第043回国会 社会労働委員会 第15号
昭和三十八年五月十四日(火曜日)
   午前十時十九分開会
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  委員の異動
四月二十三日
 辞任       補欠選任
  竹中 恒夫君   重宗 雄三君
四月二十五日
 辞任       補欠選任
  重宗 雄三君   竹中 恒夫君
五月十日
 辞任       補欠選任
  佐藤 芳男君   亀井  光君
五月十三日
 辞任       補欠選任
  小平 芳平君   渋谷 邦彦君
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     加瀬  完君
   理事
           高野 一夫君
           徳永 正利君
           阿具根 登君
           藤田藤太郎君
   委員
           加藤 武徳君
           亀井  光君
           紅露 みつ君
           竹中 恒夫君
           丸茂 重貞君
           山下 春江君
           山本  杉君
           横山 フク君
           杉山善太郎君
           藤原 道子君
           柳岡 秋夫君
           渋谷 邦彦君
           林   塩君
           村尾 重雄君
  国務大臣
   厚 生 大 臣 西村 英一君
  政府委員
   総理府総務長官 徳安 實藏君
   防衛施設庁長官 林  一夫君
   防衛施設庁労務
   部長      沼尻 元一君
   厚生政務次官  渡海元三郎君
   厚生大臣官房長 熊崎 正夫君
   厚生省公衆衛生
   局長事務代理  舘林 宜夫君
   労働省職業安定
   局長      三治 重信君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       増本 甲吉君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠互選の件
○駐留軍関係離職者等臨時措置法の一
 部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
○社会保障制度に関する調査(コレラ
 対策に関する件)
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○委員長(加瀬完君) ただいまより社会労働委員会を開会いたします。
 委員の異動についてお知らせいたします。
 五月十日、佐藤芳男君が委員を辞任せられ、その補欠に亀井光君が、五月十三日、小平芳平君が委員を辞任せられ、その補欠に渋谷邦彦君がそれぞれ選任せられました。
    ―――――――――――――
○委員長(加瀬完君) 理事辞任の件を議題といたします。鹿島理事より、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加瀬完君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(加瀬完君) 理事の辞任に伴う理事の補欠を互選いたします。互選は投票によらず、その選任を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加瀬完君) 御異議ないと認めます。それでは理事に徳永正利君を指名いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(加瀬完君) 駐留軍関係離職者等臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、提案理由の説明を求めます。徳安総理府総務長官。
○政府委員(徳安實藏君) 駐留軍関係離職者等臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及び要旨を御説明申し上げます。
 駐留軍関係離職者につきましては、昭和三十三年五月臨時措置法の制定以来、これらの者の生活の安定のため、同法の規定に基づき、その対策に努めてきたところであります。その結果、駐留軍関係離職者の対策として、かなりの成果を上げることができましたが、同法は、本年五月十六日限りその有効期間が切れることになっております。
 最近における駐留軍関係労務者の離職状況を見ますに、この法律の有効期間をさらに延長する必要が認められますとともに、特別給付金の支給条件につきましても、法制定当時からの事情の変化を考えますと、この際、これをあらためて緩和する必要があると考えられます。これがこの法律案を提出する理由であります。
 次に、この法律案の要旨について申し述べます。その第一は、特別給付金を支給することのできる離職者の範囲を、昭和三十二年六月二十二日に在職していた労務者に限ることなく、駐留軍関係労務者として、一定期間以上在職した者のすべてとすることに改め、かつ、その在職期間の計算について、従来政令で定めていたところを法定することにしたことであり、第二は、法の有効期間を五年間延長することとしたことであります。なお、これに伴い、特別給付金の支給についての経過規定を設けることとしております。
 以上がこの法律案の提案の理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
○委員長(加瀬完君) これより質疑に入ります。御質疑のある方は、順次御発言を願います。
○柳岡秋夫君 時間がありませんから、おもな点について若干御質問をしたいのですが、現在日本の労働行政、あるいは日本経済の発展なり行き過ぎというような点からも、失業と雇用の問題が非常に大きく取り上げられておるわけでございますが、こういう中で、国が雇用主であるという立場にある駐留軍労務者の離職者対策、これに対する法律が期限ぎりぎりの中で出されて、そうしてわずかの審議時間しか与えられない、こういうような現実、これは政府みずからがこうした離職者に対する対策に熱意がないのじゃないか、あたたかい思いやりがない、こういうふうに私は考えざるを得ないのです。もっと雇用主であるという立場の責任の上に立てば、少なくとも、十六日ですか、期限の切れるこういう重要な法案に対しては、もっと早期に改正案なりを出して、そして十分な離職者の対策についての論議をしていく、こういうことが必要ではないかというふうに思うのですが、そういう点について非常に政府に熱意が欠けておるということを私はまず遺憾に思うのでございます。
 そこで、そもそもこの法律が議員立法で作られてきているわけですが、今回初めて政府提案ということで改正案が出されました。そういう点からも政府の熱意のほどがうかがわれるわけですが、この中で雇用主としての政府の責任、こういう立場からの離職者に対する十分な措置というものが、今申し上げましたような経過からしても、私は十分ではないというふうに思うのですが、そういう点について、一体長官として現状をどういうふうに見ておられますか。その点をまずお伺いしたいと思います。
○政府委員(徳安實藏君) 本案につきまして、ただいま御質疑がございました点につきましては、この法律が議員立法でありますことは先ほどお話のとおりでございまして、政府におきましても、この機会に、期限がきておりますから、早く改正したいという考え方で当初より考えておりました。しかし、事柄が事柄でございますから、なるべく与野党とも意見の一致するようにしていただきまして、政府で提案したほうが望ましいではないかということで、衆議院のほうにおきまして与野党で御折衝を願っていたわけであります。ちょうど地方選挙等がありまして、提案はその前にいたしたのでありますから、あの休みの期間がございませんでしたら、明日に迫る今日というような差し迫ったことはなかったかと思うのでありますけれども、与野党でお話し合いがつきまして、成規のそれぞれの手続を経て提案をいたしましてから後に、しばらく国会のほうが休みになりました関係から、つい取り扱いがおくれましてこういう差し迫ったことになったわけでありまして、この点は私ども非常に申しわけないと思っております。しかし、熱意におきましては決して異なっておりません。政府みずから提案したことでもございまするし、今後におきましても、この問題につきましては、十二分に皆様の意のあるところを察しながら再検討もしていきたいということを考えておるわけでございます。本日の閣議におきましても、本日幸いにこの委員会で通りまして、明日参議院の本会議で通過いたしましたら、もう閣議にかけることなくして、すぐ公布手続ができますような措置も今日の閣議できめておるようなわけでございまして、その熱意におきましては、決して冷淡ではないつもりでございますが、結果においてはこういうことになったわけでございます。
 なお、また、政府が雇用主であるというような関係につきましては、むしろ私よりか、当該責任者からお答え申し上げるほうがもっとこまかく申し上げられると思いますから、そちらのほうから御答弁いたすことにいたしたいと思います。
○政府委員(林一夫君) この駐留軍労務者の離職者に対する政府としての対策につきまして申し上げたいと思います。
 この離職者に対する対策につきましては、政府としましてもできる限りの対策を講じておるのでございます。その対策の実効を上げるためにこの臨時措置法を制定いたしまして、この法律を軸といたしまして万般の離職対策を講じておるのでございます。具体的に申しますと、この法律に基づきまして、総理府に中央駐留軍関係離職者等対策協議会というものを設置いたしております。地方にもそれぞれ都道府県対策協議会、市町村には市町村対策協議会というものが設置されておるのであります。このような協議会を中心といたしまして、関係行政機関の協力を得て就職のあっせんをするとか、あるいは離職者が自立のために組織するところの企業組合の育成というようなことを推進して参ってきておるのであります。防衛施設庁は雇用主といたしまして、これらの一般の離職対策のほかに、臨時措置法によります施設内の職業訓練を実施する、あるいは返還国有財産の譲渡貸付をやる、あるいは事業資金の融通あっせんというような対策を講じまして、万全を期しておるというような次第でございます。
○柳岡秋夫君 駐留軍労務者というのは、私から今さら申し上げるまでもございませんが、安保条約に基づきまして国が雇用し、そうして労務の提供を米軍にしていくという立場にありますから、当然米軍の予算、あるいは米軍の戦略配置の関係から、いつでも首を切られる、そういう不安が常にあろうかと思います。したがいまして、その雇用主としての政府としては、当然少なくともそういう不安な労務者に対しての不安を解消するためのやはり根本的な対策――その場その場しのぎの糊塗的な対策でなくて、抜本的な制度というものを私は作る必要があるのじゃないか、また、それが国としての、雇用主としての当然の義務ではなかろうかというふうに私は思うのです。もちろん駐留軍労務者は一般の公務員とは違う立場にあります。ありますけれども、国が雇用しておるという立場から申しますならば、少なくとも公務員に準ずるという立場にあるわけですから、今申しました中央協議会、あるいは地方協議会等の対策にいたしましても、単に会議を開いて、あるいは各機関、あるいは各省にその再就職の要請をしていくという、こういうような消極的なことではなくして、私は、できれば、身体障害者の雇用を各省で何%の割合で雇用するというような制度がありますけれども、そのくらいのやはり確固とした制度を樹立する必要があるのではないかというふうに思うのです。今までの防衛庁、あるいは総理府等の御意見を聞いておりますと、最近は離職者がだんだん減ってきておる、減ってきておるから、あまり対策をしなくてもいいんだ、こういうことをいっておりますけれども、しかし、現実に離職される方は、大体において高年令者です。中高年令者と申しますか、現在でも平均年令が四十二才といわれておりまして、非常に年令の高い方が離職されるわけです。ですから、現実の就職の場になってきますと、非常に困難な面がたくさんあります。ですから、私は、そういう面でも数が少ないから、あまりたいした対策は要らないのだ、そうしたお考え方でなくして、やはり現実に就職できない、生活できない、こういうことの立場から、先ほど申し上げましたような一つの例ですが、そういうような抜本的な対策がもっと必要なのではないか、こういうふうに思うのですけれども、そういう点についてどういうふうなお考えを現在お持ちですか。防衛庁のほうから……。
○政府委員(林一夫君) この駐留軍従業員の整理による退職につきましては、もちろん退職の場合においては、その退職の数を少なくするように米側と協議しまして、できるだけ配置転換等によって、出血の少なくなるように努めておるのでございます。やむを得ず退職する者に対しては、先ほど申しましたような諸般の対策を講じて、その生活の安定に資しておるのであります。特に力を入れておりますのは、就職のあっせんと企業組合の育成ということでございます。就職あっせんにつきましては、その前提といたしまして施設内の職業訓練をいたしておるのであります。この職業訓練の場合においては、各種の技能の訓練指導をいたしておるのであります。このようなことによりまして就職の機会を多くするというようなことを考えまして、このような方面に特に力を入れておるのであります。その他先ほど申しましたような各般の施策を講じまして万全を期しておるというような次第であります。
