第030回国会 決算委員会 第7号
昭和三十三年十月三十日(木曜日)
   午後一時三十五分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     小西 英雄君
   理事
           平島 敏夫君
           増原 恵吉君
           相澤 重明君
   委員
           稲浦 鹿藏君
           井上 清一君
           勝俣  稔君
           高野 一夫君
           松村 秀逸君
           東   隆君
           小柳  勇君
           森中 守義君
           常岡 一郎君
           大竹平八郎君
           竹中 恒夫君
  政府委員
   農林省農林経済
   局長      須賀 賢二君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       池田 修蔵君
  説明員
   大蔵省銀行局特
   別金融課長   磯江 重泰君
   厚生省引揚援護
   局庶務課長   小池 欣一君
   建設省住宅局住
   宅総務課長   竹内 藤男君
   会計検査院事務
   総局第五局長  上村 照昌君
  参考人
   住宅金融公庫総
   裁       鈴木 敬一君
   農林漁業金融公
   庫総裁     山添 利作君
   国民金融公庫総
   裁       中村 建城君
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  本日の会議に付した案件
○昭和三十一年度一般会計歳入歳出決
 算(内閣提出)(第二十九回国会継
 続)
○昭和三十一年度特別会計歳入歳出決
 算(内閣提出)(第二十九回国会継
 続)
○昭和三十一年度国税収納金整理資金
 受払計算書(内閣提出)(第二十九
 回国会継続)
○昭和三十一年度政府関係機関決算書
 (内閣提出)(第二十九回国会継
 続)
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○理事(平島敏夫君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 本日は委員長が差しつかえがありますので、委嘱を受けまして私が代行さしていただきます。何とぞよろしくお願いいたします。
 ます昭和三十一年度一般会計歳入歳出決算、昭和三十一年度特別会計歳入歳出決算、昭和三十一年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和三十一年度政府関係機関決算書を議題といたします。
 本日は住宅金融公庫、農林漁業金融公庫、国民金融公庫について審議を行います。
 まず住宅金融公庫の部を審議いたします。検査報告書には第二百四十六ページに掲載されております。
 本件に関し御出席の方は、参考人住宅金融公庫総裁鈴木敬一君、住宅金融公庫経理部長鈴木敬人君、説明員会計検査院第五局長上村照昌君、以上の方であります。
 まず会計検査院から概要の説明をお願いいたします。
○説明員(上村照昌君) 住宅金融公庫の三十一年度の検査の結果につきましては、特に不当として御報告する事項はございません。検査報告書の二百四十六ページから二百四十八ページにわたりまして、公庫の概要が記載してありますが、記載してある通りでありまして、なお、その中に三十一年度末の手持ち資金残高が八十一億でありまして、三十一年度の資金交付計画額二百九十六億に対しまして約二七%に当っておりまして、相当多額に残っておるわけでありますが、これは貸付契約が計画通り執行されなかったために、資金の交付がおくれたというようなことが原因であると思うのでありますが、住宅資金の効率的な運用面から、貸付業務の一そうの円滑な遂行が必要であるというような点を記載してあります。
 以上であります。
○理事(平島敏夫君) なお説明員として、建設省住宅総務課長竹内藤男君が御出席になりましたから御承知願います。
 次に住宅金融公庫から概要の説明を願います。
○参考人(鈴木敬一君) 住宅金融公庫の昭和三十一年度の業務の実施の概要につきましては、決算検査報告の通りでございますが、ただいま会計検査院の方から補足説明もございましたが、なお私から御参考のためにちょっと補足的に説明させていただきたいと思います。
 昭和三十一年度における貸付契約を締結した額が、同年度に実施すべき計画額に比べまして、ここに記載のように二十七億九千二百万円下回っておるという報告がございますが、これはこの通りであります。これが主たる原因は、個人住宅の貸付及び分譲住宅の貸付が、計画通り行われなかったことによるのが主でございまして、個人住宅の契約見込みにおいて各契約相手方が予定の通り実行が早くなかったというようなこと、それから当年は災害の特別融資の希望者がことのほか少なかった、大体災害が少なかった結果でありまするが、そういう事柄。それから計画建て売り住宅につきましては、これはその当該計画で分譲すべき建物が、竣工後において買受人希望者が決定する、しかる上に公庫からその貸付予定者に対して融資をするという段取りでございますので、自然年度末に際会しまして、そういう事柄がなかなか進捗しなかったというような事柄が原因で、結局弁済契約を締結するに至らなかった、というようなことであると申し上げて差しつかえないと思うのであります。会計検査院の方から特にお申し出のありましたように、三十一年度年度末の手持資金残高が八十一億二百余万円に上って、計画額の二百九十六億四百余万円に対しまして、相当な歩合の金が年度繰り越しをしたということは、もう少し進捗できればけっこうであったと、われわれもまたその進捗については相当努力を繰り返したのでありますが、何分私の方の貸付方法は、現金を委託金融機関の窓口にあらかじめ配賦しておきまして、これに対して貸付予定者、契約者が資金の請求をする時期において、時期到来の際に当該金融機関から現金を受け取ると、かようなことになっておりますので、年度末残高は、在来の経験から申しましても、約七百にわたる金融機関の総額において、どうしても二十数億のあり金がないと、契約者の方から支払い申し出がありました際に、支払えないというようなことでは不都合でございまするから、あらかじめ何といいますか、ランニング・ストックと申しておりますが、各窓口に相当額ずつ金を置いておく必要がありますので、これを全国集計いたしますと、二十数億程度は毎年、そういう意味合いにおいて繰り越されざるを得ないのであります。かつまた翌年の年度当初四月一日から数日の間、年度初めでありまして、公庫として資金の手配が急激に新しくつきかねるというような四、五日の間がございますので、そのためにも年度末におきまして若干ずつ現金が各窓口にあるという状態でなくてはなりませんので、この八十一億の中も、仰せのように総資金交付計画の二七%に該当いたしますが、このうち二十二、三億のランニング・ストックを取りますと、約六十億程度になりますので、これはまあ全体としての二〇%程度の年度繰り越しをした、こういう結果に相なっておることを御了承願っておきたいと存じます。この三十一年度におきましても、宅地の取得などが非常に従来以上に困難さが多くなりまして、と同時に年度途中において、鉄鋼資材が急激に高騰したというがごときことのために、私の方から貸付予定をいたしました事業主体等において、工事着手を一時見合わしたものが多かったということ、その他また貸付契約を行なったものも着工をちゅうちょし、延期をするものがあったというがごときこと等のために、年度末の資金残高が例年より割合多かった、こういうことでございますから、御了承を願っておきたいと存じます。
 そのほかはここに記載してあるような事柄でございますから、省略さしていただきます。
○理事(平島敏夫君) 以上をもって説明は終りました。これより質疑を行います。御質疑のある方は順次御発言を願います。
○大竹平八郎君 今お話を承わりまた資料を見ましても、三十一年度の手持ちというものは八十一億、二十八年が三十八億、二十九年に至っては十二億と、こういうわけですが、三十年度は七十二億とこういう数字も出ているのです。実際にわれわれがこれはほとんど直接と言ってもいいのですが、経験をしている範囲におきましてはなかなか、地所を持っておりましても、実際問題としてこれを借りるということが至難なんですね。そうすると何か何回目かには優先権があるということをよく聞いているのでありますが、私どもの知っている範囲で、私のごく近しい関係なんか三回もやっている。そのたびにとにかく借りることができない。これは公平に抽せんでやられるのだから、いかんとも仕方がないのだが、しかしそういうのが非常に多いと思うのですね。従って人によれば、かえってこんなものがあって何か有害の感さえも与えるような、こういう気持さえもときには起す。そういうようなときにかかわらず、一体この手持ちがこう余るということは――ある程度余ることは当然なんだが、こういうような膨大な手持ちを持つということは、どうもわれわれには納得がいかないのですが、そういう意味でこれは総裁直接でなくてもいい、係の人でもいいのですが、この貸付に対しての一つ手続なり、実際に行われたことですね、それをお話し願いたい。
○参考人(鈴木敬一君) ただいまのお尋ねに対しまして、概要を私から御答弁申し上げます。
 お尋ねの趣旨は、私どもの方の貸付の方法がたくさんございますうちの、一番われわれの方でも主として考えておりますのが個人住宅――個人住宅の借り受けのお話と存じますから、そのつもりで御答弁申しますが、個人住宅の借り受けの場合には、当該年度として、このごろ実際は年に二回ずつお申し込みを受けつけることにしております。年度初めに、と言いますが、議会の方の予算審議、予算成立というのを待ちまして、あるいは皆さん待っておられますから、正式の予算成立前に、募集の準備行為をするという意味で、申し込み希望者が実はどんどん積極的に押しかけて来られますので、むしろそういうことは事前になるべく済ましておこうと、申し込みの受付、それから形式的に各条項が備わっているかおらぬかと、それで申込書を受け付けるかどうこうということは、なるべく事前に審査を済ましてしまって予算が成立し新年度が始まると、なるべく即刻から正式の審査等を始めるようなことにしたいと、こういう趣旨で各年度ともなるべく急いで、個人住宅の受付を正式に受け付けるようにします。これは御承知のように住宅に困窮しておる方々にお貸し付けするのが趣旨でありまして、これはなかなかしかし具体的にわかりかねます。主として御当人のお申し立てを御信用を申し上げて、住宅事情ということを一応承知する。それがある場合においては一定の条件たとえば建築敷地が予定されておるかどうか、いざ当って建てるとなれば実行できる状態であるかどうかということを可及的に調べることにしております。それから大体お申し込みの予定金額も書いていただきますから、木造であれば十八年、それから鉄筋コンクリートであれば三十五年というがごとき償還期限がおよそ予定できますから、それでも元利合計で月々幾らお返しを願えるだろうという、そういう予定額もわかります。その予定額と御本人の償還能力、これはまあ資産状態――勤め人であれば俸給、給料の証明というものを照し合せまして、大体月の元利金の予定額の六倍以上の月収があることを大体標準にしております。そういうものがあるかないか、そういうような事柄。それから建物自身につきまして、建て上った建物は庶民住宅という概念からいたしまして、そう大きな住宅は貸し付け得る個人住宅としては認めがたいという趣旨から、当初から御決定になった法律にも示してありまするが、一棟三十坪以内の床面積のものということになっておりますし、その他建築法規で大体その敷地に対してその建坪の建物が建てられるかどうかということを審査してもらいます。そういうようなことを大体審査いたしまして可能だ、それから保証人その他もある程度調べますが、あらかじめ。それで大体条件は具備しておるという認定がつきましたら、それらの人を網羅いたしまして抽せんに付するわけであります。これは公開・抽せんでありまして、申し込み者の人たちはもちろんよろしいのでございますが、その他何人でも傍聴、傍観を許す。通信報道記者等にはぜひ来てもらいますが、公開の抽せん場で抽せんをいたします。それでもう一ぺんに抽せんはきまってしまいます、落選と当選とが。それで当選しましたらば、初め申し込まれた金融機関から当選の旨、落選した場合には落選の旨の通知書を差し上げます。それで当選なさった場合は、その当選通知を受けましてから一定の日数期間以内、その時は多少、年度によって事務的な都合で変更もございますが、大てい三、四週間ぐらいの間に、当選した人は東京で申せば、所在区役所その他市町村の建築係の方へ設計を作って設計の審査を願い出るように、こういうことにしております。これは私どもの方の建築基準も多少ございますが、普通の建築基準法による建築物の規制を受けるわけでありますから、その方の規則に該当するやいなやというようなことを、公共団体、東京で申せば木造ならば区役所、それから鉄筋コンクリート等でありましたらば区役所等を経て、都の建築局まで参りまして設計の審査を受けます。設計の審査が合格しますとそれを本人に知らせがあります。そうして当選して工事に着手してよろしいという通知が参りましたならば、直ちに工事に着手してよろしいのでありますが、これがただいまでもそういうおそれがあるのでありますが、ことに、公庫の創業しました二十五年、二十六年ごろは朝鮮事変が勃発しまして、日々建築費の騰貴にまた騰貴を重ぬるような状況で、非常に建築しにくい時期でもございましたし、またいろいろ世間の、何といいますか、いろんな業者の混在もございますので、私どものお貸しした金は必ず当該住宅建築に費されるように、ということを主にしましたる諸手続を進めておるのであります。俗に頭金と申しまして、自己が負担する建築費が約二五%ぐらいあるはずでございますが、これは別に私の方でその資金を見せていただくとかいうことをいたしません。そのかわりに、現場において、設計審査を経た設計によって、予定の場所に現実に建築を始めてもらいます。そうして木造の場合でありますと棟上げのときに第一回の現場検査をいたしますから、これは都道府県に嘱託してもらいますから、そのときにその第一回の現場検査に合格した場合に、予定の金の約三分の一を本人にお渡ししておきます。本人はそれを請負業者その他に支払われて、次の段階に入られるのでありまして、その次の第二回の現場検査は、棟上げも済んで屋根がふけて荒壁がついた程度のときに、第二回の現場検査をいたしますので、それに合格しますると、第二回に予定金額の約三分の一を貸してもらえます。それからその金によってさらに工事を進行して竣工したという場合に、やはりあらかじめ通知をもらいますと、区役所から現場に行きまして現場検査をいたします。これが大体木造住宅についての最後の検査でありますが、その竣工検査で残りの金、総額予定額の約三分の一が残っておるわけでございますが、そのほぼ半分程度の金を竣工検査合格のときにお渡しします、あとは一時保留しておきまして、竣工検査が済んであと家屋の保存登記をしてもらい、それからさらにその保存登記をした家屋について抵当権の設定をしてもらう。そういう手続が済んだあとで、今まで一回、二回、三回と回を重ねてお貸しした金と、並びにこれは利息がついておるわけでありますから、利息計算までいたしまして、最後に清算をしてもらうのでありまして、さらに余りの金があれば――普通あるのでありますが、余りの金を最後にお渡と、それと同時に公正契約を締結してもらって、それで一通り手続が済みまして、公正契約の日付の翌月から第一回として毎月々々元利金の償還を受ける、こういうような手続であります。ですから余分なところに金が流れないように――つい実は手元にあると転用するようなこともありがちでございますが、そういうことを考えまして、ほかの鉄筋コンクリートその他について検査の回数であるとか間隔であるとか多少違いますが、大体そのようなやり方、手続で進めております。ですからここにその年度末資金が多く残ったと、これはその予定ではもっと少くなるべき場合に、今のようにその手続の途中で世の中は広いものですから中には悪い業者がある。それから建築業者のみならず建築代願人とかいろいろ業者がございまして、そういうのとまた建築主が全然ずぶのしろうとであり、また自分では現場へはろくすっぽいけないというような家庭のお人もございまして、まかせっきりだと、判も何も投げ出したような関係でまかせきりだというような場合もあったりいたしますので、そういうことによって起る弊害も防ぎがたいと、いろいろな関係ですが、途中で事故が起りまして思うように工事が進行しないと、はなはだしきに至っては建設業者が建設工事を投げ出して逃げ出したと、行方不明になることさえ数多いことの中にはございます。そういうふうにいろいろな事故によって、契約通り進んでおったものが、途中からこちらは金は支払いたい、待っていたけれども支払うべき手続に立ち至らないために、金がいたずらに保留してあるというようなこともございます。先ほど建て売り住宅、個人住宅等の名前もあげて申し上げましたが、私の方ではちゃんと契約を一応しておるのであります。こういう土地にこういう建物を建てる、幾ら幾らお貸ししましょうということを契約しておりますけれども、それが本人も建てたいのはやまやまなんですが、いろいろな故障のために進行しない。進行しないから私どもの金が差し上げられないといったような事例が少からず、たくさん扱っておるうちにございますので、そういう場合にやっぱり金だけは年度を越してしまう、契約はちゃんと成立しておるのだけれども、というような場合もございますので、できるだけ貸付業務の進捗には私以下勉強してせいぜい政府といいますか、国家の御意思に沿うように鞭撻はしておりますけれども、思いながらうまくいかない。ことに先ほどちょっと申し上げたように、鉄材の異常な騰貴があったりいたしますと、なかなか思うようにいかないという場合もあります。哀情をむしろお訴えしたいようなふうに思います。冗長になったかもしれませんが、一応お答えいたします。
