第024回国会 農林水産委員会 第18号
昭和三十一年三月十五日(木曜日)
   午前十時五十六分開会
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  委員の異動
三月十四日委員井上清一君及び一松政
二君辞任につき、その補欠として秋山
俊一郎君及び長谷山行毅君を議長にお
いて指名した。
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 出席者は左の通り。
   委員長     棚橋 小虎君
   理事
           青山 正一君
           重政 庸徳君
           鈴木 強平君
           戸叶  武君
           三浦 辰雄君
   委員
           雨森 常夫君
           佐藤清一郎君
           関根 久藏君
           宮本 邦彦君
           横川 信夫君
           東   隆君
           河合 義一君
           小林 孝平君
           溝口 三郎君
           千田  正君
  政府委員
   農林政務次官  大石 武一君
   農林省農林経済
   局長      安田善一郎君
   農林省農地局長 小倉 武一君
   食糧庁長官   清井  正君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安楽城敏男君
  説明員
   大蔵省主税局税
   制第一課長   白石 正雄君
   国税庁直税部長 村山 達雄君
   農林省農林経済
   局参事官    森  茂雄君
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  本日の会議に付した案件
○肥料取締法の一部を改正する法律案
 (内閣提出)
○開拓融資保証法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○開拓者資金融通法の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○農林水産政策に関する調査の件
 (昭和三十一年産米の管理方式及び
 課税等に関する件)
○参考人の出席要求に関する件
○本委員会の運営に関する件
○中央卸売市場法の一部を改正する法
 律案(内閣提出)
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○委員長(棚橋小虎君) ただいまから農林水産委員会を開きます。
 まず委員の変更について御報告いたします。井上清一君及び一松政二君が辞任され、秋山俊一郎君及び長谷山行毅君が選任されました。
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○委員長(棚橋小虎君) 肥料取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本法律案は、去る三月十三日内閣から閣法第百二十四号をもって提出、即日当委員会に付託されたものでありまして、本院先議であります。まず提案理由の説明を聞くことにいたします。
○政府委員(大石武一君) ただいま上程になりました肥料取締法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
 現行肥料取締法は、明治四十一年法律第五十一号肥料取締法にかわりまして、昭和二十五年第七国会において成立をしたものでありまして、その後、第十九国会において、単位農業協同組合の生産する配合肥料の登録に関する権限につき、これを農林大臣から都道府県知事に委譲するための一部改正を経て、今日に至っているのであります。
 本法は、御承知の通り流通肥料につきまして、品質を保全し、その公正な取引を確保するため、公定規格の設定、登録、検査等を行い、もって農業生産力の維持増進に寄与することを目的といたしております。しかるところ肥料の形質、種類について見まするに、最近数カ年間における技術的その他の発達はきわめて顕著なものがありまして、またこれに伴いその種類及び銘柄も必要以上に複雑多岐にわたって参って来ているのであります。これに加え、戦後におけるわが国肥料の生産事情は、その設備増強と相待ち、その生産量の増加は相当順調に進んでおりますので、これに伴い国内市場における販売競争が複雑、かつ、激甚になってくる傾向を増してくるものと考えられます。
 以上の事情からいたしまして、この際、すみやかに最近及び今後における肥料の供給、流通等の実情に即しつつ、一段と肥料の品質を保全し、その公正な取引を確保いたしますことが緊要と存ずるのであります。よって、この見地から今般肥料取締法の一部を改正いたしまして、その目的達成に万全を期したいと存ずるのであります。以下本改正法律案の主要な内容につきまして、概略御説明申し上げます。
 第一は、肥料の保証すべき主成分の指定を、従来は法律の別表で行なっているのでありますが、これを政令をもって定めることといたしたのであります。これに、さきに申し上げました通り、最近における肥料の種類、形質につきましての技術的その他の発達が著しく、現行の法律の別表の肥料の分類がすでに、現状に適合しなくなりつつあり、これを再検討する必要があると同時に、現行のようにこれを法律に固定いたしておりますことは、その技術的その他の発達に機動的に対処し得ないうらみがあるからであります。なお、この際、特に化成肥料及び配合肥料につきましては、含有すべき主成分及びその肥効において、ほとんどこの両者を区別すべき理由がありませんので、単一名称の種別に統一し、これにより、農民が選択に迷わないような表示を命ずることを考えているのであります。
 第二は、特定の種類の肥料に限っては、その主成分の含有量を調整するため混入する一定の異物は、これを農林大臣の許可を受けなければならぬようにいたしたことであります。
 第三は、現行制度において、公定規格で定められている事項中、保証すべき成分量についてのみ登録しているのを改めまして、含有する有害成分、粉末度等についても登録し、これに違反する肥料については、その譲渡を制限することができることを明確にいたし、かつ必要な規定を加えたことであります。
 以上のほか、関係業者の業務施設の表示義務の廃止、登録証等の書替申請事項の簡略化、その備付義務の簡略化等、手続及び事務の簡素化をはかったのであります。
 以上が本法律案の主要な内容でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(棚橋小虎君) 本法律案の審議は後日に譲ります。
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○委員長(棚橋小虎君) 開拓融資保証法の一部を改正する法律案及び開拓者資金融通法の一部を改正する法律案を一括して議題にいたします。
 これら両法律案は、前回の委員会においてお知らせいたしました通り、いずれも去る三月八日衆議院において全会一致をもって政府原案通り可決され、当院に送付、直ちに本委員会に付託されました。これら両法律案につきましては、すでに予備審査を終っているのでありまして、前回の委員会におけるお取りきめに従って、できれば本日午前中に残余の質疑を終り、直ちに討論採決を行いたいと存じますが、お差しつかえございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(棚橋小虎君) では、そのように取り運びますから、御了承願います。では、御質疑のある向きは直ちに御質疑を願います。
 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(棚橋小虎君) 速記を始めて。
 他に御発言もなければ、質疑は終結したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(棚橋小虎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。……別に御意見もないようでございますが、討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(棚橋小虎君) 御異議ないと認め、これより採決に入ります。
 まず開拓融資保証法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
○委員長(棚橋小虎君) 全会一致でございます。よって本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 次に、開拓者資金融通法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
○委員長(棚橋小虎君) 全会一致でございます。よって本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本院規則第百四条による本会議における口頭報告の内容、第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成、その他自後の手続につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(棚橋小虎君) 御異議ないものと認めます。よってさように決定いたしました。
 なお、両案を可とされた方は順次御署名を願います。
  多数意見者署名
    青山 正一  重政 庸徳
    鈴木 強平  戸叶  武
    三浦 辰雄  雨森 常夫
    関根 久藏  佐藤清一郎
    横川 信夫  東   隆
    河合 義一  小林 孝平
    溝口 三郎  千田  正
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  〔委員長退席、理事戸叶武君着席〕
○理事(戸叶武君) 速記をとめて。
   午前十一時六分速記中止
   ――――・――――
   午前十一時二十四分速記開始
○理事(戸叶武君) 速記をつけて下さい。
○小林孝平君 この機会に、食糧の管理に関係いたしまして、ちょっとお尋ねいたしておきたいと思います。
 最初に三十一年産米について米の統制をはずすのかどうかという点についてお尋ねします。この問題は政治的には農林大臣にいずれお尋ねいたしますが、私は事務的にどういうふうに事務当局は考えていられるかということをお尋ねいたしたいのです。事務当局が統制撤廃を三十一年についてはどういうふうに考えているか、また事務当局としては統廃を具体的に研究したことがあるかないかという点について伺いたい。
○政府委員(清井正君) 三十一年産米につきましては、私どもは三十年産と同様事前売り渡し申し込み制度を継続いたしまして、配給等につきましても現行通り継続いたすつもりでございます。諸般の研究等につきましては、具体的にいたしたことはありません。
○小林孝平君 そうすると、三十一年産米については統制撤廃はあり得ないと考えて差しつかえないのですか。
○政府委員(清井正君) 事務的には何ら準備をいたしておりません。
○小林孝平君 大体東日本では雪解け、西日本では麦の刈り入れのあとに田植の準備をするわけであります。現在しようとしております。それで春肥の手当もどんどん迫ってますし、この先に一体米がどうなるかということに非常に関心を農民は持っておるわけです。それで大臣は他の委員会では二、三年は統制撤廃をやらない、準備期間として必要である、こういうふうに答弁されておるのですが、今の事務当局のお話でもそういう統制撤廃はあり得ないというお話でございますが、かりに統制撤廃をやるとすれば今から準備しないでもやれますか。
○政府委員(清井正君) 非常にむずかしい御質問でございまして、なかなかお答え申し上げるのはむずかしいのでございますが、統制の制度を変えるということは非常に重要な問題でございまして、これにつきましては、いろいろな準備が必要かと思うのであります。これはいろいろ申し上げますと、だんだん長くなるのでございますけれども、小林委員御承知の通り、結局この制度を改廃いたしますれば、改廃したことによって生産者、消費者が今まで通り安心してその制度に頼り得るという基盤が醸成されなければ、おそらく米に関する制度は変えられないものだと私は考えているのであります。従って、そのためにはおそらく各般にわたる準備が相当長期間にわたって必要であると考えているのでありまして、私どもといたしましては、さしあたり三十一年産米等につきまして、統制を撤廃するということは事務的な準備からいたしましても、全然不可能であると考えております。
○小林孝平君 この準備が相当長期にわたって必要である、こういうお話ですが、今長官が事務的に考えて、事務的には三十一年度において統制撤廃をやるということは準備ができない、こうおっしゃいましたが、そういうふうに確認してよろしゅうございますか。
○政府委員(清井正君) 制度を変えるといたしますれば、生産方面、流通方面、政府の貯備その他あらゆる部面について準備が必要でございます。その準備をいたしまするためには単に行政の措置のみならず、経済界の問題につきましてもいろいろ必要な措置をいたさなければならぬ点もございますので、相当長期間にわたって事務的な準備が必要であるというふうに考えているのでございます。
○小林孝平君 まあ、事務的のみならず、いろいろの点から考えて三十一年度は統制撤廃はできないというお話ですが、そうすると、今年は三十年と同じ予約売り渡し制度を実施されるのですか。それはかりにやるとすれば、三十年度と同じ条件でやられるのか。条件というのはまあ価格は何だろうと思いますが、同じ制度をとられるのですか。
