第027回国会 地方行政委員会 第4号
昭和三十二年十一月十四日(木曜日)
   午前十時三十八分開会
    ―――――――――――――
  委員の異動
十一月八日委員吉江勝保君辞任につ
き、その補欠として川村松助君を議長
において指名した。
十一月十一日委員小柳牧衞君辞任につ
き、その補欠として小沢久太郎君を議
長において指名した。
十一月十二日委員川村松助君及び小沢
久太郎君辞任につき、その補欠として
林屋亀次郎君及び小柳牧衞君を議長に
おいて指名した。
十一月十三日委員大沢雄一君辞任につ
き、その補欠として井村徳二君を議長
において指名した。
本日委員伊能繁次郎君、井村徳二君及
び大和与一君辞任につき、その補欠と
して西郷吉之助君、大沢雄一君及び吉
田法晴君を議長において指名した。
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     小林 武治君
   理事
           大沢 雄一君
           加瀬  完君
           成瀬 幡治君
   委員
           伊能 芳雄君
           西郷吉之助君
           館  哲二君
           成田 一郎君
           本多 市郎君
           占部 秀男君
           久保  等君
           鈴木  壽君
           中田 吉雄君
           吉田 法晴君
           森 八三一君
  国務大臣
   国 務 大 臣 郡  祐一君
  政府委員
   自治庁財政局長 小林與三次君
   内閣総理大臣官
   房公務員制度調
   査室長     増子 正宏君
   人事院事務総局
   給与局長    瀧本 忠男君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       福永与一郎君
  説明員
   警察庁警備部長 山口 喜雄君
   自治庁行政局行
   政課長     降矢 敬義君
   自治庁行政局公
   務員課長    今枝 信雄君
   自治庁行政局公
   務員課長補佐  山口 敏之君
   自治庁行政局振
   興課長     吉浦 浄真君
   自治庁選挙局長 兼子 秀夫君
   自治庁財政局財
   政課長     柴田  護君
   自治庁税務局長 奥野 誠亮君
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  本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選
○地方自治の確立に関する請願(第四
 五三号)
○市町村立全日制高等学校教職員の在
 職期間通算に関する請願(第四七五
 号)(第四七六号)
○市町村立全日制高等学校教職員の在
 職期間通算に関する請願(第五六二
 号)(第五六三号)(第五六四号)
 (第五六五号)(第五六六号)
○新市町村建設促進に関する請願(第
 二七号)
○新町村の育成強化に関する請願(第
 三四九号)(第四五一号)
○市町村民税の準率による減税分に対
 する補てん措置の請願(第四五〇
 号)
○新市町村建設促進法の完全実施に関
 する予算措置の請願(第四五四号)
○地方自治体に対する国庫補助金早期
 決定等の請願(第四八五号)
○町村の議会に事務局設置の請願(第
 一号)(第二号)(第三号)(第四
 号)(第五号)(第六号)(第七
 号)(第八号)(第九号)(第一〇
 号)(第八一号)(第八二号)(第
 八三号)(第八四号)(第八五号)
 (第八六号)(第八七号)(第八八
 号)(第八九号)(第九〇号)(第
 九一号)(第九二号)(第九三号)
 (第九四号)(第九五号)(第九六
 号)(第九七号)(第九八号)(第
 九九号)(第一〇〇号)(第一〇一
 号)(第一〇二号)(第一九九号)
 (第二〇〇号)(第二〇一号)(第
 二〇一号)(第二〇三号)(第二〇
 四号)(第二〇五号)(第二〇六
 号)(第二〇七号)(第二〇八号)
 (第二〇九号)(第二一〇号)(第
 二一一号)(第二一二号)(第二一
 三号)(第二二九号)(第二三〇
 号)(第二三〇号)(第二三二号)
 (第二三三号)(第二三四号)(第
 二三五号)(第二三六号)(第二三
 七号)(第二三八号)(第二三九
 号)(第二四〇号)(第二四一号)
 (第二四二号)(第二四三号)(第
 二四四号)(第二四五号)(第二四
 六号)(第二四七号)(第二四八
 号)(第二四九号)(第二五〇号)
 (第二五一号)(第二五二号)(第
 二五三号)(第二五四号)(第二五
 五号)(第二五六号)(第二五七
 号)(第二五八号)(第二五九号)
 (第二六〇号)(第二六一号)(第
 二六二号)(第二六三号)(第二六
 四号)(第二六五号)(第二六六
 号)(第二六七号)(第二六八号)
 (第二六九号)(第二七〇号)(第
 二七一号)(第二七二号)(第二七
 三号)(第二七四号)(第二七五
 号)(第三一五号)(第三一六号)
 (第三一七号)(第三一八号)(第
 三一九号)(第三二〇号)(第三二
 一号)(第三二二号)(第三二三
 号)(第三二四号)(第三二五号)
 (第三二六号)(第三二七号)(第
 三二八号)(第三二九号)(第三三
 〇号)(第三三−号)(第三三二
 号)(第三三三号)(第三三四号)
 (第三三五号)(第三三六号)(第
 三三七号)(第三三八号)(第三三
 九号)(第三四〇号)(第三四一
 号)(第三四二号)(第三四三号)
 (第三五二号)(第四二三号)(第
 四二四号)(第四二三号)(第四二
 六号)(第四二七号)(第四二八
 号)(第四二九号)(第四三〇号)
 (第四三一号)(第四三二号)(第
 四三三号)(第四三四号)(第四三
 五号)(第四三六号)(第四三七
 号)(第四三八号)(第四三九号)
 (第四四〇号)(第四四一号)(第
 四四二号)(第四四三号)(第四四
 四号)(第四四五号)(第四四六
 号)(第四四七号)(第五〇二号)
 (第六三二号)(第六三三号)(第
 六三四号)(第六三五号)(第六三
 六号)(第六三七号)(第六三八
 号)(第六三九号)(第六四〇号)
 (第六四一号)(第六四二号)(第
 六四三号)(第六四四号)(第六四
 五号)(第六四六号)(第六四七
 号)(第六四八号)(第六四九号)
 (第六五〇号)(第六五一号)(第
 六五二号)(第六五三号)(第六五
 四号)(第六五五号)(第六五六
 号)(第六五七号)(第六五八号)
 (第六五九号)(第六六〇号)(第
 六六一号)(第六六二)(第六六三
 号)(第六六四号)(第六六五号)
 (第六六六号)(第六六七号)(第
 六六八号)(第六六九号)(第六七
 〇号)(第六七一号)(第六七二
 号)(第六七三号)(第六七四号)
 (第六七五)(第六七六号)(第六
 七七号)(第六七八号)(第六七九
 号)(第六八〇号)(第六八一号)
 (第六八二号)(第六八三号)(第
 六八四号)(策六八五号)(第六八
 六号)(第六八八号)(第六八九
 号)(第六九〇号)(第六九−号)
 (第六九二号)(第六九三号)(第
 六九四号)
○地方自治法第八条改正に関する請願
 (第一三号)
○町村の議会に事務局を設置する等の
 請願(第四四九号)
○山形県鶴岡市湯野浜地域の分市紛争
 早期解決に関する請願(第三七一
 号)
○地方財政再建に関する請願(第二八
 号)
○地方財政確立等に関する請願(第三
 七四号)(第五三九号)
○町村財政の確立に関する請願(第四
 五二号)
○地方交付税率改正に関する請願(第
 二六号)(第二一四号)(第四七〇
 号)
○たばこ小売業に対する事業税を非課
 税とするの請願(第三七七号)
○地方税法の一部改正に関する請願
 (第二五号)
○日本住宅公団賃貸住宅の固定資産税
 等免除に関する請願(第四〇三号)
 (第四〇四号)(第四八一号)(第
 四八二号)(第五六九号)
○地方行政の改革に関する調査の件
 (警察行政に関する件)
 (地方財政に関する件)
 (町村議会事務局の設置に関する
 件)
 (選挙制度に関する件)
 (福岡県における職員の免職問題に
 関する件)
 (地方公務員の給与に関する件)
 (国有提供施設等所在市町村助成交
 付金に関する件)
○継続認査要求の件
    ―――――――――――――
○委員長(小林武治君) これより委員会を開きます。
 まず、委員の異動について報告いたします。
 去る八日吉江勝保君が辞任され、川村松助君が補欠選任されました。十一日には小柳牧衞君が辞任され、小沢久太郎君が新たに委員になられましたところ、十二日に川村松助君、小沢久太郎君が辞任され、林屋亀次郎君、小柳牧衞君がそれぞれ補欠選任されました。また、昨十三日には大沢雄一君が辞任され、井村徳二君が委員となられました。さらに、本日伊能繁次郎君、大和与一君、井村徳二君が辞任され、西郷吉之助君、吉田法晴君、大沢雄一君が委員となられました。
 以上、報告いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(小林武治君) 次に、この際理事の補欠互選についてお諮りいたします。理事の大沢雄一君、小柳牧衞君が委員を辞任されましたため、理事に二人欠員が生じておりましたところ、ただいま報告いたしました通り、大沢雄一君、小柳牧衞君が再び委員になられました。
 よって便宜委員長において、大沢雄一君、小柳牧衞君を再び理事に指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林武治君) 御異議ないと認めて理事に大沢雄一君、小柳牧衞君を指名いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(小林武治君) これより本日の議事に入ります。
 まず、請願の審査を行います。請願第一号、町村の議会に事務局設置の請願外二百四十五件を便宜一括して議題に供します。専門員より、各請願の趣旨について説明を聴取いたします。
○専門員(福永与一郎君) お手元に謄写版刷りで差し上げてございますが、最初は四百五十三号、府県制度の根本的改革に当っては、大局的見地に立って、町村の行政の質の転換を策し、真に地方自治の本旨を具現する制度の改正をはかられたいという趣旨のものでございます。
 第十三号は、現在、地方自治法の規定によりまして、自治の市制を施行する要件として、人口五万以上ということに相なっておりますのを、三万以上ということに自治法の規定を改正せられたいというものでございます。
 その次は、第一号以下、多少の番号の飛びはございますが、全部合せて二百十三件いずれも、町村の議会に、条例の定めるところにより、事務局を設置することができるという内容の規定を地方自治法中に設けられたいというものでございます。
 その次は、同じく地方議会、町村議会事務局の設置に関するものでございます。四百四十九号、これは町村議会には事務局を必置機関とする、必ず設けられなければならないとするとともに、議会議員の質の向上をはかるための研修機関を設置するように、法律の改正を望むというものでございます。
 その次は、四百七十五号、四百七十六号、五百六十二号、五百六十三号、五百六十四号、五百六十五号、五百六十六号、七件ございますが、これは、市町村立の全日制高等学校の教職員の在職期間の計算が、都道府県と市町村との間には、恩給の在職期間の通算ができるように努めなければならないという規定に相なっておりますのを、全国に当然通算ができるように、そうして都道府県立脚等学校や義務教育諸学校の教職員と同様に、恩給の在職期間の通算が当然できるようにしていただきたいという趣旨のものでございます。
 その次は二十七号、新市町村建設を促進するために公債対策、交付税の増額、国有地その他各般の施策を進めていただいて、新市町村建設の促進に資せられたいという趣旨でございます。
 その次は三百四十九号、新町村の育成強化のため、地方交付税率を二八・二%に引き上げることを初め、各種の助成施策を講じていただきたいという趣旨のものでございます。
 その次は四百五十一号、これも新町村の育成強化のために、行政施策の整備、地方財源の強化の措置を講ぜられたいというものでございます。
 その次は四百五十四号、これも新市町村建設促進法の規定を完全に実施するように、予算措置を確保せられたいという趣旨のものでございます。
 その次は、三百七十一号は、山形県の鶴岡市内にあります湯野浜地区の分市問題をめぐって、現在紛争中でございますが、事態は、勢のおもむくところ、突発的不祥事を招来することさえおそれられますので、すみやかに問題の解決をはかっていただきたい、かような趣旨のものでございます。
 その次は、二十八号以下十件でございますが、地方財政関係でございます。順次申し上げますと、第二十八号は、地方財政再建のために、財政再建の利子は全額補給せられたい。三十年度の赤字についても再建債の対象とせられたい。余剰財源は、自主的に行政水準の向上に充てるべきものとされたい。その他各種の施策を要望するものでございます。
 次の三百七十四号、三百七十五号、五百三十九号、五百四十号、この四件は、現在地方財政は窮迫しておる、一方、地方制度調査会の今回の案申は、いわゆる地方税を基礎とした中央集権的な内容であって地方自治の前途が憂慮されるのである。この際交付税率の一・五%の引き上げ、また地方公務員の給与改訂のすみやかなる実施を望むとともに、なお、地方自治制度と民主主義に逆行する地方制度改革には全面的に反対であるという趣旨のものでございます。
 その次は四百五十二号、町村財政の確立に関する請願、政府は、国際収支の悪化に対処して財政投融資の繰り延べ等の対策を打ち出したが、これは、町村財政にとって重大問題であるから、政府は、この際、地方債計画の総額は既定額を確保してもらいたい。地方自主財源を確保するために、たばご消費税を百分の三十以上とせられたい。国税の減収分補てんのため、地方交付税は百分の三十に引き上げられたい。公債費の元利補給金は、国庫で完全に補てんする等の措置を講ぜられたい。かようの趣旨のものでございます。
 次に二十六号、地方交付税の税率一・五%の引き上げについては、付帯決議も先般行われたのであるが、なお、地方行政水準の維持向上のため、地方交付税率をあくまで二八%に引き上げられたいというものでございます。
 次に、二百十四号と四百七十号、この二件は、地方交付税の率を二七・五%に引き上げることは、両院の地方行政委員会において付帯決議も行われたのであるが、これが本国会において必ず実現するように、法的措置を講ぜられたいというものでございます。
 次に四百八十五号、これは、地方自治体に対する国庫補助の額並びに起債のワクを早く決定せられたいとともに、その交付の時期を早めていただきたい、かようの趣旨のものでございます。
 次に三百七十七号は、たばこ小売業に対する事業税を、たばこ小売業の業態の特殊性にかんがみて、事業税を非課税の扱いにしていただきたいというものでございます。
 次に二十五号は、市町村民税の所得割課税標準の算定について青色申告者について、専従者控除一人に対し八万円を限度とする恩典は、所得税法の恩典がそのまま認められ、市町村民税について適用されるのであるが、これは、地方税の課税上非常な影響があるので、町村財政上困るところがある。そこで、右の所得税の特典を、地方税に影響しないように、地方税法の一部改正をはかられたい、かようの趣旨のものでございます。
 次は四百五十号、市町村民税の準率による減税、町村は減収に悩んでおるので、地方交付税の増額、たばこ消費税の引き上げによってその減収分を補填する措置を講じていただきたい、かようの趣旨のものでございます。
 最後に、四百三号、四百四号、四百八十一号、四百八十二号、五百六十九号の五件は、住宅公団の賃貸住宅に対する固定資産税、都市計画税の課税を免除せられて、入居者の負担軽減をはかっていただきたい、かようの趣旨のものでございます。
○委員長(小林武治君) 次に、ただいまの各請願に対する政府側の意見を伺います。
 なお、ただいまの説明につきましては、特に政府側で御意見があれば伺いたい、こういうことにいたします。
○説明員(降矢敬義君) ただいまの請願で、第二番目に御説明がありました市の人口要件を、ただいま五万になっておりますのを、三万に直すべきであるという請願がございましたが、これにつきましては、昭和二十九年に地方自治法の一部改正がなされましてそのときには神戸勧告の線を出しまして、人口五万に相なったわけであります。ただ当時、すでに三万の町村で、県に対し、市の施行を申請しておったもの並びに県の全体の合併計画上将来合併したならば三万になる、従って、そういうものにつきましては、経過措置といたしまして人口三万で市になれる、こういう経過措置を置いたわけでございます。従いまして、ただいまの請願のように、人口五万と改正いたしましたのを、直ちに三万にいたしますということについては、改正の趣旨にも反しますので、われわれとしては反対でございます。
 それから三の、町村議会事務局設置の件につきましては、この前当委員会におきまして行政局長から御説明がございました通りで、あらためて私から申し上げることは差上控えたいと思います。行政関係では、一応以上でございます。
○説明員(柴田護君) 財政関係で若干申しあげておきたいと思います点は、一つは財政再建債の関係でございますが、三十年度の赤字の分につきましても対象にしようという点につきまして、財政の再建といったような措置は、一種のモラトリアム的なものでありまして、そうたびたびやるべきものではないという観点から、二十九年度末の赤字を一応対象にしてやっておるわけでございます。三十年度に生じました赤字までもやるかどうかという問題は、全然理屈がないわけではございませんので、財政状態そのものから見れば、一つの問題点であろうと思いますが、なお政府といたしましては、慎重に検討をいたしたいと思います。
 なお、財政再建債の実施につきまして全額補給をするという問題は、非再建団体との関連から申し上げまして、政府といたしましては、適当ではないと考えております。
 それから、税の関係でございますが、税の関係で、たばこ小売業者に対する事業税非課税、並びに住宅公団の賃貸住宅に対する課税免除、この三件は、負担の公平という観点から考えまして、政府といたしましては、適当でないと考えております。
○説明員(吉浦浄真君) 新市町村建設促進法関係の第三百七十一号、山形県鶴岡市湯野浜地域の分市紛争早期解決に関する件についてでございますが、本問題は、現在のところ、鶴岡市の施策の面で、ある程度住民に対して工作が行われているわけでございますが、現在のとこる、ある程度の期間をそれにかけましてなお紛争がおさまらないような状態でございましたら、適当な措置を講ずるということに相なっているわけでございまして、現在そういった現地においての話し合いが持たれている状況でございますので、御報告いたします。
○委員長(小林武治君) では、各請願について質疑、御意見等がございましたら、御発言願います。
○加瀬完君 市の人口五万を旧来のように三万で認めてもらいたいという請願の内容ですがね。実情は、たとえば五万というふうに押えても、五万でそれじゃ市としての行政能力が完璧であるかというと、人口だけで押えても、そういう意味合いにおいては、行政能力が、三万から五万に引き上げられれば、市の規模としてある程度条件がそろったということにはならないと思うのですよ。で、人口五万よりも、人口五万なくても、市の行政能力を持っているという町村も私はないわけじゃないと思う。それから、町村合併によってその町村合併の経過中であれば、三万でも認めておったわけですけれども、それを少しその趣旨を拡大解釈すれば、あのときは町村合併はしたが、市にはならなかった。しかし、今になったら市になりたい。あるいな町村合併におくれたために、三万以上あったけれども、市になる時期を失した、しかし、客観的に見て市の条件を非常に完備している。たとえば、人口が五万はないけれども、三万で市になったところよりは、はるかに市としての適格性を持っている、こういったような町村も私は幾つかあると思うのです。こういうものをも全然考慮しないで、五万と押えたのだから、五万でなければだめだということでは、ちょっと困るのではないか。あるいはそれを、何かこの際請願をいれるような措置を講じても、ほかの関係法律と非常に矛盾をするということもないと思うのですけれども、その点はどうですか。
○説明員(降矢敬義君) ただいま御説明ございました、人口が五万を割っておっても、市に適する規模の町村も現にあるだろうとは思いますが、この二十九年に改正をいたしまして、五万に引き上げた際、なお直ちにそれを施行することが適当と思われる二つの場合、先ほど申し上げました二つの場合だけは、例外を認めたわけでございます。そのうち、第一の場合の、市制施行の際すでに人口三万の、要件を持って、現に市の施行を県に申請しておったもの、これは、通常法の施行の際考えられる経過規定でございます。第二の経過規定といたしまして考えました県の計画によれば、三万を取れる、こういう町村につきましては、なおその計画にのっとって合併をした場合、三万の要件で市制を認める、こういう経過措置でございまして、この第二の経過措置は、第一の場合と多少異にいたしまして合併を促進するという意味を相当加味したものと私たちは考えておるわけでございます。従いまして、加瀬先生の趣旨をいれ、あるいは請願の趣旨に沿うといたしましても、この現に合併をした町村、であって三万に満たない、しかも、この経過規定にも乗ってこない、つまり県の合併計画にも規定されていないような合併を現にやっておる。しかもそれは、その人口三万をこえておる、こういう町村につきましては、あるいはこの合併を促進するという最初の経過措置と根本においては一致しますので、この点については、なお考慮の余地があるだろうと思いますが、全般として全部この際元のように三万に改正してしまうということでは、法の改正の趣旨からしても、私たちとしては適当じゃないのじゃないか、こういうふうに考えている次第でございます。
