第046回国会 地方行政委員会 第32号
昭和三十九年五月十九日(火曜日)
   午前十時三十分開会
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 出席者は左のとおり。
   委員長     竹中 恒夫君
   理事
           西郷吉之幼君
           西田 信一君
           松本 賢一君
   委員
           井川 伊平君
           沢田 一精君
           占部 秀男君
           鈴木  壽君
           林  虎雄君
           市川 房枝君
  衆議院議員
   修正案提出者  奥野 誠亮君
  国務大臣
   自 治 大 臣 赤澤 正道君
  政府委員
   自治大臣官房長 松島 五郎君
   自治大臣官房参
   事官      山本  弘君
   自治省行政局長 佐久間 彊君
   自治省財政局長 柴田  護君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       鈴木  武君
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  本日の会議に付した案件
○地方自治法等の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○地方行政連絡会議法案(内閣提出)
○地方行政の改革に関する調査(地方
 財政の運営の問題に関する件)
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○委員長(竹中恒夫君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 本日は、初めに地方自治法等の一部改正案の修正点の説明、次に、地方行政連絡会議法案の質疑を行ないました後、調査案件二件の調査を行ないます。
 地方自治法等の一部を改正する法律案を議題といたします。衆議院修正個所について説明を願います。衆議院議員奥野誠亮君。
○衆議院議員(奥野誠亮君) ただいま議題となりました地方自治法等の一部を改正する法律案に対しまして、衆議院における修正の内容及びその趣旨の概要を御説明申し上げます。
 修正の第一点は、都からの事務の移譲によって、新たに特別区が処理することとなる事務のうち、清掃事務について、その内容を明確に規定するとともに、そのうちで、現在、都が処理している事務にかかる部分については、別に法律で定める日から施行するものとしたことであります。
 すなわち、今回の法改正により、都から特別区に移譲することといたしております清掃事務は、保健衛生や社会福祉に関する事務と並んで重要な移譲事項でありますが、政府原案では、現在、すでに処理しているものをも含めて、包括的に清掃に関する事務を特別区が行なうことと規定しているにとどまり、しかも、政令で定めるものは移譲の対象から除くこととしておりますので、移譲後における都及び特別区の行なうべき清掃事務の分担の内容については必ずしも明確ではないのであります。
 そこで、衆議院の修正におきましては、特別区の行なう清掃事務を、汚物の収集及び運搬に関する事務等と法文上、具体的に規定することによってその内容を明らかにしたのであります。
 他面、特別区の存する区域における清掃事務の実態を見ますと、人口の増加に伴い、その事務量は、ますます膨大となり、したがって、その効率的、統一的な処理が強く要求されるのであります。したがいまして、この点につきましても、衆議院では、その実情を十分勘案するとともに、他方、大都市清掃事業の近代化ないしその進捗状況ともにらみ合わせて事務の移譲を決すべきものと考え、特別区に移譲する清掃事務のうち、現在、都が行なっている部分につきましては、本則の規定にかかわらず別に法律で定める日から施行することとする旨を附則で定めたのであります。
 修正の第二点は、「農業改良普及手当」を「農林漁業改良普及手当」に改めたことであります。御承知のとおり現在各都道府県には、農業、蚕業、開拓、林業及び漁業について、それぞれ改良普及の事業に従事する職員が配置されておりますが、これらの普及職員の任務は、科学的な技術及び知識を主体とする不規則かつ強度の勤務を伴い、しかも、その職務の複雑困難の度は最近の農林漁業の事情を反映して、ますます加重しつつある実情であります。そこで、昭和三十八年度より、すでに支給できることになった農業の改良普及職員に対する普及手当の支給に引き続き、これと勤務の実態が全く同質である蚕業、開拓、林業及び漁業の各普及職員に対しても普及手当を支給できることとしたのであります。
 修正の第三点は、市街地に行なわれている住居表示の円滑な実施をはかるため、町及び字の名称もしくは区域の変更に伴う効力発生の時期を知事が告示したときとする旨を明らかにしたことであります。すなわち昭和三十七年に「住居表示に関する法律」が制定施行されまして、現在、関係市町村は鋭意新制度の実施につとめておりますが、政府もまた、毎年補助を行なうことによってこの事業の推進をはかっているのであります。ところで、この制度の実施に伴って必要となる町または字の名称及びその区域の改廃、変更は、すべての住民または関係諸機関に至大な関係を有するものであるにもかかわらず、現行地方自治法第二百六十条の手続規定においては、その効力発生の時期が明確でないために種々の支障が生じているのであります。したがいまして、衆議院では、この点につき、町名、町界等の変更についての効力発生の時期を、知事の告示にかからしめることを明らかにしたものであります。
 以上が修正の内容及びその趣旨の概要であります。何とぞ各位の御賛同をお願いする次第であります。
○委員長(竹中恒夫君) 本案についての本日の審査は、この程度にいたしたいと存じます。
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○委員長(竹中恒夫君) 次に、地方行政連絡会議法案を議題といたします。
 前回までに説明を聴取いたしておりますので、これより質疑を行ないます。御質疑の方は順次御発言願います。
○鈴木壽君 委員長、大臣は出ませんか。
○委員長(竹中恒夫君) すぐ入られるそうです。
○鈴木壽君 じゃ大臣にひとつ……。
○委員長(竹中恒夫君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(竹中恒夫君) 速記を起こして。
○鈴木壽君 この地方行政連絡会議法案について、具体的な内容に入る前にお聞きしておきたいのでありますが、四十三国会でこの法案が提出され、いろいろ審議したのでありますが、結果においては審議未了ということになっておるのでありますが、今度またあらためて出してこられた。内容等においては変わらないようでありますけれども、ただ当時四十三国会で出し、これを審議した当時の情勢と、今回あらためて提出されたこの時点における情勢、あるいはその間におけるいろいろな、特に広域行政の扱い等について実は非常に違っておると思うのです。そこで、一体この法案というものを、自治省としては広域行政を進めるために連絡会議をつくるという、こういう意図でやっておるその意図はわかりますが、前早川自治大臣の当時に、この地方行政連絡会議法というのはなまぬるいのだ、もっと広域行政をやれるようにはっきりとしたものをつくらなければならぬというので、地方連合方式というものを打ち出されて、すでにもう法案も固まったようないきさつがあるわけですね。一方、さらに、これは自治省あるいは政府という形ではなかったのですが、府県の合併についての法案の動きが、これも相当固まった程度にできておったと思うのであるが、政府としては連合方式をとっていきたい、こういうふうに考えてやっておったが、たまたま大臣がかわられた。で、かわった結果、それらの連合方式なりあるいは自民党内における衆議院段階における合併方式なりというものが、これは一応御破算になったようなかっこうになっておると思うのでありますが、大臣は、これは御破算にして、地方行政連絡会議法をあらためて出した、こういうことでございましょうが、その間のいきさつをお聞きしてみたいと思う。というのは、さっき言ったように、四十三回国会にこれが出たときには、連合方式というものも別にあらためてはっきりした形で打ち出されておらなかった。合併のそれもはっきりした形では出ておらなかった。自治省としては、よく言われる行政事務の広域的な処理あるいは広域行政をやっていくためにこうやっていくんだというふうな考え方であったと思うのでありますか、そういうものと、じゃ連合なりそういういろいろなはっきりしてきたそういうものが、一体どう関係づけて考えられているのか、そこら辺、はっきりしないと、広域行政の問題の処理のためのこういう連絡会議法案というものを、どういうふうに受け取ったらいいのか、ちょっとぼくらは迷うのですね、正直のところ。ですから、ひとついきさつなり、大臣がかわってから、連合方式も合併方式も一応たな上げして、またもとの地方行政連絡会議法に戻って、あらためてこれを提出したという、その間の考え方を少しはっきりさしていただきたいと思うのであります。特に大臣から、私は基本的な問題としてひとつお尋ねしたいと思う。
○国務大臣(赤澤正道君) この地方連絡会議法案でただいま提案いたしましたものは、府県連合あるいは合併の議論とは全然性質が異なると私どもは考えているわけでありまして、前自治大臣も、府県迎合の、御承知になっている内容の法案をかりに提案するにしても、おそらくこれを並行して出す意図でなかったかと私は推察するわけでございますが、御案内のとおりにこれは前国会に提案いたしましたものと同じ法案であって、そのつど、この法案の審議のためでなくて、他の法案が原因となり、国会の審議渋滞のあおりを食って、ずっと流れてきたいきさつがあるわけでございます。それで、その前の審議がどういう点に集中されたかということは、この法案に関しまして私はつまびらかにいたしませんけれども、しかしながら、この地方連絡会議をなぜつくるかということは、戦前は御案内のとおりに全国を九ブロックに分けておった、これと同じ姿のものをつくりましたゆえんは、やはりいま国の行政が縦割りに次第になっていくのじゃないかという懸念が至るところで持たれているわけでございます。しかし、これは各所にそれぞれの考え方があって、次第に地方に出先をつくり、また強化していく姿は見のがせないわけでございまして、しかし、こういう行政を是認するわけじゃありませんけれども、これが進む過程、つまり現状におきましてもやはり国のそれぞれ出先機関と自治団体が密接に連絡をいたしませんと、地方地方ごとの状態というものが、国に反映ぜぬわけじゃありませんが、自治体の考え方等も、国の縦割りのこういう機関等を通じましてもまた中央へ反映させることができるわけでございまして、しかもこういうことは、実はこういう法案ができなくても、それぞれ都道府県においては、従来とも非公式にやっておったわけでございます。しかし、この際、これを法律できめまして、さらに緊密な連携をとるという考え方でございます。ですから、これが国の機関との横の連絡を密にするということであって、つまり府県連合あるいは合併などの議論は、これは広域行政ということを主体としてそれぞれ自治体が一緒になったり連合したりするわけでございますので、この法律の質は全然違うものと私どもは考えておる次第でございます。
○鈴木壽君 この地方行政連絡会議法のねらうところと、それからふだんに言われておることばで申しますが、連合法案とか、あるいは合併法案、こういうものとの間に根本的に性質が違うのだ、こういうふうなお話で、それらのものがどうあっても、この行政連絡会議というものは、地方自治団体相互の間、あるいは国の機関との間の連絡協同ということをねらいとしておるものだから違うのだと。その違いは一応私はわかるのです。あなたのおっしゃる違うというのと、私の言う違うというのとは、あるいは必ずしも一致しないかもしらぬが、一応私は違うものだとは思うのだが、さっき申し上げましたように、確かに四十三国会では、これがいろいろ国会の他の法案なり問題の処理にからんで、あなた方からすれば、残念ながら審議未了になった、こういういきさつがあるわけです。その後に大臣になられた早川さんが、それではそのままこの行政連絡会議法を今国会、四十六国会に、あるいはその前の臨時国会でもいいわけですが、出せば、それはそれで私はいいと思うのです。ところが早川さんは、いやこれじゃだめなんだ、こういうなまぬるいものじゃだめなんだ、欧州におけるEEC方式ともいうべき日本版EEC方式というか、連合方式じゃなければいかぬ、こういうようなことで、これが相当法案としても固まっておった、御承知のように。ですからこれがだめなんだ、性質が違うものだから、これはこれとして出すし、また連合会法案を連合会法案として出すのだ、こういうことであれば、いま大臣がおっしゃったように、違いは違いとしてそのまま私どもは受けることができるのですが、それよりももっと進んだ広域行政をやっていくためには、もっと効果的ないわゆる連合方式というものを固めておって、これはもういわば捨てられておったわけですね。私は、ですからそういう点からいうと、簡単にあれはあれ、これはこれ、それぞれ違うのだ、こういうことで簡単に御答弁なさっているようでありますが、それではちょっと私は納得いたしかねるわけなんです。ですから、もしいわゆる広域行政をやっていくといった上で――やらなければいかぬというのはこれはもうだれでも考えるところであります。そのやり方をどうしていくかということについて、いろいろ考え方があるわけなんです。あるいは連合会という方式もあるだろうし、そんななまぬるいことじゃなくて、いっそもう合併してしまって、大きな区域にしてしまって、その中で広域的な処理をしていくべきだ、こういう考え方もそれはあるでしょう。その場合に、一体自治省として、政府として、当面広域行政を進めていく上にどれをとるか、こういうことになっていかなければならぬと思うのです。私はそういう意味で地方行政連絡会議というのは、こういう会議を持つことによって、国あるいは地方団体の相互の問のいろいろな連絡調整、そういうことをやっていくことによって広域的な事務の処理をやっていこう、こう考えているものだと理解をしますものですから、その場合に、連合方式とか、あるいはもっと進んだ合併とかというものを、これは一応それこそ御破算にしたというのであるのか、そこら辺はやはり大事な問題だと思いますから、はっきりしておいていただかないと困ると思うのです。これを出したあとで、また連合会法案を出してよこす、自治法の改正で。一方また合併といったものが出てくる。これはさっきも言ったように、私も性質は違うものがあるとはいいながら、ねらいとするところは、現在における行政の狭い区域だけでは処理できないもののいわゆる広域的な処理をするためのそれでございますから、あれでもいい、これでもいいでは、私はうまくないと思いますが、そこらをはっきり、自治省というよりも政府が、直接にはまあ自治省のほうで、一体どういうことを考えているのか、これは私はやはりはっきりしてもらわないといけない、こう思いますから、重ねてお尋ねをいたします。
