第026回国会 文教委員会 第8号
昭和三十二年三月五日(火曜日)
   午前十時三十四分開会
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  委員の異動
本日委員森田豊壽君辞任につき、その
補欠として佐野廣君を議長において指
名した。
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 出席者は左の通り。
   委員長     岡  三郎君
   理事
           有馬 英二君
           矢嶋 三義君
           常岡 一郎君
   委員
           川口爲之助君
           佐野  廣君
           関根 久藏君
           林田 正治君
           吉田 萬次君
           安部 清美君
           高田なほ子君
           松澤 靖介君
           松永 忠二君
           湯山  勇君
           加賀山之雄君
  政府委員
   文部省監理局長 小林 行雄君
   厚生省公衆衛生
   局環境衛生部長 楠本 正康君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       工楽 英司君
  参考人
   読売新聞社編集
   局次長     高木 健夫君
   評  論  家 神崎  清君
   鳩森小学校校長 吉川 芳次君
   鳩森小学校PT
   A会長     北川 忠二君
   東京都旅館組合
   連合会副会長  牧野 鱗祥君
   東京都建設局長 藤本勝満露君
   渋谷区教育長  幸田  勝君
   渋谷保健所長  田島助太郎君
   渋谷区建築課長 小山 秀吉君
   東京都教育長  本島  寛君
   東京都建築局指
   導部長     大河原春雄君
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  本日の会議に付した案件
○教育、文化及び学術に関する調査の件
 (教育環境の浄化に関する件)
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○委員長(岡三郎君) これより文教委員会を開会いたします。
 委員の異動について報告いたします。本日森田豊壽君が委員を辞任され、その補欠として佐野廣君が選任されました。以上であります。
○委員長(岡三郎君) お諮りいたしますが、すでに決定をみました参考人のうち、東京都建築局長中井新一郎君が都合により出席できなくなりましたので、そのかわりとして東京都建築局指導部長大河原春雄君に、参考人として出席を求めることにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡三郎君) 御異議ないと認めます。
 本日は教育環境浄化に関し、特に渋谷区鳩森小学校問題を中、心として、参考人の方々から御意見をお聞かせいただくわけでありますが、その前に一言ごあいさつを申し上げます。
 先般鳩森小学校周辺におきまして、いわゆる温泉旅館等が乱立をし、それが子弟の教育上に非常に困る状態になってきて、学校並びにPTA等の方々が浄化のための強力なる運動を展開しておるというニュースが新聞紙上に出たのであります。本委員会といたしましては、特に売春防止法施行後の問題等も勘案いたしまして、学校周辺の環境を浄化するということは緊急の問題であるとの委員会の話し合いの結果、二月二十二日に鳩森小学校周辺の実態を調査いたしたのであります。この結果といたしまして、委員会といたしましては至急に何らかの具体的措置を考える必要があるのではないか等の意見もありまして、本日ここに参考人をお呼びいたしまして、それらについての参考意見をお聞きするということになったのであります。
 午前中には読売新聞社編集局次長の高木健夫君、評論家の神崎清君、お二方に御意見をお述べ願いたいと思うわけであります。
 以上をもって簡単なごあいさつにかえます。
 進行の方法として、まずそれぞれ二十分程度で御意見を述べていただき、その後一括して質疑を行うことにいたします。
 まず、高木健夫君よりお願いいたします。
○参考人(高木健夫君) 鳩森小学校の問題なんですけれども、私は別にこれを特別に調査して、特別の興味あるいは関心をもってやっているという、そういう専門的な立場ではございませんので、これから申し上げますことが果して皆様方の御参考になりますかどうか非常に危ぶんでいる次第であります。しかしこういう問題が、まあ国会の良識、政治の良識の府である参議院でお取り上げになったということに対しましては、非常に心からありがたいことだと思い、敬意を表します。
 この鳩森小学校の問題を一番最初聞きましたのは渋谷の環境対策協議会という団体がございまして、同じところに住んでいるものですから引っ張り出されまして、そうして意見はどうかということを聞かれ、そのときに初めて鳩森小学校の周辺の問題が非常にPTAのお父さんお母さんたちの心配の種になっているということを伺ったんであります。そのときに初めて知ったんでありまして、それまではほんとうは何にも知らなかったわけです。で、その鳩森小学校の周辺の状況がどうであるかということは、まあ新聞でも報道されましたし、皆様も御調査になられてよく御存じだろうと思いますので省略いたしますが、まずあの辺の旅館の状態、これはやはり学校がなくとも非常に特徴的な旅館の集まり方ではないかと思うのであります。あの辺の方々の話を聞きますと、千駄ケ谷は第二の玉の井であるというふうなことを言っておるようであります。それからまた千駄ケ谷というと、これは東京だけでなしに、あるいは案外東京の者が知らないで、地方の人たちが千駄ケ谷というと、にやりとして変な顔をするというくらいに非常に有名になっているんだそうであります。
 そこで私は非常に心配いたしますのは、これはこの皆様方がお作りになられました売春防止法が、もう一月あとには実施ということになりますんですが、そういたしますと、いわゆる転向した業者、あるいは偽装転向の業者というのが、あの辺にまた流れ出して来るんではないかという心配があるわけであります。そこで、これは干駄ケ谷とは限らないんですけれども、東京都内の至る所に今までの赤線地帯の者が流れていって、そして赤線ならぬ業態で実質は赤線的な営業をやるということになったら、これは売春防止法が何にもならなくなるんではないかというふうな心配も出てくるわけであります。
 で、実際にあの鳩森小学校の父兄たちの気持になりますと、できるんならば一日でも早くよそのもっと教育環境のよい所へ引っ越して、そうしてそこで子供を教育したいという切実な気持を持っていらっしゃるようでありますが、今は、そう急に簡単に引っ越しはできませんので、あの辺の環境をよくするために運動をしなければならないということになっているようであります。それでも、ちょっと数字を持って参りませんですけれども、去年からことしにかけて、一学級一人平均で四十何人かの転校者が出ているようであります。これは父兄といたしましても大へんなことですが、子供としましても、学校を転校して新しい学校へ行き直すということは容易でないと思うんですが、それをなおかつやらなければ子供の教育ができないというふうな状態にあの辺がなっている、これは非常に重大だと思うのであります。
 それからもう一つは、ちょうど鳩森の問題がいかに今の東京の特異の現象であるかのごとく、あるいは全国にもたぐいまれなる一つの例であるかのように報道をされた――と申しますと、私たちの責任になるんでありますけれども、そういうふうな形で提出されておりますけれども、こういう状態は、大なり小なりやっぱり全国の各都市に似たような形であるんではないかと思うのであります。おそらく、この委員会でお取り上げになった趣旨も、ただ東京の千駄ケ谷の鳩森の小学校ということだけでなしに、全国的な問題としてお取り上げになったんだろうと拝察いたしますが、そうでないと、嶋森のためにあそこだけをきれいにするということだけでは何にもならないんではないかというふうな気がいたします。で、環境対策協議会のときも、PTAのお母様方にお話したんですが、鳩森だけをきれいにするという運動も一番最初としては必要かもしれないけれども、これはやっぱり全国の似たような環境にある子供たちを悪い環境から守るというふうな含みで運動をお続けになった方がいいんではないですかということを申し上げたんです。しかし、あの辺のPTAのお母様たちは非常に興奮していらっしゃいまして、私がそういうことを申しますと、なまぬるいことを言ってはいけないといって、しかられたんであります。その気持はよくわかるんでありますけれども、やっぱり大局的な立場から、ああいうふうな子供の悪い環境をよくする、そういうことに向っていきたいと思うのであります。
 それでは、どういうふうにしたらよくなるかということなんですが、これはどうしても、やっぱり法律の力によるほかはないような気がいたします。あそこのPTAの運動も一応の限界にきておるようでありますし、これからどうしてよいかわからないというような形で、足踏みしているような傾向も見えないわけではないんであります。で、この法律でありますけれども、今私たちは児童憲章という非常にりっぱな憲章を持っているわけであります。あの児童憲章を見ますと、非常にりっぱなものでありまして、これがこの通りでも、あるいはその半分ぐらいでも実行されていたならば、日本の子供たちは非常に幸福ではないかと思うような条文に満たされているわけです。そして、前文にも、それから第九条か何かにも、一番重視してうたってあるのは何であるかといいますと、子供はよい環境の中で育てられなければならないと、こういう意味なんです。それが、前文と、うしろの第何条かで繰り返し述べられているということは、児童憲章が子供を教育する環境をどんなに重く見ているかというしるしではないかと思います。ところが、現実にはどうかと申しますと、鳩森の例にも見られますし、そのほかの都市の赤線区域の周辺の学校にも見られるように、児童憲章の一番大事な、よい環境で子供を育てるということが一つも行われていない。行われていないのみならず、児童憲章の精神がそこで踏みにじられているという現実があるわけであります。これはどうしても守らなければならない。そうしますと、この児童憲章の裏打ちになるような法律がやっぱり必要ではないかと思うのです。現行の法律でも、これをきちんとやれば大丈夫行けると思うのですけれども、たとえば旅館業法なんかを見ましても、ちゃんとした規定があります。実際には畳二枚くらいの部屋がたくさんあるような旅館が存在していたりする。二畳でも宿泊することが不可能ではないと思いますけれども、大体私たち日本人の通念といたしましては、二畳の、床の間もなんにもない所にただ寝るだけというふうな旅館は、かなり変態な旅館ではないかいと思ます。それで旅館業法の改正もお取り上げになっていると思いますけれども、これと、それからもう一つは、やっぱり学校の環境をよくするための法律と申しますか、学校を中心として何メートルかの間には旅館とか料理屋とかそういう風俗営業をやらないという規定、これはぜひほしいと思うのであります。そういうことも渋谷の鳩森のPTAでお話しましたところが、そんなことをしたってだめだ、そこの周辺のいわゆる子供が通学する所へみんな旅館が立ち並んだらどうしますか、というふうなことで突っ込まれたのでありますけれども、これは、現実に子供が困っているというそういう追い込められたところにあるPTAの方々の御意見としてはもっともだと思いますけれども、しかし、最小限度どうしても小学校、中学校のまわりは風俗営業を禁止するというはっきりしたものがほしいと思うのです。そこで初めて児童憲章の第一歩の地固めがそこから始まるのではないかというふうに思います。あそこの小学校の子供のいろいろな実例がありますが、校務主任のお話を聞いておりますと、子供の表情がほかの学校の子供の表情と非常に違うというのです。子供というのは非常に無邪気なものですけれども、あそこは無邪気でなくて、有邪気になっている。どんなふうに有邪気になっているかといいますと、思ったことを言わない。表情が非常に暗くなっている。何かゆがめられている。それはそうでしょう。学校の行き帰りにいろいろなものを見――いろいろなものというのは、その風俗営業の温泉マーク関係の出入りする風俗ですね、そういうものを見、あるいはそういう人たちに旅館の案内を頼まれたり、それから学校の校庭の表門から自動車が入って来てそこで方向転換をしてアベックを乗せて出て行くというふうなものを見る。その他いろいろなものを見て、そうして家へ帰って何となく言う。そうすると、観たちにたしなめられる。先生にはしかられる。というと、こういうことはおとなはやっているけれども、自分たちがそれを口にするとしかられるのかというふうなことで、非常にゆがんだ童心のままで子供が暗い表情をしている、こういうのであります。そういうのを聞きますと、やはりどうしても小学校のまわりにはそういうものは置きたくない。そういうものがあって、そうして子供を暗くしていくようでは、これは修身を復活しても、道徳教育をやっても何もならない。むしろかえって逆効果じゃないかと思うのです。まあ修身を復活するとか、道徳教育とかということは、子供の環境をきれいにしていくということによって、むしろそういうものをやらなくとも、そういうふうな教育の実績が上るのではないかとさえ思われるわけであります。大体子供を大事にする、これは新興国なんかへ行ってみますと、そうなんですけれども、子供を大事にする国の国力は非常に隆々として強い。たとえば中共なんかもそうでありますけれども、非常に子供を大事にする、むしろけんかをしても、あばれてもほうっておくという形に見えるくらいに子供を伸び伸びと育てていく、こういうことはやっぱり国のこの次の力を養う非常に大事な政治の方向ではないかと考えるわけであります。私はこういう方面は全然しろうとなので常識論になりましたけれども、こういうことぐらいしか考えておりませんので、以上のことを申し上げた次第であります。
○委員長(岡三郎君) まことにありがとうございました。
 それでは次に神崎清君にお願いいたします。
○参考人(神崎清君) 御紹介いただきました日本こどもを守る会の神崎であります。今から七年前の昭和二十五年の十一月、ちょうど池上特飲街の問題が当参議院の文教、建設、地方行政合同委員会で取り上げられましたときに、私も公述人の一人としてお招きを受けて意見を述べる機会を与えられたのでございますが、この池上事件の直後、文部省は学校環境の維持に関する次官通達を出したことを覚えておりますが、しかし文部省の役人が机の上で書いた通達がほとんど何の役にも立っていない。子供の教育環境は悪化の一途をたどるばかりでありまして、温泉旅館に取り囲まれた鳩森小学校の問題で今日またお招きを受けまして、学校環境を守るための具体的な手段が何ら講じられていなかったことを痛感する次第でございます。これは歴代の文相が日教組対策などと称して政治活動に首を突っ込んで、きわめて大切な学校環境対策をなおざりにしてきた結果でありまして、文部当局は単に一片の通牒で事足りるとせずに、文教政策のあり方の根本について深刻な反省をしていただきたいと思います。池上特飲街の問題が起きましたときに、地元PTAが文部省、厚生省、東京都、警視庁、あらゆるお役所にお百度を踏んで陳情嘆願したのでございますが、法の盲点である、お気の毒だがいたし方がないという返事しか与えられなかった。私は義によって助太刀に乗り出しました。幸い世論の支持を得、当参議院文教委員会の格別の御尽力によりまして業者はそれほどまでに皆さんが反対なさるならば、しいてあの場所で商売をしようとは思わない。つまり法律が禁止したのではなくて、業者の営業意図の放棄という形でようやく解決することができたのでございます。あとでわかったことですが、法律に決して盲点はなかったのであります。役人が法律上許可すべからざるものを業者に許可していたのであります。池上小学校の一帯は都市計画法上の住居地域でありまして、風俗営業、カフエの建物などは建てることができないのであります。都知事が住居の安寧を害するおそれがないと認めた場合でも、建設審議会にかけて、その同意がなければ許可できない、そういう仕組みになうているのでありますが、それを都建築局の役人が、今は住居地区であるけれども、将来商業地区になるという見込みで、業者の便宜をはかって、勝手に許可を与えたということがわかったのであります。そのために大田区役所の建築課から役人のなわつきを出しましたが、明らかにこれは都政腐敗の産物であります。それを文部省でも警視庁でも、法の盲点だから仕方がないということで、役人の脱法行為というもの、業者の不正侵略を結果において擁護するような立場をとっていたのであります。当時の国警の幹部が、違法だとわかっていたけれども、ほかの役所のすることに口出しできないと申しておりました。私は役人の脱法、怠慢、なれ合いのために神聖な学校環境が破壊され、日本の子供が犠牲になることを許すことは断じてできないのであります。池上問題に現われた教育上の重大な危機を救ったのは文部省ではなくて、東京都でもなくて、PTAを支持した世論の力であり、参議院の方々の強い政治力であったと申し上げたいのであります。
 さて本論に入りまして、鳩森問題でございますが、第一にいわゆる温泉マーク旅館の実態、第二に子供への悪影響、三番目に法律的な対策、四番目に現実的な対策、五番目に学校環境整備の必要性、六番目に環境浄化と教師の努力。時間の許す限り意見を開陳させていただきたいと思います。
 この渋谷保健所管内には道玄坂を中心として百二十軒の旅館、千駄ケ谷、原宿・代々木百十四軒、合計二百三十四軒の旅館がございます。このことに関しましては午後関係者の方々から詳しく御説明があるかと思い、省略いたしますが、いわゆる温泉旅館、郊外旅館ともいわれ、さかさくらげともいわれておりますが、これは普通の旅館と違う。私どもが考えている旅館、旅館業法にいう旅館は、利用者に宿泊と飲食の便宜を提供する半ば非常に公共性の強い業務であり、また普通家庭の延長というふうにいわれております。けれども、この温泉旅館は、主として結婚外性交に寝室を提供する営利施設でありまして、家庭の延長どころか、家庭破壊の原因を製造するところでございます。旅館の形はしているけれども、内容はまるで違う。問題はこの旅館でないもの、つまり旅館業法の目的に逸脱したものに厚生省、保健所がなぜ旅館の看板を与えているかということでございます。この温泉マーク旅館には二種類ございまして、売春旅館、それからアベック旅館に大別されます。この売春旅館は多いのは連れ込み、これは売春の場所提供でございまして、まあたとえば街娼が街でひろったお客を連れ込んでくる、それから芸者が待合へ行くかわりに検番を休みにしてお客と直接取引をして、この旅館へ泊る、これは検番の手数料が省略される、税金が安くなるというような関係で芸者が利用しておりますし、また遠出のときにも俗な言葉でしけ込むという現象が見られるわけであります。同じように赤線の女給もまたときどきこの遠出料を納めてお客と遊びにくることがあり、また自由な立場で泊りにくることがある。これは温泉マークでときどき自殺とか、心中がありまして、そのために身元がわかってくるのでございます。そのときにキャバレーの女給、あるいは料理屋の女中、これがお客をくわえ込んでくる、完全売春でございます。
 その次が呼び上げ、アメリカではやっているコール・ガールとも言っておりますけれども、お客の注文で電話連絡でもって置屋とか未亡人クラブ、結婚媒介所、アルバイト女学生、そういうのを呼び上げて、これは婦女あっせん、場所提供を兼ねたものでございます。
 その次が置玉と申しまして、これは婦女管理、旅館にいる女中に客をとらせる、これはポン引きとか、あるいは運転手がお客を連れて参りまして、それに対しておとしとか、割りとか申し、おとし前、リベートを与えているわけであります。
 四番目は総合経営、これは同一資本のものが料理屋と旅館を別々に経営している、その料理屋の女中がお客を連れて、同じ主人の経営している宿屋に泊りにくる、利益率も高いし、安全率も高い。今後こういう形態がふえてくるのじゃないかと思われますが、その内容は芸者の泊る料亭、赤線、青線と大差のない売春的施設でありまして、これに対する法的処置は東京におきましては売春等が処罰条例、それから近く来年の四月から全面的に適用される売春防止法がございます。
 しかしながら鳩森周辺の温泉マーク旅館、温泉マークは組合の申し合せで撤去されておりまするが、大部分がアベック旅館であります。戦争前、東京の向島に出会い茶屋というものがございました。大阪へ参りますと生魂神社の付近にボンヤという、これはおたな者の番頭とか女中の密会する場所がございましたが、戦後性道徳の混乱から結婚外性交の増加に伴って大へんな流行の現象をみたのでございますが、このアベック旅館で行われているのは、売春類似行為、これは重役、課長クラスが若い女の事務員を連れてくる、これは金力、権力をもって自己の支配下にある若い女性をもてあそぶ憎むべき性犯罪でございますが、しかし最近では若い娘の方から地位が得たい、また小づかい、がほしい、オーバーやハンドバックが作りたいというので、妻子のある上役にみずから進んで接近していく、そういう事実があるということも否定できないのであります。
 その次が姦通、それから自由恋愛、桃色遊戯、これは青少年の集団乱交、これは千駄ケ谷のような高級なアベック旅館ではなくて、三畳二百円か三百円で泊れるドヤ街の簡易旅館のようなところに多いのでございますが、そういった結婚外性交の寝室提供の業務、この中で自由恋愛に対しては、私別の見解を持っておりますが、いずれにせよ温泉マーク旅館の現状というものは、一夫一婦の破壊活動の舞台でございます。結婚外性交を助長する不健全な企業と申さなければなりません。問題は道ばたに衛生サックが落ちていたとか、窓からまる見えという外見上の問題ではないのであります。サックが落ちておれば掃除するとか、外から見えるというならば窓に目隠しいたしますとか、そんなことでは片づかない日本人の性道徳の根本を脅かす深刻な要素を持っている。戦前の日本は性を不当に抑圧しましたが、戦後の日本は性を不当に刺激しております。アメリカニズムと申しますか、性的快楽の追求が人生の最高の目的であるかのような錯覚が多くの人々を支配しているのは、言葉の正しい意味での性の解放とはおよそ縁の遠いものでございます。そういったアベック旅館が一軒や二軒でなく、巨大な、大きな固まりになって学校を取り巻き、それを圧迫しているというところに風紀上の深刻な問題が発生しているわけでございます。子供の影響については、先ほど高木さんからお話がございました。午後は校長先生、あるいはPTAの方から詳細御発表があることと存じますが、私はここでただ一つだけ申し上げたい。鳩森の子供はよくいやらしい、いやらしいという言葉を使うようであります。なかなか男の子と女の子が近寄らない、こだわりがある。習字のときに先生が後から筆を持って字を直してやる。これは今まで学校でよく見られる風景でありますが、鳩森の小学校の女の子の中にはいやらしいといって先生の手を振り払う子供がいると聞いております。アベックや周囲の風紀について先生や親がのぞくなとか、近寄るなとしかっているので、そういう抑圧があるために、子供の好奇心とか興味がそこにはさまれて奇妙な精神状態になり、性意識の過度と申しますか、ゆがめられた性の意識でございます。ここで私申し上げたいことは、子供の人格、性意識の円満な発達に障害を与えているということ、この子供の成長をはばむ原因を除去するのはおとなの責任であります。私はこの点について鳩森小のPTAや渋谷の教委、教組が、学校周辺の温泉マークの締め出しに立ち上ったことに重大な教育的意義を認めるものであります。子供の作文を見ておりますと、静かな学校で勉強したいと訴えております。砂川の子供のつづり方を読むと、やはり静かな学校で勉強したい、平和な町で暮したいと書いております。飛行場とアベック旅館の違いこそあれ、子供の願いは一つでございます。この子供の正しい願いをかなえてやることがおとなの務めであり、政治家の責任だと思うのでございます。この鳩森周辺のアベック旅館、これを簡単に診断いたしますと、売春旅館は少く、アベック旅館が多い。そしてアベック旅館の中に普通客や団体客の泊っておる家もある。健全化への要素も持っているということであります。ですから治療方針といたしましては、売春旅館というものはたたきつぶす。アベック旅館は経営の健全化を促進して一日も早く普通旅館、団体旅館の線へ近づけていく、それが大まかな処理方針になろうかと思います。幸い旅館組合の方では相当思い切った譲歩をいたしまして自粛の線を出しておりますが、世間はこの業者の自粛というものを言葉だけでは信用しないのでございます。昨年の夏太陽族の映画の問題でやかましくなりました未成年者の入場は成人向きの映画の場合は制限する、禁止すると言っておきながら相変らず入れておるというような状態でございました。要は業者の人たちの側の実行を認めた上で次の対策ということになろうかと存じます。ここで法律的な対策でございますが、まず申し上げておきたいのは、東京都の場合旅館の許可は保健所長の権限になっております。東京都に三法運営協議会という組織がございまして、ふろ屋、興業場、旅館の運営を協議するわけですが、そのうち旅館だけは保健所の所長の権限なり、都知事の代決権を持っておるわけであります。都へ来るときは判こをもらいに来るだけで所長に強大な権限が与えられている。で、渋谷保健所におきまして数年前保健所が優秀旅館として表彰していた宿屋に対して渋谷警察の方からこれは売春ホテルじゃないか、そういうホテルを表彰してもらっては困るということで紛争が起ったことがありました。たとえ売春宿であっても台所や便所がりっぱで清潔であれば優秀であるというそういう行政感覚のようでございますが、陰で業者と何かの取引があったものでございましょうか、旅館の建築申請をする場合、その申請を区の建築課へ出すときに保健所がその図面を下見するということになっております。それでいて千駄ケ谷の旅館には相当違反建築があると聞いておりますが、これは専門家の方に調べさせればおわかりになることだうろと思いますが、保健所長は法の盲点という言葉をよく使うのでありますが、現行法は衛生設備、物的条件を調べるだけで風紀上の取締りはできないのだ、風紀上の問題は警察の所管であるという説明でもちまして一般の人を現在の法規、法令ではどうにもならないものと信じ込ませておるのでありますが、私に言わせるととんでもないことである。旅館業法第五条を見ますと、風紀を乱すおそれのある者は拒まなければならない、一般の泊り客は拒んではならない、必ずこれは泊めなければならない、しかしながらばくちを打つ者とか、伝染病だとか、風紀を乱すおそれのある者は拒まなければならないという意味の条文がちゃんとあるわけでございます。違反者は千円の罰金に処せられる。この旅館業法の第五条、国会議員の方々が苦心し、審議し決定された旅館業法の第五条を役人がたな上げをしておるわけであります。環境衛生監視員、約してこれは環監と言っておりますが、この役人が一保健所に二人ぐらいおりまして宿屋を見回っております。それも台所やふろ場ばかりしかのぞかないのであります。業者がこの第五条を忠実に励行しているかどうか監視することを全く怠っております。もっとも風紀を乱すおそれのある者といっても売春、売春類似行為、姦通、自由恋愛・集団乱交・どこに線を引くか、これはむずかしいことでありますが、これは厚生省が判断の具体的な基準を示してやれば現場の環監、現場の役人はよほど働きやすくなるのではないかと思います。手不足で目が届かないということであれば現在都の衛生局が新聞発表によりますと新宿の深夜喫茶を取り締るために三百人の監視員を総動員してやるのと同じやり方で百人の監視員を動員して一定期間千駄ケ谷に集中したならば利用者の実態が明らかになりますし、違反業者を取り締ることができるのではないかと、これは東京都の衛生局長の業務命令一本ですぐ実行できることと聞いております。
