第046回国会 地方行政委員会 第3号
昭和三十九年九月三十日(水曜日)
   午前十時十八分開会
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   委員の異動
 八月十日
  辞任      補欠選任
   沢田 一精君  田中 清一君
 八月十五日
  辞任      補欠選任
   田中 清一君  沢田 一精君
 八月十九日
  辞任      補欠選任
   天埜 良吉君  重宗 雄三君
   竹中 恒夫君  徳永 正利君
 九月十日
  辞任      補欠選任
   徳永 正利君  紅露 みつ君
 九月十七日
  辞任      補欠選任
   紅露 みつ君  重政 庸徳君
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 出席者は左のとおり。
   委員長     高野 一夫君
   理事
           石谷 憲男君
           松本 賢一君
   委員
           小林 武治君
           沢田 一精君
           重政 庸徳君
           館  哲二君
           鈴木  壽君
           千葉千代世君
           林  虎雄君
           光村 甚助君
           辻  武寿君
           市川 房枝君
  国務大臣
   自 治 大 臣 吉武 恵市君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       鈴木  武君
  説明員
   警察庁保安局長 大津 英男君
   警察庁交通局長 高橋 幹夫君
   自治省財政局長 柴田  護君
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  本日の会議に付した案件
○地方行政の改革に関する調査
 (人事院の勧告に伴う地方公務員の
 給与に関する件)
 (昭和三十九年度地方交付税の配分
 に関する件)
 (台風二十号による災害に関する
 件)
 (風俗営業等取締法改正後の実施状
 況及び取締り状況に関する件)
 (オリンピック開会に伴う治安及び
 交通対策に関する件)
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○委員長(高野一夫君) それではこれから本日の委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について報告いたします。
 八月十九日、竹中恒夫君及び天埜良吉君が辞任され、その補欠として徳永正利君及び重宗雄三君が選任されました。なお、九月十日、徳永正利君が辞任され、その補欠として紅露みつ君が選任。次いで十七日、紅露みつ君が辞任され、その補欠として重政庸徳君が選任されました。
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○委員長(高野一夫君) 人事院勧告に伴う地方公務員の給与改定に関する件を議題といたします。
○国務大臣(吉武恵市君) 給与改定につきまして、地方公務員関係を申し上げてみたいと思います。
 人事院勧告に従いますると、地方公務員の所要一般財源といたしましては、五月から実施するとすれば八百七十五億円要るのであります。そのうち交付団体が六百五十二億円でございまして、不交付団体の分は二百二十三億円になっております。それに対します財源措置といたしましては、目下大蔵省に折衝をいたしておりますが、まだ大蔵省のほうといたしましては、財源の見通しがはっきりつきませんので、いまのところ、どうと申し上げるところに至っていないのでございます。しかしながら、まあいままでの折衝の過程を通じて申し上げますると、国税の三税、すなわち所得税、法人税そうして酒税のこの三税の自然増収分といたしましては、約五百億くらいというようにいわれております。これもまだはっきりしたものではございません。そういたしますると、御承知のように、この三税の地方交付税は二八・九%でございまするから、地方交付税分といたしましては約百四十億円とまあ見込まれるわけであります。なお、各地方の地方税の自然増収がどれくらい見込まれるかと申しますると、私どもの目下推算をいたしておりまするところでは、六十億円程度でございます。そうしますると、両方合わせまして二百億円程度しかないわけでございます。したがいまして、その差額の財源というものをどうして見つけるかということに非常に苦心をいたしまして、目下大蔵省のほうとも折衝を続けておるようなところでございます。私どもといたしましては、できるだけ人事院の勧告は尊重していきたいと思っておりますが、さて一方、私どものほうの財源としては、地方の地方税分としては六十億しか自然増収がございませんので、他は地方交付税として、つまり大蔵省のほうの追加予算に計上されまする三税の自然増収分に対する二八・九%というものによって決定されるわけでありまするから、そこで目下まあ大蔵省に極力その点を申し上げておるようなところでございます。私どもは、国の公務員と地方の公務員とは従来とも同様な取り扱いをいたしまして、国家公務員に準じてやっておりまするので、財源がないからといって荒をつけるということは、私どもはこれはとるべきでないという態度をとっておるわけでございます。
 以上、概略でございますが、そのような状況でございまするので、御報告を申し上げる次第でございます。
○委員長(高野一夫君) ただいまの大臣の御説明に対しまして、補足説明があります。柴田財政局長。
○説明員(柴田護君) あらましは自治大臣から御説明があったとおりでございますが、若干詳細に申し上げますと、人事院勧告どおりの給与改定を五月からいたしますと、先ほど大臣は一般財源のことをおっしゃいましたが、総額では千八十五億、県で申し上げますと、八百三億、市町村が二百八十二億円、これは概算でございます。若干数字につきまして精査する余地がございますが、ほぼ間違いのないところ、その程度の額があります。これから義務教育職員と、それから国庫補助職員につきましては改定相当分に対しまする補助金の交付がありますので、それが、義務教育それから一般の補助職員合わせまして、二百十億円くらい予想されております。差し引きますと、先ほどの数字が出てくる、こういうことになるわけでございます。
 それから財源の問題につきましては、従来は国税の自然増収が相当ございましたので、その国税の自然増収の三税のはね返り分によりまして、ほぼ年度途中の給与改定研要財源は充足せられてきたわけでございまするが、本年度は、先ほども御説明がありましたように、非常に年度当初に税収入を筒一ぱい見込みました関係と、その後におきまする経済の伸長度が、従前のように大きなカーブを描いていない、いわば伸びが鈍化しておるといったようなこともございまして、主税当局では五百五十億前後の自然増収の中で、三税と考えられるものが、五百億程度だ、こういうことを八月の中ごろに言っておりました。その後の主税当局の言明では、明確なものはまだ出ておりません。私どもも実はこの問題につきましては非常に心配をいたしまして、いろいろ検討をいたしておりますけれども、主税の大きな部分を占めますものは、法人関係の税でありますが、この法人関係の税の向背というものは、やはり九月決算を終わりませんと大勢がつかめないのであります。これは日本の経済が、八月を一つの軸にいたしまして大きく変わるというのが従来からの傾向でございます。それからまいりますと、九月が済みませんとわからない。もっとはっきり申し上げますと、十月の中ごろになりますれば、ある程度税の自然増収の見通しというものも立つんじゃないか。それにいたしましても、この膨大な額にのぼります給与改定を行ないますためには、やはり相当財源については慎重な検討を要するわけであります。地方税分につきましては、通常、国の自然増収の約三割ないし三割五分というのが自然増収を見る場合の通則であります。それから申しますと、先ほど大臣から申し上げましたような形になるわけであります。したがって、従来のような方式をとっていけるのかどうかということにつきましては、若干の危惧の念がないでもございません。従来のたてまえから申しましても、制度のたてまえから申しましても、国家公務員について給与改定が行なわれますならば、これに準ずる改定措置が地方公務員についてもとられますように所要の財源を確保するというのが従来の行き方でございますし、また、私どももその線に沿って措置してまいりましたし、今回につきましても同じ態度をとっておるわけでございますが、ただ、財源の措置の方法といたしましては、従来のように三税のはね返りだけによって措置できるかどうかということにつきましては、なお十分検討を要すると考えております。