○大竹平八郎君 総裁の非常に微に入り細にうがった御答弁で……、ごく答弁は簡単でけっこうだと思うのですが、あと一、二点伺いたいのですが、これは個人住宅の場合なんですが、住宅公団あたりでも、まあ御承知の通り申し込みのときも相当うるさいのだけれども、まあしかしそのうるさい中でも、さあ今度は抽せんが決定してこれを正式に取りきめようとするときになって、まあ税務署の関係とかやれ何だとかと調べますと相当失格者が出てくる。これはまあどのくらい出るのかわかりませんが、かなり私は出るものだと思っております。そういう意味で、あなたの方の場合は個人住宅の場合ですが、申し込みとそれから実際に契約をする場合の開き、それはそのときによって違いますが、大体どの程度ですか。
○参考人(鈴木敬一君) お答えします。約六倍前後と思います。年によりそれから同じ年でも木造と鉄筋コンクリート造と、これはいずれも個人住宅についてのお話でありますが、割合が異なります。けれども大体六倍程度……。
○大竹平八郎君 何かちょっとお聞き違いじゃないですか。私が言うのは、申し込みに対して実際の契約をするときですね、つまり抽せんになってからですよ、むろん。抽せんになってから、申し込んだ者が抽せんし、そうして抽せんが当った、そうしていよいよ正式に貸し付けるという場合なんです。その点を聞いているのです。
○参考人(鈴木敬一君) お尋ねの点は、大体三割幾らぐらいのことと思います。これは最初のほどは、実はなれませんうちは温存しておったのです。そうして全部落、火災にかかったとか流されたとかいったような災害に対する貸付の方に回しておりましたが、どうもこれは非常に、そういう幾ら脱落者が出るかということを見定めるまで金を温存していることは、私どもの方でも非常に運営上不利益でございますし、近年は大体当選者の二割幾らは脱落するものと、これはもっとも年によって非常に違いますのでいわゆる腰だめで、あらかじめ脱落はこれぐらいするだろうというので、よけいに当選してもらっておる次第でございます。そうしますと、金の何といいますか不経済な温存がなくなりますので、大体そういうことにさしてもらっております。
○大竹平八郎君 そうすると二〇%ですね、まあ脱落者が出て、一応まあ私どもが疑いを持つことは、その二〇%をだれに今度はきめておるかという問題を心配したのですが、今のお話によると、その二〇%を大体見込んでやっていると、こういうのですが、見込んでやっている数が必ずしも私はあなた方がお立てになる予算とは一致をしないと思うのですが、かりにこれが、まあもっと多い場合もあるかもしれませんが、少い場合はこれはどうするのですか。
○参考人(鈴木敬一君) これはお尋ねのごとくその通りでありまして、われわれ腰だめでやっておりまするけれども、多過ぎる場合、少な過ぎる場合、正確にはもちろんいきません。けれどもこれは年二回申し込みを受けつける、近年は多く二回やっておりますが、第一回の申し込みの際の結果がほぼわかりますので、これも最終までは、まあ第一回の申し込みは、かりに四月に受付を締め切りましても、第二回の八月、九月に募集しましても最終までは見届けは不可能でありますけれども、いよいよしまいに近いぐらいまでのところはある見すえがつきますものですから、それで第二回の募集のワクといいますか抽せんですな、で加減をするというようなことで、割合その修正が二回も申し込みを受けつけますと、しやすいとこういうことに最近はなっております。私どもも原則を申し上げますといろいろな貸付がございまして、利率、年限等区々でございますけれども、大体私どもの方の貸付による利息は年五分五厘ちょうだいするだけでございます。ところがわれわれの方の借入金という政府の預金部の低利資金等を、あるいは近ごろでは郵政省関係の資金も借りておりまするが、これがみんな六分五厘の利息をつけてお返しするのでありまして、いわば逆ざやの貸付をしております。わずかに三、四百億の貸付予定の総額の中の二十億程度、近年では政府から出資金としていただいております。これは御承知のように、利息をつけないもらいきりの金でありますから、これでその逆ざやの緩和がはかられるわけでありまして、ようやくそれで収支償っておるような次第でございますから、なかなかこの金を遊ばせておくということができませんために、近年はそういうふうに抽せん率で按配する。これも腰だめでございまして、この前はどうだったか、この前はどうだったかというような統計的の資料も参考に十分いたしますけれども、科学的な方法というものはないので、新しく募集するときのいろんな世上の状況によって、割合たくさん申し込みがあるときとないときとありますものですから、非常に危険な操作ではございますけれども、せめてそういう操作でもして、まあ政府から出資金も財政多端の際、そうたくさんいただくわけにいきませんのが近年の実情でございますから、やっておりますが、まあ今までのところわれわれも非常に苦心いたしますけれども、お客様の方にさほどの不便、またお叱りを受けるようなことがなくて、とにもかくにも相当な利益金を計上し得る状況に経営しております。もっとも年度末に余裕金ができたときは政府に納入しろということにきまっておりますけれども、滞り貸しの償却のために資金を積み立てることをある限度までお許しを得ておりますので、政府へこの近年は利益金として納入しておりませんけれども、そのかわり社内保留として滞り貸しの償却準備積立金に回しておるようなことで、どうやら経営は成り立っております。またお客さんに不便をかけるのではわれわれも第一義的なことがゼロになりますので、そういうことのないように努めてやっておるつもりでありますけれども、まあ現在までの状況はそういうことであります。
○大竹平八郎君 さらに一、二点まとめてお尋ねいたしますが、これも簡明にお答え願いたいと思うのでありますが、最後はまあ抵当権としてこれは登録をせられることになっておりますが、しかしそうその庶民住宅で、いろんな事情も、突発的な問題が出てくるので、三カ月や四カ月たまったからといってすぐこの抵当権によって処分するというようなことも、常識から考えてそうあり得ぬと思うのですが、しかし相当取り立て不能という問題が出てくると思うので、大体設立以来取り立て不能になっておる金額はどのくらいかということを一点。
 それからいま一点お尋ねしたいことは、創立当初と何か最近のいろいろ手続について、これは主として個人住宅ですが、手続について非常に何か最近むずかしくなったのか、あるいは緩和されたのか知らぬが、だいぶ最初とは違うということを聞いているのですが、この点を一つお聞きしたい。
 それからいま一点、それはたしか四回ぐらいで優先権があると、抽せんに三回か四回はずれると、たしか四回くらいで優先権があるということを聞いているのだが、そういうことが実際に行われているのか、この点をお尋ねしたいと思います。
○参考人(鈴木敬一君) お尋ねの点でございますが、個人住宅の貸付手続が変っておるという仰せでございますが、著しく変った点はないと思います。ただわれわれ経験のごく乏しい初期におきましては、老婆心でいろいろ手続を綿密にしましたために、どうも住宅公庫の手続はむずかし過ぎるという御非難なり、それからまた御忠告を受けたこともございますので、つとめてお客様に御不便をかけないように、少数の悪い人のために善良な多数の方にまで同じように御不便をかけないように、という趣旨は十分尊重しまして、なるべく手続を簡略に、簡略にということをしておりますが、お話の点はどうかという具体的なお気づきがあるのかもしれませんが、著しい変革はございません。徐々になるべく簡単に、ということに努めております。
 それから取り立てのことは、私どもの立場としまして、いやしくも政府機関でございますから、お貸し付けした、その後借りたけれども当主が死んだとか、事業上損をしたとか、いろいろな変化があるお年頃が多いのでございますから、そういう場合はできるだけまあ人情的に措置をするということに努めておりまして、いやしくも高利貸的の非難を受けてはならぬということを、私ども自身並びに私どもの方から委託を受けました金融機関等が、取り立てを主としてしておるのでありますが、そういう向きにもそういうことをできるだけ申しつけまして、高利貸的の措置をしたという非難は、まだ幸いに私の承知している範囲内では受けておらぬように思います。そういう範囲において取り立てをしておるのではありますが、中にはいろいろな事情のためにどうしても払えない、しかも実際払えないのではなくて中には故意に払わない、こういうようなケースもなきにしもあらずでございます。具体的に申せば、私の方は原則として年五分五厘で利息が安うございますから、ほかから高利で借りておるような場合、高利の方へあり金を先へ回す、低利のわれわれの方の債務をあとにするというような傾向もないでもございません。どうしても取り立て不能というので貸し倒れ償却に付しましたものが、三十二年度末までで九件ございまして、金高が百五十五万円だけは欠損として認めざるを得なかった次第でございます。なお今後も取り立て回収、並びに仰せのような過酷の取り立てをしないようにということは努めていきたい、なかなかこれはむずかしい問題でございます。過酷にわたらぬ程度でしかも回収はできるだけしたいと、欲ばった話でございますが。ついでに回収率は、現在までのところ大体私の覚えておりますのは九八%前後までは回収いたしておりますので、まあその程度は今後もぜひ維持したいと、かように思っておる次第でございます。
○大竹平八郎君 抽せんの優先権……。
○参考人(鈴木敬一君) それは御指摘の通りでありまして個人住宅で三回申し込みまして三回とも落選した、今度出したのが四回目だという場合は無抽せんで、審査だけでお貸付をするということに努めていきたい趣旨でございますが、これも別に規則的にきめてもおりませずに、毎年必ずその通りいくとはお約束しかねるのでありまして、やはりその年その年の貸付の予算の大小、それから当該申し込みのときの申し込みの件数並びに金高が異常に多かったらそういうこともできません。だから申し込みの状況等を勘案いたしまして、努めて四回目の人は無抽せんで審査だけでいきたい、かように努めております。この三年ばかりはそれが実現しております。
○相澤重明君 一つお尋ねを総裁にしたいのは、三十一年度貸付契約の実績表が公庫から資料に出されているわけですが、この中で宅地造成前年度計画残、それから戸数あるいは金額というのが出ておるわけですが、具体的に一つこれを説明してもらいたいと思います。どういうところでどういうふうになったかということを説明を願いたい。
○参考人(鈴木敬一君) 具体的の個所、金額等は今ちょっと手元に具体的の資料を持っておりませんので、即座にはお答えしかねますが、御必要とありますれば……。
○相澤重明君 資料を出して下さい。
○参考人(鈴木敬一君) 資料を提出するようにいたしましょう。
○相澤重明君 それでは今の資料を出していただくことにして、さらに三十二年度の中高層耐火建築物、災害復興住宅、これも資料が出ておるわけですが、特に今年は御承知のように台風二十二号初め台風災害というのが非常に大きく出たわけであります。今年度住宅金融公庫としてはこれらの災害対策についてどういう方針を出したのか、あるいは今計画を持っておるのか、それを一つ御説明いただきたいと思います。
○参考人(鈴木敬一君) ただいま手元に二十二号台風の被害並びにこれに対する措置のことがございますが、これが一番最近の災害でございます。かつまた最大なものでございます。この二十二号台風は御承知の通り静岡県くらいから上陸しまして、日本本土を縦断して最後北海道にまで至っておるのでございまして、関係する範囲すこぶる広大でありまして、戸数等も多い次第でございます、逆に申しますが、北海道などは様似町外たしか都合二十カ町村くらいにわたっておったのでありまするが、非常に広い範囲において、夕張市、様似町その他総計で二十カ町村です。その全壊、流失合せましてちょうど二百戸ばかり、それから半壊が六百九十四戸ということに相なっておりますが、この北海道は御承知のように非常に広範な区域に散在しておりますし、また交通も不便でございます。まだ思うように正確な資料並びに手続が進捗しかねておる部面もございまして、正確な御報告を申し上げ得る時期に至っておらぬようでございますので、北海道庁にも委託しておりまするし、それから公庫の札幌支所の職員並びに委託金融機関等を督励いたしましてまず第一には、これはほかの個所についても同様でございますが、今回の災害復興住宅貸付におきましては、まずもって技術者が当該災害地におもむきまして実地について災害の程度、私の方は住宅ですから住宅が全壊であるか、流失であるか、それからこの貸付につきましては補修費も貸し付けることになっておりますので、補修の程度を四段階ぐらいに分けまして認定ということをいたしております。まず地方府県吏員が認定をして歩きまして、甲、乙、丙、丁というふうに段階をつけまして、それで貸付の準備を済ませているのであります。認定を受けましたものの中から災害応急復興住宅貸付の申し出がありますと、その資格その他を審査しまして貸付を決定する。ただしこの災害復興住宅の貸付は、昨年公庫法中改正法律案の通りましたときにも、国会から付帯決議等もございまして、できるだけ簡易迅速に貸付をしろという趣旨でございますから、この簡易迅速に貸付をするという趣旨に沿って、普通の私の方の住宅貸付のような設計の審査等の手続を省きまして、大体見当でこの住宅はどういう程度の災害だというので、いわゆる認定をしまして、その認定に基いた段階において、大体のものは一件二十五万円を超過しない程度において、応急貸付をするということで進んでいる次第でございます。たまたま北海道のことだけ申し上げましたが、そういうわけで認定はだいぶ進んでおりますけれども、地方によってはまだ認定もあまり進行しない地方もございます。それから東北方面も非常に広範な災害を受けまして、青森県などが十一町村ですか災害を受けておりまして、建設を要するもの二十九戸、補修を要するもの十四戸、なお不明だというようなものがございまして、それから岩手県は久慈市、宮古市、この辺は大した災害はないようでありますが、それから宮城県が二十カ町村ばかりで建設が十戸ばかり、補修を要するものが二、三十戸、それから福島県が建設を要するもの十四戸、補修を要するもの二十七戸といったような報告に接しております。これも交通不便な所でございまして、山の中に一軒だけというようなものもございますので、こちらがいらいらしてあせっているほどに進行しつつあるのが事実でございます。それから私の方で関東支所と申しますが、おもに静岡県伊豆地方それから神奈川県、ことにがけくずれ等のありましたのは横浜市等が一番被害の多い所でございまして、静岡県の伊豆地方のごとき建設を要するもの二百七十四戸、補修を要するもの二百九十戸ばかりというような概数でございまして、それから東京都内におきましても、がけくずれその他の被害、大体その床上浸水ではさほどの被害を残さない、住宅そのものについての被害はですね。家具什器その他の被害は相当ございましても、住宅そのものについての復興資金の使うところがないといったのが多いのでございまして、これもしかし補修の貸し出しはいたしますけれども、まだ具体的に数字をあげて申し上げるほどのことになっておりません。ただ、人心の安定のためにも、住宅についてとにもかくにも貸付の制度があるのだと、ふだんこれは一般の地方の人にまで、都会地でもそうですが、御承知にならぬ方が多いのでございまして、そのためにも早くそういうことを宣伝流布する必要があると思いまして、一番被害の多かった伊豆地方のごときは、支所長を初め係員が、最近には副総裁も参りましたが、できるだけ津々浦々へ回ってそういう宣伝をして御理解を求め、それから金融機関なども住宅相談を受け付ける、ないしはまた、ふだん委託事務を委託しておらぬ所も窓口を開いてもらったというように、応急の措置については万遺漏なきょうにやっておるつもりでございますが、ただ被害の多かった所ほど死亡、行方不明等が多い。あるいは食糧にも不自由するというような状況の所もございまして、思いながら住宅の復旧までは手が出ない。まだ思うほどに伊豆地方でもお申し込みがよけいない。だけれどもいずれは出て来る。というのは、いろいろな住宅貸付の御相談はたくさん受け付けておりますので、少し落ちつきまして食糧並びに生命の安全の点が経過いたしましたらば、もう少しあるんだろうと期待をし、準備を万遺漏なきょうにやっておるつもりでございます。もし、地方の状況等からごらんになりまして、御注文がありましたらこの際忌憚なく仰せつけを願っておきたいと思います。
○東隆君 私は、この残額の多いという点で、先ほど御説明がありましたが、日本の国は北と南に非常に長く延びておりますので、気候の制約を非常に受ける。東北、北海道の方の積雪地帯なんかは非常に気候の影響を受けております。従って、住宅の建設は九月以降になると非常にむずかしい、冬期間に住宅を建設する庶民住宅なんというのは、これはほとんどない、こういっていいと思う。それで、そういうようなことを考えますと、少くとも六月ごろからはもう家をこしらえる、こういうことにならぬければ、実際はせっかくの制度がうまくいかないのではないか。それから冬期にわたりますと建設費も非常にかかって参りますし、予算も完全に狂ってしまう、こういうようなことになるわけであります。実は、私のうちは大家さんが住宅金融公庫なんで、それで私は十二月の二十五日に家を建てた、そんな経験があるのですが、これはもうたぐいまれなものです。しかも、抽せんで私のところに家を建てるようになったのは十月の中ごろですから、結局まあそういうことになったのですが、全般からながめると、おそらく九月以降に割り当てられるということになりますと、これはてんで問題にならぬと思う。そういう経験がありますが、この際、準備万端の仕事は前年度においてやってしまう、そうしてそういうような気候の制約を受けるような所は、あらかじめ、もう四月になるとすぐ家を建てることができるような段階にまで準備ができるような、そういう態勢ができると、これは非常にやりやすくなるじゃないか、こういう考え方を私は持つわけです。従って、おそく再配分といいますか、再抽せんなんかして割り当てられても、結局それがまたこわれていく、こんなような問題が出て参りまして、せっかくのそのことがうまくいかないわけです。これはもう各種の予算について、北海道や東北のような積雪寒冷地帯におけるところの予算の方面においてその面が非常に現われているわけです。それで事故繰越だの何だのそういう便法も開かれておるわけです。こんなような状態になっておるわけですから、それで住宅金融公庫の場合においてもその面をお考えになって、ある程度の確定的な数字を前年度においてちゃんと準備万端整えられて、そうして四月の年度初めには、もうはっきりと住宅建設ができる、こういうふうなことになって、先ほどの三分の一をお出しになるというなら、三分の一お出しになるくらいの進度でおやり下さるならば、これは大へんいいのでないかとこう思う。これは日本の国が南北に長い国なんだから、それくらいのことをお考えにならぬと仕事がうまくいかないと思う。従って、残額なんかの問題も、合理的にそういうような点が解決の上で、残額がそれでも多いというなら話は別でありますけれども、そういうような面も考えていかなければならぬ問題だろうと思う。それから先ほど、北海道のたとえば様似であるとか、夕張であるとか、そういう方面の御報告がございました。これは二十二号台風その他によって相当な風害があった。従ってこれは災害が起きたのはおそいのでありますから、しかし先ほど言ったように、これからの建設は非常に困難なんでありますから、おそらく夜を日についでやっておりましょう。従って、もしお出しになるならば、ある程度の信用を、自治体の長であるとかそういうようなものを信任をして、早急にやはりこれをお出しになるような形を一つお考えにならぬければ、これを使いようがない、こういうような問題も起きてくるじゃないか、こう思うわけであります。
