第026回国会 決算委員会 第4号
昭和三十二年六月十三日(木曜日)
   午後一時三十五分開会
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 出席者は左の通り。
   委員長
   理事      三浦 義男君
           大谷 贇雄君
           中野 文門君
           西岡 ハル君
           久保  等君
           鈴木  一君
           奥 むめお君
   委員
           石井  桂君
           江藤  智君
           後藤 義隆君
           平島 敏夫君
           堀本 宜実君
           相澤 重明君
           赤松 常子君
           片岡 文重君
           島   清君
           高田なほ子君
           岸  良一君
           杉山 昌作君
           大竹平八郎君
           岩間 正男君
  国務大臣
   国 務 大 臣 小滝  彬君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       池田 修蔵君
  説明員
   防衛庁人事局長 加藤 陽三君
   防衛庁経理局長 北島 武雄君
   防衛庁装備局長 小山 雄二君
   防衛庁建設本部
   長       山田  誠君
   会計検査院事務
   総局第二局長  保岡  豊君
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  本日の会議に付した案件
○昭和三十年度一般会計歳入歳出決算
 (内閣提出)
○昭和三十年度特別会計歳入歳出決算
 (内閣提出)
○昭和三十年度国税収納金整理資金受
 払計算書(内閣提出)
○昭和三十年度政府関係機関決算書
 (内閣提出)
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○委員長(三浦義男君) ただいまから第二十六回国会閉会中第四回決算委員会を開会いたします。
 昭和三十年度一般会計歳入歳出決算
 昭和三十年度特別会計歳入歳出決算
 昭和三十年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和三十年度政府関係機関決算書
 を議題といたします。
 昨日に引き続きまして、防衛庁の部の審議をいたします。検査報告批難事項は第三十三号から第四十八号までであります。本件に関し御出席の方は、小瀧防衛庁長官、北島経理局長、加藤人事局長、小山装備局長、林防衛局長、小幡教育局長心得、門叶官房長、武内調達実施本部長、石井実施契約部長、山田建設本部長、検査院からは保岡第二局長の諸君が御出席になっております。
 御質疑のある方は順次御発言を願います。
○高田なほ子君 長官に二、三点お尋ねをしておきたいと思います。防衛庁の不用額についてはたえず問題になってくるところでございますが、三十年度でも四十八億八千五百万円という相当多額の不用額が出ておるようでございます。不用額が多額であるということの内容については検査院の方でも指摘をしておるようでありますが、費用の節約等によってのこうした莫大な費用が出てきたということだけではなく、ほかにいろいろの原因があるようですが、もう少しこの不用額の出ないような予算の組み方というものができないものかどうか、一応あまりの見積り過大であったためにこういう莫大な数字が出てくるのではないかというふうに考えられますが、長官はこの四十八億余に上る莫大な不用額についてどういうような御見解をお持ちになっておられましょうか。
○国務大臣(小滝彬君) 三十年度もかような不用額が出まして、またさらに実はこの前も申し上げましたように、三十一年度においても改善せられておらないというのは非常に遺憾でありまして、私どもとしてはこういうことにならないように、もちろん予算についても厳正な態度で臨まなければなりませんが、同時に翌年度に繰り越されるおそれのあるようなものについては、編成に当って、編成の考え方を変えるというので、この三十二年度につきましては、御承知のように予算の総額を前年度程度にとどめましたのみならず、特にそういう後年度に繰り越されると申しますか、その年度内に使用できないおそれのあるものにつきましては国庫債務負担行為の方に回すというような方法によりまして、こういう不用額の出ないように、また今度は実行に当りましては人件費関係などでも相当不用額が出ておりまするので、定員の充足に当りましては、これが厳正に計画通りに進んでいくように、十分に部内の各部局を引き締めまして、こういうことの起らないように、最善の努力をいたしたいと考えておる次第でございます。
○高田なほ子君 特にこの不用額の中で、前回も問題になったところでありますが、人件費の不用額があまりに多額に過ぎるように考える。今回の三十年度の資料を拝見いたしますと、やはり不用額の中で最も大きな数字を占めているのは、人件費と器材費の関係であります。約十五億の人件費が三十年度も不用額となって余っておるようでありますが、この説明によりますと、六万三千八百四十七人の欠員を生じたために不用額となった、こういうような説明がついて、十五億という人件費が宙に浮いているようであります。なぜこのような十五億というような莫大な欠員が発生するものか、私どもはとうてい常識では考えられないのです。小滝長官も御承知のように、私、文教委員をしておりますけれども、教員の数は非常に足りない上にどんどん首切られ、児童の一学級の定員というものは六十名に余るという状態、そういうような中でも教員は首切られておる。しかし自衛隊に関する限り、人件費が二十数億余り、また四十数億余り、そして今回もまた十五億余る、こういうようなことは常識でどうも判断できないわけです。従ってなぜこのような欠員が発生するのか、その原因について長官から、単に努力するというだけでなく、なぜそういう原因があるかということについて御答弁をわずらわしたいと思っております。
○国務大臣(小滝彬君) 不必要な定員を多くとっておるというのではなくて、人件費につきましては、一つの計画がある際に、それが不足するというようなことになりますると、これは月給に直接響いてくるものでありまするし、計画によってそれだけの人件費を計上しているわけでありますから、事実、募集関係とか、いろいろの種類のもの、自衛官を採らなければならないという際に、その手続などがおくれまして、結局その年度内に充足された率が百パーセント以下に低下するというような事態がございまして、こういうようになったわけでありまするが、まあ三十一年度の方におきましては、この人件費の不用額の方は多少改善の兆を見せておるはずであります。今後十分そういう点が出ないように、できるだけ留意いたしまして、実行の面においても、先ほど申しましたように計画の面においても、厳正を期したいと考えております。
○高田なほ子君 陸自を増員する場合には、年次計画に基いて増員されておると思います。またその計画に基いて当局としては募集されておると私は思うわけです。今までの状況ですと、募集人員に満たないということはあまり伺っておらないのです。どうしてその計画自体に基く予算がこのように余ってくるのか、自衛隊に募集する人員がないためにこのような欠員というものが生じてくるのか、こんなふうに考えられますが、計画と実際に募集してくる人員の募集というものは、今までどういうような状態になって行われてきたものでしょうか、この点、もしできたら数字をあげて説明をしていただきたい。
○説明員(加藤陽三君) お答え申し上げます。三十年度の人件費の不用額が出ましたのは、施設の関係で採ります時期がおくれたことが主たる理由でございます。三十年度はこの募集の大宗をなしまする一般隊員について申し上げますると、二回募集いたしておりまするが、三十年度の第一次では、二万四千四百名の採用に対しまして、十二万六千九百六十二名応募者がございました。三十年度の第二次におきましては、一万二千五百名の採用に対しまして、七万五千百六十四名の応募者があったのでありますが、応募人員の関係から人件費が余ったということではございません。
○高田なほ子君 そういたしますと、施設の関係でこういうような人件費が次々に余っていったということであれば、なおさら私には納得いかない。なぜならば、人件費の剰余は、今ここに数字を持ってきておりませんが、二十八年度以降毎年二十億、四十億というような、想像を越えるような人件費の剰余が出ておるわけであります。そういうような剰余があるならば、施設とにらみ合せて募集をしなければならないものではないかと思うのであります。もしそういうやりくりがないままに、ただ数字だけ合せて、その数字に基いて予算を要求するということは、ずさんな予算要求であるというそしりを受けても、私はこれは言い過ぎじゃないと思う。どうして施設に見合うような人件費が組まれないのか、この点について再度承わっておきたい。
○説明員(加藤陽三君) 私の方では年度の初めに募集の計画を立てまして、大体それを入隊せしめる時期をきめておるのでございますが、ただ施設の方がおくれますると、採用の試験をいたしましても、入隊の時期をおくらせませんと、収容する施設がない事態がございますので、それで大体こういうような、年間にいたしますと、二万数千名という人員の剰余が出たのであります。計画を立てまするときには、施設の方とも一応緊密に連絡いたしましてやるのでありますが、工事がおくれましたり、あるいは米軍の施設の返還がおくれまして、こういうことになったのであります。非常に残念なことであります。三十一年度におきましては、前回、経理局長からも御説明したと思いますが、人件費の点につきましては、だいぶたびたび御注意もございましたので、検討に検討を重ねまして、二億数千万円の不用額で終っておるのでございます。
○高田なほ子君 さらにお尋ねいたしますが、それでは三十年度に二万四千の第一次募集に対して十二万の応募者があった。そうすると、二万四千というものは一応試験にパスしたわけでしょう。パスしたけれども、施設がないという場合には、二万四千のものはどういうところにおるのですか。
○説明員(加藤陽三君) 私の御説明が足らなかったと思いますが、試験はいたしますけれども、入隊は、収容し得る施設ができましてから入隊さしておる。それまでは採用しないわけであります。
○高田なほ子君 そうすると長官にお尋ねいたしますが、年次計画による増員数と、実際に収容する人員というものは、いつも食い違っておるわけですか。ただいまの御説明だと、そういうことになりますね。
○国務大臣(小滝彬君) これまでの経験から申しますると、そこに食い違いが出ておりましたので、それが出ないようにというので、昨年度も、今も申しましたように、三十一年度も前よりはよほど改善せられたのであります。本年はことにまた、さっき申しましたように、防衛庁費も増加せしめない、陸の方の増員というものもとどめまして、できるだけの計画通りに実行できるよう努力いたしておる次第であります。
○高田なほ子君 大体防衛庁の御計画によると、陸軍の方が十八万、艦船の方が十二万四千トンですか、飛行機が千三百台というように、目標を立てておられるようでありますが、最近になってから、アメリカのニュールック政策によって、陸軍自衛隊の増強を若干ストップするような傾向にあるために、故意に施設をサボって、そうしてこういうように計画を変更するようなやり方をやっているのではないかというふうにも考えられます。三十二年度からは、陸自の方の増強はストップさせて、飛行機の方の航空自衛隊の方に重点を置かれるような方針をおとりになっているのですか、今までの方針と違うのですか。
○国務大臣(小滝彬君) 私どもは、今の自衛隊の体制で十分であるとは考えておりませんが、特に本年度も、予算の説明において申し上げましたように、質的に増強しよう、質の向上ということに重点を置いてきたわけであります。特に航空の方はおそくスタートいたしまして、しかも航空の方では訓練に陸上よりもより長い時間を要するというような関係もございましたので、今度は空の方を六千名ばかり増すことにいたしまして、非常におくれておる、均衡がどちらかといえば失しておるようなおそれのある、このおそくしたものを質的に増強していこうという点が予算面には特に現われてきたという次第でございます。
○高田なほ子君 そういたしますと、けさの読売を拝見いたしますと、かなり陸の自衛隊の今まで通りの募集に対する応募率がずっと下ったために、防衛庁は非常にあわてて、かねや太鼓で大あわてという新聞の見出しが出ておるようです。そのかねや太鼓で大あわてにならなければならない原因というのはどこにあるのですか。
○国務大臣(小滝彬君) まず今年のこれまでの状況では、実際に募集し採用する人員に対して三倍半くらいになっております。今朝の新聞、詳しくは見ませんでしたが、たしか掲げているのは、防衛庁が予定しておる応募人員に比して、実は六月十日までにこれだけしか応募してないという批評であったかと記憶いたしております。確かにこれまでよりも応募者が率的に見まして減少の傾向が去年から本年に現われておるということを私も認めております。この原因はとおっしゃいますと、あるいは見方もいろいろあるかもしれませんが、経済界の好況というものが相当影響しておるようでございます。これに関して一応御説明申し上げまするならば、今度の募集は六月十日で一応締め切っておりまするけれども、今月末までまだ申し込みすることができるのでありまして、従来の経験に徴しまするというと、六月十日までに出てきた数字よりはよほど今後増加するであろうと思います。従いまして、われわれはもちろん、より多くの者からよりいい青年を採用したいという希望はありまするけれども、特に今度応募者の数が減ったから募集に重大なる支障を来たすとは考えておりませんが、われわれとしてはできるだけりっぱな自衛官を作るように、この募集の面においても努力をいたしておる次第でございます。
○高田なほ子君 募集人員に満たないという現在のありさまなので、二十日まで延ばして満たそうと一生懸命御努力のようでありますが、その原因は、単に経済界の好況というふうにおっしゃっておりますが、それは少し御反省が足りないのではないかと思うのです。神武景気というのは、一部は神武景気でありましょうが、農村の青年には神武景気の影響が何もないわけです。二三男の就職難というものは現在の社会の中ではまだまだ非常な困難があるわけですが、そういう中で陸上自衛隊の応募が少いということについては、特に防衛庁長官としてもこの点は少し御反省いただかなければならない点ではないかと……。私は再度繰り返して申し上げたくありませんけれども、死の行軍、あの問題などは、これは自衛隊の、今までの軍のあり方と同じような方向に逆行している。人命軽視の風潮がかなり隊の中にはびこっている、そういうような実際がだんだんだんだんと大衆にわかってくる。青年も賢くなっておりますから、やはり一たん目を開けまして、そういうおそろしいところにみずから飛び込んでいこうとするような蛮勇は持ち合せていないのではないかと思う。私はりっぱな自衛隊を育成するという御精神については敬意を表するのですが、かつての軍のような、人間の生命を生命と考えないような、そういうような一死報告という過去の軍国主義精神のもとにおける考え方であったのでは、決してその言うところの日本の国をほんとうに憂うる青年を収容することはできないのじゃないかと思うのです。自衛隊の教育方針等についても、私はしかるべき御反省がこの際いただけるものかと思っておりましたが、あにはからんや、経済界の好況というだけでこれをお過しになったということについて、はなはだ遺憾の意を表するものです。この点について私の見解と異なる点がありましたならばお答えを願いたいと思います。
○国務大臣(小滝彬君) もちろん、全般的に応募者の数が減少してきたということについては、それぞれの人の考えがあるでありましょうから、それを分析していろいろ出すことはむずかしいのですが、私が申しましたのは、最も大きな原因はそこにあるのではないかというように考えておるのであります。今御指摘になりました部隊内の教育が行き過ぎやしないかというような点については、これまでずっと内閣委員会その他においても申し上げました通り、人命の尊重というような点については、いろいろ幹部の会同において注意を与えておりますのみならず、これまでの訓練についてもさらに検訂をし、そうした点であるいは行き過ぎがあるとか、少くとも世間の誤解を招くというようなことのないように留意いたしまして、その点は十二分に各幹部職員が真剣になってその気持を体してやっていくように注意いたしておるところでございます。あるいは高田さん御指摘のように、当時相当新聞などにも大きく書き立てられましたから、そういうことを懸念しておられる向きもあるかもしれませんが、それが非常に大きく響いたというよりも、最も重要な原因は、経済的なところにあるのじゃないかというのが私どもの見解でございます。しかし同時に、自衛隊内部をよくしていくということが、よりいい青年を迎えるゆえんでありますから、この点については、御指摘のように今後一そう努力をいたさなければならないと考えておるところでございます。
○高田なほ子君 自衛隊の教育問題と同時に、やはり幹部の頭の切りかえ、こういうことは長官の言われる通り非常に緊急な問題だろうと思います。各地で見られるように、地方選挙の場合にも、上官が部下に向って、特定の候補者を支持するような、権力による圧力を加えている等の問題等についても、単に死の行軍だけではなく、相当やはり自衛隊の幹部、中層幹部の頭の切りかえということについては、相当の御努力を払っていただかなければならないと、私は考えておるわけです。
