第043回国会 法務委員会 第24号
昭和三十八年七月六日(土曜日)
   午前十一時二十七分開会
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  委員の異動
 六月二十八日
  辞任      補欠選任
   亀田 得治君  藤原 道子君
   加瀬  完君  秋山 長造君
 七月五日
  辞任      補欠選任
   秋山 長造君  亀田 得治君
 七月六日
  辞任      補欠選任
   藤原 道子君  小柳  勇君
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 出席者は左の通り。
   委員長     鳥畠徳次郎君
   理事
           後藤 義隆君
           松野 孝一君
           稲葉 誠一君
           和泉  覚君
   委員
           大谷 贇雄君
           杉浦 武雄君
           鈴木 万平君
           田中 啓一君
           坪山 徳弥君
           亀田 得治君
           小柳  勇君
           大和 与一君
           柏原 ヤス君
           山高しげり君
           岩間 正男君
   発  議  者 山高しげり君
  国務大臣
   法 務 大 臣 中垣 國男君
  政府委員
   警察庁刑事局長 宮地 直邦君
   厚生省医務局次
   長       鈴村 信吾君
  最高裁判所長官代理者
   最高裁判所事務
   総局総務局第一
   課長      長井  澄君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       西村 高兄君
  説明員
   法務大臣官房参
   事官      貞家 克己君
   法務省民事局第
   一課長     池川 良正君
   法務省刑事局刑
   事課長     羽山 忠弘君
   法務省刑事局公
   安課長     高瀬 礼二君
   法務省人権擁護
   局調査課長   池田 保之君
   運輸省鉄道監督
   局業務課長   秋田  豊君
   労働省労働基準
   局監督課長   小鴨 光男君
   日本国有鉄道常
   務理事     河村  勝君
   日本国有鉄道常
   務理事     遠藤 鉄二君
   日本国有鉄道公
   安本部次長   井本 善之君
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  本日の会議に付した案件
○売春防止法の一部を改正する法律案
 (赤松常子君外三名発議)
○水戸家庭裁判所庁舎新築に関する請
 願(第九七号)
○鳥取地方法務局矢戸出張所の管轄区
 域に日南町大宮、石見両地区統合等
 に関する請願(第二七九二号)
○愛媛県松山地新裁判所西条支部庁舎
 等新築並びに裁判官及び裁判所職員
 増員に関する請願(第二八七七号)
○福岡法務局芦屋出張所存置に関する
 請願(第三二四六号)(第三二七三号)
○宇都宮地方法務局福居出張所存置に
 関する請願(第三二七四号)
○戦争犯罪関係者の補償に関する請願
 (第六一一号)(第六一二号)(第六一
 三号)(第九一〇号)(第一二三三号)
 (第一三五八号)(第一六〇一号)(第
 二二六一号)(第二四二〇号)(第二四
 八八号)(第二六一二号)(第三〇〇四
 号)(第三四一四号)
○神戸市の都市計画による公有地強制
 立ちのき者等の人権擁護等に関する
 請願(第二二五〇号)
○皇室の尊厳を守るための法律制定に
 関する請願(第二三二〇号)
○皇祖天照大御神及び皇室の尊厳を守
 護するための法律制定に関する請願
 (第二五九九号)
○暴力行為等処罰に関する法律等の一
 部を改正する法律案反対に関する請
 願(第三五七六号)(第三六一一号)
○不正選挙、汚職の真相究明と責任追
 及に関する請願(第三五九二号)(第
 三六一〇号)
○国土の清潔保持に関する請願(第三
 四一二号)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣に関する件
○継続審査要求に関する件
○検察及び裁判の運営等に関する調査
 (品川駅構内における国鉄職員の逮
 補事件に関する件)
 (地方選挙違反事件及び千葉工業大
 学に関連する告訴、告発事件に関す
 る件)
 (日本赤十字社における労使間の紛
 争事件に関する件)
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○委員長(鳥畠徳次郎君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 本日は、まず、昨日付託されました売春防止法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の発議者より提案理由の説明を聴取いたします。山高君。
○山高しげり君 売春防止法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。
 売春防止法が制定されましてから七年を経過いたしましたが、関係機関団体の御努力により、法施行による成果が実を結びつつありますにもかかわらず、依然として売春行為が跡を断たないばかりでなく、最近においては売春がとみに潜在化し、また、悪質化して行なわれる傾向が見られることは、すでに御承知のことと存じます。
 もちろん、このような事態は、売春を根絶するために必要な諸施策や、思い切った社会改善を伴わないからでもありますが、いま一つは、現行の売春防止法の不備にも大きな原因があると考えられますので、ここに売春防止法の一部を改正する法律案を提案する次第であります。
 以下この法案の要点につき、御説明申し上げます。
 改正の第一点は、売春の勧誘に応じた者等を一定の場合に処罰することに関する改正であります。
 現行法は、第五条で、売春をしようとする者が、公衆の目にふれるような方法で、売春の相手方となるように勧誘したり、客待ちをしたりする等の行為を処罰しておりますが、これらの勧誘等に応じてその相手方となることを承諾したり、相手方となるために勧誘したりする行為は、現在は処罰の対象となっていません。しかしながら、これらの行為は、売春をしようとする者の当該行為を助長するものでありますので、新たに処罰すべきものとし、一万円以下の罰金に処することといたしたのであります。
 改正の第二点は、売春の相手方となる目的で、売春の周旋に応じ、または売春の周旋を依頼した者を処罰することに関する改正であります。
 現行法第六条は、売春の周旋及び周旋人の勧誘等の行為を処罰いたしておりますが、売春の相手方となるため、売春の周旋に応じ、または周旋を依頼する行為は、売春の周旋を助長するものであるにもかかわらず、何ら処罰されておりません。よって、相手方のこれらの行為も新たに処罰すべきものとし、一万円以下の罰金に処することといたしたのであります。
 改正の第三点は、人に売春をさせるいわゆるひもにつきまして処罰規定を補整したことであります。
 最近における売春が潜在化し、悪質化しつつある実情を顧みますと、売買婦と特殊な関係を結びまして売春行為を助長したり、あるいは売春婦に寄生いたしまして無為徒食しているいわゆるひもの取り締まりの強化が、婦女子の人権擁護のためにもぜひ必要と考えられるのでありますが、現行法の規定は、この点についてなお不十分であると思われますので、、第七条第一項に改正を加えることによりまして、親族関係のみならず、業務、雇用その他の特殊な関係による影響力を利用して人に売春をさせた者も処罰することができることとするとともに、第八条第二項にも同様な改正を加えて、売春をした者に対し、親族関係のみならず、業務、雇用その他の特殊な関係による影響力を利用して、売春の対償の全部または一部の提供を要求した者も処罰することができることといたしました。
 改正の第四点は、いわゆる管理売春に関する処罰規定を補整したことであります。
 現行法第十二条は「人を自己の占有し、若しくは管理する場所又は自己の指定する場所に居住させ、これに売春をさせることを業とした者は、十年以下の懲役及び三十万円以下の罰金に処する。」こととなっているのでありますが、取り締まりが強化されるに従いまして、人に売春をさせることを業とする者も、コールガール制、結婚紹介所制等、本条に規定するところと異なる新たな形態により、悪質な管理売春を営んでいることがうかがわれるのであります。本法案におきましては、このように法網をくぐるために次々と新たな業態を案出しまして、人に売春をさせることを業とする者をすべて処罰の対象とすることができるように法第十二条を改めまして、いかなる方法によるかを問わず、人に売春をさせることを業とした者は、これを処罰することができることとしたのであります。
 改正の第五点は、補導処分の期間に関してであります。
 補導処分の期間は、従来の六カ月では、その実効をあげ得ない場合が多いため、二回に限り、これを更新することができることとし、最長期一年六カ月まで補導を行なうことができることといたしました。ただし、補導処分が人身の拘束を含む処分であることにかんがみまして、期間の更新は、婦人補導院に収容されている者の補導処分の期間が満了する場合において、その者がまだ社会生活に適応する状態に達していないとき、またはその者の更生の妨げとなる心身の障害があるときに限ることとし、期間の更新の手続についても、婦人補導院の長の申請によって裁判所が専門家の意見を聞いて決定することとしてその慎重を期し、また、補導処分の期間の更新の決定に対しては、二週間以内に抗告することができることといたしました。
 右のほか、これらの改正に伴い、所要の規定の整備を行ないました。
 以上、この法案の要点につき御説明申し上げました。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことを希望する次第であります。
○委員長(鳥畠徳次郎君) 本案につきましては、一応この程度にとどめます。
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○委員長(鳥畠徳次郎君) 次に、第九七号水戸家庭裁判所庁舎新築に関する請願外二十六件の請願を一括して議題といたします。
 便宜上から、速記を中止いたしまして御協議を願いたいと存じます。
  〔午前十一時三十五分速記中止〕
  〔午前十一時五十五分速記開始〕
○委員長(鳥畠徳次郎君) 速記を始めて。
 ただいま速記を中止いたしまして御協議をいただきましたとおり、第九七号水戸家庭裁判所庁舎新築に関する請願外五件の請願は、議院の会議に付し、内閣に送付を要するものと決定することに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鳥畠徳次郎君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 なお、報告書につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鳥畠徳次郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
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○委員長(鳥畠徳次郎君) 次に、継続調査要求についてお諮りいたします。
 検察及び裁判の運営等に関する調査につきましては、会期中に調査を完了することは困難でありますので、継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鳥畠徳次郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成及び手続等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鳥畠徳次郎君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。
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○委員長(鳥畠徳次郎君) 次に、委員派遣承認要求についてお諮りいたします。
 検察及び裁判の運営等に関する調査のため、閉会中、委員派遣を行ないたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鳥畠徳次郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、議長に提出すべき要求書の作成及びその手続等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鳥畠徳次郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(鳥畠徳次郎君) 次に、検察及び裁判の運営等に関する調査を議題といたします。大和委員。
○大和与一君 例の国鉄の件ですね、新聞なんかに出ました田町電車区の問題でお尋ねをしたいのですが、詳細なことは同僚議員からもお尋ねがあると思うんですけれども、まず第一に概要をお話しいただきたいと思います。
 その前に、総裁、副総裁がおいでになっていないので、これは答弁のほうが画龍点睛を欠いて、いくらいい質問をしてもいい答えが出ないと思いますので、なぜ来ないのか、それを一番先に聞かせてもらいたいと思います。総裁、副総裁はなぜ出ないのか。
○委員長(鳥畠徳次郎君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(鳥畠徳次郎君) 速記をつけて。
○大和与一君 それでは、概況をまず話して下きい。
○説明員(遠藤鉄二君) 新聞に報道されましたように、田町電車区――東京鉄道管理局の田町電車区でございますが、その構内におきまして、七月二日に発生いたしました事件についてのお尋ねでございますが、経過の概要をまず御説明申し上げたいと思います。
 国鉄の電車区というような現場の日勤職員の勤務時間は、午前八時半から午後五時までと限っておるのでありますが、当田町電車区におきましては、相当以前からで五時を待たず、四時から入浴するということを現場限りでやっておったようでございます。そのいきさつ、経過等は、だいぶ前からのことでございまして、私どもよく存じませんけれども、話を聞きますと、だいぶ前に、仕事のやり方が変わりました際に、沼津方面から転勤してきた人が相当多数あったので、五時までじゃなく、四時から入浴して早く切り上げるように現場限りで扱っておったようでございます。しかし、昨年の三河島事件以来、いろいろ職場の規律を強めようということを管理者側で考えまして、これはもちろん従来とも考えておったと思いまするけれども、一そうそれを強化しようということで、規則どおりの勤務時間にしなさいということを管理局が指導したようでございます。
 したがいまして、この電車区長が、六月の二十四日から、従来四時から入浴しておりましたのを四時半にしようということを申し出て、組合側と折衝いたしておりましたが、平行線をたどって実施の段階に至らなかった。区長は、二十八日を期して実施に踏み切りまして、七月一日に十六時から入浴しようとした区員を区長が制止しました。制止しましたところ、区員が区長に暴行を働きまして、腕に傷害を――全治一週間と聞いておりますが、傷害を与えたのでございます。
 で、七月二日――翌日の七月二日でございますが、東京鉄道管理局長は、前日の傷害事件にかんがみまして、暴力行為の発生のおそれがあるということで、公安職員を同区内に警備のために派遣をいたしたのでございます。二日は、特に浴場の表口及び裏口に、「区長の許可なく勤務時間内の入浴を禁ずる」旨の掲示を行なうとともに、十六時を期しまして区長以下助役が、現場において、入浴のため押しかけて来る職員に対し、説得と入場の拒否を行なったのであります。十六時五分ごろ、浴場の表口におきまして、相当数上半身裸体の約七十名程度の区員が、時間前入浴の阻止に当たっていた区長、助役外当局者数人をもみくちゃにして、とびら、鎖錠をこわす等の行動がありまして、うち十数名は浴場内に入ったのであります。これらの暴行とか住居侵入の現場証拠収集のために、写真の撮影に日野という公安員が当たっておったのでありますけれども、十六時七分ごろ、浴場入口前の集団からそのうち約十人ぐらいの区員が飛びかかって参りまして、うち、目下被疑者となっております小泉君という職員がカメラのつりひもを引きちぎりまして、同公安員の胸部を殴打しました。さらに、カメラに手をかげて、公安だ、カメラを取れと言いながら公安員の左足のひざに暴行を加えた。また、同時に、被疑者の上野という区員がありますが、これはカメラのつりひもを強引に引っぱり、手こぶしで同公安員の胸部を殴打した。また、佐久間という、これも被疑者になっております区員は、同公安員のカメラを奪取せんとして右手でカメラをたたいたということでございますが、このころ、待機しておりました公安職員が、これは制服の公安職員が待機しておったのでありますが、現場に到着いたしまして、私服の公安職員と協力して被疑者三名を逮捕連行したのでありますが、二十名ぐらいの組合員がこれを奪還しようとして押し寄せまして、その中で浅野という組合員は、佐藤公安員の背中を突きとばし負傷させたので、これも逮捕されたのであります。
 当時、浴場周辺に集合しておりました組合員が約百五十名だそうでありますが、これが入浴のために各詰所からすでに過半数が上半身裸体で集まっておったのであります。それから、その被疑者のうちの小泉君でありますが、これが逮捕されました際に、上半身は裸でございまして、白色のショート・パンツだけしかつけていなかったのであります。しかも、素足であったそうでございます。したがいまして、逮捕いたしました公安職員が、裸ではからだに悪いし、みっともないから、着物をつけなさい、君の名前はだれで、衣類はどこにあるのだ、こういうことを数回にわたって聞き、説得したそうでありますが、小泉君は、全くこれを聞き入れず、よけいなことをするな、服なんか要らない、何も要りやしないというような返答であったそうでございまして、小泉君がそういう状態で抵抗する一方、当時現場に百五十人ぐらいの組合員が来ておりまするし、かつ、その百五十人中の十数名が同僚の連行を阻止しようとして押しかけておりましたし、付近に建物はあるのでございまするけれども、その付近の建物に連行いたしますと、奪還される、あるいは危害が発生するおそれがあるというような観点から、やむを得ず上述の混乱を避けまして、かなり距離は離れております。約五百メートルは離れておるかと思いますが、品川の第三ホーム――東海道線の湘南電車等の上りホームでございます。そこは上りホームで、品川に下車する人がおりてしまうだけでありまして、お客はいないホームでございます。また、ちょうどこの時間が四時−四時十分過ぎだと思いますが、午後四時にそのホームには一個列車とまりまして、東京駅に向かって出発しました。その次は四時半まで電車がないのでございまして、お客のいないホームでございますが、そのホーム上の反対といいまするか、横浜寄りに品川の公安派出所がございます。そこまでホームの上を連行いたしました。で、ホーム上にはお客はおりませんが、第二ホーム――電車ホームであります、このほうはお客はおりますので、お客に対して見得る状態になるわけでございまするけれども、公安職員といたしましては、なるべく目につかないように三人でもって取り囲むようにいたしまして、上半身裸体ということがなるべく見えないようにという配慮も行ないまして、ホーム上を歩行いたしまして、ちょうど事件のあったところは品川駅の東京寄りでございます、ただいまの公安派出所というのは横浜寄りでございます。そこに連行いたしまして、手持ちの衣服を取り寄せて着せたというような次第でございます。
 一応経過だけ御説明申し上げたわけでございます。
○大和与一君 現象的なことをえらい詳しく報告されておりますけれども、現象的なことと基本的なこと、その基本的なことの中には、当局が組合運動に対してどういう考え方をしているか、公安官に対するあり方はどうか、こういうことが私は当然含まれていると思う。その上に、人間としての取り扱いが第一になってない、こういうことになると思うのでありますが、第一に公安官のことをちょっと聞きますが、私運輸委員会その他でこの問題は前々から国会で取り上げて、総裁からも相当言明なんかももらっているつもりなんですが、一体公安官というもののあり方はどう考えているのですか。
○説明員(遠藤鉄二君) 公安官という制度は、私申し上げるまでもないのでございまして、これは旅客あるいは鉄道地内の警備、秩序の維持、こういうことでできているのでございまして、最近は小暴力排除というような意味で、車内におきます窃盗でありますとか暴行等が世の中に非常に御迷惑をかけておりますので、そういうことを防止するために重点的に運用をいたしているのでございまして、別に労働関係に対して――結果といたしまして構内におきまして事件が起きた場合には公安官の手になるのでございますけれども、それは結果でございまして、あくまでも旅客、荷物、鉄道地内の秩序の維持ということのための制度であると思います。
○大和与一君 サービスの第一として、お客さんなりあるいは荷物を守るために、第三者に対して公安官はそれを守るというか、そういうことが第一義であって、その他ということはほんとうはあっていかんことだけれども、きわめてまれな例外で扱うことはある、こういうことですか。
○説明員(遠藤鉄二君) 結局、鉄道地内における犯罪行為が発生いたしますれば、公安官が当然その職務として司法警察職員としての活動が開始されるのでございます。
○大和与一君 犯罪行為といったって、職員に対して検非違使的な役割を果たすということはどこの条文に書いてあるのですか。もしそういうことがかりに具体的にあるとすれば、これは警察に頼むことはあるかもしれないけれども、職員に対して引っ張ったりつねったりはたいたり、そんなことをするようにどこに書いてあるのですか。
○説明員(遠藤鉄二君) 別に条文はございませんけれども、鉄道施設内の秩序の維持が任務でございまするから、その運用によりまして場合によりましては職員に対する行動が結果として起こることがあるわけでございます。
○岩間正男君 ちょっと関連して。これは公安官職務執行法というものがあるわけですか。その法規があるんでしょう。まず、あるかないか。――あるでしょう。あるかないか言いなさいよ。
○説明員(遠藤鉄二君) 鉄道公安職員の職務に関する法律についてのお尋ねでございますか。――鉄道公安職員の職務に関する法律に基づいて当該公安員は働いているわけでございます。
○岩間正男君 その法律は原則をきめたものでしょう。その執行については規定がないんですか。ないとすれば、あなたたちは法的根拠なしにやっているということになるね。あるとすれば、はっきり何条によってこのたびの行為をしたかということを明確にしなさい。法的に明らかにしなさい。法的根拠がない。
○説明員(遠藤鉄二君) 鉄道公安職員は、犯罪と関係なくも、鉄道の警備という任務がございます。そういう警備に関する職務につきましては、鉄道公安職員の基本規程という総裁の定めました達しに従いまして動いているわけでございます。
○稲葉誠一君 関連して。今の鉄道公安職員の職務に関する法律、これはどういう経過でできたんですか。(「立法の目的」と呼ぶ者あり)目的よりも経過。わからなければ、わかる人が出て来なければだめだ。
○説明員(遠藤鉄二君) 私、実はあまり過去のことを詳しく存じませんので、申しわけございませんが、従来は、車掌でありますとか駅の職員が司法警察の仕事の一部を行なっておったのでございまするけれども、戦後、鉄道地内のあるいは車内の秩序が非常に混乱をいたしましたので、もっと強い職権を持った制度があったほうがいいという御意見によりましてできたものと私は聞いております。
○稲葉誠一君 ついでですから、私もあとで質問しようと思っていたんですけれども、私の質問するのは、この種の具体的な事件上りも、もう少し基本的な問題を中心にやりたいと思っていたわけですが、鉄道公安職員の職務に関する法律、昭和二十五年八月十日法律第二百四十一号、これは議員立法でできた法律ですが、この内容についてはよくあなたのほうでも検討をしておいていただきたいと、こう思うんですが、第六条で運輸大臣が監督することになっていますね。これは具体的にどういうことでしょうか。これは運輸大臣なり運輸大臣にかわる人が来ないとよくわからんかもしれませんが、どういうことですか。
○説明員(秋田豊君) 運輸大臣の監督につきましては、一般的な監督という立場にございまして、個々のケースの場合の捜査の指揮ということは国鉄の公安本部長が行なうことになっておりまして、運輸大臣といたしましては一般的な監督という立場に立っておるわけでございます。運輸大臣といたしましては、そういうことに基づきまして公安職員の指揮系統を定めておりますし、また、国鉄の総裁の推薦して参ります職員に対しまして公安職員としての指名をし、またこれを解除する。あるいは、職務執行令のほうで、災害あるいは重大な緊急事態という場合に際しまして、公安職員を所管区域外に派遣を命ずる。たとえばこの間の雪害のときのような例でございますが、そういうようなことをやっておるわけでございます。
○稲葉誠一君 指揮というのと監督というのとは、これは国鉄の方はどう違うんですか。
○説明員(遠藤鉄二君) 国鉄から申し上げるのが適当かどうか知りませんけれども、公安職員の職務は、先ほど申し上げたように、荷物事故の防止とか調査の職務、警備、秩序維持という職務、それから犯罪捜査職務――性質の違うものがあるわけでございます。犯罪捜査の職務を除きました他の職務は、これは国鉄の業務組織の系統によって指揮監督が行なわれておるわけでございまして、総裁、管理局長、現場長、こういうような系統でございます。捜査の系統につきましては、先ほどこれは運輸大臣の監督という説明でございましたが、国鉄の中では、それを受けまして、また、われわれ一般の職務系統と別の系統がありまして、これは運輸省のほうでお定めになっているわけでございます。
