第041回国会 運輸委員会 第4号
昭和三十七年十二月七日(金曜日)
   午前十時三十五分開会
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  委員の異動
 十一月十二日
  辞任      補欠選任
   小柳  勇君  相澤 重明君
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 出席者は左の通り。
   委員長     金丸 冨夫君
   理事
           天埜 良吉君
           大倉 精一君
   委員
           江藤  智君
           河野 謙三君
           天坊 裕彦君
           平島 敏夫君
           村松 久義君
           相澤 重明君
           小酒井義男君
           中村 順造君
           吉田忠三郎君
           浅井  亨君
           中村 正雄君
           加賀山之雄君
  説明員
   日本国有鉄道常
   務理事     磯崎  叡君
   日本国有鉄道常
   務理事     河村  勝君
   日本国有鉄道運
   転局長     音田 和夫君
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  本日の会議に付した案件
○運輸事情等に関する調査
 (日本国有鉄道の運営に関する件)
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○委員長(金丸冨夫君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十一月十二日付をもって委員小柳勇君が辞任され、その補欠として相澤重明君が選任せられました。
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○委員長(金丸冨夫君) 次に、運輸事情等に関する調査を議題といたします。
 質疑の通告がありますので発言を許します。中村君。
○中村順造君 国鉄にちょっとお尋ねしますが、羽越線の正面衝突ですか、これは大へんな事故だと思いますが、たまたま貨物列車であるし、一方は機関車だけだということで、職員の殉職というだけにとどまったわけですが、この正面衝突などという事故は、まさに前時代的な事故だとわれわれは考えるわけですがね。旅客列車だったら、大へんなことだと思いますが、先般の常磐線の三河島の事故以来、いろいろ国鉄総裁は事故をなくするとかいうことを言われておるのですが、一応説明を、まずどういう事情で、こういうまさに前時代的な正面衝突などという事故が起きたのか、その点をひとつ説明を願いたいと思うのですが。
○説明員(磯崎叡君) お許しを得まして、私から御説明さしていただきます。
 ただいま、中村先生からお話がございました去る十一月二十九日の羽越線におきます事故は、国鉄といたしましても、昭和二十二年に、終戦直後単線区間の正面衝突という事故をやりましてから、実に十何年全くなかったこの種の最も恥ずべき事故を惹起いたしました。まことに申しわけがございません。お説のとおり、不幸中の幸いと申しますか、旅客列車でなかったことが、まあまあと思います。いずれにいたしましても、事故の性質としては、われわれ国鉄の人間といたしまして、一番お恥ずかしい種類のことでございます。何ら弁明の余地がないのでございますが、一応、事情だけを述べさしていただきます。
 当日、十一月二十九日二十二時十五分に、羽越本線の羽後本荘−羽後岩谷両駅の間で二〇五Cという貨物列車と八六七列車という機関車だけの単行機関車が、両駅間のほぼ中央において正面衝突をしたわけでございます。
 実はその結果、二〇五〇という貨物列車、これはディーゼル機関車でございますが、その乗務員が二名殉職いたしました。また片方の単行機関車のほうは大破いたしまして、機関士、機関助士、機関助士見習三名重軽傷を負いまして、目下、入院中でございます。
 当日の事情といたしましては、ただいま申し上げました八六七列車と申しますのは、ふだんは貨物列車を引っ張る機関車でございますが、たまたま貨車がございませんでしたために、単行機関車で運転しておったわけでございます。現場の羽後本荘という駅に参りますまでに、機関車の前照灯が故障いたしまして、途中で修繕その他をいたしますために、約一時間おくれて走っておったのでございます。したがいまして、ずっと北のほうの駅で八六七と二〇五〇が行き違いになっておるダイヤを変更いたしまして、羽後岩谷という駅で行き違いをさすことにきめておったのでございます。ところが、その羽後岩谷で行き違いをするべく閉塞をいたしましたのちに、二〇五〇列車が定時で参りました。八六七列車の出発までに多少乗務員の交代その他で時間がございましたので、急きょ行き違いを変更いたしまして、羽後岩谷での行き違いを羽後本荘での行き違いにすることに指令をいたしたわけでございます。その結果、羽後岩谷での行き違いのために、八六七列車は一旦羽後本荘を出発するつもりでおりましたのを出発直前に、それをとめるつもりでおった。したがいまして、私どもの言葉で申しますと、一旦閉塞いたしましたものを閉塞を解除いたしまして、そうして二〇五〇列車を逆に羽後本荘の駅にとめる、こういう閉塞の変更をいたしたわけでございます。当時の関係者の申し立てによりますと、一旦羽後本荘駅の出発信号機を青にいたしまして、その後に羽後岩谷と羽後本荘の両駅間で再度打ち合わせの結果先ほど申し上げましたとおり閉塞の行き違いを変更する七したがって二〇五〇列車を羽後本荘に進めるという打ち合わせをいたしましたために、その出発信号機の青を赤に直し、そして二〇五〇列車を進めたわけでございます。一方、八六七列車のほうは関係者の申し立てによりますと、出発する際に出発信号を確認することもなしに、助役も出発合図をし、機関士も出発をしたということで、ちょうど列車が両方とも同じ時間に出発することになったわけでございまして、その結果不幸な事故が、ちょうど駅と駅との中間で起きた、こういう結果に相なったわけでございます。八六七列車の乗務員がまだ重傷でございまして、十分な聞き取りができませんが、羽後本荘駅の当の助役、あるいは信号掛、また、たまたま側におりました操車掛等の証言によりますと、助役は信号機を確認しなかった。また関係者は、確かに信号機が赤になっておったと、こういうことを申しておりますので、現在の段階におきましては、二〇五〇列車は正規に岩谷駅を出発し、八六七列車のほらが出発信号機を無視して出発したものと、こういうふうに推定ざれるわけでございます。この列車はもちろん車内警報器がついております。しかしながら先生御承知のとおり車内警報器は、出発信号機の場合には働かないようになっております。ほかの信号機ですと、警報器が働いて注意を喚起したのですが、これはたまたま、とまった列車が動き出すというために、車内警報器と出発信号機は連動になっておりませんので、ついておりました車内警報器が働かないで、こういう結果になったのでございます。いずれ御質問に対しましてお答えを申し上げますが、重ね重ね私どもの不行き届きをおわびする次第であります。
○中村順造君 運転局長に伺いますが、専門的な話になりますから、いずれにしても単線区間で正面衝突になるというのは、先ほど申し上げたように前時代的なものだから、従来のどういう方式で、……いわゆる正面衝突、あるいは追突をしないような方式が、いろいろあると思いますが、これは最近いわゆるそういう列車の安全についての方式を簡素化したと私は思うのですよ。従来きちっと整ったものなら、そういうことはないと思うのですが、それをやはりいろいろな面で、設備の面あるいは人の面で簡素化したから、こういうことになったと思うのですが、どういうことをやっておったんですか。運転局長でいいのですが、専門的な話ですから、ひとつお答えを願いたいと思うのですがね。変えたんでしょう、何年かに。
○説明員(音田和夫君) 私から御説明申し上げます。御承知であろうと思いますが、単線区間の列車が衝突いたしませんためにとっております閉塞方式といたしまして、一番普通に使っておりますのは通票閉塞式と申しまして、一つの区間で一個しか同時には玉が出せないような方式をとっておりまして、それによりまして、列車が一駅間に二個列車入らないような方法をとっておりますのが通でございます。この事故を起こしました区間は、連査閉塞と申しまして新しい方式なんでございますが、先ほどお話しいたしました通票閉塞式の場合を考えますと、閉塞と信号との間には、全然機械的なと申しますか、連鎖関係がないわけでございまして、そういった点を改良いたしますために連査閉塞というものをとりまして、二つの駅の間の出発信号機に連鎖関係を持たせまして、その間に閉塞てこといったようなものもございまして、同じ方向から列車が同時には出発できないような連鎖をつけましてやる方式をとったわけでございます。この区間では連査方式をとっておったわけでございまして、簡素化ということよりは、むしろ信号と閉塞との関連をつけました装置でございまして、実際の運転の場合を考えましても、たとえば通過列車のような場合に、タブレットを受けております場合に、いろいろ問題があるわけでございますが、そういった点が改善された姿になっておるかと思います。
○中村順造君 それでは、こまかい話をしても仕方がないですが、この衝突した羽越線ですか、それはその後どうなったのですか。その後依然として、そのままの状態でその方式を使っているのですか。
○説明員(音田和夫君) ただいま磯崎常務から申し上げましたように、ただいままでに調べております段階におきましては、原因の最終的なものといたしましては、信号機の出発時における確認が不十分であったこと、それから閉塞方式の行き違いの変更をいたしましたのが無資格者であったということなどが考えられるわけでございますが、その前に、非常にきわどいと申しますか運転整理をやりましたことも、原因の一つに考えられるというふうに思いまして、そういった点につきまして指示をいたしまして、再びこういったことが繰り返されないというように処置をいたしまして、現在も事故の起きました当時と同じ閉塞方式をとっております。
○中村順造君 結局、やはり信号無視だとか、いろいろなことをあなた言っておられるのですが、その前の方式でいけば、やはり通票閉塞方式ですか、あなたの言われた通票そのものを、品物を持たなければ、その区間に列車が入れないという閉塞方式を使っておったとあなた言われるから、そのほうがずっと安全じゃないですか。それをたとえば人間の注意力に頼るということに最終的にはなるのだけれども、その以前は、やはり品物を何か持たなければ入れない方式を使っておったと言われるが、それを省略してただ注意力に頼ったから、駅長なりあるいは機関士が、そういう信号を見落したとあなた言われるけれども、そういう方式を依然として使うというととろに問題があるのじゃないですか。どういうわけで、それをそういうふうに変えたんですか。
○説明員(音田和夫君) 御指摘のように通票というものを持っておらないという点におきましては、お説のような議論があると思いますが、方向といたしましては、単線の場合を考えましても、われわれ考えております現在で進歩した方法といたしましては、単線自動というものがございます。そういった方向に近づいておるのでございまして、先ほども申し上げましたように、通票閉塞式に比べますと、信号と閉塞の間には関連はなかったのでございますが、今回とっております方式につきましては、この間の関連ができておるのでございますから、どちらかといいますと、自動閉塞信号機に近いような考え方でございまして、従来よりは進歩した方式だと私は考えます。
○中村順造君 進歩したと言われるけれども、現実に正面衝突しているのですよ、汽車はね。しかも正面衝突をした事実があるにもかかわらず、依然として、そういうことを何ら改めない、これは今私がこうして言っておる時点においても、いわゆるそういう事態が起こり得る可能性があるわけですよ。何で従来非常に安全度の高いものを、そういうふうに省略して、あなたは、両方の出発信号機というか、それが、その関連があると言われるけれども、現実両方から汽車が出せる装置になっておるのじゃないですか、それをどうして、そういうふうに簡素化したのか、正面衝突の事実が羽後本荘と岩谷の間にあったにもかかわらず、依然として、その後そのままの方式をとられておるということも、これは磯崎常務理事、ちょっと問題があるのじゃないですか。三河畠の事故以来、あれだけ重大な事故を起こして、そうして、これはまさに職員が殉職したという程度にとどまったから社会的な問題にならないけれども、もしこれが旅客列車だったら、これは大へんなことですよ。そういう点の、しかし職員に対する注意力の喚起だとか何とか言われているけれども、あなた方自身が鉄道の事故というものを、どういうふうに考えておられるのか、しかも私は今質問をすると、従来あったものを簡素化して、そうして正面衝突の事実があるにもかかわらず、依然としてそういうことを、これはほんとうに後進国の事故ですよ。日本の国有鉄道として、あってはならない事故なんですよ。きわめて悪性な事故なんですよ。どういうふうに考えておられるのですか、その点は。
