第037回国会 商工委員会 第5号
昭和三十五年十二月二十二日(木曜日)
   午前十時四十一分開会
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 出席者は左の通り。
   委員長     剱木 亨弘君
   理事
           川上 為治君
           古池 信三君
           栗山 良夫君
           牛田  寛君
   委員
           赤間 文三君
           井川 伊平君
           上原 正吉君
           岸田 幸雄君
           小林 英三君
           鈴木 万平君
           山本 利壽君
           阿具根 登君
           近藤 信一君
           椿  繁夫君
           吉田 法晴君
           向井 長年君
  国務大臣
   通商産業大臣  椎名悦三郎君
   国 務 大 臣 迫水 久常君
  政府委員
   経済企画政務次
   官       江藤  智君
   経済企画庁調整
   局長      中野 正一君
   外務省経済局経
   済協力部長   関守 三郎君
   通商産業大臣官
   房長      樋詰 誠明君
   通商産業省通商
   局長      小室 恒夫君
   通商産業省企業
   局長      松尾 金藏君
   中小企業庁長官 小山 雄二君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       小田橋貞壽君
  説明員
   通商産業省企業
  局賠償特需室長  平岡 廣助君
  参考人
   日本輸出入銀行
   理事      鈴木 義雄君
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  本日の会議に付した案件
○海外経済協力基金法案(内閣提出、
 衆議院送付)
○商工組合中央金庫法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
○水資源開発関係予算に関する請願
 (第四号)
○新潟市に東北電力火力発電所建設の
 請願(第一五号)
○消費者物価値上がり防止に関する請
 願(第六一号)(第一七四号)
○九州電力料金値上げ反対に関する請
 願(第一〇五号)(第一九七号)
 (第一九八号)(第二四九号)
○四国地方開発事業費国庫補助等増額
 に関する請願(第二〇〇号)
○経続御査要求に関する件
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○委員長(剱木亨弘君) これより商工委員会を開会いたします。
 まず、海外経済協力基金法案を議題といたします。
 これより質疑を行ないます。御質疑のある方は順次御発言を願います。
○吉田法晴君 法案によりますと、東南アジア等の後進地域に対する経済協力のための資金を用意しよう、こういうあれですが、通症省の最近の、本年度、来年度の輸出貿易の見通し等を拝見いたしましても、今後ドル防衛あるいはアメリカ、ヨーロッパ諸国の景気停滞からする輸出競争の激化という点も予想をせられますし、今後貿易を伸ばしていくためには、あらゆる施策を用いなければならぬと、経済企画庁、通産省等においてもお考えのようでありますが、特にドル防衛措置によって直接大きな影響を受けますところのあるいは肥料、化学製品あるいはセメント等々、これは数日前の委員会の質問で経済企画庁長官自身も品目をあげて御心配になっておりましたが、これはひとり肥料あるいはセメント等々にとどまらず、日本の貿易全体あるいは経済全体について言えることだと思うのであります。従って先般来の日ソ貿易についても一億六千万ドル云々ということで、大へん歓迎されておる。あるいは最近はパキスタンとの経済協力に関しまする通商航海条約ですか、等の取りきめも歓迎をされておりますが、パキスタン等の数量を見ましても数千万ドル、そうすると、いわゆる共産圏といれます地域、いわゆる東の陣営といわれたりしておりますところ、日本でいいますと、シベリア開発あるいは中国貿易についての国民的な再開の期待というものも大きいことは、私が申し上げるまでもございませんが、これらの点についてどういう工合にお考えになりますか。池田内閣として初め静観ということでした。ところがその後国民の輿望に押された結果だと思いますけれども、貿易の伸張については、日中貿易についてもこれを望む、あるいは期待をする、こういうお話でございます。本院予算委員公等でも、この問題について緊張緩和の一つの施策とし、来年度において中国の国連加盟も実現するだろうし、対中田関係の国際的環境も著しく変わって参るだろう。従って、政府間協定に踏み切っていいんじゃないか、こういう御質問に対して、承認を前提としない政府間協定、郵便あるいは気象の政府間協定等は、これを結ぶ用意がある、こういう答弁がなされております。貿易についてその伸張を期待する、あるいは日中貿易についても民間段階という限定はついておりますけれども、その発展を期待するというのであるならば、政府間協定を含んで、あらゆる努力をこちらからすべきではないかという、私ども国民の切望を考えながら、政策の前進といいますか、あるいは変更と申しまするか、これを政府に求めるのが私どもの態度だと思うんです。経済企画庁長官、それから通産大臣おそろいでございますから、まず承りたいと思います。
○国務大臣(迫水久常君) 御質問の要点、結局中共貿易を促進するかどうかということと了承いたしましてお答えを申し上げますが、政治的な関係でなしに、貿易それ自身が進んでいくならば、これは決して拒むところではなくて、これについては、何と申しますか、協力をしていくというのが今の政府の立場だと思います。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 最近この中共貿易再開の気運が業界に出て参りまして、それで強制バーダーによらない片道決済の輸入を認めてほしいという要望も出ているようでございます。これらの要望に関しましては、われわれといたしましては、その線に沿うて参るつもりでおります。しかし、やはり問題の処理はケース・バイ・ケースで参りたい、こういうことを考えているのであります。この両国の貿易がまた二、三年前の状況に簡単に返るものとは考えられませんけれども、現在の段階において、できるだけその方向に努力して参れば、二、三年前の線、あるいはまたそれ以上に伸び得るのではないかという期待をもっておりますが、しかし、非常に多くを今期待することは、これまた当たらないのではないかと、かように考えております。最近の貿易の状況は御承知の通り特殊のものでございますが、少し以前の品物を見ますというと、こちらからは鋼材、それから化学肥料、医薬品、機械、化繊、そういったようなものが出ておりまして、向こうからは大豆、塩、石炭、桐油というようなものがきておったわけであります。状況はそう大した変化はございませんが、こういったようなものについて、また復活する望みは十分にあるだろうと考えております。
○吉田法晴君 基本的な問題と、それから強制バーター地域からの除外といいますか、ケース・バイ・ケースという具体的なお活と、両方、両大臣からございましたが、私も両者についてお尋ねいたしたいと実は考えているんですが、通産大臣、一般的な点について、あるいは基本的な点については多くお触れになりませんでしたが、通産省の貿易見通し等を見ておりますと、来年度の一〇%伸びは非常にむずかしい、こういうことが書いてございます。で、輸出の総額の中で、たとえば日ソ貿易の一億六千万ドルというものを、やはり相当大きなものとして歓迎をしておる実情から考えると、六億五千万の人口を持っております中国との貿易を再開するということになりますと、これは一億、一億というものはすぐにふえるでしょう。しかも今通産大臣が言われましたあるいは鋼材であるとか、肥料であるとか、あるいは化繊であるとか、あるいは機械でありますとか、ドル防衛なりあるいは特需の停止、削減によって直接影響を受けますものは、まあかわりの市場もでございますが、これから伸びていきます製品の大部分を輸出炭に待ちたい、こういう情勢の中で、日本の経済自身からする貿易の拡大の道を、あるいは縮小のかわりのその市場を見つけるということになると、東西貿易と申しますか、その中で中国が一番私は大きいと思うのでありますが、中国との貿易の再開というものは相当大きな重要性を持って考えられるのではないか。それはひとり中国だけでなくて、東南アジアに対しても経済協力、まあ従来のアメリカを中心にしたいわゆる後進国地域の開発に協力をするというだけでなしに、いわば互恵平等の、いわゆる平和五原則といわれています方針に従っての貿易の拡大ということになりますと、これは従来以上、いわゆる東南アジアの諸国に対する貿易も進展をするという可能性も考えて、大きな意味を持っておると考えるのでありますが、日中貿易の再開について、もっとはっきりした政府の方針が出されていいのではないか。企画庁民管の答弁の中にあります、政治に関連をしない限りにおいてといったような、いわばへっびり腰、アメリカに遠慮をしながら日本の貿易を考えるというのでなしに、アメリカ自身でさえ貿易の問題は、あるいは日中貿易の問題も、日本が自主的にきめる問題だ、こういう段階になっている。それから、イギリスは、御承知のように最近中国貿易を拡大をしようとして、中国の経済使節団を、産業別の代表を含んだ大きな代表団を迎えようと、これはイギリスと中国との間の貿易を拡大しようという努力をしておることは御承知の通りであります。もう少し積極的に政府としても考えてしかるべきではないか。あるいは民間貿易の努力、政府間協定への道を求めて、国民が動こうとしておりますこの現在の趨勢に対して、それに対応するだけの姿勢と方向をお示しになって、私はしかるべきじゃないかと思うのですが、重ねて承りたい。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 全般の貿易につきましては、結論としてはこの三十五年度は一七%ぐらいの伸びであったのでありますけれども、三十六年度においては、まあそこまでは期待できない、一〇%、こういう結論でございます。アメリカの景気後退も、大体において来年の後半期においては後退がとまる、こういうふうに見られておりますし、それからまたヨーロッパの景気等についても、大体において今いいところへきていると思いますけれども、これまた多少の後退があるかもしらんというような点を考慮し、日本としても相当の輸出ドライブをかけて、そして大体一〇%の伸びができるのではないか。その一つの要素といたしまして、このソ連との第二年度の品目協定をいたしましたことは御承知の通りであります。一億六千万ドルぐらいのものを、往復で期待しておるわけであります。東南アジア等につきましては、御承知の通り、輸銀の資金を拡大いたしまして、支払の緩和笠、あるいはまた直接政府に対する借款というような問題も考慮に入れまして、そして今後輸出の伸長を則して参りたい。
 そこで、問題は中共貿易でございますが、たた成り行きにまかせるという、そういう考え方ではもちろんございません。たたし、政府間の協定ということは、まだ政治的にその時期にないものと考えるのでございまして、ただいまの政治情勢というものに即応して、われわれとしては考えておる。従って、一歩々々前進をいたしまして、積み重ね方式によって、できるだけ早くこの両国間の貿易額というものを伸ばすように努めて参りたい、かように考えておるわけであります。
○吉田法晴君 まあ政治情勢に応ずる、国際的な変化を見ながら。たとえば国連加盟等でしょうが、政治情勢に応じながらという基本的な態度、これはまあ池田総理の答弁等を通じても、そういうふうに考えられるのですが、ドル防衛の措置、あるいはアメリカ、ヨーロッパ等の景気停滞からする輸出の伸び悩み、一七%の本年の伸びが、一〇%に来年は減るだろう、そういう見通しですが、しかし、いやそう大して心配ば要らぬのだ。こういうことでは、これは現実にあとからついていくだけで、それでは政策ではないと思う。心配があるならば、前もって対策を講じて輸出の伸張をはかる措置を講じられるのが政府の責任だと思う。で、日中問の問題についても、ただ単に貿易はやりたい、これは出ております。ところが国際情勢についていく、あるいは政治情勢についていくというのでは、これは政治じゃないと思うのですね。これは民間の対応策あるいは努力と同じことで、ドル防衛の問題もですが、日中貿易の問題にしても、中国の国連加盟も、これは来年度は必至であろうといわれている。あるいは現にイギリスのごときは、今後の国際競争といいますか、輸出競争の激甚に備えて、いち早くイギリスと中国との貿易の拡大に努力している。そうすると、日本の場合にも、将来を考え、あるいはドル防衛なり、あるいは輸出競争の激甚を将来に考えるならば、あるいは輸出の伸び悩みを考えるならば、今日においてそれに対する施策を講ずべきじゃないか。その中で日中貿易というのは、ソ連との貿易一億六千万ドルが高く評価されるように、おそらく再開されるならば、二億あるいは三億、一ころいわれておりましたような十億というものがすぐにできないにしても、とにかくウエートが大きいことは間違いがない。そうすると、ついていく政策じゃなくて、先を見通しての政策が立てられるべきじゃないか。それもその貿易を望まぬというなら別だ。日中貿易の発展は望む。それから政府間協定について、郵便あるいは気象等については、これを結ぶ用意があるというならば、国民の要望あるいは経済の実態を考えるならば、政府間協定についても、貿易の政府間協定についても、それを努力の目標として掲げるのに何の差しつかえがあろう、こう考えるわけでありますが、経済企画庁長官、先ほど政治に関係なしに云々というお話でありましたから、まあ答弁はほんとうは総理からしてもらうべきであろうと思いますが、お二人がおられますから、先はどの答弁に関連たしてもう一度御答弁を下さい。
