立法中の特に労働基準法と、職業安定法、失業保険法等の運用が誤まられているのであります。法そのものが悪いのではなくて、運用が誤まられている。それと、我が国の労働者に対する労働教育というものが終戦後八年間、余り進んでいない。で、法律上非常に労務者に対する恩恵を受けるようになつておりますのですが、これは大体恩恵を受け、労務者の質がよくなれば従つて能率もよくならなければなりませんのですが、労働教育が遅れておりますために法律の目的とは反対にその労働意欲はむしろ減退化しておるというような今日の状態でありまして、その労働能率が著しく低下したのをちよつとわかりやすく申し上げますと、賃金の面では戦前のまあ昭和九年、十年頃の賃金に比較しますと、いろいろの職種によつて一概には申されませんが、まあトンネルなどに従事しておる者は賃金は、ただ賃金の金額だけから申しますと半分に下つておる、物価指数と比較したならば、併し労働能率は残念ながら六分の一に下つておる、そうしますと工事費に現われて来るところではやはり倍以上に当るというようなことになつております。非常に工事費が高くなつておる。これに対しましては諸法律若しくは規則の改正で、或いは運用の適正を図つて頂きまして、根本的に非常に能率のいい、その代り非常に賃金の高い高能率、高賃金の域に持つて行かなければ別に申しますところの機械化と相待つて安い仕事はできないようになるのであります。
 次に第三は工事を早く且つ安くなお又正確に施工するためにはどうしても機械力を増強せねばなりません。御承知のごとく天龍川筋の佐久間ダムの建設工事の借手に当りましては日本の業者だけでは早くできない、アメリカの業者にやらせたらよかろうというようなお考えでアメリカの業者も加えた見積をさせたのでありますが、併しながら日本の地理的条件と国情の下には一概にアメリカの業者が余り安くできないということも追々とわかつて来ると思うのであります。やはり日本の建設工事は日本の業者、日本の労務者、日本の技能工によつて行われなければならない。のみならず、現在のようなこの時機には我々も海外進出を図らねばならない時機になつておると思います。ただ心がまえとしては何もかも日本の手でやらなければならないのでありますが、機械の面では残念ながら欧米先進国に比較しますともう非常に劣つておるのであります。この主な原因は戦争による十五カ年の断層というものは、なお一層劣つておるという感じを深く受けるのであります。この機械化の遅れておることに対しましても技能工の養成というものをこれは我々個人の力で養成いたしましても、現在の労働基準法の下においては年期職工として三年間なら三年間礼奉公ということはできない。それは古い考え方ですから、やはり現在の労働立法で労働者の待遇をよくする以上は、公的機関―国、若しくは公共団体の力で技能工の養成を急速にやつて頂く。無論この養成に対しましては我々もできるだけの御協力をいたしまして、一日も早く公的機関による技能工の養成を取計らつてもらいますと同時に、機械化には非常に長期の資金を必要とします。今三百億の機械を用意いたしまして大体契約高は六百億くらいにしかなつておりませんが、経済審議庁の五カ年計画を皆行いましてもまあ二千四、五百億か、三千億くらいのことになる。で、ありますから今機械を仕入れたばかりでこれを長期間運転いたしまして、なお能率の悪い機械を補うために向うのものを輸入したり、又はこちらのメーカーで工夫して改造して頂きまして、これを合せて行くということをやらなければならない。それにはやはり資金が運転資金だけでは駄目でありまして、どうしても長期の資金を必要といたしますので、これは我々の窓口でありますところの建設省にお願いして今国会で一つの法律を作つて頂きたいと、それによつて長期資金が獲得できるような途を開いて頂きたいというようなことをやはりみずからも合理化の線に向つて運動しておるようなわけであります。
 時間がございませんので、まあ大体大きな隘路がそういうふうにあるのであります。こういう隘路を片付けて頂くと共に電力の企業家と我々の努力と相待つて安い電気が起せるようになるのであります。何も私たちは高い電気料金を希望するものじやございませんのでありますけれども、現在のままでは甚だ遺憾ながら相当高いものについておりまして、昭和二十六年、二十七年から二十八年の上期くらいに契約しました工事については契約金額ではバランスはとれない。まあ機械を長期に計算いたしましてもまだ数十億の欠損を両者全体で見ておるという状態であります。従つて今回織込まれておるところの建設費は高くなつておるかもわかりませんけれども、まあ弁解するわけじやありませんけれども、我々の努力が足りないのじやなくして、まあ努力の足りない点もあるかも知れませんが、いろいろの社会情勢せそういうふうにさせられておるということを申上げておきたいのであります。
 我が国の電力の需用と供給のアンバランスを取去つて停電、休電のない、安心して事業ができ、生活ができるという極めて良質なる電力を確保するためには電気産業自体の基礎を先ず安定させなければなりません。これはまあ議論になりますから簡単に申上げますけれども、二十六年に再編成された現在の電気産業は合理化の余地もありますがまだ不安定な状態の下にあるのであります。電気料金にしましても現在ある発電所より殖やさずに、現在の需用より殖えないということになれば追々安くなるでありましようが、一方にどうしても需用が増して来るのでありますからこの需用に対しては供給をする義務がやはり公益事業であるところの電気産業にはあるわけでありますから、この義務を果すための資金というものが現在のところでは電源開発会社だけが国家資金を投資されておるのでありまして、九つの電力会社といたしましては開発銀行の借入金と市中銀行の協調融資、社債、増資等によつてまあ建設資金を賄つて行かなければならない。これに対して先ほどお話がありましたようにまあ政策的に先般開銀の金利は一分引下げられるようになつたそうでありますが、前々の電力の開発資金に比べますと、この利子は恐らく倍以上、私は数字のことは余り詳しくわからないのですが、我々は古くからやつておりますから感じで覚えておりますが、金利は倍か三倍くらいになつておるように思うのであります。而も今度のように政府資金を非常に引緊められますと、一に開発をやらなければならん、補修をしなければならんということになればやはり電気産業自体をもう少し基礎を強固にしないと結局質のいい電気はできない。それは間に合せておるのを現在、私は、まあこれはこんなことを言うと電気会社に怒られるかも知れませんけれども、やはりこう濃い酒を薄くして売つて去るような日本の電気の状態じやないか、こういうふうに思うのであります。それでは私は料金が安くてもモーターの焼けるのも早くなるし、停電があつたら能率が上らなくなりましようし、いつまでたつてもよくならない。そのためにはやはり他の産業におきましても配当の低い産業では資金調達は困難であります。今日我々建設業者は殆んど、まあそれは配当をやつておるところもありますが、非常に不景気ですから金借りに行つても貸しやしません。その点はやはり幾ら公益事業でも一割二分くらいな利益配当がなかつたらこの建設の繋ぎ、改良の繋ぎをやる資金の借入にも企業家は困るのではないか。まあこのことにつきましては小池さん、梶浦さんのほうから話されましたから省きます。そこで時間もございませんので戦後の電源開発は昭和二十六年よりやつと軌道に乗りかけまして、二十七年の夏に電源開発促進法によつて電源開発会社ができまして、国家的に金利の安い、殆んど金利のかからない金で発電所が造れるというようになつて、まあやつと去年の夏から電源開発が軌道に乗つたというように我々建設業者としては考えておるのです。
