第040回国会 商工委員会 第10号
昭和三十七年三月八日(木曜日)
   午前十時二十七分開会
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 出席者は左の通り。
   委員長     武藤 常介君
   理事
           赤間 文三君
           劔木 享弘君
           中田 吉雄君
   委員
           上原 正吉君
           大泉 寛三君
           岸田 幸雄君
           小林 英三君
           鈴木 万平君
           吉武 恵市君
           近藤 信一君
           吉田 法晴君
           田畑 金光君
  国務大臣
   通商産業大臣  佐藤 榮作君
  政府委員
   北海道開発庁総
   務監理官    木村 三男君
   通商産業政務次
   官       大川 光三君
   通商産業大臣官
   房長      塚本 敏夫君
   中小企業庁長官 大堀  弘君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       小田橋貞壽君
  説明員
   北海道開発庁事
   務次官     熊本 政晴君
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  本日の会議に付した案件
○商工組合中央金庫法等の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○中小企業信用保険法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○中小企業団体の組織に関する法律の
 一部を改正する法律案(内閣提出)
○北海道地下資源開発株式会社法の一
 部を改正する法律案(内閣提出)
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○委員長(武藤常介君) これより商工委員会を開会いたします。
 本日は、前回質疑を終局いたしました商工組合中央金庫法等の一部改正法律案及び中小企業信用保険法の一部改正法律案の討論、採決を行ないました後、本院先議の中小企業団体の組織に関する法律の一部を改正する法律案及び北海道地下資源開発株式会社法の一部改正法律案の質疑を行ないます。
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○委員長(武藤常介君) それでは、まず、商工組合中央金庫法等の一部を改正する法律案、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案、以上二案を便宜一括して議題といたします。
 両案につきましては、すでに前回の委員会において質疑を終局しておりますので、これより両案を一括して討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(武藤常介君) 別に御発言がなければ、両案の討論は終局したものと認めます。
 これより順次採決いたします。
 まず、商工組合中央金庫法等の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方は挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
○委員長(武藤常介君) 総員挙手と認めます。よって本案は全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
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○委員長(武藤常介君) 次に、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方は挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
○委員長(武藤常介君) 総員挙手と認めます。よって本案は全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
 なお、ただいま議決いたしました。二案については本院規則第七十二条により、議長に提出する報告書の作成等につきましては、慣例により委員長に御一任を願います。
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○委員長(武藤常介君) 次に、中小企業団体の組織に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。質疑のおありの方は順次御発言を願います。
 速記とめて。
  〔速記中止〕
○委員長(武藤常介君) 速記起こして。
○近藤信一君 中小企業団体の組織に関する法律案は、その成立の過程からして多くの問題といきさつをもった法律であることは大臣も御存じのことと思います。この法律が生まれるときは衆議院先議で、それが参議院で継続審査となりまして、それから次の国会で参議院が可決して再び衆議院へ送付されて成立したという過程があるわけなんです。今回これを参議院先議とされましたゆえんというものは一体どこにあるのか、この点まずお尋ねをいたします。
○国務大臣(佐藤榮作君) これは申すまでもないことですが、国会のほうで参議院先議ということにおきめになったように私どもは了解しておりますが、もともとこれは衆参両院どちらで先議なさるか国会のほうの御都合でおきめ願っておるわけでございます。予算のような特別の法律案は別でございますが、この種のものは。
○近藤信一君 今度この改正では予算が伴わないということでこちらのほうが先議ということになったようにも思われるわけですが、本来ならばこれは一つの重要法案として、いろいろとこれが成立した過程においては問題があった法案でございますから、私としては衆議院先議のほうが妥当じゃなかったかとこういうふうに思うわけなんです。
 それから、今、中小企業で最も問題になっているのは中小企業基本法、これはわが党も近く国会へ提案する手はずになっておりますが、まあ自民党でもその準備を進めておられましたが、今度これを政府が提案されるというようにも聞いておるわけですが、今までの佐藤通産大臣の言明によりますると、政府案を提出するともとれるし、またこれ、むずかしいというふうにも思われるわけなんですが、政府が出さない場合に与党の案を提出するということも考えられるわけなんですが、それからもう一つは、これは今中小企業基本法を今国会で成立さしてもらいたいという中小企業の要望も非常に強いわけなんですが、この点いかがですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま中小企業基本法の取り扱い方について政府の見通しというか、所信のほどはどうか、こういうお尋ねでございます。私昨年通産大臣を拝命いたしますと同時に、中小企業問題をぜひとも取り上げたいということで、就任後当初に実は申し上げたのでございまして、かような点をなぜ私が申し上げたかと申しますと、申すまでもなく、経済の高度成長、いわゆる倍増計画というものが進んで参りますし、また自由化がどんどん進んで参ります。これらの二つの基礎的な事柄を考えますと、そうでなくても問題の多い中小企業の業界でございますから、一そうそういう二つの新しいものが進むという場合において、どうしても中小企業のあり方について取り組まなければならぬ、かように思いまして、就任当初に中小企業問題を取り上げる、こういうことを実は公表いたしたのでございます。いわば私の公約みたようなものでございます。与党ももちろんただいま申し上げるような点について、ぜひともこの問題を取り上げたいということでありますし、またただいまお話がありますように、社会党においても民主社会党においても、同様にこの問題は大へんだというので、それぞれの立場から検討しておられる、かように伺っております。