○国務大臣(赤澤正道君) 先ほどお答えいたしましたとおりに、ねらいが実は全然違うわけでございまして、広域行政を処理するために府県が連合しあるいは合併するというのは、地方団体同士がそういう形をとって仕事の主体をここにつくり上げていくということでございます。それとは全然別に、各省が――建設省、農林省、通産省各それぞれの省が――地方にずっと局などを持っておりまして、そうしてそれぞれ各省ごとの関係の事業を進めていることは御案内のとおりでございますが、先ほど申しましたとおりに、現地ではそれぞれ連絡はとっているようでございます。それを法制化いたしまして独力にして、そうして国の出先機関と地方団体とのいろいろ協議いたしましたことを、それぞれの構成員というものは尊重しなければならぬというふうにきめたわけです。
 この法案を提出する際に、私の私見を申し上げますと、実際はそういう協議をして、ただ尊重しなければならぬ程度のことをやっただけでは弱々しいではないか、屋上屋を重ねることになって、また法律を余分に一つつくってこういう会議を構成することについてはどうかといった反省は、ずいぶんしたわけでございます。しかし、もともと府県の広域行政を処理するための何らかの法案をこれと同時に提出するという意向であって、しかも、いまの広域行政処理のための法案が、いろいろ検討のまだ段階でありますので、とりあえずこれが皆さんに御審議願えるようになりましたので、提出時期もおくれたわけでございますが、これは全然ねらいが違うと考えておりまするので、これはひとつそういった意味で御検討をお願いいたしたいと考えておる次第でございます。
○鈴木壽君 いまのお話ですと、この行政連絡会議法案とまた別のものを同時に出すというように考えておられると、こう言っておられますが、それはあなたの大臣になってからのことでしょうね。というのは、さっきも言ったように、四十三国会ではそういう話は全然なかった、いろいろなことが言われておるけれども、さしあたってはこういうものによって、そしてその中で、一体いわゆる具体的な処理の方法なり、どういうふうな団体同士の結びつきなり、そういうものは、こういう会議の中でひとつやっていくんだ、こういうのが当時の説明では聞かされて、合併もいまにわかにやるべきでないと。いわば、何といいますか、いわゆる早川さんの言う日本版EEC方式というのは、当時全然なかった時代なんです。ほかのものと一緒に何か出しますなんということは全然ありませんでしたよ。ですから、私は情勢がだいぶ変わっておるのじゃないかと、こう言うことは、そういうことも含めて申し上げておるのですが、あなたの大臣になってから、やれ合併だ連合だというので、いろいろやられておる。考えた結果、いまこういうものをこのままの形で出すということも、あるいはまたその間の調整というようなことも、いろいろあったでございましょうから、まあそれは別にして、従来のこれを出しましょう、あるいはあなたの心の中には、そのうちに、連合方式といわれるようなものでも、あるいは別のものでも、一緒に出すというお考えがあったかもしれませんが、どうも最初にぼくらが四十三国会でこの話を聞き、審議した際には、そういうことは全然なかった。そこは私は冒頭申し上げましたように、情勢が非常に変わっているということなんです。もし二つ出すなら、あるいは他のものを並べて出すなら、そういうものも私はやっぱり出してもらいたいと思う。でないと、一体どうなのか、これははっきりしないですよね。その点まずひとつ……。
○政府委員(松島五郎君) いままでのいきさつの点でございますので、私から概要御説明させていただきたいと思います。
 ただいまお尋ねの問題は、連合とか合併とかいう問題と連絡会議法とを並行して出すというような意向がいまだかつて示されたことがなかったではないかというお話を受け取ったのでございますが、第四十三国会の当時においては、いまだ合併とか連合とかいう問題がそう日程にのぼっておりませんでしたので、そういう問題がなかったように私も記憶いたしております。しかし、昨年の夏ごろから広域行政の問題についてもいろいろな考え方が出てまいりまして、連絡会議のような国の出先機関と府県との連絡協調の機関のほかに、地方団体自体が事業実施主体として見た場合における団体のあり方と申しますか、そういう意味から連合とか合併とかいう問題も問題になってきたのでございます。これらの点を考えられまして、前早川大臣のときには、昨年の十二月の当委員会における前大臣のごあいさつの中で、連合の問題についてもいろいろ検討をしているという意味のことを述べられ、かつまた、地方行政連絡会議法案についても来たるべき通常国会において御審議をお願いをいたしたいという考えであるという、二つの問題を並行して考えているという意味のことを申し上げてきたわけでございます。私どもといたしましても、いま大臣からお話ございましたように、連合の問題等を検討を進めてまいりますとともに、この連絡会議法につきましても、前大臣からの意向を受け継ぎまして、いまの大臣にお願いして提案すべく準備を進めてきたわけでございます。性格的には、先ほど来申し上げますように、連絡会議と迎合とは違いますけれども、広域行政という要請にこたえるという意味から考えられたものとしては、ある点においては共通と申しますか、関連する問題がございますので、できることならば両方一緒に提案を申し上げて御審議をいただきたいということで準備を進めてきたわけでございます。ところが、連合の問題、すなわち地方団体が行政主体として行ないます場合の広域処理方式それ自体の問題につきましては、一方において合併というような問題も出てまいりまして、これは地方団体のいわば構造と申しますか、構成を変えることにもなる大きな問題でございますので、なお今後慎重に検討すべきではないかということで、一応今回は連合の法案については、ただいまのところ見送らざるを得ないのじゃなかろうか、こういう形でございまして、したがいまして、最初は両方相関連して御審議をいただく予定でございましたけれども、そちらはそういうことになりましたので、連絡会議法を切り離して御審議をいただく、こういうような事情でございます。
○鈴木壽君 どうも大臣がかわれば基本的な問題でひょいひょい変わるようなことになってきて、私ども迷わざるを得ないんですが、これは言うまでもなく、当時この法案が出た四十三国会、篠田さんですね、その後早川さん、早川さんのあいさつのことをいま官房長が言われましたが、行政連絡会議法のことをはっきりおっしゃっていましたか――それはいいですがね。しかし、それはあいさつの中にはそういうふうに出たかもしれぬけれども、事実上連絡会議法というものはたな上げされた形で、連合会方式のことをどんどん進めておったんです、法案化について。そういうふうに変わっていく、今度それも一時これからまた検討するんだ、こういうことで、大臣三人かわれば三回とも態度がみな変わってくるんだというようなことで、しかもわずか一年の間に。それですから、政府として、あるいは自治省として、広域行政というものを一体どういう形で推し進めていこうとするのか、基本的なかまえというものを、どうも私どもは迷わざるを得ないんですね。これは確かに連合とも特に合併なんかとも違った問題です。それはおっしゃるとおりです。しかし、形は違え、区域を大きくするとか合併するとかいう問題とは違うのだけれども、ねらうところは何かというと、現時点における現在の社会情勢の中において、地方のいろいろな事務をやっていく上には、限られた府県だけ、A県、B県というそういうことだけではやれないんだから、もっと広範囲にやれるようにするための、いわば方便的なこととしての合併とかなんとか出てきておるわけです。私は根本的にはそういうものとからみ合わせる問題じゃないと思うけれども、とにかく、いま出ているのはそういうことなんです。それが一方で出てきた。今度はこれを引っ込める、いや、それはもうちょっと問題があるから今度はこっちだというふうな形で、いまお話を聞くというと、また連合会法というようなものも検討して出てくるかもしらぬというようなことをおっしゃっておりますが、それならそれのように一緒に出してもらって、これはひとつ違うところはどこなのか、同じなところはどこなのか、こういうことを私どもはぜひやらなければならぬと思うのですがね。
○政府委員(松島五郎君) おことばを返すようで恐縮でございますけれども、地方行政連絡会議法につきましては、所轄の大臣がおかわりになったからと言って、方針が変わってきたということはないと私は思っております。すなわちこれを最初に提案いたしましたときには、先ほど御指摘のございましたように篠田大臣のときでございました。その後、臨時国会のときに再提出をいたしております。このときは早川大臣のときでございます。今回また大臣がおかわりになりましても、地方行政連絡会議法を提案しておるわけでございまして、この地方行政連絡会議法に関します限りは、三大臣を通じまして国会に政府としては提案申し上げておるわけでございます。したがいまして、この地方行政連絡会議法を政府として成立をさせたいという考え方は、ほぼ最初に提案して以来一貫してとってきておるところでございます。なお連合の問題について、ぐらぐらと考え方が変わってくるではないかというお話でございますけれども、連合の問題は合併の問題とも関連する問題であり、かつまた、地方段階、府県の将来のあり方という大問題でもございますので、なお慎重に検討すべき点が多いのではないか、また慎重に検討すべき点があるという判断のもとに、検討を続けているという状態でございます。
○占部秀男君 関連。いま官房長の御説明ですが鈴木委員の質問に対して、先ほど大臣は、この地方行政連絡会議法案というものと、いわゆる伝えられる連合法案あるいは自民党が議員立法で出そうとしたと伝えられておる合併促進法案、これとの間には、いわばねらいが違うし、質が違うのだということをおっしゃっている。それをまあ内容的にふえんするような形で、この法案は国と地方団体との間の広域行政の処理の問題を主にしておるし、あとの連合法案あるいは伝えられる合併促進のその法案は、広域行政の行政主体としての地方団体の合同というか、連合というか、そこの違いがあるのだと、こういうようなお話であったわけですが、私はその違いの点については一応そういう違いがこの二つの――あるいは三つか知りませんけれども――法律案の間にはあると思うのですが、もう一つわれわれが聞いておかなければならぬことは、その違い、あるいはねらいというものの違いが、質あるいはねらいの違いが、単にそれだけではないのではないかという点が、私はどうも気になるのです。そこで大臣にお伺いしたいのは、たとえばこの連絡会議法案を、あとでまた審議の中でこまかい点については御質問をするわけですけれども、通覧すると、団体自治、住民自治の基本的な問題点については、われわれのほうとしてまあやや触れているようなところがあるなと思うような点が二、三はありますけれども、相当よけて通っているように私は感じられる面があるわけですね。ところが早川大臣が言った連合法案あるいは特に今度の自民党の議員の方々が立法しようと伝えられている合併促進法のごときは、もう住民投票さえ省略をしようと、まあこれは決定かどうか知りません、私たちは新聞で読んだのですから。そういうような本来の住民自治、団体自治の基本に引っかかるような内容が多分にあるように私どもには考えられる。そこで、そういうような単に国と地方団体との間、あるいは地方団体相互間における広域行政の扱い方の問題を離れて、いま言ったような自活の基本的な点について、この連絡会議法案と連合法案もしくは合併促進法との間には、非常に大きな隔たりがあるのではないかということを私は感じるのでありますが、そういう点について大臣は、どういうふうにお考えになっておられるか、お伺いしたい。
○国務大臣(赤澤正道君) 先ほどねらいも質も違うと申し上げましたのはその意味でございまして、合併あるいは連合の案が生まれましたのは、広域的に処理しなければならぬ行政、あるいは経済面へのいろいろな要請があることは御案内のとおりでございまして、むしろこれはそれぞれの都道府県から、われわれのほうにやかましく陳情があってもおりますし、私もその必要性ありと見ております。早川前大臣もそういう考え方のもとに、一ぺんに合併にいくということはなかなか問題点があろうというので、EEC方式とかりに言いましたけれども、何かそういう事態に直面しておりますので、迎合方式ということでこれを解決しようとされたわけでございます。その要請はどこから来ておりますかというと、おもに産業界、経済界から非常に強い要請がわれわれのほうにあるわけでございます。もっともでございますが、それは住民投票どころか、さあという場になって、じゃ議会の段階で、これが全会一致で、合併であれあるいは迎合であれ、まとまるかというと、なかなか――機の熟し方ですね、いまはしかく簡単にはいかないのじゃないかという判断も持っておりますが、いわゆる住民投票に至っては、こういった問題の処理にあたって、どれだけの関心を住民自体が持っているかということも、多分の疑念があるわけでございます。そこで、私は前大臣がせっかくけっこうな連合方式ということで一つの案をまとめられましたけれども、別にそういうことでなくして、できるところだったら合併を促進したらいいじゃないかという議論も出てまいりますし、それから先ほど官房長も言いましたように、将来の都道府県のあるべき姿について、もっと厳密な検討をしておきませんと、なかなかこれは行政面だけでなくして産業的な立地、その他のこともずっと関連してまいりますので、効果的な方法、また将来の一つの像を画きますためには、自治省自体がまだ検討が足りぬじゃないかという気持ちがいたしましたので、もうしばらく時間をかけようということになった。この連絡会議法案は、篠田君のときからずっと出ておりますが、内容は同じでございまして、ただ現に自主的に都道府県がやっております事業のほかに、国がああいう出先を持っておりまして、それはその立場でまたどんどん事業を遂行するわけでございます。実際はこの間に緊密な連携がありませんと、一部でもそごいたしました場合は、これはその専業自体が円滑に行なわれないわけでもございますし、また地方でも国に対するいろいろな要請がございますものを、じかに都道府県が中央段階にぶっつけるよりはやはりこういう中間的なブロックの機関をつくって、そこで十分検討すれば、その検討の過程通をじて、また縦割り行政と非難される面にも十分反映することができるのじゃないか。こういう考え方に立っておりますので、全然私は別個に考えておりますし、また、いままでの前大臣、前々大臣が考えておりましたところと、私が実現しようと思っておりますことは、多少時間にゆとりをいただきたいと言っただけのことであって、根本的には変わりない。かように考えております。