○政府委員(清井正君) 三十一年産米につきましても、事前売り渡し申し込み制度を継続いたすつもりでおります。時期につきましては、少し早目にいたさなければならぬかと考えております。第一回は若干準備等もございましたので、おくれたのでございますが、やはりこの制度をしきます以上は、なるべく早目にこれを施行することが必要だと考えております。ただいまなるべくこれを早目に実施すべく準備をいたしているのでございますが、ただ制度の内容でございますが、根本的な問題は別といたしましても、昨年やりました経過にかんがみまして、事務的に改善すべき点があれば改善をいたしたいと考えておるのであります。ただいまのところはどの点をどういうふうに改善するかということにつきましては、結論を得てないのでございます。大筋は昨年通り実施するということにいたしておるのであります。
○小林孝平君 そうすると、大体制度の内容は今後検討をいたしますけれども、大体昨年度と同じだということで了解してよろしゅうございますか。
○政府委員(清井正君) そのように考えております。
○小林孝平君 昨年の本委員会あるいは予算委員会で問題になりました予約制度を実施するならば、食糧管理法第三条の規定で強制的に割り当てる権限、あるいは強権発動の規定などは削除すべきであるという意見が相当あった。それはそのまま三十年度には削除されないで予約制度を実施されたのですが、そういう点を新たに考慮される意思はございませんか。
○政府委員(清井正君) その点につきましても昨年度と同様に考えておるわけでございまして、昨年におきましてもいろいろ御批判を受けた点がございます。ただ現行食糧管理法の建前においてこれを実施いたすことを基本といたしておりますので、いわゆる法律に基くところの諸般の制度はこれをそのままにいたしまして、政府に対する売り渡しのあり方を事前割当によって長期にわたって責任をもってやらせる、それをあとから法律で裏づけるわけです。本年度と同様事前売り渡し制度をそのまま来年度においても実施をいたすつもりでございますので、この制度を継続することによりまして、食糧管理法を改正するということは考えておりません。
○小林孝平君 そこで予約売り渡し制度を実施されるなら、米価は一体いつきめられるか。予約制度を実施される以上は、去年は最初の年でありましたから、途中からやったのでおくれましたが、本来予約売り渡し制度を実施するなら、田植え前に米価をきめなければならぬと思いますが、大体いつ米価をおきめになりますか。
○政府委員(清井正君) 昨年御承知の通り若干おくれまして、麦価と同時に米価をきめたような関係がございますので、申し込みをいたしましたのが夏になりました。今年は第二年目でございます。事前売り渡し制度から申しましても、なるべく早くこれは出発すべき筋合いのものでございますので、昨年よりももっと早くいたしたいということで考えておりますが、いつとはっきり約束はいたしかねるのでございます。昨年は六月末でございましたけれども、それよりも少くとも一月以上早くいたさなければならないと、こういうふうに実は考えていろいろ準備を進めておる最中でございます。
○小林孝平君 昨年は六月末でしたが、少くとも一月早くというならば、五月の天にはきめられるのですか。大臣は委員会かどこかで田植え前にきめるというようなことをおっしゃったのです。そうしますと、日本一の穀倉地帯である新潟県においては田植えは五月の末から始まるわけです。だからその前に、本来ならばもっとずっと早くきめていただかなければ困るのです。大体の見当はどのくらいなんですか。五月の初めごろというわけにはいかぬのですか。
○政府委員(清井正君) そのときの御議論にもありましたのですが、御承知の通り田植えをする時期も、日本の気候の関係上非常に長期にわたるわけですが、東北、北陸は非常に早く田植えをいたすわけですので、私どもといたしましても、なるべく早くいたさなければならぬという趣旨は十分了承いたしておりますが、準備等の都合もありまして、その辺もあわせて考えていかなければならぬと考えておるのであります。確実にいつということをちょっと私ここでお約束申し上げるわけにはいかぬのでございますが、昨年は六月末に麦価と同じにきめたわけでございますが、少くともそれより一月以上は早くということで考えておるのでございまして、いつということにつきましては、なるべく早くきめたいということを申し上げて、ごかんべん願いたいと思います。
○小林孝平君 これは予約売り渡し制度でありますから、価格をきめないでやるということは実に予約売り渡し制度の本質から変態であると思うのです。それで今おっしゃったようになるべく早くというのですから、少くとも一カ月以上前ということですが、これはできるだけ早く一つきめていただくように、お願いかたがたぜひそういうふうにしていただきたいと思います。
 次はちょっと米価の問題についてお尋ねしたいと思います。今年の米価は予算書では九千九百六十円と掲げてありますが、この内訳というのは一体どういうふうになっておるのですか。
○政府委員(清井正君) 九千九百六十円の予算米価につきまして、予算上算出いたしました基礎は、九千九百六十円の内訳は、基本価格といたしまして九千六百七十三円に包装代として百八十七円、これは昨年同様であります。これに平均パリティ指数を出しまして、さらにいわゆる格差の百円を足しまして九千九百六十円という金額を出したわけであります。そこで、しからば九千六百七十三円というのはどういう数字であるかということになるわけでございますが、この九千六百七十三円は三十年産米価をきめましたときと全く同一な形式によりまして、最も新しい時期のパリティ指数を使って計算をいたしたのであります。すなわち基準価格というものが九千八百十円でございますから、この九千八百十円に一九〇・六七分の一一八という数字をかけたのであります。そうして計算しますと九千六百七十三円になるのであります。一一八というのは、これはたしか昨年十一月の予算編成のときの一番近いところのパリティ指数でございます。三十年産米をきめるときは一二〇・四四であったのが、その後パリティがずっと下っておりますので、最近のパリティ指数を取りまして計算いたしますと、九千六百七十三円という計算が出ましたので、この九千六百七十三円にただいま申し上げましたような包装代と予約格差を足しまして、九千九百六十円という数字を出したのであります。すなわち三十年産米の米価をきめましたときと全く同様の算式によりまして、ただパリティ指数は最も新しい時期のパリティ指数に置きかえた計算というのが、予算米価九千九百六十円の算出の基礎であります。
○小林孝平君 三十年産米の米価の農民の手取りは一体どのくらいになっておるか、実際は三十年度は一万百六十円ときまっておりますが、手取りはどのくらいになるか、その内訳は一体どういうことになっておるのですか。
○政府委員(清井正君) ある程度予測が入りますから、最終的には追って訂正しなければならぬかと思いますが、ただいまの予想では一万百六十円と計算いたしまして、平均手取り一万二百十六円という計算になっております。若干上っておりますが、上った原因は主として早場格差が上ったのであります。これは総買い入れ数量が三千四百二十万石ということを前提として計算いたしておるのであります。従いましてこれが変りますれば、また価格も動くということを御承知おき願いたいと思います。一万二百十六円の内訳は基本価格が九千八百四十六円であります。裸の平均価格でございます。それに早場の格差が二百七十五円、それから包装代が百八十七円足しまして、それから等級間の格差を九十二円引いたのであります。従いまして、その合計が一万二百十六円ということになっておるのでありまして、ふえました原因は早場格差が当初二百十円と考えておりましたのが、二百七十五円、六十五円平均価格が上っておりますので、一万百六十円が一万二百十六円、むろん基本価格も少し上っておりますが、早場格差が上ったことが原因になりまして一万二百十六円になったのであります。これはただいま申し上げました通り、三千四百二十万石という買い入れの数量があるものとしての計算であります。この買い入れ数量が違って参りますというと、また一万二百十六円というものが変って参ります。途中段階の計算であるということを御了承願いたいと思います。
○小林孝平君 九千九百六十円の手取りは一体どのくらいなんです。今年の予算米価は九千九百六十円ですが、実際の農家の手取りは大体どのくらいになっておりますか。
○政府委員(清井正君) これは御承知の通り三十一年産米の一応の見つもりでございますから、しいて申しますれば、平均が九千九百六十円ということになるわけでありますが、実際米価をきめますときには、また違ったいろいろのことを勘案いたしまして米価をきめなければなりませんし、その場合には早場格差をどうする、予約格差をどうするということがいろいろ勘案されまして、三十年産の米価をきめましたときと全く同一の経緯によりまして、三十一年産米価をきめなければなりませんから、ただいまのところ九千九百六十円の手取りがどうなるかという計算はちょっとできないのでありまして、しいて申しますれば、九千九百六十円だと申さざるを得ないのであります。実際問題といたしましては、御承知の通り本年度米価をきめますときに、いろいろの要素を勘案いたしましてきめますから、そのときにある程度の予測はつく、こういうふうに考えております。主として手取りと申しますのは、申すまでもなく計画と実施との差によっていろいろ手取りが違って参るのであります。三十一年産の買い入れ数量が計画より違って参るということになると、また手取りが変って参るということになるんじゃないかと思います。ただいまのところでは九千九百六十円の手取りというものはちょっと計算できない状態だと思います。
○小林孝平君 これはそういうふうに御答弁になるのは、大蔵省あたりはもう予算米価以上に実質的の手取りが多くならぬようにというような考え方を持っておられるようですが、そういうことに牽制されて、そういうことはわからないということになるのですか。
○政府委員(清井正君) そういう意味じゃありません。と申しますのは、ただいま三十年産の手取りの御質問があったのでありますが、米価をきめますときに、一万百六十円ということで米価をきめた。ところがそのときに早場格差は平均二百十円だという計算をいたしまして、一万百六十円という米価をきめまして、それから買い入れを実施したのであります。ところが、買い入れが案外に早場地方における供出が多かったために二百十円という平均の単価が以外にふえたという結果になりまして、一万二百十六円という実際の手取りになったという実際上の結果を申し上げました。あくまで実施上と計画上との二つに分かれるのであります。従いまして九千九百六十円と申しますのはただいまの予算上の金額でございます。かりに米価審議会におきまして本年の米価をきめますときに、一定の米価がきまるといたしますれば、そのときにそのきめたものが一応ここに出るのであります。その後の買い入れの状況によってまた変ってくるものと思います。このような関係でただいま御指摘のお話のような意味ではないのであります。計画と実施との差だと、こういうふうにお考え願いたいと思います。
○小林孝平君 では早場米のことを尋ねますが、今年は、三十一年の早場米の買い入れ予定数量は少くなっておるようでありますが、これはどういう点からこういうふうになったのですか。早場米はもうあまり要らぬという点からそういうふうにされるのですか。
○政府委員(清井正君) そういう思想は全然入っていないのであります。昨年の米価を調査いたしましたときもそういう思想は入っていなくて、前年の米価をそのまま推定したのであります。本年も先ほど申し上げた通りのような、ただパリティの差だけを入れかえまして、三十年産米価をきめたときと同じやり方できめておる予算上の米価であります。従いまして、早場格差の問題につきましては、米価をきめますときにまた考えなければならぬ、こういうふうに考えます。
○小林孝平君 早場格差は先ほど――米価の決定は今後に持ち越されるわけですけれども、あなたは、今おっしゃったように、何も早場米は要らぬというわけではない、こういうところから言えば、早場格差は大体本年と同じと考えてよろしゅうございますか、三十年と。
○政府委員(清井正君) そこははっきり私ただいま何とも申し上げかねるのであります。すなわち需給上早場米のことはこの前申し上げた通り、早場米は要らないということは言わないのであります。あくまでも早場米は必要であります。ただ早場格差の絶対額を本年度に実施するかという問題につきましては、ちょっと私どもとしてもお答えを申し上げかねるのであります。米価をきめますときのいろいろ状況を勘案いたしまして、そのときにきめたいと思います。
○小林孝平君 早場米が要らないということでない、従来通り要るのだということであれば、これは当然理論的に言っても、また実際上から言っても、格差というものは大体今年と同じになる。上げるならばなおいいのですが、少くとも同じでなければならぬわけでありますが。
○政府委員(清井正君) 絶対額が同じでなければならぬというところに若干問題があろうと思います。年々早場米の格差というものは早場米奨励金、あるいは今年から格差ということになりまして、米価の中に繰り込んでおります。一応需給推算上早期に出される早場米が必要であるということの必要性は変らないと思います。本年は非常に政府に対する供出が豊富でありましたので、本年の必要性は例年とは若干違っておりますけれども、需給推算上早場米が必要だということは厳然たる事実でございます。従いまして早場格差という問題につきましても、そういう意味から検討いたさなければならぬことはもちろんでございますが、ただ絶対額につきましては、これは基本米価との関係もありますし、いろいろの事情も勘案してきめなければならぬので、絶対額については昨年と同様にするというお約束はできないのであります。早場米が必要であるという需給上の調整につきましては、やはり必要であると考えております。
○小林孝平君 次は税金のことについてちょっと長官にお尋ねいたしますが、三十年度の農業所得税は予算上納税者六十万人税額七十億円となっていたと思うのですが、すでに年度末が近づきましたが、一体どのくらい納税者と税金が予算上よりふえておるのですか。これは、予算は平年作を前提として組まれておるわけですから、昨年は大豊作だからまた大蔵省で税金を取るというようなお話ですが、どのくらい納税者と税額がそれぞれふえているのでございますか。
