第046回国会 地方行政委員会 第8号
昭和三十九年二月二十日(木曜日)
   午前十時三十八分開会
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 出席者は左のとおり。
   委員長     竹中 恒夫君
   理事
           西郷吉之助君
           西田 信一君
           松本 賢一君
           市川 房枝君
   委員
           石谷 憲男君
           沢田 一精君
           館  哲二君
           松野 孝一君
           鈴木  壽君
           林  虎雄君
           辻  武寿君
           基  政七君
  国務大臣
   国 務 大 臣 早川  崇君
  政府委員
   警察庁長官   江口 俊男君
   警察庁保安局長 大津 英男君
   自治省税務局長 細郷 道一君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       鈴木  武君
  説明員
   警察庁刑事局
   捜査第二課長  関根 広文君
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  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○地方税法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○風俗常業等取締法の一部を改正する
 法律案(内閣提出)
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○委員長(竹中恒夫君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 初めに、参考人の出席要求についておはかりいたします。風俗営業等取締法の一部を改正する法律案の審査のため、来たる二月二十五日午後一時、参考人として、東京都公安委員長の堀切善次郎君、毎日新聞論説委員五島貞次君、東京都喫茶業環境衛生同業組合理事長斎藤頴夫君、中央青少年問題協議会委員増谷達之輔君、東京都婦人相談員中村聖子君の五君から意見を聴取するため参考人として出席要求することとし、日時、人選等、委員長に御一任願いたいと思います。さよう決することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(竹中恒夫君) 御異議ないと認めます。
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○委員長(竹中恒夫君) 本日は、地方税法の一部を改正する法律案並びに風俗営業等一部改正案について、午前、午後にわたり審査を行なう予定でございます。
 初めに、地方税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑を行ないます。御質疑の方は、順次御発言を願います。
○鈴木壽君 この地方税法の一部改正案でございますが、三十九年度分の固定資産税に関する特例として、附則をいろいろ変えるようでありますが、そこで、こうしなければならない理由について、まず一通りお話を願いたいと思います。
○政府委員(細郷道一君) 固定資産税と都市計画税につきましては、昭和三十九年度分から、新しい評価基準によります評価が行なわれるわけでございます。これに伴いまして、新評価をそのまま税額に移すかどうか、その点につきましては、いわゆる負担調整の措置を講ずる考えであります。このために、負担調整の措置内容につきましては別途御審議をいただくよう、ただいま法案の準備をいたしておりますが、さしあたりまして、課税の円滑化をはかりますためには、固定資産課税台帳の縦覧期間等を延期するということが必要であろうと、こう考えるのでございまして、そういう意味合いにおきまして、この法案をお願い申し上げる次第であります。
○鈴木壽君 今度、ことし、三十九年度から新しい評価による固定資産税の課税が行なわれる。しかし、その新しい評価による課税が行なわれるわけでありますけれども、税負担の調整をはかる必要がある。その作業をやっており、なおそれに、そういう内容を含んだ法案が出てくるんだが、そういう負担の調整を行なうために、いまの時点では、三月一日から行なわれる現在までの法による縦覧期間なり、そういうものをそのままやったんでは、いわば混乱が起こるんだと、こういうことでございますか。
○政府委員(細郷道一君) 現行法では、御承知のように、三月一日から二十日までを台帳縦覧の期間の一般原則にしておるわけでございます。今回、特に法律でそれを一カ月延期をしたいという点は、先ほど申し上げたような趣旨からでございますが、具体的には、負担の調整の姿というものがはっきりした上で台帳の価格を見ていただくほうが、納税者にとっても、いわばめどのついた価格を見られるということもございますし、また反面、実務の面におきましても、台帳の登載並びにこれが縦覧をやはり負担調整の姿がわかった後において見てもらうほうが、課税事務上の円滑化もはかれるのじゃないか、こういう意味合いにおいてお願いをいたすものであります。
○鈴木壽君 調整の内容等まで台帳等には何も記載はしておらぬはずなんですが、台帳は一体どういうことを載せて、それを縦覧させるのです。
○政府委員(細郷道一君) 原則的には、価格を載せておるわけでございます。
○鈴木壽君 今度の新しい制度によって評価がされた、その価格を台帳に載っけて、それを縦覧させる。たとえば、鈴木なら鈴木の土地がどれくらいに評価されておるのか、家屋はどうなのか、こういうことだと思うのですが、そういうふうに理解をしておるのですが、それでよろしゅうございますか。
○政府委員(細郷道一君) 土地でありますれば、地目、価格、そういったことでございます。
○鈴木壽君 それが台帳に載せられてある、それが将来いわゆる税負担としてどうなるのか。いま、あなた方おっしゃるような、いわゆる調整というようなこと、こういうこととは一応私は切り離して考えてしかるべきものじゃないかと思うのですが、それはどうなんですか。それがなければ、具体的な調整等のことがわかっておらなければ、縦覧したって住民も困るじゃないかということは、ちょっと私はそういうことでないと、切り離して考えていい問題だと、評価は評価、さて、この評価に基づいて実際に課税をする場合に、どういう姿に課税されるのか、まあかりに率が変わるのか変わらぬのか、あるいはその他の調整が行なわれるのかどうか、これは別の問題として一応切り離してやっても差しつかえないものじゃないか、私はそう思うのですが、いかがですか。
○政府委員(細郷道一君) 確かに、台帳は価格を登載して、この価格についてよろしいかどうかというのを納税者に見てもらうという意味で縦覧に供するものでありますから、その限りにおきましては、御指摘のとおりであろうと思います。ただ、御承知のように、新しい評価によりまして、土地特に宅地等につきましては、かなりの評価の増が予想されるわけでございます。その評価の増につきまして、これをそのまま税負担に求めていくかどうかということにつきましては、政府の税制調査会においてもいろいろ議論がございます。恒久的な措置は後に延ばして、とりあえず、次の基準年度までの間の暫定措置を負担調整措置としてきめていこう、こういうことに税制調査会の答申も出てまいったわけでございまして、政府におきましても、その線に沿った負担調整案を別途御審議をお願いするわけでございます。そうなってまいりますと、納税者にとってみますれば、新しい評価額というものと、やはりそれに伴います自分の税負担というものとの関連も、一応そこで考えながら新評価の是非の判断をしていくということが親切な措置ではなかろうか、かように考えて、今回お願いをいたしておる次第でございます。
○鈴木壽君 実際問題としてあれじゃないですか。その評価基準が示され、それによって一月一日を土台にして評価するわけなんですが、作業の面で各市町村においておくれておるから、だから三月一日に間に合わないのだ、こういうことじゃないんですか。
○政府委員(細郷道一君) 各府県並びに市町村の作業の状況は、それはいろいろでございます。ただ、現在私どもが調査をしておりますところでは、土地につきましては、そのほとんどが二月中に終わるのでございますが、一部につきまして若干三月に入るところもございます。現行の法律で参りますと、三月一日から二十日までというのが一般原則になっておりますが、市町村の特別な事情がございますときには、その時期を三月二十一日以後に設けることもできるようになっておるのでございます。四百十五条の規定でございます。したがいまして、個々の市町村の作業の状況に合わせて台帳縦覧の時期を定めるといたしますれば、個々に、あるものは十日ほど延ばすとか、五日ほど延ばすとかいうことは可能でございます。ただ、今回の場合に、そういった全般的な態勢もございますが、あわせて、先ほどから申し上げたようなこともございまして、特に法律で、一斉に時期を一月ずらすというようなことを考えておる次第でございます。
○鈴木壽君 局長のお話ですと、やはり作業そのものよりは――作業は、私がお聞きしたように、おくれているのじゃないか、そのために、間に合わないために、時期を三月一日からというのを四月に延ばすのじゃないかというふうにお聞きしたところ、いや、それもあるのだが、しかし、最初にお述べになったような負担の調整の問題等、そういうものを特に考えなければならぬから、そういうものがわかった上で台帳を見れば住民がかえっていいだろう、こういうことのために延ばすというような、重点は調整のことについてのほうに置かれておるような感じがするのですが、私は、さっきも申し上げましたように、調整の問題はもちろん大事な問題で、新しい評価によって一体自分のところの土地なり家屋なりがどうなったのか、これは非常な関心事でありますから、むしろそれがここではっきりこうなったのだという、そのことの縦覧をやって、あとの調整の問題はその後どういうふうになるのか、これは関心事でありますけれども、そのために縦覧の時期を延ばすのだということにはちょっと理解しかねるのです。お話のように、作業がおくれているところもある。しかも、そのおくれているところというのは、わずかなところでなしに、全国的に見て、相当これは仕事が間に合わないところがあるのだ。こういうことであれば、こういういわば切りかえのときですから、私は、ある程度縦覧期間を従来の法できめられている、四百十五条にきめられているそれを延ばすことも、これはやむを得ないと思う。しかし、あなたのは、それよりもむしろ重点を別のところに置いて考えられているというふうな御答弁のようでございますから、どうも私、そこはちょっと理解しかねますがね。納期のことについてなら、私また、こういう切りかえのときですから、ある程度理解もできますけれども、どうです。縦覧期間の問題で、こういうふうに一律に法の改正をやって延ばすということですね。私はどうも理解し得ないところなんですが……。
○政府委員(細郷道一君) 先ほど御指摘のように、全国三千幾つの市町村でございますので、その中には、若干従来よりは事務のおくれているところもあるわけでございます。そういった面でも考えなければいけない問題ではございますが、特に法律的に全国一律に一月延ばすということには、その事務の進捗の状況と、先ほど来申し上げておりますような、負担調整内容の確定を待って台帳の縦覧をするほうが、納税者にとっても親切な措置ではないだろうかというふうに考えているわけでございます。
 なお、台帳縦覧の期間を一月延ばすことに伴いまして、第一期分の納期も、現在第一期分が四月になっておりますものも、一月ずらして、五月を第一回の納期にするというようなことも、この法律案の中でお願いをいたしている次第でございます。
○鈴木壽君 そうすると、調整のそれは、はっきり言えば、地方税法が通らない限り、今度の新しい改正案が通らない限りはっきりしないということになりますね。それまでやはり縦覧を差し控えるべきだ、こういうお考えなんでしょうね。いかがでしょう。
○政府委員(細郷道一君) 大体そういうふうな考えでおります。
○鈴木壽君 私、自分の意見を先に言ってしまって、どうもこれ以上お尋ねすることもなくなったので、いまの縦覧の期間を延ばすということについては、平行みたいな形になってきたのですが、どうも私は、台帳は台帳として縦覧させて何ら差しつかえないものである、あと法で、新しい改正案によって、いろいろ国会でやって、その上で調整の具体的なことがはっきりする、その際に税金がどうなるか、それがそのときにわかったつで何ら差しつかえないものだと思う。むしろ、いま住民の関心は、評価そのもの、新しく評価されるそのものが一体どう評価されるかということが非常に大きな問題になっているのですね。調整とか何とかということよりも、評価そのものが一体どうなるのか、こういうのが一番大きな問題なんであって、むしろ新しい評価をこういうふうに評価したんだ、農地においてはこうなるんだ、おれのうちのたんぼはこうなるんだ、おれのところの宅地はこうなるんだと、こういうことをやはり縦覧させて知らせることが、いろんな問題についての、これからの調整等の問題等にもこれはからんでくる問題ですから、むしろそういうことが先に行なわれるべきだ。先に行なわれるというのはおかしいが、従来どおりやっておいて何ら差しつかえないものだと、こういうふうに思うのですがね。そうして、さっきもちょっと言ったように、いろいろ調整等の問題があって、実際の賦課、納期ということについては、切りかえのこういうときであるから、新しい評価もされるし、あるいは具体的なこういう調整も行なわれるんだというようなことで、そっちのほうは、場合によっては時期をずらして、四月のものは五月あるいは六月というふうにずらせることもやむを得ないのではないか、こういうふうに思うのですがね。まあ意見が先になってしまったのですが…。