 旅館業法の改正点でございますが、厚生省公衆衛生局環境衛生課で売春防止法と関連して準備中のようでございますが、私どもとして望みたいことは、まず第一に営業者の資格制限、違反行為があった場合は営業停止、許可取り消しの行政処分、それから法第五条の風紀を乱すおそれのある者の具体的な規定、罰金額の引き上げ、それと教師、父兄の同伴者なき未成年者の宿泊禁止、これは浮浪児とか、ちゃりんこ、不良少年、桃色グループなどが宿屋に泊りに来て間違いを起すのを業者に保護させるということが目的でありまして、子供を追っ払うんではなくて、すぐ児童相談所または警察の少年係に通告して非行を未然に防ぐような仕組みにしてもらいたいと思います。今度の鳩森問題でどうしても必要なのは旅館の設置場所の制限、これが今までになかったのであります。これには三つの方法がございまして、第一は旅館業法四十条の地方条例による制限の追加というのを根拠にいたしまして、都条例の設置許可基準に学校付近百メートル以内に旅館を制限する規定を新しく入れてみたらどうかと思います。第二は今後今国会に出るでありましょう環境衛生関係の営業化の運営の適正化に関する法律案のうち旅館の適正化基準の中へやはり学校付近を避ける設置場所の制限規定を盛り込むことも考えられますが、しかしこの法案は非常に反対が多いので、むしろ業法改正の中で解決したいと私は思います。しかし福岡に参りますと、九州大学の病院の前に旅館がずらっと並んでおりまして、これは入院患者または家族の泊るところで、これは必要な施設でございます。そういう意味で実際に即した改正を考えていただきたいと思います。
 あと文教地区の問題、それから三法運営委員会、それから実際的な対策、学校環境を守る法律関係のこと、いろいろございますが、一まずこの辺にして、もし御質問がございましたならばお答えしたいと思います。
○委員長(岡三郎君) どうもありがとうございました。
 以上で御両君の意見の開陳を終ります。
 引き続きましてただいまの御意見に対しまして、御質疑がありましたならば順次お願いいたします……。
○参考人(神崎清君) もしお許しがいただければ文教地区の指定の問題について発言させていただければありがたいと思いますが。
○委員長(岡三郎君) よろしゅうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡三郎君) どうぞ……。
○参考人(神崎清君) 鳩森小学校PTAの方々の熱望しておられる文教地区指定の問題でございますが、これは文教地区が指定されると、旅館の新設はできないのでございます。しかし現在ある東京都の文京地区は大学が中心、まあ大学タウンが中心で、三田とか、本郷とか、早稲田とか、神田とか、そういうことになっております。小学校はないのでございます。これは担当者の意見を聞きますと、都心においては小学校がほとんど百メートルくらいおきに並んでおる。そこへ文教地区をかぶせてしまうと、この大東京の商業的経済的活動バランスがとれなくなる心配があるということです。
 それからきのうの東京都庁の会合でも、建設局、建築局の役人が申し述べた意見では、文教地区を指定すると、それ以外はかまわんという観念を植えつけて、赤線逆指定になる危険性があるという理由で、反対をしているようでございますが、これは都市計画法の中に風紀地区というのがございます。私どもは風紀を厳重に守る、取り締る地区かと思ったらそうでなくて、そこは風紀をどのように乱してもよろしい地区である、つまり赤線地区のことだと教えられて驚いたのでございますが、赤線逆指定はこういう建設局、建築局の役人の頭脳構造の中で想像に浮ぶことでございまして、売春防止法は昔の一切の指定制度というものを完全にしておるのでございます。小学校では全国でたった一つ山形県の神町小学校、この周辺が文教地区に指定されております。これは基地の赤線に取り囲まれた学校の先生、PTA、教育委員会、町全体の人々の必死の運動で、ようやく実現したのであります。しかし現在では米軍が引き揚げまして、すでにその役割を果したも同様でございます。東京では昨年の夏葛飾区の小谷野小学校のすぐそばに映画館ができるというので、PTAが大騒ぎをいたしました。ここは準工業地区というのであったために不許可にすることができない、文教地区指定の運動をしておりましたが、結局失敗に終ってしまったわけであります。この指定申請は区から都へ、そして都の建築審議会で審議されるので、大体半年ぐらいはかかる。その半年の間に、ということもあるわけでございますが、立地条件が合致して指定を受けた場合、神田を調べてみますと、旅館が立たないはずだがやはり旅館がふえてきております。これは形式的に違法でございますが、まあ神田の町の修学旅行のための団体旅行の旅館が並んでおる、そこへまた旅館ができてもこれは社会的にあながち非難はできない。要するに文教地区と申しましても、地図の上に線を引いただけで、ルーズな管理しかできないのが実情のようでございます。しかし、ここに一つ有効な手段がございますのは、三法運営協議会でございます。旅館業法の改正、間に合わない、文教地区の指定も相当困難とみなければならない。ではPTAの運動の目的を達するにはどんな手段があと残されておるのか、私には一つの案がございます。それは渋谷三法運営協議会の活用でございます。この運営協議会は保健所、警察、区建築課、組合代表、区会議員その他学識経験者が参加して、別段法律には書いてございませんけれども、任意設置の所長の諮問機関でございますが、旅館の許可、不許可の実際の意思決定をここでやっております。私が言いたいのは、ここへ教育委員会の代表を一枚加えておく。学校付近の出願があれば必ず学校長の同意書が必要だとしておる。校長はどうか、と意見を聞かれたならば独断で答えてはいけない。かって立川競輪場ができるときに、すぐそばの小学校の校長は、教育上支障なきものと認むと、競輪場が学校のすぐ裏手にできるのに、そういうばかな意見書を出して、ボス政治の手助けをしたことがある。日本の教育の歴史を汚したことがございますが、そうした危険を避けるために、校長は必ずPTA会長に相談しなければならないことにしております。会長が、しかしまた独断で個人的に処理すると間違いを起す場合があります。三年前原宿婦人会、代々木婦人会が、住居専用地区の指定運動を一緒にやらないかといって鳩森小学校PTA会長に相談してきたときに、会員に諮らないで会長一存で断わってしまった。その結果どうなったか。そのときは一軒もなかった温泉旅館が洪水のように無防備地帯の鳩森周辺に流れ込んで、たちまちのうちに学校を取り囲んでしまった。ですから校長から意見を聞かれた会長は、必ずPTA総会を開いてそこで最後の意見を決定する、こういう仕組みにしておけば、実際、事実問題として旅館の進出を押えることができます。
 東京都が結核療養所のように公共の施設を建てる場合でも、地元で反対が起ると納得がいくまでは無理に建てることをしない。まして温泉旅館でございます。地元の同意がなかなか得られないからと、得られるまで許可を見合せておくということができるのではないか。法律には書いてございませんけれども、こういう任意機関の活用によりまして、今度の問題を契機に、新しい慣例というものを、慣習というものを作り出していけばいいじゃないか、さように考える次第でございます。
 そのほかに法律闘争と防衛組織の問題がございます。この問題は二月十一日干駄ケ谷の区民講堂の座談会、そのときから火ぶたを切ったのでございますが、二月十五日の土曜日、土曜日というと、ああいうアベック旅館は超満員の盛況を呈するのが普通でございますが、がらっと客が落ちて半減をした。学校付近の宿屋などではほとんど一組も客がなかったということで、新聞がでかでかと書く、ラジオのスイッチをひねれば鳩森小学校の問題が出てくる。町を歩けば「環境浄化運動地区」という横書が出ております。「子供が見ている」というポスターが張ってある。「よい環境にして子供を育てましょう」というビラが張ってある。また町を歩けばたすきがけのお母さんに勧告ビラを渡される。宿屋の入口にいくとニューズカメラの機械が、据えてある。よき敵ござんなれと下手するとニューズ映画に写される、テレビに写される。大へんだということで、あの辺は今アベックの恐怖地帯になっている。いまだにそういう状態が続いておるようでございますが、これは一種の飢餓療法と考えたらいいのじゃないかと思います。ですからこの警察の取締りよりも、法律よりも、この住民の、PTAの道徳闘争の方がはるかに強い力を発揮しているということであります。また防衛組織といたしましては、山谷小学校のPTAに環境対策委員会がございます。これは学区内三十地区にこまかく分けてそれぞれ委員が置いてございます。土地家屋の周旋屋が黒んぼの兵隊と腕を組んだ女を案内して部屋を探しに来るわけでありますが、すると町のおかみさんが来たわようと言って飛び出すと、二、三十人出てきて、がやがや、がやがや騒ぐと、兵隊も周旋屋もびっくりして逃げ出していく、そういうことを数回繰り返していきますと、どうもあの山谷はPTAがうるさいからだめですよということで周旋屋が断念してしまうわけでございます。ところが鳩森、千駄ケ谷方面は無防備でございまして、周旋屋が非常に活躍しております。これは十万円出す、売れ売れと言って高い値段で土地を買い取ってはそこへ温泉マークを導入をしてきている。暴利をむさぼっております。私はこの周旋屋を取り締るどういう法律があるかはわかりませんけれども、人身売買の周旋屋と同じようにこの土地家屋売買の、売春的土地家屋売買の周旋屋というものはマークして何らかの取締りの方法を考えていただきたい。山谷におきましては、あき地がある、そこへうちが建ちかけた、すると地区委員からすぐニュースが参ります。委員が飛び出して調べてみる、小部屋が多い、どうもあやしい、で、大工だとか、請負い、地主、関係役所と、全部調べて、売春のにおいがすると猛烈な説得工作をやる、そういうことですでに数個の成功例を見ておると聞いております。で、既設の旅館に対して目に余ることがあればどんどん苦情を持ち込んでいく。で、山谷小学校PTAは代々木のワシントン・ハイツ、アメリカ軍兵舎ができるとき基地反対運動を起しまして、それが失敗に終ったかのように見えておりましたが、この防衛組織が残っておりまして、学校環境を守る大きな組織力になっております。この鳩森の道徳闘争と山谷の防衛組織は小さな小さな芽ばえでございまするけれども、政治的頽廃と戦う社会的な、私教育運動の出発点と考えます。で、売春防止法の施行によりまして、赤線、青線が閉鎖され、悪質業者が市街地に侵入してくる。学校周辺を侵す危険が感じられます。で、現にこれは業者情報でありますが、この千駄ケ谷の一画に、鳩森小学校の近くにすでにこの立川の赤線業者が触手を伸ばして売春旅館を経営している、あやしげな女が絶えず出入りしているということでございます。その店の前に参りますとハリウッド・ベッド、アメリカ製と称するベッドの絵看板を出しております。まあ転業を迫られている赤線業者が千駄ヶ谷をねらっているという情報をひんぴんと聞くのでありますが、しかしそれに対して警察の徹底的な取締りが要望されておりますが、この警察の取締りと並んで住民の防衛組織を確立する、勇敢な道徳闘争を展開するならば彼らの侵略を撃退することも決して不可能ではない。世間には道義の頽廃を叫び、道徳の無力を嘆く人が多いのでありますが、しかし私は以上の事実にかんがみ、以上の実証に基いて、正しい教育、道徳の勝利を信ずるものでございます。
○委員長(岡三郎君) それでは質疑に入ります。
○高田なほ子君 ただいま神崎さんの、また高木さんのいろいろの貴重な御意見を拝聴いたしましで、まことに同感でございます。特に神崎さんに私がお尋ねしたいことは、この住民の防衛組織が強化されればこうした問題は解決する非常に大きな要素を持っている、そうして山谷小学校の例をあげられて、私もまた非常に同感なんです。で、またそういうことができることを心から期待する一人なんです。しかし実際問題としてこのPTAがこうした世論をあげようとするときに、たびたび大きな障害に突き当る場合があります。それはただいまおっしゃった立川の小学校の場合でも、競輪場ができるのに、校長は教育上支障がないという同意書を与えているということは、これは遺憾なことでありますが、実際問題として研究してみますと、相当この校長さんが地域のいろいろな権力に遠慮をされて、教育的な良、心を曲げてしまったというような例もあって、確かに先生も、あるいは親もこういうものを取り上げようと考えておっても、実際はこれに対する抵抗が非常に大き過ぎてどうにもならないというのが大部分の例であるように考えられる。そこで神崎さんは今までもあらゆる教育環境の浄化に対して献身的な御努力をされたのですが、この世論を抑圧する力は何か、この世論を抑圧する力は一体どういうものであるか、また教師がこれに対して勇敢に立ち上らないという御批判もたびたび私どもは聞きます。しからば教師の良心を押える力は何なのか、こういうような点について今までの御経験を通して一応の御意見を承わりたいと思います。
○参考人(神崎清君) 実は池上の特飲街の問題でまあ地元PTAが立ち上ったと申しましたけれども、小学校の先生など、大いにやりましょうと言いながら、実際にはほとんどお動きにならなかった。あのとき活発に活動されたのは大森高校の先生方でございます。これはどこに原因があったかと言いますと、職場が非常に民主化されていたということだったわけです。小学校の場合は校長と大田区長とが非常にじっこんでありまするし、その圧力がかかってきて動けないような心理条件に置かれていたように思います。で、それに反して大森高校は非常に活発に先生たちがめんどうなことを引き受けて働いておられる。それに対して東京都の教育委員会の一部で、あれは先生の政治活動じゃないかという議論が起ったときに、教育委員会はそれを討議した結果、決してこれは政治活動ではない、で学校環境を守る純粋の教育活動であるということで、あのときその世論の力によってこの問題を正しく解決したいという東京都教育委員会は特別の声明を発表しております。で、特にりっぱであったのは高等学校の校長さんであって、東京都知事は自分に生徒の教育を託した、その同じ都知事が今度左の、別の手で学校のそばに特飲街を許可されるならば廃校も断じて辞さないと、そういうふうに決意を表明している。これは多くの父兄を鼓舞したわけでございますが、そういうことですが、その後いろいろなことに出会いましても、先生方の動きが活発でない場合が多い。で、今度の鳩森の場合におきましても、少数の例外を除けば、先生方の態度がどうも消極的に見受けられました。お父さん、お母さんだけが働いていると、いろいろこの苦情も聞いたのでございますが、まあ幸いこの参議院の文教委員会でこの問題が取り上げられることになり、都教組が激励に乗り出して以来、少し動き出して来られたようでございます。しかし私としては何か抑圧があるというような感じで、私その正体はよくわかりませんけれども、例の教育二法案以来、先生の気分が何となく沈滞ぎみで、こういう子供のために大切な教育環境擁護の仕事でさえ乗り出そうとなさらない。でありまするから、私は一つこの先生方の上に重く何となくのしかかっている抑圧を排除して、先生と親とが手をつないで学校の環境を守るために、子供を守るために自由に伸び伸びと活動ができるよう一つ御配慮いただきたいとお願いする法第でございます。
○高田なほ子君 もう一点だけ聞かしていただきたいのです。それはもう来月の一日から、売春防止法の更生保護部面の効力が発生するわけですけれども、なかなかこの準備が今十分にできておらないようです。大体まあ婦人相談所の置かれているのは府県にして五府県、それから今まで保護施設があるというのは全国で十六県で、収容人員は六百六十五人という非常に少数なものでありますが、政府は当初十一億何がしの予算を要求したようですが、今度の予算を見ると四億五千万円ぐらい、実際精密に調べてみると、売春防止法に関係する予算としては四億を割っているわけですね、三億八千万ぐらいのものです。こうなって参りますと、準備は全然整っていない、そうすると業者たちは、先ほどから御両者がじゅんじゅんとして主張されたように、全国的に白線地域というものが非常にびまんしてくる、こういうような実態が一つの鳩森という点に現われたのかもしれませんけれども、特に神崎さんは売春防止法の方にも関係していらっしゃるので、すでに数々の転業に移りつつある実態というものを御調査になっておられると思うのですが、その実態、現在のこういう予算でもってどういうふうにこれが教育的に大きな影響を及ぼしてくるのかというような点にも少し触れて、言及していただきたいと思うのです。
○参考人(神崎清君) 婦人相談所は私の調べましたところによりますと、東京とか名古屋とか、大きな八六府県は三十一年度の予算で開設が決定しまして、そのあと十二県、三十二年度四月の県会の当初予算に組み込まれております。また頭を出してないのが二十六県あったと思います。で、これは婦人団体、各地域婦人団体を通しまして、至急実現方促進するように激励して今活動中だと思います。予算は結局十一億の要求が三分の一に削られたわけで、これは地方財政赤字その他の関係がございまして、根本的には国の負担率、補助率を増額する、引き上げるということでなければなかなか解決しないと思いますが、私一番そのとき遺憾と存じましたのは、売春防止法、その前進の売春処罰法、これが幾たびか流産いたしまして、そのときの理由は売春婦の更生保護の手段が講じられていないというのが理由であったわけなんです。ところがその理由を、その保護更生を織り込んだ法案が成立し、そうして満場一致で成立し、それが予算化されたというときに、保護更生費を中心にする対策費が三分の一に削られたということでは、私公党としての政策の一貫性がないのじゃないか、その点一つぜひ予算増額について御配慮をいただきたいと思います。実際に廃業状態を見ますと、女たちは気迷い状態でございます。ただやはり防止法の圧力で東京で申しますと、大体四千五百人くらい、五千人くらいいる赤線の女のうち一割くらいはすでに減りまして、どっかへ行ったわけでありますが、結婚したとか、家庭に復帰したといいますけれども、青線のようなところへ、あるいは街娼になったりして移動している者も少くないようでございます。この女の人たちに対する受け入れ態勢がない。つまり結局女の人は政府の作った婦人相談所施設の窓口に行くか、あるいは業者の窓口に行くかどっちか一つという場合に、業者の窓口は大きく開いているけれども、政府の窓口は小さくしか開かれていない、そういう状況で、まだ楽観は許さない、そういう状態であります。
○矢嶋三義君 二、三の点についてお伺いいたしたいと思うのです。高木さんは報道関係者であるし、神崎さんはこういう方面で長く研究されているお方ですから、その立場からお答え願いにいと思うのですが、第一番にお伺いいたしたい点は、売春防止法との関係ですが、あの千駄ケ谷地区に旅館が建ち始めたのは売春防止法の成立が現実段階になる前から相当建ちかかっておったように承わっているのですが、しかし最近ああいうひどい状態になってきたのは、やはり売春防止法の成立が促進したと見ていいのかどうか。それからまた全国的にああいう旅館が次々と建築されつつあると、かような情勢がつかまれておられるかどうかということですね。それは新宿三丁目ですか、あの赤線地域と千駄ケ谷のようなああいう地域とを比べる場合に、その一般国民に及ぼす影響というものはずいぶんと私は違ってきて、またある意味においては、ああいう千駄ケ谷地区のようなのが全国的に起るとなると、これは影響がかえって大きいと思うのです。従って売春防止法はこの四月から施行されるわけですが、伺いたい点はこの法の運用ですね、こういう点についてどういうお考えを持ち、またこの法施行後における見通しというものも一応高木さん並びに神崎さんの専門家から伺っておきたい、これが第一点。
 それから第二点は、きょう私は神崎さんから承わった言葉の中で一番共鳴を感じた点は、戦前、戦時中においては、わが国においては性の問題を非常に抑制し過ぎておった。戦後は過度に刺激する傾向になってきた。この問題は私は重大な問題だと思っているのです。こういうこの干駄ヶ谷の問題については対症的な解決法と根本的なものがあると思うのですが、戦後過度に性的な問題を刺激し過ぎているのじゃないかというのが私は根本的な問題に層すると思うのです。従ってこれに関連して伺いたいのは、昨年も太陽族映画というのが問題になったわけですが、映画、演芸、出版ですね、こういうものは私は相当過度の刺激を与えて、やはり僕は影響が相当あると見ざるを得ないわけです。さればこれをいかに取り締って適正化するかというと、これまた非常にむずかしい問題になりますが、高木さんちょうど報道関係に関係されておられる方ですが、この点いかようにお考えになっておられるか。その点伺いたいと思うのです。
 それからまあ対症的な対策になりますけれども、警察の取締りですね。これは私は最近の警察は思想警察、政治警察、そういう方面に非常に神経過敏になり力こぶを入れて、風紀警察という方面について非常におろそかにしている傾向があまりにも日本には強過ぎるのじゃないか。二年くらい前ですが、私郷里から友だちがきたときに浅草に参りましたところが、あの国際劇場のちょっと先の辺のにぎやかなところで、交番の近くで友だち三人と歩いていたときに、シロシロいかがですかシロクロいかがですかということをやっているのですが、こういうのは警察がちょっと取り締ることによってああいうものを私は押えられると思います。ところが交番の近くでそれをやっています。ある場合によると、おまわりさんも通々ではないかと疑わざるを得ない。ところが一方、労働組合がちょっと動くとか、あるいは学生がちょっと進歩的な意見を述べたとか、本を書いたとかいうとそれを尾行するという、そういう方面に非常に敏感である。一方風俗安寧という方面については私は、警察が手抜かりになっていると思うのですが、さればといってこれを取り締る場合には、今の警察のあり方からいって非常に微妙な問題になりますが、それに対する見解をお聞きしたい。
 最後に伺いたいのは、鳩森のさっきの具体的な解決策に対するお尋ねですが、神崎さん、さっき街娼を連れ込むいわゆる単純売春宿というのですか、それと、アベック宿がある。そうすると、千駄ケ谷地区は大部分はアベック宿である。従って対策としては売春宿を追っ払って、そうしてアベック旅館の健全化をやることによって当面解決策の一つとして取り上げられるだろう、こういうことでお話になったわけですが、私どもこの前ちょっと文教委員会で見に行ったのですが、中は見えないが、外から見ると堂々たる建物ですね。これは区別つくのですか。あなたの研究されているのは、比率はどういうふうになっておりますか、その点伺っておきたいと思います。
○委員長(岡三郎君) それではお二人に質問があったのですが、まず最初に高木健夫君に御答弁願います。
○参考人(高木健夫君) 売春防止法の見通しですが、これは私よりもここに専門家の神崎先生がいらっしゃいますから、それは神崎先生にお願いいたしたいと思うのです。
 それから映画、演劇、出版のいわゆる何と申しますか、性的刺激の強過ぎるそういうもの、これはさっき太陽族映画のお話もございましたけれども、私たちの立場としてはほんとうは痛しかゆしなんです。といいますのは、そういういわゆる出版、映画、演劇、その他のわいせつにわたるようなもの、あるいはわいせつのボーダー・ラインをふらふらしているもの、そういうものはたくさん多いのですけれども、そういうものを今やり玉にあげてこれはけしからぬ、取り締れということになりますと、すぐそれみろ、世論はその通りだというので、どうも言論取締法が作られそうな危険がしてならない。しかしそれならば言論自由の名に隠れてどこまでも勝手にやっていいかというと、決してこれはそうではないので、理想的に申しますと、何と申しますか、自制作用、みずからの手でそれを適当に抑圧したり、制限したり、批判してなくしていったりというふうな、そういう活動が望ましいと思うのです。その意味からいいますと、たとえば太陽族映画の問題がやかましくなりましたときに、やはりPTAのお母様たちや何かが騒ぎ立てる、騒ぎ立てるというのは語弊がありますけれども、反対をされ、それから新聞や何かも書きました。そうして中には意見としてこういう映画は防止法じゃなくて、禁止する法律を作るべきだという意見もあったようであります。それを禁止するのは何も日本だけじゃなくて、ヨーロッパのこれこれの国にもあるというふうな御意見があったようでありますけれども、その法律が出ないうちに結局、太陽族映画というのは今はおそらくないと思うのです。結局そういう世論の力で太陽族映画が、絶滅したとは申しませんけれども、作るのを差し控えているという形になっていると思うのです。このケースは非常に重大だと思うのです。お互いにやはり言論自由のワクを、一つのワクを作って、そうしてその中でお互いに、これは同業者が一番いいかと思うのですけれども、これはいけない、こういうものはやめるべきだというふうな議論を盛んにやって世論を盛り上げていって、それを押しつぶすという方向にいくのが実は私たちの立場としては理想的なので、これは演劇、映画、出版がもう実に野放図に性的な刺激をするようなわいせつのようなものばかりやっている。だからこれは取り締れというふうな形になると自縄自縛のようなものになって、実につまらないようなものになると思うのです。この点はどこまでもやはり、いわゆる自主的にそういうものをお互いが戒め合っていくという線でとまっていきたいと思います。
○委員長(岡三郎君) 次に神崎清君。
○参考人(神崎清君) 性的な出版物、文化財については高木さんの御意見に譲りまして、私としては売春防止法の見通しでございますが、これはきわめて形勢は重大でございます。といいますのは、今年の四月から第一歩を踏み出す、それがスタートが切れないということでありますならば、業者はそれみろ、政府は更生とか保護とか言っているけれども、何もやらぬじゃないかということで、結局女たちは、それはやはり親方の保護の方が確かだということで、せっかく更生に気持が動いた子供も踏みとどまると思います。特に女子組合の方では家族ぐるみ更生闘争というスローガンを掲げまして、生活保障を要求しています。一人十八万円、これは一月手取り三万円として半年分の収入ということであります。十八万円、これを六万、全国六万近くおりますから、総額で百億ということになるのですが、これを補償しろ。私どもから見れば、これは成り立たないことですが、女たちは結局今やめると損だということになるわけですね。せっかくもらえるものがやめるともらえないということで巧妙な足止め策になっている。そういう状況でございますから、婦人相談所がスタートでつまずきますと、これは売春防止法のそのものの権威と信頼に関する問題。この点十分一つ考慮の上予算の復活、運営の促進についてお力添えいただきたいと思います。それから売春施設に関しましては売春防止法が全面的に適用されますならば、土地、家屋、資金、この提供者、これは厳重な処罰に処せられます。それは今までになかった特色でございまして、ある程度防止できるのじゃないか。それから警察の、取り締り態度として、これは矢嶋議員がおっしゃるように、風紀方面よりも思想、政治の方に力を入れているのじゃないかという気配も感じたのであります。最近警視庁は例の砂川乱闘事件以来態度を何か反省したものとみえまして、今までデモ弾圧に使った警察方面隊を、今度は売春取締りの方へ回して、特に新宿の青線区域あたりに動員のときは五百人ぐらい配置していますし、それから常時花園神社には三十人くらい置いてパトロールしているというふうなことで、他に市民警察の線も相当出てきている。せんだって冷害で北海道へ参りましたが、北海道の警察もまた人身売買、売春の取締りはきわめて厳重でありまして、全国一の検挙率として犠牲者を救い出しております。ですから、全体としていろいろ心配なことがありましても、こういう正常な警察活動、働いている人たちの意気を阻喪させてはいけない。こういう人たちを激励する必要があるのではないか、そう考えております。
 それからあのアベック旅館、堂々たるアベック旅館、これは坪六、七万円といったりっぱな建築でございますが、これはどういうふうに転向させたらいいか、活用させたらいいか、これは旅館組合の方の責任者がおいでになっておりますから、午後一つ詳細に直接お尋ねいただきたいと思います。
○湯山勇君 私も二、三お尋ねいたしたいのですが、その一つは、あとで都の建築局の方にお尋ねすることと関連を持ちますから……先ほど御指摘になったアベックという中には、いろいろ例をおあげになったのですが、私は最近イタリアの「屋根」という映画を見ました。ところがこれは家がないためにやむを得ず外に出かけていく、こういう例もこれらの中にはあるのじゃないかということも考えられるのですけれども、そういう例は、実際今の日本のこういう場所でどれくらいあるのか、実際に。そういう点についてお調べになった点があれば、これはあとで聞く参考としてお聞きしたいと思います。
