第043回国会 地方行政委員会 第15号
昭和三十八年三月二十六日(火曜日)
   午前十時五十二分開会
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     石谷 憲男君
   理事
           小林 武治君
           西郷吉之助君
           林  虎雄君
           市川 房枝君
   委員
           上林 忠次君
           沢田 一精君
           西田 信一君
           秋山 長造君
           鈴木  壽君
           松本 賢一君
           基  政七君
  国務大臣
   自 治 大 臣 篠田 弘作君
  政府委員
   文部政務次官  田中 啓一君
   文部省初等中等
   教育局長    福田  繁君
   文部省体育局長 前田 充明君
   厚生省保険局長 小山進次郎君
   自治省財政局長 奧野 誠亮君
   自治省税務局長 柴田  護君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       鈴木  武君
  説明員
   厚生省保険局国
   民健康保険課長 首尾木 一君
   林野庁指導部長 若江 則忠君
   自治省財政局交
   付税課長    山本  悟君
   自治省税務局市
   町村税課長  佐々木喜久治君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方公務員共済組合法の長期給付に
 関する施行法の一部を改正する法律
 案(内閣提出)
○地方税法の一部を改正する法律案(
 内閣提出、衆議院送付)
○地方交付税法等の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○地方行政の改革に関する調査(昭和
 三十八年度地方財政計画に関する
 件)
○オリンピック東京大会の準備等のた
 めに必要な特別措置に関する法律の
 一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
○委員長(石谷憲男君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 初めに、地方公務員共済組合法の長期給付に関する施行法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き質疑を行ないます、御質疑のある方は御発言願います。――別に御質疑はございませんか。――別に御発言もないようでございますので、本案についての質疑は終了したものと認め、これより討論を行ないます。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御発言もないようでございますので、本案についての討論は終局したものと認め、これより採決を行ないます。
 地方公務員共済組合法の長期給付に関する施行法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。
 本案を、原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
○委員長(石谷憲男君) 全会一致であります。よって本案は、全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本案の審査報告書につきましては委員長に御一任願います。
○委員長(石谷憲男君) 次に、地方税法の一部を改正する法律案、地方交付税法等の一部を改正する法律案並びに昭和三十八年度地方財政計画に関する件を一括して議題といたします。
 前回に引き続き質疑を行ないます。自治大臣、自治省当局のほか、首尾木厚生省保険局国民健康保険課長が出席しております。それでは御質疑のある力は、順次御発言願います。
○鈴木壽君 今度の健康保険税の減税についてお伺いしたいのですが、調整交付金の中の一部の四十二億で保険税の減税を行なう、こういうことでありますが、それをもう少し具体的に、どういう内容のものであるのか、これをひとつ、今度の法改正の中には政令等によってきめなければならぬことが幾つかあるようでございますけれども、それを今の段階で考えておるそういう具体的なことについて、いま少しくお話を願いたいのですが。
○政府委員(柴田護君) 国民健康保険税の減税の基準は政令できめることに実はいたしております。で、政令の定めるところに従い条例できめる、こういう立て方にいたしましたのは、この前説明申し上げましたように、市町村によりまして国民健康保険税の賦課の仕方がいろいろ態様を異にいたしておりますのと、それから調整交付金による補てん方法、計算その他につきまして、なお若干精緻な計算を要する部分があるという二点から、政令に基準を定めて行なうということにしたのであります。
 その政令の基準につきましては、まだ確定的な点までできておりませんが、大体の気持といたしましては、府県民税の総所得が九万円以下の者につきましては世帯別平等割と均等割の両方の半分程度、つまり応益割の半分程度でございます。それから、四人世帯でその世帯に属します者の所再の合算額が、十五万円から九万円程度の間の者、この者につきましては大体応益制の三分の一程度を軽減する、こういうことで政令で基準を書くようにいたしたい、かような考え方でおるわけでございます。
○鈴木壽君 そうすると、大体予想せられる額としてはどの程度の減税になるというふうに見ておりますか。
○政府委員(柴田護君) 大体現在で九万円以下の所得の者の負担が平均いたしまして三十六年ベースでございますが、これで大体二千円程度であります。この者につきましては応能割がございませんので、大体半分程度と申しますか、約千円程度というものが軽減になる。それから十五万円から九万円程度の者につきましては、現在負担が二千五百円前後でございます。その三分の一程度と申しますと大体七百円前後の軽減になる、かようなめどを立ててありますけれども、実際には少し計算を詳細にいたさなければそのまま出ませんけれども、大体その程度になろうかと思っております。
○鈴木壽君 今回のはいわば低所得層に対する減税だ、こういうことになると思いますが、お話の九万円以下の者に対するそれと、四人世帯で十五万円から九万円の分と大体二つに分けて考えておるようでありますが、そうしますと、今お尋ね申し上げたように、それ以上の所得のある者については今回の減税のそれは及ばないと、こういうことになるようでありますが、この点いかがでございますか。
○政府委員(柴田護君) お説のとおりでございます。
○鈴木壽君 この保険税の負担の状況を見ますと、今度の改正で減税の対象になる人たち、こういう人たちの負担というものは重い。特に他の税金等との比較においてそういうことがはっきり出ておるのでありますが、それ以上の人たちでも、これは相当大きな負担をしておるわけなんであります。こういう、もっとたとえば十五万円をこえた人たちに対する保険税の減税というものを考えておられないのか、どうかですね。この点はどうですか。
○政府委員(柴田護君) おっしゃるように、国民健康保険税負担と申しますか、国民健康保険の負担という形からいいますならば、これらの負担の重い現状から、これを軽減する方法としては二つ方法がある。一つは、給付率を引き上げて本人負担分を減らしていく、それから保険税なり保険料なりというものの軽減の両方法あるわけでございますが、今回は低所得者につきましては国民健康保険税ないしは料というものの軽減というものを考え、全般的には世帯主に対します給付率を十月から七割に引き上げる、それによりまして本人負担分を軽減する。こういう両様の措置をとるということになった次第でございます。
○鈴木壽君 お話のように、確かに給付の率を引き上げることによって、また負担も軽くなるというようなことはもちろんありますが、今、私が当面問題にしていますことは、いわゆる税率としての負担分ですね、これについて今回とられる措置以外に今回はないようでありますけれども、今後としてはどういうふうにお考えになっているのか、実は私はこういうことをお聞きしたいのであるが、このままでいくのかどうか――といいますのは、実はこれは私は、厚生省のほうからも来てもらいたいと思って要求しておりますが、今回の減税の措置は、将来こういうものをやるということを意味しないのだというようなことを言ったように、これは新聞の記事として、関係業界新聞といいますか、そういうものの記事として見ているのであります。だとしますと、今の国民健康保険税そのものに対して、一体どういうふうに考えているのか。実はこの点を、出席してもらって聞きたいと思ったのですが、そういう意味で、皆さんとしてはこれをどう考えているのかということも、この際聞いておきたい、こういうことなんであります。
○政府委員(柴田護君) 私どもといたしましては、今回の国民健康保険税の負担の軽減の程度をもって満足しているわけではございません。ございませんが、国民年金その他、いろんなものとの関連を考え、そうしてまずこの程度でことしはいたし方ない、将来国民健康保険に関する負担を総合的に考えて、そこには従来から社会保険論というものがあるわけでございますが、これにどのように社会保障的な考え方を組み合わせていくかといったようなものを総合的に考えて、負担の制度のあり方を考えていかなければならないと思います。また、その辺につきましては、国民健康保険の負担を将来どういう形にすべきかという問題につきましては、若干むずかしい議論がございまして、われわれといたしましては結論を得ておりません。得ておりませんが、現在の、今回行なおうといたしまする軽減の程度で満足しているものではない、こういうことだけ申し上げたいと思います。
○鈴木壽君 国民健康保険の負担の高いということは、これはもう今始まったことじゃございませんし、さらにこのままほって置くと、将来もっと高くなるのじゃないかという、そういうことも心配されるのです。根本的には先ほどあなたのおっしゃったように、給付の率なり、内容を高めていくことによって、実質的な負担というものの軽減になる、あるいはもう一つは、これに対する国民健康保険財政に対する国民の負担と言いますか、あるいは今、補助金というような形になっておりますが、こういうものの引き上げをやっていかなければならぬのじゃないか、こういう両面からのことを考えていかなくちゃならぬ問題だと思うのです。しかし、とりあえずこういう今回の、いわばそういう根本にあんまり手を触れないで、財政調整交付金というような形の中で処理をしようとすれば、この減税の問題を私は若干不満でありますけれども、ともかく一応幾らかでもの減税が今回とられた、しかし、これでいいというような考え方が、もし政府で持っておられるとすれば、おかしなことじゃないか、こういうふうに思っているのであります。これは直接あなたなり、自治省に関係したことじゃないのですけれども、先ほど申し上げましたように、保険局長が話したという言葉の中に、こういうふうなことが言われているのでありますが、「新年度は低所術者の保険税を減税するが、これは将来も保険税を引き下げていくことを意味しない。」こういうことを先般局長が、全国民生主管部局長会議と同衛生主管部局長会議で述べたということを業界新聞記事で見ましたので、はたしてこれはどういうことなのかと考えています。もっと申しますと、「減税は約四十二億円で、減税額はそれぞれの実態によってことなるが、単に税法上、名目上のものでなく、今までに払っていた保険税の半額におよぶ減税をする。これにより国保の地ならしは一応完了する。」と、こういうことまではっきりもし言い切ったとすれば、さっきからしばしば申し上げておりますように、この被保険者の負担というものは一体どう考えているかということを、根本的な問題として聞きたかったのでありますが、これはまずさっきみたいに、あなたが直接のあれじゃございませんから何ですが、私はこういう問題に対しては、政府部内で国民健康保険というものをどう考えるか、また、あるいは被保険者の負担というものをどう考えていくかということを、これは大きな問題としてやはり政府部内での意思統一がはかられておらなければならぬ問題じゃなかろうか、こういう気持からちょっと聞いてみたわけなんです。大臣、こういう問題の処理にあたって、昭和三十八年度の予算編成の際に、こういうことに対して何か話し合いがあったのでございましょうか、大臣、どうでございましょうか。
○国務大臣(篠田弘作君) そういう話はありませんし、自治省として、今税務局長が答えたように、そういう考えは持っておりません。
○説明員(首尾木一君) 保険局長が参っておりませんので、私からその点について私どもの考え方を補足説明させていただきます。
 ただいま先生から申されました局長の発言の点でございますけれども、内容が要約されておりまして十分意を尽くしておらないように思うのであります。私もその局長の発言の際に出ておったわけでございますので、その内容を存じておりますが、申した趣旨は、これから給付内容を改善いたしますにあたりましては、現在の保険税の水準というものからこれの絶対額をどんどん引き下げていくということ、これはなかなかいろいろな問題がある、当然今回の減税措置をもってこれで十分なものというふうに、私どもは考えておらないわけでありまして、総体的に全体といたしまして、国民健康保険税の中で重くなっている分については、これはやはり今後とも十分これについて適正な負担ということを考えていかなければならないということは、これはもう申し上げるまでもないことであろうと思います。ただ先ほど自治省のほうからも御説明がありましたように、給付内容の改善を行なって参りますので、税といった形でなくて、給付の面において多くのものを受けることになるわけでありまして、その給付と対応するだけのやはり全体の、たとえば健康保険等との均衡のある保険料――保険税は保険料の姿の変わったものでございますが、そういった体系というものを考えていかなければならないと思うのでありまして、ただ単純に全般的に申しまして、いろいろの今日の保険者ごとの保険税の実際のあり方としましては、必ずしも統一のとれた形になっておりませんので、それらの全般について、もう直ちにそのすべてのものについてこれを引き下げるということについては、いろいろ今後検討すべき問題があるというような趣旨のことを申したわけでございます。で、おっしゃいましたように、国民健康保険税につきまして、これを給付改善をします場合には、当然費用がかさんでくるわけでありまして、この費用をどのように一般財政によって負担するか、あるいはそのどの部分を保険税によって負担するか、どの程度のものを保険税によって負担するかということが今後の国民健康保険の給付改善にあたっての最も重要な問題でございまして、その際に私どもは税の適正負担ということを考えながら、過重負担にならないように一般財源を繰り入れるように努力して参りたい、かように考えておるわけであります。
○鈴木壽君 あとでまた保険局長が来られた際に、その発言の真意を聞きたいと思いますが、これは今課長のお話では、もちろんこれから検討していくということなんでございますけれども、他の保険のそれと比べてみた場合に、これはいかなる点から見ても、今の国民健康保険の、何と申しますか、税金あるいは給付の実態等からしまして、重い負担だということだけはあなた方だって認めざるを得ないと思うのです。いろいろ数字的に出ておるのでありますが、そういう面からいっても、私はこの際に、実は根本的な国民健康保険に対する対策を早く立てなければならぬというふうに思っておるのであります。ただ、さっきも申しましたように、その過程で今回のような措置がとられた。これは部分的なことからしますと、一つのこそくな手段だと思うのでありますけれども、まあいずれにしても、それによって特に低所得者層が負担の軽減がはかられるということに対しては、私もその意味では賛成でありますけれども、しかし、今後の負担の軽減というような問題は一応これでピリオドを打つのだというようなことにもしなりますと、これはおかしなものじゃないかというふうに思ったわけなんであります。もちろんこういう新聞の記事でございますから、発言そのものを速記のままで載せたものでもない、いわば要約されておる。その要約も、記者諸君のまとめ方によってこれはいろいろ場合によっては真意を伝えないということもあるだろうとは思いますけれどもね。ですから、私は局長からはっきりした考え方をこういう機会に聞きたい、こういうつもりであったわけなんであります。
 なお、くどいようでありますが、さっき申し上げました局長の話のあとに、こういうことも述べられたように伝えられておる。で、「国保の地ならしは一応完了する。この立場から国保は日進月歩の医学をとり入れ、それを保険料で負担するという正常な姿にしたい」のだ。「本来、利益をうける被保険者が他人のフンドシで内容の充実を考えたり、運営の基礎とすべきじゃない」のだという、こういうことまでもし言ったとすれば、これは一体どういうことなのかというふうに私は受け取ったものですから、さっきからそれに対して――方また政府部内でこういう話し合いがどういうふうになっておるのかということもお聞きしていきたいというふうに思ってお聞きした次第であります。これはあとで局長が来られてからお聞きしたいと思います。
 今回調整交付金で、そのうちの四十二億というものでこれを減税に振り向けて減税をするということなんでありますが、従来考えられておりましたいわゆる調整交付金というものの性格が、今回の措置によってだんだん変わってきておるように思うのですが、これは保険課長さん、どうです。従来は中央経費の総額の五%というものをめどにして、しかし、これはそのまま補助の形で財政に組み入れらるべきじゃないのだという建前で、いろいろな要素からそういうものを計算して交付しておったはずなんであります。それがいろいろなものが、減税分もそれに加わってくる、それから他の給付の引き上げ等によって必要な経費もこれに含めて考えてしている、三十八年度予算はそういうふうになっておると思うのであります。そうなりますと、これは従来の調整交付金の考え方、特に普通調整交付金と特別調整交付金、こう分けて二本建てにして交付をしておったそういうものとは違った形で今度考えなければならぬじゃないだろうか、こう思うのですが、そこら辺一体どういうふうにこの調整交付金というもののあり方というものを考えていけばいいのか、その点をひとつお聞きしたいと思います。