 次にお尋ねしたいことは、予備自衛官の問題ですが、この予備自衛官というのは、現在どのような数字になっておりますものか、また予備自衛官というものはどういうような義務を今負っておるのか、これらについて詳細に数字をあげて説明していただきたい。
○説明員(加藤陽三君) お答えを申し上げます。予備自衛官の職務につきましては、自衛隊法の第六十六条から七十五条までに書いてございますが、これらのものは防衛出動がございます際に、召集命令を受けまして自衛官となりまして、自衛官としての職務を行うということになるのでございます。これが基本的な義務でございます。そのほかに毎年二十日以内の期間におきまして訓練召集というものをやりまして、平素の訓練の足らざるところを補うということにしておるのであります。予備自衛官の資格は、警察予備隊の警察官でありました者、保安隊の保安官でありました者、自衛隊の自衛官を務めた者の中から、志願によりまして選考いたしております。法律上一万五千名以内の定員となっておりますが、毎年予算でその人数をきめて参っておりまして、現在のところでは、はっきりした数字は覚えておりませんが、七千六百名ぐらいであると思います。
○高田なほ子君 この訓練招集の二十日間の場合の旅費その他の費用というものは毎年人件費の中に組まれておるものですか。
○説明員(加藤陽三君) 給与の点を申し上げますと、予備自衛官の場合になりますと、月一千円の予備自衛官手当というものを支給いたしております。それから訓練招集いたしました際には日当、旅費を支給いたしております。これが防衛招集、防衛出動がありました場合に招集いたしました者は、これは本物の自衛官になりますので、本物の自衛官としての給与を受けるということになります。
○高田なほ子君 防衛出動を受ける場合には、日米の行政協定に基いて日米が協議の上に非常事態と推定して場合に防衛出動をするわけですか。
○説明員(加藤陽三君) 防衛招集いたしまする場合は、自衛隊法の第七十条に規定いたしてございまするが、七十条によりますると、「長官は、第七十六条第一項に規定する防衛出動命令が発せられた場合において、必要があると認めるときは、内閣総理大臣の承認を得て、予備自衛官に対し、防衛招集命令書によって、防衛招集命令を発することができる。」と、こうなっております。この七十六条というのは御承知かと思いますが、自衛隊の行動に関する基本的な規定でございまして、防衛出動のことを規定いたしております。すなわち「内閣総理大臣は、外部からの武力攻撃(外部からの武力攻撃のおそれのある場合を含む。)に際して、わが国を防衛するため必要があると認める場合には、国会の承認(衆議院が解散されているときは、日本国憲法第五十四条に規定する緊急集会による参議院の承認。以下本項及び次項において同じ。)を得て、自衛隊の全部又は一部の出動を命ずることができる。但し、特に緊急の必要がある場合には、国会の承認を得ないで出動を命ずることができる。この防衛出動命令が出ました場合にこの予備自衛官に対して防衛招集の命令が出せるわけであります。
○高田なほ子君 三十二年度には大体七千六百名の者が月に手当をもらい、そうして防衛出動のために待機しておると、こういうような形をとっているわけですね。この予備自衛官というものは今後もっともっとふやしていくのでしょうか、またふえる見込みがあるのでしょうか、計画はどんなふうに立っているのでしょうか、それをお尋ねします。
○説明員(加藤陽三君) これは先ほど申し上げましたように、法律上は一万五千名以内となっております。毎年度予算でもって実行の数字をきめておるのでございますが、三十二年度末におきましては九千名以上を目途といたしております。予備自衛官になり得る資格を有します者は、先ほど申しました警察予備隊の警察官、保安隊の保安官、自衛隊の自衛官を努めた者でありますが、われわれといたしましては、勤務年限の短かい人は、これは予備自衛官として適当でない、いろいろな事情、病気等でやめた者がありますので、大体対象となり得る者は六、七万ぐらいだと思います。その中から本人の希望によりまして選考いたして発令することにいたしております。
○高田なほ子君 次に長官にお尋ねしたいことは、先ほどから不用額の問題をお尋ねしたわけですが、三十二年度では相当に注意して予算を組まれたような御答弁でございました。私はその御答弁を一応了とするわけでございますが、本年度の予算審議の際に予算委員会で弾薬のことが問題になっておったようでありますが、予算委員会の説明によりますと、現在弾薬保管量が十二万四千トンある、こういう御答弁が防衛庁の方からされておるわけです。十二万四千トンというのは、私は演習のことや何かのことはよくわかりませんが、非常に大量な銃弾であるように聞いておりますが、しかるにもかかわらず、三十二年度ではまた十億という莫大な金額がこの弾薬類の整備その他のために予算化されているようです。十二万トンもあれば十年も使われるんじゃないかというように考えられるんですが、そんなにたくさんのものがあるのに、なぜまた予算を三十二年度に十億も組んだか、先ほどの長官の御答弁から照らしますと、これはどうも腑に落ちないんです。この点についてどういうような御所見をお持ちになっていらっしゃるでしょうか。
○国務大臣(小滝彬君) 御指摘のように、まだ、弾薬の方は十分貯蔵されておるものもございます。しかし種類が非常にたくさんございまして、現に部隊の訓練用に必要な特殊の種類のものが足りないので、そういう特に減少して訓練に差しつかえあるという種類のものだけを見まして、九億九千万円の予算を組んだわけでありまして、要らないものをしようというんでなしに、特に足りなくなったものを補給するという意味で、従いまして、ただ防衛産業を維持するという性質のものではなく、現に必要なものであります。その防衛産業の面でそういう施設を持っておるものに対しての措置としては、通産省の方でたしか本年度は七千万円程度のものを考慮しているようでありまするが、今御指摘の九億九千万円はこうした足りない方の弾薬を作らせるというものでございまして、これはいろいろな種類があり、大ききも違いまするので、そうした足りないものを補充するという趣旨で必要やむを得ないものとして計上したものでございます。
○高田なほ子君 そうすると十二万四千トンというのは昭和二十九年度から三十年度にかけてアメリカ側からの供与に基くものだという説明がされておりますが、それはそうすると使わないで、そのまま保管しておるわけですか、現保有量はどういうふうになっておりますか、この十二万四千トンはどんなふうに使われておるわけですか、残量は幾らあるのですか。また現在足りないために、今度予算を十億組んで作られるというのは、どのくらいのトン数を作られるのにそんな十億というような金がかかるんですか。
○説明員(小山雄二君) 十二万四千トンと申しますのは、今年の一月一日の在庫量でございます。大体年間一番多いときで従来七千トンくらい使っております。それから来年は大蔵省の査定で少し締められまして、五千七百トンくらい使う予定に三十二年度は減らしております。従ってかりに五千七百トン、あるいは多少それが変りましても六千トン平均使って参りますと、分量的には約二十年あるという勘定になります。ただ弾薬の保有のアメリカ……わが方ではまだ正式のものはきめておりませんが、アメリカの法則によりますと、携行定数といいますか、持っている車両、弾薬車その他に一ぱい積むという種類の数量と、それから部隊予備といいますか、後方の補給部隊を持ってついていくわけですが、その分と、それからそれ以外に九十日分の戦闘に対するものを持つという規定になっております。われわれの方はまだそこまでとても持てませんから、そこまで行きませんが、そういう計算をいたしますと、約三十万トンくらい要るわけです。まだそこまでなかなか行きません。それから今年度調達いたしますのは、先ほど長官から申し上げましたように、今年の訓練に事欠くという種類のものをやっていくわけでありまして、約九億一千万円で、数量は約千百トンくらいのものでございます。ほんのわずかなものでございます。
○高田なほ子君 二十年も使うような弾薬がまだあるのですかね。どうしてこんなに二十年もの使われるようなたくさんの量を供与を受けなければならぬのでしょう。二十年というと、兵器の進歩を考えてみますと、このたまは将来使いものになるかならないかということは、とても疑問に思うのですが、これはどういうわけでこんなに二十年ものものをもらったんですか。これはほんとうに消費できますか。不用額として、やはりまた会計検査院から指摘されるように将来なるのではないかと思いますが、どういうわけでこの使えないようなものをこんなにたくさんもらったのですか。この保管はどこにどうしてあるのですか、非常に疑問です。
○説明員(小山雄二君) 十二万四千トンを弾種別に申し上げますと、いろいろ出入りがありまして、今申し上げましたように、当時調達をしなければ訓練にも事欠くというような種類もありますし、先ほど申しました基準で九十日までいくものはありませんが、七十何日分くらいの戦闘に相当する、一番多いものはそのくらいでございます。これは何十日分と申しますのは、戦闘費消の場合の所要量でございまして、先ほどの六千トン二十年とかりに申しましたのは、平時の訓練消耗弾でございます。このたま、ことに普通の銃弾あるいは大砲でも、普通の大砲のたまとの、平時の訓練の消耗と戦時の推定される需要というものとの開きが相当大きいものでございまして、今申しましたような供与を受けます際の考え方は、いざというときの備蓄という意味でもらいましたわけで、これは現在収納設備は必ずしも十分とはいえませんが、半分、四割程度は本格的な弾薬庫、六割程度が仮設のハットメント、これも、もちろん通産省の弾薬の施設の規定、基準に基いて許可を受けた弾薬庫でありますが、それに保管しておる、こういう事情でございます。
○高田なほ子君 一説によりますと、この仮設保管所の弾薬は相当に赤さびがついて使いものにならぬというような状態になりつつあるということを聞いていますが、まことにもって不経済きわまりないこと、あるいはまことにもって危険しごくなことであるように考えられますが、これについては早急に何か方法でも講じられる予算でも組まれておるわけですか、どういうふうになっておりますか。
○説明員(小山雄二君) 昨年確かにそういう問題で新聞にも出まして、国会でも衆議院の決算委員会等で質問がありましたが、さびといいましても、それは一定の修理をいたします予算も設備ももらいましてやっております。弾薬の種類によって非常に違うわけでありまして、危険な発射薬等は平生は別にしてあるわけであります。これはある程度年月によって化学的変化を起すという種類のものもありますが、この本体の実際のたまができてしまっておるものにつきましては、そういう変質その他の問題がないわけでありまして、多少のさび等の手入れはやはり予算をとり、施設を設けまして整備をいたしております。またダイナマイト的なものは、これも相当変質等の問題もありまして、そういうものは米軍とも協議しながら、危いものは処分するというようなことをやっております。
○高田なほ子君 次にこれに関連してお尋ねしますが、年間に何回か大演習をやるようですが、秋の大演習あたりで一回に使用される予算というものはどのくらいの予算が使われるものですか。またそれに要する弾薬というものは、今言うように五千七百トンのうちのどのくらいのものが消費されるものか、大体の概算をお尋ねしておきたい。
○説明員(北島武雄君) ただいま手元に数字はございませんが、私の記憶で申し上げますれば、昨年あるいは一昨年の秋の演習におきまして、大体一回三千万円見当であったようにちょっと記憶いたしております。期間は五日ないし一週間ぐらいであったかと思います。その間の一切の経費を入れまして約三千万円ぐらい使用いたしておるように記憶しております。それから弾薬の使用量でございますが、演習に使用いたします弾薬は、ちょっとただいま装備局長から聞きますと、これは空砲だそうでございまして、この十二万四千トンは実弾の方でございます。実弾は演習には使用しておらないのでございます。
○高田なほ子君 この実弾のトン当りの単価はどのくらいになりますか。
○説明員(北島武雄君) 今まで供与を受けました現在持っております約十二万四千トンの弾薬でございますが、大体トン当り六十万円ぐらいに見込んでおります。
○高田なほ子君 そうするとおかしいじゃないですか、この三十二年度の約十億の弾薬の量というものは、約千百五十トンぐらいのものなのに、トンが六十万円だとしたら、なぜこんなに十億なんという金が要るのですか、ここらの数字が大へん食い違っておりますが、どういうわけですか。
○説明員(北島武雄君) まことにごもっともなお尋ねでございますが、実を申しますと、昭和三十二年度において発注いたします弾薬は主として小口径――口径の小さなたまでございます。トン当り六十万円と申しましたのは、大きな弾薬も小さな弾薬も一切がっさいひっくるめて計算いたしますと、今まで供与を受けたものにつきましては約六十万円と踏んでおるのでございまして、実際は三十二年度に発注いたしますのは小口径の小さい弾薬でございます。小さい弾薬でございますと、非常に単価としては高くなる、トン当りとしては高くなるという計算でございます。
○高田なほ子君 これはあれでしょう、兵器産業に振り向ける投資ではないのですか、弾薬を作る費用じゃないでしよう。
○説明員(北島武雄君) 弾薬を発注します経費でございます。弾薬の購入費でございます。
○高田なほ子君 購入費ですか。
○説明員(北島武雄君) さようでございます。
○高田なほ子君 そうすると、これは発注のために投資をするのでなくして、弾薬を製造したものを購入する費用ですね。
○説明員(北島武雄君) さようでございます。調達実施業務において発注いたしまして購入するという費用でございます。九億一千三百万円。
○高田なほ子君 わかりました。
 もう一点お尋ねをしたいことは、今度は工事の当を得ないものというふうになって三十三から三十六までずっとあげられておるようでございます。特にこの滑走路の工事について会計検査院が指摘をしておりますが、検査院の指摘では、制度上の欠陥があるのではないかというふうに受け取れる指摘がされております。工事の設計に当り十分検討しないで実施に移すことがこの原因の大部分であるというふうな指摘がされております。そうしますと、工事を設計して着工してでき上るまでにはどういうような工程を踏んで、どういうような運営がされておるのか、この際特に滑走路の問題について、工事を始めてから終りまでの経過ですね、制度上のどういう経過をたどってくるものか、これを説明していただきたいと思います。
○説明員(山田誠君) お答え申し上げます。工事を始めますまず最初には、各幕僚監部から、こういうものを作ってほしいという一つの基本計画が長官あてに上申されます。その基本計画によりまして長官の承認がありまして、それに基きまして実際の実施計画を立てます。その実施計画によりまして……、その実施計画も一応概略な計画でございますが、長官の承認を得まして、それによって予算の配賦、示達がございます。その示達を待ちまして設計を始めるわけです。
 建設関係の機構をちょっと申し上げますと、中央に建設本部というのがございまして、出先に五つの全国に建設部というものがございます。これが全国の担当区域がきまっておりまして、その区域の建設部で設計をいたしまして、それで入札をする。で、建設業者が決定いたしますと工事が開始するわけです。その工事中は現場の監督をいたしまして、完了まで現場監督をいたしまして、竣工検査をいたしまして、工事が完了するという経過でございます。
○高田なほ子君 大へん念の入った経過をたどっているのに、いろいろと問題がこう起ってきておるようですが、三十三の「貯油槽工事の施行にあたり処置当を得ないもの」という中で、非常に問題になるところは、せっかく一千万円余りの金を払って請け負った貯油槽タンクが、竣工したと同時に油が漏ってしまって使いものにならないという指摘がされておりますね。その原因の中で、検査院のあげているところによると、業者の選定に当ってはなはだ適切でなかった、また竣工検査に当っても、三十九基の中でたった一基だけは検査したけれども、あとの三十八基は全然これはほったらかして検査もしない、こういうようなずさんな点があげられております。そうすると、これはこの竣工までの工程で、直接責任を負わなければならないところは、どこの部が責任を負わなければならないのですか。この事件を通して、どこが一番責任を負わなければならないところですか、直接の責任はどこですか。
○説明員(北島武雄君) あるいは建設本部長が御答弁申し上げるのが適当かとも存じますが、私調査いたしまして取りまとめましたので、私から便宜お答え申し上げます。