○占部秀男君 そこで内容の面はあとでお伺いをいたしますが、そのいまの大臣が答弁されたことに関連する問題点なんですけれども、これはまあ大臣から御答弁いただいても、松島さんにいただいてもけっこうでございますが、現在の地方自治法によれば、まあまあわれわれが考えているところでは、広域行政的な問題についての処理の方法としては、すでに三つやり方が規定されていると思うのですね。一つは協議会の方式、一つは事業を実施する機関の共同設置の方式、もう一つは委任の方式があると思うのですが、いずれにしても、この三つの方式の地方自治法をつくったその当時の状況から見て、広域行政の量というものも質というものも大きくなっているということは、これは私は事実であると思うのです。それは認めるところですが、しかし、だからといって、地方自治法には広域行政の問題についての処理の方式を全然無視したとか、あるいは落としていたわけではないのであって、こういうような基本的な問題の処理の方法についての方向が示されている以上、何かこう、合併をすれば直ちに即広域行政に対処できるのだとか、あるいは区域を連合すれば直ちに広域行政に対処できるのだとか、そういうような考え方自体を、もっと深く検討してもらわぬといかぬのじゃないか。少なくとも憲法で定めたところの住民自治、団体自治、この基本ははっきりと守ってもらうような方向で、かりにやるにしても、やっていかなければならぬのじゃないかと、かように考えるのですが、いかがでございますか、この点についてのお考えは。
○政府委員(松島五郎君) 現在の地方自治法にも広域行政に対処するしかたが全然ないわけではないことば御指摘のとおりでございます。ただしかし、現在までの地方自治法、地方自治団体というものを、どちらかといえば静態的に見て、その観点から、必要の生じた部分的な問題について共同処理ができるという方式を考えてきたのではないかというふうに考えられます。しかし、今日社会、経済の発展に伴いまして単に一つの事務、二つの事務というふうな限定された内容でなくて、もっと広く、幾つかの事務といいますか、あるいは大部分の事務を通じて共同処理するほうがより能率的、より効率的にできるのではないかという面も出てきている地域もあるわけでございますが、そういった面から、連合でありますとかあるいは合併でありますとかという論議が生まれてきているであろうと考えます。しかしながら、いま先生から御指摘のございましたように、どこまでも地方自治団体として広域行政をやるというたてまえに立って考えますならば、地方自治を除外して広域行政という考え方を持つべきではないというふうに考えますが、その方式なりやり方なりについても、そういう観点の配慮が必要であるということは、私どもも十分考えておるつもりでございます。
○占部秀男君 これは大臣にお伺いいたしますが、いま官房長の答弁の中で、さような基本的な態度の問題を言われたわけですが、同時に鈴木委員の御質問に対して、やはりこの連絡会議法案と並行的といいますか、並んで広域行政に対する何らかの法律案というものを出さなければならぬじゃないかと、こういうような検討もするのだということも大臣は先ほど言われたわけですが、その後者の検討の場合、これはどういう法律案が出るかわかりませんが、少なくともいま官房長が言われたような自治の基本的な立場、これは無視しないような形で、そういう点についての法律案なら法律案の検討もしていただきたい、こういうふうに考えるのです。これは率直に、ざっくばらんに言うのですけれども、そういう点については、大臣はどういうふうにお考えになっておりますか。
○国務大臣(赤澤正道君) 先ほど申しました意味は、府県連合の法案の一応準備段階がどんどん進んでまいりまして、いっそこれが提案になるならば、これと並行して御審議願ったほうが事がはっきりするというふうに考えておったのですけれども、片一方のほうは、ただいま申し上げましたとおり、しばらく時間をかけたいと考えておるわけでございます。しかし、この連絡会議をつくるといいますことは、当面やはりいろいろの地区にこの必要性を指摘されておるわけでございまして、現にああいう道路の問題にいたしましても、農林省がやります事業にいたしましても、事実はこういう省が事業をやっておるわけでございますが、ただ、地方には地方の実情もあるし、要望もあるわけなんですから、それを横の連絡をさらに緊密にして、万遺憾なきを期したいということにすぎないわけでございます。
○占部秀男君 いま大臣のお答えは、連絡会議法案についての考え方を申し述べられたわけですが、私は連絡会議法案ではなくて、今後の検討は、何らかの連合法、案とか――連合法案になるかどうかわからないけれども――さっき大臣のお話では広域行政を処理する行政主体であるところの府県、市町村段階において、何らかの形をつくっていかなければならぬのじゃないかと、そういう点についても検討するのだということを言われておりましたから、その検討する場合には、先ほど官房長の言われたような自治の原則というものは、はっきりしておかないといかぬじゃないか、こういう点については、大臣はどうお考えになるか、こういうわけです。
○国務大臣(赤澤正道君) それは申すまでもないことでございまして、かりに、近い将来連合方式であれ、合併方式であれ、こういうものを提案いたします際には、もちろんただいま御指摘のような自治の本旨を踏み違えるようなことは、手続の上においてもせないつもりです。何か自治省のほうでひとつの案をつくって、それで指導するとかというようなことは、毛頭考えておりません。
○林虎雄君 関連。いまの鈴木、占部両委員から質問があったことと同じことですが、どうもはっきりしておらない点があるので、その点を確かめたいと思います。
 松島官房長の先ほどのお答えで、この連絡会議法案は一貫して政府は提案する、そういう考え方には違っておらないというふうに言われておりますが、私ども今次国会の経過を見てみますと、府県連合の法案、あるいは合併法案、自民党で検討せられたといわれております合併法案が提出されるという、そういう過程においては、連絡会議というようなものは、自治省は提案を断念したのではないか、少なくとも、そのいろいろの情報としては、そういうふうに受け取れる節があったわけであります。ところが、今度これが提案されたわけでありますが、その経過は、いま申し上げたように、連合法案、あるいは合併法案というものがもつれるという事情から断念しておったのが息を吹き返した、こういう印象を強く受けるわけですが、この点どうなんですか。
○政府委員(松島五郎君) 連絡会議法案につきましては、先ほど来申し上げましたように、政府といたしましても一貫して提案をいたし、成立をはかりたいという考えでございました。これはまたいわば当然のことと考えて、行政実施の主体としての連合なり合併という問題が別個に検討されておるものが、いわば検討の正面に出てきたような形でございまして、片一方のほうは当然のことというようになっていました関係で、日立ったのが後者であったのではないかというように私どもは考えております。
○林虎雄君 いまのお答えは、水かけ論になるようなものですから、あまり追及しませんけれども、もし、予想ですけれども、連合法案なり、合併法案なりが提案されたとしたならば、前後しておったならば、おそらく日の目を見なかった。たまたま連合、合併両法案がもつれたためにこれが息を吹き返したので、もしそれが先に出れば、連絡会議法案は日の目を見なかったのではないかということも、これは私が思うわけでございますが、一貫しておるとすれば、いまごろ提案しないで、当初から提案すべきではなかったか。様子を見ながら提案しているということは、いかにも権威のないやり方であり、同時に、この法案も権威のないものであるというような印象を受けるわけですが、具体的な点はあとで承りますが、一貫しているとすれば、もうすでに四十三国会でも成立まぎわまでいったわけですから、なぜ当初出さなかったかという点はどうなんですか。
○政府委員(松島五郎君) ただいま先生が問題にしておられます連合と連絡会議と非常に強く関連さしてお考えになっておられますように、かりに連合を提案をいたすということになりましても、連絡会議との関係はどうだということが当然問題になるということを、私どもは私どもなりに予想をいたしまして、どうせ、どうせと申しますか、提案をするならば連合と連絡会議とを同時に提案して御審議をいただくことがいいのではないかということで、提案を延ばしてきたということであります。ただ、連合の問題につきましては、先ほど申し上げましたように、なお検討すべき問題もございますので、今回の提案を見合わせましたので、連合、連絡会議を切り離して提案した、こういうことでございます。
○鈴木壽君 どうも松島さん、あなたにあまり聞いてもあなたとしても困るだろうと思うのですが、これは事実は一時葬られて、早川さんのために葬られて、こんなことじゃだめだ、連合方式なんだと、こうやってしまわれておったやつが、たまたま早川さんがああいうことでおやめになった、新しい大臣の手でひとつ新たにと、こういうことになった、このことだけはこれは否定できませんね。それは早川さんは昨年の十二月に、地方行政連絡会議法も御審議願うのだということは、確かに、私うっかりしておりましたが、ちょっと見たら言っておりますが、当時大臣になって間もなく、前の大臣がやるということであったから、あなた方が固めたやつを簡単にそでにするわけにもいかぬし、ということであったんだと思うのですが、しかしその後、早川さんの構想がだんだんはっきりし、固まってくるにつれて、これはもう当然日の目を見ないでしまう運命にあったものだと思うのです。それはしかしどうでもいいです、いまやっているそんなことをどうのこうの言ってもしょうがないと思うのですが、ただし、そういうようにだんだんこっちでなければならぬと、それと今度競合するようなもっと強いものが出てきた、さてこれとの調整はなかなかむずかしい、これは私が調整がむずかしいとかなんとか言うことよりも、大臣がはっきりこれは四月七日の日ですか、自民党の地方行政部会に行っていろいろ案を検討されて、そうしてその後に、これは見送らざるを得ないのだ、たとえば連合方式なりあるいは合併というものについては。こういうことを決意されて、まあ、じゃ前のやつを出しておこう、こういうことになったことばはっきりしていると思うんですね。ですから、そこら辺、どうも私ども一体、自治省というよりも政府と言ったほうがいいと思いますが、政府が、広域行政の推進ということを、具体的に一体どういう考え方でやっていくのかということに対するはっきりした考え方がまだ定まっていないと思うんですよ。こんな、こんなと言っちゃしかられるかもしれないけれども、こんな連絡会議だってこれで仕事できるのではないので、そういう会議で仕事ができるのではない、相談をする、連絡協調をする、いろいろなことをやるだけで、このブロックごとに分けられたものが事業主体になってやれることは何もないんですよね。ですから具体的には、こういう会議を通じて話し合いができたものを、一体どう実際に処理していくかという処理のしかたは別に生まれてこなければならぬと思うのです。しかも、私はこういう会議の中で具体的に処理のしかたをそれぞれの立場において、知事の立場で、県の立場において処理をするという、そういうこと、この中で生まれさせなければならぬと思うのです。それをまた何か今度別の機構をつくって、組織をつくって、これでやるべきだというこういうやり方は、私はそもそもこういうものをつくるたてまえからいってはおかしなことになる、現在の法律あるいは現在のやり方、たとえば事務組合でもいい、あるいはいろいろなやり方がありますね、これでなおかつやれない問題が出てくるだろうと思う。そういう場合に、一体どういう一つの新しい仕組みをつくるのか、こういうことは、私はこの会議の中で自然発生的に当然出てくるべきものだと思う、それを出させなければならぬ。それがかりに連合みたいな形であるならば、その連合に対して一体どうするのか、こういうかまえでなくてはいけないと思う。それを初めから連合をつくるんだ、連合じゃなまぬるいから合併にせい、こういう論なりあるいは案が出ておるんですが、そういう問題を触れないでおいて、何らかの結論を出さないで、将来検討するというようなそういうかっこうで、またこういうことを出してくる、これについてどうも一貫した考え方がない、こういうことを私は問題にしなければならぬ。これの内容等はこの前にもやりましたから、内容的にはよしあしは、最終的に賛成するか反対するかそれは別にして、内容はわかります。内容はわかりますが、いま言ったような根本的な姿勢というものが、当時のこれを出してわれわれに審議さしたときといまと、いろいろ動きが変わってきているから、それらに対する一貫したあなた方の考え方というものをはっきりさしていただかないと、一体どうこれを処理すればいいのか、法制化したものによって強力な連絡会議をつくるんだ、従来よりは強力なものができるだろう、それを期待するんだ、こう言っても、これは会議だけの話なんですね。ですから、そこら辺さっきのお話にもありましたように、検討しておるんだったら、その検討の結果を少し待ちましょうよ。どうです、これは大臣から……。
○国務大臣(赤澤正道君) だいぶ根強い誤解があると私は考えるわけでございますが、ほんとうのことを申し上げますと、私が就任しましたときにも、これは出すということにきまっておると考えておりましたし、私もそのままこれをのみ込んで出す気でありましたけれども、しかし、閣僚の方々の中にも前歴が地方でいろいろな局長などをなさった方があって、事実それをやっておるんだから、こういうものをわざわざこの混雑している国会にもう一つ法律を出さぬでもいいじゃないかという意向を漏らされる方もあるし、若干の抵抗もあったわけでございます。
 もう一点は、いま鈴木委員が御指摘になりましたとおりに、結果的には「協議の結果の尊重」という第五条のこの程度の会議をするなら、酒飲む会みたいになってしまって、あってもなくても同じじゃないか、そんな意味かどうか存じませんが、ことばをかえたらおかしい表現になりますけれども、そういう疑念が持てなくもないわけです。しかし、これを私たちが再検討いたしますれば、地方自治の立場からいたしますと、行政が次第に縦割りになってくることは何としても防がなければならぬから、やっぱり第五条はこういう表現でなくて、ただ協議の結果を尊重して云々というようなことでなくて、もっと何かそれぞれの縦割りによってやっている行政機関等も拘束し得るような形の強いものにしたらといったような意見もわいてこぬでもなかったわけでございます。これは当然当該の知事が座長になるわけでございまするから、なかなかそういう強い権限をこの協議会に持たせることになると、この法案がわれわれの党でも通るという見込みもちょっとありませんし、少し弱々しい印象を与えますけれども、元来連合だとか合併だとか申しますのは、御案内のとおりに名古屋中心だとか大阪中心だとかあるいは東京中心では、それぞれこういう声があがっておりますけれども、じゃ一体九州や東北や山陰地方はどうなんだということになると、なかなかそういう事態ではないわけでございます。連合、合併といっても、その要請が強いのはほんの国内でも二部でありまして、しかし他の大部分というものは、やはりこういった意味の国の機関と緊密な連繋を始終とるということが必要であることは覆うまでもないことでございます。そこで、私も、これを提案するならもっと強力なものにという考えを一時持ったこともありましたけれども、しかし、いまの段階ではここらでひとつ協議会というものをつくらしていただいて、そうしてその結果を見て次の段階に進むのが妥当じゃないかというふうに考えておるわけでございます。