 ところでいろいろ取り組んでみますと、事務当局も過去の資料等十分持っておりますが、なかなかこれをまとめ上げるのに困難の問題が多いのでありまして、ことにこの中小企業はいわゆる通産省本来の所掌業界ばかりではございませんので、各省にまたがる業種、これをまとめて一つの基本的なあり方を考えてゆく、また省によりましては、いわゆる中小企業自身ではございませんけれども、たとえば労務の確保の問題であるとか、あるいは社会保障制度の充実の問題であるとか、こういうことを考えると、労働省あるいは厚生省の関係がありますし、また税の問題になれば、中央は大蔵省、地方は自治省、こういうことになりますし、各省の協力を得ないと実はこの基本法案なるものができ上がらないわけであります。内容が複雑であり、同時に関係を持つ各省が多岐であります。したがいまして、いわゆる中小企業基本法、その必要性はよく理解ができまするが、これを御審議を願うまでの法案に仕上げる、そのための準備には非常な努力を要するものでございます。今日まで就任以来いろいろ努力をして参りましたが、なかなか政府としてこれなら御審議を願えるというものにまだ到達いたしておりません。社会党さんや、あるいは民社党の原案等も、正式のルートではないのでございますが、一応私どものほうにも入っておりますので、検討をいたしておりますが、同時に与党におきましても、政調会において一案を作ったのでございます。中小企業基本法案なるものを与党の手によりまして一つ案ができて参りました。この案を先月通産省へ持ち込まれまして、本来この種の法律案は重要法案である、そういう意味から政府自身が提案するのが本筋だろう、政府はいろいろむずかしい問題が多いといってなかなか原案を与党に示してくれないので、自分のほうが一歩先に進んだから、この案を一つ検討してみてくれ、そうしてこの案で賛成できれば政府提案されるのがしかるべきことである、こういうような話を実は持ち込まれております。そこで私ども各条項について検討を重ねておりますが、まだ皆様方にこれで御審議を願うという、そういう結論にまで達しておりません。
 ところでどんどん会期も進んで参りますし、政府といたしましては、大体国会に法律案を提案すべき最終閣議を三月二十七日という一応のめどをつけております。私が与党の政調会等とお話をいたしました際は、この案をいかにするか、一つ大急ぎで検討する、三月の半ばくらいには党のほうと会合を持ち得るようにぜひしたい、こういうことを実は申して事務当局も督励し、事務当局は土曜、日曜を返上して、それで実は中身の検討をいろいろしておるというのが現状でございます。また関係各省の協力を得るような手段等もとって参りました。しかしただいままでのところでは、各省関係の協力を得るのに十分だとかようには私ども考えておりません。そこで非常に会期は進んでくるわ、最終提案の日は政府においてきめるわということで、ただいま苦慮しておる大きな実は問題でございます。
 で、私どもの与党で考えておりますもの、これは申すまでもなく、いわゆる中小企業の基本法でございますから、まあ憲法にも匹敵するようなものでありますけれども、問題はやはり行政官庁といたしましては、その中身を盛ったものであってほしい、まあ一部はすでに団体法その他で、将来とも基本法の線と合致すると考えられるものもございますけれども、さらに一般的な基本的な原則を立てるとすれば、政府全体といいますか、各省の協力、言いかえますと、具体的な中小企業基本法の内容をなす単独法といいますか、それぞれに関連する法律案なども用意する必要があるだろう、かように考えますが、ただいまの段階ではなかなかそこまで行きかねるのではないか、かように実は思っておる次第でございます。これは国会を通じまして、与党の方々にもただいま申し上げたような点を御披露して、さらに御鞭撻を願いたいと、かように考えております。
 大へん要領を得ないようなお話を申し上げて恐縮でございますが、率直に実情をこの機会に申し上げ、ただ政府の決意のほど並びに所信のほどは、その提案の時期がどうなろうと、そういうことでゆるがせにしておるものではない、この点は御了承いただきたいと思いますが、おそらく関係された方々がこの法律案と取り組めば取り組むほど、そのむずかしさを御理解いただいておるだろうと思います。ちょうど政府もその点にぶつかっておるという、実情でございます。で、ただいまのところ、したがいまして、いつ提案するかということをまだ申し上げる結論に達しておらない次第でございます。
○近藤信一君 今大臣も答弁の中に言われておりましたように、その基本法は関連法案が非常にたくさんあるわけなんで、この基本法がもし今国会に出されたとしても、私はこれが成立するということには時間的な関係で非常にむずかしいんじゃないかと、こういうふうに思うのですが、大臣その点いかがですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) これは私どもが申し上げるよりも、御審議いただきます皆様方のほうが成否は掌中に握っておられる、かように考えております。政府といたしましては、提案する以上、法案の成立を期するということは、これはもう問題のないことでございます。出て参りましたら、どうかぜひ成立さすように御協力願いたいと思います。
○近藤信一君 これは重要法案で、中小企業にとっては非常に大きな問題だと思うのです。で、この重要法案が今なお固まっていないということは、国会にまだ出されていないということは、私ども審議の過程からいきましても、時間的な問題でなかなか困難じゃないかと思う。ところが一方においては、中小企業の諸君は、何とか早くこの法律案を成立さしてもらえないだろうかという陳情もあるわけなんです。政府はもう少し熱意をもって、重要法案であるならば、これはもっと、国会が召集されましたならば、直ちに準備して出す方法を考えたならば、私はよかったのではないかと、こういうふうに思うのですが、この点いかがですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 中小企業の方々が心から希望しておられることもよくわかります。私ども就任早々から決意はいたしましたが、問題は非常にむずかしいということは当初から承知いたしておりますので、早く成立することも一つの業界の願望であるに違いないと思いますけれども、同時に、形も大事だが内容の充実、これこそが真に業界でも希望しておられること、そういうふうに思いますので、そういう意味の努力をしているというのが現状でございます。私、業界の方々ともいろいろお目にかかってお話も聞いております。できるだけ早くしてくれという強い要望はございますし、ことに農業基本法などできた後でありますだけに、一そう中小企業としては、一体どうなるのか、こういう焦燥の感のあることはわかりますが、同時にまた、よくお話をいたしますと、政府側の気持はよくわかる、まあ一つしっかりやって下さいということで、最後には激励されて別れておるという実情でございまして、私は今までのところ、政府が熱意がないとか、あるいは与党がこういう問題について十分掘り下げておらないとか、こういう批判はないのでありまして、政府並びに与党一体となって、この重要法案と取り組めという鞭撻を心から受けておるように思います。そういう意味で、私どもはせっかく努力しておる最中でございます。
○近藤信一君 基本法が、大臣の先ほどからの答弁でいきますと、今与党と相談して何とか出すような動きにあるわけですね。そういたしますと、ただいま提案されておりまする団体法、団体組織法との関係は一体どうなるのか。おそらく基本法の中でも中小企業の組織については規定されているだろうし、その中でどういうように規定するかによって、あるいは今ここで審議しようとするこの法律案は再度改正をしなければならぬというような結果にもなるんじゃないか。だから基本法案の構想があって、その線に合わせて今度のこの団体法改正案というものが提出されておるのかどうか。それとも、今後提出される基本法案とは無関係に団体法改正案というものが提出されているのかどうか、この点をお尋ねいたしたい。
○国務大臣(佐藤榮作君) 先ほど来申し上げますように、中小企業基本法制定の急務であり、また喫緊であることは、結論がどうあろうと、同じように国会内の各党の共通の問題だろうと思います。
 ところで、先ほど来申しますように、基本法の困難さ、これはもう関係された方々はひとしく当面しておられるだろうと思います。ところが、この中小企業の業界において、今日まで問題になっておる点がそれぞれあるわけでございます。その問題になっておることは、同時に基本法のねらいといいますか、解決するねらいでございますが、基本法の制定がおくれた場合に、問題点をそれまで預けておくことがいいのか、あるいはその部分だけでも片づけておいたらどうだろうか、こういうことを考えてみたわけでございます。今回御審議をいただいておりますものは、これは申すまでもなく、いわゆる団体についての長い間の要望であった不況要件の撤廃、こういう問題が長い間の業界の要望でございます。それに、この一事だけでもこの際取り上げることが、自由化の進んでおる際、あるいは経済が拡大しておる際必要ではないか、こういうことで、特に不況という問題があるにかかわらず、別な法律の御修正を願い、その御審議をお願したわけであります。私は、将来基本法ができましても、この業界の長い間の懸案事項、要望事項というものは、その線でやはり基本法は取り上げるに違いない、かように考えますので、今御審議をいただきますことは、根本的な問題から見て矛盾するとは実は考えておらないのであります。ただ基本法の内容もわからないのに先に進んだら困りはせぬかということでありますが、とにかく、不況要件の撤廃ということが業界の長い間の御要望でございますから、とりあえずそういう御要望に沿う改正をすることが私どもの仕事のように思いますし、また要望であるばかりでなく、今の自由化の進んでおる、あるいは経済拡大状況にあるもとにおきましては、中小企業強化のためにこのことは必要だ、そういう積極性をも持っておる、かように考えて改正案を提案しておるわけであります。