○説明員(村山達雄君) ただいまの御質問でございますが、この税額の数字は目下関係当局を通じて収集中でございまして、最終数字はまだわかりませんが、当初予算の数字は相当上回るのではないかと思います、主として今年の大豊作のために。先般補正予算を組みます際に、おおよそその見通しを大蔵主税当局とも立てましたのでありますが、その際における数字を申し上げますと、人員におきまして納税者は、本年は約八十二万程度になるのではなかろうか、税額におきまして約百十億程度に上るのではなかろうか、それがごく最近われわれが一般的の資料をもとにしまして立てました数字でございます。その後の状況の変化につきましては、目下資料収集中であります。かような状況であります。
○小林孝平君 農業所得税は、三十年度から予約集荷のために基準が石当標準から反当標準に変ったわけですが、一体これはなぜ変えられたのですか。
○説明員(村山達雄君) これは御承知のように、供米制度が従来の義務供出から今度は予約売り渡し制度に変りましたので、義務供出の場合にはその供米自体の方からいたしまして、大よその各農家におけるその基礎になる生産量があったんでございます。従いまして、各農家間の課税のバランスは、いわばこの供米の基礎になりまするところの生産量の比でもって考えていくのが最も公平な措置だと、かように考えまして、従来は石当標準によっておったのでございます。しかるに今度予約売り渡し制度になりまして、予約した数量、あるいは売り渡した数量というものは決してその年における生産量を表わしておるものではない。従いまして、生産量を基礎にして課税のバランスをとるという基礎が失われたわけでございます。さようなわけでありますので、この供米制度が行われる以前は反当課税の方法によっていましたので、反当標準に戻ったというのが実情
 でございます。
○小林孝平君 この反当所得標準は非常に今後問題になると思うんです。これは住民税や公租公課の基準になりますから、国税を納めない人にも相当影響するところがあると思うのです。それでこのきめ方は非常に問題だと思いますが、この点はこの反当所得標準というものが住民税や公租公課の基準になると考えるから非常に問題だと思うのですが、この点になると考えていいですな。
○説明員(村山達雄君) 現在まあ市町村民税は御承知のように所得税の税額を基礎にしておるわけでございますので、直接には反当標準というものが問題になるわけではございませんで、最後の答えの税額がまあ基礎になっているわけでございます。ただその税額を出す一つの要素といたしまして、農業所得者の場合には、その村における反当の収穫量を幾らに見るかということも所得税の高をきめる一つの要素になっておりますから、その意味では間接には影響がある、直接には関係ないわけでございます。
○小林孝平君 それがさらに所得税を納めない農家についてもこれが地方税や住民税や公租公課の基準になると考えられるんですが、それはそういうふうに考えても差しつかえないのでしょうか。
○説明員(村山達雄君) 市町村の納税義務者の方は必ずしも――ただいま申しましたのは、所得税の納税義務者についてどんな影響があるかということを申し上げたんですが、所得税の納税義務者でなくても、独立して生計を営んでいる者は御承知のように市町村の納税義務があるわけでございます。しかし、それはあくまでも独立して生計を営んでいるかどうかということによってきまるわけでありまして、直接反当標準には関係はないと、かように考えております。
○小林孝平君 いや、その独立して生計を営んでいて今度税金を――住民税や公租公課をとられるときの基準になるとこれは考えられているんです。それがそういうふうに考えてもその点は間違いないかどうか。これは反当標準というものがいいかげんにきめられると、直接農業所得税を納めない人にもみんな影響してくるから、これは私が今後質問する点にも関連するのでお尋ねしておるのです。
○説明員(村山達雄君) これは市町村民税の方の法律構成課税標準の問題でありますので、主税局の方から答弁していただきたいと思います。
○説明員(白石正雄君) 国税といたしましては、反当標準でその所得を決定するというようにいたしておるわけでございますが、国税の納税義務者にならない方々につきましては、これはまあ国税が決定しないわけでございますので、今の建前からいたしますと、地方の税務当局が独自の判断で決定をするということに法律的には相なるかと思います。ただ国がそのような反当標準を作っておりますれば、地方といたしましてもこれに乗っかるということも考えられますので、そういう意味におきましては、地方の課税にも影響を及ぼすことがあり得るわけでございますので、もちろん国の決定に当りましては慎重を期さなければならないということで、反当標準の決定につきましては、せっかく国税庁当局におきまして慎重に検討をしておる次第でございます。
○小林孝平君 そこで、こういうふうに反当見込みというのが非常に大きい影響を持ってくるのです。それで、だれが一体この反当見込みというものを現在きめるのですか。これはどうも税務署が天下り的にきめられておるように思うのですけれども、これは一体どういう方法で皆が納得するようにきめられておるのか、その点お尋ねいたします。
○説明員(村山達雄君) この点はおっしゃる通りでございまして、かなり及ぼすところが重大であると思いましたので、昨年九月にこの点につきまして御承知のように閣議決定をとっております。その際きまりましたことは、作物統計事務所の収穫見込量、これを十分尊重して、なおそのほかにも地元の市町村なりあるいは農協等においてもそれぞれ実情をよく反映した資料がありますから、それらを十分参考にし、それらの団体とも十分協議の上で最終的な収穫量を決定するようにと、かようなことにいたしております。もちろん法律的に申しますと、これを決定する権限は税務署にあるわけでございますので、あらゆる課税の責任は税務署が負うわけでございますが、何分にも事柄の影響が大きゅうございますし、また非常にむずかしい問題でございますので、特に閣議決定をとりまして、さような丁重なる手続をとることにいたしております。その線に沿いまして、昨年以来今年までずっとそれらの資料を参考にし、団体等の意見を十分聞いた上で最後の標準を決定しておる次第でございます。
○小林孝平君 非常に詳しくお話しになりましたけれども、具体的には作物統計事務所の収量を尊重して収穫高はきめると、ところが今度は面積の方は税務署は台帳面積をお使いになっておるはずなんです。そうすると、この台帳面積の方は作物統計事務所の面積よりも大体低いですから、反当収穫量というものは高く出るのです。あなたの方の結論は、作物統計事務所の収量を使って、面積は台帳面積を使われるものですから、反当収量というものは高くなっておるのです。この点はどうなんですか、こういうふうにやられると非常に困るのですがね。
○説明員(村山達雄君) 収穫量の見方につきまして、作報の数字を十分尊重すると申しますのは、もちろん作報が大体一番こまかいところで市町村単位で発表してございます。そこで、いわゆる作付面積は、作報は作報で一つの見込みを持っておるわけでございます。われわれが非常に尊重しておりますのは、やはりわれわれの方も原則として市町村単位で作業を進めておりますので、収穫量の点につきまして、作報よりも多い場合、あるいは少い場合、いろいろございますが、そのときに作報の数字と食い違っておることが税務署の調査の誤謬に基いておる点がないかということを再三再四反省して検討を加えるわけでございます。ただ課税は所得税でありますので、個々の農家に行われるわけでございます。この場合には、いきおい個々の農家の経営面積は、これは今のところ台帳面積をもとにする以外にはないわけでございます。従いまして、かりに地力がその市町村において同一と仮定いたしますと、総量におきましては作報数字を下回っておりましても、作報の作付面積の見込みとそれから台帳、その村における総台帳面積の差額が非常に多い場合には、計算上反当収穫量というものが少し多くなってくる場合はありますけれども、これはまあ所得に影響がありますのは、結局最後の総収量の問題でございますので、まあ、その点は技術的な問題として、われわれは主としてその総収穫量の見込みについて、それが妥当であるかどうかということについて関係町村、あるいは農協等と十分打ち合せをして、その点でお互いに納得を得たところで標準を組む、かような仕組みになっております。
○小林孝平君 これは収量作報、それは非常に違うのです。具体的に申しますと、たとえば、ある村について作報の作付面積は八百町歩で収量が二万四千石だとすれば反当三石なんです。ところが台帳面積で六百町歩になっておれば二万四千石という数量を使えば反当四石になるのです。非常にこの点が、あなたは東京におられてそういうのんきなことを言っておられるけれども、末端で非常に問題になり、さらにこの問題が統計事務所の収量が税金の基礎になる、しかもその税金の基礎になるのは差しつかえないけれども、こういうふうな収量は統計事務所、台帳面積は今度は小さいやつで使うということで非常に困って、統計事務所それ自身がこんなものは要らないものだというような空気が出てきているのです。非常にまあ迷惑しているわけなんです。この点はどうなんです。これはちょっと今の計算で言ってもこういうやり方をすれば、三石と四石というふうに非常に違ってくるのです。
○説明員(村山達雄君) その点は、その村あるいはその協同組合といろいろ話して、総収穫量の見込みについてかりに異議がないといたしますと、その問題のあるところは、作報のいわゆる作付面積とそれから台帳面積の合計の、いわゆるその差額のなわ延びでございます。このなわ延びが各農家間に同じような割合においてなわ延びがあるかどうかが問題点になるわけでございます。もし、その同じ比率で見込むということが納得できれば、その点は解消するわけでございます。問題はそうでない場合もあるわけでございまして、作報の作付面積そのものが、どうも農家としては納得できない。そのことはひいて作報の総収穫量自身に問題がある。こういう問題になりますと、そこはまあ総収量の争いになる、争いと言いますか、そこをしぼってだんだんと話をつめて参るわけでございます。総収穫量において税務当局と関係団体の間に争いがなければ、あとはそのいわゆるなわ延びというものですね、なわ延びについて各農家同じように見ることの是非だけが残るわけでございます。まあ、この辺実際問題といたしまして、各税務所で問題の所在が、焦点がどこにあるかによりまして、それぞれ問題をつめて参り、そして、できるだけ各農家の納得を得たところで最終標準をきめる、かような実情であります。
○小林孝平君 これは、その細かいことを私長くやっているつもりはございませんが、一律になわ延びがあるなんということはちょっと想像できないのです。こんなのは皆ばらばらの方が一般的ですから、非常にこの問題が各地で問題になっておるのです。それが今言ったように、その統計調査事務所の機構それ自身にも影響するような空気になっておりますから、非常にこれは困るのです。
 それからもう一つは、大体あなたの方は計算で高くなるようなふうにすべて計算されているのです。今度減収の問題もあり、減収は、じゃ作報の数字を使うかといえば、これは今度減収は共済の数字を使っておる。この共済の数字の方では、これは保険の仕事だから高く出るのが普通でしょう。だから従ってこれを使えば、私は一つのモデル的に計算すれば、作報の数字が三万石で、減収が作報の減収では六千石だというときは、収量は二万四千石なんです。そこで今度は共済のやつを使ったときは、総収量は三万二千石になるのです。三万二千石から八千石の共済の数字を引けば二万四千石、こういうふうになりまして、共済の事務所の使われるものは、すべて高くなるように高くなるようにと数字を使われるから、これは非常に困っているのですがね、この問題は。
○説明員(村山達雄君) その問題は、実は作報の収穫量というのは、今の共済保険の適用の三割以上の被害であった場合には、その分の被害は個々の現況で見て総収穫量はきまっておりますので、ですから、その村における総収穫量が幾らと作報が言っている場合には、被害のあるものもあり、被害のないものもありますが、ひっくるめて幾かと見ております。ただその場合個々の農家によって被害状況が違いますので、その被害が幾らであるかということを見る場合には、現在の制度ではやはり最も権威のあるのが共済組合でありますので、共済組合の数字を使わしてもらっておる、こういうようなわけであります。
○小林孝平君 この問題はまあまた機会をあらためてやりますが、今おっしゃったようなことでは納得できないのです。現実にやると皆高くなるようになっているのです。そうして現にそれで非常に今困っておるけれども、これ以上は時間の関係もあってやめますが、まあ一つよくお考えおき下さるようにお願いします。
 もう一つは、今日は三月十五日で確定申告の締め切り日なんですが、それで全国で農民が税務署に呼び出されて今やっているはずだと思うのです。特に新たに先ほどおっしゃったように、新しく今度納税をする人が相当ふえているのです。この人たちは実に事情がわからないので面くらっているわけです。そこで大体この締め切り日を繰り延べるということは、先般農林大臣も大蔵大臣も話をされて、話し合いができて、言明されておったと思うのですが、これは一体どうなっているのですか。
○説明員(村山達雄君) お話のように今年は石当り標準を反当り標準に切りかえた年でもありますし、それから作報自体の収穫量の見込みも相当ふえております。また閣議決定の趣旨によりまして、現地の事情を十分聞くように、まあ反当り標準にいたしましたために計算事務も相当複雑になっております。まあ、これらの要素がありまして、先般閣議で三月十五日という一般の期限の延長について特に考慮するようにという決定がありましたので、国税庁におきましても、それに即応して期限に関する通達を全国に発しております。関係市町村、関係団体にも全部通達は公表してございます。まあ、それによりますと、その市町村状況によって違いますが、一番長い場合には今月の月末まで延長しても差しつかえない、かような通達になっていることを御報告しておきます。
○小林孝平君 その通牒はいつ出されたのですかね。
○説明員(村山達雄君) 二月二十八日付になってございます。のちほどこれを置いて参りますから。
○小林孝平君 次は予約減税の問題についてちょっとお尋ねしますが、予約減税は一体石当り幾らになっておるのですか。そうしてその算定の基礎ですね。
