第038回国会 商工委員会 第14号
昭和三十六年四月四日(火曜日)
   午後一時三十四分開会
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   委員の異動
四月三日委員鍋島直紹君及び阿部竹松
君辞任につき、その補欠として鈴木万
平君及び吉田法晴君を議長において指
名した。
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 出席者は左の通り。
   委員長     剱木 亨弘君
   理事
           川上 為治君
           古池 信三君
   委員
           赤間 文三君
           上原 正吉君
           岸田 幸雄君
           斎藤  昇君
           山本 利壽君
           阿具根 登君
           近藤 信一君
           椿  繁夫君
           中田 吉雄君
           吉田 法晴君
  国務大臣
   通商産業大臣  椎名悦三郎君
   運 輸 大 臣 木暮武太夫君
  政府委員
   通商産業省軽工
   業局長     秋山 武夫君
   通商産業省石炭
   局長      今井  博君
   通商産業省公益
   事業局長    大堀  弘君
   運輸大臣官房長 辻  章男君
   運輸省鉄道監督
   局長      岡本  悟君
   運輸省鉄道監督
   局国有鉄道部長 広瀬 真一君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       小田橋貞寿君
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  本日の会議に付した案件
○電気用品取締法案(内閣提出)
○経済の自立と発展に関する調査(通
 商関係物資の国鉄貨物運賃に関する
 件)
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○委員長(剱木亨弘君) これより商工委員会を開会いたします。
 本日は通産関係物資の国鉄貨物運賃に関し調査を行ない、低開発地域工業開発促進法案の提案理由の説明及び電気用品取締法案の補足説明を聴取することといたします。
 委員の異動がありましたので御報告しておきます。
 昨三日阿部竹松君及び鍋島直紹君が委員を辞任され、その補欠として吉田法晴君及び鈴木万平君が委員に選任されました。
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○委員長(剱木亨弘君) 歳出の都合により、最初に、電気用品取締法案を議題とし、補足説明を聴取いたします。
○政府委員(大堀弘君) 先般大臣から電気用品取締法案の提案理由の御説明がありまして、法案の趣旨概要について御説明申し上げておりますが、本日は補足説明といたしまして、法案について御説明申し上げるところでございますが、お手元に電気用品取締法案要綱という要点だけを書いたものがございますので、これを中心に補足説明を申し上げたいと思います。
 順次申し上げますと、最初に第一に法案の目的が書いてございます。「この法律は、電気用品の製造、販売等を規制することにより、粗悪な電気用品による危険及び害の発生を防止することを目的とする」ということでございまして、粗悪な電気用品でありますために、ここに書いてあります危険とありますのは、感電の危険と同時に漏電によりまして火災が発生する危険、これが主たるものでございます。障害といいますのは、電気電波障害等でございますが、こういう電気用品による危険及び障害の発生を防止するために、製造及び販売等を規制するということになっておりますが、従来、この法律ができます前の現在の状態は、御承知のように旧電気用品取締規則によってやっておりますが、それは電気用品の製造の取り締まりを中心にいたしてございます。ここに書いてございます法案の要綱におきましても、第三以下第十一までが大体製造を中心とした取り締まりの規定でございます。これは現行法を整備いたしましたものでございます。それに、今回の法案におきましては、さらに取り締まりを徹底する意味におきまして販売の規制ということを加えておりまして、これが十二以下に書いておるわけでございます。
 そこで、これが目的でございますが、第二に、定義が書いてあります。これは電気用品とは何かということでございますが、ここにございますのは、一般用電気工作物、これは非常にめんどうな定義でございますが、この定義につきましては、参考条文として掲げております電気工事士法、第四の資料にございますが、電気事業者から電気を受電いたします場合に、電気を使用するために設置する屋内配線、屋側配線その他の工作物をいう。要するに家庭に電気を受け入れます場合の屋内配線、あるいは屋側配線、あるいは家屋にくっつけて設置する工作物、この工作物の部分をなすもの、及びこれに接続してつける機械器具、材料が電気用品ということになっております。この部分というのは、つまり電線でございます。電線とか、あるいは差し込みのところ、こういうようなものが部分をなしておるものでございます。それからそれに付属してつけるというのは、いわゆる家庭電気器具が、これに差し込んで使うのでございまして、これらを一括して電気用品ということにいたしておりますが、この法律の適用にあたりましては、政令でもってこの品物を定めるということになっております。第二は、この定義でございます。電気用品の範囲を規定したものでございます。
 それから第三以下、先ほど申しましたように第十一のまでが、製造の取り締まりを中心にした規定でございまして、現在の旧電気用品取締規則によりますと、登録というのでなく、製造免許、ある電気用品を作りたいという人が、まず製造免許を受けまして、その次にどういうものを作るかということで、いわゆる型式承認といいますが、どういう具体的な電気用品を作るか、その型式について申請をいたしまして、承認を受けて、それに一定のマークをつけて、市中に送り出しておる、これが現在の取り締まり体制でございまして、免許にかわりまして、今回は登録ということにいたしておりますが、実質は従来の免許と変わらないわけでございます。
 第三に「電気用品の製造の事業を行なおうとする者は、通商産業省令で定める電気用品の製造の事業の区分に従い、通商産業大臣の登録を受けなければならない」ということで、製造の事業の区分と申しますのは、たとえば絶縁電線はどういうものか、あるいはスイッチならスイッチ、大体二十数種類ぐらいの範囲に分けたいと考えておりますが、この事業の区分に従って登録を受けるわけであります。
 この登録を受けます基準として、その次に登録の基準ということがございますが、第四に書いてございますが、通商産業大臣は、登録の申請があった場合に、次の各号に該当すると認めるときは、登録をしなければならないという規定になっておりまして、一つの条件は、そういった電気用品の製造のための設備が、通商産業省で定めました技術上の基準に適合しておるかどうか。製造設備が十分そういうものを作るに値するだけの水準であるかどうかということの技術水準に合っているかどうかを第一に審査いたします。第二に、こういった電気用品を作りますについての検査設備が技術上の基準に合致しておるかどうか、製造設備及び検査設備につきまして技術基準に合致しておるかどうかを審査いたしまして、このメーカーであればこの水準に合致しておるということであれば、通産大臣は登録しなければならないということになっておるわけであります。
 そこで、登録を受けました業者が具体的に電気用品を作ります場合に、いわゆる型式承認という今日の制度でございますが、これは型式の認可ということに書いてございますが、同じことであります。これは「登録を受けた者は、製造しようとする電気用品の型式について、商産業省令で定める型式の区分に従い、通商産業大臣の認可を受けなければならない」、どういったモーターを作るとか、どういった電気釜を作るかといった型式につきまして検査を受けまして、申請がありました場合は、電気試験所が現在検査をいたしまして、その検査に合格いたしますと型式の認可が受けられるわけでございます。これは同じ考え方で基準を作っております。
 認可の基準が第六に書いてございますが、ただいま申しましたように、「申請に係る試験用の電気用品が通商産業省令で定める技術上の基準に適合している」ということが一つの条件であります。第二の条件は、そのメーカーが、先ほど申しました登録を受けておるかどうか、登録を受けていなければその承認は受けられないということになっておる。この二つの条件に合致いたしましたときに型式の認可が受けられるわけでございます。