○近藤信一君 中小企業政策というものは、これはいつも通庭大臣が問題にされる重点的な問題なんで、特にそういう関係から今度また基本法というふうなものも考えられておるわけなんですね。基本法と関係があるということございますならば、基本法を先に提で出して、そしてそれに付属する法案――もちろん基本法の中にも組織法も考えられておりましょう。だから、そういう点から考えまして、この団体組織法というものの改正というものをその後に出してもいいじゃないかというふうに私は考えるんですが、その点いかがですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 問題は、先ほど近藤さんが御指摘になりましたように、今持分基本法を出したら、せいぜい継続審議になるのがやまやまじゃないか、成立はせぬだろう、こういうような御指摘でございましたが、これは国会の皆さま方の掌中にあることには違いございませんが、基本法というような大事な大きな問題を審議するとすれば、相当審議日数を必要とすることは当然でございます。ただいま御審議願うその範囲の個々の問題であれば、おそらく短期間の御審議で片がつくのじゃないか、かように思いますし、これが長い間の業界の要望であり、その必要性が認められれば、やはりできるものからでもとにかくやるべきである、これが前進ではないか、かように思うのであります。ここらはひとつ基本法のほうではみな片づけて一緒くたにやれ、こういうものもつぶしておけば基本法が必ず出るだろうという見方もあります。基本法ができるまでは、業界の要望がそれでは不都合だといってもそれに改正が加わらぬ、こういうことにもなりますので、ここのところはやっぱり一つずつでも片づけて、あと戻りあるいは手戻りにならないことなら進めてやるのが行政の本来じゃないか、かように思います。
○近藤信一君 それと言いますのは、私は、基本法がもし出されて、これが成立すると、また団体法、団体組織法の改正案というものをやらなければならぬじゃないか、二重の手間がかかるんですね。こういうことになるが、その点はどう考えておられますか。
○国務大臣(佐藤榮作君) これは、おそらく今私どもはこの線で大体いくだろうとかように見通しをつけておりますから、手戻りにはならないと実は思いますが、いろいろ中小企業の問題として、あるいは特殊な団体法が必要だとかというようなこともありましょうし、そういうもののときにさらにそれと関連しているといいますか、先ほどもお話が出ておりますように、基本法ができれば関連法律が三、四十件になるだろうという、そういうものに関連を持つことは、これは必ず持つだろうと思います。しかし、その精神が全然別な方向へ行くのだと困りますけれども、そうでない筋のものなら、私は一日も早くこしらえて、一歩々々でも業界の問題を片づけるというのが望ましい姿じゃないか、かように思う次第でございます。
○近藤信一君 いずれにいたしましても、基本法の審議ということになれば、近いうちにあると私は思うのですが、大胆からの先ほどの答弁からいきますると、そのときに基本法の線に沿って団体法のまた大幅な改正が行なわれると私は予想をするわけなんです。そのときまでに団体法を現行のままで置いていくということは、何かそこに一つの障害でもあるのか、それとも早急に基本法が成立する前に団体法だけでも改正をしていかなければならないのか、その理由が私はわからないのですが、団体法をなぜ急いで改正しなければならぬか。こういう点いかがですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) これは、まあ先ほど申しますように、自由化が進み、あるいは経済の拡大、その意味から見ると、中小企業を強化する、こういう四囲の条件があるわけでございますね。これが私どもが急ぐ一つの理由であります。ところが、これを業界、業者側から見ますると、業者側もすでにこの点を指摘しておるわけですね。せっかく団体法ができておるけれども、その活動内容が限られておる。それも特殊な場合でなければできない。これでは自分たちの保護のために作られた団体法が、組織をおくらしたり、あるいは活動をにぶらしているじゃないか、この点をぜひ緩和しろという強い要望も来ておる。これまた近藤さんなどの御承知のとおりであります。そういう、業界も心から望み、私ども考えましても、さもありなん、あるだろうと考えられるですね。今の団体組織、それにさらに一歩前進といいますか、組織の要因を、そうしてまた活動の範囲を拡大していく、こういうことが実は望ましいじゃないか。ことに商業者、弱い者について団体の力を借りることが最も望ましいことに思いますので、そういう意味から、これは一日も早くといいますか、緊急性をここらに認めておるつもりでございます。
○近藤信一君 今回の改正が不況要件の撤廃にあることはよくわかります。それを、商工組合の性格変更ということもこれまたわかるのです。そうなると、実は団体法の基本的性格に大きな変革を来たすことになるのではないかというふうにも思われるわけなんです。今までは商工組合は単に不況克服という消極的な役割しか持っていなかったのです。今後は事業の改善発達も積極的にはかるというところに、この組織ということはなるわけです。これが大きな変化であると私は思いますが、そのような改正によって、今後は商工組合が中小企業の組織の中心になって、協同組合の性格が従属的なぼんやりした形のものになるようにも思われるのですが、その点はいかがですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま御指摘のありました点が、実は根本の問題であろうと思います。この問題についての是非の議論が十分なされないと前進がなかなか困難ではないかと思いますが、御承知のように、経済界のあり方といたしまして、いろいろの見方がございますが、普通の状況のもとにおいて、組合強化、団体で片づけるというような事柄について、今まではむしろ避けるような方向のものがしばしば出てきたと思います。たとえば輸出取引法の改正等におきましても、規制というか、団体規制ということについては、非常に疑義が持たれたということのように思います。だがこの弱いものあるいは小さなもの、これを今後片づけていくといいますか、という場合に、一方で過当競争を排除し、業界の自粛自制による発達というか、そういうことをはかるためには、ある程度の団体的行動、これが必要なんじゃないか、ここに私は新しい行き方があるのじゃないかと実は思います。もちろん中小企業の方々がそれぞれりっぱな分野を持ち、そしてそれぞれみずからの力で開拓していくことができればけっこうでありますが、この中小企業の基本法を作ります場合でも必らず問題になりますのは、大企業と中小企業との分野の調整の問題であるとかあるいは中小企業者相互間の協力態勢をいかにするかという問題が、これは大きな基本的な問題でございます。そういうことを考えて参りますと、今までいわゆる自由競争的な立場だけで考えてきたその考え方も、ある程度修正せざるを得ないのではないかと思います。もちろん私どもただいま私的独占禁止法を全面的に改正するという気持は毛頭ございませんが、毛頭ございませんけれども、今独禁法についての可否の議論が出ておる一面、独禁法を十分働かして消費者の利益をはかれというかと思うと、一面においては企業者の立場で考えて独禁法を改正しろというような議論が一部出ておる。そこらに新しい経済界に対応する組織を考えざるを得ない、その動きもあること。私かように申しますと、佐藤は独禁法改正論者じゃないかというお話が出ておりますから誤解のないように願いますが、私はただいますぐ独禁法を改正するというような気持は毛頭ございませんけれども、そういう議論が起こっておる基盤をなすものは、経済の活動形態が最近は変わってきておる、その変わっておるものに対する一つの対策が必要なんじゃないかということでございますね。だから団体法ができました際におろうと思います。しかし中小企業自身が実際にやってみて、そうしていろいろの競争に当面したりあるいは大企業なりあるいは他の産業と競争の立場に立ったときにどうも不十分である。不況要件というものがあっては団体の形成も思うようにできないし、活動もにぶっておる、こういうことがないよう要望されておりますが、これなぞは最近当面している経済情勢というかあるいは体系の変遷といいますか、それに対応したいという、その気持の現われと、かように私は考える次第でございます。
