第043回国会 大蔵委員会 第19号
昭和三十八年三月十九日(火曜日)
   午前十時三十九分開会
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     佐野  廣君
   理事
           柴田  栄君
           西川甚五郎君
           柴谷  要君
           渋谷 邦彦君
   委員
           青木 一男君
           太田 正孝君
           川野 三暁君
           田中 茂穂君
           高橋  衛君
           津島 壽一君
           日高 広為君
           平井 太郎君
           堀  末治君
           野々山一三君
           野溝  勝君
           原島 宏治君
  国務大臣
   大 蔵 大 臣 田中 角榮君
  政府委員
   大蔵政務次官  池田 清志君
   大蔵省主計局法
   規課長     上林 英男君
   大蔵省理財局長 稻益  繁君
   大蔵省銀行局長 大月  高君
   運輸省海運局長 辻  章男君
   運輸省船舶局長 藤野  淳君
   運輸省鉄道監督
   局長      岡本  悟君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       坂入長太郎君
  説明員
   日本国有鉄道常
   務理事     河村  勝君
  参考人
   農林漁業金融公
   庫総裁     清井  正君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○産業投資特別会計法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○東京港港湾区域における土地造成事
 業等のため発行される外貨地方債証
 券に関する特別措置法案(内閣提
 出、衆議院送付)
○日本輸出入銀行法の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○日本開発銀行法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
    ―――――――――――――
○委員長(佐野廣君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 産業投資特別会計法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に続き、本案の質疑を行ないます。
 御質疑のおありの方は順次御発言願います。
○柴谷要君 産業投資特別会計について最初にお尋ねをしていきたいと思います。
 特別会計を設置いたしました理由のものは、日本経済の再建並びに産業の開発、貿易の振興のために国が財政的処置を行なう、そのために産業投資特別会計というものを設けて今日までやってきた、これが事実だと思います。昭和三十八年度の産業投資特別会計から出資いたしまする金額、この内容を検討してみますると、貿易面、あるいは経済再建面、産業開発面と分けて内容を検討してみたところ、大体貿易面におきましては二百億、三一%、経済再建百九十三億で三〇%、産業開発で二百三十三億、三七%という、これは大ざっぱな数字でありますけれども、予見されます。ただ、ここでわからないのは、海外移住事業団に八億という投資をしておりますけれども、これは一体再建なのか、産業開発なのか、貿易振興なのか、ちょっと迷ったのでありますけれども、この海外移住事業団の性格なり、あるいは投資をした理由なり、今日行なっておる実態というものを少しく政府当局から御説明をいただきたい、かように思うわけです。
○政府委員(稻益繁君) 三十八年度で予定いたしております海外移住事業団でありますが、まだ事業団そのものは発足いたしておりません。三十七年度まで行なっておりましたのが海外移住振興株式会社であります。事業団になりましても特別に変わった事業を営むという予定はございませんが、大体従来に引き続きまして、海外におきます移住地の土地造成、改良、あるいは移住民の行なっております移住地における事業に対する融資といったような事業を継続して行なっていく予定であります。
 それから、最初にお尋ねの、これに産投から出資するというゆえんは、目的から見てどうだというお尋ねであろうかと思うのでありますが、まあいろいろな見地があると思いますが、やはり日本の置かれた現状から見まして、海外に移住地を求め、あるいは移民を送り込みまして、土地造成なりあるいは海外のいろいろな事業を営む、こういったことが広い意味での日本の、何と申しますか、産業経済の復興開発、そういったものに寄与するであろう、こういった観点から産投会計からの出資を予定いたしたわけでございます。
○柴谷要君 大ざっぱな御答弁でございましたけれども、この事業団は事業団法が決定を見た上で発足すると、こういうふうに思うわけですね。一体、そういう考え方に立って事業団を作るということについては、十分な用意なり準備ができていると思うのです。それから、過去における実績等が十分掌握をされた上で、こういう方向に持っていこうと政府が考えられておると思う。前の海外移住の振興会ですか、まあ新聞紙上に出たいろいろの悪い風評等をこの際追及しようなどというけちな考えは持っておらない。ということは、確かに日本のような実情の中から海外移住ということは一つの大きな事業であるから、当然政府が相当力こぶを入れてやらなければならぬ仕事であることは明白なんです。そういう事情にありますから、この発足については反対するものではありません。むしろ積極的に推進すべきだという見解に立っておる。しかし、そのような問題を取り上げて魂を入れようとするには、やはりそれ相応の決意なり、将来事業団をしてどうあらしめるかという方向が御当局になければならぬ、こう思いますので、その決意のほどを聞かしていただく。さもなければ、産投会計から八億という巨額な経費をつぎ込むのに値しないようなことでは国民に申しわけないと思いますので、もう少しくこの事業団の性格なり、あるいは一体どういうような構成でやろうとしているのか、もう少し説明を願いたい。
○政府委員(稻益繁君) 将来の実は細目の計画その他につきましては、所管いたします外務省当局から御答弁したほうが、あるいは適切かと思いますが、産投会計からの出資を認めました大蔵省の立場から申し上げますと、従来も御指摘のように海外移住振興株式会社、それから日本海外協会連合会、この二本立で実は移住関係の仕事が行なわれております。従来の実績にかんがみますると、必ずしもこれが適切な運営が行なわれておらないというようないろいろな問題がございまして、私ども直接所管いたしておりませんので、詳細なその間の事情はあるいは外務当局なり農林当局のほうが適切かと思うのでありますが、私ども承知いたしております限りでも、必ずしもその運営が適切に行なわれなかったというような事情がありまして、今回こういった、ただいま申し上げましたような中南米諸国におきます移住地の開拓と申しますか、移住地の造成なりそういった移住地関係の事業、それから移住金融、そういったものをむしろ一元的に行なうような機関を作りまして、そこで一元化して、そうして援護の重点といたしましては、いろいろ現地における調査なりその他の点につきまして、完璧を期したい、そういった観点から新たにこの事業団を設立するということに踏み切ったわけでございまして、政府といたしましても、十分に過去の弊をなくしまして、最も目ざすところに、新しい機構の発足と同時に完璧を期して参りたい、こういう考えで臨んでいるわけでございます。
○柴谷要君 大体方向がわかりました。
 次は、これは運輸省のほうにお尋ねしたいと思うのですけれども、この私どものほうに出ておりまする産業投資特別会計法の一部改正の中には、鉄道整備公団というような名前が使ってあります。公団であります。新しく法律が鉄道建設公団と出てきておりますから、以下建設公団と呼びますけれども、建設公団について二、三質問をいたしたいと思う。
 建設公団法の第四条に資本金という項がありますが、「公団の資本金は、五億円と第三項の規定により日本国有鉄道が公団の設立に際し出資する額及び附則第七条第二項の規定により日本国有鉄道から出資があったものとされる金額の合計額とする。」と、非常に何といいますか、遠回しの内容を書いた第四条が出てきた。この第四条の資本金というところをながめただけでは、四条だけを見ただけでは、一体公団の資本金は幾らになるのかわからない。そこで、いろいろ読んでみますというと、二項に、「政府は、公団の設立に際し、前項の五億円を出資するものとする。」と、こうある。この二項はいわゆる産投会計から出る五億であるのか、また別にほかから出る五億であるのか、これもちょっとわれわれにはわからない。
 それから、第三項になりますと、なおわからない。というのは、「日本国有鉄道は、公団の設立に際し、昭和三十八年度の日本国有鉄道の予算の工事勘定に計上した建設費の項の額(前年度からの繰越額を含む。)から公団設立の時までにおけるその項の支出済額を控除した額に相当する金額を出資する」と、非常にむずかしいものになっている。一体その資本金というのは幾らになるのか。この点からひとつお答えをいただきたいと思う。
○政府委員(岡本悟君) 第四条の第一項は「公団の資本金は、五億円」と、それから「日本国有鉄道が公団の設立に際し出資する額及び附則第七条第二項の規定により日本国有鉄道から出資があったものとされる金額の合計額」でございまして、この一般的な言い方を第一項でいたしておるわけでございますが、第二項以降は具体的にこれをうたっておるわけでございます。
 第二項では、「政府は、公団の設立に際し、前項の」、第一項の「五億円を出資する」と、こういうふうにはっきりうたっております。それから、第一項の「第三項の規定により」云々とございますものを、第三項ではっきりうたっておるわけでございまして、「昭和三十八年度の日本国有鉄道の予算の工事勘定に計上した建設費の項の額……から公団設立の時までにおけるその項の支出済額を控除した額に相当する金額」、こうございますが、ちょっと表現は非常にむずかしいのでございますけれども、要するに、公団設立の日がいつになるかはっきり予定できません。そこで、かりに昭和三十八年の七月一日から公団が発足できるというふうに仮定いたしました場合に、日本国有鉄道は建設費に計上いたしております予算、七十五億円でございますが、これを四月、五月、六月と建設費に使っていくわけでございます。幾ら使うか、これもわかりませんです。したがいまして、七月一日に公団が発足いたします場合には、七十五億円から使った額を差し引いたものを出資すると、こういう意味でございます。四月一日から発足するということがはっきりいたしておりますれば、これはまあ七十五億円全額出資ということをはっきりうたうことはできるわけでございますけれども、それが予定できませんので、こういう書き方をしたわけでございます。
 なお、第一項で、「附則第七条第二項の規定により」云々とございますが、これは第七条第二項を見ていただきますと、要するに、一口で申し上げますと、建設勘定に属する未稼働資産でございます。現在御承知のように四十七線着工中でございまして、まだ営業開始できない線がそれだけあるわけでございますので、その未稼働資産を現物出資といたしまして公団に引き継ぐわけでございます。そこで、公団の資本金は、設立当時におきましては、政府出資の五億円と、国有鉄道の七十五億円の建設費の使い残りと、それから未稼働資産、これの合計額に相なるわけでございます。未稼働資産ははっきりした精算額はもちろん現在のところはわかりませんが、大体推定二百四、五十億円に相なるのではないかと考えておりますので、かりに二百四十億円といたしますと、この政府出資五億円、それからどのくらい使い残りがあるかということもはっきりいたしませんが、これが七十億円あるといたしますと、その二百四十億円と七十億円と五億円というものの合計額が、この公団の設立当初における資本金に相なるかと考えております。
○柴谷要君 今の説明でほぼ輪郭はわかって参りましたけれども、ここで具体的にお尋ねをしたいと思うのでありますけれども、政府が五億円出資をする。それから、国鉄の工事勘定に組まれている七十五億の中で公団が発足するまでに使った経費を差し引いた金額が公団に移されるということになりますというと、まあこれは推定でございますけれども、この七十五億の金の中で五億使った、これが七十億公団の資本金になる。そうしますと、大体七十五億円程度がいわゆる現ナマで使い得るものである。しかし、まあ二百数十億ということを言いましたが、現在国鉄が着工しておってまだ完成されておらないものが公団に移るわけであります。これはもうすでに金を使っておるし、品物ではあるかもしれないが、金ではない。そうなりますと、公団が出発するにあたって、わずか政府から五億だけで、従来国鉄がとり行なっておった七十五億という金を取り上げるだけで、公団が第一条に盛られておりますような目的を達することが一体できるのかどうか。この点をひとつ冒頭にお聞きしたいと思う。
 これは政府が今日の国鉄のあり方というものを十分に検討されて、公団の必要性ありという見地に立つならば、もっともっと政府は本腰を入れた資金投入を行なわないでこの目的が達せられるとは思わない。むしろ、国鉄に与えた金を召し上げて公団に出資させて事業をやるなんということは、むしろ私はあやまちでないかとすら考えている。そういう観点からひとつぜひ、運輸省がこれを立案されたと思うのでありますから、何ら支障はない、こういうふうに言われると思いますけれども、ほんとうに意のあるところをひとつ聞かせてもらいたい。私は、このような公団の資本金ではむしろ国鉄にとってはマイナスであり、プラスになる方向ではないというふうにわれわれは考えるだけに、この点を強くひとつ御説明をいただきたい、こう思うわけです。
○政府委員(岡本悟君) もともとこの公団は、昨年五月の鉄道建設審議会の建議によりまして、その建議を受けて政府がいろいろ検討した結果、こういう格好で国有鉄道の新線建設を推進することが、日本経済の基盤の強化、あるいは地域格差の是正の上から、最も適切な方法であると判断いたしまして、この法案を提案いたしたような経過がございまして、その建議にもございますように、従来のような日本国有鉄道の手で新線建設を推進していくということは、何と申しますか、積極的な推進体制ということはどうしてもできないというふうに建設審議会の建議では申されておりまして、何らか別個の、たとえば公団といったような組織を作って積極的な前向きの責任体制というものを作り上げて、また別途財源措置についても考えてやらぬというとこれ以上進まないのじゃないかということでございまして、そういう見地からこの公団の設立に踏み切ったわけでございます。
 で、なるほど御指摘のように、昭和三十八年度予算に現われております姿は、政府出資わずかに五億円でございまして、仰せのように、日本国有鉄道の建設費に計上されました資金を召し上げて、それを公団の資本金にすりかえたというふうなことで、別に前進はないではないかというふうな御指摘でございますが、昨日も参議院の予算委員会で大蔵大臣が御答弁ございましたように、昭和三十八年度の予算だけでこの公団の事業規模というものを即断してしまうということは早計であるように考えるというふうな御答弁もございまして、われわれといたしましても、御承知のように法案の第四条には、「政府及び日本国有鉄道は、必要があると認めるときは、……公団に追加して出資することができる。」というふうにございまして、もちろんこれはそのときの国の財政状態にもよることが多いと思われますけれども、この追加出資ということが相当積極的にできれば、この公団設立で期待いたしましたような結果を将来招来し得ることができるんじゃなかろうかというふうに考える次第でございます。
○柴谷要君 私は、今監督局長が御答弁なさった内容については、わかる。了解もします。しかし、今日まで鉄道建設審議会がとってきた態度、これは同僚議員等も参加していろいろやっておられるので、この委員会でとやかくということを申し上げるわけじゃありませんが、われわれ第三者の立場からこれを見た場合に、はたして鉄道建設審議会が日本の鉄道というものに対して十分な検討を加え、かつまた、現在置かれておる国鉄の現状というものを十分認識した上ですべての結論を出しておったかというと、私はそうではなかったと思う。国鉄は新線建設にあたってはたいへんな努力をしてきたけれども、今日のように独立採算制を強要されておる中においては、この新線建設というものが非常に痛手であったということは事実です。それがために消極的であった。しかし、今日本の現状の中から総合交通政策を検討してみた場合に、はたして新線建設、国鉄を敷くことが現状の段階の中でどうしても必須要件かというと、そうじゃないと思う。まだまだ検討する余地があると思う。むしろ、諸外国の例をとってみても、古くさい鉄道などはやめて、むしろ道路の整備によって路面交通のほうに重点を移しつつあるような現状じゃないか。そういうときに、国鉄が新線建設には消極的で、国会の議決あるいは国会を代表する意思機関の決定を無視して、なかなか建設を進めないから、ひとつここに公団でも作ってどんどん進めようという量見であれば、私は誤った公団に発展をしていくのではないか、こういうふうに考える。一体この発足はどっから出てきたかというと、鉄道建設審議会が、とにかく国鉄に資金を与えられないから、公団でも作ってここにどっさり金を与えてひとつやらせよう、この考え方はいいと思う。いいと思うのでありますけれども、その考え方がこの公団法に盛られてきておらないというのが今日提案されておる内容だと思う。でありますから、初めから出発にあたってこのような法律案が出てきたことは非常に遺憾だと思う。現在国鉄が新線建設すれば赤字で、そうして運営に困っておる。それを今度は公団という事業体を作れば、何とか事業をしなければ国民の前に申しわけないというようなことで、言葉は悪いかもしらぬが、いたずらに新線を建設するということになった場合に、一体これを国鉄が引き受けて、この経常の任に当たれるか、運営の任に当たれるか。この点を考えると、非常にこの公団の発足については慎重を期さなければならない。だから、十分議論を尽くし合って、ほんとうにこの公団ならばいずれから見てもプラスになるという公団であるなら、もちろん私も賛成しようと思うけれども、今の段階では、この法案だけ見たんじゃ何としてもこれは通したくないというのが私の偽らざる心境です。ですから、これから具体的な質問に入りますけれども、ひとつ御答弁願いたいと思います。