○政府委員(細郷道一君) 法律的には、おっしゃるとおりに、価格の台帳縦覧ということで、賦課は賦課、別のことでございます。しかしながら、納税者の気持になってみますれば、やはりその価格を見ることは、その価格自体が適正であるかどうかということと同時に、やはりこれによって自分のところにどれだけの税金がかかるであろうかということも頭に描きながらこの価格を見てまいると思うのでございまして、そういう意味合いにおきまして、やはり負担調整、来年の実際の自分の税額はどれくらいになるであろうかということもある程度わかる状態において台帳を見せるほうが、むしろ課税事務上も円滑にまいるでありましょうし、また納税者にとってもいわば親切な措置ではなかろうかと、こういうふうに考えておる次第でございます。
○鈴木壽君 大体住民の方々は、来年から新しい評価になるんだということで、非常に心配をしているのですね。その結果、税、特に土地とか、そういうものの税金がはね上がるのではないだろうかという心配を持っているのです。ですから、あなたのおっしゃるように、調整の具体的なことがわかってから縦覧をするということも、私は一つの意味であると思うのです。そういうこともあり得ると思うのですが、しかし、だからといって、いまの時点でも、かりに三月から行なわれる大体政府の、何といいますか、調整の具体的なこともわかってきたし、法の改正案もいま出ている。しかも、 まあこれは、そういうことまで言ってはあるいは悪いかもしれないけれども、おそらくいまのこういう国会においても政府原案は通るでしょう。みんな国民だってそう見ていますよね。もうわかっていますよ。あなた方の方針なり、今回のいま出ている改正案のこまかいことまではともかく、たとえば、農地の場合は去年の据え置きにするとか、あるいは、その他の土地の場合は二割増し程度に押えるとか、これはわかっていますよ。だからそのことが、法が通る通らない、その時期を待たずとも、いま言ったように、実際のこの問題としてはもうわかっている、そのことがいいとか悪いとかは別にして。ですから、いまさら住民が、法がちゃんと出てやらなければどうかというようなことで、台帳見る目が違ってくるんじゃないと思うんです。そういう実際上のことからいっても、私は、別にこの縦覧期間を特に一カ月ずらすということもないと思うし、それが、前に言ったように、全国的に見て、どうしても作業がおくれておるんだと、これは去年からいろいろやっておりますのですが、中にはおくれているところも私承知しております。評価基準が出たのは昨年の十二月二十五日、それまで、ああでもない、こうでもないとやっておったんですが、やはり新しい評価基準が示されたために、それから今度やって、一件一件いろいろな事情がありますから、実際の仕事はおくれておるところがあるんですから、そういうおくれておることのために、いわゆる完全な台帳をつくるというようなことができないという事情であるとすれば、その面からの法的なこういう措置をして、縦覧期間を先へ持っていくというようなことも私は必要だと思うんですね。どうもちょっと、私はおかしなことをやるものだと思うんですがね。どうです。
○政府委員(細郷道一君) 現行法でまいりますと、三月一日から二十日までの間に台帳を見せまして、その間その価格につきまして異議がなければ、そのままの価格が確定してまいるわけでございます。そうしてそれによって税が賦課されてくるわけでございます。今回の場合には、価格自体が評価の改定によりましてかなりの変動がございます。しかも、いずれお願いをいたします負担調整では、そのままの価格による税負担を直ちに求めるわけでございませんので、やはりその措置自体もある程度わかった段階において台帳を見せていくほうが納税者に対しても親切なことではなかろうか、かように考えておるのでございます。
○鈴木壽君 現行法の四百十五条で、「災害その他特別の事情がある場合においては、毎年三月二十一日以後に従覧期間を設けることができる。」、これは、市町村段階において、いわゆる権限としてそういうふうにあるわけなんですが、今回の場合のように、新しく評価がなされると、特に農地等の場合には、従来の評価の方法を変えたやり方をやっておりますね。それによっていろいろ、何といいますか、問題と言っちゃ少し悪いかもしらぬけれども、従来の評価とがらりと変った方式によってやったために、いろいろ問題が起こっておるんだが、そういうことのために、さらに、調整の問題等もはっきりしないんだというような場合に、縦覧期間を三月一日からでなしに、三月二十一日以降にするというようなこと、これが、「その他特別の事情がある」んだというようなことに該当するかしないか。ちょっと回りくどいようなことを申し上げたのですが、いま私が申し上げたことを御理解いただけますか。新しく、根本的に、一つの農地等について見ますと、これは、評価のしかたとしては根本的な変え方ですわね。従来の収益還元方式から、今度は売買価格によってやるというような、非常に大きな変化であります。その変化に伴って、事務的にも、あるいは実際の税の負担というような面における調整問題等も、だいぶ問題があると、そのために三月一日からの縦覧期間、これを、そのままやることによってはどうもうまくないから、この法にあるように、三月二十一日以降にやってみたいと、こう考えて、市町村長の権限においてそれを行なうと、それは「特別の事情がある」から、そういうふうにしたんだということになるかならぬかと、こういうことなんです。
○政府委員(細郷道一君) この四百十五条のただし書きに該当するかどうかということは、個々の市町村がこれをきめていくことになるわけでございます。その事由として、「災害」といったような特殊な事由、また「その他特別の事情がある」というのは、従来でも、そこの市町村限りの事情で、台帳の縦覧が三月一日にやることができない。たとえば、従来でありますれば、評価基準に準じて市町村が評価をすることになっておったわけでありまして、その場合、評価基準に示された方式どおりの評価の方法を採用していなかった市町村が、たとえば、評価基準に示された方法によって、たとえば路線価方式によってやるといったような場合に、その仕事の都合によって、その団体で、「特別の事情」として台帳縦覧の時期をずらすというようなことは、考えられる事案であろうと思いますが、ただ、これはあくまでその市町村個々の事情による場合でございまして、今回のような、全国的な評価基準の改訂によりますものは、この「その他特別の事情」には該当しないと考えまして、今回、特に立法措置で、一月の延期をお願いしている次第でございます。
○鈴木壽君 幾らこの問題についてやっても、これはどうも、あなた方も簡単に、やってもいいんだとは言えないでしょうし、この点、その問題についてはよしましょうか。
 それで、現在のあなた方が把握しておられる新しい評価改訂の作業の進みぐあい、どうですか。各府県なり町村ごと、何かとっておられますか。
○政府委員(細郷道一君) 一応各府県ごとに、一月末現在の進捗の状況をとったものがございます。それでまいりますと、土地につきましては、二月中に全県完了する見込みになっております。それから家屋につきましては、二月中に完了するという県が十四県、それから、三月の上旬にかけて終わるであろうというのがあとの府県、こういう進捗の状況でございます。ただこれは、府県の目で見た市町村ごとの進捗状況を見ておりますので、ある県の県下の全市町村が一斉にそういう時点で事務が進んでおるというようなことではございませんが、大勢観察としては、こんなふうな状況でございます。
○鈴木壽君 そうすると、土地については、二月中に全部の市町村が終わる見込みだというのが一月末の県の集計なわけなんですね。それから、家屋は二月中に終わるという見込みのものが十四府県、それからあとの三十二になりますか、これは、この中に都が入っているか、道が入っているか、わかりませんが、三十二府県は三月上旬に終わる見込みだ、もちろんこれは、全部が終わらないということじゃなくて、終わらない町村もあって、全部足並みがそろうのが三月上旬だということだと思うのですがね。これは一月の末ですからね。作業そのものにもう少し、何といいますか、一生懸命になってやってもらえば、三月上旬のやつは二月の末だってできないことはないわけですね。こういう状況だと、私、自分のほうの県の様子を二月の初めに聞いたときには、もう二月中にはみなできるのだと、こういうふうなことを言っておったのですが、私は、狭い自分の目の届くところだけしか聞いておりませんが、大体二月中にできるのだ、こう言っておりましたけれども、三月上旬という、大部分の三十二府県が残っておるようでありますが、これでも、もっとスピードをあげることによって二月中にできたのじゃないだろうかと、私は心の中で思っておったのですがれ、そうすると、二月中にやるためには無理をしているところもあるようであります。無理と言っちゃ少し悪いかもしれないが、一生懸命やったのだと、こういう市町村がかなりあるようでございますが、ともかく二月中に終わるのだという話でしたから、そういうふうに、もう少もそれこそ気合いをかけてやれば私は終わったのじゃないだろうかと思うのですが、そうしますと、私は、そういう時点においては、さっきからの繰り返しになりますが、何もこの時期を別にこういうふうに法の改正によって延ばすというようなことが必要ないのじゃないだろうかと、こういうふうに思っておったわけでありますが、それはそれでよろしゅうございます。
 それから、具体的にお聞きしますが、土地の中にも、農地なりいろいろあるわけでありますが、そういうものが、あなた方把握しておる今の状況からして、特に農地の場合、その他の土地、あるいは宅地、こういう評価が従来のやり方と変わった、農地はどういうふうな評価が傾向として現われてきておるのですか。たとえば、これは一々の、何円のものは何円になったのだという評価は評価として、傾向としては、どの程度高くなったのか、安くなったのか、こういうようなことはどうですか。
○政府委員(細郷道一君) 従来の評価と、均衡化をはかるという意味をもっての評価がえでございますので、もちろん、相対的に下がるものもあるし上がるものもあるわけでございますが、全体の傾向といたしましては、いま全部の市町村のをとってみないとわかりませんが、大体、私どもの見通しといたしましては、農地につきましては、従来の評価の一・二倍ないし一・四倍といったような傾向になるものと考えております。
○鈴木壽君 その他の土地、それから家屋等についても、この機会ですから、一通りお話していただけませんか。
○政府委員(細郷道一君) それから、宅地につきましては六ないし七倍程度の上がり方。それから、山林につきましては三ないし四倍程度の上がり方というような状況でございます。
 なお、家屋につきましては、おおむね従来どおり、横ばいでございます。
○鈴木壽君 これは、農地の場合は、収益補正率をかけて、こういうところになったのでございますね。いかがでございます。
○政府委員(細郷道一君) 農地につきましては、限界収益補正五五%をかけた結果でございます。
○鈴木壽君 そうすると、農地の場合は一・二倍ないし一・四倍。山林の場合においては三倍ないし四倍。宅地は六倍ないし七倍。家屋は大体従来どおり、横ばいの状態だ。こういうふうにお聞きしましたが、それでよろしゅうございますか。
○政府委員(細郷道一君) そのとおりでございます。
○鈴木壽君 そこで、農地の評価がえでございますが、これは、あの評価制度の審議会ですか、調査会ですか。ちょっと私、正確な名前をいま言えませんが、その答申に基づいて、従来の評価方式を売却額によってやるべきだということになったと思うのですが、私は、実は農地等の場合において、いわゆる固定資産税のための評価ですよ。それをやるには、あの答申のそれがはたして適当なものであるかどうかということについては、根本的に問題があると思っているのですが、その問題をいまさらどうのこうのと言っても始まらぬと思いますが、その五五%のいわゆる調整の率をかけても、これは相当な、高いところは一・四倍ということになっておりますから、現在のこの率でやられますと、相当これは高い税金をまた負担しなければならぬということになると思うのですね。それで、農地の場合、あるいは山林、宅地等の場合、具体的に調整をどのようになさるつもりなのか。これは別に法案もあるわけでございますが、考え方として聞いておきたいと思います。
○政府委員(細郷道一君) 田または畑、いわゆる農地につきましては、前年の税負担額をこえるものについては、前年の税負担額にとどまるというような措置を考えております。
○鈴木壽君 あなたがたは、こまいところまであるいはお調べになっておらないかもしれませんが、農地で、従来の評価価額より下がったというようなところはございますか。どの程度に下がって、それがどのくらいあるのか、もしわかっておりましたら……。
○政府委員(細郷道一君) 個々具体の土地について、全部を調べて集計したものは持っておりませんが、今回の評価の方法によって各県に一つずつ指定市町村をつくりまして、それをバランスの基準の市町村にいたすわけでございますが、その指定市町村についてみますと、田につきましては、従来の評価額を下回ったものが千分の十三、畑については千分の四十六と、こういうような数字が出ております。
○鈴木壽君 ぼんやりした話ですが、あなた方だって、名市町村の、また各地区ごとのはつかまえておらぬだろうと思うし、ちょっと手に負えない問題ですから、私はそうこまい意味でなしに、下がったようなところ、相当ありますか。