○近藤信一君 この団体法の立法の趣旨は、今大臣の言っておられましたように、過当競争を抑制するというところに一つのねらいがあったわけですね。しかし、この団体法は成立しましてからもう数年になりまするけれども、その後一向にこの過当競争というものが抑制されておるとは私考えられないのですが、この点大臣はどういうふうに考えておられますか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 大へん、私ちょっとほかのことを考えておりまして、近藤さんのお尋ねを聞き漏らしたんですが、大へん失礼ですが、もう一度お願いいたします。
○近藤信一君 この立法の趣旨というものは、いわゆる過当競争を抑制するということに大きなウエートがあったわけなんで、この団体法が成立しまして今日までもう数年たつわけです。しかし一向に過当競争というものが抑制されているとは私は考えないのです。今日は不況要件というものがなくなって、組織が急速に増えて、そしてこの過当競争がなくなるというふうには、そう簡単には私は考えられないと思うのですが、この点大臣はどのように思われますか。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま御指摘のとおり、おそらく過去の場合には消費者、需要者の立場というものが非常に強く保護すべき対象として出てきたと、かように実は思いますね。そういう意味から申すと、この業界の活動についての扱い方は、むしろ消極的立法だと、何か不都合が生じた、こういう場合においてこれに対する処置をとる、それが同時に消費者に対しても利益、双方利益する、その限度に実はとめていたのが法律の考え方じゃないかと思います。そういう消極的な考え方だと、先ほどもちょっと触れましたように、団体の形成が非常におくれるのです。どうも積極性がない。そこで今日までせっかくありました団体法としては十分の団体の結成ができたとは思いませんし、またその活動状況自身も非常に消極的な場合を限定されておりますために、積極性がない。だからどうも団体を作るほどのこともないじゃないか、こういうふうな気持が多分にあったと思うのです。最近消費者の保護の問題、これはもちろん私ども軽視するつもりはございませんが、やはり消費者も中小企業者も同じような立場において、ことに中小企業が健全であれば、その健全性のもとにおいて消費者の利益は保護できる、こういう観点に立てば、やはり中小企業者を健全に育成強化していく、これが必要だ。そのためには非常な活動の範囲を消極的にしない、むしろ積極的な中小企業の保護育成、これに役立ち、その健全性を持つことによって消費者の利益と合体する、こういうような方向が望ましい、こういうのが今回御審議をいただいておる骨子に、実はなるわけでございます。この点を先ほど来申しましたように、かように考えて参りますると、中小企業基本法ができた場合に、必ずそういう線に落ちつくものだと、だから中小企業基本法が将来できましても、これは手戻りにならなくて済むことだ、かように実は思っております。
○近藤信一君 大臣は商工会という組織を中小企業の団体であるというふうに思っておられますかどうか。それから、団体組織法の団体ではないにいたしましても、中小企業の団体であるからには、これを中小企業団体法の中に入れないのはちょっと変じゃないかというふうに思うのですが、この点はどうですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 商工会を作りました場合に、これは私どもの見方は、いわゆる中小企業のうちの小規模業者の地域団体、こういう実は見方をいたしておりました。で、これもやはり重ねて申し上げますが、中小企業法のむずかしさは実はここにあるのでして、中小企業というものの定義をいたします場合に一体どうなるのか。いわゆる商工会を形成させおりますような商業者も、やはり中小企業としての基本法としての対象にしなきゃならないのじゃないか。そうしてくると、これは簡単な形で観念をきめることは非常に困難だ、実はかように思うわけであります。で、今までの業界そのものをごらんになりましても、下請産業などだと、これはもう大企業、親会社が、――いや、もとの会社が協力工場としてのめんどうを見る、これは形で今まで出てきたと思いますけれども、いわゆる商業者は独立したものであり、そしてそれの拡大方向がなかなか困難だ。また過去においては非常に――まあ数十年前のことになりますけれども、問屋なるものがめんどうを見ていた。しかし、もうただいま問屋というような組織もございませんので、商業の面では非常にむずかしい存在に実はなっております。しかしどんどん、形の整ったものもさることながら、形の整わないものの日常の生活を確保させる、こういうことがやはり今後の一つの問題になるわけです。で、ただいま一応商工会で形を整えておりますけれども、まだまだその点が内容が十分でない、かように思っております。
○近藤信一君 商工会や商工組合や協同組合のような中小企業の諸団体の通則法としての中小企業団体組織法にすることが適当でないかと思うのですが、この点大臣はどうお考えでしょうか。
○国務大臣(佐藤榮作君) ちょっとこれはだいぶ技術的なことになりますので、中小企業庁長官からお答えいたします。
○政府委員(大堀弘君) 商工会は、先ほど大臣から申し上げましたように、小規模事業者が中心でありまして、しかも地域団体として設置する。したがいまして、どちらかというと商工会議所のない地域に設置する、こういう体系になっておりますが、団体法及び協同組合法は主として業種別に同業者が集まって、その同業者間の事業活動をやっていく、こういう体系になっておりますので、別の体系で従来まで運営されて参ったわけであります。
○近藤信一君 団体組織法はその名前から見ましても、中小企業団体の通則法のようだが、実は商工組合のことを規定しているだけであります。したがって、今回のように商工組合の性格を変えるような改正をした際に、名称を商工組合法としたほうがよかったのではないか。そうしてもし団体組織法の名前を残したいならば通則法の形にすべきではなかったかと、こういうふうにも考えられるのですが、この点いかがですか。
○政府委員(大堀弘君) 基本的には問題があろうかと思いますけれども、現在の団体法は商工組合法の規定が中心になっておりますが、協同組合法を包摂した書き方になって、協同組合のことは別の法律できめるということでできておりますので、団体法の名前は、やはり商工組合法とするよりも、現在のままの協同組合法を包摂した形の団体法という、そのままの形に、実はいたしておるのであります。
○近藤信一君 いずれにいたしましても、この中小企業には多くの法律がございます。たくさんあると思うのです。もう毎年々々改正で、この委員会でやるように、数えきれないほどあるわけです。ことに組合についてはいろいろの法律があって、非常にわかりにくい点もたくさんあるわけなんです。その複雑さをさらに複雑にしているのは団体法であると思うのです。大臣でもおそらく間違えられることが多いのじゃないかと思うのですが。だから組織に関する法律は大いに組織し直さなければなるまいと、こういうふうに思うわけなんですが、これは基本法案のときにいろいろとまた関連法律案がたくさんございまするから、これによる手直しをしなければならぬと、まあ私は思うのですが、大臣はその点どういうふうに考えておられますか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 先ほどの近藤さんのお尋ねはそこにあったのだろうと思いますが、中小企業基本法ができたときに、中小企業の組織法が要るだろう、組織法の一つに団体法なりあるいは協同組合法なり、いろいろあるじゃないか、それは一体どうするのか、こういうようなお気持だっただろうと思います。ここに一つのポイントがあるわけでございます。だんだん伺っておりまして社会党の中小企業基本法の取り扱い方では、この組織法についてだいぶ御検討の結果一案を持っておられるやに実は拝察しております。別にまあスパイをしたわけじゃございませんが、そういうふうに伺いますが、これはまあ確かにここが一つのポイントだと思います。ポイントだと思いますのでございますが、まあ今日までありますいろいろの法律、これの整理統合はおそらく可能だろう、かように実は思います。で、基本法ができました場合に、全然新しい組織を考えるという飛躍的なことがはたして可能か、これはちょっと問題があると思いますが、そういう意味の検討はしなければならぬと思いますけれども、しかし基本法を作る以上、その組織についての体系を整えろという御要望はまさしくそのとおりだと思いますので、私は今日あります団体法なり、協同組合法なり、あるいは環境衛生組合など等を見ましても、別に基本法の組織に抵触するものだとは、かようには考えません。考えませんが、しかし、少なくとももう一度検討してみる必要はありましょうし、幾つもの法律を作ることよりも見安くすることが望ましい、これはもう御指摘のとおりだと思いますので、そういう意味の検討はさらに私どもしてみたい、かように考えております。