○説明員(磯崎叡君) 先生御承知のとおり、いわゆるタブレットによる閉塞は、これは非常に古い、鉄道開通以来の方式でございまして、ほとんど諸外国の新しい鉄道では、すでに使っていない方式でございますことは御承知のとおりでございます。この旧時代的な閉塞方式にかえるに新しい信号機に絶対性を持たした閉塞方式にかえたわけでございます。先ほど運転局長から申しましたとおり、タブレットの場合には、閉塞と信号機の間には実際上は物理的な関連をつけていないわけであります。その点は人間の注意力によっておったわけでございますが、今度は両脚の信号機同士をはっきり電気的に連動させてございますので、信号機が両方が青であるということは絶対にあり得ない電気装置に変えたわけでございまして、今、もっと列車の多いところでは、これは単線自動式になっておるわけでございます。すなわち形式的に申しますと、信号機の絶対件という意味では、単線自動式とほぼ同じ効果があるという意味で、これを諸外国において採用しておりますし、また私どもといたしましても、今までの通票閉塞方法よりは安全性があるし、しかも物理的にその安全性が確保されているとみて採用したわけでございます。ただし、その半面、信号機の絶対性ということが非常に重要になります。信号機を無視した場合には、ただいまのような非常に残念な大きな事故が起こるわけでございまして、その点につきまして、信号機の絶対性に対する注意の確保、あるいは先ほどちょっと申しましたように、出発信号機と車内警報器と連動させることはいいかどうかということにつきましては、先生の御指摘のとおり、なお検討の余地があるというふうに考えておりますが、私どもといたしましては、この方式は今まで古くからやっておりました通票閉塞方式よりこれを簡素化したということだけでなしに、もっと科学的な正確度を高めたというつもりでやっておったはずでございます。
○中村順造君 これは専門的になりますから、私はこれ以上申し上げませんが、信号機の絶対性と言われるけれども、これは三河島でも、そういうことを言われているのですよ。たとえば当然青にはならない、赤を冒して入ったのだと、こういう言葉でなしに、もう少し大局的に話をするならば、いわば絶対性々々々とあなた方が言われるやつは、これはやっぱり人間の注意力なんですよ。信号機を見るとか見ないとか、あるいはそれを見あやまったとか、これは注意力なんですよ。ところが諸外国で云々と言われるけれども、やはり日本の鉄道の事情と外国の事情は私は違うと思うのですよ。たとえばレールの幅にしても、あるいは輸送力の内容においても、列車の密度あるいは速度それから重量、こういうものを判断した場合に、たまたま何分間何時間かに信号を見ていくというふうな鉄道と、それから日本みたいに一つの列車がおくれれば、全体のダイヤが狂うというような列車密度の高いところで、人間の注意力だけに依存するというところに問題があると思う。多少それは後進性があるかもしれないけれども、通票そのものを持たなければその中には、駅と駅の間に列車が一つも入れない、後進性があっても、そのほうがより安全性があると思うのですよ。ただ、あなた方が言われるように、信号機さえ見ておれば、問題がなかったのだ、こう言われても、これは人間の注意力というものはやはり限界があるのだから、それを切りかえる。三河島だって同じことだ、あるいは参宮線の六軒駅の事故だって同じですよ。同じことを二回も三回も、なぜ繰り返すかということを私どもは申し上げたいと思うのですよ。それは、事故があって聞いてみると、依然としてそのままの方式を使っておるというなら、いやしくも正面衝突をしたという事実に立つなら、少なくともそこに何らかの手が打たれなければならないのですよ。ただ、もうけにならないとか、あるいは利潤がそこに生まれないからというふうな軽い気持で、そのまま置かれるということに私は問題があると思うのですよ。これは運転局長でも磯崎常務理事でも、この形式でとまっておる列車が、その中に入っていくのですよ。通過列車がその中に飛び込んだのとは違いますよ。そういう不安定なもので貨物列車が、しかも一方で単行列車というから、職員が二名か三名殉職したことで済むかもしれないけれども、旅客列車だったら、大へんなことですよ。何百人という死傷者が出たはずです。出たと同じ判断に立つならば、当然それに対する事後の措置というものが得られなければならぬと思うのですよ。その点はどうなんですか。依然として、何方式か私は知りませんけれども、信号機の絶対性を信頼して、人間の注意力に、あなた方の言われる職員の指揮に、あくまで頼っていく腹かどうか。またこれはあとで申し上げますけれども、国鉄の中で、列車の安全運転ということで労働組合と対立して非常に今問題を起こしているという話だが、その点はあとでお伺いしますけれども、そこに問題があるのじゃないですか。実際問題として正面衝突という事実がありながら、依然としてその方式をとるというところに感覚の問題じゃないですか。その点はどうなんですか。
○説明員(磯崎叡君) その点につきましては、私どもは、先ほど申し上げましたように、この新しい連査通票方式にいたしましたのは、決して経費の節約とか合理化とかいうことでなしに、やはり、あくまでも列車の運転の安全度を高めるという見地からやったのでございます。その前提が先ほど申しましたとおり信号機ということになるわけでございます。もちろん人間でございますので、その信号機の確認、これは注意力によるわけでございますけれども、それを補う意味で、先生御承知のいわゆる車内警報器をつけまして、そうして赤信号のときには車内警報器が鳴って、乗務員に注意を喚起するということになった、これは羽越線にはすでに設置しておるわけであります。駅でとまっておる列車が動き出すときに、信号を見ないで動くということは、まずあり得ないという前提と、それからもう一つ、駅の作業土、出発信号機と車内警報と連動させますと、非常に作業が複雑になりますので、その二つの見地から、出発信号機だけが人間の注意力に頼っておるわけであります。その点に、一つ問題があるというふうに考えればあると存じます。したがいまして、今後その点につきまして、とまっておる列車が動き出すときに、その信号機が赤の場合に、やはり乗務員に注意を喚起するということが、そこまで必要かどうか、と申しますことは、とまっておる列車が動き出す際には、必ず乗務員だけでなしに、駅の職員と乗務員と両方で信号機を確認した上で列車を出発させるとき、また一人の注意力でなしに、二人全然立場の違う人間が、信号機を確認した上で列車を出発させるという建前になっておりますので、そこまで車内警報器をつける必要はないという建前で、駅の出発信号機につきましてのみ車内警報器が動かないようにしてあるわけでございます。したがいまして、その見方につきましては、先ほど先生のおっしゃったとおり、確かに問題はあると存じます。その点につきましては、今、はたして全然立場の違う二人の人間に信号機を確認させているという方法で毛、まだだめかどうかということは、検討の余地がある問題だと思います。
 しかしながら、そのほかの点につきましては、その方式は、たとえば今一番新しい閉塞方式のいわゆる自動信号と申しますのは、いずれも全部信号機絶対の信号制度でございます。したがって現在の連査方式が非常にあぶないということになりますと、現在やっております単線自動方式あるいは複線区間の自動方式、すなわち信号機絶対の方式が全部くずれてしまう。また、それでは今の科学技術の点から申しましても、それ以上の安全度のある運転方式というのは、今のところ考えられないということで、やはり信号機の絶対性を第一としていく。その絶対性を確認する際に、人間の注意力だけで足りないから、車内警報器その他の機械的な力を使う、最後には列車の自動停止装置まで持っていく、こういう検討をいたしておりますが、繰り返して申しますが、駅でとまっている列車が動き出すときに、その信号機の確認は乗務員だけでなしに乗務員と駅の全然立場の違う二人の人間が確認して初めて列車が出ることになっております。今度は、たまたまそれを前に一たん青だったものが途中で赤になったために、二度目の出発をする直前に信号機を確認しなかったために、こういうことになったというふうに考えられますが、との閉塞方式そのものにつきましては、これは今までの古いタブレット方式よりは一歩進んだ方式だと考えております。その信号の絶対性の前提としての人間の注意力、その人間の注意力を補う機械力、その機械力の使い方に、今申しましたとおり問題があるとすれば問題が残っております、こういうふうに考えております。
○中村順造君 ただいまお話を聞いていると、もっともらしい説明なんですが、実際問題として、駅長も機関士も信号を確認して汽車を出す。これは非常に原始的な話なんだけれども、こういう場所で、そういう話をすること自体、私は問題があると思うのだけれども、非常に原始的なやり方をしているわけですよ。
 けれども、私の申し上げているのは、現実に列車が衝突したということは、たとえば両方の駅で信号があるわけですよ、片一方を赤にすれば片一方は青の信号になるわけです。そうすると結局信号を扱う人と列車を出す人、あるいは列車を運転する人というのは、それぞれポジションが違うわけなんですよ。そうすると、こちらで列車を出発させたら、そのときに青だったら反対側は赤だった。ところが出発させたから、こっち側が赤になるわけです。これはそのときに反対側が青になるわけです。そういうことを、それは経費の節約だとかなんとかいうことでしたら、非常に進歩的だとあなたはおっしゃるけれども、列車の安全性ということから考えると、進歩的なものじゃないのですよ、これは。非常に不安定だ。一つは電話で確認するのでしょう。ところが私の申し上げているのは、現物で、品物でそれを持たなきゃいけないといえば、それは原始的かもわからぬけれども、安全性というなら、そのほうが非常に優位性があるわけなんです。これは取り扱いの簡素化というか、わかり切ったことをやる必要はないという考え方でやられたと思うのですよ。けれども、それはわかり切ったことでもやらなければ、こういう事故が起きるわけなんですよ。その点は私はあとで、いろいろ出発信号機が働かなかったとかなんとか言われるけれども、通過列車がどうなるかとか、いろいろな問題があると思うのです。そういう方式をとられているわけは、信号機一本について三十万円か幾らかの経費がかかりますけれども、そういうおそれのあるところには、当然そういう設備を私はすべきだと思うのですよ。
 これは最近、鉄道事故をなくする会というのができまして、非常に国民的な運動にもなっているわけですよ。考え方があなた方だけズレているわけです。そこで問題になっているわけです。それは、若干の経費はかかるでしょうけれども、そういうふうに出発信号機には働かなかったとか、この場合は見落としたとか、それでは済まないのです。そういう点は、どのように考えておられるのです。その点やはり経費がかかっても、再三再四にわたって委員会でも本会議でも問題になっておるんですから、あなた方の認識を改めてもらわなければ仕方がないと思う。現実に駅長さんが見落としたとか、機関士が見落としたとかいっても、駅長や機関士は、予算を組む権限はないのです。国鉄首脳部だけ権限があるわけだ。権限のある人が真剣に考えていかなければ、正面衝突というのは、とんでもない事故だと思うのですよ。そういう点は、ことしの予算は、私はあとで質問いたしますけれども、どうなっておるんですか。
○説明員(磯崎叡君) その点は、まさに先生の御指摘のとおりでございます。ただ私どもといたしましては、さっきから申し上げておりますとおり、この方式が決して経費節約とか合理化とかいう問題でなしに、やはり一歩進んだものというふうに考えてやっております。結局、問題の信号機の絶対性というものを確保する際のやり方の問題だと思います。先ほどから申しておりますとおり、通過列車につきましては働くようになっております。それからこの方式は、もちろん両方の駅の信号機が電気的に作動されますので、電話でもってやるわけではございません。もちろん電話で打ち合わせいたしますけれども、最終的には信号が片一方が青になるときには絶対片一方が引けない。こういうことになっておりますので、この点は両方の駅の電話でもって、自分の駅限りで、自分の駅の信号機が動かないようになっておりますから、その点心配ないのでございますが、今申しますとおり、とまっている列車が動き出す際の信号機と、車内警報器と連動させるかどうかということにつきましては、至急検討いたします。もちろん必要だという結論になれば、もちろん経費は、どんなに経費がかかりましてもやるべきものだと、こういうふうに考えております。
○中村順造君 絶対性の問題をあまり強調されるとおかしいですよ。事実衝突しておるんですから。だから絶対性の問題は別にして、今列車の安全ということについて、いろいろ具体的な問題があると思うのですが、どういうふうに、去年とことしの予算とか、あるいは将来どういうふうにしていきだいとかいうふうな考え方があると思うのですよ。これはなかったら、とんでもない話で、三河島があるし、またこういった、いろいろその後、大小、専門的に見ると非常に悪性なんですね。これは重大事故、たいへんな事故なんだが、そういう面を防ぐために、どういうふうな措置がされておるのか、その点はどうなんですか。ことしのたとえば予算面だとか、具体的に、それじゃこういう面は、こういうふうに改善するとか、これはどういう方式をとられておるか、あとで専門的に検討してもらえばわかるのですが、この方式は、きわめて不安定だと私は思うのですよ。外国では非常に優位性があるように言われておるけれども、日本の鉄道にはきかないという結論になる事故があった以上は、そういう面を改めるについては、どういうふうな考え方がとられておるのか、その点はどうなんですか。
○説明員(磯崎叡君) 三河島事件の直後、当委員会、その他の委員会で、るる総裁から申し上げましたが、私どもといたしましても、あらゆる施策の基礎は、列車の安全運転であるということは、私どもその信念は絶対変わってないつもりでございます。で、ただいま政府にお願いしております来年度以降の五カ年計画の内容の補正にいたしましても、まず第一に、信号保安の確保という意味で、今まで約三百億計上しておりましたものを、ちょうど倍にいたしまして、三百四十七億ふやしまして、全体で六百七十億くらいのスケールでもってやって参りたいというふうに考えております。内容は詳しくなりますので、簡単に項目だけ申し上げますと、たとえば車内警報装置をほとんど全線区にわたってつけるということ、あるいはいろいろな信号機の改良、見通しの改良、その他の問題、あるいは当時問題になりました安全側線の問題、あるいは乗務員の休憩設備の問題、それからもう一つ大きな問題は、踏切の問題でございます。こういったものを全部取り上げまして、私のほうでは現在約、先ほど申しました六百七十億程度の予算で今後やって参りたい。今までのやりました金に比べますと約四倍程度の毎年投資を、この信号保安だけにやっていきたい。こういうふうに考えております。