○政府委員(細郷道一君) い申し上げましたように、指定市町村について見てまいりますと、地積についてその程度、まあいわばその面積のところは下がっておるということでございますので、全国、ほかも同じ傾向かどうかわかりませんが、下がったものがあるわけでございます。ただ、全体として見ますれば、先ほど申し上げましたように、そのウェートはかなり低いものでございます。全般の上がり方としては、一・二ないし一・四倍というようなことになろうかと思います。
○鈴木壽君 一・二倍とか一・四倍の上がり方というのは、これはもちろん平均しての話でしょうが、最高がやっぱり一・四倍だということですか。それとも高いところは……。
○政府委員(細郷道一君) もちろん高いところは、それをこえるものがあるわけでございます。それで、先ほども引例いたしました指定市町村におきます総評価見込額、その市町村内におきます総評価見込額を三十八年と三十九年について比べてみますと、田につきましては全国平均で一・三六倍、それから畑については一・三二倍といったような数字が出ておるわけでございます。これをこの指定市町村におきます評価の基準になった基準地、そういったようなものが、その県内におきますバランスの一つの基準点にもなっておることから考えますと、全国的な傾向として、先ほど申し上げたようなことになるという見込みでございます。
○鈴木壽君 そうするとこの場合に、まあ一・二倍ないし一・四倍に平均なるんだと、こういうお話でありますが、さっきのお答えの中に、農地の場合は、昨年の税より上のほうは、昨年の税に押えて上げないんだと、こういうお話がございましたね。その場合に、この新しい評価価額によって税率をかけ、そして昨年の税額と比べてみて、高いものは昨年の税額で押えるんだと――あるいは安いものが出てきますね、いまのものからいって、若干であろうとも安いものが出てくる。あるいはまた、その地区においても、各個人ごとに当たってみますと、若干安いという税額が出てくることがあり得ると思うんですね、理論上。その場合には、安い税金を新しい評価価額によってはじき出す、安くなった場合には、これも昨年並みということなんですか。それとも、安いものはそのままの新しい税金でやると、こういうことなんですか。どうなんですか、その点は。
○政府委員(細郷道一君) 一筆ごとに前年と比べまして、前年の税額を上回るものについては、前年税額にとどめるわけでございますので、下回るものについては、そのまま下回った税額になると、こういうことでございます。
○鈴木壽君 山林の場合は、三倍ないし四倍と、こういうふうなお話ですが、この場合、何か調整措置を考えておられますか。
○政府委員(細郷道一君) 農地以外の土地、すなわち宅地、山林その他の土地につきましては、前年の税額の一・二倍をこえるものについては、一・二倍にとどめるという考え方でおります。
○鈴木壽君 税制調査会では一・三倍程度にとどめるべきだという答申を出しておりますね、とりあえずの答申というので、昨年の暮れそういうものが出ましたね。これとの関係は、あなた方どういうふうにお考えになっておられますか。
○政府委員(細郷道一君) 税制調査会で三割というのが出ておりましたが、審議の過程におきましては、必ずしも三割というものを絶対的なものという考えで出されたものではございませんです。要は、恒久的な新評価による税負担の求め方は、なお検討をする。しかし明年度――昭和三十九年度において税負担を求める場合に、従前と税負担の面で激変がないようにというので、一応三割というような答申が出たわけでございますが、この割合については、それほど絶対的なものとしての数字ではございませんでして、私どもといたしましても、税制調査会のそういう御趣旨をくみまして、従来の基準年度におきます評価の上がりに伴う税負担の増といったような事例も参酌いたしまして、これを二割ということにいたしたいと考えておるわけでございます。
○鈴木壽君 家屋は横ばいだといいますから、これはもちろん、個々によってさまざまの様相があると思いますが、総体においては大体従来どおりの税金でいいのであると、しかもその税金の総額も変わらないのだと、こういうことだと思うのですがね。そうしますと、いままで、昨年あたりあなた方は、今回の評価改訂は、税負担の増大をするつもりはないのだ、そういうのが目的ではないのだ、固定資産税の総額においては変わらぬのだ、変えないようにするのだと、こういうことをしばしばおっしゃっておったと思うのですが、農地は昨年並みに押える、高くなってくる人があっても、それは昨年どおりにする、低い人が若干出るかもしれませんが、この面においては全体としては、農地に関する限り固定資産税の額はあるいは多少減るかもしれませんね。そうしますと、これはまあいい。それから山林、宅地、いわゆるその他の土地においては、一・二倍、評価そのものも三倍ないし四倍、あるいは六倍ないし七倍というのですから、これは当然ふえるのだが、それを一・二倍に押えると、家屋は横ばい、償却資産の問題をここから除いて考えると、それだけでは総体において固定資産税の額は増税になりますね。そうしますと、償却資産のほうは、これは下がるということをあなた方は見通しておられますか。償却資産の税額が下がるのだと、こういうふうな見通しでございますか。
○政府委員(細郷道一君) 償却資産につきましては、評価のしかたは、原則的には従前とあまり変わっておりません。したがいまして償却資産でございますから、年々の償却減は、個々の資産については起こるわけでございます。その限りにおいては、その品物の税負担は下がると思います。これは、従来からそういうことでございます。ただ償却費産全体といたしますれば、やはり新規に備えられた償却資産といったようなものがございますので、償却資産に対する税額といたしましては、全体としてはおおむね一割程度はふえてまいるものと考えております。
○鈴木壽君 そうしますと、もちろん、いわゆる古い償却資産は、これは年々下がっていくでしょうから、新規のものができて、それが加わることによって、全体としては一割程度増すかもしれない、こういうことになりますと、いわゆる固定資産税の総額において――あなた方総額をふやすのじゃないと、こう言っておったのだが、総額はふえてくるという結果が、土地等の評価がえによって、今度の新しい評価によって、そういうことが出てくるのじゃないですか。
○政府委員(細郷道一君) 固定資産税全体としましては、税額は前年の一割程度の増になるわけでございます。ただ、この一割程度の増は、従来の基準年度におきましても、評価基準の改訂によりまして、おおむねその程度のものが出ておったのでございまして、その限りにおきましては、特に新評価改訂によって額がふえたということではなくして、従来の基準年度の例に準ずる程度の、いわば自然増収程度のものであるというふうに考えておるのでございます。
○鈴木壽君 従来も確かにお話のように、評価の変わった年のいわゆる基準年度にふえていることはそのとおりなんだが、しかし、さっき言ったように、あなた方今回の評価そのものが固定資産税の総額においてふやさないんだ、こういうことを言っておられたのですから、そのときにもう少し親切に、いや、基準年度においてはやはり従来も一割程度上がったの、だから、今度もそれによって、その程度のいわゆる自然増収程度のものはあるだろうということは言わなかった。総額はふやさないのだと、しばしばあなた方は繰り返しておる。ふやさないということは昨年度とほぼ同じだということなんです。自然増収があるんだということではなかったはずなんですが、その点どうです。
○政府委員(細郷道一君) 税額の点から見ますれば、現行制度のままでいきます場合における自然増程度のものは、いわば税制上の当然のたてまえではなかろうか。今回の新評価改訂によって積極的にこれを税負担の増大に求めているのではないというような考え方で申し上げておると思います。
○鈴木壽君 しかし、具体的に山林、宅地等において一・二倍になりますね、おしなべて平均して言うと。安くなる人もあるかもしれませんし、町村によっては減ったというところもあるいはあるかもしれませんけれども、しかし今回の、それによってもう一・二倍にしているんですよ。これは明かに評価がえによってです、単なる自然増収じゃない。私は償却資産において、新しいものができて自然増が一割ふえるというようなこととは、ちょっといまの場合違うと思うのです。この問題はもういま始まった問題でなく、昨年の春あたりから、いわば評価改訂によって税負担がふえるのじゃないかという心配からいろいろ国会でも問題になったところなんです。あなた方に御説明を聞くと、いや個々においては多少いろいろなことがあるかもしらぬけれども、絶対総額をふやす、いわゆる増税のための評価がえではないのだ、こういうことをしばしは言っておられる。総額はふやさないのだ、総額はふやさないということを言っておりますよ。これはどこか記録――私はきょうは持ってきておりませんが、ありますよ。だとしますと、総額がふえてきた、これは自然増収だからやむを得ないということでは、ちょっと私はおかしいと思うのですが、そういうことも予想して、自然増収がこの改訂のいわゆる基準年度においては出てくるんだということを頭に置きながら、総額をふやさないのだということであったと、と私はそう理解しておる。ふやさないとすれば、当時私どもそういうお話を聞いて、いま言ったように個々の、たえば鈴木なら鈴木の宅地がどうなる、場合によっては上がる、あるいは場合によっては下がる、個々の問題はこれはあるかもしらんけれども、そう心配したことじゃないと思っておったのですが、現にやはりふえてきますものね。しかも、これは今度の別の地方税法の改正案のときにいろいろお聞きしなければならんと思いますが、農地等において二年ですか、三年ですか昨年の税額で押えるのだ、こういうことがありましたがさあその後の保障はいまのところないですね。そうすると明らかにこれは増税をするための評価がえだというふうにいわれてもやむを得ないと思うのです。そこら辺あれですか、やはりその程度のものは――一割程度は基準年度においてはいつでも出てくるのだから――こういうふうにおっしゃるのでしょうか、いかがでしょう。
○政府委員(細郷道一君) 御承知のように、税制には、自然の増減というものは本来現行制度上つきものでございます。固定資産税におきましても、現行制度におきます自然増程度のものは、これは本来それに付帯して起こる性質のものであるわけです。特にこの固定資産税におきましては、三年ごとの基準年度におきまして、従来も評価基準の若干の改訂が行なわれてきたわけでございますが、今回考えております税負担の内容によります固定資産税全体につきましては、家屋、償却資産、土地を通じまして、おおむね一割程度の税額としての増になるわけでありますが、それは先ほど申し上げましたように、従来の基準年度におきます自然増収の額とおおむね見合ったものでございますので、かりに、この新評価の改訂ということがなかったといたしましても、この程度の税額の増というものは当然出てくる性質のものである、こう考えているのでございます。
○鈴木壽君 評価のしかたががらり変わったのは、農地の場合ですね。それ以外に評価のしかたの変わったのがありますか、評価の方式の根本的な変え方……。
○政府委員(細郷道一君) 家屋、償却資産は大体従前のとおりでありますが、土地につきましては、農地、宅地等を通じまして今回変わったわけでございます。
○鈴木壽君 宅地の場合もそういう――私言うのは、農地の場合、さきにもちょっと触れましたが、いわゆる収益還元方式というものでやっておったのでしょう。それが今度は売買価格ということになって――そういうふうに変わったのでしょう。これは非常に大きな変え方だと思うのですが、そういう変え方を宅地なんかでもやっているのですか。
○政府委員(細郷道一君) 農地につきましては、従来、どちらかといえば収益還元的な要素が多分に入っておったわけです。今回、土地全体につきまして、売買実例価額をもとにして時価を求めるというような行き方になったのでございます。
○鈴木壽君 ですから宅地の場合、いま言った農地でやったような、そういう変え方をしたわけじゃないでしょう。どうです、その点は。
○政府委員(細郷道一君) いろいろ個々の家屋についての評価を求める手続等につきましては変わっておりますが、再建築価額を基準にして評価を求めるという点においては、従来どおりでございます。
○鈴木壽君 ですから、個々のいろいろな評価の、あなた方が示した基準を見ましても、いろいろな具体的なやり方についてはいろいろ変わっておりますね。しかし、私が言った農地のような場合の、ああいう大きな変え方はなかったのではないかというのが私の聞きたいところなんです。それはいまのお答えでいいようですが、非常に大ざっぱな問い方ではなはだ恐縮でございますが、そういうふうに私理解しているのですが、それでいいんでしょう。
○政府委員(細郷道一君) 大筋においてはそうでございます。
○鈴木壽君 そうしますと、さっきの問題に戻りますが、宅地等において六倍にも七倍にもなった、これはいまの情勢からやむを得ないと思うのです。なんでしょう、ところによっては六倍七倍じゃなくて、もっと高く評価しなければいかんところもあると思いますね。しかしそれはそれとして、さっきの総額を変えないということだったら、これだって税額において押えなければならんと思うのですよ、評価そのものはともかくとして。少なくとも昨年と同じような税額に押えると、こういうことをしないと、税額、固定資産税の総額において変えないんだということにはならんと思うのです。それをあたな方は一・二倍にすると、そういうことなんですから、相当ないわゆる調整なり何かをやっていますけれども、そういうところから出てくるのは、これは相当あるんじゃないですか。今度一割程度の増になるんですが、山林、宅地等からのふえる税金の額は総体としてどのくらいになっているんですか。
