第046回国会 地方行政委員会 第10号
昭和三十九年二月二十七日(木曜日)
   午前十時二十三分開会
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  委員の異動
二月二十六日
  辞任      補欠選任
   鈴木  壽君  藤原 道子君
   鬼木 勝利君  辻  武寿君
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 出席者は左のとおり。
   委員長     竹中 恒夫君
   理事
           西郷吉之助君
           西田 信一君
           松本 賢一君
           市川 房枝君
   委員
           井川 伊平君
           石谷 憲男君
           沢田 一精君
           館  哲二君
           占部 秀男君
           千葉千代世君
           林  虎雄君
           藤原 道子君
           辻  武寿君
           基  政七君
  国務大臣
   厚 生 大 臣 小林 武治君
   国 務 大 臣 早川  崇君
  政府委員
   警察庁長官   江口 俊男君
   警察庁保安局長 大津 英男君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       鈴木  武君
  説明員
   厚生大臣官房審
   議官      河角 泰助君
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  本日の会議に付した案件
○風俗営業等取締法の一部を改正する
 法律案(内閣提出)
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○委員長(竹中恒夫君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 委員の異動について報告いたします。
 昨二月二十六日付で、鈴木壽君辞任、藤原道子君選任。以上であります。
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○委員長(竹中恒夫君) 風俗営業等取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き、質疑を行ないます。御質疑の方は順次御発言を願います。
○藤原道子君 私は、従来深夜喫茶とかトルコぶろとか、いろいろ風紀を乱し、青少年に悪影響を及ぼす、この種のことについて関係委員会でいろいろ審議が行なわれてまいりましたが、今回深夜喫茶の全面的禁止をするという宣伝のもとに、本改正案が出ましたことは非常に喜んでいたのでございますが、いろいろ検討してみますと、すべてが条例に譲られておる。ところが、東京都あたりでも議会でずいぶん問題になりまして、いろいろ検討したけれども、条例では力が弱い、どうしても条例ではだめだから本法の改正をしてほしいという意見書が関係各省に出ておることは、それぞれ御案内だろうと思う。ところが、本法を見てみますと、結局は都道府県の条例にゆだねる、こういうことになっているのです。これではたして法改正の目的が達せられるかどうか。その点についてのお考えを伺いたいと思います。
○政府委員(江口俊男君) ただいまの御質問――と申しますか、御意見でございますが、そういう考え方ももちろん成り立つのでございますが、風俗営業法のたてまえといたしまして、風俗営業全般につきまして現に規制いたしておりまする営業につきましても、すべて場所とか時間とかということは最後的には条例に委任して、条例によってやっているというたてまえをとっているわけでございます。それは、法律的にそういう体系を一貫したいというのが、これはまあ一つの法律論でございますが、同時にまた、実質的にも、御心配になっているような、条例では相当部分が抜けばしないか、規制が十分でないのじゃないかという事柄につきましては、ただいま条例が最後的に審議されていない状況において、私たちが、こうこうでございますということを申し上げることはできませんけれども、その原案をつくり、見通しを立てている限度におきましては、法律で全面的に規制いたしまするのと内容的に変わらないものができ得るものだと考えておる次第でございます。
○藤原道子君 いま考えておいでになるこの条例に対するお考え、検討しておいでになる内容について、具体的に、じゃあお話し下さい。
○政府委員(江口俊男君) これは、たとえば東京都について申しますれば、先日も東京都の公安委員長が公述人として当委員会でお述べになりましたとおり、東京都におきましては、二十三区はもとよりのこと、二十三区で禁止いたしました場合に、それに関連して他の部面に及ぶであろうと想像されるようなその周辺の都市、たとえば、具体的に申し上げるのはどうかと思いまするが、当然府中市だとか、三鷹市だとか、八王子市というような、東京都の二十三区で締め出せば他のほうに行くであろうと思われるようなところは、町でございましても条例の中に入れる、こういうことを骨子として作成中のようでございます。
○藤原道子君 私は従来東京都で条例ができておりましたけれども、それは非常に弱いんです。たとえて言えば、これはトルコぶろ等にいたしましても、条例では窓をつけろ素通しのガラス戸をつけろというようなことになりましても、もう当委員会でも論議されたと思いますが、場所の指定がないから、下のほうで窓をつけてあったり、中からあれをかけたりするというようなことで、いろいろ抜け道をしておりますようなこと、さらに東京都は、都議会でも決議しているくらいでございますから、割合にある程度の場所の指定その他ができると思いますが、さて都下へ行ったらどうだろうか。あるいはまたこれが地方に参りますと、地方議会に、業者の関係がある者と言いましょうか、非常な暴力団等との結びつきもひどくて、議会に対する圧力が非常に強いのです。そういうことで、地方へ行けば行くほど、条例等に対しては非常に心配な実情にあると思うのです。もし条例でつくらなかったらどうなるか、こういうことになりますと、私たちは、今度の全面的に禁止するという宣伝にもかかわらず、内容か、はたして所期の目的が達せられるかどうかということに、非常な不安を感じるものでございます。そういう場合には、どういう結果になるでしょう。
○政府委員(江口俊男君) ただいまのお話の問題でございますが、東京都議会からの意見として、すでに各方面から、こういうものをもっと制限してくれという意見書が出ているくらいでございまするから、都議会に対して、それは個々に、いろんな陳情とか、圧力とかがないということは保証できませんけれども、都議会の意見としてこういうものはもっと締めるべきだという意見を出しているくらいでございますから、私は警視庁の原案というものが妥当であれば、このまま通っていくものだろうと考えます。客観的に言って、規制すべきようなものを都議会でやらないというような状態でありますれば、私たちは行政的に許された限りにおいて勧奨もいたしまするし、まあ強制ということばはいかがかと思いまするが、実質的に公正を保てるような指導をしたい、こう考えます。ただそういう結果、法律によらなければ全国的にどうしても聞かない、しかもこれは法律によっても強制せにゃいかぬというような状態になりますれば、これまたそれを追っかけて、風俗営業法自体の体系というものを根本的に変えねばならぬことになりますが、そういう必要があるという状態ならば、これはまたやむを得ませんので、その際はまたさらに検討したい、こう考えます。
○藤原道子君 そういう事態が起きたらさらにまた検討するということは、いつも聞かされることばなんでありますが、そうしてだんだん今日どこから手をつけていいかというくらいに風紀が乱れ、いろいろな問題が起きておることは御案内のとおりだと思います。私は、東京都から陳情いたしました中には、深夜喫茶などほか四点について意見書が出ておるわけであります。とりあえず深夜喫茶を取り上げられたものだと思うのでありますけれども、条例で弱いことは、いままで幾つかの例があるのです。さらにすでに業者の中におきましては、そうなったらしかたがないから、残されるであろうところのそば屋とか、すし屋、こういうところに抜け穴を考えようじゃないかというようなことで、すでに寄り寄り協議している例があるわけなんであります。東京都が禁止すれば必ずその付近へ流れていく。地方では比較的おくれた――と言っちゃなにですけれども、非常な権力を持つ人に牛耳られるあり方が間々見受けられますときに、私どもはその点非常に不安に思う。できたらまたやるというのでなくて、せっかく今日思い切って深夜喫茶禁止に踏み切られたのだから、これを本法に入れて、ただしこういう場合はこの限りでないというようなことに改めなければ、せっかく改正する意味がないというふうに考えるのですけれども、どうですか。
○政府委員(江口俊男君) 同じことを繰り返すことになって恐縮でありますが、風俗営業等取締法そのものの体系が、時間とか場所とかいう事柄については条例にまかすという形を、現にカフェーとかキャバレーとかいう風俗営業本来のものについても、そういうやり方をしているわけでございまして、仰せのような点についてなまぬるいということがあれば、ひとりこれは条例の罪、条例が弱いからということじゃなしに、きまっていることに対する私たちの取り締まり自身が十分でないという非難に私自身はとらざるを得ないのでありまして、その点は御鞭撻を十分受けるわけでございますけれども、法律で書こうが、条例で書こうが、中身が同じであれば効果においては同じである、こういうことを先ほどから申し上げておるわけであります。
○藤原道子君 その考えはわかりました。私が申し上げるのは、地方議会が弱くて、圧力に屈して条例がうまくできない場合がありはせんか、こういうことなんです。そういう心配があるから、やはり本法で規制してほしいという考え方があるのです。条例にゆだねるといっても、条例をつくる、つくらないは県議会の考えじゃないですか。私、しろうとでわからないのですけれども……。
○政府委員(江口俊男君) もちろん、法律の趣旨に従って地方議会は条例をつくっていくべき、法律的というか、常識的な義務があると思いますが、もしもそれをつくらなかった場合に、この法律によって地方議会をどうこうするというわけにはいきません。しかしながら、私たちも、警察庁というのは自分では仕事をやるわけじゃございませんが、そういうきまったことをきまったような方向に各府県警察をして行動せしめるという役目を持っているわけでありますから、ある県についてよそと違ったような、私のところは何か深夜喫茶は大いに歓迎です、という状態のものがありといたしますれば、私どもはそのまま黙っているというわけじゃございませんので、地方において多少の事情の差というものに応じた条例の差というものは考えられますけれども、実質的にどこそこは非常に緩である、どこそこは厳であるということのないように努めていきたいと考えております。
○藤原道子君 私どもはこの点についてなお納得がいきませんけれども、これはあとに譲るといたしまして……。
○市川房枝君 関連質問をちょっと。さっき長官から、風俗営業というものを慣習として条例にいままでまかせてきていることにしているということでしたが、大体深夜喫茶は風俗営業ではないわけであります。これは「風俗営業等」という「等」の中に入るものだと了解しているのですが、だから、ほかの風俗営業と同じように考えなくてもいいのじゃないかと思いますが、まずその点いかがですか。