○国務大臣(迫水久常君) 貿易というものが日本の経済の成長の基底をなしているものであることは、これはもう申し上げるまでもありません。私の立場といたしましては、この日本の経済成長の基底をなす貿易という問題が、政治的な理由によって左右されるということは、できるだけ少なくあってほしいということは私の念願であります。少し言い過ぎかもしれませんけれども、もし昭和三十年以前のように日本の貿易がアメリカの特需にあんなに依存しておった場合に、今度のドル防衛方策をやられたら、日本の経済というものはずいぶん影響を受けたと思うのですが、幸いにして日本の努力によっていわゆる特需依存という程度がうんと少なくなっておったために、今回のアメリカのドル防衛も、そうそれでもって日本が大あわてをしないで済む、こういうことを考えていった場合には、できるだけ貿易というものは政治に左右されないような状態においてしたいとこう思うのでありまして、もちろん日中貿易の伸展することは念願とはいたしますけれども、建前はどこまでもこれは貿易、経済の問題であって、政治によってその貿易が左右されないようにしたい、こういうことは私はもう非常に念願をいたしておるのでして、従いまして日中貿易を促進するということについては、決して人後に落ちない立場でございますけれども、それはあくまでも経済的なベースにおいての話であります。そういうべースにおいて伸展するものならできるだけ一つ振興していきたい、こういうのが私の心持でございます。
○吉田法晴君 今の御答弁には積極的な面と、消極的な面と、二つまああると思うのですが、特需等に依存しておった過去の日本の貿易経済の姿が漸次直ってきた点は大へんけっこうだと、その点は私どもも軍事的な面からアメリカ一辺倒の経済、あるいは貿易である従来の姿は直さるべきで、アメリカ従属の経済というものは、これはやめるべきだ、こういうことを主張して参っておりますが、従って、アメリカに対しても、あるいは中国に対しても、いわば貿易についてひもつきであるとか、あるいは従属的な、あるいは特に一つに依存をするというような経済あるいは国であってはならぬ、いわれております互恵平等といいますか、私はまあそういう意味で互恵平等、あるいは相互不可侵といったような平和共存の経済、あるいは平和五原則といわれておりますもの、あるいはバンドン会議で論議されたバンドン精神、バンドン十原則というものは、政治だけでなくて経済の面でも、これはアメリカに対しても、あるいはソ連、中国に対しても、それから問題の経済協力についての東南アジアについても、これはそうでなければならぬと思う。そういう意味で積極的な面と私どもが賛成をし得る要素を持っておるのでございまして、しかしもう一つの後半にありましたが、消極的な面というのは、政治に左右されないという意味で純然たる民間貿易、こういう要素がございました。で、強制バーター問題を含めて、三年ほど前に洋内閣の当時、あるいは台湾に行って大陸反攻を激励をされた、あるいは国旗事件等、向こうからいいます中国敵視政策によって日中貿易が、民間契約であったけれども、これが御破算になった。しかし、その後、日本と中国の間の関係は古いものであって、それは過去、将来にわたって変わるものではない、従って最近の日本と中国のいわば人民的な協力交流の結果、貿易のほんとうの再開は政府間協定でなければならぬ、それは政府の保証がなければ貿易というものは十分行なえないから、政府間協定が原則である。しかし、政府間協定がないので取引が全玉然できないというわけではない、民間の商社、これはまあ敵視的な商社とはこういうことはできないかもしれないけれども、友好商社との間には個々の契約をしてよろしい、こういうことでいわゆる配慮物資の拡大のほか、民間取引というものを始めようという、いわば向こう側から窓口があけられた。それに対して、民間の契約ができるようになった。ところがこちらからは強制バーター云々ということで、いわば取引貿易の一歩断絶からする一歩前進の提案がなされたのに対して、日本の政府は、いわば国交回復という点については困る、あるいは政況に関係するというのでは困る、こういうことで一般的にも向こうのいわば貿易についての好意的な取り扱いに対して、基本的な態度も友好的になろうとしないだけでなしに、個々の取引についても強制バーター制がすぐ適用される、こういうことで、なるほどその後緩和されたということではありますけれども、ケース・バイ・ケースということで個々に審査をする。個々に審査をするということのその背景の裏には、やっぱり入こいわれるような政治に関係しない云々、あるいは国交回復を前提にしない、こういう向こうの中国側からいいますと政治三原則に反するような態度で、個々の取引をするあるいは貿易の全面的再開、こういうものに対しては、いわば消極的な抵抗的な態度で対しておられるが、このことはやはりすぐ響く心配があるということを私どもはおそれておるのです。そこで個々の点についても、取引あるいは貿易再開の道についても、具体案がなされたら、政府としても当然これに応ずる施策がなければならぬと思うのです。それが基本的な点と、それから個々の取引の点についても私は考えるべきではないか。この日中貿易を望まぬならば別ですけれども、望むというならば、一般的な方針についても、あるいは個々の取引についても貿易あるいは取引を拡大していこうという態度があってしかるべきではないか、こう思うのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) この断絶前は相当厳重な強制バーターが行なわれていたようであります。これも日本側の方の一力的な考え方できまったのではなしに、むしろ中共側の考え方も相当加味されて行なわれていたようでありますが、今回こういったようなケース・バイ・ケースで強制バーターを取りはずすという考え方をわれわれは取ろうとしておるのでありますが、これも相当手続がめんどうだというよなうお話もございましたが、もうできるだけ簡単にこれを認めるということにして参りたいと考えております。それでわれわれの願うところは、現在の国際政情下にあっては、これはどうしても政府間協定にまで行き得ない状況でございますので、その範囲内において、できるだけ両国の貿易額というものを、貿易量というものを増加させるようにだんだんに一歩々々漸進的に進めていきたい、推進していきたい、こういう考え方でございます。
○吉田法晴君 この政府間協定ということについては御答弁が願えませんでしたが、自民党の中にすら、けさの新聞を見ますと、貿易だけでなく国交回復をするために努力をしようではないか、これはあなた方の言われる国際情勢の変化といいますか、あるいは国連加盟が必至になる、あるいは日中関係の問題が今後大きな問題だという認識に立っておると思うのですが、自民党の中にさえそういう意向がありますことは御承知の通り。それから周恩来総理の言葉の中にありますが、貿易は政府の保証なしには安心してあるいは全面的な貿易はできない、従って政府間協定が原則であると、こう言われた。この点等をどういう工合に考えられるか。業界あるいは産業界、国民の間には国交回復への意図も含んで政府間協定にぜひ踏み切ってもらいたい、こういうことが請願その他にも相当出てきております。日中貿易の問題が大きく新聞に出ますのも、この国民の要望を多分に私は現わしておると思うのですが、郵便あるいは気象等については政府間協定を結ぶ意図があるというならば、これだけ強く要望のあります貿易問題について、政府間協定に踏み切ることは、これは私は当然だと思う。問題は時期を考えているということかもしれませんけれども、方向としてはどうなんですか。両大臣どちらからでもよろしいです。
○国務大臣(迫水久常君) 貿易に関する政府間協定というものをする方向であるか、こういう御質問と了解をいたしてお答えいたしますが、その問題は、これは貿易の方の側から考うべき問題ではなしに、日本の外交政策といいますか、この方から考うべき性質のものだと思います。従って私どもがここで御答弁をする範囲ではないのですが、現在の池田内閣の方針は池田総理がたびたび御説明になっておられますように、承認という問題との関連のあるような政府間協定というものをするのは、まだその時期ではないというのが、池田内閣の立場だと思っております。
○吉田法晴君 貿易問題からではなく云々というお話ですが、それじゃ貿易の点から考えるとどうなんですか、通産大臣。国民の要望もあり、これから拡大していきたいという御意向は先ほど来御答弁願いましたが、少なくともそういう方向への努力をしたいという御気付はございますか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) その点はちょっと立場上私から今ここで申し上げるわけには参りません。ただ一般的にいうと、政府間協定があって、両国の立場が今、政治的にギャランティされることは、これはいいにきまっております。ですからそのことは悪いことだとは思っておりません。ただしかし、国際政治情勢が御承知の段階にありますので、これを今直ちにやるということは、それは日中間の貿易はそれで促進されることがあるかもわからんけれども、それによってまた一方においていけない点もかなりあるわけであります。そういったようなことを貿易の面からは考えられる。そこで国交回復あるいは中共承認というような問題は、どうしても貿易の立場から割り切れない問題がございますので、われわれとしては具体的にはその問題について明らかにすることはできないことを御了承願いたいと思います。
○吉田法晴君 通百大臣の言われる日中貿易あるいは日ソ貿易は拡大することがあるかもわからぬけれども、しかし他の面でマイナスがある云々ということですが、実際にはアメリカなり――まあアメリカを主として、援助あるいは貿易というものが減ろう、こういう現象が先に出てきて、それで対米依存というものでは日本の経済自立は達成されない、従って日中貿易なり、あるいはアジア、アフリカ諸国との問の互恵平等の貿易を拡大すべきではないか、こういったお尋ねをしたのですが、意見が食い違っておりますし、これ以上やりますと論議になりますから、他日の機会に譲ります。
 個々の問題ですが、強制バータを緩和した、こういうお話ですが、今述べられたような一般的な方針もあって、そうして強制バーターを緩和したけれども、ケース・バイ・ケースで承認をする、そうしますと、告示ですか、には強制バーター地域からの除外がなされたかのようでありますけれども、実際にはそうではない、個々の品目について緩和される。あるいは今まで許可されたうちの睦商会の分等についても、結局向こうからゴマ、ヒマ等の輸入品に対してこちらからやっぱり持っていくものが求められる。言わばバーターの方針というものはなくなっておらぬようであります。そうすると、一つ一つについてはやっぱり審査をし、それから基本のバーター関係というものがなくならないと、一つ一つについて、なるべく急いでという答弁が大臣からでございましたけれども、実際にはそうならぬ、こう考えるのですが、もう少し強制バーター地域からの除外という問題と、それからこれの緩和だけではなくて、地域からの除外のはっきりした方針を打ち川さなければ問題が片づかないと思うのですが、いかがでしょうか。
○政府委員(小室恒夫君) 告示の個々の問題でございますから私から御答弁申し上げます。
 先ほど通産大臣から申し上げた通り、二年前の中共貿易が中断したとき――実は強制バーター制度で片道千七、八百万ドル程度相当大規模な取り引きが行われてきた、そういう現象であったわけですが、最近若干の緩和をいたしまして、実は特産で、ほかの諸国からの輸入品と全く競合することの行われない甘グリ、なまウルシなどというようなものはこれは強制バーターの品目から完全にはづしてしまったのであります。それからさらに最近告示を改正いたしまして、大臣の承認を受けた場合は、ケース・バイ・ケースでもって、強制バーターでなく、単独の片道の輸入を認めるということにいたしました。最近、二件輸入申請があって二件とも認めたのでありますが、一件の方はそれに見合うような輸出が同時に行われるというような状況であったのでありす。で、ケース・バイ・ケースで憾める場合に、直ちに輸出が伴うということが条件であるというふうには考えません。品物がどういう品物か、特産的なものであるか、各国と競合する生産のものであるかどうか、あるいは輸出に見合う輸入があるかということもケース・バイ・ケースの考慮に入れて、あるいはその他の事情も考慮に入れます。しかし、全体としては弾力性のある運用をやって参りたい。実は個々の運用には通商局の方に委員会を作って、そこできめたことはそのまま通すこういうような形でやって参る方針でございます。
○椿繁夫君 通産大臣が予算委員会の方においでになると、これまたいつ帰ってくるかわからないという心配もございますから、吉田委員のお許しを待て、この機会にちょっとお尋ねしたいと思いますが、この海外経済協力基金法案ですが、きのうもちょっとお話が出ておりましたが、わずか十八日間の短かい国会で成立を特に急がれる理由、これがちょうどアメリカのドル防衛政策が具体的に発表されてわれわれの耳に入ってきた、この時期と関連しておりますだけに、アメリカの例の低開発国の援助資金の肩がわりをやる法律じゃないかという不安と疑念が国民の問に広くある。そうじゃないのだということをもう少し納得できるように御説明をいただきたい。と申しますのは、英国に対しても、西ドイツに対しても、アメリカが持っていました防衛費の節減について協力方を使いを送って両国と折衝しておりますが、両国はこれを拒否している。一方わが方では池田総理大臣は積極的に協力いたしますと、こうしばしば言明しておられる。ちょうどこの法律がこの僅かな会期の国会で成立を急がれる。何かアメリカの低開発国援助資金というものがこれまでのように出しにくくなった。その肩がわりをこちらでやるのじゃないかというような疑念が正直なところある。こういう点について、もう少し国民を納得させるような理由が、御説明は上手なんだけれども、肝心なところが欠けているように思う。この点一つ。
○国務大臣(迫水久常君) この法律は、御承知のように、アメリカのドル防衛なんということは考えもしませんでした先般の通常国会に提出されておりまして、それが御承知のように安保条約の巻き添えを食ってだめになりました法律でありますので、この法律の起草がアメリカのドル防衛と関係がないことは、これは御納得いただけるだろうと思います。問題は、この特別国会になぜ一体提案したかということですけれども、御承知のように来年度の予算にこの基金の五十億円の増額の予算を要求いたしております。予算編成にかかります前にこの基金を設置しておりますと、当然増してもらうことが認められるわけですけれども、それが設置してない場合には、できもしないのに対してどうだ、一ぺん五十億でやってみたらどうだ、一年おくれでいいだろう、大蔵省はとかくそういうことを言い勝ちてあるこを、私の経験に徴して、私自身もやったことでありますし、きわめて明らかであります。予算の編成前にこの基金が設置されて、次の基金の増額を確保したいというのが今期国会に提出したほんとうの考え方であります。今、椿さんおっしゃいますが、あまり気を回され過ぎているのではないかというような、率直に言って感じでして、日本に対してはまだ全然経済援助の肩がわりの話なんかはアメリカからは出ておりませんのでありまして、そうしてそれを早手回しに、手回しよくそれを受ける態勢を整えておくほどさように、われわれは何といいますか、対米一辺倒じゃないということを確信いたしております。そうしてこの基金の何といいますか、効用によりまして利益を受けるのは決してアメリカじゃなくて、東前アジアその他の低開発地域であり、同時にそれに対する経済協力をする日本なんであります。アメリカ向けの法律でなくて、表題の示している通り、低開発地域、日本それ自身に対するそっちに向いた法律と御理解願いたいと思います。
