第048回国会 地方行政委員会 第16号
昭和四十年三月二十三日(火曜日)
   午前十一時十二分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         天坊 裕彦君
    理 事
                竹中 恒夫君
                林  虎雄君
    委 員
                井川 伊平君
                斎藤  昇君
                高野 一夫君
                中野 文門君
                加瀬  完君
                鈴木  壽君
                松本 賢一君
                二宮 文造君
                市川 房枝君
   国務大臣
       自 治 大 臣  吉武 恵市君
   政府委員
       自治省財政局長  柴田  護君
       自治省税務局長  細郷 道一君
       消防庁長官    松村 清之君
       消防庁次長    川合  武君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣送
 付、予備審査)
○地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案
 (内閣提出)
○地方行政の改革に関する調査
 (昭和四十年度地方財政計画に関する件)
○参考人の出席要求に関する件
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○委員長(天坊裕彦君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 地方交付税法の一部を改正する法律案を議題といたします。提案理由の説明を願います。吉武自治大臣。
○国務大臣(吉武恵市君) ただいま議題となりました地方交付税法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨を御説明申し上げます。
 地方交付税の算定につきましては、逐年その合理化をはかってまいったのでありますが、明年度におきましては、道路整備事業をはじめとする公共事業費の増大、生活保護その他の社会保障制度の拡充、給与改定の平年度化その他制度の改正等により、地方団体の財政需要が増高いたしますので、地方財政の現況にかんがみ、地方交付税の率を引き上げ、地方交付税の総額の増加をはかるとともに、これらの増高する経費に対応する財源を関係地方団体に付与する必要があるのであります。
 以上がこの法律案を提出する理由であります。
 次に、この法律案の内容の要旨につきまして御説明申し上げます。
 その一は、地方交付税の率を引き上げることであります。国税三税に対する地方交付税の率は、昭和三十七年度以降百分の二十八・九とされておりますが、地方団体の財政需要の増高その他明年度の地方財政の状況を勘案いたしまして、昭和四十年度からこれを〇・六%引き上げて二十九・五%に改めることといたしたいのであります。
 その二は、地方交付税の総額の増加に伴い単位費用を改定し、基準財政需要額を増額することであります。
 まず道府県及び市町村を通じまして、道路整備事業等の公共事業費の地方負担額の増加に伴い増加する経費を基準財政需要額に算入するため、「道路費」等の関係費目の単位費用を引き上げ、二、生活保護基準の引き上げ等により増加する社会保障関係経費を基準財政需要額に算入するため、「生活保護費」等の関係費目の単位費用を引き上げるとともに、三、給与改定の平年度化等により増加する給与関係経費その他制度改正により増加する経費を基準財政需要額に算入するため、関係費目の単位費用を引き上げることとしたのであります。
 以上のほか、市町村分につきましては、昭和三十九年度に引き続き清掃関係経費を充実するため、「清掃費」の単位費用を引き上げるとともに、市町村民税減税補てん債の漸減に伴う弱小市町村の行政水準の低下を防ぐため、基準財政需要額に包括的に算入している投資的経費を増額することとし、市町村分の「その他の諸費」のうち人口を測定単位とするものの単位費用を引き上げることとしたのであります。
 なお、「労働費」のうち失業者数を測定単位とするものの数値の算定基礎は、失業者数となっているのでありますが、これが基準財政需要額を一そう合理的に算定するため失業対策事業に就労した失業者数に改めることとしています。
 その三は、基準税額等の算定の基礎に関することであります。宅地、田、畑、山林、原野及び牧場以外の土地については、これまで賃貸価格を基礎として基準財政収入額を算入していたのでありますが、新固定資産評価基準の実施に伴い、宅地等の場合と同様に一坪当たりの平均価格及びその地積を基礎として算定することに改めています。
 なお、今後測定単位の数値の補正方法を定めるのにあたりましては、まず都市的形態の度合いに応じて定められている態容補正係数については、従来に引き続きまして改正を行ない、弱小市町村にかかる経費の割り落としを緩和することによって、市町村間の格差をさらに縮小してまいる所在であります。また、隔遠地にあるために増高する財政需要を算入するための補正を充実することとするほか、「道路費」等の交通量に応ずる密度補正も強化したいと考えています。
 以上が地方交付税法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(天坊裕彦君) 本案についての質疑は後日に譲りたいと存じます。
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○委員長(天坊裕彦君) 次に、地方税法の一部を改正する法律案を議題といたします。提案理由の説明を願います。吉武自治大臣。
○国務大臣(吉武恵市君) ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案について、その提案の理由とその内容の大要を御説明申し上げます。
 地方税につきましては、最近の数次にわたる改正により住民負担の軽減合理化をはかってまいったのでありますが、ことに本年度におきましては、市町村民税、電気ガス税等について大幅な税制の改正を行なったのでありまして、このうち市町村民税所得割の負担の不均衡是正につきましては、明年度においても本年度に引き続き実施されることとなっているのであります。他方、明年度の地方財政の状況を見ますと、国庫予算の増加に伴う公共施設の充実、社会保障の拡充等のための負担の増加、地方公務員の給与改定に伴う給与費の増加等によりまして、予期される地方税及び地方交付税の自然増収をもってしても、これをまかなうのに十分でない現況にありまして、別途、地方交付税率の引き上げを提案いたしているような次第であります。したがいまして、明年度の地方税制の改正にあたりましては、ただいま述べましたような実情を考慮いたしまして、個人事業税の事業主控除額の引き上げ、電気ガス税の免税点の引き上げ等、主として中小所得者の負担の軽減をはかり、あわせて自動車税及び軽自動車税の負担の合理化をはかることを中心として、所要の改正を行なうこととしたのであります。
