第034回国会 大蔵委員会 第5号
昭和三十五年三月一日(火曜日)
   午前十時五十一分開会
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  委員の異動
二月二十五日委員大矢正君辞任につ
き、その補欠として江田三郎君を議長
において指名した。
二月二十六日委員江田三郎君及び加藤
正人君辞任につき、その補欠として大
矢正君及び杉山昌作君を議長において
指名した。
  委員長の異動
二月二十六日加藤正人君委員長辞任に
つき、その補欠として杉山昌作君を議
院において委員長に選任した。
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 出席者は左の通り。
   委員長     杉山 昌作君
   理事
           上林 忠次君
           山本 米治君
           大矢  正君
   委員
           大谷 贇雄君
           木内 四郎君
           木暮武太夫君
           河野 謙三君
           西川甚五郎君
           林屋亀次郎君
           堀  末治君
           野溝  勝君
           平林  剛君
           原島 宏治君
           天田 勝正君
           須藤 五郎君
 政府委員
   大蔵政務次官  前田佳都男君
   食糧庁長官   須賀 賢二君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       木村常次郎君
  説明員
   大蔵省主税局税
   制第一課長   塩崎  潤君
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  本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選の件
○補助金等の臨時特例等に関する法律
 の一部を改正する法律案(内閣送
 付、予備審査)
○国際開発協会への加盟に伴う措置に
 関する法律案(内閣送付、予備審
 査)
○昭和三十四年産米穀についての所得
 税の臨時特例に関する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
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○委員長(杉山昌作君) それでは、ただいまから委員会を開きます。
 まず、委員の変更について報告をいたします。去る二月二十五日に大矢君が委員を辞任されましたが、翌日付をもちまして、また委員に選任されました。
 つきましては、大矢君は理事の資格を一たん失うことになりましたので、委員長は、前例に従いまして、この際、理事に大矢君を指名いたします。
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○委員長(杉山昌作君) 次に、補助金等の臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案及び国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律案について、提案理由の説明を聴取することといたします。
○政府委員(前田佳都男君) ただいま議題となりました補助金等の臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案及び国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。
 まず、補助金等の臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
 政府は、国の財政の健全化をはかる等の目的から、補助金等の整理合理化につきまして、昭和二十九年度以降の予算において所要の措置を講ずるとともに、法的措置を講ずる必要があるものにつきましては、補助金等の臨時特例等に関する法律により、その特例措置を講じてきたのであります。
 政府といたしましては、補助金等の整理合理化につき、今後ともなお調査検討を進めて参る所存でありますが、昭和三十五年度予算の編成にあたりましても、各種補助金等につき検討の結果、一般的には、同年度においても引き続き同法による特例措置を講ずることとし、その有効期限を昭和三十六年三月三十一日まで延長することといたしました。
 なお、漁船損害補償法及び外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法に基づく補助金のこの法律による特例措置につきましては、検討の結果、この特例措置を恒久化することが適切と考えられますので、別途それぞれ関係委員会において御審議をお願いすることといたしております漁船損害補償法の一部を改正する法律案及び外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法の一部を改正する法律案におきまして、それぞれ、特例法の規定の趣旨にのっとった改正を行なうこととし、あわせて補助金等の臨時特例等に関する法律中の特例措置の規定を削除することといたしておりますので、御了承いただきたいと存じます。
 次に、国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律案について申し上げます。
 この法律案は、別途御審議を仰ぐこととなっております国際開発協会協定に基づきまして、わが国が国際開発協会に加盟することに伴い必要な措置を規定することを目的とするものであります。
 国際開発協会、すなわちいわゆる第二世銀は、世界経済の繁栄のためには先進諸国が一体となって低開発諸国の経済開発を援助することがきわめて重要であるとの認識に基づきまして、新たに設けられることとなった国際的な開発金融機関であります。このような国際機関としてはすでに世界銀行等があるわけでありますが、それらの性格上融資の対象、条件等におのずから制約があり、そのため低開発諸国の開発援助をより効果的な方法により促進するため新たな国際機関を設立することが要諦されたのであります。
 国際開発協会は十億ドルの資本金で世界銀行加盟国により構成されることになっていますが、わが国は、従来からの低開発諸国に対する開発援助に加えて、このような国際機関による活動が一そう効果をもたらすものと考え、進んでこれに加盟しようとするものであります。
 次に、この法律の概要を申し上げますと、国際開発協会協定により、わが国の出資額は三千三百五十九万合衆国ドル、すなわち百二十億九千二百四十万円となっておりますので、政府は、この金額を限度として同協会に対して出資し得ることを規定いたしました。この出資は金または自由交換可能通貨で行なうこととなっております。なお、協定によりますと、自由交換可能通貨として本邦通貨を出資することが認められております。
 次に、協定によりますと、出資額の一部については、それが本邦通貨である円で払い込まれる場合には、本邦通貨の払い込みを国債の交付によってかえることが認められておりますので、この出資のために協会に交付する国債の発行等に関して必要な事項を規定いたしました。
 なお、この国債は、協会から要求のあり次第直ちに現金で支払われるべきものでありますので、政府は協会からこの国債について償還の要求があった場合には直ちに償還を行ないますとともに、償還財源に不足がある等のため償還ができない場合を考慮いたしまして、政府はその償還できない金額に相当する国債の買い取りを日本銀行に対して命ずることができることといたしたのであります。
 次に、協会が保有する本邦通貨その他の資産の寄託所として日本銀行を指定することといたしました。
 以上がこの二法律案の提案の理由及び内容の概略でございます。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。
○委員長(杉山昌作君) ただいまの二法律案に対する補足説明並びに審議は後日に譲ります。
○委員長(杉山昌作君) この際、昭和三十四年産米穀についての所得税の臨時特例に関する法律案の補足説明を聴取いたします。