 それから住宅を建てた者に対する、例の保険の関係ですね。火災保険の関係でありますが、これは火災保険だけでは問題にならぬのじゃないか、今のような地震であるとか風害であるとか、その他洪水であるとか、そういうようなものによって損傷をされるものが、これは実は日本には非常に多いと思う。そういうような場合における救済の方法というのは、農村関係で今やっておる共済事業なんかは、災害の中にそういうようなものを入れておるのをやっておりますが、しかし、都市の方の火災保険会社のやっておるものの中には、そういうものが含まれておらぬと思う。だから私はそういうような面も一応考える必要があるのじゃないか。これは担保物の安全という意味からです。私はそういうようなことが考えられますが、そういうような点で一つお答えを願いたいと思います。
○理事(平島敏夫君) ちょっと総裁にお願いしますが、懇切丁寧な御説明はこれは非常にけっこうなのでありますけれども、あとの審議の都合がありますから、なるべく簡明にお願いいたしたいと思います。
○参考人(鈴木敬一君) 北海道等寒冷積雪地帯のことを考えて、申し込み締め切りなりあるいはまたすべての貸付のことを考えろ、といったような御意見でございまして、これはしごくごもっともなお考えだと思います。同様な見地から、北海道に対する個人住宅の貸付でも、実は年度開始前に国会の御承認、御認諾を得まして、準備を開始するという意味で三月ごろ、あるいは年によっては二月のこともあったかと思いますが、申し込みを受け付けまして審査しまして、貸付契約をするのは四月一日にするというような、まあ非常に苦しい算段をいたしましてしかしながらできるだけ早く貸付を終って、御承知のように建設期間を空しくしないようにしたいということで、個人住宅につきまして毎年行なっております。
 それから、われわれの方が都道府県等に貸し付けます、鉄筋コンクリートのアパートを建ててもらう貸付方式におきましてもそのように、ことに鉄筋コンクリート等は気候を非常に忌みきらいしますから、そうしたいと思いますけれども、これにはいわゆる自己負担金――都道府県自身が約二割五分ぐらいの出捐をしなければならぬのでありまして、これが地方議会の予算議決の関係でなかなか思うように参りません。地方議会の議決というのは大てい三月三十一日か、それに近いころきまるのでありまして、それから初めて私の方から貸し出すのと、双方相待ちまして建設計画が立つというわけで、おくれがちでありますけれども、これなども北海道につきましては極力早くやってもらうように、努めて督励を加えておるような次第でございまして、御趣意の大体につきましては努めてその実現を期しておる次第でございますものですから、御了承を願っておきます。
 それから、抵当物件の保全の意味から、火災保険のほかに風水害保険などをする必要があるという御趣意だったと思いますが、私どもの創立の際は火災保険だけでございました。会社数も三年目あたりから、現在日本にあります火災海上保険会社の二十社のうちで、一つだけ再保険専門の会社がありますので、残余の十九社全体と公庫と共同保険契約をしております。それも火災だけでございましたが、ちょっと今具体的に年数は忘れましたが、四、五年前から火災保険会社と公庫との特約におきまして、火災保険契約なんだけれども特に風水害保険もおんぶして、一緒に契約して取り扱ってくれると、こういう了解が立ちまして、この点は大蔵省の方も近年正式に了解してもらえたと思っております。ただまあこまかい条件につきまして、私どもの思うほどにまだ参っておらぬ点がございますけれども、大体は火災保険契約を公庫加入者がするときは、同時に風水害についての保険契約もされたと、こういうことになっております。現にたびたびの災害、風水害等においても、一々火災保険会社が査定をしてくれまして、これは全壊と認める、これは半壊と認める、何割か取るというような査定もしてくれまして保険金も支払ってもらっておるような次第でございます。御承知願いたいと思います。
○相澤重明君 二、三点簡単に一つ、建設省住宅総務課長にお答えをいただきたいと思うのですが、今度の二十二号台風を初めとして非常に災害が多くなった、その中でも、先ほども鈴木総裁が言うように、京浜間ではがけくずれというのが非常に多かった、つまり住宅地の造成を根本的に考えなければならぬ段階に現在は来ておるのじゃないか、こういうことが考えられるわけです。住宅については建築基準法という法律があり、あるいはまた地方によっては条例も作って、この点は非常に努力をされておると思うのでありますが、住宅地の宅地造成については遺憾ながら法律はないわけです。都道府県によっては若干条例を制定をして、そういう災害防止をしておるところもあるのですが、建設省自体として今度の災害等をお考えになって、いわゆるこの宅地造成についての法律を何か用意する考えがあるかないか、この点を一つお答えをいただきたいと思います。
○説明員(竹内藤男君) お答えいたします。今度の災害でがけくずれが多かったのでございますが、住宅金融公庫法の上で災害復興住宅を建設あるいは補修をする場合に、その建設、補修に伴って敷地の復旧を必要とするような場合には、整地資金を別に五万円を限度として融資できるように、法律の改正及び政令の改正をお願いしたいと思いまして、ただいま準備中でございます。
 それから、お尋ねのもう一点の宅地造成の根本対策について、どういうような対策を講じておるかということでございますが、これにつきましては、住宅局と計画局で目下対策をどうすればいいかということを検討中でございまして、法案を出すかどうかについてはまだ決定いたしておりません。
○相澤重明君 今、そういう宅地造成法について検討中であるという御答弁ですが、少くとも今日までの災害というものをお考えになれば、早急にこういう点についてはやはり何らかの措置をしなければならぬということは、私はおわかりになっておると思う。従って、まあこの臨時国会ではそういうことはもちろん困難であろうが、通常国会あたりにはそういう法律を準備して提案をする、こういうようなことまでしなければ国家百年の計は私は立たぬと思う。そういう点で現在は検討中であっても、一つ通常国会に提案をできるように私は準備をしてもらいたい、こう思うのです。これは建設省に対する注文です。
 それから、住宅金融公庫の方にお尋ねをしたいのは、ここに、先ほども御質問いたしましたが、宅地造成の資金あるいは計画があるわけでありますが、たとえばそういう災害によるがけくずれ等によって、根本的に住宅地をかえなければいかぬ、あるいは都市計画に基いて、どうしても道路拡張等のために宅地を他に求めなければいかぬ、こういうような場合に、宅地造成のいわゆる資金というものを金融公庫から出すことができるのか、それともそういうことを積極的にやっておるのか、こういう点についてどうなっておるか、御説明をいただきたい。
○参考人(鈴木敬一君) ただいまのお尋ねの宅地造成は別に施行されておりまして、これを買い受ける人には若干の貸付方法があるのでございます。ただし、災害復興住宅貸付の中においては、ただいまのところ、特に宅地造成をするというような資金を貸し出す方法は、現在の法律では認められておりません。先ほど住宅総務課長から御答弁申し上げた住宅金融公庫法中の改正がもしできましたら、宅地造成という程度のものはどうかと思いますが、若干の整地費といったようなものを同時に貸し付ける、災害復興住宅の建設または補修に付随して貸し付けるということが可能になるかと思います。
○相澤重明君 二つの質問が、私の質問の中には要素があった。一つは災害についてのあなたの御答弁、それから、いま一つは、一般の、たとえば都市計画に基いてどうしても住宅を移転しなきゃならぬと、こういうような場合に、この本日の決算の中にも表われておるように、あなたの方の残額が非常に多いというのは、宅地の入手難ということも私は一つ手伝っておるんじゃないかと思う。そういう問題を検討せずして、単に家を建てるのに、まあ抽せんで、これがおそかった早かっただけでこういう形に私はなっておらない。資材の値上りの問題もあったでしょう、あるいは予算の決定がおくれたということもあったでしょう、いろいろなこともあるけれども、宅地の入手ということについての、やはり利用者が非常に長引いておったと、こういうことも私は考えられると思うんです。こういう点については住宅金融公庫としては全然お考えがないような今の答弁に私は思えるんだが、そういう点はどのようにお考えになっておるか。これは一つ建設省もともに答弁をしてもらいたい。
○参考人(鈴木敬一君) 資金が年度繰り越される額が相当額ある。これは先ほど来御答弁しておる通りに、貸付契約が成立しておる、しかし工事その他あるいは宅地の入手のおくれているなぞもございましょうが、手続がおくれているために、最後の資金貸付まで年度内に及ばなかったと、そのために資金が年度を越したというような資金は、いわゆるひもつきの資金でございまして、金は繰り越しましたが、その資金の運命は契約上きまっておるというようなのが大部分であると思います。全く自由に使い得る金で余ったというような状況のはきわめて少いと思います。
 で、余ったから、その金をそういう災害による敷地難の折柄だから貸し出したらどうか、あるいは都市計画によって宅地を造成するというような場合に貸し付けたらどうかという御趣意のようにもございますが、これは必ずしも都市計画とか、宅地造成とか申さない場合でも、特別に道路が通ったとか、あるいは土地区画整理で家屋を移転、移築しなきゃならぬ、改築しなきゃならぬというような場合には、特別の事情によりましてそのつどワクを認めまして、貸付を全国的にいたしております。それはしかし個々審査でございまして、この何号国道の拡張については何件認めるとか、この土地区画整理については認めるとか認めないとか、個々に審査いたしまして、先ほど来のお尋ねの中にもあったと思いますが、腰だめで貸し付けているのが存外金が余ったというような部面もございまして、そういう方へ回されておる、含まれておると御承知下すって誤まりはないと思います。
○説明員(竹内藤男君) 宅地の取得の問題でございますが、御承知のように公庫は、住宅と同時に、宅地を取得するのに必要な資金についても貸し付けております。それから宅地難に対しましては、公庫におきましても、宅地造成事業というものを公共団体なり公共団体の出資している法人等において行う場合に、その資金を貸しておりまして、そのできました造成地は個人に分譲できるような仕組みになっておりますし、公団におきましても、大規模な宅地造成事業を行なって、一部は個人に分譲できるようになっております。
○相澤重明君 それから建設省にこの際なおお尋ねしておきたいと思うのですが、現在日本労働者住宅協会ができた。これは建設省の努力で一応発足することになったわけですが、今年度の当初計画は約五億円以内ですね。そういうことで一応全国の都道府県における労働者住宅協会が非常に大きな期待を持たれておるわけなんですが、ところがこれではまだ労働者の住宅が足りないということで注文は非常に多い。新年度においても――通常国会も近いわけでありますが、新年度においても十億なり十五億なり、この日本労働者住宅協会に対する融資――住宅金融公庫になるか、あるいは公団になるか私は知りませんが、とにかくあなたの方の所管として、そういう問題について御検討なされたことがあるかどうか、これが一つ。
 いま一つは、御承知のように全国の各都道府県に労働金庫というのが発足をして今日ではすでに資金も三百億以上にこれはなっておる。この労働金庫で窓口業務として、いわゆる住宅金融公庫の業務を扱いたい、こういうような問題があったけれども、これについていわゆる建設省なり、あるいは大蔵省なりの関係もありますが、住宅金融公庫なり建設省としては、どういうふうにお考えになっているか。現在まで認可されたものはまた何件くらいあるか、こういう点についておわかりになったならば御答弁をいただきたい。
○説明員(竹内藤男君) お答えいたします。日本労働者住宅協会の来年度の事業計画につきましては、具体的な計画として承知しておりません。ただいま今年度の事業計画の問題につきまして、目下募集をしたりいたしておるということは聞いておりますが、来年度のことにつきましては、まだ具体的にわれわれのところで検討をいたしておりません。
 また二番目の問題の労働金庫につきましては、件数その他は公庫の方からお答えあると思いますが、委託金融機関として適当なものについてはこれを認めるという方針で、これを処理いたしております。
○参考人(鈴木敬一君) 労働金庫を業務委託店舗として認める点でございますが、努めて認めたいと思っております。ただ遺憾ながら、希望の申し出のある中に資金量のきわめて少いものがございまして、他の普通金融機関と比べましても、あまりに資金量が少いというようなことで、せっかくの御希望でありながらまだ認めないというものが数件あったと思います。ただいままでに労働金庫を委託店舗に認めました数は、はっきり今正確になんですが、七、八店舗あったかと思います。
○相澤重明君 私どもは、この国会に法律案として、今恩給法第十一条第一項等の金融機関を定める法律案、こういうものを今実は準備をしておるわけです。この法律をすでに提案をしておるわけでありますが、この中には従来国民金融公庫で取り扱っておったこれらのものを労働金庫も取扱い業務ができる、こういうことで法律案を私どもは今提案をしておるわけです。従ってそういう中からくると、住宅金融公庫の業務についても当然これは私どもは今日これをもう拭い去ることができない大きな力を持っているわけですから、今総裁の言うように、よくこの申請のあったところは選択をして、そうしてできるだけこの方針に即応したやはり業務の委託を行うべきであると私どもは思うのですが、そういう点についての努力ができるかどうか、再度お答えを願っておきたいと思うのです。
○参考人(鈴木敬一君) 大体お示しのような方向に向って努力をいたすつもりでございます。
○竹中恒夫君 学生寮のことについて少しお聞きしたいのですけれども、学生寮の実績といいますか、過去においてどの程度の融資を件数においてしておられるのか、それからその一つの融資についての最高額ですね、そのことをお聞きしたいと思う。
○参考人(鈴木敬一君) 学生寮はだいぶたくさん認めていると思います。ただ当初のうちは文部省からの国庫補助がございまして、建設なさる側で非常に御便宜だったろうと思いまするし、われわれ貸し付ける方でも貸し付けやすかったのですが、昨年度から国庫補助がなくなりまして、在京の県内外の先輩等から寄付金を募られるのが主になっているように思います。中には府県からも補助金、助成金等が出る県もあるようでありますが、大体収容人員百名程度が多いと思います。それで最高限度を金額で切ってはおりません。ただ文部省の趣旨におきましても学生、つまり父兄の負担になっておりますが、入舎するための家賃に該当する入舎費が月一千円を超えないようにと、私どもも鉄筋コンクリートの宿舎でございますから、その限度を維持することには相当管理費等において、郷土出身者、主宰団体等の御苦心があるものと思いますので、まあやはり百名程度の、内外のものぐらいが限度ではあるまいかと思っております。実例を申し上げるといいのですが、ちょっと今数字的に金額を覚えませんので……。
○竹中恒夫君 その場合に、これは東京都及びその周辺に建設するというふうになっておりまするが、例外的と申しまするか、やはり京阪神も相当大学等あるわけなんですが、そういう例外は認めたことはないのですか。
○参考人(鈴木敬一君) 今までのところございません。
○竹中恒夫君 引き続きそういう場合において将来は認めるというようなお気持であられるのかどうかということと、それから融資額が七五%になっておる、こちらの年間では五〇%になっておるのですが、どちらが正しいのかということ。
 それから今御答弁は、大体地方公共団体に対しての御答弁であったようですが、事業主体が育英を目的にした財団であればいいということになっておるわけです。その場合に育英を目的にした財団というのは、学校そのものが同時にそういう学生寮を建てるという場合も融資ができるのか、あるいはそういう寮を建てるために新しく別に財団を立てなければいけないのか、そうした点について御答弁を願いたい。
○参考人(鈴木敬一君) あとの方を先に申し上げますが、最初は国庫補助が約建設費の一割ございまして、私の方からは建設費の十分の四、四割程度お貸ししますので、結局借金は建設費の五割になる。それから計算しまして大体月に返す金は公庫から借りた十分の四だけですから、月に一人当り千円で済むというようなことを限度にしておりましたから、建設費の五割程度以内お貸しするのが本来だと、かように考えておりましたが、その後国庫補助金がなくなりましたし、幸いに都道府県から助成金、補助金の出るところはよろしゅうございますけれども、そうでなくても、なおかつやりたい、ぜひ寄付金を募集してやりたい、こういう熱心なところがございますものですから、六割くらいまでお認めしておったと、最近はそういう実績になっておるということでございます。
