第040回国会 地方行政委員会 第21号
昭和三十七年四月五日(木曜日)
   午前十時三十五分開会
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   委員の異動
本日委員占部秀男君及び大竹平八郎君
辞任につき、その補欠として山本伊三
郎君及び杉山昌作君を議長において指
名した。
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 出席者は左の通り。
   委員長     小林 武治君
   理事
           野上  進君
           増原 恵吉君
           秋山 長造君
           基  政七君
   委員
           西郷吉之助君
           館  哲二君
           津島 壽一君
           鍋島 直紹君
           湯澤三千男君
          小笠原二三男君
           加瀬  完君
           松澤 兼人君
           矢嶋 三義君
           山本伊三郎君
           中尾 辰義君
           杉山 昌作君
  国務大臣
   自 治 大 臣 安井  謙君
   国 務 大 臣 藤山愛一郎君
  政府委員
   経済企画庁総合
   開発局長    曾田  忠君
   文部政務次官  長谷川 峻君
   文部大臣官房長 宮地  茂君
   文部省管理局長 杉江  清君
   自治政務次官  大上  司君
   自治省行政局長 佐久間 彊君
   自治省財政局長 奥野 誠亮君
   消防庁長官   藤井 貞夫君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       福永与一郎君
  説明員
   文部省管理局福
   利課長     清水 成之君
   自治省行政局公
   務員課長    松浦  功君
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  本日の会議に付した案件
○辺地に係る公共的施設の総合整備の
 ための財政上の特別措置等に関する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○地方公務員共済組合法案(内閣提
 出)
○地方公務員共済組合法の長期給付に
 関する施行法案(内閣提出)
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○委員長(小林武治君) ただいまから委員会を開会いたします。
 初めに委員の異動について報告いたします。
 本日付をもって委員占野秀男君が辞任され、その補欠として山本伊三郎君が選任されました。
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○委員長(小林武治君) 辺地に係る公共的施設の総合整備のための財政上の特別措置等に関する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行ないます。
○秋山長造君 自治省にお尋ねしますが、第三条の三項ですね、「都道府県知事は、第一項の規定により市町村が自治大臣に提出する総合整備計画に関し、当該都道府県が当該市町村に協力して講じようとする措置の計画を定め、これを自治大臣に提出するものとする。」、これは、手続としては、市町村から総合整備計画を作って自治大臣に直接出すわけですか。その前に都道府県知事と協議しなければならないということにはなっているのですが、手続としては、協議はした上でということになりますが、提出するのは直接提出する、こういうことになるのですか。といいまするのは、三項に今読み上げたように書いてあるので、「都道府県知事が当該市町村に協力して講じようとする措置の計画を定め、これを自治大臣に提出する。」、こうなる。これは都道府県知事の措置の計画というものを市町村から出す総合整備計画に添えて出す、出さなければこれは効力がない、こういうことになるのですか。
○政府委員(奥野誠亮君) 市町村から自治大臣に提出いたします書類は、第八条の委任政令で府県を通じて提出するように定めていると考えております。したがいまして、府県の協力しようとする案もそれに添えて提出してもらうという考えになっておるわけであります。
○秋山長造君 それは単なる副申ですね。副申程度のものなのか、それともこれに伴う、都道府県としての計画を必ず添えて提出しなければならぬものなのか、そこら辺はどうですか。
○政府委員(奥野誠亮君) 多くの場合に、府県が当該市町村に協力して講ずべき措置があろうと思うのであります。ないのに無理にそれを添えろという意味じゃございませんけれども、多くの場合に、たとえば診療所を設けましても、医師の確保が非常に困難であります。そういう問題になりますと、やはり府県が協力する計画を定めなければ実行を期することが困難だと思うのであります。道路につきましても、関連する問題があろうかと思います。そういう意味でこの規定を置いたわけであります。
○秋山長造君 そういたしますと、第四条にあるこの関係各省庁長市の町村に対する技術的助言その他の協力という、まあそういう程度のものなのか。たとえば、その予算的な措置ですね、財政的な協力というものを予定しているわけじゃない。
○政府委員(奥野誠亮君) 第四条の場合には、必要があれば、自治大臣が協力を求めることができるという規定でございます。第三条の場合には、第一項に、あらかじめ都道府県知事と協議しなければならない旨を定めておりますし、また府県が総合行政をやっている建前から、いろいろな部分について相談にあずかり、また協力をしていかなければならない場合が多分にあろうと、こう考えておるわけでございまして、府県の協力というものを全面的に期待をいたしておるわけでございます。
○秋山長造君 その全面的に期待をされるということは当然だし、また、前回お尋ねしたように、こういう辺地の対策なんかというものは、ただ国が幾ら熱を入れましても、関係の都道府県がさらにそれ以上の熱を入れて取り組むのでなければ、なかなか実効が上がらぬと思う。ですから、この三項のような規定は、確かにこれは必要だと思うのですけれども、ただまあ、協力をして講じようとする措置というものの内容が問題なんでして、単なるお医者さんのあっせんとかなんとかいう程度のものでは、これは別に法律の条文にわざわざこういうことを響くだけの意味がないと思うのです。現在も県の衛生部あたりで、辺地の診療所のお医者さんのあっせんくらいのことは常時やっておるわけです。何かやっぱり自治省がともかく十億円の起債をもって取り組もうということについての協力ですから、もっと実のある協力というものを、やはり府県当局へ義務づけるということが必要じゃないかと思うのですが。そうしておかぬと、前回にも申し上げましたように、離島振興なんかの場合に指摘されておりますように、かえって国のほうが形式的な協力はするにしても、実質的な協力のほうはかえって手を抜くというようなことが間々ありがちのような気がするのですけれども。
○政府委員(奥野誠亮君) 府県は、言うまでもなく市町村を包括する自治団体でございますし、それぞれの地域の発展を府県自身の任務としていろいろ努力をして参っておるわけであります。したがいまして、市町村が計画を作るだけでは十分を期し得ないのみならず、府県が積極的にそれに協力して、いろいろな仕事を進めていかなければならない、こう思っておるわけであります。診療所の問題にしましても、お医者のあっせんだけでは、こういうお話でございましたが、私たちの立場から見ますと、診療所を作るだけでは意味がない、こういう考え方をしておるわけであります。まああっせん程度では、それで十分に医師を確保できると私たちは考えていないわけでございます。いろいろな工夫が必要でございまして、あるいは府県の職員の身分を持った医師を配置するような計画をそれに合わせて作っていくとか、あっせんするにいたしましても、やはり総合的な医師の配置計画というものを継続的にやっていけるような案を持たなければ、診療所というものは生きてこない、こういうふうに思っておるわけであります。要するに市町村の作っている案が実効の上がるものだという裏づけを県にやってもらう、こういう期待をあわせて持っておるわけであります。先ほど道路のことを申し上げましたが、やはりバス路線を延長していきますためには、府県道を整備し、さらに市町村内の僻地道路を整備するというような問題もあわせて実施されなければ効果を上げることができない、こういうふうに思っておるわけであります。そういう意味において、府県の協力というものが非常に重要な問題だ、市町村の計画だけではそれで効果が上がるか上がらないかわからない、そういう問題が多分にある、こういうふうに思っておるわけであります。市町村と府県の関係でありますから、府県の協力が十分期待できるわけでございますけれども、自治省といたしましても、そういう角度で府県の協力について必要な助言は惜しまないという考えでおるわけであります。
○委員長(小林武治君) 藤山長官がほかにいろいろ用事がございますので、ただいまおいでになりましたから、御質問がありましたらお先にどうぞ。
○矢嶋三義君 長官においで願いましたから一、二点お伺いしたいと思います。
 まず、辺地に係る公共的施設の総合整備のための財政上の特別措置等に関する法律案、これは自治省所管として提案されたわけですが、離島振興法所管の大臣として、この法案をいかように見ておられますか、お答えいただきたい。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 僻地開発ということ、あるいは僻地の振興ということが必要でありますことは、これは申すまでもないことでございまして、政治の要諦だと思います。したがって、その面についての重要性というものは、われわれ了解いたしておりますが、ただ離島振興の場合と、ある場合には若干の交錯する面があるかと思いますけれども、現在離島振興法によります離島計画というもので、相当組織的にまた計画的に振興をすでにいたしているわけでございまして、その効果も相当に上がっているわけでございますから、したがって、現状におきましては、私ども、離島振興法によって離島の振興をはかるとともに、離島のある部分には、今の僻地というようなものもあり得る場合もございますけれども、まあ、両々相待っていきますことが適当だというふうに考えております。
○矢嶋三義君 前回の本委員会における秋山委員の質疑に対して、自治省は次のごとく答弁しているのですね。この法律で規定するところの辺地は、文部省所管のへき地教育振興法の対象地域は全部入る、経済企画庁所管の離島振興法の適用地域は、全部は入らないでその一部は入る。一部と全部の関係である、かように申し述べているわけなんですね。で、政令で定めるというのですが、その具体的なものはあまり承っていないのですがね。確かに離島振興法制定以来、相当の効果を組織的にあげられたということは認めます。三十七年度の予算でも約五十億円を突破いたしておりますからね。しかし、そこでさらに一、二伺いたい点は、あの離島振興法の適用で予算が一本化されてない文部省関係、厚生省関係が、やっぱり全般的に見ればその点――特に厚生省関係が全般的に見ればおくれている。で、もう少し総合的にやる必要があるんじゃないかという私は見解を持っているのですが、この見解については、どういうお考えを持っておられますか。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 御承知のとおり、離島には必ずしも、いわゆるごく僻地というところばかりじゃないので、ある程度避地の概念に入らないような場合もあるわけであります。したがって、離島振興法によって、島全体の本土との関係を調節する、また、それによって離島自体の発展をはかっていく、こういうことでありますが、現状までの経過から申しますと、お話のように、離島におきます交通関係、本土との交通関係、あるいはそれに伴います港湾の関係あるいは離島の中におきます道路の関係、あるいは電気その他の関係、そういうようなものがまず前提となって相当重点的に考えられてきておりますので、お話のような厚生あるいは文教方面については、どちらかと申すと、ウェートが少なかったということは、これは正直に申してそうだと思います。しかし、逐次離島に電気もついてくる、あるいは本土との交通関係も改善してくる、島内におきます道路等もできてくるということになれば、やはり社会的環境の改善ということも当然考えていくこと自体が、離島全体の発展になると思いまして、そういう意味については、十分われわれも今後の離島振興計画というものも、さらに期間が両院の決議によって伸びたわけでございます。そういう意味において十分な施策をやって離島全体の振興をはかるということにしていきたいと考えております。
○矢嶋三義君 もう一問ありますが、その前に、自治省の政務次官にお伺いしますが、私はこの離島振興法なり、また、この法案を見まして、企画庁は御承知のとおりの性格の行政機関です。それでこういう離島、僻地を対象に一部の予算の一本化もできているわけですが、そしてこれを助言、指導をし、また行政運営をやっていくにあたっては、どうも私は奄美群島の開発計画等を参考に振り返ったときに、自治省に統合して一本化でやれば能率が上がるんじゃないか、それから予算の効率も上がってくるのではないか、それからまた、この指導の能力面でも、機構上からいっても、人的構成からいっても、自治省のほうが適当ではないかという、この行政機構面から僕はそういう感じを持っているのですが、もちろん経済企画庁の離島振興課に、たしか課長は和泉という人だと思うのですが、あの人は当初から非常にこれに情熱を傾けて、非常に研究され、現在エキスパートで僕は感心しておりますが、だから、ああいう人ぐるみ、もう離島振興課は人ぐるみに、ああいう和泉という課長さんなんというのは得がたい人だと思うのです、離島関係の。普通の人が飛び込んだってちょっとやれるものじゃないと思う。ああいう人ぐるみ自治省に移してやっていけば、僕は、この法律を制定したあとの運用などにおいて非常に効果が上がるのじゃないかという感じを持っておりますので、先日両大臣でお話し合いをして御出席願いたいと御要望申し上げたわけです。で、きょうも担当企画庁長官もおいでになったので質問しているわけですが、自治省としてはどういうふうにお考えになっておられるか、政務次官簡単にお答えいただきたい。
○政府委員(大上司君) お答えいたします。もちろん根本的には、ただいま矢嶋先生のおっしゃったような方向に行くのが将来当然だと思います。しかしながら、従来離島振興法というものは、いわゆるこれができた制定の歴史とか、あるいは動機とか、まず、これをもう少し掘り砕いてみますと、たとえば離島振興には、全体の産業文化の発達であるとかいうような諸条件がそれぞれありますが、われわれただいま御審議願っております法案のほうにつきましては、ある程度山間僻地であって、文化水準を上げると申しますか、そういうふうな重点を取り上げております。したがいまして、今直ちにこれを離島振興に吸収するとか、あるいは一本化するとかいうようなのは、発足においてはしばらくこのままで、将来そういう方向にあわせていくという前提のもとにこれを運営していきたい、このように私としては考えております。
○矢嶋三義君 企画庁長官に最後の質問ですが、自治省の見解が今表明されました。現在は、ということですが、私は、必ずしも私の考えと一致した満足する答弁ではありませんが、そういう御見解なら承って、将来の研究課題としていただきたいのですが、企画庁長官も現行のままで挺身的にやっていくべきものと、また、やっていけるものと思うという意味の御答弁がありましたが、たとえば、先ほど私が一つピックアップしました厚生省関係の、これは予算一本化の中からはずされているわけですね。今度辺地になりますと、これが厚生行政関係は相当僕はウェートが取り上げられたと思うのです。それから離島振興の一部は辺地に入るが、一部は入らぬという格好になるんですからね。その離島振興関係では、教育関係は、不十分ながらも文部省は僻地教育振興もかなり力を入れておりますが、一番おくれているのは厚生省所管関係だと思います。そうすると、離島振興法で、辺地法の適用されない地域のそういう生活環境、厚生行政面が陥没するおそれが出てくると思うのです。そういう点を総合的にうまくやるためには、よほど連絡をよくするか、あるいはさっき言ったように、行政機構上からいって一本化したほうがうまくいくのではないか、予算を効率的に運用できるのではないかと、こういう立場であったのですが、そういうことを肝に銘じながら、十分自治省と企画庁と連絡をとりながら運用をやっていくと、また、それでやっていけるようにされるというおつもりか。その辺のところ承って、藤山大臣お忙しいようですから、あなたに対する質疑は終わりたいと思います。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 仰せのように、できるだけ連絡を密にして、そして今後、先ほど申し上げましたように、離島振興の今日までの現状から申しますと、建設あるいは運輸その他の関係が多かったわけです。次第にそういう方面に進んで参りますと、今申し上げたような立場で、離島自体の社会的水準、生活水準を上げていくという面に力を入れていかなければいけませんし、そういう面について協力して参りたい、こう思っております。私これは個人的な考えだと申してもいいと思いますが、企画庁というものが各省のいろいろな、いわゆるセクショナリズムの結果、実施面の問題はあまり押しつけられないで、実は企画庁は純粋な経済の総合企画官庁としてあるのがほんとうの姿であって、あまり実際の行政面にタッチしたようでないほうが、純粋に意見が出せるのではないか、そういうような点については、私は将来やはり行政調査会等で行政組織全般を考えられますときに、十分お考えを願って、そうしていくのがいいのではないか、これは私見でございますけれども、そのようにも考えておるのでございます。しかし、現在におきましては、できるだけ御趣旨に沿って運営して参りたいと思います。
○秋山長造君 長官に、この前離島振興のときに私もいろいろお尋ねして、結論的に離島に対するこの詳細な実態調査の資料が政府に欠けているということから、企画庁で早急に離島の具体的ないろいろな生活面を網羅した実態調査の資料を至急に作ってもらいたい、たとえば離島白書のごときものを早急に作ってくれるようにお願いして、長官も同感だという御答弁をいただいたのですが、この法律に関連して、この間も自治省のほうにもやはり辺地の実態調査の資料がない、やはり徹底した実態調査の資料をもとにして、やはりこの辺地対策を根本的に推し進めてもらわなければ困るということをお話ししたのですが、今お話がありましたように、この辺地、あるいはへき地教育振興法にいう僻地、それから企画庁関係の離島、それからさらに簡易水道とか電気とかいうことになってくれば、厚生省だとか通産省に関係する、また道路ということになれば建設省に関係することと思うのです。対象はほぼ同じでも、対象は一つでも、いろいろ所管が今おっしゃったように違うのです。そういう関係もあるのでしょう、とにかくどこの役所でもこういう辺地とか僻地とか離島とかいうものについての詳細な新しい実態調査の資料というものがないです。これはやはり各省でそれぞれの所管の法律に関連した範囲で、まちまちな実態調査ということでなしに、政府として一本になった徹底した実態調査というものをおやりになったらどうかと思うのですね。教育面あるいは道路交通の面あるいは公衆衛生の面、電気その他の文化施設の面というようなものを全部網羅した総合的な実態調査ということをおやりになるべきじゃないかと思うのですが、どこの役所が主管しておやりになるかは別として、そういうものがないとどうしても場当たりな、その場のがれな不徹底なばらばらな対策に終わってしまって、なかなか早急に実効を上げることができないように思うのですが、そういうその程度の費用を――まあどれくらい費用がかかるのか、人手がどのくらいかかるかわからぬけれども、いずれにしても、そうびっくりするような費用はかかるものじゃないと思うのです。いかがでしょう。
○国務大臣(藤山愛一郎君) お話のこともございますし、ちょうど離島振興法ができまして十年になるわけでございます。そこで、ただいま企画庁としては、十年間の経緯、現状を、いわゆる白書と申しますか、そういうものに取りまとめて発表するような準備を進めておるわけでございまして、離島に関しては、それだけのことを本年度内にやって、そうして十年の過去の経緯それから現在の状況、また、それに対して、そういう施策の基礎になる資料というものを、出すようになると思います。
○秋山長造君 さっきの財政局長に対する御質問に返りますが、自治省としては、この法律を作るにあたって、施していくにあたっては、都道府県の単に形式的な協力でなしに、実質的な協力を強く期待しておるというお話なんですが、それは当然だと思うのですけれども、これはたとえば、前の総合整備計画の提出については「都道府県知事と協議しなければならない。」というように義務づけてある。ところが、都道府県知事がその協議にこたえて、当該市町村に協力して講じようとする措置の計画ということについては、別に義務づけてはいないのですね。何か協力することがあれば、その協力の内容をきめて「自治大臣に提出するものとする。」というふうに、任意規定のように書いてあるのですね。これはおそらくあなたのほうのお気持としては、都道府県知事にそこまで義務づける必要はないので、この程度でも当然やってくれるものという信頼をされての結果かとも思うのですけれども、やはりこれは「自治大臣に提出しなければならない」というくらいなきめ方をしておく必要があるのじゃないですか。
○政府委員(奥野誠亮君) 秋山さんのお気持は非常によくわかるわけでして、ありがたいことだと思います。ただ、府県の性格からいたしまして当然ではなかろうか、こういう考え方を私たち当初から持っておるわけでございます。あくまでも自主的な協力計画を進めてもらって、そうして提出してもらいたい、こういう考え方でおるわけでございます。総体的に協力内容があると思うのでございますけれども、ただ、たまたま市町村の総合整備計画の中に、全然そういう問題と関連のないこともあり得ないわけじゃございませんので、あわせて今のような規定の仕方をいたしたわけであります。従来からも府県がそうでございますが、より以上に、この問題に限りませず、府県の性格でありますか、あり方でありますか、そういうものを自治省としては強調して参って、また、していきたいという考え方をしているわけでございます。こういう問題につきましては、市町村の世話を自主的に積極的に府県がやってくれ、また、やってくれることを期待する、そういう方向の指導をしていくつもりでございます。