○説明員(塩崎潤君) 昭和三十四年産米穀についての所得税の臨時特例に関する法律案につきまして、補足説明を申し上げます。
 この法律案は、御承知の通り、昭和三十三年産米から行なわれましたところの事前売り渡し制度措置に伴いますところの奨励措置として始まりましたことは、御承知の通りでございます。その後、毎年その奨励措置といたしまして、毎年々々単独の法案を出しておるわけでございますが、昨年においても米価審議会におきましてこの存廃につきまして相当な議論がありました結果、なお昭和三十四年産米につきましては存続することが決定いたしましたので、それに基づきまして御提案申し上げておりますのがこの法律案でございます。従いまして、この法律案は毎年出しております法律案とほとんど違いがございません。御存じの通り、平均、百五十キログラム、すなわち一石千四百円を総収入金額から控除するという内容を持つものでございます。そこで、三十三年産米についての特例との違いを御説明申し上げまして、補足説明にかえさせていただきたいと存じます。
 三つばかり三十三年産米についての特例と違いがございます。第一点は、売り渡し申し込み期限でございます。三十三年産米につきましては、八月二十五日が売り渡し申し込みの期限でございましたが、収穫時期が各地によって違います関係上、本法律案におきましては二段階に分けまして、東北六県、北海道、新潟、富山、石川、福井の五道県につきましては八月二十一日まで、その他の地域につきましては九月二十一日を申込み期限といたしております。この点が第一の違いでございます。第二の違いは、売り渡しの最終期日でございます。前年におきましては二月の二十八日が最終期限であったわけでございますが、本年はうるう年でありますので、二月二十九日が最終期限となっております。第三の違いは、売り渡しの時期でございます。三十三年産米におきましては、東北六県と長野県と新潟県の産米につきまして、収穫時期が少しずれましたので、二期、三期、四期、この売り渡し時期につきまして三日ないし五日程度のずれを認めておりましたが、今回は一律にいたしております。
 いずれも、この期限はこの法律案では書いておりますけれども、本来農林省の告示によってでき上がっておるものでございまして、七月六日に出ましたところの農林省の告示及び七月十八日の農林省の告示に基づきましてきめられましたところの申し込み期限、売り渡し最終期日、売り渡しの時期、これに対しまして、先ほど申し上げました平均一石当り千四百円の控除をいたそう、こういう内容のものでございます。
 簡単でございますが補足説明を終わらしていただきます。
○委員長(杉山昌作君) これより質疑に入りますが、政府側は、大蔵当局のほかに須賀食糧庁長官も見えておりますので、御質疑のある方は、順次、御発言を願います。
○大矢正君 三十四年度の国内の米の需給の見通しというものと、それから、同じく準内地米を含む外米の輸入見込みについて、概略御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(須賀賢二君) 三十四年産米の需給の見通しでございますが、三十四年産米は、あらためて申し上げるまでもございませんが、大体昨年十一月から本年十月にかけましての、私どもが三十五米穀年度と称しておりまする米穀年度の引き当てになります米でございます。三十四年産米は、御承知のように、非常な豊作でございまして、生産高は八千三百五十万石、まさに記録的な収量になっております。それに応じまして、集荷の方も非常に順調に進んで参りました。当初の予約量は三千六百万石であったのでございますが、実際の集荷はそれを相当上回りまして、最近までに集まりました総数量は三千七百三十万石になっております。最終的の集荷見込みは三千七百五十万石と推定いたしておるわけでございまして、あと三月の終わりぐらいまでに二十万石程度集荷されまして、最終的には三千七百五十万石の集荷と相なるのではないかと考えるわけでございます。
 それで、昨年の十一月から、配給の面につきましては、約一日半の増配をいたしまして、現在は六キロ配給、月間一人当たり内地米を六キロ配給をいたしております。六キロと申しますのは、日数計算をいたしますと十六・四日分に当たるわけでございまして、去年の十月以前より約一日半分の増配をいたしたわけでございます。
 それで、三千七百五十万石の内地米の集荷を前提といたしまして、今後六キロ配給を続けて参りますと、大体、これは三十五年産米がどういう生産状況になるかによりまして、将来は多少影響を受けるわけでございますが、目下の私どもの需給推算からいたしますと、三十四年産米三千七百五十万石、それから三十五年産米につきましては、一応平年作を前提といたしまして、三千四百万石の集荷を前提といたしまして、来年の三十六年の一月まで六キロ配給を継続して参るつもりでございます。それ以降は、三十王年産米の集荷の状況によってきまるわけでございます。一応三千四百万石の集荷を前提といたしますと、三十六年二月以降は五・五キロの配給ということで一応計算を組んでいるのでございます。内地米につきましては、ただいま申し上げましたような状況でございます。
 また、内地米の主食用以外の最も大きな需要は酒米でございます。酒米につきましては、本年度は、大蔵省といろいろ打ち合わせをいたしました結果、百六十万行程度の引き当てをいたしておるわけでございます。その他は、内地米につきましてはそれほどまとまった大きな需要はございません。
 それから、外米でございますが、外米につきましては、本年、三十四年産米は非常な豊作でございますので、これに合わせまして、外米の需給につきましても、その後の実際の事情等を踏みまして、需給計画を組み直しているわけでございます。それで、外米は、大きく分けまして台湾米、韓国米等の、私どもが準内地米と称しておりますいわゆる丸粒の外米と、タイ米、ビルマ米等のいわゆる長粒の外米と、二通りあるわけでございまして、このうち準内地米と称しております台湾米につきましては、大体三十五米穀年度の需要は十六万四千トン程度に兜積もっております。それから、いわゆる普通外米と称しておりますタイ、ビルマ米につきましては、大体丸粒の米と工業原料に使いまする砕け、ブロークンと、両方入って参るわけでございますが、それの両方合わせまして、需要量は大体十五万トン程度に見積もっているわけでございます。
 それで、ただいままでにきまっておりまする外米の輸入計画は、準内地米につきましては、台湾米を十五万トン、それから韓国米の輸入問題が、目下日韓交渉とのからみ合いにおきまして交渉の継続中でございます。それから、普通外米につきましては、現在きまっておりますのは、ビルマ米の四万五千トンが決定をいたしておるわけでございます。タイ米につきましては、現段階ではまだ最終的にきまっておりませんが、六万トン以上のものをビルマ米は買い付ける予定でございます。
 現在までにきまっておりまするものは、ただいま申し上げましたような状況でございます。
○大矢正君 国内の産米の量と、それから国内の実際の需要量とを比較して、今日の状態では、どの程度の実際米が不足しているか。これは、単に政府の集荷したものを配給をするという、その正式のルートだけの問題ではなくて、総体的にながめてみた場合に、需要と供給の状況はどういうようになっているのか、御説明いただきたい。
○政府委員(須賀賢二君) これは全体の生産量と、農家、一般消費者の全体を引っくるめました総体の消費量との見合いでございまするので、現在の段階において、内地米の需給がなお不足をしておるのである、あるいはおおむね充足をしておるのであるというような点は、非常に判断がむずかしい問題でございます。大都市等の内地米の需要につきましても、現在、先ほど申し上げましたように、六キロ配給をいたしておりまして、六キロ配給と申しますのは、言葉をかえて申し上げますと、十六・四日分の配給をいたしておるわけでありますが、これにつきましても、大消費地の見方といたしましては、なお二日ないし三日くらいの増配の余地があるという見方もありまするし、また一面、大体現在程度の配給でおおむね内地米の需要は充足をしておるのではないかというような見方もあるわけでございます。それで、現在、米が大体ことしあたりの生産状況で一応間に合っておるかどうかということは、それらの点から考えまして、非常に判断がむずかしいのでございますが、いろいろ私どもが、あるいは家計調査の資料でありますとか、そういうようなものでいろんなデータを積み重ねまして判断をいたしますると、内地米につきましては、ただいまの段階では、まだ所得の伸びに応じましてある程度の需要の伸びはあるようであります。いわゆる消費弾性値と称するものでありまするが、これはまだプラスの価に出ておりまして、なお所得が伸びれば米の消費が伸びる、そういうような関係になっておりまして、所得の面からの消費増というものも、まだ今日内地米についてはある。それからなお、人口増による伸びは当然あるわけでありますので、かりにまあ本年八千三百五十万石の収量を前提といたしまして、現在の食い方で一応需給がバランスしておるといたしましても、今後の問題としましては、まだ現在の段階では、年率、ごく大ざっぱに申しまして、百万石程度の追加需要はあるということに考えております。
