第048回国会 地方行政委員会 第7号
昭和四十年二月十八日(木曜日)
   午前十時二十分開会
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   委員の異動
 二月十七日
    辞任         補欠選任
     高野 一夫君     増原 恵吉君
     小林 武治君     村上 春藏君
 二月十八日
    辞任         補欠選任
     沢田 一精君     和田 鶴一君
    大野木秀次郎君     山本 利壽君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         天坊 裕彦君
    理 事
                竹中 恒夫君
                林  虎雄君
    委 員
                井川 伊平君
                斎藤  昇君
                山本 利壽君
                和田 鶴一君
                加瀬  完君
                鈴木  壽君
                松本 賢一君
                二宮 文造君
                市川 房枝君
   国務大臣
       国 務 大 臣  吉武 恵市君
   政府委員
       警察庁長官    江口 俊男君
       警察庁保安局長  大津 英男君
       文化財保護委員
       会事務局長    宮地  茂君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
   説明員
       警察庁刑事局捜
       査第二課長    関根 広文君
       文化財保護委員
       会事務局美術工
       芸課長      松下 隆章君
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  本日の会議に付した案件
○銃砲刀剣類等所持取締法の一部を改正する法律
 案(内閣提出)
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○委員長(天坊裕彦君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。二月十七日付、高野一夫君、小林武治君が辞任され、増原恵吉君、村上春藏君が選任され、また二月十八日付、沢田一精君、大野木秀次郎君が辞任され、和田鶴一君、山本利壽君がそれぞれ選任されました。
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○委員長(天坊裕彦君) 銃砲刀剣類等所持取締法の一部を改正する法律、案を議題といたします。前回に引き続き質疑を行ないます。御質疑の方は順次御発言を願います。
○二宮文造君 銃砲刀剣と申しますと、大体暴力団に関連すると思うのですが、手元に昨年の一月現在の暴力団と称するものの実態を資料にいただいておりますが、昨年はことにこの摘発について心を砕いていただいたのですが、その後の実態というものについて、昨年の摘発がどのように効果をあらわしているか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(江口俊男君) 昨年の暴力団対策の成果につきましては、簡単な資料を差し上げておるわけでございますが、なお昨年十二月末までの詳しい統計につきましては、ちょうどだだいま作成中と申しますか、もうすぐでき上がる段階にございますので、でき上がり次第、正確な数字をお手元に差し上げたいと思いますが、現在までの状況について、その概略につきましてはこの書面のとおりでございますし、さらに補足することがございますれば、捜査二課長、担任の課長が出席いたしておりますので、直接お答えをさしたいと思っております。
○説明員(関根広文君) 長官からただいまお答え申し上げましたとおり、正確な数字は近く私のほうで求められると考えておりますが、中間的に若干申し上げますと、取り締まりの結果、解散あるいは壊滅した団体の状況というものだけを取り上げてみたのであります。それは三十九年中に取り締まりいたしました結果、解散した団体が五十七団体、壊滅状態になった団体が三百十一団体、事務所などを閉ざして活動を停止した団体が三十一団体ということで三百九十九団体、ざっと構成員につきましては七千九百名の者が、取り締まりの結果、それぞれ離脱、壊滅したというような報告を受けておりますので、おそらく集計の結果は、毎年毎年暴力団員がふえておったという点につきましても、若干の変更が見られるんじゃないか、かように考えておる次第でございます。
○二宮文造君 ただいまの説明でございますが、大体三百九十九団体、人数で七千九百人が組織としては壊滅状態になったのですか。個々の人間は、やはり他の組織に入る、それが正業についていない限り、やはり構成人員が減ったというふうには感じられないのですが、そういうふうな指導とかなんとかいう面については、心を砕いておられますか。
○説明員(関根広文君) ただいま御指摘ございましたとおり、申し上げました構成員が直ちに暴力団から離脱して全部正業についた、こういうふうなことは言えないわけでございまして、若干は正業についた者もございましょうし、あるいはまだ不安定でほかの組に入る、または入らないけれどもぶらぶらしているというような状況が見られるのでございます。暴力団取り締まりにつきましては、これは対策になるわけでございまけれども、検挙し、重い刑を科して、暴力団であるということが割りに合わないということを感じさせて、そして正業につくという方向に持っていくことが望ましいわけでございまして、私ども取り締まりの過程を通じましても、できるだけ暴力団から足を洗うというようなことを勧奨する。また、かような関係につきましては、法務省関係の地方の機関とも連絡をとりまして、そういう御指摘がございましたように、できるだけ暴力団から足を洗っていくというような方策を進めるように現在努力中でございます。
○二宮文造君 手元にいただいたこの資料によりますと、暴力団という概念について、「集団的にまたは常習的に暴力的不法行為を行ない、または行なうおそれがある組織」と、はっきり大衆に危険、危害を与えるものというふうな定義をもって臨まれておるわけですが、この暴力団を把握するのについて、確固たる法令の基礎はないと思います。しかしまた、こうやって暴力団の種類別団体数及び構成員数と、こういうような資料が出てくることについては、何らかの措置で把握につとめられておると思うのですが、この把握の過程はどういうふうなつかみ方を示しておられるわけですか、それを伺いたい。
○説明員(関根広文君) 御指摘ございましたが、暴力団の定義は、これは私どもは警察取り締まりの上から必要でございますので、「集団的にまたは常習的に暴力的不法行為を行ない、または行うおそれがある組織」というものを一応概念的に設けまして、実態は、いわゆるばく徒の団体あるいはテキヤ、青少年不良団と、いろいろな実態がございますが、そういうもののふだんの犯罪を犯すおそれのある状況を把握し、あるいは犯罪を犯した者を検挙したあと、そういうことについて実態を把握する。それで暴力団関係者が、なお犯罪を犯すおそれがある状況を的確に把握する、あるいは犯罪が起きましたときに、単なる個人の犯罪でなく、組織的犯罪が行なわれる場合が多いので、検挙の際の材料にこれを用いるというような方向で、もっぱら犯罪予防あるいは集団犯罪の検挙ということを容易に行なうための警察の一つの把握のしかたをしておる、かような次第でございます。
○二宮文造君 そういうふうなつかみ方で申しますと、いま関頭になっております暴力団関係者が公の施設を使って歌謡ショーを開く。その場合に、それが暴力団の資金源になる危険性があるので、事前に調査をして施設を使わせない。各地でそういうふうな実例が出ておりますけれども、はっきりした規定がございませんと、その辺のいわゆる歌謡ショーなら歌謡ショーの事業主体が暴力団とつながるものであるか、あるいは擬装しておるものであるかというような判断に困るのじゃないかと思うのですが、その点はどうでしょうか。
○説明員(関根広文君) 公共施設の使用につきましては、それぞれ公共施設を公共の福祉のために用いるというような用法上の一つの限界があるように承っております。これはもちろんそれぞれ地方自治団体、自治団体の下部機関がそういうような使用についての責任を持っておられるわけでございますが、その際に、われわれ警察のほうで把握しておる暴力団の資金源にそういうふうな興行が用いられるというおそれがあるという状況を把握いたしましたときには、それぞれそういう趣旨を御連絡申し上げる。現行の法令の許す範囲内において、たとえば地方の住民の福祉を害するおそれがあるもの、あるいはもっと狭く、その害することがはっきりわかりませんでも、正当な事由がないから貸さないのだということで、現行の法令の範囲内においてそれぞれの地方公共団体の機関が御判断になれば、現在の警察からの資料提供ということによって公共施設の利用を禁止するということが可能であるというふうに私どもは考えておりまして、暴力団には貸さない、こういうふうなきめ方は法律上はされておらなくても、目的は現在達しつつある、かように了解しておる次第でございます。
○二宮文造君 もう一つの暴力団の関係で問題になるのは、なるほど摘発は最近の新聞でも頂上作戦ということで、大体組織の根幹に手が入ってくるようになったんですが、だからといって、それが暴力団の犯罪を絶滅するということにはまだつながってないと思うのです。要するに、それは検挙の数は上がっておりますけれども、あとの処置の問題で、やはり社会に出てきて正業につけない人がまたもとの古巣へ帰る、またその釈放が案外楽にやられているようなんで、これは警察庁の関係じゃないと思うのですが、取り締まりの状態から、検挙とそれからその事後の問題との大ざっぱな考え方でもけっこうですが、わかりましたら知らせていただきたいのです。
○説明員(関根広文君) 暴力団の犯罪を根絶するという趣旨で、いろいろの方策がございます中で、御指摘になりました暴力団の犯罪を検挙してもすぐ出てくる、犯罪の検挙が効果がないのではないかというふうな考え方、この点につきまして、できるだけ警察は悪性を立証して犯罪を検挙していく場合には、できるだけ長く身柄を隔離されるというふうなことを担保してもらわなければ、取り締まりの効果が少ないという観点から、できるだけそういう資料を添えて検察庁関係のほうに連絡しておる。また、単に刑を科するという段階だけではなくて、科された刑を、たとえば仮釈放あるいは保釈ということが容易に行なわれないような材料提供という点につきましても、ケース・バイ・ケースで努力をしておるのでございます。私どものほうで把握しております数字について申し上げますと、これはちょっと古いのですが、三十八年中、暴力団構成員を検挙した数全体を一〇〇といたしますと、百件の検挙人員の中で検察庁段階で起訴猶予を含める不起訴が三割、それから残りの七〇%は起訴になりまして、この起訴された七〇のうちで、罰金が三〇で実刑が三〇、あとの一〇は執行猶予、こういうことになります。繰り返して申し上げますと、百人のうちで三〇人は起訴の段階で落ちる、残された七十の起訴されたものの内訳は、うち十が執行猶予で、あと三十が実刑、三十が罰金、こういうふうな数字になっております。しかも実刑三十のうちで三年をこえる刑を受けた者は約三十の中で、これを一〇〇といたしましたときの三%、非常に少なくなっておりますが、この数字は、三十七年、三十六年に比較いたしますと、刑を受ける数がふえる、起訴の数がふえるということで、少しずつではありますが、刑が重くなるという傾向を示しております。三十九年につきましは、これは現在手元にまだ集計される段階じゃございませんけれども、これよりははるかによくなっていっておるのではないかというふうに考えております。