○鈴木壽君 何べんも申し上げますが、この前の四十三国会で、これは衆議院段階の審議の記録を見ますと、連合とかあるいは合併、こういう問題もっと強く早急に考えるべきじゃないかと、こういう質問に対して、将来の方向としてはそういうことを検討するのだ、しかし現在はこういうことでいくのだと、こういうことを当時答弁されております。これは私向こうのほうのやつ一応目を通しておりますが、そういうことをはっきり言っておるのです。ですから、そういう当時の情勢と大臣は違うということをしきりにおっしゃるのですが、確かに違います。違いますけれども、一緒くたにいろいろ論議されたり案が出てきておったりしておることも事実なんです。だからそういうものを一体どのように、違いは違いとして、あるいはねらいはいろいろ同じところもあるかもしらぬけれども、ともかくどのような整理のしかたをしてやっておられるのかを、私どもはやはりはっきりお聞きしたいわけなんです。違うのだから、それはそれで、まずこれはやるのだ、次にこういう方式がどうだと、もうそういう方式を、たとえば連合方式なり何か出てきますと、こういうこの会議の中でやっておることは、これはもうナンセンスですよ、事実上。そうでしょう。二県、三県、たとえば阪・奈・和だとか、かりに合併を一部やるといっております、名古屋を中心にしたそういうところでも……。いまのような形で府県があり市町村がある、そういう形でいろいろ他の府県にまたがるような、あるいは他の県にわたるようなそういようなことをやっていくためには、一体こういう問題はどうしたらいいのか。お互いの県の間の問題あるいは国との関係の問題でこういうところで話でがきるわけなんです。また、しなければなりません。しかし、もうすでに連合というものをくっつけてしまっておけば、連合体の中でいろいろな問題を処理するというこれはねらいなんですから、もうこんなやつは何にも役に立たなくなってくる、事実上ですよ。形としては会議になっておるかもしれないけれども、事実上これは何にも役に立ちはしません。ですから今国会でこれがかりに通ったと、次の国会ではまた連合会法が出てくるのだと――私は、出すなという意味じゃありませんが、そういうようなかっこうでぼつぼつこられても、ちょっと私これをどう受けとめていいのかということに迷うのですね。まあないよりはあったほうがいいだろうということでやるのか。これにほんとうに効果的なそれを期待して、大臣がおっしゃるように強力なものにして、そこに広域行政の仕事ができるような方向をそこで発見させていく、また具体的に実際的に仕事をやらしていく、こういうものにするのか。これはお茶飲み話するような……。これは国の機関の長とかなんとか入ってくるけれども、国と地方あるいは地方団体相互の間の利害関係のあるいろいろな問題が、そう簡単にはあなた方が期待するようなうまい話し合いの場というような効果は、私は期待できないだろうと思うのですが、しかし、ないよりはいいというような考え方もあるから、そういう意味でだったらともかくとして、だからこれにやっぱり期待をかけていくというかまえなのか、別に広域行政のためのもっと効果的な、有効な組織なり仕組みなりというものを考えていくというのが、そこら辺、私はやっぱり何としてもはっきりしていただかなければならぬと思うのですね。くどいようですが、いかがですか。
○国務大臣(赤澤正道君) 先ほど申しましたように、合併法案、連合法案をかりに準備するとしても、全然質が違うということは、しつこくしつこく申し上げませんと……。私たちはそういう考え方に実は立っておるわけでございまして、それでさっきから適切な例を一生懸命で考えておるわけですが、思い浮かびませんが、あるいは違うかもわかりませんけれども、今後御案内のとおりに道路法の一部を改正しまして、一級国道、二級国道の区分をなくしようということが提案されようとしておるわけでございます。これも建設省側ではいろいろなことを言っておりますけれども、そのうちの一つに、どうも二級国道をそれぞれ当該府県にやらしておくと、建設省がここはこういう理由でこれだけの幅員でこういう舗装が必要だと指示しても、金の都合やいろいろなことでかってな道路をつくる。これでは統一した国道の行政はできぬではないか。こういうこともやっぱり例に引かれたように私は記憶するわけでございますが、こういうことはなぜ起こるかということを考えてみますと、やっぱりそういう道路をつくらざるを得ない当該都道府県自体にもまたわけがあると私は考えるわけです。それを一応中央でそれぞれやれば事は終わるわけでございまするけれども、なおその地域地域に実情があるわけでございまするので、その全段階でそれぞれ国の出先がやっぱり地方団体の長と話し合って、そうしてその特殊性というものを生かしていくということの尊重をするということは、必要な面がたくさんあるのではないか、かりに統合あるいは合併いたしましても、国の機関が出先を通じてやりますことは、やっぱり残るわけでございまするので、どうしても現在の行政の状態におきましては、地方団体としても国の機関との横の連絡というものは各段階ごとにそれぞれとるのが一番賢明であると考えております。そういう意味で実はこの法案を提案しておるわけでございますので、だいぶさっきから私ども拝聴いたします点で、私どもが意図しておりますることを全然くみ取っていただいておらぬのではないかというふうに察せられます。どうかひとつそこのところはわれわれも間違ったことを言っておらぬつもりでございますので……。
○鈴木壽君 大臣、十分私はあなた方の意図をこの前から受け取っておるつもりなところへ、さっき言ったように、いろいろなものがからんできて情勢が変わってきて、この内容というものが違ってきたから、私は一体どうなのかということをお聞きしておるわけなんです。あなたが再三おっしゃられるように、この法案のねらうところと、あるいは合併とかあるいは連合というものとは違うのだということ、これは何べんも申し上げますが、私もそう思うのです。違う精神のものだと思うのです。特に合併なんということとは私は違うと思うのです。合併とか何か府県の区域を一体どうするとかということは別の角度から主として考えられなければいけないことであって、違う問題ということは、おっしゃるとおりに私は私なりに考えております。しかし、私は何もいまそんなことを問題にするのじゃなくて、さっきから少しくどいような聞き方をしておりますが、一体そういうことに対して自治省はどうなのかということなんですがね。いろいろな連合なり合併なりというものについて一体どうなのか。それとこれとの違いは違いとして、一体どう関連づけて考えているのか、こういうことなんです。それをはっきりしないと……。まあこういうことを言っているわけなんです。もしあなたのおっしゃるように、いまの道路法の改正の問題を例にあげられましたが、そういういわば建設大臣だかだれだか知らぬけれども、ああいうことを考えている、法案にしたい、道路法を改正してそういうふうにしたい、あるいは河川法の問題ですね、こういう問題だったならば、もうとっくに早くこういうものを出して、この中でブレーキをかけさせるなり調整をさせるというようなことを、これはもうとっくにやってもらわなければ困ることなんだ。それをあなたが大臣になってから、一たんしまいかけられたものが出てきた、こういうことだからどうもお話としては……。あなたは正直な方ですから、私はあなたの正直な点は十分買いますけれども、政府全体なりあるいは自治省全体としてのこの案の扱いについて、どうもすっきりしない、こういうことの気持ちはまだまだどうも私はぬぐい切れない。四十六国会の十二月中に、あるいは一月の早々にでも出しておいての問題であるならば、私はこんなことは旨いませんよ。早川さんの時代に、もうしまわれてしまったものを、あなたの時代になって、あなたは善意の意味で、それであなたがいまおっしゃられるような考え方で出すことに踏み切ったのだと思いますが、しかし、だからといって、あなたのそれだけでこの案はどうなんだこうなんだということで私どもはやはりここで質疑する気にはなれない。それで、くどいようにあなた方の態度がはっきりしないじゃないか、私はこう言っておるわけなんです。道路法のああいうふうな問題を、こういうことでチェックできるという意味にあなたはお考えなんですか。一級国道、二級国道全部管理権を国にあげてしまうという考え方、これはまだついておりませんね。そういうものをこういう会議によってチェックできる、あるいはチェックさせるというふうに考えておるのですか、その点はどうですか。
○国務大臣(赤澤正道君) さっきこの提案がおくれた理由について一、二点ばかり私の心境を申し上げましたのですが、ただいま御指摘のように、たとえば強力な何省の大臣が自分の出先に一つの命令を出して事業をやらせておる、それが関係都道府県でもって、どうも自分の所管区域内ではこういうことでは困る、そうしてこの連絡会議にかりに持ち出して、そうしてそういうことにかりにきまりましても、今度は中央でだめだ、こう一言言われれば、またもとに戻るというような、はなはだ無力な形になっておりますので、御指摘のようなことは私といたしましても、何と申しますか、非常に割り切れない気持ちは持っておったときもございました。しかし、かといって、現状においてやはりこういう形の連絡会議をつくりますことは、いろいろな案件について各地方ごとにそれぞれ事情は違うわけでありますから、それを十分協議して、そうして国の出先のそれぞれの直属の上のほうに上げてくれば、その地区地区の実情というものも十分反映されることになるのじゃないかという考え方に立ちますと、こういう連絡会議をつくっておいても有意義である、また、つくったほうが非常にいいということも、案件によっては非常に考えられるわけであります。ですから、いろいろ三代にわたって同じものを出して、しかも今期末、延長国会になって御審議を願うということもはなはだ私どもとしては心苦しいのですが、その背後には、ただいま鈴木委員の御指摘のような感じを私も当初持っておりましたので、実はそういうことの検討に時間を費やしまして今日までおくれた次第でございます。いまではこれをぜひ通していただきたいと政府としては熱望いたしておりますので、そういう意味でどうか御審議を進めていただきたいと思います。
○鈴木壽君 これは大臣、さっきも言ったようにあなたの正直な人物にほれているのですが、そういう意味で私はあなたから率直なお答えをいただきたいと思うのです。あなたの談話なり考え方として新聞等に報じられているのを二、三集めておりますが、これは新聞ですから、あなたの真意は一体どうなのかということを、ここであらためてお尋ねをしたいのですが、その二つの連合法案なりあるいは合併法案ですね、この二つの問題の扱いについていろいろ御検討なさったことは、さっき私もちょっと触れましたように、四月の初めにございましたね。その中ではいろいろ論議があったと思いますが、自治大臣は、地方行政の将来の姿も考え、両法案について何らかの解決策を見つけ国会に出すということをお約束されたようです。これは内容はどういうふうになるかわからぬけれども、こういう事実はあったようでありますが、この方向としてあなたは連合案にしても、それから自民党その他の合併案にしても、将来の広域行政に対するすぐれた方法であると、その機会にも言っておられたようでありますが、これを調整をして、無理のないような出し方をしていきたいということをおっしゃっておる。調整ということはどういう形になるか、これは具体的なことはわかりませんが、いずれ連合会法案なり合併なりあるいは調整された何かのそういうものは必ず次の機会に成立さしたいという、こういうことをおっしゃったということですが、その点についてはそのとおりでございますか、それどうでしょう。
○国務大臣(赤澤正道君) いつまでに出すかというお尋ねでございますか。
○鈴木壽君 いや、そんなことではなくて……。
○国務大臣(赤澤正道君) つまり合併法案と連合法案なるものができて、自民党の地方行政部会でいろいろ検討した結果、もう少し時間をかけようという考え方は、私はいいのだということを言ったという外部のほうの記事が載ったことだと思いますが、そのことについてですか。
○鈴木壽君 はい。
○国務大臣(赤澤正道君) 連合法案について、私は前大臣の意図をまるまる知っておるわけではありませんけれども、先ほどから申しますように、広域的に処理しなければならぬいろいろな行政面あるいは経済面の案件があることは言うまでもないことでございまして、ただ、じゃ連合方式か合併方式かということですが、なかなか合併といいましても、それぞれ全国実情が違うわけでございますので、一体そんなことをやっておって、将来収拾がつかぬようなことになりやせぬかという危惧もあるわけです。と申しますのは、連合にいたしましても合併にいたしましても、急いでやってくれというのは全国で三カ所ばかり地点がございます。じゃ一体かってに連合あるいは合併方式をとったあとで置き去りになったところはどうなるのだ。とにかく奇妙な形の地方団体ができてしまうわけでありますので、将来の見通しというものは、なかなか人間わざではできぬことかもしれませんけれども、将来どういう形になっていくであろうか、それが望ましいのだというしっかりした腹案くらいは持っておりませんと、まあ自治団体のほうでお好きなようにといった無責任なことはできぬわけでございます。そこで、いま早川前大臣が連合方式を検討している最中に、やはり合併への道を開いたらどうかという意見が出て、これはもちろん合併をやらせるということでなくして、一つの促進法的な意味で、道だけは開いておいたらどうか、そのほうがいいじゃないかというふうな意見もあるし、実はいろいろ議論が分かれたわけでございます。私はいろいろ判断いたしますし、また自治省でも事務当局の諸君とも協議をいたしまして、いませっかくこの連合方式というものの一つの案を得ておるわけだけれども、もうしばらく時間をかけて、合併案というものも参考にして検討する。近い将来の地方団体の姿というものは、どうあるのが一番正しいかぐらいな、一つの判断をしてみようじゃないかということで、今国会の提案を実は見合わしたわけでございます。これもいずれにいたしましても非常に大きな問題でございます。で、中京地区あるいは京阪神、また関東あたりで、一部の方々が言っていらっしゃるとおりに、また住民自体がすなおに受け入れるかどうかということも非常に疑問があるわけでございまして、これはやはり機が十分に熟したときに踏み切りませんと、またあとでこれ逆戻りをするというわけにまいりませんから、そういった点で実は慎重を期しておる段階でございます。
○鈴木壽君 あれですか、まあどういうふうに二つの案を調整なさるか、それは別として、いずれそういうものを、それではいまの大臣のお気持としては、ただ十分検討していくと、こういうことなんですか。それとも時期的に、たとえば次の国会には出したいと、こういうことなんですか。そこら辺どうですか。