○政府委員(細郷道一君) 山林、宅地からは五、六十億と考えております。
○鈴木壽君 やっぱり従来というか、去年よりも最高二割増に抑えるというんですが、二割は高くなって出てくる、その結果が、五十億ないし六十億、こういうことになっておると思うんですが、私何べんも申し上げますように、どうも昨年の自治省が言っておった総額は変えないんだと、総額はふやさないんだということは違ったやり方をしておると思いますね。これは単なる自然増収ということであなた方片づけておってもおかしいと思うんですね。償却資産の一割程度ふえるということは、これは新しい償却資産が入ってくるんだし、これは私はそれでいいと思うんです。しかし、そのほかにもいま言ったように総額をふやさないということであれば、一応そこで押えるんだということでないと、つじつまが合わぬと思うんですが、その点重ねてどうですか。
○政府委員(細郷道一君) 固定資産税全体として額をふやさないという場合の考え方を分析してみますと、やはり現行制度におきまして、三十九年度に上げられるであろう収入額総額は変えない、こういう考え方であろうと思うのであります。したがいまして、現行制度におきます自然増収程度のものに来年度はなるわけでございますが、その場合には、その総額を一つのめどに置いて、それ以上に積極的に増税をしていくというような考えではないと、こういうふうに考えられるのでございます。
○委員長(竹中恒夫君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(竹中恒夫君) 速記を起こして。
○林虎雄君 先ほど来、鈴木委員から質問がありましたが、その内容からあまり出ないと思いますけれども、少しお聞きしておきたいと思います。
 三十九年度から四十一年度の三年間の、一応風定資産税につきましては、近く改正案が出ると思いますが、それでいくと、それについては農地というものは課税標準額をこえた場合にも、従前どおりということになるわけでございますね。そして、他の家屋、山林等は二割程度の増という程度にするということでありますが、問題はやはり、四十一年度以降というものについての心配というものが一般にあると思いますが、いまは、きわめて軽く、特に農地は据え置いて――というふうに安心をさせておいて、四十二年度以降におきまして、さらに今度は大きく上げるかどうか、とにかく増税になるということを一般でも関心を持っておるわけでありますが、その点はどうでございますか、将来の展望を……。
○政府委員(細郷道一君) 実は、新評価の額をどういうふうに税負担に反映させていくかという問題につきましては、非常に重要な問題でございますので、政府におきましても専門家の集まっておられます税制調査会にこの処置について御相談を申し上げておるわけでございます。その税制調査会におきましていろいろ議論が出たわけでございますが、その議論の末、恒久的な行き方についてはなお慎重に検討するものとして、当面、次の基準年度までの間の暫定措置は、こういうふうにせよというふうなことで、先ほど来申し上げたような答申が出たわけでございます。そこで、次の基準年度以降、これをどうしていくかということにつきましては、やはり新評価基準によって評価づけをされました均衡をなるべく税負担のほうに反映させていくという方向で検討が行なわれると思いますが、その際、土地、建物、償却資産、こういった資産の間の税負担のバランスは、どういうふうにしていったらいいのか。あるいは同じ土地の中におきましても、農地の特殊性をどう考えていくのか。あるいは同じ宅地の中におきましても、事業用に使用されております宅地もございますし、全く自家住宅用の宅地もあるわけでございます。そういったような点のバランスを、どういうふうにこれを考えていくかといったような議論も出たわけでございまして、そういったような問題につきましては、非常に事柄が重要でございますので、なお今後検討する、こういうことになっておる次第でございます。
○林虎雄君 一般の国民の素朴な感情としては、こういうことを言われているわけですね。今度の新評価というものも、現在の物価の現実の値上がり等からいってわからないことはないけれども、しかし、新評価によっておのずから新しい価格というものは二倍なり三倍なり、六倍なり七倍になる。したがって、それに準じて税率という問題はもちろんでありますけれども、固定資産税は多く徴収されるようになるだろうという心配を一般が持っている。ところが、三十九年度から四十年度のこの期間は、それほど上がらないというふうに安心はさせておいて、将来は上がるだろうという非常な心配が――繰り返し申し上げるようでありますが、そういう心配があるわけです。たとえば都市近郊の農地を宅地にする場合に、売るという場合においては、もちろん税金の問題はある程度高く売れば相当の税金を払っていいということになりますけれども、一般の住んでおります宅地あるいは、現在仕事をしております農地等においては、新評価されるということは好ましいことではないというふうに思うわけですが、どうですか。少しお聞きしかたがややこいしかな、つまり農地を投機の対象としておるような農家が都市近郊には若干あると思いますが、そういう人はともかくとして、一般の農地を持っている農家あるいは宅地を持っている人たちとすれば、将来上がるだろうと思われる同定資産税に対しまして、新評価についても非常な危惧の念を持っているというふうに思うのですが……。
○政府委員(細郷道一君) ご承知のように、新評価におきましては、将来のでこぼこを是正するという意味合いにおいて行なわれているわけでございますので、従来の評価額が一般常識に比して著しく低いといったようなものについては、当然に高い評価額になるだろうと思います。総体的に値上がりの率の低いものも半面にはあるわけでございます。したがいまして、将来恒久的な制度の場合には、おそらく必ず税率等の問題も議論になると思うのでありまして、かりに税率に手をつけるといったようなことになってまいりますと、評価の、先ほど来申し上げております倍率の上がり方の多少によって、税負担に変動があるわけでございます。どの辺の倍率のところに中心を置いて税率をきめるかによって、その倍率以下のところについては、むしろ税負担は下がるといったようなことも起こるのではなかろうかと思うわけでございます。したがいまして、今回の評価額が従前のに比して一・何倍だとか三倍だとかいう倍数だけで、将来恒久的な税負担のあり方を、いきなりこれだけで即断することは若干早いのではなかろうか。いま少しく慎重な検討をまったほうがいいのではなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。
○林虎雄君 まあ一般の宅地、農地を所有する人の固定資産税が上がるということは、個々の人としては好ましくないことでありますが、市町村の場合それぞれの作業が行なわれて、大体見当がついてはおると思いますけれども、個々の市町村になりますと、その幅の多い少ないは別として、相当地方税が増収になるということで、市町村長さんなどが相当期待を持っておる向きがありますが、それは考え方の誤りでしょうか、どうですか。
○政府委員(細郷道一君) どういう程度の期待であるか、各市町村長さんによって違うと思います。また、その市町村におきます資産の分布状況によっても違うと思うのでありますが、来年度につきましては先ほど来御説明しておりますようなことでございますから、そう大きな増収ということは一般的には期待できないのではなかろうか、かように考えております。
○林虎雄君 市町村の名前は申し上げませんけれども、財政規模五、六億の市でありますけれども、改訂されれば五千万円ないし六千万円近い増収になるということを聞いておるのですが、まだ調べたことはありませんけれども、そんなばかなことはないという見通しでございますか。
○政府委員(細郷道一君) 先ほど来申し上げておりますように、全体といたしまして一割程度の自然増収でございますので、財政規模四、五億のところでいまおっしゃったような四、五千万というような固定資産税の増収はちょっと期待できないと思います。特別な工場ができたとかというようなことでもございますれば別でございますが、一般的にはなかろうと思います。なお、そういった具体の市町村がございましたら御連絡をいただきますれば、私のほうで適切な指導につとめたいと思います。
○林虎雄君 いま申し上げたのは、的確な数字をつかんだのではありませんけれども、だいぶ、あるいは計算の違いで市町村がぬか喜びをしておるかと思いますので、よく私ども調べてみたいと思います。それから、地方財政計画が発表されたようでありますけれども、先ほど鈴木委員からの御質問に対しまして、固定資産税などは自然増収という程度の増収である。その程度に考えられておるというお話でありましたが、三十九年度の地方税の中に含まれておると思いますけれども、新聞で見た程度で、地方財政の内応もよくわかりませんが、大体地方税として一兆二千百五十八億円ですか、前年度に比べて二千九十億円地方税というものがふえておりますけれども、その中に含まれております固定資産税の見込み額、これは前年三十八年度と対比してどのくらい増収になる予定ですか、数字がないのでちょっとわからないんですが。
○政府委員(細郷道一君) 固定資産税といたしましては、三十九年度には二千三百億前後で計上願っておると思います。私ちょっといま財政計画の数字を持ってまいりませんでしたので、誤っておりましたらあとで訂正さしていただきたいと思っております。なお、三十八年度の固定資産税は二千九十六億ということで計上さしていただいております。
○林虎雄君 そうすると、先ほどお答えになった程度ということになりますね。しかし、まあその自然増収というお考えと、現実には宅地等が一・二倍ですか、大体二割程度上がるわけですから、これだけは自然増収プラス二割ということになるような気がしますが、そうじゃないのですか。
○政府委員(細郷道一君) いま御説明申し上げましたように、全体といたしまして二千九十六億の本年度のものが約二千三百億でございますので、おおむね一割程度の自然増と、こういうことでございます。
○委員長(竹中恒夫君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(竹中恒夫君) 速記を始めて。
 では、本案につきましては、次会二十五日(火曜日)に残余の質疑を行ない、終わって採決を行なう予定でございます。
 午前中はこれで休憩いたしまして、一時半から開会いたすことにいたします。
   午後零時二十六分休憩
   ――――・――――
   午後二時二分開会
○委員長(竹中恒夫君) 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。
 風俗営業等取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き質疑を行ないます。御質疑の方は順次御発言願います。
○鈴木壽君 今回の風俗営業等取締法の一部改正案の趣旨、何をやろうかとすることについてはわかりましたんですが、実は、この委員会でこの前からいろいろ問題になっております、これにかからないことの、ほうっておけないような問題が幾つかあると思うんでございます。たとえば、ヌードスタジオの問題なり、あるいはボーリングの問題、トルコぶろですか、ああいうような問題、こういう問題が取り上げられておりますが、こういう問題について、大臣、どうですか。このままにしておくのか。あるいは何らかの取り締まりを考えなきゃいけないというふうにお考えになっておられるのか。この点は、まず最初に、どういうふうにお考えになっておられるか。ひとつお聞きしたいと思うんです。
○国務大臣(早川崇君) われわれといたしましては、最小限、深夜喫茶ということで出発いたしておりますし、ヌードスタジオ、あるいはトルコぶろ、あるいは深夜ボーリング等、特にボーリングについては、行政措置で深夜営業を自粛してもらう手を打っておりまして、それでいかれない場合は別途考えるという、それから、トルコぶろにつきましては、浴場法の問題でございまして、条例等ではっきり基準を定めてもらうように、厚生省に働きかけを行ないたいと思いますし、また売春禁止法、児童福祉法その他、そういったものを通じて、売春が行なわれ、あるいはわいせつ行為が行なわれれば、風浴関係の法律によりまして取り締まっていくと、こういう考えでございまして、現在立法においてこれを別途縛るということは考えておりません。
○鈴木壽君 そうしますと、現在のところいわゆる新たな法的な措置というものについては考えておらないと、ただ、しかし、ものによっては条例等によって規制をし、あるいは取り締まりの面を強めていくというようなことも考えなければならない問題があるんじゃないか、こういうふうにおっしゃったようにお聞きしましたが、そういうふうなことでございますか。
○国務大臣(早川崇君) さようでございます。
○鈴木壽君 私どもも、実はせんだって、初めてヌードスタジオやらあるいはボーリング場やらを見て回って、実態については実はよくつかんでおらないわけなんでありますが、ただ、あのときに行って見てきた程度しかありませんけれども、まあいろいろ話に聞きますと、われわれがちょっとの時間行って見てきたという、そういうものよりはるかに心配をせざるを得ない状態になっておるということを聞くわけであります。だとしますと、これは、何らかの面でやはり規制をしていかなければならぬじゃないか、取り締まりをしていくような方向で考えていかなきゃならぬじゃないだろうかと、こういうふうに私は思うのであります。それで、いまお聞きしたわけなんですが、そうすると、もちろん、いまのこの改正案のやっておる風俗営業等取締法のこれではかぶらない、かぶせるこのできないスタジオの問題とか、そういうふうなものがあるわけでありますから、もっと取り締まるためには、規制をするためには、私は、たとえばトルコぶろにすれば、公衆浴場法とか、ああいうものにおいて何らかやっぱり考えなきゃいけないのじゃないだろうかと、単に条例とか、そういうものによっては、なかなか効果をあげ得ないじゃないか。少なくとも条例をつくる場合に、根拠になる法においてやっぱり基本的な方向なり、それというものは明らかにする必要があるのじゃないだろうかと、こまいことは条例にゆだねるとしましても、そういう必要性が私はあるのじゃないかと思うのですが、そういう点ではいかがでございましょう。