○大和与一君 これはとてもきょうはなかなか商売にならんですよ、こんなにゆっくりしておったのでは。それで、いきさつはあなたより私のほうがよく知っている。意地悪するのではなくて、あなたは公安担当理事なんだから、あなたは自分の今のことはちゃんと知っておらなければ明確な返事はできんわけですよ。そうすると、こっちが質問したって返事ができん。それでは総裁が来なければいかん。総裁ではなおわからん。それで副総裁もついて来なければいかん。こういうことになるので困るんだけれども、たとえば指揮系統といっても、それでは、今度の事件で、だれが公安官の出てもらうことを要請して、それでどこでぴしっときめて、その命令が一貫して出されたか、それをひとつ聞きましょうか。
○説明員(井本善之君) 今回の事件につきましては、先ほど御説明がありましたように、前日に事件がありましたので、警備活動で出たわけでございますが、当日も先ほど御説明がありましたように事件が起こった。警備活動の命令は鉄道管理局長が通常の指揮命令系統によりまして出したわけでございますが、そこで、出動しました公安職員が、事件が発生いたしましたので、捜査職員といたしまして個々の公安職員の判断に基づいて捜査活動に入ったわけでございます。
○稲葉誠一君 指揮系統というんですけれども、これは法律によると運輸大臣が監督するので、国鉄が公安官を指揮できると書いてないですよ。どこにその根拠があるんですか。それが一つと、警備活動警備活動と言うけれども、具体的に何なんですか、内容は。その警備活動ができるという根拠はどこに書いてあります。
○説明員(井本善之君) 警備活動につきましては、法律もしくはそれに基づいて運輸省関係の法律とは別に国鉄総裁として公安職員基本規程というものを定めておりまして、それに基づきまして公安職員が局長の指揮下にあって警備活動をやる、こういうことになっております。
○稲葉誠一君 前の質問は。
○説明員(井本善之君) 前の御質問は、国鉄が公安職員を指揮することができるかという御趣旨であったかと思いますが、運輸大臣の監督を受けまして、個々の事件についてはまたそれぞれのケースに上りまして異なるわけでございますが、捜査の一応の指揮体系といたしましては、国鉄公安部長、地方に鉄道公安部というのがございまして、各支社の営業調査役がこれに当たりますが、その下にさらに鉄道管理局の営業部長が公安支部長というような系統で指揮系統が確立されております。
○稲葉誠一君 私の聞いていることと答えが違うと思うんです。鉄道公安職員の職務に関する法律の第六条では、「鉄道公安職員の捜査に関する職務は、運輸大臣が監督する。」と、こうなっているのですよ。それから直ちに国鉄の公安何とか部長が公安官、公安職員を指揮監督するということは出てこないですよ。これは基本の問題ですよ。運省輸の告示があるのですよ。そうでしょう。
○説明員(秋田豊君) その職務に関する法律の第六条に基づきまして運輸省の告示がございます。二十五年に出ておりますが、三十四年に一応改正してございますが、「鉄道公安職員の捜査及び鉄道司法警察の組織に関する告示」というのがございまして、「鉄道公安本部の長は、鉄道公安本部長とし、運輸大臣の監督を受け、鉄道公安本部の職務を掌理するものとする。」、さらにその系統を通して公安本部長が以下公安部を指揮監督するというふうに告示してあるところでございます。
○稲葉誠一君 今言った告示があるんです。その告示が有効か無効かは、これは争いがあるところなんですが、それに基づいて国鉄の公安本部長が公安職員を指揮監督することができるようになっている、こうなるわけですが、その警備というのは具体的にどういうことを言うわけですか。その根拠が、一体法律に基づかないでそういう行動ができるんですか。法律に基づかないでできるとすれば、限界がなくちゃいけませんよ。
○説明員(井本善之君) 警備につきましては、先ほど申し上げました鉄道公安職員基本規程、これは昭和二十四年十一月に総裁の達で出されておりますが、この中の第三条に、「鉄道公安職員は、次の職務を行う。施設及び車両の特殊警備、旅客公衆の秩序維持、運輸に係る不正行為の防止及び調査、荷物事故の防止及び調査、その他犯罪の防止」、以上の職務を警備について公安職員が担当いたしておるわけでございます。
○稲葉誠一君 この基本規程の後に鉄道公安職員の職務に関する法律ができたんでしょう。
○説明員(井本善之君) そうでございます。
○稲葉誠一君 だから、法律のほうが優先するので、基本規程というのは内部の示達ですし、それによってそういうような犯罪の防止なんということはできなくなったのじゃないですか。この法律との関係は一体どうなっているんです。
○説明員(井本善之君) 法律問題につきましては、国鉄から御回答申し上げるのも適当でないかもしれませんが、どもとして解釈いたしておりますの私は、この鉄道公安職員基本規程に定められておる警備活動というものは、国鉄職員として本来やらなければならない警備の仕事でございまして、その警備の専任者である鉄道公案職員がこれこれの仕事をしろという工合に総裁の達で定められておりますので、法律とは別に――捜査権を行使する場合はもちろん法律に基づいて活動するわけでございますが、それ以外に警備活動を行なう場合には基本規程によって行なわれておるものと、かように考えております。
○稲葉誠一君 法律によらないで警備活動を行なうというならば、限界がなくちゃいけませんね。鉄道公安職員が今の基本規程でやる場合、実力でピケを排除したりよくやっていますが、そういう権限は出てくるのですか、その規程から。
○説明員(井本善之君) たとえて申しますと、駅、ホームその他におきまして警備活動に従事しているその場合に、もし公安職員が――また、駅長、車掌が従事している場合に、違法行為もしくは犯罪が発生いたしました場合は、駅長並びに車掌についても司法警察職員の職務を行なうものということで狭い範囲でございますが捜査活動が――現行犯の場合に限られておりますが、捜査活動ができるようになっております。公安職員につきましては、車掌、駅長などとは違いまして、もっと広い範囲をこの法律に基づく権限で警備中に犯罪が発生した場合は捜査職員としての職務権限を行使する、こういう限界に相なっております。
○稲葉誠一君 犯罪が発生すれば、だれだって現行犯で逮捕できるんですよ。常人逮捕だったら僕だってできるわけです。だれでもいいんですよ。そういうことじゃなくて、あなたの言われる警備活動というのは、具体的にどういうことなんですか。内容は何なんですか。
○説明員(井本善之君) 警備活動の場合、犯罪に至らないような警備活動ももちろんございますが、もし犯罪が起こった場合は当然警備活動から捜査職員としての職務に移行する、こういうことが予想されるわけでございます。ただ、警備活動につきましては非常に広い範囲において公安職員を使っておりまして、その中には犯罪のおそれが非常に強い場合もございますし、そうでない場合もいろいろな内容がございます。
○稲葉誠一君 それじゃ、警察官職務執行法の五条とか三条、いろいろ規定がありますが、これは鉄道公安職員に適用されるんですか。
○説明員(井本善之君) ただいまの御質問は、鉄道公安職員の職務に関する法律の第五条の「鉄道公安職員と警察職員とは、その職務に関し、互に協力しなければならない。これが公安職員に適用されるかというお尋ねであったと思いますが……
○稲葉誠一君 そうじゃないんですよ。警察官職務執行法、警職法を適用できるかどうかということです、鉄道公安職員に。
○説明員(秋田豊君) 鉄道公安職員につきましては、刑訴法によりまする司法警察職員の捜査に関する規定が準用されるという形になっておりまして、警職法の適用はございません。
○大和与一君 ちょっと今の質問を端折るようですけれども、ひとつこっちが本番だから……。一つは、公安本部長はあの日に何時にだれに命令を出したかということ。
○説明員(井本善之君) 捜査に対する指揮は、運輸省告示に定めるところによりまして、それぞれ捜査指揮権があるわけでございまして、公安本部長は、捜査全般に関する指揮、あるいは各地域にわたることにつきましては、直接指揮いたす場合もございますが、本件につきましては、その当時指揮したわけではございません。
○大和与一君 回りくどい答えじゃなくて、すぱっと言ってもらいたい。それじゃ一体だれがその日に公安官が田町電車区の現場に出ていいという指令をしたのか。何時にそれをだれに言ってだれがやったか、ちゃんと系統があるでしよう。それをおっしゃって下さい。
○説明員(井本善之君) 警備出動につきましては、東鉄局長が、前日の件にかんがみまして、当日あらかじめ当地に出動するように命令いたしました。
○大和与一君 局長はだれに言いましたか。その次に言う人はだれですか。ちゃんとわかっているのなら、ほんとうのことを言えばいいんだ、ずらずらっと。
○説明員(井本善之君) 通常の業務命令の系統でございまして、局長の命令を営業部長、営業部長の命令を公安課長が補佐して、そういったような通常の指揮命令系統によりまして命令が出ざれたわけでございます。
○大和与一君 営業部長は間違いなく知っていましたか。
○説明員(井本善之君) 知っておりました。
○大和与一君 そんなうそを言ったってだめですよ。営業部長は団体交渉をしておったんですよ。それで、すぐ聞いたら、何も知りませんと言った。そういういいかげんなことを言っちゃだめじゃないか、国会へ来てから。営業部長は全然知っていない。もっとはっきりしなさい。うそを言ったら偽証罪だぞ、お前。
○亀田得治君 関連して。知っているか知らぬかということを確かめたのか、その根拠を言うてくれ。どういう理由で今のような答えをしているのか。本人に確かめて来ているのか。
○説明員(井本善之君) この件につきまして、私言葉が足りませんでしたが、命令系統の御説明を申し上げたわけでございます、警備出動につきましての。でございますから、たとえば営業部長不在の場合、出張等の場合につきましては、公安課長あるいは公安課の補佐その他に対しまして局長の命令が出されております。ただ、当日営業部長が本件についてその局長の命令が出されたことを知っておったかどうかという事実問題につきましては、十分調べまして御回答いたします。
○亀田得治君 それなら、先ほどのお答えは取り消さなければいかんでしょう。知っていたと、こうお答えになっているわけでしょう。どうですか。いいかげんなことをおっしゃっては困る。
○説明員(井本善之君) 知っておったと申し上げたことは取り消しまして、その詳細につきまして後ほどよく調査いたしましてお答えいたしたいと思います。
○亀田得治君 関連ですから、そう長くは申し上げませんが、ともかく知らないことは、われわれのほうで調べた結果、大体わかっているわけなんです。そうでないような場合にはあなたのようなごまかしの答弁が通っていくことになるでしょう。人から指摘されてはじめてそういうものを取り消すというようなそういうみみっちいやり方はよくないですよ。そういうようなことをやっているからこんな非常識な事件が起こる。今後それは十分注意して下さい。いかがですか。注意しますか。
○説明員(井本善之君) 十分注意いたします。
○大和与一君 さっきおっしゃった営業部長が出張その他やむを得ずそこにいない場合は、これはやむを得ぬと思うんですが、ちゃんと局の中におって、まあ私の聞いているところでは団体交渉をしておったというんだけれども、そうすると、その出張をしていなくて、おったのに、営業部長に連絡をしないで局長がそういう命令を出すのか。その他の理由とは一体何か。営業部長は知らないというふうに私は思っておりますが、あなたも大体お認めになったんですけれども、そうすると、局長はだれにその命令をされたのか、それをお答え願いたい。
○説明員(井本善之君) 当日の命令を局長がいかに伝達されたかというようなお尋ねであったと思いますが、警備活動につきましては局長に全部の権限がございますので、こまかいことにつきまして私ども捜査指揮の立場から十分調査をいまだ行なっておりませんので、事実を確かめましてから御回答いたしたいと思っています。
○大和与一君 どうもきょうまでそんなことを言っている。きょうまでわからぬはずはないんですよ。もうきょう済んじゃうから、それで安心してあなたそんな答えをしたら困る。どうしてわからん。わからんとすれば、その命令した手順すらわからぬで、結果だけはつかんでいる。そんなことでどうなるんですか、責任は。それはもう少しわかっているでしようが。一体局長はほんとうに知っておったんですか。局長は何時に命令を出したか。そこのところは非常に大事なんだ。局長からいきましょう。それを言えないようじゃ、あなた方はいかに熱意がないかわかるので、それをはっきりしてもらわなければいかん。これは一つの問題です。局長は一体何時に出したか。営業部長は知らないと言った。それじゃ一体その他の理由によってだれに言ったんだ。運転部長は何しに行ったんだ。運転部長は指揮権があるのかね。遊びに行ったんかね。その辺もはっきりしてもらいたい。もっと明確に言いなさい。命令系統じゃなくて、命令系統は明確なんだから、ほんとうのことを言えばいいんだ。
○説明員(井本善之君) 警備活動の命令並びにその伝達系統につきましては、まことに遺憾でございますが、この席ではっきり申し上げるほど十分調査はいたしておりませんので、のちほどよく調べましてお答えいたしたいと思います。
○岩間正男君 関連して。今までの質疑でもたいへんだと思うんです。そういう問題をあなたたちいつでもほとんど不明瞭にしておったのじゃないんですか。少なくともきょう国会に呼ばれるとき、それぐらいの人事関係を明らかにしないで、一体どこについてこの問題を明らかにできると考えて出席したのですか。それはどうですか。責任者としてはっきり答えて下さい。こういうでたらめな法の運用ってありますか。関係もわからない、そしてその人事関係すらもあなたたちつかまないでここに出て来ている。これでは責任の立場の者とは言えないと思うんですよ。どうするんです、責任は。
○説明員(遠藤鉄二君) 私も、その点、事件が起きましてからだれが指令したのだということを確かめまして、局長が指令したということでございましたので、それ以上深く事務の進め方の具体的な措置につきまして聞かなかったことは申しわけございませんけれども、ただいまの段階では、われわれとしましては、局長が指令したということを聞いただけなんでございまして、これからも調べまして……。
○岩間正男君 そうすると、今の御答弁ではっきりしたことは、つまりあなたたちの公安職員基本規程ですか、それから運輸省の告示、このこと自身も大きな問題になると思う。これは当然資料としてはっきり出してもらって検討しなくちゃならぬと思うんです。法との関係。しかも、それが正しく遂行されているかどうかということさえも、これはあなたたちは責任をもって常に確かめていないということがはっきりしたんですね。それは確認してようございますか。答弁もできないんだ、ここで。担当理事がこの問題をつかめもしない。そういうようなラフなやり方でやられているのが今の執行の仕方ですが、重大問題じゃないですか。重大問題だ。
○説明員(遠藤鉄二君) 私の今お答え申し上げましたのは、意味は、捜査の問題ではございませんので、一般的警備の意味で局長が命令して出動さした、こういうことでございます。
○岩間正男君 担当理事の立場からは、このような重大な問題を執行した、こういうときには、当然報告書をちゃんと出してもらって、それをあなたのほうで確かめて、これが一体違反しているかどうかということぐらい明確にしておかなければ、こういうときに実際困るじゃないか。それはもう下の者にまかして、そうしてどう執行されているかということについてさえも何ら調査も何もやっていないということになりますね、今のあれでは。ただ単に肩書だけですか、公安担当理事は。全然職責もなにしていない。そういうところから発生していませんか。勝手にやっている、下のほうが。今の質問では、少なくともそれだけのことははっきりしたんですよ。それだけでも、どうなんです、めちゃくちゃじゃないですか。
○説明員(遠藤鉄二君) 従来、個々の具体的な案件につきましては、地方の責任者にまかせておるのでございまして、一々私のところまで書類が上がってきていない状態でございます。
○大和与一君 衆議院の運輸委員会で、東鉄局長は、公安官の出動は知らなかったとはっきり答弁していますが、そうなると、あれですか、営業部長も知らなかった。そうして、公安課長だけがあそこに兵隊をひっぱり回して命令したことになりますか。そういうことはあり得るのか。あった場合どうなるのか。局長ははっきり言明している、運輸委員会で。お答え下さい。
○説明員(井本善之君) 警備活動につきましては、もちろん局長名で全部職務執行が行なわれるわけでございますが、微に入り細にわたりこまかい事件についてまで刻々に警備の命令をじかに出すわけではございませんので、それぞれの状況の判断に応じまして警備関係業務のそれぞれの担当のところで警備活動に従事しておる。非常に重要な場合には、特に局長の警備命令が出ざれる、こういう実情に相なっております。
○大和与一君 国鉄は赤か青しかないので、途中はないんです。汽車はみんなひっくりかえっちゃうじゃないですか。あなたの答弁は一番いいかげんで、何を言っているかちっともわからんが、もしそうであったら、公安課長がもう全部自分が責任をもってそれで局長になりかわって命令を出してやった、こういうことになるんですか。それは違法ではないんですか。そこのところをもう一ぺん。
○説明員(井本善之君) 当日の問題につきましては一応別にいたしまして、一般の場合に警備業務は局長の指揮下において行なわれるということはもちろん原則でございます。したがいまして、警備活動に関するいろいろな通達その他は、局長名で出されております。しかしながら、それは主として一般的なことでございまして、個々の警備活動、たとえば上野駅で少し何か起こりそうであるというようなとっさの場合には、上野の公安室長が警備活動に入る場合もございます。また、局における警備担当の補佐としての公安課長につきましても、それぞれ状況に応じまして警備について指示をいたす場合もございます。しかし、警備命令ということになりますと、局長名をもって出されるわけでございます。
○大和与一君 ほんとうに突発的な事故ということはあり得るんです。それはわかりますけれども、今あなたがさっきおっしゃっているとおり、前から若干のトラブルが起こりそうだという様子はあったわけですね。それは局長も把握しておったわけだと思います。そういうときに、そういうことが起こるかもしれないという情勢の中で、公安課長だけあるいは現場の区長だけに全部まかしてしまうということはあぶないから困るというので、なるべくそういうことが起こらんようにということで局長も心配しているわけですから、そういう手配はされているわけだと思います。そうすると、今おっしゃることは一応の話としてはわかるけれども、現実にそれでは公安課長と区長が相談して、課長のほうがえらいから課長がやったことになるんで、そこに運転部長なりは別の一応監督権というかそれはありますけれども、その人たちが一緒になって、そういう人がさあやれと言ったら、そういうことを言ってもいいことになっているんですか。実際そういうことを断然しなかったとあなたのほうで言えるのかどうか。そこは、命令を正式の名前で出す場合には局長の名前で出すけれども、いろいろ問題が起こったときには出さなくてもいいというふうにあなたは断言をするんですか。いい場合と悪い場合とあるんですか。より分けができるんですか。局長が公安官に命令を出さないでもほうっておいていい場合はあるんですか。どこから出していいのか、条文を見せてごらんなさい。
○説明員(井本善之君) 特に警備命令につきまして局長命令を要する場合であるか否かという限界につきましては、それぞれのケースによりまして一がいに言えないと思います。しかしながら、警備につきましては、その警備必要情勢というものが非常に態様が異なっておりますので、それぞれの態様によりまして、局長名で特に警備命令を出す場合もございますし、それに至らなくても、それぞれ現実に公安職員は警備活動を職務時間中終始やっておりますので、これは特に個々の件について局長の警備命令を履行していると言えないような場合も多いと思います。
○大和与一君 あなた終始警備をやっているとおっしゃるけれども、束になって客車、貨車のところばかりにどうして集まってくるんですか。さっきもあなたが言ったように、お客さんに対するサービス、お客さんに対する暴行傷害を防ぎ、荷物を守ることはわかります。そこにはどんなにたくさん公安官かおってもいい。職員の中にまるで警察みたいに入っていて、しょっちゅう警備しているんですか。そんなことがどこに書いてありますか。そんなことをほんとうにするんですか。
○説明員(井本善之君) 当日の警備に対する指揮命令につきましては、先ほど申し上げましたように、局長名をもって、前日不祥事件が発生いたしましたので、特に現地に制服並びに私服の公安職員を警備活動のために派遣したわけでございます。
○大和与一君 もう一つ。具体的に申しますと、四日でしたか、国会議員が現地へ行ったんですけれども、そのときも、あれでしょう、遠藤さんもおられたらしいけれども、理事もおられたらしいけれども、運転部長が結局実際に公安官の行動なんかを指揮した、こういうふうに答えているんですが、区長さんかだれか知らんけれども、これが事実だとすると、運転部長がそういうことをするんじゃないでしょう。こういう具体的事実、遠藤理事もおられたんだから、どうですか、それは現場の話し合いが進んでおったのに、運転部長がこわした、公安官の指揮を運転部長がやった、こういうふうに答えているんですがね。
○説明員(遠藤鉄二君) 私も当日現場におりましたけれども、区長から運転部長の話が出ましたのは、勤務時間を厳正にしろという指示を運転部長からもらっているというだけであったと思います。公安職員に対しまして運転部長が指揮したというようなことは、全然もちろんなかったと思いますし、当日話には出ておりませんでした。そういうことはあり得ないと思います。
○大和与一君 そうすると、公安課長はおったんでしょうから、その公安課長は、自分の独断の指揮でやったのか、だれに連絡をしてやったのか、そこをはっきりしてくればだんだんわかってくるでしょう。あなたはわからんと言うけれども、わかっているんじゃないですか。
○説明員(遠藤鉄二君) 警備のために出動いたしましたのは、局の意思で出ているわけでございますが、現場のケース、暴行等のケースに基づきまして逮捕したということは、これは個々の公安職員の判断によるといいますか、当時現場におりましたのは、班長が、機動隊長という職名を持った者が責任者であったわけでございますが、犯罪が発生して捜査活動に移るという場合には、個々の公安職員の判断によりましてもできるわけでございます。
○大和与一君 いや、そうでないんですよ。犯罪に追い込んで、挑発をして――話がまとまろうとするのをこわして、そういう前提条件があるとしたら、そういうことをいくら言ったって、末梢的なそこだけ一生懸命大きな声を出そうとしても、そんなことではだまされない。そうでなくて、その機動隊長にしたって、第一に、その日に電車区の付近に若干の問題があるかも知らん、ぜひそれを未然に防ぎたい、こういったいい気持で行っているはずですよ。それにしたって、一体だれが言ってそうなったのか。機動隊長に対して、ほんとうをいえば、最後の瞬間のことは別として、そういうふうなことを勝手にやれということをなるべくやらんようにしたいということじゃないんですか。つかみたくて行くのじゃないんでしょう。そうなると、そこはやはりだれかちゃんと決断をする人がいなくちゃだめですよ。機動隊長に初めから全部まかして、全体の情勢もわからんのにそういうことができるんですか。そんなことが実際にいろいろな問題の解決になると思うんですか。
○説明員(遠藤鉄二君) 先ほど申し上げましたように、これは本来の警備のためということで派遣をされておったのでございますが、今回のような問題が起きましたのは、つまり、区の管理者対組合員のごたごた、それに対しまして公安職員が写真をとろうとしたところ、その写真機を取れというような妨害が発生したところから犯罪の捜査ということに移っていったわけでございまして、本来は、当然、先ほど申し上げましたように、一般的警備の意味で出動したわけでございます。
○大和与一君 これはあまりやっておってもあれだから、それじゃ一体さっき言われた命令のその日の伝達の中身ですね、わからんとおっしゃるから、では、いつまでにそれをちゃんと調べられるのか。
 それからもう一つは、局長と営業部長は知らんというふうにはっきり言っていると思いますが、その場合に、一体責任の所在はどうなるのか。
 その二点をちゃんとお返事をしてもらいたいんです、この委員会に。それは一体いつまでにできるのか、それを言明して下さい。
○説明員(遠藤鉄二君) 私は、今まで局長も営業部長ももちろん知っておったというふうに聞いているのでございますけれども、疑いがあるいはあるかもしれませんから、よくそこを調査いたしまして御返事申し上げますが、それは別にそう手間のかかることでございません。来週早々の機会にお答え申し上げたいと思います。
○大和与一君 今言ったこと、わかりましたね、責任の所在も。私ばかり質問もできませんから……。
 もう一つは、国鉄の労働組合の組合員が勤務時間中に業務命令に従う、これはありますね。もちろん。それと、まあ組合員であるから、組合運動のワク内で一切縛られているというか、動くということになっていると思います。ですから、たびたび公安官の職場任務なんかも聞いておりますが、職員に対する検非違使的な役割を目的とするものではない、これは明確だと思う。そうすると、その組合が十分に上部機関なりその他と連絡をしながら当局と話し合いをしている。その話し合いはまだまとまっていない。そういう最中に、若干のトラブルが起こることはあり得るわけです。そういう労使の紛争に対して、あなたのほうは写真なんかとろうとするから、片一方はおこるのだし、そういう要らんことをするから挑発するんだけれども、一体組合運動のワク内で職員がどんなに動いたって、これはいいでしょう。そこは認めるんでしょう。これは返事が間違ったらたいへんなことになるよ、よく考えて答えんと。
