第043回国会 大蔵委員会 第10号
昭和三十八年二月二十六日(火曜日)
   午前十時二十七分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     佐野  廣君
   理事
           柴田  栄君
           西川甚五郎君
           柴谷  要君
           渋谷 邦彦君
           永末 英一君
   委員
           津島 壽一君
           日高 広為君
           堀  末治君
           森部 隆輔君
           佐野 芳雄君
           戸叶  武君
           野々山一三君
           野溝  勝君
           大竹平八郎君
           鈴木 市藏君
  政府委員
   大蔵政務次官  池田 清志君
   大蔵省主税局長 村山 達雄君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       坂入長太郎君
  説明員
   大蔵大臣官房財
   務調査官    柏木 雄介君
   大蔵省主税局税
   制第二課長   川村博太郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○外国保険事業者に関する法律の一部
 を改正する法律案(内閣提出)
○酒税法一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○印紙税法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
○委員長(佐野廣君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 去る二月二十日、本院先議として提出され付託されました外国保険事業者に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明及び補足説明を聴取いたします。
 まず、提案理由の説明を願います。池田大蔵政務次官。
○政府委員(池田清志君) ただいま議題となりました外国保険事業者に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及び概要を御説明申し上げます。
 現行の法律によりますと、外国保険事業者が日本において保険事業を営むには、大蔵大臣の免許を受けなければならないことになっておりますが、免許を受けない外国保険事業者の締結する保険契約については、何人も日本において代理または媒介の行為をしてはならないとの規定を置くのみであります。昭和二十四年の立法当時の状況におきましては、このような規定をもって、免許を受けない外国保険事業者の日本の保険市場を対象とする活動を一応抑止することができるものと考えられたのでありますが、最近におきます国際間の交通、通信の急速なる発達の状況を考えますと、免許を受けることなく、事実上、日本において保険事業を行なうと同等のことをなすことが、きわめて容易な情勢となってきているのであります。このようなことを放置し、免許を受けない外国保険事業者の事業活動に全く規制が及ばないことにしておきますと、免許を受けた保険事業者に課せられております義務を免れております免許を受けない外国保険事業者が有利な立場となり、不公正な競争によってわが国保険市場を撹乱し、日本の保険事業の健全な発達を阻害する結果を招くおそれがあるばかりでなく、免許を受けない外国保険事業者と契約したわが国の被保険者その他の関係者が不測の損害をこうむるおそれもあるのであります。
 以上の理由によりまして、免許を受けない外国保険事業者の日本における事業活動を有効に規制できるような制度とする必要がありますので、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 まず、外国保険事業者が免許を受けて日本で保険事業を営むのは日本に支店等を設けて行なう場合に限定することとし、日本に支店等を設けない外国保険事業者は、日本にある人または財産等について保険契約を締結してはならないこととしております。また、日本に支店等を設けない外国保険事業者に対して日本にある人または財産等について保険契約の申し込みをしようとする者は、再保険契約その他大蔵省令で定める特別の場合以外は大蔵大臣の許可を受けなければならないこととし、大蔵大臣が許可をしてはならない場合を列挙いたしております。このほか、これらの規制に対応して免許を受けた外国保険事業者につきましても、日本にある人または財産等にかかる保険契約については、日本において契約を締結しなければならないことにしておりますとともに、罰則その他所要の規定の整備をはかることにしているのであります。
 以上が、この法律案を提出いたしました理由及びその概要であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。
○委員長(佐野廣君) 以上で提案理由の説明は終わりました。
 引き続いて、補足説明を願います。柏木財務調査官。
○説明員(柏木雄介君) 外国保険事業者に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、若干補足説明をさせていただきます。
 免許を受けない外国保険事業者に対する付保につきましては、保険事業の免許制度をとっておる国におきましては、いずれも法律をもって相当の規制を行なっております。すなわち、イギリス等きわめて少数の国は、保険事業について免許制がなく自由であるため、このような規制もないのでありますが、免許制度をとっておるフランス、イタリア、メキシコ等多くの国におきましては、免許を受けない外国保険事業者との間の保険契約の締結を法律をもって禁止する規制が行なわれております。