○政府委員(江口俊男君) 風俗営業というものをどこまでいけるかということは、定義に書いてあることの解釈でございますが、かりに、ただいまおっしゃったようなことでもって、元来の風俗営業じゃないのだという立場でございますれば、なおさらその点は条例に譲っていかなければいかぬというようなことになるのじゃなかろうかと考えます。
○市川房枝君 今度の改正案の中に、「年少者に関する禁止行為」というものが出ているのですが、そうして具体的に年齢を示して禁止する場合が出ている。これはいままでは条例にあったのですね。本法になかったものを今度は本法にちゃんとお書きになった。これは私たいへんけっこうだと思うのです。だから、すべて条例になっているのが慣例だから本法にはできない、こういう御説明、ちょっと私法律の専門家でないからわかりませんけれども、常識的に考えてちょっと納得しかねるのですが、いかがですか。
○政府委員(江口俊男君) 私も条例で普通やっていることを法律に持ってくることがいけないとか、できないとかということは毛頭考えておりません。法律にやはり取り上げなければ実効が上がらないという先ほどからの御意見のとおりが全体の世論という趨勢になりますれば、この法律全体の系統をそのほうに持っていくということも可能であり、また必要だと思いまするけれども、とりあえず今回はいままでの風俗営業取締法の体系に準じた取り扱いをしよう、こういう意味で原案をつくったわけであります。
○市川房枝君 さっき藤原委員からいろいろお話がありましたが、一昨日参考人から御意見を伺いましたそのときに、東京都の公安委員長の堀切先生から、二十三区における深夜喫茶を禁止する予定で警視庁にいま立案させているのだ、都議会に提案する原案をつくらせているのだということであったのですが、そうすると武蔵野、立川、八王子といいますか、都下の市なんかは深夜喫茶は許されるわけでございまして、私ども婦人団体その他からさっそくそれじゃ困るという陳情がありましたし、それから、もし残せば、せっかく今度は政府のほうでいわゆる悪の温床となっている深夜喫茶を禁止するのだとおっしゃる趣旨が私は徹底しないのじゃないか。やはりそういう温床がただ所をかえて移動するのであって、私はこんなに明らかなことを、そういう条例できめるということでなく、なぜ法律で、本法で禁止できないのか。そして、むしろ地方の事情によって必要なところ、風俗が青少年の非常にあまり関係のないようなところは、例外として地方条例で地方が認めるということにできないものかどうかと思うのですが、それができないと、さっきから盛んにおっしゃるのですが、そうすると、何か私はほかに理由があるのか。私どもが聞いているのでは、これは憲法違反だという議論があるので、それを避けるためにこういうふうにして逃げたのだというか、あまり表向きはっきりさせないようにしたのだ。この改正案を見まするというと、どこにも深夜喫茶を禁止するといういわゆる文字は一つもないわけなんでして、これは、単に普通の人が見たら何のことかよくわからない。だから、深夜喫茶が禁止されるという保証がないといいますか、そうも言えるのですけれども、いかがですか。憲法違反云々の議論でこういうふうになったのではないですか。
○政府委員(江口俊男君) 二つの御質問のようでございます。
 初めの二十三区ということを堀切委員長言われて、他の部分については考究中だというお話をされたことは御承知のとおりでありますが、ただいまおあげになったような心配されている都市ですね、それは当然入るものだと私たちは考えているのです。ということは、先ほども私御説明申し上げたように、現に弊害のある深夜喫茶というものを除去しようという趣旨でございますから、この弊害を、場所をどこかに移せばいいというものじゃございませんから、いまのをやめたらよそに行くであろうと思われる地域については、当然考えるということになろうと思います。ただ、決定的なことを申し上げられぬというのは、やはり条例というものの最後の決定が議会にあるというためにこういう表現をしているわけでございます。
 憲法問題云々は、確かに法律に詳しい――と言ってはおかしいのですが、専門の方々の間には、そういう書き方というものは疑わしいという議論は確かにあるようでございます。しかしながら、そういう議論があるから、その中身は同じなんだからこういったカモフラージュをしたのだという御質問に対しましては、そうじゃございません。私たちは、全面的に禁止になっても憲法違反だとは思いませんけれども、ただそうであるならば、憲法違反的な表現よりもそうでない表現のほうがむしろいいというぐらいの気持ちはございますが、憲法違反云々でやらなければならぬことを縮小しているというような考え方じゃございません。
 それからまた、もう一つは、こういうことも考えられるのであります。時間を限って、それ以後法律的に全部いけないということになれば、それはもはや私たちが風俗営業の禁止として取り上げる問題じゃなしに、これはむしろ飲食店営業の許可が現にあるわけでございますから、それを十一時までとかなんとかいうふうにおきめになって、それ以外の特にやむを得ないものについては終夜を認めるというような内容と違わないものになりまするならば、法の体系としては、現にある飲食店営業法の改正というようなことで持っていくのが、また筋じゃなかろうか、こういうふうに考えまするし、さらに突き詰めていいますれば、それじゃある程度以後の時間の営業というものは、すべて風俗に関係するのだから風俗営業だというふうに、私なんかはそういうふうな考え方をとってもいいんじゃないかという気持ちも多少持っておりますが、こういうことからして、なかなか一気にいかない、その辺で実害を除こうというのが偽りのない気持ちでございまして、何とかこの原案でやっていこうということで、われわれ一生懸命にやっているわけでございます。よろしくお願いいたします。
○林虎雄君 いま市川さんの質問で憲法違反という疑いがあるから府県条例にゆだねたのではないかという点の質問に対して、長官のお答えは疑いがないとは言えないが、今度の法律案はそれをあまり深く考えないで、従来の慣行から府県条例にゆだねた、こういうことでございますか。
○政府委員(江口俊男君) そうです。
○林虎雄君 それでは、法律でもって規制するということについては、やはり憲法違反というようなことをお考えにならないとすれば、いまのお話のように法律ではっきり規制したほうがすっきりするような気がしますが、この点どうですか。
○政府委員(江口俊男君) 憲法違反であるという声があるから法律でやらなかったのじゃないかという御質問でございますから、憲法違反という声は私たちのほうからはもちろん出しておりませんが、声が一部にあることは事実でございますということと、しかし、この法案ははその声でどうこうしたというものじゃないというのが第二点。しかし条例にゆだねたというのは、いままでの風営法のたてまえがこういう書き方をしているということとそれから実質的には、やはり全国くまなく、どういう事情があろうとも法律で一応禁止して、その例外だけを条例に書かせるというのは実情に適するか適しないかということになると、やはり積極的に実情に適する適しないを地方の条例にまかせるのがいいんじゃなかろうか、こういう議論の上に立っているわけでございます。
○藤原道子君 私はどうしても納得がいかないわけなんです。実情に沿わない、だからいまの段階ではこれでいくのが妥当だと思う、こうおっしゃるのですが、御案内のように、私たちはかつて売春防止法のときに、ずいぶん国会で戦ったわけなんです。そのときにもわれわれの主張が破れて、いまのような、世にいうところのざる法ということになった。赤線は禁止されたけれども、その後あの手この手でもぐってやっております。その一つの役割りを果たしているのが深夜喫茶、あるいはトルコぶろあるいはヌードスタジオ、いろいろなものが売春の温床になっていることは、私昨日も犯罪情勢というのですか、保安局で出しているこれを見て、しみじみと考えさせられたわけです。それで今度の法案をまたあらためて読み直したところが、いまも市川委員が言われましたように、禁止すると宣伝はしているけれども、はっきり禁止するというようなことになっていないのですね、条例にゆだねると。――その条例が各地で違うわけです、各県議会で条例はつくるわけでございますから。そこでその関心度によって非常に違ってくる。あるいは条例をつくろうとしても、圧力に屈して条例がつくれないというような場合を私は憂える。三鷹、立川とかいうところだけを私は考えません。どこだって彼らは商売をやろうと思えばやれるのですから、その方法があるのですから。というようなことになれば、やはり本法できちっと規制することが正しい。われわれはこの意見を捨てるわけにいかないわけです。
○委員長(竹中恒夫君) いま厚生大臣が見えましたから、ただいまの御質問に対する答弁は保留しまして、直ちに厚生大臣に対する御質疑を願います。
○藤原道子君 厚生大臣にお伺いしたいと思います。時間がないそうでございますから簡潔にお伺いしなければなりませんが、この間当委員会で参考人を呼んでいろいろお話を伺ったわけでざいますが、そのときにトルコぶろのこともヌードスタジオのことも問題になったわけです。トルコぶろはいま公衆浴場法で規制しているわけです。公衆浴場法というならば、個室は要らないと私は思うのです。それらについて大臣は実情をもう御承知だろうと思うし、社労委員会でも過日御質問したわけでございますが、私どもはこの際、風俗営業に対する改正案にトルコふろは入っておりませんけれども、いろいろな社会悪の温床になっておるトルコぶろ、これに対してわれわれはこの際個室を禁止すべきである、これが一つ。それからもう一つは、ミス・トルコといって、若い女性がそれこそ全裸のような状態で密室で男性のサービスをする。こういう例は国辱的なものじゃないかと思う。諸外国にはこういう例はないと思う。こういうことに対して大臣のお考えを聞きたい。いろいろ悪の温床になっております。実地を見ましても非常に不安でございます。公衆浴場法で取り締まるというならば、公衆浴場法のたてまえから私は個室は必要ないのじゃないかと思う。ミス・トルコの問題と合わせて大臣のお考えを承りたい。
○国務大臣(小林武治君) この問題は、先般社会労働委員会でもお話がありまして、私もひとつ一度実地を見た上で考えをまとめたい、こういうふうに申し上げておきましたが、最近見にまいるつもりでおりますが、まだ参りませんので、その点ひとつお許しを願いたいと思います。
 なお、公衆浴場法で多少風紀的なことを書いてありますが、これは男女の混浴をさせてはならぬ、こういうような趣旨で風紀的なことを書いてありますが、その以上の取り締まり問題につきましては、警察の問題にまたなることがあり得ると思うのでありますが、さしむき個室の問題につきましては、これは廃止しろと、こういう御意見もあるし、中には、大ぜいで入るより一人でひとつゆっくり入っていたいと、こういうふうな庶民的な希望も相当あるので、個室を廃止することは困まるというようなことも、これは利用者側から申し出ておる方もあります。かれこれ考え合わせますと、私も実際を一度見まして、またそれが非常な弊害があるというふうな世論が多くなったら私は考えなければならぬと思いますが、そういう趣旨でひとつさらに検討させていただきたい、こういうように考えます。
 それから、いまのミス・トルコの問題でありますが、これが風紀を実際に乱す、こういうことになりますれば、これは公衆浴場の問題としてよりか、警察取り締まりの問題としても提起をしなければならぬと思いますが、こういう実情をいまさら調査をする必要もあるまいと、こういうようなお話もあろうと存じますが、私どもとしてはもう一ぺんそういうふうな事情を警察当局からも話を聞いて、そうして結論を出したい、こういうふうに考えております。