○説明員(遠藤鉄二君) 職員の勤務あるいは組合関係の担当の河村理事にも今ここに来てもらって説明をいたしたいと思いますが……。
○大和与一君 この問題は労働条件でないとおっしゃっているんですか。ふろ場の改築とかそういう問題は労働条件でないというふうに言っていると聞きましたが、それは事実ですか。
○説明員(遠藤鉄二君) 労働条件という言葉の中身でございまして、非常に広く解釈すれば労働条件、それから狭い意味の法律的な意味では労働条件でない、に入らない、かように私は聞いているのでございます。
○大和与一君 それはだめだ。そんな答弁、何を言っているかわからん。
 それでは、車掌に警察官のバッジをつけさしているでしょう、あれと公安官との違いと、それから公安官と警察官の違い。たとえば公安官が荷物を守ったりお客さんを保護する、これは必要ですよ、職務としてやらなきゃならんのですけれども、公安官なんてさっぱり本来の職をやらんから、警視庁のほうに返そうじゃないかといったら、警視庁のほうでは、半人前だから要らぬ、こういういきさつもあるんです、あなたは知らんけれども。警察官としても半人前以下で役にも立たぬし、そうかといって今度は普通のお客さんに対しては、これは輸送を保護したりそういういい面もあるけれども、とにかくこのごろでは盛んに労働運動、職場の紛争なんかに一生懸命馬力をかけているので、それだったら本末転倒だ、明らかに。前々総裁くらいから何べんも運輸委員会で質問して、そういうことはありません、こう言っておりますが、最近、公安官は漸減ですか漸増ですか、定員は。
○説明員(井本善之君) ほとんど異動はございませんが、特に最近における東京付近の情勢にかんがみまして、若干名東京付近に対しましては増加いたしておる、こういう実情でございます。
○大和与一君 あなたの言う一般の警備という言葉に何かえらい強がりを言っているんだけれども、一般警備ということと突発的な犯罪ということと、この間にずいぶん距離がありますよ。さっき稲葉委員がおっしゃったように、ほんとうに現行で何か悪いことをした場合、これはやはりつかまえることはあるでしょう。その間が、一般の警備という言葉に名をかりて、それで職員のほうにも盛んに査察的なあるいは今度はそれをつかむようなそういう考え方、そういう方向というのは大体立法の精神に全く間違っている。だから、そこを私は強く言うわけだ。そういう点では、だから総裁かなんかに出てもらわなきゃわからんのだけれども、遠藤理事だって、ピストルを離して――職員としてはやめてもらうんじゃない、職員としてはいくらでも働いてもらうんですよ。それはちっとも差しつかえない。ピストルを持ったりなんかしていばらすものだから、あなたのほうは内面指導で組合運動のほうに何とかといってそっちばかり一生懸命固めていくものだから、いやが上にも紛争が起こる可能性が十分に物理的にある。そういうことは間違いだからやめろ、こういうのが僕らの主張なんで、まだまだたくさんお客さんを守ること、荷物を守ることはあるんだから、そういう基本方針というものをあなたはき然として持っておるのかどうか、ひとつ担当理事に聞きましょう。
○説明員(遠藤鉄二君) 私も大和先生の御意見ともちろん方向はそのとおりであると思っておりまして、今回のような事件が発生いたしましたことは、これはまことに遺憾であると思っております。元来は旅客あるいは荷物の警備の保護に全力を注くべきであると考えておりますけれども、たまたま構内におきまして労働問題に関連して暴力行為等が発生した場合は、現状におきましては公安官が捜査活動をするというようなことも、これは遺憾なことではございますけれども、現状ではやむを得ぬ点もあるのではないか、かように思います。
○大和与一君 もし、労働運動問題であるならば、憲法二十八条、組合法二条を待つまでもなく、労働問題であったら、労使の間で話し合いをして、それで解決をする努力をするんです。これはもう根本原則ですよ。それを早めに出て行ったりするから間違いが起こるんです。労働問題なら、明確にちゃんと労働組合があるんだから、それを当局は認めておる。労使の紛争がどんなに大きくとも小さくともありましたら、そういう場合には、苦情処理も、調停も、団体交渉も機関がありますから、そこで話し合いをする。全然話し合いをしないでぽかっと起こったら、これは一つの非常事態だからあれですが、これはそうではないんです。相当話し合いをお互いに主張しているのじゃないか。いろいろとたくさんの機関でそういうことをしておるところに、わざわざこのときに限ってそれをやれば、問題が起こるにきまっておる。
 河村理事が来られましたが、この問題について労使の間で話し合いをして事態を解決する、こういう誠意は当局にないんですか。
○説明員(河村勝君) 本件につきましても、田町電車区分会との間には六月二十四日以来数度の話し合いが持たれまして、それで解決の努力をしたわけでございますけれども、結局それはまとまらないで、組合側は絶対反対という態度を保持して譲らないためについにまとまらないままで一方的にやらざるを得なかった。そういう事情でこういう事態が生じたのでございますが、もちろん組合側がこれの話をまとめるという状態になりますれば、話し合いによって解決するということになろうと思います。
○岩間正男君 関連して。数度というのは何回ですか、正確に言って下さい。数度というのはあいまいだ。
○説明員(河村勝君) 六月二十四日、二十五日、六月二十七日、この三回にわたりまして交渉を持って一おります。
○岩間正男君 三回だけですね。
○説明員(河村勝君) ええ。
○大和与一君 きのうの東鉄との団体交渉ですが、話し合いでまとめようという提案を組合側からしたんですね。ところが、東鉄のほうでさっぱりそれに乗ってこないで、これをいやがっているというか、そういう話です。もしそういうことがあるならば、今のお答えと違うわけですから、誠意をもって話し合いをしていく、解決をする、こういうふうに指示をしていただけますか、もしそういうことであるならば。
○説明員(河村勝君) 地方的問題でございますので、どうせいこうせいという具体的指示はできませんわけでございますけれども、とにかく話し合いによって解決できるものを解決しないということは、これは理屈に合わないわけでございますから、そうするように指導するつもりでございます。
○大和与一君 これがほんとうの突発的、偶発的なことだったら、これは一つのやむを得ない面があると思うんです。しかし、もう相当前から問題になっておって、一つのトラブルが起こる可能性はあったと思うんです。今まで遠藤理事のほうにお尋ねをしたところでは、そういう事態があったんです、かりに公安官を出すとしても。しかし、お聞きしたところでは、公安官を出したという命令の系統がきわめて不明瞭で、正確にお答えができなくて宿題になったんですが、それが一つ。そういうところに公安官が行って、そして待機しておったり、あるいは写真をとったりすれば、当然排発的であって、紛争が大きくなることはきまりきったことである。そういうことをあなたのほうで頼まぬのに勝手にやって、公安官は労働担当でないから知らん、遠藤さんのほうでは局長がやったというふうに言うかもしらんけれども、そんなことで労使の問題は解決するものじゃないと思います。私はやはり国鉄の組合員は職場で仕事の上の業務命令、これは当然順法すべきだと思いますけれども、しかし、その他のいろいろな問題があり得ると思います。これは労使の問題になるわけで、そうすると、そういういろいろな客観的な主体的な条件の変化によるいわゆる労使の問題というものは、やはり労使の間で解決をするというふうに協定による基本があるんですから、話し合いをもっとしていかなければいかん。それなのに、公安官が出て来るが、正常な労働運動に携わっている場合には、公安官は職員に対して向いているのじゃないんだから、全然どこに説明を聞いたって職員に対してどうこうする筋合いじゃないんです。あとは、遠藤理事の言うところによると、ある地点で突発的に起こった暴行とか傷害、これは何も公安官を待たずして一つの事件になるのだから、それ以外には何もない。労使の問題はちゃんと話し合いをするという大原則ができているのに、それがすぐに一ぺんに傷害もしないのにわいわいと集団示威で公安官のほうがむしろ出て行ったりするということは、あなたのほうでいつでもお頼みになるわけですか。公安官の本来の精神を忘れて、立法の真の精神をあえて曲げてでも労働担当理事のほうから公安官に出てくれといつもおっしゃっているんですか。その辺はどうですか。
○説明員(河村勝君) 現地で起こります労働問題について本社で公安官を出せとか出すなというような指示をすることはございません。この場合も、私が報告を聞いておりますところでは、公安官は労働問題に介入するために出動したわけではなくて、現実に六月の二十八日以降三日にわたってトラブルがございまして、七月一日に至りましては入浴を阻止した区長以下の電車区の幹部との間に紛争が生じまして、そのために区長がけがをしたというような事態が発生しておりましたので、局長がそういった傷害事故等の発生のおそれがあるということを考えまして現地に公安官を警備のために派遣したということでございまして、決して労働問題の処理のために公安官を派遣したというようなことではないというふうに私は確信をいたしております。
○大和与一君 今の一お話がありましたように、何べんか折衝段階があったわけですね。ですから、そういう段階があった。それだのに、局長は、衆議院の運輸委員会で、おれは何も公安官が出たことを知らんとはっきり言いましたよ。営業部長は団体交渉か何かしておったからおれは何も知らんと言っております。こういうふうになってくると、労働の関係のほうからいえば、ずっと何日も前からいろいろないきさつがあってごたごたしている。そこにあなた方が何も知らんのに公安官が出ていってそしてただ警備をする、こういう形というものはあるんですか、一体。そこにやはり必ず労働関係の人も営業関係の人もみな行って、従来のいきさつがあるんだから、そういうふうにならんようにいくのだと思うんですね、本来の趣旨は。その辺がどうもあなたのほうの連絡が悪いというか、現地ではそうやたらに公安官の機動隊長か何か飛び出して、おれは権限を持っているんだというようなことでつかみかかるというようなことが、僕はどうしても労働行政として考えられないんだけれども、そこのところを明確にしてもらいたいんです。
○説明員(河村勝君) 原因が労働関係にありますと否とを問わず、何らかの原因によって傷害事故の発生のおそれがあるという場合に、これはそういう原因の問題と離れて、やはり防止する責任があるわけでございまして、そういった判断に立って管理局長が公安官を派遣したということであろうと私は考えております。
○岩間正男君 関連して。これはどうなんですか、既得権というものを一体どこまで尊重するのか。それから交渉中なんでしょう。三回交渉したというんですがね。しかし、まだ結論は得ない。結論を得ないのに、このようないわば公安官を出動させるというような形で、これは実際問題としては実力行使に出てきている。こういう形をとることはどうなんです。私どもの耳にしたのによると、四時という話だが、四時は少しずらしてもいいじゃないかという、そういう考えも話し合いの間にあった。ところが、当局側は、四時半というのはどうしても言うことを聞かん。そうして、天下り的に就業規則だからこれをあくまで守れ、こういうことですね。どうしてもこの話し合いがつかなかった。しかし、それはなお継続されている。継続されているうちに公安官が出動した理由というのは、何か一週間の傷害を前のとき与えたから、そういうことを言っていますけれども、こんな傷害の事実というのはどうなんです。衆議院の調査を聞いてみますというと、当日何か十五日の傷害を受けたというようなことを言った。ところが、あすこに行って衆議院の法務委員が調べてみると、問題にならない傷だという。ところが、実際はどうです。この逮捕にあたってたいへんな傷を負わしている。実際私は高輪署に行って当人に面接をして、これは医師を連れて行きまして、そうしてとった診断書ここにあるんですがね。これは全治二週間の傷を与えている。これは病院の中田医師の診断書です。もう一人は全治一週間、もう一人は四日から五日の傷を与えているんだね。こういうようなことは、これはどうなんです、団体交渉中でしょう。交渉中で解決をみないのに、このような何か口実、しかも一週間の傷害なんというのはどんなことかさっぱりわからない。これははっきり証拠を出してもらえばこの法務委員会でわかるんですが、それを口実にして、百五十人ですが、出動したのは。そのうち十五人をふろ場の裏の石炭小屋のところに待機さして、そうして待っていましたというように襲いかかっている。こういう事態というのはどうなんです。こういう点について、正当な労務行為といいますか、労務行政面からの行為ということになりますか。これは担当理事にはっきりしておいてもらいたい。
○説明員(河村勝君) 既得権という話がございましたけれども、就業規則に基づく勤務時間は午前八時半から五時でございまして、入浴というものは、電車区に限らず、原則として全部勤務時間外に、所定の勤務時間が終わってから、この場合でありますと五時過ぎてからふろに入るというのが国鉄全体の建前でございます。たまたま本電車区につきましては、前に御説明があったと思いますが、いろいろな事情に基づきまして、その点四時過ぎから入っておったという事実がございますが、しかし、それは決して権利としてあるというような性質のものではないわけでございます。しかしながら、今回、この電車区においてそれを改善しようとした提案というものは、四時半からふろに入ってよろしいということでございまして、実際は五時になってから入らなければならぬものを、今までのいろいろな過去のいきさつも考えまして、四時半から入ってよろしいということでございますので、決して無理な提案とは思われないのでございまして、付近の現場もみんなそういうふうにやっておるわけであります。したがって、無理でない提案であるにかかわらず、絶対反対という態度をとられた場合には、こういう労使間の話し合いというものが円満に妥結してから実行するのは望ましいことではございますけれども、しかし、その当事者の判断によりまして、どうしても話し合いで解決の見込みがないというふうに判断される場合には、これは一方的に実施する場合も、過去には実例がございますし、決して間違いではないのであります。
○岩間正男君 あなたはこの現場を見られましたか。少なくとも労務担当理事としてこの現場を御存じですか。
○説明員(河村勝君) 今回の事件が起こってからは参りませんが、現場の実情はよく知っております。
○岩間正男君 知っておられたら、今のような御答弁は私はできないのじゃないかと思うんですが、電車区の当然の特殊性として、車内の掃除をするとか、もちろん汚物の処理もやる。したがって、からだを洗うというのは、当然もうその仕事の一つだ。ふろに入るのも一つの勤務の継続であり、勤務の内容と考えてもいい問題だと思うんです。しかし、あのふろ場はどうです。あのふろ場を私は見てびっくりしたんです、実際。あれは二つあったけれども、十平方メートルぐらいのふろ場が二つじゃないですか。せいぜいはいっても、あれは二十人。三十人はいったらたいへんなことになる。私も実際はいっていたのを見て参りましたけれども、裸になってメジロ押しですよ。ですから、六十人、七十人――七十人はいると全く一ぱいでしょう。あそこは六百人の職場で、三百人が実は全部交代で就労している。その中で三百人がはいり切るというのは、どういうふうにごらんになりますか。とてもやはり五時の退庁までに間に合わない。そういう職場の特殊性、職務の特殊性から起こっているそういう一つの慣行でしょう。既得権と考えてもいいような慣行ですよ。それを、一方的にその問題をほんとうに実情に即さないで天下り的に今度は五時半というように吹っかけてくる。そうして、それについてはしかも、これは聞いてみますというと、時間については、これはある程度若干ずらしてもよろしい、こういうことで組合側では話をしておったということです。そうしたら、そこのところを、事を好まないなら、当然これについては十分に折衝の機会を持って、そうしてやはりお互いに合意に達して、その上で円満に解決する、そういう慎重な態度をとってよかったと思う。ところが、三回とかやって、そうして今まででも例があるから一方的にどこまでもやらせるんだ、こういうことでは実情に合わない。ほんとうの現場をごらんなさい。三百人一ぺんにはいれるふろでも作れば解決する問題です。そうして、あんな狭いふろ場で、非常にきたないふろ場で、汚物を洗った人のあとにはいっているんです。非常に不衛生だ。職場の特殊性からいえば、当然一ぺんにはいれるようなふろ場でなければならない。三回、四回目にはいる人のことを考えてごらんなさい。そういう実情を放置しておいて、そうして今のように公安官が出動したのは当然正しいのだという理屈づけをされるとしたら、これは重大問題です。この点はどうなんです。非常に事実に反しますよ。
○説明員(河村勝君) いわゆる汚損職、仕事をするのによごれるという仕事は、国鉄におきましては、電車区ばかりでなしに、ほかにも多数ございます。そういういずれの場合でも、勤務時間が終わりましてふろにはいる建前になっております。したがって、勤務時間内に入浴を終わらせるというようなことは決して考えられることではない。また、ふろ場につきましては、ロッカーも八十八ございまして、まあ大体七十人か八十人くらいははいれるふろ場でございまして、常識的にこのくらいの広さがあれば十分であると私は考えております。
○大和与一君 もう一つ。三十六年の九月五日に、東京一般地方苦情処理共同調整会議、これが持たれて、ここに、新幹線でおそくなったけれども、工事が進捗をしたから、「浴場についても近く改築する見通しがついたもののようであります。すなわち、おそくとも昭和三十八年度中には改築される予定であり、苦情は解消するものと認められます。」、こう書いてあるんです。そうすると、ここに私は一応合意が成ったと思うんですよ。そうすると、共同調整会議というのは権威がないのか。当局が入っているのだから、調整会議ではっきりときまっているんだから、若干のいきさつはあっても、これはもうちょっとしんぼうしてもらえばできますと、いつごろにはできますと、こういうことが言えるんです。これまではっきりと苦情調整会議でできておるのに今回のような問題が起こるというのは、一体、調整会議の結論の趣旨が現場の区長さんの中にも徹底していなかったうらみはなかったか。それから調整会議はこういうふうにしても、それは権威のあるものではないということになるのか。その辺をひとつお尋ねしておきたい。
○説明員(河村勝君) ふろ場が古くなって、それを改良してよくするというのは、これはけっこうなことでございまして、それはやるべきことは当然やらなきゃいかんわけでございます。ただ、この場合、今問題になっておりますのは、収容力の問題でございまして、収容力から申せば、決して今の広さでもって絶対に足りないというような性質のものではございませんで、そのために就業時間を短くするというような問題と直接関係はないというふうに私は考えております。
○大和与一君 私の聞いているのは、こういうふうに労使がちゃんと話をまとめたことが実際にもうやがて実行されることがわかっていたら、今度の紛争があんな変な事件にならなかったのじゃないか。みんな現場の人もわかっておれば、まあそれはいろいろ若干のトラブルはあっても、今度のいわゆるあんなみっともないことにまで発展することはないのじゃないか。そこに公安官がわざわざ出て行って、帰るまでは陰に待機していることがかりにあっても、前面に出て来てとうとうぶつかった、こういうぶざまな格好になるはずはない。こんな労使のきちんとした意見の合意があった場合に、その結果が事志と違うというようなことは、やはり指導性について欠けている。こんなことじゃ困ると、こう言いたいんです。その辺はどうですか。
○説明員(河村勝君) その苦情処理に持ち出されましたふろ場の改善というものが、就業時間との関連において何か条件としてきまったということでございますれば、それは大和先生のおっしゃったようなことになろうかと思いますが、そういうものではなしに、ふろ場の改善は改善で別に提案されてきめられているのでございますから、それは本問題とは関係なしに当然解決されるべき問題でありますけれども、そうかといって、その改善ができていればこういう紛争は生じないであろうという御質問に対しましては、これはちょっとそういうことにはならないのだろうと思います。
○大和与一君 それじゃ、私ばかりやってもあれですから、同僚委員に発言を譲りまして、私は発言を保留しまして、ちょっとこれでやめておきます。
○稲葉誠一君 昭和三十年四月一日に制定された田町電車区の「検修関係服務内規」というのがあるのですが、これによると、「検修関係従事員は国有鉄道職員服務規程及び国有鉄道休暇規定その他定められたるものの外、此の服務内規によるものとする。」、「出勤及び退出」と、こうあって、「退出」のところの2のところに「日勤者の退出は、十六時三十分とし、帰宅の服装を整え、名札を「白地赤文字」に返して退出する。」、こういうふうになっているわけですね。十六時三十分に退出する。そのときに帰宅の服装を整えるというのだから、非常によごれている仕事をやるところですから、その服装を整えて帰るというのですから、その前にふろに入るということを事実上認めておったのじゃないですか、この内規によっても。それでないとおかしくはありませんか。
○説明員(河村勝君) 内規によって認めておったことは事実だろうと思いますが、しかし、就業規則としては決してそうなっておらないわけでありまして、今回そういった他と均衡のとれないような内規を存続することがおかしいので、それを改正するということになるわけでございます。
○稲葉誠一君 そうすると、この服務内規というのは作ったのだけれども、内規だから一方的に破棄したと、こういうことですか。
○説明員(河村勝君) そういう内規を直すことについて話し合いを持ったけれども、まとまらなかったので、一方的に実施したと、そういうことでございます。
○稲葉誠一君 話は別になるんですが、このとき公安職員の人が写真をとっていますね。これはどういう根拠によって組合員の人の写真をとったわけですか。
○説明員(井本善之君) 写真をとりましたのは、もみ合いが起こりまして不法行為が発生したと思量されましたので、その証拠保全のために写真をとったわけでございます。
○稲葉誠一君 それは話が違いませんか。不法行為――まあ不法行為かどうかは……。その前に、公安職員がずっとピケか何か張っていて、ふろにはいりに来た。裸で来た。そこで写真をぱっととったのじゃないですか。そういうふうに私どもの調査ではなっていますがね。
○説明員(井本善之君) 私どものところに参りました報告によれば、事態が発生してから写真をとったということになっております。
○稲葉誠一君 そうすると、もし事態が発出しない前の写真があったら、これはどうします。無断でどんどん写真をとったことからいろいろ事件が起きてきたのじゃないんですか。
○説明員(井本善之君) 写真をとりましたのは、先ほど申し上げたように、事態が発生して鎖錠が排除されたり、あるいは物が破損したり、もみ合いが起こったということの証拠保全のために写真をとったわけであります。
○稲葉誠一君 ちょっと問題を変えまして、写真を撮影するのはどんな場合に許されているんですか。本人の承諾を得ないで写真をとる、これは法律上どういうことになるんですか。
○説明員(井本善之君) 私どもが指導しておりますのは、不法行為または犯罪が発生もしくは発生せんとしているという場合におきまして、その証拠資料として、証拠保全のために写真をとる、こういう指導をやっております。
○稲葉誠一君 それじゃ、このときに組合員の人がはいろうと思ってパンツ一枚で来た。それは、まだもみ合いとか不法行為やなんかが起きない段階ですね。そのときに写真をとったのがあったらどうします。そういう写真撮影は違法だと、こう認めるわけですか。
○説明員(井本善之君) 私どもが聞いておりますのは、もみ合い事態が発生してからということを聞いておりますが、かりにそれ以前に写真撮影をしたらどうなるかという問題でございますが、これにつきましては、そのおそれのある場合にもやむを得ないのではないか、事態が緊迫しておればやむを得ないのではないか、かように考えております。
○稲葉誠一君 普通の場合に、組合員や何かの写真をどんどん公安官が撮影してもかまわないんですか。
○説明員(井本善之君) そのケースケースによりまして、法律的な解釈は別といたしまして、妥当である場合とそうでない場合があると思っております。
○稲葉誠一君 そうすると、本件の場合は、あなたのほうでは、不法行為が起きた、だから写真撮影をしたんだ、こういうふうに言われるわけですが、そのおそれのある場合の写真撮影も本件の場合には入っているんだ、こう言うんですか、入っていないと言うんですか。
○説明員(井本善之君) 私どもが聞きました報告では、事態が発生してからとったというように相なっております。
○稲葉誠一君 もしあとで調べて、そのフィルムはずっとあるわけですから、そうでないフィルムがあったときには、そうするとあなた方のほうでは責任を負うというか、そういう態度をはっきり国鉄としてはとるわけですか。私どもの聞いておるのは、まだそういうような状態まで全然いかない、おそれがあるとかなんとかいうより以前の段階で、みんながふろへはいろうと思って来た。パンツ一枚、あるいは全裸に近い人もいる。それを無断で裸体撮影したから、それをやめろといって、そこから問題が起きてきた、こういうふうに聞いています。そういう写真があったら、じゃどうしますか。