 ところが、わが国におきましては、昭和二十四年の外国保険事業者に関する法律の立法当時の保険取引の状況におきまして、免許を受けない外国保険事業者の締結する保険契約については、何人も、日本において代理または媒介の行為をしてはならないという規定をもって、免許を受けない外国保険事業者の日本の保険市場を対象とする活動を一応抑止することができるものと考えられたわけでありますが、この規定のみをもってしては、免許を受けない外国保険事業者の日本における事業活動を有効に規制できない事態に至っておることは、先ほど提案理由として御説明申し上げたところでございます。
 この改正案におきましては、免許を受けない外国保険事業者に関するこのような法律の不備を補うため、第三条第二項の代理または媒介の行為を禁止する規定に加えまして、第三項として、免許を受けない外国保険事業者は日本にある人もしくは財産または日本国籍を有する船舶もしくは航空機にかかる保険契約を締結してはならない旨の規定を置きましたほか、第四項として、免許を受けない外国保険事業者に対して日本にある人または財産等にかかる保険契約の申し込みをしようとする者は、あらかじめ大蔵大臣の許可を受けなければならない旨の規定も置きまして、免許を受けない外国保険事業者の日本における活動を有効に規制できる制度といたしたわけでございます。
 この第四項に基づいて大蔵大臣に対し許可の申請があった保険契約につきましては、その保険契約の内容が法令に違反したりまたは不公正である場合、契約者がその保険契約と同等または有利な条件で免許を受けた内国または外国保険会社と保険契約を締結することが容易である場合等第五項各号に規定しておりますような場合には、大蔵大臣は許可をしてはならないことになっております。しかし、第五項各号に該当しない場合、たとえば免許を受けた内国または外国保険会社が引き受けることができない種類の保険契約等につきましては、許可をいたすわけであります。また、再保険とか国際間の海上または航空運送中の貨物にかかる保険等、その性質上規制のもとに置くことによりかえって保険事業の円滑な運営ないし国際的な取引自体を阻害するおそれのあるものにつきましては、第六項に基づきまして大蔵省令に定めるところによりまして、大蔵大臣の許可を受けることなく保険契約を締結し得ることにいたしております。
 次に、免許を受けました外国保険事業者が、日本に設けた支店等を使わずに、その外国にある本支店等において、日本にある人または財産等にかかる保険契約を締結するときは、その保険契約ないしそれによる保険事業は実質的には外国保険事業者に関する法律に定める義務等に従わないで行なわれる結果となり、免許を受けた外国保険事業者でありながら免許を受けない外国保険事業者と同様になりますので、この際免許を受けた外国保険事業者につきましても、日本にある人または財産等にかかる保険契約については、日本においてこれを締結しなければならない旨の規定を置いたわけでございます。
 なお、あわせまして、罰則その他所要の規定の整備をはかることといたしました。
 以上、簡単でございますが、補足説明をさせていただきました。
○委員長(佐野廣君) 以上で補足説明は終わりました。
  ―――――――――――――
○委員長(佐野廣君) 次に、酒税法の一部を改正する法律案及び印紙税法の一部を改正する法律案を一括議題といたします。
 両案は、去る二月二十二日衆議院から送付せられ、本委員会に付託されました。また、両案につきましては、すでに提案理由の説明は聞いております。
 それでは、これより両案の補足説明を聴取いたします。川村主税局税制第二課長。
○説明員(川村博太郎君) まず、酒税法の一部を改正する法律案の補足説明を申し上げます。
 酒税法の改正の第一点は、合成清酒の原科についての規制規定を従来政令に譲っておりましたのを、法律にそのまま規定し加えたわけであります。酒税法第三条におきましては、各酒類の定義の規定をいたしておりますが、そのうち清酒、ビール等につきましては、原科の規制規定が法律が規定されております。ところが、合成清酒につきましては、従来「政令で定めるところにより」と第四号にございますが、政令で規定されておりました。しかし、ほかの酒類の規定との権衡上、当然法律にあげるべきものと考えまじて、体系的な整備の一環として、これを法律にそのまま規定し加えたわけであります。実質的な変化はございません。内容といたしましては、米の重量が合成清酒の製品の重量の五%をこえてはならない。五%以下であるということでございます。
 第二点は、本みりんの税率の改正でございます。従来、二十二条で、本みりんにつきましては、基準アルコール度数を十三度から十四度未満、税率を六万七千七百円といたしておりました。現在市販されておりまする本みりんは、大半十三・五度から十三・八度でございまして、大部分この酒税法の基準アルコール度数に該当いたしますが、中に名古屋地区でいわゆる旧式みりんと称するものがございますが、非常に零細な設備で造りますために、製造設備の十分でないという、十分管理が行き届かないという点もございまして、この基準アルコール度数では品質に変化が起こる可能性がある。現実に昨年苦干自濁するというような事例も見られたわけでございます。そこで、アルコール度数を十四度を若干こえた程度、具体的には十四・二度程度まで引き上げますと変質のおそれがなくなるということでございますので、こうした業者の零細なことにかんがみまして、基準アルコール度数を〇・五度引き上げる、ただし税率は従来の六万七千七百円という改正をいたしたわけでございます。基準アルコール度数を〇・五度引き上げました関係で、一度当たりの加重税率を計算しかえまして、従来十三・五度をこえる一度ごとに五千二百十円加重しておったわけですが、これを十三・五度をこえる一度ごとに五千二十円といたしたわけでございます。