○藤原道子君 私は不満でございます。このトルコぶろのことは一週目の委員会で初めて取り上げたわけではないのです。何年か前から問題になっておる。ところが、そのつど実情を調査いたしましてということで逃げていらっしゃる。けれども、まさか大臣が知らないでは済まないだろう。世論はここまで来ている。と同時に、大臣がごらんになっただけじゃわからない。あなたが裸になってトルコぶろに入ってすべてサービスしていただかなければ、大臣という肩書きを抜きにして、そうしてやってもらわなければ困る。とにかく、われわれが過日調査いたしましたら、トルコぶろは公衆浴場法で取り締まっているにもかかわらず、全部個室でございます。公衆浴場で全部個室というのはおかしい。全部個室です。で、六畳に足らないような部屋に浴場が二つ。ミス・トルコの個室らしき部屋にベットが置いてある。六畳の中ですよ。それで洗面所がある。まあ何かがあるというところで、しかもおふろに入る人を介助するのは年若きいわゆるミス・トルコという者が、ブラジャーもしちゃいません。いわゆるビキニ・スタイルというのかね、あれ。それをぐっと下げちゃって、全く全裸にひとしい状態でサービスしている。それに、聞くところによれば、たいへんな収入になる。そこに売春がつきまとっておりますことは想像にかたくないわけです。こういうことが、風紀とはただ男女混浴を取り締まっているだけでと言っておしまいになるということは私はおかしい。この際大臣が決断をもって……素朴な要求としてゆっくりまあ個室でやってもらいたいなんというのは、素朴なといってもそれは庶民の要求じゃない。一晩に五千円も一万円もかかるようなところに行く人種はきまっていると思う。そういう人たちの意思に押されて、トルコぶろをいまの現状で放置するということは、われわれは納得がいかない。どうでしょう。
○国務大臣(小林武治君) 実は私もトルコぶろに参ったこともありませんし、まあうかつでそういう実情もあまり詳しくなかったと、こういうことで、先般御注意がありましたから、見にも行くと、また自分でお客になって行かなきゃだめだということをいろいろ注意も受けておりますが、それも最近の機会にいたしたいと、そういうことでただ検討しておくということで時間をかせぐという意味じゃありません。私もまじめにひとつ自分で実験をしてみて、その上でひとつ相談をして、あなたのような御意見もあるからして、何らかの結論を出したい、こういうふうに思います。
○藤原道子君 もしごらんになって、これは公衆浴場法の適用すべき範囲でないというようなことになったら、本来の公衆浴場法のたてまえから、個室を禁止することもお考えいただけるというふうに理解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(小林武治君) これらの弊害等につきましても、あれは、やっぱりそういうことも考えなきゃならないと、こういうふうに考えます。
○藤原道子君 さらにお伺いいたします。
 トルコぶろのほうは、ミス・トルコが女性として裸体の男性のサービスをするというような職業があっていいかどうか。これも私は合わせて禁止すべきであるというふうに考えておりますので、この件についても御検討が願いたい。
 それから、厚生省の管轄だというのですが、ヌードスタジオですね。あれを興行場法で取り締まっている。あれ興行と言えるかどうか。四畳半か六畳に足りないような部屋で、これまた半裸の女性があらゆる姿態をもって客にサービスしている。全裸ですか――私のときにはビキニ・スタイルというのですか、ちょっとパンツはいていました。全裸もあるそうです。ということになれば、警察庁はこれに対しての取り締まりをどうしておいでになるか。厚生省はこれを興行場法と見てその適用のもとに置いているということは、われわれ納得がいかない。大ぜいが見る場合には興行場法です。ただ一対一でやっているものをこれを興行場法とは言えないと思う。それから、犯罪の資料をずっと見ますと、やはりヌードスタジオから起こるいろいろな問題が非常に多いのです。それを興行場法としてきょうまで放置しておいでになったということについては、私たちは許せないと思いますが、これらに対してどういうふうなお考えを持っておられるか。直ちに禁止すべきであると私たちは考えておりますが、大臣の御意見を伺いたい。
○国務大臣(小林武治君) これは先般そのお話がありまして、まあ厚生省が興行場として取り締まると、こういうことは、不特定多数を相手にしたある程度の広さを持ったもの、こういうふうに解釈しておるので、いまお話しのようなものは、当然興行場法などでもって規制する問題でないと思いまするし、そういうものがまた非常に多いとすれば、これもやっぱり私どもは警察と一緒に相談をして何らかの処置をしなきゃならぬ、こういうふうに思っております。
○藤原道子君 厚生省は今まで知らないからほうっておいたのでしょうか。知りながら問題になるまで知らぬふりしていらしたのでしょうか。これはどっちなんでしょうか。
○国務大臣(小林武治君) 私は内情をよく存じませんが、とにかく、ある不特定多数人を相手にして、ある広さを持ってそういうことをやるというものは興行と見ておったと思いますが、そういうごく限られたものを相手にして、そういうことをやっておるというようなものは、私はこれは興行として認めておったとは思わない。したがって、目をのがれておったと、こういうことじゃないかと思いますので、そういうこともよく調べてみます。
○藤原道子君 私たちが特に問題にするのは、あれが旧赤線地帯でやられているということです。一対一です。それで、厚生省はいままで興行場法で取り締まっていると逃げておいでになる。この点、私たちは断じて許せない問題だと思う。
 それから、最近深夜映画というものが行なわれまして、はなはだしきは三時、四時、明け方までやっているところもたくさんあるのですが、これはどういう理由で映画を深夜にやらなければならぬのか、これはどういう観点から許しておいでになるか。
○国務大臣(小林武治君) 映画は、衛生施設、そういうことでもって一応興行の取り締まりをしておりますが、まだこの問題については、時間の制限がないのだそうです。いまのようなお話があれば、これらについてもまた考えてみますが、時間をきめておらぬのです。そのためにそういうことが行なわれておる、こういうわけです。
○藤原道子君 映画の時間がきまってないというのは、正しいのですか。それを聞かして下さい。
○国務大臣(小林武治君) いまの問題は、私がお答えしたとおりでございます。
○藤原道子君 時間がきまってないというのは、ほんとうですか。
○説明員(河角泰助君) 映画館も、興行場法上の興行場の一つとして対象になっておるわけでございますが、公衆衛生上の見地から施設、構造を規制されますわけで、営業時間につきましては、興行場法の触れるところではないわけでございます。ただ、環境衛生同業組合の映画館の組合がございまして、自主的に、営業方法の制限ということで、営業時間を、組合内の映画館につきましては制限いたしております。そういう実情でございます。したがって、アウトサイダーの映画館につきましては、これに対する法的な規制は、現在のところないわけでございます。
○占部秀男君 映画館の深夜営業の問題について、時間の制限がないということなんですが、あそこにつとめておる人々は、婦人が多いわけです、率直に言って。婦人労働の問題については、労働基準法ではっきりした制約があるわけなんです。その問題と関連をして、そういうような形から、あなたの言われるように、時間がきまってないというような形から、営業時間の問題は野放しだ、こういうことはおかしいじゃないですか。その点はどうなんです。
○説明員(河角泰助君) 私が申し上げましたのは、営業時間の問題でございまして、中の従業員の労働時間の問題は、それぞれ所管の労働基準法なり何なりの規定があることは、これはもちろんでございます。
○藤原道子君 何としても納得いかないです。そこで自治大臣にちょっとお伺いしたいのですが、トルコぶろのこと、映画のこと、深夜喫茶のこと、いろいろと追及しておると、みんなばらばらなんです。厚生大臣に聞けば、トルコぶろも公衆浴場法でやっているけれども、風紀の問題は男女混浴だけだ、こう言っていらっしゃる。私たちは、あそこには個室は要らないという立場から、売春の温床になっていることを追及しました。いま映画のことを言えば、映画館では時間の制限がない、野放しだ、労働条件を聞けば、それは労働省の関係だ。ヌードスタジオは興行場法の適用であって、不特定多数のお客に見せるのが興行場法だと言うけれども、現実はいかに青少年を毒しているかということは、大臣も御案内だろうと思うのです。これらに対して、大臣といたしまして、こういう問題についてどうお考え――どう取り締まり、どうしたら風紀を維持し、さらに青少年を守ることができるか、こういう点についての御所見を伺いたい。
○国務大臣(早川崇君) この前もお答え申し上げましたように、今回は、深夜喫茶というものが非行青少年のたまり場になっておりますので、これを規制するということに踏み切ったわけでございます。御指摘のヌードスタジオ、トルコぶろ等につきましては、今回の立法には取り上げなかったわけでありますが、それは売春防止法、児童福祉法、労働基準法、公衆浴場法によっては、風紀に関しては政令その他で定めるという規定もございまするので、そういったことをも今後検討したい、こういう意味でございます。
○市川房枝君 厚生大臣や自治大臣等もおいでになっておりますから、大臣にちょっと伺いたいのですが、この前もこの委員会の審議で、トルコぶろは浴場法で厚生省の所管になっているわけですけれども、そこに風紀の問題が出てきておりますので、風紀の問題については、これは警察庁の所管というか、関係するところ、厚生省は、ただ保健衛生の立場からだけすればいいのだ、こういうふうな厚生省の言い分といいますか……警察庁のほうは、それは公衆浴場法という法律があって、それでトルコぶろはやっているのだから、これは厚生省のほうで何とかしたらいいのだということで、両方の御意見の食い違いをこの前拝見したわけなんです。で、それに対しては、きょうはお休みですが、鈴木委員からも御質問があったわけなんです。で、この問題は、私どもから見ると、両方で何だかおっつけ合いをなすって、結局トルコぶろそのものは野放しにされている、こういうふうな感じを受けたわけでございますが、もしこれが厚生省の所管で、公衆浴場法でなさるというのだったら、いまのままでは困るのであって、いまの公衆浴場法は昭和二十三年にできて、そのころにはトルコぶろなんというものはなかったわけです。これはもうここ三、四年来、非常にふえてきたもので、今後続々ふえる傾向にあるようです。それで、二十三年にできたときの公衆浴場法では、第二条に「浴場業を営む者は、公衆浴場について、換気、採光、照明、保温及び清潔その他入浴者の衛生及び風紀に必要な措置を講じなければならない。」とあるのですが、それじゃこの風紀というのは一体どういうことかと伺いましたら、同じ二十三年に厚生事務次管から都道府県知事に対する通知というものが出ているのですが、この通知を拝見しますると、これはつまり公衆浴場法でありますが、「法第三条に規定する風紀に必要な措置とは、主として男女混浴の禁止を意味するものであって、警察的風紀取締に非ざること」と、こうはっきり書いてあるので、私どもは厚生省の出先機関といいますか、保健所が直接トルコぶろを監督しておいでになるのですが、そういう方々が監督に行った場合には、おふろのお湯がきたないか、きれいかというようなことだけを見るので、風紀なんかに関することは一切自分たちの所管の外である、こういうふうにおっしゃっているのですが、この風紀ということを、私は、それから十五年もたっているので、そうして社会の情勢がずいぶん変わってきているので、それであるのにまだこのままの解釈をとっておいでになるということはいかがなものかと思いますけれども、厚生大臣は、このトルコぶろに対する所管といいますか、取り締まりといいますか、監督といいますか、それはやはり厚生省でやるのだ、やるについては一般の心配している風紀の問題に対する心配をどういうふうに厚生省としてはなさるか、いまの通知の風紀に対する解釈では、私はこれはできないと思うのですけれども、それについてのお考えをちょっと伺いたい。