 そこで次に、指定試験機関という言葉が入っておりますが、従来はこの型式承認の申請がございましたときに、電気試験所におきまして検査を、試験をいたしておったのでございますが、非常に電気用品の普及に伴いまして、件数がふえて参りました。電気試験所だけでは敏速な処理ができないという事態に相なりましたので、民間方面の要望もありますし、この際、指定試験機関という制度を設けまして、民間の機関で、民間の試験所で通商産業大臣が指定したものについては、その指定機関の試験を受けることによって、通産省の試験所の試験を免除する、こういう扱いを認めておるわけでございます。この指定試験機関の指定につきましては、十分試験能力があるかどうかということを相当詳細に調査をいたしまして指定をいたすわけであります。そういう制度を作りまして、この制度の運用の円滑をはかりたいという考えで、新しく指定試験機関の制度を設けたわけでございます。
 そこで、第八は、先ほど申しました型式の認可を受けて、その電気用品を製造いたします者が、認可を受けた品物を作ります場合に、通商産業省令で定めた技術上の基準に適合するようにそのものを作らなければいかぬ。製造の際に基準に合致したものを作らなければいけないという、一つの製造業者に対してはっきりと義務を課しておるわけでございます。これは従来なかったことでございますが、型式承認を受けた通りのものが作られなければならぬという義務を課しております。同時に第二項におきまして、製造しました電気用品について検査を行なって、その検査記録を保存しなければいけないという規定を入れまして、製造業者の義務の履行を確保する措置を講じたわけでございます。
 第九の、次の項は、これは輸入事業者に今の製造事業者の規定を準用しているわけでございまして、外国から電気用品を輸入した者は、この輸入事業者が今申しました製造事業者と同じ立場に立ちまして、型式の区分に従って、通商産業大臣の認可を受けなければならぬという規定が入っておるわけでございます。国内のメーカーを取り締まると同様に、輸入事業者についても同様の義務を課しまして不良な電気用品の流通を防止するということをはかっておるわけでございます。
 第十は従来は型式承認の認可というものが無期限になっておりましたが、今回はこれを七年ごとに更新を行なわなければいけないという規定を入れましたわけでございます。これは一つは、相当期間がたちますと、技術上の基準もだんだん変わって参るわけでございますし、それからもう一つは、現在型式承認を与えているものの中で、実際に作ってないものが相当たくさんある現状でございます。そういったことで弊害の生ずるおそれもございますので、七年ごとに更新するという規定を新しく設けたわけでございます。
 第十一は、先ほど申し上げました型式の認可を受けた電気用品、これを作ります場合に、通商産業省令で定める方式に従って表示を付さなければいけない。これはテイ・マークと言っておりますが、テイというのは逓信省の「テイ」という……それに三角をつけましたテイ・マークといいますが、それに認可の番号をつけまして、表示をつけまして、その表示のついたものを製造業者は売らなければいけない、こういうことになっております。以上が大体製造業者の段階の取り締まりの規定でございます。及び輸入業者をこれに準じて取り扱っておりますが、
 第十二に、新しく製造業者だけを取り締まっても、もぐりの製造業者があるいは型式承認を受けない不良品が相当市中に出回っておりまして、これが漏電をしたり感電をしたりして事故を起こしているということもございますので、販売の制限をいたしまして、電気用品の販売の事業を営む者は、ただいま申し上げましたテイ・マークの表示がついてないものは、電気用品を販売の目的で陳列してはならないという規定を入れたわけでございます。これは消費者がみずから選択をすれば最もよろしいわけでございますけれども、なかなか消費者にそれを望むことは困難でございますので、販売事業者に、テイ・マークをつけたもの以外のものを取り扱ってはいけない、こういう制限をつけまして、不足品の流通を防止する上において十分の効果を期待いたしたい、かように考えて販売の制限の規定を新たに入れたわけでございます。
 第十三は、使用の制限となっておりますが、これは電気事業者なり自家用電気工作物を設置する者または電気工事士、そういったもの、そういった人は自分が仕事をします場合に、今の表示がついてないものを使ってはいけない。これは専門の人でありますから、そういう取り締まりをいたしておるわけでございます。同時に第二に、電気用品を部品または付属品として使用する製造業者については、やはり表示のついたものでなければ、部品として使ったり付属品として使うことはできない、こういう規定をいたしまして、制限をいたしております。これによりまして、やはりこういったものを使った機械自身が事故を起こすことを防ぐということができるわけでございます。
 十四のその他、これはただいま申し上げましたように、一般的な規定を実行いたしますために、指定試験機関の指定なり監督、あるいは報告の徴収、立ち入り検査、その他各種の監督命令、公聴会の規定、そういった手続的な規定を書いておるわけでございます。
 なお、附則に施行期日が書いてございますが、「この法律は、公布の日から起算して九月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。」、大体九カ月ぐらい、施行までの期間を相当長期に考えておるわけでございます。私どもとしては相当取り扱いの範囲が広いものでございますから、施行になります前に、十分のPRをいたしまして、その趣旨徹底をいたしてその上で施行するという段取りにしたいと思いましたので、大体九カ月の余裕期間を与えたいと考えて立案しておるわけでございますし
 はなはだ簡単でございますが、法案の内容の概要につきまして御説明申し上げました。
○委員長(剱木亨弘君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて下さい。
 引き続き質疑を行ないます。御質疑のある方は順次御発言を願います。
○吉田法晴君 まず事務的なことから伺っておきますが、さっき十一のところで、テイ・マークとかいうお話でしたが、テイというのは、逓信省の「逓」――当用漢字にありませんけれども、テイというのはどういう意味なんですか。
○政府委員(大堀弘君) これは、この行政は本来、だいぶ前から逓信省の所管になっおりまして、その時代にそのマークをつけ始めているわけでございますから、そのマークを踏襲しておるわけでございます。テイというのはかたかなの「テ」というのを三角でかこんだマーク、それに認可の番号がついております。その符号がついてるものが合格したものであるという標でございます。
○吉田法晴君 そうすると、従来逓信省時代の監督行政の範囲内であったから、そのまま踏襲するということですが、法律を作って法律に基づいて云々するということになれば、そういう「逓」であるとか、「テ」とかいう点を法の中に取り入れるというのはいかがかと思うのですが、今までそうしておったからそうするのだ、こういうお話だと思うのですが、実績はそれほど無視できないという実情にあるからそうするのだ、ちょっとおかしいけれどもそうするのだ、こういうことですか。
○政府委員(大堀弘君) これはかなり期間もたっておりますし、相当普及しておりますので、やはりこのマークが割合に一般に周知徹底されておりますから、これを使う方が間違いがなくてよろしいのじゃないか、かように考えておるわけです。
○吉田法晴君 この法案の建前から言いますと、登録をする、あるいは認可をする、それから検査をする。そしてはなはだしいものは業務停止命令を出す。それからそうでないものは改善命令を出す。それから公聴会は――停止命令を出すなり、あるいは改善命令を出すについて、公聴会、こういうことのようですが、規定の仕方が実質ほとんど政令にかかっておるものですから、その命令が妥当なりやいなやという点を民主的な批判にたよるという点が必要であろう。そして異義の申し立て、あるいは公聴会等が行なわれるのだろうと思うのですが、少し政令に一切がまかされ、あるいは通産省なら通産省の役所の何と申しますか、気分一つといいますか、意向一つにかかわるような感じがするのですが、その手続の中でどういう工合に民主的な原則が貫かれると考えておられますか。手続についてわからぬ点がございますから、もう少し説明を願いたい。
○政府委員(大堀弘君) 私どもとしましては、一般の法律、最近の法律から見まして、法律で規定する事項はできるだけ法律に書きまして、政令に委任している事項は、この品目の指定は政令に委任してございますが、この場合は公聴会にかけましてその決定をするということにいたしております。現在のむしろ電気用品取締規則でございますが、これは古い法律でございますので、実は一つだけしかないわけでございまして、それによって省令を出しておるということで、非常に形式的に不備でございますし、品目の追加等も困難でございますので、今度新しい法律によりまして品目の追加指定ができるようにさしていただこうというわけでございます。その他の規定につきまして、申請の書類の形式とかそういったことは施行令に譲っておりますけれども、一般的な規定はやはり通常こういった法規の場合も、通常の認可にかかるものは法律によって、と本法に書いてありますし、特段政令に非常に大幅に委任しているわけではないと考えております。何か手続の進め方等につきましては、登録の申請をして基準に合っておれば認可しなければならぬ、その技術上の基準につきましては、相当こまかいことになりますので、やはりこれは法律ではなく、技術上の基準を別途定めることができるようになっておりますが、基準と合っておれば認可しなければならぬ、また型式承認の場合も同様に技術上の基準を別途定めまして、それに合っておれば認可するということでありますが、さらに試験機関につきましては、現在は申請がございましたときに電気試験所がその審査をいたしまして、電気試験所の試験に合格いたしましたものを認可する建前を取っておるわけでございます。今回は新しく民間の試験機関というものを作りまして、その合格の証明がございますれば、電気試験所の試験の免除をしまして、その証明をもってこれにかえるという扱いをして参る、こういう考えでございます。まず大体のところは法律で基本的なところは明らかにしておるつもりでございます。