 大体、これは鉄道建設審議会が集まって作られたのですが、この鉄道建設審議会が、批判はしませんけれども、ややもすると国鉄の現状から離れて、とにかく選挙民の声にこたえて線路を敷こう、線路を敷こう。それが実現した時には絶対当選間違いなしというようなことが言われているものですから、新線建設については、多少経済というものを度外視し、国鉄の現状を度外視して、着工線なり予定線なりをきめておるのじゃないか。あるいは国鉄に掲げられておる着工予定線なり指定線、こういうものを数え上げて、あれが全部公団の手によって作られたということになれば、この国鉄の運営などというものは、現状から比較いたしますと、ひどいものに私はなっていくと思うのです。こういう点までも十分検討されて公団発足に運輸省としては踏み切ったのか、この点をひとつ監督局長からお答え願いたい。運輸大臣に聞きたいところですが、あなたが中心人物でありますから、あなたからその心境を最初にお聞きしたいと思います。
○政府委員(岡本悟君) やはり御心配は、日本国有鉄道に対する経営上の圧迫材料になりはせぬかというようなことであろうと思いますが、しかし、根本的に申しまして、御承知のように、鉄道敷設法の第一条では、日本国有鉄道は鉄道新線を建設すべき義務があるのでございます。しかしながら、先ほど来申し上げておりますように、国鉄は現在の路線の輸送力の整備増強に追われておりまして、資金の面におきましても、あるいは人手の面におきましても、非常に無理が重なっております。そこで、新線建設は国策的に見まして必要でございますけれども、こういった公共負担を国鉄だけに背負わせるということも無理であるという判断から、鉄道建設審議会も、別の組織で、また別途財源を考慮してやるべきだというふうな御建議に相なったものと了解いたしておりますが、運輸省といたしましても、まさにその御判断に同感の意を表したわけでございまして、その後政府部内でいろいろ意見調整をいたしました結果、この公団による建設方式が最も適切であるというふうに判断いたしたわけであります。
 世上、国有鉄道のPRが相当徹底いたしまして、赤字新線の建設はけしからぬというような話がずいぶん出ておりますけれども、われわれといたしまして、赤字であるか黒字であるかということは、これは国有鉄道の財政のみの見地から言っておることでございまして、政府といたしましては、あるいは国としては、また別個の高い次元における見解というものが出てしかるべきでございまして、産業基盤の強化であるとか、あるいは地域格差の是正ということからいえば、当然新線建設はやっていかなければならぬとわれわれは判断いたしたわけであります。
○柴谷要君 確かに、まあこのような国鉄の性格からいきますならば、赤字路線だから敷かない、こういう態度はよろしくないと思います。しかし、今日ほど独立採算を強要されてやっている国鉄としては、赤字路線を作りたくないということについては、これは経営者の気持としては当然だと思います。この赤字路線を強要して、政府が力によって作らせるというからには、建設費の面についても、将来生まれる赤字についても、政府がしかるべき手を打たなければならない。ところが、時期を見てやる、時期を見てやるといってやらずにきたのが今日までの実情ではないですか。その上にまたこういうものを作って、どんどん赤字路線を作って、しかもこの法律でいいますというと、公団が作った新線は有償、国鉄に金を取って貸すというのでしょう。今日でも赤字路線なところへ、これから敷かれる線区でもって黒字路線というのはありっこない。すべて赤字と計算してかからなければならぬ。しかし、これは国家的に枢要な線区であるから敷きますということで、公団が建設をした。巨費を投じて開通した線が赤字。今日の赤字ですから国鉄はきゅうきゅうとしておるのに、この上に金を払って線路を借りて、そうして運営をして、赤字を一体どうするのか。その赤字の補てんの方法もこの法律の中に明確に規定をしてあるのなら、これは何をか言わんやです。こういうことはないのじゃないですか。そうなってくれば、あとは企業内努力ということでやってくる。企業内努力ということになれば、必然的にあるものでまかなっていかなければならぬから、弱いところへ弱いところへとしわ寄せがされてくると思うのです。これがほんとうの実情でありますから、一番心配するところはそこにある。
 そこでこれは並行する議論でありますからこの程度でやめますけれども、大体公団を設立するについては、設立委員というものを運輸大臣が任命することになっている。一体これはいつごろ任命をするのか。もちろん、法律案が通ってからという御回答があろうかと思いますけれども、しかし、このような法律が出て議決された、それからゆっくり人選をするということになりますと、時間がかかりますが、あらかじめ御用意があろうと思いますので、その点をお聞かせを願いたい。
○政府委員(岡本悟君) もちろん、仰せのようにのんべんだらりと考えておるわけではございませんで、この法案の御審議をいただきまして、国会を通過いたしました暁には、最も短期間のうちに公団の設立をいたしたいと、かように考えております。したがいまして、設立準備委員の任命もすみやかに行ないまして、設立の準備をしていただきたい、かように考えておりますが、目下のところ、あるいはその選任はどういう方針でやっておるのかというふうなお尋ねもあろうかと存じますけれども、そこまでは考えておりませんです。
○柴谷要君 それでは、個人的な質問でたいへん恐縮ですけれども、鉄監局長としては法案は通ることは間違いないと見られておるようですが、設立委員の範囲、たとえば国鉄が七十五億も出してくれるから国鉄から何人、あるいは建設業者から、建設関係の部外の人何名、大体何名くらいで作ってみようというような構想をお持ちだと思う。それお持ちでありましたらお聞かせを願いたい。構想でけっこうです。
○政府委員(岡本悟君) 率直に申し上げて、恐縮と存じますが、実はまだそこまで考えておりませんです。
○柴谷要君 そこで、こういうものができますと、どうしても、専門家が多くいかなければならぬ。大体公団の役員の員数はわかっておる。総裁、副総裁、理事、監事で十名ということが出ておりますが、一体公団の組織に役員の下に働かれる人員は何名くらいにお考えになっておられるか、百名か、二百名か、三百名、そういうふうな構想をお持ちだと思うのですが、これは今考えておりませんという答弁じゃならないと思うのですが、大体どのくらいの規模の公団にしようとお考えか、お聞かせを願いたい。
○政府委員(岡本悟君) 大体お察しがつくと存じますが、この公団の職員は現在日本国有鉄道におきまして新線建設に従事しております職員が大部分に相なると存じますが、これは予算定員がございまして、その予算定員を見ますと、大体七百四、五十名になっておるかと存じます。これを中心といたしまして、あるいは経理関係、あるいは資材関係、あるいは電気、車両関係、こういったようなものの、あるいは庶務関係というふうなものを考えますと、今のところはっきりした数字は出ておりませんが、やはりそれを相当上回る数字に相なるのではないかというふうに考えておりますが、これも政府部内でいろいろ調整を要する事柄でございますので、ここでは大体の見当を申し上げるにとどめたいと思います。
○柴谷要君 現在、国鉄で新線建設に携わっておるのは大体七百五十人、これがそっくり移るわけじゃないと思う。国鉄の現状からいいますと、大体建設局がこの任に当たっていると思うのでありますが、現在、国鉄がやっておりますのは五カ年計画、あるいは東海道新幹線、それに新線建設、大体三つに工事勘定が使われているというふうに思っているわけです。現在、五カ年計画遂行の仕事というのはあまり表面にぱっと出ていませんが、国鉄にとってはたいへん重要な仕事であり、これは五ヵ年計画を遂行しなければならぬ。このほうが現状からいいますと非常にウエートが高い。それに世界的に有名になった東海道新幹線が着々進行しているわけでありますが、これらに相当な人員を要する。そうするというと、新線建設ということについて関連を持ってくる人数というものは非常に限定されてくると思う。この人たちが公団に移れば移るというふうにわれわれは常識的に考えておるのでありますが、今運輸省として百五十名のスタッフで出発するのか、二百名でするのか、その程度のことを予期しないで法律案を出すということは考えられないので、それをひとつお聞かせ願いたい。
○政府委員(岡本悟君) 当然常識的に考えられますように、現実に、現在国鉄におきまして新線建設に従事しておるものより相当上回った数字の職員をもって構成されなければ現実の仕事を推進するわけには参りませんので、大体その程度において御推察いただきたいと存じております。
○柴谷要君 非常に局長は慎重でございますから、それ以上無理なお尋ねはやめようと思いますけれども、しかし、大部分の員数というものは国鉄から公団に移される、こういうふうに考えてよろしゅうございますね。
○政府委員(岡本悟君) そうでございます。
○柴谷要君 そこで、次の問題に移りたいと思いますが、この建設公団が行なう事業を法律の中で明示されておりますが、現在着工しておりまする新線、これだけでございますか。新線といっても、東海道新幹線は、広軌新幹線は、これは国鉄の手によって事業が続けられ開通を見ると、こう思いますけれども、この法文の中でいうと東海道新幹線も移りそうな気がするのでありますが、この点をひとつ明確にお聞かせ願いたい。
○政府委員(岡本悟君) 東海道新幹線は、これはいわゆる鉄道敷設法に申します新線ではございません。疑問をお持ちになるのは当然だと思いますが、かって鉄道建設審議会では、委員の有力な方々の間に、これは新幹線だから当然鉄道新線の建設である、だから鉄道敷設法の別表を改定して、つまり法律改正を要する事柄ではないかというふうにずいぶんお尋ねがございましたけれども、当時運輸省といたしましては、これは現在の東海道線の改良工事であるという意味で新線建設ではないということでございまして、現在に至っておるわけでございますが、この公団はもちろん鉄道敷設法の別表に掲げてございます鉄道新線を建設するわけでございますので、東海道のいわゆる新幹線は入らないわけでございます。
 なお、現在着工中のもの以外のものはやらないのかどうかということでございますけれども、この基本計画というものを運輸大臣が立てまして、そしてその基本計画の中にどういうものを入れるか、鉄道敷設法に掲げてある別表予定表のうちからこの基本計画の中にどういうものを入れるかということは、やはり鉄道建設審議会に諮問を申し上げてきめることになっておりまして、鉄道建設審議会のほうで、たとえば現在調査線のものを着工すべしというふうな御建議があるといたしますと、運輸大臣といたしましては基本計画のうちにそれを取り入れまして、それを公団に指示いたしまして、公団が建設をする、こういうことになるわけでございますので、たとえば、極端な例をあげてみますと、かりに、もし山陽の新幹線というものを、これは敷設法の別表を改正して鉄道の新線建設でいくべきだ、予定線に取り上げてそれを公団でやらすべきだというふうなことになりますというと、法律の改正になり、また、鉄道建設審議会の御審議があって基本計画に取り入れられるという過程を踏みますと、この公団がやるというふうなことにもなるわけでございまして、現在着工中のものだけというわけではございません。
○柴谷要君 もちろん、公団が年次計画を樹立する際には関係者大臣の承認を得るという形になっておりますから、わかりますが、現在国鉄が着工している線の完成の場に公団が当たられることは当然だし、また予定線も着工線に決定をされてやられることも当然だと思う。私が尋ねましたのは、鉄道敷設法の特例というものが二十二条に、法律案の中にありますね。これによって二十二条の特例を設けたものですから、その点の疑念からお尋ねしたわけですが、東海道新幹線は国鉄の手によって建設させるということは明確になっているわけですね。
 それならば、その次に伺いますが、五カ年計画その他で公団にやらせる――たとえば複線の問題か今進行中であります、東北線などは。全国至るところ複線の問題がありますが、公団に仕事がないから五カ年計画の一部を公団にやらせるんだ、こういうようなことで考えられる場合がありますか、ありませんか。
○政府委員(岡本悟君) 十九条に公団の業務の内容が掲げてございますが、その第二項の二号でございますか、「委託に基づき、鉄道に関する工事並びにこれに関する」云々「を行なうこと。」とございまして、この法文上から申しますと、日本国有鉄道の委託があれば鉄道に関する工事はできるんだというふうなことに相なりまして、ただいま先生御指摘のような場合にも、この公団はその委託に基づいて工事ができると、複線工事ができるというふうにも解釈できますが、これは実際の運用といたしましては、そういう広範囲に解釈しないで、この公団の行ないます鉄道新線に関連いたしまして必要の起こる日本国有鉄道側における鉄道関係工事を場合によっては委託することができるというふうに狭く運用していきたい、かように考えております。したがいまして、仰せのような仕事はいたさないつもりでおります。
○柴谷要君 そこで、大体わかりましたが、その場合に、今監督局長の言われたような範囲の委託工事の場合に、国鉄予算の中に委託工事費四十億年々組んでおるわけですね。そういう金が支払いの対象になるわけでありますか。
  〔委員長退席、理事柴田栄君着席〕
これはまあ河村理事にお尋ねしたほうがいいと思いますが、委託工事費大体四十億ありましたね。そういうものの中から、たとえば新線の場合でもその四十億の金が支出されるような形になるのか、公団のほうができてしまったから、今度は委託費はずっと減額をしようとする腹なのか、こういう点もあわせてひとつ聞かしてもらいたいと思う。
○政府委員(岡本悟君) この国鉄の予算に計上しております委託工事というものは、これは今先生おっしゃいましたケースとは逆の意味でございまして、たとえば帝都高速度交通営団が地下鉄工事をやっておりまして、日本国有鉄道の線路の下を横断いたしまして建設するというような場合に、帝都高速度交通営団のほうからその工事の委託を受けまして、そして国鉄でやるという場合の工事費でございまして、先生がおっしゃった場合の例によりますと、逆に今度は委託工事になるわけです。委託工事になるわけでございますので、委託工事費というものはまあ計上されてしかるべきでございましょうが、しかし、これは別にそういう項目を設けなくても、一般の工事勘定の中でしかるべくまかなえば問題はないというふうに考えます。
○柴谷要君 この法律案を見てくるというと、国の支出はわずかに五億、あと大半国鉄に持たしている。そうしてここで作った線路は、今度国鉄には有償なりあるいは高く売りつけよう。譲渡というのですから、高く売りつけようということです。それのみならず、第三十七条にたいへんな優遇ができておるわけです。公団が使う建物その他は、国鉄の既存のものを使う場合にはこれは無償だというのだ、一切。国鉄の建物でも土地でも好き勝手に使って、公団がここがほしいからよこせといえば使わせる。業務に差しつかえない範囲においては貸さなければならない。この場合に一銭の賃貸料も取らないで、無償で貸し付ける。公団が作った線路は国鉄には有償でというのですから。これはまあ計算もした上で貸し付けるとは思うのですが、一体この公団は何のために生まれて、何のためにやられるのか、どうもちょっとふに落ちない点が多々あるのですがね。これは鉄監局長が立案にあたって中心におやりになったと思うのですが、こういうことをぬけぬけとこの三十七条に入れておいていられるのですかね、どうですか。たとえばほかの公団が、たとえば政府関係機関の公団でも公庫でも調べてごらんなさい。全部借地料、借家料というものを支払いをしているのですよ。税金もきちっと払っているのですよ、どこの公団でも公庫でも。ところが、国鉄から莫大な金を出さして作った公団に、国鉄が必要で作っておいた建物、土地、こういうものがあれば、公団が必要ならば無料で貸さなければならぬ、こんな法律をここのところへ、三十七条へ入れてのめのめ提案する運輸省の心理がわからない。
  〔理事柴田栄君退席、委員長着席〕
他の公団なり公社の実情というものをすべて御検討願えましたか。これについての御答弁を願いたい。
○政府委員(岡本悟君) 三十七条で建物等の無償貸付の条文を設けましたのは、現実の問題といたしまして、日本国有鉄道が従来やっております建設業務を引き継ぐわけでございますので、たとえば現場第一線におきまして工事区といったような業務機関がございますが、その業務機関はこの公団が設立されますというと必要なくなるわけでございます。しかし、公団はやはりそういった建物は必要とするわけでございまして、極端にいいますと、看板を塗りかえれば、そのまま施設のむだがなくて、合理的に使えるじゃないかということを考えましたために、こういう条文を設けたのでございまして、国鉄から不当に、ただで取り上げる、そして国鉄に相当の損害を与えるというふうなことを考えたのではなくて、むしろその施設の合理的な使用ということを考えたために設けた条文でございまして、誤解のないようにひとつ御了承いただきたいと思います。
○柴谷要君 決して誤解はいたしておりません。誤解などしない。法律にちゃんと明記してある。それは今現場機関のことなんですよ、あなたの言われたのは。ところが、公団は東京に事務所を持つ、従たる事務所も地方に持てるのですよ。そういうものは必ず国鉄の機関を利用することは間違いないでしょう、この条項があれば。公団出発にあたって公団の本社というものはどこにできますか。こういうことがあれば、金を出さないところに着目して、運輸省の何階の何号室、何階の何号室をあけろということに必ずなりますよ、これは。ほかのビルを金を出して借りるというようなことなんかやりますか。やらぬでしょう。地方に行ったってそうですよ。仙台に一つ事務所を作る、必ず仙台鉄道管理局の中の一画をあけろということになる、必ず。現場の一業務機関が行ってそこでやる仕事の微々たるものを私は言うんじゃない。こういうものすべてがこの法律によって全部そういうふうに規制ができるじゃないですか。また公団としてもそうしなければ損ですよ。あわよくば電灯料から冷暖房の装置まで一切国鉄にやらしてぬけぬけと公団がおさまるようなこともあり得るんだ。これはこの条文によってできるんですから、私ならやりますよ。現場の一機関の工手やなんかが詰めていたような詰所を貸してくれ。そんなところは貸してもいいですよ。いいけれども、正規にいえば所定の料金を取るのがあたりまえだ、よそはそうなんですから。よその公団で官庁のどこに間借りをしても、ただなんというところはありませんよ。ほかの公団を全部調べてみた結果、これほど優遇されて生まれる公団はない。優遇されているというのは、一面犠牲を伴うところがある。その犠牲をどこにしいているかといえば、国鉄にしいているじゃないですか。りっぱな公団を作ろうとするならば、だれが見ても非の打ちどころのないりっぱな公団を作りなさい。そうして国が力を入れて、各地方の格差をなくすなら格差をなくすような新線を引きなさい。それによって運営を国鉄にまかした場合膨大な赤字が生まれた場合は、政府として適切な手を打ちなさい。こういうことを申し上げたい。
 ところが、この法律から生まれてくるものを見ていきますならば、決してそのような考え方ではなしに、できれば国鉄に国鉄にというおんぶの仕方ですよ。こういうことでは将来国鉄が私はりっぱなものにならぬと思うから、こういう質問をするわけであります。どうかひとつ運輸省においても、これらの点はこれから運輸委員会で十分御審議を願うことになるわけでありますけれども、どうかひとつそういう気持でりっぱな法律案にしていただき、かつまた、国鉄が公団ができたためにかえって苦境に立つようなことのないようなりっぱな公団にしてもらいたいことを特に切望するわけです。