○秋山長造君 そうしますと、この法律が施行され、自治省がさらにそういう強い行政指導をされた結果として、今年は間に合わぬにしても、来年の都道府県の予算には、やはりこの面の施策というものが何らか数字の形をとって出てくるであろうということを期待されているわけなんですか。
○政府委員(奥野誠亮君) 府県が市町村に対して補助金を交付する、そのようなことは全然私たちは期待をいたしておりません。市町村の計画が生きていくためには、府県自身の任務に属するものについて相当金を投じていかなければならないものが多分にあるだろう、そういうものについてはやってくれることを期待しているわけでございますし、しいてそういうものを数字的にまとめればまとめられぬこともなかろうかと思うわけでございます。
○秋山長造君 文部政務次官、ちょっとお尋ねしますが、僻地教育振興については、文部省は相当力を入れて、努力されていることは十分認めているのですが、このへき地教育振興法ができましてから今日までの間に、この法律に基づいて出した予算措置というものは、一体集計してどのくらいになるのですか。
○政府委員(長谷川峻君) 文部省所管で出しておりますのは、三十三年に一億七千万、三十四年に二億四千万、三十五年に二億四千万、三十六年に二億九千万、三十七年に三億六千万というふうにふやしております。
○加瀬完君 関連して。今、政府次官がお答えになりましたことは、結局文部省関係の僻地教育などに対する補助金について、お出しになった額がだんだん上がっていることは承知しておりまするけれども、適用してみて、何か問題点がございませんか。
○政府委員(長谷川峻君) 今日御審議願っておりますのが、辺地に関する公共施設の総合整備計画ですか、これは私のほうの所管でありませんで、自治省ですけれども、僻地関係、私のほうでやってみまして、先ほどの御議論のように、ばらばらじゃないか、手当が足りないじゃないかというお話の中に、文部省としては、おほめの言葉などいただくように、小さい努力でありますけれども、やっております。そこで、こういうふうな法律案が出ることを私のほうは非常に歓迎するのです。早い話が、私のほうで今テレビを分校にやっているわけです。ところが、せっかくテレビをやろうとすると、そこに電灯がない、理科設備をやろうとすると、そこに水道がない、それから自家発電を私のほうでやろうとすれば、それを維持するところの財政能力がないというふうなことがありまして、文部省所管で努力をし、また、われわれも歩いてみて、そういう窮乏がわかりました場合に、こうした辺地の法律が出まして、ここにうたわれているようなことがダブりまして強力に推進されるということになるならば、非常に私のほうはありがたいというふうな気持になっております。
○加瀬完君 今、若干触れたのですが、たとえばテレビでも、理科施設でも、まるまる文部省が補助するわけじゃないのですね。当然地方の負担というものがあるわけですね。その負担力があるかないかということが、おそらくテレビならテレビを補助してやっても、受け入れられない僻地があると思うのです。地方の負担ということが問題だろうと思うのです。で、地方団体そのものの負担力がありませんから、私どもの調査では、大都市は別としても、同じ形態の農林地帯、山村地帯というものよりもはるかに父兄の教育費の負担というものがむしろ多い。担税力がないくらいですから財政力がないわけです。ところが、学校に関しては若干の補助がありますと、あとは全部今度は父兄の負担にかかってくる、こういう点を私たちの調査だけでは感ずるのですが、この点は文部省は何かもう少し補助金を上げるとか、地方に父兄負担にかわるべき財政をつけるとか、こういう点で何か御感想ございませんか。
○政府委員(長谷川峻君) その点は僻地を歩いてみて、そういう実態をわれわれも感じるのです。何といったって税金を納められないような人々が開拓者となって入ったりしているものですから、そこで、自治省のほうにお願いもいたしまして、交付税においても、僻地については特に特別の措置をお願いして、一方はしているわけです。先日ここの委員会での財政局長の答弁の中にも、今後非常にそれをよくみてやるというふうなお話などもありましたので、私のほうはさらにこれは文部省としてお願いしやすくなったというふうな気持なんです。
○加瀬完君 これで終わります。それもありましょうが、文部省自体では僻地教育の振興というものを実現させようとするなら、補助額をもっと上げなければだめだと思うのです。出しました、法律はさっぱり進みませんということではだめで、もっと補助額そのものを上げていただきたい。この点どうですか。
○政府委員(長谷川峻君) これは今後私は大いに努力しようと思っております。
○秋山長造君 このへき地教育振興法が二十九年にできたあの初年度の補助金は総額でどのくらい出たのですか。
○政府委員(長谷川峻君) 二十九年度は一億五百万です。
○秋山長造君 この八年間かかって、初年度一億五百万円から、とにもかくにも三十七年度三億六千万円というところまで進んできたわけですが、累計しますとかなりな経費を僻地教育の振興に投入したことになるわけです。で、それによって今日まで八年間かかって、大体へき地教育振興法のねらいの何割方ぐらいが、解決したと考えておられるのですか。
○政府委員(長谷川峻君) これはいろいろ見方がありまして、少しずつ改善されていることは、私、歩きながら認めるのです。たとえば分校などが新しくなったとか、あるいはまた設備関係で、テレビか若干入ったとか、電灯がついたとかいうようなことがありまして、目標の何割というようなことを言われると、ちょっとこれは申し上げかねますけれども、漸次改善されつつあるという格好だろうと思っております。
○秋山長造君 自治省のお考えでは、この今提案されている法律は、五年で大体完成したいという計画のようですが、私は五カ年間で、辺地の問題といいましても、公共施設の整備ということだけですけれども、それに限っても五カ年で一体片づくかどうかということを疑問を持っているのですけれども、僻地教育ということになれば、今度の辺地のこの法律のねらいとは、だいぶ対象が狭いわけですけれども、狭い対象でありながら、相当力を入れてなお何割片づいたか、はっきり言明できないということ、それが実情だろうと思うのです。なかなかそう五年や十年で片づきました、というような答弁ができるはずはないと思いますが、しかし、それにしても、文部省としてはやはり一つの計画なり、めどというものを持ってやっておられると思うのです。そこで、厳格に何割片づいたということをお聞きするわけじゃないのですけれども、常識的にもう大体大ざっぱにいって何割方ぐらいはこれで今日まで大体片づいたのじゃないかという程度のこともわかりませんか。それは返答できないというのか、文部省で調べてもわからぬということなのですか、どちらですか。
○政府委員(長谷川峻君) それは、お答えしますけれども、建物を直す計画ならば何%ということは御明答できるのです。しかしながら、私のほうの所管の僻地教育ということになりますと、建物のほかに保管設備とか、あるいは僻地勤務の小学校の先生の養成とか、教育課程の作成とか、それから僻地の給食の設備とかいろいろあるわけです。たとえば交通関係でスクール・バスをどうするとか、ボートをどうするとか、総合的なものからいきますと、何の目的が何%ということはちょっと言いにくい複雑さがあるということを御了承いただきたいと思います。
○秋山長造君 それほどまだ全部ほど遠いというように了解していいですか。
○政府委員(長谷川峻君) 複雑多岐だということです。
○秋山長造君 やっぱり一つの年次計画というものを持ってやっておられるだろうと思うのですがね。
○政府委員(長谷川峻君) 目標をはっきり申し上げられないというところは残念ですけれども、たとえばバス、ボートなどをやろうとしても、――ことしも補助金をつけておりますが、道路がだめだということでせっかくのバスがもらえないという場合もありますし、電気の場合でも、大体九十校を除いては全部片づいております。そういうふうなものがあるところを、これを直すというやつはわかりますけれども、私のほうの僻地教育というものの内容は複雑多岐ですから、建物一つ目標であるということにいかぬところに御答弁のしにくいところのあることを御了承願います。
○加瀬完君 関連。しかし、テレビ設備をさせようとするには、とにかく僻地校は何校あるかわからぬわけです。テレビの設備のない学校は何校あって、それにこれだけの補助金をつけて何年間にどう解消しようという積算の基礎はあると思うのです。スクール・バスでも、スクール・バスを必要とする地域は何カ所か、これについて、何地域が可能であったけれども、あとは今次官のおっしゃるような道路が悪くてだめだとか、あるいは通学用のボートは必要なものが、どういう関係で何校できたが何校できない、こういうものがはっきりと年度々々にわかってこなければ、次の年の予算を取れといっても、これは積算しようがないんじゃないですか。全体は、なかなか仕事がたいへんだということはわかりますけれども、わからないものもあったにしても、わかっているものの進捗状態というものははっきりしなければならないと思う。はっきりしている数のほうが多いはずだと思うのです。これは、今そこではっきりなさっておらないなら、あとで資料かなんかでぜひ御提出いただきたい。そうでなければ、毎年毎年同じくらいの予算で一体何をやっているかという問題が今、秋山委員の御指摘のように出てくると思うのです。私たち、予算を伴う計画ですので、そういうはっきりしない御答弁ではどうも先行き見通しが持てませんので、この点はお答えいただければお答えいただきたい。お答えいただけないならば、あとで資料で御提出をお願いいたします。
○政府委員(長谷川峻君) よろしゅうございます。資料として研究いたしておきます。
○秋山長造君 先ほどお答えになった三十七年度、三億六千万円のうち、スクール・バス、それからボート、それから寄宿舎、この関係が幾らですか。
○政府委員(長谷川峻君) お答えいたします。ただいまスクール・バスの話がありましたが、三十七年度ではスクール・バスが七台、スクール・ボートが三隻、これは前年同様でございます。それから僻地寄宿舎は十四校でございます。これはことし、三十七年度新規事業として十四校予算をとっております。
○秋山長造君 それで、予算額は幾らですか。
○政府委員(長谷川峻君) スクール・バス、ボートが一千万円、それから寄宿舎が七百万円です。
○秋山長造君 自治省にお尋ねしますが、今度の法律の第二条に「公共的施設」として六項目にわたって例示されておるわけですが、今度の辺地の指定にあたって、今お話のありましたスクール・バスだとか、ボートだとか、あるいは寄宿舎なんかというのは、今度の法律でもやはり公共施設として対象にされるわけですがね。この辺地の指定にあたって、従来別個の法令に基づいていろいろな補助を受けておるかどうかによって、何か取り扱い上の区別をされるのかどうか。
○政府委員(奥野誠亮君) 国庫補助制度のありますものにつきましては、全部それに乗っかっていきたいというふうに考えておるわけでございます。あわせて運用していきたいということでございます。
○秋山長造君 そういたしますと、へき地教育振興法によって補助を受けているもの、あるいはさらに簡易水道その他について厚生省関係で補助を受けておるもの、そういうものがその補助だけでは不十分なので、その上に今度の法律によって起債も認めて一そう分厚に手当をしていこう、こういうふうに考えたらいいわけですか。
○政府委員(奥野誠亮君) 補助だけでは、財政力の貧弱な団体だから十分でないというものと、それだけでは単独に十分な効果を発揮できない、関連した施設も整えなければならない、それもあわせて講じようということであります。
○秋山長造君 それから次に移りますが、五七%の問題ですね、元利償還に要する経費の五七%を基準財政需要額で見ていく、この五七%という数字はどういうところから出てきた数字ですか。
○政府委員(奥野誠亮君) 現在法律にきめていますこういう意味のパーセンテージでは、単独災害復旧事業費につきましての二八・五%ということと、それから国庫補助を受けて行ないます緩慢災害債の部分が五七%、それから国庫補助を受けて行ないます公共災害復旧事業費の九五%でございます。あまり違ったランクを数多く設けていくことは避けたい、そのうちでどれに当てはめることが一番適当かというようなところからこの五七%の部分を選んだということが経過でございます。
○秋山長造君 その二八・五%とか五七%とかいうものは、そういう前例があるということなんですが、これは歴史的に何か根拠があるのですか、そういう数字が出るのは。
○政府委員(奥野誠亮君) 二八・五%の二倍が五七%でございます。
○秋山長造君 なるほど、二八・五%の二倍が五七%になりますが、それでは今の質問の趣旨にちょっとはずれると思います。じゃ、最初に二八・五%というのがあって、それでは足らないでこれを倍にせいということで五七%というものが出てきたという経緯なんですか。
○政府委員(奥野誠亮君) そういうことでございます。
○秋山長造君 そうすると、二八・五%という数字は一体どういうところから割り出された数字かということを、これはお尋ねせざるを得ない。
○政府委員(奥野誠亮君) 二八・五%をきめた経緯があるのでございますけれども、ちょっと私ここで失念しておりますので、また御連絡を申し上げたいと思います。
○秋山長造君 この五七%という数字は、それで妥当な数字なのですか。
○政府委員(奥野誠亮君) 率直に申し上げますと、二分の一補助前後にしたいという考え方をもちまして、あまりいろいろなランクを作ることは将来問題を起こしますので、ここで二分の一前後のところにはまっておるものと比較いたしまして、まあ大体妥当なところであろうというところから、九七%のところへこの部分の地方債を加えたわけでございます。
○秋山長造君 あのへき地教育振興法でも、離島振興法でも、従来のこの僻地だとか辺地だとかいうようなものに対する対策は、すべて補助金の形をとっておる。今度の法律では、今度新しくこの起債でやっていこうということで十億円、そうしてその元利償還五七%交付税でみていく、こういうことに、まあこの新しい新生面が開かれておるわけですがね。これはなんですか、このやり方を従来の離島振興法だとか、へき地教育振興法だとかいうものでやっている補助金に当てはめた場合、一体どのくらいな補助金に当たるのですか、どの程度の補助金を出したということに質的に見合うのですか。この十億円の起債で五七%の元利償還をしていくということは。
○政府委員(奥野誠亮君) 御質問の趣旨に反するかもしれませんけれども、現在、大体僻地関係について補助金の交付されている率が二分の一前後でございます。したがいまして、私たちが地方債十億を予定しておることは、事業費としては二十億円以上に上るだろうと、こう申し上げていいかと思います。
○秋山長造君 けさの朝日新聞に出ていたのですがね。地方でせっかく予算を組んでも、単価が非常に今の諸物価の値上がりに伴って高くなっているために、事業が予定どおり行なわれないで、新年度に繰り越されるものが四百億円以上に上っておる、あなたのほうではこれは大問題だということで、何か実態調査をされるというようなことが出ていたのですが、この点は、こういう辺地の事業についてもやはり当てはまってくるんじゃないかと思うのですがね。最初計画を立てられるときに、よほどのいろいろな事業費の単価等を、よく実情に沿った単価ということを考えられぬと、ただ機械的に従来の財政計画できめられておった単価で当てはめていかれるということになると、辺地という特殊事情があるだけに、一そう予定どおり事業が進まないという面が出てくるんじゃないですか。この前、離島振興法のときにも、事業の進捗率がわずかに五二%ですか、何かその程度にすぎないで、非常にずっと計画がずれていくという話があったわけですがね。同じようなことがやはりこの辺地の問題についても出てくるんじゃないか、あるいはもっときつく出てくるんじゃないかという気がするのですがね。
○政府委員(奥野誠亮君) 単価などの点につきまして無理のないようにしたい考え方を持っているわけでございます。ことに一般的に地方債をつけます場合には、一般財源を何割支出する、そうでなければ地方債をつけないというようなことを、財政の健全性を保っていくためには強く主張して参っているわけであります。しかし、こういうものにつきましては、所要の資金の全額をまかなってあげるというような原則的な態度で臨んでいきたいという考え方を持っております。なお、私は事業の繰り越し等の起こって参ります一つの原因に、予算なり地方債をこま切れにつけてきている、これは私は一つの原因だろうと思っているのであります。国の公共事業につきましても、継続費制度を活用してもらいたいということを常に主張して参ってきているわけでございます。この地方債につきましては、たびたび申し上げておりますように、三年以内で完了できるように計画を立ててもらう、また、それが可能なように地方債をつけていきたい、こういう気持を持っているわけであります。形式的には一年々々の地方債の許可でございますけれども、事業全体を見まして、どの程度の地方債をつけるということを当初に明確にしていきたい、そして計画的に安心して事業を遂行していけるような態勢を市町村にとらしていきたい、こう思っているわけであります。
○秋山長造君 政務次官にお伺いしますが、衆議院の地方行政委員会で附帯決議がついておりますね。御承知ですか。
○政府委員(大上司君) よく知っております。
○秋山長造君 知っておられるのですね。この附帯決議の第一項に、「政府はすみやかに辺地の振興をはかるため、本法の実施と併せて、更に強力にその総合的計画的な振興措置を講ずるよう努めるべきである。」、先ほど企画庁長官に対して私どもが質問したような趣旨が、附帯決議になっておりますが、総合的、計画的な振興措置をとるように努めるということについては、あなたのほうは具体的なお考えは固まっているんですか。
○政府委員(大上司君) 固まっております。たとえば、これをするのにいろいろな面で、特に根本的に申しますと、都道府県の協議あるいは御協力を仰ぐというようなものをさらに敏速にやっていきたいというようなこと、あるいはこれに対する調査実施を早急に進めていきたい等々のいろいろな事案でございまして、なお細部にわたりましては、財政局長から説明させます。
○政府委員(奥野誠亮君) 今政務次官からお話しになったことでございますが、さらにこういう決議もあったことでございますので、決議の趣旨を生かせるように将来工夫検討を加えていきたいと考えております。
○秋山長造君 第二の、「辺地に関する現行諸法令の内容について検討を加え、更にその充実改善をはかるべきである。」、この点はどうなのですか。
○政府委員(奥野誠亮君) 今お話の点につきましても、先ほど来皆様方のいろいろ御意見をいただいているわけでございます。各省としての意見もあるわけでございますけれども、さしあたり総合的な調整というような意味で、運用面に工夫を加えていきたいつもりでございます。さらに進んでもっと期待に沿うような方法を講じ得るかどうか、これも十分に検討をしていきたいと考えております。
○秋山長造君 この前から繰り返し申し上げているわけですが、こういう総合的な辺地対策を考えるのに、私はやはり自治省が一番適していると思う。府県なり市町村なりの総合行政をやっている所管庁として、やはり自治省がいろいろな面を総合的に考えて、そして対策を講じていくのが、一番適した立場だと思うのですが、やはりこういう施策をやっていくためにも、その前提として辺地の総合的なやはり実態調査というものを早急にどうしてもやらなければいかぬと思う。各省で個々にそれぞれの所管の範囲内に限ってばらばらにやっておった実態調査等も、自治省でひとつ一まとめにして、さらにこの際、現地についての実態調査が必要だと思うのですが、この辺地に対する総合的な実態調査を早急にやるべきだということを重ねて私は強調したいと思う。
 大臣がお見えになったので、大臣のお考えを最後にお尋ねしておきたい。といいますのは、僻地対策とか辺地対策とかいって何とかしなければならぬということは、いつも抽象的には議論されるわけですけれども、自治省自身が辺地に対する実態調査というものをみずからおやりになったことが今までないわけです。各府県からの報告を集めて、そしてそれを資料にしているということにすぎない。企画庁でも離島振興について、離島振興法ができて十年近くになるのに、企画庁自身が離島振興の実態調査というものはまだおやりになっておらない。文部省のほうでは、僻地教育という面だけについては若干の調査をやられて、そのつど資料を出されております。そういうものを全部総合行政ということで、全部一まとめにした僻地、辺地の実態調査というものをぜひ早急におやりになるべきだと思う。それをもとにしてやはりこの衆議院の決議にあるような総合的、計画的な辺地の振興対策というものの振興措置というものを講じていかなければ、なかなか実効が上がらないじゃないか、こういう趣旨です。
○国務大臣(安井謙君) 非常にごもっともなお話だと思います。自治省は今まで断片的には部分的な調査はいたしておりますが、計画的に総合的にやっていなかったことは御指摘のとおりでありまして、今回は計画を立てまして、近く総合的に全体計画のもとに調査を始めていこう、こういうふうに考えておるわけであります。
○矢嶋三義君 五分間伺わしていただきます。
 まず、第一問ですが、先ほど経済企画庁長官と大上自治政務次官が行政機構関係について答弁されました。この法案は内閣提出として出されるにあたっては、内閣としてはああいう見解のもとに出されたことは私は了承いたします。しかし、この際に事務当局に承りますが、内閣としてはそういう考え方でこの法案を国会に審議を仰いでいるということは確認しますよ。事務当局に伺いますが、事務当局としてはあなた方の見識なり経験等からいって、この法案をここに出されているわけですが、離島振興法は自治省で総合的に統轄して運用するほうがより以上能率が上がるという見解を自治省の事務当局としては持たれているのではないかと私は思うのですが、お答えいただきます。
○政府委員(奥野誠亮君) 奄美群島の振興計画などがございますが、これは自治省の所管になっております。これはああいう経緯で、新しく日本の行政権の及ぶ地域になった際にあのような措置がとられたわけでありまして、私はああいう行き方がひとつの理想的な姿じゃないだろうかという考えを持っているわけであります。
○矢嶋三義君 その答弁了とします。
