第033回国会 議院運営委員会 第18号
昭和三十四年十二月二十六日(土曜
日)
   午後零時十九分開会
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  委員の異動
本日委員江藤智君、小酒井義男君、田
畑金光君及び加賀山之雄君辞任につ
き、その補欠として鍋島直紹君、武内
五郎君、向井長年君及び杉山昌作君を
議長において指名した。
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 出席者は左の通り。
   委員長     高橋進太郎君
   理事
           塩見 俊二君
           田中 茂穂君
           阿部 竹松君
           光村 甚助君
           北條 雋八君
   委員
           天埜 良吉君
           石谷 憲男君
           鹿島 俊雄君
           北畠 教真君
           後藤 義隆君
           佐野  廣君
           鈴木 恭一君
           徳永 正利君
           鍋島 直紹君
           松野 孝一君
           村上 春藏君
           武内 五郎君
           椿  繁夫君
           中村 順造君
           横川 正市君
           米田  勲君
           向井 長年君
           杉山 昌作君
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   議長      松野 鶴平君
   副議長     平井 太郎君
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  事務局側
   事 務 総 長 河野 義克君
   事 務 次 長 宮坂 完孝君
   議 事 部 長 海保 勇三君
   委 員 部 長 渡辺  猛君
   委員部副部長  若江 幾造君
   記 録 部 長 岸田  実君
   警 務 部 長 佐藤 忠雄君
   庶 務 部 長 小沢 俊郎君
  法制局側
   法 制 局 長 斎藤 朔郎君
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  本日の会議に付した案件
○議案の付託に関する件
○国会の審議権の確保のための秩序保
 持に関する法律案(衆議院提出)
○継続審査要求の件
○各委員会提出の継続審査要求の取り
 扱いに関する件
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○委員長(高橋進太郎君) これより議院運営委員会を開会いたします。
 議案の付託に関する件を議題といたします。
 一昨二十四日、衆議院から提出されました国会の審議権の確保のための秩序保持に関する法律案についてでございますが、これをいずれの委員会に付託すべきかにつき、理事会において協議いたしましたところ、議院運営委員会、地方行政委員会の両論があり、完全な意見の一致を見るに至りませんので、本委員会に付議し、御協議を願う次第でございます。
 本件について御意見のある方は御発言を願います。
○田中茂穂君 ただいま委員長からお諮りになりました国会審議権の確保のための秩序保持に関する法律案の付託委員会の問題でございますが、昨日の本会議で提案者の佐々木盛雄君から詳細に提案理由の説明を聞きました。この法律の目的とされてうたわれておりまするのは、まず、国会周辺の静穏を保って、そして、いつでも国会の審議権が他の何人にも侵されない自由な審議が十分国民の総意に基づいてできるような雰囲気にしなくちゃならない。なおまた、国会議員の登院が何人にもじゃまをされない、侵されない、そのために必要な措置を講ずる必要がある。なおまた、陳情、請願につきましても、これを秩序のある静穏の中においてやるべきである、こういう要旨が今回の法律案の主目的であると私どもは判断いたしておるのでございます。先般来、この議院運営委員会でも皆様方も御同調されましたように、党派を超越して、国会の議事党の森厳さを保持しなければならない、こういう点につきましては皆さんも同調されておるわけでございまして、先月の二十七日に惹起したような、あのような不祥事態が今後再び絶対に起こらないようにお互いに努めなければならない。まあ、そういう趣旨でもございまするのでこれは議院全般にまたがる運営に関する問題であるわけでございます。なお、関連的に内容も、他の委員会を主張される社会党の御意見もございまするけれども、これは関連した問題でございまするので、主目的である、参議院――議院全体の運営のためにいかにすればいいかということが究極のこの法案の目的であるわけでございまするから、自由民主党といたしましてはこの付託先は、議院運営委員会に付託すべきであるというふうに考えておる次第でございます。
