第046回国会 地方行政委員会 第5号
昭和三十九年二月十一日(火曜日)
   午前十時二十六分開会
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 出席者は左のとおり。
   委員長     竹中 恒夫君
   理事
           西郷吉之助君
           松本 賢一君
           市川 房枝君
   委員
           井川 伊平君
           石谷 憲男君
           沢田 一精君
           館  哲二君
           松野 孝一君
           鈴木  壽君
           千葉千代世君
           林  虎雄君
           辻  武寿君
           基  政七君
  国務大臣
   自 治 大 臣 早川  崇君
  政府委員
   消防庁長官   松村 清之君
   消防庁次長   川合  武君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       鈴木  武君
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  本日の会議に付した案件
○消防組織法及び消防団員等公務災害
 補償責任共済基金法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出)
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○委員長(竹中恒夫君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 初めに、消防組織法及び消防団員等公務災害補償責任共済基金法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 消防当局が出席しております。なお、後刻自治大臣が出席の予定でございます。
 それでは、御質疑のある方は順次御発言を願います。
○林虎雄君 前回、鈴木委員から質問があったわけでありますが、それに関連したものと直接関係ないけれども、消防関係について若干の質問を申し上げたいと存じます。
 常設消防と、それから非常勤とあるわけでございますが、今度の処遇の問題につきましては、非常勤を中心に考えられているようでございますが、消防の職責を十分に達成し、消防の目的を達成してまいりますためには、国や地方団体が財政の許す限り、逐次常設消防に持っていくことが理想だと思うわけでございますが、その常設消防の現状についてひとつ承りたいと存じます。常設消防は全国各都市にそれぞれ置かれているわけでございますが、その中で特に最近の火事の状況というものは相当変わってきつつあります。特に都市においては耐火構造等の建物が多くなってまいりますために、火事の様相というものが相当変化しているというふうに思うわけであります。たとえば最近のアパートの火事等を見ますと、アパートはそれぞれ非常に建物はよくなっておりますだけに、いわば密室的な施設になっているようであります。したがって、火災などが起こった場合に、他に類焼は少ないと思いますけれども、その密室内における火災というものは非常に人命を奪うというような結果を招来しておるわけでございますが、そういう火災に対しましては、従来の消防のやり方といいますか、消防の消火の方法というものもかなり変わってきておると思いますが、そういう点についてのお考えはいかがでございますか。
○政府委員(松村清之君) まず常設消防の件でございますが、できるだけ市町村に常設消防を置いていくということは望ましいことで、当面の目標といたしましても、市街地人口が一万ある市町村には常設消防を置いていきたいという目標を持っております。そこで、さしあたって昨年の消防法の改正に基づきまして、近く政令で常設消防を設置しなければならない市町村を指定いたすことになったのでございますが、それによりますと、現在市街地人口一万以上の市町の総数が六百九十二ございます。このうち四百四十七の市、町が現にこの常設消防を持っております。あと二百四十五の市街地人口一万以上の市、町が持っていないわけでございますが、今回この六百九十二の市町のうち四百八十六を政令で指定いたします。そういたしますと、この四百八十六のうち八十一の市、町が残るわけで、これが今度新たに設置をしなければならなくなってくるのでございます。そのほか現在市街地人口一万に満たないところでも九市ばかり常設消防を持っております。こういうふうにだんだんに常設消防を各市町村に置くように――財政とにらみ合わせて置くようにしていくことを基本的な考え方といたしております。
 なお次に、消防の関係のことでございますが、お説のように最近アパートその他、建物によりましてその構造も違ってきております。そこで一番大事なことは、火災を起こさないようにすることが基本でございまして、そのためには住民の一人一人に火災が起きないように注意してもらうように条例あるいはPR等でこれを進めていくことが大事でございますが、もし火災が起きましたような場合におきましては、特に最近はいろいろな化学繊維等を使っております関係で、防炎布等を関発するようにつとめ、ましたり、あるいは噴霧給水を使用いたしましたり、その他実情に即していろいろな方法を現に考えて、これを実現化するようにつとめておるような状況でございます。
○林虎雄君 私の質問のしかたが少しへたなものですから……。ただいまお答えがありましたように、都市の建物の火災などの場合には、従来の消防といえばポンプをもって水をかけるということでございますけれども、それと違ったものの火災が多くなってきておるように思います。こういう場合に、たとえば石油ストーブに原因する火災などの場合に、消化方法というものも次第に変化しておると思うわけでございますが、いわゆる科学的な消防方法といいますか、技術といいますか、そういう面についてもだいぶ指導、教育の方法というようなものが違ってきておるわけですか。
○政府委員(松村清之君) 現在そういうものにつきましては、大都市等におきましては科学車という特別な消防自動車も備えまして、化学薬品をもって水にかえて火災現場に投入して消火する、こういうような方法を講じております。
○林虎雄君 最近アパート等の火事、それから長野県の白樺湖畔の国民宿舎等で人命が失われておるわけでございますが、いずれも石油ストーブが原因である。密室になっているために一酸化炭素ですか、その発生によって窒息しておるわけでありますが、これはいろいろ新聞雑誌等を見ますると、取り扱いの不備で、石油ストーブそのものが原因ではないというふうに、白樺湖畔の国民宿舎の場合にはそういうふうに見られておるようであります。必要以上にしんを出して、そのためにガスが発生したということになっておるようでありますが、この石油ストーブの中にいろいろ欠陥があるのじゃなかろうか、したがって検査規格というようなものに対しまして、消防庁としてはどういう態度をもっておいででございますか。
○政府委員(松村清之君) 石油ストーブの規格等につきましては、これは所管は通産当局でございまして、ただその製品をつくる規格をきめる、そういう会議には消防のほうでも関与しておるようでありますが、石油ストーブそのものは他省の所管で直接消防としこれに関与しておるわけではございませんが、石油ストーブの現実に各家庭におきましてのいろいろの使用上の注意その他につきましてはこの条例で定めてもおりますし、また実際のPR等によって、使用に間違いを来たさないように市町村の消防当局等はやっておるような状況でございます。
○林虎雄君 規格検査等については通産省のJISですか、通産省のほうでもっぱらやっておるようでありますが、消防庁のほうでも検査ができるようになっているのじゃないか、検査といいますか、試験といいますか……。
○政府委員(松村清之君) これは法律的にはその製品そのものに関与することはできないかと思いますが、現実にその石油ストーブが火災を生ずる危険があるというような具体的な場合におきましては、その石油ストーブの回収なりあるいは除去なり、そういうことを命じ得る権限が消防にあると考えます。
○林虎雄君 消防庁のほうでも検査ができるわけですね、あれは。
○政府委員(川合武君) 東京におきましては条例でもって防火力――要するに、石油ストーブに対する防火力並びに危険度に対しまして、申し込みがありましたときにこれを検査するということを事実行なっております。ただ、先ほど長官が御説明いたしましたように、通産省関係の日本工業標準調査会というのがございますが、JISの規格の会議に私どものほうの意見を十分申し述べておりまして、ただいま申しました東京で行なわれております防火力試験の規格と申しますか、基準と、ただいまのJISの基準とが食い違わないように調整してやっておる次第でございます。
○林虎雄君 東京都の条例で防火力の規格についての検査をしているようですが、その場合に、通産省の検査には合格したという場合と、それから都のほうで合格した場合とダブるような感じがいたしますが、たとえば東京都の条例で合格したものは、通産省で合格しないでもよろしいということですか。