○加瀬完君 それはごもっともですがね。人口三万までおろすということが、もちろん無理なことはわかりますが、それなら、今言ったような、町村を結局市に昇格させる何か便宜的な措置はお考えですか。たとえば、今言ったような町村で、内閣総理大臣が特に指定するとかいったような、ある程度の条件をつけて市に昇格させてやるというふうな立法措置はお考えですか。
○説明員(降矢敬義君) 今言ったというのは、合併をした町村のことでございますか。そうでなくて、一般に人口三万あるものを全部含めた意味でございましょうか。
○加瀬完君 合併関係の法律によって、市になれる条件には当てはまらなくて、合併をしなかったがために、人口三万以上あって他の新しく市になったものよりは市の適格条件を持っておっても、そのときには市になる意思がなかったのでとり残された、しかし、今はどうしても市になりたい、こういった町村でございますね。そういったようなものは、何か救済の方法に講じられないか。
○説明員(降矢敬義君) その点につきましては、ただいまのところ、われわれとしてはそれを、今たとえば御指摘があったような、総理大臣が指定するというような方法で、市にするということは考えておりません。
○加瀬完君 しかし、矛盾があることはお認めになられると思うのですよ。たとえば、市の適格条件というものを客観的に考えれば、市にならなくても、はるかに町であっても市の適格条件を持っている。けれども、市には、合併町村によって合併昇格したけれども、これは市の合併条件というものよりは非常に薄めて市にした関係もありますから、この二つを並べたときには、町の方がより市的な内容を持っておるし、市制をしいたところがはるかに町村的な内容だというところもあると思います。その町制でありながら、市の規模をある程度持っているところは、やはりそういう新市町村に比べると、市になりたいという要望が住民としては当然だと思うのですよ。これを何かかなえてもらう工夫というものがありませんでは、やはり公平を失すると思うのですが、どうでしょう。
○説明員(降矢敬義君) 御指摘の点、ごもっともな点もあると思いますが、この二十九年の改正のときに、経過措置として第一にあげましたのは、合併促進の見地からでありまして御承知しの通り、合併町村と非合併町村との間には、促進法の適用を受けるか受けないかで、あるいは一例を申し上げますと、国有林の払い下げ等において差別がすでにつけられておるわけでありまして、そういう意味では公平を失すると言われても、これはやむを得ないと思いますが、法自体が合併の促進をするために、ある程度合併町村については特例をすでに認めたわけでございまして、従いましてこの現在合併の特例措置によって三万でなれるという線を全部くずしまして、もとの全体として人口三万で市になるという方向を、ただいまこれをとるということは適当ではないと、こういうふうに考えておる次第でございます。
○伊能芳雄君 市町村立全日制高等学校教職員の在職期間通算に関する件、これは政府側では意見はないですか。
○説明員(山口敏之君) 先国会で、地方自治法の一部が改正されまして、都道府県と国の間、府県と府県との間におきましては、政令の定める基準に従って在職期間の通算をしなければならぬというふうに法律の規定ができまして、その政令もできて、現在実施されつつあるのでありまするが、そのときに、同じように法律の中で、県と市町村の間、市町村と市町村の間は務めなければならぬというように規定されてあります。これは、どうしてそうなったかと申しますると、市町村の退職年金制度と申しますのは、恩給組合に入っておる市町村の制度は、大体恩給法の退職年金制度と同じでございますが、恩給組合に入っていない市でございますね。この市の退職年金制度というものは非常にばらばらでございまして年限の違うものももちろんありますし、一ぺんやめて再就職した場合に、どういう恩給をやるかというような調整の方法が、それぞれの市でみな違っていると言ってもいいような次第でございます。そこで、法律上一律に、政令で定める基準に従って通算措置を講ずるというような義務づけをすることは適当でない。また、技術的にもできないということで、お互いに話し合って、通算するように努めるということに規定がされたのだと思っております。全日制高等学校の先生方の人事交流というような点から考えますれば、確かに請願されておりますように、通算措置が考慮されることは必要だとは存じますが、法律でこれを義務づけるということにつきましては、私は適当ではないのではないかと思っております。
○成田一郎君 さっきのに関連して。先ほど加瀬委員の御発言に関連して、ちょっとお伺いしたいのですが、この市の基準を五万に上げた。これを三万に下げろということはやらないということはわかります。ただ、あの当時の合併関係で、特例を経過的には認めたということがありました。その法律の経過規定の期間は済んでしまったわけですね。ところが、なお、同じような町村合併であって、そうして三万をこえておる、しかし時期が過ぎたために市にしていただけないという点について、いろいろ陳情が出ておるようですが、それは何か考慮してもいいようなふうに今おっしゃったように聞いたのですが、その点、もう一ぺんはっきり伺っておきたい。
○説明員(降矢敬義君) 制度本来の建前といたしまして、五万を下げて人口三万に切り下げてしまうということについては、私たちは反対でございますが、合併促進の見地からとられました二十九年の特例措置というものを、その当時県の計画に載っておらないような合併をした町村が相当ございますので、そういうものにつきましては、あるいは合併促進という見地から、特例を認めてもあるいは考えられないことはない、こういうことでございます。従いまして、そういうふうなかりに考え方をするといたしますれば、私たちは、自治法の付則よりは、むしろ新町村建設促進法の付則、そういうようなものでやるのがあるいは適当ではないかと、こういうような考え方も持っておる次第でございます。そういうことでございます。
○委員長(小林武治君) 他に御発言がなければ、これより採決をいたします。採決は、お手元に配付いたしてありまする請願一覧表の順序に従って行います。
 まず四百五十三号、地方自治の確立に関する請願でございます。これの処置につきましては、一応参考のために、専門員の方の考え方も申し述べて、御参考にいたしたいと存じます。この請願につきましては、採択して内閣に送付する、こういうふうになっておりますが、いかがいたしましょうか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林武治君) それではさよう決定いたします。
 次の第十三号、地方自治法第八条の改正に関する件、ただいまの市の要件の問題でありますが、これは留保としたらどうかと思いますが、いかがでございますか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林武治君) それでは、さよう決定いたします。
 次の町村の議会に事務局設置の件、合計二百十三件ありまするが、これは、趣旨を採択して内閣に送付する、こういう取扱いにいたしたいと存じますが……。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林武治君) では、さよう決定いたします。
 それから、今の事務局設置の件にもう一件、四百四十九号を加えて、同様の取扱いをいたしたいと思いますが……。
○森八三一君 この四百四十九号というのは同趣旨ではない。一方は事務局を置くことができるというのと、置かなければならぬというのと、非常に趣旨が違うのですよ。
○委員長(小林武治君) では、四百四十九号は、留保とすることに決したいと思いますが……。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林武治君) では、さよう取り計らいます。
 次の市町村立全日制高等学校教職員の在職期間通算に関する件は、留保にしたいと思いますが、お差しつかえございませんか。
○加瀬完君 これは採択してもいいじゃないですか。
○委員長(小林武治君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(小林武治君) 速記を始めて。それでは、市町村立全日制高等学校教職員の在職期間通算に関する件七件は、採択して内閣に送付すべきものと決定いたします。
 次、新市町村建設促進関係で、五件でありまするが、五件のうち第二十七号、第三百四十九号、第四百五十一号、第四百五十四号、この四件は、採択して内閣に送付すべきものと、かように決して差しつかえありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林武治君) では、さよう決定いたします。
 次の三百七十一号は、留保といたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林武治君) さよう決定いたします。
 次、地方財政関係の第二十八号、第三百七十四号、第三百七十五号、第五百一十九号、第五百四十号、第四百五十二号、第二十六号、この七件は留保といたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
○伊能芳雄君 これは、財政確立ということが主になっているのか。あるいは交付税を三〇にするとか、二八にするとかいうことが主になるかによって違うと思うんですね。地方財政を確立しろというんなら、これはまあいいんだけれども、例示的に三〇%にしろということが出ているのか、どうしても三〇%、二八%にしろというんだったら困るんだけれども。
○委員長(小林武治君) そういう意味から留保……。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林武治君) 留保といたします。
 次の第二百十四号、第四百七十号、この両件でありますが、これは、何かこの国会で法制化しろというふうな趣旨らしいので、それで、留保にしたらどうかと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林武治君) さよう決定いたします。
 次の四百八十五号の、地方自治体に対する国庫補助金早期決定等の件、これは、採択して内閣に送付すべきものといたしたいと存じますが……。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林武治君) さよう決定いたします。
 それから、地方税法関係の第三百七十七号、たばこ小売業に対する事業税を非課税とするの件、これは、留保にしたらどうかと思いますが、いかがですか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林武治君) では、さよう決定いたします。
 次の第二十五号、地方税法の一部改正に関する件、四百五十号、市町村民税の準率による減税分に対する補てん措置の件、これは、両件とも留保にいたしたいと考えますが……。ちょっと速記をとめて下さい。
  〔速記中止〕
○委員長(小林武治君) それじゃ速記を始めて。
 それでは、第二十五号は留保することにし、第四百五十号は採択して送付することに決定いたします。
 次の日本住宅公団賃貸住宅の固定資産税等免除に関する件五件は、留保といたしたいと思いますが、いかがですか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林武治君) さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(小林武治君) 次に、警察行政に関する件を議題にいたします。
 本年当初より最近に至るまでの国内治安の状況並びにその間に発生した主要事件の経過内容等について警察庁当局から説明を聴取いたします。
○説明員(山口喜雄君) 最近における治安情勢でございますが、一般のいわゆる刑事犯罪の傾向につきましては、いわゆる殺人、強盗あるいは傷害というような、いわゆる粗暴犯と申しますか、そういう犯罪が相当ふえておるのでございます。そういう面につきましてわれわれといたしましては、取締りに努力をいたしておるのでございます。三十二年上半期の発生件数は、一般刑法犯が七十一万八千五百七十件でございます。前年同期に比べまして四・五%の増加になっておるのでございます。
 次に、最近の刑法犯における特徴を申し上げますと、まず第一は、常習的犯罪が増加の傾向にあるということでございます。戦後のある時期に見られました偶発的な犯罪から、だんだんと計画的、知能的な、常習犯的な犯罪に移行していくように見られるのでございます。
 第二は、先ほどちょっと申し上げましたが、犯罪が非常に悪質化しておる。粗暴化した、非常に乱暴になっておるということであります。強盗犯の中で、特に強盗殺人とか強盗強姦、強盗傷人というような、凶悪強盗の占める割合が三十二年上半期では、三六・六%となっておるのであります。三十年、三十一年は、これが三五%であったのでございます。それから、粗暴犯といいますか、非常に乱暴な粗暴犯がふえておるということは、暴行、傷害、脅迫、脅喝などの犯罪の発生がふえておる。なお、暴力団関係の犯罪等もふえつつあるということであります。
 その次に、三番目は、犯罪が非常に広い地域にわたって行われてきつつある。犯人の行動範囲が非常に広がりつつあるということであります。これは、最近の交通機関の発達によりまして、こういうような状況になってきて、おるものと考える次第であります。
 それから、最近の少年犯罪の関係について若干申し上げますと、三十二年上半期は、前年同期に比べまして、八・四%ふえております。これは、いわゆる十四才以上二十才未満の少年で、刑法犯として検挙されましたものの人員でございます。三十一年は、全体で五万四千六百人でございますが、三十三年上半期では、前年同期に比べてこれが一八・四%ふえておるというような状況であります。なお、詳しく申し上げますと、凶悪犯において前年同期に比べて二五%、暴行、傷害等の粗暴犯において七八%、性犯罪におきまして三五%増加をいたしておるような状況であります。
 次に、警備の関係につきまして申し上げますと、何といいましても、春季闘争に際してのいろいろ起りました問題、これが一番やはり社会的にも大きな反響を呼んだものと思うのであります。その後、御承知のように、国鉄を中心といたしましても、組合の活動の方法等について慎重な態度をとるようになっております。ただいま秋季年末闘争が行われておるような次第でありますが、これも、大部分は解決をいたしておりますが、現在残っておりますのは、鉄鋼労連のスト、現在、昨日から第八波の四十八時間のストが行われております。それから、機関車労働組合の関係で、順法闘争等が現在行われております。なお、この秋季闘争等につきましては、すでに御承知であると思いますので、説明を省略いたしたいと思います。
 なお、新聞等にも出ておりますので、御承知かと存じますが、いわゆる日本共産党関係のトラック部隊の検挙というものが現在行われておるのであります。この事件は、中小企業から資金を収奪をしてそれを党の活動に回したのではないかという容疑をもって、現在捜査中のものでございます。これらの事件につきましてなお御質問等がございますれば、詳細に申し上げたい、かように存じております。
○委員長(小林武治君) 質疑のおありの方は、御発言願います。
○成瀬幡治君 簡単にお答え願えればけっこうだと思うんですが、実は私が質問したい趣旨は、二点でございます。
 第一は、このごろスパイ事件ですか、というようなことがございまして、私は、まあそれ相当には理由もあるだろうと思っておりますけれども、何にいたしましても好ましくないことだと思う。それから、あなたの方も、これは干渉しておられないことだと思いますが、むしろこういうことはやらない方がいいんじゃないか。やってはいかんというようなふうに指令しておいでになるのじゃないかと思いますけれども、これはどちらなんですか。
○説明員(山口喜雄君) いわゆるスパイ活動という問題について御質問がございましたが、御承知のように、警察としましては、警察の仕事、責任を果していきます上に、いろいろな問題について調査をしなければならない場合がいろいろあると思うのでございます。私どもは、そういう問題につきまして、もちろん警察官の調査によりましてでき得ますものは、なるたけそういう方法によりたいと思いますが、事柄によりましては、やはり犯罪捜査等の場合におけると同じように、公共の安全を保持する、あるいは公共の秩序を守るという上から申しましていろいろと各方面の方に御協力を願う場合は、これはどうも場合によりましてやむを得ないのではないかと、かように考えております。従って、ただいまの御質問の趣旨が、もしそういうスパイ活動を――スパイ活動といいますか、そういう一般の方々に御協力をお願いいたしますことをすべてやめたらどうかというような御趣旨であるといたしますと、どうも、全面的にそういう一般の方々の協力をいただくことをやめるようにということを私の方で指示をいたすということは、ちょっとこれは、やはり警察の仕事の面から申しまして、いろいろむずかしい問題があるんじゃないかと、こういうように考えております。もちろん、そういう御協力をいただきます場合に、いろいろと問題を起さない、また、強要がましいようなことにならないようには、私どもといたしましては絶えず注意はいたしております。
○成瀬幡治君 山口さんはごまかしたような――私が言うのは、スパイと、こう言って実は特定をしておる。スパイと普通言えば、大体思想に限定されるというふうに考えてもらっていいと思います。捜査であるとか、調査であるとか、特に調査というようなことに対して協力というのも、あなたの方にも大体限界があるだろうと思います。あるいは捜査の場合というのは、一つの目的があると思いますが、そういうようなときに、福島大学などに起っておるように、純真な学生に、しかも金品を与えて、どういう形にしろ、スパイをやらしておる。それは自発的な協力であるとあなたの方はおっしゃるかもしれませんけれども、やはりこういうことは好ましいことではないと私は思います。ですから、そういうことに対して私は、予防的なと申しますか、そういうことが二度と三度と繰り返されないように、そういうふうに実はしてもらいたいと思っておるのです。また、そういうことをやるのが当然じゃないか。そういうことを起させないようにするのがあなたの方の責任じゃないか。こういうふうに考えておりますから、そういうことの二度と起らないような措置を実はやってもらいたいと思っておるのです。それを、捜査あるいは調査等をする上において協力を得なくちゃならぬ。だからやむを得ないと、こう言うのは、そこを私は、一つ割り切った御答弁なり、あるいは御方針を明示してもらいたい。
○説明員(山口喜雄君) われわれといたしましては、もちろん申し上げるまでもありませんが、学校の自治あるいは学問の自由というようなものにタッチするような考えは毛頭ございません。ただ、残念なことには、御承知のように、共産党の活動というものは、現在そういういろいろな方面に伸びております。しかも、まことに、何と申しますか、隠微の間にいろいろと行う。これは、申し上げるまでもございませんが、共産党が暴力革命というものを否定される立場にお立ちになるならば、われわれといたしましては、何も共産党あるいはその関係者の動向についていろいろと調査する必要は毛頭ないのでございます。そういうような関係がございます。しかも、それが学生の運動の中に入り込んで、そうしてグループを作って、ある一定の上からの方針に慕いて学生運動全体をそういう方向に持っていこうとするような動きがあるわけであります。従って、われわれとしましては、そういう組織自体ではございません。たとえば、学生自治会、全学連というような組織の活動自体については、われわれは関心を別に持っておりませんけれども、そういう団体の中における共産党の活動あるいは党員の活動というものは、私どもといたしましては、調査をいたして参らざるを得ないと思います。従って、そういう面におきまして警察官だけによる調査でもちろん全力を尽してやるべきでございますが、それのみではどうしてもできないような場合に、これは、広くそういうことをやって差しつかえないとも私言い切れませんが、そういう特別のやむを得ない場合には御協力をお願いするということもあり得ることは、これはどうもいたし方ない。それを、全部そういうことのないようにということをはっきりここで言明するようにと、こういう御意見かと存じますが、どうもその点は、ただいま申しましたような状況からいたしまして、私といたしましては、そこまで申し上げることは差し控えたい、かように考えております。
