第022回国会 農林水産委員会 第16号
昭和三十年六月九日(木曜日)
   午前十一時七分開会
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   委員の異動
六月八日委員森崎隆君辞任につきその
補欠として小林孝平君を議長において
指名した。
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 出席者は左の通り。
   委員長     江田 三郎君
   理事
           白波瀬米吉君
           戸叶  武君
           千田  正君
   委員
           青山 正一君
          池田宇右衞門君
           大矢半次郎君
           重政 庸徳君
           長谷山行毅君
           飯島連次郎君
           小林 孝平君
           三橋八次郎君
           東   隆君
           棚橋 小虎君
           菊田 七平君
  政府委員
   農林大臣官房長 安田善一郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安楽城敏男君
   常任委員会専門
   員       倉田 吉雄君
   常任委員会専門
   員       林  達磨君
  説明員
   農林省農林経済
   局統計調査部長 野田哲五郎君
   食糧庁総務部長 新沢  寧君
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  本日の会議に付した案件
○砂糖の価格安定及び輸入に関する臨
 時措置に関する法律案(内閣送付、
 予備審査)
○農林水産政策に関する調査の件
 (農林省設置法及び行政機関定員法
 の改正に関する件)
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○委員長(江田三郎君) ただいまから農林水産委員会を開きます。
 砂糖の価格安定及び輸入に関する臨時措置に関する法律案を議題といたします。本法律案につきましては、去る五月三十一日の委員会において提案理由の説明を聞いたのでありますが、本日は法律案の内容及び関係事項について農林当局から説明を聞くことにいたします。食糧庁総務部長。
○説明員(新沢寧君) 砂糖の価格及び輸入に関する臨時措置に関する法律案につきまして、条を追いまして簡単に御説明を申し上げたいと思います。
 第一に、この法律の目的でございますが、御承知の通り砂糖の価格につきましては、その供給源がほとんど全部外国に限られておりますために、外貨事情等のために供給が必ずしも円滑に行っておらないわけでございます。そのために従来非常に価格が不安定な状態を続けて参っておりまして、そのために重要な生活物資であります砂糖の価格を不安定に置きまして、一般家庭あるいは砂糖を原材料にして使います諸産業に対しまして非常に悪影響を与えておったわけでございます。そこでこの法律によりまして第一に価格の安定をはかるということを考えております。次に先ほども触れました通り、輸入に依存しておりますけれども、現在の外貨事情によりまして必ずしも十分の輸入を全うすることができないという実情がございまして、結果として砂糖の輸入によりまして相当の差益が生ずるということが考えられます。それは外貨の割当ということに伴って反射的に出て参ります利益でありますので、これを単に一部の人の享有に属せしめるということは必ずしも社会公益的な見地から適当ではないという意味合いにおきまして、その利益の一部を徴収するということをもう一つの目的として考えておるわけでございます。
 次にこの価格安定をいかにしてはかるかということでございますが、まず政府といたしましては、主要な銘柄の砂糖につきまして安定価格帯を定めるということにいたしております。この安定価格帯を定めることによりまして、砂糖の販売価格はこれを一つの指標といたしまして、その範囲内において流通をはかるということを期待したわけでございます。その価格は一つの基準といたしまして従来長い間の統計によって見ますと、砂糖の供給数量それから国民の購買力それから砂糖の価格との間には非常に密接な関係があることが知られるのであります。この関係を統計学的に処理いたしまして、一つの予想価格というものを出すことができるわけでございます。その予想価格一つの基準といたします。で、なおこれに加えまして、砂糖の原価と申すべきものを一つの参酌的事項と考えます。さらに砂糖と非常に用途等において密接な関係を持ちます国内の産物、澱粉、それから生じます水飴、それから主として北海道で生産されておりますテンサイ糖というものの価格が輸入の砂糖によりまして悪影響をこうむってはなりませんので、その価格も考え、さらに価格が家計費の圧迫を無視いたしまして暴騰するということも、これは不適当でございますので、家計費に見合うというようなことを種々勘案いたしまして、砂糖の安定価格帯を定めようというふうに考えておるわけでございます。その今申しましたことで、大体価格安定帯の位置と申しますか、大体高さがきまってくるわけでございますが、それに加えまして、どの幅に押えようということにつきましては、これも過去数年間におきます実際の砂糖の価格の変動を統計的に考察いたしまして、まず正常な変動率と考えられるものをとらえ、その範囲内で物の価格の変動をその中に押えて参るという考えで、安定帯の上限及び下限を算出したいというふうに考えておるわけでございます。価格の決定の時期並びに適用期間につきましては、一応私どもは外貨の割当とも関連いたしまして、原則といたしまして、三月及び九月の二回に定めるのがよろしいのではないかというふうに考えておるわけでございます。ただし初年度におきましては、いろいろ急にこういう制度に入りますので、事情の変化を急激に来たすということを考慮しなければなりませんので、一応幅のある考え方をもちまして、必ずしも年二回ということでなしに、あるいは三カ月おきぐらいに定めることも考慮し得るように考えて参りたいと思っております。ただ、できるだけ価格の安定ということは長い期間にわたって一定の水準を維持するということが必要でありますので、できるだけ長い期間に適用させるという考えでおるわけでありますけれども、初年度につきましては、特にそういう点を考慮に入れておかなければならないものと存じておるわけでございます。この価格の決定につきましては、一応農林大臣がその当事者としてその決定をいたすわけでございますが、先ほども申しました通り、砂糖は主として輸入に依存しております関係もございまして、貿易行政と密接に関連する点もございますので、農林大臣と通産大臣が互いに協議をして定めるということを考えております。かようにして設定いたされました安定価格帯は、第一段的には、関係業者の理解ある態度によりまして、その価格安定帯の範囲内で販売が行われるということを期待しているわけでございますが、種々の事情によりまして、安定帯の上限をこえまして値上りする、あるいはその下限を下って低落し、あるいはそのおそれがあるような場合が生じました場合には、農林大臣は、精製業者あるいは砂糖の販売業者あるいは砂糖の輸入業者に対しまして、安定帯の価格の範囲内で販売することを勧告する道を設けているわけでございます。さらに砂糖の販売業者につきましては、販売価格の勧告だけでは足りませんというふうに考えられました場合には、さらに進みまして、時期別の精製数量、あるいは販売数量というものにつきましても勧告ができるようにいたしたいというふうに考えております。