○国務大臣(赤澤正道君) 時期は、私は確約はできないと思います。と申しますのは、例の前大臣の迎合案というものが新聞に出ましてから非常にこの問題についての関心が深くなりました。そして合併する場合にはどことどこの都道府県がやる。連合は、ではどこどことの組み合わせになるということが全国末端に至るまで議論を呼んでおることは皆さん御承知のとおりでございまして、私は、アドバルーンといった意味で考えましても、非常に適切であったと思うわけでございますが、これがこう議論の対象になってまいりますと、次第にこの方向というものを私どもつかむこともできますし、自治省でいろいろ夢を描いてりっぱな案を立てましても、それを行政的に指導するということは、これはやるべきことではございませんから、慎まなければなりませんが、やはりここしばらくのうちに、この問題についての方向が次第に世論の上でも明確になってくるというふうに判断をしておるわけでございます。それと並行いたしまして、やはり政府といたしましても、近い将来の望ましい姿というものについての検討を十分いたしたい。これは単に小手先の行政がどうでこうでということでなくて、やはりこの主体は、産業、経済面といいますか、産業的な立地、広域経済圏なんということばで表現をなさる方もありますけれども、やはりいろいろな面を検討いたしませんと、いろいろ繁栄が御案内のとおりに片寄っておりますので、そういう点も十分考慮に入れていたしませんと、悔いを千載に残すと考えますので、いついつまでに御提案をまとめていたしますとは、この席では申し上げられません。前向きの姿勢で今後進めて検討いたしたいと考えております。
○鈴木壽君 まあ連合なり、あるいは合併なり、これはいまのお話のように、これから十分前向きで検討してまいりたいと、こういうことなんですが、考え方として、さっきもちょっと触れましたし、大臣もはっきりとおっしゃっていますが、特に合併等の問題と、いわゆる広域行政の推進というようなこととは、本質的にこれは違う要素がなければならぬと思うのですね。私は違う観点から検討されるべきだと。もし府県の合併とかなんとかというようなことを検討するとすれば、それは府県の将来にわたって持たなければならぬ仕事、行政事務、こういうものを十分見きわめて、そういう事務をやるために一体この府県なりその地域なりが、適切な区域であるのか、力を持っておるのか、ないのか、こういうことを中心に考えて、区割り、区域というものはそういう観点で私はやはり考えていくべきだろうと思う。私は何も頭から合併けしからぬと、こう言うのではなくて、合併も私はあり得ると思う。しかし、その場合には、いま言ったようなことでやらなければいかぬ、そう合併してもなおかつ広域的な仕事は依然として、その合併された区域が大きくなった府県だけで処理できない問題も出てくるのです、当然ね、ですから広域行政というものだけのために合併を考えるとかなんとかいうことば、私はとるべきでないと思うのですが、こういう点については、大臣、将来の検討の一つの考え方として、私のいま申し上げているようなことはいかがでございましょう。
○国務大臣(赤澤正道君) もちろんその事務の再配分ということも含んでおるわけでございます。で、それぞれの都道府県も御案内のとおりに、かりに合併云々ということになりますと、たとえば帯のように細長い県などは、もうまとまってどこへということより、いっそ二つにして、半分東のほうはこっちと一緒になりたい、半分西のほうはこっちになりたいといったような県があるわけでございまして、なかなか実際、県ごとに簡単にあの県とこの県と組み合わせてということにならぬと私は判断いたします。なかなかその事務の再配分の問題といい、行政面でもあるいは経済面でも、非常にやっかいな根深い問題を含んでおりますので、そういう意味で、もう一段検討いたしたいということを申し上げたわけであります。
○鈴木壽君 それから広域行政をやっていくための仕組みを申しますか、あるいは実際の仕事を担当する主体になる形、こういうものは、さっき私もちょっと触れましたが、こういう行政連絡会議といういわば法的につくられる一つの強力なものをあなた方は期待しておるようでありますが、こういう中で、いかにして、どのような形で、どういう方法で広域的な行政を処理していくべきかという、その中から私はその形というものが生まれてこなければならぬと思うのですね。ですから、もしこういうものができるとすれば、そういうものを私は期待をしたいし、当然またそうなければならぬと思うのですが、別に自治省なり政府は、広域行政はこういう形でやるべきだと、特に府県の問題を中心に、府県を越える、あるいは府県にまたがる、こういうものをやる場合に、こういうことでやるべきだという一つの型を頭から示すということは、私は誤っているのじゃないかと思うのですが、その点はどうでしょう。
○国務大臣(赤澤正道君) それは御指摘のとおりでございまして、私もそういうふうに理解をいたしております。
○鈴木壽君 そうすればあなたがこれから検討しようとする連合とかなんとかいうものは、私はずっとあとでいいと思うのです。こういう会議の中から生まれてきた連合方式でいったほうがいいという、こういう場合に、一体政府としてそれに対するどういう――かりに援助なりあるいは支持なりのことができるかということで考えておくことはいいけれども、初めから連合方式でなければならぬというようなことは、私は考えるべきでないと思うのですが、その点はどうですか。
○国務大臣(赤澤正道君) どうも盛んに連合、合併のほうが先になってしまって、この法案がつけ足りみたいな御質疑になりますとたいへん困りますけれども、実際申し上げると、まあなるべくそれがああいう形ででき、また道路法の改正が進められつつある段階で、こんなものをいまごろ出すのはどうかしているのじゃないかといった意味に取れぬこともないわけでございます。一面では私もっともだと思いますが、かといって、今後ますます縦割り行政がかりに強くなっていく傾向にありますとすると、地方自治団体というものが、次第に自治という面がそこなわれてくるであろうと考えますので、まあおそまきではございますけれども、こういう協議会をつくりまして、そうして地方は地方の実情というものを十分縦割りのほうにもブレーキをかけると申しますか、実情を十分伝えるという仕組みをつくることは、決してむだではないと考えております。
○鈴木壽君 いや、私これをむだだと初めからきめつけているのじゃなくて、これをつくるならつくるように、もっとはっきりこれに対する私どもは、何といいますか、期待をすべきか、やっぱりほかの点を私は考えたいと思うから、だからそういう方式の、縦割り方式のやつももちろんチェックしてもらわなきゃならぬ。そうしておのおのの団体において扱えないような、二府県にわたるようなこういう問題について、これは何かのやっぱり結論を出さなきゃいけませんね。出すためにこういうことの会議が必要なんですから、はたしてうまい結論が出るか出ないかは別にして、とにかくそういうものを検討する場としてこういうものが必要なんですから、そういう検討の中に、いかにして二府県以上にまたがるようなそういう仕事が行なわれていくかという、そういう方途は、この会議の中から生まれてこなければならぬということなんだ。私はそれを頭からかぶせて、これでやりなさいというような行き方をただ例にとって、連合方式を例にとっただけなんですけれども、そういうふうなやり方をとるべきじゃないというのが私の考え方。これを何とかうまく生かしたいという、これはいまから賛成の意を表しちゃ悪いけれども、まあ言うならばそういうふうにしたいと、こういうことなんです、私は。その点、何も迎合をいまここでどうのこうのということを論議の中心にしようというのじゃないのです。
○国務大臣(赤澤正道君) 私も同じような意見を持っておるわけでございます。この地方行政連絡協議会の申し合わせと申しますか、決議ができました場合に、やっぱり座長はそれぞれ都道府県の知事がやっておるわけでございまするので、おそらくはこの関係で、各省にしてみますと、これが強大になると非常にこれが一つの行政面のブレーキになるのじゃないかというような危惧もしておるわけであります。したがいまして、当初表現が弱々しいようなことにならざるを得なくなったわけでございますが、少なくとも自治行政を指導すると申しますか、担当しております自治省といたしましては、やっぱりいまの段階でもこういう足がかりを各地につくっておくことがやはり必要だという考え方に立っておりますることは、鈴木委員十分御理解いただけると思いますので、どうか、そういった意味で多少御不満もあろうかと思いますけれども、別に意図があるわけでもございませんので、そういった意味でなるべく早く、この法案おくれておりますから、はなはだわがままを申し上げるようで恐縮でありますけれども、ひとつ御議決下さいますようお願い申し上げます。
○委員長(竹中恒夫君) 本案に対しての審査は、本日はこの程度にいたします。
○委員長(竹中恒夫君) 次に、地方行政の改革に関する調査といたしまして、地方財政の運営の問題に関する件を議題といたします。御質疑のある方は御発言を願います。
○占部秀男君 先ごろ、五月の十一日に、自治省の事務次官名で、「昭和三十九年度地方財政の運営について」という通達が出されておるわけです。この基本点だけ簡潔に御質問をいたしますので、ひとつあれしていただきたいと思います。なぜこういうような質問をするかというと、地方財政は楽ではない状況にだんだんなっておるのではないかと思うのですが、この通達でもそういう点にちょっと触れておるように見受けられるわけです。そこで、二、三の基本点だけを明確にしてもらわないと、府県市町村でこれをもらって、財政運営をする上に、相当戸惑う点があるのではないかという感がするわけです。
 そこで、具体的に一つずつお伺いいたしますが、第一の「全般的な事項」の一の中で、「最近の地方財政運営の状況は、必ずしも楽観を許さない、実情にあると考えられ、」かように前提として書かれておるわけですが、これはどういうふうに楽観を許さない実情にあるかという点を、簡潔にひとつお答えを願いたいと思うのです。
○政府委員(柴田護君) 一時と比べまして、財政の運営状態の基礎になります財政的基盤と申しますか、というものは、強まってまいっておりますわけで、御承知のように、一方経費の面では、年々にわたりましてべース改定がございます。ということは、財政的にながめますならば、経費の硬直性と申しますか、財政の硬直性の度合いは、少なくとも若干ずつ増していっている。そうしますと、やはり能率的な運営をしてまいらなければ、国民のために、住民のために相済まぬ、こういうことになるわけでございますが、残念ながら、のど元過ぎれば暑さ忘るるたぐいのものが若干散見せられる。全体ではございませんけれども、非常に安易な考え方で、ややゆるんでいるというところもなきにしもあらず。また、仕事をいたします場合でも、その仕事によって結果がどうなるかということ、つまり、何か物をつくりますことはいいのですけれども、つくったあとの経営がどうなるかということをあまりお考えにならずに、どんどん仕事をやっていくというような事例もなきにしもあらず、そういう意味合いから見てみますと、運営の態度といたしましては、なお税金をもっと大事に使うのだという気がまえが若干足らぬのではないかというように私は考えます。したがって、もっと税金を大事に使ってほしいという意味合いで、こういうものをつくったのであります。
○占部秀男君 そうすると、このことばを入れた背景としては、税収の伸びというものは、これは財政局長御承知のように、やや伸びてはいるけれども、鈍っているわけですね、ここのところずっと鈍ってきているわけですね、伸び率というものは。伸び率の鈍りというものは依然として三十八年度の決算見込みの中でも、また将来かけても、経済的な条件の中から見込まれるのではないか、同時に、一方では公共事業をはじめ、相当支出がふえている、その支出のふえている状況も、そのまま相当こういくのではないか、こういうような収支のアンバラになるような条件が、そのまま引き続いてずっとある程度いくのではないか、こういうことを予想されて、そうしてこういうことばを使われた、かように考えていいわけですか。
○政府委員(柴田護君) 具体的には、その次に、要するに税収入の伸びについても、従来のような一つのカーブが続くのじゃないかもしれぬと、つまり若干放物線的なものに変わっていくかもしれぬ。一方、その財政需要というものはさらに増加するであろう。にもかかわらず、財政運営についてはやや楽観ムードが流れているじゃないか。だから財政運営にあたっては、そういう背景を考えて、もっと租税の効率的運用をはかってもらいたいというのが本旨でございます。
○占部秀男君 そこで同じ全般的な事項の第二のところに、この地方財政計画上の地方税収は、伸びは二千三百二十二億ですか、伸びがあって、「地方交付税では八百四十八億円の増加となっているが、この増加額は、昭和三十八年度当初見込み額に対するものであって、決算見込み額に対しては、地方税で千五百二十七億円程度、地方交付税で五百三十九億円の増加にとどまる。」と、したがって引き締めていけと、こういうようなことばが入っておるわけです。これによると、地方財政計画を基準にして考えると、地方税収の中ではもうすでに八百億円下回る、地方交付税額では三百億円増加額が下回った額で今後やっていかなければならぬと、こういうように受け取れるわけなんですよ。そこで、私はこういうようなあり方というのはおかしいじゃないかと思うんです。というのは、地方財政計画の性格は、これはもう私たちがここでたびたび論じているので、これ以上申し上げませんけれども、いま言った収支のバランスは必ずしも楽観を許さないと、こういうような前提が大きく置かれておる、そうした地方財政の状況の中で、地方財政計画そのものが、いわば実際の運営に当たる金額よりは水増しされた収入的なものになっておるというふうにわれわれは感じざるを得ないんですが、その点はいかがなものですか。
 なおこの点については、地方財政計画に、当初予算の見込み額に対するものよりは、決算見込みに対するものを基準にしてやってもらわぬと、地方の者は非常に迷惑をするんではないかと思うのですが、そういう点についての所見がありましたら、お願いいたします。
○政府委員(柴田護君) 国の予算でもそうでございますが、地方財政計画におきましても、毎年度前年度の当初計画に対してどうなるかということを表示いたしております。したがって、実際地方財政を運営いたします立場に立ちますと、とにかく最終予算を三月末に組んで、そしてそこで締めくくるわけでございます。それに対して、同時に、来年度予算をどう組むかということになるわけでございます。で、財政計画だけを見ておりますと、非常に錯覚におちいるおそれがあります。むしろそこのところはものごとをはっきりしておいたほうが財政運営がしやすかろうということで、老婆心でむしろ書いておる。こんなことは財政の専門家はわかり切っておることでございますけれども、しかし市町村の末端にいきますと、あるいはそこに錯覚が起こるかもしれぬ。また、そういうようにいろんな方面でいわれることを錯覚をして聞きとる向きも間々あるのでございます。従来から財政計画をきめ、これに関連する法案につきまして御審議を得て、法案が成立いたしました暁においては、こういう注意を老婆心ながらやってきた。それを今年度も同じように踏襲しているだけで、別にこと新しい意味はないのであります。
○占部秀男君 私はこと新しくないからこそこれは問題じゃないかと思うんです。というのは、地方財政計画は予算じゃないわけですね、これは言うまでもない。で、実際地方がやる地方制度の一つのワクというものを考えて財政運営をする、その何というか、資料というか、地方財政の当該年度の方向づけを与えるものだと思うのですね。方向づけを与えるものであるならば、これは予算ではないのだから、むしろ実態に即したような形でものごとの方向づけを与えていくことのほうが私は正しいのじゃないか、つまり地方財政計画の立て力そのものの再検討を根本的にしてみる必要があるのではないか、こういう点を私は考えるのですが、その点はいかがでございましょうか。