○近藤信一君 本法の提案理由によりますと、中小企業の組織制度としては、協同組合、商工組合があるといっております。広く中小企業の組織体あるいは団体としては、この中小企業団体の組織に関する法律に規定している協同組合、商工組合のほかに、環境衛生同業組合、これは床屋さん、旅館組合等入っておるわけですね。商工会等があげられると思う。このような中小企業の団体は何種類現在あるのか。この点。
○政府委員(大堀弘君) 地域団体といたしましては商工会議所、それから商工会、これは二つであろうと思います。画工組合、協同組合、この体系に類似したものといたしましては、先ほど先生の御指摘のありました環境衛生同業組合、酒造組合、あと小型船の関係に特殊な組合ができておりますが、大体まあそういった、大体以上の程度だと思います。多少小さなものが漏れておるかと思いますが、
○近藤信一君 団体組織法は名前は団体の組織に関する法律となっております。実は商工組合に関する法律で協同組合は別に中小企業協同組合法というまあ規定があるわけなんです。で、団体組織法を改正するからには、こういう協同組合を取り込んだ形にすべきだと思うのですが、さしあたりこの法律でいう中小企業団体の組織状況というものは一体どうなっているか御説明を願います。
○政府委員(大堀弘君) ただいまの御質問につきましては、ちょうどお手元に一枚刷りの資料を配付してございますので、それにつきまして概略御説明申し上げたいと思います。
 商工組合の現況という一枚刷りの紙。この表をごらんいただきますと、一番左側の中心になっておりますのが、縦に業種別に割ってございますが、最初の欄に昨年の十一月三十日現在における商工組合の数が出ておりまして、一番下の欄に合計六百八十、連合会を入れまして六百八十。業種別にごらんいただきますと、製造業が五百六十一、製造業以外が百十九でございます。製造業の中では繊維関係が一番多く二百九十八、そのほかまあ紙製品、食料品関係、窯業、機械器具、金属、こういったものが割合多数になっております。非製造業では卸売業が四十、小売業が六十九ということに相なっておりますが、これは先ほどございましたように調整事業を目的とした組合でございますので、調整事業を実施しております組合がその中でどうなっておるかということが次の欄に響いてございまして、六百八十のうちで調整事業をやっておりますものが六百三で八八・六%でございます。未実施のものがその次に七七で一一・四%、こういうことでございますが、調整事業はどういう調整事業をやっておるかということがその次の欄に包括して響いてございますが、品質の制限これが百三十四、生産数量の制限をやっておりますものが百三十九、出荷引渡数量の制限措置をやっておりますのが百五十六、購買数量制限をやっておりますのが三十、販売方法の制限をやっておりますのが三百八、購買方法の制限をやっておりますのが四十五、生産設備の制限をやっておりますのが四百三、販売価格の制限をやっておりますものが八十三、こういう状況に相なっておるわけでございます。調整事業を実施しておりません組合が七十七ございますが、これは目下準備中のものあるいは一時中止になっておるものも若干ございますが、そういった状況でございます。
 それからなお、右の上のほうに事業活動規制命令、いわゆるアウトサイダー命令を発動しておりますものがございますが、発動業極は全部で三十七業種ございまして、そこに発動業種の内容が書いてございますが省略させていただきまして、命令の数としては四十六出ておるわけでございます。
 なお、商工組合結成状況というのがその下にございますが、三十四年の三月に合計で四百三ありましたが、その次の三十五年、一年間で五百五十になり、その次の年は六百四十八になり、昨年の十一月末で六百八十という状況でございます。
 なお、商工組合の地区別の規模につきましては、今度、今回の改正案法で一都道府県を原則といたしておりますので、その点から見ますると、現在できておりまする組合の中で、都道府県未満の地区になっておりますものが九十ございますが、都道府県一円の地区のものが四百三十、二府県以上のものが六十一、全国地区のものが九十九、こういう状況でございまして、一割五分くらい県単位になっていないものがございます。これは経過措置で承認をすることに相なっておる次第でございます。
 ついでをもちまして、ちょっと簡単に協同組合のことにつきましてはここにございませんが、概数を申し上げますと、協同組合は三十六年の九月末現在におきまして、事業協同組合が二万九百五十九、事業協同小組合が二十三、信用組合が四百六十四、火災協同組合が三十四、協同組合連合会が三百七十六、企業組合が五千百二十五、合計で協同組合の総計は二万六千九百八十一、これは昨年九月の数字でございますが、協同組合のほうが非常に数としては多いわけでございます。商工組合のほうは設立についての不況要件その他不況克服のための目的だけにしぼられておりますために、非常に設立状況は全体としては必ずしもはかばかしくないということがいえるかと思います。
○小林英三君 ちょっと今の関連なんですけれども、今の大堀長官がこの表によって説明されましたね。これらの中で有名といいますか、活発に活動している商工組合ですね、その例をひとつあげてみていただけませんか。全国的に……。
○政府委員(大堀弘君) これはいずれも安定審議会の議を経まして調整事業の認可を受ける、あるいは必要な場合は操短、自主規制をやっておりますが……。
○小林英三君 いや、私が言うのは、名前を土.げて下さい。たとえば、こういう業界ではこういうふうなりっぱな商工組合がある、そうしてこれがこういうふうに活動をしている。簡単でけっこうですから、ただ漠然とこういうのを聞きましたけれども、全国的にどういうふうにそれが活動しているか、例を上げてひとつ……。
○政府委員(大堀弘君) 主としてこの右ほうの欄に書いてございますが、綿スフ織物の関係あるいは絹人絹織物、毛織物、メリヤス関係、丸編メリヤス、こういったあたりは組合としては非常に活発に、しかも統制もかなり同業界の歩調もそろって活発に動いておると考えられます。雑貨におきましても、マッチ関係、合板関係、それから自転車のベル、ミカンカン詰こういったものでございますが、やはり輸出関係の調整行為というのが一番活発に動いております。
○小林英三君 私が御質問申し上げておりますのは、今長官が説明されたのは今の印刷物でわかっておりますし、私が申し上げておるのは、たとえば、自転市関係でどういうものがあるとか、それから絹織物等で、どういうふうな現実の組合があるかということです、名前ですよ。実際にやっておりますか。
○政府委員(大堀弘君) ただいま資料を整備しておりませんので、整えまして御提出申し上げたいと思いますが、具体的にただいま申し上げましたようなものが非常に統制も整然と行なわれております。私ども活発に動いておると思っておる次第でございます。
○近藤信一君 中小企業者はいずれかの組合に加入しておると思いますが、業者は平均幾らぐらいの組合に加入しておるかどうか、それから全然組合に入っていない業者も相当いると思うのです。この未組織の組合員数は一体現在の推定としてどのくらいの数になるかどうか、この点おわかりであったらば、おっしゃっていただきたいと思います。
○政府委員(大堀弘君) 商工組合としましては、組織率はわれわれとして六%とみております。これは非常に低いわけでございますが、全体の業界の内容からいいますと、協同組合の場合は製造業におきまして四二%、商業につきましては二五%程度、こういった状況でございます。協同組合はかなり広くできておりますが、商工組合につきましては率としては少ないわけでございます。
○近藤信一君 製造業によりますと四二%は、これは未組織ですか。
○政府委員(大堀弘君) 組織率でございます。未組織は五八%くらい、半分以上は組織していないわけでございます。
○近藤信一君 そうすると、商業関係では未組織は七五%以上あるという状況にあるわけですが、これらについて何か働きかけか何かやっておられますか。
○政府委員(大堀弘君) 現在中小企業団体中央会がございますが、これが政府の補助を受けまして、これが組織化について指導に当たっておるわけでございますが、私どももあるいは各通産局、都道府県を通じてできるだけ組織化するようにいたしておりますが、商業関係等は法律によりませんいわゆる同業者的な組合というのがかなりたくさんにできておりますですが、この法律制度にのらない任意の団体としてのものが相当多数あるように考えられます。われわれとしてはできるだけこれはやはり成規の法律にのっとった組織にのせていくのがよろしいと考えまして、その意味で制度ものりやすい制度にしたいという、われわれ気持を持っております。
○近藤信一君 先ほどいただいた表を見ますると、その中で商工組合の金融業が一つあるわけですね。一番下に金融業一とあるのですが、一体金融業が商工組合を作っておるというのはどういうふうな金融業があるのか、この点お知らせ願いたいと思います。