○中村順造君 労務担当の河村さんきておられるが、こういう問題は、労働条件じゃないのですか。こういう人間が死ぬとか、いわゆる職場環境、広義の意味の職場環境だが、まかり間違えば、そのために死ぬというふうな問題は、あなたいろいろ言われておることだが、労働条件じゃないのですか。これは職場の問題として広義の意味で考えると。
○説明員(河村勝君) まあ法律でいう労働条件には入りませんが、職場環境というような意味で信号保安設備の問題、これは労働条件に入りませんが、休養施設、そういったものにつきましては、広義の労働条件だということは言えると思います。
○中村順造君 労務担当だから、あえて私はお尋ねしますが、いろいろテレビ、ラジオ等で、何か国鉄の内部事情としていろいろ問題が対立しておる。しかも私はこの前、副総裁にもお話申し上げたのだが、こういう問題は、列車の安全運転だということで、結局、賃金を上げてくれとか、あるいは人をよこせとかいう問題でなしに、いわゆる国民の世論にこたえて、そういう問題を提起して、年末このあわただしい中で物議をかもすということは、大へん角度を変えて見れば好ましからざる現象だが、その処理について非常にあなた方法律上云々と言われるけれども、現実にそういう問題が、三河島以来国民の世論に反するような事実が、一つ一つ積み重なってくる。それを解消するという問題を提起している場合に、あなた方のほうとしての取り扱いの方針、基本原則とか、非常に何か高い姿勢に出ておられるという話を私は聞いておるのだが、そういうことはあってはならないことだと思うのですが、そういう点については、どうなっているのですか。
○説明員(河村勝君) 保安の問題は労働条件であるかいなかは別としまして、十分職員の意見を聞きまして、それを取り入れて改善をはかっていくようにすべきだと思います。そういう意味で、三河島事故以後、国労、動労初め国鉄の中にあります各組合の代表者を含めまして、われわれとの間に事故防止委員会というものを作りまして、そこでもって、労働条件であるから団体交渉の問題であるとかいうことを抜きにいたしまして、率直にお互いの意見を交換して改善していこうということで、この六月以来、話を進めて参りました。その中で当面緊急を要する保安設備の問題その他な題目として取り上げまして、そこで一応の結論を得まして、今磯崎常務から申し上げましたような今後の保安対策を進めていくわけでございます。ところが、その後動力車労組だけが、この事故防止委員会から脱退をしましたために、事故防止委員会の場で動力車労組とそういった問題を取り上げて議論するという場はないのでございますが、しかし実際問題といたしましては、保安設備の問題も事故防止委員会でまとまったものをもとにいたしまして、現在来年度以降の予算を推進するように努力して参っておりますので、決して高姿勢とか何とかいう性質のものではないというふうに私ども確信しております。
○中村順造君 参議院の運輸委員会ですから間違ったことを言ってもらっては、ちょっと理解に因るのだが、一応の結論を得てやってるというのは、何の結論が出たのですか、事故防止委員会というのは。
○説明員(河村勝君) 当面の保安設備の車内警報器をどの程度作るかとか、信号機の見通し不良のもの、安全側線の改良、そういったものを、どの程度やるかということにつきまして、事故防止委員会が一応の結論を出したのです。
○中村順造君 もう少し具体的に言って下さい、何がどうなっているのか、こうなっているのか。一応の結論ができたなら結論を話して下さい。労使双方がちゃんと納得して結論が出たのなら――結論がないから、問題があるのでしょう。具体的に、どういうふうな結論が出てどうするのか。
○説明員(磯崎叡君) 実は事故防止委員会、私が担当しておりますので私から申し上げます。ただいま河村常務から申しましたとおり、三河島事故の直後、当委員会におきましても、衆議院の運輸委員会におかれましても、ぜひ労使問題以前の問題として、この保安問題を取り上げろという強い御指示をいただきましたので、私どもいわゆる団体交渉とかということではなしに、組合とほんとうにひざを突き合わせた事故防止委員会というものを持とうということで、四組合と私が入りまして、まあ私が座長のような格好で、今ずっとやっておるわけであります。
 その中で、まず取り上げましたことは、第一回以来いろいろございますが、この保安対策といたしまして、とりあえず本年度、すなわち三十七年度に緊急やるべきものは何かということで、これは約十数億の予算を捻出いたしまして、その内容は非常にこまかくなりますが、車内警報の問題あるいは踏切の問題その他、踏切は入っておりませんが、車内警報、信号機の見通し改良その他で非常に緊急にやらなければならないものにつきまして、たしか十五、六億の金を捻出しました。それは、その事故防止委員会のたしか第三回か第四回の委員会で具体的に内容を説明いたしまして、まだそのときは動力車労働組合が加入しておったときでございます。そこで話し合いをはっきりいたしまして、それじゃこういうふうに使おう、これにもう少し使えというようなことを議論いたしました結果、予算を配賦いたしまして、すでにその分につきましては、現在工事をやっておるわけであります。
 それからその後の五カ年計画に盛り込まれました保安対策をどう考えていくかということにつきましては、私どもは私どもなりに、さっき申しましたとおり約六百七十億程度のスケールでやりたいということで政府にお願いいたしておりますが、一方、ちょうど一昨昨日でありますか、国鉄労働組合のほうへはその六百七十億の内容を詳しく説明いたしました。なおこの次、数日中にもう一回やりまして、さらに細部について、私のほうの案を説明する。それに対して労働組合側は、ちょうど動力車労働組合から千六百億ぐらいの保安の要求が出ております。まあ国労も動労もそう変わりないから、それじゃ一ぺん動力車労働組合の作った案をひとつ検討しようじゃないかという話をいたしまして、今私のほうでは、動力車労働組合から出ております千六百億の中には、いろいろ、たとえば人件費なども入っております。約人件費が三百億以上入っておりますし、そういったものを一応全部別にいたしまして、私のほうのさっき申しました六百七十億と対応するものを突き合わせております。そういたしますと、それほど大きな違いがないわけであります。同時に、たとえば単価の査定その他につきましては、まあ私のほうが、現実に物を買ったり作ったりいたしておりますので、それらにつきまして、組合側の単価の査定は多少過大なものがあり、あるいは過小のものがあるというようなことで、金の金額のほうは、われわれのほうにまかせてもらうことにして、どういうことをやるかというようなことにつきましては、十分具体的に組合側と話していきたい、こういうふうに思っております。したがいまして、すでにこの問題につきましては、国鉄労働組合とは具体的に第一回の打ち合わせを数日前にやり、まあ近日中に第二回をやるというふうに、非常に私としては順調に話が進んでおる、こういうつもりでおります。ただ数字の、やれ六百億がいい、千六百億がいいということでは、これは話になりませんので、具体的な内容について、お互いに突き合わせて見ようじゃないかというので、具体的な事務に乗せた作業を現在やっておるわけであります。
○中村順造君 今お話を聞いておると、国鉄労働組合と、いろいろ協議をされておるということ、これはけっこうなことなんですが、羽越線の事故から判断しても、この信号機の優位性などといわれると、これは駅長さんがやはり信号機を見て発車合図をされる。それからハンドルをにぎっておる機関士がその信号機を見て出る。そこに、あなた方の言われる信号機の優位性、絶対性が生まれてくるわけです。いろいろいきさつがあったにしても、そのことを私はとやかく言いませんけれども、そういうふうな駅長さんなり、あるいは助役さん、あるいは駅の職員、信号掛、それから一つは信号を見ている人、列車の安全を論ずる場合には、これは車の両輪でいずれをのけるわけにもいかないわけですよ。ところが、一方だけは説明をする、話はする、一方は文句があるなら、そういうことは交渉以前の問題だ、団体交渉の項目じゃないんだという、あなた方の総裁からの回答があるんですが、そういう言い方をされて、ほんとうに列車の安全が保てるかどうか、今磯崎理事の話を聞いておると、結論じゃない、あなた方の考え方じゃないですか。どこに結論があったのですか。河村理事は、一応の結論に達して云々といわれているけれども、運転事故の防止委員会か何か知らんけれども、そういうものの結論があって、労使まとまって、それじゃこれでいきましょうという結論はないんじゃありませんか、あなた方の考えは、河村理事の話は、突き合わせて――それは六百七十億か千六百億か知りませんけれども、突き合わせてみて、そう違いはないといっておられるけれども、この段階においては、結論じゃないじゃありませんか。
○説明員(磯崎叡君) 先ほど河村理事が結論と申しましたのは、とりあえず三十七年度に緊急にやる分について結論は、これははっきり出ております。これはすでに工事はやっておるわけであります。その後の五カ年計画自体を大々的に補正することにつきましては、これは現在、まだ政府としてもおきめになっているわけじゃございませんし、現在私どもとしましては、一応案を持って政府にお願いいたしておりますが、その内容と組合側の内容とを今しさいに検討しておるという、こういう段階でございまして、五カ年計画の補正自体の結論は、今国会が済みませんと出ないわけであります。
○中村順造君 それならばその六百七十億という、少なくとも重なる事故について、いろいろ国鉄の経営者側としての考え方を六百七十億という数字で折衝しておるといわれるけれども、これは見通しはどうなんですか、大体そのとおり、あなた方のお考えどおりいきますか。
○説明員(磯崎叡君) その点につきましては、事務的には大蔵省当局に現在、ちょうど説明しておる段階でございます。また政治的には、いわゆる与野党の先生方にお願いいたしまして、政治的にもいろいろ御尽力願いたい、こういうことで、実は昨日も関係の先生方にも、社会党の関係の先生方にも、実はお願いして伺うようなことをやったりいたしまして、極力事務、政治の両方面から、この数字が少しでも欠けないような努力を現在しておる最中であります。
 私どもといたしましては、たとえば全体的に削られたという場合に、どれを先にするか、たとえば電化と――電化についても、各地から強い御要請もございますし、線増につきましても、やはり運転事故をなくす一番大きなもとは複線化だといわれますが、そういったものの中で何と申しましても、直接に運転の保安に関係いたします六百数十億というものは、最優先に実行上の問題として取り上げていかなければならない、こういうふうに考えております。現在折衝中でございまして、非常に全部、これは実は政府の財政投融資でお願いしなければならない金でございます。一方政府のほうでも、財政投融資のワクが非常にことしは苦しいということでなかなか大蔵省の事務当局は、簡単にうんとは言ってくれません。私どもとしましては、あらゆる力を使いまして、この問題を解決して参りたい。まあできました際には、実行上につきましても、最優先にこれはやっていかなければならぬ、こういうふうに考えております。
○中村順造君 時間が長くなりますから、くどくは申し上げませんけれども、私は本会議でも、いわゆる参宮線事故以来、六年にもわたって当然しなければならないことを、やっていなければならなかった。たまたまことしは六百七十億という具体的な数字が出されておるわけですけれども、実際は、少なくとも今までやらなければならなかったことであるし、それをやらなかったために、あの三河島事故が起きるし、また、きょう申し上げたような羽越線の事故なども、やはりそれだけの設備、これは私は簡素化と言っておるけれども、やはり幾らか、そういう運転の保安に対する考え方が安易になっておる、こういう考え方でやられて、経営の方針で、いわゆるもうけにならないところには投資をしないという――それは公共企業などという名前がついているから、そういうことにならざるを得ないと思うのですけれども、そういうところに、国民の期待に反して重大な事故を起こしているということだかから、これはもういろいろ、具体的に予算が出た場合にも、われわれとしても意見があるけれども、少なくともその以前の政府との折衝段階において、一番力点を置いてやってもらわなければならぬことだと思うのですよ。これはやはり運輸委員会として、国鉄に事故を起こさせないという見地からするなら、特にその点を私は強調しなければならぬと思うのです。
 それからもう一つ河村理事に聞きますがね、こういう問題について、まだ組合と何か折衝していますか。その点はどうなんです。
○説明員(河村勝君) 先ほど磯崎常務が申し上げましたように、動力車労組が脱退後も、他の組合は依然として事故防止委員会を継続しておりまして、その中で、こういう保安設備その他の問題も協議いたしております。また、動力車労組に対しましても、五カ年計画の補正についてのわれわれの案がございますので、そういうものを提示いたしまして、事実上の接触はいたしておりますので、この内容については動力車労組も知っておるわけでございまして、決して――正式の団体交渉を要求されれば、それは団体交渉事項じゃないという返事をいたしますけれども、事実上の話し合いはやっておるわけでございます。