 大体この法律案は先ほども申しました通り、価格安定に関する件と輸入利益の徴収ということの二つの目的になっておりますが、ただいままでに申し上げました価格安定に関する分を主として農林省が担当してやって行くということになるわけでございます。
 以下申し上げます輸入利益の徴収等に関することは主として通産省がその衝に当って参るというふうに、一応両省の間で事務の分担を定めております。
 そこで、輸入利益の徴収に関しましての考え方でございますが、御承知の通り砂糖に関する外貨資金につきましては、従来は大部分発注証明書を農林省が出しまして、それに基きまして輸入業者に対して通産省において外貨の割当をしたということになっておったわけでございますが、それに対応いたしまして、外貨の割当をします際に、一定の方法によりまして、輸入差益を計算いたしまして、それを外貨割当の際に納付することを条件とするというふうにして、外貨割当の際に納付義務をあわせて課するという考えを持っているわけでございます。なお、従来の割当だけで参りますと、どうしても過去の実績とか、あるいは工場能力というものに基礎を置いた割当をせざるを得ないわけでございまして、その間企業意欲の向上ということに対する努力が失われるということになりかねませんので、この従来の方法による割当に加えまして、ある程度競争的な方法によりまして外貨割当の道も開くということも考えているわけでございます。割当の場合におきましては、法律、政令に基きまして、納付すべき差益の額というものは、その法令の規定に従って算出されるということになるわけでございますが、後者の競争によります場合におきましては、外貨割当の申請をするもの自身が自分の採算によりまして輸入価格、あるいはそれが国内に入りましてどれぐらいで売れるという見込みを自分で立て、その差額を輸入差益としてみずから見積りをして申請をするということになるわけでございます。従いまして非常に企業努力の結果、合理化の進んでおりますところにおきましては、そうでない業者に比較しまして大きな差益を納付し得るということになるわけでございます。そうした合理化の進んだものに対してより多くの輸入ができますようにということによって企業の合理化を期待されるという意味合いで、その場合におきましては、その見積り額、いわゆる特別輸入利益を大きく見積ったものに対して順次外貨の割当をして行くという考え方をとっております。ただしこの競争の場合におきましても、もちろん非常にある力の強いもののみが独占的に大きな数量の輸入権を得るということでもまた別な弊害が起きますので、その場合においてはやはり外貨割当につきましても、競争の場合におきましては、ある程度の一定の限度を設けなければならないのではないかというふうに考えておるわけでございます。また、この法律の目的が価格の安定というところにございますので、競争によって安定がかき乱されるということでもいけませんので、いわゆる割当による場合と競争による場合とのその間の数量の割合というものは、後者によって前者がかき乱されないということを眼目にしてその比例をきめて行かなければならないというふうに考えております。当初は割当によるものの方が大部分を占め、一部が競争によるということになろうかと考えております。順次価格が安定するに従いまして、競争による部分が広がってくるということは考えられると思いますが、当初からその割合を大きくするということは考えておらないわけでございます。一応外貨割当の際にこうして輸入利益を納付するという義務が外貨割当を受けたものに発生するわけでございますが、そのものは、しかし不可抗力によって輸入ができないという場合も考えられまするので、その場合にはこの利益の納付金は免除するという規定も設けておるわけでございます。なお輸入差益の納付を確保いたします場合に、担保を取りますとか、あるいは不可抗力によりまして輸入ができなかった場合にはその担保を返還する規定、あるいはすでに納めておりました輸入利益が、不可抗力によって納付するという義務が消滅した場合には、すでに納付しております輸入利益を返還いたしますとかいうような技術的な規定が以下六、七条にわたって掲げてあります。なお価格の決定につきましては、あるいはこの法律の施行上いろいろな調査が必要でございますので、農林大臣及び通産大臣が調査権を持つということにして、第八条にその規定を置いておるわけでございます。
 なお、この法律案は一応三年間の限時法といたしております。この理由は、砂糖の輸入によって砂糖の価格の上下というものは規制されるわけでございますが、望ましいのは、輸入差益というようなものが生じないような状態に早くなることでございます。ただいまは外貨資金の事情によりまして、ある程度輸入数量というものに対して制約を設けなければならない事情にありますために、結果として差益が生じてくるというわけでございます。貿易の伸展によりまして外貨事情がゆるやかになり、砂糖の輸入も十分にできるようになりますれば、輸入差益ということも生ぜず、価格の安定もおのずから実現でき、この法律もその必要がなくなるということになるわけでございます。そういうような時期が早晩くるということを期待いたしまして、そういうようなやむを得ざる事情が続く限りにおいて、この法律を実施して行きたいというような意味合いで、この法律を恒久法といたしませんで、一応三カ年の限時法というふうに考えておるわけでございます。
 非常に簡単でございましたが、法律の趣旨を逐条御説明をいたしたわけでございます。
○委員長(江田三郎君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(江田三郎君) 速記を始めて。本法律案の質疑は後日に譲ることにいたします。
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○委員長(江田三郎君) 次に、農林省設置法の一部を改正する法律案の件及び行政機関職員定員法の一部を改正する法律案の件を一括して議題にいたします。これらの法律案は、いずれも過日内閣から予備審査のため提出され、ただいま内閣委員会に予備付託となっておるものでありますが、当委員会の所管事項と密接な関係があると思われますので、本日は農林当局からこれらの法律案について説明を聞くことにいたしたいと思います。総括的な問題につきましては、官房長なり文書課長でなければならぬのでございますが、まだこちらへ見えておりませんから、その中の定員法に関係いたしまして、統計調査部長の説明をまずお願いします。