○二宮文造君 大臣にお伺いたしたいのですが、先ほどからいろいろお伺いしていて、暴力団を取り締まるこういう警察取り締まりの上からは、はっきりした概念が出ているわけですが、その根拠になる法令というもの、暴力団とはこれこれのものである、したがってこれは社会の秩序を保つ上からも好ましくない、こういうふうな意図のもとに組織されたものは解散を命ずるとか、そういうふうな確固たる取り締まりの基準というものがあってしかるべきじゃないかと思うのですが、大臣の御所見いかがですか。
○国務大臣(吉武恵市君) 暴力団の取り締まりは、現在の警察関係といたしましては最も重点を置いてここ数年やっておるところであります。その成果も、先ほど課長からも御報告申し上げましたように、だんだんと解散の数もふえ、また壊滅状態にある数もふえておるところでございます。御指摘のように、この暴力団自体を取り締まる法律の根拠ということではございますけれども、大体この種の事件というものは、刑法につながる問題でございまするので、法律の根拠としては刑法があると思います。また、この実態はいろいろ種々雑多でございますので、警察当局といたしましては、暴力団取り締まり要綱というものをつくりまして、その要綱の趣旨にのっとって現在警視庁はじめ各県の警察当局が本腰にやっておるところでございます。私ども法律をつくる必要があれば、そういう点も決して検討しないわけじゃございませんけれども、問題は、いかにして発見し、いかにしてこれの取り締まりをするか、こういうところにありますので、せっかく各地とも一生懸命にやっておるところでございます。まあいろいろな形にあらわれて出てきております。したがいまして、事件が起これば、その事件を通じてやりまするし、それからまた資金の関係からであれば資金の関係から入るし、麻薬関係は麻薬関係から入る、あるいは拳銃等の点からも押えるというふうに、各種の点を押さえてやっておりますので、ひとつ御了承賜わりたいと存じます。
○二宮文造君 いま警察当局が一生懸命その犯罪の摘発に努力していただいていることはわかるわけです。ただ私が申しますのは、ここにすでに「常習的に暴力的不法行為を行ない、または行なうおそれがある組織」という概念をつかまれている以上は、いまの大臣のお話によりますと、事件があればそれぞれ刑法の個々の規定によって処罰をしていく、それを適用していくと。私が申しますのは、さらにその予防的な措置を講ずる、すでにそのおそれのある組織が現在あるわけですから、その組織に対しては、好ましくない、これこれで、こういう事情によって好ましくないといった「おそれがある組織」に対しても、取り締まるべき根拠があれば聞かしていただきたいし、また、なければつくる必要があるのではないか、こう思うわけですが……。
○国務大臣(吉武恵市君) 御趣旨の点は私どももわからぬわけじゃございませんけれども、やはり事件を通じませんというと、ただそれがどういう団体を持っているかというだけでこれを解散もしくはどうするというわけにもいかない、事件があれば、その事件を通じてそういうことをする団体は解散させるとかなんとかいう、こういうことでやるものですから、あらかじめどうもそれらしいぞということで、そういう団体を解散させるとかなんとかということは、ちょっとむずかしいのじゃないか、検討はしておるようでございます。
○二宮文造君 まだ、自後少し研究をしていただいて……。そうでないと、警察のほうで検挙をするわ、釈放されるわ、イタチごっこでして、どうしようもない、ただでさえ犯罪が非常に多い中で、警察当局の御苦労もなかなかたいへんだろうと思いますので、せっかく研究していただきたいと思います。
 それから、これはすでに承ったことかもわかりませんけれども、ついこの二、三日前に名古屋で問題の猟銃の事件がございまして、これは明らかに本人は精神異常者であるというふうな判定がございますが、この猟銃の入手の経路ですが、これはどうなっておりましたでしょうか。
○政府委員(大津英男君) 御指摘の、名古屋におきまするところの猟銃の発砲その他を行ないました西村貞助につきましての猟銃の購入関係でございますが、これは昨年三十九年の九月二十九日に許可申請をいたしまして、三十九年の十月十九日に所持の許可をいたしております。それからその確認を同日行なっておる、これは散弾銃でございます。それから十一月の二十七日にライフル銃のほうの許可申請がございまして、十二月の十二日に所持の許可をいたし、確認を同日行なっておるということでございます。この猟銃の許可の関係につきまして御説明を申し上げますと、本人が許可申請を出してまいりまして、名古屋北警察署におきましてこれを受理いたしましてから、大阪の警察に、本籍地でございますので本人の身元についての調査の照会をいたしております。それから本人の勤務先でありまする志賀東映に参りまして、志賀東映の支配人、社長あるいは業務担当という三人につきまして調査をいたしましたところが、西村は勤務もまじめであって特異な言動もない、銃砲の所持許可も支障はないと認められるような状況である、こういうことでございます。それから申請者の出頭を求めて面接もいたしておりますが、所持許可の欠格事由に該当することもない、こういうふうなことになってまいりまして、本籍地からの照会の結果も支障がないということでございましたので、先ほど申し上げましたように、十月の十九日に所持許可を与えておる、こういうような状況があるわけでございます。
○二宮文造君 ところが問題のこの第五条ですね、現在問題になっております改正部分でないほうですが、第五条には「精神病者、麻薬若しくは」云々と、このように出ているわけですが、事件が起きてみると、彼は精神病であったと、非常に日ごろ顔も青黒いし陰惨な顔つきをしていたと、喫茶店なんかで発砲したのも受付の入口にいた女の子がいやな顔をしたためにかっとなったというふうに本人が自供をしておるようですが、非常にこの種の事件が今後も出てくるような心配があるわけですが、もちろん突発的な精神病というのもありましょうし、それからそれが外から見て全然わからないような、しかし非常に内向性といいますか、突然変異で変わる、そういう予備的なものを持っている人もいるわけなんですが、今後、あの事件を参考にして猟銃の所持あるいはまた銃砲刀剣の所持というものについて、改正部分以外にそういう危険を防止するためにお考えになる必要があると思うのですが、この点についていかがですか。
○政府委員(大津英男君) 御指摘のように、現行法におきましても精神病者に対しましては許可をすることがないというような、許可の基準が示されておるわけであります。問題は、こういう人間が精神病者であるかどうかという判定は、警察官が面接をする、あるいは勤務先のそういう人たちが申し立てているということから、精神病者であるかどうかという判定をすることは非常にむずかしいというところにあるわけでございまして、今回こういう事件が起こりました後において、捜査として、今度は本人の父親のおりまする三重県のほう、そういうところについて調査をやってまいりますと、本人が三重の医大の精神科で四回治療を受けたことがあったというようなことが出てきておるというようなことでございまして、こういう問題につきましては、警察が本人の点につきまして、もっと調べる方法がないのかどうかということになってくると思うのでございます。いままでのやり方といたしまして、申請書には、本人の本籍、住所、職業、氏名、生年月日、こういうようなものが出てまいりまするし、それから許可の銃砲につきましてこのものが書いてある、これを見まして、本籍地に照会をし、本人につきましてのできるだけの前科その他わかりますることを調べる。それから本人の現住所あるいはその勤務先につきまして、あるいはその近隣の者につきまして調査をしまして、本人について異常があるかどうかというふうな点を調査をしてやる、これが許可にあたりましての下調査でございます。その段階におきまして、先ほど申し上げましたようなことでございますので、支障がない、本籍地からの警察の回答も異常がない、こういうふうな判断に立ちましてやったのでございますが、その前に、三重のほうにおったときの調査ということがわからないということでございます。また、もしこの点、三重県についてさらに調査をしましても、本人が病院へ行ったかどうか、あるいは本人が精神分裂の関係でどうなっておるのかというようなことは、三重県の警察でもその当時においては把握をしておらないというふうなことでございまして、今回の事件が起こりました後において、捜査として行なって初めてわかったというようなことでございまして、この点は今回厚生省のほうから、精神衛生法の改正が国会のほうに提案になるということも承っておるのでございまして、昨年中精神衛生審議会におきましてもずいぶんそういう精神障害者の医療保護の問題と、それから治安の面から考えました対策というものをどう調和さすかというようなことでずいぶん議論もあったところでございますが、まあいままで審議会を通じて私どももいろいろ申してまいりましたけれども、やはり精神障害者はまず野放しにしないように、これを医療保護を徹底的に行なっていただく、それによってまあ治安の面もよくなってくるということにするのが、やはりこの精神障害者対策として一番根本的に必要なことであるという基本的な観念に立っても、もし警察でいろいろな事件を通じまして把握することができたものは、これを保健所なり都道府県知事に通報する、こういうように警察も協力してやっていく。逆に、新聞でも御存じだったと思いますが、私どものほうは、逆に警察のほうに、わかったならば知らしてもらいたい、そういうことによって警察もそういう面についてマークをしなければならない者もあるという考えでおりましたが、こういう点につきましては、いろいろ人権上の問題もございまするし、逆に医療保護という面が、そういうことで警察に通報されることではかえってマイナス面が出てくるのだというような議論もございまして、警察に通報するということには非常に反対が強い。こういうことで、結局警察はできるだけ自分の力でやってわかるだけのことをする以外にない。しかし、警察官というものはそういう面についてしろうとであるというようなことで、非常にむずかしい問題でございますが、先ほど申し上げましたように、精神障害者につきましては野放し状態をなくするように、医療保護を徹底していくという根本方針で進めていただくようになっておりますので、私どもとしては、そういう面に期待を持っていく以外に根本的には方策がないのではなかろうか。こういうふうな観点に立って今回の事件についても考えておる。こういうようなわけでございます。