○説明員(首尾木一君) お話のように、調整交付金は従来の内容と若干変わりまして、新しい意味が付加されたということになるわけであります。で、総体の調整交付金を従来のようなやり方によって配ります部分と、それから四十二億円の減税に充てられるべき部分と、それから三十九億円の給付改善に充てられるべき部分、これに分けまして、三十八年度にはそれぞれの別ワクをもってこれを交付するというふうな仕組みにしたいと考えておるわけであります。本来調整交付金は、国民健康保険の保険者の財政能力に応じまして、これを交付する性質のものでございまして、その意味におきましては新たなこのような部分と、従来の部分がどのように帰納をしてくるかという問題はあるわけでございますけれども、特に今回は低所得者の減税ということについてこれをぜひ行ないたい。それから一方において、また世帯主の七割給付、これもぜひ市町村に行なってもらいたい、かように考えましたので、その部分は特に別ワクにしまして、これを交付するということが適当かと考えて、このようにいたしたわけであります。いずれにいたしましても、その部分も結局は保険財政の軽減に役立つことになるわけでありまして、従来の部分によって交付されますものは、これは端的にその地域の各保険者の国民健康保険財政の収入能力というもの、財政能力に応じまして配分される。それから減税の部分は、特に低所御者の多い地域に多く配分される。それからさらに七割給付の部分というのは、これは全国に世帯主一人当たり定額のものを交付しまして、最も七割給付がやりやすいような形で配賦するということになり、まあ結果といたしまして、その部分もやはり七割給付による保険料の引き上げということが緩和されることになるわけでありますが、相当程度緩和されることになるわけでありまして、全体としましてそのような形で国民健康保険の保険者の財政を調整していくということが当面の措置として最も適当であろうというふうに考えておるわけであります。
○鈴木壽君 そうしますと、三十八年度の予算で調整交付金は相当な額になりましたが、これは従来のような交付の仕方をする、それはひとつそのまま持っておる、それから給付の改善、地域差の撤廃というようなものを含めて、給付の改善に要する経費も今回はこれに積み重ねた。それからいま一つは、低所得者に対する減税を行なう財源としての四十二億もこれに積み重ねて、合わせ舌七十何億ではざいますか、これを調整交付金として三十八年度予算では見ておるんだと、こういうことなんでございますね。その点はそういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○説明員(首尾木一君) そのとおりでございます。
○鈴木壽君 そのうち、私は保険財政というもので見て参ります場合に、保険税の問題を考えてみます場合に、今の三十八年度から新たに積み重ねられた給付の改善に要する経費並びに減税に要する経費と、これを別にして、従来の方式の、いわゆる普通調整交付金と特別交付金に分けられた金ですね、これについて見た場合に、個々の団体になりますと、これが必ずしも五%なら五%というような形で入っておりませんね。これは交付金の建前から、そういうこともあり得るんだし、当然だとも言えるわけなんですが、そうします場合に、保険税の負担を計算する場合に、一応そういうものは国庫補助金のほかに調整交付金五%も入っている。たとえば数字的に申し上げますと、二五%の国庫補助金、五%の調整交付金、三〇%入っていると見る。そうしてあとは任意給付、その他で二〇%見る、そのワクで保険税の負担すべき額をきめていく考え方だと思う。そうなると、個々の団体で違ってきて、必ずしもこの算式でもっていいというわけにいかない要素が出ていると思うのですが、その点については厚生省はどういうふうに考えておりますか。
○説明員(首尾木一君) おっしゃいますように、個々の団体につきましては、普通調整交付金の税率といたしまして、必ずしも全部一様に流れるというものではございません。これは交付されない団体もございますし、それからさらに一〇%程度あるいはそれ以上に交付されるというような団体もあるわけでございます。個々の団体におきまして保険税を考えます際には、先ほど申し上げましたが、三十八年度について申しますと、減税対象者について減税すべき額、それから十月から世帯主七割給付を行なう際の三十九億の定額の補助金全部分というものはやはり国から参るわけです。これは確定的に参るわけでございますから、その部分が計算に入れてあるわけでございます。それから御承知のように、従来から行なっております定率の国庫負担部分というものも計算に入るわけでございます。それからなお調整交付金につきましても大よその交付を受けるべき額というものにつきましては、現在の方式を当てはめた場合、保険者としまして、大体どの程度のものがくるかということで推定できるわけでございまして、そのようなことによって、各保険者がどの程度の額を負担するかということを計算いたしまして、それによりまして保険税を課するということに相なっております。
○鈴木壽君 それはお話はわかりますが、そういうことはわかっていながら実は聞くのでありますが、ちょっとこまかいことなのですが、私のお聞きしたいのは、一般的に保険税を計算する場合、さっきちょっと数字を申しましたが、二五%は国の補助だ、五%は調整交付金、これを含めて三〇%というものをまず差し引いて、あと二〇%、これと任意給付に要する額あるいは療養所の施設等に要する費用としてそれぞれ一〇%ずつを見て、ちょっとはみ出るところもありますが、いずれ四〇%というものを保険者の負担するものとして保険税として、いろいろ応能割とか応益割という形に分けて、保険税として取るわけですね。そうした場合に、個々の団体からしますと、五%というものはまるまる見られないのではないか、こういう団体もある。中にはお話のように、五%をこして一〇%の団体が出てくる、あるいはこの計算の仕組みからしますと、一%にならないところも、全然いかない団体もありますね。そうしますと、計算自体が個々の団体からしますと、おかしなものじゃないか、そこで、私はもっとこの保険者負担というものを考える場合に、この率の問題を国から出す、あるいは調整金として出すこういうものと、他の残りの部分ということについて、個々の団体として考える場合には、もっと違った計算方法をとらないといけないのじゃないだろうか、こういうふうな感じもするわけでありますが、その点はどういうふうに考えたらいいかということなのであります。申し上げることはわかりますか。
○説明員(首尾木一君) 現在、一応標準といたしまして、療養給付費の総額の何%というようなことで、地方税法にその標準か規定されているわけでございますが、これはただいま先生の申されました中でも、たとえば保険施設に要する経費というようなことになりますと、各保険者によりまして、それぞれその必要度も異なっておりますし、現実にそのパーセントというものは、これはすべての保険者が一様にその程度のものを受くべきであるということでは必ずしもないのでございます。したがいまして、地方税法としましては、全国標準として、従来は百分の八十でございますけれども、おおむねその程度の標準の保険税を課すればよろしいという、その標準を示したものというふうに考えておるのでございまして、実態的には、これを幾らとするということを国の法律なり、あるいは全国的に標準的に当てはめるようなものを、これを定めてしまうというようなことはなかなか技術的にも困難な問題がある。まあかように考えておるわけであります。
○鈴木壽君 標準的に定めることだから、各市町村の実態からしますと、必ずしも標準どおりはやっておりません。特にあなたが今述べられましたような、療養所の施設等に対する必要経費とか、そういうものの見方なんかになりますと、各町村では一割どころではない、ずっと低い率で見ておるんであります。そういう実態も私はわかります。ただしかし、一応標準点でものをやるにしても、今の個々の団体については必ずしも見られないようなものを、五%をそのままぶち込んだような格好で、そういうような計算でいくべきだという一つの標準を立てること自体に現実と違ったものが出てきやしないか。あといわゆる任意給付なり、あるいは施設に対する経費の見方というものは、これは各町村の実態で私は税を賦課する場合にどの程度と見るか、どの程度の必要があるのか、こういうことは私はそれはそれでいいと思いますが、少なくとも国からいく今の金をそういうふうに一律に見てしまって、これは標準だ、実際に入る額を予想し、税を考えたらいいんじゃないか、こう言えばそれまででありますけれども、そこに私は、一つのやはり問題として検討されなければいけない問題があるのじゃないか。こういうふうに思うわけなんですがね。その点はその程度にしまして、今度調整交付金が総体の八・八%程度になる、こういうふうなことのようでありますが、これからもっていきますと、現在が百分の八十になっておりますね。これが今度は百分の七十五になる、こういう数字が今度の改正で出ておるんでありますが、これはどう計算すれば百分の七十五になるのか、ここをひとつ。
○説明員(佐々木喜久治君) 税の負担の総額の計算は、療養給付に要する経費から一部負担金の額を控除した額の何%というような計算方式になっております。今度世帯主の部分につきまして計算をいたしますと、七割給付になります関係で、一部負担金の額が三割になってくるわけでございます。したがいまして、百から三割を差し引きますと七十が残ります。この七十に従来の百分の八十をかけるということになりますと、その割合が五六%という高い率になるのです。しかしながら、その他の家族につきましては、従来どおりの計算で、その一部負担金は五〇%でございますから、従来どおり百分の八十でよろしいわけであります。それで、この世帯主につきましては、そうした一部負担金の額が上がります関係から、国民健康保険の平均的な世帯の員数は大体四。二くらい、そういう計算から世帯主の七割給付の部分はおおむね四分の一程度影響するという計算をいたしまして、この世帯主の部分と、それから世帯員の部分というものを計算して、大体従来どおりの負担、さらにこまかに申し上げますと、世帯主が七割給付になります関係で、国庫負担金が一割五分ふえて参りますが、その五分を世帯主の負担にかぶせる計算をいたしまして、平年度の場合にはおおむね百分の七十五、それから初年度の場合はおおむね百分の七十六というような計算が出て参ります。その平均的なところをとらえまして、一応百分の七十五というような計算をしておるわけであります。
○鈴木壽君 ちょっとそこら辺ややこしい。数字的にめんどうですね。あとでお聞きしますが、今までの百分の八十を出るものは単純に、単純というと悪いけれども、出てきますね。世帯主が七割給付になるのだ、今度それに対する国庫補助の問題やらいろいろからんで、一般の何といいますか、家族の人たちの問題もこれはあるのですが、ああいうものもいろいろからんで出てきたというのでありますか、ちょっと今お話だけでは、私すぐ数字的な問題ですからびんときませんから、あとでお聞きすることにします。
 そこで保険局長がおいででございますから、保険局長にお聞きしたいのです。あなたが、全国の民生部長会議ですか、衛生部長会議ですか、そういう主管部長の会議の際に、今度の国民健康保険の内容の改善なりあるいは負担の問題についてお話しなさった、その要点というのが、これが国保新聞に載っておったのであります。そこで、これを見ますと、三十八年度では、低所得者の保険税を減税するが、これは将来も保険税を引き下げていくということを意味しない。「減税は約四十二億円で、減税額はそれぞれの実態によってことなるが、単に税法上、名目上のものでなく、いままでに払っていた保険税の半額におよぶ減税をする。これにより国保の地ならしは一応完了する。」こういうふうにおっしゃったということがこの記事に載っておるのでありますが、そこで私この記事は、あなたの言葉の全部の速記でもないでしょうし、要約された形でこういうふうに載っておると思いますが、ただ私この記事を読んで感じましたことは、今回の低所得者に対する減税、四十二億を用いての減税ということはけっこうなことだと、しかし、これであると保険税が非常に高いということでいろいろ住民の間に問題になっておるその問題に終止符を打つのかどうか、打つということなのかどうかということをちょっと疑問に思うわけでして、また心配もあるわけなんであります。そのあとに、「この立場から国保は日進月歩の医学をとり入れ、それを保険料で負担するという正常な姿にしたい。本来、利益をうける被保険者が他人のフンドシで内容の充実を考えたり、運営の基礎とすべきではない。」こういうこともおっしゃったように、記事にあるのであります。これは真意はどういうのか、これひとつこの機会にお聞きしておきたいと、こう思いまして出席をいただいたわけなんです。この点について。
○政府委員(小山進次郎君) 先生御引用のものによりますと、たいへん品の悪い言葉を使っているのでございまして、そう言われれば、ついそういう言い方をしたのかというようなことを今お話を承りながら思い出しておったわけでありますが、私が全国の民生部長諸君に申し上げました趣旨は、いずれにしても国民健康保険税なり、あるいは国民健康保険料は、これは一部負担と結びつきまして、いわば医療費の肩がわりをしておるわけでございます。そういう点から見まして、今われわれが気になる点が二つあるわけでございます。一つは、一部負担ということは相当高い割合に置いてある。それからもう一つは、受益の内容に比べて少なくとも感じからいうと、受ける人々は保険料が非常に高いというふうに感じておる。のみならず、ほかとの比較から見てもどうもそういうふうに言わざるを得ない実態になっている。この二つの問題があるわけでございます。究極の姿としては、富める被保険者であっても貧しい被保険者であっても、とにかく病気になったときには平等にこの保険の利益は受けられるようにしたい。こういう気持をもって問題を考えているという前提で話をしたわけであります。そういうふうに考えてみた場合に、今の一部負担の割合というものは、結果においてはどうしても富める被保険者が利用しやすくて、貧しい被保険者が利用しにくい結果になっている。これは保険料なり保険税の負担が事実上苦しいという問題を別に、単にそれを除いても、全然保険税なり保険料というものが無料であると仮定しても、今のような高い自己負担の率をそのままにしておいたのでは、貧しい被保険者は将来ともに国民健康保険の利益を富める被保険者と同じように受けることができない。その意味においては、国民健康保険としては、何とかしてこの自己負担の率を貧富にかかわらず利用しやすい程度に下げていくということが、何といっても究極的なねらいになる。こういうふうな考えを言ったわけでございます。そういう面から考えてみると、今後に残っている問題として常にわれわれが努めていかなければならぬものはその問題である。それをやるためには国庫負担というものは当然たくさん入れていくということを考えなくちゃいかぬわけでございますが、しかし、全部を国庫負担でやるのだというふうに考えるのはどうも工合が悪いじゃないか。やはりこれは何といっても医療費の肩がわりなんで、そうでなければ自分が支払ったものが回ってくるわけでありますから、負担できる限度においては自分で負担をしていくという気持で考えていかないというと制度が育っていかないというふうに思う。そういうふうな考え方から見るというと、三十八年度において実施をしようとする程度の規模の減税措置というものを低所得階層に対して集中的に行なえばまず大体地ならしというものはできるというふうに考えられるが、今後は何とかして内容の充実というものに相当スピードアップした力を振り向けるようにして考えていきたい。こういうようなことを申したのでございます。
○鈴木壽君 大体お考え方はわかりますが、私あなたのおっしゃったという前段のほうの記事から、それからまた、今も最後にお話がありましたが、現段階において一応の地ならしが終わったんだ、こういうことから感じますことは、これは根本的な一部負担の問題あるいは給付内容の問題まあいろいろあるでしょうが、とにかく現在の保険税なりあるいは保険料が高いということは、これはあなた方もお認めになっていらっしゃるだろうと思いますし、高いにもかかわらず、給付内容に至っても他の保険等と比べて今までは劣っておった、こういう問題があるわけなのでありますが、こういう中で保険税の減額を今回やったような措置で、これでもう保険税の減税を今回の三十八年度行なうこの措置で一応おしまいなんだ、こういうふうに言ったものと私は受け取ってしまったわけですね、この記事からですね。だとすれば、一体今言ったように、いろいろな根本的な問題はありますが、はたしてこれはどういうことかなというふうに思ったわけなのであります。もっと端的に申し上げてお聞きしたいのですが、将来とも減税という問題を取り上げてこれに対する財政的な措置をしていく、こういうふうに今考えておられるのかどうか、この点はどうですか。たとえば三十八年度はこの程度であるけれども、三十九年度ではこういうふうにしたい、また、こういうふうにすべきであるというふうなお考え方はございませんか。
○政府委員(小山進次郎君) あまり断定的に申し上げることは避けなくちゃいかぬと思いますけれども、気持を申し上げますならば、大体税のほうに対する地ならしというものはほぼこの程度の規模にしておいて、実態を、この程度の保険税なり保険料であって、しかももっと内容の豊かな、国民健康保険に育て上げていく。そのためには当然その面に多くの国の負担を入れなくちゃならんわけですから、そういうものにしたいという考え方でございます。
○鈴木壽君 お話しの、今の保険料なりあるいは保険税というものについては大体この程度にしておく、しかし反面、給付の内容において、それを充実させ引き上げていく、こういう方向で考えていきたい、その際に要する経費等については、いわゆる被保険者の負担ということにならない格好でやっていきたい、こういうことを含めてのお話でございますか。
○政府委員(小山進次郎君) 先生の仰せのとおり、内容とそれから保険料あるいは保険税との関係におきまして、かりに同じ保険料なり保険税であっても、内容は、年を経るごとにもっともっと豊かな内容の給付が制度を通じて得られるようにしていく、こういう考え方でございます。その意味において、そのときの状態で相対的に考えてみて、保険料というものあるいは保険税というものは、昔あった国民健康保険の内容と保険税の関係と比べれば、相対的な意味において軽減されていく、そういう趣旨は何とか実現して参りたい、こういう気持でおるわけであります。
○鈴木壽君 私はもっともっと欲ばった考え方なんですがね。給付の内容も引き上げていくと同時に、保険税なり保険料、これももっと軽減するように考えられないかということなんですが、少し欲ばり過ぎますかな。いかがです。これは国民健康保険の根本に触れる問題だと思います。ここで実は税の問題だけ取り扱えばいい問題で、いろいろな根本的な国民健康保険のあり方というような問題、ここでは私遠慮したいと思いますが、それにしても国民健康保険というものを一体どう思っておるかということにかかってくると思うのですからね。私は今言ったように、もちろん給付も、現在の五割が、今度世帯主が七割になるばかりでなくて、家族であってもとりあえず七割、本人は私は百パーセント給付を受けられるようにすべきだとこう思うが、とりあえずそういうふうになる。しかし、保険料はこれでいいんだということでなしに、保険税もあるいは保険料も、今のあれからしますと、私は決して安くないと思う。国民の所得の状況、税負担の状況、あるいは他の保険の料金等からしまして、私は安くないと思う。今度三十八年度に行なわれるのはいわば低所得者の減税で、これはもちろん私は賛成でありますけれども、これでもってあとはいいんだという考え方は、私は実はそれでとどまるなら残念だと思うのです。少し欲ばっていますかね。いかがです。