○吉田法晴君 その改善命令だとか、あるいは停止命令だとかについては、これは法に帆走しておるんですか。共聴会――今のお話ですと、品目の追加だけに公聴会を開いて云々と、こういう御説明のようですが、改善命令あるいは業務停止命令等は、これは法上規定されなければならぬでしょう。命令を行政命令にしても法に基づかなければできないわけですね。そうすると、改善命令なり、あるいは停止命令は法に規定してありますか。それから異議の申し立で、あるいは公聴会等も法に規定してありますか。さらに異議の申し立てなり公聴会なり、要するにその命令が妥当であるかどうかということを、型式なり、あるいは登録の設備の基準等は政令にまかしてあるか。そういう命令が妥当であるかどうかという民衆的な批判にたえる制度は法上はどうか、こういう意味です。
○政府委員(大堀弘君) ただいま御質問の異議、業務停止命令、改善命令等は法律に規定いたしてございます。法案の四十七条に、業務停止命令が規定してございます。四十八条に改善命令。それから立入検査とか報告書の提出ということを法律に書いてございます。この命令が非常に独善的に一方的にやられるということのおそれのないように、異議申立ての規定というものが第五十条にございまして、この法律の規定による通商産業大臣の処分に対して不服のある者は、その処分のあったことを知った日から三十日以内に、この旨を記載した書面をもって、異議の申立てをすることができるという規定がございます。このただいま申し上げました要綱の方は、非常に簡略に、こういうことが法律に書いてあるということをつまんで書いてございます。これは法律の中に、法律の明文に規定しておるわけでございます。
○吉田法晴君 そうすると、五十条に、通雄大臣の処分あるいは通産大臣の権限が、通産局長あるいは都道府県知事に委任したものは、当該通産局長あるいは都道府県知事というのですが、通産大臣のかわりに処分をする、その処分について不服がある軒は異議を申し立てることができる、こう書いてございまして、それから公聴会は、二条または二十八条三項の政令の制定もしくは改廃の立案の措置をするときは公聴会を開くことができるとこう書いてありますから、あるいは設備あるいは型式承認あるいは品目等を制定改廃しようとするときは公聴会を開き、一般の意見を聞かなければならない、こうなっておりますが、その処分に対しては異議だけ。異議のある者は、公開の聴聞をやって意見を述べる機会を与える。ところが通産大臣が結局おやりになるわけですから、通産大臣に処分をされた、あるいは委任されたその処分に対して異議の申し立てをする、聴聞会を開きますけれども、通産大臣が判断をする、こういうことになるわけです。そうすると聴聞会ということで、多少民主的に意見も求めるという点が入っておりますが、命令あるいは処分について多少欠けておるところがあるのじゃないかという感じがいたしますが、改善命令それから業務停止命令についても、依然としてやはり通産大臣に対する異義の申し立てだけということになりますと、少し規定の仕方が、政令にまかされておる点等からいっても、通産大臣が処分する、それから異議の申し立ては通産大臣にするというだけではこれは足らぬのではなかろうかという感じがいたしますが、その点はどうなんですか。
○政府委員(大堀弘君) 御質問の点にお答えにならないかもしれませんが、公聴会の方は、第二条で品目の範囲を広げますという場合、それから二十八条の規定の製造業者が使用する場合、電気用品を使用する場合の制限、この二つの場合だけは公聴会におけるようになっておりますが、処分に対する場合は先ほど申し上げましたように、五十条で異議の申し立てができまして、五十一条で異議の申し立てをした者に対して相当な期間を置いて予告をした上で公開による聴聞を行なわなければならない。公聴会を開きまして、公聴会の意見を聞いたあとで文書をもって決定する、こういう取り扱いにいたしております。最近の法案の立法例から見まして、大体同様の取り扱いにいたしておるわけでございます。
○吉田法晴君 その聴聞会というのはどういう程度で行なわれ、どういう人を呼んで行なわれるのか御構想を承りたい。
○政府委員(大堀弘君) これは従来電気事業一般の聴聞会におきますると同様の取り扱いでございまするが、相当の期間を予告いたしまして、聴聞会をいつ開くかということを、どこで開くかということを、議案の内容を予告いたしまして、公開の聴聞会を開会いたします。聴聞に際しましては、異議申立人がもちろんございますわけで、異議があるのかということの発言の機会が十分ございますが、同時に利害関係人に対して当該事案について証拠を提示して意見を述べる機会を与えなければならないということになっておりますが、意見のある人はいつでもそこに行って発言をすることができるということにしているわけでございます。
○吉田法晴君 何人ぐらいでおやりになるのですか。
○政府委員(大堀弘君) これは聴聞会を開きます人数は、こちらから指名するわけではございませんので、希望の申し出があった方々が発言を与えられるので、事業によりましては多数これは出て参ります場合もありますし、一、二人にとどまる場合もあろうかと思います。これは申立人の希望によってやるわけでございますから、人数は予測できないわけでございます。
○吉田法晴君 そうすると、聴聞会を主宰されるのはだれですか、条文でいいますと、通産大臣はと書いてありますから、通産大臣の代理者と、こういうことになろうかと思うのです。あるいは五十六条によって、通産大臣の権限を委任されたもの、こういう条文からいうと、そういうことになりますが、そうすると、実際には処分をした、それから利害関係人――本人であり、また利害関係人ということになれば、本人あるいは利害に関係人ということで、同種の業者あるいは電気製造器具の団体というにとどまるのです。本人及び本人と利害を同じくするような人が、利害関係人として出てくるというようなことが想像される。聞く者は通産大臣の代理、あるいは権限の委任されたもの、こういうことになって聴聞会を開くのは開きましたけれども、形式的に聞くだけだ、こういうことになるおそれがあることを心配するのですが、その点はどうですか。
○政府委員(大堀弘君) 一般の場合に、これは通産大臣の処分に対して異議のあります場合は、大体処分を受けた方がその内容に対して異議があるということで、通常異議申し立てをして参る場合が相当多いわけでございます。それに関連して、第三者であるわけですが、その処分の取り消しによって影響を受ける人、あるいは処分によって影響を受ける人は、やはり利害関係人として意見を述べることができるわけでありまして、現在電気用品ではございませんが、私ども電気事業の関係の聴聞会におきましてはかなりいろいろな角度で料金の場合も相当多数出ましたし、その他の個々の処分につきましても、いろいろの角度からの異議の中立人あるいは利害関係人の発言というものがございまして、相当広範に意見を述べられる機会が与えられているというふうに考えております。なお、これによりまして、聴聞のあとでさらに通産大臣が処分を決定いたしましたのちにおきましても、さらに不服のある方は行政訴訟によって一般の救済措置があるわけでございまして、その場合は、これ以上異議がある場合には、一般の行政訴訟の方法によっていくということに、こういうことに相なろうかと思います。
○吉田法晴君 実際に聴聞会をやられるときには、だれが聴聞会を主宰されるのですか。
○政府委員(大堀弘君) 今申し落としましたが、通産大臣が指名をいたします。従来局長なり、あるいは技術長なり、その事案に応じまして、通産大臣が審査官つまり議長になる人を指名いたしまして開く。
○吉田法晴君 何といいますか、最後の質問ですから、十分時間をとってあれするわけにいきませんが、多少問題があろうかと思うのです。それに関連する製造設備、検査設備あるいは型式等についてきめるところが法律できめられないで、実際の中身のほとんどが通産省令にまかされている、通産省令できめられる、こういうふうになっている点は、いわばこの法律の中身が実際にはだいぶん政令にまかされておるということで、法律の形式として不備があるのではないか、少なくとも民主的の法律としては、その中身の客観的の基準というものが少なくとも例示なりあるいはもう少し具体化し得るように法案の中に出ていなければならぬのじゃないかと思われますが、ほとんど中身は通産省令で定めるものの、こういうことになっている。そうすると取り締規則まではさかのぼって研究をいたしておりませんが、実質は取締規則を法律にした、その中身は取締規則と同じです。こういうことになっておるのではないかと思われますが、法律で規定する場合に、この製造設備あるいは検査設備あるいは型式等について通産省令で全部をまかなうという点は疑義があるのではないかという点についてはどういう工合に考えられますか。