 第三点は、やはり体系的な整備の一環といたしまして附則に関する改正でございます。前回の酒税法の改正の際に、附則十二項で、この法律によりまして種類等が異なりました場合に負担が上がるものにつきましては、当分の間、約一年間に限って従前の種類によるということにしておりまして、具体的な内容を申し上げますと、たとえばエキス分が一・八度の老酒を例にとりますと、従来でありますとその他の雑酒になるわけであります。ところが、エキス分及びアルコールを基準といたしまして酒の種類を合理的に整備するという前回の酒税法の改正の結果、エキス分が一・八度、要するに二度未満でございますと、スピリッツに新しい税法ではなる。スピリッツになりますと、基準アルコール度数を三十七度で押えております関係で、アルコール分が十九度の老酒であってもかなり税金が高くなる。現実には五割程度税負担が上がるというわけであります。そこで、改正前にすでに製造済みのものにつきましては、旧法を前提として製造しておったわけでございますから、法律改正の結果税負担が上がるのは適当でないということで、なお一年間に限ってその他の雑酒として取り扱う。その他の雑酒の減税の恩典はそのまま受けさせるということにしたわけであります。この場合一年間に限りましたのは、法改正当時に製造済みのものにつきましては大体一年間ではけるであろうという見込みであったわけでありますが、昨年一年間の実績を見ますと、一年間では売りさばけませんので、なおこの売りさばきに三、四年を要するというような実態でございます。そこで、前回の附則で「一年間に限り」とありましたのを「当分の間」と改めたわけであります。
 以上が酒税法の改正の内容でございます。
 次に、印紙税法の一部を改正する法律案につきまして、補足説明を申し上げます。
 この改正は一点でございます。現在、印紙税法の第五条に非課税の証書、帳簿を規定してございます。すでに、農業協同組合の発する貯金証書で記載金高が三千円未満の零細なものにつきましては、非課税になっております。ところが、実態はこれにほとんど変わらない、あるいは非課税にする理由としてこれに劣らない、漁業協同組合あるいは漁業協同組合連合会の発する三千円未満の貯金証書につきましては、従来漏れておったわけであります。
 で、その経緯を若干御説明申し上げますと、印紙税の非課税規定の改正は従来印紙税法自体では行なっておりません。で、この非課税団体と申しますか、それぞれの団体を設立いたします単行法の附則でそれぞれ手当しておったわけでありますが、水産業協同組合法を改正する際に、印紙税の非課税規定が実は漏れておったわけであります。昨年水産業協同組合法は大改正をいたしまして、ここ当分の間改正する見込みがないということでありますので、この不権衡を本法の改正に待っておったのでは妥当であるまいと、農協との権衡から、印紙税の非課税規定を追加するということにいたした次第でございます。
 以上、両案の補足説明を終わります。
○委員長(佐野廣君) 以上で、両案の補足説明を終わります。
  ―――――――――――――
○委員長(佐野廣君) 次に先ほど提案理由の説明及び補足説明を聴取いたしました外国保険事業者に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、本案の質疑に入ります。
 御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○柴谷要君 二、三本法律案に対して質問をいたしたいと思います。不勉強でございますので、質問にお答えにくいかと思いますけれども、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 まず第一に、外国保険事業者が日本で保険事業を営もうとするときは、大蔵大臣の免許を受けなければならぬ、かように規定してありますが、わが国の保険業法第一条ノ二の条件を必要とするものであるかどうか、この点からお尋ねをしたいと思います。
○政府委員(池田清志君) 専門的なことでございますから、担当官から詳しく御説明申し上げます。
○説明員(柏木雄介君) 外国保険事業者が日本で営業を営もうといたします場合には、大蔵大臣あてに免許の申請をいたしますが、その場合に業務方法などにつきましていろいろ書類の提出を要求されておりますが、それは日本の保険会社の場合とおおむね同様のものを要求いたしております。
○柴谷要君 書類提出によって検討されることはもちろんだと思いますけれども、わが国の保険業法によりますと、いうと、第一条ノ二は、「保険会社ハ前条第一項ノ免許ヲ受ケタル日ヨリ三年ヲ経過シ且最終ノ決算期二於テ利益金文ハ剰余金を計上スルニ非ザレバ外国二於テ保険事業ヲ営ムコトヲ得ズ」と規定されておるが、こういうことは外国の保険事業者の実態というものを十分調査されて免許をされるのであるかどうか、これをお尋ねするわけです。
○説明員(柏木雄介君) 日本に進出をいたそうという保険会社がありました場合には、当然こういうことも顧慮いたして免許の可否を決定いたしております。
○柴谷要君 次は、免許について供託金制度というものがあるのだが、大体外国保険業者については一千万円の供託金ということになっておる。ところが、それをこして供託金を積ませることもあり得る、こういう条項がこの法律に載っておりますけれども、日本に、これにおいて許可をし、そうして供託をさした内容、こういうものが何社あって、供託金をどのくらい積ましているか、こういう点について知っている範囲でお知らせを願いたい。