 以下順を追って、地方税制の改正の概要について御説明申し上げます。
 第一は道府県民税及び市町村民税についてであります。まず、個人の道府県民税及び市町村民税におきましては、障害者、未成年者、老年者または寡婦についての非課税の範囲を年所得二十二万円までに拡大いたすこととしております。
 次に、法人の道府県民税及び市町村民税でありますが、明年度の法人税法の改正におきまして法人税の税率の引き下げを行なうこととされておりますが、これによります法人税割の減収を回避するため、道府県民税法人税割の標準税率を百分の五・五に、市町村民税法人税割の標準税率を百分の八・四にそれぞれ改定いたすことにいたしました。
 第二は事業税についてであります。事業税におきましては、個人事業者の負担の軽減をはかるため、個人事業税の事業主控除額を二十四万円に引き上げました。
 第三は不動産取得税についてであります。不動産取得税におきましては、日本住宅公団の担保不動産の再取得について非課税とし、また、中小企業の集団化、近代化を行なう事業協同組合等に対する税の免除の規定の合理化をはかる改正を行なっております。
 第四は娯楽施設利用税についてであります。娯楽施設利用税におきましては、近時におけるボーリング場の急速な普及にかんがみまして、すでに各道府県において課税をいたしておりますボーリング場を法定課税対象施設に加えることといたしております。
 第五は自動車税についてであります。近年、自動車台数の増加は著しく、これに伴って、道路の新設改良等直接道路に関する経費のほか、交通取り締まり等自動車の増加に原因する行政経費が著しく増加していることなど、現行の自動車税率が定められた後における諸事情を勘案し、また、その反面、国民の生計費等に与える影響をも考慮し、営業用小型自動車、観光貸し切り用バス以外のバス、トラックを除きまして、その他の自動車につき今般自動車税の税率を五〇%引き上げることにいたしました。
 なお、これと同じ趣旨により、四輪以上の乗用軽自動車につきまして、軽自動車税の税率を同じように引き上げることといたしました。
 また、自動車税の納税の手続きにつきまして、その簡素合理化をはをるため、自動車の新規登録等の際に証紙徴収の方法によって納付する制度等を設けることにいたしております。
 第六は固定資産税についてであります。固定資産税につきましては、地盤沈下の防止のために工業用水法の規定に基づき新設した工業用水道または水道への強制転換施設について固定資産税を課さないものとする等、非課税規定について所要の合理化を行なうことといたしました。
 次に、都市交通の緩和を促進するため、都市計画区域内において施行する道路その他の公共事業等により必要を生じた路線の地下移設または高架移設のために新たに敷設した構築物の課税標準について、取得後最初の五年度問は三分の一の額、その後の五年度間は三分の二の額とする特例を設け、また、新規営業路線について認められている現行の課税標準の特例の適用範囲についても、軌道の中心間隔を拡張するために新たに敷設した構築物を加えることとして、負担の軽減を行なうことにいたしております。
 さらに、大規模償却資産に対する市町村の課税限度額について、現行規定制定後十年間の市町村の財政事情の推移、経済発展の実態等を勘案して、道府県及び市町村間の税源配分を合理化するため市町村の人口段階の区分に応じて定められている課税定額を増額するとともに、課税定額を増額する場合の前年度の基準財政需要額に乗ずべき財源保障率を百分の百四十に引き上げ、これに伴い新設大規模償却資産にかかる財源保障率について所要の改正を行なうことといたしております。
 第七は電気ガス税についてであります。電気ガス税につきましては、零細負担の軽減合理化をはかるため、免税点を電気については月額四百円、ガスについては月額五百円に引き上げることといたしました。
 次に、産業用電気ガスにつきまして、新たに溶接フラックス等四品目の製造に直接使用する電気を非課税とし、現在非課税とされているプロピレングリコール等五品目の製造に直接使用する電気に課税することとする等、非課税規定の整理合理化をはかるとともに、発電のために直接使用するガス及びガス事業者がガス製造のために直接使用する電気についても非課税とすることといたしました。
 以上のほか、国税の所得税法及び法人税法の全文改正に伴う関係規定の整備その他税制の合理化のための規定の整備を行なっております。
 以上地方税制の改正につきまして概要を御説明申し上げましたが、これに伴う増減収額は、国税改正による影響分を含めまして初年度であります昭和四十年度におきましては、個人の住民税におきまして一億円の減、法人住民税におきまして三億円の増、個人の事業税におきまして十三億円の減、法人の事業税におきまして十二億円の増、自動車税及び軽自動車税におきまして九十四億円の増、固定資産税につきまして一億円の減、電気ガス税におきまして十四億円の減となっておりまして、初年度におきまして総額八十億円の増となり、平年度におきましては五十億円の増となるのであります。なお、別途昭和三十九年度の改正により昭和四十年度に実質減税となるものとして初年度住民税二百三十億円、固定資産税三十億円、合計二百六十億円、平年度総額二百八十億円がありますので、これを通算いたしますと、昭和四十年度の実質的な住民負担といたしましては、初年度百八十億円、平年度二百三十億円の減税が行なわれることとなるのであります。
 以上が地方税法の一部を改正する法律案の提案理由及びその大要であります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(天坊裕彦君) 続いて、補足説明を願います。細郷税務局、長。
○政府委員(細郷道一君) お手元にお配りしてございます新旧対照表があると思います、そのとじてある中に。それについて、その順序で一応御説明申し上げます。
 今度の改正では、条文の数は非常に多うございますが、国税の所得税、法人税が全文改正になりましたので、それを地方税法の面に引用しております部分を改定をいたしております。そういう、いわば条文の整理に当たるところが非常に大きな部分を占めております。したがいまして、実質的な改正の部分について御説明をいたしたいと思います。
 一ページ、二ページ、最初のほうはずっとそういった条文あるいは規定の整備でございまして、五ページでございます。五ページの二十四条の五、これが先ほど提案理由にもございましたように「道府県民税の非課税の範囲」といたしまして、「障害者、未成年者、老年者又は寡婦」、それらにつきまして、前年中の所得が従来二十万円以下のものであったものを今回二十二万円に引き上げることにいたしたものであります。これは生活保護基準の扶助基準の引き上げ等を勘案いたしたものでございます。