○国務大臣(小林武治君) これは、お話しのように、古い、だいぶ前にできた法律で、私ども厚生省が所管するというのは、すべて衛生的見地、国民の生活を守ると、こういうたてまえから出ておるのでありまして、風紀といいましても、いまのように男女混浴などはしないようにしろと、こういうようなことが主となっておりまして、いまのトルコぶろとか、あるいはヌードスタジオとか、あるいは、ボーリング等は全く新しいものでありまして、過渡的にそれを取り締まる法規が何にもない、こういうことで、こういう新しい客観的な事実に対応するだけの法規的な準備ができておらないということで、こういうことで、私どもはこれをこれからやらなければならない。もうおそくなったとは思いますが、それでいまの混浴等、以上の風紀という問題については、この際私は国家公安委員長とも十分相談をして、いまのような法規の対象にならないものをどう規制するかということを至急ひとつ協議をいたしたい。それから、皆さんから見れば非常におくれているということになりますし、また、私は実はこの問題を手がけたと申しますか、注意を払ったのはごく最近のことでありますので、これから、これをお聞きした以上は、私どもはまじめにこの問題をほんとうにどうするかということをやってまいりたい。現在でも、たとえば飲食業などというものは保健所が所管をしておりますが、風紀に関する問題は、これは警察の問題になっている。同じ一つの施設であっても、両方で衛生関係とあるいは警察関係と一緒に、一つに所管をしておる、こういうものもありますので、公衆浴場とか、ヌードスタジオとか、これらも私どもは警察と一緒にやっていいと、こういうふうに思いますので、そういうようなことを早川さんともすぐにひとつ十分協議をして何らかの結論を出したい、こういうふうに考えます。
○市川房枝君 厚生大臣は警察と相談をしてそして取り締まりについて協議をする、こうおっしゃったのですが、この前は警察は、いやこれは警察ではない、厚生省でやるべきだと、こうおっしゃったのですが、公安委員長、いかがですか。警察のほうと協議して、野放しにしないで至急これを何とかするという御意思はありますか。
○藤原道子君 答弁を一緒にしてください。従来ここまで来る間に何ら相談したことがなかったというのがおかしいので、もっとも聞くところによると、若干の話し合いがあったようにも聞いておりますが、それの経過をあわせて御答弁を願いたい。
○国務大臣(早川崇君) よく厚生大臣と相談をいたしまして、いわゆる公衆衛生法とか公衆浴場法というような厚生省所管の法律だけではいかないというような場合には、今度の深夜喫茶営業のように公安委員会関係が関与し得るような法律に変わってくるわけです。よく検討してみたいと思います。
○藤原道子君 いままでに相談したことがあるか、ないか。
○国務大臣(早川崇君) 非行青少年の問題にまず一番関係の深い深夜喫茶だけを取り上げましたので、ヌードスタジオ、あるいはトルコぶろというようなものに青少年が出入りしていることは非常に少ないのです。むしろおとなでございます。そういう関係で、深夜喫茶の問題とは離して考えておりましたので、今日までこの問題を厚生大臣と相談したことはございません。
○市川房枝君 厚生大臣についでに伺いますが、いまの御相談の、御相談くだすった結果を私ども伺いたいんですが、どういうふうにすると。それをお願いしておいて、それからいまのトルコの個室、それからそこで若い女がああいう服装でもってやっているということは、これは外国にはそういう例を見ないということ、これは、この間私ある日本にいる外人の男の、相当の地位の方とちょっとその問題を話したんですが、そんなことは考えられない、こうおっしゃいました。それは、御存じのとおりに、外国では普通の家庭でも、男と女が、年をとった人でも一つの部屋でドアを締めて、そこで話をしていた場合には、そこで何が行なわれたかということについて弁解の余地はない、こういうことになっております。したがって必ずドアをあけておいて、そうして話をするというのがいわゆるエチケットなんですけれども、ところが、日本のトルコぶろなんというようなものはああいう状態なんですが、法は個室をいまのところは禁止しておりません。都のほうの内規で多少の規定をしているようですが、それは何ら法的なものではない。励行する人もない、できない、こういう状態なんですが、何らかの方法でこれを少し訂正できないものか。私はきのう実は後楽園の、トルコぶろとは言っていないんですが、事実はトルコぶろで、マッサージもやっている。ところが、そこではそういう個室ではなくて、全部公開の大きな部屋で、もむのはもんでいますし、それから女たちがいますが、女たちの服装は全部ズボンをはいている。ちゃんと袖のあるのを着ているし、それからもむのはもんでも、ちゃんとマッサージの試験を受けた女たちがちゃんとマッサージをしている。これは男のお客さんだけのものなんですけれども、私は、あれならばやはり保健上から考えてもけっこうだろうと思う。差しつかえない、こう思うんですけれども、しかし、いわゆるトルコぶろと称するものの現状は、私はほんとうに国辱ものといいますか、ところが、トルコぶろではあれでもって一生懸命オリンピックの外人のお客を引っぱろうとして手ぐすねを引いている、そういうことが会報を見ると出ている。至急そういう点なんかを何とかいまの法律のできる範囲内でやっていただきたいと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(小林武治君) これは警察、国家公安委員長とも相談した結果はまた追って御報告する機会があろうと思いますし、いま、私が申し上げているのは、これはこの場限りのお答えを申し上げたわけではないので、ほんとうにこの問題はひとつみな納得いくように考えたいということで申し上げておりますし、いまの個室等の問題につきましても、できるだけ早い機会にひとつ結論を出したい、こういうふうに考えております。御了承願います。
○市川房枝君 もう一つ厚生大臣に。さっきの二十三年にお出しになった通知のこの風紀に対する解釈を何とか早く変えて、そうしてもう少しいまの現状に適するような解釈にこれを改めていただくことを、これは警察のほうと御相談にならなければいけないかもしれませんけれども、その具体的なものをひとつお願いしたい。
○国務大臣(小林武治君) そのこともひとつわれわれに内部的に、あるいは政府部内で相談の上、適当にいたしたいと考えております。
○千葉千代世君 一点だけ。ボーリングの件ですが、この間の当委員会で文部省の体育局長から、ボーリングはスポーツではないという見解を述べられたのです。ところが、その後聞きますところによりますと、社会労働委員会では、厚生省側は、これはスポーツであるという答弁をなさったそうです。大臣はどういう観点からこれをスポーツであるという認定をなさいましたか。
○国務大臣(小林武治君) いまのは、これはスポーツであると私は申さなかったのですが、だれか厚生省の人が申したとすれば、そのことをひとつどういう意味で申したか私調べてみたいと思います。私は申さなかったのでございますが。
○千葉千代世君 やはり国会に来て答弁をなさるのは政府を代表してでしょうから、大臣がおいでにならないで、かりに局長さんが御答弁なさったとすれば、これは大臣の見解と同じと承って私どもいままで委員会に出席しておったのですが、この点いかがでしょうか。
○国務大臣(小林武治君) 必ずしも政府委員、大臣と打ち合わせの上でお答えしておる、こういうことでもございませんし、間々違ったこともあります。それは結論的には私が責任を負いますし、また間違っておれば、私が取り消さなければならない。いまのことは調べてみます。
○千葉千代世君 時間がないから私やめますけれども、やはりボーリングというものが健全なスポーツではない、たくさんのお金もかかるし、たくさんの資本を投下しておりますから、それを回収しますために、あそこにいらっしゃる方が犠牲を負っている、こういうたくさんの問題があるわけであります。少なくとも、健全なスポーツは、そんなにお金がかかるものではないわけです。そういう観点から厚生省で見解を統一なさって、文部省がスポーツではないという見解を示されたわけですから、その点も風営法の今後の問題について重要でございますので、ぜひ見解を統一していただきたいことを要望いたしまして質問を終わります。
○国務大臣(小林武治君) スポーツとは何ぞやといういろいろむずかしい問題もございます。不健全なスポーツということばもありますし、健全なスポーツということばもございます。スポーツの定義がむずかしいわけです。いずれにせよ、ボーリングを夜中までやっているのは適当であるかどうか、こういう問題を考えなければならない。あれは体育と申しますか、からだを動かすに役に立つことも一つの事実でありますが、スポーツなどということばにとらわれずに、私はそういうことを夜中までやるということがいいかどうか、こういうようなことで考えていかなければならないと思います。
○千葉千代世君 たいへん重大ですからもうちょっと。これはボーリング場を許可することについては、スポーツであるからというので許可しておるのです。そうしますというと、文部省のほうではそうでないと言う。これが夜までやるのを取り締まるだけでなくて、やはりそういう点の許可基準というものがあるわけですから、非常に重大でございますので、この点についてはぜひ慎重に御検討いただきたいということを要望しておきます。
○国務大臣(小林武治君) もう一つ申し上げておきますが、これは実は最近できた問題で、何も規制がないので、スポーツだから許すとか許可しないとか、無許可、許可という問題がなくていまやっている。要するに、規制する法規が何もない、こういうことでありますから、これらも一つの欠陥と申しますか、穴があいておる。こういうことで、これをどうするかということをやはり急いで考えなければならぬ。こういうふうに考えます。
○辻武寿君 ひとつ厚生大臣に。
○委員長(竹中恒夫君) 簡単に願います、時間がないから。
○辻武寿君 ひとつお伺いしますが、現在非行少年といわれているもの二十六万人のうち十万人が深夜喫茶を利用しているということは聞きましたけれども、私はこうした青年を少しでも少なくするために、積極的な方法として、文化センターとか、あるいは青少年センターとかというものを都心にはもっとたくさんつくるべきではないか。台東体育館とかあるいは文京公会堂とか、ああいう施設が都心には非常に少ない。荒川区あたり全然ないというぐらいないのですね。そういった方面の、積極的な善導をするための施設、厚生施設というものを考えなければならないということを痛感するのですが、こういうことをお考えになっているかどうか。今後こういう点についてどういうふうな方法で進まれるか。構想というものはおありかどうか。これは自治大臣と厚生大臣、お二人にお聞きしたいと思うのです。
○国務大臣(小林武治君) いまの、集まる場所がないということが非常な社会的の欠陥であることはお話しのとおりでありまして、私ども厚生省としてもこれを奨励しておる。その方法としましては、地方団体に金がないということで、ただいまはまあ厚生年金の還元融資ということで、全国的な相田奨励をして融資をいたして、方々にこれができている。東京等におきましても、まあ区なり都なりから申し出があれば、これを大体許すというか、融資を出しておるということでございまして、自治団体からいま主として申し込みを受けてやっているということで、大体要望に応じておると、こういう状態でありますから、これからもそういうのは私どもとしては、ぜひ必要であると、こういうふうに考えております。