○政府委員(大堀弘君) 製造設備、検査設備の技術上の基準につきましては、非常に専門的のことでございます。私どもとしてもこの決定の方法については独善的になることのないように十分注意いたしますし、実際上は関係各方面の意見を十分聞いてきめたいと思います。従来主として電気試験所を中心にいたしまして、こういったものについても従来やっております。基準も一応ございます。さらにそれを改善してやる考えでございます。これは法律に規定することは非常に内容がこまかくわたりまして、また場合によって途中で相当に事務の内容を変えていかなければならぬ面もあろうかと思います。やはり基準といたしましては、省令で十分各方面の意見を聞いて定めることが適当ではないかと考えまして、これには別に公聴会その他の規定は入っておりませんけれども、その点については十分の考慮を加えて参りたいと思います。
○吉田法晴君 あるいは例示なりあるいは基準を客観的に示すべき規定なり、そういうものは法律上に現わせないのですか。形式は取締規則が法律になっておっても、法律に必要な要件というものが全部政令にまかされるということは法律としてどうだろう。これは法制局等の意見も参酌されたと思うのですが、出てきているところを見て欠くるところがあるように思うのですが、例示なりあるいは基準を客観的に表示し得るような表現はとれなかったのですか。
○政府委員(大堀弘君) 実は省令の付属資料に多少書いてございますが、各品目ごとに相当試験事項等がこまかくそれぞれまた分かれておりますので、ちょっと法律に規定するのはいかがかと思いまして、従来、法制局ともむろん相談いたしまして、この程度のことはやはり省令で基準として定めて差しつかえないということで提案さしていただいたわけでございます。かなり品目ごとにそれぞれ試験項目、方法等がばらばらになっておりますので、一般の規定として規定することは非常に困難を感じたわけでございます。
○吉田法晴君 大臣その点をお伺いいたしますが、抽象的な概念だけで、そうして実際の基準というのは全部政令にまかせる、そうすると、これはまあ通産省を信頼をいたしますから、問題はなかろうと思いますけれども、しかし、通産省のいわば行政官の恣意といっては誤弊がございますが、法律として何らかの基準がないと、基準の客観性というものが保障されない。部分的には型式や品目等について公聴会を開くということでございますけれども、公聴会は必ずしも全部の基準について開くわけではありません。そうすると、その基準の客観性、停止命令や、改善命令をするわけですが、そのときに少なくとも基準というものは法律に客観的に出ている必要があるのではないかと思うんですが、大臣、どういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 法理論としては、一応法律によって政令に委任をされている範囲を逸脱しなければ、それでいいわけでございますが、しかし法律を読んだだけじゃ内容がわからぬ、しかも、内容をなすものは、行政庁で、早く言えば、勝手に規定ができる、こういったようなことでは、何か非常に大半なところが抜けはしないか、一方趣旨が反映しないといううらみがあるのではないかというお尋ねだと思いますが、できることならば、法律事項にして内容を明確ならしめ、そうしてこれに対して十分の審議を尽すということが望ましいとは思いますけれども、法律技術の上からいって、あまり内容等のこまかく錯綜する場合には、こういう形式をとるのでございます。政令の問題でございますが、これも十分に関係各省はもちろんのこと、法制局等においても十分内容を審議して作っているのでありますから、御心配のような懸念はあまりないかと思います。
○吉田法晴君 これを信頼をされる間は問題ないですけれども、基準が一切政令にまかされている。それから処分についての異議中立も通産大臣にする、こういうことになると、法の目的を実現するについて間違いがあったあるいは行き過ぎがあったというときに、是正するというものがあまりない。設備の基準とかいったようなものについても、できるだけ公聴会と同じように、多数の意見を聞いて作りたい、こういうようなお話し、それがここに書いてありますところの以外に若干出たと思うんですけれども、そういうものがやはり法の上に出ておらなければならぬのじゃないか。それが例示であろうとあるいは客観的な基準であろうと、一々の型あるいは品物について客観的基準を一つ一つ出すことはできないかもしらぬけれども、客観的な基準を認識するに足るだけの基準はやっぱり法で考えておかなければならないんじゃなかろうかということは、これは批判として、意見としてある。
 それから最近電源に関連をして、炭鉱鉱山等で相当大きな事故が起こっておることは御承知の通りですが、これは使用をしておって初めの製造あるいは型式、あるいは検査設備から、技術水準という点は、設備なりあるいは部品なり、機械器具等で、一応この法律によると水準に合するということをそれぞれの段階で検査をする、あるいは水準に達することを要求するということを行なわれるのですが、そのあと、いわばアフター・ケアというか、使われている間に危険なりあるいは障害、考えられるような事故の原因になる点を防止するについてはどういう工合にお考えになっておるのか。
○政府委員(大堀弘君) お尋ねの点に関連いたしまして、火災等が出ます場合に、従来私どもは大体三つの原因がある、電気に関連いたしまして三つの原因がある。一つは電気工事が非常に欠点があって、そのために漏電して火事を起こす、こういう危険がありましたので、これは先国会で電気工事士法を制定していただきまして、それによって不良な工事が行なわれないように電気工事の面から取り締まる、それから電気用品に、よりまして火災が起きたり事故が起きるという場合は二通りございまして、電気用品自身が非常に古いために漏電をしたりして火事を起こすという場合と、その方に欠陥はないけれども、取り扱いが不適当なためにこういう火災を起こす、取り扱い上の不適当なために火災を起こすケースがあるわけでございます。これらにつきましては、私どもとしては、一般の消費者のPRをはかりまして、できるだけ取り扱いの欠陥による事故を防ぐと同町に、やはり電気事業者に消費者の需用家の家庭の検査といいますか、そういった点を遺憾なく指導を行なうように現在努めさしておるわけでございます。やはり用品だけでなく、取り扱い上の注意ということももちろん必要なことでございましてそれにつきましてできるだけ今後その面について努力をして参りたいと思っております。
○委員長(剱木亨弘君) なお、御質疑もあると存じますが、本日の質疑はこの程度にとどめることにいたします。
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○委員長(剱木亨弘君) 運輸大臣が出席されましたので、次に、経済の自立と発展に関する調査を議題とし、通産関係物資の国鉄貨物運賃に関する件について調査を行ないます。
 御質疑のある方は順次御発言を願います。
○阿具根登君 運輸大臣お見えになりましたので、まず、運輸大臣に質問をする前に、通産大臣に御質問申し上げたいと思うのです。
 通産大臣、政府の指示によって石炭の単価を千二百円下げるという、至上命令ですね、ところが今度の所得倍増によって国鉄運賃も値上がる。それにつれて、資材、機材が上がってくる、それで運賃が上がるためにトン当たり幾ら値上がりするのか、そのために資材、機材の値上がりが幾ら値上がりするのか、その点一つの通産大臣にお尋ねしておきます。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 石炭は、運賃の値上げに関連しまして、各産炭地によって違いますが、これを平均いたしますと、たしかわれわれの方の計算では、トン六十四円ほど上がるということになります。それから機材の問題でございますが、坑木とかそういったものの値上りもございまして、その他の機材についてまだ十分手元に調査した資料がございませんので、正確に申し上げることはできませんけれども、もちろん運賃のような値上がりではございません。はるかに少ないと思っております。
○阿具根登君 人件費の値上がりはどのくらい織り込んであるか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 炭鉱の人件費の賃金の上がりですか。
○阿具根登君 はい。
○国務大臣(椎名悦三郎君) それは織込りんで、トン当たり千二百円昭和三十八年までに下げるということになっておると思います。そういったことをちゃんと織り込んである。