○政府委員(大堀弘君) これは質屋の組合でございます。
○近藤信一君 質屋。そうすると、これは質屋でも、いわゆる私営とそれから市営と、いうふうにありますが、質屋で、どこで質屋の金融業が商工組合を作っておるか、この点おわかりであれば、またそういうものができるのかどうか。
○政府委員(大堀弘君) 民間の質屋でございまして、全国的になっております。
○近藤信一君 そうすると、この質屋の金融業というのは全国のあれですか、全国質屋組合とかなんとかいう。
○政府委員(大堀弘君) 全国地域になっておるとのことでございます。
○近藤信一君 一体幾らぐらい加入しているのですか。
○政府委員(大堀弘君) ただいまちょっと手元に数字はございませんので調べましてお答え申し上げます。
○近藤信一君 これは設備工事業というのがありますね、七つできているのですが、設備工事業というのはどういう業種を指しているのですか。
○政府委員(大堀弘君) ここにございますのは電気工事業でございます。
○近藤信一君 商店街組合というのは不況要件がないと思われるので作れないと思うが、設立認可されなかったのか、認可の申請があっても認可されなかったのか、あるいは全然認可の申請が今までになかったのかどうか、この点御答弁願います。
○政府委員(大堀弘君) 今日まで申請がなかったわけでございます。
○近藤信一君 全国的にこの商店街組合というものは今まで一つも申請がなされなかったのですか。
○政府委員(大堀弘君) 商工組合としては申請がなかったわけでございます。これはおそらく不況要件が設立についての条件になっておりますから、商店街組合が不況要件によって調整行為をするという実体的な必要が生じなかったといいますか、そういう条件がそろわなかったのではないかと思います。協同組合につきましてはかなり設立されておるように考えます。
○近藤信一君 まあ商店街組合が不況要件というものがないのでこの商工組合の認可申請というものがなかったわけですが、今、商店街の組合は単独立法ひとでつ作ってくれというふうな陳情も相当あるわけなんですね。そういう点も考えられまして、今度のこの不況要件の問題の廃止というふうなこともあなたのほうでは考えられて、将来、商店街組合というものも商工組合を作る認可申請をされて設立に努力される、こういうことをあなたのほうとしても促進されるようなお考えはあるのかどうか。
○政府委員(大堀弘君) 今回の団体法案の改正の内容から参りますと、調査研究、あるいは情報活動、そういった日常の活動のほかに合理化カルテルも結成できる。これでございますと、たとえば、開店時間、閉店時間の協定とか、そういったこともできますが、今度の制度によりますれば、相当設立についての不況要件もございませんし、商店街組合がこれをかりに利用しようとすれば相当利用できるのじゃないか、かように考えておるわけでございますが、ただ商店街法の問題につきましては、私ども、実は、特殊な名称でも認めるようにしようかどうかという検討もいたしましたけれども、今回の改正案にはその点は除きまして、一般の団体法として、利用される限りは利用していただくという趣旨にいたした次第でございまして、商店街としての問題についての取り扱いについては今後さらに検討を続けたいと思っております。
○近藤信一君 今度の法改正で商店街組合が商工組合を作ることができるわけなんですが、この場合、一体、調整事業というふうなものは何をやるのか。この点どうですか。
○政府委員(大堀弘君) 商店街の場合に予想されますことは、開店、閉店時間の協定、あるいは日曜、休日の協定とか、あるいは、割賦販売といいますか、月賦制度を共同でやるとか、ないしは配達を共同でやるについての協定、そういったようなことが当面考えられると思うわけでございます。
○近藤信一君 商店街の組合の調整事業ということは私は非常にむずかしいのじゃないかと思うのです。たとえば、すぐ隣の所と向こうの川とで小売値段がまちまちであるというふうなこともあるわけなんです。これは過当競争が激しいからやっぱりそういうことになるのですが、そういう小売値段の面についての調整というようなことも将来考えておられるのですか。
○政府委員(大堀弘君) 商店街組合としましては、各種雑多な業種が地域的に集まっているわけでございますから、価格面においての協定というようなことはなかなかこれは実行できないと思います。むしろ先ほど申し上げましたように、やはり営業時間とか、休日とか、それから配達方法とか、あるいはアーケードを作るなり、街路灯を作るなり、広告宣伝の面の共同化といったような方向はあるかと思いますが、価格の面は私どもあまりこれによって行なわれるとは考えておらないわけでございます。
○近藤信一君 商店街組合で非常に売り出しなんかにおいても、それぞれいろいろな激しい競争をされるわけですね。そういうことなんかどうですかそれらの調整……。
○政府委員(大堀弘君) あるいはそういった意味の共同行為の面はできようかと思うのでございますが、宣伝、広告、そういったものを共同でやるというような形で進めていくということは今後これによってできると思います。その点は現化の協同組合におきましてもやっておるわけでございまして、特に新しい点にはならぬかと思っております。
○近藤信一君 現在、商工組合はこの表によりますと六百八十ございます。このうち団体組織法ができたので調整組合から移行したものが何組合あったのか、協同組合が改組したものが何組合あったか、全く新しく設立された組合は何組合あったか、この数字をもう少しお知らせ願いたいと思うのですが。
○政府委員(大堀弘君) ただいまの点は、資料を整えまして差し上げるようにいたしたいと思います。
○近藤信一君 じゃ、この資料を一つ……。
○上原正吉君 関連質問。今度この団体法を改正しますと、中小企業等協同組合と内容がだいぶ似てくると思うのです。専業までやるようになってくる。そうすると、大部分の目的が重複してくるのじゃないかと思うのですが、両方ともどうしても組合法として必要ですか。
○政府委員(大堀弘君) 指摘のとおり、今度の改正法によりますと、商工組合の活動が不況のための調整事業、不況対策としての調整事業の以外に、合理化カルテルそれから情報調査活動ができますと同時に、これは前からありました、共同事業もできるわけであります。ただ違います点は、やはり現在の協同組合の中にはほんとうに同志的な結合で二十人、三十人寄って共同事業をやる、共同の加工施設を作るとか、運搬施設を作るとか、そういった狭い範囲においての同志的な結合によって共同事業がされるケースが非常に多いわけでございます。そういった意味において、やはり協同組合というものが必要じゃないか。商工組合というものはやはり全体の同業者を包摂した広い範囲において同業組合的な活動をしている。したがってあわせて共同施設もできますが、また同じような仕事もできるわけでございますけれども、やはり協同組合がわれわれとして将来も必要ではないかと現在においても考えておるわけでございます。
○近藤信一君 じゃ、先ほどの資料を次の委員会までにひとつ出していただきたいと思います。
 それから、商工組合は不況になった業界が不況を切り抜けるために作るものでございます。調整事業を、実施して十分な効果が今までにあげられたというふうに長官は考えておられますか、この点いかがですか。
○政府委員(大堀弘君) 先ほど申しましたように、全般としてはまだ業界の範囲が狭いと考えておりますが、現在、調整行為をやりましたものについては、やはり相当成果をあげていると考えるわけでございます。この点につきましては、一応私どもいろいろ実態調査もしておりますが、アンケートをとっていろいろ調べてみまして、販売価格の変動が非常に少なくなったものが四九%ぐらい、まあ半分ぐらいございますが、乱売がなくなったという程度のものが四四%、これは仮の数字でございますが、大体の数字でございますが。それから品質が向上したと考えるものが四〇%、生産過剰や滞貨がなくなったというものが三三%、販売がこれによって上昇したというものが三一%。これは二百八十七組合について調査いたしました結果でございますが、まあやはり調整事業をやっておりますものについては相当その部面については効果を上げておるように考えております。
○近藤信一君 調整事業の効果が上がって不況のおそれがなくなったときには調整事業をやめることになっておりますが、商工組合が自発的にやめた事例というもの、または公正取引委員会等からやめたらどうかという申し入れを受けたような事例というものがあるかどうか、この点お答え願います。
○政府委員(大堀弘君) 今まではその例はございません。
○近藤信一君 そこで、卸売業、小売業における調整事業の例も相当あるようだが、この調整興業の内容を具体的にお示しを願いたいと思います。それから金融業で、先ほどお尋ねしました販売方法というふうな制限を実施しているのは、これはどんな組合で――金融で質屋の商工組合だということでございますが、これはどういうふうなことをやっておるのか。この点を二点お聞きいたしまして、私きょうの質問を終わりまして、また後日の委員会であとは詳しくお尋ねいたします。