○政府委員(小山進次郎君) これは先生おっしゃるように、両方できればそれは望ましいことだと思います。ただ、どうも頭の中でいろいろはじいてみますというと、とにかく今の国民健康保険の給付内容というものを、ほんとうに富める人もそうでない人も同じように利用できるようにする程度に充実させるためには、相当多額な国の負担を、しかもきわめて短期間に注ぎ込んでもらわなくてはいかん実情にあるわけであります。非常に、自分たちがこういう制度をやりながら、こういう申し上げ方をするのは恐縮でございますが、今のままでございますと、貧しい人にとっては、国民健康保険という制度は非常に中途半端な制度になるわけであります。その面をついて、貧しい者を収奪する制度だという批判をする声さえもあるわけです。何とかしてそういう姿をまずなくするようにいたしたい。しかしできるだけやはり負担も減らしていく。少し私はっきり言い過ぎたような傾向もありますが、両方を考えて参りますけれども、ウエートは、やはり何とかして国民健康保険の内容というものを充実させるというところに、つまり両者を合わせて考えていきたい、ねらいはそういうねらいでございます。
○鈴木壽君 だいぶあなたは慎重でして、あるいは今の段階ではこうしたいのだとかこうすべき、だと言っても、たとえば三十九年度の予算措置の場合は一体どうなるかというようなことを考えると、そう軽率なことといいますか、自分たちの考えだけを述べられないだろうとは思います。しかし、考え方としては、私はやっぱり今の国民健康保険というものの根本的なあり方ということに対して、患者の一部負担の問題あるいは税の問題等を含めて、一体国がこれに対してどういう責任を持つべきかということについて、根本的に考えなければならんときだと思うのです。国民皆保険ができたといって、やっても、今のような形でいったのでは、これまたあなたの言葉の中にもちょっとありましたが、いろんな非難が出、批判が出、さらにそっぽを向かれるというような事態も私は出てくるのじゃないかという心配もあるわけなんです。そうした場合に、私は両面から、一部負担の問題もさることながら、税の問題でも、今のような形にしておいて、ただ内容だけを幾らか引き上げていきたいのだということは、私はうまくないと思うのですがね。これは私、今申し上げましたように、根本的にメスを入れなければならん、あり方について根本的に考えなければならん、ほんとうにこれは社会保険としてやっていくのか、あるいは社会保障としてはっきりやっていくのか、こういうところにあることを前提にして言うのだが、ただ、今取り上げていることは、表面に現われた給付の問題と、それから税の問題だけを申し上げているのでありますが、あるいはそういう意味で、十分私の気持が言い表わせないところがあるかもしれませんが、したがって、私はそういう点からしまして、税は現状でいいのだというふうな考え方で、これでいいんだという考え方で進まれるというようなことになりますと、私は残念だと思うのですがね。やっぱり当面税はこのままで、今回の三十八年度の低所得者に対する減税で一応の地ならしは終わった、今度は内容だ、こういうことでお進めになる考え方なんですか。やっぱり考え方として私は聞いておきたいのです。
○政府委員(小山進次郎君) 三十八年度の予算をきめます際には、大体先ほど申し上げましたような大まかな判断をしておったわけでありますが、もちろん、実際の状況というものは、やってみた結果、どうもやはりそれでも不十分じゃないかということになって現われるという可能性が全然ないとは言えないわけです。そういうふうな事実が明らかになりますれば、これは当然、先生おっしゃるように、さらにもっと大きい規模の減税というものを考えてやらなくちゃならんと思います。そういう可能性は私ども十分頭に置きながら対処して参りたい、こういう気持でございます。
○鈴木壽君 局長には、衆議院のほうの社労で至急出席するようにという要求があるようでございますから、いずれまた根本的な問題については、あとでお聞きする機会もあろうと思いますから、これでやめますが、ただ最後に、今度の税の軽減において、九万円以下の者、あるいは十五万円以下の者、家族持ち十五万円以下の者というような程度では、自治省が調査しましたこういう資料、あるいは他のいろいろな保険の負担のそれと比較してみた場合、やはりこれでいいのだということにはならんと思うのです。かりに十五万円から二十万円までの者、あるいは二十万円から二十五万円までの者、三十万円までの間の者は相当大きい負担をしているのですね。税そのものだけではなしに、この一部負担の問題と合わして考えてみた場合に、あたりまえであれば、所得税や住民税ですか、所得税を納めなかったり、あるいは住民税をごくわずかしか所得割としては納めない。そういう人たちが、しかし、この保険の税としては相当多額に負担をしているという調査もはっきり出ているのです。これは今に始まったことではございませんが、こういうものから言って、私は事を押し進めていく場合の一つの順序として、二つも三つもあるやつも全部一緒に片づけるということは、なかなかむずかしいというようなことも一応ありますけれども、この税の軽減ということに対しては、もっと根本的に考えていかなければならない段階に来ているということを申し上げたいのですが、この点についてひとつ、くどいようでありますが、お答えを聞いて、あと衆議院のほうに出席方要求されておりますから、これで終わりにしたいと思います。
○政府委員(小山進次郎君) 現在の保険税が被保険者にとってはたしてこれでいいかどうかという問題、先生おっしゃいますように、ずっと私どももいろいろ検討した問題でございます。現在のままではいかぬだろうという大まかな判断については、私どもも、それから自治省のほうも、そういう考え方を持っているわけでございます。そういう意味合いにおきまして、先生が仰せになったようなことを絶えず頭に置きながら、今の保険料なり保険税のあり方というものの全体の規模、それから相互の割合等について検討を進めて、早い機会にもっとすっきりしたものにするということは、私どもぜひ努力をし、早い機会に実現させたいと思っております。
○鈴木壽君 私は三十九年度において、まあ局長がお答えになったようなことがもっと前進した形でできるようなことを強く期待をしておきたいと思います。そこで、自治省の税務局長のほうに、やはりこの負担の状況は、あなた方お調べになったところではどういうふうに考えられるのか。今回もそれに関連して、こういう減税措置と、他の残された、たとえば十五万円から上、二十万円なり二十五万円なりのこういう層の者、これをそのままにしてほうっておいていいというふうにお考えになりますか。
○政府委員(柴田護君) 先ほどお答え申し上げましたように、国民健康保険の負担というものは、保険税そのものの負担の合理化と同時に、本人負担分の合理化と、両方考えなければならないという基本的な考え方を持っているわけでありますが、今回の国民健康保険税の軽減を考えた場合でも、実は私どもはもう少し幅の広いものを当初考えておった。当初もう少し幅の広いものを考えておったのでございますけれども、国民健康保険会計の現状ということもございますし、私どもの建前からいたしますならば、やはり国庫負担金の見返りにおいて国民健康保険負担を軽減合理化していく、こういう方向をとっていかざるを得ない。かように考えまして、いろいろ予算折衝等をいたしたのでございますが、結果的には、御承知のような格好になってしまった。そういう意味合いにおいて、決して現状で満足しているわけではございません。ただ、それでは、一体最終の姿をどうするかということになって参りますと、国民健康保険の基本的な問題、国民健康保険会計をどうするかという問題もございましょうし、国民健康保険とほかの保険との関連というようなむずかしい問題に実はぶつかるのでございます。その問題を片づけませんと、基本的な、最終的な姿というものは出てこないというふうに考えますけれども、まあ、しかし、今日の現状で満足しておるわけではございません、なお私どもとしては、その負担の合理化には努めて参りたい、かように考えております。一例をあげましても、早い話が所得九万円と申しますけれども、これも住民税の基礎控除に合わしているわけです。住民税の基礎控除そのものが今の九万円でいいか悪いかということがある。これがふえてくれば、それは実際にも影響がないとは言えない。それらを考えて参りますと、今日の国民健康保険の今回の軽減措置では、満足だとはわれわれ自身も考えていないのでございます。それでは、それはどうするのかとおっしゃいますと、なおその幅は広げていきたいと思いますけれども、その限度をどこに置くかという問題については、むずかしい問題があって、まだ結論を得ていないのでございます。
○鈴木壽君 あなた方がお調べになった健康保険税の現状のこの資料を見ますと、四十万以下の所得の世帯が、全加入者のそれからしますと、約九三%ですね。四十万円以下というのは、何といってもこれはいわゆる低所得者として考えなければいけない一つの線だと思いますね。ですから、さっきから申し上げているように、いろいろな根本的な問題、保険をどういうふうな姿で性格づけ、あるいは運営するかといういろいろな問題はありますが、ともかく、とりあえずひとつ減税というものを考える場合には、少なくとも、この四十万円以下の人たちが若干でも減税されるというような措置が私は特に必要だというふうに思うのですが、その点どうですか。
○政府委員(柴田護君) おっしゃるとおりの議論が起こるだろうと思います。今回の場合につきましても、やはりそういう問題があったわけです。それがなぜいろいろ議論が巻き起こったかと申しますと、国民健康保険税の軽減という形が、たとえば国民年金のようなものにも関連をしてくる。そこの辺のところで、いろいろむずかしい議論が大蔵省との間の折衝の過程においてあったようでございます。私どもといたしましては、少なくとも総所得十五万円、九万円という者だけの範囲について考えても、それは問題にならぬだろう、もう少しその範囲を広げておかしくないだろうというふうに感じております。ただ、基本的にはそこまで持って参りますと、現在の国民健康保険税のかけ方が応能割と応益割というものを半々にしている。その辺のところから再検討してかからなければならぬ。こういうようにも考えるわけでございます。
○鈴木壽君 応能割、応益割、これにもお話しのように私は問題があると思う。応益割が、だいぶ今のような形では、私は率としては高いと思いますね。普通半々でしょう。応益割五〇、応能割五〇と、こういうことですから、そこに問題はありますが、先ほど来申し上げているように、いろいろな問題はありますけれども、とりあえず減税をという場合に、私はやはり今の国民保険に加入している人たちにも、特に農村の農業をやっている人が大部分であり、またささやかな、事業といっても事業とは言えないような、きわめて零細な仕事をしておられる人たち、あるいはきわめて僅かな所得しかない、そういう人たちがほとんどを占める、こういう保険の性質からしまして、まず低額の所得のそういう人たちに対しての負担をできるだけ軽くしてやるのだ、やることがまず第一に考えられなければならないじゃないか。ですから、予算の関係で、たとえば四十億なら四十億、四十二億なら四十二億という額を、一体どこに減税の原資として振り向けるかということになりますと、いろいろ問題があって、必ずしも私が四十万円以下とこう言ったところで、まぶしてしまえば、これはきわめて少ない額の減税しかできませんから、無理もないとは思いますが、しかし、考え方としては、私はやはりこれまでの四十万円以下の層、いわゆる全加入者の九三%を占めておる人たちのそれをやはり常に考えて、これからもやらなければならぬじゃないだろうか、こういうふうに思うのです。それが、さっき保険局長に聞いたように、今回は地ならしでこれでいいのだ、一応これで終ったのだというようなことでおしまいになるのであれば、非常に残念だというふうに私考えたわけなんであります。あなた方の実態調査等からして、負担の問題についていろいろ考えておられると思うのですが、どうですか。私が今申し上げたようなことについては、もっとこれから積極的にやりたいというふうな考え方なり方針というものを持っておられませんか。いかがですか。
○政府委員(柴田護君) 大体の御趣旨につきましては、私も全くそのとおりだと思うのでございますが、保険局長から先ほどお答えされておりましたのは、負担もさることながら、給付内容が悪くなる、特に受診率が低くなる、その辺のところも合わせて改善をしなければならぬ、どちらかといえば、差し迫っておる問題は、給付内容の問題である、こういうお気持が厚生省の代表的なお気持だと思うのでございます。私どもそれにも別に異論はない。両方相関的に考えて、それじゃあ、一般の職場保険組合に入っている連中と、それから国民健康保険に入っている連中との負担がどうなるか、その辺のところが、一つの、やはり今後の軽減効果を考えていく場合のみだけと思います。しかしながら、俸給生活者ならこれくらいの所得で、これくらい住民税も払い、保険料も払って、これくらいの給付を受けている。国民健康保険の場合はどうだ。その辺のところで給付内容についてどういう改善をするか、あるいは負担についてどういうふうに合理化するかという点をもう少し検討したい、さらに合理化の推進をはかりたい、こういう気持でございます。
○鈴木壽君 時間も時間ですから、健康保険税のことについてはこれでやめますが、他の保険に加入している人たちの負担と、これは一応皆さんも資料持っておられるのじゃないかと思うのですが、やはり見ましても、高いですな。これはもちろん給付の内容にもこれは関係をしてきますけれども、そういうものに関係さして、総合的な立場で見て、他面、だから一方給付の内容を改善することによってだんだんその差を縮めていくという考え方も私はあると思うのですが、しかし、私は、今の段階ではこれは双方からやっていかなければならぬと思いますが、いずれこの問題、考え方は一応わかりましたが、私は、この税の軽減というものを、単に今回、三十八年度で軽減をする、こういう程度にとどめないで、ひとつもっと幅を広げた層にまで及ぶようなことを、ぜひこれはひとつ三十九年度では実現さしていただきたい、こういうことを申し上げて、この問題に対する質問は一応終わることにしたいと思います。
○委員長(石谷憲男君) 午前の審査は、この程度にいたしたいと存じます。午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時十五分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時三分開会
○委員長(石谷憲男君) 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。
 地方税法の一部を改正する法律案、地方交付税法等の一部を改正する法律案、三十八年度地方財政計画に関する件を一括して議題とし、質疑を続行いたします。
 御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○秋山長造君 交付税法の改正案について若干御質問します。法律の一般的なことについてはまた別な機会に御質問しますが、ただいまは、交付税法の十二条の第二項の表の改正について端的にお尋ねしたい。この改正によって、教職員定数というものが、従来のやり方とどういうように変わってくるのかということをまずお尋ねいたします。
○政府委員(奧野誠亮君) 従来は標準法に基づきますけれども、毎年度一学級当たりの児童生徒数について暫定定数を定めてございます。だんだんと暫定定数を改正しては標準法の本法に近づけていくという努力が繰り返されておったわけでございます。そういうこともございますので、暫定定数をそのまま使って参りますと、県によっては、せっかく本法に一学級当たり児童生徒数が定められておる、それに近づけようと努力しておるのに、それだけの教職員数が確保されないというふうなことになりますので、実際きまっております学級数を使いまして、これを基礎として教職員数を算定したわけであります。しかしながら、その結果、本法に定めている以上の学級編制になる。それでは不公平でございますので、密度補正の形において本法に定めているその一学級当たりの児童生徒数、これを基礎にして学級数を算定する。その学級数を基礎にして教職員数がはじき出される。これ以上の教職員に関する経費は見ないという建前をとっておったわけであります。言いかえれば、学級数は実学級数を使う。しかしながら、密度補正によって、本法に定めている以上の学級は認めないということであります。しかしながら、その密度補正をかなり荒くやっておったわけでありますので、必ずしも綿密に法律どおり計算した場合とは同じではないわけでございます。今回の改正におきまして暫定定数というものがなくなり、本法がそのまま施行されるようになったわけでございますので、全部本法に定めておるとおりに学級の数も算定するし、その学級数に基づく教職員の数も算定する。それだけの教職員数に応ずる給与額を交付の基準財政需要額に算定するという建前にいたしたわけでございます。
○秋山長造君 まあ、従来の経緯は今財政局長のおっしゃるとおりだろうと思うのですが、ただ、今の御答弁の中にありました密度補正を相当荒くやっておったということで、今度のような、今あちこちで起こっているような問題が起こらずに来ていたという点もあったかもしれません。つまり、実学級数を使うが、しかし標準法の範囲内ですぞ。この実学級数は使うけれども標準法の範囲内ですぞと、こういうワクがあったわけですね。そのワクがあったけれども、密度補正を厳格にやれば、あるいはそのワクをはずれるものもあったかもしれん。しかし、密度補正を、実情を尊重する意味で密度補正をきめ荒くやって、そしていわゆる実情に即した交付税の算定をやっておったということだろうと思うのですがね。そうでしょう。
○政府委員(奧野誠亮君) 従来も、密度補正の結果、今おっしゃったようにはじき出す教職員数が計算で出てくるという団体が四府県あったそうでございます。したがいまして、全部おっしゃることがそのまま当てはまるというふうには考えないわけであります。しかし、団体によっては、おっしゃることはあり得ないわけではないと思います。