 第三問ですが、第二条で適用地域は「政令で定める」となっている。辺地とは何ぞやという前回の質疑に対して、へき地教育振興法の地域は全部入る、離島振興法の適用地域は全部は入らない、その一部が入る、かように答弁されたわけですが、こういう種類の法案の場合には、適用地域をいかようにきめるか、その政令の概要というものを試案としてプリントして審議を仰ぐというのが、僕は原則的なあり方じゃないかと思うのですね。いかなる試案も示されていないし、また、いかなる基準で政令で定めようとするのかという点についても、質疑応答段階においては、明示されていないのですが、立法府に審議を仰ぐ態度として不十分なものがあるのじゃないかと思うのですが、自治大臣の御答弁をお願いします。
○国務大臣(安井謙君) この法案は今度新しく出しまして、各省でもそれぞれ考えております僻地対策、そういうものを総合して、それに対する全体的な財政の裏づけ、あるいはそれぞれの所管の施策の推進をはかろうというのが目的でございまして、辺地という観念でこれを出しておるわけでありますが、今、矢嶋さんの御指摘のように、もっと全体的な調査をいたしまして、おおむねどういう地域を考えるということは、さらに具体的にする必要があったかと思います。しかし、これは今そこまで手が伸びておらぬことは事実でございますが、早急にそういった御趣旨のものはこれから作業に取りかかるつもりでございます。
○矢嶋三義君 その答弁了としますが、政府委員に簡単にもう一歩進んだお答えをいただいておきます。われわれは、この法案に対して賛否を表明する場合に、どういう内容が大よそどういう地域に適用されるのだというようなアウトラインぐらい頭に入らなければ、この法案がいいも悪いもけっこうなものだ云々とも言えませんよ。方向としてはこの法律案はけっこうです。けっこうだけれども、その大まかな点ぐらい頭に入れておかなければ、ただ政令に定める要件に該当したというだけでは満足できないので、また離島振興法とへき地教育振興法の適用地域の一部、全部の関係だけではちょっと私も不満足に感じますので、二分間程度に、あなたが、政府委員が現在着想している点をお答えいただきます。
○政府委員(奥野誠亮君) 辺地の範囲は部落単位で考えていきたいというふうに思っております。ここに法律に掲げておりますように、辺地であって、公共的施設が法律に掲げておりますような内容のものでない地域でございます。なお、現在のところ、先ほど来お話にも出ていますように、その部落の子弟が僻地学校に通っている、そういうところで僻地性をきめていきたい、こう思っておるわけでございます。その場合に、僻地度の高いところから手をつけていきたいという考え方でおるわけでございますので、最初は三級地から五級地までのところを対象に取り上げたい、さらに年度が進行するにつれまして一級地、二級地も対象に取り上げるようにしたいというふうに思っておるわけでありまして、なお、やはり効果の上がるようにして参らなければなりませんので、ある程度の住民が居住している地域を対象にしたい、こういう考え方でおりますので、たとえば五平方キロメートル未満の地域でありますと、そこに住んでいる人たちが五十一人以上の地域だ、あるいは五平方キロメートルから十平方キロメートル未満の地域であると百一人以上住んでいる地域だ、こういうふうに検討していきたい、こういう内容を政令に盛りたい、こういう考え方でいろいろ調査をいたしておるわけでございます。
○矢嶋三義君 わかりました。
 第三の質問ですがね、自治大臣に伺います。この法律の対象になる辺地、そういう地域の学校教育、社会教育の施設設備は、他の地域に比べて現在において劣っていると認識されていますか、それほどでもないと認識されておりますか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(安井謙君) 全体を通じてみて劣っておるという点に特に重点を置くつもりでおりますし、対象としておるところは、現実において劣っておるであろうと思っております。
○矢嶋三義君 文部政務次官に伺います。この法案の適用地域の、今、学校教育、社会教育の施設し設備関係について自治大臣の認識を承ったわけですが、文教の府として、学力とは何ぞやという問題がありますけれども、常識的に考えてこういう地域の成人、生徒、児童、そういう方々の教養、学力、そういうものは、水準としてどういう位置づけにあるように認識されておられますか、お答えいただきたいと思います。
○政府委員(長谷川峻君) 概念論でありますけれども、去年、たとえば五%の小学校の抽出学力調査をやったのですが、その場合全国平均中学校の場合もそうですが、見ますと、やはり全国平均より若干下回っておるということはいえると思っております。
○加瀬完君 若干どころじゃありませんよ。
○矢嶋三義君 今、加瀬委員に指摘していただいたが、若干どころじゃないと思うのですね。私は、この第二条の算用数字の2項、ここに漢数字一から六まで並べてありますが、ここがやっぱりこの法案の目になるわけで、自治大臣に伺いますが、私は、結局ああいう僻、辺地の振興と住民の福祉増進をはかるというのは、人作りにあると思うのですよ。それは全体の財政力を強めるとか産業の開発ということはもちろん一つの手段として大事だけれども、その以前の問題があると思うのですね。国の施策が行なわれても、また都道府県段階における自治体の施策が行なわれてもこなし得ない、効率的に運用できないという、失礼ながら、やっぱり僕はまず人作りが前提であると思うのですね。そういう点で、こういう施策を講ずる場合には、大前提に学校教育、社会教育の問題を取り上げてこなければならないと思う。僻地教育が大事だというのでこれが先行していったのは当然で、議員立法で法案を出されて、本日までささやかな予算がついてきたと思うのだけれども、今あなたが認められたとおり、施設設備の点についても、学校が小規模とかいろいろありますが、政務次官のように優秀な人でも僻地の小学校、中学校に九カ年間おって教育されたら、なかなかそれは条件が違ってきますよ。伸びる素質を持っておっても伸びないと思うのですね、ここにやっぱり施策のピントを合わせないと。昔の子供だったら自分は貧乏人に生まれたからまあやむを得ないのだというあきらめ、それから山の中に生まれたのだから、炭焼きでもしていくとかというようにあきらめるけれども、今のいなかの子供に聞いてごらんなさい、自分は悪いことを何もせぬ、一生懸命やっているのに、どうしてこんな生活をしなきゃならないのだろうか、あんな人とこんなに違うのだろうかと不思議でならない、こういう基本人権尊重の憲法からきた権利意識をしっかり持っていますよ。そういう点に合った学校教育、社会教育面の財政力とか産業政策の以前の問題に重点を置いてやることが、僕はこういう法律案の目標を達成するには最も大事な点で、そこにピントを合わせる必要が今の現実の段階にあると思うのですね。そういう意味から第二条の第二項の並列の仕方は、必ずしも僕は満足をしてない。法案自体には、方向としてはいいと思うのだけれども満足してない。それに対する自治大臣、文部政務次官の見解と、今後この法律がかりに成立した後に、公布施行された後に、運用するにあたって文部大臣としてはいかような心がけで運用されようとするか。私の質疑にピントを合わしてお答えいただきたいと思います。あと一問で終わります。
○国務大臣(安井謙君) 御指摘のような点あるかと思います。何といっても交通が不便だし、施設が不十分だというところへ、いい指導者が行きたがらない。あるいはいろいろと教育を受けるなりなんなりにも不自由だというようなことから、社会的なハンディキャップができるということもあり得ようかと思いまして、まあそういう障害をできるだけなくして、水準を維持していこうというために、こういう法律も出したわけであります。特にそういう人の指導あるいは動かす人の配置といったような問題につきましては、それぞれの関係当局ともいろいろ協議いたしまして、今後も十分そういったものもあわせて考えていきたいと思っております。
○政府委員(長谷川峻君) 矢嶋さんの質問にお答えいたしますが、教育の問題を僻地において重点的にお考えいただくこと、私も非常にけっこうだと思っております。同感であります。私も歩きますけれども、やはり僻地であるからといって、まあ学力の点において多少そういう面が出ましても、非常に個人的に進んでいる。せんだって私はある山の中へ行きましたら、そばに川がごうごう流れている。それが県で一群水泳が強い学校で、私はこの夏休みに高石水泳連盟会長に行ってもらいましたが、こういうところもありまして、やはり私は、希望を持たせるような方向に私たちは努力しなければならぬと思う。そこで、あなたも御承知のように、僻地教育については、いろいろバラエティがあります。私のほうでやっておりまして――しかし、先ほど申し上げた予算措置で不十分でありますが、やっておりますが、まあ私が個人的には考えますと、やはり学校の先生の住宅、これがたいへんだろうと思うのです。それからやはりこの寄宿舎をことし初めてやってみましたが、非常に各先生方から、あるいは各県からぜひお願いしたいという声があります。これは僻地であればあるほど、学校の先生の住宅問題と、それから生徒諸君の冬季における寄宿舎、これは非常に大きな私は問題としてクローズアップされてくるだろう、この辺に今から先投資していきますならば、あなたが御心配いただいたものがだいぶ前進するんじゃなかろうかということをこの際申し上げて私のほうも大いに努力し、この辺地の法律案が上がるというと、全部私のほうはカバーされるのですから、さらによくなるのじゃないかということを期待しております。
○矢嶋三義君 最後に質問いたしますがね、まあさすが政務次官はやはり専門だけに住宅難という言葉が出てきますがね、この第二条の二項には寄宿舎は入っているが、住宅なんか入れてないわけですよ。それから集会室なんというのも出ていないわけです。しかし、漢数字の六号のところに、その他「政令で定める施設」とありますから、今からでもおそくない、入れようと思えば入れられるわけで、そういう点はやっぱり本法の運用上十分注意していただかなければならぬと思う。これは要望ですが、伺いたい点は、大臣がおいでになる前に、経済企画庁長官においで願って、行政機構上、行政事務の所管、管掌という立場から伺ったわけですよ。その答弁は繰り返しませんが、政府委員からお聞きになったと思うのですが、私はこの法律がかりに公布施行されたら、必ずばらばらになる。これは連絡調整をやってうまくやるといったって、やれるものじゃないですよ。これはこぼれるところも出るし、ダブるところも出る。一方の法律が先行したりして、これはうまくいかないと予見しておきます。はずれたらかけてもよい。それで経済企画庁長官としては臨時行政制度調査会にはかって云々、経済企画庁のあり方としては傾聴に値すべき御発言をなさっておりました。方向ははっきりしている。私の結論はさっき申し上げたのですが、自治大臣としては各省庁の行政事務の管掌、所管はいかにあるべきか、中央、地方の行政機構はいかにあるべきかという点を検討されて、願わくばさっき僕が主張したような方向に検討をしていただきたい。おそらく僕はそういう方向に落ちつくものだと、かように考えて、これに対するお答えと、それから実はわれわれ社会党でもちょっと所得倍増計画で格差が拡大されるばかりだから、ひとつ秋山委員からちょっと言葉が出たように、辺地振興基本法というものを抜本的に作って、施策を考えねばと言い合って研究しておったところですよ。そうしましたら今度こういう形で出たのだが、これは社会党の着想に基づいてやられたのか、それとも自治大臣の着想なのか、それとも自治省の政府委員のある人の着想なのか、これは今後のこともありますので、参考に承っておきたいと思います。
○国務大臣(安井謙君) 行政機構につきまして相当責任の分野を明らかにし、できるだけ一本化することは、私は必要だと思います。ことに企画調査の機関と行政上の実施の機関というものは、できるだけ分けられたほうが穏当であろうと思います。こういった問題は離島振興法と非常に密接な関係のあることは御指摘のとおりであります。先ほど財政局長が申し上げましたように、将来できれば一つの奄美大島のような方式、そういうようなもので施行すべく私どもは努力したいと思っております。
 これは一体だれの考えだ、こう言われますと、社会党さんにも地方行政、地方財政に非常に御熱心な御着想をお持ちだというお話で、われわれ非常に力強い思いをいたします。社会党さんの御知恵を借りたというのじゃないが、平素委員会等における御発言は、非常に参考になりました。それがある程度着想のもとになったことも事実でありますが、これは自治省内で上下一致して一つの考えがまとまった、こういうことでございます。
○小笠原二三男君 きょう委員会に出席して、初めてこの法案を見て不勉強なんですが、ただ、この法案を前向きの姿勢で出されたということについては、私めったにほめませんけれども、非常に賛意を表します。ただ、提案理由の説明その他からお尋ねしたいのですが、この法案は辺地を持つ市町村の行政水準を上げるということにねらいがあるのか、その市町村の住民の生活水準を上げる、あるいは生活環境を整備する、そういうところにねらいがあるのかはっきりしないので、この点お伺いしたい。
○政府委員(奥野誠亮君) この法案に書いてありますように、辺地に住んでおります住民の生活、文化水準を引き上げていきたいということを基本的に考えて提案しておるわけであります。
○小笠原二三男君 この提案理由の説明で伺うと、電灯であるとか飲料水に事欠くとか、こういうような点が書かれておって、生活文化水準を上げるんだ、こういう目的です。そうしますと、これは社会政策的な立法ですか。
○政府委員(奥野誠亮君) もちろんそういうようなものも含んでおるわけでございます。
○小笠原二三男君 厳密にいったら、市町村行政が当然固有の責任において、地域一般住民の福祉のために、その向上のために施策をするということが大事なのであって、社会政策的な意味合いで、どうも辺地の住民は気の毒だから、まあこういうこともしてやろう、ああいうこともしてやろう、こういう意味合いでこの立法ができておるのですか。
○政府委員(奥野誠亮君) 基本的には、市町村が住民の生活環境を整えていかなければならないだろうと思います。しかしまた、市町村の任務に必ずしも現在属していないと思われるようなものもあるわけでございます。たとえば電灯施設などはその部類に入ろうかと思います。そういうふうなことを総合的に考えまして、著しい格差がある地域の人たちの生活文化水準が引き上げられるような総合的な施策を講じていきたいということでございます。
○小笠原二三男君 そうなれば一つのねらいとして、生活環境なり、生活文化水準なりというものは、辺地とその他の地域との間の格差を解消するんだと言いますから、ねらいとしてはどういうところまで水準が上げられれば格差が解消されるか、ねらっておって、そうして五年間なら五年間にそれを解消しようと考えておるのですか。
○政府委員(奥野誠亮君) 格差の程度をどう判断するかは、全く相対的な問題であると思います。社会の進展に応じまして、その程度というものは、逐次引き上げていかなければならないと思います。現在の段階で考えられますことは、少なくとも無点灯地域である。それは放置できない姿でなかろうか、こういうふうに思っているわけであります。あるいはまた、辺地におるがために義務教育がろくに受けられないような状態に置かれている、これも放置できない姿ではなかろうか、こういうふうな気持でいるわけでございます。そういうふうなことで、やはり相対的な観念で必要な施策を考えていきたい、こう思っているわけでございます。
○小笠原二三男君 それで、「当分の間」ということが五年間だと、こういうことで、腰だめで五年間やってみるということですか、それとも五年間たてば、あなたが今言うような無点灯部落その他が解消する、こういう意味合いですか。
○政府委員(奥野誠亮君) 一応計画を進めていきまするのに、やはり総体の事業費も頭に置かないと、市町村が安心して事業を進めていくことができないだろうと思います。また指定の範囲もある程度事業の総量を頭に置きませんと、できないだろうと思います。そういう意味で、さしあたり五年間、五十億、こう考えておるわけでございます。世の中が進展していきますと、先ほども申し上げましたように、やはり特に国が援助していかなければならない程度も高くなってくるだろう、こう思っているわけでございます。五年間たった暁において、もう一ぺん考え直しまして、さらにこういうような事業量でどのような仕事をしていくことが穏当であるかということを検討したい。おそらく五年で切れるものではないだろう、こう思っております。さしあたり仕事をするにあたりまして、五年間、五十億円の地方債のワクということを予定いたしております。
○小笠原二三男君 五年間、五十億の起債ワクで、目当てにしている事業量は幾らですか。
○政府委員(奥野誠亮君) 百億円をこえるだろうと思っております。
○小笠原二三男君 百億円をこえれば、第二条に掲げられているような各施設の整備ができるということですか。
○政府委員(奥野誠亮君) 昨年、府県を通じて資料をとったわけであります。そのうちで、私たちが非常に厳密にピックアップして参りますと、総額百二十数億円というふうな数字が一応出ているわけであります。これも先ほど秋山さんからいろいろ指摘されましたように、府県を通じて報告をとっただけのことでございまして、一つのペーパー・プランにすぎないと思います。また、こういうような方法を市町村が熟知していませんために、報告をよこしていない地域もあろうかと思うのであります。したがいまして、百億円程度あればできるという自信を持っているわけではございませんけれども、そういうこともありましたので、一応五年間、五十億円、事業量としては百億円余というようなことで進めていきたいというようなことで考えているわけでございます。しかしながら、たとえば水道一つ、取り上げましても、日本の給水人口は総人口の五割でございます。非常におくれているわけでございます。そうすると、辺地につきましても、ある程度深井戸なり簡易水道の問題を考えているわけでございますが、全体がレベル・アップしていきますと、辺地について国が援助していかなければならない程度も高くなって参ろうかと思うのであります。そういう意味でも、五年たった暁において、再検討をしていかなければならない。しかし、それにしても、現在において、総事業量のワクを定めていかなければ、市町村が安心して事業を進めるわけにいかないのじゃないか、こういうようなことで、総体的に考えまして、今申し上げましたような、五年間、五十億円の地方債ということにいたしているわけでございます。
○小笠原二三男君 それで、五年の間、他の委員の質問でも触れましたが、辺地の定義が、先ほど言われた教育振興法に該当する地域あり、離島振興法に関係する一部地域ということになっていますが、これは五年の間に逐次実態を見て、対象地域を広げるという考えは全然ないのですか、もう機械的に現行法で定められているものを対象地域として行なっていくのか、きわめて厳格に扱うことになっているのですか。
○政府委員(奥野誠亮君) 固定的には少しも考えておりません。常識的に国が必要な援助の手を差し伸べる地域である、それが自治省が考えているような指定の基準からはずれる場合には、当然拾っていくべきである、こういうふうに思っております。
○小笠原二三男君 やはり将来の方向としては、その点は非常に大事だと思います。ただ問題は、その場合において、市町村の行政が怠慢であるために、財政的にある程度やり得るものも放置している。それで一切がこの法律におんぶしている、こういう形はむろん避けなくちゃならぬでしょうが、しかし、へき地教育振興法の該当地域のみが生活水準のほうからいいますと僻地ではないのでして、したがって、これはやはり地域がだんだん自治体の上に乗って広げられて助成されていくというふうにあることを望みます。それで、最初少し基本的なことをお尋ねしましたが、やはりそのことを議論するために、少し個々の問題についてお尋ねしたいのですが、公共施設の対象事業、一つは、「電灯用電気供給施設」とありますが、自家発電なり施設なり送電線なり、みんな含んでお考えになっておりますか。
○政府委員(奥野誠亮君) そのとおりでございます。
○小笠原二三男君 たとえば自家発電でもよし、あるいは電力会社の送電施設を導入してくる、みんな含んでいるわけですね。それで、これは農林省に無電灯地帯部落の解消の補助助成、このほうとはどういう関係になるのですか。
○政府委員(奥野誠亮君) 農林省の農山漁村電気導入関係の補助金がございます。これによりましても、一定の限度を基礎にして補助しておるわけであります。それをこえて経費を要する場合もあろうかと思います。そういう場合に、市町村が負担をするという場合に、この対象になるのは、一つの意見によって取り入れよう、こう思っておるわけであります。
○小笠原二三男君 その一つの意見によっては取り入れようということですが、前段で局長が御答弁になったとおり、これは市町村行政そのものではないのですね。それでこれは市町村の側からいえば、当該部落のそういう施設や何かに対して補助金を出すという形式で裏づけるわけですか。そうしてその補助金というものは、いわゆる起債をもって裏づける、こういうことですか。
○政府委員(奥野誠亮君) そういう場合もあろうかと思います。
○小笠原二三男君 それが市町村の議会の承認を得なければならない。部落対部落のいろいろな感情から、議会において否定されればこの恩恵には浴することができないという場合もありますね。それらを指導して、すみやかに無点灯部落を解消するというのは、これは知事の協力でやってもらうということになりますか。
○政府委員(奥野誠亮君) 小笠原さんがおあげになりましたように、たとえば農業協同組合が自家発電をみずから経営するということが穏当の場合もございましょうし、あるいはまた、むしろ配電施設を市町村自身が設けて、それを電力会社に寄付する、そのかわり電力会社から普通の料金並みで将来電気を供給してもらうというような話し合いをつけるというような方法もあろうかと思うのでありまして、いろんなやり方があろうと思います。あとうる限り市町村がこういう方法でいいのだという、市町村の永久の利益を考えますから、きめます方針に乗っかって地方債で援助していきたい、こう思っておるわけであります。
○小笠原二三男君 それはよくわかりました。ただその市町村がきめ、市町村が援助するまでの態勢というものは、ここまでのところがまためんどうなんですね。市町村の金を特定の部落に出してやって、無点灯地帯を解消する、補助助成するということがめんどうな場合があると思う。だから、この総合計画なら総合計画を立てられる場合に、県なら県がこれこれの地帯について無点灯地域を解消するような計画を立てたらいいじゃないかというような指導をもって、相当な指導性を発揮しないと、市町村そのものが、へい、さようでございますか、というふうに、自主的に自発的にやるということはむずかしいように思われるのですね。
