第024回国会 大蔵委員会 第28号
昭和三十一年五月二十四日(木曜日)
   午前十時四十三分開会
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  委員の異動
本日委員酒井利雄君、館哲二君、岡三
郎君及び栗山良夫君辞任につき、その
補欠として大矢半次郎君、小西英雄
君、成瀬幡治君及び小松正雄君を議長
において指名した。
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 出席者は左の通り。
   委員長     岡崎 真一君
   理事      藤野 繁雄君
   委員
          大野木秀次郎君
           大矢半次郎君
           木内 四郎君
           菊田 七平君
           西川甚五郎君
           天田 勝正君
           成瀬 幡治君
           野溝  勝君
           平林  剛君
           村尾 重雄君
           土田國太郎君
  政府委員
   大蔵省主計局次
   長       宮川新一郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       木村常次郎君
  説明員
   外務省経済局第
   三課長     吉良 秀通君
   大蔵省理財局資
   金課長     堀口 定義君
   日本専売公社販
   売部長     石田 吉男君
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  本日の会議に付した案件
○余剰農産物資金融通特別会計法の一
 部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
○厚生保険特別会計法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○船員保険特別会計法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
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○委員長(岡崎真一君) これより委員会を開きます。
 余剰農産物資金融通特別会計法の一部を改正する法律案を議題とし、事務当局より補足説明を聴取いたします。
○政府委員(宮川新一郎君) 余剰農産物資金融通特別会計法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして、補足して御説明申し上げます。
 余剰農産物資金融通特別会計におきましては、昭和三十年度における臨時的な措置といたしまして、昭和三十年度に限り、この会計の支払い上、現金に不足があるときは、この会計の負担において一時借入金をすることができることといたしております。これは同年度における第一次の「農産物に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定」に基く資金の借り入れが、協定に基いて輸入された農産物の購入代金を日本銀行合衆国勘定に積み立て、積み立てられた資金の七〇%相当額を日本国政府に対する貸付金として借り入れるといった手続によりまして行われます関係上、時期的に相当おくれまして、この会計が貸付をする電源開発株式会社等の資金の需要時期との間にズレを生ずることが予想されておりましたので、このズレを調節し、もってこの会計の行う貸付事務の円滑をはかるため、国会の議決を経た五十億円の限度内で一時借入金をすることが認められたものでございます。しかるに、目下本国会に提出いたしまして御承認を求めております第二次の「農産物に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定」に基く借入資金につきましても、日本国政府が借り入れる金額の割合が積立円資金の七五%に引き上げられたほか、借り入れに関する手続は第一次協定の場合と同様でございますので、昭和三十一年度以降におきましても、借入資金の受け入れと貸付との間に、同様の事由による時間的ズレを生ずることが予想されるに至りましたので、この会計の貸付を円滑にするために、昭和三十一年度以降も、この会計の支払い上、現金に不足がある場合におきましては、予算をもって国会の議決を経た限度額の範囲内におきまして一時借入金をすることができる制度を設けることといたそうとするものであります。
 なお昭和三十一年度特別会計予算総則におきましては、農地開発機械公団等に対する貸付を円滑に処理するために一時借入金をすることのできる限度額として、三十億円と定められております。
 簡単でございますが、以上をもって補足説明といたします。
○委員長(岡崎真一君) 引き続いて、厚生保険特別会計法の一部を改正する法律案、船員保険特別会計法の一部を改正する法律案につきまして、事務当局から補足説明を聴取いたします。
○政府委員(宮川新一郎君) まず厚生保険特別会計法の一部を改正する法律案につきまして補足説明を申し上げます。
 政府管掌健康保険におきましては、医療給付費の顕著な増加によりまして、昭和二十九年度から巨額の赤字を生じ、過去の黒字約十八億円を使用して、なお昭和二十九年度約四十億円、昭和三十年度約三十億円、合計約七十億円が生じることが見込まれたのでありますが、これにつきましては、昭和三十年度において十億円を一般会計から厚生保険特別会計に繰り入れ、残り六十億円につきましては、資金運用部からの借り入れによりまして措置することとし、この借入金の返済のためには、昭和三十一年度以降六年間、毎年度一般会計から厚生保険特別会計に繰り入れることとし、第二十二国会におきまして所要の法的措置を講じたのであります。しかしながら昭和三十一年度におきましても、約六十七億円の赤字が生ずる情勢にありますので、この際、健康保険の財政を再建し、その運営の正常化をはかるため、抜本的対策を講ずることとしたのでありまして、このため、別途、健康保険法等の一部を改正する法律案を提出し、御審議を願っているのであります。
 いろいろな対策のうちの国庫補助につきましては、今回、健康保険法第七十条の三としまして、国庫は、予算の範囲内におきまして、政府管掌健康保険事業の執行に要する費用の一部を補助する旨の規定が設けられることになりましたので、これに対応いたしまして、厚生保険特別会計法第三条を改正いたしまして、健康勘定の歳入に「一般会計からの受入金」という事項を加えることといたしたのであります。
 次に、第十八条の六の改正は、昭和三十年度までの赤字解消のため、特別会計が資金運用部から借り入れた借入金の償還財源として、一般会計が、昭和三十一年度以降六カ年間、毎年度、厚生保険特別会計健康勘定へ繰り入れることとなっておりました金額につきましては、当該借入金の返済が昭和三十二年度以降に繰り延べられたのに伴いまして、一般会計からの繰入金も昭和三十二年度以降に繰り延べることとしたのであります。
 次に、第十八条の二の規定は、過去におきまして、一般会計から厚生保険特別会計の業務勘定に予算繰り入れをいたしました業務取扱費財源で、剰余を生じ、健康勘定及び年金勘定の積立金に組み入れられているものがありまするので、これらの積立金から業務勘定の歳入に受け入れることができる措置を講じようとするものでございます。
 以上、簡単でございますが、厚生保険特別会計法の一部を改正する法律案の補足説明を終ります。