○柳岡秋夫君 私が質問したいのは、この法律にあるような、あるいは今度の改正案にあるような、何というか、おざなりといいますか、糊塗的な対策ではなくして、もっと離職者が安心をして毎日の仕事ができるような、そういう職場がなくなった場合、すぐに就職ができて、そうして生活が安定する、そういうような抜本的な対策が必要ではないか。そういうことをどう考えておるのか、考えておらなければおらないでいいですけれども、そういう政府としての確固とした対策、そういうものをお持ちなのかどうかということを聞いておるのでございまして、現在やっていることについては、もうすでにわかっておりますから、そういうことじゃなくして、私が申し上げましたような、たとえば身体障害者の雇用について何%の範囲内で各省では雇う、こういうような一つの制度があるわけですね。そういうような、何かこの離職者に対する確固とした対策というものを考えておらないかどうか、そういう点をお聞きしたい。
○政府委員(徳安實藏君) ただいまの御質問、ごもっともなわけでございまして、政府といたしましても、駐留軍関係の離職者に対しましては、政府の関係も考慮しながら、他の関係より以上に力を入れておりますことは御承知のとおりでありますが、最近ずっと継続してやっておりますことでは、御承知のように、職業訓練をいたしておりまして、本年は一千七百四十人の訓練をするという予算も計上いたしております。前年度に比較いたしまして、数は多くございませんが、後退はしておらないわけであります。あるいは、また、施設内の職業講習会も、今年は三千五百人を講習をさせようというような計画を立てまして、これも進行中でございます。あるいは就職の促進にいたしましても、公共職業安定所の職業紹介もやりまして、これも相当見るべき実績をいたしております。あるいは、また、事業の育成でございますが、自動車運送事業の免許等にも関連いたしまして、受講者にはできるだけそうした方面にも活動できますように措置をいたしております。三十七年度もやりましたし、引き続いてこうした方面にも力を入れたいと思っております。あるいは企業組合の設立等におきましても、相当昨年も設立されておりますが、今後におきましてもそうした方面にも力を入れたい、こういうことで、各関係省で指導をしておるわけでございます。あるいは、また、国有財産の払い下げも多くなっておりまして、これも多くではございませんが、そうした観点から払い下げの申請のございましたものには優先的に貸付をいたすような措置も講じております。また、米軍基地における払い下げでございますが、米軍資材の払い下げにつきましても、ブルドーザーでありますとかクレーン車等の払い下げにつきましても、申請に基づきまして努力いたしておりますが、現に昨年のごときは申請が八十二件ございまして、あっせんが八十一、八十二の申請についてあっせん済みが八十一という工合でして、ほとんど百パーセントそうしたものにも力を入れておるわけでございます。
 また、国民金融公庫とか、商工組合中央金庫でございますとか、そういうものに対する貸出につきましても特に力を入れまして、そういう希望に応ずるように、離職者の諸君ができるだけ他の職業に転ずることが容易でありますような努力はいたしておるつもりであります。しかし、これで万全かといいますれば、万全ではございませんので、なお、かつ、今後におきましても一そう力を入れたい、かように考えておるわけでございます。ただ、法規上とか、あるいは会議だけで終わっておるわけじゃございませんが、各省各省で、おのおの受け持ちによりましてそれ相当の努力をいたしておると考えておりますし、今後もまたそうせねばならぬと考えております。まあこの問題につきましては、いろいろ課題として今後研究すべきものも残っておると思いますが、これはひとつ私どもも今後十分研究いたしまして、さらに拍車をかけて、こういう方面の諸君が不安のないように、政府としては最善の努力を払わなければならん、かように考えております。
○柳岡秋夫君 今やっておられるような対策では、すでに資料でも明らかなように、全離職者の三六%ぐらいしか再就職してない、こういうようなデータが出ておるわけです。しかも、訓練をやっておるといいましても、この年次別の訓練状況を見ましても、定数よりはるかに少ない訓練者しか集まらない、こういうような現実があります。こういうふうになぜ職業訓練を受ける人が少ないかというような原因についてもお伺いしたいと思いますけれども、それは時間がございませんから、あとでまたやりたいと思いますが、私は、もっとこの中央協議会にしても地方協議会にしても、この職業訓練等について積極的な勧奨と申しますか、そういう面が欠けておるのじゃないかと思うのです。労働省の職安のほうに言わせますと、これはもうやめた人が個々人の意思によってきた人以外は把握できない、こういうふうに言っておるわけです。ですから、私は、そういう面でも職業訓練をやっておるからいいというだけではやはり問題があろうと思うのです。
 具体的な問題に入っていきたいと思いますが、中央協議会、あるいは地方協議会に国として補助金を出しております。これは大体資料によりますと、一県当たり年に八万円から十万円、市町村に対しては二万円程度、こういうわずかな額でございますが、これぐらいの額では私はほんとうの対策を立てる活動といいますか、運営はできないのじゃないかと思うのです。私は、少なくともとういう協議会というものは、単に会議を開く、あるいは各省に、あるいは下級機関に就職のあっせんをしていく、こういうようなことだけではなくして、もっと離職者の現実の調査、あるいはどうやったら一番生活の安定のためにいい対策が立てられるか、そういう調査研究の面も十分この協議会等でやっていかなくちゃいけない、そういう費用をやはり国として出していく、こういうことが必要ではないかと思うのですが、現実はどういうふうになっておりますか。その運営なり、あるいは大体一年に何回ぐらいこういう会議が開かれておるのか、そういう点をお聞きしたいと思います。
○政府委員(徳安實藏君) ただいまの補助問題につきましては労働省のほうで所管いたしまして、そちらでやっておるようでありますから、労働省のほうからお答えいたしたいと思います。
○政府委員(三治重信君) 都道府では一年に八回、それから市町村では年五回やるようになっております。ただいまのこういう協議会のほうで実態調査やそのほかの活動もやるべきではないかという御意見でございますが、従来の慣例から申し上げますと、一応問題や、何か特に重点的な事項について実情視察ということはありますが、こういう協議会そのものが実体的な活動をするというのは、従来の慣例ではないわけであります。しかし、この実体のそういう活動なりその状況という問題を調査するものはやはり政府機関が行なうのが当然じゃないかと思います。したがって、協議会のほうにはそういう面の予算までは入っておらないということでございます。
○柳岡秋夫君 もう一つ、今後は単に会議を開くというような協議会ではなくて、もっと文字どおり離職者対策を十分にやれるような活動のできる、そういう政府としてのあらゆる面における措置をぜひお願いしたいと思います。
 それから、先般の石炭の問題、あるいは金属鉱山の労務者に対する対策として、雇用奨励金が出されておるわけですけれども、私は、民間産業でもそのような措置がとられておる以上、当然国が雇用主であるこの駐留軍労務者の離職者に対してもそのような措置がとられてしかるべきではないか。しかも、確かに石炭労務者、あるいは金属鉱山の労務者は、多数の離職者が出て、社会的な不安の面では、駐留軍の離職者との数の面では若干の違いはあるにしても、質的な面、再就職ができない、中高年令者で非常にむずかしい、こういうような面からいけば、私は、同じような立場で雇用奨励金の制度を作ってもいいのではないか、こういうふうに思うのですが、こういう点について、まあ今年度は予算が通っておりますから無理かもしれませんが、少なくとも、来年度あたりからこのような措置をぜひとるべきだ、こういうふうに思うのですが、そういう点はどういうふうにお考えですか。
○政府委員(三治重信君) 雇用奨励金の制度は、今、先生がおっしゃったような原因で政府として踏み切ったわけなんですが、駐留軍にも同じように雇用奨励金制度を作るべきだという御意見には、われわれのほうも決して反対するそう大きな理由はないと思います。しかし、現実の問題として、この失業対策は、労働省の立場から申し上げますと、特殊な事情で一度作りますと、それが積極的な対策であるわけでございますから、一般化するということがどうしても要望として出てくるわけでございますが、ことしは私鉄も重なってきまして、予算折衝の場合やいろいろの場合にこれが実現できなかったのですが、今後とも、この駐留軍の雇用の不安定、あるいはその再就職の状況も見まして、せっかく努力して参りたいと思います。
○柳岡秋夫君 さらに、もう一つ特別給付金ですが、これは三十七年度ですかに改正はされておるのですけれども、この法律の目的にもありますように、「もつてその生活の安定に資することを目的とする。」と、こういうふうになっているわけですね。そういう目的から見ても、この特別給付金が、どうも性格として慰労金的な性格を持っているように私は思われて仕方がない。このわずか五千円なり一万円なり一万五千円というような額では――少なくとも離職した場合の生活を安定して、そして次の再就職をするいわゆる立ち上がり資金、そういうような性格を私はこの特別給付金に持たすべきではないかと、こういうふうに思います。したがって、このようなわずかな額では、そういう性格からいくと非常に低いわけでございますから、この辺も、最近における物価の上昇なり、あるいは諸般の生活水準の上昇を考えますと、もっと増額をすべきではないか、こういうふうに思いますが、その点はどうお考えですか。
○政府委員(林一夫君) この特別給付金の支給額につきましては、昭和三十七年の四月から増額した経緯もありまして、現在のところは給付基準を改めるということは考えておりません。しかし、この特別給付金というものにつきましては、駐留軍従業員が離職した場合に、退職手当とか離職ボーナス等が支払われておるわけであります。このような退職手当、あるいは離職ボーナスというようなものの関連におきまして今後検討されなければならないと、こういうふうに考えております。
○柳岡秋夫君 まあ退職年金といいますか、退職金とか年金というようなものは、これはどこの職場でもたいがいあるわけでございまして、そういうものとの関連で考えるということでは私は納得できないです。少なくともこの法律が作られたというのは、非常に特殊な環境の中で、特殊な職場で働いておって、そしていつ首を切られるかわからない、そういう不安な労務者に対して再就職の義務をひとつ政府が持とうと、こういうために作られているわけですから、私は、もっとあたたかい対策、あるいは抜本的な制度の確立ということがぜひ必要ではないかというふうに思うわけです。
 そこで、時間がございませんから、もう一つだけお伺いしたいことは、アメリカの会計年度が七月からですか、始まるわけですね。一体駐留軍労務者が、このアメリカの予算によってどのぐらい人員整理が予想されるか。聞くところによりますと、アメリカの会計検査院ですか、そこでは日本の駐留軍労務者は千八百人オーバーしている、過剰人員になっておる、こういうようなことを指摘しているようでございますが、一体アメリカの今回の予算でどの程度離職が予想されるのか、その辺をひとつお伺いしたいと思います。
○政府委員(林一夫君) 米軍の新会計年度におきまする人員整理計画については、はっきりした予測は困難でございます。ただ、米側からの情報とか、過去におきまするところの実績等による傾向から判断いたしまして、新年度においても、ここ一両年度と同じ程度の人員整理はやむを得ないものと考えております。米軍の新しい予算につきましては、まだ承知いたしておりません。