○鈴木壽君 関連して。いまの問題ですが、精神病者が所持を許可されているという問題ですね。局長のお話ですと、精神病者なんかの取り扱いといいますか、隔離するとかあるいは何かそういうことが行なわれることが前提だ。ところが、それは確かにそうですが、現在日本ではそうじゃないのですね。現在の日本では、少なくともそういうようなことが十分行なわれておらない。ところが、銃砲等の所持の許可の要件の中には、精神病者だとかあるいは麻薬の中毒者というものは持てないことに、許可されないことになっておりますね。問題はそこだと思うのです。一方においては前提になる事柄が行なわれておらない。行なわれておらないにもかかわらず、精神病者やその他の者が持てないことに、許可されないことになっておるので、そこを一体どうするのか。これは警察では何ともできないとか、あるいは人権問題だということでは済まなくなっているのじゃないかと思うのですがね。おそらく二宮先生のお聞きになっていることもそういうことじゃないかと思うのです。
 そこで、第五条にあります許可する場合に精神病者等には許可を与えてはならぬというのだが、一体いまはやむを得ないから、あちこち聞く範囲でそうだとかそうでないとかいうことだけに頼って精神病者であるのかないのかという判定を警察が持つということになっているのか。そこら辺は一体どうですか。
○政府委員(大津英男君) 現在のやり方といたしましては、本人につきましては面接をし、挙動その他から判断するということ、それから先ほど申し上げましたような勤務先その他につきましていろいろ判断をする、それからいままでの警察でチェックできた資料というようなものから判断する、まあ現在としましては、そういうこと以外にないということでございまして、こういう点では不十分でないかと言われると、まことにそういうことでございますが、これを根本的に、警察だけの観点からもしできるならば、たとえば精神医から警察に通報してもらえるということ、あるいは本人がそういう医師の診断書みたいなもので、自分は何でもないのだという証明書を持ってこいというようなことができますれば、それもいいのでございますが、こういうことはやはり現在の精神衛生対策という面から見まして非常に不適切である、そういうことは許されることじゃないというようなことでございますので、たとえば道路交通法なんかにおきましても精神障害者というものについては免許を与えないということを書いてありまするが、やはり同様な悩みを持っておるというようなことでございまして、これはやはり現在の精神衛生対策を警察でどのようにやっていくか、治安の面とかそういう生命財産の保護という面で人権の問題との調和点をどこに見出すのかということになってまいりますので、いろいろな考え方はあるわけでございますが、現在はまことに不十分で申しわけないようなことでございますけれども、そのような程度で行なっておるという実情でございます。
○鈴木壽君 もう一点。地方では猟銃なんかの許可はいとも簡単に、僕ら見ておるところでは非常に簡単ですよ。あるいは外でわからない、まあ何といいますか、簡単に見えても実際はいろいろな調査をしたり何かしておられるかもしれませんが、まあ少なくともいまの段階では、そんなに調査をしているというふうにも見えませんし、いとも簡単に取れます。ところが、そのいま問題になっておる精神病者だとか、これは公安委員会として許可を与える場合の最も大事な一つの柱として、不許可の条件としてこれがあるのですが、そうしますと、やっぱり私いろいろまあ精神病なりそれの措置、対策等についていろいろな不十分な面があるいまの日本ですが、しかし、それにもかかわらず、やっぱりできるだけこの条件を、何といいますか、生かすようなことをあらゆる手を使ってやるべきでないかと思うのですがね。そこで、いま言ったように、私地方でちょっとまあ見るところでは、たとえば知り合いが今度おれ猟をやるのだと、許可の申請をして、いとも簡単に取っているのですよね。それはまあ正常だから簡単に来たかもしれませんが、そこにどういうふうな、いわゆる適格の条件を欠くようなことについての調べがあるのか、調査があるのか。ちょっとふしぎなくらいに簡単であるように思うのです。たまたまいま名古屋の事件なり西村某の事件なんか出てくると、お話を聞くと、昨年にまあ許可を受けておると、ところが、たとえば精神病というのは、突発的に、きのうからきょうというような場合もあるようでありますが、しかし何かやっぱりそうでもないものじゃないかと思うのですが、まあそこら辺に、私はやっぱり、これから単に法律の上にこういうものは持たせないのだと、こういうものは許可を与えないのだということだけでなしに、それをやるためには、もっと的確にそれを持たなきゃならぬと思うのですが、この点。
○政府委員(江口俊男君) ただいま保安局長からお答えしたとおりの実情でございますけれども、私自身もこの西村貞助に猟銃を持たしたときの調べ方というのを報告を取ってみますというと、ただいま申し上げたように、鈴木先生のおっしゃるような感覚でまあ私もおったわけですけれども、まあ署としちゃ割に念を入れて調べたほうだと実際思うのです。しかも、その結果がしかしわからなかったと、与えざるを得ないというような状況であれば、警察が非常に客観的に一生懸命になってあらゆる資料を集めて精神病であるかどうかということを判断するということになれば、やはり限度があると思いますので、方法としては、交通の場合でも同様でございますが、やはり一つの特権を与え、あるいは禁止の解除をするという意味の許可を与えるというような場合でございますれば、本人が私は精神の異常がございませんという証明書を専門の医者から持ってこさせるというようなことを考えても、これは人権のじゅうりんということにはならぬのじゃなかろうかと私自身は考えておりますので、これはまあたまたま猟銃で問題になりましたけれども、運転の免許についても同様なことがあるわけでございます。突発的に出る精神の異常というものは、あるいは防げないかもしれませんけれども、いまのような専門の医者だったらわかるじゃないかというようなものであれば、私はそういう方向で、そういう特権を持つ、許可を受けるというものの前提として、そういう義務を課するということは差しつかえないというふうに思うのですけれども、この係のほうの検討では、いま直ちに法的にそういう義務づけをするということは無理であろうというのが、現在におけるこの答弁を書いたときの気持ちでございます。ただいまのような御意見を拝聴して私たちの――私たちというか、私を含めて――そういう義務を課すべしという側の議論もだんだん高まっていくということであれば、警察としては望んでもないことでございますので、その方向を検討してみたいというふうに思います。
○鈴木壽君 私は関連だから一点。もう一点、もう一点でどうも……。最近、交通事故対策の一環としていま長官から言われたような、精神病者が運転免許を取っているという問題がだいぶやかましくなってきましたね。中には精神異常であるのかないのか、全部そういう検査をしてやるべきだという人まで出てきていますわね。いまの自動車の運転免許を取るあの数からしますと、これはなかなかたいへんだと思うのですよ。しかし、いまの銃砲等の場合は、私そんなに数が多くてとても手におえないんだというようなことではないと思うのですね。ですから、方法はいろいろあると思いますが、私は、この問題に限って申し上げますと、もっとこの条項がほんとうに生きて、心配のないようなことであってほしいという点から少し検討してみる必要があると思うのです。いま診断書を持って――診断書を持ってと言っても、考えようによってはちょっとあぶないとも思うのですがね。もう少し何か適確な、これを心配ないようにするための方法を考える必要が私はあると思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(吉武恵市君) 御指摘の点、私もごもっともだと思います。したがって、まあこれは法律としては許可事項になっておりまするので、許可する際の取り扱いのことだと思うのであります。御指摘のように、そう多くの数ではなかろうと思いますから、その許可するときにもうちょっと念を入れてみる必要があるんじゃないかというふうな感じがいたしますから、今後これらの取り扱いにつきましては、もっと慎重にしていきたいと、かように存じております。
○二宮文造君 以上で終わります。
○井川伊平君 ごく簡単なことをお伺いいたしますから、どなたでもお答えはけっこうでありますが、銃砲の意義、大きく言えばそういうことになるわけであります。拳銃にいたしましても小銃にいたしましても機関銃にいたしましても、その本来の機能を発現できるような状態になっておれば銃砲であることはきわめて見やすいことであるが、これが部分品としてばらばらにされておる場合、輸入をされておるときに、その一部分、一部分では、本来の目的に何の関係もないのであるけれども、今日のように機械をいじくることがじょうずに国民性がなってまいっておりまする関係では、部分品を組み立てることはきわめてじょうずだと、おもちゃ、玩具に子供が加工をいたしまして、ある程度の危害を与える凶器たらしむることもできる。こういう点から考えてみますると、そのもの自体では本来の危険を発生するだけの機能はないとしても、そういうふうに組み立て得るところの部分品の輸入は差しつかえないのかどうかということです。もし部分品の輸入が、この趣旨からいえば禁ずべきであろうかと考えますが、この点はどういうお考えで押えておりますか、この法律をおつくりになるとき……。お聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(大津英男君) この輸入そのものは、こういう発射機能を有する銃砲でございますが、いまお話のございましたようなものが入ってまいりまして、これを組み立てるということになりますると、製造ということで処罰をしていく、武器等製造法の関係でやっていくといくということになると考えております。
○井川伊平君 製造法の関係は、それは機能を発現できる拳銃であっても小銃であっても、製造についてはこれは十分に禁じられましょうが、その輸入を禁ずるという点から考えれば、部分品の輸入も禁じてしかるべきではないかと思うがどうですか。なぜそうしたものの部分品の輸入も禁ずる一項目を加えないのかということを聞いておるわけです。
○政府委員(大津英男君) いままでそういうふうな実体がないというような意味でございまして、また、そういうものが輸入せられまして組み立てられるという場合においては、武器等製造法によって処罰をしていく、こういう考え方でこの法律を立案したということでございます。
○井川伊平君 そこが手抜かりじゃないかということです。こういうものを製造すればいけないということは、そういうことはすでにあることでございましょうから、それだけで罰せられるものならば、輸入禁止の規定を設け必要はない。そういうような製造を禁止することができても、輸入の禁止が必要であるとすれば、部分品の輸入を禁止する必要はないのかということを聞いておるわけです。どうですかね。
○政府委員(大津英男君) 先ほど申し上げましたように、今回の法律の附則におきまして、そういうものの組み立てそのものの罰則も、密輸入等の関係を考えまして、刑の引き上げをはかる、こういうことにいたしておるわけでございまして、その意味では輸入の禁止に違反したものの罰則の重さと、それからこの密造につきましての罰則というものを同様に重くしていく、こういう考え方でおります。