 それから、めくりまして六ページの三十四条に、「所得控除」というのがございます。住民税の所得控除のうち、生命保険の範囲につきまして所得税において改正が行なわれまして――これは去年の改正でございますが――それに今年合わせたものでございます。
 それから五十一条、七ページの終わりのほうですが、「法人税割の税率」、これは道府県民税、法人税割の標準税率を、従来の百分の五・四から五・五、したがって、制限税率も百分の六・五から六・六に改定をいたしております。これは市町村、府県を通じて法人税割について税率の調整をいたしたものでございます。御承知のように法人税が減税になりますので、そのままにしておきますと自動的に法人税割が減るわけでございます。法人税額を課税標準にしております関係上、住民税、法人税制につきましては、従来どおりの税負担をお願いする意味において、税率の調整、改定をいたしたものでございます。
 それから八ページの五十二条、これは「法人等の道府県民税の申告納付」の規定でございます。これは主として法人税法の改正に伴います改定をいたしたものでございますが、内容的に実体的な面がございますのは、一つは法人税におきまして、今回中間申告をいたします際に、税額が二万五千円以下の場合には中間申告を省略できるようになりました。したがいまして、税制につきましても同様の措置をいたしたい。いわば申告手続の簡素化をはかっておるわけでございます。なお、新設の法人は六カ月後に中間申告をすることになっておりましたが、これを法人税におきましても同様に、この法人税割につきましても法人税同様に、省略ができるように改正になっております。このほかの点は大体従来どおりの内容でございます。
 それからずっと県民税のところは、いまの条文の関係、事業税に入りましても同様でございます。
 十六ページの最後の「法人の事業税の課税標準の算定の方法」、第七十二条の十四というのがございます。これも条文が動いておりますが、法人事業税の課税標準の算定方法は従来どおりでございます。
 それから十七ページの最後に、七十二条の十八、これは個人事業税の事業主控除を二十二万円から二十四万円に引き上げようとするものでございます。この一年間におきます物価の伸び等を勘案いたしまして、二万円の引き上げをいたすわけでございます。
 それからずっとあと、事業税につきましては、先ほど申し上げた法人関係の規定の整備でございまして、法人税割のところで申し上げたのと内容的に同じものが大部分でございます。
 ずっとまいりまして、三十ページの七十二条の五十五、ここで、個人が年の途中で廃業等をいたしました際の申告の期間が、従来一カ月でございました。本人が死亡しておる場合には、申告の時期を四カ月延ばすという改正でございます。
 それから、次から不動産取得税に入りますが、七十三条の七、三十一ページでございます。ここでは住宅公団が長期年賦で住宅を譲る、個人に譲るといった場合には、その住宅自体を担保に取るわけでございますが、個人がお金を払えなくて、その担保を取り戻されるという場合には、住宅公団が取り戻す取得行為がございます。それについては非課税にするということでございまして、住宅金融公庫に現在そういう規定があるのとのバランスをとったものでございます。
 それから三十二ページの七十三条の二十七の五でございます。これは、従来から中小企業近代化資金助成法による事業協同組合が融資を受けましたときは、それによってできます不動産に対する不動産取得税、組合の取得する不動産の取得税を免除するようになっております。組合が一回取得をして、さらに各個人がもう一回取得がございますので、二重にならないように、組合のほうの取得を非課税にしておるのでございます。その対象となります組合に、商業近代化計画による計画組合というものが対象となる組合に新たに入りました。それから、従来組合から個人に渡ります間の期間が三年でございましたのを今度は五年に延ばす。いずれも中小企業近代化資金助成法の改正に伴って、こちらも改正をいたしたいと、かように考えております。
 それから次の七十三条の二十八の二は、住宅公団が長期の分譲住宅をいたしますときの取得の時期について明確にいたしたものでございます。
 それから七十五条、三十三ページでございますが、娯楽施設利用税につきまして、ボーリング場を法定いたしました。従来は、現行法の七十五条の六号というのに、「前各号に掲げる施設以外の娯楽施設で道府県の条例で定めるもの」、これによって各県で条例で定めて、ボーリングにこの税を課税をいたしております。これは非常に全国的に普及をしてまいりましたので、今回一々県で条例で定めなくてもいけるように法定をいたしたものでございます。
 それから次の七十八条は、その場合の税率を七十五条の条文の整理に伴って改定をいたしたわけであります。ボーリングにつきましては、利用料金の一〇%の課税、ただ利用料金に対する課税方法のほかに、外形課税と申しまして、一台幾らというような外形課税方式も現行法上認められております。したがいまして、今回ボーリング場をここに法定をいたしましても、課税方式については現行どおりの方法が認められるということでございます。
 それから次の百四十七条は、自動車税の標準税率でございます。現在の税率は昭和二十九年に定められたものでございますが、その後十年の間に国民の所得も二・七六倍に上がっております。一方自動車自体は、道路を使う特殊な固定資産として非常にその機能価値を高めておるわけであります。したがいまして、今回五割の引き上げをいたすものでございます。ただ、物価とか国民生活に非常に影響のあると認められる車種、トラックあるいは一般バスあるいは営業用の小型自動車等につきましては、これを除外をいたしております。
 それから三十五ページの百五十条は、自動車税につきまして証紙徴収をする道を開いたものであります。御承知のとおり自動車税は年税ではございますが、月割りの課税をいたしておりまして、年の中途で取得をいたしますとその翌月から。廃車をすればその翌月からかからない。あるいは所有者が移転をしてもそういう区分をしておるのでありまするが、それらの場合につきまして、新規取得あるいは他県に移った場合は、その最初の取得のときにその期の分を証紙徴収できる方法に改めたい、かように考えまして、そういう改正をいたしております。これによって非常に徴税側も納税者側も手続が簡素化されるものと期待しております。
 それから三十八ページの第百八十条、鉱区税でございますが、鉱区税につきましては、砂鉱法の廃止によりまして砂鉱区の登録のしかたが面積一本に変わりましたので、それに伴う改正をいたしてございます。
 それから三十九ページ以後は市町村民税でありますが、これは県民税で申し上げたのと内容的に同じであります。すなわち、四十ページの二百九十五条は寡婦、障害者等の非課税の範囲の引き上げ、それから三百十四条の二は所得控除と生命保険の範囲、それから四十二ページの三百十四条の六は法人税割の税率、それから四十三ページ、三百二十一条の八は法人の申告納付手続、ずっと県民税で申し上げましたのと内容的に同じでございます。