○柳岡秋夫君 時間の関係で、非常に突っ込んだ議論ができないのは非常に残念ですが、私は、今までの御答弁を聞いていますと、まだまだ非常に対策の面で十分でない、こういう点が非常に考えられますし、私ども社会党としては、抜本的な制度の確立のために、近いうちに一つの法案を提出したいと、こういうふうに考えておりますけれども、ひとつ政府側におきましても、国が雇用主であるという、その雇用主としての責任、あるいは義務というものをやはり明確にもっと認識をして、この離職者に対する今後とも十分な対策を立てていただきたい、こういうふうに要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○阿具根登君 一点だけ質問をいたします。総務長官のお話を聞いておりますと、国有財産の払い下げ、あるいは企業に対する金融の融資、そういうのが非常にうまくいっておる、こういうことを言っておられますが、私が駐留軍関係の離職者を調べてみますと、そういう恩典に浴したというのは、政府の責任で仕事をされたというのは、当然そうなすべき条件が備わっておるわけです。いわゆる炭鉱や金属と違って、非常に技術屋が多い。そういう技術屋が、いわゆる自動車とか、あるいはその他の機械ですね、トラクターやその他の技術者が多い。そういう技術者が企業組合を作る、そういう場合に金を貸してくれとか、あるいは機械を払い下げてくれ、こういうのに対しては、これは相当手を伸ばしておると思うのですが、これは非常にやりやすいことなんです。これは当然できることなんです。そういうことだけやられておって、一番困っておる方の失業対策ができておらない、こう私は思うわけなんです。たとえば印刷組合が企業組合を作る、こういうことで陳情を受けた、国民金融公庫へ行ってくれ、中小企業金融公庫に行ってくれ、行っても金を貸しませんよ、どこも。長官がこれから保証人になって貸してくれればいいけれども、貸してくれませんよ、そういうところは。ちゃんとそれ相当の条件を備えておらなければ貸してくれない。そういう条件を持たない人たちが、何とかしてそういうことをやらせてくれということで、いわゆる自動車とかトラクターの運転が今まで本職であった人たちが固まってやっている。これに国が機械を払い下げてやる、あるいは自動車の組合を認めてやろう、こういうことは当然のことであって、そうでなくて、そういう技術を持たない人が、今度職訓とかその他で技術を覚えて仕事に取りかかろうというときの金融の措置はとられていない、あるいは施設その他を払い下げてもらいたいというのは、これはほとんど払い下げておらないわけです。そういう点について一体どう考えているか、その点についてはひとつ職安局長からも御答弁願いたい。職訓に来られるのは、一般失業者と同じ考え方で訓練を受けさせ、就職のあっせんをされておられるかどうか、そういう点もあわせて双方から御答弁願います。
○政府委員(徳安實藏君) 個々の問題につきましては、当該関係の役所の諸君からお答え願うことにいたしますが、ただいま私が申し上げましたことにつきましては、もちろん考え方によりましては当然なことでもありますし、技能を持っている諸君が、たとえば自動車の運転手として、自動車を払い下げて事業を経営するということは、これは別に駐留軍の離職者でなくてもやることはできるわけでございますから、新しいことではないと思いますが、しかし、政府のほうではそういう方面に十分な力をいたしているという熱意をお知り願いたいということで申し上げたわけでありまして、しかし、実際問題としましては、そうした技術も持っていないし、あるいはまたそういう資格条件も備えていない者も相当多い。そういう諸君は放任しているのではないかというお話は、あるいはごもっともかもしれません。そういう数字がどの程度に上っておりますかは、当該関係者のほうから御説明申し上げますが、いずれにいたしましても、先ほど来申し上げておりますように、この駐留軍に対する離職者と炭鉱離職者の諸君は同一に論ずることのできない性格を双方とも持ち合わせておりますので、同じには考えられない点があると思います。しかし、その精神におきましては、政府のほうでも十分お話の点は認めておりますので、適当な機会にそうした問題も突っ込んで考慮したいという考え方で、現在研究しているわけでございまして、決して放任するというような気持はさらさらないわけでございます。その内訳、あるいは個々の問題につきましては、これに直接関係されておりまする当該関係の当務者から御説明申し上げたいと思います。
○政府委員(三治重信君) 駐留軍関係の離職者の方たちの再就職については、国のほうとしても、この臨時措置法以前から、ずっと別ワクで就職状況、求職状況の統計もとっております。おっしゃられるように、完全な再就職ができているというふうには申し上げかねるわけでございますが、われわれのほうとしては、各職業安定所に駐留軍関係につきましての特別の数字を要求して、ずっと毎月資料をとっております。そのことからしても、各第一線においても、相当重点的に就職の職業紹介をやっていると思います。また、先ほどお話のありました訓練の関係につきましては、駐留軍関係の方たちで技術や技能を持っておられる方も約半分強あるということからも、訓練所に全部が全部入られなくても、けっこう再就職の道はあると思いますが、いずれにいたしましても、帰趨状況その他を見ましても、一年たちますと大体八〇%以上再就職されております。したがって、離職されてすぐ再就職ということはなかなかむずかしい問題でございますが、今後ともこの職業紹介も特別の注意をもってやるということは変わりなくしていきたいというふうに考えております。
○阿具根登君 要望だけ申し上げておきますが、総務長官の話では、申請八十一件について、これを許可をしたのは八十一件である、こういうこともございました。柳岡君の質問の中では、離職は三六%ということがいわれております。そうすると、あとの六四%というものは、これは当然職訓その他で労働省のお世話になる、こういう形になると思いますが、駐留軍関係の失業者が出た当初は非常な関心を政府も持っておられた。そうしてこの委員会でも相当論議をされた、そうして現在の法律案になってきたわけです。ところが、そのあとで炭鉱、金属等の大量失業者が出てきた。そうなりますと、自然そのほうに重点が置かれて、そうして駐留軍の六〇数%の手に職を持たない方々がほうり出されておるというような形になっておりはせぬか、こういう心配が多分にございますので、いずれにしても、政府の責任において、みずからが職を去りたくない、その職で生活を維持していきたい方々が余儀なく失業していかなければならぬ。しかも、その方々がほとんど相当な年配に達しておって、就職が非常に困難である、こういう点については非常に相似ておる、同一のものだ、かように思いますので、ひとつ駐留軍労働者の問題も、失業者の問題も、炭鉱、金属一緒に――まあ炭鉱も金属もこの場で言っておりませんから申し上げませんが、これも万全ではないけれども、その陰に隠れて非常な苦しい思いをしないように、ひとつ万全の措置を講じてもらいたい、かように御要望申し上げて私の質問を終わります。
○委員長(加瀬完君) ほかに御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加瀬完君) 御異議ないと認めます。
 これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もなければ、討論はないものと認めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加瀬完君) 御異議ないと認めます。
 これより採決に入ります。駐留軍関係離職者等臨時措置法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(加瀬完君) 全会一致でございます。よって、駐留軍関係離職者等臨時措置法の一部を改正する法律案は、全会一致をもって、原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、議長に提出する報告書の作成等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加瀬完君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。ちょっと速記をとめて。
   〔速記中止〕
○委員長(加瀬完君) 速記を起こして下さい。
 次に、社会保障制度に関する調査を議題といたします。コレラ対策に関する件について調査を進めます。
 まず、厚生省当局より説明を求めます。西村厚生大臣。
○国務大臣(西村英一君) 先般、英国の青年のコレラ保菌者を入国させましたことにつきまして、国民の方々に多大な御迷惑をかけておることを深くおわび申す次第でございます。しかしながら、不幸中にも、第一患者をつかまえることができまして、ただいまその防疫につきまして万全の措置を講じつつあるところでございます。今後の見通しにつきましては、まあしろうと考えでは、ここ一両日が大事でありまするが、いずれもう少し検討いたしまして、非常に国民生活に影響を及ぼしておるものでございますから、正式に私のほうで大丈夫だという時期が参りましたならば、あらためて発表をいたしたいと、かように考えております。
 今後の問題につきましては、諸先生方の意見も十分拝聴いたしまして対処いたしたいと思いまするが、従来船舶のほうの検疫ということにつきましては厚生省も十分なれておりましたが、国際空港における検疫というものは、これは非常にむずかしい問題を含んでおりまするし、各国非常な悩みの種になっておりまするが、われわれといたしましても、今回の機会をとらえまして、さらに十分な検討を加えたいと、かように考えております。のみならず、来年は日本は大事なオリンピックを控えておりまするので、この点につきまして万全の措置を講じたいと、かように考えておる次第でございます。
 なお、詳細につきましては、患者の経路、今までの防疫の処置その他につきましては、政府委員から詳しく説明をさせたいと、かように思っておる次第でございます。
○政府委員(舘林宜夫君) 間もなく今回のコレラ発生に関します資料をお配り申し上げる予定でございますが、参りますまで、かいつまんで今回の発生の経緯を申し上げます。
 ただいま大臣からお話がありましたように、患者はウーリアムスというイギリスの二十二歳の青年であります。一月ほどインドの各地を往来しておりまして、六日の日にボンベイをエア・インディアに乗りまして出発し、羽田へ七日の日に着きました。午後着いております。その日の夕方、麻布にございますアジア会館へ投宿いたしておるわけであります。それから翌日一日東大の植物園その他東京駅近傍を歩きまして、再びその晩はアジア会館に投宿いたし、翌日朝アジア会館を出発いたしまして河口湖へ汽車で参りました。河口湖の水明荘へ投宿したわけであります。
 患者の発病の時期がいつかという問題でございますが、患者は、非常に従来から食物が変わりますと下痢をしやすい性質を持っておったという患者の申し出があるのでございますが、都内あるいは航空機の中で軽い下痢症状があったようであります。しかし、本格的のコレラ症状を呈して参りましたのは河口湖に着いたころでございまして、着いたとき、すでに相当な腹痛で、宿屋へ行く途中で売薬を買って飲んでおります。その夕刻宿屋に着きまして、その日の夜から翌朝にかけて、数十回の激しい下痢をいたしまして、開業医の方の往診を受けたわけであります。ところが、症状はますます激しくなる、患者はもはや立てない状況になりまして、番頭におぶわれて、その翌日の十日に岳麓日赤というのがあそこにございますが、そこに入院いたしております。その病院は、最初からコレラのようなものを疑いませんで、食中毒か何かというような感じでみておりました。ところが、どうも症状がただ事でないということで、保健所へ通報して参ったわけであります。保健所では、幸いにも、その河口に羽田という、昔、防疫給水部でコレラ防疫をやっておられた方がおいでになりましたので、その開業医の方をお願いしまして、保健所と同時に急行いたしましてみたところが、どうもコレラの疑いをとれないという状況であったわけであります。直ちに保健所は防疫措置をとると同時に、県にも報告いたしまして、県からは病源体の分離培養の培養基を携行しまして、予防課長が現地に向かったわけであります。その日のうちに防疫課長は現地に到着いたしまして、さらに防疫的見地から厳重な防疫措置をとりました。それと同時に材料を採取して予防衛生研究所へ急送いたしたわけであります。予防衛生研究所はそれを受け取りまして、御承知のように、コレラの正式な菌決定は三十二時間を要するわけでございますが、もちろん場合によりましては、その中間においてすでにコレラを疑わせる集落を発見する場合が相当あるわけでありますが、今回は不幸にいたしまして、非常にコレラの生えが悪かったわけであります。現地におきましては、ブイヨン水に病源体を入れまして予防衛生研究所に持って参っております。そのブイヨン水からも発見できなかったわけであります。そのブイヨン水をさらに寒天培液にとりまして、その培地のうちの一つは全然生えてこない、もう一つにやや疑わしい集落がかすかにあった。それをさらにまた第二培養にのばしまして、そこで初めてコレラ菌を確認いたしたということで、やはり材料採取から最終決定まで二十数時間を要しておりますが、これはコレラの決定としてはやむを得ない期間であると思うわけであります。
 以上のようにいたしまして、最終決定が十二日の夜十時ごろなされたわけでありますが、それまでの間に、すでに現地から疑わしい材料を取って送るという報告がありましたときに、本省は係官をその日のうちに急派いたしまして、コレラを想定いたしまして、とりあえずの防疫措置をとり、なお、コレラが確認された場合には、さらにこれだけの措置をとるようにという打ち合わせを完了して、第一次の防疫は完了しておったわけであります。と同時に、その旅館へ投宿した者、あるいはその患者に接触した者の名簿を作り、できるだけの監視、観察をいたし、また、防疫上の指導をし、飲料水の消毒を進めておったわけであります。また、ワクチンの準備をいたしまして、汚染者の数に応じて配付先の都道府県を定め、真性コレラと決定次第、すぐに発送できる準備をいたしておったわけでありますが、十二日に真性コレラと決定いたしましたので、直ちにこれを急送して予防接種を開始したわけであります。