○竹中恒夫君 東京以外はどうですか。
○参考人(鈴木敬一君) 東京以外は、今方針として認めるとはちょっと申し上げかねます。やはり一般の個人住宅を初めとしまして、世帯持ちのアパート等の資金がそれぞれ皆んな非常に希望が多うございまして学生寮の方まで楽に回せるという程度になっておりませんものですから、東京都周辺以外に京阪周辺というものを今後認めていく方針だということにまではどうも申し上げかねると思います。資金の状況等によりまして将来考え得られるかもしれません。
 学校自身の経営する寮というのは、要するに寄宿舎になると思いますが、これは出すつもりもございませんし、出した実例もございません。やはり地方府県から上京して、東京中心ばかりでやっておりますから、東京で大学程度の学校に入っておる学生をその郷土の色彩において、願わくは府県単位でまとめてやりたいというのをお認めしているというのが実情でございます。
○理事(平島敏夫君) ほかに御質疑はございませんか。――御質疑はないと認めます。
 では、これをもって住宅金融公庫の部の質疑は一応終了したものとすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(平島敏夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
  ―――――――――――――
○理事(平島敏夫君) それではこれから農林漁業金融公庫の部を審議いたします。
 検査報告批難事項は第千百二十八号であります。本件に関し御出席の方は、参考人として農林漁業金融公庫山添総裁、千葉管理部長、吉田管理課長、政府委員として農林省農林経済局長須賀君、会計検査院第五局長上村照昌君、以上であります。
 まず会計検査院から、概要の説明をお願いします。
○説明員(上村照昌君) 農林漁業金融公庫の三十一年度の検査の結果について御報告いたします。
 農林漁業金融公庫貸付金につきましては、実地に調査しましたものが昭和三十二年三月から九月までの間に、件数として四千七十件、貸付金額で百二十六億九千余万円でありまして、調査の結果、一部前年度調査未了のものを含めまして管理不十分で繰り上げ償還の処理を要するものが七百九十七件、金額にいたしまして八億二千四百余万円でありました。このうち三十二年九月末までに六百五十件、金額にいたしまして六億七千百余万円につきましては是正の処置がとられております。なお、管理不十分の大要は前年度と同様でありまして、借受人が補助金を受領したときは、補助金相当額を償還させることになっておりますのに、その処置がとられていなかったもの、借受人が当初の申請通り工事を施行しなかったり、実際の工事費が申請額より少額で完成しましたような場合に、業務方法書に定める貸付の限度をこえる結果となっていますもの、及び貸付金が貸付の目的外に使用されていたものでありまして、そのおもなる事例につきましては検査報告二百五十ページから二百五十一ページにかけて記載してある通りでございます。
○理事(平島敏夫君) 次に、農林漁業金融公庫から概要の説明を願います。
○参考人(山添利作君) 御指摘を受けておりますのは、ただいま御説明がございましたように、第一は補助金を受領いたしました場合にこれを繰り上げ償還すべきことになっておりますのがまだ繰り上げ償還をしていないもの、及び貸付の限度をこえる結果となっているのにかかわらず、その超過額の返還をしていないもの並びに貸付の目的以外に流用されているもの、この三つの種類でございます。二百五十ページに掲げてございまするこの報告の当時、まだ処理ができていなかったものにつきましてその後公庫におきまして処理をいたしましたものについて、その状況を御報告いたします。
   〔理事平島敏夫君退席、委員長着席〕
 第一点は、補助金を受領いたしましてその相当額を返していないものでございますが、これが八千万円余ございましたが、ここにございますのがそうでございますが、そのうち七千万円が是正済みとなっておりまして、率にいたしますると八七%が是正済みになっておるのでございます。なお、未処理のものは件数にいたしまして八件、それから金額にいたしまして一千九十万円でございます。その八件のうち、三件は近く処理ができると考えております。五件につきましては、これは組合等の内容が悪化をしておりまして、結局本来の貸付金が延滞をいたしておりまするので、法的な処理等最終整理を要するものと考えておるのでございます。
 第二の貸付限度の超過しているものでございますが、ここに掲げてございまするものは六千四百万円ございますが、現在までに処理をいたしましたものはその約半分の二千七百万円でございます。未処理になっておりまする件数は十八件ございまして、金額にいたしますると三千六百万円でございますが、近く是正を見込まれておりまするものは十件、金額にいたしまして二千百万円でございます。それから長期延滞中で最終の法的処置を必要と思われるもの、これが五件でございまして、金額にいたしまして三百三十七万円、それから長期延滞中で現在差し押え等の法的処置を行なっておりますもの三件ございます。金額にいたしまして一千八百万円でございます。
 第三の貸付の目的以外に資金を流用いたしたもの二件につきましては、これは現在一つは是正済みでございまして、すなわち愛媛県の川之江漁業協同組合、これは水産施設の災害復旧のために貸付いたしたのでございますが、これを運輸の方の施設に使っておった、こういう件でございます。これは処理済みでございます。二番目は福岡県の農協で、樹苗養成、苗木の養成の件でございますが、この件につきましては、長期の延滞にもあります。しかしぼつぼつ入っておりまするので、これも処理の見込みはある、こういうことでございます。
 このように毎年同様の案件につきまして会計検査院からいろいろ御指摘を受けておりますことはまことに遺憾でございますが、このような事故が起ります理由として、御指摘になっておりまする第一の補助金相当額の繰り上げ償還をしないという件につきまして委託機関と補助金を交付する地方公共団体との連絡が緊密を欠いているものがあると、こういうことでございます。これにつきましては、農林省からも通知を出していただきまして、連絡を密にし、県の御協力を得るように努めておるわけでございまして、県によりましては相当この種の事故はほとんどない県もございます。しかしながらまだそれが全般的になっていないというのでありまして、今後ともに一そう県の方との協力を緊密にいたしまして、この種の事故を少くしていきたいと考えております。
 それからこの資金並びに貸付額の超過になっておるものにつきまして内部監査及び貸付先に対する公庫の指導が必ずしも十分でないこと、また委託金融機関の事実の確認についての努力が不十分であるという御指摘を受けておりますが、まことにごもっともでございまして、この公庫自体が行います監査につきましては、前々から申し上げておりまするように監査室というのを従来作っておりまして、そこで数班を設けまして実地検査等をいたしておるのであります。これもしかし人手の関係等もございまして、もとよりそう十分だというわけには参らないのでありますが、今後は中央におきますると同時に、公庫もブロック別に本年から支店を設けることにも相なりまして、現地に近い事務所も持つことでございまするから、そういう機能をも活用いたしまして、ここにありまする内部監査及び貸付先に対する指導も一そう努めたいと、かように考えております。この委託機関が実地を見るということにつきましては、これは当初は非常に欠陥がございましたと思いますが、最近におきましては農林中央金庫等におきましても実地を見る計画を作りまして、相当努力をいたしておるのでありまして、この点も逐次効果をあげ得ることと考えられるのでありまして、こういうようにいろいろ御指摘を受けますこと、もとより今後も、これが絶滅という自信はございませんけれども、可能な限りこれを少くしていくように公庫はもちろん、府県の御協力を仰ぎ、また委託機関を督励をいたしまして、事故の減少に努めていきたい、かように考えている次第であります。
○委員長(小西英雄君) 以上をもって説明は終りました。
 これより質疑を行います。御質疑のある方は、順次、発言を願います。
○大竹平八郎君 経済局長にお尋ねをいたしたいのでありますが、年々歳々この農林省の調査の問題は御承知の通り非常に数字も大きいし、問題が非常に多いのでありますが、この三十一年度におきまする農林漁業金融公庫の問題は、不当とか不平とかいうものはないようなんでありますが、しかしこれだけ金額も大きいし、指摘事項があるのでありますが、これについて一つ経済局長のお考えを一つ御披瀝願いたいと思います。
○政府委員(須賀賢二君) ただいま山添総裁からも詳しく御説明がございましたように、年々なおこの種指摘事項のたえませんことはわれわれといたしましても非常に遺憾に存じております。その是正の方法等につきましては、公庫当局からも御説明がございましたが、われわれもさらに公庫を督励いたし、また府県当局に対しましても必要なる協力を求めまして、この種事項の減少して参りまするように、農林省といたしましてもさらに努力をいたしたいと思います。
○大竹平八郎君 それからこの貸付についてなんでありますが、大体この貸付は金融機関に委託をして、公庫は主として書面審理が大体多いようなんであります。御承知の通り、各府県によってむろん違うのでありますが、相当府県には府県の一つのカラーといいますか、そういうものが非常に出て、その間いろいろボスの活躍等もあるし、従ってこれが通り一ぺんのただ書面的な審理で決裁をするというのは、実際問題としては非常に私は問題が多いと思うのであります。この点につきまして今お話の中にも監督官といいますか、あるいは監察員というのですか、というものを設けて、できるだけそういうことについての一つ公平なあれをやるということをおっしゃられておるのでありますが、今後こういうこのままやはり書類審理で大体続けていくのか、あるいはもっと何か改革的な案を体お持ちであるのかどうか、この点を一つお尋ねしたい。
○参考人(山添利作君) 公庫の貸付先は、御承知のように、大部分が農業協同組合でありまするとか、漁業協同組合等いわゆる協同組合が多いのでありまして、従って、これらのものにつきましては、やはり系統機関を経由いたしまして、従来通りの委託貸付をやっていくことが適切だと考えております。これは平生取引もしておりまするし、実態もよくわかっておるのでございますから、従来通りの委託方式でやりたい、ただ今回支店を設けますにつきまして、一部のものは公庫が直接貸しをすることにいたしました。その一部のものと申しまするのは、土地改良の大きなものとか、もしくは今回政府で特別に三分五厘の安い利子で貸すケースができましてそういうもの等でございます。それから個人に貸します場合に、林業まあ造林の方はほとんど事故はございませんけれども、林道、造林等の個人の会社に貸し付けますものについて、大口のものは直接貸付をすると、こういうふうにいたしております。またそのほか新規事業等、すなわち澱粉からブドウ糖等をとると、こういうようなものにつきましては公庫が直接やる、こういうふうにいたしておるわけであります。大体を申しますれば、組合系統のものは、これは系統組合を通じて従来通りの委託方式でやる、個人に対する貸付につきまして大口のものは直接貸付をすると、こういういき方をいたしたいと考えております。
○大竹平八郎君 個人の場合、その産業によって多少違うと思うのでありますが、大体どの程度まで、たとえば林道の場合は大体どのくらいとか、そういう一つのめどというものはむろんあると思うのでありますが、個人の最大限の貸付額というのは、一体どの程度に見ておりますか。
○参考人(山添利作君) これは事業費の八割という制約をしてございますけれども、金額そのものについての制限というものは設けておりません。ただ例外といたしまして、漁船につきましては、これは金額上の制限も最高限度を設けております。これは漁船につきましては、大体貸付率を低くいたしておるのでございまして、そういうような関係からも最高限度を設けております。その他は設けておりません。それから貸付額の一件当り多いものと申しましても、これはまあただいま個人のお話でございますが、個人に対しては従来そう大きなものはございません。大きいものと申しますれば林道ですね、あるいは造林、それでもまあ三千万とか五千万とか、これは一口でございます。そういう程度でございます。それから漁船が三千万円とか何とかいう程度でございます。組合になりますと、土地改良を、ずっと多くの地区がやって参りますと、一口の金額はそう大きくはなくても、累積をすればかなり大きなものになる場合もございます。
○大竹平八郎君 今までの累計、ごく概略でけっこうなんですが、貸し付けて取り立てのでき得ないというものは大体どのぐらいございますか。
○参考人(山添利作君) これは公庫自体が貸し付けましたものについてでございます。復金等から引き継ぎました債権を除いてでございますが、これの公庫になりましてからの貸付額の現在の残高は一千三百億くらいでございますが、そのうち六カ月以上延滞になっておる――六カ月以上と六カ月未満に分けておりますが、六カ月以上というものを大体とれば、これは長期延滞と考えていいと思いますが、六カ月以上延滞になっておりますものは、元金におきまして十七億六千八百万円、利息で九億二千八百万円、件数にいたしますると千三百九十七件でございます。少し業種別に内訳を申しますと、土地改良は件数が六百九十二件、金額にいたしまして三億六千六百万円、林業が百八十件、四億九千四百万円、水産が二百七十九件、五億四千六百万円、塩業が二十九件ございまして、二千五百万円、共同利用、これはいろいろの農業協同組合その他の組合がいたします施設でございますが、百八十八件、三億三千万円、その他若干のものがございまして、件数にいたしまして千三百九十七件、十七億六千八百万円、これは元金でございますが、そうなっておる次第でありまして、目につきますことは、結局林業、水産が比例的に危険が高いと、こういうことでございます。
○大竹平八郎君 件数にいたしましても、また金額にいたしましても、非常に膨大なものでありまして、この千三百九十七件、それから利息をまぜて約二十六億六千万という数字になるわけでありますが、これは山添さんにお尋ねするのはどうかと思うのですが、回収の見込みはどうでありますか。
○参考人(山添利作君) まだ、この公庫はできましてから六年くらいたったのでありますけれども、延滞の処理というようなことから何かこう経験的な統計的な見込みをつけるというほどの段階には参っておりません。しかし、これは大体水産、林業等につきましては担保を取っておるのでございまして、むろんそれで百パーセント、カバーする場合もあるし、そうできない場合もございますけれども、回収率は、先ほど申しますように、統計的に幾らということはできませんけれども、かなりやれる。土地改良は、これは役員等が保証でございますけれども、おのずからそれは財産に限られておりまするし、またその財産の追求と申しましても、そう過酷なことをするわけにはいかない。やはり百姓は続けてもらわなければいかぬ。そこでこれは長くかかって、利息はほとんどどうでもいいからというような処置をすることになると思うのであります。まあそういうような事情でありまして、むろんこの元金の十七億、あるいは利息の九億を加えまして二十六億、これがもちろん全部ふいになるということは考えておりませんのでありますが、それじゃ見込みは七割取れるのか、あるいは悪くは半分きりしか入らなかったというようなことまでは、まだちょっと資料を――資料といいますか、現在までの経験では、はっきりしたことを申し上げることができません。
○大竹平八郎君 経済局長にお尋ねしたいのでありますが、今お聞きの通りで、非常に水産、それから林業等が、ことに水産が二百七十九件で五億四千万、林業が百八十件で四億九千万というような、こういう相当な数字になっておるのでありますが、こういう組合等に対しましてのいわゆる行政指導につきまして、一つお考えをお伺いいたしたい。
○政府委員(須賀賢二君) 農業協同組合、その他農林省で所管いたしておりまする組合に対しましては、農林省といたしましても、府県当局等を介しまして総合的な指導はいたしておるわけであります。ただ、ただいま問題になっております公庫からの貸付金の回収につきましては、これは公庫と当該組合との貸借関係でございまするので、この具体的措置については公庫にお願いをいたしておる、そういうような事情でございます。
○大竹平八郎君 今のお話は何かこう木で鼻をかんだような感じがするのですが、少くとも農林省の経済局長ともあろうものが、こういう事態が起っておることについて、いま少しくこういう事態の起らないように行政指導をするというのが、これは私は当然じゃないかと思うのであります。あるいは直接あなたの方の関係でない、いろいろな団体があるかもしれぬけれども、どうも今のあなたの答弁に対しては私は非常に不満だ。重ねて一つ伺いたい。
○政府委員(須賀賢二君) 御指摘を受けるまでもなく、組合の総合的な指導につきましては、われわれといたしましても、今後引き続き努力はいたして参る、これは申し上げるもでもないことであります。ただ私の申し上げましたのは、今現地に起きております公庫と当該組合との貸借関係につきましての措置につきましては、公庫当局にその回収方につきましてさらに御努力を願うということにいたしたい、組合全体に対しまする総合的指導につきましては、われわれとしてさらに努力して参ることは申し上げるまでもないことであります。