 開発には先にも述べましたごとくまあ通常二カ年以上要しますから、二十六年から二十七年にかけて起工したものが、本年は相当多数完成期に入つております。そうして工事能力や資金関係を見て、その後順次起工されたものは今後最盛期に入るわけでありますが、かような大切な時期に当り電気料金値上げを理由で電源開発に尻込みをするようでは多額の資金と努力を傾けて進めて来た国民待望の電源開発もいわゆる仏作つて魂入れずの譬のごとく、中途で挫折するものであります。一旦挫折いたしますと十五カ年間の断層がありまして、殆んど熟練工などは非常にもう少くなつておる。今までかかつて漸く若干の熟練工ができまして、これから多少合理化した仕事ができようという際に、一旦挫折いたしますと、もう再開には多くの困難が伴うて来ます。殊に今繰延べとか中止のために若し解約でもあるようなことになれば相当の損害補償を要することになるのではないか。そうして昨年もまあ、今でも三月一日から東京地方はオープンになつているようでありますけれども、これは我々並びに企業家の努力が報いられて発電所がたくさんできたから、電気を使い放題使つていいというのならこれは結構ですが、これは情けないかな天候のお蔭で電気を使つていい。雨が降らなければやはり停電なんです。だから天候を頼りに、まあ塩なんか作るのは天候が関係があるでしようが、基本産業である電気産業が天候が非常に頼りというようなことでは私は非常に心細いと思うのであります。若し一昨々年のような渇水期に遭遇しましたならこれはもうそのときになつてやれ開発であるといつてもこれは御承知のように電気事業はさつと開発にかかつたつて幾ら早くできる火力でもそう早くできない。ましてや長い目で見てコストの安い水力の開発は容易にできない。そう簡単に再開できるものではないのであります。その目に見えない大切な力を養つて行くものはやはり資金であります。その資金の裏付けには金融界のかたも申されますように料金の裏付けというものが必要になつて来る。まあ電力会社の健全経営、これは料金だけの問題じやございません。いろいろと合理化しなければならん点もありましようけれども、先ほどどなたかも申されましたように、今日の社会情勢ではそう人件費なんかむちやくちやと減らせるものではないのでありまして、どうしてもそういう点を考えますともう少しこの電気の質をよくするというために苦しいことではあるが、やはり料金の値上げは止むを得ないのじやないか、こう申しましても、私どもはやはり現在置かれておりますところの国際経済情勢を無視、或いは軽視するものではありません。インフレ防止、国際収支の改善はより大きな問題でありまして、併しながら私ども電源開発の実情を詳しく知ると申しますより、数十年間、電源開発に従事しております者の目から見まして、いろいろと研究しまして、この電源開発とインフレ防止ということは両立せしめる方法があると固く信ずるものであります。それは国として、補償問題に対して強き法的根拠を与えてもらいまして、工事を経済ベースに載せてやる。十カ月、十二カ月でやらずに、やはり二十五カ月かかるものは二十五カ月の経済速度でやらせてもらうということになれば、インフレは防止されるのであります。
 もう一つ。工事の合理化のための工場機械に対する資金措置を行なつてもらう、併せて労働の適正を期するための措置をとつて頂く、こういうように少しでも建設面から、建設費が高くついておるから料金を上げるんだというようなことのないようにやつて行きたいということを申述べまして、責任を終らせて頂きます。
○委員長(中川以良君) 有難う存じました。
 それでは最後に、日本電機工業会常務理事にお願いいたします。
○参考人(伊藤操治君) 大分時間が経過したようでございますが、暫らく御辛抱を頂きまして、私に与えられました問題について御説明申上げたいと存じます。
 最初に電力関係各種建設工事の現状という問題がございますが、皆さんに……。
○委員長(中川以良君) ちよつと御発言中ですが、只今日本電機工業会からプリントが行つてございますが、日本電機工業会の名前が書いてありませんが、白紙のこれがそうであります。
○参考人(門屋盛一君) 一言申遅れましたが、それで済みませんが……、時間が十五分とありましたので、申述べることが落ちると思いましたので……。我々の協力会は、今度三つの請願と一つの陳情をいたしております。電源開発工事予定計画遂行に関する請願、電源開発工事予定計画の遂行に関する電気料金改訂に関する件請願、電源開発土木工事費に関する件陳情と、もう一つ金利引下に関する請願、三つの請願と一つの陳情が、今紹介議員を以て出るようになつておりますので、御参考までにお手許に配つておきましたが、どうぞよろしく。どうも済みませんでした。
○委員長(中川以良君) 伊藤さん、どうぞ。
○参考人(伊藤操治君) 皆さんのお手許に、こういう小さい紙に書きました「発電用重電機器の出荷並に受註状況」このプリントを御覧頂きたいと存じます。これはタービン発電機、水車発電機、蒸気タービン、水車、電力用変圧器、このおのおのにつきまして、一九五〇年から今までの出荷の状況、それから本年以降の出荷の予定、それから昨日における手持の受註量を示したものでございます。ここにミス・プリントがございまして、一番下の電力用変圧器の欄、出荷の予定、一九五四年二百万八千四百KVAとございますが、これは三百二十八万六千四百KVAのミス・プリントでございます。一番下の行の右から四行目でございます。この手持受註量と同様であるというのは、変圧器は大体今年度中に、現在の手持量のものが納められるという、こういうことでございます。
 この表につきまして、昨年一九五三年に、タービン発電機と水車発電機が約百四十万キロ出荷されております。この生産ができましたことは、戦前戦後を通じまして最高記録でございます。このような生産ができましたと申しますのは、政府におかれまして、電源開発五カ年計画が発表になりまして、それにつきまして我々電気機械のメーカーといたしましては、これに対応するために企業の合理化並びに設備の増強を図つて、十分お間合せをするために準備を整えました。それが漸くその成果を挙げて参つたところでございます。
 その他の機械については表を御覧頂けば、それだけのものを出荷し、なお今後の予定を持つていることは、これでわかるわけでございますが、ハに示してあります「料金改訂案の大幅圧縮その他のデフレ要因により建設工事が圧縮又は繰延べられた場合の影響」、この問題になるわけでございますが、かように工場設備も十分でき上りまして、本年も相当の生産を上げる態勢にあるにもかかわらず圧縮される、若しくは繰延べられるということができた場合の影響といえば、これは誠に大きな問題でございまして、なお且つ困るわけでございます。併しここに問題なのは、電源開発というものは永久にあるものじやないじやないか、だから現在設備を整えて、それに対応するようにしても、電源開発が終つたならば、当然困るようになるじやないか。そうすると、本年こういうような政府のデフレ政策と申しますかに対応して、やはり困る時期に出るのは当然じやないか、こういうことも言えるのでございますが、少くとも五カ年計画のあの電力需給が満たされるまでは、当然開発工事というものは進められなければならないのだ。これは国策としても当然である。こういう考え方の下に出発していまして、それが完成される頃には、輸出に切替えまして、日本の国としてどうしても輸出を重点的に考えてやらなければならないのでございますから、それの準備として並行してやつているのでございます。併しながら今までの状況では、なかなか輸出が思うようにならない。いろいろな悪条件が揃つているのでございます。それがこの電源開発五カ年計画が完遂される頃までには、こちらに切替えられるように、業界として大いに努力しているわけであります。