○政府委員(川合武君) 現在の建て方が、いずれの検査にいたしましても、検査を通らないものは販売ができない、こういうようなことではございませんで、いわば優良品と申しますか、そういうものの一つの証明になっておりますわけでございます。
○委員長(竹中恒夫君) ただいま大臣が出席いたしましたが、衆議院の予算委員会の要求があるまで臨席でございますので、もし大臣に対する質問がありましたら、そのように願いたいと思います。
○林虎雄君 検査を行なわないでも、石油ストーブそのものは販売できるわけですか。
○政府委員(川合武君) そのとおりでございます。
○林虎雄君 いまお聞きいたしますと、石油ストーブは検査を受けないでも、合格しないでも販売ができるということになりますと、石油ストーブの非常に粗悪なものが出た場合にも、火災の危険のあるような場合にもやむを得ないということになるわけですか。
○政府委員(川合武君) 私のほうは、なるべく指導といたしましては、その検査を受けました品物が普及流通いたしますように期待もいたしておりますし、また、非常に端的に申しますと、普及いたしましたから、あまり神経質に取り扱わなくても、極端にいえば、子供でも取り扱えるような程度の構造の安全なものを期待しているわけでございますが、しかし、建て方といたしましては、ただいまのお話のように、通らなくても売れるわけでございます。なお、先ほどの白樺湖のストーブは、無検査といいますか、検査実施以前の古いものでございました。そういうものも現在流通している状況でございます。
○林虎雄君 大臣がお見えのようでございますから、最近の科学消防といいますか、そういうものに対しまして、あとで長官に承ることにして、大臣に御質問がある方にお譲りいたしたいと思います。
○鈴木壽君 大臣、時間はどのくらいとっておられますか。
○国務大臣(早川崇君) 十一時ごろまでいいようです。
○鈴木壽君 時間がないようでございますから、簡単に一、二お聞きしたいのですが、今度、消防団員に対する退職報償金の制度を設ける、そうして団員の多年のお働きに対して、こういう御労苦に対して報いていきたい、こういうことなんでございまして、私ども、趣旨としてたいへんけっこうだと思いますし、最近、特に消防団員の確保というような点から、処遇の問題がいろいろ論議されておるところでございますから、その一環としてこういうことを取り上げて、制度をしてつくり上げていくということについては、私ども賛成なんであります。ただ、消防団員全般の問題としていろいろな処遇の道があるわけなんでありますが、特に私、大臣にお聞きしたいのは、警察官の場合に、警察官のいわゆる賞じゅつ金というものが出ておるのだが、特にそれは消防なんかと同じような仕組みのものが一つある。そのほかに、御承知のように、特別賞じゅつ金というものがあって、総理大臣から賞じゅつ金が出るようになっておるのです。額も相当大きな額が出ておるわけなんでありますが、消防団員に、そういう警察官に現在行なわれておるような特別賞じゅつ金の制度というものを設ける必要が私はあると思うのですが、それに対して大臣はどのようにお考えになっておられるか、まず最初にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(早川崇君) 御承知のように、警察官等に対する特別報償制度は、昭和三十六年六月十三日閣議決定がなされまして、二年間実施が具体的にはなかったのでありまするが、昨年、六人の警察官、そのうち五人殉職しまして、一人は手を失ったことに対しまして、この賞じゅつ性度にありますように、身の危険を顧みず非常に勇敢に働かれた方に、百万内外の報償金を交付いたしました。当時、この制度ができましたのは、凶悪暴力犯罪が非常に増加の傾向にございましたので、警察官、海上保安官、麻薬取締官、鉄道公安官、自隊衛、刑務官等の職務執行を保護して、法の実効を確保するという限られた目的であったわけであります。しかし、その場合にも、身の犠牲を顧みることなく敢然と水火と戦う消防団員に対しましても、暴力犯罪者という具体的な人間を対象とした危険ではございませんが、消防団員も加えるようにという要望をいたしたのであります。しかしながら、その前段階の賞じゅつ金制度も確立しておりませんでした。その関係で見送られたのでございます。その後、一般の賞じゅつ金制度も確立されましたので、いま御指摘のとおり、消防職並びに団員に対しましても、業務内容で特に果敢で身の危険も顧みずというしぼりはございますが、特別報償制度の中に入れるようにすべきものと考えますので、これを加えるように努力をしてまいりたいと思っております。
○鈴木壽君 時間がないから簡単に申し上げますが、実は私ども、この警察官等に対する特別賞じゅつ金の、こういう制度ができる際に、これは大臣も御承知だと思いますが、そのときは法律でやろう、こういういきさつがあったのであります。しかし法律でやる場合に、私どもは単に警察官等、現在の特別賞じゅつ金に該当する、そういう人たちだけでなしに、消防関係のほうであっても、それは暴力犯ではないかもしらぬけれども、いわゆる身を挺して働いた結果、不幸にして死亡したり、あるいはそういうふうな場合があった際に、同一のような基準で取り扱うことは何ら不合理でないし、またそうあるべきである。こういうようなことでやっておる間に、法律としてつくるというようなことについては、いつの間にか引っ込められて閣議決定というようなことになってしまった。しかもいま言ったように、また大臣からもいまお話がありましたように、警察官等に限られておって、消防団員は除外になってしまったわけであります。
 私は非常に残念だと思うのですがそういうことから、これは何とか早い機会に、ぜひ消防団員等に対しても適用できるようにすべきじゃないだろうかということを常々考えておったし、そういう意味で今回の退職報償金の問題と関連をして、この機会に問題をひとつはっきりさせて、ぜひその方向で実現できるようにしてもらいたい、こういう気持でいま大臣のお考えを承り、なお、大臣からは実現できるようにしたい、こういうお話でございますから、ひとつその線で努力をしていただきたい、こういうことを私申し上げておきたいと思います。その点についても御努力なさるということでございますから、そういう線で、いまの問題については、これでやめますが、ひとつぜひ単なる研究するとか何とかいうことでなしに、近いうちに実現できるようにしていただきたいということを要望申し上げておきたいと思います。
 それからいま一つですが、今度の退職報償金のこの制度でございますが、せんだっても実は大臣のおらないときに、消防庁の長官のほうにもお尋ねをしたことなんでありますが、これを現在の公務災害補償制度のその基金の中で扱うということについて、どうも私はあの中に、こういう仕事もできるんだというようなことになりますと、たてまえが私はちょっと違うんじゃないか、いま考えられておる退職報償金のこの問題とは違う性質のものじゃないか。それをその中にまとめてしまってやるというのは、どう考えてもちょっと筋が違うんじゃないか、こういうように考えるのです。これは、こういうふうになるまでのいろいろな内部的な検討もあったのでございましょうが、これに対して、大臣はこれでいいんだ、こういうふうにおっしゃるのか、あるいは将来どういうふうになさるというのか、そこら辺のお考えがもしありましたらお伺いしたいと思うのです。
○国務大臣(早川崇君) 筋論からいいますと、鈴木委員の御意見のとおりだと私は思います。しかし財政能率、資金を担当する人員その他いろんな、そういう技術的な面からプールして一緒に処理するほうが能率的だ、こういう考えで実はいま言ったようなことにいたしたわけであります。そういった制度でやってみて、さらに資金量がどんどんふえてくるとか、あるいは退職報償金制度三万ないし七万というのも、将来これが一つの橋頭堡になって、もっともっと自由消防団員に対する処遇改善の方向に向かっていくと思うのであります。ある出発点としてはそう大きいものではございません。財政技術上こういうことにいたしたわけでございます。御趣旨は十分理屈のあるところでございます。
○鈴木壽君 私、単に理屈ばかり申し上げておるというふうにお考えになっておるようでございますが、私は今度の退職報償金のこの制度というものは、そのものが不十分だということも一つあるし、その不十分だという中に、はっきりした何といいますか、算定の基準なんというものは何もこれはないのです。そう言っちゃ少し悪いですけれども。団員一人七百円とか幾らとかいうふうな一つの線は出ておりますが、しかしそれは、三万円ないし七万円を出す、年間どのくらい使うか、その金を団員一人頭にしてどのくらいになるかというくらいの話で、何といいますか、一時金とか年金みたような、そういうものの計算の方法とはこれは全然違うわけです。いわば、これは少しことばは悪いのですけれども、ちょっとしたつかみ金でこのくらいやろうじゃないか、そういう程度のものなんです。そういうものを、一方はこれについても内容的にはいろいろ問題があるにしても、ひとつ公務災害補償としても、それは単に消防団員のみならず、他の場合にあっても一定の基準によって行なわれる、こういう性質のもので、しかもいわゆる公務災害という点で行なわれておる、公務災害に対する一つの補償といいますか、いろいろな給付をするための制度なんでありますし、どうも考え方が私は違っておるもの、だと思うのであります。それをまあ事務的に、あるいは経費の面からこれを独立してやったのではいろいろむずかしい問題もあるというようなことで、じゃここへということだろうと思うのでありますけれども、ちょっと違うのじゃないだろうか、こういうふうに思うのであります。しかも大臣も、理屈としてはおまえの言うとおりと、こういうお話しでありまして、将来何とかしなければならぬというふうにお考えになっておるようでありますが、これはひとつやはりもっと考えて、それぞれのふさわしい形で運営できるというようなことにしなければならぬのじゃなかろうか、こういうように思うのですが、大臣、ただきょうここで、あなたと私の間でおまえの言うことはもっともだしこれから考えましょうという、単にそういう気特でなしに、もっとこれからのやり方については、はっきりした考え方を聞いておきたいと思うのであります。