○説明員(井本善之君) 私どもが聞いておりますのは、先ほど来申し上げましたように、事態が発生してからということでございます。
○岩間正男君 関連して。あなたは、さっき、私の聞いております範囲内と言って、事実は非常に違っておるとここで謝罪までされたわけなんですが、今の事態は調べたんですか。自分で行って調べたんですか。
 もう一つお聞きしたいが、鎖錠が破壊されたと言っていますが、これはほんとうですか。これも調べたんですか。
 それから裸体を撮影するということ、それはどういうことですか。
 もう一つお聞きしたいのは、まるで犯人扱いじゃないですか。そういう容疑を起こすかもしれない。一方は、労働者の勤務のあとに今まで慣習によってふろに入るというその事実でしょう。そういう問題について何か窃盗や犯罪をやる――公安官が尽くすべきことは、乗客の公安を守るというのが当然の任務なんです。労働者のそのような行為について、犯罪が起こるという予想のもとに写真をとる、全裸に近いようなそういう人にカメラを向ける、そういう行為というのはどうなんですか。そういうものをはっきり調べてそして答弁しておるんですか。あなたが、私が聞いた範囲内ではというような、先ほどのような信憑性のないそういう答弁では全然問題にならないと思うんですが、以上の四つの点を答えて下さい。
○説明員(井本善之君) 事件当時の詳細な現象につきましては、なお目下引き続き調査いたしております。私がお答え申し上げましたのは、現在まで私の聞き得たものでお答えしておるわけであります。
○稲葉誠一君 そうすると、まだ調査が完了していないんですか。一体調査の国鉄側の責任者はだれなんですか。
○説明員(井本善之君) 東鉄局長でございます。
○岩間正男君 さっきの鎖錠はどうです。鎖錠が破壊されたということを言っているが、どうなんです。これはちゃんと調べてある。法務委員会が一昨日行って、そうして、鎖錠がこわれたそうだけれども、どれ、こわれたのを見せてくれ。見た。こわれていない。それで何とか言うから、それじゃこわれたのをはずして新しくつけたのか。それも答弁できない。それからこわれたのをとってあるなら、それを見せてくれ。これも全然ない。ところが、鎖錠がこわれたこわれたというようなことを盛んに宣伝しているんですが、それはいいんですか。
○説明員(井本善之君) 鎖錠が排除されたと申し上げました。
○岩間正男君 破壊されたと言った。排除じゃなくて、破壊されたと言った。
○説明員(河村勝君) 錠そのものは別段こわれなくても、びょうがさしてあるのをねじ取っても、これはやはり鎖錠をこわしたことになるわけであります。
○岩間正男君 破壊と排除ではずいぶん違いますよ。法的なことについてはこれは専門家に聞けばわかると思います。破壊した破壊したという宣伝をなぞやっているんです。意識的な宣伝じゃないですか。さっきもそう言いましたよ、確かに。排除と言っておりませんよ。どうしてそのような事実を、はっきり調査もしないそのような事実についてそういう過大な宣伝をやるのか。これは明らかに衆議院の法務委員会が調査して、ちゃんと調べている。その調べの結果、明確に出ている。そういう事実について、調べもしないで、聞いた範囲ではなんていうことででここで答弁のがれしていて、どういうことになります。事実は事実で明確にしなければならん。排除と破壊ではたいへんな違いになります。刑法の適用だってかりに考えてごらんなさい、たいへんな違いになりますよ。傷害だって同じことなんです。一週間の傷とかなんとか言っている。十五日というのを見たら、かすり傷みたいなものです。誇大な宣伝をやっちゃいけない。厳正にその事実を調査して、しかもここは国会の法務委員会です。この法務委員会でそんなあいまいな答弁して、そんなことで糊塗するというような態度は許されないと思う。責任者、どうなんです、その点。はっきり答えて下さい。
○説明員(河村勝君) 委員会でお調べになった内容につきましては、私は存じませんが、私が報告を聞いておりますところでは、錠はねじ取られているわけでございます。したがって、錠そのものはこわれておらんけれども、その錠をねじとめてあるところのねじや何かをもぎ取って、それで戸をあけて入ったのでございますから、錠そのものは別にこわれておらなくても、これはやはり破壊であると私は思っております。
○稲葉誠一君 さっきから聞いていますと、鉄道公安職員がふろ場のところで集まったというか、ピケをはったというか、その法律的な根拠がはっきりしないんです。河村理事がおいでになったので、これはあなたのほうが専門かもわかりませんが、どうですか。何に基づいているのですか。基本規程だけでいいのですか。基本規程というのは法律じゃないんです。総裁の示達です。それだけでそういう行動をとってかまわないんですか。
○説明員(遠藤鉄二君) 先ほど申し上げましたとおり、国鉄総裁の達によって行なっているのでございまして、そのもとの考えは、鉄道を管理する者が自分の管理する地内の警備をするのは、どの法律によるということでなく、当然の事柄であるというふうに考えております。
○稲葉誠一君 鉄道営業法との関係はどうなんです。
○説明員(遠藤鉄二君) 営業法とは関係はないように私は思います。
○稲葉誠一君 じゃ、鉄道営業法の四十二条というのは、どういう解釈をしているんです。
○説明員(遠藤鉄二君) 四十二条は、旅客、公衆が乗車券を所持しないとか、その他いろいろございまするけれども、そういう場合にこれを鉄道地外に退去させることができるということでございまして、今回の問題とは別に関係がないように思います。
  〔委員長退席、理事松野孝一君着
  席〕
○稲葉誠一君 その旅客及び公衆という中には、鉄道の職員は入らない、こういう解釈ですか。それならそれでいいんですよ。そういう解釈ならそれでかまわないです。それが正しい解釈ですよ。
○説明員(河村勝君) 業務を執行するためにその構内におる者以外は、職員であっても公衆に入ります。しかし、そうであっても、この条文は別段今の問題とは関係がないと、そう考えております。
○稲葉誠一君 何かよくわからないのですが、旅客及び公衆の中に国鉄の職員が入る場合もあるというのですが、どういう場合に具体的に入るというのですか。
○説明員(河村勝君) そのときに自分の与えられた仕事をするためにそこにおる職員は、それは当然公衆には入りませんで、それ以外に、職務を持たないで鉄道構内におる者は、やはり公衆に入るというふうに考えております。
○稲葉誠一君 そうすると、本件の場合の組合員というのは、鉄道営業法の公衆ではないわけですね。
○説明員(河村勝君) さようでございます。
○稲葉誠一君 そうすると、基本規程に基づいて警備に出たというんですか、これは総裁の達しですから、法律ではないわけです。おのずから警備活動には限界があるはずだと、こう思うんですが、これはどういう点で線を引いているんです。限界はあるでしょう。法律に基づかないで人に強制力なんかふるえないんじゃないですか。
○説明員(河村勝君) 捜査活動に関するものだけが、これが別の法律になっているわけでございまして、それ以外の一般的な警備は、これは建物ないし土地の管理者の管理権の発動として当然やり得ることはやり得るということでございます。
○稲葉誠一君 管理権の発動として一体強制力が用いられるのですか。
○説明員(河村勝君) 強制力という意味がよくわかりませんけれども、その建物にゆえなく入ってくる場合に、これはかりに公安官でなくても、それを排除することは可能であります。
○稲葉誠一君 その排除というのは、具体的にどういうふうに排除できるのです。そういう人をどんどん引っぱっていって排除していいんですか。犯罪にならない場合ですよ。
○説明員(河村勝君) 先ほど申しましたように、逮捕するとかいうことは入らないというふうに申し上げておるのであります。無理に入ろうとする者を押し出すということは、これは可能でございます。
○稲葉誠一君 そうすると、ここでふろへ入って来ようとする人、これを公安職員がいて押し返すことは、これはどういうんです。どこに基づくんです。
○説明員(河村勝君) ふろに入ろうとする者を公安官が押し返したという事実はございません。
○稲葉誠一君 押し返すために、そこに公安職員やその他の職員ががんばっていたのじゃないですか。
○説明員(河村勝君) 区長その他その電車区の管理者は、これはいろいろ入浴を阻止するためにおったわけであります。公安官は、そうではなくて、別の場所に派化的に起こる傷害事故等を防止するためにおったということでございます。
○稲葉誠一君 そうすると、もうさっきその点に関連して質問があって、はっきりしなかったのですが、あなたが労務担当ならば一番詳しいはずですが、この鉄道公安職員の指揮系統の中で、あなたが聞いている範囲内では、この日一体だれが指揮したのですか、現場へ行けということを。
○説明員(河村勝君) 私が報告を聞いているところでは、公安官の隊長でございますね、機動隊長といっている者が指揮をしたというふうに報告を聞いております。
○稲葉誠一君 その基本規程のところに、応急の処置として、「列車又は鉄道地内において不法行為の発色又は犯罪発生のおそれある情報を知った場合は、証拠保全又は危害防止のため応急の処置をとるとともに、すみやかに所属長に報告してその指示を受けなければならない。」、こういうふうにありますね。この「所属長」というのは、一体だれをさすのですか。
○説明員(河村勝君) 管理局長でございます。
○稲葉誠一君 そうすると、このときには、指揮官なり現場にいた責任者は、すみやかに管理局長に報告をして指示を仰いだのですか。
○説明員(河村勝君) ここにありますのは、捜査活動とは別の、国鉄職員としての職務の執行に関する規定でございまして、逮捜、連行等のことは、これは捜査権に属することでございますので、本規程には拘束されないのであります。
○稲葉誠一君 そういうふうな場合、あなたのほうで、犯罪があると考えておるその前の段階に、こういう不法行為の発生やいろいろなおそれがあるという情報を知ったのでしょう、あなたのほうに言わせれば。だから公安職員も出ておったということになっていますね。それならば、当然そういう「応急の処置」――「応急の処置」というのはどういう意味か、今お尋ねするわけですが、同時にすみやかに所属長に報告をしてその指示を仰ぐのだから、現行犯としてあなたのほうで逮捕されたと思いますが、その前の段階で、この手続を踏まなければいかんわけじゃないですか。
○説明員(河村勝君) 所属長と申しましても、すべてのことを一々局長まで指揮を仰ぐわけではございませんで、そのときそのときで権限を委任されておりますので、その委任された範囲内においては、当然専決し得るわけであります。
○稲葉誠一君 この場合に、そうすると、犯罪があなたのほうで行って起きたというその前の段階に、この「応急の処置」というのは、どういう処置をとったのですか。それに基づいてだれがだれに報告をしたのですか。そうして、指示を受けたのですか、受けないのですか。
○説明員(河村勝君) この場合には、機動隊長が権限を委任されて、機動隊長の判断によって行動したものというふうに考えております。
○稲葉誠一君 機動隊長が権限を委任されて、その判断によって行動したと。だから、私が聞いているのは、具体的にどういう応急処置をとって、同時に、「すみやかに所属長に報告してその指示を受けなければならない。」となっているんですから、その機動隊長はどういう応急処置をとったのか、「ともに」というんですから、同時にすみやかに所属長に報告をしてその指示を受けたはずだと思うんです。一体これはどういうふうに所属長に報告して、どんな指示を受けたのですか、こういうことを聞くわけですよ。
○説明員(河村勝君) この場合、応急処置としましては、写真をとっておる公安官が取り囲まれて紛糾が生じまして、それで写真機を取られたりあるいはけがをしたりするおそれがあるので、それを防止するために出てきたというのが応急処置でございまして、機動隊長はその程度のことに関しては所属長の権限を委任されておったものと考えられますので、その場合に所属長に一々指揮を仰ぐ必要はないわけでございます。
○稲葉誠一君 機動隊長に権限が委任されておったものと考えるのは、それはあなたの考えでしょう。具体的にどういうふうになっていたのですか。これは今わからなければわからないで、あとで調べて答えて下さい。
○説明員(河村勝君) 常識的に私はそうであると考えますが、具体的に出発にあたってどういう指示が与えられておったかまでは存じません。調べまして御報告いたします。
○稲葉誠一君 何か今のあなたのお話だと、鉄道の公安官たちは不法行為が起きてから出てきたようなことをあなたは言われましたね。その前にずっと別の所かもしらんけれども、組合員の見える所にたくさんいたのじゃないですか。
  〔理事松野孝一君退席、委員長着
  席〕
○説明員(河村勝君) 紛争の起こっている現場ではございませんが、離れたところにおったわけでございます。
○稲葉誠一君 その公安職員のいた現場というのは、これは組合員から見える所なんですか、どうなんですか。
○説明員(井本善之君) 制服の公安職員は、この浴場付近の者からは見えなかったと思います。
○稲葉誠一君 じゃ、制服でない者は見えるような所にいたんですか。
○説明員(井本善之君) 私服で行っておりましたので、最初はわからなかったのでございますが、写真機で問題が起こりましたので、公安職員であるという身分をはっきり告げたような事情になっております。
○稲葉誠一君 写真機で問題が起きたと今あなたは言われましたね。私もそうだと思います、発端は。あなたのほうで調べた範囲の写真機で問題が起きたというところをもう少し具体的に詳しく説明してくれませんか。それに基づいて僕のほうでも再調査しなければなりませんからね。
○説明員(井本善之君) 目下調査中でございますが、今まで知り得たところでは、事態が発生しましたので、捜査職員として証拠保全のために写真をとったところ、その際公安職員であるということを相手に知らしております。
○稲葉誠一君 事態が発生したときに写真をとったというのですが、もう少し具体的に説明できませんか。いつ幾日何時にどこら辺でどういう事態が発生したときに写真をとったのかということを。あなたは、先ほどから、不法行為が起きたときにとったと、こう言われるのですが、不法行為が起きてからとったのか、相当それ以上前の段階でとったのか、これは争いがあるのですから、もう少し詳しくきょう現在あなたのほうでお調べになっておる範囲のやつをもう少し詳しく説明していただけませんか。現場へ行って調査をされているでしょう。
○説明員(井本善之君) 今まで調査いたしましたのは、私が先ほど申し上げたとおりでございますが、なお、調査を行なっております。
○岩間正男君 ちょっと関連して。事態が発生した、事態が発生したというのは、内容はどういうことですか、この事態の内容は。
○説明員(井本善之君) 物がこわれ、または、鎖錠を排除され、または入浴を阻止せんとする当局側の職員との間に暴行事件が発生したということでございます。
○岩間正男君 そういう事態が発生してから写真をとったというんですか、あなたは。違ったらどうしますか。
○説明員(井本善之君) 私は、今まで報告を受けました点につきまして率直に申し上げた次第でございます。
○岩間正男君 先ほどあなたもここであやまらされておるんですが、全くそれは違うんじゃないですか。もっと慎重にやっぱり調べて、事実は事実ではっきりしなければならんのですからね。さっきのようなあんなあいまいな報告を、また同じような形でここで繰り返してはならんと思うんですよ。
 もう一つは、裸にカメラを向けたということは、これはどういうことですか。裸にカメラを向けたということについてどう思っておりますか、常識的に判断して。
○説明員(河村勝君) 裸でふろに入っている者に向かってカメラを向けた場合は、これはいかんと思いますが、初めから詰所から裸で出てきておる人間でございますので、裸であるということは写真に関する限りにおいては別段悪いことはないというふうに考えます。
○岩間正男君 その前にも、とにかく六月二十八日に、田中構内助役ですか、この人も、カメラを持って来て、写したのか写そうとしたのか私どもはっきりしませんが、ふろへ入ってくる人を見て盛んに写すような格好をしていたといわれるのですね。何でそんなに事件も発生しない前、六月二十八日だから、このころにカメラを持って来て写そうなんとしておるのですか。これも証拠保全ですか。これはあなたのほうでよく調べて下さい。きょうはまだその点は答えられないと思いますから、よく調べて下さい。
○委員長(鳥畠徳次郎君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(鳥畠徳次郎君) 速記をつけて。
○岩間正男君 これは事態の調査をやって正確な答弁をまた求めなくてはならぬところがたくさんあるのですが、一つは、この経過報告についてあなたのほうで文書を作成したものがありますか、何か報告として。それがあれば、これは資料として出してほしいと思うんですがね。この事実は、あなたたちが今言われておるような、聞いた範囲内などということは、非常に食い違いが最初から指摘されておるのですが、これをまず第一にどうですか。
○説明員(河村勝君) いろいろな資料はございますが、御要求があれば提出いたします。
○岩間正男君 その資料をぜひ出していただきたいと思います。
 人権擁護局は見えておりますか。ちょっとお伺いしますが、さっきのカメラの裸の撮影の問題もあるのですが、逮捕して手錠をかけて、裸ではだしで、しかも公衆環視のホームを約八百メートルから千メートルはあると思うのですが、現場を見れば。こういうことについて、これはどうなんです、これ一つをとってみても明らかだと思うのですけれども、これについてあんたたちは調査をしたのか、これについてどのような一体判断を下しておるのか、この点について最初に伺いたい。
○説明員(池田保之君) 今までの調査の模様を申しますと、東京法務局におきまして本件を調査をしているわけでございます。ただいまお尋ねの件につきましては、一般的に申せば、公衆の人目に触れる中をパンツ一枚の姿のまま手錠をかけ連行するようなことは、人権保障の面から避けるべきであると考えております。なお、本件については、まだ調査に着手したばかりで、その具体的事実を詳細にまだ明らかにしておりませんので、結論的なことは差し控えたいと、こういうふうに思っております。
○岩間正男君 これは重大な問題なんですね。もっと調査を進めて、これに対してはびしびしと人権擁護の立場から当然の任務を遂行されることをここで私は切望したいと思う。調査中だということですから、ただいまのような御答弁ですけれども、それじゃ済まない問題です。今の御答弁の中でも、公衆の面前をはだし裸で、しかも手錠をかけて連行する、人目にさらす、こういうことはまずい、こういうことははっきり言われているんでありますが、どうですか。河村さんにお聞きしたいんですけれども。
○説明員(河村勝君) この場合、前々から申し上げていますように、いろいろなやむを得ざる事情はございましたけれども、いずれにしましても、裸のまま手錠をつけて公衆の前を連行したということは、遺憾に存じます。
○岩間正男君 先ほども申しましたが、逮捕された四人の人たちの中で三人が傷を負っておる。傷害々々と盛んに宣伝しておりますけれども、この事実を御存じですか。
○説明員(河村勝君) 私の知っているところでは、さようなけがはなかったと思います。
○岩間正男君 そういう態度に大きな問題あるじゃないですか。国鉄はよく、今までの国鉄の関係というのは親子の関係だとかなんとか十河総裁の時代盛んに言っていたと思う。逮捕された当人がどうなっているかということについては、あんたたちは責任を感じないんですか、一体。そうして、この問題についてこんな不当な、人権擁護局も肯定することのできないようなこういうやり方をやったことについて、あなたたち自身は――現在不当にもまだこれは拘禁されているんです。こういう事態について、何らかの反応を示さないんですか。今のような傷がないと言っているけれども、私が法務委員としまして一昨日――一昨昨日かな、高輪署に行って、四人の勾留者に署長の許可を受けて直接面会をし、そして代々木病院の医師を同行しました。そこで診断をしてもらった。診断の結果、これを持って来た。診断書もここにある。こういう事実があったら、今の全然そういうことはないということとこれは全く反すると思うんですが、どうですか。
○説明員(河村勝君) 手当を必要とするほどのけがをしておれば、当然警察署において必要な手当をしたはずであると思います。そういう事実は何も聞いておりませんので、取り立てるほどのけがはなかったものというふうに思っております。
○岩間正男君 あなたたちはこれを調べられましたか。調べられたですか。そうすると、警察まかせで、警察は手当を何もしないから、そういう報告もなかったと。手当をしていますよ、警察で。完全だかどうだかわからんけれども、手当をしています。ここでははっきり出ていますけれどもね。一人は二週間、一人は一週間、一人は四日から五日、全治。これだけの傷を受けておる。ことに二週間というのは、傷害罪を構成するようなそういう傷ですよ。あんたたちは十五日の傷を受けたんだ、そこで逮捕したんだと言っているんじゃないですか。違いますか。その辺はどうなんですか。公安官が全治十五日の傷を受けたんだ、そこで逮捕したんだ、どういうことを言っているんですが、違いますか。
○説明員(河村勝君) 相当なる傷を負っておれば、公安官が公安室に連行したときに当然手当するはずでございまして、そういうこともないので、そういう報告もないんで、それほどの傷があろうとは信じられません。
○岩間正男君 はずとは何です、はずとは。はずなんと言ったって、やらないのは事実です。そうすると、この医師の診断書は虚偽の診断書というんですか。あなたの今の言から言えばそうなんです。それでいいんですか。間違いないんですか。
○説明員(河村勝君) 診断書があるかどうかということは、私は本日まで何も存じません。
○岩間正男君 ここにあるんですよ、ちゃんと。私は法務委員としての職責から考えて、また、労働者に対するこのような不当な弾圧問題については、これは許すことができない。そこで、ちゃんと行って署長の許可を得て当人に面接をしたその結果取ったんです。知りませんと言ってもここにあるんです。そうして事実そうなんです。そうすると、あなたの認識というものは全然これは狂うんじゃないんですか。それから警察でそのような手当をしたことがないとかなんとか、それも調べもしないでそういうことを言っているんですが、実際は手当をしている。どうなんです。
○説明員(河村勝君) 私はそう信じますが、かりに多少のけががあったにいたしましても、それは不法行為をしようとして、それを公安官が防衛する際に、もみ合いによって起きたけがであろうと思いますので、その範囲においてはやむを得ないのであろうと思います。
○岩間正男君 そういう一方的なことですな。とにかく公安官の行為は絶対正しいんだ、当然だと。これはあとで徹底的に法的にも明らかにしなければならない問題ですよ。公安官の法律並びにいろいろな国鉄内にあるところの規程からいってさえも、先ほど指摘された点で非常に問題があると思うんです。しかも、現在の労働運動に対する最近の国鉄のやり方、その中にあるんじゃないか。こういうやり方。だから労働者が傷を受けた、そうしてそれは当然公安官の行為は正当なり、何らこれは恥ずるものはない。ところが、その行為を見てごらんなさい。その一端の中ではどうです。人権擁護の立場でさえ肯定できないような、そういう行為をやっている。その公安官が一方でこのような傷を負わしている。それに対して、あなたは、これは当人が抵抗してこういうようなことをやったんだから仕方がないと、これで済むんですか。これが労務担当理事のお話ですか。労務担当理事というのは、よく国鉄一家なんと言われていますが、労働者に対する全然思いやりがないんじゃないですか。不当逮捕されて、そのことについても当然なんだ、やむを得ないんだ、傷を負うのも仕方がないんだ、こんなことで労務担当が勤まりますか。どうなんです、このことは。
○説明員(河村勝君) 本件につきましては、前々からお話を申し上げておるように、写真をとろうとする公安官から写真機を奪おうとしてトラブルが起こったわけであります。したがって、それを防衛するために公安官が出たわけでございます。したがって、別段何も持っていたわけじゃございません。素手で、特別に手荒なことをしたわけじゃございませんので、その限りにおいてはそう乱暴したはずはないと、そういうふうに考えます。
○岩間正男君 はずがない、はずがないとあなた調べもしないで言っておりますが、事実傷を負ったんです。自分で傷をつけたというんですか。はっきりした傷を負っておるんです。こういうことは全然あなた考慮の中に入れないでおいて、そうして一方の十五日間の傷を負わした、傷害現行犯というので逮捕したんじゃないですか。逮捕の理由を言って下さい。
○説明員(河村勝君) 公務執行妨害と傷害でございます。
○岩間正男君 これはまあ今までもたびたび公安官と労働組合の間で起こった問題だ。広島でも起こったろうし、新潟でも起こったろうし、去年あたりからの問題だ。そして、公安官の性格がそのたんびに問題になって、委員会でも本会議でもこれは追及されてきたものです。大体公安官の任務というものの逸脱じゃないですか。明らかにこれは労働運動弾圧のために最近ははっきり性格が変わってきているんです。乗客に対する生命財産の安全を維持するんだ、こういうことで設けられた公安官だが、最近はどうですか。先ほどからもいろいろな点から追及されましたけれども、全く労働者対策になっておるんです。こういう形で、しかもそれを当局は言を左右にして擁護している。労働者が傷を受けたということは、これはあくまでも労働者の不当行為だと、こういうふうに言い切るんですか。これはどうなんです。
○説明員(河村勝君) 私は傷を受けたのが不当な行為だと言っているわけではございませんで、公安官が防衛をする際にどうしても若干のトラブルが生じますので、その際に免じた偶発的な問題だ、そういうことでございます。