 本件は、終戦当時までもとの霞ケ浦の海軍航空隊におきまして使用いたしましたタンクでございます。それが戦後十年くらいそのまま放置されておりまして、いよいよこれを防衛庁で使おうということになったのでありますが、当初、果してこれが使いものになるかどうかにつきましては、相当技術的にむずかしい面があったようでございまして、いろいろ慎重に検討いたしたのでございますが、とにかくやれば使いものになる、現在のこのタンクを使った方が経済的だということで、これを修理して使うことにいたしたわけであります。修理いたします場合には、これはタンクの継ぎ目のところを新たに溶接するわけでございますが、その溶接をいたしまして、現場検査の際は、五回ないし六回繰り返しまして、そのつど検査いたしております。どういうやり方かと申しますと、一応原始的なやり方ではございますけれども、どこに穴があるかという点を発見いたしますために、溶接いたしましたあと、粉石けん液を塗りまして、それに空気を注入いたしますと、もしすきまがあるならば、そこのところがあわ立ちするわけであります。そういう方法によりまして、まず一回溶接したあとやってみる。そうしてなお傷が発見できれば、またそのつどもう一ぺんその個所をつぶしていく。こういうふうにしまして、五回ないし六回入念に穴をふきぐわけであります。穴と申しましても、これはピンで突いた程度の傷でございます。一応この程度に五回ないし六回入念にやりまして、そのあとで竣工検査ということになるわけであります。竣工検査の場合には、もちろん、こういう工事につきましては、全部それはまたもう一ぺんやり直すということはむだでございます。やはり現場検査において十分それがしっかり入念に行われておれば、竣工検査は抜き取り検査でいいわけであります。竣工検査官といたしましては、工事中の現場検査の記録を入念に点検いたしまして、そうして約四百八メートルに及ぶところの溶接個所について抜き取り検査をいたしたのであります。ところが、たまたまその検査いたしました個所につきましては、ピンで突いた傷もございませんでしたので、全体が合格と、こう判定したのでございますが、いよいよ油を入れてみますと、かすかに油がにじみ出るという傾向が見られましたので、これはいかぬというわけで、さらに調査をして手直しさした、こういう事件でございます。
 本件につきましては、まず検査院は業者の選定は適当じゃないじゃないかと、こういうおしかりは一応ございますが、この点につきましては、東京建設部におきまして、この種の業者で登録しておるのが十一社ございまして、そのうち一社は入札をあらかじめ辞退しておりますし、あと一社は、過去の工事の成績があまりよくないというので、大体九社見当を目標としまして、その中で六社を選んで指名競争に付したわけであります。ところがこの入札いたしましたトキコ油器という会社は、たまたまこの霞ケ浦の貯油槽に関連する工事を当時請け負っておりまして、パイピング工事でございますが、従いまして、たまたま架設の電力の引っ込み線もございますし、この業者を入れた方が防衛庁としては有利であるということで、トキコ油器という会社を指名競争の中に参加きせて、その会社が結局入札したのでございます。従いまして、業者の選定については、まあこれはおしかりいただくのは、ちょっと私いかがかという感じもいたします。これはもちろん検査院の方のお考えもございましょうから、私どもの考えばかりがもちろんいいとは申しませんけれども、業者の選定につきましては、そんなふうな感じがいたします。ただこの場合は、何と申しましても、あとで油がしみ出た、これは事実でございまして、よくあとになりましてその結果を反省いたしてみたのでありますが、何と申しましても、一番大事なのは現場検査でございます。五回ないし六回溶接をやり直して、最後にピンで突いた程度の穴、ピンホールがなくなったというのではございますが、さらにそこの所をもう一回念を入れてやったならば、こういうピンで突いた程度の若干の傷さえもなくて済んだんじゃないか、こういうふうに考えられます。従いまして、この場合におきましては、現場監督官を最も重く考えまして、現場監督官を戒告に処しております。それから竣工検査につきましては、これはまあ約一万六千メートルのところを、四百八メートルでございます。四十分の一、これは抜き取り検査として、やはり多少これは少いのでございます。もう少し抜き取り検査をやったならば、そういう個所があるいは発見できたのではなかろうか、こういう感じもいたします。竣工検査官にも責任ありというふうに考えております。ただ竣工検査官は退職いたしましたので、すでに処分の対象にはならぬということでございます。それからこの工事の監督に当りました東京建設部の工事課長、これは監督の責任をとりまして、訓戒ということで処分いたしております。
○高田なほ子君 三四のこの滑走路の問題も、私がくどくど述べる必要はありませんが、ほとんどこの計画というものが十分立たないで仕事を始めて、四百五十万円も損害を与えたというふうに、非常に計画あるいはまた監督というものが、何だかこう一貫してながめてみますと、大へんずさんなように思うのです。で、防衛庁は、他の省に比べまして非常に予算が潤沢、豊富、もうあり余るほどあるので、相当やはりこの工事等の関係等についても、気分的にゆるみがあるのではないかというふうに考えられる。全部が全部そうだとは考えられませんけれども、得てして予算が多くある場合には、仕事の面でも緊張を欠くということがあり得るように考えられますが、特にやはりこの三十年度の防衛庁の検査報告に関する関係者の処分の一覧表を拝見いたしますと、非常に軽いのですね。莫大な損害を与えた者でも訓告、戒告というところにとどまっているようです。自衛隊の死の行進を見ますと、関門を通過しなければパスしないといったようなことで、なぐられたり、張られたりしながら、とうとう生命をかけて引きずられていっているのに、国民の血税に一千万も二千万も、一億も損害を与えても、単にその注意とか訓戒というところにとどまっているというのは、ずいぶん私はこれはおかしなものじゃないかと思うのです。生命の方が軽く扱われて、国民の血税の方がかなりいいくらいかげんのところでおきめられているということは、非常に私は遺憾だと思うのです。何も罪の重きを決して望むものではありませんけれども、もう少しこの防衛庁のこういうずさんな問題等については峻厳な態度が示されていいのではないかと思う。特にこれは小滝長官の御在任のときの問題でありませんから、長官にこれを責めるのはどうも当を得ないかもしれませんけれども、最高の責任のお立場にあられる方として、この処分方法は軽きに失するのではないか、こういう考えを私は持つのですが、いかがですか。特に昨日、飛行機の問題がかなり質問、また討論されたわけですけれども、これなんかはあれですね、全然会計検査院の誤解に基くものであるとして、全然この責任がとられていないようですね。責任者の責任が何もとられておらない。名前だけはこう並べてあっても、何もとられていない。そうして防衛庁の方では、会計検査院の誤解に基くものであるという見方をとっているようですが、これなんかについても、やはり相当私どもは考えさせられる面が多いのです。もう少し防衛庁は、国民の血税を大切に使わなければならないという、そういう観念に徹されたならば、単なるその訓戒で、あと注意しろぐらいのことじゃなく、もう少しやはり引き締めるところは引き縮めていいのではないか、こういう感じを持つのですが、いかがですか。
○国務大臣(小滝彬君) 私は信賞必罰の精神で進まなければならないと思います。今御指摘になりましたG・C・Aの問題にいたしましても、確かに悪いという証拠があり、そこの結論を得れば、もちろん厳重な処分に値する者は厳重な処分をしなければならないわけでありますが、今御指摘の点は、あるいはきのう御質問に出まして、こちらの方で部品の名前を出せとか、いろいろありましたから、本日それを披瀝しなければならないと思います。それをごらんになれば、皆様もいろいろ考えさせられる点がおありだろうと思いますが、そういう私どもの調査――あるいは人間のやることでありまするから、私の方が間違っておるかもしれませんが、私もはっきりこれが確かに悪いということが確信が持てないのに、ただ、この一方で責められたから、すぐ厳罰にするということが、果してほんとうにこの防衛庁の職員を激励し、またこれを一生懸命に働かすゆえんであるかどうか。かえって萎縮して変なことになるという結果も考えなければなりませんので、その困難な点も御了察を願いたいと思います。またこの滑走路の問題にいたしましても、金があり余っていると言うよりも、なるべく古いものを使おうということで、今までのは直さないで、それにくっつけてやれというような大蔵省の考え方もあって、やってみましたところが、その後アメリカからこのジェット機の練習などをして帰りました自衛官が、これではやはりこの滑走路ではよくない、かえって危険であるというようなことで、そのあとになってさらにそういう強い意見もありましたので、大蔵省と再協議をして、滑走路の設計を変えなきゃならないとか、その結果として、それで費用がよけいかかったということは、まことに申しわけございませんけれども、これでもいろいろな事情を勘案いたしまして、厳正な態度で臨まなければならないということの必要もありますが、一がいにそれではその工事の方が絶対に悪くて、これは停職するだけの罪があるかというような点もいろいろ考えなければならない、こういう関係もございまするので、私は高田さんのおっしゃいました趣旨は全く賛成でありまして、いつもこういうことが起ってはならない、将来の戒しめにもなるので、厳重な態度で臨みたいと思いますが、今申しましたように、いろいろ議論があるような問題、また、ただ請負者だけに帰すべきでないというような点もある場合は、そういう点も考えてやることが、かえって将来一生懸命にやらすための措置としてより役立つのではないかという点もありまするから、どうぞそうした点も御了承願いたいと存じます。
○高田なほ子君 下の者のあやまちを許すという雅量は、上に立つ者の常に襟度として必要なことだと私は思うのですけれども、どうも防衛庁に関する限りは、こういう不正不当な問題があっても、かなり平気でおられるような傾向があるように思われるのです。先代の船田防衛庁長官は、四十数件の不正不当事項を前にして、さながら町のあんちゃんのごとくに、この決算委員会で開き直っていわく、不正不当のことがあるならばお目にかかりましょうというような調子で、そういう調子だから私はその防衛庁流のいろいろな汚職とか不正というものが跡を絶たないのではないかということを、ひどくそのとき考えさせられたのです。従いまして、今の小滝長官は、そういう意味での御答弁ではなかったかもしれませんが、ああいう町のあんちゃんみたいな者が防衛庁長官として君臨しているというような中にあっては、特に小滝長官の私は御善処を要望したいのです。非常にまあこの国費を乱費するということ、平気ですね。たとえば紀元節の国民奉祝大会にはどうですか、陸軍自衛隊がブラス・バンドを先頭に立てて、木村篤太郎さんが先頭に立って、あれは国費で陸軍自衛隊というものはあるのでしょう。あれは自費じゃない。木村篤太郎さんの自費じゃないでしょう。その国費をもって訓練している陸軍自衛隊が先頭に立って、雲にそびゆるのあの市内行進をやっておられる。そういうふうなふらちなことが、現に平気でこの民主主義の世の中に行われているのですよ。だから私は船田長官のこういうような考え、それから前防衛庁長官木村篤太郎氏が、国費をもって訓練している自衛隊に先頭を切って市内行進をさせて、政治運動をやっている。そういう歴代の長官が君臨する防衛庁ですから、ろくなことがやられない。そこへ持ってきて、小滝長官も、最近は死の行進に対して――これはまああとで言葉を改められたようでありますが、どうも私どもの感覚としては解せないようなお言葉もあったりしまして、どうもこの今の御答弁では納得できないのです。もう少しきぜんとして、国民の血税は血税らしく使う。そしてこれをむだにしたり、また責任を感じないで、そのままほっとくというだけではなくて、上も下も、ともに国民の血税についてはえりをただしてこれを使っていく、こういう私は態度が望ましいように考えられます。決して、小瀧さんの御人格を私は信頼しておりますから、ただいまの御答弁が空虚な御答弁であるとは考えませんが、一言私は自分の意見を申し述べさせていただいて、これで質問を終ります。
○片岡文重君 二、三お尋ねをしたいのですが、防衛庁が国税というか、血税を乱費しているという事態については、今、高田委員から指摘されておりますが、これはしかし、今事新しく表面に出てきた問題ではなくて、数年前にたしか読売新聞の時事川柳だと思います。たしか川上三太郎氏の選をしております時事川柳、「防衛庁を歩けば金にけつまずく」という川柳がありました。「防衛庁を歩けば金にけつまずく」、この川柳がこれはもう数年前に読売新聞の時事川柳に川上さんの選で出ております。事ほどさように、もう古くから防衛庁では血税というものが乱費されておる。で、歴代の長官は、おそらくはこれをその得々としておられたことでなくて、これを何とかしてその汚名をなくしたいと、これは懸命の努力を私はされたものと思うのです。しかし遺憾ながら事実は結果としてはあまりに御努力の跡が示されておらない。特に最近私はその遺憾に思うことは、最近次長がおやめになられて、今、香川県で立候補しておられる。御本人のためには大へんけっこうなことだと思います。友党のためには御当選を祈るのにやぶさかではありません。しかしこの血税をもって自衛力を増強するのだということで、みずから建軍の父をもって豪語されたというその次長が、長官の不在の間にその職を離れて、立候補の予備行動に狂奔されている。新聞の伝うるところが事実だとすれば、長官は当時次長が政党へ行って入党の手続をし、後任の承認を求める等の手続をした際には、まだ辞任はしておらなかったはずです。で、しかも長官が東京におらない、三日の持ち回り閣議でようやく了解を得たそうでありますが、その前にそういうことをやっておられる。自衛隊法にこういう行為が許されるかどうか、私はよくわかりません。わかりませんが、少くとも法律的にそういう行為が許されるかいなかの問題ではなくて、少くとも大臣がおられない間においては、当然次官が、しかもこれは政務次官ではなくて事務次官じゃないですか。これがその留守をあずかって庁全体の統率をし、指揮監督の任に当っておられるのが当然であると思うのに、その長官がおられない留守中にもかかわらず、自分のためにそういう行動をとっておられるこのことは、いかにこの防衛庁の官紀といいますか、庁紀というものが紊乱しているかということを端的に私は物語っていると思うのです。次長がこういう状態であったのでは、責任の衝にある各長諸君が果して誠意をもって、至誠をもって自衛隊員たるの国民の期待に沿うだけの執務をしておられるのかどうかということも、私は疑わざるを得ないと思うのです。小滝長官はこういう点については、これは当然なことであり、何ら反省をする必要はないことだとお考えになっておられますかどうか、そこからお尋ねしていきたい。
○国務大臣(小滝彬君) 増原君が辞任いたしましたのは本月の三日でございます。私三日に帰りまして、三日に辞任を許したわけでございます。私は詳細に、増原君が党との関係をどうされたか知りませんけれども、常識のある増原君あたりのことでもありますし、当然辞任したあとにおいて入党せられたものであろうと確信いたします。増原君は非常に熱心な男で、しかも事務家でありまして、私のいない間も庁をおろそかにしてそういうことをしたようなことは聞いてもありませんし、私はそういうことはなかったことと信じているものでございます。
○片岡文重君 長官が部下を信ぜられる、けっこうでありますが、しかし部下が何をしておられるかを御存じないということは、これまた、はなはだ寒心にたえないことでございます。一日の日に増原さんは自民党本部へ行って入党の手続きをし、公認の手続きをいたしております。ただ形式的に、辞任前にこれを形式を整えるということができぬということで、たしかその入党届も、公認承認書も皆日付を除いてあるのです。そうして長官が三日の日にお帰りになるのを待って、あなたの判をもらって、四日の日に立候補の届出をされているわけです。もちろん、公職選挙法からいえば、辞任をしなくても立候補をすれば、その日付をもって退職したものとみなすようになっているはずです。ですから法律的に私は今とやかくこれを責めようとは思いません。しかし、少くともそういうやり方というものは、これは名もない下級吏員であるとか、一自衛隊員のやったことであれば別です。しかし長官の留守中に、その長官にかわってすべてを統率していくべき責任ある次長が、今あなたがはっきりおっしゃる通りに、三日の日にあなたが辞任をお認めになったというならば、私が先ほど申し上げましたようなことをやっているとすれば、在職中にそういう不正行為をやっているということです。これは認めることは道義的にはなはだ反省を要することではなかろうか。特に今この指摘されているような不正不当の批難事項が年々跡を断たない。こういう状態の中にあって、防衛庁はあげて国民の疑惑の念を払拭するために、誠心誠意努力を傾けなければならないときに、こういうことをやっているのは、はなはだ私は遺憾なことだと思うんですが、長官はやはりそういう点についてはお考えになりませんですか。
○国務大臣(小滝彬君) 出張中のことを一々知らないのはけしからぬというお言葉でありますが、もちろん重要な事項については本庁から連絡がございましたけれども、万事、何月何日の何時にだれがどこへ動いたというような詳細な報告は受けておらなかったのであります。自民党本部へ行ったか、行かないか、私は知りませんが、私の考えるところでは、ああいう熱心な男で、執務時間においては厳粛にいろいろやってきただろうと思いますのは、三日に帰りました際にも、いろいろ庁内のことを、また米軍との連絡等に働いたことも報告を受けまして、私はその後別段そういう不当行為があったという報告も受けないし、私は従来から信頼しておりましたし、帰りましたときにもいろいろ報告を受けて、新聞にはいろいろ出ておったけれども、ちゃんと顧問団あたりとの連絡などをしたことをまっ先に報告して、従来とちっとも変らない態度で務めてきたような印象を受けましたので、先ほど申しましたように、私のいないときも増原君は一生懸命に働いてくれたものと、少くとも今の瞬間まで信じておったのでございます。そういう必要があれば取り調べてもみたいと思いますが、私といたしましては、増原君がよくやってくれたという気持でございます。