○秋山長造君 それにしても、地力の予算編成の指導にあたりましても、やっぱり監督官庁である文部省にしても、それからまた交付税の担当官庁であるあなたのほうにしても、実学級数というものをもとにして、そうして教職員数というものをはじき出しておったということは、これは間違いないと思います。文部省もそういう指導をやってこられたと思うのです。それが、ここで十二条の表を改正することによって、急に変わるわけですね。だから、実学級数はとらないということになる。そうなりますと、ある面ではといいますか、これによって救われるというか、よくなるという県が相当出てくると思う。これは特にいわゆる俗に後進県と言われる県はそのほうだろうと思います。ところがその反面、実学級数を教職員定数の基礎に使うという建前に即応して、いわゆる暫定定数によらないで、もっと早いテンポで標準法に近づける努力をしてきたという県か相当ある。そういう県は、今度の改正によってかえって交付税が減らされて、従来より非常に不利になってくるという県が出てくるという反面の、逆な結果が出てくる県が相当あると思うのです。思うのではなくて、現に相当出ている。そういう県は、一体そのままほうっておいて、自分のち持出しで勝手におやりなさいとほうっておいていいものかどうか。その点はどうですか。
○政府委員(奧野誠亮君) 私たちは、基準財政需要額を算定する場合には、どの団体にも通じて公平にあるべき財政需要額を基礎として算定されなければならない、こう思っておるわけであります。そういうことから考えて参りますと、従来暫定ではあるけれども定数というものが定められておったのだから、その定数を基礎として、あるべき学級を基礎として教職員定数をはじき出すべきであった、こういう議論もあると思うのであります。たまたま財政にも余力があり、本法の定数もあるのだから、それに近づける努力をしておった。近づける努力をしておって、言いかえれば、教育の水準を上げておった。上げておったものを基礎にして交付税を算定したということは、有利な扱いをしておったというのであります。秋山さんが将来不利になる団体がありはしないかとおっしゃったのですが、私は将来公平になるのであって、従来が有利な取り扱いを受けておったのではないか、こういう気持でおったわけであります。しかし、いずれにいたしましても、そういう変化が起こることは事実でございまして、将来本法定数になって参るわけでございますので、それを基礎にして姿を整えていくべきものだろうというふうに私ども考えております。
○秋山長造君 文部省にお尋ねしますが、あまりもう理屈は言いません。理屈は言いませんが、いずれにしても、従来実学級数で定員をはじき出しておったのを、ここで理論学級に切りかえるわけですからね。ですから、いずれにしてもはみ出す、交付税の対象にならぬ相当数の教職員というものが全国的に出てくるということは当然想定されるし、まだ現実にあちこちで火がついていると思うのですがね。そういう事態に対して、文部省は直接の監督官庁として、これをどう処理されるおつもりであるかということが一つと、それから、従来、行政指導の面で、やっぱりあなた方は毎年各府県で予算を編成する時期に先だって、新年度の予算はこういう方針でやれという指導をなさっていると思うのですよ。特にこういうような問題が出てくるということは、これは当然予想されておったと思うのです。一体府県の教育委員会に対してどういう指導をされておったのかということが第二点であります。この両点についてちょっとお伺いいたします。
○政府委員(福田繁君) お尋ねの点につきまして、あとの点から申し上げたいと思いますが、私どもとしましては、大体予算が三十八年度の内定を見ましてから、こ十八年度の都道府県の定数の組み方等につきましては定数法どおりの措置をとってもらいたいということは、これは課長会議等におきまして指導をいたしまして、そういう方向で申し上げたわけでございます。したがって、都道府県としては、義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律に、あるいはそれに基づく政令に従っての措置を進めて参ったと思います。
 そこで第一の御質問の点に入るわけでございますが、従来は、三十七年度におきましては、実学級を基礎にいたしまして合計等は積算をしてもらいまして、三十八年度につきましては、理論学級によってこれを計算するという方式に変更になりましたので、その点につきまして、私どももいろいろ一面心配をしなければならない府県が出ることを予想いたしておりまして、先ほど御質問の中にございましたように、この方式の変更によりまして、従来よりもいわば若干有利になるという結果ももちろんあることと思いますが、また、交付税の減額を受けるというところもあり得るわけでございます。そういった点につきましては、これは従来の実績主義から申しますと、私どもとしては、府県の財政措置に困って、教育委員会の教員の定数の問題にいろいろ悪影響を及ぼすということにつきましては、好ましくございませんので、これについては今後自治省と十分相談をして参りたい、かように考えておるわけでございまして、先ほど奥町財政局長のお話の中にございましたように、従来は標準法に基づいて実学級主義をとっておりましたけれども、標準法できめられております定員を下回ってきめておりますところにつきましては、密度補正を加えてきたわけであります。また、法律上そういう密度補正を加えることになっているわけでございます。ところが、先ほどのお話の中にありましたように、密度補正を荒くやったのだというようなお話がございましたが、これは私どもから申しますと、やはり地方の実情に即するような措置を考えて荒くやったのだろう、こういうふうに解釈をいたします。事実、そういうように自治省としてもいろいろ御考慮を願ったわけでございます。したがって、今後理論学級で計算をいたしましても、やはり地方の実情というものをまず考えの対象として取り上げなければなりませんので、したがって、できればそういう地方の実情を十分考慮してもらいたいということを私どもは自治省にも要望いたしたいと思いますし、また、必要あらばそういう県については、何らかの交付税の増額等の措置をとってもらうように今後話し合いを進めたいと考えております。
○秋山長造君 初中局長のお話を聞きますと、とにかく実学級主義ということを言うと言わざるとにかかかわらず、地方の実情というものをできるだけ尊重した扱いにしていきたい、こういうように聞こえるわけです。財政局長、その点どうですか。
○政府委員(奧野誠亮君) 今度の地方交付税法のこの改正点を見ますまでの間におきまして、日教組の関係の方々と数回懇談をしたことがございます。その際に、やはり秋山さんのおっしゃったようなことがいろいろ議論になりまして、その議論の過程におきまして、群馬県の方でありましたか、自分の学校は兵舎を改造したものが多いもんだから、どうしても標準法にきめられているだけの児童生徒数を一学級に収容できないのだ、そういうことで学級編制が標準法に定めているよりももっと多くなるんだ、そういう場合にはどうなるのかというお話がございました。そういう場合には、その金額が相当額に上るなら特別交付税で見ましょう、こういうふうに申し上げておったわけであります。物理的にそういうような事情に追いやられます場合には、十分自治省としても考えていかなければならない、こう思っております。そういう問題がどの程度あるのか、よく承知いたしませんが、そういう点について文部省からいろいろお話がございますならば、十分相談にあずかっていきたい、こう思っております。
○秋山長造君 財政局長のおっしゃる物理的云々という考え方と、それから初中局長のおっしゃる地方の実情をできるだけ尊重してという考え方は、若干違うと思うのですよ。それは、なるほど地方の実情ということの中の一部ではあるかもしれません。財政局長のおっしゃるのは全部じゃない。むしろはみ出す数からいいますと、やはり物理的云々とおっしゃる非常に狭いことをおっしゃるわけですね。それからだいぶはみ出すのが多いので、私、これ議論をすることになりますと、たとえで今初中局長が実学級主義を理論学級主義に改める建前にはなるけれども、しかし地方の実情というものをまず尊重するという建前が大事だということをおっしゃったのですが、その意味から、そういう考えで局長おられるからこそ、やはり新年度の府県の予算編成なんかを前にしても、そういう考えで予算編成と取り組めという指導をなさったのじゃないかと思うのですが、ですから、地方の府県の当事者としては、やはり従来どおり実質的には実学級主義で予算編成はやったらいいんだということでやってきていると私は推定するのですが、にもかかわらず、府県の予算がもう固まってしまった今日になって、いや、それはそうじゃないのだと、これはもうすっかり従来とは建前が違うのだということになると、これはいわば従来どおり交付税はもらえると思って、それを当てにして、そして予算を組んでおった建前というものは、根本的にぐらついてしまって、これはたいへんだということになってくると思うのですが、またそうなりつつあると思うのです。そういう地方の実態について、直接の監督官庁としての文部省は調査やっておられますか。
○政府委員(福田繁君) ちょっと前段の御質問に対してお答えを申し上げたいと思いますが、私どもの地方に対する指導は、おっしゃるような点までは、もちろんこれはそこまでは指導できないわけでございますので、指導いたしておりません。ただ、地方の教育委員会は、御承知のように、従来の政令第一条の学級はなるべくなくしていきたいという考え方がございますので、そういう標準法が一学級五十人になるという機会に、できる限りやはりそういう実情に合うような学級編制をやっていきたい、こういう気持でやったものと考えております。同時にまた、教職員定教の問題は、昨年来いるいろ各地で相当な教育問題にもなっております。地方選挙を控えておるような関係もございまして、定数はどうしても減らしたくないという県も相当多いわけでございます。そういういろんな要素がかみ合わされまして、いろん各府県で見るような定員がきまったと思いますが、それについて私ども特に先ばしった指導はいたしておりません。やはりこれはきまったとおりに指導いたしませんと、あとで都道府県が困るわけです。そこで私どもとしては、今各府県についてこれがどういう工合に変わってくるのか、そういう実情を調査中でございます。なるべく早急にこれをまとめまして、そして対策を考えていきたいと考えております。
○秋山長造君 私は、局長は今そうおっしゃるわけですけれども、実学級数をもとにしないことに礎前がなるにしても、やはり地方の実情というものを尊重してやりたいというお気持は正しいと思うのです。そうあるべきだとも思うわけです。局長は、衆議院のほうのちょっと予算委員会の分科会の速記録なんかを読んでみますと、やはり実学級主義でやるんだということを何回も述べておられる。その後になつて、いや、あれは実は三十七年度のことを言ったんで、三十八年度はちょっと違うのだと、言い直されたようですが、それは、そのこと自体は別に私何を言うのではありませんが、ただ、今の三十八年度予算を審議している予算委員会での質問ですから、これは当然三十八年度のことを言っているので、済んだことを質問しているわけではないということはおわかりと思いますが、にもかかわらず、局長の、不用意にというか、何というか、とにかく実学級主義でやるんだということをおっしゃったのは、必ずしも勘違いとかなんとかいうことではなしに、やはり文部省としてそういう建前で、そういう考え方で、やはり指導してこられたことが、端的に局長答弁の形で出たんじゃないかと思うのですよ。したがって、今の、局長はそこまでの先ばしった指導はしてないとおっしゃったわけですが、先ばしったとか先ばしらぬということではなしに、やはり文部省としては、局長が直接おやりになったわけではないでしょうけれども、それぞれの担当者が、地方のやはり実務者を集めて指導されるわけですから、そういう点やはり従来どおりの実績主義で新年度も取り組んだらよろしいのだという指導はされたんではないですか。私はそのほうが自然なあり方のように思うのです。当然それはそうされたんだろうと思う。そうでなければ、すっかり建前が変わるのだということを特に言われておりながら、地方がそれぞれ持ち出しをしてまで、交付税のもらえる当てもないのに、教員定数をきめるはずはないと思うのです。やっぱりこの改正でひっかかる県というものは相当あるのじゃないか。私は最初は二十県前後ぐらいに聞いておったのですが、最近はだんだんと気がついてきて、三十県以上になるのじゃないだろうかというように聞いておるのですがね。三十三という数字もけさ聞いたのです。そこらはどうですか。文部省なんか。これは電話一本でも府県の実態というものはすぐわかるはずだろうと思うのですけれどもね。きのうも実はあなたのところの財政課長に電話で聞いたのですが、全然わからぬという返事をされたのです。実際はわかっておるのじゃないですか。どのくらいの県がこれにひっかかるか、問題がどのくらいの県で起こっているか。それから、その県でどのくらいの人員が交付税の対象からはみ出してくるかということは、わかっているのじゃないですか。
○政府委員(福田繁君) 私どものところでは、先ほど申し上げましたように、現在のところ、各都道府県につきまして調査をいたしております。まあいろいろ各県内の実情から申しますと、いろいろなケースもございますので、全部で三十県、あるいはそれ以上の県がひっかかるというようになるかどうかはわかりません。私どもの今の調査の段階では、大体二十県ぐらいはそういう該当県が出るのではないかというような考えはいたしておりますけれども、これも決定的に二十県あるいは二十一県というように申し上げる段階ではないと思っております。できるだけ早くこれは調査いたしまして、まあ府県のほうからの御要望に従って、また自治省のほうと相談をするなり、必要な措置をとりたいと考えております。
○秋山長造君 私は二十県よりかなり上回るように聞いておるのですけれども、おっしゃるように、かりに二十県程度としても、その二十県程度、おおよそ二十県で人員はどのくらいということはわかりませんですか。大ざっぱな数字でもいいですけれども、大体何千人ぐらいはみ出してくるのですか。
○政府委員(福田繁君) まだ数字を申し上げる段階に至っておりません。私の見込みでは、そういう該当の数字もかなり出るのではないかと思っておりますけれども、正確な数字をここで申し上げる段階ではございません。
○秋山長造君 まあ、これは公開の席で速記をつけて申し上げられるような責任のある数字じゃないんですけれども、二十県以上、大体四、五千人ぐらい出るのじゃないですか、これは私の見当ですけれどもね。担当数とおっしゃる意味は、やはり少なくとも千がつく単位じゃないですか。どうですか。
○政府委員(福田繁君) それは千はこえるだろうとは考えております。
○秋山長造君 千をこえるでなしに、千単位の、おそらく四千人ぐらいになるのじゃないかと思うのですがね。そういうことになりますと、これはよほど大きな問題になってくるのですね。それで、文部省のほうは、とにかく児童生徒数の激減による教職員の人員整理というものは一切やらない。これは文部省の方針であると同時に、政府の方針でもある。その大方針のもとに、この機会にできるだけ学級編制というものを合理化していこう、こういうことでやっておられると思うのですけれども、その建前が、大きく財政面からくずれてくるのじゃないでしょうか。それをくずすまいとすれば、それは、そうでなくても貧弱な地方財政というものに相当大きな負担をかける、こういうことになってくると思うのです。だから、もうどうしでもそれを解決する道は、今局長のおっしゃるとおり、政府部内で自治省と文部省との間で十分対策を協議されて、そうして早急にどういう手当をするかという点を、それは具体的には交付税をふやすという以外に私はないだろうと思うのですけれどもね。そういうことについては真剣におやりになりますか。
○政府委員(福田繁君) 文部省としては、府県側の御要望に従って、その実態を十分に見きわめた上で、自治省と相談をしたいと思っております。
○秋山長造君 そうして必ずこれは何とか責任を持って処理するという御決意ですか。
○政府委員(福田繁君) できるだけ処置をいたしたいと考えております。
○秋山長造君 それで奥町局長、もうあなたのさっきの御答弁で、ずばり結論みたいな御答弁をされたわけですけれども、その物理的云々という言葉は、あまりこういう財政問題の議論で聞かぬ言葉なんですが、物理的云々ということじゃなしに、もの少し財政向きな答弁はできませんか。
○政府委員(奧野誠亮君) 今秋山さんのおっしゃった、問題の起こっておる府県は、どちらかといいますと、暫定定数によらないで、少しでも早く本法に近づけようということで努力をしておった団体に多いのじゃないかと思います。たまたま児童生徒数が非常に減ってきたものですから、本法どおりの学級編制をしても、なおかつ過員になる先生が出てくる。そこで本法以上に学級編制をさらに高めていくという団体が起こってきておるのじゃないかと思います。そのことは、来年度以降においてさらに児童生徒数が減ってくるわけでございますので、制度的にこのままでほっておけるかどうかという問題が起こってくるのじゃないかと思います。そういう問題については、文部省にもいろいろ御意見がおありでしょうし、十分相談し合っていきたい、こういう考えでおるわけでございます。
○秋山長造君 今の制度を変えていくということ、これは文部省は当然この標準法を大幅に改正されなければこれはどうしてもこういう矛盾に突き当たると思うのです。まあその矛盾を解決する手はずだけじゃありませんけれども、これは教育本来の建前からいって、もっと一学級当たりの生徒数というものを減らしていくということが教育効果も上がるゆえんだという、それは本筋の建前からでもあるわけですけれどもね。この標準法は一体いつお変えになるのですか。一刻もすみやかに標準法も変えるということが、私はもう一番必要なことじゃないかと思うのですけれどもね。
○政府委員(福田繁君) 三十八年は、すでに予算が決定いたしましたように、五十人編制ということになっておりますが、三十九年度以降につきましては、さらに生徒児童の減少によりまして、相当定員として減少せざるを得ないような状態になっております。したがいまして、御質問にございましたように、小中学校の教育効果をさらに高めるという観点から定数法を改正いたしたいと思いまして、目下検討中でございます。できれば本国会に提案をいたしたいということで、準備を進めておる次第でございます。
○秋山長造君 この国会。
○政府委員(福田繁君) さようでございます。
○秋山長造君 そういたしますと、どうせ地方選挙後ということになりますね。この国会に提案をして、この国会で成立をはかる。もちろんそういうことですね。
○政府委員(福田繁君) 関係者との話がつけば、今国会に提案をいたしまして成立をさしたいものと考えております。
○秋山長造君 それで実施はもちろん来年度、こういうことですね。それについては、今も、奥野局長からせんだって御答弁されたとおり、自治省としてもそれは十分御協力されると、こういう方針ですね。どうですか。
○政府委員(奧野誠亮君) 文部省の意見を尊重して、十分相談していきたいと思います。