 それから第二点は、今回の鳩森の場合でもそうですけれども、暴力団といいますか、そういうものが介入しておるというようなことも新聞報道では見られます。暴力団というのかどうかちょっとわかりませんけれども、とにかく脅迫的な行為があったというようなことがあるわけですが、そういうものがあれば、これはさっきおっしゃった防衛組織を作るということにいたしましても、なかなかどうもむずかしいのじゃないか。それらに抵抗するということはかなり困難性もところによってはあるということも考えられますので、そういったケースに対する何かお考えがあれば伺いたい。
 第三点は、特にこういう方面の権威ですからお尋ねしたいのですが、厚生省が第五条についての具体的な例を示せというような御意見ですけれども、これは私もそういうことができれば非常にいいと思うのですけれども、具体的な例を示すということはやはりなかなかどうもむずかしいのじゃないかというような感じを持ちます。そこでこの具体的な例を示すということの具体的な例でございますね、これについて何かお考えがあれば一つお聞かせいただきたい、この三点でございます。
○参考人(神崎清君) 暴力団が何かおどしにかかっているというニュースがございましたが、この点は一つ高木さんにお譲りして、最初のアベック旅館に出入りする若い男女の中には、イタリアの映画の「屋根」に出てくるようなああいう愛すべき青年男女がいるのじゃないかとおっしやるのですが、イタリア映画の「屋根」に該当するのは、あれは上野の葵部落の掘立小屋という所になるわけであります。千駄ケ谷のアベック旅館は二千円から高級なのは三千円で、とてもあの階級の人たちの立ち寄れないところであります。
 それから厚生省の第五条でございますが、これは私自身には難問ですがともかくも売春、売春類似行為をよく注意すれば、ここが危険なところですが、売春と、未成年者の集団乱交の危険のある桃色グループ、これの保護ですね、この線は一つ出してもらいたい。そう考えております。
○湯山勇君 高木さんの方から……。
○委員長(岡三郎君) 先ほどの湯山君の質問についてそれでは高木健夫君。
○参考人(高木健夫君) 暴力団、団といっていいかどうかわからないのですけれども、鳩森のPTAの人が実際に旅館を調べて歩いたというその経験談を私聞いたんです。それで、さっき神崎さんのお話の中にありましたけれども、あの旅館の中に置玉といって、売春する女を旅館の中においてある旅館があるということを聞いたので、それを調べに行かれたのだそうです。そうして行ったら、どうもそれらしい女がいるので、行って話かけようとしたら、女がその人を見て、それは男の人ですが、その人を見て、いきなりどろぼう、どろぼうと言ったそうです。そこで、いや、おれはどろぼうじゃないと言っても、どろぼう、どろぼうと大きな声で言うものですから、まわりの人がみんな出てきた。その中に若いあんちゃん風のが二人きて、お前は何だと言って、非常に脅迫したというんです。で、名刺を見せたら、こんなところへくるなと言って、暴力はふるわれなかったけれども、そういう目にあったという話を聞いたのです。そのあとで私も、あんたは何にも知らないんだから、一度実地を見たらどうですかと言われまして、あの辺を少し歩きまわったんですけれども、その話がどうも頭にあるもんですから、なぐられてもつまらないと思って、途中で帰ったのですが、ぐるぐると歩いただけでも、ちょっと大へんな風景だったわけです。
○湯山勇君 これは一般的なケースとして、先ほどの防衛組織に、そういう暴力団、あるいはそういう性質のものが介入する、こういうことは私は今までもなかった問題ではなかったと思いますし、今後も考えられる問題ではないかというように思いますので、それに対する対策といいますかね、そういったものについてのお考えがあればお伺いしたいことと、それから先ほどのイタリア映画の「屋根」のようなケースは、私も確かに鳩森はそういうケースでないということは大体了解できます。今日は都の建築局をあとでお呼びしてお尋ねすることになっていますから、これは建築計画なり、そういうものと非常に関係があると思いますので、そういうケースのものが一体どのくらいあるものか。百組の中で二組あるとか、大ざっぱのところでけっこうなんですけれども、そういうものをほとんど考慮しなくてもいいというような観点に立っておられるのか。その辺だけをお伺いすればけっこうだと思います。
○参考人(神崎清君) これはお話のような「屋根」階級の男女は鳩森でなくて、むしろ山谷のドヤですね。あすこへ参りますと、二百円から三百円で、十分の一の値段で泊れるので、あっちの方を利用しているようでございます。まあどのくらいになりますか、正確なところ……。戦後そういうことがございましたけれども、だんだんそういうことも減っているんじゃないか。なかには夫婦の人で、趣味としてアベック旅館を利用されておられる方もおりますが、まあこれはそう必要度のある方ではないと、そう考えられます。
 それから暴力団の方ですが、暴力団というのは割に弱いのでしてね、住民が団結していると手出しができないものです。そう心配することは私はないんじゃないかと思います。びくびくしているとりけ込んできますけれども、こっち側がしゃんとしておりますと、おそろしいことはないと思います。
○松澤靖介君 ちょっと両先生にお伺いいたしますが、鳩森の場合において、外国人がアベック旅館に参る率というものがどのくらいあるか。私自身といたしまして、先ほど神崎先生から申された通り、神町の小学校が、文教地区になったという、その問題につきまして、私自身といたしましても、非常に苦労もいたしましたし、あるいは努力もいたしました。そうして、あのいわゆる進駐軍のあの風紀問題に対しまして非常に難儀をして解決した事情を知っておりますので、今後のいわゆる全国のケースの場合において白線地区というそのスタートを切ったものは、結局ああいう場所における進駐軍のやり方が一つの範例を示したのじゃないか。やはり神町の場合におきましても普通の民家あるいは商店その他のものがちょっと部屋を貸してくれというような状態において昼日中においても、あるいは夜中においても性行為をやるというような状態、それを児童なり、あるいはまた普通一般の人にも見せつけ、あるいはまた見ざるを得ないような状態によって非常に学童の教育に悪影響を及ぼしたということによって町の当局あるいは教育委員、あるいはまた学校の先生、PTA、その他の人たちがお互いに何とかしなければならぬということによって解決したのですが、事普通の内地の行政下と違いましてああいう外国人のいわゆる治外法権とも申すべき場所においてのああいう事柄が非常に全国的にも悪影響を及ぼしたということに相なっておるのではないかと考えますので、その点につきまして今後あの辺の場所におけるいわゆる影響といいますか、そういうものに対しましても先生はどういうふうにお考えになっているのか、あるいはまたその影響というものが結局日本全国に非常に範を示したといっては語弊があるかもしれませんが、非常に悪い影響を及ぼしておる点が相当大きいのじゃないかということをお考えなさっておるかどうか、われわれとしても非常に参考になるのじゃないかと考えますので、御質問申し上げます。
○参考人(神崎清君) 女を連れたアメリカの兵隊は一時は鳩森、それから千駄ケ谷の今までアベック旅館と申しておる、そういうところへも出入りを相当しておったようでございますが、先ほど申し上げた代々木のワシントン・ハイツに独身の兵舎ができるというので地元のPTAが反対運動を起しましたときに、こちらにおられる牧野さんでございますが、旅館に会見を私が申し込みましたら旅館組合として慎重審議した結果、米兵の宿泊は一切お断わりすることに決定いたしました。これは当時ラジオ・東京で代々木の森の七不思議、受け入れると思っていた旅館がそれをはじき出したというのは、これは七不思議であるということを放送したことがございますが、これは結局長い目で見れば日本人の客が減りますし、損だ、そういうこともございましょうが、そういう住民への協力という意思もあったのじゃないかと思います。現在は非常にアメリカの兵隊が減りました。私どもの知っておるところでも、しかし五、六軒は絶えずアメリカの兵隊が出入りしております。それに対して警視庁はときたま手入れをしておるようですが、まだ抜本的な対策というところまで行っておりません。なにしろ兵隊の数が減って参りましたのでその自然的結果として以前よりはだいぶよくなったと、そう申し上げられるかと思います。
○松永忠二君 三点ほど神崎先生、あるいはまた高木先生もその点で御承知の点がありましたらお答えをいただきたいと思うのであります。一つは文教地区の問題でありますが、これは東京都では文教地区の条例ができておるようでありますが、県によっては文教地区の条例がまだできておらないところが相当あるように思われるのです。今のお話で東京都が都市においてはやはり文教地区指定は非常に困難であると思うわけでありますけれども、地方においてはやはり文教地区の条例を作ってその体制をこしらえてゆくということが非常に重要なことだと、都市でも文教地区を設定する場合に校地に直接接触した地域を指定していけば幾分でもこれは対策ができるわけでありますが、こういう文教地区指定の運動というようなものを今後起していく必要があると思うわけであります。全国的に文教地区の条例を作っているような県の数がわかっておりましたならばお知らせいただきたい。
 それから第二の点は、やはりこの地域を視察してみてもわかるわけでありますが、直接学校の付近にそういうものがあるということは非常に重要な問題だけれども、あすこへ行って見ると、とにかく自分の住宅のすぐそばにそういうものができたということは、実は子供を育てる上に非常に問題がある。だから学校の環境浄化ということも大切でありますけれども、実は住居の環境浄化ということが子供の教育の上に非常に重要になってくるので、そういう点で、先ほどのお話の防衛闘争を組織して非常に成績を上げている地域がありますかどうか。これについては今のお話によれば旅館業法に基く取締りという以外には今のところ手はないようであるし、けれども現実にこういう地域の環境浄化に努力して成功した地域があるかどうかということをまずお伺いしたい。
 それからもう一つの点は、このごろの広告なんです。たとえばここでもさかさくらげのネオンを消させたということが出ているわけでございますが、声の放送なんかの点もあると、また看板に非常に劣悪な看板を掲げ扇情的な字句を使ってやっているというところがあるわけでありますが、広告の制限とか取締りとかいうことについてやはり法的な措置が現状ではとられていないし、またそこによるべき根拠がないように思うわけでありますが、こういう点について、これもまたこういう方法でやれば取締りの根拠があるということでありましたならばお教えをいただきたいと思うわけであります。
 三つの点についてお伺いいたします。
○参考人(神崎清君) 文教地区に関して地方で条例がまだできていないと、至急条例を作って将来の都市計画的な発展を見越して未然に指定すると、これは大へんけっこうなことだと思います。その県が幾つあるかということは私存じませんが、これは後刻、建設省の計画局の建設課の方が見えましたならばデータを持っておられると思いますが、おそらく私まだ聞いておりませんけれども、地方条例を作らさせる、これは教育委員会の運動として非常にふさわしい、連合的な運動として非常にふさわしいものだと思います。
 その次に広告のことでございまするが、これはせんだって千駄ケ谷の区民講堂で旅館業者の自粛大会が開かれまして、先ほどお話の出ました声の放送ですね、これを即時中止すると、それから毒々しい看板は取りはずすと、ひどいのは鳩森小学校前とか、千駄ケ谷小学校前とか、学校と結びつけた掲示があった、そういうものも取りはずすと、それからネオンも赤いネオンはやめて白いネオンにするとか、いろいろ取りきめをやられた。これをもし実行されるならば、これは条例と同じような、組合の決議が完全に実施されるならば条例と同じ効果を持つのではないか、そしてそれが今度は組合の決議で全国的に自己規制という形で浄化されてゆくと、そういうことを期待しております。
 それから住宅のすぐそばにああいう建物があって防衛に成功しているか、これは私寡聞にしてあまり知らない、温泉マークの場合はあまり知らないので、むしろ慢性といいますか、感覚がなれっこになっている場合が多いのです。ただ米軍基地の売春ハウスなどに対しては、板付の蓆田の村の人たち、この人たちは抵抗をして大体は排除をしております。それから富士山麓の印野村という、御殿場の先に印野村という村がございますが、ここも一時大ぜいいた女たちを婦人会、それから村の自治会で総がかりで追い出したと、そういう事例を調べたこもございますが、それはきわめて少数でありまして、大体ああいうものはできても今まではまあ泣き寝入り、そういう状態の方が多かったのじゃないか。ですから鳩森の問題を一転機としてこの日本国民の間に自分らの健康と安全と平和を守る、そういう動きが出てくれば非常に仕合せじゃないかと、鳩森の活動、それから道徳闘争とか、山谷の防衛組織、これが大きな刺激になってくれたらということを祈っております。
○佐野廣君 資料として委員長にお願いしたいのですが、午後学校のいろんな、保健所とかおいでになるのですが、転校生の二、三人ですか、転校生の数字をちょっとお示し願いたいと思います。それから特にわかれば普通、従来の理由によって、普通観念による転校生の数と、それから教育環境が悪いために転校するというふうな数字、そういうものを二つに分けてわかれば願いたい。
 それから旅館の数が最近どの程度ふえてきておるか。その累増しておる状況をちょっと。
○委員長(岡三郎君) ちょっと佐野君に申し上げますが、午後に学校長と、それから旅館組合の代表の方が来られます。それで、学校長の方へ聞けば、大体転校数その他わかると思うのですが、その結果として、なおわからなければ、資料を提出するようにいたさせます。それから旅館の方の建築増加についても、旅館業者の代表の方に聞いていただいて、なおその答弁が不明確ならば、資料として出させるように取り計らいます。
○佐野廣君 参考に……、時間の節約と、この委員会の質疑応答の正確を期するために、あらかじめこれをちょっと注意を喚起しておいていただいてもけっこうです。
○委員長(岡三郎君) あらかじめね。
○加賀山之雄君 一点だけ、時間が過ぎましたので簡単に、両先生どちらからでも……。私ども今の問題は、農村や中小都市を歩いた場合に、そういう問題があるようには考えない。これは大都市に大体つきもののように思うのですが、これはやはりどういうことなのか。そういう水準の問題になる、あるいは営業として成り立たないから、そういうことが中小都市だけにないのか、そういう悩みが……。そういう点についてちょっとお考えをお聞かせ願いたい。
○参考人(神崎清君) 一口に申しますと、中小都市の場合は、さかさくらげでも、普通客も泊れば、アベックも泊るし、売春も泊るというふうに、ごっちゃになっていると思いますですね。文明が、生活水準が高いといいますか、金回りがいい、そういう東京のようなところは、それがいろいろに、性的企業が分業になりまして、快的な施設ができるということじゃないかと思います。
○委員長(岡三郎君) ちょっと私から三点ばかり最後にお聞きしたいと思うのですが、修学旅行の子供ですがね、それが東京へ来た場合に、何かあいまい宿のようなところへ混雑するときには泊るようなこともちょっと聞いたんですが、そういう問題についてお知りになっておるならば一つお聞かせ願いたいと思うのですか。
 それから先ほどの渋谷の三法運営協議会の運営によって相当程度実効が期せられるのじゃないか、こういう御意見が出たわけですが、この三法運営協議会というものは保健所長のこれは諮問機関なのかどうか。
 それから赤線業者が相当ねらっている。特に売春禁止法施行後の一つのねらいというものがあるのではないか。特に最近立川の赤線業者がハリウッド・ベッドというような方法でやっているというようなお話があったのですが、この点から一つ次の質問が浮ぶわけですが、たとえばずっと平板に何十軒の旅館はみなこうだと言ってしまうと、その中にはやはりいろいろとまあいいところと、悪いところと、極端に悪いところといろいろ内容を検討すれば区別がつくのではないかとも考えられるのですが、そういうふうな適正指導というのですか、そういう旅館を適法の方へ持っていくためにやはり何らかやられた例がありますか、そういった点を一つ。
 それからこの結局土曜日の、非常に景気のいい人が、こういう問題が起ってずいぶん閑散化してきた。これはまた見方によればいいともいえますが、経営が成り立たなくなってくると、先ほどの赤線業者のようなものが買収して乗り込んでくるような一面の心配というものが二十二日の調査のときにもちょっと言われておったのです。たとえばどこどこの旅館については、うわさだけれども第三国人とか赤線業者が食指を伸ばしているというような点も父兄の一つの心配ではなかったかと思うのですがね。そういうふうな点について実際はどういうふうになっているのか、お聞かせ願ったらばと、こう思う。
○参考人(神崎清君) 第一の修学旅行の子供が東京に来て宿が混雑した場合はそういう温泉マーク的な宿屋へ回されることも間々あるということもうわさには聞いておりますが、しかしまた逆に東京の子供が地方へ旅行に行く。特に温泉地なんかに行った場合にはそこに芸者が泊っていたり、酌婦が泊っていたり、売春行為をやっている。そういうところでまくらを並べて寝ている。そういうこともよく聞きますので、これは一ぺん文部省その他の機関を通して特に地方の温泉地の場合ですね、芸者宿泊、酌婦宿泊の、そういう宿屋に泊めているかどうか、この実態調査を御調査いただきたいと思います。これは当然分離すべきものです。
 それから渋谷の三法運営協議会は所長の諮問機関で、今まではほとんど開いてなかったようです。旅館の許可は所長個人の意思で決定したようですが、この問題が起りましてから急に協議会を開くようになったということですが、この運営機関は諮問機関ではありまするが、意思決定機関でそれを所長は無視することはできないという状況のようであります。
 第三番目のアベック旅館、売春旅館の内容検討、適正指導はやっているかどうか。私聞いておりますところによれば、渋谷の同じ管内でも道玄坂寄りの宿屋、これは二畳・三畳の小部屋の多い売春旅館であったのでありますが、聞くところによりますと、警察署長のあっせんによって銀行から一軒について二百万円ですか融資をして、改造を命じて援助して、健全な旅館への転向を助けた。現在売春旅館は一軒もない。売春婦はどかへ自動車に乗って、よその宿屋へ泊りに行く、そういうようなことを聞いたのでありますが、しかしこれは下手をすると売春施設に対する援助になる場合もあり得るし、これも実態を調べる必要があると思いますが、組合の方でも千駄ケ谷の方では組合が指導をして、小部屋のある所ではみんな改造さしている。資金あっせんをしているということですが、これは組合の代表の方に後ほど詳細をお聞きいただければ幸いと存じます。現在旅館が不況に陥っているため、やけくそになって投げ出して、たとえば逃げ出しはしないかと、これもちょいちょい私どもうわさに聞いております。第三国人が借りに来たとか、赤線がねらっているとか、特にこれは未確認情報でありまするけれども、かなり大きな電鉄会社がバックになってそういう所を買いたたいて歩いておるということも聞いております。その会社は、かつて横須賀の日出町という、これは赤線区域でありまするけれども、そこの土地を分譲いたしまして、特飲店向きということですね、住宅向きとか店舗向きとかという中に、特飲店向きというのを堂々と書いて電車広告をしたのを私覚えておりますが、あるいはこれは、もし万一そういうことであれば大へんなことになるんじゃないかと心配いたしております。
○委員長(岡三郎君) ほかに御質疑ございましょうか。
 それでは相当時間がたちましたので、午前中の参考人の意見聴取の件はこれでとどめまして、非常に時間がなくなりましたが、午後一時から他の参考人の意見を聴取することにいたします。どうもありがとうございました。
 それでは暫時休憩いたします。
   午後零時三十三分休憩
   ―――――・―――――
   午後一時三十五分開会
○委員長(岡三郎君) ただいまより午前に引き続いて文教委員会を開会いたします。
 冒頭に当りまして一言ごあいさつ申し上げます。本日は非常な悪天候の中を教育環境浄化の問題に関しまして、国会の審議に資するために、各位の御出席をいただいたことについて厚く御礼を申し上げる次第であります。参議院の文教委員会といたしましては、単に鳩森小学校の問題のみではなくして、道徳教育が非常に大きく取り上げられてる際でもあり、さらに四月一日からは、売春防止法の施行が行われるわけでありまするが、全体的に見て非常に子弟の教育に対して危惧の念、単に危惧の念だけではなくして、非常にこれら教育環境浄化に関して御父兄の方々が異常なる関心を持ち、これを何とか打開したいと、こういうふうに考えておる際でありまして、皆様方の御意見が開陳されるということによって、これらの問題についての解決の一方途が発見できればとも考えておるわけであります。なお当文教委員会といたしましては、この会が終りまして、明日以降皆様方の御意見を参酌いたしまして、法的にも、その他また現行法令下においても、何とかこれらの問題の解決に資したいと、こういうふうに考えておりまするので、御了承をいただきたいと思うのであります。
 以上簡単に一言ごあいさつを申し上げまして、次に進行の方法でございまするが、非常に大ぜいの方々でありまするので、まことに恐縮でございまするが、十分間程度大体めどにして御発言を願いたい、御意見をお述べ願いたいと思うのであります。しかしそれぞれの立場もございますことと思いまするので、全体をみて平均十分程度になればとも考えておりまするので、その点御了承をいただきたいと思うのであります。
 なお、本日御出席をいただいておりまする東京都の建設局長藤本勝満露君につきましては、業務のため二時半までにどうしても帰らなければならないということでありまするので、その点は一つ委員長の方におまかせをいただいて、その中で適宜しんしゃくしていきたいと思う次第であります。御意見をお述べいただく順序はお手元に配付してある通りでありまするが、ただいま申し上げました建設局長の時間の都合もございまするので、藤本君につきましては第四番目に繰り上げて御発表を願い、そのところで一応区切って建設局長にのみ質問を集中していただいて、それが終りましたならば逐次以後御意見を承わりまして一括最後に質疑に応じていただくと、こういうふうに進行さしていただきたいと思いまするので、委員各位にも御了承いただきたいと思います。
 それでは早速でございまするが、鳩森小学校長吉川芳次君の御意見を伺いたいと思います。
○参考人(吉川芳次君) ただいま御指名をいただきました吉川でございます。
 戦後の道義の頽廃が、特に性道徳の頽廃ということがこうした私たちの運動を来たしたもとであると考えられるわけであります。かくして女の人の嘆きは夫の嘆きとなり、子供の心配となってきたのが戦後におけるこの性道徳の観念の頽廃に来たしたと思っておるわけでございます。私の学校規模を申し上げますと、生徒現在八百二十五名、職員二十四名、学級十八学級になっております。昨年初め、四月当初からの入退学の状況を申し上げますと、入学が三十九名、退学が五十名、最も退学の多かったときは九月一日、退学が十八名、その中に住居を作られてかわられた方もございますが、こうした地域によってうちを売り払われて、孟母三遷の気持でかわられた方もございます。あるいは住居は移しましたが、学校そのものに対しましての考え方からいきまして電車通学をしている子供もございます。で、この子供への影響、これはいろいろあります。アベック遊び、あるいはのぞき、あるいは先般新聞に出ておりましたような温泉遊び、これは私の学校のみではございませんので、東京都内をあちらこちら聞いてみますと、品川にもあります。大森にもございます。私の方から発祥しましたか、あるいは私の方に移入されたものか、これはわかりませんが、石けりのところに温泉マークのしるしを書いて遊ぶ遊びであります。石をけってそこにいきますと休憩ということになっているようございます。なお子供たちの襲われたものとしては、痴漢に、局部を露出した者に酔っ払っていて追いかけられたということもございます。しかし子供のその表面に現われておりますいろいろの影響そのものよりも、内心持っております相当な関心、表面には何らの感情も現われておらないかもわかりませんが、その関心は、何と言ってよいか、はかり知ることができないわけでございます。子供の作文、それは先生に見られますからそうしたことは書きません。あるいは親に聞かれても話しません。しかし子供同士のささやき、話、私たちがそばに行けばそれはやめます。そうしたようなことがありますが、とにかくこの子供の内心的な関心というものは相当あると思われます。先ほど申し上げましたような遊びは最近は見られませんが、しかし子供の心そのものが非常に内攻性になっていることであるということが申し上げることができると思います。なおその他の家庭からのお話を伺いますと、汚物が堀に投げ棄てられ、ひどいのになりましたときには牛乳びんを入れるところにもあったということも伺っております。そうしたその衛生器具を子供が吹いておる。もしそれにばい菌等があった場合にいかになりますか、あるいは裸のところを見た子供もございます。あるいは矯声を聞いた子供もございます。
 なお付随的な問題でありますが、煤煙等によってほしものができない、あるいは餅がまつ黒になってしまったというような事実もあるわけです。エンジンの音に眠れないというようなことがあるわけです。
 で、私昭和二十七年十月一日に鳩森小学校の校長になったわけでありますが、そのときはまだ一軒もありませんでした。その後でき始めまして最初に翠山荘というところができたときには、PTAの会長さんが参りまして、どういうおうちですかと尋ねたときに、このうちは富山県の出張所のような形になって、寮であるというお話もあったわけであります。その後PTAといたしましては、環境浄化委員会を作りまして、父兄の立ち上りと一緒に待っておったわけですが、昨年暮にその盛り上る力、十二月二十一日の父兄大会以後PTAの方々の異常な関心と努力によってこうした運動を展開して参ったわけでございます。
 あるいはそのほかのことを、最近の例で申し上げますと、新聞で御存じの通り、先日沢井さんというお方がおどかされたというようなこともございました。あるいは街頭におります女の人に御夫婦で映画を見に行くときにだんなさんが引っ張られたとか、あるいはPTAのお母さんが学校に用があるときに、あなたはだいぶいいからだをしておりますね、遊びましょうというようなこともあったようです。これは旅館とは直接関係ありませんけれども、しかしそれも一つの現われと思います。なお男の子、中学生くらいの子供でありましても、外に使いに夜出せばそうしたちまたの女の人に引っ張られるというようなこともあるようです。
 いろいろ申し上げればございますが、私の学区域にあります旅館は、新館とか、そういうようなところが、別館というのがどれほどか調べておりませんが、現在三十二戸ございます。まだ建築中のものもございます。あるいは予定されているようなところもあるようです。なにはともあれ、こうした所に呼んでいただきまして、実情を述べてこうしたことについて皆さんが異常の関心と御努力に対しましては厚くお礼を申し上げます。以上。
○委員長(岡三郎君) 次に鳩森小学校PTA会長北川忠二君に御発言を願います。
○参考人(北川忠二君) 御指名にあずかりました鳩森PTA会長の北川でございます。
 私どもはすでに御存じだと存じますが、今校長先生から言われましたように、昨年の十二月二十一日以来環境浄化運動を推進して参っておるものでございますが、私はこの機会に当鳩森小学校が置かれておる環境を、なお私たちの目的とするところ、それらを端的に申し上げまして皆様の御理解をいただきたいと、かように思う次第でございます。