○井川伊平君 あなたのじょうずな御説明はわかりますけれども、現在ある法律の科刑を重くすることが輸入に関しまする罰則を重くすることで目的が達せられるならば、こうした既製品の輸入にだってできないことはないんですね。ですから、そうではなくて、やはりだんだんと国民が機械などを組み立てたり改造することにじょうずになってきておる現在からいえば、部分品の輸入は禁止したほうがいいのじゃないか。いままでは輸入そのものの禁止がないから、部分品の輸入ということはなかったかもしらぬが、既製品の輸入がやかましくなってきたとしたら、部分品を輸入するという商人はだんだん出てくると私は思う。そういうものは全然から心配だと、心配ないとおっしゃるのか、そういうことも心配があろうならば加えておいたほうがよかったのだろうけれども、気がつかなかったのか、どちらですか。私はそういうところは率直に言って、将来心配のないようにしたほうがいいと思うから言うのです。
○政府委員(江口俊男君) そういうことはもちろん念頭になかったわけじゃございません。ただ。いまおっしゃるように現在既製品の輸入についても、輸入そのものの規制がないために既製品で来ているけれども、今度それを強く取り締まれば、部分品で来るのじゃないかという御心配については、あるいはそうかと思います。そうなればもちろんそれに対する方策というものを考えなければならぬと思いまするし、ただ部品とこう言っても、それじゃあ組み立てたら一丁になるという形のやつが、幾つかに分かれたものであれば、それは既製品というふうな取り扱いもできるのじゃなかろうか、たとえば一つの組み立ての機械等で梱包等の関係上二つに分けて入れるというようなものは、ピストルの場合はかりにないとしても、あり得るわけで、それを既製品と見るか部分品と見るか、おそらくは問題だろうと思うのです。それじゃ部分品は全部いけないということになりますと、たとえば銃身だけ入ってくるというようなものは、部分品として取り締まるかどうかというようなこと、非常に重要でない部分というような部分品もあるでしょうし、ちょっとこれは実体を見ないというとどういうふうに……。全然ほかのことでやれるからいいという意味じゃございません。しかし、いまどういう実体で入るかということの見当がつかないというようなことで、特に今回は入れなかったというようなことでございます。
○井川伊平君 それじゃ、あなた考慮したというのなら、考慮の結果というのなら、私はそれ以上追及いたしません。だけど私は既製品としてまとまったもので入らさないときめれば、それは船で、別にして、何回かに分けて部分品がどんどん入ってくるおそれがあると思う。また、入ってきたときに、それじゃ法律をつくりかえますというのでは、ちょっとおそいと思うのです。これ以上私は特に申しません。
 別のことを聞きますが、こうした銃砲等の製造はみだりにできないことだけは、私は知りませんが、何か法律があるのだと存じますが、そのこしらえたもの自体では本来の機能を発揮しない、そこに何か細工をすれば機能を発揮するに至るものを含んでいるかどうかということを聞いておきたい。いつぞやも、ある子供が学校で習った知識で、やすりで玩具のピストルにごちゃごちゃしまして、役に立つピストルをつくった例は見ています。そんなことから考えれば、玩具の製造についても言えることではないかと思うが、もっと含みのある、製造のしかたにおいて安全なる銃砲といわれないようなものであって、ちょっと安価な方法でだれかがやれば機能を発揮するということがあると思います。そういう点は条文ではどういうふうに表現されておりますか、お聞きいたしたい。
○政府委員(大津英男君) これは先般も市川先生から玩具拳銃取り締まりについて御質問があったわけでございますが、玩具の中でも金属製弾丸を発射する機能があるというふうに認められまして警告禁止をしたというような例が、昭和三十六年、三十八年等においてあったわけでございます。そういうふうなことでございまして、玩具拳銃でもちょっとした手を加えることによって金属製弾丸を発射する機能が出てくるというようなものにつきましては、この法律の第二条の銃砲と考える、こういうことにいたしております。
○井川伊平君 時間の都合で、きょうはこれ以上質問せぬことにいたします。
○加瀬完君 銃砲刀剣の取り締まりを必要として、それが暴力団に不法所持されていることが多いので、当面の取り締まりの対象を暴力団に置いておるのか、それとも暴力団そのものを取り締まるために、それが凶器として使用されておる銃砲刀剣類をきびしく取り締まろうとするのか、いずれですか。
○政府委員(江口俊男君) はっきり申し上げますれば、暴力団対策としてどういうことが有効であるかということを考えたときに、一つは暴力行為自身の罪をあげることによって暴力行為は割りにあわないという状態をつくらなければいかぬということで、これは法務省が昨年御提案になりまして、暴力行為等の取り締まりに関する法律の改正ということで、相当大幅の刑の引き上げを行なっていただいたわけでございますが、もう一本の柱として、今度は武器の点からそのほうを締め上げていくためには、この銃砲刀剣類等の取り締まりに関する法律を改正して、やはり持っておった場合、あるいはつくった場合、輸入した場合等に、いままで以上の罰をかけることによって、武器を持たさせないようにしよう、こういう二面から攻めていくという意味で発足した立案ではございます。だから暴力団対策という点にもとを発しておりまするけれども、しかし、まあ法律でございますから、一匹オオカミみたいな、暴力団以外の人間につきましても、これは同様な適用をもちろんせにゃならぬということでございまするから、どちらに重点を置いたかとおっしゃれば、前者に重点を置いておりまするけれども、適用そのものは、もうだれにでも同じ適用であることはもちろんのことでございます。
○加瀬完君 暴力の追放、あるいは暴力団の取り締まりということを主目的とするならば、単に銃砲刀剣類等だけをよりどころにきびしく取り締まりをしていったところで、目的は達しられないと思うのです。これは二宮委員が御指摘のように、追放さるべき暴力の内容といいますか、覊絆というものを明確にして、そういう行為を意図するおそれのある団体というものを、やはり法律的に禁止をし、あるいは解散をさせるという方法をとっていかなければ、抜本的な対策にはならないんじゃないかと思われるわけでございます。組織は自由につくっていい、しかしその組織が行動をすれば、それが不法である、こういう見方というのは、私は法律の理論の上から成り立たないのじゃないかという疑問を持つのです。
 そこで、具体的に伺いますが、石原裕次郎君の捜索はピストルの不法所持の疑いでございますか。
○説明員(関根広文君) 報道されました石原裕次郎宅などの捜索実施についてということにつきましては、警視庁で二月十六日の午前八時から十一時の間に石原裕次郎自宅ほか四カ所を捜索したのでございますが、容疑は、これはすでに別な事件で逮捕されておりまする被疑者百瀬博教と申しますか、この被疑者の持っておる銃砲、この被疑者の不法所持事犯の隠匿場所ということを中心として捜索が実施されたのでありまして、石原裕次郎の家にあるというふうなことを中心として捜索されております。
○加瀬完君 ピストルは出ておりませんね。
○説明員(関根広文君) 出ておりません。
○加瀬完君 そうすると、不法所持の疑いは晴れたということになりますか。
○説明員(関根広文君) 銃砲不法所持の容疑につきましては、本人があちこちに行動をしておる行動範囲の場所につきまして、本人の自供あるいは行動を中心として、警察の判断において捜索を実施する場合が多いわけでございます。したがいまして、この捜索によって当該場所に拳銃がなかったということで、被疑者百瀬にかかる不法所持の疑いについては晴れた、こういうことには……
○加瀬完君 そんなことは聞いていない。私は百瀬何がしを問題にしていない。石原裕次郎君の宅を不法所持あるいは不法所持の共謀あるいはピストルの隠匿という疑いで捜索をしたんでしょう。ところが出なかったんでしょう、ピストルは。しかしながら、石原裕次郎君そのものは、新聞にたくさん書き立てられて、あたかも不法所持のごとき印象を与え、芸能人であればあるだけに、その人気、ひいていえば石原君そのものの人権というものに被害を与えられておるのですね。この発表は警察でなかったのですか。
○説明員(関根広文君) 警察がこの事件についてどういうふうな発表をしたかということについては、報告を受けておりませんのでわかりませんが、通常捜査を実施した場合に、取材に協力して、ある程度の内容をお話しするということはございます。
○加瀬完君 事実は知りませんよ、将来どう変化するかは知りませんよ。しかし今日の段階において捜索令状を執行しても、捜索令状のとおりの内容がなかった。明らかに石原君そのものにとりましては人権侵害でしょう、名誉を毀損されたことになりますよ。こういう保障を警察はどこでおとりになるのですか。あるいは捜索令状というものは、人権侵害が起こっても、本人の利益に反するような状態が生じてもよろしいという権限を持っておりますか。
○説明員(関根広文君) 有名人でございましたので、捜索された結果非常に大きく取り上げられた、したがいまして、現段階におきましては、非常な迷惑をこうむっておるということは事実であろうということは十分推察されますが、その点につきましては、何とも申し上げかねるのでありますけれども、警察の捜査の手続として、ある被疑者の容疑ということで、ある場所を合法的な手続によって捜索する、このことにつきましては、私は切り離して考えられないわけでございますけれども、警察の捜査のやり方としては、通常正当な手続に基づいて捜索するということは、これはあり得るわけでございます。
○加瀬完君 私は捜索をとがめているのじゃないのです。それは石原裕次郎君であろうが、だれであろうが、それが総理大臣であろうとも、被疑の内容というものがあれば捜索されるのは当然です。しかし、捜索をされたからといって、捜索をされる対象人物の人権がじゅうりんをされてもいいという保障が捜索権にございますか。少なくも事実が明らかになるまでは、捜索は一方本人の地位なり名誉なりというものを尊重しながら行なわれることが当然でしょう。それが守られておりますかどうかということですよ。私は暴力団を応援しているのでもない。石原君に個人的に関係があるわけでもない。しかし石原君であろうがだれであろうが、あなたのさきの説明にも、石原裕次郎という説明がありました。捜索して事実があらわれなければ――いまの段階では、これは不法所持者でもなければ不法所持者の品物を隠匿した幇助者でもないわけですね。個人の人権は尊重さるべきです。かりに犯罪者でありましても、犯罪の事実のない以前にこのような扱いをされるということは、私ははなはだけしからぬと思う。疑わしきは罰せずというのが、新しい刑法でも警察法でも精神でしょう。十二分に疑うことは必要です。しかし、捜索をして、捜索の事実が明らかにならないうちに、あたかも犯罪者のごとき印象を与えるような発表を――警察から出さなければ出るわけはないですから――するということはどういうことです。疑いの段階でこのように公表するということは、今後もおやりになりますか。これはひとつ公安委員長に伺います。
○国務大臣(吉武恵市君) どういうふうな経過を踏んで捜査をしたかは、私もまだ聞いておりませんですが、いまお話のように人権は尊重せられるものでありますから、その取り扱いにつきましては慎重の上にも慎重を期さなければならぬ、かように存じております。