○説明員(柏木雄介君) 損害保険会社が三十六社免許されておりまして、そのうち供託金一千万円のものが三十五社、二千万円のものが一社ございます。それから、生命保険会社で免許されておりますものは十二社ございますが、そのうち一社は事実上他の会社と一緒になっておりますので、今動いておりますのは十一社で、それはそれぞれ千万円の供託金を積んでおります。
○柴谷要君 それでは一次は、事業主体の資格制限についてはどうなっておりますか。
○説明員(柏木雄介君) 外国保険事業者に関する法律におきましては、外国において保険事業を営んでおります法人または個人というふうになっておりますが、今日では実際には外国において保険事業を営んでおる会社だけを認可いたしております。
○柴谷要君 それは資本または基金が、大体日本の保険業法によりますと三千万円以上、こういうことになっておりますね、規定されております。やはりその規定に準じて取り扱っておられるかどうか、これをお尋ねするわけです。
○説明員(柏木雄介君) 当然、基金または資本金は、日本の会社にいたしております三千万円以上のものでなければならぬということで運用いたしております。
○柴谷要君 事業の主体ですが、事業兼営の制限がございますかどうか。
○説明員(柏木雄介君) 日本の会社につきましては生保、損保の兼営は禁止いたしておるのでありますが、外国会社につきましても、日本において商売をするときには生保、損保の兼営は禁止いたしております。
○柴谷要君 日本の業者に兼営の制限をきつくやっておりながら、外国の業者にはややもすると兼営の点がゆるやかだという批判があるのですが、そのようなことはありませんですか。
○説明員(柏木雄介君) 外国では生保、損保の兼営を認めている国がかなりございますですが、日本におきましては、免許の際にその点をはっきりいたしまして、生保、損保の兼営は認めないということにいたしておりまして、そういうような事態もないものと思っております。
○柴谷要君 外国保険業者に対して監督命令、こういうものはどのように確立をされておるか、お聞かせをいただきたい。
○説明員(柏木雄介君) 外国保険事業者に関する法律の第十九条におきまして、保険業法の第九条の規定を準用いたしておりますが、第九条という規定は、これはいわゆる監督命令を発する権限を規定した規定でございまして、お読みいたしますと、「主務大臣保険会社ノ業務又ハ財産ノ状況二依リ必要アリト認ムルトキハ業務執行ノ方法ノ変更又ハ財産ノ供託ヲ命ジ其ノ他監督上必要アル命令ヲ為スコトヲ得」という規定がございます。この規定はそのまま外国保険事業者につきましても準用いたされております。
○柴谷要君 どうも、国内の保険業者に対する監督命令、こういうものは周知徹底ができると思うのですが一外国保険事業者に対する監督とか命令とかということは非常にしにくい、こういったような懸念が生まれてくると思うのですが、そのような心配はございませんですか。説明員(柏木雄介君) そういう心配はないと思います。
○柴谷要君 それならば、次にお尋ねしたいことは、法令違反等の問題が今日まで外国保険事業者の中にあったかどうか、そういうものについてお聞かせいただきたい。
○説明員(柏木雄介君) 外国保険事業者の日本における活動は、まあ先ほど三十六社あると申し上げましたが、実はあまり活発でございませんで、日本の保険市場におけるシェアも三%弱でございまして、しかも、日本の一般人相手というよりは、日本に来ております外国人あるいは外国系の会社相手の商売が多いかと思いますが、その間におきまして法令違反とかというようなことは別段聞いておりません。
○柴谷要君 日本で営業しております外国業者の契約高はどのくらいであるか、あるいは員数、そういうものの資料がございましたら、お聞かせ願いたいと思います。
○説明員(柏木雄介君) 昭和三十六年度におきます損害保険会社の収入保険料は三十億八千万円、日本におきます総資産は三十五億七千三百万円でございます。日本におります外国の生命保険会社のほうは、これはすべて日本に駐留いたしています駐留軍の軍人軍属等の外国人でありますが、それは約二千万ドルでございます。保険契約金額が約二千万ドルでございます。
○柴谷要君 日本人の契約はどのくらいになっておられますか、それを生保と損保と分けて。
○説明員(柏木雄介君) 三十六年度の日本の損害保険会社の正味収入保険料は千百五十九億円、それから三十六年度の総資産は二千五百二十四億円でございます。それから、生命保険会社のほうは、三十六年度の末におきます総保有契約は八兆八千二百四億円、三十六年度末におきます総資産は九千五百三十億であります。
○柴谷要君 外国の保険業者、日本で営業をやられておると思うのですが、利益配当についてはおわかりでございますか。
○説明員(柏木雄介君) 日本の事業だけに関します利益というような計算はいたしておりませんで、各本国に送金した結果、配当することにいたしておりますので、私どものほうで今正確な数字はつかんでおりません。
○柴谷要君 三条三項の規定違反が今度新たに設けられまして、二年以下の懲役もしくは二十万円以下の罰金に処し、またはこれを併科することができる、こうなっておりますが、本法の三十四条の罰則の中に、三条一項はこれは無免許営業、それから五条、十四条、十五条一項は規定違反だ、この違反なり無免許営業については、罰則として三年以下の懲役あるいは三十万円以下の罰金、あるいは併科、こうなっておる。ところが、三条三項だけ二年と二十万円とに切り下げた理由は一体どこにあるのか、それをお尋ねしたい。
○説明員(柏木雄介君) 三条一項は、罰則がまあ三年以下または三十万円以下、三条三項のほうが二年以下または二十万円以下というふうになっておりますのは、三条三項の罰則のほうは、要するに一契約につき一罪と申しますか、二つ契約して二つ契約違反があれば、その二倍の罰則をかけるようになっております。一方、三条一項のほうは、免許違反ということでありますと、幾つ商売をとっても免許違反の罪そのものは一つということでありますので、三年以下または三十万円以下というふうになっております。