 ただいま校長先生からいろいろ環境の実態につきましてお話がございましたが、特に私たち父兄としまして最も不愉快に感じております点は、日中夜間を問わず不純と認められる客の数が多く、子供たちの目に直接触れることでございます。先ほど校長から申しましたそれらの点のほかに、これらの点が最も父兄として教育上最も忌まわしい、ゆゆしい問題ではないかということを痛感しておるものでございます。なおそれにつけ加えましで、刺激的な字句を用いたあくどい広告、これらは子供たちが意識しておるかしていないか、そこまではおそらく意識しておらないと、親としてはそう考えたいのでございますが、そういうあくどい広告、それらの環境下にある教育そのものは非常に大きな影響があるのだということは、これは事実だと私たちは思うのであります。いろいろ現在置かれております悪環境の事実が数々ございますが、これらは一応略しまして、私たちは、とにかく現在置かれておる環境は非常に教育上悪影響のある環境下にあると、こういう見地からしまして、やむにやまれず父兄としましては立ち上った次第でございます。しかしながら、私たちとしましては、子供たちが知らないものまでそれを知らしめるごときことにこの運動がなってはならないのだということを、やはり親たちとしては十二分にこれらの点を考慮しなければなりませぬので、先生方と十二分にその点は検討いたしました。ところが、先ほど校長先生が述べられたように、数々の教育上に悪影響が現われつつあるというような事実を知りまして、やむを得ず昨年十二月二十一日に立ち上ったわけでございまして、本来であれば、私たちとしましては、かようなことはなるべく子供たちの目に触れさせないように、親がそれをカバーしていくような方向に実は持っていく。子供たちが今まで知らなかったアベックなどということは、知らなかったことを私たち自体が知らしめるようなことはしたくないという気持は持っておったのでございますが、今やそれらのことを考える余地を与えないほど切迫した悪環境下にある事実は、親としましてどうしても立ち上らなければならないことになったわけでございます。先日旅館業者の方が自粛大会を持たれました。私は出席いたしませんでしたが、当校から出席しました委員の方から聞きますと、実にりっぱな自粛要綱を取り上げておられるようであります。私は旅館業者の方は良識ある方々であるということは信じたいのでございまして、要はそれを利用する人たちの性道徳の頽廃からこういう結果を来たすのであろう、一応こう考えたいのでございます。従って私たちの運動も、それらを利用する方々が良心的に再考を願い、不純と認められる方々がそれらの機関を利用できないような格好に持っていくべく運動して参ったのでございます。私は旅館業者の方々が、正常な本来の旅館の目的に沿うた営業をなされることを私は希望もし、また信じたいのでございますが、事実はそれと相違している点はまことに遺憾に思うものでありますが、従いまして、私たちとしましては、今後最後まで、私たちの目的を完遂するまでがんばり抜くつもりでございます。先ほど申し上げましたように、私たちのさような運動は現社会下における性道徳の頽廃に基因するところが多いのでございまして、これを阻止するといいましても微力でございまして、なかなか思うように参らないのでございますが、この点は、先般来関係当局に陳情して参りましたが、文教地区に私たちの地域を指定していただきまして、これの一日も早く指定方をお願いしたい。なお聞くところによりますと、旅館業法も改正されるやに伺っておりますが、これらの旅館業法の改正も早急にお願いしたい。これが私たちの終局の目的でございます。
 かようにしまして、私たちの学校の置かれている環境は、元のような新宿御苑に、あるいは明治神宮の神苑に囲まれた元のあのうるわしい鳩森学園であり得るように、私たちは親として、教師として衷心からこれをこいねがっておるものでございまして、これを完遂するために、いかなる多難な事態が起きましょうとも、最後までこの目的完遂のために努力するつもりでございます。
 どうぞ皆様方の御理解をいただきますれば、幸いと存ずる次第でございます。
○委員長(岡三郎君) どうもありがとうございました。
 次に、東京都旅館組合連合会副会長、代々木、原宿旅館組合長牧野麟祥君。
○参考人(牧野鱗祥君) 大へん皆様に御迷惑をかけ、しかもいろいろな社会的な批判を受けますることは、業界の一人としてまことに申しわけないことだと考えている次第であります。それと同時に私どもがどんなに苦労をしてこの組合を指導してきたかということも、またお聞き取りを願いたいと思うのであります。私より前の、前会長この席上に、うしろの方にお見えになりますが、この会長とともに、現会長であり前組合長と一緒に、私どもはこの旅館を正常な営業状態の水準に持っていくべく内部の改造とか、外面的には東京都内で一番早くに温泉マークというものを撤去せしめ、あるいは従業員の教育講習をいたしまして、清潔な従業員を持つ模範的な組合に作り上げようとして、これを達成したのであります。現在東京都におけるどこの従業員よりも清潔な従業員を持っております。
 それから、先般発表いたしました十二項目にわたる自粛項目は、直ちに実行に移りまして、あるいは声の宣伝を中止するとか、新聞広告を自粛するとか、電柱の看板をはずすとかいうような項目に至りましては、着々としてその実行をしておるのであります。ネオンのごときも、旅館の純潔性を保つためにぜひ白にしようじゃないかといって、これも相当な経費がかかる問題でありますが、これは二カ月以内に必ず、今税金の納税期を前に控えておるのでありまするが、ぜひともこれをやろうという組合員自身の発意からこれらの運動が達成されようとしておるのであります。しかしながら、私は嶋森一校の問題を何しておるのではございません。先日、一昨日上野の某亭に東京都における外郭旅館の大部分の方のお集まりを願って、そうしてわれわれと一緒に、たとえば御同伴とかお二人様とか、こういうふうな言葉を使わないとか、広告宣伝を自粛するとか、いろいろな項目にわたって私どもが示した十二項目に近い運動を全区こぞってやることに決定をいたしました。そうして一鳩森問題としてじゃなしに、全国のこれらの業態の改善に対して努力をいたしたいと存じておるのであります。また鳩森の問題に関しては、私は具体的な解決案を持っておるのであります。しかしこれらの方々が今まで一回もわれわれに面会をなされようとせず、業者の協力なくして環境の自粛運動は断じてできません。これは理想はいかに高くとも一歩一歩これらの業者を指導してあのオリンピックを目ざして旅館らしい旅館に転換せしめるには非常な熱意と努力と計画性が要るのでございます。これに向って私は邁進したいと思っておるのでございます。一言最も重要な点ですから、鳩森の局部的解決についての具体的問題を先ほど神崎さんと食堂でお話をいたしたのでありますが、あの池上のときに行たったように、あれは教職員宿舎か何かになさったと思うのですが、ああいうふうな方法によって鳩森小学校の周辺の幾つかの直接学校に面しているこの旅館に対しては、ある程度の補償、あのときには補償されたのですが、ああいうふうな買い上げの方法によって、まずあの周辺を解決する方法をとるなり、あるいは本院が予算を組まれておやりになればなおけっこうだと思うのでありますが、そういうような方法によって解決さるる方法が、最も手近いところはそういう方法が講ぜられると思うのであります。その他の旅館に対しては旅館の改善は、小部屋をなくすることにあるのであります。三畳、四畳半、二畳という小部屋をなくすることであります。これは石田会長と私が保証人になりまして、隣の旅館組合の小原さんもここに出席されておりますが、実行されておるのでありますが、小部屋征伐運動というやつを始めたのであります。そうして銀行から非常な苦労をして融資をしていただいて、そうして現在これが達成をほぼはかられつつあるのであります。まだ一、二の家が残っておる程度でございます。
 それから先ほどの旅館の増加率であります。これは実に急激にふえつつあるのであります。これは私ども自身が憂慮しておるところであります。これは業界の競争問題ではございませんのです。それはやはり青線、赤線の業者が、私が全国のあの全線同盟とかいう……あの赤線業者に脅かされながら赤線業者の侵入を防いできた本人でございます。この運動は実に困難をきわめて彼らが地下にもぐってきたり、地所の買い占めをしたり、いろいろなことをしているのであります。その間にまだわれわれの手をのがれて、そうして一軒か二軒かの業者がこの中にもぐり込んできつつあるという現状に対してはなはだ遺憾にたえないのであります。
 それから特にこの間公開の席上で申し上げたが、PTAの会長が新聞に発表されておる女をあっせん云々、それから解決条項に書いてある女を仲介、あっせんという言葉は、私ども旅館組合から御返上申し上げます。そういう業者は一人もわれわれ組合員の中には断じておりません。これはリストを神崎さんなり、あの笠井さんなりといういわゆる指導者の方にちゃんとリストを渡してあるのであります。どういう形態の業者が不良業者であるかということをお渡ししてあるのであります。ただ遺憾にたえないのは、あの水山荘のごときは東京都、保健所が三回、四回にわたって続けて表彰をしている模範旅館であります。小学校との感情問題やいろいろな問題がございましょう。また業者の戦後における行き過ぎも十分認めるところであります。これはゆゆしい問題として私らも同感しておる次第でございます。われわれも子供の親でございます。この点においては断じて人後に落ちないつもりであります。しかしながらいい旅館を攻撃するというような格好にならないように、あの旅館のごときははしごをかけても見えません、見えたら表彰した東京都や衛生部長の方々は御辞職なさるでありましょう。あの旅館はどこからも見えません。窓が横についているので完全に遮蔽されているので、上のネオンしか小学校の窓から見えておりません。そのネオンもはずしたようです。しかし、それらの個々の問題や感情問題を今論じているのではございません。先ほどから皆さんが御憂慮になっておられるように、あの昨年度二十四軒、今十三軒です。ここに保健所長がおられるから私よりもこまかい数字をお持ちです。昨日から十何軒かの出願が鳩森小学校を包んで出されているというお話も承わっておる。これは今まで業者には何ら無通告でだんだん許可され、その責任のみを組合が負わなければならぬということは、はなはだ私どもの遺憾に存ずるところであります。今度は三法審議会が事前に、組合にも三法審議会が全部にこれらの状態を通知なさるというようなふうに改善されたようでありますが、しかし、この三法委員会の問題が先ほどから出てきましたが、これは許可を引き延ばしができるのであります。しかし一たび行政訴訟ができるとかその他のことによって、いつまでも引き延ばしができないのであります。そうして刻下の問題は、文教地区になるまでの間に何軒かの旅館が鳩森地区にできるかということがもっとも重大で問題でございます。これをどう解決するか、どうして阻止するかというふうなこの中にもぐり込んでくるいろいろな業者があるのを、これをどうするか、こういうふうな初めて今回九日の午後一時よりわれわれ業者とこの問題に対してひざをまじえて語る機会を作って下さったようでございます。これは非常にいい結果だと思うのでございます。われわれ業者がみずから顧みて、そうして自粛し、そうして君たちはそんなにやったら商売が成り立たぬじゃないかと言われたときに、その苦難な道から出直すのだ、そうして一般の旅館に向ってだんだん進んでいくのだ。団体もすべて入れております。皆休んで、あの体育館の消防大会とか、精麦業者の大会、あるいは新聞社の美人コンクールのようなときには全館をあげて家族連れでお貸ししております。そういうふうに不肖組合長指導しております。しかし、この旅館がどういうふうに発達してきたか、今後どうなるかということは前委員長の許可を得るならば、後ほどぜひこの組合を善導してきた日教組の青年代議士のお父さんとして、そうしてわらじばきで七十才の老躯を雪の中を歩く熱情ある組合長が現在組合長として、現会長として、渋谷環境衛生協会の会長、東京都の環境衛生協会の副会長でございます。この人に一言の御相談もなさらずにこの運動を進められるということは、運動自体のどこかに欠陥があるということを私は御指摘申し上げてやまないのであります。どうかそういう意味において、もしこの旅館のあり方に対し皆さんがもう少し状態をつまびらかになさろうとするならば、この渋谷の地区から。ハンパンを追い払った、あのガード下にいたパンパンを全部旅館に入れなくして追い払った渋谷の旅館組合長の小原氏も出席されております。これは死にもの狂いのあのヒモから毎日々々おどかされて、あの多くの借銭を残している旅館が、あの。パンパン追い払い運動というものは血みどろの戦いであったのであります。これは隣接の組合長である私はよく知っているのであります。私の方はああいう連中は来ないのであります。そういう状態であります。十分これらの問題はうわすべりなあの大騒ぎじやなしに、もっと掘り下げて、もっと現実に向ってどうするか、どうしたら善用できるか、あるいはこれらの業界を指導していけるかという全国的な問題をお考え願いたいと思います。私は全国旅館業者の大会にいつも修学旅行の八割五分の学生が売春旅館に泊っているじゃないか、これを是正せよ、分離せよ、この事実をどうするのだといって、全国大会に絶叫しているのは、不肖東京を代表する私だけであります。そうして今全国の中でこれに追随してくる旅館がたくさんできてきました。まだ全面的ではございません。熱海では十一軒とか、山中温泉の吉野屋、かじか荘のようなりっぱな旅館も入っております。決して全体ではございません。東京は修学旅行は絶対にそういうところには泊めておりません。そういう点をいろいろお考えを願って御善処あらせられんことをわれわれは全面的に環境浄化運動に協力する用意がございます。そうして戦後の行き過ぎに対しては十分……、昨日もネオスを消す問題とかいろいろな問題に対してさらに協議を進めている状態でございます。これは全力を傾けて環境浄化運動に御協力申し上げるということをお誓いして、私は終りといたします。
○委員長(岡三郎君) ありがとうございました。
 次に、東京都建設局長藤本勝満露君。
○参考人(藤本勝満露君) 私がただいま御指名にあずかりましたように東京都の建設局の仕事を担当しております。
 本件に関する問題につきましては、主として都市計画的な考慮の上においてこの問題にどういうような形において寄与できるかというような問題を主として御説明申し上げたいと思うのであります。要するにいい町はよい施設、よい心がけ、この施設と心がけ、要するに形而上的なものと形而下的なものが不可分的な、両々相待ち両々相整って初めていい町ができ、いい都会ができるのは言うを待たないのであります。従いましてわれわれ担当しておる仕事の面は、都市施設をどのようにしていけば東京都、あるいは具体的にこの鳩森小学校付近の町の形をどのようにしていけばよろしいかという問題に言及するのであります。これは町をよくしていくものの見方の一片でございます。他の方面に、要するに徳義的な精神的な問題を忘れてはならない、かように存じます。先ほど来、参考人の方々のお話を承わっておりますと、本件の解決の問題の要点は、主として要するに徳義的な、文教的な、風紀的なこの問題に重点があるかのように伺っております、が、同時にまた施設の面からもまたよりよい状態にしていかなければならぬ、かように考えておるものであります。その意味におきまして具体的にこの地区のあり方をどのようにしていったらいいのかという点でございます。解決の点につきましては、勢い住居専用地区の指定が適当であるかどうか、文教地区の指定が適当であるかどうか、こういう問題に大体要約されることと考えるのでありますが、過去の経過にかんがみまして、二十六年以来、東京都内に住居専用地区の指定をいたしましたのは二千四百余万坪の、要するに普通住居地区の三分の一程度を住居専用地区にいたしておりますが、この指定の中に昭和二十九年に住居専用地区にこの場所も指定いたしたいということで、当該の区当局にも意見を徴したのでありますが、そのときにおきましては、時期尚早というような御意見がありましたので、指定を見合せていたというような事情もあって、今日にきておるわけであります。しかし最近、特に風紀上の問題から、この問題が大きく取り上げられてきまして、われわれ関係者といたしましても、これを黙って見ておるわけにはいかないので、いろいろ考究しておりましたところへ、この数日来、当該区からも文教地区の指定をしてくれという書類が手元に参っておるような次第でございます。そういうような点からいたしまして、この文教地区指定の問題をただいま検討中でございます。これが指定いたしますれば、問題の旅館というようなものにつきましても、今後の増設、あるいは新設というようなことがある程度法的にも制約をすることができるわけでございます。もっとも過去にできておる既得権を云々することは法的にはなかなかむずかしい問題でございますが、ともかく新しく
 ふえてくる関係におきましては、制約ができることと存じます。しかしこれは先ほど来申し上げましたように、またさきに他の参考人から申されましたように、旅館そのものがいけないのではないという御意見も受けまして、やはりその中における人の行為そのものに問題があるので、結局、法規的にいいまするならば、風俗営業の問題、あるいは旅館営業の問題、そういうような面をやはり再検討なり、また改善の方向に持っていかなければ、問題のほんとうの解決にはならぬということを重ねて申し上げる次第でございます。ただ学校の付近に問題の旅館を作るというようなことにつきましても、単に施設そのものでなく、学校とか、そういう文教施設との関係における距離の問題、あるいはそれを営むところの営業の時間の問題、あるいは先ほどお話のありましたような広告の問題等もまたわれわれとして考慮しなければならぬ問題と思うのであります。いずれにしても都市計画的に文教地区指定を行うか、あるいは住居専用地区の指定をするかというようなことについて、早急に結論を出すべくただいま検討中であるということでございます。以上であります。
○委員長(岡三郎君) どうもありがとうございました。先ほどお諮り申し上げましたように、藤本君におかれましては、仕事の都合上、二時半に都庁に帰りたいということでありますので、この際、建設局長に限って御質疑のあります方はしていただきたいと思います。
○高田なほ子君 東京都の建設について貴重な御意見をただいま開陳されたと思いますが、なかんずくお伺いしたいことは、最近の東京都におけるホテル、旅館、下宿、そういうようなものを含めますと、非常に増加率が高いように思われます。私の手元にある数字をちょっと参考までに読み上げると、二十九年十二月末の調べでは、これらの業者の数が二千九百九十六軒、三十年になるとがぜんこれがふえて四千九十軒、三十一年にはさらにふえて四千百九十二軒、こういうふうに非常に格段の、三十年以降旅館のふえ方がはなはだしいように考えられます。これは建設局の方でも、東京都として何か特別な御指導の上にこういうふえ方がされておるのか、またこのふえたものに対して実態をどのようにっかんでおられるのか、この点をまずお尋ねをしたいのです。
○参考人(藤本勝満露君) 建設局長としてお答えすべき……恐縮ではございますが、旅館の実態の関係につきましては、私の担当ではなく、衛生局の担当で、本日衛生局関係の者が………。
○高田なほ子君 御発言中ですが、実態を詳しく説明せよというのではなしに、今あなたの方の御区分は、東京都全体の建設について、いろいろの施設、つまり専用地区などを設けるについては、あなたの方の所管でございましょう。そうだとすれば、私の質問の要点は、二十九年度以降非常に東京都は旅館がふえてきておる。しかし、先ほど牧野さんからもるる説明があったようですが、旅館といってもピンからキリまであるわけですから、それを一一説明してほしというのではないのです。また御説明もできないと思います。しかし東京都として、こういうような旅館が非常にふえてきたということに対して、あなたはその専用地区の設定等についても、鳩森小学校の場合はお考えになっておるですが、東京都全体として、こういう業態が非常にふえてきておるということに対して、何か特殊な注意するお考えはないかどうかということです。こういう実態をどういうふうに把握しているかということなんです。
○参考人(藤本勝満露君) 旅館の実態、内容につきましては、実は詳細申し上げることができないことは遺憾といたしますが、今のお話のような傾向といたしまして、そうして都市施設の中におけるところのわれわれの担当の面から見た考え方に触れさせていただきたいと思いますが、最近の東京都の人口増加は、御承知のように、年々最近におきましても、三十万以上の増加をいたしております。また、ことに三十年以降におきましては、経済情勢、産業情勢、そういうような見地から、東京都に経済活動等、あるいはまた中央諸官庁等を通してのいろいろの出入りの関係が多くなっておる。また別途に観光的な見地、あるいはまた観光にも国内観光と国外観光、そういうようないろいろの点におきまして、いわゆる人の動きといいますか、そういうようなものが相当に顕著に多くなっておる。こういうような実体の面の、また反面といたしまして、それに適当の旅館、ホテル、寮、宿舎、こういうようなものも、またそれに応じて増加するというようなことは考えられます。しかしそのこと自体は、われわれはあくまでも風紀的な面、風俗的な面、そういうような面についてのことは、もちろん好ましくないし、そういうような線は、都市計画的にも、そういう施設を許容するというような考え方につきましては、当然これを制約していきたい。こういうようなことを考えております。そういうような点におきまして、住居の、現在都民であられるところの各位の住居の安寧、あるいは学校等、文教施設等の確保等につきましても、よりよき状態を、こういうような旅館等の増加によってわずらわされるというようなことが起きないようにということは考え、また配慮をいたしております。
○高田なほ子君 ただいまの御意見、これで了承いたしますが東京都の中でも、今問題になっている鳩森小学校を中心とする渋谷区の旅館業の発展ぶりというものは、多分都の方には数字があると思いますから私は申し上げませんが、ここ二、三年来の急増の率というものは、ほかの区に比べて非常に多いように思われる。お説によれば、人の動き等をも勘案して云々ということがありましたが、なぜ渋谷だけが、旅館業の業態が他区に比べてふえていくのかというような点については、御検討がないでしょうか、あるいはまた渋谷のみならず、下谷の方もそうでありましょう。東京都の特定の地域に、こういう旅館業、またまぎらわしいような、いかがわしいようなものがふえていくということについての御研究は、どういうふうになっているか。もし東京都として、そういう特異な例が数字的にあればお示し願って、それに対して建設当局としては、どういうふうな手を打ちつつあったのか、またこれから打とうとなさるのか、これが一つです。
 もう一つは、一般住民のいい住宅を守ってあげなければならない、これはまことにごもっともな御意見でありますが、実際は鳩森小学校の旅館の建物のところへ行ってみますと、ずいぶん一般の住宅が侵害されて、日の目もみることのできないような状態になりつつある、それで奥の方に、旅館と旅館の谷にはさまれた家は、ここで火事だといって飛び出す場合は、路地が三尺もないくらいでしょうかね、これはよくああいうようなことが白昼正々堂々と東京都のもとでやられているかということについて、非常に私は、学校のみならず、一般の住宅の方に対しても大へんお気の毒な感をもってながめてきたわけであります。こういうふうな問題は、どんなふうに具体的にしようとするか、具体的に尋ねます。
 それからもう一点、三点お尋ねしますが、今の鳩森地区に対しては、当の渋谷区の方から、文教地区指定の申請が、すでに出ているように今承わりました。都としては、住宅専用地区にでもしたらいいのじゃないかというようなお話も、寄り寄りあるようでございますが、大体お役所仕事というものは、研究いたしますというのが結論なんですね、あるいは研究中というのが答弁ですね、もし鳩森小学校のある地区を、住宅専用地区または文教地区にしようとするならば、具体的に、いつごろ結論を出すつもりで、ただいまのような御意見が出されたものか、ごく具体的でありますから、具体的に御意見を聞かしていただきたいと思います。
○参考人(藤本勝満露君) 第一点につきましては、鳩森のみならず、都内におきましては、ちょっと具体的に例をあげましても、江戸川の西小松川二丁目の西小松川小学校の付近、あるいは台東区の浅草山谷にありますところの蓬莱中学校、あるいは同じ台東区の田中町にあります田中中学校、あるいは新宿区の三光町にあります四谷の第五、小学校、新宿幼稚園、都立四谷商業、あるいは新宿区の内藤町にあります四谷の第二中学校、あるいは都立新宿高等学校、また葛飾区の小谷野町にあります小谷野小学校、あるいは新宿の諏訪町の戸塚第二小学校、さらにはこの鳩森小学校、まあちょっと例をあげましても、こういうような所は文教地区なり住居専用地区なり、いわゆる特に旅館あるいはその他の興業等の関係等について調整と調和をはかっていかなけりゃならぬ場所として、それぞれ地元とも話し合い、検討をしておるような状況で、決して都といたしましてこの鳩森のみならず、全体の場所について適当でないというような場所については、せっかく諸般の施策を考えつつあるわけであります。
 第二の点の、住宅の方が圧迫を受けておるし、また環境上おもしろくない状況を放任しておるがごときお話の点がございましたが、たまたま建築局長の代理も来ておりますから、住宅の関係についてはあとでその方からお答えを申し上げますから、お許しを願います。
 また第三点の、渋谷の地区でこの問題をいつ解決するのかということでありますが、もちろん一日も早く解決をいたしますが、先ほど来申し上げておりますように、本件は専用地区そのことだけで、全体の解決をいたしません。従いまして、他の関係方面、ことに都の内部におきましての関係局との打ち合せもございますが、早急といいましても、まあ少くとも年度内にはめどを出したいと、このように考えておるわけであります。
○高田なほ子君 ちょっとふに落ちないところが一点ありますから。御答弁はそれで了とするわけですが、第一問の方ですが、蓬莱中学校とか、山谷とか、たくさん環境の悪い学校を御研究になってあげられたようでありますが、そして、その結果学校環境をよくし、またそれぞれの土地の状況等特殊な条件も考えて、調和をはかり、解決していきたい、御答弁としては了承できます。けれども、私がただしたい真意は、二十九年度以降特定な地区に非常にこういう業者の数がふえてきている。学校でなくて業者の数がふえてきている。これは学校を取り囲む囲まないとにかかわらず、東京都内における特定な地域に業者の数が増加するということに対して、これから手をお打ちになるということは、まあそれはいいんですけれども、今までなぜそういうことを放置されて、したいほうだいに、やりたいほうだいにさせておったかということについて、非常に私は疑問を持つんです。やはり全体の都市計画の中で、こういったような問題も考慮されなければならないのに、なぜ特定の地区だけが特にこういう業者がふえているのだろうか、それに対していつごろから研究をしておられて、いつごろから適切な手を打ってきたものか。もし手を打ってきたとするならば、今こんな問題は起るはずはないと思うんです。手を打たないできたから問題が起って、あわてふためいて、皆さんが頭を集めて研究しておるというのが正直なところだろうと思うんです。いつごろからこの調和をはかろうというふうにお考えになって計画をお立てになってきたのでしょうか。何か旅館業者の増加に対する特定な制限規定や何かということについて考えていませんか。
○参考人(藤本勝満露君) 旅館の問題に縮めてのお話でございますが、まあ旅館がふえるということは結局一つには簡単に言いますと駅、停車場、そういうようなものの交通機関に便利の場所、かつまた比較的静寂な環境にあるような場所、こういうような場所にむしろ住居地域、あるいは文教地区、あるいは風紀地区、そういうような環境であって交通に便利な場所、こういうようなところに旅館のふえる形が、やはり相当のかまえの旅館がふえる形が出てくることは御想像のされておる通りだと思います。まあ一般旅館は別でございますが。そこでまあこういう旅館に対しまして問題が起きるといいますが、これは都市計画的な面においては住居地区の中に旅館のできることは特に現在もまた将来も制限をする考え方は立法的にはわれわれとしては考えておりません。ただ住居専用地区、あるいは文教地区、こういうような場合において旅館というもののあり方を制約しよう。こういうような考え方で従来から進んで参っております。そこでいつごろからといいますれば、一番先のは昭和二十一年にすでに都知事は保健、衛生、風紀、安寧等の見地から、いわゆる文教地区の指定、告示をそのときから、すでに二十一年からやっております。しかし法的な強い裏づけがなかったので、いろいろ関係方面へお願いをし、要請いたしまして、昭和二十五年に建築基準法ができましたときに、初めて法律関係といたしまして文教地区建築条例というものを建築基準法五十二条に基いて作ることができて、その法律でもって文教地区の関係を以後展開しておるような次第であります。また住居専用地区につきましては昭和二十八年に住居専用地区を指定いたしまして、約二千百三十万坪、住居地域の約三〇%を指定しております。そして現在ではそれに追加々々をいたしまして、約二千四百四十四万坪を住居専用地区に指定しておりまして、決してこの面におきましてはきのうきょうでなく、もう古くからこの問題につきまして、いわゆる戦後特にこういう問題についての考え方なり取締りはいたしておりますが、幾度も申し上げるように都市計画的な施設の面よりも、より大事な面が他にある。それらの点と相待たなければ、施設の面をいかにしても十全を期し得ないという形が現況であるわけでございます。
