第024回国会 建設委員会 第20号
昭和三十一年四月四日(水曜日)
   午前十時四十八分開会
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  委員の異動
本日委員小笠原二三男君辞任につき、
その補欠として松浦清一君を議長にお
いて指名した。
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 出席者は左の通り。
   委員長     赤木 正雄君
   理事
           石井  桂君
           小沢久太郎君
           近藤 信一君
   委員
           石川 榮一君
           伊能繁次郎君
           入交 太藏君
           斎藤  昇君
           酒井 利雄君
           西岡 ハル君
          小笠原二三男君
           田中  一君
           北 勝太郎君
           村上 義一君
  衆議院議員
           田中 角榮君
  国務大臣
   建 設 大 臣 馬場 元治君
  政府委員
   大蔵省主計局次
   長       原  純夫君
   建設大臣官房長 柴田 達夫君
   建設省住宅局長 鎌田 隆男君
   建設省営繕局長 小島 新吾君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       武井  篤君
  説明員
   建設省道路局路
   政課長     宮内 潤一君
   建設省営繕局管
   理課長     村田 義男君
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  本日の会議に付した案件
○積雪寒冷特別地域における道路交通
 の確保に関する特別措置法案(衆議
 院提出)
○海岸法案(内閣送付、予備審査)
○官庁営繕法の一部を改正する法律案
 (衆議院提出)
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○委員長(赤木正雄君) ただいまから委員会を開会いたします。
 積雪寒冷特別地域における道路交通の確保に関する特別措置法案、右を議題に供します。
 本案につきまして質疑のおありの方は、順次御発言願います。
○衆議院議員(田中角榮君) この際、皆さんに御了解を得るように、一応申し上げたいのでありますが、予備審査のためお手元に御配付申し上げ、審議をわずらわしておりました木議題が、衆議院通過に際して、一部修正になりましたことを申し上げたいのであります。
 それは第三条第一項中、「達成するため、あらかじめ運輸大臣の意見を聞いた上、」という字句を挿入いたしたのであります。これはこの法律案を立案いたします過程におきまして、運輸当局から特に、道路交通確保のために必要な立法でありまするから、運輸大臣の意見を聞いてくれというような強い要請がありましたので、衆議院における審議の過程でこの条文を慎重に審議をいたしたのでありますが、運輸当局からの申し入れをいれて、ただいま申した通り、「運輸大臣の意見を聞いた上」という条項を挿入するように修正をいたしたわけであります。
 以上御報告申し上げます。
○北勝太郎君 積雪寒冷地帯の交通確保のことは、これはもう積雪寒冷地帯はほとんどブルトーザーが来ましたから、住民の常識化してしまったわけです。それでかりに補助金がもし来なくともどうでも、これは通るものだと思うのでありますが、どういう工合にお考えになりますか。
○衆議院議員(田中角榮君) お答え申し上げます。現在でも、交通量の多い重要幹線は機械力を使って除雪を行い、冬期間の運行の確保をやっているわけでありますが、これはごく最近の話でありまして、ここ二、三年来急速に冬期間における交通確保の措置がとられているわけであります。ところが、この種の問題に関しては、国が補助をする規定が現在のところ明文化されておらないわけであります。その意味で、実際問題からいいますと、業者、それから地元の強制賦課をやっているわけです。それで年間のうち、五カ月も六カ月も冬期間は交通ができない所でありますから、強制賦課にも応じているわけでありますが、このようなことは道路法改正の当時も、いわゆる道路は無料公開の原則に立つという基本論から、住民に対して特別な賦課金等を行うべきではないというのが、現在の新しい道路法の基本観念になっているわけであります。そのような意味において、今までは交通を確保したいために、この条件に多少意見があっても強制賦課に応じておったようなものにプラスをして、国が補助をする道を開くことによって、冬季の交通確保がより大きく進展をするというふうに、この法律で道を開いたわけであります。
○北勝太郎君 私は、自分のことを申し上げては何ですけれども、実は数年前からブルトーザーを入れまして、それで冬季の石炭運搬にトラックを使っているのです。トラックを数台持っております者は、冬季は外の運輸に使えませんので非常に因っておりますけれども、それで道を開きますと、楽に石炭の運輸ができるわけです。そこでその経験によりますと、除雪のための費用というものはきわめて少いもので一あって、また年がら年じゅう道の雪をはねなければならぬわけでもないのです。吹雪のあとにあけるというわけでありまして、融雪時に道路が凍り上って、その道路の修繕費用に金がかかる、むしろ除雪の費用よりは道路修繕費がかかるんだ、こういう工合に思うのでありますが、その割合は大体どんな工合になっているのですか、経費の内容を伺っておきたい。
○衆議院議員(田中角榮君) これは各個所によって違うのでありますが、この法律の目的といたしております大半の問題はそこにあるわけであります。いわゆる長い冬期間を持つ道路、特に東北、北海道、北陸その他は現在砂利道でありまして、融雪時の路盤損傷は、今申し上げた通り、非常に大きいのであります。ところが、現在の道路法及び道路の修繕に関する法律によりましても、維持費は管理者が持つことになっております。北海道を除きましては……。北海道だけは維持費も国が補助することができるようになっておりますが、道路の維持は府県及び市町村がやることになっておりますので、この積雪寒冷地における道路というものは、融雪時から六、七月ごろまで非常に悪いわけであります。特に年度予算の通過がおそいような場合には、三月末から四月の融雪期に路盤を直もに直さなければならないにもかかわらず、これが直らないでおる、砂利が入らないうちに梅雨にぶつかってしまうというので、表日本に比べて道路の損傷は二倍、三倍にも上っておるわけであります。そのために道路が積雪時を除いた時期においても非常に悪い、こういう原因が作られておるわけでありまして、除雪の費用及び除雪機械の整備に対して国が補助すると同時に、もっと大きな面は、いわゆる融雪時の路盤の損傷を急速に復旧するような方法、また特に、どうせ融雪時にはほかの道路よりも非常にいたむのでありますから、特別な考えで、今までの砂利道というものに対して、もう少し側溝を作るとか、融雪災害を防止するような構造に変えますと、今までよりも多少道路の修繕費、維持費がかかるわけであります。この面に対して大幅な国の補助の道を開く、こういうのでありまして、融雪時の路盤の問題の解決と、降雪時における除雪という二つの目標を、大体同一のレベルに置いて考えておるわけであります。
○北勝太郎君 その費用の割合はどんなことになっていましょうか。
○衆議院議員(田中角榮君) これは前回も申し上げた通り、この法律が通りましてから、雪の降る道路は全部が全部この法律で適用するというわけにも予算が許しませんので、いわゆる一級国道とか二級国道、指定府県道というような意味で、その地域の交通量の多い所、経済的な問題も加味して考えますので、今すぐ明らかな数字を申し上げられませんが、私の個人的に今端的な見方をすると、まあ二分の一くらいずつになるのじゃないか、こういう見通しであります。
○北勝太郎君 この補修費がたくさんかかるということですが、舗装された道路にはその必要がないのだと思いますが、どうですか。
○衆議院議員(田中角榮君) 舗装した道路に対しては、除雪を行うということだけであります。ただ、ここで申し上げます通り、表日本、特に大都市の道路は、メーター当り二万円もかかる所があります。一万五千円、一万六千円、七千円、最低の所は二千円でやっておる所もあるのでありまして、非常にものさしが違うわけでありますが、どうしても経済的な問題とからみ合いますので、特に交通量の少い東北地方やその他の道路というものは、比較的にメーター当りの単価が安い。安いというよりも、道路構造そのものが完全に行われておらない。おらないために、安かろう悪かろうという結果になって、特に除雪、融雪という二つの問題がからみ合いますので、全く一年のうち半年は道路交通の確保ができないような状態でありますので、そういう面、いわゆる舗装する場合におきましても、この法律が通った以上、今までのような観念で舗装を考えないで、技術的な面に対しましても、プラス・アルファを考えなければならぬのではないかということを考えておるわけであります。
○北勝太郎君 この問題は、要するに予算がないとか、経費がかかり過ぎるとかということの問題であろうかと思うのでありますが、大蔵省あたりの反対するのはそういう点だと思うのであります。しかし、あらかじめ建設大臣の指定する道路というものを舗装された道路だけに限れば、非常に費用は少くて済むのじゃないかと思うのでありますが、どうですか。
○衆議院議員(田中角榮君) これは前回も御質問がありましたようでありますが、道路計画にお出しになっておるのは百十七億、五カ年組んでありますが、これではなかなか大蔵省はのまないのじゃなかろうかと考えております。ただし、これは衆参両院の議決で、百十七億というよりも、二百億も三百億もというような議論もできると思います。しかし今の状態では私はそう、この法律が通過したからといって、一挙に予算を拘束するような法律を考えるよりも、徐々にでもやってもこの法律の目的が達成できるようにしなければならない、こう考えます。この建設大臣の指定に対しては、交通量というものを結局考えまして、表日本ほど一日に何台以上、何千台以上というものさしではかるわけにはいかないと思いますが、少くともその地域の主要な道路であって交通を確保しなければならないという道路に制限をし、予算と見合った計画がその年度々々に作らるべきだと、こういうように考えておるわけであります。
○北勝太郎君 法律の条文によりますと、予算の範囲内で経費の三分の二以内ということにされておる。きわめてなまぬるいことをきめておるようですが、これで満足できますか。
○衆議院議員(田中角榮君) この原案は三分の二でありました。三分の二でありましたが、道路の修繕に関する法律とかその他いろんなこの種の公共事業の率が、二分の一もありますし、三分の二もある、こういうので、特にこの法律は政府提案でありませんで、大蔵省にも多少異論があるわけであります。まあしかし異論はありますが、この法律を否定するほどの論拠がないわけであります。
 なぜかと申し上げますと、これは非常に大きな政治論になりますが、この法律が衆議院において立案されましたときに、現在ガソリン税相当額を道路整備五カ年計画の費用に盛らなければならないという法律があって、もうすでに三年間、三百万リッターに上るところのガソリン消費量に対する税額相当額を、法律で縛って盛っておるのだ。その上になおこういうものが幾つも出てくる場合には、道路費というものは国家予算のワク内で占めるものが非常に大きくなるのではないかというふうな議論があったのであります。私どもはなぜこれを超党派的に出さなければならないかといいますと、今のようないわゆる経済問題とひっからめて、経済的に価値のない所はもう一切国が資本を投下しないのだという議論には、政治的には賛成できない。なぜなら、そういうことをやっておるならば、これでしかもそのデータというものが二カ年、三カ年の実績をもととしてのみ作られておるということになると、東京はよくなるだけであります。大阪もよくなるだけであります。そうすると、まあ九千万、一億の人口が、しまいに東京、大阪に八千万も集まるような議論になるじゃないか。それでは困るから、人口の再分布を政治的にはからなければいけない。しかし冬期間五カ月も六カ月も交通運輸の途絶するような地方で、同じ条件下において事業は発達するものではない。事業の発達しない所に人口は定着するはずはないのだ。その意味において、今政府の考えておるように、北海道に対して三百万、五百万の移民計画を行うと同じように、未開地に対しては国が大いに金を入れる、そして人口の再分布をはからなければならないのだと、そういう意味で、この積雪寒冷地帯の道路交通確保に関する法律案、ただ単に今いる住民が道路交通の確保をはかるということだけではなく、そうすることによって今までペイしなかったところの積雪寒冷地におけるあらゆる事業がペイ・ラインに乗るようにしなければいかぬ。そして人口の大都市に集中するものをこの法律によって幾らかでも緩慢にしなければならないという大きな政治目的を持っておるのだから、だから五カ年百十七億というと非常に大きなようであるが、ある面から考えると、それよりももっと大きな費用を政府自体がこの法律の趣旨に沿うて支出をするようにしなければならない。こういうことで、まあ向うも逆に政治論を聞かされて、反対する理由もない。でき得べくんば、一兆円の予算を組みたくないのでありますから、お手やわらかにお願いしますと、円満妥結をいたしまして、この法律が通過すれば、政府との間に十分調節をとり、この法律の趣旨が完遂せられるようにはからなければならない、こう考えております。
○北勝太郎君 雪国では、御承知の通り、三カ月ないし五カ月間雪のために交通ができないために、遊休するといいますか、冬眠状態に置かれる自動車の数は相当なものだと思いますが、この数は概算してどれくらいの数だとごらんになりますか。
○衆議院議員(田中角榮君) これはまあ、ちょっと私もまだ正確な資料を持っておらないのでありますが……。
○北勝太郎君 大よそでいいです。
○衆議院議員(田中角榮君) 一例を申し上げますと、この百十七億という数字を、あとから、本委員会においていろいろ御質問の対象になりましたので、ほかから出された資料でありますが、逆算してみますと、この程度のものを支出しましても、冬期問道路交通が確保されておるならば、事業としては合うのであります。十分ペイ・ラインに乗るわけであります。三カ年も五カ年も国が投資するようなことはありません。なぜかといいますと、バス、ハイヤー等を行なっております者が、十二月の十五日から四月十五日までまる四カ月問、一応会社から除席をしたことにして、失業保険の給付を受けておるわけであります。この失業保険の給付を受けておる額を計算しましたり、その間失業保険の給付を受けておりますと他に転職を行なったりして働けないという法律の制約がありますので、ほとんどねておるのであります。こういう人の労働賃金を換算してみますと、五カ年間に百十七億というような問題ではなくて、一カ年に匹敵する金額が遊休されておるということであります。
○北勝太郎君 この冬眠状態におる自動車が、これはフルに活動し出すというと、相当大きなガソリン税がとれるものと思いますが、政府は予算上でそう苦しまないでいいのじゃないかと思いますが、どう考えますか。
○衆議院議員(田中角榮君) これはガソリンの使用量がふえるのであります。三年ばかり前にこの委員会で御審議を願った道路整備五カ年計画法の審議の当時、大蔵当局は、日本が三百万リッターのガソリンを使うようになったら、日本の経済は破滅すると言っておったのでありますが、破滅も何もしないで、伸びつつある。もうすでに二、三年たった今日、三百万リッターになっている。この間本院を通過した予算には、明らかに三百万リッターで計上しておるのでありますが、その意味におきまして、この種の法律が通り、冬期間の運行ができるという場合には、ガソリンの消費量もふえるわけであります。このガソリンの使用量がふえた場合は、道路整備五カ年計画法がまだありますから、私たちはこの法律はぜひ参議院の皆さんのお力添えを願って恒久法にしたいという考えを持っております。持っておりますが、この法律がある以上は、ガソリン税相当額は道路整備五カ年計画、または第二次五カ年計画に盛らなければならないのでありますから、この費用がふえたから、この法律によって冬期間の道路交通がふえ、ガソリンの消費量がふえて、税収入は上りましても、一般財源としては拘束をされておるわけでありますが、これだけ国の富がふえるのでありますから、もちろん当然私は財源としてふえてくるものでありますので、このような支出には国は応ずべきだという考えであります。
○委員長(赤木正雄君) ほかに御質疑ありませんか。
 私一つ、第一条に「この法律は、積雪寒冷の度が特にはなはだしい」と、この度といいますか、大体どれくらいの積雪寒冷をお考えになっておるのでしょうか。
○衆議院議員(田中角榮君) これは農林関係で積雪寒冷地における特別措置法を作った前例がございます。大体この程度のことを考えておるわけでありまして、凍害があるという所でありますので、これは府県地域の指定には相当問題があると思いますが、大体同趣旨の地域を指定するという考えであります。
○小笠原二三男君 大蔵省からもお見えになっておるから、ちょっとお尋ねしたいのですが、この議員立法を見ますと、三十二年以降にこれを実施したいということになっておって、その理由としましては、三十一年度はもう予算も通過したことである、従って予算のそれと見合いのない法律を強行することはいかがか、それでかえってこの方がしっかりした予算の裏づけを三十二年度から得るのに都合がいい、こういう提案の理由だったので、それで大蔵省としましては積極的に、この趣旨を体して、三十二年度にりっぱにこの計画に基く予算をおつけになる御用意を今後においてお持ちになるかどうか、御協力を願えるということになるのかどうか、はっきり御答弁願いたい。
○政府委員(原純夫君) 法律でございますから、国会で御決議になりますれば、私どもできるだけやらなくちゃならぬと思っております。ただ、実はこの法律案をお考えになりお進めになる過程におきまして、私どもとしましては、財政非常に苦しい中でありまするし、特に道路につきましては道路整備五カ年計画の推進のために揮発油税の収入を充てて相当推進いたしております。もちろんそれでも足らぬという考え方もあるわけでございますけれども、他とのバランスから申しまして、一般財源をさいてさらにこういうものについて相当なことをやるということは、なかなかむずかしいのじゃないかというふうに考えますが、むずかしい中を、法律ができれば、できるだけやらなければならぬということだろうと考えておるような次第でございます。
○小笠原二三男君 そうしますと、建設大臣が、毎五カ年を一期として五カ年計画を立てて、閣議決定になった。そうしますと、閣議決定になったものに伴う予算の裏づけは、財政困窮の折からでも、決定ある以上はそれに見合う予算はつけなければならぬというお考えになると思うのですが、そう了承してよろしゅうございますか。