○横川正市君 まあ、付託すべき委員会の趣旨については、そういう趣旨でおそらく来たんだろうと思うのですが、その前に私は、疑点となっている点を一つ、議長あるいは委員長から明らかにしていただきたい。
 それは、昨日の本会議での質疑の中でも不明確のまま今日推移されておる問題でありまして、この衆議院と参議院との議長のそれぞれ職権の及ぶ範囲という問題ですが、この点については、きのう杉山さんから質問のあった内容について、最終的には提案者から答弁なしに終わっているわけで、この点は今回のこの秩序維持の法案にはきわめて関係のある問題でありまして、私どもはやはりこの点は明らかに提案者から聞いておく必要がある。かように考えていますが、そういう点で、衆参両院議長の職務の内容は私もよく承知いたしておりますが、職権の問題で、この法律案との関係が不明確であると思いますので、それを明らかにしていただきたい。なぜかというと、きのうの提案では、加藤議長から議運に二つの項目によって諮問をされたんだが、これはまあ院が違って、参議院の場合の松野議長の意思というのは、ほとんど私は働いておらないんじゃないかと、かようにまあ考えますので、その点から明らかにしていただかなければいかんじゃないか、かように思うわけです。まあ、これは議長からでも、委員長からでも、その審議の過程においてどのように論議をされて、結論されておるのか、その点をお伺いしたいと思います。
○委員長(高橋進太郎君) 横川君の御質問につきましては、若干理事会等におきましても問題になりましたから、一応事務総長から……。
○事務総長(河野義克君) 今の横川委員のお尋ねは、国会の審議権の確保のための秩序保持に関する法律案の中に規定されておる両院議長の権限、特に両院議長が都の公安委員会あるいは警視総監に対して要請をする際に、どういう様態でするのか、そういう点であろうと思います。それで、この点につきましては、本案が衆議院の佐々木盛雄君外四名の発議で発議され、衆議院から本院に提出されたわけでありますから、本案をしかるべき委員会において成規に審議せられる際に、あるいは説明として、あるいは質疑に対する応答として、提案者自体から聞かれるのがしかるべきかと存じますが、一応、私の承知しておる点をお答えする方がよろしければ、この際お答えしたいと思います。
 なお、誤解があるといけませんから、一応申し上げますが、本案は、衆議院の加藤議長が示された試案をもとに、衆議院の自民党の佐々木盛雄君外の方が発議されたわけでありまして、加藤議長の提案されました法律案の内容については、その段階ごとに参議院議長としては連絡を受けておりますけれども、内容については当方から意見を申し述べたり、あるいは協議したりしたことはございません。ただ法案の要綱ができた後において、法案がそのままで成立をいたしますれば、法案の施行に参議院議長も任ずる部面が相当多いわけでありますし、施行の責任を負わなければならない実際上の関係もございますので、法案の用語等の解釈がどうなるか、実際の運用がどうなるかというようなことにつきましては問い合わしておりますので、そういう意味合いにおきまして、ただいま問い合わせによって承知しておるところを申し上げます。正式には提案者からお聞き取りを願いたいということをもう一ぺん繰り返して申し上げます。
 そういう意味で申し上げますれば、両院議長が都の公安委員会あるいは警視総監等に要請をします場合に、両議院の議長は連名でこれをなすように運用したい、かような連絡に接しておりますし、私どもも運用としてそうなるというふうに了解をいたしております。
○横川正市君 私は、この法律案の提案をされた趣旨に非常に関係のある問題が運用上非常に重要だということで指摘されたと思うのであります。なぜならば、二十七日の事件が起こって、そうしておそらくこれが国会の権威保持のための具体的な話し合いということになれば、これは衆参両院の議長、副議長の手元で話されて、そうして現在議長、副議長の職務権限の中で及ぼす範囲内において国会の権威を高めるための方策ということで、それぞれ両院の立場というものが明らかにされて出てきたのならば、それは当然議運の委員会で、それぞれ衆参おのおの場所は違っても、同じ志で論議すると、こういうことになると思う。ところが、たまたま起こった事件は、私はニュースその他で見てそれを知る範囲内で判断すれば、明らかにこれは参議院議長の少なくとも権限範囲内において問題が起こり、取り上げたのは衆議院であって、衆議院の議長である。しかも、衆議院の方では議員立法をする、その立法にも、ああいう一党の単独審議なんということのないようにという配慮があったことは聞いておりますけれども、その配慮は無視されて、多数の与党だけで審議をしてしまう。