○国務大臣(早川崇君) 御承知のように、トルコぶろにつきましては、公衆浴場法というものによりまして営業を許可いたしておるわけでございます。ただ、最初できました新橋あたりのトルコぶろと違いまして、ある場所のトルコぶろは、入浴者の風紀に影響のあるような、いかがわしいようなうわさも耳にいたすのであります。したがって、まず、これを別途の法律で縛る前に、公衆浴場法におきましては、入浴者の風紀に必要な規制をすることは条例で定めるということになっておるわけであります。したがって、その方面でこれを措置する、そういう措置をする必要があればやるということが先決問題ではなかろうか、またこれが適当な措置ではなかろうかと考えておる。こういう意味でございます。
○鈴木壽君 私も何も、何でもかんでも法律を新たにつくったり、あるいは改正したりすることが必要だということではないんですけれどもね。しかし、いまの法律なり、あるいはそれに基づく条例等によって規制し得ない部面があるとすれば、これは、さっき言ったように、もっともとに返して、法の面で考えていかなければならぬじゃないだろうか、まあこういう気持ちで実はお尋ねをしておるわけであります。ただ、その際に、この前も厚生省の方が、どうもそういうふうな取り扱いは、公衆浴場法とか何とかいうよりも、何か風営のほうでやってもらうのが筋であるし、効果もあがるんじゃないだろうか、こういうことをおっしゃっておったわけなんであります。警察のほうでは、いや、これはひとつ厚生省のほうで、公衆浴場法等の措置によってやってもらいたいんだと、こういうふうなお考えであるようだし、あなたも、いまそういうふうにおっしゃっておりますが、厚生省のほうでは、必ずしもそういうふうに考えておらないようですが、こういう点ですね。やっぱり何か政府部内で、こっちの省とあっちの省は考え方が違うというような感じを抱かせるものがあると思うんですね。そういう点、ひとつ至急これは方向を、考え方をはっきりさしてもらう必要があると思うんで、この前私、実は警察庁の長官にもそういう要望はしておきましたが、大臣、こういう点ではどうでしょう。
○国務大臣(早川崇君) 入浴者の風紀に必要な措置を条例で定めることができるとなっておるわけでありまして、厚生省においても当然、こういう国会におきまして、これがいかがわしい問題が多いから何とか検討しろという御意見が多数の意見で出ましたら、当然検討すべきものでありますから、また、厚生省ともよく取り締まり治安当局としても相談してみたいと思います。
○鈴木壽君 厚生省の方、来ておりますか。
○委員長(竹中恒夫君) 来ておりません。
○鈴木壽君 来ておりませんね。よろしゅうございます。
 この前の委員会で、大臣、いま私が申し上げたように、厚生省のほうは、風営でやってもらったほうがいいんだということをはっきりおっしゃっているのです。この考え方と、それから警察のほうの考え方、それから、いま大臣の述べられたような考え方、これと違うことは大臣も御存じでございますね。この前ああいうことがございましたから、これはやっぱり早急に話し合いをして、何らかの規制措置をしなきゃならぬとするならば、どっちにどうやるのかというところまできめてもらわないと、双方何か、これは向こうのほうがいいとか、これはこっちのほうがいいとかということでやっておっては、この問題の対策についての十分な措置というものはとられないままに時日がたっていくというようなことになると思うんですから、これはひとつ大臣、私要望申し上げるのですけれども、早急に結論を出していただきたいと思うんですがね。そういう御努力をしていただけますか。
○国務大臣(早川崇君) よく検討さしていただきたいと思います。
○鈴木壽君 それから、これはさっきも申し上げましたが、私どもちょっと行って見ただけでは、十分や二十分、ああいうところへ入って見て実態がわかるものでもなし、ほんとうのことはどうなっているのかわかりませんが、これも、まあいろいろ話によりますると、たとえば深夜喫茶の問題にしろ、その他の問題にしろ、どうも単に風紀の上でどうとかということのほかに、ああいう場所、たとえば深夜喫茶等においても、麻薬関係の問題が起こっているのじゃないだろうか。あるいはヌードスタジオとか、ああいうところに暴力団関係のものが関係しておって、そういう面での問題がどうも心配だ、こういうことをよく耳にするのでありますが、こういうことについては、警察のほうでどういうふうにごらんになっているのか。そういう事実があるのかないのか。こういうことをまずひとつお聞きしたいと思うのです。
○政府委員(大津英男君) ただいま、麻薬あるいは暴力団との関係ということでいろいろお話がございましたが、深夜喫茶あるいはヌードスタジオというようなものについて、暴力団が関係しているかどうかということにつきましては、必ずしも関係がないというふうに言い切れない面もあると思うのであります。それから、麻薬の問題につきましては、麻薬の密売組織というものの大半をやはり暴力団の関係者が占めているというような実態も、取り締まりを通じて確認をしているわけでありまするが、したがいまして、その密売の取引の場所等について、そういうことがないともこれは言い切れないと思いますが、いままでそういう場所で取引をしているところを具体的に検挙したとかどうとかということはなくても、そういう場所で、取引されているということもあり得ると、かように考えております。
○委員長(竹中恒夫君) ちょっと鈴木先生、辻委員が大臣に二、三質問があるということですから、時間の関係で、ちょっとはさましていただきたいと思います。
○鈴木壽君 どうぞ。
○辻武寿君 大臣が時間があまりないそうですから、二つ三つお聞きしますが、この間、地方行政委員会で視察に行って、新宿と池袋方面を視察したときに、ヌードを視察したのですが、ああいうことは風俗営業の取り締まりの対象になるの、じゃないですか。大臣はああいうところを認めているのですか。国家の法律は現在認めてあるわけですけれども、なくしてしまったほうがいいとは思わないですか。
○国務大臣(早川崇君) ヌードスタジオは、絵をかく芸術的なあれとか、写真のあれとかということでやっているようでございますが、実態は裸体を見せるということにすぎないのでございますので、法律的には裸体を見せるストリップ劇場と同じであると考えまして、興行場の許可を受けるよう、敬察庁といたしましては、都道府県に指導いたしているわけでございます。
 なお、ヌードスタジオをこの際風俗営業取り締まりによって規制するということになりますと、同時に、終戦後アメリカ文明の輸入であるストリップ劇場と同じ関係になるわけでございまして、しからば、ストリップ劇場でストリップをやめさせるか、こういう判断の問題になるわけであります。したがって、今回の改正におきましては、そこまで取り上げなかったわけでございます。
○辻武寿君 アメリカ文明もいいかもしれませんけれども、やっぱりものによりけりであると思いますし、また、ストリップ劇場とは私は違うと思うんですね。ストリップ劇場は大ぜいの観客が見ているけれども、あのヌードだと、一対一でもずっと締め切りでやられるとも考えられるわけであって、大臣おっしゃるような、ヌードをやめさせるということは、ストリップ劇場をやめさせることと同じであるからできないということとは私は違うと思うのですが、どうですか。
○国務大臣(早川崇君) この前、委員各位が見られましたヌードスタジオというのは、最も悪質なヌードスタジオで、昨年二回検挙されておるのでありまして、風俗営業法において、わいせつ行為類似で検挙されておるようであります。それはそれとしてまた検挙する、取り締まる道もあるわけであります。一般のヌードスタジオ、温泉場にあるのは、ほぼストリップと似ておるのではないかと思いますが、関係するところが非常に多いものですから、慎重に検討しょうということで、今回の改正には触れなかったわけであります。
○辻武寿君 この間見たのは悪質であると、大臣おっしゃったけれども、ああいう悪質なやつがむしろうんとたくさんあるんじゃないかと思うんですがね。そういうことを考えたら、ストリップ劇場とはうんと違うと思うのですよ。ストリップ劇場は公認するとしても、ヌードを取り締まって、やめさせるということは、私は少しもおかしいことじゃないと思うのですが、これをさらに検討して、取り締まるほうへ持っていってもらいたいということの大臣の決意はどうでしょうか。検討する意思はあるのか。ないのか。その点お伺いしたいと思います。
○国務大臣(早川崇君) よく温泉場なんかへ行きますと、ヌードスタジオということで、鉛筆を貸しまして、裸体をスケッチさすという、擬装といいますか、最小限度の手続をしておったり、また、裸体写真をとったりしておって、主としておとなの観光客が行くようでございます。私もヌードスタジオというものをあまり見ておりませんので、ほんとうにわいせつそのものであるというのが全国一律ということでありましたならば、またストリップと別の観点から規制ということも検討すべき問題かと思いますけれども、今回はそれに触れなかった、こういう意味でございます。
○辻武寿君 私は、決断をもって大臣がそういう方向へ踏み切ることを希望するわけですが、この間視察した池袋方面へ行った先生方の話も聞いてみて、照らし合わせてみると、新宿の方面は、ヌードは三十分五百円なんです。池袋へ行ったら三十分八百円だったと私は聞いたんですが、そういう点、ぼりほうだいにぼることもできるのだな。値段のことも取り締まりができていない。でたらめにやりほうだいやれるじゃないかというような、そういったような規制は考える必要があるし、一体どういうふうに取り締まっているつもりなのか。放任主義でいいのかということを大臣にお伺いしたい。
○国務大臣(早川崇君) ヌードスタジオの料金は、公共料金のように、はっきり公定値段というものをもちろん規制できないわけでありまして、われわれとしては、ヌードスタジオがわいせつ行為に当たるか当たらないか、また、その料金を取る場合に、強迫的なとか、あるいは強要的な圧力で、ちょうど暴力バーのように暴利をむさぼるとかいうようなことで、取り締まりの規制の対象になるわけであります。また、未成年の少女その他を使っておるとなれば、いろいろ問題が出てまいりますし、それにかかわる法律があるわけでありまして、そういう観点から取り締まっていく、こういうわけでございまして、池袋が八百円で、新宿が五百円ということを規制するということは、ちょっとできないんじゃなかろうか、かように考えております。
○辻武寿君 大臣は先ほど、ヌードはストリップ劇場と同じである、こういうふうにおっしゃった。ストリップ劇場のほうは、値段がやっぱりきまっていないのかどうか。やっぱりきまっておると思うんですよ。そうしてみれば、同じヌードで、これを認めざるを得ないということならば、値段はこれ以上とってはならぬとか、そういう基準がなければおかしいんじゃないかと私は思うんですが、設けるほうがいいと思わないですか。
○国務大臣(早川崇君) 需要と供給の関係でございますので、ちょっと警察の手に負えない問題だと思います。
○市川房枝君 関連。いま、公安委員長と辻委員の質問応答を伺っておりまして、早川公安委員長は、ヌードスタジオはそんなに悪いものとは思っていない、取り締まりもあまりできない、禁止もできない、アメリカから戦後来てああいうものは、いいじゃないか、そうお考えになっているような印象を私は受けたんですけれども、それは、私はとんでもないことだと思います。
○国務大臣(早川崇君) なかなかむずかしい御質問で、私はよくないと思っております。しかしながら、それを立法して規制するかせぬかという問題は、もっと高い広い立場で見なければならない。別にわいせつ行為をやっていないのであれば、ストリップまがいのことにもなるわけでございますから、よく検討して結論を出したい、こういうことを申しておるわけでございます。
○市川房枝君 わいせつ行為をやっていないとすればとか何とか言うんですけれども、そういうおそれがあるということは、この問の警察当局のお答えでも十分わかるし、私ども見にいってもそう思うんです。表向きの名目だけで、そうしてそれは、悪いことはやっていないんだから、そんなに取り締まる必要はない、放任しておいてもいいというか、それが治安対策というか、風紀対策なんですか。これはトルコの問題にも関連してきますけれども、そういうおそれがある、それが環境を悪くするんだ、こういうことであれば、当局としては、それをまじめにといいますか、本気でどうしたらいいのかということを私ども考えるべきはずだと思うんだけれども、ちょっとそういう態度が感ぜられないのは、私たいへん遺憾なんですけれども、どうですか。
○国務大臣(早川崇君) わいせつ行為をやるという、わいせつであるというようなヌードスタジオというのは、取り締まりしたいと思います。また、何と言いいますか、ストリップも、あるいはヌードスタジオも、一切法律で規制するという気持は、私はああいうことは好まないほうでありますけれども、これはもう少し大きい立法政策の問題であって、戦後、市川議員なんかの御努力で、公娼制度というものが日本ではなくなった。娯楽というか、そういうものを全部取り締まる。ヌード、ストリップもいかぬというところまで、独裁国家ではございませんので、少しゆるめて、日本は戦後自由主義ですから、ゆるめてあると思っておりますけれども、まあ一挙にそういうものを絶滅さしていくということには、いろいろ検討しなければならない問題がある。かように思いまして、今回は、深夜喫茶、特に非行青少年の深夜のたまり場がはなはだしいものですから踏み切ったわけでありまして、今後の検討課題といたしたいと思います。