○阿具根登君 千二百円値下がりは政府の指令したときは所得倍増はなかったんです。所得倍増は考えられておらんのです。そうして賃金の値上がりは三・七%組まれておると思うのです。すべてそういうものを計算してみて、そうしてそれじゃ油は一体どうなっておるかという問題を考えてみる場合に、あなた方の三十八年までに千二百円値下がりというのはもうだめになったんじゃないですか。希望が持てますか。油はもっと値下がりするんですよ。人件費も機材も資材も、運賃まで運輸大臣は上げるということになさるわけです。そうすると、一体あなた方の政策というものは、首尾一貫しておるのか一貫してないのか、所得倍増はそれなら炭鉱以外の人は倍増するのか。せめてそういう大前提があるなら運賃は値上げしてならんということを通産大臣は極力主張せねばならん。また運輸大臣がそれに対して責任をとらなければならぬ。運輸大臣どうですか。
○国務大臣(木暮武太夫君) 今回の国鉄運賃改定は御承知の通り現在の国鉄の輸送力が現在の国民の輸送需要にも対応しがたいような状況になっておりますので、今後における日本の経済の成長発展等を考えて参りますと、現在の国鉄の輸送力をもってしては隘路とさえなるような、こまとに残念な状態でありますので、この際昭和三十六年度より国鉄におきましては五カ年計画で国鉄の輸送力を整備増強をいたしたいというふうなことを計画をいたしました。その資金の最小限度として利用者の方に御負担を願う運賃改定の分として、四百八十六億円を決定をいたしたわけでございます。そういうような考え方で運賃の改定をやりましたのですから、すべての品物につきまして賃率を改定をいたすことに相なりましたようなわけでございまして、個々別々にいろいろ取り上げてみまするといろいろの御不満もあることと存じますけれども、その一つ一つを取り上げて、これを特に割引をするとか、あるいは賃率を下げるとかいうようなことになりますると、すべてのものの賃率を、現在の運賃の体系のもとにおきまして一せいに改定をいたそうといたしますのでありますものですから、一つ一つの品物について、どれをどうするかというようなことを考えますると、今回の国鉄の運賃改定というものの根底をくずすことになりますもんですから、私どもの方としては、これをもっていろいろ生じますことについては、別に、いろいろ所管省の政策によりまして、もし万一影響がありまするならば、何かの方法で吸収していただけるものとこう考えまして、現在の運賃の改定を出しておりますようなわけでございます。
○阿具根登君 そうすると、運輸大臣は、閣僚の一人として、国鉄さえ運賃が上がれば、五カ年計画を国鉄さえ実施すれば、あとの政府の政策というものは、それによって合わせるとおっしゃるのですか。この国鉄の新五カ年計画の前に、エネルギー変革ということで、そうして炭鉱の石炭に対して、千二百円下げろ、そのためには十一万人も首を切れという指令を出していますね。それが着々進んでおるわけです。それにあなたは追い打ちをかける。それでいいのですか。それならば、なぜ閣僚の中で、石炭は一体どうするのだということをお考えになりませんか。あるいは、鉱山はどうするのだということをお考えになりませんか。今までの政府の政策は間違っておったと、こうなるのですね。いわゆる政策を変えにゃできぬということなんですね、あなたの論からいけば。
○国務大臣(木暮武太夫君) お答えを申し上げますが、先ほど申し上げました通り、今日の輸送力を増強整備するということが、所得倍増の構想の上から見ましてのどうしても避けられない問題でございますので、これをやりたい。それには、やはり借入金のみにたよるわけにいきません事情がたくさんございますもんですから、そこで、利用者の負担に待つ部分というものが考えられるのでございまして、この程度の国鉄運賃の改定ならば、従来、国鉄の運賃というものは、御存じのように、ほかの物価、料金等に比較いたしまして、きわめて低位に置かれておることなども勘案いたしまして、この程度の国鉄運賃改定を、国鉄の輸送力の整備増強ということの資金として求めていくということが、ごがまんのできるところであると、私どもは考えましたわけでございまして、もちろん閣僚としては、石炭等の合理化の問題については強い関心を持っておりますわけでございまするが、これは御承知の通り、通産省の所管するところでございまして、私どもとしては、国鉄運賃改定によってまず日本今後の経済成長に見合うべき国鉄の輸送力を増強整備するということに着眼をいたしまして、今回の運賃改定に踏み切ったわけでございます。
○阿具根登君 あなたの時間少ないそうですから、なるべく簡単に要領よく説明してもらいたいのです。
 運輸大臣の話を聞いておれば、この程度の値上げは、諸物価に比べてこれはあまり無理じゃないのだというよう一なことを考えておられる。その底には、戦時中、戦前から今日まで比較して、国鉄の運賃は何倍しか上がっておらないが、物価はどのくらい上がっておるのだ、だから国鉄はまだ上げていいのだ、そういう不遜な考えをあなたは持っておられる。私はそう思う。しかして国がこれだけ援助をして、そして国鉄という銘を打ったこの鉄道が、諸物価と一緒に上がるようになったらおしまいですよ。せめて国鉄内ですよ。これはもう国の基幹線であり、経済の動脈である。この動脈を、少しでも上げないようにすべきだ。そして、収入によってあげていくということの方が、これは国鉄のほんとうに考えねばならぬところで、それが、国鉄はこのぐらい上がってもいいのだと言うような人は、国鉄の責任者としての資格はないと思う、僕から言わせれば。なぜかといえば、経済企画庁長官がおってくれたらいいのだけれども、国鉄が上がっても物価は上がらぬと言っておるが、きょう私が見てきたところでは、神様の榊が幾らするか知っていますか。あなた方はおえらいから知っていないと思いますが、今まで二十円でした。それが、国鉄運賃の値上げ等によりまして三十円に値上げしましたと、こう書いてあるのです。五割ですよ、五割上がっておるのですよ。あなた方はこれだけだと思っているけれども、それによってこういうのがどんどん上がってきているわけなんですよ。国鉄は値上げしてもほかのものは上がりませんよとあなた方はおっしゃるけれども、神様の榊が、二十円が三十円に上がっている。仏様の花も十円上がっている。これは事実だ。生花その他が二割上がった。ただ花屋の表を、ちょっとバスを待つ間に見ただけで、はっきり、国鉄運賃値上げによりましてと、こういうことになっているのですよ。そういうあなた方値上げムードを作っておりながら、国鉄はこのくらいですというようなその考え方が誤りだと僕は思うのです。それならば、山口県のいわゆる問題になりました政治路線のあれは、いつ黒字になりますか。いつ黒字になりますか。山口県の問題の線、あの鉱山に通じておる。私は知っていますけれども、その鉱山の名前は言いませんが、そういうのを、有力な政治家が言えば、黒字にならない線をゆうゆうと作っておる。それもですね、産業育成のためだというなら私わかります。ところが、その産業をつぶそうとしているじゃありませんか、片方じゃ。一方にそういう赤字の線を作っておりながら、これは永久に赤字だと思うのです。まだこれから先理論を発展していきますと、貿易の自由化で外国からどんどん鉱石を持ってくれば、せっかく赤字線を覚悟して、岸さんか佐藤さんか知りませんけれども、作っておる線は、永久に赤字ですよ。そういうのは、あなた方は上の人から言われれば、どのくらいの金をおつぎ込みになったか知らぬが、あんな山の中に鉄道を敷かれた。それもいいでしょう。それも、産業を育成するためだ、だから皆さんしんぼうして下さいというならいいけれども、作るときは産業育成だといっている。値上げするときは産業に対する何の思いやりもない。一体これはどうなりますか。そういう赤字はどんどんお作りになる。そうしておいて、値上げするときは、このくらいの値上げはかんべんしてくれとおっしゃる。いつ黒字になりますか。
 それからもう一つ、福岡県の由須原線はいつ完成しますか。これは黒字線です。国鉄も、はっきりこれは決して赤字になりません、黒字だと言っておるけれども、これはちっとも完成できない。三十七年完成が四十年にも今度なった。どういうことですか。
○国務大臣(木暮武太夫君) 国鉄の現在運行しておりまする線が、まあ二万キロくらいあるだろうと思いますが、それの八割は赤字でございます。ことに新しく建設される線につきましては、これはおおむね赤字でございます。しかし、これは鉄道建設審議会におきまして、まあ地方の産業の開発のために必要であるとか、あるいはまた交通の網を作る上から見て、全体的に見て必要であるとかいうような点にかんがみまして、公正妥当なるものとして鉄道建設審議会の方から建議または答申があるのでございます。で、こういうものにつきましては、この鉄道建設審議会の構成というものが、国会議員のお方々やあるいは知識経験のあるお方々、その他の多数の人のお集まりでございまして、こういうところから予定線の中でかくかくの線を建設することが妥当であるという答申または建議があります場合には、私どもとしてはこれを尊重して、今まで赤字線であっても新線建設ということをやっておるのでございます。
○阿具根登君 それでは鉄道建設審議会の答申をそれだけ尊重されるならば、松橋運輸大臣のときに、鉄道建設審議会から炭鉱の失業者に対する就職の問題について答申がなされておる。御存じですか。お守り下さったか。あなた方はそういううまいこと言うけれども、実際力のないものに対しては答申だって何一つ守ってないじゃありませんか。そのときに答申にはっきり出ておる。それを守っておられるか。守っておられるならば川崎線はいつ竣工できるか、なぜできないのか、説明して下さい。