○説明員(白石正雄君) 予約減税は、三十年産米につきましては、各六十キログラムにつきまして時期別にいろいろきめております。九月三十日までに売り渡したものにつきましては九百六十円、それから十月一日から十五日までの間に売り渡したものにつきましては七百二十円、それから十月十六日から同月三十一日までに売り渡しましたものにつきましては六百円、それから十一月一日から三十一年の二月二十九日までの間に売り渡したものにつきましては四百六十円というように、六十キログラムについてきまっておるわけでございますが、これは石当りに換算いたしますと、大体平均千四百円程度のものになるわけでございます。で、千四百円の中といたしましては、二百十円程度のものが時期別格差になりますので、それを除きました千二百円程度のものが一律の減税になるというわけでございます。その千二百円の一律の減税に対しまして、今申した二百十円に相当するものが時期別格差として千二百円、それから六百円、三百円というように相なっておりまするので、これを加算いたしますというと、最も多い額は、石当り二千四百円、それから千八百円、千五百円というような数字に相なるわけでございます。この数字を出しましたのは、従来超過供出あるいは早期供出というような奨励金につきまして減税措置が講ぜられておりましたので、これらの事情を勘案いたしまして、基本価格に繰り込まれたものにつきまして、しかも供出したものにつきまして減税をすると、こういうことで計算いたしました結果、大体従来程度の減税をやるということにさらに加えまして、当時米価の決定のときに問題になりました幾分奨励的な意味をも含めまして、これを減税措置で講ずるということの部分を加えまして、そうして平均千四百円程度のものを減税をするということになっておる次第でございます。
○小林孝平君 この予約減税は、本年度は予算上幾ら――実質的には総ワクで幾らになっておったですか。
○説明員(白石正雄君) 予約減税が決定いたしました当初予算につきましては、当初農業所得に対します課税額は七十三億円程度と見込んでおったわけでございます。その当時におきましては、大体三十億円程度のものになるのではないかというように推定いたしておったわけであります。この七十三億円程度の農業所得税は、先ほど直税部長から申し上げましたように、相当程度増加する見込みでございますので、従いまして、三十億の減税額も、総体の所得の増加に応じまして、相当程度三十年産米につきましては増加するのではないかというように推定せられるわけでございます。
  〔理事戸叶武君退席、委員長着席〕
○小林孝平君 先ほど清井長官は、本年も大体予約をやると言われたのですが、減税もそれじゃ大体今年と同じようにやると考えてよろしいですか。
○説明員(白石正雄君) 予約減税は米穀の管理制度と関連いたしておるわけでございまして、昭和三十年産米につきましては御承知のような管理制度がとられましたので、それに関連いたしまして、このような減税措置が講ぜられたわけでございます。三十一年産米につきましてどのような管理制度になるかはまだ承知していないわけでございますが、従来のような管理制度が続けられるものといたしますれば、租税上におきましても、やはり同じような措置を講ぜざるを得ないのではなかろうかというように考えられるわけでございます。
○小林孝平君 早場米奨励金も減税対象になったのだろうと思うのですが、そうでございますね。かりにそうであれば、三十一年度も同様にされるわけですね。
○説明員(白石正雄君) 全体の租税の制度がどのようになるかということは、今後の管理制度に関連するわけでございますが、もし従来通りの管理制度が続けられ、しかも従来のような価格差が設けられるものといたしますれば、やはり三十年産米と同じような措置に相なるのではなかろうかというように考えておる次第でございます。
○小林孝平君 もう一つお尋ねしたいのですけれども、主税局長はおいでにならんですね。主税局長にお尋ねしたと思いましたけれども、一萬田大蔵大臣は、三十二年度に根本的に税制改正をやると言っておるのですが、財界方面ではすでにこの予約減税などはなくすべきであるというような意見が相当あるように思うのです。それで、そういうことと関連して、この予約減税などはどういうふうに大蔵省は考えていますか。
○説明員(白石正雄君) 予約減税につきましては、税制調査会の中間答申で、米穀管理制度の変化に伴いまして、できる限りすみやかに廃止することが望ましいという意味の答申を承わっております。従いまして、これは米穀管理制度と関連いたしておるわけでございまして、その米穀管理制度が今後改正せらるるに伴いまして、やはり答申の趣旨にも関連して措置しなければならぬのではなかろうかというように考えておる次第でございます。
○小林孝平君 今の御答弁は私の質問とちょっと違うのですけれども、まあこれはあらためてまたお尋ねいたします。
 次はちょっと麦のことに関連してお尋ねいたしますが、三十一年度の食管会計は、三麦――大麦、裸麦、小麦の値下げを途中からやるように言われておるのですが、それは一体いつからおやりになるのですか。
○政府委員(清井正君) ただいまの御質問の御趣旨は、政府の所有の麦類の売り渡し価格をいつから変えるかという御趣旨のように承わったのでございますが、私ども三十一年度の予算におきましては、麦類の売却価格は、新麦年度からこれを更改をいたしたい。むろん生産者価格につきまして、新麦についての生産者価格をきめるわけでございますが、それに関連いたしまして、七月いわゆる新麦年度から麦類の売り渡し価格を更改いたしたいというふうに予算上はなっておるのであります。しかし、現実におきまして、ただいま持っておりまする今年いわゆる三十年産の麦類等につきましていろいろ問題がございますので、予算上は七月からということになっておりまするけれども、それよりも前にできるだけこれに関する実際に即した措置を講じなければならないものというふうに考えておる次第であります。ただいまのところいつからということもはっきり申し上げかねますが、できれば早目にただいま政府が所有しておりまする麦類をも含めまして、値下げをいたしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○小林孝平君 業界では、業者の間では四月から値下げをするというような説が相当飛んでおるのですがね。これはそういうことはあり得ますか。
○政府委員(清井正君) 私どもといたしましても、できるだけ早目にいたしたいと考えておるわけであります。従いまして、新年度の四月からというような意見も業界に行われておることは私も聞いておるのであります。四月からぜひ引き下げてもらいたい、これは現在持っておる麦のことでございます。私申し上げましたのは、本年産麦の七月に価格が変りまするから、そのときとあわせて古麦も変えたいという意味の予算編成でございますが、できますればその前に古麦の引き下げを行いたいというように考えておるのであります。業界では四月からというお話でありますし、私どもといたしましても、できるだけ七月以前に早目に何らかの引き下げの措置を講じたいものということで、いろいろ事務的に検討いたしていることは事実でございます。ただし四月からすぐにきちっと始められるかどうかということについては、ちょっとまだはっきりお答え申し上げかねる点がございますが、趣旨はそういう点において七月以前からでも引き下げを行いたいというように実は考えておる次第でございます。
○小林孝平君 その麦の値段の更改のときは米価審議会におかけになりますか。かけるとすればいつごろおかけになるのですか。
○政府委員(清井正君) 御承知の通り米価審議会は、基本的な麦類の買い入れ価格と売り渡し価格を御諮問いたすのが例になっておるのであります。ただし事の重要なものにつきまして御諮問いたすことになっておりますので、事が重要でなければ、あるいは米価審議会の御諮問を受けないこともあり得るわけであります。理屈上の問題であります。従いまして今回の麦価の引き下げ、特にこれは古麦の引き下げの形になりますので、それが米価審議会に御諮問を申し上げる程度のものであるかどうかということは、実際に引き下げるときの価格のきめ方によって判断しなければならぬのでありまして、直ちに今回の古麦の麦価の引き下げが米価審議会におかけいたさなければならぬ問題であるかどうかということは、今すぐには判断いたしかねる点があるのであります。実際上の措置がきまりましたときに、その措置の内容によりまして米価審議会にかける必要があるというときには、米価審議会の意見を聞かなければならぬというふうに考えております。こういうことにいたさなければならぬものと、こういうように実は考えております。
○小林孝平君 あと小型製粉のことについてちょっと二、三お尋ねしたいのですが、今小型製粉は非常に苦境にあえいでおるわけでありまして、ずいぶんだんだん減って二十七年度の統制撤廃するまでは二千五百あつたものが現在八百くらいしかないのです。これは非常にだんだん経営が窮屈になるからこういうふうになっているのです。それで一体農林省はこの小型製粉などというものはつぶれてもいいというふうにお考えになっているのか。そうでなければ何かどういうふうにこれは考えておられるのですか。このままではだんだんつぶれてなくなると思うのですが、非常に困っているわけなんです。これに対してどういうふうにお考えになっているのか。
○政府委員(清井正君) これは製粉のみならず、精麦につきましても同様でございますが、ことに精麦の方がよけい問題が激しいのでございますが、業界一般がいわゆる企業の健全性という意味から申しまして、非常な問題に当面いたしておることは事実でございます。ことに製粉におきましても、大体千工場あるうち中小が約八百くらいの工場になっておるのであります。そのくらいの工場数に当りますところの中小製粉界におきましては、最近特に売れ行きが悪いというような実情等にかんがみまして、非常な問題に逢着しておりますことは事実でございます。ただ私どもといたしましては、あくまでもこれは主要食糧でございますし、これが原麦を製品にいたす流通過程の施設でございまするから、やはり適切なる施設が業界に存在することが必要であるということを実は考えておるのでありまして、単に大型のみならず中小型製粉につきましても、政府の売却いたしましたところの原麦が、これが製品となりまして、円滑に使用者に行き渡るような組織において中型、小型というものも存在いたさなければならぬというふうに実は考えておるわけであります。そういう意味合いにおきまして、中小型製粉の窮状につきましては十分措置を講じていかなければならないものと考えておるわけでございます。
○小林孝平君 精麦の方には、すでに長官通牒でこの精麦設備の新規増設を抑制するような手段が講じられておるのですが、この製粉についても精麦と同じような趣旨で新規設備の拡張ですね、そういうものは抑制するという何か方法をとられる意思はありませんか。そういうことが必要だと思うのですけれども。
○政府委員(清井正君) 先般実は精麦の問題につきましては、非常な実は精麦界の設備が過剰の現状でありますので、できるだけ現在の施設をさらに新設したり、増設したりすることのないようにということの意味の連絡を申し上げたことはあるのであります。申すまでもなく、御承知の通りこれは強制するわけにいかない問題でありまして、あくまでもこれは業界の自主的の問題でございます。業界において非常な問題がございましたので、たださえ現在において設備が過剰の状態にあるのに、精麦につきましては、ただいま御指摘のありましたような新設、増設等につきましては、業界でよく抑制をされていかれた方がいいのではないかという勧告を実は申し上げたのであります。製粉につきましても、また同様な問題があることも十分承知いたしておりますので、精麦と同様な方法を講じていきたいと考えておるのでありますが、これはあくまでも強制措置、法令措置ではありませんので、あくまでも業界の自主的措置に待たなければなりません問題でありますので、そういうような意味合いにおきまして、精麦と同様の措置をとって参りたいと考えております。
○小林孝平君 そういう具体的な措置をいつごろおとりになられましょうか。
○政府委員(清井正君) これはただいま申し上げた通り、何ら法令に基くものでありませんので、通牒を申し上げまして、業界にそういうような措置の促進をお願いをいたすことにいたしたいと存じますので、できるだけ早くこの措置をとって参りたいと考えております。
○小林孝平君 こういうふうに製粉業界は非常に、特に小型の業者は困っているのですが、こういうことを事業を安定させる意味からもふすまの価格を安定させる必要があると思うのです。それでふすまの価格の最高、最低価格をきめるように飼料需給安定法の中にそういうことを含める措置をとられる必要があると思うのですが、その点いかがですか。
○政府委員(清井正君) これはちょっと問題があろうかと思うのでございますが、飼料需給安定法は直接は畜産局の方の所管でございますので、私ども間接な所管になるのでございますが、ただいま御承知の通り国内産のふすまでは不十分でございますので、外国産のふすまをこれは政府が買い入れまして、時価に即応して売却をいたしておるわけであります。国内産のふすまにつきましては、申すまでもなく政府が売却いたしますところの原麦を製粉いたしまして生産されたふすまを製粉業者が売却をいたしておる、こういうようなことでありまして、元来国内産ふすまにつきましては、原麦の売却価格が一定でございますので、従って生産されるふすまの価格もある程度の水準を若干維持しておる。多少の高低がありましても、大体維持しておるというようなことになっておるわけであります。これが飼料の事情によって変更することがございますが、原麦の価格が一定するということにつきましては、政府が一定数量の原麦を一定価格で売却しておるということに制約されておるわけであります。それにつきまして、なお足りないふすまにつきましては、外国から輸入いたしまして、これを時価に即応して売却をいたすというようなことでありますので、現在におきましても、やはりふすまのいわゆる価格の安定と申しますか、の措置はとられておるのじゃないかと、私は実は考えておるものであります。さらに最高、最低価格を設定する、法律上それを規定いたすということの必要があるかどうが、ちょっと私もこれはやや否定的に実は考えておるわけでございます。現在の法律の制度並びに現行の原麦の売却の制度を継続いたしていきまするならば、なおその運営のよろしきを得まするならば、いわゆるその趣旨は達成されるのではなかろうかと思います。なお私どもの措置で不十分な点は今後気をつけていかなければならぬことはむろんであります。法律上そういう規定をいたすことの必要はない、行政措置によって十分その目的は達成されるのじゃないかと、こういうふうに実は考えております。