○大矢正君 最近の最も新しい統計で、外米、準内地米を含む外米の在庫というのはどのくらいあるのですか。
○政府委員(須賀賢二君) これは月別の刻みでございますので、去年の十一月一日、いわゆる三十五米穀年度に切りかわりましたときの在庫量を申し上げますのが一番適当かと思いますが、それは、準内地米につきまして十四万三千七百トン、それから普通外米につきまして十一万二千五百トン、砕け米につきまして三万一千三百トン、合計いたしまして、この三十五米穀年度の当初、昨年の十一月一日現在の持ち越しが二十八万七千五百トンでございます。
○大矢正君 準内地米を含む外米の在庫量というのは、最近増加の傾向にあるのか、それとも減少の傾向にあるのか、横ばいの傾向にあるのか。
○政府委員(須賀賢二君) ここ三年ばかり前は、外米の消費も相当大量に上っておりましたので、勢い在庫量も相当大量あったのでございますが、逐年在庫を減らす努力をいたして参ったわけでございます。年々、米穀年度当初の在庫は減らすように努力をして参ったわけでございます。
○大矢正君 内地米の予備として外米を置く場合に、外米というのは普通一般的にはどの程度の量が必要なんですか。
○政府委員(須賀賢二君) 三十五米穀年度について考えますと、これは六キロに増配もいたしました関係もありまして、当然主食用等の消費が減るわけでございますが、現在、私どもが踏んでおります需要といたしましては、準内地米につきましては、大体月に一万三千トン程度、それから工業用の需要が、準内地米につきまして年間約六千トンぐらいございます。それから、普通外米につきましては、毎月大体四千トン程度が主食用等の需要でございます。それから、普通外米の工業用の需要は、年間約三万一千トンぐらいございます。それから、砕け米は、これは全部工業用でございますが、これは年間大体六万トン、五万六千トン程度の需要を見ておるわけでございます。特に、この主食用の準内地米月間一万三千トン、普通外米四千トンは、最近の需要傾向を織り込みまして本年度の需要の見通しを立てて計測をいたしました数字でございます。昨年あたりはもう少しこれより上回っております。
○大矢正君 最近、新聞等によると、台湾米はもちろんのこと、タイ、ビルマ米、それから、さらには韓国米というふうに、非常に日付量が多くなってきていると思います。事実上外交交渉あるいは貿易等の関係もあることでしょうから、ある面では買わなければならぬ点も出てくるでしょうけれども、実際に必要量よりは相当大幅にふえるというような説が一部なされておるわけでありますが、この点について食糧庁としてはどういうふうにお考えになっておるわけですか。
○政府委員(須賀賢二君) 先ほど申し上げましたような需要によりまして、先ほど申し上げました台湾米は十五万トン、それから外米につきましては、ビルマで四万五千トン、タイで六万トンないしそれを若干上回る程度、その他あるいはベトナム、カンボジアといったようなところが若干あるわけでございますので、それらを含めまして、私どもが目下買付を予定いたしておりますものと、ことしの期初持ち越し、それから本年の需要というようなものから総合的に判断いたしますと、三十五米穀年度の当初の持ち越しは、さきに申し上げましたように、二十八万七千五百トンであったのでございますが、これに対しまして、ことしの十月末、いわゆる三十五米穀年度の期末の打ち越しは、大体二十四万六千トンくらいになると見積もっておるわけでございます。ただ、目下問題になっておりまする韓国米の輸入がこれに加わりますと、その数量だけ期末持ち越しがふえるわけでございまして、韓国米の輸入の問題がなかった以前におきましては、ことしの期初持ち越しより期末持ち越しを四万トン程度減らし得る計算で進めておったわけでございます。その韓国米の問題が、日韓交渉の問題ともからみ合いまして出て参ったわけでございます。もしこれが今交渉になっております程度に入りますと、期末の持ち越しは、この年度の期初の持ち越しに比べますと、一万トン程度少ないという程度に終わるのではないかと考えております。
○大矢正君 韓国米は、何か話に聞くと、玄米でなくて精米だというんですが、精米ということになると、貯蔵の点からいって非常に問題が多いんですが、それはどういうようなことにするのですか。
○政府委員(須賀賢二君) 韓国米は、これは私ども現在の交渉段階におきましても、玄米で輸入をしてもらうように農林省といたしましては強く主張いたしております。と申しますのは、韓国米は昭和二十五年に入れましたのが最後でございまして、約十年間韓国米は入っておりません。それで、その後品質等がどういうふうに変わっておるか、その辺の最近のデータもございませんし、それから以前に入れました経験等からいたしましても、水分でございますとか、あるいは小石等の來雑物の混入の問題もございます。それから、この韓国米は、需給状況から考えまして、ある程度の期日貯蔵をせざるを得ないと思いまするので、農林省といたしましては、現在の段階におきましても、これは玄米で入れることを強く要請いたしておる次第でございます。
○大矢正君 話は変わりますけれども、食糧庁長官に聞きたいんだが、所得税の臨時特例というものがあることによって、事前の売り渡し申し込みというものがふえることは、今日でも考えられるものですかね。
○政府委員(須賀賢二君) これは、もちろん所得税の臨時措置だけの問題ではございませんが、全体的な需給事情が大幅に緩和して参っておりますし、また、米価の水準等につきましても、いろいろ生産者側にも御意見はありますけれども、相当の水準の米価にもなっておりますので、それらとからみ合いまして、所得税の臨時措置が非常に大きなささえとなりまして、昨年あたりやはり大幅な予約を確保できたものと考えております。
○河野謙三君 関連。須賀さん、さっき、現段階における需給関係からいくと百万トン――百万石ですか、不足である。一方外米が現在のところ約三十万トンですか、在庫がある。これはわれわれが考えるところの通常在庫から見ると、非常に大きなものだと思うんですね。一体農林省の方では、外米、内地米別に理想在庫というものを、一応どのくらいはじいておられますか。
○政府委員(須賀賢二君) なかなかむずかしい問題でございまして、むしろ、非常に厳密な意味におきましての理想在庫というものをはじきますと、期末の持ち越しで約十九万トンもあればよろしいということでございます。
○河野謙三君 それは内地外地両方合わせて……。
○政府委員(須賀賢二君) 外米でございます。ただ、これ、あまり厳密な期末持ち越しをはじきますと、ことしあたりでも外米を入れる計算上の余地はないということになりますので、それではちょっと、いろんなところでどうしても振り合いませんので、多少期末持ち越しの方は私ども幅を持たして計算をいたしております。従いまして、厳密な意味においての理想持ち越しという意味からは、多少幅を持たせた計算をいたしております。
○河野謙三君 需給関係は、不足量が一応百万石と言われた。トン数にすると、二十万トンになりませんね。不足量というのは、要するに外米で埋めるわけですね、一応。