○椿繁夫君 経企長官のせっかくの御説明でありますけれども、私はなかなか納得できぬのです。そこで、この東南アジア諸国の産業開発のためにこの基金の設置をする、外国の産業開発をやる前に、まずドル防衛政策によって生ずる国内の産業の非常に大きな影響に対して、なぜ先に手を打つことを考えないかということを、まずこれから申し上げたいと思うのですが、私は、いろいろございましょうが、ドルの不安というものは、何といったってこれは世界の各地に、ソ連と中国の軍事的な包囲政策といいますか、海外基地をたくさん設置いたしまして、その政策を持続しておるところに、アメリカの経済の不安、ドルの苦悶というものが私は続いておると、こう見るのです。従って、ドルの防衛政策というものが、今後日本を初め、中近東からヨーロッパにもありますところのアメリカの海外基地の整理ということが、ドル防衛政策の具体的な政策として日程に上ってくるのじゃないかという気がいたします。この問題について経企長官はどうお考えになりますか。
○国務大臣(迫水久常君) アイゼンハワー大統領の出された教書にも自由主義諸国の経済というものをおびやかすことがないように、そういう政策を追求するためのドル防衛策だというような趣旨のことが書いてありますので、このドル防衛政策によりまして、自由主義諸国の経済それ自身に横本的な影響を与えるようなことはアメリカはしないと私は思っております。ただ、軍事基地の整理の問題については、これは私は意見を申し上げる限界ではなくて、椿委員がそういうふうにお考えになるなら、そういう意見もあるかなあと、ここで私は承るのでありますが、仏は、その問題と経済の問題とは別じゃないかと思うのです。経済の上においては、どこまでも自由主義諸国の経済に重大な変化を与えないという前提のもとに、このドル防衛政策はとられるのであるというたとを確信しております。具体的にケネディ大統領が就任してからを見なければわかりませんけれども、ただいまおっしゃった軍事基地の整理が、直ちに自由主義諸国の経済に重大な影響を与えることとは考えておりません。
○椿繁夫君 今回のアメリカの政策が、わが国に特に来年度どういうふうに影響してくるかということについて、総理も大蔵大臣も、しばしばドルの減収は一億二千万ドル程度だ、従って、大した影響はないんだ、心配するなと、こう言っておるのですが、一体一億二千万ドルと想定される減収、これはどういうものが主として減るので一億二千万ドルになるのか。それは結局大きな経済上の影響はないのだ、高度成長についての考えを再検討するほど重要なものにはならぬのだというお話なんですが、これは一体どういうところに影響するか。その結果このような減収が起こるというふうに見ておられますか。
○国務大臣(迫水久常君) 便宜私から御答弁いたしますが、ICA、域外調達の輸出で約六千万ドル、それから日本国内のPXとか、そういうところで売っているもの、そういうような関係の円セールというものが約四千万ドル、それから軍預金振り込みといいまして、こちらに駐留をしておる米軍が内地で調達する、そういうものが二千万ドル、合計一億二千万ドル、これがマキシマムと言えると思います。
○椿繁夫君 そこでお尋ねをいたしますが、東南アジア向け車両修理特需というのがございます。これはやっております会社は、日本製鋼でありますとか、ビクターオート、あるいは相模工業、これに従事しております者大体約八千人、そこへ修理特需ではなくて、新車の東南アジア向けのトヨタ自動車などを含めますと、相当な従業員がこれによって生活をしているわけです。ところが、こういうものについての影響、一体いつ何どき契約の解除になるかもわからない。あるいは三月末、あるいは六月末の契約更改期には、こういうアメリカの木国のドル引き締めという基本政策に発して買いたたきなどが行なわれる、それによってしわ寄せが会社なり従業員にくるのではないかというような不安を今日持っているのですが、そういうことに対する政府のお考え。東南アジアの低開発諸国の産業開発について、とりあえず五十億の金を出すということがこの法律の趣旨なんですが、そういうアメリカの最近の政策によって不安におののいている国内の産業に対する対策というものが少しも政府は理解がない、通産大臣一つあなたの御見解を聞きたい。
○国務大臣(椎名悦三郎君) こまかい問題につきましては、平岡賠償室長から申し上げます。
○椿繁夫君 こまかい問題はそれでよろしいが、こういうドルの防衛政策が必ず影響してくることが予想される産業に対する通産大臣としてのお考えを聞くのはこまかい話じやありませんよ。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 今の東南アジア向けの車両の発注問題、その問題について平岡君から申し上げます。
○椿繁夫君 これは私は卑近な例として、ただいま東南アジア向け車両修理特需についてお話をいたしましたが、これは一つの卑近な例として申し上げている、ドルの防衛政策がわが国の産業に及ぼす影響、それに対する政府の対策、どの程度のことをお考えになっておりますか、まずこれをお伺いしたい。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 一番業界に影響のありますのは肥料であります。その次にセメントということになっておりますが、ただいまの車両修理の問題は、これはどうしてもどこかで修理しなければならぬ。それで、それをアメリカに持っていって修理するのがいいか、日本の工場を利用するのがいいかということは、もっぱら距離の観念から割り出される問題だと思います。その他いろいろな面において特需及びICAの発注がとまるということによってその当該業界に対しては、これは容易ならない問題であることは申し上げるまでもないところでございます。これらの点をまことに軽いものだというようなふうにして楽観論だけを振り回しているというのではございません。やはりその業界々々にとっては相当重大な問題でありますから、それの対策につきましては、ケース・バイ・ケース、その具体的な事実によって今後処理して参らなければならぬ問題たと思います。ただ、この影響がいつから始まるかということになるのでありますが、すでに契約しておるもの、それから契約に至らないけれども契約を取り結んでよろしいというような、あらかじめその許可か承認が要るのだそうであります。そういったようなものに対しては、これは取り消さぬ、それ以後の問題ということなるようでございますから、この影響が実際に現われるのは三十六年度の後半期からと私は承知しております。この間におきまして十分にその対策を業界とともに考えて参りたい、さように考えております。
○委員長(剱木亨弘君) ちょっと速記をとめて。
   〔速記中止〕
○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて下さい。
○椿繁夫君 それでは通産大臣に対しこの御質問は後刻に譲るといたしまして、先ほどの車両特需のことについて政府委員の方から一つ御説明を求めます。
○説明員(平岡廣助君) 御説明いたします。ただいま御質問のございました特需問題はアイゼンハワー大統領指令の細目が十二月十七日に国防長官から発せられておりますが、それによりますと、軍の契約の節約も指示されております。それともう一つは、軍事援助に関する買付は従来通り、特にその規定によらないということが書いてございますが、車両特需の東南アジア向けの分は軍事援助と考えられておりますが、この分はまだ明確な指令が出されておりません。台数から参りますと、三十二年から本年までの契約総額は四万六千七百三十八台、金額は一億三千三百七十一万四千ドルでございます。ただいま納入契約以外に今後発注する可能性がありますものは、陸軍と関係会社の契約のオプション条項によりまして、なお一万八千四百九台、三千七百一万七千ドル発注するかもしれないという約束になっております。この一部は最近約五百万ドルの部品をトヨタ自動車から買い付けております。その意味で車両の方はまだ明確な国防省指令がなされておりません。
 ただいま御質問のもう一つございました自動車の修理でございますが、これの方は十二月十七日付の国防長官指令によりまして、海外で米軍が発注しておりますものは、一九六一年におきまして最高一億二千五百万ドル、最低金額から参りますと六千五百万ドルの節約をするという指令が出ておりますが、これにこれは該当すると思いますが、ただいままでの実績から参りますと、昭和三十三年度は自動車修理は六百五十七万三千ドル、三十四年度は六百七十一万三千ドル、三十五年度上半期で四百五十五万七千ドルになっておりますが、これは毎年約一カ年ないし六ヵ月での契約できまっておりまして、先があまりわかっておりませんが、従来からの例で参りますと、これは日本で製造した自動車の修理とか、あるいは日本に非常に近い台湾とか韓国とかそういうところの自動車でございますので、輸送上その他の関係からこれは依然として続くのではなかろうかと一般に見られております。ただこれはどのくらい減るかということは、ただいま申し上げましたように、国防長官の指令は米軍の域外買付全般でございますので、まだ明確に日本にどのくらいかかってくるかということは推測いたしかねております。
○椿繁夫君 そういたしますと、ただいまの車両修理特需の発注見込みを今承ったわけでありますが、現在そういう企業に従事しております人員なり設備を基礎にいたしまして、一体いつごろまで、これは大きな契約解除などの影響を受けないで企業を持続していくことができる見通しなのか、この点について。
○説明員(平岡廣助君) ただいまの契約によりますと、おおむね明年六月ないし九月というのが契約期間になっておりますので、それ以後において毎年これは契約を更改するつどその問題がございますので、その新しい契約をします段階におきまして、そういう問題が起こって参ると思います。
○椿繁夫君 ちょっとこまかい話になりますが、この機会にお尋ねをいたしますが、ドルの引き締め政策というようなことが影響いたしまして、契約更改期に現在の契約条件などを引き下げたり、買いたたきをしたりするというような心配はございませんか。
○説明員(平岡廣助君) これは一般の両契約当事者の契約でございますので、契約期間中におきましてもいろいろ問題はあろうかと思いますが、米軍との特需契約につきましては、契約上紛争があれば地域協定に基きます日米合同委員会の契約協定委員会がございまして、その委員会に問題をかけて解決をするということになっております。でございますから、契約上そういう問題が起こらないとは、両当事者の関係でございますから私どもにはわかりかねております。
○椿繁夫君 経済企画庁長官にお尋ねいたします。ただいまお開きのように来年の八月か九月ころまでは大体仕事は大丈夫だろうと思うが、それから先はまだアメリカの指令が具体的になっていないから見通しができない、こういう先行き不安な企業等につきましては、今から業種転換の行政指導などが私は政府においても考えられ、企業当事者においても当然考えられなければならぬと思うのですが、これに対するお考えを承りたい。
○国務大臣(迫水久常君) これは通産大臣がほんとうはお答えするところだと思うのですけれども……。
○椿繁夫君 それが一番よろしいのですけれども……。
○国務大臣(迫水久常君) 今お言葉で業種転換とありましたけれども、肥料会社が肥料を作らなくなってしまうように指導する、こういう意味かと思いますけれども、いろいろ考え方は実際問題としてあると思います。肥料の輸出先を別に考えていくとかいうようなこともあるんじゃないかと思っております。これは通産省が全力をあげて考えておるだろうと私は想像するのですが、実際問題としてはそれが端緒になって日本の経済がこわれるとか、日本の肥料業界がどうにもならなくなることがないよう必ず通産省が措置すると私は信じております。
○椿繁夫君 ちょっと私の説明、舌足らすで誤解されたと思うのですが、今申しました業種転換というのは肥料工場に肥料を作るのをやめさして軍艦でも作らす、というような意味の業種転換を言うておるのではございません。申しますのは先ほどのビクター・オートとか日本製鋼とかいうような東南アジア向け身両修理特需、こういうものが非常に先行き不安だ、申しますのはこれはこういうことになっておるのですよ。特需をやっておりますために、二十五年六月からずっと、たとえば日本製鋼の話ですが、当時千二百名程度の従業員をもって特需に発足をした。ところが二十八年の十一月には千二百名のうち五百名の解雇者、首切りをしなければならなくなった。ところがまた一年おいて三十年にはさらに五百名を採用しなければその発注に応じ切れなくなった。ところが今度、現在ではさらにこれを千五百名もふやして二千何百名の従業員にして、この米軍側の期待にこたえなければならなくなっておる。それが今回のドル引き締め政策の影響によって、少なくとも来年度の九月以降というものは非常に先行き不安になっておる。こういう不安な状態というものをいつまでも続けさしておくわけにいきませんね。そこでこういうこの種の機械工業における業種転換の指導という意味のことを私はお尋ねしようとしたのでありますが、これは経企長官では適当ではございませんから、これは別の機会にいたします。
 そこであなたにこれなら聞いてもよかろうと思いますことを伺いますと、終戦以来十五年になる。いまだに工場の設備、土地というものを、日本製鋼の場合は土地にして八万五千坪、そのうち接収されておりますものが土地にして五万八千坪、建物、設備にして七千百三十二坪いまだに接収されている。そこでこういう大きな経済変動のところに直面して、会社が自発的に従業員の不安などを解消するために業種転換をはかろうといたしましても、接収が持続されておりますために、解除されませんために、この独自の計画を持つことができない。こういう状態がいまだにあることについて経企長官としてはどうお考えになりますか。もうぼちぼち接収解除をさして、そうして、米軍との対等の契約を持続さして、業種転換などについても適宜に経済の変動に応じてその対策を立てることができる、というような工合に私は政府として努力さるべきじゃないかと思うのですが、これはいかがでしょう