○国務大臣(早川崇君) 御指摘のように、財政、人員も、事務費もできるだけかからないようにという配慮から一本になっておるわけでありますが仕事の中身、中の会計の建て方、もちろんこれははっきり峻別してやるわけでありまして、事務上、長たらしい名前の一本の機構にいたしたわけでございます。何ぶんまだ赤ん坊の状態であります。事務上の便宜からというわけであります。それ以外に特に分けなくちゃいかぬという理由はないわけであります。一本に今回はいたした次第でございます。将来その運営上、またそういう退職報償金制度がだんだんふくらんでいくという事態に来ましたら、また再検討してもいいかと思っております。
○鈴木壽君 私は、この制度についての消防審議会の答申、これは中でどういう論議があったかわかりませんが、答申の結果だけといいますか、答申された文章から見まして、やっぱり私が今言ったように、そしてまた答申の線にあるようなものが正しいあり方だと思うんです。ですから、これは運用している間にこっちのほうの、今の新しい退職報償金のそれがふくらんで来たり、いろんな問題があったら考えましょうということよりも、もっと積極的にあるべき姿にどう持っていくかという努力をして、どういうふうに持っていくかという、そういうことでひとつ私は検討されるべき問題だと思うのです。しかしその点は大臣も考えておるようでございますから……。いまひとつ大臣のお話の中にありましたんですが、三万円ないし七万円、現在は額も少ないけれども、将来、またこれを契機にもっと大きくすることもできるんじゃないかというふうなお話がございましたが、この点ですがね、十五年もやっている間に、ほとんど金銭上での処遇ということについては、あまりに低い扱いをされてきておる。そういう人たちが十五年以上もつとめてそして、やめるときに三万円と、これでは幾ら感謝の気持をあらわすだけだと、こう言うかもしらんけれども、あまりに少な過ぎると私は思うのですがね、どうです。
○国務大臣(早川崇君) そこは非常にむずかしいところでございまして、自由消防団というものは報いを求めない奉仕の精神で伝統的に長く存立しておるわけでありまして、この消防精神というものが社会の秩序あるいは郷土防衛の精神的なささえになっておると思います。そういう意味で、会社の従業員あるいはその他の契約による反対給付の職員とは根本的な精神的存立のディメンション面が違うわけで、そこで、私たちといたしましては、消防団員はそういう精神からいえば、こういう反対給付的なお金をもらいたくないでしよう。しかし、われわれとしては、それでは相すまないので、ぜひひとつ感謝の気持として受け取ってもらいたいとこういう趣旨からできたのがこの退職報償金の制度でございます。したがって、そこに三万円あるいは七万円というのは、今のいわゆる契約の観念からいきますと、確かに大きい金額ではありません。むしろ少な過ぎるという御意見もあるわけでありますけれどもわれわれといたしましては、十五年おつとめになった方には、せめてお伊勢参りなり、東京見物なりするくらいのお金という意味で、さしあたり徴衷をささげると、こういう金額でございます。したがって、将来もっとふやして、あるいは十年勤続の方々にまで拡張できれば、感謝する側からいえばそれは望んでおるところであります。お説のように、今回はそういう意味で三万ないし七万となったわけであります。もう少し増額しろというお気持も十分わかりますが、この金額の限度をどこまでにするかということは、これはなかなかむずかしい問題で、今後検討してまいりたいと思います。
○鈴木壽君 これは私、考え方の問題だと思うんですがね、確かに大臣が今お話しのように現在までの消防団の、いわゆる自由消防としてのいわば奉仕的な、そういう意味での犠牲的な働き、その上にささえられていることだけはこれは確かです。しかし、それに私、甘んじているべきじゃないと思うんですね、もうこういう時代になりますと。今の消防団のいろいろな問題、あるいは消防の――大きな意味での消防力のいろいろな問題になってくるのですが、やっぱりそういうところにいつまでも甘えて、御本人はそれでいいかもしれませんが、私どもがそれに甘えているところにいろいろな問題が出てきているんですね。それをやはり私どもは、こういうときに考えていかなければならぬと、こういうふうに思うのです。だからこそ処遇の問題が、今の例に限らずいろいろな問題が出てきて、そうして、それをぜひ高めていくようにしなければならぬという、こういうことになってきていると思うんです。ですから、自由消防だから、あるいは奉仕的な、犠牲的なものだから、あとはそれでいいんだと、そうしてあと、やめるときにはお礼の気持をあらわせばいいんだという、これだけでは私はこれからはだめだと思うんです。そういう意味で、かりに感謝なり、長い間のそういう労苦に対しての一つのいわば報いというような、そういうものであったにしても、それはだから金一封1わずかでいいんだと、私はそういうものじゃないと思うんですね。だからこそ私は、あるいは別な言い方をしますと、そういう犠牲的な、あるいは奉仕のそういうことをやってきたからこそ、お礼をするときにはやはり相当のお礼をしなければならぬじゃないかということも、私は正しい考え方だと思うんですね。そういう点からして、これはあなた三万円から七万円と言うけれども、七万円というのは団長で、団長に何人該当するか、これは団長になる人は大体全国からいったら数はそんなにあるものじゃありません。大部分の者はいわゆる団員として三万円かそこらでこれはすまされる。最高は七万円だけれども、団員には関係のないことなんです。ですから私は、やっぱりこういう問題の際に一それはまあ国全体としての金、予算の問題も出てくるでございましょうし、むずかしいですが、私は考え方としてはいま申し上げたようなことでいかなければならぬと思います。そういう意味において金額というものをもっとやっぱり引き上げることを、これは考えなければならぬじゃないか。じゃ、引き上げる限度はどうかというと、これはなかなかむずかしい問題です。しかし常識的にいって、十五年以上つとめても二十年未満のものは、十九年つとめても三万円だ。これはお礼だから東京へ行ってこい、上方参りしてこい、お伊勢参りしてこい、この程度では私はすまないことじゃないかと、こういうふうに思うので、これ以上言ったらあるいは質問でなくなるかもしれませんが、ひとつ大臣に、これからの額の問題について、ほんとうにこれは取り組んでもらいたいと、こう思うんですけれどもね。その点について、お約束の時間もないようですから、もう一度ひとつ大臣のお考えを、この機会にお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(早川崇君) 非常にむずかしい問題でございまして、たとえば火事のときの出動手当というものがあります。これも非常に少ないわけでございまして、退職報償金も、十五年、これだけ御苦労いただいた方としては非常に少ないという御指摘も、私はある意味では真理を持っておると思います。何ぶんにもこういう制度の最初でございますので、七万というつつましやかな報償金になりましたが、今後この実施を通じまして、さらに増額していくということは、むろん望むところでございます。この制度ができまして、今後の運営を通じまして世間の世論が少な過ぎるじゃないか、もう少し差し上げたらという気運が出て参りましたときに、さらに検討をいたしていきたい、かように思っておりますので、どの程度までが適当か、多ければ多いほどいいというものでもございません。よく団員諸君のお気持もそんたくしながら、この問題を今後の検討課題としていきたいと思っております。
○千葉千代世君 二つだけ伺いたいのですが、一つは報償金、もう一つは消防団員の任務の範囲ですけれども、ここにございます団長というのは、今まで団員であって、やめるまぎわに団長になった者も、これは適用されるのでしょうか。
○国務大臣(早川崇君) やはり一定期間団長をやった実績、こういうことを入れて考えるという事務当局の考えでございます。そのように研究しております。
○千葉千代世君 一定期間と申しますと、それは政令か何かで基準を出すのでしょうか、それとも……。
○国務大臣(早川崇君) われわれの考えとしては、やめるときに退職金をもらうために団長になる、いわゆる名誉昇給というものでなければ、それでいいいという解釈でいきたい、こういう考えでおります。