○委員長(高野一夫君) 本件に関しまして何か御質疑はございませんか。
○千葉千代世君 大臣に伺いますけれども、この人事院勧告は、公務員に準じて地方公務員もこの対象になるとおっしゃっておりますね。当然のことだと思いますが、具体的にお聞きいたしますが、たとえば静岡県の例で申し上げます。静岡県では夏のプラス・アルファを出さなかったですね。全国で三十県近く出しておりますけれども、出さなかった。そのときに県で言われたやに聞いておりますが、プラス・アルファも出さなかったし、それは自治省の通達が厳しいからと、このまあ一点に逃げておるわけです。それから今度は人事院勧告があっても、当県だけはそれは財源の都合で実施しないかもしれないと、こういうようなことを先走って大へん不謹慎にも述べておるわけなんです。そういう点について、やはり自治省としてはそういう県があった場合には、どのようなたとえば指導なり助言なりおとりになるのですか。
○説明員(柴田護君) 給与改定に要します財源措置をいたします場合に、御承知のように地方公務員の場合は、地方公務員が国家公務員であれば幾ら給与改定に要する財源が要るか、いわば国家公務員ベースで計算をいたします。そしてそれはいままでの例でありますと、基準財政需要額の中に投入いたしまして、交付税の計算を通じまして必要財源を与えるということになっております。したがって、その与える場合につきましては、国家公務員に準ずる改定を期待するという指導、通達を出しております。財源的にはこういう措置を講ずる、行政的には給与改定がこのように行なわれるから、これに準じた措置をとってもらいたい、こういう指導、通達を出します措置をとっておりますから、おそらく今年度も改定が決定されますれば、そういうような措置がとられると思います。
○千葉千代世君 期待するというだけであって、別に拘束は自治省としてはできないわけでしょうけれども、しかし、やはりいままででは、国家公務員の人事院の勧告があって、それに地方公務員は準拠してどこの県もやっていたわけでしょう、一県もやらない県はございませんでしたね。そうすると、静岡の県当局が言われているような、そういうことは言えないはずですね。というのは、いままで地方公務員に対して、いま局長がおっしゃったような財源措置はこのようにして云々ということを言われた。その県々の実情によって県内操作の場合に、その勧告した分を、中だるみのあまりひどいところについては、その点は組合その他と相談し合って、多少の内部的な問題はあったわけですね。昇給財源に充てるとか、それからまた勧告自身の、この分については一律にやるとか、あるいは一部をやってその他は中だるみに重点を固くとか、そういうことが県々独自のあれでなされておったようです。しかし、最低として、これが完全に行なわれるようにという、そういう方向には変わりはないと思うのですが、具体的に伺いますけれども、この前の勧告がありましたときに、地方公務員の場合に、国家公務員と全く同じ地方公務員に対する措置がされたかどうか、そうでない県はありましたでしょうか。たとえば給料表ですね、あのとおりのやり方、大体の何級俸は何級俸と、これに準じているのがありますね、中は多少動かしておっても。大綱的にね。
○説明員(柴田護君) いまのお尋ねの問題につきましては、給料表の動かし方その他につきましては、問題はいろいろあろうと思いますけれども、過去の例からいいますと、国家公務員について給与改定が行なわれたのに、全然給与改定が行なわれてないという県はございません。静岡のお話はどういうことかよくわかりませんけれども、これはいろいろな関係があって、いろいろ言っておられるのじゃないかと思います。ただ一般的に言い得ますことは、すでにその給与が国家公務員の水準を非常に上回っているということがありますれば、政府といたしましては、財源的には給与改定を国家公務員の水準において行なわれるだけのものはいたします。県がやろうとやるまいといたしますけれども、県としては、すでにほかの財源を食って、給与水準をそれだけ上回ったものをやっておるのだ。たとえば一例をあげますれば、東京のような場合の一部にそういう例があるかもしれません。そういうような場合には、あるいは県としてそういう態度をとることもあり得るかもしれません。しかし、従来の例から申しますると、さようなことはまずないと、このように思います。おそらくはいろいろなほかの関係からのそういうような意見なり見解の発表なり、あるいは非公式に見解を言っておるのじゃないか、かように考えます。
○千葉千代世君 いま東京の例でおっしゃったんですが、東京のような不交付団体ですか、そういう中で国家公務員より上回っているから、場合によっては多少やらないところもあるのじゃないかというお話があったんですけれども、これはやはり既得権は侵害しないということが給料の上では基本なんでしょう。ですから国家公務員平均より上回っているからそれをやらないという、あるいはやってもやらなくてもその県の自由だということはないわけですね。そうでしょう、給料の問題については。
○説明員(柴田護君) 給与額を下げるとか下げないとかというと、問題はあるかもしれません。すでにその水準に到達しているのだという場合に、あるいは上げ幅を縮めるというようなことがあり得るのじゃないかと思います。つまり国家公務員に準ずるというのは、改定された後の給与の水準と申しますか、給料表というものを適用する。これがその府県なら府県の給与というものが国家公務員の場合に準じておるという姿がとられれば、法律上はいいということになるかと思います。ただ、おっしゃるような既得の俸給を引き下げるということになりますれば問題もあろうかと思いますが、私が申し上げましたのは、理屈を追って考えますれば、すでに給与改定された後の水準に到達している地方団体で、財源がなくて、つまり政府から財源措置をいたしましても、それを食ってもなおほかの関係があって財源がないといったような場合にすでに水準に到達しておるのだから、今回はその上げ幅を縮めるといったようなことは起こり得るかもしれない。それは団体独自の判断である、こういうことを申し上げたわけであります。
○千葉千代世君 もう一つ伺いますけれどもね、国家公務員の人事院勧告というものは、上げる率が示されているわけでしょう。七・九%なら七・九%全体の率が示されておるわけでしょう。そうすると、たとえば東京のように多少国家公務員より上回っておっても、七・九%分の財源、東京なら不交団体ですから、それは自由ですけれども、この上に重ねてアップするというのがたてまえなんでしょう。給与改定されたあとの水準よりも高くなれば云々というようなことをおっしゃったわけですね。私はそうじゃないと思うのですが、その点いかがでしょうか。
○説明員(柴田護君) 勧告は、水準そのものについての比較を行ないました後に、したがって給料表を次のように変えろということを勧告しております。したがって、その改定すべきものは給料表の改定でございます。したがって、その給料表の改定、変えるべき給料表と現実の地方団体の給料表を見ました場合に、すでにその団体の給料表が、改定されるべき給料表と同じであったとかりに仮定いたしますならば、その場合は、先ほど私が申し上げましたようなことも理論的に起こり得るだろうということを申し上げたわけであります。
○千葉千代世君 それは理論としてそういうふうにおっしゃったわけですけれども、現実に、たとえば東京の場合でも、いま多少高いとします。けれども、それは高い理由があって高いわけなんです。そしていままで既得権としてずっとあったわけですから、その上に乗っけたたとえば七・九%というものを実施してほしい。国家公務員のつまりベースアップ分がみんなにいくようにと、こういうふうじゃないのでしょうか。でなければ非常におかしいと思うのですね。
○説明員(柴田護君) 私どもはさようには理解いたしておりません。改定されるべき給料表を勧告によって示されておるわけですから、先ほど来御説明申し上げましたような形の場合も、理論上はあり得ると考えられます。しかし、実際問題といたしましては、御心配になるような事態というものは、まずいままで起こっていないということを申し上げておきます。