○政府委員(須賀賢二君) 最近の外米の需給関係と申しますのは、内地米の不足を埋めているというふうにだけ解釈するのも、多少実際の状態と合わない点があると、最近私ども考えているわけであります。と申しますのは、大体先ほど申し上げましたような外米につきまして、普通外米について月四千トン、それから準内地米について一万三千トン程度のものは一つの、何と申しますか、所得階層というような面から申しますと、一種のこういう需要があるというふうに考えられるわけなんです。これはまあ一つの事例でありますが、去年の十一月に普通外米につきましては制限をはずしまして、一種の自由販売にいたしたわけでございます。そういたしましたら、やはりある階層に対しましては、普通外米の需要が伸びているというような面もある。それから、一面、価格が六百何十円という相当安い値段である。やはり階層別にはそういう消費階層がある。従いまして、かりに内地米がフルに需要を充足いたしましても、ある階層に対しては、外米あるいは準内地米というものの需要があるということは考えられるわけでございます。大体私どもは、一万三千トン、四千トンという程度の需要は、ほぼそういうふうな種類の需要に見合ったような程度のものにまでしぼられてきているのではないかというふうに見ているわけであります。
○河野謙三君 専門的のいろいろな話になると、いわゆる須賀さんの土俵に入っちゃうと、こっちは引きずり回されちゃって、わからなくなっちゃう。私の土俵で相撲をとってもらいたい。百万石足りないというのは、日本の需要量に対して、内地米優先でございますと、あと不足を外米で埋めるわけですね。それが大体百万石ということじゃないのですか。これはまあ外米、内地米の需要の先ですね、これはいろいろあるでしょうけれども、要するに、大きくいえば所要量と供給量と、この差し引き差額が百万石ということじゃないのですか。
○政府委員(須賀賢二君) これは、私があるいはいろんなことを申し上げて、多少御理解を混乱さしているかもしれないのでございますが、百万石の内地米に対する追加需要と申しますのは、先ほども申し上げましたように、大体今内地米をほぼ腹一ぱい食っているのじゃないかというふうに考える面もあるのでございますが、いろいろ統計資料等で検討いたしてみますると、まだ所得が伸びれば内地米の需要がふえるという傾向が、まだ現在でもある。それから、人口増の方で約六十万石というものがふえるという計算になる。それらを合わせますと、内地米の需要としてまだここ当分の間は、年率、ごく大ざっぱに申しまして、百万石の需要はあると見ていいのではないか。そのほかに外米として、外米の需要が先ほど申しました程度の数が現在の段階ではある、というように私ども見ておるわけであります。
○河野謙三君 そうすると、単純な計算で、日本の所要量に対して国内の供給量、これをぶつけて、なお足りない分はどのくらいですか、現在の段階では。ことしの内地米、外米一緒にして。
○政府委員(須賀賢二君) 非常にむずかしいのでございますが、内地米につきましては、ここ三、四年の実際の姿というものは、八千三百五十万石とれれば、その年に八千三百五十万石はみな食ってしまう。八千百万石の収量であれば、八千百万石の米をその年にみな食ってしまう。その年にとれたものをその年にみな食ってしまうというあり方で、今まで来ているわけです。それが足りておったのか足りておらなかったのかということは、これは足りておったとも言えるし、もっと食いたい人もいたはずですから、その人はもっと腹一ばい食わなかったという面から見たら足りなかったと言えるし、とにかく、その年その年のできたものをその年にみな食ってしまったという形において消費をしておるわけです。従って、その意味においては、足りておったといえば足りておった。それに外米が年々先ほど申し上げましたような数字が入ってきておるわけであります。その外米は、先ほど申し上げましたように、最近の消費傾向としては、大体所得階層別にそれに応じた需要があって、それに適応した消費量となっておるのであります。これは、私の方の基本問題調査会あたりで、実際内地米の需給というものは現在どういうふうに判断すべきかということをいろいろやっておるわけであります。需給関係として足りておるか足りておらないかということについてのお尋ねとしては、まあ、はなはだ失礼なあれでございますけれども、そういうふうに即解していただきたいと思います。
○河野謙三君 では、平林さんの質問もあるようですから……。私の気持とすると、今後外米を、本年度はもちろんのこと、来年度、再来年度と入れたら、だんだん輸入は減ると思うのです。かりに、外米を百万トンも二百万トンもの外米を入れるときに、国内に現在二十八万トンの在庫があるということならわかるけれども、年間通じての外米の輸入量というものは四、五十万トン程度だということになっておって、その間において国内においてはなおかつ現在二十八万トンの在席があるというようなことでは、これはもう法外もない在庫量であって、いろいろ国際的の問題その他もあって、必ずしも単純にいかないかもしらぬけれども、二十八万トンも在庫を持っていて、なおかつ、今後だんだん所要量が減っていくであろうというのに、この外米の在庫量がふえるような施策というのは、私はこの際よほど考えなければいかぬと思うのです。
 農林委員会なり米価審議会等でいろいろな議論があるでしょうが、私は、最後にもう一つ申し上げたいのは、所得税の臨時特例とか、いろいろ早場米奨励金とか、米の不足時代に不足対策として農家のためにとった政策、また消費者のためにとった政策――不足対策から出発したことは間違いありませんよ。その当時の、不足対策当時の用語というものがその後もそのまま用いられ、その政策がそのまま用いられているけれども、現在過剰対策に一歩踏み込んだと思うのです。そういうときに、今も何か、臨時特例が千幾らついたことによって、入る米がよけい集まるかどうかという話がありましたが、私は、自分の感覚からいけば、こういうものによって予約集荷が多くなったと思わない。そうでなくて、やはり完全に現在は過剰対策として、農民保護の政策としていろいろなことをやるのであって、そういう点からいけば、枝葉末節のことかもしらぬけれども、同じ農家に金を出すのに、早場米対策とか所得税の臨時特例という、そういう不足対策時代に使った言葉を、施策を、そのまま使っていることが間違いであって、そういうところに、米の統制の問題にいろいろな世間からの誤解が起こると思うのですがね。これは、須賀さん、ねえ、今の所得税の臨時特例というものは、これによって米がよけい集まるなんということはないですよ、そんなことは。もし須賀さんが正直に申されて、ほんとうにそうだと言われるならば、とんでもない私はあれだと思うのだがね。どうですか、それは。大蔵委員会ですから、大蔵省も農民保護のいろいろな施策をやることは、これはやってもらわなければいかぬ。やってもらわなければいかぬけれども、こういう名月のもとに、いつまでも――ことしはいいけれども、いつまでもやっていくということは、これは根本的に間違いですよ、私に言わせれば。
○政府委員(須賀賢二君) 米価におきましては、基本米価のほかにいろいろなものが重なっております。これは、たとえば、河野先生御指摘のように、いろいろな歴史の積み重ねでございまして、現段階における需給事情等を考えますると、もちろん大幅に検討を要する面が多分にあると思います。昨年の暮から米価審議会小委員会で、いろいろ米価算定方式の問題についてやつておるわけでございます。私どもも、当初から、等級間格差その他米価についておりまするようないろいろの加算金等については、あわせてこの際検討をするという態度で臨んでおります。いろいろむずかしい問題ではございますが、御指摘のような点は十分総合いたしまして検討をいたしたいと思いまする
○河野謙三君 私は、誤解されるといけませんがね、農家の所得を現在減らすような制度、早場米奨励金をやめろとか、臨時特例をやめろとか、そういう意味じゃなくて、こういう言葉のもとに出すということは、ちょっと今時代が変わっているじゃないか。だから、別の意味で農民保護ということをはっきりとうたって、農林省がやったらいいし、大蔵省もそれにこたえたらいいじゃないか、こういうことですから、私はこれは要らないという意味ではないですから、その点……。
○政府委員(須賀賢二君) その点は、私どもといたしましても考慮をいたします。
○平林剛君 さっき大矢さんが質問していたことに少し関連をするのですが、この法律は、税制の立場から見ると、きわめて適当でない内容なんであります。税制調査会における見解でも、漸次これは廃止をすべきだという議論があって、われわれも国会に提出されるたんびにいやな感じがするのであります。農家の所得を高めるということは、別な方向で考えればいいことで、税制でいつまでもこういうことを続けるというのは適当でない。政府の方も、毎年々々、どうも安易にこれを提出しておるような傾向にあるので、これは私は大へん遺憾に思うのであります。