 以上で患者発生の経緯でございますが、したがって、一応疑いを持った患者の身辺、患者が汚染したと思われる個所の消毒が行なわれた最初の日は十一日でございます。決定は十二日でございますが、ただいま申しましたように、疑いを持ってすでに消毒を完了したのは十一日の夜でございますので、それまでに汚染をされた方、激しい下痢があったのは十日の夕刻でございますから、夕刻から始まりまして、まる一昼夜無防備で汚染をしておった、この間に同宿した人たちが、かなり危険状態にあるわけであります。五百数十名、ことに修学旅行の生徒が多いわけでございますが、それらに対しては、直ちに連絡をとり、今監視を続けて早期発見に努めておるわけであります。また、予防接種も完了しておるわけでありますが、この十一日に、もしも不幸にして感染が手を打つ前に行なわれたとしますと、一体いつごろまでの間に発生するであろうかという予測でございますが、これは、もしも潜伏期が通常考えられまず五日の範囲といたしますと、十六日の夕刻ぐらいまでの間に発生がなければ、まあまあ大体いいかという計算にはなりますけれども、なお、これは慎重に検討した上で、私どもは、ただいま大臣からお話しございましたように、との今後の見通しについては公表することを考えておるわけでございますが、一応計算上はそういうことになるわけでございます。
 なお、コレラ予防のためのワクチンはただいま八千リッターございます。これは一人一・五CCと計算いたしますと、五百万人をややこえる程度ございますので、当面の防疫には差しつかえのない数量であるかと思っております。
 以上かいつまんで御報告申し上げた次第でございます。
○阿具根登君 本委員会には専門の方々がたくさんおられますので、それぞれ質問があると思いますので、私は一、二御質問申し上げたいと思います。
 われわれが外国に行く場合、コレラの予防接種をしていなかったならばアメリカ等は一切入れません。日本はどうでしょう。日本はそういうことはやっておられるかどうか。やっておられないとするならば、船で入ってくる場合には、日本は注意を受けたぐらい厳重にコレラに対して警戒をやっておられる。ところが、空港に対してはまるで野放しだ、こういうふうに新聞に報じられておりますが、そういうところになぜ気がつかなかったのか、あるいはこの青年はいつコレラの注射をして日本に入って来たのか、その点が一点。
 それから、大臣のお話でも局長代理のお世話でも、今度の経過は確かに御報告願ったし、おそらく説明された範囲内では、ほとんどのものが新聞で知っております。こういうことが起きて、しかも、新聞では今明日が一番のヤマだといわれておる。局長代理は、十六日まで出なかったならば大体いいだろう、こういうことを言っておられますので、今明日というものは非常に国民が不安な気持で見守っておられる、こう思うわけなんです。そこで、新聞等で知る範囲内では、厚生省が一番慎重であったというのか、あるいは楽観しておったというのか、厚生省がコレラだと断定する六時間前まではコレラではない、白だということを厚生省が言っておった、こういうことなんです。それを私が聞く範囲内では、現地の医者等の意見を聞いて、非常に新聞その他が大々的に取り上げた、非常に新聞が早くこれを取り上げて報道してくれた、いわゆるこの報道その他によって厚生省が引きずり回されて、そして僅々六時間前になって、やっとこれはコレラだ、コレラのようだということを言い出したということを、われわれは非常にこう疑問を持つわけです。厚生省は、医者が非常にこれはどうもあぶない、どうもそうじゃないかというような考えを持っておったにもかかわらず、はっきりした菌が見当たるまではコレラではないのだということを、新聞でも、九分通り白だと、コレラではないという見解をとっておった、こういうことが報道されておるわけです。私は逆でなければならぬ、もしもこういうおそろしい病気が空から入ってきたならば、これは足取り等から考えて、相当これは国民に重大な影響を与える、相当これは蔓延するぞ、こういう気持であったならば、いち早くコレラの疑いがあるということを厚生省は打ち出すべきではなかったか、それが逆に出ているように新聞で拝見しておる、そういう点をどう考えておるのか。
 それから、経過に対して、今後の処置については万全の処置は講じられておるようでございますが、それは入ってきた今後のコレラについてでございますが、空港について今後どういう考えを持っておられるか。最初に質問いたしましたように、各国はコレラの予防接種をしておらなかったならば入ることはできません。日本は入れるようになっておるのか、あるいは入ってコレラの予防接種をしてもこういうことがあるのか、あるとするならば、今後一体どうすれば国際空港から入ってくるコレラを予防することができるか、そういう点について御説明を願いたいと思います。
○国務大臣(西村英一君) 予防注射はいたしておって、証明書は持っております。日にち等は政府委員から説明させます。
 それから、大事な点でございますが、その汚物の検査に対する手配は、私は非常にそういう気はなく、早く予防研究所に手配をして、その辺は迅速であったと思うのです。ただ、中間報告と新聞に発表されておる点が、私も先生と同じように、多少疑問を持ちまして、これは実はわれわれ中間報告をしたものではないわけであります。実は試験をして、その試験には専門的なことで二種類の方法があるので、その二種類の方法をやって、それでもって初め確めるのだそうでございますが、その場合に、十二日の正午ごろ、新聞社が早くその検査の結果を知りたいということで、だいぶ係官が問いただされて、正式な発表じゃないが、まあ二つの方法でやった結果はいずれも白であったというので、そういうことでさらに今後新しい精密な検査をしなければならぬということはつけ加えて言ったそうでございますが、それをどういうニュアンスであったか、まあ大丈夫と二つの結果に出ておりませんので、そこのところが、私もかような重大なことを軽々しくそういうようなニュアンスで言うことは、はなはだこれは不謹慎じゃないか、そのために、これは白だ白だと言うから皆さんも安心し、また、旅館等もその手配をしたのであるから、その点は、それはこちらの手落ちといえば手落ちである。まあ係官のほうはそういう意味で言ったのではないけれども、あまり中間的な、一体どうだったかと言うから、それには白だった、しかし、さらに確かめてと、こう言ったけれども、あとのほうの言葉のとり方といいますか、述べ方というか、その辺に誤解があったようなので、引き続きまして十二日の九時五十五分には真性コレラとわかったような次第で、その間いろいろ国民に対して手違いを来たしたということになるのでありまして、その点は、はなはだ厚生省のとりました手違いはございましたが、今後反省しなければならないと私は思っておる次第でございます。
 あとの問題につきましては、政府委員から御答弁させたいと思います。
○政府委員(舘林宜夫君) 前もって先ほど私が申し上げましたことの中に、あるいは誤解を起こすような点があったかと思いますので、いま一度御説明申し上げたいと思いますが、十一日に大体消毒が完了しておりますから、十一日の汚染した日から計算して五日たった日は十六日だと申し上げたわけでございますが、それでもって十六日を越せば大体安心だということが言い切れるかどうかは、なお未定でございます。計算上そういう計算になるということでございまして、たとえば例を申しますと、それ以前に、消毒が済まない前に、汚染されたものがどこかに流れていく、附着したものがほかへ移る、そういうことで、コレラ菌は普通の自然界である程度生きておるわけであります。たとえていいますと、なま水の中に入りますと、今の気温で二十日ぐらいは生きておるわけでありますので、直接接触した人以外の接触はないとは言い切れないわけでございますので、はたして今の段階で十六日を過ぎれば大体峠を越したと言い切れるかどうかは、なお慎重に検討いたしておるわけでございます。その点をお含み置きいただきたいと思います。
 なお、先ほどもお話のございました証明書の件でございますが、これはイギリスにおいて二回法でコレラの予防接種をやっております。これは三月の五日と十二日に実施いたしておるわけでございます。
 それから、お尋ねの中に、空港における検疫をどう考えるか、今後どうするつもりかという御質問がございましたが、空港検疫は海と違いまして、海は、ことにコレラなどでございますと、汚染地から日本にくるまでの間に潜伏期が過ぎてしまいますので、発病すべきものは当然発病してしまうわけであります。それに対しまして飛行機は一口で汚染地から日本にやって参りますので、入って来る人間は潜伏期の期間に入ってくる、その危険があるわけでございます。潜伏期間中に患者を発見することは不可能であるわけであります。これを、そうかといって、みな空港で長期停留するということは、迅速であるべき空路の交通を阻害するということで、世界各国とも、空港検疫には困っているわけでありまして、すでに欧米におきましては、ことに潜伏期の長い痘瘡などでは、相当侵入者を出しているわけであります。で、遺憾ながら、今の検疫方法によっては、どうしても完全には飛行機から入ってくるものは防ぎかねる面があるわけでありますが、なお努力をいたしまして、少しでもそういうものを防止するためには、乗客が汚染地を通過して来た場合には、空港で特別に注意をし、必要があれば検査をする、あるいはその乗客が上陸した後に毎日のように監視をする、そういう特別注意を払って、発病直後からこれを押えてしまうような方法があり得るかどうか、こういう方法も考えられるわけでありますが、専門家の意見も聞きまして、早急にそれらの対策を目下検討するつもりでおるわけであります。
○阿具根登君 そうしますと、三月の五日と三月の十二日に二回予防注射をしておってもコレラにかかるのだということになれば、これはまあ予防だから、完全な予防ではないかもしれないけれども、予防接種ではこれを完全に防ぐことはできないと、こういう結論になるのか。三月のことであるから、もうすでに二カ月も前のことであるから、もう接種したその効果が薄れておったのではないかということは、私は専門家ではありませんから、わかりませんからお伺いするわけです。
 それから、私が疑問に思いますのは、今、局長代理の話を聞いておっても大臣の話を聞いておっても、いわゆるインドを通って来た。これはコレラがはやっておっても、日本やその他の国のように、これはおそるべき病気だということで大騒ぎし、大消毒をする国じゃないのですね。新聞で見てみますと、コレラ等でも普通の下痢患者等と同じように扱っていると突いている。そういう所を長い間回って来てそういう下痢だったというならば、私はしろうとでさえも、これはコレラじゃないだろうかという考え方を持つわけですね。まして厚生省の専門的立場にある人が、そういうどうもおかしい、疑わしいようなものを、試験管に一ぺん出なかったからこれは白だというようなことを言えるかどうか。あなたがおっしゃったように、注射しておってもコレラというものはかかるのだということは、専門家ならわかっているはずです。しかも、それが英国でやっておって、インドを長い間回って来た。そうして日本に来てコレラ症状を起こしたのを、菌が一回出なかったから白だというようなことが専門家として言えるかどうか、常識的にこれは疑わざるを得ない。そこに何というか、今日までいろいろなこういう問題が起こっておらないし、また、特別な問題もなかったので、少し厚生省がたるんでおるんではなかろうか。実際僕はこの問題だけでなく、ほかの問題でも厚生省にはうんと言いたいことがある。しかし、きょうはコレラの問題だから言いませんけれども、私らが新聞を見、あなた方の話を聞いただけでも、コレラが発生し、しかも、コレラの発生がそれほど問題にされていない国に長い間入っていて、その国から来て、時間から言えばちょうど出るころでしょう、五日、六日たったら。ちょうど日本に入って来てそういう下痢症状を起こしたならば、これはコレラじゃないかと思わないのが不思議だ。それを何で六時間前まで白だというようなことを言ったか。大臣は、言ったのはけしからぬ、まあそういう係官が、菌が出なかったから、中間報告ということじゃないけれども言ったと言われるけれども、しかし、そういう考えの方がこういう衝にあるということになれば、これはゆゆしい問題です。今あなた方の話を聞いただけでも、おそらくみんなそう思うと思う。コレラのはやっているインドを通って来た、そしてちょうど五日目か六日目に発病した、そして数十回の下痢をやっている症状がそれに似ておる。そういうところまで出てきておるのに、これが六時間前まで白であるというような感覚を持っておられるほうが私はどうもおかしいのではないかと思う。そういう厚生省の指導方針が誤っていやしないか。これはただの常識論ですが、どうですか。お尋ねしたい。