 引き続きまして、船員保険特別会計法の一部を改正する法律案につきまして補足説明を申し上げます。
 船員保険事業のうち、療養給付等の部門におきましては、政府管掌健康保険と同様、昭和二十九年度以降急激な赤字を生じまして、昭和三十年度末におきまして約一億五千万円の赤字が生ずることが見込まれたのでありますが、これにつきましては、昭和三十年度以降六カ年間、毎年度一般会計から二千五百万円を限度として船員保険特別会計へ繰り入れることとし、第二十二国会におきまして所要の法的措置を講じたのであります。しかしながら昭和三十一年度におきましても、約三億二千九百万円の赤字が生ずる情勢にありますので、この際、その財政を再建し、運営の正常化をはかりますため、抜本的対策を講ずることとしたのでありまして、別途、船員保険法の一部を改正する法律案を提出し、御審議を願っているのであります。いろいろな対策をその法律によりまして講じておるわけでございますが、
 右のうち、国庫の補助につきましては、船員保険法に第五十八条の二といたしまして、新たに船員法の規定による災害補償に相当する保険給付を除く療養給付等の部門について、予算の範囲内において国庫補助を行う旨が規定されることになりましたので、これに伴いまして船員保険特別会計法におきまして、一般会計からの受入金の規定につき整理する必要が生じたのであります。第十五条の二の改正がこれでございます。
 次に第二十六条の改正は、右に述べました療養給付等の部門における昭和三十年度までの赤字解消のため、昭和三十年度以降六カ年度間、毎年度一般会計から二千五百万円を限度として船員保険特別会計へ繰り入れることとなっているのでありますが、健康保険の例に準じまして、その昭和三十一年度以降分は昭和三十二年度以降に繰り延べることにしようとするものであります。以上簡単でありますが、船員保険特別会計法の一部を改正する法律案の補足説明を終ります。
○委員長(岡崎真一君) ただいま事務当局より補足説明を聴取いたしました三案を便宜一括議題として質疑を行います。速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(岡崎真一君) 速記をつけて下さい。
○平林剛君 余剰農産物の件で、先回、同様の法案が出ましたときに、政府当局の方の御答弁で結末がついていないのがあるから、ちょっとお尋ねしたいのです。
 タバコの輸入の件について、先回お尋ねしたときには、葉タバコ輸入について最終的な契約の結論がついていなかったので、私は政府に対して、第二次協定の際に購入価格あるいは購入量目等についての希望を申し上げておいたわけでありますが、私の希望がどういうふうに達せられたかということをお尋ねいたしたい。
○政府委員(宮川新一郎君) ただいまの平林委員の御質問でございますが、はなはだ遺憾でございますが、どのような御質問か、またどういうような御答弁を政府側からいたしましたか、経緯を承知いたしませんので、直ちに関係者を今招致いたしますから、しばらく御猶予をいただきたいと思います。
○平林剛君 それではすぐ来てもらえますか。
○政府委員(宮川新一郎君) すぐ参ります。
○平林剛君 それでは私の質問はちょっと保留しておきます。
○藤野繁雄君 余剰農産物の会計で、昭和三十年度と昭和三十一年度の損益計算を見てみますと、昭和三十年度の貸付金は百七十七億円、三十一年度は三百九十一億円、そうすると貸付金は、昭和三十一年度は昭和三十年度の二・二倍になっている。しかるに損益計算によってみますと利益金は五分の一に減少している。貸付金は多くなっているのに利益金が五分の一に減少した。その理由はどういう御関係か、お尋ねいたします。
○政府委員(宮川新一郎君) 藤野委員のただいまの数字はどの資料で……。
○藤野繁雄君 三十年度は百二十三ページ、三十一年度は百二十二ページ、特別会計の……。
○政府委員(宮川新一郎君) はなはだ恐縮でございますが、特別会計の経理を担当しておりますのは理財局でございまして、きょうは補足説明だけと承知いたしまして参ったのであります。直ちに関係宮を呼びます。しばらく、御猶予を願いたいと思います。
○藤野繁雄君 僕のは一つ数字だけだから、あとでやります。
○委員長(岡崎真一君) ちょっと速記をやめて下さい。
  〔速記中止〕
○委員長(岡崎真一君) 速記をつけて下さい。
 この際、委員の異動について御報告いたします。本日付をもって、岡、酒井、館の三委員が辞任され、その補欠として成瀬幡治君、大矢半次郎君及び小西英雄君が委員に選任されました。
 ちょっと速記をとめて下さい。
  〔速記中止〕
○委員長(岡崎真一君) それでは速記をつけて下さい。
○平林剛君 それでは先ほど保留しておきました質疑を行いたいと思います。実はこの余剰農産物のことに関連をして先ほど質疑を行なっておったのでありますが、私の聞きたいと思いますのは、葉タバコの輸入のことについてであります。実は先回の余剰農産物に関する法律案が本委員会に参りましたときに、私は特に葉タバコの輸入についていろいろ希望を申し述べておいたわけであります。これについてその希望がどういうふうにかなえられたかということを、お答えを願って、結論としたいと思ったわけなんです。私の希望は、まだ余剰農産物のうちの葉タバコの購入価格については、そのときお尋ねした金額についてかなり幅があったわけです。できればそれより安い値段で買い入れるように努力をすべきだ、こういうことを第一に希望しておいたわけであります。第二に希望したのは、輸入量についてもまだ最後的な打ち合せが残っておるから、この点についても、在庫数があまり大幅に上回らないようにできるだけ努力を払ってほしい、この二つの点について努力を希望しておいたわけです。これについてどういうことになったか、それをお尋ねしたいわけです。
○説明員(石田吉男君) 葉タバコの輸入したものの値段が安かったかどうかというのは、これはなかなか比較がめんどうでございまして、葉タバコにもずいぶんいろいろな種類がございますし、それから、日本のように等級がきまっていて、それに応じてそれぞれの値段がきまっているというものではないのでございまして、それぞれ一つ一つの向うから出て参ります見本を見て、その当時の値段と比べて有利であるかどうかというようなことをきめて参ります。そういうやり方で、まあ一番もとになりますのは、専売公社がその葉タバコを使いますときの製造たばこの原価の標準がございますが、それに対して、たとえば富士なら、アリメカの葉タバコをどういう組み合せで四割入れるとか、ピースならば、どういう種類の葉を二五%入れるとか、そういうことで原価計算をしております。その原価をできるだけ低いところで押えるようにというのが標準でございまして、これはたとえば上の方の品物をよけい買えば平均値段は上りますし、中くらいなり下の方のものをよけい買えば平均値段は下るというようなことで、簡単に安い高いということは申しにくいのでありますが、結果といたしましては、昨年は通常輸入と余剰農産物と両方ございます。通常輸入の方は大体同じ種類のものを買い付けたのでありますが、平均値段はキロ当り六百八十八円でありました。余剰農産物の方は六百三十九円というので、今申し上げたような事情もございますけれども、かなり値段の点には努力をいたしまして、通常輸入よりもむしろ安い値段で買ったという結果になっております。本年につきましても、もちろんまだ買付は始めていないわけでありますが、同じような考えで、できるだけ公社に有利なような買付をしたいというふうに考えております。