○柴谷要君 そうすると、大体五条と同じ内容を持つわけですけれども、五条は三年以下となっておる。これもやはり一件ごとに三年、三十万ですか。
○説明員(柏木雄介君) 同様でございます。
○柴谷要君 同様ですか……。どうも数字が並んでおるというと、ばかに三条三項だけ軽いように思うので、そういう質問をしたわけですが、規定達反がやはり三年で三十万円ということになっておるので、何か二年の二十万円ということになるというと、外国業者だから手心を加える。日本の保険業法でいうと、三年、三十万という、非常に重い国内の業者については罰則を強化して、外国業者には軽いのじゃないかという印象を与える。そういう思想が日本にはかってあったのだけれども、今日ではないと思う。そういう点から、どうせ並べるなら三年、三十万円のほうが賢明じゃないか、こう思うので、一考を願いたい。
 まだまだ勉強不足で、質問の核心に触れておりませんが、次回に十分勉強して伺いたいと思いますので、本日はこれで質問を打ち切ります。
○西川甚五郎君 この法案によると、「日本に支店等」と書いてあるが、「等」というのは何ですか。
○説明員(柏木雄介君) 現在の外国保険事業者法の第二条三項に、「日本における支店、従たる事務所その他の事務所又は募集をする者の店舗」、こういうものを全部ひっくるめまして店舗というふうに称しておるわけでございまして、実際としましては、一番わかりやすい例としては代理店がございます。保険会社の代理店、海外に進出する場合に支店を出すのでなくて代理店を設けて、そこで全部営業させるという形が非常に多くとられますが、そういうものをさしておるわけでございます。
○西川甚五郎君 そうすると、代理店も含むのですか。
○説明員(柏木雄介君) さようでございます。
○西川甚五郎君 そうすると、その支店とかなんとかいうのは、その定義ですね、支店の定義はどういう定義ですか。たとえば何人以上を支店というか、そういう確たる定義はあるのですか、この支店というのは。たとえば二人でやっていても支店は支店ですが、その定義はどういう範囲を支店というのですか。
○説明員(柏木雄介君) この支店あるいは従たる事務所等の定義というか、範囲につきましては、実態に即して考えておるわけでございまして、帳簿を備えておるとか、独立の計算をしておるとか、いろいろございますが、支店につきましては、さらに商法上の問題とか、登記の関係とか、いろいろあると思います。保険業法特殊の解釈ではなくて、一般的な解釈に従って、支店と目されるものは支店という扱いにしております。
○西川甚五郎君 たとえば、内地のいろいろな商社でもなんでも、支店とか出張所がありますわね。ところが、看板だけかけて支店で、そこにテーブルを一つ置いて事務員が二、三人おる、これを支店といえばやはり支店になりますが、この法案で、何かそういう定義的なものをお作りになる必要があるのじゃないですか。
○説明員(柏木雄介君) 私ども考えております実体的内容としましては、帳簿類を備え、独立の計算ができる態勢にあること。それから、保険申し込み書式、保険証券、約款等を備え、保険の申し込みがあれば契約締結等の主要事務をそこで処理する態勢ができておる。さらには、外国事業者であると認めるだけの表示を掲げ宣伝広告する等の、要するに不特定多数の人を相手にして保険業務を営む意図が明瞭に認められること。いろいろなことを見まして、そこに支店であるかないかということを判定したいと思います。
○渋谷邦彦君 今回の法律は、わが国の保険市場の撹乱を規制するということと、被保険者が不測り損害を受けることを阻止する、こういう趣旨のもとに出された法案だと思いますが、先ほどの御説明によりますと、わが国における外国商社が三十六社ということでございますが、これは国別にどうなっているか、ちょっとお知らせ願いたい。
○説明員(柏木雄介君) 英国の保険会社が二十一社、アメリカの保険会社が六社、香港籍が三社、ニュージーランド籍が二社、フランスが二社、インド、フィリピン各一社でございます。
○渋谷邦彦君 先ほどの説明によれば、三十六の実態というのは、非常に力が弱いと申しましょうか、ほとんど事業をやっていないというような印象を受けたわけでありますが、そういう外国商社に対して、この際まぎらわしいという観点に立てば、整理をする意向はないかどうか、その点について。
○説明員(柏木雄介君) 日本で特に法令違反があるとかいうような、特にとがめる理由があります場合を除きましては、日本に来ております保険会社を、日本のほうから出ていってもらうというようなことを積極的にやることは、むしろ適当でないのではないかという、ふうに考えております。
○渋谷邦彦君 そうなりますと、やはりここに出ております趣旨の中の、被保険者があるいは不測の損害を受けるというような懸念がなきにしもあらずという点が考えられる一つの例があるのです。それは、たとえば損保に例をとりますと、実際契約をとってはいけないという危険地域であるとか、まあその中にはたとえばマーケット等が含まれるわけなんです。その場合に、外国商社の場合は、そういう条件を無視して、しかもトップ・リミットもきまっているようなきまっていないみたいな、幾らでもいいというふうにして契約をとっておる傾向が、今まで過去において幾つかあったことを私は知っているわけですよ。それが今後野放しにされていくということになれば、これはひいては市場撹乱にも通じましょうし、また、もし災害が起こった場合、損保の場合、はたして被保険者に対して保険が払える体制に置かれているのかどうか、その辺の事情について、わかっておる範囲でけっこうですから、お知らぜいただきたいと思います。