○国務大臣(西村英一君) 厚生省はたるんでおるんではないかということですけれども、検疫に関する限り、たるんではおりません。非常に今度は不幸なできごとでございましたが、その辺はたるんではおらないのでありまするけれども、実は世界保健機構――WHOの国際的な検疫の取りきめもあるわけでございます。つまり汚染地区を出発してくれば、これはまた別な取り扱いになるのですが、ボンベイから来たのでございまして、インド全体が汚染地区ではない。WHOで汚染地区というものをきめておるわけでございますが、ボンベイは汚染地区になっておりませんので、こちらに来た方は正規の手続をしてやったわけです。証明書を持っており、その機内におけるいろいろな調査でもって許したわけでございます。その人が、その間に、ボンベイの前にカルカッタ――カルカッタは汚染地区になっておるようでございます。そういう経過をたどって来た人が、汚染地区でない所から来ても、その人がどういう経路をたどっておるかということを一々問いただして、そうしてその経路が汚染地区であったならば、この人に対してはきびしいあれをするということになれば、これは別なんでございますが、今後はそういう方法も考えなければならぬのじゃないか。汚染地区でないところから来ても、その間に汚染地区を通った人は、あるいはその経路をたださなければならぬのじゃないかということも考えるのですが、今まではそういう方法をやっていなかったのでございます。しかし、国際保健機構から申しまして、そういう人がどこを通って来たかということによっていろいろやるということになりますると、もう必ずこれはWHOから相当な抗議があることじゃなかろうかと思っておりまするが、いずれにいたしましても、今回の措置でこういう事故が起こったのでございまするから、私たちは、日本の立場において、多少きびしいやり方をしなければならぬのじゃないかと、かように考えておる次第でございます。私も非常に詳しい専門家じゃございませんが、いろいろ聞きただして私の理解したところでは、そういうふうに理解をいたしておりまするが、検疫体制につきましては、非常に大丈夫にやっておるということ、これが弱体であるといえば、非常にこれは国民に対する不安になりまするので、今後も十分注意はいたしまするけれども、決して非常な弱体なものではない、たるんではおらないということだけを申し上げて、ひとつ御了承賜わりたいと、かように思う次第でございます。
○阿具根登君 大臣は、たるんでおらぬたるんでおらぬといわれるが、一般問題についてここじゃ論争できないから僕は言っておるのです。常識問題ですがと言っておるわけですよ。あなたは、それはインドを通って来た、今の局長の話では、どこどこを通ったということを聞かなかったけれども、インドを通って、最後にボンベイを通って来たという報告だったのです、きょうの報告は。それならば、それから五日か六日間の潜伏期間を置いてコレラが発生するということは常識だという皆さんの結論だったでしょう。そうでしょう。それを大臣が抗弁をされるのはおかしい。言ったその人が不用意に言ったか、あるいはあなたのおっしゃるように、そういう中間報告もなかったというと、それは了解ができるのです。しかし、私が言っておるのはそうじゃない。少なくともインドを通って来た。しかも、インド各地を通って、ボンベイを最後に通って日本に来た。そうして五日か六日後にこういう症状になってきたというならば、あなた方の説明でもお医者さんの説明でも、そういう症状を来たしたならば、一応コレラじゃなかろうかということは常識だと私は言っておる。どうしてそういう観点で先に手を打たなかったか、そういう考えがなぜ浮かばなかったかという、こういうことを言っておるわけですよ。それが間違いですか。私が一番最初に言っておりますように、専門家じゃないから、私は自分の言うことを、これが正しいと押しつけはしませんよ。しかも、皆さんの説明を聞いても、きのうきょうの新聞を全部読んでありますが、新聞記事を見てもこういう感覚を持つわけであります。これがそうじゃなくて、ぽかっとこういう病気になったとか、あるいはアメリカとかイギリスから入って来て、そうして病気になったというようなら、これはまた一つの考え方もわいてきましょう。しかし、インドを通って来られた、どこどこを歩いたか私は知りません。しかし、そういうところを歩いてこられて、しかも、一日数十回の下痢を起こして、自分で歩くこともできないようになった。コレラの専門家のお医者さんがおいでですから、いろいろ御意見もあるでしょう。そうなった場合に、これはコレラじゃないだろうかというのが一番初めに浮かぶのが常識じゃございませんかと言っておるのです。それが浮かばないのはどうかしておりませんかと僕は言っておるのですが、私の言うのが間違いですか。たるんでおらないならばたるんでおらないでいい。そのうちにまた論争をやりますから。この問題は、たるんでおるたるんでないでなくて、常識問題としてそういうことがなぜ考えられなかったかということを言っておるわけです。
○国務大臣(西村英一君) 少し質問の要点をちょっと取り違えましたので、多少ピントが合わなかったのですが、機内でそういう経路を聞かなかった、それで入国したのだ、後ほど患者になってから経路を聞いて、そうしてカルカッタの経路がわかったのであります。そこで、阿具根さんのおっしゃるのは、そのときにどうしてそういう汚染地区を通ったのだからもっと注意しなかったか、こういう御質問に今承りましたので、その点は私も先生の御意見と同感でございます。多少質問のピントを私がはずれましたので、誤解を招いたらいけませんのでお答えするわけでございます。なお、専門的にひとつその辺のことは政府委員が御説明申し上げます。
○政府委員(舘林宜夫君) 私の説明が不十分でございまして、その間の事情が明確でなかったかと思いますが、いま一度申し上げますと、先ほど申しましたように、日赤ではコレラの疑いをもって保健所へ通報して参りまして、そうして保健所から開業医の、コレラをみた方と御一緒に現地へ行きましてみてもらったところが、コレラの疑いがあるということで、県から係官が出て行っております。それから先は防疫措置はとっているわけでございます。本省からも係官が現地へ参りまして、共同で防疫措置をとりつつ、検査物の検査の進行をしておったわけであります。その間、決して防備を鮮除したわけではございませんで、消毒、それから関係者の注意、それからその近所の上水道の塩素の強化、そういう措置は全部完了しながら、並行して予防衛生研究所の検査が進行しておったわけでございまして、したがいまして、防備はできるだけのことをいたしておったわけでございます。
 それから、先ほどの検査の点でございますが、検査は、普通ペプトン水というのに材料を入れまして、そこでばい菌がふえてくるのを待って寒天へのばしてみるわけでございます。その場合に、現地から予防衛生研究所へ届きましたペプトン水の中からは、ばい菌はすぐには見つからなかった。そこで一つの菌の陰性らしき様相があったわけであります。それをさらに普通寒天培地と、アロンゾンといいますコレラの特殊の培地、この二種類に植えたわけでございます。ところが、普通寒天培地にはコレラは全然はえて参りません。普通コレラがありますと、汚物や吐物は、純培養のように、ものすごいものが出てくるのが普通でございますが、この際は全然なかったわけでございます。アロンゾンの培地の中に、大腸菌の非常に大きな集落の中にまじって、ほんのわずか、やや疑わしい集落があったにとどまるということで、その段階でその状況そのものをあまりに正確にといいますか、普通の方がお聞きになったら多少誤解をされるかもしれないような場面で発表いたしたことが誤解を招くもとになったかと思うわけでございますが、そのごくわずか出たアロンゾンをざらにのばさない限り、そのままでは検鏡不可能なほどわずかでございましたので、それをさらに純培養いたしまして、それによって確認したわけでございまして、不幸にして、途中一番陰性らしい様相を呈したときに中間の説明をしたことに問題があったかと思う次第でございます。
○藤田藤太郎君 私は、今の報告を聞いておりまして、どうも新聞に伝えられている問題とだいぶ食い違いがあるような気がするわけです。一つの問題は、あなたの報告されたように九日の日から下痢が始まった。十日、十一日、確定したのが十二日の夜の九時半ごろ、これだけ相当な期間があるわけです。そうして新聞その他でいわれているところによると、日本固有のため置き便所か水洗便所かということも議論になった。ため置き便所だったらそこだけやったらいいんだということがいわれているのと、いや、水洗便所を使用したのだといわれている記事が出ておるわけです。ため置きならばそれで消毒はすぐ済むわけですけれども、水洗便所なら、その三日間といいますか、入院するまでに相当な期間があるのだから、その処置というものは、これはまあ相当なものではないか、この処置がどうされておるかということが一つ。
 それから、もう一つの問題は、売薬店で抗生物質を買った、そのために菌が浮かび出なかったのだ、だから、こういう場合には抗生物質を使用しないで、赤裸々な検査をするのがいいんだ、こういう発言が新聞にも出ておる。それじゃ抗生物質でその二回の検査でわからぬほど防ぐということであれば、抗生物質でそのコレラ菌を絶滅することができないのかという疑問をわれわれは持つわけです。だから、その関係が一つ明かになっていないということです。だから、もう一つ今の阿具根委員の議論の問題点のところなんです。で、日本から旅行するときには、コレラ、チブスという工合に予防注射をして出て行くわけであります。しかし、けさの朝日新聞の報ずるところによれば、インドにおいては、そのコレラというものをあまり重要視していないという記事が出ております。非常に集団でかかって死亡したときに初めて新聞も取り上げるし、役所といいますかね、その政府や地方の自治体もそれに関係を持つ程度の問題だと、こういうことが現地の報告としてきょう新聞に出ております。私はその事実はよく明らかでありませんけれども、しかし、そういう状態というものを厚生省で今日まで把握されておったとすれば、阿具根委員の私は質問になってくると思う。イギリスで予防注射をした。インドにこれだけ長くいて、カルカッタに二回も行っているわけです。この報告によると、直通でボンベイから出て来たということになると、そういう下痢というものはなぜ起こるか、そういうものに対する私は措置がされてよかったのではないかという阿具根委員と同じ疑問を持っているわけです。
 それから、今後の処置でございます。私たちが歴史を振り返ってみまして、コレラによって非常にたくさんな人命をなくしている、日本の歴史において。それが医学や予防そのものが発達をして、今日文明国においては防疫処置が十分されて、そしてだんだんとその蔓延を防ぎ、コレラ菌そのものを防ごうという努力で、非常に成績を上げているというのが事実です。しかし、今飛行機で乗って来て処置がないということだけでは、今後処置がされようとしておると思いますけれども、片方では何の防疫処置もないような国から日本に十時間か十二、三時間で着く。しかも、潜伏期間は五日か六日と大体いわれておる。そういうものがWHOその他に、日本が、やはりこの問題が起きたから発言するということでなしに、常日ごろ私はそういうところで、飛行機便というものがだんだん発達している今日ですから、処置がされておるべきではなかったかと私は思う。だから、そういう点についてあまりにも私は不注意ではなかったかという疑問が、先ほどの話とあわせて、起こるわけでありますから、私は、将来この問題は、今後こういう被害のないようにするところに私たち日本の行政があると思う。だから、どういう工合に積極的にするか、していこうというかまえがあるのか、まだ具体的には立てていないというなら、それはまあ一日、二日のことですから無理でしょうけれども、そういう点もやはり厚生省としては絶滅をし、被害を受けないための方法というものは、どういうこととどういうことがあるべきだということぐらいは、私は腹がまえとして持っておられることと思いますから、その見解も聞きたい。この質問をいたします。
○政府委員(舘林宜夫君) 最初に貯溜槽式の便所でないところに患者が汚物を放流した場合に、その処置はどうなっておるかという御懸念でございましたが、コレラ菌は、普通の腸内細菌に比べれば、非常に抵抗力の弱い菌でございます。ことに他の雑菌と同居いたしますと、かなり早急に死滅するものでございますし、御承知のように、水洗便所は末端において曝気消毒が行なわれておるわけであります。したがいまして、水洗便所に入りましたものは消毒されるシステムになっておりまして、それがまた水洗便所の一番大事なところであるわけであります。したがいまして、水洗便所が不備でない限り、一応水洗便所に入りましたものは、最後は滅菌されて普通の水となって出てくることを期待しておるわけでございます。
 それから、第二点の抗生物質の点でございますが、今回非常に菌のはえが悪かったということは、あるいは抗生物質あたりの影響があるかということを私どもも懸念はしておりますが、それではその抗生物質がそれほど効果があるものであれば、抗生物質でコレラの防止ができたかという御質問でございましたが、抗生物質には、また別途の用い過ぎ等による障害もないわけではございませんし、予防に抗生物質を使うということは、今の段階では考えられておらないわけでございます。