 それから物価引下げ方針に即応して、建設工事、機械価格等を引下げるために必要な措置として、今まで土木工事にいたしましても、発電機械にいたしましても、高い高いということは盛んに言われるのでございます。高い理由はどこにあるか、これが問題でございまして、機械の中に占める材料費というものは大体六〇%、原価の中に占める割合が六〇%、発電用変圧器等におきましては九〇%が材料費でございます。その残りは、そのうちの一部分は企業の合理化等によつて引下げる余地は多少はあるといたしましても、材料費の大半を占めているこういう機械に、その材料を自分で何とかしない限り、買つて機械を作る業界といたしましては、如何ともすることができない実情でございます。そこで今回の物価引下げの政府予算に伴いまして、物価が下れば、おのずから機械の価格も下つて来るということは考えられるわけでございます。併しながらこういう電気機械のごときは非常に納期が長くかかるものでございます。従つて完成する項の材料費を以て品物を作ることができますと、物価が下つたから機械が下るということは言えるのでございますが、下る途中において材料の手配をいたしまして、それから長い期間かかつて品物ができる。できたときに材料費というものは相当下つておるのでございます。そうしますと、その材料費だけ見て機械の価格を検討いたしますと、その機械は非常に高い、こういうことになるのでありまして、物価か下るときに長納期の機械を作るのは非常につらい立場に置かれるのでございます。これが逆に物価がだんだん上るときにはそういう点は楽になるのでございますが、物価が下るから機械の引下げはどうか、こういう問題については非常に苦しい立場に置かれるのでございます。これが問題に対する回答、御説明でございますが、これに附加えまして、電源開発をやらなければいけないということは先ほど門屋さんからもお話がございまして、全く私どももその通りに考えているわけでございますが、間接的な発電増強と申しますのは、ロスの軽減という問題がございます。今回の供給規程の中に力率の問題がございますが、力率を八五%を基本といたしまして進相器を付けて、それをよくした場合には五%、進相器を付けないでそのまま電力を使用した場合にはマイナス五%、かように電力料金にプラス、マイナス五%の差が付けられることになつているのでございます。併し現在の力率の状況を見ますると、六〇乃至七〇%の状況が多いように聞き及んでおります。これに進相器を付けますと九八%くらいの改善になるのでございます。そういたしますと、三〇%乃至四〇%を進相器を付けることによつてよくするにもかかわらず、電気料金における力率の差は一〇%の面倒を見よう、こういうことでございます。進相器を需用家が付けて電力を利用する場合には、その電力料の割引によりまして償却をされて行かなければ誰も進相器を付ける者がないのでございます。従いまして進相器を付けて力率を改善する場合には、三〇乃至四〇%改善すれば当然電力料としても三〇乃至四〇%くらいの差を認めるべきではないか、かように考える次第でございます。その点は一つ御考慮を煩わしたい、かように存ずるのでございます。
 そこでなおもう一つ料金について附加えさして頂きたいのは、我々電源開発に協力する立場にありますものは、当然電源開発に大いに力を入れて頂きたいと考えるのは勿論でありますが、なお今までの電力供給に対しまして先ほど来お話がございましたが、良質の電力を十分に供給して頂く、こういうことがどうしても必要であります。そのためには今回の料金値上げという程度は問題にはならない。それよりももつと開発をし、もつと豊富にして頂いて、工場が休電のために休まなければならない、こういうような状況に今まで追込まれて非常に因つておる次第でございます、ひどい場合には、発電所が早く完成して、早く電気を送らなければならないというので、電力会社も一生懸命になつておられる、機械を作るほうでもそのようにやつておりますが、完成した機械を試験をして納めようとするときに、電気がないために試験さえもできない、こういうようなことが今までしばしばございました、こういうような状況では電気料金を云々しているよりも、何をおいても電気を豊富にして頂くのが最も必要かと存ずるのでございます。それだけ附加えさして頂きたいと思います。
 それから先ほど御説明がございました名前の書いてない、こういうのを配りましたのですが、これは先ほどの進相器に対する説明が書いてございますから、あとで御覧置き頂ければ幸いと存じます。
○委員長(中川以良君) 有難うございました。
 それでは委員諸君からの御質疑をお願いいたしまするが、あらかじめ御通告を頂いておりますので、その順に御発言をお願いいたしたいと思います。
○豊田雅孝君 時間が過ぎておりまするので簡単に御質問いたします。私はこの電気料金値上げの問題につきましては低物価政策を強行しようとする今日といたしましては、税も政府としてできるだけ引下げ、又金利もできるだけ引下げ、会社側においても経費の節約に徹底的にこの際数学的にメスを入れ、再検討する、又配当もできるだけ低くするという立場からいたしまして、この際何とかして電気料金値上げの問題は少くとも見送らなければいかんということを強く主張しておるものの一人でありますか、そういう立場から御質問をしたいと思うのでありまして、小池さんと梶浦さんと細野さんにお聞きしたいと思います。
 小池さんには先ほどいろいろ数字的に御説明を願いまして非常にはつきりいたしたのでありますが、ただ今後配当は一般的にだんだん低くなつて行く傾向にあることはこれは否み得ないと思うのであります。更に又不況になればなるほど公益事業株というものは従来よりも強味が出て来るということも考え併せなければならないと思うのであります。従つて今までは配当は一割二分でなければならんということがあつたにいたしましても、これからの容易ならん新情勢を織込んだならば、一割二分を下廻つてもいいのじやないかというように考えられる面があると思うのであります。この点についての小池さんの御意見を伺いたいと思います。
 それから梶浦さんには仮に配当一割二分をやるということになりますと、その資金は二割四分乃至三割にも廻さんならんということになりまして、相当な資金コストになつて来ると思うのであります。従つてこれは実現困難なる問題にしても、極力借入金なり、或いは社債にできるだけウエイトをかけて行つたほうが資金コストを安くするという点においてはよいじやないかということが考えられるのであります。従つて先ほどいろいろ金融市場の困難性についてお話がありましたけれども、政府が低物価政策を強行しようというこの際としては、只今申すような借入金なり或いは社債の方向にできるだけ資金構成を持つて行くということに政府自体がいろいろ手を尽して努力すべきだというように考えるのでありますが、この点についての御意見を伺いたいと思うのが一つであります。
 それからもう一つは造船資金の低金利、これはいろいろ問題のあることでありますけれども、ああいうものと比較いたしまして、この際飽くまで電気料金を引下げて行かなければならんということを想定いたしました場合においての金利というものをどれくらいの金利にすればよいと金融業者のかたとしてお考えになるかという点を向いたいのであります。
 もう一点は細野さんに対して伺いたいと思うのでありますが、極く簡単に申しますると、電気事業の企業形態というものについての公益事業各界の専門的なお立場から、どういうふうにお考えになるかということを併せてお伺いいたします。以上であります。
○参考人(小池厚之助君) 只今の配当が今後下るだろうというお話でございますが、これはその場合二つ考えられるのであります。十分一般の金利水準が下つて来て、そして配当を下げても株価が下らないということが、これは一番望ましいことであります。但し配当だけ下げて、今の金利水準が下りません場合は、配当が下れば株価も下るのであります。それで先ほど申しましたのは、現在の金利水準でという条件の下に申上げた意見であります。従つて今配当を下げれば株価は五十円を割ると、今後の増資はむずかしい、電力会社は……。そういう意味であります。但し増資をしなくてもいいというなら問題は別問題であります。日本の大部分、九六%九厘までは額面発行をして、ノー・パー・バリユーじやありません。従つて額面に対する何割ということが問題になるのであります。そうすると株価が下れば増資はできないということであります。但し資金が非常に潤沢になつて、一般の金利水準が下る、その場合は減配をしても株価は下りませんし、増資も可能であるということであります。私の憂えるところは、ここ当分はその金利が、そう資金が潤沢になつて、日本の金融がそうしていわゆる望ましい減配がどんどん相次いで起るということになるまでは、若干の時間がかかるのじやないか、こういう考え方であります。
○豊田雅孝君 その点につきまして、私はむしろ望ましからざる低配当が今後出て来るのじやないか。そういう一般情勢、新情勢と睨み合せて、今までの一割二分で行かなければならんということについて、相当再検討の余地があるのじやないかという意味でお尋ねしておるわけでございます。
○参考人(小池厚之助君) 望ましからざる減配が起りますると、株価がむしろ今言いましたように下りますから、それで増資を強行しますと、増資が困難であります。それをカバーするために無償交付を抱合せるということも考えられるのです。但し無償交付を強制的に抱合せることは現在できません。無償交付だけをもらつちやつて、今度新らしい有償の払込みをしないという株主が出られては、やはり有償増資はできません。ですから私の先ほどの理論は、今後引続いて有償増資をするならば、現在の金利水準においてはという条件がついております。