○政府委員(原純夫君) 閣議で決定いたしますれば、できるだけそうやるということでございますが、いろいろこの財政は、まあ五年先といいませんでも、毎年々々いろいろな事情が起って参りますので、その場合に非常にはっきりした形で将来を縛るという方式と、それから一応五カ年計画を立てておくが、そのときの情勢に応じて、総体とりまとめる際はその年々の予算で見るというやり方と、いろいろあるわけでございます。気持においては、もちろんきめましたものはそれをやって参るという気持でいかなければいかぬと思いますが、ただいま申しましたそのときどきの国際、国内の情勢に応ずるいわゆる年度予算主義という要求もございますので、その辺は情勢の進展とにらみ合せて、そのときどき善処していかなくてはならないというふうに考えておる次第でございます。
○小笠原二三男君 積雪寒冷地帯における冬季の交通確保という問題は、やはり経済再建なりあるいは経済交流の上から重要であるとして、この法案が提起されておると思うのです。そういう意味からいえば、むろんあなたの方の諸事情もあるから、この法案としては予算の範囲内ということで柔軟性は持っておるわけでありますが、この法が目的としておるというものの実効が上る程度のものは予算をつけてもらわなければならぬというのが、この本案を通過せしめる院の意思であろうと思うのです。そういう点を十分今から御考慮願っておきたいというのが、この通過する前に当ってはっきりしておきたいという点なんです。そういう意味で申し上げておるので、善処していただくということで、むろんけっこうです。
 ところが、もう一つ、これが三十二年度から実施になるということになりますと、三十二年の冬季であります、三十二年から三十三年にかけての問題になるわけであります。ところが、三十一年度、本年の冬季の場合にはこの法律の適用がない。しかしながら、冬季の交通確保は緊急の問題であるということも、またひとしく認め得るところなんですね。それで提案者に、この点はどうなる、なぜ三十一年度にしないかと言いますと、先ほど申し上げたような前段の理由と、後段の理由としては、こういう法律が出た以上、また緊急性ありという以上は、本格的には三十二年度から予算をつけるということになっておりますが、本年の補正等の予算問題があるときには、道義的にも大蔵省は好意的にこれが援助のための財源を確保してくれるであろうという希望を、提案者は強く持っておられる。この点は大蔵省との間にも了解があるのかないのかということまでまあお話をしたいと思ったのですが、それでもちょっとお困りだろうから、やめておくわけだったのですが、そういう場合にはやはり好意的な御援助が期待できますかどうか、お伺いします。
○政府委員(原純夫君) こういう法律ができますれば、それは積寒地帯の道路の路盤改良その他の仕事が大事だということを国会で御決定になるわけでありますから、その御意向は十分尊重いたしたいと思います。
 ただ、ここでちょっと申し上げておきたいのは、先ほど申し上げたガソリン税であります。道路整備五カ年計画、その中でその路盤改良はできるわけなんです。私どもとしましては、先ほど申しましたように、極力その中におけるウエートを高めるということをやっていただきたいと。別にこれは別ワクなんだから、ガソリン税はほかのことをやってくれ、これは別ワクで使わせてくれということは、率直に申しまして、なかなかむずかしいと思います。その辺、やはり道路全般における積寒地帯のこういう道路の特殊な工事のウエートというものについて、国会の考えによってやるのだということを示される意味において、私どもこの法律ができますれば、そういうふうに受け取って、そういうような意味においては、これはむしろ建設省の方で十分そういう点を考えていただかなければならぬと思うわけでありますが、そういうような方向では十分やっていかなくちゃならぬだろうというふうに考えております。
○小笠原二三男君 今あなたの方から、率直な御意見で、本音らしい話が出てきましたから、お尋ねしようと思っておったことなんですが、最後にもう一点お尋ねすることは、ガソリン税を引き当てにして道路五カ年計画をやっておるんだ、またその中にもこの種の関係の予算はある、だからその方で効率を高めてほしいという御意見でありますが、少くともここで出てきます「毎五箇年を各一期として」云々という意味は、それにそのワクよりは幅の広いものがあるということになるわけなんで、従って、その予算と申しますか、財源を、道路整備五カ年計画の事業量を減らすなりすることによって、その部分の財源を捻出してくる。総ワクは変らないというようなことであるならば、この財源確保の趣旨からいえばこれは相ならぬこと、矛盾していることであるということは、再三この委員会でも論議もし、質疑もしたことなんです。ところが、提案者は、それには手をつけない、それはそれだ、これはこれである、そういうふうに政府当局にも十分やってもらうように努力するんだという意見だった。ところが、案にたがわず、あなたの方はやはり、いよいよとなれば、総ワクは動かさんでただ費目だけを分類する、別ワクを立てるだけだというようなことになりがちなことが、私たちとしては予想される。あなたが言うように、この点をはっきりしておいてもらわないと、この法案は、通るには通ったけれども、何のことやらわからぬということになる。
○政府委員(原純夫君) 私の申したことが、ガソリン税のワクで完全にやり切れるというふうに受け取られたとしますと、非常に間違いだと思います。やはりそれ以外のでもやってくれという御意思である。法律ができれば、それには極力協力しなければいけません。ただ、全般苦しいから、そこの方はなかなか、まあ何と申しますか、十分なことには参りかねますという趣旨なのでございます。非常に苦しいことが非常に強く出て、ワクが変らぬというふうにお聞きになったとしたら、それはそういう建前ではないというふうにあらためて申し上げたいと思います。
○衆議院議員(田中角榮君) 補足して申し上げたいと思います。これは今大蔵省側からお話がありましたのですが、どうもおかしい話であります。法律は全然別なものであります。道路整備五カ年計画の実施中でありまして、この法律でも積雪寒冷地の道路の整備ができるんじゃないかというのですが、それはもちろんやっておるのです。その法律とは全然別な財源で、この法律を作ってそれ以上にやろうというのでありますから、ガソリン税収入が上ろうが上るまいが、そういうものとは全然関係がないのでありまして、この法律が通ったならば、ガソリン税収入額相当額以外の財源でまかなわなければいけない。とにかくまかなうように一生懸命努力しますというが、努力をしない場合はこれは法律違反でありますから、そういうことをなさらないということは原則であります。
 もう一つは、はっきり申し上げておきますと、ガソリン税収入と同じ額の中でこの法律の要求する費用をまかなおうとしたならば、現行の道路整備五カ年計画を改正しなければならぬ。その場合にまた予算上の審議を得るわけでありますが、この法律は議員提案でありまして、しかも衆参両院満場一致のものでありまして、しかもこの法律を通すならば、この法律で要求する費用が道路整備五カ年計画のワクの中に食い込むというような修正には応じない。またそういう改正案を出す意思は衆議院においては毛頭ございません。ございませんから、いわゆる現行の道路整備五カ年計画は尊重し、しかもこの法律が通過をする場合には、院議できまって立法せられるのでありますから、財源の苦しいということに対してもまたいろいろな議論があります。もっともっと大幅に削れるんじゃないかという議論があるのでありますから、経済復興のためにどうしてもこの法律が必要であるということで、この法律が立法せられる以上は、法律のいわゆる立法精神をくんで予算を組むべきだ、また組まるべきだ、こう考えております。
○小笠原二三男君 そういうのが原則なそうですが、大蔵省はどうですか。
○政府委員(原純夫君) 実はどうも、話がだいぶ強い話になってきたので驚いておりますが、第四条の五カ年計画は、やはりその一部は、道路整備五カ年計画と申しますか、ガソリンの財源でもよろしいと実は私ども解釈いたしておるわけであります。まあそう申し上げると、それじゃそれはいかぬように直せというふうに言われますと、なおさら困るのでありますが、それはやはりあれだけの財源を充ててやっているというのは、相当制度として奮発した制度だと思うのであります。もしその中において、あらたまって申し上げますれば、積寒地帯の道路の改良が順位が低いというなら、やはり低いでもって、その低いものを別ワクで何しろと言われるのは、どうもおかしいのではないか。総体のワクの中における順位を高める、やはりそういう場合に、これはいろいろ農業でもございますが、いろいろへんぴな農地ですね、それは生産性は低い。従って、予算をつけてこの改良をやるのには通常の順位がおくれるが、そういうのは特殊地帯として順位が上るということはございますが、やはりそういう場合には総体のワクの中で順位が上るというふうなお考えにしていただきませんと、どうも財政の方はつらいので、先ほど申し上げましたように、ガソリン税分だけをやるというふうにはもちろんなっておりませんし、そのお気持はなるべくそういうものもあるからふやせというお気持であろうと思いますから、そのワクの中でやり切れということは申さないのでありますが、ガソリン税のワクを使っちゃいかぬとおっしゃるのでは、どうもそういう御趣旨でないように受け取っておりましたし、そういうふうにまた実はしていただきたいと思う次第でございます。
○小笠原二三男君 私、審査している案件は、提案者の提案の趣旨をそのまま聞いて、それを前提として審査している。ところが、政府の方は、そうではない、必ずしもそうではない。そうでないように一つ考えられて、この法案をきめてほしいというわけです。これはもう明らかに、提案者と政府のこの法律に期待している点が食い違っているわけです。提案者は、大蔵省側のおっしゃるようなそういう形ででもいいから、まげてこれを通してほしいと、提案の趣旨を変更になられるお気持があるのですか。
○衆議院議員(田中角榮君) 変更する意思は全然ありません。
○小笠原二三男君 そうすると、これがそういう趣旨で通った以上は、大蔵省はそれで、相当額とは別ワクであるという形で予算を組まなければならないと考えますが、いかがですか。
○政府委員(原純夫君) 実は私ども、この第四条あたりにその点が盛られれば盛られているのだと思いますが、それには何もそういうことは書いてない。法律の解釈は、やはりそういう大事な点は、法律自体で読めるならばそれで読める。私こう申しておるのは、決していいかげんに申しているのではないので、衆議院段階において御審議の途中に、いろいろ関係の議員さん方との会議もありました。そういう際においていろいろ申し上げ、それから私の趣旨はそういう趣旨であるというふうに承わっておりますので、今私がにわかにこういうふうに申しているのではございません。やはりあれだけの強い制度のほかにこの相当な額を盛れということは、これは国の財政はそれならばやっていけないと思います。率直に申して、そう思いますので、ずっと従来の御審議の経過においても、またその辺の調整は十分やっていただけるというふうに私どもは承わっておりますので、ぜひ一つそういうふうにお願いいたしたいと思います。
○小笠原二三男君 これは確かに、提案者がおっしゃる通り、三年前われわれ当委員会で道路整備五カ年計画の立法をまあ認めた。その趣旨が今日生きている限り、これは提案者の言う通り、われわれはこういう法律を新たに作ろうという場合においては、別ワクである、こういう考えを持っているわけであります。ところが、今の大蔵省側のお話では、衆議院における提案の過程において十分それは意思が通じ合っておったことなので、今そういう点を言われるのはまことに心外であるというやの御意向なんです。こうなれば、提案者と政府側の一致した了解はない。どうもわれわれこの法案を審議し、今通過せしめようというとたんに、裏づけ財源について意見の食い違いがあるということは、これは困る。どっちかに片をつけてもらわなければならぬ。どうなんですか、田中さん。
○衆議院議員(田中角榮君) ただいま申されたその通りであります。道路整備費の財源等に関する臨時措置法第二条に規定する道路整備五カ年計画の実施に関する国費財源としては、いわゆる当該年度の揮発油税収入額を充てるのだということは、明らかに法律できめてあるのであります。この法律を改正しない以上、新しいこの道路交通の確保に関する法律が出て、国が補助しなければならないと規定した場合には、当然この法律の求むる財源は別に支出しなければならないと、こう簡単に私は割り切っておるわけであります。
 ただ、でき得べくんば、これは予算を伴う事業でありますので、実質的には政府とできるだけ十分連絡をし、調整をして出されることが好ましい現象であります。ところが、政府は何でもかんでも全部議員の言うことを聞くとは限らないのであります。まあこれは一例を申し上げますと、自由民主党も、選挙区では相当大きなことを言っておるわけであります。その政策をまとめてみると、最終になると千三百七十億ばかりという党の要求が出るわけであります。これはまあ大蔵省は、とても財源が許さないということで、二百億でついに最後は妥結して、参議院ではおしかりを受けておるわけであります。できもしないことをどうしてしゃべっているのか、こういうおしかりを受けるわけでありますが、私は大蔵事務当局とお話して、どうしても議員がお考えになることであっても、なかなかうまくいかないということは、これはいつでも大蔵省は申されるのであります。しかしこの問題は、いつでも大蔵省が財源の問題でもってなかなかむずかしいと言われておることでも、非常に重要度が高いのでありますし、特にこれは衆議院におきましては全会一致の法律案であります。その意味において、衆議院及び参議院の院議によって法律ができれば、当然政府は拘束されるわけでありますが、それかといって、無理に拘束をしよう、政府とは全然話し合いがつかないのだという考えで、これを出しておるわけではないのであります。しかも社会党さん及び自由民主党が、お互いに超党派で出すというのでありますから、できるだけ円満にやれるようにと、こういう慎重な態度でやったのでありますが、実際私たちがこの法律案を提案し、御審議をわずらわして通していただくのには、五カ年間に二、三百億も出していただきたいという腹があるのでありますが、それでは予算編成権を拘束するであろうと思うから、大蔵当局の良識に待とう。もうこの段階になっては、これは大蔵事務当局はいつまでいっても、まあガソリン税も入れてくれ、特に道路整備五カ年計画法は、この国会で修正をし、道路公団に出資をすることができるというふうに道を開いたじゃないか、そういう前例もあるから、それに合わすようにこの法律を適用してくれないかというのでありますが、これは衆議院におきましては、社会党も自由民主党も反対であります。それであるならば、先ほどあなたが申された通り、この法律を出す必要は何もないじゃないか、こういうのでありまして、最終的な問題としては、結局二、三百億というところを、百億でしぼるか、また予算を編成するところで六十億になるか、五十億になるかということは、まあお互いが財政問題をにらみ合わして、当該年度の予算を編成するときになって円満に妥結すればいいじゃないかというので、大蔵省の希望を入れて、三分の二ということでありましたが、「三分の二以内」、しかも「予算の範囲内」ということまで譲ったのであります。
 だから、まあもちろん譲ったのでありますから、大蔵省当局はここに来られて、またできるならばガソリン税に入れてくれないかなどと、できもしないことをお頼みにならないで、ガソリン税以外で本法の要求する費用は捻出に努めます、努めますが、その限度にはおのずから際限があるのでありますから、何とか一つそこで折り合っていただきたいと言われる方が、私は正しいと思います。しかも大蔵事務当局がここへ来て、何でもかんでもとにかく予算が許さない、一兆円の予算を組んでおるのでありますが、しかも一兆円というワク一ぱいというのではない。一兆をオーバーして、来年は一兆二千億になるかもしれないのであります。そういうことを考えておるときに、この財源をいつまでも一兆円というワクにはめられておるという前提で、自繩自縛で、冬季間日本の半分が交通確保ができておらないというその交通確保に対して道を開き、しかもそれが人口の再分布の原因を作り、地方産業の発達を大きくして、いわゆる都市に人口が集中するのを防ぐんだ、こういう大きな政治命題を持っておるこの法律案に対しては、もう少し私は奮発いたしますと、こういうふうな御答弁があるものと期待をしております。
 まあこの法律案を出すときにも、この程度で話がついたら出そうと全会できまりましたのは、今耐火建築促進法という衆参両院の議員提案の現行法があります。初年度は二億、四億、六億、八億、十億と計上し、五年間で立体的な都市に進めなければならぬ。二年たったら、もうほとんど田地田畑はみな宅地に変換されてしまうという意味で、衆参両院の議決がなされたのであります。それが四、五年たったら、今年度は原案においてはゼロにしよう。それが千万円に増額され、最後に大蔵事務当局の良識によりまして六千万円にしたのであります。六千万円では困りますぞと言ったら、その舌の根のかわかないうちに、能代の大火が起ったのであります。大蔵事務当局も非常によくお考えになっておるようでありますが、ただ過去の実績だけを累積してものを考えておられますが、政府も実績だけを見ておったんじゃ話にならない。先を見て一つ立法しよう、こういうのが衆議院の両党の意見でありまして、この法律案を出したのでありますから、もちろん私も与党でありますので、政府との円満な連絡はとらなければならないとは思いますが、この法律案審議の過程において、ガソリン税収入額の中の一部でも繰り込んでもらいたいという議論には、いささか賛成できないのであります。
○小笠原二三男君 今の提案者は、先ほど速記に載っておるんですが、衆議院の方においては、今後においてこういう措置のために道路整備費の財源等に関する臨時措置法を改正する意思はない、分けて使わせるというようなことは毛頭ないという言明であったわけであります。重ねて伺いますが、田中さんは政府与党なんですが、政府側からもそういう改正立法をこの問題に関連して今出させないということを御言明できますか。
○衆議院議員(田中角榮君) この道路整備費の財源等に関する臨時措置法は議員立法であります。議員立法でありますが、今度の道路公団に対する出資金等に対しては、政府は改正案を出しておるようでありますが、私たちは道路公団というものは、どうも政府も非常に大きな権力を持っておりまして、二十億をこの中から出さないと道路公団はできなくなるぞ、できても実際的に運営できないぞという両攻めできたので、まあこの段階においてはやむを得ないだろうといって、万やむを得ずのんだのでありまして、その道が開けたからといって、新しく出る法律の財源も全部追い込んでいくというような考えは、現在のところ、衆議院の建設委員会は特に持っておらないのであります。非常にはっきりした態度を持っております。
 ただ、政府と円満に妥結をしようという問題に対しては、いわゆる三分の二という原案を、「三分の二以内」、「予算の範囲内」ということで、予算がないから一億円でもがまんしろというふうに、いわゆる耐火建築促進法的なことを政府が言われるかもしれません。私はその場合に、これは良識の問題でありますから、いわゆる政府与党の議員でありといえども、この場合にはこれは対決しなければならない、こう私は非常に削り切った考えを持っておるのでありますが、政府も少くとも、超党派で一人の反対者もなく通ったような法律に対しては、円満に解決を望み、この立法の趣旨が通るような予算を組むであろう、こういうふうに考えておりますし、特に先ほども申した通り、現在でも予算の編成に対しては抜本的にものを考えなければいかぬじゃないかということでありますから、この種の費用の捻出は不可能とは断じて考えておらないのであります。