 それから、空港で何かそれほど汚染したインドを通って来た者がフリー・パスになることのないように、何らか処置を考えておるかという御質問でございましたが、これはまことにごもっともな御質問で、私どもも、目下非常に頭を痛めておる問題でございます。この問題が非常にむずかしいのは、国際関係が伴うからでございまして、世界各国、空港でそれぞれ検疫をいたしておるわけであります。必ずしもそれは国際慣習に従う必要もなければ、日本には日本の独自の防備体制をしいてよろしいかと思いますけれども、かなり人の権益に影響するような措置をとることになるわけでございますので、そのすれすれの限界をどこに求めるかというところが非常にむずかしい問題であるわけであります。予防接種証明書が一応の通行手形のような形になっておりますけれども、今回の事例でもわかりますように、予防接種証明書必ずしも百パーセント信頼しきれない面もございますし、どうして空港で防ぎきるかということは相当重要な課題でございまして、私どもも、今回の経験を生かしまして、何とか早急にこれを強化して、日本は東南アジアの汚染地区に非常に近接しておりますので、空港からも入ってくることを防ぐ措置を講ぜざるを得ないというつもりで、御趣旨に沿った検討を早急にするつもりでおります。
○藤田藤太郎君 その最後のやつは、少し私は取り違えておるのじゃないかと思う。WHOで私はむしろ各国ごとに処置すべき問題であって、飛行場に着いた人を一々検査をし、検便をするというようなことは、私はなかなかむずかしい問題だと思うのです。将来各国人の常識が発達して、危険があるものが、そういうところに行った者が自主的にやるならともかく、むずかしい問題である。むしろ汚染地区と申しましょうか、そういうところから国外に出る者に対しては厳重な予防処置が講じられて、そうして初めて旅行が可能になるようなことが国際的な形で行なわれるというところにむしろ問題の重点が置かれていいのではないかと、私はそう思うから、そういうところはどうだということを聞いておる。それは飛行場でやれたらいいですよ。しかし、なかなかそれは言うはやすく、行なうことはむずかしいと私は思うから、汚染地区という格好で今新聞の報じておる話を私がしましたが、そういうところに問題がありはしないかということを聞いておるわけです。だから、その問題は、むしろ国際会議ですね、国連が中心になるとか、WHOでもいいから、そこでやはりそういう国内汚染されているものを排除するために、国際的な機構で努力すると同時に、少なくとも、旅行する者については、厳重にその国の空港でやはりきびしい検査をしてなければ旅行はさせないというところまで私は取り上げてやるべきじゃないかと思う。
 それから、もう一つの問題は、抗生物質の関係について、私は今の答弁ではよくわからぬ。私もゆうベラジオを聞いておりますと、名前を忘れましたけれども、専門家の方々がそうおっしゃっておる。抗生物質を服用したから、その菌の出るのが九割までなくなってしまった。だから、病源を発見するのには、抗生物質を使用してもらったら困るのだという話がその対談の中に出てくるわけです。それじゃ下痢をするようなひどい患者が抗生物質を服用したためにほとんど菌が出てこないような抗生物質の役割があったとしたら、それはどういうことになるのだ。一回売薬を飲んでそのくらい抗生物質が作用するなら、コレラ菌の抗生物質でむしろ菌を絶滅するという、そんなことは私は専門家じゃありませんからようわからないけれども、しろうとが聞けばそういう気持が起きてくるわけです。だから、コレラ菌の抗生物質が、今他の作用によって云々といわれたけれども、ああいう専門家の方々がラジオを通じて全国に放送しておるのですから、そういうことの関係はどうなんだということを私はお尋ねをしておる。それはあなたのおっしゃるように、他の役割を持った抗生物質なんだから云々といえばそれまでだと私は思うのです。しかし、厚生省の関係ある専門家の方々がああいう発言をおやりになるなら、それじゃそのくらいコレラ菌に関係する抗生物質がよくきくのかという感じを持っておる。だから、コレラの疑いがあるときは抗生物質を使うてもらっては困るのだというような発言がそこに出てきておるのです。だから、私は、そこらあたりの点は、もう少しコレラ菌を絶滅するには、コレラ病を蔓延させないためにはどういう処置が一番いいのだということを明らかにしておいてもらわぬと、私の聞いたようなことでは、少ししろうとは疑問を持っておる、こう質問をしておる。
○政府委員(舘林宜夫君) 私が御質問の趣旨をとり違えまして申しわけありませんでしたが、確かにうっかりいたしますと、コレラを防ぐには抗生物質を飲めばよろしいというような印象を受けるかもしれませんし、また、防疫対策上そういうことはどう考えるかというお話だったかと思いますが、一般の方々の予防には、なまものを食べないということがコレラ防疫の最大の重点でございまして、従来、中国でなま水を飲まない、なまのものを食べないというのは、これは生まれながらにしての深い経験に徴したものであるかと思いますが、一般的にはそういう措置が最も好ましいわけでございますが、したがって、単純に下痢があったから、しろうと考えで抗生物質をとるというようなことは、決して好ましいことではないわけであります。また、抗生物質は、コレラの治療には用いられますけれども、今回の例でもわかりますように、抗生物質でも防ぎきれるものでもございませんし、私どもとしては、予防措置に抗生物質をというようなことは適当でないと考えております。
 それから、汚染地区から出航する場合の検疫を、WHO等を通じて、世界各国行なえるように呼びかけてはどうか、こういう御質問であったようでございますが、WHOに対しましては、先般、昨年のコレラの侵入騒ぎのときに、わが国では、その経験に徴して、コレラ検疫の強化を考えまして、昨年のWHOの検疫会議に際しまして、コレラに対する検疫強化の提案をわが国から積極的にいたしております。それに対しましては、なお次回までに各国検討するということになっておりますが、御趣旨のように、出航地で検疫をするということにはまだなっておりませんが、なお、今後どのようにしたらきわめて汚染した地域から侵入するものが防ぎきれるか、こちらの空港では防ぎきれないものであれば、なるほどお話のように、出航の際に措置をしなければならぬ、国によりましては、こちらの日本の係官を出航地へ出すというような国が、昔は日本でそういう防疫をやったことがございますが、そういう措置も考えられるわけでございますので、御趣旨の線も十分検討いたしまして、今後考えて参りたいと思います。
○藤田藤太郎君 それじゃ将来の問題ですけれども、昨年も船から入ろうとしたやつを水ぎわで防いだということで、十何年間日本は汚染の問題は出てこなかった。非常にけっこうなんですけれども、ちょうど季節的に、春から夏にかけてコレラの繁殖期、罹病期だといわれております、国際的に。だから、日本は、今五百万人のワクチンがあるとおっしゃいましたが、そういう予防処置的なものは、厚生省としては、生活環境やその他から考えて、しておく必要がないか。そういう予防処置的なことを、一般的に、今度のやつは急速に起きないように万全を期してもらわなければなりませんけれども、将来の問題としてどういう考えを持っておられるか。
○政府委員(舘林宜夫君) コレラは、わが国には幸いにもここ十数年来ございませんが、今なお赤痢は何万人という患者を毎年出しております。腸チフスも相当あるわけでございます。したがいまして、コレラが侵入しない状態におきましても、コレラ対策と同様に、腸内伝染病の防止対策に平生から努力をしていかなければならないところでございまして、私どもといたしましても、防疫関係者のみならず、環境衛生関係の面におきましても、そういう点に遺憾のないようなふだんから努力をしておるつもりでございますが、なお毎年数万人ずつ赤痢が出、数千人の死亡者を出しておるという状況が少しも改まらない今日の現状においては、深く反省しておるわけでございまして、今後この面をさらに強化をして、ややもするとこの面は忘れがちで、新しい面の衛生対策のみに走りがちでございますが、昔から残っておるこの伝染病というものの絶滅に対しては、一そう努力をして参らなければならないと決意いたしておる次第でございます。
○高野一夫君 大臣お急ぎのようですから、大臣は御退席願ってけっこうです。舘林さんに一つ伺っておきたいのですが、ここに入国の経路が書いてある、ボンベイ、デリー、パジャブ、カシミール、カルカッタ、いろいろなところが書いてありますが、これらの地名の中で、コレラの汚染地と考えられる地点がわかっておりますか。
○政府委員(舘林宜夫君) カルカッタでございます。カルカッタは一九五六年以来、継続してコレラの汚染地になっております。
○高野一夫君 それじゃカルカッタ以外、ここに書いてある地名のほか、インド各地となっておって、この地名がわからない。園芸家だから、あちこち地方を回っておられると考えられるわけですが、そこでカルカッタにかりに寄らない場合、汚染地でなかったインドの各地に旅行したと考えられる場合、さっき大臣は、退席したからしようがないけれども、汚染地でなくても、たとえばデリーならデリー、それは汚染地の指定はなくても、汚染地のほうからたくさんデリーに入って来るでしょう、デリーの人も行くでしょう、そういうことは交通運輸を禁じてないのだから、自由に、ここのデリーは汚染地ではないですけれども、その汚染地とデリーとの間に、人的あるいは物的交流ということは盛んに行なわれると考えなければならぬ。だから、汚染地でないから安心だということは私は考えられないと思う。それはどうですか、インドの実情から考えてみて。
○政府委員(舘林宜夫君) まことに仰せのとおりでございまして、ことにわが国でございますれば、その国情がたなごころの中に見るがごとく明瞭でございますが、ほかの国でございまして、どのように防疫措置なり伝染病の経路の探索なりが行なわれておるかということは、必ずしも明瞭でない。そのような国の、ある地域において相当多数のコレラ患者が出ておるということで、それに隣接する地域が完全に安全であるとは言いきれないであろうということが懸念されるわけであります。ただ、各種の防疫なり検症なりの措置は、かなりその検査を受ける側にとりましては影響を与えるものでございますので、従来の取り扱いといたしましては、検疫措置の相当強い措置は、汚染地そのものを通った者に限って行なわれておる。これはまあ慣習といいますか、あるいは危険度からの最大公約数的にそういう扱いをしておるわけであります。しかしながら、状況によりましては、汚染地に隣接しておる地域から、来る者に対しても措置をとらざるを得ないかもしれないのであります。で、ことしは、実はWHOからの報告によりますと、カルカッタは相当コレラの発生が多いようであります。しかも、流行期に入るのが例年より一月半ほど早くなってきておるようでありますので、それらの状況等をも考えて今後の検疫をやっていかなければならないかと思っております。
○高野一夫君 それでは、カルカッタの発生が特にことしは多ければ、なおさら厚生省の関係者は特に注意しなければならぬのじゃないか。先ほどの社会党さんの質問のとおりになる、われわれのほうから考えてもね。
 そこで、今WHOが理事会をやっているのでしょう。もうジュネーブで始まったかどうか。十一日に公衆衛生局長が行っておられる。そのときに、今度の問題は、尾村さんが土曜日に立たれる前に、もうすでにわかっておるのですが、ジュネーブで今度の問題を中心に、具体的に例をあげて何か討議をされる用意を持って行かれましたか。
○政府委員(舘林宜夫君) 今回の発生を直ちにWHOのほうに通報はいたしておいたわけでございます。ただ、それに対してどのような措置をとるかということは、今後慎重に検討した上できめざるを得ませんので、今直ちに提案することにはなっておらないと思います。
○高野一夫君 しかし、これは十一日前にすでに決定したわけですね、眞性コレラだと。だから、英国人がインド各地を通って日本に来て、真性コレラのなにがはっきりきまった、そういう事態がある。こういうことがあるから、これについて今後大いに真剣に専門家、行政官、いろいろな方々で各国協議しなければならぬというぐらいの話は、これは持ち出してしかるべきじゃないですか。その用意もないわけですか、せっかくジュネーブまで行かれて。私は、いろいろな公衆衛生局関係の法案がたくさん出ておりますから、局長がジュネーブに行っていいかどうか相談を受けた。それで、私はいいだろうといったのです。せっかく国会をほったらかして行かれる。しかも、日本は理事国です。理事国だから、なお局長がどうしても行かなければならぬというお話だから、いいでしょうと、私はこういったのです。それなのにこんな事態が起こった。日本国内の関係だけでなくて、英国、インド、日本と関係のある問題です。それなら、なおさらジュネーブで話を出せないはずはないでしょう。どうですか。