○政府委員(柴田護君) これはこの前も当委員会でお答え申し上げたと思うのでございますが、現在の地方財政計画というものにつきまして、いろいろ再検討をする余地が残されている。そのことにつきましては、私どもよく承知しているわけです。しかし地方財政の実際の動きというものを、そのまま反映したものをもって財政計画を見るということになりますと、それは計画じゃないわけであって、地方財政の推計になるわけです。それは国としてどういうものをどのように期待するかということについては、何らの国の期待というものを差しはさむ余地はなくなってしまう。それはやはりもはや計画ではないということになるのではなかろうかと思うのでございます。したがって、やはり地方財政として、国が全体として期待をする姿というものを、どのように描くかということが地方財政計画だと思うのでございますけれども、その描き方が、いまのような描き方じゃいかぬじゃないかといったような御議論、これは非常によくわかるわけでございます。私どもさらに検討を続けなければならぬと思いますけれども、しかし、まあお話のような形では、やはり問題があるのじゃなかろうか。ただ、まあ年の途中においていろいろ財政的に追加補正される、そういったものについて財政計画は何ら修正をいたしてきておりません。そういうものを財政計画上どのような形であらわしていくかというのも、地方財政を運営する立場からいいますならば、一つの問題点かと思います。こういう点につきましては、なお検討いたしたいと思います。
○占部秀男君 私はくどいようですが、そこが問題じゃないかと思うのです。というのは、国の期待ということを含めての財政計画という、そういう自治省の立場は私はわかるのですけれども、それは少なくとも地方が自主財源が、もっとはっきりと、まあパーセンテージはいまさら言う必要ないですが、目主財源がもっともっと確立している、そうした中で国が期待をするというなら話はわかるのですが、今日自主財源よりは国の支出金のほうが多いというような条件の中で、地方財政計画は地方にとってはどういうことになるかというと、国が何か国の仕事と地方の仕事、それを合わせての地方の事務、事業の方向づけについての期待を持つ前に、自己財源、自主財源というものが少ないために、むしろ地方財政計画で逆に縛られてしまう面のほうが多いのではないか。そういう縛られ方というものが、こうした実態に合わないような縛られ方をすると、より以上地方の負担過重というか、そういう点が出てくるのではないか、こういうように私は考えるのです。時間がないから具体的な点については、公共事業の問題、あるいはそれに伴う地方負担の問題であるとか、いろいろ問題点があるわけですけれども、そういう点については私は申しませんが、どうもそういう感じがするわけなんです。そこで、この点についてはもう一度――それは推計になっては困ると思うのですけれども、あまりかけ離れた形の地方財政計画はこれは無意味じゃないかという感じがするので――検討をしてもらう必要があるのではないかと思うのですが、その点いかがでございますか。
○政府委員(柴田護君) 私どもは財政計画の現状から見て、現在の財政計画を再検討しないと言っているわけではございません。再検討する点は、一例をあげましても単独事業の算定のしかただとか、あるいは維持補給費の算定のしかたとかいった問題につきまして、いろいろ問題があることば承知しているわけです。しかし、実態に合わすということは、やはり私どもとしては適当とは考えておらぬのでありまして、非常に財政計画と実情が離れている。離れている離れ方がむしろ問題であって、離れている理由というものが、無理をして離れているのか、あるいは当然離れているのかという離れている内容の分析がやはり問題じゃないか、まあ私はさように考えているわけでございます。しかし、お話のように現状で決して満足しておるわけじゃございませんので、なお十分検討をしてまいりたいと思います。
○占部秀男君 それから同じ全般的事項の中の第五の公営企業関係、準公営関係についての問題点でありますが、この一番しまいのところに、公営企業もだんだん仕事が多くなり、金の面その他もあるので、「努めて広域処理の方式の採用に努められたいこと。」こういうことばがあるのです。この「努めて広域処理の方式の採用」というのは、どういうことを具体的には意味しておられるかをお聞きしたいのです。
○政府委員(柴田護君) 具体的には、現在の形では一部事務組合しかございません。私どもは公営企業には一部事務組合方式を採用していくことがいいかどうか、経営形態としていいかどうかということについては、なお問題があると考えております。したがって、これにつきましては、地方公営企業制度調査会が幸いに御賛同いただけますれば、できますれば、そこでひとつじっくりと検討をしていただきたいと考えますけれども、現在のところでは、一部事組組合の活用しかないのであります。これをやはり活用していくべきじゃないか。数年前に、某府県の中で市町村が争って自己の病院を持った。病院を持ったところが、患者数が経営に十分足りませんで、軒並み赤字になった事例があります。こういうようなものは、病院の共同配置を考えれば簡単に片づく問題であります。そういうことは、今日でも市町村の末端に参りますと、水道事業一つをつかまえましても、あるいは交通事業をつかまえましても、軒並みころがっております。そういうものにつきましては、どんどん共同経営を考えたらいいじゃないか、こういう趣旨でございます。
○占部秀男君 続いて同じ項の六の点でありますが、赤字団体の特に財政再建に関するくだりであると私は思うのですが、この最後に「赤字原因の徹底的な究明」これはいいのですけれども、「赤字解消のための抜本的な措置を講ぜられたい」こういうふうに書かれているわけです。去年あるいはおととし、または昭和三十一年の赤字再建計画の問題点が起きて以降の財政通達の中に、どういうふうに書かれていたか、私は率直に言って調べていないのですけれども、何か突如として「抜本的な措置を講ぜられたい」ということが出たような感じがするわけなんです。というのは、あれはもうここのところ七、八年以来の問題ですから、いまさら抜本的な措置というと、何かこれは特別な措置を赤字団体に考えさせるというような印象を与えるのですけれども、この内容はどういうことでございますか。
○政府委員(柴田護君) お話のとおり、いまどきになって、なお赤字を隠しておるということについては、やはり相当の原因があるに違いないのであります。従来は、再建団体については、再建計画によってやってくれという、ごくすらっとした注意書きだけ書いてあるわけです。ところが、その注意書きではどうも済まされないような事態があちこちである。そういうところにつきましては、具体的には団体によって皆違うわけでありますので、一概には言えませんけれども、やはりなぜそういう赤字を出しながらひた隠しに隠しているかということは、理由があるにきまっているのであります。その理由を取り除かなければ地方財政というものはきれいにならぬのではないか、こういうことであります。
○占部秀男君 そうすると、たとえば人の首を切って合理化するとか、何か事務事業の一部を当面やめて、それを押えてこれに入れろとか、そういうような具体的な問題ではないわけでありますか。
○政府委員(柴田護君) 個々の団体にまいりますと、あるいはそういう問題も起こってくるかもしれません。現にもう処分してもいいような財産をかかえて、それに多くの人間を雇って、そして赤字を出しながら経営しているというようなこともないことはないわけであります。処分しても別に困らないというようなこともあると思うのであります。一々具体例を知っているわけじゃありませんので、ここではいろいろあげますことははばからさせていただきますけれども、具体的な問題であるならば、いろいろな問題があるだろう。しかし、いずれにしても、もう財政再建という手荒い措置をとりまして、あれは一回きりだということを天下に声明しながらやったのに、なおまだ赤字をかかえて、しかもそれをひた隠しに隠して、一朝事があったとたんに何千万、何億に近いものが出てくるということは、これはやはり根本的な理由があるだろう。そういうようなことにつきまして、われわれも研究しますけれども、地元の地方団体におきましてもやはり腹の底から考え直さなければいかぬのじゃないか、こういう意味でございます。
○占部秀男君 まあ個々の団体によって、いま局長が言われたような事情があるところも一部あると思うのです。ところが、一般的な意味で財政通達の中で「抜本的な措置を講ぜられたい」ということになると、何か赤字団体としては、この際少しぐらいは無理でもばさばさ人を切ってもいい、あるいは事務事業を相当落としても急にこれを埋めなければいかぬ、こういう感じを持つわけです。そういう意味ではないわけでしょう。
○政府委員(柴田護君) かりにお話のような印象を持たれても、実際問題としてはそんなことはできるはずがございません。したがって、御心配のようなことは起こるようなことはないと、私は思うのでございますが、私どももその驚天動地のこともやって天下を騒がすつもりはございませんので、かりに財政再建ということになって、それを計画としていろいろやっていく場合でも、実行の難易ということを考えて、そういうことがあっても、やはり漸進的に考えるとか、いろいろの方法を考えてまいりたいと考えております。
○占部秀男君 それから第七のところに、税外負担の解消の問題が出ているわけですが、これはたびたびの問題で、法律改正等をしてもまだまだあとを断たないという問題なんですけれども、単に一片の通達だけでは、やはり税外負担の解消という問題は、どうも実効がないように思うのですが、この点、ここに書かれたのは、あとあとの何か考えを伏せて書かれたのか、単にこれは流しっぱなしという形で書かれたのか、その点どうなんですか。
○政府委員(柴田護君) 税外負担の解消という問題は、たびたびこの問題で御議論になりますけれども、これはなかなか根気の要る仕事でございます。しかし、根気の要る仕事だから何も言わぬというわけにもまいらぬわけでございます。やはりわれわれとして、政府として考えます期待、希望というものは明らかにしておく必要があると思うわけでございます。もとよりいろいろ事例が起こりました場合におきましては、具体の事例に即して根気よくこれをこなしていく、こういうつもりでいるわけでございます。特に国との関係等につきましては、実際問題といたしまして地方団体側が隠して言わぬわけであります。隠して言わぬからわからぬ。わからぬのが、国会でよく知っておられる方々からつつかれるというようなことが実際の次第でございます。私どもといたしましては、税外負担についての問題がありますれば、これはそういうことを教えてもらって、そうしてその間のいろいろなトラブルの解決に当たりたい、こういうふうに考えるのでございます。しかし、それはいままでもそういうことは書いておったのでございますけれども、もうそういう当方の意図は明確であると思いますので、ここではしごくさらっと片づけている、こういうことでございます。
○占部秀男君 これは、税外負担とは質的には別な問題ですが、地方の公共事業その他いろいろな問題に対する超過負担の問題があるわけです。これは全国的に超過負担がどの程度あるかということについては、今度一度資料をいただきたい、今国会でなくてけっこうですが……。それで、この間もこれは同僚の鈴木委員からいただいて、広島県の二、三の例を見たのですけれども、これは国の負担分と地方負担分と超過負担分とが、たとえば学校建設の問題、あるいは補助職員の給与の問題等で、ほとんど三分の一くらいに並んでいるほど超過負担は多いわけなんです。この点は、これは財政連隊の通達の直接の面ではありませんが、何らかの処置をしないと、結局地方の収支の上に大きく影響してくる、こういうことになるのですが、その点は何か自治省のほうとして具体的に考えられておられる点はございませんか。本委員会でもたびたび問題になっておる点なんですが、単価の問題、いろいろ問題があると思うのですけれども……。
○政府委員(柴田護君) 超過負担の問題につきましては、財政運営通達でこうしろといったような、あるいはこういうことを期待するといったような筋合いのものではございませんで、むしろ私どもと主管省なり大蔵省との関係の問題と考えておるわけでございますので、ここには書いていないわけでございます。まあ従来から私どもは主管省を通じまして大蔵省とも何回か折衝を持ち、常にその是正につとめてまいったわけでありますが、なかなかその成果というものは遅々としてあがらない。まあそれには超過負担というものについて、進んで超過負担をするというような面も多少ある。それからまたそれが、超過負担というものについて関係各省は安易に考える一つの素因にもなっているわけです。その辺のもつれにもつれた糸をどう解きほぐすかということについては、いままでのようなやり方をしておっては百年河清を待つということになるのかもしれません。あるいは新しいものの考え方をしなければならないかなあと私は思っているわけであります。まだ具体案までこうするということを持ち合わせておりませんけれども、しかし、まあものによりまして、負担金的な性格のものでございますれば、これはやはりきちっとしてもらう筋合いのものだと思いますが、逆に奨励的補助金のようなものになってまいりますれば、これは超過負担の問題といったような問題じゃなしに、別の片づけ方をしなければいかぬのじゃないかというような気持ちも持っておる次第でございます。お答えになっていないかもしれませんけれども、現在の段階では、そのようないろいろの考え方を描きながら、どうしたらいいかということを考えておる次第でございます。
○占部秀男君 なお七項の中で高等学校の施設の事業費について、住民への負担転嫁の禁止の地方財政法の改正の問題点が出されておるわけなのですね。そこで、私は、建設事業費の内容の面について、何かもっとこまかい行政指導ですか、そういうものが必要ではないかというふうに感じるのです。というのは、PTAその他で、たとえば新しい学校ができた、あるいは増築した、こういう場合に、先生の机の上に花びんの一つも贈るとか、額の一つもかけるとか、これはまあ建設費の内容に入るか入らないかわからぬですけれども、この程度のPTAの、進んでそういう点についてやるという例が往々あるのですが、そういうような点については別ですが、結局は、当然建築費と思われるような事業費の内容について、やはりPTA負担が違った形で行なわれておるという点は、これは御存じだと思うのですね。したがって高等学校なら高等学校の建築事業費のこれこれは建築事業費として認めるのだ、したがって、これについての負担転嫁はしてはならないというような、こまかい指導をしていればけっこうなのですが、していない場合には、する必要があるのではないかと思うのですけれども、そういう点いかがでございますか。
○政府委員(柴田護君) 行政指導といいますと、これは全く都道府県の事務でございます。私どものほうからつべこべ言う筋合いではないかもしれません。だから行政指導という形ではなくして、一体禁止規定の建設事業というのはどのように解釈されるか、いわばあの規定の解釈問題として、範囲をある程度明確にする必要は感じております。現在検討いたしております。