○片岡文重君 長官の御出張中にだれが何時何分にどこへ行った、そういう行動まで御諮問にならないでも、これは知らないのは当然であるし、またそういう報告も受くべきではないし、きのうだれか同僚諸君の御質問に対しての御答弁に対して、もっと長官はすなおな気持で答弁してほしいという何がありましたが、私もまた遺憾ながらそれを繰り返さざるを得ない。そういう、何といいますか、極端に言うならば非常識なことを要求しておるのではありません。けれども、少くとも次長が今申し上げておるようなことは、とっておるこの行為というものは、そういう何時何分にだれがどこへ行ったというようなことと同一に見べき性質のものではないでしょう。だから少くとも長官がその事実をお知りにならない、そしてその次長からの御報告が、顧問団との打ち合せやら渉外事項やら、あるいは庁内におけるいろいろな法的な事情についての御報告を受けられる、それは当然なことです。そのほかにそういう自己の一身に関するような問題について、それは私的な時間において、庁務を離れて御懇談の席にお話しなさるなら別として、それ以外のときに、そうその形式的に御報告を私は……、しかし、こういう問題は当然されてしかるべきだったと思うのです。少くとも辞任をされてその庁を離れるのですから、これは当然私としてはそういう報告がされてしかるべきであるし、また長官としても、自分の部下がこれから香川へ帰って立候補されるのですから、それならば政党に対する手続が済んでおるか、公認の手続は済んでおるかくらいの親心はお示しになっても私はあえて不思議じゃないと思うのです。そういう点、私ども考えてみれば、知らないということは少しおかしいと思うのですが、まあしかし、この権威ある委員会において知らないとおっしゃるのですから、知らないことについては私は追及しません。しかしそういう事実がしからばあったとおわかりになったときには、長官は一体これはどうされますか。
○国務大臣(小滝彬君) 率直に申しまして、私はどういう意味か、はっきりわかりませんけれども、職務時間中にそういうところへ行って政治のことをやったという意味でございましょうか。ただその自分の個人の将来というものは、だれも考えることでしょうから、自分が政治活動をするというのでなしに、自分の将来のことでだれか今までお世話になった人に相談するというようなことは、防衛庁とかあるいはほかのお役所にいるような人でも、これは個人の行動としては許すべきものだろうと思いますが、何か仕事をそっちのけにして、自民党本部へ行ったということですか。
○片岡文重君 どうも全く私は長官のその御心境を推測するに、私はこの参議院における同僚議員としての小瀧君に平素から尊敬しておりましたけれども、真実そういう今のおっしゃられるような御心境であるならば、これは少し色をなさざるを得ないのだ。自民党の本部に行かれようが、時間中に、職務時間を使って自分が私的に先輩に御相談をされようが、そういうことを私はとがめておるのではありません。けれども少くともたとえ形式的にもせよ、まだ辞任をしておられない次長が入党届をし、公認の手続をとって、少くともこれは候補者としての行動の一環ですよ。在職中にそういう立候補者としての行動をとっておってよろしいのですかということを私はお尋ねしておるのです。つまりこれがもうたとえきのうまでは長官であり次長であった方でも、きのう辞任をされて、きょうからそういうことをなさるならば、私はそういうことをとがめるわけではありませんよ。けれども辞任せられていない、在職中にそういう行動をしておられて、しかもそれは……今の長官の御態度をそのまま受け取りましょう。しかしそのまま受け取ったとすれば、そういう重大な事項について一つも御相談をしておられない、こういうことでは、あなたがせっかく信頼をされている次長が、あなたの信頼にこたえておられないのです。しかしその信頼にこたえるかいなかは別問題として、少くともあなたの留守をあずかっておるものが、そういう候補者としての行為をしている。法律的には違法にはなりません、届けをしていないのですから。候補者の予定者には違いないでしょうが、実質的には候補者としての行為です。そういうことを在職中になさっておって、しかも長官の了解も得ずしてなさっておっても、これはよろしゅうございますかということをお尋ねしておるのです。
○国務大臣(小滝彬君) わかりました。私は入党の手続をしたということを今まで全然知りませんでした。当然さっき申しましたように、あの常識のある男、人から非難されるようなこともしないだろうし、しかも当然私の方で辞任を許してからやったものと思っておりました。もし、そういうことがあるすれば、それはなるほど重要な事実でもあるし、そのほかの政治活動とはならないと思いますけれども、少くとも御指摘のように、道義的に見まして決してりっぱな態度ではないだろうということは私も同感であります。しかし、私事実は全然今まで存じませんでしたけれども、事は今後調べてみようという次第でさっきのような御答弁を申し上げたような次第でございますので、御了承を願います。
○片岡文重君 了解するというのは、どういうことを了解しろとおっしゃるのかわかりませんが、しかしそれはお調べになって、そういう事実が明瞭になった場合には、一体長官としてはどうされますか。
○国務大臣(小滝彬君) 立候補いたしましたのは、私が辞任を許しましたあとであります。よく調べまして、今申しましたように、そういう道義的によろしくない点があったならば、これは今後の問題として、そういうことがないように、防衛庁内にそういうことが起らないように注意しなければならないと考えます。
○片岡文重君 私は決してそう了解できませんが、しかし時間の関係もありますから、この問題はこの程度において打ち切りたいと思いますが、ただ、少くともまあ、私はこういう決算委員会でもっていろいろ御質問申し上げ、疑念を申し上げることに、はなはだひけ目を感ずることが一つある。それは、私どもが申し上げておるような事柄は、お聞きになられる長官を初め、政府委員の諸君は百も承知しておられるはずなんです。その事柄ではなしに、批難をされる事項、血税を乱費されている事項に対しては十分考えねばならぬし、反省もしなければならないというこの事柄については、これは常識ある限りにおいてはだれも違うものではない、そう思うのです。それをくどくどといつも繰り返さなければならぬ、これは、はなはだもって時間も不経済だし、私たちも何か面はゆい気がいたします。しかしそれをあえてこうしてまで御質問申し上げるゆえんのものは、これは何とかしてこういう事態を絶滅することができないならば、一件でも二件でも少くしていきたいものだ、こういう考えにほかならぬわけです。従って、その血税乱費とかあるいは綱紀の紊乱とかいうことをできるだけなくしていこうというからには、まず長官、次長が先頭に立ってその範を示きなければなるまい。そのためにはたとえあした辞任をされ、あるいはきょう辞職をされるにしても、立つ鳥跡を濁さずという決意と行動とが私は望ましいものではなかろうか。特に今長官の話では、なかなか常識豊かな方であっては、なおさらもってそういう指摘をされ、新聞種になるようなことは、特に防衛庁の幹部としてはとるべきではないと思う。従ってそういう事態が明らかになるならば、私は長官としてはもっときぜんたる態度をもって、他の幹部諸君にもこの非難のないように戒められることはもちろんのこと、次長に対しても今後の政治行動にも私は要望されることが望ましい態度ではないかと思うのです。しかしこの問題については大体その程度で打ち切りたいと思いますが、この繰り越し関係についてまず二、三点お伺いしたいと思うのです。
 きょういただいた資料は、時間のないのにめんどうな調査をしていただいたのですから、その御努力に対しては労を多といたします。しかし、これはせっかくながら、私の要求した点が肝心なところで抜けております。それはこの契約の品名、それから相手方、それからもう一つはこの契約をされた期日を入れてほしかった。私のむしろ希望する一番重点になるのは、この期日だったのです。この期日が一つも入っておらない。従ってこの資料についてはさらに訂正をしてこれは出していただきたい。
 そこで、繰り越し関係についてお尋ねしたいのは、この決算報告の中に述べられた検査院の御報告を見ると、「繰越額の多いのは、器材費関係で規格の決定および仕様書の作成に日数を要した」とあります。まずこの点からお尋ねしたいのですが、一体この規格の決定をしないものを、どうしてその見積りをされるのか。この規格もわからない、従って仕様書も作れない、しかるに金額だけは出てくるということは、これは何か勘をもってやられるのですか。それとも何か今までの類似のものをもってなされるのか、どういうところからこの予算を積算してくるのか、それをお尋ねしたい。
○説明員(北島武雄君) 予算の編成に当りましては、どういう器材を幾つぐらい買いたいということは、もちろんちゃんとした根拠があるわけでありまして、その単価につきましては、従来の契約実績、新しく調達する場合においては予想を立てるわけでありますが、規格の決定と申しましても、たとえば従来契約いたしたものにつきましても、実際にこれを運用いたしまして、改善を要する点が多々出てくるのでございます。そういう場合におきましては、金額においてはそう響かないにいたしましても、現実にはやっぱり規格を制定しなければならぬ、こういう関係で、規格の制定につきまして各幕僚監部で相当慎重にやっておるわけであります。その規格の決定につきまして往々にしておくれまして、調達要求する時期が遅延する、こういう関係がままあるわけであります。全部についてもちろん規格の決定に遅延を生じたわけではございませんが、繰り越しを生じましたおもなものにつきましては、中には規格の決定に時間をとったために繰り越しになったものがあるわけでございます。
○片岡文重君 従来あるものに改良を加える、そのために規格もはっきりしない、これはあり得るでしょう。しかし、たとえ従来あったものに改良を加えても金額にそう響かないということであっても、この規格やあるいは仕様書を作っていくのに長い日数を要するほどに困難なものならば、金額に響かないという断定を下すことも冒険でありましょうし、また急ぐほどのものならば、相当仕様書や規格の決定には急がなければならぬ。それが急がなくてもいいし、また急いでもできなかったというようなものであるならば、年度内にしいてこれを契約して、来年度の予算まで拘束するような必要は私はなかろうと思うのですが、そういう点は防衛庁としてはどういうふうにお考えになりますか。
○説明員(北島武雄君) まず三十年度の繰り越し金額の原因につきまして、大体私の方で分類したものがございますが、これを申し上げますと、三十年度の繰り越しの総額は二百二十八億円でございますが、その繰り越し事由を分けて、一応分類いたしますと、規格の決定、仕様書作成の遅延によるものが約五十五億円程度、MDAP供与の遅延によるものが約七億円程度、輸入の遅延によるものが二十一億円程度、試作の遅延によるものが約七億円程度、それから接収解除の遅延によるものが約六億円、用地取得の遅延によるもの、土地買収でございますが、この遅延によるものが約三十四億円、工事計画の遅延によるものが約十一億円、艦船の基本設計の遅延によるものが約六十三億円、工事の意外の停滞によるものが約二億円、その他三十八億円程度あるのでございます。大体申しまして今のような分類になっております。
 規格の決定につきましては、もちろん精を出しまして、早期に決定して調達要求いたしますれば、そういう繰り越しにはならないんですが、いざやってみますと、実際これを運用する面からいろいろな注文が出て参りまして、これを各幕僚監部において慎重に検討して、少しでも実際の運用に最も合致したものを作りたい、こういう技術者の技術的良心と申しますか、そういう点から意外に遅延するものが多いようでございます。もちろん、予算を組みます当初におきましては、これを初めから繰り越しを予定するなんということはないのでございますけれども、実行いたしますれば、少しでも自分たちの希望に合ったものと、こういうことになりますので、技術的良心と申しますか、そういう点から意外に規格の決定がおくれるということがあり得るのでございます。
○片岡文重君 改良とか工夫等のために、あるいは部分改造等のいろいろな要求で規格の決定も、従ってまた仕様書の作成もなかなか思うように進まない、延びるということも、これは私は事実としてはあり得ると思います。また使う方でもって要求する、あとからあとから要求するものがあると思う。しかしそういうことであるならば、そういう要求が固まったところでこの手続をされてもいい問題だと思うし、それをしないで、とにかく発注なり契約なりだけ急がれる、ここにどうも私ども納得しがたい点が出てくる。で、この批難事項はおおむね発注や何かの時期に無理がある。もう少し慎重に考えればこういうことは起らなかったのじゃないかという指摘が検査院からも出されておるし、これを読んでみ、また防衛庁の御説明を伺ってもそういう感を深くする。なぜこれを急がなければならないかということが私どもには納得できないのですが、どうも予算のワクを年度内にはどうしても消化してしまおうという気分が先に立って、これが年度内に支出済みにならなければ繰り越しにしてもいいから、とにかくひもをつけておこう、こういう態度にも見られる。もちろんそうですとは言われないでしょうけれども、そういうふうにも見えるんですが、特にそういう関係で、そういう目で見られやすいのは、艦船建造費が、基本設計の研究に日数を要したと、部分の改良とか枝葉末節の工夫ではなくて、基本設計の研究に日数を要したということになればですよ、全然これはもう発注するどころの騒ぎじゃないと思うんです。これはどうして繰り越しの中に入ってくるのか、その点を一つ私たちしろうとにわかるような説明をしていただきたいと思う。
○説明員(北島武雄君) まず、最初のちょっとお言葉の中に、規格の決定とか仕様書ができないのにどんどん発注するというお話がございましたが、そういうことはございません。規格がきまりまして、仕様書がきまらないと、業者と契約できないわけでございます。従いまして、その点につきましては、規格の決定、仕様書がおくれたために契約がおくれて、従って、当初予定したように納入できないために繰り越しになった、こういうのが原因でございます。
 それから、艦船の基本設計の遅延でございますが、この点は、何分に申しましても、防衛庁が発足をいたしまして、艦船の本格的な建造を始めたのは昭和二十九年でございます。それまでに相当なブランクがございまして、防衛庁における技術者としましても、非常な空白があるわけでございます。旧海軍当時の設計者は、それぞれもうすでに民間の造船会社等に行っておりまして、新しくほんとうに若い者を養成していくということになっておるのでございます。そのために設計がおくれることがあるわけでございますが、それ以外にやっぱりもう一つは、あまり多からざる艦船の建造でございますので、一艦ごとに少しでもいいもの、少しでもいいものというふうに、毎年の技術の進歩発達とにらみ合せながら慎重に設計を変えておるのでございます。そのために設計が相当おくれております。まあこの点につきましては、いろいろ議論もあるのでございまして、運用の部面から言えば、できるだけ同じ型の船がほしい、こういう要求も出ております。それもまことにもっともでありますが、一方、将来の艦船技術の向上ということを考えますと、少しでも、一艦ごとに前の計画の悪かった点を改めていくという態度もまた必要であろうと考えます。こういうような事情によりまして、艦船の設計につきましては、従来、当初予定しておりましたよりも非常におくれておりましたことは事実でございます。この点につきましては、今後簡単にはなかなか直らぬと思うのでありますが、防衛庁内部におきまして優秀な若手技術者を養成いたしまして、将来は、こんなことのために設計がおくれて繰り越しを生ずるということのないようにいたしたいと考えております。
○片岡文重君 どうも基本設計の研究が固まらないのに、先へ先へと急がれていくというこの行き方については、それを解消したいという御努力は了解いたしますが、この今までの事実については、何とも納得しがたい点があります。
 それから、今度、長官に一つお尋ねをしたいのですが、この報告書を見ると、不当事項として批難されたものを見ると、調達実施本部の関係のものが七件もある。それから東京建設部が二件、福岡建設部が二件。で、この不当事項十三件のうちに、調達実施本部だけで七件もある。過半数です。こういうことは、もちろん、これは調達実施本部というところの、何といいますか、性格といいますか、取り扱っている場所柄、やむを得ないと言えば言えないこともないでしょうけれども、しかし、ここがやむを得ないということでルーズになったら、これはますますこういう不当事項というものは多くなってくると思います。おそらくこの不当事項として実施本部で指摘されたものは七件でありましょうが、それ以外に、実施本部としては本部長初め目をさらのようにして、危く不当事項になりそうなものを押えたものもあるでしょうし、匡正したものもあるでしょう。それは努力を払っておられるでしょうが、しかし、なおこの七件というものが、不当事項の過半数というものが実施本部から出ておるということについては、これは実施本部の責任者としてはやっぱり相当重大な決意が必要であろうと私は思う。また、この同じところから出るということについては、長官としても今後こういうことを防止する意味においてどういうふうにしたらよろしいのか、これは具体的に何らか考えなきゃならぬことだと思う。しかもこれが、三十年度だけこういう事態になったのかというと、そうじゃない。年々同じようなことが繰り返されている。また、建設部にしてもそうです。いつも指摘される所は大体きまっておると思う。こういう事態について、一体長官はどういうふうに考えておられるか、また、今後どういうふうにしてこれを防止しようとする具体的な努力を払われるおつもりなのか、お伺いしたい。