○説明員(野田哲五郎君) 統計調査部の定員について申し上げますと、二十九年度及び三十年度の六月までに定員を減らしまして、三十年の七月以降に保有すべき定員は、本省におきまして四百五人、事務所及び出張所におきまして、二万一千六十八人ということになっておるのでございます。ただいま行政整理につきましては、六月末を目標に所定の員数を減らすように努めておるのでありますが、休職者振替等の問題もありますので、ほぼこの目的は達し得ると、かように思っておるのでございます。私どもといたしましては、定員としてはこの現状において進んで参りたいと思っておりますが、今年度三十年度の予算から被害調査を拡充いたしまして、共済制度の問題と関連いたしまして、従来被害関係の調査を県単位の推計にとどめておりましたのを、郡単位の推計まで広げることにいたしたのであります。これに対しまして所要の員数というものを増員いたす必要を感じたのでありますけれども、さしあたりまして内部の定員から五百五十六人をこちらの方へ回しまして、六百四十八人を非常勤で置くということにいたしたのでございます。六百四十八人の非常勤で置きます者は本来常勤労務者として要求したのでありますが、常勤労務者の設置ということにきわめて困難であるというので、実質的には給与の単価その他装備等につきまして、全く常勤労務者と同一の待遇を受けます六百四十八人の者をこちらに加えることにしたのでございます。私どもといたしましては、この新たに加えました六百四十八人の非常勤職員と、内部から差し繰りました五百五十六人の定員をもちまして、今度新たに課されました被害調査というものをやって行きたいと思っております。この被害調査の内容につきましては、いろいろなすべきこともございますけれども、経費の事情、私どもの準備の事情等を考えまして、さしあたりまして水稲について予想収穫高調査時及び推定実収高調査時におきまして、郡単位に平年反収または引受反収に対する増減収を調べて行く、これによりまして、平年反収または保険の引受反収に対しまして、三〇%以上の増加した面積が幾ら、三〇%以下の被害の面積が幾ら、ということを計算して参りたい、かように思っておる次第でございます。まことに簡単でありますが、一応概要を申し述べた次第であります。
○小林孝平君 ちょっとお尋ねいたしますが、今回新たに被害調査を拡充してやられることになったわけでありますが、これは一体理想的というか、あなたがこういうことをやればこれだけ要るというふうに考えられる人数はどのくらいなんですか。
○説明員(野田哲五郎君) これ自体といたしましては、千三百四十人の常勤労務者を当初要求したのでございますが、いろいろ大蔵省との折衝の過程におきまして、面積調査及び作況調査の面におきまして若干手を抜くことがてきる要素があるのではないかという問題が出まして、その点を検討いたしました結果、面積調査及び作況調査から五百五十六人の定員を持って参ったのでございます。従いまして、この定員を中核といたしまして、六百四十八人の補助職員を加えてこの仕事をやりたいと思っておるのでございます。
○小林孝平君 面積及び作況関係の仕事から五百五十六名を振り向けるということですが、そうするとだいぶんこの仕事をやめるのですか。大体この仕事をどれだけの人が扱っておるのか、そのうちの五百五十六名と、こういうことですと、全体は幾らであって、そうして今度どういうふうに仕事をやめるのか、具体的に一つ……。
○説明員(野田哲五郎君) 現在の配置におきまして、面積におきましては四千八百四十九人、作況につきましては三千七十二人というものをもってこの仕事をやっておるのでありますが、面積調査につきましては、耕地整理の終っております水稲の作付面積の調査については、これは相当手が抜ける段階に参りましたので、これから四百十二人というものを引くことにいたしたのでございます。それから作況調査におきましては予想収穫高調査時におきまして作況調査圃の粒数調査をやっておるのですが、この粒数調査につきましては従来肉眼鑑定をやっておったのでございます。しかし最近われわれの方で透視器というものを考案いたしまして、これによって判定いたしますと、稔、不稔の判定が非常に確実になって参るのでございまして、そのために調査の数を半減いたしまして、これによって百四十四人の人を浮かすことにしたわけでございます。
○小林孝平君 ちょっと今聞き落しましたが、総体の数をもう一度……。
○説明員(野田哲五郎君) 面積におきまして四千八百四十九人でございます。それから作況調査におきまして三千七十二人でございます。
○小林孝平君 そうしますと、今度こういうふうに仕事の手を省いたことになって人が浮いたと言われますけれども、これはあれですか、新たに被害調査に人を振り向けなければならぬというので、そういうように手を抜くようになったのですか。当然この人間は浮いてきたと、こういうふうに考えられるのですが……。
○説明員(野田哲五郎君) これは被害の調査をいたしますために、こういう方法を考えることにしたわけでございます。
○小林孝平君 そうしますと、これは無理をしてそういう手を省くということにしたわけなんですね。
○説明員(野田哲五郎君) 若干の無理はあると思いますけれども、やはり検討いたしまして、かようなことはできると、かような確信の下にやった次第でございます。
○小林孝平君 それから今の被害調査を理想的に、理想的というか、一応やるには、千三百四十名を要求したけれども、それが通らなかったからこういうふうに振り向けたのでやると言うけれども、そういうことでやり得るのですかね。
○説明員(野田哲五郎君) 御存じのように被害調査を、予想収穫の調査時とそれがら推定実収高の調査時と二回にわたってやりますと、その前後一カ月というものを入れまして四カ月がこの仕事の対象になって参ると思うのでございます。そこで一番この中でピークをなしますのは十月、十一月の坪刈り時でございまして、この時期にはこれだけの人間では間に合いませんので、ほかの職員もこれに動員する、またそれで不足の分につきましては人夫賃をもってこれを補うというような仕組みをしておるのでございます。一般の統計調査部の定員の基礎といたしましては、いろいろな仕事に必要なる人員を考えまする場合に、調査におきます所要の人員の一番谷というものを見まして、その谷を定員をもって埋めていく、それ以上の山ないしはピークというものは補助的な職員をもってこれに充てる、かような方式を考えておるのでございまして、十月、十一月の候はこれは一般に私どもの方は最大のピークになるというような時でありますので、職員としては非常に忙しいのでありますけれども、このピーク時を完全に定員的職員をもって埋めるということになりますと、相当の定員を要するというようなことになりますので、不足分は補助的な人夫をもって補う、かような方法を考えておる次第でございます。また仕事の性質から申しまして、どうしても定員的な人でなければならぬ部分と、全く労務的な部分とに分れておりますので、その労務的な部分につきまして、かような方法を考えたいと思っておる次第でございます。
○委員長(江田三郎君) 野田部長、資料はないのですか。今言った千三百四十人だの、五百五十六人だの何だのと言って相当ややこしいのですが、これはお出しになっておりませんか。
○説明員(野田哲五郎君) ええ、お出ししておりませんが、あとでお出ししたいと思います。
○小林孝平君 資料を本当に出していただかぬとよくわからぬのですがね。
○説明員(野田哲五郎君) 資料はお出ししますが、明日までお待ちいただけば……。