○委員長(岡三郎君) ちょっと速記をとめて。
   〔速記中止〕
○委員長(岡三郎君) 速記を起して。
○湯山勇君 昨日都の方で環境浄化の協議会をお持ちになって、端的にお尋ねしますけれども、建設当局から文教地区に指定すということは、これはたくさん学校があるわけだから、結局赤線を指定するようなものだという意見が建設当局からなされたという意味は、私は建設省の方だろうと思うのですけれども、建設省がそういう考えを持っておるということは都の建設局もまた同じような観点に立っておるのじゃないか、これはけさ出た新聞ですから……、このことについてはたくさんの人が関心を持っておると思います。それは間違いだとか、それはその通りだとか、結論だけでけっこうですから一つもし建設省の方が言ったのだとしても都の建設局としてもこれと同じ考えかどうか、その点だけ一つ明瞭にしていただきたいと思います。
○参考人(藤本勝満露君) これも実は恐縮でございますが、昨日の委員会に私自身は出ておりませんので、他の教育長なり指導部長が出席しておりますが、少くとも私の心得ておる点においては、先ほど来この問題を検討しておると特に言った意味はそこにもあるわけです。なぜ検討しているかといいますと、東京部内全体の問題をわれわれ考えた場合に、文教地区というものは風俗取締りの関係で文教地区を指定するという、そういう考え方の文教地区じゃありませんです。文教地区の基本の考え方はそういう点で、風俗問題から文教地区の制限をしろというような意味合いでないものでございますから、文教地区の指定の基本の考え方、この問題に対する処置の仕方のこの調和の考え方を合せないと意見の不統一等が出て参ります。お話のように建設省と建設局との間においても多少まだ検討の余地がありますので、あえて検討中と申し上げたので、決してそのことを逆に赤線地区をふやす、そんな考え方はございませんが、とかく都行政全体の面からこの問題を検討していきたい、具体的に法規そのものだけで文教地区は取り上げられるべき性質のものではありませんので、あえて申し上げました次第でございます。よろしくお願いいたします。
○委員長(岡三郎君) それでは非常に多用でありますので、藤本勝満露君の退席を願います。どうもありがとうございました。
○高田なほ子君 ちょっとその前にお願いがありますが、今の局長の御意見の中で非常に私疑義に思う点が二点ばかりありますが、後刻何らかの機会を得て意見をただすことができるような取り計らいをしていただきたい。
○委員長(岡三郎君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
○委員長(岡三郎君) それでは速記を起して。
 第五番目に渋谷区教育長の幸田勝君からお願いいたします。
○参考人(幸田勝君) 発言を申し上げます前に私どもといたしまして旅館の分布図、それから地区指定の分布図と参考資料を持って参りましたので、もし御参考になりますればお配りいたしたいと考えております。
○委員長(岡三郎君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
○委員長(岡三郎君) 速記を起して。
○参考人(幸田勝君) 発言いたします。教育環境浄化の問題につきまして本委員会がお取り上げ下さいましていろいろ御討議をいただく機会を得まして、まことに私ども区の関係者といたしまして厚く感謝申し上げる次第でございます。私どもがこの問題に対しまして考えております根本的な考え方は、先ほど来学校長からも話が出ましたように、とかく道義の頽廃に基く性生活の乱れ、これを正常化していきたいという考え方を一つ持っております。なお家庭生活の健全化、これも悲願として私ども考えておるわけでございます。この運動の根本的な考え方はあくまでも純教育的な見地に立って推進していこうという考え方を持っておるわけでございます。従いまして私どもの考え方といたしましては業者をつぶすとかそういう考え方はございません。ただはっきり旅館業法に明示されております、旅館業法の第一条の目的にあります、正しい旅館業であるならば、大いに私どももその業者の発展には協力を惜しまないという態度をとっているわけでございます。残念ながら現状におきましては、その営業状態がとかくの批判を受けるような形態になっておりますので、これに対しては、道徳的な批判を加えるという立場に立って世論を喚起いたしておるようなわけでございます。今日まで、私どもがとっておりました運動の大要を申し上げますと、まずもって家庭において本問題については十分に関心を持っていただきたいというような考え方から、チラシを約六万六千枚、大体区内の全世帯にわたる数でございます。ポスターを約四千枚貼付いたしております。そして渋谷区全域にわたりまして、六回の会場を設けましてそこでそれぞれ対談会あるいは座談会というようなものを催しまして、この面にとかく親御が無関心であるために問題を起しがちでございますので、そういう面の啓蒙宣伝をやってきたようなわけでございます。その結果は予期以上の反響を呼びまして、私どもが知らなかった面でずいぶん教えられる面がありましたというような、御父兄からの声もございます。今日までかなりの時間をかけてそういう運動を展開して参ったわけでございます。しかし今までもこの世論の運動だけで終始するわけにも参りませんので、今後の方策といたしましては、三つの点を考えておるわけでございます。
 その一つは、先ほど業者の代表の牧野さんからもお話がございましたように、業者との話し合いをいたしたい、で、これは渋谷区には子供の環境を守るための一つの組織がございまして、教育環境対策協議会と、こういう組織がございまして、この組織においていろいろ検討を加えておるわけでございます。この組織は三十年の十月に発足したわけでございます。いわゆるワシントン・ハイツに米軍の独身士官が入って参りますときに、環境を乱されては困るということで、この組織ができたわけでございます。おかげさまをもちまして、米軍の独身士官が入ってきたことによって、風紀問題は起っていないようで非常に平静を保っておりますが、非常にありがたく思っておるわけでございます。この組織が取り上げまして、いろいろと検討を加えておる立場でございますが、業者との話し合いは九日に行うという予定を立てております。これが今後の運動方針としての一つでございます。
 第二番目は、文教地区に設定していただきたい、これによってこれ以上ふえるのを何とかして抑制していきたいという考え方を持っているわけでございます。この点につきましては、渋谷区といたしまして青少年問題協議会においても決定され、なお教育委員会、文教委員会、建設委員会それぞれの機関の議を経まして、すでに都の方にその上申書を提出してあるわけでございます。一日も早くこの文教地区指定というものが実施されまして、これ以上ふやさないという線に対する抑制策を講じていただきたい、こういう考え方を一つ持っておるわけでございます。
 第三番目といたしましては、旅館業法の改正に伴いまして、実は旅館業法の一部改正という内容がよくわかりかねておるわけなんです。いろいろお話を聞きますと、かなり大事な面が盛られるやに聞いておりますので、この旅館業法の改正に備えまして、いわゆる売春宿的なものができないようにしていきたいという考え方を持っておるわけでございます。
 その三つの方針に従いましてそれぞれ今後精力的に、しかも集約的に世論の喚起をし、陳情し、請願して、この目的達成をはかっていきたいという考え方を持っておるわけでございます。
 渋谷区は先ほど来お話にあります通り、とかく道玄坂を中心としましたここに相当な数が集まっております。また最近千駄ケ谷地区に相当な旅館ができて参りました。ともどもにその影響を受けておるわけでございます。何とかして子供たちのためによい場所を与えたい、これ以上教育環境の乱れを防ぎたいという考え方でやっておるわけでございまして、どうか一つ皆様方のこの面についてのわれわれの悲願の達成できますように、ひとえにお願いいたしまして私の説明を終りたいと思います。
○委員長(岡三郎君) どうもありがとうございました。
 続いて渋谷保健所長田島助太郎君。
○参考人(田島助太郎君) 指名によりまして渋谷保健所長の田島でございます。私どもは衛生関係から保健所を通じまして旅館の取締りをしておるものでございますが、私どももこの渋谷に起りました問題につきまして、環境の浄化ということは当然必要なことで、ことに教育環境の浄化はさらに必要なことと考えてやってきておるのでございます。御承知のように旅館営業の許可という点は、衛生的見地から私どもいたしておるものでございまして、衛生に合致いたしたものは許可する、こういうふうになっております。で、鳩森の状況でございますが、先ほども質問の中にあったようでございますが、私どもの考えるのには千駄ケ谷鳩森地区は新宿、渋谷の両域に――間にございまして、また環境も明治神宮外苑等があって静かで……こういう面、貫く広い道路、こういうようなところからここに旅館が多くなったものと、こう考えております。私こちらに赴任しましてから一年半余になりますので、その以前のことはいろいろ聞いたことでの問題でございますが、二十五年ごろからふえて参りまして八年、九年、三十年少しふえ方が減っておるようでございますが、最近またふえ方がさらに多くなったようでございます。で、旅館の業法のあり方につきまして私どももいろいろ当該指導するという意味合いで関与するとき、あるいは監視員が回りますときに近所迷惑にならないようにいろいろ心を配っていただきたい、注意していただきたい、あるいは警察方面の関係からいろいろ問題にならないように、そういうあり方についても注意していただきたい、また道徳的方面でも注意していただきたいというようなことを監視員を通じ、また私自身も話しておるのでございます。この鳩森地区ばかりではございませんが、私どものところにいろいろそういう旅館の方面、そのほかの方面でもございますが、旅館方面で話が入って参ります。たとえば遠くの丘から旅館の座敷が見えるので非常に工合が悪い、こういうことがありますれば私どもは旅館の方に参りまして、こういうことが周囲からあるからどうか気をつけて、あるいは目隠しをするとか、何かしてもらいたいというようなこと、あるいは煙突の煙が非常に多過ぎて油煙が落っこちるという訴えがございますれば、やはり旅館の方へ参りましてその方面の指導をいたして、そうして今後旅館等の煙突から煙が多く出ないようにお話して参っております。
 鳩森の問題につきまして一つ、二つのそういう問題はございましたけれども、私が参りましてからそう多く問題になる点を聞いておりません。また今度の問題につきましてもそのつど、問題がありますつど旅館に改めてもらっております。今度の問題についてもあまり話を聞いておりませんし、私ども起りましてからもいろいろこれは法律的に改正する面があるでしょうが、当事者同士がいろいろ話し合って改めるところは改める、そうして正常な旅館の状態にあるように導いていくというふうにしていただきたい、こういうふうな話もしておるのでございます。私もかねがね両組合――渋谷組合とそれから原宿、代々木の組合とがございますが、両組合の方々、ことに原宿、代々木の方々が先ほどもお話しましたように、将来の健全なりっぱな旅館に発展するべく努力しておるのだ。アジア大会も近いから、あるいは観光客も控えたりしましてちゃちな旅館ではいけない。りっぱに日本の旅館として恥しくないようなものに将来していくべく努力しているというようなことで、私もそうあるべきであると賛同しておった次第でございます。渋谷の旅館におきましては、それらの点で早くから自粛というような格好で進んでいるようでございまして、そういう段階にありましたということを皆さんにお伝えしておきたいと思うのでございます。
 なお、私どもの指導面で至らないところがございますれば、さらに今後十分注意して指導していくつもりでおるのでございます。
 以上をもって私のあいさつにかえる次第であります。
○委員長(岡三郎君) ありがとうございました。
 続いて渋谷区建築課長小山秀吉君。
○参考人(小山秀吉君) 現在の過程といたしましては、地元の区からはすでに東京都の都市計画審議会の方に地元の要望として文教地区を指定してもらいたいという要請書を出しております。それの経過にかんがみまして先ほど教育長からも地元として敷衍されたのでありますが、当初この方面の住宅街が住居専用地区に指定をみたときで、昭和二十九年であります。その当時やはり二十六、七、八年と非常に旅館がふえてきた。それがきっかけをなして住居専用地区の指定をみたわけであります。そのときに環状五号線とか主要道路とかの両側及び今回一番中、心になっております鳩森小学校の周辺の方は住居専用地区から除外されて残っておったわけであります。それでその方面に旅館が非常に進出してくるので、今回住居専用地区なり文教地区なりを指定してもらいたいという声が起ったわけです。それで昭和二十九年に住居専用地区に指定されました以降該専用地区内には旅館の新設は一軒も許可になっておりません。これはもし許可するとすれば東京都において建築審査会の同意を得てやるという、非常に手続上めんどうなのでありますが、幸い該方面では新しい旅館の新設は許可になっておりません。それで、昭和二十九年に新築された軒数は、建築課の調べによりますと、九軒ございます。三十年が八軒でございます。それから三十一年が非常に急激になりまして、二十三軒になりました。このように、二十三軒という前二年に比較して倍以上の軒数をみているということが、やはり今回の問題になる焦点だろうと思います。
 それで、その建て方としては、もちろん住居専用地区外でありますので、専用地区でないところを物色して、そうしてやってくるという形になります。それで、当初鳩森地区方面からは、該方面の大部分が住居専用地区でありますので、住居専用地区に指定してもらいたいという陳情書が出たわけであります。区議会における文教委員会の御審議の過程におきまして、住居専用地区がいいか、文教地区がいいか、いずれがよいか説明をしろというので、私が呼ばれまして、建築基準法に基きます用途の制限、それを比較して説明を申し上げました。その結果、区議会における文教委員会でも文教地区の方が町の発展のためにはいいという結論を得たわけであります。しかし、その地域、地区の指定となりますると、同じ常任委員会中に建設委員会がございますために、建設委員会でさらに御審議願いたいという段階になりまして、建築課といたしましては建設委員会が主管の会でありますから、そちらで関係法令の説明をいたしますとともに、現在までにおける陳情の要点、それから建築中の実態、そういうものを説明いたしまして企画したわけであります。従いまして、住居専用地区がいいという声ももちろんありますが、現在都の方に提出いたしております要望書の中には、商業地域内にも文教地区を指定しようという意図を含んでおります。法律的には、住居地域でなければ住居専用地区に指定できないのであって、商業地域、あるいは工業地域には住居専用地区は成り立たないという建前になっておりますので、商業地域の一部をも含めて環境対策を考えたいということでありますために、文教地区の指定が一番適切だ、しかも文教地区の方では、小さな家内工業的な小工場、あるいは専用店舗、専用事務所、そのようなものも一応制限から除外されておりますので、それらを考え合せますと、ホテル、旅館だけが禁止したい主要な目的であるから、文教地区が適切であるという結論を得たわけであります。それで、ただいまそれを区長、議長、それから教育委員長、この三者の連名をもちまして都市計画審議会会長に要請書を提出したところでございます。ただいま東京都の建設局長から御答弁がありましたように、現在それを御研究願っているわけでありますが、地元といたしましては、この問題が起ってから、さらに約十軒に及ぶ申請をみているような状態でありますが、できる限り早く取り上げていただいて、該地区の指定を促進してもらいたいという要望をしている最中であります。
 大体教育長の御説明と重複する面を避けた範囲の補足が以上でございます。
○委員長(岡三郎君) どうもありがとうございました。
 次に、東京都教育長本島寛君。
○参考人(本島寛君) 教育長の本島でございます。私は、現状についてはすでに前参考人から詳細に述べられておりますし、現場も先般御視察いただいて御案内でございますから、省略をさしていただいて、この対策について私どもの考えておりまするところを率直に述べさしていただきたいと思います。
 まず、現行の法のもとにおいてどのような対策をとるべきかという点でありますが、若干前に述べた人との重複がございますけれども、御承知のごとくに、この学校の環境をそこなうおそれの非常にある風俗営業、あるいは工場等につきましては、それぞれ風俗営業取締法、あるいは工場公害防止法によりまして、学校の周辺百メーター以内のところには、この種の営業なり、工場なりは建てられないということに規定されておりますから、その面での取締りが可能であります。ただ風俗営業から除外されております旅館につきましては、別に制限がない、つまり衛生上有害であるという点がない限りにおいては、衛生当局からも制肘を受けない衛生立法が従来あります関係から、そういうことになっているのだと思います。従ってこれは旅館業法ではどうにもできない。従ってこれは他の方面で、つまり都市計画上、建築基準法から見て、住居専用地区の指定をするなり、あるいは文教地区に指定をする以外にはない。住居専用地区にはそれなりの立法の理由なりなんぞがなければならないし、また文教地区も同様であります。で、鳩森の場合におきましては、私どもはぜひ一つ文教地区への指定をしてもらいたい、こう思っているわけでありますが、単に鳩森小学校だけでなくて、もっと広く学校の環境を守っていくという見地から見れば、まだまだ他の多くの学校について、同じように考えていかなければならない面があると思うのです。私どもが建設局長、あるいは建築局長の方に要望いたしておりますのは、単に鳩森だけでなくて、過去幾多、学校の環境を著しく阻害した事例があった苦い体験から照らしまして、今回鳩森問題が文教地区の指定によって一応おさまったとしても、また次々とこういうような事態が起らないとは限らない。従って、起ってからいろいろ考えたのでは少しおそい。むしろ業者の目の方が、まあ役人の目と申しましょうか、一般の人の考え方より先に行くかもしれない。従ってこの学校の環境というのは、いかなる場合においても教育的な環境が保全されるような最善の施策を常時考えていかなければならないのであるから、もっと広く学校の周辺というものを守る施策がほしい。大都会のようなところでは、すでに既存の建物が一ぱいに建て込んでおりまして、その中に望しまくない建物がかりにないといたしましても、将来その発展の状況いかんによりましては、いつでも業態の変更なんかが可能である。ましてや建築基準法とか、旅館業法とか、それらの法律の取締りという規定が非常に微弱であるという点においてはやむを得ない。そういう点から見まして、やはり環境を守るためには、現在あるものはしようがないといたしましても、将来に向って環境保全のためにはどうしても、もっと広い学校の地区にわたって、文教地区の指定が可能でないか。先ほど当地区の学校について建設局長が述べましたが、まだまだ、もっと広く私どもとしては大都会の学校の、最小限学校の周辺五十メーターくらいは、これは風俗営業ではございませんでも、せめて学校の教育に直接の支障、影響を来たさないように、最小限度の地域だけは守るような措置が講じられないだろうか、こういう問題を出しているのであります。ところが、これらには非常な問題点がありまして、すぐにできるだろうということにはなっておりませんために、検討問題になっておりますが、私どもとしては、ぜひそういうようにやってほしいということを要望いたしております。それからなお法的な運用によって現行法でできないということでありますれば、私ども何とかして学校環境を保全するために特別立法をしていただきたいということを考えておるわけであります。現行法においての取締りなり環境保全が不可能である、各学校を指定するということはいけない、現在の建築基準法からいう文教地区というのはそういう趣旨ではなかった。まあ立法当時においては東大とか早稲田、慶応とか、あるいは大岡山とかいったような広い地域の文教地区を保全するという趣旨が主であったために小、中学校個個のものを保全するという趣旨でなかったならば、その考え方の相違はありますけれどもやむを得ない、それならば何とかその方面の改正なり、特別立法をしていただきたい。それからさらにまた旅館のあり方の問題が旅人が旅行の宿舎として求むるその旅館であるべきはずのものが現在はそうでない事態に変ってきている。従って取締りの法律とその現在の利用状況と非常に格段の差が時代の変遷によって出てきたわけでありますから、その実態を見きわめて正しい旅館のあり方ができるように、この旅館業法の取締りはぜひとも改正をやっていただきたい。先ほど旅館組合の方からも非常に熱意のこもった自粛のお話がありましたが、私どもといたしましてはこれは自粛によって目的を達成されることが第一でありますけれども、しかし全国の多くの業者にすべてこれを求むることは至難だと思いますから、正しい旅館の経営ができるような事態になりまするように、その法の改正を急速にやっていただきたいということを望むわけであります。なおまたわれわれは単にこれを望むというだけではありませず、もちろん教育の当路者といたしましで関係各学校、東京都の全部の公共学校には生活指導主任を置きまして、特に子供たちの校内あるいは学校外における生活指導を重点として取り上げて参っておるわけであります。鳩森の問題につきましても十幾つかの学校につきまして特に具体的ないろいろの問題をお互いに出し合って対策を検討し、また実行することを話し合って進めて参っておるわけでありますが、同時にまたこうゆう地区では周辺のPTAとか、あるいは地元のお母さん方と緊密な連携を取りまして、特に子供会などを作って外でのよき遊び、あるいはよき言葉、そういったいい子供たちへの風習を植えつけていくようにしたい、悪いところから守っていきたいということで周辺とも緊密な連携を保っていかなければならない、かように考えておる次第でございます。両々相待ちましてその目的を達成するようにいたさなければなりませんが、根本は一般国民、私どもとしては都民全般がよく自分らの単なる目の前の目的を達するために多くの人たちに弊害を与えててん然としているというこの態度が、風習が改まらなければならない。つまり広い意味の社会教育という面からも取り上げなければならないと考えておる次第でございます。またこの問題ずばりに打ち出して効果を上げられる場合と、また他のいろいろな機会をつかまえてこういう問題を念頭に置きつつやっていく行き方等考えられるわけでありまして、私どもいろいろ苦心をいたしておりますが、そういう面からもできる限りのわれわれ関係者連携をいたしまして環境浄化のために努力をして参りたいと思う次第であります。
○委員長(岡三郎君) どうもありがとうございました。
 最後に東京都建築局指導部長の大河原春雄君にお願いいたします。
○参考人(大河原春雄君) 御説明申し上げます。私は建築局の指導部長をやっております。建築局の指導の仕事と申しますと、簡単に申しますならば建築の認許可の仕事をやっておるわけであります。そういう面から現在問題になっております旅館、その他のものの建築を禁止するにはどうしたらいいかという面を主眼点に置いて申し上げたいと思います。
 過去から振り返ってみますと戦後こういう問題で東京都内で問題になったのを申し上げますと相当、数があります。まず最初は北多摩郡の西府村で吟風荘という住宅がありまして、それを旅館にしたいというので一時非常に問題になりました。次は国立にやはり旅館ができるというので問題になった。次は武蔵野に、これは特殊飲食店でありますが、武蔵野に特殊飲食店ができたという問題、それから高田の馬場の早稲田の付近に特殊な旅館ができるそれから最後には池上に殊特飲食店ができるという問題、大体ざっと考えましても五つ問題があっております。そのうちの三つはいずれも旅館でありますし、あとの二つは特殊飲食店であったわけであります。そのうち大部分のものは解決いたしまして、現在別に問題はなくなっております。で、今問題になっております旅館を対象といたしまして、それを今後建築をできないようにするにはどうしたらいいだろうかということを考えてみますと、まず考えられるのは住居専用地区の指定をいたします。あるいはまた文教地区の指定をする。地区の指定としましては、この二つの方法があるわけでございます。こういたしますと、現在の構成では旅館の新築は一応全部禁止になります。それからもう一つの方法といたしまして旅館だけを取り上げますならば、旅館は学校からある程度の距離をとりましてそれ以内の距離では旅館を建築してはいけないということ、あるいは建築基準法では無理だとは思いますが、旅館業法の改正によりまして、そういう方法も考えられると思います。ただ残念なことには住居専用地区にいたしましても、文教地区に指定いたしましても今後の新築とか、あるいはまた増築等は禁止はできると思いますが、現状のものの改善あるいはまたそれを禁止してしまうという方法が講ぜられないわけであります。そのためには旅館業法を改正いたしまして風紀上いかがわしい行為をした場合には旅館の営業の停止、あるいは禁止という方法をとればその点は解決できるのではないかと思います。ただ旅館業法を改正いたしましても風紀のいかがわしいとかその他の認定の問題は非常にむずかしいのではないだろうかというふうに考えております。
 それから渋谷の付近でありますが、あの付近は、先ほど渋谷の建築課長からもお話があったわけでございますが、あの付近は、鳩森小学校の付近は除きまして、あの辺全般といたしまして、昭和二十八、九年に住居専用地区が指定になったわけであります。そういたしますと、住居専用地区に指定といいますと、その場所には旅館は禁止になった関係上、この指定のない鳩森小学校の付近へそれがみんな集中したのではないかというふうに考えます。ただ現在問題になっておりますのは、なるほど鳩森小学校の付近に旅館ができたという問題ではありますが、これをもう一度翻って考えてみますと、小学校だけの問題ではなくて、あの付近の住居の環境をそこねるのがいけないのだというのが根本問題ではないかと思います。それで先ほど申し上げましたように、学校から旅館の距離を五十メートルとる、百メートルとるというようなことを申し上げましても、かりに五十メートルのところがいかないということになりますと、では五十一メートルの場合はいいか、法的に可能かという問題になって参ります。それから小学校の校庭なり、あるいは教室から旅館が見えるとなりますと、それは距離の五十メートル、あるいは百メートルの問題ではありませんで、結局学校付近あるいはその付近の住居の安寧を害すという問題が根本問題ではないかと私は考えます。で、旅館々々と申しておりますが、われわれの今までの経験とか、あるいは現在の状況を見ておりますと、なるほどいろいろな赤線区域の廃止とかその他の問題で現在は旅館の形はとっておりますが、将来はどういう形で出てくるか、あるいはこういうことを申し上げていいか悪いかわかりませんが、私はいろいろな形でこういうものが出てくるのじゃないかと思う。その場合に単に建築の取締りとかその他の問題でなくて、もう少し大きな手を打ちませぬと、ほとんどその解決は不可能じゃないかというふうに考えております。