○市川房枝君 それは個人個人の考えですから、大臣のお考えもまあとやかく言うことはできないと思うのですけれども、いまのお話でも、売春防止法はうまくいかなかったのだから、あまりああいうものをつくったから、あとこういうものが出てくるのだ、それだから、そんなにやかましく規制をしちゃいかぬのだというふうにやはり私は聞こえるのですけれども、全体に大臣はそういうお考えですか。私がそういうふうにとれるのが間違っておったら、それははっきり私の間違いを正して下さって、そうでないということになればたいへんうれしいのですけれども、いつまでこれは問答してもだめかもしれないけれども、しかし、少なくともやはり治安といいますか、風紀といいますか、その大元締めの公安委員長のお考え方が、全体がそうであるというのでは、私はこれはたいへんだと思うのですけれども、私どもだって、何もかも法律で取り締まれとは言わないし、一方、売春防止法が一つできたからといって、それで日本の売春がすぐなくなるなんて、そんな甘い考えは持っていない。あれも一歩前進だ。日本の国際的な立場で、前のような、ああいう状態を放置できないのだ。国際連合では売春禁止の条約ができて、日本でもそれを批准しなければならないという状態において、あの立法は当然のことであって、あれは、それこそ政府が立案をなさって、衆参両院も満場一致で通っておる。それを、困難だけれども、しかしみんなで努力して、あれが一歩でもよくなるように私は努力すべき問題なんだと思う。そのつもりで私のほうもおりますけれども、ともすると、ああいうものをつくったからこういうものができるというふうな考え方が日本の指導層の中にあって、たとえば、今度オリンピックがありますけれども、オリンピックにはやはり女のサービスが必要である。赤線を復活しろ、いや、トルコだとかヌードサービスで、大いにあれでもって外国人を遊ばせるのだというような考え方が現にあるのですけれども、たまたま大臣のお考え方がそういうものとうまく合うのです。そういうものを助長をなさるような結果になるのじゃないかと、私は非常に心配なんですけれども……。
○国務大臣(早川崇君) 私は、民主主義はブタの胃袋みたいなものだと思うのです、いろんなものをこれは消化しながら行くということで。ですから、ストリップとか、そういうものは一挙に法律で禁止してしまって、独裁国家のように、ほんとうに一挙にやっていくということがいいのか。それは、シナに行かれましても、いまおそらく何もそんなものはありません。また、かつてヒットラーのナチスのドイツもそうでありました。そうでなくて、自然にそういうものは消化してしまう、そういうものをなくしていくのが私は民主主義だと思う。たとえば、最近不良出版物がはんらんしております。わいせつ的な、すれすれのものが多いのですけれども、これをそういう出版物禁止という法律で、そういうちょっとエロじみたものを禁止するということになると、必ず反対が出るでしょう、表現の自由ということで。むしろ現在の日本はそういう意味では自由すぎる。自由の乱用という過程だと思うわけです。しかし、それを一挙に、大衆の世論が全部そういうように盛り上がったときに、深夜喫茶のように、夜やらないで、十二時までなり一時までという措置は、私は当然やるべきであると思うのでありますけれども、何でも、そういう出版物でも、ヌードスタジオがそれに当たるかどうか知りませんが、禁止していくということは慎重に、そういうものを長く、栄養になるものもならぬものもこなしながら、健全な社会ができていくという過税というものがやはり自由主義、民主主役の一つの原理でありますから、いま直ちにこのヌードスタジオ、ストリップというようなものをやめてしまえ、これでやれという御意見も一つの理屈でありますが、もう少し私は検討してみたい。こういう気持があるわけでありまして、そういう点はひとつ御了解いただきたいと思います。
○市川房枝君 もう一つ、いまの早川さんの御意見といいますか、これは事と次第に、問題の内容によると思うのですけれども、たとえば深夜喫茶ですね。いままで禁止しないで、今度禁止をなさるわけですが、ほんとうは私どもは、前の深夜喫茶とか、風俗営業の改正のときにすでに深夜喫茶が問題になって、青少年非行の温床になっているということで、非常に問題になりまして、私どもは母親の立場で、ぜひその問題を取り上げるべきだということで、自民党の方も社会党の方も、みんな一緒に深夜喫茶を見に参りました。そうしてこういうものは必要がないのじゃないか。むしろ禁止してほしいということをあのとき当局の方々にずいぶん申し上げたのですけれども、それは憲法違反だ、どうしても禁止できないのだということで、かろうじて十一時から先の喫茶店については警察がこれを取り締まり、いわゆるルックスを二・五ルックスといいますか、あるいはいすの高さというものを規制したにとどまっているのです。ところが、その後深夜喫茶というものの弊害が起きて、そうして青少年の非行がどんどん多くなってくる。それに対して、深夜喫茶が非常に害もある。こういうことで、今度いよいよそれを禁止し得るようになったのだけれども、これは、警察のある方々と私は話したのだけれども、その四、五年前の改正のときにむしろ禁止しておけばよかったですね、というようなお話があったのです。それで、この間ほうっておいた。ほうっておいたことによって、どれだけ青少年を悪のほうへ追いやったかということが私は考えられると思うのです。だから、いわゆる法の取り締まりというか、もうほうっておいて、野放しにしておいてもいいのだ、こういうことにも私は問題によって、そのいわゆるヌードがどうとか、トルコがどうとかいうことは、こまかくなりますから申し上げませんけれども、単にあまり規制するのは望ましくない、ほうっておいても、ひとりでに時期が来ればというようなお考えには、私はどうも同調できません。まあ一応きょうはそのくらいにしておきます。また伺います。
○辻武寿君 もう一つ、ボーリングを視察したのですが、ボーリングは、一晩じゅうやって、朝五時からまた始めるというようなことも聞いてきたのですが、ああいうボーリングも絶対やらせないように規制すべきだと思うが、大臣はどういうお考えですか。
○国務大臣(早川崇君) これは、業者数におきまして全国で五十七よりございませんし、深夜営業をやっているのはごく一部の業者にすぎないわけでして、現段階におきましては、法律でしばるよりも、警視庁その他治安当局の行政指導によって、深夜営業の廃止を推し進めていきたいと考えておりまして、関係者にそのことを指導並びに検討を命じておるわけであります。
○辻武寿君 そうすると、指導、検討を命じておりますが、それで、法律をつくらなくても、行政指導だけででき得るという確信が大臣にはおありですか。
○国務大臣(早川崇君) 今のところは、われわれの行政指導に従ってくれるような趨勢でございます。
○辻武寿君 行政指導にこの間行ったボーリング場は従わないボーリング場だということを聞いたのです。申し合わせもきかない。外国人が経営しておって、そんなことは眼中にない。そういうボーリング場だということを私は聞いてきたので、これは法律で禁止する以外にはないと思うのですが、そういう点に対する大臣の意見はいかがですか。
○政府委員(大津英男君) この前も御質問がありまして、同様のことを申し上げたのでございますが、行政指導によって、大部分の業者が自粛営業するということになりまして、御視察になりましたものも含めまして、一、二のものが、現在の段階では、深夜三時まで受け付けた者は入場させると、こういうようなことを言うておる。こう聞いておるわけであります。これにつきましても、警視庁を通じまして、また警告をし、協定に従って自粛営業をするように、ということを申し入れているような次第でございます。また同時に、ボーリング協会の幹部の人たちにおきましても、ボーリング協会の協会自体としての制裁規定と申しますか、そういうようなものも検討しようとかというようなこと等、いろいろ対策を講じて、私どもが望んでおります点に協力してやってみよう、こういうお話でございますので、まずその措置に期待をしておる。なおかつ、そういうことがどうしてもできないということでありますれば、法律改正もしなければならない。あるいは場合によっては、法律ではなくして、条例、青少年保護条例等の措置によって、そういう場合の措置を考えなければならないというようなこともどうかとか、いろいろそういうことを考えておる段階でございまして、いま直ちに法律で、深夜のボーリング場の営業を法的に規制しようというところまでは行っておらぬ、こういう実情でございます。
○辻武寿君 ボーリングはそのくらいにして、大臣にお聞きしますけれども、この法案は、最初のねらいは、非行少年の堕落と犯罪に対処するためにできたのですか。
○国務大臣(早川崇君) 青少年の非行化を防止することを最大の目的としております。
○辻武寿君 そうであれば、まあ十一時からは深夜喫茶に入ってはいけないというような今の条例ですね。これは、未成年者は九時以降とか十時以降とか、そういうふうに、もっと限界を早めるという気持は大臣はないのですか。
○国務大臣(早川崇君) 深夜の出入りをなくするということでありますから、十一時程度はやむを得ないと思っております。
○辻武寿君 十一時前に入って、そのままコーヒーなり紅茶なりを飲んで、ずっと十二時までも一時までも深夜喫茶にいる場合ですね。それに対する対策はどうなっているんですか。
○国務大臣(早川崇君) 今度の改正では、十一時に締めるということになりますから、むろん一時、二時というものは事実上いけないことになります。
○辻武寿君 法規の上ではいけないけれども、事実において、十時五十五分に入ってきて、そうしてそこでねばって、十二時、一時までもいる。それからまたいろいろな犯罪を犯すということも考えられるので、そういう規制というものは考えているのかどうか。
○政府委員(江口俊男君) 店を締めると申しますのは、物理的に締めるということじゃなしに、営業をやらないということでございますから、いまのような実際の場合は違反になります。したがいまして、営業停止なり許可の取り消しなりという問題が起こってくると思います。
○辻武寿君 十八才未満のものを入れないというけれども、十八才未満であるかないかということは一々わからないわけですが、そういうところの区別はどうか。十七才でも、おれは十九才だ、そう言って入ってくると考えるんですがね。
○政府委員(江口俊男君) 深夜喫茶そのものが十一時以後はないわけでございますから、十八才云々の問題は、この際関係ございません。おとなも入れない。
○鈴木壽君 先ほどお尋ねしたことなんですけれども、こういう深夜喫茶とか、あるいはヌードスタジオなり、こういうところと暴力団との関係、あるいは麻薬の問題、これは存在しないということは言い切れないと、こういうふうなお話でありますが、もっとどうです。これは暴力団とはもう切っても切れない関係にあるといわれている麻薬の問題なり、もっと的確にあなた方はつかんでいるところがあるんじゃないですか。あるかもしれないという程度ですか。それとも、事実はこういうふうにあるのだ、それについてどうしているのだというようなことまでお聞きしたいんですがね。
○政府委員(大津英男君) 深夜喫茶で麻薬の取引をそのまま検挙したという事例は、いまのところ、私ちょっと記憶にないのでございますが、これはまた調査をいたしまして、もしそういうようなのがありますれば、お答えを申し上げたいと思いますが、大体風俗営業に関連をいたしまして、いろいろ、暴力団が用心棒としてとか、あるいは経営の面に介入をしてくるというような事例は相当あるわけでございます。したがいまして、風俗営業のそれぞれの業態につきまして、警察でもある程度は、こういう数があるということについての調べはあります。それによりますと、一がいに全体がそうだということは申せないのでございますが、業態によりまして、わりあいにそういう者が関係をしているものが高いもの、あるいはそうじゃないものということになるわけでございます。と同時に、麻薬の関係につきましては、先ほども申し上げましたように、暴力団の密売網というものが大半を占めている、こういうような実情でございまして、その取引の場所というものが、むしろ最近は、盛り場等では非常にいま目立って、取り締まりもきびしくなった、罰則も強化されたということから、だんだんそういうところから離れてまいりまして、むしろ麻薬濃厚地帯といわれた地点からだんだん川辺の地域に移っていくということで、普通のそういう深夜喫茶等のような場所ではなくして、事務所のようなところとか、あるいは郵送の方法をとっているとか、あるいは車の中で取引を済ますとか、だんだんそういう巧妙な手段をとるに至っておる。こういう状況がございまして、したがいまして、麻薬の取り締まりにつきましても、非常に捜査がだんだんむずかしくなってきておると同時に、手数もかかってきておる。こういう実情になっておる。そういうことでございます。しかしながら、いまでも完全に、そういう深夜喫茶とか、あるいはバーとか、キャバレーとかいうようなところで全然取引されておらないことになったかどうかということにつきましては、いろいろ視察、内偵、捜査もいたしておるのでございますが、なくなったとは言い切れない。かように考えておるわけでございます。