○小笠原二三男君 そうすると、大蔵省側に伺いますが、先ほどの御答弁では、第四条の中にでも財源等についてこの種のただし書き等が明記されていない限り、幅広く読み得るのじゃないか、従って道路整備の方の揮発油税のうちからこの部分にもさき得るのじゃないかというお考えは、お捨てになったわけですか。今でも、こういう説明がある中でも、やはりそのお考えはお捨てにならぬのですか。
○政府委員(原純夫君) えらいぎりぎりしたなんでございますが、私率直に申して、このガソリン税財源を使うて雪国の道路をやるということは悪いことではないと思います。そしてこういう五カ年計画を作られる、積寒地帯の道路交通確保五カ年計画を作られる場合に、当然ガソリン税をもって積寒地帯の道路をやるのですから、それが計画の中に入らないというのはおかしいと思うのです。やはり財政との関係においては、ガソリン税は道路に使う、道路の中でこの種類の道路は別に財源を出すのだということはおかしいのじゃないかと、率直に思います。やはり総体財政の全般の中で、道路にやるという配慮が一つあって、その道路に向ける費用のうち、全国にいろいろ寒い地帯もあれば暖かい地帯もある。工場の多い地帯もあれば農村もある。どういうふうに道路網を敷くかということは、やはり統一的な目でバランスをとって考えるということであると思います。従いまして、道路整備五カ年計画は北の国の道路も必ずやるのでありますから、それを一環として考えない積寒地帯の五カ年計画というのはおかしいのじゃないかというふうに思います。そういう意味で、四条の読み方は、当然それをダブって考える。これはこの理屈で当然そうじゃなかろうかと思っておりまするし、そういうふうに私どもずっと衆議院時代からのお話も御了解しておるのでございます。
 かたがた、先ほども申しましたように、財政との関係からいうても、総ワクをおきめになるのは、やはりガソリン税一本でけっこうで、そのほかにこの地域の道路は別にやってくれ、この地域の道路は別にやってくれというふうな立法は、率直に申して、おかしいと思いますので……。
○衆議院議員(田中角榮君) これは大蔵省当局がいろいろな法律をたくさんかかえておられますので、少し勉強が足らないのです。これは第六条にはっきり書いてあるのです。「道路交通確保五箇年計画に基いて実施する除雪、防雪又は凍雪害の防止に係る事業に要する費用については、道路法(第八十八条を除く。)及び道路の修繕に関する法律(昭和二十三年法律第二百八十二号)の規定にかかわらず、」と書いてある。しかも道路整備五カ年計画法は、道路法及び道路の修繕に関する法律で規定するものだけであります。だから、今衆議院及び政府部内でもって問題になっておりますのは、本州縦貫道路の問題が出ておるわけであります。政府はこれを道路法の改正によって特級国道にしようといっておりますのは、道路法に規定しなければ支出の区分ができないのであります。運輸省当局はいい時期だからこれをもう一つ別の法律で変えてくれないかというので、法律でも縛られておるのです。もう明らかに今度の法律は、積雪寒冷地における道路交通確保に必要な事業を行うための費用の補助をしなければならない、こういうふうに明らかに規定しておるのでありますから、この条文を読むことによって、いわゆるガソリン税収入相当額の中の一部でも使えるということは、道路整備五カ年計画法を変えない以上絶対にできないのであります。だから、大蔵省当局は、もし意思を表明せられるとしたならば、この法律をお通しになる場合には場合によっては道路整備五カ年計画法の改正もあり得るというくらいに幅を持たしていただけませんかというくらいのことが、限度一ぱいの御発言じゃないかと私は考えておるのであります。私たちもいわゆるこの六条によって、三分の二を「三分の二以内」にするということと、もう一つは「予算の範囲内」ということを入れましたのは、どういう意味かというと、そういう摩擦を避けたいと思ったからであります。
 特に今、原君は、どうも答弁がぎりぎりしたようなと言うのですが、どうも友人でありますから、私もぎりぎりしたことを言いたくないのでありますが、公人として公けの立場でものを言っておるのでありますから、法律の精神をじゅうりんせられるようなものに対しては、断じてゆがめた解釈はできないのであります。私はその意味で、友情は非常に重んじておるのでありますが、これは衆議院議員として発言しておるのでありますから、強い意見を出しておる。もちろんその条文の解釈いかんがこの法律の生命を扼するものでありますので、はっきり申し上げておきます。
 特に政府との間にうまく話をつけて、円満にこの法律の運用をはかろうというのは、今まで十二カ月のうち六カ月間も冬季間は車がなかなか動かないのであります。この法律によって車が動くとしたならば、ガソリン税収入総額が――大蔵当局はわずか三年前には、三百万リッターのガソリンを使うようになったならば、日本経済は破滅すると言っていた。それが破滅も何もしてない。この意味において、この法律がまた出て、大蔵省が百億出されれば、大蔵省は、ガソリン税の収入が四百万リッターになるかもしれない。そういう場合には、私はガソリン税収入の中にこれを少し入れたらどうかということは、これから起きる問題であって、現在の状況は、立案者はそのように妥協する意思はない。なぜかといいますと、これは端的に申し上げて、衆参両院で道路整備五カ年計画法を制定し、しかもこれを恒久立法化そうという根本の問願は、日本の経済再建は今のような予算の配分ではいかないということを、御議決になったわけであります。道路交通の確保をしないで日本の経済再建はあり得ないという結論が、この法律を作ったのであります。現在でも一級国道九千七百キロ、二級国道二万三千キロ、指定府県道が二万七千キロ、約六万キロあるのであります。この中には五トン制限している橋が十四万三千橋もあるのであります。このような状態で、しかも平均時速十七・五キロないし十八キロという制限速度をもって運行しておる現在の自動車交通では、日本の経済は破滅する。その意味で、これを全部やるには約二兆円かかるのであります。そういう大命題を完遂するために、ぜひともやむを得ず道路整備五カ年計画法をやろうじゃないか、こういうことで、一面においてはガソリン税を廃止する、改正するという意見が大蔵省にあるにもかかわらず、この種の略奪徴税というものはよくないけれども、日本の経済再建のためにはやむを得ないからこの税法をそのまま存続せしむることによって道路整備を行おう、こういう大きな趣旨で、現在道路整備五カ年計画法が制定され、存続せられている以上、三百万リッターになったからといって、私はこれに今すぐこの除雪の費用まで食い込むという議論ははなはだ納得できない。
○小笠原二三男君 今の提案者と大蔵省側の意向とをお聞きになっておられる建設省の方の側からの意見を聞きたいのですが、この法律が通った暁に、道路整備の財源にまで手を触れて問題が処理されるというような状態で、道路整備五カ年計画が計画通り遂行ができない、そういう場合もあるならあり得てもいいというお考えですか。これでは困る、これはもう全然提案者の通りやってもらわなければ執行はむずかしい、所期の効果を発揮することはむずかしいというお考えなのですか。どうもこれは路政課長さんでは、大蔵省とはちょっと太刀打ちできないようでありますから……。
○委員長(赤木正雄君) 建設大臣を呼びます。
○衆議院議員(田中角榮君) 道路局長とも話しておりますので、私から申し上げてもけっこうです。
○小笠原二三男君 建設省側の意向を提案者がお聞きになっているなら、かわってお願いいたします。
○衆議院議員(田中角榮君) この法律を立案されるときに、建設省側の意見も十分求めたのでありますが、建設省は大蔵省との間に、まあ大蔵省からの申し出もありますので、大蔵省さんに対しては、まあ法律で制定をされている道路費が非常に大きくなっている。河川の費用は、道路が大きくなった分だけ削られるということじゃ困ります。建設省はまことに弱い立場でございます。しかし衆参両院でおきめになる以上は、私どもでは異議の申しようがない。ただし現在この法律ができまして、この費用がガソリン税の中に食い込むということは非常に遺憾である……。
 遺憾であるというのほどういうことかといいますと、道路整備五カ年計画法が、この予算で六カ年かかるということになっておるのであります。初めの五カ年が六カ年に延びております。なぜかといいますと、ガソリン税収入はうんとふえておるにもかかわらず、どうして六カ年に延びるかといいますと、あの法律を通過せしむるときにも、この委員会でも非常に議論をしていただいたのでありますが、いわゆるガソリン税収入額と同相当額で道路整備五カ年計画の費用を全部まかなうものではない。はっきりしております。一般財源でもって見ておったのであるから、大蔵省はやめようというような、税法上どうもまずい、待ったなしでとるやつはどうも憲法上おもしろくないという税の存続を院議できめて、それでまかなおうというのでありますが、このガソリン税収入額プラス・アルファ、一般財源で入れべしというのがあの法律であった。ところが、ガソリン税収入額がどんどんふえて参りましたが、昨年度はガソリン税収入額と同相当額プラス二億五千万円であります。二億五千万円というのは、これは公共事業費一割削減を行うというときにいろいろ折衝した結果、二億五千万円の復活要求を補正予算で認めたというのでありますが、その後また一億七千万円が削ってありますので、プラス・アルファは今年度は八千万円である。三十一年度は八千万もなく、道路公団に対して二十億出資をしなければならぬというところに行っておるわけであります。もう一つは、地方財政が破綻に瀕しておりますので、公共事業をやることによって地方財政をもう一歩破綻に追い込んではならないというので、補助率を上げております。三分の一を二分の一に、二分の一を三分の二に、三分の二を四分の三に、中には北海道のような全額やろう、こういう補助率を上げておりますから、五カ年計画は四カ年に縮まりそうなものであるが、六カ年に延びておるのであります。だから現在この法律の中にまた百億も食い込むということになったら――百億でもないでありましょうが、百億食い込むということになると、六カ年計画は七カ年計画になるわけであります。しかし今の段階においては事情やむを得ずということで、参議院の方々も予算を通過せしめていただいたわけでありますから、私も何をか言わんやでありますが、少くともこの法律は、原君も今言われておりますが、ガソリン税の税収入の中に何としても入れてもらわなければならぬし、この条文はそういうふうに読めるというのは、乱暴な意見じゃないかと思うのであります。
 なぜかといいますと、予算の許す範囲で、これは社会党の諸君も、自由民主党もそうですが、まごまごするとこの法律は五千万円くらいしかつかないかもしれないから、年間十億以上に何とかしよう、こういう原案であったのです。年間二十億円を下らないというふうな財源立法にしようかという議論があったのですが、それは予算権を拘束するというおそれがあるから、そこまでしなくても、お互いの間で円満に調整がつくのじゃないかということで私ども譲りまして、予算の範囲内においてということでありますから、大蔵省は、この法律の財源が全然五カ年計画と関係ないのだと言ったところで、それは良識の問題であります。金がないから一億でがまんして下さいというか、衆参両院を納得せしむるだけの措置があればいいのでありますから、私はこの法律がガソリン税の中に食い込まない、また全然別のものであるという解釈で、このままお進め願いたい、こう考えております。
○小笠原二三男君 非常に私、しつこいようでありますけれども、早晩この問題が起ってくることをおそれるので、きれいにしておいてこの法律を通したいと思うのですが、そういう意味では、原さんのおっしゃるようなことは、提案者からいえば、法律解釈としては乱暴なものだということなんですが、乱暴な点だけはやめて御答弁を願っておいて、そうしてその後の措置はその後の措置として、大蔵省自体がお考えになるということであってほしいと思います。意見不一致やなんかの法律案は、われわれなかなか容易に通すことができない。まだ固執しておられるのですか。
○政府委員(原純夫君) もしこのガソリン税とは別に五カ年計画を作れという御趣旨であるとすると、それはごく――ごくと言っては何ですが、非常に財源をそういうように増すというのはむずかしいと思います、率直に申して。ただ、その場合にやはり法律上の、それは五カ年計画がそういうものであるといたしましても、ガソリン税の中でこの積寒地帯の道路は相当やると私は思うのです。やはりこの法律にある「道路の交通の確保が特に必要であると認められる道路」も相当あると思うのです。そういうのを並べて、何といいますか、正式な計画は、五カ年計画は外のものだとされても、なるべく一体としてごらんにならなければおかしいのじゃないかというふうに実は思うので、その辺はものの考えよう、また計画の組みようにもなりますので、なお法律解釈の点、それの運用の点、かなりややこしい問題がございますから、なお関係の部局で十分打ち合せて慎重にいたしたい。
 おっしゃっておる趣旨は、十分奮発してくれということをおっしゃっておると思います。できるだけなお奮発しますが、ガソリン税でも奮発のところまで相当行っておるので、そのほかに派手なことはむずかしゅうございますということを申し上げておるわけですから、一つその辺で御了承をいただきたいと思います。
○小笠原二三男君 私、からむような話になってはなはだ恐縮ですが、道路整備でやっておるほかに、この法律でやることを、そういう派手なことは一つ御容赦願いたいというような話は、まことにけしからぬ話である。派手でも何でもない。提案者の言う通り、やむにやまれぬ立法としてこの問題は考えておるので、路政課長に技術的な点でちょっと見通しについてお伺いしますが、従来の道路整備の方で、除雪その他の冬季間の道路確保に要する費用は、前年度――前年度でなくても、新規予算でもいいのですが、どれくらいに内訳はなるのですか。またそれと、この法律が実施せられる場合においては、どの程度の道路網をこの中に吸収して、道路整備とは関係のない方に、今必要とせらるる所要領はどの程度見込まれるのであるか、そのバランスについてお考えを持っておられるなら、お伺いしておきたい。
○説明員(宮内潤一君) この積寒法に盛られております路床改良の上に使うものが、三十一年度の予算では約六億円近かったと思います。そのほかの改良、舗装等につきましては、目下関係知事と折衝中でございますので、額はちょっと今のところ申し上げかねます。
○小笠原二三男君 それでは、将来これに基いて必要とせらるる経費は、お見込みはどの程度をお考えになっておられますか。
○説明員(宮内潤一君) 民間の団体等からは百何十億というような御要求もございまするが、これはこの法律によりましても五カ年計画を作って進めてくれ、こういうことでございますので、しかも予算の執行は三十二年度からということでございますので、それからこの法律が通れば、五カ年計画を作ってその利用をきめたい、このように考えております。
○小笠原二三男君 まあその技術的な部面についてはここで論議を避けたいのですが、しかし、ものの考え方としては、この法律によって道路交通の確保をしたいということは、その方が目的なんですから、その目的から割り出して該当する道路を選べばいいわけでしょう。そうでなくて、財源との見合いでその道路を適当に選ぶということでは、この法律の趣旨には合わぬことですから、理論的には、どうしても冬季間の道路の交通を確保しようということで、それに障害を与えているものは全部網羅さるべきなんです。それがあなたたち事務当局の案となり、それがあとで財源的な、財政的な問題となって、緊急やむを得ないものと、まあがまんしてもらうものと、あとでそれは分れる問題だと思うのですね、考え方とするならば。それで私はこういうものによって該当されるものを全部やるのだということになれば、必要経費はどの程度に見込まれるか。三十二年度なんだから、もうそれまでの間にぼつぼつ考えておくのだということでなく、現状においてどれだけが考えられるかということを聞いている。どれだけの財源を要求するとかなんとか、そんなことを聞いているのじゃない。
○説明員(宮内潤一君) この法律が何分にも国会の提案にかかるので、政府側の実は検討は十分に行われてないわけでございます。しかも、このやるところの地域及びその路線に関しましては、全部を取り上げるということにもなっておらぬようでございますので、にわかに今ここで二百億あるいは三百億という、そういったような具体的金額はなかなか申し上げにくい、こういうことでございます。
 特にわれわれのやっておりまする道路整備に関しましては、先刻来議論されております五カ年計画というものがすでに立てられまして、今年に引き続きまして、あと三カ年間でこれを全力をあげて遂行しなければならない。そこへこういうまた新しい五カ年計画が追加されるということになりますれば、それとの見合い、つまり道路整備五カ年計画との見合いをも十分考えて、その上でこの法律の施行に遺憾なきを期する、それが普通の道じゃないか、このように考えておる次第でございます。
○小笠原二三男君 提案者としては大体、そういう見合いで、どの程度のものが必要であると率直にお考えになっているのですか。
○衆議院議員(田中角榮君) これはただいま宮内君が言われた通り、道路整備五カ年計画の実施の段階において年間六、七億というものが見られておるのでありますが、この法律の目的とするところは、それにプラス・アルファということであります。それに対しては数字をはっきり見きわめればいいわけでありますが、予算編成権を犯すおそれがあるというので、「予算の範囲内において、」、こういうことでありますから、この法律が通過したら直ちに五カ年計画の立案に建設大臣は当るべきだと考えております。特にその場合、膨大な計画を作ってもいわゆる画餅に帰してはならないじゃないかという予算の見通しがあるわけであります。それでありますので、建設大臣は五カ年計画を立案しなければならないというのではなく、大蔵大臣がそこで十分意見の調整を行えるという、そして計画をきめたならば、この法律の趣旨を害さない状態において予算が円満に組まれるようにというために、五カ年計画の立案は閣議で行わなければならない、こういうふうにしたわけであります。
 大蔵当局は、先ほど言われましたように、この五カ年計画を閣議でもって議論をするときに、当然大蔵省の意見が十分述べられたのでありますから、それかといって、大蔵事務当局の言うように、もう全然費用はないのだというような議論ではなく、可能な財源で一ぱいの計画を立て、その計画によって実施的な費用は毎年度予算に盛られる、こういうふうに考えておるのでありまして、この法律が通ってから、いろいろな問題等を十分慎重に審議をして、この法律の目途とするところはいかに大蔵省でもわかるのでありますから、この法律の趣旨が達成せられるような五カ年計画は作るべきだ。またそのときに乱暴な議論が出て、実際は五カ年計画、いわゆる道路整備五カ年計画の費用は三百万リッターで六億であると仮定した場合に、四百万リッターになったらこうなる、十何億になるのじゃないかというような議論もありましょう。いろいろな条件が積み重ねられて、道路整備五カ年計画以外に行わなければならない路線及び年間計画に盛らなければならない費用の額が再検討せられるのでありますから、私はこれから円満にやれる、こういう考えであります。