○成瀬幡治君 まあ共産党の暴力革命というものが秘められた中においては、スパイ活動というものをやらざるを得ないのじゃないか、こういうような立場だというふうにお聞きしておるわけですが、私は、それが全然わからんわけでもないわけです。しかし、そういう一つの運動と申しますか、活動を予防するんだといいますけれども、それがすぐ思想弾圧に発展をしてくるわけです。今までも、過去の歴史と申しますか、過去がそうであったと思います。ですから、その活動をと申しますか、運動を予防するためにこうだと言われますが、そこの一線の引き方がやっぱりむずかしい。私は、共産党の活動は、あなたの方がそれに対して、暴力革命あるいは暴動の勃発を未然に防ぐ、そういう役割もあると思いますけれども、少くとも学生までにやるというのはいかがであろうか。まあ東大のにせ学生事件が、私は関連があるかないか知りませんけれども、とにかく学生にやるということぐらい私は大きな影響を与えるものはないと思っているわけです。ですから、そこを私は一歩譲ってもいいんです。一歩譲ってもいいと思うから、少くとも学生関係だけにはそういう働きかけというものが控えられないものだろうか、どうだろうか。
○説明員(山口喜雄君) なるべく控えて参りたいと思います。ただ、先ほど申し上げましたように、名前をあげて恐縮ですが、全学連等の動向につきましては、これはやはり、内部におけるそういう党員の動向というようなものは、やはり関係者でないとわからない問題もあるわけなんです。そういうところが非常にまあ私どもとしましても苦しい立場にある。もちろん、全般的に申しまして私は、純真な学生をこういう問題の中に巻き込むことは、われわれとしてできるだけ避けていくべきものだと、かように考えております。
○成瀬幡治君 とにかく菅生事件における戸高さんに対してまあ警察でカンパ状が回ったということが――事実かどうか知りませんけれども、とにかく新聞に出ておるということは、何か警察というものが、背の特高的な意識というものが、底流としてそういうものがあると、底に流れておるという点は、私はぬぐい去ってもらいたい、これが新しい警察の性格ではないかと思います。そういうものが引き継がれておることは、非常に遺憾だということを申し上げまして、決してこういうことが二度、三度繰り返されないように、十分一つあなたの方で指導をしていただきたい。まあこういうことをお願いしまして、第一の質問を終ります。
○加瀬完君 私も、警察が国民のための公安保持のためにあらゆる捜査の体制を作ると、その捜査の万今田を期するために、第三者に捜査の協力を依頼するということもあり得ることであるし、認めていいと思うんです。ただ、し、その捜査の――この間も皆さんにいろいろ質問しましたときに、警察の警備計画なるものが一部には流されておるがという質問をしましたときに、それはアカハタに出ておったんだろうと言われました。アカハタに出ておっただけならば、一方的な見方ということもできますが、しかし、大学の場合は、福島県の地方新聞に全部出ている。こうなって参りますと、公安保持のために警察が特殊な警備計画を作るということは認めるとしても、何か違う面で国民の基本的人権が侵害されるようなスパイ組織というものを警察が使っているんじゃないかという、新しい警察に対する不信というものがまた出てくると思うんです。こういう原則の体制は認めても、どうもその警察に対する不信をかもし出されるような印象を与えるような条件というものは、これは、警察当局はもちろん、われわれもぬぐい去って参らなければならぬと思うんです。そこで、この特定な者に特定な条件、特にこの利益をもって強要いたしましたり、あるいはまた、広い意味の脅迫みたいなことによって捜査の協力をさせるといったようなことは、これはどう考えても好ましい方法ではないと思います。そこで、部長さんに伺いたいのは、特に公安保持のために、マル協体制といいますか、こういうものを強化する必要はありますけれども、本人の好まないものを無理にその強化のために個人を犠牲にさせるといったような方法が――福島などは、これはいかに警察が弁解しようとも、本人が言っているんですから、これは
 一応疑いありと見なければならない。どうしても無理をすればこういう結果になると思うんです。こういう方法は、これからはとってもらいたくないと思うんです。これについての御所見はいかがでしょうか。
○説明員(山口喜雄君) まあ無理をするといいますか、相手方に対して強要してそういう警察に対する協力をお願いする、これは私は避けるべきだと、また、そういうことをやってはいけないと思います。また、そういう御協力を願う場合にも、そういう無理をして御協力をしていただいてやっていけるものではないと思います。この福島の場合について、学生が自己批判書なるものを発表いたしておりますが、その問題について、いきさつ等もすでに十分御承知と思いますから、御説明は省略いたしますが、この場合といえども、私どもは、どうも当の学生に対して非常に無理をしておるとそういうように実は考えられない節がいろいろあるのであります。お話のように、無理をしてあるいは強要してそういう警察の活動に協力をさせるというようなことは私は避けていきたい、かように思います。
○加瀬完君 国警本部としては、当然それは、そういう基本的原則というものによって指導されるし、そういう方針を変えていこうというお考えはないと思う。しかし、やはり特に警察なんかというのは、行政能率を非常に重んじますから、普通の言葉で言えば、点数を上げるためには、その本部の方針にさらに積極的に自分が働くためには、守らなければならない木部の基準というものを逸脱するということもあり得ると思う。具体的な問題をいろいろあげてやることは、私も差し控えますが、警察の指導そのものの中に、個人的条件を十分検討して、俗な言葉で言えば、泣きどころを押えて、マル協体制の中に入れろというようなことを言われておるようでありましては、これはどうも、それが国警本部の考え方でないにしても、下部に参ると、どうも行き過ぎのマル協体制の強化というようなものが行われておるというふうに考えられる。そこで、今までのことはとにかくも、今後一般国民の基本的人権に対する侵害というものは絶対にしないのだ、こういう点で協力をさせながらも、こういう点では注意するのだ、そういったような具体的なものを今までもお示しになりましたか、あるいは今後いろいろ問題になるような事象にかんがみまして、お考えになっておられる点がございますか。
○説明員(山口喜雄君) 基本的人権をそこなわないようにというのは、これはもう、警察の活動全般につきましてかねがねやかましく言われておるわけであります。今後における活動につきましても、警備、情報活動につきましても、基本的人権を侵すことのないように、われわれといたしましても、十分注意いたして参りたいと思っております。いろいろと警察の情報活動について御協力を願っておりますのは、むろん、相手の方の自発的なお考えに基いて協力をしていただいておる場合が多い。ただ、そういうように、ときどきいろいろと問題が起ります。そういう点につきましては、十分に注意いたして参りたい、かように思います。
○加瀬完君 私は、最近になって特に、警察行政というよりは、政治的な必要によって警察行政が非常にある方向に強化されておるという疑いを感じておるのです。今度のようないろいろな問題も、これは、警察行政というあなた方のワクの中でやっておるかというと、そうでないのじゃないか、もう一つ新しい力、アルファの力が加わって、こういうような強引なやり方が行われるのじゃないかという疑いを感ぜざるを得ないのですが、これは、全然そういう形ではなくて、警察の中だけで起ったことであるし、警察の中だけで今後の問題は処理できる。聞けばそう答えるでしょうが、ほんとうにそう信じていいでしょうか。
○説明員(山口喜雄君) その点は、御信用いただいて私はけっこうだと思いますが、私も、警察庁の一員として、公安委員会の運営等についても十分承知いたしておりますが、今日、ひとりこの経費の問題のみならず、警察行政の運営については、私は、公安委員会の管理のもとに行われておるというふうに考えております。今日、現在の警察制度のもとにおいて、何が一番お前らはいいと思うとお尋ねいただけば、われわれは、それは公安委員会の管理のもとに、そういう政治というものから中立という言葉は、あるいは語弊があるかと思いますが、要するに政治的な力によって影響を受けない公安委員会によって運営されておるという点、私どもは実際仕事にタッチしましてその点は、しみじみ現在の制度はいいものだと、私はそういうふうに考えております。これは、ほんとうに私はそう思っております。
○加瀬完君 それでは、福島だけの問題ではありませんで、全学連関係といいますか、これは、共産党に対しましても、日教組に対しましても、あるいは社会党の一部に対しましても、それは、捜査が進められているかどうかわかりませんが、そういううわさが伝はっておりますし、そういう特殊の対象以外の国民一般に対しまして、こういう特殊な捜査というものが警察によって組立てられておるのではないかという疑いを新聞紙等で一般国民は抱かされておるわけです。ということはないのだと、また、今後いわゆる公安保持のための捜査を進めていく上においても、国民のその基本的な権利というものはこのようにして守るんだという、何かこの際警察庁としては、この指導方針といいますか、指導の心得といいますか、そういうものを警備担当の部課にお出しになる考えはありますか。私は、やはり出していただかなければならない問題じゃないかと思っておりますので、この点を伺います。
○説明員(山口喜雄君) この点は、私どもとしましては、警備情報活動の際に絶えず言っておることでございます。基本的な人権をそこなわないように、またそのために、われわれとしましても、今後これをどういうふうにやって、もし足りない点あるいは間違っておる点があれば反省していくかということは、十分一つ検討いたして参りたい。そうして必要があれば、もちろん全国にそういう連絡をいたしたい、かように考えております。
○久保等君 ちょっと一、二について御質問いたしたいと思いますが、先ほどの御説明の中で、特に少年犯罪が非常に激増したというようなお話なんですが、これは何か、三十二年度上半期における思い当る原因といったようなことでもあるのですか。それとも、最近の趨勢がこういう形でふえて参っておるし、また、今後もそういったことについての特別な何か対策なり何なりを奪えておられるのか、どうなのか、一つお伺いしたいと思います。
○説明員(山口喜雄君) その原因は何かという御質問でございますが、これは、一概にそう簡単には言い切れない問題もあろうかと思います。で、警察としましては、この少年の犯罪が非常に終戦後、特に最近、相変らずずっと非常な勢いでふえているというので、何とかこの面について、警察としても対策を講じなければならないということは絶えず言っております。少年犯罪の予防というようなことは、現在の警察の行政の中で、大きな比重を持っております。それだけに、一面においては十分に、まあ目が届くといいますが、活動も行われてきつつあるということもあるいは言えるかと思いますが、それにしましても、たとえて申しますと、強盗殺人というような凶悪犯が、二十九年を一〇〇といたしますと、三十一年は一二五になっております。この一二五がさらに、三十二年上半期は、前年同期に比べて二五%増加しておるという状態でございます。いわゆる暴行傷害というような粗暴犯は、これは、二十九年を一〇〇といたしまして三十一年一七八、三十二年の上半期は、前年同期に比べてそれよりも七八%ふえているというような状況でございます。性関係の犯罪は、二十九年を一〇〇といたしまして、三十一年になりますと一三五になっております。さらに、これが三十二年の上半期は、前年同期に比べまして三五%ふえてきているというような状態でございます。この少年犯罪あるいは不良少年の補導をどうするかという問題は、警察といたしましても、非常に大きな問題としていろいろ考えております。将来は、犯罪の捜査、検挙ということも大事であるが、むしろそういうような防犯的な活動の面に警察活動の重点を置いていかなければいかぬじゃないかということで、これは今、いろいろ部内において検討をいたしているような状況でございます。
○久保等君 それから、最近よく現職警官の今言われた刑法犯的な犯罪者をよく見たり聞いたりするわけなんですが、現職警官のみならず、警官をやめたばかりのような、現職警官にほぼ近いといってもいいような、警官であった人たちによる犯罪、これは最近どういう趨勢にあるのですか。特にまあひどいのは、殺人あるいは収賄といったような、いろいろ刑法上の犯罪を犯しているような問題を新聞等で散見するのですが、特に数字的な傾向等、おわかりであれば、御説明いただきたいと思います。
○説明員(山口喜雄君) 数字をただいま持ち合せておりませんので、御希望ございましたら、後ほどこれは御報告を申し上げたいと思います。ただ、そういう事件が最近においても依然として跡を断たない、あるいはいろいろ名方面で起っているということは、これは、われわれ警察関係者としてまことに申しわけないことである、何とかしてこういうことのないようにというので、部内の監督をいいますか、部内の監察といいますか、そういう面に非常に力を入れてやっているのでございますが、どうもまことに残念でございますが、そういう事例がときどきいろいろな方面で起るということで、これは、ほんとうに申しわけないことだと思っております。これにつきましては、もちろんこれは、平生からいろいろ部内において原因を調べ、そういうことのないように、いろいろ努力をいたしておりますが、どうもなかなか……それがさらにいろいろ続いて起ってくるというような状況でございます。数字等につきましては、後ほどお答え申し上げたいと思います。
○久保等君 傾向はどういうふうに把握されておりますか、ここ数年あたりを例にとって考えてみますと。
○説明員(山口喜雄君) 最近非常にふえているというようには考えておりません。ただ、最近起りました、現職の警察官が拳銃を使用して強盗をするというような、きわめて、何といいますか、悪質な犯罪が最近起ったという、まことにどうも、何と言って御説明いたしてよろしいかわからないような事件が出ております。終戦直後に、多数の警察官を一時に増員いたした時期がございます。確かにこのときに、この前後に採用しました警察官につきまして、いろいろな問題があることは御承知の通りであります。最近におきましては、だんだんとそういう面については立ち直りつつあると、われわれはまあ思っておったのでございます。最近起りました現職警察官の強盗事件というようなことは、非常にわれわれとしましても、大きなショックを受けたのであります。そういうわけで、全体の傾向として非常にそれがふえつつあるというようには、私どもは思っておりません。
○成瀬幡治君 私も、少年犯罪のことについて実はお尋ねしようと思っておったわけですが、原因は究明されておらない、こういうお話ですけれども、究明ということよりも、実はやってみても、なかなか多種多様であって、これがというようなきめ手がないというのが私はほんとうだろうと思います。やはり傾向としては、この間も警視庁等を参観といいますか、視察をいたしまして、およそながらつかみ得たところでは、やはり性犯罪が多いということは、映画でありあるいはいかがわしい出版物だと思っております。特にこの中でやはり露骨な映画か多くなうてきた。結局おとなの社会が悪いからおとなの社会、環境の浄化をしなければならぬ。十八才未満の子供は入ってはいけないということになっておりますけれどもみんな入れてしまっている、そういう状況が多いと私は思っております。そういうことに対してやはりあなたの方は、任務としてはなるほど犯罪の予防であり検挙かもしれませんけれども、これはやはりみんなの責任として、施策上、警察として少年犯罪が非常に多いそれはやはり環境浄化のここをこうしたらどうだというようなことについては、何と申しますか、あなたの方からも一つ内閣等に積極的に働きかけられ、われわれもやるというようなことにして、少なくとも子供を守ろうじゃないかというところに、私は一つあなたの方からも積極的に御協力を願えればいいのじゃないか。ですから、私はぜひ一つ少年犯罪の増加に対して対策はこうだというようなことをまとめてもらって、そうしてそれを政府なら政府に出してもらうということはいかがなものであろうか思っております、どうでしょう。
○説明員(山口喜雄君) お話の点まことにごもっともでざいます。たしか政府、内閣には少年の不良化防止対策の協議会というようなものがありまして関係各省が非常にいろいろ相談をいたしております。われわれ警察の立場から見まして世間一般のいろいろな風潮が少年に非常な悪い影響を及ぼすということにつきましては、関係の方に絶えず御連絡をいたしておりまが。それからまた警察の仕事としましているいると努力をいたしておりますが。一面こういう問題が、どこまで警察がそういう不良少年の補導なり不良化の防止をやるべきか、あるいはやった方がよいかという問題が一つある。これまた警察があまり行き過ぎますと、これは問題がやはり間違った方向にいくおそれもある。やはりそれは教育なりいろいろな方面からやっていくべきじゃないか、これは今私の方で非常に部内で議論をしております。ただ世間の方々から警察に対する御要望としていろいろ承わりますが、その中の一番大きな問題は、実は少年不良化の防止についてもう少し警察は積極的になぜやらないのだという御要望、これは非常に強いのです。これはしかしやはり警察全体としての動きとしてやる場合には、一面において行き過ぎによってまたいろいろな問題が起るということも考えなければならない。それをどの辺でやるかということは中で非常に今お互いに議論をいたしている状況であります。この問題を何とかしなければいかぬということで、先ほど言いましたように、警察全体の仕事としても犯罪の捜査、検挙あるいはいろいろな問題の鎮圧ということも大事であるが、そういう防犯的見地に立って、特に少年の不良化について何か警察として警察のやるべき事柄、また警察活動として限界を踏み越えてならない限度でやらなければいかぬということは真剣に今考えております。
○成瀬幡治君 非常に私も、医学が予防医学の方に大体傾向として出てくると思います、ですから警察の方も防犯の方に大体傾向として行くべきだと思っております。しかしそれかといってスパイの方を奨励するわけじゃないですが、少年犯罪の方はそうであります。
 それから、それのついでにもう一つスパイのことで申し上げますが、日共の革命云々、だからスパイするのだということは、合法政党で認められている活動に対して調査するということについては疑義があるということは、やはり申し上げておかなくちゃならぬじゃないか。何かやはり戦前の共産党に対する考え方が幾らか残っているのじゃないか。私は共産党を擁護するわけじゃございませんけれども、少くとも合法政党として認められている、それが一つの活動方針を出す等の場合に、それが危険だからスパイしていくというような考え方はいかがだろうかと思っております。
 それはそれとして少年犯罪の点については、私はやはり積極的に働いていただくような方向を、すぐ明日からどうというわけじゃなくて、一つ方向を語っていただいて、皆して少年犯罪は少くとも防止の方向に努力をしなければならないと思いますから、せっかく健闘をお祈りしまして質問を終ります。
○委員長(小林武治君) では本件はこの程度にいたします。午前中はこれにて休憩し、午後一時半から再開いたしたいと思います。
   午後零時十五分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時三十二分開会
○委員長(小林武治君) 委員会を再明いたします。
 この際継続調査要求についてお諮りいたします。当委員会において今期国会中調査を行なって参りました地方行政の改革に関する調査につきましては、国会閉会中も継続して調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林武治君) 御異議ないと認めて、委員長より議長に付して継続調査要求書を提出いたします。なおこの要求書の内容、提出の手続等につきましては、便宜委員長に御一任願うこととして御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林武治君) 御異議ないと認めてさよう取り計らいます。
  ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(小林武治君) 速記を始め
 て。
  次に地方財政に関する件を議題に供します。質疑のおありの方は御発言願います。
○加瀬完君 郡長官にお答えをいただきたいのでありますが、この前予算委員会でもちょっと触れたわけでございますが、結局この委員会が担当の委員会でございますし、もう少し具体的にはっきりさせてもらいたいと思いますので、交付税率の引き上げその他の点についてお尋ねを申し上げます。
 第一点は、この地方交付税の税率を二七・五%こするということは、これは衆参両院の決議もございます通りあの決議は当然尊重されるものだ、これはいろいろ大蔵大臣の説明によると予算全般から見渡さなければ、これのみを決定するわけにはいかないということでございますが、一応あの建前をとって予算編成の前提としてまず交付税率の引き上げというものが考えられておるのだと、こう解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(郡祐一君) 予算委員会等で総理らも御答弁はいたしおりまするし、お話のように両院の御決議も、与党たる自由民主党の党議の決定もございまするので、加瀬君の今のお話のように御理解をいただきたいと思います。