○加瀬完君 それから、断わっておきますけれども、何も私は暴力団の興行を応援するわけでも讃美するわけでもございませんけれども、このごろ所々方々で、文化会館とか公民館とか講堂とか、こういった公的な施設を使用して行なわれる芸能人のショーなどについて、その背景に暴力団がいるからという名のもとに、会場使用中止を警察が申し入れておりますね。きょうの新聞でも、江利チエミ・ショーが三重県の県警の申の入れで中止をされております。どういう権限で中止をされるのですか。法的な根拠をひとつ示して下さい。
○説明員(関根広文君) 本日の新聞記事の内容については、現在まだ報告を受けておりませんが、一般的に、公共施設の利用ということにつきまして、従来比較的に簡単に使用が許されておったのではなかろうか。暴力団が地方におきましていろいろな興行をして資金を獲得しているということを調べてまいった結果、興行関係の収入が相当大きな資金源になっている。しかもその興行が、通常は直ちに犯罪になる行為、たとえば押し売りとか強要あるいは入場券の問題につきましては脱税というようなことが背後にある場合も相当あるということで、興行関係について地方の公共施設を正当に貸すという貸し方をすれば、暴力団関係者にこれを貸すことを禁止することができるのではなかろうか、こういうことで、警察といたしましては、そういう公共施設を管理している方々に、公共施設の現在の法律の範囲における使用の方法を考慮していただきたい、たとえば正当な理由があって、管理者の判断で地方の住民の公共の福祉のためには許可しないことができることが多いのではなかろうか。そういうような抽象的な管理者の責任、権限に基づきまして、具体的な個々のケースを取り上げて禁止できるものについては禁止していただきたい、こういうことを各地でそれぞれ申し入れをして、その結果、該当するケースについて中止が行なわれている、かように了解している次第でございます。
○加瀬完君 暴力団が土建業を営もうとも、商事会社を営もうとも、あるいは興行社を営もうとも、それがかつて旧暴力団の関係であろうとも、不法行為がその団体によって行なわれなければ、取り締まることができますか。それが賭博をしたとか、あるいは工事の請け負いにおいて何か不正行為をしたとか、あるいは興行関係で暴力的な行動をして、特殊な利益を得るようにした不法行為が行なわれて、初めて取り締まりの対象になるわけでしょう。暴力団でかつてあった者でも、更生して興行社を営んで、芸能人もその興行社に依頼をして主催をさせることに納得をして、商取引として何ら不法な疑いをはさまれる余地のないような契約で行なわれているものに、どうして警察は会場を貸してはならないとか、興行をしてはならないという判断をなさるのですか。法律的な根拠をひとつ示してほしい。
○説明員(関根広文君) 先ほども御質疑がございました暴力団というものを法律上一つの定義を与えて、この暴力団の権限について、権限を押えるというふうな法律の規定のしかたがどうかということでございましたら、現在のところ、暴力団であるということが直ちに営業の許可あるいは国民の権限に関して不利を受けるということはないわけでございます。したがいまして、暴力団であるから興行をさせない、暴力団であるから当然一般の人が行なうべき営業を行なわせないということは現在はできません。したがいまして、現在行なっておるのは、警察の権限としては、権限と申しますか、先ほど来お話がございました犯罪があればこれを検挙するというのが警察のたてまえでございます。したがいまして暴力団というのは、組織として犯罪を行なっておる場合、あるいは個人として犯罪を行なっておる場合が立証できれば、これをどしどし検挙していっておるわけでございますけれども、しかしながら、合法、非合法すれすれという行為で事業その他を行なっている場合が多い、この点につきましては警察は関与することができない、しかしながら、たとえば一般の興行館で営業をする、あるいは一般の人と同じように土建業を行なう、あるいは風俗営業を行なうということにつきましては、これはそのとおり十分に権限があるわけでございますけれども、特にある目的のためにつくられた、たとえば公共の施設でも、教育関係に十分にこれを利用するという目的でつくられた施設とかいうものにつきましては、管理者の判断で相当の裁量範囲があるはずでございます。これは積極的にこういう目的に使うんだというふうなことでつくられた施設については、そういう従来は比較的ルーズにこの使用がなされておった向きがあるので、これを厳格に特定の目的のために有意義に使うというふうにやっていただくとすれば、まあ暴力団の資金源になるというふうな場合には、その判断でこれを中止する場合もできるんではないかというふうに限定的に考えて、現在の法律の範囲内でなされ得る措置をとっていただく、こういうふうに考えておりますので、一般の興行館あるいは普通の人はだれでも来られるというふうな場所で、普通の営業を行なうことについて警察はとかく申しておるということではございません。
○加瀬完君 このチエミ・ショーの場合は、津音楽友の会というのが申し入れて、県民室長はこれを許したわけですね。そうしましたら、新聞の報道によれば、三重県の捜査二課は、文化会館の使用許可を取り消してほしい、その理由としては、津音楽友の会というのは桜芸能社というものの代表者である鈴木一二という人が責任者となっているのでいけないという理由なんですね。その鈴木一二という人の関係している桜芸能社というのは、暴力団に関係があるという見方をしているわけですね。暴力団に関係があろうがあるまいが、その暴力団に関係のあった人が入っていようがいまいが、正式に、ある団体が江利チエミ・ショーを主催をしたいというので会場の借り入れを申し入れて、会場の責任者はよろしいと言って貸したものを、どういう法律的な権限があって会場使用の取り消しを警察はなされるのですか。そういうことのできるという法律的な根拠を示してくださいよ。
○説明員(関根広文君) 繰り返し申し上げるように、警察の権限で取り消すとか、そういうことを規定してある法律は全然ございません。三重県の場合につきましては、具体的なケースを報告受けておりませんのでわかりませんが、先ほど来申しましたように、一般的には当該施設の管理者が、管理者の判断で、自由裁量で使用を中止し、使用をさせなかったり使用させたりすることができるというその範囲内の判断をしていただくための材料をまあ警察が提供している、こういう実態でございますので、繰り返すようでございますが……。
○加瀬完君 これは美空ひばりショーも広島で会場をとめさせましたね。私は千葉でございますけれども、千葉にも例がございます。全部警察が干渉をして会場を取りやめさせておるわけです。ところが、いままで大体この芸能界というのは、あなた方から見れば暴力団に関係のあると思われる節のある人々によって構成されている芸能社というものを通して営業をしているわけですね。それが芸能人にとりましても利益でございましたし、あるいは不法的な行為というものはその間には何もなかった。一種の商慣習ですよ。商慣習としてそういう興行社というものに全部の委任をいたしまして、その興行社が切符を売ったり会場をつくったり、そこへ行って芸能人はショーをやったり演劇をやったりすることによりまして、次から次と会場を興行をして歩けたんですね。そういう商行為というものが長い間続いたんです。それを警察はずっと何にも言わずに黙認してきたわけです。急にここにきて、商行為に対する否定ですよこれはね。商慣習に対する否定ですよ。慣習法というのがあるわけですからね、商法では。これを警察の力でじゅうりんしているわけです。取り締まりの対象というのはそういうところにはないはずでしょう。暴力団であろうが何であろうが、むしろそういうものは興行社といったような正業について、正規な、暴力行為を伴わない生活設計をするというなら、これはむしろ援助をすべきでしょう。それもかつて暴力団に関係のあった者が一人入っているから会場を貸すな、こういうやり方をしていって、ほんとうの意味で暴力団が一体壊滅すると思いますか。せっかくついた正業というものを警察がとめちゃう、そういうことでは逃げ場がないでしょう、これは。もう一回暴力行為の団体に帰らざるを得ないでしょう。暴力行為の追放をしているのか、暴力行為の復元をはかっているのかわかりませんよ、こういうやり方を続けてまいったら。権限もないものを、権限がないにもかかわらず、営業権に支障を来たすような行為を警察が所々方々で行なっている、こう言っているんですよ。その主催者、津音楽友の会は、暴力団とは関係はない、前売り券三千九百枚の約八割が売れているので、中止すれば一般に迷惑をかける、こういう一般に迷惑をかけるだけでなくて、この芸能人関係は非常な損害を与えられるわけですね。警察の一方的な判断で、いままで商慣習として、商慣行として行なわれてきたこういうやり方をやめさせるということはいかがなものでしょうね。行き過ぎじゃありませんか。暴力団を取り締まるのはけっこうです。しかしながら、正常な法律行為によって行なわれておる営業までも差しとめるという権限がどこにありますか、警察に。これは違法でない、権限があるということがありましたらお示しください。これは暴力団に幾らか関係があるということであるから、世論もある程度警察に賛成するかもしれませんよ。しかし、こういう警察のやり方というものを許しておけば、対象はこういういかがわしいと疑われる団体だけに限らない。いろいろ個人なり、団体なりの、思想的な考え方を異にしているものに対しましても、こういう方法で取り締まりをしないとは限らない。やってできないことはない。私はくどいようですが、暴力団に応援するわけじゃないけれども、少なくとも合法的に行なわれている興行というものに対して、しかも、会場を会場の責任者が貸しているのに、警察が取りやめろと言うことは、法律的根拠がないとすれば、どうも納得するわけにはいきません。これはひとつ公安委員長に答えていただきたい。警察庁長官でもいいです。
○政府委員(江口俊男君) どういう権限で取りやめさしておるかという御質問でございますけれども、るる課長から申し上げておるとおり、警察が取りやめさしておるわけじゃございません。ただ、私の聞くところによりますというと、いままでの惰性で、実は貸したくないのだけれども、館長自身の判断で云々というよりも、警察からはっきりした、こういう場合は好ましくないのだと言ってくれたほうがいいのだとおっしゃるようなところも間々あるようでありますし、三重の例は私も初耳でございますから、具体的にどういうことがあったか存じませんけれども、警察の権限で公の施設を貸したり、貸さなかったりしておるようなことはもちろんございません。そういうことができるはずはございませんから、ただ権限のある人たちに対するアドバイスとして、これは公序良俗といいますか、一般の教育上好ましいものであるかどうかというようなことを求められた場合、あるいは求められなくても、積極的に自分の意見を申し述べるというようなことは、これは私差しつかえないと考えております。
 それから、資金源云々ということがもちろんねらいでありますが、これは私の考えになりますけれども、やはりかね合いの問題でございまして、たとえば山村等、公の施設以外はそういう芸能の場がないというような場合におきまして、そこを使わなければ江利チエミ・ショーですか、江利チエミであろうが美空ひばりであろうが聞けないというような状況のところであれば、それに伴う不法事犯については十分監視しつつも、多少のことがあってもそういうところを使わせるということについて特に警察が反対することはないというふうに、私は個々別々の具体の場合を考えていかなければならぬ、こう考えます。だから、どこでやってもよろしいというような大都会の場合等でありますれば、公の施設というものは、その施設本来の目的のために十分使って、わきから入り込めないというのがやはり一つの筋じゃないか、こういうふうに考えます。