○説明員(柏木雄介君) 外国の保険会社は、火災保険におきましては、やはり算定会に加入いたしておりますので、料率等におきましては当然算定会の一員としての義務があるわけでございまして、したがって、いろいろリスクについてはそれ相応の保険をやっておるはずでございまして、特にそういうことを乱しておるというようなことは聞いていないわけでございますが、さらにそういう事例があったといたしましても、それが日本における事業成績としまして当然反映してくる筋合いのものでございますが、ただいままでのところ、そういう特に悪いリスクをとって、あるいは特にマーケットをやっている関係で、穴をあけて不測の損害を被保険者にかけるというような事例は聞いておりませんし、私どもとしましても十分その辺を監規し、そういうことのないように処置いたしたいと思っております。
○渋谷邦彦君 外国商社も算定会に入って、料率の適用等についても、それぞれきめられた範囲で適用しているということの御説明のようでございますが、私の記憶によりますと、これは確実な資科でございませんから、あるいは記憶違いがあるかもしれません。外国商社の場合の保険レートというものと、それからわが国の場合の保険レートは、たしか相当な開きがあったように思うのです。そういう観点から、外国商社は、わが国の保険市場に食い込むためには相当無理をしても入らなければならないということになれば、先ほど申し上げましたように、その方法としては、危険であるということを承知の上でも契約をとるであろうと、こういうことが当然考えられるわけですが、その保険レート等についてはどんな仕組みになっておるのか。これは簡単でけっこうですから。
○説明員(柏木雄介君) 火災保険につきましては、各社とも、外国の会社は各社とも算定会に加盟しておりますし、それによって科率を算定するとか、業務方法等におきまして明記しておりますので、当然そういうふうにやっておるものと思いますが、さらに、先ほど、外国保険会社の日本における商売がそれほどふるっていないというか、三%以下でありますということを申し上げましたが、この三%以下という数字は、三十六年のみならず、過去ずっとまあその程度の商売しかやっていないのでございまして、いろいろ商売を伸ばすように努力はいたしておると思いますが、その結果最近になって商売が特に伸びているということも見られません。三%程度というものはこの数年、まあ少なくとも五、六年はその程度のものかと思いますので、御心配の、このレートの競争によって特に国内の市場を荒らすというような事態は、目下のところ見られないのじゃないかと思います。
○渋谷邦彦君 シェア三%についてですが、この三%の内訳を、これはたしか損保だと思いましたが、火災、海上、その他自動車、森林等があるわけですが、これはどんなふうな割合になっておるでしょうか。
○説明員(柏木雄介君) 今御要求ありました数字は的確には持っておりませんですが、外国保険事業者の日本における商売のうち約半分は自動車保険でございまして、三十六年度の実績は保険科で十六億四千三百万円、その次が火災保険八億六千百万円、その次が積荷保険八億九百万円、傷害一億八千八百万、船舶一億六千三百万、その他でございますが、このうちやはり自動車のウエートが大きいのみならず、日本の保険市場における外国会社のシェアが一番大きいのも自動車でございます。たしか八、九%までいっていると思いますが、その他火災、船舶等は、したがってシニアは三%よりさらに低くなっていると思います。
○鈴木市藏君 関連。ちょっと聞きますけれども、賀易の自由化に伴う、つまり為替貿易の自由化に伴う外国保険業者の国内の進出についての見通しはどういうように考えておりますか。
○説明員(柏木雄介君) いわゆる賀易為替自由化という問題と保険とは必ずしも直結しないのではないかというふうに考えますが、賀易の自由化と申しますのは、貨物の輸出入につきまして制限を置かないということでございまして、これはガットというものがありまして、主要国は全部これに加盟して、これが貿易の制度に対する規制を撤廃するように要求いたしておりますが、保険は貨物でありませんので、ガットの関係から申しますとはずされている。
  〔委員長退席、理事柴田栄君着席〕
 それから、為替の自由化の問題でありますが、IMFにおきまして為替の自由化を推進していると。それにつきまして、IMFのほうでは、その一方で、まあ経常収支に関する経常取引の規制は全部やめてほしいと。これは国際収支を理由とする制限は今後やることは適当でないというふうになっておりまして、各国にそのように制限を撤廃するように要求いたしております。しかし、その場合でも、それはあくまでも為替と送金の関係の制限でございまして、実体の契約関係につきまして規制するしないということは別問題であります。したがって保険の問題につきまして、まあ契約段階というか、契約を制限するしないというのは、その国の保険行政の立場において考える問題であるのじゃないかという意味において、IMFとの関係においては別段の問題はないようになっております。
 しからば、その保険において契約関係を規制することが、まあこれは自由にすべきかどうかという問題でありますが、まあイギリスというような特殊な国では、もともと保険の関係では免許制もなく、国内でも全く自由企業になっておる。そういう国はもちろん保険は自由でありますが、アメリカあるいはヨーロッパの主要国、ほとんど世界のすべての国は保険事業は免許制でございまして、完全な自由というのはないのでございます。まあ日本におきましても、明治三十三年以来ずっと保険というものは免許制をとっておりまして、したがって、保険をここで、まあ賀易・為替自由化に関連して自由化するということは直接の関連はないのじゃないかと、そういうふうに考えております。
○永末英一君 現在、この免許を受けていない外国保険事業者が保険市場を撹乱している事実がありますか。