 そこで、最後の質問をいたしたいと思いますけれども、これは国鉄当局に聞いたほうがいいと思うんですが、一体この公団を発足前に私は耳にしたことがある。どういうことをしたかというと、こういうことなんだ。現在の国鉄が新線建設をやっておったのでは予算がもらえないから、だから公団でも作ってやることが望ましいと思う。そこまではいいんですよ。その点は私も同感だと思う。ところが、国鉄のような優秀な技術者を入れてもろくな賃金をくれないところでは、十分な仕事ができない。公団でも作ればそれ相応の技術者の優遇ができるから、公団でも作って十分に手腕を発揮させたい、こういうことが第二段階にいわれておる。これを聞いたときには、私はまあ聞いて聞かないふりをしておったんだけれども、まさしくそのようなことになるとするならば、公団の技術者というのは国鉄にいるよりもはるかに高い賃金というものがもらえると私は思う。この点について、そのようなことが巷間伝えられているかどうか、これは河村理事は担当違いだからお答えが非常にまずいと思いますけれども、まああなたの耳に入っておられたとするならば、ひとつお聞かせを願いたいと思う。
○説明員(河村勝君) 今のお話でございますけれども、そういうお話はうわさとしても私は聞いておりませんが、公団設立に際しまして、先ほど監督局長から説明がありましたように、大部分の人間が国鉄から移って仕事をするわけでございますので、その際現在より待遇が低下するようなことがありましては、人間をそちらに移行させることも困難になりますので、少なくとも現在の待遇を低下させないだけの待遇は今後おきめを願いたいと、そのように考えております。
○柴谷要君 ただいまの答弁、そのとおりだと思いますけれども、私、耳にしたのはそういうことでなくて、公団を作れば技術者を技術者らしく優遇することができるし、十分手腕を発揮させることができる、こういうことでした。これを聞いたときには、そういう公団ができて、しかも政府がそれを認めて、そうして今困っている国鉄の現状というものを少しでも公団に肩がわりさせる、こういう公団が生まれるならば賛成だと思う。ところが、そうじゃなくて、国鉄に大半を背負わして、そうしてこれに移行する職員は国鉄の条件よりもはるかに有利な条件で公団に移って仕事をする、こういう形のものができるとするならば、私は、あえてこの公団を作ってむだ金を使うというよりも、現状の国鉄の充実をはかっていったほうがより私はりっぱなものができるのではないか。というのは、経営の責任を持たなければならない老が新線を作る場合には、詳細にわたって検討をして、そうして私は作ると思う。ところが、作りっぱなしで、あとは国鉄にやらせるということになれば、経営の面を考えない新線建設が往々にして生まれてくるのではないか。そういう段階をつけねらうといっては語弊がありますけれども、これは鉄道建設審議会あたりが政治路線を押しつけてこれを作らせるという危険も出てくる、そういう面から公団が生まれたのでは少なくとも国民の前に、こういう公団を作ったならばこういう利益があるのだ、そういうことを明確に言われるような公団がほしいと思う。
 私は、公団ができることについて、りっぱなものにしたいということで基本的には反対しませんけれども、この公団が生まれた場合に、私は、一番力を入れて公団が力を発揮できるのは、青函隧道をぶち抜くことができることにあると思う。国鉄がやれるのは、青函隧道をやるときには、ただ線路だけを通すという隧道しかできない。公団がやる場合には、政府の了解を得て、あるいは政府の方針に従ってやる場合には、道路もできるでしょう。自動車を通す隧道も作れる。その下に国鉄を通す、こうなりますというと、距離もあるわけですから、換気なり通風という装置も必要になって、別の隧道も一つ作らなければならない。そういう隧道を作る場合には、送電なり配電の線路もこれのところに引かせるということで、多角的な青函隧道をくり抜くことができると思う。やはり国鉄の場合には線路を通すことのための隧道しかできませんから、こういう仕事は公団の性格からして、事業をやることが国家的な見地から有利だと思う。こういう有利な点もありますから、公団としての性格を十分発揮してもらいたいと思うけれども、その発足の前提になるこの法律なり内容というものを、もっともっと吟味していかなければならない。一部に犠牲をしいて、そうしてこの公団がぬくぬくといくようなことであってはならぬと思いますので、この点ひとつ運輸大臣の所信を聞きたいと思いますが、監督局長きょうおいでいただいておりますので、そういう見地から、今のような公団の設立でいいのか、これでまずいなら、三十九年度にはもっともっと具体的な方針を打ち出して、政府がもっと本腰を入れて施策をしていく方向にいくのか。現状では、岡本さん、幾らあなたが詭弁を弄そうと思ってもだめです。
 こんな法律で発足さしてごらんなさいよ、事の起こりは鉄道建設審議会だと思いますけれども、ほかの公団発足当時の状況を見てもらえばわかる。自主性を発揮させるときには十分自主性を発揮さしておりますが、資金が足りなくなったときは政府がどんどん手厚い資金を出しているじゃないか、ほかの公団の実情は。ところが、この公団はそうでなくて、独立採算制をしいている国鉄事業体の犠牲においてできる。決してこれはりっぱな私は公団法だと思いません。しかし、将来これをりっぱなものにする、こういう意思でもってこれを今次国会で通させようとするならば、ほんとうにあなたが在任中に――あなたは近く次官にもなられるお方だから、当然この法律はどうなっていくかということに関心を持たれて、十分りっぱなものにしてもらいたいという要望をして、関連質問があるようですから、次の委員に渡したいと思いますが、あなたの決意のほどを最後にお聞かせ願いたいと思う。
○政府委員(岡本悟君) もちろん、われわれといたしましても、この提案いたしました法案が理想的なものであるというふうには思っておりませんで、でき得れば、政府部内の意見調整をいたしまして、順次いいものにしていきたい、この公団の使命に十分即応できるような内容のものに持っていきたい、かように考えております。
○野溝勝君 少し関連をしておるのでございますが、産業の開発は交通機関の整備から、こういうことになっておりますが、これはそのとおりだと思うのです。ところが、今度鉄道建設公団ができるというか、提案がありましたが、私も鉄道建設審議委員でございまして、協調した一人でございます。責任は感じております。しかし、今同僚委員が言われたように、いろいろ反省しなければならぬ点があると思います。しかし、黒字線といってみたところで、日本に十三線しかないのです、黒字線というのは。その黒字線も、赤字線の支線があって交通量がふえて、黒字になる。鶏が先か、卵が先かさっぱりわからない。それから、どうももうかるところだけやれということになりますると、動脈線だけやっていればいい。一体、その他の地域の、悪い、何といいますか、不便な場所の地域住民は、これは国民を第二国民として見ておるのかどうかということも問題になる。だから、そういう点からいくと、やはり交通、文化の恩恵というものをひとしく人民に与えなければならない。いま一つは、日本の国の資源開発といってみたところで、地下資源もたいしてない。山林というのでありましょうか、木材関係、こういうことになってきますると、えて、やはり赤字線ということになる。大体、国鉄だか運輸省だか知らぬが、赤字線、赤字線ということをあまり宣伝したものだから、これはよろしくないと思う。
 そこで、この赤字線ということになると聞きが悪いから、当然政治家としては、国の財政を赤字のために使うということはよろしくないということは、表から見ますと理由としては成り立つと思う。しかし、真実はそういうわけなんだ。ですから、今後そういうPRというものをして、産業開発連関性のあるということを強調してもらわぬと困る。しかし、また、運輸省なり国鉄がそう言うこともわかる。大体国が、産業開発するとろこの最も基幹となるところの鉄道に対して、あまりにも無理解だと思うのです。大体、四十何線もあるところは七十五億とは、一体何事でございますか。一線に対して一億前後でしょう。せいぜいいって二億ぐらい。今のこの物価の上がっている際に二億ぐらいで何ができるのですか。そういうことを考えますると、一体これにこたえるには、政府は思い切って予算の支出をすること、計上することなんです。ところが、それが今財政上できない。ここに私は問題があると思う。財政投融資の資金の配分の関係を見ても、あるいは国の予算の内容を分析いたしまして、もっと政府がほんとうに基幹産業としての鉄道を完成しなければならぬというならば、思い切ってこの予算を計上することもできると思う。そこで、当局としてのいろいろの悩みがある。そうかといって、一方格差の均衡を唱えている政府がこれをやらない、予算は計上しない。
 そこで、問題になってきて、結局建設審議会では、地域住民の要求にもこたえなければならぬ、さらに先ほど申し上げましたような理由から、これに善処しなければならない。そういうところで、鉄道建設審議会としては、まあ四十何線にこたえるには、今のままではだめ、第一は政府で予算を計上すること、できない場合はこれにこたえる道を講ずること、というようなことを一つの支柱として、審議会は政府に答申をしたわけです。これが、ただいま柴谷委員の言われたように、問題になっているのでございますが、そういう理由なんです。
 ですから、政府が今後留意してもらいたいことは、この赤字と黒字という内容につきまして、産業開発に対する連関性があるのでございますから、この点は明確にひとつPRすること。第二の点は、不徹底なる公団に満足することなく、政府みずからが基幹産業に予算を多く計上する。公団のほうに五億を計上したから、予算は七十五億、もとどおり。これは人をばかにしていると思う。こんな矛盾したことはない。むしろ国がやるべきものだ。そうすれば公団を作らぬでもできる。だから、地域住民のこの要望にこたえるために、政府はちょいと逃げて地域住民に負担を負わせる、こういうやり方です。だから、こういう点についても、産業開発、地域格差の変更是正という点に私どもは重点を置いて、この案に対しましては一応消極的に賛成をするわけですが、先ほど同僚委員から言われたとおり、前後の関係を十分よく御検討願って、善処されんことを強く要望しておきます。
 建設審議会の名が出ましたから、私はこの際一応見解を申しておかなければならない、そういうわけです。さらに、私は赤字路線の親玉といわれているのでございます。私は、そういうわけでございますから、地域住民はへんぴな待遇を受けてもいいのかという点、一つは産業界というものの連関性という点から強調しているわけでありまして、その点はひとつ当局のほうでも御理解願いまして、善処されんことを要望して、私は終わります。
○政府委員(岡本悟君) 野溝先生は、ただいまおっしゃいましたように、鉄道建設審議会から、公団方式によって新線建設を推進すべきであるという建議をお出しになった当時の委員をしておられまして、その御建議を尊重いたしましてこういう提案を申し上げているということでございますので、何もかも十分御存じでございます。よく御趣旨を体しましてよりいいものに持っていきたいと、かように考えております。
○委員長(佐野廣君) 午前はこの程度とし、午後は一時に再開いたします。
 暫時休憩いたします。
   午前十一時四十九分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時四十九分開会
○委員長(佐野廣君) 午前に続き、委員会を再開いたします。
 東京港港湾区域における土地造成事業等のため発行される外貨地方債証券に関する特別措置法案、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案、日本開発銀行法の一部を改正する法律案以上三案を一括議題といたします。
 三案は、いずれも去る十五日衆議院より送付せられ、本委員会に付託されました。
 それでは、三案につきまして順次補足説明を聴取いたします。稻益理財局長。
○政府委員(稻益繁君) 東京港港湾区域における土地造成事業等のため発行される外貨地方債証券に関する特別措置法案につきまして、補足説明をさせていただきます。
 昭和三十六年度から始まりました東京港整備及び埋立区域造成事業十カ年計画におきましては、東京港における港湾整備事業、埋立事業等を、総事業費千二百四十億円をもって行なうこととされておるのであります。このうち外貨債、発行の対象事業とされておりますのは、埋立事業でありまして、その事業費は六百六十八億円であります。そのうち三百六十億円程度を外貨債発行により調達する予定となっているのであります。
 このように東京港整備及び埋立区域造成事業十ヵ年計画の中で、土地造成事業その他これに付帯する事業に必要な経費の財源に充てますために発行される外貨債につきまして、その消化を促進しますために、元利払い等につきまして政府保証を行なうことといたしますとともに、利子等を非課税とすることを目的といたしまして、この法律案を提案いたしたような次第でございます。
 この法律案の第一条は、元利払い等の政府保証に関する規定でございます。法人の債務に対する政府の保証は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律、これは昭和二十一年法律第二十四号でありますが、この法律の第三条の本文の規定によりまして、原則としては禁止されておるのであります。今回提案いたしました法律の第一条第一項は、禁止をいたしておりますこの法律の特例を定めまして、政府が保証契約をすることができることといたしたものであります。
 次に、第二条でありますが、外貨債に対する税制上の取り扱いを規定いたしております。外貨債に対する税制上の取り扱いは、諸外国が発行いたしました外貨債の前例等を勘案いたしまして、通常行なわれておる原則によって定める必要があるわけでございます。政府あるいは政府関係機関または地方公共団体の発行いたします外貨債につきましては、諸外国が発行した外貨債の前例、また戦後わが国が発行いたしました外貨債の前例、いずれを見ましても、利子及び償還差益につきまして租税その他の公課を課さないのが原則となっておるのであります。今回の外貨地方債証券につきましても、これらの例にならいまして租税その他の公課を課さないこととしたものでございます。この場合、今回の非課税措置は、税法上の居住者、内国法人、日本に事業を有する非居住者、日本に住居を有する外国法人に対しましては適用をいたさないことにいたしております。この点は、一般外貨債発行の際に、その利子に対する税制上の取り扱いといたしまして、しばしばその例を見るところでございます。
 なお、昭和三十八年度一般会計予算総則におきましては、この法律に基づきまして政府が保証することのできます限度額を七十二億円と定めておりまして、これは別途国会の議決を経ることといたしてあるのでございます。
 以上簡単でありますが、この法律案につきましての補足説明を終わらしていただきます。
○政府委員(大月高君) ただいま議題となりました日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案につきまして、補足して御説明を申し上げます。
 日本輸出入銀行は、昭和二十五年十二月設立されまして以来、プラント輸出入を中心といたしまして、輸出入及び海外投資に関する金融を行なって参りまして、わが国貿易の振興並びに経済協力の推進に格段の寄与をいたして参りましたことは御承知のとおりでございます。
 日本輸出入銀行の業況といたしましては、わが国の貿易の伸展に伴いまして着実に伸びて参ってきております。その融資残高は、昭和三十七年十二月末におきまして輸出金融二千六十二億円、輸入金融三十六億円、投資金融三百十三億円、合計二千四百十一億円に達しておるのでございます。今後も海外からのプラント輸出等の引き合いはさらに増加していくことが予想されますとともに、東南アジア諸国等との経済協力もまた一そうその実をあげていくものと思われるのでありまして、日本輸出入銀行の融資を必要とする案件はますます増加する見通しでございます。
 昭和三十八年度における同行の融資は、輸出金融千二百四十億円、輸入金融、投資金融合わせて六十億円、合計千三百億円を予定しておるのでありますが、一方これに要する原資といたしましては、回収金と自己資金が四百九十億円ございますので、新たに八百十億円の財政資金を同行に対し追加する必要がございます。
 日本輸出入銀行の貸し出し金利は、わが国輸出業者が諸外国との輸出競争に耐え得るよう、国際金利水準をも勘案いたしまして、低利であることが要請されるのでありますが、貸し出し金利を低く押えながら、かつ、同行の経理の採算を維持するためには、貸出金の増加に伴いまして出資金を追加していくことが必要となるのであります。したがいまして、追加財政資金八百十億円のうち、二百億円は産業投資特別会計からの出資によりまかなうことといたしまして、同行の資本金九百八十三億円を、二百億円増額いたしまして千百八十三億円とする必要があるわけでございます。
 以上この法律案につきまして補足して御説明申し上げました次第でございます。
 次に、日本開発銀行法の一部を改正する法律案について、補足して御説明申し上げます。
 日本開発銀行は、昭和二十六年四月に設立されまして以来、長期設備資金の融通によりまして、わが国経済の再建及び産業の開発の促進に努めて参りましたことは御承知のとおりでございまして、昭和三十七年十二月末における貸付残高は、一般貸付は六千五百八十四億円、外貨貸付一千十二億円、合計七千五百九十七億円に達しております。今後とも同行の業務活動に期待するところはきわめて大きなものがあると考えられます。
 現在、日本開発銀行の借入金と外貨債券発行額との合計額は、開発銀行法第十八条の二第一項の規定によりまして、自己資本の二倍以内に制限されております。また、同条第二項の規定によりまして、同法第十八条による資金の貸付と債務保証との合計額は、自己資金と借入金等の限度額の合計額、すなわち自己資本の三倍以内に制限されておるのであります。
 このため、昭和三十八年度の事業計画を遂行いたしますためには、貸し出し及び保証の残高の合計額は現行法に定める限度を超過することとなるのであります。したがいまして、今後の円滑な業務運営に資するために、この際同行の借入金等の限度額を、現行自己資本の二倍となっておりますのを三倍に引き上げることによりまして、貸し出し及び保証の限度を自己資本の三倍から四倍に引き上げることが適当と考えられ、このため日本開発銀行法に所要の改正を行なう必要があるのであります。
 以上、この法律案につきまして補足して説明申し上げた次第でございます。
○委員長(佐野廣君) 以上で三案の補足説明を終わりました。
    ―――――――――――――
○委員長(佐野廣君) この際、参考人の出席要求についてお諮りいたします。