○秋山長造君 その点はそれでけっこうなんです。それはけっこうなんですが、いずれにしても来年の話で、新年度、ことしこの一年間をどう切り抜けるかということが今問題になっているわけなんで、来年度三十九年度の問題についてそこまで響きの音に応ずるごとく自治省と文部省が大いに協力してやりましょうということなら、ついでにひとつ竿頭一歩を進めて、ことし非常に問題が起こっているんだが、この問題は、建前は建前として、実質的に何とか解決をしていこうじゃないかというところまで進めませんか。そうされますと、万事めでたしめでたしということになって、何にもあとぐされが残らんことになるのですが、特にこれはどうしても勢い奥野局長のほうに考えてもらわなければいかんと、こういうことになるのですが。
○政府委員(奧野誠亮君) 秋山さんの御心配、よくわかるのでございますし、秋山さんのお話なら、なるべくそういたしますとお答えいたしたいんですが、地方交付税制度の運営にあたりまして、地方自治の運営に干渉するような態度はとるべきではない、こういう考え方を基本的に持っておりますので、ずばり御趣旨に沿いますという御返事はいたしかねます。非常に道路に力を入れている場合でも、道路の舗装分量というものを基礎にして道路を算定いたしませんで、道路の延長などをむしろ母体にしておるわけであります。同じように、教職員の給与につきましても、標準法にのっとって算定をする、こういう態勢をとっておるわけであります。地方自治の運営に干渉することにならないような問題になります場合には、いろいろな事情に応じて特別交付税の運用で解決をするということは考えていきたいと思います。
○秋山長造君 地方自治に干渉するということは問題じゃないと思うのです。今の問題は、地方のほうが従来どおり交付税がもらえるものという前提のもとに予算を組んで、もうすでに予算がきまってしまっているんですね。この議会を通っている。ところがどっこい待った、そうはいかんのだ、去年どおりはもらえぬのだ、こうなるから、地方があわてて騒いでいるんで、だから、やっぱり地方の実情に即したやり方さえしてやれば、これは地方自治に容喙どころじゃない、地方自治は非常に助かるのじゃないでしょうか。
○政府委員(奧野誠亮君) すでに各府県においては予算も成立しておるわけでございますので、教職員をどの程度に配置するかということもすでにきまっているわけでございます。きまったとおり運用されるだけのことであって、予算化されたものについての財源の裏づけがときによってはもっと多くなったり少なくなったり、それは常にいたしておることでございます。地方財政収入を当て込んでおったけれども、それが入らない、したがって、税の自然増収で穴埋めをしなければならないというような問題もあるわけでございまして、いろいろございますので、今お話しのことについてずばり私が秋山さんの御趣旨に沿ったお答えをしなければ混乱が起こるということは、とても考えもれないのであります。すでに教職員の配置も行なわれておることでございまして、ただ財政運用の結果、若干穴があいてみたりあるいはふえてみたりするだけのことじゃなかろうか、こういう考え方をしておったわけであります。基本的には、やはり制度的にどうするかということが根本問題じゃなかろうか、こう思っておるわけであります。
○秋山長造君 それは、おっしゃるとおり、もう予算がきまっているんですから、だから、現実には、別に首を切られる教員も出てもこなければ、また、それぞれの人の配置も何もきまっているでしょう。きまっているけれども、ただ、地方財政が交付税というものを従来どおりもらえるというように非常に当てにしておるわけです。当てにして予算を組んでいる。しかも、当てにしたということはそれはお前のほうが勝手に当てにしたから、そのしりぬぐいはお前のかいしょうでやれという性質のものじゃないと思う。ずっと従来の経過を考えてみると、当てにするのも無理からぬ要素というものがあるのですよ。だから、それをぱっと切っちまうと、それはやっぱり地方財政はあわてますよ。困りますよ。だから、その点をもう少し−ただ群馬県がどうの、五十人の生徒が収容できないような建物そのものが非常に小さい建物で、標準法どおりにいかんという、そういう物理的なことだけでなしに、やっぱり自治省の交付税の配分というものを大きく当てにして予算を組んでいる県というものは、今も話があったように少なくとも二十県以上あるのですから、ですから、それをやっぱり考えてやらなければ一それを考えたら地方自治の干渉になるというような理屈は、私は全然筋違いな理屈だと思いますがね。考えてやることが地方自治法の本筋だ。しかも、従来そうしている。前年度はそのやり方できているのだから、それは、局長がさっきおっしゃったように、今度損をするのじゃなしに、今までに得をし続けているのだ、だから今度はもともとになるのだという言い方もできるけれども、それは理屈であって、やっぱり自治省として地方の世話をする場合に、そういう理屈は通らんと思うのですがね。通りもせず、また、事実そういう冷たいお気持でやっておられるとは思わなかった。奥町局長は非常にあたたかい気持で、思いやりを持ってやっておられると思うから…−。それは笑い話になりますけれどもね。かりに自治省が、従来得をしておったのだ、必要以上の得をしておったのだ、だから法律改正を本来あるべき姿にしたのだから、どこが悪いのだと、こう開き直れば開き直ることもできたかもしらんけれども、しかし、やっぱり政府が今まで実学級主義ということで、実学級をもとにして、そして教職員定数をきめるという建前を地方がとり、また、それを文部省も自治省も容認してきた以上は、今になって、それは今まで実際よりも地方が得し過ぎておったのだということは、私はちょっと酷過ぎると思う。だから、できることならやっぱり今まで容認してきた地方の実学級主義に沿うた地方の実情というものを認めていく、できるだけ認めていくということのほうが親切なやり方でもあり、また、筋も通るやり方じゃないかと思うのですがね。私はこれだけの大問題が今このごろになって起こってくるこういうものが一体予想されなかったのか。また、自治省と文部省との間でどういう相談ができておったのだろうと思う。ほんとうを育ったら、僕らこんなところでくどくど言うことじゃない。文部省と自治省との間でかんかんがくがくとおやりになることである。私は政府を代弁しているようなものです。
○政府委員(奧野誠亮君) 私たち、学級編制の基準をどこに置くか、それによって教職員定数をどう定めるかということは、財政的にも大きな影響を与えますし、また、府県の政策としても重要な政策と属する部類だと、こう思っているわけです。それだけに、府県の実績にのっとって交付税を計算するということはできるだけ避けたほうがよろしい、こういう考え方を持っているわけでございます。したがいまして、暫定定数というものがなくなった機会にこういうような改正をしたわけでございます。御指摘のように、相当な影響がある問題でございますので、みんなこの問題につきましては、おっしゃるとおり、かんかんがぐがくの議論をしたわけでございます。日教組の方々ともずい。ぶん長い間この問題については議論をいたしました。結局、理論的にはこういう改正がいいだろう、こういうふうに私はみんなお考えになったのだろうと思います。文部省とも十分打ち合わせをいたしたわけでございます。ただ、私の承知しているところでは、岡山県の財政当局者が実学級で交付税が算定されるのではないだろうかというふうに誤解をしていた向きがあるようでございます。しかし、二十県になるかどうか知りませんけれども、その団体がみんなそういうふうに誤解しておったとは夢にも考えていなかったわけでございます。一月の総務部長会議におきましても総務部長に話しておったわけでございますので、誤解している県が絶無だとは申しませんが、現に岡山県がその一例でございますから、絶無だとは申しませんが、秋山さんがおっしゃるようにみんなが誤解をしておった、そんなことはなかったろうと存じます。事実、三十七年度の地方交付税の計算におきましても、四団体がはみ出しているわけでございまして、その団体につきましては、教職員定数よりも交付税の算定に取り入れました定数が少ないわけでございますので、四団体は十分三十七年度も承知しておったわけでございますから、三十八年度においてもそういう問題が起きることは承知の上でやっておるわけでございます。また、財政当局者としても、知事としては、むろん学級編制の水準を高めて教育の水準を向上させていきたいという大きな理想を持って教育予算の編成をやったという団体もずいぶんあろうと思うのです。あるいは、できる限り教職員の職にあぶれる者を出さないようにしたいという考えを知事自身としては持っているという団体だって私はずいぶんあると思うわけでございます。金だけでこの問題を左右したとは思えないわけでございます。秋山さんは、二十団体全部が岡山県の財政当局者と同じようにお考えになっているように言われますけれども、それは事実と違っているのではないか。百も承知でそういうふうな学級編制の基準を高めていったのではないか。少なくとも府県知事の立場としては、教職員が過員になっていくのをできるだけ救わなければならない。また、私たちもほかの知事さんから現実に相談も受けましたが、その際に、交付税はこういうふうになりますよ、しかし、自治省としては、どういう措置をおとりになろうと、それに対してどうこうというような態度は決してとりません、御自由におやりなさい、ということを私は率直にお答え申し上げているわけでございます。
○秋山長造君 私は岡山のことを別に――まああとから言うかもしれませんけれども、今から岡山のそういうことを言うつもりになかったのだけれども、それはあなたが先回りしてそして気を回し過ぎているのだけれども、しかし、岡山のことを言われたから、それではまあ岡山のことを言わざるを得なくなったわけですが、それは、岡山に限らず、どこの知事だって、ただ交付税だけを当てにして教員定数をきめようということだけではないと思う、それはそれとして、一つの県政をやっていく上の理想としてこうあるべきだという線にできるだけ近づけていこうと努力することは、これは当然で、これは岡山県でも聞いてみると、やはり県の持ち出しでやろうという、ワクもある。県の持ち出しのワクもある。だから、ただもう交付税だけを当てにしてそれで相撲をとろうとしているわけではない。数字から言いますと、百二十六人というのが県の持ち出しで教員をふやすということなんですね。それから、それとは別に、従来どおりの実学級主義で、しかも暫定標準よりももっと標準のほうに近づけていこうという努力の一つとしてやってきた面があるのですよ。その面では、交付税を当然もらえるものという前提のもとに教員の定員をきめている。その中で、今度の改正によってひっかかってくるのが二百十一人出てくる、こういうことになるのです。だから、何も百二十六人ですか、初めから県の持ち出しでやろうと覚悟をしてかかっておる百二十六人の分についてまでどうこうと言っているのではないのです。それは一応別として、この法律改正によって、当然従来どおり交付税がもらえるものという前提のもとに組んでおった二百十一人というものがはみ出してくる。これもまた持ち出しでやらなければならない。こういうことになると、県の財政計画が非常に狂ってくる。それで、交付税法の建前は、何よりも計画的な地方財政の運用を保障していくというのが建前でしょう。ですから、直ちにこれは計画的な運用というものがくずれてしまうのではないか。だから非常に困るじゃないか。しかもこれは誤解とおっしゃるけれども、これは誤解ということは私は取り消してもらいたい。いろいろここで質問する以上は実態というものを確かめてみなければいけないと思って、いろいろ確かめてみたのだけれども、これは誤解じゃないですよ。もしそれをあえて誤解と言い切られるのなら、先ほどの初中局長のお話を聞いておりましても、これは誤解するのが無理からぬというような、文部省がそのものずばり誤解するような指導をしたとは言いませんけれども、誤解するのも無理からぬような条件が、要素があったということは、これは私はどうも認めざるを得ぬのではないかと思うのですね。それは自治省は関知したことではないとおっしゃるかもしれませんけれども、それはやはりわれわれから見れば、また地方から見れば、自治省といい文部省といい、これは全く一体のものとして、一つの政府として見ているわけですね。ですから、そこらに、ただ勝手に誤解したのだ、だから勝手にやれと言って突っ放してしまうのにはちょっと無理な要素があるのじゃないですかね。それは、他の府県と岡山県か全く同じ条件で同じ状態で同じ問題をかかえていると言い切れるかどうか、私にはわかりません。私も上々各県について調べたわけではないから、わかりません。わかりませんが、ざっとあなた方の予想でも二十県くらいのものは少なくとも同じような問題が起こっているのではないか。これから起こるのではないかということが予想される。それで、岡山県で二百十一人。それは金目にしたらざっと一億二千万円。その半額は国庫負担法でもらいますが、あとの半額の六千万円というものはやはり県が持ち出している。今のような財政局長の考え方で突っ放されたら、それは六千万円といったって大きいですよ。六千万円当てがはずれたということは、それは県の財政計画というものは大幅に狂うのですね。ですから、それではあまりにも気の毒じゃないか。いきさつがどうあろうとも、やはり県がそういう事情で非常に苦しむということに対しては、いきさつのいかんにかかわらず自治省としては見殺しにはできぬじゃないかということに結論はなってくるのじゃないですか。
○政府委員(奧野誠亮君) 私が誤解という言葉を使いましたのは、県のある担当者が直接私にそういうことで報告してきておったものですから、そう申し上げたわけであります。ただ全部が全部そういうように考え違いをしておったというふうには私は今思われない、こう申し上げているわけでありまして、多くの団体は自分の財源を持ち出さなければならないということを承知の上で学級編制の基準を高めていくという団体があるのだ、こう私は考えておるわけであります。また、現にそういう相談を予算編成前に相当数受けたということも先ほど御報告申し上げたわけであります。また、そのことによって県の財政が混乱するという団体はそうあるとは私には思えないのですが、もしあります場合には、それは救わなければならぬと思います。たとえば、そういう場合には、地方債の資金を多く充当するとかいうような方法もあろうかと思います。混乱を起こさせるということは、これはおっしゃるとおり、自治省としてもほうっておけない問題だと思います。そういう点については十分な配慮はいたしたいと思います。
○秋山長造君 それは、多くの県で学級編制の基準を持ち出しで高めるということもやっていると思います。しかし、その学級編制の基準を高めるということの中にはその裏づけとして持ち出しの面もあるし、同時に、今岡山県で問題になっているなよう交付税を引き当てにしてそして高めるという、両方のものを含めて学級編制を高める政策をとっていると思うのですよ、府県知事が大いに教育に力を入れてやるという場合。だから、そのうち、初めから自分の持ち出しということを承知の上でやっている面は、これはいいと思います。それはそれで初めから得心ずくでやっていること、だからいいんだが、もう一つの、半分の、交付税を引き当てにして高めていくというそこのところがちょっと抜けるのですね、この改正で。しかも、その付交税を当てにしておるということは、これは頭からそんなものは誤解だ、勝手に誤解したのだと言い切れぬ要素がありますよ。あなたのほうは直接指導されたかどうかしらぬが、おそらく文部省のほうが直接指示をしたりして、教育委員会を指導されておると思うのだが、そこらにやっぱり何かそう簡単に一口にそんなものは誤解だ、地方が勝手にやったのだから持ち出しでやるのは当然じゃないか、自己負担でやれというふうに突っ放なしてしまえぬような要素というものが経過的にありますよ。だから、そこらをひとつ十分勘案していただいて、もちろん物理的ということでなくて、客観的に見て、これは明らかに初めから知ってやっているんだ、もらえぬということは知ってやっているにかかわらず、今になってこれは知らなかったのだというようなものが万一あれば、それはもう客観的に見てわかると思うし、それならばそれは突っ放されても泣き寝入りするでしょう。やむを得ぬ、結局は引き下がるかもしれぬけれども、しかし、そうでなしに、やはり客観的に考えて、いろいろちょっと手ぬかりな点もあるかもしれぬが、しかしまああそこまでやったこともこれは万やむを得ぬという面もある。だから、それについては、何とか考えなければならぬのじゃないかというようなものも私は相当部分あると思うのですよ。ですから、さっきの群馬県の教室が物理的に狭くて少数の生徒しか収容できぬというような場合だけに限らないで、もう少し適当な言葉としては、客観的に、客観的ということも意味のとりようでいろいろ解釈できるけれども、客観的に考えて、諸般の事情を客観的に考えて、そしてあまり不公平になったりあるいは財政秩序を乱したりというようなことにわたらない範囲で、やはりさっき初中局長のおっしゃったように、できるだけ地方の実情というものをしんしゃくして考えていくというくらいな弾力性は私は自治省としては持ってもらいたいと思うのですがね。そうでなければ、これはどうにもならぬですよ。
○政府委員(奧野誠亮君) 先ほど、文部省からも、まだ調査中だというお話がございました。また、私たちも、率直に申し上げまして、それぞれの県の実情を詳しく知っているわけではございません。ただ、秋山さんの言うような仮設に対してお答えをして参りますについて、群馬県のようなものについては特別交付税を交付し、財政混乱を起こすようなものについては地方債資金を充実しますということでお答えして参ってきているわけでございます。いずれにいたしましても、今後さらに事情をつまびらかにいたしまして、それぞれに応じた措置を講ずるように工夫して参りたい、こう思います。
○秋山長造君 これは、あなたのほうとしても、この席でこれ以上、今おっしゃる以上のことをずばりおっしゃれないということはよくわかります、よくわかりますが、しかし、私は、地方の実情というのは、つまり今までとってきた実学級主義というものを頭から全然否定して新しい方式で機械的に割り切ってしまうということには、ちょっと疑問を持つのですよ。それからまた、特にこういう問題は、地方の実際の状況というものはやはりそれはある程度尊重し、勘案してやっていかなければならぬし、また、そういうように従来いろいろな問題についてもやってきておられると思うのですよ。まあその点は、今の財政局長のお言葉を私はできるだけ善意に解釈しますが、そして、先ほどの初中局長の御答弁にも非常な大きい期待を持ちたいと思う。しかも、三十九年度、来年度からの制度改正の問題については、自治省、文部省の考えは全く一致しておるわけですからね。ですから、この一年をどうしのいでいくか、どういう方法でしのいでいくかということにもう煮詰まってくると思うのです。だから、その点については、まず実態を早急にひとつ調べていただかなければ、を尊重をするといったところで、尊重する対象がはっきりしないのですから、だから、その実態を早急に調査して、そうしてその実態を爼上に乗せてひとつできるだけ現実的に処理していただきたい。この点を両省の両局長に対して強く要望しておきたいと思いますが、御答弁を一応お願いしたいと思います。