○参考人(梶浦英夫君) 借入金及び社債によります資金の調達にウエイトをもう少しかけたらどうかという御質問だろうと思います。或いは又それを促進するにはどうしたらいいかというような御質問だと思いますが、現在……、先に社債のほうを申上げますと、御承知のように社債は、現在の状況におきましては、主としてこれは金融機関、それも銀行がその消化先としては大部分を占めております。その銀行の資金事情によつて、この社債というものの消化力というものが変つて来るわけなんでございますが、従来もこの社債の消化につきましてはまあ荷もたれになるくらいに努力をして参つております。ただこの点について、非常に細かなことになるかも知れませんが、多少地域的に偏在をしている、銘柄が偏るということがございます。これは地域的に電力会社が分れておりますので、この社債を消化するほうの銀行も、電力個々の会社の銘柄というものはどうしても偏る。投資の原則から行きますと、つまり同じ銘柄に偏るということはまずいので、そういう意味での荷もたれというものもあるわけでございます。この辺の調整というものを私のほうでも随分努力して来ておるのでありますが、これ又社債の一般的な流通市場と申しますか、売買が自由にできるような市場がないものでございますから、個別的に、ここではこの社債が少し多過ぎる、どこか買うところはないかというようなところで、まあ証券会社さんと連絡して、そこを肩を抜いてもらつて、今度新らしく出る社債の消化を図つて頂いて、消化をして頂くというような、まあ非常に話は細かいのでございますが、そういう方法で今日まで来ておるわけでございます。
 で借入金のほうを殖やすというまあ問題でございますが、どうも一般の傾向としまして、市中銀行の設備資金融資というものについては、まあできるだけ抑えて行こう、そうでなくてもすでに市中の一般の銀行の貸付というものが長期化し、固定化しているから、それを流動化しなければならんというのが、一方の傾向として出ておるわけであります。若しそうだとしますると、先ほどもちよつと申上げたように、開発銀行と長期信用銀行にしわが寄つて来るわけでございますが、ところが開発銀行のほうに対する出資は、まあ減つて来た。長期信用銀行のほうの関係での最も有力な財源、資金源になる資金運用部の金融債引受も減つたというような状態で、むしろ現実には何か逆のような政策が具体化しているように私は考えるのでございます。
 それから第二の問題、この財政資金の貸付利子率を引下げる、どの辺のところまでというお話でございましたが、これはちよつと私今ここですぐに、この辺がいいのじやないかというお答えをするだけの用意は、率直に申上げて、ございません。ただこの開発銀行の貸出利子をそういう業種によつて下げて行くという考え方、これはもうすでに先ほど来申上げているように実施されたのでございますが、これは私、私見で甚だ恐縮なんでございますけれども、貸出レートそのものを下げるか、或いはまあ造船資金のようなやり方で、利子補給で行つたほうがいいのか、これは非常に問題があるように思います。私はこういう電力というような重要な産業部門については、特段の考え方があつていいと思いますが、この辺について、単に開発銀行の貸出レートを下げるということでなくて、利子補給ということで、やはり国会で十分論議してきめて頂いたほうがいいのじやないか。まあそういう観点から、もう一回この開発銀行の貸出金利というものは、利子的にそれが軽減されるはずでございますが、利子補給というような考え方をこの際一つ考えてもいいのじやないかというふうに存じております。
○参考人(細野日出男君) 経済の基調が、やはり日本の戦後の状態におきましては、自由資本主義というところにあると思いますので、やはりプライヴエート・エンタープライズによるインセンテイヴというものによる能率的経常という点から見て、やはり電気事業というものを特に国営にしてしまうということよりは、現在の地区ごとに分れた私企業として、能率を競わせるということのほうがいいのじやないかと思つております。併し国営にすれば問題は万事解決するということならばいいんですけれども、併し国有鉄道自身につきましてやはり非常に問題がありまして、公共企業体にするということそれ自体が能率化の第一であるというよりは、能率化するためにそれから官僚経営じやなくて民主的な経営にするためであるということであり、更に政党政治の弊害がいわば企業に及ぶということを或る程度防止しよう、つまり非政治化ということが公共企業体のまあ目的になつておるわけなんですが、併し最近の実情におきましては公共企業体も国営に、元の国営に戻したらどうかというような意見が出たり、或いは鉄道も民営にしてしまつたほうがいいというような意見が出たり、料金問題につきましても実は国営であるところの国有鉄道でも、会社経営であるところの電気事業についても本質的には何も変つた問題がないという工合に、つまり非常に大きな変動を以て電気事業というものを国営化してもそれだけの効果が期待できるかどうかということは疑問だと思います。併し国家資金があれだけたくさん出され、更に国家からいろいろな補助手段を講じなければやつて行かれないというような程度がどんどん強くなつて来るというようなことになれば、やはり国労にして公共企業体統一といつたような問題も出て来るかと思いますけれども、私現在の段階では私企業で相互に能率を競わせるという体制をとつて行つていいのじやないかと思います。
○三輪貞治君 公益事業学会の細野さんに一、二の点についてお伺いしたいと思います。先ほどの御公述の結論といたしまして、結局或る程度の改訂は認めなければならないであろう、併しその場合に利用者もその値上げの受入態勢についてそれぞれ生活合理化で吸収に努力しなければならないだろうし、電力会社も又合理化に努め、通産省も料金算定基準等を立派に立て、国会も又如何にして電気料金のコストを下げることができるかを検討実施されることが望ましい、こういうような結論であつたように思うのであります。成るほどこれはその通りでありまして、それでは一体具体的にどういう線がいいのであるか、これはまあつづめて言えば我々がそれを検討すべきであろうと思いますが、併しそういつたような抽象的な一つの問題を提起された先生の側として、具体的に総括原価も出ておるんだし、又先ほどもお述べになりましたように物価指数から見て電気料金がどのような立場にあるかということもわかつておりまするし、又生計費の中で占めておる電力料金の率、或いはその生活合理化で吸収される余地ということも縷々お述べになりましたので、やや具体的に、一体それでは現在の立場で利用者はこれをどれくらい受入れる余地かあるか、又電力会社はこの総括原価を御検討されて、どれくらい資金の合理化でそれを吸収し、又政府はどのように金利或いは税制の面でこれをカバーして、一体どれくらいが適正なものであろうか、こういつたような、これは勿論むずかしいことでありまするが、先生のほうでお考えになつて、御私見を若しお述べできまするならばお伺いいたしたいと存じます。