 それから先ほど委員の方からお話のあった赤線区域の問題ですが、そこをちょっとお答え申し上げたいと思いますが、昨日の会議に私どもは出ていたわけですが、新聞記事のことをお話申し上げますと、こういう実情であります。そのときに、あるいは文部省の方だと思いますが、文部省の方から都市計画法に風紀地区という制度があるではないか、風紀地区という制度があるからその鳩森小学校の付近を風紀地区に指定をして、風紀上いかがわしいものを排除したらどうだろうか、こういう意見があったわけであります。それに対しまして建設局が、あるいは建設省がお答えした点を申し上げますと、風紀地区は、なるほど私は禁止するのはけっこうだ、そうしますと東京であすこだけじゃなくて、東京都内全部いかがわしいものを禁止しなければならない。そうしますと東京の全部が風紀地区になるが、当然抜ける場所が出るわけであります。そうするとそういう抜けた場所にいかがわしいものが集中することになるじゃないか。そうしますと現在の売春禁止法その他のものと矛盾したかえって逆効果になるおれがあるから、風紀地区の指定というものはちょっとむずかしいという返答だったのであります。それが風紀地区と住居専用地区の指定と文教地区の指定と少し話がこんがらかりまして、ああいうふうに新聞に出たわけであります。
 非常に簡単でございますが、私のお話を終ります。
○委員長(岡三郎君) 大へんありがとうございました。
 以上で参考人の公述は終りましたが、順次質疑を受けます。大体の目標を四時半ごろに押えて質疑をやっていただき、その状況によって時間を少し延長する場合もある、こういうふうにお取りいただいて進めてよろしゅうございましょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡三郎君) それではどうぞ。
○矢嶋三義君 いろいろ伺いましたが、根本的な解決はゆっくりやるとしても、当面火急な問題は鳩森小学校の周辺に新築あるいは増築をされようとしている、これをいかに食いとめるかということが当面私は火急の問題と考えるわけです。その点について私伺いたいのですが、確かに商魂というものはたくましいのでして、百貨店法案が国会に出されるや、全国の百貨店は続続と増、新築をやったわけです。それが鳩森に、それに近い形で現われて、すでに十軒が建築申請をしているというわけですが、従ってまず牧野さんに伺いたいのですが、先ほどあなたの御説明ではけしからぬことをしているのはわれわれの組合員外の者で、われわれの方はいささかもやましい点はないのだという立場から述べられておりますが、組合員と組合員でない人はどういう比率になっているのか、また自粛決議をされたとすれば、増築、新築をやめようじゃないかと、この自粛は皆様方は業者としてこの際やり得ないのか、私はこれをぜひ一つやっていただきたいのです。これだけの問題になっておれば、組合に加入しておろうが加入していないだろうが、同じ旅館業をやっていくわけですから将来のこともあるわけですから、この自粛決議というもの私は可能性はあり得ると思うのですが、それに対してのあなたの見通しと御決意を承わりたいと思うのです。
 それから都の方に承わりたい点は、建設局長お帰りになったので、大河原指導部長さんからお答え願いたいと思いますけれども、先ほどから承わっておりますと住居専用区域にするか、文教地区指定にするかという点について局長さんも部長さんもはっきりした方針をまだ持っておられないようであります。私はそういう状況で推移していけば、先ほど局長は年度末を目途に指定の問題を解決するといっておりますが、それは解決できぬと思うのです。おそらく延びるのじゃないか、延びれば延びるほど百貨店法案のとき見られたような事態が起ってくるわけでございまして、私があなたに伺いたい点は、住居専用区域指定がいいのか、文教地区指定がいいのか、あなたはこれについてどう考えられるかという点、先ほどPTAの方から原案をいただいたのですが、私はこういう指定の仕方は小範囲に過ぎると思うのです。だんだん深刻になって参りまして、都民の心のいこいの場所というものがなくなりつつある。日比谷公園はすでに都民のいこいの場所になっていない。ところがあの地区は都の体育館があるし、十数校の各種学校もあるし、国立競技場もできるし、神宮もあることだし、あの地域は広く東京都民あるいは全国民の東京における心のいこいの場所として私はこの文教地区に指定するのが、大きく東京都をこれから建設していく都市計画から考えられてしかるべきじゃないかと、私はこういう見解を持つのですが、それに対するあなたの御見解を承わりたいと思うのです。ただしこの年度末といいますがね、もう少し早くこの問題を処理できないのか。この期日を繰り上げて、あなたの方の努力と業者のこの自粛という両面からいった場合に、初めて今の火急な鳩森の問題がとりあえず私は救済できる。それからさらに全国的な根本的な問題は、次の段階に慎重に対処していく。かように私は取り運んだらどうかと思うので、あえて伺うわけです。
 最後に承わりたい点は、昭和二十五年十二月二十二日に文部事務次官から東京都知事並びに教育委員会に対して学校の環境衛生について通達が特に出されておるわけです。その写しが全国の都道府県に出されたわけですが、これは都当局者としてはね、これはあったということをあなたは御存じになっておられるのかどうか、私はそこはどうも失礼だが、行政感覚の問題だと思うのですよ。これだけの通牒があり、これに沿うだけの行政感覚をもってすればですね、まあ二畳、三畳の部屋が多いような建築とか、あるいは私は現地を見たのですが、普通の人の台所のまん前にまでくっつけて温泉旅館の浴場があるような建築を許可しているというようなところですね、どうも私は、また文部省が通牒を出されたようですが、二十五年の文部省の通達というようなものは都の皆様の頭の中には入っておられなかったのじゃないかと、かような邪推をせざるを得ないわけなんですが、またあらためて文部省から通牒を出されたようでございますので、その通牒に対する皆さん方のお考え方もこの際承わっておきたいと思う。以上です。
○参考人(牧野鱗祥君) ただいまの御質問に対しまして非常な責任を感ずるのでございますが、この現状は実際遺憾ながら私どもの期待を裏切りました。自粛運動の組合員は徹底的に全員をあげてやっております。しかし組合員外の旅館というものが十何軒かあるのであります。これは第三国人がおもでありまして、三国人以外の人もあります。これらはとうてい私どもが今まで行なってきた、何年間かかかってこの連中に警告し、営業状態の改善を要求し、あるいは指導したのでありますが、言うことを聞かない。それで除名したり、あるいはいろいろな方法でわれわれの組合員外に出て行った人とか、あるいは初めから入れないものもおります。こういう特殊なものが中に何軒かおるのでありますが、これは全然業態が違うのでございます。それが一つ。それから増改築禁止の問題ですが、組合としてこれらの人々に対して私自身何回か面接をしまして何とかならぬかという相談をいたしました。今本会場に御本人がお見えです。それで何とか方法がないか、相談がないかといって、御本宅が全然違った区にありますで、おうちまで何べんも不肖組合長足を運んでおります。そうして努力しております。しかし何千万という金をかけて建築がされ、手金まで渡してある、どうにもしようがない。しょうがないから、仕方がなければ売るより方法がない、これが問題なんです。そういう家がすでに五、六軒、まあある意味においては行き過ぎかもしれませんが、商売にならなければ買い手が幾らでもあるのだから売っていこうという家が五、六軒私どもの目にとまっておるのであります。現に新聞広告をしている家があります。そうしてこれは第三国人じゃなくても青線、赤線業者はもってこいだといわんばかりの状態であります。幾らでも高い金を出すのであります。これをどうして私どもの力で阻止できましょうか。一方またこの許可書の申請を、おそらく先ほどからお話になっていたが、文教地区になさる前まで神崎さんの言う三法やいろいろなもので引き延ばし作戦を、私どもの会長である石田会長が三法委員会に提出されて、非常な努力をもって引き延ばし作戦の会をやっていらっしゃるけれども、おそらく、これは建築の専門家と保健所の方がいらっしゃるからお聞きになったらいいと思いますが、私は阻止できないと思う。それまでにおそらく十軒や十五軒もあの鳩森小学校のそばにできるのじゃないか、宣伝した結果、みんなあの近所ならもうかる、あるいは業者の一人としてはなはだ憂うべき結果は、今はお客さんがほとんどありませんが、二、三カ月たってこれが、この運動がたとえば下火になったとします。おそらくこの東京の温泉地帯という宣伝がきいて、あれは大体週末の熱海や箱根へ行くかわりに来るお客様が多いのです。事実そういう利用の方が多い。御夫婦で、ほんとうの目ざとい子供を持っていらっしゃってお家が狭い、そういうお客さんもある。疎開やもめもある。いろいろな階級の方が見えられる。それくらいのいろいろな人がうんと集まってくるのじゃないかと思うのです。そのときの責任は、私ども組合員が……。すでに新聞広告や電柱や声の宣伝を、全廃してまでもやろうとしておる、新聞広告はわれわれの共同の旅館の名前などをわれわれの許可を得た上でなければ出してはいかん、こういうふうに言っておりますが、おそらくこの旅館が続出してきて無統制になるのじゃないか、こういう危険性を多分に含んだ情勢下に追い込まれた、もう仕方がなければ昨日の私どもの全員会合で、もう私自身もここまで追い込まれて追い詰められれば旅館組合を解散しようじゃないか、そこまで、しかし会長は組合長、ちょっと待てと、この運動をしたPTAの方々から一ぺんも面会を申し込まれないじゃないか、会おうじゃないか、会って模様を聞こうじゃないか、こう言って解散をやめたというような情勢まできておるのであります。それから一方におきましては、これらの増建築の計画をして建築許可はもうすでにとってあるのです。そういう方方に何とかならぬかと言って会長と私とでお百度を踏んでおるのであります。しかし金の関係とか、銀行から金を借りたり、ほかから資本を借りて建築計画をしている方々にとっては、実際問題としては非常な問題なんであります。それともう一つは、旅館自体は内部を改造しなければ旅館という商売はよい旅館の方向に向っていかないのです。あの二畳、三畳の旅館の部屋を残しているところはほとんどなくなってきたのですけれども、まだまだ団体を入れるのには広間がない、広間がなければ旅館の生命線である団体の旅館として、これを五軒か十軒の、幾つかのグループを集めて、一列車かバス一台とかを引き受けるようにしなければ健全旅館になれないのでございます。そういうふうに努力しておるのであります。こういうふうな状態であります。概略を、御返事をまだ何かございましたら申し上げます。
○委員長(岡三郎君) 次、大河原君。
○参考人(大河原春雄君) お答え申し上げます。
 第一点の文教地区がよいか、住居専用地区がいいかという問題でありますが、これは分析いたしますと、あそこが文教地区なりあるいは住居専用地区のどちらを指定した方がいいかという問題が一つと、あるいはまたその後の問題としてどちらの方が都合がいいかというおそらく二点に分析されるのじゃないかと思います。それで申し上げますと、あの場所は小学校とかその他がありますから、文教地区の指定も可能であります。住居専用地区の指定もある程度可能だと思います。ただ、あの場所は相当商店とか、あるいは小工場がありますから、住居専用地区に指定するのももちろんでありましょうが、窮屈な点ができてくるのじゃないか。また文教地区につきましても、小学校の周辺でありますから、東京全般的の問題がありますから、もちろんやればやれます、しかしどちらが適当かという点は、私ども、建築でありますから、はっきりしたお答えを申し上げますと建設局の関係もありますので、私はどちらでもよろしいと考えております。
 自後の取締りの問題でありますが、自後の取締りから申し上げますと、文教地区に指定した方が取締りいいわけであります。それはどういう点かと申しますと、ちょっと法的になって恐縮でありますが、住居専用地区に指定になりますと、現在旅館があります。それで旅館につきましては敷地の拡張はいけないわけでありますが、建物の増築は、現在の面積の半分までは法的に無条件でできることになります。ですから文教地区になりますと、現在の敷地の拡張はもちろん、一坪の増築をする場合にも、全部許可をとらなければいけないということになりますので、許可でありますので、一坪の増築でも許可がなければできません。敷地の拡張も同様に禁止になります。新築はもちろん禁止できます。
 それから次は、文部省からこういう通牒が出ているのにどうしているのかという点であります。この点でありますが、当局の方はああいう通牒が出ておりますから、住居専用地区なり、あるいは文教地区を全部指定してあります。ただし抜けている場所もありますが、指定はしてあります。たまたま鳩森小学校の付近は、ほかの参考人の方から話はあったと思いますが、住居専用地区に指定したらどうかということを申し上げたところ、あそこの場所はいらないといわれたものですから、現在は指定になっておりません。そういう点があります。
 それからもう一つは文部省の通牒でありますが、なるほど建築基準法で文教地区の条例を作ったりして、文教地区の指定をしたり、住居専用地区に指定をしておりますが、そのほかに旅館業法の改正のことは全然うたわれていないわけであります。ただ旅館業法の改正によって風紀的な取締りをしなければいけないのではないかということは、われわれが昭和何年か忘れましたが、二十五年、少くともその前からたびたび言っているわけであります。それに対して厚生省は、現在法制の改正は考えているようでありますが、それまでには何の手も打たれておりません。その点をぜひこの委員会としても要望をしていただきたいというふうに考えております。
○矢嶋三義君 牧野さん、おそれ入りますが重ねて一つ伺いますから、簡単にお答え願いたいのですが、先ほどあなたのお言葉の中には、新築、増築をなさっている方は、組合員外の方だというように聞えたのですが。
○参考人(牧野鱗祥君) 組合員の中にもあるのです。
○矢嶋三義君 その中の人で……。
○参考人(牧野鱗祥君) ここに出席されています。この会場に見えています。
○委員長(岡三郎君) ちょっと待って下さい。許可を得て発言してもらわぬと混乱しますから。
○矢嶋三義君 それで、あなた方大へん努力なさっているというのはよくわかっているのですが、組合員外の方にどうも力が及ばないという。組合員につきましては少くとも努力されているが、組合員の方で、新築、増築を計画されている方に、これは相当なところまでいっている、むずかしいかもしれぬけれども、私らはこの前調査した方から、できるだけ皆さん方の自粛の決議の線に沿って、増築、新築を押えるということは、組合員の間ではできませんか。
○参考人(牧野鱗祥君) 新築の方はもう基準でやったり何かする関係上――増築とか何かは自粛する方法はむろん、組合員はそういうふうに考えてやりつつございます。ただ新築の何の計画を立てていらっしゃる方は、どうも非常に実際問題として困難なんでございますな。資金の関係なんですね。これは非常に困難な状態なんであります。
 それから、組合員外は、今の新たに出願の方は組合員外であって、全然方法はございません。そして組合に今までは何らの御相談もありませんでした、許可されるに対して。そういう状態でございます。しかし、この組合員外も自粛の御趣旨に沿うように、組合員外は十分努力いたします。さらに努力いたします。
○松永忠二君 保健所長に一つお伺いをしたいわけでありますが、今いろいろ所長さんのお話を聞いたわけでありますが、実際にあそこの旅館のやり方を見ていると、旅館業法において、「一日または数日を単位とする宿泊料を受けて」とか、旅館業法第二条にやや疑念を持たれるようなやり方をしておるというふうにわれわれは考えるわけなんです。そういう面で、正常な旅館としての運営ではないだろうというような、今やっておる鳩森の周辺の旅館の運営の仕方はそういう状況ではないというような御判断を持っておいでになるのか、あるいはそういう点はどういうふうにお考えになっておられるのか、という点が一点であります。
 それから衛生の関係上からだけ不適当であればこれを許可しないけれども、その他の点についてはそういう基準のもとで許可をしておるというお話であったわけでありますが、実際におやりになっていて旅館業法というものを改めていかなければできないという気持をお持ちになってこの許可をおやりになっているのかという点について御意見をお聞かせをいただきたい。その二つの点を保健所長にお願いしたいわけであります。
 それからPTAの会長さんにお伺いしたいのは、非常に御努力いただいておるけれども、現場に行ってみると非常に手おくれになっているというような感じがするわけでありますが、そういう点で、一体ここまでこういうふうになったことについて、ここまでこういうふうになってから、こういうふうな状況になってきた、手おくれになった原因というものがどこにあるというふうにPTAの方々ではお話をなさっておられるのか。その点を一つお伺いをしたいわけであります。
 もう一点、旅館組合の組合長さんにお伺いをしたい点は、いろいろ自粛というお話もあるわけでございますけれども、あそこの場所にあれだけの旅館が密集して建てられているということは、正常な運営をしていく上において利益があるので集まっておるというようなことはないように私ども考えるわけであります。そうなってくると、実は話し合いをし、自粛をするといっても一つの限度が出てくるというふうに私ども考えるわけなんでありますが、こういう点旅館業の方から言うならば、組合の方から言うならば、いや、あれは正常な運営をしていけばあのくらいの密集の状況でも成り立つものであるのか、やはりここは正常な利潤以外のものを追求したためにたくさんのものが密集してきている。そういう点から考えてくるならば、話し合いというものについてはある限度がある、自粛にも限度があるので、やはりそれ以上根本的に問題を解決していかなければできないのではないかというふうにわれわれは考えるわけなんでありますが、そういう点について、どういうお考えをお持ちであるか。お聞かせをいただきたいと思います。
○委員長(岡三郎君) まず初めに、保健所長の田島君から御答弁願います。
○参考人(田島助太郎君) 宿泊の日数につきまして、旅館業法ではホテル、普通旅館、簡易旅館、簡易宿泊所、こういうふうに分れておりまして、ホテルは一日あるいは数日の宿泊料を基準としております。それから普通旅館は、一日の宿泊料あるいは室料――室というのは部屋という室でございます。それから簡易宿泊所は一日以上数日と心得ております。今の問題になりますのは、普通旅館でございますが、普通旅館におきまして、特に一日の宿泊料及び室料、こういう意味合いは、いわゆる小学生なんかが、中学、高等学校の生徒が昼飯をとる、こういったような休憩を含めた、こういう意味合いの一日と、こう考えておるのでございます。別段アベックが利用するというふうに考えておるものではないのでございます。
 それから、今日の基準の許可の点で、その基準が改正せなけりゃならないかどうかという問題のことでございますが、同様にホテル、普通旅館、簡易旅館、簡易宿泊所とございますが、多額の金を出し得る人はりっぱな部屋で宿泊できるものと思いますが、少額の金しか支払えない方はこうした簡易宿泊所、こういったような所で安い宿泊料で泊ることになると、こう思っております。従いまして、多額の金を払う方は大きな室へ泊り得るだろうし、少額の金を支払ったところの方は小さな部屋、こういうふうになるものと考えております。
○松永忠二君 大へん私のお聞きしたのとは異なっているわけであります。私は、ただ一日、数日というようなことを言ったのは一つの例なんでありまして、私の考えるのは、この保健所の所長さんとして、旅館業が正しく行われているかどうかという点について、十分な監視もしていただかなきゃできないし、監督もしていただかなければできない。そういう点について、現在鳩森の付近の旅館業というものは正常な旅館業を営んでいるというふうにあなたはお考えになっているのかどうか。あるいはお考えになっていないならば、事実そういうことを指導なさり、監督をなさっておられ、そういう御報告を受けているのか。あるいは許可の場合にも具体的に許可しないというような場合もあったのかどうかということをお聞きしておるのであります。今のいわゆる旅館が正しい旅館業としての運営をしておるというふうに御判断なさっておるのかどうか。やはりそういう点についてどういうふうにお考えになって御指導なさっておるのかという点をお聞きしたわけであります。
 第二の点は、私が申し上げたのは、やはり保健所の所長さんとして仕事をやっておられるのに、やはり旅館業法というものを改めていってもらわなければ――単に公衆衛生上不適当であると認めるときは、というふうなことでは、現在の実情に即さない。やはりこの際、教育とか風紀とかいう面も入れて、この旅館業法を改めていくべきだというお考えをお持ちになってお仕事をおやりになっておるかどうかという点をお聞ききしておるわけであります。その点はっきりとお答えをいただきたいわけであります。
○参考人(田島助太郎君) 今の旅館の業法の鳩森地区におけるところのあり方でございますが、私どもに聞えてくる問題は少いのでございます。そういう、今言うように、アベックとか、あるいは風紀を乱しておるというような問題は私の方には聞えてくるのは少うございまして、むしろ警察の方に多いのじゃないかと思いますが、私はそういううわさを聞かないこともないので、監視、指導をして、そういうことのないようにするように注意をして回る。それからもう一つ私どもが許可を受けにくるときには、そういうことも考慮に入れて近所に迷惑、先ほど申しましたが、近所に迷惑にならぬようにやっていただきたい。また警察の迷惑になるようなあり方でやらないように、という注意、指導をしてやらしておるのでございます。
 それからもう一つの点でございますが、私どもは今の旅館業法を行なっていきますにつきまして、私どもが法外といいますか、の指導を十分にいたしまして、なお各業者が良識をもって仕事、営業をいたし、また泊る客が自粛といいますか、その本来の姿で泊っていただくことを希望して旅館業法を行なっております。
○松永忠二君 そうすると、その第一点について、あなたはそういうふうな情報についてはそれほど私どもの耳に入っておらないというお話でありましたが、現在こうしてお集まりをいただいて、そうしてさまざまの方々から実は憂うべき経営状況であるという点をお聞きだと思うわけであります。そういう点について、あなたは今後、そういう事態であるとすれば、あなたはどういうふうな一体方針で直ちにどういう点を改めておやりになって、また自分の職権としてお持ちになっていることをおやりになろうという具体的な案を今お持ちだと思うわけでありますが、そういう点いかがでありますか。
○参考人(田島助太郎君) 具体的な案といたしまして私どもは旅館業法でやつておりますので、いわゆる指導の点に力を注ぎまして、私どもが許可する場合、先ほども申しましたように、監視員の監視の場合、そういうようなことをしないように、ということでやっております。また今後もそれを強化して参りたい。また旅館業主にもそういうような意味合いで自粛して、本来の使命に邁進するよういろいろ私ども前々からお勧め申し、旅館業者も反省しているところ、いろいろ教え、指導して進めていきたい、こういうふうに将来も考えております。
○松永忠二君 もう一点ちょっと再度まことに失礼でありますが、新しい申請も出ておるというようなお話でありますが、そういう点についてはやはり十分に御検討なさって、実情をいろいろお話を聞きますと、あなたの許可が、ほとんど都知事の代決権を持っておられるというお話でありますので、こういう事情がおわかりになった以上、新しく申請されているものについては、そういう御判断のもとに十分に慎重に御処理なされるというおつもりでありますか。
○参考人(田島助太郎君) 今まで申しましたのは既設のことでありましたが、新設のことにつきましては、こういう問題を聞きまして、そうしてこういう問題が起りまして、営業三法におきまして早くからその情報を得て、たとえばこういうことがございます。私どもの方へ設計を出して参りまして、これは衛生基準に合っているかどうか、こういうものを設計を持って参ります。そのときに衛生基準上見まして、これを建築の方へ回すのでございます。その際にも、こういう事件が起りましてから、こういう事件が起っているのであって、学校周辺に建築するということはいろいろ問題もあるのですが、それを御承知ですか、こういうような注意をいたしまして、そうして建築に回すのでございますが、そういう新築の申請というわけじゃございませんので、私どもの方で建築の方へ回しますにつきましての協議がありました場合には、三法協議会を開きまして、その三法協議会には保健所側とそれから旅館、興行場、浴場の組合長の方、幹部の方、それから建築、警察、消防の方、それから区議会の議長の方、こういうふうに集まりまして、そこでいろいろ審議しまして御意見を承わって、皆さんの御意見はどうであるか、その際には旅館の側は地区の、その地区の旅館の開設に対する賛否の状態、またどの方が申請しているか、こういうようなことも聞いて参り、また警察もその方について調べて、そうしてそういうような面から意見を徴する、これは諮問機関でございますので、その後の決定につきましては申請が出て参りましてからのことでございます。
○委員長(岡三郎君) ちょっと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
○委員長(岡三郎君) 速記を始めて下さい。
 それではPTA会長の北川忠二君。
○参考人(北川忠二君) 今回の私たちの運動が手おくれじゃないか、その原因はどこにあるかというような御質問でございましたが、私たちとしましては決して現在の運動は手おくれであったとは実は考えておらないのでありまして、見方によりましては手おくれであったという見方も成り立つかもしれません。しかし最初に私申し上げました通り、実は鳩森小学校の子供たちは非常にいい環境下に置かれて教育されて参ったのでございまして、非常に静かな、先ほども申し上げましたが、明治神宮、あるいは新宿御苑に囲まれた静かな清らかな学内に置かれている子供たちでありまして、今までさような、親として心配するような点が子供たちに見られなかった。非常に純真でございまして、この点は実は先生方も私たちも非常に喜んでおったわけでございますが、しかしながら旅館が周囲にだんだん建って参りますと、親としましては非常に心配になりまして、これは何とかしなくちゃならぬということを話し合いましたのは一昨年からでございます。最初に私申し上げました子供たちが純真で何も知らないのに私たちがこの問題を大きく取り上げて知らないものにわざと教えるような結果になったのではこれは教育上また逆効果を及ぼすような結果になるので、この点を先生方ともいろいろ相談して参ったのであります。たしか二十九年だと存じましたが、学校のすぐ前に旅館ができましたので、どういう内容の旅館か、あるいは設計計画はどんな状態かということでただしに参ったことがございますが、これは私の会長のときじゃございません。当時の会長はつぶさにその状態を調査に参りまして、その当時旅館側で言われるのには決してそういうあやしい旅館ではない、私のところは地方鉄道の指定旅館にもなっておる。そういう方々をお泊めするのであって、決してそういう旅館ではないから御安心願いたい、なお間仕切り等の設計図もこの通りですからということでいろいろ見せていただいのだそうでございますが、その当時は一応ごもっともな点もございまして、了承して参ったやに聞いております。その後そこへ出入される客の状態を見てみますとどうもふに落ちない、不純と認められるような方々の非常に出入りが多いということからしまして、これでは学校教育上まずいと考えまして、昨年のたしか二月か三月ごろだったと記憶しておりますが、私自身が数名の方と何回もそのお宅を訪問したわけであります。たしか四回訪問したと思いますが、四回ともお会いできずに至ったわけであります。私たちといたしましてはできるならばお話し合いをして、そして直していただく点、私たちの希望はぜひ受け入れられてそういう悪環境からできるならば自粛をしていただけるように希望はしておったわけでございますが、とうとうお会いできなかった。そのうちに御存じのようにどんどんふえる一方でございまして、なお校長からも先ほどお話がございましたように、教育上にも悪影響の多々あると見受けられる点がある。これらの事実を私たちが知りまして今にしてこれはどうしても立ち上らなければならない、多少子供たちに先ほど申し上げましたような影響はございましても、もっと大きい悪影響を除去しなければならないという見地から立ち上ったわけでございまして、その間時間的に多少の問がございまして手おくれであったのじゃないかという御質問もごもっともとは存じますが、私たちとしましては慎重に子供たちのことを考え、また先生方は教育上のことを考え、先ほどもどなたかおっしゃいましたが、まず自分たちの家庭の環境からも考えていかなければならないといろいろ検討しておりました準備期間とでも申しましょうか、そういうような期間が多少ございましたのでありまして、教育上悪い影響が事実ある、子供たちにそういうところが見受けられるという事実をつかんだ以上は敢然としてどんな多難なことが起きましょうともここで立ち上らなければならないというところから昨年十二月二十一日に父兄大会をもってそれを契機にして現在に至ったわけでございます。なお先ほどお話のございました三、四年前に鳩森地区を住居専用地区に誘ったが、これがどうこうというお話がございましたが、このことは私は全然聞いておりません。かりにそういうことが当時お話がございましたかどうか、聞いてはおりませんけれども、当時の状態は先ほど申し上げたような状態でございまして、あまりにも純真な子供たちでそういうようなことは全然感ぜられない地域であっただけに私たちが今回立ち上った理由の一つでもございますので、この点御了承をいただきたいと思うわけでございます。