その与党だけで審議をする案件をここで論議することも、いささか「ふ」に落ちかねる幾多の問題を持っているわけなんですが、それにも増して、今回のこの法律案というのは、現在までの議長権限の及ぶ範囲内での秩序維持という問題から逸脱をして、本来ならばこれは現行法として公安条例その他あるわけでありますから、無効、有効、いろいろ議論はあるといたしましても、警視庁のそういう現行法規で取り締まれる地域について、さらに何か議長が意思表示をすることによって、この警備の任に当たれるような格好まで拡大していこうということは、これ自体、私は非常に無理のある問題だと実は考えているわけなんです。そういう点からいくと、今、田中さんが静穏と登院と陳情という三つの点から議会の権威を保持するためだとは言いながら、法律の内容というのは、実はそうではなしに、この三つのものに少なくとも藉口して他のものを求めようとしている内容が非常に多いのじゃないか。しかも、参議院側は、衆議院の議員発議による法律案を審議する場合、当然私はあの事態というものを率直に判断をして、これはおそらくまあ衆議院であっても、参議院であっても、与党であれば意思は同じだと、こういうふうに私は、党関係の考え方はそうあっても、院を異にして、衆議院と参議院との立場に立って判断をするとすれば、私はこれはおのずと違った審議の内容というものが出てくるべきではないか。ことに、きのうは佐々木さんは、加藤議長の要望もあって、それで自民党で法律案をまとめたと、こう言っておるわけでありまして、それをそのまま私は参議院の議長の意思とは実は受け取れない。その法律をそのまま参議院側が受けて、そして向こうで議決をされた法律案を、われわれは独自な立場に立ってこれを審議をすると、こういうのが現在私どもが置かれている議運の立場だと、こういうことになれば、私はやはり案件の内容を十分審議した上で、かかるべき委員会というものは、私は独自の判断でいいのではないか。この参議院側にも、前回はそういう例があるわけです。ことに、院を異にしておる場合、たとえば衆議院側で大蔵委員会にかかった案件が、参議院側に参りますと内閣委員会で審議をするという例があるわけでありまして、必ずしも衆議院で議運でやったから参議院も議運でやらなければならないという趣旨のものではなくて、その法律案の持っておる目的、精神にのっとって委員会というものはきめられるべきであると、こういうふうに私どもは考えるわけです。ことに、この発議については、松野議長や平井副議長の意思というものは、ほとんど私は入っておらないと判断するわけです。ですから、そういう建前からするならば、ますます私は、院に起こった問題は問題として、それから三つの目的、精神を持つこの法律案は、その目的、精神を持つ法律案の内容に従って参議院側は独自にきめるべきである、こういうように考えておるわけなんでありますが、その点、田中さんの方では、衆議院と参議院との関係をどう考えておられるか。それから法律案の内容や目的、精神というものをどう考えておるか。単に今言ったような静穏、登院、陳情というようなものをやるのならば、あのさくの中の問題だけに限ればよいわけでありますから、そういう点をはずれて、外側までこれを実施するということになれば、きのう私どもの同僚議員の占部君も指摘されたように、やはり治安警察法の一部改正のような格好とならざるを得ないわけである。そういう点からいっても、私はやはり参議院側独自の見解というものを示すべきであると、かように思うわけでありまして、それぞれその趣旨にのっとっておられる提案者ないしは賛成者の意見を私は聞いておきたいと思う。
○田中茂穂君 今、横川君からいろいろお考えが出たわけでございますが、考え方はいろいろあろうと思います。
 まず第一点の、衆議院が議院運営委員会に付託されたから、それによって参議院も議院運営委員会に付託したいのではないかと、そういうようなお尋ねでございますが、そういうことは全然ございません。衆議院から成規の手続を踏んで参議院に回付されました以上は、参議院としては、これは独自の立場で判断をいたしまして、そうして適当な常任委員会に付託すべきものである、かように考えておるわけでありますが、この法案の趣旨というものが、あくまでも国会の権威を高めるため、また国会の審議権を確保するため、そのためにどうすればよいか、なおまた陳情、請願というものが静穏のうちに行なわるべきであるというような内容がうたわれておりまするので、これはあくまでも、私どもの見解といたしましては、これはやはり議院運営全般にまたがる問題であるというふうに考えておりまするので、先ほど申しましたような理由も含めまして、重ねて議院運営委員会に付託すべきものであると、かように私どもは考えております。