○中村順造君 動力車労組の脱退とか、団体交渉のことはいいですが、加賀山さんも御意見があるようですから私は申し上げぬが、テレビで見ますと、十四日に汽車をとめるとかおくれるとか、結局それがうまくいっていないから、そういうことになると思うのですよ。それで、今ちょっとお話の中にもあったけれども、どっかの組合に行って聞いてこい、そういう言い方じゃ、それはまとまらぬと思うのですよ、うまく。それは事態は、そんなことがあっちゃならぬことだから、あくまでも解消しなければならぬけれども、これはいつか――去年の春でしたか、いろいろ問題があって、この委員会で同じような議論をしたことがありますから、私はそのことは申し上げませんけれども、あなた方の姿勢いかんによって、非常に問題になっていけないことが問題になるわけだ。ところがあなたは、労務担当の理事になられてまだ日も浅いけれども、あなたが職員局長時代に、そういうことがしばしばあったわけです。これは組合だとか何とかいうことでなしに、ほんとうにこの暮になって、あるいは春の忙しいときに、そういう事態を招かないための努力をしなければいかんと思うのですよ。その努力を一つもされていないように私は思うのだ。今のような答弁で、何か木に竹を継いだようなお話で、一方では話をしておる、一方では知っているはずだ、そういうことであなた、事態の解決つきますか。どこかに行って聞いてこいというのは、もう少し具体的な話をしてもいいのですが、あなたの心がまえで、労務担当の常務として、こまかいことは別にして、少なくとも私は、もう少し突っ込んだ答弁ができるはずだと思うのですよ。その点はどうなんですか。
○説明員(河村勝君) 今まで申し上げましたように、この保安設備の問題につきましても、事故防止委員会以来、いろいろ労使間で話し合いを持ちながら対策を進めております。その中で、どうしてこういう問題について、汽車をとめるという計画を組まれるとか、その真意を知るに苦しんでいるわけなんでございます。われわれとしましては、あくまでも国民の御迷惑になるような事態を生ずることは避けるとともに、最後まで努力をやって参るつもりでございまして、決して他の組合に聞きに行けというような態度をとっておるようなことはございませんで、こういう問題について話し合いに来られれば、いつでもお会いして話をしております。決してそういう突っ放したようなことはいたしておりません。
○中村順造君 関連質問があるようですから、もう一つだけ聞きますがね。一方で事故はあるのですよ。あなたがどんなりっぱなことを言われても、それはまあ絶対性だとか、優位性だとか、士気だとか、いろいろ問題あるでしょう。しかし、依然として国民の期待に反して国鉄は事故があるのです。その事故をなくそうじゃないかということだから、それをどうするか。磯崎理事の言われるように、同者の意見を突き合わせてみて、あまり意見の開きはないのじゃないか、こういう意見なら私は聞けるわけですよ。あなたの言われるように、そういう問題は団体交渉の問題でないとか――団体交渉の問題でなくても死ぬんですよ、実際問題として。あなた方の設備が悪かったとか、行き届かなかったとか、ものの考え方が間違っておったとかで、現実に殉職して、やけどして全身火だるまになって死んでいるじゃないですか。しかも、一方ではこれは貨物列車だからそれでいいようなものだけれども、いわゆる国鉄に対しては重大な損害を与えている。まかり間違えば、国民の人命にも非常に大きな影響もあるような事故なんです。そういう事故をどんどん起こしておいて、それをなくするような提案――これは民間の会社だったら一つのやはり提案ですよ、それすら木に竹をついだような考え方では問題は解決しないじゃないですか。その問題はどうなんですか。少なくとも、もう少し差を納めていく努力をするということなら別ですけれども、そういう考え方はないのですか。一方では、行って聞いてこいなどということでできますか。どうですかその点は。
○説明員(河村勝君) 何回も同じことを申し上げるようですけれども、正式の団体交渉ということは別といたしまして、実質的な話し合いはやっておるのでございまして、決してよその組合に聞きに行けということは申し上げておりません。
○加賀山之雄君 今の質疑応答に関連して、大事なポイントだけ伺っておきたいと思う。
 それは、一つは、羽越線の事故は悪質中の悪質の事故で、私ども非常に痛心にたえないところですが、先ほどの問題で、中村委員の質問中に、運転保安について安易な考え、あるいは簡素化するというような考えでやっているのじゃないか、非常に安易な考えでやっているのじゃないかという言葉があり、それから国鉄当局からは、信号の絶対性ということを非常に強調されたように思う。私どもの観点としては、いかに設備を充実しても、最後に来るのはやはり信号保安、信号に絶対性を持って、これを絶対に守るということ以外に最後のあれはないというふうに確信を持っておるわけです。その点にあいまいな点があると、非常に私どもは心配なのです。そういう点、安易な考えで、たとえば経費が安くなるとか、簡易になるとかということでやってはたいへんだと思うのですが、その点について磯崎常務理事から御答弁を願いたい。
○説明員(磯崎叡君) 先ほど申し上げましたとおり、私どもといたしましては、あらゆる仕事の中で運転の安全の確保ということを最高の使命として考えております。したがいまして、経費の節約とか、事業の合理化という見地から、保安度を少しでも下げるということは絶対考えておりません。今回の新しい閉塞方式にいたしましても、私どもといたしましては、十分科学的に検討したものでございまして、信号方式そのものについては、私はこの信号絶対主義というものは間違いない、またこれでいかなきゃいけないという確信を持っております。ただ、先ほど中村先生のおっしゃいましたのは、その信号を確認するのに人間の注意力でいいかと、こういう御質問だったものでございますから、注意力プラス……、やはり人間の注意力のほかに、機械力でそれをチェックするという方法をとっておりますが、たまたま不幸にしてその種の信号機については、全然違う立場の二人の人間に信号を確認さすという、信号の絶対性を別の角度からチェックしておりましたので、物的なナェックができていなかったという点に問題があったのでございます。私どもといたしましては、先生の御質問の簡素化、あるいは安易な考え方で信号保安を考えておるということは絶対ございませんということを明言いたします。
○加賀山之雄君 車内の警報器、あるいは踏切施設、こういうものの運転保安について、非常に予算を多く来年は要求する決意があるところを聞いて、私ども非常に意を強くするわけですが、これはぜひとも取らなきゃならぬ予算だと思うのですが、先ほど申しましたように、これはあくまでもやはり、あるいは国鉄の運転に関係する従事員、特に動力車従事員が、人間のやることだから注意力が多少欠如するというようなことは起こり得る、これをカバーする意味なんで、先ほど申しましたように、こういう考えでカバーをしていくのだが、最後は、やはり何といっても従業員の絶大な責任感、あるいは注意力、これがやはり国鉄の私は経営上の一番大事な問題になってくるというように思うわけです。この点私は強調しまして、次にもう一点伺いたいのは、先ほどの事故防止委員会ですけれども、動力車労組が途中から抜けたというお話で、河村常務理事のお話では、あるいは磯崎常務理事のお話によると、これは労働問題、いわゆる対組合という問題以外だというお話で、これはもっともなお話……。先ほど中村委員がたびたび言われたように、これは事故が起きれば、国民の生命の安全に関係するし、まっ先にこの災害の影響をこうむるのは動力車乗務員であることは、今度の羽越線の事故を見ても明らかなんです。最もこの人たちは列車の保安ということについては絶大な関係があり、またそれだけに強い責任感と強い信念とそれから修練を要するわけなんです。これらの人は、最も運転保安についてのまた知識経験も、そういう意味からいって多いし、また発言も多かろうべきそういう人たちが抜けて、そうしているということは、一体どういうことに基づくものか、やはり労使対立といったような、いわゆる普通の労働観念でいっているような私は気がしてならないのですが、きわめて遺憾なことだと思うのですが、一体どういうことで動力車労組がそっぽを向いているのか、さらに、動力車労組がみずからどうして抜けて入らないのか、これは中村委員に聞いたほうが早いかもしれませんが、当局の意思をひとつ伺ってみたいと思う。
○説明員(磯崎叡君) 先ほど申し上げましたように、実は私自身が三河島のあと、事故防止委員会の所属三組合、それから私のほうもその会議の代表者のような格好でやって参りまして、非常に第六回まで順調にやっておったわけでございます。話も非常にスムースに進みますし、お互いにいわゆるしかつめらしい団体交渉の場という場でなしに、違った立場を捨てて、そうして事故防止という点に感覚を集中して、非常に実は円満にやっておったつもりであったわけでございます。突如として九月ごろ、動力車労働組合から私たちは参加しないという一片の通達を受けまして、非常に私自身残念に思いまして、その後その次の、動力車労働組合が抜けてからの初めての会議のときに、国鉄労働組合、あるいはほかの労働組合の諸君と話をして、一ぺんひとつ正式に動力車労働組合にわれわれの事故防止委員会に戻ってくれという、復帰の希望を正式に表明しようじゃないかということまで実はお互いに話し合ったのでございますが、いかにもそれはまあ形がまずい、対世間的におかしいじゃないかということで、正式な意見の表明はやりませんでしたが、私どもといたしましては、今の時点におきましても、いつでも私は動力車労働組合が帰ってきてくれれば、やはり前と同じようにひざをつき合わせて、事故の防止の問題に、当局、組合の立場を離れて、ほんとうに鉄道の人間としての立場でもってこの問題をやって参りたいという気持で一ぱいでございます。また、国鉄労働組合も、そのほかの労働組合も、その点につきましては私どもと全く同様な見解でございます。したがいまして、動力車労働組合さえ、自分のほうで帰ってやる、まあ帰るという気にさえなってくれれば、いつでも私どもは、戻ってきてもらって、昔のように全組合そろってやるという場をあけて待っている。私どもとしては、一日も早く復帰してくれることを願っているわけでございます。
○加賀山之雄君 この問題は全国鉄としてやるべき問題で、単に経営者の責任でやろうと思ってもできることじゃないと思うのです。これはやはり、経営者はもちろんのこと、運転、保安に関係のある全職員がこぞって、どうしたら事故がなくせるか、ことに重大事故が防止できるか、この強い責任感でもってかからなければできないことだと思うのです。もちろん、その順序や方法や手順になってくると、いろいろ意見もあろうと思う。これが先だ、あるいは予算が多少足りない、しかし設備上のことを一ぺんに、踏切にしたって、保安設備にしたって、膨大な予算をとって一ぺんに完成するということはできない。そういうことを頭において、そして手順を誤らずに極力その重要な予算をとってくる、それには、全国鉄が一つになって出るということがぜひとも必要だろうと思う。その場合に、私が非常に奇異に思い、残念に思うのは、形式的にもまた実質的にも、動力車労組がそこからそっぽを向いているんだということはとんでもないことだ、おかしなことだと思うし、また実質的に考えても、先ほど申しましたように、動力車労組の方々は、運転保安については最も切実な気持、せっぱ詰まった気持を持っておる方々で、そういう人たちが抜けて、そしてまたこれを一つの労働問題の、何というか、内部の対立のような格好を示していることはきわめて遺憾だ。これはあくまでも労組対立、労働問題の先にくる、先行する問題として私どもは考えてもらいたい。これは動力車労組の強い私は反省を求めたいと思うし、当局にもその気持でひとつあくまでも誠意をもって動力車労組に呼びかけてもらう。これを私はお聞きしたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○説明員(磯崎叡君) その点につきましては、この間も、国鉄労働組合とだけ事故防止委員会をやり、その次にまたほかの組合とやるということで、一回で一つの場でもってみんなで話をすれば済むものを、わざわざ三回なり四回やるということも実に時間もむだですし、またせっかくみんないい知恵を持っているのに、一緒に会してひざを突き合わせて話ができないということは、実際私どもとしても残念な次第でございます。私どもといたしましては、一刻も早く動力車労組が事故防止委員会に戻ってくることを切望し、また組合にも今後も呼びかけて参りたい、このように思っております。
○江藤智君 ちょっと関連して。ちょっと私中座したものですから、もうそういう質問があったかもしれませんけれども、この羽越線の事故、これについて一度その原因を承りたいと思ったのですけれども、結局、列車の安全運転といったところで、最後は人間の注意力によらなければいかぬということは、今加賀山さんのおっしゃったとおりですね。結局、列車の速度とか、あるいは経験年数というもので、人間の注意力なり錯誤を補うというのが、これがもう安全運転のもとなんです。ですから、かりに、そんなことはありようがないと思うけれども、車内警報器をつけたところで、アラームが鳴った場合に、かりに居眠りでもしておればこれはだめなんで、そんなことはありませんよ、ないけれども、やはり注意力によるわけですね。そこで、力の限度を越したか越さないかということが、これがもう保安設備を作る場合の基準になると思う。そこで、羽越線のような場合、出発信号機でしょう。だから、やはり運転係なり駅長なりが確認する、機関士もこれを確認して出て行く場合に、どうしてもこれは人間の注意力、われわれの常識でいえば、そこは大体注意力で補うものだと考えておったけれども、特に人間の状態とか、あるいは天候の状態とか、そういうようなことでそういうことを間違ったという理由はどこにあるか、その点をちょっと聞かしていただきたいと思います。
○説明員(磯崎叡君) その点は最初に申し上げたわけなんでございますが、天候あるいは信号機の機能その他には全然事故の原因になる要素はございません。ただ一つ、一ぺん青にした信号を――それは助役もまた機関士も確認しておる、それを急遽閉塞機を変えまして赤にした。したがって、前に見た青のままでもって列車を出してしまったというととろで、ほんとうに最終的に列車を出すときにもう一ぺん確認すれば、助役でもいいし機関士でも、どちらでもよかったのです。まあ全く恥しくて話にならないような次第でございますが、一たん青になっておったものが赤になったというところだけが理由とすれば理由で、それ以外には実は何ら理由がないということと、それから当然そういう閉塞は、当務駅長――その当時の助役が責任者でございます、その責任者がたまたまホームに出ておりましたために、信号係が隣の駅と打ち合わせして閉塞機を変えたという点にやはり問題があった。その点、駅側の失態も非常に大きいし、また乗務員の失態も非常に大きい、こういうふうに考えます。物理的あるいは天候的な障害は一切ない。ほんとうに不注意の連続だったということであります。