○政府委員(奧野誠亮君) 先ほど申しましたように、自治省としましても、今後さらに十分に調査して参りたいと思います。そうして、よく事情を調査した上で、それぞれに応じて必要な措置を工夫いたして参ります。
○政府委員(福田繁君) 先ほど申し上げましたように、実態を把握しまして、どうしても困るというようなことにつきましては、実情に合うような措置を自治省と十分相談してやっていきたいと考えております。
○鈴木壽君 今の二人の局長の御答弁でいいと思うのですが、ただ、福田さん、この問題はかなり前に衆議院段階.でも取り上げられておりますね。それがあってから現在まで相当今言ったように日数がたっておりますが、各都道府県からのいわゆる実態調査というと、そんなにめんどうなことなんですか。それがまだできてこないというほどこの問題はめんどうな調査でないのですよ。これは電話でもいいでしょうし、かりに文書でやったにしても、そんなに長くかかる調査じゃないだろうと思うのですが、いつごろになればまとまりますか。
○政府委員(福田繁君) 電話でとればとれるじゃないかというおしかりでございますが、私どもとしては、それはやはり中身はいろいろ精査いたしませんと問題であろうと思っております。それで、もちろん各府県で定数はきめておりますから、定数はわかると思いますけれども、中身を具体的に当たってみませんと、先ほど申し上げましたように、何人具体的に定数に影響してくるかということは、これはやはりよく調べませんと困ると思っております。私ども今やっておりますのは、なるべく今月中をめどにいたしまして、今月中に実鰻を調べたいということで、関係の府県にもいろいろ照会をいたしております。
○鈴木壽君 今まで自治省との間に、たとえばあなたのさっきの御答弁では、実情に沿って実情をうまく取り入れた形で解決をしたいということなんですが、自治省との間ではそういう話を何べんかなさっておりますか。
○政府委員(福田繁君) まずその実態を把握しまして正式な御相談を申し上げたいと思っておりますので、おくれておりますけれども、先ほど秋山委員の御質問の中にもございましたように、先ほど二百十一人ですか岡山県であるという話を伺ったんでございますが、その二百十一人の中で、県が持ち出しをしても定数を置きたいというようなもの、それからそうでなく交付税を当てにして考えておるというようなものは、私のほうとしてはなかなかつかみにくいものがございます。そういう区分をはっきりした上で考えたいと思っておりますが、おくれておりますけれども、奥野局長とは再々この問題についてまとまったらひとつ相談をしようということは申しておるわけでございます。
○秋山長造君 今おっしゃった数字は、ちょっとあなた誤解をしておられる。二百十一人というのは、その中には県が持ち出しをしてもというのは含まれていない。これは純然たる交付税を当てにした数字なんです。それで、さっきも言いましたように、持ち出しをしてもというのは、別に百二十六人という数字があるんですよ。だから、二百十一人というのは全然持ち出しじゃないのです。これはもう交付税が当然従来どおりの計算の仕方でもらえるものという前提で組んでいるのです。
○政府委員(福田繁君) そういう御趣旨でございますならば、今の数字は訂正いたします。
○林虎雄君 地方交付税法の別表ですけれども、ここに単位費用が一部を除いては大体引き上げられておりますが、この交付税の自然増というか、三税の増加に伴っての九百二十億ですか、それに見合うような形でいっておるのですか。とすれば、この単位費用は、二〇%ぐらい平均すれば引き上げになっておるかどうか。
○政府委員(奧野誠亮君) 単位費用は、行政の費目によって増加率はかなり違って参ります。全体としましては、交付の増加財源だけじゃなしに、地方税の増加財源も単位費用の引き上げに使えるわけでございまして、基準財政需要額としては大ざっぱに申し上げまして一五%程度の増額になる、こういうように考えているわけであります。
○林虎雄君 物価の値上がりがありますね。ですから、諸経費の増に伴いまして、これで実質的にはどの程度行政水準の引き上げということになりましょうか。そのとおりになりませんね、物価の値上がりというものがあるから。一応相殺されるわけでしょうね。
○政府委員(奧野誠亮君) 非常に荒っぽいことを申し上げますと、地方財政計画で単独事業に充てられる財源が二〇%余りふえたことになっているわけでございます。国の補助事業に伴いますものについては、全部裏づけの地方財源を充実できるというようなことになっておりますので、いわゆる行政水準がどう上がっていくだろうかというようなことで議論をするといたしますならば、地方財政計画の単独事業費の増加割合がどうなっているだろうかというようなことを一つの判断のめどにしておいたらいいんではないだろうか、こう思っているわけでございます。単独事業費の増加額の割合と、国の公共事業費の増加割合と数を合わせてふやしていったという姿になっているわけでございます。
○林虎雄君 そこでお聞きしたいのは、農業近代化に伴いまして農業構造改善事業が行なわれますが、従来農林省の五割補助ですか、この程度の補助をして農業基盤整備をしようということでありますから、どうも五割補助程度ではなかなか市町村が乗ってこないわけですね。そのために、中には返上するような市町村もあった。そこで、だいぶ政府のほうでも検討しまして、二割程度の補助を府県を通じて出すということになっておりますが、それは交付税を当てにしておるというか、交付税で府県へ回るわけですか。
○政府委員(奧野誠亮君) おっしゃるとおりに、府県の農業行政費の中に、農業構造改善事業のうちの土地基盤整備について二割かさ上げをする財源を算入いたしているわけでございます。したがいまして、府県は市町村に対しましてそれをそのまま補助金として交付するだろうということを期待いたしているわけでございます。
○林虎雄君 その対象の市町村になりますと、三十七年度には指定地区が二百くらいでしたね。三十八年度には三百市町村を対象にさらに追加される。そうなると、五百町村ぐらいになると思いますが、二割補助とすれば、一千万円ですから、一町村平均二千万円とすれば、五百とすれば百億ですね。百億の交付税を見てやらなければいけないということになりますが、そこで、交付税として見るべきものか、交付税以外で国のほうで――交付税の中から出すことが合理的でないような気がいたしますが、その点、どうですか。
○政府委員(奧野誠亮君) いろいろ意見がある問題だと思います。私どもは、三千百町村について農業改善事業を行なうのだ、十カ年間にそれを完成する、一町村について三年程度で完成していく、こういうように承知しているわけでありまして、三十八年度において二割かさ上げする分が十二億円だという見込みで基準財政需要額を増額いたしているのであります。五割の補助では十分ではないというような問題が起こって参りましたのは、御承知のところでございます。たとえば、農道にしても、だんだん道幅の広い農道を作っていかなければならない。そういうことになってくると、単に農民が使うだけでなしに、一般公衆の利用に供されるのではないかというのにもかかわらず、農民に五割の負担をさせられては農民として耐えがたいというような問題があったりしまして、市町村当局に対してかさ上げをやってもらいたいというような希望もずいぶん多いやに聞いているのであります。しかながら、かりに市町村が支出すべきものといたしましても、市町村に財源措置をしていくことは、特定の市町村しか構造改善事業は行ないませんのに、市町村にそのつど財源措置をすることは非常に困難でございます、また、府県がそういう問題について積極的に指導すべきでなかろうかと、こう思うのでございまして、また、府県に財政措置をするならば、どの府県も相当改善事業をかかえているわけでございますので、農家数を測定単位としてこれらの経費の算入は可能でございます。そういうこともございまして、府県の基準財政需要額に二割かさ上げ分を算入して、それを府県から農業構造改善事業を行なっているそのときどきの市町村に補助してもらうというような考え方に立ったわけであります。
○林虎雄君 交付税で算入すべきものでなくして、国の農業近代化の大方針ですから、国の補助としてもっと出すべきものを交付税で出すと、地方団体の交付税としての財源がそれだけ圧迫されるのではないか。こういうことは理屈になりませんか。
○政府委員(奧野誠亮君) それも一つの議論だと思います。当初私たちも、農林省に対しましては、国庫補助率を五割から七割に上げるのが筋道ではなかろうか、こういうようなことも言っておったわけでございます。言っておったわけでございますが、実際問題としてはその問題がなかなか片づかないということではなかったかと思うのでございますけれども、農林省は強く自治省に対しましてその希望を伝えて参ったわけであります。かたがた私たちもいろいろ検討して参りますと、農道に例をとったわけでございますけれども、用排水の問題にいたしましても、排水について本来市町村がやらなければならないものを農民の負担でやっておるのだというものも事実あり得るわけでありまして、市町村会におきましても結局補助というものを希望を非常に強く述べて参りまして、もし地方で負担しなければならないものとするならば、むしろ府県で負担してもらったほうが財源措置もしやすい、かたがた指導も徹底するというようなことから今度のような措置をとったわけであります。要するに、土地基盤整備事業の中に地方費負担が妥当なものがあるかないかというものの考え方だろうと思うわけでございます。結論としては、その程度地方費負担をすべきものだと考えて何ら理論的には矛盾しないだろうというふうに考えるわけでございまして、その結果、今度の措置に至ったわけであります。もちろんこれについてはいろいろな考え方があろうと思います。
○林虎雄君 地方交付税の税率もだいぶ七、八年前よりは上がって参りまして……
○鈴木壽君 税率の問題にお進みになるようでしたら、ちょっと今の問題に関連して、土地基盤整備のかさ上げの地方団体の持ち分、それを交付税に算入したい。今のお話からも私いろいろ考え方があると思いますが、考え方として、たとえば市町村で持つべきような事柄を県の段階の交付税に一たんは算入し、ここでおろしてからそれを今度市町村のほうに持っていく、こういう格好ですね。何かちょっと割り切れないような感じがしますのですが、今の交付税の中で、そういう格好で、市町村で持つべき金を一たん県に交付税として算入をしておろして、それから市町村のほうに流すという形になるようなものはほかにございますか。
○政府委員(奧野誠亮君) たとえば、衛生関係の費用なんかにつきまして、国と県と市町村とが三分の一ずつ負担し合う、経費の全額は市町村から支弁していくというようなものはございます。そういうものにつきましては、三分の一を府県の基準財政需要額に算入いたしておりまして、府県はそれを市町村に負担金なり補助金なりとして交付していくというような姿になっておるわけであります。
○鈴木壽君 あなたのさっきの林先生に対する御答弁の中に、市町村にどういうふうにして財源を与えるか、なかなかむずかしい問題があるというお話でございましたが、これは県内で今のペースで改善事業を進められるとすれば、二カ市町村ぐらいのものを――三十七年度は大体中心になっているパイロット地区が二カ所、その他の改善地区もありますが、いわばごく限られたような地区のそれなんでありますが、そういうところの市町村で当然持たなければならんというような金を、これは法令的にも別にそういうことのない、たとえば今のあなたが例として取り上げられました国と県と市町村と三分の一ずつ持つというような何のきまりのない問題でございますから、そういう問題を、交付税で県の段階にまずおろして、それから市町村のほうに回してやるというような形はおかしいのじゃないか、あるのかどうか、こういうことなんであります。
○政府委員(奧野誠亮君) 今の御質問にずばりとしたお答えにはならないかもしれませんが、たとえば、私立の高等学校に対しまして県がいろいろな意味で補助をいたしております。その補助分を府県の基準財政需要額に算入しているというような例はございます。相手は、市町村じゃなくて、私立の学校経営者でございますけれども、一つの例ではなかろうかと思います。その運用のよしあしはございましょうけれども、今のような例はございます。
○鈴木壽君 私立の学校の何といいますか、いろいろなものを取り扱うのは、今の法令からすれば県の段階ですね。
○政府委員(奧野誠亮君) 国もあります。
○鈴木壽君 しかし、市町村でなしに、県の段階でいろいろやる。県の段階で私立学校に対する補助とか助成とかはそれぞれの考え方によってやっておりますね。それをある程度見ていくというのは、これは私わかると思うのです。ただ、今のやつはそうでない格好ですから。私立学校の場合には、市町村に一たんおろして、市町村からまた私立学校にやる、こういう格好をとっておらないのですよ、私の知る限りでは。それと今の構造改善事業のやつとは違うと思うのです。ですから、ここに何らかの形で見てやりたいということ、これはまた地方の負担、農民の負担等からしましていろいろな問題がありますから、見てやらなければならんということについては私もわかりますけれども、見方として、今の県の段階に交付税としてこういうふうに見ていくというこういうやり方がはたしてどうかというふうに、私、林さんと同じように思うのですがね。私は、建前としては、あなたもさっきお答えになったように、やっぱり国の補助率を引き上げるという形――これは、国の仕事、一つの大きな農業政策の上からやっていることなんでありますから、そういう形でやるべきだと思うし、何かちょっと今までの交付税で取り扱っているような問題とは違ったケースがここに出てきた、こういうふうに私は思うのですがね。
○政府委員(奧野誠亮君) 府県が市町村に対しまして、たとえば道路の建設について補助を出すとかいろいろな意味で補助をしているだろうと思います。そういうようなのは府県の投資的経費に属するだろうと思いますけれども、面積を測定単位にしたり人口を測定単位にしたりして包括的に府県の投資的経費を算入している。ただ、これは道路に充てなさいよ、これは河川に充てなさいよという式にある程度国が、運営を特定に期待したようなやり方はしていないわけでございます。ただ、しいて府県に経費を算入しているものがないとおっしゃられる場合には、そういうことを申し上げるわけでございまして、しかし、どちらにいたしましても、どちらかといいますと、一つの新しい例を開くことになると言えると思います。その点につきましては、先ほど申し上げましたような事情に基づいて今度のことをやるわけでございます。
○鈴木壽君 こういうふうになってくると、今回の構造改善事業の中心になっていく一つの基盤整備の仕事に対する内容でありますが、たとえば農業改善事業の大きなねらいの一つとして、別に畜産関係なりあるいはその他のいろいろな仕事がやられていかなければならぬ。そういうことに対しても、直接的に基盤整備という概念からはずれるようなことであっても、国がやはり金を出していくか、あるいは資金を貸し付けて進めていくというようなことが出てくるわけですが、そういう場合に、何かそっちのほうにこんな格好で行くのではないかというようないろいろなものが出てくる心配を私は持つので、ちょっと不安と言っては悪いのですが、そういうふうに思うのです。私はあくまでもそういう仕事に対する補助というものは国の大きな助成措置としてやるべきことじゃないか、こう思うのであります。お話のように、道路とかその他のいろいろな市町村の仕事に対して、県が補助金を出したり、何かの助成をする。これは、計算上は、今のようなそのものずばりの、たとえば構造改善事業のうちの整備の仕事に対して何%を見るというような格好ではないのです。いわば包括的な、土木費なりそれの算定の中からこま丸く言えばそういうものの中から出ていく金でもありましょうし、場合によっては、あるいは何かの余裕、余裕と言っては悪いかもしれないけれども、何かの金で見ていくというようなこともあると思うのです。私は支出が違うと思うのです。完全な、言葉はどうかしりませんけれども、完全な一つのひもつきと言っていいくらい、そういうような形でずっと流れていくということに、今までと違ったものが私からすれば出てきた。はて、これでいいのかなというような感じを私は持っておったわけであります。たまたま林先生からそういうようなお話が出ておりますのですが、ちょっと私交付税の今までの行き方と、あるいはこれからいろいろお考えでいらっしゃるでしょうが、それからしますと、ちょっと変わった形のものが出てきてしまった、何か私はそこに納得できないものがあるのですが、もう一度念のために。
○政府委員(奧野誠亮君) ある意味において新しい行き方でございますので、私たちとしましても十分御批判いだたきたいと思います。私たちは府県の財政需要として必要なものを見込んでいく、これがあまり大規模であってはならないと思うので、ただ、勇敢に基準財政需要額に見込んでいく反面、地方財源の総額のほうをふやしていくことにまた消極的であってはならない。そういうことが相伴うならば、積極的にやはり府県に期待して何ら不都合はないのじゃないか。むしろいろいろなものにつきまして現地々々においてなるたけ解決されるように財政的な措置をしたほうがいいのではないかぐらいに考えておるのであります。単純に国の負担すべきものを肩がわりさせる、これは避けるべきだと思うのでございますけれども、いずれにしても公費で負担すべきものなんだ、そうするならば、国の負担すべきものにしないで、府県の負担にすることをそういとうべきではないじゃないか。県が負担し、その金を支出することによって府県の役割も大きくなりましょうし、また、現地々々において総合的に適切に敏速な措置がとられることが可能になるだろうと思います。ただ、その場合に、えてして地方財政の全体としての財源を確保することが不十分だということが起こりかねない。これは問題だろうと思います。これさえ十分にできますならば、公費で負担すべき性格のものをなるだけ国に追いやろうという態度をとるべきではない。むしろ府県が積極的にその負担をして、その金を府県の立場においてどんどん使っていったほうが、現地において総合的に判断して機敏な措置がとれるのではないかと思っているのであります。しかし、いずれにしても、新しい方法の問題でございますので、十分御審議をいただきたい問題だと思います。
○林虎雄君 私の感じは局長さんと違っておりますが、ただ、最初からそういう方針ならば問題はなかったと思う。国のほうで五割補助をやったところが、思うように進まない、行き詰まってしまった。そこで、二割補助ということにさらに考えたが、そうなると、国の面子の問題もありましょうから、府県のほうに回して、府県の二割補助ですか、そういうことになると、性質は内容的には同じではないか。府県が構造改善事業のほうに府県の財政によって見てやることはいいことだと思いますけれども、そもそも出発に間違いがあったのではないか、そこを私は指摘したいと思うのです。