○政府委員(大堀弘君) 概要といたしましては、この表に書いてございますが、内容につきましては資料を整えまして差し出すようにいたしたいと思います。
○委員長(武藤常介君) 他に御質疑はありませんか。――他に御発言がなければ、本案の質疑は本日はこの程度にとどめます。
  ―――――――――――――
○委員長(武藤常介君) 次に、北海道地下資源開発株式会社法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○中田吉雄君 まず、資料ですがね。この提案理由及びその要旨、並びに昨日ですか、いただきました「設立の経緯と現況」、それからこういふうに改正したら赤字が大体解消できるじゃないかという半ぺらのこの資料をいただいているんですが、この程度のことでは……。もっと詳しい資料をいただかぬと――、事業内容ですね。やはり私はこの会社が健全な発達をしてもらいたいために、いろいろ質問したいのについては、いささか資料が投げやりで、川島さん式かもしれぬが、こういうことでは、とうてい審議の対象にならぬと思うんですが、いかがですか。もう少し資料を整備してもらいたい。
○説明員(熊本政晴君) たいへん資料が不十分であるというお話でございますが、なお、こういう資料というふうなお話をいただきまして、十分御審議をいただくような資料も今後整えて差し上げたいと思っておる次第でございます。たいへん失礼いたしました。
○中田吉雄君 私は実は若干の関心を持って、昨年度の事業計画、資金計画、収支予算対照表というのは持っているんです。これなら、一体どこから赤字が出て、問題の所在はどこかということは、少しはわかるんですが、これは昨年度の設立以来の年次別の内容なんで、もう少し新しいのを至急に……。私は、この構想がもっと充実して発展してもらいたいという希望を持って質問したいと思うんですが、この提案理由の説明に、三十五年度末には設立以来の累積赤字が一億四千二百万できた、こういうふうにありますが――年次別の赤字、そして三十五年度末とありますが、三十六年度単年度ではどうなっておるのか、そういう点を少し御説明をいただきたい。
○政府委員(木村三男君) 三十三年から三十六年までの各年別の損益を申し上げます。
 三十三年度が損失額三千四百六十万六千円、三十四年度が五千六百三十一万円でございます。三十五年度が五千百八十八万七千円、三十六事業年度は目下進行中でありますが、見込みといたしまして四千九百四十五万七千円であります。
○中田吉雄君 赤ですか。
○政府委員(木村三男君) 赤です。つけ加えて申し上げますと、償却前の赤字はどうなるか。今まで申し上げましたのは償却後のやつでございますが、一億四千二百八十万三千円のうち、五千五百三十八万四千円の償却を行なっておりますので、償却を除外しました赤字といたしましては、三十五年度までに一億四千二百八十万三千円というところが八千七百四十一万九千円ということになっております。これはまあよけいなことでありますが、ちょっとつけ加えて申し上げます。
○中田吉雄君 たしか行管のほうの長官をしておられたと思いますが、そういう点では、この赤字というものは、東北開発ですか、今問題になっておるようなことは万々なかろうと思うのですが、その点はいかがですか。
○説明員(熊本政晴君) そういう点につきまして、私ども十分注意をしておりまして、ただいまのところ絶対にそういうことはないと確信しております。
○中田吉雄君 北海道の鉱業関係の方方の切な要望で、三十三年ですか、できたんですが、その出初の提案説明では、このような程度であれば大体収支は償うような提案理由の説明だったと思う。私は今回の改正で若干方向が出ていると思うのですが、なかなかこの程度の改正で、はたして所期の目的が達し得るか、まあ日本は資源がないというようなことで、ほとんど原材料を外国に依存し、あまりにも国内の地下資源の開発に熱意が足らぬ。そして非鉄金属なんかでも、二、三日前の新聞でも、国内の非鉄金属の探鉱活動をやらずに、むしろ海外地下資源開発株式会社というものを作って、そして海外から原鉱石を入れて大きなタンカーで運んできてどこかに入れてやるという傾向が非常に強いので残念に思うのですが、それもまあ必要でしょうが、私は、やっぱし北海道だけに限るということが、冬季寒冷雪積で、探鉱活動が不十分である地域、みなそうですし、しかも石油は除外してあるというようなことで、はたしてこの区域を拡大し、北海道以外の地域の受注探鉱と、北海道内外における地質調査事業だけでたしか三十六年度は黒字になるような計画だったと思う。それが五千万近い赤字が出ているというようなことから、はたしてこれで収支がペイするようになって――私はこういうものに収支のペイすることをあまり期待すること自体が問題だと思うのですが、その確たる見通しはどうですか、三十六年度の。私たちがいただいているのでは黒字になっている、単年度で。それがただいまの御説明では四千九百幾らですか、赤字になっている。この程度の改正でやれるかどうか、その点についてお伺いしたい。
○説明員(熊本政晴君) 大へん御理解のある御質問等をいただきまして、は恐縮にたえない気がいたすわけでございます。確かに設立当博におきましては、北海道開発審議会から、お説のように北海道の中には非常な地下資源がまだ眠っておる、したがって民間の業者各位は経済的にもそういうものをみずから掘る力が非常に弱い、したがって政府は十分なる近代的な機械やあるいは高度の技術を持った技術者が、こういうものは国自体がそういう組織を持って、そして大いに開発しろということで、三十三年にお説のように発足いたしたのでございますが、その当時はまだ北海道の道内におきましても探鉱事業というものに対する相当活発な動きがあったわけでございます。ところが、御承知のようにスタートいたしまして、次々と様子が変わって参りまして、特に石炭産業等におきましては非常な工合の悪い状態になってきた。したがって、これらのものに関する受託の探鉱事業というものが、私どもが当初設立当時考えておったような状態では伸びてこなかったという点が非常にあるわけでございます。ところが、会社それ自体といたしましては、ただいまお説がございましたように、優秀な技術者とあるいは近代的な機械というものを早く整備して、そうしてこれらの要望にこたえなければならないというふうな状態からいたしまして、技術者等におきましてもただいまのところ約百十八名ばかりおるわけでございます。特に大学の出身者等も三十一名ほどございますし、また、旧高等工業の専門家も三十名程度ございまして、そういうふうに技術者等も急遽に整備をいたしたわけでございます。ところが、何せ会社がスタートしたばかりでございますので、これらの技術者が真に自分の技術を発揮するまで十分訓練されておらないというふうな点がございまして、やむを得ず他の技術的なエキスパートをよそから連れてきて、そして要望にこたえるというふうなことをやったわけでございます。そういうようなことからいたしましても、相当そこに赤字の原因が出てきた。また機械のほうにいたしましても、こういう国策会社であるから十分な注文に応ずるような近代的な機械を急遽に整備いたしたわけでございます。その機械の状況から申しましても、非常に浅く、たとえば百メートル程度まで掘る機械、あるいは千二百メートルぐらい深いところも掘れるような機械というふうな、あらゆる種類の機械を、ボーリング機械だけでも四十七台も実は整備したわけでございます。そうして会社のほうは、当初のように相当受注もふえてくるだろう、発注も相当ふえてくるだろうというので、技術者のほうも機械のほうもそういうふうに整備をいたしたわけでございますが、一方、炭鉱のほうの非常な不況に伴いまして、当初の見込みが大へん狂ってきたというふうなことが、今お説にもあったようなわけでございます。
 そこで、こういうふうなことで、手元の資料によると、当初は、三十六年度はすでに黒字になるというふうなことでスタートしたのが、そういうことになっておらぬというふうな御質問等もあったわけでございますが、今申しましたように、道内の探鉱事業というものが非常に低調になってきた、ばかりでなくて、なお北海道自体におきましても、他にたとえば地質調査をやってほしいとか、いろんな要望があるわけでございますが、ただいまの現行法規では、この会社といたしましては、地質調査等を引き受けてやるというふうなわけには参らない、ただ機械だけ貸してやるのはよろしいというふうになっておるために、機械だけではどうもそういうものを借りてもうまくないというふうに注文者側からもあまり御注文がいただけない、ひいては事業量が減ってくるというふうなことがあるわけでございます。そこで、内地等におきましても、北海道以外の土地においてもそういう地質調査だとか、あるいは受託探鉱の要請等も相当ございますので、もう少し区域を広めて、そして北海道以外の土地においてもやはり入札等によって普通の契約をして、そして仕事をやっていきたいというふうな考え方を私どもは持って、将来の見通しを立ててみますと、ただいまのところ、私どもといたしましては、大体もしこの法が改正されたような状況で仕事をやっていくならば、三十九年度においては大体その年間はプラスになっていく、そしてただいまお話もございましたように、今まで累積されている赤字の一億四千万円というふうなものもおいおい返すことができて、おそらく昭和四十五年くらいまでにはそういう累積の赤字も償却していくことができるというふうに将来の事業計画を一応積み上げておるわけでございます。当初、設立の当時と、ただいま申しましたような状況が相当変わっておることと、また設立されたときに会社が国策的な要望にこたえるというので、各方面のりっぱな機械あるいは技術者等も整えたが、それほどの事業の御注文等もなかったというふうな点が赤字が累積してきた一つの大きな原因であろうと思うわけでございます。