○参考人(牧野鱗祥君) ただいまの御質問でございすが、今はこの遊覧バスが非常に発展しまして、本郷とか、小石川は大体現在団体旅館、昔の下宿屋なんですが、あれが何年間か、最近二、三年のうちに改造されまして、ほとんどがりっぱな団体旅館として発展したのであります。現在のあの外苑地区においても非常にバスは便利であり、少し業態を変えまするというとみんなの団結いかんによってはりっぱな団体旅館地区になることは決して困難ではないと私は存じております。ただ広間が必要なのと、内部の改造が現在の状態ではまた――旅館の設備としては東京のどこにも負けないりっぱな設備を持っている。どこの旅館をのぞいて見ても旅館の設備としては東京一でございます。けれども団体を宿泊せしめるにはもっと顔を洗う洗面所とか、それから広間とかいう点において旅館としての特殊な施設がなお足らないものと存じております。ただ、ついて来ない業者が、いわゆる三国人のような特殊なものが残るということはよく考えられるのでございます。しかしその相談も、交通公社その他の各社ともすでに相談をして客の輸送をすでに現在開始しております。現在団体の受け入れをやっているのでございます。ただ段階なくして一ぺんにまだできないという状態でございます。それを現在やりつつあるということを申し上げたいと思うのでございます。
 それから今会長からのお話の……今新築中のものに対しての交渉を、今会長が、何とかして取りやめるとか、あるいは中止させるとかいろいろな方法はないかといって相談等を会長が私よりも熱心になさっているのでもし委員長の許可を得れば、あとでぜひ会長からお聞き取り下さった方がこの造改築の問題を将来どうするかという問題は、最も過去の歴史と一緒にずっとよくおわかりするんではないか、こう考えております。
○松永忠二君 ちょっと誤解をされている点があるのでPTAの会長さんに、大へん早くから気をつけられて非常に慎重におやりになっているという点は実は私どもも大へんりっぱだと思うわけであります。で、いよいよどうもこれでは工合が悪いというので、いろいろとPTAの方々は関係方面へ陳情なさったというようなことも聞いているわけでございますが、そういう点で結局まあ具体的にあちこち当ってみても実に解決困難であるというようなそういう支障の点はなかったのか、そういう点にもしもこれをずいぶんあせってみたんだが、結果的にどうも工合が悪いというような点があったならばそういう点をほかの地域のこともあるのでお示しをいただきたいということを申し上げたわけでございますが。
○参考人(北川忠二君) その点は実はいろいろの手段を考えたのでございまして、陳情その他は区、都の関係個所へ陳情いたしました。そのほか保健所長さんのところへも直接お会いしまして状態をお話し、御協力を願うようにもお願いいたしました。いずれも直ちに取り上げていただきまして、区当局においては、さっそく委員会にもおかけ願い、非常に時間的にも早く私たちの気持をお取り上げ願ったわけでございまして、非常に感謝しておるわけであります。支障しましたという点は別段現在まではございません。
○松澤靖介君 保健所長さんにお伺いいたしますが、政治は民意を基調としたものでなくちゃならぬと私は考えますが、行政においてもしかりと思いますが、先ほどの御答弁を拝聴しておりますと、何だかピントがはずれたような行政官のようにも思われますので、二、三の点についてお伺いいたします。
 あなたは先ほど建築を許可する場合においては、他人に迷惑をかけないような、そういう意味において許可をしておると申されておったのですが、現場をわれわれが拝見した場合において、あの建物が建てられた場合に、その隣の人たちが、果して迷惑と思わないでしょうかどうか、私はそれをお聞きしたいのでありますが、その点について、行政官としてのあなたの態度は、ほんとうに民意というか、その地区の住民の福祉というか、さようなものをお考えになっておったかどうか。ただ単にうわさというものが私の耳に入ってこなかったからというような、さような安易な考えで行政をおやりになるということであったならば、私は国民の迷惑これ以上のものはないと考えますので、その点についてあなたの行政官としての今後の方針といいますか、お考えを拝聴さしていただきたいと思います。
○参考人(田島助太郎君) 今まで私が許可して参りましたのは、旅館業法の基準に従いまして許可して参りましたのでございまして、先ほどの私の答えに誤解があったかと思いますが、旅館業法の基準に従いまして許可して参りました。そのほかの指導につきましては、これは旅館業法外ですが、近所の迷惑にならないようにと、こういったような法外の指導もしているわけでございます。
○松澤靖介君 田島保健所長さんは、旅館という定義をどこにおいておられるか、私はそれをお聞きしたいと思います。
○参考人(田島助太郎君) 旅館業法の目的から考えまして、公衆衛生上の見地から取り締り、公共の福祉に供するものだと、こう考えて指導しております。
○松澤靖介君 私は旅館業法に合っても、公衆衛生の立場からのみということは、私は不可解に存ずるものであります。旅館そのものの内容というものが、果して真に旅館業法に沿うているかどうかということが、私は最も重要な問題かと存じます。それにもかかわらず、それを差しおいて、ただ一片の旅館業法というような、その一つの橋頭堡といいますか、それに立てこもって論ずるということは、私ははなはだ行政官としての、その良心を疑わざるを得ないのでありまして、この点について、ほんとうに旅館という定義を、はっきりあなたのお考えなさる御趣旨をお示しをお願いいたします。
○参考人(田島助太郎君) 今申し上げました通り、私は衛生法である旅館業法の見地に立ちましてやっておるのでございまして、旅館業法のみによってといわれますが、そういう法律のあり方でございますので、それによってやっております。
○松澤靖介君 私の質問しているのは、旅館の定義を私はどう考えているかということを御質問したいのであります。
○参考人(田島助太郎君) 旅館の定義は、その旅館業法にある目的をもって私は考えております。
○委員長(岡三郎君) ちょっと待って下さい。これは参考人の方にちょっと申し上げますが、結局先ほど旅館組合の方の牧野君から話が出たように、三法運営協議会というものも、従前ははかばかしい運営がなされておらなかったということがいわれておった。問題が起ってから、今度は業者も寄ってやるというようなことから考えてみて、やはり委員の中には、どうも失礼だが、保健所長さんは積極的にこういう問題については、従来関心を持っておらなかったんじゃないか。つまり積極的にこういうふうな教育環境の配慮について、どういう手を考えておったのかという問題から旅館組合の定義の問題に私は発展したんじゃないかと、こう思うんですが、つまり非常に消極的であって、この問題について積極的意思表示がないという点はどうも工合が悪いというふうな、私は今質問の応答から見て、そういう要旨じゃないかと思いますが、その点はいかがですか。
○参考人(田島助太郎君) 先ほどもいろいろありましたように、教育環境から積極的でなかったと、こういうお話でございますが、ほんとうに私どもの耳に入ってくるものが少うございまして、先ほどPTAの会長さんから、この問題につきましても、保健所長に話してというようでございますが、鳩森の問題については、PTAからお話は私承わっていないように記憶するのでございます。以上であります。
○松澤靖介君 保健所長さんに対してはこれくらいにしまして、あとは東京都並びに渋谷区の教育長ですか、その方々にお伺いしますが、この教育環境という問題は、今始まった問題でありません。これは数年来から、教育環境というものは浄化すべきであるという、その立場において、これは文部省といたしましても、あるいはわれわれ前に教育委員長をやっておった場合におきましても、すでにこの問題に対して、非常に頭を悩ました問題の一つであります。それにもかかわらず、今初めて東京都といたしまして、かような問題が大きく取り上げられたということに対しまして、私は東京都のような、非常に教育ということに対して最も熱意を傾けられなければならぬ地区において、はなはだ無関心であったような印象を受けることは非常に遺憾と思いますが、これに対して今までいかにお尽しになったか、先ほども触れたようでもありますけれども、なお大いにこの問題に対して、取っ組む熱意があるかどうか、お伺いしたいと思います。
○参考人(幸田勝君) 先ほどもちょっと経過的に御説明申し上げたんですが、私の方には教育環境対策協議会というものが常置されておるわけなんでございます。どこかに環境に乱れが出るというきざしがありますときには、その問題を取り上げて、対象にして機関にかけて、いろいろ運動方針を決定してやっていこうということで常置しておるわけなんです。先ほどPTAの会長の方からも話がありました通り、この環境対策協議会がいかにしゃっちょこ立ちをいたしましても、この協議会だけではどうにもなりませんです。やはり世論のバックがなければこの仕事の効果を期待するわけには参らないのでして、その世論の盛り上りという点を実は常に環境対策協議会としては見ているわけなんです。たまたまこの問題につきましては十二月末に学校が立ち上った、即刻間髪を入れずに対策協議会に移しまして、そして諸般の施策をして今日までやって参ったようなわけであります。決して無関心でおったというようなことはございませんし、今後もまた無関心でおられようはずはございません。いつ何どきどういう事態が起るかわかりませんので、この機関を常置し常に関心を深めて、そして私どもで申し上げますならば渋谷区内をあずかっておるわけでございます。渋谷区内の子供たちによい環境を与えてやろう、少くとも守ってやろうという考え方で今後も進めていきたい、こういうふうに考えております。
○松澤靖介君 その点はあまり触れないことにいたしますが、一言私自身といたしましても、この進駐軍の基地問題におきまして非常な教育環境の浄化という問題につきまして頭を悩ました一人といたしまして申し上げるのでありまして、その点において私自身といたしましても成功した実例をとうに数年来持っているので申し上げたので、お伺いしたような次第でございます。
 なお一点お聞きしたいのは、校長先生にですが、ただいま非常に御熱意をもちましていろいろと御苦心なさっていると思いますが、児童に対しましていかにあなたはこの対策につきましてマイナスにならないように教育上お考えになっているか、その点をちょっとお伺いしたいと思います。
○参考人(吉川芳次君) 児童憲章の中に、児童は、よい環境の中に育てられるということがしるされております。私たち教育者はよい環境の中においてのみ教育するということはできないのであります。区内全部がよい環境であるということは言えません。ことに私の学校のこの問題につきましての対策といたしましては、根本といたしましていわゆる教育を守るその根本は、心に悪に対しての抵抗力をつけようということを一番根本に考えたいと思います。それがために生徒指導、先ほど本島教育長先生からもお話がありましたが、生徒のいわゆる生活指導の面に重点を置きたいと思っております。それがためにはいわゆる児童委員会における問題、あるいは校外指導、あるいは校庭開放によって遊びを指導する。なおお母さんたちとのつながり等といたしましても地域座談会、親子協議会、その他の方法を考え、そして今実行している面もあるのでありますが、そうしたいわゆる心に悪に対しての抵抗を強くするという点に置いております。
○佐野廣君 田島保健所長さんにたった簡単なことを一つお尋ねいたします。先ほど来この恒久対策をいろいろ法律の改正の問題とか環境の浄化をいろいろお聞きしたんですが、ごく簡単なことで先ほどあなたの公述なさった中に、この旅館の検査とか指導というふうなことに関して台所の問題とか、あるいはお便所の問題だとか、あるいは煙突の問題とか、目隠しの問題と、こういうふうなお言葉がありましたが、この目隠しをして差し向き子供なんかに見られない、学校から見下しにならないように、あるいは外部から見れないようにこの目隠しをするということの指導はあなたの権限内にございますか。
○参考人(田島助太郎君) お答えいたします。目隠しをするという特別な条項はございませんです。が、そういう訴えがありました場合私ども旅館を監督している関係上、旅館にお話しまして、自発的に目隠しをしてもらうと、こういう格好でございます。
○佐野廣君 もしもそれをがえんじなかったときには、やらなかったときにはどういう行政指導が、あるいは対策がとられますか。
○参考人(田島助太郎君) やらなかった場合には基準の面ではございませんです。
○佐野廣君 そうしますと建築局の指導部長さん、大河原さん、これについてあなたの建築指導の面で対策はございませんか。
○参考人(大河原春雄君) それは御存じだと思いますけれども、民法によりまして三尺以内に開口部があった場合には見下さないよう目隠しを要求できる。これは旅館の特有の規定ではございませんが、一般の民法の規定で、隣の人から申込めばできると思います。
○佐野廣君 校長先生いらっしやらないようでございますから、PTAの北川会長さん、それで今の問題は応急対策としてこれが満足のいくようになるとお考えになりますでしょうか。
○参考人(北川忠二君) 実は私たちはそれはもちろん希望いたしますが、それだけでなく、それだけではまだ実は支障があるわけでございます。と申しますのは、特にこれは夜間等でございますが、いろいろな騒音が聞えてくるというような点に御考慮願わなければ、目隠しだけではまあ子供たちが直接目に触れるという点はそれを徹底さしていただけば解決すると存じます、が、それだけではないと思っておるわけでございます。
○佐野廣君 田島所長さん、その点はいかがでございましょうか。今の夜の騒音、まあ目と耳、いろいろこの除去の方法あるでしょうが、今の騒音その他ですね、夜の問題、そういうような点についての行政指導がございますか、方法が。
○参考人(田島助太郎君) 騒音につきましては工場公害防止条例でございまして……工場のことについては工場公害防止条例のことがございますし、騒音につきましては騒音防止条例というのがございまして、保健所でやるようになっております。
○委員長(岡三郎君) ちょっと今の点ですね、どうも話がはずれているようにまあ委員長の方としては聞いたのですが、要するに北川さんの言っていることは、まあ騒音という、そのいろいろな機械の音とか警笛の音というよりも、もっと別の騒音じゃないかというふうな気がしたのですがね。その点について佐野君、よろしゅうございますか。
○佐野廣君 いや、あまり満足でないです。
○参考人(本島寛君) ちょっと私衛生局の方に連絡している点がありますから、今田島君の答えについて付言してちょっと述べさしていただきます。
 私の方からもこの問題についてさっそく衛生局の方に申し入れてあるのでありますが、仕事のやり方といたしましては、本来衛生局長の所管の旅館の許可の事務が保健所長に委任されております。しかし問題があった場合には保健所長だけで処理をさせておらない。先ほどお話の三法運営協議会に諮りましたり、衛生局の方で検討を加えた結果その取扱いをいたすのであります。そういう関係からいたしまして、これほど問題になっている事件をただいつまでも保健所長にだけまかしておいてはいけないじゃないか、本局の方で十分慎重な取扱いをしてほしいということを申し出てあります。それに対しまして衛生局としてはもちろんあれほど問題になっているものであるから、自分の方で慎重な取扱いをする、こういうことであります。それで先ほど御質問のあったような点も私も申し上げまして、現在のあの旅館の営業のやり方というものは、本来の旅館の姿で正常な運営がなされておらないということは、これはもう明らかな常識ではないか、それを旅館としてどうして許可をするのかということも問いただしてみたのでありますが、ところが、残念ながら、現在現行の旅館業法におきましては、公衆衛生上有害であるという場合においてはチェックすることができるが、風紀の問題にまでわたって旅館業法の点で許可云々の扱いができないのだ、実に残念であるが現在できない、こういうことであったわけであります。そこで先ほど申しましたような意見を私が申し上げまして、旅館業法のすみやかな改正を厚生省の方でやってほしいということを申し出てあるような次第でございます。先ほどの田島君のお答えが大へん不十分のようでありましたので、衛生局についても、私同様なことを申して、今のような答をしか得られておりませんので、いろいろのぞき見なり何かの風紀の問題を具体的にあげて問いただしてみたのでありますが、いかんせん現行法ではいかんともできないのだ、強制はできない、こういうことで、善意の指導、道義的指導、これだけしかできないということでございます。
○参考人(幸田勝君) 先ほど御質問がありました目隠しとか、騒音とかいう問題、まあ業者の方は自発的に自粛の問題を取り上げましておやりになっていただいているようでごまいますが、それだけでは私ども満足いたしかねますので、この点は、先ほどちょっと触れましたように、九日に予定しております業者との話し合いの折に、そういう問題を、実はこまかな点でございますけれども、たくさん要望点を書き上げまして、業者の方々などとお話し合いをしたいというふうに考えているわけでございます。
○矢嶋三義君 私は、最後に本島教育長さんに伺いたいと思います。それは、この問題について、都の教育委員会並びに都議会の文教委員会は協議されたことがあるかどうか、また、何らかの意思決定をされたならば、どういう意思決定をされたかということを承わりたいと思うんです。地区指定の問題をとりましても、先刻来局長さん、あるいは部長さんから承わったところによりますと、相当にプッシューしなければ私はなかなか地区指定というものはできないだろうと思うんです。それからまた、いよいよ指定する場合に区域の設定につきましても、利害相反しますると、それぞれ圧力が加わって参って、私は容易な問題でないと思うんです。従って、当面最も関係の深い都の教育委員会とか、あるいは議会の文教委員会というものは、慎重審議して、やはり推進力にならなければならぬと思う。あなたとしては、行政官ですから、限度があると思いますけれども、もし強力なる推進力としての意思決定がされていなかったならば、教育長として、都の教育委員会、あるいは議会の文教委員会に限度を越さない程度の助言があってしかるべきではないかと思うんですが、これに対する御見解を承わりたいと思うんです。
 それと、先ほどから法律々々と言いますけれども、実際行政官が行政をやり、行政指導する場合に、心がけによって私はかなり違ってくると思うんです。先ほどあなたから、あの旅館の営業が正常なる云々と見られるかどうかというようなお言葉がありましたが、あるいは、今この問題がクローズ・アップしてから建築申請が多くなったと言いますけれども、さあ文教地区指定になるというと建築ができぬから、今から早く申請して許可とらぬといけませんよ、というような気持で対処していく場合と、それから、これほど問題になっているんだから法的には建築申請もできるし、また、許可せにゃならぬ立場にあるんだけれども、少し考えてはどうか、というような気持で行政官が対処して参るとでは、同じ法律の運用下においても相当の幅が出てくると思うんです。それで、第一線における行政官がどういう心がけでこれに対処していくのかという点については、都議会等にはしかるべき助言指導権を持っているわけなんですから、この問題の地区指定とか、当面の法のワク内における運用等につきましても、最も責任のある都の教育委員会と都議会の方々に御期待申し上げたい点があるわけで、これを伺っているわけでございまして、お答えいただきいと思います。
○参考人(本島寛君) 都議会の文教委員会、それから教育委員会は、もちろんこの問題が起りましてから非常な関心を持たれまして、もうすでに文教委員会におきましても私にずいぶんと質問がなされておりますし、今後の対策等についての見解等も求められて参ったのであります。結論と申しましては、先ほど申し上げた通りの見解でございますが、この点については同様教育委員会にはそのつど、正式の委員会でなく連絡協議会を毎週いたしておりますが、この場合にもそのつどその後情勢についての報告をいたしまして、対策の協議もいたしております。その結論が、先ほど申し上げたわけでございます。お話のごとくに、われわれ行政の執行の衝に当る者といたしましては、法律を実情に即して生かして運用しなければならぬ責務を持っておるわけでありますから、しゃくし定木的な単なる運用ではその効を発せられないこともよく承知をいたしております。関係の向きが非常に多うございますので、私どもとしては、関係各省庁と東京都の各局とがほんとうに緊密な連絡をとって同じような考え方でいろいろな法律の運用でそうして改正されるまではベストを尽さなければならないという観点から、時期的にはおくれたという点もございましたが、昨日、文部省、厚生省、建設省、警察庁、それから東京都関係では警視庁に建設局、建築局、衛生局、民生局と私どもの方と、関係の局部長の連絡協議会を持ったわけでありますが、これは第一回でございますので、いろいろそれぞれの担当の面から実情を話し合って今後の問題点を引き出してそうして共通に処理すべき問題は一緒になってやって行こうということの打ち合せをいたしまして、現に実情を調査中のものや、先ほど他の者から申しましたように文教地区としての指定の実際問題を取り上げてどのような方法で指定するかという点についても意見を交換し合いまして、急速に一つこの解決をはかろうではないかという申し合せもいたしております。私といたしましては、事が教育の面から発生いたしたことでありますので、今後私の方で渋谷区とともに中心的な推進的な仕事をしょって関係各省庁及び東京都の各局との連携を保持してやって参りたい、かように考えておる次第でございます。
○湯山勇君 時間もないようですから、簡単に。私は、きょうのこの会でちょっと心配なことができて参りましたので、これは保健所長さんにお尋ねしたいと思うのですが、今こういうふうに大体三月中には文教地区に指定するか何らかの結論を出したいというお話でございますし、それから情勢をお聞きすれば、すでにたくさん申請が新しいのが出ておる。そうすると、三月中に結論が出る。申請を出しておる人等は、これはこの際もう早くやらないとどうにもならなくなるのじゃないかというような懸念から、火事どろ式という言葉は悪いですが、ここ短かい期間に非常に強力な運動が展開されるのではないかということを懸念いたします。そこで、保健所長さんとしては、今こういう問題がこういうふうになっておる段階では、今出ておる申請はこの地区指定の結論が出るまでしばらく押えておくというような取り計らいができるかできないか。それからそれができないとすれば、三法運営協議会というのは保健所長さんの諮問機関だと聞いておるのですが、そうだとすれば、この協議会のメンバーの中へ、先ほど神崎さんから御提案があったのですけれども、この際問題になっておるのは教育問題ですから、そこで区の教育長さんなり、あるいはPTA会長さんなりをこのメンバーの中に加えてそうして今後の審議に当ってもらうというようなことはできないか。もしメンバーに正式に加えることができないとすれば、オブザーバーならできると思いますから、現在出ておる申請書の審議に当って教育長さん、あるいはPTA会長さんをオブザーバーとして参加させて意見を述べてもらう。そうすると、その中には、これは問題ないというようなものもあるでしょうし、これは若干問題だというようなものも、そういう見地から出てくると思いますので、そういう措置がとれるものか、とれないものか、あるいはとっていただけるかどうか、これが第一点です。
 それから第二点は、まあ法改正になる場合も考慮に入れて、厚生省の楠本部長さんもお見えになっておりますが、かりに法改正になった場合を考慮するとして、現在の環境衛生監視員ですか、これをもって充てるとすれば、果してできるかどうか。今あなたのところに何名の監視員がおって、分担がどれくらいになっておるか。で、先ほどいろいろ指導をさせておられるということですけれども、指導させるといっても、私は多分現在の人員配置ではそういうふうにたくさんの旅館の細部にわたっての指導というものは不可能じゃないかというような感じを持ちますで、それについて保健所長さんはどういう御所見を持っておられるか。
 それから第三点としては、これはどなたというわけでもないのですけれども、本日の御意見をお聞きしておりますと、若干皆さんのお考えになっておることは、やはり教育を守っていく、子供たちを守っていこうというお気持には変りはないのですけれども、いろいろ連絡、あるいは意思の疎通に若干欠ける点もあるのではないかというようなことが感じられるのですが、これはPTA会長さん、あるいは牧野さん、あるいは教育長さん、あるいは保健所の所長さんあたりやはりそういう点も若干きょうの会においでになってお感じになる点があれば、今後は一そう緊密な連絡をとって、法律の問題は別として、お互いにそういう話し合いで解決するというようなことについてさらに御協力願えるかどうか、この三点を
 一つお伺いしたいと思います。
○参考人(田島助太郎君) 文教指定地区というようなことになる前に、申請が出てきて、それを許可するかしないかという問題ですが、これは衛生法規にかなっておると許可しないわけにはいかないものでございます。それから運営三法でございますが、PTA、校長等を入れるというような問題につきましては、オブザーバーとして入るとうのは一向かまわない。
 それから監視員の監視のことでございますが、私を入れまして課長、係長、そのほか二名おるのでございまして、その監視に旅館だけで二百四十七、そのほかに興行場がございます。興行場が三十数カ所、それから浴場が六十七カ所、こういったようなところを、そのほかにクリーニングがございますし、それから理容、美容がございますし、その数も相当にございまして、現在でも監視には非常におおわらわになって十分にその監視ということがむずかしい問題になっておりますので、これも局の方へ人員の多くなることを要求してございます。
○湯山勇君 ちょっと今のあとの御答弁をいただく前に、保健所長さん、教育長さんや、PTA会長さんをオブザーバーとして入れることは差しつかえないという意味のお話があったのですが、あなたの考えとしてお入れになることできるのであるならば、お入れ願えますか、いかがでしょうか。
 それからもう一つは、本島教育長さんの方にお尋ねしたいのは、今の御答弁で衛生法規にかなっておるとするならば、許可しなくちやならないというような今のきわめて事務的な御答弁なんですけれども、先ほどの御答弁、教育長さんの御答弁と若干違うような受け取り方がされるような気がいたしますので、この点はいかがなのか、これはどちらから御答弁いただいてもけっこうですが、これを最後の御答弁をいただく前にちょっとお願いいたします。
○参考人(田島助太郎君) ただいまの、PTA、校長を入れることはオブザーバーとしてよろしゅうございます。
○委員長(岡三郎君) それに関連して、ちょっと聞きたい。オブザーバーということは私は不見識だと思う。湯山君の言ったのは決してそうではなくて、当然教育問題に直接関係しているから、どうしても教育委員会の代表者、これを入れて十分審議すべきが至当であろうというふうに言われているのが第一段階ですよ。それだからどうもあんたはこういうふうな教育を守ることについて、失礼ですが、みんなが