 それから輸入数量の問題でございますが、これは、ことしは千五百トン余剰農産物の葉タバコを買うことになっておりますけれども、これは御承知のように、トン数と、それから金額と、両方ございます。金額の方は二百七十万ドル、それでこれは単価が違ってくると数量も増減があるわけですが、私どもの方は一応の計算としてそういう数量を出しておりますので、二百七十万ドル相当のものを買うというふうにしておりますから、千五百トンきっかりになるかどうかはちょっと申し上げにくいと思うのです。ただ大体の考え方としては、通常輸入を秋にやるわけでありますが、これは当初の予定では約二千九百トン買う予定でおりましたけれども、今度余剰農産物が入る関係もありますし、かたがた上級品のたばこ、特にアメリカの葉をたくさん使っておりますたばこの売れ行きが割合に伸びないものですから、そういうことも考慮して、通常輸入の方は相当減らすつもりでおります。そういうことで在庫の調整をしたいというふうに考えております。
○平林剛君 今のお答えで、余剰農産物については、私がお尋ねしたよりは若干安く買い入れたというような結論が出ているようです。当時お答えになったのは六百六十円程度というお話があった、それから見ると若干安く買い入れたということは、私は努力を認めます。ただお話のありました通常輸入については、若干数量を減らすということですが、これを具体的に言いますと、どういうことになるのでしょうか。
○説明員(石田吉男君) 当初の予定では二千九百トンですが、現在では二千トンのつもりであります。
○平林剛君 この結果、特に黄色種の在庫については、何か変化がございましたか、当時から比べまして……。専売公社の在庫の数量について、私のお尋ねしたときは、三十四カ月分のストックとなるというお答えを聞いておったわけでございますが、現状はどうなのでしょうか。
○説明員(石田吉男君) これは葉タバコ全体でございませんで、アメリカの葉だけについての計算でございますが、大体三十年度へ越して参りました分が二十七カ月分くらいになるかと思います。それで、昨年三十年度に、通常輸入と余剰農産物のものを合わせて約五千トン輸入しておりますが、これで約三十三カ月くらいになります。それで今度のを先ほど申し上げました計算で参りますと、三十一年度末でやはり約三十四カ月くらいになろうかというふうに見ておりますが、私どもの考えでは、普通二十四カ月くらい持てば、まあ、ほどよいところというふうに思いますけれども、いずれ通常輸入というのは毎年やっていかなければなりませんので、まあ三十四カ月というとちょっと多過ぎるように思いますが、これが多過ぎるようでしたら、三十二年度、次年度に買うときにこれを調整すれば、そう長くかからなくても通常の在庫量には戻ると思っております。
○平林剛君 私もぜひこの在庫の数をなるべく標準のところに持ってくるように、通常輸入についても専売公社は相当考えを述べて、今後の購入を考えてほしいと希望するわけであります。これは私も心配しておったのでありますが、このように専売公社の在庫がふえたために、タバコの耕作者の、特に黄色種の産地においては、昭和三十一年度の増反計画がぴたりと、とまっておるわけです。前のお話によりますと、昭和三十五年までは増反計画をするということであったのが、私はすべてが余剰農産物の影響だとは申しませんけれども、しかし、そのはねかえりがあって、三十一年度からは黄色種栽培の増反計画がとまっておるという現実を見出さざるを得ないわけなのであります。政府の方では適地適作主義ということで、この畑には何を作ったらいいか、このたんぼには何を作ったらいいかということで、いわゆる新しい村作りをやり、農家の繁栄のために、よい作物を、換金作物を作るという奨励をいたしておるわけでありますが、事、タバコ耕作者に関してはその希望をかなえることができないで、結局もう少し増反をして、農家の繁栄のために換金作物であるタバコの栽培をしたいと希望しても、専売公社の計画がとまっていますから、その希望がかなえられないわけであります。こうして現在の政府の適地適作主義というのは、少くともタバコの耕作に関する限りとまっているという現実が現われておるわけなんです。私はこの点は非常に遺憾に思ったのでありますが、この専売公社の本年度の耕作面積、特に黄色種の場合に増反をせなかった理由について、一つ専売公社の方の率直な意見を聞かしていただきたいと思うのです。
○説明員(石田吉男君) ただいまのお話では、アメリカの葉をたくさん買うと黄色極の反別を減らすんじゃないかというふうなお考えのように伺いましたが、私の方で葉タバコの国内の生産計画を立ますときは、米葉の輸入ということは全然考慮に入れておりません。毎年、先五カ年ぐらいの販売の見込みを立てまして、それに基いて反別の計画を立てていくのでありまして、現在、たとえば、ことしの作付反別は、余剰農産物の輸入がきまる前の、昨年の夏ごろの計画に基いてやっているのでございまして、ただ内容的に申しますと、結局まあタバコの売れ行きによって使う原料の内容が変って参りますので、過去におきましては、在来種が大体十分であるので、黄色種をふやせばいいというふうな考え方で進んでいたのでありますが、最近になりまして在来種が足らなくなって、黄色種が逆にやや余りぎみになったというふうな関係になっております。そこで黄色種の方の増加をとめて、在来種をふやすように努力しているというのが現状であります。黄色種も全然増反をとめているわけではないのでございまして、三十年度四万七千七十町歩、これは三十一年度には四万八千五百町歩に増加の計画を立てております。その後三十二、三十三、三十四年と、先の方は、この四万八千五百町歩でずっと押していくというふうに計画を立てております。この計画は、余剰農産物が入ったから変更するという、そういうふうには考えておりません。なお御参考までに申し上げますと、在来種の方も、三十年度は二万五千百三十町歩、これは三十一年度では二万五千八百三十五町歩、これは三十二年に二万六千町歩にいたしまして、そのまま二万六千町歩で押していくという計画を持っております。それからバーレーが足らないというので、三十年度に千三十五町歩、それから三十一年度に千五百三十五町歩、五百町歩の増加を計画いたしております。それから三十二年に、さらにもう五百町歩バーレーを増加したい。それから三十三年になりまして二千五百町歩にして、そのまま押していく、大体のめどはそういうことでございます。御了承を願いたいと思います。
○平林剛君 そうすると、専売公社の考えによれば、余剰農産物によるところのタバコの受け入れは、結局在庫数がふえた、標準在庫をこえて在庫数が三十四カ月分になる、こういう結果を結論的に現わしたと、こういうことに理解してよいわけですか。
○説明員(石田吉男君) 結局在庫がふえておるので、その点は耕作反別でなしに将来の買付の際に調整していきたい。これは御承知のように、日本の葉タバコと、それから今輸入しておりますアメリカの葉タバコとは、使用目的が全然違いまして、アメリカの葉タバコは主として味つけに使うという行き方でありますので、まあ、かりに不作があって日本のタバコが非常に足らないというふうな場合には、アメリカの葉のような高いものでなく、もっと安くてその補充をし得るものがあるわけでありますから、そういうものを輸入するという考え方でございます。
○平林剛君 昨年の委員会が開かれた後に、余剰農産物の件を私が指摘して、その後、政府の方で、本年度の余剰農産物においては、もし受け入れをする場合でも、タバコは買付をしないという方針がきめられたように聞いたのでありますが、その点はいかがでしょうか。