○小林孝平君 最後にもう一つお尋ねしますが、今の点は長官そういうふうに御説明になるけれども、実際問題として非常にそういうふうに価格が安定しておるわけでありませんので、非常に困っておりますから、まあ今後御研究を願うことにしますが、この今ふすまは非常に莫大な金額を輸入しておるわけであります。そしてそれは飼料を国内へ、このふすまを輸入するより、生産するようにする措置をとった方がいいと思うのです。それで私はマニトバ五号、こういうものを安く業者に配給して、製粉さして国内でふすまの生産を高めるというようにされたらどうかと、また業者もそういうことを非常に望んでいるようでありますが、それを現在では粒のままこの飼料団体の中央機関に払い下げておられるようでありますが、それを業者に製粉さして、ふすまをよけい作る、そういうようなやり方をやったらどうなんですか。安く業者にマニトバ五号を払い下げて、この製粉業界の不況を打開するような方法にし、あわせて飼料問題の解決にも役立たせるというようなことを考えられないのですか。
○政府委員(清井正君) 飼料上必要なふすまを輸入をしないで、それを国内の製粉によって生ずるふすまで補うという御趣旨の点はよくわかるのでありますが、ただいまふすまとして約本年度で十万六千トンばかりの輸入計画をもちまして、約ほとんどその分は入れておるわけでございます。その程度のふすまが今不足をいたしておるわけであります。ただ御承知の通り、私どもの方の麦の輸入は、食糧の需給上から必要な数量の麦を輸入をいたしておるというようなことでございまして、ある程度ふすまはその副産物の形になっておりまして、必要数量の輸入の計画は、主食としての国内の需要に対して供給の不足分を外国から入れる、こういう立場で主食としての小麦の輸入をいたしておるのであります。ことにマニトバのごときはカナダとの関係でございますので、カナダとの貿易協定の関係上なるべく歩どまりの高いものを入れていかなければなりませんので、やはり飼料用の麦のごとき非常に品質が悪く、歩どまりの低いものは、やはり貿易協定の関係上歩どまりが悪いとそれだけ割高になる関係がありますので、これは主食の目的として輸入するということは、よほどこれは気をつけなければならぬ問題じゃないかと考えておるわけであります。当然マニトバ五号のごときは、これはえさとして割に品質の低いものでございます。それを特に入れまして、主食として製粉をいたし、粉を少しふるいまして、ふすまをえさに回すということにつきましては、ただいま申し上げたような事情でございますので、主食としての総数量の必要量をもしも主食としてであるならば、もっとマニトバでも質のいいものを入れまして、歩どまりの高いものを入れまして主食に回すのであります。歩どまりの低いものを特に入れて、むしろふすまの生産のためにマニトバ五号を入れるということでは、ちょっとむずかしい問題があると考えておるわけであります。かつてマニトバ五号を入れまして、ふすまを生産いたしまして、これを供米放出用に出したことがあるのであります。非常に供出が窮屈だったときにやった経験があるのでありますが、ただいまのところは、ただいま申し上げたようないろいろ事情がありまして、主食としての必要性と、えさとしての必要性とのからみ合いになるのでありまして、この辺は特に研究をさせていただかなければ、ちょっと私はここではっきりしたことを申し上げかねるのでございます。御趣旨の点は十分わかるのでありますが、今直ちに私としてはっきりお答え申し上げかねると思います。
○小林孝平君 今長官がおっしゃったように、主食としてだけ考えれば、非常に不経済で不都合でありましょうが、どうせ別にふすまを輸入するのですから、その出方をあわせ考えれば、かえってこの方がいいのではないかと思いますので、今御研究されるということでございましたが、ぜひ一つ通産省とも連絡されまして、具体的に研究されて、ぜひそういう業者の要望にこたえて、国全体としても何かこの方法がいいように思いますので、一つ御研究をお願いいたしまして、私の質問を終ります。
○委員長(棚橋小虎君) しばらく休憩して、午後は二時から再開いたします。
   午後零時三十七分休憩
   ――――・――――
   午後二時二十四分開会
○委員長(棚橋小虎君) ただいまから委員会を再開いたします。
 まず参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。その一つは日中両国政府による漁業会談促進に関する件についてでありまして、この件については前回の委員会の前に陳情をお聞き取り願ったのでありますが、この際、青山委員からこの点について参考人から意見を聴取するようお申し出があったのでありますが、そのように取り運びまして御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(棚橋小虎君) 御異議ないと認めます。
 なお参考人の人選、期日、その他の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(棚橋小虎君) 御異議ないと認めます。よってさように決定いたしました。
  ―――――――――――――
○委員長(棚橋小虎君) その二は、中央卸売市場法の一部を改正する法律案についてでありまして、この件に関しては、前回の委員会において議決せられ、参考人の人選、期日、その他の手続は委員長に御一任願っておったのでありますが、その期日は来たる三月二十日火曜日午後一時からとし、参考人はお配りしておきました候補者一覧中丸印を付したものを予定して交渉いたしておりますから、御了承をお願いいたします。なおこれについて御意見のおありの方はお聞かせ願います。
 ちょっと速記をとめて下さい。
  〔速記中止〕
○委員長(棚橋小虎君) それでは速記を始めて。
 ではそのように取り運ぶことにいたします。
  ―――――――――――――
○委員長(棚橋小虎君) この際、議事の運営についておはかりいたします。それは家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案の取扱いについてでありまして、本法律案は去る三月八日衆議院において全会一致をもって政府原案通り可決され、当院に送付、直ちに本委員会に付託されましたが、この法律案につきましては、すでに予備審査を終っているのでありまして、前々回の委員会において御了承を得ておきました日程に従って、できれば明十六日の委員会において残余の質疑を終り、直ちに討論採決を行いたいと存じますが、お差しつかえありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(棚橋小虎君) では、そのように取り運びますから、御了承願います。
  ―――――――――――――
○委員長(棚橋小虎君) 中央卸売市場法の一部を改正する法律案を議題にいたします。
 本法律案につきましては、去る三月八日の委員会において提案理由の説明を聞いたのでありますが、本日は本法律案審査の前提である中央卸売市場の現況、その他参考事項並びに法律案の内容等について、政府委員から補足的説明を聞くことにいたします。
○説明員(森茂雄君) 中央卸売市場法の一部改正する法律案の提案理由につきましては、この前の委員会で御説明申し上げましたが、なお補足して説明したいと思います。
 中央卸売市場は現在六大都市を初め十三都市において開設されておりまするが、その取扱い量は年とともに増大の一途をたどりまして、現在におきましは中央卸売市場における取引を経て流通している青果物、魚介類などの生鮮食品は全国の総販売量の大よそ三分の一に及ぶと認められております。わが国生鮮食品の需給調整及び価格形成において中枢的地位を占めるに至っておりますることは、先に提案理由の説明の際に述べられた通りであります。これらの中央卸売市場は、人口稠密の主要消費都市に開設せられまして、その都市における生鮮食品の円滑な流通に資していることはもちろんでありまするが、現在の取引の実態としては、いわゆる集散市場の性格を漸次持つに至っている市場が多いことは、大正十二年立法当時の実情と著るしい変化があると考えられます。で出荷と消費の両面を総合しまして、中央卸売市場の指定区域内外別の受益程度を見ますると、指定区域外の受益程度が約六〇%から七〇%に及ぶと推定されておるのでありまして、この流通取引に関係する全国にわたる生産者、出荷者、取引業者並びに消費者は、まことに広範な範囲に及んでいるのであります。政府といたしましては、中央卸売市場がこのような発展を見るに至ったことに対処いたしまして、今後ともその業務に関する指導監督を積極的に行いまして、施設の整備強化について特段の努力を払い、もって全国の生鮮食品の流通における中央卸売市場の主導的な影響力を十分に発揮せしめまして、青果物、魚介類の流通の適正円滑を確保することに遺憾なきを期しておるのであります。以下先に申し述べました提案理由説明を補足して若干御説明いたしたいと思います。
 まず卸売人の許可の問題でございますが、これは従来国の事務として、現行法では特に地方長官がこれを行うという規定になっております。しかしながら、先に述べましたように、本法制定後今日に至る生鮮食品の流通取引事情を見ますると、卸売人の業務の関係地域がますます広く、ほとんど全国的なものになっておる実情でありまして、この許可事務の性質にも照しまして、農林大臣が許可を行うことにしたのであります。ただその際、直接市場経営の任に当る開設者の意見を尊重して行うことをあわせて特に規定したのであります。今回のこの改正に際しましては、現在地方長官によって許可されておる卸売人は、附則の規定によりまして、そのまま農林大臣の許可を受けたものとみなすことになっております。従って、今後許可の問題が起りまするのは、新しい中央卸売市場が開設される場合と、それから卸売人の合併、営業譲渡などの場合に名義が違ってくるというような場合がおもな場合と想定いたしております。そうして、そういうような場合には、農林大臣は全国的な立場から生産者、出荷者等の利益をも十分考慮いたしていきますると同時に、資力、信用確実なものを選ぶというように、この運用につきましては慎重に行うようにいたすつもりであります。
 それから次に、中央卸売市場の卸売人につきましては、戦後ややもすれば卸売人の乱立状態による競争が非常に過度にわたりまして、種々の弊害を生じておる向きもありますので、これに対する措置が要望されておるのであります。これに関連いたしまして、昨年末本委員会に議員提案をもって付託され、継続御審議中の改正法律案において、卸売人の合併または営業の譲り受けにつきまして農林大臣の認可ある場合は、私的独占禁止法の規定を除外する旨の規定があるのであります。これにつきまして、政府といたしましても、本改正法案の準備に当りまして、農林省と公正取引委員会の間において同様の規定を設けるかどうか、慎重検討いたしたのでありますが、公正取引委員会では、中央卸売市場における卸売人の業務の特殊性を特に再認識いたしまして、今後農林省において具体的事案について検討して、その意見を申し入れた場合は農林省の意見を十分尊重するという了解に達しまして、その結果覚書においても、こういう点この行政措置については遺憾ないようにいたしたのであります。従って、今後はその了解の下に十分問題を処理していくことができると考えますので、今回これについての具体的な条文を入れずに処理できるということでいたしたのであります。
 次に卸売人間の取引条件に関する協定についてでありますが、これを補足して申し上げますと、やはり卸売人の健全な経営の確保は、ひとり卸売人の利益のためばかりでなく、全国各地から卸売人に販売の委託をなしておりまする生産者、出荷者の利益を確保して、中央卸売市場における取引の公正を期するために必要だと考えるのであります。しかし現在中央卸売市場の中には卸売人間の過度の競争のためにいわゆる奨励金、それから歩戻し金、前渡金等が過度に授受されまして、ために卸売人の経営が非常に不健全となっておりまして、種々弊害を生じている向きもあるのであります。従って、これらの点について卸売人が自主的に協定を結ぼうとする場合においては、農林大臣において慎重に審査の上、その内容が必要最小限度のものであり、特に生産者、出荷者、仲買人、小売人等の関係業者並びに一般消費者の利益を不当に害するおそれがないという場合等、法律に定められたこういう諸要件に適合すると認めた場合にのみ認可を与えまして、独占禁止法の適用を除外することとしたのであります。しかし、中央卸売市場はせり売りによって公正な価格を形成しておるものでありまして、生産者はその選択によっていずれの卸売人にも自由に販売の委託をなし得るべきものでありますから、卸売人の取り扱う物品の価格と、それから品質、それから数量等に関する協定は認めない、こういうことにいたしたのであります。
 それから仲買人に関しましては、従来本法にこれに関する規定がなかったのでありますが、六大都市の中央卸売市場その他規模の大きい中央卸売市場では、その必要性によって仲買人を置いて取引の円滑、能率化をはかっているのでありまして、その地位を明確にしまして機能の充実をはかるために、今回の改正におきましては、開設者は必要に応じて仲買人を置くことができるという明文を置きまして、その資格、員数等は業務規程をもって定むることといたしたのであります。
 それから類似市場に関する措置についてでありますが、これは中央卸売市場に対する行政とも深く関連するところであります。中央卸売市場法が主要消費都市における中央卸売市場の開設を認めまして、何かこれに指導及び助成の措置を講じて、その施設の充実と業務の適正、円滑な運営をはかっておりまするのは、先に述べました生鮮食品の流通上中央卸売市場の主導的な影響力を十分発揮せしめて、生鮮食品の流通の適正円滑をはかるためであります。現行法の第六条におきましては、類似市場に対する閉鎖命令が認められておりますことも、このような中央卸売市場の重大な使命にかんがみてのこれは規定と考えるのでありまして、今回の改正におきましても、中央卸売市場のそのような性格を考慮いたしまして、その開設者を地方公共団体だけに限定することにしたのであります。