 所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案、租税特別措置法の一部を改正する法律案、以上三法案につきまして、参考人から意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐野廣君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、参考人の人選及び出席を求める日時等につきましては、委員長及び理事に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐野廣君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(佐野廣君) 速記を起こして。
    ―――――――――――――
○委員長(佐野廣君) 産業投資特別会計法の一部を改正する法律案を議題といたします。
○委員長(佐野廣君) この際、参考人の出席についてお諮りいたします。
 本案審査のため、農林漁業金融公庫の役職員を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐野廣君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
    ―――――――――――――
○委員長(佐野廣君) それでは、午前に続いて、本案の質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○野々山一三君 輸銀の関係の方はお見えになっておりますか。――あの、資本金と借入金の構成割合がどういう工合になっているかという話も、これはちょっと数字はもらいましたけれども、当初の三十一年ですか、資本金が六〇・六に対する借入金が三九・四と、これが三十七年度では資本金が三七・四に対して借入金が六二・六と逆になったという資料をもらいました。その原因はどういうところにあるのかということを、もう少しつまびらかに、この間まあ借入金の金利と貸し出しの金利が逆ざやになっているのだというお話は、それ限りにおいて伺いましたけれども、それをもう少しつまびらかにしていただきたいわけです。
○政府委員(大月高君) 日本輸出入銀行の出資と借入金の構成割合が、昭和三十一年度以降次第に変わってきておりまして、当初は出資金のほうの割合が多かったのが、次第にその割合を減じまして、現在においてずっと減ってきておる。その理由はどうかと、こういうお尋ねであろうと思います。お話のように、三十一年度当時は出資金六〇・六%に対しまして借入金三九・四%、こういうことであったわけでございますが、三十八年度の予算を実行いたしました結果は、出資金が三五・五%、借入金が六四・五%ということで、割合が逆になることになるわけでございます。三十一年から逐次こういうような方向に変わってきたわけでございますが、御存じのように、輸出入銀行の金利はプラント輸出、それから輸入金融、投資金融、こういうものに対しまして、特に輸出金融でございますが、国際競争力をつける必要があるという意味で、金利を国際水準に近づけるという意味で相当低くしてあるわけございまして、当初七分五厘見当でございました金利が逐次下がってきておりまして、現在は四%ということになっておるわけでございます。輸入金融、投資金融、それぞれ金利はございますけれども、その割合は非常に少のうございますので、輸出入銀行の金利水準、全体の金利水準、全体の金利水準は主として輸出金融の金利によって左右される、こういうことでございます。そういう意味で、金利水準全体としては次第に低下してきております。そういうことからいたしますと、資金源といたしまして、資金運用部の借り入れ六分五厘でもってまかない得る範囲というものは、だんだん、本来減ってくるはずでございますが、一方出資の立場から申しますと、御存じのように、産業投資特別会計の出資源はそう潤沢でもないわけでございまして、われわれ予算を編成いたしますときには、輸出入銀行の貸し出しの金利をまかなうぎりぎりのコストを計算いたしまして、それに必要な最小限度の出資をする、こういう方針をとってきておるわけでございます。そういう意味で、現在出資の割合が次第に減ってきている。その結果はどういうことになるかと申しますと、当初昭和三十三年度までは一般の法定準備金が積まれておったわけでございますけれども、現在におきましては、貸し倒れ準備金を積みますと、あと法定準備金を積むだけの余裕がない程度のぎりぎりの決算を予定する。そういう意味で、納付金も輸出入銀行についてはない、こういうことでございまして、現在の三十八年度予算におきましては、資金コスト四・二%、四分二厘というものをまかなうのに、最小限必要な二千億円の出資ということで計算いたしておるわけでございます。
○野々山一三君 そうすると、私もしろうとでよくわかりませんけれども、利子の大ざっぱにいって二分二、三厘の違い、そうですね、借りるほうと貸し出すほうと。それが全体の資金運用に赤になって響いてくる影響は、金額的に見てどのくらいになるのですか。
○政府委員(大月高君) 計算をいたしまして、結局貸し出しでもってかせぎます利益でもって資金のコストをまかなっていくぎりぎりの計算をいたしまして、それで出資と借入金の比重をきめておるわけでございますから、輸出入銀行自体としては、その結果としては赤が出ない。しかし、いわゆる配当に相当するもの及び配当に相当する納付金、それから一般の会社等にあります法定準備金に相当するそういう積立金、こういうものをやる余裕がなくて、単に貸し倒れ準備金を若干積み得るにすぎない、こういう逆算をした経理をしておる、こういうことでございます。
○野々山一三君 ちょっとわかりやすく言ってしまえば、数字を置きかえたものでいえば、あなたの説明をそのまま伺うと、いわゆるその出資金をここ三年の間に二百億、あるいはその前は百三十五億、大体そのくらいのものにほぼ似通った数字があるのだという理解をすれば――これは変わった数字を持ってきて恐縮ですけれども、大ざっぱに見てそういう理解をして間違いはないのか。
○政府委員(大月高君) 非常に大まかに考えますと、出資の金はコストがかからない。それから、資金運用部から借ります金は六分五厘の金利が必要である。そういたしますと、かりに半々というように計算いたしますと、三分二厘五毛のコストまでまかなえる、こういう計算にまずなるわけでございます。それから、今度は貸し出しのほうで、具体的に輸出金融四分、輸入金融、投資金融その他七分という計算で、どのくらいの割合で本年度貸すかという計算をいたしますと、平均の金利が出てくるわけでございますが、それが大体四分二厘くらい、それがかりに出資と借り入れを半々とすると三分二厘五毛になるわけでございますので、若干の余裕が出るわけでございます。そういたしますと、四分二厘くらいのコストが上がるまで出資を減らし借り入れをふやしていく、こういうことになるわけでございますから、今御審議を願っておりますのは、全体の資金がたしか八百四十億でございます。それで、そのうちの二百億が出資、残りが借り入れ、こういう割合で大体まかなえる、大体こういう計算になっておるわけでございます。
○野々山一三君 そうすると、あれでございますね。この間銀行局長お見えにならなかったときに伺った話を少し進めますけれども、去年、おととしの輸銀の貸し出し計画に対する実績がごく大ざっぱに見て一〇%くらい実績のほうが少ないわけであります。その限りだけから見ますと、ことしも借入金もあるわけでございましょう。その借入金のほうを減らしても、全体の資金としてはまかない得るという答えになるわけでございます。それによってバランスシートのほうも非常に、資本の構成のバランスシートのほうももう少し変わってきて、いうならば健全化する手段になる、あるいはそのきき目を若干発揮することができると、こういう理解をすることはできるのじゃないかと思うのでございますけれども、そういう考え方は間違いないですか。もう一度伺いたい。
○政府委員(大月高君) 非常に厳密な算術をいたしますと、今私が申し上げましたように、貸し出しの金利水準を見て、それにぎりぎりに間に合うような出資と借り入れの比率をきめるということでございますから、かりに貸し出しが若干予定より減るということになりますれば、それによって貸し出し金利水準が変わってくる。そうすれば、それに応じて出資と借り入れの比率が若干ずれても、それは差しつかえない、理論的にはそういうことになるわけでございます。ただ、現実の問題としましては、実際に減りました数字は百億程度の問題でございまして、全体が千数百億の貸し出しでございますから、そういう意味で大きく出資借り入れの比率を変えるほどには至らない、こういう問題とそれからぎりぎりの数字でございますから、若干ゆとりができましても、それは貸し倒れ準備金が少しふえるという程度のことでございまして、一般の積立金ができるとか、あるいは納付金をしなくちゃいかぬとか、そういう大きな数字にはならない筋合いでございます。
○野々山一三君 私は議論しようとは思いませんけれども、大ざっぱに見て、この間伺った限りでは一〇%くらいの見込み違いというものがあるのでございますね。これは百億とかいう、百億という数字よりもどれだけの比率でということのほうが、問題を議論する場合には、正確にものをとらまえることになると思うのですけれども、一〇%というのは、非常に大きなもののように私は思うのです。この間も、この積算の根拠なんかを緻密にやっているという御説明をいただいたのだが、緻密にやっていればいる場合に、ない金で――ない金といいますか、相当無理をして出資をするという格好にしているだけに、この五十億なり、百億なりというものは、そのほかの問題に非常に響いてくるわけでございます。たとえば今度の場合は、二百三億という外貨債による受け入れを考えていらっしゃるわけですが、外債による受け入れということよりは、外債法そのものの是非という問題にまで及んでくるし、将来その外債というものをさらにふやすんだという考え方を、まあ外貨債のほうの提案趣旨によれば持っているわけなんですね。それは私はあとで別な機会に議論しようと思いますけれども、そういうように、ごく自然に――自然というと語弊かあるかもしれませんが、それほど無理をしないでもまかなえる限りにおいて、しかも需要に応じるという積極的な面を出し得るという時であるならば別問題として、そうでないと思われるような今日の事態でそこまで響いてくるものですから、私が申し上げている一〇%の狂いというものは、政治的にも非常に大きな問題になるようでございますが、そこで、あなたのお話によれば、ごくわずか、百億程度のものだから、貸し倒れ準備金に少し多く見込むとか、という程度しかいかないというお話でございますけれども、私は、額そのものを百億ということよりも、一〇%のほうが、単にそういう軽い意味でどうも受け取って置くわけにいかぬような意味合いの性質を持っているのじゃないか、こう思うので、そこをもう少し突っ込んでひとつお教えいただきたいと思います。
○政府委員(大月高君) 今の金利水準が、その百億によってどの程度影響されるかという問題でございますが、その年度間の計算としては、千二百億のうちの百億減った、こういうと、一〇%ということでございますが、金利が入って参りますのは、過去の貸し出しの金利が全部入って参りますから、そういう意味で影響する影響の仕方というのは一〇%ではないわけでございます。貸し出しが、その年度の貸し出しが減ったという、数字そのものが減るわけではございませんので、根っこの数字は不動でございまして、しかも新しい貸し出しについては、たとえば金利は半年ごとに入ってくるというようなことでございますと、その金利の百億減ったことによる影響というものは、その年においてはそう大きな数字にはならない、こういう具体的なことがあるわけでございます。
 それから、第二の問題といたしまして、そういうように過去からの累積の貸し出しがございまして、それがまた将来に向かって数年間、七年とか、十年、あるいは十五年という貸し出しがあるということを考えますと、この百億のズレの原因が重要なことだと思うわけでございますが、多分その節御説明申し上げたと思いますが、インド借款でございますとか、パキスタンの借款でございますとか、もう相手国との間には金額が確定いたしておりまして、それが先方の開発計画がおくれるとか、あるいは先方がまだ事務手続になれないとかということで、それを十分食い切っていない、消化し切っていないということから生じた百億でございますと、その話が進みますれば、いずれ近い機会にそれは食ってしまう。そういたしますと、実際の輸銀全体の姿といたしましては、大きなズレにはならない。こういう二点の問題があると存じます。
○野々山一三君 そういうふうにおっしゃると、単に三十七年度だけを取り扱っておるならばそういう議論が成り立つのでございますけれども、この間も申し上げたように、二年も続いて大体一〇%が狂っておるということですと、あなたの後段におっしゃったことだけでは、どうもやはりそうかというふうには納得しかねるわけでございますよ。
 それからもう一つ、あなたのお答えはよくわかりましたけれども、金利に影響するというお話でございますが、その点はそれで了解いたしますとして、問題は、その資金そのものの捻出策ということでございますね、前向きの意味の。その意味で一〇%の狂いというものをとらまえてみますと、私はまあこれからあとで聞きますけれども、これからは、これこれの理由で前向きになっておるから、こういう手違いは起こらぬのだ、こう言われればまた別でございますけれども、いつか輸銀の仕事にかかってくるだろうということでは、どうも納得しかねるので、その点をもう少し補足してもらいたい。
○政府委員(大月高君) 輸出入銀行の貸し出しの計画の一年先の見通しがはたしてどの程度正確かというような問題になりますと、この輸出入銀行の仕事の性格から申しまして、国際経済の変動もありますし、国内経済の変動もあると、したがいまして、海外からの受注というものは、非常に不確定な要素をたくさん持っておると思います。しかし、幸いに、今のお話からきます見積もりの違いというような問題は、そういう年度につきましては比較的正確な実績も示しておりまして、たとえば船舶でございますとか、あるいは繊維機械でございますとか、一般のプラントの計画は大体われわれの見ておるように進んでおるわけでございます。その百億の狂いが出ましたのは、インド、パキスタンの借款の関係のズレでございますから、これは相手と金額も確定し、しかも出す約束もしておるということであれば、それも余分の年度のまで入れてあるわけじゃございませんので、もういつでも出せる態勢になければ相手に対しては悪いと、こういうことであろうかと思います。そういう意味で、はっきり先方の事情で何年もずれるというようなことがわかりますれば、これはあるいは落としてもいいかと思うわけでございますけれども、すでにもう約束上いつでも出す態勢にあるわけでございまして、これをかりに落としまして資金が足りないということになりますと、またこれを追加するというような話になりまして、手続等もむしろ繁雑になるかということであろうと思います。
○野々山一三君 それじゃ、少し角度を変えまして、最近だけでは少しあれでございますから、別な機会でよろしゅうございますけれども、三十年ぐらいから、あるいはそれ以前からの材料があれば、計画とその実績の推移を明らかにするようなもの、それからその計画対実績が狂ったのはどういう理由なのかというものを、きょうお持ち帰りになりまして、後ほどでけっこうでありますが、数字でいただければ、古いことは私どもわかりませんので、将来の傾向を見るためにぜひいただきたいと思うのです。御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(大月高君) 過去の実績から申しますと、相当の狂いがあったということが実際でございます。それはむしろ今のように、インド、パキスタンというような対外援助でなくして、ほんとうの意味で日本の経済が非常に変動いたしました節、輸出入銀行に相当の資金を用意いたしまして、それが余っておる、その場合に、むしろそういう金はむだだから中小金融に回したらどうだろうという議論がここの委員会でも相当あった。ところが、そういう意味で非常にシビアに組みますと、その次に非常に需要がございまして、これはたとえば船の輸出の引き合いでもありますと、預金の金がないからつけないというわけにいかないような性質のもので、受け身でございますので、また補正していただいたというようないろいろな経過がございます。そういう意味で、輸銀の資金計画というものは、率直に申しまして、国内だけできめ得ないものでありますので、相当変動がございます。で、年度の途中で金を追加していただいたり、あるいは現に三十六年度は補正予算で出資を増加していただいたと思うのでありますけれども、あるいは若干余ったり、こういうようなことがございますので、それは数字をもって後刻提出さしていただきたいと思います。
○野々山一三君 それじゃ、今度は貿易関係のことを伺いたいのでありますけれども、今年度の貿易の目標それに対するその内訳がありますね。大体の計画、機械、船舶、車両、鉄関係などもありましょう。こういうものの主要品目の内訳を、どういう工合になっておるか、それに対する資金引き当ては、それではことしは一千三百億ですかというものを見込んでおるわけですけれども、その内訳はどういう工合でどのぐらい計画しておるかということがわかるような説明をいただきたいのであります。
○政府委員(大月高君) 全体の実は貿易の数字の問題は通産省で考えておりますので……。
○野々山一三君 通産省は、何か課長が見えるというお話ですが。
○委員長(佐野廣君) まだ来ておりません。間もなく来ます。
○野々山一三君 それじゃ、あとにします。
 運輸省の舶船局長はお見えになっておりますか。――この間少し伺いましたけれども、きょうはそうくどくどと伺いませんけれども、計画造船の十八次、十九次などの実績はどのくらいになっておるのでしょうか。計画に対する実績はどのくらいになっておるのか。私がそれをお伺いするのは、先般の委員会で大蔵大臣のものの考え方によりますれば九十六万トンぐらいの内注消化をしたい、その中で計画造船は七十万総トンベースぐらいにもっていきたいというお話でございます。しかし、実際はそこまでなかなかいかないのでという説明を受けておるところでありますけれども、どのくらいの実績なんでしょうかということを少し伺いたい。
○政府委員(藤野淳君) 計画造船の十八次船につきましては、昨年の終わりごろから開発銀行が受付を開始いたしまして、いわゆる雨だれ方式で逐次申請がなされて参りました。運輸省といたしまして、十八次造船として建造の許可をいたしましたのは、ただいままで九隻二十八万総トンでございます。なお数隻のものが、年度内に一、二隻が許可になる公算がございますが、全体の建造規模は四十数万トンでございます。なお十九次造船につきましては、財政資金といたしましては三十七年度と同額が見込まれておりますが、実施計画はまだでき上がっておりません。
○野々山一三君 大ざっぱに見ると、十八次と同じようなベースでいくというふうに理解してよろしゅうございますね。