○説明員(柏木雄介君) その、大幅に撹乱するとかいうような問題は目下のところ見られませんが、まあ二つ、三つ非常は卑近な例を申し上げますと、一つは、どこかキューバのある小さな島にある保険会社が、そこから日本における物件について保険をとりたいというので、ひんぴんと手紙をよこしているというような例がございまして、こういうようなのはまさに、その被保険者の利益を考えれば、押えなければならぬという性質のものと思います。それから、もう一つは、これはまあ直接日本人じゃありませんけれども、日本に駐留している軍人軍属を目当てにアメリカにある日本の免許を受けない保険会社が勧誘に来まして、自動車保険をとろうという事例がございます。これも明瞭に、まあ今申し上げました免許を受けない会社が撹乱しているという問題でありまして、こういうようなのはかえって日本にある外国保険会社のほうから言いつけてくると。自分はせっかくまあいろいろ供託金を積むとか手続を踏んで免許を受けて商売やっているのに、免許を受けない連中がこういうことをやっているので非常に迷惑している、日本の政府はどうしているかというような言い方をしております。
  〔理事柴田栄君退席、委員長着席〕
 そういうふうに、私どもに聞こえております例はそういうのであります、それ以外にも相当あるのじゃないか。それから、そういう事例はおそらく今後ますますふえてくるというふうに考えております。これはまあ何といっても、交通通信がますます発達してくると、戦争前ですと保険証券を送るのに少なくも二カ月、三カ月かかったのでありますが、戦後になりますと、ジェットで来れば十数時間で来る。あるいは香港でありますれば日帰りで東京に来れるというようなことになりますと、こういうような事例は今後ますますふえるおそれがあるというので、私どもとしましては、この際日本の保険の市場の秩序を維持するためにこういうような法律をぜひ作っておく必要があるのじゃないか、そういうふうに考えております。
○永末英一君 免許を受けない外国業者に、大蔵省令で特別の場合認めようというのですけれども、その特別の場合というのはどんなことを考えておりますか。
○説明員(柏木雄介君) 第三条六項の「大蔵省令で定める場合」というのがございます。これは私ども考えておりますのは、海上積荷保険というのがございますが、海上積荷保険ににつきましては、これは保険は自由であるべきだという理念が一方にございます。さっきの説明をちょっと補足さしていただくわけでありますが、貿易の自由化を真に達成するためには、貿易の場合のいろいろの各種の条件、たとえば保険はどうなっているということを規制すると、それがかえって貿易の自由化を阻害するようになる。したがって、貿易貨物に関する保険はすべて自由であるべきだということが一般にいわれております。日本におきましては、さらにそれが、日米通商航海条約あるいは日英通商航海条約におきまして、輸出入貨物の保険は自由であるべきだということを規定しておるわけでございます。したがいまして、それを受けまして第三条六項におきましては、こういうふうに海上積荷保険につきましては大蔵大臣の許可を受けなくても契約ができるようにして差しつかえないのじゃないかと、そういうふうに考えておる次第でございます。
○永末英一君 だいぶ前でしたが、ヨーロッパあるいはイギリスの大きな保険会社ですね、日本に大いに進出しようという企図があるということで、日本の保険業界がはなはだ警戒態勢をとっておるというようなお話を新聞紙上で見たことがございますけれども、この法律ができて、それで条件さえ整えば、どういうことであってもどんどん免許する、こういう方針ですか。それとも、そういうことについて何らかの規制が行なえるような余地があるのですか。その点についてお伺いいたします。
○説明員(柏木雄介君) 今お話のありましたことは、おそらく一昨年からでありますが、イギリスのロイスが日本に進出したいという問題がありまして、日英通商航海条約の交渉の際にもロイスの進出ということが論議されたわけでありますが、ロイスというは、御承知のように、非常に長い伝統を持った非常に強力なる保険機構でございまして、それが会社でもない、個人でもない、非常に実態の把握しにくいものでありますが、そういうものが日本に来たいというわけでございます。ところが、現在の外国保険事業者法におきましては、日本で免許する外国保険事業者というのは法人又は個人となっております。それで、ロイスというのは一体法人なのか。法人でもない。これはイギリスの法律によりまして明らかでありますが、法人ではない。では、個人かというと、どうも個人でもない。ロイスの会員は五千人おりまして、それがしょっちゅう入れかわっているので、ロイスというのは一体、一時点をとらえまして、ロイスというのは何だということは事実上捕捉できない。したがって、そういうものを日本で免許することはできないということを説明しました。それで英側も了承して、その問題はそこで消えたわけでございます。したがって、ロイスが今後日本に来たいということがありましても、現在の外国保険事業者法によりますと、やはり法人でもない、個人でもないものの進出というものは認めることができないと。まあこれは日本の保険業法が、御承知のように、会社でなければ保険事業をやっちゃいかぬという点と一致するわけでございまして、日本でロイスと同じようなものがあればイギリスのロイスの進出もあるいは考えなければなりませんが、日本ではそういう組織を認めないという建前をとっておる関係上、ロイスの進出は法律上認められないし、やはり妥当ではない、そういうふうに考えております。
○野溝勝君 こまかいことですが、ちょっとお伺いしますが、この保険事業は、これは損保も生命も全部含むわけですね。
○説明員(柏木雄介君) さようでございます。