○国務大臣(早川崇君) 自治大臣といたしましても、たとえば厚生年金融資の体育施設、プール、児童遊園、その他ユース・ホステルというような青少年のためのいろんな自治体の経費につきましては、重点的に起債、あるいはその他の財政援助を積極的にやっておりますし、また一そうやる必要を痛感しております。
○市川房枝君 この前もちょっと伺いましたことと重なるわけでありますが、実は一昨日、この委員会で参考人の御意見を伺ったのです。そのときに東京都の公安委員長の堀切先生がおいでになりまして、そして堀切先生から私質問して伺ったのですが、今度の深夜喫茶の禁止はその都道府県の議会が決定する、その条例によって場所を指定して禁止すると、こういうことになっているわけなんです。都のほうで、はたしてどの程度東京都内で禁止されるのかということは、もちろんまだ細目的な決定をしていませんけれども、どんなぐあいな予定になりますかということを伺いました。そうしましたら、その公安委員会としては、いま警視庁に対して都議会に条例の案を提出する準備をさせているのだけれども、その中で一応二十三区、東京都二十三区内の深夜喫茶は禁止する、その他は検討中と、こういう御返事をいただいたわけなんです。で、そうしますと、それが新聞に出まして、そうしたらさっそく二十三区外の武蔵野、立川、八王子といったところの婦人会なんかから、それじゃあ自分たちのほうの深夜喫茶は残されるのか、それじゃあそこがまた悪の温床になるのか、それでは心配だということの陳情がさっそく参っておりますが、私どもも、やはり条例で決定されることになりますと、それこそ政府のほうの深夜喫茶を禁止したいという御意図がどこまで達するか、私は非常に不安になってきたのです。だから、むしろ条例によらないで、法律の上で深夜喫茶というものを禁止をする、そして必要な場所、あるいは風紀の心配のないところには都道府県が条例をもって許すという、ちょうどうらはらになりますけれども、逆なふうに置きかえていただけば、それこそ安心なんですけれども、それいかがでしょう。
○国務大臣(早川崇君) 衛星都市につきましては、目下警察庁といろいろ折衝中でございますので、そういう弊害がありますれば、そちらにも及ぶように措置したいと思っております。
 また、地方自治体の条例にゆだねるということは、私は、本質的にできるだけ自治体がその地域の実情に応じてやるというのが、私の少なくとも民主主義に対する観念であって、特にこういう場所場所でいろいろ条件も違いますので、自治の発展のために、条例にゆだねたわけであります。条例にゆだねましても何にもやらぬというような事態は私は考えられないと思うので、実施の状況を見て、さっぱり国会の意思あるいは法律の意思が実現されぬということがありましたら、法律でも個々に指定していくということを考えてもいいんですけれども、できるだけ自治体というものの自主性というものが私の地方行政の基本的理念でございますので、そのようにいたしたのでございます。
○委員長(竹中恒夫君) 国務大原、予算委員会からやかましく言ってきておりますので、大臣、あちらにおいでになりましたら、秘書官、警察庁長官をすぐこちらに来てもらうようにしていただきたい。
○市川房枝君 一つだけ。いまの大臣の、地方自治体の意思を重んずる、それが民主主義だということ、一応そうも言えると思うのですけれども、しかし、まあ、それじゃ自治体の決定にまかすからには、はたして各自治体がほんとうに青少年の非行問題を考えて、そして禁止をしてくれるのかどうか。必要なところを必ず禁止してくれるかどうかということの見通しは、大臣はだいじょうぶだというお考えですが、私どもはどうもそれが心配ですし、だめな場合には、さっき警察庁長官は何かさせるようなことをおっしゃったのですが、しかし、それは法的に根拠がないのであります。権力でといいますか、だからそうでなくて、やはり憲法改正といいますか、憲法の基本的人権、いわゆる職業の自由ということで、営業を禁止するということは反対があるのだ。これは前の改正のときに、実は私ども禁止してほしいと言ったのですが、そのときに、憲法の条章に反するから禁止はできないのだとおっしゃったのですが、今度もそういう事情がいままで表向きにはおっしゃっておりませんでしたが、あるのかとさっき実は伺いましたら、いや、今度はそういう意見は一部にはあったけれども、ほとんどそれは問題となっていないというふうに伺ったのです。それならたいへんけっこうなんで、むしろ私は法の上で禁止していただきたいということを希望しているのですが、まあ国家公安委員会のほうで地方自治体に、さっそく、ほんとうに悪の温床である深夜喫茶をなくするという本来の趣旨に合うようにさせる、法的なあれはなくてもさせるという御信念といいますか、そういうものがおありになるのかどうか。そこのところまだ不安なんですが、もう一度それに対する御意見をおっしゃっていただきたい。
○国務大臣(早川崇君) この問題は、与野党を問わず、あるいは新聞、言論界、一般の奥さん方、いわゆる世論というもの、その世論が圧倒的にこれを要望しておりますし、しかも、法律で出したわけですから、それを自治体がうやむやにすることは、私は考えられないと思うのであります。ただ一つ、私たちは、たとえば温泉町というのがありますが、そういうところが、いわゆる温泉客のために、青少年の出入りというのではなくて、一時、二時くらいまでやっているところがあるのですが、そういうものを自治体の人たちはどう判断するか。目的は非行少年防止でございますから、そういったところは自治体御自身の御判断にまかすというのがうま味があるのではないか。そういう意味で、私はいわゆる非行少年を防止するという意味においては、一〇〇%われわれの法律の意図を実現するものと確信いたしております。
○藤原道子君 一つだけ。大臣が言われるように、民主主義が徹底的に行なわれておれば、私は心配ないのです。それから、東京都であるとか、大都会と温泉街だけを考えられないのです。このごろ、健全なスポーツとして出かけておりますスキー場であるとか、そういうところにもちゃちなものではあるけれども、そういう傾向のものができて、まじめな青年を毒しておる傾向がすでにあらわれておるのです。ところが、地方に参りますと、業者の圧力というものが非常に強いのですよ。それに押されて、私たち、条例ができるだろうか。だから、本法で規制して、そして例外的なものは条例にゆだねるというようなふうにしてほしい。ほんとうに青少年の健全な育成を願うならば、非行化を憂うるならば、私は本法に入れられないということがおかしいと思う。民主主義がすなおに行なわれますならば、私たちは心配いたしません。最近外国の出版物等を見ますと、日本人としてもう目をおおいたいようないろいろなことが紹介されており、日本に行けば何でもかんでも自由だ、こういうことがしきりに宣伝されておることを考えましても、オリンピックを前にいたしまして、日本はやはりこういうことをしたんだ、ほんとうに本法で規制したんだと言うことも大きに意義があるという立場から、私たちは本法に入れることをこうして主張してお考えをお伺いしておるのです。地方で民主主義がすなおに行なわれておるかどうか。それから、業者の圧力に屈してそういう結果になりはせぬかという御不安はお持ちではないでしょうか。
○国務大臣(早川崇君) その御不安に対しましては、国権の最高機関の国会の諸先生方の御意見も十分体しまして、われわれとしてできる限り、各県の公安委員長の全国大会もございます、警察本部長会議もございますし、知事会議もあるわけでございます。十分御趣旨を伝えて、この法律がりっぱに条例で実施されるように努力いたしてまいりたいと思っておるわけであります。
○委員長(竹中恒夫君) 警察庁長官はいま質問を受けておられ、済み次第来られるそうでございます。他の政府委員の方に御質問がございましたら、順次御発言を願います。
○松本賢一君 ちょっと局長さんに、たいへん素朴な質問ですが、風俗営業というのは、喫茶店というものが全部今度は入るわけですか、どういうことになりますか。
○政府委員(大津英男君) 喫茶店というものは、今度の四条の二という条文で、場所の規制あるいは時間の規制、そういう面から条例で、ただいまお話しがございましたように、規制をしていくことができる。そういう意味でこれは飲食店全般について四条の二でそういう規制ができますので、飲食店は全部入れていくことができる、こういうことでございます。もちろん、喫茶店全部、そういう意味で四条の二の規制をすることができるということでございます。
○松本賢一君 そうすると、この条例で、これをつくった場合に、普通のちょっとしたコーヒー一ぱい飲むような喫茶店も、これは入ってしまうわけですか。
○政府委員(大津英男君) もちろんコーヒーを飲ませるというところは喫茶店でございますし、飲食店でございますし、この条文にございますように、「設備を設けて客に飲食をさせる営業」というものに入りますので、そういうものも深夜における営業に関していろいろ規制、制限ができると、こういうことになるわけでございます。
○松本賢一君 そうすると、一律にそうなってしまうわけですね。そうすると、この四条の三の中の二というところ、十八歳未満の者は営業所に客として立ち入らせることができないようになるのですね。そうしますと、昼間でも、この適用を受けた区域においては、十八歳未満の者はお茶一ぱい飲みに入ることができないということになるのですか。
○政府委員(大津英男君) 喫茶店の、先ほど申し上げました四条の二は、深夜における制限でございますので、十一時以後場所が指定されますると、そこではそういう営業をするものがなくなります。したがって、十一時以後入るという事態がなくなるということが一つございます。それから、十一時以前の問題でございますが、四条の三の二項にございまする条文は、「設備を設けて客に飲食をさせる営業を営む者は、深夜の営業において、次に掲げる行為をしてはならない。」ということでございますので、十一時以前におきまして立ち入りをするということは、何ら規制されておらないということになるわけです。
○松本賢一君 この条文には、いまあなたのおっしゃったことが書いてなくて、第四条の三として、「風俗営業を営む者は、次に掲げる行為をしてはならない。」というように、いまの、十八歳未満の者を入れてはならないということが書いてございますが、ここには、四条の三の風俗営業というのは、ある一定の時間以後のことを言うわけですか。
○政府委員(大津英男君) 先ほど申し上げましたのは、四条の二におけるところの飲食店、一般風俗営業に入らないものについて申し上げたわけです。そういう風俗営業に入っておらない飲食店あるいはコーヒー店、こういうものが四条の二。したがいまして、それの規制に伴っての禁止行為が四条の三の二項のほうのことを申し上げたわけでございまして、風俗営業につきましては、第一条にございまするように、第一条にあげておりまする各号の営業、その中で喫茶店といったようなものは、一条の五号、六号にあるものでございます。したがって、それは総理府令で定めるところによってはかった客席の照度を十ルックス以下として営むいわゆる低照度の喫茶店と、それから他から見通すことが困難で、その広さが五平方メートル以下である客席を設けて営む喫茶店、こういうものが風俗営業としての喫茶店でございまして、それに当たらないものが四条の二のほうにかかってくる、こういうことでございます。
○松本賢一君 そうしますと、普通の森永とか明治とか、そういったような喫茶店のことは全然入らぬわけですな。これはある一定の時間の制限は受けるけれども、それ以外には制限は受けないわけですね。
○政府委員(大津英男君) 要するに、そういう五号、六号、営業の暗いとか、狭くて見通しが悪いというものは風俗営業そのものでございますから、府県の条例で現在十一時までの営業が認められており、しかも、その中においていろいろ順守事項を定められている、こういうことでございます。これに当たらないような森永とかその他の喫茶店、こういうものは四条の二の喫茶店になってまいる、こういうことでございます。