○政府委員(藤野淳君) 十九次船は十八次船と財政資金の融資の条件が違いますので、やや建造トン数なども違ってくると思いますが、そう大きな食い違いはない見込みでございます。
○野々山一三君 そこで、この間あなたにお伺いしましたように、どうせ船台というものは全部一〇〇%稼働することはできないというお話も私は承知の上でございますが、相当余力があるわけでございますね。そこで、この問少し直接当局にも伺いましたけれども、きょうお伺いしたいのは、ソ連などでも、伺うところによると、大体一億ドルぐらいの発注をしたいという動きがあるという話でございますけれども、大体そういうように傾向としてみてよろしゅうございますか。
○政府委員(藤野淳君) ソ連も、ただいま各国に引き合いを出しておりますのは、ただいま御指摘のような総額一億数千万ドルに及ぶ漁船でございます。
○野々山一三君 これはどうなるんでございましょうか。今その受注を受け契約をするというような方向に、前向きに向いておるかどうか、その点をお伺いしたいわけです。というのは、この間から申し上げておるように、相当ドックが遊んでおる。遊ぶといっては言葉が悪いかもしれませんが、余剰能力があるわけです。そこで、そういう仕事を受けるということは、あとで聞こうと思っておりましたけれども、ことしの総体の輸出目標が大体五十二億ドルぐらいを考えていらっしゃるらしいのでございますけれども、その中に占める船の割合というものは非常に大きなドルをかせぐ比重をなしておる。加えて、一億ドル以上のものが、たとえばの話ですけれども、今お話しのようなソビエトから造ってもらいたいという要求がある。しかし、伺うところ、なかなかこの仕事は進んでいないということのようです。そうすると、なぜこれは話が進まないのだろうか。ドックも遊んでおるのに、あるいはあるドックでは大量の首切りを先般やりまして、そういうようなことをやってまで、行政府がやらなければならぬという段階にある仕事があるのに、取らない。その取れないなら取れない、取らないなら、取らない、その理由というのはどういうところにある、だろうかということを考えるのは、どうもこれはしろうと的かもしれませんが、私はやや常識的にその疑問というものを持つのはあたりまえじゃないかというふうに考えるので、その傾向なり障害なり、そういうところはどういうところにあるのか。やる方向に向かうのかどうかというような見通しについて、あるいはネックになっているところは何かということについて、お答え願いたいと思います。
○政府委員(藤野淳君) ソ連に対します漁船の輸出の商談は、御承知のように、二月五日に締結されました日ソ通商協定に、一九六五年までに二十隻の漁船を引き渡すことが協定に盛られておるわけでございます。その範囲内におきまして、最大限の成約をわれわれは希望しておるわけでございます。ただいまそれがまだ輸出の商談が妥結に至りません事情の一つといたしましては、いろいろ理由はございまするけれども、その中の一つに支払い条件も含まれておることは事実でございます。これにつきましては、先般の当委員会におきまして抽象的に申し上げましたが、ソ連が日本以外の他の国と引き合いをしている商談の状況を見ながら善処をいたしたいと思いますと。運輸省といたしましても、関係各省と協議いたしまして、先生のおっしゃるとおりに前向きで最大限の受注を確保するように万全態勢で努力いたしたいと、こう思っている次第でございます。
○野々山一三君 この間、外債発行をするしないの問題をあれしたのでございますけれども、その際時間がなかったものですから、その際政策的な問題についてお伺いいたしました。それで、あなたがお見えになる前に、この間に実は伺ったのでありますが、たとえばこの産投会計自身から、ことし出すものの規模が八百三十七億ですか、その中で輸銀に出資されるものが二百億になっておる。そこで、輸銀の最近の融資計画対その実績というものを、ここ最近の事情をお伺いいたしました。その結果によりますと、三十六年及び三十七年通しまして、大体一〇%ぐらいがまあ輸銀の余裕――余裕という言葉が当たるかどうか知りませんが、見込み違いがございまして、貸し出し実績が少ない。二年にわたって一〇%の食い違いがある。つまり、逆にいえば、それだけ資金の余裕があるにもかかわらず、ここへ二百億をあらためて出資をするわけであります。この二百億が、たまたま外貨債発行にかかわる二百三億というものと、約一〇%ずつの見込み違いというもののここ数年来の実績というものとが、やや符合するわけです。数字的にですね。名前は片方は外債で、こうした金を貸し付けるという、片方は産投会計からの出資でございますけれども、いずれにしても窓口は産投会計を通してその金が動いていくわけであります。
 でありますから、私のあなたにずばりお伺いしたいのは、一番大きな金の出ている先は輸銀でございますが、その輸銀が二年も今申し上げたように狂いがある。それならば、なぜ外債を発行するなどというような処置をとるのか、とって金を入れるのか、あるいは事新しくというわけではないにしても、産投会計のほうに二百億の出資をするということになさろうというのでございますか。これは明らかに私は会計技術的なことではなくて、技術的なことをよく伺いましたけれども、技術的なことではなくて、むしろ政策的なものが根本にある、こう考える。そこで、その点の積極的な理由というものを伺いたいわけでございます。
○国務大臣(田中角榮君) まず輸銀から申し上げますが輸銀は三十六年度、三十七年度と、両年度約百億くらい余っております。余っております理由は、きっと事務当局からお答えしたと思いますけれども、インド借款及びパキスタンの円借款が、相手方の事情によって買付額が遅延した、これによって予想外に少額にとどまったというようなこともございます。もう一つは、やっぱり三十六年、七年、御承知の外貨事情が悪くなったというような、輸出が非常に減ったという問題があるわけです。でありますから、そういう問題が、百億ずつ減った大きな問題でございます。
 理論的に申し上げますと、プラント輸出の伸びとか、国際競争における延べ払い条件の変化というものもございますし、相手国の外貨事情によって、条件はいいけれどもやめようというような問題もございます。こちらがようやく時間的に踏み切ったら、西ドイツに取られてしまったというような事情もあります。そういう意味で、開発計画とこちらの手続上の問題その他の認識にそごがありますために、相当予想数字よりも実績が下回ったり、多くなったりするのは、輸銀としての性格上そういうことはあり得るわけでございます。
 でありますから予想数字を上回って改定補正を行なった例もありますし、三十六、七年のように百億ずつ余ったという例もあるわけでありまして、御承知のとおり、去年の暮れから非常に輸出も伸びておりますし、三十八年度から三十九年度にかけては相当輸出を伸ばさなければならないということ、また現在延べ払いで五カ年間を限度にしているものを五カ年半に延ばすとか、いろいろ当面している問題がまだたくさんあるわけであります。そういう意味で、輸銀の資金はより多く必要であるということは、三十六、七年、両年度の実績よりも、三十八年度に対してはより十分の配慮を必要とするということが一つの理由でございます。
 もう一つの理由は、これは資金コストの問題がございまして、優良な資金をつぎ込むということによって輸出入銀行そのものの経理内容をよりよく改善をしていかなければならないというために、長期安定的な原資の繰り入れを行ないたいという問題がございます。
 それから、産投の問題は、御承知のとおり、今まで開銀債は単独政府保証債として発行しておったものであります。本年度の一、二月にかかっての開銀債も、ニューヨーク市場では今までよりも一番多く発行できたという事実がございます。千五百万ドルというよりも千二百五十万ドル程度でないかと言っておったものが、二千二百五十万ドル、約倍加しておるというような事情、これは開銀債というものに対して非常に認識を改めて参ったという事実もございます。もう一つは、新しく、政府保証債として発行するか、道路公団債として発行するかという、道路債の二千がドルというものがこの中に含まれておるわけでございます。そういう意味において、今特にその原資は開銀及び道路公団の原資として振り向けられる予定のものでございますので、世銀の借款ができない場合にはもう少し外貨債の発行ができないかとこの際考えたわけでありますが、九月、十二月の二回にわたって私が現地に参りました結果、三十八年度当初における戦前の国債償還金三千万ドル等も勘案いたしまして、今回御審議を願っておるような規模で発行をお願いをしておるわけでございます。
○野々山一三君 これも議論になるかもしれませんけれども、最後的な段階ですからお伺いするのでありますが、この前、三百五十億補正予算で産投会計に入れるというような措置を講じましたけれども、私はこれは議論になるところだと思いますけれども、いうならば、決算の仕方によれば、三十七年度の余剰金にも当たる性質の金が三百五十億、これは財政法上から見ますと、当然余剰金として決算をすれば、将来の債券償還引当金などということに条件がきめれらておる。そういう今の財政法上、この取り扱いは相当無理じゃないかという意見があると思います。そういう金を相当無理して入れる。
 片一方、開銀債−開銀へ百十八億、道路公団へ百十五億というものを入れるのでございますけれども、この外債発行に関する法律によりますれば、世界経済の自由化の流れに対処して産業構造の高度化を進める上に、不足がちな国内資本を補い、かつまた健全な外資導入による――この前段のほうのものによって使われていく金というものが、自由化という名前で、いうならば、かつての復興債的な性質に及ぶ危険性なしとしないという、これは少しゆがんだ見方だときっとあなたは言うでありましょうが、そういう議論さえあるときであります。加えて、政府当局の説明によりますれば、今後一段と外貨債をふやしていく、外資導入の本命である外貨債をふやしていく、こういう話でございます。一つは、財政法上にもこの金の始末というものは疑いがある。さらに資金面でいえば、なるほどあなたも説明をし事務当局も説明するように、輸銀の金には多少の余裕がなければいけないという理由を、かりにある程度受け入れたとしても、なおかつ、ここで二百億入れなければならないという積極的な理由は私には見当たらない。そこへ持ってきて、道路公団あるいは開銀の窓口を通して、自由化に対処するためにというレッテルが張られれば、今後どんどんそういうものが出ていくということを行っておられるわけでございますけれども、そういう問題をはらんでいるやり方をなぜしなければならないのか、そういう問題をはらんでいるのに、そういうことをなぜやらなければならぬかということの疑問というものは、あなた方は政策的な問題としてお考えでありましょうが、私どもは納得しかねる点があるわけでございます。
 その積極的な理由、根拠、あるいは財政法上の問題は方々でも議論されておるところですけれども、問題ないのだといえば、それは予算で組んだからということ以外にはないと思いますけれども、やや強引なやり方なんで、それを合理化する理由があるのじゃないか。もう一回あなたの口からお答えをいただきたい。
○国務大臣(田中角榮君) 外貨債を発行すること、もう一つは三百五十億産投会計に繰り込んだことの御質問でございますが、前回も申し上げておりますように、財政法上は適法であるというふうに考えております。それから、なぜ三百五十億繰り入れたかという問題につきましては、前回も申し上げましたように、三十七年、三十八年で産投原資が枯渇をいたしますが、産投会計というものはより弾力性を持たなければならないし、これからの産業政策に対処して参りますためには、より資金を充実せしめる必要が十分あるという考え方に立って、繰り入れを行なったわけでございます。
 外貨債の問題につきましては、これが国内債のようにどこまでもふくれるものであるかどうかという問題に対しては、これは十分議論のあるところでございますが、私は外貨債という問題に踏み切りました直接の原因は、世界市場で国債、政府保証債にしろ、発行しようとしても、おのずから限度があるわけでございます。昨年の九月当時参りましたときに、大体国債としてアメリカのニューヨーク市場へどの程度出るのかという実情を調査して参ったわけでございます。
 相当有力な、主要十カ国に入るというような国でも、政府同士の借款を行なうというような問題とか、また世銀、IMFで特別借り入れ――スタントバイ・アレンジメントを行なうというような場合を除きまして、オープン市場での消化を考える場合、国債では最高年に三回、普通常識では二回、戦後十八年間をずっと通じて見まして大体二回というところがいいところである。せいぜい最高に見ても三回である。その二回の場合はどの程度かというと、二千万ドルから、最もよくて二千五百万ドル、合計五千万ドルというところでございます。三回出す場合はどうかというと、千五百万ドルが限度である、最高に見ても千七、八百万ドル。二千万ドルずつ三回は出せませんということで、これはジロン財務長官、アプス氏やブラック氏のような専門家でも、これは世界一流の銘柄をもってきてもなかなかむずかしいということでございます。
 日本の政府保証債及び東京都債その他のものを含めて、国債として出す場合にどの程度が限度かという問題については、日本は戦前国債に対して非常に先輩が義理を果たしておったという問題で、世界の市場において日本の国債、日本の政府保証債というものに対しては信用のあることは御承知のとおりでございます。そういう意味で、大体五千五百万ドルから総額八千万ドルが限度であろうということでございます。私は当時一億五千万ドル程度の目標を持っておりましたので、事務当局の七、八千万ドルとの間に相当な開きがあったわけでございます。その後十二月に参りまして、市場関係者とも十分連絡をとったり、またヨーロッパの諸国のニューヨークにおける消化の状態を考えましたり、それからアメリカの景気動向が一体どういうのだろうという問題、それからケネディ政権として実際において、景気刺激対策をやっておりますけれども、一体どの程度設備投資ができるのだろう、資金需要の面も十分当たりまして、あわせて戦前国際償還の三千万ドルを考慮に入れまして、おおむね八千万ドルないし八千五百万ドルに、償還の三千万ドルを加えますと、一億一千万ドルないし一億一千五百万ドルということになるわけでございますので、その後市場の調査を行なった結果、一億二千五百万ドルという外貨債発行を考えたわけでございます。
 その中には東京都債の問題、大阪府、市債の問題、その他も十分考慮に入れながら、このような結果でありまして、予算編成当時はぎりぎり一ぱいであろうということでございましたが、その後キューバの問題、またイギリスがEECに加盟できなくて、英国自国でもって刺激対策をやらなければいけないというような、そういうことを言っておきながら、日本の外債をある程度引き受けてもいいというような情報が入りて参りましたり、日本にもその後市場調査団が来たりというような事実もございましたが、そういうことでありましたので、現在では一億五百万ドルというものは、容易ではありませんが、いずれにしても完全消化ができるであろうというめどがようやく立っております状態でございますので、これが一億二千五百万ドルになり、一億五千万ドルになり二億ドルになるという、いわゆる内債的な、どこまでも広がっていくものではない、というところに健全財政主義として一つのめどをつけるという考え方、しかも戦後の日本の国債が年間を通じて三回出るということだけでも、国際信用というものをはかるバロメーターにもなります。
 そういういろいろの考え方から外債の発行をやったわけでございまして、私は自由化、八条国移行という新しい国際情勢に対処して、このような措置をしていることは必要であるし、またこういった措置が前提でなければ、あと一二%の自由化計画は立たないことでございますし、ガット十一条国移行とか、また資本取引の問題で、非常に強く要請をせられるOECDの加盟という問題は、なかなか簡単に踏み切れるものではないというように、諸般の問題を考えた結果、発行を決意し、御審議をわずらわしておるのでございまして、新しい経済事情に対処しての必要最小限度の措置であろうというふうに考えておるわけでございます。
○野々山一三君 あと一つだけ、時間がないようですから、お聞きいたします。
 たとえば、百十八億をまあ開銀に入れるわけであります。この最近国会に出すという腹をきめられた例の産業基盤強化法、ないしは自動車などの自由化対策として、例の三十億の財政投融資というものも、実は因果関係があるのであります。これも全部自由化という名前で外債、結局は道路と開銀というところに寄せておいて、あとは国内資金でやる、これは説明としてはそういうことはわかります。問題は、自動車など三十億の自由化対策のための基盤強化融資とでもいうのでしょうか、三十億をやるということなんでありますが、これも最近企業の集中化、三十億円のえさを出してえさといっては悪いかもしりませんが、融資をすることによって企業の合併集中化ということをあなたのほうは考えていらっしゃるようです。ところが、一面によれば、自由化に耐えるだけの条件を作るために、あるいは量産体制、コストダウンをやるというようなためには、中小メーカーを大メーカーにくっつけるというようなことが必要じゃないかという理屈も、一説としては成り立つ。しかしその結果起こるものは、非常な政治的な問題が私は出てくるということは必定だと思う。それもこれもみな自由化ということでやられるわけです。
 しかも、この金は、名前だけ変えて捻出いたしますけれども、結局道路へ外貨債の金を充てているものだから、開銀を通してやるよりしようがない。その金も、外貨債という――自由化対策なら、なぜ私はそういう意味ならば、輸銀なら輸銀、輸出関係は輸銀で当然整理されるものであるし、何も外貨債を発行してまで金を振り向けなくても、先ごろの輸銀の努力というものはあるのではないかという考え方が成り立つわけです。そこまで踏み切らねばならぬという理由は、どうも金が要るから国際信用の面で外貨債を発行するというあなたの説はわかりますが、けれども、金がないからしようがないから見つける、それが一挙両得の効果を発揮するというならば、それも一つの方法でありますが私は、金はある。そして輸銀のバランスは、逆ざやになっている点を調整するため資本金をふやさないと、逆にいえば、借入金はふやせばいい、こういう理屈も成り立つのです。そういうことから見まして、非常にこの金が産業基盤強化、そうして企業の集中化というところにまで影響をもたらしている性質等について、もうこれは私は今日の事態でもっと十分検討しなければならぬ時期じゃないか。それを今踏み切らねばならぬというのは、一体何かという問題もあります。そこをひとつ説明していただきたい。
 それから、企業集中化のために政府が非常に干渉したいという気持が露骨に出かけているのです。これはどうも今の自動車産業の現状から見れば、そこまで手をかけるのでなくして、この構造改善をやり得ると。私はもうこれはどうもあなたと意見が違うかもしれませんが、あなたのお考えをここでただしておきたい。