○千葉千代世君 その点もう少し御検討していただきたいと思うことと、もう一つは、団員ですけれども、私きのう長野県に行ったのです、そうしたら消防団員の報償金の制度はたいへんいいことだと消防団長がおっしゃっていた。ところが、出ぞめ式に一回出たきりであと全然出ない方がかなりある。また若い方がほとんどなり手がない。そういう中で、まじめにそのたびごとに出て5、七一生懸命やる人、そういう人もあるが、そういうことはどういうふうに考えておりますかと言われてみて、なるほど、そう言われてみると、そういう実情もある。その点もやはりもう少し御検討の余地があるんじゃないかということと、やはり皆さんが均等にそういう恩恵にあずかるような仕組みでないと――出ないのにもらうことになってはかえって不平も起こるということを聞きましたので、私の申の上げたその点も御検討いただきたいということを、これは要望しておきます。
 もう一つは、大臣が非常にお忙しいと聞いておったのですが、一つだけ消防団員の任務の範囲について伺いたいと思うのです。火災とか災害とか、そういう点については存じ上げておりますが、具体的に申し上げますと、任務を逸脱したところがかなりあるように思います。私、文教委員会に長くおりましたが、たとえば学校の学力テストについて教育委員会と先生方がお話し合いする、そういう交渉のさなかに消防団員が出てきましてそうしてみんな先生方が集まったり何かしている、そこに消防が学校へ水をかけたり何かしていやがらせをする。そうしますと、災害の範囲でも、危険も何もないわけです。それがたいへんございました。四つぐらいの県がございまして、和歌山もたしかやったと思います。それで追及したところが、教育委員会が頼んだのでもなく、消防団が自主的に演習をするのだからと、こういう答弁であった。ところが、何も今まで大体季節的に、恒例に演習しているもので、わざわざ学力テストの日に演習しなければならないという理由もない、子供だましみたいな答弁をしているわけです。これははっきり申し上げますと、消防団長が独断で演習する場合と、地方の村長さん、町長さん、市長さん、そういう方の要請でやる場合と、これはどうなっておりますか、その点、ひとつ大臣から伺っておきたいと思います。
○国務大臣(早川崇君) いま御指摘のような例は、どうも具体的に当たってみなければわかりませんが、ここでちょっと消防団員の法律の範囲、使命を逸脱しておるような気もいたしますが、具体的にどういう事例かわかりませんので、お説のとおりでありましたら、確かに行き過ぎだと思います。
○千葉千代世君 時間がございませんそうで、これは後日に私、具体的な例を出しまして、やはり任務を明らかにしていただきたいということをつくづく感じておりますので、その点についてきょうはこれで終わっておきますが、任務の範囲は……。やはり報償金はたいへんけっこうなことだし、それから日当の増額もけっこうなことです。大いにしなきゃなりませんけれども、地方に行きますと、消防団員がやっぱりその町や村の相当有力者がなっておりますから、なかなかお仕事の範囲を越えている場面もございますようですから、その点について、またあらためて質問いたします。
○松本賢一君 それじゃいままでの質問とは違った内容ですが、消防団一般の問題で、せっかく大臣おいでですからお聞きしてみたいと思うのです。その前に、消防庁の方にお尋ねしたいのですが、現在、消防団というものの全然ない都市はどのくらいございますか。
○政府委員(松村清之君) これは大阪市、岸和田市、それから愛知県の西尾市でございますから、三市でございます。これは消防団が全然ございません。
○松本賢一君 東京都はどうですか。
○政府委員(松村清之君) ございます。
○松本賢一君 それは実際に消防団として活躍しておるわけでございますか、それとも私の感じからいうと、ちょっとお祭りをやるぐらいの程度じゃないかという気がするのですが……。
○政府委員(松村清之君) これはまあ実情をよく存じませんけれども、水防、火災等におそらく出ておると思いますが、特に消防職員が消防に出動した、火を消したあとの残り火の監視、そういうところに消防団が任務を果たしておるのではないかと、こういうふうに考えております。
○松本賢一君 そうすると、全然消防団というものがいなくてもやっていけるということもいえるわけですね。
○政府委員(松村清之君) これはまあ現実に三つの市に例がございますから、そういうこともいえると思いますけれども、しかし、常設消防力だけで十分消防の体制を備えておくということは、財政的にその他の事情で困難ではないかというよりも、むしろ消防団を併置しておいたほうが、消防力の充実、強化のために役立っているのではないかと、まあこういうふうに考えます。
○松本賢一君 そうすると、大臣にお聞きしたいのですが、将来とも、現在二本立てでやっている、少なくとも都市というところにおいては、常設消防を大部分が持っているわけですから、消防団と常設消防との二本立てでやっているわけですね。やはり今長官の言われるように、将来ともずっと二本立てでやっていくのがいいというふうな御判断なんでしょうか、その点一言お聞きしておきたい。
○国務大臣(早川崇君) 私はやはり二本立てでいったほうがいいと思います。
○松本賢一君 そうすると、二本立てにするということは、消防団が必要だということになるわけなんで、そうだとすれば、現在の消防団というものがいかにも中途はんぱな存在のような気がするのですね。なくてもいいじゃないかという声も私は各所で聞くのです。現に私のくにのほうなんかでは、始終その問題が出てくるわけなんで、消防団なんというものは要らないじゃないかという声が、水防とかなんとか人海戦術を特に必要とする場合に出動してもらうために、何かの形で置いておけばいいので、ふだん火災の際に出動するというための消防団は要らないじゃないかという声を始終聞くわけなんですよ。それで、これは技術的にわれわれにはわからん問題ですが、消防団を併置したほうがどうしても火災のために有効だということになれば併置したほうがいいと思うのですが、そうだとすればやはりもう少し財政的にもしっかりしたことを考えていただいて、そして出動すれば出動手当というものも、今のようにもらったか、もらわないかわからないようなものでなく、それからまた出動する際にも、もっとちゃんとはっきり目的のある出動をしてもらって、たたむやみに出さえすればいいのだというような出方でもなく、またおれは出たくないから出ないのだといったようなことでもなく、もう少しそこを、何といいますか、ちゃんとした消防団にして、そのかわり手当はちゃんと出していくというようなふうな形に将来指導をしないと、いつも消防団なんというものは要らんじゃないかという声も出てくるし、現実に火災の現場で常設消防と消防団との間でいろいろなトラブルを起こして、そして常設消防の側からはじゃまになる、じゃまになるというような声が始終出てくるわけなんですね。ですから、そういう点をもっとはっきり確立さしていただきたいと思うのですが、そういった特に財政的な問題を――組織的な問題としては、私はこれは自治体が独自に判断してやるべきことだと思うので、これは自治省のほうからとやかく差し出がましいことはあまりおっしゃらぬほうがいいと思うのですが、少なくともそれに対する財政的な裏づけというようなものは、自治省で大いに考えていただかなくちゃならぬ問題だと思うので、その点についてひとつ大
○国務大臣(早川崇君) 率直に申しますと、義勇消防団もあらゆる面で曲がりかどにきておるということは、私も和歌山県の消防団の大会なんかによく出るわけで、一つは、消防団の幹部クラスはいわゆる軍隊の経験のある人、非常に規律正しく訓練された壮年以上の人が中心になっておられるのです。新しい若い人は、分列行進にしましても、足がばらばらという印象をときどき受けるわけです。そういった面で、いわゆる訓練が足らない、それから戦後の功利主義の思想で、すべてとは申しませんけれども、新しい公共のために奉仕するというモラルがまだ確立しておらない人たちが多いわけでありまして、そういった面で、訓練の面、精神的な面で新しい消防精神というものを確立しなければならない時期が来るのではないか。
 それからもう一つは、先ほど鈴木先生からも御指摘があったのですが、出動手当あたりも、出すんなれば妥当な金額を出すのがいい、しかも、それは何も消防精神をスポイルするものでないので、ごまかしはいけないという問題もあろうかと思います。今度の退職報償金制度も、精神の面からいえば、銀杯だけでもいいということもいえるわけでありますが、そこの調和といいますか、そういう配慮もしなきゃならぬという世の中になってきておるわけであります。そういう意味では、義勇消防団というものを、そういう新しい現代社会といいますか、現在の時点でいろいろ検討すべき問題は私は多々あると思います。今回の退職報償金制度は、そういったものに一つの問題点を投げかけたというように私は考えておるわけでありまして、私自身としては、あくまで長年の伝統ある消防精神というものを生かし、義勇消防団というものをやはり二本立てで残しながら、設備の面あるいはそういった手当や報償金の面で時代に合ったように直していくという方向が正しいのではないかと、かように思っておりますが、何ぶん問題は二百万近い義勇消防団員がおるわけです。財政の面でも割り切って、消防手当というものを現在の日当に引き直して非常に高額にするとか、財政の面の問題もございますから、総合的に検討しなければなりませんけれども、ぜひそういう面からも検討をすべき段階であることには、私は松本委員の御見解もよく御理解できると思っておるわけであります。