 それからこの電灯設備を自家発電なら自家発電をしたあとの経常費用は、どこでこれは支払われるものかというような問題なども非常にむずかしい問題で、これは部落で共同利用者が維持管理をせよという場合もあり、市町村がこれをせよという場合もあり、そういう問題もあるかと思いますので、これはやはりなるべく市町村として乗り出す以上は、市町村に置かれてやれるように指導していただいたらいいのではないかと思うのですね。
 それから二の「道路及び渡船施設」ですが、道路というても、山間地においては、林道との関連なしに道路の改修、拡幅、こういうようなことはちょっとできないのじゃないか、こういう点は林野庁における関連林道なり何なりの間で関係をつけて道路整備をするという必要も起こってくるのでしょうが、こういうのは関係大臣に通知し、その意見を聞くというような形で、それだけのことで町村部落における道路の整備に協力できるものかどうか、心配ですね。どこが積極的にこういうことを、貧弱な町村部落のために世話してくれるのですか、この点もお尋ねしたい。
○政府委員(奥野誠亮君) 前段の問題は、私たちはやはり格差是正ということが国の大きな施策になっておるばかりじゃなしに、府県としてもだんだん積極的にそういう考え方で仕事を進めてきているように思います。市町村におきましても同じような傾向が見られるわけであります。国がこれだけの援助をするわけですから、恵まれない地域に相当な人たちが住んで、それについては市町村もある程度いろいろな仕事をしていきたいという気持が出て参ってきておるようでございます。そういうような自主的な気持に乗っかってこの仕事を進めるように努力をしていきたい、こう思っております。具体的な話で申し上げますと、農業協同組合が自家発電施設を持っている。ところが、非常に高い料金についておるわけでございます。自然滞納が非常に多い。また建設費も莫大であったものですから、元利の償還がなかなか進まない、自然元利の償還も進まないままに莫大な負債を今日では負ってしまっておる。しかも、経営がにっちもさっちもいかなくなってきておる。そこで、市町村に引き取ってもらえぬだろうかという話があるわけであります。そうすると、市町村に対して地方債を認めなきゃならぬわけですが、将来の計画も立たぬままに町村がそれを引き受けましてもまた困ってしまうわけでございますので、こういうような問題につきましても、できるなら私たちは電力会社の配電計画の一環としてそれをやってもらったほうが料金の問題の面におきましても、将来の運営におきましてもよろしいのじゃないかと、こういう気持を持っておるのであります。電力会社も営利会社でございますので、そのままで引き受けるはずはございませんので、そういう場合にこの制度に乗っかって解決してあげたらどうだろうか、こういう気持を持っておるわけでございます。
 後段の問題につきましては、私たちは、そういう意味であらかじめ府県知事と協議しておるわけでございまして、府県は林務部等も持っておるわけでございますので、どういう林道を整備していくかというような場合に、こういう総合整備計画のできました地域については、特に優先的にやればよろしいのじゃないか、こう思っておるわけでございます。そういう意味で府県がいろいろなところで所管しております行政を、こういう問題の際にもう一ぺん見直してもらおう、こういう考え方でおります。そういうことまで一々中央段階でお世話しなきゃならない性格のものではなかろうと思います。こう思っておるわけでございまして、ただ補助金行政等の問題で、限られたものをやはり重点的につけてもらいたい、そういう場合に府県段階ではどうにもならないということもあり得ますので、そういう場合には、自治省のほうから関係各省と口をきいていかなきゃならないという事例も起こってこようかと、こう思っております。
○小笠原二三男君 それで、この際ですから大臣に要望しておきたいのですが、僻地というのはいわゆる山村の山地なんですね、大体。それで国有林地帯が多いのですね。国有林の所在地域が多い。林野庁のほうでは林政協力費ということで、百億円以上の膨大な金を持っておる。これが今地元の市町村あるいは関係住民に林政協力の代償としていろいろな施策をすべく特別会計が戦後立法されたにもかかわらず、一般会計予算で充当すべき公共事業費その他のほうに大部分回っておる、そうして市町村のほうには回らない。地方税関係でも、三十七年度は林野庁においても、自治省との間に検討すると言っておったが、戦前におけるほど国有林なり、あるいは帝室林野局の所在しておった関係市町村に出されるいろいろな金よりは現在少ない。固定資産税に見合う金が出ておるだけで非常に少ない金なんですね。そういう関係からいうても、この林政協力費なんというものをもう少しこの僻地振興のために利用する道があったら、このほうとも今後合わしてお考えになれば財源的には充実したものになるのではないかと思うので御検討を願っておきたいと思います。
 それから文部政務次官にお尋ねするのですが、この寄宿舎ですがね、寄宿舎もよろしい。しかし、僻地の学校には学校給食の施設がない、あるいは栄養士も置かない、こういう関係が多い。それで既存の寄宿舎を自前でやっておるところでは、校長並びに校長夫人、こういう人たちが朝晩の食事の世話をするというようなことでこの寄宿舎を経営するというような非常な努力をしておる向きを私知っております。福島県とか新潟県の僻地にあります。それで寄宿舎を建築する建築費というようなものは補助されるとそれは非常にありがたいが、維持管理、維持経営が困難である。それは山村の父兄は米を持たせる、副食を持たせる、現物を持たしたり、一週間に一度山道を通って子供に届ける、こういうようなことが精一ぱいなんです。現金を子供の三カ月、冬期間なら冬期間の給食費として出し得る父兄というものはそうなのです。しかもまた、この現物でも、そういう山間僻地においては、米も買わなくちゃならぬ、野菜も買わなくちゃならぬというような状態の家庭が多いわけです。非常に大きな家庭個々にとっては負担になっておるのです。学校自体のほうもまたこの経営で市町村費が十分でないから非常な負担になっておる。お互いの犠牲の中にこの寄宿舎における学校教育が行なわれておるのです。これらについて文部省としてお考えになっておることがございますか。
○政府委員(長谷川峻君) 貧困者で寄宿舎に入るそういう人たちには、維持費について特別交付税の算定基準の中に算定してもらっております。寄宿舎に入る貧困児童についてはそこまでやっております。それからもう一つ、補助金も出るようになっております。
○小笠原二三男君 給食関係の栄養士なり職員なり季節雇用できるような金というものはどこから出るか。
○政府委員(長谷川峻君) 給食費関係につきましては、寄宿舎に入ったものは今のように補助を出しております。それから僻地の給食の施設については、私も地方を歩きまして、第一、栄養士がなかったり、そのために献立を下の町まで行って一週間分習ってくるとか、あるいはまた維持管理費をみんなが出し合っている、そういう実態などを見ますので、ことしからは僻地学校の学校給食設備に必要な経費といたしまして、対象校二百校にそれぞれ補助を出すようにしております。
○小笠原二三男君 長谷川政務次官だって必ずしも都市的な選挙区ではないのですからね、あなたのところだって相当な僻地もあるわけなんですが、寄宿舎を建てても利用者が少ないという結果にならないように、十分やはり文部省として、あるいは行政指導の面では、自治省としても留意してもらいたいと思います。立ちぐされになるような施設は不要です。
 次に、四の診療施設ですがね、これは、無医村部落を解消するということで診療所を作るということ、これは原則として正しい。しかし今診療所を持たせられておる市町村の市町村長はぶつぶつ言っておる。この診療所で、黒字で採算のとれる診療所というのは少ない。赤字の地域が多い。それは、一つには、看護婦を置かなければならない、独立して事務職員を置かなければならない、こういう維持管理費がべらぼうにかかる。今度は診療を、手当を受けに来る者が少ない。そうして今病院でも、開業医でも経営してうまみのあるものは、国保の段階にあってうまみがあるものは、入院患者を持つことでようやく黒字になれるといわれておる。ところが、診療所は入院の病室を持つことは許されない。そうして僻地において診療所で手当してもらっても、全部都市部の病院その他に入院で出なければならない、山間僻地では入院して加療してもらうということはできない、こういう面も考えて、なおかつ診療施設を置くということは、これは貧弱町村としては非常な大きな負担です。ですから、一時的にはこういうものを置いても、それから財政局長のお話のとおり、県が医者のあっせんをするといいましても、普通一般の三万や四万の金を出して、若手県のようないなかでさえも医者を、いなかであるせいか知らぬが、医者を求めることができない、全部県立病院から、あるいは大学からインターン程度の人を一週間に一度なり二度なりと派遣しなければならない。あるいはめんどうくさいから閉鎖してしまうというようなところが多いのです。だから、これは単に厚生省の基準による診療所を設置するということだけでは、その後の負担が非常にかさみますし、医師の確保ということについて保障がないと、これは実効を上げることはできないと思う。そういう点、自治省としてお考えになったことありますか。そういう実態をお聞きになっていますか。
○政府委員(奥野誠亮君) 実態はおっしゃっておるとおりだと考えておりまます。また診療所の設置だけでなしに、診療船でありますとか、診療車でありますとか、そういう方向も工夫すべきものだと、こう存じております。
○小笠原二三男君 それで、さっき基本的なかまえ方としてお尋ねしましたら、生活文化水準の向上なんだと言いますが、それで、病院は、病気の治療を受けるための診療施設ということもむろん大事ですが、こういうおくれた僻地僻村部落というものは、医者にかかる以前の問題として、環境衛生ですね、これの水準を引き上げるということに全力をあげなくてはならないと思う。これは飲料水もこれを水道化していくということは、赤痢その他の伝染病を予防する、絶滅する、それは一環の施策でしょう。しかし、ああした環境を取り巻く不衛生のもろもろの諸条件を、これを克服していくということが当面非常に緊急なことだと思う。しかるに、今の保健所経営でいいますと、単に保健婦さんが全く重労働で巡回して歩く、それで今おっしゃっておる五十人ですか、百人ですかいる地域の衛生を保持する、これは無理ですよ。こういう点を、この法律の施策として保健所的なものをこういう方面における全般の、一般の環境衛生を引き上げるという部面の施策なり運用なりというものを考えてほしい。妊産婦のお産であるとか、その産前産後の指導であるとか、こういうようなことだって一人の保健婦、たまにやってくる者に依存する、ここが一番僻地における住民の関心事だと思う。診療所の設置以上に、バスなんかを通すことをすれば診療所は要りません。かえって時間的にいろいろな条件のいい所は都市まで出ていっていい医者にかかったほうがいい。そのために都市周辺における僻地の診療所がつぶれているところがたくさんある。けれども、私はそういう無謀なことは言わないが、一般の環境衛生を扱う部面あるいはそういう施設、こういうことに力点を置かれたらどうかと思うのですが、御意見はいかがですか。
○政府委員(奥野誠亮君) お話しになりました点全く同感でございます。昨年府県を通じてとりました僻地対策の資料によりましても、道路関係の経費が半ばを占めておったのであります。それから考えましても交通を容易にするということが、いろいろな施設を利用しやすくなるわけでありますので、辺地性の脱却には必要なものだと、そう考えておるのであります。そういうような意味で効果的に対策を講ずるように努力していきたいと思います。
○政府委員(長谷川峻君) 小笠原委員から、お前の選挙区にも僻地があるからしっかりしろというお話でありましたが、まさにそのとうりで、私は過去八年ほど実は自分の地方の僻地をずっと歩いております。最近歩いてみまして、やはり環境衛生の設備がよくなった、啓蒙が行き届いたことは認められるのです。ここ二、三年前までは五名、十名の分校に行きますと、私の地方でカサをかいた子があったのですが、最近頭のあたりにカサをかいたという子が少なくなりました。そういう僻地にあっても環境衛生、清潔整頓のいい家がこのごろありまして、やはり蚊やハエなどをなくす運動が進んでいるところはだいぶ進んできておるということなどが非常に子供の保健上の効果をもたらしておる。診療所にお医者さんがなくて困っておるという実態などは、これは全国僻地における共通の現象だろうと思っております。これは手当として別な役所の問題であろうと思いますが、文部省といたしましても、実はことしは予算の中にも僻地の子供たちの保健に関して特に予算を組んでおりまして、分校から医療機関までの距離が八キロ以上の場合には、先生方に出張してもらいますのに補助金を出しております。五千円ほどでありますけれども、補助金を出してやはり環境衛生というものを常日ごろ御指導願うような手当をとっております。
○小笠原二三男君 もう時間がなくなりましたから急ぎますが、さっきテレビの話が出たのですが、学校のみならず、公衆の用に供するテレビなどというものは、部落等に非常に大事だと思うのです。それでテレビの波が入らぬという地域があるのですね。それで、テレビ・タワーの簡易なものを立てて、それを中継して各家庭にそこから波を出して聴視させたい、こういう向きがある。こういうようなのも六の、前各号に掲げるほかというようなものに該当してきますか、希望されれば、生活文化水準の向上、格差解消ですか。財政局長がうんとさえ言えば、これはきまることだ。あなたが言えば大丈夫だ。
○政府委員(奥野誠亮君) ここに取り上げていないものについて一切地方債をつけないとかどうこうという問題じゃございませんで、ここに取り上げていますものにつきましては特別の援助をしようということで、他のいろんなお話しになっておりますような問題につきまして、場合によりましては別個の地方債の対象になる問題もございましょうし、あるいは、あわせて講ずる必要がある場合には、特別交付税制度の運用の対象になる場合もあろうかと考えます。
○小笠原二三男君 それで、各項目の点について最後に質問しますが、さっき矢嶋委員も質問しておったようですが、私はやっぱり教育なり環境の整備なり、他の地域との格差解消なりと言っても、その地域の住民のやっぱり意識の問題があると思う。おくれておるということは、意識的にもおくれている部面がある。いわゆる民主化されない地帯が多いわけです。ですから、社会教育、広くいえばその部面が重視されますし、それのみならず冠婚葬祭であれ何であれ、この部落の人たちの寄り合う場というものがぜひほしいのですね。それで学校に小さな講堂でもあれば、それが各方面に利用されるような施設も充実させる。テレビ、映画、ラジオ等も充実させる。さまざまな川に供されるというような施策も必要だと思う。なければやはり公共の場として、そういう部落の人たちの集まる社会教育的な経営ができる公民館という建前でないにしても、そういうものはなおかつ必要だと思う。こういうものと、もう一つは、なぜ通信施設というようなものがこの中に入らなかったのか。この二点をお尋ねしたい。通信施設についても、有線通信のほうの関係でいうと、この部落的な集団ならばこれこれでなければ公衆電話を入れられないとか、いろいろな制限があるわけであります。条件があるわけです。農村のほうの関係では、有線放送の施設がある。しかし、山間僻地といわれるようなところは取り残されておる。緊急の用にも供せない。何としてもこの通信関係の施設整備ということは重要だと思う。で、この公共の場を与えるということと通信関係の充実ということについて、この対象として一体施策があるのかないのか、お伺いしたい。
○政府委員(長谷川峻君) お答えいたします。今の社会教育の施設の場とし、あるいは御父兄がそういう僻地でお集まりになる場として、そうした集会所、公民館のようなものが必要だということは、まさに同感でありまして、私のほうで僻地集会所新設に伴う経費をことし二億円出しております。坪数にして約一万一千坪。ひとつこういうふうにしてやっておりますことを御了承いただいて、大いに御活用のほどをお願いいたします。
○政府委員(奥野誠亮君) 公民館でありますとか、集会所でありますとか、そういうものに対しましても、一般に地方債の対象にいたしております。しかし、多くの市町村においてまだそういう問題が十分整備されておりませんので、非常に強い要望があるわけでありまして、私たちの考えておりますのは、僻地において最低限度これまでは整備してあげなければ困るじゃないかという点にしぼってここに列挙しておるわけでございますので、そういう意味で公民館等がこれからはずされておるわけでございます。総体的な問題として、将来そういうものを加えていくというようなことも考えられるだろうと思うのでございますが、出発にあたりましては最低限度にしぼって考えております関係から、ここには書いてないわけであります。しかし、市町村がそういう辺地に公民館を設置したい、集会所を設置したいという場合には、別個それは単独地方債の対象にはしていく考えでございます。
 なお、電話の問題がございましたが、六号に掲げております政令で電話施設を指定する考えでございます。
○小笠原二三男君 次に、起債の問題ですが、この起債は各県におしなべて幾らというワクを渡して、あとは県と市町村の先ほどの「協議」によって自治大臣がよろしいと認められるもの等について地方間において起債の調停をする、こんな取り運びになるわけですが、具体的に個々にあがってきたものを自治省が直接その起債の査定と申しますか、どういうふうにやられるんですか。
○政府委員(奥野誠亮君) やはり府県に優先順位をつけていただきまして、市町村の作りました計画をあげていただく、それに基づいて地方債を配分する方式をとるのがいいのじゃないかと思っております。特定の地域だけに与えることも穏当ではございませんけれども、辺地の多いところにつきましては当然金額を割り当てていく必要があろうかと、こう思っております。
○小笠原二三男君 それで、この起債ワクは、従来の起債なり、あるいは償還金額なりと無関係に市町村に出してくれるのですか。
○政府委員(奥野誠亮君) 地方債計画上も別個の項目を設けておるわけであります。全額政府資金で充当したいと思っております。
○小笠原二三男君 その際に、特に県の地方課を指導してもらいたいと思うんですがね。お前さんのところは相当額の借り入れがある、これ以上そんなことやるのはやめろとかなんとか、なかなかあれは中間機関でありながら、自治省が強くなったら県の地方課というのも非常に強くなったんですからね。まるで市町村長の上をいく探題、代官級の権力を持っていますからね。そういう扱いのないように十分な指導をしてもらいたい。
○国務大臣(安井謙君) 小笠原委員から数々非常に貴重なまた具体的な御意見の御開陳があり、御質問もいただきましたし、個々の問題につきまして十分実施の過程でも考えていきます。
 最後の点は、辺地は特に今のような起債でも別ワクを設けて政府資金でやるという案でありまするから、今言われますように、全体が多いからやめろとかというようなことのないように十分配慮していきたいと思います。
○小笠原二三男君 最後に、最初お尋ねした点に戻りますが、先ほどの御答弁では、社会政策的な意味を含むんだ、いわゆるあまりに恵まれないところに国みずからも援助をする。まあ救済しよう、恩恵を与える、こういうような考え方がその言葉の中に幾ばくでもあるとするなら、それは間違いだと思います。それで私はこの法案に賛意を表したのは、この法案が暫定的な五年法案にならぬで、先ほど来他の委員等もお話をしておりましたが、総合的ないわゆるその他の地域との格差解消という「その他」というのは、都市の日本国民であれば受け得る一切の条件というものを辺地まで及ぼすんだ、辺地を解消する法案だ、こういうような根本的な恒久立法、こういう考え方で私はこの法の運用を発展的にやっていただきたいと思います。そういう意味で、私は、この法律案は頭を出しただでありますけれども、非常に抜本的にすぐれた立法だと考えます、そうなれば。今までの離島振興法の話もありましたが、地域開発の関係の立法、あるいは東北開発なり四国開発なり地方関係の立法でも、国土保全とか重要な道路、港湾あるいは鉄道、こういうような公共事業、これを整備し、あるいは産地立地条件を整備するとか産業の何とかというても、結局地下資源の開発とかなんとか重要度によってだけの開発の問題で、それと裏づけになるような直接住民が利益を受け、住民の環境を変えるような開発法というものは現在までなかった。そうして県政とかあるいは市町村政とかいうても、何んか事業を起こして市役所を建てるとか県庁を建てるとか、二級国道を一級国道にすることについて運動したら成功したとか、そういうようなところがなかなか行政として高く買われるというような間違ったあり方だったと思う。私は、やっぱり県なり市町村、特に市町村の行政というものは、その市町村の住民の生活条件を整備していく、向上させていく、それだけに尽きると思う。このごろ、市町村の税金が、特定の財団なり法人なりに株を持つとか寄付をするとかいうような形で出されたりして、そのことがさもさも行政の重要な行為であるような考え方を持っていますが、私は間違いだと思う。上水道なり下水道なり、あるいは道路なり、そういうものをきちきちとこつこつとしっかり整備していく、これに市町村の行政というものはもう尽きると思う。私はよけいなことをしてもらいたくない、最後まで。そういう意味からいえば、こういうほんとうに今まで手の届かなかったところにほんとうの市町村行政というものが行なわれてくるということについて私は非常に賛辞を長ずる、敬意を表する。しかし、こういう暫定法なんです。「当分の間」で財源的に制約される。で、起債だけでまかなう、こういうような考え方は、今後実施の過程において十分検討を加えられて、ほんとうのものにしてもらいたい。一本の今の市町村行政は、こういうことが欠くべからざるものなんです。不可欠な要件をこれはこのことによって果たすのだというような積極的な施策を持ってもらいたい。ちょっと、まああんまり気の毒だかちょぼちょぼ何か金を貸してあげましょう、つけてあげましょう、めんどうを見てあげましょうというような程度でなくて、みんなのこれは責任なんだという考え方でこの施策を進められるように強く希望したい。大臣の御所見を承って私の質問を終わります。
○国務大臣(安井謙君) 全く同感でございまして、新しく法律を出しますのですから、一応のこの五カ年の想定というものを年中億で立ててはおりますが、今お話のように、これが、基本的には地域格差、これは一番へんぴなところの地域格差を解消するということを最終の目的にしておることも事実でございまして、この実施の過程におきまして、今御指摘のような点も十分考慮して、必要に応じた弾力的な運営をしていきたいと思っております。