○国務大臣(木暮武太夫君) 石炭鉱業の合理化をやります際に、気の毒な離職者のお方が出るのでありまして、その離職者の多いところに対しては新線建設をやって、そしてこれらの人たちを吸収するという建議のありましたことも伺っておるのでございます。その場合に予算措置あるいは法令を改廃してもこれをやるべしという建議があったように、私どもも拝承しておるのでございますが、そのときにいろいろ関係各省で調べましたところが、法令を改廃しなくても、また一般会計からの予算措置がなくても、これはやる方がいいのではないかということで、従来のように借入金によりまして国鉄がこの仕事をやりましたわけでございまして、現在は多分相当のキロ数基盤ができておるのでございまして、今後のところは、何かその話の説明を聞きましたが、石炭鉱業権者の鉱業権の補償の問題がある。まあこれがどのくらいの金額か私聞いておりませんが、相当多額の金額であるものですから、この人たちとの交渉に今日になっておるのだというような事情でございまして、こういうような離職者を救済するために新線建設で努力をいたしておるということは、その後も努力をいたしまして、聞くところによりますると、月延べ千人ぐらいは吸収することができるというのが現在の状態のように役所の方では見ておるのでございますが、もっとたくさんの方を吸収するように努力をすべきものと思いますけれども、その後経済界の好況等によりまして、あるいは他に行く人もあるとか、あるいは鉄道の建設の仕事というものは、普通の道路を作る仕事と異なりまして、技術を要する人が六割なり、七割なり必要でありますものですからら、あるいは石炭鉱業の離職者にうまく合うというようなわけにいかない点もあるのではないかと思いますが、今御指摘のような建議は私どももよく伺っておりますので、できるだけ努力をいたしたいと考えておりますようなわけでございます。
○阿具根登君 楢橋さんはそういう技術のことはいわれなかった、一億円の作業をやるならば一万人の人間が使えます。しかし、法律が不備であるためにどうしてもそれだけ使えないから、だから法律を改正してでも使いたい、こうおっしゃる。それからいま一つ、運輸大臣が答弁された中にありました――私も承知しておりますが、通産大臣はどうお考えになりますか。この川崎線――油須原線を作る場合には、石炭合理化法案が一番最初に出されたときです、三十三年であったかと思います。そのときの失業対策として川崎線を作る、これは黒字線である、将来石炭のためになかなかあれできない線だということでこれは合理化法案が通る条件として作られた線なんです。それが同じ炭鉱のために敷いている、産業のために敷いている、しかも黒字線だというのが三十七年には当然できなければならないのが、四十年にできるかできぬかわからぬということになってきたその原因は、同じ炭鉱業者である人が鉱業権の賠償の問題、これにひっかかっておると、こうなると、一体あなた方は何の仕事をされておるのですか、石炭鉱業のために合理化を行なう、そのために今度はそういう新線を作る、ところがそれをじゃましておるのは同じ炭鉱の業者だ、これじゃ一体何が政治ですか、どうするの、それは。
○国務大臣(木暮武太夫君) ただいま御指摘の川崎線でございますか、昭和三十五年度の実績は、予算一億七千万円で失業吸収率は先ほどお話申し上げましたように次第に向上して、最近におきまして月延べ約一千人ぐらいに達しておると見ておるのでございます。で、当時一億円の工事に対して約一万人の離職者を救済できるということを当時の運輸大臣が申し上げたというお話でございますが、その根拠は、国鉄の鉄道建設工事におきまする工事費の中で労務費の占める割合は約二一%であるそうでございます。従いまして工事費が一億円といたしますると、労務費は約二割でございますから、二千万円となります。それで二千万円の労務費で緊急失業対策法の公共事業費における吸収率で離職者を使用するものとして計算した場合には、約一万人使用することになるという意味でお話したと思います。それで労務者の人々の賃金が楢橋さんの時代と比較して今日は上がっておるので、吸収率は多少下回ってくるようにも考えられまするが、今後再検討いたしまして、ただいま私が申し上げまするような、できるだけ離職者を吸収をいたしたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。
○国務大臣(椎名悦三郎君) この川崎線の工事を進捗する上において炭鉱の補償問題がありまして、それがどうも進捗を妨げておるように思われますので、解決の方向に一段と努力したいと思います。
○委員長(剱木亨弘君) 速記をやめて。
  〔速記中止〕
○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて下さい。
○阿具根登君 運輸大臣は五カ年計画だと、言われるけれど、われわれ五カ年計画を審議しておらない。五カ年後にはこうなるだろうということを言われておるけれども、一年に一体どこの線をどれだけ延ばしてどれだけ金が要るかということ、これは聞いていない。それを一つ講和説明してもらいたいのと、大臣が言ったので両大臣が政策が違うわけなんです。だから運輸大臣が言うように国鉄の運賃を上げておいて、諸物価を上げておいて、そして千二百円ができるかできないか、こういう問題が、通産省としては全くできないはずなんです。逆な結果なんです。だから両方の大臣が違うことを言っているわけなんです。通産大臣がもしもそれを肯定されるのなら、国鉄の運賃がこれだけ上がってもよろしいということになったら、これは経済企画庁長官においでを願わなければいけない。経済企画庁長官がそれだけ上がったらだめですということを言っている。それは上げてもらっちゃ困る。国鉄に鉱産物、石炭の運賃を上げてもらったのでは政府の計画はくずれます、それではやっていけないということを言っておられるわけなんです。双方の大臣が食い違っているわけなんです。だから通産大臣と両方おられぬと工合悪いのですがね。
○国務大臣(木暮武太夫君) ただいま御質問のことについてお答えを申し上げます。まあ先ほど方々の委員会で私申しておりますが、運賃の改定はただいま申し上げましたような輸送力増強という日本経済の成長のために、どうしても必要なことであるからこれをやる。その資金として、国鉄が自己資金を捻出する方法として従来も頼りましたごとく、利用者のこの程度の負担によって全般的に運賃の改定をいたそうというところに重点を置いているわけでございます。こういうことによっていろいろ影響のありますことは御指摘の通りでございます。そこでそういう運賃改定による影響というものは、極力私どもの希望でございまするが、企業の合理化とかあるいは生産性の向上とかいうことで、まあ吸収していっていただきたいと。で、どうしてもそういう吸収ができないような場合に対する対策につきましては、閣内におきまして関係省と十分私も協議をいたしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○椿繁夫君 関連。今、石炭の代金を、合理化とか生産性を高めることによって、貿易自由化の進行に伴って油と競争ができるようにするために、政府では所得倍増計画、それから今回の運賃値上げ計画のない以前に通産省には石炭鉱業合理化審議会というものを設けて、一体どの程度下げ得るかということの諮問をしたのです。その回答がたしか、私今ここへ資料を持っていませんから明らかでないのですが、百八十円程度下げ得る、そういう答申が出た。そこで政府はそれに基づいてこの三カ年の間に千二百円下げれば電池との競争ができるようになるだろう。そこで三年先には炭を五千五百万トンに抑える、そうして従業員は十一万人減らし、そうして設備を近代化していく。そのために千四百億の金をつけるしその千四百億のうち七百億は開発銀行で、半分の七百価はその他のところで捻出をしていくよう、政府が一つしり押ししていこうじゃないか、こういうようにして石炭合理化というものを三カ年計画でお立てになったんです。その結論が千二百円下げたいということじゃないですか。十一万人の首切りをやる。その後に所得倍増計画が出、さらに今度この運賃改正があって、政策運賃はとらぬとこう運輸大臣は言われるのですから、結局ここで六十四円のまた運賃増になる。運賃だけを見ましても、こういうように考えてきますと、政府の所得倍増計画、石炭合理化政策の三カ年計画というものを根本的にこれは再検討してかからなければならぬことになるのですよ。私はそう思う。だから六十四円の運賃の引き上げがあっても、こういうわけで大した差はないし、労賃の値上がり、さらに予定しておった油の値下がり、こういうものとも並行して競争がやっていける、こういう石炭合理化政策、三カ年合理化計画というものを私は示されなければ今の、政策運賃をとらないといわれる運賃値上げ案というものをそのままここで承認するわけにいきません。そのこと阿具根委員が先ほどからついておられる。そのことを政府から総合的な見解として統一ある御答弁をいただきたいというのです。私も同様であります。重ねて答弁を求めます。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 石炭の合理化につきましては、しばしば申し上げるように、三十八年までにトン当り平均千二百円の引き下げを行なうことによりまして、大口需要家は一定の数量を必ず使う。