○国務大臣(迫水久常君) 日本製鋼というのは昔の室蘭製鋼所でございますか。
○椿繁夫君 室蘭にもありますし、東京都下にもある。
○国務大臣(迫水久常君) 日本製鋼所。
○椿繁夫君 ええ。
○国務大臣(迫水久常君) 今、初めて椿さんからそういうショッキングな話を承りました。これは私の直接の範囲内じゃございませんけれども、おっしゃる通りに早く接収解除してもらうように努力すべきだと、私は、これは、ここに政府の代表とちょっと言えない立場ですけれども、そう思います。よく一つ通産大臣にも話し、外務省の系統にも話して私は努力していきたいと思います。
○椿繁夫君 第二次池田内閣の実力者であるあなたのことですから、私は政府を代失して答弁されたと、こう拝聴いたします。ぜひ一つこれは、こういうことは、東南アジアのまだ海のものとも山のものともわからない産業開発に、何ぼ自然増収があったからといって今年度とりあえず五十億、来年度さらに五十億というように真剣になられる前に、まず国内の産業の安定、その発展のために努力されることを望んでおきます。
○委員長(剱木亨弘君) ちょっと速記をやめて。
   〔速記中止〕
○委員長(剱木亨弘君) それじゃ速記を始めて上さい。
○吉田法晴君 大臣の中座で中断をいたしましたが、日中民間取引の強制バーダー地域適用からの除外の問題について、途中で質問が切れましたが、政府の方からは緩和措置を講じたんだからと、こういうことですが、実際には個々に審査をするということだし、それからやはり個々のあれについてバーターになるかどうかという点も審査をされておるようです。それから手続にしても二十数個の判こが要るということで、大へん繁雑をきわめておるようです。なるべくスピーディにということが、実際にはそう行なわれていない。従って、個々の民間契約ということで貿易再開への道を踏み出そうとしておるところに、政府の日中貿易についての消極的な基本的な態度もあって、個個の契約の審査というものもいわばブレーキになっておるようですから、告示はとにかくてありますが、取り扱いについて告示通りのスピーディな認可、それからバーターを必ずしも要しないんだ、こういう緩和した取り扱いをすべきだと思うのですが、政府の日中貿易についての積極的な態度を示す、こういうことにならないかどうか、局長と大臣の答弁をお願いしたい。
○政府委員(小室恒夫君) 告示は、通商産業大臣の承認によってケース・バイ・ケースで認めるというふうに書いてあるのでありますが、その運用は通商局に一任されておるのでございます。判こも二十幾つというようなことでなくて、非常に簡単に処理をするように努めております。事実、輸入審査が出ておりますのは、二つしかない、二つともすでに認めておるということであります。むろん将来問題のあるケースがあれば、認めるということも起こり得るわけでありますが、現在のところはそういうふうにスムーズに処理をいたしております。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 最近の実情は、今、通商局長から申し上げた状況でございますが、なおこれに関連して、それでもなお百パーセントじゃないというような――やってみた結果、いささかでも支障がありますれば、私どもといたしましては、できるだけそれをスピード化し簡素化することに努めたいと思っております。
○吉田法晴君 それから、こういう除外をしたような告示をしながら、実際にチェックをしようとする動きがありますように誤解されたりしますのは、先ほどの一般的な方針として、中国貿易をどんどん広げていけば、対アメリカ関係の貿易に影響するのじゃないか、こういうようなお話でございました。たとえば大豆のごとき中国から輸入するということになればアメリカ関係の輸入に影響するのじゃないか、こういう心配があるのではないか、こういうことが言われておりますだけに、除外の精神、それから貿易拡大の精神は、基本的な点の争いはもうぎょうはおきます。おきますが、日中貿易拡大のために政府としては個々の審査についても、それから一般的な方針についても努力をしたいという御答弁が願えますかどうか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 一般的に申しましてお説の通りやって参りたいと思いますが、大豆につきましては通商局長から申し上げます。
○椿繁夫君 先ほど大臣が中座されましたのでちょっとお尋ねいたしますが、都下の武蔵にございます日本製鋼所は先ほども申しましたように、東南アジア向けの車両修理特需をやっております。そこでこの今度の引き締め政策から将来一体どうなるのだろうかということに、企業担当者も従業員も非常に心痛をいたしております。そこでこの種の事業に対して、アメリカのドル防衛政策というものがどういうように今後波及してくるかということを、政府としてはたえず細心の注意を払って、この種の事業の先行きについて強い行政指導を望みたいと私思うのですが、それに関連して日鋼武蔵の土地、施設というものが戦後十五年になりますけれどもいまだに接収されておる。その接収されておりますのは土地は八万五千坪のうち五万八千坪、建物につきまして七千百三十一坪、いまだに米軍に接収されておる。ですからこういう経済の変動に対応して、独自の業種転換などを自由に考えることさえ制約される状況にございます。先ほど経済企画庁長官はそういうことがあることを初めて知って、できるだけ早く接収解除をするように話をすべきじゃないとか思うという御発言でございましたが、通産大臣としてもやはり同様にお考えになりますか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 原則的に申しまして、なるべく早く接収解除することを考えるわけでございます。ただよく存じませんけれども、車両修理特需を発注しておる関係上、何かそれに関連して修理をすべき車両の町場でありますとか、あるいは修理の施設等についてももちろん責任をもってやってくれるだろうけれども、まあわれわれも一つ見さしてくれというような、そういったような利害関係からよく施設の接収が行なわれておることが間々あるのであります。そういう場合にはしばらくおくといたしまして、ただ迷惑をこうむっているというようなあり方では、これは一日も早く接収解除すべきものである、かように考えます。よく調査してみたいと思います。
○椿繁夫君 それはお話の通りですね。ただ接収されて迷惑しているということではないのです。車両修理特需があるものですから、そのために米軍は必要と考えてずっと引き続き接収をしておるものと思われますが、今度のようなアメリカの経済政策の――経済政策だけではないと思いますけれど、大きな政策の転換に当面して接収を解除されないがために、会社も従業員も業種転換などについて独自の計画を持つことを妨げている、接収があるために。ですから私はこの法案に関連して東南アジアの産業開発について五十億の出資をする、来年また五十億くらい考えておるというように外国の産業開発についてお考えになる前に、外国の政策の転換によって国内の産業が創意性を発揮することができない、また独自の業種転換の施策を立てることも、ために妨げられている、こういう問題について通産大臣としては一体どうお考えになりますかということを伺っておるのです。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 全くおっしゃる通りでありまして、もちろん経済援助等もこれは日本自身の貿易拡大政策によるものでございますけれども、まず足もとからという御意見に対しては全く御同感でございます。この問題の業種転換等を早くやって、そうしていつまでも不安なそうして半独立体制で事業を営んでおるというような状況から、早く解放されたいというようなもし希望がありますれば、その点は十分に当事者の意思を尊重してそういう方向に指導して参りたいと考えております。
○椿繁夫君 指導されるとともに、接収解除などにつきましては、あれは日米合同委員会かなにかの問題になるわけですか、そういうことがあるといたしますれば、政府の問題としてこういうことを具体的にお考えになって努力していただけますか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 調達庁が直接の責任官庁でございます。そうして合同委員会の施設会議でこういったような問題をきめることになっているそうでありますから、私どもは業界の方の見方、立場から努力いたしたいと考えます。
○委員長(剱木亨弘君) 速記をとめて。
   〔速記中正〕
○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて。
  ―――――――――――――
○委員長(剱木亨弘君) それでは海外経済協力基金法案の質疑を中断いたしまして、商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○椿繁夫君 商工組合中央金市法の一部改正法律によって、二十億の出資を政府が増額することによって、中小企業の状況を好転さすために、金利の三厘の引き下げてすか、来年からの。そういうことを考えて二十億の出資をされるのでございますが、私はこれは賛成でありますが、二十億程度の出資をやることによって、現在の大企業と中小企業との設備の較差、特に貿易、為替の自由化政策の進行に伴いまして、中小企業がおくれておる設備というものを改善して、そうして貿易為替自由化政策が実施されます際に、少なくとも設備を漸次近代化し、好転さしていく。そのために資金も増額して貸し付ける。金利もできるだけ引き下げて、その援助を徹底さしたいということで、この法律案が出されておると私は理解いたしますから、これは賛成なんですが、これに関連して年末金融、中小企業の年末の資金需要というものが非常に旺盛である。これに対して、今度政府は三つの政府関係金融機関に対して、二百億でしたか増額されました。これはその御努力を多といたしますが、この二百億で大体このくらいならよかろうというお考えですか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 多々ますます弁ずであると私は思いますが、去年の年末は百億だったのでございます。合同所得倍増計画等の問題もございまして、年末金融に対しては奮発をして二百億、こういうことになったのでございまして、これで満足というのじゃございませんけれども、まずまずこの程度でいきたい。かように考えております。
○椿繁夫君 私はここにだいぶ資料を集めておるのですが、一々申しませんけれども、この年末の需要に対して、政府関係三公車がどの程度充足しておるというふうに見ておられますか。需要に対して充足率。
○政府委員(小山雄二君) 昨年度に比べまして今年度は政府関係機関のみならず、中小企業関係の専門の金融機関、あるいは地方銀行、都市銀行等の全国銀行関係等も、いろいろ年末資金については、中小企業向けに特別のふんばりをして、そういうかまえをしていただきまして、目下年末金融の各金融機関は中小企業の年末金融の貸し出しで大わらわになっておるわけでございます。
 数字的に多少申し上げますと、昨年度は第三四半期は第二四半期に比較いたしまして、全金融機関で中小企業向けの金が約二千七百億ふえております。年末前の二四半期の三カ月間に対しまして、十、十一、十二のふえ方が二千七百億ばかりふえております。今年度は政府の追加投資も二百億増加になりまして、全金融機関合わせまして約三千六百億程度ふえるというかまえになっております。約三十数パーセントふえております。ことしの中小企業関係の金融の趨勢は、夏、八、九月ごろちょっと非常に資金が足りませんで、各四半期別の資金計画を繰り上げたりいたしまして、手当をしたわけでございますが、その後、輸出の好調あるいは米代金が出回ったというようなことで、何と申しますか、設備資金は大体順調に需要が伸びておりますけれども、運転資金の方は、やや先ほど申し上げましたような手当の結果、どうにか年が越せるのじゃないかというような関係で、非常に切迫しているという感じではないかと思います。
○椿繁夫君 二四半期に若干資金が不足したので、そうすると、三四半期分を繰り上げて融資の資源に充てさせた。で、年末を控えているこの三四半期の需要には応じきれないので、結局政府としては二百億を増額して融資資源を充足した、こういうふうに受け取ってよろしいのですか。
○政府委員(小山雄二君) さようでございます。
○椿繁夫君 私が調べましたのでは、商工中金は組合金融でありますから、組合員が組合に申し出ましても、そのまま取り次いで商工中金の窓口に行っておりません。組合の中でセレクトして相当整理をいたしまして、これなら確実というのを商工中金に取り次いでいるように思われますので、その資金需要に応ずる充足率は八〇%から七五%程度充足しているように見られますが、国民金融公庫、それから中小企業金融公庫などは、これは六〇%になっていないのじゃないですか、需要に対して。しかもこの年末金融ですが、申し込みをあまり年末の需要の出てこないときに締め切っている。何月ですか、あれは十一月ですか。でありますから、ほんとうにこの年末に、手形割引でありますとかいろいろ切実な需要が起こって参りますときに、年末金融としての受付をしないで、もう締め切っちゃっている。こういうような扱いがありますために、ほんとうの需要というものは出てきていない。十分なものが出てきていない。それに対してなお充足率は六〇%前後である、こういうなにを考えてみますと、私はもう少し、宣伝されるあまりに、この中小企業庁なり通産大臣の政府に対する要求なり熱意というものが足らぬように思うのですがね、現状から考えまして。
○政府委員(小山雄二君) お話の充足率でございますが、お話の通り、商工組合中央金庫は八五%程度でございます。で、中小企業金融公庫は五五%程度、国民金融公庫は六三%程度でございます。商工組合中央金庫に比べまして公庫両方は充足率が下がっております。ただいまお話の締め切ってしまって、ほんとうに年末必要なときにまかなえないじゃないかというお話でございますが、大体申し込みを受けまして、事務手続等にある程度期間がかかりますから、国民金融公庫あたりでは十二月の十日ぐらいで――十日だと思いましたが――十日ぐらいで一応なにして、それは年末ということで、それは前もちまして年末の申し込みはそれまでにやって下さいという、締め切りといいますか需要者に対しまして、そういう意味の事務手続上の時間も考えまして、そういう期間を設けておりますが、それ以後のものも全然扱わないというそういう意味の締め切りじゃないわけであります。そういう需要がありました場合には、資金的に十分かどうか、いろいろやってみないとわかりませんが、第四四半期の金もありますので、できるだけそういう不便をかけないように、しかし年末うんと詰まりますと、時間的に間に合わないということになりますので、早く出してもらいたいという意味の締め切りを設けている、そういう次第であります。