○加瀬完君 第二点は、何か最近の新聞によりますと、自民党でもあるいは政府筋においても、法人税とか事業税とかこういったものの減税措置が講じられるのではないかというふうにもうかがわれるわけでありますが、地方税におきましては、かりに事業税なら事業税、その他のものが減税になるというふうな場合には、去年も非常に結局減税額分の財源補てんというものがどうなるかということで問題になったわけでありますが、地方税におきまして減税が行われる場合は、交付税法にもありますように、当然その減税分というものはいずれかの方法で、相当額の補てんをされるという建前をとると、このように考えておいてよろしゅうございますか。
○国務大臣(郡祐一君) 事業税は府県税のきわめて大きい部分を占めておりますし、また累年減税措置も講じてきております。財政上からみましても、また従来の経過からみましても、私はにわかに減税を考えることは困難であろう、こういう工合に考えております。従いましてお尋ねのようにさらに立ち至って減税をした場合にどうかということよりもむしろ、まずもってこの際事業税というものは現在以上に手をつけることは無理であろう、こういう工合に考えます。
○加瀬完君 ですから減税を行う時期ではないというお見通しに立たれておるように思われるわけでございますが、かりに国の方の税関係が減税をされると、あるいは地方税そのものが減税されないにしても、国の減税というものは当然地方税にはね返って参りますので、そういう場合がかりにありますときは、当然その減税額分は補てんの方法が講じられるという交付税法の建前というものを、自治庁はあくまでもお守りなさってゆくとこう考えてよろしいのですね。
○国務大臣(郡祐一君) 減税そのものについては今申しましたような考えを持っております。制度の問題よりもむしろ地方財政の現状で何らかこれに見返るものがなければ、みだりにいたすべきものではないとこのように考えております。
○加瀬完君 その点で一つそういう住民税のオプション・ツー、オプション・スリーのただし書きについては、標準税率というものを自治庁では本年度の地方財政計画についてお示しになられたわけであります。しかし標準税率でやりますと、先ほども問題になったのでありますが、結局地方の収入の面からみますればどうしても穴があいてしまう。この標準税率によりまして減額になる分だけは、何とか補てんをしてもらわなければ困るという意見がありましたが、この考え方というものは自治庁も基本的にはお認めになっておったわけでございますが、地方を回ってみますると補てんされない現状というものから、住民税そのものの標準税率の引き下げというものは行なっておらない。この問題は三十三年度の財政計画の場合には、確実に財政措置というものをお考えいただきまして、住民税の標準税率というものが少くも守られるような措置を講じていただかなくてはならないと思いますが、その点は財政局長でもけっこうですが、いかがでしょうか。
○政府委員(小林與三次君) 住民税の準率をきめましたのに伴いまして実際上の実施状況は税務局の方で調べておりますが、半分くらいだろうという見当をつけております。これにつきましてはこの前の国会でもいろいろ補てん措置で議論がありましたが、結局その一部は特別交付税で補てんをする、こういうことを政府も答弁をいたしまして、われわれの方でもそういう心ぐみで、特別交付税の配分に当りましては二十億あまりをその前提として配りたいと考えております。そうして来年度の財政計画の場合にその見返りの分をどうするか、こういう御議論もございますが、去年も一応そういうことでケリをつけることにいたしましたので、われわれといたしましては来年度は財政計画上特別の措置をするということは今のところ考えておりません。
○加瀬完君 住民税の準率が二分の一以上行われておらないということはお認めになって準率を用いないのは、結局財源補てんというものが市町村の望むような形では行われておらないから、ということが原因であろうと思いますが、これは特別交付税の配分ということでもいいのですけれども、もう少し実際は下げようとしても下げられない立場の市町村というものを考えて、もう少し今年の財政計画の場合でも五十億前後という数字が出ておったわけでありますから、この数字をさらに検討いたしまして、結局ぎりぎり補てんをしなければならないのはどのくらいかという計数を出して、具体的な対策というものをもう少し自治庁で立てなければ、準率をきめても準率というものは守られない。そういたしますと、結局税金はとれるならとれるだけとる、準率というものはちょっとお体裁に出したものだという形になって、住民負担の軽減にもならなければ、これから自治庁がお示しになった行政の一つの方針というものを非常に軽く扱わせる、という弊風をも生むと思うのであります。こういう点御考慮いただきたいと思いますがいかがでございますか。
○政府委員(小林與三次君) これは準率という問題の考え方でございまして、準率ですから一つの標準ですからこれをめどにして、それぞれの市町村も考えてもらいたい。しかし準率通り強行するという趣旨のものでもないと思うのでございます。それでございますから百パーセント準率通りやらぬからただちにどうこうというわけにも参らぬだろうと思うのでございまして、特別交付税におきましてはそのうちの一部を、特にひどいものにつきましての補てん措置を考えるべきだという、こういう前提でこの前の国会から考え方をまとめて参っておるのでございます。さしあたりはやはりその方針でいくべきではないか。なおそれぞれの団体におきましては一般財源の増強その他との見合で、それぞれ適正な準晦というものを前提にして、住民税の実際の率が決定されることをわれわれとしては期待いたしたいと考えるのでございます。
○加瀬完君 第三点は交付公債にかかる公債費の利子問題でございますが、いろいろこの委員会でも御説明がございましたが、三十三年度の地方財政計画ではこういう問題をどういう点をどう解決するのか、この点御明示をいただきたいと思います。
○政府委員(小林與三次君) 直轄事業の地方負担分の交付公債の利子につきましては、われわれといたしましてはその性質から考えましても、またそれぞれの団体の実情から考えましてもこれは無利子にすべきだ、こういう前提で、当委員会の御決議もございますし、来年度の財政計画の上におきましては、そういう前提で問題を一つ考えたい。自治庁といたしましてはそういう方針で大蔵省とも折衝をしてできるだけその方向に話をつけたい、こう考えて参りたいと思います。
○加瀬完君 そのほかに公債費で、三十三年度の地方財政計画で打ち出す条項というものはありませんか。
○政府委員(小林與三次君) 公債費の問題につきましては、既発行地方債に対する始末は、われわれといたしましては、この交付税率一・五パーセント引き上げることによってこれでケリをつける。こういう前提でございまして、残された問題としては今の直轄の交付公債の無利子、こういう問題でいきたいと思います。その他一般的な償還期間の問題とか、あるいは利子の引き下げの問題等が一般論としてあるのでございますが、政府資金の利子の現在六分三厘をさらに引き上げることができるかといえば、資金コストその他の関係においてこれはまず困難じゃなかろうか、一応は現状で満足するよりしようがあるまいといういう考えでおります。むしろ一般的に言えば公募公債の始末の方が重要でございまして、この問題につきましては、公営企業金融公庫の機能を十分拡充いたしまして、高利の公募債をできたら公庫で引き受けるような形で問題を解決していきたい。しかし大蔵省でそうなかなか簡単に折れることはないと思いますが、そういう形で公募債の問題を解決してその利子負担並びに発行上のいろいろな障害というものを除去する、という方向に全力を注ぎたいと厚えております。
○加瀬完君 第四点は、三十三年度の地方財政計海を策定するに当りまして日ごろ自治庁が言われております行政水準の回復あるいは引き上げといいますか、こういう内容は具体的にどういうものを考えているのか。あるいはまあ一応国税などでは減税の傾向を打ち出されておりますけれども、実際住民にとりましては税外の負担というものは非常に重い。税外負担の軽減といったようなことも、三上二年度の地方財政計画の内容としてお考えになっておるかどうか。こういう点一つ御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(小林與三次君) 今仰せになりました点は、われわれといたしましては重要視している重要項目でございます。まず税外負担の問題でございますが、当然公費で負担すべきものを公費が不如意のために、住民に転嫁されている。これはPTAその他学校の経費、あるいは商業等の経費も少くないと思います。いずれにいたしましてもこれは一般財源を増強することによって、そう負担のないように手当をしなくちゃいけないという前提で、問題をとり上げたいと思っております。
 それからなお行政水準の問題につきましては、もはや行政水準という必要があるかどうかわからないような道路、橋梁等の維持、補修費等当然に必要な管理費は確保をしなくてはいけない、こう考えております。さらにその上に道路を積極的に改良整備しなくちゃならぬことは当然でございます。その他義務教育だけでなく高等学校その他の学校の施設、老朽あるいは不正常授業等の問題をどうしても緊急に解消することを考えたい。それからなお下水道とか屎尿処理、清掃等の主として都市の保健衛生施設というものもはなはだ不十分でございましてそういう面におきましても一つぜひ財源にゆとりのある限り問題の解決をはかりたい。大体今申しましたようなことを重点におきまして財政計画の中身を充実確保したい、こういう存念でございます。
○加瀬完君 最後の質問でありますが、今のでまあ半分御説明をいただいたようなわけですが、教育あるいは衛生、厚生施設といいますかその他公共事業に関する問題で、行政水準の回復あるいは引き上げということで、財源を三十三年度は大幅に考えていかれるということでございますが、まあその点広く言えば財源の一つでありますこれらの目的に使われる地方債というものも、結局本年度などにおいても初めの計画からみればだんだん削減されてきているといいますか、制限されてきている。これでは一応の計画を立てましてもなかなか計画の通り進まないといううらみもありますので、三十三年度においてはこの地方債の充実というものを、もう一度申し上げますと、教育とか衛生施設あるいは公共事業等に関する地方債の充実というものをどのように考えておられるか。まず具体的に申し上げますならば、たとえば私ども地方を回ってみますと、もう教育施設といいますか学校建築などは、これはまあ不燃焼校舎の建築というものをいなかの町村に参りましても非常に希望いたしておる。しかしそういうワクというものが非常に制限されている。あるいは上水道は一応起債のワクが確保されておりますけれども、下水道になりますと非常にこのワクがない。ところが下水道というものは非常に先ほどの局長の御説明にもありましたように必要になってきている。ところが上水道でもやっとということで下水道の方までとてもその起債その他のワクが伸びてこない。これでは行政水準の向上という意思を非常に地方団体が持っても財源がこれに伴いませんし、政府のバック・アップというのが非常に薄いのでうまくいかない、こういうような問題が諸所で陳情されろわけでありますが、ごもっともな御意見であります。こういう点について具体的に今考えておりまする内容をお話をいただきたいと思います。
○政府委員(小林與三次君) 起債の問題につきましては、元来公債費問題の一つとして将来この地方債をどうするか、国は非募債主義をとっているから地方もできるだけ一般財源に振りかえて一般財源を増強して地方債を減少すべし、これが基本的な考え方でありまして自治庁といたしましてはその方向でものを考えなくてはいけない、基本的にそう思っております。しかしながらこの地方債と申しましても府県と市町村によりましても事情が違います。し、事業の性賢によりましても、もともと起債でやって長期的に償還するのが当りまえだという事業があるのでありまして、今おあげになりましたようなたとえば学校等の問題を考えれば、府県は別として市町村で小中学校を建てるときには、これは数十年に一度の事業でございますから、私は起債を財源にするのが当然の措置だと考えております。下水道につきましても似たような問題があるのでございまして、ただ下水道はまあ一般会計でやっておりますから上水道とは多少性質が違うかもしれませんが、やはり同じ性質である程度起債でさばきをつけるのが当然の措置だと考えるのでございます。これらの点につきましては従来起債のワクが十分でなかったというのは私は真相だろうと思うのであります。それで特にこの学校教育施設につきましては、今お話のように不燃化をさらに推進をする。そういう基本的な構想もいれましてぜひ必要な起債のワクを拡充したい。これにつきましては、文部省の方で御承知の通り教育施設費に対する国庫負担率を引き上げて、大いにワクをふやそうという考えで強力に進めておられますが、そういう対策ともからみ合せてともかくも地方における不正常授業、老朽校舎等を速急に解消するために、一般財源並びに地方債というものを総合的に考えて、ぜひその解決をはかりたい。下水道につきましては今申しました通り水道の緊急整備のために、どうしても要る起債は確保せざるを得まい。そのかわり一般財源に振りかえられるような一般の補助事業に伴うものとか、主として府県におけるような建設事業につきましては、これはある程度起債のワクを一般財源の増強に見合って縮減せざるを得ない、こういう考え方で臨みたいと思っております。
○加瀬完君 一つ落しまして恐縮でございますが、税外負担の軽減の内容として、近ごろ自治庁も非常に力を入れてくれているわけではありますが、国営事業の負担金、これはまだまだ現状においては地方の負担が大きいと思う。それから寄付行為といいますか、この寄付行為の禁止などの法案も衆議院あたりに出ているようでありますが、この二つについて自治庁はどんな御見解を持っておられますか。
○政府委員(小林與三次君) 国営事業に対する地方負担分につきましてはいろいろ議論はあろうと思いますが、私はまずまず今の程度でいいんじゃないか、相当地方の負担分を軽減するような措置が今とられております。この問題は先ほど議論になりました交付公債の無利子ということが実現すれば、私はおおむねそれで満足をすべきものではないか、こういうふうに考えております。ただ問題がその点をお尋ねになったかどうか知りませんが、それが府県より市町村に転嫁するなわ、さらに受益者あたりに転嫁するなんという問題があるとすれば、問題がだんだん下に行くことになりまして、私はできましたらこれはすぐにもできぬと思いますが、地方における府県と市町村との負担分はある程度はっきりすべきではないか。現在は府県は市町村から負担金を受益者としてとっております。それも県によってまちまちであります。まさか市町村によってまちまちということはないと思いますけれども、その間の負担分がすっきりしていない点がございまして、これは河川法なり道路法なりの単独法で問題をきめておりますが、私は地方財政の合理的な運営からすれは、府県と市町村の負担区分もはっきりさせる、そういう方向で問題を進めたい。それとともに問題は今度府県、市町村と住民との間における負担関係を明瞭にするという問題で、さっきの税外負担の問題、寄付金募集禁止の問題等が発展してくるわけでございます。それでこの寄付、負担金の禁止制限等の問題につきましては、私は公費で負担すべきものにつきましては財源を見るかわりに、これを何らかの方法で抑制する。どうして抑制するかはいろいろ制度的にも考慮しなければいけない問題があると思いますが、そういう方向でものを考えたい。
 それからもう一つは、衆議院で出ております社会党の案によりますと一般の寄付制限の問題でございまして、これは公共団体の活動を公正化するというのと違った問題でございますので、それは違った立場からこの問題を検討しなければならぬと思っております。これは単に自治庁だけの立場でない、いわゆる一般の寄付制限をどうするか、こういう問題で広い立場で検討すべき問題があろうかと思うのでございます。
○大沢雄一君 私はこの際地方財政にも関連を持っている問題でございますので、町村議会に任意設置で事務局の設置を認めるという問題、また都道府県選挙管理委員会に事務局を設置するという問題につきましてお伺いいたしたいと思っています。午前中当委員会では、町村議会に条例をもって議会の事務局を設置することができるようにしてもらいたい、という多数の請願を採択した次第であります。私ども採択の趣旨は、この自治法の改正案を次の通常国会に政府提案といたしましてこの改正をしてもらいたい、こういう趣旨で採択をいたしたわけでありますが、これについてどのようにお考えになっておられますかお伺いしたいと思います。まず議会事務局の方から先に。
○説明員(降矢敬義君) 議会事務局につきましては先に当委員会で行政局長が答弁されたのでございますが、議会事務局設置の要望についてわれわれとして全然理由がないというふうには考えておらない次第でございます。ただこの昭和三十一年の六月に地方自治法が改正されました際に、簡素合理化という線に即した改正の一環といたしましてその問題が議論に上りましたけれども改正条項に入らずに今日に至っておるわけでございます。従いましてそういう線を今日なおわれわれとしては堅持しなきゃならぬというふうに一応考えておる次第でございます。なお今御指摘がございました管理委員会あるいは監査委員のような方面につきましても、事務局の問題と同様に考えなければならないような事情にも相なると思いますので、今直ちにここで結論を申し上げる段階には立ち至っておりませんが、全体として簡素合理化の線に沿うてもう一ぺん考え直したいとこういうふうな考えでおります。
○大沢雄一君 簡素合理化の趣旨からなお検討するものがあるという、いわば消極的なお考えのように聞いたわけでありますが、私は申すまでもなく町村合併によって町村によっては市よりも人口あるいは区域の大きなものも少くありませんし、また現在町村においても条例で書記長、書記という専任職員を置くことができるようになっておるわけであります。それにもかかわらず市と町村と区別をいたしまして、市は条例によって事務局を置いて事務局長を置ける。しかるに町村は市より人口、区域が多くとも条例によってしかも書記長、書記を置きながら事務局は置けない、これはどうも市と町村と形式的に何か一種の法制上の差別待遇をしているような感じがありまして、まあいわばあまり芸がこまかいと言いまするか、どうも町村議会の権威というものと市の議会の権威というものとの間に、何かどうも差別を設けたような感を免れないと思うのであります。書記長、書記を置かせておってしかもその勤務する所に事務局という名前ができないということはどうも形式的じゃないか、機構の簡素合理化というのはもう少し大所高所から考え、もう少し何と言いまするか、町村議会というもの、議会というものの権威というものを市と町村とで区別するというような妙な考え方は、これはどうも機構の簡素化、合理化という趣旨とはどうも解しがたいと私は思います。また財政上の上からいってもこれは大して差がない。ただこういうふうな差別的な扱いをいたしておりまするために、何となく町村においては議会が軽視されて専任職員もいない、執行機関の補助機関が片手間でその仕事をするために、問題が起って町村に行ってみると議事録すら整理されていない、こういうふうな結果ができてきているのじゃないか。こう思うわけでありまするが、そういう点についてどういうふうにお考えになりますか。
○説明員(降矢敬義君) ただいま大沢委員が御指摘の、町村と市の間において町村合併の結果、相当の規模の町村ができて参りまして、小さい市とあるいはそういう大きな規模の町村の間に、均衡を欠くに至っているのではないかということにつきましてまたそういう点から事務局設置の御主張が言えるのではないかという点につきまして、先ほど申し上げました通りわれわれとしては理由がないというふうには少しも考えておらない次第でございますが、今直ちにここで結論を申し上げるという段階には実は立ち至っていないわけでございます。
○大沢雄一君 私は単に合併によって町村が大きくなって、市よりも人口、区域が大きいものがある、ただそれだけの理由ではない。現在の町村においても市と同様に条例で書記長、書記という専任職員を置き得るようになっておる。条例で任意設置の事務局を認められておることは市と同様なんだ。そういう立場でありながら、なぜ一方では事務局という機構を専任職員がおるにかかわらず認められないか。要するに条例によって任意設置を町村に対してもそこまで認めるならば、やはり事務局という名称にほとんど過ぎないと思うのですが、それを冠することを認めたからといって機構の簡素合理化の趣旨に反するということはないじゃないか。市と町村とどうしてそんなにいわば一種の差別をするか。そういう町村議会に対するもう少し根本的な見方から私は申しておるわけで、まああまりしつこく繰り返してもどうかと思いまするが、私の要望している趣旨は単に人口、区域合併で市と同様なものができたからという理由じゃない。もう少し深くこの問題を検討してもらいたいということを要望しておきたいと思います。