○江藤智君 今のお話を聞きますと、どうも先ほどからのお話の出発信号機と車内警報器との間の連動装置の問題よりも、もっとやはり出発直前に見るのが当然なんでしょうな。あるいは駅あるいは運転士の方々にそういう注意を喚起させるという問題のほうがむしろ肝要なことであると思う。そういう気持がいたしますし、そういう方面にも十分ひとつ努力をやっていただきたい。その点を私ども要望いたします。
○大倉精一君 私も若干関連になるかしりませんが、今江藤さんのほうから人間の注意力というお話がありましたが、これも繰り返すかもしれませんけれども、先ほどからの論議をずっと聞いておりますと、大体保安設備の問題に触れておられたようですけれども、たまたま今人間の注意力というお話が出ましたが、そこで人の取り扱いというものについては、もっとやはり保安設備以上に考慮を払わなければならぬと思う。ところが、これが逆になって、たとえばさっきのお話を聞いておりますというと、保安設備は労働条件なりやいなや、こういう論議がありましたが、これはもう法律以前の問題でございまして、たとえばアメリカにおいても、ニューヨークの港でピアにごみがたまって不潔だから荷役は拒否する、こういう問題が起こっておる。こういう問題は法律以前の問題としてひとつ考慮を払ってもらわなければならぬ。今の話と矛盾してくる。さらにまた、保安要員の減員の問題ですね。保安要員というものの減員をやったから起こった事故というものは、たとえばこれは十一月二十八日に起こった北陸線脱線事故ですね。これあたりも、聞いてみるというと、青森から吹田の操車場まで中間検車をやめてしまったものですから、南福井ですか、全然検車なしに行く。この列車の転覆事故等も聞いてみると、七トン半の空便の前の貨車に巻取紙の重いのが積んであった。そういう場合に連結誤差が非常に強かったということも聞いておるのですが、そういう人間を減すということはどうなんですか。もう少し保安要員というものは、別に設備と併行して充実するという方向にいくべきじゃないかと思うのですが、どうですか。
○説明員(磯崎叡君) その点、運転の保安要員、ことにただいまのお話は車を検車するほうの人間のお話ですが、この検車制度につきましては、一昨年になりますか、全国的に考え方を全く変えまして、新しい検車制度にいたしました。別にあれは必ずしも保安要員の削減というつもりでやったのではございませんが、御指摘の十一月二十八日のことにつきましては、その真の原因がちょっと判明いたしておりませんが、いずれにいたしましても、今御指摘のとおり、新聞の巻き取りを積んでおりました貨車、これはほとんど十五トン一ぱい積んでおりました。この貨車の問題が一つと、それから若干線路の状態、あるいは列車のスピードには問題がなかったというふうにいわれておりますが、あるいは車両の問題、いろいろ現在、そういった各方面から、金沢の鉄道管理局のほうにおきまして、事故の原因の究明本部を設けまして、急遽原因を究明中でございますので、必ずしもその車両だけであったかどうかということについては、まだちょっとはっきりいたしておりません。いずれにいたしましても、保安要員の削減で起こったという事故ではないというふうに考えております。
○大倉精一君 この事故は、またいずれ原因究明があると思いますけれども、少なくとも、これは今江藤さんがおっしゃったような人間の注意力によって起こった事故じゃなく、もっとほかに原因がある。そういう問題は、保安設備と並行して十分一つ検討してもらいたい。特に、先ほど御答弁の中に、動力車から出しておるところの予算案の一部に、人件費三百億は別にしてというお話がありましたが、そういう問題こそ、ほんとうに真剣に取り組んでいかないというと、注意力だけ要求しても、これはなかなか思うようにいかないのじゃないか。でありまするから、運転の安全ということを主眼に置いて必ずやられておる、にもかかわらず、事故というものは相次いで起こる、ますます最近の事故は悪質になる、大きな事故になる、こういうことでありますから、これはひとつ将来にわたっても、われわれも論議しなければならぬと思いますけれども、要するに、人間の面においてもウエートを置いて考慮してもらいたい。
 そこで、この北陸線の転覆事故に関連して、二十八日に荷おろし中の作業員が二名重傷及び死亡しておりますけれども、そのときの状態について少し説明していただきたい。
○説明員(磯崎叡君) ただいま御質問の北陸線の事故は、先ほどの羽越線の事故の一日前の十一月二十八日の午前五時二十三分に起こった事故でありまして、北陸線の鯖波という駅の構内で、通過中の貨物列車が途中で車両が浮き上がって脱線いたしまして、貨車が六両ほど脱線転覆し、その中に、ただいま大倉先生のおっしゃった新聞の巻き取りの紙、これは北海道から大阪へ送る紙でございますが、新聞巻き取りの紙を積んだ貨車がございました。その貨車がちょうど十五度くらい斜めになっておりましたので、その貨車の中の荷物をおろす作業を、武生通運と、それから日本通運の武生支店、この両店に委嘱したわけであります。両店から人夫数名が出まして取りおろし作業をやっておったのでありますが、その作業中、たしか、まだ二個か三個だけおろしたときに、突然、十五度くらい傾いておりました貨車が倒れまして、中に入っておりました武生通運の人夫一人、日本通運の人夫一人、二人が新聞巻き取りの下にはさまれまして、武生通運の斎藤某氏は間もなく死亡いたしました。日通の職員は大辻某氏でございますが、重傷でもって現在入院中でございます。この貨車がなぜ倒れたかということにつきましては、いろいろ当時の事情を今調査いたしておりますが、何せ、刑事事件にも関連いたすことでもございますので、現在、武生の警察におきましてその当時の事情を調査中というふうに聞いております。事情はそういう事情でございます。
○大倉精一君 これは、列車の乗務員の犠牲と並んで、やはりそれに密着した一つの作業、この犠牲なんですね。それで、これは貨車が倒れた原因とか、そういうものはいろいろあるでしょう。いろいろあるでしょうが、この作業に取りかかったまでの経過について私は問題があると思う。この場合に、現場において作業指揮をやっておるのは、公安室長ですか、公安室長がやっておるのですが、こういう人は作業指揮をやる任務があるのですか。
○説明員(磯崎叡君) 現場のその当時の事故の最高責任者の敦賀の駐在運輸長が現地に参りまして、局長のかわりに現地の指揮をとっておったわけであります。公安室長というのはちょっと聞いておりませんが、その場所々々に多少人が散っておりますので、あるいは、ここは駅長とか、あるいはここはだれというふうに分担さしたかもしれませんが、責任者は敦賀の駐在運輸長が局長代理で現場の復旧本部長をやっております。
○大倉精一君 私が問題にしておるのは、作業を強要してやらしたという点にあるのですが、この場合には、敦賀の島崎公安室長が現場の指揮をしておるわけです。武生通運の作業員に、十五度傾いた貨車の荷物の取りおろしをやれ、こう言ったところが、武生通運の作業員は三十年近い経験を持った人ですから、この貨物は危険だと拒否をした。拒否をしたところ、大丈夫だ、やれと言って強要したということがあるわけです。そういうことをやっておりますか。
○説明員(磯崎叡君) 私のほうで取り調べたところによりますと、事故発生直後、武生の駅長を介しまして、武生通運支店長及び武生通運に復旧の要員の要請をした。したがって、私どもといたしましては、こういう場合に、いわゆる復旧の作業契約を結ぶわけでございます。その場合は、こういう事故の直後でございますので、契約を結んでから作業をやってくれというわけには参りませんので、契約をあとにいたしております。口頭で、とにかく頼む、やってくれということでもって口頭の契約をいたしまして、そのあとで、事故が済んだあとにその処理をするという慣例になっております。普通、こういう貨物列車その他の事故の場合には、まず何と申しましても通運の関係の人に出動を要請する、あるいは消防、あるいは警察官という、付近の方々のお力を拝借するのでありまして、私のほうが命令するとかなんとかということでなしに、ことにこの場合は、理屈から申しますれば、取りおろしの作業契約を結ぶという筋で話をしておると思いますが、あるいは事故の直後でございますので、多少の言葉の行き違い等あったかと思いますが、事柄の性質といたしまして、あくまでも作業契約を結んで、この契約の内容としてやってもらう、こういうことになっております。
○大倉精一君 それはいいですよ。契約はけっこうです。ですから、その契約に基づいて、通常は駅長の指揮に従ってやる、作業をやるのですが、この場合、あぶない、人命にかかわる、あぶないからというのを、あえて、大丈夫だということで強要してやらせたという面があるのです。これはひとつ調べてもらいたい。これは非常に重大なんです。
 さらに、武生に頼んだということでしたけれども、武生の熊谷という積みおろし手が朝出勤したときに、駅長室へ来い、こういうことで行く途中に助役さんと会って、脱線転覆したから、そちらのほうに人夫を出せと言ったところが、熊谷君は、支店の命令がありませんのでというようなことを言っておりましたが、ところが係長に了解を得てあるからと言って、それじゃ行こうかということであったのですが、実は係長は知らなかった。これは係長があとから出てきて、いや、連絡があって、何べん電話しても通じないから、出てきて初めてそのことを知った、こういうことなんですね。こういう点についても、どうも私はそこまでやるいきさつがふに落ちないのですね。しかも、傾斜しておる貨車で作業をしておる最中に、その貨車の連結を切って、それがためにこの貨車がひっくり返った、そういうことを聞いておりますか、聞いておりませんか。
○説明員(磯崎叡君) その作業をしておりました貨車が転覆した原因につきましては、今先生のおっしゃいましたように、連結器がはずれているか、はずれていないかということが一つの問題点だったと思います。その点につきましては、私まだ正確に連結器を切ってあったということを聞いておりませんが、そういう話があるということは伺っております。
○大倉精一君 それは写真がありますから、あとでごらんになって下さい。この写真に、ここはまだこれはあいておりません。おりませんが、今度こちらからこちらへ移った、これだと、もうこれがあいております。こっちはちゃんと連結をしておるのですよ。連結しておる。普通でも貨車の中で取りおろし作業中は連結器をはずさないというようなことですね。この場合はあけてはずしておるんですね。ですから、十五度に傾いた貨車は、普通じゃもたないですよ。なぜもっておったかというと、連結器がかかっておったからもっておった。はずしたがためにガチャンといった。これでもって一人が死亡し、一人が重傷ということになって、しかも、これがなかなか助け出せなくて、チェンブロックで巻取紙をつり上げ、貨車の天井に穴をあけて穴から助け出した、こういうことになっておる。ですから、私はそういう点をひとつ調べてもらいたい。
 そこで、現地において、こういう問題についていろいろ事情を聞きたいということでもって、組合の諸君が――これは武生通運も日通も組合があるが、組合の諸君が駅長のところへ会いにいっても、駅長は、お前らに会う必要はないと高飛車に出てくる。組合ばかりじゃなくて、地方の人も憤激しておる。そういうことであっては、先ほどからの答弁からいって、高姿勢じゃない、低姿勢であるといっても、何か私はふに落ちないところがある。これは一武生に起こった事件でありますが、こういう事件が全国的に出やしないかと心配しておる。ですから、これは列車運行なり、あるいは貨物輸送なんというものは、先ほど言われたように、国鉄の労使が一体となってやると同時に、これに関連する構内の作業員、あるいは構内の管理者が一緒になってやらぬと、貨物の状態はなかなかうまくいかぬ。こういうような状態を見ると、私は現地に行っておりませんから、聞いたり新聞で見たりした、その程度でありますけれども、それによったところの感じでは、これはたいへんなことだ、そんなことがずっと全国的に蔓延していくようでは、なかなかたいへんなものだという気がしてお尋ねしておるわけです。どうも、私は事前にこの問題について詳細に報告してもらいたいといっておきましたが、そこまでまだお調べになっておらぬようですが、これはさっそく調べて下さい。
 それで、大体今のような状態でありますから、事故の責任は一体どこにあるのか、公安室長ですか、あるいは、駅長も、国鉄ばかりじゃないということで、三河島と同じように言っておられるらしいのですが、この責任はどこにあるのですか。
○説明員(磯崎叡君) 事故と申しますと、死傷……。
○大倉精一君 死傷事故。――脱線事故じゃありませんよ。
○説明員(磯崎叡君) 作業員が作業中になくなった、あるいはけがをされたという事故でありますか。――その点につきましては、先ほど申しましたとおり、私のほうの復旧作業上、お示しのような、たとえば作業上の手落ち、はずすべからざる連結器をはずしてしまった、そういうことがはっきりいたしますれば、これは当然国鉄の責任でございます。ただ、どういう理由で倒れたかということにつきましては、先ほど申しましたけれども、もう少し警察側の取り調べが判明するまでしばらく待ちたい、こういうふうに思っておりますが、私どもといたしましては、作業上の手落ちで起こったものか、あるいはそうでなしに、積み荷がおりたために重心が変わって貨車がひっくり返ったのか、その点がちょっとまだつまびらかになっておりませんので、これがわかり次第、もちろん復旧作業中の手落ち、あるいは注意の不足ということであるならば、これは当然国鉄の責任でございます。