○委員長(小林武治君) 加瀬君、時間が時間ですから、ひとつよろしくお願いします。
○加瀬完君 はい。これはもうね、詳しくやりたいのですけれども、理事会で打ち合わせができているそうですから、簡単に申し上げます。
 五七%を基準財政需要額としてこれは起債でまかなう。四三%は自己財源ということになりますか。
○政府委員(奥野誠亮君) 市町村の所要資金は、国庫補助金なり地方債なりでおおむね全額まかなえるような運営をしていきたいと、こう思っておるわけであります。発行いたしました地方債の元利を返さなければならない段階において、元利償還額の五七%は基準財政需要額に算入いたしますので、地方交付税がそれだけ増額になってくるわけでございます。四三%が、その団体が固有の一般財源から捻出することになるかと存じます。
○加瀬完君 二つの問題が私はあると思う。四三%がまかなえるかどうかという問題が一つ。それから五七%を交付税でまかなうといいますけれども、このごろまあ高等学校急増対策もそうですけれども、交付税というものは、そういう何といいますか補助的な性格のものではないということもたびたび議論をされたわけですね。固有の財源というか、独自の財源といいますか、地方で、まあ配付はされますけれども、配付した内容をどう使うかということが、これは基準財政需要額によって地方でやるべきものなんですね。基準財政需要額をきめる前に、これはひもで、これは高等学校急増対策だ、これは僻地の公共施設についての起債の償還額だということになってしまっては、全般の行政水準を引き上げるために使うべき交付税が、そういう性格から、そういう使途からいうと、全体の行政水準というものの引き上げ方はセーブされるわけですね、ひものついた分だけ。なぜ補助金なら補助金という明確なもので財源をまかなわなかったか。この点どうですか。
○政府委員(奥野誠亮君) 現在この基準財政需要額は、地方団体のあるべき財政需要に見合うように算定努力を重ねて参ってきておるわけでございます。辺地をかかえました市町村としましては、当然この種の財政需要があろうかと思うのであります。どういう格好で僻地補正をするか、この僻地補正はもっぱら僻地手当の所要額を算出するために行なっているわけでございます。市町村につきましても同じような方法が必要だろうと思うのでございますが、やはり地方債を認めて、その地方債の元利償還額の一定部分を基準財政需要額に算入する、こういう行き方が妥当ではなかろうかと思うのでございます。
 そういう意味では、こういう方式が穏当だろう、こう考えたわけでございます。
 なお国庫補助金の問題がございましたが、先ほど来話になっておりますような、文部省その他個別に補助金が出ておるわけでございます。包括的な補助金を持つことも一つの方法でしょうけれども、補助金あるがために、大蔵省なり、ほかの省なりから市町村の総合整備計画について、いろいろなくちばしがいれられる、それは穏当じゃなかろうじゃないか。やはり自治体が責任をもって自分で総合的な計画を立てる。いろいろなところからあまり小やかましいことが言われぬようにしてあげたほうがよろしいのではないか、こういう考え方も持ったわけでございまして、そういう意味合いで今日のような形にしておるわけでございます。
○加瀬完君 交付税というのは非常に不安定な財源ですよね。今のような一応の経済発展というものは、ときには交付税が毎年ふえてきますから、これはいいですよ。しかし、これは三税の何%ときまっておるわけですから、三税が基準ということになってくれば交付税が当然減ってくるわけですね。そうなって参りますると、一般財源としての交付税ですからね、基準財政需要額の基礎になるですね、これは単位費用というものをだんだん落としていかなければならないということにもなる。そうなってくると、こういったようなひものついたようなものは一番先に切られるというおそれがあるのですね。これは今小笠原委員の指摘するように、辺地にかかるこの公共施設の、何といいますか、特別措置というものは当然必要なんですから、それは交付税でも単位費用として計算するのも必要でしょうけれども、そのほかの独立の財源というものを与えるということのほうが私は妥当だと思うのですよ。そうでなければ、実際の運営にあたりましてそれはできませんよ。どうですか、この点は。大臣に聞きたいと思うのです。
○国務大臣(安井謙君) まあそういうお考えもあろうかと思いますが、交付税というものは、これそのまま二八・九%に一定した、固定したものでもない。財界の状況によって、国全体の財政も影響される。あるいはそれによっての需要が、地方におけるいろいろな増減がある。その変化によってはこの税率自体をまた変えることもあり得ます。あるいはまた補助のやり方について考慮することもあり得ると思います。まあこれは全体を総合しながらこの運営をしていくということになりますし、また今のようなこの僻地の問題につきましては、そういうような場合に優先的に落とされる対象になるというようなことのないようにこれは確保していきたいと思っております。
○加瀬完君 平衡交付金から交付税交付金になるときには、平衡交付金の性格というものは交付税交付金になっても変わらないのだということが非常に主張された。ところが、このごろはだんだんだんだんひもがついてきた。ひもが一つ二つとついてくれば、交付税の地方で使える自由の範囲というものはいよいよ狭まってくるわけですよ。しかし、時間が長くなりますから、これはひとつあとで財政局長とゆっくりお話をしたいと思います。
 次の問題は、結局五七%で、四三%が自己負担ということになりますと、先ほども出たように、単価が非常に上がってきますね、公共施設の単価が。これは財政局長の言うような理由で上がっているわけじゃないのです。大蔵省の、特に木造建築に対する積算の基礎が違っているからなんです。大工、左官、こういった労賃が非常に上がっているにもかかわらず、上がらないような積算で計算をしておりますから、どうしてもその単価が補助の項目で打ち出した単価と食い違ってくるわけです。これはぜひ直してもらわなきゃならないと思います。この点を明確に御答弁をいただきたいと思うのが一つ。そういう不足分がどうしても住民の税外負担になってきざるを得ませんよ。特にこういう部落的な地域になりますと、今までないものができるのだから地元負担もやれということでこれは寄付がどうしても強制的に来ます。帯付を、強制的な寄付というものは一切取らないと、こういう点が確約できるか。それから単価の引き上げについてこれは自治省も文部省ももう少し強腰になって、実際の賃金に見合うような単価改正に努力をして下さるかどうか。
○国務大臣(安井謙君) 単価はごもっともな点がございます。ことに木造につきましては、まあ昨年度木材の値上がりの急騰というものも非常に大きく目立った原因でもあろうかと思います。まあ最近落ちついてきておる面もありましょうし、同時に、しかし、まだまだ手間賃その他でバランスのとれない面があることはお話のとおりでありますので、これは文部省とも十分協力態勢を敷きまして今後単価の是正には大いに邁進をしたいと思っております。
 それから、これによっていわゆる地元負担がふえるとか、負担を課すということは、これはもう絶対ないようにひとつ努めたいと思っております。
○政府委員(長谷川峻君) 単価是正の問題については、ただいま安井大臣から申されたとおりでありまして、私、文部省といたしまして、昨年一割アップに努力し、また今度の予算についてもがんばっておりますが、なおさら今後がんばっていきたいと思います。
○加瀬完君 これは大蔵省の言っていることが違うんですからね。労働省の統計部の調査によったといいますけれども、統計部の調査と違ってるんです。七百八十円だの八百円ぐらいの大工、左官の手間賃というのは出ておらない。これはその統計のとおりに修正していただきたいと思う。
 それから、次の点は、自治大臣でありますけれども、辺地は相当財産を持っておりまして、市町村合併以前、あるいは遠くは市町村の出発する前に入会地なり区有地なり、そういったような財産を持っておったわけです。それが初めの町村合併のときに、それからせんだっての町村合併のときにあった入会地なり区有地なりという特殊の財産というものがだいぶ町村に吸収されて、部落としての財産を失っております実例が非常にあります。ですから、これは特殊な地域、――特殊な財源を持っておったんだけれども、それがなくなってるんだから、これをどうするんだという点で、小笠原委員のさっきの御質問の点もそうですが、町村合併のときには、こういう山間僻地の国有林、公有林のある町村は合併の条件に払い下げるということになっておった。ところが、払い下げは一向に進捗しておらない。こういう町村に国有林野の払い下げというものをもっと強力に自治省がやってくれるかどうか。それがすみやかにできない場合は、小笠原委員の指摘のように、もう少し財源が地方に帰ってくるような方法をとってくれるかどうか。これは財政局長でもどちらでもけっこうです。この点どうです。
○国務大臣(安井謙君) 払い下げの問題は、かねてからいろいろ問題にもなっております。これは十分検討していきたいと思いますが、その他にも、そういった財産があったと、現在非常に不利になっておる部落というようなものについては、それ相応のできるだけ財政的顧慮もしてやっていきたいと思っております。
○加瀬完君 財政局長、もう少し具体的にして下さい。
○国務大臣(安井謙君) 起債でも少しよけいに……。
○加瀬完君 起債じゃだめだ、借金だから返さなきゃならぬ。
○政府委員(奥野誠亮君) 町村から総合整備計画が出て参りまする過程におきまして、いろいろな問題が出てくるだろうと思うのです。そういう場合には、できる限り地方課におきましても親切な世話をやくように十分な指導を加えて参りたいという工合に考えております。
○加瀬完君 これは振興対策とは別ですよ。僻地山村に財源を与えるという意味で、国有林やあるいは公有林の払い下げというものが町村合併のとき問題になったんだから、これをもっと具体的に進めてもらわなきゃ困る。これは農林省が非常に反対してますよ。地方へ参りますと、あるいは特に東北地方なんかは、元をいえば市町村林であったものが没収されて国有林になっている歴史もあるんです。そういうものを努めて返してもらうようにしなければ、財源というものはいつまでたったっても借りたままです。さらに物的条件をどう整えたところで、もう一つの人的条件というものを整えなければ辺地の振興はできないと思うのです。たとえば新潟、長野なんかでは冬季どういうふうにして学校が経営されていますか。――その補助教員というのはありませんよ。さらに小さい十戸なり二十戸なりというところに分散されて、もう学校でない教室で、教員の資格のない先生で授業をしているような状態でしょう。こういう問題が解決されなければ、人的な解決がなければ、ほんとうの意味の辺地の教育は引き上がらない。奄美大島の例が出ましたが、医者はどうして求めているか。行き手がないのです。で、鹿児島県では特別な、法令にない手当をつけて医者をやってるんです。しかし、子供を教育するには条件が惑いから、長居はしませんよ。さっさと本土のほうへ帰ってきてしまう。どんなに僻地振興をやったって、人的条件、人材がそこに踏みとどまってそれぞれの公務に精励するような条件というのを整えなければどうにもならない。この点、財政局長どうですか。奄美だけでもいいですよ。奄美では、鹿児島は内地と奄美と俸給を別にしてますね。しかし、俸給を別にいたしましても、これは交付税なりその他の積算で財源はそれだけ見ていますか。あるいは奄美の医者とか教員とかその他の公務員とかが、一応奄美に希望を持って公務に精励できるような給与条件というもののために交付税の算定基礎が変わっていますか。
○政府委員(奥野誠亮君) 先ほどちょっと申しましたように、府県の基準財政需要額につきましては、僻地補正はやっているわけでございます。これが十分であるか、十分でないか、御議論があろうかと思います。今後も十分検討して参りたいと思います。
 なおまた僻地教育の関係で、たとえば冬季期間だけ寄宿舎に収容する、その寄宿舎を作るというふうな例もあろうかと思います。そういう場合に、そういう分教場に先生を確保するというような問題、これは私は府県が市町村の総合整備計画に協力して作るべき自分の措置だと、こう思うわけでございまして、そういうような個々の問題につきまして、府県の協力が十分であるか、十分でないか、そういう点も総合整備計画の提出を受けます場合には、慎重に検討していきたい。そうしてまた親切に世話をやいていくように努力していきたいと思っております。
○加瀬完君 文部政務次官ね、補助教員のワクは、こういったような私の指摘したようなものを新しくつけ加える御意思がございますか。
○政府委員(長谷川峻君) 負担金の問題などもありますので、だんだんに考えていきたいと思っております。
○加瀬完君 これも小笠原委員が指摘したことを重ねて言うのですが、本法の適用地域の指定というものを、町村にやらしてもできませんよ。できないというのは言葉が言い過ぎだが、できない地域が生まれてきますよ。なぜならば、僻地というのは、大体町村合併のときに両方の勢力の接点になったところだ。それがその部落の急患に反して合併されているようなところがある。そうして合併した現市町村は、あいつはこっちへ来るのを反対したところだというので、ほかの部落の反対意識が、反抗意識が非常に強い。この地域に何かしようと思っても、おれのほうへ来るのに反対したところをやる必要はないというので、小笠原委員の指摘のように、町村議会が必ずしもスムーズにいかないような場面ができる。こういうところがたくさんある、僻地には。そこで、どうしてもやはりこれは県で一応候補地を指定して、そうして指定された候補地に町村が積極的に本法適用に必要な予算措置その他の行政措置をする、行政指導するということにしていただかなければ、これはなかなか本法を適用するために問題が起こる地域ができると思いますが、行政局長、いかがですか。
○政府委員(奥野誠亮君) 先ほども申しましたように、自治省といたしましては、できる限り市町村が自主的に僻地性の解消に努力をしていくというような態勢を作っていきたい、こう思っております。しかし、加瀬さんが御指摘になりましたような場合もあり得るかと思うのでございまして、そういうことも考えまして、第七条に、自治大臣が辺地を包括する市町村に対して助言できる規定を設け、また、この権限を県知事に委任できる規定を置いているのでございまして、必要があればこの規定を活用をいたしたいと思います。
○加瀬完君 それから、今までの僻地のいろいろの補助策に本法がさらに加算されていくという御説明でありましたが、たとえば文部省の僻地補助をもらっているところには、本法がさらにそれに援助をするというか、加わっていくでしょう。こういう建前ですけれども、実際は、お前のほうは文部省の補助をもらったんだからこれでがまんしろ、こっちへやれということで、要求がたくさんある。しかし、補助の適用地域というのは限定されるということになりますと、総花的にやる形で、項目は一つ一つずつで、二つの補助金が重なるということがなくなってくる心配がないか。
○政府委員(奥野誠亮君) それを私たちは避けたいと考えているわけでございます。そういう意味でまた総合整備計画という建前をとっているわけでございます。
○委員長(小林武治君) まだだいぶありますか。
○加瀬完君 二分。避けたくてもそれは県とすれば要求がたくさんあって補助項目が少なければ、これは分配をするような方式になってくると思う。この点をひとつ留意していただきたいと思います。
 それから委員長が急いでいるようですから協力しまして、前号に掲げたもののほか、政令で定める施設というものは、どうしても一般的なものが取り上げられますね。しかし、その地域によっては、一般性がなくても不可欠なものもありますね。ですから、政令で定める施設または自治省の認可する施設というふうなワクを広げてもらえれば、先ほどの小笠原委員の指摘したような問題は全部含まれる、この点をひとつ考慮していただきたい。
 以上です。
○委員長(小林武治君) これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林武治君) 御異議ないものと認めます。これより討論に入ります。
 御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林武治君) 御異議ないと認めます。
 これより採決に入ります。
 辺地に係る公共的施設の総合整備のための財政上の特別措置等に関する法律案を問題に供します。
 本案を衆議院送付案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
○委員長(小林武治君) 全会一致でございます。よって本案は全会一致をもって衆議院送付案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、諸般の手続等につきましては、先例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林武治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
 午前はこの程度とし、午後二時まで休憩いたします。
   午後一時十二分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時三十二分再開
○委員長(小林武治君) 休憩前に引き続き、委員会を再会いたします。
 地方公務員共済組合法案及び地方公務員共済組合法の長期給付に関する施行法案の両案を議題といたします。
○矢嶋三義君 前回に引き続き、前回の質疑方針に基づいて十四、五分質疑さしていただきます。
 先般は、この法案のわが国における社会保障政策における位置づけという角度から、アウトラインを把握する角度から質疑して参ったわけですが、しさいなる内容にわたってはまだ質疑段階に入ってないわけですが、その角度からもう二項目伺って、私の第一読会的な質疑を終わりたいと思うのです。
 内容に入る前に、先般要求した資料が出ましたが、常々私は注意するのですけれども、この資料に日付を入れないでまた出しているのですが、自治省の官房長おられますか。国会に資料を出す場合は、ぜひ官庁名と何年何月何日付というのが入ってなかったならば、現在においても、将来においても、資料の価値がないわけです。常々僕は御注意申し上げているのですが、きょう出された資料の中にも年月日の入ってないのがありますが、今後御注意いただきたいと思います。お答えいただきます。
○政府委員(佐久間彊君) ただいま御指摘いただきました点は、今後十分注意いたします。
○秋山長造君 文部省へこの間お願いした男女の資料……。
○説明員(清水成之君) 自治省の中へ一括して学校穂別と男女別のあれは入れてあります。
○矢嶋三義君 今秋山委員から言われたのも、これも日付が入ってないのだが、自治省と書いてあるが、文部省でこしらえた数字か、文部省で出した数字なら、自治省と文部省というのを並べてもらわぬと、後日の、文部省を追及する場合に困るわけだが、これは責任官庁どこですか。
○説明員(清水成之君) この数字につきましては、文部省のほうで調べました数字を自治省のほうへ送りまして、一括資料にしていただいたのであります。
○矢嶋三義君 時間がないからくどいことを申しませんが、そういう場合には、自治省の官房長お見えになっていないが、資料を出す場合には、文部省提供によるとかなんとかそういうことを書いておかないと、現在、将来にわたって資料の活用の仕方があるのですから、あらためて御注意申し上げておきます。
 そこで次官がおいでになるそうですから、大臣にかわって政務次官に伺いますが、先般もアウトラインをつかむ場合に、この法案いろいろの問題がある。しかし、これだけまとめてきたのにはずいぶん苦労したろうとその労を多としたわけです。しかし、問題点の中で一つ一番大きな問題として指摘されるのは、減額年金制度だと思う。御承知のとおり、人事院勧告には、五十五才以前に支給する場合には、現行恩給法の若年停止のほうでいったらいいだろうという勧告があったわけです。ところが、このたびは五十五才以前に退職した人に対して、御承知のように一年について四%の減額年金を支給する。先般もあなたお見えになっていなかったかもしらぬが、研究してくれるようにげたを預けたわけですけれども、たとえば、女教師は大学を二十二、三で卒業する。結婚してお子さんができる。せめて恩給、年金のつくまで勤めましょう、夫婦協議して大体二十年間勤めておおむね退職される、これは家庭のために、子供のために。大体それが四十二、三才。そうすると五十五才までは約十二年あるわけですね。一年に四%減額すると四八%減額される。こういう年金制度があっても、その年金制度の約半額しか死ぬまでに受けられない。今の恩給制度だったら若年停止で五十才までは五割減、五十才から五十五才までは三割、五十五才になれば満額いただけるようになっている。これでいけば、そういう女子公務員というものは死ぬるまでそういう年金制度において年金の半分しかいただけないわけですね。これはおかしいじゃないか、人事院勧告に反するじゃないか、この法案の問題点の最たるものだ、文部大臣は何をしておったかということをこの前伺ったわけです。きょうは文部大臣のお答えを受けることになっているのですが、あなた方、自治省の担当者に答弁させると、国家公務員云々と、こういうことで答弁される。各省庁の大臣なんか、こんなものは問題にしないですよ。二十年間勤める女子公務員なんかそんなにたくさんおりはしないのだ、地方公務員だって、県段階で、市町村でも一般職の公務員で該当者がないわけです。ただ教育公務員に限って多い。秋山委員の要求に基づいて、女子公務員は二十四万九千ある。しかも、学校教育の場合に、結婚した人、子供のある女子教育公務員がいななければ教育はできないのですね。こういう形というのは他の省庁にはないですよ。だから、こういう原案が閣議に出てきた場合には、こういう女子公務員をかかえている文部省とか文部大臣として何らか発言があり、人事院勧告にも、恩給法に準じた若年停止が適当だろうというのがあるのだから、そういうふうにしてこの法案を出すべきではなかったか。その点で、やはりこれは所管は自治省であるが、文部省としても十分できなかったではないか、文部大臣としても少し関心が足らなかったじゃないか、だから、この点政府部内でさらに協議して、そうしておいで願いたいということだったのです。僕はただ責任を追及するというのじゃない、よりよくしなければならぬから。このままではそういう当事者を納得させることができないですよ、だれが考えても。政務次官、きょうのところ大臣にかわってお答えいただきたいのだが、どういうふうにお考えになっておられるのか。僕は再検討してもらいたいと思う。国家公務員がそうなっているから、国家公務員共済組合がそうなっているから、地方公務員共済組合もそうしたのだと、そんな答弁では了承しません。これからこれが云々になれば、閣議にも上がるとか下がるとか、そんなことは了承しませんよ。国家公務員が四四%、昭和三十三年に国家公務員共済組合法が出た。三十四年に非現業への拡大というので一部改正が出てきた。僕は当時の内閣委員会で両法案とも審議したのですが、その当時から四四という数字にはクエスチョン・マークがついていたのです。この前もちょっと申したように、四四じゃ高いのじゃないか、これは保険数理から来たんだ、国家公務員共済組合法がそうだから地方公務員もそうだ、地方公務員の構成と国家公務員の構成と違うんだから、国家公務員共済組合法の場合の四四がクエスチョン・マークがついていたから、だから、そのまま地方公務員の共済組合も四四でなくちゃならぬということは出てこないと思う。そして、これは国家公務員共済組合は五年たてば再検討するようになっている。保険数理から手直しすることになっている。だから、四四が高くなるのか、安くなるのか、今のような減額年金制度をしたらどうなるかということは、本日すぐ言えるものじゃないですよ。四四よりは高くなる、だから、減額年金制度が、国家公務員共済組合もそうだからこれは当たらないんだ、そういう答弁では僕は了承しませんよ。それからまた、男女平等であるというようなことをよく言われる。ところが、現実問題として、地方に行ってみますと、男子の教員と女子の教員は退職年令が違っていますよ。県によると給与さえ違っていますよ。だから、憲法上で男女平等なんというのをここへ移してきて、男女平等だから云々、そんなことは了承しませんよ。だから、ここまで来ると答弁のしようがないと思う。ただ、残る答弁の方法としては、確かに指摘されるとそのとおりで、文部省としても指摘されてみてなるほどと思っている、それで、部内でひとつ大臣とも相談して、閣内でも早急に検討してみましょう、こういう答弁をするようにあなたが決意されたものと顔色で拝察されるのですが、それ以外に答弁の仕方はないと思う。そういう答弁の仕方いかんによって、この法案の今後の見通しなり占いを僕はしたいと思っているが、お答えいただきたい。僕は近ごろは無理なことは言わないですからね。