○横川正市君 これは私は、民主的な国会のあり方という点からいって、今の田中さんの意見というのは、きわめて国会独善的な考え方につながると思うのですよ。これは院の立場を保持するためなんだから、院の勝手な考え方でよい。しかも法律案は、こちらへ回ってきた状況からいえば、与党の単独審議で回ってきておる。ますますもってこれは衆議院の審議それ自体に、私は国会独善的な傾向というものが非常にこの法律案については強く印象づけられて私どもは受けておるわけです。だから、少なくとも参議院側では、やはり民主国会のあり方として、国民もそのことを要望し、また国会もそれにならって必要だと、こういう形を作っていくのか私は当然だと思うのです。だから、私が先ほど言うように、単にさくの中の議長権限の問題で立法措置をしたいというならば、私はそれは議院運営委員会で審議することがよいと思うけれども、しかし、この法律案それ自体は、そうではなしに、他に及ぶところ非常に多いわけです。そういう点からも、衆議院の独善を参議院が修正するとすれば私は明らかに、かけるべき委員会は、地方行政委員会で審議をして、そうしてその及ぶところは、議長また職務権限を行ない、国民またこれに同調し、ならうという、名実ともに民主的な立法措置をとるべきである。この独善をどこで直すかという立場というものを当然この際考えるべきじゃないだろうか。それにしては、議運という範囲は、いささか私は論議というものが狭過ぎると思うのです。今までの形態からいっても、院の運営に関する点ないしは庶務その他の関係について論議をしてきたわけでありますから、その点では、やはりこれは法律の持っておる内容からいっても、私は地方行政委員会で審議すべきだと、こういうふうに思うわけです。
○占部秀男君 今も横川君から一応質問があったわけですが、理事の方から言っていただけばよいのですけれども、わが党としては、この法律案は警察関係法規だから地方行政委員会にかけるべきであると、こういう主張をしておることは、御存じの通りであります。なぜそういうことを言ったかということは、きのうの本会議の質問の中にも明らかにしておりまするので、私たちは何も時間を無理に食わせようとは思いませんから、省略をいたしますが、今、田中さんのお話の中で、自民党としてはこういう考え方だから、この問題は国会関係法規であるそういうような考えで議運にかけるのだというふうに言われたわけでありますが、それは二つ出されておったと思うのです。一つは、この法案の目的が、国会の周辺の静穏を保つことによって、議員の登院やあるいは審議権の公正な行使というものを確保して国会の権威を高めるのだということと、もう
 一つは、議院全般にわたる運営の問題であるから、これを国会関係法規としてやるのだ、こういう二つの説明があったと思うのです。
 そこで私はお尋ねをしたいのですが、一体どの委員会に議案を付託するかということは、その法律案の持つ性格によってこれはきまるわけなんで、これは国会法や院の規則を見るまでもないと思うのです。そこで今、田中さんが一言った最初の問題ですが、静穏に国会の周辺を保つというその趣旨、その目的、これはわれわれも内容については賛成なんです。もちろん国会を静穏に保っていかなくちゃならない。ただ法律案の性格を論ずる場合においては、ではどういうような方法でこの国会周辺の静穏を保つようにこの法律案はなっておるのか、そういう点が法律案の性格をきめる場合には一番大事である。この点が一番本質的な点です。そこで、それを考えてみると、先ほど私が言ったように、きのうも佐々木盛雄さんが私の質問に対して答えた答えでは、議長の要請権というものの問題を出されておるのですのが、あれは率直に言って問題にならない。そういうことから考えると、この法律案は、率直に言えば、規制する対象も、規制する範囲も、道路その他の性格からいっても、規制される違法行為の性格からいっても、実はこの第一条の書き方が私は悪かったと思う。というのは、第一条は、「この法律は、国会が国権の最高機関である性質にかんがみ、国会議事堂周辺の静穏を保つことにより、国会議員の登院と国会の審議権の公正な行使を確保し、もって国会の権威の保持に遺憾なきを期することを目的とする。」こういうふうになっておるのだけどれも、案のこの内容から、今私が言ったように、この法案の本質を作るところのいろいろな条件から考えてみると、実は「(この法律の目途)」という項は、こう直さなければならない法案であったと思うのです。それは、「この法律は、国会が国権の最高機関である性質にかんがみ、国会議員の登院と国会の審議権の公正な行使を確保し、もって国会の権威の保持に遺憾なきことを期するように、国会議事堂周辺の静穏を保つことを目的とする」、こういう目的をほんとうは書かなければならない案の内容になっておると思うのですね。それはどういうわけでそういうことを言うかというと、これは言うまでもなく、私は法律の専門家でないから、よくこういうことについては言えないと思うのですが、一体法案なら法案というものがどういう性格のものであるかということは、法案の規定しておる目的と内容について、客観的に見て関連のある本質的な面というものはどれにもあるわけです、法律を作る場合にも、法律案の内容の中にも。