 特に、衆参両院が考えておりますことは、ゼロに近いような結論は閣議でも出さないだろうと思います。しかし、もし予算が全然もう許さないのだ、またほかの苦労もいろいろな努力もしないで、この法律に対しては道路整備五カ年計画法だけでやれるのだ、それにプラス・アルファ一億でも二億でも三億でも、わずかなものでやれるのだという五カ年計画を作ったときに、衆議院議員として、また提案者として、政府に対してはもう少し再考を促し、この法律が円満に運用せられるようにしむけていくつもりであります。
○小笠原二三男君 私、長々とこういう質問をしておるのは、従来の議員立法は政府提案の立法等と違って、財源の裏づけを必要とするもの等においては特に軽視さられがちなんです。私の個人的な考えとするならば、政府提案の立法以上に議員みずからが発議した法律は、私は議員の権威にかけても、これが所期の目的を果し、実効を上げるように、政府がけんけん服膺というとまことに申しわけないのですが、しっかり国会の意のある通り実現させるために執行をやられなければならない、そういうふうに義務づけられるという前提に立って、慎重な法律審議をその場合にしなければならないと思っている。幾らでもとればプラスだというような、そういう形でどしどし議員立法が行われるということについては、私は反対なんです。やるならば、その点ははっきりしためどをつけてこの種のものは通して、また法律の権威も、あるいは院の権威というものも、保持しなければならぬと思うのです。
 そういう意味で、幾ばくの財源を必要とするかも、あまりはっきりしない。それは今後よく財政当局その他とにらみ合して考える、あるいはガソリン税等についても、まああやふやな問題で今後の措置に待つ、こういうようなことであれば、この法律の実効を期待する上からいえば、まことに不安である、そう思うのです。大蔵大臣そのものの答弁でなく、補佐せられる政府委員の事務当局からさえも、もうこれは容易ならざるものであるという示唆を与えられつつ、それでもいいから、何とかうまい工合にやってほしいという、そういう院の方が最敬礼して法律を通すなんということは、権威にかかわると私は思う。田中さん、大いに衆議院議員の権威にかけてということでがんばっておられますが、従来の例で見ても、やっぱりそのどたんばに行くというと、そこはまたそこで、政府与党のつらさというようなことで、われわれの期待を裏切る。そういうことはなきにしもあらずなんだ。そういう意味で、私はこういうふうにごてごてと申し上げておるのです。
 建設大臣にお伺いしますが、この法律が議員立法の趣旨を体して通過した暁においては、大臣としてはこれが実現、執行のためにはどういう御決意をお持ちになっておられるか、お伺いしたい。特に具体的には、大蔵財政当局としては、道路整備臨時措置法による揮発油税相当額をもって一方の道路整備をやるのに、この積寒地域の道路交通確保に関する費用も一部含まれる。従って、それとは別にこういう法律が出たとしても、財政操作の上からいえば、ガソリン税そのものを一部この方面にもさいて使うというようなことがあっていいのではないか。どうしてもそういうことをしてもらわなければ、一般財源だけでこの部面の財源に引き当てるということは、今の財政上非常に困難であるということで、提案者と意見が食い違って、いまだにある種の意見は固執されておるのです。従って、そういう点についても建設大臣としては、執行に当っては、やはり委員会並びに通れば国会の意思となってきまるのですが、ガソリン税そのものを引き当ててこの法律はやるのではなくして、他に一般財源を求めてやるのだという提案者の意図と、またわれわれの意思とは一致しておるのですから、そういうことに御努力願って、この法の目的を完成されるという御決意がおありになるのかどうか、端的にその所信をお伺いしたい。
○国務大臣(馬場元治君) 道路の整備につきましては、御承知のように、いわゆる道路五カ年計画なるものによりまして、全力をあげておるのであります。ガソリン税によって従来よりも多くの予算を道路整備に用いることができるようになっておりますけれども、なおかつ非常に不自由を感じておることは御承知の通りなんであります。そこで私といたしましては、この法案に要する経費はガソリン税から支出することなく、そのワク外から支出をするように持っていきたい、かように考えております。従いまして、本法案が通りました暁におきましては、大蔵当局とさらに検討を進めまして、ガソリン税を充当することなくしてこの法案の趣旨を貫徹することのできるように、万全の努力をいたしたい、かように考えておる次第であります。
○小笠原二三男君 大へんわれわれの意見に合う御答弁でありますが、しかし第三次鳩山内閣は、来年度予算を編成するに当って、建設大臣をそのまま更迭することなく置くかどうかということは、これは見通しのないことでありますから、はなはだ失敬な言い分でありますが、大臣のただいまの御決意は、もしも後任たるべき建設大臣が出られるという不幸な事態が起った場合には、その意思はそのまま大臣の意思として国会に御答弁になられた責任としてお引き継ぎになって、後任大臣の意思ともせられるというように、十分に御記憶を持っておっていただきたい。この点は要望しておきたいと思います。
○国務大臣(馬場元治君) 内閣のことにつきましては、これは何とも申上げられませんが、もし、さようなことがありました場合には、必ず後任の大臣に私の意思を伝えることをお約束いたします。
○委員長(赤木正雄君) ほかに御質疑ありませんか。
○石川榮一君 ただいまの小笠原君からの質疑の情勢から判断いたしまして、大蔵当局と議員立法をなさいました提案者との間に、相当な食い違いがあることがわかった。これは大へん遺憾に思います。私どもも、こういう立法はすでに今までに立法すべきであったというのは、東北地方あるいは北陸地方を回りますたびに痛感させられておったのであります。でありますから、もしこの立法が両院を通過した場合、大蔵省はこれに全面的な協力をして、この立法の趣旨をあくまでも貫かせようという協力が必要なのであります。そうしませんと、これができました暁において、一般の各県の当局は、こういう立法ができたからこれはもう安心だということで、安心感に乗じられまして、そうして今までやって参りましたなけなし予算で、この除雪その他の事業をやっておりましたその事業が、一応見送りをするという傾向になる。さらにその立法によってできたところの趣旨を貫かないで、予算的な措置が講ぜられぬ。むしろ現在の状況より悪化することになるのじゃないか。こういうことを心配するわけであります。でありまするから、この立法ができましても大蔵当局がこれに十分な協力をしなければ、むしろ立法して悪い結果が現実に現われることをおそれるように思うのであります。こういう点も考えられまして、従来質疑の過程において伺いました趣旨からもあなたの御苦心はわかりますが、一つこの立法が両院を通過して法律になりました以上は、あくまでもこれに協力するという態度を一つきめていただかねばならぬと思うのです。ここで特に原さんの所信を求める必要はありませんが、さような意味において、私どもは大蔵当局に一そうの協力をするという決心を持っていただくことを希望します。答弁する必要はありません。
○小笠原二三男君 もう一点、原さんに伺いますが、この法律によって三十二年度から道路管理者が仕事を始めますが、道路管理者である地方公共団体が財政再建法の適用を受けておる場合においては、この種の事業については制約を受けるというようなことになるように財政当局はお考えになるのでしょうか、あるいは自治庁の方、あるいは建設省の方の指導と申しますかは、されるのですか。この制約は受けないで、この種のものはこの種のものとして事業は進められるというお考えでございますか。
○政府委員(原純夫君) その問題は、この本法案に基きまする仕事だけでなく、まあいわば公共事業全般との関係があると思います。その点につきましては、やはり財政再建をいたします場合には、歳出を詰めて、それから歳入をあげて、そしてその赤字をなしくずしにしていくということでありますので、やはり歳出を詰める一つの項目として公共事業関係のものも大きな対象になると思います。ただその場合に、詰めるだけでは気の毒だというので、詰める一方、国の補助率は高めて、従って事業量は若干がまんするが、そのうちで補助率も高めるから、地方負担は二重に浮いてくるわけで、むしろ事業量も減り負担率も減るということで、そういうようなことで相当この地方の再建に寄与しようという趣旨が、再建法の中に条文に盛られておりまして、それに対する政令ももう出ておるようなそういうような意味で、やはり何せつじつまが合わないで赤字が出ておるという場合には、これは個人の家計においても支出は相当問題になるということでありますので、ある程度はいたし方がないが、早くそれで財政の基礎を固めて、またしっかりした何ができるようにやってもらうということではなかろうかと考えております。
○小笠原二三男君 その点は一般的にはそうなるだろうと思いますが、降雪あるいは凍雪害の防止に関することで、いわゆる事業として行うものについてはそういう点もあり得ると存じますが、除雪のための機械の購入というような問題は、事業というよりも、日常必要やむを得ない、一種の行政費の部分にも関係のある問題ですね。このことは、当面の問題として一番緊急なるそういうものまで上から制約、制限せられるということになれば、これはほんとうに冬季間の道路交通の確保ということはでき得ない。こういう点もあるので、そういう点までやはり一般的に制約をすることのないようにして、こういう機械の購入等は希望があればなし得られるようにして、少くとも道はあけるのだということだけでもできるようにしてもらわなければ困ると思うのですが、そういう意味のことで私はお尋ねしているのです。その種のことまで制約せらるるような指導は、上からなさらないようにしていただきたいと存じます。いかがですか。
○政府委員(原純夫君) ただいま私の考えを申し上げましたことは、赤字再建団体におけるまあ公共事業費の総体をとって申し上げておるわけでございますから、その中でこういう立法が御発案になり、通るというような事態でありますれば、建設の費用なり機械なりというようなものは、おそらく最優先になるだろうと思うのであります。そんなような意味で、そういうふうになるだろうと思います。
○委員長(赤木正雄君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(赤木正雄君) 速記をつけて。
 ほかに本案について御質疑の方はありませんか。――御質疑がないものと認めて差しつかえありませんね。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(赤木正雄君) これから討論に移ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
 別に御発言もありませんので、討論は終局したものと認めます。
 これより採決を行います。積雪寒冷特別地域における道路交通の確保に関する特別措置法案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方々の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
○委員長(赤木正雄君) 全会一致と認めます。よって本案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本院規則第百四条による本会議における口頭報告の内容、第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成、その他自後の手続につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じます。御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(赤木正雄君) 異議ないと認めます。よって、さように決定いたしました。
 それから報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますから、本案を可とされた方は順次御署名を願います。
  多数意見者署名
    石井  桂  小沢久太郎
    近藤 信一  石川 榮一
    入交 太藏  斎藤  昇
    酒井 利雄  西岡 ハル
    田中  一  小笠原二三男
    北 勝太郎  村上 義一
    ―――――――――――――
○委員長(赤木正雄君) この際、海岸法案を議題に供します。
 まず、海岸法案の提出理由を求めます。馬場建設大臣。
○国務大臣(馬場元治君) ただいま議題となりました海岸法案の提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 御承知の通り、わが国はきわめて長大な海岸線を有しているのでありますが、海洋が鉱工業、農業、漁業等各種産業の発展及び民生の安定と密接な関係を有するものでありますため、国土保全上その防護の必要性はきわめて大なるものがあります。しかしながら、現状におきましては、海岸の管理責任が明らかでなく、海岸の管理に十分な措置が講じられていないため、連年、高潮、波浪、侵食、地盤の変動等により災害をこうむり、特に最近においては管理の不徹底による大災害が続発しているのでありまして、これが抜本的対策を急速に確立する必要があるのであります。
 海岸法案は、右の趣旨によりまして、海岸の管理の責任を明らかにするとともに、海岸保全施設の整備、海岸の保全に支障のある行為の制限等について規定し、海岸の防護に万全を期し国土の保全に資するものであります。
 以上がこの法律案の提案理由でありますが、次に海岸法案の要旨について御説明申し上げます。
 まず第一に、都道府県知事が防護する必要のある区域を海津保全区域として指定し、その区域について海岸管理者を定め、海岸の責任を明らかにしたことであります。すなわち、都道府県知事、市町村長、港湾管理者の長または漁港管理者の長を海岸管理者として定めることによって、管理の徹底を期し、災害の防除をはかることとしたのであります。
 なお、この場合におきまして、海岸管理の事務は国の事務であり、海岸管理者は国の機関として事務を処理いたすこととし、海岸に関する国の責任を明らかにいたしたのであります。
 第二に、海岸行政における各省大臣の所管を明確にし、その責任の明確化と海岸行政の円滑な執行をはかったことであります。
 現在海岸行政は、建設、農林、運輸三省がそれぞれの立場から個別に執行しているのでありますが、基本的な海岸法制がないため、その所掌事務の範囲が必ずしも明らかでなく、国庫負担となるべき災害復旧工事の採択等に関し相当の不便があったのでありますが、この際その所管を明確にすることによって、海岸行政の統一的かつ円滑な執行を確保し、その進展に寄与せんとするものであります。
 第三に、国の直轄工事に関する規定を設けたことであります。
 現在、海岸に関する工事は、地方公共団体が国の補助を受けて施行しているのでありますが、先般の愛知、三重の大災害の発生に際し、国が県の委託に基き工事を施行した例に徴し、国土保全上特に重要であり、かつ、大規模な工事等については、国がみずから工事を行うことにより海岸保全施設の整備の促進を期することといたしたのであります。
 第四に、海岸保全施設の築造基準を定め、海岸管理者以外の者の行う工事につき承認の制度をとり、海岸保全施設の統一をはかったことであります。
 現在、海岸保全施設については、その築造が統一的基準に基いて行われないため、脆弱な個所があり、これが全般的な災害を誘発する原因とたる場合が多いのでありますが、これにより海岸保全施設の統一的整備が確保せられ、災害防除の効果が一そう上げられることと信ずるものであります。
 第五に、海岸の保全に支障のある諸行為を制限し、海岸保全の効果を上げることといたしたことであります。
 現在、海岸に関する行為制限の法的規制がないため、土砂の採取、土地の掘さく等が放任せられ、これらの行為が海岸の災害を激増させる誘因となっている場合が多いのであります。海岸の保全は、海岸保全施設の整備と相待ってこれに支障のある行為を規制することによって、初めてその目的が達せられるものであり、この見的より今後海岸の災害の防止の効果が上ることを期待するものであります。
 第六に、海岸保全施設の新設または改良に要する費用につき、国の負担責任を明らかにし、海岸保全施設の整備の促進をはかったことであります。
 従来、地方公共団体の行う工事に要する費用につきましては、国は予算措置で補助を行い、その助成措置を講じているのでありますが、海岸法案におきましては海岸の管理に関する事務は国の事務とし、国の責任を明らかにしたことにかんがみ、これに要する費用につきましても、国の負担責任を明確にし、海岸行政の強力な推進を期したものであります。
 以上が海岸法案の提案理由及びその要旨でございますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御議決あらんことを切望する次第であります。
○委員長(赤木正雄君) 本案の質疑は後日に譲ります。
 午後は一時半から再開いたします。それまで休憩いたします。
   午後零時三十三分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時二分開会
○委員長(赤木正雄君) 午前に引き続きまして、これから委員会を再開いたします。
 この際御報告申し上げます。ただいま小笠原二三男君が辞任せられ、補欠として松浦清一君が指名せられました。
    ―――――――――――――
○委員長(赤木正雄君) 官庁営繕法の一部を改正する法律案、本案について質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○衆議院議員(田中角榮君) ちょっとその前に……。官庁営繕法の一部を改正する法律案の衆議院におきます修正部分の御説明を簡単に申し上げます。
 本法案の一部が修正されました理由につきましては、本案第九条の三には、各省各庁の長は、その所管に属する建築物等を維持管理しなければならない旨規定されておりますが、現行の国有財産法第五条に同様の規定がありますので、重複を避けるため、「維持管理」とありますのを「保全」に修正されたのであります。
 次に、本案第十二条第一項には、「国家機関の建築物」と並べて「合同庁舎」の字句がありますが、合同庁舎も国家機関の建築物の一種でありますから、この字句を削除する旨の修正を受けたのであります。
 以上の修正に伴い、本案中関係部分の字句の修正が行われたのであります。
 以上御報告申し上げます。