○大竹平八郎君 まあ経済局長に対してはまた別の機会に譲りまして、いま一つ、山添さんに伺いたいのは、最近、終戦後、御承知の通り歯舞、色丹、択捉、国後と、こういうような日本のかつての漁業の島々がああいう状況になっておる。それから同時に東シナ海あたりを見ますと、相当拿捕船が多く、あるいは漁夫が拉致をされておるというような状況、それからまた韓国においてもそうである。私どもがことしの夏、決算の用務で一応北海道を回ってみて、ことに根室に行って、そして根室あたりの歯舞、色丹の村長とかあるいは漁業組合の人たちが大ぜいやってきて、牛島さんもおられたんだが、行ったときいろいろ陳情を受けた。これは領土の問題がどうとかこうとか、そういったような外交的な大きな政治問題は別として、さしあたってとにかく自分たちの生業をいかにするかということになると、結論として、やはり金融を受けて、小さい漁船なり、あるいはまたそれの施設等に関する一つまああれを受けなければならぬというような陳情が非常に多いのであります。これは南においてしかり、申し上げた通り、北においてしかり、相当そういう戦争の犠牲者と申しましょうか、漁業関係のそういう人が多いのでありますが、こういう問題については何か特別な融資の方法でもやられている事実があるのか、あるいはそういう点について特に何か臨時便法でも講じられて、処置をしておる実際というものがあるのかどうか、この点を一つ伺いたい。
○参考人(山添利作君) 特別にそういう方々の資金需要に対して措置をとっておるということはございません。でありますもけれども、大体組合から上ってきますのにつきましては、農中等で審査の上、上ってくるものは、公庫はもうそういう気の毒な者に文句を言うことなく貸しております。私が記憶しておりますのは、たとえば小笠原の人が内地に来ている、この救済対策として、船を作って漁業に従事させようじゃないかというので、これは相当大型の船であったと思いますが、貸しております。それから奄美大島地方、これもひとり漁業に限りませんけれども、漁船について相当数貸しております。むろんこれは資産もあるわけでも何でもございません。しかしこれはどうしても、信用というよりも、ともかく、そういう生業の道を授ける、あるいは今後水産を発展せしめたいという、こういう意味合いにおいて貸付をいたしておりまして、おそらく、これは北の方、根室の組合にも私の方は相当融資をしております。具体的には存じませんけれども、歯舞、色丹等から引き揚げて、あるいは国後から来られた人にも相当いっておるんじゃないかという想像はしておりますけれども、具体的には知りません。いずれにいたしましても、これは国の機関としての当然の使命であるから、信用ということもございまするけれども、それ以上の事情のある場合には、その事情をくんで融資をいたしております。
○相澤重明君 今の大竹委員の御質問に関連して漁船の問題でお尋ねをしておきたいと思うんですが、御承知のように李ラインの問題ですね。韓国側の方に出漁した人が多く韓国に拿捕されておる、あるいは漁民が抑留されておるということは、日本の政治問題になっている。今、日韓会談でもこのことは大きく進められているわけですが、あの漁民の方々は、船は韓国側に取られてしまって、そうしてまあ本人たちだけが送還をされるというような現状にあるわけですね。これは九州から、あるいは山口から、中には四国の者もあるかも存じません。とにかく非常な多くの漁民の方が、季ラインのあの暴挙によって非常に苦労をしておるわけです。こういう人たちに対して、今、北の方の問題と同じように、農林漁業金融公庫としては融資をしておるのかどうか。もしおったらば件数あるいはその金額、そういうものがおわかりになったら御発表願いたいし、もしなければ、また後日資料を一つ提出していただきたいと、こう思うのですが……。
 それから農林省に、経済局長の方ではそういう点、これはまあ政治問題でありますから、かなり政府でも苦労して、このことは取り扱っていると思うのですが、農林省としても、そういう問題についてどういうような方針を今日までとってこられたか、おわかりになったら一つ御答弁いただきたい。
○参考人(山添利作君) 拿捕船の代船建造は融資をしておりますが、ただいま数字はわかりませんから、調べまして後刻御報告いたします。
○政府委員(須賀賢二君) 具体的な内容につきましては、直接には水産庁の方で所管をいたしておりますから、私詳細には承知をいたしておりませんが、ただいま公庫からもお答えありましたように、そういう処置をとっているようでございますので、私の方でも調査をいたしまして、次の機会に御報告申し上げます。
○相澤重明君 次に、山添総裁にお尋ねをしたいと思うのですが、この二百四十九ページの一番しまいの方の二行目にあるわけですが、「貸付先における貸付対象事業についての経理が全く不明であったり、または事実と相違した経理が行われていたりして事業の実態の確認が困難であるものが多く、なお本院において調査中のものもあるが、」と、こういうふうに会計検査院では指摘をいたしておるわけであります。こういう件数は、先ほどあなたのいわゆる三十一年度の件数と金額を言われたのでありますが、このほかのことが私は相当この中に指摘されているのではないか、こう思うのでありますが、もしおわかりになったらば、そういう点の件数、金額を、それで、もし今手元に資料がなければ、後刻資料を提出していただきたいと思うことと、いま一つは、こういう事態が起きるということは、やはり委託金融機関なり、あるいはまた公庫自体について十分なる、先ほどの大竹委員の御質問のように、内部監査あるいは指導性、こういうものに欠陥があるのではないか、こう思われるので、そういう点についてどういうふうに具体的に今後やろうとするのか。先ほど総裁からも御答弁があったように思うのですが、いま一度この点をお答えいただきたいと思うのです。
○参考人(山添利作君) 経理等が不明になっているものにつきましての数字は、後に調べまして御報告いたします。たとえば、これは、よそのことを申すようでありますけれども、公共事業について、災害復旧事業等について非常に指摘件数が多く、これは応急的にいなかで工事をやって整理をしていないと、こういうこともございます。それから、ごくいなかの小さい組合で、組合はまだよろしうございますけれども、個人等になりますると、帳簿等がはっきりしておらぬような場合もままあるわけでありまして、これはまことに遺憾でありまするけれども、ある程度やはりそういうものが今後ともあるというふうに思います。
 公庫並びに委託機関が貸付者に対して指導性が足りないじゃないかという御指摘でございます。むろん私どもも非常にその点は、何と申しますか、怠っているわけじゃございませんけれども、事実上そこまで及んでいないのでございまして、しかしまあ公庫は御承知のように原則的に委託貸付でありまして、人間もそうたくさんいるわけではございません。今後は、先ほど申しますように、ブロック別に支店を設けまして、現地の方により一そう接近をするということによりまして、若干ずつはよくしていきたいと考えております。委託機関は、これは大体御承知のように、日本の銀行は現地を見ないで、ただ窓口で貸すというのが一般の慣行であります。しかし公庫の委託の仕事につきましては、最近におきましては、その点は、現地調査ということを強調いたしまして、委託機関もそのことには相当努力をしておるのでございます。農林中央金庫におき、ましても、一年間に――まあ毎年計画を立てまして、どれくらい実地に見て回るかというようなことで、実地に当って見て回っております。信用組合連合会、これは農中ほどは参りませんけれども、漸次そういうことが行われ出しております。もっとも、この委託機関がいきますのは、これもおのずから、会計検査院のごとき観点とはまた違っております。一々その帳簿を調べるというわけではございませんけれども、しかしまあ、全体として事故がないように、また貸付目的が達成されておるかどうかというようなことにつきまして、また将来の償還につきましては気を配っているのであります。
○相澤重明君 私、これ一つで質問を終りますが、経済局長と、それから農林漁業金融公庫の山添総裁にお尋ねをいたしたいと思いますが、先ほど大竹委員の御質問の中で、個人の融資の問題ですね。その場合の、たとえば澱粉工場等を作る場合、これは千葉県であるとか、あるいは埼玉とか、また神奈川とか、東京周辺でも、非常にこのイモの豊作の場合には、澱粉あるいはアルコールというような問題が大きく出てくるわけです。そこで、たとえば金融公庫で資金を貸したいと思っても、農林省として、そういう生産量に対する一つの方針というものがあると思う。そういう場合に、公庫には、一つ個人が澱粉工場を作りたいんだからということで金を貸してくれと、こういう申請があっても、農林省は、そういうことはそのまま放任しておくのか、それともあるいは積極的な、いわゆる統制といいますか、指示をするのか、そういう点についてどうなっておるか、一つ全国的な問題を含んでお答えいただきたい。
 それから、山添総裁の方には、個人の場合の貸付限度額はないと言われたけれども、資産状況というものが対象になるのか、それとも、設立に当っての地域的な条件、そういうものがあれば、ある程度資産状況というものはなくとも貸付というものができるのかどうか、こういう点についてお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(須賀賢二君) 公庫の業務内容につきましては、農林省がもちろん業務方法書を認可いたしましてやっておるわけでございます。従いまして、農林省といたしましては、全体の基本の方針について考え方をまとめまして、公庫に申請を出させる。公庫の貸付につきましては、農林省は一々関与いたしておりません。
 それから、ただいま澱粉関係につきましてのお尋ねでございましたが、われわれといたしましては、特にイモの場合は、相当需給関係が緩和して参りまして、その製品、直接には澱粉の消化でございますが、そういう面につきましても、特に新しい保護をしなければならないというような場合にも相なっておりますので、そういう面につきましても公庫からの、特に澱粉加工業等につきましては新しい融資等をただいま講じつつあるところでございます。
○参考人(山添利作君) 私の方で個人に貸し付けしますものは、非常に限定されておるわけでありまして、たとえば澱粉のごとき工業に対しては、個人にはこれは貸さないのであります。農業協同組合が共同施設としてそういう事業を行う場合に限り貸しております。そこで、個人に貸しますものの主たるものは何かといえば、第一に林道並びに造林でございます。林道に金を貸します場合には、もちろん、開発しようとする山林を担保にとるわけであります。原則的には、その担保でカバーをされております。造林につきましては、むろん造林地を担保にとる。それから漁船につきましては、これは先ほど申し上げましたように、所要額の六割を貸すのでありますが、これについては、でき上りました漁船を第一順位の担保にしてとる、こういうことにいたしておるのであります。必要があれば、さらにそのほか保証人をとる、こういうやり方をいたしております。
○委員長(小西英雄君) 関連してお尋ねしますが、今の漁船の場合に六割貸し付けて、でき上るまでの空間的に担保がない場合には、これはどうせられますか。
○参考人(山添利作君) これは、私の方の金の貸付決定は、当初一括してやります。金の現実の払い出しにつきましては、これは特にこまかい規定を設けておるわけではございませんけれども、仕事の進み工合を見て払い出しをする、かようにしておるのであります。しかし、その間、別段担保というものはとっておりません。
○委員長(小西英雄君) なおもう一点、いろいろ山添総裁が言われておる中に、大体、農林金融公庫が貸しておるものについては担保をとっておるが、処分不可能なものもある。そしてまた、処分が、たとえば農地であるならば、農地法において担保条件に一応認められてないようなものもあるのだが、そういうものも、一応全般の都合上、貸してやるために、そういうものもとっておるものがありますか。
○参考人(山添利作君) 私の方は、個人の場合におきましては、ただいま申しましたように、担保ということを重視することは当然でございまするけれども、組合を対象にいたします場合は、むしろその担保というよりも、組合の仕事を助成するということに主眼を置いておるわけでありまして、共同施設でありますれば、でき上った施設を担保にとり、工場なら工場を担保にとり、かつ、事業の執行をうまくやってもらうという意味におきまして、組合の理事者を保証人に立てさせる。その場合は、若干何といいますか、担保があるわけであります。土地改良の場合になりますると、これは担保にすべきものはございません。そこで、これは組合の理事者に保証人になってもらうのであります。その場合、払えなかった場合にどうするかと言えば、結局、保証をした人の土地、農地等が担保になる、それを処分するということになるのであります。これは、農地法上から申しますると、農業者以外は買い受けができない、こういうことに相なりまするから、実際上、担保権を執行する場合には、非常に何といいますか、むずかしいことになると思います。そこで、まあこういう場合におきましては、趣旨から申しましても、それは、土地改良のごとき公共の仕事に対して役員が保証するというのでありますから、必ずしも回収だけに重点を置くというのではないので、そういう人が迷惑をこうむるということによって、一般の組合員も、これはやっぱりいかぬ、みな返さなくちゃいかぬということになり、われわれの方は、条件緩和をいたしまして、少し気を長くして回収をはかる、こういう考え方をいたしておるのであります。そういたしますと何とか話がついてくる、こういう事情でございます。自作農創設維持資金は、これは農地を担保としたりしなかったり、これは国会の決議で、原則として農地を担保に入れない。ただ保証人、こういうことになっております。しかし、一部は農地が担保に入っているものもございますが、本来の趣旨が、その農地を維持させようというので金を貸しておるわけでありまして、これも若干のまだ延滞がございますけれども、最終的な処置をするとか何とかというところまで、まだいっておる場合はございません。しかし、これは当然将来にそういう問題が起り得る、かように思います。
 私、農地を処分するような場合にどうしたらいいかということは、個人的意見がございますけれども、これは個人的意見でありますから……。
○相澤重明君 ちょっと総裁に確認をしておきたいと思うのですが、先ほどあなたの、個人の貸付の大口のものについては、土地改良あるいは造林、林道等については貸付をする。しかし、新規の澱粉工場等については、これは個人はしない。それから他のものについては系統的機関を通じてやる。こういう説明を最後にされたと思うのですが、最初のときには、新規のものでも澱粉等の問題については個人に貸付をするというふうに、先ほどあなたが言われたと思うのですが、最初のことと、あとのことの食い違いは、これはどういうことなんですか。
○参考人(山添利作君) これは私が声が低いために聞えなかったのでありまして、澱粉等の農産物加工一般に対しては、個人に対して公庫は貸付をしないのであります。しかし澱粉を原料としてブドウ糖を作りますね。この新規用途については貸付をするというのが、この前の国会で法律改正によって追加をしていただいたわけでございます。従って、ブドウ糖工業については、今年内貸付をする計画を持っております。
○相澤重明君 私は、そこであなたに実は確認を求めたわけでありますが、前の国会で私どもはそういう立場で論議をしたわけでありますが、春の、いわゆる本院の私どもの決算委員会で中農水の問題を島委員からひどく追及出れたことがあるわけです。先ほどお帰りになりましたが、高野前委員長の際にこの問題はされたのでありますが、これはいわゆる農林中金から農林漁業金庫にトンネル式になって貸付が行われた、こういうもので、長い間、証人も呼んで、実はいろいろ調査を進めたものでありますが、そういう誤解がいろいろあってはまずい、こういうことで、あなたの先の答弁と、後段の答弁に対する私は疑問があったのでお答えを願ったわけでありますが、そうしますというと、一応澱粉からとるブドウ糖等の問題については、国会の意思を尊重されて、先ほど経済局長の言うように努力をされると思うのでありますが、たとえば、単なる澱粉だけの場合個人では貸さない、こういうことははっきりしていると思うのでございます。そこで、そういう場合に、経済局長にお尋ねするわけですが、農林省の場合に、澱粉工場も作らなければ、農民の生産にやはり即応できない、こういうようなことがある場合には、いわゆる農業協同組合が主体的な条件を出せば、これは問題がない。けれども協同組合自身でも、なかなか金を借りてまで、そこまでいかぬというような場合に、いわゆる株式というか何というか、そういうような形でやる場合には、一つの地域的な、お百姓さんがそういうものを一つ作ってほしい、こういうような場合に出資者になる、株主となる、こういうようなことができるのか、できないのか、この点は非常に微妙な点でありますから、一つお答えをいただきたいと思います。
○参考人(山添利作君) ちょっと補足してお答えしておきますが、日本農工の問題が出ました。個人には貸さないのでありますけれども、九割以上の株を協同組合が持っておる場合は、これを協同組合の施設といいますか、共同施設とみなして貸しておるので、これは私の方からいえば、趣旨は個人に貸しているのじゃなくて、その協同組合に貸しておる、こういう趣旨において、そういう場合における個人に貸しておる、こういうわけでありまして、それ以上広いことは、また、須賀局長からお答えいたします。
○政府委員(須賀賢二君) 公庫融資は、やはりこういう特殊金融機関としての性格を持っておりまするので、他の資金供給源とはおのずからそれぞれの問題につきまして、はっきりとした基準を立てて考えて参らなければならぬと思うのであります。それで、ただいま問題になっておりまする澱粉につきましては、農協の共同利用施設としてやります場合に、中央金庫から融資をするという建前をとっております。この建前で参りたいと思います。
○小柳勇君 先の相澤君の質問に関連するのですけれども、今日、福岡県や熊本県の有明海岸で魚介類、特にノリの採集を盛んにやっておるわけです。水産組合などを作って、行くたびにいろいろ金融の話を聞くが、今いろいろ業務概況を見てみると、貸し出した実績というものがないわけです。府県連の信用組合ではあるいは出ておるか、詳しく調べておりませんが、抵当権その他の問題で貸し出しできなかったのか、あるいは中央金庫その他が報告するほどお貸し出しにならなかったのか、また出すとすれば、抵当その他の問題についてはどういうお考えであるか、御答弁願いたい。
○参考人(山添利作君) 私の方の貸付項目には、増殖事業は入っておるのであります。従って、極端な例を申しますと、北海道の方ではコンブをとるために、石をほおり込む、その石をほおり込む費用は貸しておるのであります。ノリの場合、どういう実例になっておりますか、私ちょっと手元にありませんので、調べてまたお答えいたします。
