第035回国会 決算委員会 第1号
昭和三十五年七月三十日(土曜日)
   午前十時四十六分開会
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  委員長の異動
七月二十二日上原正吉君委員長辞任に
つき、その補欠として佐藤芳男君を議
院において委員長に選任した。
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  委員の異動
七月二十二日委員田中清一君辞任につ
き、その補欠として佐藤芳男君を議長
において指名した。
本日委員近藤信一君及び森中守義君辞
任につき、その補欠として伊藤顕道君
及び久保等君を議長において指名し
た。
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 出席者は左の通り。
   委員長     佐藤 芳男君
   理事
           岡村文四郎君
           谷口 慶吉君
           野本 品吉君
           矢嶋 三義君
           石田 次男君
   委員
           上林 忠次君
           高野 一夫君
           野上  進君
           北村  暢君
           小柳  勇君
           坂本  昭君
           武内 五郎君
           久保  等君
           天坊 裕彦君
           奥 むめお君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       池田 修蔵君
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  本日の会議に付した案件
○国家財政の経理及び国有財産の管理
 に関する調査
 (決算の審査方針に関する件)
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○委員長(佐藤芳男君) それでは、これより委員会を開会いたします。
 このたび私、はからずも決算委員長の地位につくことに相なりまして、もとよりきわめて浅学非才、志あって力これに伴わざるものでございますけれども、皆様の御支援と御鞭撻によって、その職責を全うさせていただきたいと存じます。本委員会の任務は、政府の予算執行のあとを精査して、その適否を判定をし、政府を指導するという重要なる職責と存じますので、私といたしましては、皆様の驥尾に付して、万遺憾なきを期したいと存ずるところであります。きわめてふなれでございますので、何かとお叱りをこうむることが多いことと思いますが、何分よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 ここにごあいさつを申し上げる次第でございます。(拍手)
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○委員長(佐藤芳男君) それでは、委員の変更について御報告を申し上げます。
 七月二十二日、田中清一君が委員を辞任され、その補欠として私が選任されました。
 本日、森中君、近藤君が委員を辞任せられ、その補欠として久保等君、伊藤顕道君が選任されました。
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○委員長(佐藤芳男君) 本日の委員長及び理事打合会について、御報告を申し上げます。
 慎重協議をいたしました結果、理事会で委員派遣の件につきましては、派遣地は北海道、中部、東北の三班といたしまして派遣委員の各派に対する割り振りは、自民党三名、社会党三名、民社党一名、無所属クラブ一名、同志会一名とするということに相談をいたしました。
 なお、九月の委員会開会日程は、九月二日、三日の二日間とし、総括質疑を行なうことにいたします。その際は、総理ほか関係大臣の出席を求める次第でございます。
 次に、決算の審査方針については、本日及びすでに予定されておりまする八月一日の委員会で協議をいたすことといたします。
 なお、八月一日の委員会におきましては、警察庁の予備費使用状況につきまして、質疑の申し出がございまするので、これを行ないたいと思います。従って、関係大臣等の出席要求をいたすことといたしました。
 以上の通り、理事会といたしましては、意見の一致を見た次第でございまするが、理事会の、こうした考え方に、本委員会としての御意見を承りたいと思います。
 別に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤芳男君) 異議なしと認め、さよう決定をいたしました。
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○委員長(佐藤芳男君) それでは、これより決算の審査方針について協議をいたしたいと思います。
 なお、事務当局の方より、かなり以前に決算審査方針に関する了解事項というもの、それに連関いたしまして、決算審査について、四月二十七日に皆様が御協議されましたその当時の発言要旨等も加えて、文書をもって御配付申し上げてあるそうでございますが、だいぶ日がたっておりまするので、一日の委員会の際に、あらためてさらに御配付を申し上げたいと、かように存じておるところでございます。