○椿繁夫君 中小企業金融公車は十二月七日までですか、今のお話だと……。それがもし十二月初句まで年末金融の受付をしておられるなら、これはよろしい方なんです。ところが私が聞いておりますのはそうじゃありません。十一月の中ごろに締め切っていますよ。しかも長官は今それ以後のものでも受け付けますと言っておられますけれども、受け付けてもらっても貸してもらえないから申し込む人はありませんよ、実情を申しますと。政府関係の三つの金融公庫のうち、商工中金を除きましては、商工中金の方は組合金融だから、組合にそういう事務局がございましょうから、割合出るのですけれども、個人のものが申し込みます際にとても手続がむずかしい。毎年私言うことなんですけれども、手続がむずかしい。しかもその調査の期間が長過ぎて、ほんとうに必要なときには政府関係の機関では間に合わしてもらえない。だから申し込んでも貸してもらえないのだから、高利にでもたよっていく以外にないというようなことになっておりますのが実情であります。そういう点を、まあ経費も少ない、どうしても制限しなければならぬ立場にはありますから、無理もないと思いますけれども、そういう国民の声をもう少し誠実に聞いて、この運用をほんとうに中小企業者のものになる、親しまれる金融公庫にしていくように御努力を願いたいと思います。同時に金利の三厘引き下げけっこうでございます。だけれども、国際的な金利水準などから見ますと、これとても問題にならぬ高い金利なんでありますから、なお今後金利の引き下げ、あるいは事務の簡素化、資金ワクをふやすというような方面に、一段の努力を通産大臣に望みたいと思いますが、いかがですか、御所信のほどを一つお聞きしたい。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 国民金融公庫、中小企業金融公庫は、組合金融でございませんので、どうしても手続がおくれる、タイムリーに借り入れすることが困難であるということはなりがちなことでございますが、しかし、それでは本来の目的に沿わないのでありますから、この点につきましては、今後とも十分に督励をいたしまして、できるだけ早く間に合うような金融をするようにいたして参りたいと考える次第であります。
○委員長(剱木亨弘君) 他に御質疑はございませんか。――他に御発言がなければ、質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。
 御意見のある方は、賛否を明かにしてお述べを願います。
 別に御発言もなければ、討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。本案に賛成の方は挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(剱木亨弘君) 全会一致と認めます。よって本案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお、議長に提出する報告点の作成等につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じます。
  ―――――――――――――
○委員長(剱木亨弘君) 次に、海外経済協力基金法案を再び議題として、質疑を続行いたします。
 質疑のある方は順次御発言をお願いします。速記をとめて。
   〔速記中止〕
○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、ただいま日本輸出入銀行理事鈴木義雄君の出席を願っておりますが、同君を参考人としてその発言を許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(剱木亨弘君) 御異議ないと認めます。よってさように取り計らいます。
○阿具根登君 輸出入銀行の鈴木理事にお尋ねいたしますが、私、しろうとでよくわかりませんので、御説明を願いたいと思うのですが、この基金法案を銀行側としての立場から見られた場合に、どういうお考えてあるか。政府から多額の出資をされるということは、銀行自体は非常にこれは望ましいことであって、しかも、銀行は自分の所管でやりたいというのが銀行の本心であろうと思うのですが、それが極端にいえば、輸出入銀行から離れているけれども、つかず離れずの形である。事実はたった総裁と理事三人でこれは行なわれる。その一人の理事には輸出入銀行の理事でなければできないということが、はっきり明記されているわけなんです。そういたしますと、これはつかず離れずでやっていくとするならば、政治的な面は抜きにするならば、何のためにこういう基金法を作らなければならぬのか、こういうことになるわけです。そういう点につきまして、日本輸出入銀行としての立場から、私は政治性抜きにした御説明を願いたいと思うのです。
○参考人(鈴木義雄君) 御質問の点、なかなかむずかしい問題でございますが、日本輸出入銀行としてと申しますか、若干私自身の考え方がまさるかと存じますけれども、日本輸出入銀行の使命といたしましては、輸出入金融と、それから海外事業に関する金融を行なっております。しかしながら、これは法律の建前、非常に広く規定されておりますけれども、何と申しましても銀行でございまして、金融べースということが建前になっております。従いまして、本行の融資は大体償還確実であるということで一つの大きな制約を受けております。ところが今回の基金は、この点は相当緩和されておりまして、国の必要な範囲からある程度緩和された支出ができるという点にこの基金の一つの特色があるのではないかと考えております。従いまして、私どもといたしましては、両機関ともよく協調してやっていければ、相当の効果を上げ得ると考えておるわけであります。
○阿具根登君 そういたしますと、金融ベースに乗るものは銀行がやるのだ、それはこれに乗らないからやらないのだ、こういうことになるわけですね。そうするとこれは大へんな問題だと思うのです。それなら、ただいま言われましたように、銀行の性格として、輸出と輸入の金融が主でございますが、投資も行なわれていると開いております。そうしますと、現在も投資を海外開発に対して行なわれておりますね。ところが都合のいいやつだけには投資をして、都合の悪いやつは欠損してもしようがないから、これは銀行の責任じゃないようにしておこう、こういうことになると思うのですが、現在まで投資をされている、まあ大きなやつだけでもいいからお知らせ願いたいと思うのです。
○参考人(鈴木義雄君) 本行の開始以来と申しまするか、投資ができますようになりましたのは、昭和二十八年以降でございますが、今日まで大題本行で毎外投資及び海外事業に融資承諾をいたしました総計は二百五十九億円になっております。十一月三十日の残高で約二百億円ちょっとこえている額が残高となっております。件数は昭和二十八年以来の件数で、全部で六十件でございます。
○阿具根登君 その中で、持に現在経済界等で問題になりましたようなものに投資されておりますか。たとえばアラビア石油等の問題に対してはどういう援助をされておるか、お尋ねいたします。
○参考人(鈴木義雄君) この中には大体鉄鉱山とか、あるいは銅鉱石の開発のために投資の形で行なわれたもの、さようなもの、あるいは海外の、たとえば中南米の繊維工業に対する投資とか、あるいは製鉄業に対する投資、あるいは造船業に対する投資が大部分でございますが、アラビア石油につきましてもごく少額の金額が本年出ております。
○阿具根登君 そういたしますと、この法律案の基礎になっておるものが東南開発その他を重点にされておるわけですね。そうして私ども説明を開いてみますと、森林開発とか、いろいろなものが含まれているようです。こういうものに対して、それでは銀行の投資という形でやることはできないのであるかどうか。ほかのものにそれだけ二百六十億から投資されておるとするならば、今ここで言われておる基金法というものを無理に作る必要はないと私は思うのです。ただそれを政治的に説明を聞いてみれば、後進国の開発に対して、日本が輸出入銀行だけでは協力が足らないという印象を与える。だからこういう特別なものを作れば、諸外国に対して、非常に後進国の開発に対して日本は協力しておりますぞということになるから、政治的な目的はそこにある、こういうことを私は聞いておるのです。しかしそれはごまかしであって、そういうことがこの銀行の本心であるとするならば、諸外国はそのくらいのことで日本が後進国に木腰を入れてやっておるんだと見るような甘い国はないのです。もっともっと真剣な考え方を持っている、それこそ甘い考え方だと思う。それよりもちゃんと銀行というのがある。しかも大蔵省等の専門家の方々もこれに全面的に賛成されておらないと私は思うのです。そうすると、なぜこんなものを作らなければいかぬか、銀行はなぜそれを協力されておるか、極端に言えば、責任をとってやる場合には非常に危険がある、そういうやつは一つ自分のところから所管がえにしておいて、責任のがれしたい、そのかわりこれをまるまる離してしまったのではうま味がなくなるから、自分の方からはちゃんと理事にも一名、びしんとしたのを入れますよ、しかも協力、指導ですか、ということを局長は説明されたが、三名の方でやられる、これは輸出入銀行の考え通りになると同じことなんです。それをなぜわざわざ、こういう性格のものを作らなければいかぬか、こういうことを銀行としては、どこがこれを作らなければやれないか、銀行から考えてみて、いや、こういう基金はなくてもやれますよ、ただし、こういう危険性はあります。こういうことであるならば、その点をはっきりと言ってもらいたい。これを作らなければならないというところが、私には今わからないので、そこを銀行の立場としてはどうお考えになりますか。
○参考人(鈴木義雄君) 非常に何と申しますか、答弁の仕方がむずかしいのでございますけれども、まあ、先ほど来申し上げております通り、輸出入銀行としては、やはり金融ベースということに制約がある。しかしながら、東南アジアその他の国の開発については、純粋な金融ベースでなくて、経済性はあるけれども、やはり従来の輸出入銀行の建前よりも若干緩和した、むちゃな貸し付けということじゃなしに、若干緩和した方策が必要ではないかというところから、これが生まれたように私ども考えているわけであります。その際の機構として、輸出入銀行の法律なりを変えて、そこまで持っていく方がいいかという問題も、一つの考え方としてあると思います。これは政府の方でいろいろ御研究になった結果、やはり同じところでやれば、従来の金融ベースでやっていたものも、やはり感じが非常にルーズになるというふうな感じもあったのではないかと思いますので、別の機関にされたのではないかと、私どもこう想像するわけでありまして、考え方といたしまして、別の機関でいくという考え方もございますし、あるいは輸出入銀行の現在の建前をくずすというような考え方もあり得ると思います。しかしながら、現在政府の方でとられましたのは、やはり別の機関を作って、従来の輸出入銀行の建前でやれるものは、輸出入銀行の建前ではっきりやらせて、これはまた別の形でやらせた方がいい。こういうことでそっちをおとりになったと私どもは理解しております。従いまして、輸出入銀行との関係は非常に密接でございますが、機構など連絡がとれるような法を作っていただいて、それで両々よく協調しながら仕事をしていくというふうにされたのだと存じます。
○阿具根登君 そうするときわめて乱暴な意見になりますけれども、こういう海外経済協力基金というのができるとするならば、輸出入銀行は、本来のその名前の通りの職務をしていいのじゃないか、輸出と輸入だけをやって、投資はこちらにおまかせしてもいいじゃないか、こういうことになるわけです。すっきりした形で、これを出直したらどうか、そういう点はどうですか。海外投資をどうしても輸出入銀行がすることはできるという理由は出てこない。逆に言えば、先ほどから言っておりますように、甘いところだけは輸出入銀行がいただきます。しかし危ないところは一つ基金さんの方でお願いします。輸出入銀行は責任とりません。しかし貸し出しその他については、われわれはあくまでも監視しておりますということで、責任は基金の方に逃げていって、そうしていいところは自分たちがとる、非常におかしいじゃないか。こいうう海外経済協力基金投資、あるいは貸し出しというのは危険性があるからこうだとするならば、私は銀行法は改正して、投資は離した方がいいのじゃないか、そうして完全な一つの、やはり海外開発銀行ですか、そういうような性格を持った方がいい。国内にも日本開発銀行というのがちゃんとあるのだから、もっとはっきりとした海外開発銀行とか何とかというものにした方が、かえって諸外国にも聞こえがいい。私はこういうふうに思うのですが、これははずされない理由というのは、どういうところなんですか。
○参考人(鈴木義雄君) 先ほどから申し上げております通り、輸出入銀行といたしましては、プラント輸出、海外輸出金融、それと投融資、みなそれぞれ関連を持っておるわけであります。従いまして、やはりこれは一本にやった方がいいという考え方で、従来もそういうふうに法律の建前はなっております。それから、先ほど来御説明申し上げております通り、金融ベースに乗りません海外投融資として二百六十億に近いものを従来融資をいたしておりまして、これは輸出入銀行の建前で当然できるものをやっておるわけであります。従いまして、これをわざわざ別に離して、しかも、それは運用方針としては、従来の金融ベースより相当緩和された方式でいく機関でおやりになるという必要はないし、従来のままでやらした方が、これは確実に行き得るのじゃないか、こう考えておるわけであります。
○阿具根登君 では、中野局長さんどうですか。私の、今、鈴木理事さんに御質問申し上げましたこの点について、これは何か今まで三日も質問もやっておりますから、重複しないように要点だけを私は申し上げておるわけなんですが、非常にそういう心配があるわけです。何か政治的に、ただ諸外国に、こういう基金を作りましたというだけのことであるならば、あまりにも諸外国をばかにしていると私は思うのです。そうでなかったならば、何もこういう基金法を作らなくても、私は、銀行法の一部を改正しても十分やれるのじゃないか、こう思うわけなんですね。わざわざこれを作った意味がよくわからないわけなんです。そうしてこれは外務委員会の質問にも出ておりましたが、調査等の金というのは、一体だれが責件を持つのか、当然これはもう捨てるようなものだ、こうなるわけなんですね。