そういうような点から考えてみても、どうも田中さんのおっしゃったことは、国会の権威を保つということに無理におっかぶせて、法案の性格というものを国会関係の法案だというようにするために説明されているとしか、われわれには受けとれないということが第一。第二は、議院全般にわたる運営と言われるのですが、その点は実は主張できないじゃないかと思う。というのは、議院全般にわたる運営であろうが、議院の一部分の通常であろうが、議院の運営というものはあくまで院内事項である。これは田中さんもそうじゃないとは言えないと思う。議長のやられている権力作用というものは特別権力作用であって、一般的な警察関係の権力作用とは別です。なぜかというと、言うまでもなく議院には議院の秩序を守る自律権もある。また自律権の最高の責任者として自律権を管理する責任を持つ議長がある。そういうことから、一般の道路その他院外のいわゆる一般国民大衆に対して管理者を持っていない院外の場合と、院内の場合に、これは分かれている。ところで、この法案の内容は、私が昨日も申しましたように、道路なら道路というようなものを指定して、この道路は国会構内とみなす、こういうふうな法律案になっているならば、あなたのおっしゃったように、議長の院内警察権なり院内権力なりが及んで、そしてあなたのおっしゃるように、これは議院全般にまたがる運営の問題であると言い得る。ところがそういうような措置はなされてない。あくまで院内と院外とはっきり規定されて分かれている以上、無理にこれを院内というのはちょっと私はおかしいと思う。
○田中茂穂君 今、占部さんから、法案の内容につきまして相当詳細にお述べになって、こうだから地方行政委員会に付託すべきじゃないかというような内容にまで触れられて、先ほど来の横川さんと同じような御意見をおっしゃったわけでございますが、どの法案でも、どの委員会に付託するかということは、これは占部さんがおっしゃったように、その法案の持つ性格、内容によって判断すべきものであることは同感です。この法律案は、先ほど来申し上げておりまするような見解をもって、これは国会の審議権を保持するのだということが主目的でありますから、一応議院運営委員会に付託をして、その審議の過程において、そういう関連のある問題が起こってくれば、これはまたそのときに付託された委員会の理事会がお取り上げになるべき問題でございますので、この法案の性格、内容から判断して、議院運営委員会に付託をしてそのあとの法案の審議については議院運営委員会の理事において話し合いをすべきものである、かように私は考えております。
○委員長(高橋進太郎君) ほかの会派の意見を伺います。
○北條雋八君 私は、昨日のこの委員会でも申し上げましたが、地方行政委員会に付託した方がいいと思う。理由の第一点は、本案はきわめて重要な法案でございますから、慎重審議をすべきことはもちろんでありまして従ってそのためには相当の審議日数が必要であるということが理由の一つでございます。第三には、本案の目的は国会審議権の確保に置かれておるのでありまするが、この主たる方法といたしましては、院外である国会周辺道路その他におきまする警察権による一般大衆のデモ規制を規定しておるので、議長の有する院内警察権との関係等で本案について違憲の疑いがある。また取り扱い上の間違い等が起こらないように、主として警察権の問題を中心に疑義のないように審議するのが必要であるということが二点でございます。それから第三番目には、議院運営委員会にこれを付託されても、連合審査会、あるいは委員外の発言がありますから、それによりまして審議に慎重を期して、一そうその点は補いがつくじゃないかというようなこともありまするけれども、これはその反面におきまして、そういう道は開かれておりまするけれども、その連合審査会あるいは委員外の発言というものはその頻度が非常に少ない。そういうことを考えますれば、やはりこの法案は警察権についての質疑応答が非常に多いと思いますから、警察権を審議する地方行政委員会に付託されるのが一番いいんじゃないかというふうに思う次第でございます。なお議院運営委員会は、各派の意見を尊重しましてそうして議会の運営をスムーズにするという委員会でございますので、そういう点から言いましても、非常に時間的にも余裕のない委員会であると思いますので、そういう点からも地方行政委員会の方が都合がいいんじゃないかというふうに考える次第でございます。