 そこで、これはすでに、こういう措置をとってもとらなくても、今お話しの通りに、国内産についての所要見込みというのは、すでに達してしまっておる。あとでこれをどうするかということになっておるのですね。私は、食糧庁長官にお尋ねしますけれども、こういう農家に対して生産者が事前に通告をしてもらいたいという措置をとるときに、そうすれば税法においてはこういう恩典がありますよなんということを話しながら、集荷をなさったのですか。その点はいかがですか。
○政府委員(須賀賢二君) それは、予約の推進をいたしますときに、予約に伴いましていろいろ講じておりまする措置につきましては、農家にもやはりよく徹底をさしておるわけであります。
○平林剛君 その事前通告に対して所得税の臨時特例があるかどうかというのは、ただいま国会で審議をされているのですね。三十四年産の米穀については、これをとり行なうかどうかわからないというときに、あなたの方は、ことしもあるぞというようなことを言ってやるというのは、おかしいじゃないですか。国会の意思を事前に拘束するという結果になりはしませんか。
○政府委員(須賀賢二君) これは、毎年予約を開始いたしまする以前に、去年の三十四年産米でありますと、三十四年産米については予約供出制をとる、その場合の概算金は幾ら払うか、予約加算は幾らにするというようなことを全部、閣議で一括決定をいたしまして予約推進措置をとっております。今確かめておりませんのでわかりませんが、そのときにやはり政府の方針としてその中に入っているわけであります。
○平林剛君 政府の方は、まだ国会できまらないうちに、そういうことがあるぞということで、それを提示して集荷目的を達しようというふうなことで、初めから計画されてやっておったのですか。
○政府委員(須賀賢二君) 昨年の予約推進の措置要領の中に、やはり減税の分が入っているそうです。
○平林剛君 どうも、私は、政府やあるいはあなたの方は、国会の意思がきまらないうちに出過ぎたことをなさっていると思う。そういうことで国会の意思を拘束するということになれば、やはり問題ですよ。
 私は政府の方にお尋ねしますけれども、今年は、民会の意思がきまらないうちにそういうふうに話しちまった。そうして、すでに先ほどの見込みのような集荷を三月末までに達成される。すでに済んでしまったことですね。そうすれば、ここに書いてある理由というものは書きかえてもらいたいですな。この法律案の提案の理由を読みますというと、「昭和三十四年産米穀につき、事前売渡申込制度により所要数量を確保することに資するため、」「所得税を軽減する必要がある。」と書いてある。確保しちゃっているんですね。さっき、足りる足りないは非常にむずかしいということだったけれども、一応お話によれば、特に不足しているというわけじゃない。そういうことになると、全部過去の問題。政府が安易な気持で法律案を提出しているから、こういう提案理由になるんじゃありませんか。国会にこれからこの問題について審議をしてもらいたいというときには、この理由を改めてこないというと、われわれ審議するのに適当でないと思います。提案理由は訂正をなさって下さい。
○政府委員(須賀賢二君) これは大蔵当局からお答え願う筋かとも考えますが、八千三百五十万石という大豊作を前提といたしまして、三千七百五十万石の米が集まっているのでございます。これが普通の平年作でありますれば、三千七百五十万石というものは簡単に集まるわけじゃございませんが、三千七百五十万石の米がたまたま集まった結果だけをごらんいただきまして、御批判をいただきますることは、多少、私はいかがかと考えるわけでございます。
○平林剛君 提案理由の方は訂正してくれるかどうか。
○政府委員(前田佳都男君) お答え申し上げます。予約減税措置は、御承知のように、米価の決定に関連いたしまして定められます関係上、七月に米価審議会が開催されまして、そこでその米価の構成というものは決定されるので、できるだけ早い機会にこれを提案いたしまして御審議をお願いをすることにしておるわけでございます。通常国会の劈頭に出したわけでございます。その点で御了承いただきたいと思います。
○平林剛君 私は過去のことを言っておるのじゃないですよ。これは国会で否決されたら、政府の方はお百姓さんに対してうそをついたことになる。そうかといってこれを認めるということになると、国会の決定というようなことが政府に先回りされて、そうして国会はあとでこれを審議してきめたなんというおかしなことになる。過去のことを言っておるわけじゃない。現段階において審議をしていただきたいという理由が、「所要数量を確保することに資するため」というのだけれども、この提案理由は訂正をしないというとおかしいじゃないですかと、こういうのですよ。
○大矢正君 この法律案は一年きりのものですね。三十七年の二月二十八日ですかということであればいいのだけれども、これはまた来年になるのですが、そうすると、ことしと同じことになるわけですね。来年からやめるならやめる、やるならやると、はっきりした腹をもってやるなら問題は起らないけれども、やるかやらぬかわからぬのに、一年きりの法律を出すというと、また当然来年問題になってくるわけでしょう。だから、そういう問題についてどう考えるか。これは平林君の質問とあわせてお答えいただきたいと思います。
○政府委員(前田佳都男君) この予約減税措置は、先ほど申しましたように、米価決定に関連しまして毎年定められるという関係で、時限立法としてあるわけでございますが、三十四年の産米につきましては、米価の構成がまた従来と同じである、異ならないというような関係上、昨年と同様に減税を行なうことにしたわけでございますが、実はこの予約減税によりまして、ほんとうに特典を受けるものといいまするものは、農業所得者の約八%にすぎないというふうになっております。予約米の奨励措置としての効果も、はたしてこれはあるかどうかというふうな点、いろいろ議論があるわけでございます。米の集荷政策等ともにらみ合わせまして、できるだけ早い機会にこれを廃止することにいたしたいというふうに考えておるわけでございます。ただ、米価の構成に関連しまして、これを廃止いたしまして、それがために農民の所得が減るということのないように、先ほどの諸先生からの御指摘の点を十分注意いたしまして農林省ともよく相談して米価の構成を考えたいと、そういうふうに考えておるわけでございます。
○平林剛君 私のお尋ねしておるのは、この理由が違うじゃありませんかと。昭和三十四年産の米穀については、すでに政府として、事前売り渡し申し込みに基づいて米穀を売り渡した、者の所得税は軽減されると約束して、集荷をいたしたのでありますから、それらのことがうそにならないように、国会に、事後でありますけれども、御承知いただきたく法律案を提出いたしますと、こういうふうに書きかえてもらいたいというのです。私は、いつまでも同じことをやるから、政府におきゅうをすえてやろうと思うのだ。やっぱり、この理由書は訂正をされて初めてわれわれは審議ができるのであって、これはちょっと違う理由だから訂正してもらいたいと、こういうのです。それから中の審議に進みたい。
○委員長(杉山昌作君) ちょっと速記をとめて。
   〔速記中止〕
○委員長(杉山昌作君) 速記をつけて。
○野溝勝君 私は、同僚の皆さんの論議は正しいと思っておるのです。本法案の所得税を軽減するこの立法に関する経緯は、米の集荷並びに非常に食糧不足を伝えられておった当時の時限立法でございまして、漸次食糧の需給態勢が軌道に乗ってくるようになれば、これは考えなければならぬ問題だと思います。しかし、これは税制理論からはその方が正しいと思います。ただ問題は、先ほども河野委員からお話がありましたように、ただこれだけを見てではそういう意見が出ると思うのですが、米価審議会においても相当問題の出ておるように、事前売り渡しに対する所得税軽減の問題は、米価の生産費所得補償が確立されていないところに問題が起こってくるのだ。であるから、米価に対しては生産費所得補償方式を打ち出せということになっているのです。それが解決されていないから、いつでも繰り返されておるわけです、米価審議会の答申というものが。それが農林省と大蔵省との間に意見調整が行なわれておらぬのですね。第一にこの点が問題なんであって、この点が解決すれば、本法案は解決されると思うのです。