○国務大臣(小滝彬君) まず、調達実施本部のほうに問題が多いとおっしゃいましたが、これは事実でございます。調達実施本部を通じてすべていろいろの調達をいたしておりまするので、建設関係は除きまして、たしか年に五百億以上のものを取り扱っておりまするので、自然、物資の面につきましては調達本部というものが批難の対象になるわけでございます。不正事項とか、金をどうとかしたということになれば、これは人事局関係でありまするけれども、建設については自然、調達本部が責任者という立場になるわけでありまして、問題については特に調達実施本部について注意しなければならないことも承知いたしておりまするので、本年度の予算におきましても―これは精神的にみんなが厳粛な態度で物資の調達にまず心を引き締めてやるという面においては、いろいろな会同を通じ、また、いろいろ書面等で注意をいたしておりまするが、同時に、これは人間の集まっている一つの機構というものも十分検査ができるように、また、いろいろ契約についても間違いがないようにさせるのには、あれだけの大きな予算を取り扱っていて、なかなか人が思うようにおらない。そうすると、自然いろいろ契約を作るのにも、また、検査なども遅延するというような関係もございまするので、本年度は、たとえば調達本部についていろいろ輸入の関係も出ておりますが、輸入課というものを設けまして、そのために必要な人員も多少ふやしていただいて、輸入課を強化する。今までございませんでした。しかし輸入課というものを作りまして、あるいは検査の人員を強化するというように、もちろん精神的な面、個々の指導というものも必要でありまするが、組織の面においても考えようというので、その努力は本年度の予算にも出てきておるという、私どもの少くとも心組でございます。なお、今申しましたように、精神面だけを引き締めましても、実際の指導をしないというと、善意で一生懸命にやっても間違いも起しまするので、特にその指導、教育ということについては随時講習会と申しまするか、本部のほうへ呼んで、そういう面についての詳細について技術的な面も注意させるという方面で、これはただ一筋なわにはいきませんので、いろいろな角度からこれを少しでもよくしていく、その努力をしなきゃならないという考えから、今申しましたようなことをやっております。また、これは必要以上のものじゃないかというようにもよく指摘されまするので、各部隊の定数と申しまするか、装備品としてどれだけが要るということについても、もっと厳正な態度で臨まなきゃならぬし、それには在庫をもっとよく調べる必要がある。そこで在庫統制隊とほぼ同じような資材統制隊というものを、陸と海のほうにはありましたが、今度空のほうにも設けるというようにいたしまして、始終そういう面も監査して、間違いのないようにさせるというふうに、もとのこれを購入する基本についての検討、同時に、購入するに当ってそれを取り扱う者が十分働き得るような組織も強化し、同時に、それぞれの個々の職員が十分問題を理解し、また技術的な指導も受けて、間違いのないようにさせようという趣旨で、本年度の予算の編成についても皆様の御考慮をお願いしたような次第でございまして、予算面だけでなしに、今申しましたような方針で進みたいというので、職員を督励しておる次第でございます。
○片岡文重君 調達実施本部で全部を、工事以外のものはまとめておられるのですから、そこから総括して出てくる、その矢面に立つということはやむを得ないだろう。それで先ほど私が申し上げた通りですが、しかし、たとえば調達実施本部で要求することになっておったとしても、たとえば陸幕からあるいは海幕から出てきたものを、そこでまとめていくはずですから、そこでやはりこの査定を加えるとか、あるいは必要な措置をとって、事前にこういう不当事項にならないように努力すべきだと思うのです。それが全体として十三件の中から四件もまとめて出てくるわけです。そういうことは、やはり努力があったとしても、なおその努力の足らざる点を思われるのじゃないか。しかしそれに対して具体的に輸入課を設けるなり、あるいはその在庫品の調書を作られるとかいう具体的な御答弁がありましたが、これは私は了承するにやぶさかではありません。そういう努力がほしいのでお尋ねしたわけですが、一体陸幕なりあるいは海幕なりからこういう要求を出されるときには、陸幕や海幕等においても、そういうこの調達実施本部で査定をするように、その中でもなお査定をする、査定をするなりあるいは研究をする。研究ということはないでしょうが、まあ査定に近いような目を通すところがあるのじゃないが、つまりチェックをしていくところがあるのかどうか。全部その要求は――これをほしいのです、ああそうかということで、すぐ調達実施本部に出して、その調達本部長に査定がまかされるのか、それとも地方々々で、地方なりその他の部署で、そういう関門が設けられておるのか、その点どうなんですか。
○国務大臣(小滝彬君) 詳細は係官から説明した方がよろしいかと思いますが、大体の筋を申しますと、各幕において一応要求書を作るわけですが、各幕僚長が責任をもってそれぞれの係の部と相談をして、それを内局の方に回してくるわけであります。内局の方におきましては経理局・装備局がこれの調整に当る。そうして調達協議会というものを設けまして、協議会といっても、別に人を使うわけではありませんが、関係官を集めまして、そこで十分協議をさせる。この調達実施本部の本来の性格は、そういう基本は内局できめて、そのきまったものを実施するという立場でありますけれども、調達本部には特に原価計算の部を設けまして、それの方からもこちらできめたものに対して意見を申し出ることもできます。そうして最終的な責任は長官がここに出席してきめるということになっておりますけれども、この調達協議会においては、調達本部の方からも意見を申し得るようにいたしておりまして、そこで内局できめましたものを長官が決裁をして、調達書というものを作って、調達本部へ指令をするという仕組みになっておるのでありますが、なお詳細につきましては経理局長あたりから説明さした方がよろしいかと思います。
○説明員(北島武雄君) 長官から大体の御説明がございましたが、さらに事務的見地から手続を申し上げますと、防衛庁の調達の機構は調達実施本部がございますが、調達実施本部は、各幕僚監部等の要求書に基いて調達するということになっておりまして、要求元と実施機関とは厳格に分れておるわけです。そこで調達を要求いたします場合には、その責任は、要求がいいかどうかという最終の責任は各幕僚監部ということになっておりますが、これを調整いたしますために、ある物資を調達したいという場合におきましては、まず予算の示達要求が経理局にございます。そこで経理局におきまして装備局に相談いたしまして、装備局にはそれぞれの担当の課がございます。そういうものを果して必要かどうか、過大購入でないかどうかというような点を検討いたしまして、それでいいということになりますと、予算が調達実施本部に示達されます。そういたしますと、いよいよ予算が実際についたのでございますから、いわゆる幕僚監部におきまして調達要求というものを調達実施本部に出します。調達実施本部は、この調達要求に基きまして予定価格を作成し、契約の相手方を選び契約する、こういう段取りになっております。
 従いまして、今度の検査院の指摘事項の中にも、中央調達につきましては防衛庁調達実施本部においてと書いてございますが、果してそういうものを買う必要があったかどうかという問題につきましては、要求元の責任であるというふうに私ども考えております。調達実施本部におきまして責任をとらなければならない部面といたしましては、たとえば予定価格の作成が悪かったとか、簡単に言えば高いものを買ったとか、契約の方法が悪いというようなこと、その検収が悪いというようなことにつきましては調達実施本部の責任なのでございます。ただいま申しましたチェックの、中央におけるチェックの機構といたしましては、私どもの経理局と装備局があるのでございますが、その点の活動は、実は昨年の夏ごろまでは、ほんとうに反省いたしますと、必ずしも満足なものとは言えなかったと思います。従来からも重要な調達につきまして、たとえば艦船とか航空機などにつきましては、そのつど各幕僚監部におきまして庁議に持ち出しまして、次長主宰の庁議の席において関係担当官が出席いたしまして、こういう調達をすべきかどうかということをきめておりましたが、ただルールとして、どの程度のものについては一々内局でチェックするかという点において実は欠ける点があったかと思います。そこで昨年の夏以降でございますが、ただいま長官からお話がありましたように、経理局に予算の示達要求がございますと、その段階におきまして装備局においてよく検討し、経理局と一緒になってその購入の是非を考えまして、そうして、もし必要であるということになりますれば予算を示達する、こういうふうにいたした次第でございまして、今後におきましては、まあ比較的これは多くのことでございますから、私どもの目が必ずしも完全に届くわけでもないと思います。従いまして、年に五千件ないし七千件というような調達の件数でございますから、中にはあとでおしかりをいただくようなものが絶無とは私ども申し上げかねますが、従来と比較いたしまして、確かに最近の調達のやり方は非常に慎重になってきた、こういうふうに考えます。昭和三十一年度におきまして、先般おしかりをこうむるようなことがございましたが、当初私どもが二百億程度の繰り越しを予定いたしておりましたのが二百三十六億となりましたのも、一つの大きな原因は、調達が非常に慎重になったということでございます。これはもちろん、昨年度における会計検査院の御指摘の結果もございますし、国会におきまする御審議により、われわれが反省した点もございます。そういう点で非常に調達が慎重になった、悪く言えば、場合によりますと憶病になった点もあると思います。各幕僚監部において要求いたします場合において憶病になったという点も、悪い面から言えばあると思います。しかし全体におきまして慎重になったということは、私ども非常にいいことだと思います。前年度に比べまして繰り越しが八億ふえたことは、非常に申しわけない次第でございますが、その結果中身につきましては、前年に比べておそらくやはりよくなっているのじゃなかろうかという気がいたします。現に昨年、今のようなチェック・システムを採用いたしましてから、中途におきましてこれは購入する必要がないのじゃないかといいまして、内局におきまして抑制した事例がございます。従来に比べますればよくなっているのじゃなかろうか、こういうふうに考えている次第でございます。
○片岡文重君 なるべく、扱う金額も多いことですから、中央においてチェックする個所を多くされて、この善意による過失もなくするように御努力願うことは私必要だと思います。せっかく御努力されているのですが、さらに御努力をほしいと思います。
 今の御答弁で、それなら別に突っ込むわけじゃないのですが、この不当事項として指摘されている三十八の方をちょっとお尋ねしたいのですが、これを見ると、これはトラクターだけでは意味をなさないことだと私は思う。結局引っ張られる方のセミトラクターの方も一緒でなければ意味はないと思うのですが、これなどはどうもあまりチェックされたものだとは考えられない。引っぱる方だけを買っておいて、そうして引っぱられる方は発注もしておらない、内示もしておられないような様子ですが、これは一体トラクターの方とトレラーの方と、注文するところが違うのかどうか、それから受け付けるところも、これは違うのかどうか、担当官でけっこうですから、お尋ねしておきます。
○説明員(小山雄二君) これは会計検査院の御指摘がありましたやり方といたしましては、やった結果から申し上げますと、きわめて手ぎわの悪いことをやったまさに事例でございます。トラクターの方は、トラクターとトレーラーを同時に供与の関係、その他の関係からいって、アンバランスを調整しつつ調達する計画にいたしておったわけでございますが、トラクターの方は、従来の使用のものそのもので改造する必要はない。トレーラーの方は、トラクターとのかみ合せの関係、あるいは道路運送車両の保安基準といいますか、道路運送法による保安基準が変りましたこと等のために、それに合わすために改造が必要だった、こういう事例だったわけであります。ところでトラクターの方の製造期間等の関係もありまして、それを先に示達を受け調達をし、納まったわけであります。その際、もちろんトレーラーの方もやるつもりでやったわけでありますが、そのころ道路構造令とか、いろいろなものの審議が建設省の方でありまして、それは、もうちょっと非常に重いものとか、非常に高いものを乗っけた場合に、トレーラーの上に乗っけた場合のその制限の問題が、建設省の方でいろいろ審議がありまして、そういうことがなければ前の規格でよかったのでありますが、ありましたために、それも同時に解決しようという、道路構造令の改正というものはまだ今実現されていないようですが、将来そういうことがあると予想されますから、それも一緒に解決しようと思って、いろいろ四苦八苦したところが、三月も押し詰まりまして、どうもそれが技術的にこなせないということになりまして、調達をやむを得ずあきらめて、まずトレーラーの方をもう一ぺん作ってみる、試作してみるということになりまして、試作だけいたしまして、契約いたしまして、その試作はもうすでにできて参りました。これをいろいろ技術試験、実用試験をやっておる段階でありまして、これができますれば、トレーラーの方の本調達を今年、もう最近やりまして、秋ころには前のトラックとつり合うような調達が実現する、こういう結果になるわけであります。トラクターは三菱日本重工でありますし、トレーラーの方は東急車輌に契約されることになっております。
○片岡文重君 どうも経過は今御説明になった通りだと思います。そこで私たちしろうとがぴんとくるのは、なぜそれならトレーラーの発注をやめたときに一緒にトラクターの発注をやめなかったのかということです。それはもっと早く改造できるというお見通しだったかもしれませんが、どうもこういう点を、ここばかりでなしに、ほかにも購入や発注に当って軽卒にやっておる点が目につくのですが、まだまだ親方日の丸というような気分が潜在しておるのじゃなかろうか。もしこれが本部長さんなりあるいは局長さんなりの自分の財産であったとしたならば、こういった注文の仕方をされるだろうかということを、私たち見たときに、自分の経営している会社の装備品であったならば、トラクターとトレーラーがなければ用をなさない場合に、一方がいつになるかわからぬというときに、たとえこれが一月、二月でできるとしても、当然私は確実につかんでからでなければ、一方の相手になるものは注文しないのじゃないか。にもかかわらず、これを一方はそのまま注文している、一方はいまだに注文することもできない状態に置かれている。これは単に善意の過失といいますか、おおらかな気持だけでは見のがせない問題じゃなかろうかと思う。あまりわかり切ったことをくどくと言うのもどうかと思いますけれども、これは何んですか、同じ会社にしかもこれは注文しておらないということになると、何か報告書によると、トラクターの方は、すでに契約をする前に発注の内示を行なっているようです。東急車輌の方に対してはその内示もしておられない。この辺にも、この注文を一方はし、一方はしないということがあるのじゃなかろうかと思うのですが、装備局長、どうなんですか。
○説明員(小山雄二君) 大体ものの性質といたしまして、トラクターに比べべますとトレーラーの方は非常に簡単なものであります。製造期間も短かうございますし、技術的にもそうむずかしい問題ではないわけであります。ただ問題はキング・ピンといいまして、つなぐところにあったわけであります。それだけなら問題は簡単だったわけですが、初め少し欲を出し過ぎまして、いろいろもっと重いものを積んだり高いものを積んだりするようなことまでも一緒に解決しようとして、車軸をふやすとか、部品の問題とか、いろいろ全部解決しようと思ってやったためにできなかったわけでございます。それでトラクターは確かに内示をいたしております。内示は、これは法律的の意味はいろいろ問題があるわけでございますが、この程度の数量の、八十台ぐらいのものを初めて発注するということになりますと、業者の方にも非常な準備投資その他の問題もありますので、たとえば現在でも航空機あるいは艦船等はこういう式のものをやっております。なるべくこういうことはやらないのが建前でございますが、そういう意味でこの内示をやったわけでございます。内示は予算が示達があったというわけで、そういうつもりだということを言ったわけであります。トレーラーの方はそれほどのこともありませんし、製造期間も短かいわけでありますので、そういう手続を初めからとるつもりはないわけであります。なお、これはメーカーは、トレーラー等は会社は東急車輌、もう一つ金鋼製作所というような会社がありますが、これは非常に設計能力が不十分だということで、あまり自分も希望しておりませんので、結局この型のトレーラーを作り得るところは東急車輌だけのように聞いております。
○国務大臣(小滝彬君) ちょっと補足して……。
 私はこの点について、ただいま装備局長が説明いたしましたけれども、本件に関しましては、私は卒直に頭を下げて行き違いがあったということを認めるものでございます。今、部局の点もお尋ねがあったけれども、装備局長はその点を濁しておりますが、これはほんとうは武器課と施設課と別々に両方が注文したようであります。私はその点について相互間の連絡が不十分、手落ちがあったと思いますので、今度の処分におきましても、その点を考えまして、これはほかと違って比較的重い罰にしておりますが、私は御指摘ごもっともだと思いまするので、こういう点については十分今後よく内局についても指示いたして、間違いのないようにいたしたい、これは確かに仰せの通り、私ども商売をやっておりますが、こんなことはやっておりません。私も経済関係を長い間取り扱っておりましたので、ぜひ今後厳重に注意していきたいと思っております。