○向井長年君 私の方は、大体この法案が出された主因は、だれが何と言っても十一月二十七日のあの不祥事だと思います。こういう立場から考えまするならば、こういう法案は絶対賛成しない立場であります。しかしながら、一応昨日いろいろ質問がなされ、なおわが会派からもこれに対しての質問をいたしましたが、完全な答弁がございません。まあこういう中で、この内容を審議するという前に、私たちは少なくとも、こういう不祥事を起こした問題について、現在衆議院におきましては副議長は辞表を提出しておる。あるいはまた議長もこれに対する責任の追及がなされておる。こういう中で、参議院の議長は、これに対して非常に、何と申しますか、無関心な感じでおるのじゃないかと非常に遺憾に思っておる。まあこういう立場で、この議案の本審査に入るまでに明確に議長がこれに対しての善処をしなければならぬ、こういう立場を堅持いたしております。そういう立場から考えまするならば、この法案のいわゆる内容というよりも、この目的から考えまするならば当然、議院運営委員会になるのじゃないか、こういう考え方を持っております。しかしながら、そういう議院運営委員会の中で内容の審議に入るまでに、まず議長がみずからこれに対するところの責任を明らかにすべきである、こういう態度で審議に臨んでおります。
○杉山昌作君 この法案の内容を見ますと、たしかに国会の構外において警察権を使用するということが事柄としては中心になっておるように思います。従って、これは地方行政委員会だということはよくわかります。しかし、さらに目的は国会の審議権の確保にある。また内容におきましても、議長の要請というような具体的なこともきめられておるということからいって、議院運営委員会が無関係であり得るはずはない。そこで、どちらかということになるのでしょうが、私の方は、この問題の取り上げ方は、きのうの本会議の質問でも申し上げた通りに、先般の不祥事件の善後措置としていろいろな方法があり得るはずなんであります。その一つの方法としてこの問題も取り上げる、こういうふうな取り上げ方をいたしております。そうすると、問題はこの法案だけを浮かせてこれだけを審議するということなく、先ほど申したように地方行政ということが相当私は理由があるように思いますけれども、これだけを浮き上がらせるのじゃないので、先般の不祥事件の善後措置としていろいろな方法を考えながら、それらのうちにおいてこのやり方をどう考えるか、従ってまた、それとの関連においてこの法案の内容をどう変えるか、あるいはこの法案に添えて、さらにこれこれの方法もあるのじゃないかということも、やはり審議の過程では十分出てこなければならぬことだと思うし、またそういうことになりますれば、結局国会の運営とかいうことが中心になるとすれば、やはりどうしても議長の御所見を伺わなければならないというような機会もほかに出てくるのじゃないか。そういう際に、従来の関連からいきまして、議院運営委員会でしたら常に議長もおいでになっておりますしまた所見を承った事例も多うございますけれども、地方行政委員会とかほかの委員会でやっているところへ議長においでを願って所見をただすというようなことは、まあ従来は例がなかったのじゃないかと思います。これらの慣行等をも考えれば、法案内容も冒頭に申し上げた通り議院運営委員会に関係がないのじゃなく、大いに関係のあることでありますから、その取り上げ方、運用の便宜というふうなことから考えて、議院運営委員会でやるのが至当であろう、かように考えております。
○米田勲君 各会派の方々の御意見がありましたが、私たちは今衆議院から回ってきたこの法律案の審議を尽くすのにどうするかということを考えているのですから、その法案以外のことを――関連してとはいいながら、法案以外のことをも審議することを配慮して、扱う委員会をどこにするかという御意見は、意見としてはそういう意見があるかもしれませんが、やはり私としては、純粋な本案自体の審議を尽くす場所はどの委員会が妥当なのかということを、それ一本で考えればいいものだと思います。そこで私は、この法律案の持っておる性格がどうであるのかということを見きわめて、どの委員会がその審議をするのに妥当であるかという慣行論も考えて決定をするのが正しい。自民党の方々はすでに党議できまっておるので、みな同じような主張をしてあわよくば数できめてしまうぞという意気込みかもしれません。しかし私たちは参議院の、良識の府と人が言っておるようなこういう場所なんですから、特にまた衆議院では、どうもああいう審議ではね、と第三者が批判をしておる。そういう批判の過程を経て回ってきた法律案ですから、あまり数などでなしに、ほんとうにこの法律案の持っておる性格から見てどこが正しいかということを、私たちの主張にも一度耳を傾けて雅量を示してもらいたい。