○政府委員(渡海元三郎君) 実は十一日に参りましたのでございますが、私も十日の日に局長と別かれて帰りました。そのときの状況はそこまで至っていなかったものでございますから、具体的な打ち合わせはいたしませんでしたが、この前のコレラのときに、台湾ですね、エルトール・コレラは、今まではWHOの機構でコレラということにきまっておらなかったのを、ぜひともこれをコレラの中に入れろということで、これは実現いたしました。その際に、私の聞いております範囲では、コレラの検疫体制について強化すべきではないかということを私どものほうからも申し入れまして、ただいま研究会を開いて、どういう方法がよいかということを、具体的に各国によって研究していただくような段階である、していただいておる。ところが、欧米諸国は、わりかたコレラに対して関心が薄いものでありますから、この研究会に対する熱意が少ない。ただ、天然痘は、幸い日本にはございませんけれども、英国、カナダ、西ドイツその他へここ一、二年の間にたびたび入っておりますので、やっぱり航空機による件数が十件近くもここ二、三年の間に数えられておりますから、そういうふうな被害を受けた国々が相当関心を示しておるということを聞いております。したがいまして、今回のやつも、さっそく情報を刻々通報いたしておりますから、この報告に基づきまして、局長自身の判断におきましても、おそらく鋭く発言し、この研究会に対する皆さんの御要望に大かた応じてこられるような態勢で、強力に発言をしておるのじゃないか、こう考えられます。
 なお、この前のコレラのときに私感じましたのでございますが、結局私は、今日の航空機の発達から見ましたなれば、世界は一つという行き方で考えなくちゃ、自国だけを守っておってもだめであるというのが実情じゃないかと思います。この前、台湾においてコレラが発生いたしました。日本は幸い水ぎわでとめましたが、私どもは、単に日本は水ぎわでありましても、台湾にこれがしょうけつをきわめている限り、国民は常に不安にさらされる。また、防疫体制も、非常なこれによるところの損害を常に負わされて、結局国民をこの損害から防ぐためには、積極的にこれを台湾でもなくしてもらうということが大事じゃないかということから、国際関係も考えたのでございますが、積極的に技術者を台湾に送りまして、万が一向こうで十分でなかったら、許される限りの私たちの援助もしたいというところから、コレラのワクチンも向こうへ送るとともに、技術者も派遣いたしまして、幸い国府当局は、相当真剣にこれと取り組んでいただきまして、これがなくなったような状態でございます。今、局長代理から答弁がありましたように、一九五六年以来、インド等におきましても、引き続いてしょうけつをきわめておりますので、私は局長に前に話したことがございますが、世界各国のWHOの機構において、その全国的に行なわれている汚染地をなくすることに努力するということも考えなくちゃいかん事態じゃないか。何でも、聞いておりますところでは、マラリア熱の撲滅をWHOが取り上げてやりまして、相当効果をもたらしたということを聞いておりますのですが、今後コレラに対しましても、そういった措置をむしろやってもらわなくちゃいけないのじゃないか。実は、この前のときにワクチンがなくて困ったのでございますが、私は直ちに、予算はこれは予備費でもらってもいいんだから、どこでもかまわぬ、飛行機で一日で来れる世の中だから、ワクチンを買えということをいうたら、日本にあるだけであって、外国には売るだけのワクチンを備蓄しているところはないのだということを聞いて私は驚いたようなわけでございまして、非常にコレラに対する関心が、欧米諸国、先進国では少ないのであります。今回の事件を契機といたしまして、検疫の強化はもとよりのこと、積極的に汚染地をWHOの機構の中においてなくするように努めていただいて、そういう方向で、今後のWHOの機構における申し出等も研究させていただきたい、かように考えております。
○高野一夫君 天然痘、コレラなんというものはインドだけじゃなくて、東南アジアの各地に発生する。しかも、東南アジアの低開発国は、大いに日本はこれから挺身しようとしておって、物資、人的交流の非常に盛んな地域でしょう。そういう、東南アジアなりインドにおけるそういう伝染病対策というものは、単にジュネーブを通してだけの、いわゆるWHOの報告を見なければわからぬ、現地はどうなっておるかわからぬということじゃ私は心細いと思うが、厚生省は、そういう東南アジアなりインド各地の伝染病の発生状況、対策、そういうのに専門家を派遣して実際調査をする、そして日本との間における何らかの対策を考究するというようなことは考えられたことはないですか。
 それと、もう一つ、WHOの支部みたいなものがマニラにある。厚生省からも相当な人が行っておられるでしょうけれども、あそこのところはなにをしている、WHOの、特にアジアの中心はマニラに置いてある。そのマニラのWHO支部と厚生省、日本側との連絡協議といいますか、そういうことはひんぴんと行なわれておりますか。その二点について。
○政府委員(舘林宜夫君) 今、高野先生からお話のありました、流行地に日本の職員を派遣して、そこから刻々報告をとる、それに応じた検疫を行なうということは、前々から厚生省としても考えておりまして、実は予算要求等もいたしておるわけでございますが、努力が実りませんで、今日まだ実現しておりませんけれども、今後ともこういう事態、昨年並びに今年のような事態が起こりますと、どうしてもそういう措置をとらざるを得ないことが痛感せられますので、なお明年度には実現することを期して努力をいたすつもりでおります。
 それから、お尋ねのございましたWHOの東洋支局のマニラでは、伝染病の情報等についてはどうしておるかという御質問でございますが、伝染病の情報はジュネーブの本部のほうに集めて、そこで集配することになっておりまして、情報につきましては、マニラは事務の分担をしておらないわけでございます。
○高野一夫君 せっかくアジアのマニラに東洋の本部がありながら、それは東洋の、特に東洋のうちの先進国である日本と直接の何の連絡もない。一たんスイスまでいって、スイスからまたあらためてくるというようなことについても、今後WHOのあり方として研究してみる必要がありはしませんか。もう少し機敏にやれるように、せっかくマニラに置いてあるのですから、機敏にやれるような方法を、ジュネーブの今度の理事会あたりで検討されてもいいと思うのです。ただ、現在はそういう組織になっておるからといってそのままほったらかしておいて、やむを得ないじゃないかということではしようがないと思うのです。でありますから、渡海政務次官に申し上げておきたいのですが、今度のこの発生事件、英人の真性コレラが決定した事件に対して、こういうことを問題にして、今後早急にWHOとして対策を講ずべきであるということ、マニラの機構をもう少し迅速機敏に生かせる方法を新たに研究するということを、至急にひとつマニラを通じてジュネーブに出して、尾村局長から正式提案ができなければ、困難でも、一応話題を出して、今後の研究課題として出されることがいいと思うのですが、その点はどうですか、できますか。
○政府委員(渡海元三郎君) 十分検討さしていただきまして、まことにけっこうなことだと思いますので、御要望に沿うような線におきまして努力いたしたいと思います。
○高野一夫君 もう一、二点伺いますが、きっき舘林さんは、港で船の場合は検疫がよくできるが、空港においては、いろいろ急ぐ旅であるしして、むずかしいというお話がありましたが、船ではどういう検疫をされるのですか。船であるからできる、空港であるからできぬというのは、学問的に見てもおかしいと思う。私はしろうとであるけれども、船であっても、潜伏期間中であったらわからないでしょう。船員であっても乗客であっても、船でみた場合、それは空港の場合でも同じ、それはどんどん保菌者のままで上陸を許されるほかないわけです。それは空港の場合も同じじゃありませんか。
○政府委員(舘林宜夫君) 私、その点も説明が足りなかったかもしれません。船はおおむね五日を過ぎて日本へ到着するわけでございますので、発病をすべきものは船内ですでに発病しておるわけでございます。したがいまして、患者状態でありますので、検疫がしやすいわけでありますが、航空機でありますと、発病しない潜伏期間中のものが通過いたしますので、外見、あるいはどんな検査をいたしましても発見しにくい、こういうことを申し上げたわけでございます。
○高野一夫君 あなたのさっきの話と矛盾するじゃありませんか。現地で、インド、シンガポールならシンガポールで感染してしまった人は、船の五日間なり何なりの間で、横浜に来たときには発病するでしょう。ところが、船に保菌者がいると、いろいろ食べものも一緒に食べるでしょう。船の中で幾日間かたって伝染した場合はどうなる。横浜に来たときに、まだ潜伏中の三日目である、二日目である、船の中で感染をして、まだその期間が切れない、そういう場合もあるはずです。当然起こってきます。だから、現地で感染するばかりが感染じゃないのだから、その過程において、飛行機の中で、あるいは船の中で感染した者で、そして検疫の場合は、単なる保菌者として出ない、こういう者に対しては、平気で上陸を許すほかない、こういうことになるわけですか。
○政府委員(舘林宜夫君) 今のような場合には、確かにお話のように、船でございましても同じ状態が起こるわけでございます。乗客そのものが直接現地で感染した場合には、上陸の際に見つかりやすいということでございまして、船内の感染の場合はおっしゃるとおりでございます。
○高野一夫君 もう一つ政務次官にお願いしておきますが、また、政務次官の意見も大臣のかわりに伺っておきたいのですが、羽田にインド航空会社の航空機がしょっちゅうきている。東南アジアにはしょっちゅう出かける、向こうからしょっちゅう人が来る。しかも、これから東南アジアにも、開発その他で日本はいろいろ挺身して援助しなければならんというような情勢下において、コレラの発生とか感染とか伝染とかというようなことは、私、厚生省だけの問題じゃないと思う。貿易に関係してくる、開発に関係してくる、建設に関係してくる、運輸に関係してくる。そうすれば、これは当然われわれ与党としての責任もあることだけれども、政府として、厚生省だけでやるのでなくて、総合的に何らかの私は対策をこの機会に考える必要があるのじゃないか。総理府でもどこでもいい、音頭は厚生省がおとりになればいい。物資の交流、人的交流、そういう今後の開発に出かける場合、そういうときにどういうふうにするかということ。それから、向こうから来る人に対する問題は、またWHOなんかでやるよりほかないかもしれんけれども、政府全体としてのこの問題についての検討を加える必要が私はあろうと考えます。それがあるとするならば、一体どういう方法でこの対策は研究されるか。何か研究会でも作りますか、あるいは特に関係のある建設、運輸関係とか保安庁とか、あるいは厚生省、通産省、大蔵、関税関係、そういうところだけでもってその検討のグループを作るかどうか。これは具体的にひとつ考えてもらいたいと思います、大臣を中心に。そして、その結論はWHOに反映をさせるというようなことにされないと、われわれが東南アジアがどうだこうだといっても始まらん。非常に国民に不安を与える。そういうようなことはいかんから、不安を与えるようなことを一掃した上で東南アジアの開発にかかりたい、こういうふうに思うのですが、どうですか。
○政府委員(渡海元三郎君) ごもっともでございまして、実は、ただいま本日私も大臣からお聞きしたのでございますが、大臣が閣議でこれを報告されるとき、特に今後の防疫の問題について、各省にも関連することと思うから、各省の御協力をお願いするということを特に発言されたそうでございます。なお、どの程度のことをするかは、今後具体的にこちらの案ができましたときにそれぞれお願いするからということを言われたそうでございまして、おそらく今、高野先生御指摘の点は、大臣も意図されましてそういうようなことを申されたのだろうと思います。したがいまして、今後の防疫体制の確立に対しまして、今いわれましたように、各省からもそういった方も出ていただきまして協議をするという態勢で万全を期していきたい、かように考えております。
○山本杉君 大体皆さまの御質問で質問は尽きたと思います。それから、先ほど渡海政務次官からの御答弁で、大体私はもう問題は残っていないと思うのですが、今度のこのコレラ問題に対するやっぱり問題のポイントは空港検疫、それと、もう一つ予防注射の問題が残っていると思うのです。で、今度の患者が予防注射を三月の五日と十二日に受けていながらインドで感染をしたということ、これは私どもが海外へ向かって旅行をする場合でも、また、今後旅行者を迎える場合にも、一番大きな問題点じゃないかと思うのでございますが、もし注射をしていてもこういうふうな感染のことが起こるとすれば、注射というものに対してもう少し専門的に、学問的にはっきりしたものをお示し願わなきゃならない。それから、また、注射をしなくても証明書が出るというようなことであるならば、これはもう少し厳重にしていただかなけりゃならない。で、厚生省の中間報告云々が問題になって、発表が慎重でなかったと私どもは受け取っているんですけれども、この慎重でなかったというところには、相手が英国人であった、東南アジア人じゃなかったんだというようなことで、よもやコレラではあるまいというようなことがあったとするなら、これも私は問題じゃないかと思います。そういう点をひとつ私どもに納得のいくようにお示しを願いたいと思うのです。