○千葉千代世君 私、なぜこれをしつこく申しますかというと、実際にはそういうことはないわけですね。ところが、新聞その他でずっと発表されているのを見ますというと、これより上回っている、国家公務員より地方公務員のほうが上回っているということがよく新聞に出るわけなんです。そうすると、これに藉口して、上回っているのだから、だからいいじゃないかと、こういうふうにやられる県がある。たとえば静岡県の場合に、多少、ちょびっといい。ほんとうにいいのじゃない。ちょびっといい。そうすると、それに口をかりるわけです。東京はそんなばかなことはさせませんからね、都労連として、そんなことをしたらたいへんです。そんなことはさせません。これはその上にずっと積まれて、ただ内容的には都と相談して給料表の手直しとか、中だるみとか、じゃこの分はどこに持っていこうとかということは、これは話し合いでやるわけなんです。だから、いまおっしゃったような見解でいいますと、たとえば静岡が多少でもかりによかったとすれば、私詳しい数字をいま持っておりませんから、これこれといった数字を申し上げることはできませんけれども、多少でもいいという場合に、いまの筆法で言われますと、県当局は、多少でもいいから、今度は人事院勧告があっても、あるいは実施しないかもしれない、あるいはプラス、アルファを出さないかもしれないと、こういうふうに逃げ口上に利用されるのです。やはり地方行政はそういう形ではなくて、みんなで力を合わせて、国と地方と力を合わせて、特に待遇なんかはいいほうへ、いいほうへ向けていくべきところを、ともすると新聞その他で、地方公務員と国家公務員の給料比較はこうで云々ということで出てくると、それに飛びついてしまうわけです。安易な逃げ方をする。そういう場合にも、それはやむを得ないからという一片の、期待するというだけの通牒で終わるわけですか、いまの。
○説明員(柴田護君) いまのたてまえは、法規的には国家公務員の給与に準じてきめるのだということでやっております。それ以外に、自治省としましては特別の指導権限は持っておりません。ただ、いろいろな技術面からするところの給与に関する仕事、それはございます。しかしながら、改定につきまして、従来の経緯は、千葉先生からおっしゃいましたようなことは、実際問題としては、いままではあまり起こったためしもない。給与改定に関します指導といたしましては、財源措置を明確にいたし、国家公務員の改定の内容を明確にすれば、大体それでスムーズにいった。むしろ問題になっておりましたのは、その既存の水準が低いために、給与改定をかりにやりましても、結果において国家公務員の水準に追いつかないところをどうするか、こういうことについて常におしかりを受けておりまして、その分については、そういうことは、給与改定のときのみならず、その他の場合におきましても、そういうようなことについては、逐次是正をするようにということもたびたび申してまいっております。現にまた、逐次国家公務員の水準に近づいてまいっております。いまおっしゃいましたようなことは、いままでの経緯から見ますと、まずほとんどない、まず聞いたことがないというのが私どもの感じでございます。
○千葉千代世君 それでは、たとえば、仮定ですが、静岡なら静岡でもって、いま財源もないし、多少幾らかでもいい。よそより比較していい。いいといったって東京より悪いのですが、いいとされている。そのときに、期待するとだけしか書いてないから、これは静岡県独自の問題であって、やらない、こういうことは言わせない――いままでの例もあって、たとい言ったとしても、自治省のほうは重ねて何も言うあれではないのですか。
○説明員(柴田護君) 具体的には個々の給与がどうなっているかということを見なければ何とも言えないと思います。しかし、実際問題として考えました場合には、給与改定が行なわれます場合に、かりに期待をする、あるいはまた、こういう改定が行なわれるから、こういう財源措置をしたから、その方向で措置されたい、こういう通牒を出しましても、あるいはそのとおりにいかぬ場合もあるかもしれない。しかし、事情を調べてみて、そういう場合にどうするかという問題を、結局具体的にきめることになるでございましょう。根本的には、やはりいまのたてまえからいいますならば、どうするかという問題は、基本的には地方団体自体が決定する問題でございますから、だから、その決定する場合に、やらないということをかりに決定しました場合には、なぜそうなったのかということを調べてみませんと、具体的にどういう措置をとるかということは一がいに言えないだろうと思います。まあ全体といたしましては、給与改定を行ない得るように措置をしておるわけですから、それに従って措置することがたてまえだというように考えるわけでございます。
○千葉千代世君 大体わかりましたけれども、やはり心配なことは、このごろ地方財源という問題からからんで、プラス・アルファにしても、そういうふうな地方公務員に対する待遇は、全国非常にばらばらなわけです。東京で、たとえばプラス・アルファを〇・二五プラス六千円ですか、六千五百円ですか、そういうふうに出した。片方のほうはプラス三千円とか、ばらばらです。このこと自体に非常に問題があると思いますけれども、きょうは申し上げませんけれども、そういうふうに、今度の人事院勧告をしたという本質というものは、まだまだ物価の値上がりよりも非常に低いし、それから民間の事業所との比較、算定基礎の比較とか、内容的にも非常に上に厚く下に薄いとか、たくさんな矛盾をはらんでいるわけです。私は、地方公務員の方々も、国家公務員も、非常に不満きわまりない給与だということを考えております。ですから、二十八日にも全国で公務員共闘の皆さんが集まって、いまおっしゃられた地方財源の問題その他を、やはり大蔵省と十分に折衝の上に五月に完全実施をさせる――。それでもまだまだ生活が非常に苦しいので、物価の上がりぐあいを考えた場合にも、民間の比較についても非常に問題があるわけです。ですから、国家公務員より少しはここはいいから、だからその俸給表をつまり実施をしてこのあとの給料表が国家公務員よりも上がる場合には、あなたのほうとしては、上がる場合については別に何も言わないようなことを言っていたのですね。上がる場合にはしなくてもいいと、もっと端的に言えばですね。というようなことおっしゃったでしょう。私はそうじゃないと思うのです。やっぱり繰り返して申し上げるように、東京なら東京の高い理由がちゃんとあるわけです。静岡なら静岡が山梨と比べてちょっぴりいいという理由がある。きのうきょうの間でなく、積み重ねてきたそれぞれ理由があるわけなんです。そうすると、その上に七・九なら七・九というものを乗せられて、それでも不満であるし、不満きわまる。非常に内容的に矛盾もあるけれども、まあ最低の最低として五月実施をしてもらいたいという、こういう要求に立った場合には、あとの手直しした給料表が云々ではなくて、やはり七・九%なら七・九%というものの財源というものを見込んでやるということが、ほんとうにこの公務員に対する自治省なり大蔵省のやはり責任じゃないだろうか。裏を返せば、やはり政府の責任ではないだろうかということを考えるのです。
○説明員(柴田護君) 私どもは、まさにおっしゃるとおりのことをしようとしているわけでございます。つまり、水準が国家公務員の水準で計算をする。ところが、現実には国家公務員の水準に達しておりませんので、率を同じにしますると、財源が足らぬ事態が起こってくる。つまり、千円ベースなら千円ベースの七・九と、千三百円の七・九とは金額が違うわけでございます。したがって、その間の間差が大きくなれば、おっしゃるような事態というものは起こり得るかもしれぬ。あるいは県によりましては、その場合にはそういう方法をとらずに、ほかの経費を節約してそれを回すという方法をとるところもございましょう。いろいろございましょうけれども、地方公務員法の示しておりますところの規定というものは、改定された後の給料表というものが、給与行政といいますか、給料表といいますか、それの運用というものが、国家公務興に準じてきめられておるということが、地方公務員法の示しておりますところだと考えております。その間にいろいろいきさつがありまして、御指摘のように今日の給与行政、財政問題、いろいろ問題があるわけでございますけれども、まあ冷たい法律解釈からいいますと、そういうことになる。したがって、その間差が非常に大きくなりますれば、そういうようなことも考えられ得るわけでございます。いままでの事態によりましては、そういう事態がまず起こったためしがない、こういうことを申し上げたわけでございます。