 ところで、きのうの佐々木さんの本会議における趣旨説明の中にはこういうことがありました。議長はその状況によって判断をして公安委員会あるいは警視庁等に事態の処置について要請をする、しかし、そこに発動をせられた警察権、警察作用というものに対しては、議長は責任がないという主張なんです。ここを私はやはり考える必要がある。もう一つは、私はどうもこの法律案が、文字通り国会の構内における議員だとか国民の行動について規制をする性格の法律案であるなら、文句なしに私は議運だと思います。ところが、これは目的はどううたってありましょうとも、明らかに国会構外の行動における、しかも国民の行動に対する規制をしようとする性格を明らかに持っているわけです。だから、やはりそういう法律案の性格から見ても、さきに申し上げましたような理由からも、やはりこれは、へ理屈ではなしに、地方行政委員会で十分に審議する方がいいのであって、田中さんも、必要があればそちらの方も一緒になってというお話がありましたが、やはりこれは建前としては、地方行政委員会で審議をし、必要があれば――というふうなのは、逆に解した方が本筋になってくるのだというふうに思いますので、この点は自民党の方々も、議運で本案の扱い方に、しゃにむに、へ理屈と数できめてしまったということのないように、一つお互いに雅量を持って措置しなければうまくないと思います。私はそういう主張から、やはり社会党の人たちが言っておるように、議院運営委員会でなしに地方行政委員会で審議を尽くすべきだという主張をいたします。
○阿部竹松君 いろいろ意見が出ておるようですが、私どもは運営委員会としてはやはり将来のことも考えておかなければならないと思うのですね。従ってわが方の委員から、法案の中身がかくかくであるからという理由についてるる説明をし、地方行政委員会ということで主張しておるのだが、わが方の委員が意見を述べるまでもなく、皆さん方も御承知の通り、本法案を全部持っておられるようですが、九〇%までともかく今問題になっておるように、地方行政委員会に付託すべき筋合いのものなんですね、内容が。ですから、そのときの一片の党利党略なんかを抜きにして、やはり当然将来のためにもこういう法案の内容というものは十分理解した上で委員会に付託すべきものだということで、僕たちはあくまでも主張いたしますし、特にこの法案ができたからといって、とにかく万全であるということは僕は毛頭考えられません。国会の中に、汚職とか、あるいは選挙違反で警視庁につかまったという議員がたくさんおって、そうして若い諸君が怒って来て、それがけしからぬからといって警察権の発動をして抑えるというのは、僕は政治としては下の下だと思うのですよ。少なくともわれわれが誠実な政治をやれば、こんな法律なんか作らなくたって、若い青年諸君は押しかけてきませんよ。それを一片の法律をもって押さえようというところに無理があるし、その抑えるという方法は一切警察権力を発動してやるというのだから、百歩譲っても、一つの警察権力の問題をどこの委員会でやるかということは明々白々でしょう。これはいろいろ論議して法案の中身を審議する過程においてもあらゆる問題に関連してくる。この道路はどっちの管轄か、そっちの道路はどっちの管轄かということになれば、やはり当然地方行政委員会の問題であるということはあまりにも明白です。ですから、各会派の意向等にもあったように、これは緑風会さんにしても、あるいはまた民主社会クラブにしても、全然地方行政委員会にかけるのは反対だとは言っておらぬ。緑風会さんは、議長においで願うという今までのルールからどうかという意見だし、あるいはまた民主社会クラブにしても、これは議長の責任をどうしようかということで問題があるからということで議院運営委員会だろうということを言っているので、あくまでも本法案の内容は運営委員会だということは、これはもう田中理事の所属している自由民主党だけですよ。ですから、私は党利党略とか与野党とかいう立場を除いて、この本法の本質というものが九〇%まで警察権をどうするかという問題にあるのだから、当然それは地方行政委員会がそういう問題を今今日まで論議してきたのだし、今後も論議することになるのだから、これはやはり明確にここで理解し合って、どこの委員会に付託したって結論は同じかもしれませんが、そうすると、当然これは慎重に扱ってきた委員会がやるのが当然でしょう。ですから委員長におかれてはそのように取り計らっていただきたい。
○光村甚助君 これは私は案の内容を言うのじゃないのですが、かりに八条を見ましても、会館からこの中に入って来るのにだれかが阻止した、これをこういう法律で「一年以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。」、この一例をとって見ても、天下の公道なんですから、どこかの暴徒が私が会館からこの中に入って来るのに何か阻止しよう、これに対する法律を作るのに、たまたま私が議員だというだけでこれを議院運営委員会でやるということは、私はどうにも納得できない。そうしなくても、別な法律でこれはりっぱに刑法で取り締まれるのですね。田中さんが自分の家から登院したいと思っているのに、自分の玄関に暴徒がおってこれを阻止する、これは登院ができないからといって、これは逸脱するかもしれませんが、かりにこれも議院の運営だということになりますか。ただ、さっきからの人たちがいろいろ言われるが、私は国会の中のことは言いません。外で起こったことが大部分なんです。そういうのは当然これは警察の問題は地方行政で扱っているのだから、重複することは言いませんが、私は七条、八条の趣旨から考えても、これは当然地方行政委員会に付託すべきである、私はこう考えております。