 次にこの都道府県の選挙管理委員会の問題でありまするが、これは申すまでもなく都道府県の選挙管理委員会は都道府県の選挙事務を処理することは当然でありまするが、さらに市町村の選挙管理委員会の事務を指揮監督するという責任ある地位にあるわけであります。常に選挙に関する常時啓発の仕事もしなけりやならぬ。その趣旨において自治庁は常時感発の経費を要求しているわけであります。そうなれば単に選挙のときばかりでなく、常時にこの都道府県の選挙管理委員会には非常に重要な仕事の責任を持たされておるということが明らかなんであって、常時啓発の経費を自治庁が請求する趣旨からいっても、この常勤の補助職員というものが選挙管理委員会にいなければならない。そうすれば当然事務局というものも認めなければならぬという、結論になるのではなかろうかと私は思うわけでありますが、こういう点についてどういうふうにお考えになりますか。
○説明員(兼子秀夫君) 都道府県の選挙管理委員会事務局の問題につきましては、都道府県選挙管理委員会等におきましては、非常に御承知の通り強い御要望があるのでございますが、選挙の管理事務の執行の面から見まして、専任の強力な事務局機構が確立されますればけっこうでございますが、もし地方財政その他の理由等によりまして、これが小さい規模におきまして線が引かれますと、いざ選挙というような場合に、果して多数の者を動員する場合にどうであろうかというような心配もないわけではないのであります。それで現在のところは、府県で事務局を持っておりますのは東京都と青森県が一県持っておるのでございますが、それ以外は地方課において御承知のごとく選挙の事務を執行しておるのであります。ただ最近におきましては、常時啓発の仕事等もふえて参りまして仕事は増加しつつ参っておりますが、先ほど来申し上げましたような考慮もいたしまして、果していかがなものかとこのように考えておるのでございます。
○大沢雄一君 私は事務局を、設けて専任の補助職員を選挙管理委員会が持つということになりましても、もとよりこれは最小限度に限られるべきものであって選挙の仕事のようなものにつきましては、これは当然現在兼任ですべてやっておりますのでありますから、相当数の兼任の職員を置いてそして手伝ってもらう。地方課等から十分これは協力してもらうということを別に妨げるところではなく、当然そうすべきものである。ただこういう重大な責任をもった委員会が全然専任の補助職員がなくて、何もかも頭を下げて知事の補助機関の方に頼まなければできないというような現在の機構では、これはいけないのじゃないか。要するに常時に仕事があるのであるから、これは選挙管理委員長なり選挙管理委員会が当然これは自由に使い得る職員を持たせて、なおそのほかそれに地方誤なり何なりから必要に応じて協力してもらうという建前でやってもらう、こういう意味で申し上げておるわけであります。
○説明員(兼子秀夫君) ただいまの御意見はよくわかるのでございますが、くどいようでございますが私どもの考えを申し上げますと、都道府県の実態から見まして地方課長が御承知のごとく書記長をやっておりましてこれは知事の指揮下の職員と言えば言えるわけでございますが、仕事の性質上ほとんど知事の一般の総務の行政とは離れましていわば事町村のめんどうをみるのが地方課長の仕事であるわけであります。ただ法制上からは知事の任命権を持つ職員が選挙管理委員会の事務機構をなしているという形でございますが、しかしながら選挙管理の事務におきましては、そのような機構でありましても、選挙管理委員会の独立性を阻害するという点はないのではないか。その間に地方課長が地方課の全体を統轄いたしまして、選挙の管理事務の執行に当ると、プラスの面もあるのではないか。一挙に事務局の専任制を確立いたしますことによって、形は独立の専任事務機構ができましても実質において弱いものになってしまっては、選挙の管理事務におきまして心配の点があるのでございます。先ほどそういう場合には兼務その他によって処理できるのではないかというお話でございましたが、なおそういう点について私どもは一抹の疑念を持っておるのでございまして、なお検討いたしたい、このように考えております。
○大沢雄一君 次に私は選挙管理委員の選任の問題について関連してお伺いしたいと思います。
 副知事、出納長等特別職の吏員が選挙管理委員になることは、選挙の中立性からいってもおもしろくない、かようなお考えで三十二年の十月十四日ですか、選挙局長から都道府県知事に通牒が出ておることを承知しておるのでありますが、これについてはどういうふうな考え方でこの通牒が出されておりまするか。なお選挙管理委員は御承知のように議会で選挙されるということになっておるわけでありまするが、その被選挙権との関係についてどういうふうなお考えを持っておられるのか、その点についてちょっと伺いたいと思います。
○説明員(兼子秀夫君) 選挙管理委員の選任につきましてお話のごとく十月十四日付で知事あてに通達を下したのでございますが、これは法律的には選挙管理委員は議会で有権者の中から選ぶということになっておりますので、何らの制限はないわけでございますが、しかしながら衆議院の選挙特別調査委員会におきまして、前国会におきまして、ある市の助役が選挙管理委員長をやっておった。たまたま市長選挙があって常時啓発の仕事と市長の方の仕事というものが、何と申しますか重複と申しますか、混合すると申しますか、境目がわからなくなった点があり、選挙管理委員として発動されたのか、あるいは助役としての発動なのか、そういう点分明を欠く点がございまして、いろいろと御論議があったのでございます。そのような事例もございまして、本来はこれは選任は御承知のごとく自由であるわけでございますが、選挙管理委員の選任に当りましては、その都市の知事とかあるいに市町村長の選挙等がございますので、少くとも副知事、助役、出納長、それから、収入役というような特別職の方は、御遠慮願った方が運営上適当ではあるまいか、このような考え方のもとに、そういう意味のことを通達いたした次第でございます。
○大沢雄一君 私は選挙の公明、中立という趣旨から、選挙管理委員にこういう特別職がなるということはやはり好ましくないと思う。しかしながら、被選挙権が公民権の自由な内容の一つをなしていると思うのでありまするから、そういう点から考えてどうもこういう通達でそれを制限することはおもしろくない。むしろさらに一歩進めて、現職のままこういう職員が選挙管理委員にはなれない、ということにしてもしなりたければ現職を辞してなるということに思い切って一歩進めたらいいのじゃないか。さらに特別職ばかりじゃない、先ほど地方課長等、選挙の中立、公明の趣旨から、選挙管理委員会の事務を執行しても弊害はないようにお話があったのでありまするが、しかしながら、実際は府県において、これらの特別職以上に総務部長とか、あるいは地方課長とかいうようなものが、選挙については非常に重要な実際上の関係を持っているわけであります。早い話が、これは論功行賞とはいえないかもしれませんが、知事選挙のあとで、地方課長等が、一躍新知事のもとに総務部長になるというようなことがこれは実際に行われている。これは、普通の人事ではそういうことはあり得ない。これを見れば、この選挙の実際とこれらの職員との関係がどういうものであるかということをこれは雄弁に物語っておる。でありまするから、選挙の中立公明という趣旨から言えば、単に特別職でなく、県庁の部長級はもとより、今申し上げたような、これはどうも職員は、課長でも、実際上の問題として、選挙の公明の趣旨から適当でないということをこれは証明して余りあると思う。でありまするから、さらに一歩を進めて、要するに有給の吏員が選挙管理委員に現職のままなるということはおもしろくないということに私は結論されるのじゃないかと思うんです。選挙の公明という点から、この問題は、どうも本省の通牒が中途半端でありまするから、いま少し事態をよく見られて、私は、選挙管理委員の選任については、もっとこれは法的措置を講ずべきものだと思いまするので、検討をお願いいたしておきます。
○説明員(兼子秀夫君) 選挙管理委員の兼職禁止の規定を置いたらどうかというお尋ねでございますが、私ども心配いたしますのは、小さな町村等におきまして、適当なやはり選挙管理委員となりますと、法律的な判断も必要でございますので、助役等の選挙管理委員の就任ということが考えられるわけでございます。そういう点におきまして法律上禁止規定を置くのは無理ではないかというようなことからこのような措置に出たのでございまして、御意見の点は十分検討いたしたい、このように考えております。
○委員長(小林武治君) では、本件はこの程度にいたします。
○委員長(小林武治君) 次に、占部君から、福岡県における職員の整理問題について質疑の要求がありましたのだ、占部君に発言を許します。
○占部秀男君 大臣にお伺いをいたしたいのでありまするが、去る十一日の各新聞で、福岡の上屋知事のリコール問題を中心にして、この問題のもつれから、県の職員組合の副委員長である友松さんという人を県の方で首を切った。その理由は、政治活動をやったということを理由にして首を切った、こういうような問題が起っておるわけであります。自治庁も、この問題は、終戦後の地方公共団体としては、おそらく初めてのケースではなかろうかと思うのでありますが、同時に、この問題の処置の結果は、今後の地方公共団体の職員だけでなく、一般の中央地方の公務員全体に大きな影響を及ぼすこれは一つの問題になる、かような重大な内容を含んでおるように私は考えるわけであります。そこで、もちろん自治庁として、これらの問題については、相当調査をされておることとは思いますけれども、自治庁の方にどういうようなこの経過についての報告、あるいはまた、自治庁からの調査があったか、それがあるならば、一つお示しを願いたい、かように考えるわけです。
○国務大臣(郡祐一君) 占部君のお尋ねの件、私も新聞でそのような事実を見まして、そうして本人に対して、そのような場合に、何と申しますか、解職の説明書のようなものを交付いたしますね。それを県側はどのような考えでいたしたか、資料にその説明書をとりました。しかしこれは、片方だけのむしろ考え方であります。従いまして、これから十分実際問題の調査をいたしたいと思っております。今、自治庁の手元に来ておりまするのは、県側からおそらく本人に交付したものかと思います。その説明書が来ておる程度でございます。それは、必要があれば課長の方から申し上げます。
○説明員(今枝信雄君) 御質問のございました福岡県事務吏員友松氏の免職の処分説明書として報告を受けたものがございますので、それを申し上げます。
   処分説明書
 一 処分者職氏名 福岡県知事土屋香鹿
 一 被処分者氏名 友松正義
   所属 福岡県小倉渉外労務管理事務所
   職名 福岡県事務吏員
 一 処分時期 昭和三十二年十一月十一日
 一 根拠法規 地方公務員法第二十九条第一項第一号
 一 処分の種類及び程度 免職
 一 処分の理由
  右は福岡県小倉渉外労務管理事務所勤務で昭和三十二年十月一日職員団体の業務にもっぱら従事するための休暇を与えられているものであるが、(1)四月三日土屋県政汚職糾明県民協議会(以下「県民協議会」という。)が結成され、その後県民協議会においてリコール闘争の方針が確認されてこれが具体的準備活動をすすめるため各部の担当者が決定され、右はその本部員として組織部を担当することとなった。これは明らかに地方公務員法第三十六条第一項に該当する。(2)又県民協議会本部の組織部担当者として活動したことは、明らかに地方公務員法第三十六条第一項及び同条第二項に該当する。(3)更に十月三十一日大牟田市民館において開催された福岡県庁職員組合第二十六回定期総会において第四号議案(土屋知事リコール)の説明で右は「知事のリコールは県民協を中心に推進する。」と述べ、同議案の質疑応答で
  (イ) 門司支部県民協における教職員の活動方法の一例として次のようなことも行われている。それは教職員自身は政治活動の制限があるので何等制限のないその家族等を動かしてこれに協力している。
  (ロ) 県職員組合員も右のような熱意をもつて知事リコール運動に協力して頂きたい。
  (ハ) 公務員の場合は行政区域外においては全く制限はうけないのでリコール運動はしてもよい。
  (ニ) 行政区域内においては勤務時間外はリコール運動はしてもよい。
  (ホ) 現業職員については全く制限がないのでリコール運動を実施してもよい。
  (ヘ) 公務員の家族は何等制限規定がないのでどんなことをしてもよい。
  (ト) 家族に対して組合員の皆さんが積極的に運動するように指導して下さい。
  (チ) 署名運動を家族が実施した場合にその職員が不利益処分をうけた場合は組合において全責任をもつ。
 と発言したことは明らかに地方公務員法第三十六条第二項及び同条第三項に該当する。(4)十一月九日職員組合北九州各地区の職場で右は
  (イ) 知事リコール署名について組合員又は組合員の家族が署名したかどうかは後で調べればわかる。
  (ロ) 若し組合員が署名していなかった場合は組合執行部において組合員に対し厳重に処分する。
 と発言した。これは明らかに地方公務員法第一千六条第三項に該当する行為と認める。
 以上が処分説明書の写しでございます。
○占部秀男君 この問題について、私は、内容の点と、それから、首切られた友松副委員長が人事委員会に提訴をしておりますので、人事委員会の扱いの両面についてお尋ねをいたしたいのでありますが、第一に、内容の点について、この免職の理由になっている、処分の理由になっているところは、大きく分けて二つあると思う。一つは、いわゆる土屋県政汚職糾明の県民協議会の役員になっているということと、それからもう一つは、定期大会その他でリコール運動の説明をしたり云々、こういうところにあると思うのでありますが、そこで、その第一の土屋県政の汚職何とか県民協議会、この協議会の役員になっている事実はない。これは私の調査でありますけれども、事実は全くない。こういう調査の結果が明らかになっているのであります。
 そこで、第一にお尋ねしたいのは、もちろん私はそうだと思うのでありますが、事実県民協議会の役員になっておらぬという場合には、この処分の理由というものはこれはない。架空の理由になるのではなかろうかと思うのですが、この点はいかがですか。
○説明員(今枝信雄君) 処分理由説明書このままでは、まず第一点で、地方公務員法第三十六条第一項に該当する、そういうふうに認定をしているようでございますが、三十六条第一項には「職員は、政党その他の政治的団体の結成に関与し、若しくはこれらの団体の役員となってはならず、又はこれらの団体の構成員となるように、若しくはならないように勧誘運動をしてはならない。」こういうふうにございましてこの第一項に該当するという趣旨は、「政治的団体の結成に関与し、若しくはこれらの団体の役員となってはならず、」こういう点にあろうかと思います。従いまして、結成に関与したか、あるいはこれらの団体の役員となっているかどうか、この二点のいずれでもないということであれば、もちろんこの第一項には該当しないことになります。
○占部秀男君 そこで、お尋ねをいたしたいのですが、土屋県政汚職糾明県民協議会という協議会はですね、土屋知事があの例の、何といいますか、金の問題、これは詳しく言わなくてもわかっていると思いますが、金の問題等の問題があってそうしてこの汚職の問題に対して糾明しようというような集まりであります。これは、明らかに私は政治団体ではないと思うのでありますけれども、その点はいかがですか。いろいろと自治庁のあれも調べておりますが、どうも政治団体にはならないと思うのでありますが、どうですか。
○説明員(今枝信雄君) 県民協議会というものが地方公務員法第三十六条第一項にいう「政治的団体」であるかどうかという点につきましては、実はこの団体の規約なり、あるいは具体的な行動なり、そういうものを詳細に検討いたしませんと その名称だけでは どちらかというふうに判定をいたしがたいのでございます。第三十六条第一項には、政党または政治的団体というふうに掲げてございますので、一定の政治的な意見なり主張なりを実現しようとすることを主たる目的としているものが政党であり、主たる目的ではないが、少くとも従たる目的を持っているものを「政治的団体」というふうに区分けをいたしておりましてその「政治的団体」に当るかどうかということにつきましては、規約なり、あるいは具体的な行動なり、あるいは規約に盛られている団体の目的なりについて検討しなければ、一概には判断することはむずかしい、かように思うわけでございます。
○占部秀男君 今の点ですが、この地方公務員法を作った当時に、現在の行政局長である藤井さんが、法の逐条解説というものを出しておる。これは、われわれもあのときの団体交渉の中でいろいろとやりとりがあって、よくわかっているのですが、その中に、「その他の政治的団体」とは、もちろんこれは政党ではありませんから、その点ははっきりしております。「その他の政治的団体」というのは、政治上の主義もしくは施策を支持し、もしくはこれに反対し、または公職の候補者を推薦し、支持し、もしくはこれに反対する目的を有するものであるというふうに、はっきりとこれは言い切っておるわけです。で、今度の土屋県政の汚職糾明県民協議会というものは、今調べなければわからないと言われますから、この点については、またあとの論議に保留をしておきますけれども、この汚職の県政、これを糾明し、批判しようというところでこの組織は成り立っておる。これは、もちろん政治上の主義もしくは施策という問題ではなくて、汚職糾明の問題で立ち上っておる県民協議会、これは、内容をよくとっていただけばわかるのですが、従って、純粋に汚職その他の問題で県政を批判するのだ、こういう団体であるならば、これは明らかに「その他の政治的団体」ということには参らぬ。それは、政治資金規正法の問題に関連いたしましても、この点は明らかであると私は思うのでありますが、そういうふうな点についてはいかがでありますか。
○説明員(今枝信雄君) ただいまお話になりました限りにおいては、「政治的団体」にはならないと思います。しかし、そういうふうな名称なり目的なりであるかもしれませんが、この県民協議会が、今申し上げられたような、たとえば公職の候補者を支持するというふうなことがかりにあれば、その限りにおいては「政治的団体」になり得る場合もあるわけでございます。その辺は、非常にデリケートでございますので、内容なり、具体的な行動なりをもう少し検討いたしてみたい、かように思うわけでございます。
○占部秀男君 次の問題でありますけれども、この定期大会の総会の席上において、知事リコールの第四号議案を説明したと、かようにこの処分の理由書に書いてあるのでありますが、これは、説明することは、これは当然のことであって、地方公務員法上でも認められておるということは、これははっきりとこの中でも言っておるわけです。それがこの免職の理由になるということは、これはあり得ない。もしもこういうことが通常行われることになれば、官公組合の、職員団体を中心とした組合が、たとえば何々政府打倒とか、あるいは何とかというようなことや、そういうことをきめること自体が、これはもう地公法違反ということになり、あるいは公務員法違反ということになるということは、これは非常にゆゆしい問題であると私は思うのですが、組合の大会、そうした機関、こういうところでこういうものを説明したり、あるいは支持するというようなことを決定したりするということは、これは地公法違反にはならない。特にこの内容にあるところの、第三十六条第二項及び第三項に該当すると、こういうようなことは、これはあり得ないと私は思うのですけれども、その点はいかがでございますか。
○説明員(今枝信雄君) 職員組合の大会等におきまして提出された議案について説明を加える。たとえば、その議案の一定の制度等について説明をするという限りにおいては、何ら地方公務員法に触れる問題は起らないと思います。
 ただ、説明の際に、説明の内容によりましては、地方公務員法第三十六条第二項の第二号に、「署名運動を企画し、又は主宰する等これに積極的に関与すること。」こういう条項に触れる場合もあり得ると思います。
 で、ただいますっと読み上げました処分理由書のうちの、いろいろな項目のうちに、どれが触れない、どれが触れるおそれがあるというような点につきましては、さらに検討をいたさなければ、正確にお答えはいたしかねますが、単純に議案の説明をするという限りにおいては、何ら問題はないと思います。しかし、制度の説一明等の中に、今申し上げたように、「積極的に関与する、」署名運動に積極的に関与するというふうな場合もあり得るというふうに解釈がされるわけでございます。