 それから四十九ページ、三百四十二条、固定資産税でございます。公有水面埋立法によりまして埋め立てをいたしますと、その竣工認可の前に埋め立ての免許を受けた者が使用する場合がございます。その場合に固定資産税を課税する。これは、現行であるわけであります。最近、その免許権者が自分で使わないで、さらに工場等に貸して使わせるという場合も、同じような均衡をとる意味で課税できるように条文を改めることでございます。
 それから三百四十八条、五十ページでありますが、三百四十八条の六の六というのがございますが、地盤沈下対策として、工業用水法によりまして従来の井戸を禁止されて水道をとらなければいけないという場合の、施設についての固定資産税、これを非課税にいたすものでございます。それから二十四号は漁協等の持っております燃料タンクについての非課税。
 それから五十一ページ三百四十九条の三、これでは、先ほど提案理由にもありましたように、地方鉄軌道の軌道の中心間隔を広げた場合、上り線と下り線の間を広げた場合を新設並みに課税標準の特例で扱うということでございます。それから五十二ページの十八項が、やはり私鉄につきまして都市計画上の必要から地下にトンネルを掘ったりあるいは高架にしたりする場合について課税標準の特例を設けるものでございます。
 それから三百四十九条の四は、大規模償却資産に対する市町村の課税限度額を引き上げるものでありまして、その左側の表が課税定額を引き上げるものであります。人口五千人未満について現行は二億でありますが、今度三億に引き上げる、五万以上になりますと、いままでは六億五千であったのが十億円になると、こういうことでございます、五十四ページの第二項が、前年の基準財政需要額にかける率を百分の百三十から百四十に引き上げる、それだけ地元の市町村に県から財源がいくようにいたすものであります。
 それから五十六ページ四百四十四条は、軽自動車税のうち四輪以上の乗用軽自動車についての税率の改正規定であります。
 それから次の四百八十九条は、電気ガス税についての非課税品目についての規定の改正であります。従来からの基準によりまして整理をいたしたものでございます。それから五十八ページの上の三項でありますが、電気あるいはガスの事業者が発電あるいはガス製造のために使う電気についてはガス、ガスについては電気を非課税とするものでございます。それから六項は、農協等の共同利用施設において、蚕の共同飼育等をいたします場合の電気ガス税の非課税。それから七項、八項は、漁協等の持っております冷蔵冷凍倉庫についての非課税、こういうことでございます。
 それから、六十ページの四百九十条の二は、電気ガス税の免税点、電気につきましては月四百円、ガスについては五百円、従来それぞれ三百円であったものを引き上げるということであります。
 それから附則にいきまして、六十三ページ四十七項及び四十九項、これはそれぞれ今回租税特別措置法によって五万以上の配当について源泉選択制度ができておりますので、その条文は住民税に適用しないように排除をする規定でございます。
 大体以上簡単でございましたが、御説明を終わります。
○委員長(天坊裕彦君) 本案に対する質疑は少しあとに回します。
    ―――――――――――――
○委員長(天坊裕彦君) 消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 御質疑の方は順次御発言を願います。
○二宮文造君 消防法の改正などにつきまして若干お伺いしておきたいのですが、まず最初に、こまかい問題ですが、条文第四条の二ですが、今度の改正で、市町村長を抜いているのですが、これはどういう意味ですか。
○政府委員(松村清之君) これは第三条の改正でもって、この消防長の中に、カッコいたしまして「消防本部を置かない市町村においては、市町村長。以下同じ」と、これで整理してあるわけでございます。
○二宮文造君 それを受けるわけですね。
○政府委員(松村清之君) はい。
○二宮文造君 次に十条の第二項ですが、どうも私、条文を見てみますと、何か現行法のほうが、えらくはっきりしているような感じがするのですが、たとえば現行法では「危険物で別表に掲げる類を異にするものは、これを同一の貯蔵所」云々とこうなっているのですが、改正のほうは足して二で割って、その和が一になる、こういうふうな改正の条文ですが、非常に難解なようなんですが、こういうふうに分ける理由はどういうところにあるのですか。
○政府委員(松村清之君) 現行法でございますと、この数量のいかんにかかわりまぜず、類の別を異にする危険物を、同じ部屋に貯蔵する、取り扱うということを禁じておるわけでございますが、これは現実の事情を考えますると、これはやはりそういうふうに一律にやることは適当でなくて、やはり今回の改正のように類の別を異にするものの数量を合わせて一定の数量に達した場合にだけ規制をする。このほうが現状に合うと、こういうふうに従来の経験から考えまして、実情に即するように改正しようということでございます。
○二宮文造君 考えようによりますと、今度の消防法の改正は、最近に頻発しているいわゆる危険物ですね、それの取り扱いをもっと厳正にしていこうというふうな意図を含めた今度の改正と承知しているのですが、これは考えようによっては、緩和規定のようにもなるわけですね、実情に即したと、こうは言われても。むしろ現行法のほうが、改正の趣旨からいえば、その意図が十分徹底するんじゃないかというふうに感ずるのですが、もう少しお伺いします。
○政府委員(松村清之君) 今回の改正は、お話のように危険物の規制を強化するということが主でございますけれども、しかし、従来の経験に徴しまして、やはり実情に即して改正するということは、おっしゃるように見方によりましては緩和するということに相なるかとも思いまするけれども、従来のいろいろな経験から、そうしたほうが危険物規制の法規の運用上適当だ、こういうふうに考えまして、一部ことばの上で緩和と申しまするか、そういう形になったところもあるのでございます。
○二宮文造君 じゃ、その種類については、何か競合する部面ですね、それが両方置かれれば非常に危険であるとかなんとかという場合には、特に政令か何かで禁止規定があるのですか。
○政府委員(松村清之君) これは政令等で技術上の基準を設ける、それに基づいて危険のないように指導を徹底してまいりたいと考えております。
○二宮文造君 次に、十四条の問題ですが、これは法律を見ますと三十四年の改正の部分だと思うのですが、その当時、映写技術者試験、あるいは映写技術者制度というものを立てられた趣旨はどこに置かれて、そういうような取り扱いをされたか伺いたいのですが。
○政府委員(松村清之君) 当時におきましては緩燃性でないフィルムが相当出回っておりましたので、その危険を防止するために現行法のような規定を設けたのでございます。
○二宮文造君 そうしますと、今度の改正で、いわゆる映写技術者免状というものは全部廃止されるということになりますか。
○政府委員(松村清之君) 今日のフィルムの状況からいたしまして必要性を認めませんし、また、臨時行政調査会の答申におきましても、いろいろ調査の結果、この廃止を妥当とするという答申でございますので、その答申を尊重いたしまして、こういう改正をいたした次第でございます。