○松本賢一君 それで、もう一つお聞きしておきたいのは、消防団というものを常設消防と二本立てにする場合、やはり消防団というものも機械化し、近代化して、独自の消火作業ができるるような形にもっていくのか、それとも常設消防の手伝い役としてどこまでもあれするのか、そういう点が今のところ、どうもまだあいまいなかっこうになっていると思うのですが、そういう点についてはどうですか。
○国務大臣(早川崇君) たとえば五万ぐらいの町なり市の場合には常設消防団の本職がおりまして、設備が相当近代的なもので、それの補助部隊として八割ないし九割近い人が義勇消防団で働いている。こういう姿になっているわけです。これは設備の面では問題はないわけなんで、御指摘の点はもっと村部の、小さい村落の場合だと思いますけれども、これも最近は予算の許す範囲におきまして、消防施設それ自身は団員から強い要望もございます。近代的な消防車その他の購入には相当消防庁として、政府として力を入れているのが現状ではなかろうかと思っております。
○松本賢一君 ちょっと私の質問をお取り違えになったと思うのですが、小さい所は常設消防がないわけなんです。常設消防がない所では、これは消防団そのものを近代化し、機械化していくことはあたりまえだと思うのですが、そうでなく、もっと大きい所、十数万あるいは二十数万といったような都市に結局中途はんぱな消防団がいるわけです。それで火災現場の状況をお話しすると、常設消防のほうがポンプで水かけようとすると、そこへ消防団が行なってやはり自分のところのポンプで水をかけようとする。そのために水圧が落ちてポンプが使えなくなるということが往々にして起こるわけです。それで常設消防のほうからあんなものにポンプなんか持たせては困るといった声も出てくれるわけです。そういった中途はんぱな状態が現在各地にあると思うのです。それでそういう点、やはりこれは技術消防、何というか、消火戦術の上で非常に大きな問題だと思うので、こういう点はもう少し専門技術的な立場からはっきりした結論を出していただいて、そして将来常設消防団との間というものをどういうふうにしていくか、それから、火災現場における指揮命令等もとかく乱れがちで、そしてトラブルが起こるわけですね。そういったようなことについて、これはやはり自治体に対して、何といいますか、自治省としていろんな命令的なことはとれないまでも、専門的なアドバイスを十分与えて、そして将来トラブルが起こらないように、しかも消火作業が理想的に行なわれていくような姿にしていっていただきたいと思うのですが、その点についてひとつ、まあ一言だけでも……。
○国務大臣(早川崇君) 法律上は本職の消防署長の指揮に現場では入るわけでありますが、従来の考えでは設備の面で補助部隊という観念で、本職の消防署よりも設備が悪いという面はあろうかと思います。したがって義勇消防団あるいは本署のあれという差別はなくして、総合的にその設備が充実するように消防庁としても指導していきたたい、かように思っております。
○辻武寿君 この間から非常勤消防団に対する処遇が低いということが問題になっておりますが、先ほど鈴木委員の質問に対して大臣が、自発的に、報酬を求めないのが消消防精神であるから低くてもいいのだというような答弁をなさったけれども、もしそういう精神で大臣がおられるならば、あと低いということを幾ら問題にしても質問する意味がなくなってしまうと思うのですが、これはほんとうに改定する意思というのが十分あるのかないのか、消防精神というものは報酬を求めないから低くてもいいという精神なのか、そうところをもう一ぺんはっきりと再確認したいと思います。
○国務大臣(早川崇君) 先ほどお答えしたのは、低くてもいいのだと申し上げたのではないのでありまして、義勇消防団精神からいいますれば、いわゆる契約によるような報酬は団員諸君としてはお求めになっておらないだろう。しかし国として、また自治体として当然御労苦に対しまして報償する、感謝の気持で金一封あるいは銀杯その他を差し上げる。こういう意味からいえば金額がどの辺が妥当かという面は、従業員と会社とのような関係では律しられない、こう申し上げたわけでありまして、そういう感謝の気持としての報償金はむろん多ければ多いほどいいことについては、私は異存もなければ、当然そうあるべきだと思っておるわけでございます。問題はどの程度までが妥当かということはなかなかむずかしい問題だから検討をしなきゃならぬ、こうお答え申し上げたのであります。
○辻武寿君 自発的に奉仕するのが、消防精神であるということをたてまえにとっているという時代ではなくて、もう求人難にきているのだし、もっと妥当な考え方をすべきだと思うのです。特に消防団員の殉職者賞じゅつ金ですが、これは最低五十万、最高百万、殉職者といえば命をかけたことになるわけです。いかに消防精神で報酬を求めない自発的な精神であっても、命を捨てた者に対して五十万円しか出さないということは、国家の権威においてあまりにも少なすぎるのではないか、最高が百万円にとまっておるということも、ふに落ちないのですが、そういうのはもっとつり上げるべきじゃないかと思うのですが、大臣はどうですか。
○国務大臣(早川崇君) この賞じゅつ金以外に一般の公務災害として七十万ないし百二十万円のお金が出ることになっておりますし、先ほど鈴木委員の御指摘のように、特に危険を顧みず勇敢な者には総理大臣の特別ほう賞の制度に団員も入れたらどうか、こういう御意見でございます。大臣といたしましては、ぜひそれも実現をいたしたい、かように考えておるわけでありまして、なるほど賞じゅつ金五十万円ないし百万円、それだけをとりますと、いかにも少ないようでありますが、そういうものもあわせて総合的にお考えいただきますれば、何といいますか、ある程度の措置は現在もありますし、さらに特別ほう賞を加えますと、さらに充実したものになる、かように考えております。
○辻武寿君 そういう点について特別に考えるのでなくて、あたりまえである。当然であるという考え方にいってもらいたいと私は思うのです。これは要望しておきます。大臣に対する質問は私はこれだけです。
○委員長(竹中恒夫君) 引き続き林委員……。
○林虎雄君 先ほど次長のほうからお答えがあったわけですが、石油ストーブの検査を受けないでも販売ができるということでしたね。
○政府委員(川合武君) そのとおりでございます。
○林虎雄君 あまり神経質にならないでもよいではないかという御意見もあったわけですが、この石油ストーブは非常に現在はんらんしているわけですけれども、このまま放置しておいてもそんなに心配ない、今後、いままで起こったような惨事のようなことは心配ないということですか。
○政府委員(川合武君) 私の申し上げましたのが言い方が悪うございまして、神経質になる必要はないと申し上げましたのは、そう極度に神経質な取り扱いをしないでも安全な構造を持ったような現格のものが出るようなことがわれわれとしては望ましい、言い方は変でございますが、まるで何というかこわいいものにさわるようなことでございますと、非常にその面の知識のある者は別でございますが、いまは普及しまして一般の方もたくさん使っておりますが、そうまるで神経質な取り扱いをしなければならない石油ストーブであるということでは構造上いかがかと、したがって構造の安全度を高める必要がある。したがって検査の規格基準も高めましてといいますか、確実にしますと同時に、検査を受けました合格品を使ってもらうことを私どもは期待しておりますが現在の法律の制度では先ほどの御指摘のように通ったものでなければ売っちゃいかぬということになっておらない実情でございます。
○林虎雄君 石油ストーブばかり出して恐縮ですが、まあ、あまり粗悪なものは売れなくなるということでありますが、大体その一般の取り扱いについては、メーカー側では取り扱いの注意などをこまかく指示するといっておりますが、その指示が足りないようでございますので、取り扱いの指示さえ徹底しておれば、おそらくそういう間違いは起こらないだろうと思うのですけれども、それはそれでけっこうだと思います。そこで、石油ストーブなどは、かりにひっくり返って流れ出て火がついたというような場合でも、水ではいけないわけです。それから最近は、電気の漏電などの火災なども多いようであります。したがって、消防という立場からポンプで水をかけるというだけでなくて、もっと科学的に消火の、たとえばいろいろ薬品なども出ておるようですが、最も効果的な科学的な措置をするような薬品に対して、消防庁ではどの程度の御研究をなさっておいでですか。
○政府委員(松村清之君) お話のような火災につきましては、消防庁の消防研究所で粉末とかあるいはあわ、消火器とか、そういったものも研究しておりますし、また今日では、こういう水でない化学薬品による消火器も市販されております。それで私は石油ストーブ等の火災につきましては、使用上の取り扱いさえ妥当であれば、今日でも石油ストーブはそうたいした危険はないと思いますが、なお、各家庭において万一の場合に備えまして、そういった消火器を備えてもらって、そしてその消火器の取り扱いについても十分熟知する、こういうような態勢に早くなっていくことが望ましいのではないかと考えております。