○委員長(三浦義男君) ちょっと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
○委員長(三浦義男君) 速記をつけて。
○片岡文重君 今の率直な長官の態度ははなはだ私は了といたします。従ってこの点についてはさらに実は追及するつもりでおったのですけれども、やめます。自後このようなことのないように、一つ御努力を願いたいと思います。
 次に、精算が当を得ないということで指摘されておる福岡建設部の取り扱った問題について若干お尋ねしたいのですが、これなどもどうも私たちにははなはだ納得しがたいやり方ではなかろうかと思うのです。この点について、これはひとり防衛庁だけがけしからぬのではなくして、よく読んでみると、九州電力の方にもだいぶけしからぬことをやっておるのじゃなかろうか。この報告書を見ると、福岡建設部でこの九州電力の大分支店に契約をした工事というのは、七千百メートルの間に、三相交流三千ボルトの受電に必要な三十八平方ミリメートルの硬銅線を架設させる工事だと、こうなっておる。しかるに九電の方ではその工事をやらないで、その前に弾薬支処の弾薬庫の建設工事を請け負っておる、つまり九電以外の会社の請負工事でしょう、その請負業者が自分の工事をやるために必要な臨時的な電力の供給を受けるために二百五十万円で架設した。その送電線を、これは九電では福岡建設部に契約したものに充当しておるわけです。しかもこれは工事完成の確認を行わないで、その請求通りに精算を行なっておる。一体こういう簡単な、しかも三十八平方ミリメートル硬銅線とそれから六十平方ミリメートル送電線、こういうものは専門家が行って見ればすぐわかることだと思うのですよ、ちっとやそっとの違いじゃないのだから。しかもこれは完成の確認を行わなかったというのだから、確認というのはどの程度のことを言っておるのかわかりませんが、全然現場の検査も行なっておらぬのかどうか。これは九州電力には全然もう百パーセントの信頼をおいて、そうして工事のでき上ったときには現場を全然見ておらないのかどうか、見ておってなおかつこういうミスをやったのかどうか。なお、このあとの方を見ると、二十二平方ミリメートル線に取りかえておる。実にずさんきわまるやり方をしてると私は思うのですが、これについて防衛庁とは違った御意見を持っておられるのかどうか。
○説明員(山田誠君) お答え申し上げます。先ほどのお話では、ちょっと説明がよくわからないのですが、この工事は九州電力と三十八スクエアの電力の引き込みの保証契約をしております。それで工事が始まり、これは工事が始まると同時にやったわけですが、別に実際の弾薬庫の工事が同時に起っておるわけです。もしこの工事をやるために別に電力を引くといたしますと、約九百万円の電力の架設工事が要るということになるわけです。それで本設の電線を、約数キロ電柱を立てて参りまして、その電柱に三十八スクエア・ミリメーターの電線を張る工事なんですが、工事用のために六十スクエア要る。最初三十八スクエア・ミリメーター以外にその二十二スクエア・ミリメーターの電線を張ればいいわけです。その張る場合にどちらが安いかということで、結局六十スクエア・ミリメートルの電線を三十八スクエア・ミリメーターのかわりに架設いたしたわけでございます。竣工検査のときに私の方で九州電力と契約いたしましたのは、三十八スクエアあればいい、そうすれば必要な電力は十分供給できるということで、これは電力の供給契約でございまして、それが三十八スクエアが六十スクエアになっておるということでありまして、検査をいたしました。先ほどは検査をしてないというお話でございますが、検査はやっております。三十八スクエア以上の能力がある、十分こちらが契約しておる供給電力が十分供給できるということで、これを竣工といたしまして、これは前渡払いをして、これは供給契約ですることになっておりまして、前渡金を払いまして工事をやったんでございまして、最後に精算をする。精算額はゼロになっております。これは年度末になりましてその精算額を精算をしてしまわなければいかぬ、ここのところに多少会計法規上の認識の不足の点があったと思いますが、将来六十スクエアを三十八スクエアに必要ならば張りかえていい。これは張りかえなくても十分な、電力の供給契約は満足できるのでございますが、三十八スクエア・ミリメーターに張りかえるということを九州電力は念書を入れております。それで能力は十分あるということでゼロの精算をいたしたわけでございます。
○片岡文重君 今の御説明を伺っておると、これはいささかも不当なことはないのであって、防衛庁としては別に批難をされることはないというふうにも伺われるのですが、そういうお考えでの今の御説明ですか。
○説明員(山田誠君) 私の方といたしましては、純会計法規的に申しますと、事務的な手落ちはあると言えますけれども、特に不当という表現をされるのは(「不当だ」と呼ぶ者あり)当らないのじゃないかというふうに考えます。
○説明員(北島武雄君) ちょっと取りまとめまして経緯を若干補足させていただきます。実は検査院の御報告が、先ほど先生のおっしゃったように読めるのでございます。同会社が所定の工事をしてないのに払ったように書いてある。それから「同会社はこの工事を施行しないで」、「工事完成の確認を行わないで」と、こうある。この書き方は事実なんでございます。事実なんでございますが、先ほど先生がおとりになったようにとれるのです。実際は先ほど建設部長の説明した通りでございます。ただ会計法規的に申しますと、やはり九州電力との間におきましては三十八平方ミリメートルの硬銅線を引く契約になっております。ところがそれよりも太い線を引いておったのですから、やはり所定の契約にはなっておらないわけでございます。従って精算すべきじゃないのです。そういう意味におきまして不当でございます。会計法規上から見ればやはりちゃんと三十八になっておらなければ、契約が履行できていないのでございますから、明らかに不当なんでございます。ただこの場合の措置としては一体どういうふうにしたらいいかと申しますと、それならあと完全に三十八に直すときまでの納期を変えるか、あるいはまたずっとそのまま太いものを引いて十分間に合うのですから、かえっていいものを引いているわけですから、そのまま六十平方ミリメートルの契約に直すか、どちらかにすればよかった。ところが担当者としては三十八に頼んだのだけれども、それよりも太い線が引いてあって、安全感のある送電だ。年度末に精算しなければならないという頭がございまして、金額としては先に概算払いしておりますので、その金額と同額でございますので、年度末にゼロという精算をしております。これが会計事務手続としては不当なんでございます。これは毛頭不当でないと申し上げているわけではございません。その点一つ……。
○片岡文重君 不当ということをお認めになれば話は別ですけれども、この三十八のスクエア・メートルのものに対して六十を使っておるということは、架設の工事を請け負わしたのではなくて、要はこれはこの三千ボルトの電圧の電流を供給するという契約であったと思うのです。従ってこちらの要求する電力を供給するために、これは六十平方ミリメートルの送電線を使えば、これは会社としてはだいぶ損をするでしょうが、安全感はあるでしょうが、これは会社としては非常な損害です。けれどもそれを承知の上でやったのだから防衛庁としては損害はない。ところが必要なだけ送ってもらったのだからということでよろしい。ただしかし契約は違っておるから、その点だけであって、実質的には防衛庁には損害はない、こういうお話のようですが、それはもしその通りであるとするならば、それも認めざるを得ないでしょうけれども、会社の請求書通りに精算をする場合に、この工事の検査をやっておると言っておられるが、やったときにこの違いがあるということを認められたのかどうか、認められてなおかつこの精算払いをすべきであるということを支払官の方に要求したのかどうか、その点を一つ建設部長さんにお尋ねいたします。
○説明員(山田誠君) 竣工検査の場合には六十スクエアの電線があるということを認めております。認めておりまして、十分これで能力はあるという判断をした。そこに先ほど経理局長からもお話がございましたように、純会計法規上から申しますと、そこに誤認があったということでございます。
○片岡文重君 ちょっと大臣に一つだけお尋ねしますが、今のような場合には、防衛庁としては実質的な損害は受けられないかもしれない。しかしその前の三十三ですか、それからそのほかにもあると思うのですが、請負者の工事の不手ぎわのために防衛庁として損害を受けられる場合があると思う。そういう場合に手直しをさせるような場合には、もちろんこれは請負者の負担において手直しをされるものと思うが、その手直し以外に、たとえば油の滲出によって損耗をきたすとか、あるいは変質をきたすとか、これは三十三の場合です。そのほかにもこういう問題があると思う。この不当事項の中にもあります。こういう場合に、契約の不備によって防衛庁の方が請負者に損害を与えたような場合には、これを補償してやるということになると思うのです。逆に工事の不手ぎわによって防衛庁に損害を与えた場合には、防衛庁としては従来これを賠償せしめておったのかどうか。もちろんその契約のつど、このことについてはその契約書に記載をしていくだろうと思うのですが、もし従来そういう記載がしてあったとするならば、記載通りに行われておったのか。記載されておらなかったとしたならば、なおさらその点疑問になってくると思うのですが、その点について、長官は一体そういう場合にどういうふうにするのが妥当だとお考えになっておるか。従来の例については係官からでもけっこうです。
○国務大臣(小滝彬君) 今までの例におきましても、契約に、そういう瑕疵のあった場合に対する措置が規定してありまするし、これまでもそういう損害は賠償させておるわけであります。当然これは国費を使ってやっておる工事であり、いろいろ器材でありますから、契約の面においてもはっきりさせておかなければなりませんし、また契約にそういうふうにうたっておりまする以上は、あくまで厳正にそれを履行させるように今後もいたさなければならないと考えております。
○相澤重明君 あと質問者がまだ岩間君、大竹君もおられますし、時間もあまりないので、私は簡単に重点的にお答えを願いたいと思うのですが、最初に、これは十日の日の最初に私御質問申し上げた例の辻堂の演習場の問題について、まあ長官も私の申し上げたことを御了解願ったように私承わっておるのですけれども、中止をされることができるかどうか、端的にこれはお答え願いたいと思います。
○国務大臣(小滝彬君) 私どもは必要な施設を持ちまする際には、できるだけ地元の人のよき了解を得てやらなければ、せっかく作ってもあとで大衆の反感を買うというようなことでは、われわれの目的も達成できませんので、そのために努力しているわけであります。御指摘の件につきましては、いろいろ私どもの方で折衝してみましたが、どうもこれに対しては地元の方で受け入れられるような気持がないようでありまするので、遺憾ながら他の地点を選考するように、他の方向に向って努力を傾けざるを得ないという立場に追い込まれております。これで御了承を願いたいと思います。
○相澤重明君 大へんけっこうなことだと思うのですが、それで地元の神奈川県としては米軍との協定上の問題もありますし、今日まで努力をされたこともありますので、神奈川県に対しては防衛庁の方としてはいつごろそういう点について御通知を出していただけるものか、この点できるならば、今月のうちにとかというように、私は早急にやはり地元の人に知らせてやる必要があるだろうと思う。その親心は、私はここでできるならば明らかにしていただきたいと思う。
○国務大臣(小滝彬君) 御趣旨に沿うように措置いたしたいと考えております。
○相澤重明君 次に、この防衛庁の一般会計の中に、「日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定に基いて米国から供与された器材と予算との調整は、必ずしも円滑に行われているとは認められず」と、こういうことがここに書いてあるわけですね。そこで私は一つお尋ねをいたしたいのは、三十年度の繰り越し分が二百二十八億ですか、ある。三十一年度分についてはこの三十二年度に繰り越された額も相当私はあると思うのですが、三十二年度の繰越額は幾らだったか、おおよそのことはおわかりになっていると思っているのですが、わかりませんか。三十一年度の繰り越しか三十二年度のか全然わからないのですか。
○説明員(北島武雄君) お答えいたしますが、昭和三十一年度から三十二年度の繰越額のお尋ねでございますが、これは二百三十六億円でございます。その見込みを資料としてお手元に配付申し上げてあります。
○相澤重明君 わかりました。そこでお尋ねしたいのは、米軍のいわゆる域外調達ということで、防衛庁は新たに米国から相当多量の自動車を供与されるというように私ども聞き及んでおるのでありますが、どのくらいの自動車が米国から供与されておるのか。これは三十二年度の予算あるいは三十三年度の予算、こういうものに非常に私は大きな関係があると思うのであります。この点一つ御説明をいただきたいと思うのであります。
○説明員(小山雄二君) 現在相互防衛援助協定関係で受けております車両は今回問題になっておりますのは四分の一トン・ジープ、それから四分の三トン・ウエポン・キャリアー、それから二トン半カーゴー、この三種類のものでありますが、この三つを合せまして約一万三千両受けております。これは陸上自衛隊を中心としてあちらこちらで使っております。そのほかに日本側で調達しましたのがその三種で約一万二千でございます。そこで先方からの話し合いがありまして、この一万三千両の供与を受けたものは、これはオーバー・ホールしてもらったものでございます。しかし作ったのも相当古うございますので、これをみんな引き揚げて、そのかわり向うがMSA予算を出して域外調達をして新しく供与をしていくという話しが昨年十月ごろからありまして、いろいろこまかい点についても打ち合せいたしました上で新しいものはその三種で約九千二百でございます。その三種で九千二百両を城外調達して交換する、交換して、返すものは返し、供与を受けるものは供与を受けるということで、先般閣議の了解を得まして、軍事顧問団と防衛庁の方でサインをしまして、これからそういう仕事の準備に取りかかるという段階でございます。
○相澤重明君 今の御説明ですと、一万三千両の四分の一、四分の三、あるいは二トン半というのは、これは古くなったから引き揚げる、つまりかえるという趣旨ですね。それであとの一万二千両というのはどういうことなんですか、これもかえるということなんですか。これは新しくこれからいわゆる域外調達をするというものですか、そのうちの九千両が今供与したとか何とかいうことですか、その点はっきりしなかったのですが。
○説明員(小山雄二君) 一万二千両と申しましたのは、一万三千両もらっておったもののほかに一万二千両持っておる、国産のものを足して二万五千両持っておるということでございます。
○相澤重明君 そういたしますと、この九千二百両というのが今年度これは発注する、いわゆる新しくできて防衛庁がもらうというものですか。
○説明員(小山雄二君) 供与を受けましたのは少し、まあ台数が今の定数より余っておりまして、約二千両ばかりを補給廠に、まあ新聞にも前に出まして棚ざらしと言われたのが二千両ぐらいあります。これをまず先に返します。あとはこっちは部隊運営上きちきちになりますので、あとは向うが供与してくれたら、それに見合うものを一ヵ月二ヵ月ぐらいで返していくというようにしてやって参ります。その交換は八月ごろから始まりまして、終るのが始まりましてから約二十ヵ月、三十四年ぐらいになりますか、三十四年ぐらい、それまでずっと続いていくわけです。
○相澤重明君 そういたしますというと、今回のこの九千二百両の新たな補給ができるということは、これは今岸総理大臣がアメリカに行く場合の長期防衛計画の中に、やはりアメリカとしては日本のこういう車両というものを増強し、あるいは機能を新しくする、こういう中に含まれておるのか、これは全然防衛庁の長期防衛計画の中のは別として、ふだんの場合の、先ほどの古いものをもう取りかえるのだ、全然予算とは関係がないのだ、こういう形のものなのか、この点を一つ防衛庁長官にお尋ねをしておきたいと思うのです。
○国務大臣(小滝彬君) 向うで使いましたものをもらっておりまして、こちらに持っておるものは相当古くなっている、それを今度はこれをまあ新品にかえるわけでございますので、その限度におきましては、車は新しいほどガソリンとか、油の使用量も減りまするし、その維持に要する費用も減りますので、その意味において私どもは予算に対してはいい影響があるというように考えられるのは当然でございます。しかしこれは何も新しい防衛計画をどうするというのではなくして、従来使っていたものを新しいものにかえるというのでございますので、岸総理の渡米などとは何ら関係なく、昨年末から交渉しておったものがいよいよ実現の運びに至ったというにすぎないものであります。
○相澤重明君 この米軍の域外調達というのは、今日本の自衛隊に供与をするという、これだけのものでありますか。それとも日本の国内で生産をして他の国にも若干回るのがあるのか、こういう点については何か防衛庁ではこの関係としてお聞きになっているか、その点を。