 政府においては、今後とも一そう中央卸売市場の発展のため積極的な指導助成を行う所存でありまして、特に補助の実施、見返り円資金の融資措置等の実施に努力しているのであります。中央卸売市場は本来指定区域内における生鮮食品の流通上主導的地位を占めるものとして、その発展充実をはかることが必要でありまして、そのためにはその影響力を十分に発揮させることができるように、指定区域内においては生鮮食品の流通に関する統一行政が行われることが必要だと考えておるのであります。しかしながら最近府県条例によりまして、中央卸売市場法の趣旨に必ずしもそわない、中央卸売市場以外の市場の法的な承認ないしは規制などが行われまして、特に中央卸売市場指定区域内における統一した行政が行われない事態が生ずるやに見受けられることもありますので、かくのごとき事態を防止いたしまして、中央卸売市場との関係において調整をはかる必要が認められるのであります。そこで生鮮食品の最近における流通取引事情と、これらの類似市場ないし一般市場の現状にかんがみまして、中央卸売市場の主導的地位を確保して、その公正な運営を期しまして、中央卸売市場が指定区域内の生鮮食品の流通及び価格に与える影響力を整えて、中央卸売市場との関連を考慮いたしまして、中央卸売市場と類似する業務を行う大きな市場と、これによる流通取引の公正化に資するために類似市場に関する規定を追加する必要があると考えております。
 以上簡単でありますが、提案理由の説明の補足として御説明を申し上げます。何とぞよろしく御審議を下さるようにお願いいたします。
○委員長(棚橋小虎君) 以上の説明を聞いたのでありますが、これから質疑に入ります。御質疑の向きは順次御質疑を願います。
○青山正一君 今日この質問はどの程度まで続けられるのですか、明日も――二、三日間ずっとやっていただくのですか、どうですか、議事進行について。
○委員長(棚橋小虎君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(棚橋小虎君) 速記を始めて。
○青山正一君 安田局長にお伺いしたいのですが、先般市場対策協議会から中央卸売市場の改善整備に関しまして、とるべき施策について諮問なさったわけですが、その答申ももうすでに終ったと思うのでありますが、その答申事項が今度の改正法案の中へどの程度入っているか、その点を一つ御説明願いたいと思います。
○政府委員(安田善一郎君) 衆議院の方の私の担当しております仕事がございまして、大へんおくれましたことは恐縮でございます。御了承をお願い申し上げます。
 御承知の中央卸売市場対策協議会として予算も計上していただきまして、農林省において開催し、諮問をし、かつそれに対して答申をいただきました事項は大別しまして七項目になります。七つの項目につきましては、中央卸売市場法の現行法について改正を要する事項と、法とのものではないが、中央卸売市場の整備強化活動促進、その他類似市場の規制につきまして御意見をいただきましたほか、運賃、通信の関係等の行政措置等ですることもお答えを願いまして、第七といたしましては、六までの事項の早急な措置を要望する、その他なお、加工食品及び畜産品の市場取引の問題をも含めて研究を要するという二つに分けた答申であるわけでございます。
 その六項目の第一の点でございますが、これは最近の中央卸売市場全部とは言わないが、かなり大分部分のもの、特に大都市の大規模の中央卸売市場は消費的市場でなしに集散市場的で、関係圏も広くて実情が変っておる。それに応じましてその使命を生産者、消費者、出荷者との関連をも考えて考慮せよということでございましたのでありますが、これに対しまして、この中央卸売市場の使命とか任務を法的にも書いたらどうだという意見が一部にあって、それが決定ではございませんが、そういう意味も若干含めて精神を書いた御答申をいただきました。これに対しましては、改正案の逐条について中央卸売市場なり、市場の開設者なり、卸売人なり、仲買人なり、類似市場という他の一般市場といってもいいような問題も含めまして、逐条その関係条文にその精神を表わすことをもって要望に応える改正にしたつもりでございます。
 第二点の答申といたしましては、早急に法律改正及び関係法令の改正を要するということを第一の答申事項に照応して答申されましたので、本案をその趣旨で提案を申し上げたので、こたえておるつもりでございます。
 第三点は従来市場行政に対して国が消極的で、もっと積極的に指導監督を行なって行政機構の確立をはかり、市場の専管部課の独立を行うような例、あるいは市場設備の整備強化のための補助金の交付、起債のあっせん、低利資金の融資あっせん等について国が骨を折れ、こういうことについての第三点の御答申がありましたことに対しましては、協議会の途中でありましたが、私ども農林経済局内に企業市場課というような課を設けまして、目下は七人でやっておりますが、別途の予算、人件費である予算措置を講じまして、本法案に載っておりませんが、改正法案のためにする、十分ではございませんが、さしあたり二名の監督官の増員を予算上御審議を願って、衆議院では御可決下すったわけでございます。この若干の人員の増加及び専管課の独立を企図しまして、従来の法でもできる法的根拠に基く指導監督、及び改正案が御審議御可決下さいまするならば、これに基きまする行政庁として、特に国の行政庁としてなすべきことは極力自由を侵害せず、法律の精神に基く範囲内におきまして、できる限りのことをいたしたいと思っておるわけでございます。市場設備の整備強化のため等につきましては、中央卸売市場として従来の旧法に基いて成り立っておりますものについて、地区が指定をされておりまするが、まだ中央市場ができていないとか、中央市場ができておるが、設備強化であるとか、分場の設備も十分でないとか、本分場を通じまして、すでに集荷分配あるいは取引機構等のための設備が十分でないことに対しましては、三十年度六千万円の補助金を計上いたしまして、従来あるものに対してもさらに設備拡充の補助をいたし、また現に札幌等におきましては、これは例でございますが、指定地区であって中央市場がないところの設備促進をして、補助金を交付するように年度内に措置するつもりであります。さらに見返り円の融資も約六億目下概定しておりまして、見返り円の金利四分、一応の償還期限を一定の据え置き期間を含めまして二十年、このくらいを予定しておりまして、最終決定でございませんが、ここに使うことだけは政府部内で決定をいたしておりますが、その資金を見返りに、普通の起債による場合は八分、安くても六分以上であるので、より短期の償還期限を持ちますものに比しますというと、この特殊の政府資金の低利長期の融資は補助金に匹敵するというので、三十一年度はそれによって本年度の補助金を交付したより以上の多くを、中央市場の長期的整備計画を促進するように努力中でございます。なお、その答申の付記といたしまして、言いかえますというと、第三項の答申の付記としまして、特に註を付されて御答申願いましたが、国の指導監督は積極的に今後やるべきであるけれども、中央集権化の傾向を招来してもどうかと思うから、市場運営の自主性は尊重せよという御趣旨に従いまして、法文でも提起しておりますように、たとえば卸売人の許可にいたしましても、旧法の付則の規定によりまして地方の長官が、今では正確には都道府県の知事と言うべきだと思いますが、これが許可したものは国が許可したものとみなすということで、本来国の業務といたしておりますことを主務大臣に移すと同時に、答申の御趣旨を生かしまして、市場開設者の御意見を十分に尊重してでなければ許可事務を扱ってはいけない、こういうのを法定いたしまして、国の特に政府の主務大臣のこの規定によりまする権限の行使ないし運用につきまして、みずから規制する、市場の御意見を十分に反映してからしか行えないという規制の規定を設けたのがこの趣旨であります。
 答申の第四項以下は、個々の具体的な事項について中央卸売市場に関する改善事項を御答申願いましたわけでございますが、その中には卸売人、仲買人、小売商その他の売買参加人、卸売人の営業譲渡、合併についての独禁法との関係、あるいは先ほど申しましたように生鮮食品の輸送、荷扱い、通信線路保持、その他等に関しまする事項が含まれておるわけでございますが、この点につきましては、答申の趣旨を、私どもは極力法律案の制定及び全体の法律案の構成の上において許す限りにおいては、おおむねこれを技術的に可能の範囲には、ほとんど全部といってもいいほど取り上げて案を作成したつもりでありまして、卸売人についてまず申し上げますというと、その基本的あり方については今後慎重な検討を要するけれども、法案の改正等の内容といたしましたのは、答申にありますように、当面少数適当な数にとどめることについては許可の条件、許可の態度等につきまして、少数適限の趣旨をねらいまして、なおかつ答申にありますように、すでに現在過度の荷引競争を避けるために、適当な法的及び行政的措置を講ずることにつきましては、私的独占及び公正取引に関する法律に抵触する場合がございますが、中央卸売市場の開設者の性質及び取引方法がせり売りの公的な方法によることの性質にもかんがみまして、公取委員会とも折衝をいたしまして、独禁法排除の規定を設けることにいたし、また運用上両者――両者と申しますのは、公取委員会と農林大臣との間におきまする取扱い上の意識統一をいたしまして、法律改正案に盛りましたことは、市場の、特に中央卸売市場の卸売人に関する限りにおきましては、一方主務大臣の監督もありますので、許可制の運用のよろしきを得ますると同時に、過度の荷引き競争を避けるための卸売人間の取引に関する取引条件に関しまする協定を結びました場合は、価格、数量についてはこれを除きまするが、除く意味は中央卸売市場は売手と買手とが自由に公正に公開のせり売りで取引して融通の円滑をはかり、価格の適正化をはかるという目的を持っておりますので、数量と価格を除きまするけれども、その他の荷引き競争的なことについては協定を結びましても、農林大臣がそれをよく見てよろしいと判定をいたしました場合には、独禁法に従来ならば触れる場合でも触れないように立案をいたしたわけでございます。また卸売人は単一制でもいいか、複数制の方がいいかということも考えられるという意見については、対策協議会の御論議を通じまして結論が出ませんでしたけれども、少数適当な数という中には、事情によりまして御売人が単一になることも差しつかえないという趣旨をも含める措置をとってみたらどうだ、しかし反対という意見もございましたけれども、従いまして、このニュアンスの状況に応じまして、私どもは農林大臣がよくよく実情と行政的な性格の判断をして認可をいたしました場合は、公正取引委員会は農林省の意見を尊重して、その趣旨に沿うて私的独占及び公正取引に関する法律の運用をいたしますという約束を明確な文章にいたしておるわけであります。それが答申の取扱いの趣旨に沿うゆえんであると、この段階においては考えておるのでございます。
 仲買人につきまして御答申がございましたが、中央卸売市場といたしましても、現在ありまする中央卸売市場の仲買人がどこでも明確な地位をもって存在活動をしておるとは限っておりませんけれども、冒頭に答申についても申し上げ、私どももこれに付帯して御意見を申し上げましたように、集散市場ともなるほどの実体を備えておるほどの大中央卸売市場には、厳として仲買人がりっぱな活動をされておりますので、りっぱな活動をされ、その任務の重要に応じましては、また公益的な性質を持っておりますので、法律に直接その存在を認め得ることにいたしまして、認めた場合には明確に市場開設者は市場の業務規程におきまして、その資格や数、その他の要件を定めねばならんことを法文をもって書きました。従来の現行法と申しますか、旧法においては、すべてこれに関する規定は業務規程に譲られておりまして、本法には規定がなかったのでありますが、御答申は「その地位の確立につき必要な法的措置を講ずること」、そういう御答申でありましたことに応じまして、立案を申し上げたのでございます。
 売買参加者につきましては、これまた同様のことが御答申になっておりますが、これは当然卸売人が生産者、出荷者の委託を受けて売手に回われば、買手の立場として重要な取引の一方の当事者でありまして、従来も旧法において相当の法的な地位ずけ及びその規制、監督ないしは保証の規定がございますので、これは従来のように譲ったわけでございます。「小売商についてもその市場取引における重要性にかんがみ、実情に応じ必要な法的措置を講ずること」、という御答申を付記していただきましたけれども、市場内におきまする小売商は売買参加人として入る場合において市場における機能を果すのでありますが、その他の一般小売商といたしましては、およそ日本の国内におきまする生鮮食品の小売商、あるいは小売業務というものについては種々の御意見もありましょうが、なお今後の問題でありましょうが、何しろ自由販売体制を、自由経済の体制を基礎としてとっている現在、生鮮食品の実情にもかんがみまして、中央卸売市場法に関しまする規定において、特に一般の生鮮食品の卸売商ないしは卸売業者一般について法的措置を講ずることはいかがかと思いましたので、今回はこれを売買参加人の中に入っている意味以外においては手を触れなかったのでございます。仲買人の名称変更について答申の註の参考意見としまして、協議会の中において「仲買人の名称変更について強い要望があった」、旨が付記されて答申をいただきましたが、現在の通常の呼び名がかなり普遍的になっておりますることと、中央卸売市場の仕組みを考えない場合には、卸売人と仲買人はある場合には元卸と小卸という立場にありましたり、あるいは仲買人が問屋業務を行なっているという立場におきまして、まさに単に仲買人でない場合がございましょうが、中央卸売市場におきましては大口大量の荷が来ましたときに、資金上あるいは物量的な荷分け、取引上の重要な地位において認められている沿革もございまして、仲買人の機能、戦後の機能、言いかえますと、卸売人または他の売買参加人ないしは小売人との間にやはり一つの機能を分つと申しますか、区分もございますので、世上一般の状況を見ますると、中には卸売会社と卸会社というような個々の法人ないしは個人の名称を使っておられる場合がありますが、本法の改正に当りましては、仲買人という名称でいいんじゃないだろうかということで立案を申し上げました。