○委員長(江田三郎君) ちょっと速記をやめて。
  〔速記中止〕
○委員長(江田三郎君) 速記を始めて下さい。
 それでは政府の方で統計調査と食糧庁の関係については、特に新規な事業もあるようでございますからして、それに伴いましてもっと詳細な資料を御提出願った上で、この問題をもう一ぺんあらためて取り上げたいと思います。
 そこでこの問題を離れまして、官房長が見えましたからして、農林省設置法の一部を改正する法律案及び行政機関職員定員法の一部を改正する法律案のただいま申しました以外の点について御説明願います。
○政府委員(安田善一郎君) 今回農林省設置法の改正案を御提案申し上げまして御審議をお願いいたしたいと思っておる次第でございます。
 要点を申し上げますると、第一には、農林省におきまして、国際関係の農業食糧機関、たとえばFOA、エカフェ、コロンボ・プラン等、会議または計画に正式に参加をいたしまして、なかんずくFOAには常任理事国となりました等の関係もございまして、国際協力関係の仕事が農林省といたしましても相当増加をいたしました。またビルマ、フィリピン等との賠償の関係におきまして、同様に農林省としての事務もふえて参ったのでございます。別途外務省におきましては、あるいは国際協力また賠償につきまして、それぞれ行政機構として拡大、明確化される部分がございますし、建設とか経済審議庁においても、これらの関係において機構を整備する等の関係がございますが、これらの関係庁との関係ともにらみ合せまして、農林省におきましては、大臣官房におきまして賠償及び国際協力に関する事務を取り扱うことを農林省設置法の法文上明確にしていただきたいと思っておる次第でございます。目下も行政管理庁と政府部内において連絡協議を遂げまして、官房にこの関係の参事官を置いておるのでございますが、そのもとに所要の補佐官も置きまして実施いたして参りたいと思っております。
 第二点といたしましては、肥料検査所の一つの住所の変更でございますが、神戸の肥料検査所は神戸市に従来置かれておりましたが、敷地の関係から尼崎に四百万円をもちまして庁舎を新設いたしましたので、住所変更を法文上お願いしたいということでございます。
 第三点は米価審議会につきましてのことでございますが、これは数カ年前の米価審議会の開催時以来、委員の方からも御指摘があり、また要望がありましたことの懸案でございましたが、農林省では食糧庁が外局でございましたので、一応事務的に米価審議会の委員は、また専門委員は、食糧庁長官が任命することになっておりましたが、何しろ米価その他主要食糧の価格の決定に関しまする基本的事項を調査審議をいたしまする権威ある機関でもございまするし、また所要事項を米価審議会が政府に建議をする権限もある機関でありますること等考えまして、当時から委員の一部から御要望もあり、また御指摘もありましたことにかんがみまして、委員及び専門委員の任命は農林大臣が直接これを行うことにいたしました。また委員、専門委員を設置し、その組織、所掌事務、委員の定数、二十五名でございますが、定数、専門委員の設置などということにつきましても、もとは政令で定めておりましたものを明確に法令で定めまして、委員及び専門委員の任命は、農林大臣の意図と照応いたしますように、法文そのものでもって規定をいたしました。最近専門委員におきまして、本年度米価の算定方式、生産費算定方式等について御研究を願っておりますが、その活動を権威あらしめ、明確化して行きたいと思っておるのであります。
 第四には国際的に稀少物資、供給不足の物資等につきまして需給調整に関する臨時措置法がかってございまして、この法律に基く権限が農林省の内局また外局である食糧庁、林野庁、水産庁について、設置法上明確になっておりました同法律が、三月三十一日限りをもって失効いたしましたので、また有効当時でも畜産関係におきまして、衛生器具等にコバルトを使う等のことに関しまして、この権限と行政が行われておりましたのでございますが、今後法的にこの権限を、設置法上はっきりした実施行政もないことになりまするので、これを削除いたしまするとともに、特に水産庁につきましては食糧庁、林野庁、本省の面におきまして、外資に関しまする法律に基いた農林省の所掌事務がありましたのが、何かの手落でございましたか、さしあたって水産庁に発生する見込みがなかった関係でございますか、水産庁にその規定がございませんでした。これを農林省内の他の局、庁と同様に権限を入れるようにしていただきたいと思っておるものであります。外資に関しまする法律の農林省の所掌事務と申しまするのは、外国の投資家にかかる技術援助契約を締結する場合、更新する場合、また外国投資家の日本の法人に対する株式の取得等でございますが、それらに関しまする農林省の権限でございまするが、省内におきましては他の局、庁とともに、水産庁も所掌するようにお願いしたいということでございます。最近ぼつぼつとそういう事例も農林省各局にわたりましで出つつあるわけでございますので、この不明確さを明確にするようにお願いをしたいことを主たる内容にいたしておるのであります。
 なお御質問がございましたならば、それによりまして詳細私のできます範囲におきまして、文書課長もおりますので御説明申し上げます。よろしくお願いいたします。
○委員長(江田三郎君) 御質問ございますか……。ついでに定員法の説明も。
○政府委員(安田善一郎君) 定員法の改正の農林省の分につきまして御説明を申し上げます。まず要約及びその結論的なことを申し上げますると、比較的簡明でございますが、詳細に申しますと、少数の定員数につきましてかなりの事項について増減がございます。定数の増減につきましての要約、結論的なことをまず申し上げますと、今年度におきましては、前年度に比しまして、在外公館在勤要員派遣等に伴いまして、外務省へ農林省から定員を振りかえまして、定員を減少せしめようとします者六人でございまして、その六人の内訳は、政務次官からも提案理由で御説明申し上げましたかと思いますが、官房で三人、農地局で一人、食糧庁で二人でございます。そのほかに自作農維持創設資金融通法案等の御提案で申し上げておりますが、かねてこれに準ずる種類の資金の供給を農地局において行なって参りましたが、その業務に関しまして農林漁業金融公庫への定員移管を七人いたしまして、農林省から七人の減員をいたしたいというのでございます。減は、最後に締めくくりますと、この六人と七人の計十三人でございます。増員の方はまた別途お願いしたいと思っておりますが、奄美群島の復帰に伴いまする政府職員の引き継ぎの暫定措置法がございまして、従来これに関しまする定員は、その法律に基く政令をもちまして農林省の定員となっておりましたのでございますが、今般各省を通じまして、政令の定員を明確に農林省の定員として合併せしめよう、こういう議が政府の意向でございまして、これに伴いまして、増が五十二人、現在すでに政令に基く定員になっておるのでございますが、それを増員いたしたいというのでございます。その内訳は、統計調査事務所十六人、植物防疫所五人、動物検疫所四人、食糧事務所八人、営林署十九人、いずれも現地にある機関の定員でございますが、その計五十二人を増員いたしたい、従って差引三十九人の増員をいたしたいという改正案でございますが、この結果農林本省におきましては、現在定員が二万三千二百七十七人が、改正案の定員によりますと、二万三千二百九十一人、食糧庁が二万五千四百三十八人が改正案の定員では二万五千四百四十四人、林野庁が同様に現在定員において二万八百三十四人が改正定員では二万八百五十三人、水産庁が現在定員千三百七十人、増員は変化ございません。合計七万九百十九人が改正案の定員では七万九百五十八人となる勘定であります。