○委員長(小西英雄君) 小柳委員の質問に対して、もしここで答弁できなければ、資料ででも示して下さい。
○小柳勇君 さっき抵当の話がありましたが、貸し出すものについては、あるいはそれでやる方法はあると思うのですが、そういうことで、魚介類、その他、ノリの採集は、三年くらいの前もっての海の中にかきを作らなければならぬ、相当の資本が要るわけです。そうして何年かして初めてそれが効用するので、相当の資本が必要であるので、水産組合を作って県などに相当陳情しておる。そういう話を聞いておったのにかかわらず、これにないので、担保などの問題であるいは貸し出しできなかったのかと思って今聞いたわけです。従ってもし将来そういうものがある場合に、将来の方針でもお考えがあれば、お聞かせおき願いたいと思います。
○参考人(山添利作君) 組合が借り入れ主体になります場合には、私の方は、でき上ったものの担保というようなことはあまり重視しておりませんし、従ってノリを養殖する場合にしび、ああいうものが担保価値があるとは思いませんが、しかし、それが担保価値がないから貸さぬということではございません。ただ、事情をよく調べてみないとわかりませんのですが、それが組合の共同施設として行われる場合は、もう当然、融資の対象になりまするけれども、大体ノリは個人々々であります。そういうことになりますと、これは個人の融資対象は、いはゆる主務大臣指定施設ということになっておりまして、そこで、農林大臣が指定をしませんと貸付の対象にならない。おそらくノリは入っていないという事情じゃなかろうかと思います。
○小柳勇君 一つの村でも、多いところは十億ぐらいの年産があるのですから、大てい、県、村で水産組合があるわけです。で、その組合でそういうようなことはやっておるものと私は理解しておるわけです。ただ、あなたが記憶がないように、中央段階にあるいは来てないのか、そういうような規定の解釈上、担保その他の問題で、来てもしょうがないということであきらめておるのか、とにかく融資の問題で相当相談は受けたこともあったので、私も、勉強不足で、まだ調査もしておらないのですが、将来、そういうものが――まあ資料もないようですから、あったら次の機会にお出しを願いたいと思うのです。
○委員長(小西英雄君) 最後に、私の方でちょっと山添総裁に尋ねたいのですが、農林漁業金融公庫の場合に、特に農林漁業金融公庫の金をよく利用しておる県の分布状態はどうですか。県によって、東北に多く出ているとか、あるいは九州に出ているとか、貸し出しの分布状況はどうです。そういうような点について一つ。
○参考人(山添利作君) これは、おのずから地域的特徴があるわけでございまして、北海道のごときは、御承知のように非常に金のかかる農業であるし、開発の余地も多いということで、非常にたくさんいっております。これは公庫資金に限らず、普通の短期資金の、農林中央金庫の資金なども、北海道は同様にたくさん使っております。それから東北も多うございます。県といたしましては、新潟県のごとき、非常に土地改良の盛んなところはたくさんの金がいっております。九州地方も少くございません。ところが、農業のあまり盛んでないところは、やはり公庫資金もいき方が少うございます。そういう地方的な特色はございます。まあ目立ちまするのは、やはり北海道、東北、新潟あたりが多いと、こういうことでございます。
○委員長(小西英雄君) それ一つ、資料として、どういうような状態で貸し付けてあるか、県単位でけっこうですから、何か後日お願いしたいと思います。
○参考人(山添利作君) 県単位のものを提出いたします。
○委員長(小西英雄君) 経済局長にお尋ねしますが、これはちょっと経済局長の範囲――あるいは林野庁、大蔵省かもわかりませんが、先ほどの歯舞、色丹、あるいは沖縄、小笠原等に、日本の山林等が戦争前にあって、潜在主権があるという沖縄あるいは小笠原その他についての状況がわかりますか。
○政府委員(須賀賢二君) 私、ただいまその資料は持ち合わしておりませんでございますが、後ほど……。これは林野庁の方でないとあるいはわからないかと思いますから、連絡をいたしまして……。
○委員長(小西英雄君) それじゃあけっこう、あとまた農林省の方で、何かございますか。
○森中守義君 これはどうも私少し不勉強なので、お尋ねするのもどうかと思いますが、自作農営農資金の場合、書類はどのくらい必要とするものですか。それと、受付が終りまして貸し出しまで、もちろん個々のケースによって違いましょうけれども、大体どのくらいの期間で貸し出しが行われておるものか、それを一つ、事務的なことですけれどもお尋ねしておきたいと思います。
○参考人(山添利作君) 営農資金を貸し出す場合に非常にめんどうだというのは、いわゆる安定計画を作ることがめんどうなわけでありまして、もとは十二枚も書類があったわけであります。それを農林省で簡素化されましは、大体農家はそう帳面もあるわけではございませんから、大体過去幾ら取ったとか何とかいうことは、聞き取り調査をしておきまして、計画の結論的部分だけを簡単な表に書くことになっております。で、表の数は非常に簡単になった、しかし何と申しましても、表の数が簡単になりましても中身はむずかしいですから、これはやはりむずかしいという評判は絶えないのでございますけれども、これはやむを得ないと思います。それから日にちでございますが、日にちは、これはまず市町村の農業委員会において一通りのスクリーンをいたしまして、それから府県へいくと、府県では農地の方が主になりまして農政課、すなわち、土地改良普及員等の関係になります。ああいう部局が寄りまして、会議によっていいか悪いかということをきめるわけなんです。これをひんぱんにやる県と、ある程度固めておいてやる県と、県によって違うわけでありまして、いつかその日数の統計をとったことがございますが、資料がありますれば後に提出いたしたいと思いますが、会議をひんぱんに開いてくれる県は早いと、会議を開く回数の少い県はおのずから日数がよけいかかると、こういうことになります。公庫関係はこれは信連にまかしてありまして、公庫は一覧表みたいなものを見ることがありますけれども、これは全く、一々見られるわけではありません、時間がかかりますから。後ほどその資料を探しまして提出いたしたいと思います。
○森中守義君 大体わかりましたが、これは私の意見で、あるいは要請ということでお聞きいただければけっこうですが、私は熊本の方ですが、山間部をずっと回りますと、どうも書類があまりむずかし過ぎる、しかも、申し込みをやってもかなりの時間がかかる、すぐの間に合わぬと、こういう意見が非常に強い。もちろん、私はその中身がどういうものであるのかよく存じませんので、一がいに総裁の方に、これはけしからぬということを申し上げるのもはなはだ穏当でないと思いますが、少くとも、これは政府の方に言うべきことでしょうが、三割農政とか五割農政ということがしばしばいわれていて、元来、政府がほんとうに国民食糧の確保を完全なものにしようとすれば、当然これは助成金とかあるいは補助金というような仕組みでなければならぬのに融資ということになってきた。そうすると、世にいう五反百姓、八反百姓というのは容易に借りられないというような意見などがよく出るのであって、それで、できるならばもう少し、申し込みの書類にしても、ごく重点的に簡素なものに再検討をお願いしたいと思います。それと申し込みの個々のケースによって、一がいにはこれまたいかぬ話でしょうが、できるだけ、今実際に受給できるように事務的な速度等も早めていただくようなことを一つお考えになってみていただきたい、こう思うのです。今資料というふうな話も出ましたので、できますならば、申し込みをしていつまでかかったのが一番長いケースであるか、一番短かいものはどういうものか、もちろん個々の県による、そういう事務上の問題等もありましょうが、あながち、これも当を得ないことではなかろうかとも思いますが、その点一つ資料としてお出しいただきたいと思うのです。
 それからもう一つ、これも適切な質問になるかどうかわかりませんが、最近どうも水田はある程度いいけれども、畑地の方がうまくいかぬということで畑地灌漑あたりがかなり問題になってきたことは、農林水産委員会あたりにおいての問題としても、実態としてはあります。だから、こういう畑地灌漑についてこの金庫から融資の対象になるものかどうか、あるいは、総合的に農林政策の一環としてこういうものがどういうように進められつつあるのか、この点を総裁及び経済局長の方からお答えをいただいておきたいと思います。
○参考人(山添利作君) 畑地灌漑は土地改良の一種目でございますから、当然公庫の融資対象になるわけであります。しかし、これは、まず国が補助をいたしまして、その地元負担に対して公庫が融資をするというのが実際でございまして、何しろ、まあ井戸を掘って、畑を変じて水田になすというようなやつは、補助をもらわないで貸しているのが多々ありますけれども、普通の意味での畑地灌漑だと、これはなかなか水を遠方から引いてこなきゃならぬので、簡単に引けるならもう田になっておりますから、これはもう融資だけではちょっとできません。やはり補助を要する仕事だと思います。
○政府委員(須賀賢二君) 畑地灌漑につきまして、農林省といたしましては、今、農林省のいろいろ今後施策を講じて参らなければなりません仕事の中で、やはり畑作振興が非常に大きな題目になっているわけでございます。従いまして、農林省といたしましては、畑地灌漑も含めました畑作振興対策につきましていろいろ対策を講じつつあるわけでございます。畑地灌漑事業はそれ自体、工事といたしまして相当の費用になるものもございまするし、農地局の方で他の事業とそれぞれ調整をとりながら、一定の年次計画をもって今進めておるような次第でございます。
○委員長(小西英雄君) ほかに質疑はございませんか。――質疑はないと認めます。
 では、これをもって農林漁業金融公庫の検査報告批難事項第千百十八号の質疑は一応終了したものとすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小西英雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
  ―――――――――――――
○委員長(小西英雄君) 国民金融公庫の部を審議いたします。検査報告書には第二百四十六ページに掲載されております。
 本件に関して御出席の方は、参考人として国民金融公庫総裁中村建城君、桐生公庫経理部長、堀内公庫総務部次長、多賀監理部次長、大蔵省銀行局特別金融課長磯江君、上村検査院第五局長と厚生省引揚援護局庶務課長小池君の諸君であります。
 まず、会計検査院から概要の説明を願います。
○説明員(上村照昌君) 国民金融公庫の三十一年度の検査の結果、不当と認めまして報告する事項はございませんでした。国民金融公庫の業務の概要を検査報告の二百四十六ページに記載しておりますが、特に補足して説明する点はございません。
○委員長(小西英雄君) 次に国民金融公庫から概要の説明を願います。
○参考人(中村建城君) 昭和三十一年度の決算の概要は、ただいま検査院からございました通り、二百四十六ページに載っておる通りでございますが、多少敷衝いたしまして簡単に御説明申し上げまして、さらにその後の現在に至りまする私どもの仕事のありさまをごく簡単に申し上げて御参考に供したいと思います。
 三十一年度の決算は、貸付額が五百八十六億でございますが、このうちマル普と申しておりますが、普通貸付が大部分で五百二十六億、恩給貸付が五十二億でございます。それから期末の残高がここにございます通り五百六十六億、そのうち普通貸付が四百七十六億、恩給貸付が四十九億でございます。これをまかないました金を申しますと、政府から借り入れたのが百四十億でございますが、約六十億を返済いたしましたので、ネットに政府からいただきましたのが八十億、それに対しまして回収が四百九十七億、この二つでもって、ただいま申し上げました貸付を実行いたしたわけであります。
 それから収入、支出を申し上げますと、収入が四十五億七千万円、これはほとんど貸付利息でございます。それから支出が三十四億二千万円、このうちで一番大きいのが政府から借り入れました借入金の利息でございまして、それが十八億、それから代理・手数料が六億、事務経費――人件費とか物件費、それが九億六千万円、差引いたしまして十一億五千万円の利益を上げましたが、そのうち八億六千万円を償却に充てまして、計上利益は二億八千九百万円、これは法律によりまして政府に納付いたしたのでございますが、これが三十一年度でございます。その後三十二年度も、ただいま決算が一応でき上りました。三十三年度は現在貸付中でございますので、きわめて簡単に概要を申し上げたいと思います。
 三十二年度は御承知の年度途中から金融引き締めの影響がございまして相当、中小あるいは零細企業にも、そのしわが及びまして、相当貸付が繁忙をきわめたのでありますが、貸付が三十二年度におきまして、七百六十七億という貸付をしております。これは前年に比しまして百八十億、約二割三分の増でありまして、これは三十二年度が特別の年であったということを示す数字でございます。内訳を申しますと、普通貸付六百九十五億、約三割の増でございます。恩給貸付六十四億、これは約二割増、そのほかに特殊のものとしまして、三十二年度から、いわゆる引揚国債担保貸付が始まりましたが、まだ初年度でございまして、手続その他が整いませんので、一億五千八百万円しか実績が上っておりません。三十二年度末の残高、この三月末でございますが、七百四十八億三千万円、これはやはり前年に比しまして百八十億、約二割五分の増加になっております。その内訳は、普通貸付六百四十七億、これは三割以上の増加になっております。それから恩給貸付六十三億、これはやはり三割近い増加になっております。引揚国債が先ほど申しました一億五千八百万円、こういうことになっております。
 それから、その財源を申し上げます。これは借入金が、当初二百億でございますが、金融引き締めの影響で、あとから七十億増していただきまして二百七十億、それに対しまして返済が八十二億でございましたので、ネットの増が百八十八億でございます。これに回収の五百八十五億を加えまして、先ほど申し上げました貸付を執行したのでございます。
 それから収入支出の点でございますが、これも三十一年度よりは、相当、収入支出はふくれておりまして、収入は五十八億、これもほとんど全部が貸付利息でございます。支出は四十六億そのうち、政府に支払いました利息が二十六億、手数料が七億四千万、業務諸費十二億、それから昭和三十二年度の初め、償却をいたしまして、ごくわずかでありますが、二千三百万円の償却をいたしまして、この結果、償却前利益が約十二億、そのうち十一億四千万円を償却の準備金に繰り入れまして、計上利益が五千八百万、これを政府に納付したわけでございます。こういうわけで、三十二年度は三十一年度に比しまして非常に数字がふくれております。
 次に三十三年度、これは、まず上半期が済んだところでございますが、この原資は御承知の通り借入金が二百二十五億、それに対しまして、返済金が百二十五億でございますので、ネットの増が百十億、その上に、回収が約七百億ございますので、これを財源としまして八百四十二億、前年に比しまして七%程度増の貸し出しを計画してやったのでございます。ところが、今回ほんの最近でございますが、二十億の追加が決定されましたので、これによりまして八百七十一億の貸付ができるというふうに思っております。その内訳を申し上げますと、普通貸付が七百四十七億ばかり、恩給貸付が七十八億、それから引揚国債が三十八億八千万、こういう貸付ができると思っております。
 なお本年に入りまして、申し込みは、ずっと月によって移動がございますが、一割ないし一割五分というふうに、やはり前年に比しまして増しております。但しこれは、私どもの支所の窓口の数字でございまして、代理所と合せますと、大体一割ぐらいの増加が続いております。今度十一月、十二月、年末にどういう数字が出ますか、なかなか予測はできないのでございますが、昨年が御承知の通り、十月、十一月あたりは、前年に比しまして、非常に増加がひどかったのでございまして、十月が五割増、十一月が倍という申し込みがございまして、そのために七十億の資金の追加もいただいたのでございますが、本年は資金事情から申せば、まず顕著な増もないと思いますが、しかしながら昨年通りでは、ちょっとおさまらぬというふうなことで、どうしても昨年より一割か一割何分かの増ではなかろうかと思っておりました。ところが、ただいま申しました通り約二十億の追加をいただきました。これで資金の用意は昨年に比しまして、一割程度余分な用意がございますので、何とか、これで年末が越せるのではないかというふうに考えております。ただし、もしも予想以上に申し込みがふえました場合は、今回政府が御決定になりました各政府機関合計約三十億の追加財源がございまして、その三十億のうちから、第四四半期から繰り上げて使っていくということになっておりますが、この法律につきましては、まだ見通しがつきませんので、具体的に政府と打ち合せをします段階に至ってない次第であります。
 ただいま申し上げましたのが、三十一年度決算、三十二年度決算並びに三十三年度のただいままでの、大体私どもの業務の概況でございます。
○委員長(小西英雄君) 以上をもって説明は終りました。
 質疑に移ります。御質疑のある方は、順次御発言を願います。