○委員長(赤木正雄君) お諮りいたします。官庁営繕法の一部を改正する法律案につきまして逐条審議に入りますが、いかがでしょうか、このお手元にあります官庁営繕法の一部を改正する法律案新旧対照表、これをごらんになると非常にわかりいいような気がいたしますが、これによって審議した方が明瞭のように存じます。提案者からまず、これによって各条について説明を願います。
○石井桂君 ちょっとその前に。私は逐条審議に入る前に、今議題となりました官庁営繕法の一部を改正する法律案の改正の要旨を拝見しますと、今まで官庁営繕法があったにもかかわらず、なかなか規定に明確な点がなかったので、各省がばらばらにやっていて、非常に能率が悪かった。そこで今度はこういう改正をするのだというような目的がその一つに掲げてあるようであります。そこで今度の改正によって従来官庁営繕法の不備が除かれたかどうか、除かれるかどうかということを、提案者からお聞きしたいと思います。
○衆議院議員(田中角榮君) お答え申し上げます。現行官庁営繕法は、御承知の通り、議員立法として公布されたわけでありますが、この種の問題は各官庁に権限が非常にまたがっておりますのと、官庁の権限を法律によって一つに集約しようとして、営繕法が立案公布せられたわけでありますが、なかなか思う通りにいかない現状であったことは御承知の通りであります。官庁営繕の統一ということに対しましては、かつての今までの官庁営繕は大蔵省の営繕管財局で一まとめにやっておったわけでありますが、戦前陸海軍の部面から乱れて参りましたのと、戦後内務省解体に伴い各省の設置法が新しくできましたときに、各省の設置法の中にそれと同様のような字句が挿入せられ、それで戦後五、六年間運営せられて参ったわけであります。現行法を作りますときには、この種の問題に対しては統一的な法規を作り、国費支弁に基く建物の営繕を一つの軌道に乗せることがいいことだということで、両院の議決を経たわけであります。
 将来この法律はもっとだんだんと強くしていくことによって、アメリカ等におけるように、いわゆる備品の調達まで一つのものとして行わなければならないというような法制及び組織に徐々に改編をして参りたいということでありまして、現行法のこの審議の過程においても、この委員会の審議でも、非常になまぬるいじゃないかという御意見があったのでありますが、各官庁間との円満な協調をはかり、徐々に改正をしていこうというのでありましたので、現行法のようになったわけでありますが、これは公布を見てからすでに相当長い間運営をして参ったのでありますが、このたびは特に外務省の庁舎の問題とか、いろいろな問題がございますので、これになお防衛庁というような組織ができて参りまして、今にして法制整備を行わなければまたどうにもならないような状態になるのじゃないかということで、この改正案の提案になったわけでありますが、現行法よりも相当きつくしぼってありますので、万全なものとは言えないのでありますが、今までの状況においてはこの程度でやむを得ないのじゃないか。それでこの法律が実施をせられるとなるならば、この字句の通りなかなかすぐ実施はできないと思うのでありますが、徐々にでも官庁営繕の統一というものが実現化していくという状態であります。
○石井桂君 大体御趣旨のほどはわかりましたけれども、提案者は、戦前の営繕管財局でやっておられた範囲と、今度新しく改正せられる範囲と、どちらが大きいか比較なすったことがございますか。
○衆議院議員(田中角榮君) このたびの改正法案が通過をいたしましても、戦前の大蔵省営繕管財局当時よりもずっと弱いものであります。例を申し上げますと、営繕管財局当時は学校等は全部営繕管財局で行なっておったのでありますが、現行の官庁営繕法におきましても、いわゆる復旧校を除くものは原則として建設大臣が行うということになってはおりますが、実質的には文部当局が行なっておるというような状態でありまして、この改正案が出ましてもまあ当分の間、お互いが円満な話し合いをつけるには相当の時間がかかるのではないかというふうに考えられますし、いま一つは、現在特別会計に移っておりますものもほとんど営繕管財局で全部統一しておったわけでありますが、ところが、現在は特別会計の問題は支出委任を受けておりますし、当然この法律の精神を各省各庁がくむとしたならば、支出委任をすべきでありますが、この法律で支出委任を強制的にすることはむずかしいのでありますので、除外してあります。そのために、営繕管財局当時の法律に比べて非常に弱い権限であります。
○石井桂君 その点はさらに触れることなく、次に、この官庁営繕法の一部を改正をする提案をなさいました提案者は、この官庁営繕のあり方についてどういうふうにお考えになっておるか。もう少し質問をこまかく申し上げますと、官庁の営繕機構というものは単に計画すればよい、そして計画したものを民間の建築技術者に発注せよと、こういう声が一方にあります。それから他方には、相当の営繕の職員を備えておいて、そしてむだなく一つ健実に、効率のある官庁を作った方がよいという、こういう二つの考えは、官庁営繕に関する大きな流れだと思うのです。そこでこの提案をなさるときに際しまして、いずれの方針をおとりになったか、その点を聞かせていただくと非常によいと思います。
○衆議院議員(田中角榮君) この法案審議の問題としては一番重要な点であると思いますから、平たく御説明申し上げたいと思うのですが、まあ今の状態では、率直に申し上げますと、各省でまあ権限を争いつつも仕事をやって参りましたので、仕事の量に比べて、営繕管財局当時よりも人員が非常にふえておるのであります。正確な数字はまた後ほど御質問で申し上げますが、相当ふえております。一人当りに施工量を割りますと、二百五十万、一件に対して一人ずつの人間があるという状態でございます。そういう状態を基盤にして考えますと、この上になお、これらの人々を整理もしないでおって、民間に設計、施工監督の委託をするということは、なかなか考えられないわけであります。しかし将来の官庁営繕に対しては、ある意味においてはできるだけ外界の力を借りるということも、これは一つの道でありますし、当然前の官庁営繕法の立案当時はそういう趣旨を大きく打ち出しておったわけであります。できるだけ民間に委託設計せしむる、委託監督せしむる、そうしてどうしても官庁機構の中でだけ仕事をやっておりますと片寄った建築、時代おくれをした建築、まあちょうど官庁らしい官庁建築ということがあまりにも強く打ち出されて、はっきりいうと刑務所式な建物ばかりできるのじゃないかというような意見もあったわけでありますから、特に赤木先生などの当時の御意見としては、当時ちょうど総合庁舎の計画があったわけでありますが、画一的な全く実情に合わない設計を百年一日のごとく進めておるということに対しては、あらためて構想を考え直さなければならぬじゃないかという問題もありましたので、私もこの法律を提案いたしますときには、少くとも将来、まあ現在といたしましては、官庁営繕工事費が非常に大幅にふえるということが考えられない場合には、今でも人員が多いというのでありますので、なかなか民間の特殊なものを除いては、民間の委託設計というようなことも時間がかかると思いますが、将来は有能な技術屋を置いて、できれば委託設計や委託監督にまかせるべきだと考えております。まあ委託設計の問題に関しましてはまた全然逆な面から見たのでありますが、戦後各省が自分で自分に関係をする予算を執行しておりましたために、委託設計も戦後相当行われたので、無計画に委託設計が行われたというような意味で、多少その敷地の効率利用が、また官庁建築物にふさわしからぬ設計をした事例もあるようであります。場合によれば総合庁舎でもっていかなければならないところが、予算の関係その他に制約せられたのみではなく、非常にアメリカ流といいますか、新しい意味の思い切った設計をやる。で、金は国が出すのだからというので、多少この十年間の実績を顧みて、委託設計そのものの実績に対しても批判があるようであります。そういうものを一つにしまして、この法律施行を契機に、官庁営繕というものに対する一つの新しい構想を打ち出して参りたい、また打ち出さなければならぬじゃないかというふうに考えております。
○近藤信一君 ちょっと関連して。今の石井先生の質問にお答えが若干ございましたが、今までこの法律が発効になってから、効果の実績といいますか、今学校の話がちょっと出たのですが、その実績は一体どれほど今まで上っておるのでしょうか、その点伺いたい。
○衆議院議員(田中角榮君) 学校は文部省の反対がありまして、学校自体はこの法律で縛っておりません。まあこの官庁営繕法で、現行の官庁営繕法ができましたのでどういうものができたかというと、今の農林省の庁舎はちょうどこの現行官庁営繕法の通過の記念のようにして、大蔵省でも相当ふんばってあの庁舎ができたわけであります。あの中にはまだ二、三の官庁が入る予定でありましたが、現在ではあの状態であり、農林関係だけでもまだほかに余るのじゃないかというような状態でありますが、戦後これといって新しい建物ができたことがないのでありますが、官庁営繕法施行になってから、総合庁舎として現在農林省が入っております庁舎ができ、防衛庁の建物などに対しましても建設省に委託をしてやった。こういうふうなものが大きな結果が生まれておりますが、学校建築に対しては、はっきりとしたものは現在までには生まれておりません。
○近藤信一君 やはりこの法律ができても、何らかの規制というのですか、そういうものがなければ、法律が幾らできても、それぞれ各庁各省で営繕があるので、どんどんと仕事をやっていく、こういう結果になると思うのです。そういう点、この法律がもっとはっきりしたものでなければ、法律を作っても、また改正しても、それが繰り返されるというような危険性はないでしょうか。
○衆議院議員(田中角榮君) 実際問題としましては、営繕計画書の提出を求めておりますし、建設大臣が一まとめにして予算編成のときに大蔵大臣と折衝を行うということを明文化しておるわけであります。もう一つ、各省各庁が行う営繕工事というものは、二百万円以上になってはならないということを規定をしております。もう一つしぼっておりますのは、特に受刑者を使ってやるような特殊なもの、それからその他は復旧の学校等というふうにしぼってございますので、この法律案が通過をすれば、今までと違って、官庁の建築物というものは、大体二百万円以下及び特殊なものを除いては、この法律によって統制を強要するわけであります。
○近藤信一君 過去にもそういうことがあったと思うのですが、やはり自衛隊ですね、自衛隊が団地の問題、道路の問題、そういう問題で安く請け負って仕事をしてきたというようなあれもあるわけです。やはりそういう点を私は明確に規制する必要があるのではなかろうか、こういうふうに思うのですが。
○衆議院議員(田中角榮君) 私たちこの現行の法律の改正案を作りましたときには、相当強い原案がありまして、衆議院の両党においては、どうせ作るなら備品までしぼったらどうかという問題があったのでありますが、初め政府提案に行いたいということで、官房長官を通じて、政府で何とかして提案をするように、こういう申し入れをしておったわけであります。政府は建設事務当局に命令をしまして、建設事務当局が各省といろいろな折衝をやったわけであります。六、七十日の長きにわたってやったのでありますが、毎日のように折衝過程が変るわけであります。特にある省のごときは、現行法でも強いから、改正をいい機会に、これを全部私の方にくれないかという意見を出してきまして、これは全然まとまらなかったわけであります。次官会議にかける前に、一体まとまるのかと、「この問題に対しては、両党の提案であるのであるから、いつまでも内閣がじんぜん日を空しうしておるわけにはいかないのだから、内閣でまとまらなかったら、相当強い意思で衆議院でまとめたいと思うがどうか」、こういうことに対しまして、参議院が当時ちょうど、一体今国会にどういう法律案を出すのかということを要求せられた直後でありましたので、「三月の末日くらいになれば何とかまとめて出したいと思うのですが」、「それは非常に弱くなるおそれがあるので、衆議院でまとめられてお出しになるのは反対いたしません」、こういうことでございましたので、私たちの方でまとめることになったわけでありますが、できればもっと強い案で、こういうものこそ衆参両院の良識でもって縛らなければいけないと思っておりますが、できるだけ摩擦を避けたいということで、今よりも一歩前進すれば少くともいいのではないか、こういうふうな考えがありましたので、今言われました通り、縛るならばもっとはっきり縛った方がいいのではないかという御意見には全く賛成でございますが、遺憾ながら……。ということは、どうも議員の一人として言いにくい言葉でありますが、全く遺憾ながらというので、この程度の案に落ち着いたわけであります。しかしながら、現行のものよりも相当所掌範囲も明確に規定しておりますし、各省大臣が協議が整わなければ原則的に建設大臣が行うという線を大きく打ち出しておりますので、今までよりも前進的であろう、こういうふうに考えております。
○石井桂君 先ほど委託設計の点を提案者にお伺いいたしましたときに、私の聞き違いかもしれないと思うのだけれども、現在の営繕職員が相当にふえているというような御発言があったように思うのです。最近私は営繕の職員と分担の工事の量とを統計的に拝見しましたときには、どうもそういう感じでなかったのですが、そういう点はお確かめになりましたか。
○衆議院議員(田中角榮君) 現在の営繕局でやっております工事と、営繕局に所属する千四百数名というものに対しては、バランスがとれておるようであります。しかし営繕局以外で同種の工事を各省で行なっておるわけであります。たとえて申し上げますと、一件百万円程度でやっておるというような例がございます。二百五十名ぐらいで、二億四、五千万円しかやっておらなくても、それだけの人員を擁しておる。こういうふうに各省に分散をしておりますので、人的には非常に能率を欠いておるし、配置転換もむつかしい、こういう問題がございますから、総体的に全部しぼりますと、官庁営繕の総量と各省にまたがる五千名というものを割ってみると、多小工事費が小さくなる、こういうことが申し上げられると思います。
○石井桂君 私は、自分の経験からそういう意見が出るのかもしれませんが、大体今までの官庁営繕の職員の待遇というものは、まるでたたき大工のように考えられておるような状態なんです。そうして仕事が減れば人間が減るのは当然だということで、職員は仕事が減ればどんどん容赦なく首を切られてしまう。今までそういうふうな歴史を繰り返してきたように考えます。大体こういう技術のものは、平素から実際に研究を重ねて、そうして勉強したり、現場に当ったりしてこそよい技術ができるので、技術のよい者は一朝一夕にはできないと私は思うのです。そういうものでありますがゆえに、平素仕事のないときには研究に当らせるようなふうにすべきものを、非常に朝から晩まで追いやって、これは工事の性質上そうかもしれませんが、深夜まで仕事をしておるのが現場職員の状況です。そういうような状況にあるものを、人間が多いとか少いとかいうことは、単に工事費だけで私は判断できないように思うのです。
 そこで、提案者におかれては、ことにわれわれ尊敬する技術者でもおありになり、しかも政党の有力者でもある。そこで営繕職員に対して、官庁営繕の立法をされるときに、まああたたかいお考えで私はこれの立法をされたことと思うのです。そこで、今新聞でちらちら出ておる内政省問題、この内政省の問題は、われわれ雑輩には遠くわからない存在ですが、その一案によると、建設省の中へ管理局を置いて、営繕局長を営繕部長に引き下げようという計画が新聞に発表されておるようです。非常に幸いなことには、田中さんは党内の有力者であり、かつ提案者でありますから、そういう考えは私はもう非常に当らないお考えだと思うのですけれども、提案者はそういう計画に対してどういうお考えを持っているか、あわせて聞かしていただけば非常にけっこうだと思います。
○衆議院議員(田中角榮君) 前段の御質問に対してお答えをいたしますが、前段のいわゆる官庁営繕機構内における職員の配置や運営の状況があまり適切でないということに対しては、その通りであります。そのほかになお、各省にばらばらになりましたので、特にそういう統一を欠いておるようであります。だから、ある時期はほとんど休んでおるというような場合もありますし、各省が自分でやるために、特殊な技術者の、前にはあまりそういう技術者を必要としなかったのでありますが、建築の方法が変って参りましたために、衛生工事、電気工事その他の普通設備工事というものは、本工事の技術屋と同等にするというような状況になりましたので、そういうものはみな各省でもってかかえておると。それで効率的な運用をはかれないということが、この種の立法によりまして、配置転換を行いもし、また技術屋の効率的運用もはかれると。で、もう一つは、営繕局そのものが、営繕管財局で長い歴史を持っておりまして、それが戦後戦災復興院の中に閉じ込められ、内務省の解体に基いて、建設院設置に対して、現在のように管理局の中の営繕部という方向でありましたので、どうもそこが技術者に対する思いやりもないというのでありましょうか、どうも離れ座敷という状況でありますが、いずれにしても、この技術者の効率運用がはかれなかったことは事実であります。
 これは本法が施行になれば、営繕局の職員そのものも自覚をしなけばならないのでありますが、技術屋なるがゆえにということで、どうも自分が直営工事をやっておるというような錯覚に陥り過ぎておるような傾向もあります。そういうような点、結局新しい意味の官庁営繕に対するアイデアをどうしようというような研究の時間が与えられなかったということがあるようでありますので、この法律が成立をし、職員の配置転換等ができるならば、優秀な技術屋が当然将来の官庁営繕というものに対する基本的な研究を行い得て、国民の支持が得られるような理想的な官庁営繕の技術屋たらしめたいという考えを持っておるわけであります。
 特に第二段の問題につきましては、内政省の機構を作るというような案を政府で考えておるようでありますが、私はこの法案が提案されて、しかも各党一致の提案でありますのに、政府が逆行して営繕部に格下げをするというような考えは、これは非常に逆行論であるということで、強硬申し入れをしてあります。もう一つ、当初原案におきましては、営繕局を大蔵省に移そうということでありました。大蔵省に移すということに対しては、現在の管財局との間をどうするのか、特別調達庁の部門をどうするのかというような問題をはずして、ただこのまんま管財局とは別に営繕局を設けようというような軽い考えで行政管理庁が立案をしたようでありますので、大蔵省の機構全般にわたって改正を行い、かつての大蔵省営繕管財局というような大きなスケールのものを作り、特別会計まで一つにするというような高い理想のもとに作られるならば別であるが、ただ答申案の一部に載っておったから、一局ぐらいどこへくっつけてもいいじゃないかという議論で大蔵省に移管することは、賛成なしがたいということで、強く意見を申し述べてあります。特に営繕局というものと建築の指導許可というような問題とのからみ合いもありますので、現在内政省案を提案せられたとした場合に、現行通り営繕局として存置をせられるようにということを強く申し入れてありますので、私の現在の考えでは、内政省案が提案されても、営繕局を営繕部に引き下げるというようなことは万あるまいと考えております。またこのような法案に対しては、どうしても修正をしなければならないと考えておりますので、できるならば政府との間に協調をとりつつ、政府がお出しになる原案そのものに、今まで通りの局を存置すべきだと考えているわけであります。