 この内訳につきましては、なお、ある所属せしめるべき事項の定員から、他の増員をいたしたいという事項の定員に振替えいたしたいと思いますものが、そのほかに、数はそう多くはございませんが、多々ありまして、それの差引きは増と減とがゼロになっておるのでございますが、いずれも農林省の三十年度の業務にかんがみまして、ある事項はさらに重点を置きまして、あるいは新規の行政事務の方に重点を置いてやる、こういうことの方に増を考えまして、簡素化をはかったり、他の方に仕事を移した方がいいと思いまするもの、あるいは事務がなくなってしまったもの、こういうものについて減をはかりまして、その分が、ただいま要約をいたしますると、以上のように説明を申し上げましたほかに、増減差引ゼロになっておる分がかなりたくさんあるわけでございます。
 それを申し上げまするというと、大臣公邸の廃止の措置か政府部内でございまして、その管理のための職員が二人ございましたのを減をしよう。
 また先ほど御説明申し上げました自作農維持資金融通業務、これは公庫への振替七人を含みまして、従来農地局の特別会計課でやっておりましたものを十四名減をしようということを考えております。
 また農業改良局普及部の事務合理化に伴いましては、これもなお変更をお願いしたいと思っておりますが、現在農業改良局の普及部では仕事の内訳を総務監査、地方組織の整備、資格試験、視覚展示編纂、情報関係庶務その他と分けておりまして、その分担は以上申しました順序で四、四、一、二、三、六というようなことで二十人の定員を持っておりますが、このうち総務監査と宣伝係は各一人を減員をいたしたいと考えております。その定員減は地域の農業試験場と地方の農業試験場及び普及事業、これとの間により緊密な連絡をとるように普及官というものを設けたいと思っておりまして、将来は各地域試験場につきましてそれを置きたいと思っておりますが、さしあたり本年は二地域試験場に二人の普及官を置きたい。そうして試験研究の成果とエクステンション、普及、応用という面に連携を強化して、農業生産上資したいと思っておることの一助にしたいと思っておるのであります。
 また、競馬監督につきまして国営競馬法は競馬は廃止をされまして、過般旧競馬部の定員百十六名のうち五十五名は本省の監督業務として定員を残しまして、残余はあげて中央競馬会に移し変えましたけれども、なおその事務は合理化をはかって十五人を減じまして農林省の他の部局の増加要員に充てたいと思っておるのでございます。
 また、家畜衛生試験場の業務整備をいたしたいと存じておるわけでございますが、これは牛疫血清製造を家畜衛生試験場の赤穂支場において行なっておりましたものを廃止をいたしまして、同支場を閉鎖いたしまして、その定員の三十二名中二十五名は家畜衛生試験場部内で配置転換をいたしまして、家畜衛生業務の試験業務に従事いたしますが、七人の減員をいたした、と思っておるのであります。これらは事業の業務の内容を三十年度につきまして見まして、従来の定員のあり方から四十四名は減少しても妥当であろうと認められるのでございます。
 一方なお農林行政中増員を要し、業務を強化する要があることが認められますものに引き充てたいと思っておるものでございます。すなわち増員を要し行政の強化いをたしたいと思っておりまするものは、考査官の増員がその第一でございます。決算委員会等においてもいろいろ御審議、御指導願っておりまするが、会計検査院の決算報告によりましても、補助事業を中心にしまして、食糧庁あるいは林野庁等におきましても、会計、事務またそれを通じまして、行政能率の非違の指摘を相当されておりまして、まことに恐縮に存じておりますが、一方行政事務の実施に当りまして、さらにはそのもとでありまする行政の立案、予算の編成等においても、種々工夫をこらしたいと思っておりますが、さらに考査行政を一そう充実をいたしまして遺憾のないように資したいと思っておりまするので、官房の考査室に現在七人の定員がございますが、さらに一名の増員をはかりたいと思っておるのであります。定員の関係上そうままにもなりませんが、なお農地局の兼務によりまして二名くらいの実質上の増員をはかりましたり、また食糧庁にありまする監査課、林野庁にありまする監査課、外局にあるちょうど考査室に当りますものでありまするが、これと連携をとりまして、会計経理また行政能率の考査の事務の充実に一歩進みたいと思っておるわけでございます。
 さらに先ほど御説明申し上げました国際協力関係事務のためには二人の増員をいたしたい。
 第三点といたしまして、肥料需給安定の事務量の増加のために二名増員いたしたいと思っておりますが、これは肥料需給安定法の施行によりまして、目下硫安の需給計画と価格の統制をいたしておるのでございますが、硫安の生産費をより適切に把握し、価格の適正を期しまするためには、最近増産も目立って参りましたし、また複合生産の関係にあり、また生産増加の多い尿素の生産量及び生産費をより的確に把握する必要がありまして、その関係をもちまして、従来より二名の増員をいたしたいと思っておるのでございます。
 第四点に増員をいたしたいと思いまするのは、災害復旧の査定事務の強化をいたしたいと思っておることに伴いまする十一名の増員がございまして、これは農林委員会でもいろいろと御審議、御指摘をお願いしておりまするように、災害復旧につきましては、種々困難なるものもありまするとともに、また災害復旧を財政その他の許す限りすみやかに計画的に復旧を進めたいと思っておりまするが、従来これの行政の実施に当りまして、とかく災害によりまする被害額の査定、言いかえますと、補助事業の対象といたしまする復旧率のもとになります査定が、手薄でありますると同時にまた十分にも行われなくて、補助交付後決算後におきましても種々問題が出て参りますのが最近の実情でございます。前年以前の過年災につきましても、なお残事業が何パーセント残っておる、それが金額的に予算面において何パーセントであるかということなど、復旧率と残事業率等においても問題がありますものを、より強化いたしますように、末端のすでにこれに携わっておりまする者を督励いたしまする上に、専門にこの事務に従事する者を十一名増員をいたしたいと思っておるものであります。
 第五といたしまして水理実験事務の強化をいたしたいために四名増員いたしたいと思っておりますが、これは神奈川県にかねて水理実験所を置いておりまするが、だんだんと事業も緒につきまして、かつて二十七年におきましては屋内実験をしておりましたが、二十八年から屋外実験施設の建設を始めまして、三十年度で施設の方は完成をされるのでございます。現在これが定員は三名をもちまして管理、実験をいたしておりまするが、さらに四名を増員いたしたいと思いまするのは、三十年度におきまして七地区、その七地区は屋内で実験を四地区、屋外の実験を三地区の模型実験を行いたいと思っておりますが、このおのおのにつきまして各一名の七人を確保いたしたいと思っておるのでございます。最小限度これだけ増員をいたしたいと思っておるのでございます。