 さらに卸売人の営業譲渡または合併について独禁法の適用除外の規定は、先ほど申し上げましたように終戦後いろいろ関係業界の方、開設者の方等の御苦労と幾多の波乱のある中に御苦心を重ねまして、また物資統制が緩和されて自由になりまする過程におきまして、最近においては一般的に申しますと、市場の卸売人は乱立ぎみでありまして、代金の支払い等におきまして、委託販売者である生産者または出荷者に代金支払いが十分でなかったり、おそ過ぎて荷引競争を不当にして自分の経営を危なくいたしましたり、それ自身が場内取引の明朗化、公正化を阻害する等のこともございまするので、ぼちぼちと出て参りまする大阪とか兵庫とかというようなところの卸売人の営業譲渡または合併について、何らかの措置を講ぜよという要望もございます。また一方ある市場におきましては、自然発生的に一個の卸売人しかない市場もございますが、答申の御趣旨によりまして、実質上先ほど申しました公取委員会等の法律と農林大臣との認定、中央卸売市場の整備、取引の方法、卸売人の主務大臣の許可制度、開設市場の意見を尊重して初めて許可制度を行うこと等を彼此勘案いたしまして、私的独占禁止法の除外を実質的に必要な場合には、可能ならしめるような運用措置に譲ることにいたしておるわけでございます。
 なお答申のこの次の、具体的事項につきましての輸送荷扱い、通信、あるいはそれに関しまする鉄道車両の問題とか、冷蔵車両の使用料の問題でありますとか、急送料金の問題でありますとか、通信連絡業務に関しまする料金逓減の方策等は、改正法案が御可決願えますれば、またそれと別個に随時行政上の措置としまして、よくまた業界のお方々とお打ち合せをしながら、十分に趣旨が通りますように、できる限りの努力をすることにいたしております。法律問題とは目下のところは考えておらずに立案をいたしました。
 答申第五項の中央卸売市場におきまする取引の適正化につきまして、改善事項といたしまして幾多あるけれども、さしあたっては市場使用料、保証金、手数料、奨励金、歩戻金、前渡金、荷卸賃、消費宣伝等のあり方について、関係方面の意見を聞いて、その適正化をはかるために必要な措置を講ぜよという御答申をいただきましたけれども、市場使用料は今後適正に市場の開設者等をよく監督することとし、また使用設備の修理とか、必要に応じました設備拡充等に開設者も意を用いていくことにつきましてよく懇談を申し上げ、業界の実情としても、この間に使用料が多くはないか、少くはないか、開設者は使用料が高過ぎはしないだろうか、こういうような点については行政運用でやることといたしまして、今後努力をしたいと思っておりまして、その根拠が法律にあればいいと思っておるわけでございます。使用料額につきましては、法定する要はないと思っておるわけであります。保証金、手数料、奨励金、歩戻金、前渡金等はただいままで申し上げましたことに重複をいたしますので、省略をいたしまして、法令では独禁法の排除でありますとか、卸売人、仲買人の資格――資格と申しますのは、信用度とか員数とか、信用度の中には、信用度の一部の具体的なるものとしましての保証金でありますとか、公正取引の励行をするための意味での保証金であります等を含めますので、それらをもって対処いたしたい。しかし行政措置でするようなことが時々刻々に生じますので、それに応じて行政的にやっていく意図を持っておるわけであります。
 答申の第六点の、類似市場の規制、コントロールにつきましては、中央卸売市場等との関係の調整のために何らかの措置が必要と思われる。これらの問題については、中央卸売市場の施設及び運営の充実に待つべき点が多いが、当面必要な措置を講ずるという御答申をいただきましたので、私が遅刻して参りました間に、参事官がよく御説明を申し上げましたこと、また先に提案理由書において御説明を申し上げましたような関係規定を旧法の第六条等ともあわせ考えまして、総体的にこれをもって答申にこたえる法律案の改正、あるいはこれにのっとりまする運用をもちまして、政府の態度として御審議を受けようと思って立案して、御審議を受けるようにいたした次第でございます。
○青山正一君 ありがとうございました。ただいまのお話の中にもありますが、先般市場事務専管の一課が置かれたようでありますが、この程度のもので果してわが国の食品流通機構に関する事務を十分に処理することができるかどうか、これは多少不安がないではありませんが、今回このような措置をとられるに当りまして、予算または財政的にどれだけの用意がなされたか、また今後どのような方針をとられるのであるか、これらについてなるべく具体的に伺いたいと思います。
○政府委員(安田善一郎君) この答申により、また関係各方面の要請に応じまして専管部課を設けまして、大正十二年以来本省ないしは国としまして、市場行政においてはある当初の時期を除いてきわめて消極的な態度をとっており、また積極的に指導監督を行い、行政機構の確立に熱意がないという御意見をいただきましたので、いろいろ折衝をいたしました。従来経済局にありました部課の中には専管的なる課がございませんでしたので、目下行政府内部の状況では、課の数を必ずしもふやさないようにという取扱い上の指導方針もございまするので、現段階におきます事務の内容に応じまして二つの課をつぶしまして、そうして企業市場課という課を置きまして、なおかつ課をもっては足りませんので、かなり農林省の中でも多くの重要な仕事を一局にまとめて所掌をしておりまする経済局でございますので、経済局で取り扱うのが必要で妥当だとは思いますが、局長のみをもっては十分でないと思いますので、局長と課長との間にその事務にも相当能力の発揮できる参事官制を、あたかも局長の次長のごとく置きまして、局内の他の農業協同組合とか、その他の仕事は取扱いをいたさせませんで、市場監督の仕事にかなり多くの力を注ぐような参事官制も置いたわけであります。簡単にいえば、部長というような格のものでございます。局の次長のわけでございます。
 なお予算編成、定員法におきましては、先ほど申し上げましたように、市場事務専任の監督官である職員を二名増員いたしまして、今後なお増加をいたしたいという希望でございますが、今回は改正法律案の提案の年でありますし、逐次体制を整えながら、市場監督、育成等の業務をすべきものだという見解で政府部内が固まりましたので、局長の私としては不満足でございますが、他日なおこれを期しまして、二名の増員で一応まあ納得――やむを得ず納得いたしたわけであります。予算では計上をいたしました。
 それからなお近く農林省の行政機構の改革をする立案をいたしております。行政管理庁との間にも今折衝をして、不日国会へ提案することになるかと私は想像いたしまして、それについて努力をいたしておりますが、生鮮食品のうちで魚の関係におきましては、経済局の企業市場課を課といたしまして取り扱いますことがはっきりはしておるというものの、水産庁であるかのごとき感じも持たれるように職制ができておりましたものを、明確に中央卸売市場法、これは他方の農産物の食品取引所についても同様でございますが、市場課において明確に専管的に扱うように農林省案としては、また行政管理庁とすでに打ち合せておりますものでも、そういうのがよろしいということで、農林大臣も一応内定としてはきめられておりますが、専管部課の実をあげるように提案する予定になっておるわけでございます。
○青山正一君 ただいまのお話によって大体企業市場課の内容はわかりましたのですが、企業市場課ができる間までは魚の面は水産庁の水産課の一係りでやっておる。それから青果の面は改良局の特産課でやっておる。しかもほんの一人か二人がそれの担任になっておる。ところが今度は企業市場課ができ上っておると言いますものの、やはり水産課には神戸君なんかがおりまして、魚の面を独自で扱っておる、そういうような問題もありやしないか。
 それからもう一点は、現在人員をふやした、ふやしたと言うておりましても、わずか七名くらいで、後ほど出てきますところのこの類似市場のこういったたくさんの市場をどういうようにその七人の人が処理できるかという点が一番問題になろうと思うのです。そういった問題について局長の見解を承わりたいと思います。
○政府委員(安田善一郎君) 先ほど申し上げましたように、農林省内部の各局との関係については明確に市場課を持ちまして、専管の課として、他局はこれに協力することはあるけれども、最終的、処理権を持たないというように近く改正をするようになっておりますが、同時にまた優秀な各局の人がおりますれば、新規採用はなかなかむずかしいのですが、現在おる経験のある人で、かつ分れて仕事をしておる人は、兼務でもって市場課に集まって仕事をしてもらいたいというので、関係局長間と話が妥結いたしておるわけであります。
 それから七名が二名増員になりまして九名になると思いますが、決して十分とは言えませんが、なお今後努力いたしますとともに、地方におきましては、決して万全の措置でございませんが、地方自治法におきまして、中央卸売市場に関しまする行政事務は、今都道府県地方団体負担におきまして、国の事務として仕事をせよと法律で規定されております。御苦心をいただくことになると思いますけれども、本省の足らざるところは地方庁にもお願いをいたしまして、昨日も東京都知事さんと私は御懇談を申し上げて、いろいろ改正案のことを、また今後の事業、行政事務の仕方等についてお願いを申し上げ、おおむね快諾をいただいておりますが、それらの措置を中央市場ないしはその地区内におきまする類似市場に対しましては、地方庁の御協力も得まして、法の精神を徹底させまして励行できますように、十分でないところは逐年強化いたしますようにしていきたいと思っておるわけでございます。
○青山正一君 今回全部の改正を避けられまして、一部改正を提出せられましたことは、これは必ずしも市場制度の成案がこれで一応終ったものとは考えないと思いますが、今後この問題についてどのような方針をとられるつもりでありますか。その点を承わりたいと思います。
○政府委員(安田善一郎君) 御経験が豊富な中央市場ないしは生鮮食品に関しまする有識のお方々が数十名集まられまして、対策協議会を開かれまして、御答申をいただいたわけであります。その答申の過程におきましては、非常に広範囲で種々雑多な困難な問題の御議論もございましたことをよく承知いたしておりますが、答申の七にもございますように、なお水産加工品でありますとか、枝肉でありますとか、その他の畜産品の中央市場的なる取引については、あるいは一般市場取引につきましては、別途家畜につきまして取引法を御提案申し上げておりますが、食品として取り扱ってもいいようなものについては、なお研究を要するものがありまして、答申したことは早く法的にも法律改正案を具して措置をせよ、行政措置でも措置をせよという御要望が一方ありますと同時に、なお今後引き続いて研究をしたらということについての御答申は、農林省といたしましても全く同感でございまして、当初は予算面におきましても、中央卸売市場対策協議会は三十年度一年限りをもって経費を計上することになっておったと私は聞いて引き継ぎましたけれども、三十一年度におきましても引き続き政府において予算を計上し、国会で御審議をお願いをするように計上しておりますと同時に、また一方法律面といたしましては、何しろ中央卸売市場法が大正十二年の立法にかかりまして、内容が法制局等において技術的に研究をいたしまするというと、旧憲法のようなにおいを持っておるところが多分にあるので、いろいろとこの市場対策協議会なり、御関係の多い御研究を重ねられました国会のお方々、あるいは業界のお方々、開設者のお方々の要望に、最大公約数的にそれに従いまして立案をいたしまするのには、これを全部生鮮食品あるいは食品の市場法とでも言うべき、旧法を廃して全部新しい立法をいたす案を実は考えましたけれども、その場合には青空市場も、いわゆる自由市場も類似市場も中央市場も同じような扱いを受けることの方がむしろ新憲法に合うというなどの技術的法律論がかなり有力でございまして、それでは中央卸売市場法が従来作られて、現在でも中央卸売市場を中心にして生鮮食料品のうちの少くとも青果物と水産関係のものについてはリーディングな立場をもって、その立場を維持しつつ公正取引と流通の改善一般に影響力を与えて公益保護をしよう、出荷者及び消費者、関係業者の間におきまして、公正な公益を確保しようという目的が逆に運用されやすい形跡も私は判断をいたしまして、大臣もそのようだと仰せられましたので、この際はぎごちない感を持ちまする一部改正法でありまするが、別途引き続いて各方面の御意見のまとまるところをもって改正することの余地を残す半面、趣旨はかえってこの方が通ると思いましたので、中央卸売市場法の一部を改正する法律案を立案申し上げたのでございますが、しかしもっと広い視野と高い見識から判断いたしまするというと、なお諸先生並びに関係各界の方方にお教えを願いまして、根本的な、あるいは内外の情勢、多国の事例等をも参酌して、将来のことも理想的に掲げた別途の根本法というものも、いつかはそういう問題が重要な問題として提起されることも全く考えないではないのであります。
○青山正一君 本法の適用外にある食品市場については、まだ立法的措置を要しないとの先ほどの御見解であるやに思われますが、この機会に今後の御方針を承わりたいのであります。
○政府委員(安田善一郎君) 本法改正案を議しました内容について申し上げますと、中央卸売市場を一そう育成強化し、またその運営が法の期待に沿わないような場合は監督指導をよりよくいたしまして、援助と監督、機能拡充をねらうことが第一点でありますが、あくまで中央卸売市場の公益性を重点におきまして、また取引の中におきまする指導的地位を持ちながら、これには中央市場には所定の地区がございますので、地区の検討等については意見があろうかと思いますが、今後の措置はあろうかと思いますが、現在あるいは将来改正さるべき地区内においてこれに類似して、中央市場によりまする公正取引に支障を来たしましたり、またそれとかりに離れましても、公正取引という中央市場法による市場があるのに、違う市場があまり過大な役目を持たないような規制は必要でありましょう。また青果物等は農村にありまする生産地に近い土地あるいはその付近の野市、あるいは漁村におきまする多少市場的な小さい市場等はこれは需給上から申しましても、今の取引状況から申しましても、なお今後研究を要すると同時に、この法律によって特別の規制、コントロールをしなくてもいいであろうし、中央卸売市場の影響力も目下のところはそこまでは期せられないと考えておるわけでございます。