○石井桂君 提案者の御親切な御答弁に大いに敬意を表して、私の一般の質問は終ります。
○斎藤昇君 この法案の施行によって建設省の営繕局の仕事は相当ふえるように見えますが、現在の職員でやれるのかどうか、どのくらいの人数をふやす必要があるのかどうかということについて、どういうお考えであるか。それに関連して、他の関係省の仕事が減るのかどうか。それで減るとすれば、そういった減員が建設省の方に移しがえになるのであるかどうか。
○衆議院議員(田中角榮君) 三十年度の予算で十七、八億くらいから九億くらいふえるのでありますから、人員にして約二百人ぐらいが配置がえをしなければならないというふうなことになると思います。
○斎藤昇君 これは他の省からの配置がえで済むわけですか。
○衆議院議員(田中角榮君) そうです。
○斎藤昇君 新しく新規増は要りませんか。
○衆議院議員(田中角榮君) 新規採用は考えておりません。
○委員長(赤木正雄君) いかがですか、お諮りいたしますが、先ほど申し上げました通り、逐条に進みますが、大体一括してやりましょうか。
○衆議院議員(田中角榮君) できるだけ一括にしていただけたらけっこうなんですが。
○委員長(赤木正雄君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(赤木正雄君) 速記を始めて。
 では、一括して審議いたします。
○石井桂君 この第三条に「国家機関の建築物については、この法律で定めるものの外、建築基準法の定めるところによる。」と書いてありますが、この法律で定める建築基準というのはどこに出ているのですか。この法文の四条以下に出ているのでしょうか。提案者でなくて、政府委員からの御説明でもけっこうです。
○説明員(村田義男君) 建築基準自体の問題が本法に適用されますのは、建築設備の問題、主要構造部、耐火構造、防火構造、不燃材料、建築、特定行政庁の指示というような、こういうふうな面が建築基準法にあるわけです。
○石井桂君 この三条の「国家機関の建築物については、この法律に定めるものの外、建築基準法による。」と、こういうふうに書いてあるのですから、基準法のことは私は非常によく知っているのです。ただ基準法以外のものは、どういうものがあるかという質問なんです。
○衆議院議員(田中角榮君) それは国家機関の建築物というものは、建築基準法の適用を受けておらないわけであります。ありませんから、この法律でもって規定する庁舎以外のその他のものは、建築基準法によらなければならないと、こう規定しただけでありまして、建築基準法以外の準拠法はないわけであります。
○石井桂君 その点は、提案者の私は説明の誤りだと思うのです。国家機関の建築物は基準法の適用はあるのだけれども、届出は要しないと解釈しております。そこでその点は提案者の方が誤まっておると思います。僕の方が正しいと思います。これで僕は飯を長く食ってきたのだから、これは間違いない。だから、基準法以外のこの規定に当るものはどこにあるのだと、こういうことです。
○説明員(村田義男君) それは現行の官庁営繕法の七条に、特に官庁建築物につきましては耐火構造の要求が強くなっております。一例を申し上げますと、「左の各号の一に該当する庁舎を建築するときは、その主要構造部を耐火構造としなければならない。一 建築基準法第六十条第一項の準防火地域内で延べ面積が三百平方メートルをこえる庁舎」、それから「延べ面積が千平方メートルをこえる庁舎」、これにつきましては、特に官庁建築物につきましては、不燃化を促進する意味から、建築基準法の特例規定になっておる、こういうことであります。
○石井桂君 そういたしますと、防火上の規定だけですか。
○説明員(村田義男君) さようでございます。
○石井桂君 それでけっこうです。
○近藤信一君 この二条の5に、「「一団地の官公庁施設」とは、」という規定の下に、「一団地の国家機関又は地方公共団体の建築物及びこれらに附帯する通路その他の施設」云々と書いてありますが、これは地方公共団体すべてですか、市町村まで入るのですか。
○衆議院議員(田中角榮君) 指定地区内に入る地方公共団体は全部であります。
○近藤信一君 指定地区というのは、都市計画として決定された場合の地区ですか。
○衆議院議員(田中角榮君) 例を申し上げますと、東京で新しく官庁等の一団地を作るとすれば、竹橋一連隊跡をどうするかというような問題になりまして、あのまん中にでも、一部にでも東京都の建物を作るとか、区役所の建物を作る場合とか、税務事務所を作る場合には、この法律の適用を受ける、こういうことであります。
○田中一君 これ提案者に伺いたいのですが、この官庁営繕法の、あなたがかつて提案されたときにも、いろいろ注文をつけております。注文をつけた問題が、ここのどの条にどいう工合に修正されておるか、そうして改正されて提案されたかを、一つ御説明願いたいと思います。
○衆議院議員(田中角榮君) この前の現行法の御審議をわずらわしたときは、官庁営繕の統一は必要である、もう一つ、これでは生ぬるいではないか、やるならば備品調達までやらなければならない、ということでありましたので、その線に沿って法案改正を急いだわけでありますが、理想的にすべてのものを縛るというわけにはいかなかったのでありますが、この法律を改正することによりまして、営繕計画を建設大臣に出し、大蔵大臣と予算折衝は建設大臣が行うということ、もう一つは、一件の工事二百万以下のものに対しては原則的に建設大臣が事業を執行するというふうに明文化してありますし、なお各省の設置法にも規定があるのでありますが、この法律ができましたので、それよりも優先して、各省大臣と建設大臣との間に協議が整わなかった場合でも、工事は原則的に建設大臣が行うというふうに、非常に明らかにしておるわけであります。なお、そのほか、倉庫や車庫等は一体どうするのかというような御意見があったようでありますが、このたびは庁舎の中にいわゆる倉庫や車庫を編入する。なお一団地の団地計画がはっきり定めてありますので、団地計画内の建物に対しては、地方公共団体の建物までもこの法律の適用を受けるように規定をいたしておるわけでありますから、理想的なものではないのでありますが、各省庁との摩擦をできるだけ避け、何とかして一歩を進めたいという考えのもとに、立案としては現行法よりも相当御意見を取り入れてあるつもりであります。
○田中一君 この裏の方の窓から見ますと、国会議事堂の中に四階か五階の鉄骨が今建っております。こういうものは一体、官庁営繕法を主管するところの営繕局長はどういう神経でこういうものを見ておるか。たとえばこの議事堂というものは、小島営繕局長はかつてこの建設に参画したことのある方だと承知しております。あなたはこの議事堂という一つの記念建造物というもの、これと現在衆参両院の構内の庭の片すみに建てられつつあるところの鉄骨の高層建築というものが、この官庁営繕法の規制している目的に反しているか、反していないか、またこの目的と合って好ましいものであるかどうかということも……。われわれの目の前にあるのです。これはなるほど十何階という建物のタワーがついておりますが、もう使用されているのは三階ないし四階まで。三階までが主であって、あとは……。そこに五階、六階のああしたものが建つということは、官庁営繕法という法の建前から見て、どういう見解をお持ちか伺いたいと思う。
○政府委員(小島新吾君) ただいまの議院構内にまたあらためてああいう建物ができるという問題でございますが、これは予算は前年度のものでございまして、実は私の前責任者の当時のことでございますが、私として個人として考えますと、やはり官庁営繕がもう少し計画性を持った建設をやらなければいけないということはつくづく感じております。それでそういう意味におきましても、このたびの官庁営繕法の改正は、一段と官庁営繕の計画的な建設をやることについて有効な改正じゃないかと存じておる次第でございます。この議院構内に、せっかくの広々とした所に、ああいうものを入れるということは、はなはだ建築屋としても不賛成、残念なことだと考えております。
○衆議院議員(田中角榮君) 私からも補足して申し上げますが、こういう建物を私も見ておりまして、田中議員の言われる通り、これは国宝的な建物であり、また日本の世界に対する代表的な建築物であります。その意味において、この建築が行われるときには非常に斯界の権成を集め、これだけのりっぱなものが建ったわけでありますが、戦後国会が独立したために、国会、裁判所の建物が全然別個に行われておるわけであります。この前の改正のときも、当然この種のものに対しては特に規制をしなければならないと考えておったわけでありますが、国会、裁判所は独立をしておるというこの予算の独立の面だけを取り上げまして、なかなかこの問題は解決しなかったのであります。
 今回の改正におきましても、議事堂というものに対して、議事堂関係のものに対しては独立をしておくべきものであって、この種の法律で規制をすべきものではないという相当強い意見もあったようでありますが、実際、ただいま御発言があったように、この二つの建物を見ても、この議事堂の双翼を形どるものでありまして、もっと慎重に研究はさるべきであったと思います。まあその意味において、国会の営繕に関しても除外例を認めないということで、この法律の改正をやったわけでありますが、最後に、一件工事二百万円の営繕といいますと、議事堂の改造は一体どうするのか、この議員のいす一つまでを建設大臣がやるのはおかしいという議論がありましたのと、ざっくばらんな発言が許されるとしたならば、そういうふうに衆参両院の庶務部長と話をつけてお出しになった方がこの法律は通りいいですよという、どうも政治的な発言がありましたので、ついに衆議院議長または参議院議長の所管に関する議事党の営繕及びその付帯施設というものを除外したわけでありますが、それ以外のものは全部本法の適用を受けることを規定しておるわけであります。
 先ほども申し上げました通り、この種の例を見ますと、もちろん団地の官庁施設を法制化するということがいかに必要であるかということは一目瞭然なわけでありまして、本法施行後は、少くともただいま御発言になられたようなことは万ないような状態を作って参りたいというふうに考えておるわけであります。
○田中一君 両院は除外するということは、現行法のどこにあるのですか。
○衆議院議員(田中角榮君) 現行法にはないのでありますが、これはもう当時から裁判所、国会は猛反対でありまして、入れられなかったのであります。改正法案の九条の二に、ただいま申し上げました通り、今度は国費支弁に基く国家建築物は全部この法律の適用を受ける、こういうふうに明確に規定してありますので、裁判所や国会も全部当然規制を受けるわけであります。その中で、院内の改造その他特殊なるものだけを除いてくれという話がありましたので、除いたわけであります。
○田中一君 私は現行法でもってそういう除外例があるとは認められないのですが、どこに除外例を持っているのです。第二条ではっきりと書いてあるのです。「「各省各庁の長」とは、衆議院議長、参議院議長、最高裁判所長官、会計検査院長並びに内閣総理大臣、各省大臣及び経済安定本部総裁」こうなっておるのです。これは提案者が記憶違いじゃないか。
○衆議院議員(田中角榮君) 現行法の官庁営繕法に対しては実施の規定がないわけでありまして、今までの例によって昭和二十一年からずっと、衆参両院で別々に工事を行なって参りたい、こういうのでありますから、これを建設大臣に統一をするならば、新しく法律で定めるということになりましたので、改正案に新たに定めたのであります。
○田中一君 現行法による審議会の委員はどういう方がなって、どういう審議会の会議を持っておったか、御報告願いたいと思います。
○政府委員(小島新吾君) 各省の施設に関係する方、それから学識経験のある方たち、そういう方たち二十名で構成しておりまして、毎年予算要求の前に、官庁営繕としての規模、企画、基準、単価、そういうものを議題にかけまして、決定していただいております。
○田中一君 様式なぞは、様式あるいは位置といいますか、こういう点は審議会では考慮されておりますか。
○政府委員(小島新吾君) 様式を特にきめておることはございませんが、位置その他は協議議題に上せております。
○田中一君 衆参両院の今度の鉄骨建造物は、この審議会の会議にかけられましたか。
○政府委員(小島新吾君) おそらくこれはかかってなかったかと思いますが。
○田中一君 これは提案者に伺うのですが、提案者は議院運営委員会の委員でないかわからぬけれども、少くとも与党の大幹部であらせられるから、従って、ああいうふうなものに対しては相当発言権が強かったと思う。そこでああいう建造物をかつての官庁営繕法の提案者であるところの田中角榮君が容認したという点はどういうところにあるのか。今時間もありますから、衆議院の営繕課長なりを呼んでいただいて、どういう経緯でああいうことになったか伺いたいと思うのですが、この官庁営繕法を作った提案者であるあなたは、こういうものを作っても何にもならないのです。空地があれば何でも建てられていいというのならばいざ知らず、現に砂防協会が持っておったところの民有地までも法律でもって取り上げようというような暴挙をあえてした提案者なんです。あなたは、衆議院においては賛成しておるのです。そういう方が、この官庁営繕法の制定と相まって、今まで過去三年間にどういう実績を残しておるか。悪例としては、砂防協会の問題と、かような建造物を作るということ。こういう点はどういう考えを持ってやっておるか、伺いたい。この際官庁営繕法を強化して徹底させようということなら、衆議院の方の営繕課長を呼んでいただいて、あるいは事務課長を呼んでいただいて、説明を願いたいと思います。
○衆議院議員(田中角榮君) 私は与党の幹部でも何でもないから、なかなかその種の問題に発言をする力はありませんし、衆議院の運営委員でもありませんが、運営委員会に、御承知の通り、庶務小委員会というのがありまして、ここでいろいろなことを計画しておるようであります。私は議員会館の問題、それから議員会館から本院をつなぐところの地下道のごとき問題、それから今の衆参両院で作られておりますところの面会所の問題、これに対しては、技術家として非常に遺憾だと考えております。私自身もこの種の問題に対して国会が独自でおやりになるということに対しては、これは予算が国会に独立してついておりますから、支出委任をすることはするかしないかは、衆参両院で独自にきめるものではあるが、この種の方法をやって参ると、全く国宝的な建物であるところのこの衆議院の構内というものが、全く戦後乱立したところの各庁各省の建物と同じようになって、収拾すべからざるものになるのではないかというようなことを考え、また意見も述べておったわけでありますが、すでに半建ちの現在まで強行せられております。これで廃止その他に対しては慎重に審議を行わなければならなかったのでありますが、遂に現状に立ち至りましたことは、非常に私自身は遺憾と考えております。そういうような状況が本法を早く出そうというふうなものになったということは、これは間違いないわけであります。この法律によって何とか縛ることによって、せめてあの程度のものでもって、将来こういうような過誤を行わない。私は、この衆参両院のいずれかの技術家の長に前管財当局からずっとおられた方がおいでになっておりますので、よもやさようなことを進めないと思っておったのでありますが、できてみると、今申し上げたように、これは大へんなことを行なったんじゃないかということを技術屋の一人として私は率直に考えておるわけであります。
 こういう問題が起きましたので、国会図書館の問題は、衆参両院の協議の結果、建設省に支出委任で工事を委託をせられたのでありますが、委託をするのではいけないという、こういう考えで、もう少し法制的なはっきりしたもので縛らなければいけない、そういう意味でこの法律案を提案したわけでありますから、この法律案が通れば、予算は当然国会につかずして建設省所管の予算としてつくわけでありますから、このようなことはなくなるであろうと思います。
 ちょっと、今訂正さしていただきますが、予算は国会につくのでありますが、予算が通過すれば、国会のみは移しかえとなります。また全然国会は独立しておるのだから国会でやるのだ、裁判所は独立しておるのだから裁判所でやるのだというようなことはなくなりますので、今までの問題は問題として、この法律が公布せられればこのようなことはないと考えております。
 特に私はきょうも、今こちらへ参りますときに、両方の工事場を見て参りました。特に御質問があるだろうと思って見て参りましたが、すでに坑道との間にドライエリアの工事をやっておりますが、あの程度の建物であれば、この法律が公布すれば、あれを坑道をこわして、今の議員会館が統一ある建物になる場合には、引っぱり得るんじゃないかということを考えて参ったわけでありますが、とにかくあのようなものを作って、坑道をこえて飛地に移転をするとすれば、大きな国の損失であります。そういうようなことを少くともやらしたことに対しては、官庁営繕法の提案者である私もおしかりを受けておりますが、これは国会そのものの運営に対してももうすでに再検討しなければならないという事例の一つだと、まじめに考えておるわけであります。
○田中一君 今度の改正案の第五条の二以下の問題ですが、一体「官公庁施設の境域内の」というのはどういう程度のものを押えておるのか。たとえば首都建設委員会は相当広範囲な地域を官庁街というような一応の決定を見ておるのです。これはどの程度のものをさしておるのですか。
○衆議院議員(田中角榮君) これは境域ではなく地区であります。先ほどちょっと申し上げましたが、いい例をとりますと、今の竹橋から半蔵門に抜ける通りがございますが、この右側に旧近衛歩兵一連隊の跡があります。今のそういう関係の建物等をこういうところに移したらどうかという問題は、戦前からあったわけであります。こういうふうな地区を指定して、団地として官庁街を作ろう。こういうのでありますので、ほかの例を申し上げると、県庁を中心にした地域を指定して、その中には官公庁施設以外には建てられない、こういうふうにしよう。こういうふうに地区を指定した、こう考えております。
○田中一君 それでは国会を中心にして、国会の団地という区域はどの範囲を考えているのですか。だれが決定したものか、それを認定するのか、また今後認定しようというのですか。
○衆議院議員(田中角榮君) この法律が公布せられましたら、いわゆる都市計画と十分関連を持った官庁地区を指定する。今でも官庁地区というのは、霞ケ関地区は官庁街であるということは一般的には認めておりますが、法律的にこれを強制するということはないわけであります。ただ国有地でありますので、国有財産の賃貸を行わなければ官庁建物以外は建たないというだけでありますが、国有地でも官庁以外の建物が建っているというような所の例もあります。これは国会では問題になりましたが、今の特許庁の隣接敷地等には、いつの間にやら国家機関及び地方公共団体建物以外のものもできているわけであります。こういうものができると、移転をするとかなんとか、非常にむずかしい問題がありますので、この法律が公布せられましたら、当然まっ先に国会を中心にした官庁地区というものは指定をされなければならない。今の状態ですと、土地がないというので、各個ばらばらに官庁をどこにでも作っていくというような情勢がありますので、これは国会を中心にして早急に指定しなければならない、こう考えておるわけであります。現在指定はありません。