 一般民間に調査をさせるならば、やはりその人の資金の一部にそれが入っていくならばいいけれども、それはおそらくそうならない。これはもう欠損覚悟でやるのだ、こういうことになるのだというように見てくれば、非常に問題が起きてくる。たとえば、運営委員会は十五人もきめているからいいじゃないかとおっしゃるけれども、これは総理大臣の任命で十五人きめる。しかし実際の運営に当たる人はわずか三人だ。そうして今度は五十億、来年度また五十億、その後は予算通過次第にこれは基金に繰り入れて、法律の改正は要らない。こういうことになって参りますと、趣旨としては、海外の開発に協力するのだという趣旨は十分にわかるけれども、これは非常に危険が伴いはしないか。逆に、趣旨だけはよかったけれども、その危険の方が大きくなってきて、そうして海外に信を失うようなことになりはせぬか、こういう心配が先に立つわけなんです。それならば、やはり、慎重にやっておる輸出入銀行法等の一部を改正して、これに責任を持たしたならば、私はそういう心配はなくなると思うのです。その心配がなくなって、かたい輸出入銀行にやらせるのが政治的に親切であるのか。あるいは、こういう危険があるなということをだれでも考えておる、そういうものを作った方がいいのであるかということを見る場合に、目先ばかりのことでなくて、ほんとうに後進国の開発に協力するというならば、これはそういう正常な姿の方がかえって諸外国も安心するのではなかろうか。国民も安心するのではなかろうか。こう思うのですが、いかがでしょうか。
○政府委員(中野正一君) 輸出入銀行法を改正いたしまして、この基金で取り上げようとしておるような、主として投資金融あるいは海外開発事業金融でございますねをやるのも一つの方法かと思います。しかし、これについてはいろいろ政府内部でも議論いたしまして、先ほど鈴木理事からもちょっとお話がありましたが、やや金融べースには乗らないという、金融べース以上の経済ベースには乗ったものでなければいかぬと思いますが、それが開発事業でございますので、前の例を申し上げましたように、資源開発とか水産業の開発というようなものになると非常に資金が長く寝る。また採算は何とかいけるといっても、できるだけやはり低利の金がほしい。それからまた担保を、中小企業が出る場合には、あるいは漁業者等が出る場合に、担保もいろいろな担保は出すと思いますが、現在輸出入銀行がやっておりますのは、もう必要にして十分な担保をとっておるわけであります。その点で、担保をとられてまで海外に出て開発事業をやろうという気が起らない。もうちょっと条件を緩和してもらえばぜひやりたい。また事業そのものも、国家的に見ても、社会的に見ても、あるいは東南アジアの方の立場から見ても非常に大事だ。しかし現在の輸出入銀行では、御承知のように、業務方法書というのがありまして、とても輸出入銀行の条件で、きつい担保をとられて、金利も、期間も短くて、それではやりにくいというケースがやはりありまして、そういうものを、輸出入銀行で、全部法律を改正いたしまして、輸出入銀行の建前というものをくずすということも、これも実際の輸出入銀行の運営自身がうまくいかないのじゃないかということから、一つは御承知のように、輸出入銀行の一部に投資部といいますか、そういうようなものを作ったらどうかという意見もあったようでございます。やはりこれは、いわゆる金融機関としてはやや性質が異なる。しかしこれは国の資金を出して、大事な国民の税金からこれは出すわけでございますので、いいかげんな仕舞をやられたのではとてもかないませんので、もちろん、その点につきましては企画庁長官も十分監督いたしますし、また基金にもいい人を得まして、運営の適正を期していかなければならぬ。お説のように、これは非常にルーズに流れて、かえって対外的にまずい印象を与えるというようなことになれば、せっかくこういうものを作って、日本も経済開発に協力していこう、そういうことが長い目で見て日本の利益になるということでやるわけでございますので、そういう点は十分気をつけたいと思いますが、どうもやはりちょっと性格の違ったものを、同じ家の下に住まわしてやると、どうもやはり、どっちもうまくいかない。それかといって全然離してしまうのも非常に……。関連の、今言われた海外投資等につきましては、両方の機関にできるような建前にありまして、まず輸出入銀行の方でできるだけやってもらう。それでどうしてもうまくいかないようなケースの大事なものは本基金で取り上げるということでございますので、機構としては別で、あとは人的つながりによって統制をとっていこう。いろいろな関係者が寄り集まって苦心の作といいますか、そういう結果こういう運びになったので、この形の方が、運営に気をつければうまくいくのじゃないかというふうに信じております。
○阿具根登君 それは苦心の合作だということは、わかりますけれども、それではたった三人の最高首脳部の中に、一人は現役の銀行の理事をやっておる人でなければできぬ、そうして投資はどちらもやるわけです。そうしてうまいところだけに銀行が投資をして、危ないところだけこれが投資する、こうなりはせぬかと私は言うのです。それでは欠損会社を作ったようなもので、これはまずいのじゃないか。そうなる以前に、私はそこに悪いことが芽ばえてきはせぬかと思うわけなんです。それもそこまで踏み切られるならば、投資の方は全部ここでやることになり、海外開発に対するものはこれでやるのだというふうに割り切ってしまえば、そうすれば非常に金融ベースに乗るいいところにも投資できるかわりに、今度はそういう危険性のところにも投資するのだ。ところが、これでいけば、金融べースに乗るいいところは輸出入銀行が投資するのだ、そうして銀行と競合できない――銀行と競争するなということを親切にちゃんと入れてやる。そうしてこれはもう悪いところだけをやるのだ、危ない綱渡りはこれでやるのだ、こういうことにはっきり考えられておるように見えるわけなんです。それなら何も銀行の理事をしておる人をわざわざここに入れてここの理事にする必要は私はないと思うのです。その点はどうですか。
○政府委員(中野正一君) 御指摘のように、総裁以下三人の理事て、しかもそのうち一人が輸出入銀行の理事の兼任、こういうようなことでうまくいくかどうか。これはだいぶ議論にもなりましたし、私ども一時心配をいたしまして、実はこの前の通常国会でこの法案を出しまして、特別国会に出す場合には、来年度は――さっき長官もおっしゃったかと思いますが、もう五十億で、百億ぐらいはなければうまくいかない。そうなると、やはり理事の数も少ないのじゃないかという心配をいたしたのでございますが、いろいろこれはまた相談した結果、実はこの前の国会へ出しまして、それがまた今度の解散で切れたわけですが、継続審議になっておりまして、出ましたけれども、まだ成立もしておらぬさきから、あれはどうも政府の出した案は工合が悪い、理事をまたふやしますということもいかがかというような考え方がありまして、やはりせっかく前にこれは一度衆議院でも相当御審議いただきましたので、原案のまま出した方がいいんじゃないかということになりまして、原案で御審議を願ったわけでございまして、ただ百億負担にしまして相当やはり運営に気をつけていくということになると、確かに機構等はもうちょっと考えないと――ただまあ、その点については事務局長とか、そういう方面で相当いい人を得ることによってうまくいくんじゃないか。将来事業の活動範囲が広くなれば、当然機構は整備をいたしたいというふうに考えております。
○阿具根登君 長官がお見えになりましたからお尋ねいたすんですが、今聞いたところによりますと、今もお聞きのように、百億からの金を扱うのにわすか三人の総裁と理事でこれを扱っていくというのは、特に危険性があるんじゃなかろうか。百億からの金を扱っておるところへそのくらいの人数で、しかもその中の一人は現役の輸出入銀行の理事の人が当たることにはっきりきまっておる。こういう機構の銀行あるいは基金等がどっかにあるかどうか、私はこういうものはないと思うんですね。そうすると非常にこれは問題かあるんじゃないか。今局長も、三人かこれは適切だということを主張しておるわけじゃないんだ。しかしこれを出したときに五十億で三人で出発したんだ。衆議院でも審議してきた過程もあるので、三人をそのまま出したんた。こうおっしゃるわけなんですが、これでいいのかどうかというのと、輸出入銀行で輸出と輸入と投資を扱っておる。そうしてその中の理事がこの基金の理事になられるとするならば、うまいところだけは全部輸出入銀行が投資して、そうして危険なところだけをここで投資するようになるんじゃないか。ここは非常にそういう心配が多い。それからまた、やっておられるのがたった三人だというなら、諸外国に対して、後進国の剛発のために日本がこれだけ協力いたしますよというやつの、ここは長い目で見る場合、かえって信用を落とすような結果になりやせんか、こういうことをくどく質問しておるわけです、そういう点を一つ。
○国務大臣(迫水久常君) 今の阿具根さんのお話を聞きまして、なるほど考え方もあるもので、これはよく気をつけなければならぬとつくずく思ったんですけれども、率直に言いましても、できるだけ機構は簡素化しよう。その考え方の方に重点を置いて出発をしたわけです。これ率直に言って、こういうような仕事があるからもう一人理事を、こういうような仕事があるからというようなことを言っていけば、頭でっかちのものになりそうなものですから、ここは多少無理でも、少数精鋭で、機構を簡素にしてやろうというところに頭が非常に強く働いた結果、こういう提案になりまして、一人増員をしたい、増員をして提案をしたらどうかという意見もあったんですけれども、私が頑強に反対して、一人ふやすというようなことをすれば、またもう一人ふやすというようなことになるから、とにかくスタートは、小さく産んで大きく育てるという言葉があるから、私が実は頑強に抵抗して、簡素化という方向からだけ非常に頭を置いてこういうふうになりました。しかし、御指摘の点、いかにもごもっともですから、これは人の質によってそれを補って、もし将来水金でもふえましたような場合には、さらに賛成をいただいて、若干の増員でもしていこうか、こう考えております。
○阿具根登君 私は、増員が目的でこれを質問しているんじゃなくて、私が先ほどから言っておりますが、つかず離れずで、これは輸出入銀行の意のままになる金融になってしまうと私は思うのです。一方は輸出入を専門にして、海外に十分の調査網を持っている銀行です。そうしてそれぞれのスタッフが今日まで長い間研究し、あるいは法律によって進められた歴史を持っているわけです。片方は、こういう国が投資をして、あるいは損するかもしれない、その場合はやむを得ない、こういうような一番食いつきたいような基金なんです、実際は。そうすると、名前は基金であるけれども、輸出入銀行が自由に動かして、そうして悪いところはこれが持って行く、いいところは輸出入銀行がとるんだ、こういう形になって、輸出入銀行の悪いところだけを抜け道を作ってやったような結果になりはせぬか、こういう心配をするわけなんですよ。それならばいっそのこと、これは投資の方は全部これにやらしたらいいじゃないか。日本開発銀行というのがあって、これが国内の開発に今日まで協力しているとするなら、諸外国の開発に協力しなければならないというなら、海外開発銀行というものを作ってもいいんじゃないか。何も輸出入銀行のひざ元で、そうして独立したような形をしているよりも、その方がいいんじゃないか。その方がはっきり諸外国に対しても、日本は本気で後進国の開発に力を入れているという、そういう政治的な面を主張されるなら、その方がきれいじゃないか、こういうふうに考えるわけなんですが。
○国務大臣(迫水久常君) お話はきわめてごもっともに私伺います。ただ、幅出人銀行の哩事を兼任さしたのは、今御指摘のありました輸出入銀行の持っている一応の調査網というものを、できるだけこの基金の機構を簡索にするという趣旨から、それを利用しようというような趣旨から、兼任ということを考えたのでありまして、結局輸出入銀行では取り扱えないような、まあそれを阿具根さんは危険というような、悪い方向のことで言われますけれども、そういうようなものがこっちへくるので、うまいところはみんな輸出入銀行が取っちゃうのじゃないかとおっしゃいますけれども、ちょっとカテゴリーが違って――輸出入銀行の調査糊でやっていこう。輸出入銀行の法律の範囲内でまかなえることは、これはもちろん輸出入銀行でやりましょう。しかしその範囲内でまかなえないものだけをやった方がよかろうというものはこっちが引き受けるということで和補う。従って、考え方によれば、輸出入銀行の中に一つの別個の、特別会計のようなものにしておいても悪いことではないと思うのですが、しかし、ここは一つ独立のやつを作った方が重みがあってよかろう、こういうことです。
○阿具根登君 確かに海外の諸外国から見る場合に、輸出入銀行の一部であるというよりも、まあ独立したやつを作ったんたという方が、政治的には私はいいと思うのです。しかし、これを別個のものにしたがために、私はこの金融に対する、基金に対する考え方が非常に甘くなっていると思うのです。われわれ自身そう考えるわけです。そこで、これが輸出入銀行の一部であったとするならば、その責任は輸出入銀行がとらなけりゃいかぬわけです。なんぼ甘くしてやっても、この中にいまわしい問題が起きてきたりすることを私は非常に心配するわけです。賠償でさえもいろんな問題が起こってくるわけです。賠償問題でさえも一部の商人がふくれたの、どうなったのといったことが盛んにいわれて、国民からほんとうにいやな目で見られているわけなんですよ。これは私はもっと危ない、危険性があるのじゃなかろうか。そうするなら、そのときの責任というものはやはりはつりしきておかなければ、これだけ引っ放したのでは、責任は当然、これは国が欠損は見なければできない。あるいは調査する必要もない――必要もないというのではないでしょうけれども、きのう、おとといでしたか、外務委員会の人も質問したように、完全なやつなら調査する必要はない、完全じゃないから調査しなければいかぬ。しかも輸出入銀行でほとんど調査されたあとを調査するやってす。調査するそのものが、半分以上は調査して、そのまま欠損になっていくものだと思うのです。外国まで行くんだから、それも相当の額になると思うんです。そういうやつが非常にルーズになり、諸外国からまで信用を落とすような結果になるおそれがこれに非常に多いんじゃなかろうか。そうするならば、輸出入銀行の一部にしておけば、これは当然輸出入銀行という大きなものが責任をとらねばできぬようになってくるから、非常に監督もできてくるということになりはしないか。だから、こういうことをするよりも、その方がいいんじゃございませんかと聞いておるのですがね。