 なおまた決算審査に関する審査方針といたしましては、先刻の理事会におきまして、衆議院のやり方等につきまして、文書も配付をいたしたのでございますが、なお私といたしましては、ずっと以前から実は疑義を持っておる点があったのであります。それは決算の重要なることは申し上げるまでもないところでございますが、従来、政府といたされましては、決算というものは、これを議案とせずに、単なる報告というようなお考えで提出をされておった。従って、決算についての衆議院の結論と参議院の結論とが、ちぐはぐに相なりましても、これは問うところにあらずという態度をおとりであったようでございますが、これを単なる報告書として受け取るべきか、議案として審議をすべきかということにつきましては、学界におきましても、二つの説に分かれておるようでございます。この点は、いつかははっきりした結論を生むべきであると、かように考えておった次第でございますが、昨日事務当局の意見も求めましたるところ、幸いに衆議院におきましては、前委員長の時分におきまして、この問題と取り組まれ、政党政派を超越して熱意を傾けて、そうして学者等も招致をいたし、その意見をも聞きまして研究を続けられておった、鈴木正吾委員長が御辞任になられましたけれども、おそらく新委員長も、その意を踏襲して結論を得られることに努力されると思うのでございますが、本委員会といたしましても、この問題につきましては、急ぐ必要はないかもしれませんけれども、関心を一つお持ちを賜わりまして、問題の解決に努力を賜わることができれば、まことにしあわせに存じます。もちろん委員各位の御意見によって、そうした事柄も決定さるべきことであるのは申し上げるまでもないことと存じます。
 どうか一つ、順次御発言賜わりまして、決算審査に関する方針につきまして、いろいろ御発言賜わりたいと思います。
○矢嶋三義君 委員長は就任にあたられて、その決算委員会のあり方についての御発言、全く同感であります。ぜひ、歴代の委員長もずっと努力されて参ったわけでありますが、なかなかすっきりした解決ができずに、また本院の決算委員会も、十分この責務を果たし得ているやどうやという点についても問題があると思うのです。それらの問題についても、歴代の委員長のバトンを引き継いで佐藤新委員長の手で、よりよき解決をしていただきたい、かように思う次第です。ぜひともそういう点の研究を早急に本院としても継続いたしたい、かように考えます。
 それからついででありますから、委員長から御発言がありましたから、一、二この際、意見を申し述べておきたいと思います。それは歴代の委員長も努力されておるわけですが、委員長の心がけが、私は一番大事だと思うのです、決算委員会の態度は。これはずっと続けて過去においても論じられたことなんですが、予算の編成権と提出権が内閣にある。その内閣をささえておるのは与党である。従って政府与党は、予算の編成権と国会の提出権を持つ。従ってその予算執行の結果についての決算は、立法府においては、政府与党と対照的立場に立つ野党が委員長として、これを取り扱うのが、最も適当だという意見が幾たびか繰り返されたと思うのですが、現実問題として、そういうことが実現しておりません。かりにそれが実現できなくても、与党所属の委員長でも、委員長の心がけでは、十分やり得ると思う。しかし実際始まりますと、与党から足引っぱられるのです。前委員長も、とてもりっぱなお方で、努力されたわけですが、いざとなると、やっぱり与党側から、いろいろ足引っぱられて、ここの申し合わせも行なわれないというような事態もあったわけです。たとえば昭和三十二年度の決算審議が終結して、本会議でどういう形で委員長報告をするか、それからどういう形で委員は本会議で討論をやるかというようなことが、本委員会で十分きまって、そうして本会議の段階になって……約一カ月程度ですね、委員長報告が本会議で行なわれなかった。これは国会運営についての院の議長の責任もあるでしょうが、本委員会としても、まことに面目なかったと思うのです。
 そういうふうになってくるのは、結局は、最終的には与党と野党という立場に立って考えるものだから、そういうことになるので、これは十分、今後心して参らなければならぬと思うのです。この点は委員長自身に、特に要望申し上げておきます。
 それから先刻も委員長理事打ち合わせ会で、審議するにあたっては、必要な大臣はぜひとも本委員会に出席させるべく努力することが委員長の責任だということを申されておりましたが、その通りだと思うのです。例年のことですが、委員会を始めますと大臣諸公は、自分らが責任を持って承認案件あるいは審議案件等を提出しておる委員会に優先的に出て参りまして、決算委員会には出席しようとされない。これは大臣並びに政府委員としては、まことに誤まれる心がけであると思うのです。この点については、ぜひとも委員長において、与党の委員の皆さんのバック・アップもいただいて努力していただきたいことを特に要望申し上げておきます。
 それからきょう明後日、審議方針について懇談し、でき得べくんば結論を出したいということですが、衆議院でも検討されておりますように、予算と決算を対比する立場において、この決算を審議するということが非常に大事だと思う。この点は当委員会で今までなされなかったというわけではありませんけれども、しかし不十分だったということは言えると思うのですね。主としてこの会計検査院から出された報告書を中心に審議を進めていく。結局大臣並びに政府委員が出席する場合には、いかに言いわけをするかという心がけで出てくる。ただああだった、こうだったという言いわけをわれわれは聞くだけであって、もう少し根本にさかのぼっての予算を議決した当時のその予算と、それを執行して終結した場合の決算との対比をするという立場からの検討はやや不十分だったと思う。だからこの点は衆議院でも非常に関心を払われているようですが、ぜひともそういう立場において審議がなされるように、今後も委員会を運営することは大切ではないか。