○参考人(細野日出男君) 家計の面では、実際問題として多くの人は一割二、三分程度の値上げを捻出するだけのものはあると思うのであります。例えば、闇米を買うことをやめてうどんを食べるということのほうを殖やすというようなことだけでも、それからお酒やたばこのようなものを減らすというようなことでも、それから企業のほうでは、自由経済の原則でありますからして、或る物が高くなつて、そうして支払能力に制限があるならば他のものを買わなくなるという形で以て、否でも応でも必要なものならば使う、強制的にそういう修正作用が行われるわけですが、併し本当に困つておるもの、電気料が上つては本当に支払能力がなくて困つておるものというのは、これは社会保障の問題のほうにむしろなるのではないかと思うのであります。若しこれに対して、電気料金、こういう問題に対して、特に電気料金のほうで引くということであるならば、独立採算の体制であるならば、一方においてその分を負担してやるものがいなければならない。即ち差別料金で以て他方の或る者からコストよりも高い料金を割当でとつて、それで以て特に困つておるというような個人や企業に対しては割安料金を与える。これは併し公平の原則に背くことになりますので、国会が立法的な措置で以てそういうことをなさることが必要ではないかと思うのであります。それでそういう値上げもできない、或るものに特にたくさん負担させて或るものには安くしてやるということが困難であるという状態においてはこれはやはり国家が補助金も出すというような形で行くということになるのではないかと思うのであります。それから、国会でできるだけ電気のコストが安くなるようにするということの立法措置、或いは予算措置というようなものをいろいろおとりになつて頂くということの具体的なものといたしましては、金利の引下げというものはこれは全般として非常にむずかしいことなのでありますけれども、併しそういう低金利政策、而も低金利で以てインフレにならないような政策というところに非常に矛盾があるわけでありますけれども、これを考えて頂かなければならないと思いますが、国会で最もやつて頂ける可能性のあることはこれはやはり税金を安くするということで、行政整理というものを徹底的にされるということではないかと思います。それから家庭用の電燈料金とか農事料金とか、中小企業の電力料金とか、大企業の電力料金、いろいろのものに格差ができまして、勿論コストも或る程度違いますが、それに対していろいろの差をつけるという場合に、いわゆる負担力主義というものを採用することになるわけでありますが、その負担力主義というものをどういうふうに採用し、或いは命令するかということは、これはやはり国会の政策事項として立法的な措置で以ておきめになる。これは単に業者に任せると営業政策的な見地から業者は或る程度総合して一番利益の挙るような料金をとるということをやるものでありますけれども、差別負荷の原則に対しては、これは国会が或る程度立法で以て明らかになさることがいいのではないかと思つております。どうもより以上具体的なことは余り申しげられませんで恐縮でございます。
○三輪貞治君 それからもう一つ、先ほどの梶浦さんの御公述の中で市中金利の引下げの見込という項でお述べになつたことに、これは現実には不可能で、むしろ資金の需要を抑圧するためには引上げるべきであるという意見が多い。併し資金運用部からの金融債の引受け等がその条件、特に金利が市中と同様であるので、これが若し引下げられるならば、電力会社の金利に若干の考慮をする余地があろうと、こういうふうに述べておられると思うのです。このことについてはこれは勿論資金運用部の金というのは、郵便貯金なり簡易保険等の零細な大衆の金の集まりでありますから、同じく公益事業でありまする電力事業に対して出す資金運用部の金融債の引受け、その他の投資がそういう公益性の立場から考慮されることは非常に大切なことであろうと一般的には考えられるわけであります。この点につきまして細野先生の御意見を承わりたいと思います。資金運用部の金融債の引受け或いは財政投資の条件、金利等が市中のものと同様であるということに対しての、これを引下げることに対しての御意見ですね。
○参考人(細野日出男君) これは私はどうして国の財政資金を銀行を通じて相当高くして貸さなければならないのかということを、私自身も実はあんまり賛成しておりませんので、むしろ国家が直接貸すというような途中の鞘のないような手段がとれないかということを考えておりますけれども、併し私企業に対して直接社債なら社債を、例えば大蔵省の資金運用部が直接引受けるというようなことをやれば安くてできるのじやないかと思うのですけれども、銀行を通じてわざわざ七分五厘にする必要がどこにあるのか、銀行のかたがおいでになりますから、実は私としても折角安い国家資金をわざわざ上げることはなかろうと考えておる次第であります。
○三輪貞治君 門屋さんにお伺いしますが、これはなかなかお答えしにくい点があると思うのですけれども、皆さんがたはこの建設業の立場から一般の市中金融によつて、これを主なる財源として開発されるものもおやりになるであろうし、電源開発会社のごとき金利のかからない国家資金で開発するものもおやりになつている。いろいろなものをおやりになる場合に、一体これはいろいろと条件も違うでしようが、どれが一体一番あなたのほうで非常に大きな資金で、而も相当長い間に工事をされ、而もその間にこの短い渇水期を利用しなければならんという特殊な事情でありますので、その金の状態がどうかということが事業の進捗その他へ非常に大きな制約になることもあるだろうと思うのです。これは一概にはお述べになることが非常に困難かと思いますし、又それぞれ御配慮もあるだろうと思いますけれども、こういうことをお聞きするのは、我々は非常に多額の而も長期の金を要する電源開発のごときは、これは大いに国家資本でやるべきだという立場をとつておりましたし、又門屋さんあたりも大体において過去におけるその考え方はそういうふうであつたと思うのです。それが実際に仕事をされて、そういう市中の金を主として使うものと、国家資金でやつて見てやつぱりこのほうがよかつたと、こういうふうな御結論が短い間の御経験からでも、出ておればお聞かせを願いたいと思います。
○参考人(門屋盛一君) 別に答えにくい点は一つもありません。大体我々建設業で一番困つておるのは、資金の面で困つておる。それでまあ国家資金を扱つておる電源開発、それからいろいろの資金を寄せ集めてやつておるところの九つの会社とどれがやりよいかというお尋ねのようでございますが、それは資金がどういう姿で企業家のほうに入つておるかということは、我々のほうに余り関係がない。大体ずつと金融業者の方もおられますが、日本の金融の枠の面から見まして、建設業に対する枠というものは一つもありません。これは建設業そのものが、固定した産業ではないものを請負つて、初めて一つの事業をやつて行く、資金計画は皆おのおの企業家のほうに資金計画がある、或いは銀行の枠があるとか、政府資金の枠とかいうものは、皆企業家のほうに行く、我々銀行から金を借りるということは困難な状態であります。そこでどういう金を持つている会社の仕事がやりよいかということよりも、円滑に金を廻してくれる会社の仕事がやりよい、こういうふうにお答えしたい。それは昭和二十六年に私土木工業協会の理事といたしまして、その当時日銀から出ております日銀月報によつて調べますと、二百四十億の金が建設業者に出ておる。それが銀行の窓口から出ておる。そのほか金融機関から三百億の金が出ておる。にもかかわらずやはり業者は困つておる。そこで前渡金保証法というものを作つて、国の仕事及び主なる公共団体の仕事は殆んどこの保証会社の保証によつて前渡金をもらつてやるので、この仕事がまあ一番早かつた。現在の電源開発はどういうふうに資金を御獲得になつておるかは別問題として、なかなかこの前渡金を出すということについて、はつきりしてない会社がある、中には前渡金をはつきり出しておる会社もある。前渡金をはつきり出す保証会社があるんですから、保証会社に保証させて前渡金を出してやる。この面では国の法律によつて建設大臣からは電源開発会社も九つの電力会社も前渡金を貸せという指定が出ておるんですから、率直に前渡金を出したならば、三割までの前渡金を出したならば、資金の面では非常に楽になる、まあそういうお答えです。それから附加えますと、資金を出してもらうというよりも、そのことも大事ですが、やはり用地が、すぐにかかれないと仕事をしておる間に欠損してしまう、これが一番高くつく。
○海野三朗君 伊藤さんにお伺いしたいのですが、良質の電力ということをさつき言われたんですが、その良質というのは、どういうふうなのでありましようか、それをお伺いいたしたい。それから門屋さんには御説明を。進相器というのはこれはどういうふうなあれですか、それをお伺いいたしたいのであります。
 それから金利のことでありますが、梶浦さんにお伺いいたしたいのですが、この利息というものは何を基準にしてお立てになつておるのか、需要供給の関係から利息を立てておられるのか、それをお伺いいたしたいと思うのであります。それから指数でございますね、物価指数のことをさつき言われましたが、何年前のあれに比べると三百何十倍とこう言われましたが、その何年前の物価のあり方が果して正しきあり方であつたかどうか、その根本がぐらついておつては、指数というのは余り当てにならないものじやないですかということを私はお伺いいたしたいのであります。