 もう一つお聞きしたいことは、交付税の性質からいきまして、最近ではだいぶ率も上がっては参りましたけれども、まだ正確に調べたことはございませんが、交付団体と非交付団体との財政力というか、行政の能力というか、そういうものの格差というものは、まだまだかなり交付団体のほうがおくれておるというふうに思うのですが、その点はどうでしょうか。
○政府委員(奧野誠亮君) おっしゃっているとおりだと思います。
○林虎雄君 そこで、後進地域の格差是正というか、そういうことから考えますと、まだ交付税率を引き上げてもいいという理論が成り立つのじゃないかと思いますけれども、その場合に、どこをどの程度に引き上げることが適当かというそういう結論はなかなかむずかしいと思いますけれども、今問題になっている行政事務の再配分ということから考えて参りまして、今二八・九ですか、局長さんは、現在の状況のもとにおいてあるべき理想の姿としての税率はどのくらいが適当だとお考えになりますか。
○政府委員(奧野誠亮君) 私は、交付税率が低くて十分な財源の均衡化を果たせる、これが一番望ましいと思います。率直に申し上げまして、率がだんだん高くなって参りますと、その率を動かすことが国の財政にとって非常に苦痛なことになってくるだろうと思います。むしろ積極的に率を動かしてその年々の状況に応じた均衡化措置をとれるようにしておくべきだと思います。ここまで率が上がって参りますと、そう簡単にはできないのではないかと思います。むしろ二五%前後で均衡化がとれていけるなら一番しあわせだ。しかし、現状においてはそうもいきませんので、二八・九%まで上がっているのであります。したがいまして、二八・九%を引き上げることによって均衡化措置の完成をはかっていくということよりも、むしろ全体としての地方財源を充実させながらその措置をとっていくということに重点を置くべきものではなかろうかと思っております。
○沢田一精君 単位費用の算定に関しまして、警察費のことでちょっとお伺いしたい。
 巡査見習生ですが、これは測定単位の面からどういうふにお考えになっておりますか。
○政府委員(奧野誠亮君) 標準団体につきましては、ある程度の巡盃見習生を予定して単位費用をきめているのでございます。常に新陳代謝が行なわれるからでございます。今度のように新規の増員が行なわれる、その増員を巡査見習生として採用していかなければならない、そういう分は、費用に織込みませんで、特別交付税に算入するという運営の仕方をいたしております。
○沢田一精君 お配りいただきました算定基礎の資料を見てみますと、わざわざ(巡査見習生を除く)というふうにカッコ書きがしてございます。また、七ページを見てみましても、標準団体測定単位の数値という面からすると、見習生というものはのけてある格好になっておりますが、これはどうなんですか。
○政府委員(奧野誠亮君) お話のように測定単位の数値からははずしておるわけでございます。しかし標準団体で幾ら、警察官の給与費を必要とするかという額の中には、定数に応ずる給与費プラス巡査見習生の給与費をとっておるわけでございます。それを巡査の定数で除して単位費用をきめてあるわけでございますから、測定単位の数値の場合には、巡査見習生は除いておるわけであります。しかし単位費用の基礎には入っております。
○沢田一精君 測定単位についても警察官と同様、あるいはこれに準じてその数の中に加えていただくというわけにはいかないのですか。
○説明員(山本悟君) 警察法の施行令できめております定数内には、見習生も含んだ数字がきめられておるわけでございますが、実際の各府県の見習生の採用の状況と申しますのは、やはり実際の新陳代謝といったような点を考慮された上でそれぞれきめられておりまして、必ずしもそのとおりにならないというような点もございますので、従来からこれを除いているような取り扱いにいたしておるわけでございます。なお、先ほど局長から申し上げましたように、多数の新規増員があるというような際には、その増員されました分の見習生の数を特別交付税の際に、普通交付税と同様な方法によりまして算定をいたして、特別交付税の基礎に算入いたす取り扱いに、従来からいたしております。
○沢田一精君 府県の実情からいたしますと、その入っておるのかいないのかということが、これはまあいつも非常に問題になると思うのでございます。だから今御答弁いただいたような趣旨でもけっこうですし、あるいは先ほど私がお願いしましたように、測定単位の中にはっきり数を明示していただくというようなことで、混乱が起きないように御指導いただきたいと思います。
○説明員(山本悟君) 単位費用積算の場合の標準団体に見習生を算入いたしております数は、お手元に御配付申し上げております単位費用算定基礎の六ページにございます。六ページの第三表というのをごらんいただきますと、職員配置表に巡査見習生五十というのが書いてございます。これが標準団体として積算をいたしておる数字でございます。なお、ただいま御要望のございました点は十分考えて参りたいと思います。
○鈴木壽君 税のほうに戻してもらいますが、狩猟法の改正と、今度の地方税のほうの狩猟免許税、入猟税ですか、これは離されないと思うのですが、そこで今度の入猟税で、有益鳥獣の保護なり繁殖なりのほうにもっぱら使えるようにするという、いわば目的一税として設置をされておるようでありますが、林野庁としては鳥獣の保護、繁殖ということに対して、これからどういう、ふうにおやりになっていくのか、私、狩猟法の改正も一応目を通しましたけれども、この際ひとつ、その点について、構想をお述べいただきたいと思うのです。
○説明員(若江則忠君) 狩猟法の一部改正法案の内容でございますが、最近野生鳥獣が著しく減少して参りましたので、これを保護増殖しながら野生鳥獣の増殖をはかっていくかたがた、スポーツとしての狩猟を楽しんでいただくというようなめどのもとに、主として保護増殖関係に重点を置きました改正をいたしたのでありますが、その内容といたしまして、都道府県知事は農林大臣が定めまする基準に従いまして、鳥獣保護事業計画を立ててやる、その保護事業計画の中には、鳥獣を保護するための一定の区域を設ける計画を立てる、あるいはまた、その区域内で鳥獣の人工増殖を行なったり、キジ、ヤマバト等を放鳥いたしましたり、あるいは野鼠の被害の多いところにはイタチ等を放獣するという放鳥獣の計画を立てる。あるいは逆に有害鳥獣がばっこする地域におきましては、これを計画的に駆除するような計画を立てるというような、いろいろの保護あるいは有害鳥獣の駆除並びに一般に鳥獣保護に関する啓蒙宣伝を行なう、並びに鳥獣保護事業のために側面的な取り締まりの強化を行なうというような点を重点におきまして、鳥獣保護区の設定を積極的に行なう。そのために従前までは禁猟区制度でやっておりました禁猟区を鳥獣保護区に改めまして、積極的にその区域内で鳥獣の保護増殖を行なう。従前の鳥獣保護区はこれを特別保護地域ということにしまして、さらに濃密な保護増殖を行なう区域にする。なお、その他の地域では行動その他の制限のある地域を除きまして、一般に狩猟が可能であったのでありますが、この可能な地域におきましても、約二割程度を循環式に休猟区制度を設けまして、一定の期間猟を休んでいただくというような区域を、大体全体の二割程度指定しながら、これを回していくというような制度を確立いたしましたとともに、先ほどちょっと申し述べましたが、都道府県の鳥獣保護事業計画を効果的に運用するために、鳥獣保護員を県内におきまして、これが保護増殖と、取り締まりの応援といいますか、手伝いを行なうというような事柄が主要な改正の内容でございます。
○鈴木壽君 鳥獣の保護繁殖というのは、まあこういう狩猟法の建前からしますと、責任は都道府県にある。こういうことになるようですが、そう考えていいですか。
○説明員(若江則忠君) 都道府県ごとに鳥獣保護事業計画を立てるわけでございまして、その範囲内では都道府県知事の責任でございまするが、野生鳥獣は都道府県の区域から他の都道府県の区域にも飛来し、飛んで行くということもありまするので、大臣が鳥獣保護事業計画の調整を行ないまして、全国的な視野でこの事業計画の調整を行ない、全体的な姿におきまして、保護増殖計画が適切に進められるように、大臣がこの調整を行ないながら、これを推進していくということになっております。
○鈴木壽君 大臣が調整をすると、こうおっしゃいましたね。具体的に言うと、どういうことになりますか、仕事の具体的な面では。
○説明員(若江則忠君) 改正の第一条の三にありまするように、「国ハ都道府県二対シ鳥獣保護事業計画ノ樹立二関シ必要アリト認ムルトキハ勧告ヲ行ウト共二鳥獣保護事業ヲ実施スル為必要ナル指導及援助ヲ行フ様努ムルモノトス」というふうなところにその調整の内容があるわけであります。
○鈴木壽君 勧告とか、あるいは指導、援助というようなことで大臣が調整を行なう、こういうことなんですが、確かに法律の建前はそうなっておるのでありますが、しかし実際問題として、この鳥獣の保護というような仕事は、これは都道府県にもうむしろ全面的にゆだねておるというようなふうに考えられますが、勧告あるいは指導及び援助、こういうものを国が行なうというのだが、そこら辺やはり責任の所在というものはあくまでも都道府県知事ということじゃないんですか、この点はいかがですか。
○説明員(若江則忠君) 大臣が所要の勧告あるいは指導を行ないましたその範囲内で立てられました保護事業計画を執行するのは、当然都道府県知事の責任でごいます。
○鈴木壽君 勧告や指導をするわけですから、大臣のほうでは鳥獣保護なり、繁殖なりということに対して、具体的にはどういう責任を負うということになるのですか。そういう面で勧告なり、指導をするから責任があるのだ、こういうことなんですか。
○説明員(若江則忠君) 狩猟鳥獣の種類は農林大臣がこれを定めるわけでございまするし、狩猟鳥獣の保護増殖のために必要なる場合につきましては、大臣は区域あるいは期間等を制約することもできるわけでございますので、その点では大臣が全般的な狩猟行政を行なうということとも通ずるわけであります。
○鈴木壽君 私の言わんとする問題は――あまりこんなことばかりやっていてもうまくないからやめますが、私の実はお聞きしたいことは、鳥獣が著しく減ってきている。これに対して保護、それから繁殖を積極的に進めなければならぬ。こういうことで狩猟法の改正なり、あるいはまた保護繁殖に必要な経費に充てるために目的税として入猟税を今度新たにかける、こういうことなんでありますが、鳥獣が減った原因といいますか、それはいろいろありますね。それらに対して一々万全の対策を立てるということもなかなかむずかしいことだと思いますけれども、この鳥獣の保護繁殖というようなことを考える場合に、一体だれが主体になって、そういう金の捻出なり、経費の分担なりをやるべきかということを少し迂遠なもののいい方でありますけれども、考えてみる必要があるのではないか。これでは、入猟者が負担する金、これが全国では、今の推定からいえば三億何がしの金で行なわれるようで――もちろん県費の持ち出しということもあるでしょう。まあ、あってもこれがいけないのだということではないのでしょうから、そのほうのプラスはいろいろあると思いますが、ともかく入猟者の入猟税というものを引き当てにこういう対策を立てていく、こういうことになっていくと思うのです。そういうことでいいのかどうかということです。私は、そういうことだけでいいのかどうかということですね。それはガン。ブームとかなんとかいいまして、とられる数が相当多い。これが減っていく大きな原因になっておるのでございましょうが、それだけでいいのかどうかという問題が一つあるのじゃないかと思うのでございます。もっと大きな立場で鳥獣の保護繁殖ということを考えなければならぬのじゃないか。と同時に、それは単に考え方がそうだということでなしに――したがって、鳥獣保護に対する必要経費の支弁というものをこういう形だけで出すのは不十分だ、こういう私の考え方があるわけなんです。もっと端的にいえば、国がもっと出すべきじゃないか。三十八年度の予算を見ますと、鳥獣の繁殖とか、そういうもののためにきわめてわずかの予算しか計上されておりませんね。今度の計画を立てるための助成と申しますが、そういう意味の金も出ておりますか、そのものずばり、いわゆる繁殖その他のために使う金というものはわずか三百数十万円しかない。これでねらうところの鳥獣の保護繁殖ということが一体期し得られることかどうか。と同時にまた、さっきも申しましたように、私はこれは責任がどこにあるかというようなことを考えてくる場合に、これじゃ不十分じゃないかという感じを強く持つのですがね、そこら辺どうですか。
○説明員(若江則忠君) 従前までは狩猟者税という税金で、居住地で狩猟免許を得ますと、全国通用の狩猟ができるという建前になっておったのでございまするが、その場合に、三十六年度に例をとってみますると、狩猟者税の税収が大体手数料を入れまして六億余になるわけでございますが、実際に鳥獣行政に使用されておりました額が約一億余でございました。それも居住地主義で税収されますために、大きな都府県で多大の税収がある反面、一般的に狩猟者が狩猟に出かけまするいわゆる狩猟県にはわずかしか入らない。ところが、その狩猟県では積極的に野生の鳥獣の保護増殖をやっていきたいという矛盾ができておるわけでございます。そういうような矛盾と、一般的に鳥がかなり減って参ったというような実態にかんがみまして、今後はひとつ地域的な特殊性のある――鳥獣の保護増殖は、その地域を管轄する都道府県知事に十分に計画を練っていただきまして、その計画をひとつ効果的に運用願う。そのためには所要の財源措置も考えていかねばならぬというようなこと等を相あわせまして、今回の税法の改正にもなったというふうに了解いたしておるのでありますが、この改正によりまして、大体この税法が施行になりますれば、手数料等と合わせまして、約四億程度の行政費に充てるべき財源ができるというようなことで、私どもの考えておりまする保護事業計画も、こういうような財源の裏づけをもちまして、かなり積極的に増殖事業が推進できるのじゃないかというように、期待をいたしておるようなわけでございます。
 なお、お尋ねのように、この経費につきましさらに積極的に国が補助すべきではないかというような御意見のように承ったのでございまするが、先ほど来申し上げましたように、野生鳥獣の保護増殖を、野生鳥獣の習性等からいいましてかなり地域性がありますので、その地域性にかん、かみまして、都道府県ごとに計画を立てるというような観点等からいたしまして、この地方税法で都道府県税の裏づけをいたしたというように私どもは考えております。なお、一般的に諸外国の例等に徴しましても、大体目的税的なもの、あるいは手数料をもって鳥獣行政に充てておるというのが、多数の国の先例でもあるようでございます。
○鈴木壽君 今回税法がかえられて、免許税、入猟税になったということについて、私はお聞きをしているのではなくて、それは一応こういう格好になることが従来の狩猟者税よりは何と言いますか、新しく変わったということは私も認めますが、ただその場合に、入猟税それだけでもって鳥獣保護あるいは繁殖に必要な経費をまかなわせるという、こういう考え方が、諸外国にも目的税としてやっているんだというようなお話でありますけれども、大きな目で見て、国全体として鳥獣の保護というものを考えていく場合に、あるいは繁殖というものを考えていく場合に、こういう格好だけで足れりとしていいのかどうか、こういうことなんです。さっきも言ったように、三十八年度の予算には三百九十三万円しか載っていませんが、何かほかにあるならばまた別ですが、ただいろいろ今度新しくこういう計画を立てるための、それに対する援助、助成といいますか、そのための四百六十万円と、あと標識をつける金が若干あると、こういう程度しか私は拾えなかったものですから、これでいいのかどうか。確かに従来の狩猟者税であった当時よりは、逆にすれば三倍くらいの鳥獣の保護繁殖のために投入できる、そういう財源が得られたんですから、それは大きな前進でしょうけれども、これでいいのかどうか。私は今言ったように、何かしちめんどくさい、責任の所在がどうのこうのということを申し上げましたが、こういう格好でなしに、私はもっと少なくとも同額ぐらい国は出すんだ。でないと私は建前としてはおかしいのじゃないか、こういうことなんですね。いかがですか。
○説明員(若江則忠君) 鳥獣の行政運営でございますが、これは従来から林野庁の一般庁費の中で、鳥獣の行政運営に必要なる経費を約三百七、八十万組んでおったわけでございますが、三十八年度におきましては鳥獣保護区あるいは特別地域の設定等、あるいはキジ種馬の増殖等にかんがみまして、林野庁の一般庁費の中に四百六十万程度の行政費を組んでおるわけでございまするが、そのほかに今御説明になりました、野生鳥獣の生殖調査、並びに先ほど申し上げました保護事業計画を樹立するための調査費といたしましての補助金として四百六十万円を新しく組みまして、保護事業計画に対しましてわずかではございますが、国も応分の助成をしつつ保護事業計画が予定どおり調査策定される、あるいは基本的な野生鳥獣の生殖に必要な調査も全国四百六十カ所で行なうというようなことで、これは新しい予算として狩猟法の改正部分が効果的に運用できるように組まれました額でございますが、額自体は仰せのようにわずかでございまするが、国といたしましても応分の協力をするという建前で組まれたものでございます。
○鈴木壽君 もう一度数字的なことで聞きますが、今度の三十八年度予算で、林野庁の予算の中に、私も申し上げましたし、あなたも今お答えになっておりますが、鳥獣行政運営に必要な経費として四百六十万円計上されておりますね。これは保護対策を進めるために都道府県が行なう鳥獣保護計画作成費の一部を国が補助するんだ、こういう目的のために使われる金でございますね。そのほか有益鳥獣保護費というのが三百九十三万円出ておりますね。それから標識調査委託費というのが七十六万円出ておりますが、今私が申し上げましたこの三つのほかに、この鳥獣の保護繁殖のために必要な経費として、国が今度の三十八年度の予算で計上をしておる金はございますか。
○説明員(若江則忠君) そのほかに庁費といたしまして、鳥獣保護区等の設備費並びに鳥獣増殖費並びに中央講習会費といたしまして四百五十六万七千円を組んでおるわけでございます。
○鈴木壽君 そうすると、今最後に述べられました保護区の問題で四百五十六万円とありますが、これとは別に、計画策定なり、都道府県が行なう鳥獣保護のいろいろなことのために一部補助をするのは四百六十万円と、それからいま一つは有益鳥獣保護費というのがありますが、三百九十三万円、これはそのものずばりで各都道府県に分けられる金なんでございますか、いかがですか。
○説明員(若江則忠君) それは私、資料を持ち合わせないのでございまするが、林業改良指導員が行なう指導活動費の一部といたしまして、鳥獣の保護行政費が組まれておりまするので、多分その費用であろうとかと思います。私が申し上げました鳥獣行政運営費は中央経費でございまして、国が全額持って行なう経費が四百五十六万七千円、そのほかにこの狩猟法の一部改正に伴う保護事業計画と、野生鳥獣の生殖調査を行なうための補助金が四百六十万円ということでございます。