○鈴木壽君 関連して。この七番目の項目で、先ほどの占部さんの御質問に関連をして、超過負担の問題ですが、これはまあこういう通達の中に取り扱うようなものでないというふうなことをおっしゃっていましたが、むしろこういう通達の中に超過負担の問題を取り上げることが正しいのじゃないか、それに対するむやみな地元の超過負担というようなものを、いけないのだということをはっきりやらせることが、超過負担の問題を解決するための一つの私は有効な手段にもなると思うのですがね、その点一つ。
 それからいわゆる地元負担、これは都道府県あるいは市町村、その間における負担区分の問題なり、あるいは財政秩序の問題ということでありますが、これは地方団体とはやっぱり抜きにして考えられない問題として、国の事業に対する地元負担の問題ですね。これは通達で書く書かぬは別にして、これはもっとはっきりしてもらわないといけないと思うのですが、これは前にもこの委員会で取り上げられたこともありますし、関係大臣に来てもらって質疑をしたこともありますが、たとえば文部省のいわゆる国立工専の設置にあたって、地元府県、あるいはその地元の市で一億数千万円の負担をしているところがあるのです。こういう形のものをそのままにしておいて、県と市の間にはどうしなければならぬというようなことは、私はおかしなことだと思うのですけれどもね。ですからそういうことに対する自治体のこれは財政運営の上の大きな問題ですから、そういうことも私はやっぱりこの中に指摘をして、そんなことをしてはいかぬとはっきり……。こういう程度のことは、私にやっぱりあなた方の指導としてはやるべきじゃないかと思うのですが、その点、二点どうですか。
○政府委員(柴田護君) 超過負担の問題は、先ほど来お答え申し上げましたように、私どもはやっぱりこれは、私どもと関係各省なり大蔵省、つまり政府部内において、地方財政の実情をとらえて、これをどのように扱うかということを議論すべき問題である。地方団体の運営の場合に、鈴木委員御指摘のような形で言うことは、まあ手荒過ぎやせぬか、まあそれも一つの方法かもしれません。人によっては国から示された単価でできないときには、それじゃ主計局でやってくれるようにしたらいいじゃないかという激しい議論をおっしゃる方もございます。それも一つの議論かもしれませんが、私どもとしては、やはり一応何カ月かかけて査定をしてきめた単価、それによって何とか知恵をしぼればできるのだということは、少なくとも査定当局は言っているわけです。それができるかできぬかということは、場合とところによって違うかもしれませんが、まあそういうようなことを考えますと、ここで一体おっしゃるようなことを言うのはいかがなものか。なお、実態を調べた上で、私ども自身がやはりその合理的な解決のためにいろいろ働くべきものであって、運営通達という形ではいかかなものかというふうに思うのでございます。
 それから、国と地方団体の問題は、その七の初めのほうにあっさりと書いてあるので、これはもう長年の問題でございますので、よく気持ちもわかっておりますことでありますし、事新しくそれだけを取り上げてどうこうというのもいかがかと考えられまして、一般的な地方財政法の趣旨によってやってもらいたいということを述べて、ただ特に高等学校の問題、それから一般の税外負担解消の問題について措置をしたということを背景に注意を喚起した、こういう趣旨でございます。
○鈴木壽君 まあ関連でありますから簡単に済ませますがね、超過負担の問題ですね、これを、仕事をやめてしまえとかなんとかということは、そんなことはすぐ言われるものでもないけれども、しかしまた地方団体とすれば、これはもう一つは泣き寝入り、そしてまた一つはこれはあたりまえだ、やむを得ないというような気持ちにもなっておるところがあるのです。やはりそういう一つの考え方について、もう少しはっきりしたものを地方団体として持ってしかるべきだと思うのです。そういう意味での注意なり指導というものは、私は行なわれていいんじゃないだろうか、こういうことであります。
 それから国の事業に対するいわゆる地元の県なり市町村なりが持つ問題、確かに国及び地方公共団体の間と、こういうのでありますが、私がいま申し上げましたことは、いわば一つの例ですが、ここへ書く書かぬというよりも、この問題は、あなた方が地方に対して県市町村間のそういう問題を大きな問題にして取り上げるならば、もっと国の段階でひとつこんなことの起こらないように十分に折衝をしてやる必要があると私はそう思うわけです。そういう意味でひとつやはりもう少しはっきりした、何といいますか、指導あるいは助言というものがあってもいいんじゃないだろうか、そういうことを含めて、あなた方自身の仕事を含めて、そういうことがあってもいいんじゃないかと、こうお聞きしたのであります。
○政府委員(柴田護君) おっしゃるとおりであります。私どもになお知恵をしぼらなければならぬところが残されておるわけでありまして、そういう問題につきましては、先ほど占部委員の御質問にお答え申し上げましたように、私どもといたしましても、いままでのようなやり方だけじゃいかぬのであろうかということで反省をいたしておるまっ最中であります。
 それから高等学校等の問題、国立工専等の問題では、地元負担金の問題でありますが、これはまことに困ったことに、地方側であらわにされると困るということを言う向きも中にはあるのであります。これは要するに誘致運動とからみ合いまして、そういう事態があるわけでありまして、したがって、なかなか幾ら声を大にして言いましても、これはわからぬ、言うてこないからわからない、ひた隠しに隠しているわけですから、わからないのであります。これはやはり調べてもらって、つまり、そういう事態があった場合にどのように対処するかということを個別の問題としてこれを取り上げて、個別の問題として主管の役所に話をしていくということをやっていかざるを得ないんじゃないか。私どもは最近の地方財政の運営から考えまして、やはり再建団体のみならず、全般的にもう少しいままでのような態度を変えて、少し調査というものに身を入れたいと思いますけれども、そういうようなものを通じてやはり問題点を発見して、そうして片づけていくといったような形、いわば個別個別の事例の積み重ねによって全般的な風潮を馴致するといいますか、そういうようなやり方もとらざるを得ないのじゃないか。そうしなければ、そういう方法でもとらなければ何が行なわれているのかわからないように思うのでございます。声を大にいたしましても、山びこのようにうつろに響いて返ってくるだけでありまして、答えているのか答えていないのか一向にわからぬ。したがって、そういうやり方は、いままでたびたび言っておるわけでございますので、ここでまた繰り返して言うのもいかがなものか、むしろ一般的な法規の定めるところによってやってほしいということだけで足りるのではないか、あとは個別問題として処理するほうが合理的だと、こういうふうに考えておるわけであります。
○鈴木壽君 いずれ私は機会をいただいて、こういう問題に対して、ここでもう一度皆さんのお考えも聞きたいし、また、とってこられた態度等について聞きたいのですが、いまの地元で隠しているというようなこと、これは隠しても予算関係で調べればすぐ出てきますし、私はある県のやつは予算関係で拾っていって、いま言った一億数千万円という額になることを見たわけですがね、できますよ。隠しておったって隠されるものではない。ただ出てきたものをどういう振り回しのしかたをするか、これはいろいろあるでしょうが、材料として、あるいは資料としては出てくると思うのです。ですから、これはやはり各県における――私いま言ったのは、何べんも申しますように、一つの例でありますが――最近、この二、三年前から出ておる一つの例として、こういう大きな問題があるのですから、これはやはりひとつさっそくお調べの上に、これに対する対策というものをこれはとらなければならないと思うのです。もうすでに事業費を、いわゆる地元負担として仕事をしてしまっておるところもあり、これを返せとかなんとかいっても、これは事案上不可能なことはわかり切っておりますけれども、これからの問題として、現にやられておるこういうものは的確につかんで対処すべきではなかろうか、こういうように思うのであります。いずれこれはさきにも言いましたように、後ほど当委員会においても皆さん、あるいは関係の各省の方々にも来てもらって、ひとつお尋ねをしてみたい、こう思っておるわけでございますが、お答えは要りません。
○占部秀男君 次に、八のところで、これは「財務会計制度」が全般的に改正面で施行されるわけですけれども、自治省の再建府県市町村に対する財政の調査といいますか、それをやるというようなことがちょっと新聞等に見えているんですが、本年はどの程度の府県、あるいは市町村にそういうことをやるのか、それを一つお聞きしたい。
○政府委員(柴田護君) これは当委員会ではございません、衆議院だったと思いますけれども、最近あちこちに市長が変わりましたとたんにわかりましたり、あるいはそうでないときでもわかることがあるのでございます。使い込み事件といったのがあちこちにある。しかもそれが監査をしていながら監査のときにわからなかったというようなものもある。ものによりましては、それもやむを得ない事情のものもあるのでございます。もう少し監査のやり方をよろしきを得ておりますれば未然に防げたという事例も調べてくればあるわけでございます。御承知のように、再建団体につきましては、財政再建促進特別措置法上、毎年必要な調査、監査をせなければならぬのでありますが、その他のものにつきましても、やはり監査、調査をして、そうしてそういったようなことがあります場合には未然に措置をするようなことも、場合によっては必要でございますし、また実情をつかんでそれを施策に反映をしていくということも考えなければいかぬだろう。この通達の一番末尾にはそういう趣旨のことを明らかにいたしまして、もっと府県当局では市町村のそういった意味合いにおける監査、監視というものについて積極的にやってもらいたいということを明らかにしておりますが、もとより自治省といたしましても、県なり五大市等につきましては、できるだけ総合的な調査を行なっていきたい。それを施策に反映させていきたい。ごく端的に言いますと、いつか申し上げたと思いますが、最近の大都市財政というものにつきましては、相当様相が変わってきておる、こういうものを私ども中央におりましても、ずっと話を聞くだけではわかりません。やはり全般的なそういったところの行財政を調べまして、その結果を施策に反映させていきたい。こういう気持ちで従来よりももっとこういう方面について力を入れてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。どういうような方式で、どういうような計画でやるかということは、まだきまっておりません。現在私どもの手元で検討中でございます。
○占部秀男君 その点、何か大阪の市長のほうで要請があったのか、大阪の市をやるとか、福岡の県をやるとか、よく新聞に出ておるのですが、おおよそ本年は府県と五大市でどの程度、どことどこくらいをやるのかは予定が立っておると思うのですけれども、そういう点、お答えを願いたいのです。
○政府委員(柴田護君) 先ほどお答え申し上げましたように、従来に比べましてはもっと盛んにやりたいと思うのでございますけれども、予算と時間にも関係ございますし、現在どうするか、どういう計画でどの程度やるかということを検討いたしております。私の手元で検討いたしておりまして、まだ確定いたしておりません。
○占部秀男君 その検討をして確定すると、おおよそラフなものができるというのはいつごろでございますか。
○政府委員(柴田護君) なるべく早くきめたいと思っております。
○占部秀男君 なるべく早くと言っても、その年の監査というか、調査の問題だから、なるべく早くだけでは、私はやっぱしならぬと思うので、おおよそ今月中とか来月中にはどこどこをやるのだという予定ぐらいはできそうなものだと思うのですが、その点はいかがですか。
○政府委員(柴田護君) これは予算とも関係がございますし、それからまた調べますについてもなるべく最近のデータということになります。そうしますと、やはり三十八年度の決算がある程度めどがつきませんと、今度は調査をしてもらうほうでも困っちまうわけです。したがって、その辺から、おのずから最初の時期はどんなに早くやりましても六、七月ころになるだろう、それから年度内一ぱい幾らできるかということになるわけでございます。
○国務大臣(赤澤正道君) ただいまの問題については、私はかなりきびしい考え方を持っておるわけでございます。しかし、都道府県でも県費をごまかしたとかなんとかいうことを耳にしておるわけではございませんので、ただいろんな団体交渉なんかの過程を通じてプラス・アルファなんかを支出しますのがどうも適法に行なわれておらぬ面があるし、それが大体暗黙の了解の形になって多くの県がやっておるということは、やっぱり何らかの方法でこれを解決いたしませんと、出すほうもまたわれわれ見ているほうもいい気持ちがしないことは当然でございます。また、住民等も非常に不愉快な目でもって見るわけでございますので、これを早い機会に正したいと思いますが、根本的な問題があるといたしますけれども、監査ということになると、なかなかわずかな人員でやることもできませんし、また監視したということがわかりますと、そこの何事もなかった、たいしたこともなかったところでたいへん執行部が迷惑をなさることもありますし、慎重にかまえておりますが、ただ、若干おかしいというところはあるわけです。しかし、一罰百戒というようなことは、私はやることはよくないのじゃないか。そうすると、一応親切の意味で、いわゆる善意で指導するという形でやるということになると、全国の都道府県一斉にやらなきゃならぬことにもなってまいりますし、いまその方法については、私も実は苦慮しているわけでございます。それから、市町村に至りましては、この間私日曜日所用があってちょっと徳島県に参りましたところが、新聞でごらんのとおり、山の奥の一村で使途不明の金が一千数百万できた。そのために責任を感じた収入役が自殺した。さらに、責任感じた村長さんは腹をかっさばいて割腹して相果てたという、まことに大時代なこういう事故が起こっておる。最近郵便局といい、どこといい、公金というものがおろそかに扱われる面がありますが、しかし、徳島の例なんかずっと聞いてみますと、それで豪華な生活をしたわけでもないし、長い間何となく金が消えたなんということは、監査の面でも大きな手抜かりがあったのではないか。そこで、私はこういう気の毒な事故を防ぐためにも、都道府県に、各管下の市町村なんかをもっと親切にこういった指導的な意味での監査というものをやれということは、励行さしたいと思っておるし、やっぱりこういったことは少しやかましくやりませんと、ゆるめておきますると、とんでもないことが起こる可能性がありますので、これについては十分きびしい態度で臨もうとしております。