○松本賢一君 わかりました。
○林虎雄君 先ほど来繰り返し質問されておったのですが、この法律は、主として都道府県の条例にゆだねるということになって、地方の自主性にまかせるわけでありますけれども、どうも、実際府県条例の場合ですね、その府県によりまして、政治勢力の関係といいますか、その関係で甲乙がかなりできるのじゃなかろうかと思います。過去においても、この種のもので甲乙ができて、私長野県ですけれども、いつも観光関係などでは、長野県の取り締まりはきびしい。きびし過ぎる。岐阜県へ行ってみればこうだとか、たとえば山梨県はこうだとかいうふうに、具体的な事例をあげられて困る場合があるのですが、非行少年の温床になるようなこうした風俗営業の取り締まりについては、画一的とも言い切れないと思いますけれども、ある程度、府県条例にゆだねるにしても、行政指導といいますか、通達といいますか、そういうことを県へかなり強く指示するような方向などをお考えになりませんですか。
○政府委員(大津英男君) いま御質問がございましたが、風俗営業取締法の施行条例を各府県で定めました場合におきましても、大体警察庁のほうで条例の基準案と申しますか、そういうものを示しまして、指導を実際に行なう。したがいまして、各府県の条例におきまして、そう甲乙でこぼこが出ておるというようなことは、あまりないのでございますが、若干土地の事情によりまして、午後十一時までというのがほとんど全部でございますが、東京ではダンスホール等につきまして十一時三十分と、三十分延長をして条例で定めておる。こういうような実情は、その府県それぞれのやむを得ない実情もあるのではないか、このように考えておるわけでございます。今度の法律案につきましても、もちろん私どもも、行政指導と申しますか、各府県の本部長あるいは府県の公安委員会、先ほど大臣からもお話がございましたけれども、よく趣旨を徹底いたしまして、青少年保護という趣旨に照らして甲乙のないように十分徹底をはかっていきたい、そのためには会議も開き、打ち合わせも十分いたしまして、そのようなことのないようにしていきたい、かように考えておる次第でございます。
○林虎雄君 先ほど国家公安委員長の、だいぶ微妙な発言をしておられたのですが、というのは、あまり画一的な規制をすることはどうかと言わぬばかりに、たとえば温泉場などについてはうまみもほしいというような御発言に私承ったわけですが、まあそれは何もかも画一にはいきませんでしょうが、各府県の警察の取り締まり方針というものが必ずしも一致しておらないように思うのです。これは警察だけでは、県民性もいろいろ原因もありましょうけれども、その風俗営業の問題は、特に非行少年の温床になるような事柄は、なるべく画一的に強くやっていただくことがいいと思うのですが、希望でありますが、将来のこの指示、指導というようなときには、その点お考え願いたいと思います。
○基政七君 いまのことに関連してなのですけれども、本法に入れなかった理由の最たるものは自治行政関係というものですか、自治関係の自主性から、その土地の事情によって、それぞれの制限というのはそちらにゆだねたほうがいいのじゃないかというお説のようだったのですけれども、この法案が出ますにあたりましては、政府としても、やはり非行少年の非常な温床になっている、しかもそれが非常に世論の大きな的になっているということでこの法律が出たのでしょうけれども、そうなりますと、条例にゆだねても、これからどんどん都市関係は発達していくでしょうが、それに基づいて考えますと、この際本法で縛っておいたほうが、将来にわたっても憂いがないのではないか、むしろ条例にまかすことのほうがかえって他日に憂いを残すような結果になりゃしないかと思うのです。そうしますというと、この法律としてはまさしく転倒するわけですね、ですから、私は、地方自治が自主的にやるということはたいへん大事なことだと思いまするけれども、現在の事情から見て、これだけの法律を思い切って出すのならば、本法で縛っておいたほうが私はよほどはっきりすると思うのです。これは、特に駅あたりの喫茶店その他の問題は、これは例外でしょうけれども、その点は例外に条例にゆだねたらいいと思うのです。やはりこれだけ大きな問題をかかえております今日では、政府としても私は本法に入れるというはっきりしたき然とした態度が、その他教育等にも及ぼす影響を考えますと、たいへん大事だと思うのです。これがおろそかになりますと、結局、地方でこれからだんだん人口がふえてくる都市は、それぞれまた一つの悩みを地方自治体に持たざるを得ない事情にあるわけです。この辺は私は思い切ってやるべきだと思うんですが、そういうようなことについては、政府はどういうふうにお考えになっているんでしょうか。
○政府委員(大津英男君) 本法の中で、深夜喫茶そのものを禁止してしまうという書き方でなく、条例でそういう制限を定めることができるような法律の立て方になっておるわけでございますが、その理由といたしましては、先ほど来長官あるいは大臣からもお話がございましたようなことで、地方の自主的な判断、地方自治の精神に基づいてということもございまするし、同時に、現在の風俗営業そのものの時間、場所等につきましての定めというものを、この法律の現行のたてまえといたしまして、条例で定めるという行き方をとっておるのと歩調をそろえてみるという点もあるわけでございまするし、それから、もう一つには、御心配のようなことが一応おありかと思うのでございますけれども、風俗営業施行条例を定めました際におきましても、その条例の制定におきまして、いろいろ各府県でまちまちに非常な違いが出るんじゃなかろうかという心配もあったかと思いまするが、先ほど申し上げましたように、ほとんど大部分がもう十一時ということをきめておって、ごく二、三のものでそういう三十分延長したというやむを得ないものが特殊性として出ておる。まあ、そういうような実情から申しましても、今回の改正の問題につきましても、同様、青少年保健の趣旨をどこの府県においても現在非常に大きな問題として取り上げておる実情にかんがみましても、そういう問題がある限り、条例で適正な措置がいたされるものと私ども確信をいたしておると、こういう状況でございます。
○基政七君 そのことは、私どもも、確かに従来から見ますれば一歩前進ですし、政府の苦心のほどを全然私ども単に考えないという意味で申し上げているわけじゃないんですけれども、いま一番やはり大事なことは、いまのトルコぶろにいたしましても、それからボーリングの問題にいたしましても、たとえばトルコぶろにいたしても、風紀の問題は男女混浴ということをおっしゃったんですけれども、その可能性のあるその事情は明らかなんですけれども、それすらもどうにもいま手が出ないということは、やはり今度の地方条例にゆだねますと、先ほど藤原さんですかどなたかおっしゃったように、地方のいろいろな関係が非常に複雑にからんでおるために、かえって――かえってというよりも、そのためか非常に大きい悪の温床になる危険性を多分に持っているわけです。これは業者との関係なんでしょうけれども、もう一つには、やはり日本の国として青少年に対する補導がいかに善良な立場から考えられているかというのは、この際私はやっぱり大事な問題だと思うんです。いまおっしゃるような事情は事情としても、やっぱりこの際政府はき然たる態度を示すということが私はたいへん意義が深いんじゃないかと思うんです。むしろそのほうが大きくて、時間が十一時がいいのか、十二時がいいのか、またもっと前の十時がいいのかというのは、それはそれぞれの地方の事情もしんしゃくしなければならぬと思うんですけれども、そういう点からいけば、本法の上でがっちりしたものを示しておいて、その中に地方の自主性を取り入れていくというほうが有効のような気がします。それが逆になっているように思うんですが、その点についてはどうお考えですか。トルコぶろの問題なんかでも、いまのところ取り締まりができないというのが実のところじゃないんですか。つまり風紀上混浴する可能性があるわけですからね。しかも、個室で異性の人が二人入っているんですから、それが全然入ることはありませんと突っぱることは少し論理性もないし、実情にうといんじゃないか。厳重に取り締まるとすれば、私はいまでもできないことはないと思う。それができないのは、何かほかに理由があるのじゃないかというふうに勘ぐりたくなるのですが、その点を考えれば、本法で明らかにするほうがより有効じゃないかと思うのですが、いずれの場合にしてもそうだと思うのですが、いかがですか。
○政府委員(大津英男君) トルコぶろの問題につきましては、直接の御質問ではございませんですが、トルコぶろそのものについての対策あるいは取り締まり方法というようなものがどうか、こういう点について今度どうするかということについては、先ほど来大臣の御答弁もありましたので、また直接の御質問でもないので、私からお答え申し上げませんが、そういうようなことで、条例にまかせるということが結局趣旨を達成しないことになるのではないかと、こういう御懸念のようでございますが、少なくもこの深夜喫茶の問題に関する限りにおいては、絶対御心配のないようにするというふうに考えておりますし、また、そういうことのないようにしたいと思っております。
○藤原道子君 私は、いま絶対御心配がないということで強い意思表示があったのですけれども、それは非常な心配があるということで、水かけ論になりますから指摘いたしておきます。たとえて言えば、いまルクスの規定がありますね、それに対して警察のほうじゃいまどういう取り締まりをしておりますか。
○政府委員(大津英男君) 現在は照度が規定以下になっておるかどうかということにつきまして、照度計というものを用いまして、警察官が数名で一つの班を編成いたしまして、喫茶店に参りまして、それで客席での明るさをはかっておる、こういうことでございます。また、現在の取り締まりにおきまして、非常に業者のほうでもいろいろ対警工作といいますか、いろいろな関係で取り締まりがありそうだということになると、それに対処してのいろいろな方法をとって、警察官が入ってきたということになると自然に明るくなるような方法を講ずるとか、こういうふうなこともありますので、非常に取り締まりには苦心をしておる、こういう状況でございます。と同時に、今度私どもも現在の総理府令で定めております照度のはかり方そのものも、もう少し検討してみたい。現在は客席そのもの、テーブルの上の明るさだけでございまして、そういうふうに考えられるような明るさのはかり方でございますので、その辺をもう少し全体的に、十ルクスなら十ルクスでも明るくなるような方法を考えてまいりたい、こういうふうに考えております。
○藤原道子君 私もこの間驚いたのですが、私たちのあの法案審議のときには、部屋全体の明るさという考え方で審議したはずなんです。ところが、机の上、このテーブルの上だけは明るいのですね、上からずっと下げてきておりますから。こういうかさをかぶせてありますからここは明るいけれども、部屋そのものは非常に薄暗いのです。ところが、だれかが来たというと、ベルか何かをしかけてあって、すっと上に上がるようなしかけになっておる。それから、ドア・ボーイというのですか、ドアのところにボーイさんがいて、怪しげなのが来たなと思うと、すぐ合い図をすればすっと照度が上がる。こういう隠れみのですか、こういうふうなことをやっておりますが、こういうことをまさか警察は知らないはずはないと思うのですが、それに対する指導はどういう方法でやっておりますか。