○岩間正男君 これは逮捕された労働者に対して、あなたたちはどういうふうに処置するというんです。現在まだこれは勾留されているんですけれども、これは当然仕方がないんだ、勝手なそういうことをやったんだから仕方がないんだというんですか。当局の立場として、労務担当の立場として、こういう問題に対してどういう考えを持ち、どう対処するのか、この際あなたたちの態度をほんとうに私は明確にできる問題だと思うので、はっきりこれはお聞きしたい。どうです。
○説明員(河村勝君) 法律に従って所定の手続によって解決されるものと思います。
○岩間正男君 あなたは――先ほど答弁されたのは別な担当理事でしたか。あなたですね。この問題について、組合と話し合う、こういうことをさっき言われましたね。話し合うったって、これは何を話し合うんです。私は少なくともこの問題を話し合いで解決をするなら、第一に、この人権侵害というものについては、はっきりこの非を認める。そしてこれに対してはっきり謝罪の意を表明する。第二は、このような不当な事態を起こした責任者に対して、徹底的に責任を追及してこれを処罰する。これは処罰しなければだめです。第三には、この機会にあのふろ場のような問題、その他たくさんあると思うんですが、この労働条件といろものを改善する。そういうような心がまえでなければ、今度の問題というものを根本的に解決するということにはならんと思うんですが、この点はどういう一体態度であなたたちは今後団交をされるのか、たとえば労務担当理事としてこの問題を一体どこに持っていこうと考えておられるか、この点をお聞きしたい。
○説明員(河村勝君) 私が先ほど組合側と交渉を持つと申しましたのは、勤務時間の問題について話を持つと申し上げたのでありまして、この刑事事件のことについて組合と話を持つと言ったのではございません。
○岩間正男君 とにかく、あなたは労務担当理事として、今までの慣行で、しかも内規でこれは認められて四時から入っておる。そうしてそれに対して一方的に四時半から、こういうことで押しつけられた。これに対して交渉を三回持った。こういうことになっているんですね。しかし、この話し合いというものは、もうここで打ち切る気だったのですか。組合側はとにかくこれに対して時間については若干ずらしてもよい、そういう話し合いを続けておった、こういうふうに私は聞いておるのでありますけれども、そういう事実はあったのか、ないのか。それにもかかわらず、三回で打ち切って、あくまでこれは実力行使でも阻止しなければならない。そして就業規則をたてにとり、そして今までの慣行――いわば既得権でありますけれども、そういうものも全部ほごにして、強引に労働者をこれに従わせる、屈服させる、こういう意図のもとに行なわれたとしか考えられないのでありますが、この点はいかがですか。
○説明員(河村勝君) 先ほども申し上げましたように、組合側に四時半からという提案をいたしましても、何らそれに応ずる態度がなかったので、一方的にやったというふうに私は報告を受けております。
○岩間正男君 違うじゃないですか。若干ずらしてもいいというのは、これは話し合いの間でお互いに譲歩する、そういうことじゃなかったんですか。そういう意思というものは勝手にじゅうりんして、一方的に判断して――どういう報告を受けたんですか。あなたの受けた報告はそういうことなんですか。これは区長からはっきりそういう報告を受けたんですか。そこに食い違いがあると思うんですが、どうなんですか。
○説明員(河村勝君) 私が直接区長から報告を受けたのじゃございませんで、東鉄の局長から報告を受けたのであります。
○岩間正男君 これは事実と違っています。これは事実と違っているので、そこのところはあなたたちが三回にわたってあくまでも拒否した、こういうことになっている。そこのところが非常に事実をしいるものだから、もっとちゃんと正確にこの問題を調べる必要がある。
 それからもう一つの問題は、どうなんです、一体。いつもこういうことをされる考えですか、労務担当理事として。とにかく話をしている、何回も根強くやったと言うが、わずかにこれは三回、しかも一日置きにやっているだけでしょう。そういうものは話し合いの既成事実だけを作って、どうもだめなんだと一方的なあなた方の判断でもってこれに対して今のような弾圧態勢を合理化しようとしている。しかも、この中で、はしなくも今度のように世の中を騒がせ、全く野蛮な行為だ。東京ですよ、ここは。首都東京ですよ。この足元で四時というと、まだ白日である。白日のもとで起こっている。裸で手錠をかげられて、約一キロの道を歩かされて、しかも国鉄の誇りある労働者が、公衆の面前でラッシュ、アワー時です。あのフォームには、それはそんなに人はいなかったかもしれない。しかし、どうです、品川駅のラッシュ・アワーというのは、天下でも有名じゃありませんか。この万人の環視の中でこういうことをされたんですよ。こういう事態まで引き起こしたことについて、これはどういう一体労務担当理事として反省を持ち、責任を感じ、そうしてこれにどう対処するのか、今後の労務行政についてはっきり私は伺いたい。
○説明員(河村勝君) 繰り返し申し上げますようでありますが、労使間の問題は円満に話し合いがまとまってから実行するのが望ましいことでございます。しかし、時と場合によりましてどうしても話がまとまらぬ場合に、一方的に実施することは、やっぱりやむを得ないことだと考えます。
○岩間正男君 わずか五日間です。五日間、三回、これでなんですか、ほんとうに万全を尽くした話し合いというふうになりますか。口実を作るためのあれじゃなかったんですか。そうとられても仕方がないんです。大体最近の国鉄のこのような労務のやり方、労働行政のやり方については、非常に問題がある。その焦点は、あなただ。河村労務担当理事の悪名は、天下に響いている。そういうものの現われじゃないのか。ここにあなたは何らのこれに対して、白昼このような人権侵害に対して、謝罪しようともしない。謝罪の意を表わそうともしないけれども、あなたは労働者をどう思っているんですか。それは紛争の組織の中にいる労働者かもしれませんけれども、まるでこれじゃ労働者の権利なんというものは全然認めないということになるのじゃないですか。こういう格好で今後労務行政をずっとやっていく気ですか。
○説明員(河村勝君) 裸のまま手錠をつけて公衆の面前に連行したことにつきましては、先ほど遺憾の意を表したつもりでございます。また同時に、今後さようなことが起こうないように十分指導いたすつもりであります。
○委員長(鳥畠徳次郎君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(鳥畠徳次郎君) 速記をつけて。
 暫時休憩いたします。
   午後二時三十分休憩
   ―――――・―――――
   午後四時六分開会
○委員長(鳥畠徳次郎君) これより委員会を再開いたします。
 この際、継続審査要求についてお諮りいたします。
 先刻提案理由の説明を聴取いたしました売春防止法の一部を改正する法律案につきましては、会期中に審査を終了することは困難でありますので、継続審査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鳥畠徳次郎君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。
 なお、要求書の作成及び手続等は、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鳥畠徳次郎君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
  ―――――――――――――
○委員長(鳥畠徳次郎君) 次に、検察及び裁判の運営等に関する調査を休憩前に引き続き行ないます。
 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(鳥畠徳次郎君) 速記をつけて下さい。
○岩間正男君 さっき同僚議員からも質問がありまして、いろいろな点で食い違いがあったわけでありますが、これについては、調査をしてさらに答弁をいただく。さらに、今度の警官についての報告書もいただく。あるいは、これと関連して、国鉄のいろいろ公安官に関する内規のようなもの、こういうものもこれは資料としていただきたいと思います。あらためてもっとまとまった質問をしたいと思うのでありますが、さっきの質問の中でやはり非常に問題になると思うのは、労働行政の問題です。労務担当の理事が見えられていないようですけれども、公安担当の理事がお見えでございますから伺いますが、最近の労働行政とそれから公安官の問題というのは、非常にやはり最近いろいろなトラブルが起こって問題になっているところだと思うんです。で、どうなんですか。結局まあ団体交渉も形ばかり二回三回やった。しかし、それについて十分に話し合いができない。そのうちにあのような一方的なやり方で大ぜいの私服並びに職服を着た公安官を配置する。そしてしかも、入りにきたその労働者たちに対していきなりカメラを向ける。これはどうも普通の常識ではちょっと考えられない問題だと思うんです。裸のところを写真をとるというのは、これは人権に関する問題ですから、当然これに対して抗議をする。ワーッと声を上げたかもしれません。そうするとそのことをたてにして、これはけしからんというので、今度は多くの公安官を待機さしておったのをそこに介入させる。こういうようなことになりますというと、最近の労働問題に対するトラブルは、何か問題が一つちゃんと仕組まれたような感じがする。計画的な行為だということがあまりにも明らかではないかと思うんです。今度のやつはどうなんですか。公安官を配置された、ことに石炭小屋の陰に十五人いたというんですが、この人たちは何日にここに配置したんですか、そしてどういう指揮系統でやられたのか、この点はどうなんですか。
○説明員(遠藤鉄二君) お尋ねがございました労働問題と公安官の関係でございますが、先ほど来御説明申し上げておりますとおり、公安官は、当然旅客、民衆に対するサービスと申しますか、そういうもののために設置されているものでございますので、労働問題に公安官が介入するということは、決してこれは望ましいことではないわけでございます。地内に犯罪行為あるいは秩序を乱る行為がございますれば、結果とすれば公安官が出動ずるということも現状におきましてはやむを得ぬ点があるように思うのでございますが、そして、ただいまお尋ねの制服の公安職員が現地に行きました時間、場所でございますが、この公安職員は、私がただいま持っております資料では、十六時に車掌区を出発いたしまして、十六時三分に区長室の前に行っております。この区長室の前は、お尋ねの石炭置き場とは相当に遠い所でございます。石炭置き場は浴場のすぐそばでございます。区長室の前というのは、ここから三十メートルぐらいはあるかと思いますが、ここにおったのでございます。
○岩間正男君 そうすると、あらかじめ配置をしたそういう事実はないんですか、この石炭置き場の所に。これは制服か私服か、これはどうなんですか。
○説明員(遠藤鉄二君) 先ほど御説明申し上げましたように、私服の者が先に浴場付近におったわけでございます。そうして騒動が起きましたので、それが区長室前、相当離れた所におりますところの制服公安官に合図をいたしたというように聞いております。
○岩間正男君 私服を配置したというのは、何のためです。何のために私服を配置したんです。
○説明員(遠藤鉄二君) これも先ほど申しましたように、前日に傷害行為がございましたので、そういうことがないように、またあったらいかんと、いろいろそういうことに備える警備という意味で公安官が数名その付近に配置されておったのでございます。
○岩間正男君 その前日の傷害行為というのは、一週間ぐらいのなにを言うんですか。
○説明員(遠藤鉄二君) さようでございます。
  ―――――――――――――
○委員長(鳥畠徳次郎君) 稲葉君。
○稲葉誠一君 法務大臣が来られたので、この前、これはことしの六月十日に、予算委員会で川島正次郎氏が私に答えた肥後亨との関係、千葉工業大学とのいろいろな問題、これらのことについていろいろ疑問があるので、私は数点にわたって大臣に川島氏に会ってよく事情を調べてほしい、そのことに関連して大臣が結果を報告をするということになっておったので、その点の報告をまずお願いしたいと思います。
○国務大臣(中垣國男君) お答えいたします。
 先般の法務委員会におきまして稲葉さんより御要望のありました点につきまして御報告を申し上げます。
 六月十日の参議院予算委員会におきまして川島国務大臣が述べております点の真偽を確かめるために、法務省の秘書課長を派遣しまして川島国務大臣に確かめさしたのでありますが、これによりますと、肥後亨が千葉工大の常務理事をしている間に大学に損害を生ぜしめた事実につきまして大学の理事会で種々検討をいたしましたところ、たしか三百万円余だったと思うが、大学の必要経費に使ったと認められたので、その分はすでに返されていた弁償金の中から肥後に返すということになった。理事会の監事の中には弁護士もいるので、返すことによって背任とかなんとか言われるおそれはないと思ったが、念のため検察庁にそのことを知らせておいたらどうかということで、その弁護士の監事が検査庁に連絡したものである。
 以上のような経過でありまして、検察庁からああしろこうしろと言われたわけではない。六月十日の参議院予算委員会で「検察庁の了解も得て」云々ということを申したのは、以上の経過を簡単に言ったものであるとのことでありました。したがいまして、過般の本委員会におきまして刑事局長が一般論として御説明をしました件、すなわち、検察庁が刑事事件当事者の紛争の解決の仲介に行って、その間の金員の授受等に積極的に関与し、これに承認や許可を与えるということはあり得べきことでないと申し上げたことは、川島大臣が言われた場合についてもそのとおりであるということになると思います。千葉工大をめぐる一連の告発事件の処理は、千葉地検におきまして昭和三十五年十一月当時全部終了したものであります。その後、昭和三十七年七月二十日付で川島国務大臣等に対する背任告発事件の受理をするに至るまで、検察庁としましては、東京地検において捜査、起訴をした千葉地検検察審査会汚職事件以外に、何ら刑事事件として関与していないものであります。したがって、その間に検察庁が刑事事件として関与していない千葉工大の紛争処理の跡始未につき何らの干渉がましい態度をとってはいない、さように考えておる次第でございます。
○稲葉誠一君 今の秘書課長を通じて川島正次郎氏が答えたという三百万円余というのは、いつ渡したということなんですか。今告訴されているわけでしょう、川島さんが。それとの関係はどうなるんです。
○説明員(羽山忠弘君) この事件の報告は、その当時きわめて簡単な報告が来ておりますので、このたび御質問を受けることになりまして、現地から記録を取り寄せて見たのでございますが、厚さが二尺くらいあるのでございまして、非常に大ざっぱに目を通しましたところを御説明申し上げますから、あるいは正確を欠くかと思うのでございますが、大体こんなような筋ではないかと思うのでございます。
 千葉工大の中に川崎守之助氏を筆頭とするいわば川崎派というものと、それから青木運之助氏を筆頭とする青木派という二派がございまして、その二派がどういうことでございますか、この大学の中で争いを生じまして、そしてそれに関係いたしまして川崎派の川崎守之助氏らが、青木派に属する豊田耕作氏から、その大学の金を横領したとか背任したとかいうようなまず告訴が出まして、これが地検にかかったわけでございます。そして、そのときに、この紛争の解決に肥後亨氏が介入することになりまして、川崎−肥後、つまり川崎派に属して、肥後が今度は青木派に属する人々を脅迫その他をもって逆に告訴いたしました。そこで、いろいろ刑事事件、告訴事件が対立的に係属いたしたわけでございますが、そのうちに両派の妥協ができまして、そして結局双方ともに告訴をお取り消しになりました。
 その間に、肥後亨氏は、自分で一度告訴しておきながら、今度は妥協ができたためだと思うのでございますが、不起訴事件が検察審査会にかかっておりましたところ、自分で告発した事件でございますが、これが起訴相当の議決をされては困るというようなことで、御承知の千葉の検察審査会事務局長に贈賄をするというような事件がございまして、これが後に発覚いたしまして、現在公判に係属中でございます。
 全体に妥協ができましたときに、何とか肥後亨をこの大学から手を切らせようというような考えになったのじゃないかと思うのでございますが、そこで手を切るという金として三百万円が出されているように思うのでございます。
 この三百万円に対しまして不満が残りましたのは、最初川崎派に属しておりまして、一時青木派のほうに走りまして、そして今孤立状態になっておりまするような感じが記録をさっと読んだ感じでいたす方で坂本重威、そういう方がおるのでございますが、その方が、肥後のほうは三百万円もらって話が終わる、自分のほうはさんざん紛争にいろいろやったのに何もないというような孤立状態になったことを不満とされまして、今度は川島正次郎大臣を相手にいたしまして、肥後に三百万円をやる議決をしたことが背任であるという告訴を今千葉地検に提出しておる、こういう状況でございます。
 大体そういう筋ではないかと考えるのでございます。
○稲葉誠一君 川島正次郎氏が言った「千葉の検察庁の了解も得て渡しております。」というその金は三百万円なのか三百五十万円なのか、これは争いがありますが、私のほうの調べでは三百五十万円ですが、これを渡すのについて千葉の検察庁の了解を得たというんですが、いつのことですか。一体だれが――弁護士と言いましたね。松本弁護士だと思いますが、松本弁護士がだれに会ってどういう了解を得たんですか。
○説明員(羽山忠弘君) まだ調査中でございまして、確認いたしておりませんが、現在被告発人川島正次郎氏として提出されております告発状によりますと、昭和三十七年六月十五日、東京都千代田区永田町所在東京グランドホテルにおいて開催された同大学理事会の席上、被告発人、つまり川島氏らの発議によって肥後に対し紛争処理の実費弁償に仮託し、その謝礼として現金三百数十万円を贈与することを決議したと、よって背任だと、こういうふうになっております。
○稲葉誠一君 それは告発状に書いてあることであって、私がお聞きしているのは、法務大臣は私に対して、責任をもって川島氏に会って事実を確かめると言われた。そうすると、この川島氏が肥後に渡した金はいつ渡したというんですか。川島氏の答弁はどうなんですか。それがはっきりしないじゃないですか。一体川島氏が事件処理費というものを肥後亨に渡さなければならぬ理由はどこにあるのか、それを私は聞いたんですが、当然そういう点を調べてくれと言ったはずですがね。そうじゃないと、私に予算委員会で答えたことがほんとうかうそかさっぱりわからないんですよ。
○説明員(羽山忠弘君) 私は、恐縮でございますが、前回この委員会に参らなかったのでございますが、私が連絡を受けましたところによりますると、予算委員会で川島大臣が何か検察庁の了解のもとに三百万円を渡したというようなことを言われたと、そこで、検察庁がそんな了解をしたことがあるかどうかというようなお尋ねで、それはそういう了解をしたことはないということを千葉地検のほうに確かめたと同時に、秘書課長が川島大臣に、はたして検察庁の了解を得たかどうかということの点を確かめられたのでございまして、そこのところが調査の中心でございます。中心点と申しますか、関心の的になって調査が進められたのだと思います。
○稲葉誠一君 法務省の千葉地検に対する調べというか、照会では、そういうふうな了解を与えたことはないという答えだ。ところが、川島氏のほうでは、千葉地検の了解を得て渡したんだ、こう言っている。そこに食い違いがある、こう承ってよろしいのでございますか。
○説明員(羽山忠弘君) それは、先ほども大臣がおっしゃいましたように、それから稲葉委員もおっしゃいましたように、これを払う前に、もし払ったあとでやれ背任だとか横領だと言われると困るということを弁護士である松本栄一先生という方がおっしゃって、肥後に三百万円を渡すならば、渡す前にちょっと検察庁に行ってこういうのを渡すぞということを言っておいたほうがいいぞということを言われて、そうしてその当時検察庁に行った。この点は検察庁のほうでは確かに聞いているようでございます、次席検事が。しかし、それは、これから払いますから、ああそうですかという程度であって、一々それを了解とかなんとかという意味で検察庁のほうではお答えした覚えはない、こういうわけでございます。
○稲葉誠一君 六月二十二日、ことしですが、ある弁護士がやはり千葉地検へ行って次席に会っているはずです。そのときの話では、了解をしたことはない、こう千葉地検の次席ははっきり言っている。むしろ肥後に金を渡すということは、これは問題になるから注意をしてくれ、くれぐれも注意をするようにというふうなことを逆に言っているというふうに千葉地検の次席検事は言っているんですね、そこへ行った弁護士に対して。これは津田弁護士その他ですが。ですから、そこら辺のところが話が非常に食い違ってくるんじゃないですか。
○説明員(羽山忠弘君) 数日前に電話をいたしました次席は、当時の次席ではないようでございます。したがいまして、多少食い違いがあるかもしれませんが、話を何か聞いたというようなことは主任検事を通じて確かめたようでございます。
○稲葉誠一君 肥後に、三百万円−川島氏に言わせれば三百万円、その金を川島氏が肥後に渡さなければならない理由というのは何なんですか。それはどういうふうに法務省のほうでは調べたんですか。
○説明員(羽山忠弘君) それを今調べておるところでございます。告発が出まして、今捜査をいたしておるところでございます。
○稲葉誠一君 その金を渡したことが背任になるかならないかは――今告発の事実ですね。川島氏のほうでは、それに対して、渡したことはどういう理由で渡したかということは、今までずっと言っているんじゃないですか。背任になるかならないかは、これは僕が聞いたって始まらないから、聞きません。どういう理由で渡したのか。それは何だって言うんですか。はっきりできないんですか。
○国務大臣(中垣國男君) これは、先ほどもちょっと申し上げたのでありますが、肥後が大学の常務理事をしておる間に大学に損害をかけた。それを一応肥後は全額弁償したわけであります。一応弁償したのでありますが、その後理事側におきまして調査をしたところが、どうも大学のために金を肥後が三百二十数万円を使っておる。大学のために使っておるということで、その分は肥後に返してやろうではないかというような、一応受け取った弁償金の中で実際は肥後が使った金もあるから、それを返してやろうということで、返すことについて理事会で話がきまった。そこで、それを返すと、逆にそれが背任罪になるのじゃないかというような話が弁護士の中から出ましたので、それでは一ぺんそれは検察庁のほうへ念のために知らしておいたらどらだろうという話が出たそうであります。その弁護士が検察庁に連絡をしたのでありますが、そのときの話は、了解を得るとかというような話し方でなくて、一応こういう弁償金の中に肥後が自分で立て替えて使った金があるので、それは肥後に返すことにしたといったような話をば座談的に話をしている。ああそうですかといった程度のことであったそうでありまして、この金を肥後に渡すと背任になるかならないかといったような突っ込んだ話ではなかったというふうに本人は言っておられる、そういうふうに私は聞いております。しかし、予算委員会での御答弁は、なるほど検察庁の了解を得て金を渡したと言われることは、私もあの席で聞いたのでありますが、なぜああいうことを言ったかというのは、事こまかに予算委員会の中で答弁ができなかったので、それまでの経過をば了解を得てというふうに自分は簡単に結論のようなことを申し上げたのだが、それは、金を出していいか悪いかとか、三百数十万円の金を出しましょうとか、そういったものの検察庁の了解を得たと、そういうこととは違うと、こういうことのようであります。
○稲葉誠一君 肥後が千葉工業大学の理事ですか何かをやめたのと、川島さんに言わせるというと、やめてから数カ月たって理事会の席で肥後に金を渡したと、こう言っておりますね、この点はどうです。金を渡した日時と肥後がやめた日時と、相当、約二年間近く開いているんじゃないですか。それは人間だから記憶違いがあるから、それは川島さんの記憶違いだったといえばそうかもしれませんが、意識的なふうじゃないですか、この答弁は。
○説明員(羽山忠弘君) 六月十日の速記録によりますと、川島国務大臣の御発言として、「その後数カ月たちまして、理事会の席で幾らか肥後君に」云々と、こうなっておるのでございますが、その数カ月というのはもっと長くたったあとのようにわれわれのほうでは判断しておるのでございます。
○稲葉誠一君 数カ月というのは、どこまでが数カ月か、これは議論がありますが、だけれども、これは肥後亨が理事になったのは、登記簿によると、昭和三十四年十一月十六日でしよう。登記簿がありますか。そうして、やめたのが三十五年の十月十二日に辞任したようになっております。登記簿では。だけれども、昭和三十四年十一月二十五日に千葉の地方裁判所で職務執行停止の仮処分の決定があるわけですから、実際にこの職務をやったのは十日間ないわけですよ。登記簿ではそうなっていると思いますがね。そうすると、渡したのはいつなんですか、あなたのほうのお調べで。
○説明員(羽山忠弘君) その点は、まだ千葉地検から捜査の結果の報告を受けておりませんので、さしあたりは、先ほど申し上げましたように、告発状を基準にしてお答え申すより仕方がないのであります。
○稲葉誠一君 告発状だと、三十七年ですか。
○説明員(羽山忠弘君) 六月二十七日に三百数十万円を交付しているわけでございます。
○稲葉誠一君 五月の間違いじゃないかな。六月にしても、だからその間一年半か二年たっているんじゃないですか、登記簿との関係で見ると。
○説明員(羽山忠弘君) この告発状の事実のとおりだといたしますれば、そのとおりでございます。