○千葉千代世君 最後に、自治大臣は、さっき五月にさかのぼって実施したいと思うけれども、財源の見通しがまだ立たないし、大蔵省と折衝中だと、こういうお話なわけですね。で、いま局長さんがやりたいと思っても、財源がなければしかたないというようなことをおっしゃったけれども、私はそういうものじゃないと思う。自治大臣のおっしゃったように、いまのところの財源については、三税なら三税についてはこれこれだ、地方の見込みについてはこれこれだ、幾ら足りないと、足りない分をそれでは大蔵省がどう財源をはじき出すかと、そういうふうな姿勢に、やはりもう少し積極的にやっていただいて、五月の実施をしっかり約束させるという、ここまで少し自治省としてふんばっていただきたいと思うのです。でないと、これは勧告したけれども、やはり地方財源によってはやらないとか、そういうような、お互いに責任のなすり合いみたいになってしまっては、やはり実際そのベースアップの対象となる公務員にとっては、これはたまらないと思うのです。そういう意味合いにおきまして、やはり財源の折衝というものも十二分にしていただいて、五月に実施すると、こういう方向で御努力いただきたいと思っております。
○国務大臣(吉武恵市君) ただいまの御意見でございますが、最初に申し上げましたように、私どもは人事院の勧告はできるだけ尊重していきたいという姿勢でございます。それではじき出しますと、先ほど申し上げましたように、いま大蔵省のほうで三税の財源としては五百億しかないと。そうしますと、それの二八・九%しか交付税としての財源がないわけですから、それに地方税の伸びの六十億を足しますと、せいぜい二百億しかございませんので、その間のことを大蔵省のほうに何とかひとつくめんしてくれないかということは言っているわけであります。けれども、御承知のように財源がない。なくとも、まあ人事院の勧告だからどうしてでもやらなければならないと言いましても、財源をいただきませんと、私のほうで配分のしようがございませんので、それを目下苦心をしながら大蔵省と折衝しているようなわけでございます。正直に言いますと、いま言ったように、いまのところでは五百億の財源しかないということでございますので、私どもは正直申しまして非常に苦心をしておる。しかし何とかならぬかということで努力を続けているような次第でございます。
 それから先ほど来御質疑がございまして、局長からお答えいたしましたように、この問題はいつも知事会、その他でも出ている問題でございまして、私ども実は国家公務員に地方公務員は準じていきたいという態度できているわけであります。そうしますと、先ほど一例として東京をあげたのでございますけれども、数府県におきましては、国家公務員よりも相当高いところもあるわけですね。それで、いま千葉委員おっしゃったように、向くともそれはそれなりにいままできているのだから、その十七・九%という勧告が出たから、だから上げるべきじゃないか、一応そういう意見も立つかと思いますけれども、そうしますと、地方のほうでベースアップして、どんどん上げる。上げて足りないものは国が交付税でめんどうを見てくれるということになりますと、それはなかなか地方団体の上におきましても問題になるところでございます。したがいまして、私のほうで地方交付税で財源措置をしますときには、国家公務員の給与水準をもとにいたしまして、いま上がっているものをすぐ下げなさいと言っても、これはなかなか言うべくして簡単に下げられぬわけでございますから、国家公務員の給与の水準をもとにいたしまして、それの何%アップに対してはなんぼ足りない、足りない分は交付税でどれだけ補うという方法をとっているわけでございます。実際はなかなかむずかしい問題でございまして、そうは申しましても、それでは上がり過ぎているから一文も上げないぞということは、言うべくしてできませんし、また、その水準よりも若干下回っているところがあるようでございます。そういうところにつきましては、国家公務員にできるだけ準ずるようにというふうに私どものほうでは指示しておりますけれども、実際は自治体のことでございまして、私のほうから命令して、きちんと強制的に上げさせるというわけにはいきませんから、指導といたしましては、できるだけ高いところも国家公務員の水準にまでならうようにしてください。低いところも国家公務員の水準にならうようにしてくださいということを、知事会等におきましては指示しておるようなわけでございます。
○委員長(高野一夫君) 千葉さん、議題がたくさんありますので簡単に……。
○千葉千代世君 これは一番大事な問題ですので……。それはよくわかりますけれども、やはり地方自治を尊重するというたてまえは、いま言った既得権というものを尊重した中に立ってやるということ。もしあなたのおっしゃる論法でいくならば、かりにベースアップで申し上げましたのですけれども、プラス・アルファの問題で、プラス・アルファが全国二十八なら二十八、八月三十一日現在。その後出たかどうか、ちょっと知りませんけれども……。そうすると、あと十何県というものは全然出ていない、それについてもそれは地方のことだから全然知らぬ。そういうふうだとすると、地方自治というものを尊重したということでなくして、やはりそういうところに、なぜ十何県というものが、プラス・アルファが出なかったか、なぜ出なかったということの問題を把握してありますか。
○説明員(柴田護君) 私の直接の所管じゃございませんけれども、便宜私がお答え申し上げますと、プラス・アルファということの出し方に問題が実はあるわけであります。つまり期末手当でありながらその出し方を、たとえば超過勤務手当とかあるいはから出張で切って、一律支給をしていたという事態がたまたまあるわけであります。そこで、先般問題がありましたので、さような渡し方をするということについては異論がある。異論があるどころか違法にまでなるおそれも出てくる。したがって、そういうようなやり方は慎んでほしいということを私のほうから行政局長名でよく御通告申し上げました。財源措置そのものについては、国家公務員の水準にしかいたしておりません。したがって、国家公務員法上からいいましたならば、期末手当を国家公務員の水準以上に出そうとするならば、条例でもってきめて出す、これ以外の措置は違法になります。さようなことをしてもらっては困るということを実は育ったわけであります。それがいろいろ波紋を投げておるわけであります。趣旨といたしましては、国家公務員の水準における措置はしてあるわけでございます。
○千葉千代世君 それでは終わりますけれども――というのは、自治省の通達がきびしいからだめだと自治省に責任転嫁しておる県がうんとあるのです。自治省の通達がきびしいからそれができないという県がうんとあったので申し上げたのです。
 もう一つは、時間がないのでやめますけれども、大蔵省に陳情に行ったり請願に行ったりしますと、大臣は忙しくてなかなかお会いいただけないわけです。そうすると、ほかの方にお会いいただくと、その中に、いつも十月なんだけれでも、あまり公務員がやかましいから一カ月や二カ月は考えなければなるまいなと――これは八月の勧告があって二、三週間後の話で聞きました。上げなければおさまるまいなということを、不遜にも漏らしたのです。私は、やはり大蔵省の一官僚が、不遜きわまりないと思うのです。自分の月給でも取られるような、自分の財産でも分けてやるような思い上がったやり方、そういう中に、国家公務員に対するほんとうの思いやりの財源裏づけというものが、やはり心配になってくる。やはり国をあげて、大蔵省、政府全体としてこの勧告というものを完全実施させていくという……。何のために人事院があるのかという、このこと自体からやはり問題が出てくるわけです。そういう意味合いにおきまして、いま自治大臣の、五月に実施させるように財源を折衝中ということばで幾らか気をよくしたけれども、これは安心できないと思うのです、いままでの例から考えて。やはり大蔵官僚、大蔵省を突っついていただくという自治省の責任というものがあるのじゃなかろうか。こういう意味合いにおきまして、ひとつ自治大臣の御健闘をお祈り申しまして質問を終わります。
○林虎雄君 ちょっと、ただいまの千葉委員からの御質問に関連の問題ですが、公務員のベースアップをするとすれば、所要財源が八百七十五億必要だ、それに対しまして三税のはね返りが百四十億、地方税の自然増収が六十億、二百億くらいしか財源がない、したがって六百七十五億足りないということで、この点を大蔵省に対して大臣も御努力なすっておいでだということを承ったわけですが、この六百七十五億を大蔵省に折衝するとしても、法的にどういうことになれば大蔵省は出すか、出す道はあるのですか、その点承りたいと思います。たとえば交付税でもふやすか、ほかに何か大蔵省は地方に対して財源を付与するような法的な根拠か何か、理屈がありましょうか。