○大倉精一君 それは、大体汽車の事故があった場合におけるプリントに刷ったような答弁ですよ。あれは、今度の場合、警察で調べておるといいますけれども、大体警察も初め知らぬ顔をしておったんです。何か公安委員のほうと連絡があったかしりませんけれども。地方の人がささやき合って、なぜこれは原因を究明しないのだ、こう言って初めて調べたのだ。私の言っておるのは、そういう刑事事件の責任じゃない。つまり、普通の作業でなく、この貨車はあぶないと言った。この貨車はあぶないから……。しかも、この場合に、国鉄労働組合のほうもいろいろ聞いて、国鉄労働組合のほうも憤慨しておるのですよ。通信区のほうからは、傾斜した貨車から五十メーター以内は立ち入り禁止をする、こういうことを指示しておるのですね。客貨車区のほうからは危険はないと発表した。これは刑事問題と関係ありませんよ。ですから、武生通運の作業監督の田中治作君は、この貨車は傾いておるからあぶない、しかもこの人は日通に十六年、丸運に十三年もいる現場監督の経験者です。その人があぶないと言うのにかかわらず、島崎公安室長は、大丈夫だ、入れ、そういうことで入れておるのですね。しかも事故が起こってから武生支店長のところへも行ったらしいのですけれども、みんながいいといったからおれもいいと思った、こういうことを言っておられる。こういう点で、私はこの場合の責任の所在というものは刑事問題とは別だと思うのです、これは。あるいは作業契約とは別なんです。作業契約をして、日通なら日通、あるいは武生通運なら武生通運の作業監督がお前やれといって事故が起こったんなら、今度は刑事事件で、はたして業務上過失致死があるかどうかということがあるけれども、その以前の問題だ。作業監督は拒否したのだけれども、ということですね。これもいろいろあとの問題があるでしょうけれども、武生におきましても、係長の承認を得ておるのだといっておるのですけれども、得てなかった。それでまあ準備か何かでぐずぐずしておると、やってきて、これからの付き合いもあるのに何をぐずぐずしているんだというような威嚇的なこともあったということを聞いております。これは別にしまして、現実にそういう危険なところの作業を強要したと言えるかもしれませんがね、そういう場合に、そういう点について国鉄は責任ないのですか。
○説明員(磯崎叡君) 先ほど先生おっしゃいましたように、純粋に事務的に考えれば、口頭でも何でも一たん作業契約を結びますれば、それからあとの作業は、作業を請け負ったほうが責任を持ってやることが建前だと私は思います。したがって、それに対しまして、その局外者が何を言おうと、それの言うことは権威がないことでございまして、それが暴力その他でやったことなら別でございますけれども、口頭その他で言われても、それはやはり作業を請け負った側の責任者の指示によってやるべきことだ、こういうふうに考えます。
○大倉精一君 公安委員というのは、大体事故防止でしょう。これは事故防止を担当すべきものですね。この人が、口頭でも何でも、やれと言うのですよ。それで、現場におけるところの国鉄と、日通なり何なりの作業員との関係というものは、非常に密接のもんです。やれといわれれば、いやといえない立場にあるのですね、これは。そういう立場にあるものが、やれということを強要をする。やれと言うから、しょうがない、やろうということで、そこでひっくり返って死んでしまった。それで、あなたの今のそういう答弁になりますと、それは日通の作業員や武生の作業員が、日通や武生の作業監督のいうことを聞いてやらないからなんだと、こうなる。そんなばかなことはないと思うがどうなんですか。
○説明員(磯崎叡君) 私が申しましたのは、作業契約を請け負って作業をする以上、ほかの者がとやかく言うべきことじゃない、こういうふうに考えます。ただ現実に、現場に公安室長がおったか、駅長がおったか、その点は私ははっきりつまびらかにしておりませんが、一たんとにかくこり荷物の取りおろしを通運関係の人に委託した以上、それの認定によって作業はされるべきものだと、こういうふうに考えます。それに対してよけいなことを言ったとすれば、言った者がたいへん悪いと思いますけれども、まあそれは専門のことはやはり専門家にまかせるべきであって、早くやってくれとかいうことは、これは言うことがあると思いますが、全体として作業の内容について局外者が指示するということは、私としてはあり得ないことだ、こういうふうに考えます。
○大倉精一君 これはひとつ調べてもらいたい。これはここだけの問題じゃなくて、これからもあり得る問題なんですよ。現場の作業の秩序、系統から言ってですよ。ですから、公安室長がそういう危険なところに命令してやったということは、権限あるなしにかかわらず、公安室長はその作業の指揮に当たる――まあ現場の人を指揮するかもしれません。しかし、これは国鉄の名においてやるわけでしょう。国鉄の名においてやる。でありまするから、公安室長にもしも責任ありとすれば、あるいは武生通運にも責任があるとすれば、国鉄に責任があるわけですね。ですから、国鉄は部内でどういう責任のとり方をするか、これはわかりませんけれども、そういう場合に、これは業者の責任だ、何だかんだということだけじゃ済まされないと思うのですね。あるいは私の言うことがどうもふに落ちないということがあれば、あとで証人を呼んでもいいですよ。参考人を呼んでもいい。これは責任を明らかにしなくてはいかぬと思う。しかも、これは普通の請負関係とは違う。現場で毎日々々顔を合わせて、国鉄と通運業者、あるいは国鉄と荷役業者というものの関係はきわめて密接であるのです。と同時に、いやとは言えないという立場がこれは古くからある。そういう関係があり、しかも、ここでもって人間が一名重傷だ、それでもやはり国鉄として責任がありませんか。連結器を切り離す、離さないということは、これは調べてもらって、あるいはその辺は業務上過失致死はあるでしょう。それは刑事上の問題である。それ以前の問題で、私の申し上げたことについて責任がありませんか。
○説明員(磯崎叡君) 先生の御質問の国鉄の責任とおっしゃるのは、今最後におっしゃった貨車の転覆したこと、傾いた貨車が倒れた、すなわち、今度の死傷の直接の原因になった貨車が倒れたことでなしに、その前の、作業をやらしたことに対する責任と、こういう御質問でございますか。
○大倉精一君 むろん、今の作業を、連結器を切った責任はあるでしょう。これは今警察が調べているから明らかになるでしょう。しかし、調べるまでもない。ここに写真があるし、私が切りましたと言う人がいるのだから。そういうところは危険だからいけないというにもかかわらず、早くやれといって急がせてやらせたのは国鉄のほうですからね。公安室長の名における国鉄なんですから。
○説明員(磯崎叡君) そのときに、公安室長がおりましたか、駅長が指揮したか、私は具体的にその場を存じませんが、一たんとにかく日通なり武生通運に、この三十一両から三十三両と三十七両、四両の貨車の荷物をおろすことを、まあ傾いてはございますが、契約したわけです。したがいまして、その後に、それを危険なりやいなやの判断は、当然これはその作業を請け負った側が考えるべきであって、それに対して、したがってその限度においては国鉄の仕事というものはその請負人にまかしたというふうに私は見るべきだと思います。まあだれがその場でどういうふうに言ったか、それは別といたしまして、私どもとしましては、日通なり武生通運に取りおろし作業を委託したというふうにこの問題は考えていただきたいと思います。
○大倉精一君 あなたはそういう工合におっしゃるのなら、はたして日通とこれとの作業の下請けができているかどうか、これは問題ですよ。これは、私の調べたところでは、ちょっと紹介しますと、日通の熊谷熊次という積みおろし手がいるのですね、日通に。この人が、朝の七時ごろに駅長室に呼び出しがあったから行こうとしたところが、助役さんが貨物のところまで来て、脱線転覆事故があった旨話があり、すぐさま現場に行ってもらいたいという応援の要請があったので、熊谷氏は、僕らは駅出で、八時半までの責任もあるし、会社のほうから命令がなければ工合が悪いと言ったら、そのことは小鍛冶さんに話をして了解を得てあるから――小鍛冶さんというのは係長ですが、そう言うので、仕方がない、まあ係長が承知しているのなら行こうじゃないか、こういうことで行ったのですよ。ところが、肝心の小鍛冶さんの話によると、朝の六時三十分分ごろ、自動車便夜勤者竹内さんが自宅に呼び出しに来て、鯖波駅構内における貨物列市の脱線事故が発生、駅長より応援の手配をせよとのこと、すぐに電話してくれ、こいうふうに言った。ところが、何べんかけても電話は通じなかった。一方的なんですね。オーケーとも何とも言ってないわけです。ですから、そういう契約以前に、すでに、これもまたきつい言葉で言うならば、虚偽の言動によって、そして人夫を現場に出したということですよ。事故が起こってからあとで、組合と駅長と会っていろいろ激論があったのだが、駅長が暴言を吐くので、組合の諸君が、それなら駅長は日通なりあるいは武生通運の作業員を使う権利があるのかと言って激高したらしいのですが、これは余談なんですが、そういう経過から見ると、はたしてそういう契約になっておったかどうか、ややこしい問題になる。私は、そういうややこしいことではなくて、率直に言って、ああいう危険な貨車が一体――これも口頭ですよ、これは危険ですからだめです、私は三十年間経験があるからだめだ、そんなことは大丈夫だからやれという語調で言ったかもわからない。もう仕方がないから、やれと言ったからやろうかということなんですね。それでそれがひっくり返った。これは三河島とか、一般の列車の事故と違って、これは明らかに法律以前の問題として、刑事事件以前の問題として、国鉄は責任を取ってもらわなければならぬと思うのですね。今後もあることですから、やはりこの事件は簡単に済ませてはいけないと思う。いかがですか。調べられて研究されますか。
○説明員(磯崎叡君) まあ、あの通運業者と私どもの関係と申しますと、それは先生のおっしゃったように、層歯輔車と申しますか、お互いに助けつ助けられつやる仕事でございますので、こういう応急の場合とか、あるいは雪害の場合とかは、全く一体になって互いに作業を今までやってきたと思っております。したがって、あるいは支店長がいなければ支店長の下の人にでも話をして、それがやはり仕事でもって筋に乗ってくるというのが今までのやり方だったと思いますので、正式に契約左右とおっしゃいましたが、それは口頭で、あるいはまた場合によっては、こういう緊急の事故の場合でございますと、責任者がいなければその下の人、あるいは直接に頼んで、そしてあとから形をつけるということは、これはあり得ることだと思います。したがいまして、今度の問題につきましては、私ども国鉄といたしましては、国鉄全部――すなわち結局問題は貨車が倒れたということに私は一つ大きな問題がある。もし貨車が倒れなかったならば、あるいはそのまま作業ができたかもしれないというようなことも考えられるわけでありまして、問題は、やはり貨車が倒れた原因がどこにあるかということではないかと思います。まあ駅長か公安室長かが直接人夫にいろいろ言ったということは、これは確かに行きすぎ――直接言ったとすれば、これは行きすぎだと思いますが、しかし、普通ああいう緊急の場合でございますし、まあ一々作業監督がいなければ、あるいは直接いろいろ言うことはあるかもしれません。しかし、これは歩くまでも常識の範囲内の問題であるべきであって、それが職権をかさに着たような要求などをしたとすれば、それは不当なことだと思います。しかし、その点はもう少し詳しく調べてみないとわかりませんので、もうしばらく時日をお待ち願いたい。こう思います。
○大倉精一君 これは、実際現場で作業をやっている者が見れば、危険かどうかわかるんですよ。しかも積み荷によって、危険かどうか、これは違うでしょう。しかし、新聞の巻き取りなんかは六百キロぐらいあるのですよ。しかも傾いていますから、傾いていれば、ここに縄をつけてこっちに倒さなければ出ない。これをやるたびに貨車はががっとする。これは実験してやってみるとわかる。六百キロありますから。そういうような作業をやらなければならぬということは、これは非常に危険なことは当然なんですね。ただ公安室長というのは、早く出すことが任務ですから、人間の命よりも早く出すことが大事かもしれない、極端に言えば。早く通さなければならぬからやれ、こうなったんではないかと思う。しかし、今あなたのおっしゃったように、倒れたからいけないのであって、倒れなかったらいいじゃないか。これもまた極言じゃないかと思うのです。倒れなかったら幸いのこと。倒れる公算が非常にあったということは当然考えなければならない。それを、こうやれ、あわよくいけばこうしていく、これは非常に危険な話だ。むろん田中君が拒否するのは当りまえですよ。ですから、かりに武生通運が請け負っておりまして、作業監督がおるはずだ。作業監督が拒否したんだ。それをやれといった。監督は、仕方がないからやれといってやったんですからね。これは、あなたの筆法から言うならば、それは請け負ったのが命令して監督したんだから、やらせたんだから、請け負ったほうの責任だ。それはちょっとだれが聞いても通りにくいんじゃないですか。
○説明員(磯崎叡君) 私が申し上げましたのは、結局原因は、その貨車が倒れたことが原因だと思います。したがいまして、通常の請負作業ならばそのまま済んだものを、貨車が倒れたために不幸な結果になったのでございますので、その請負作業中に、請負作業以外のものが、作業の邪魔になるようなこと、あるいは作業上危険を生ずるようなことをするのは、これは常識の範囲内のことは別でございますけれども、それ以外のことは、やはりなんと申しますか、人間としてのやるべきことを越えてやっておるというふうに理解される問題だと、こういうふうに思います。
○大倉精一君 これは、この作業にかかる前にバレイショをおろしておったんですな。そのバレイショは本線を通すに関係がないからこちらをやれ、こういうことで、十五度以上傾いた貨車の前の作業をやっておったんですね。これは関係ないからといってまたこの公安室長はこれをやれというように命令した。そこで初めて田中君は、それは危険だから、こう言ったんですよ。いや大丈夫だ、危険がないからやれ、早く通さなければならないからやれ。こう言った。今あなたは、問題は貨車の倒れたことだとおっしゃるが、私はもう一つ先に問題があると思う。貨車が倒れるということは、中に入って荷物をがちゃがちゃやらなかったら貨車は倒れなかった、じっとしていれば倒れなかったと思う。そう思いませんか。貨車が倒れたことが問題ではなくて、倒れるようなことをやらせたのが問題じゃございませんか。