○政府委員(大津英男君) これはもうそういうことがないようにもちろん警告もし、現在そういう順守事項に反したものにつきましては行政処分も行なうというようなこともやっておりますし、指導も加えておるわけでございますが、根本はやはり取り締まりがなかなかしにくかったという点にあると思います。と同時に、今までの照度のはかり方自身の問題がやや適切を欠いておる面があったんじゃないか、かように反省もしておるわけでございまして、御趣旨のようなことも徹底すると同時に、照度のはかり方自身についての総理府令を再検討してまいりたい、さように考えております。
○藤原道子君 そこで、最近バーの時間の延長運動が相当なされているやに聞くのです。いま五輪大会をにしきの御旗にして、日本で外人にサービスするのだというようなことを目標に、あらゆる運動がなされているのがいまの時期なんです。バーの時間延長の運動に飛び歩いていらっしゃるのは、お名前は遠慮したいと思いますけれども、当院の議員が先頭でやっていらっしゃる。こういうような状況のときに、この法律をつくろうとしている。業者は先ほど言ったようなあらゆる抜け穴、あらゆる何といいますか、方法と知恵を集めて検討しているんですね。こういうときに私は条例というものは弱い、万遺漏なきを期しますと言ったって、警察当局もたいへんだと思う。私はいまの人員で徹底的な取り締まりができるはずはないと思う。ですから、しかたがないから法律で縛るより方法がない。私たちは法律で縛る前に、良識で是正されるということが一番好ましいのですけれども、それができないから条例ということでおやりになったけれども、条例では弱いし、さらに条例は、先ほど林委員も言われたように、業者は各地の例を引いて、どこの県ではゆるいのに、当県だけはなぜきびしくするかというふうなことで、議会がずいぶんもめている例がたくさんある。青少年保護条例なんかだって、その内容等についてはかなり議論が行なわれている。こういうふうな例を知っているからこそ、私たちは条例というものに対して心配して、せっかくここまで踏み切っていただいたのだから、この際本法に規定したいというのが私たちの切なる願いなわけです。だから、あなたがいま確信を持っての御答弁でしょうけれども、それはかえって危険じゃないかというふうに考えますが、それでもなおかつ、自信がおありになるのですか。
○政府委員(大津英男君) やはり府県の議会が必要じゃないと認めるようなものについてまで、どうしてもつくらせなければならないという事態というものは、非常な異常なものではないか。私は地方自治体がほんとうに青少年の非行問題について深夜喫茶の弊害が現実にあるということを認めておるという状態でありますれば、そういうことは障害にはならない、こういう確信を持っておる、こういうことでございます。ほんとうに必要のないところまで、どうしてもすべて禁止するというようなことまで確信を持ってやらせるとは考えておらないのでございます。
○藤原道子君 どうもおかしい。
○基政七君 いまの点に関連してですが、確かにいまおっしやるようなことは、だれでもが期待していることなんですよ。しかし非行少年の問題は、要するにこれだけの法案を出そうとするからには、相当のやはり事実が存在し、また社会のほうでも非常に憂えているから、こういうものが私は出ることになったと思う、背景的に考えると。これから先の問題として、本法で縛れなくて地方自治体、地方条例にまかしたほうがより有効だという理由は私はないと思う。もしそうお考えならば、もう少しはっきりしていただきたいと思うのですけれども、ここまでもう非行少年が非常に世論の憂いの的になっている際に、地方条例にゆだねて、それのほうが本法よりはもっと有効だという理由は私はないんじゃないかと思いますが、それはどういう意味ですか。
○政府委員(大津英男君) もちろん、法律ですべてを禁止するということも一つの方法かもしれませんし、それが全然有効でないとは私は申さないのでございまするが、しかしながら、現在の非行少年の状況にかんがみて、府県の実情に応じ条例で規制を定めていくということによっても、同様の目的を達することができるのではないか。それが現在の風浴営業法で考えておりまする、地方条例に委任しておる風俗営業についての問題と同じような歩調をとっていくということも、あるいは地方自治の趣旨に合致しておるというような、こういう点から私どもは先ほど来申し上げておりまするように、条例にこれを委任して規制を加えていくという方法をとっておるわけでございまするし、同時に「十八歳未満の者を営業所に客として立ち入らせること」、これを深夜の営業においてはしてはならないということが第四条の三にもございまするので、そういう意味からは場所的な規制をしておらないところにおきましても、青少年保護の趣旨というものを達成していこうという意味が、この法律にもあらわれておると、こういうことで、私どもは非行少年対策の問題として、この方法が適当ではないかと、かように考えておる次第でございます。
○基政七君 それじゃもう一つだけ。私もお考えが全然わからないわけではないし、わかっておるのですけれども、結局、現状から見ますと、確かにいま政府のほうの御説明にございまするように、他の風俗営業法のものは条例にゆだねておる、そのたてまえをくずすのは他の法律のほうにも関連、影響があるということは、一つの私は大きな理由だと理解するのですけれども、いまの少年の非行の問題、非行少年の増加の問題は、地方条例にゆだねる際に、深夜喫茶が非常にその温床だということがはっきりしておるならば、これだけを特に抜き出して本法に入れるということは、その意味では私は非常に意味があるのではないかと思うのですよ。ほかのほうにもこれと同様のものがあるなら、私はやはりそういう危険がすでに存在し、それが非常にそういう連中の温床になって、しかもいろいろな悪の巣くつといいますか、そういうことになっておるならば、ほかのものもやはり本法に私はこの際取り入れるべきだと思うのです。しかし、いま問題になっておりますのは、やはり非常に健全な飲食業的なものであるべき喫茶店が、人間の非常な弱みにつけ込んだようなかっこうで、深夜までその営業を延ばしたために、そこが温床になっておるという、そこに一つの焦点を合わせて、この際特に地方条例で縛っていこうとするならば――それは特別なケースで、非常に危険を内蔵しているから、この法律で縛っていこうとするならば、私はむしろ本法のほうがその意味では適切ではないか。それが私は適切だと、そういう意味で主張しておる。ですからその意味から考えますと、やはりこの際は思い切って本法でそれだけでも抜き出して、注意を喚起する。実際の悪の発展に、より大な可能性を持っているものは、やはり本法で縛るのが私は法律のたてまえとしては正しいのではないかと思うのです。どうもこうやってみても水かけ論になりそうですけれども、やはりこの点が私は今度の場合の風俗営業問題の一番焦点だと思うのです。帰するところはこれが基本的態度だと思うのです。その点が、政府のほうと私の意見とはすっかり違っているのですけれども、私はあまり法律万能主義じゃないですから好かないのですけれども、とにかく見るに見かねる事情ですから、いまの場合。ですから、特に強くこの点は本法で縛ったほうがいいという主張をしておるのですけれども、いかがですか、この点。
○政府委員(江口俊男君) もうほんとうに、先ほど来の繰り返しになるばかりでございますが、私は実際上の取り締まりが、現在も風俗営業法というのがございますから、ほんとうにきちっとした罰則がつき、しかも世論も許さないという状態で私たちが全力をあげて取り締まりをすれば、現行法でももっと成績があがるはずだと考えますが、あまりにひど過ぎるために、むしろあがらないという面があるわけでございます。したがいまして、今度も場所をかりに狭く指定するということになりますると、同じような深夜喫茶の状態が場所以外のところに移るということにもなりましょうし、かりに場所を非常に広く指定しまして、深夜喫茶はいけないということで、全面的にこれは法律であろうとも条例であろうとも禁止をいたしますれば、先ほど来お話がありましたような喫茶の形態をとらないものに移行していく、こうなります。不良少年というものが深夜喫茶があるために醸成されるものばかりであれば、深夜喫茶がなくなればなくなりますが、それがどこに行くかという問題まで考えますと、おそらくあと一時間でも長くやるバーとか酒場とかいう名前のところに移行するのではなかろうか、あるいはもっと極端なことを言いますと、食堂、すし屋、そば屋等、主食を主として提供するところになりますれば、これは制限がないのでございますから、そのほうにも行くのじゃないか。そこまで考えなければならぬ。だから、そういうふうに午後十一時以後のあらゆる飲食店営業というものを禁止いたしまするならば、これは非常に徹底していると思いますが、そうでなければだらだらと程度の差はございましょうけれども、移行していく。そういうことになれば、私たちとしてはそれをそのつど追っかけていく、これを未然に防ぐのが理想であって、だんだん広がったならば、そのほうに対症療法的にいくのはおかしいじゃないかという議論も成り立ち得ると思いますが、風俗営業取締法の取り締まりの趣旨というか、たてまえからしてこういうふうになりそうだからといって、前のほうでずっと網を張ることがいいか悪いかという考え方でございます。十分おっしゃることはわかります。わかりますが、要は、どういう範囲にして、どういう罰則をつけてやるほうが対症療法的に一番早道であるかというところを考えますと、そう法律で全部を――たとえば売春禁止法でも同じでございますが、売春はやっちゃいかぬということだけ書けば一番全部を引っくるめるわけでございますけれども、それだけではやはり実効があがらない。いろいろな段階をきめてやることによってある程度だけでもできるということになっておることは、御承知のとおりだと思います。深夜喫茶につきましてもやはり常識的な線というものをきめて、それが非常識的な線まで伸びたとなれば、それも考える、他の方面になっていくとなればそれも考えるという――めんどくさい話でございますが、そういう行き方というものが、いま私たちに与えられておる行政のやり力の筋道じゃなかろうかと、こう考えておるのが、先ほど来どうも御趣旨にあわぬようなことを何でやらぬかということを、私たちも実際あるべき姿としてはそのほうが一番楽というか、徹底しているということについてはひとつも異存はないのでございますが、いまのような考え方のたてまえを積み重ねてつくったので、そういう趣旨で同じことを繰り返して答弁しているわけでございます。
○市川房枝君 いまの御質問に対する長官の御答弁でありますが、ほんとうは私どもは、いま長官のおっしゃったような、何らの取り締まりをされないで残るすし屋、そば屋というもの、そういうものが将来やはり悪くなっていくのじゃないかという心配を持っているわけなんです。だからむしろ、やはりそういうのも十一時くらいで禁止をして、そうして特定の人たちの食事に必要な場所を限って許すと、そういうふうにほんとうはありたいと、こう思うのですけれども、しかしまあ、そこまでいま直ちに飛躍することはいかがかと思って、せめて現在はっきりと悪の温床であるということが認められておる深夜喫茶についてだけは、少なくとも十一時ではっきりと禁止する。条例でなくて法で禁止するということを実はお願いしているわけですけれども、これはだいぶ意見の相違になりますから、私もこれはお答えをいただく必要はないんですが、ちょっとほかのことになりますが、一つ二つお伺いしたいと思います。
 トルコぶろでの違反の数を、この前ちょっと伺ったと思いますが、もう一ぺん伺わしていただきたいのです。
○政府委員(大津英男君) 先般の委員会の際にも申し上げたと思うのですが、三十八年の一月から十二月までのトルコぶろの営業者、あるいは従業婦が、その営業に関して行なった法令違反の検挙が四十四件、二十七名、こういうことになっております。児童福祉法違反とか職業安定法違反、労働基準法違反、公衆浴場法違反、売春禁止法違反、風俗営業等取締法違反、その他と、こういうことになっております。