○林虎雄君 市販されておるものは、薬品などは相当効果的ですか。
○政府委員(松村清之君) 消火器関係には市販の品物が非常に多いわけでございます。しかし、この消防器につきましては、本年一月以降から昨年の法律改正によりまして、消火検定協会の検定を経たものでなければ売れないということになってまいりましたので、その検定に合格した品物につきましては、その効果につきまして十分期待が持てるように考えております。
○林虎雄君 消防もだんだん常設消防が強化される方向にありますし、したがって、消防そのものも科学的あるいは技術的、機動的にならなければならないと思いますが、そういう最高の技術を身につけるといいますか、そのためには消防大学というものがあるわけでございますが、三十九年度の予算にも大学の建築ですか、校舎の建築、四十年度には、さらに寄宿舎等の付属建物の設置の計画などがあるようでありますが、現在の消防大学の実情といいますか、まだ私も見ておりませんので、何とも言えませんが、かなり充実したものでございますか。
○政府委員(松村清之君) 現在消防大学では、本科、専科、別科等の課程を置きまして、長いものは半年、短いものはこれは主として消防団長の方の研修でございますが、半月でいろいろな課程を設けてやっております。これの課程につきましては、それぞれ消防の専門家が教育訓練に当たっておりますから、わが国で最高のものであると思います。ただ、多少残念に思いますことは、消防の特殊性から来るのでありましょうが、学校へ来て研修を受ける人が私どもの期待に反してやや少ないという点でございます。したがって、この点につきましては常に各府県市町村に呼びかけて、今日の消防の科学化、技術化の時代にふさわしい人をつくる必要があるから、できるだけ学校へ来るように呼びかけておりまして、だんだんその点は直ってきておりますけれども、現状では、若干その点に問題が残っているような気がいたしております。
○林虎雄君 いま長官のいわれましたように、府県や市町村から受講するところの人たちが、わりあいに少ないわけですが、これも結局校舎も内容も不十分だというところに魅力のない点もあると思いますが、常設化が強化されていく方向であるとすれば、もっともっと大学を充実していく必要があろうと思いますが、消防庁のほうでは、欧米各国のこうしたもの、大学でありますか、こういう類似のものに対しまして研究されたことがあるか。御視察されたことがあるか。あるいはそれと対比して消防大学の実情はどうであるかという点を承りたいと思います。
○政府委員(松村清之君) 昨年、これは消防研究所の職員でございますが、欧米諸国を回りまして、これは消防全般についての視察でございますが、その人の話等によりますと、向こうのほうと比べてもあまり遜色がないというふうに聞いております。
○林虎雄君 遜色ないということは非常にけっこうだと思いますが、先ほどもそれぞれの委員の方から質問がありましたように、また意見もありましたように、常設消防一本にするという方向がむしろこれからの必然的なあり方じゃないかと思うわけです。そういうことから考えても消防施設、大学の充実強化ということがいよいよ重要だと思っておりますが、その点いかがですか。
○政府委員(松村清之君) 消防職員、常設消防一本ということにつきましては、先ほど大臣並びに私からここで答弁いたしましたように、いまのところは併存という考え方でありますが、しかしできるだけ常設消防力を各市町村に設置し、この常設消防力に今日の時代にふさわしい技術知識を与えていくことは、これは急務であると思います。そこで、消防大学というものがこういう技術知識を与える最高の機関でございますから、この学校を本年度は校舎等も新築し、またその教科内容等においても、新しい時代にふさわしい科目を組んで、近代消防を身につけた消防職員を今後とも養成していきたいというふうに考えております。
○林虎雄君 大体わかりましたが、このいまの非常勤の消防団というものは、長い目で見ればあくまで過渡的な消防団ではなかろうかと思います。いまの社会にただ奉仕だけで、さっき大臣も言われましたように功利主義の現在においては、今の軍隊の経験のあるような人がいるうちは、あるいはと思いますけれども、将来の問題としては、若い人たちが消防団員になって奉仕するというようなことはだんだん少なくなってくるであろうと思います。したがって、今のところはこうでありますけれども、将来はますます団員を募集することは困難でありますだけに、やはりできるだけ早く常設消防に逐次切りかえていく、一本に切りかえていくということが好ましいと思うわけであります。消防団の一生懸命に努力しておる人たちに聞かれるといかがかと思いますけれども、まだまだ江戸の火消し時代の奉仕的な考え方というものがあり、そのためにささえられておると思いますけれども、あくまでもそれは過渡的なものであって、これからは常設一本化に……、欧米各国などは大体一本でございましょうね。
○政府委員(松村清之君) 私もその点関係者に尋ねてみましたが、やはりアメリカにしろ、イギリスにしろ、フランスにしろ、わが国の消防団員のような非常勤といいますか、ヴォランタリーというようなことばを使っておりますが、そういうものが存在しているようでございます。
○林虎雄君 大体終わりました。
○松本賢一君 ちょっと大臣に尋ねたことで、今の林さんの質問にも関連するのですが、どうもちょっとふに落ちないのですね。というのは、今、林委員から常設消防一本にしたほうがいいというような御発言があったわけですが、私、よくわからないのですが、大阪とか岸和田、きつきおっしゃった、こういうところでは消防団がない、そうすると消防団がないために、大阪なり岸和田なりは成績が悪いのですか。
○政府委員(松村清之君) 消防団がないからということで、消防の上で成績が悪いということはないと思います。
○松本賢一君 そうすると、さっき大臣も併設でいきたいと思う、そのほうがいいと思うのだ、この前でしたか、長官からも併設のほうがいいと思うというようなお話があったのです。そうすると、さっき私が言いましたような、いろいろなトラブルが起こるわけです、しろうとの目で見ても。どうも二本立てのためにいろいろなトラブルがそのたびごとに起こる。これはもう消火に差しつかえさえなければ一本化したほうがいいということは、容易に考えられるわけですね。それはやはり大臣も長官も二本立てのほうがいいのだ、消防団というものは将来も必要なんだということは、どういうところにあるでしょうか。
○政府委員(松村清之君) 私は、こういうふうに考えているわけです。消防というものは、市町村の住民がみずから自分たちに関係する火災を消すことに当たる。住民のそういった気持の上に立ってこそ消防というものが十分に行なわれていくのだ、こういう考えに立つわけです。そういう住民が自分たちの消防を自分たちでやる、そういう観念の上に立ちますと、住民の中から、自分たちが一たん事あるときには消防にはせ参ずる、こういう人たちのグループというものが自然にできてくるべきものではないか、それがすなわち消防団という形をとってあらわれてくるのではないか。しかし、さればといって、今日のような時代には、やはり専門的な科学技術を身につけた常設消防力というものを、できるだけ育成強化することが、これが大事なことは当然でございまして、そこに現段階としては、もうひとつ自分の市町村を完全に消防をやっていくだけの、いろいろな財政上の負担という問題もからんでくると思います。そこでやはり、どうしても常設消防力にあわせて、財政的にも現段階では一応限界のある常設消防力を補充する意味で、消防団というものの存在が、これは長い将来にわたればどうかしりませんけれども、現段階ではどうしても欠くことができないのじゃないか。特に、消防団と常設消防力の併置の問題ですが、一般的に小さな町村へ参りますれば、年に火災が一件あるか二件あるかわからないようなところでございますから、そういうところでは、むしろ常設消防力でなくて、消防団というものに依存しなければならないのが現実であろうと思います。そういう意味で私は、遠い将来は別として、現段階においては、消防団の存在というものは、単独で、あるいは常設消防力とあわせて、これが存在するということは欠くことのできないのが現実ではないか、そういうふうに考えているわけでございます。
○松本賢一君 そうすると、今の大阪といったような非常に大きなところだとか、ほかにも二、三あるということですが、そういうところが何か足りないという感じを持たれているわけですか。
○政府委員(松村清之君) 私は、別に大阪市が消防団がないから消防力の上で足らないところがあるというふうには考えません。これは戦後の消防の改革の際に、大阪が常設消防力一本でやるということで、そういうふうにやってきたのだと思います。したがいまして、これはだんだん大都市のようなところでは私は常設消防力が次第に充実していって、常設消防力だけで火災あるいはその他の災害に対する万全の体制ができ上がったというようなところでは、次第に消防団の存在というものが薄れてくるのじゃないかというふうに、遠い将来は見通しますけれども、しかし、現段階では、先ほど申し上げましたように、消防団の存在ということも欠かすことのできないものである、こういうふうに考えているのでございます。