○稲葉誠一君 その川島正次郎氏と肥後亨の関係ですね、これは川島氏は肥後亨とは関係ないのだ、自分が千葉工業大学の理事長になったのはと、こう予算委員会で私に答弁していますね。ところが、千葉地検の不起訴処分の裁定書がありますね、佐藤道夫検事の。これには一体どういうふうに書いてありますか。「被疑事実の要旨」として書いてあるのは、肥後亨が、こういうふうに千葉工業大学が「対立紛争を続けているのを聞知し、自ら同校理事となり、併せて、川島正次郎を同校理事長に就任させて、」云々と、こう書いてありますね。それから中を見ると、書類「の偽造を完成し、」それから「川島正次郎を理事に選任し、併せて理事長に選定した旨の文言を記載し、右各理事の名下に有合せの三文判を押捺し、」とか、それから「川島正次郎の理事就任が、私立学校法第三十八条、第三十九条の規定に、」――これは禁錮以上だとなれない規定があるんですが――「夫々違反しないことを宣誓する旨の文言を記載し、その名下に、同様三文判を押捺し」そうして「あたかも真正に成立したものの如く装って、」「もって川島正次郎が同校理事に選任された旨の虚偽の登記申請をなし、」云々と、こういうふうになっていますね。これは千葉地検の検事が肥後亨を二十日間逮捕勾留して調べた結果だと、こう思うんですが、これによるというと、肥後亨が中心となって川島氏を偽造の文書まで作って理事長に就任させたと、こういう認定じゃないでしょうか、どうでしようか。
○説明員(羽山忠弘君) どうも稲葉委員がどこで不起訴裁定書をごらんになったのか存じませんが、建前といたしましては私どものほろからはあまり申し上げることができないわけでございますが、すでに検察審査会にもかかっておりますので、ある程度のことは申し上げますが、大体今おっしゃった事実がございます。
○稲葉誠一君 「大体」といろと、どこか違うんですか。
○説明員(羽山忠弘君) 大体違っているところはございません。(笑声)
○稲葉誠一君 「大体」というのはどういう意味だか論争したってしようがありませんから、あれですが、これは検察審査会で写真に写さしたんですよ。不服申し立てをするときに見せてくれと言って写さしたんですよ。それであとで出てきたものだから、検察審査会が困っちゃったんですよ。それから絶対見せないようになっちゃった、あとから。それで徳島県のラジオ商殺しとか検察審査会の申し立てのやつが僕のほうで手に入ったので、僕のほうで困っているような状態ですがね。これを見ると、千葉地検の調べでは、少なくとも川島正次郎氏と肥後亨とがより密接な関係があったということを認めていますね。川島氏は、千葉工業大学の理事長になったのは肥後亨のおかげだということをはっきり千葉地検では認めているじゃないですか。これは大臣、どうですか。不起訴裁定書があなたのほうにあるでしょう。ありますよ。法務省の訟務局の四課にあるんですよ。四課長がこの前行政裁判に出てきて出したでしょうが。証拠でちゃんと成立を認めたでしょうが。
○国務大臣(中垣國男君) お答えいたします。
 肥後氏と川島氏との間にこのような関係があったことは想像されるのでありますが、はたしてどのような深い関係があったかということになりますと、ちょっとお答えができないのでありますが……。
○稲葉誠一君 私は、肥後亨の言うことをそのまま信用するのじゃ決してないですよ。私は会ったことはありませんし、どんな人か知らんが、そういうのじゃなくて、あなたの最も信頼する部下だと思うんですが、千葉地検の不起訴の裁定書、ここではっきり書いてあるんですよ。しかも、この裁定書は、今行政訴訟が起きて、訟務局の第四課長がこの前法廷に出て不起訴裁定書の成立を認めておるわけです。ですから、あるんですよ。そこにちゃんとはっきりそういうことが書いてあるんです。川島正次郎氏がまるで肥後亨と関係ないようなことを言っておる、千葉工業大学の理事長になったことが。そんなことないじゃないですか。実際の関係は、地検の裁定書を見れば、肥後亨のおかげでなったようなものじゃないですか。はっきり書いてあるでしょう。川島氏の言うことはうそじゃないですか。うそじゃないですかと聞くというと、聞き方がちょっと端的過ぎて、あなたのほうもお答えしにくいでしょうけれども、確かにそうですよ、言っておることは。肥後亨の言うことを信用して私は言っておるのではなくて、千葉地検の裁定書をもとにしてこれを信用して聞いておるんです。これが信用できないというなら、また話は別ですよ。
○説明員(羽山忠弘君) 裁定書に書いてあります程度の関係はあったことは、検事が認定しておると思います。
○稲葉誠一君 だれが見ても、常識的に見て、川島氏と肥後亨とが相当深い関係にあったということは、この一事からあなたも常識的にわかるのじゃないでしょうか。それで肥後亨に事件処理費というものを払わなければならないという根拠は一体どこにあるんですかね。それを調べてくれと僕は言ったはずですよ。これは大事なところですよ。そうすると、法務大臣が川島正次郎氏を取り調べて答えると言ったのだが、取り調べるという言葉はあとで直しましたけれども、肥後亨はもっとたくさん金をくれるということを川島氏に要求したんじゃないですか。結局、最後のところで三百何万になってしまったんでしょう。なぜ肥後亨は川島氏にグランドホテルに行って金をらんとくれということを要求しなければならないのか。これは一つのポイントですよ。それだけのことは川島氏のほうに弱みがあるのかもしれない。弱みがあるということは、肥後亨の骨折りによって、偽造文書や何かで川島正次郎氏が理事長になったから弱みがあるとも推測できないこともないんですよ。そこら辺のところを調べてもらわなければ、きようは何のためにこちらは楽しみにしてきたのかわからないですよ。
○説明員(羽山忠弘君) 決して川島国務大臣の弁護をするとか、そういうことは全然ございませんから、その点をひとつ……。
 肥後亨氏がこの大学の紛争の中に入って参りましたのは、川崎守之助氏らのむしろ依頼と申しますか、それがきっかけになったようでございます。そうして、川崎派と、先ほど申し上げました青木派と抗争をしておりましたところにまず肥後が入った。その後、地元の大学関係の方々などが川島国務大臣に頼んで理事長になってくれというようなことを言って、そこで川島国務大臣がこの大学に関係を持ってこられるようになっておるのでございまして、理事になるにつきまして、との不起訴裁定書におきましては、肥後が何かいろいろなことをやったというような記載はございますけれども、肥後が千葉大学に入りまして最初から川島大臣が肥後と非常に密接な関係があって、そうして川島大臣が千葉大学の理事になるために肥後を利用したというような関係は、ちょっと刑事事件の中には見られないように思うのでございます。
○稲葉誠一君 これは、初めから肥後と川島氏とがどういう関係にあったのかは別ですけれども、この不起訴裁定書よれば、肥後がみずから同校の理事になって、あわせて川島正次郎を同校理事長に就任をさせたい、こういうふうに考えたと、こうなっておるのですよ、一番最初のところで。ということは、肥後が最初から川島氏を理事長に就任させようといろいろと手続を踏んできたわけですね。その手続を踏んできた中に、全部理事の判こを作って、川島を理事長にするための判こも作ってやったわけですね。それははっきりしておるのじゃないですか、不起訴裁定書で。だから、川島氏としても、だれが見ても自分が理事長になることで肥後がそういうふうにいろいろ実際の行動をやっておったということを知らなかったということはちょっとおかしいんじゃないですか。何か肥後亨に頼んだのか、あるいは、頼まなくても、肥後がそういうことをやるのを知っていたというふうに考えられるのじゃないですか。それでなくちゃおかしいんじゃないですか。書いてありますよ、不起訴裁定書の一番初めのところに。
○説明員(羽山忠弘君) その当時の情勢といたしましては、川崎守之助氏派が理事会の過半数を占めていたようでありまして、川島大臣を理事長にするということについてはかなり確実性が――もしそういう方向に川崎派が一致して動くということになれば、その可能性はかなりあったように思うのであります。
○稲葉誠一君 そうすると、その川島氏が肥後亨に命を払ったときの状況というのはもっとよく調べてくれなくちゃ、川島さんが国会で言っていることがうそかほんとかということの大きな問題なんですからね。これは何も刑事事件としてという意味ではなくて、そうでなくて、困りますからね、僕らの責任上。そのときグランド・ホテルで肥後亨が川島氏に金をくれと言った。これは立ち会っている人があるんですよ。長幡と粕谷と島崎、この三人が。粕谷と島崎は肥後亨の門下みたいなもので金をくれということを言っておる。と同時に、それを払わなければ川島氏の理事長の登記は錯誤によってできたのだ、だから自分としてはこれを抹消するんだということを言っているんじゃないですか。そんなもんですから、事件処理費を払ったという関係もまたそとにあるのじゃないかとも考えられるわけですよ。そこのところをどういうふうに調べているんですかね。私としては、だれが見てもおかしいのは、川島氏が――川島氏がという言葉が悪ければ、千葉工業大学理事長としての川島氏が、肥後亨にそんな金を払うのは、なぜそんなに払うのか。肥後亨が仕事をやったというのは、法律的にいえばわずか十日間ですよ。あとは職務執行停止になったときのことですから、全部違法なことですよ。それに払わなければならないというのは、何か川島氏に弱みがあったとも考えられるし、特別に深い関係があったとも考えられるし、そこらのところがはっきりわからなければ、川島正次郎氏が国会で言っていることがうそかほんとかさっぱりわからない。川島氏は関係はないと言っていますね、理事長になったのは。千葉地検の不起訴裁定では関係があるんじゃないですか。
○説明員(羽山忠弘君) 御指摘の点は、十分今後千葉地検に連絡いたしまして捜査させたいと考えております。
○稲葉誠一君 それから、川島国務大臣が、「私としては、千葉県選挙には全然関係いたしておりません。」と、こういうふうに答えていますね、私の質問に対して予算委員会で。これもこの前具体的に事実をずっとあげてきたら、うそだということがはっきりしてきたのじゃないですか。これは加瀬さんの質問でしたが、加瀬さんの質問がほんとうかどうかということは、これは法務省としても調べてもらわなければ……。国務大臣が国会でそんなでたらめを言っていて通るなら、国会というものは権威を無視されるわけですから、だから、私は、この前最初のとき、国務大臣は国会で虚偽の陳述を、積極的であれ消極的であれ、虚偽の陳述をした場合にはどういう責任を負うのか、そういうことを最初に尋ねているんです。政治的に責任を負うのだと答えているから、それに従って聞いているわけですよ。千葉県知事選挙に全然関係がなかったのですか、川島正次郎氏は。
○国務大臣(中垣國男君) お答えをいたします。
 御承知のとおりに、川島国務大臣の前秘書官でありました根本君の身柄を勾留いたしまして今事件を調査しておりますが、まだ調査中でございまして、川島氏が関係があったとかなかったとかいうことをここで私がお答え申し上げる段階ではないと思いますけれども、私の感じますところ、事件は相当に調査が進んでおると思いますので、厳正公平に調査をしまして、近いうちに真相が明らかになると、かように考えております。
○稲葉誠一君 この問題については、どうも調べが法務省のほうでも足りないので、ここで押し問答しても始まらんことになるんですが、千葉地検の不起訴のときに意識的に何か肥後亨を不起訴にしたというような疑いが非常に持たれているんですよ。これは、当時、検事正がだれかに頼まれて不起訴にしたのじゃないかといわれているくらいですね。だから、この不起訴裁定の中にもだいぶ事実が違っているわけですね。たとえば、肥後が横領したという金額が三百二十六万九千八十円の横領をした、そうしてあとで弁償したのが三百五十六万九千九百六十八円を弁償したと、こういうふうなことが不起訴裁定書に出ていて、それであるから肥後亨は「謹慎の意を表わしている等、改悛の情顕著と認められるので、本件についても、今回は特に起訴を猶予するのを相当と認める。」と、こう書いてありますね。最後のところで肥後亨が「改悛の情顕著と認められる」というのは、どういうことから顕著と認めたのかわかりませんが、こういうような形で書いてある。ところが、横領金額自身がすでに違うんだということがもう再三上申書や何かでいわれて出ているんじゃないですか。そういう点も何か故意に金額を少なくして不起訴にしたのじゃないかというような疑いすら持たれているんじゃないですか。実際にこの欠損金というのはもっと多い金額なんだ、五百五十万ぐらいの欠損金があったんだ、こういうことすらいわれているんですよ。これは今調べ中でしょうから、ここでこれ以上聞いてもあれですけれども、そういう点もあって非常に疑問のあるところですね。
 それからさっきちょっと触れたので、川島氏が言っている理事会にかけて肥後にすぐ数カ月たって払ったというのなら、これはまだ話はある程度筋道が了解できるわけですが、約二年近くたって後に払ったということになると、そこにまた別個の法律問題が起きてくると思うんですよ。これもよく調べていただきたいと、こういうふうに思います。
 そのほか、これに関連していろいろ聞きたいんですけれども、きょうは最終日ですから、またあらためてお聞きをするんですが、今問題となっている東京の知事選挙なりあるいは千葉の知事選挙、そういうふうな問題の捜査は現在どういうふうに進行しているわけですか。
○国務大臣(中垣國男君) お答えいたします。
 東京都知事選挙に関する選挙違反並びに千葉県知事選挙に関する選挙違反の両方の事件につきましては、関係者を相当多数にわたりまして調査したのありますが、また、その対象になりました中には身柄を拘束いたしまして調査し、なお、起訴と同時に、その関係者ほとんど全体について調査をいたしております。先ほどちょっと申し上げたのでありますが、この両事件は、検察庁としての調査の度合いにつきましては非常に私は能率的に調査があげられておるということを思うものでありますが、そんな長い期間を要せずに最終的な真相発表の時期が来ると考えております。
○稲葉誠一君 新聞紙上によると、すでに参議院議員が一人、衆議院議員が二人ですか、何らかの形で取り調べを受けたと、これは参考人としてか何か取り調べを受けたということが発表になっていますね、これは事実なんでしょうか。もうすでに新聞にそう出ているのなら、そういうことがあるならあるで、その人の名前を聞くわけでありませんから、その程度のことは、国民もいろいろ関心を持っているんですから、おっしゃっていただいていいんじゃないですか。
○国務大臣(中垣國男君) お答えいたします。調査中にいろいろ国務大臣あるいは国会議員といったようなものを調査するかしないかというような問題は、これは私は委員会でもさきにお答えしたとおりでありますが、検事総長に一切を信頼いたしましてゆだねてある点でございまして、むしろ私がどういう人たちを調査するのかというようなことを検事総長にお尋ねするということだけでも、捜査の弾圧と申しますか、圧力を加えたようなことになってはならないということで、刑事局長等にも一切そういうことについては干渉しないように、検察庁で自由にひとつ厳正公平にやってもらおうと、こういう考えに立って今日までやってきておるわけでありまして、今日までに参議院議員なり衆議院議員なりを調べたかどうかという問題につきましては、詳細な報告も受けておりませんので、お答えすることはちょっとできがたいのでありますけれども、必要があればもちろん東京地検におきまして調査をしておることでありましょうし、また、今後もするでありましょうと、かように考えております。
○稲葉誠一君 一部に伝えられておるのは、国会はきょうで終わる、終わった後にどういうふうな捜査に出るかということが非常に国民の多大の関心、同時に疑惑の的――的というと語弊があるけれども、いろいろな考え方を持っておると、こう思うんですが、何かしばらくたつと捜査の全貌が発表できるというようなお話でしたね。新聞紙上では七月の中旬に発表できるというお話が出ているんですが、私どもの聞いた範囲では、東京地検のいわゆる特捜部というか、そういう現場の検事のほうでは、もう大体捜査が完了した、それで、ここであとはだれをどうするかということは、いわゆる上層部の断にかかっているんだ、ところが、なかなか上層部がうんと言わない、そのことのために非常に現場の検事も憤慨をしているというようなことが伝えられている。七月の中旬ころには捜査の全貌が発表できるということは、どういう意味なんですか。そこで打ち切っちゃうということなんですか。
○説明員(羽山忠弘君) 捜査の全貌と申しますか、全体計画と申しますか、地検自体でもまだ十分に確信をもっていつごろ終わるというようなことは言えないのではないかと私どもは想像いたすのでございます。と申しますのは、本日までに松崎長作氏をはじめといたしましてすでに四十二名を、千葉の関係で玉名、その他が東京の関係でございますが起訴いたしておるような状況でございまして、そうして、御承知のように、当初予想いたしません事件といたしまして千葉の選挙違反というようなものが出て参りましたし、それから庁内紙関係の買収とかあるいは競馬会の関係の選挙違反事件とか、いろいろ捜査の範囲が少し広がっているように思うのでございます。したがいまして、地検といたしましても、まだ確実に終わりの見通しなんというものは立てられていないのではないか。まして、それを地検が発表するとか、地検の職員が口にするというようなことは、まああり得ないことではないかと考えておるのでございます。
○委員長(鳥畠徳次郎君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(鳥畠徳次郎君) 速記をつけて。
○稲葉誠一君 大臣の言われたのは、何か近く捜査の全貌が発表できるという話だったでしょう。今の刑事課長の言うのとだいぶ違うんじゃないでしょうか。
○国務大臣(中垣國男君) お答えいたします。
 稲葉さんはほんとうにこういう道はくろうとでありまして、私はしろうとですが、そこで、近くといいますのは、別に七月十五日なんと言ったわけじゃありません。
○稲葉誠一君 十五日なんて言った覚えはないな。
○国務大臣(中垣國男君) あなたは七月十五日ごろと。私が申し上げましたのは、おそらくもう最終的な調査段階に入っておると思うんです。これは私の感じです、詳細な報告は受けておりませんけれども。そういうことであるから、あともう一カ月もかかるようなことはあるまい、こういうふうな私のそういう観察に基づきまして、近いうちにというのは、もう御承知のとおりに、たしか衆議院の選挙対策委員会でありましたか、かつて選挙違反は三カ月間くらいで捜査をす終了べきだといったようなことを、法務委員会か本会議か忘れましたけれども、そういう附帯決議のようなものがついたことがあります。私もそういうことをまじめに考えまして、三カ月以内には一切の完了をするように、検事をふやしたり検察事務官をふやしたりして、督励をしてやっておりますので、私の感じましたところは、おそらくもうそう長くはかからない、こういう意味で申し上げたのでありますから、七月十五日終了などということではありませんから、御了承いただきたいと思います。
○稲葉誠一君 七月十五日と私言った覚えはない。七月中旬になると捜査が終了するというようなことがどこかの新聞に出ておったんです。それで私もお聞きしておるんですが、大臣が、詳細な報告を受けてなくて、もう捜査は最終の段階に達しつつあるとか、達しておるとか言うのは、これはおかしいと思うんです。これはだれが見てもおかしい。いろいろなことを知っていて、知らないふりをしてここで言っておるのじゃないかと思う。これは捜査のあれだから言えないんだというならいい。無理に言わせるわけにはいかんし、それはそういう問題もありますから。大体、あなたがいろいろなことを報告を受けていないのに、そういうような捜査の終了の段階に達しているというようなことを言うから話がおかしくなってくる。もう少しいろいろなことを、実際、だれとだれをお調べになったかということはあなた自身はお聞きになっているはずです。もう明らかになっていることは明らかにしたほうがいいのじゃないか、ある程度のことは。かえって誤解を招いていけませんよ。そういうふうに隠すから、ああ、あの大物も調べられたんだろう、この大物も調べられたんだろうというふうに僕ら考えますよ。決して考えるのは不自然じゃないだろうと思うんだな。もう少し明らかにしたほうがいいんじゃないですか。
○国務大臣(中垣國男君) お答えいたします。
 稲葉さんはよく御承知のとおりに、たとえば、国会議員を、容疑者、被疑者というような立場で、事件の進展の模様によっては逮捕等もあり得るというような場合でありますと、前に当然のことといたしまして法務大臣に禀請があると思うのでありますが、東京都並びに千葉県知事の選挙違反の捜査につきまして、今日までただの一回も検事総長から私に対してそういう禀請があったことはございません。何びとに対しても今日までほんとうにこれはないのでありまして、もし私のほうから特別に質問でもすれば、私がもし検事総長に質問でもすれば、そういう詳細を調べのついたところまで明らかにするでありましょうし、また、そういうことができると思うのでありますが、私はこの委員会におきましてもたびたび稲葉さんにとっちめられまして、選挙に与党政府であるからというような建前で圧力を加えるとか手心を加えるとかということはいたしません、指揮権の発動はいたしませんということをたびたび申し上げてきております。その線を今日までかたく守っているわけでございまして、先ほどから言いますように、私の感じといたしまして、もう相当なところまで来ているという感じが実はしているということを申し上げたのでありまして、今までに衆議院、参議院の中で何の何びとが調べを受けたか、その結果がどうであったかというようなことは、真実私は聞いていないのでありまして、そういうことを聞く必要があれば当然私も尋ねようと思うのでありますが、私自身がそういうことを言うと、かえって検察当局に対して何らかの干渉がましく聞こえてはいけない、こういうふうに考えまして、公式にそういうことをば意識的に聞かぬことにしている、こういうことでございますから、御了承をいただきたいと思います。
○稲葉誠一君 まあ大臣の答弁、それはそれで立場はよくわかるんですが、あなたが何かいかにも捜査が最終段階に達したと言うし、それはまた感じだというようなことを言われてくると、もう捜査はある段階で打ち切るというような話し合いというか、そういうものがあるのじゃないかというような印象を与えますね。与えるんですよ。私はそういうふうに聞くわけです。そこで、本来ならばあなたの感じの根拠を聞くわけですけれども、感じの根拠を聞いたって、そういう感じだということになれば、話は結論が出ませんからあれですが、検事総長の、失礼ですけれども、定年はいつなんですか、退職は。
○国務大臣(中垣國男君) たしか三月三十一日で停職の期間が来ると思います。
○稲葉誠一君 そこで、私はいろいろなことを思い出すんですが、この前、最高裁の判事の任命の問題で具体的な方法の問題であなたにお聞きしたことがあるわけです。その中に、検事総長が帰ってくるのを待ってそれと相談をしてから最高裁の判事を任命するという新聞記事があったんです。それを私が聞いたときに、あなたは、それは全く誤報だということを言われた。ところが、検事総長がアメリカから帰ってきて、検事総長の承諾を得て次長検事を最高裁の判事にしたわけですね。そこで、世間の一部かもわかりませんけれども、あの最高検の次長検事をあなた方が最高裁の判事にしたということで、何といいますか、今の検察庁当局は自民党なり政府なりに対していわば一つの借りがあるんだ、恩恵をこうむっているんだという見方が非常に強いんです。これは人事の問題ですから、私はそこまで中へは入らないんですけれども、実は私もあの人事のときにはあ然としたんです。常識的に見てちょっと意外の人事です。あの人は定年直前だったわけです。そこで、検察庁は自民党なり政府に対して借りがあるんだ、そのためにもこの捜査というものはある程度の段階で打ち切らざるを得ないんだということが、まことしやかかもしれませんが、言われているんですが、どうですか、これは。
○国務大臣(中垣國男君) お答えいたします。
 最初のほうのお尋ねでありますが、あのときの最高裁判所の判事の選任につきましては、これは全く文字どおり、急転直下という言葉がありますが、当初考えておりました候補者につきまして、国会にも弁護士のワクか現役判事のワクかという議論が起きておりましたし、また、ほかの法曹界からもそういう議論がありまして、そういう問題のある人事をば行なうことは適当でないというふうに判断をいたしまして、そのために、昨年の八月でございましたか、候補者になっております長部次長検事をば繰り上げて最高裁判所の判事にするというそういう閣議の決定が行なわれたわけであります。そういうことが、ちょうどあなたがお尋ねになりました検事総長が帰って来てから相談するということではないかといったようなことと結果的にはぴったり合ったのでありますが、あれは全く偶然に自然にああいう一致したようなことになったのでありまして、当初からそういうようなことを考えていなかったことは、これはひとつ信頼していただきたいと思います。
 それからそのことに端を発して、今度の事件について検察庁が手心を加えざるを得ないんじゃないかということでありますが、そういうことは断じてございません。また、今度の千葉、東京の両知事選挙違反に対しまして、途中で捜査を打ち切るんじゃないかというようなことの御心配でありますが、さようなことは断じてございません。最後まで関係のある者は全部調べをいたします。そういう方針でやっておりますから、いましばらく御猶予をいただきたいと思います。
○稲葉誠一君 元公安調査庁の次長をやっていた関という人、これは最高検の検事になりましたね。なって四、五日たって、この人が池田総理のところにあいさつに行った。そうして、池田総理と三十分か四十分二人だけで話をしました。これは事実は法務大臣を飛び越えて行ったらしいんですが、そのことはあなたは御存じですか。
○国務大臣(中垣國男君) それはただいま初めて聞きました。