○加瀬完君 私も専門家ではありませんから詳しくはわかりませんが、若干調べたところによりますと、芸能関係の地方興行というのは、ほとんど興行師に委任するような形で行なわれているわけですね。その興行師というのは、ほとんどあなた方が暴力団の規定の中に入れているテキヤの仲間です。しかしながら、このお書きになったことに私は異論がございます。テキヤ・イコール暴力団という見方はおかしい。テキヤだってまじめに正業についている者が多い。それで、くどいようでございますが、そのおそらくテキヤに属しているであろう興行師は、興行師として、こういう芸能のショーなどの営業のプロとしていままで芸能人から信頼されておって、その間の取引で営業がぶたれておった。興行師が背景にいるから、興行師はおそらくテキヤに入っているであろうから、テキヤは暴力団であるからということになったら、日本の地方興行というのはできないですよ。長い間これは商行為として認められたことだ。そういう内容をも考えないで、これが一部資金源になるのじゃないかという、資金源になるということが明らかになったら、あるいは資金源として犯罪行為か何か行なわれたら、そこで取り締まればいいでしょう。あるいはそういう犯罪行為を犯した団体の興行については会場を貸さなくてもいいでしょう。あるいは主催権を認めないということでもいいでしょう。何もまだ犯罪が行なわれておらないのですよ。旧来の陋習かもしれないけれども、その慣行のとおりにやってきた。そこで前売り券も売ってしまったあとに、急に、おまえの団体の中にテキヤが一人まじっているからこの興行はまかりならぬと、少なくとも、幾ら弁解しても、警察の意思で会場の使用中止を決定づけていることは事実であります。なぜ、興行師であろうとも、暴力団でかつてあったであろうとも、興行のような正業につこうとしている者の道までもふさぐのか。ふさぐ必要はちっともない。そういう形で私は銃砲刀剣の取り締まりなどもやられては、こういう法律には賛成できません。石原裕次郎なら石原裕次郎が何か持っているということでやられて、石原裕次郎が持っているということでぱっと宣伝する。調べたら何も出ない。こういう形で、人権侵害です。こういう形で今後運用するとなれば、これは二日でも三日でも質問を続けます。興行社とか芸能社というのは営業権を持っている。営業権を持っている者が営業するのまでもあなた方立ち入ってやめさせるという権限がありますか。法律的権限がありますか。法律的権限がないのに、公務員のどういう立場で行なえるか、もってのほかだ。こういうやり方をすることは、私は賛成するわけにはまいりません。これは直接銃砲刀剣取締法というものには関係ありませんが、これは公安委員長に伺いますが、正業につきかけている者のその正業の道まで奪うような方法は、一体暴力追放という政策に乗った路線だと考えられますか、これは公安委員長に伺います。
○国務大臣(吉武恵市君) 先ほど係官から申しましたように、興行は営業でありますから、営業をすること自体は私も差しつかえないのじゃないかと思います。しかし、それはもっぱら営業を目的とする興行施設において営業することについては関与することはできないと思います。問題は、いま公共の施設を使う場合において、そういう関係の者が使うことについてはどうだろうかということを言ったのではないか。それにしても警察官が公共の施設を管理しているわけじゃございませんから、警察官によって許可するとかしないとかということを言っているはずはないと思います。そこで、公共の施設であるだけに、公共施設を管理する者が判断をして断わるとか断わらないとわかということが行なわれているのじゃないか、かように考えております。
○加瀬完君 二つお答えいただきたいのですが、興行社とか興行師というものは全部暴力団の背景を持っているのであるという見方を今後なさらないのか、なさるのか。もう一度言いますよ。興行社とか芸能社とかという、いままで芸能人と契約をして営業をしておった者たちすべてがこれは暴力団が背景にあるものだという見方をこれからなさっていくのかどうか、これが一点。それから、文化会館を使おうが、公会堂を使おうが、その管理者がよろしいと言っているものを――よろしいと言って許可をして前売り切符を売ってしまった、そこへ警察が横やりを入れて、使わしてはならないと、こういうようなやり方をこれからもおやりになるのかどうか。あなた方、法律的に根拠はない、法律的な何ら権限のないようなやり方で会場使用中止を警察が実力でとめていく、こういうやり方を今後おやりになるのかどうか、その二点、ひとつ伺います。
○政府委員(江口俊男君) まず第一点の興行師、興行社というようなものについて、これを全部警察としては暴力団の範疇に入れ、あるいは暴力団に関係ありと見ているかどうかという点につきましては、そういうふうには見ておりません。その中に関係ある者もあり、暴力団そのものである者もありますけれども、そうでない者ももちろんありますから、それを、そういう営業をひっくるめてそれは暴力団的だとか、あるいは暴力団であるとかというふうには見ていないということが第一点。それから第二点は、当該公共施設の責任者が公共施設を貸すことについて、十分その条例なり規則なりにのっとって判断をして、しかもその前売り券まで出ているというようなものについて、そのあとからそれを中止せいというようなことをどういう形で、どういう強さで言うたかということは、私具体的に三重の事例を現在聞いてないので、判断に苦しむのでありますけれども、まあ、同じ中止をするにしても、そういう一般の迷惑にならないように、たとえば事前に相談を受ける形にするとかどうとかということは十分考えていかなければならぬことだろうと私は考えます。
○加瀬完君 そこで、そうすると、使用条例あるいは使用規則といったようなものが当然三重の文化会館にもあるはずです。それらに照らして使用許可を認めたわけですね、管理者は。そこで、使用許可が出ましたから、主催者は江利チエミ・ショウを行なうべく一切の準備をしたわけです。ところが、三重県警の捜査二課が文化会館の使用許可を取り消してほしいということを口頭で申し入れたので、文化会館の管理者でございます三重県の県民室長は使用許可を取り消した。ここに主催者なり、あるいは芸能人なりというのは経済的な大きな損害を与えられることになりますね。これはどういうことになりますか。
○政府委員(江口俊男君) 何べんも申し上げるように、三重の実例は、新聞にあるから、あるいはそのとおりかと思いますけれども、私のほうでは連絡を受けておりませんのでわかりませんが、おそらく、責任者が一たん許可したものをさらに取り消すということであれば、当事者同士の話し合いが持たれて、どういう手段を講じたか私存じませんけれども、お互いに話のついたところでそういうことが行なわれたのじゃなかろうか、こう想像します。
○加瀬完君 あなた方は中止をさせる権限はないとおっしゃったでしょう。しかも、現実においては中止をさせ、損害を与えているわけです。警察の責任というものが当然出てきますよ。中止させる権限はないわけでしょう、あなた方は。しかも、現実においては中止をさせて損害を与えているのだ。一カ所じゃありませんよね、ほかにも何カ所もある。これを一県警の判断でおやりになったとは私は想像できない。警察庁の方針でしょう、これは。警察庁の指示か何かがないですか。
○説明員(関根広文君) 文書その他で指示していることはございませんが、ただ、暴力団担当の関係者が会議をいたしまして、いろいろ具体的に事例を検討して、そういう際の協議の内容には、公共施設を暴力団関係者に貸さないというふうな問題を取り上げていろいろと研究しております。その際に、先ほど来申し上げましたように何度も申し上げるようでございますけれども、管理者の判断を誤らせない、正しくするような材料を警察のほうからは提供するというふうなことをやっていこうということを言っておりますので、これを指示といえば指示とおっしゃるかもしれませんが、そういう形で協議がされました。
○加瀬完君 暴力団という判定をどこでなさったのですか。
○説明員(関根広文君) 警察といたしましては、ある団体が過去において集団的にあるいは常習的に犯罪を犯したというような材料をたくさん持っております。したがいまして、特定の集団がそういうふうな形の、私ども考えておりますものに当てはまるというものにつきまして、これを一応暴力団というふうに解釈しております。
○加瀬完君 津音楽友の会という中に桜芸能社というものの代表者でありました鈴木一二さんという方が一人入っているということで、桜芸能社というものは暴力団と関係があるという見方をして、暴力団と関係のある者が一人入っているから津音楽友の会も暴力団の背景に立つものだという判断をしているようですね。こういう簡単なる判断でこられたら、全国暴力団に関係のないものはなくなっちゃう。津音楽友の会というのは暴力団でないですよ。だから、私はさっきから言うのです。テキヤを全部暴力団と見るのか、興行社とか芸能社というものを全部暴力団と見るのか、こういういままで商慣習の上で芸能の主催、イニシアをとってきた団体というのは、何人かは必ずテキヤの関係者がいますよ。しかし、暴力行為をしているのじゃないでしょう、興行をしているわけです。興行師全部暴力団という見方をなさらないとおっしゃる。なさらないとおっしゃっておりますけれども、事実においてはなさっているじゃないですか。三重県警に十二分に連絡をして、事実を調査してくださいよ。主催者の中に興行師か何かが一人入っておれば全部暴力団であるということであれば、そういうものの解釈で取り締まりをしていったら、拡大解釈なんというものじゃありませんよ、これは。基本的人権なんかどこにもありませんよ。営業の自由なんかなくなっちゃいますよ。私もこの事実というものをつまびらかにいたしません。新聞の上だけで承知をした限りです。しかし、あなた方は少なくも十分事実を知っているはずです。鈴木何がしというものが一人、かつて暴力団に関係していたかどうか知らぬけれども、暴力団でもないでしょう。桜芸能社というのに関係しておったということでしょう。おそらくテキヤか何かでしょう。テキヤが一人おれば全部暴力団の背景だ、そういうものの見方をしておっては、いつまでたっても暴力団はなくなりませんよ。なぜ正業についてこれから更生をしようという人たちに道を開いてやらないのですか。きょうは時間もないようですから、私、一時この質問は保留をいたします。こんなばかなことは私は許せません。きょうは終わります。
○松本賢一君 文化財保護委員会の事務局長にちょっと質問したいと思います。実はいまここで扱っている銃砲刀剣類等所持取締法の改正案ですが、この中で、御承知の第十四条に、「文化財保護委員会」云々というのがあるわけですね。御承知だと思いますが、それを今度改正して、この中で「火なわ式銃砲又は美術品として価値のある刀剣類の登録」ということがあるのですが、それを「火なわ式銃砲等」ということにして、火なわ式以外の古い火打式などがあるのですが、そういうものを登録の対象にしようという改正案が出ておるのですが、私の考え方をこの間うちから申し上げておるのですが、その前にお聞きしたいのは、この法律に対する保護委員会としての規則があるのですね。その規則でやっておられるわけですが、それをちょっといま拝見したのですが、その中に一応登録の申し込みですか、申請ですか、そういうことをしたのに対して、委員会のほうで鑑定をなさるわけですね。そうして、それで骨とう的な価値があるかどうかということをおきめになる。それで鑑定にパスしたものは登録される。いままでの方法ですよ。それで登録されるが、その鑑定にパスしない。いわばスクラップみたいなものだと思われたものはどういうふうになさるわけなんですか。どういうふうに扱われるのですか、そのものは。