○松本賢一君 これは私のはっきりした意見ではないのですが、意見のようなものを申し上げますと、私はこう思うのです。大阪とかその他の一、二の都市のようにもう常設消防だけでやっていけるという体制をやはり全国的に――火災が一年に一回か二回しかないような農村は一応別として、市街地を構成しているようなところでは、一応常設消防でやっていけるのだというような体制をととのえて、その上で住民が自発的になお万一の事態というものに対応して、何かそこにヴォランタリーな組織をつくっていくということは、これはけっこうなことだと思うのですけれども、そうでなく、常設消防というものを万全な組織につくらないでおいて、そうして何か消防団というものにおんぶしている。財政的にも、その他の面でもおんぶしていくというような形では、私はまずいと思う。ですから、なくてもいいという大阪とか、その他の都市というものは、常設消防に対して、ほかの都市よりもたくさん予算を使っているわけですか。
○政府委員(松村清之君) ちょっとここに資料もございませんが、大阪が東京等に比べて常設消防のために特に金を使っておるというふうには考えませんけれども、しかし、消防団というものがありませんから、それ相当に経費等の面でも意を用いておるということだろうと思います。
○松本賢一君 そうすると、これはかりにそういうところが、ほかよりも消防に対する予算を十分にとっているということだとすれば、それは自治体の財政力自体でやっておるわけなんですね。それに対する自治省としてのいわゆる財政需要とか何とかいうようなものをたくさん見ておるわけじゃないのですね。
○政府委員(松村清之君) これは基準財政需要額におきましては、御承知のように標準都市、十万の都市を基準にして、常設消防、消防団、こういうものについての経費を計算した上で、それを一般的に適用しておりますから、特に大阪だけ見ると、こういうことではないのでございます。
○松本賢一君 そうとすれば、この財政力の豊かなところではほかよりも、もう一そうやれるということになるわけなんで、財政力の貧弱なところではなかなか大阪なんかに追っつくほどのことはやれないということが言えるわけだと思うのですよ。そこで消防団というもののあるなしにかかわらず、一応常設消防というものは、消防団がなくても済むというところまで充実していくということを、全国的にぜひ考えていただきたいと思うのです。現状ではやっぱり不十分じゃないかと思う。おそらく大阪その他の都市というものは、それ以上に相当金を使って充実しているんじゃいかと私は想像するんです。ですから全国的にその線まで引き上げていくということをまず考えていただいて、その上で長官が言われたように、自発的な消防団というものは万一の事態に備えて、存在の理由が大いにあるというふうに、そこまで財政的に――主として財政的の問題として私言うのですが、十分に考えてもらいたいということなんです。
○政府委員(松村清之君) 根本的な考え方においては違わないと思いますが、消防庁のほうでも昨年の法律改正に基づきまして、今度は常設消防力を設置しなければならない市町村を指定したわけです。この指定は率直に申し上げて、それだけで十分な消防体制ができるだけの財政的な裏づけは現段階ではなかなか困難だと思います。しかし、常設消防力のないところへ常設消防力を設置するということで、第一歩を踏み出す、そうして、そういうところではやはり消防団の力というものにもある程度依存しなければならない、こういうのが現状でございまして、行く行く財政が消防のために非常に多くきかれるようになってまいりますれば、大阪市のように消防団に依存しないでもいい、そういうような時代があるいは来るかもしれませんけれども、またそういうことが理想であると思いますが、現実はやはり消防団にある程度依存していかなければならない、こういうのが私は実情ではないかと思います。
○松本賢一君 それじゃまあ要望ということで一応何しますが、大阪その他の都市のように、消防団におんぶしなくてもやっていけるというところまで、全国の都市の消防力、常設消防というものを充実するだけの財政的な手当を、近い将来に、消防団におんぶしなくてもいいというところまで持っていく努力を、ひとつしていただきたいと思うのです。ひとつ、その努力を約束していただけたらと思うのですが。
○清政府委員(松村清之君) 私どもも、そういうことを理想と考えておりますが、これは非常に短時日の間にそこまでいくことは困難だと思いますけれども、できるだけそのために力を尽していきたいと思います。
○井川伊平君 関連しまして一点だけ。常設消防を設けますのにも、人口どれどれの人口、かりに十万なら十万の都市においては一年間に火事が幾つある、そしてその一つの火事の大きさはどのくらいだというような、こうしたような概念をつかんで常設消防の拡充ということは考えるのだと存じますが、日本の建物のように木造が多い。そして風が強い。そうしてみますと、類焼して予想外の大火事になるというようなことは、ヨーロッパ諸国よりも日本のほうが多いのではないかと考えられる。それから、まだ川の堤防等も完成していない地区が日本には多い。そういうことから、水のはんらんというようなことも予想外に大きくなるようなこともある。あるいは地震の多い国であるから、そういう機会に、建物の構造が相当変わりましても、火事が非常に広く大きくなっていくおそれもないとは限らない。こういうような点から考えると、消防力の一般的な充実だけでは不安である、こんなような気持から消防団を存置する必要がある、そういう根拠に、そういう観念が含まれているかどうかを一点だけお伺いしておきたい。
○政府委員(松村清之君) 常設消防力を置きますために、今回市町村を指定することになっておるわけですが、これは現実には、人口の密集地域に火災が起きることが多いわけでございますので、市街地人口が一万以上ある市町村から、いろいろほかの状況を考えまして指定をいたすことにしております。まあしかし、今日いろいろな建物等もできまして、火災の件数は非常に多くなってきているわけでございます。しかしこの常設消防力が充実強化されておるためかとも思いますが、大きな火災になるということはだんだん少なくなっておりますし、一件当たりの損害額も少なくなってきております。がしかし、やはり今日のようないろいろな建物ができてまいりました以上は、私どもは建物自体が不燃構造になり、外郭はもとより、その内部の設備カーテン、天井、床、まあできればその中に置く家具等においても、私はできるだけ不燃、あるいは難燃といいますか、燃えにくい材料を使って火災を起こさないような施設にする、その上にその施設を使う人々が十分火災に注意をする、こういうことが常設消防力を云々するよりも前に大事なことであるというふうに考えております。
○沢田一精君 私は、公務災害補償について一点だけお尋ねなり要望をいたしたいのであります。
 先ほど、辻委員の質問に対して、大臣からお答えがあったことと関連するわけです。たとえば非常勤消防団員が殉職した場合に、消防賞じゅつ金、あるいは規定によります公務災害補償が行なわれるというふうなお答えだったわけですが、具体的に最近の実例で、こまかいことはけっこうですが、殉職した場合に、現実にどれぐらい遺族なりがもらっているかということを一、二最近の例を御説明願いたい。
○政府委員(川合武君) 最近の、私もちょっと数字を……大まかな数字で恐縮でございますが、大体最近の殉職者は、ここ数年といいますか、十年ぐらい平均しますと四十名に達しております。もっとも昨年、一昨年は風水害が幸いにして大規模なものが少のうございましたので、昨年、一昨年には二十何名の数字だったと記憶いたしております。その殉職者に対しまして公務災害の補償といたしましては、先ほど大臣、長官の言われましたように、七十万円から百二十万円近い額がそれぞれの階級別、勤続年数に応じまして、定められました基準に従ってお贈りいたしております。そのほかに賞じゅつ金は、昨年が二名、一昨年が三名お贈りいたしております。賞じゅつ金をお贈りいたします基準は、殉職いたしましたことにプラスその働きによりまして、直接な、具体的な功労があったという条件が加わりますために、そのような数字の差異が出るわけでございます。
○沢田一精君 四十名、殉職者が不幸にして出た。そのうち賞じゅつ金を贈られたのは昨年が二名一昨年が三名という非常に全体の数からすると少ないわけです。それはともかく、いま御説明があったように、七十万から百二十万という金額と、私がお尋ねしたいことは、警察官が殉職した場合、大体一人当たりどれぐらいになるのか、あるいは非常勤でない消防団員、これは公務員法の規定を受けるわけなんでしょう。その場合、大体幾らぐらいになるか、その対比を大ざっぼでけっこうですけれどもお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(川合武君) 公務災害補償の場合は、警察官とほぼ同じ額の取りきめになっております。賞じゅつ金も一般の警察官の場合と同じ額で、これはレベルを合わしてございます。ただ警察の場合は、いわゆる犯罪逮捕を武器を持ってという特殊な場面で殉職しました場合に、特別ほう償金と称せられておる、もう一つ別のものがございます。警察の場合は、その点から言いますと三つあるわけでございます。私のほうは二つ、公務災害補償と普通の賞じゅつ金と二つでございまして、この二つにつきましては警察と同じでございます。