○説明員(石田吉男君) 昨年度の年度当初においては、ことしの余剰農産物は買わなくてもいいというつもりでございました。そのかわり通常輸入では例年やっておった程度のものは入れたいというふうに考えておりましたが、途中で政府の方がいろいろ交渉なさっておる間に、タバコもやはり少し買ってくれというお話がございまして、通常輸入の方で調整すればそう別に私どもの方では困ることでもございませんので、交渉上の都合があればけっこうですということで、通常輸入で買う分は少し多いのですけれども、余剰農産物の方に回して買ってしまったというふうに考え方を変えたわけであります。
○平林剛君 そうすると本年度も余剰農産物の中でタバコを買い入れるというふうにまた変ったわけですか。私の今日までの情報でありますと、政府の方は、余剰農産物の方は在庫が三十四カ月分もあるのだから、本年度は買い付けないという河野農林大臣の言明があったと記憶をするのですが、これは私の記憶違いですか。
○説明員(石田吉男君) その点は、私、存じませんが、私どもの方の製造の都合からいいますと、余剰農産物で買いますのは昨年産の葉タバコを買うわけであります。それから、ことしの通常輸入といいますのは九月以降にできる新しい作柄のものを買うわけでありまして、製造の関係からいいますと、そういう昨年度のものだけでは工合が悪いのであります。やはり毎年々々新しい作のものをある種皮輸入していく必要はございます。
○平林剛君 私はその点はもう少し検討してほしいと思うのです。政府の方の外交の都合でアメリカの方から葉タバコを買わせられるということがありましても、やはり専売公社当局としては、この在庫数を明らかにして、これ以上よけいなタバコを買い入れないというふうに強く希望すべきだと思うのです。この点は、監理官もおられますように、最近の専売公社はどうも自分の思うことを発言をしないで、外交上の理由や、やるいは財政収入の面から、非常に国民大衆に対して結果的に迷惑をかけるということになるのです。タバコのことを専売でやっておる以上、タバコに関しては公社が責任を持つという態勢をとって、専門的な見地から、こうした点については率直な意見を述べるべきだと私は思うのです。そうでないというと、今あなたのお話のように、新しいタバコは買い入れた方がいいだろうと、こういいますけれども、まず公社として考えるべきは、三十四カ月分という余剰在庫をこれを何とかさばいて、そうして早く平常なところに持っていく。そうでなければ、かなり高い値段で買い込んだせっかくの黄色極が味が落ちてしまうという結果になる。キロ当り六百三十九円でも私は決して安いとは思わないのです。日本の在来種を買い付けるときには一番いいタバコでも四百八十円で買っておるという実情でしょう。そうなれば、やはり専売公社は、この点について特にその立場を主張して、よけいなタバコは買わないということを強調すべきだと思うのです。そのことについてあなたの考えはどうですか。
○説明員(石田吉男君) 私どもの経営上の都合からくるいろいろな事情につきましては、常時、監督官庁であります大蔵省に、説明はよくしてございます。それからただいま政府の都合で私どもが好まざるものを押し付けられたようなお話でございますが、ただいま申し上げましたように、どうせ買わなければいけないものでございますが、その差が七百トン程度でございますと、一年もあればすぐまた調整ができるので、政府のいろいろな方針や御都合もあろうと思います。別に私の方で困るということでもございません。それで買わないかと言われて、よろしゅうございますというふうに私どもの方から政府の方に賛成をいたしたわけであります。
○平林剛君 専売公社は困ることがないかもしれません。あなた自身もそう困ることではないかもしれないが、耕作者の、つまり国民の、タバコを耕作しておる人たちの気持を考えるべきだと思うのです。これが政治だと思う。タバコの耕作者は一年間かなりの苦労をして、そうしてタバコを政府に買い入れてもらっているのです。たとえ、一番いいタバコであっても、キロ当り四百八十円で買ってもらっているに過ぎない、これは専門的になりますけれども、優等葉だけであって、一等、二等、三等というふうに等級が落ちれば、もっと安い値段で買われておるという実情であります、それをいかに外交上の都合があったといっても、キロ当り六百三十九円も、あるいは通常輸入においては六百八十八円もするというタバコを買い込むということは、心理的に非常な苦痛を与える、こういうことをやはり考えなければならぬわけです。だから、あなたの方は困らないと思うかもしれませんが、国民的な心理として、こういうことについては政府にも考えてもらうべきだ、こういう程度のことは言うのがほんとうではないのですか。私はそれを言うのです。専売公社は在庫の操作やその他では困らないというかもしれぬが、政治的に見た場合に、数十万の耕作農民の気持を考えなければ、いい政治はできないと思う。その点は少し専売公社の、あなたは販売部長であるかもしれませんけれども、国民の一人として、タバコを実際栽培している農家の人の気持でやはり考えてもらわなければならないのです。あなたは困らないというけれども、実際に数十万の耕作者というものがこれによって与えられる心理的影響ということを、もう少し考えて専売行政をやってもらいたいということを希望するのです。これは私の希望で、あなたの、私は困らない、専売公社は因らないというだけでは困るということを指摘しておきたい。そのことについては、いずれ監理官もおいでのことでありますから、これはいずれ適当な機会に政府の責任者に対しても私は強く要望したいと思う点であります。
○成瀬幡治君 私はたばこのことは全然しろうとで、わかりませんのですが、一体タバコの葉を総額でどのくらい輸入しておるのかということが一つ。
 第二点として、もうかったことは一般会計等に入りますからよくわかりますが、あなたの方がほんとうに売られる総収入と申しますか、あなたの方で申しますと総収入はどのくらいあるのか。
 第三点として、これの輸出があるだろうと思うのです。どのくらい輸出をして、収入をあげておいでになるのか。その辺のところをちょっとお聞かせ願いたいと思います。私は正確な数字でなくていいのです。概数でけっこうです。
○説明員(石田吉男君) 輸入の額は、年によっていろいろ違っておりますが、二十九年度では五千八百七十五トン、約二十五億円輸入しております。それから……。
○成瀬幡治君 二十五億というのは葉だけですね。製品は別ですね。
○説明員(石田吉男君) はあ、製品は別でございます。
○成瀬幡治君 製品は。
○説明員(石田吉男君) それから製品の方の輸入はきわめてわずかでございまして、私、今ちょっと数字を持っておりませんが、金額にして大体四千万円程度のものでございます。これはまあ、外国から参ります旅行者のために、ホテルなどで売る製品を輸入する程度で、大したものではございません。
 それから輸出は、葉タバコにつきましては、大体年間一億五、六千万円、数量にいたしまして百万キロ足らずのものでございます。それから製品の輸出の方は、これは主として沖繩でございまして、年間約四億円ぐらいでございます。
 それから収入の方は、大体三十年度の数字が決算中でございまして、かたまらないのでございますが、大ざっぱに申し上げますと、たばこだけで約二千五十億円ぐらい。それから出て参ります益金として国庫に入ります分が約千百七十億円ぐらい。そのほかに、地方の府県市町村の方にたばこ消費税というものが参りますが、その分が約二百九十億円ぐらい、大体そういう見当でございます。
○成瀬幡治君 たばこを、前は、御承知のように兵隊検査以降でなければいかぬと、こういう一つの基準があった。これが終戦後ぐっとあなたの方の総収入と申しますか、総売り上げと申しますか、そういうものがずっと、女の人も吸う量もふえておりますが、数学的にふえておるわけですね。諸外国等と比べまして、大体これは高いものとか、安いものとかいろいろありますから言いませんが、つっ込みにしまして、大体その標準としたらどこら辺のところにあるのですか。日本ではよく吸う方ですか、それともどこがよく吸うか、私はよく知りませんが、どんな状態ですか。