○説明員(柴田護君) 先ほど私が財源問題に触れましたときに、その点にも触れたつもりでございますけれども、いままでは国税の三税のみが大きかったので、ほうっておいてもそれだけの財源は、補正財源があれば振りかえで出た。つまり補正要因にもいろいろあるわけでございます。その補正要因を補正財源を持っていきます場合に、三税の自然増収を当てにいたしますと、その二八・九%は自動的にはね返ってくる、そのワクで大体片づけることができた。しかし、ことしは国の財政も当初非常に大きく税収入を取りましたので、そのはね返りだけではだめなんじゃなかろうか。したがって、何らかの措置を講ずる必要が出てくるかもしれない。あるいは国も財源がないないと言っておりますけれども、開いてみたらあったということになるかもしれません、あるいはそうでない事態が起こるかもしれません。私どもは、まあいまの状態からいきますならば、まるまる交付税にということはまず不可能じゃないか。そうすれば、地方公務員に要する財源というものについては別の措置を講じなければならない。それはもちろん法律的措置が要るわけでございます。何らかの特別措置が要るわけでありまして、古い例で言いますならば、たとえば総額についての特例を置くとか、いろいろな方法を過去において講じたことがございますが、そういったようなことを講ずる必要が出てくるのではなかろうか、こういうことを申し上げたつもりでございます。
○林虎雄君 特別の措置を講ずる何らかの方法を講ずるということは、いわゆる法律的に何か新たな措置を講じなければ出ないということになろうかと思いますが、それと関連しまして、結局地方財政はこの給与改定の問題だけでなしに、この三十八年度の都道府県の決算の概況の説明等をちょっと見ますると、黒字団体の額が減って、赤字団体の額がふえているという傾向のようですが、三十九年度のいま執行しておる予算によりますと、さらに三十八年度よりも苦しくなってきているように思われるわけです、地方財政全般がですね。そこで、交付税率の現在の二八・九%というものに今日無理があるのではなかろうか、この率を改定する必要が根本的にあるのじゃなかろうかと思いますが、この点はいかが大臣お考えでございますか。
○国務大臣(吉武恵市君) 財源の問題で、先ほど申しましたように、目下のところでは財源として五百億で、交付税分としては、地方税を合わせまして二百億ぐらいで、間の差額が相当広いわけですね。それで非常に困って、何とかならぬか。何とかならぬかというのは、五百億しかないというけれども、ほんとうに五百億しかないのか、もう少ししぼって出る余地がないか、正直に言いまして、詰めているわけなんです。それで、どうしても出ぬというときにどうするかということですけれども、いまの二八・九%の率というものを変えるということも一つですけれども、これはなかなか――この間から実は大蔵大臣と私当たったことは当たってみたのですけれども、この比率を変えるということはたいへんなことだということで、非常に強い反対でございます。まあそれは地方財政と国との間の配分の基本線でございますから、給与が足りないから、それじゃすぐ変えようかというわけにはいきかねるだろう。御承知のように地方財政全体として非常に窮屈になっております。県によって違いますけれども、地方になりまするほど格差というものが出てまいりまして、地方財政というものは苦しくなっている。そのなっている中で、実は大きい部分を占めているというのが給与なんです。実は市町村や府県によって違いますけれども、給与が相当大きい部分を占めてくる。しかし給与の改定は御承知のように一般の生活水準、あるいはまた民間の給与その他等を勘案いたしまして毎年人事院からああやって勧告が出てくるし、われわれとしてもそれを尊重していくという行き方をとっておるわけでありますから、財源がないからといって、それじゃ給与ベースの改定の水準をずっと下に下げるといったって、なかなかそういうことはできかねるので、それで政府といたしましても、国家公務員の今度の改定の財源を出すのに、国家公務員についても相当たいへんな大きな問題がある。国家公務員と地方公務員とを合わせますと大体千七百億以上くらい要る。五月実施になりますと、両方合わせてそれぐらい要る予定です。それはたいへんなことだというので、改定の閣議で報告がありました、即座に総理からも、ひとつぜひ各省とも節約を考えよう、そうしてできるだけ冗費を省いて、それから人員にいたしましても合理化をするように、整理をするとかいうことはなかなか容易なことではございませんから、その後、閣議決定では新規採用については極力人員不補充をひとつやろうじゃないかということで、まあ閣議決定をいたしまして各省にも示達がありますと同時に、私どもとしては地方公共団体に対しましても、その趣旨に応じまして逓送をしているようなわけでございます。それで、給与改定はできるだけ尊重していかなければならぬ。財源がない、ないからといって、その分をほかから持ってくるといっても、なかなか容易なことではございませんので、まあ私どもとしては、地方庁といいましても、窓口行政だとか現業だとかいうことになりますと、なかなかそう簡単に人を減らすと言っても減らしにくいけれども、そうでない画につきましては、まあ極力節約もしていき、大蔵省のほうとしてもしぼるだけしぼって財源を出してもらおうという努力をしているわけであります。
○林虎雄君 交付税率の問題は、確かに国と地方の財政の基本線ですから、大きな問題で、なかなかむずかしい問題だと思いますけれども、過去においても、順次、大きな問題ではあるが、合理的に引き上げてきた、何回も引き上げてきたわけですね。今日の地方財政の状況を見ますと、いやおうなしに交付税率の引き上げというものは必至ではなかろうかと思うので、自治大臣といたされましても、地方財政の現況を見まして、二八%九が妥当だとはお考えになっておらないと思います。大蔵省と折衝してもなかなか困難だというお話でございますが、しかし、地方団体の総元締めとしての大臣におかれましては、この点に最善の御努力をお願いいたしたいと思います。
 また他の機会にあと申し上げたいと思います。
○委員長(高野一夫君) ほかに御発言ございませんか。――別に御発言もなければ、本件に関しましては本日のところ、この程度にとどめます。
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○委員長(高野一夫君) 次に、昭和三十九年度地方交付税の配分に関する件を議題といたします。
 まず、大臣から説明を願います。吉武自治大臣。
○国務大臣(吉武恵市君) 昭和三十九年度の地方交付税総額は六千三百五十一億円のうち普通交付税分五千九百七十億円について、八月の二十八日、各地方団体ごとの配分額を決定をいたしました。
 その概要は、府県分は四十二団体三千九百四十九億円でありまして、前年度の当初算定に対して四百二十七億円、すなわち一二・一%の増であります。市町村分は三千二百二十九団体でございまして、二千二十一億円で、前年度に比べまして三百七十五億円、すなわち二二・八%の増になっております。市町村分の伸びがよくなっておるのでございます。
 また、不交付団体は、道府県で四団体、前年同様でございまして、市町村では百七十団体、前年当初算定で百七十四団体でございました。以上概略を御報告申し上げます。
○委員長(高野一夫君) 柴田財政局長から補足説明願います。
○説明員(柴田護君) 算定の内訳につきましては、お配りいたしました「昭和三十九年度普通交付税交付大綱」というものの中に詳しく書いてございます。算定方法のおもな内容につきましては、単位費用に関します問題、それから補正係数に関します問題、基準財政収入額等の問題があるのですが、大体は、この前交付税法を御審議願いましたときに御説明申し上げまして御了承を得ましたことについて、その線に沿いまして算定を行なったわけでございます。結果的には、不交付団体の数がほんの少しばかり減ったのでありますが、逆に三十八年度に交付団体でありまして三十九年度に不交付団体になりました都市が九つばかりございます。全体の色調といたしましては、本年度の算定は例年と若干違いまして、基準財政需要額の伸びも非常によろしかったわけでございますが、平均いたしまして基準財政需要額の伸びは二割二分程度、二二%程度の伸びであります。また、その主力は市に置いておりまして、平均いたしますと二割二分でございますが、都道府県は二割、市が二割五分、町村が二割一分という程度で、どちらかというと市町村に重点を置いたことに結果的になっております。また当初の目標も、財源の傾斜配分という形からいいまして、市町村に重点を置いたのでございますが、ほぼそれに見合った結果が出てまいっておる。ただ、収入の面におきまして、当初試算の段階におきまして考えておりました以外のことが若干起こっております。それは主として固定資産税の算定方法というものを、従来は指示平均価格というものを基礎にして固定資産税の基準財政収入額を算定いたしたのでありますが、今回は税法改正の関係で、実際の課税額というものが昨年の課税額の二割増をもってとめるという措置がとられました。