○国務大臣(田中角榮君) 輸銀の問題につきましては先ほど申し上げたとおりでございまして、輸銀は輸銀法に基づいて輸出振興の一助としての機能を果たしていくわけでございまして、これが資金の重要さに対しては先ほども申し上げたとおりでございます。
 それから、開銀の問題でございますが、開銀に対して今度自動車等に対して三十億のワクを作った、このワクをふくらましていろいろなものに使うのだろう。それからもう一つは、今通産省で考えておる特定産業の基盤強化振興に関する法律というものを対象にしてこれらの資金の拡充をはかられてあるのだろうというお話でございますが、そのようなことを考えておるわけではないのでございます。大蔵省は、御承知のとおり、大蔵大臣共管でなければあの法律に反対だとさえ言ったのが、経済閣僚会議でもって話をしまして、ようやく曲がりなりにまとめて参ったわけでございますが、法定主義に基づいたいろいろなことをすれば官僚統制ということになるので、こういうものはもういけないのだということで、まず業者の申し入れに基づいて、その業者と主務大臣が十分に話し合いをし、しかもその中には大蔵大臣も、それから金融界の代表も出れるようにはなっておりますが、きまったものに対して全面的な責任を負えませんと。こういう問題に対してはやはり民間の自主的な考え方を主にすべきでございますから、拒否権というようなものはなかなか法文上は書けませんが、いずれにしてもこのような決定に対しては留意しなければならないというようなものにしないと困りますというようなことで、ようやく最終案が現在まとまりつつあるのでございまして、この外貨債発行の当時、これらのものを予測してやったものではないということだけは、これは御了承願えると思います。
 それで、これを率直に申し上げますと、これは今度外貨債を発行しまして開銀に入れるのは新しい問題だというふうにお考えかもしれませんが、新しくないのです。これは今まで開銀債を発行しておりましたのを、国債にひっくり返しただけでございまして、私もこの問題に対しては、少し、どうもこれが万全の問題であったかどうか、その後は少し遺憾に考えております。これはやはり何年か売り出して、開銀というものに対しても、電電というものに対しましても、トール・ロードにつきましては、これはわれわれが考えたほど簡単なものでなく、アメリカでも行き詰まりになっておりますが、消化率が非常に悪いということで、道路債というものは発行が非常に容易でなかったから、国債でやるべきであったかもわかりませんが、開銀債というものがことしの一月になって二千二百五十万ドルも直ちに売り切れてしまったというような事実に徴してみますと、これだけの銘柄のものを国債の中に包含しなければならなかったということは問題があるようでございます。これは三十九年以降もし発行するとしたならば、市場の問題その他銘柄の問題は特に注意して、もとに戻さなければならないというようなフェアーな立場で考えておるわけでございます。いずれにしても、本年度の外債で発行しましたものは、御承知の三千万ドルの返済というものがありますが、そういうものの見返りということを中心にして考えましたので、このような制度になったわけでございまして、開銀の繰り入れそのものは、目標は何かといえば、電力でございます。これはもうそう申し上げれば一番おわかり願えるわけでございまして、そういう意味で電力を中心にした開銀融資というものは当然考えていかなければいかぬという在来の考え方をそのまま進めているわけでございます。
 また、政府管掌をして、政府が企業の行動その他に対してタッチをするということは、厳に戒めているのでございまして、そんなことをすればできるものもできなくなる、こういうことを考えているのでございまして、もう自主的な運営にすべてをまかしているということでございますし、しかも基盤強化の法律等によりましても、電線のような、五百社も六百社も中小企業がたくさんありますので、そのうちの大手何社だけはめんどう見て、中小企業にしわ寄せをする、このようなことがあったらたいへんな問題でありますので、これらの問題に対しましては、私も事情を知っておりますので、財政当局者というような考え方だけでなくて、こういう現実というものを十分把握をして、これから措置しなければならないわけでありますので、これは当然自由化に対処しては、特定産業だけを考えるのではなく、あらゆる産業間のあつれきやマイナスを起こさないようなことに十分配慮をしながら、総体的にレベルアップをし、設備を近代化し、国際競争力をつけていかなければならぬという考え方でございまして、この外貨債の発行とそういう底意などは毛頭ございませんことを、明らかにいたしておきたいと思います。
○野々山一三君 最後に一つ、輸銀の計画が今後は間違いない、こう言われるのでしょうけれども、私は農林漁業金融公庫、あるいは住宅公庫、そういうようなところは非常に金が詰まっている。片っ方は一割も余裕があるということであります。今までのことで、これからはそんなことはないと言われるかもしれませんが、私はこの際ぜひ一ぺん再検討してもらいたいと思う、この計画について、という気持が一つ。
 それから、もう一つは、外貨債の問題については、いい方法だとは必ずしも思っていない、再検討しなければならぬ、こういうふうにおっしゃったので、その点はひとつぜひその筋で進めてもらいたい。ついては、これはあとで審議する外貨債法では、これは外資導入の本命なんで、積極的にやるんだという説明が書いてある。これはまたあとで議論しなければなりませんが、ひとつ外貨債法の審議の際には、その答弁された筋によって善処してもらいたいと思っているわけです。
 それから、自動車などの企業集中化の問題について、あなたはそんなことはやりたくない、やるべきじゃない、こうおっしゃるのでありますが、実際に業界のほうに流れている動向というものを私どもは承知しているのです。あなたの言っておられることとは相当違う。ぜひそれはあなたのおっしゃられた筋にのっとって実行されるように、厳重にあなたひとつ監督をしてもらいたい。これはもし事情が食い違えば、そのときにまたあなたと議論をさしてもらいたい。ぜひそれはあなたの言われた筋を生かして立法されるように要望しておきたい。
 以上三つのことについて……。
○委員長(佐野廣君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(佐野廣君) 速記を起こして。
○野溝勝君 質問に入る前に委員長に御注意申し上げておきます。それは私も国会で最初の委員長をやりました経験があります。委員長は国会の委員長ですから、大臣に遠慮することはけっこうでございますが、国会でございますから、あなたは自由党の委員長じゃないのですから、見識を持って当たらなければいかぬと思う。
 私は大臣の忙しいこともよく承知しておりますが、国会は疑義あるところはたださなければならないのです。産投会計について、今までの国会で飛躍的にこんな膨大な産投会計、特別会計はないですね。三十八年度一般会計予算が二兆八千五百億円、それに今申しましたように、財政投融資の面で一兆一千百億円です。この額は、膨大ということよりは、財投に出す。パーセンテージが、国の予算が三十七年度と対比して二二・六%になっておる。財政法を根本的にゆるがすような予算編成技術で、これは財政法の上から見て疑問の出ることはあたりまえだと思います。その点について私は詳しくは聞こうとしません。各委員会においても問題が起こっておりますから、それについてあなたはこれでよいとの解釈ですが、財政法上から見て将来相当問題が残ると思っております。ですから、その点について、各委員が質問されておりますから、重複して質問はいたしませんが、機会を見て私は総理大臣にこの点を強く警告しておきたいと思うのです。この際、大蔵大臣も十分反省してもらいたいと思うのです。
 それから、私のお伺いしたいのは、私はいつも委員会で言っておるのですが、何も社会党なるがゆえに社会党のイデオロギーで質問するのでないのです。今の時点において質問をするということを絶えず申しております。でありますから、その意味においてあなたからもお答えを願いたいと思います。産投会計は、あなたが他の委員に対するお答えからみると、新しい事態に照応した一つの方針だというのでございますが、その新しい事態ということは不況対策を意味しておるか、自由化を意味しておるか、どちらを意味しておるか、それを簡単でいいからお答え願いたい。
○国務大臣(田中角榮君) これは不況対策というよりも自由化対策でございます。自由化によって日本の産業が国際競争力に耐え得るようにやらなければならないという考え方でございます。
○野溝勝君 そうすると、自由化で国際競争に太刀打ちをしなけりゃならぬ、そのために飛躍した財政計画なり産投特別会計を作る、こうおっしゃるのです。しかし、自由化に対抗するには、第一に、日本国内の力、すなわち産業の状態というものをはっきり把握しておかなければならぬと思うのです。その点、経済企画庁長官に尋ねたいと思いますけれども、委員会には出てこられませんので、この際大臣に申し上げておきます。昭和三十八年度に対する経済企画庁の見通しでございますが、経済展望ですが、国の予算の編成にあたり参考的基礎資料というものを出さなきゃならぬ、それが各省からの予算要求締め切りの十二月ごろになってようやく出す、これでは主客転倒しておると思う。これでは政策的経済展望ということになる。もっと前に十分調査をいたしまして、資料に基づいて政府に反省を促す、そうして政府もそれに基づいて予算編成に当たることにならなきゃならぬのが、それがあべこべなんです。こういう点は、宮澤君は全銀とあなたの間の調整ばっかりやっておらないで自分の任務に専念すべきであって、これはぼけておる。もっとまじめな経済資料を策定するように努力しなければいかぬ。あんなことは関係大臣か官房長官がやるべきだ。宮澤君がそんなことにちょろちょろする必要はない。これは余談でございますが、注意してほしい。
 そこで、私はあなたにお伺いするのですが、財政投融費、前国会の第二次補正予算で三百五十億円というものを原資としている。ところが、これがだんだんと、先ほどの委員の話ではございませんが、剰余金として三十八年度に使われておるのでございますが、これが大体剰余金としてなら残るものであって、それを使うということができるのでございますか、この点を一つ。
○国務大臣(田中角榮君) 三十七年度の決算剰余金が出ました場合に、財政法の規定に基づいて翌々年、すなわち三十九年度の国債償還財源に充てなければならないわけでございます。ところが、第二次補正予算案によりまして三十七年度の自然増収の中から三百五十億円を産投会計に繰り入れるということを御審議願い、御可決を願ったわけでございます。これが三十八年度中に使用せられるものは九十三億を予定いたしておりますので、現在国会で三十八年度予算案を御審議願っておる現町点の考え方では、残余の約百九十数億円のものは三十九年度にその分は繰り越されるということになるわけでございます。これは財政法の改正によりまして当然かかる繰り入れはできることになっておりますし、また適法でございます。しかし、三十九年度に、現在の時点においてはそうでございますが、去年の臨時国会における石炭鉱業に対する答申が出るというような事態を仮定して考えれば、また国会の御審議等を求めながら国会の意思のおもむくところ、これを三十八年度中に一部が使用せられるということも思考せられるわけでございます。
○野溝勝君 そりゃ国会の議決を経ればできるということは、それは緊急必要が前提条件となっている。政府は例外的なことをあえてやっている。原則としてはあくまでやはり残さなきゃならぬものと思っております。そりゃ苦肉の策といいましょうか、できないことはないという例外的な考えでございます。これを多数の力で強行するのは、財政法の精神から見れば、反省しなければならぬ。この点はいつでも国会において問題になっているのでございます。政府の例外的の抜け道を本筋だとする考えは再検討してもらわなければならぬと思います。
 特に産投特別会計が、三十八年度は御承知のごとくもう原資が不足で問題になっており、ガリオア・エロアの金は倍にして払わなきゃならぬ、百五十八億ですか、それから三十八年度に対しては、たな上げ資金が百五十億、それから輸入バナナ等の差益金ですか、いわば特定物資納付金、この金が廃止でなくなっちゃった、まあ繰入金というものはなくなってしまうというわけだ。そこで、苦肉の策として、一般会計からの繰り入れを除く固有原資はわずかしかないから政府はここで御承知のごとく財政法の例外事項を勝手に応用し、大規模な資金を求めるために産投特別会計に外債を発行したり、大臣は国債を発行しないと言うけれども、買オペをやっておれば国債と同じことだと思う、政府が保証するのでございますから、こういうような無理をしてやっておる。
 産投に対してここでいい悪いということは、もうあなた方の見解も聞きましたから、私はこれ以上言いませんが、その産投会計の金の使い方がまたあいまいなんだ。これがですね、本委員会においても多くの論議がされました。そりゃ体裁はつくったようですけれども、実際その内容におきましては、先ほどの船舶の話にもありましたが、その他問題は、今時局的に必要なる不動産銀行などは、これは建築家屋の資金がなくて困ってるわけでございます。こういうものはむしろ緊急性があり何とか考えなければならぬ。しかるに昭和三十六年度に八億円出したきりであと何にもしていない一千件からの申請にこたえられない。こまかくは聞こうとしません、あとから理財局長からでも聞きますけれども、これはただ不動産銀行だけ作っておいて、あとは勝手にしろ、人件費だけは見てやる、これでは産投特別会計も泣き出す。政府は力を入れてこの不動産銀行の趣旨を徹底させるなりしなければならぬと思う。こういうような点についても幾多言うべきことがたくさんございます。そういう点について再検討しろと言うことは当然なことであります。こういう点について大臣の所見を聞いておきたい。
 それから、時間の関係もありますから、私は続けて申しますから、お答えだけは一括して願いたいと思う。これは自由化の対策と言うけれども、自由化の対策である以上は、日本の財政、産業の動き、外国の財政、産業の動きというものを、ともににらみ合わせて考えておられると思うのでございますが、国際的に見てもどこの国でもインフレで困っているとき、日本の今後の展望でありますが、貿易などは一体どういう状態になっていくと思いますか。今までの貿易事情を見ますと、大体アメリカを中心にしてやっておるようでございますが、対米貿易は大体アメリカが三〇%、それが入超も三〇%だと言っておるのでございますけれども、これなどもほとんど見通しは私は立たないと思うのです、実際は。それはあなた方のほうではそうでないと言いますけれども、現にあなたが苦労されておる綿製品の問題でもそうじゃないですか。アメリカは一月のケネディ教書におきまして、あなたも御承知のごとく、バイ・アメリカンを強調しておるのです。だから、その現われが綿製品その他の制限にも出てきたと思うのです。そういう事情のもとにおいて、大臣にたびたび八条国移行の問題、あるいは自由化に対する対策の問題で万全の用意ができておるかということを警告してきたわけです。こういう点、事実があとからあとからと出てきている。私の心配したことが事実の現象として出ているのです。ですから、今回の産投会計は貿易の自由化を中心にするということは、確かにあなたとしての考えとしては私はわかる。わかるけれども、そういうような客観的世界情勢から見ると、不安定だと私は思う。そこで、先ほど聞いたとおり、それではそれに対応するところの産業構造なりあるいは日本の金融構造なりに対して全部再検討なりあるいは反省をしなければならぬと言うことは当然だと思う。それを当局は、いや中小企業に対しての影響があるから、あるいは貿易振興、企業を伸ばすとか言われてごまかしているも、大体この産投会計の中心対象は大企業中心なんですから、お答えも論理背反するわけなんです。そこにあなた方の無理しなければならない困難な点もあると思うわけです。ですから、そういう点を考えますると、国際的に見ても容易じゃないし消費経済も限界に来た。内的に見ても壁にぶち当たった。特に設備投資の問題なども心配をされておるようでございますが、私は以上申しましたように、生産過剰の今日の状態において、貿易の点においても国内消費の点から見ても、日本の経済成長が数字の修正で御茶をにごしてはいけないと思うのです。私は一々今数字をあげませんが、大体中小企業の倒れただけでも三十七年度に百数十件あるのでございます。私はここで一々その会社の名をあげたりあるいは工場の名をあげたりいたしませんが、あなたのほうでわかっていると思います。そういう状態でございます。
 ですから、あなた方としては、景気あるいは国際経済の好況性をうたっております。それがために、経済のいわば見通し、成長率、これなども修正しようというようなことを言っておる。そんな淡いものじゃないのです。今申したとおり、国際的に見ても国内的に見ても、それを裏づけるような材料はないのですね。これは日本だけじゃない。どこの国も問題であり悩んでいるのです。ですから、それならばどうするかということなのです。第一に、経済成長の展望の事情をもっと具体的に再検討して、その上に立って政府は業界の再編成もやむを得ない。そのときに官僚統制はいかぬ。もちろん私は官僚統制ということは要求しませんが、中小企業を含めた企業代表と政府当局が会合し、策定に当たる。当然それには原案というものを政府も出し、それから産業界も金融界も出す。そういうことにして、ここで確固たる方針を立てて、産業調整あるいは転換施策を持たなければ、自主の名に隠れて弱肉強食経済に追い込むことは無責任である。それで完全とはいきませんが、方向を明らかにする要がある。それできめたところで、一本調子にいくとは思いません。けれども、そのくらいは政府の一つの信念を示す時である。この経済転換期に生長展望をただ政策的の方針とにらみ合わせてやるというような、そんな場当り的の成長展望はない。それは政策でございます。経済成長の展望とか見通しとかというものは、前に述べたごとく、政策的に考えてはいかぬと思うのです。そんな資料だったならば、それは必要ない。経済企画庁なんか廃止したほうがいいと、私はそう思っております。これは真剣に、田中君、考えましょう。だから、そういう点はひとつあなたから――あなたはざっくばらんで、欠点は欠点、反省は反省とざっくばらんに言われ、政府当局としては新しみがあってけっこうだと思うのです。保守党には珍しいと思っている。それで、私はあなたにある程度の期待を持っているのです。だから、私が述べた意見を全部受け入れるわけにはいかぬでしょうが、難局の日本として考えてほしい。一方でも、たとえばアメリカの動きにしても、EECの動きにしても、その他各国の動きにしても、容易なことじゃないですよ。池田さんも見てきた。あなたも行ってきた。いずれも苦悩されていると思う。第一、重化学工業という方針が今日は設備過剰によって暗礁に乗り上げておるわけなんです、実際問題として。そういう点について、国際的に見ても、国内の消費面から見ても、十分お考えになり、その点については十分総理やあなたからの意見をお聞きしたい。