○占部秀男君 その解釈はおかしいと思うのですがね。それは、積極的に、たとえば県民協なら県民協で、そのリコール運動をやろうと、その中でそうした問題をやるならば、あなたのような解釈も成り立つと思います。ところが、労働組合の大会の中で、県民協がこういうことをきめてきたからということについての議案をここでやるのに、何らあなたの言うような理由は私は成り立たないのじゃないか、それは、たとえば人事院の規則の回答の中でも、たとえば上部団体の方から議員の候補者をきめて、それを流してきたときに、それを説明したり何かすることは何ら違法でないということは明らかである。これは一種の政治的な問題ですが、それと同じような問題であって、しかも、この(イ)(ロ)(ハ)(ニ)(ホ)(ヘ)(ト)(チ)という問題が、果して地公法違反になるかどうかということは、検討してみなくちゃわからぬと、あなたはおっしゃるのですけれども、この(イ)(ロ)(ハ)(ニ)(ホ)(ヘ)(ト)(チ)というものは、いずれも説明の間、もしくは質疑応答の間においてこれが行われておるのであって、いわば法律的な解釈に対する回答であるとか、あるいは機関の決定を遂行するための回答であるとか、そういうようなもの以上には出ていないである。従ってそういうようなもの以上に出ていないものは、これは明らかに地公法違反とはいえない。そのほかの問題が出たら、これは別ですよ。そういうようなふうに私はとるのでありますけれども、あなたのお考えはいかがでありますか。はっきりしないわけですか。
○説明員(今枝信雄君) 三十六条の第二項第二号に「署名運動を企画し、又は主宰する等これに積極的に関与すること。」と、こういうふうに書かれておるわけでございますが、積極的に関与するという意味は、直接署名運動を組織的計画的に推進をするということをもって積極的に関与する、そういうふうに通説がなっておるのでございます。職員組合の大会等において、単純な制度に関する説一明あるいは制度に関する疑義、そういうものに対する質疑応答という限りにおいては、当然問題にならないと思うのでございますが、ただいま重ねて御指摘がございましたように、質疑応答の中においても県職員組合員の、右のような熱意をもって知事リコール運動に協力していただきたい、こういうふうな言い方というものは、単純な説明であるというふうには言い切れない点があるかと思うわけでございます。従いまして私どもといたしましては、そういうふうな点についてさらに検討をしてみたい、かように思うわけでございます。
○占部秀男君 非常におかしな言葉を私は聞くもんだと思う。これは、県民協の席上ではなくし、組合の大会の席上で議案というものが配られて、この議案が決定される以上は、組織としてそれを――つまり個人々々に強制はしません。個人々々に強制はしていない、強制はしていないけれども、組合の機関の決定というものを尊重してやってもらうことは当然の建前なんです。そういうものがなければ、何のために団体を持つ必要がある、何のために組合を持つ必要があるのですか。これは、当然機関で決定したものはやってもらうという建前です。そのやってもらうという建前をここに表わしたのであると私は考えるのでありますが、そんなことは当然であると私は思う。さらに、より深いところへいけば、一体この処罰に当るところの、いわゆる処分の理由になるものの中には、政治行為ではあっても、政治目的をかねていなければ、これは処分には該当しないと私は思う。そこで、この県民協できめたことを、ただ議案として流したことは、これは労働組合の組合の仕事の中であってそれは何ら政治目的ではないのですよ。かりに政治的な行為にまぎらわしいような形はあったとしても、労働組合の純粋の組合内部における機関決定は、即そのまま政治的な目的があるということはあり得ない。また、そういうことはないというようにあなた方も解釈してあのときに地公法を作っておるのです。それをあなたの言うように、まだわからぬというのは、そういうような言い方をされると、これからあと、労働組合は何も決定できないということになるので、その点をはっきりしておいてもらいたいのです。
○説明員(今枝信雄君) 御指摘の点でございますが、地方公務員法の第三十六条は、あくまで職員は特定の目的を持って特定の行為してならないということでございます。もちろん、それが職員団体の行動を規制するものではないことは、御指摘の通りでございます。ただ、申し上げましたのは、この場合、友松氏が職員としていろいろと行動をとっておる場合に、その行動がどの時期、あるいはどの場所において行われておるうとも、この条項に触れる場合もあり得る。そういうことで検討してみなければならぬということを申し上げたわけでございます。
○占部秀男君 それは重大なことですから、ちょっとしつこいようですが、そうすると、組合の機関決定、こういうような、一見政治的な目的を政治行為というように、まきらわしいというようなことをあなたは言われたのですが、純粋の組合の機関決定は、あるいは組合がそういう問題を論議するということは、これは即政治目的という形ではないということは、はっきりしていますね。ただ友松個人の行動の中にそういうものがありはしないかということを疑がっておるということですね。その点をはっきりしてもらいましょう。そうしないと、これから労働組合は何もできないことになる。
○説明員(今枝信雄君) 特定の人がたまたま職員団体の大会等で議論したことが、全然地方公務員法に触れないというふうには言い切れないと思います。ただ、職員団体として意思決定をするということが、すぐ地方公務員法に触れるという問題ではありません。これは、先ほど申し上げた通りでございます。しかし、個々の職員が、たとい職員団体の大会等においてでも、単純に議案の説明であるとか、あるいは質疑応答の際に、制度の説明であるとか、そういう限りにおいては問題はないわけでございますが、そういう機会を利用して、組織的計画的に署名運動を積極的に推進をするというふうな結果になれば、あるいは地方公務員法に触れる場合も起ってくる、かように思うわけでございます。
○占部秀男君 ここのところは非常に微妙な点ですから、これはまたあとにして、保留をしたいと思うのですけれども、一体組合の公式の機関の中で、しかもその組合のメンバーが、組合の議決する議案の説明をする場合には、おのずから限度がある。政治団体がやる場合と、労働組合がやる場合とでは立場も違うし、おのずから限度がある。そういうような点は、善意に問題を解釈してくれないと、引っかけようと思えば、幾らでも引っかけられる。その点は、あとあといろいろな問題がありますから、やりますけれども、そういう点についての、これも自治庁の方では、大臣等も調べてもらうというのですから、そういう点については、悪意のように思われるような方法は厳として慎しんで、明瞭に一つやっていただきたい。そのやり方いかんによっては、今言ったように、官公労全体の組合の大きな問題でありますから、その点は、特に念を押しておきます。
○吉田法晴君 関連して。昭和二十七年に、仙台地方事務所長から、職員組合の政治活動について、という照会がありました。それに対して、九月の十五日職員局職員課長の名前で回答が出ておりますが、こういうことを御存じでしょうか。
○説明員(今枝信雄君) ただいまのは、人事院の仙台地方事務所長から人事院へあてての照会だと思いますが、私存じておりません。
○吉田法晴君 それでは、人事院のことであるが、なるほどお話の通り、人事院の地方事務所長だと思うのですが、こういうことが書いてあります。これは、政治活動のうち選挙活動、ですから、より厳重な、公務員の場合に許されることが地方公務員に許されないということはないと思う。そういう意味で引き合いに出すのですが、「今回の衆議院議員、教育委員等の選挙に際して標記の件につき左記の通り解釈して差しつかえないか。一、組合の役員会または総会で特定の候補を支持する旨決議することは差しつかえないか。二、この決議を外部(新聞等)に対し、積極的に発表することは規則違反となる。」これは、照会した事務所長の見解であります。「三、この決定を組合員に周知せしめるため、ビラ」− カッコがありますけれども省略します。「ビラを組合員に配布することは差しつかえない。ただし外部にまで配布すれば規則違反となる。四、この決議事項を庁舎内に掲示することは、たとえ組合の掲示板であっても、不特定多数人の目にふれる場合は規則違反となる。」
 こういう照会であります。それに対して、は「貴見の通りである。二、通常の方法により、事実の報道として組合機関紙に掲載することは差しつかえないが、それ以外の方法により組合外に積極的に発表することは原則として違反となる。三、ビラの配布が組合員に対する通常の周知方法であれば、通常の手段で配布することは差しつかえない。四、この決議事項を庁舎内に掲示することは、たとえ組合の掲示板であっても」云々と、こういうことが書いてあります。
 で、問題は、さっき読まれた説明書の中の事由、その中で、組合の総会で特定の候補を支持する旨決議することは差しつかえないかというものについて貴見の通りである、差しつかえない、こういうお話です。この場合で申しますというと、県の職員が三十六条二項一号の「公の選挙又は投票において投票するように、又はしないように勧誘運動すること。」に関連をして、のうちの、組合の総会で特定の候補を支持する旨決議することは差しつかえない、こういう話になる。そうすると、組合の総会あるいは大会に、公務員の場合には差しつかえない。提案をして、そして総会あるいは大会が特定の候補を支持する旨を決議しても、それは差しつかえない。あるいは公務員法違反にならない。こういうことであります。そうすると、これは、選挙の場合ならば、組合の大会でだれそれを、まあ占部君でもかまいませんが、県庁職員組合が占部君を支持したい、こういう原案を出して、それから支持すると、こういう決定をしても、これは公務員法あるいは地方公務員法違反にはならない、こういうことでしょう。そうすると、あなたの方は、今「署名運動を企画し、又は主宰する等これに積極的に関与すること。」という条文を、県の職員組合の総会で提案をし決議することは差しつかえない、こういうことをまあいうておるが、しかし、提案をすることについてはどうか、疑問があると、こういうお話です。そうじゃないですか。それでは、組合の大会で、これは二十六回総会でありますが、そこでリコール運動、これは、前文でいいますと、地方公共団体の執行機関に反対する目的を持って署名運動をすることを提案し、そしてこれを決定するというふうになってくるが、その点については、人事院は、国家公務員についても差しつかえがない、こういう解釈をしたとすれば、疑問は私はなかろうと思うのでありますが、いかがですか。
○説明員(今枝信雄君) ただいま人事院の仙台地力事務所長と人事院の職員局職員課長との間に手交されました質疑応答を引用してのお尋ねでございましたが、もちろん、地方公務員法の場合においても、職員団体の決議とか、そういうものを別に制限をいたしておるわけではないわけでございます。従いまして、職員個人の個々の行為に対する制限でございますので、単純に支持する、あるいは支持上ないという決議が、組合大会等においてなされたというだけでもって、直ちにその関係の職員が地方公務員法の政治的行為の制限に違反するということにはならないわけでございます。ただいま私が申しヒげましたのは、そういう職員組合の大会等における決議ではなくして、具体的な、職員が特定の政治的目的をもって「署名運動を企画し、又は主宰する等これに積極的に関与」したことになるかどうかということになりますと、単純な制度の説明であるとか、あるいは単純な制度説明に関する質疑応答の限りでは問題にはならないが、その範囲を逸脱して積極的、計画的、組織的に推進をするような場合には、地方公務員法違反の問題もあり得る、こういうことを申し上げておるわけでございます。
○吉田法晴君 問題を故意にそらして答弁をしておられるようですが、なるほど先ほどからそういう説明をされました。また、繰り返されておるわけですが、仙台地方事務所長が問い合せましたのも、これは、制度についてあるいは説明をしたり、衆議院選挙の場合に、選挙はどうして行われるか、あるいは選挙運動というものはどうして行われるんだ、こういう、とにかく法の説明、あなたの言葉で言うたら、制度の説明がいいか悪いか、こういう問題じゃない。これは、特定の議員候補を総会にかけた、そしてそれを議決した、こういう行為が禁止されておる政治活動になるかという問い合せをしたところが、そうではない。ですから、問題の場合には、まずお尋ねしているのは、総会の場合に、選挙の候補の場合のように、原案を出し、それを説明し、あるいは質疑に答えて答弁をする、こういうことが、今言われるように、この署名運動なり支持事項という、この政治活動について積極的に関与あるいは組織的、計画的に推進云々という、個人が普通やる場合の問題と問題が違いますね。大会に提案をし、説明をし、そうしてあるいは疑問に答えていくということは、選挙の場合について許されるとしたならば、特定の候補、選挙云々という点に関連して許されるというならば、この支持事項云々という場合も同じじゃないか、これは、…十六条の一号と、それから二号との違い、並んでおる点からいっても大体同じだと思いますが……。
○説明員(今枝信雄君) 若干事実が違うと思うんですが、単純に特定の人を支持するとかしないとかいうことだけではないわけでございましてこの場合は、特定の人を支持しないという署名運動を主導しまたは企画する等積極的に関与する、こういうことになっておるわけでございます。従いまして御質問の中にございましたように、そういう議案を提出し、それに説明を加える、質疑応答をして決議をするということだけの限りにおいては、おそらく政治的行為の制限に引っかかるようなことはなかろうと思います。しかし、その過程において説明なりあるいは質疑応答なりの内容いかんによっては、積極的に関与するというふうに判断される場合もあり得るという意味で申し上げておるわけでございます。
○吉田法晴君 選挙について、総会で特定の候補を支持し、あるいは支持する旨決議する云々の点は、これは提案理由の説明がなければなりません。それから討議をいたします。そして決定をいたします。総意を決定するという手続を踏むわけです。そうすると、あなたはその場合に、特定の候補を推薦したいという動議を出して提案をして、そして質問を受けるとき、そり質問の仕方によっては法に触れるということですね、そういうことになりますね。ですから提案し、それから決議することが法に禁ぜられておる行為にならないというならば、これは今の選挙と、それから署名運動というものが大体同じことだと考えられるならば、これは選挙の場合と、それから署名運動の場合と違って解釈されるはずはないと思うんです。重ねてお聞きいたします。
○説明員(今枝信雄君) 地方公務員の場合には、三十六条の選挙の場合には第二項の第一号でございまして、「公の選挙又は投票において投票をするように、又はしないように勧誘運動すること。」と、こういうことになっております。従いまして単純に議決をするということだけでは、この「投票をするように、又はしないように勧誘運動する。」ということには該当いたしませんので、これには触れないということを申し上げておるわけでございます。
 それから署名運動の場合には、特定の人を支持しないという目的をもって、「署名運動を企画し、又は主宰する等これに積極的に関与すること。」と、こういうことになります。いずれも勧誘運動、投票の場合には勧誘運動、それから署名運動の場合には積極的に関与することと、こういうことで若干のニュアンスの違いはあります。しかし、いずれも組織的、計画的にそれらを、投票を推進する、あるいは投票をしないように推進する、署名運動の場合には積極的に関与するという意味は、組織的、計画的に署名運動を推進するというふうになるかならないかということは、事実を判断をしなければ、一がいにこれがならない、これがなるというふうには断定することは非常にむずかしいと、かように思っておるわけでございます。
○吉田法晴君 第一号の場合を、投票をするように、あるいはしないように勧誘運動をすること、あるいは署名運動を企画し、あるいは積極的に関与すると、こういうことは、あるいは署名運動なら署名運動を実際にやっているということを予定をしておると思うんです。ですから、たとえば政治活動になるかどうかということは、政治目的があり、あるいは政治行動がある、この三つがあって初めて政治活動になる。で、大会の場合には、そういう運動をやるかやらぬか、あるいは候補者を支持するかしないか、そういうことを決定をする、あるいはそれはあなたのように広義に解釈をすれば、大会なら大会なりで支持決定することは、特定の候補者を支持するというか、投票をするように勧誘すると、こういうように、しいて解釈しようとすればできないことはない。しかし、そういう点については、これは今までの解釈もそうでありますし、判例についても、それは大会で決定することは具体的な選挙活動ではない、こういうように言われてきているのですから、だから、それが署名運動の場合と違って大会の場合にはあるいは提案し、あるいは討議し、あるいは答弁をし、決議することは差しつかえないというならば、少くとも総会の場合における行為について、これを地公法違反であるということにはならぬと思うのです。重ねて伺います。
○説明員(今枝信雄君) 重ねての御質問でございますのでお答えを申し上げますが、選挙の場合には、「公の選挙又は投票において投票をするように、又はしないように勧誘運動すること。」、こういうことになっております。従いまして、単純に勧誘を禁止しておるものではございません。勧誘運動という限りには、やはり組織的、計画的、あるいは継続的にそういうふうな勧誘が続けられるという行為を制限しておるわけでございます。そういう点から判断をいたしまして、大会等において特定の人を投票するようにというふうな決議をするだけでは勧誘運動にはならない。あるいはそれが勧誘になるかもしれませんが、勧誘では制限には引っかかりません。少くとも勧誘運動にはならない、こういうふうな見解で、大会等において特定の候補者を支持する、あるいは支持すると決議をいたしましても触れない、こういうことが御指摘の通り通説になっております。署名運動の場合には、「署名運動を企画し、又は主宰する等これに積極的に関与すること。」、積極的に関与するという認定の問題があると思いますので、単純にだれだれをリコールをするということだけを決議をしたから、すぐこれに積極的は関与したかどうかという判断は非常にむずかしいと思います。従いまして、その決議の過程等においていろいろと行われました事実をよく認定をいたしませんと、決議だけでもってすぐ引っかかるとか、引っかからないとかいうことは申し上げにくい。そういう点において、なお事実を調査して慎重に検討をする必要がある、こういう意味で申し上げておるわけでございます。
○吉田法晴君 重ねて恐縮ですが、一号の場合には、いわゆる選挙運動、個個の得票をするために勧誘する、これはまあ問題ない。二号の場合には、署名運動、署名を求めて回る行為、これは確かに問題のところでしょう、二号なら二号の考えておるところでしょう。それを企画し、あるいは積極的に推進し云々ということが、そこの行動を、あるいは企画し推進するなら問題になる。しかし大会できめることは、これは選挙運動の場合と同じように、特定の候補を支持するかどうか、これをきめること。片方は特定の公共団体の機関をリコールするかどうかということをきめることであってここにいう、とにかくいわゆる署名運動なら署名運動、署名をとって回る行動、これとは違うのではないか、こういうことを申し上げておるわけであります。そして法が判断し、あるいは規制をしようという行為は、個々の選挙運動であり、それから片方は署名を集めて回る行動、署名運動というのは私はそういうことだと思うのですが、それの前の あるいは大会なら大会で相談することもあなたは含めておられると思うのですが、選挙運動と考えあわせて、私はその署名をとる行動こそ、ここに規制をしようとする行動であるけれども、その前のあれは選挙の支持決定と同じであります。こう申し上げておきます。
○占部秀男君 ちょっと今の点で関連して。今の吉田さんの言われたところなんですが、法には「署名運動を企画し、又は主宰する等」と書いてある。企画したのは県民協で、主宰したところが県民協である、そこの決定した問題を組合の大会で説明した、そこに熱意が余ったからといって、それが企画したことになりますか、それが主宰したことになりますか。しかも「企画し、主宰する等積極的に関与する」というふうに書いてある。あなたの言われたことは非常に何か引っかけよう、引っかけようとしておる。いたずらに広範囲に問題を持ちかけよう、こういうような現われであろうと私は思うのですが、そういう点もあわせて御答弁を願いたい。
○説明員(今枝信雄君) お答えを申し上げます。別に法律の解釈を特に特定の意図をもって申し上げておるわけではございません。従来の通説なり、あるいは通達なり、行政通例等に基いてお話を申し上げておりますので、御了承をいただきたいと思いますが、御指摘の通り、「署名運動を企画し、又は主宰する等これに積極的に関与する」、この場合、福岡県職員組合の大会においてそういう決議をしたということは、もちろん署名運動を企面した、あるいは主宰したというそのものに当るものだとは私も考えておりません。そういう大会における決議が、決議したそのことをもって三十六条に触れるというふうな意味で今まで申し上げておるわけではございませんので、ここに問題になりました友松さんのやった行為が、職員として署名運動に積極的に関与したことになるのかならないのかということを、今問題にして申し上げておるわけであります。その点については事実をよく調べないと、私の方といたしましても、すぐそれがこれに触れるとか、触れないとかいう断定はむずかしいと思います。ただ、組合の大会等で決議があったのかなかったかということは、何ら私の方も承知をいたしておりませんし、この理由書にもそのことは触れておらないようでございますが、そういうふうな、もう少し内容を、そういうふうな決議の有無とか、そういうことではなしに、友松氏の行為について、もう少し事実を調べなければならない、かように思うわけでございます。