○説明員(石田吉男君) 全部のたばこを入れまして人口割りにいたしますと、アメリカが一番多くて、一年に約四千本ぐらい、英国が一年に約二千本ぐらい、日本は約千二百本ぐらいであります。
○平林剛君 余剰農産物の、特にアメリカ葉の購入につきましては、また適当なときに政府の責任者に私は少しお尋ねをして、今後の方針についてもただしておきたい点がありますから、その点についてはまた次回に譲ります。
 幸い販売部長がお見えでありますから、さらに関連をして、たばこの問題について若干お尋ねをいたします。実は最近のたばこの小売店に参りますと、光やピース、こういう割合と値段の高いたばこは陳列されておりますが、「しんせい」やバットが足りないという声を強く聞くわけです。これは特に全国的な現象でありまして、農村へ行きますと、バットをほしくて買いにきてもバットがない。そのために帰ってしまう。あるいはやむを得ずして、最近はやりの「いこい」とか、割合と高い値段のを買わざるを得ないという結果になっておるわけです。新聞の世論を見ましても、これに対して注文が参りまして、専売公社はどうも高いたばこばかり売り過ぎる、もう少し安いたばこを、「しんせい」やバットを自由に買えるようにしてもらえないかという希望がかなり伝えられておるわけです。これは私は、やはり国民的な立場からいきましても、専売公社が相当考えなければならぬ問題であると思うのであります。一体店頭に最近「しんせい」やバットが少くなってきておるほんとうの理由はどこにあるのですか。それを一つお答えを願いたいと思います。
○説明員(石田吉男君) 御承知のように、昨年、一昨年ごろから「しんせい」、バットの売れ行きというのが非常に伸びて参りまして、原料の方はかなり窮屈だったのでありますけれども、昨年、一昨年と、とにかくその需要に合せるようにということで、かなり原料を無理して使って参ったのでありますが、今年になりまして、そういう「しんせい」、バット級の原料が足りなくなって参りました。一方そういう特にまあバットは昨年もやや低下のきみだったのでありますが、「しんせい」の方が伸びて参りまして、原料の面でとても需要に追いつけなくなりましたので、やむを得ず実際の需要壁を下回るような製造数量になった結果だと思います。数字で申し上げますと、三十年度では、「しんせい」、バット合せまして七百五十五億本という販売の実績でございます。本年度の予定は両方合せて六百七十二億本でございますので、まあそれだけ供給の方が窮屈になっているわけです。ただ「いこい」を発売しまして、これは自然に「しんせい」、バットから「いこい」へかなり回って参りますので、多少窮屈かと思いますが「いこい」とあわせて考えれば、まあ、ある程度がまんはしていただけるのではないかというふうに考えております。
○平林剛君 今の数字がちょっと明らかでないので、私の聞き違いかもしれませんが、三十年度においては「しんせい」、バットで七百五十五億本、それが三十一年度になると六百七十二億本という数字ですね。
○説明員(石田吉男君) そういう予定であります。
○平林剛君 そうすると、「しんせい」、バットの販売数量は落ちているということになるわけでしょう。
○説明員(石田吉男君) 落ちているというよりも、原料の都合で落さざるを得ないということでございます。
○平林剛君 専売公社の答弁を聞くと、「しんせい」、バットが店頭に姿を消しているのは、在来種が足りないということだと御説明があるわけでありますが、耕作面積におきましては大体どういう変化になっておるのですか。つまり耕作面積が少くなれば在庫が足りないということもなるほどとうなずけるわけですし、また在来種の収納量もこれが少くなっているということに相なりますれば、在庫が足りないから「しんせい」、バットが足りないということにも理由はうなずけるわけであります。一つ二十九年、三十年、三十一年程度でいいですから、どういうふうになっておるか、数字で一つお答えを願いたいと思います。
○説明員(石田吉男君) 原料の方の古い数字はただいま持っておりませんが、三十一年度へ越して参りました「しんせい」、バットの原料、これはただいま有来種というお話がございましたが、黄色種の関係でございまして、内地産の黄色極が四千四百万キロでございます。それで、あと、この三十一年度にどの程度できますか、これはちょっと予測するにも早いのでありますが、一応計算の基礎となります平年作を見込みまして、これは約四千二百万キロ、両方合せまして八千六百万キロというものがこの三十一年度使える「しんせい」、バットの原料であります。しかしこれはその年に作ったものをすぐ使うというわけには参りませんので、大体十八カ月分くらいの越しを見て、原料の計画を立てておりますが、それでやりますと、六百五十億本ぐらいしかできないという計算になるのでございます。それでも何とか配合割合を工夫したりして、先ほど申し上げました六百七十二億本、この辺まではこぎつけたいという予定の計画を立てておるのでございまして、原料は全体の葉タバコの総量が多くなりましても、「しんせい」なりバットなり、それぞれ一定の標準原価をきめてございまして、それ以上に原価の上る高いタバコを使うということになりますと、おのずから益金の方にも響いて参ります。そういう程度のところで使うべき原料を押えますと、どうしても窮屈になって参りますので、やむを得ないのではないかというように考えております。
○平林剛君 どうもその点は、私も数字をもう少し検討しないと、はっきりしたことは言えませんけれども、納得できかねるものがあるわけであります。あなたの方では生産の方については詳しくないかもしれませんけれども、それじゃこれに必要な材料を用意するための増反計画については一体どういうような計画を立てて間に合せようとするのか。それとも国民に対しては「しんせい」、バットの方は材料が足りない、足りないということで押し通すつもりなのか。私はこの点は、専売公社の方は国民にできるだけ安いたばこを提供するために至急対策を打つべきだと思うのでありますが、どういう対策が打たれておりますか。
○説明員(石田吉男君) 増反計画の方は、先ほど申し上げました数字の合計をごらん下さいますとおわかりになりますように、三十年度で合計七万四千百三十五町歩、三十一年度で七万五千八百七十町歩、三十二年度で七万六千五百三十五町歩、三十三年度で七万七千町歩というふうに逐次総量としてはある程度の増反をやっております。しかし増反をしました場合に「しんせい」、バットの原料だけできてくれればいいのでございますが、中級品もできる、それから上級品もできる。そういうことになりますと、やはり原料のストックの多過ぎるという問題が出て参りまして、特に上級品、中級品の売れ行きの悪いときには下級品の原料だけを作るということができないわけでございます。全体のバランスを考えてやりますと、どうしても下級品の原料がある程度押えられるのもやむを得ないかと思うのであります。それで一つの対策といたしまして「いこい」を発売して「しんせい」なりバットなりからかわり得る人はできるだけ「いこい」にかわってほしいということで「いこい」を発売したわけでありますが、「いこい」の原料は「しんせい」、バットよりもやや上の原料を使っておりますので、幸いにかなりの人たちが「しんせい」、バットから「いこい」の方にかわっております。現状でいけばそれほど窮屈な状態ではないと思いますので、もうしばらくこのままで様子を見たいというふうに考えております。