○説明員(磯崎叡君) その点は、私も現場を見ておりませんので、今明確に申し上げられませんが、先ほど先生のお話の中にも、だれか連結器を切ったやつがおったとおっしゃいましたが、やはり連結器を切れば十五度以上傾いておる貨車ならば、やはり倒れる可能性が多いというふうに考えてみてもいいと思うのです。
○大倉精一君 それならばなおさら、連結器が切れるという公算もあるんですから、なおさらそんなととろにこういう作業をやるということはだれもいやでしょう。私だったらいやですよ。だれに命令されてもいやです。ところが、ほかならぬ公安室長の命令、ほかならぬ国鉄さんの命令ということで、田中監督は、しようがない、やれ、ということになったんでしょう。これはひとつ調査をしてもらいたいと思う。
 そこで、何か示談で事を済ませようということで、武生通運へ石崎法務課長から労災の適用を受けられますかということがあったらしいですね。それを受けるとどうなるかというと、除雪人夫並みで一日三百六十円・千六十日分だと、三十六万円くらいですか、こういうことで片をつけようというように話をされてきたらしいですが、金額はたくさん補償してもらうのはけっこうだが、私の問題にしておるのは、責任の所在をこの際明らかにしてもらいたい。構内作業は非常に危険な作業ですよ。その危険な構内作業におけるところの作業の指揮監督、命令系統なり、特に非常の場合は、こういう事件が起こって、責任はおれのほうはない、向こうのほうがあるんだ――これでは死んだ者はたまったものじゃないですね。あるいはけがした者はたまったものじゃない。それをかかえているところの会社もたまったものではない。責任は明らかにしてもらわなければならない。十分調査になっておらんらしいのですが、十分調査して、あとで調査の結果を報告してもらいたい。
○説明員(磯崎叡君) 調査します。
○中村順造君 時間がなくなりましたから、まあ先ほど関連質問の中でいろいろ話がありましたから、二、三点申し上げてやめますが、この運転事故で、今何回も言うたけれども、現実に片一方で、注意力だとか精神面だとかいっても事故があるわけですね、これは。そういうことで、とにかく労働組合の話も出ましたけれども、いずれにしても、国鉄からもう事故をなくしよう、これは事故がなかったらそういう声は起きなかったわけですよ。それから事故がひんぱんとして大小さまざまあるから、事故があっては困るのだ、特に三河島の事故を契機にして、今まで比較的国鉄の事故というものについて無関心な人も、事故を国鉄にやらしてはならぬということで、海野先生あたりが筆頭になってやっておられるわけです。あなた方は、全然そんなことは部外者のことだからと考えておられるかもしらぬけれども、これはたいへんなことだと思うんですよ。国鉄の経営上の責任から言えば。
 ところが、内容を掘り下げてみると、これは国鉄総裁の出した文書だけれども、何か、国鉄の事故防止というのは労使の問題じゃないのだ、こういうふうな意味のことで、団体交渉以前の問題として、事故防止委員会というのをあなた方は強調されて、それを運営をすることによって事故をなくしようというふうな考え方に立っておられる。先ほど突如として、どっちかの組合がそれからはずれたとかいうような話がありましたけれども、これは、はずれるにははずれるについての理由があったと思うのです。というのは、私はお尋ねしますが、事故防止委員会というのは、今現実には歯車が回わって、それで何らかの結論が出、成果があると考えておられるのですか。私の聞いた範囲では、三十数万を擁する国鉄労働組合ですら、これは有力なあなた方のメンバーであろうけれども、第三者を入れて権威のあるものにして運営をしなければむだだ、こういう意見を出して、現実には歯車は回わっていないというふうなことを聞いているわけです。ただ、なぜかというと、今まで運営された中で、先ほど来加賀山さんなり、いろいろな血から関連質問の中で言われたけれども、精神面というのは、非常に士気とかいうことは、これは大切なことなんですよ。これは私が言うまでもなく、第三者からそういうことを強調せられる前に、本人は命がなくなるのですから、事故があれば。たとえば三河島にしたって、参宮線にしたって、あるいは今度の羽越線の問題にしたって、みな殉職しているんです。殉職者が出ている。動力車乗務員という者は。だから、これは注意するなと言うたって、自分の命にかかわることだから注意をしないばかはおらぬわけです。それだけをあなた方が金科玉条にしてやられるところに問題がある、実際問題として。それで、ほんとうに今日の列車密度、あるいは速度、そういうものを判断して、注意力プラス何かのものがなきやならぬということで、六百七十億という話も出ているけれども、それを具体的な一つの問題として提起しない。やはり、精神面だ、いや訓練だ、指導だ、そういうようなことばかり言っているから、こんなものを言ったってだめだ。――実際、磯崎常務理事がさっき加賀山さんの関連質問で答弁したように、うまくいっておった。ところがそれはうまくいっておったというのは、内容がどうか僕は知らんけれども、そういうことが、あなた方の判断では、それで協力が求められると考えたところに大きな問題があるわけです。きわめて民主的に議論をし、討論したのが、それじゃやはり何にもならないじゃないか、われわれは締めつけられるだけじゃないかというのが、突如として脱退をした、あなたの言葉でいう大きな理由だと思うのです。だから、まあ今いろいろ羽越線の事故その他を私が申し上げると、内容的に六百七十億のこれはことしだけではできない、それはもちろん踏切の問題は別にしても、そう一朝一夕にもう精神面プラス・アルファが完璧だということにならぬと思うのです。問題の性質上、そしてあなた方の考え方を具体的に、やはり金のかかる仕事でもあるし、それからいろいろ技術的な問題があるから年を追ってそして実施をしていく、そういうことになろうと思うのですよ。けれども、今日あなた方が今言っておられるように、事故防止委員会がすべてを解決するというようなことは、労使の場だとか、そういう判断をするところに今なお事故が跡を断たないと私は思うのです。だからこれは、私はきょうは副総裁も病気だと言われるし、総裁も出ておられないけれども、そういう面については、直接国鉄の業務を担当しておられる常務理事あるいは労務の窓口の関係にある河村理事として、そういう面はどういうふうな考え方ですか。やはり注意力、注意力と言われるけれども、それだけ強調すればもう事故はなくなると一体考えておられるのですか。
○説明員(磯崎叡君) その点は、先ほどから申し上げましたように、三河島のときにもいろいろ問題になりましたが、もちろん人間の注意力には限界がございますし、やはりひょっと欠けることもある、それを物理的な力で補うことをしなければならないということは最近の傾向でございまして、私どもももちろん注意力だけで万事が解決するとは決して思っておりません。したがいまして、ことしもこれは予算要求をいたしまして、これはほとんどみんな注意力プラス・アルファに使われるものだと、こういうふうに私は考えます。
 それから私自身やっておりましてたいへん恐縮でございますが、事故防止委員会の第一回のときに、四組合と私のほうとの話し合いの中で、とにかく事故に関することは全部この会議でやろうじゃないか、こういう実は約束をしたわけでございます、私は絶対に事故防止委員会は最高だとかなんとか申すのじゃなしに、ほんとうに四者の第一回の会合のときの申し合わせといいますか、とにかくこの事故に関することはこの会議にかけようじゃないか、こういう約束をしたわけでございます。これはもちろん四者きちっとそろってて判を押した約束でございますので、私どもといたしましては、今までのところ、事故防止委員会が労使問題以前の最高の機関だと、こういうふうに考えておるわけであります。これは別に強制的なものでもなければ、規則でできたものでもない、ほんとうにお互いの話し合いで、とにかく事故防止については全部この会議でひとつ話そうじゃないか、こういう前提で発足したものでございますから、さっきのようなことを申し上げたわけでございます。しかし、その後のいきさつからいって、たいへん回っていないとおっしゃいますが、私どもといたしましては、多少スピードがおそいかもしれませんが、私は動いておる、こういうふうに思っております。動き方がおそいので御不満だったかもしれませんが、現に具体的にそれは訓練の問題も話をいたしまして、また、先ほど申しましたように、三十七年度の特別の予算の使い方についても話をいたしておりますが、回り方がおそいとおっしゃられれば確かにおそいかもしれませんが、回っているつもりで私はおります。
○中村順造君 やめますが、しかし、せっかくおっしゃるけれども、回っている、回っていると言われても、結局意見が出ておるわけですよ、国鉄労働組合から、第三者を入れて権威のあるものにしようじゃないかと。ただ私をして言わしめるならば、これはむしろ国鉄労働組合あるいはあなたの言われるその他の組合、新潟の組合かどこか知りませんけれども、大体組合の主体というものは、もちろん信号を扱う人もおりますよ、おりますけれども、しかし、切符を取り扱ったり、売ったり、あるいははさみを入れたり、そういうことをする人、まあ駅務ですね、そういう人が主体でしょう。いわゆる車掌さんとか、そういうものとそれは渾然一体となって、全職員が国鉄から事故をなくするという気持に立つことは、これは立たなければならぬけれども、仕事の性質上からいえば、やはり事故防止委員会は組合に復帰して活用するように要望するというような回答を出されておるけれども、肝心のハンドルをとっておる、多数を占めておる組合をオミットして――それはオミットしたか自分から出ていったかわからぬけれども、その間の事情はいろいろあろうけれども、そういうものは別にして、運転の事故防止などということを言うことがナンセンスじゃありませんか。何とか努力して事故をなくす、協力して、呼びかける、その一つのあるもの自体が歯車が回っていない。そういう判断をしておるところに、帰ってこい、帰ってこいと言われても、その中ですら第三者を入れて権威のあるものにしようじゃないかという圧倒的な意見があって、事実上回転をしておらない。しいて回転をしておると言うなら、具体的に、何月何日にどういう結論が出て、どういうふうになっておるかということを説明してもらわなければなりませんけれども、そこまでは言いませんが、あとで調べればわかることですから言いませんけれども、そういうものを何か、あなた方がそれがあるために、それだけにたよっておれば事故がなくなるという言い方をされるのはおかしいのです。特に河村理事はいろいろ相談をしておる、相談をしておると言われるけれども、私の聞いておる範囲では、あなたの相談はまことの相談ではないと思うのです。あえて相談をしておると言われるなら、あとで調べればわかるけれども、何かよその組合で聞けば、おれたちの考えは、お前たち逃げたから話す必要はないと言っておる。一体、十月の十四日のテレビでやったやつ、そういうものを回避される努力をされる意思があるかどうか。そういうものは何もやっていない。おれたちはその処分をするのだ、いつも処分が問題になるけれども、あなたはこれは総裁でも副総裁でもないけれども、あなたは労務を担当されているが、かつて職員局長、新潟の鉄道局長あるいは今度労務担当の重役となられても、依然としてそういう方針をとられるところに問題が起きてくる。一方では、あなた方事故をひんぱんにやっておって、しかも、事故防止の対策について十分でない。人をよこせ、賃金を上げろという議論でなく、どうしたら事故をなくせるかということで、国鉄から事故をなくしたい、一つの国民的な既成事実の期待にもこたえてやろうというのに、全然よそを向いておるのが今日の国鉄首脳部の態度です。その点はどうなんですか。
○説明員(河村勝君) 事故防止委員会が現在満足にスムーズに回っていないということは、磯崎常務から申し上げましたけれども、これは一つには、動力車労組が脱退された、そのために従来よりもスピードが落ちておるということでありまして、動力車労組も抜きにして国鉄が事故防止委員会を動かすのはおかしいじゃないかと言われるけれども、各組合と協定してやった委員会でありまして、動力車労組だけが協定を破棄して、それで抜けられたわけですから、あとの残った組合に対して、われわれのほうから協定を破棄して事故防止委員会をなくすということはできませんけれども、あくまでもわれわれは既存の約束を守ってやっていかなければならぬわけであります。そういう意味で事故防止委員会は事故防止委員会として大事にする、国労のほうから第三者委員を入れろという話は、これは八月、作りました当初からそういう要望はありまして、事故防止委員会といたしましては、問題の性質によって第三者を入れることは、必要な場合には入れよう、そういう約束になっておりまして、その点は何も今始まったことではなしに、最初からの約束でございます。そういう意味で、一方で事故防止委員会は続けて参りますが、動力車労組の問題につきましても、それは形は別でございますけれども、先ほど申し上げております構内設備の今後の予算の内容なんかは、動力車労組においても資料は持っておりまして、それについて意見の交換もやっておりまして、決してやるならやれというふうにほうっておいてあるというような性質のものではないと思います。