○二宮文造君 そうしますと、別に総理府令か何かで映写室の防火設備ということを規定されておりましたが、その面についてもその政令を廃止されるわけですか。
○政府委員(松村清之君) これはフィルムと違いまして映写室の構造の問題でございますので、防火の見地から、従前どおり規制をいたしてまいりたいと思います。
○二宮文造君 そうすると、その規定を受ける消防法の規定は何条になるんですか。
○政府委員(松村清之君) これは消防法の十五条でございます。
○二宮文造君 そうしますと、社会通念では映画館というのは非常に火災の発生しやすい場所というような考え方でいままできたんですが、今後は、映画館などの規制は、一般の興行場並みにお取り扱いになるわけですか。
○政府委員(松村清之君) これは消防法の十七条等が主でございますが、興行場として多数の人の出入りする場所ということで規制をしてまいりたいと考えます。
○二宮文造君 ちょっと飛んだんですが、十三条の規定で、危険物取扱主任者を定めて、その危険物の取り扱い作業の保安監督をさせるという、これは従来の現行法ですが、今度十四条の改正で、危険物施設保安員を定めると、そうしますと、これは一方は物の取り扱い、それから一方はその防火施設などに対して新たに保安員の制度を設ける、こういうふうに了解してよろしいですか。
○政府委員(松村清之君) 危険物取扱主任者というほうは施設作業、そういうものを含めた指導的管理的立場に立って保安の仕事をやるというふうにお考えいただいて、その危険物取扱主任者の仕事の一部として、施設自体から生じます危険を排除しますいろいろな仕事をやる施設保安員を設ける、こういう関係に御了解願いたいと思います。
○二宮文造君 そうしますと、この危険物施設保安員というものの資格ですね、それはどこでお取り扱いになるんですか、資格の認定並びに教育など。
○政府委員(川合武君) 端的に申しますと、施設保安員は、特別に私のほうから資格を定めておりませんで、工場の判断によりまして適当な人間を定めまして、この命令で定めますような仕事をやる、こういうことでございます。
○二宮文造君 そうしますと、あらためて十四条で危険物施設保安員を定めるという制度を開いてみても、それに対して規制とかそういう資格のことについて別段の定めがなければ、これはちょっと空文にひとしくなるんじゃないかと思うんですがどうでしょうか。
○政府委員(川合武君) われわれのほうで特に資格を定めませんが、工場の貯蔵所取扱者等でございますが、たとえば、工場におきましてそういう施設保安員という特定したものをきめなければならぬ、そうしてその者がこういう施設を、構造設備の面から点検整備をしなければならないということを義務づけましたわけでございまして、われわれのほうで特に危険物取扱主任者のような資格を定めませんでも、この保安の目的を達し得るというふうに考えておる次第でございます。
○二宮文造君 考えようによりますと、この規定は、危険物取扱主任者の責任をカバーするようなそういう考え方も出るんじゃないかと思うんですが、この点はどうでしょう。
○政府委員(川合武君) 危険物取扱主任者が、多少余談になりまして恐縮でございますが、従来の法律の定めでございますと、非常に全体的な管理の責任を持っておりますが、同時に、これは抽象的な感がいたしたわけでございます。そこで、十三条で御指摘のように「命令で定めるところにより」ということで、危険物取り扱い者の仕事の範囲を、この際明らかにしたほうがいいんじゃないか、また同時に、関連はいたしますけれども、保安員というものを定めまして、その保安員の仕事も定めたほうがいいのではないか、危険物取扱者のほうが資格も定めておるものでございますし、いわば上下ということをしいて申しますれば、上になるのでございますが、両者の仕事の業務の範囲をそれぞれ明確にしておるわけでございます。しかも、施設保安員の場合は、これはおもにと申しますか、現実といたしましては複数でございまして、はっきりと工場の中のそういう人間を定めまして、そういう仕事をさせるということでもって、この法は目的を達し得のではないか、こういうふうに考えているわけでございます。
○二宮文造君 次に、十四条の三ですけれども、これは確かに一つの前進でして、「当該事業所に自衛消防組織を置かなければならない。」、この自衛消防組織の、何といいますか、大きさとが、それから行動とか、責任とかというものは、やはり政令で定めるわけですか。
○政府委員(松村清之君) そのとおりでございます。
○二宮文造君 そうすると、これは強制規定になるわけですね。
○政府委員(松村清之君) そのとおりでございます。
○二宮文造君 大体条文については以上のような点ですけれども、ここでもう一つ伺っておきたいことは、いわば、いま危険物を取り扱う工場が全国各地に分散――分散といいますか、新設されているわけです。たとえばすぐ思い出すのが新潟の地震のときですが、もしあそこに昭和石油がなければ、付近の住宅のほうは類焼を免れた。で、火災保険では、あれは地震による災害ですから、火災保険は受けられない。どうも企業の進出によって、住民が危険を負担するといいますか、住民が火災の危険に脅かされている、結局その賠償もされないし、かわいそうな立場にあるのじゃないかと思うのですがね。新潟地震の場合は、やっぱり伝えられたように、火災保険の適用は受けなかったわけでしょう。
○政府委員(松村清之君) 新潟地震の昭和石油の火災による民家の類焼につきましては、この火災の発生が二つに分かれておるのでございます。第一の火災は、これはまさしく地震を原因とすることが明確でございますので、これによりまする部分は、仰せのごとく保険の対象になりませんが、第二の火災については、いまその当事者間でいろいろ検討が加えられておりまして、その点が明確になっておりません。これはおそらく幾ら検討してもその火災の原因が何であるかということは不明確のままになると思いますが、その場合に、それが保険の対象になるかならないかということは、これは私どもの所管でなく、大蔵省、保険業界の問題でございますので、この点はひとつ省きたいと思いますが、なお、現地におきましては、これは私も当時現地の本部長として参っておったのでございますが、この昭和石油から類焼された方々に対しましては、当時たしか五千万円の金を会社から給付したように私記憶いたしております。
○二宮文造君 今度の改正も、ここに提案理由の説明にありますように、危険物施設には施設保安員を置かす、あるいは「火災の危険を排除すべく予防規程の作成を義務づける」、さらに「一定規模以上の危険物施設の所有者には自衛消防組織を置かせる」と、いわゆる予防手段についての規定を一歩前進されたわけですが、今度は実際の問題から考えてみますと、そういうふうな工場の進出にあたっては、付近の住民に迷惑をかけないと、こういうふうな規定――まあたとえば賠償の責任とか、それからまた施設に一定の間隔を置かなければならないとか――そういうふうな規定をもって住民の生活を守るというふうなことも、消防の範囲として考えなければならないのじゃないかと思うのです。その点はどうですか。