 一生懸命になっているのに、あんたは、衛生法規を守ってさえいれば仕方がないでしょうと……、それはそうだ。そうだが、だがそれではみんなの頭痛になっている点をあんたは少しも頭が痛くないように感じられる。みんなと同じように、もうちょっと頭が痛いと考えてもらわなければ困ると思う。参考人に対してこれはまことに失礼ですが、これは当然委員に加えていただいて、そうしてその委員の承諾がなければ、なかなか、保健所長はむずかしい問題だと言っても、これはわれわれの問題ではなくて、都の衛生局長、そういうふうな点、この場合は必要があるのではないかというふうな示唆を、本島さんも言われたと思うんです。ですから、そういうふうに進行をたどっていかなければ、これは蟻の一穴じゃないけれども、田島さんの一穴によって、これは水泡に帰するような点が出てくると思う。あんたのことだけじゃないけれども、もう少し多角的に知恵をめぐらして防衛するところの方法はないでしょうか。あんたの職権の中において、暫定的に防止するという方法を、ここに参考意見として申し述べてもらわなければ、あんたにせっかく来ていただいた意味がないと私は思うのですが、どうですか。オブザーバーではなくて……
○湯山勇君 今、正式なメンバーに入れることはできないか、法的にできないならできないと、それを先にお答えいただいて、これはこうこうでできないが、オブザーバーならというふうな話ならわかりますけれどもね。(「自民党の政治が悪いんだぞ」と呼ぶ者あり)
○委員長(岡三郎君) 私語はおやめ下さい。
○参考人(田島助太郎君) ただいまのお尋ね、オブザーバーに入れることができないかと聞きましたものですから、お入れすると言ったのですが、正式に委員に入れることができないかと、それを聞きのがしたのではないかと思います。それはよろしゅうございます。
○湯山勇君 けっこうです。
○希一考人(本島寛君) 先ほど私が申しました言葉に文教地区内は、住居専用地区の指定前において許可の申請ある旅館についての取扱いの問題についてのお尋ねでございましたが、これは問題がこのように大きくなった場合には、保健所長だけで処理さしておらない。これは単に保健所だけではございません。浴場にいたしましても、あるいは他の問題についても、そういうことについては東京都の行政実績でございます。従ってその点を私から衛生局の方へ申し入れてありますので、なおさっそく私からあらためて衛生局長の方に厳重にこの点は申し入れて、衛生局として取り上げて、慎重な処理をしてもらいたい、かように考えております。
○参考人(幸田勝君) 連絡に欠けている点があるのではないかという御質問でございます。問題が集約されて参りますと、より以上緊密な連絡をとらなければ、所期の目的が達成できないということも考えられます。その点につきましては、十分に今後も連絡をとっていきたいというふうに考えております。実は先ほど申し上げました教育環境対策協議会というもののメンバーでございます。この中にはP側もT側もございます。先生側もございます。区議会議員の代表者、これは文教委員会から出ております。それから保健所長さんも入っております。警察署長さんも入っております。青少年委員の方も入っております。地元婦人会の方も入っております。そういうわけで、あらゆる団体がこの中に入っております。ここでいろいろ討議をしておるわけでございます。なお私どもといたしましては、渋谷区に起りつつある問題でありますけれども、関係は都の方とも密接な関係がありますので、渋谷区の行政を扱っておる立場といたしまして、各方面に緊密に連絡をとって、集約的に目的完遂に進んでいきたい、連絡を十分にとっていきたいというふうに考えております。
○参考人(北川忠二君) ただいま教育長から申されたように、私たちとしましては、同様連絡を十分とっていく気持はございます。各単位PTAで、地区的にそれぞれ事情も多少異なった点もございましょうと思いまして、各地区の状態を教育長さんのところで取りまとめを願いまして、教育対策委員会として、これを一つにまとめて、業者の方とも懇談を持つ機会を今後持たれることは、私たちとしては望むところでございます。なお先ほど保健所長さんが言われた言葉につきまして、ちょっと申し述べさしていただきたいのですが、私の方から保健所長さんの方へお伺いしたことはないというお話でございましたが、これは間違いでございまして、私の方の今井副会長は、確かにお伺いして、それならば、こういう方法で、このように、というような指示さえもいただいてきたことは間違いないのでございまして、先ほど申しましたようなことは、来られたことはないとおっしやいましたのは、これは間違いと思いますから、この点を付言いたしておきたいと思います。
○委員長(岡三郎君) ほかに御質問でございますか。
○高田なほ子君 田島さんにお尋ねをいたします。先ほどの御発言では、近所が迷惑しようが、教育の環境が浄化されまいが、とにかくその旅館業法に合っていれば建築は許可するのだ、世間が今このように騒いでも、旅館業法に合っておるものに対してはこれは許可するのだ、こういうようなお話だったと思う。そういたしますと、今出願しているといわれる十軒は、これは許可なさるおつもりですか。
○参考人(田島助太郎君) 旅館業法にかないますればやむを得ないと思います。
○高田なほ子君 答弁が違います。今ね私がお尋ねしたのは、今出願しているといわれるこの十軒のものに対しては、三法会議なんかがあるらしいけれども、先ほどの牧野さんからの御発言によれば、業者の意見も何も聞かない。しかし現に保健所は、申請しておる十軒のものを許可するような傾向にあるという発言があったので、この十軒は許されるのではないかと聞いている、具体的ですよ。
○参考人(田島助太郎君) 三法協議会の意見を徴しまして、また衛生局の方とも連絡をとりまして、そうして措置したいと、こう思っております。
○高田なほ子君 重ねてお尋ねをいたしますが、この十軒は、すでに三法協議会にかかっておるのですか。
○参考人(田島助太郎君) かかっておのるのでございます。
○高田なほ子君 その結果許可するという方針をとっておられるようですね。
 その次にお尋ねしたいのですが、煙突から煙が出て困るという訴えもあるようだから、煙が出ないようにすると言われております。煙突というものは、必要があって建ったものですから、煙が出ないようにするということは、どういうふうにすることだか、具体的にあなたの指導方針を聞きます。
○参考人(田島助太郎君) 煙の出ないようにするというのではございませんで、煤煙の防止条例に一度、二度、三度、四度、五度というふうな状態の煙の出方がございますので、それに沿いまして、これ以上ではいけないとか、いいとかという方面で指導して参りたいと、こう思っております。そうしてなお近所に、油煙が多くて迷惑になることは、その面でいろいろ改造、こういうようなことを業者に申し入れまして、そうして近所に迷惑にならないような、そういう煙突のあり方にもっていきたい、こういうふうに考えております。
○高田なほ子君 近所に迷惑になるようなことについては、改造するようにも申し入れる、これはなるほど良心的なことでありましょう。しかし実際あなたは、許可するときに、近所に迷惑になるかならないかということを考えた上に許可すべきでしょう。それにこちらから質問があると、旅館業法に沿っていれば、私は許しますとこう言うのだが、近所が迷惑になるようなものを、あなたはなぜ許されるのですか。問題はここに私はあるのではないかと思う。近所に迷惑になるようなもの、そういうものは初めから許さないという、こういう建前にあなたがお立ちにならない限り、これは問題の解決がむずかしいと思う。
 そこで建築局長に、私はこの点を大河原さんにお尋ねをしたい。たとえば旅館業法に合っているとするならば、建築基準法の第一条に、目的の中には、この基準法のある理由については、申し述べられている通りなんです。だからこれは衛生上これこれの部屋数を整えて、便所はこうである、台所はこうである、こういうふうなことであったとしても、公共の福祉を乱すようなおそれのあるものに対しては、当然やはり指導しななければならない、特に田島さんのように法規一本やりで、人のこともよく聞かないような、そういうような所長さんもおられるのですから、これは建築局長も、相当腹をすえてかかってもらわなければ、幾ら口の先でうまいことを言ったって解決しない、この点について私はお尋ねしたい。
○参考人(大河原春雄君) 建築局といたしましては、先ほど何べんも申し上げましたように、住居専用地区なり、あるいは文教地区に指定になりまして、それにのっとりまして建築の確認をやりたいというふうに考えております。
○高田なほ子君 重ねてお尋ねをいたしますが、大へんこういう問題が大きくここに浮び出てきておりますから、なかなかやはり核心まで触れる御答弁もないし、率直に御意見も吐きにくいだろうと思いますけれども、やはりみんながこうして集まって、ひたいを集めて苦労しているのですから、旅館業法に沿ったとしても、こういう環境をこわすおそれがある、たとえば専用地区でないにしても、これはまずいというような点があったならば、これは当然、あなたは指導の任に当られる方だろうと思う、現に鳩森の旅館の間にはさまれている住宅は、火事になっても逃げられない、こういうものは一体どうするか、それから田島さんが認可をして、現に建てさせつつある旅館だと思うのですが、あれを見るともう、びっしり一ぱいに建っている、これは建蔽率というようなことも問題になってくるでしょうが、こういうやみ建築、違反建築を行われておるおそれがあるというふうにも考えれますが、こういう違反建築があった場合には、もし旅館業法に照らして、これは合法的であるといって認可した所であっても、建築違反がある場合にはこれを不許可にしなければならない。当然法に示された問題です。これについての見解を大河原さんから伺いたい。あともう一問ありますから簡単でけっこうです。
○参考人(大河原春雄君) お答えいたします。今御指摘のように、建築に違反がありましたならば、それは旅館と言わず、住宅と言わず、同様に扱いたいと考えております。旅館に違反があれば、これは他の建築物と同様に違反措置の命令を出しまして、聞かなかった場合代理執行という例もありますから、これは旅館のみならず付近の住宅も同様に……旅館だから特に建築違反を取り締るとか、違反をやるというような意味ではなくて、同様に取り扱っていきたいというふうに考えております。
○高田なほ子君 鳩森地区の現に建てつつある旅館並びにあの旅館に囲まれておる住宅、あの問題について建築基準法に照らして遺憾であると思われるのですが、十分に指摘されておりますかどうかこの点。
○参考人(大河原春雄君) ちょっと今の御質問はっきりわからないのですが、建築基準法に抵触しているという意味がちょっとわからないわけでありますけれども、建築の法規は御存じのように、住居専用地区あるいは文教地区であれば、これは旅館は禁止になりますが、御存じのように法は遡及いたしませんから、この点は非常にむずかしいと思います。現に……。
○高田なほ子君 ちょっとお待ち下さい。質問の趣旨がはっきりしないようですが、重ねてお尋ねいたします。これは私は建築の専門家ではありませんが、あの地区にはやはり建坪率というものがあると思うのです。そこで今建てられつつある旅館とおぼしきもの、これの建坪率というものは正しい率の通りいっておるかどうか、つまりやみ建築でないかどうかという、こういう点についてはお調べなされておるかどうかという点と、もう一つはこれは防火地域ではもちろんあそこはないのではないかと思いますが、目で見て常識的に旅館の間に建てられている住宅、それはもとは火事が起っても大丈夫であったでしょうと思いますけれども、逃げられないでしょう、あなたはごらんにならないからわからんけれども、旅館と旅館の間にはさまっちゃったのですね、その建てられた家が旅館が建ったために。そこで通路が二尺くらいの通路きりないわけですね。そうすると夜中に火事だと言った場合に、あれでは子供も何も出せられませんよ。これは地域とか何とかの問題ではなくて、一つの常識的な問題としてです。こういうような危険な建物の隣接しているということに対して、何らかこれに打つ手はないのか、こういうことを尋ねている、調べていないのですか。
○参考人(小山秀吉君) 高田先生の質問が、指導部長なんですが、たまたま地区のことでありますので、部長は東京中全体を考えまして、地区のことに対してはやはり詳細に知らん場合があります、私からかわってお答え申し上げます。
 今の旅館と旅館の間にはさまれているということは、私も実は先生から初めて伺ったわけで、そういう実態があることはままあります。それでたとえばそういう場合がどうして起り得るか、その住宅に属する土地に旅館が新築した場合はまずないのです。もともと既存の形でそういう形であった。しかしそれが、旅館が新築するまでは住宅であって、隣接が住宅であって、生けがきやへいとかで相当非常の場合には安全性はあった、ところが旅館が一ぱいに有効に建てますと、他人のことをかまわないでやる。従って民法でいう隣地境界線から一尺五寸離れておればどこからも文句が出ない、大いばりでやるという形であります。それでへいは、自分の屋敷一ばい一ばいにへいがあります。従って現在のはさまれた住宅は二尺とか三尺とか、もともとそうであったのだと思います。自分の保有している土地は。従ってそういう場合がありました場合に、事前に発見すれば当然その新しい旅館側に、裏のうちが危険じゃないか、だから裏のうちの要望することは当然である、建物に支障のない限り、法律の方ではニメートルと要求するのですが、ニメートルなくても、まず六尺でも、支障のものをもって手配することのできる程度の幅は割愛しないかという話はすることはありますが、しかしその場合でも、相手方がそれを借りるなり、あるいは買い取るなりしないと問題の根本的な解決にはならない。たまたまそういうような話がありましたので、なお調査してよく話し合ってみたいと思いますが、私も実はそういう状態は今初めて承知したような状態でありますので、よく調査いたしまして、あとう限り保安上支障のないような、あるいはその旅館の間にあった、もともとあったんだか、旅館に売ってしまったのか、そういうことも調べないとわかりませんが、一応実態に即した相談をしてみたいと思います。
 それからなお違反建築、建坪率の面でありますが、この鳩森地区から私どもの現在文教地区に指定してもらいたいという範囲は、原宿から千駄ケ谷、山谷と明治神宮の表参道から北参道、裏参道までの範囲を通っているものでありますが、その範囲で九十九軒ほどありますが、私どもの調べた範囲だけですでに十八軒ほどの違反がございます。それでもともと確認をとっておりまして工事を着手するものでありますが、その途中において確認以上に建てた、従って確認以上に建てた分は違反だ、こういうのが実態でございます。
 それからその場合区の方におきましては、行政措置としましては、口頭をもって指示をし、中止をいたしますが、それくらいではなかなか守ってくれる人は少いのです。それで一、二回そういう方法をとりますが、都の指導部の中に違反尋問の監察課がございますので、そちらに報告いたしまして適切な措置を講じてもらう方法をとっております。
 それから地元としては、確かにPTAとか母親の会とかが、建築を認めるから旅館ができるのだ、要は建物ができなければ旅館はできないのだ、だから建築を押える方法はないかという陳情がしょっちゅうございます。それで、事務的に申しますと、非常に消極的に感ぜられるのでありますが、その敷地にその建物が用途上、構造上あるいはその他技術上に適法であれば、これは区の処理に関しては一週間以内に確認をしなければならない。それから都に申達されるものであれば……。
○高田なほ子君 質問と違うことを答えないで下さい。
○参考人(小山秀吉君) では大体以上であります。
○高田なほ子君 私そういうことを聞いているのじゃないのですよ。鳩森地区に現に建てつつある建築は、違反のおそれがないのかどうかということをお尋ねしているのです。
○参考人(小山秀吉君) 十八軒違反がございます。現在工事中のものもでき上ったものも含めまして、十八軒の旅館が建築違反を構成しております。
○高田なほ子君 それに対しては、どういうふうになさるのですか。
○参考人(小山秀吉君) 先ほど申し上げましたように、口頭指示、口頭中止、これは区の措置でありますが、正式に文書をもって命令書を発行するのは知事の命令になりますために、東京都の方に報告して都の監察課の方の主管として知事名をもって文書命令を出します。
○高田なほ子君 その命令が出る前にもうどんどん現に建てつつあるものは、違反があっても建てられているようですが、われわれが見に行ったときにも、現に大工さんが入っておったのですが、あれもその中の一つでしょう。
○参考人(小山秀吉君) どの旅館であるか承知いたしませんが、確かに口頭指示をしましても、その指示を守らない部分はずいぶんあります。従ってそれらは口頭ぐらいでは間に合わない手合いであるから、都の方に文書命令を要請するわけであります。
○高田なほ子君 これは非常に、重大な問題です。米一升のやみ買いでも、これはたたき込まれた場合はもとありました。今はそういうことはなくなりましたけれども、しかし事こういう重大な問題が起っておるさなかに、違反だということがわかっておりながらも、どんどんそれが建っていく、それを押え切ることができない、一体これはどういうことなんですか。私はここにいろいろの問題の焦点がきているような気がしてならないのです。法律はありながら違反をしてしまう。その違反をどういうわけか知らないが、押さえ切ることができない。これは一つ認可する責任にある方が、責任をもって法の盲点をくぐっている違反については、これはぎっちりと押さえてもらわなければならない。認可する権利を与えるということは、法に基いた合法的なことを守らせなければならない義務を同時に持っていると思う。そういう義務が完全に果せられないで、旅館業法に合っているから認可します、認可しました、こういうばかげたことはないと思う。はなはだこれは遺憾に思います。どうぞここには大河原さんもお見えになって、指導部の方にあられるわけでありますから、こういう点を極度に督励されて、そうして違反のあるものは中止させて下さい。できますか。大河原さんにお答え願いたい。
○参考人(大河原春雄君) もちろん違反があれば文書で中止の命令をいたします。しかしそれは旅館のみならず、どういうものもやっております。
○高田なほ子君 では、この地区の違反件数については、中止させていただけますね。
○参考人(大河原春雄君) この地区のみならず、全都同様に扱いますから、別にこの地区だから特別にやるというわけじゃございません。全都に対して全部やっておりますから、この点は御承知願いたいと思います。
○高田なほ子君 もう一ぺんお伺いします。これは大河原さんにお尋ねします。先ほど冒頭にあなたの意見の開陳がありましたが、教育環境の浄化の問題について、今までもいろいろな件数が取り上げられてきた。しかしそれは幸いにして解決してきたということです。しかしこれはもう世論の非常な力のもとに解決したので、皆さんの役所の方が自主的に、積極的に解決してくれたものでないということは非常に遺憾に思います。その証拠には、あなたが解決をさせてあげたというのは、大部分はこの参議院の文教委員会に取り上げられた問題ばかりです。はなはだ皮肉なんですが、そうすると文教委員会が取り上げないものは、これは私は解決していないと見ている。一個人の私が調査したところでも、教育環境が破壊されている所は、実にたくさんあるのです。そこでお尋ねをしたいのですが、現に教育環境が非常に犯されていると思われるような件数は何件ぐらいあって、指導部としてはこの件数に対して、どれくらいの予算を組んで手を打とうとしているのか、具体的に伺いたい。
○参考人(大河原春雄君) 教育環境のどこを害しておるかといわれましても、非常に抽象的でありまして、私どもはどこがどうだということは、全都のことを、こことここだというふうにちょっとお話するわけにもいきませんし、具体的にこことここはどうしているかという御質問ならお答えできますが、全都の問題を抽象的にいわれても、ちょっとお答えできにくいと考えております。
○高田なほ子君 本島さんいかがでしょうか。教育委員会あたりでは、こういう問題を具体的に取り上げて、そうしてこれはしようがない、何とかこれは都の方から補償を出してもらって、何とか変えでもらえないだろうかというような、そういったような具体的な御相談というものは、教育委員会というものはしないのでしょうか。また渋谷の幸田さんも、具体的にそういうことを都の方におっしゃるような機会というものはないものでしょうか。
 また校長会では、たびたび校長会はお集まりのようですけれども、こういう問題については、具体的にどうしようというようなことを、校長会はお話にならないものでしょうか。私は以上御指名申し上げました方に、簡単でけっこうですから、お答えしていただきたいと思うのです。
○参考人(本島寛君) 私はこれは鳩森一つの問題でないことはお考えの通りであります。幾つかの学校につきましての実態の調査もいたしておりまするが、なかなか一様でない非常に複雑な事情もあります。それで私どもといたしましては、これはもう全都的に見まして、学校の環境を浄化するという観点から、全都の学校について一応調べてみようということで、今調査を進めております。
○参考人(幸田勝君) どうするかという問題の御質問でございますが、先ほど申し上げました通り、私どもとしては旅館業法の第一条に合う正しい営業をして、もらうという考え方で、自粛を要望したいという考え方を持っております。万一それが自粛した結果、営業が成り立たない、そうしてだれかの手に渡るという問題になってきますれば、そういう問題はこの次の問題になってくるんじゃないかというふうに考えておるわけでございます。
○高田なほ子君 校長会の方を……。
○参考人(吉川芳次君) 教育環境浄化につきましては、校長会でもたびたびそのお話が出まして、どうしたらよいかというようなことにつきましては、いろいろと教育長さんやほかの方々とお話し合いをしておったわけですが、事こうなりましたときも、ほかの地区の問題もありますが、とにかく校長会といたしましては、できるだけ全員が協力して環境浄化に邁進しようとするようにいっております。
○高田なほ子君 私は最後に御要望として、特に教育界の皆さんに、私もともに悩んでいる問題として御要望申し上げたいんですが、幸いきょうは本島さんもお見えになっておりますが、概して学校の先生方は、この教育環境浄化の問題に対してへっぴり腰だという、先ほども神崎さんからの、これは一般的なお話でしたけれども、勇敢じゃない、私も実際そう思うんですが、心配をしているんですけれども、声を出すと何だかだれかに悪いような気がする場合がある。それは何かこれを押えるものがある。私はしかし子供の教育環境を守るといことは、これは政治的な動きでもなければ、政治運動でもない。私はほんとうにこれはやり過ぎたって悔いのないことであるというふうに考えている。また教育委員会の皆さんも、校長会の皆さんも、なるほど旅館業者の中には、議員になっている方もあるし、会長さんになっている方もあって、いろいろ社交上お差しさわりの面もあるかもしれませんが、やはり教育家としては、敢然として教育環境を守るということのために、いま少し積極的になっていただけないものだろうか。特に建築基準法の第十一条でも、著しく公共の利益に反する場合に云々という条項があって、そうして市町村の議会の議決を経て、補償の予算をとってこれを直すというような、なかなかいい条文もあるようです。従いましてやはり政治を動かしていく、悪いものをなくしていくというのには、やはり現場の先生、そうして先生と手をつながなければならない教育委員の皆様方が一緒になって、こういう問題がたくさんますます起ってくるという危険性があるわけですから、どうか一つしっかりやっていただきたい。もっともっと先生方が、勇気を持ってこういう問題を取り上げて解決するような、そういう指導を、特に本島教育長さんに、心から御要望申し上げまして、私は質問を終ります。
○委員長(岡三郎君) ほかに御質疑がございますか。それでは委員長の方として、本日の件につきましてまとめたいと思いまするが、先ほど牧野君の方より、増改築の問題については、会長の石田君が見えておりまするので、でき得るならばというふうな意見があったわけですが、御存じのように、非常に時間が経過しておりまするので、これは割愛さしていただきたいと思います。そのかわりに、この問題については、九日に地元の方と話し合うということでありまするので、ここでいわゆる論争をするということは目的ではないわけです。結局子供のために、どういうふうにみんなが協力をするかという点が一番重要な点でありまして、そういうふうな点で、十分その機会にお話し合いを願ったならばと、こういうふうに、委員長から考えて、いろいろと質問が出ましたが、当委員会といたしましては、さらにこの問題については政府の関係当局から十分意見を聴取し、また質問をして、この問題についてよりよい見地から議を進めていきたいというふうに考えております。
 それで、結局法的の規制の問題とか、旅館業法の改正とか、あるいは文教地区、住宅専用地区の設定というふうな問題、総合的にこれは進めますが、それまでに、特に私は保健所長さん、建築課長さんにお願いする点は、やはり十分地元のことでございまするので皆がやきもきしておるという点もおわかりのことだと思うわけです。そこで先、ほど本島教育長も申されておる通りに、やはりこれは抜けがけにそういうふうな問題の最中にいくということはやはり穏当ではないというので、一刻を争うほどのこれは天下国家の問題ほどではないわけです、向うの旅館を建てるということについては。従ってそういうふうな点については十分本委員会においての質疑を通して、御要望にお答え願えれば、幸甚だというふうに考えるわけです。
 それから建築局の指導部長である大河原君、並びに中途退席せられました藤本勝満露君の方にこれは大河原君からもお伝え願いたいと思うのですが、十分検討されることはわれわれとしてもけっこうだと思うが、こういうふうな緊急問題でありますから、単に鳩森の問題だけではないと称しても、やはり焦眉の問題は、これだけ盛り上っている問題についてもやはりこたえる、それとともに、ほかの部面についても歩を進めるということが、やはり私は順序ではないかと思うわけです。ですから他があるからというので、これを遷延してやって、それで誤まったということがあっては、私はやはりいかんと思う。で、この問題だけを取り上げろという考え方でなくて、その一歩として一つまず鳩森の問題を一つ好範例としてお作りいただくように御検討をわずらわしい、こういうふうに考えるわけです。
 それから先ほど保健所長さんが三法協議会の方に教育委員会の代表をお入れして検討したいという言葉がありましたので、これは早急に一つ幸田教育長さんの方にお願いいたしまするが、十分その中に入ってやはり現状の中から、単に旅館業法の規定……これはその通りだと思うのです、保健所長さんが言うように法規の面からみれば。現行においては衛生法規から照らして許可しなければならぬかもわからぬ。しかし問題の性質は、ほんとうにそれが旅館としての内容、体裁を備えているものであるかどうかという点に思いをいたしまするならばいましばらくその旅館の性格その他がどういうものであるかという点についても配慮をされるということは、やはり一片の衛生法規という問題とあわせて、もっと総合的に、国民的な立場におけるところの道徳衛生といいますかね、道徳風紀の衛生という問題について、権限外でありましょうけれども、やはりこういうふうな当面の問題については熟慮していただきたい。そういうふうな形で教育委員会の方の御検討をわずらわしたいと思うわけです。
 いろいろと申し上げましたが、非常な御多忙の最中を長時間にわたって、しかも悪天候のところを熱心に御質疑に答えていただき、意見を述べていただいたことを、厚く委員会を代表して御礼を申し上げる次第であります。どうかこれにこりずに、一つ前進をしていただきたいと思います。
 なお、発言その他の場合におきまして、私の方からも言葉が過ぎた点があるかもわかりませんが、その点は一つまげて御了承願いたい。そういうふうにお願いいたしたいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十五分散会
   ―――――・―――――