○国務大臣(迫水久常君) 全くおっしゃる通りなんですが、要するに、輸出入銀行の一部にしておけば固過ぎる。独立するというと、やわらか過ぎる格好になるおそれが非常に多い。問題の要点というのは、固くもなくやわらかくもない、ちょうどいいところというのがねらいなんですが、なかなかこれは、政府も監督もいたしますし、それから当事者に高等円満なる良識を持った有能な人をつかまえてくれば、ちょうどそのまん中を行ってくれるであろうという期待のもとに、これは提案をしておるわけです。
○阿具根登君 時間がありませんから、私やめますが、いつの場合でも、こういうものができる場合に、これは人の質と、人間というものは、いつも問題になって、もう最適任者、人格も完全な方を持ってくるというのが、いつもそうなんだけれども、ところが、持ってきたあとでは、たまたまそれが問題を起こしておるのです、人間ですからね。
 だから、機構をどんなに整備しても、人間だから……。これは人間の性格まで変えることはできないかもしれないけれども、甘いものがあれば、甘いものがあるほど、人間というものは悪くなるので、だから、特にそういう点に御注意をお願いいたしたい。こういうことを最後に申し上げて、私の質問を終わります。
○吉田法晴君 大臣の出席の時間があまりないようですから、おもな点だけをお尋ねいたしたいと思うのですが、大臣なり関係者は、アメリカの経済協力とは関係なしに、自主的にやるのであると、こういうお話ですけれども、新聞紙上を拝見をしても、大蔵省と、それから輸銀も、まあ、はっきりはおっしゃらないけれども、そういう意味のことをおっしゃったが、輸銀のほかに経済協力基金を作る必要はないのじゃないか、輸銀の資金を拡大すればよろしいという意見が大蔵省にも相当強かった。輸銀にも、そういう意向が、ここの答弁でもやはりほのみえます。それを押し切って作るということにされたのは、これは経済協力の肩がわり要請も考えながら、池田総理なり、あるいは経済企画庁長官も協力されたかどうかしりませんけれども、あるいは大蔵大臣等も政治的に圧力を加えて作ったのである、こういう点が報ぜられておる。そうすると、経済協力との関係は、今はないかもしれないが、将来については起こってくる可能性が多分にありますし、それから輸銀の強化でなしに、別に作った原因にも、やはり総理あるいは閣僚の中には、そういういわば政治的な配慮があった、そのことは、今阿具根委員からも指摘もしましたけれども、同僚議員等が、委員会なり連合審査なりで申し上げました協力の一環になるのじゃないか、それから経済的に確実な融資以上のもの、以外のものを主としてやる、そういうことになると、いろいろな弊害が起こってくる、こういうことになるわけですが、その点は、いかがでしょうか。
○国務大臣(迫水久常君) さっきも同じような御趣旨の御質問がございましたが、この協力基金というものの構想がまとまりましたのは昨年の暮で、そうして昨年の通常国会に提案されたものであるということからも、少なくともこの構想がまとまったことが、アメリカのドル防衛との関係の政治的に考えられたものでないということだけは、これは了解していただかなければならないと思います。
 たた、輸銀でも大蔵省でも、そういうような意見があったということはあまりょく承知しておりませんけれども、それは自分の立場を考えていくというと、たとえば輸銀の方は、自分の方の範囲内にこれだけの資金があれば、きっとその方がいいでしょうから、そういうことは言うでしょう。たとえば、言い過ぎかもしれませんけれども、日本開発銀行で、現在地方開発資金というもののワクを持っているのですけれども、依然として、九州なり方々に九州開発公庫というものを別に作れという御要求なんかもあるのでして、それに対して日本開発銀行は非常に抵抗しております。そういうようなことからいって、輸出入銀行の抵抗もあるいはあったかもしれません。私はそのころ勉強しておりませんから、よく知りませんが、大蔵省というのは、こういう新しい基金を作るときには、必ず一ぺんは反対するということは当りまえなんで、決してそういうことを押し切ってきめたものではなしに、構想の基本が、そうであったということを御了解願いたいと思います。もちろん、将来においてアメリカから、かりに経済協力の肩がわりの要請があって、それを日本独自の判断で、相手国にもいい、日本にもいいというような場合に、この基金を、それではそういう場合に使わないのかという、逆な御質問に対して、それは使うことがあるかもしれませんということは、率直にお答えしなければならぬと思いますけれども、政治的に、ドル防衛との関係の肩がわりのために、これが考えられたのだという、それは、もう吉田さん、ぜひそういう思い過ごしはしないようにお願いをいたします。
○吉田法晴君 将来についてはどうかという点もございますが、時間がございませんから、大事な点をもう一、二点伺います。
 一つは、衆議院等でも論議をされているようですが、経済協力のいろいろな、賠償もある、それから政府間の協定による経済協力もある。それから輸銀のあれもあります。それから私の段階での経済協力もございましょう。その中の一環でもあるわけであります。そうすると、私どもが心配するのは、大東亜戦争の罪過を反省をし、そして、再び過去のような、新しい言葉でいうと、植民地主義的なあるいはひもつき援助、あるいは利権確保につながる投融資にならないかという心配があるわけです。
 それで、ある人にその質問をしたところが、いや、軍事力がなければ、かつてのような植民地政策的な、あるいは新しい言葉でいう植民地主義的な投融資にはならぬ、こういうのですけれども、しかし、今の経済協力の肩がわりもあって、いわゆる自由主義陣営の中の一員として、アメリカの経済授助の中の一環に組み入れられる心配もある。十分な反省なしに、採算のとりにくいといいますか、あるいは危険性のあります投融資をしていくところには、昔のような植民地政策的なあれはないかもしれません、しかし、新しい意味の植民地主義的な投融資になる危険性は全くないとはいえない。過去の実例あるいは現状の各国の実例等を調べた上で論義をしながら、詳細にお聞きしたいと思いますが、そのひまがございません。これは従来インドその他についても、日本からの投融資についてひもつきの、あるいはアメリカの協力、アメリカの資金の背景のもとに日本から投融資をされるということについては若干の危険があるという、何年か前にもありましたが、現在も、多少の実はやっぱり不安もあるようで、それを全くなくするために、私は日本自身の立場もあると思う、私は、それを日本がアメリカとの従属的の関係を断ち、日本が中立的な立場に立って、経済的な提携協力も互恵平等の立場でなければならぬと思うのです。
 この協力について政府の、国のこれの変更を含んで、そういう危険のないように、どういう投融資の仕方をしようという抱負をお持ちなのか。衆議院の審議でもあまり明らかになっておらぬようてありますから、大臣にお尋ねをしておきたいと思います。
○国務大臣(迫水久常君) 吉田さんの御質問は、この海外経済協力永金による海外経済協力が植民地主義的な、いわば被協力国を――協力される方の国に対して、植民地主義的な感じで日本がやるおそれがないか、おそれがないようにするためには、どういう一体方法が講じてあるのか、こういう御質問かと……(吉田法晴君「端的に言えば」と述ぶ)私は、その御質問にお答えずる前に、私は最初に、これが植民地主義的な、いわば海外征服的な感じで運用されるというふうなことは、私は考えてみたこともありません。これは日本の現在の立場におきまして、そういうような気持というものは、日本の国内どこにもないのじゃないでしょうか。
 従って、これはそういう植民地主義的な一種の征服政策の手段として、これが考えられているということは、絶対にございません。
○吉田法晴君 話が長くなりそうでおそれ入りますが、主観的にないことはわかっている。しかし、将来アメリカとの経済協力の一環に組み入れられる危険性がないわけではない。
 それから衆議院でも論議せられましたアジアあるいは中近東、アフリカ、南米等々の国々との問に、全く互恵平等の立場に立ってのその経済協力という方針が主体的にも、日本の主体的にも、それから話し合いの中で、経済協力の話し合いの中でも、実際に確保され、そしてやられるならば、その心配はないけれども、アメリカの経済協力の機構の中に一環として加わる危険性があり――将来ですよ、それから日本が中立あるいは新しい国々に対する互恵平等の立場での経済協力、こういうものがはっきりしておれば、これは別にそれほど心配はないかもしれませんけれども、経済べースでの投融資だけでないだけに、そういう危険性が将来にわたってできる危険性は、私どもとしては、これは厳に警戒しなければならぬところである。その国のとにかく立場、それから国と国との関係、その基本的な、これは外交方針にも関連をいたしますから、まあこの程度でやめますけれども、その点については、十分の用意が必要であろうかと考える。これは国の基本的な立場の再検討ん日本の中立的な立場あるいは国と国との関係についていえば、互恵平等の立場で投融資――この法案によりますと、日本の利益というものも法案に入っておりますが、日本の利益が主になるんじゃなくて、相手国の経済発展に協力をするということで投融資をされなければならぬのじゃないか。こういう点をはっきり今後ともとにかく確保してもらいたい。こういう意味でまあ申し上げたわけであります。
○国務大臣(迫水久常君) 御心配の点よくわかりました。非常に率直に言って、ちょっと私、今まで全然考えないような御心配でありましたけれども、そういう御心配をなさる方もあるということは、私よくわかりましたから、そういうことのないということを申し上げますと同時に、十分将来警戒をいたします。
○吉田法晴君 これはみんなの同僚委員が心配をし、先ほど阿月根委員からも出ましたが、経済ベースに乗らないものも含んで投融資をする、従って担保のことを前に聞かれたことがあるようですが、必ずしも担保をとるわけではない、全部について。とれないものもある、こういうようなお話もございました。それから業務方法書について、委員会に詳細にといいますか、出していただくことができないか。これからですね。これは協議会等で審議されるのでしょうが、ここで言われるところでは、概括的なことしか言われないが、そうすると、先ほど問題になりました人間の点もあって――人間の少数さもあり、それから総理が任命をされるという任命手続も要ります。国会の承認等は要件でなかったと思うのですが、少なくとも前の民主的な、いわば国民の監視の中にある、これは出資が政府からですから、その面では、国会で監視をすることができると思うのですけれども、組織がかつてのような民主的な選び方、民主的な組織でないだけに、総裁とやっぱり二人の理事を中心にして、いわば三人できめるという点が、実際の運営になろうかと思います。そうすると、これは賠償の話も出ましたよ、私は幾つかの中例をここであげるひまはありませんけれども、こういう政府出資の機関を作って、そしてこれを最初にもとにしたというあれが、国会の承認を求めた機関についても、あるいは利権融資というか、そういうものがありました例が幾つもございます。あげろと言えば幾らでもあげますが、その時間はございませんが……。そこで人員の増加なり――これは局長は、もう先ほど人員増加について考えるというお話でしたが、その人員の増加なり、これは長官は否定的でしたが……。それから利権投資にならないような機構と運営にするために、もう少しやっぱり検討をされる必要があるのじゃないか。この点はいかがでしょうか。
○国務大臣(迫水久常君) 今のお話の言葉をとらえるわけじゃありませんけれども、経済ベースに乗らないとおっしゃいましたけれども、これは経済ベースには乗るわけです。採算性のあるものということについては、経済ペースに乗るわけです。しかし、いわゆる銀行的金融ベースに乗らないということはやむを得ません。今、吉田さんの全体的なお話に対しましては、十分に気をつけまして、業務法方書の認可、その他役員の任命というようなことについて、万全を期したいと存じます。
○委員長(剱木亨弘君) 他に御質疑はございませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(剱木亨弘君) 他に御発言がなければ、質疑は終局したものと認め、これより討論に人ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
○栗山良夫君 私は、ただいま案件になっておりまする海外経済協力基金法案に対しまして賛成をいたしたいと思います。ただ、賛成はいたしますが、すでに当委員会及び外務委員会との連合委員会において、同僚議員諸君から不法案の内容について、各方町から御意見が出、また政府の応答を通じまして、問題の輪郭が明らかになっておりまするように、この法案の運用を誤りますというと、いろいろと複雑微妙な好ましくない現象を招来するおそれがありますので、従いまして附帯決議を付したいと、こう考えるのであります。ます附帯決議の案文を朗読いたします。
 政府は、海外経済協力基金が、よくその目的とする処に従い、投融資の還元を誤まらず、債権の保全に遺憾なきを期し、いやしくも資金が放慢に流れ、ひいては当事国間の親善を害するが如き事態の生ぜざるよう本法の趣旨の具現のため適切な業務運営につき指導すべきである。