○政府委員(松村清之君) ただいまお話しの、前の賠償の問題は、これは消防として取り扱う筋のものでないかと思いますが、あとの施設の位置、民家からの距離、こういった問題につきましては、すでに現行の政令でもって距離等がきめられてあるわけでございまして、これは今後も実情に応じてその政令を検討改正して、民家に危険の及ばないようにやっていくべき事柄であると思います。
○二宮文造君 そうしますと、従来そういうふうな規定があったにもかかわらず、昭石のような事件があって民家が類焼したということになりますと、その範囲も改正を加えなければならないと思うのですが、その点、検討されておりますか。
○政府委員(松村清之君) 実は、これはいま申しましたように、政令の事項でございますが、その点につきましては、この法律の改正とあわせて現在検討中でございます。
○二宮文造君 以上で……。
○委員長(天坊裕彦君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にいたしたいと存じます。
    ―――――――――――――
○委員長(天坊裕彦君) それでは、先ほど説明を聴取いたしました地方税法の一部を改正する法律案及び昭和四十年度地方財政計画に関する件を一括して議題といたします。御質疑の方は順次御発言を願います。
○林虎雄君 地方税法の一部を改正する法律案についてお尋ねしたいわけですが、その前提として、地方税法改正と密接な関係を持っております昭和四十年度の地方財政計画について若干お尋ねをいたしたいと思います。
 地方財政計画の適否については、地方財政の確立に大きな関係があると思いますので、計画の適正化といいますか、そういう点については、われわれも大いに協力いたしたい考えで、そういう意味でお尋ねをいたしますので、自治省の御所見を十分に承りたいと思います。
 この地方財政計画というものは、たしか昭和二十三年の地方財政法制定以来、地方財政の全体の規模を推計するというために毎年つくられまして国会に報告するということになっていると記憶するわけでありますが、最初にお尋ねしたいことは、あまり前のことはともかくとしまして、ここ数カ年の間の地方財政計画と地方公共団体の決算との関係ですね。まあ決算のほうが当然額が大きくなりますが、その対比といいますか、その関係はどんな結果になっているか。もちろん台風やその他の災害等というふうな不測の追加損とかありますので、的確に把握はできがたい面もあろうかと思いますけれども、地方財政計画と決算との数字の開きというものがどんな推移をたどっておるかという点をお尋ねしたいと思います。もっとも、三十七年度の計画と決算との開きは、三十九年度版の地方財政の現状というものにありますけれども、その前の数カ年の若干の傾向が、もしわかれば承りたいし、それから三十八年度の状況を資料として提出願えるか、地方財政の現況というものをいつ発表になるか、この点、最初に承りたいと思います。
○政府委員(柴田護君) 財政計画というものが国会に提出され、報告されておりますのは、正確には昭和二十五年地方財政平衡交付金制度がとられまして以来でございます。それまでは単なるほんとうの参考資料で、地方財政の全体の規模を推計をいたしておった時代が二、三年ございます。昭和二十五年から地方財政計画という形でもって、その策定を通じまして平衡交付金の総額をはじき出しておったと、こういうことになってまいります。昭和二十九年に、交付税法ができましてから交付税法第七条の規定に基づく書類の、いわばアウトラインといったような、概要といったような形でもって国会に報告されております。お尋ねの昭和三十五年度からの変化でございますが、昭和三十五年度財政計画と決算との純計の差額では三千八百六十七億というのが差額でございます。これを年度途中に行なわれました給与改定を計算に入れまして修正をいたしますと、その差額が三千十四億になります。一番大きいものは投資的経費の差額が千二百二十四億、それから一般行政費の差額が八百二十四億、給与関係経費が四百四十一億となっております。これが三十六年にはその差額が、修正前で四千七百八十四億、修正後におきまして三千六百九十一億、その開きの中身は給与関係で五百三十六億、一般行政で千百八十五億、投資的経費で千三百二十八億ということになり、この辺から繰り出し金が出てまいります。繰り出し金が四百十五億、財政計画には繰り出し金は入っておりませんが、繰り出し金が四百十五億ということになっております。三十七年度はこの差がさらに開きまして、修正前で六千二十四億円、それから修正後で五千四百六十五億円、その差のおもなものは投資的経費が二千四百七十八億円、一般行政費が千四百五億円、給与関係経費が九百三十億円、繰り出し金が四百八十七億円ということになっております。これが大体おもなものでございますが、三十八年度では大体ネットで六千七百五十二億円、修正いたしました後で五千七百十三億円、中身は一般行政費が千六百六十二億円、投資的経費が千七百七十億円、給与関係が千四百二十八億円、繰り出し金が五百八十億円という形になっております。漸次、三十七年度を契機として、財政計画と決算との差が縮まってくるような傾向を見せ始めておりますのと、投資的経費の差が非常に縮まってきておる、これは単独事業の額が三十八年度決算では伸びが非常に悪くなっております。それと反射的に、給与関係経費の開きが大きくなってきている。こういうような傾向を示しております。
○林虎雄君 そこで、地方財政計画の性質というものは一体何かということについて伺いたいわけであります。この点については、この委員会をはじめ、いろいろの場所で議論というか意見が取りかわされておりますが、自治省側の説明が常に一貫しているとはいえないような感じがいたすわけであります。地方交付税法に規定いたします第七条でありますか、翌年度の歳入歳出総額の見込み額ということになっていますが、この見込み額という点について、自治省側の説明では、いままで三通りの解釈が行なわれているようであります。最初、交付税法の第七条の見込み額そのものであるという解釈、それからその次は、見込み額の説明であるというような答弁、それからさらに、見込み額の一部であるというように、まあ、このニュアンスが違っておるような印象を受けるわけですが、この点、もう一度はっきり見解をお聞きいたしたいわけです。
○政府委員(柴田護君) いろいろの人がいろいろのことを言っておりますことは事実でございまして、中には個人的な見解もあろうと思いますが、私の記憶では、平衡交付金を算定いたしましたころからの地方財政計画の考え方というものを今日までそのまま踏襲をしてきておる。つまり、標準的な計算で経費を算定し、標準的な計算で収入を対比をして、そしてその相互間の財源の過不足を算定をして必要な措置を講じていく、こういう見通しの前提として最初は描くわけでございますけれども、でき上がったものは、そうして講ぜられた措置を含めまして、その年度の、単年度の地方財政収支の全体の姿を描き出す。それはまさに地方交付税法の条七条に規定しております要件の概要と申していいものだろう、こういうように思っておるわけでございます。で、交付税法ができましたときに、あの規定をはずしてしまえという意見も実はあったのでございますけれども、やはり地方財政全体の運営指導に当たります上において、標準的な規模における歳出入の姿というものを示すことは意義があるということから、存置されて今日に至っておるのでございまして、その間あるいは個人的見解ではいろいろ表現に微妙な相違があるかもしれませんけれども、役所としての考え方といたしましては、一貫してそういう態度をとってまいっておるつもりでございます。