 六番目といたしまして畜産行政の強化に伴う増員九名をお願いしたいと思っておりまするが、それは畜産技術振興指導強化のために二名、牧野改良の機械化指導のために一名、酪農振興の強化のために二名、畜産物の消費流通改善及び価格安定のために二名、飼料の品質改善の事務がなお研究整備を要する問題が多いのでございますので、その事務の強化のために一名、家畜薬事の検査事務の強化のために一名、計九名をお願いしたいと思っておるのでございます。
 また先ほど申し上げましたが、第七番目といたしまして、都道府県の行う試験研究及び普及事業との連絡を強化いたしますために、地域試験場二カ所に二名の普及官を増員いたしたい、これは関東東山の農業試験場と、北陸の農業試験場に、さしあたり二名にいたしたいと思っておるのでございます。
 右のほかは奄美大島関係の増員になっておるわけでございます。政務次官が要約的に申し上げましたが、さらに増減差し引きまして個々の移動で内部的に配置転換のような増減がございます面を御説明申し上げました。
○委員長(江田三郎君) 御質問ございますか。ちょっと私お尋ねしますが、定員の中で自作農推持資金融通業務の仕事は、今まで何人ぐらいになっておりますか。
○政府委員(安田善一郎君) その関係は農地局と農地事務局で行なっておりますが、既墾地につきまして自作農維持創設事務を行なっておる定員が本省で三十九名、事務局で八十五名ありますが、この創設事務につきましてだんだんと特別会計の余裕金をもちまして、売買操作によりまして融資を行なっておりましたので、そのうち本省では二名、地方事務局では十二名、計十四名の人間がやっておることになっております。
○委員長(江田三郎君) もう一ぺんお尋ねしますが、そうすると自作農維持資金融通業務の方をやっておる人から十四人減らすというのでなしに、自作農資金融通に限らず自作農維持創設の業務をやっておる人から十四人減らすことですか。
○政府委員(安田善一郎君) 自作農維持創設関係の事務の中に同特別会計の資金融通をしておる職員がございまして、その資金融通をしておる職員が、余裕金運用で自作農維持創設資金の融通とでもいうべきものを土地の売買形式で行なっておった業務がございまして、それに従事しておりまする者が本省で二名、地方事務局で十二名ということになっております。その関係のものでございます。
○委員長(江田三郎君) そうしますと、今まで特別会計でやっておる資金融通の業務をやっておる人は、これでゼロになることになりますか。
○政府委員(安田善一郎君) その関係といたしましては、未墾地の買収、またこの土地を開拓入植者に売り渡す事務、既耕地また自創地については、売買その他なお若干出て参りますので、それはなおその外に本省では特別会計課、地方事務局にも同様のものがございますが、その職員はなおこれを十四名を引きまして本省では三十七名、地方では七十三名いることになっております。
○委員長(江田三郎君) あなたのさっきの説明で行くと、そういう仕事をする全体は本省で三十九名、地方で八十五名であるが、資金融通の特別会計の仕事をする者は本省で二人、地方で十二名だということになって、十四名を農林漁業金融公庫の方へ向けるというと、特別会計の資金融通の仕事をしておる人は全部金融公庫の方へ行く、こういうことに解釈する以外にないのですが、そういう解釈をしたら間違いですか。
○政府委員(安田善一郎君) そうでございませんで、特別会計の運営事務をいたします特別会計によりまする資金が動く仕事をいたしまする者は、本省で三十九名ということになっておるわけでございます。もっと具体的に申しますと、農地局の農地課と特別会計課におるわけであります。それの全部ではございませんで、そのうちの資金融通、融資と申しまして、融資事務を扱っておりますのは二人と十二人の十四人です。
○委員長(江田三郎君) 何べんでも同じことになるのでしょう。融資の仕事をしているのが二人と十二名であって、そうして融資の仕事の業務を公庫に移管したために十四人を送るならば、融資の仕事をしている二人と十二名全部を送るというのと、どこが違いますか。
○政府委員(安田善一郎君) そういうわけでございます。
○委員長(江田三郎君) そうしますと、特別会計の融資事務をやっていた諸君は、一応からになるということですね、間違いないですね、今の説明から行きますと。
○政府委員(安田善一郎君) 特別会計におる融資事務を行なっている者はみななくなる、そうして七人が公庫の方に参りまして、公庫自身にはなおそのほかに、全体二十五名ですから、それから七人を引きました十八名が独自に公庫にふえまして、そして十四名のうち公庫へ行く七名を除きました七名は、他の農林省の増加いたしたい人員に引き当てたいと思っておるわけであります。
○委員長(江田三郎君) 融資の資金融通をやっている二名と十二名が全部からになって、そうして公庫に行く、あるいは他の方に行くということになると、資金融通の業務というものはなくなるのですか。
○政府委員(安田善一郎君) 特別会計を使って農地局でやるものはなくなるということです。
○委員長(江田三郎君) 特別会計による資金融通というのはこれでなくなるのですね。
○政府委員(安田善一郎君) そういうわけでございます。
○委員長(江田三郎君) そうしますと、片一方で新らしく今度自作農維持創設資金が出るけれども、片一方の特別会計による分はこれでなくなるのですね。
○政府委員(安田善一郎君) 結論を申しますとなくなるのであります。なくなる理由は、予算でもなくなる、かつ余裕金がなくなるということであります。
○委員長(江田三郎君) そうしますと、何か新らしく二十億円だけ今までよりも自作農の維持なり、創設なりの金がふえるように考えておりましたが、片一方では特別会計の分がなくなるということでありますから、従って自作農の維持創設に回る二十億円というものは実質的には二十億円ふえない。従来出ておったものがなくなるのですから。そう解釈してよいですね。
○政府委員(安田善一郎君) 結論はほとんどそれに近いと思いますが、実体と理解は少しニュアンスが違うと思っております。と申しますのは、自作農創設特別会計をもちまして資金を供給しようと思って融資をいたしておりました自作農は、維持資金としまして同特別会計の本来の土地売買の業務の余裕金を一時暫定的にこれを充てて使う道を別に開いておりまして、買った人にそのまますぐ売りまして、長期償還をするようにいたしておりますが、その余裕金が本年度はゼロといってもいいようになりまして、融資の金がなくなりました。本来自作農維持創設資金の融資の原資として持っておったわけではございませんので、余裕金の運用の一方法としておりましたものが、原資がなくなって参りましたので、その形では、方法も金融業務としては適当でないし、余裕金では安定をしないので、別途これに変るべき制度と申しますか、別途の制度を立てて、従来の業務はすでに余裕金と原資がなくなったということでございます。