○委員長(高橋進太郎君) なお御意見もあろうと思いますが、大体各会派の意見は尽きたと思いますので採決いたします。本案を議院運営委員会に付託すべきものと決定することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(高橋進太郎君) 多数と認めます。よって本案は議院連帯委員会に付託すべきものと決定いたしました。(発言する者多し)
  暫時休憩いたします。
   午後一時八分休憩
   ―――――・―――――
    午後六時二十九分開会
○委員長(高橋進太郎君) これより議院運営委員会を再開いたします。
 国会の審議権の確保のための秩序保持に関する法律案を議題といたします。
 本案につきましては、その取り扱いにつき理事会において協議いたしました結果、会期末に衆議院より提出され、本委員会に付託されたものであり、かつ、その内容等にかんがみ、これを慎重に審議を行なう必要があると認められますので、閉会中もなお継続して審査することとし、継続審査要求書を議長に提出することに意見の一致を見た次第でございます。
○米田勲君 それは、継続審議をするというふうに理事会で話が一致したのですか。
○委員長(高橋進太郎君) さようであります。
○米田勲君 それはどういうためなんですか。
○委員長(高橋進太郎君) 慎重審議するためであります。
○米田勲君 いや、その慎重審議をまた聞きたいのだ。慎重審議というのは、どういうことをなさるということなんですか、具体的には。具体的な話はないのですか。
○委員長(高橋進太郎君) 私からお答えします。先ほどの議運の委員会で議運に付託されましたので、これは継続審議ということになりますれば、あらためて来国会におきまして議運を開きまして、従って十分各位の慎重審議に対するいろいろな御意見があると思いますので、それらを十分取り入れて日程その他をきめ、そうしてまた、いわゆる慎重審議をやろうということであります。
○阿部竹松君 わが党としては、終始一貫この法案は地方行政の常任委員会にかかるべきものだということを主張いたしました。これはまあ午前中の委員会で、委員長の計らいで多数決によって決定したのですから、これはわが党としてもやむを得ないものだと了承します。ただ、そこで今米田委員から発言があったことは、これは衆議院の方で、慎重審議といっても、やはり一日か一日半で上げたということから、慎重審議ということについてきわめて危惧の念を持っているのじゃないか、こういうふうに私も思っておりますし、米田委員もそうであると思います。従って、運営委員会に付託された以上やむを得ないが、地方行政委員会あるいは法務委員会とあるいはまた連合審査を持っていただくとか、あるいは公聴会を持っていただくとかということで、百五十日間の会期ですから、全部百五十日間参議院に置くということは、これは両院あることですから不可能だとしても、衆議院のような審査方法でないように質問したのだと思いますので、この際そういうことのないように、委員長においても、この法案が審議される場合には、格段の配慮をお願いしたいと思います。
○委員長(高橋進太郎君) 阿部君にお答えいたします。そういうような御趣旨もあって、これは今お諮りしている継続審議にしようじゃないか、そうして来国会で十分慎重審議しようじゃないかというのでお諮りするということに相なったと思います。
 本案の取り扱いにつきましては、右理事会申し合わせ通り決することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高橋進太郎君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
  ―――――――――――――
○委員長(高橋進太郎君) 各委員会提出の継続審査要求の取り扱いに関する件を議題といたします。
 委員部長の報告を求めます。
○参事(渡辺猛君) ただいま本委員会で決定になりました国会の審議権の確保のための秩序保持に関する法律案の継続審査を加えまして、お手元の資料の通り、各委員会から継続審査の要求書が提出されております。
○委員長(高橋進太郎君) 本件をただいま報告のありました各要求の通り決することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高橋進太郎君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
 暫時休憩いたします。
   午後六時三十三分休憩
   〔休憩後開会に至らなかった〕