こういう今話が進行中でございまして、それによって昭和三十八年五千五百万トンの石炭の六割五分くらいを消化することができる、こういう目標のもとに話を進めております。一方において重油の現在の値段は国際価格よりも上回っておりますので、どうしても下げなければならぬ。また下がる傾向にある、こういうことが予見されますので、石炭と重油との開きが現在以上に大きくなって参りますが、しかしそれにもかかわらず、大口需要者に対しましてはそれだけの責任を負わしていきたい、大体負いましょう、こういうようなことになっておるのでございます。それで千二百円の合理化は現在において三十四年、五年と二カ年わたって合理化をいたしまして、四千五百万ですか、それぐらいの見当は下がっておる。あと三年間に七百五十円下げることになるわけであります。それに加えてここでトン当たり六、七十円というものが加重されますというと、これが吸収はきわめて困難であるということは、前々から申し上げた通りであります。しかしながら、これの合理化、生産性の向上によってこれを吸収することについてはやはりわれわれはあらゆる側面から考究をいたしたいと考えております。しかし考究の結果、これだけの部分はどうしても吸収は困難であるということになりますれば、これは永久とは言いませんけれども、相当の時日をかすにあらずんばこれを消化することができないということに結論がなりますれば、その部分については弱り目にたたり目と申しますか、炭鉱にさらにこれを負担を加重する、ということはとるべからざることはもちろんでございますが、実負担が加重されないような何らかの方法を考えなければならない、それには通産省において一省において考えるもはや限界をこえておりますので、政府関係省との間に十分協議して、実負担の加重にならないように考えて参りたい、かように考えるわけであります。
○椿繁夫君 それはただいまの通産大臣の御答弁を私は信頼いたします。その結論を先に出してもらわぬとこの法案を通すわけにはいきませんね、閣議をお開きになって、そして国会の方に政府としての御見解をお示しになりませんと。私はそう思いますがね。運輸省の方ではとにかくもう少し合理化とか生産性増強とかいうようなことで、企業で吸収のできる努力をしてほしいと運輸大臣はおっしゃる。通産大臣はこれまでの経過から見てこれ以上実負担をかけることは困難であるということを繰り返しお述べになっている。ところがこの運賃が改正されますと、トン当たり運賃だけをとってみましても六十四円の値上がりとなる、これだけの消化も現状においては石炭としては困難であるということを通産省はお認めになっておる、これではお二人の大臣の間でこういう基本的な見解の相違がある状態におきましては、これは了承ちょっといたしかねますね。すみやかにこれは政府の意見を統一されて、政策運賃をとるならとる、国鉄建設費の方を何とかするならする、いずれかを示されませんと、この先日の連合審査からきょうのこの委員会を通じて、どうも並行線ですね、運輸大臣と通産大臣。これはちょっと了承いたしかねますね。その御方針ありませんか。
○国務大臣(木暮武太夫君) 私は先ほどもちょっと申し上げましたように、こういう問題によっていろいろのものについて影響のあることは、これは認めざるを得ないので、そういう影響がありましたものは、私どもといたしましては、運賃改定によって輸送力の増強整備をやる今日でございますので、できるだけ生産性の向上とか、企業の合理化とかあるいは企業者の創意工夫等によって吸収してもらうことを期待を申し上げるということを常に申しておるのでございます。そういうようなことがどうしてもできないような状態が生じて、これをどうしたらよかろうというようなことがございますれば、私も国務大臣の一人として関係竹ともよく相談の上考究をいたしたいと、こういうふうにただいまのお返事を申し上げたわけでございますから、通産大臣の言われることと違うところがないように私ども思いますのですが。
○吉田法晴君 と言っておられることは、前と今の運輸大臣は違うのです。問題は、運賃の値上げをさしてもらって、そうしてその影響は、企業合理化なりあるいは生産性の向上なり、企業者の努力によって吸収をしてもらうように、影響が少ないように努力して下さい、もしどうしてもいかんというならば、関係省で協議をする。運賃の値上げの原案を認めることを前提にして言っておられます、そうじゃなくてわれわれの方は、企業努力あるいは生産性の向上その他でもっては吸収ができないのじゃないか、できないということを通産大臣は言っておられる、困難だということを言っておられるけれども、これは合理化問題についてここに、先ほどから話の出ました石炭鉱業審議会からの建議の中にもありますけれども、「国鉄の今回実施しようとする運賃値上げは流通面における当面の合理化努力をほとんど無にする程度のものであるしに、これを生産面の合理化によって吸収することも全く困難な状況にある。かりにこの値上げによって揚地において三十八年度までに引下げを約束している合理化目標が達成できないとすれば、需要の確保は期待されず、生産の体制も危機にひんするという事態も予想されるのであって、この点他の物資の場合と本質的に異なる特殊事情におかれている」ということで、合理化三十八年度までの間、国鉄の運賃割引を実施するなり、あるいは石炭鉱業に対する負担増を実質的に回避し得るように措置をしてもらいたい、こういうことがはっきり言われておる。従って吸収し得るかどうかという点については、大臣は非常に困難だと言われますが、吸収ができないので千二百円コストダウンしていこうとする努力の中で、これが大きな障害になって実現できないのだ、合理化の面、あるいは運賃なり流通面における切り下げができないから、そこで運賃問題について政策的な割引きなり、あるいは負担が増加しないように、切り下げの実質的な帳消しがないように努力してもらいたい。その協議を政府でして、ここで回答が願えるならば、われわれは審議を進めるけれども、それがない限り、やってあとで公々ということでは私どもここで承知をするわけにいかぬというのが同僚阿具根、椿委員が言っておるところであります。その点について、はっきり御答弁を願えないと約束の時間がもう切れる、切れると言われるけれども、お立ちを願うわけにはいかぬ。通産大臣は、石炭について、千二百円コスト、タウンを命ぜられている石炭について六、七十円の運賃値上げは吸収は困難だ、不可能に近いという点はお認めになるでしょう。それから金属鉱山について金属鉱石等について運賃が非常にパーセンテージが高いので、五〇%近いものを運賃部分で食っているものもあるし、一部企業については運賃値下げをすればつぶれるものも出てくる。こういう点はお認めになるでしょう。事実それを御存じでしょう。それならば、政府として運賃の問題について政策運賃を考えざるを得ないと考えられるかどうか。そしてその政策運賃を実現しなければならぬとすれば、運輸省と相談をして、等級の改定によるか、あるいは暫定割引によるか、あるいは特別補助によるか、石炭については三十億の運賃値上げにならないように何らかの方法をとる、こういう政府の方針をここで表明されれば、私ども了承するのですが、通産大臣、どうです。両大臣から答弁して下さい。
○国務大臣(木暮武太夫君) 今申し上げましたように、私の方は、これは石炭合理化とか何とかいうことは、通産省の所管のことでございますから、多くを申し上げることはできませんけれども、十分、影響のあるものを生産性の向上等で吸収していただきたいと御期待を申し上げておるわけでございますので。しかし、将来のことですから、そういうことができるかできないかわかりませんけれども今後そういう問題について問題が起こりましたならば、関係省とよく相談をいたしまして考究したいと、こう申し上げておるのでございますが、これではいけませんでしょうか。
○阿具根登君 それが運輸大臣の見方が甘いのですよ。それはまだ油が八千五百円しておるときの考え方なんですよ。その油が七千円台に下がってきて、今でさえも合理化不可能になってきているわけです。それが油が下がってきて、運賃が上がってきて、あなたの言うそんな余裕はないのですよ。それができれば、通産大臣からどうしたら合理化できるか説明してもらいましょう。できなければ、それは、ここではっきりできないと言ってもらわなければだめだ。通産大臣、油は七千円を切りますよ。今七千五百円くらいするでしょう。これをきめたのは八千五百円のときですよ。油は下がってくる、運賃は上がってくる、石炭は千二百円下げろ――それでできますか。できままんとわれわれは断定しておるわけです。できると通産大臣がお思いになるなら、やります、どうするとここで言ってもらえば、運輸大臣帰ってもらってもいいのです。できないとあなたここでおっしゃる……。運輸大臣、そんななまぬるい、やってみてできなかったらやりますと、そんなことでは、とてもじゃないが、答弁にならない。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 困難ではありますが、とにかくその運賃の問題についても吸収するように考究はしてみます、一応。しかし、できない場合には、そのできない部分については一つ関係省との折衝によって何とか打開したい、こういう考えてございます。