○沢田一精君 特別賞じゅつ金につきましては、先日来、鈴木委員から先ほどまでお尋ねがあったわけです。そのことはよく承知しておるわけなんですが、重ねてお伺いするようですけれども、公務災害補償の基準、それから普通の賞じゅつ金ですね、これは全く警察官と基準は同一であるかどうかということを重ねてお尋ねいたしたい。
○政府委員(川合武君) 普通の賞じゅつ金の場合は警察と全く同じでございます。でございますから具体的に申しますと、風水害等で功労がありまして、消防関係者――なお念のために申し上げますが、賞じゅつ金は消防団員だけではございませんで、消防吏員も同じになっておりますが、いずれにいたしましても、消防関係者が、たとえば風水害で殉職し、功労があったという場合は、警察と消防関係者と同じでございます。公務災害の場合につきましては、ほぼ同じと申しますとおかしゅうございますが、警察官の階級と消防団の階級と違いますものでございますから、全然同じというのではございませんが、正確には、ちょっと忘れまして恐縮でございますが、数年つとめました巡査に一番低い消防団のところを合わせて、そして順次きざみを上につけていく、こういう仕組みで、ほぼ常識的に同じ、こういう考え方のもとにバランスをとってあるわけでございます。
○沢田一精君 先ほど辻委員からも大臣に申しておられたわけですけれども、あるいはまた、そのほかの委員からもお話がありましたが、義勇奉公というか、そういうことでむしろ非常勤であるがゆえに、常勤でそれを職とする人たちとむしろ違って、不幸にして殉職したり、あるいはそれで手足がなくなったりした場合には、むしろそういう常勤の公務員よりも以上に手厚くめんどうを見てやるというふうな私は気持さえあっていいんじゃないかと思うのですが、それがまあこれは私も正確には存じませんが、いま次長がお答えになったとおり、全く警察官と基準がほとんど同じであるというんならまだしもですけれども、どうもいろいろな面で、まだ非常勤の消防団員の場合が待遇が悪いと申しますか、基準が低いような気がしてならないわけなんですが、そういう意味で先ほども要望があっておったようですけれども、今度退職報償金制度というものを創設されたこと自体はけっこうですけれども、やはり公務災害等におきまする将来の補償基準のきめ方等についても、少なくとも一般の公務員よりはむしろ優遇をするというふうな精神でやってもらいたいと思いますが、いかがです。
○政府委員(松村清之君) 私は非常勤の消防団員につきましては、一般の消防職員と異なるところは報酬を求めないというところだけであって、あと、出勤手当、公務災害の場合の手当、この二つだけはどうしても少なくとも一般公務員並み、いまお話のように、できますれば自分の本職としない消防に携わって出動し、あるいは亡くなる、けがをするわけですから、できますならば、それ以上の措置を講ずるということが至当だと思います。まあしかし、なかなか現実にはたくさんの団員を対象としますことでございますから、財政措置も十分行き届かない点もありますけれども、今後できるだけひとつそういう御趣旨に沿って努力してまいりたいと思います。
○沢田一精君 最後に要望しておきますが、先ほどお尋ねしましたとおり、せっかくあります消防賞じゅつ金の対象になる人というものが意外に少ないわけなんですが、こういう基準についてもできるだけ、一命をなくしたわけですから、まあ恩情を持って、せっかくあります殉職者賞じゅつ金というものも、あわせて支給してやるというふうな親心を持って、今後は運営をお願いしたいと思いますが、いかがでしょう。
○政府委員(松村清之君) 私どもも全く同じ考えでございます。ただざっくばらんに申し上げますと、そういう考えを持っておるんでございますけれども、実はこれを出す場合に大蔵省当局と協議をするようになっておりまして、そこで非常に厳重に査定を受けておるのが実情でございます。したがって、この予算はあるのでございますけれども、その予算の何割ぐらいしか現実に出していないというのが実情でございまして、この点は今後御趣旨のようにできるだけたくさんの人に賞じゅつ金がまいりますように、せっかくいま努力しておる最中でございます。
○辻武寿君 もうちょっとお聞きしますが、最近は近郊町村に大きな団地が続々できているわけです。いままで一軒々々個別になっておったのが集団アパートのようなものになってきておりますし、そういうときに火災に対するのに、いままでどおりであってはならないと思うのですが、それに対する消防組織、消防方式というものはどういうふうになっておるか、対策があるのかどうなのか、その点をお聞きします。
○政府委員(松村清之君) 小市町村でもそういうふうに火災のおそれのある対象がどんどんふえておるようなところにおきましては、一番望ましいのは、その市町村で常設消防力を充実強化していくことでございますが、財政等の理由でそれができないところでは、近隣の市町村と消防の一部事務組合をつくって、これに当たっていく、こういう方法をとることを勧奨しております。特に、私は最近におきましては、そういう市町村が、大都市、中都市というもので常設消防力をすでに十分備えておるところの周辺にある場合には、協定を結んで、大都市なり中都市が周辺の市町村の応援に出かけていく体制をしくようにと、こういうことを現在勧奨しておるのでございます。
○辻武寿君 そういった意味においても、常設の消防力をもっと強化しなければならないと思うのですが、特に、最近の建築材料は化学薬品を使っておるものが非常に多く、その建物が燃えた場合、相当に毒ガス等が発生する場合がある。去年も西武デパートが燃えたときも目をやられた消防団員が相当あったということを聞いているのですが、そういう毒ガス等の発生する場合、消防のほうではどういうことを考えているのですか、対策が着々と進んでいるのかどうか。
○政府委員(松村清之君) お説のように、今日の建物の中には化学繊維等を使っておりますために、カーテンその他の家具等が燃えました場合に、有毒ガスの発生ということが多くなっております。これに対しましては、すでに大都市の消防当局におきましては有毒ガスを防ぐためにマスター防煙マスクといいますか、防毒マスクといいますか、こういうものを準備しておりまして、それを使って消火作業に当たる、こういうような態勢にしております。
○辻武寿君 いまの答弁ではマスクを使ってやるようにしているというけれども、なかなか実際の火災の場合にはうまくいっていないときが多いように思うのですがね。
○政府委員(松村清之君) このことは最近のことでございまするので、あるいはまあ、いまお話しのように、西武の火災の等においてはそういうところに足りない点があったかと思います。いまこういう点につきましては着々準備を進めておりまして、今後はそういうおそれのある場合には、防煙マスク、防毒マスクにことを欠かないような、そういう態勢をいまつくり上げつつあります。
○辻武寿君 最後に、救急車のことについてお聞きしますが、先日、仙台に行ったときに、救急車が足りないということで、非常に消防署が問題にしていると聞いたのですが、救急車というのは、人口に対して、あるいは消防車何台に対して……、どういう割り当てになっているんですか。
○政府委員(松村清之君) この救急車のことにつきましても、昨年の消防法の政正によりまして、この四月十日からは政令に基づく告示で指定された、これは現在百五市を予定していますが、これにつきましては義務になります。これはいま十万以上の都市というものを考えておりまして、全国で百五市になります。これにつきましては、財政上の裏づけとしましては、人口十万について一台、そして十万を増すごとに一台、こういうことで財政上の裏づけをしておりますが、あるいは現実にはお話のように十分であるというふうには申せないかもしれませんが、とりあえず、この出発にあたっては、そういうような計算で財政措置をしてまいっております。
○辻武寿君 十万に対して一台というのは、どういう点から割り出されたのですか、基準は。
○政府委員(松村清之君) これは大体十万くらいの人口を持っておるところでは救急業務というものが必要であろう、そこで最低限度一台はどうしても必要ではなかろうかということで、最低という意味で一台とやったわけでございまして、これはこれで十分であるとは申せないので、今後財政の許す限り必要な裏づけをしてまいらなければならないというふうに考えております。
○辻武寿君 これは、ほかのことと違った、人命に関することですからね、各市町村において非常に救急車が足りないという声は切実なるものがあると思うのです。単に十万人に一台あったらいいんじゃないかという大ざっぱな割り出しじゃなくて、もう少し調査して、もっと財源も獲得して万全を期するように努力してもらいたい、指導してもらいたい。こういうことを強く要望して、私の質問を終わります。
○委員長(竹中恒夫君) 速記をとめて。
 〔速記中止〕
○委員長(竹中恒夫君) 速記を起こして。
 本日は、この程度にいたしたいと存じます。次会は、二月十三日(木曜日)午前十時開会の予定でございます。
 これにて散会いたします。
   午後零時三十三分散会
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