したがって指示平均価格をとってまいりますと、その間にそごが出てまいりまして、現実には徴収できないものを徴収するというような事態が生ずるおそれがございますので、基準財政収入額の算定におきましても、税法の特例措置に準ずる措置をとったわけ、であります。そうしますと、在来の交付税の基礎になりましたベースと若干差異が出てくる団体等が出てまいります。その結果、若干の団体におきまして昨年よりか交付税額が減った団体が、特に都市でございますが、去年よりかふえております。その内容をいろいろ分析してまいりますと、それぞれそれ相当の理由があるわけでございまして、何と申しますか、算定上の誤りがあるわけじゃございませんけれども、結果的には激変という形になってきた団体がございます。これらの激変をあまりひどく受けます団体につきましては、やはり特別交付税を配分いたします場合に、団体ごとの財政事情を勘案しながら激変緩和の措置をとってまいらなければならないというふうに考える次第でございます。県で申し上げますと、普通交付税の決定額を前年度、と比較いたしております。六ページのところに書いてございます千葉県静岡県、京都、兵庫、広島というところの県が非常に大きく交付税が減っております。この原因は、大体収入が法人事業税の伸び、それから精算分といったような収入の伸びでかような形になっておるわけであります。
 市町村につきましては、市町村総体といたしまして、愛知県だけでございますけれども、全体といたしましては昨年より減りましたところが七十一市ございます。これは三十八年度の当初算定に比べまして三十九年度の額が減ったのが七十一団体、そのほとんどは市であります。人口五万以下の市が二十一団体、五万−八万の団体が十八団体、それから十二万−十六万程度の団体が十団体、この辺が大きなところでございます。この原因は、調べてまいりますと、やはり収入の算定問題にある、こういうふうに見受けられるのであります。個々の措置は個々の団体ごとの事情を見きわめまして、先ほど御説明申し上げましたような激変緩和の措置をとっていく必要があろうかと思います。ごく簡単でございますが……
○委員長(高野一夫君) 何か御質疑ございませんか。――別に御発言もなければ、本件に関しましてはこの程度にとどめておきます。
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○委員長(高野一夫君) 次に、台風二十号による災害に関する件を議題といたします。
 まず、災害状況並びにこれに対する措置について説明を願います。吉武国務大臣。
○国務大臣(吉武恵市君) 九月二十一日南方洋上に発生いたしました台風第二十号は、北上を続けまして、九月二十四日午後五時ごろ中心気圧九百三十ミリバール、中心付近の最大風速四十五メートル、半径百三十キロ以内では風速二十五メートル、六百キロ以内では風速十五メートルという規模で鹿児島県大隅半島に上陸して、その後進路を北東にとり、日向灘、愛媛県、瀬戸内海を経て近畿地方を横断して勢力を弱めながら北陸沿岸沿いに進んで、さらに東北地方を横断して二十五日午後二時ごろ三陸沖に去ったのであります。
 この台風の通過に伴いまして、九州、四国、本州のほぼ全域が暴風雨圏内に入りまして、四十二都道府県において被害が発生いたしましたが、これが被害発生の状況とこれに伴う警察措置の概要は次のとおりでございます。
 お手元に配ってあるかと思いますが、死者は総計で四十七人、行方不明が四人、負傷者が四百八十人、そして風が強くございましたので全壊家屋が二千八十六でございます。その大部分は鹿児島でございます。それから半壊家屋は四千九百五十で、その過半数はやはり鹿児島でございます。なお床上浸水が八千八百にでございまして、これは大分が非常に多かったのであります。この理由は、海の風で潮が流れ込みましてそういう浸水になったような報告を受けております。床下浸水は三万四千八百九十三でございまして、これもやはり大分が一番多いようでございます。
 なお、そうした人的被害なり家屋の被害のほか、公共施設の被害は目下調査中でございますが、私どもの手元に集まりましたものといたしましては、約百六十五億程度になっております。これに対する対策といたしましては、復旧事業に要する地方負担に対する地方債の配分、あるいは被災地方団体の特別の財政需要に対しては特別交付税の増額交付等を通じまして遺憾のない措置をとりたいと考えております。
○委員長(高野一夫君) 何か御質疑ございませんか。――私から大臣にお願い申し上げておきたいのですが、実はこの台風のときに私は鹿児島におりまして、数十年ぶりになまの上陸台風に実はぶつかったんです。したがって、現状をすべて視察して参りましたが、この統計にあらわれない非常な被害があるんです。たとえばどんな大ビルでも全部雨漏りするとか、非常なひどいものです。ことに一番ひどいのは水田の稲作の被害が非常に大きいので、きょうは農林省を呼んでおりませんけれども、どうぞひとつ農林省、建設関係に御連絡願いまして、速急に対策を講ぜられるようにお願いしたいと思います。
 ほかに何かございませんか。――本件はこの程度にとどめておきます。
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○委員長(高野一夫君) 次に、順序を変えまして、風俗営業等に関する件を議題といたします。
 まず、四十六国会における法律改正後における実施状況並びに取り締まり状況等について説明を願います。大津保安局長。
○説明員(大津英男君) 風俗営業等取締法の改正が八月一日に施行になりましたが、この改正法の実施のために、各都道府県におきましても条例を改正をいたしまして、八月から条例をそれぞれの府県でやはり実施になったわけでございます。で、この八月中はそういうことで、法の改正の趣旨の徹底をまずはかっていくということも非常に大事でございますので、八月中は各都道府県ともに業者の指導に重点を置いた取り締まりを行なっていくというようなことをいたしまして、違反の検挙は、そういう関係もございまして、それほどの数にはのぼっておりませんが、八月中一カ月間の全国の違反の検挙は二百五十一件ということでございます。態様別に見ますと、喫茶店の営業場川の制限違反が二十五件、バー、酒場等の営業時間の制限違反が百十二件、照度違反十七件、二十歳未満の者に対する酒類の提供行為が三十件、十八歳未満の者を客に接する業務に従事させた行為が十三件、十八歳未満の者を営業所に客として立ち入らせる行為が十件、その他の風俗営業等取締法違反が十八件、予ての他法令違反が二十六件、こういうような状況になっているのでございます。九月以後は、各都道府県とも指導が徹底をいたしますれば、違反も減少するということを望んでいるわけでございまするが、やはり指導、警告にとどめておかずに、悪質な者に対しましては検挙主義で臨むということで進まなければならない、かように考えておりまするし、また、営業停止等の行政処分も活用していく、こういう考え方で進んでいる次第でございます。
 取り締まりに伴いましてのいろいろな動きでございますが、結果的に見ますと、少年の夜間外出あるいは深夜におけるぐれん隊の徘回あるいは泥酔者が減少をしてきておるということで、一般民からも喜ばれている、こういう状況が見えております。それから一般民の深夜喫茶等の違反に対する関心が高まりまして、違反がありますると、童話や投書で取り締まりを要望してくる、こういうようなことも多くなってきております。
 それからタクシーの営業者の中には、深夜の乗客が減少して夜間の勤務体制を変更したり、収入減を嘆いているというような者もございますが、深夜の泥酔客の処理から運転手が解放されたということで喜んでいるという者も多く出ておるようでございます。
 それから風浴営業者から見ますと、従来の規制の不公平が是正されてきておるのだというような見方をしておりまするし、あるいは事業所の従業員とか、一般家庭においても、御亭主が早く帰るとか、従業員か夜遊ばなくなったので能率があがるとかいうふうなことで喜んでいるというような話も出ております。
 それから、先ほども申し上げましたが、警察におけるところの泥酔者の保護取り扱いの件数等も減っておりまするし、そういう点ではよい結果が出ておると思っております。