○青山正一君 この市場の健全な発達をはかるためには、たとえば卸売会社とかあるいは仲買組合とか、そういったその関係業者に対する金融に関して国の財政的措置を講ずることが非常に急務だろうと思いますが、これは昨日ですか、一昨日の委員会においてもそれを申し述べたわけでありますが、この法について何らかの御計画があるならば、この機会に承わりたいと思います。
○政府委員(安田善一郎君) お話もありましたように、当委員会におきまして、農林漁業公庫法に直接関連し、また農林漁業の金融問題につきまして、山添公庫総裁あるいは湯河中金理事長の、また協同組合の特に農協の方でありましたか、組合金融協会の副会長を参考人として意見を聞き、また御懇談ないしは御質問答弁のことがございましたときに、私も拝聴いたしておりましたが、現在の市場に関しまする機能を十分発揮いたしますためには、何しろ金融を基調にいたしておりまする限り、また生鮮食品でありまする限りにおいて、金融を円滑にして適正なまた金融が動くということが、あるいは制度を整えて行われることが最も重要なことと考えておりますが、中央卸売市場対策協議会におきましてもいい名案が出て、答申の内容にまで至りませんでした。また私どももなお一そう実態及び制度そのものについて研究する要があると考えておりますが、過日湯河農中理事長がお答えになりましたことは、中金の立場において協同組合金融のことについてだけお答えになったので、少くとも私がおあずかりいたしております局を含めた農林省の意見の全部ではないと思っております。と申しまするのは、開設者に対しまする地方自治体の資金繰りというものも、金融であるか、起債であるか、補助金であるか等についていろいろ問題はありましょうが、その面が一つと、卸、仲買い、小売ないしは売買参加人に対しまする金融の問題が一つと、そういう業態に対する金融機構というものがどうあるべきかということ、生鮮食品の場合には違った金融というものを考えなくてはならぬということなどにつきまして、もう少し広く考えなければいけない問題だと考えております。特に名案を今すぐ持っておりませんけれども、何しろ卸売、仲買い、小売、売買参加人と申しますれば商業者でございます。農中が主として生産者の生産ないしは流通機構に対する組合金融であることから一歩離れまして、現在ある商工組合中央金庫でありまするとか、中小企業に対しまする金融の問題でありまするとか、信用保険制度でありまするとか、あるいは市場だけでも金融機関は成り立ちますので、先般御指摘になりましたように、市場関係の信用金庫もあることでございますので、これらの点を考えて必要な適正な金利で、適正な金融量がスムースに流れて循環いたしまする機構が今でも相当あると思います。しかし、あわせまして、これは市場の保証金等とも若干は関係いたしますが、金融そのものとしましては、信用保証制度というものなども必要かと思うのであります。そういうものにつきまして、三十一年度には若干の予算なり政府出資の基金なり等を民間出資をも加えて考えたことがございますが、案が未熟でありますと同時に、時期的にも適当でありませんでしたので、現行制度がありまするのは現行制度を一そう使えるように、行政上協力をいたしますると同時に、さらに今後の実態に即しまして、必要な制度を整える要があれば、学識経験者の御意見、関係業界の御意見も聞きながら、今後の整備を待つことにいたしたいと存じておるのでございます。また現状から見まするというと、全国の中央卸売市場におきまする取引に関する金融ではないかと思いますが、一部有力な方面におきまして、現金なり貯金なり等の関係からいたします小売関係の専門の金融措置から仲買いが金融を受け、仲買いから卸売人が金融を受けるということなどが実態的にある部分もあるやに聞いておりますが、金融事情についてよくまだ研究がついておらぬところもありますが、これらは公正取引との関係もございまして、卸は卸でよく金融がつき、仲買いは仲買い人で必要な金融がつき、小売は小売で金融がついて、初めて公正取引ができるように思います。生産者と卸売人との間の貸付措置についても同様のことがあるかと思いますが、これらについては中央卸売市場の取引が公正をねらい、流通の円滑をねらうことに応じて、金融上でしらずしらずのうちに規制措置が生じて市場の機能を果さないということが必要だという頭をもちまして、今後お教えを願いたいようなお方々の意見を十分に尊重しまして、今後の施策に待ちたいと思っておる次第でございます。
○青山正一君 私明日この類似市場の問題とか、あるいは卸売市場の問題について法的解釈なりあるいはその他の問題についてお聞きいたしたいと思いますが、あと各位にお願いいたしまして、一、二点御質問だけお許し願いたいと思います。
 次の問題は、特定の都市における市場に関しましては、特定の都市というのは、つまり六大都市というようなものをさしていうわけなのですが、その開設者たる都市と農林省とを直結せしめまして、そうしてその知事の行政的介入を除外すべきであると、こういうふうに私どもは解釈しておるのでありますが、この点に関する一つ御見解を承わりたいと思います。
○政府委員(安田善一郎君) ちょっと青山先生の御質問の意味がわかりかねますが。
○青山正一君 たとえば六大都市における、京都、大阪、神戸、名古屋、横浜、東京、こういったところの、法的には農林大臣とそれからその下の何と申しますか、各都道府県知事、それからほかに開設者たる各市長の三者からなっておるわけなのですが、各都道府県知事の介入を許さない方がいいと思いますが、その点どういうふうに解釈されますか。
○政府委員(安田善一郎君) 私の研究いたしましたところによりまするというと、大正十二年に、現行法が中央卸売市場法という名前においてできました際は、国の事務を、地方長官という古い名前がついておりますが、それをして行わしめるということを法律の規定に書いてあるのでありますが、それですら知事、長官がやりましたことは国がやったものとするぞという規定を添えて初めて成り立っておるものでございます。それ以来法の立法当時に意図したものよりは、現在の中央卸売市場の設備確充等が十分にゆきません点がありましたこと等もあると思いますが、日本の人口、あるいは生鮮食品の生産、流通の態様、交通機関とか、必要なる運搬施設の進歩等々がございまして、御指摘になりましたような特定の地域におきましては、集散市場という実態も確かにかなり性格を濃くして持っておると思っておるのであります。開設者が、かりに東京都とか、大阪市とか、兵庫市とか、名古屋市というふうにありましても、開設者が公益性を多分に持っておるものについては、本法に即して適当であると存じますが、その全体の監督、特に卸売人等についてみますというと、東京都の卸売人等は、魚でありましても青果物、リンゴ等におきましても、全国的な取引をいたしておるわけで、隔地者間の全国的に取引をいたしておりますので、これはまさに政府が、中央政府がよく努力をして適正にやるべきものと思うのであります。しかし市場に入荷し、取引されて分配をされて参りまするそのこと自身に関しましては、一番肝要な開設者のあるところの周辺の、中心の周辺にありまする消費地をねらっておりますものだと理解をいたしております。ところが適正な法律改正が今日までなかなか困難でできません過程におきまして、特に終戦後におきまして、中央卸売市場として指定するほどでない、あるいは私設会社が経営するものなどがかなりいんしんをきわめまして、できた結果を追認するような形でもちまして、中央卸売市場の規定の不備等とも関連をいたしまして、県なり府なりの条例をもちまして、中央卸市場のような中央卸売市場でない市場などが発生する事態になりました。これは国で法律を作りました場合、時期的に法律が実態に先行したり、あるいはおくれたり、よくマッチしたりすることはございましょうけれども、なるべく少くとも現状にはマッチして、さらには指導的精神も持っておるということが必要だと存じておるのであります。そこで中央政府と地方政府とが取扱いにおきまして、また法令上の根拠におきまして統一性を欠くということは、一方中央卸売市場の任務を十分に発達させるものでもなければ、公益を中心にして、取引を明朗、公正、円滑にするゆえんでもございませんので、そこは中央、地方庁の行政庁が一体となりまして動くことが重要だとは思いまするけれども、国の法律がおよそある限りにおきましては、民主的に関係業界あるいは開設者の御意見を十分尊重して、極端にわたらず、適正にやる限りにおいては、中央政府の法律で、国の法律で中央政府が運用いたしますことを主としていたすべきものと思います。そのように改正案も十分ではございませんが、立案もいたし、運用もそういうふうにいたしたいと思います。かつまたその基本となりました方針についても、そのように考えておる次第でございます。
○青山正一君 ただいまの局長の説明から私が考えるわけなんですが、ざっくばらんに申し上げますと、たとえば仲買人の問題がこの法案に載っておるわけなんでありまして、仲買人の必要のある市場ですね、現在のところ大体六大都市のみと私は考えておるわけなんでありますが、こういった市場を農林大臣の指定する特別の市場であるというふうなことでいわゆる特別市場、その他のものを普通市場というふうなことで各県の条例として考えてやってゆくというふうなことになるとすれば、今局長の説明なすったようなことは問題なく私は解決するのじゃないかと思いますが、そういうふうなところへ局長は考えていたのですか、いないのですか。
○政府委員(安田善一郎君) 青山先生の御意見は非常に御卓見の一つだと存じまして、そういうことも立案過程には考えたのでございますが、現在高知や鹿児島でも十分に期待するほど中央市場が上手に必要な規模においてできて機能を営んでおるとは思いませんが、かなりの歴史をもって動いておるわけであります。札幌におきましても本年度から開設の努力をして、来年度は完成するのじゃないかと思うのでございます。そこで本改正案につきましては、主務大臣が大体行いまする条文が大部分で、地方長官と書いてありますのを、開設者の意見を十分尊重しなければできないにしろ、主務大臣の権限に移したことがございますが、あわせまして旧法の規定を存続いたしまして、必要なる事項は県知事に委任する規定を残しておるわけでございます。その運用によりまして、明確に線を引っぱるのは、各地の市場、各地の都市当局、あるいは各都道府県当局の実情もありまするし、これからできる市場、すでにできておる市場、うまく動いておる市場等もいろいろ実情もありますので、ときによりよく関係方面と御相談をし合いながら運用のよろしきを得たいと思いますが、少くとも六大都市のような市場においては、でき得るかぎり地方庁、特に開設者等とは連絡をとりながら行いまするが、先生のおっしゃる中央市場的なものとして直接扱う、それだけ重要性、影響力も大きいと思います。地方におきましては、単に本省の係官の陣容ばかりでなしに、地方庁に委任する場合を多くすることなども研究の問題だと思います。私は六大都市がいいか、八大都市がいいか、かなり研究をいたしましたけれども、なおそれらについて国会の御審議の過程の御意見を承わったり、もし幸いにして御可決がありましたならば、法の運用の際によく関係方面とも打ち合せをいたしまして、運用のよろしきを得て、適切な方法と範囲をもちまして、青山先生のおっしゃるようなふうに運用していくのが、六大都市とその他とをはっきり分けてしまうよりは、かえって実情に即して、混乱も巻き起さないで全体をうまくやっていける方法ではないかということで、農林省はそういう意見として一応まとめておる次第でございます。
○青山正一君 最後にお願いがあるのですが、これはまあ委員長の方で一つお取り計らい願いたいと思いますが、この審議の過程におきまして、必要な資料といたしまして、たとえば六大都市の中央市場の扱っておる、いわゆる青果あるいは漁獲物、こういったものは日本の全農作物の何パーセントに当るか、あるいは日本の全漁獲量の何パーセントに当るか、それから人口はどれだけのものをまかなっておるか、そういう資料ですね。
 それからもう一つはこの六大都市以外に、そのほかに十三の中央市場がありますが、その中央市場を市場別に、今言ったような統計的なものを一つ表わしていただきたい。これは簡単にできると思いますから、一つぜひお願いしたいと思います。
○政府委員(安田善一郎君) 十三の都市について生果物、魚介類等は総販売量の約三分の一と認めておりまするけれども、どれだけの人口が指定地域にいるということは、これは常時動いておる人口でありましても、一定比率と人口と、国勢調査等を見ればわかりますし、CPS、CPI等を使いまするというと、一人当りの消費はわかりますが、業務用等の消費とか、だれが市場を通じたものを買ったということなどは、日本の目下の統計上十分ならざるものがありますが、大よその先生の御希望に沿うた資料は提出いたします。
○青山正一君 大体私の質問は尽きたわけですが、安田さんは統計の方の部長もやっておられたわけなんですからして、そんな点はしごく簡単にできると思います。
 それからもう一つは何と申しますか、十三都市の市場名も一つはっきりしていただきたいと思います。それから荷受会社が幾つあるかという点も一つはっきりしていただきたい。あとの問題はいずれ明日この類似市場の問題、あるいは卸売人の問題、そういった問題は明日の委員会に私は質問いたしたいと思います。今日の私の質問はこれで一応打ち切ります。
○委員長(棚橋小虎君) 本日の質疑はこの程度にしておきます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十五分散会
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