 この際、大蔵当局に御意見を聞いておきたいと思うのです。賢明なる立案課長から一つお伺いいたします。
○説明員(塩崎潤君) 米価の問題について私からお答えするのが適当であるかどうかわかりませんが、所得補償の問題はむしろ主計局の問題で、私どもとしてはこの税制をどう扱うかという問題だけでございまして、この点は、米価の問題はむしろ主計局の方からお答えするのが適当かと思います。
○野溝勝君 この問題は、先ほどの河野委員の御所見といい、平林君の御所見といい、まことに当を得た御所見でして、私からの質問に対しても、主計局長が来なければその答えができないというのでございますから、きょうはこの法律案の審議についてはこの程度にして、主計局長を呼んでいただいて、この点が明らかになりますれば、われわれは今回に限って考えなければならぬじゃないかと、こう思っているのでございますが、いかがなものでございますか、お取り計らい願いたいと思います。
○委員長(杉山昌作君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
○委員長(杉山昌作君) 速記をつけて。
○政府委員(前田佳都男君) ただいまの野溝委員の御質問の点を、私、直ちに責任を持って、所得補償方式にするとかどうとか、そういうことは今お答えできない大きな問題でございまするが、とにもかくにも、この予約減税に関連いたしまして、こういう方式がはたして米の集荷に今後に立っているかどうか、予約減税というものが現在の事態に、米がたくさんできて農民を多産から保護するというふうなときに、はたしていいかどうかという点が、私、米価構成のことは詳しく知りませんけれども、いろいろ問題があると思います。これに関係いたしまして、この予約減税の廃止等とも関連いたしまして、米価の構成をどういう方式でいくかということもあわせて、極力農民の所得というふうなものを守る、そういう立場から、十二分に野溝先生の意を体しまして検討するということで、一つ御了承いただきたいと思います。
○野溝勝君 それでは、米価問題とうらはらの問題であるから、十分研究をして御期待に沿うように努力したいと思う、こういうことですね。そういうわけですか。
○政府委員(前田佳都男君) さようでございます。
○平林剛君 私のやつは解決していない。どうするのですか。
○委員長(杉山昌作君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
○委員長(杉山昌作君) 速記をつけて下さい。
○天田勝正君 私、ちょっと政府に念押しをいたしておきますが、この種のものの見方は私は三つあると思うのです。一つは、租税体系の問題。これについては、まあ平林さんもおっしゃったし、河野さんもおっしゃったように、体系そのものとしては確かにおかしいということになると思うのです。もう一つは、要するに集荷をするためのいわば奨励、まあもっと俗な言葉でいえば、えさとして有効かどうか、こういう観点があると思うのです。もう一つの観点は、私は、全くそれとは別個に、政府の方針でもありまする、所得を倍増にするか三倍増にするかは別として、国民所得を上げていくという観点、及びそれを補償するという観点、こういうものがあると思うのです。私はこの第三の立場をもともと支持するものであって、そういたしますと、この農村の所得というものは、都市と比較しておそろしく総体的に下がりつつある。これはここ七、八年の統計を見ればもう明瞭であります。今年あたりでは、おそらく、私はもう、都市が一〇〇とするならば、三五%を切れておると思います。三十二年において三六・六ですから。額にすれば、ことしの数字は私もつかんでおりませんし、発表になっていない。三十二年においては、都市一人当たり就業者の所得額は二十五万三千円をこえておる。農村のこれに対比するのは九万八千円のはずであります。そこで三六・六という数字が出てくるわけですが、こういうことになると、今の政府がいっておる所得倍増というのが、もし都会の方がこのままストップをしたとしても、農村の方は倍増では足りないのであって、三倍増にならなければ肩を並べられない、こういう現実がある。だから、そういう観点に立てば、とにかく筋道としていかがであろうとも、農村の所得を上げるというこの一点だけから考えても、まあこれは他のものもずっと関連してくるわけでありますが、一つの問題としてここへ出た以上は、私はこの意味からこういうものは必要である、こういう観点に立つのですが、それが米価の問題に立ち返るならば、一番先に所得補償方式にいかなければそれは実現できない、そういうところから実現していかなければ他のものも成功いたさない、こういうことになるので、そういう観点から私は野溝先輩も先ほど御指摘になったと思うのであって、これはなかなか大蔵省としてはできぬとか、いろいろ狭いセクションからいえばあると思います。しかし、政府全体としては、そういう観点から、私はぜひ御検討を願いたい。きょうのところは、まあこういう要望だけをいたしておきます。
○須藤五郎君 私も、少し常識的な質問ですが、ちょっとお聞きしたいと思う点があるのですが、先ほどの説明で、一カ月十六日前後の配給が保証されておるというのですが、政府の考え方は、あとの十四日は何によって生活しろというのですか。
○政府委員(須賀賢二君) このごろの大体の平均的な食構成を見ますと、大体、米が七割五分でございます。それから小麦粉製品が大体二割、それから最後の五%が精麦、押し麦というような格好になっておるわけであります。従いまして、毎日われわれが食っておりますものの七割五分は米を食っておる、平均的に見まして。大体、国で配給しておりますものが五割強というところでございます。従いまして、五割と七割五分の差は、これは外食いたしましたり、やみ米も食ったり、いろいろそういうもので食っておる、そういうことでございます。
○須藤五郎君 いつもうちの米屋からやみ米の注文を取りにくるわけですよ。私は、これはみんなやっているにきまっていて、やみ米を食わなかったら、われわれはとにかく二割五分は飯を食わずに、腹を減らして空腹でいなければならない。みな食べているのにきまっている。ところが、やみ米はとにかくみな食べるだけあるのに、なぜそれが配給に乗せられぬのかどうかという点なんですがね。これはどういうことなんですか。非常に初歩的な、常識的な質問ですよ。
○政府委員(須賀賢二君) これは実際の経済の問題でございますが、そう簡単に割り切った御答弁はむずかしいかと思います。特に東京あたりで見ますると、最近の傾向といたしましては、これは国の操作といたしましては、現在十六日半くらいを国の配給として配給いたしますのが、一応操作上の限界でございます。これ以上のものを配るということは、私どもの事業計画ではできない。あと相当のやみ米が入ってくるわけでございますが、これは私ども、まあそうはっきり公式の見解として、やみ米はこういう理由によって流れておりますと申し上げるような考え方の整理はいたしておらないのでございますが、農家のいろいろな採算の関係でございますとか、あるいはそういうやみ米運搬業というものが現在でも業として成立し得るような、一つの経済的な条件がある。そういうようなこと、いろいろ重なりまして、現実には相当量のやみ米が流れておる。これは総理府でやっております家計調査等を見ますと、私どもが考えておりますよりも、やみ米を買う比率がかなり高いわけであります。ここに、いろいろ見ますと、あるいは品質の問題でありますとか、あるいは子供が多い、いろいろな個々の事情はございますけれども、現実、相当流れているというのが実態でございます。
○須藤五郎君 あなたも、政府当局としても、一カ月の二割五分はやみ米を食って生きているのだということは認めているわけですな。ところが、貧乏人の側に立つと、それが非常に不愉快でしょうがないわけです。というのは、金持ちは一等米をやみ米で十分食っておる、自分たちは食えぬから、外米を買って食うんだ、こういうことで、貧乏人は非常に不愉快でしょうがない。やみ米が出てくるならば、なぜそれを配給米にしてもらえないかというのが、一般貧乏人の考え方なんですよ。それを政府はどういうふうに考えるか、それに対して政府はどういうふうにしようというのですか、どうしたらやみ米をなくすることができるのですか、そういう不愉快な経済機構をなくすることができるのか。