○大竹平八郎君 まず第一に、お尋ねをいたしたいことは、御承知の通り、中小企業の金融というものは、非常に政治的にも大きな問題で、しばしば衆議院並びに参議院におきましても、商工委員会あるいは本院等において、いろいろ決議をされておるわけでありますが、しかし中小企業と単に申しましても、非常に幅のあることは御存じの通りなんでありまして、ことに昨年問題になりまして国会を通過いたしました例の団体法案のときにも、私自身、本会議におきまして、岸総理に質問をいたしたのでありますが、中小企業の実態というものが、すでに通産省において調査をされている。従って戦前でも、この中小企業と小企業というものは、判然としていたわけなんです。最近は、何もかも一概に、零細企業も一般の中小企業も、ただ単に中小企業と、こう言う。従いましてこの金融措置なんかに対しましても、非常に私どもからみますと、まずいやり方が多いんじゃないか。商工中金と協同組合、それから中小企業金融公庫というものがあるが、これはある程度の資力を持ち、またある程度の経営力を持ったものでなければできない。そういう点から考えますと、国民金融公庫というものは、全く零細業者を相手にしているものであって従って政治的にも、非常に私は強い存在でなければならぬと、かように実は考えておるわけであります。ことに最近の零細企業関係の金融状況などをみますると、御承知と思いますが、都道府県において許可になります信用組合というやつですか、信用組合、こういうものが非常に多いわけで、なかなか普通の銀行の貸し出しというものは非常にむずかしいと、従ってつい利息の高い、あとのことは考えないで、手っとり早いのに一つ取り組んでいこうというようなのが、これは一般零細企業者に多いのでありましてところがこの事態は、最近の例をあげますと、これは東京都で起った事件で、Aの信用会社みたいなものがあるのです。そうすると、それが非常は内部びん乱して、たちまち破産状態になって、そしてたくさんの焦げつきを出した。ところが、そのAというものが、いつの間にか主体はBに変っていると、そうするとBの金融機関というものが、また間もなく二、三カ月して取付さわぎになって、そして非常にたくさんの庶民に大きな迷惑をかけておると、そういうような依存度というものがこの国民金融公庫に非常に集中されてくると、今後、いよいよますます多くなっていくということを私ども一応考えられるわけなんです。
 そういう意味におきまして、百万円以下は、大体あなたの方は貸付けに対して、原則として担保を取らないと、こういうことになっておるのでありますが、これは、現在において、件数として、大体どのくらいになっておるか、その点を一つ、おわかりでしたらお答え願いたい。資料があるかもしれませんけれども一つどうぞ。
○参考人(中村建城君) 大体無担保が原則でございまして三十三年度、最近の四月から八月までの実績でございますが、それによりますと、担保付が、件数で五%七、金額で九%八、つまり担保付が一割弱でございましてあとの九割以上が無担保でございます。
○大竹平八郎君 その無担保の回収並びに今後の回収見込み、そういう点について御答弁願いたいと思います。
○参考人(中村建城君) 特に担保、無担保で回収がいい悪いというふうなこまかい調べはいたしておりませんが、概しまして私どもの方は、普通貸付におきましては貸付残高に対する延滞の割合は二%弱でございますから、普通の金融機関としましては、まあ回収については、大した懸念がないというふうに考えております。ただ検査院の報告にございますが、厚生資金貸付は別でございますが、普通貸付は、大体六カ月以上延滞の率が二%に達しませんものでございますから、回収については、特別に担保、無担保を通じまして、大した懸念はいたしておりません。
○大竹平八郎君 先ほど私が申し上げましたような零細企業の依存率というものが非常に多くなってくる、そういう意味において統計の中にもあると思いますか、相当申し込み数というものが、非常に多くなっておると思うのでありますが、総裁の考えとしまして、ことに年末も差し迫っておるし、年末に対しては、今お話の一〇%ぐらいのふえた融資力も持っていると、こういうお話でありますが、これは年末にかかわらず、一般の時期の問題といたしまして、この申し込みの状況等に比較いたしまして、なおかつ将来、もっとこの資金源をふやす必要がわれわれあるのじゃないかと思いますが、そういう点については、いかがでありますか。
○参考人(中村建城君) これは私どもとしましては、やはり割合に、この公庫ができまして九年越しておりますのですが、まだ全国的に見ますると、公庫の存在、公庫の働きが、非常に隅々まで知られているというふうにいっておりません。もしこれがほんとうに知られますと、もっともっと資金需要があると思います。しかしながら、これはやはり資金源が運用部資金でございまして、これが無限なものでもございませんので、毎年政府と話し合いしまして毎年百億ないし百五十億、新しい資金をもらっておりますが、無限ではございません。
 それで、私どもとしましては、できるだけ、全国的に少くとも公庫の存在と働きを知らして、そうして窓口に来る者に貸せるものは貸したいというふうに考えておりますが、これをほんとうにやりますというと、相当の資金を要しまするので、ただ宣伝をして、窓口に来たが金がなくて断わるというのでは困りますので、非常に消極的な、きわめてじみな宣伝をしておりまして、なるべくもう利用される方に利用する機会を与えておりまするけれども、まだ徹底したPRもできない状態でございます。これらは資金源ともからみまして、もし資金源が許すならばさらにさらに広く利用者があるというふうに見ております。
○大竹平八郎君 それから更生資金の問題なんでありますが、大体これも、資料にあるいは出ておるかもしれませんが、更生資金を受けておりまする件数というものは、大体今どのぐらいありますか。
○参考人(中村建城君) 更生資金の貸出残を見まするというと、約十九万件でございます。金額にしまして二十七億ございます。平均しますと一万三千円ぐらいになります、一口が。
○大竹平八郎君 厚生省の方に伺うのですが、この更生資金の中には、かつて日本に国籍を持っていたと、それで海外から引き揚げられたという、そういった今では第三国人になっているのですが、そういうものも相当これの適用を許しておるのですか、また許しておれば、現在それはどのくらいの数がいるのか。
○説明員(小池欣一君) ただいまの御質問でございますが、国民金融公庫から貸出をなされておる関係上、やはり日本国民に限られるという原則がございますので、第三国人には適用ができないという状況でございます。
○大竹平八郎君 この国民金融公庫というのは、御承知の通り庶民金庫から受け継いだものなんでありますが、庶民金庫時代に、この適用というものは相当あったんじゃないですか。
○説明員(小池欣一君) 庶民金庫の時代でも、やはり国民金融公庫の時代と同様、三国人には貸し付けないようになっておるはずでございます。
○委員長(小西英雄君) 今の大竹委員のに関連してですが、その場合に、現在沖縄の日本人に対しては、どういうことになっておりますか。
○説明員(小池欣一君) 沖縄に本籍を持っております日本人に対しましては、貸し付け得るような建前にいたしております。
○委員長(小西英雄君) そうすると、今日、沖縄の原住民に対して、公債を給付しておる、それに対する、沖縄の代表が過日やって参りまして、それについて、日本なみに給付公債をもらったが、これを何とかしてくれという要望があるのですが、これについて御回答を願いたいのですが。
○説明員(小池欣一君) 法律の建前といたしましては、沖縄に本籍を持っております者が給付金を受けました場合におきましては、やはり貸付をする建前でございますけれども、ただ国民金融公庫の方におかれまして、沖縄には、現在のところ事務的に無理なように伺っておる次第でございます。
○委員長(小西英雄君) それはどうですか、これについて沖縄に対するやはり日本は、そういうふうな公債を支給するが、片方の方には、支店がないためにやれない、沖縄の方からも、しばしばわれわれ陳情を受け、わざわざ何回も来て、こういう点についてでも、非常に沖縄が御承知のように戦争の被害が甚大であって、日本の内地より、もう一つ困っておるという状況なのですが、これについて大蔵省なり国民金融公庫等において何か善処する見込みが立っておるかどうか、それについて一つ代表から御回答を願いたいのですが。
○説明員(磯江重泰君) 沖縄の問題につきましては、今の更生資金の問題とは別に、一般的に、まあ沖縄にいる日本人に、国民公庫から金を貸せるようにしてもらいたいというような要望がかつてあったことがございます。最近の、今の更生資金に関連しての引揚者の公債担保での貸付につきましては、私ども公庫の方も、また具体的な話としては伺っておらないのでございますが、現実の問題といたしましては、現在公庫は、沖縄にもちろん支所も持ちませんし、代理所も持ちませんし、また現在の沖縄における行政権の問題といたしましても、そういった機関を持ち得る状態にないわけでございますので、今の状態におきましては、それをやる方法はないのではないか。しかしながら沖縄におられる方々に対しまして、できるだけ日本の内地におられる方と同じような趣旨において取扱いをしてもらいたいという要望につきましては、私ども、大へん同情は持っておるわけでございまして、そういった点につきましては、まあ法律上の問題が、まず難点になるわけでございますので、そういった点につきまして、今後よく研究したいと思っております。
○委員長(小西英雄君) これは研究程度じゃなしに、向うからくる陳情は、非常に悲壮な陳情でありまして、この給付ができて、その給付に対する、日本国民に対する何%かの担保貸付ができるということがはっきりしておって、そっちの末端の事務手続なり、あるいは沖縄との、これは外務省の関係になるか、何か積極的に、特別金融課長は――これは、窓口になるか、外務省か、どういうことになるか、私たちにはわかりませんが、きょうは、そういうことを明細にここで論じ合う時間がありませんが、ここに一つ、私たち当委員会としては、重大な事項として、これを大蔵省、また窓口等について、金融課長は、これは一つ省内に持ち込んで、何かこちらの方へ連絡を願いたいのです。
○説明員(磯江重泰君) ただいま御要望の点につきましては、関係方面とも十分打ち合せまして、研究いたしたいと思います。
○大竹平八郎君 いま一点、お尋ねしたいのですが、これは中村総裁でいいです。
 御承知の通り、中小企業金融公庫という存在があるわけですが、百万円以下が無担保ということになりますと、かなり重複する点が出てくると思うのでありますが、まあ正直な人ばっかりあるわけではありませんし、できるだけ融通のきくところから借りようというのが、これがまあ人情なんですが、そういうことについて、何か常時、中小企業金融公庫との連絡とか、あるいはまた、そのことについての処理上の審査というものは、相当厳格におやりになっておるでしょうか。
○参考人(中村建城君) 私どもの方では、中小企業金融公庫との境界線と申しますか、きめるために、たとえば資本金であるとか、あるいは他の銀行取引が一定以上ある者には借さぬ。そういうふうに一点、下の方のワクをとりまして、中小企業金融公庫から四百万円以上借りた者には借さぬという内規を作っております。そうしてあとは一々、一件ごとに中小企業金融公庫に照会はいたしておりませんが、これは、必ず相手方から、借りる方の申込人から、幾ら借金をしているかということの明細書を取っておりますので、これは必ずうそをつかずに言ってくれますので、もし中小企業金融公庫から多額に借りている場合には、こちらの方は、お貸しできないということを申し上げておるのであります。
 なお一定のワクがございますが、やむを得ず、一千万円以上の取引はあるけれども、やむを得ず、特殊の事情があって、他の金融機関から借りることができないために、ごくわずかの金で済むから公庫から貸してくれという場合には、特に慎重を期しまして、各支所長にまかせずに、本所で禀議して、私どもが各ケースを見てやる例外はございますが原則といたしましては、一定の銀行取引、あるいは資本金、あるいは売り上げ等におきまして、大きいものには、国民金融公庫からは貸さない。それが必要ならば、中小企業金融公庫の方にお願いをするようにということになっております。
○相澤重明君 関連して……。
 そういう場合に、百万円以下は、担保は取らぬというのは事実ですか。
 これは、あなたの答弁を聞いておるというと、逆に、こういうことが言えるのではないかと思う。百万円以下は、担保は取らないのだけれども、それだけ金を貸さない。だから、十万か二十万くらいならば、担保を取らなくても、これは何とかやっていけるだろう。こういうことで、実際には、資金としては八十万なり百万を必要とするのだけれども、担保を取らないという原則であるから、実は申込金額に対して応じることができないのだという反面解釈ができるように思われるのですが、その点はどうなんですか。
○参考人(中村建城君) ざっくばらんに申しますと、たとえば百万という申し込み、あるいは百二十万という申し込みがあったが、担保が適当なものがない。それならば、八十万円くらいでごしんぼう願いたいということはあるかもしれませんが、しかしそうでない場合に、五十万、八十万の場合に、担保がないから二十万か三十万に値切るということは、これはいたさないようにいたしておるつもりでございます。
○相澤重明君 そうすると、その場合の個人保証というか、あるいは取引先の保証というか、そういうものをやるのですか。あるいはまた、県の信用保証協会とかいうもので、百万円以下の場合処置をしておるのですか。いかがですか。
○参考人(中村建城君) 保証人は必ずとっております。一人以上の保証人は必ずとります。ただ、例外的に申し上げますと、自分はどうしても保証人をたてるのがいやだ、保証人をお願いすると、いろいろと制肘を受けるから、一つ担保にしてほしい。かりに三十万でも、それで適当な担保があるという場合には、しいて担保は要らぬから保証人をたてろということは申しませんけれども、たとえば百万円以下の場合、全然無担保ということはございません。必ず保証人をたてさせます。
○相澤重明君 どうも、ちょっと総裁の答弁だと、われわれ下部の、いわゆる地方におけるところの融資の状況を聞いておるのとは、ちょっと食い違いがあるように思うのです。百万円以下の融資の場合でも、担保があるから担保を取ってもらいたい、こういう場合に、いや担保は要らぬというような話もあるやに聞いておる。だから、いわゆる担保を取らないから、今度は、申込金額に対して出すわけにはいかぬ。それで、なたをふるって、たとえば百万円申し出ても、これを二十万なり三十万に削ってしまう。こういうようなことがあるやに私どもは聞いておるわけです。総裁の言うのは、そういう指導をしておるのですか。
○参考人(中村建城君) ただいまの前段でございますが、どうも保証人に適当なのがいないし、たてるといろいろ制肘を受けるから、ぜひ担保にしてくれという場合には、そういうふうにしなさいと指示しております。
 私ども聞きますと、中には支所によりましては、私どもの方針が間違って取られて、いや百万円以下については、担保はとってはいけないのだから、保証人をたてろという場合もあったように聞いておりますが、それは逐次是正しておりまして、そのようなことはないと思います。
 それから事実上の問題といたしまして、担保が要るような金額であるが、思わしいような担保がないという場合には、私どもは業務方法書によって貸せない。じゃ全部貸せないかというと、八十万なり何とかできる以上は、担保がなくても八十万貸すという取引をすることはあり得ると思います。
○相澤重明君 いま一つは、先ほど大竹委員の御質問でも、あなたが答弁されておるわけですが、今年の年末対策としてお考えになっておると思うのですが、政府から先ほど二十億とか三十億と言われたのですが、その金額の明確な数字を一つお示しをいただきたいと思う。そういう中に――他の金融機関にも質問をしたのでありますが、災害対策、特に本年は二十二号台風を初めとして非常に台風の災害が大きい。一般の金融関係からは、なかなか零細企業といいますか、中小企業には、これは困難だと思う。そういう意味で国民金融公庫にお願いすることが多いと思う。そういう点で、災害対策の面を考慮されて、この年末資金というものをお考えになっているか、この点いかがですか。
○参考人(中村建城君) 先ほどは一口に二十億と申しましたが、閣議の決定によると、五億は災害でございます。
 一般資金は十五億でございます。この五億は、必ずしも二十二号台風に限定しないで、前にあった十一号台風以来の台風被害によりますものにも、五億というのがいきますのが、一応の目安でございまして、やってみまして、災害の場合の融資需要が多ければ、一般のワクを最大限、災害の貸付に回すつもりでございます。
○委員長(小西英雄君) 私からお尋ねいたしますが、金融公庫、これは総裁も当時はいなかったし、その点また特殊金融課長も当時と違うので、事情についてわかっていない点もあろうかと思いますが、引揚者に貸した更生資金、すなわち第一次から第四次までに貸した二十一億四百万円の金についてでありますが、当時私たち衆議院におりまして当時与党の大臣が新聞を通じてこれは石橋大蔵大臣のときに、舞鶴や九州に引揚げてくる引揚者に対して一世帯一万五千円ずつやろうじゃないかというので、当時占領下にありましてそれを閣議決定して言ったのでありますが、それは待ったということになった結果、当時の庶民金融公庫だったと思いますが、それらの人に何か県単位で、どういう方法で貸すのがいいか、帰って来ても、金持の親や兄弟や親戚のいいのがある場合にはやる必要がないが、これをやるということにも工夫が要るし、何とか県を通じて庶民金融金庫か何かを通じて貸し付けようということでやった内容の金でありまして、当時の新聞には、この金は、政府は強硬に取り立てるというようなことは必ずしも言っていなかったのですが、いろいろ時代の変遷と、また二十四年以後に貸し付けた金の内容等もまた異なるのでありますが、二十四年前の金が依然として回収の悪い理由も、この点にあろうと思うので、私が当時の援護局次長だった現在の厚生事務次官である田辺君と話しましたが、田辺君も、私の述べる点と同意でしたが、結局これが国民金融公庫になり、大蔵省と厚生省が、現在の自治庁との話し合いによれば、方法があろうと思う時期に来ているのではないかという考えを披瀝したのでありますが、こういう点について、これは日本のいろいろな、この席上で申し上げることはどうかと思いますが、一般、こういうふうな復金の金と、これは性質が全く異なるものであって、これは早急に解決しなければ、帳じりにいつまでも残ってしまう。
 もう一つは、こういう点について何かわれわれも、ちょっと試案として、いい方法がいろいろな協議会で出たのでありますが、これについて、中村総裁の御意見を承わりたい。