 それからきょう調査室から、昭和三十三年度決算審査の対象となる各省並びに政府機関と、こういう一覧表が出されております。これに関係してですが、従来検査院の報告に出ていない省並びに政府関係機関は、国会の決算委員会とは自分たちは無関係だというような態度でおられたようですが、これは私は誤りだと思うのです。たとえ検査院の報告書に出ていなくても、検査院から注意を喚起したような事項もあるわけですから、だから必要に迫られれば、検査報告に出ていない省並びに政府関係機関についても、国政調査権の発動のもとに決算委員会で取り扱う場合も当然あってしかるべきだと思うのですが、そういうことが従来ほとんど行なわれなかった、また各省並びに政府関係機関においても、先ほど申し上げましたように、検査院の報告書に出なければ決算委員会とは無関係だと、こういう心がけでおられるということは私は誤りだと思いますので、今後それらの点も逐次是正して参る必要があるのじゃないか、こういう考えを持っておるわけです。委員長が冒頭に方針を申し述べられましたことについて、それに賛成でありますし、それにこたえて私見の一、二を申し上げたのです。
○委員長(佐藤芳男君) 矢嶋委員の御発言のうち、二点について私からここに明らかにいたしておきたいと思うのでありますが、第一点の、本委員会の決定が党の方針によってゆがめられるというようなことがかつてあったというお話でございますが、私は実はその事実を初めてただいまのお話によって承知をいたした次第でございますが、申すまでもなく政党政治でございまするから、党の制約を受けること、これもあるかもしれませんけれども、本委員会の決定がそのままスムースに行なわれるようにできる限りの努力をささげたいということを申し上げておきたいと思います。
 なおまた、委員会の進行に至大の関係を有する一つとして、大臣の出席の問題、これにつきましてはお説の通りと考えまするので、特に与党の理事諸君の御努力のもとに、私も大臣と折衝に際しては渾身の努力をささげたいと、かように考える次第でございます。この点を御了承をたまわりたいと思います。
○奥むめお君 私この際資料を一つほしのですが、今矢嶋さんが指摘なさいましたけれども、私どもからいえば、予算というものは有権者、納税者からいえば非常に関心があるわけだけれども、直接に手が伸べられないことが多いのですけれども、決算の面は非常に関心を持っているのです。ですから決算の面がほんとうに、たとえば決算が上がって本会議に報告されてもほとんど政府のだれも出てこない、毎年そうです。ずっと前に私が委員長したときも、ぜひ出るように言って押しかけて行ったけれどもだれも出てこない、それくらい軽んぜられているということが非常に不愉快であったのです。この際一つ決算の個々の各省が問題になったとき大臣がどれくらい出たか、本会議でだれがどれくらい出たかということを一つずっと今までの記録から出してほしいのですが、それからまた問題を考えたいと思います。いかがでしょうか。
○委員長(佐藤芳男君) 了承いたしました。
○奥むめお君 できますね、なるべく早く下さい。
○矢嶋三義君 早速ですが、明後日の委員会には、先ほど案件は承認されたわけですが、出席大臣としては国家公安委員長、それから法務大臣、警察庁長官、それから大蔵省の予備費担当の方、そういう方々にぜひ出席するように委員部を通じて要求しておいて下さい。
○委員長(佐藤芳男君) 速記とめて下さい。
   〔速記中止〕
○委員長(佐藤芳男君) 速記起こして。
○矢嶋三義君 ただいまの出席者要求に公安調査庁の責任者も要求いたします。
○委員長(佐藤芳男君) 了承いたしました。ほかに御発言ございませんか。
○小柳勇君 非常に佐藤委員長おかわりになりまして所信を披瀝していただきまして、われわれも決算委員会の職責並びに権威のために喜びにたえないことであります。
 佐藤委員長にさらにお願い申し上げておきたいのは、第一は、やはり超党派的に、決算は国の大事な税金を使う、それを国民が納得できるように決算によって明らかにするのでありまして、超党派的に、ある場合においては政府に対して与党としては立場が非常に苦しい面もありましょうけれども、十分一つ与党の皆さん、特に委員長が厳正中立の立場で処理していただく、このことも重ねて私お願い申し上げておきたいのです。
 それから第二点は、取り扱いの問題についてもいろいろまだ今後決定しなければなりませんでしょうが、この前論議いたしました点をもう一回新たな委員で、私どもの社会党の方ではあまり委員は交替しておりませんけれども、もう一回あれを反復いたしまして、さらに討論しながらこの決算審議のあり方についての結論を早急に出していただきたい。そうしませんと、やはり委員もほかの委員会の方が重点になりまして、決算委員会は添えものになるようなきらいがあるわけですね。そういうことでまあ最悪の場合は理事だけで審議しなきゃならないような場合もできましては、非常に国民に対して申しわけないことでありますので、そういうことで早急に審議方針の結論を出していただく、そういうことをお願い申し上げておきますが、以上二点委員長おかわりになりましたので、要請いたしまして発言いたしておきたいと思います。
○委員長(佐藤芳男君) ちょっと速記をとめて。
   〔速記中止〕
○委員長(佐藤芳男君) 速記を起こして。
 別に御発言もございませんようですから本日はこれにて散会をいたします。
   午前十一時十四分散会