○稲葉誠一君 それがまた非常な疑惑を生んでいるんですよ。事実をよく調べてごらんなさい、関さんに。池田総理のところへ行って二人で三十分か四十分話していたらしいんです。最高検の検事が――最高検の検事と言っちゃ悪いんですけれども、池田さんのところへ行ってそんな長い間二人で話しているのは何だろうといってみんな驚いた。これは、私の調べた範囲では事実です。これは法務大臣は全然抜きにしておったということなんです。それで、事実がある、それに関連をして。検事総長のあとをめぐっているんですよ。めぐった話で、これは少しうがった話かもわかりませんけれども、東京高検の検事長と大阪高検の検事長が検事総長の候補で争った、二派に分かれて。これは東京と大阪とは仲が悪いんです。僕は大阪出身だからよくわかる。とにかくけんかばかりしている、東京の検察庁と大阪の検察庁とは。(笑声)そこで、東京の検事長が次期の検事総長ということを本命視されているわけですけれども、それに関連をして関という人が仲に立ったかどうかして、仲へ入って、池田氏とたびたび会ったりなんかしていろいろな密接な関係があるんだ、それで、この事件は打ち切りにある程度でされるんじゃないかということが言われておる。これは巷間の流布ですから、そういうことがないということを私は信じますけれども、そういうことが言われておるということが一つ。
 それからある検事ですよ、これは名前を私は言えと言われても言いませんけれども、ある相当な地位の検事は、東京高検の検事長が、今の自民党のある大臣――名前を言えばわかるかもしれない。ある大臣と非常に何かのことで親密である、俗な言葉で言えば世話になっている、と言っておる。これは検事がそういうことを言ってるんですからね。そういう関係から、どうもこの事件はある程度で打ち切りになるんじゃないかということの疑惑が持たれている。
 しかも、最高検の次長検事を前にやった人が、今自民党のある大臣の顧問をやっている。木内曾益氏は河野さんの顧問でしょう、実際の。やっているということも伝わっている。そういう関係でいろいろな形でこの事件のもみ消しが行なわれているということが言われているわけです。
 私はそういうことを信じたくないわけですけれども、そういうことが実際に世間にどんどんどんどん流れてくる。その形があることは事実なんですから、これは大臣もそういう疑惑を一掃するためにも徹底的に私は本件の捜査をやっていただきたいと、こう思う。もしこれをやらないと、かえって疑惑をこうむりますよ。川島氏と肥後との関係などでも、これは私はもっと深い関係があって、いろいろな疑惑があると思っている。
 まあいろいろありますけれども、ここで言っても始まりませんけれども、そういうようないろいろの疑惑があるわけですね。東京地検では、その肥後の関係を調べているのは飯嶋検事が調べているとか、いろいろ僕らのほうも知っていますけれども、どの検事の担任かわかりますけれども、どうもそういう点でまだまだ足りないような気がしてならないんですね。足りないだけでなくて、現在の段階の捜査はここで終わっちゃって、公訴を維持するための裏付けの捜査の段階に入っているような、私の聞いた範囲ではそういう印象を与えるんですよ。どうもこれではほんとうに検察庁当局は、若い検事なんかはやるとか言っているけれども、上のほうで押えているのじゃないかという印象を私は受けるので、こういうことのないように十分注意して、徹底的にやって、国民の疑惑を一掃して、そして国民の負託にこたえるようにしていただきたい、こういうふうに考えるわけです。
 そこで、私の質問は、きょうはもう時間がなくて、大臣も最終日ですからあれでしょうから、きょうはこれで終わりまして、ただ、私は、前に質問をした中で、どうもまだ川島氏と肥後との関係を中心とする問題は解明されておらない。ポイントはこれはまたよくあなたのほうでも調べていただき、私のほうでもなお調べて、私は国会の中で国務大臣が適当なことを言って答弁してあとは知らぬ顔だという態度は絶対いかんと思うので、もっと追及しますから、よく調べておいていただきたい、こういうふうに思います。
○岩間正男君 関連して。
○委員長(鳥畠徳次郎君) 岩間君、簡単に願います。
○岩間正男君 大臣、時間がないようですから、簡単に今の問題に関連してお聞きしますが、この前私が質問したときに、具体的な事実をあげたわけです。松崎長作の自供の中に、自民党の本部の経理からにせ証紙の買収の金が出たのだと。したがって、当然これは自民党の財政責任者、こういう者を調べなければならない。あるいはまた、ポスターの掲示責任者がはっきりこれは大野副総裁になっておるわけですから、こういう問題を調べますか。こういう問題は、世人の疑惑を一掃するためには当然調べなければならぬと思うが、どうですか。こういうことについて質問申し上げた。そのとき、大臣は、そういうことも含めまして、あくまでも徹底的にこれを追及する考えであります、指揮権発動のようなことはいたしません、こういうことになっておるわけなんでありますけれども、これはどうなんですか、こり問題は。国会議員が内密に呼ばれて聞かれたとか、あるいはまた、大臣の問題については、聞かれたとか聞かれないとか、世上取りざたがいろいろされている。ところが、ただいま聞きますと、検事総長の禀請は受けたことはない。こういうことになってくると、正式に国務大臣並びに国会議員は今まで調査されないということになるわけですね。そういうふうに解釈してようござんすか、ここのところは。これは今までの質問の経過から、当委員会でこの問題に対して筋を明らかにした経過から言うと、はなはだ不明瞭な形になっていると思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中垣國男君) お答えいたします。
 党の会計責任者あるいはポスターの責任者等についての調査をするのかせないのかということでありますが、違反事件に関係をしておってしかも調査の必要があるということであれば、当然のこととして調査を受けると思います。
 また、国会議員に対しての調査について要請を受けたということはないということであるかどうかということでありますが、これは稲葉さんにもお答えしましたとおりに、私は検事総長を信頼をいたしまして、一切検察行政についてこういう違反等の捜査につきましては一任をしてあるわけでありまして、検事総長が自分の責任の範囲におきまして指揮監督をして捜査を進めております。ただいままでのところ、私に対しまして許可を求めてこれを調べるとかあるいは逮捕するとかそういったようなことは、ただいま現在までございません、さようなことは。ただ、私が先ほど申しましたように、国会議員を調査したかせないかということは、私が報告を受けておらないということでありまして、調査を受けておるかどうかということについては、実は存じておりませんので、お答えはいたしかねます。
○岩間正男君 これは大臣はお聞きになっていらっしゃるかどうかわかりませんが、世上このような取りざたもされているわけですね。それは、大体もう捜査の打ち切りの方針というのはきまっている。そうして、これからいわゆる上層部の取り調べをかりにやるにしても、今まで自供書の中に出てきた名前、それを何とか起訴の場合にここのところを抹殺する、そうして起訴状の中にはそういう点を証拠も実際は消してしまう、そういうためのむしろ調査だ、打ち切りのための方向に道を切り開くための捜査だと、こういうことが世上もっぱらうわさされていますよ。もしこういういう事態が起こるとすれば、これは私は非常に重大な問題だと思う。そういうことで今度の史上に例を見ないような、世界にもまことに恥ずかしいところの腐敗きわまりない選挙違反というものが決定されたとしたら、これは重大問題だと思うのですけれども、これはどうなんでしょうか、私はその点について大臣の確信ある答弁を求めたいと思うんです。
○国務大臣(中垣國男君) お答えいたします。
 現在の捜査の段階が打ち切りを予想した捜査などということは、どういうところからそういう情報が出ておるかも知りませんが、これは根拠のない情報であると断言いたします。法務大臣と申しますか、そういう者が圧力を加えて調査を進めるべきものをば中断をする、そういうことは全然考えておらないということを先ほどもお答えしたのでありますが、私はそれらの捜査は進んでおると、こういうふうに申し上げておるのでありまして、ただいま岩間さんがお尋ねになりましたような、途中で捜査が打ち切られて、史上まれに見る悪い汚名を作るのじゃないかということでありますが、さようなことはないということを申し上げます。
○委員長(鳥畠徳次郎君) 岩間君、もうこれで打ち切ります。簡単にやって下さい。結論をつけて下さい。
○岩間正男君 私は、大臣がそういうことを言われたとかそういう圧力を加えたとか言っていないんです。指揮権発動はしないということを再三にわたって明言された大臣が、そういうことをやられるとしたらこれはたいへんだし、また、やられるとも思っていないんですけれども、何だかしかし検察陣の進み方がそういう方向に傾いている。そして国会はもうきょうで終わりです。七月中旬までに遠からずこの結果については御報告というようなさっき大臣の答弁があったのでありますけれども、その辺がどうもあくまで徹底的にやりますということとつじつまが合わないところに世人の疑惑があるのじゃないか。こういうことのないようにこの問題は徹底的にやはり国民の前に筋の通った、明快にこの問題を処断できるような方向にこれは法務大臣に私は要請したいと思います。
 時間がないということですから、あとでまた詳しく私はなにしたいと思うのですが、もう一つ、これは問題は別でありますが、実は今まで大臣が来られるまで継続して質問しておった問題に、今度田町の国鉄の電車区におきまして裸逮捕事件というのが起こったわけです。この裸逮捕事件については、人権擁護局から先ほど意見を伺ったわけですが、この中で当然大臣はそれを……
○委員長(鳥畠徳次郎君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(鳥畠徳次郎君) 速記をつけて。
○国務大臣(中垣國男君) お答えいたします。
 先ほどからの岩間さんの御意見の中に、大臣は七月の中旬に大体完了すると言ったというようなお言葉がありましたが、それは私はそういうことを言うておらないのでありまして、誤解のないようにお願いしたいと思います。非常に厳正公平に、しかも、あまりだらだらやられまして五カ月も半年もかかってはいかんと思いますので、そういうことがないように、検事や検察事務官をふやして捜査を進めておる、その捜査状況というものはかなり進んでおるのではないかという、私はそういう感じ方をしておると申し上げておるのであります。これを途中で打ち切るとか、そういうことはいたしません。最後まで完全に調査をいたしまして、そうして国民の前にこれを明らかにする、これが私の国民に対する義務だと考えておりますので、決して御心配のないように、ひとつ御了解をいただきたいと思います。
  ―――――――――――――
○委員長(鳥畠徳次郎君) 岩間君。
○岩間正男君 じゃ、この問題は打ち切っていただいて、先ほどの田町の電車区における裸逮捕事件について伺いますが、人権擁護委員法によると、「人権侵犯事件につき、その救済のため、調査及び情報の収集をなし、法務大臣への報告、関係機関への勧告等適切な処置を講ずること。」、当然これは人権擁護委員の任務になっておるわけであります。すでに事件が発生しましてから今日で六日になるわけであります。こういう問題については報告を受けておりますか。そうしてまた、これについて法務大臣としては人権擁護の立場からどういうふうにお考えになりますか、お伺いしたい。
○国務大臣(中垣國男君) 田町の裸逮捕事件と申しますか、連行事件と申しますか、この問題につきましては、法務省といたしましては、人権擁護局が調査をいたしております。まあその調査の結果を待たないと、ここで詳細を申し上げることはできないと思うのでありますが、御指摘のとおりに、人権擁護局が慎重な構えをもちまして調査中であることを御了承いただきたいと思います。
○岩間正男君 先ほど、見解としては、目新しいことではない、こういう意見はこれは次長さんからでありましたけれども表明されたわけです。大臣としてはどうお考えになりますか、この問題について。とにかく白昼です、四時といえば。まだ日の長いときだから白昼です。しかもラッシュ・アワー時です。そして裸ではだしで手錠をかけられて、一キロ近くの道中を連行されていった。これは万人環視の前であります。しかも、その方は誇りある国鉄の労働者であります。こういう点から考えて、鉄道公安官のこのような行動に対して、率直に――率直でけっこうです、大臣のこれに対する御見解、人権擁護の最高責任の立場をとっていられる方としてどうお考えになりますか。
○国務大臣(中垣國男君) お答えいたします。
 この問題につきましては、現に調査が進行中でありますので、この事件の詳細にわたって私が知ったときはじめて公式に大臣としての考え方を述べることができると思うのでありますが、まず第一に逮捕される前後の事情がどうであったのか、それからいかなる理由でそういうことに発展したのかというようなこと等が明白にならない限り、私といたしまして結論的な意見を申し上げることはいささか軽率になるのじゃないかと思いますので、差し控えたいと思いますが、理由のない裸連行などがいけないということは、これはもう申し上げるまでもないことでありまして、そういうことは断じてやってはならないと思います。先ほど申し上げましたように、逮捕される前後の事情、なぜ裸で連行しなければならなかったかという事情、そういうことが詳しくわからない限り、私がここで田町事件をそのままこれが人権じゅうりんであるとか、違法行為であるとか申し上げることは、私としては事情がわからないのでありますから、差し控えさしていただきたいと思います。
○委員長(鳥畠徳次郎君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(鳥畠徳次郎君) 速記をつけて。
 簡単にやって下さい。岩間君。
○岩間正男君 お聞きしたんのですけれども、七月一日にトラブルが起こって約一週間の傷を負った、こういう話でありましたが、この一週間の傷というものは確認されているんですか。だれか診察でもして、診断書もはっきりできておるんですか。そうして、その該当者はだれですか。この内容をはっきり言って下さい。
○説明員(河村勝君) けがをしたことは事実でございますが、診断書があるかないかということは、私はまだ確認しておりません。
○岩間正男君 けがにもいろいろあると思うんです。だから、私たちこれは科学的根拠でもって明確にしておかなくちゃいかんと思うから、逮捕者の場合は、われわれもそういう方法をとって、わざわざ医師を同行しまして、そこで診断書をとったわけです。ところが、聞かない。それはちゃんと診断書があるかということも聞かないし、それからだれがどうなったのかも聞かない。あなた方は、それが合理化される一番大きな根拠になっているわけですよ。前の日にそういう傷害事件があった。傷害事件といっても、一週間の傷というものは具体的にどうなったのか、どこで、何という人か。これが明確にされなければ――これが宣伝の道具に使われるということは重大ですからね。われわれははっきり証拠を示して言っているんです。あなた方は証拠も示さないでそういうことを言っているということは、これは重大な問題です。どうなんですか。
○説明員(河村勝君) けがをしたことを理由に、そのこと自体を刑事事件として取り上げる場合には、診断書等が非常に重要な要素になることはもちろんでございますけれども、この場合、けがをさせるような事件が発生したので、今後そういうことがないように予防措置のために、警備のために公安官を配備したというだけのことでございますので、手当をすることは大事でございますけれども、診断書が特に必要であるというふうには考えておりません。
○岩間正男君 だれなんです、ちゃんと氏名を言って。どういう傷を負ったのか。これは、あなた方の最初の答弁の中で非常に重要視されているわけだ。こういう事態で傷害に及んだ、こういう事態をもっと引き起こしては困るから、そこで公安官の出動をしたのだと。これはどうなんです。その事実があるかないかということはこの問題を解明する上に非常に重要なんです。もしそれが今言ったようにはっきりした証拠もない形で一方的に言われて、それを理由にして次の日にあのような公安官を大量に出動させる態勢をとられたとしたら、全くこれは一つのおとりみたいなものじゃないですか。それが口実になって、事実無根のような全くとるに足らないようなものを一週間の傷だ、傷害だと言われても、これはどの程度かさっぱりわかりゃしない。その上で今度の事件が起こったとしたら、全くそれはたくらまれた事件だと言われても仕方がないじゃないですか。この点は言いわけができるんですか。はっきりして下さい。
○説明員(河村勝君) 私は診断書があるかないかをはっきり確認しておらないということを申し上げただけで、事実が不明確だということを申し上げたわけではございません。事実は、七月一日の十五時五十分ごろ電車区の管理者六名が浴場の入口、裏口で警戒しておったところに職員六名が参りまして、浴場のかぎを渡せと言った。これに対して、もちろん四時半以前でございますから、これを拒否した。ところが、これらの者が阻止を聞かずに裏口から入ってドライバーで表口のかぎをねじこわし始めたので、これを注意して一回外に出した。その後区長以下が入り口に回って監視を続けたところが、だんだんと組合員が集結をいたしまして、十六時二分ごろに七、八十名の人間が強引に裏口の戸をあけて入浴をしてしまった。この際に組合員と入り口でもみ合った区長、これは電車区長であります・これが右腕に負傷したということでございまして、事実は明確なるものであります。ただ、診断書があるなしについて確認をしておらないということを申し上げただけであります。
○岩間正男君 これは、まあ区長だと思いますけれども、衆議院で視察かなんかに行って、見せろと言ったら、まるで取るに足らないような傷だったと聞いておりますがね。傷を見せて下さいと言ったら出した。とてもそれは問題にならない。だから、それは一週間とかなんとかというのはだれが判断した、一週間と。だれが一週間と言いふらした。医者が判断しないのにそういうことが言えますか。だれが一週間と決定した。さっき言っていますよ。さっきの質問の答弁の中にありますよ、あなたたちの答弁の中に一週間の傷を負わしたと。私はちゃんと記録してある。これはどうです。
○説明員(河村勝君) 一週間程度の傷であろうと認定したのでございますが、これは一週間の傷で済んだかもしれませんが、さらにこういう状態が継続すればどのような傷害事故が発生するかわからんわけでございます。したがって、そのために傷害事故の防止の目的をもって公安官を配備したということでございますので、傷の深い浅いということは必ずしも問題にならないというふうに思います。
○岩間正男君 そういうことでは全くこれは話にならないと思うんですよ。主観的判断で根拠のないようなことで、それで何でも大げさにそれを言って、それを口実にして今度はちゃんと弾圧体制をとるということができる。そういうことでおどされているのが最近のやり方じゃないですか。
 私はこの問題に関連してお聞きしたいんですが、ILOが批准される、団交権が認められる、そういう事態になっても、団交権のない者というのはどうなんです。今言ったように就業規則というのは一方できめられる。その就業規則でずっと押されてくるときには、そういうことについては団交権がないようになるんじゃないか。団交権というのは非常に狭められて、こういうことで何時間ということでいく。たとえば、今までのようにちゃんと認められておったいわば既得の権利、そうしてちゃんとお互いに慣行上両者が了解をしてやっていたことでも、一方的に非常に工合が悪い、そういうときには、もう天下り的に一方から就業規則でやる。そういうことで、従わない。そこで、団交が始まると、団交の対象にはならない。二回、三回という話し合いの格好をつけるが、話し合いがうまくいかないときは一挙にやってしまう。今言ったように一挙にやってしまう。これが最近のやり方です。ILOの批准で団交権を拡大するといって、政府がそういう方針をとるんだ、国際的にもやるんだといっても、実際は職場における実態はますますこれを抑圧している。そうして最近の国鉄の合理化、そうしてどんどんどんどん労働者の条件を今までの慣行をぶち破って落としていく。一体、こういう事実をどういうふうに考える。現状の事実と全く背反する。ILOの批准と一方ではうたっているが、実際では職場でこういう問題が起こっている。だから、労働者が非常に重視している。労務担当者として河村さん御存じになっていると思うが、労働者側はこういうことで非常に不安になっている。今度の問題はそういう裏がある。単にあそこで起こったところのそんな単純な問題じゃありません。その背景というものは非常に深いと考える。この点どうなんです。
○説明員(河村勝君) ただいま先生は就業規則を一方的に破棄したというふうにおっしゃいましたが、これは就業規則を一方的に廃棄したものでも何でもございませんで、労働組合との団体交渉によって協約にかわるものとして存在しております就業規則は、これは現場の日勤でございますが、実働八時間ということになっておりまして、先ほども申し上げましたように、朝の八時半から午後五時までの勤務でございます。したがって、四時半からふろに入れるということは、これは就業規則を緩和する状態にまだあるのでありまし七、決して就業規則をこわしたものでもないわけでございます。ただ、従来の慣行が若干不合理な慣行が残っておりましたものを今度直すということでございまして、そのためには何回かの交渉を持ちましたけれども、四時半から入浴させるというような、他とのバランスから言いましても決して無理のないところの提案に対しまして、組合が応ずる態度がなかったために一方的にやらざるを得なかったということだけでございまして、一般的にわれわれとしましても団体交渉には常に誠意をもってやっておりますので、決してILO批准との関係がどうこうというような問題は全くないのでございます。
  〔委員長退席、理事後藤義隆君着
  席〕
○岩間正男君 これはそうすると悪い慣行だったのですか、今まで四時から入っていたのは。先ほどから申し上げているように、もう繰り返したくはありません、委員長から注意もあることでありますから。職場の仕事の特殊的な性格から、当然これは汚物の処理までもしなければならない。ふろに入るということも仕事のあとに継続的に起こることだ。しかも、ふろ場は狭い。せいぜい六十人か七十人しかはいれない。全くメジロ押しです。私ははいっているところを見ました。そういう格好で、しかも三百人。これは交代ではいれば四交代ぐらいでなければはいれない。そうすると、非常にあとにはいる人は――あとまで見ておりませんでしたが、たいへんなことになります。衛生的に考えたって話にならない。だから、当然これは四時というのは悪い慣行とかなんとかいう問題でないと思うんです。
 先ほどの説明によると、こういうことを言っている。三河島事件が起こったのは国鉄内部の規律がゆるんでいるからだ、これを正さなければならないと。これは労働強化をどんどん押しつけて規律が改善されるということになると思うんですが、私はそうでないと思う。これはそういう形で三河島事件というものを悪用してはならないと思う。問題は人員をもっと増すということ。一日にあそこは上下ともで四百何本も列車を通すという劣悪な状態にあるところに問題がある。直ちに労働者をもっと多くふやす。あるいは労働時間を当然短縮していく。国民の生命財産を守る国鉄のほんとうの安全性というものを確保するためには、その方向にいかなければならない。ところが、実際には合理化の方向をどんどん推し進めていく。そうして労働時間をどんどんふやしていく。こんなことで三河島事件の解決ができるんですか。私はこれは根本的な矛盾だと思う。三河島事件を逆にとって、逆に労働時間を強化して責任を労働者に転嫁しているという行政では話にならないと思う。この点は事実三河島事件は口実にはならぬと思う。しかし、三河島事件というものが口実にされている。口実にされるべき問題ではない。これは反対にほんとうに今の国鉄の労働者の条件、劣悪な労働条件というものをすっかり現実を把握して、その上に立つべきだと思う。こんなことはしろうとの私が申し上げる必要はない。専門家のあなたは百も御承知なんだ。御承知なんだけれども、ほんとうの合理化のそういう背景からそういう格好に追い込まれて、あなたたちは強行されているのではないか。ことに問題があるのではないか。どうなんです。
○説明員(河村勝君) 先生のおっしゃいますように、職員の労働条件が逐次向上することは、われわれとしても望ましいところであります。したがいまして、三河島事件とこれは別段関係はございませんで、現在実働四十八時間であるものを昨年来組合との協定によりまして実働四十六時間に短縮すべく、現在作業を続けておりまして、すでに約四十五万のうちの半数の人間は、職種によって複雑な勤務形態でございますので、一がいに申せませんが、四十八時間を四十六時間にすることをやっております。一方でそういう勤務時間を短縮するという労働条件を向上せしめる作業を続けておりますが、同時に、与えられた勤務時間の中を充実して働いてもらうということは、これは一方においてまた当然のことでございますので、今回の問題も、実働四十八時間でやっておる限りは、一日八時間の内容はやっぱり充実してもらわなければいけない。これを四十六時間にして一日に七時間四十五分になれば、この七時間四十五分にやっぱり内容は充実したものでなければならぬ。そうでなければ全体の職種のバランスから言ってもはなはだ不適当なものになるわけでございます。きたない作業をしているから勤務時間内にふろに入れろというお話は、これは別問題でございまして、現在、国鉄におきましては、同様にきたない仕事をやっております。また、同じ仕事をやっておる機関区の技工にしましても、やはり勤務時間が終わってからふろに入っております。工場におきましても、機関車職場とかあるいは鋳物職場というようなきたない作業をやっておるところでも、そこもやはり勤務時間が終わってからふろにはいる建前になっておりまして、電車区だけが別段その例外でなければならぬという理屈は全くないわけでございます。