○田中一君 これは今提案者がるる説明していますけれども、実際にそういう傾向に持っていこうというおつもりなんですか。提案者はこの条文をほんとうに御承知でもって説明しているのですか――じゃ、衆議院の法制局は来ていますか。
○衆議院議員(田中角榮君) これは当然官庁は団地に作らなければならないという考えを持っておるわけであります。
 もう一つは、団地ということと、今の国有財産取得の状況を見ますと、土地の価格は非常に高いのであります。総予算の二割ないし三割をこえている、こういう状況でありますので、私たちが現行法を制定しますときには、高層建築にしよう、総合庁舎、すなわち合同で使用できる庁舎をできるだけ作りたい、こういう考えで今の農林省の庁舎等は作られたわけであります。だから、すでに今の状態では、地方に参りますと、警察署を作るからたんぼをつぶす、新しく税務署を作るから畑をつぶすということが非常にたくさんあるのであります。こういうことはしてはならないというので、その種のものに対しては団地計画を行なって、その地区内に対しては相当きつい一団の官庁営繕施設を作ろうというのであります。
 なお、私権の制限がありますのは、これは一つの地域を指定しますと、その指定された地域内の民地は、いわゆる強制買い上げというようなものになりますから、私権の制限になります。なりますが、これは今でも風致地区内においてはこういうものを建てちゃならぬとか、商業地区内においては八割以上建ててはならないとか、私権の制限を行なっております。もう一つは、官地等を求めるところの、都市計画法にこれは私権の制限を行なっておりますので、同趣旨の規定をしただけでありますから、この法律ができれば、団地計画は当然強行せられるということを考えておるわけであります。
○田中一君 私は、もしそういう意図のもとにくるならば、これは絶対に賛成できないのです。むろん地価が上るということは、自由党、民主党の二つの政府が今まで地価の上る政策をとったから上っているのです。これは僕が言うまでもなく、あなたがよく知っているはずなんです。あなた方が地価の上る政策をとって上げたのです。そうして今度は国がやはり権限でもって一応指定してしまって、いわゆる私権を制限して、そうしてそれをぶん取ろうなんという考え方は、これは共産党以前のものなんです。封建以前のものですよ。そういう意図を含んでおるものだったら、これはとても問題は大きい。そういうものであってはならない。従って、だれがそういう団地というものの決定、境域というものをきめるかということが、先決問題になるのです。私はこの法律ができたからといって、すぐにそれが私権が制限されるものではないと思うのです。現在この国会の法の暴力でもって砂防協会というものを抹殺しようとしたことが、衆議院においてその議決が行われたことは、御承知の通りですよ。従って、国会を中心とする境域というものは、どこをさしているかということを明確にしていただきたいんです。その例として、この国会を、両院を中心としたところの一団地の官公庁施設の境域内というのは、どこからどこを示しているかを、明確にして、いただきたい。こういう法律は危険ですよ。
○衆議院議員(田中角榮君) これは田中さんが言われるような論もできるのでありますが、実際はこの法律ができますと、私権の制限ということがあると、非常に大きな問題でありますから、だから、審議会を設けることになっております。十分な審議をするのであって、国会を中心にしてどこがよいか、特に砂防会館の問題を例に引かれて言われておりますけれども、私はあのときの議決に加わっておるかどうか、(「加わっている、加わっている」と呼ぶ者あり、笑声)つまびらかにしないのでありますが、あれは衆議院でありましたか、参議院でありましたか、よくわかりませんが、とにかく衆議院、参議院というものの横暴だと私個人は考えております。あれは、いわゆるあの当時議論的には相当対立があったにもかかわらず、衆議院を中心にした、いわゆる衆議院及び参議院、すなわち国会の規模というものをきめないで建てられては困るから、ある期間、すなわち明確な国会用地が決定するまで待ってもらえないかというような状態であるべきであったのが、こういう議決になったようでありますが、私はあの問題でこれを律していただかないで、この問題はちょうど、風致地区に対してこういうものを建てちゃいかぬとか、それから商業地区は八割以上建てちゃならぬとか、住宅地区は五割以上はいけないという種のものでありまして、これらに対して、先ほどあなたも言われましたが、直ちに私権の制限が行われるというようなものじゃないのでありますし、特に官庁の建物は、官庁のための官庁の建物じゃなく、国民のための官庁施設でありますから、国民の利便をはかるという意味での幾らかの制限は、これはやむを得ないのじゃないか、こういうことを考えますのと、そうであるならば、絶対に反対だというところまで強硬なものにはならないのじゃないかと思いますのは、今ロンドンがニュー・タウンをやっておりますが、ニュー・タウン法については私権の制限は幾らかやっている、という程度のものでございますので、どうぞあしからず御審議をしていただきたいと思います。
○田中一君 どうも田中君の議論は、行ったり来たりして、ごまかし論だよ。あまりしゃべるなというんだ。矛盾撞着もはなはだしいんだよ。君、速記録をよく読んでみたまえ。だから、この法律というものをほんとうにそしゃくしてないのではなかろうかと、僕は言っているんだ。そうかもわからないなら、わからないでいいから、ただ明確にすればいいんだよ。従って、もしも一団地の官公庁施設の境域内というものは何かというんです。だれがきめるのか、どこにあるのかということなんだ。たとえば砂防協会の場合には、首都建設委員会第十五号告示によって、これはかくかく予定地になっているからいけないんだということをいって、諸君は私に食いついてきたんだよ。これはもう非常に論争をやった問題なんだ。そこでこの法律ができて、そうは直ちになりませんというなら、これは了解ができます。しかしながら、この法律によって云々ということはありようがないと思う。これを見れば、私はそう解釈をするんだ。それならばいいんですよ。そうすると、今度はその場合にはどういう形で団地を取得しようかということを考えるのかということを質問しているんだ。どうも田中君、君、少しごまかし過ぎるよ。
○説明員(村田義男君) ただいま田中委員から御質問のありました一団地の官公庁施設の問題でありますが、これは田中先生のちょっと表現の問題でありまして、地区の概念ではございません。一団地と申しますのは、都市計画の区域内でございまして、大体原則として幹線街路に囲繞されたもの、いわゆる都市計画法上における幹線街路に囲繞されたそういう一つのブロックの中から、いわゆる官公庁施設として必要最小限度のものをまず計画的に土地をきめます。その土地ということから、いわゆる計画の中で最小限度生まれてくる土地が一つの境域ということになるわけでございます。でありますから、この境域というものは、地区という概念とは全然違いまして、そういう施設自体から生まれてくる一つの境域の概念であります。でありますから、非常に面積の規模も小さくなりますし、しかもその決定は、都市計画と同様に、都市計画審議会で民主的にきめられていく、こういうルートをとって参るわけでございまして、その事例といたしましては、お手元にきょう配付いたしておりまする札幌、広島等の事例がございますが、大体この幹線街路を中心といたしまして合同庁舎なりのそれぞれの計画をする、こういうふうなことになってくるだろうと考えます。
○田中一君 では、国会の場合は、どこからどこまで、どうきめる考えでいますか。
○説明員(村田義男君) 国会の場合は、現実問題といたしましては、まだこれから部市計画審議会におきまして具体的にどういうふうな面まできめていくか、こういう具体的な問題に入ると思いますが、大体この一つの事例を申しまするならば、一団地と申しますると、今、田中角榮先生から、前に事例として申し上げました竹橋代官町というふうな所は、その一団地の一番のいい実例だと思いますが、ああいうふうな一つの司法施設を一つの計画上から求めるということは、境域内の観念から出てくると思います。でありますから、立法機関等におきましても、立法施設の機能上、どういうふうな点の計画をきめていくべきかというふうな観念から都市計画法上きめていく、こういうことになっております。
○田中一君 南甫園を中心にするあの辺に民有地が相当あります。それではこれに十二階建のアパートを建ててよろしゅうございますね。
○説明員(村田義男君) 現行法のもとにおきましては、この法律ができていない以前におきましては、その規制は出てきませんが、いわゆる都市計画審議会自体においてそういうことをもしきめる場合においては、その制限は受けると思います。ただし、実際の計画段階におきましては、なるべくそういう私有地をできるものならば避けていきたい、そういうふうな面で極力その私権の制限は避けていきたい、こういうふうに考えております。
○委員長(赤木正雄君) 今、南甫園の地区に対しては建てても差しつかえないというふうな御意見でありましたが……。
○説明員(村田義男君) 建てていいと申したのではありません。都市計画審議会自体で、もしそういうふうなことをきめるとしますれば、法理上としてはそうかもしれませんが、具体的な問題といたしましては、そういうふうな面は、私有地は極力避けて運用される。現に官公庁の施設の問題に関しましては、大部分は国有地が対象になっておりますので、そういうふうな私有地の制限というものは、具体的な問題としては受けないのではないかというふうに考えておる次第でございます。
○委員長(赤木正雄君) 首都建設委員会で、中央官衙を建てるということをきめておりますね。その中に、確かに南甫園の地区も入っておるように私は思っておるんです。それはわれわれがこの委員会で図面ですっかりその地区を見せてもらったんです。この地区に建ってはいけないんだというふうなことを強く言われたことをわれわれ覚えておるんです。
○説明員(村田義男君) 現在の首都圏の官衙地区と申しまするのは、あくまでもこれは一つの告示として規定しているだけでございまして、別に法律的な強制力はございません。現在の段階におきましては、そういうふうな観点から一応計画段階としてああいうふうな地域を一応想定したものだろうと思います。ただ現実の運用におきまして、あるはそういうふうな事例があったかも存じませんが、少くも法理的にはそういうふうな規制があるわけではございません。
○委員長(赤木正雄君) 法理的にはないとおっしゃいますが、私は、また砂防会館の問題になりますが、あの問題から観察いたしまして、いわゆるこの地区には、国会その他の建物の関係から、こういうものを建てては困るのだというのは、そもそも衆議院で議員立法になりました根拠になった、こういうふうにわれわれは思っているのです。そしてなお不思議なことは、砂防会館は結局国で土地をお買いになりましたが、南甫園の手前の方のやはり中央官衙を建てるという地区内に、その当時すでにほかのものを建てていた。それについては何らこれを建てては悪いというふうなことがなかったのです。非常に不思議な事実が起っていたのです。そうすると、首都建設委員会のやっていることは何ら意義がないということになりますですね。
○説明員(村田義男君) 法理上からは別にそういうことは出て参りません。
○委員長(赤木正雄君) わかりました。この次の法案を審議するときの参考になりました。
○田中一君 もう一ぺん提案者に伺うのですが、この法律ができたからといって、私権の制限は直ちに行われるものじゃないということを確認してよろしゅうございますか。提案者に伺うのです。
○衆議院議員(田中角榮君) 大体国有地を対象にしておるのでありますから、そのような事例は起らないでありましょう。
○田中一君 大体国有地であるというのは、法文のどこに出ております。どこに出ておりますか。何条の何項に出ておりますか。
○衆議院議員(田中角榮君) これは審議会にかけるのでありまするし、審議会でもって議案審査をするわけでありますが、これは運用の問題でありますから、だから、私権制限をしなければならないような民有地は、非常に道路や何かをやるにしても大へんな問題が起きますので、そのような個所をなるべく避けるということが事務当局の案でありますから、この法律が公布せられて団地の指定を行う場合でも、極力民有地を避けるのでありますから、私権制限は起らない、こういうことを申し上げたのであります。
○田中一君 民有地は起らないということはありようがないのですよ、この条文を見たのでは。民有地も、国有地も、公有地も、みんな同じなんです。そういう答弁じゃ困るのですよ、私は速記録に残しておきたいと思うから。この法律が出ても、民有地というものは一切団地計画に入れないということなのか、入れるならば時価でそれを買い取って入れるというのか。少くとも私権の制限された土地価格というものは、非常に低廉になるのです。現在首都建設委員会の告示第十五号と思いますけれども、あれですら相当制約を受けているんですよ。そういう危険な法律に基く告示が出ているにかかわらず、またこうして国会という――あなた方は法律を実際にもてあそんで、私権というものを強奪しようとしたことがあるんです。そういう国会議員が――われわれも入っていますが、(笑声)この両院を通じたところの議事堂の周辺においてどこを設定しようとするとかというあなたの一つの構想があると思うのです。一面においては五階建のあんな変なものを作って、一面においてはまた私権をとる。そういう、国会というものは不合理な、何でもかでも勝手にできるものじゃないのです。従って、その構想だけを示していただきたいのです、それを速記録に残したいのですから。
 これは提案者に申し上げますが、あなたの思いつきや、あなたの感じで言ったのじゃ困るので、従って法案の提案者としてのあなたの私はお言葉として伺いますけれども、これは先ほどの御答弁の中に、出たり、入ったり、引っ込んだり、縮まったり、それは回りくどい言葉でもって、何をつかんでいいかわからぬような答弁ばかりなんですよ、実際をいうと。それではっきりして、法制局長でも呼んでいただいて、それでこの条文ならこうなんだという明確な答弁をしていただきたいのですよ。これはあなただけに言うのじゃないですよ。また管理課長もいるけれども、あなただけじゃ困るのですよ、運営とか運用とかでもって物を判断されたのでは。結局判断の問題で左右されるということになる。まして法律を作ってまでも私権を取ろうなんというようなことを考えられたことがあるんですから、少くとも国会周辺におけるところの扱い方は、運用はどうするかという構想だけを御説明して下さい。
○衆議院議員(田中角榮君) 非常に重要なところでありますから、端的にお答えを申し上げますが、この法律をずっとお読みになっていただくとわかるのでありますが、私権の制限というものに対して明確な規定はございません。もう一つ、土地収用の規定もございません。ございません場合はどういうことになるかと申しますと、ありませんから、この法律で団地を指定するというだけでありますので、指定は、実際問題としての問題と、純理論としての問題の二つに分れると思いますが、現実論としては収用規定がないのでありますから、いずれにしても国有地を対象にし、国有地以外のものは指定をしないということが考えられるおけであります。ただし、理論的には、国有地以外には団地を指定しないということは書いてないのだから、その一部がどうしても民有地を必要とする場合があり得る、この場合一体どうするのか、こういうふうな議論になると思いますが、その場合は当然双方合意の協定に、基いて買い上げを行うということになるわけでありますから、指定をせられても私権を大きく制限するというようなことは実際的に行われない、こう考えております。
 で、もう一つ申し上げますと、衆議院で耐火建築促進法の審議をやり、参議院の審議をわずらわそうとしたときに、こういう議論が非常に強く、原案もそのようでありましたのは、日本が高層建築化をはかり、不燃建築化をはかるためには、その不燃建物の敷地が三分の二に該当する場合、隣接敷地の三分の一を収用してもよろしいという非常に強い収用規定があったわけであります。それはいろいろ議論をしたのでありますが、時期尚早ということで削ったわけでありまして、その後は公共事業に対する土地収用規定以外には全然ありませんから、この法律でもって団地として指定しても、収用を行うというような実際問題は起らない、こういうふうに申し上げたわけであります。
○田中一君 その御答弁も間違いだと思うのです。土地収用法の第三条第三十一号には、「国又は地方公共団体が設置する庁舎、」、これは当然土地収用法にかかるのです、はっきりと。あるのですよ。これできめないでも、庁舎の敷地内ときめれば土地収用法に触れるのです。だから、これになくても、土地収用法にちゃんとあるのです。第三条第三十一号に、「国又は地方公共団体が設置する庁舎、工場、研究所、試験所その他直接その事務又は事業の用に供する施設」は、全部土地収用法を発動することができるということになっておるのです。
○衆議院議員(田中角榮君) こういうふうな御質問ですから、私は端的にお答え申し上げますが、この法律に規定します通り、団地の指定を行うと私権の制限、いわゆる強制収用が起らないか、こういう御質問でありますから、この法律で規定する団地の指定を行なっても、しかもその指定は国有地を対象として行うというのでありますから、私権の制限は現実問題として全然起らない、こういうふうに御答弁申し上げたのであります。
○田中一君 私はそう見ない。というのは、今の図面によって、広島県の県庁の敷地を示して、これは団地なりという説明があります。しかしながら、あの首都建設委員会がきめているように、あの向う側のワシントン・ハイツというのですか、そこから含めて、平河町の電車道の北側を全部含めて官庁予定地なりといってきめている限り、これはやはり一団地にすぎないのです。一団地にすぎないと私は思う。国会という大きな公共建造物という観点から見れば、言えるのです、こいつは。ですから、非常に運用ということは危険だと言うのですよ。従って、国会の場合にはどこどこが団地という認定をするのかどうかということを聞いたのです。首都建設委員会ではもう、たしか第十五号告示でもってきめているのですよ、ここで。こういう場合にはやっぱり団地に入るのじゃないかと思うのです。入るならば、やはり土地収用法が適用されると思うのです、自然に。だから、一体その国会を中心とするところの団地というのはどこを示すかということを答弁してくれと言っているのです、私は。