○政府委員(長谷川峻君) 矢嶋さん、大体全部おわかりのようでありますけれども、大事なことでありますから、私のほうも原則論を申し上げておきます。というのは、文部大臣が閣議で一体どういうふうであったかということでありますが、私も文部省におります関係上、閣議の模様などもお伺いしておりますし、さらにまた、これだけ重要な法案でありますから、扱いなどについても経過を伺っておりますので、前回あなたがここで御質問された本質並びにニュアンスそのものについてはわかりませんけれども、大体今のお話で筋だけはわかりますので、お答えしたいと思います。
 今回の御承知のような地方公務員に関する新退職年金制度は、画期的な年金制度の改正でありますので、若年停止の問題をも含めて、数年来事務当局において慎重に検討してきたことであります。しかして、最終的に恩給制度のような若年停止をとらなかったのは、今回の新退職年金制度が保険数理に基づくものでありまして、かりに恩給制度のような若年制をとるとすれば、さらに相当程度の掛金が上がることともなりますので、国家公務員の共済制度、公共企業体職員等の共済制度などと同様に、男女の別なく、減額退職年金制度をとることといたした次第であります。これは、このたびの新退職年金制度が共済制度に基づくものであり、しかも、その中身が全面的に国家公務員共済組合法のそれに準じております以上、やむを得ないことと思いまして、閣議においても特に文部大臣が了承して参ったような次第であります。しかし、経過措置といたしまして、施行日前の恩給公務員の期間にかかる部分については、従前どおり恩給方式の若年停止制をとることとし、既得権の尊重に努めたつもりでありますことを御了承願っておきます。
○矢嶋三義君 そこまでは、羽織はかま着たところだけれども、これからがあなたのほんとうの答弁なんです。さっき僕はるる申し述べたわけですが、政務次官として、また政治家としてのあなたの御見解を承りたい。今プリントしたものを読んだだけでは、一応型を作ったわけで、これからがあなたの御所見だと思いますので、承りたいと思います。そんな答弁では問題にならぬですよ。お答えをいただきたいと思います。
○政府委員(長谷川峻君) はかま羽織着たと言われますけれども、大事なところははかま羽織を着て威儀を正していかなければならないと思いますので、これが文部省としての原則論でありまして、雑談の中には、いろいろ廊下で話が出るかもしれませんけれども、やはり大事な委員会でありますし、この法案の建前上こういうふうに解釈して参っておりますことを御了承願います。
○矢嶋三義君 自治大臣お見えになっていないが、行政局長、自治大臣にも伝えていただきたいと思いますが、これらの法案に対する態度というものはもちろん党議できめますが、私個人は、今のような答弁であったら、この法案は成立させることはできないと思います。三月一日付の社会保障制度審議会も、前回私がちょっと質問しましたように、あの程度の答申しかしてないわけです。それから党議で正式にきまっていないが、方向としては、この前も申し上げたように、女子教員に対する減額年金にこんなものをやっておきながら、世界のどの国にもないような、地方団体で議員の年金制度を公費負担の形で地方公務員の年金制度の中に入れてくる、こんな立法技術なんというものはどこの国にもないです。それ自体でも立法技術上としては問題があると思います。何も地方議員を優遇するというのに反対というのじゃないけれども、いやしくも一国の国権の最高機関における立法府としての見識からいって、僕は個人として問題点があると思う。そうしておいて、一方主体であるべき地方公務員、しかも、文部省が所管している点については、特殊性としてそういう女子公務員が三十万近くもいる。それに対して全く配慮していないこういう減額年金制度の法律を通せなんと言っても、これは党議できめるが、党議で通すことになれば、僕は党員の一人として賛成するけれども、少なくとも政治家矢嶋個人としてはこういうずさんなことでは通すわけにいかないと思う。これは現時点における僕の考えです。だからこの前から申し上げている。この点は早急にしなければならないので、一応政務次官はそういう答弁をされましたけれども、文部大臣にも報告していただき、それから自治省の政府委員も自治大臣に報告していただいて、次回の委員会までに、われわれ立法府の委員会は委員会でお互いに協議して参りますが、行政府のほうでも、ともかくこういう意見があったということを話題にして、結果はいかようになるかわからぬが、検討考慮をしていただきたいと思います。この点を約束していただけますか、お答えいただきたい。
○政府委員(佐久間彊君) ただいま矢嶋先生のおっしゃいました点は、よく大臣にお伝えをいたしまして、御相談いたします。
○政府委員(長谷川峻君) きょう委員会で出ました内容については、それぞれ私のほうの所管大臣に報告することにいたします。
○矢嶋三義君 あと、消防庁長官に一、二伺って、きょうは質問を終わりますが、この法案の生みの親は、現消防庁長官と事務的には申していいかと思います。あなたが前任の行政局長時代に苦労して手がけて作った法案だと思いますが、でき上がった法案について、あなたが手がけた当時よりはいかように前進し、後退したように御認識になっておられるか。現在所管責任政府委員ではないんですが、御感想を承っておきたいと思う。
○政府委員(藤井貞夫君) 問題が非常に多方面に影響する複雑な問題であり、また困難な問題でありまするために、この法案を作成いたしまする過程においても、いろいろ苦心をいたしましたことは事実でございます。ただ根本的には、退職年金制度というものを現状のままでは放置できない段階に来ておる。特に国家公務員について新制度が施行されてしまった今日におきましては、それとの対応において、地方公務員についても新しい年金制度を確立しなければならぬという時期に来ておったと思うのでありまして、その線に向かっていろいろやって参っておったのであります。その骨子は、地方制度調査会の答申に基づいておりまするし、また、地方の実態というものに即応しつつ、国家公務員との均衡というものを骨子にして考えていかなければならぬという大きな一つのワクがあったと思うのであります。で、個々のいろんな点につきましては、私が職を去りまして以後もいろいろ紆余曲折等がございまして、落ちつきましたところは、私がおりましたときと若干変わったところもございます。その点、ちょっと具体的には申し上げかねますが、私がおりましたときよりも前進したものもございますし、若干その後のいろんな情勢の変化で、後退と言っては言葉が悪いかもしれませんが、実情に応じた改変が行なわれた面もあろうかと存じております。しかしながら、全体といたしましては、先刻申し上げました本筋に従いまして、本法案の作成ができ上がっておるものというふうに、私といたしましては考えておる次第でございます。
○矢嶋三義君 消防庁は当委員会の所管でありますが、きょうの委員会は共済組合法を審議する時間ですから、私は消防庁関係のことについて伺いたいことがありますが、多く伺いませんけれども、ただ一言前置きとして聞いていただきたいことは、消防庁の施設設備というのは消防力基準の五割程度しか今ないわけですね。貧弱なものなんです。で、財政力の弱い自治体ほど貧弱なんですね。そうして年々歳々火事をやっているわけだね。焼いているわけです。それで家を建てては焼く、焼いてはまた建てるというのが、僕は日本民族の姿だと思っているわけですよ。それで、あなたが長官になってよかったと思ったら、最近非常に火事が多いんですね。(笑声)まああなたのせいじゃないと思うんだけれども、とにかく火事が多い。で、少しメスを入れてみると、常備消防もさることながら、地方団体の消防団員なんかいうのは減る一方だというんですね。確保に非常に苦労しているということ。これでは困ったものだと僕は常々思っているわけですよ。だから、この法案に関係あることとして、常備消防にしても、消防団にしても、みんな快くそういう仕事を引き受けてくれるような雰囲気を作って、そして報奨もするということが大事だと。日本のようなこんな気象の激変するところで、建築様式から申しましても、それによって富の損失も免れるし、火災等で生命を落とすというようなことも少なくなるわけで、これは非常に大事な施策だと思っているんですね。そういう意味で、僕はやはり優遇しなきゃならぬということを常々考えている一人なんですよ。で、この法案審議にあたって、審議会等の答申を見ますと、消防関係の職員については、警察あるいは自衛隊の職員、それと同等あるいはそれに準じて、若干優遇的な特殊扱いをするのが適当だということで答申もあっているわけですね、勧告等が。ところが、この内容を見ると、自衛隊とか、警察に比して、消防庁はそうなってないですね。それで、僕はこの法案の起案過程において不思議だなと思って、自治省に行ってプライベートに話したことがあるのですよ。そうしたら、そのときに自治省当局は、いや、それは消防庁の希望でこうなったのだということをちょっと耳にはさんだのですがね。それで、ちょっと僕は納得できないので、どういう事情なのか、消防庁としては、長官としてはこれで満足されているのかどうか。本格的審議に入る前に一応伺っておきたいと思ってきょうおいで願ったのですが、お答えいただきたい。
○政府委員(藤井貞夫君) 消防体制の強化、なかんずく物的、人的の消防力の強化というものをはかって参らなければならぬ、今の現状ではまことに貧弱であるということについての御指摘は、私もそのとおりだと思っております。物的施設にいたしましても、基準から申して半分程度しかなお充足を見ていない。人的の面にいたしましても、なお不十分でございます。それ以上に、最近の社会経済情勢の変化に伴いまして、日に日に消防団の組織、機能というものが非常に劣弱化しつつある、これも事実でございまして、これらを総合的に勘案をいたしまして、もっと一歩、数歩前進して、強力な体制を整えてもらわなければならぬ時期に来ておると思います。私といたしましても、これらの点を勘案しながら、できるだけ検討いたしまして、すみやかに対策を強化するために努力をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
 第二の点でございますが、消防職員について一般の職員とは違った退職年金上の取り扱いをすることが適当ではないかということにつきましては、御指摘もございましたように、地方制度調査会においてもそのような意見の御答申があったわけでございます。ただ、その後いろいろ消防の当局とも、これは私行政局長時代でございますが、消防当局とも相談をし、接触を保ち、検討をいたしてきたのでございますけれども、消防自体といたしましても種々検討した結果一般職員と特別に異なった制度を設けるまでのことはないではないかというような結論が出ておったことは、これは事実でございます。と申しますのは、一つは根本論といたしまして、こういう年金制度というものは、やはり職務の特殊性でどうしても別個のものにしなけばならぬという理由のあるものは、むろんその特殊事情に基づいて考えて参らなければなりませんけれども、できるだけやはり統一された、簡素の形の、あまり複雑多岐にわたらない、そういうことが理想的な形態であろうと思うのであります。そういう一般の原則論と、それから次に、消防の職員は、これは御承知のように自治体消防の建前から、市町村の職員がすべてでございますが、これらの消防職員の実態を見て参りますると、最近特に一般職員との間の交流というものも随時行なわれておるようであります。むろんほかの部局相互間のようにひんぱんではございませんですけれども、しかし、一般部局との間の交流というものも行なわれておるのが現実でございます。この交流は、それ自体は私は悪いことではない、むろん専門的に事柄を徹しなければならぬという点はございますけれども、最近のような消防行政の推移を見まするに、予防行政その他の行政の分野がだんだん重きを加えつつあるという現況になって参りますると、やはり視野を広くしていく、あるいは他の行政一般との関連も身につけておるというような人も消防に入ってくる、また消防の経験知識を持った人が他の行政にも参って防災的な見地から各省の仕事を推進していくというようなことも、これはあながち悪いことではないのではないか、場合によっては好ましいこともあり得るのではないかということも考えられるであります。そういたしますると、交流ということになりますると、やはり同じ制度にして参りまするほうがその点は円滑に参るというような点でございます。それと消防自体としても当時いろいろ検討いたしました結果、現実の在職年限の趨勢その他から見まして、必ずしも年金年限について短縮をしなくても、普通一般のもので差しつかえがないのではないかというようなことを、いろいろ具体的な例に徴し、全国的にも意見を聞いて、意見をまとめまして、結論的に申して、一般職員と同一の制度でやってよろしいということに相なってきたものと承知をいたしておるのであります。そういうような状況でございますので、行政局も、当時の消防の意向といたしましてそれでいいということで立案をいたした経過がございまするし、なお今日私消防の観点から見ましても、これに対して強い異議、反対というような声は聞いておりません。これでむしろけっこうではないかというような全般の空気でございますので、このような制度ということに踏み切ったわけでございます。しかしながら、これについては従来のやはり特例もございまするから、それらの点につきましては、一時金といたしましての退職手当等については、一般職員よりも優遇の措置を講ずるというような点につきまして、行政局ともよく連絡をとりながら処遇の改善ということについては遺憾のない措置を講じて参る所存でございます。
○矢嶋三義君 時間がないから、もう僕は質疑応答を繰り返しませんですが、僕の推測するところでは、在職年金年限を短かくすれば、それだけ掛金がまたふえるだろうと、そこらあたりが一番僕はこわかったのではないかと思うのですよ。それとやはり人事交流ということも考えているでしょう。しかし人事交流の面で優遇しようとすれば、たとえば警察共済組合は、国家公務員である。警察庁の諸君がこれは地方公務員である警察職員と一緒にやっておるわけだから、それで国庫負担分を移しかえるようにしている。そして本庁の警察職員は地方の本部長なんかに転任して行き来してやっているわけですから、そのつど移しかえられているわけだから、そういうことを合わせ考えれば、人事交流その他で支障はないわけで、まあ掛金が現在の四四になった、これ以上ふえてはという懸念があったと僕は推測しているのですが、ああいう調査会の答申の線から、優遇しようと思えば、技術的には私は操作の方法はあったと思うのです。いずれにしても、そういうふうにして優秀な人を確保して、大いに職務を百パーセント果たしていただかぬと、これは土建屋さんや、場合によっては建築屋さんを喜ばすかもしらぬけれども、あんなに焼けては、そして近ごろの火事というのは、あると必ず人命を失っているのですね。こんな国って私はよそにはないと思うのです。正確な統計はとってないけれども、そういう点で関心を持っているから伺ったのですが、あなたの消防庁を代表しての長官の意向はわかりましたから、それを参考にして審議して参りたいと思います。
 それで自治大臣に二点だけこれから伺っておきますが、さっき消防庁長官が答弁した第一点については、所管大臣としてはそういう御認識に立ち反省を持たれているかどうか、ちょうどいい機会ですから、簡単にお答えおき願いたいと思います。
○国務大臣(安井謙君) これはたしか矢嶋委員でしたかどうか、予算委員会でも私質問をいただいたことがあったと思います。現在のこの施設整備につきましては、まだ消防の標準から見てはなはだ足らないということは十分痛感しております。漸次これは年を追うとともに整備していきたいと思います。それから人間につきましても、いろいろ今御指摘のような問題がございます。幸い、団員なり職員の数自身は、今のところ十分な人間は確保しておりますが、まだ質的にも今後向上する必要があると思います。幸い、非常に新進気鋭の長官ができたわけでございまして、大いに刷新向上をはかって参りたいと思います。
○矢嶋三義君 最後の質問ですが、自治大臣、先日、本法施行に伴って――公布施行された暁においては、四十一条に基づいて退職手当制度の整備が地方団体においてなされなければならないことになっておるが、その基準というものはどういうものか、資料として参考に出すようにと要請しましたところ、本日、地方公務員退職手当支給金についての資料が出ておりますね。そこであらためて伺っておきたいのですが、それは、この四十一条に基づいて地方団体に助言、指導をなし、必ず地方団体においてこれの内容の退職条例ができる、それからそれに所要の財源措置は、先般もちょっと答弁の中に出ておりましたが、地方財政計画の中に計上されていると、その点については、この法案の担当大臣として責任を持つと、こういうことと確認してよろしいかどうか承って、きょうのところは、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(安井謙君) 財政措置につきましては、もうすでにいたしております。御提出しました趣旨について十分実現できるように指導していくことができると思っております。
○山本伊三郎君 それでは、これから私は地方公務員共済組合法に関して、逐次質問していきたいと思います。
 この法案が立法される過程で、自治省はいろいろ自治省なりに努力されたことは一応前提として認めますが、なお、その努力があっても、本質的にわれわれは、わが党は反対せざるを得ない、納得のでき得ない点が多々あります。それを逐次これから具体的な、しかも数字を示して自治省当局に答弁を求めたいと思うのです。
 なお、これはいやなことでありますが、この法案審議に出された自治省の参考資料を見まして、どうも自治省でこの種年金制度、社会保険制度についての取り扱いは無理ではないかという気持を実は持っているのです。
 本日ようやく若干基礎的数字のデータが出て参りましたが、しかし、これとても全くしろうとに見せる程度の資料であって、社会労働なり内閣委員会でわれわれが検討した際における資料から見ると、全くなっておらない。したがって、これは後ほど資料を要求いたしますが、その感を深く私はしたのです。
  〔委員長退席、理事増原恵吉君着席〕
 この種いわゆる年金制度、いわゆる社会保険システムによる立法というものは、もちろんこの条文に対していろいろ問題点もあります。で、議論も出てくるでしょう。しかし、やはり問題は、保険数理というものが根本になってきていると思う。この点について私はきわめて不満を持っておりますが、これは後ほど徐々に明らかにしていきたい。
 先ほど矢嶋委員から、いろいろ若年停止の、いわゆる財源の問題が出ておりましたけれども、これは相当原資がふえるということだけであって、しからば若干停止をした場合にどれだけの原資が保険数理の上から出るかということは、答弁もそういう点明らかでない。そういう点もまず明らかにしていただきたいと思います。まず最初に、そういうものの結論に到達するまでの前提として、自治省の考え方をひとつ明らかにしていただきたいと思う。
 この公務員の共済制度、これがわが国にできたのが、最初、戦後国鉄を初め三公社のいわゆる共済制度、それから三十四年の国家公務員の共済制度ということになるわけでありますが、まあその前世にはいろいろ問題があったと思うのです。もちろん、公務員の位置づけも新憲法で変わったんですから、当然こういう今までの恩給という制度については問題のあることも、われわれは承知しております。しかし、承知をしておるけれども、やはり公務員には公務員としての特殊な立場があるということ、まあそういうことをるる言われ、初めてこの問題が出たのは昭和二十五年、当時は占領当時でしたが、最高司令部の嘱託としてマイヤー氏が参られまして、それが政府に対して勧告をしておられます。それが政府の考え方の一つの基準になっておると思うのです。したがって、まず冒頭に、自治大臣でもよろしいし、専門家の方でもよろしいから、いわゆるマイヤー氏の勧告の趣旨、これは膨大なものでありますから、そんなものを言ってもらうということになると、二時間も三時間もかかりますが、その精髄の退職年金制度に関する問題だけを、あなた方の理解の仕方をただすために、まずその点を御説明願いたいと思います。
○政府委員(佐久間彊君) マイヤー氏の勧告につきましては、ただいま手元に資料を持って参りませんでしたので、恐縮でございますが、次回に御答弁いたしたいと思います。