○市川房枝君 この労働基準法違反というのは、どういうのですか。内容をちょっと伺いたい。
○政府委員(大津英男君) 深夜業の禁止の違反とこういうようなものでございます。
○市川房枝君 実は、トルコで働いておりまする女の人たち、いま七千二百名あるとこの前ちょっと伺ったんですが、そういう人たちの労働状態ですか、保護の問題といいますか、第一にどんな労働状態にあるかということを、私、いま実は知りたいと思って、ちょっと婦人少年局の婦人労働課、それから労働課を通じて基準監督署なんかに聞いてみたのですが、何にも調査がないのです。それで一体勤労者についてのことはどこでやっておるか。これは公衆浴場法が適用されているからそれは厚生省だ、保健所だと、こういうことになるかもしれませんが、いま子供たちの違反の中に労働基準法違反というのが一つ深夜業であるというのですが、これもちょっとどういうことか、もっと内容がないとわかりませんが、深夜業の問題については私が労働省なんかで聞いたところでは、これは保健に関する業務なんだ、看護婦なんかと同じというわけであって、これは深夜業の使用禁止の適用はないんだ、こういうふうにちょっと聞いたんですが、いまのお話では、深夜業禁止違反で検挙されているようなんですけれども、警察は働いておる人たちに対して、どの程度の取り締まりといいますか、法令違反といいますか、そういうことについておやりになっているんでしょうか。
○政府委員(大津英男君) 要するに、十八才未満の年少者あるいは婦人について、午後十時から翌日の午前五時までですか、そういう深夜においての従業を禁止する。それが年少者あるいは婦人労働者についての保護と、こういうことで、それについての罰則があるわけでございます。それから有害業務としての指定を受けておるというような場合の問題、いろいろあるわけでございます。私どもが現在トルコぶろについての労働基準法の適用として考えておりますものは、そういう問題と、この「適用事業の範囲」という第八条の十四号の「旅館、料理店、飲食店、接客業又は娯楽場の事業」、こういうようなものとか、そういうようなもので事件を送検すると、こういうようなことにしておるわけでございます。
○市川房枝君 トルコなんかで一体雇用契約があるのかどうか、雇用契約があればそれに従って労働基準法が適用されるということにもなるのだけれども、それも疑問だという話だったのですけれども、それはどうなのですか、警察でわかっておりますか。
○政府委員(大津英男君) どういう契約の内容になっておるかということは、私ども直接には調査はいたしておりませんが、そういう事業場でとにかく労働しておるという意味におきまして、ただいま申し上げておりますような労働基準法の適用のあるものとして取り扱っておるわけであります。
○市川房枝君 時間の点は、浴場法にはないけれども――浴場法による条例にもないみたいですけれども、東京都の細則みたいなものを見ますと、日の出から午後十時までという規定が出ているのです。それは一体トルコぶろに適用されているのかどうなのか。それに違反しても、条例になければ違反にならないわけですね。この時間の点はどうなんですか、東京都の細則にあるのです。
○政府委員(大津英男君) これは東京都におきまして定めております内規と申しますか、そういうものによって一般公衆浴場については午後十時までと、こういうような基準を定めておる。ただいま御指摘になりました点についてはさような取り扱いになっております。
○市川房枝君 実はそういう女たちの労働条件といいますか、労働状態というものは労働省に伺わなければわからないかもしれませんが、ただ私ども心配することは、そういう年少の婦人たちがほとんど放置されている。その労働の状態がどこにも知られていないということが大きな一つの問題だと思うのですが、これは警察はどこまで権限がおありになるかわかりません。厚生省か――どこにありますか。これはさっき厚生大臣と公安委員長とでいろいろ取り締まりを御相談下さることになっておりますが、その中に働いている女の人たちの問題も、ひとつ含めて御相談いただきたいということをお願いしておきます。
○藤原道子君 先ほど長官の御答弁の中に、そう先々までやるわけにいかぬ、いまの時点において青少年問題でこれを取り上げたというお話ですが、この間池田さんは救貧から防貧にいかなければならない。それから治療から予防へ、犯罪に落ちる前に保護していくというのが、政府の方針だということを言っていらっしゃる。ところがいま、地方の場所の指定等についても大きく変わっているのですね。結局は日本の今後の産業形態等が、産業都市等になってくると、まあ思いもよらない発展があるわけです。それを目ざしてもうすでに業者が土地を買うとかいろいろの準備がされている。ところが、そういう業者は非常に地方においては実力者なのです。たとえて言えばトルコに対する攻撃が強いから、これを避けるために、大野伴睦代議士を名誉会長にしたということを堂々と業界新聞には書いている。そういうふうな地方のいわゆる実力者があった場合には、なかなかこれに抵抗して県議会が動くというところまで踏み切れない県が私はあると思うから、それで本法にということを主張するし、そう先々を心配するなと言うけれども、そういう先にそういうことがあるから予防の手を打って青少年を守っていくと。私は何も、深夜喫茶だけが青少年の不良化の原因だとは思っていない。ただしかし現地を見ますと、私たちが視察に行っても、一階はいいのです、二階、三階となると、われわれが行ってもわからずに抱擁したままで――まあわれわれが行ってもわからないのですね、そういう状態なんですよ。そういうことが、私は青少年を毒することは多いと思う。それに関連しますよ、トルコぶろだって。おやじが変になれば子供が、何だおやじがということになってくるのも、これも転落の動機になるし、あるいは住宅問題もある、健全なスポーツ等の施設のないことからも大きな影響が来ておりますけれども、まず端的に喫茶店の状態からここに踏み切られたわけですから、それで私は本法ということに――地方の事態を知っているから、よけいに本法でなければ規制ができないのではないか、もっとほんとうに人づくりの愛情があるならばそこまでという考え方でただしているわけなんです。このことについて、御自分がお出しになった法律を、ここで修正しますということは言えないでしょうけれども、そういう憂いでもってわれわれは御質問申し上げているのだということを、ひとつ考えていただきたいことが一つ。先ほどから、憲法違反なんていうことはないと言われましたけれども、それにこだわってはいないと言われましたけれども、憲法違反だという声が相当に一部からあがっておるわけです。何でも憲法違反ということが持ち出されるのですけれども、私はこれに対しての見解を持っておりますけれども、それは別といたしまして、そういう声に押されないように、正しいものは子供を守る意味から踏み切っていただきたいというのが、私たちの念願で、市川さんのところにもずいぶん陳情があると言われました。ゆうべあたりは私のところにも都下の人たち、神奈川県、さらに静岡県、近県からおかあさん方の非常な陳情があったということも申し上げて、ひとつお考えを願いたい、こう考えておるのです。
○政府委員(江口俊男君) 藤原先生のお話、私も全く同感でございます。総理のお答えがどうあったかは存じませんけれども、治療よりも予防、病気になってから治療するよりも、ならないようにするというお考えは、そのとおりでありますが、それにはそのおのおのの受け持ちがございまして、私たちはやはりやむを得ず病気になったものについてやはり全力をあげるという係、それは予防のほうにも幾らでも、もちろん応じますけれども、それはそれとして、治療に一番役立つのは何かという観点から考えておるということでございまして、その上からの立場から、たとえば飲食店営業というものを全部ひっくるめて、十一時以後は全国的にもう、例外を何かでつくる以外はできないというふうにおきめになるというようなことにつきましては、毛頭異存はないわけなんです。ただ警察の取り締まりの立場から、それを全面的に禁止するというのは、いかがかということをるる申し上げている。トルコぶろにつきましては、個室があったほうがいいとか何とか、庶民的ないこいの場とか――私はそういうところでいこったことはございませんけれども、何と申しますか警察で非常に賛成しているという意味ではございません。あらゆる面から責め立てて――ということばはおかしいのですが、風紀上の問題なり青少年の保護なりというものは考えなければ、何でもかんでもこの法律で何かがあれば警察でどうやる。まあ警察、人数も多いですから、ある程度の浅薄な知識はございますが、やはり労働基準法その他で、労働省はどう考えるかということから押していかなければ、実効はあがらぬと、こう考えますので、私たちは私たちの分野で一生懸命やりますから、それにつれて足らざるところを御激励いただいて、全面的によくなることはもう大賛成であります。
○藤原道子君 ちょっとはぐらかされたような気がするのですが、何でもかんでもあなたのほうでやれというのじゃないけれども、そういう予防ということも加味して、深夜喫茶をやる場合には本法で、条例ではなかなか踏み切れない地方の実情があるから、それに不安があるから、本法に入れたほうがいいんじゃないかという意味の例にとったわけでございまして、何でもかんでもあなたのところで全部やれとは言っておりません。
 さらに飲食業者の問題が出ましたので、私心配しているのですが、もう業者の中には、それならそば屋に変わって、そこで酒が出されるようになればいいじゃないかとか、すし屋とかいうことを検討しているということも耳に入るわけです。そうすると、私たちがほんとうに食べようと思っていく場合には、ミカドなんて行きませんよ、ああいうところはショーを見たり、いろんな雰囲気を楽しんでいるわけですけれども、おそばはおなかがすいたから食べる。すしもおなかがすいたから食べに行くのだけれども、それがまた変貌される危険性があるように思うんです。そういうことに対して、飲食店では酒は売ってもいいんです。そば屋、すし屋ということになれば同じことになっていきはせぬかと思う。それはどういうふうにお考えになっていますか。
○政府委員(江口俊男君) 深夜喫茶等は、場所を指定して、そこでは一切――駅だとか航空場だとかいうような特殊なところを除けば、喫茶店はないという状態になりますが、飲食店はあるわけでございます。で、酒を供する飲食店については、これはまた時間で制限をして、それで風俗のおそれのない、ほんとうの意味の食いもの屋というものだけが、時間の制限がなく、場所の制限もなく残るというのが今度の改正法律のたてまえでございます。それが乱れてくればやはりそれに応じた手は打たなければならぬ、こう考えております。
○藤原道子君 それで人によると、少しぐらいのお酒はいいだろうと解釈している人もある。少しぐらいがどの限度になるかということになりますので、ほんとうは夜中には全部休むのがたてまえですよね。けれども深夜の職業があるから食べるものだけは認められるわけです。ですから、すべてのものを法律で禁止して、おなかがすいたりなんかしたものだけを認めていくということに法で規制してしまって、そうしてさらに特殊の場合は条例にゆだねるというふうにしたほうが、どうしてもいいように固執するわけですけれども、まあ押し問答になりますから、私はこれ以上はこの問題では追及いたしませんけれども、ぜひお考えを願いたい。
○委員長(竹中恒夫君) 速記をとめてください。
  〔速記中止〕
○委員長(竹中恒夫君) 速記をつけてください。
 本案については、質疑は一応この程度にいたしまして、質疑が残っておりますならば次回の採決の前にしていただきまして、一応質疑を終了することにいたしたいと存じます。
 次会は、三月三日午前十時開会の予定でございます。
 これにて散会いたします。
   午後零時三十六分散会
     ―――――・―――――