 この附帯決議は、ただいま読み上げました通りに、非常に抽象的な表現でありまするが、私どもの意図しておりますところは、もっと具体的にこまかく表現をしたいのであります。しかし、申すまでもなく東南アジアを中心といたしまする諸外国との関係でありまして、国際関係がありますので、各議員諸君の御意見を尊重いたしまして、そしてこの程度の表現にとどめたのでありまするから、従って、どうか委員会における審議の内容を十二分に熟読翫味せられて、そうしてあやまちのない運用をしていただきたいと思います。で、特にもう、そういうことでありますから、多くを申し上げる必要はございませんが、この法案の審議の過程で一番明白になりましたことは、後進国の経済協力について商業べースと申しますか、金融ベースと申しますか、そういうものに乗らない案件を処理するのを目的としてれられるわけであります。従いまして、そういうベースに乗らないということは、一つ間違いますというと、いろいろな間違いを起こすわけであります。最初からそういう目的のためにこさえられたものでありますから、気のゆるみというものが、当寺者の問に生ずるおそれがたくさんあるわけでございます。もちろん私は、ただいま世界の大勢は主権がだんだんと国民に移っておりますし、まだ移っていないところも、漸次移る傾向を持っております。そうして各国とも民主体制というものにどんどんと前進をしておるわけでありますから、従いまして、純粋な意味で後進国の産業開発を通じて相手国の経済方を増強さし、その増強された力とわが国の経済力とが交易をして、相ともに繁栄への道をたどる、そういう一つの理想に燃えていると私は思います。また事実その通りてあってほしいと思うわけです。従いまして、そういう非常に戦争前にありました大東亜共栄圏などという思想は完全にかなぐり捨てて、そうして新しい民主体制のもとに日本が踏み切っていこうというときでありまするから、これに便乗して特定の個人、法人の人人が、これに関係をする際に、いやしくも不正、不当の行為によって利益をねらうというようなことがありましては、これは断じて計さるべきものではありません。従って、一たん出ました場合には、日本の国際信用を失墜することは、これは言うまでもありませんが、そういうものは、何としても未然に防がなければなりません。これは一つ、後進国の経済開発に日本が協力をするという誠意に対して、私どもは協力する反面、こういう不幸な出来事が絶対起きないように、政府は十二分の注意をもって善処せられたいと思います。そして具体的には法案の中にありまするいずれ後日決定せられるでありましょう、政府が認可を与えられるでありましょう業務方法書の内容において、こまかく規定をせられ、そして運営は寛でありましょうとも、その筋道はあくまでもきびしく進んでいく。こういう一賞した態度で進んでいくように要望をいたしまして、本法案に賛成をいたしますが、何とぞ決議案に対しまして同僚議員諸君の御賛成をお願いいたしたいと思います。
○川上為治君 私は、自由民主党を代表いたしまして、本法律案並びにただいま栗山議員から御発言の附帯決議案に対しまして賛成いたします。
○委員長(剱木亨弘君) 他に御発言がなければ、討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。本案に賛成の方は、挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(剱木亨弘君) 全会一枚と認めます。よって、本案は、全会一枚をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。次に、討論中に述べられました栗山委員提出の附帯決議案について採決いたします。本附帯決議案に賛成のかたは挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(剱木亨弘君) 全会一枚と認めます。よって、本附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 なお、議長に提出する報告書の作成等につきましては、憤例により、これを委員長に御一任願いたいと存じます。
 ただいまの決議に対し、迫水経済企両庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。
○国務大臣(迫水久常君) 御審議の過程におきまして、いろいろな御質問を受けました中に、私たち今まで必ずしも気のつかなかったようないろいろな点を指摘されましたことは、今後のこの基金の運営上、非常にためになることと大いに感謝をいたします。しこうして、ただいま御決議になりました附帯決議の御趣旨は、十分にこれを体して必ず善処いたしたいと思います。
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○委員長(剱木亨弘君) 次に、本委員会に付託されました請願九件を一括して議題といたします。
 最初に各市願の趣旨について、便宜専門員から説明を聴取することといたします。
○専門員(小田橋貞壽君) 第四号の水資源開発関係予算に関する請願は、滋賀県議会議長から出ているのでありますけれども、琵琶湖の水を使うために、この湖水の高度利用をはかるための調査をしたい、そのために調査費をぜひ計上してほしい、こういう、請願でございます。
 第二百号の四国地方の開発については、愛媛県議会成長からの請願でございまして、地方負担の面から、この四国地方開発促進法の一部を改正して国旗補助率、負担率の引き上げを実現してほしいという請順であります。
 次に、新潟市に火力発電所を建設してはしいという請願。これは東北電力が、すでにそういう計画をもっているのたそうでございますが、それを早期に実現してはしいというのであります。次に、九州電力の料金値上げ反対に関する請願は、文字通りでございまして、値上げされると、いろいろな支障があるので、ぜひ値上げをしないようにしてほしいという請願であります。
 それから消費者物価に関する請願は、最近ラジオとか新聞、ガス代、牛乳、食肉、クリーニング、電気料金そういうような点で値上がりの傾向にあるが、これを防止するために強力な対策をとってほしいという請願でございます。(「賛成異議なし」と呼ぶ者あり)
○委員長(剱木亨弘君) ただいま説明のありました九件の請願につきまして、日の委員会の決定に基づき理事会において慎重に協議いたしました結果、第四号水資源開発関係予算に関する請願、第十五号新潟市に東北電力火力発電所建設の請願、第二百号四国地方開発事業費国庫補助等増額に関する請願は、その願意妥当と認められますので、議院の会議に付するを要し、かつ内閣に送付するを要するものとし、第六十一号、第百七十四号、消費者物価値上がり防止に関する請願につきましては、サービス料金等若干問題点を含んでおりますが、その願意はおおむね妥当と認められますので、これも議院の会議に付するを要し、かつ内閣に送付するを要するものとすることに意見の一致を見た次第でございます。
 なお、第百五号、第百九十七号、第百九十八号、第二百四十九号、九州電力料金値上げ反対に関する請願につきましては、いろいろ意見がありまして、採否につきましては決定を見なかったことを御報告申し上げます。
 右、理事会の検討結果について、御意見のある方は御発言を願います。
○椿繁夫君 この第百五号以下四件ですね、九州電力料金の値上げ反対に関する請願を願意おおむね妥当と認めることができなかった理由は、どういうことでございますか。一致して、これは内閣に送付すべきものだと、こう私ども思うんですが、これが意見の一致を見なかったということは、重力料金は値上げをすることもやむを得ない、従って反対の品願については賛成ができないと、こういう御意見でございましたか、御質問いたします。
○委員長(剱木亨弘君) 委員長においてお答えいたします。理事会におきましては、この四件について、いろいろ論議いたしました結果としまして、この四件を受けて、四件自体を採択、不採択を決定しないで、四件を受けて、この本委員会におきまして、これに相当する決議案を提出したらとうかという意見もございました。大体委員会におきましては、そういう意向でございました。その際におきましては、この四件を保留に取り扱っていいじゃないかという決定でございましたが、この決議案が提出にならないように承っておりますので、この取り扱いにつきましては、委員長といたしましては、いかが取り扱うかは、皆さんの御意見によって決定したいと思います。
○椿繁夫君 なるほどきのうの理事会で、本日この九州電力の料金問題に関して、本委員会の議決をするごとく御準備なり、御相談をいただいておりました段階で、本委員会の意思がその決議に表示されるわけであるから、この請願については採択をしないというお取り計らいは妥当であったと思います。
 ところが本日、またいろいろ御相談をいただきました結果、決議をしないということになりました、この情勢の段階におきましては、この請願の趣旨は、これはもう政府の御意向にも大体合致するやに承知いたしますので、これを願意を受けて会議に付し、政府に送付されるよう望みます。(「賛成」と呼ぶ者あり)
○川上為治君 この請願につきましては、この電気料金の値上げの問題というのは、きわめて重大な問題でありまして、慎重に検討をしなきゃならぬと思うんですが、ただこの請願の内容を見ますというと、引き上げについては全然反対だというようなことでございまして、この点については、なお私どもとしましては、上分検討すべきじゃないかというように考えますので、保留とこれはしていただきたいと思います。(「賛成」と呼ぶ者あり)
○阿具根登君 私は、ただいまの意見に全く反対です。なぜかならば、その次の六十一号、百七十四号、消費者物価値上がり防上に関する請願というものも理事会では採択されておるわけなんです。ところが、九州電力の料金値上げに反対は保留になるとするならば、裏を返せば、これはやむを得ないという結果になると思う。そうすれば諸物価値上がりの原因をここで完全に作ってくるではないか。われわれとしては、これはまだ審議の途上にもございますけれども、四件にわたる九州からの請願であり、この電力料金が基礎になって諸物価の値上げを起こすことは必然である。そういう考え方から、委員会としては、この請願を受けるべきであると、私はかように考えます。
○吉田法晴君 阿具根委員が述べましたように、物価値上がり防止については賛成、消費者物価の値上がりの傾向については先に閣議でも決定をし、値上がり防止のために努力しよう、こういう方針がきめられたように承知しておりますが、その中には電力料金、あるいはガス料金等公共料金についても値上げを極力抑えるために努力をする。こういう方針がきまっておる。そうして物価委員会においても消費者物価の値上がりについては、これを防止することについて努力しよう、こういう願意を認めながら、電力料金だけについては値上げ反対の請願を採択しない。これは論理が矛盾をします。矛盾をしますし、それから値上げ反対陳情の中には、財政投融資をふやして開発資金をまかなうことによって電力料金の値上げ防止ができるではないか、こういう主張もされておるのでありますから、当然私は採択してしかるべきだと思う。それから特に政府において今電気料金問題について、昨日でしたか聴聞会も開かれておるわけでしょうが、おそらくそこにおいて九州の電力料金値上げ反対の意見というものを相当聞いておられると思う。決定の前に国民が料金値上げ反対の運動をするのは、これは当然だと思う。国民の憲法に保障された請願の権利に基づく請願、それを国会が受けつけないという法はなかろうと思う。ですから、六十一号あるいは百七十四号と同様に、願悪しかるべきものとして、国民の意思を取りあげてやるのが私どもとしての国会の当然の任務ではないかと私は思う。そういう意味において賛成をいたします。
○委員長(剱木亨弘君) 委員長より、ちょっとお諮りをいたしますが、電力料金の値上げに関する請願以外の請願につきましては、大体理事会で御決定いたしましたように、採択することに御異議ないと思いますから、その点について一応お諮りいたしまして、そのあと電力料金問題についての御意見を承ることにいたしましてはどうですか。
○椿繁夫君 これは吉田、阿具根両君からも言われておりますように、六十一号、百七十四号消費者物価値上がり反対のこの請願はやはり受けて、これを本会議に付し、内閣に送付するということをきめた本委員会といたしましては、諸物価に、国民生活の何に、もう決定的な影響を与えるような重力料金値上げ反対の請願は当然受けなければ、前後一致しませんよ、これは。矛盾しますよ。ですから一括願患おおむね妥当として採択されんことを望みます。
○川上為治君 私は第六十一号、第百七十四号の請願の内容と、電力料金の引き上げ反対の請願の内容は、少し違っておるのじゃないか。電力料金の方は、絶対一文も上げてはいかぬというような請願ではないかというふうに考えておりますが、先ほど申し上げましたように、この問題については、現在政府においてもいろいろ検討しておるのです。またわれわれとしましても、十分検討しなきゃならぬと思いますので、これの引き上げを反対というのを、いきなり議決するということは、これは不適当ではないかというふうに考えますのて、やはりこれは保留にしていただきたい。
 ですから、もしいろいろ御異論がございますれば、採決に一つしていただきたいと思います。
○委員長(剱木亨弘君) ちょっと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて下さい。段々の御意見があり、意見の一致を見ませんので、これより採決いたしたいと存じます。最初に、水資源開発関係予算に関する請願、新潟市に東北重力火力発電所建設の請願、消費者物価値上がり防止に関する請願、四国地方開発事業費国庫補助等増額に関する請願を問題に供します。本請願を議院の会議に付するを要し、かつ内閣に送付するを要するものと決定することに御異議ございませんか。
   〔「異議なしと呼ぶ者あり」〕
○委員長(剱木亨弘君) 御異議ないと認めます。よって、さように決定いたしました。
 次に、九州電力料金値上げ反対に関する請願を問題に供します。本請願について、採否の決定を行なわず、保留することに、賛成の方は挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(剱木亨弘君) 多数と認めます。よって、本請願の採否の決定は、保留することに決定いたしました。
 なお、ただいま議院の会議に付するを要し、かつ内閣に送付するを要するものと決定いたしました請願につきまして、議長に提出する報告書の作成等につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じます。
○委員長(剱木亨弘君) 次に、継続調査要求に関する件について、お諮りいたします。
 ただいま本委員会において調査を進めております経済の自立と発展に関する調査を閉会中も継続して行なうこととし、本院規則第五十三条により、継続調査要求書を提出することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(剱木亨弘君) 御異議ないものと認めます。よって、さよう決定いたしました。なお、要求書の作成及び手続等につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じます。本日は、これにて散会いたします。
   午後二時一分散会