○説明員(村田義男君) 私から補足説明を申し上げますが、ただいまの御質問の、土地収用が当然役所の庁舎についてはできるということは、これは土地収用法自体としては当然できます。ただし、一団地の官公庁施設と申しますのは、庁舎自体のことを申しているのではありませんので、そういう官公庁施設のいわゆる総合計画のそういう施設、いわゆる国家機関及び地方公共団体の建築物、通路、それから駐車場施設と、そういうふうなものを総合的にひっくるめたものがいわゆる一団地の官公庁施設でございまして、土地収用法に規定してありまするのは、官公庁自体の建築物の敷地自体のことが規定してあるわけでございまして、一団地の官公庁施設はそういう意味からいえば一つの広い概念になっておるわけでございます。ですから、土地収用法自体とこの一団地の官公庁施設というものは、そういう意味においては関係はございません。ただ、一団地の官公庁施設が決定されました場合には当然その収用が来るかと申しまするならば、一団地の官公庁施設の計画決定の段階におきましては、土地収用法自体というものは別に起きて参りません。あくまでも都市計画法自体におきまして私権の制限といたしましては、本法に規定しておりまするその計画境域内におきましては堅固な建造物は建てられない、その場合には許可で引っかけて制限していくと、こういう意味でございます。
○田中一君 私の質問は、田中角榮君が言うから、それに対する質問をしているのであって、私も今の管理課長と同じ意見を持っている。あなたのおっしゃる通りだと思うのです。
 そこで、もう一ぺん採決に入る前に伺いたいのは、国会議事堂を中心とする官庁というものは、どの辺までを団地として見ていいのかということを明確にして下さいと言っている、具体的に。運用々々とあなたは言っているけれども、運用をどの範囲にという、その例を明示して下さいと言っているのです。なるほど広島県庁の場合には、ここに図面が出ているのです。議事堂の場合にはどう考えているかということを言ってくれと言うのです。
○説明員(村田義男君) また田中先生にしかられるかもしれませんが、実はこの首都建の告示自体は、御承知のように、まあ先ほど申し上げましたように、これはただ告示でもって一応こうありたいと、一つの計画地域を示しているにすぎません。ですから、これは法理上のあれとしましては、その首都建の告示地域自体がすぐ一団地に入るということは絶対ございません。
 それで、この立法府を中心としたあれをどの程度までにおいて計画をきめるかという、こういう具体的な問題につきましては、これは一団地というものの一つのまあ境域のきめ方の根本観念になると思いますが、これは都市計画審議会におきまして、大体この幹線街路を中心として、原則として幹線街路の一つの境域内においてそういうふうな施設計画をきめていくということになりますから、当然一つの幹線街路というふうな面で制限されてくると思います。でありますから、首都建の告示区域と申しますものは、そういうふうなあれでなしに、単にこういうふうに広く計画を作りたいという一つの告示区域でありまするので、幹線街路以上に地域を広げておりまするので、そういうふうな意味から申しまして、首都建の告示区域というものは当然一団地の中にある、こういうふうな考え方にはなりません。
 ただ御質問の、立法府を中心とした一団地の構想は今どうか、こういうふうな面につきましては、本法が実はまだ施行されておりませんので、立法府自体の計画をどういうふうにきめるかという問題は、都市計画審議会自体でこれからきめるべき問題だと思いますが、われわれが今法律上想定しておりまする具体的な例としましては、東京の例で申しまするならば、大官庁施設であるとか、それからまあ今具体的にございます例としましては、広島であるとか、札幌であるとか、こういうふうな例を大体具体的に描いている次第でございます。
○田中一君 どうもはっきりしてきませんから……。あなた方わかんないですよ、どういう計画か。都市計画審議会は答申というか、告示をしているんですよ。ちゃんと、そいつを認めるんですか、認めないんですか。これはおれの方は知らぬとおっしゃるんですか。
○説明員(村田義男君) 団地計画としては、その首都建の告示区域自体をそのまま認めません。
○田中一君 たとえば議事堂の周辺、あるいは公社の周辺とかいうもので見た場合には、おのずから団地になるのですね。一つの団地の規模の大きさは、規模はきめてないんですよ。あるいは十万坪を一団地と見る場合もあれば、あるいは二千坪を一団地と見る場合もあるんです。ですから、幹線々々とおっしゃるけれども、たとえて言いますがね、平河町の電車道は幹線ですか、あれは。
○説明員(村田義男君) ちょっと今、はっきりした答えを申し上げるのは……。大体幹線だろうと思います。
○田中一君 それがわからなければ……。わかるように答弁してくれと言ってるんですよ。わからなければ、わかる人を呼んできて答弁してくれと言っているんですよ。この際一つどなたか呼んで、明確に答弁できる人から答弁してもらいたいんです。
 次に質問します。この官庁営繕法制定のときに、それは非常に強い注文をつけているうちの一つなんですがね、様式の問題なんです。様式の問題を田中君にずいぶん追及して、田中君の、建築家として考えた場合には、どうも突拍子もない様式のものばかりじゃ困ると思うんですね。たとえば裁判所は、この前も言った通りだ。最高裁判所があれだけでかでかとした車寄せをつけて、威風堂々として相手を威圧するような建物も必要なら、警視庁という、あの何段かしらぬが、階段を何段かとことこ上がって、陰気な部屋や廊下ばかり作ってやるのが、これは警察建築かも存じません。しかし少くとも新憲法下におけるわれわれ国民が見る場合の官庁建築というものは、そんなものであっちゃならないんですよ。そこで様式の問題が非常に重大な要素となるんです。刑務所というものが、まあ日本でも、私は入ったことがないからわからぬけれども、府中だか、小菅だかは相当新しい近代アパートと同じような設備がある。あれでも刑務所は刑務所なんですよ。従って、様式の問題が、非常に大きな官庁営繕の要素になると思うんですよ。それで、そういうものに対しては審議会というものは有名無実で、分取った予算を示し合せて、おれは今度はこんなものを作るんだという程度のことしか打も合せてないようです、今伺って見ると。もっと真剣に、国民のための官庁営繕という観点から見る場合には、そういう点を相当強く審議しなくちゃならないと思うんですよ。この点は、また運営というかしれぬけれども、運営でもいい。どういう気持でもって今度の改正案を出し、またそれを織り込んでいないように思いますので、計画はわかりますけれども、どういう考え方を持っているか。あまりたくさん言うと矛盾撞着がございますから、簡単に願います。
○衆議院議員(田中角榮君) 先ほど石井さんからも御質問がございましたが、戦後は新しい、国民が待望するような、また国民になじめるような建物を作るために、民間建築家に対する委託設計も行われたわけであります。非常にいい建物もできておるわけであります。建物もできておる反面に、各省各庁が勝手にやりましたので、いろいろな型の陳列というような面も出ておることは事実であります。特に各省各庁に営繕部、営繕課を設けてやっておりますので、各個ばらばらになり、なおかつ技術屋が現業の監督というような面にだけ重点を置かれておりますので、この法律が公布をせられますと、技術屋の配置転換も行われますし、交流も行われますので、優秀なる技術屋に、技術的な問題のみではなく、いわゆる国民になじめる官庁建物としての基本的な諸問題を研究せしむるようにいたしたいと、こういうことを申し上げたわけでありまして、統一をすれば、まああんなものができるということではありませんが、少くとも官庁営繕には一つの型があり、しかも新しい意味における官庁営繕物をこれから築造して参りたい、こういうふうな考えであります。
 特に例を申し上げますと、この大蔵省営繕管財局当時作りましたのが、警視庁、内務省の建物、それから文部省、今のファイナンス・ビルというような一連のものができておりまして、あの当時はこういう型を一つの基準で作られたわけでありますが、あのようなものが現在の日本の官庁建物として適当であるかどうかということは、はなはだ疑問があるわけであります。その意味において、新しい立場から新しい官庁建築物を理想的に作って参りたい。特に地方の建物等は各個ばらばらでありますから、団地の指定ができて、官庁の建物が一つの団地に集約せられるというような場合には、構造その他も当然統一せられたものになるであろうと期待いたしておるのであります。
○田中一君 第九条の二の三号のイからヘですね、これは除外例ですね。
○衆議院議員(田中角榮君) そうです。
○田中一君 そうすると、官庁営繕法を提案したときの提案者の意図というものは、こういうものを全部一元化しようというところにねらいがあった。今度はこれを明確化するといって、官庁営繕の計画の後退なんですね。たとえば法務府においては二百数十名の建築技術家を持っておるのだし、そうして委託工事を建設省にまかしている分もあるのだし、従って、これは議員提案ですから、閣議でどういう申し合せが出るか存じませんけれども、少くとも小島営繕局長はこの法律が議員提案されるということはわかっておる。従って、閣議で何らかの協定をしなければならぬと思うのです。協定というか、申し合せですね。その場合に、これによって現在営繕局が受けて建っておるところのこの範囲の、イからヘの中に含んでいるところの営繕も、予算を持っておるところの相手方に全部を渡してしまうかどうか。その点はどういうような考え方で提案者はおるか。それから当面、営繕局長はどういうような認識の上に立っているか。御説明を願いたいと思います。
○衆議院議員(田中角榮君) この除外例は、私といたしましては、原則的に置きたくないという考えでございましたが、この程度の除外例でもって何とか法案提出までにこぎつけたのでありまして、これだけの除外例ででも、非常にもっと大きく除外しろという各省の考えが非常に多いわけであります。これは各省の設置法で、所掌事務の遂行に直接必要な事務所の施設を設置し、及び管理することができるという規定があります。これは昭和二十二年か一年のどさくさに作った法律でありますが、これは現行法にみな書いてありますので、これをたてにとって、悪い言葉でいえば、各省のセクショナリズムを遺憾なく発揮して、立法府の議員を困らしておるわけであります。これはせめて何とかしなければならないというのでありましたが、これは長い間、いわゆる「受刑者を使用して実施する刑務所その他」という特殊な建物は除外してございましたが、それからもう一つは、山間僻地で、建設省の営繕局が行わない方が安くいくというようなものもあるわけであります。これは除外例、特別なものでありますが、そういうものもあるわけであります。そういうようなものでも建設大臣が行うことにしておいて、そうして各省の長と協議が整った場合、まあ逆に委託してやらした方がいいじゃないかという議論も私たちはしておったわけであります。特に私の党の政務調査会あたりでは、アメリカ式に備品の調達まで行うべきだ、これは非常に国の予算を効率的に運用するにはこれ以外にないのだというような議論もありましたが、遺憾ながら、円満にまとめようというので、こういうところまで後退したわけであります。しかも現行法よりも相当進んでおりますから、まあ今の段階においてはこの程度でやむを得ないのじゃないかというので提案をいたしたようなわけであります。
○田中一君 私、そういう質問じゃないんです。それはわかっておる、書いてあることは。そうじゃなくて、現在法務府なら法務府が営繕局に委託しておる事業というものが、それがこれによって後退しやせぬかということです。また自分の方でやるというようになりはせぬかと言っておる。その場合は、提案者は御存じないのです、閣議できめるでしょうから。従って、その見通しは、どういう見通しのもとにいるかということを伺っておるのです。
○衆議院議員(田中角榮君) これは先ほど御質問もありましたが、いわゆる学校建築であっても、復旧校以外は建設大臣が行うということに規定しておりますが、規定がない状態と違いまして、今度は明らかに規定いたしますから、争えば建設大臣が行えるのでありますが、争わないで円満に両省の大臣で協議してやる場合には、在来の例もあるからということになれば、文部大臣が行うか、もしくは建設大臣に大きなものをまかすかという道が開けるわけでありまして、現行法よりも進歩であります。
 もう一つは、法務関係では、受刑者を使って建築をする建物ということを広義に解釈し、また折衝の過程においては、検察庁の建物等も全部除外してくれという強い意見があったのであります。ありましたが、それはもうこの法律案を提案する趣旨と全く逆行するので、遺憾ながら応じかねます、こういうので、本法では、検察庁の庁舎を全部建設大臣が行うことに規定しておりますから、これは今まで支出委任をしたりしなかったりという状態から比べますと、非常に大きな進歩になっておると思います。
○田中一君 じゃ、これは小島営繕局長にお願いしますが、一応この提案者は、おそらく各省との打ち合せもしたと思います。従って、どの程度までの除外例というものを認め、具体的に、今確かに、検察庁あたりは全部営繕局がやるのだ、建設大臣がやるのだと言っておるけれども、これは疑問に思うのです。そこでそういう点は、これはもう政府提案でないものだから、提案者を責めてもしようがないのですが、あなた大臣じゃないものだから、そこでどの程度までのものを了解されておるのか、これ資料として、これはきょう採決してもかまいませんが、資料としてそれを急速にお出し願いたい。そうしてそれを委員長がもしはかり得るならば、それを速記録に載せていただきたいのです。提案者は各省の了解事項としてこれは除外する、これは除外するという一つのイからヘまでのものを、これはこれとはどんなものか、これ以外とはどんなものか、現在営繕局に委託しておるものは委託しておるもの、それ以外に二百数十名もあって、法務府は自分で営繕部か何か持っております。その中で検察庁その他も全部、今提案者の速記に載っております、言っておる通り、営繕局の方にこの新しい問題二百二、三十名の問題も起るのです。そこでそういうことが明確にどういう話し合いのもとにこれが明記されたかという点、従って、イからヘの間の適用されるものと、それからこれ以外のものと、建設大臣がやるべきものというものを、区分けをして、それを速記録に残していただきたいのです。この法律を作ったために新しいトラブルがあるはずがないのです。これは内輪話をいえば、政府提案にしたかったけれども、どうしてもこれは各省の話し合いができぬものだから、社会党、自民党に何とか頼む、よし引き受けたといってやったことですから、従って、この法律ができたためにまたいろいろの問題があっても困るのです。そこで了解のついているものだけを明記してほしいのです。
○委員長(赤木正雄君) ちょっと速記を止めて。
  〔速記中止〕
○委員長(赤木正雄君) 速記をつけて。
○田中一君 先ほど提案者並びに政府に要求しておいたのですが、議事堂を中心とする、議事堂建築に関係する団地、いわゆる用地計画線というものはどこからどこまでを考えておるのかということを、事例として、図面でも何でもいいから、お出し願いたい。先ほど管理課長は、そうきめても直ちにそれは制限されない、しかしながら他の方法で、その建造物をする場合には他の方法で制限するという重大な発言をしておるのです。私は管理課長がどういう権限でどういう根拠でもってそういうことを言っておるのかという問題を、今の資料をお出しになると同時に、明確にしていただきたい。首都建設委員会の告示第十五号というものがそこまでの強制力を持っておるかどうかということも、明確にしていただきたい。同時に、今の第九条の二の三項のイからヘというものが具体的に除外されるものはどういうものであるかという、物件ごとに明示されたい。従って、建設大臣の方に移管されるというか、委託されるという物件はこういうものであるということを、両方明示されたい。そのかわりに、その中間にどっちに行くかわからないというものはないようにして、資料としてお出し願いたい。
○委員長(赤木正雄君) 今田中委員の要求された資料は必ず御提出願います。よろしゅうございますね。
○衆議院議員(田中角榮君) わかりました。
○説明員(村田義男君) ちょっと誤解があるといけませんから……。他の権限と申しましたのは、土地収用法自体でそういうふうな問題が起きた場合においては、土地収用法自体で行くと、こういうふうな点を申し上げたつもりだったのでございますけれども。
○田中一君 また砂防協会の例でいきますが、砂防協会は当然あすこへ建ててもいいのです。建ててもいいけれども、許可をさせないということによってその建設計画をぶちこわそうとしたのですね。あなたは御存じないかもしらぬけれども……。従って、たとえばその計画線の中に何の制限もないけれども、そこは自分の、まあかりに南甫園が、どうもシナ料理がよくなくなったものだから、これは一つホテルを作ろうといった場合に、東京都に許可をするなといって許可をしないこともできるけれども、しかし許可をしないという理由はないのです。しかしながら、そこは強い力でもって、させない。難くせをつけるということは、現に砂防協会であったのです。従って、そういうことがあなたはあると言ったのです、そういう方法でやれるといったのですね。もしそう言ったのでなければ、そういうことがないと、この団地内に、あなたが資料としてお出しになる団地内に、だれが高層建築を建てても一こう自由でありますという答弁書をつけた資料をお出し願いたい。小島局長、よろしゅうございましょうね。
○政府委員(小島新吾君) 今、田中先生からの御要求の資料は必ず出します。
○委員長(赤木正雄君) なお資料提出は、ややもいたしますと、法案審議が済みますとお出しにならないことがありますから、必ずお出し願います。
 ほかに御質疑ありませんか。――御発言がなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(赤木正雄君) 御異議ないと認めます。
 これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにして、御意見をお述べ願います。
○田中一君 討論省略。
○委員長(赤木正雄君) 討論を省略することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(赤木正雄君) 官庁営繕法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
○委員長(赤木正雄君) 全会一致と認めます。よって本案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本院規則第百四条による本会議における口頭報告の内容、第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成、その他自後の手続につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(赤木正雄君) 御異議ないものと認めます。よってさようにいたします。
 それから報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますから、本案を可とされた方は順次御署名を願います。
  多数意見者署名
    石井  桂  小沢久太郎
    近藤 信一  入交 太藏
    斎藤  昇  酒井 利雄
    西岡 ハル  田中  一
○委員長(赤木正雄君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(赤木正雄君) 速記を始めて。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後四時二分散会