○国務大臣(小滝彬君) この九千二百両というものは日本側が受けるものです。しかし御承知のように、アメリカ空軍は日本から部分品も相当買っており、またいろいろ他の地域に出しますものについて日本の工業力で調達し得るものについては、できるだけ日本の工業力を活用しようというようにいたしておりまするので、他にもこれが統計にも出ておりまするように、日本の外貨獲得には相当貢献していると申しますか、そういう品目が多岐にわたっておるわけでございます。
○相澤重明君 きょうは時間がありませんので、こまかい点にわたって議論、御質問ができないのは、まことに残念だと思うのでございますが、御承知のように、日本の経済も相当頭打ちになっているし、あるいはまた国内の生産過程を見るというと、かなり逼迫度化しているわけですね。そういう中に多量の防衛庁のもの、いわゆるそういうものが入るということについて、総合的な国のいわゆる企画庁等で扱うような、通産省等で扱うということもあろうと思うが、そういう点について、当然私は閣僚の一人として、防衛庁長官が防衛庁の問題と他の国内の産業との関連について相当お考えになっておるのじゃないか。しかもそういう中に今防衛庁がアメリカから要請されておるところの防衛長期計画というものは立てなければならないだろうか。こういうことを今私どもが実は一番心配しているのです。今日は防衛庁のいろいろな指摘事項について議論をしてきましたが、この一般会計の中の欄の日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定と、これに基く供与というものは、一体どういうふうに日本の国家財政の上に影響を与えるのか、防衛庁は予算だけは組んで、そしてその供与のものについてはあまり日本の国民には知らされておらない、こういうことであってはいけないのじゃないのか、こういう点もあるので、実はそういう点も含んで、長官からお答えを願いたいわけなんです。その点についてもしおわかりになっておったら概略でけっこうです、時間がありませんので、概略でけっこうですが、お答え願いたいし、できるならば、防衛庁がそういう計画を持っておったならば資料として、できるだけの資料を提出していただきたい、こう思うのです。
 これは時間がないので、私は端折って申し上げましたが、一つできるだけお答えを願いたいと思います。
○国務大臣(小滝彬君) 相澤さんの御質問の趣旨はわからないのですが、もちろん日本の防衛計画というものは、それは日本の経済に影響があります。同時にアメリカの供与物資というものも年に五百億程度、今までに三千億、日本の円で計算すると三千億円くらい。それが日本で全部供給できるものでもないし、また財政面に非常な影響がありますので、それは直ちにはできない。今後もまだ二、三年はそういう供与を受けるだろう。しかし日本ででき得るものは、日本の経済によって調達しなければならないが、しかし同時に、これは財政の規模というものともにらみ合せなければならないので、一概には申し上げられませんが、しかしどういう御趣旨か知りませんが、防衛産業というものは、私は産業の進歩にはいろいろ御議論はあるでございましょうけれども、従来も寄与した歴史があるし、事実各国で新しい技術の進歩というものは、そういうものから起ってくるといういい点もあるわけであります。しかし同時に、それの方が非常に大きくなりますと、まあどちらかといえば、生産面でなしに、その方に使えば、インフレのもとになるというような、その財源がどこからくるとか、こまかな経済面になるといろいろありますが、それが圧迫するということも考えられるかも知れません。しかし今われわれのやっております艦船にいたしましても、十分な能力がある、日本の船台を考えましてもその十分の一も使っておらない。飛行機にいたしましても、一部でありますけれども、今後の日本の東南アジアとの貿易、いろいろの面を考えると、こうした飛行機の生産を日本で一々やるということは、決して日本の工業の発達のためには悪いことではない、こういうふうに考えております。しかし圧迫のないようにしなければならない。しかし同時に、MSAによる供与品との、別にまた供与品の中にも、向うの域外調達によって、日本に供与されるものもありますが、外貨の支出が多くなって困るという現状から考えましても、こうしたアメリカ政府の支出によって買われるものが、日本で調達されるということは、私どもの立場からいえば、決して悪いことじゃない。ただそうすると、日本はそういうことの調達の基地になるのではないかという御議論は、それは相澤さんからは出るかも知れませんけれども、私は単なる経済面からみれば、これは喜ぶべきことである、こういうふうに考えるのでありまして、そういう点の資料ということになれば、私の方だけでなしに、これは通産省の方ともよく話し合いまして、今どれだけ域外調達として入っておるか、またどういうふうなものがおもなものであるかというような点は、よく話し合って、資料を差し上げてけっこうだと思います。
○相澤重明君 どうも時間がないからしり切れとんぼになって、私の質問も困るわけです。うちの方の理事もおりますけれども、四時半に防衛庁長官を帰さなければいけないということで、質問ができないわけですが、今度初めて自動車が、大量にジープとか何とかというものを域外調達するということは、そうじゃないのですか。一つの例をとってみても、こういう一万台とか、一万二千台とかという問題が出てくれば、会計検査院で指摘するように、このアメリカ合衆国と日本との相互援助協定というものの中に、そういうもの、が生かされてくれば、かなり国費との関係というものは、私はウエートを持ってくると思うのです。いま一つ、あなたが産業の問題といわれましたけれども、産業の問題でも、できるだけこれは私は国内でもちろん多く、アメリカで発注してくれるのはいいわけです、日本の産業が発達するのですから。これは新三菱にしても日本重工にしても、私はけっこうだと思いますけれども、トヨダにしても、いすずにしてもいいのだけれども、日本の国民が欲しておるものは何かといえば、戦争に対する資材というものはあまり好んでいない。むしろ中国なり、あるいは朝鮮なり、あるいはまたアジアなりとの積極的な平和産業の貿易というものを実は望んでおるわけなんだ、国民は。ところが大量にここにいわゆる軍需品というものが国内で発注さされば、今鉄鋼自体だって困っているじゃないですか、鉄鋼自体だって制限をしよという問題が出ておるでしょう。ドルがだんだん少くなって、どうして日本の経済の転換をしようということを、今自民党の幹部だって打ち合せをやっているじゃありませんか。池田蔵相が、日本の財政は、神武以来の好景気だといって、国鉄運賃の値上げをやるときにいばっていた。現在は経済の建て直しをやらなければ、四、五年でドルの手持ちはどうなってきますか。こういうことは、われわれ決算の中において、日本とアメリカとの相互援助協定の中からも出てくるけれども、それに関連して、日本経済のことを考えていかなければならない。そういう問題について、今私は相当時間をかけて、実はあなたから、長期防衛計画というものが、すでに新聞に発表されておるにもかかわらず、ただ決算だけの事務的なものしか、あなたの方では説明されておらない。そういうことをむしろわれわれは聞きたいわけなんです。そういう中で、なるほど防衛庁はたくさんの税金を扱う中に、こういうふうにわれわれとしては、実は一つ一つのことをみても、不正不当があるのじゃないか、こういう心配をわれわれにさらになくするようにしていかなければならない。こういうことは私ども国会議員の仕事だと思うのです。私は防衛庁の使ったものを、国会議員が数字だけを合せていけばいい、こういう考え方だけであっては、国会議員の価値はない。私は端的にそう思っている。そういう問題も、あるいは各省庁で使ったものについても、正しく私どもは把握して、そうしてそれをやはり適切に処理をしていくというふうに、今度は各省庁にお願いしなければいけない。これが私どもの仕事であると思うから、実は私は今質問しているわけであります。何を相澤さんが質問しているかわからぬと言うけれども、時間がないから、一つの線でしぼって申し上げたのですが、そういうことはやはり卒直にお話をいただきたい、こう思うのです。できれば、これはまあ最終的にきまっておるか、おらぬかわからぬから、話ができないと思うのですが、私は長期防衛計画というものを真剣に討議をされて、そうして岸総理大臣がアメリカへ行くのに、必ずあなたの方の案を持っていくに違いないと思う。その持っていくものを、できるならば発表してもらうということも、私は必要だと思う。それから先ほどの域外調達でもって、たくさんの自動車、ジープを発注され、すでに契約までしている、そういうことをやっておりながら、ここにおいては、実はそういう問題については、あまり私どもに知らされないような形では、私は困る。こういう点で実は質問申し上げたのですが、時間がありませんから、お答えのできるだけお答えしていただきたい。
○委員長(三浦義男君) ほかの委員の方もだいぶ質問がありますから、大体今の御質問の答弁があったら、その程度にして、ほかの委員に……。
○相澤重明君 大事なことなんです。これは、政策の議論というものは。私どもは数字を虫のように並べたものを、それをそろばんを入れるということなら、決算委員会でもって、何も国会議員が全部出てきてやる必要ないと思うので、一つの例をあげて申し上げたのです。
○国務大臣(小滝彬君) 相澤さんにお答えしますが、最初の点、域外買付けがあると、日本の経済を圧迫して貿易を悪くするようなふうにおっしゃいますけれども、それだけ多くのドルの収入になるわけなんです。日本の輸入はふえたけれども、輸出がそれに応じて伸びない、こういうところに日本の悩みがある。ところで海外の市場といものは、いろいろな関係でそういうふうになかなか思うようにいかない。輸出振興策をやっておりますけれども、思うようにいかない。国内で調達されておるいろいろな外貨の収入であって、日本の輸出と同じような効果を表わす。ところがあなたは、鋼材云々とおっしゃいましたけれども、鋼材の価額は今下っている、どちらかと言えば潤沢になっているのであります。その鋼材を入れるにも、鉄鉱石を入れるにも、粘結炭を入れるにも、外貨が日本は必要で、より多くの外貨があって資材というものも輸入できるのでありまして、しかも日本の工業力というものは、車両の生産力というものは十分にある。決して日本の産業を害するわけでもないので、私はその点においては影響があると思っております。ただ御質問の中心は防衛計画をはっきりしたらいいじゃないかという御質問だろうと思いますが、これにつきましては、明日も国防会議を開きまして、最終的に大綱だけでもきめたいと思っております。それに際しましては、すでに国防基本方針を申し上げましたように、日本の国力、国情に応じた防衛力ということをいつも考えておるのでありまして、日本の経済に悪くない、影響が悪くないように、またこの実力というものを十二分に頭において、これを検討していくつもりでございます。
○相澤重明君 私も時間がないから申し上げませんが、しかしこれは非常に議論のあるところでしょう。これは防衛庁長官がそういうふうに大みえを切られても、これはわれわれにとっては非常に議論のあるところなんです。しかもあなたが一つの例をとって、自動車をアメリカから大量に発注してもらえば、ドルがそれだけ多くなる、国民経済もよろしくなると言うけれども、それでは日本の自動車産業というものはどのような状態になっているということをあなたは知っておりますか。これは日本のジープを単価幾らで今発注して、請負いさして、日本の今自動車が幾らでできて、そして外国に売った場合には幾ら、こういうようなことをやはり経済全般について見なければ、これはあなた大みえを切るわけにはいかぬのです。これは私は非常に議論のあるところだけれども、時間がないから申し上げませんけれども、実はそういう点についても知りたかったけれども、委員長、あなたは私の質問の時間について制限をされたけれども、もう一ぺん、防衛庁の問題については質問が山ほどある、私はきょうは他の委員の質問がありますからやめますが、いずれ機会を見て、防衛庁の問題を一つ審査をやらしてもらいたい。
○大竹平八郎君 時間がございませんから、きわめて簡単に一、二点大臣にお尋ねいたしたいのでありますが、先般私が要求いたしました通り、三十年度における供与物資の実績表をいただいたのでありますが、こまかいことは、われわれは見てもわからないのでありますが、この合計総額におきまして、三十年度において実に九百三十六億一千万円と、こういうまあ膨大な数字が出ておるのでありますが、この相互防衛協定の中には、これは私は時間がございませんから、こまかく、質問はいたしませんけれども、大体その年月と申しましょうか、大体何年くらい先までこれが続いていく見込みなんですか。
○国務大臣(小滝彬君) 御承知のように、この協定に年限はございませんけれども、これはまあアメリカの国内のMSAの基本法が変るということになれば、自然それの影響ということが考えられますが、しかし私どもはこの協定の条項いかんにかかわらず、できるだけ日本は独立国として自分の方で装備をしたいという考えであります。そこで何年かの一応基本的な防衛計画というものができましたら、そのあとそれを補給していく、これを継続するというようなことについては、ぜひ日本のものでやっていきたい。ただし特別な武器類で、まだ日本でできないものもあるから、向うの協力を受けなければならない、それもただ技術的な協力だけでなしに、相当なる資金を要するものについては、ここ何年かはあるいは資金的にもアメリカのMSAの協定に基くところの協力も得たいと思っておりまするが、目途といたしましては、ここ数年間にそういうものはゼロに近いものにしなければならない、そのために努力をしなければならない。それは産業界の方でも努力してもらいたいし、われわれの方の計画においてもそれを目途としてやる、その額というものも先方も減らそうとしておるのでありますし、そういうものにたよっておってはほんとうの自力の防衛はできないので、そういう方向へ進みたいと思っております。
○大竹平八郎君 それからいま一点、この九百三十六億というのは、これはあなたの方の年度予算に匹敵する膨大な物資なんでありますが、それと三十年度の歳出予算における契約済みの繰越明細が資料として出ておるのでありますが、大体一億円以上のものが二十五件ここに出ておるのであります。私はもうすでに予算で支払ったものについて申し上げるわけでありませんけれども、これはまあ事務的にお伺いするならば、いろいろ御答弁はあると思うのでありますが、こういうように膨大な供与物資を受けておるものと、それからこの繰り越しの、これはこまかい物資の状況は書いてございませんけれども、大体私どもが想像いたしますところによると、かなり重複したものがこの中にさえあるのじゃないかと、こう考えるのであります。そういう点において、まあ今後、この間も問題になったのでありますが、この供与物資と、それから予算支出の点に対するこの物資購買という点については、これはもう格段の大臣の努力をもって善処していきませんと、非常にこの国費の乱費を来たすようなことになると思うのでありますが、これについての所信を伺いたいと思います。
○国務大臣(小滝彬君) もちろんわれわれとしては供与品ともにらみ合せまして、大体今年度はどの程度のものを期待し得るかという点は、常に接触しておりまして、それを勘案しつつ、これまでも予算を使ったのであります。なるほど同じ名目で出ているかもしれませんけれども、飛行機におきましてもF86は最初の段階においては向うからもらう。そのうち部分品は相当来るが、こっちの方で製作する。そうすれば同じF86についても、向うからの供与のものと、こっちの支出が重なったように見えるかもしれませんが、これは決して二重になっているわけではなくして、両方かみ合せて一定の総合的な力を作るというやり方でございまして、私どもとしては、そういう重複的なものが絶対にないように努力しておるつもりでございます。しかし御趣旨の点はまことにごもっともでございますので、その点は十分頭におきまして善処いたしたいと考えます。
○大竹平八郎君 いま一点別の問題でありますがお伺いいたしたいのであります。自衛隊が天災による風水害等に出動をいたしまして、そうして努力をされたことは、これは非常に地元民の感謝を受けておるわけなのでありますが、それ以外に、この天変のときでなくしても、たとえば小学校の道路が急に悪くなったとか、こういうものについて出動をするとかいうような例もかなりあるので、これはむろん特殊なブルトーザーとか、いろいろな機械も使っておるのでありますが、こういうことは、これは防衛庁といたしましては常にもうおやりになっていることを進めておるのですか。あるいは要求によってそういうものをふだんでも出動させることになっておるのでありますか。これはまたあまりに活発になり過ぎれば請負者とのいろいろな問題等もありますが、今までの地元民等の話を聞きますと、非常に好感を持たれておるわけなのでありますが、この点今後も続いてこういうものはおやりになる計画であるか。それからその際における予算というものはどういう工合になるのか、その点を一点伺いたい。