 それから、最後に申し上げておくのでございますが、アメリカの動きをひとつ申し上げて参考に供したいと思います。これは、資料もあるでしょうけれども、一つだけ申し上げておきます。アメリカでは国際収支と金流出調査の状況が発表されております。それを見ると、一九五〇年のときには国際収支がマイナスなんですよ。二十二万六千百万ドルマイナスで、金流出十七万四千三百万ドルですよ。こういう状態。それがだんだん悪くなって、一九六二年には国際収支が二十二億八千万ドル。それから今度は金流出が九億一千百万ドル、こういう状態です。ですから、これを見てもアメリカ自身なかなか苦しい状態です。だから、私は政府の対米一辺倒というような意見を出すのではないですけれども、アメリカ中心の貿易政策は検討すべきだと思うのです。
 さらに、大臣に申し上げたいのですが、それでは有利の情勢のある国に貿易をふやすことはどうであるかといえば、何もソビエトがそんなにわれわれの期待したようなふうにいいと思いません。中共貿易もわれわれの期待したようにいくとは思いません。しかし、マイナスにはならぬと思っている。プラスになることは事実だと思っている。そういう点についても、ココムだのチンコムだのそんな圧力や制限に何も遠慮しておることはないと思う。そういう点もあわせて、国内情勢、国際情勢、そうい点うもあわせまして今の経済展望に対する大臣の所見、また考え方、さらに今後どういうふうにひとつ自分としてはやっていこうというような考えを、これは委員会ですからはったりを言うんではございません。大向こうをうならせるような質問をしたいとは思いません。ですから、そういう点についての大臣のお考えを……。いつもあなたには申しておるのだが、八条国移行以来綿製品の問題が出てきた。対ソ油送管の問題で日本も迷惑です。日米対等だといわれているが、こんな差別をされてあなた方も困ると思う。こういう意味でひとつお答えいただきたい。
○国務大臣(田中角榮君) 三十八年度の予算は、三十八年度の経済企画庁の経済見通しの基礎からしまして税収の見込みを立て、予算編成を行なったわけでございます。お説のとおり、経済見通しに対してはなかなか予想と実績が合わないということは御指摘のとおりでございます。特に三十五、六両年度等は、政府が当初見通した実績よりも六、七〇%も過熱的な景気状態になったというような事実に徴しますと、まさに一言もないわけでございます。まあしかし、今のような複雑な状態において、事実経済見通しを立てるということははなはだ困難でございまして、三十八年度の景気見通しは、三十七年の第三四半期までの実績をもとにして第四四半期の実勢を見通して、その上に積み重ねられるものが三十八年度の景気見通し、俗にいう経済見通しでございますが、ちょうど三十八年度の予算は三十七年の十二月の半ばでございまして、九月決算であるいわゆる三十七年度の第二四半期の実績さえもまだ十分つかみ得なかった状態において経済見通しが作成せられたのでございますので、いろいろ議論の存するところだと思います。
 しかし、国際収支も非常に順調に改善がはかられましたし、御承知のとおり、当初輸出が四十七億ドル、輸入が四十八億ドルということでございましたから、改定見通しの逆に四十七億ドルの輸出を四十八億ドルにし、四十八億ドルの輸入を四十五億五千万ドルというふうに下げたわけでございますが、御承知の三十七年度一般の輸出入実績を見ますと、輸出は第二回改定よりも五千万ドルないし一億ドルほどよくなり、四十八億五千万ドルから四十九億ドルという状態でございます。輸入は四十六億ドルくらいでありますので、貿易の状態は非常によくなり、国際収支もすでに申し上げておりますアメリカ市中三行の借款二億ドルも自力で返済し、なお七項借款のうち三千三百万ドルも返済をして、なお十九億ドルくらいで年度を越せるというような状態になりましたので、この上に政府が当初考えました実質六・一%の成長を展望いたしますときに、私は景気は回復せられつつあり、昭和三十八年度の下期を待たずして、総理も国会に対して政府の態度を明らかにしておりますが、
  〔委員長退席、理事西川甚五郎君着席〕
私はこのような政府の見通し、実質六・一%の経済拡大ははかれるのではないかと考えております。
 しかも、ただ何となくはかれるというのではなく、先ほどから御指摘がございました三十八年度二兆八千五百億円及び一般会計一兆一千九十七億円に及ぶ財政投融資、また民間資金等につきましても、十分総合調整をはかっておりますし、今までは予算の成立までには大臣も非常に国会対策として、国会の答弁用としてもしっかりしたことを言っておったのですが、これが実施をするときにはほとんど窓口まかせというようなことがあったと思います。でありますから、実績は数字によってあとから三カ月、五カ月前の統計をとって、その上に組み立てるというような施策が多かったと思いますが、少なくともこれだけの予算も組んでおるのでございますから、これが実行に対しては十二ヵ月間を十分見通しながら総合的な調和の上に立っての執行を行なわなければならないと考えております。
 そういうふうな状態で予算執行を適切に行なっていき、また財政投資も適時適切なる時期において遺憾なきを期して参れば、経済見通しとしては、私は六・一%と当初政府が見ました経済見通しよりも幾らか多くしたい。私は当初から七・二%の経済成長をはかるには一体どのような数字が試算せられるであろうといって、みずから試算をやってみたこともございます。
  〔理事西川甚五郎君退席、理事柴田栄君着席〕
そういう意味で、対前年比一般会計の伸びが一七・四%でございますが、やっぱり七・二%というのは二〇%近い投資が必要とせられるというようなことも試算をしたことがあるわけでございまして、経済見通しの今までに対して、これで万全であったということを考えておりませんが、いずれにしても、より的確に、少なくとも的確に近い数字を国民各位に政府が示すことによって、国民各位が自分の事業やその他に対しても見通しをつけ得るようになさしめることが最良と考えておるわけでございます。
 貿易の見通しは、御承知のとおり、三十八年度五十二億ドル輸出を目標にいたしておりますが、これは世界の経済情勢を考えると、先ほどあなたが申されたとおり、アメリカのケネディ政権も抜本的な一つの市場対策としての大減税政策をやっておりますし、今度EECに加入できなかったイギリスも、設備投資の拡大、景気過熱を起こさなければならぬという工合に大きくふんばってやっているようでございますが、なかなか事志と違うようでございます。この間からアメリカ、イギリスの諸君が来て、日本というのは押えておっても、これだけ高い金利で、これだけ、ちょっと離すとすぐ経済拡大をするけれども、アメリカやイギリスのような国ではなかなか――合理化が進んでおりますと、これ以上何%ふやすということがいかにむずかしいかということを痛切に言っておりましたが、私はこれら主要国二カ国の状態を見て、特にやっぱり戦後十七、八年たっておりますと、主要工業国そのものもここらでひとつ国内均衡、バランスをとろうというような考えに立つので、私は世界経済の見通しというものは今までのように非常にいいものであるというふうには考えておりません。でありますから、関税の一括引き下げとか、イギリスのEECに対する接近とか、いろいろの問題がある。それに対して、普通なら黙って入れるものが、今日の段階ではドゴールが入れないというような問題も、やはり自国の経済見通しという問題からいろいろな問題が起こっているのでありまして、必ずしも好況を迎えているとは考えておりません。
 好況を迎えておらないといいながら、なぜ五十二億ドルに輸出がふえるのか、こういうことでございますが、これは輸出がふえるような環境を作る。これは伸ばしていかなければ日本人のわれわれの生活そのものがレベルアップできないのでございますし、もちろん自由化や八条国やOECDなど、日本としては戦後初めての大きなあらしにぶつかって、これに耐え抜いていかなければならない、好むと好まざるとにかかわらずこの道を選ばなければならないのでございますので、これには設備の改善等を進めながら、一方的に横ばい式に世界経済の中で日本の輸出だけは伸ばしていかなければならない。こういう二兎も三兎も追うような非常にむずかしい状態ではありますが、これを乗り切っていかなければならない。
 これが対策の一つとして、今産投会計法の問題その他諸般の施策を御審議願っているのでありまして、今までは対日援助資金の残された資産の運用をどうするかというようなことで作られた産投会計も、今後は自由化、八条国移行というような事態に対処して、私はより新しい立場で、より広い視野に立って、これらの問題も見詰めていかなければならないのではないかというふうに考えておるわけでございます。政府も、御注意を十分承りながら万遺憾なきを期していきたいと考えておるのでありますから、今度御審議を願っております産投会計法の問題に対しては、そういう政府の意のあるところを十分おくみ取り下さいまして、格段のひとつ御配慮をお願い申し上げたいと思います。
○野溝勝君 私はあなたからお答えを願わぬでもいいのですが、実際貿易は――私の考えておることはあなたも大体理解がされていると思う。また、五十二億ドルの貿易なんということは、とてもそれは見通しは立たない。現にあなたはそういう環境を作らなければならぬと言っているが、繊維品では、通産省は国内消費に力を入れろと言っている、政府は輸出振興と言う、繊維品に対してだけなぜそういうことを言っているのか。むろん資料を出せというなら出しますよ。ですから、ひとつ政府自体においても非常に指導にあいまいな点がある、そういうことじゃとても環境作り、何を環境作りするか知らぬけどれも、そういう点で非常に問題が残っていると思うのです。きょうはこれ以上言いませんが、非常に私は心配なんです。だから、この経済成長なども、それはだれがやってもそう思うようにいかぬと思うのですよ。だれがやっても思うようにいかぬが、しかし、あの成長性の私見というやつは――私見というか、企画庁の出すやつは、あれはよほど注意してやらぬと国民が迷うから、そういう点だけ申し上げて、私はきょうはこの程度で終わります。
○柴谷要君 私は、農林漁業金融公庫の代表の方にちょっとお尋ねをしたいと思います。公庫のほうからどなたがおいででございますか。
○理事(柴田栄君) 総裁の清井さんがおられます。
○柴谷要君 それではお尋ねをいたしますが、農林漁業者に対して公庫は長期かつ低利の資金を融通することを目的としておる、これが事業の目的だと思うのであります。長期、低利といいますけれども、大体三十七年度の時点でお答えをいただければけっこうだと思いますが、大体貸し付けております金の利息、それから期間は一体どのくらいで貸しておるのです。これは大体区分の中で土地改良、林業、漁業、塩業、こういうふうに区分がございますが、こういう大別した区分でお答えいただければ幸いだと思います。
○参考人(清井正君) お答え申し上げます。
 ただいまのお尋ねのごとく、私どもの公庫といたしましては、農林漁業に対しまして長期、低利の融資をいたしておるわけでございますが、三十七年度、いわゆる本年度におきまして貸しております金額の一番大きいものは、申すまでもなく土地改良事業でございますが、土地改良事業に対しましては、貸付利率は、国の補助がある事業につきましては、補助団について六分五厘でございます。国の補助がない土地改良事業に対しましては五分でございます。
  〔理事柴田栄君退席、委員長着席〕
補助団が六・五、非補助が五分ということになっております。据え置きは五年以内、原則として五年以内でございます。償還期限は十五年以内ということにいたしております。
 それから、造林でございますが、造林については、いわゆる補助団が六分五厘、一般非補助が四分五厘。据え置きが、補助団が十五年以内、償還が十五年以内、非補助の場合は据え置きが二十年以内で、償還が十年以内というふうに、据え置きのほうを長くいたしております。
 それから、水産関係でございますが、漁港につきましての貸付は六分五厘でございます、据え置きが三年以内、償還期限が十五年以内ということにいたしております。
 その他、農林漁業者が共同利用施設を作ります場合に貸しますのが七分五厘、これが一番高いのでございます。据え置きが二年以内、償還期限が十五年以内ということになっております。これが一般の資金でございますが、そのほかに、農林漁業金融公庫といたしましては、自作農維持創設資金というものを貸しておるわけでございます。これは申すまでもなく、農業者が土地を取得したり、あるいは災害等で負債を負った場合、負債整理資金として貸し付ける資金でございますが、それは利率が五分、それから据え置き、償還含めて二十年以内ということになっております。
 以上が、大体私どもの公庫で貸しております事業のおもなものの利率でございます。
○柴谷要君 それから、特に区分の中で主務大臣指定施設というものがございますが、一般なり災害なり分けまして、その三十七年度の実績について数字はどういうふうになっておりますか。
○参考人(清井正君) 三十七年度の主務大臣の指定施設のワクは、お手元に資料を提出してございますが、八億九千万円になっております。指定施設と申しますのは個人の施設でございます。私どもが貸しております施設の一番小さい施設でございます。したがいまして、この施設は、原則として農業協同組合を通じて転貸しをいたしておるわけでございます。直接個人にお貸ししているものは、原則としてないのでございます。そのワクが今年度は八億九千万円、三十七年度計画は八億九千万円になっておりますが、今までの実績につきましては、あまりよけい出ていないように承知いたしておりますが、ちょっとお待ち下さい。――一億四千二百万円が合計でございます。これは一般も災害も含めて一億四千二百万円ということでございます。最近までの実績でございます。
○柴谷要君 大体三十七年度の実績をこれから伺いたいと思うのでございますが、三十七年度は七百十億の資金をもって運用されて参っております。区分別に貸付を行なってきたと思うのでありますが、大体申し込み件数に対して貸し付けられた割合、たとえば千件申し込んできたけれども二百件しか出なかった、こういうような申し込み件数に対して受け入れられた実績をひとつお示しを願いたい。
○参考人(清井正君) ごく最近の数字で申し上げますが、七百十億本年度ワクがございまして、最近までわかりました数字で申しますというと、ただいまのお話によりますと、申し込み金額に対して幾らかということでございますが、ちょっと申し込みに対する数字は持っておりませんが、貸付の当初の予定額に対して幾らかという数字を申し上げておきたいと思います。
 ちょっとその前に申し上げておきますが、私どもの農林漁業金融公庫は年度末に資金の需要が殺到いたして参るわけでございます。これは申すまでもなく、補助残融資があるということと土地改良事業が相当占めておりますが、農閑期に仕事をいたします。したがって、私どもの貸付の半分くらいは十二月の終わりくらいから、一、二、三、ただいまが最盛期という状況になっておるわけでございますので、これからの十日間が相当大きな勝負どころということになるわけでございますから、この点をお含み置きを願いたいと思います。
 私どもがわかっております大体の成績では、七百十億の全体のワクに対しまして、最近わかった二月末でございますが、四百六十六億ばかりでございます。率といたしましては六六%程度でございます。これは全体でございます。そのうち割合に低い率のものは土地改良が六四%、林業が六六%、それから大きいところで漁業が八一%、それから共同利用施設関係が八八%、自作農維持創設資金が八〇%というふうになっておるのでございます。ただいま申し上げました六六%程度が二月末現在でございまするけれども、例年に比較いたしましても、この率はそう低い率ではないのでございまして、この三月一ぱいが勝負どころと思いまして、ただいま本支店を通じまして申し込みを処理いたしております。こういう状況でありますことを御了承願いたいと思います。
○柴谷要君 大体七百十億は、年度末の殺到した状況によってはこれは全部消化をされる、こういうふうに考えられるわけでありますが、大体全員が申し込んだから全員が借りられると、こういうことにはなっておらないと思います。その率を大体ここ数年来の実績でけっこうでございますが、おわかりでございますか。なければ、あとでお尋ねしてもよろしゅうございますが……。
○参考人(清井正君) 率はちょっと今私も持っていないのでございますが、申し込みの数字は全部数字が種類別に資料としてたしか御提出申し上げてあると思いますが、たとえば三十六年度は全体の申込数量が六百六十八億、それに対しまして貸し付けいたしましたものが六百億七千九百万、三十五年度が五百八十五億に対しまして五百二十億、こういう実は貸付になっておるわけでございます。いずれも申し込みに対して相当下回っておるわけでございます。
 ただ、これで申し上げておきたいことは、私ども公庫といたしましては、土地改良事業なり自作農創設維持資金に相当申し込みが殺到いたしますので、あらかじめ府県別に、あるいは支店別に、ワクを設けまして、大体予想を立てているわけであります。そういうわけでありまして、県でもって全部知事の調書をつけまして、県庁の知事の調書が私どもの融資の前提となって参るわけでございますから、私どもは全部県知事の推薦に基づいて貸しておるわけでございます。したがいまして、ある程度需要が、県庁段階でありましても、これはワクがないから遠慮してくれと、こういうことである程度スクリーンされてくることがございますので、かりにこれが全部の農業者の申し込みをとるということになりますれば、まだまだこれも上がってくると思われますが、しかし実際問題といたしましてそういうことができませんので、今言ったような方策を講じて、しかもなおかっこの程度の数字ということでございますので、この辺の事情を御了承願います。
○柴谷要君 そこで、総裁に次の段階でお尋ねしたいと思いますが、県の段階でふるい落とされる。しかし、公庫の皆さんにはよく内容はわからない。とにかく一定のワクが与えられて、そのワクしかないということで、県の段階でふるい落とされて、そうして公庫のほうへ来る。それなら、現在までに要請をされてくる件数というのが、一体どのような実情のものがたくさん来ているか、こういうことを掌握されたことが私はあると思う。特に、時間の関係もありますから、幾つかまとめて質問いたしますから。
 そこで、その段階を調べるためには、あなたのほうでは、事業損金の中に示されておりますように、委託費というものが膨大にある。こういう委託費を使って実情調査をされているかどうか。その委託費をちょっと見るというと、あまり公庫には直接的に必要でないような、長期の展望なり、いろいろ高いところの研究にたいへんな調査費を使っているように私は認識するわけでありますけれども、これらもあわせて御回答願いたい。たとえば三十七年度の委託費の中で、七千八百万円の委託費がある。これは調査委託費七千八百万の内容を、こう見るというと、最も適切らしいものが農業構造改善と長期金融の基本体系というものは、これは大いに必要だと思うのでありますが、そうでなく、たいへんどうも先のことを今から勉強されているような傾向のものも見受けられるのでありますが、むしろそういったような、今県の段階で押えられている、割当が少ないために押えられているという、ふるい落とされたいわゆる要求者の実態調査のようなものを、このようなところでやるべきだと私は思うのでありますが、そういうことはやられておられるのか、その点が一つ。二つまあ御質問いたしますので、お答えを願いたい。