○平林剛君 まあ「いこい」の発売をしてできるだけ国民にこちらの方を買ってもらって、あわせて財政収入も上げようというねらいは、私はよくわかるのでありますけれども、しかし「しんせい」なり、バットなりが、まだ国民にとっては実際の生活必需品として、専売公社も廃止しなければ、国民の方もそうそう、「いこい」に移れる階層の人はいいけれども、そうでない人たちは、やはり「しんせい」、バットというものにたよらざるを得ないわけですね。私はやはり「しんせい」やバットでなくて「いこい」――「いこい」というのは、収益専売の上から見ればなかなか当を得た政策かもしれませんけれども、しかしそれに移れないところの国民にとっては高いたばこを買わされるということには変りはないわけです。だから、そういう意味では、やはり専売公社としては、増反計画の面についても、金をとるばかりが能じゃない。そうしたことについての対策を打つ必要があると思います。今お話のように、増反計画は、在来種、黄色種ともに若干されておると思います。しかしさらにそれを突っ込めば、上級のタバコができるか下級のタバコができるかわからぬというけれども、大体上級のタバコはどのくらいできる、下級のタバコはどのくらいできるというのは、従来の統計からわかり切ってることなんです。私は、現在のこの増反の中で、あるいは上級下級の収納の状況判断から見て、今の計画があれば、近い将来において「しんせい」やバットの愛好者に対して迷惑をかけないですむことができる、そういう計画になってるかどうか、一つ確認をしたいわけなんです。どうでしょう。
○説明員(石田吉男君) 現在の販売の状況から申しますと、「いこい」が十分にまだできておりません。従って「いこい」を十分に供給いたしまして、果して「しんせい」、バットからどの程度かわったところへ落ち着くかということを見きわめる必要がございまして、ただいまではできるだけ「いこい」を早くたくさん作るというところに全力を注いでおります。「いこい」を発売してまだ二カ月にもなりませんし、現在の状況ですぐどうこうということを申し上げるのは、ちょっと時期が早いかと思います。
○平林剛君 今のお答えによりますと、消極的ではあるが私の希望は否定をされておることになりますね。つまり「しんせい」や「いこい」を希望している国民の声を専売公社は聞き届けていないということになるわけです。そうでしょう。今専売公社の方は「いこい」をなるべく買って下さいという一本槍のように聞えますけれども、これではやはり「しんせい」やバットを好んでおる国民に対して専売公社はこたえていないということになります。そういうことになりますが、それじゃどうも国民全般が専売公社をますますあそこは収益専売ばかり専門にやってる、金をとることばかりやって高い方へやるという不満の声を消すことはできませんよ。これは専売公社当局が大蔵省とは独立して特に財政収入を担当しておるけれども、しかしそればかりではほんとうの専売事業をよくするというわけにはいかないんじゃないですか。先ほどからあなたの答弁は、専売公社は困らない、在庫がふえても何とか調節ができて専売公社は困らないとか、今のように国民は「しんせい」やバットをたくさん希望しておるのに、それについては「いこい」発売一本槍ということでは、その運営が非常にきらわれる結果になるのじゃないですか。つまり悪口を言えば官僚的運営ということになりますよ。私はその点はもう一回一つ専売公社の販売部長として、国民がなるほど最近の専売公社はサービスもよくなったという程度の答弁は聞かしてもらいたいものだと思う。どうですか。
○説明員(石田吉男君) 御意見はよくわかるのでありますが、何を私に答えろとおっしゃるのか、御質問の要旨がくみ取れませんので、もう一度お願いいたします。
○平林剛君 みんな知ってるくせに、どうも言わないようですね。私はね、「いこい」の発売の成績を見て、専売公社も一つ収益を上げ、国民にも少しいいたばこを吸うてもらうということはいいけれども、見過ごしてならないことは、まだまだ「しんせい」、バットを吸うておる国民大衆が非常に多いということです。この人たちに手を打たないというのは、専売公社は「しんせい」、バットを吸うている国民に対して、まことに相済まんという気持を持ってもらいたいのです。そうでなかったら専売公社は常に悪口の対象になるばかりです。私の希望はそれなんです。今のあなたのお答えによると「いこい」を発売することに集中して、それを見てくれと、こう言うけれども、それでは官僚的な経営ということのそしりを免れないのじゃないですか。もう少し「しんせい」やバットについても、今御迷惑はかけているけれども、近い将来においては皆さんの御希望にこたえることの努力をしていますという程度の答弁をしてもらいたい。こう言っておるのです。いかがですか。
○説明員(石田吉男君) 原料がなければ作りたいと思ってもすぐ作るというわけに参りませんし、それから今年の耕作反別というものはすでにもうきまって、作付も始まっているわけでございます。そういう関係から申しますと、先ほど申しました予定製造数量というものを、原価をうんと上げて高い原料を使えば別でございますが、現在程度の収益を維持するという面から申しますと、私がすぐここでできるだけ御期待に応ずるようにしたいというふうには申し上げかねるのです。
○平林剛君 専売公社も、もう少したばこを作る機関が収益専売だけでない形に切りかえてゆくことが、ほんとうの公共企業体になってからの専売公社だと私は考えるのです。収益専売の点はもっと掘り下げて、どういうやり方の力が収益を上げることができるかについて私は別の見解を持っています。しかし今申し上げたような専売公社が官僚的な運営でないという立場をとるためには、積極的に「しんせい」、バットの点についても何かの対策を、手を打って、これらの嗜好をしているところの国民に満足を与えるような措置を積極的にとることを私は要望しておきたいのです。もう一つは、原料がないないと言うけれども、黄色種の場合には先ほど申し上げたように、三十四カ月分というストックがあるわけです。何も「しんせい」、バットはまずい方のタバコであって、いいタバコを入れられないという立場ばかりでやることが能ではないのです。この際は「しんせい」やバットの方にも、これから作るタバコについてはわからないかもしれないが、しかし今三十四カ月分と、こうあって、これを消化するだけでも五カ年かかる多量の在庫がある。これを少し投入して、「しんせい」、バットの愛好者に対しても少し味のいいのを吸っていただくという考えを起したって悪い量見ではないと思う。これくらいのサービスをやるという気持を一つ専売公社は検討する気持はありませんか。それがやはり専売公社として今後の運営として十分考えるべき点だと私は思うのですが、その点について考えたことがあるのですか、ないのですか。一つ販売部長は国民が再びそうな答弁をしてもらいたいと思います。
○説明員(石田吉男君) 余剰農産物の米葉を使っておいしい「しんせい」を作れというお話でございますが、私どもの方も商売でございまして、いい原料で高い金をかければやっぱり高く売らなければ引き合わないわけでございます。従いまして、やはり収益専売であります以上、収益のことも考え、またそういう面と同時に国民の大衆の満足をもいくように考えるということで、なかなかこういうふうに予定通りの収入の上らないような場合には苦しいのでございますが、御趣旨はまことに、ごもっともと思いますので、今後、従来もそういう考え方を持っておりますけれども、なお今後よく考慮を払いたいと思います。