 それから、もう一つ、空港検疫のことでいろいろ御説明を伺っておって私が感じましたことは、ちょっと時代にズレがあるような点がありはしないかと思うのです。たとえば船で来る場合と、飛行機で来る場合に対して、高野さんからも御指摘があって御論議があったわけですが、さっき舘林さんは不可能に近いということをおっしゃった、いろいろな面から。だから、今度各省からも委員を出して、これは厚生省だけの問題じゃないんだから、そしてWHOに反映させていきたいとおっしゃる。私ども何としてもこの点ははっきりしなきゃならぬ面じゃないかと思うのです。どんどんこれからも旅行者はふえる一方でございますから、その点をもう少し私に言わせていただくならば、日本として後進国を指導していくのに、技術協力とか、あるいは経済援助といったような面もさりながらですが、もう少し医術とか医療の面で協力をするということであるならば、少なくも、旅行に出る人は、大丈夫という形にして旅行に出てもらうまでに何とか指導するというような方法を講じていただきたいと思うのです。
 それから、もう一つの問題でございますが、それは大臣の御説明のかわりを舘林さんがなすったときに、十六日がヤマで、それを過ぎればほっとできるんだというようにおっしゃいましたね。感染して発病者が出るか出ないかの問題で、第一の患者は別として、日本で感染した人、被害者の潜伏期が五日だからとおっしゃったでしょう。それを私は考えるんですが、そのはっきりした十六日以後は大丈夫なんだというふうに言い切るということはちょっとまずいのじゃないか。体質や何かの問題がございますから、そういう発表の仕方はちょっと考えていただきたいと思うのです。
 それから、もう一つ、この患者が抗生物質を買って飲んでいるということをさっき藤田委員からお話が出て、これに対することをいろいろおっしゃっておりましたが、医者の証明がなければ買えないものなんでございましょうね。そこはどうかひとつはっきりしていただいて、そして話は伝染病対策になりますけれども、伝染病が少なくなるはずなのに、赤痢なんかもまだ非常に多いということをおっしゃった。赤痢が多いということの原因の一つに、抗生物質が乱用されているからというようなこともちょいちょい世間に流布されているのでございますが、これらに対しましても、ひとつはっきりしていただきたいと思うのです。使うなら使うだけの効果があるような使い方を国民に指導するということ、そういう点についてひとつ伺いたいと思います。
○政府委員(渡海元三郎君) 予防接種をしておってもかかる、実際、前の御影丸のときに、確かに予防接種をしておられましたが、まあ病状の軽いということはあるのかもわかりませんが、確かに予防接種をしておられる方が発病しておられるという例は、私たちは非常に学問的にもまれな例だと聞いておりますが、二回も経験いたしましたので、ぜひともこの点は学問的にも研究をさせていただきたい。究明してこれに対する対策も考えなくちゃいけないんじゃないかと思っております。
 空港に対する検疫でございますが、これは非常に困難を伴いますが、さしあたり私たちが研究会で要望をしたいと、こう考えておりますのは、現在でございましたら、飛行機の寄航地が汚染地区と指定されていなかったならばあれは発動しないということになっておりますが、今回の例によると、飛行機そのものの寄航地はそうでございますが、なかなか旅行をしているその人個人についての旅行の経路というものを、私たちが旅行しましたときも詳細に書かない。おりても、その期間が長くなく、時間がないものですから、それを具体的に書かない。特に病状がない限りは、証明書それだけで済んでいるという点がございますので、これは各旅行者に対しまして、その旅行経路等も明らかにしていただくように、飛行機だけでなく、個人的な行動の範囲の報告義務も、汚染地を通るような場合には課するというふうな方法を考えなければいけないじゃないかということで、WHOの研究項目にいうているような次第でございますので、、ぜひそうやっていきたいと思います。
 なお、十六日までくればヤマは越すといいましたのは、確かに十一日までに大体患者も隔離いたしましたし、また、完全なる消毒もいたしましたので、それから五日間ということを考えましたら、十六日というのが一応のヤマでございますけれども、あとで局長もはっきりああ申しましたが、訂正させていただきますといいまして申しましたように、私どものほうといたしましても、この中間報告が世間に与えますことも考えましたならば、この点は慎重を期さなければならない。今まで申しましたように、菌そのものは、人のからだの中でなく、独自に清水の中で生きている場合は、二週間あまりも生きているということも聞いておりますので、警戒体制はゆるめることはできないという意味で、慎重を期していきたいと思っておりますので、局長代理は特にその点を訂正させていただいた状態でございますので、ぜひこの点は慎重を期してやりたいと考えております。
 なお、中間報告で大丈夫だろうということを言って非常に誤解を生んだのでございますが、おそらく英国人だからどうのとうのというふうなことは当然ございません。常識的に考えたら、阿具根先生が御指摘になりましたように、非常に疑いを当然症状から持つべきだと思いますが、科学者は科学におぼれるといいますか、二つの実験の結果、黒の部分は非常に少なかった、ただ一点だけ疑問の点があるという事実をありのまま九対一という報告をした。その一点はなお研究しなければいかぬというので、その一点をつかみ出して研究したら真性がその中に現われた。この数字をそのまま出したものをそういうふうにされたという点は、われわれ今後の発表の仕方という点についても十分考えてやらなければいけないじゃないかと思います。私も町長をやっておりますとき、実は台風の警報のときに、各危険な地域に監視員を設けまして、何時ごろ台風がくるから監視してくれということを言うて、刻々とラジオから聞いて、私が予定して監視員にいいましたときの時間より一時間早く台風がやってきた。私がそこに行ったら、自分の家の前まで水がきているのに、家の中でラジオを聞いている。私がおこったら、もう一時間ありゃしませんかと言う。私の言がそれほど忠実に守られてそうなっているということにそのとき驚いた。今後はよく注意の仕方も考えなければいけないという反省をしたことを思い出しましたが、科学的な発表にいたしましても、十分その点が一般にどういうふうに受け取られるかということも考えた上で、注意して発表しなければならぬと思いますので、今後の見通しの安全性ということにつきましても、十分その点も考慮の上で安全を期していきたい、こういうふうに考えております。
 以下、当局のほうからお答えいたします。
○政府委員(舘林宜夫君) なお、ただいま次官からお話がございましたが、このイギリス人は非常に協力的でございまして、よくこちらの質問に答えているようでございます。ただ、初め経過場所、本人の足取り等、やや明確を欠いたのは、本人が非常に弱っておりまして、一日数十回の下痢ということで、言葉もろくに出せない衰弱状態であった時期がございますので、それから回復して参りましてからは、かなり頭もしっかりして参りまして、よく協力してしゃべるということでございます。
 それから、抗生物資は、御質問のとおり、赤痢防疫等に際しましては、前々から問題になっておるところでございます。これを乱用しては、かえって赤痢を蔓延しはしないかということで、防疫対策上も、前々から抗生物質を乱用しないようにという努力はしてきたつもりでおりますけれども、今なお必ずしも十分であると言いがたいわけでございまして、今後とも防疫対策上も努力をして参りたいと、かように思う次第でございます。
○藤原道子君 関連して。
 もう皆さんの御質問で明らかになりましたが、ただ一つしろうとの立場からお伺いしておきたいのです。今おっしゃいましたように、一般のおかみさんたちと話しておりますと、五日たてば大丈夫なんですねということをしきりにいわれるのです。やはり十六日まででいいのだという考えが強い。ですから、そうでないという今のことをもう少し国民に知らしめるようなPRの方法ですか、当分は気をつけなければいけない、そうでなければ、植物園その他いろんなところに行っておるのですね。ですから、東京とかそれぞれの関係県に対策をしてワクチンその他送ったとしても、それをやってもらえなかった人、うっかりしている人、こういう人たちもおるわけでございますから、この点はいましばらくの注意が必要なんだということのPRを厚生省としてやっていただきたい。これはおかみさんたちの集まりでよく出るのですけれども、そういう意見です。
 それから、もう一つ、欧米人がコレラに対して無関心だということでございますが、幸いといっちゃ悪いのですが、今度は英国人なんですね、英国人が発病している、こういうことで、幸いWHOへ行っていらっしゃる局長が判断でやるだろうというのんきなことでなしに、厚生省から指令を出して、この問題を特に今度は先ほど来のお話のようなことを議題に持ち出して、大いに検討してもらうということにすぐ私は指令を出すべきじゃないかというふうに考えますが、そういうこと。
 それから、いま一つこれは伺っておきたいのですが、予防注射の有効期間ですね、これはどのくらいあるのですか。効率といっちゃ何ですが、絶対安全なものか、どの程度の効率があるものか、その点もちょっとあわせて伺っておきたいと思います。
○政府委員(渡海元三郎君) 今の一般に対するPRの点、よく御趣旨の点は私も同感でございますので、私も十分注意してやりたいと思います。
 なお、局長に対する指令でございますが、今回の問題は、私が、局長は判断でやるだろうと申しましたのは、刻々の情報を送っておりますので、その情報をどう使うかということは、向こうの判断でやると思っておりますが、この問題を取り上げ、よくWHOで強力な発言をするようにということは申しております。なお、重ねてまた機会がございましたら注意をいたすつもりでございます。
 以上で御答弁といたします。
○政府委員(舘林宜夫君) 予防接種の効果の問題でございますが、これはこの前の御影丸のときも、予防接種を全員しておったにもかかわらず、保菌者になっている。したがいまして、今回の経験もあわせて考えますと、予防接種は万全でないと思わざるを得ないわけでございまして、前々から予防接種は百パーセントでないということをいわれておるわけでございます。もちろん、予防接種をしたほうがかからないで済みますし、かりにかかった場合には軽くて済むということは間違いございませんけれども、それでは、それで百パーセントかといえば、そうでないわけであります。なお、有効期間は六カ月でございます。
○林塩君 大体よくわかりましたので、私はちょっと要望をしておきたいと思いますことは、コレラ問題を中心にしまして、公衆衛生ということに対して国民は非常に関心を持っております。伺ってみますと、コレラは一人でございますけれども、赤痢なんというのは何万人かかかって、数千人がなくなっているということでございますが、この問題については、案外慢性的になって、知っておりません。命の問題は同じことでございます。公衆衛生対策というのが割合に強化しないのは、国民にやはりそういう考えがないのじゃないかというふうに思えます。当局のほうにも、今いろいろ出ておりましたことで、厚生省が少しそういうことについて弱いのではないかというようなことでございますが、公衆衛生自体は非常に大事な問題であるということを、この機会に、厚生省といたしましては、公衆衛生対策というものを強化しなければならないという運動を起こしていただき、われわれ国民としましても、そのことを十分PRしていきたいと思いますので、ひとつそういうふうに公衆衛生対策の強化のために努力をいただきたいと思うわけでございます。ああもできなかった、こうもできなかったということは、人員の関係その他もあると思いますので、その点十分に組織的な活動として動けるような対策をとっていただきたいと思うことでございます。
 それから、これは少し違ったことでございますけれども、先ほどWHOの問題が出まして、WHOは、おもに欧米国のほうがあれで、これがコレラには関心がないから、この問題はあまり十分に取り扱ってくれないというお話でしたが、それはちょいと気に入らないことでございます。WHOは、低開発国のそういう病気のあるところをもっと健康にしていこうということのためにできていると思いますので、先ほど来の問題を繰り返しませんが、そのことのために日本は十分に自信をもって、国内の公衆衝生対策並びに世界の公衆衛生対策に対して発言のできるようなものは十分にしていただくようにしていっていただきたい、これは私の要望でございます。
○委員長(加瀬完君) ほかに御発言もないようでございますので、本件に関する調査はこの程度にとどめておきます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十八分散会
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