○委員長(江田三郎君) その点非常に大事な点です。ただいまの説明でよくわかりましたが、この点は私どもの理解するところによると、今の説明ではなお特別会計による反当五千円というああいう売買事務は続くものと理解しておりましたが、それがなくなるということがはっきりいたしまして、ありがとうございました。
○政府委員(安田善一郎君) 土地の売買の事務は残るわけです。融資に当る内容のものを暫定的に売買の形でやっておる業務はなくなったということです。
○委員長(江田三郎君) もう一つお尋ねしますが、定員がこういうことになっておるが、給与面における昇給と昇格の問題は慣行でいろいろ行われておりますが、これは今まで通りの慣行でおやりになるのですか、その点はどうなりますか。
○政府委員(安田善一郎君) 本年度は予算の編成の方針といたしまして、政府全体が定期昇給が従来四回であるのを二回にとどめるような内容で昇給財源を見込んできめるというふうに実はなったのでございますが、これは二回しか定期昇給はしないということではございません。その財源の中でやることにしようというのでありまして、多少私どもは事務的には困っておりますが、農林省といたしましては年度当初に行いますものは、当時は年度当初は暫定予算でございましたが、目下本予算案は衆議院から参議院に移りまして御審議をお願いしておりますので、その御審議を見なければいけませんけれども、将来のことは将来のこととして、年度初めは少しおくれましたが、従来のようにしてなお、さらに研究しようということにいたしております。
○委員長(江田三郎君) 研究というのは、やはり従来四回ということであったから、従来と同じようにできるように研究する、こういうことでございますか。
○政府委員(安田善一郎君) 実際に確実にできるかできぬかは、予算の財源の圧縮がただいま申しましたようにありまするので、いささか疑問がございまするが、実員が予算定員の中でどのくらいおるとか、年間に自然退職する人等が、あるいは休職になる人等がどうあるかによっても違いますので、確実に従来通りの財源をもって従来通りの定期昇給ができるということになっておりませんけれども、これを実際上できるように運営したいと思っておりますが、強制的に行政整理をするわけではございませんので、そこのところをだれもかれもみな定期的に昇給することができる、こういう時期に来たら確実に定期昇給をさせるということを多少変更する必要があるかどうかを研究中であるのであります。
○委員長(江田三郎君) 昇格の問題はどうなりますか。
○政府委員(安田善一郎君) 昇格のことも省内での動きをそのまま申しますと、昇給と昇格とを同時に行うのが今年度の予算財源、人件費の予算財源から見まして、また実員の状況から見まして、適当であるか、可能であるかということについて疑問がございまして研究中でございますが、これを行うように検討中であるわけであります。
○委員長(江田三郎君) 従来この一定の昇給なり昇格なりがあったということであれば、それが従来のように行かぬということは、これはベースの切り下げじゃございませんけれども、だんだん一定の職におり、子供がふえれば金もかかるし、いろいろの面において生活費はふえざるを得ぬのですから、実質的には給与を今まで予定通りの昇給、昇格ができないと、実質的に給与を下げられると同じような苦痛を、味わわなければならぬことになるのじゃないかと思いますので、その点については、今の研究中というのを、もっと積極的な努力を払っていただきませんと、なかなかこういう問題でしょっちゅう組合の方とごたごたされたのでは、私ども国民の立場から見ましても、農林省へ行くたびに給与の問題でごたごたされておるのを見るのは忍びないわけでありまして、おそらく農民諸君が見ましても、あまりいい感じは持てないと思いますので、その点については従来の慣行が実施されるように、もっと積極的な御努力をお願いしておきます。
○長谷山行毅君 農林省の考査官というものの職務権限と考査官室の機構を御説明願います。
○政府委員(安田善一郎君) 考査事務というのは、行政の一部といたしまして、戦前には比較的明確でございませんでしたが、終戦後特に予算を計上し、現業的事務でありますると、現業の会計を用意いたしまして、この間に補助金でありますとか、直営事業でありますとか食糧庁のような売買業務でありますとか、林野庁のように自分で山林を管理しまして、必要とまた可能によりまして木材を伐採して売却いたしましたり、苗木を育てまして、植林いたしましたりする業務がございます。簡単に申しますと、直轄直営の事業と補助事業、さらに補助金を伴わざる行政、この三つがございますが、そのおのおのにつきまして行政実施の態様が効率的、能率的で適正であるか、またこれに伴いまする会計経理の事務が適正妥当でありまするか、また所掌に関しまする権限を行使する行政事務について妥当であるかにつきましての……言葉が適切でありますかどうかわかりませんが、指導的監査をいたしまして、そうしてこれを研究いたしまして、そうして主としては過去の行政のやり方の悪いところ、これを是正し、将来あやまちなからしめるように予防的措置をとる、そういう行政と思っておるのでありますが、これに携わりまする者は、他の職務と極力――完全に独立ではございませんが――離れて専門に仕事ができるのが望ましい、しかし行政の実務を相当よく知っておる必要があるというので、別途その独立機構でありまする行政管理庁とか会計検査院とか、あるいは一部の必要において伴いまする大蔵省の類似の業務と別に、自分が自分で考査をして、事前予防措置、過去の訂正を行うというそういう指導的地位においてこれを行う、こういうふうにいたしますために、官房に考査官室を置き、外局でウエイトの大きいところに、食糧庁の総務部に監査課、林野庁の業務部に同様の監査課を置いておるわけでございます。その三者をもちまして行なっておりますが、なお人員も多く、事業分野も範囲の広いような統計調査部におきましては、管理課の係に相当な係を設けまして、同様の専門係を存置しておるのでございます。水産庁においては、漁政課においてこれを行なっているわけでございます。官房の考査官室につきましては、比較的新しい機構でございまして、昨年の七月からこれを設置いたしまして、特にその主任は考査官と申しまして、補助者は副考査官と申しておりまして、現在七人おるわけでございますが、内局特に農地局関係が予算も多く、行政事務も多いのでございますので、そこに重点を置いておりますが、また改良局の補助金行政等についても重点を置いておりまして、外局の分をも合せて見ることになっておりますが、現在の陣容をもちましては、考査官室では農地局、改良局等におきます直轄事業、補助業務に重点を置きまして、食糧庁と林野庁は、そのおのおのの外局の業務について監査するようにいたしておるわけであります。
○長谷山行毅君 会計検査院の指摘事項というのは、農林省は非常に多いのですが、こういうことのために考査宮室もできたことと思うのですが、今のような七人くらいの状態で、今までの会計検査院の指摘されたいろいろな問題を是正して適正に行うというのは、今くらいの機構で十分だとお思いでしょうか。
 それからもう一点は、先ほど官房長の御説明のうちに、どこかの局とかあるいは課との兼務の状態の考査官室をもう少し拡充したいというというふうな御意見があったようですが、先ほどの御説明にもありましたように、果して兼務では本当に適正な監督行政ができるかどうか、それらの点について……。