○鈴木壽君 暴力団そのものについてはあとでお聞きしますが、麻薬の問題ですが、ああいう盛り場等において最近あまり取引が行なわれないのじゃないか、こういうお話ですが、これはなかなか、実態をつかむということも、まあ失礼だけれども、ちょっとあなた方の手では容易でないと思うのです。いまの状況では、毎日毎晩何人か店へ張り込んでおるわけでもないでしょうし、営業時間が延びたとか、おそくまでやっているとかいうことについては、これはわかるかもしれませんけれども、中で一体どういうことをやっておるのか、そこまではあなた方の麻薬関係の人たちでも、あるいはまたそれ以外でも、警察の方々がそこまで目を光らせてどうするというようなことまではできかねるのじゃないですか。検挙をされないということは、そういう場所で実際の取引が行なわれておらないということではなくて、それを的確につかむことができないんだということではないかと思うのですが、そこら辺はどうです。実際に麻薬関係でそういう個々の店まで、何千軒という、たとえば、新宿あたりでも少なからざる軒数ですね。東京都内、池袋でもどこでも、盛り場がたくさんあるのだが、そういう中で一軒一軒、しかも、あのボックスでどういうことを行なっているのかということまで、いまの取り締まり警戒の体制からいったんでは、なかなか手が届きかねるのじゃないかと私は思うので、したがって、現場を見つけて、それをあげるのだというようなことは、現在のところは起こっておらないのだと思うのですが、そういうところはどうですか。
○政府委員(大津英男君) 麻薬の取引の現場をそのまま押えるということは、これはなかなか困難なことであると思います。いままでも、麻薬関係の検挙というものは、昭和三十八年度におきましても、大体三千件を上回る取り締まりの件数を持っておるわけでございますが、その取り締まりにつきましては、やはりこういう情報があるということで、その情報をもとにして、あるいは張り込み、あるいは尾行というものを続けるということでございますが、昨年の春ごろに、神奈川県の例の横浜の黄金町辺にありましたような状態のときというのは、非常に街頭においての取引というものも多かったので、非常に検挙しやすかった。こういうような実情でございまして、どこそこで幾らのものを取引しておるところをどう押えたということはたくさんあったわけでございますが、最近は、そういうものはだんだん影をひそめてきて、もう目につかないような方法に、だんだん手段も潜行化してきている。こういう実情でございまして、したがいまして、ただいま御質問のように、ほんとうにもっと麻薬の担当の警察官の数をふやし、あるいは機動化をはかってやっていけば、まだそれは視察、内偵の効果も上げることができると思いますが、現在の状況では、そういう点について非常な困難を来たしながらも努力を続けて、先ほど申し上げましたような捜査、検挙を続けている、こういうような実情でございます。と同時に、この麻薬の関係につきまして、暴力団の介入している状況でございますが、昭和三十八年におきましては、大体二百十八団体、七百六十二人、こういう者が麻薬関係犯罪の検挙につきまして暴力団関係者が関係している。全体の検挙の中の二六%がこういうことであるという実態も出ているわけでありまして、特に麻薬につきましては、海を越えて運ばれてくる。したがって、兵庫県、神戸といったようなところを中心にして、それが大きな盛り場を持っているようなところ、あるいは周辺地区にも入ってきていると思うのでありますが、やはり麻薬の動き方というのは、神戸を中心にして動いている。そういうようなことで、警視庁で捜査をいたしますと、麻薬の取引の実態をたぐってまいりますと、兵庫県へ結びつく。あるいは福岡へ飛ぶ。また、大阪で事件をやっておりますと、そちらへつながる。また、兵庫で追っております者は警視庁のほうへつながってくるというようなことで、非常に麻薬の犯罪につきましては広域化している。こういうような実情でございますので、警察庁といたしましては、全国的にそういう麻薬の情報の交換をはかって、そうして最近のそういう麻薬犯罪の動向に照らして、重点的に捜査力を集中してやっていく。こういう方法で、特に卸し元等の主要な幹部については、全国的な重要事件としての指定をして、その手配も行なっており、そういう手配された者の捜査ということにつきましても、全警察力をあげてやっていく。こういう方法でやっているわけでございまして、必ずしもそういう深夜喫茶とか、あるいは先ほどお話がありましたような業態のところにばかり張り込んで検挙をするということが得策ではない。かように考えておりまして、いろいろな方法で捜査を続けている。こういう状況でございます。
○鈴木壽君 私は、いままであなた方が麻薬の取り締まりについて一生懸命やっておられる、そういう努力に対しては敬意を表しますし、それを私とやかく申し上げるのじゃなくて、こういう問題はかえって、たとえば、最近においては、盛り場にそういう取引の場所を求めるというようなことは危険でもあるしというので、彼らがやっておらんだろう。それで周辺のほうに、密集地帯以外のところでやっているのだ。これは末端のやつですから、何も外国から来るのじゃなくて、来たものをどうしてやるかという末端のやつですから、そういうことを、それこそ警察が重点を置いているような地区では彼らはやりません。いつでも裏をかくようなことをやります。盛り場における、あるいはそういう業態における、それがいまのところゆるやかだ。こう見ると、いま言ったように、あなた方の裏をかいて、そういうことをじょうずに使っている。これは当然考えられることです。ですから、そういうことに対して、いまの麻薬関係の警察の人たちの数なり、それから、ここへ行かないのはけしからんということを私申し上げておるのではなく、しかし、こういうこともやっぱりやらなければいけないのではないか。こういう考え方でいるわけなんで、その意味でどうなっておるのか。あなた方つかんでおられる事実なり、あるいはこれからなさろうという、そういう考え方なりをお聞きしたい、こういうつもりでお聞きしておるのであります。私は、この委員会でいま問題になっておるいろいろな深夜喫茶の問題、あるいはその他のこういう業態の問題は、それ自体としてはそんなに何といいますか、全面的にやめてしまわなければならないというものばかりではないと思うのです。特に私は、深夜静かなところでほんとうにコーヒーを飲みながら、音楽を聞きながらやっておるところは、私はあってもいいと思う、純粋の意味のそういうものであったら。あるいはボーリングだって、そのものに別に、あれを目に角を立ててけしからぬといってとめなければならぬとか何とかいう問題はないと思う。ただ、それらに伴っていろいろなものが起こるものだから――特に、単に青少年の風紀というような問題だけに限らず、いまの暴力団の問題なり、それから麻薬の問題なりというものが常にからんでくるということがいわれておりますから、そういうものこそ私は、やっぱり徹底的にやるべきではないか。こういうことを私常々考えておるのであります。ですから、そういう点で私は、こういう暴力団の問題なり麻薬の問題なりというものは、やっぱり私どもほんとうに緻密な計画と、ほんとうにたえざる努力をして根こそぎ絶滅をはかるのだという、そういうかまえでやっていただきたいという気持ちが、私の御質問を申し上げる中心なんです。それで暴力団の問題ですが、これも私現場を見ているわけでもありませんし、単に話を聞く程度ですが、たとえばヌードスタジオでも、そういう問題で暴力団の保護あるいはひもをつけること――個人的にも店自体にも、そういうものなしには営業が成り立たないとすらいわれております。それの真偽のほどはわかりませんが、そういう話をする人があるとすれば、これはたいへんな問題だと思う。これは今度警視庁あたりで暴力団退治というか、暴力退治に本腰を入れて、総監を中心に刑事部長が本部長とかになってこれからやるのだ。こういうことを新聞なんかで見て非常にけっこうだと思うのですが、そういう場合にやっぱり私どもがいま審議しておるこういう問題にからんでの暴力団対策というものを、私はほんとうに徹底的にやってもらいたい。単に、ときどき刀を抜いてあばれるとか、隊を組んでどうするとか、ああいう暴力団よりも、むしろ内部に巣食っていろいろな悪の温床になり、自分たちも悪をまき散らすような、こういうものを私は、単に小さな暴力とか何とかいうのではなしに、ほんとうに徹底的にやらなければいけないのではないであろうか。そういう点で、今度の暴力取り締まりの対策について、こういう問題とからんでの暴力団のあり方、暴力団の現在の状況なんかを的確につかむことが必要ではないかと思う。それに基づいた対策がぜひ私は必要だと思うのです。そういうことでひとつ長官どうです、今度の東京都で――警視庁でやっているああいうもの、これにはもちろん、あなた方十分関係しておられるのですから、警察庁の立場での、これに対する考え方をひとつお聞きしたいと思います。
○政府委員(江口俊男君) ただいま鈴木先生のおっしゃったとおりの考え方で、ひとり東京だけでなしに全国的な運動として、ことしの一番大きな目標として、そういうものの退治と、それから交通事故を少なくするという二つの柱を立てているわけであります。その一つの柱であります暴力犯罪の絶滅という点では、従来でも暴力団ということだけに限りますというと、刑事部のたとえば捜査二課というようなことになるわけでございまして、これだけは一生懸命暴力団の研究をしておりますけれども、実効がなかなかあがらないというようなことで、今度は暴力団を直接担当している部局だけではなしに、右翼を名乗る暴力団も多いということから、警備も参加する。あるいはただいまおっしゃたような暴力団の資金源になっているような営業のほうを担当している保安局のほうも一役買うというようなことで、警察の総力をあげてやっていこうというような気がまえを示す。したがって、そういう線で警視庁でも総監を委員長とする全面的な組織というものをつくったわけでございます。しかし、ただいまも御指摘のように、暴力団の実態については、ただ、何々組だとか何々会というような名前と、その総数というような面については把握をいたしておりますけれども、その十分こまかい内容については、ただいまから解明する過程が相当あろうかと思います。どれくらいかかるかというようなことについては、これは先の目安の問題ですから、確言はできせまんけれども、数九月を出ずして大体の目安がついて、それによっていろいろな対策を立てていくというようなことになろうかと考えます。
○鈴木壽君 いわゆる暴力団というところまでいかない、何々組とか、そういうふうな名の通った組までいかない、団体までいかないが、しかし、何人か集まってやっているという、こういうものも最近ふえてきているというふうに聞いておりますが、この点はどうです。実際にそっちのほうに当たっておられる方々、何かそういうことについてあれですか。
○政府委員(江口俊男君) こさいの数字につきましては、捜査二課長が参っておりますから、必要によってお答えいたしますが、われわれわの目分量によりますというと、ただいまおっしゃるようなものも、もちろんあるにはあるでしょうけれども、従来の暴力組織というものはむしろ集中化している。組の数が減り、しかも人数がふえているというのがいわゆる暴力組織の実態のようでございます。
○鈴木壽君 一方において、これはその他の場合にも、私らちょっとそういう方面について多少何といいますか、知識を持っているような人から聞く程度ですからわかりません。事実いまどうなっているかわかりません。それでお聞きするわけでありますが、いまおっしゃったように、組織が一方において集中化している。しかも、それが全国的な傾向を帯びてきているのだ、こういう事実も確かにあるようであります。と同時に、そういうものは一方でだんだん進むと同時に、あまり何といいますか、大っぴらなそういう全国的な組織とか、大きくなったというかっこうをとらないで、かえって小ものかもしれませんが、そういうものが特に年少者を中心につくられつつある、こういうことも聞くものですから、実態はどうか、しかも、そういう年少者が主としてこういう盛り場なり、いまいろいろ私どもがやっている業態のところに関係しているのだ、こういうことを聞くわけなんですから、まともに何々組のだれだというようなことはわからぬと、こういうふうなことを聞きますのですが、そういうところ実際のあれですか。
○説明員(関根広文君) 暴力団体の大きさ、それから数等につきまして長官からお話がございましたが、ただいま私どもで把握しております暴力団体の数は五千百三十一団体の十七万二千七百十一名、これは三十七年十二月末現在の数でございます。この中には、いまお話がございました、れっきとした名前が通った団体というものが大半でございますけれども、青少年不良団体で常習的に犯罪を行なうような集団の団体も含めて把握しております。したがいまして毎年人員が多少ふえておりますが、これは実態がふえておるという面と、また警察の把握するしかたによって数がふえておるという両方から言えるのじゃないかというふうに思うのであります。その特色といたしましては、ただいまお話がございましたように全国的な系列化あるいは集団化、大規模化ということが目立っておりまして、私どもの調べによりますと、五十人以上の構成員を持つ暴力団体というものが逐年増加の傾向にあること、また百人以上の大規模な団体は、これも前年に比較いたしまして、前年が九十四団体だったのが、百三団体というふうに増加しておるということで、全体の数の把握の状況がふえておりますと同時に、大規模化ということが見られるというような状況でございます。また活動領域の点から見ましても、二都道府県以上の区域にわたって組織となわ張りを持つ暴力団の系列に入るという団体が、これも千二十団体、前年度よりも百四十七団体の増加ということで、私どものほうの調べから見ますと、数も増加、大規模化、系列化、広域化、こういうことが言えます。また、構成員と前歴者との比率、すなわち構成員が悪質になっているというふうな点を構成員と前歴者との比率から見てみましても、ここ数年来、構成員の中に占める前歴者の比率がふえておりまして、三十三年、五年前には七六・六%でございましたが、三十七年には八二・三%というふうに、集団の中においてそういう前歴者がふえておるというふうな状況が見られるようでございます。