○林虎雄君 そこでこの四十年度の地方財政計画が発表されたわけでありますが、また説明もいただいたわけでありますが、従来の計画に比べて、その計画の立て方について何か改善を加えたという点がありますかどうですか。もし従来よりも何か目新しい改善を加えたという点がありましたら、その点を具体的に承りたいと思います。
○政府委員(柴田護君) 大きく申しまして、四十年度全体は経済の見通しも従来に比べまして伸びが悪うございます。国庫の財源も地方自体の財源も、したがって非常に苦しい。こういう状態でございますので、私どもといたしましては、現在の地方財政計画で満足はいたしておりませんし、なおいろいろと合理化すべき点が残されておることもよく知っておるのでございますけれども、なかなか思うように合理化が進まない。しかし、その乏しい財源の中でございますけれども、できるだけ問題を明確にするような意味合いもありまして、合理化を多少はやったつもりであります。一つは、この前御説明申し上げたと思いますが、給与関係の経費について、給与実態調査の結果に基づく再算定を行ないました。第二点といたしましては、公債費の計算で、従来地方債計画のワク外に置かれておりました地方債についての公債費というものをはずしておりました。これはやはり義務的な経費でございますので、この大部分を公債費の中に算入をしてまいりました。第三点は、特別会計との関係で、これはまあ最終的には公営企業制度調査会の御答申を得た上で明確な措置をとりたいと思っておりますけれども、できるだけ特別会計と一般会計との関係の合理化という観点から、特に準公営企業でございます下水とか病院とかというものに対する繰り出し金あるいは公営企業に対しまする出資金というものにつきまして、これを財政計画の中に明確にいたしてまいったことでございます。第四点といたしましては、単独事業でございますが、単独事業というものの認識がなかなか世間にわかってもらえない、ということは、どんぶり勘定みたいなかっこうで進んでまいりましたのが一つの原因でございますが、最近におきましてはどうしても長期計画といったものがいろいろ出てまいる、その中には単独事業というものがいろいろな形で入ってきております。したがって、そういう関連を明確にする必要もございますし、また地方自身といたしましても、計画的な投資的事業の執行ということを確保してやる必要もありますので、単独事業につきましてその細目を明確にいたしまして、その間の調整をはかろうとしたことでございます。
○林虎雄君 最近不況の中で地方財政の編成も、だいぶ苦しくなってきておることは御承知のとおりでありますが、この最近の自治省あたりの解説記事といいますか、そういうものの中に、転型期に立つ地方財政という表現をよく見受けるわけでありますが、転型期――転換期とも少し意味も違うように思いますが――転型期というのはこういうことを意味するか、最近の不況で、従来の、昭和二十八、九年あたりの地方財政の窮乏というようなことと、最近かなり似たような現象があらわれてきておりますが、そういうようなことを意味するのか、その点をお聞きしたいと思います。周知のように、最近の地方財政はかなり苦しいわけでありまして、新聞等にも盛んに地方財政の困窮の状況が報道されておりますが、三十八年度の一般会計の決算の予想で、大体実質収支で二百七十二億の赤字が出る、あるいは赤字団体の数が四百九十二というふうにふえてきておる、そのほか公営企業の累積赤字が三百七十億だといわれておる、また国民健康保険の赤字も百三十二億円に達するといわれておりますが、再び財政再建がまあ日程に上ろうとしているようなこういうふうないまの時期を考えるわけでありますが、したがって、財政の硬直化、弾力性の喪失というふうに半身不随の傾向がかなりあらわれてきておるように思うわけでありますが、その転型期という意味は、そういう意味でありますか、という点を承りたい。
○政府委員(柴田護君) 私も、そういうことをちょっと聞いたことがあるのですけれども、転型期ということばは、役所といたしまして正確に使ったことはございません。おそらくは個人的な立場で書かれたものに、そういうことがあったのかと思います。ただ姿が、若干、一時と変わってきておるということは確かでございまして、私どもの見解では、地方財政の置かれた立場というものは、御承知のように需要の面から申し上げますれば、社会開発の推進によりましてますます財政需要というものは大きくなってきておる。ところが地方財政の中にいろいろありました矛盾というものが、矛盾といいますか、不合理的な問題というものが、ここ数年は、言うならば経済の伸張にささえられまして生じました税収入その他の歳入の増加によって隠されておった、それが一たん景気が逆調になってまいりますと、その矛盾と申しますか、未解決の問題点というものが遠慮なく出てきておる点が今日の置かれておりますいわば激動的と申しますと語弊がありますが、変わりました地方行政の実態にマッチしなくなってきておる、そこに財政のいろいろな問題があらわれてきておるんじゃなかろうか。私どもは実は一般論としてそういう工合に地方財政の現状を考えておるわけでございます。お話の転型期ということばは、私は不勉強であまり承知しておりませんが、役所としてそういうことばを使ったことはございません。
○林虎雄君 いまちょっと私触れましたように、最近の地方財政の窮状というものは、かなり顕著になっておるように感ずるわけでありますが、一方、計画と決算の開きぐあいは、先ほどのお答えでだんだん縮まってきておると、最近はあまり著しい変化はないようで、だんだん実態に即するようになっておるようでありますが、その計画と決算との開きの内容について、さっきもお話ありましたが、費目において占める比率等の計算資料というものを提出願えますか。
 そこで、昭和三十七年度の決算でいいますと、計画と決算との開きというものは、純計で六千億円、この内訳は、給与費関係の経費が千五百二十九億、一般行政費が一千百六億、投資的経費が二千七百三十五億の開きとなっておるようでありますが、地方財政の窮乏の時代の昭和二十八、九年ごろですね、財政再建にあたって当時の自治庁ですか、自治庁の財政部あたりが指摘しておりますように、決算との開きというものは結局カバーしきれないで、赤字の要因になっておると思いますが、二十八、九年ごろの状態と、そして今日の状態とよく似ておるように思いますが、その点どのように解釈しておいででしょうか。