 なお、少年の関係でございますが、ちょうど八月が夏休み期間中でございましたので、海、山へ出かけるということが多いというような関係もございまして、的確なことは確認が困難でございますが、まあ深夜の少年のたまり場であった喫茶店がなくなりましたので、深夜映画等の映画館に移ったのではないかというような傾向もあるのではないか、こういうふうな見方も出ておりまするが、数字的にはそれほど大きなものではないようでございます。それから、喫茶店から締め出されました少年が終電車ごろまで食堂、そば屋等の飲食店にたむろする、あるいは公園などをうろついているという傾向が一部には見られます。まあ全体としますと、深夜街頭をうろうろしている少年は非常に減っておる、 こういうこと。それから都市の盛り場の少年の補導件数が減ってきておる、こういう状況が見られます。
 それから業者の関係でございますが、喫茶店などは、十一時以後にお握りを出すとか、サンドイッチを出すとかいうようなことをやるようなことでやっておるというようなもの、あるいは十一時から十二時までの間はバー、酒場等の主として酒などを客に提供する営業に変わる、あるいは十二時以後は食事を提供する営業になっていくというように、かっこうを変えていくというようなものも出ておるというようなこと。変わった例といたしましては、十一時以後には一切飲食物は提供しないで、百円程度の席料だけを取って、有料待合所にしているというようなものが二、三見られる、こういうようなことでございます。バー、酒場等につきましても、やはりお握りとかお茶づけとかいうようなことで食事類を提供する店だというようなことをしているようなものも出てきているというような状況でございます。
 そういうようなことで、一応この法律が改正されまして施行になりました結果を見てまいりますと、すべり出しは非常に好調と申しますか、予想以上に順調にすべり出しをしておるような形でございまして、非行少年の問題も、深夜喫茶がなくなりましたことに伴いまして、非常にそういう点では、的確なところはまだつかめない点もございますけれども、心配しておりましたような状況が町から姿を消してきておる。また業者も、警察の指導、警告というものによりまして、大体これに従ってやっている。一部まあ擬装的な転業をいたしておるものも出ておるようでございますが、こういうものに対しましては、今後も取り締まりをきびしくしていくというようなことで改正風営法の趣旨を取り締まりの面から十分に徹底をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○委員長(高野一夫君) 何か御質疑はありませんか。――市川委員がこの問題について質疑をしたいということでしたが、病院に行かれまして、他日の機会に質疑を続けたいということです。ほかにございませんか。一つ私から伺っておきたいのですが、ボーリングの深夜営業ですか、あれは何とかならぬのですか。
○説明員(大津英男君) ボーリングの問題につきましては、いまのところ法律的な規制が何らないということでございまして、ボーリングは十一時以後であろうと十二時以後であろうと、みな自由にやれるということでございますが、警察のほうから業者の自粛を求めるような行政指導をいたしまして、一応東京におきましては午後の十二時までやる、それ以後はやらない。それから少年につきましては十一時以後は入場させない、こういうようなこと、あるいは景品を提供するようなことはしない、こういうような点を行政指導によりまして業者も守っておるというような状況でございますが、一、二なかなかそういう協定を忠実に履行していないような業者もあるというようなことで、この点につきましては、ボーリング協会のほうにもひとつ十分にその趣旨が徹底するようにということで申し出ておりまして、だんだんにそのようにいたしますということになっておる次第でございます。なお、全国的に見まして、関西方面では非常にこの点が法的な規制がないけれども、自粛が徹底しておるということでございまして、先般も大阪のほうを見てまいりましたけれども、もう十一時前、十時半過ぎになりますと、ボーリングは三分の一ぐらいしかお客さんがやっておらないようなことで、十一時直前になってまいりますと、もうほとんどがらんとしたかっこうになってきておるというような状況も、ボーリング場によっては見られるというようなことでございまして、東京よりもむしろ関西のほうが非常にそういう点が徹底しておるということが見られたわけでございます。なお、東京都におきましては、ボーリング場につきましても、宵少年の健全育成に関する条例が制定されまして、十月から施行になるのでございますが、これでは十一時以後に少年をそういう施設には入れないというようなことも書いてございまするし、そういうような法的な規制がいままでよりは加わってくるという点もあるのでございますが、国の法律としては、いまのところボーリング場について規制を加えておるというようなものはないような感じでございます。
○委員長(高野一夫君) ほかに御発言もなければ、本件に関しましてはこの程度にとどめます。
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○委員長(高野一夫君) 次に、オリンピック大会に関係しまして、治安、交通の対策を議題といたします。
 まず、当局の説明をお願いします。高橋交通局長。
○説明員(高橋幹夫君) お手元に差し上げてございます「オリンピック東京大会時における警察活動の概要」という資料に基づきまして、概略御説明申し上げたいと存じます。
 もうすでに選手村等あるいは聖火リレー等が始まっておりますので、それらの問題につきましては、具体的な結果等について織りまぜて御説明申し上げたいと存じます。
 警察活動の基本的な問題といたしましては、このオリンピックの行事に伴う警察活動と、オリンピック行事のために警察力がこれらのほうに集中されるために生ずるであろうと思われる一般治安維持のための警察活動をさらに充実しなければならない、こういうような意味におきまして、オリンピック行事に伴う警察活動と一般治安維持のための警察活動、こう二つに分けて私ども重点を指向している次第でございます。
 なお、警察活動の体制と基本方針は、もうすでに御承知のことと思いますが、警視庁はじめ神奈川、埼玉、長野、千葉、こういうところがそれぞれ会場を持っておりますところの警察でございます。さらに聖火リレーにつきましては、それぞれの全都道府県がこれに関係するわけでございます。大体警視庁におきましては延べ十七万二千人、さらに他府県からの応援というのは管区学校に千名の警察官がございますので、これを毎日応援を求めまして延べ三万一千、あるいは先ほど申し上げました一般治安維持のために九万七千という警察官を動員をいたしまして、できるだけこの期間中は警察官の勤務体制も強化いたしまして、充実をした体制をしきたい。すでに警視庁におきましては最高警備本部を設けられまして総監が陣頭に立って指揮をされておる、こういう状況でございます。
 オリンピック大会に伴う問題につきましては、自衛隊、消防その他オリンピック組織委員会と緊密な連絡をとりまして警察の担当いたしますところの仕事をやるわけでございます。
 一つは交通規制の問題でございます。
 一つは雑踏整理の問題でございます。
 一つは天皇・皇后両陛下あるいは皇太子・同妃両殿下、皇族あるいは外国の元首、これらの方々の内外の要人に対する警衛・警護、その身辺の安全を確保する、こういう問題がございます。
 さらにオリンピックの選手及び役員の生命、身体、財産の保護に当たる、これらが警察活動の体制と基本方針でございます。
 一般治安維持のためには、オリンピック東京大会時に発生が予想される犯罪、いろいろなことがございますが、すり犯の防止であるとか、あるいは風俗犯罪であるとか、あるいはその他の暴力事犯等につきまして、来日される外国人あるいは国民の安全と平穏をはかるために充実をした方策をとりたい、こう考えておるわけであります。