○加瀬完君 ちょっと関連して。大会において職員団体の大会などで決議をすることは直ちに三十六条には触れない、今問題は積極的な関与があったか、なかったかということなんだと。で、先ほどの公務員課長の御説明では、門司の教職員組合の具体的な署名の方法などを述べておるので、これは単なる提案と言いますか、議案の説明ではなくてその点は積極的な関与ということになるのではないかといったような御説明があったように伺いますが、そうではないですかという点が一つと、団体で決議されたものが三十六条違反にならないというのであるならば、その決議されたものを説明することが「積極的に関与すること。」になるということになるのか、こういう御見解をとっておられるのか、この点を伺います。
○説明員(今枝信雄君) 単純に提案理由の説明をいたしまして決議をされたということだけで、すぐ三十六条違反になるかどうかは非常に問題があると思います。ただ、先ほど申し上げました処分理由書の中でも、当然、たとえば現業職員については制限がないので、リコール運動を実施してもよい、あるいは公務員の家族は何ら制限規定がないので、どんなことをしてもよい、こういうことは制度の説明として当然のことだと思います。しかしながら、説明の際に、特にこの署名運動について、こういうふうな機会、あるいは職員組合の大会なり、あるいはそれぞれの支部の会合なりを積極的に開いて、その際に署名運動をどうしてもやらすんだというふうな意味の発言なり、あるいは場合によっては、先ほど申し上げましたように、組織的、計画的に署名運動を推進するという場合に当ることもあり得ると、こういう意味で申し上、げておるわけでございます。
○加瀬完君 もう一点。それは御説明のように、あり得る場合もありましょう。ところが、あり得ると解釈する基準をどこに置くかということが今問題だと思うのです。そこで、これは決議をされるまでには、相当微に入り細にわたって、いろいろ具体的な問題というものが討議されてそれらが一つの決議にまとまっておると思う。そこで、大会などで質問が出れば、具体的ないろいろの問題も出ますから、大会の決議を作るまでに、あるいは決議機関で議論をされたような内容も、説明者としては当然質問に応じて答えなければならぬ場合もあると思う。そういう範囲における説明だけであったとしても、一体積極的な関与というふうに解釈ができるか、抽象論ですけれども、それはどうですか。
○説明員(今枝信雄君) 積極的に関与したかどうかという条文の解釈と、それからこの場合にどういうことが行われたかということの具体的な事実と、これを両方当てはめて見ませんと、何度も申し上げますように、どこをもって積極的に関与したかということの線は非常にむずかしい問題だろうと思います。従いさして個々の事案について果してこの三十六条の精神は、法律そのものにも明瞭にされておりますように、特に抽象的な基準ということになれば、この規定は、「職員の政治的中立性を保障することにより、地方公共団体の行政の公正な運営を確保するとともに職員の利益を保護することを目的とする。」というふうな趣旨の規定でございますで、この精神に基いて具体的な個々の行為を判断をしませんと、どこだ、どこで線を引くのだというふうに言われましても、具体的にはちょっと申し上げかねるわけでございます。
○委員長(小林武治君) 待って下さい。ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(小林武治君) それでは速記を始めて。
 ただいまの問題は一応留保しまして、地方公務員の給与に関する件を議題といたします。
○成瀬幡治君 長官にお尋ねしますが、お尋ねする問題は暫定手当のことでありまして、実は本年の四月二十五日に、内閣委員会と地方行政委員会と文教委員会の連合審査をやったときに、田中長官が、速記録はここにございますから、逐一読み上げれば切りはございませんが、要は、三十三年度に、町村合併をしたところで不均衡が出ております。町村合併をしたところによっては暫定手当が不均衡を生じております。同一町村内における不均衡が生じております。それを三十三年度に一挙に解決をする、そういうふうに予算を組むと、こういうことを言明をしておられます。それが今、来年度の予算編成期になっておりますから、そのことがどうなっておるかという点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(郡祐一君) ただいまの田中君の申しました暫定手当でございますか。
○成瀬幡治君 勤務地手当の暫定手当。
○国務大臣(郡祐一君) これにつきまして、確かに同一市町村内で、従来の沿革から申しまして扱いに困るような事態、ことに教員の場合等の転任等について考えなければならない問題が起っております。これらについては、問題をこの機会に解決をして参りたいということで寄り寄り協議をいたしております。
○成瀬幡治君 実は寄り寄り協議と、こうおっしゃいますが、庁議で決定を見ておることだというふうに実は表現をされております。しかも自治庁には大へん筋のよい人たちがおるから、庁議で決定されておることは、たとえ反対の大臣がお見えになったってその大臣がそれに従うだろうというようなことを言っております。従って、大臣は庁議で決定したごとについて御努力になっておるというように今お話でございます。そうしますと、まだ予算決定はしておらない、予算閣議等も開かれておりませんから決定はいたしておりませんけれども、およそ自治庁としてはこの田中長官が言われたことを受け継がれまして大体そういう方向でほとんど固まっておると、こういうふうに了承してよろしゅうございますか。
○説明員(柴田護君) その問題の経緯をちょっと申し上げます。
○成瀬幡治君 経緯というとおかしいじゃないか…
○説明員(柴田護君) その後における経緯です。長官がかわられましても自治庁といたしましては、前長官の御言明通りのつもりで関係各省と話を進めております。大体問題そのものが地方公務員がおもでございますけれども、制度といたしましては国家公務員と地方公務員とはずを合すべきものでございますので、地方公務員だけで処理できる問題ではございません。従いまして、自治庁といたしましては、国家公務員について制度の改正を行うこととも照応して、この処置を講ずるということを自治庁の明年度の方針としております。文部省、人事院等にもお話を申し上げまして、何とかならぬものかということで協議を進めております。
○成瀬幡治君 そんな事務的なことは私はどちらでもいいと思うんですよ。要は自治庁の大用が言明をされておることが、そういう事務手続等は私は知りませんが、そういうことであなたの方が責任を負うて庁議として決定をされておやりになっておるかどうか、こういうことなんですよ、大事な点は。ですからよそへ転嫁をされずに、よそはまたよそとしてわれわれの言い分もありますけれども、まず自治庁に対して言い分がある。田中長官がちゃんと言明をされておる。ちょっと読んでみますと、何べんか食い逃げするから不渡りになるんじゃないかと言っておりますと、少くとも内閣委員、地方行政委員、文部委員の三委員会の諸君がおいでになるわけでありますから、そんなことはない。しかも筋が大へんいいし、閣議もどうこう、庁議もどうと、ちゃんとだめ押しをしてやることになっております。ですから柴田課長はそのことについて、前の大臣からずっとやっておみえになるから、大臣を補佐されて当然おやりになっておって三十三年度にどうするのだ、こういうことなんです。今大臣に聞きますとその方向で努力をすると、こう言っておられますが、大体見通しはどうなんですか。
○国務大臣(郡祐一君) これは、私ども自治庁としては、田中君以来そうなきゃならぬということできておることでありまして、人事院に対しあるいは大蔵省に対し、あるいは近ごろはまた総務長官というものができましたから、これも一枚入って参るのでありますが、こういうところに絶えず私どもも主張をし、そして結局法律をいかようにいたすかという問題、そしてそれが解決いたしましたなら、関係省とも寄り寄り協議をいたしておりますが、その協議が整いましたならば、私どもの方ではそのようにして財政計画の上に具現して参るべきことでありまして、せっかくこれからも田中君の言明通り私も受け継ぎましていたすように努力をいたします。
○委員長(小林武治君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(小林武治君) 速記を始めて。
○占部秀男君 美は大臣にゆっくり聞いていただきたいと思ったんですが、行かれるそうですからちょっと簡単に御意見を伺っておきたいんですが それは友松副委員長が免職の理由はないと言うて人事委員会に提訴さした。ところでその提訴をされた人事委員会の委員長という方は弁護士さんであって、そうしてこのリコールが問題がこれは事実のないことをやっておるんだ、こういうことで知事の代理となって検察庁へ起訴をしておる。名誉棄損の起訴をしておる、こういう人なんですね。そこで私は、これはもう当然長官としてはそうお考えになると思うのでありますけれども、自治法によると第二百二条の二に人事委員会というものはどういうものであるかということが書いてあって「人事行政に関する調査、研究、企画、立案、勧告等を行い、職員の競争試験及び選考を実施し、並びに職員の勤務条件に関する措置の要求及び職員に対する、不利益処分を審査し、並びにこれについて必要な措置を講ずる。」とこういうことになっておる。したがってこれは職員の保護機関であると同時に、公平であるべきところの審査判定機関になっておると私は考える。その審査判定機関の委員長が知事の代理になってこの問題はいかぬと言うて検察庁へ提訴をしておる。これは私ははなはだおもしろくない、というよりもむしろこの友松君の提訴の問題については、人事委員長というものをかえてそうしてこの問題を審議するのが公平なやり方ではないか。知事のリコールの先に人事委員長のリコールという点を、自治庁の方としては勧告、助言その他いろいろと武器があるのですから、一つ明瞭にその点をやってもらって公平に提訴がさばかれるように計らうのが当然ではなかろうかと私は考えるのですが、この点についてのノー・イエスでけっこうでありますから、はっきりと一つ御答弁願いたい。
○国務大臣(郡祐一君) この問題は、私どもも当初申し述べました通り、一部の報告を受けておって今後むしろとくと調べなければならない問題で、かつ不利益処分として人事百委員会に提訴をいたされておりまするが、人事委員会そのものが公正な判断を下しますことは、私は今一番大事な問題だと思っております。かつそのために人事委員会がいかような提訴について判断をいたすか、これらの状況をむしろ静かに待つべき種類のものではなかろうかと考えております。それについて人事委員長の適否等のお尋ねがございましたが、これらについては私ども全く今まで経過を承知いたしておりません。したがいましてそれについてどのように考えるかということは、しばらくよく調査し資料を集めましてその上話し述べたいと思います。
○吉田法晴君 それじゃ押し問答式にやってもしようがないですから直截に聞きますが、法に言います地方公共団体の執行機関に反対する目的をもって政治的行為をしてはならないといううちの「署名運動を企画し、又は主宰する等これに積極的に関与すること。」という中には、総会に提案し、それから説明し、質問に答え、そうして決議をする、あるいは決議に至らしめる、こういう行為は入らない、こう解してよろしゅうございますね。
○説明員(今枝信雄君) ただいまの御質問でお述べになりました限りにおいては、入らないと思います。
○吉田法晴君 それではっきりいたしましたが、あとの点は理由と申しますかあるいは辞令の中に入っておる大会以外の活動についてだと思います。これは、私は、今までの通説でいって、政治目的とそれから政治行動がなければ、問題になる政治行動にはならないのだと思います。そこで大会の決定、これは意思だと思います。あるいは特定の候補を支持する、あるいはリコール運動、あるいはリコール運動でなくて支持する署名運動をする、これを決定することは、これはあるいは政治目的であるかもしれません。選挙をやる、あるいは特定の公共団体の機関を支持しあるいは反対する、しかし、その上に政治活動がなければ法の規制の対象にはならないと思う。そうすると問題になりますのは、その決定に従ってやる行動、それが問題になる政治活動であるかどうか、こういうことだろうと思うのです。その点で先ほど引用いたしました回答にいたしましても、それから従来の通説にいたしましても、組合の内部の意思決定がなされて、組合が内部に周知徹底をする、あるいは説明をする、こういうことはこれは目的それ自身の延長である、あるいは意思決定の延長であるかもしれませんけれども、それが政治活動であるとは従来いわれてこなかった、こういうことでありませんか。たとえば新聞に対し発表すること、あるいはビラを張ることにいたしましても、あるいは会合を開いて組合員だけならばこれについて決定をし周知せしめるということは、これは法が規制しようという政治活動ではない、こういう解釈をする以外に私はないと思うのですが、いかがでしょうか。
○説明員(今枝信雄君) ただいま御質問になりました範囲であれば、いわゆる政治的目的を持った政治的行為ということにはならないと思います。何度も申し上げるようでございますが、個々人の具体的な行為が積極的に関与したかどうかという認定の問題になりますので、そういう事実をもう少し詳細に調査いたしませんと、この場合当るか当らないかという判断を下すことはいささかむずかしいのではなかろうかと、かように思うわけでございます。
○吉田法晴君 今のお話の積極的な行為、あるいは個々の活動あるいは行為というものは、それはこの場合には署名をしてもらう、あるいは署名を勧誘する、こういう点での個々の署名を取る、得票を集めると同じことで、この署名活動というものが中心になって、そういう行為であるか、あるいは行為でないか、こういうことでありませんか。
○説明員(今枝信雄君) この場合は政治的行為というのは、文字通り第二項に掲げてございますように署名運動ということになります。従いまして署名運動の範囲というものが単純に署名を取ることだけか、あるいは署名を取ることを終局の目的とした一連の行為をさすかどうかということについては、いろいろと説が分かれておるわけでございます。従って単純に署名をするということだけではないようでございまして、もちろん署名をする目的をもって行われる一連の行為を含めて署名運動と、こういうふうに解釈がされておるようでございます。
○吉田法晴君 少しまだありますけれども、問題は署名をすることに直接関連をする行為、こういう説明があったものと一応了承いたします。
 それから、先ほど第一番目に占部委員から御質問いたしました点でありますが、便宜上私から多少説明をしてお尋ねしたいのですが、汚職究明というのは、これは目的がまだこの第二項第二号にいう署名とは関係ありません。従って政治活動の政治目的にもなりません。この点は明らかだと思うのです。そうしますと問題はあとリコールの署名運動をやろうという団体の役員になっておったかどうかと、こういうことがあるのじゃないか。そこでリコール運動をやろうという協議会の、あるいは運動の本部の組織部長なりその役員になっていなければ――問題は組織部長です――なければ、事実なければこれは地方公務員法でいう制限の行為には入らぬではないか。これは事実があるかないかは争われているところですけれども、かりに署名運動をやるその団体の――あるいはそれを特定の政治的な目的を持つ団体と、こう言われるかもしれません――それの組織部長なり役員でなかったなら、これは法にいうところのものではない、こういうことははっきり言えると思うのですが、いかがでしょう。
○説明員(今枝信雄君) 御指摘の通り県政汚職究明という限りにおいては、地方公務員法にいう、いわゆる政治的団体でないことはその通りでございます。ただそういうふうな団体でありましても、究明の手段としてリコールを行うということになりますと、ここにいう政治的団体になるわけでございます。従いましてただいまの場合には、そういうふうなリコールをするという団体に内容が変りますと、政治的団体になるわけでございます。従いましてそういうふうな政治的団体の結成に関与したか、あるいは役員になっているかどうか、こういうことでございましてその結成の点は、すでにある団体に政治的な目的を持たせるというふうに内容を変えることも結成でございます、ここにいう政治的団体の結成に当るわけでございます。そういうふうなことでございますので、ただいま御指摘になりましたような役員になっておらないという事実が明らかであれば、これはもう当然これにはかからないことになります。
○吉田法晴君 役員になっておらなければ、もちろん問題にならぬのですが、しかしあなたの答弁で少しあいまいな点は、汚職究明という目的を持っている団体は、これは政治団体ではないのじゃないか、汚職究明という看板を掲げているけれども、しかしリコールという任務を持っているとすればこれは問題である。こう言われるけれどもその点はあなたの事実の理解が少し不十分だからそういうことになるのですが、汚職究明ということで出発をした団体、それが構成その他は違うかもしれませんけれども、あとでリコールをやるという団体になった。これは組成が同じ、構成が似ておりましても、あるいはほとんど同じであったとしてもこれははっきり違うと思うのです、性質は。前に汚職究明なら汚職究明という任務、目的を持っている限りこれは政治団体ではない。従ってそこで役員であったかどうかということは私は問題じゃないと思う。だからそこのところは性質をはっきりして問題は事実関係よりも汝的な関係でありますから、法的に御説明を願いたいと思うのですが、リコールというものを目的としない汚職究明という、政治目的でない別の目的を持っている場合においては、これは当然それが法の対象には全然入ってこない。その点を明らかにしておいてもらいたい。
○説明員(今枝信雄君) 重ねての御質問でございますのでお答えを申し上げますが、県政汚職究明ということを目的、としているだけであれば、ここにいう政治的団体ではございません。しかし何度も申し上げましたように、たとえいわゆる経済団体であろうとも、その中に政治的な目的を持つという場合には、ここにいう政治的団体になるわけでございます。従いまして県政汚職究明県民協議会というものでございましても、リコール運動をやるというふうになれば、そこからはここにいう政治的団体になる、こういう法律解釈であります。
○加瀬完君 福岡はこの委員会でもお取り上げになられましたように、県庁の最高幹部が信用組合にトンネル融資をするといったような、他府県には類例のない問題などもありましてそれが発端でこういう問題も起ったわけでありますし、これはまあこの委員会でもそうでありますが、自治庁でもそういう内容の究明というものには、慎重にまた的確を期さなければならぬと思います。今の問題は法律論でありますが、法律解釈のもっと明確な線を御研究の上打ち出していただきたいと思います。それから事実行為というものを的確に調べてもらいたいと思います。それでいずれかの機会にまたこの委員会で取り上げるなり、あるいは今御質問の委員の方に、自治庁なりで事実調査、的確な法律解釈ということでお話し合いをするなりしていただいてほかの予定もあるようでございますから、きょうはこの問題は委員長において一応あずかっていただいてそれらの問題をまた当委員会で取り上げなければならぬ折がありましたら、適当に御処置いただきたいと思います。
○委員長(小林武治君) ただいまの加瀬委員のお話のような取扱いにしまして、本件は本日はこの程度にいたします。
○委員長(小林武治君) 続いて公務員給与について成瀬君から質疑の要求がありますから、これを許します。