 それから、先ほど御質問の東北振興のようなことはないかというようなお話もございましたが、私ども、会社自身でも、一体その赤字をもっと詰めるような合理的な運営については遺漏がないかという点についても十分気をつけて見ておるわけでございますが、必ずしも十分合理的であったとばかりは言い切れない点も実はあるわけでございます。それは当初技術等も非常にふなれであったために、お引き受けいたしました事業についてもその個所ごとに赤字ができた、つまり技術的に非常に拙劣であったために赤字が出たというふうな点も確かにあったわけでございます。しかし、会社はあくまで国策的な建前をとっておりますので、そういう失敗も完全にもう一度やり直して、そして発注者の要望にこたえるというふうな態度をとってきたために、赤字は生まれましたけれども、なるほどこの会社はよくやってくれる会社だというような点では、いささか信用を得たような点もあるわけでございます。
 以上申しましたようなことで、私どもとしては、今後、法がもし改正される暁においては、ただいま御指摘のありましたような点は逐次解消いたしまして、そして本来の北海道地下資源開発株式会社としての使命を達成していけるという見通しを立てているような次第でございますので、御了承をいただきたいと思うわけでございます。
○中田吉雄君 いろいろ御説明を受けましたが、この主要株主並びに探鉱活動を発注する会社の一覧表を見ましても、まあ石炭が非常に多いんじゃないかと思うのです。そういう点では、こういう石炭事情ですから、エネルギー革命の転換期で、なかなか問題が多いと思う。
 それで、この法律の第三条ですね、発行済株式の総数の二分の一以上を政府は持っておらなければならぬとあるのですが、ほとんど政府持ちで、案外関係業者の協力というものがないんじゃないですか、この点はどうですか。
○説明員(熊本政晴君) 三条には、ただいま御指摘のように記載されてあるわけでございまするが、ただいまのところの授権資本といたしましてはちょうど十億になっておりまして、そしてそのうち九億が政府出資、一億が民間出資、こういうふうになっておりますが、ただいまのところは政府出資が七億、それから民間出資が一億で、ただいま八億という状態でございますが、なお、あとの三億につきましては、三十六年度予算といたしまして一億、それから三十七年度の政府出資として一億が予定されておりまして、今年度三十六年度分の一億は、大体事務的に近近出すというようなことになっておりますので、本年の年度末にはこれが九億になるようなことになるわけでございます。また一方、民間のほうの力の入れ方が足りないんじゃないかという点につきましては、私ども、また会社といたしましても、その点は北海道でも十分いろいろの会合に参りまして、努めて民問の方々の御発注をお願いするようにはしているようなわけでございます。
○中田吉雄君 ただいま御答弁のように七億対一億なんです。この法の第三条に規定したような国が二分の一以上持って、国の意思をはっきりするという点は杞憂にすぎぬことです。あまり協力がないわけです。私、こういう株式参加でやるのがいいかどうかということは問題だと思うのですが、今度の改正で、主務大臣が認可すれば道外でもやれる。なるほど、冬の探鉱活動ができぬときに内地に出かせぎをするというようなことで何とかやろうというところがねらいなんですが、時間もありませんのであまり申し上げませんが、なるほど北海道は、提案理由の説明にもありましたように、全国の地域に比べて遅滞している北海道の地下資源の開発を急速にやるということも必要ですが、もう今日まで所期のとおりにいかぬという点は、やはりこの名称を変えて、北海道という看板を発展的に解消をして、もっと大規模な、日本全体を対象に、主務大臣の認可なんかでなしにやるようなものにして、もっと財政投融資でも十分つけてやってみぬことにはわからぬわけですから、私はそういうふうにすべきじゃないかと思うのですが、そういうことは問題になっていないのですか。どうも看板は北海道地下資源開発株式会社ということにして、酒作りが、農繁期には百姓をやり、農閑期には灘のあたりに行くというようなことで、ただ地下資源を開発して国家的要請にこたえるというためには、あまりにもさびしい対策じゃないかというふうに思うのですが、その辺はいかがですか。
○説明員(熊本政晴君) 私ども北海道開発庁といたしましては、まだまだ北海道内の地下資源というものは未開発の分野が非常に多いわけでございまして、どうしても、もう少し北海道地内の開発資源の調査というふうなことも、もっともっとやっていきたいというふうな気持を、強く持っているわけでございます。しかしまた、今お話がございましたように、日本全体のことについて考えてみましても、まだまだ日本全体の地下資源というものは、ほとんど未調査の分野が非常に多いわけでございますので、ただいまのようなお考え等につきましては、また新たな、別の、日本の全体的の考え方に立ってやはり一つの考え方を持たれていかなければならぬというふうには、また別に考えられるわけでございますが、ただいま北海道開発庁といたしましては、まだまだ北海道の資源開発というものについての一番大事な地下資源の各種の探鉱事業は、もっと充実して、力をこれに集中していきたいというふうに考える次第でございます。
○中田吉雄君 私は、そういうふうに名称を変えても、おくれている北海道のほうをなおざりにするというのではないのですが、北海道内外における地質調査事業というようなことでは、委託を受けてもそう大きな調査費が入るとも私は思えないし、なかなかその辺でいろいろ限界があると思うのです。私は、設立以来年々赤字が出てきて、三十六年は、当初の予定に反して赤字だという、ここにすでにやはり北海道地下資源開発株式会社の持つ宿命的なものがあるように思うのです。そして、やはり株式参加を認めてやるというような、そういうことでなしに、国のやはり問題としてもっとやるべきじゃないか。私、まあこれは石油の問題ともからんでやりたいと思うのですが、たとえば西ドイツ等では戦前におきましては、日本とあまり変わらねくらいに、石油は大してなかった。この会社は石油は対象外ですがね。ところが戦後、第二次大戦後に、探鉱活動をやって、五百数十万、六百万トンくらいの国内で石油が出るというようなことをもって見ても、私はやはり問題はそういうところにあるのじゃないかというふうに思うわけですが、きょうは時間がありませんので……。ひとつもう少し詳しく、こういうふうに北海道以外の地域における受注探鉱をやったり、内外の地質調査のやはりもう少し詳しく収支計算その他を知らしていただく、そうして北海道のいろいろこれまでの地質調査等からして、どれぐらいな賦存が予想されるかというようなこともお願いをいたしたいと思うわけであります。次官がおられるから特に申し上げておきたいと思うのですが、私は昭和二十九年に中国に参りました。また社会党は中国のことを言うと言われるかもしれませんが、そのときに広東から中国の北の果てに至るまで一色のポスターを張っているのです。それは若い青年男女がトランシットとポールを持って、青春を祖国に捧げようというので、あの広い中国の探鉱活動、地下資源を発見するという、そうして青春を祖国にささげようというのがトランシットとポールを持った手で……。それほど探鉱活動を中国でもやっているというのに比べると、まあ最近ガスでも石油でも、その他非鉄金属でも、いろいろ地質学者の調査では相当あるやに聞くのですが、あまりにもこの構想では、私は小さいじゃないかというふうに思うわけであります。ひとつもう少し資料を詳しく――この半ぺらではしろうとにはわかりませんので――いただいて、もう少しやってみたい。きょうはこれで終わります。
○委員長(武藤常介君) 他に御質疑はありませんか。――他に御発言がなければ、本案の質疑は、本日はこの程度にとどめます。
 別に御発言もなければ、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十三分散会