○政府委員(宮地茂君) いまの御質問のような場合でございますが、私どもとしましては、いま御質問のような銃砲以外に、一般の文化財とその点は共通でございますが、たとえば世の中で文化財、文化財といろいろ言うのですけれども、法律で申します文化財と、一般に言われる文化財は一応けずめをつけているわけです。それで、銃砲以外の例で申しますと、地下を、家を建てようと思って掘っておった。そうしますと、大判、小判が出てきたり、あるいは昔の磁器、土器等も出ましたり、そういった場合に、これをやはり警察のほうへ届けまして、警察としましては、この所有者が判明しませんから、警察へ届けまして、警察は私どものほう、あるいは県の教育委員会のそういう係のほうに回っていきます。そこで、これが文化財であるかどうかということを判定いたしまして、文化財であれば、文化財だということを、一種の証明書も渡しますし、そうでないものは、それはどうぞ警察のほうでその所有者に返すなり、あるいは所有者がない場合には本人にやるなり、それは警察のほうでどうぞおやりくださいといったようなかっこうになっております。したがいまして、銃砲も同じように持ってこられまして、それがいわゆる文化財というものに該当するかしないか、全くおもちゃのようなものだとか、昔からの銃砲ということで、文化財というふうにはあまりにもお粗末だということであれば、それはそのままで、その後の行くえは私どもでは追及いたしておりませんのでよく存じませんが、一応文化財として、一般的に、共通的に文化財としての扱いはそのようにいたしております。もちろん、それを国宝とか、重要文化財とかに指定になる場合は、また別の手続でいたします。
○松本賢一君 そうすると、保護委員会としては、これは価値があるとかないとかということを鑑定して、そうして価値のあるものについては登録をさせる。価値のないものについては、その後のことは知らぬということになるわけですが、今度は警察のほうへお尋ねをいたしますが、警察のほうでは、それをどういうふうに取り扱いますか。
○政府委員(大津英男君) 警察のほうでは、法律の第四条の一項五号によりますところの刀剣類などにつきましては、一般の風俗慣習上やむを得ないものは、そういうものを、たとえば家宝であるとか、遺品であるとかというような意味で許可をしていくというような場合があるわけでございますが、それ以外のものは許可の対象にならない、これは本人に破棄させるというようなことになってくるわけであります。
○松本賢一君 そうすると、登録されないものも風俗習慣上これは家に代々伝わっているもので、家の大事なものだから持っておこう、それに対しては警察は何もおっしゃらぬ、こういうことになると思うのですが、そうすると、登録というものをこの取締法の中に入れてあるということは、これはやはり危険物だという判断のもとに、私はこの取締法という法律の中に入れてあるのだろうと思うんですよ。そうすると、そこで今度文化財保護委員会で登録されないものというのは、それじゃ危険物としての扱いからはもうはみ出してしまって、ただおもちゃになってしまうのだ、こういうふうなことになってしまうのだろうと思うので、そこで私が自分の考えをこの前から述べているわけなんですが、こういうものは取締法の中からははずしてしまったほうがいいのじゃないか。危険はない。それは一年に一ぺんかどこか人を集めて、これでもたまが飛ぶんですよと言って見せることがあるそうですけれども、そういうことは例外中の例外であって、その危険性というものは、さしみぼうちょうとか鉛筆削りのナイフよりももっと少ない危険性であるわけなんであって、ですから、そういうものは取締法からはずしてしまったほうがいいので、文化財保護委員会が価値があるかないかを認定して、価値のあるものは文化財として登録しようし、価値のないものは文化財保護委員会としてはおもちゃとしてもけっこうだ、スクラップとしてもけっこうだということになるんですが、私はそういう扱いで一向差しつかえないと思うのですが、この取締法という中にそういうものを含めて、そしてこういういかめしい法律の中にそれを含めていくということは不必要じゃないか。だから、この際法律を改正するなら、そういった実用にならぬ鉄砲の類なんというものははずしてしまって、文化財だけの扱いにしたらいいじゃないか、こういうことをこの間から申し上げているわけなんです。それに対して文化財保護委員会としてどういうふうにお考えになるか、ひとつお伺いしたい。
○政府委員(宮地茂君) 私から御説明するまでもないと思いますが、私のほうは、そのものがたまが飛ぼうと飛ぶまいと、切れようと切れまいと、要するに、文化財だという面でつかまえれば、それで私のほうは事足りるわけでございます。ただ、警察のほうとしましては、たまが飛んだり、切れたりということになりますと、それが文化財であろうと何であろうと、警察としては問題になろうかと思います。したがいまして、たまたま従来は火なわ式銃砲というのはいわゆる文化財としても私どもは扱いたいし、警察のほうとしては、これは使おうと思えば使えるのだし、たまを込めれば飛ぶのだ、人に傷害を与えるのだということで、要するに、両方の所管と申しましょうか、同じものではあるのですが、見方によって両者がお互いにそれにある管理的な力を持たなきゃいかぬということでございますので、そういう面からいいまして、私のほうとしましては、火なわ式銃砲だけでなくって、――お時間をいただければ、いまここへ持ってまいっておりますから、美術工芸課長から詳しく説明さしてもよろしゅうございますが、こういったような、これはペルリが持ってきたのだそうですが、あとで御必要なら説明させますが、こういうような、たまを込めれば飛ぶわけなんです。で、これが火なわ式銃砲ではございませんのではずれるわけです。そうしますと、私のほうはやはりこれは文化財としてつかまえたい、それから警察のほうとしましては、しかし、火なわ式と同じような、たまを込めれば飛んで人に危害を加えるのなら、警察の関係でもあろうということで、まあ、せっかく改正なさるのなら私のほうも火なわ式にプラスしてこれを十四条の中の登録銃砲刀剣としてぜひ対象にしていただきたいということを申し上げて、今回の改正に入れてもらっておる次第でございます。ですから、一先ほどの先生の御質問で、美術工芸品でないものはほったらかすという、その辺はそういうことになるかもしれませんが、美術工芸品であるものはこっちはつかまえたいし、しかも、それがたまを込めれば飛ぶというのであれば、やはり銃砲刀剣との関係も出てきますので、どうしても文化財だけとして別な法律でやれとおっしゃれば、やってできないことはないでしょうが、やはりそういたしましても、警察のほうとしては、たまを込めれば飛ぶものであれば、何らかの形でそれもつかまえなければ、文化財だけにすべておまかせいただくということにもならないのじゃないかと思います。まあ、そういったことで、これは警察のほうからぜひ火なわ式以外にこれを入れろと強い御要望があって、私のほうはいやいや入れてもらったというより、むしろどっちかといえば、私のほうが火なわ式と同じように扱ってもらいたいと申した次第でございます。
○松本賢一君 それはそうだろうと思うのです。警察のほうもそういうふうに御説明なさっておったのですから。ということは、いままではその火なわ式銃以外のものは全面的に禁制品になっていたかっこうですね、法律上。それを今度登録することによって、ちゃんと持てるようにするという範囲を広げた。一方から見れば、範囲を広げたことになるし、一方から見れば、取り締まりをゆるめたことにもなると思うのですが、それはけっこうなんですよ。けっこうなんですが、その危険性というものが、そのペルリの持ってきたピストルも、たまを込めてやれば飛ぶでしゃうけれども、そんなものを暴力団が実際に使うなんということは、おそらく想像もできないことだろうと思うわけなんです。そういうものを危険物として取り締まりの対象にして、そうして法律にそれを入れてあるということだけでも、法律に繁雑さを加えるわけなんですが、そういうことでなくて、文化財保護委員会のほうで鑑定をいたしますよということだけにしておけばいいのじゃないかということなんです。それで何ら不都合ないのじゃないか、私はそう考える。それを警察のほうとしては、いや、危険なんだと一応御主張なさっておるわけなんだけれども、どうもその危険の度合いというものはすこぶる小さいわけなんで、もうおもちゃ以上に危険がないくらいなものなんですから、取締法といういかめしい法律からははずしてしまうというのが、私は常識的な考え方じゃないかと思うわけなんです。
○政府委員(宮地茂君) ちょっと先ほど私の説明が足りませんでしたので、いまの御質問とも関連しますので補足さしていただきたいと思いますが、火なわ式で文化財として登録されないおもちゃみたいなものというようなことを申しましたが、従来火なわ式として登録されるもの――これは県にこういう登録審査委員というのを置いておりますが、県の非常勤の方に国のほうでお願いしているのですが、その人のところへ持って行って、いや、これは登録するほどに当たらない、全然おもちゃみたいなものだというようなことは絶無ぐらいだそうでございます。ですから、先生に先ほど私お答えしました点ちょっと修正さしていただきますが、いわゆる文化財として該当するものと、しないでほったらかしにされるもの、そういうふうにお感じになられましたら、そこのところちょっと訂正さしていただきますが、絶無に近い、皆無と言っていいくらい、要するに火なわ式は……。
○松本賢一君 登録されている、と。
○政府委員(宮地茂君) はい。――というくらいなものでございます。ですから、これはたまたま先ほどペルリと申しましたのは、国立博物館にありますものは非常にりっぱなものがあります。登録制をとりますれば、県等にはある程度これほど優秀なものでないものが登録されていこうかと思います。ちょっと補足さしていただきます。
○松本賢一君 それはわかりました。今度範囲を広げれば、火なわ式の場合よりもがらくたが多少ふえるのじゃないかということも想像できるのですが、それはそれとして、少なくとも突き詰めて言えば、さっき警察のほうからお答えがあったように、登録されないものについては、社会一般の風俗慣習上やむを得ないといったようなことについても、そこへはめ込んでいくよりほかにない。禁止、廃棄してしまえという命令を出すわけにもいきますまいしというような扱いになってしまうわけなんですね。そうだとすれば、なお一そうのこと、そういう取り締まりからはずして、文化財一本で扱うべきじゃないか。刀剣については、これはあれですよ、直ちに実用になると思いますから、これは考え方が違うと思うのですけれども、いまの古式銃砲については、私はやはりもうこの法律からはずしてしまうべきじゃないか、こう思うのですが、警察のほうでは……。