○占部秀男君 私はいまの大臣のお話は、全面的にそうだというわけにはいかぬのですけれども、やはり問題が問題でありますから、きびしいところはやはりきびしく、厳正にやっていただいて、あやまちのないようにしていかなければならぬ、そういう点、大臣の言われることは、まことにもっともだと思います。ただ問題は、自治省がやるそのことが、そういう善意に出た問題であっても、その問題が地方で違った受け取り方で受け取られるということになると、善意が逆行するような形になってもまずいと思う。そういう意味合いからも、いわゆるオーブンで、開かれた意味でのそうした方法あるいは調査ないし監査といいますか、そういうことの対象になる府県や大都市、そうした問題については明確にして、そして何もこれを受けることが、悪いことをしたから受けるのだというわけではないのだという点を、積極的に住民に思わしめるような、開かれた意味の形を私はとってもらいたい、こういうふうな要望を持っているわけです。そこで、しつこく実は局長にお尋ねしたわけです。この点は、またあとで相当固まりましたときに、またお伺いしたいと思います。
 あと三、三の点についてお伺いしたいのですが、第二の歳入の事項の中で、三の地方債計画の問題で、これについては鈴木委員からお話があったかもしれませんが、(一)として住宅建設と生活環境施設の整備の促進、(二)として地域開発の促進、(三)として地方公営企業の整備拡充に重点を置く、このように書かれているわけですが、重点の置き方については、われわれは異議はないのですけれども、(二)の地域開発の促進というものの内容が、往々産業基盤の問題だけに限定されるような、あるいは重点が置かれるような、そうした心配が従来の政府の地方債計画の中にあったように思う。この内容についてラフでいいですから、ちょっとお伺いするわけです。
○政府委員(柴田護君) ここに書いてありますことは、地域開発の地方債計画を立てます場合の策定方針と申しますものをうたっているわけでございます。御承知のように地域開発事業として相当額の地方債を持っております。御承知のように開発事業ですから、工場用地というものもある程度従来とっている。今後はその点につきまして相当額をふやしていく。ただし、これは御承知のように住宅団地の開発等につきましても、やはりこのうちにある程度含めてものを片づける。こういうような態度で弾力的な運用をはかっていきたい。立て方は、地域開発の促進ということでございますが、中身は必ずしも工場だけということではない、このように御理解願いたいと思います。
○占部秀男君 それからその一番末尾のところに、「赤字団体にあっては、その起債について制限が加えられるべきものであること。」とありますが、これはこのままでいいのですが、こういう例があるかないかわからないが、新産都市に指定された区域内における地方団体で、赤字団体のところがこの中に入っているものがあるのじゃないかと私は思うのです。そういうものなんかを機械的に適用されると大きな問題になると思うのですが、そういう心配はございませんか。
○政府委員(柴田護君) まだ新産都市建設計画の具体的の案はきまっておりませんから何とも言えません。お話のように、場合によってはそういう形はあるかもしれません。これは法律を曲げるわけにはいきませんので、赤字団体に対する起債の規制につきましては法律がございます。法律がある限りは特別な扱いをするわけにはまいりません。
○占部秀男君 かりにそういう事例が出た場合には、やはり新産都市も一つの国策なんで、その国策の遂行という立場から、この前は何かプリンス・ホテルの問題点が、率直に言えばうやむやになったわけですが、そういう点についての何らかの措置を考えていく必要があると思うのですが、そういう点はどうなんですか。
○政府委員(柴田護君) 赤字団体に対する地方債の規制は、再建計画を立てればとめるわけです。したがって、そういう団体につきましては再建計画をやはり策定をさして、事業団体になってもらって、そしてその事業団体の再建計画の中において新産都市計画とのかみ合わせを考えていくということになっていくのだろうと思います。
 なお、例の新産都市の援助の問題につきましては、私どもはまだあきらめておりませんので、もう少し……。
○占部秀男君 それはまたあとでひとつあれします。
 それからこの歳入の五のところに競輪競馬の収入の問題があって、用途をはっきりさして住民に理解を得るように配慮されたいというのですが、これは競馬の問題はとにかくとして、競輪の問題については、一時今国会で、この参議院でも競輪廃止の問題で相当これは自粛していくべきであるという情勢に、決議でもたしかなったと思うのですが、何かそれに逆行するような、これはいいのだから積極的にやれというようなこれは通達じゃないかと僕は思うのですが、その点はいかがでございますか。
○政府委員(柴田護君) そういう意味ではございません。しかし、競馬、競輪等の収入、宝くじの収入は、やはり相当な額になっておりますので、その使い力については十分住民の理解を得るようにしてもらいたいというだけの意味でございます。特にこれによって競輪、競馬を振興しようとかいったような意味ではございません。
○占部秀男君 私はこういうことを書く必要がないじゃないかと思うのですね。競輪は順次廃止していこうというたてまえに、国会の中では、それが法律的には決定していなくても、その方向に進んでおる。その中で、どうもこれをここで出して理解させろ理解させろというのは、局長が幾ら言われても、やはり相当な財源なんだからこれを置いておかなくちゃならぬのだから、したがってこれをひとついまのうちに住民に徹底させろと、こういう考え方に通じてくるんじゃないかと思うのですが、その点いかがでございますか。
○政府委員(柴田護君) そういう意味ではございませんので、やはり事柄が事柄で、いろいろ御批判のある問題でもありますし、それによってあがる収益というものは相当なものです。そうしますと、やはりその使い方というものはこういう形でやっておるのだということを住民に知らして、そして不必要な誤解を起こすようなことを避けたい、これだけの意味でございます。
○委員長(竹中恒夫君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(竹中恒夫君) 速記を起こして。
○西田信一君 占部さんが時間がないと言ってやめたのに、悪いけれども、きわめて簡単にお尋ねしたいのですが、それは健康保険のような特別会計のもとにおいては、私は最近の市町村財政の中で国民健康保険事業というのがたいへん大きな問題を持っておると思うのです。ことに世帯主から家族まで給付の範囲が広がってまいるという状況がここにも触れてありましたが、こういう段階でこれに触れて、保険財政の強化のことを強調した意味の通牒のように思うのです。そこでお聞きしたいのは、どの程度に自治省ではこの国民健康保険の運営について実態をつかんでおられるか。ことしは非常に赤字団体がふえるという様相のように私は見ているのです。相当問題が大きいと思っておるのですが、どの程度実態をつかんでおられるか、まずお伺いしたい。
○政府委員(柴田護君) 昭和三十八年度の決算がやがて出てまいると思います。それを使いませんと具体的なことは言えませんけれども、大体私どものところである程度当たっておりますことは、一般会計からの繰り入れを入れまして百億近い欠損になっておるのじゃないかと思います。それが三十九年度になりますと、療養の給付率がまた上がるわけでございますので、三十九年度の国保財政というものはさらに問題をかもし出すだろう。私どもは、ここにこのように書いてありますけれども、一般論といたしましては国民健康保険会計というものをこのままほうっておけないだろう。四十年度においては、給付率の引き上げ等々のこともけっこうでございますけれども、やはり国保財政をどうするかということについて基本的な線を引かなければいかぬだろうというふうに実は思っておりまして、ほんとうに根本的に対策を考えたい。こういう意味で厚生省にも申し入れをしているわけであります。しかし、じゃ運営の具体的なものになりますと、個々の団体の中ではなお合理化する余地がないかと言えば、ないものでもないだろう。したがってそういうことについてはさらに財政の健全化というものについて検討してまいりたいということをここにうたっておるのでございます。私どもといたしましては、国民健康保険会計というものは公営企業会計と並んで非常に大きな問題になってきております。これはやはり両方とも早く根本的な解決策というものを考えなければいかぬだろうというふうに考えております。
○西田信一君 そういうふうに認識しておられるならばけっこうだと思いますけれども、この内容を見ますと、「保険財政は運営難を脱しておらない」というような表現も用いられているわけでございまして、私はいまの御答弁にもありましたように、むしろ保険財政は非常に運営難の度を増していると、こう考えているわけです。そこでこの通牒の内容を見ますと、ことに「給付率の引き上げと国民健康保険税の徴収確保とはうらはらの関係にあるから十分住民に徹底させろ」、こういうふうに言うておられますが、こういう書き方をしておられるのはどういう意味かわかりませんけれども、要するに給付の内容が引き上げられると国民健康保険税も当然引き上げていく。保険税の徴収率の問題もありましょうが、保険税を上げるということが当然であるというふうに書いておられるように見受けられるのです。そこで三十九年度の保険税の引き上げも、私は全国の集計したものは知りませんけれども、三割、ひどいところは五割、あるいはもっとそれ以上一挙に引き上げろという傾向に大体あるように思うのですが、そこで、その書いておられる意味はどういうことであるのかということと、それから国税も地方税も減税減税――これは目的税だから違うと言えばそれまでですけれども、しかしながら、昨年自治省が非常に心配をして、例の低所得者の減税までも実行したというのは、あれは私はたいへん適当なことだと思うのですが、そういう場合に、この国民健康保険税だけが減税の方向と全く逆に、どんどん上がっていくという傾向にある。これはいなめないと思うのです。それは保険財政の立場だけを強調したように思われるけれども、やはり住民負担というものを相当考えていく必要がある、こう思うわけですね。そこで、関係各省と何か話し合いをして検討を加えると書いてあるのですが、そういうふうな給付の内容、範囲の拡大等々、将来のそういう税負担との関係をどういうふうに自治省としては判断しておられるのか、そこら辺を、ひとつ当面のことしの財政確保ということも大事でしょうけれども、そういう点はどう考えておられるのかということを、ひとつ自治省としてのお考えをお聞きしたい。
○政府委員(柴田護君) この問題は非常に大きな問題でございますので、いずれ省論をまとめなければいかぬことでございます。省論としてどうするかという帰結はまだ得ておりませんけれども、結局いまの社会保険だという前提に立ってものを考えていきますためには、お話のような事態がある程度出てまいってもしようがないじゃないかと私は考えております。したがって、やはり国民健康保険の実態からいいますならば、この辺で社会保険論につくのか、社会保障論につくのか、はっきり少なくとも将来の方向を見定めるべき時にきておるだろうと私は思う。そうしなければ財政的措置のしょうがない。社会保障的な方向に転換していくのであれば、それでまだやりようがある。しかし保険論でいきますならば、これはいまおしかりを受けるような事態がある程度起きてもやむを得ないと思っております。そこは私どもはもう社会保険論だけではいかぬのじゃなかろうかと思っておりますけれども、その辺のところの考え方は、やはり政府としての公式の見解は、厚生省でございましょうけれども、厚生省の腹をさらにたたくということになるだろうと思います。私どもといたしましても、将来どうするかという問題は、三十八年度の実態をある程度調べて、その上に立って私どもとしてはこういう工合に考えているという結論を出したいと思います。
○西田信一君 私は、市町村に義務制をしいておる今日において、これは社会保険というよりもむしろ社会保障的な性格が非常に強まっておると考えておるわけです。そこで、主管省は厚生省であるといっても、これは市町村行政の相当重要なウエートを占めておるものでありますし、また、住民負担という立場からいっても、相当これは問題が大きいと思うのです。そこで、三十八年度の結果を取りまとめることも必要でございますけれども、厚生省もおそらく調べかけておるのではないかと思うのですが、三十九年度は一体国民健康保険の住民負担がどんなふうに急増しておるのかというふうなことも、これはわかるはずなんです、お調べになれば。だからそういう点も十分検討されて、そうして、きょうはこれ以上時間もありませんからお聞きいたしませんが、いずれ厚生省にもお聞きしたいと思うのですけれども、ひとつもう少し本質的な検討なり考え方をまとめていただいて、そして給付率の引き上げ、内容の向上もけっこうでございますけれども、一面また住民負担とどう調整するかという問題が非常に大きいと思うのです。単に赤字になるから、これでいくと、どうも税のあれとうらはらになるのだから、保険税を引き上げるように努力せいというふうにもとれるのですよ。そういう意図じゃないですか。どうもそんなふうにもとれるわけですけれども、ただ保険収支の勘定だけを合わせるということでなくて、やはり住民負担ということも考えていただく必要があるというふうに思うから、この内容についてちょっとお聞きしたわけですが、そういう点についてどうお考えになっているか。
○政府委員(柴田護君) 私が三十八年度の実態を調べてと申し上げましたのは、お話のようなことを言われておるわけであるからであります。したがって、財政の実態といいます場合は、ただ収支勘定だけでございませんので、租税負担がどうなって、どう変化しているかということももちろん調べております。それらを総合的に考えて、大体お話のような方向で基本的な問題のとらえ方をしていかなければ、地方財政もまいってしまえば、国保もまいってしまうというような心配をいたしております。しかし、現在のたてまえでは、やはり調整交付金の活用に期待するところは大きいのでございますけれども、しかし、現在のたてまえでは、やはり給付率が上がれば、ある程度保険税も上がらざるを得ない。したがって、別に増税をうんとやれという意味ではございませんけれども、税収入の今度は徴収確保の面があるわけでございますので、現在のたてまえのもとにおいて収入を確保してもらいたい。賦課だけしても収入が入らなければしようがありません。やはり徴収率というものを上げてもらいたい、こういう意味合いもここに入っておるわけであります。
○西田信一君 きょうはこの程度にいたしておきますが、ひとつ大臣にもお願いいたしますが、これは大きな問題でございますから、ひとつ厚生省あたりと御連絡を十分とっていただくように、政府としてのひとつ……。もう五割なんというのはざららしいですよ。ことしの保険税のはね上がりが五割も増税になるというようなかっこうで、そうしなければ保険財政がつじつまが合わないということになるのでしょうけれども、相当住民負担ということは問題が大きいと思いますので、十分御検討を願って、しかるべき結論を出していただきたいということをお願いいたしまして、きょうは終わります。
○委員長(竹中恒夫君) 本件についての本日の調査はこの程度にいたしたいと思います。
 次回は五月二十一日木曜日、午前十時、地方行政連絡会議法案、行政書士法の一部改正案について閉会する予定でございます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時二十六分散会
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