○鈴木壽君 さっきも申し上げましたが、今まで鳥獣保護のために使っている金からしますと、今度の入猟税の規定によって大体三倍近くの増額というようなことになりますから、これは相当期待していいと思うのです。しかし鳥獣保護というような問題を、一切鳥獣をとる人たち、鉄砲を持ったり何かしている人たちだけに責任を負わせてしまうというような考え方が、やはり根底にあると思うのですが、戦前に比べて著しく減少を示しているというようなことは、単に鉄砲撃ちの人たちの問題だけではないですよ。いろいろ他に減る要素があるのです。そこまで私は考えなければならぬと思う。そう考えた場合に、これは目的税として、それはそれなりに理由もあるし、納得もできますけれども、繰り返して申し上げますと、国全体が鳥獣の保護、繁殖というものを考えます場合には、もっと国として経費を支出して積極的にやらなければいけないことじゃないだろうか。こういうふうに思いますが、今後こういうようなことについて、お考えになっていくというようなことではないのですか、どうですか。
○説明員(若江則忠君) 国といたしましても、先ほどから申し上げましたように指導監督と同時に、援助を行なうよう努めるという建前になっておりますので、今後この保護事業計画をさらに積極的に推進するために必要な調査並びに推進指導費等につきましては、所要の経費を計上する必要があるというふうに考えているわけでございますが、主体的な事業に要する財源はこの入猟税等を当てにすることによって、まかない得るのではないかというふうに考えているわけでございます。
 なお、鳥獣が減りました理由、その他につきましては、狩猟者自体が昭和の初めに比べますと、三倍くらいにもふえているというようなことから、あるいはまた森林自体がかなり伐採されまして、林相自体が天然林から人工林に変わっていくというような点等も、鳥獣が減少した一因ではなかろうかというふうに考えられますので、今後林業部面の施業面におきましても、保護区あるいは特別地域等につきましては鳥獣保護にも寄与し得るような施業法をとりながら、積極的に国有林関係におきましても保護増殖に寄与できるような施業法をとることを十分考えておるわけでございまして、その点両々相待ちまして、今後この事業計画が軌道に乗りまするならば、かなり鳥獣保護も効果を現わし得るのじゃないかというふうに期待しておるわけでございます。
○鈴木壽君 明年度から、こういうふうに改正されるわけでありますから、一応これがどういうふうな効果を現わしてくるか、待たなければならぬというようなこともあるかと思います。さっきも言ったように、今までの三十六年度一億何がしの程度しか鳥獣保護等に使われておらない。今度は三億をこすような、大体数字としてはそういう金が入るのでありますから、相当効果があるだろうと思いますが、そういうことも期待をしながら、しかし考え方としては、こういうものを入猟税というような財源だけに依存するようなことでは、なお不十分じゃないか。もっと積極的に、国がこういう仕事に対して熱を入れ、したがって金も出すということでないと、期待するような効果があがらぬのじゃないだろうかと、私は思うのです。と同時に、あなたがおっしゃったような、いろいろ施業の面等におきましても、国有林の管理とか施業の面におきましても、鳥獣繁殖というものを十分頭に入れながらやっていかれるということは、もちろん大事なことでありまして、やっていただきたいことでありますが、ともかく経費の面でも相当な力を入れないといけないと思うのであります。これは年間、鉄砲でとる数がどのくらいなのか、私そこまではつかまえておりませんが、しかし相当な数にのぼる。たとえば免許を受けるものが現在三倍にもなっているのだというようなこともありましたので、それだけで鳥獣が減った。それがなくなれば鳥獣がふえてくるかという、そうじゃない。原因はほかにいろいろあると思うのです。そういうこともあわせて考えていかなければならぬとすれば、どうも国としての積極的な保護対策としてはまだまだ不十分じゃないか、ひとつ今後の施策に期待しながら、あなたに対するお尋ねは、これで終りたいと思います。
 局長さんに伺いますが、各都道府県に大体どの程度になるか、これはもちろん推定はついておるのでございますね。
○政府委員(柴田護君) 全体の金額は大よそ見当がつきますけれども、府県ごとにつきましては、一人の人が何回も――何府県にも参る場合か多いわけでございますが、そういう場合の人口の推定がつきませんので、県ごとの額はちょっと推定いたしかねます。
○鈴木壽君 これも一、二年たってみないとつかめないことかもしれませんが、では、一人の人が県ごとに免許を受け、入猟税を払うということになって参りますと、たとえば、これは東京に住んでおる人が千葉へ行く、埼玉へ行く、あるいは茨城に行く。そうすると、三県ともそこへ行って免許を受けて入猟税を払ってやっていく。こういうことになると思うのですが、そのとおりでございますね。
○政府委員(柴田護君) そのとおりでございます。
○鈴木壽君 的確にこれは把握できますか。たとえば、東京の人が遠くの東北のほうに――山形、秋田、青森の三県にかけて行く、あるいは北海道へ行く。こういうことは中には飛行機に乗って行くという人もずいぶんおりますが、そういう場合にやはり疑うようで悪いのでありますが、的確にそこに行って一々各都道府県で免許を受け、入猟税を払うというようなことで、何か心配ございませんか。
○政府委員(柴田護君) 狩猟につきましては狩猟の期間がございます。そこで、狩猟の猟期が始まる前に手続的に前もって、それぞれ自分が行きたいという県に申請をして免許を受けます。同時に税金を払う、こういう手続をとりますれば、そこのところは御心配のような点はまずない。もし、免許を受けないで狩猟をやれば密猟でございます。現在でも密猟はあるわけでございますが、やはりそれは狩猟法に基づく取り締まりを強化してやっていく、それ以外にないと思います。また、入猟税制度を設けますと、財源的にもそういう方面にも相当金が回るわけでございますので、狩猟監視員等が注意いたしまして、そのほうの取り締まりは遺憾のないようにしたいこういうことになるように政府側では手はずを合わせておりますが、全然、密猟がなくなるかというと、なくなるとは言いかねますけれども、まあまあ今までよりそう心配がないのじゃないか。ただ手続はただいまよりもめんどうくさくなるかもしれませんが、これは今申し上げましたように事前に比較的スムーズに免許が取れるような手続を工夫していきたい、こう思います。
○鈴木壽君 たとえば十一月一日らかカモの解禁だというような場合、東北の何県かにわたって行きたいという考えの人は、それ以前にその手続をして免許を受け、それから入猟税を払っていく、こういうことをさせよう。こういうお話でございますか。
○政府委員(柴田護君) さようでございます。
○鈴木壽君 もちろん期間でも期間に入ってからでも、東京を出発する前にやる、こういうことにならざるを得ないと思いますが、これはそういうことになりますね。
○政府委員(柴田護君) さようでございます。
○鈴木壽君 現地でたとえば、さっきも言いましたように、茨城なら茨城に行って、現地で受けるということも、これはあり得るわけですね。
○政府委員(柴田護君) それは可能でございます。
○鈴木壽君 ちょっとこれは、つかみずらいことになりますよ。
○政府委員(柴田護君) その点は私どももずいぶん心配したのでございますけれども、免許が狩猟地主義で住居地主義ではございません。従来は住居地主義で参りましていろいろ問題があったのでございますが、狩猟地主義になりますと、免許を受けるところで税を取るということになりますので、その欠点は防げる。ただ密猟をどうする九という問題が残りますけれども、今申し上げましたような施策でその辺は防ぎたい、こういうことに考えておるわけでございます。
○鈴木壽君 法の改正になった建前はわかりますが、だが私はもっと心配をするのは、あなたの言ういわば密猟といいますか、それを心配しているわけなんです。建前はわかりました。その場合により一そう心配の種があるのではないかというような気がするわけです。あしたは土曜日だ、あさっては日曜日だ、行こうじゃないかと、こう言って、ぽっと行ってやってくるような事態が多くなりはせぬかということなんです。今度どういうふうになるかわかりませんけれども、今の密猟防の対策といっても、これはなかなか実効の上がらない、むずかしい問題になっているのですね。各都道府県でも非常にむずかしいですよ。一体東京の人が、いつ、何の汽車でどういう格好でどこに来たのかと一々ついて歩くわけにもいきませんし、どこか村の奥のほうの山でドンと何発銃声が聞こえたから、だれか来ているのだろうと言って、だからといって、そこに行って一々それをやるというような今の仕組みにはなっていませんね。ですから、政府の建前はわかりますが、しかし、あまり狩猟者に対して不信の念が強いように聞きとれるかもしれませんけれども、何かちょっと心配なところがございますね。したがって、目的の達成という点からすると、何か危惧の点がありはせぬかと思いますが、心配はございませんか。
○政府委員(柴田護君) 私どもも税を徴収する立場から、全然安心しておるのかと言われますれば、決して安心はしておらぬのでありまして、多少それは危惧の念を持つのでございますけれども、しかし、密猟の問題につきましては、今日でもやっぱりいろいろ問題があるわけであります。それがどのように制度が変わってなるかということなんでございますが、これはまあ狩猟法の改正でいろいろ手段を講じておりますし、また、財源的にもそういう方面の財源も充実しておりますし、しばらく推移を見たい。その結果非常に困るような事態が発生し、負担の不公平を招くという事態になりますれば、これはまたそういう制度面全体から考え直していただかなければならないということになるかもしれませんが、今日の段階では狩猟制度が変わったわけですから、その変わったところに合わせて狩猟に関する租税の体系を変更して税負担の適正化をはかってしばらく推移を見たい、こういうように考えている次第でございます。
○鈴木壽君 繰り返して申し上げますように、何かこういう人たちに対して失敬な侮辱したように聞こえるとすれば残念でございますが、しかし、事実やっぱりいわゆる密猟といいますか、そういうものがないわけではないので、現在でもありますし、また、こういう制度になったら一そうあるのじゃないかという心配も私持つわけなんですよ。ですから申し上げておるわけなんでありますが、これはよほど何といいますか、密猟防止の対策を講じないと困ったことになりはしないかという心配を、私は持っているのであります。免許税なりあるいは入猟税の年度内に入る見込額の徴収歩合なんかも非常に高いのでございますが、これは正規に届け出た者についてはおそらく一〇〇%になるべき筋の税金ですね。まさか金を払わないで免許証だけとっていく人もあるまいし、これは一〇〇%だけれども、この高い徴収歩合を見ていますけれども、実態はどうかということになりますと、私はいろいろ今申し上げますように心配な点がありますから、これはひとつ都道府県においてもそうでありましょうけれども、あなた方の立場からよほど今回の趣旨の認識をしてもらうことのためのいろいろな手段をさらに徹底をして、密猟等のことのないようにしていただきたいというふうに思うのであります。鉄砲撃ちは相当入っているにもかかわらず、さっぱり入猟税の入らないということのないようにしていただきたいと、私は思うのであります。
 人猟税の問題、それから免許税の問題はこの程度でありますが、きょうはあまり時間もないようでありますから、税の問題でもう一つお聞きしておきたいと思います。来年度三十九年度から固定資産の評価がいわゆる評価替えの問題があって、それぞれ準備をしておられると思うのでありますが、今地方に評価基準の試案を示しておるようであります。この基準をいつごろ告示なさいますか。
○政府委員(柴田護君) お話のように、現在土地と家屋の大部分について、一部まだできていないところがあります。一部を除きまして、大部分について評価基準の試案を作りまして、地方団体、特に市町村にそれを示しまして、いろいろ意見を聞いております。かたがた基準地並びに基準家屋の調査にかかっております。これが大体調査が終わりましたところで、今度は評価の趨勢をつかまえて、それを負担調整をどうするか、その辺のめどを大体つかんで告示というつもりでおります。今のところ、なるべく早く告示はしたいと思いますけれども、まだ最終的にいつということを申し上げる段階には至っておりません。なお、償却資産につきましては試案もできておりません。これから償却資産の評価基準につきまして中央固定資産評価審議会の審議を経るというふうな段階でございます。急ぎますのは、評価基準は土地と家屋につきまして大体の案を作って、それによって事務的作業が進められますので、事務的作業を先に進める。そして早くその大勢をつかんだ上で負担の調整問題というものに入っていきたい。これはなかなか大問題でございますので、税制調査会等にも審議をわずらわしまして結論を得たい、こういうふうに考えて作業を進めております。
○鈴木壽君 これは非常にたいへんな、めんどうな問題だと思いますが、特に調整の問題等になりますと、ただ、今の地方でこの問題でそれぞれ町村でいろいろな試案に基づいたそれをやっておる。それを結局住民の人たちは――これは今の土地あるいはその他の固定資産のいわゆる価格といいますか、時価というものからしますと、今までのそれと比べますと、相当な大きな開きで値上がりをしているものがかなりあるわけなんですね。さて、それはそれとして、固定資産税を負担する場合に、それがどう固定資産税の上にはね返ってくるかということが一番心配されておることなんですね。と同時に、私どもも心配するところなんですが、これはいろいろめんどうなことになると思いますが、考え方としては現在の負担を高めるという考え方でやるのか、あるいは現在の負担程度以上にはしないというのか、あるいはもっと下げるというのか、どういう考え方なんですか、自治省としては。
○政府委員(柴田護君) 固定資産の再評価問題が起こりましたもとは、大体資産の間に負担のアンバランスがある、それから市町村間にアンバランスがある、関係諸税の間にアンバランスがある、こういうアンバランスの是正ということから始まったわけでございます。で、政府で設けました固定資産評価御度調査会の答申の中では、アンバランス是正というものが主目的である。したがって、その固定資産税の負担については現行制度による額は総額として大体維持しよう、それ以上に増収を求めるものではない。それで負担調整を税率その他によって行なうというようにあるわけでございます。基本的に私どもも大体その線に沿って作業をし、また、その線に沿って作業を行ないたい、かように思っておりまするが、具体的な問題になって参りますと、いろいろむずかしい問題が起こってくる。その辺で具体的にどうするかという問題につきましては慎重な配慮が要る。このように考えておるわけでございまして、また、そのようなつもりで慎重な作業を進めている次第でございます。
○鈴木壽君 調査会のそれの中に出てきた趣旨も一応わかりますし、たださっき申し上げたように、住民の人たちはこういう作業がもうすでに行なわれ、三十九年度から評価替えになるんだというようなことから、固定資産税が今のような率であれば、特に宅地等の場合において、相当値上がりするのじゃないかと、はね上がった額になるのじゃないかということを心配している向きもあるわけなんで、そこで私もお聞きしたように、おそらく現在の負担をさらに引き上げるというような意図でないということはかわりますが、そこらはひとつはっきりしておかないと、要らざる不安と混乱を引き起こすようなことになりはしないか、こう思いますし、そのことがかえって評価のあとのバランスなり、適正な評価をするという、そういう作業そのものに対しての何かマイナスになってくるような面が出ているのじゃないかと思いますから、そういう点、はっきりこの機会にお聞きしたい、こう思ってお聞きしたのでありますが、ただ問題は、やはり調整すると言ってもなかなか具体的なことになりますと、頭の痛い問題だと思いますね。だからしたがって、今の固定資産税の率の問題なんかが、ああいうふうな一本のものでいいのかどうかということも、これは当然考えてこなくちゃならぬのじゃないかと、私は個人的に考えるのでありますけれども、ともかくこれはたいへんな問題だと思うのですね。しかし、原則的には現在より負担の増大を来たすようなことがないというようなことで、作業を進めているという趣旨だけはわかりましたから、本日は、この問題についてはこの程度しておきます。
○委員長(石谷憲男君) 次に、オリンピック東京大会の準備等のために必要な特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 提案理由の説明を願います。田中文部政務次官。
○政府委員(田中啓一君) 本日、議題となりましたオリンピック東京大会の準備等のために必要な特別措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 オリンピック東京大会の開催につきましては、かねて国会の全面的な御支援をいただいておりまして、政府といたしましても、まことに力強く思いまして、明年度に開催の迫りました大会の準備対策について鋭意努力いたしおるところでございますが、この際オリンピック実施の衝に当たる組織委員会を一そう充実強化する必要がありますので、組織委員会が地方公共団体の諸機関から適任者を採用する場合、その人事交流が円滑に行なわれるようにするため、地方公務員の退職年金等共済組合の長期給付について、国家公務員の場合と同様、特別の措置を講じたいと考え、この法律案を提出することとした次第でございます。
 すなわち、地方公務員が、任命権者の要請に応じ、地方公務員を退職し、引き続き組織委員会の職員となり、再び地方公務員に復帰する場合、本人の希望により、地方公務員共済組合法に規定する公庫等の職員とみなし、組織委員会の職員の在職期間を退職年金等共済組合の長期給付の期間の計算上、公務員の在職期間に通算する措置をとるようにいたしました。
 また、現に組織委員会に勤務する職員のうち、地方公務員から採用された者についても、均衡上必要な措置を講ずることとしたのであります。
 なお、これらのことは、組織委員会においても強く要望しているところであることを付言いたします。
 以上が、この法律案を提出いたしました理由及びその内容の概要であります。何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛成下さるようお願い申し上げる次第でございます。
○委員長(石谷憲男君) 本案の質疑は、次回に譲ります。
 本日の審査は、この程度にいたしいと思います。次会は三月二十八日(木曜日)午前十時に開会いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十六分散会
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