○山本伊三郎君 これは、まあ佐久間さんには非常にお気の毒だと思うのです。藤井さんは帰ってしまったですね。この問題が非常に問題になっておる過程に就任されて、そういうことをお聞きすることは、何か意地悪いように思われるが、問題のこの年金制度の本質は、やはり討論、質問、討議をする過程においては、どうしてもこれが問題になってこざるを得ないのです。先ほど矢嶋委員から、教師の婦人の方々の問題、あるいは消防、警察の問題も出ておりましたが、やはりそこに一つの関連を持ってきているのです。
 そうすると、局長はそういう資料はないと言われますが、その資料を持って説明するということでなくして、根本にそういう考え方を把握して、この年金制度の立法をやらなければ、いわゆるその国家公務員のできているやつのあの条文を参照して、若干手直ししたという程度では、私は国家公務員と地方公務員の実態と違うし、そういう点において、そういうものを理解した上で、これが立法に踏み切られたと、私はそう理解しているのです。したがって、個人的には、まあそういう点は、今まで自治省にいろいろ関係を持っておったから、私は聞かなかったのですが、三年の間補助金の問題でこれが非常にペンディングになっておったのですが、その過程で私は、よほどそういう点も検討されておるのだ、こういう見方でおったのですが、これは資料の問題でなくして、どういう考え方で恩給制度から共済制度に切りかえる方向に向いておるのか。この把握の仕方が私は大事だと思うのですが、松浦課長、どうですか。
○説明員(松浦功君) マイヤー氏の勧告につきましては、私どもも十分まだ勉強をいたしておりません。と申しますのは、考え方自身につきましては、ただいま山本委員が御発言になられましたように、恩給制度から共済制度に切りかえるという基本的な考え方については、いろいろ検討もいたしましたけれども、何分にもマイヤー氏の勧告は膨大なものでございますので、国庫補助その他の問題に関係する点に追われておりましたこともございまして、十分内容を一括してのみ込むまでに至っておりません。至急検討いたしまして、次回にお答え申し上げたいと思います。
○山本伊三郎君 まあそれは率直でいいのですが、マイヤー氏が勧告を二十五年に出して、それから人事院が独自の立場から勧告に踏み切って検討して、昭和二十八年に実は人事院が勧告をし、その当時軍人恩給の復活の問題が相当やかましくなったので、年金制度の改革を一時見合わしておったという、その事情ですね。しかし、それは単に――いろいろ複雑な問題があるのです――そういう検討されていないということになると、前へ進むわけにもいかないのだが、一応やはりその点は、将来に残していいのですが、そういう過程を経て人事院が勧告を出された、その当時の事情はおわかりでしょうね。その点だけちょっと聞いておきたい。
○政府委員(佐久間彊君) その当時の事情は大体承知いたしております。
○山本伊三郎君 それじゃちょっとその事情を言ってもらいたい。
○政府委員(佐久間彊君) 国家公務員につきまして、新しい公務員制度の理念に基づきまして国家公務員法が制定されたわけでございますが、その国家公務員法の趣旨を具体化いたしますために、従来の恩給制度に対して、新しい近代的な退職年金制度を作ろうと、こういうことで、人事院がいろいろ検討されて、勧告をされたわけでございまして、それがまあ今日の、その後の公務員制度調査会あるいは地方制度調査会等の答申の中にも、それらがもとになってだんだんと考え方が発展されてきておるように存じております。
○山本伊三郎君 まあ一口に言えば、そういうことになるのですがね。マイヤーズ勧告から人事院が勧告するまでに、純然たる保険システムによるいわゆる社会保険的なこの年金制度にすべきであるか、あるいはやはり公務員という特殊な立場をも加味しての年金制度にすべきであるか、相当論議されておったのです。そういう過程から生まれてきたのが、まず国家公務員共済組合法、三公社――いわゆるこれは法律の名前で言うと公共企業体等職員共済組合法に関しては、若干まあ、過去の歴史の上から見ると、別のやはり考え方もあると思うのですが、国家公務員の非現業に関しては、相当論議があったのですね。そういうものが一応濾過されてきて、地方公務員の共済組合法が出ている。したがって、地方公務員の共済組合法を作る場合には、そういう過程を十分審議、論議した中で、これが出てこなければ、今盛んに関係団体がいろいろまあ問題にしている問題が出てくることは、当然なんですね。で、これは前任者のほうの問題になるかしらぬが、自治省の大臣もしょっちゅうかわられるし、局長もかわられるし、課長もかわっておられるから、こういうことは無理かもしれないが、最初これが発案されたときには、補助金の問題はこれだけだったから――内容自体についても、私は相当積極的に、やはりそのときは別な立場で話しておりましたが、権限といいますかね、サゼッションをしておったのですが、出てきたものを見ると、私はもう全く納得ができないものが出ている。冒頭に申しましたように、大臣なり各政府委員の方々が、非常に大蔵省といろいろの関係で、単に補助金の問題以外でも苦労されたことは、私は認めておるのです。しかし、本質に入った場合には、僕はやはり、政府の主要なところにもうすでに押えられたという感じがあるのです。そういうことが、今後の論議の発展の前提がまだちょっとはっきりしないので、進めにくいが、一応それはまた後日に譲りたいと思います。
 次に、第二の問題として、本日ここに資料をもらいましたので、ちょっとわかってきたのですが、地方制度調査会の答申、内容はもう御存じですし、私も知っておりますから、言いません。重要な要素として、最後に附帯決議として、関係団体のいわゆる意見、答申を尊重せよというものが一番最後に入っておる。なるほど、きょうのいわゆる資料によると、いろいろ関係団体を指定して、だいぶいろいろと意見を聞かれたようですが、この種共済組合の関係団体、利害関係の一番密接というよりも、ほとんど九割までその関係の重要な点は、これの組合員になる人の立場であろうと思います。ここに地方公務員関係労働組合会議、これは地公労のことをさしておられると思うのですが、そういう意見があったということはここに出ておるのですが、その意見の聞き方自体が私は問題があるのじゃないかと思うのです。したがって、ここに地方六団体の意見も聞いておられますし、全国市町村職員共済組合の連合会の意見も聞いておられますが、どういう聞き方をしたか、しかもそれをどう取り入れてこられたか、これをひとつまず審議の前提として聞いておきます。
○政府委員(佐久間彊君) 地方公務員関係労働組合会議の御意見は、いろいろございましたが、この意見の表に出ております順に、どう取り入れたかということを申し上げたいと思います。
 二ページに、「組合の経営管理は労使対策の原則により民主的におこなうこと。」ということがございます。
 第一番目は、「自主・自立運営を強化するなかで、中央集権的な主務大臣の権限(監督)を縮少すること。」という点がございます。この点につきましては、私どもといたしましては、監督を必要最小限度にとどめるという方針で検討をして参っております。昨年まで自治省の試案といたしましてごらんをいただいておりましたものにつきましても、さらに今年に入りましてから、地方公務員関係団体の御要望もございましたので、
  〔理事増原恵吉君退席、委員長着席〕
さらに検討を加えた次第でございまして、具体的に申し上げますと、主務大臣の認可事項の整理をいたしたのであります。従来は、定款、予算、決算、運営規則等を主務大臣の認可にかからしめておったのでございますが、ただいま御審議をいただいております案におきましては、定款の変更だけを主務大臣の認可事項といたしまして、予算、決算、運営規則は報告にとどめるというふうに改めて、従来の試案について改めておるのでございます。
 第二番目の「労使対等参加の保障として組合会議員の定数をふやすこと。」、第三番目の「議員ならびに役員の任命制をやめ民主的に選出すること。」、この二つの点につきましては、組合会組織方式にするか、あるいは運営審議会方式にするかという点につきまして、自治省の中間的な試案につきましては、全部組合会組織にするという案も過程において検討をいたしたのでございますが、この点につきましては、政府部内の各方面と折衝検討いたしまして、また最終的な段階におきまして、ただいま法案になっておりますように、三共済につきましては、従来どおり運営審議会方式による。その他の地方の関係の組合につきましては、組合会方式によるということに相なったわけでございます。運営審議会方式によります場合にいたしましても、その運用につきましては、できるだけこの御要望の御趣旨に沿うように将来配意はして参りたいと、かように考えているわけでございます。
 それから次に、次のページでございますが、一番上に「資金運用については中央管理(大蔵省資金運用部)を排除し、労働者への福祉還元をはかること。」という御意見でございますが、この点につきましては、私どもといたしましては、できるだけ御要望に沿い得るように最善の努力をいたしたわけでございます。この点につきましては、その他地方の各団体からも強い御要望のあった点でございまするが、考え方といたしましては、原則として大蔵省の資金運用部に預託をすることをいたしませんで、職員の福祉の向上及び地方公共団体の行政目的の実現のために還元をするという方針で、法案もそのとおりなことを明記をいたすことにいたし、なお運用の方針につきましても、関係省とそういうような話し合いをいたしておるわけでございます。ただ例外的に、国庫から給与につきまして資金が、旧年金につきまして金が出ております国家公務員あるいは義務教育職員の関係の分につきましては、一部資金運用部に預託をするということにいたし、そのほかは職員の福祉と関係地方公共団体の行政目的の実現に資するように還元をいたそう、こういうことにいたした次第でございます。
 次は、そのページのまん中から下のところでありますが、「給付内容を拡充し、既得権を完全に保障すること。」、「組合員の範囲についていわゆる臨時職員にも適用する等拡充すること。」とございますが、この一番の点につきましては、これはいわゆる臨時職員で、御承知のように、定数家が問題とされております臨時職員となっておりますが、勤務の内容が常勤的なものにつきましては、これは適用の対象といたしておりますが、職務の内容自体が本来臨時的なものであるというものにつきましては、これは適用の対象外にいたしておるわけでございます。
 次の「年金受給資格の取得についてとくに既得権及び切替措置に関連して次の点を認めること。」、「年限を短縮すること。」、「一時金の資格条件を改善すること。」、「通算による受給資格を認めること。」、これらの点につきましては、「年限を短縮すること。」という内容につきましては、これはまあ国家公務員等の新制度と同様に、一般の場合は二十年ということにいたしておるわけでございます。一時金の資格条件を改善することということにつきましては、これも国家公務員に合わせて一年ということにいたしておるわけでございます。
 それから通算による受給資格、これはほとんど完全にといっていいくらい、御趣旨に沿うて、およそ地方公務員でございまするならば、職種の違い、あるいは吏員、雇用人の身分上の差異、勤務する地方団体の違いにかかわらず、全部通算を認める、さらに国家公務員との通算を認めるということにいたしたわけでございます。
 給付率を引さ上げることという点でございますが、給付率につきましては、国家公務員が従来の恩給制度から新しい退職年金制度に切りかわる際に改善いたしましたと同様の内容の引き上げをいたしたのでございます。給付の計算基礎給料を最終俸給とすること、この点は、御趣旨はあるいは最後の俸給ということでございますが、これは種々検討いたしましたが、国家公務員の場合に、三年間の平均ということにいたしまして、これは国家公務員にならうことが適当であろうということでそのようにいたしておるわけでございます。
 それから次は、減額退職年金制度は、現行の若年停止制を下回らないこと、これは先刻いろいろ御質疑がございまして、いろいろ御意見を伺っておる点でございます。それからなお、この全体につきまして既得権を完全に保障することということがございますが、この既得権の保障という点につきましては、私どももできるだけこの点については配慮いたすことにいたしており、しさいの点につきましては、国家公務員の場合にもなかったような点も、地方公務員の場合については、特に規定をいたしたというふうな点も若干あるわけでございまして、この点につきましては、特に施行法で詳細規定をいたしたわけでございます。
 それから次は、掛金、負担金についてでございまするが、掛金並びに負担率の軽減をはかること、国庫負担を増額すること、使用者負担を増額することという点でございまするが、これは掛金が従来の恩給よりも上がることになるわけでございまするが、この点は恩給方式から保険数理に基づく共済方式に切りかえた、建前が変わったことによりまして、掛金が上がることになるわけでございますが、これはやむを得ないことと考えておるわけでございます。負担金は、これは地方公共団体の負担率の問題かと思いますが、この地方公共団体の負担につきましては、御承知のように、自治省といたしましては、給付の一割の国庫負担ということを要求をいたして、政府部内で折衝いたして参ったわけでございますが、この点は、私どもの希望どおりにはなりませんでしたけれども、先般、本委員会でも御説明申し上げましたように、これにかわる交付税率の引き上げによって地方公共団体にはそのための財源のしわ寄せということがないようにという配慮はいたしたわけでございます。
 次は、追加費用の負担については万全を期し、新組合の資金運用及び地方財政にしわ寄せしないことということがございますが、この追加費用の負担につきましても、これまで立案の過程において御意見を伺ったところにおきましては、これは職員の負担に転嫁されちゃ困るというような御意見を伺っておりましたが、もちろん私どもも追加費用の負担を職員に転嫁するということは絶対に避けるべきであるということで、政府部内で折衝をいたしまして、御審議いただいております法案に規定をいたしておりますように、政令で定めるところによって、国または地方公共団体がこれを負担をしていくということにいたしたわけでございます。大体以上でございます。
○山本伊三郎君 この表に出ておることを説明されたのですが、この表を見ると、なるほど、国家公務員の要するに法律よりも若干の前進を見ておる。比較上の問題としては認めるけれども、本質的には負担金の問題あるいはこの掛金の問題、給付の内容の問題、その他ほんとうの本質的な問題については、これは自治省としては何ら前進していないことを認められておる。これは個々にわたっては、今後具体的にまた法文を参照して質問いたしますが、ただ、こういう意見があった。私も仲介をして自治大臣に数回会って――この地公労の幹部と話し合いをする場を持っておらなかった。しかし、私が考えるのに、これほど重要な法案、明治十七年に文官に対する恩給が制定されて、一世紀にわたる長い間施行されてきた制度を今度根本的に変革しようというような法律案。ただ、この対象が国民年金のような国民全般の問題でないから、それは、国会でも重要法案としてわが党は掲げたけれども、あるいは一般の世論はそこまでいっていないと思いますが、相当大きい内容を含んでおる。そういう変革をする場合ですから、組合の職員の一度会ってもらいたいというような要請だけでなくして、六団体の代表あるいは都市共済組合の代表、あるいはこれに関係のある組合員の代表、こういうもので構成して、この三年間ペンディングの間に、もっとやはり正式に、この審議会ということは無理であっても――審議会はずいぶんあるのだが、そういう措置をとってやられておけば、この法律案がそう国会でも問題にならぬのじゃないかと私は思う。国民健康保険は、いわゆる掛金が税金のような形になっておるわけです。今度の場合は、百八十万の対象の地方公務員から、いわゆる掛金を取るのですから、そのいわゆる担税者、負担者と申しますか、そういう人の意見というものを十分正式の場で自治大臣お聞きになってできないことはおそらくないでしょう。制度が根本的に変わるのだから、それをもう少し――これは方法論ですが、納得する機会があったのですから、そういう機会をなぜ自治省は持たないのか。これは国家公務員の共済組合法を審議した内閣委員会で、今の通産大臣、当時の佐藤大蔵大臣とだいぶ論議しました。しかし、当時の佐藤大蔵大臣は、そういうこともあっただろうが、一応やったんだから、今後掛金については十分話をしようということで別れたまま、岸さんから池田さんにかわってしまって今になっておるのですが、やはりこういうものは、そういう一つの手続と申しますか、そういうものを経ていく必要があったのじゃないかと思う。あなたどうでしょう。あなたは初めからおったのじゃないのですが、ひとつ大臣から……。
○国務大臣(安井謙君) 今も局長から申し上げましたように、相当の期間にわたって練ってきた案でございます。また、その間各種の団体、各方面の御意向も相当のしんしゃくもいたしておるところはあります。ただ基本的には国の年金制度といいますか、共済組合制度をしいたものに準拠してやるという建前をとっておりますので、必ずしも各方面の御要望どおりにはいかなかったことも間々ある。それと今お話のあったように、各方面の意見を参酌して検討を続けてきたことはお認めいただけるだろうと思います。
○山本伊三郎君 こういう総論的なものは早く片づけたいと思いますから、あとでまた具体的に組合の意見など、六団体の意見についても、個々にまた取り上げて法文を参照して質問したいと思います。
 その次に、総括的な問題として、この考え方どうとられるか。それは、長期給付と短期給付とを混淆されたいわゆる地方公務員共済組合法案、さきにできた国家公務員共済組合法、これについては、私は世界の年金制度と短期給付に要する――これはまあ主として災害共済と申しますか、そういうものとはやはり基本的に私は違うと思う。それを同一法律の中にも包含されて運用するということについては、見方によっては若干危険性がある。もちろんこの財源区分については厳格に法律で混淆しないようにしておりますが、やはり御承知のように、健康管理、災害給付というものです。長期と短期という、日本の言葉で表わすと、これはよく似たようですが、その内容、本質から見ると全く違う。それが同一の法律の中に入れられていることについては、政府部内でも、厚生省と自治省の間でちょっと意見が違っておったかに聞いておりますが、それはあなたのほうの問題だから言いませんが、ここに運営上一つの問題が私はあると思う。現在一般民間の労働者では、年金は厚生年金保険法、それから、いわゆる短期給付と称せられるものは健康保険組合法、これによってうまく運用されておる。そういう点について、私はむしろ切り離してやったほうがいいのではないか。今日除外団体で、いろいろ地方の場合に問題が起こっております。国家公務員法の場合はそれがない。それはよほど前からやっておったという経験があるから。それから見ると、国家公務員に準ずるのだということで玉石混淆でこれを立法されたように思うのですが、この点総括的な問題として所信をただしておきたい。
○政府委員(佐久間彊君) 御指摘の点につきましては、年金制度あるいは健康保険制度の根本的な問題としてはどちらがいいかということはいろいろ御意見があるところだと思いまするし、現に政府部内におきましてもいろいろ御意見を拝聴しておったわけでございます。ただ、年金制度あるいは短期給付全体の総合的な制度を作るというようことになりますればともかくでございまするが、まだそこまでいきませんで、ばらばらにこの年金制度あるいは短期給付の制度が今できておる状況でございますので、私ども立案いたします際にも、そういう状況の中では、やはり国家公務員におきまする制度にならうということを基本の方針といたしておりましたので、国家公務員の共済制度にならいまして、長期給付も短期給付も原則として共済組合において行なうということにいたしたわけでございます。ただ、お話にございましたように、地方団体の中では、短期給付につきましては、従来健康保険組合でやっておったところも若干ございますので、そういうものにつきましては、しいてこの際この共済組合に統合するということも必ずしも実情にも合わぬし適当でもないということで、それらの団体につきましては、特に健康保険組合のほうから自分のほうを廃止して共済組合に入りたいという意思表示のありませんものは、従来どおり健康保険組合で短期給付はやっていくというような経過措置を認めたわけでございます。
○山本伊三郎君 いわゆるそういう現在ある健康保険を認めたと言われるが、これは一つの経過的な措置にならざるを得ないと思います。短期給付については、健康保険法ができた昭和の初めから私も関係しておりました。そういう経験上もあるのですが、年金と一緒にしておるというところの弊害というか、いろいろな問題があるのです。私は自治省が管轄するとか厚生省が管轄するとか、そういうことはわれわれは考えておらない。自治省でもいいと思う。短期給付は、これは医療給付、療養給付が主ですから、療養給付というと、地域的に発生率というものが非常にまちまちである。保険的な考え方からいうと、大きく統合することは、経営、運営上はいいかもわからない。しかし、その組合員、被保険者と申しますか、組合員の立場からいうと、必ずしも利害が一致しない。したがって、いわゆる今のような各市町村に認めておる健康保険は認めて、これはもう全部今ないところを認めて、それを連合会という形で指導をいろいろするということもでき得るですね。それを全部この法律の中に短期給付だといって包含されて運用することについては、私は無理が出てくると思う。組合の立場からいって、地域的にやはり疾病率も違いますし、災害率も違う。これを即共済精神に徹してやるということであれば、これはいいかもわからない。しかし、こういう短期給付についてはそこまでまだいっていないと思うのですね。私は、この問題を特に取り上げたというのは、今後の展望として、法律の体系は別にして、あるいは連合会として、公務員の場合で、厚生省でなくて自治省がこれを管理するということもこれはあり得るかもわからない。連合会については管理ということはいけませんけれども、ある程度対象に考えていく、こういう考え方もあるのだけれども、今の法律のように、全部短期給付、長期給付を一緒にするということについては、基本的に私は考えが違うのですが、その点については、今経過的に認めておるけれども、将来はやはりどちらに持っていこうというのが正しいのかというこの所見を聞いておきたい。