○委員長(中川以良君) 最初のは門屋さんのあれのようです。
○参考人(門屋盛一君) お答えいたします。御承知と思いますけれども、日本の電力は大体必要な絶対量が足りないのであります。そうしますとまあ非常に簡単な話ですけれど、家庭におきましてはボルトがやつぱり八十ボルト以下に落ちていることが多い。殆んど末端のほうに行つたら電気会社のかたには怒られるか知らないが、八十ボルトくらいのところが相当ある。そうしますとやつぱり球は切れますし、それから受けますところの光がにぶいですから、これはもう保健衛生から言いましたら目は悪くするし非常に困るわけです。それでも定額料金でやられているところは、やはり六十ワツトなら六十ワツトの金は払つておるわけであります。これはまあ一升の酒は買つて来たが、一級酒の値段を払つて二級酒を飲んでいると同じようなことです。これは工場の場合について言いますと、工場はまあいろいろなトランスを入れたりいろいろしまして、ボルトの下ることは非常に少いのじやないかと思うのですけれども、ただどうすることもできないのはサイクルの問題だろうと思います。東電区域の場合で見ますと、五十サイクルのモーターを据付けておきまして、それを四十八サイクルとか甚だしいときにはもつともつと下つているのじやないかと思うのですけれども、私自身で調べておりませんが、もつと下つておるという想定がつく。そうするとモーターの廻りが遅くなる。そしてモーターは早く熱を持つようになる。だからポンプで水を揚げるなんというときには、十馬力のモーターで揚がる水が、十馬力のモーターで揚がらないようなこともできて来る。ですから一概に料金のことばかり言わずに、一級酒は一級酒、二級酒は二級酒のものが買えるように、電気もやつぱり質を上げて行かなければならない。停電がありますとどうしても作業能率が落ちて大変な問題になる。そういう意味の質なんであります。
○参考人(伊藤操治君) 良質と申しましたのでしたが、今門屋さんから大体御説明がありましたのでそれは省略いたしまして、進相器、私、電気技術者じやございませんものですから技術的な御説明は余りできませんが、要するに蓄電器のことなんです。蓄電器を取付けると取付けないでは力率が随分違う、こういうのであります。
○参考人(梶浦英夫君) 金利はどういうふうにしてきめているかという第一点の御質問にお答え申上げます。これは実は簡単なようで非常にむずかしいことなんでございますが、現在市中の貸出金利につきましては、短期資金については臨時金利調整法という法律がございまして、最高金利はその法律によつてきめられるということになつております。長期資金のほうにつきましてはこれはその適用が実はないのでございます。ないのではございますが、短期金利がそういうふうにきまりますとおのずからそれに引ずられる。短期金利が今のところまあ新聞等でも御承知のように、ここ数年何回かすつたもんだやつて下げて来ておりますが、それに伴つて長期金利のほうも現実には下げて来ております。
 それから物価指数の問題で、基準年次、そのときの物価体系が妙であればそれと比較することは意味ないのじやないか。確かにその通りじやないかと思うのですが、先ほど申上げましたのは、通例戦前の状態としまして、まあ比較的日本の経済がバランスのとれた状態であつたのが、九年――十一年というふうに一般に言われておるわけでございます。私申上げましたのはそういう慣例といいますか、それに従つたものでございまして、確かに厳密に問題を分析するためには、そういう問題も検討の余地があろうと存じます。
○海野三朗君 細野さんにお伺いいたしたいのでありますが、電力会社のこの値上問題につきしましては、いろいろな資料がたくさん出ておるのでありますが、果してそれがどの程度プラス、マイナス・アルフアーになつておるものやら甚だ疑わしき点がたくさんあるのであります。それをやはり物価はだんだん年を追つて上つて行きつつある状況に置かれてありますから、これはいつかは上ぼせなければならないということは常識でありますが、こうやつて国会でこれを論議する際におきましても、その根本がはつきりしていなければならないのではないか。こう思いまするときに、電力会社のあり方というものはどういうふうにあたつならばよろしいかというふうにお考えになつておりますのやら、又現在の電力会社、つまり東北は東北電力、東京電力、関西電力というようにこれが分れておつたこの姿がいいのか、又これを細分して見ますると、東北のほうは東北電力がモノポライズしておる、関西は関西電力が独占しておる、こういうふうなあり方でよろしいのでありましようか。その点につきましては如何ようにお考えになつておるのでありましようか、一つ御高見を承わりたいと思います。
○参考人(細野日出男君) コストの監査、これは会計準則、或いは電気事業会計規則ですか、そういつたものの非常に詳細なものをこしらえて、専門の公益事業局の監査官というふうなかたに監査して頂いて、文字通り無駄がないというまあそういう態勢ができれば、つまりそういう技能のある監督官というものが、全然会社との間に馴れ合いといつたような目を以て業者が見るということのないような態勢になることを希望するわけでございます。
 それからあとのほうの御質問に対しては、国有鉄道につきましても九つかの局が曾つてあつて、今二十七かになつておりますが、それをやはり地区別に分けて、それぞれの地区ごとに能率競争させたらどうかというふうな意見もしばしば出ておるのでありますけれども、鉄道のほうには共通運送、端から端、どこからどこまで行けるような運送というところから、運賃も一本の態勢、それから連絡輸送というような問題もありますので、やはりそういう分割ということは向かない面が非常に多いと思いますが、電気企業につきましては、これは勿論豊水地区とそれから渇水地区とか、或いは火力地区とか、水力地区とかいつたところの電気の融通の問題はありますけれども、やはり余り小さなものに分けますというと皆コストが違つて来て、電気料金のこれが非常に地域差が大きくなつて来るので、やはり国家の経済政策を電気料金に及ぼすという点から言えば、相当大きな地域独占というものが向いておるのではないかと思いますので、今の程度の電力会社の分け方というものが大体適当しているんじやないかと思つております。
○海野三朗君 梶浦さんも細野さんもどちらのかたでも結構ですからお伺いいたしたいのですが、この金利の問に関連してであります。この配当が昨年は相当な割合になつておるのでありますが、今から三十年も昔の日本の経済状態におきましてそれを思いますというと、非常に昨今の情勢というものは金利は高いし、株の配当は二割以上でなければ株は買わないんだというようなこういう状態は私は決して健全なる状態であるとは考えられないのであります。銀行利子は六分というようなまあ今状態でありましても株の値段とか、或いは貸出の金利というものは相当高くなつて来ておるように思うのであります。その根本は先ほどから話を伺いましたところでは、金は読んで字のごとくに足が生えて非常に借手が多い。つまり皆困つておる人が多いからこういうふうになつておるのじやないかと思うのですが、これを健全なる姿に立て返すためにはどういうふうに将来日本が手を打つたらいいものかというそのことにつきまして、一つ御高見を承わりたいものであります。
○参考人(小池厚之助君) 金利につきましては梶浦さんからお話がありましたように、株のほうもお説の通り金利は先ほども私どもの提供いたしました数字も高うございますし、株の利廻りも高いのです。根本は先ほど梶浦さんからお答えになつた通り、需要と供給により定まるときもあるのです。法律で以て規定しても、今やはり戦後日本が過去の資本蓄積を失つて出直しているから、資金需要のほうが遙かに多いというところに根本的の問題があるわけです。戦後より遙かに高いという水準にある。それですから成るべく資本蓄積を奨励して資金を潤沢にして、金利水準を下ぐべきだと思います。その際のあれは、まあ政策としては私は一つは資本蓄積の奨励案をいろいろ国家がとることも、税制面その他いろいろございましよう。それからもう一つは先ほど梶浦さんの公述の中にありましたけれども、私はこの際殊に今デフレ政策を強行しようという際に、円価維持をしようという際に、資金規制の裏付がなくしては私は駄目だと思うのです、私個人の意見では。それがやはり一つの資金を有効に使用する途である。そうしますれば不要不急の事業に金が行くということが抑えられると思うのです。まあその辺でございます。