○政府委員(須賀賢二君) 政府の現在の集荷対策といたしましては、あるいは米価の問題、あるいは予約推進等の諸般の措置によりまして、集め得る限りの米は一応集めておるわけであります。年々の傾向を見ましても、大体、生産量のうちで農家が保有米として食いまするものを引きまして、その農家が手放すことができる、いわゆる売却ができまする米が、政府買い入れと政府買い入れ以外のルートに流通をするわけでございます。年々の傾向からいたしましても、政府買い入れの比率は順次増大をいたしております。今後もそういう線で、特に集荷には努力をして参りたいと考えておるわけでございます。
○須藤五郎君 今、やみ米はどのくらいしているのですか、値段。あなた知っているでしょう。
○政府委員(須賀賢二君) やみ米の値段は、これは全国ベースに直しますと、非常にむずかしいのでございますが、全国ベースで単純平均をいたしますと、この二月あたりの相場で一升百二十円ぐらいになっております。それから、政府米のいわゆる配給米、これも平均いたしますと一升百二十一円。最近の傾向では、やみ米の方が一円ばかり全国平均では安いのであります。ただ、この全国平均というのは非常に問題がございまして、算術平均をいたしますから、ちょっとうまく出てこない。ただ、私どもの方では、やみ米の加重平均をする資料がない。東京でやみ米は今、百三十五円ぐらいしております。青森で百円とか百十円とかいっております。そういうものを加重平均いたしますと、やみ米の一つの全国平均のべースが出てくるわけでございます。その加重平均をいたします資料がございません。私どもは算術平均を使っておりますが、単純算術平均を使いますと、二月あたりはやみ米の価格は一升百二十円でございます。
○須藤五郎君 先ほどから各委員が言いましたようにね、私は、農家の産米の価格が実際生産に合わないという矛盾があるために、いろいろな問題が起こっていると思うのですよ。それを直さないで、こういう法律を、臨時措置法をやってみたところで、これは実に意味がないと思うのです。だから、やはり問題点は、農家の生産の価格を適正な価格につり上げること。適正な価格とは何だといえば、私は今のやみ米の価格になってくると思うのですよ。(「安いわ、そうすると」と呼ぶ者あり)だから、政府が今よりももっと値段のいい価格で買い上げるならば、私は、百姓さんもやみ米などああいうばかげたことをやらなくても、常々と政府にたくさんの米を売るだろうと思うのですよ。そうして、われわれ国民もやみ米など食わなくても、堂々たる配給、三十日配給、完全配給、まあ粉食をやるならば、二十五日なら二十五日分を配給に乗せるということは私は不可能じゃないと思うのですよ。そういうことをやろうと政府はしないから、私は今のような質問、ばかげた質問をしなきゃならないのですよ。それに対して政府は一体どういう方針を持っているのですか。その完全配給をやろうという方針は考えているのですか。あくまでも十六日の配給で、そうしてあとはやみ米を食って下さいというような態度で、これからも政府はいこうというのですか。そうして、これは農家に低米価を押しつけて、これからもやっぱりいこうというのですか。どうですか、そこらの点伺いたいと思います。
○政府委員(須賀賢二君) これは、食管制度そのものの今後のあり方とも関連いたします非常に大きな問題でございます。私どもの考えの基調といたしましては、現在の食管制度を続けまする前提といたしましては、米価水準というものはそう大幅には変えることはできないのではないかと考えております。大体、現在、政府の米価水準を基本といたしまして、極力多くの米を集荷して参るというような考え方で考えております。
○大矢正君 政府、特に大蔵省にお尋ねしますが、三十五年度産米については臨時特例というものをやるのかやらないのか、あるいはまたそういうことは今の段階では答弁ができないのか、これを一つはっきりしてもらいたいと思います。
○政府委員(前田佳都男君) お答え申し上げます。その点につきましては、先ほどもちょっとお答えを申し上げましたように、とにかくこの予約減税の特典を受けるといいますか、利益を受ける農家が、全体の農家のわずかに八%にすぎないというふうな点、並びに、これはまあ農林省の所管でございますけれども、集荷方法としてこういうことがいいのかどうかと、これは統制時代の、米が少ない時代の産物ではないかということで、できるだけ早い機会に廃止をしたいというふうな考え方をもって進めております。三十五年度産米については、まだ具体的にこれを廃止するということははっきりきまっておりませんけれども、とにかく早い機会に廃止したいという所存には間違いございません。
○大矢正君 さっき平林君も言ったけれども、あとからこういうものが出てくるというのは、どう考えてもおかしいのじゃないかという議論が出てくるのだが、結局、三十五年産米ということについて政府の態度が不明確だということになると、またことしと同じことが出てくるわけですね。ですから、やめるならこれはまあ問題はないのだが、やるならやるということになれば、臨時国会なり、あるいはその以前なりに、政府の態度というものは明らかにして、その明らかな態度をやはり農民に周知徹底させなきゃいかぬわけでしょう、生産者にね。そうしないと、また来年の春になってこれと同じ内容を書いたものが、これは毎年のことだけれども、また出てこなきゃならぬということになる。またそこで文句が出てきますね。これは、どういうふうにこれを解決するつもりなんですか。
○政府委員(前田佳都男君) ただいまの大矢先生の御指摘の点はまことにごもっともでございまして、予約減税を廃止するという方針をはっきりしておくべきであるというお考えでございますけれども、とにかくこの予約減税は、米価の構成に関連いたしましてこれをきめまするので、米価審議会がちょうどことしの、たしか七月ごろに開かれる関係上、その点ははっきり申し上げることはできないような状態でございます。
○委員長(杉山昌作君) それでは、委員長からちょっと申し上げますがね、先ほど平林委員からお話のあった、この提案理由がどうもぴったりこない。――なるほど、私もごもっともだと思います。しかし、これは政府側としては、結局、もっとこの法案を臨時国会なり何なり、先に出すつもりであるいはいたのかどうか。結局、そのようなことであったが、時期がおくれたために以後になったようなことだと思いますが、たとえば、またさっき天田委員もおっしゃったように、すでに他院ではこのまま可決されているとなると、今さら修正ということも困難かと思いますので、そこらの点について政務次官から、もう一回一つ御説明を伺っておきたいと思います。
○政府委員(前田佳都男君) お答え申し上げます。先ほど平林委員から御指摘をいただきましたこの提案理由の点は、まことにごもっともな御意見でございますが、ただ、予約減税につきましては、まあ従来から、この予約減税のみならず、一般に提案理由の書き方は法律案のねらいを書く慣習に従いまして、こういうふうな書き方を作ったわけでございますけれども、とにかくこの予約減税は今後非常にまあ問題のある減税でございまして、米価の構成とも関連いたしまして、その廃止の方向にできるだけまあ持っていくように十分検討いたしたいと思っております。それで、もし今後提案する場合にいたしましても、ただいま御指摘の点に違背しないように、できるだけその提案時期を早くするとか、また提案の理由の書き方につきましても十二分に御注意の点を勘案いたしまして、今後御趣旨に沿うような提案をいたしたいというふうに考えております。
○河野謙三君 私は、一つ、食糧庁長官に伺いたいのですがね。今、大蔵省からの御答弁のように、この措置は農家の所得を補償するものとして適当であるけれども、現段階もしくは今後においては、集荷のために必ずしもこういうような方法は適当でない。
 特に、私は食糧庁長官に伺いたいのは、農家の所得の補償にも何にもならない、しかも集荷にはそう事欠かないのに、食糧庁の予算の中で、集荷奨励費とか何とかというのは相当私は莫大なものがあると思う。これは一体、今年は出されたでしょうが、これこそほんとうに今後廃止すべきものじゃないかと思うのですが、農業団体に出しているか、どこに出しているか、よく知らないけれども、何千万か、場合によったら億という金じゃないかと思うのですが、これについて、今までにどういう金がどれくらい出て、また相変わらず今後それを踏襲されるのか、これを一つこの機会に伺っておきたいと思う。