○政府委員(佐久間彊君) 短期給付の場合と長期給付の場合は、お話にございましたように、運営上も若干違った問題があり、また違った配慮をしていかなければならぬという点があることは私もそのとおりだと思っております。ただ、従来から御承知のような三共済あるいは市町村職員共済組合では、長期給付、短期給付を一緒にやって参りました。それらの組合が、今度の新制度におきましても相当重要な数の上で部分を占めておりまするし、また職員の福祉のための共済の精神に基づいた共済のための制度という問題、共通した問題もございますので、将来の問題といたしまして、あるいは国家公務員、地方公務員に通ずる国全体の問題としては検討の余地があろうかと思いまするが、さしあたりはこの建前で私どもは参りたいと考えております。
○山本伊三郎君 もう一問題。これだけ聞いておきますが、自治省の皆さん方はそういう考えでおられるかもしれませんが、公立学校の共済組合の運営、公立学校の場合は比較的全国統一した短期給付の運営もこれは考えられる場合もある。職種が統一しておる、そういう点でこれは考えられるのですが、一般地方公務員の場合には、たとえば企業職員もおります。また段階別にいっても、都道府県あり、市あり、町村あり、こういういろいろの状態、また地域別に環境も違う。こういう点から、一括運営ということについては無理がある。都道府県の場合は、地方共済で一応今まで一括しておったが、これも公立学校と同じような考え方もとれると思うんですが、今度の場合、市町村の場合は、これは非常に問題がある。こういう点はよほど考えて将来運営せぬと、いわゆる被保険者、組合員が非常にまた不満を持ってくるし、市町村の理事者自体も、いろいろ問題が出てくると思うんです。したがって私は、まあ希望も、まだ質問の初めですから、そんなこと言いませんが、われわれとしては、健康保険短期給付と長期給付を切り離すべきである。その運営を現在の段階ではやるべきだと思うんですが、そのことについて、もう一回ひとつ、さっきの答弁が繰り返えされるかと思うけれども……。
○政府委員(佐久間彊君) お話のような点もございまするので、この法案におきましては、一般の市町村につきましては、市が独立をして、自分のところだけで都市共済組合というものを作って、単独で運営していってもいいという道を開いておりまするので、御指摘のような、長期給付と短期給付を一緒にやることによりまして、その地方の団体の実情に沿い得ない点ができやせぬかという点は、そういう組合を認めることによりましてだいぶ緩和されるんじゃないかと、こんなふうに考えております。
○山本伊三郎君 そこで、この法律の内容に入るわけじゃないが、大きな問題として総括的に聞いておきたいのですが、国庫負担の問題、まあいろいろこの問題で、大蔵省と自治省の間で過去数年間のいきさつがあって、ようやく今度は、地方交付税という形で〇・一%を取って、それで、地方公共団体に対する地方交付税の形で財源付与をする、まあこういうことです。その場合、この法律の内容を見ますると、長期給付については、負担割合については、いわゆる地方公共団体が百分の五十五、組合員が百分の四十五、これは負担割合ですね。負担率じゃない。短期給付については、百分の五十、百分の五十という折半主義をとっていますね。これはどういうわけですか。
○政府委員(佐久間彊君) 短期給付につきましては、国家公務員の共済組合の場合も折半の建前をとっておりまするし、まあそのほかそういう例も多いようでございまするので、この法案におきましては、折半という建前にいたしたわけであります。ただ、なお付け加えて申し上げますが、従来折半によっておりませんでした国体も若干ございまするので、そういうものにつきましては、急激に変改を加えることも適当でないと思いまするので、経過的にはこの負担割合を認めるという規定もいたしております。
○山本伊三郎君 御存じのように、先ほど長期給付と短期給付の問題で、健康保険にも健康保険というのは、健康保険法によって国の補助金というものははっきりと明示をされておるんですね、したがって、やはりそういうところにも私は影響があると思う。で、これはまあかりに負担割合を変えても地方公共団体の負担になるんですね。政府の補助金というものは出ておらない。そういうことで、目に見えざるところの、この法律は、短期給付の場合でも、組合員の負担加重ということが出てくるんです。したがって、まあ従来健康保険の組合を持っておるところはそれだけ認めるというけれども、立法論として、やはりそういうものは問題があるんじゃなかろうか。ここを私は指摘しておるのですが、したがって私は、やはり政府が法律案を作るような場合には、そういうささいなものを検討して国の補助金負担も考えなくちゃいかぬと思うのです。今度の場合でも、こういう工合に、国の持つ一〇%程度は地方理事者が持つのだから、それでいいじゃないか、本人に持たすのじゃないからいいんじゃないかというけれども、交付税という性格からも問題があるし、実施上も、私はそういう問題が出てくると思うのです。総括的に聞いたのですが、この点自治大臣、どうでございますか。
○国務大臣(安井謙君) これは、たしかお説の御意見は十分あると思いまして、御承知のとおり、建前としては一割補助というものを要求して参ったわけでありますが、今のこれをもうひとつ考えてみれば、必ずしも国が一割補助していない団体もほかにもある。これは絶対の要件じゃないという議論も立ちますし、実際問題として、それを言っておる限り解決ができないという事情もありまして、これはそれよりは財源措置をやっておる。少なくともここ当分これに見合う財源措置はできたというような考え方のもとに、今の交付税制度で考えるということにいたしたわけであります。
○加瀬完君 ちょっと関連。さっき山本委員が指摘した長期給付、短期給付の立て方ですね。それは、山本委員の指摘したような点も便法として設けておるということではなくて、山本委員の主張のような点を建前として入れなかったのはどういうわけなのか、これが一点。
 それから、国家公務員の場合にならってという説明では私どもは納得できない。国家公務員の場合に、それがいいという理由があるだろうから、どういう理由によって、どういういい点があってその例を取り上げたのか。これは、とるべき参考資料というのは、国家公務員の問題だけでなくて、いろいろ勧告やそれから答申も出ておるのですから、それから今までの経過もあるのですから、とるべきものは他にたくさんあるわけなんですから、そういう何にならったということではなくて、こういう基本線だという点を明確にしていただきたい。その二点。
○政府委員(佐久間彊君) 第一点の長期給付と短期給付をなぜ現在のような、御審議いただいておるような形にしたかというお尋ねでございますが、一つには国家公務員の例にならったということと、いま一つは、現在地方公務員の共済組合の中で、地方共済、公立学校、警察の三共済、それから市町村職員共済組合、これがいずれも長期給付、短期給付を共済組合で一元的にやるという方式をとっておりましたこと等も考慮いたしまして、このような形にいたしたわけでございます。
 それから第二点の、何ゆえ国家公務員に例をとったかというお尋ねでございまするが、これは、地方公務員法の考え方が、退職年金制度あるいは共済制度につきましても、国家公務員の例にならって制度を整備するようにという趣旨の規定もございまするし、まあ格別の事情がございませんければ、国家公務員の制度にならっていくということが適当だろうという判断をいたしたのでございます。
○加瀬完君 関連ですから、これでやめますけれども、国家公務員にならうというのは、法の精神は、国家公務員には有利な規定があるけれども、地方公務員法にはない、あるいは地方公務員の慣習としてはそういうこともないという場合、有利な条件として国家公務員に準ずるということはあり得るけれども、国家公務員の共済組合の条項、内容においては、幾多問題がある点があるわけですね。そういうものも一緒に、新しい法案を作るときに右にならえする必要はないじゃないか。あとからできたものは前にできたものよりも一歩前進した形のもので、内容に進歩したものが盛られなければおかしいじゃないか。何もかも国家公務員法に右にならえということでは、それは筋が通らない。都合の悪いときには地方団体は別だということを大臣なんかよく言うのだが、今度の案だって、もうひとつのいいものをなぜ打ち出せなかったのか。右にならえということでは承知できない。
○国務大臣(安井謙君) 全部が全部右へならったわけじゃないのでありまして、いい点も採用しておるところは、まあお認めをいただいておるとおりだろうと思います。
 それから、何分この制度自体が非常に新しい制度で、今後も相当問題を御承知のとおり残しておる制度であります。したがいまして、今、そういう基本的には国がとっておる制度と同じようなもので、並行して将来問題を徐々に解決をしていくほうが一番穏当であろう、こういうふうに考えたわけであります。
 それからもう一つは、大体地方公務員といえども、これは国の公務員の給与にできるだけ準じて合わせていきたい、またそういう指導もやっておるわけであります。そういうような点も兼ね合わせまして、基本線を国の制度にならい、そうして若干は、非常に御不満かもしれませんが、ある程度はそれ以上のものも取り上げておる、こういうふうにやっておるつもりでございます。
○山本伊三郎君 それはまあ、大臣はそう言われるけれども、それは反駁する余地はたくさんあるのです。先ほど冒頭に聞いたように、マイヤース勧告から引き続いて人事院勧告が出るという過程を十分御存じであろう。国家公務員の共済組合ができるとき自体に相当問題があったのですよ。その問題があったやつを準じてやるというところに、私は、自治省自体が、冒頭に言ったように、この種法案を取り扱うには無理ではないかと、失礼なことを言ったのですが、そういうところがあるのです。したがって、何か逃げるところがなくなれば国家公務員法の前に準ずる、こういうことで逃げるから、論議が回転してしまうのですから、これはまたあとで明らかにいたしますが、しかし、今大臣が、これは最初のものだから順次改善するということだけは、速記録にはっきりとどめておいておきたいと思うのですが、自治大臣も若干用事があるようですから、これはまだ日にちがありますから、次に移ります。
 それから、本質的な問題に入りますが、入れないのですよ。冒頭に言いましたように、資料がきわめて貧弱というか、国家公務員の場合には、私ここで長く保管をして研究をしてきておりますが、これだけの問題、長期給付に対する財源計算書はこれだけ膨大なものです。あなたのほうでは二ページですよ。ここで討議をせよといっても、たとえば、ここに退職者の率、残存表があるのですよ。三ページについております。地方、職員共済組合脱退残存表、これは一括して給料指数表も入れてあるのですが、この場合でも、もっともっと項目を細分してやらなければいかない。
 それから、これは一応質問ですが、資料を出される参考に今後してもらいたいと思うのですが、この都道府県の職員の資料をとった実態調査、三十二年末現在でとっている。しかも、それが一〇%の抽出により、退職者及び死亡者については十分の一の抽出の方法でとった。これでは、この財源率は変わりますよ。財源率が変わると、組合の負担も変わってくる。国家公務員と表を参照すると、きわめて顕著な数字の相違があるです。都道府県の職員と、それから国家公務員とは、こうはなはだしく違うことはないと私は思っておるのです。まあちょっと職種の違う公立学校のいわゆる教師の方々であれば、また変わってくると思うのです。そこで、一つだけ聞いておきますが、あとでいろいろと資料を要求しますが、三十年末現在一年間のこれだけの調査でこの脱退残存表を作られたのか、これを先にひとつ聞いておきたい。何か政府委員か、専門家がおられたらお答えを願いたい。
○説明員(松浦功君) 三十年から三十二年までの三カ年の実績を十分の一抽出調査によって行なっております。
○山本伊三郎君 ここで、それを補正したというか、その補正係数はどういう方式をとられたのか。というのは、三年間の短い期間ですから、これは実態――長い四十五年なり五十年の趨勢、傾行線を見るのですからね。三年間では不十分ですが、どういう補正をされたのですか。
○説明員(松浦功君) この補正の方法につきましては、非常に各種の技術的の、要素があるようでございまして、質問題といたしまして、総職員について調査をするということになりますれば、大体短くても三年、おそくても五年を要する、こういう実態でございますので、ただいま御説明申し上げましたように、十分の一抽出によってやった。過去の実績につきましては、今申し上げましたように、三十年から三十二年の平均によって行なっております。補正の方法につきましては、これは私どもも、私どもにおります専門家にそれぞれ補正の数字をやってもらっております。
○矢嶋三義君 専門家は何人おりますか。
○説明員(松浦功君) 一人おります。
○山本伊三郎君 きょう参っておりませんか。
○説明員(松浦功君) きょうは参っておりませんが、必要でございましたら……。
○山本伊三郎君 そういう人が来なければだめですよ。国家公務員の場合に、昭和二十九年から四年間の統計をグレービル第五公式で補正しておる。これにも問題がある。人事院の場合には、スターリングの二十一公式で補正しておる。しかし、その場合は短期間であったから、二十一公式を使わなければならない。この場合、わずか三年の短期の調査で、実績でどの補正係数を使われたか知らぬが、非常に退職率に影響がある。したがって、どういうものか、専門家がおらぬからわからぬが、私は、国家公務員の場合と地方、これは都道府県の職員になっておるんだが、これとはこう違わないのです。これは、あなたのほうが専門家がおらぬから、数字を言ったってネコに小判ですから言いませんが、そういうことだから私は問題があると思う。こう言うのです。脱退率が二十年以下と、脱退率の多いのが二十年以上と、それから二十年から三十五年以上の脱退率によって財源率がうんと変わってくる。この法案でいくと、二十年までは一時金で、二十年以後から初めて年金がつく。そうすると、非常にその間においてこの財源率は変わってくる。ここに、ごまかしとは言いませんが、第一表に財源率がずっと書いてある。退職年金率は、地方職員共済が〇・〇六二八五、公立学校共済は〇・〇六五八六、警察共済のほうも出ておりますが、この数字を出すということについても、その基礎はそこにあるのですよ。われわれは、こんな数字だけ見たって、これはほんとうか、うそかわからない。それは、うそは書いてないと思います。そんな失礼なことは言いませんが、したがって、もとの脱退残存率が出ていない。わずか三年のやつで、どういう補正をしたか知らぬが、合わないと思う。それは、年度々々によって脱退者が変わりますから、こういうカーブになるのですから、それをなだらかな線でやるのが補正です。国家公務員の場合は、国鉄がすでに大正十二年から出発しておるのです。すでに四十年の経験があるのですが、そういう資料を相当検討して国家公務員共済組合がこれを出してきたのだ。それでもまだ問題があるといって、私は国鉄に行ってだいぶ調べてきましたが、問題があるのです。長期給付というのは相当問題ですけれども、それは専門家に、私がうそを言ったかほんとうか調べてもらいたいのだが、財源率が一%違う場合には、それがプラスになるかマイナスになるかによって四十五年後には三千五百億違いますよ、複利計算をずっとやっていくと。これは、私もラウンド・ナンバーでいっておりますが、それほど、百分の一ばかり違った場合には違ってくるのですよ。僕は百五十万で計算したが、百八十万の対象でやればもっと違うのです。その重要な基礎が、この資料だけで審議しようと思ってもできませんので、これは答弁は要りません。あと、資料の要求だけしておきます。一々名前を言うとたくさんあるから、ちょっと書くのには速記者も困ると思いますから、大蔵省に行かれたらこの資料があると思う。これの項目を全部ひとつ、こういうものを出してもらいたいのです。そうでないと計算もできませんし、それを出していただきたいと思います。項目を言えばずいぶんありますから……。それじゃ、資料目次ですが、第一に脱退残存表、今要求したものです。それには総脱退率も、脱退する場合には、ただ退職する場合と、死亡した場合と、公務上によっていわゆるなくなった場合、公務上でなくならないでやめた場合がある。それがD1とか、六項目ありますから、そういうのを全部つけたやつ。それから第二番目には、計算基礎数です。これが今言われた計算の基礎になる。それから俸給指数、これは地方公務員の俸給がどういう状態でこれが上昇しておるか。この場合に、私はここで親切に言ってあげますが、国家公務員の場合は、ある程度ずっと行っておるのですよ。都道府県の場合も公立学校の場合もある程度出てくると思うが、単純に資料が出てくると思うのですが、市町村の場合にはそうは行きませんよ。今度出してみたとき、変なものを出したらまた言われますから、これは非常に無理だと私は思う。おそらく今までとっていなければ別として、しかし、これは出していかなければ、府県の場合の保険料率が出ませんから、それだけ言っておきます。
 それから次は、俸給現価表、総支出現価表、この二つで分母と分子にして、財源率は幾らになり、掛金が幾らになるかと出てくる。従来の俸給現価表と総支出現価表、これが出れば、退職年金支出現価表、これはおのおの給付別によって出てくるのですから、今のやつが出てくれば、これは遺族年金、遣族一時金現価、退職年金支出現価表というのは、一連の給付内容の現価表が全部出てきます。専門家にいったらわかります。そういうものを全部出してもらいたい。
 それから国民死亡率と実績死亡率の比較です。国民死亡率は、厚生省が出しておる第十回の生命表があります。これと実績、実際どういう死亡率になっておるかという一般国民の死亡率と、それから組合員対象の死亡率がどうなっておるかということも、これもわかれば出してもらいたい。これは、やめた後の平均余命で、何年間給与を受けるかという基礎をここで見なくちゃいけない。自治省では、やめた後大体五十五才を起点として十五年というように見ておるようですが、これは国家公務員に準じてやられたかと思いますが、それは私は、地方公務員である場合も若干違うのじゃないかと思いますので、できればそういうものを出してもらいたい。大体そういう程度の資料をひとつ……。
 僕は、実際のところ、こういうものを出されておるものだと思って、楽しんできょう来てみたら、こういう四枚か五枚のやつが出ておるので、若干私悲観した。どこでどういう工合に計算したかわからない、こう言うて迷うたのですが、そういう点もひとつ、自治省も、乗りかかった船だから、やはりこれだけの苦労をしなければ、この大法案は、審議できないということを大臣十分腹におさめて下さい。きょうの質問はこれで終わりますから……。
○矢嶋三義君 ひとつ大臣、山本先生から今質疑があったのだが、あっさりお答えをされたほうが、ほんとうの審議ができるし、あなた方も助かるのじゃないかと私は思うのですがね。それは、国家公務員共済組合法を審議したときもそうだったのだが、これから察せられることは、この中に補正という言葉がよく出ておるのです。修正するという言葉がよく出ておるのです。これは隠れみのなんですよ。あなたのところに専門家が一人おられるというが、これは、千分の四十四という答えが先にあって、それに合わせるために、一人の専門家が、千分の四十四に合わせるには、補正という言葉と修正という言葉を使って、どういうふうに説明するかというて、これは逆に作ったものですよ。僕はそう思うのです。そうでしょう。
○国務大臣(安井謙君) 私は、どういう計算方法をとったか、必ずしもつまびらかにいたしておりませんが、今言われます意味、この千分の四十四というものが一つの先入観になっておることは、これは事実だと思います。今それをさらに合理的に計算してみてこうなるのだ、こういう計算で出ておることは、これはおそらく事実じゃなかろうかと思います。これは、ことに二十年先、四十年先というものの計算が、またそのときまでにどういうふうになるか、それはもうこれよりこんりんざい動かぬぞと言えるものでもなく、これが十年なら十年の期間で実施しておる過程においては、またどういったような、基本的な姿勢がないというようなことも言えないこれは数値であろうと思っております。
○矢嶋三義君 それで大臣、あなたが出席する前に、文部政務次官とあなたのほうの政府委員に質問しまして、そうしてあなたにその経過を報告して、そうして協議して次の委員会に臨まれるようにと言って、宿題を出した問題が一つあるわけなんですよ。それは繰り返しませんが、減額年金制度の問題で、これを人事院勧告のように、恩給法の若年停止のレベルまで持っていくと、千分の四十四の掛金が上がるからというようなことを形式的に答弁されておるわけですよ。私は、千分の四十四の数字が、そんなに動かすことのできない数字であり、また、科学的な合理的な根拠を持った説得力のある数字とは思わない。だから、減額年金制度の問題があれば、その内容面から検討すべきだという意見をちょっと申し述べながらお願いしておったわけですがね。これは、今山本委員から資料要求があったが、これを作るのはたいへんです。結局、その四十四という数字に合わせるために補正ということと修正という言葉を使うものだから、適当に作ってこしらえてくるということになるので、だから、それとあわせて減額年金制度のことをさっき意見も言い、伺っていますから、散会後なり、十分に自治省なり内閣の内部で協議されて、次の委員会で答弁をしていただけるように準備してきていただきたいことを特にお願いを申し上げておきます。
○国務大臣(安井謙君) 十分よく検討いたします。承知いたしました。
○加瀬完君 これは資料要求なんですけれども、その前にちょっと伺いますが、山本委員の請求された資料の中で、公立学校職員、府県職員、市町村職員の年令別退職者数が出ますか。
○説明員(松浦功君) これは過去にも調査いたしておりますので、地方公務員共済組合と公立学校職員共済組合職員、それから警察職員、これは全部数字が出ております。市町村につきましては、十分な資料は持っておりません。
○加瀬完君 この前、三十一年度でありましたか、定年制の法案が出ましたね。あの場合に、公立学校の職員、これは小、中、高と分けて、それから都道府県の職員、市町村職員の年令別退職者数が資料として提出されたはずです。主としてそのときの結論は、五十五才以上に何%残っているかというのがねらいでしたけれども、年令別退職者数が出ているはずですから、この資料を最近のものを出していただきたい。
 次に、五十五才未満の年金を受ける額で、公立学校の場合、今までの恩給法と本法が適用された場合で、次の年令の場合どう開きが出てくるか。四十五才、四十八才、五十才、五十三才、具体的なものを出していただかないとちょっと質問が出ませんので、出して下さい。
○委員長(小林武治君) 両案の質疑は、本日はこの程度といたします。次回は四月十日午前十時とし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十三分散会