○中村順造君 やめますが、結局私の今質問した、この間テレビでやった、組合が発表した、事態を回避するために具体的にどういうふうな措置をしておられるのですか、考え方なりね。団体交渉の問題じゃない。事故防止委員会があるから、それでやるのだという考え方ですか、依然として。さっき磯崎理事のお話があったように、政府にお願いをしておるという具体的な六百七十億という予算、これは問題の性質上、与党とか野党とかいうことでなしに、具体的に国鉄から事故をなくするという国民の負託にこたえるということが、これは当然努力をしてもらわなければならぬけれども、さしあたって、どういうところに対立点があるとかどうとかいう、そういうことは僕は聞きませんけれども、ほんとうにいつもこの委員会で言うことだけれども、国鉄労働組合にしても、あるいは動力車にしても、いたずらに組合と物事を起こしてそして国民に迷惑をかけるということは、これは組合だけの責任ということでなしに、国鉄自体として解決してもらわなければ困る問題なんです。ところが、肝心の窓口にある河村理事の今日の言動というものは、そういうものとしては、非常に今私の言っておることと逆行しておるわけです。そういう点については、考え方を改めろとかなんとか、私はそんな開き直ったことを言わないけれども、一体、このままの状態でそのままいくならば、これは、あした臨時国会が召集になれば、委員会もまだそれまでにはあることだけれども、あとでまたどういうことを具体的にやったかということを説明願うことになろうと思うけれども、さしあたって、向こうが資料を持っているはずだ、そういうことでなしに、予算の資料なんかでも、向こうが持っておるはずだと、こういうようなことをあんた言われておるけれども、どうしたら具体的に事態を回避するか、あるいは事故をなくするか、こういうことの考え方があるのですか、今から先どうしていくかという考え方がないわけないでしょう、国鉄の幹部として。
○説明員(河村勝君) これは、われわれのほうだけがどうこうできる性質のものでございませんので、両者の間がどういうふうにきまるかということで結論が出るわけでございます。事故防止委員会でやらない――脱退するということは別としまして、この保安設備の問題を、団体交渉でなければやらないという主張も、これもまた非常に形式だけを建前にした議論かと思います。意見は十分にお聞きすると言っているにかかわらず、団体交渉でなければ話し合いに応じないということを言われましては、なかなか事態の収拾はむずかしかろう、そう思っております。
○中村順造君 わかりました。それで、あんたは団体交渉だとか法律上の問題に非常に固執されておるようだけれども、先ほど加賀山委員のお話も、それから江藤さんのお話も、やはりいろいろ職員の士気にも影響することだし、事故にも関係することだから、こういう趣旨の話があった。ところが、団体交渉でなければやらないとか、相手のあることだからと言われるなら、それなら労働者の側からいっても相手のあることです。あんたが相手でしょう。あんたの出方によってどうかなるわけです。しかも、これはみずからが一たん誤れば自分の生命にかかわる問題だ。これは職場環境です。安全側線に乗り上げれば、転覆して、そして自分のほうの命がなくなるという問題を、法律をたてにして書いてありますよ。公労法の何とかかんとか書いてあるけれども、そういうことでなしに、国鉄自体の問題として解決をするというなら、これはまた法律以前と私は言わないけれども、少なくとも以前の問題でなしに法律から見ても、大局的に見るなら、これは職場環境です。工場の光が少ないとか、ごみが多いとかいう問題と同じですよ、これはただ移動するだけの問題であって。しかも、相手がそういう言い方をしておるから問題にならぬとか、あるいはせっかくあるものから脱退したじゃないか、そういうことばかりあんたがたてにとっておれば、事態の解決はできませんよ。実際問題として、迷惑するのは国民だけですよ。だから私は国会でこうしてあんたに聞いておるのだけれども、あんたは依然としてそういうことをたてにとっておるから、そういう方向で今後いこうということなら、これは事態の解決にせっかく時間をかけてここでこうして質問をして、どうしたら事故をなくすることができるのか、どうしたらそこに建設的な結論が出てくるかということの質問に対して、全然答弁にならぬじゃないですか、あんたの答弁は。そういう答弁をしておったんじゃ、何時間やったってだめじゃないですか。具体的に話し合ってとか、相手のあることだからだめだなんという言い方をしておったら話になりません。どうしますか。あと一週間くらいしかないから、もう少し具体的に……。副総裁がこの前、去年の春ですか、最後まで努力しますから、というお話だったけれども、あなたはそういうことは一つも言わないじゃないですか。労務担当の常務理事としてそれでは謙虚な気持にならぬじゃないですか。それでは国民の負託に反するじゃないですか。その点はどうですか。
○説明員(河村勝君) 要は実質でございます。実質の備わった中身を、お互いの意見を交換していけば、先ほどから申し上げておりますように、保安設備の問題にしても、中身にはそうたいした食い違いがあるはずはございませんし、決してそういう汽車がとまるというような破局に至らないようにまとめる私は確信を持っております。
○中村順造君 努力するわけですな。
○説明員(河村勝君) もちろんでございます。
○中村順造君 終わります。
○委員長(金丸冨夫君) ちょっと、他の委員からの質疑について明らかではないような点が一つありましたので、私委員長でありますけれども、確かめておきたい。
 音田運転局長にお伺いしますがね、この正面衝突に関連してですが、単線の保安装置というのは最も大事なことですね。昔からこれは非常に大事にしていろいろやられて現在の通票閉塞方式をとっておったのですが、磯崎常務理事のお話では、単線自動信号方式に切りかえておるとのことですが、これは全部切りかえて今後いくという方針かどうか。もしそれでいくとなれば、この単線関係について私どもしろうとが考えるというと、通票を持つ場合には、今度の事故の場合でも、一方が一分前でも変更した場合には、こちらの方を入れなければ向こうが出ないのです。それだと絶対に列車は出ないはずです。ところが、この方式でやれば、同様なことが自動信号方式類似の単線のやつでやれば確保できるのか、それの自信があるかということをお伺いしたいのですが、私の考えでは、今のこの方式によって、出発信号との関係が一つも装置がないのですけれども、通過であろうと、停車であろうと、その列車が事故間に入るものについての機械的の装置がなければ、これは装置として価値がないのじゃないかというような感じがしますが、もちろん、この保安装置自身が従業員の注意力というものにたよっておってはあぶないから、それで、それがかりに注意がなくても、注意を怠っても絶対に危険が起こらないという方式にするためには、これから六百何十億というものを使うのですから、だから、そういうことになれば、この方式を、発毛との関連においての機械装置というか、電気装置というようなものができればよろしいというお見通しであるかどうか、これは重大問題だと思うのですが、あるいはまた通票閉塞器というような類似なもので、もう少し安価なもので、手間のかからないもので、そういうものが行なわれるかどうか、そういう見通しについての技術的なひとつお答えを本委員会としてお聞きしておきたい。
○説明員(音田和夫君) 前段の今後どういうふうに進めていくかという御質問でございますが、単線の閉塞方式は自動信号にいたしますか、ただいまやっております連査方式にいたしますか、これは列車回数をもとにいたしまして、その両方法で作業していくという考えでございます。
 それから保安の問題につきましては、先刻も申し上げましたように、一駅間に一個列車しか運転できないということを、通票閉塞方式では玉によってやっておったわけでありますが、信号機との関連がございませんので、連査方式というのをとりまして、その場合には、一駅間に二個列車が出ないように二駅間のお互いの出発信号機に電気的な連鎖関係を持たせまして、同時進行にならないようにいたしてございますので、信号を確認するという前提に立ちまして考えてあるわけでございます。そういう前提に立ちますと、不安はないわけでございますが、先ほど来御指摘のごさいましたように、人間の注意力に対してどこまでたよるかという問題につきましては、従来も検討いたしまして、それで大丈夫ということで進んでおったわけでございますが、この機会にもう一ぺん検討いたしまして、具体的には、常務理事からも申し上げましたように、車内警報の設置の問題などを中心に検討をいたすつもりでございます。
○中村順造君 今、委員長の質問で、私もその現物を見ていないのですよ。今度行って見ようと思うのですが、同時に進行にならぬということ、これは、たとえば同一方向に向かっていく列車の追突というやつは割方被害が軽いのですよ。正面衝突というのは莫大な被害が出るわけです。それは同時に進行にならぬとあなたは言われるけれども、一方が赤だったら、一方は青でしょう。そういうことなら、たとえば今度の衝突の場合は、それは赤を見て見誤って発車をして出たのが悪いと言われるけれども、それはセクション踏んで出て、そうして赤でしょう、こっちは。こっちは進行ができるでしょう。私はそういう場面が出たと思うのですよ。一たん青であったのだから、あなたは運転のその日の行き違いを変更したと、こう言われるから、だから常時青だから、とまっておったのが青信号を出して、発車信号をした。注意力、注意力と言われても、この場合は、運転担当の駅の助役さんと機関士とそれから機関助士と、少なくとも三人以上の人が同一錯覚を起こしているわけですね。錯覚というか、そういう危険性があるわけですよ。こっちが赤ならこっちは青になるでしょう。向こうの汽車は何列車でしたか。あれは八六七列車と二〇五〇列車ですけれども、とつちの八六七列車のほうが赤を犯して出たのですか。そうすると、こっちは赤信号なら、こっちは青になるでしょう。その間の連係は電話でやるでしょう。何でやっているのですか。だから私の言うのは、電気装置があると言われても、こっちが赤になれば、こっちが青になるから、こっちから汽車が出る。そうしてこっちはもうセクション踏んで出れば、これは当然赤だから、その中に入れば赤でしょう。そうしなければ、うしろから来る汽車を防ぐことができないから赤になるでしょう。出発信号が出てそのまま青ということになるのですか。どういうことなんですか、あとで私は現地へ行って見ますけれども。
○説明員(音田和夫君) 二つの駅がございまして、駅間に列車が出ます場合には、出発信号機を進行にいたしまして出ていくわけでございますが、この装置におきましては、閉塞方式によりましては、片一方が赤であるという前提条件が整いませんと、電気的に反対側が進行になし得る状態にならないしかけになっております。もちろん信号機を扱います場合には、電話で時間の打ち合わせの連絡をいたしますが、それをいたしましても、自分の駅の出発信号機を進行にいたしますためには、必ず相手側の出発信号機が赤であるという差し引き条件と申しますか、ういったものがあって初めて進行になり得るようなしかけになっております。
○中村順造君 それは現物を見ましたらわかりますけれども、あなたの言われる注意力だけだったらそういうことになるわけですよ。たとえば列車が入ったら両方の信号機がもう進行信号にならぬですよ。それならばこっちの二〇五〇列車も赤信号を犯して入ったのですか。現実に列車が入っておるにかかわらず青信号が出ているじゃないですか。
○説明員(音田和夫君) 列車が出ましてある地点まで進みますと自動的に信号機は赤になることになっております。
○中村順造君 それはいいですよ。あとで見ますけれども、どうもあなたの言われるようにいけば、現実に中へ、閉塞区間というのですか、セクションの中へ列車が入ったわけだ。ところが、こっち側の二〇五〇列車は青信号で出たのでしょう。そうしたらあなたの言うとおりにならぬですよ。セクションに列車がおったらこっちも青が出ない。青が出たから出たのでしょう。そうしなければ両方とも信号を誤認して出たわけだ。
○説明員(音田和夫君) 時間的なズレの関係で御理解がいただきにくいと思うのでございますが、最初に羽後岩谷で行き違いをいたしますための扱いをいたしましたために、羽後本庄の出発信号機を青にしたわけでございます。その場合には羽後岩谷の出発信号機は赤であったわけでございます。それを羽後本庄から列車を出すという打ち合わせで信号機の扱いもそういたしまして、助役が機関車に行きまして通告をするとともあったわけでございますから、行きました留守の間に、行き違いの駅を一つ変えまして、手前に持ってこようという打ち合わせができたわけでございます。そこで、信号掛が一ぺん本庄の場内信号機を出発にいたしましたものを赤にいたしまして、閉塞の解除をいたしました。それで上りの列車が通り得るような扱いをしたわけでございます。それでございますから、同時に両方の駅の出発信号機が赤になったのではなくて、最初は羽後本庄の出発信号機が青であったのですが、そのあとで変更して赤にしましたから、羽後岩谷の出発信号機が青になる条件ができたわけでございます。
○委員長(金丸冨夫君) 今、運転局長に技術者として十分であるという確信があるかどうかという問題は、私は通票閉塞器の方式を今日なお使えというような考えを持っているわけではない。それはよろしいと思いますが、新しい今度の事件ではっきり欠点が出たように思われることは、一ぺん行き違いを変更して、その変更する場合に、今言うように、一方を青にしておきながらこれを赤に切りかえたという際は、この方式では、やはり単線区間運転の大基本原則たる一区間一列車主義というのが守られない場合ができてくる。ところが、通票閉塞器だったらこれは必ず――昔インチキをして出したこともありますが、引っぱり出すかどうかしなければ、玉を向こうのやつをこちらにおいて入れなければ向こうからは出ないのだから、そういうことになれば、これは絶対この事故はなかった。それがこの方式ではそういう結果ができるから、私は、この事故自身の跡始末もさることながら、今後の保安装置の考え方について、外国でやっておるからということだけでいったら、むしろ古いのに実はいいことがあったというようなことになるかもしれぬ。そういう点を十分検討されて、そうして予算もむだ使いにならないようにということもさることながら、事故の起こらないように、技術者として十分ひとつ検討していただきたい。これをお願いします。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(金丸冨夫君) 速記をつけて下さい。
 それでは、本日の質疑はこの程度にいたしまして委員会は散会いたします。
   午後一時四分散会