○野溝勝君 提案の説明によりますと、二十四年の立法当初においてはかような心配したようなことは防げると思った、しかし、最近は国際間の交通、通信等の発達で距離が短縮されまして、非常に活発になってきた。で、一そうこういう規制をするという必要があるということなんでございますが、これは生保のほうは別といたしまして、損保に関しましては、沖繩における外国の保険事業と日本の保険事業と非常に相剋をしまして、問題を起こしておることがあるのです。先ほど渋谷委員のお話にあった点でございまして、私はきょうはこまかく聞こうといたしませんけれども、このときにすでに、私は、一昨年でごいますが、本委員会において警告を発しておいたわけであります。すでにその当初問題になっておったのでございます。その当初なぜ一体この法案を出す気にならなんだか、またその用意をしなかったかということを、この際お聞きしておきたいと思います。
○説明員(柏木雄介君) 今度の法律改正は、もっと早くすべきではなかったかという点につきましては、確かに二十四年当時からならば問題はなかったわけでありますが、実は私どものほうといたしまして、一昨年来この法案を研究いたしますとき、やはり一番問題になりましたのは、外国でどうやっているのだ、外国の制度がどうなっているかをまず究明しておかないと、逆に日本が非常に風変わりな法律をやれば外国から非難を受けるということも予想されますので、外国の研究をまずやりまして、それによりますと、先ほど御説明いたしましたように、外国でも相当の規制やをやっているということがはっきりいたしましたので、そこで私どもといたしましても、ここで踏み切りまして、この法案を提出するというふうになっておるわけでございまして、やはりこういう法案は、あるいはもっと早くやるべきだったという点は、まことにごもっともかと思います。
○野溝勝君 私は調査官にここであらためてあれしようとは思いませんが、いずれ大蔵大臣なりに……。柴谷理事にお願いし、あるいは委員長にお願いいたしまして、たびたび本委員会を通しまして、国際情勢の変転による日本経済への影響という問題について、私は非常に心配をしましたゆえに、警告をたびたび発してきておるわけであります。ですから、いずれ機会を見てこの問題は総括的にその際に質問をしたいと思いますが、きょうはこれ以上いたしません。
 ただ、最後に一言お聞きしたいことは先ほど来同僚の委員によっても質問されておりますが、私は、単に最近における国際間の交通とか通信がひんぱんになったということだけでなく、これはやはりガット並びに八条国移行の影響によってもしなければならぬようになってきた。当然私はこのガット並びにIMF、国際通貨基金、これとの関係があると思いますが、この点はいかがでございますか。先ほどはないというようなことを言いましたが、私はあると思うのですが。
○説明員(柏木雄介君) 先ほど御説明いたしましたように、直接にガットとの関係、あるいはIMFとの関係はないものでございます。ただ、御承知のように、今までIMFというか、日本の為替管理では、契約関係のほかに送金関係も規制いたしておりましたが、その為替関係のほうの送金関係の規制は、今後おそらく自由化の方向になりましょうし、資本取引の防止のために残すものは残しますが、それ以外は自由になりますので、契約関係の規制は依然として為替管理法でも残るようになろうかと思います。
○野溝勝君 ここでちょっとお聞きしますが、あなたはないと言いますが、IMFの条項を見ると、国際収支を理由に為替並びに外貨支払いの制限はできない。それには貿易並びに商品の輸出入、為替・資本取引の自由化ということが理由になっておる。しかし、IMFの規約の第八条第二項には、経常取引のための支払いや資本移動を制限しない。そうしてその経常取引というのは、貿易並びに海外渡航、用船契約、保険契約、外資の配当金並びに利子の送金、こういうふうになっております。ですから、私はこの中に含まれておると解釈をしておるのでございますが、いかがでございますか。
○説明員(柏木雄介君) 御指摘のように、八条におきましては、支払い、つまり外国へ向けての送金につきましては、そういう制限を、資本取引のための場合を除きましては、撤廃いたしますように要求いたしておりますが、それは保険業につきましても同様かと思います。ただ、今申し上げておりますのは、保険契約を締結することにつきましては、IMFでは問題にしていない。で、現在の為替管理におきましては、契約の締結も制限いたしておりますし、ほかに送金の制限もいたしております。
○野溝勝君 私は、これはお答えなくてもいいのですが、この八条国移行の問題にしろ、あるいは自由化の問題にしろ、当然ガットもそれに関連してくる問題でありますが、いつでも日本経済、日本産業は非常に不利益を受けてきておるのでございまして、今日やはり紡績の問題を中心に、あるいはその他いろいろな、漁業の問題にしても、あるいはレートの問題にしても、事々に問題が次から次に出てきておるわけです。ですから、こういう際ですから、特にただ対等にするとか、あるいは外国のやっている例を見てとかいうようなことでは、いつでもあとにあとにとついているわけです。だから、たまには、とにかく独立国であるという日本としては、よその経済行為よりはやはり日本の産業経済を守るという意味において、少壮官僚の諸君は、政府の上のほうから出てくる意見ばかり聞くのでなくて、少しは自主的な意見も出して、やはりこの追随外交とか追随経済政策の首脳部の方針に対して、少しは新しいテーマを出すくらいの気持を持っていただきたいということを希望しておきます。
○委員長(佐野廣君) 他に御質疑もないようでございますから、本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時三十四分散会
   ――――・――――