○政府委員(大津英男君) 先ほど申しました四条一項五号は、刀剣類についての風俗慣習上という規定でありまして、含めた意味での御質問というふうに私ちょっと考えましたために、刀剣類についてこの条文を引いたわけであります。銃砲関係につきましては、この条項は働らかないということでございます。
○松本賢一君 じゃ、どういうふうな扱いになりますか。
○政府委員(大津英男君) これは許可の対象にならないために、廃棄させる以外にない。あるいは第三条によります国または地方公共団体が公衆の観覧に供するために所持するというようなことで、博物館に納めて見てもらうというふうな、そういうようなことでございます。
○松本賢一君 それじゃますます穏やかじゃないな。いまのあれだとすれば、文化財として鑑定には落第したけれども、うちじゃおやじが大事にしておったのだから、大事に持っていきたいというようなものまで持てないようなことになるじゃないですか。それじゃますますもっておかしなことになると思うので、どうですか。
○政府委員(大津英男君) そういうのが持てないのでは困るという意味で、今度改正をしまして、火なわ式に限らず持てるようにしたい、こういうことでございます。
○松本賢一君 いや、だから、それでもやっぱり鑑定をするわけでしょう、文化財としての保護委員会としては。鑑定にはずれたものの話ですよ、私の言うのは。それがいまの慣習上家の宝だから持っているというわけにもいかないのだということになると、廃棄しなければならぬ。おやじが大事にしていたものをみすみす没収されるのはかなわぬじゃないかという問題も起こってきましょうし、何もかも明かるみに出てしまえばそういうことになりますからね。ですから、そういうものは取締法からはずしてしまうというのがやっぱり一番いい方法じゃないかと思いますがね。長官いかがですか。
○政府委員(江口俊男君) そういう御心配があればいまの刀剣に準じて、先ほど読み上げたところに、「慣習上」云々というところに銃砲も入れればそれは救われてくると思う。それから、おそらく新しくつくらない限り、火なわ式についても登録されないものは皆無だと、絶無に近いというお答えのようでございますから、今度ここに入れる管打式、あるいは何と言いましたか、火打石式ですか、そういうものも祖先伝来のものというものであれば、私はやはり火なわ式と同じような扱いになるのじゃないかと思うのです。だから、その登録されないものが皆無になるということは期待できるように思うのですが。
○松本賢一君 これね、そういうますます何の取締法の必要があるかということになってくるのだね、話を聞けば聞くほど。ですからね、私は、これはどうしてもこの際改正するのだから、改正する際に、文化財一本ということにするのがいいのじゃないかと思うのですよ。警察としても、よっぽどこじつけなければ、これは危険だということを説明できぬじゃないですか。だから、この際、私はそうすべきだと思うのですがね。また、もうこれで私は質問を打ち切りますが、ひとつ最後に長官どうですか。
○政府委員(宮地茂君) 私のほうから申し上げるのもおかしいかと思いますけれども、これみなたまを込めれば撃てますし、けっこう人も死にますので、そういう意味で、二条の定義にはどんぴしゃはまるものなんです。ですから、無理無理とにかく警察のごやっかいになりたいというのじゃございませんけれども、第三者的に申しましても、これは定義には該当するものだし、しかし、定義に該当するからといって、全く凶器としての武器のような扱いも困るということで、はなはだくどうございますが、必ずしも銃砲の専門ということじゃないのですが、美術工芸課長相当勉強しておりますので、ちょっと、何でございましたら、皆さんに説明さしていただけたらと思いますが。
○鈴木壽君 ちょっと、こういうことなんですか。いまの宮地さんのおっしゃるように、この法律第二条の、それからします「銃砲」というのは「金属性」のこういうものでと、こうありますね。そうすると、火打式なり、今度新たに登録の対象にしようとする火打式、管打式というのは銃砲の定義の中に入りますね。入るけれども、このままにしておけば、不法所持になる。そこで不法所持にしないように、やはり価値のあるものも――実用的にはともかく、価値のあるようなものもあるから、登録すればそれは持てる。しかし、それはいわゆる取り締まりの対象にならなくて――対象にならないというのはおかしいが、危険物としての、この法律のねらうような、そういうものじゃないけれども、一応そういう形、登録して文化財保護委員会のほうの登録によって持たすことができるんだと、そうすれば持っておったって、おまえけしからぬぞということにもなりませんしと、こういうことなんですか、そこの辺もう少し。前にもお話あったのですが、そこをもう一度ひとつ確かめたいと思います。
○政府委員(大津英男君) 鈴木先生のおっしゃるとおりでございます。文化財保護委員会のほうで、美術的価値あるいは骨とう的価値ということで判断いただければ、ほとんどの管打式、あるいはそういう火打式のものが登録されるだろうという判断を私どもは持っているわけでございます。
○鈴木壽君 それで、この登録の規則を見ますと、いまのところは火なわ銃のそれと、あと第二号に「前号に掲げるものに準ずる銃砲」と、こういうことがありますね。このいまの火打石式あるいは管打式というものは、この火なわ式の銃砲に準ずるものとして、あくまでこの規則の改正とかなんかはしないでそのままやれる、こういうのですか。それとも、あるいは今度は新しく規則をつくって、今度の新たに登録しようとする、そういうものについてのそういう規定を置くと、こういうことですか、そこら辺はどうですか。
○政府委員(宮地茂君) いま先生の御意見のございました点、銃砲刀剣類登録規則の四条の鑑定基準のことを引用されて御意見述べられたと思うのですが、そのところに、現在では「さきごめ式で火なわによって発火する」云々と、それから第二号のほうで、「前号に掲げるものに準ずる」と、こうありまして、私、詳しい知識を持ちませんが、いわゆるさきごめ式でない、もと込め、先から込めるのでなくて、もとから込める、先込めでない、もと込めというものが、今度相当あるのだそうでございます。したがいまして、前号に準ずるというだけでは読みにくいと思いますから、これは言いかえ規則でございますので、この規則改正はいたしたいと思っております。
○鈴木壽君 それから、そういうもので、鑑定のしようもいろいろあると思いますが、いままでのものからしますと、いわゆる何といいますかね、史料としての価値のあるもの、骨とう品としての価値のあるもの、これはいろいろ鑑定といいますか、判断といいますか、これはちょっと微妙なところがあると思うのですがね。そこで火打石式、管打式というもののほとんど全部は骨とう的な価値がある、あるいは史料としての価値があるのだということで、登録の対象になるというふうに、いま考えておられますか、あるいはまた、いや、その中でも、そうでないものもあるのだと、そういうようなことになりますか、そこら辺どうですか、いまの時点で予想しておられることとして。
○政府委員(宮地茂君) ほとんど全部が該当するものと思います。
○鈴木壽君 これは管打式ですね。
○説明員(松下隆章君) そうでございます。
○鈴木壽君 いま考えて見ると、あれですね、何かこういうものを野攻しにしておったということもおかしいという感じがしますね。
○加瀬完君 社会通念上、銃砲として使用するものでないものは、はずしちゃってもいいと思うんですよ。そういう考え方をとれないのは、どういうわけなんですか。もう一度申し上げますとね、こういうものを社会通念上、こっちのほうからたまを込めて、これを武器として使おうということは、社会通念上考えられませんわね。事務局長のおっしゃるように、込めればたまが出るというなら、そういうことを言うなら、先ほども、この前も私は申し上げたけど、てんびん棒だって人を殺せるし、針だって人を殺せるし、みんな武器になっちゃう。社会通念上、そういうものを使って殺傷したり何かするということはあり得ないというものは、この際全部警察庁で言う取り締まりの対象からは除いて、それを文化財として取り扱うか、あるいは文化財にたえないものは、個人で持っているものは自由だという形にしてしまっても、たいして暴力行為その他の取り締まりのほうに支障を来たすということはあるまい、こういう私どもは考え方を持っているわけです。
○政府委員(江口俊男君) この間からそういう御議論はたくさんあるわけでございますが、かりに銃砲であるかないかということを法律で社会通念上云々と書くかどうか。あるいは火打、管打あるいはいままで文化財保護委員会の登録の対象になっておったようなものを除くというように書くか、書き方はいろいろあると思いますが、ただ、そういう種類のものは社会通念上銃砲じゃないと観念した場合、新しくつくる――つくるばかがあるかどうかこれはわかりませんけれども、しかし、やはり人をおどすというような意味では私は役に立つと思います、そういうものでも。だから、そのほうの取り締まりというものをどうするかという問題にもう一度返ってくるのですね。骨とう的な価値がある、あるいは前からあるというものは全部登録される。だから、それは認めましょうということでしぼっておいて、それ以外のものをかりに新しくつくったら、この銃砲刀剣類のこれに当たるからこれは許可できないということになるのでございまして、こういう種類のものはよろしいということになれば、私はやはりおもちゃとしてつくるかどうかはそれは別として、やはりそういう形のものをつくってみたい、あるいは使ってみたいという余地が出てくるように私は思うのですが、その辺いかがでしょうか。
○加瀬完君 それは規則か何かで、たとえば百年以上経過して文化財的といいますか、骨という的価値しかないというふうなワクをはめたっていいでしょう。そのほうが取り締まりが簡潔にいくのじゃないかと思うのですよ。こういうものまで一々届け出をさして、拳銃があるとかないとかいうことを明らかにすれば、あそこに行けばこういう拳銃があると、わざわざ公表するようなものです。あれでも使えば使えるから、じゃ、あれを使おうということにも、逆に考えれば、なるかもしれない。
○松本賢一君 関連して。いまの長官のお話はちょっとおかしいと思うのですよ。われわれはこういう「古い」ということを条件につけるわけだから、古式だけじゃなしに、実際に何年以上につたというようなこともつけてもいいわけです。そういう除外例というか、何というか、一応いままで取り締ままりの対象になっていたのだから、これをはずす際には、この法律の中に、このものは除くのだということを示さなければならない。そういう場合に、そういう条件をつけておけば、新しくこしらえてまねをしてつくったら、それを持てるじゃないかというわけにはならぬと思う。だから、結局、いま現実にはおそらくたくさんやみにあると思うのです。そういうものを買っている人はたくさんある。だから、そういうものの違法性をはずすと同時に、いま言ったような、さっきの第五号ですか、五号にはめれば、といったような、そういう苦しい解釈をしなくてもいい。実際に危険性というものはもう常識上考えられないのですから、こういうものは除外してしまったほうがいいのじゃないかということを申し上げておるわけです。きょうはこのくらいにして……。
○委員長(天坊裕彦君) 本日の審査はこの程度にいたします。次回は、二月二十三日火曜日午前十時開会の予定でございます。
 それでは、これにて散会いたします。
   午後零時三十五分散会