○政府委員(安田善一郎君) 結論から申しますと、陣容不足でございます。兼務を予定しておりますのは、農地局の直轄事業の工事を担当しておらないところからと思っておるのでありますが、言いかえますと、管理業務を行っておるところが、農地局にもございますので、これが比較的仕事も近いので、便宜そうしようと思っておりますが、目下のところの事務的な理想を申し上げますと、内局部の査定事務と申しますか、直轄事業及び補助事業の基準に、経理執行上の、会計執行上の企業事務を半分行いますのでも、五十七、八人の人が要るのが、従来の仕事をして来ました職員の能率から見ますと必要でございまして、会計検査院におきましても全部調べるわけでないので、ランダムに抜き取りではあるけれども、一つの基準が出ます程度に或る割合を検査、考査いたしませんと意味をなさないのではございまするが、なお今後充実を期したいと思っておるのであります。これを徹底的に他の分野を削減しましても、あるいは新規増員を強く要望してやるのが本来の筋でございますが、なおこの考査の方法とか、比較的指導的地位で、検査、事前防止等の仕事を行政といたして参りますためには、いかに計画を立てて、いかに実施して参って、いかに効果を十分に現わすかということについて、なお一段の工夫がございますので、それらの行政のやり方、効果をより明確にしたときに、うんと増員をしたいと思っております。
○長谷山行毅君 これは農林省の考査事務というのは非常に重要だと思いますので、十分その機構なりあるいはその業務の運営の仕方等について御検討願いたいと思います。
○小林孝平君 先ほど委員長が質問されました昇給の件に関連しましてお尋ねいたしますが、統計調査部の常勤労務者の給与は、前年度に比較して今年は前年と同じになっているわけなんです。それで具体的に昇給ができるのかどうか。
○政府委員(安田善一郎君) 本年度被害調査の拡充に伴いまして、定員及び常動労務者について大蔵事務当局とのいろいろ折衝がありましたが、予算の関係もありまして、十分に行かなかったと聞いておるわけでございますが、別途統計調査部には集計、現地実測等についての人夫賃が相当ございますが、これとの睨み合いをもちましたり、また人の異動を伴いましたりしまして、統計調査部が所要の本年度の本定員に準ずる取扱いの昇給はしたいと言っておられますので、それとこの趣旨を尊重して、省全体として目的を達するに近からしめようと思っておるのであります。従来常勤労務者でも人の異動がかなりありまして、人ごとに、新旧の人によりましては待遇が多少差があるわけであります。この異動の中に従来に近い程度は上るのじゃないかと思っております。詳細は統計調査部長からお願いします。
○説明員(野田哲五郎君) 官房長の御答弁がかなり詳細でありましたので、私としてつけ加えるものも少いのでありますが、官房とも打ち合せいたしまして、常勤労務者に対する待遇を定員の職員の待遇に近づかしめていくということに努力いたすつもりでございます。財源につきましては、ただいまお話のようなことも考慮してやりたいつもりでございます。
○小林孝平君 これは先ほど言いましたように、資料をいただきましてからやりますけれども 先ほどのお話ではその人夫賃というのは今度被害調査をやるのに人数が足りないから、その人夫賃でもって補うような話だったけれども、人数も補い、また昇給も補う、何でもかんでもその人夫賃でやれるわけなんですね。そんなにたくさん余裕があるのですか。
○説明員(野田哲五郎君) 人夫賃につきましては被害の調査に限りませず、面積の調査、作況の調査等もございまして、全体として約二億程度の予算を取るわけでございます。これは一定の単価で積算してありますけれども、仕事の種類によりましては、その支払い額は上下いたしますので、さような点で調節をはかっていくつもりであります。
○政府委員(安田善一郎君) 小林委員のただいまの点は余裕はないのであります。従来の慣例的には余裕はないのでありますが、人夫賃の方は延べ人日で出してあります。常勤労務者になりますと、これは長期に特定の人が続いて職員として勤務するのでございまして、その一人の人を待遇をよくするように常勤的ならしめて延べ人日でまかなうようなふうに持って行って、待遇改善をはかりたいと思っております。かつまた仕事の量もそれでカバーしたいと思っておるわけであります。
○小林孝平君 そのやり方はよくわかっておるのです。ただその人夫賃を、さっき常勤労務者が足らないと、被害調査をやるのに足らないからその不足分はその人夫賃を使ってやると、こういうお話だったのです。それで、これはだいぶん余裕があると思っておったら、この人数の方もそれでやる、さらに昇給の方もそれでやるということで、相当余裕があるのではないかと、こういうふうに考えましたので、そういうことができればそれで文句はないのですが、まあ将来できるかどうか、この次資料をいただきましてから一つお尋ねいたします。
○三橋八次郎君 増員の方でございますが、先ほど官房長の説明によりますと、普及官の設置と、これは普及員と仕事の内容は違わぬじゃないですか。
○政府委員(安田善一郎君) 私の説明は言葉足らずであったかと思いますが、新しい意味の、かりに名前をつけますれば普及官とでもいうものという意味で申し上げましたが、改良普及事業の職員とは違います。もっと恒久業務と申しますか、地域試験場で成果を得ましたようなものをそしゃくして、これを一般に普及せしめることの方によく結び付き得るような恒久な仕事を持っておるわけでございます。
○三橋八次郎君 この修正増員要求という資料を見ますと、普及官というのは十六名要求しておるのでございまして、それから今の第十四番目に書いておりますのとはこれは項目が違っておるのでございますが、仕事の目的も違うようですが、あとの方を生かして前の仕事もしようということでございますか、いかがでございますか。
○政府委員(安田善一郎君) それは別に考えまして将来を期して両方を拡充しようと思っているわけでございます。
○三橋八次郎君 将来と申しましても、今度の地方試験研究機関と国の試験研究機関との連絡強化のためのこれと、それから要求されております十六人というのは、普及員との連絡強化をはかるという意味でございますか。
○政府委員(安田善一郎君) そういうところまで持って行きたいと思っております。
○三橋八次郎君 これは部分的でありますが、これは将来全国に及ぼすというような御計画があるのですか。
○政府委員(安田善一郎君) 全国の各地域試験場でございますか……。
○三橋八次郎君 これは今年度分はえらい地域的に片寄っているように思いますが、全く環境の違った所でこういう試みをやってみるというような御計画はないのですか。
○政府委員(安田善一郎君) 東日本と西日本に置くといいかとも思いましたが、御承知のように東海、東山地域試験場は相当広い所でございまして、本省とまず最初に置くときに連絡の一番いい所を、二毛作地帯と片や単作地帯と分けてございます。
○委員長(江田三郎君) なお本日の予定としましては、海外農業移民の問題を議題にいたしたいと思っておりましたが、だいぶ時間がおそくなりましたからあすに回しまして、本日はこれをもって散会いたします。
   午後零時五十一分散会