○海野三朗君 有難うございました。
○委員長(中川以良君) よろしうございますか。
○藤田進君 時間もないようですから簡単にお伺いしたいのですが、細野さんから……。今日本の電気料金の状態を見ますると、非常に地域的な差がついていまして、極端から極端の差では三倍、或いは三分の一というか、こういう状態であります。まあ一説には安い所にこうした電力を必要とする工場を持つて来ればいいではないか。こういうことも昨日も言われたかたもあつたわけですが、併し今後の工場の設立なりということについては、或る意味でそういうことも言えるでしよう。併しそれとても電力だけが立地条件ではございませんから、労力であるとか、或いは原料、硫安にいたしましても或いは輸送等々電力以外、殊に電力が各産業の製品に占めているコストの割合というものは極めて少いのであります。六%とか、或いは一〇%前後、こういうことを考えて見るというと、必ずしも電源地帯に工場ということは言えない。ましてや従来のすでに長い間工場が設立されていて電力を使つていたものが、時の政策によつて御承知のように自発があつて、全国料金についてはかような差等をつけていなかつたのでありますが、それが時の政策で電力料金に非常な差がつくということになりますと、これはやはり非常な問題ではないだろうか。それから公益事業という立場からも、これは非常に望ましくないものではないだろうかと実は思うわけですが、これらの点について御意見をお伺いしたい。
○参考人(細野日出男君) やつぱりまあ本来なら放つて置けば、その立地の条件をそこの産業なり、住民なりは甘受しなければならないというのが、まあ放つて置けばそういうことになるわけです。ですからそれに対して或る程度の均一化、或いは是正をするということは、やはりこれは国家の政策問題であつて、これをさせられるということに対しては国会がその方針で立法措置をおとりになることがいいのだと思うのですけれども、併しその場合にやはり各地区の電気事業というものが、国家の政策によつて特に片方が儲けたり片方が損になつたりということのないような措置を指定なさる必要があるのじやないかと思います。勿論理想を言えば国家電力会社、電源開発なり、国営電気庁といつたような、或いは電気公社といつたようなものを作つて一本化すれば、それはまあ一番その点は理想的なものができるかと思いますけれども、併し一方から言いまして電力という立地条件の余り向いていないところに無理にそういう政策的な均一料金のようなものをやることによつて、無理に要らない産業を興してしまう。これは実は日発の時代にそういつた種が相当生えたのだと思いますけれども、それをまあ途中で変えるということになつたから問題になつて来るわけで、長期の国家の政策としてやはり工業政策と、電力料金の政策、工業立地政策というものと電力料金政策というものとをマツチさせて、できるだけロスを少いようにすることが必要だ、抽象的にしかですが、そんな考えです。
○藤田進君 公益性という観点から電気、いわゆる電気ですね、電燈、電力、これが公益性の立場から、そういう何といいますか、生産地は安くていいし、消費地等におきましては高くなるといつたようないわゆるアンバランスですね、地域的なアンバランスというものはあつてもいい程度の公益性なのか。これは時代と共に変つて来ると思いますけれども、今日ではすでに電気そのものはかなり高度な公益性を持つていて、いわば必需物資というか、こういうものだ。よつて料金にしても政府が認可するなんというふうなことから、そういつた非常な差がつくということはいいものかどうかという実は観点をお伺いしたかつたのでありまして……。
○参考人(細野日出男君) 私日発時代に丁度北陸に在勤しておりまして、北陸の人たちがおれたちの所はコストは安いのだ、安いのに高いものを使わせられるということで非常に、折角持つている立地上の有利性というものを犠牲にさせられるといつて憤慨している向きがありました。まあ日本の産業立地というものが、産業国土政策といいますか、産業国土計画というものがはつきり立てられて、それと睨み合せての今の、つまり非常に電源から遠い所で、均一化してくれたために安くなつたからということで、産業がどんどん興りますというと、それは送電ロスが多くなる。実際はコストの高いものに使わせるというようなことになる。それはやはり産業立地政策から行つて、全体としてはロスが多いのではないかというふうに考えます。私はこの電力料金なり電燈料金なりの地域差というものは、或る程度はその地域の産業なり、住民なりが甘受しなければならない面を持つているのではなかろうかと思つているんです。
○藤田進君 御承知のように水力の開発地点というものは、これはやはりそのコストが、このキロワツト当り七万円、或いは十五万円とかいうふうに非常に差があるわけであります。こういう開発の所要コストという面から見て、国家資金を投じる以上、これはやはりその政策のよろしきを得て、キロワツト七万円でできる大開発地点があるならば、それを大いに開発する、その代りに十五万円もかかるようなところは後廻しにして、生産された電気は非常に安くできるわけでありますから、これを普遍的にできる限り広汎に配給して行く、こういうことでないと、日本のような狭い場合、而も水力地帯というものが、かなり限定されているという面から、やはりそういう政策が必要ではなかろうかと思われる点と、先ほど言われた、現在自由主義経済を基盤にしているから、だから、それでたくさんといいますか、現在の形態でいいと、こう言われていたように実は思うので、その御趣旨は、競合してサービスの改善という形で競争させたほうがいいと、こう言われたと思うのです。ところが実際に、御承知のかなり広大な区域の独占でございますから、そうでございますから、丁度お隣りで買えば安いから、お隣りで買うというようなものとは製品が違う。非常に広汎な独占企業、これと、もう一つは政府が料金で以て抑えておりますから、この料金については細かく計算されて、修繕費がどうであるとか等々と積み重ねて料金になつているわけでありまして、その料金が一旦きまりますると、電気に関する限りは他の産業と非常に違つて来て、設備の近代化その他によつて、いわば低廉な、而も間断なく電気を送る、これがサービスの最たるものであつて、そのためにはなかなか努力しても雨が降らないと……、というような事業でありますし、競合して、サービスの改善ということは非常に小さい面で、むしろ逆に、そういう地域独占の事業であるし、それからやはり統制を受けている産業であるから、従つて競合してサービス改善というものは、殆んどないのではなかろうか。これはむしろ、今日出ている弊害は、地域間の、いわゆる地帯間の需給調整がうまく行かない、これが非常に分断されたためにうまく行つていない。それから今申しましたような料金についても非常な差があつて、これが又、今日では大きな政治問題に実は関西、四国、九州、中国、或いは北海道方面ではなりつつある、こういう非常に悪い面が出て、いい面は何ら出ていないような気がいたしまして、御意見の現状がいいと言われている点が、いささかどうも御説明が足りないのか了解しがたかつたので……。
○参考人(細野日出男君) あとのおつしやつた点は何ですが、私が地区別に競争させるというのは、隣りのほうが安いから、近くの、境にいるものは隣りのものを買つたほうがよかろうという、そういう意味ではない。そうじやなくして、ユニツト・コストといつたようなものを比較させて、そして、より能率のいいものに対しては、実はこの公正報酬というのは、今のようなやり方では株式資本で一割二分、それから国庫から借りているほうが六分五厘だとか、或いは社債として銀行から借りているのは八分五厘だとかいつたような、つまりみんな割当ててしまつて、その合計を以て報酬だというふうにするというのが、本来の趣旨ではないわけなんです。公正報酬というのは他人資本も自己資本も一緒にして、その全体に対して幾らを与えるか、そのうちから自己資本をどれだけ、他人資本をどれだけ使うということは、これはマネージメントの腕前であり、それから方針であるということになるわけなんです。ですからそういう場合になりますと、その公正報酬率、価値に対する公正報酬率というものを、能率のいいユニツト・コストが安くできるといつたような、つまり一種の予定コストがあるわけですが、それよりも下廻るようなコストで以て上るといつたような会社に対しては、公正報酬率のほうで増額を認めるというようなことによるところのマネージメントに対するインセンテイヴを与える、それが私が地区別に競争をさせるということの趣旨になつているわけです。