○参考人(清井正君) 私どものほうでは、特段にこれだけを目的として調査いたしたことはないのでございます。ただ、お断わり申し上げておきますが、県でこれがとどまりましても、これはその年度でとどまりまして、かりにこれが貸付適格でございますれば、かりに三十七年度で残ったものは三十八年度に上がってくるということになりますれば、たいへん勝手なことを言って申しわけありませんけれども、一年待っていただければ貸し付けできるということになることが相当多いと思います。全然貸付適格でないということになりますれば別でございますが、かりに県庁といたしましては、ことしはないから来年まで待ってくれと、来年度は来年度当初出そうというようなことで、多いと聞いております。したがいまして、かりに県でふるい落とされましても、県では貸し付けないというのでは全然ないのでありまして、その翌年度になればということが普通であろうというふうに考えております。
 それから、御指摘の調査委託費でございます。この七千八百万円の本年度予算のうち、七千三百万円は、これは県に対する委託費でございます。これは御承知のとおり、ただいま申し上げましたが、知事の手で推薦をしていただくわけでございますから、知事さんから貸付対象を調べていただく、知事さんのところで、県の公庫の貸付申し込みをしていただく方を調査をしていただきまして、そうしてこの貸付は適正であるという調書を出していただきます。したがって、それを私どものほうに出していただく事務費が必要でございますので、その事務費の一部に相当するものとして七千三百万円を支出いたしているのでございます。これは毎年度、公庫ができましてからずっとこの金額を各県へお出しをしているわけでございます。
 残り五百万円が業務の調査委託費でございます。ただいま御指摘ございましたけれども、十七団体に五百万円の限度の範囲内で、いろいろ公庫の貸付の事業に必要なものに関しまして、あるいは相当長い目で見て研究委託するものがありますが、公庫の将来の貸付に必要であるという判断をいたしまして、総額五百万円の範囲内で十七団体に貸付委託するということをここでいたすということにいたしております。確かに、お話のとおり、貸し付けられるべきであってなお貸し付けられていないということがあっては申しわけないわけでございますので、私どもといたしましては支店もございますから、受託金融機関もございますから、県庁と連絡いたしまして、そういうような適格者はできるだけ、当年度に借りられないものは次年度に貸すというふうに今後努力をいたしたいというふうに考えております。
○柴谷要君 今の三十七年度の実績について総裁にお尋ねしておりますというと、何か現状で十分だというような印象を受ける。そこで、次の段階の質問をしたいと思うのでありますが、三十七年度は七百十億が三十八年度は八百七十億にふやそう。八百七十億にふやす理由としては、農林漁業経営の拡大発展と合理化のために必要な資金が含まれている、特に貸付金利の引き下げ、償還期限の延長等の緩和をはかるためにやるんだ、こういう趣旨が盛られているようであります。一体今までの利息をどれだけ下げるのか、償還期限の緩和をどれだけはかられようとしているのか、その構想を具体的に説明願いたい。
○参考人(清井正君) 三十八年度におきましては、相当大幅な資金を増額していただきましたのでございますが、これはそのうち三百億に相当いたすものがいわゆる農林漁業経営構造改善事業でございます。なお、その中で二百八十億に相当いたしますものが狭義の農林漁業経営構造改善でございまして、各県で指定されました農業改善地域に対して集中的に補助金なり融資をやる、こういうことで、このたび新たに設けられましたこれは仕事でございます。当公庫としては、新しい仕事としてつけ加わったわけでございます。その他の土地取得資金がございます。あと沿岸漁業を含めまして、いわゆる農林漁業経営構造改善事業といたしましては、三百億というものが計画されておるのでございますが、その他のものは、大体今までどおり貸し付けいたしたものを、若干需要増に応ずる金額の増加ということでございまして、主力は農林漁業経営構造改善に対する融資を、今年度から農林漁業金融公庫がいたすということによって増加いたしたのでございます。それ以外のものにつきましては、大体、今までの貸付のワクが少しずつふえておるというふうに御理解願いたいと思うのでございます。
 なお、それに対する金利の関係でございますが、たとえば、農林漁業経営構造改善事業は、ただいまは六分五厘でございますが、三十八年度、私ども公庫から貸します場合に三分五厘でございます。それから利子も六分五厘が三分五厘に下がるわけでございます。貸付期間も、現在十二年でございますが、二十年というふうにいたすわけでございます。その他、果樹園の事業にいたしましても、六分から五分五厘、畜産経営拡大資金も六分五厘から五分五厘、農地取得資金は五分から四分五厘というふうに、相当大幅に金利が下がり、貸付期間も、相当にそれに応じまして、大体二十五年から二十年ぐらいに延ばすということにいたしました。農林漁業経常の実態に合わすようにいたしたい、こういうような考え方でやっておるわけでございます。
○柴谷要君 ただいまの総裁の金利の引き下げ並びに償還期限の延長等は、まことに適切な方法だと思います。大いに賛意を表したいと思います。
 そこで、貸付計画について新たな方式をとりたいということで、農林漁業経営構造改善資金通制度というのを設ける、こういうことになっておりますね。その制度というのは、一体今日までとっていた形式とどういうふうに違いがあるのか、それをお示し願をいたい。たとえば、農業近代化資金制度というのがあって、その中に農業構造改善事業資金、あるいは畜産関係資金というものがありますけれども、これらが新制度のほうで吸収される、こういうふうな説明になっている。まことにしろうとで不勉強かもしれませんけれども、新制度が生まれたならば現在の方式とどう違うか、それからまた該当者が申し込みを行なう場合に手続その他にも違いが生じてくるのか、扱いの方法もまた違ってくるのか、それをもとつお教えをいただきたいと思います。
○参考人(清井正君) いや、これは私の申し方が不十分であったから御理解いただかなかったと思いますけれども、仰せのごとくに、農林公庫といたしましては来年度から初めていたすわけでありますけれども、現在は近代化資金、いわゆる農林関係の系統金融機関でこれは融資をいたしておるものでございます。これを現在は六分五厘で貸しておるわけでございます。それを来年度から低利になります関係もありまして、農林公庫で行なうということになるわけでございまして、現在やっておりました系統金融機関、すなわち県の信用農業協同組合連合会なり県下の農林協同組合というものが農業者に貸しておりましたものを、そのまま私のほうが引き継ぐという形になるわけでございます。したがいまして、狭義の経営構造改善と畜産経営拡大、これは今まで近代化資金でやっておりましたものを公庫がやるわけでありますから、全然純新規ではないわけでございます。ただ公庫がやることで新しいという意味で申し上げたわけでございますが、今まで申しましたとおりの次第で、現在は民間の農業団体の系統資金で貸しておりましたものが公庫に振りかわるということでございます。条件は今申し上げましたとおり、今までは六分五厘で借りたものが今後は三分五厘になる。今までは貸付期間が十二年のものが二十年になる、条件が有利になってくるわけでございます。
 手続といたしましては、従来の場合におきましても、農業協同組合を通じて貸したり、あるいは信用農業協同組合連合会を通じて貸しておるわけでございます。私どもの公庫にこれが移って参りました場合におきましても、これは公庫が大部分は直接貸しをいたしていないのであります。大部分は県の信用農業協同組合連合会その他に委託をいたしております。したがいまして、ほんとうの需要者が貸付の申請をする場合には、最終の相手方は公庫になりますけれども、末端の手続等はおそらく従前どおりの手続になりまして、今までは農業協同組合で貸しておりましたのが今度は農協を通じて公庫に上がってくるということになるのではないかと思います。詳細の点はなお研究中でございますので、そっくりそのままになるというふうには申し上げませんけれども、大体借りられる方は今までどおりのような手続でもって、最終が農林公庫に来るというふうに、大体そういうふうに御理解願えばいいではないか、こういうふうに考えておりますけれども、なお詳細は目下事務的に検討を進めておる次第でございます。
○柴谷要君 貸付制度が変わって参りますというと、利用者が戸惑うことが往々にあると思います。そういうようなことのないように適切な指導を願うと同時に、今までは手近でやれたけれども今度は上へ上がってくるということになると、期間も要すると思います。これではなかなか利用者にとって便利にはならぬ。特に制度の意のあるところは、低利かつ長期のものにして、そのものにして、そうして迅速な手続で十分利用してもらおう、こういうあたたかい精神がこもっていると私は思うから、それについて間違いのないようにひとつ適切にやっていただきたい、これを特にお願いをいたしておきたいと思います。
 それから、現在の農林漁業金融公庫の三十八年度の資金は八百七十億でありますが、二百六億産投から投ぜられる。これに対する利息は要らないわけでありますか。その他資金運用部資金等の借り入れがありますね、これはなかなか高い利息だ、六分五厘という金額であなたのところへ行っていると思うのでありますが、これを使いながら、しかも大幅に引き下げた金利でいこうとするには、どうしてもこの利息のかからない金、産投会計あたりからたくさんつぎ込まなければならない、こう思うわけであります。これで十分と思いますが、それが一つ。資金のうちで産投会計からもらう金で十分と思いますが、これが一つ。
 それからもう一つは、農林漁業金融公庫の事業益金というのは大体百三十四億出ることになっている。それから事業損金は百三十七億。雑収入その他を入れますと益金というのが百四十億でありますが、損金のほうで百三十七億、こういう形になっておる。このとおり三十七年度の運営が、それが公庫としてできているかどうか、この二つをまず最初にお答えをしていただきたい。
○参考人(清井正君) 最初の御質問でございますが、ただいま申し上げましたとおり、非常に私どもの公庫の貸付金利なんというのは低い金利で出発いたしまして、またいろいろな事情によってだんだんとその貸付金利が低下して参る状況にあるわけでございます。したがいまして、六分五厘で借りますいわゆる借入金というものの割合が、申すまでもなく出資に対する割合が、これが多ければ、これだけ私のほうといたしましてはまあ経済的には負担になるという関係になりますので、そういった大きな観点から考えますれば、なるべく所要資金のうち出資金をいただきたいということは、率直に申し上げまして、そういう事情にあるわけでございます。本年度におきましても相当膨大な貸付をいたしまして、それについて二百二十億の出資をいただくことになるのでございますが、従来からいたしますと相当これは思い切った金額でございまして、貸付金額もふえましたけれども、出資も相当思い切っていただいておるわけでございまして、私どもといたしましては、全般の財政の状態からいたしますれば、この程度いただいたことは非常にありがたいと考えておるわけでございます。ただ、全体の傾向といたしまして、順次公庫といたしましてはだんだんと貸付金利が低下するという状況にあるということを将来の問題として私ども考えますと、本年度の問題といたしましては、相当私どもは思い切っていただいたのじゃないかというふうに率直に考えておるわけでございます。
 なお、三十七年度でございますが、ただいまほとんど年度末に至っておりますが、今までの実際の収入支出状況を見ますというと、別段年度途中でこれといった特異な状況も起こって参りませんでした。ただ、災害が年度末に起こりましたけれども災害資金の融資がまだ本年度そう上がってはおりませんので、大体計画どおり貸付も資金の運用等も進んでいるのでございますので、正確なそれじゃ数字はもちろん今申し上げられませんけれども、大体損益にしろ、収支にしろ、ここに予算上計上されておる、大体そのとおりにいくのじゃないかというふうにただいま考えておるわけであります。
○柴谷要君 公庫の運営に当たっておられます職員数は六百二十三人、役員が九人、こういう数字が予算の中に示されておるのでありますが、現在の職員は六百二十三人、役員は九人でございますか、正確な数字をお知らせいただきたい。
○参考人(清井正君) そのとおりでございます。現在役員九人、職員六百二十三人でございます。
○柴谷要君 この員数をもって十分な仕事ができ、利用者に不便をかけない、こういう自信の上で経営をなさっておると思いますが、要員不足というようなお考えはありませんですか。
○参考人(清井正君) これは当初に申し上げましたが、私どもの貸付いたしておりますうちの一五%程度しか直接貸付をいたしておらないのであります。残りの八五%はほかの金融機関に貸付の委託をいたしております。そこで、もっと直接貸付いたしますれば、この人数ではとてもできないのでありますが、現在のやっております状況では、まあ、この程度でまずまずやっていけると思っております。
 ただ、私の考えを率直に申し上げますと、ただいま支店を全国に九つ持っておるわけでございますが、これは受託金融機関がございますので、そう支店をよけいふやす必要がないのでありますから、この程度で済ませておりますが、今後貸付量がふえたり、貸付後の債権管理の問題等がだんだんと複雑になって参りますと、やはり公庫全体のそれに充当する職員の増加が必要になってくるのではないかと思っております。それは今後の問題といたしまして、その貸付の状況なり、貸付後の債権の状況によりまして、明年度以降財政当局とも十分御相談いたしたい、こういうふうに考えております。
○柴谷要君 私がこういう質問をしたのは、新しい制度になって組織も変わってきた。それと同時に、資金量の面においても相当ふえてきた。この二点の上に立って、現在の要員で十分な期待に沿った経営ができるかどうか。三十八年度これが決定になりますと、そういうことをすぐに四月から始めなければならない。それをこれから検討してなどということでなしに、これは理事者としては資金がこれだけふえる、それで新制度の上に立っていろいろな方法をとるということになると、現在の人たちに相当な労働がかかってくる、こういうことになると思う。そのことについて総裁としての御見解をお尋ねしておるわけであります。その点をお答え願います。
○参考人(清井正君) ただいまの人数は本年度の人数でございますが、明年度新規に、金額がふえて参りますと、八十二人の実は増員をお願いいたしておるのであります。この八十二人の増員の中で、その大部分は新しく貸付が起こって参りますのに充てたい、こういうふうに実は考えておりますし、支店を南北州に一つ置きまして、さらに人員を強化いたしたいというふうに考えております。したがいまして、この新しい増額、新しい事業の貸付のために相当人数をふやしておりますが、むろんこれで十分とはいかないかもしれませんけれども、私どもとしては最大の努力を払いましてこの事業の円滑な運営をはかりたい、かように考えております。
○柴谷要君 何といっても、人の和によって業績というものは非常に上がるものであります。その職員と理事者の間の感情についてはどのようでありますか。いいほうですか、悪いほうですか。
○参考人(清井正君) 私が申してははなはだ恐縮でありますが、私どもの公庫はできましてから十年、ちょうどここで十年になります。初め国の特別会計から出発したのでありますが、私どもの公庫の性格上、その職員は主として農林省、大蔵省、あるいは民間の農業関係の金融機関から人が集まっておるわけであります。そのほかに新規に採用した者が相当ございます。私ども今まで仕事をいたします上におきましては、人の和というものが大切であるということを常々モットーといたしまして運営いたしておりますが、まあ御批判を受けますれば批判はあるかと思いますけれども、私どもといたしまして、今まで最大の努力をいたしまして、借り入れ者の便宜のために努力をいたすということをモットーといたしまして努力をいたしたつもりでありますが、なお不十分の点につきましては、今後十分注意をいたしまして、できるだけ借り入れ者のためになるように努力をいたしたいと考えております。
○柴谷要君 事業が事業であり、かつ重要な金銭を取り扱うということで、確かに総裁の言われるような御意思で運営をしてもらいたいということを切にお願いしておきます。
 そこで、非常勤職員というものは十八人おりますが、これはどういう人で、どういう仕事をおやりで、一体月給はどのくらい差し上げておるのか、これをちょっとお聞きしたい。
○参考人(清井正君) これは本店と各支店にお願いしておりますお医者さんと看護婦さんでございます。私どもの厚生関係でございます。お医者さんと看護婦さんを委託しております。月に、はっきり覚えておりませんが、お礼の意味でごいざますが、お医者さんには一万五千円ぐらい出しておると思っております。正確にはちょっと申し上げかねますが、お医者さんと看護婦さんでございます。
○柴谷要君 まだまだ山ほど質問がございますが、非常に静粛になっておりますので……。(笑声)時間も来たようでありますから、これで打ち切って終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
○委員長(佐野廣君) 他に御発言もないようでありますから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐野廣君) 御異議ないものと認めます。
 それでは、これより本案の討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もないようでありますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐野廣君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。産業投資特別会計法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
○委員長(佐野廣君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって可決すべきものと決定いたしました。
 なお、諸般の手続等につきましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐野廣君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十七分散会
     ―――――・―――――