○岩間正男君 まあここで労働行政についてやりとりしようというような……
○理事(後藤義隆君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
○理事(後藤義隆君) 速記を始めて。
○岩間正男君 それは時間短縮はけっこうです。しかし、それに対してちゃんと人員をしっかり保障したり、そういうことができているのかどうか。それから電車の慣例は、これはいかにも悪いようにほかの例を出されましたけれども、そうじゃないのじゃないですか。逆にそういうようなむしろ労働者を優遇するような方向をどんどんと切っていって、そうして劣悪な条件の方向にしわ寄せさせるというのが今のやり方になっている。これは問題だと思う。口では時間短縮のことを言っていながら、実際は今言ったように悪いほうに寄せる必要はないのじゃないですか。そういう点でこれは十分に私はこの点は考えなくちゃならぬと思うんです。時間がないというのでずいぶん請求がありますから、先ほどの問題をもう一ぺん確認したいと思うんですが、このような形で国鉄が紛争をかまえて、そうしていまだに当事者たちは逮捕されているんです。しかもこれは傷を負っています。こういうことに対して、先ほどの御答弁では、これはだれが聞いたって全く冷淡としか考えられないと思うんですよ。当局としては、これは当然釈放を要求したらいいんじゃないですか。こんな問題でぐずぐずやっているべき問題じゃない。
 第二は、当然これの責任者をはっきりさして、この責任を明確にしてこれを処断する。
 第三には、やはり労働者を、まあふろ場の問題もその一つでありますけれども、そのような職場における勤務条件というものを改善して、いい方向に変えていく。
 これが当面するこの問題を契機としての私はなさねばならない当然の対策だというふうに考えますけれども、この点はいかがですか。
 もう一つ、これは刑事局長が見えていますからお聞きしますが、これはすでに逮捕されてからきょうで何日になりますか。もう四昼夜ですかに現在なっております。これは当然即時釈放すべきだというふうに思うのだけれども、警察に行って聞いて、警察の当局さえも、裸で逮捕するというのは、法的にはこれはまあ成り立たないというわけでもなさそうだ、しかし常識として考えたら、こういうことはどうも工合が悪いと警察の当局者も言っているんです。こういう点で、これはどうなんです、警察は公安官から委許された問題だからどうも手を触れないという、そういうような格好で判断を中止しているんですか。そうして、あくまでもこれは勾留を続ける、こういうことですか。これはとても許されないと私は思うんですね。当然即時釈放すべきだ。ですから、まあ私だけ時間をとってまずいですから、両者から今の私の質問に対する御答弁を願います。
○説明員(河村勝君) 現在、逮捕された人間はすでに警察の手に移っておりますので、いつ釈放するかどうかということは、その取り調べの必要によって判断されることでございますので、われわれの手から離れた問題であるというように考えます。
 裸で手錠をつけて、公衆の面前を連行したという点につきましては、関係者を十分調査の上善処したいと思います。
○政府委員(宮地直邦君) 本件は、警察に鉄道公安職員から引致された事件でございます。しかし、警察におきましてその後の逮捕手続につきましては、警察の責任において措置をいたしております。七月四日の午前九時に身柄つきで検察庁に送致いたしておりますので……
○岩間正男君 いつですか。
○政府委員(宮地直邦君) 七月四日午前九時に身柄つきで東京地検に事件を送致しております。したがって、それ以後の措置につきましては検察庁においてこれを措置されることと存ずるのであります。
○岩間正男君 今の答弁では、これは警察に移っているのだから仕方がないと。しかし、あなたたちはよくも国鉄一家なんて、そんな場合にはうまいこと言って、親子の関係だなんて。十河総裁、あのおじいさんどうですか。何回もそう言った。私は運輸委員をやっていた時代から知っていたんだけれども、いかにも温情あふれるようなことを言って、しかも誇りある国鉄労働者をさっき言ったようなそういう目にあわしておいて、世間に非難がごうごうとしていますよ、国鉄に。しかも、ここは首都東京で、白昼起こった。野蛮国ならいざ知らず、原始的なばかげたこういうことをやっておいて、そしてそれに対して警察に渡したことでございますから知りません、これが国鉄の労務行政を担当する担当理事の私は答弁だというふうには聞きとれないんですね。これは国鉄総裁に出てもらうと一番いいのだけれども、出て来ないし、運輸大臣もきょうは出て来ないのだけれども、どういうことなんです。あなたたちの一存では御答弁できない問題かもしれませんが、もう少し考えてもらいたい、世論というものを。だれが一体こういうものを承知していると思っていますか、今日。だれだってわかることですよ。いろいろ法務大臣も慎重な答弁をされたけれども、だれが考えたって常識でわかりますよ、事のいかんを問わず。どうです。裸のそういう者に手錠をかけて公衆の面前を引きずる、そういうことがいいか悪いかということは、これは三歳の童子といえどもこれがわからないということはおかしい。そういうところに国鉄の今さらながら国鉄労働者に対する当局の態度というものは明白に出てきたのじゃないですか。単に一公安官の間違いだとかなんとかという問題で済まされる問題ではないと思う。根本的にこの問題を擁護しようとしている。そして自分からみずからその非をほんとうにちゃんと恥じて天下に謝罪するというような格好になっていないじゃないですか。そして、そのしわが、今勾留されている四人の労働者並びに国鉄労働組合にかかっている。こういう問題をそのままにしておいてあなたたち安閑として休めますか。どうなんです。このあたりではっきり考えて、明快な処断をやったほうがいいと思うんですが、どうですか。警察庁もどうですか。国鉄のやり方についてはどうも常識では考えられないということなんですが、そうではなくて、今度はあなたたちほどこまでも身柄を送検する。私たちは釈放を要求したのだが、結局は送検して、そしてあくまでもやっていく。だれが一体了承しますか。大石総局長はあの汚職をやった。新東海道線で汚職をやった。あれをどうして逮捕して調べないのだ。任意出頭で調べられているでしょう。あの事件とこの問題を考えてごらんなさい。だれがこれを了承するか。天下の世論というものを聞かなければ、これは政治にもなんにもなりませんよ。どう思っているんですか。まあ答弁がなければないでいいです。時間を委員長はしばしば注意しているからやめますけれども、はっきり考えてもらいたい。
○理事(後藤義隆君) 別に答弁を求めているわけではないのですが、答弁すればしてもいいわけですが、どうしますか。
○政府委員(宮地直邦君) いたします。
○理事(後藤義隆君) ではどうぞ。
○政府委員(宮地直邦君) 本件事案につきましては、警察におきましては当然捜査をいたしておるわけでございますが、関係者におきまして黙秘をいたしておりますので、事案の真相が明らかになっておりません。警察の立場から申しまして事案の真相が明らかになっておりませんので、これは当然今申しましたことにそういう状況を添えて公務執行妨害及び傷害の疑いをもって事件を送検いたしたのであります。
 なお、国鉄の労務関係の問題につきましては、御答弁をいたすことは不適当と思うのでございます。
  ―――――――――――――
○理事(後藤義隆君) 亀田君。
○亀田得治君 どうもおそくなりましたので、簡単にお尋ねします。
  〔理事後藤義隆君退席、委員長着
  席〕
 昭和三十六年の九月に日赤の労働組合の岩田茂君らによって出されました告発の件でありますが、もちろん順序として労働基準監督署に出され、それが東京地検に回って捜査をいただいていたわけでありますが、最近その結論が出されたようでございますが、結局起訴しないということのようでありますが、一体その告発をした内容が全然問題にならぬということなのか、あるいは相当事実はあるが起訴はしないという趣旨なのか、そこら辺をまず最初に明らかにしてほしいわけであります。告発状については、当局も御存じのように、たとえば、労働時間の超過とか、休憩時間に関する法規の違反、あるいは生理休暇の支給についての基準法違反、あるいは就業規則の届出あるいは就業規則の周知義務の違反、こういったような具体的なことが指摘されておるわけなんです。最初に、まず検察当局が下された結論の意味をお伺いしたいと思います。
○説明員(高瀬礼二君) ただいまお尋ねの事件につきましては、検察庁からの報告によりますと、昭和三十六年九月二十六日に渋谷労働基準監督署長あてに告発がございまして、その事件が昨年の三月五日に基準監督署から検察庁に送致がございました。検察庁におきましてその後本件につきまして捜査を進めまして、このほど捜査も終わりまして、六月の二十二日に不起訴処分に付したということになっております。
 不起訴処分でございますので、不起訴理由の詳細を明らかにいたしますことは差し控えさしていただきたいと思いますが、要するに、告発事実の一部につきましては証拠上これを認めることができなかった、他の一部につきましては、証拠上は成立が認められたのでございますが、諸般の情状などを考えまして不起訴処分にするのが相当であるとされたものでございます。
○亀田得治君 その認められた部分と認められない部分というものは、抽象的な表現で言うと、どういう項目に当たるわけですか。その程度は御説明願えませんと、審議の進めようがないわけです。
○説明員(高瀬礼二君) 本件の告発事実は、亀田委員御承知のとおり、いろいろございまして、時間外労働、あるいは休憩時間を与えなかった、あるいは生理休暇を与えないために専門医の診断を受けさせたなどの事実になっております。で、そのうち休憩時間を与えないという事実、それから時間外労働の事実の一部につきましては、先ほど申し上げましたように、証拠上は成立は認められた、こういうことになっております。
○亀田得治君 そうすると、生理休暇の問題なり就業規則に関する部分の告発については認められない、こういうことに当然解釈ができるわけですが、そう承っていいですか。
○説明員(高瀬礼二君) そのとおりでございます。
○亀田得治君 本件に関して病院の帳簿などはどの程度お調べになったわけでしょうか。
○説明員(高瀬礼二君) 私どもといたしまして捜査の内容の詳細につきまして報告に接しておりませんので、ただいまお尋ねのどの程度帳簿を調べたかということにつきまして的確なお答えを申し上げることができない状況であります。
○亀田得治君 強制捜査はおやりになったんですか。
○説明員(高瀬礼二君) 本件につきましては、強制捜査ではなく、任意捜査で捜査を進めたという報告に接しております。
○亀田得治君 労働基準局のほうにお聞きしますが、労働基準局のほうでは本件について検察庁に送る前にお調べになっておるわけですが、どのように告発の事実に対する認定をされたか、省としての見解を明らかにしてほしい。
○説明員(小鴨光男君) 捜査上の書類その他につきましては、東京労働基準局が指示しまして署において具体的な捜査活動をやったわけでございますが、東京基準局からの当該違反事件の報告によりますれば、一日二時間をこえます時間外労働、それから一日九時間をこえますところの労働時間の違反、それから四十五分の休憩時間を与えなかったという点について帳簿その他についての書類を集めまして、これによって違反内容を確定しまして検察庁に送致したというふうに報告をしております。
○亀田得治君 当然監督署では病院の帳簿等はお調べになっておるはずですが、その控えのようなものはとってあるわけでしょうか。
○説明員(小鴨光男君) もちろん検察庁に送致するわけでございますので、その送致に際しましては、個々人についての時間外の違反の量、時間数、そういうものを具体的に帳簿によって把握いたしまして違反事実を作成いたしまして送致した、こういうことになっております。
○亀田得治君 監督署としてはどういう意見をつけて検察庁にお送りになったわけですか。
○説明員(小鴨光男君) 私どもに参ります報告では、被疑者、違反内容、送検の年月日ということでございますが、その他の問題については具体的に送致書を拝見いたしませんとわかりませんので、ここではちょっとお答えできかねます。
○亀田得治君 普通、監督署がこの種の基準法違反の事件を調べた場合に、署としての意見をつけて地検に送るはずですね。
○説明員(小鴨光男君) さようでございます。
○亀田得治君 その点はひとつ記録によって正確にどういう意見が出されたものなのか、資料として、まあ国会は終了しますが、休会中の国会で調べるのに間に合うように御提出願いたいと思います。よろしいですね。
○説明員(小鴨光男君) はい。
○亀田得治君 それから次は、告発人の岩田君に対する病院側からの告発事件というものがこれと並行してあったわけですね。若干本件の告発よりもさかのぼる時期ですが、それが刑事事件として起訴されたということがあるわけですが、これは関連事項として公安課長はお知りだと思いますが、その点はどうなっておるか、お答え願いたいと思います。
○説明員(高瀬礼二君) 本件の告発人でございます岩田氏に対します監禁、暴力行為等処罰ニ関スル法律違反事件というのがございまして、昭和三十六年の六月に起訴をいたしております。
○亀田得治君 その結果はどういうふうになりましたか。
○説明員(高瀬礼二君) 本件につきましては、本年の三月十一日に、第一審であります東京地方裁判所で無罪の判決がございまして、同月の二十六日に確定をいたしております。
○亀田得治君 ことしの六月十四日に岩田君が検察庁に出頭して、そうして告発の問題について担当の古川検事の調べを受けたわけです。その際、古川検事が岩田君に明らかにしたことでありますが、岩田君の刑事事件が終わるまで本件の取り調べを延ばすように、こういうふうに上司から言われていたということなんですが、こういうことははなはだ私けしからんと思うわけですが、といいますのは、双方に刑事事件の疑いがあるとして双方から問題が持ち出されているのに、労働組合に対するものだけは起訴の手続もとり、裁判にもかけていく。反対に、労働者のほうから、自分たちの労働基準法に認められた権利を侵害されているということで出している告発、しかも、今お聞きいたしますと、決してそんな荒唐無稽の告発ではないわけなんです。そちらのほうは調べないで、ずっと延ばしておく。私は、おそらく岩田君が、自分らの裁判だけやられて、自分らが出した告発が少しも片づけられないものだから、そのことを古川検事に問いただしたのじゃないかと思うのですが、そのとき古川検事から、そのようなことが岩田君に言われているわけですが、私は、これははなはだけしからんことだと思う。私もちょっと電話でそういうことを岩田君から聞きましたから、しかしそういうことは大事なことだから、君が聞いたとおりきちっと文書にして私あての手紙にしてくれ、間違いのないように、一字一句、そう申したところ、今申し上げたような返事が私のところへ直接来ているわけです。これは遠いことでも何でもない。そういうことを言われた直後に、せんだってです、先日そういうことを言われた直後に私のところへ訴えてきたわけなんです。非常に本人はくやしがっているわけなんです。こういうことは、はなはだ法律の取り扱いにつきまして、検察庁が経営者にことさらに味方する、ことさらに労働組合を敵視する、こういう印象を与えるわけで、はなはだおもしろくないという感じを私も抱いたわけですが、その間の事情をひとつ御釈明願いたいと思うんです。
○説明員(高瀬礼二君) 本件の処理にあたりましては、検察当局といたしましては、これは申し上げるまでもないわけでありますが、厳正な態度で適正な処理をいたしたものと信じております。今亀田委員からお話がございましたように、労働者側に対しましてはことさら過酷に刑事責任を追及する、経営者側につきましてはこれを黙過する、こういうようなことは絶対あり得ないことでございまして、本件につきましてもあくまで厳正な態度で処理をいたしたものと信じている次第でございます。ただいまお話しのように、担当の検察官が他の事件がけりがつくまでは本件についての捜査を進めないというようなお話でございましたが、さようなことは刑事事件の処理といたしましてあり得ないことではなかろうか。その間の事情を詳細に承知をいたしておりませんけれども、刑事事件の処理の態度といたしましてあり得ないことではないか、というふうに考えております。
○亀田得治君 理論的に筋から言いますと、今課長がお答えになったように、あり得ないことなんです。そのあり得ないことが言われたものだから、私もそういうことはよくないことだと、こう感じて、事実を明らかにしたいと思っているんです。だから、これはお調べを願いたい。
 それともう一つは、一体、東京地検は本件の告発問題の捜査をいつからお始めになったのか、今わかっていたらお答え願います。
○説明員(高瀬礼二君) 本件につきましては、先ほどお答え申し上げましたように、昭和三十七年の三月に東京地方検察庁で受理をいたしているのでございますが、ただいまのところ、おそらくその直後から捜査を進めたものではないかというふうに考えておりますが、はっきりした着手の時期は私ども承知をいたしておりません。
○亀田得治君 その点、次回に明らかにしてもらえますか。
 私の聞くところでは、ともかく岩田君に対する裁判が無罪が確定して、その後実際上着手されて、そしていろいろな関係の人が呼ばれてお調べを受けたということなんです。そうしますと、古川検事が先ほど申し上げたようなことを岩田君に言ったということは、事実の上においてもちゃんと立証されているわけなんですね。そういう意味から、昭和三十七年の三月五日受け取られまして、一体どういう経過を今日までたどったのか。捜査の中身に入る必要はありませんから、日時関係など明らかにしてほしいと思います。できますね。
○説明員(高瀬礼二君) お話の点は、調査をいたしましてお答えを申し上げます。
○亀田得治君 医務局次長ですか、厚生省の。ちょっと一点お聞きしますが、生理休暇を病院の看護婦の方などが要求する。それに対して、この病院では、特定の医師の診察を受けて来いと、こういったようなことが言われたようでありますが、私たち常識的に考えますと、ずっとそこに勤めておられる方であれば、これは大体毎月きまったものですわね。特にその医者の診察を受けて来いというようなことを言うこと自身が一体おかしいのではないかという感じを実はこの関係書類を見て感じておる。しかし、これは専門の方に一度そういうことは聞いてみたいと思っていたわけですが、あなた、事務系統じゃなしに、医者のほうの関係でしよう。
○政府委員(鈴村信吾君) いいえ、私違います。
○亀田得治君 違うんですか。しかし、まあいろいろこういう関係はタッチされておるでしょうが、常識的に見てそんなことを言うのはおかしいんじゃないか。何かぽっと臨時に人を雇ったというような場合なら、それはごまかされちゃいかんというような考慮も働けば、それはそこまでおやりになるのは経営者としてはなはだ経営熱心だということにもなるかもしれんが、常時そこにおる人についてそのようなことを言うこと自身は、結果においてはやはり生理休暇を制限していくというようなことにもなるわけですし、そういうことを言うこと自身が非常識じゃないかというふうに思うわけですが、そういう言い分は別に非常識なことでもないというふうに考えられるものでしょうか。あなたにちょっと御参考に御意見を聞いておきたい。
○政府委員(鈴村信吾君) 一般的に申しまして、病院でもあるいはその他の職場でもそうだと思いますが、そういう要求がありました場合に、特定の医師の診察を受けろというようなことは、一般的には言われないものであると理解しております。したがいまして、もしそういうことが言われたといたしますれば、何らか当該職員にそれを疑わせるような事態でもあったのではないかというふうにも考えられるわけでありますが、一般的にはそういうことはないものと了解しております。
○亀田得治君 私もやはりあなたの御意見と一緒なわけでして、特殊な理由を何かつけてなまけようというふうなことでそういう請求が出てきたということなら、そういう要求も出ることもあるでしょうが、それははなはだ筋が通らないと私は思っておるわけです。ところで、この点に関するものは、検察庁では事実が明確でないと、こういうふうに判断されておるようですが、しかし、その中身等につきましては次回に監督署からの正式の意見が出てくるわけですから、それを見た上でさらにお聞きすることにしたいと思います。
 そこで、もう一点お聞きしたいのは基準法違反という問題についてあまり重要な問題として考えておらぬような傾向があるのではないかということを私は心配するわけです。で、一例を申し上げますと、これは六月十三日ですね、これも担当の古川検事が取り調べをした組合員に対しまして、昭和三十五年、三十六年当時の病院ストの問題を持ち出しまして、そういうことをするから看護婦が足らなくなるんだといったような意味のことをおっしゃったようです。しかも、相当机をたたいたりして激しくおっしゃったようです。で、何かここら辺にも労働基準法違反というものを重く考えない、こういうふうな気分が出ておるように思うんですね。もっとはっきり言えば、どこでもやっていることなんだ、多少のことがあったってもう仕方がないんだというような方針でおられるんじゃないか。しかし、労働者の立場からすれば、どこでもやっているようなことかもしれぬが、そうであればなおさらどっかでそういう悪いくせというものを改めさせるように突き破っていかなければいかぬのだ、こういうことも言えるわけでして、一体基準法違反の問題をどういうふうに評価されておるのか、全体のひとつ考え方をお伺いしたいわけです。
○説明員(高瀬礼二君) 労働基準法は、申し上げるまでもなく、労働者保護法規でございまして、労働基準法違反事件の処理につきましては、検察当局といたしましては非常な関心を持って処理に当たっておるわけでございます。ことにここ数年の状況を申し上げますと、土地によりまして発生件数に若干アンバランスなどがございまして、さような点も実際に違反があるにかかわらずそれが刑事事件として出るべきものが隠れているというようなことがありはしないかというようなことで、二、三年前からそういった点につきましても十分検察側といたしましてできるだけの意を配って参りました。昨年でございますか、昨年なんかの状況を見ますと、そういう点につきましても、数年前よりも非常に是正されて参っておるというような状況でございます。
○亀田得治君 基準法違反の告訴の件数とその起訴の割合ですね、これはどうなっておりますか。
○説明員(高瀬礼二君) ちょっと手元に統計の数字を持参いたしておりませんので……
○亀田得治君 次回にひとつ。
○説明員(高瀬礼二君) は、次回にお答え申し上げます。
○亀田得治君 労働省のほうにお聞きしますが、被告発人の中田重吉という人がこの病院の事務部長をやっておるわけですが、この人は前に基準局の庶務課長か何かをおやりになって、本省から出て行かれた人のように聞いておるんですが、そうですが。
○説明員(小鴨光男君) 当時私おりませんのでわかりませんけれども、そのように聞いております。
○亀田得治君 そうすると、中田君も労働基準法については、特に詳しい人というふうにこれは見なければならんわけです、常識的に。ところが、そういう人が、基準法なんか違反しても、どうせ処罰なんかされないんだというようなことを病院で放言したことがあるというんですね。私は基準局から行かれた人だけに、はなはだもってこれはけしからんことだというふうに実は考えるわけなんです。労働者にとっては基準法というものは、これはほんとうに大事なもんなんですから、そこから来た、しかも本省の庶務課長もおやりになっておったという方が、かりそめにもそのようなことを放言されると、現在どこかの官職にまだおられるというなら、当然これは懲戒もんだと思うんです。しかし、もう現在はすでに職はかわっておるわけですが、しかし、これは基準法を守っておる労働省としては、非常な実質的には重大な関係のある問題だと思うんです。そういう方がそのようなことを言われるということは、これはまた基準法の全体の施行の上にもゆるんだものがあるのじゃないかというふうなことをやはり感ずるわけでして、これは次回に法務省のほうから告訴、告発に対する起訴率等を出していただきますならば、あるいは若干そういう点も客観的に証明できるのじゃないかとも思っているわけですが、今私が申し上げた点は、ひとつ労働省として調査をしてもらいたいと思います。私のほうも、もしそんなことを言ったことがないということであれば、これはひとつそのことを聞いた人並びに日時、場所などを明らかにして、いやしくもそういうことが相当重要な人から言われるというようなことはもう厳に今後ないようにしていってほしいと、こう思っているわけです。これは職場はすでに違っておるかもしれませんが、基準法に対する責任を持っておられるあなたのほうとしても、実質的に重要なことだと思うわけでして、御検討願いたいと思います。よろしいですか。
○説明員(小鴨光男君) 被疑者である中田部長がそのような発言をしたかどうかということについて、私は直接伺っておりません。ただいま亀田先生のお話が事実であるとすれば、またこれはかってそういう職にあった人だけに、その面において検討しなければならぬと考えております。先生の御要求になりました点、十分検討してみたいと存じております。
○亀田得治君 それじゃ、きょうは一応この程度にいたしておきます。きょうお願いしました資料は、できるだけ早く委員長のほうにまで出していただきまして、それを基礎にして次回適当なときに審議を願いたいと思います。
○委員長(鳥畠徳次郎君) それでは、本件に関する調査は一応この程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時四十一分散会
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