○国務大臣(小滝彬君) この災害派遣及び部外工事につきましては、自衛隊法にもはっきり規定してありまして、これは許し得ることでございます。ただこれは訓練に差しつかえるのではないか。本来自衛隊というものは侵略に対処するものだという反対論もありますけれども、私は就任の際から申しておりますように、国民の中に基盤を持たなければならない。不幸にしてまだ私どもの使命を理解していただけないというようなこともありますし、できるだけ国民生活に食い入るように、そうしてこれは行き過ぎた表現かもしれませんが、いつか社会党の同僚議員の方にも申し上げましたように、開発隊というような点は少くとも社会党もお認めになっておる。防衛というものは継続性がなければいけないので、社会党が天下をとられたときにも、これをりっぱに盛り立てていかなければならない。そういう意味におきまして、私は開発面にもできるだけ訓練に差しつかえない限り使わなければならない。災害派遣につきましては地方長官の要求に応じ、またはこちらが急を要する際には自発的に出るということも法律上許されておりますので、災害の際にはできるだけこの部隊を利用したい、そうして皆様に喜んでいただきたいと思いますので、これまでも九州とか北海道その他各地の災害発生には相当力を尽して喜ばれております。部外工事につきましては、御承知のように地方の土建業の人から議論の出るような場合もありますが、主として私どものいたしますのは、普通の土建業の人ができないようなもの、また財政上にも困っている地方公共団体の要求は相当たくさんございまして、その中の半分も三分の一も満たされないのが現状でございます。これに対しましては私は地方工作作業隊というようなものをできるだけ増設いたしまして、県に施設部隊のないようなところには配置する。できれば各県にも配置いたしまして皆さん方の御要望にこたえるようにいたしたい。しかしそれに当りましては何分われわれの予算の関係もございますので、全部私の方がガソリン代とか、汽車賃も出して行くというわけに参りませんので、その時々の事情に応じまして、地方公共団体からも費用を分担していただくというようにいたしまして、摩擦を起さないように、しかも皆に喜んでいただけるように、その点につきましては、就任以来私の個人的考え方からいたしまして、その点については努力をいたしたいと考えておるのでございます。
○岩間正男君 簡単に二、三点だけお尋ねいたします。
 先ほど弾薬のお話がありましたが、弾薬は現在二十年分もあるというのだが、しかしこれはどのくらいあれば、大体最低必要量として保持すればいいものですか。この点についてはっきりした何は立っておりましょうか。
○説明員(小山雄二君) 先ほども申しましたが、自衛隊としてどれだけ持つという規定はまだ作っておりません。アメリカ式に計算しますと、おそらく四十万トンくらいじゃないかと思います。
○岩間正男君 現在不足しているわけですか。二十年分現在の何でやっていけば。
○説明員(小山雄二君) 先ほど申し上げましたが、レーシック・ロードといって、まず部隊が持つ。それからコンバット・リザーブと申しまして、昔で言えば輜重兵が持つ。そのほかに戦闘九十日分持つというのが向うの規定でございます。それで計算しますとおそらく四十万トンくらいになると思います。
○岩間正男君 大体弾薬というやつは、性能が、あまり年が過ぎたらこれは工合が悪くなるだろうと思いますが、これは何年くらい耐久の何があるわけですか、性能は。簡単に言って下さい。
○説明員(小山雄二君) ものによって非常に違います。一概に言えません。発射薬等は先ほど申しましたように別で、これはわずかしか持っておりません。本体のものは相当もっと思います。
○岩間正男君 現在弾薬の国産はどれくらいなんですか。
○説明員(小山雄二君) 防衛庁はこれまで従来全然買っておりません。特需で培養されまして、今特需の発注は全然ありませんが、おそらく能力は年間五万トンくらい……。
○岩間正男君 これでもらった資料によりますと、これは吉井弾薬補給所第一回土木工事、こういうような工事がなされておって、一回、二回に対して予算が、これは一億二千万円ばかり組まれているわけです。そここ限定してお伺いしますがどの工事の場合に、これはどれくらいの建坪で、それでどれくらい保管することができるのですか。この工事場では……。
○説明員(山田誠君) 弾薬庫の構造でございますが、弾薬庫は隧道式の構造になっております。
○岩間正男君 それで、この場合、これだけの工事費を要した弾薬の補給所、これはどれくらいたくわえることができるのですか。この際、この吉井の一回、二回によって作られた格納所というのはどれくらい、何トンくらいの格納ができるのですか。
○委員長(三浦義男君) 長官の時間もきましたから……、長官はよろしいですか。
○岩間正男君 それはわかりますか。それと関連するのです。
○委員長(三浦義男君) 長官と関連するのですか、それじゃ早く関連さして下さい。
○岩間正男君 返答がおそいのです。早く返答をやって下さい。(笑声)早くやって下さい、時間がなくなるから。
○説明員(山田誠君) 一つの穴が、やはり穴の大ききにもよりますけれども、約百トンくらい入れるようになっております。それが……、
○岩間正男君 時間がないのでお聞きするんだが、私はこの吉井の一回、二回の一億二千万円要した工事によって、どれくらいの弾薬量をここに保管できるかと、こう聞いているのですが、わからんですか、これは。
○説明員(山田誠君) はっきりした数字がわかりませんですが、約三千トン程度だと思います。
○岩間正男君 三千トンということになりますと、現在十二万トン何がしあるわけですが、こういう工事場はどれくらい要るわけですか、格納する場所が。四百ヵ所ですか、そうすると、これに要する工事費を大体私は推計したのだけれども、約五百億くらいの工事費が要るのじゃないか、どうですか、そういう計算になりませんか。大体われわれはしろうとだから、詳しいことは、つまりわれわれこれを見ていて非常に疑問に思ったのは、とにかく二十年分の火薬をもらって、弾薬をもらって、そのためにこれは保管しなければならないのだ。ところがこれは一体日本の軍隊がいざというときに使うということになっておるが、日本の軍隊だけが使うのかどうかわからない。過剰生産されている火薬は、そうするとアメリカのものをMSAでもらって、しかもこれを保管するためにこれらの格納場所を作らなければならない。それだけではない。保管のためにいろいろな費用が要るだろうと思う。弾薬だけでなく、ほかのものがたくさんあるだろうと思うのですが、こういうことによってMSAの供与というものは実際は日本の経済を相当圧迫しているのではないか。さっきの相澤君の話ではないが、こういうような関係で関係があると思いますが、このような過剰な二十年分の火薬をもらうという形で、無制限に、こっちは全く自主的なこっちの判断によってもらわないという形で、実際はこれは国民の負担ということに転嫁されている問題が出ておる。はっきりこういう点について防衛庁長官はどういうふうに考えられるか。こういう点が私の質問です。
○国務大臣(小滝彬君) まじめな態度で質問していただきたいと思います。私はですね、この格納してあるものは、よその軍隊によって使われるものとは考えられません。よその軍隊はよその軍隊で備蓄を持っている。そしてこの算術的に言えば、かりに三千トンを入れるのに、一億かりにかかったとすれば、十二万トンは三千の十倍が三万トンでしょう。そうすると四十倍でしょう。そうすると四十億要るでしょう。四十億要るということになるけれども、しかし大部分は野積みになっておるようであって、野積みにしても差しつかえない砲弾もあるので、あなたのおっしやるような計算で五百億に、かりに算術的にやっても五百億になりません。それから同時に貯蔵すれば貯蔵の費用もかかるでありましょう。しかし私どもは岩間君とは違った考え方を持っておるんで、世界の情勢というものがよくても、あるいはどういうことがあるかもしれない。やはりそれぞれの国民は自衛力を持っている。万一のときに、家は焼けないかもしれないけれども保険料を払うように、保険的な措置もとらなければならないという立場をとっておるんで、岩間委員と幾ら議論しても一致点は見出し得ないかもしれませんが、私の見解は今申し上げた通りであります。
○岩間正男君 私の数学ですが、これは不十分だと、これは時間を急がしたんで五百億は間違いだったかもしれない。あなたの方は余裕があって数学を計算されたが。私の問題にしておるのはたとえば二十年分の火薬というような大量の火薬があることによって、この保管のためにもわれわれの国費は使われておる。四十億とあなたは簡単に言われるけれども、私の五百億はかりに間違っていたかもしれませんけれども、四十億という金は簡単に言える金ではない。もっとも防衛隊の一千何百億の金から言えば四十億の金なんて何でもない。これはつまみ金だとおっしゃればこれは別でありますが、こういうような形においてこれは保管させられておるわけですね。もう一つは、これは米軍が使うか使わないかという問題については、今にわかに判定はできない。これは行政協定の立場から見ても緊急事態ということがある。私は緊急事態について言っておるのであって、何もこれはふまじめな立場から言っておるのではない。従ってこれはあなたと意見が違うとか何とかということではなくして、事実の問題として、このような過剰生産によってできたところの物資が、日本の方にどんどん、先ほどからもありましたように中古機械とかそれからなかなか入って来ても、どうも使えないようなそういうものが押しつけられて来ておるということについて、国民の負担が、さらに国費がここに浪費されておるという関係について私は問題にしておる。ここの点は議論は時間の関係からやめますが、第二にお伺いしたいのは、これは長官にお聞きします。先ほどの今年度の自衛隊の募集がなかなかうまくいかない、こういうことが読売新聞にけさほど出されました。これについて高田委員から質問があったのですが、あなたは経済の原因によるものだと、こういうことを言われた。しかしこのことは非常に重大な問題なんです。事実はそうでしょう、ところが、こういうことはどういうことになるか、好況の時代にはこれは自衛隊に応募する者はない、反対に不況になってきて農村が非常に苦しくなってくる、都会も苦しくなってくる、労働者もあり余る、こういう形の中では募集が楽楽とやられる。そうすると、私はこの自衛隊の性格というものは、非常に不況なときに苦しくて食えないから、やむを得ず仕方なしにという形でこれは入ってきたということは、はっきりしたと思う。この点はあなたはお認めにならなければならないと思う。経済によって左右されるということが言われる限りはそうでしょう、好況だからなかなか募集難だ、こういうことをあなたは、はしなくもおっしゃった、うっかりおっしゃったかもしれないけれども、非常に重大なことだと思う。自衛隊の性格は、そのような形で、日本の貧困、国民生活の窮乏の中からそのような人的資源を求めているということを、はしなくもこの言葉というものは明確にしていると思う。あなたの見解を伺いたい。
○国務大臣(小滝彬君) 私は事実を率直に認めたものでありまして、こういう経済の影響というものは、いろいろな産業部門、あるいは職業部門に起るものでありまして、これは私ども率直に認めて対処しなければならない。そこで私どもは、一つ国民の国防意識も大いに高揚せしめるような措置もとらなければならぬと思っておるのでありまして、私は今の状態がいいとは申しませんが、しかし実情を申しますると、さっきも高田さんにお答えしましたように、なるほどわれわれが努力目標として募集して、採用すべき者の五倍程度をねらっているのに対しては少いけれども、しかし大体本年度も三倍程度は応募者があるだろうと思います。そうなれば、非常にたくさん過ぎて、それをみんな落第にさせるよりも、大体三倍程度は特に悪いというほどのものでないので、私どもはそういうところを目標にいたしまして、できるだけりっぱな青年諸君に入っていただくように、もちろん内部のことも整えなければなりませんが、募集のことについても努力したい、そして庁の諸君の御協力を得たい、そういう方針で進んでおります。
○岩間正男君 とにかくいい悪いの問題ではなくて、事実は事実、あなたの言われた通りだと思うので、あなたの言われた事実を指摘された言葉の中に、はっきりやはり自衛隊の性格が出ていると思う。これに対して私は見解をただしたわけであります。好況の時代にこれはどんどん応募がふえるような自衛隊であればいいのかもしれないけれども、そういうことになってない。不況な時代に食えなくなって、二、三男があり余って、そしてやむを得ず、好況なら別の方向にいくのだ、しかし仕方がないから自衛隊にいくのだ。私は現に埼玉県、あるいは茨城県あたりの農村の青年に実際聞いている、話です。あそこで農地の開墾をどんどんやりたい、それができなければ仕方がない、自衛隊か開墾かということは、これは非常にあの辺で問題になっている。そういうふうな実情がはしなくもこれは語られたと思うのです。もう一つ最後にお伺いしますが、三日間の委員会を通じて感じたことでありますが、会計検査院の方の見解をお聞きしたいのでありますが、この現在の防衛庁の予算執行の面に当りましては、十分にあなたたちはメスを入れて、検査を厳密にしかも、ほんとうに手の届くところまでやることができるような態勢になっているのかどうか。ことに私はお聞きしたいのは、私が昨日質問いたしました軍工場におきまして、まあ軍工場という名前ではいまだ呼んでおりませんけれども、防衛産業というそのような工場の中で、機密保持というようなことがすでに行われておる。こういうようなところにおいて、あなた方は立ち入ってそのようなところまで検査することができる態勢にあるのかどうか。どうも三日間の審議を通じまして、検査官の指摘というものはどうも事実に反するとか、あるいはあなた方は少しも間違いがないのに、どうも不当事項をこれは指摘しているのじゃないかというようなことを強調された印象が、われわれの頭にあるわけなんです。従って、そういうことでは検査官の仕事を完全に果すことができない。従ってこれに対する会計検査官の実情はどうなっているのかということをお伺いして、また防衛庁長官にこの点についてただしたいと思います。
○説明員(保岡豊君) ただいまのところ機密であるということで検査を拒否されたことはございません。
 それから、軍と申しますといけませんが、今の防衛庁の発注している工場に監理官がおります。その監理官のところに行きまして検査することもございます。そのときに今言われましたその社内規則というようなことも、今の三十年度までにはまだありませんでございます、私、聞いておりません。今度出てくるかと思います。そういうこともあるいは検査の途上におきましてあるかもしれません。
 それから最後に、非常に事実と反するというようなことを、印象を与えたとおっしゃいますけれども、事実は決して間違いはないと思います。それは、われわれは証拠帳簿なり、提出されている書類なり、また向うの言われたことの記録なり、みんなそれに基いてやっております。それを照会を発しまして回答を得ております。回答にも私の申しましたことがちゃんと書いてございます。回答とここに政府の説明書としてあるものが違っておる場合があるのです。これは前にも申しました。それは回答が違っているということで御説明がある場合があります。しかし回答だけでわれわれはこの検査報告は作成しておりません。回答がこうあっても、こういうふうに考えたらどういうことになるだろうか、反対のことを言ってみろということで、反対の意見を言わせまして、防衛庁ならこういうことも言うじゃないかということを、あらゆることを言わせまして、この検査報告を作成しておるわけであります。考え方はそれは違うかもしれませんが、事実に関する限りは間違いないと私は思っております。
○岩間正男君 今お聞きしまして、今までのところ、検査の執行のためにいろいろな制限とか、そういうような圧力というものはなかったというようなことがお話になったわけでありますが、とにかく私たち心配しておりますのは、防衛分担金の会計検査院の監査に当っては、実際これはなかなかこれがメスが届かないところがずいぶん出ているだろう、そういうような一つの理由の中には、ともするというと、末端の方では軍紀保護のためにこれは扱われちゃ工合が悪い、こういうことでお前たちの干渉を受けられないというようなことが行われている事実についても、私たちは耳にしている。従って軍紀保護というような形で社内立法などということが現実に行われるようなことができてきた現在におきまして、今後検査官の一つの権限行使が制限され、圧迫されるという事態が起るとすれば、非常にこれは重大問題だと思います。従いまして、この点について防衛庁長官はどのような見解を持っておられるか、検査官の権能行使に対するどのような保証をはっきり確立する考えをお持ちになるか。これは非常に重要です。あなたは国務大臣の立場に立ちまして、国政全般の面からこの点について御答弁を願いたい。これは私の最後の質問です。
○国務大臣(小滝彬君) 社内規則などとか、会計検査院を拘束する力のないことは、もう岩間君十分御承知のはずであります。法律がすべてそういう行動の保証をいたしております。
○委員長(三浦義男君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
○委員長(三浦義男君) 速記を入れて。
 ほかに御質疑はございませんか。御質疑はないと認めます。ではこれをもって防衛庁の今回の部の検査報告批難事項第三十三号から第四十八号までの質疑は一応終了したものとすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○久保等君 項目まで全部あげられて、一応今回終了したという形になると、ちょっと……、昨日特に問題になった検査報告書の四十四号等の問題については、当決算委員会としてもある程度結論的な明確なものを出す必要があると思いますし、資料もまだ十分に提出せられておらない状態ですから、私はこの問題等については、でき得る限り早く適当な機会に決算委員会で審査をお願いしたいと思っておるのです。そういうことを含めて、この閉会中における、この六月における審査は一応この程度で終了するということであるならば、私了承したいのです。
○委員長(三浦義男君) 今の久保委員の発言の通り、皆様それで御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(三浦義男君) 異議ないと認めまして、さよう決定いたします。本日で今週の決算委員会を終了いたします。
 それでは、これをもって委員会を散会いたします。
   午後四時五十四分散会