○政府委員(須賀賢二君) 三十五年産米の予約減税措置につきましては、三十五年産米の予約にとりかかります前、時間的には今年の米価決定までの段階におきまして、政府部内で十分、昨年の経過等も考えまして、検討いたしまして、その方針をきめることにいたしたいと考えております。
 なお、予約推進並びに米の集荷につきましてある程度の経費が出ておるのでございますが、これは、農協及び指定集荷業者が、政府に米を農家から集めて売り込んで参りまするその間の実務に見合いまする手数料として出ておりますものが、米につきましては一俵四十八円、これはいわゆる集荷の実務に対する手数料でございます。そのほかに、府県当局、農協等に対しまして出ております金が、府県に対しては昨年は年間約二億、それから農業団体及び集荷業者に対する集荷奨励費として約五億程度の金が出ております。これは昨年あたりの結果から見ますと、三千七百五十万石の集荷ができました結果から見ますれば、相当金が出過ぎているというようなあるいはお感じもあろうかと考えるのでございますが、去年の三千六百万石の予約をとります段階では、これは中央から末端農協集荷団体に至りまするまで、非常な努力をいたしたのでございまして、やはり集荷促進につきましては、各系統団体で相当活発な動きをやって米を集めているわけでございます。本年は、三十五年度予算では若干減額いたしておりますが、なお引き続き三十五年産米の集荷につきましては、ある程度の経費の支出は必要だろうと考えております。
○河野謙三君 この資料は、あとで、大蔵委員会でその資料を要求するのはどうかと思いますが、一応今までの、今御説明のようなことを資料として出していただけますか。
 ただ、私はこの際希望を申し上げますが、何といっても、米の需給関係がこれだけ緩和してきたときに、不足時代の予約集荷という制度を作って、この制度の推進のために、当初は七億なり十億の金を使ったのはわかりますけれども、相変らずそういうことを年々やってきて、今後なおおやりになるということについてま、私は疑問があります。特に私は末端におりますから、末端の方から見ますと、今あなたの方では農業団体の推進のためだと言っているけれども、たとえば全販連なんて俵一俵いじったことはない。ただ、あなた方からもらっている奨励費を、全販連と県と末端の段階でどういうふうに分けておられるか。俵をいじったことがない、米か、もち米かわからないような者が、予約集荷奨励費というものを莫大に取って、末端の方で俵をいじり、俵をかついでいる方にわずかしか行っていない。こういうことは、いずれ資料をもらった上で、また御意見を伺いますが、いずれにしても、そういうことをよく御承知と思いますけれども、こういうことをいつまでもやつているということは、一方においてこの問題が今のような結論になったときに、農林省の方で、そういう点でいたずらに私は大蔵省と争ってはいかぬと思う。農林省は農林省として、やはり現段階においては、現在の食糧の需給状況にかんがみて、やはり前進していかなければならぬと思いますが、この点を特に私は希望しておきます。
○平林剛君 先ほどの私の、提案理由を訂正をしてもらいたいということは、政務次官からお話があったし、まあ委員長も、杉山さん今度初めてのことだから、せっかくのお話だから、私はまあ納得はしないけれども、しぶしぶ了承しておきたいと思います。これは委員長に対するはなむけとして了承することにいたします。しかし、私の言ったことは、これはやっぱり政府としても十分考えてもらわなければならぬと思うのです。それで、国会の意思が確定しない前に、政府が独走して、勝手なことを言う。そして税制上にも非常に問題があるものについて、毎年同じことを国会に提出するというやり方は、厳に慎まなければならぬと思う。私は、その点はつけ加えて特に厳重に申し上げておきたいと思うのであります。
 そこで、これはなかなか、農村に関係のあることだということから、議員というものはほんとうの、腹を持っていても言えない場合があるのですよ。政府はやはり全般的な立場に立ってものを考えていかなければいかぬ。本質的には、私はこれは一部の農家に対する措置であって、全般の農民には関係はないのじゃないか。何か錯覚を起こしているのだ。むしろ、一部のお百姓さんにこういう措置をやったことが、税制上における租税特別措置などの不当なことをカムフラージュしているという役割しか、私は果たしていないのじゃないかと思うのです。お百姓さんにもこういう措置があるのだから、だから、こういう大事業や大資本家にもこういうことがあっていいのだ、あるいは同じに並べるために、これが租税特別措置法という税法の中で最も悪い法律を弁解するところの道具に使われているというふうな傾向さえあると、私は考えておるのであります。そういう意味から、もし農家の所得をふやすというなら、別な方法で考えていくというやり方をとってもらいたいと思う。これは私は希望をいたしておきたいと思うのであります。
 そこで、この法律の中身を一つだけお尋ねをいたしますけれども、今回の措置によって、所得税の軽減によって減収をされる金額は幾らになるか、これが一つ。それから、この法律案の対象となるものを、私が今指摘しましたけれども、この機会に一つ明らかにしておいてもらいたい。全体の米穀の生産者の数と、この法律の対象となって恩典を受ける生産者との割合、これを一つ明らかにしておいていただきたいと思います。
○説明員(塩崎潤君) 数字にわたりますので、私から御説明申し上げます。
 この措置によりますところの減収額でございますが、予算におきましては約十四億円ばかりと想定いたしておりましたが、三十四年産米は非常に豊作でございましたので、その点減収額が多目になっております。予約減税以前の私どもの見積もりでは、約四十九億七百万というものがあるべき税額だと考えておりましたが、予約減税後二十八億五千八百万と今回見積もられましたので、約二十一億円ばかりの減税の結果と、こういうふうになっております。
 第二の御質問でございます。先ほど来政務次官が八%の程度の農家に対して適用がある、こういうお話がございましたが、私どもの調査では、全農家数が約六百四万三千人ばかりあります。これも推定でございます。農林省、各方面からいただきました推定に基づいて申し上げますので、そのあたり変わってくるかもしれませんが、そのうち米作農家が五百三十五万八千人でございます。そのうちの予約売り渡し農家が三百十七万五千人でございます。しかも、そのうちの課税農家は、私どもの見積もりでは、約四十九万三千人ばかり……。課税農家は四十九万三千人と申し上げましたが、これは先ほどの申し上げました数字が少し直りまして、今年の人員では六十二万ばかりになります。今のは予算でございます。それが予約減税後で五十万九千人ばかりになります。この中には柑橘とかその他の畑作農家も入っておりますので、そのうちの米作農家がどの程度になるかというのは次の数字になります。私どもの見積もり、今申し上げましたのは実績見込みでございますので若干の食い違いがございますが、米作課税農家が四十七万一千人と、また減って参ります。そのうちで予約減税適用農家はどの程度になるかと申しますと、約四十一万二千人ばかり、こんなような数字になるのではないか。実績と見積もりでその間はっきりと突き合いがついておりませんが、こんなような数字になると私どもは見ております。
○委員長(杉山昌作君) ほかに御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(杉山昌作君) 御異議ないものと認めます。
 これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(杉山昌作君) 御異議ないと認めます。
 これより採決に入ります。昭和三十四年産米穀についての所得税の臨時特例に関する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(杉山昌作君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお、諸般の手続等につきましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(杉山昌作君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十三分散会