○鈴木壽君 いま詳細な数字などをお聞きしましたのですが、組織の何といいますか、集中化、それから、ある特定の地域から場所を幾つにもまたがって、特に全国的なそういうようなものに変わっていくという傾向、そういうことはお話のように最近変わった一つのそれかと思うのですし、私どもそういうことも知らされておるのです。私お聞きしていることは、そういう傾向とはまた別に、ほんとうの意味での、あなた方これは暴力団だとか何とかという名前をつけることができないかもしれぬけれども、実質においてそういうことをやっておる特に年少者のグループが相当ふえている。しかも、それのうちのだれかが今言ったような組織につながっておるのだ、こういう者が相当最近あるということをいわれておるものですから、そういうような事実はどういうふうにおつかみになっておられるか、こういうことなんであります。
 それで問題は青少年、まあいわば青少年の中のよくいわれる非行少年でございましょう、そういうのをある意味において暴力団が意識的に手先に使うのだ、こういうこともいわれておるわけなんですね。彼らは、かりに罪を犯し、あげられても、軽い罰で済むのだとかいうようなこともあって、つながりを持ちながらしかし自分たちの組織にはしないで、そうしていま言ったように、意識的に自分たちの手先としてやらせているのだ。こういうような事実がある点、もしそういうふうなことがあるとすれば、これは非常におそろしいことだと思うわけです。いわゆる予備軍みたいなものを養成しておいて、将来まただんだんそういう大きな名の通った暴力団の中に編制していくのだということにも私はなりかねないと思うので、そういうものについての注意と警戒を怠るべきじゃないと思うわけなんです。そういう点をどういうふうにつかんでおられるのか、それをお聞きしているのです。
○政府委員(大津英男君) お話のような傾向があるわけでございまして、実は昨年の六月、一カ月間でございますけれども、全国一斉と申しますより、全国の警察署千二百のうちの約一割、百二十の警察につきまして少年非行集団の実態調査というものをやったのでございます。この結果によりますと、調査対象になりました非行少年の総数がこの期間に二千三百五十一名でございまして、この非行少年の中で少年の非行集団あるいはおとなの暴力団に所属をする、あるいはそれらと何らかの関連があるといったような少年の数は千百十五名でございまして、二千三百五十一名の中の四七・五%が成人暴力団との関連あるいは少年だけの非行グループと申しますか、そういうものに関連をして、自分一人だけというものじゃなしにやっておる。こういうことが数字的に一割の百二十の警察署で調査いたしましたところ出てまいったのでございます。この中で少年非行集団に属している少年というのは九百九十四名で、総数の四二・三%。それから少年非行集団に所属していないが何らかの関連があるというものが四十八名で二・〇%、それから成人暴力団に所属または関連していた少年が七十三名、三・二%、こういう統計が六月一カ月間、百二十の警察署について調べたところが出てまいったわけでございます。同時に、調査期間中に補導対象になったそういう非行集団の数が二百十集団、こういうようなことも出ております。一律にこれを十倍すると全国の数が出るのだということには必ずしもならないかもしれませんが、一つの推定としましては、大体、十倍いたしますれば全国的なものに近いものになるのじゃないか、こういうような感じをこの調査を通じて持っておる、こういう状態でございます。
 で、先ほどお話のございましたように、そういう少年だけの非行グループ、特に番長制度だとかいろいろなこともございまするし、それをまた手下に使っておるおとなの暴力団もございまするし、まあそういう者が深夜喫茶その他を中心としていろいろな非行を重ねておったというような問題もあるわけでございまするし、先生が御指摘になったようなことが私どもの調査でも出ておる。こういうことでございます。
○鈴木壽君 こういう昨年の六月調査した結果を、いまお話があったわけなんでありますが、そういう実態から見ても、暴力団との関係のある者が相当――数からしますと四七・何%ですか、約半分がそういうものに関係のあるものと見ていいと、こういうお話、まあ非常にこれは一つの方法だと私は思うのですがね、こういうことに対して一体どうなんですか、対策は。
○政府委員(大津英男君) まあ非行少年の問題につきましての対策というのは、非常に関係するところも多いわけでございますが、警察としていろいろ考え、また措置しておるということは、大まかに申し上げますと、最近では少年非行の傾向というものを考えまして、いまのお話に出ましたような非行集団、この集団を解体する作業をやらなければならない、こういうことを私どもは最近重点的に各県にやっていただくようにしておるわけであります。その方法としましては、ソシオメトリーという方法を少年のそういう非行集団についていろいろやってみる、こういうことも考えておるわけでございまして、一つの非行集団のグループの中のA・B・C・D――たくさんの少年がおりますが、その中の少年と少年の結びつき、交遊関係、親密疎遠の度合い、だれが一番にその中心になっておるかという、人と人とのつながりの関係をそのグループの中で調査をする、そして一番にその中で影響力の強い少年をそのグループからはずしていく。それからそういう者をはずしたあとの者はグループとして健全な方向へ持っていくという指導の仕方もできる、こういうようなことで、こういう問題は警察と――特に学校の生徒にそういう点がいろいろ出ておりますので、学校ともいろいろ協力をいたしまして、特に最近は文部省でも学校にカウンセラーの制度をつくるとか、いろいろなことを命じておられますけれども、そういう問題、それから警察としては各府県にそれぞれ少年補導センターのようなものもございますけれども、そういうところを通じて、学校とのそういう連絡をやるとか、あるいはそういうところがないところでは、学校と直接警察がいろいろ連絡をしていく学校警察連絡協議会というようなもの、それから職場関係でそういうことがあってはならないという意味で、職場警察の連絡協議会、こういうようなものもつくる。まあそういうようなことを、ソシオメトリーの方法を実施していくにつきましても、いろいろ関係の向きに協力をしていただいて、この非行少年の集団の壊滅ということについてはいろいろ努力をしておる、こういう状況でございます。
○鈴木壽君 まあ非行少年の不良化防止の対策はなかなかたいへんな問題で、ひとり警察当局だけの力では解決のつかない問題ですから、責任をあなた方にみんなおっかぶせるなんていうことはあり得ないことでありまして、そういう点ではむしろ私はあなた方の御労苦なり心労に対して感謝しなきゃならぬと思うのですが、そこでいわゆる出てきたものをどうするか、いわば対症療法よりももっと出るまでの、発生するまでのそういう集団ができたりあるいは非行が行なわれるまでの、そういうことについてもこれは単に警察のみならず、すべての人たち、社会全般の責任としてこれは考えていかなきゃいけない根本的な問題だと思うのです。出てきたものを、取り締まりの面であなた方が指導したりあるいはいろんな方法を講じることは当然であるにしても、根本はいま申し上げたようなことでなきゃならぬのです。その場合にこういう非行少年のそれを生む一つの何といいますか、原因といいますか、要素といいますか、それが現在の暴力団と無関係でないという事実も、これは否定できないと思うのです。かるがゆえに、暴力団対策というものを私はさっきも申し上げたように徹底的にやらなければならぬじゃないだろうか。ぜひやらなければならぬ。今度オリンピックがあるから、それまでに一生懸命やって、まず外人に恥ずかしいところを見せたくないのだと、それだけに終わったんでは私はいけないと思うので、オリンピックがあろうがあるまいが、とにかく恒久対策として本腰になってやってもらわなければならぬと思う。今までどちらかというと、しょっちゅう新聞なんか見ますとやはり暴力団なんかありましたよ。それがやがて間もなく立ち消えになったようなかっこうで、また思い出したようにやる。こういうことが連続していくのを繰り返されていると思うのです、率直なところ。しかし、今度のは私はそうであってはうまくないと思うのです。まあひとつ、これは質問の域を越えているようでありますが、長官にもそれこそ重大なる決意をもって、警視庁の本多さんはだいぶ意気込んでおられる。それを新聞なんかでも拝見しましたけれども、これは全国的にひとつ徹底的にやる、こういう決意であってほしいと思うし、そういう努力を続けてぜひやっていただきたいと思うのですが、いかがでございましょう、長官。
○政府委員(江口俊男君) ただいま御鞭撻をいただいたとおりのことでございまして、重大な決意でみんながやっていくということに相なっております。
○鈴木壽君 ひとつお願いですがね、現在の暴力団についてのいろいろな系列なり組織の状況なりですね、そういうものについてのあなた方の現在までつかんでおられるものと、それから、さっき保安局長からお答えがありました非行少年の問題等、何かあるのですか、支障のない範囲でけっこうですから、数字的なものを一応私ども所持したいと思うのですが、何かプリントにでもして、最近の暴力団の状況とか、あるいは少年犯罪の実態とかいうようなことでまとめたものをいただけませんか。
○政府委員(江口俊男君) 少年非行の状況につきましては、昨年の八月に、ただいま大津保安局長から説明を申し上げたようなことを含めて数字をわかりよくつくったのがございますので、御必要ならばお届けいたします、余部があると思いますから。これでございます。「警察の窓」というパンフレットでございます。
 それから、いわゆる暴力団といいますか、暴力組織の実態につきましては、先ほど関根捜査第二課長からお答した程度の抽象的なことしか、現在のところ何々というのがこれは暴力団だというレッテルを張るというわけにはいきませんので、われわれの内部だけでは何々組、何の何がし、これとこれとはこういうつながりという究明は、十七万人についていたしておるわけでありますが、何の何がしは暴力団であるということを申し上げるというわけにはちょっと参らないと思います。
○鈴木壽君 まあ、個人の名前までも何も私どもいま聞かなくてもいいが、しかし、たとえば何々組というようなれっきとしたいわゆる暴力団があるわけですね。そういうものの程度ならいいでしょうよ。たとえば何々会、松葉会だとかいろいろなやつがあるようでありますけれども、この程度でもやはりだめですか。
○政府委員(江口俊男君) 何々組と、こう称しましても、暴力だけをやっているというのじゃなしに、やはり一応の生業をやっているものが大部分であり、かつ私たちは暴力をするおそれのある団体という意味で暴力団――平たく言って暴力団と言っておりますが、その連中は暴力団というふうにちっとも――考えているのもおるかもしれませんが、肯定していないというようなことで、いままでも数回そういう問題はございましたが、これは現実に犯罪を犯しました場合はともかくとして、そうでないものについては、氏名あるいは組の名前の発表等は差し控えておるというのが、われわれのたてまえであります。
○鈴木壽君 ただ新聞や何かを見ますと、たとえば松葉会がどうだの、山口組がどうだの、関東会がどうだのと、いろいろな名前が出てきますね。もちろん何もしていないときに、これが全部というふうなきめつけ方も、あるいは軽卒かもしらぬけれども、いずれにしても、あなたのいまおっしゃるように、犯すおそれのあるものをチェックしなきゃならぬ団体、警戒しなきゃならぬ団体として、名の通ったものは、これは幾つもあると思うのですよ。その程度ならいいんじゃないですか。もし、それも少しはばかりがあるというのだったら、一々名前はいいんですが、どの程度の団体で、この団体はたとえば東京都だけでなしに神奈川のこういうところにも組織があるとかいうようなものも、もしてきたら――さっき話のあった全国的な組織化が進んでおるというようなことからいっても、そういうようなところまで――個々の氏名等については、あるいは団体なり組の名前については差しさわりがあるとおっしゃるのですからよろしゅうございますが、大体いま、あなた方がつかんでおられるところの暴力団の組織状況なり、そういうようなものについて、ひとつ参考のためにほしいと思うのですけれども、その程度のものでいいんですが、いかがですか。
○政府委員(江口俊男君) もちろん個々の団体、個々の人間について、こちらのほうは一応の資料があるわけでございますから、それを抽象的に、一、二という番号を打って説明するということは不可能ではございません。しかし、先ほど捜査第二課長からも申し上げましたように、五千数百の団体で十七万名に及ぶ内容でございますから、それを何とか簡略に、大体の方向がわかるような作業をいたしましてお渡ししたいと思います。
○委員長(竹中恒夫君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(竹中恒夫君) 速記を始めて。
 本案についての本日の審議は、この程度にいたしたいと思います。
 次会は、二月二十五日(火曜日)午前十時、地方税法の一部を改正する法律案の質疑、地方交付税法等の一部を改正する法律案の説明、地方財政計画の説明、午後は一時から風俗営業等取締法の一部を改正する法律案、参考人意見聴取並びに質疑の予定でございます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時三十四分散会
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