○委員長(剱木亨弘君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて。
○国務大臣(木暮武太夫君) 今の通産大臣のお話を伺っておりますとちっとも私と違っておるところはないように考えるのですが、あなた方はそう書っておる、できないじゃないかと初めから、できないということを言うのですね。通産大臣は、大いにそういうふうに努力をしてみると、こう言っておるので……。これは見込みの違いですからな、そうでしょう。合理化できない場合は、関係省とよく相談してみると、こう言うのです。それで私の方も、そういうようなときには、一つ大いに国務大臣として閣内で、いろいろ――大蔵大臣も要るのか、あるいは経済企画庁長官も要るのか知りませんが、そういうような人とよく考究してみよう、こう言うのですから、片言隻句をとらえずに、通産大臣と運輸大臣の気持をよく御解下されば、同じことを雷っておるように思いますのですが、それで御了承というか、ごがまん――御了承というよりも、ごがまんできませんでしょうかな。ちょうど同じことを言っておるように私は思うので、大へん違ったようなことを対立して言うておるというようには感じないのでございますが、いかがでございましょうか。
○椿繁夫君 ただいまの運輸大臣の御答弁は、これまでよりちょっと前進をしたように伺いました。といいますのは、運賃はこういうふうに上げておいて、石炭鉱業についても従来の通りの政策運賃は取らない。そうしてしばらくやってみて、そこで運賃引き上げ分が吸収が不可能になったときには、一ぺん考えましょう、相談いたしましょうということであったのですが、ただいまの御答弁によりますと、そうではなくて、運輸大臣と通産大臣と相談したところ、大蔵大臣、経企長官なども含めて、一ぺん何とか方法はないかということで、これは運賃決定前に――改正法の決定以前に政府部内の吸収する方法について御相談あるものと解しますが、それでよろしゅうございますか。
○国務大臣(木暮武太夫君) それはちょっと先走った御推測のようでございますが、ただいま申し上げましたことを繰り返すようで、まことに恐縮でございますが、先ほど私が申し上げました通り、今度の運賃改定によりまして影響をするものは多いと考えまして、そういう影響をいたしましたことにつきましては、各所管庁におきまして、いわゆる政策によりまして、何とか方法をとっていただくことを私は期待をいたしておりますわけでございますが、万々一そういうものが非常にむずかしいような事態ができましたときには、よく閣内におきまして国務大臣として相談をして、そうして大いに研究してみたいと、こういうふうに考えておるのでございまして、今の、運賃改定の前に相談をここでするとか何とかいうようなふうには、私の考えは申し述べたわけではございませんで、御意見と違うことはまことに申しわけない次第でございますが、あしからず一つ御了承願いたいと思います。
○委員長(剱木亨弘君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて下さい。
○国務大臣(木暮武太夫君) 別にお言葉を返すわけではございませんけれども、今ここに私は参りまして、通産大臣のお話をよく伺っておりますと、私と同じように、御努力をするということをおっしゃっておるわけですから、あなた方はもうそれはできないのだということを先にきめてかかっておいでになるのが、今商工委員会でいろいろやったことで、お前は知らぬから、そういうことを言うと言いますけれども、私がここへ来て、通産大臣さんの話をそばで働いてますと、やはり私と同じように、極力一つ生産性向上や合理化でもって吸収していきたいものだということをおっしゃっているのですから、そこをどうでしょうな、初めからできないものだとあなた方はお考えにならずに、通産大臣を信任して、通産大臣の努力することを待って、そうして、どうしてもできない場合には、今度閣内で一つ相談をしようではないかというふうに通産大臣も言われるし、そういう場合には、私も国務大臣として御相談相手になって、大いに考究してみようと、こう申しておるのですが、どうでございましょうか。初めからもうそういうことはできないことなんだと、もう障害にぶつかっているのに、お前はこれから研究するとは何事だというようなお話のようでございますが、ごもっともなことで、お言葉を返すわけではございませんけれども、私としては、今申し上げましたような通産大臣のお言葉のようにやっていきたいというふうにお答えを申し上げるよりほかには、これ以上変わったお答えをするということがちょっとできかねるような次第でございますから、何と申しますか、今の話で、御了承とかおがまんとかいうものができませんでございましょうか。
○阿具根登君 それなら、通産大臣にわれわれが納得するような説明をしてもらいたい。そうして、あなた聞いておって下さい。われわれの聞いておるのと追うことをあなた方が耳打ちされたとしたら、どうしてあなたは政策を遂行されるか、ここで逐一説明してもらいたい。そうしたら、私らが全部質問してやりましょう。そうすると、運輸大臣も、なるほどそうかいなあ、これは無理だというふうに思うでしょう。通産大臣、それでよろしいならよろしいと、ここで一つ、どういう政策をお立てになるか、どういう合理化をお考えになっているか、ただ抽象的に、生産をあげるの、何だのかんだのって、そんなことはできっこないのだから、はっきり書って下さい。それで全部質問します。
○委員長(剱木亨弘君) ちょっと速記をとめて下さい。
  〔速記中止〕
○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 運賃の割引問題につきましては、国鉄総裁の権限によって可能な道が開かれておるのであります。でございますので、通産省といたしましては、この際本案通過後において、それを前提として国鉄総裁の権限によって、割引方につきましてとくと運輸大臣と折衝いたしまして、そうして実際の負担が過重にならないように努力するつもりでございます。
○吉田法晴君 通過後と言われたけれども、その点は私ども了承するわけにはいかない。運賃問題について、石炭については三十億、それから鉱石についてはこれは五〇%近い運賃になっているのですが、それらの吸収が困難な、あるいは企業の存立にも関連するような運賃の吸収について、運賃問題について協議をし、政府部内でも協議をし、それから国鉄においても可能なる農大の方法をとってもらうように折衝をする、こういうふうに理解してよろしいですか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 非鉄金属の方面の鉱産物につきましても、石炭に続いて非常に困難な状況にございますので、これらの問題についても石炭と同じように折衝をして参りたいと存じます。
○吉田法晴君 折衝をするのと、それから政府において、さっき運輸大臣との話がありましたが、運輸大臣なり、あるいは大蔵大臣、企画庁長官と、政府においても、この吸収の方策について真剣に検討をし、御期待に沿いたい、こういうことですか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) その趣旨でございます。
○委員長(剱木亨弘君) ちょっと速記とめて下さい。
  〔速記中止〕
○委員長(剱木亨弘君) 速記始めて下さい。
○吉田法晴君 連合審査の際における当委員会の近藤委員の御要望もございました石炭、鉱石等の運賃負担の、運賃の値上げによって影響の大きい品目について、特に割引の措置を講ずるようにという決議を、運輸委員会等にも要望されましたが、当委員会の委員長、理事で相談をいたしまして、次のような申し入れをし、全員の総意として運輸委員会に強く要望したいと、こう考えますので、申し合わせの案文を読み上げ、あと委員長で運輸委員会に強く要望を伝えて、その実現のために努力をしていただきたい、こう思います。
 それでは案文を読み上げます。
  国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案について。
  今般の改正によって、特に影響の大きい石炭及び鉱石の一部については、運賃負担の軽減を図るため、割引等の特別措置を講ずることが必要である。
  右は当委員会の総意であるから、貴委員会において善処されるよう要望する。
 こういう趣旨であります。
○委員長(剱木亨弘君) ただいまの吉田委員の発言につきましては、各委員も特に御異議もなかろうと存じますので、その御意見を委員長から運輸委員長に伝えることにいたします。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(剱木亨弘君) 本件の調査はこの程度にとどめます。ちょっと速記とめて。
  〔速記中止〕
○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて下さい。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時三十九分散会
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