 特に問題になりますのは交通規制問題でございますが、これは一番問題になりますのは十月十日の開会式でございますが、この日はオリンピックのための特別の交通事情が、われわれは約九千台くらいの車がふえるであろう、それからこれらの行事を見るために来られる国立競技場に入る者あるいは外でこれらを見るというような者、まあ十数万さらに多くなる見込みでございます。これらの中でトーチ・リレーが行なわれ、あるいは、天皇・皇后両陛下、外国の元首、内外の要人、選手の入場、こういうものが行なわれますので、開会式当日とそれから閉会式の当日、これらについては十分な警察力と交通規制を徹底いたしまして万全を期したい。特にこの機会におきましては、明治パークを周辺とするところの内周遮断線と、ある一定の地域を結びますところの外周制限線というものを設けまして、一定の車両の通行を禁止をする、こういうような措置をとつております。これらの交通制限は開会式、閉会式あるいはマラソンのある日、あるいはその他の路上競技のある日に重点を指向いたしまして厳重な交通規制をいたしますが、その他は、そのときどきの状況に応じました適切な交通規制をはかりまして、大会運営のための車両とそれから一般国民のための車両の円滑な運営をはかるということに重点を置いていきたいと、こういうふうに考えております。特にマラソンの問題につきましては、すでに御承知のとおり、朝日、毎日マラソンにおいて三十万から五十万の人が出ましたが、これは無料の観覧ができる関係で、おそらく百万出るであろう、現在の聖火リレーの状況から申しますと百万をこすのではないだろうか、こういう想定に立っておりますが、これらにつきましては、すでに過去に二回にわたる経験を持っておりますので、十分な体制をしいてやっていきたい。このときには甲州街道及びその周辺道路の交通につきましては相当の厳重な交通規制がしかれる、特に甲州街道は一定の時間車町の通行どめをいたす、こういうことにいたしております。あるいは五十キロ競歩とか自転車ロードレース、これらにつきましてもこれに準じた取り扱いをいたす、その他につきましては明治公園あるいは東京体育館あるいは駒沢とか、その他各競技場につきましてそれぞれの環境に応じたところの交通規制、雑踏整理の方策を講じたい。特にこれらの問題でいろいろ問題がありますのは、審判の判定等をめぐって紛争が発生するおそれもあるということで、これらの紛争の処理につきましては、組織委員会なりあるいは大会を運営される競技団体なりとの間に十分な打ち合わせをいたしまして、なるべく警察力等を出してこれを処理するということは最後の手段にしていきたい、できるだけ大会運営者の間でこれらの紛争事案を処理いたしますが、必要に応じては組織委員会等の要請に応じまして警察力を出して所要の措置を講ずる、あるいはこの期間中に災害とか天候異変その他の問題が起きましたときには、自衛隊等と緊密な連絡をとりまして、そういう災害対策も用意いたしておる次第でございます。
 聖火リレーも七日に四コースから入ってまいりますが、これは御承知のとおり各県でやや警察の不手ぎわで、いろんな問題が起こっておりますが、それほど重大な問題でもございません。しかし、中にけが人等も出ておりますし、交通事故等も一、二出ておりますが、それらの点を除きまして非常に人が多く出たということでございます。東京においては相当の人が出るであろうということで、私ども十分な体制をしきまして、いま警視庁を中心にして綿密な最終的な警備体制をとっておるわけでございます。
 選手村には約七千人、これはその後の報道によりますと相当ふえるという予定でございますが、男六千三百、女子七百、こういう予定でございますが、それらにつきましては、現在のところ特別の支障はございません。女子村につきましては、婦人警察官等を配置いたしまして選手、役員の保護に任ずる、村内については自衛隊が担当いたしまして、村内を警察によってパトロールその他の犯罪防止に当たる、こういうことにいたしております。分村等も設けられておりますが、これらについても特に問題はございません。
 あとは選手の輸送の問題、これはやはり練習に行くための選手の時間の関係もありますし、いまの東京の交通事情等から見て、選手輸送につきましては、自衛隊の輸送の部隊と協力いたしまして白バイ、パトカーをつけてできるだけやる。問題は練習時の問題でございますが、現在すでにいろいろ問題ございますが、まあいろいろな点で一般車両に迷惑をかけておりますが、いろいろとPRをいたしまして、できるだけ制限を甘受していただきまして、国際的な競技でございますので、マラソン、競歩、自転車のいわゆる練習時の路上における交通制限等の措置をとっておりますが、たまたま、これは路上ではございませんが、タイ国の選手が自転車競技場内で衝突をいたしまして一人重傷を負った、その他の点については、現在問題ございません。
 なお、交通情報センター等の機能も増大いたしまして、できるだけ都内の一般交通の円滑化をはかるということを考えております。
 なお、通訳等の問題につきましては、警視庁の、現在の市ケ谷に通訳センターを設けまして、ここに通訳の要員をそろえまして、また、一般警察官の中で語学のできる者をできるだけ派出所等に配置をいたしまして、問題の起きたときには、その派出所から通訳センターに一一〇番に類似した方法で電話をかけさせるというようなことで、現在まで相当いろいろな問題を処理いたしております。さらに全国から各国語のできる警察官をできるだけこの通訳センターに応援をさせまして、そういう点の運営をはかっておるわけでございます。
 なお、通訳専用のパトロールカー等を数台用意いたしまして都内を回る、こういうこともやっております。
 羽田空港、横浜港等においても、いろいろ選手等の入国等につきましては、関係方面と協力をいたしまして、雑踏によるところの被害あるいはその他の危険の防止という点について努力をいたしておりますので、現在まで入国された選手や役員等について特別の問題はございません。いろいろ問題になっておりますインドネシア選手の問題も、新聞等で報道されましたように、選手村には直接入られないで、学生会館に入っておられる、こういうようなことで、これらの点については組織委員会が中心になってやっておりますので、警察としては特別な措置をとっておるわけではございません。
 外国人の運転者対策ですが、これは先般の道交法の改正で、いわゆる国際免許が通りましたので、具体的にどういうふうになっておるか、まだ詳細私は承知いたしておりませんが、だんだんとこれらの者に対しても出ると思っております。
 その他一般治安維持のために、先ほど申し上げましたように、各種の犯罪予防、このために列車警乗をやる、あるいはホテル、旅館等に対する防犯指導をやる等、あるいは環境の浄化のために風俗営業の取り締まり、売春の取り締まり、あるいは浮浪者、泥酔者、精神錯乱者に対する防犯対策をやる。あるいは防犯モデル地区をつくって、選手、役員等がこれらの地区で飲食あるいは買いものをした際に暴利をむさぼられたり、あるいはその他トラブルの起きないように、できるだけ関係団体を指導いたしまして、それらの点について努力をいたしております。
 暴力犯罪の取り締まり等についても、すでに数回にわたりまして、いろいろ取り締まりをやっておるわけでございます。
 すり犯につきましても、大体全国に二千五百から三千人ぐらいのすりがおりますが、これらのすりについても、もうすでにいろいろと取り締まりをやりまして、これらについても対策を講じておるわけでございます。あるいは不良外国人善良な方々ばかりではありませんので――不良外国人に対する犯罪の防止と取り締まりというような問題、あるいは民族、宗教、風俗を異にする外国人同士の問題、選手、役員等の問題あるいは日本人がこれらの外国人に対して宗教的な慣習、民族的な慣習等について理解が足りないというようなことから、いろいろなトラブルが発生することもおもんぱかりまして、それらの点についての処置を十分にいたしたい、こう考えております。
 さらに一般交通の問題としては、白タクの取り締まりとか、あるいは乗車拒否その他の点についても十分努力をいたしてまいりたい。
 最後に、要人等の警護につきましては、警護センターを設けまして、所要のボデイ・ガード四百五十人の要員を養成いたしまして、これらをいつでもそれぞれの必要な向きにつけられるという体制をとっております。
 さらに問題は、これは出入国管理局の問題でございますが、亡命等の取り扱いについては、十分関係省庁との連絡を密にして、もしも警察が直面した場合におけるその措置等について、十分なやり方というものについてできるだけの措置を講じたい、こう考えております。
 以上が、現在われわれが方針なり体制としてやっております概要でございますが、いまのところ聖火リレー等について事故が二、三起こったということ、それから問題は新興国問題について、組織委員会等を中心にして今後どうなるかということに関連しての問題、それらの以外の問題につきましては、警察上の保安、交通、警備等の問題については、十月十日以後の本番に直面して、いかなる事態が出るかということが問題かと思いますが、それらの点については、基本的な方針を堅持しまして、それぞれの事象に応じた適切な措置のとれるように努力をして万全の措置を講じて、大会が無事終わるように、私どもせっかくの努力をいたしたいと、こう考えておる次第でございます。
 以上であります。
○委員長(高野一夫君) 御質疑はございませんか。――別に御質疑もなければ、本日はこの程度にとどめたいと思います。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午前十一時五十分散会