○参考人(中村建城君) 実は、この金が出ました当時、私ども関係しておりませんので、いきさつを存じませんが、おそらく全部が全部貸し金で、全部根こそぎ元利ともに取るというふうな強い貸付ではないというようなふうに――私が申し上げるのが適当かどうか存じませんが、思いますが、ただ推測する材料としまして、あれはたしか第一次から四次は、政府が府県に金を交付しました。その、府県がみずから貸し付けるべきであったのが、なかなか思うようにいかぬものですから、庶民金庫を利用して貸し付けたということになっておりまして各府県と庶民金庫との間に、貸付条件があるわけでありますが、それによりますと、たしか三割までは、つまり貸し倒れが、あっても仕方がないというような契約になっております。それから見ますると、まずそのくらいの程度の貸し倒れはあるのじゃなかろうかというようなふうな気持であったのではなかろうかというように、これは私は責任ある言ではありませんが、今から考えますと、想像いたしております。しかし全部が全部これはやったも同然だというふうなものではないように思っております。
 それから、もう一つは、現に延滞が多いのは、決してあれは、もらったから返さぬでもいいということばかりではなく、現にあの貸しましたのは、それぞれ現在滞っておりますのは、行方不明であるとか、あるいは非常に、生活保護すれすれの線に行っておるとか、事実上返せないために返さない人が多いように思っております。と申しますのは、引き揚げてきて、何がしかの金を借りましていろいろやりましても、大体は成功しないために、その後に非常に困ってしまって、現に返せないというのが多いというふうに思っております。
 これにつきましては、おそらくある時期におきましては、いつまでも帳簿に残しておかないで、償却をするとか、適当な方法が要ると思うのでございますが、ただ普通の貸付金でありまするならば、私どもの方にも、償却の準備金が積んでありますから、それを落して償却をいたすのでございますが、これだけは財源のうち、第一次から四次は、政府から支出して府県に交付した、その府県の金を庶民金庫、ひいて国民公庫が貸付のために使っておるというふうな関係になっておりますので、もし償却をした場合には、その元金の二十億を、府県との関係でどういうふうに処理するか、それがさらに政府の交付金でありますから、政府と府県との関係をどういうふうに処理するかという問題をあわせて考えませんと、ただ、普通の貸付のように償却をするというだけでは済みませんものですから、それらの点につきまして、これは政府あるいは相手方の各府県、おそらく府県を通じまして、厚生省が関係でありまするから、厚生省とよく御相談しまして、一定の時期には、何らか解決をしたいということは私どもの念願でございまするが、ただその時期は、ただいま直ちにということでもございませんので、私ども、償却の準備としまして、現状を、必ずしも十九万件全部把握しておりませんから、今後できるだけ現状を把握して、どうにも取れないものは取れない、多少でもお返し願えるものは願うというふうに考えて、そしてその資料を整えまして政府と御交渉をして解決したい、かように考えておる次第でございます。
○委員長(小西英雄君) ちょっと速記をとめて。
   〔速記中止〕
○委員長(小西英雄君) 速記を始めて下さい。
○説明員(小池欣一君) 引揚者の更生資金を貸し付けるに至りますまでの事情につきましては、いろいろ複雑なお気の毒な事情もあったわけでございまして貸付のされましたときにも、委員長がおっしゃいましたようないろいろな考え方、従来の普通の貸付とは多少違うような考え方もあったやに承わっているのでございます。その後、そういうような事情がございましたけれども、しかし貸付金ではございますので、返していただける方からは、漸次返していただいているわけでございますけれども、中村総裁からもお話がございましたように、どうしても返せないような方がだんだん最終的な段階として残ってきているということは、これはいなみ得ない事情じゃないかというふうに私どもも考えているわけでございます。また一方引揚者の団体の方々におかれましても、更生事業協力会というような団体を作られまして、むしろ積極的な回収に努力をされているというような事情もございますけれども、私どもといたしましては、引揚者の方々の実情をよく把握をいたしまして、公庫とも御相談の上、無理のない措置を講じていきたいと、かように考えている次第であります。
○説明員(磯江重泰君) 公庫の総裁並びに厚生省の方から御説明のあった考え方と、私どもも大体同じような考え方でございまして、現在の実情につきましては、確かになかなか一次から四次までの分につきましては、更生資金の返済が困難になってきているということにつきましては、公庫の方からもよく伺っております。従いまして、これを強力に、元利とも全部ぜひ取り立てるということで進めるという行き方は、私どもの方も指導いたしておりません。できるだけ無理のないようにして、できるだけ多額を回収できるようにしていただく、しかし、最後には全額が回収できないものと思われますので、そういった場合の処理につきましては、今後、先ほど公庫総裁の申されたような方向で考えたいと思っておりますし、償却につきましても、更生資金の分につきましては、普通の貸付よりも償却のための貸し倒れ引当金をよけい積ませるというようなことも行政指導としては考えているわけでございます。
 将来の問題としましては、公庫並びに厚生省の方と、よくお打ち合せをいたしまして、最終的な解決をはかりたいと考えている次第であります。
○相澤重明君 今の、厚生省なり、あるいは大蔵省の御説明を聞いたわけですが、第一次から四次までの更生資金の引揚者に対する貸付は、国民全体のものと私は考えていいと思う。とにかく日本が敗戦によって受けた冷厳な事実の中から、とにかく同脆愛としてこうしたことをしなければならぬということで、ああいうふうに措置をされたわけなんです。ですから、当然これは国家的な立場で私は処置をしなければならぬものだと、まず第一に考えるわけです。
 第二の問題は、だからといって無条件に直ちに国の欠損というわけにいかぬだろうと思う。これは大蔵省の立場から、あるいは金融の立場からいかぬと思う。そこで考えられることは、国民金融公庫として、いわゆる利益がある場合に、いわゆる計画性を持ったところの、毎年歴年、落していくことが一つの方法として私はあろうかと思う。そういうことを、とにかくいずれにしても、国家全体の資金の中で、あの当時の国民の苦しい生活状態の中で、引揚者の特殊ケースとして出したものを処置するということが一つと、いま一つは、もとよりそういう中で金庫自体も、そういうふうな計画を立てるということ、そういうようなものを早急に立てなければ、十年もたっても、まだ八四%のいわゆるいつまでも延滞となっている、いつまでも回収が見込みが立たぬ、こういうようなことでは、決算のたびにこの問題だけで頭を痛めるということは、私はやはり、実際愚の骨頂だと思うのです。だから、この点は、御答弁をいただいたけれども、一つ強力に、先ほど委員長からいわれたように、国としての立場でこういう問題の処理を早くできるように、私は措置をしてもらいたい。
 それについて、そういうことをやる気があるかないか、三者から御答弁いただきたい。
○参考人(中村建城君) 私どもといたしましては、十九万件の現状を実は把握しておりませんので、償却するといたしましても、やはり何のたれがしに幾ら残っているのを、何のたれがしは現在行方不明である、あるいは生活保護を受けている、あるいは死亡したとか何か、それだけぐらいは確かめませんと、償却できませんので、これから一ついろいろ、もちろん各府県その他の御協力を得まして、それを確認しましてそれがリストができましたら、一つこれで償却をさしてもらいたいということを大蔵省に申し上げます。償却したあとの、どういう負担で始末するかということは、これは前に二十億の政府から出た金もございます。それは府県を通じておりますので、府県から私どもが借りた格好になっておりますので、相手の府県の意向を確めなければならない。政府と、その府県と、府県を指導されますのは厚生省でありますから、厚生省とも打ち合せをいたしまして、償却した場合の負担をどうするかということは別に考えます。
 償却しますについては、やはり一件一件、とにかく何のだれがしが幾ら借りて、幾ら残っておる、それが行方不明ならば行方不明でもいい、死んだなら死んだでいい。あるいは困窮して生活保護を受けているならそれでいい。これを調べまして、そういうことぐらいは、はっきりして、それから後に、大蔵省ないし厚生省とお話ししたい、こういうふうに考えております。
○説明員(小池欣一君) 御趣旨まことにごもっともでございますので、大蔵省並びに国民金融公庫とも、早急に相談いたしまして、でき得る限り早く解決をはかるつもりでございます。
○説明員(磯江重泰君) 御趣旨の方向で、現に考えつつあります。ただ最終的に処理する時期については、先ほど公庫総裁の申されましたように、実態の把握が第一でございますので、その上で、そういう方向で考えて参りたいと思います。
○大竹平八郎君 特別金融課長にお尋ねをするのですが、この国民金融公庫の問題と関連しまして、私は先ほどちょっと冒頭に触れたのでありますが、都道府県の許可のもとに設立をされております金融機関、これは実際の、何といいますか、庶民の迷惑というものは、実に多いのですが、こういうことにつきまして、これはむろん中小企業庁等の行政指導とかいろいろな点もありますが、これについて大蔵当局としては、どういうようにお考えになっておられるか。
 またそういった監督指導というようなものの責任は、どういうところにあるのであるか、その点を一つ最後に伺いたいと思います。
○説明員(磯江重泰君) お尋ねの点は、信用協同組合のことかと存じまするが、信用協同組合につきましては、実は監督権は、都道府県の知事が持っておるわけでございます。
 それで制度的に現在のような制度でいいのかどうかということにつきましては、ただいまお話のございましたような点もありまして、大蔵省といたしましては、これをやはりもう少し、しっかりした金融機関にしていく必要があるのではないかというような考えを持っておるわけであります。
 そこで先般、金融制度調査会におきまして、この問題は、やはりその一つの問題として取り上げたわけでございますが、結論といたしまして、当面制度的には、これを大蔵大臣の監督に入れるというようなところまでは考えずに、現在の制度におきまして、できるだけ大蔵省の行政とマッチしたような指導をするように、通産省ないしは都道府県の方へもお願いするというような程度になっておるわけでございますが、実は私は、そちらの関係を所管しておりませんので、責任をもって申し上げるわけにはいかないのでございますが、そういった状況でございまして、大蔵省として、もちろん関心は持っておるわけでございます。現にそういった調査会の問題としても取り上げておる次第でございます。
○委員長(小西英雄君) 金融公庫の総裁に、もう一点お尋ねしたいのですが、第四次以降の十五億円ですね、引揚者に貸した。あれはいろいろな書類上も、もう少し四次までのと違って、金融公庫として取り立てるに都合のいいりっぱな書類があるわけですね。
○参考人(中村建城君) 書類と申しましても、それは書類はみんなございます。全部ございますが、ただ現状を確認しておらんのであります、たくさんあるので。私どもが、支所の職員が大体、二十人くらいが普通でございます。毎日毎日貸付に追われておりまして、十九万件あるのをトレースしておりません。従って今、何のだれがしに幾ら残高があるということはわかりますが、その人が、どういう状態かということはわかっておらないのでございます。比較的時期が新しいだけに幾らかいいのですけれども、やはり全部が全部現状確認しておるとは申せませんと思います。第四次以降の場合でも。
○委員長(小西英雄君) 中村総裁も、各課長も、当時の担当責任者じゃないので、私がさらに申し上げておきますが、私たちの考えまたその当時の政府が相当責任ある委員会等において、これは貸し付けているが――貸し付けの形をとっているが、やがて金が、一世帯に五万円かあるいは三万円出ることになる、そのときには差っ引くぞということまではっきりしておりますので、この第一次の分については、これは非常にむずかしい状況にあって、三割程度はいいという状態ではなかったのですが、当委員会といたしましては、国の財産をあくまで守るために、そうしてりっぱに使ってもらうようにという委員会の趣旨でありますので、私たちは、決して筋の通らないことは言わないのでありますが、この二十一億四百万円、この金は全く取れないという理由が、いろいろな当時の新聞なり雰囲気から、はっきりしているので、これは一つ何とか善処したい。われわれも全部これをどうするというのでなく、払える者については、何かの方法で各県の連合団体等を通じて調べて、こういう者は能力がある、こういう者は全く能力なしというふうな点と相勘案して、一つ早く善処したいと、私はこう考えるのですが、それについて総裁の御意見を承わりたい。
○参考人(中村建城君) 貸し付けの創設されました当時の事情は、私存じませんので、ただいま委員長のお話で了承したのでございますが、おそらくそういうこともあったかと思いますので、もちろん苛酷な取り立てをいたすつもりは毛頭ございません。調べまして、現状が、金がわずかでありますから、多少でも払えるものは、払っていただきますが、そうでないものは、思い切って現状を確認した上で、償却の手続をとるように、大蔵省にお願いしたい、かように考えております。
○委員長(小西英雄君) 連帯債務については、この間話したように、あれは連帯で無条件に判を押したような、印鑑証明も何もとってないものが追及されておった。それは解消いたしましたか。
○参考人(中村建城君) 最近大蔵省と打ち合せをいたしましてやりましたのが、一つは、とにかく一部金を持ってきた場合には、筋から申せば、まず利息に入れるのでございますが、まず元金に入れる。なるべく元金を早く減らすというようにいたしております。
 第二は、連帯の場合は、法律上から申しますと、一人でも延滞いたしますと、皆が責任を負うのでありますが、それでは実情に合いませんので、連帯を負担部分に割りまして、自分の負担部分だけ持ってくればよろしいということに、取り扱いを変えております。
○委員長(小西英雄君) なお一つ、この問題の早く解決をわれわれ要望いたしておきます。
 なお国民金融公庫は、御承知のように、一番、銀行としては零細な人を対象にしているということから、非常に業務上も、複雑なまたむずかしい問題もあろうかと思いますが、中村総裁において、先ほど発言された、これは、もう少しPRすれば、相当利用があって、たいへんなことになるのじゃないかという憂えの言葉を聞いたのですが、これは、われわれ与党の議員として、こういうことこそ、大いにやって、それに対する措置をこの公庫がやるべきだ、中小企業金融公庫をさらに下回る零細な金融ですから、金利はなるべく安くして、これらに対して、日本のこういう不況下に、あなたが総裁として、この金融に対しては相当な御意見も持っておられるし、いろいろな過去の経歴からして、あなたこそが、ほんとうの日本の不況下の中小企業、零細企業、また一般庶民に対する一つの台所としての用も果してもらいたい。先ほど言ったことは、あまり国民金融公庫がいいということを国民が知ったらどれだけ借りに来るか――そんな消極的なことで、政府はお願いをしたのじゃなくして、そこから出てきて、ほんとうに国民金融公庫が、ここにあって、日本の零細企業を助けるのだという熱意を、ここで当委員会に披瀝していただきたいのですが、どうですか。
○参考人(中村建城君) それは、どうも国民公庫総裁として申し上げるのは、はなはだ不適当なんでございますが、やはり大きな方針になりますと、とうてい私どもが申し上げてもしょうがないのでございますが、やはり現在国民の、政府の窓口にくる、郵便貯金とか、簡易生命保険とか、あるいは厚生保険とか、そういうものを財源として、政府の方でやっております。それに対しまして、もちろん大企業、電力とかあるいは外航船とか、そういうような基幹産業にも金を回さなければならない、それからまた中小企業のうちでも、比較的大きな中小金融公庫の対象になるものに金を回さなければならない、また一般大衆に金を回さなければならない、それに配しまする財源がきまっておるわけでありますね、郵便貯金とか、簡易生命保険とか、そういうきまっておりますものを分ける場合に、これは国民金融公庫に全部下さればいいのだということを――ほかはいいのだということを申し上げる勇気は、私はないのであります。できるだけ、そういうものをふやした際には、国民金融公庫に相当の配分をしていただきたい、それに応じてこちらもできるだけ大衆に存在をわからして、機能をわからして、できるだけ多数の方の御便宜をはからいたいとは考えておりますが、政府の金を全部国民金融公庫に回してくれということを申し上げる勇気は、私は持っておりません。できるだけ、資金の許す範囲内においては、国民金融公庫の方に回していただいて、逐次発展をしていきたいという考えを持っております。
○委員長(小西英雄君) えらいしとやかな発言ですが、中村総裁は、われわれ開銀総裁になってもらうことを大ぜい要望しておったが、われわれは、もっと非常に金融通で庶民を助ける福の神になるから、こっちの方が、ふところが狭くても適任だということをわれわれは考えて、大いに期待いたしたのですが、そういう点、また特別金融課長も近ごろ日陰者の小さな相互銀行とか、Bクラス、Cクラスくらいの銀行を監督しているのですが、ちょっとわれわれ考えるのは、大企業に対しては、どんどんと金をたやすく貸しておるように思うが、庶民が望んでおるのは、この国民金融公庫に期待するところが多いので、一つ担保がないから、非常に借りよいような印象を与えるのだが、なかなか実際は、そうはいかないので、そういう点は、今後、一つ十分勉強されて、庶民銀行の本能を発揮してもらいたい、そういう点を特に委員長から要望しておきます。
 ほかに御質疑はございませんか。――御質疑はないと認めます。では、これをもって国民金融公庫の部の質疑は一応終了したものとすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小西英雄君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
 以上をもって本日の審議は終了いたしました。
 次回は、明十月三十一日金曜日、午後一時より、昭和三十一年度決算、中小企業金融公庫、北海道開発公庫、日本開発銀行、日本輸出入銀行の審議を行う予定であります。
 では、これをもって委員会を散会いたします。
   午後五時二十五分散会