○藤田進君 一応御尤ものようなんです。議論しようとは思いません。現状はお答えのように、地方銀行等で協調融資など、僅かなもので、恐らくマネージメントでそんなに幅も何もない有様ですね。
○参考人(細野日出男君) それは悪平等だと私は思つております。
○藤田進君 ですからこの問題が今後改善できない、だんだんむずかしくなるので、そういう面から、恐らく電力事業という特殊な公益性の高いものだから、いわゆるプライヴエートというのじやなくて、もつと企業の形態についても、方法があるのじやないだろうかと思つております。
○参考人(細野日出男君) 実はイギリスが丁度労働党が社会主義政策を行なつて、国有を断行しましたが、電力のほうは大体うまく行つているようですけれども、運輸のほうは独占が完全じやないものですから、頗るうまく行かなくて、保守党になつてから元へ戻しちやう、民営に戻しちやうというので、今その過渡期で、相当まあ制度的には混乱を経ているような状況なんですが、そういうことから、つまり保守政党と社会主義政党というものの政権交替というもの自身に対して、そういう企業のあり方、基本政策というものが、イギリスの例でも、一遍国有にしたけれども、又民営に戻すといつたようなもので、非常に企業に対するロス、企業努力的なものから見ましてもいろいろなな面に、私はやはりロスがあると思うのでありますので、日本という国がはつきり社会主義政策をとる匡だということに方向がきまつてしまうという場合において、初めて社会主義的国有といつたような問題になるのじやないかと思つているわけであります。又社会党が天下をとつてから、次に又保守党が天下をとつたときに、又折角国有にしたのに、自由競争の趣旨に反するから、或いは自由主義経済の趣旨に反するから元へ戻そうという、かうな、そういう政情不安という状態の下では、軽々にそれはとれないというふうに、イギリスの運輸国有の例から見まして考えます。
 それから先ほどお話のございました日本の国か非常に細長い国であつて、水力電源地帯というのは、日本の中央部に横たわつているということが、結局全国的均一をやりますというと、送電線路が長くなつて、そのほうのコストやロスといつたようなものが、どの程度に料金の均一化ということとバランスするかという点に、やはり問題があるのじやないかと思います。
○三輪貞治君 今のに関連して……。藤田委員の質問の中に、現在においても、各電力会社の料金は相当の幅の差異があるということがございましたが、これは実は火力調整費を、北陸なり東北なりが相当多額に四国なり中国なり九州等に払われ、なお且つそういう差が出ているわけですね。だから火力調整費に対しては再編成のときに相当問題になりまして、その後北陸、東北からは早くあれを撤廃してくれという陳情、請願がいつも参つているわけです。我々のほうは、私のことを申しますと実は九州の出身だものですから火力調整金を相当多く北陸や東北から頂いている状況で、現在の状況はこれを撤廃してもらつては困るわけです。併し再編成後二年も、三年にもなろうとしているのに依然として火力調整金を出さなければ、而もそれでなお且つ相当の料金の開きがある。将来においてもなかなかこれを撤廃するということは見通しがつかない。では火力調整金をもらつているところは非常に電源が多くて、而も将来においてそれをだんだん開発して行けば火力調整金を必要としない状況になるかというと必ずしもそうではない。そういうふうになつて来ますというと、なかなか火力調整金も早急には撤廃できないだろうというふうの見通しを持たざるを得ない。こういう状態は決してこれは正常な状態ではないので、この電力会社の機構、あの再編成そのものにかなりな無理があつて、いろいろと質問されていたように相当無理があつて、それを強行されているところにそういう状態がなお且つ将来依然として続いて行く大きな原因があるのではないか。こういうふうに考えられるのです。この火力調整金についてこれでいいであろうか、或いは将来の見通し等について若し御意見がございましたら一つ……。
○参考人(細野日出男君) 国家の政策によつて、いわばその水力豊富の地帯の電力会社というものが損させられているということになつているわけでございますね。それは憲法三十何条でしたか、私有財産権の侵害というような見方もやろうと思えばできるかも知れないと思うのです。併しむしろ火力調整金というよりは、その場合は安い電源の水利権というものを認めてもらつてあると、国家から認めてもらつてあるというところからの水利権料的なようなもので以て行けば、その点を或る程度ジヤステイフアイされるのじやないかと思うのですけれども……。
○豊田雅孝君 ちよつと一つ青木さんに伺いたいのですけれども、先ほどこの際電気料金の値上げは遅らせることがいいということを言われたようなんでありまするが、いつ頃まで遅らせるべきだというようにお考えになつておりますか。
○参考人(青木均一君) これは先ほども申上げたのは、委員会の席上皆さんの意見がそういう意見が出ましたのですけれども、いつまで遅らせるというようなことは出たのではないので、私なんかの考えも実ははつきりきまりませんですけれども、若しこれはうつかりしたことを言つてもあれがあるといけませんが、恐らく公益事業局で相当研究しておられると思いますから、私はそこにお任せして大丈夫だと思つておりますけれども、事業家としては若し半年くらい延ばせれば大分いいなという気がしておるのではないかと思うのですが、それは一つは今年は暖冬でして水が相当出ております。そうしてこのまま春の雨の時期に入つて行きますと、それから五月頃になれば大分雪が少いから問題なんですけれども、一応梅雨あたりまでは持つて行ける。七月の中、これは又夏が非常なあれですね、渇水期になればこれは別ですが、七月の中あたり、八月は大体において水が少いのですが、それから又九月から雨が降り出しますから、これは恐らく一律にしたらむずかしいかも知れませんが、会社別にしたら半年くらい持つて行くのもあろうと思つております。それからどうしても条件が悪いのは早くやらなければ因つておるところもあるのではないかと思います。これは私だけの考えですけれども……。
○豊田雅孝君 その点については経団連は電力会社も入つておる団体だけに、そういう点遠慮せられておるところもあるであろうが、一面又一つの決議をせられ意思を表明せられれば、これは非常に意義のあることだと思う。そういう意味において、この際余り御遠慮にならないで経団連として見るべきところを見られて、勇敢にその意見を早く発表せられたらと思うのです。もう時期は非常にどつちに行くかで差迫つておりますだけに、この点について特に経団連の態度の決定を速かにせられるように要望したいと思うのです。
○委員長(中川以良君) ほかに御発言ございませんか……。
 それではお諮りいたしますが、本日はこの程度にいたしておきたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中川以良君) それではさようにいたします。
 参考人の皆様方に一言御礼を申上げます。本日は長時間に亙りまして、御多忙の中当委員会のために御出席を賜わりまして極めて尊き数々の御意見を御開陳を賜わりまして誠に有難うございました。慎んで厚く御礼を申上げます。当委員会は御覧のごとく昨日来かように熱心に本問題につきましては検討を加えております。今日は又非常にいい御意見を頂きましたので、私どもは飽くまでも公明なる立場に立ちまして、国民の正しき叫びを誤りなく表明をいたしたいと存じております。どうぞ今後ともいろいろ御意見等ございましたら、当委員会にお寄せ賜わりまして、私どもの調査審議の参考にお供しを願いたいと存じます。本日は誠に有難うございました。重ねて厚く御礼を申上げます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時五十七分散会