○平林剛君 まあ、その程度のお答えがあれば、いずれは促進をするお気持になるでありましょうから、これ以上追及はしませんけれども、このことを収益専売の面からみても、私はもっと「しんせい」、バットの対策を充実すべきだというふうに考えているのです。なぜかというと、現在の、都会は別にして、都会だって安サラリーマンが多いところはそうかもしれませんけれども、地方の農村に行きますと、たとえばバットを買いに行きますと、バットがないというと帰っちまう人があるのですよ。「しんせい」をもらいたいとたばこ屋さんに来て、「しんせい」は売り切れました、こういうと、「いこい」を買ってくれるといいのですけれども、買わないで一つがまんしようということになる傾向も見えているわけです。そうすると、あぶはちとらずになるわけですよ。「しんせい」とかバットがあれば、少くとも「しんせい」やバットを吸ってもらって、その分に含まれておるところの専売益金を確保することができます。ところが、じゃ、がまんしようということで、帰るということであれば、元も子もなくなるわけですね。私はこの傾向については決して軽視はできない。専売公社が考えているように、じゃ、すぐ「いこい」の方にきてもらえばいいわけです。しかし「いこい」を買わないで帰ってしまう場合には、結局収益専売というものが上らぬということに相なるわけですね。私はそういう意味からいきますというと、地方に対しては、もう少し「しんせい」、バットを、何かやりくりをつけて供給をする、その方がかえって専売益金を上げるということに役立つのではないだろうかという見解を持っておるのです。これは、統計上の数字から私はまだはっきり確認をすることはできませんけれども、専売公社だって、このことについては検討されておると思うのです。「いこい」が発売されて、最近成績がいいということを聞いておりますけれども、この「いこい」に国民が吸収されて収益を上げるという額と、「しんせい」、やバットがないために帰ってしまうというものとは、それほどの違いはない。そうすれば、「しんせい」やバットを愛好している国民に対して、もっとサービスするというのが本来のあり方でなければならぬ、私はこう思うんです。その見解に対して、いや、そうではない、大蔵委員としては収益専売を考えてもらわねばいかんからと、こうなれば、これだけの隔たりがありますという数がありますか。あったら私はそれを示してもらいたいと思うのですが、そうでないとすれば、もう少しこの問題について手を打つということを要望したいと思うのです。この点は、販売部長ばかりいじめてもしようがないことですけれども、大蔵当局も十分考えてもらわなければならぬ点だと思う。もう少し、私も様子を見ましょう。その「いこい」の発売によって収益専売上どれだけの差があるかということをみてもいいですけれども、あわせてこの点は考えてもらいたい。そうでなければ、専売公社というものが国民に愛されるような企業体にはなりません。そういうことになるというと、事情のわからない国民の中からは、専売企業体を民営にしたら、もっとうまいたばこが吸えるだろうくらいの考えを安易に持つようになる、そういうことは決して好ましいことではありませんから、私は専売公社が、去年おととしの赤字を克服するために、起死回生の策をとられている努力については認めますけれども、同時に「しんせい」バットを愛好する国民大衆のために、何かの手を打つということはあわせて考えなければならぬ。私、大蔵委員ですから、財政収入の点については、ある程度責任ある立場をとらなければなりませんけれども、先ほどのように大きな隔たりはないというようなのが私の見解です。そういうことについて一つ公社も検討して、少しは大蔵大臣の方にも、そう金儲けのことばかりやるなと言うて公社の立場を主張することを希望します。じゃこの辺で……。
○委員長(岡崎真一君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(岡崎真一君) 速記を始めて。
○藤野繁雄君 余剰農産物の貸付金の額が、昭和三十年度は百七十七億、三十一年度は三百九十一億、こういうふうに、金額からすれば、三十一年度は前年度に比して二・二倍になっておるが、損益計算の方から考えてくるというと、三十年度は約五百億、三十一年度は百億の利益になっている。そうすると、取扱い高は増加し、利益金は五分の一になるというのはおかしいじゃないか、その理由はどこにあるか、こういうことをお伺いしたいと思います。
○説明員(堀口定義君) 実は前年度の予算でそれを計上するときには、一応四分で利子が入ってくるものというふうに考えておったわけですが、その後この運用につきまして、各省といろいろ協議し、きめた結果によりますると、一厘だけを事務費として当てるために収入に入れまして、あとは三分九厘は元加して、その元金の方に入れてしまって、利息としては取り立てないというふうな制度になりましたために、実際の予算にはこういうふうな数字が現われておりますが、実際の収入はこれより落ちておりますので、三十一年度につきましてはその制度が確立されましたから、初めから一厘だけの収入で、あとの方は元本に入ってしまうというような建て方にいたしましたので、こういうふうな差が出てきたわけでございます。
○藤野繁雄君 一厘というと、前の三十年度は四分、三十一年度は一厘というと、標準が違いはしませんか。
○説明員(堀口定義君) それは、貸出金利は、これは四分ということになっております。なっておりますが、その利息を毎年会計に支払う方法といたしまして、最初は四分を全額毎年会計に利子として入れるという考え、一応常識的な考えで予算を三十年度は組んだわけですが、その後、各省とのいろいろの事業のやり方等についてもいろいろ希望もあり、そういう点から、三カ年間は事務費として必要な額をおよそ見当をつけまして、大体一厘だけを収入としてもらって、三分九厘というのは、あとで利息はもらいますけれども、それをこの会計の収入とせずに元本の方に加えておいて、あとで取り立てるときにそれだけふえているというような格好に、一応形式ですが、そういう手続にいたしましたので、差が出てきたわけであります。従いまして、前年度におきましても、予算にはこういうふうに計上されておりますが、実際の収入額はここまでは行っておらないわけでございます。
○藤野繁雄君 それからこの特別会計の資金別の使途を見てみますというと、まだ貸付未済額が相当あるように考えられるのであります。年度末までにどういうふうになったろうか、あるいは現在どういうふうになったか、その内訳をお示し願いたいと思います。
○説明員(堀口定義君) 予算上から申しますと、三十年度に二百十四億となっておりますのが三十七億だけずれることになって、三十一年度の方の予算に合計されて計上しておるわけでございますが、現実には三十七億ずれずに十億ばかりは予算で考えたよりかも三十年度によけい貸し出しが可能になりましたので、約二十七億ぐらいが三十一年度にずれたことになっております。
○藤野繁雄君 それから第二次協定分の農林漁業等振興事業貸付金というものが四十一億ぐらいあるが、これは貸付額がもう決定しているのであるかどうか、その内訳を承わりたいと思います。
○説明員(堀口定義君) 四十一億分につきましては、現在までに大体確定しておりますのは、森林公団に対しまして十億、この分は大体確定しておりますが、その他につきましては内容は未確定でございます。
○藤野繁雄君 それからその次の日本生産性本部の貸付金の十億は、これはどういうふうになるのです。