○成瀬幡治君 ずっともう時間がきておりますから、結論的なことだけお尋ねいたしたいと思います。要は町村合併をいたしまして非常に不均衡が生じておることは、もう私が今さら申し上げる必要はないと思います。とともに前に地域給の改訂の問題で与党の方から同一町村同一といったような案が出たことも、あるいは政府が出されたのかあるいは修正が出されたのか、それが通らなくなってしまったこともあるわけでございますが、要は教員、驚喜その地方の出張所の職員等異動のたびに非常に困っておりますが、これを昭和三十三年度において田中前長官は解決する、こういうことを言われておりますが、どうなるのかということについてまあこれに対していきさつは人事院も関係してお見えになりましたし、公務員制度調査室も関係されておるし、あるいは大蔵省、自治庁等関係されておることについて一括三十三年度において解決するかどうかという点についてもう一つはあるいは三十三年度でおよそ解決する見通しになっておるかどうか、そういうような点について各官庁からお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(増子正宏君) 同一市町村内における暫定手当が不均衡であるために、いろいろ支障があるという御指摘の点は、私ども十分承知いたしておるわけでございますし、これをすみやかに是正するという両院の付帯決議の趣旨も十分体しまして検討いたしておるわけでございますが、御承知のように暫定手当に地域給を切りかえました場合に、その区域は改正前の法律に定められた区域をそのまま踏襲するという、形になっているわけでございまして、これを新たに変更するという場合には、現行法のその範囲における修正といいますか、改正という問題があるわけでございますが、なお内容的に見ますと、かりに同じ町村内で級地が違っておりますということを理由にしまして、それを同一に引き上げるなり、あるいは結果的にともかく同一町村を同一級地にするということをかりに、やりました場合には、さらにそれに引き続きましてその周辺のそれに隣接する市町村との、おそらく新しい不均衡の問題というものを呼び起すのではないかということが、いろいろ検討いたして参りますと出てくるわけでございます。そういう意味におきまして、私どもすなわち公務員制度調査室といたしましても、関係の省庁といろいろ相談いたしまして現在検討いたしておるのでございますが、その具体的な措置につきましては、現段階におきましては結論に達していないのでございます。なお町村合併による同一市町村になった地域におきまして、級地がそれぞれ違っている町村を調べてみますと、いわゆる支給の対象になっていない地域、これを、ゼロ級地としますと、ゼロ級地とそれから一級地との合併になりました町村の数が、問題になっております市町村の中では、大体七割を占めているというのが私どもの持っております資料の結果でございます。すなわち級地の異なる地域が町村合併で同一の市町村になった市町村数が相当あるわけでございますが、その中でゼ口級地と一級地が一緒になったという町村数が約七割を占めておるわけでございます。そうするとこの場合にはいわゆる支給額のアンバランスといいますか、差は一応五%というわけでございますが、この五%の差は御承知のような先般の給与法の改訂によります措置によりまして、今年の十月から二%無級地が暫定手当がつき、さらにそれが三%になり、三十四年の四月一日からは五%になるということが法律に規定されておるわけでございますので、少くとも昭和三十四年の四月一日以降におきましては、ゼロ級地というものは暫定手当のしではなくなる。そういたしますとゼロ級地と一級地が一緒になりましたことによる不均衡というものは、この際ほとんど解消するということになるわけでございます。それが町村数からいいますと約七制を占めており、大部分がこれに該当するというわけでございます。さらにゼロ級地と二級地以上のものが一緒になった場合も、それぞれ割合があるわけでございますけれども、同じようなことによりまして、その差は三十四年度以降は五%は少くとも縮まる、是正されるということになるわけでございます。しかしながら、それによって全部解消するというわけには参らないことは申し上げるまでもないわけでございまして、すなわち今後におきましてただいま申し上げましたような措置によっても、なお残る不均衡をいかにして是正するかという問題になるわけでございますが、この点につきましては、先ほども申しあげましたように、それに隣接する新しい市町村との不均衡の問題も出てくるわけでございましてこれらをいかにして調整するかということを現在私ども検討いたしておるという状況でございます。
○成瀬幡治君 人事院の方でどうしますか。
○政府委員(瀧本忠男君) 暫定手当につきましては、御承知のように、従来勤務地手当という時代に、まあ国会に対する請願、陳情というものもずいぶんたくさん出て参った、これをどういうふうに処理するかということにつきまして、国会の方でいろいろ御心配になりました。そのような状況であるならばこれを当分の間凍結をいたしまして、そうして三十四年度以降において再び考えよう、このようなことではなかったろうかとわれわれ考えておる次第でございます。それで具体的に申しまするならば、人事院が従来地域給につきまして持っておりました権限というものは、改正前の法におきましては十二条というものがあったのでございます。この十二条によりますると、著しく生計費が高い特定地域に在勤する職員に対して支給する手当であるという、勤務地手当の性格というものが非常に明確になっておりました。また旧給与法の二条六号というものがあったのでございまするが、その六号によりますれば、その生計費の実情というものを十分調査して、そうして適正な勧告をしなければならないと、こういう条項があったのであります。ところが暫定手当が設定されるときに際しまして、ただいま申しました十二条と給与法、条六号というものが削除になったのであります。従いましてかりに暫定手当が勤務地手当と商一性格であるというふうに考えましても、この二条六号というのがなくなっておるのでありまして生計費が特に奇いということを調査研究いたしましてこの勧告をするという手段がなくなっておるのであります。ことに改正されました法における暫定手当は、その名の示しまするように暫定的な手当であって、この性格というものは何にも規定してございません。従いまして、この暫定手当をいかなる観点から不均衡があるかどうかというようなことを考えてみようと思いましても、いかなる見地に立って不均衡があるかということが言えないのであります。従いまして、人事院といたしましては、暫定手当である限りにおきましてはこの不均衡を是正する方便を持たない、このような見解でおるわけであります。ただ暫定手当は三十四年四月以降におきましてはまた新たに考え直すということになっておるのでございまするから、従いましてどういうふうにこの手当を処理するか、あるいは暫定手当にかわってどういう性格の手当を考えるかということが明らかになりますれば、それに従いましてまた人事院としては均衡を考えると、こういうことに相なろうかと、このように考えております。
○成瀬幡治君 私は人事院の考え方については、実は給与法の第二条にしろ、あるいは国家公務員法の三条の三項等によって若干違うのです。私は暫定手当等であっても、給与に対する研究あるいは改訂の勧告権があるという解釈をとりたいと思うのです。そういうことは、議論は別としてそうすると今人事院はそういうことをおっしゃる、公務員制度調査室の方では検討しておるとおっしゃいますが、何か所管が人事院を離れて、この問題は公務員制度調査室の方でおやりになっておるというふうになっておるか、実際はどうなんですか、実情は。検討中だとおっしゃったけれども、それは言葉のあやであって、実は三十四年四月以降に触れたらいいじゃないかと、そういうことになっておるわけでございますか。
○政府委員(増子正宏君) 私申し上げましたのは付帯決議の趣旨をいかにして実現するか、これは当然政府としては尊重しなければなりませんので、そういう意味で検討しておることを申し上げたわけでございますが、その場合いろいろ考えますときの事実といたしましては、先ほど申し上げましたように、現在の新しい給与法によりまして年次的に無紋地との差は解消していくということ、これが一つの事実としてあるわけでございまして、それとの関係でいかにして具体的な方法を考えるかという問題が残っておるわけでございますが、なおこうした具体案を作りますにつきましても、私どもといたしましては政府部内、関係各省庁といろいろ協議をしなければなりませんし、それぞれの各省庁で持っております資料等もいろいろいただきまして、あるいはその意見も聞きまして、結論に達すべきであろうというふうに考えておるわけでございまして、そういう意味では人事院でお持ちになっておる資料等につきましても、またその御意見等についてもいろいろお伺いするということになろうかと思うわけでございます。
○加瀬完君 この暫定手当の形でいきますと、三十四年度でなければある程度の解消ができないということになりますね。しかし地方団体側から見れば、町村合併をした、あるいは新市を作った、ところがその中で地域によりまして断層ができた、これでは行政上非常に支障がある、この問題を掃く解決してもらわなければならない、この解決しなけれ、ばならないという認識は自治庁では認めておる。ところが今のようなお話で参りますと、国の政策として一挙にこれを解決するというわけにはいかないということになるわけですね。そこでその自治団体といいますか、市町村の権限において何かアンバランスを調整していくような方策を講じ得るようにする、暫定手当をふくらまして解決するような便利な方法というものを講ずるという考え方は、公務員調査室ですか、においては考えておられませんか。
○政府委員(増子正宏君) 現在の給与の建前からいいますれば、地方公務員につきましてはそれぞれ地方公共団体の条例で定めるわけでございますが、地方自活法におきましては給与条例で定めるべき給与の種類等が一応限定されておるわけでございます。その場合には大体国のものを前提として考えておるわけでございます。でありますから、国の場合と非常に違った内容を具体的に定める、ということには困難があるのではないかと思うわけでございますが、なおこの点につきましては自治庁の方からその見解をお聞きいただくことが適当じゃないかと思うわけでございます。
○加瀬完君 そこで勤務地手当の場合は、都道府県が指定すればある程度の、国で指定した以外に、同様の何といいますかワクを与える幅というものがあったわけですね。これをもっと積極的に何か立法化すれば、暫定手当においても、今市町村が望んでおるようなアンバランスの解消というものはできるんじゃないかと思うのですが、こういう点を、これは人事院でもいい、自治庁でもよろしゅうございます、何かお考えになりませんか、財源の方は別として。
○説明員(今枝信雄君) 地方公務員の給与の建前から申し上げますと、条例で定めるということでございますので、条例で別の手当ということは法理論としては可能でございます。しかし一方地方公務員法の中には、地方公務員の給与を定める基準として、国または他の地方公共団体の職員の給与を基準とするということを一応建前にしております。そういうふうな実際上の問題がございますので、私どもの見解といたしましては、法理論上は条例で可能ではあるが、国、地方を通ずる公務員の給与制度として、どうも建前上そういう別のものを作るということはいかがであろうかということで、先ほど来園及び地方公務員を通じた制度として実現をするように努力をしたい、こういう考えでおるわけであります。
○成瀬幡治君 最後でございますが、時間的な問題で最後にしなければならぬのですが、お話を聞いておってもさっぱりこれは解決しそうにないのです。実際問題として迷惑をこうむるのは、町村合併をやったところに勤務しておる、面接被害を受ける金額が少い人と、そういうところで行政を扱っておる人たちが非常に苦労をしておる。何か責任のなすり合いみたいなことをやっている。変なことをやってしまって一日々々延ばされてしまっては私は何にもならないと思いますから、とにかく三十三年度に解決する、まあ五%縮めるということはわかりますけれども、付帯決議等もありますから、とにかく解決するようにして下さい。そういうことだけしてもらいたい。
○委員長(小林武治君) 本件はこの程度にいたします。
    ―――――――――――――
○委員長(小林武治君) 次に、国有提供施設等所在市町村助成交付金に関する件を議題として、交付金の交付に関する政令案について自治庁から簡単な説明を求めます。
○説明員(奥野誠亮君) 地交金の問題につきましては、交付対象の固定資産の範囲をどうするかという問題、比較的被害の多い団体につきまして、どの範囲の団体にあってはどの程度の額を制限するかという二点が、なかなか政府部内各省庁の間で話がつきませずおくれておったのであります。大へん御迷惑をかけて恐縮でございますが、幸い話がつきましてあすの閣議で決定していただき、そうして年内には交付金を交付できるようにしたいというように考えております。総額の十分の八を価額に按分して交付し、十分の二を各種の状況を考慮して交付するようにしたいというように存じております。価額に按分して交付いたします固定資産の範囲は、飛行場及び演習場の用に供します土地と、その他の固定資産にありましては土地、家屋及び工作物でございます。価額は国有財産台帳に登録されました価額によることにいたしております。ただ地方交付税の不交付団体でありまして超過額、基地交付金の総額をこえておりますような団体につきましては、こえております額の十分の一の額をこの算出額から控除いたしたいと考えます。しかしながらその結果算出額の二分の一を下るような団体につきましては二分の一にとどめましてどのような団体でありましても、機械的に計算されました額の半額は交付する、こういうことでございます。控除いたしました額は二割の額に加算をしてその方式で配分をいたしたいと考えております。二割の額につきましてもできるだけ機械的な配分方式によりたいと考えております。主として飛行場、演習場、弾薬庫の所在の市町村に対しまして割増しして配分をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。これらの資産あるいは価額は都道府県知事を通じて報告を求めましてこれを基礎にして配分額を決定いたす考えであります。
○委員長(小林武治君) 御質疑ございますか。
○鈴木壽君 実は私もうかつでしたが今のお話で、どうも整理がまだできてなかったということでびっくりしました。もうとっくに終っておったのだと思ってましたが、話は大体わかりました。ただ、いやみめいたことになるのですが、当時あなたからいろいろ御説明があった際に、多少心配な点もなかったわけじゃないのですが、実は各省庁間の関係するところの意見が大体きまっておったのじゃないかと、それに基いてあなたからああいう御説明があり、さらにこの金の配分については、大体八割というものはそのものずばり固定資産税に見合うように配分するんだと、残余の二割については財政事情を勘案して配分する、こういうお話もありましたものですから、私としては大体そういうことにきまっておったのじゃないかというふうに考えてそういう点から先ほど申し上げたように、何かもうとっくにこういう問題は片づいておったのじゃないかと思ったのですが、今のお話を聞いていよいよあす閣議で出ると、こういうことで決定されるということですね。
 そこで第一の八〇%を固定資産に見合うように配分するということはわかりましたが、残余の二〇%についてのいわゆる財政事情等を勘案してということについては、いま少し具体的にお話し願えるならば幸いでございます。
○説明員(奥野誠亮君) 八割の分についても交付額が市町村別にどの程度になるか、それを見きわめた上で二割の分の配分方式を具体的に決定をしたいというように考えております。しかしながら現在のところ大体飛行場とか演習場とか、あるいは弾薬庫のありますような市町村につきましては、その市町村に所在します固定資産の価額に割増しして増額交付をしたい。その増額交付の程度を総体の二割程度の範囲内で行いたい、かように考えているわけでございます。
○鈴木壽君 飛行場とかあるいは演習場、弾薬庫のそれの配分に割増しをすると、こういうのですね。そうしますと、いわゆる財政事情というもの、たしかそのような御説明があったと思いますが、その団体が財政的に困っているとか何とかということを勘案するということはないのですか。
○説明員(奥野誠亮君) 今申し上げましたような、固定資産所在の市町村が地方交付税の不交付団体でありますような場合には、やはり若干減額さしていただいてしかしながらその市町村におきましていろいろな事情から特に財政需要が大きいとか、いろいろな事情がありました場合には、減額は差し控えたい、こういうように考えております。
○鈴木壽君 簡単に終りますが、今のお話、こういう場合はどうですか、たとえば私はときどき陳情等を受けるのですが、旧軍港のような場合に、これはいろいろと非常に固定資産等の面において不利な立場に現在置かれているのです。こういう点を余計に見てもらえるようにという要求が強いと思うのです。まあ現在の五億の金高で、同定資産に見合うものを、さらに特殊事情を勘案していくということには、私は考え方として少し苦しいと言いますか、実際上で分にはやっていけないと思いますけれども、そういう事情もしかしやはり一応見てやるべきではなかろうかと考えるわけでございますので、そういう点いかがでございましょう。
○説明員(奥野誠亮君) 国連軍が使用しておりました固定資産は、この法律の対象にはなっていないわけでございまして、たまたま国連軍が撤退したために、非常に大きな資産が遊休の状態に置かれている。いまだ転用されていない事態が生じて参っております。そういうようなところから、その関係の処置をどうするかという御質問が前国会においてあったように記憶いたしております。政府といたしましても善処いたしますとお約束しておるわけでございまして私たちは従来アメリカ合衆国の軍隊なり国連軍なりが使っておった資産、それが返還された、しかしながらいまだ転用をされていない、そういうような資産が膨大な量に達しております市町村につきましては、そのいまだ転用をされておりません資産の価額をとらえ、まして、割増し配分をいたしたいというふうに考えております。ただ御承知のように現にアメリカ合衆国の軍隊が使用しております固定資産、これが全然ない市町村でありますと今のような措置はとれないわけでございますが、若干でもそういう資産があります市町村でありますれば、今申し上げましたような状況を考慮いたしまして、割増し配分をいたしたいというふうに考えています。
○鈴木壽君 今の問題、これは今申しましたように全体の額がきわめて少いのですから、各地の要望をそのまま満たすということはなかなかむずかしいことじゃないかと思うのですが、できるだけ一つ、せっかく二〇%、そういうふうなことにも使える、こういうことでございますから、善処方を一つお願いしておきたいと思います。
 最後に来年度は、これはこの前の法案の審議の際にお話があったように十億というふうに考えてよろしゅうございますか。
○説明員(奥野誠亮君) 自治庁といたしましては、ぜひ十億円を確保したいというふうに考えています。
○鈴木壽君 その場合の配分をやはり八割、二割というような形で行う。今年は金が半分ですから、その半額ということで額の上では押えますけれども削合のしでは変らない、こういうことですか。
○説明員(奥野誠亮君) その通りであります。
○大沢雄一君 今ちょっとお述べになった割増し配分の場合でございますが、膨大な遊休施設が直接これに該当しない、その中のごく一部分が関連したものがある場合に割増し配分ということに今お話があったと思うのですが、その割増し配分をする場合にただ申しわけ的に割増しをされたのでは、その町村としては非常に困るのじゃないか、そういう場合の割増し配分の仕方はどういうふうになさるのでしょうか。
○説明員(奥野誠亮君) ある程度裁量して配分できます額は総額の一部でございます。このうちどの程度までそれに当てられるかということも考えなければならないわけでありますが、御指摘の遊休未転用の資産がかなり膨大な分量に上っているそういう市町村を限定的に選びたい。その団体につきまして遊休未転用の資産の価額に按分して配分するという方式をとれば、比較的、機械的に公平に数字を出すことができるのではなかろうかと、今のところ考えているのでございます。
○大沢雄一君 そういたしますと、旧軍港の所在地等で非常に困っております町村には相当事実上割増しの金がいくというふうに大体了解しておってよろしいですか。横須賀はどうですか。
○説明員(奥野誠亮君) 呉市の場合は国連軍の撤退状況を具体的に承知しておりまいすので、ある程度の額は当然交付すべきものというふうに存じております。横須賀の場合そういう資産は今のところないのではないだろうかと思います。最近返還された資産でありましても、今年の三月三十一日現在で配分いたしますから、八割の分の中に大体入ってくるのではなかろうかと存じております。舞鶴につきましても問題があろうかと思いますが、舞鶴の状況は今のところ具体的に承知しておりませんので、都道府県知事からの報告が出た上でお答えさせていただいた方がよろしいかと思います。
○本多市郎君 今の問題について、膨大なる遊休施設の事情まであまりそれに適合するように考慮するということになれば、法律の対象となっていないものに交付するというようなことになって私は適合させるために違法になりやせぬかと思うのですが、しかしこの場合はできるだけ最初立法したときの趣旨を勘案して適合するようにやってもらいたい。しかしそれほどの無理があるならば、合法的にそうした事情に即した配分ができるように法律改正について考慮されたい。なお一ぺん駐留軍に提供して返還されたものに限るというようなお話でありましたが、駐留軍に終戦後提供した施設ばかりでなく、もと軍が使用した施設で使用を廃止して、しかも転用されておらないというようなものは、やはり当然その範囲に考慮しなければならぬものと思いますから、そういうところまで勘案して配分できるような法律に改めるということについて一つ御検討願いたいと思います。
○委員長(小林武治君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(小林武治君) 速記を始めて。それでは本件はこの程度にとどめます。
 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(小林武治君) 速記を始めて。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十九分散会
     ―――――・―――――