○説明員(堀口定義君) 日本生産性本部は私設的な財団法人でありまして、御存じのような生産向上活動をしております。そこで国から補助金も出ておりますが、非常に事業資金が苦しいために、余剰農産物から四分の金利で生産性本部に貸し付けまして、この生産性本部はその金を商工中金に再預託いたしまして、その金利を四分で借りて、六分五厘で商工中金の方に預けまして、その差額を事業費に充てようということのために貸し付けすることになっておる額でございます。
○藤野繁雄君 それから学校給食関係ですが、学校給食では小麦が十八万五千トン、そのうちの贈与分十万トン、輸入分が八万五千トン、脱脂粉乳が一万九千五百トン、贈与分が七千五百トン、輸入分が二万トン、こういうふうになっているのでありますが、この輸入分の値段はどういうふうな価格になっているのか、あるいは一般の輸入と差があるのかどうか、それをお尋ねしたいと思います。
○説明員(吉良秀通君) ただいまの贈与に関係いたしました通常輸入分の小麦及び脱脂粉乳の価格の点でございますが、これは小麦及び脱脂粉乳とも通常国際価格で入れるわけでございます。
○藤野繁雄君 それから第一回分は、最初学校方面のは学童服を無料で配給する、こういうふうなことになったのが、無料配給が中止になったのが現在の状況である。どうして学童服を無料でやることをやめられたのであるか、その理由を伺いたい。
○説明員(吉良秀通君) 仰せの通り第一次協定第三条には、千二百万ドル分の脱脂粉乳、小麦、そのほかに三百万ドル分の棉花を受け入れるという原則的の了解ができておりまして、この細目について両国政府が取りきめるということになっておりまして、細目の取りきめの交渉をやっておったのでございますが、その三百万ドル分の棉花を受け入れれば、わが方は学童服をこしらえ、これを学童に配給しようという計画でございましたが、棉花をいかにして学童服に加工するか、この加工賃の問題でアメリカと折衝をしたのでございます。わが方の財政的の余裕もありませんので、わが方としては棉花を受け入れましてある程度の棉花を市場で売却いたしまして、その売却代金をもってその加工費に当てたいと考えておったのでございますが、先ほどおっしゃいました通りアメリカの方としては、この棉花でこしらえた学童服は無償で学童に配給してほしいわけだと強い希望がございましたので、結局わが方の考えで行きますと、受け入れました棉花の相当量の五〇%以上を加工費に回わさなければ所要の……、それから残りの棉花でできます学童服をただでは配れないということになりまして、アメリカと交渉しましたのでございますが、三〇%程度を加工費に充当するのはよかろうということになりまして、残りの棉花では大体十八万着の学童服ができることになるのでございます、ところが百八十万着の学童服を無償で配給するためには約十億円の経費が必要であり、これをどういうふうにして捻出するかと、いろいろ関係当局と御相談したのでございますが、財政的な余裕がない。十億円はとても捻出できない。そこで結局百八十万着を学童にただでするというには、あれが一着あたり三百五十五円くらいをPTA負担にすれば大体配給できるということになって、アメリカと折衝したのでございますが、PTA負担といえども結局学童負担のようなものであり、アメリカとしてはそういうことは受け入れがたいというので、ずいぶん折衝をしたのでございますが、結局そこで行き悩みまして、まあわが方も百八十万着のあれを無償で配給するための十億円はどうしてもないということは、これは、はっきりしておりますので、この交渉はここで打ち切りまして、三百万ドル分の予定されておりました棉花のあれを全額脱脂粉乳及び小麦に当てまして、学童給食の拡大をはかった、こちらの目的に使うということにしたのでございます。
○藤野繁雄君 そういうようなことで小麦を入れた、そうすると、小麦は、小麦協定でも入れてこなければできない、これでも入れなければできないというようなことであったならば、非常に小麦の輸入が多くなってしまい、小麦協定の値段と、これで入れるところの値段との差がどうであるか、こういうふうなことを考えて来てみるというと、あるいは小麦協定で入れたところのものよりもこれが高くなるような心配はないのですか。
○説明員(吉良秀通君) これは贈与でございますので、ただでもらうわけでございますから、その御心配はないと思います。
○藤野繁雄君 しかし贈与分と輸入分と両方あるのだから、そうすると八万五千トンもただでもらうのですか。
○説明員(吉良秀通君) 贈与の分はもちろんただでございますが、それだけでは学童給食計画の全体をまかなえませんので、普通に入れる分がございます。普通に入れる分は、先ほど申しました通り、国際価格並みでこれはアメリカからのみならず、どこから買ってもよいということになっております。
○藤野繁雄君 ただ現在は小麦の数量が非常に多いから、小麦協定の価格よりも安い値段で諸外国は入れておるところの例があるのです。しかるに、こういうようなことで入れてくるならば、諸外国が輸入しておるところの値段よりも高いところの値段で日本がこれを入れてこなければできないような状態に陥りはしないかというふうな点なんです。
○説明員(吉良秀通君) その心配はございません。
○藤野繁雄君 心配がないということであれば幸いだけれども、私の知っておる範囲内においては心配があるようなことがありますが、そういうふうなことがないように御注意をお願いいたします。
 次にこの余剰農産物を輸入するところの船の問題ですが、船は五〇%はアメリカの船を使わなければできない。こういうふうなことにもなっておるようでありますが、日本には相当船があるのにもかかわらず、アメリカの船を五〇%も使用しなくちゃならない。またアメリカの船を五〇%使用するというような関係から、輸入の時期がずれてくるというような心配もあるのでありますが、そういうふうな点を、アメリカの船の五〇%というものを日本の船にするというようなことに努力されたことがあるかどうか。またその結果現在においてはどういうふうになっておるか、こういうふうなことをお伺いいたします。
○説明員(吉良秀通君) 米船使用五〇%条項につきましては、第一次協定を結ぶときから、わが方としてはこの条件を撤廃ないし緩和することにつきまして、強く先方と交渉した経緯がございます。しかしながらアメリカとしてもアメリカの事情がございまして、これがなかなか撤廃ないし緩和ということはできないということでございますので、第一次協定のときも、全体の交渉をまとめる意味でございまして、それだけの理由で断われなかった。つまりそれは、のむということでやりました。それから第二次協定のときも重ねて政府といたしまして米船使用五〇%条項につき米政府の再考慮力を強く要望したのでございますが、やはりアメリカの国内の事情のためにこれはこのまま残るということになっております。しかし政府としても今後とも米船使用五〇%条項については強くアメリカ側の再考慮を求めていきたいと考えております。
○藤野繁雄君 そうするというと、さっきも申し上げたように、米船五〇%使用するということは、輸入がずれて日本の計画に支障を来たすようなことはありませんか。
○説明員(吉良秀通君) 米船使用五〇%を強制される結果、輸入の時期がずれると輸入計画に支障がないかとの御質問でございますが、今までのところそういうことはございませんが、おっしゃる通りにそういう可能性は含まれておりますので、その意味におきましてもわが方としてはこれの撤廃ないし緩和方を今まで要望しておったわけでございます。
○委員長(岡崎真一君) 委員の異動について御報告申し上げます。本日付をもって栗山良夫君が辞任されまして、その補欠として小松正雄君が委員に選任されました。
 速記を止めて下さい。
  〔速記中止〕
○委員長(岡崎真一君) 速記を始めて下さい。本日はこれをもって散会いたします。
   午後零時三十九分散会