○政府委員(柴田護君) 私どもは、実は過去の経験から申しますならば、決算と計画の差があまり縮まってまいりますことは、地方財政にとっていいことじゃないと実は考えておるわけでございます。つまり、計画外に置かれた歳出というものに見合う歳入があるわけでございます。したがって、計画外の歳入によって計画外の歳出がまかなわておる、そういう状態がある程度の幅を持っておりますことは、地方財政の弾力というものを間接的に示すものでありまして、そういう意味合いからいいますならば、計画と決算との開きというものは、理由がある開きであるならば、あまり心配することはないと思うのであります。過去におきまして、非常に財政が苦しかった時代が昭和二十二、三年ごろにございますが、そのころにインフレで悩んでおりました地方財政というものを推計をした推計と決算というものが、私の記憶では、たしか一億か一億しか違わなかった時代がございます。その時代は、要するに計画に含まれた、推計に織り込まれたことしか地方団体はやっていない、したがって、自治の立場からいろんな仕事とか事業というものは一切行なわれていない、全くもう与えられた歳入だけで許されたような仕事しかしていないということを示すものじゃなかったかと思うのでありますが、その後は、計画と決算は常に開いておりまして、むしろ、ある程度の開きがあるほうが、理由があるものでございますれば、説明のつくものでございますれば、開いておるほうがむしろいいだろうという気持ちを持っておりますが、最近の傾向は、給与関係経費の差がだんだんと開いてきて、そうして投資的経費なり一般行政経費の差が縮まってくる、この傾向は、私どもは実は非常に心配をいたしております。さらに繰り出し金というこぶが大きくなってくることは、地方財政の弾力性というものに対して非常に、何と申しますか、マイナスの要因を示すものだというように思うのでございます。決算から見てまいりますと、昭和三十七年、三十八年、赤字団体の数はあまり変わりません。ところが、この特定の団体に、特に大都市、都市方面の赤字というものが非常にふえておるということは、税制その他についていろんな問題を端的に物語っておるだろう、つまり都市の財政制度なりあるいはそれの運営なりという面において欠陥があることを示すのじゃなかろうか、行政面も問題あるかもしれませんけれども、実はそういうぐあいに疑問を持っておるわけでございます。むしろ、町村等の決算を見てまいりますならば、赤字団体もそんなに変わりません。それから、財源が決して豊かだとは言えませんけれども、ここ数年やってまいりました交付税の傾斜配分等の効果が、ある程度あったようにも実は思われるのでございます。それによって町村の弾力性が決して強まったとは申しません。やはり現地について見ますならば、仕事の大部分は起債とういものを当てにしてやっておる、したがって、そこにはまだ動態的な地方行政に対応する財政制度なり運営というものができていないと思いますけれども、しかし、都市に比べればまだましであります。都市方面の財政状態というものは、もっと検討に値する諸問題を含んでおるというように考えております。
○林虎雄君 まあ計画を実際とは開きがあまりあってもなくてもいけないんでしょうけれども、あることのほうが弾力性があるという解釈もありましょうが、いまお答えになったように、中で給与費の関係が多くなっておるのが非常にマイナスの要因で心配だというお話でありますが、このことは、要するに地方財政の計画を策定するにあたって、給与費の算入不足、それから補助職員、補助事業等の単価の過小に伴う超過負担を主としたものであると思いますが、その点はどうですか。
○政府委員(柴田護君) 補助職員等の過小算定の問題がないことはございません。しかし、財政計画の中では、補助職員の関係は一般行政費の中に入っておりまして、給与関係経費とは直接の関係は一応はないわけでございます。しかし、補助職員の関係の超過負担ももちろんございますけれども、その額はそう大きな額じゃございません。千四百億という開きの中で、補助職員関係の開きというものは、せいぜい二、三百億くらいのものであります。超過負担部分だけについて申しますならば、その程度ではないかと実は思うのでございます。問題は、やはり人数の問題と単価の問題にあるわけでございます。特に今度の実態調査の結果を見てまいりますと、市価の問題はさることながら、人数の問題に非常に開きがあった、それを今度の四十年度の財政計画では可及的に人数の問題は是正をいたしました。単価の問題はもちろんこれも是正いたしましたけれども、人数の問題は可及的にこれを是正いたしたのでございます。どこに問題があるかといいますと、その人数のふえております大きな原因は、どちらかといいますと施設関係の職員であります。施設関係の職員と申しますのは、たとえば保育所ができたり幼稚園ができたりというような問題から、何とか会館といったものの職員、何とかセンターというものの職員、そういったものも一切入ってくるのでございます。そういうものを一体財政計画上どのような形でもってこれを織り込んでいくか、また、そこにどういうようなけじめをつけるかということが、今後の一つの問題であろうというふうに私は考えております。
○林虎雄君 最近、地方公共団体が再び再建団体に転落といいますか、再建法の適用を受けるような団体がだんだん多くなっておるように思われますけれども、三十七年から三十八年、九年にかけまして、あまり数においては多く動いていない、傾向としてはふえておると思いますが、その点はどうでしょうか。
○政府委員(柴田護君) 再建団体の数は、三十九年四月一日、去年の四月一日現在で百七十一ございます。再建法の適用になっております。昭和二十九年の赤字団体、これがだんだんと再建を完了してまいりますので、いまあります百七十一団体のほとんどは準用団体、百七十一団体の中で百一団体が準用団体でございます。つまり再建法適用後において赤字になった団体でございます。この赤字になりました団体の中に、いろいろなものがございますが、中には裏帳簿と申しますか、やみの赤字をずっとかかえておって、それがどうもいかなくなって最後に準用団体になって清算をする、あるいは合併したとたんに隠れておった赤字が出てまいったというふうなものもあるわけでございます。最近の再建団体になってまいりますもので、いま問題がありますのは、今度再建をやります倉敷のような、いわゆる工業整備と申しますか、いわゆる地域開発をやっておったのでございますが、途中で踏みはずした、こういう例、まあ大牟田市のような例もございますが、同時に倉敷のような例もございます。どちらかといいますと、そういった最近はややむずかしい形の再建団体が出てまいったのでございますけれども、またしかし、これはちらほらの形、状態でございまして、大体はやはり潜在赤字が顕在をしてきたといったようなものが、再建によってきれいにしようという団体が多うございます。おそらく三十九年度も若干の再建準用団体になりました団体がございますけれども、同時にまた、三十九年度で再建を完了する団体が相当あるわけでございます。で、数におきましてはそう大きな変動はないと、かように考えております。
○林虎雄君 赤字団体の平均の赤字額ですね、赤字額の平均というものが最近かなり高くなってきた、多くなってきたというふうに聞いておりますが、そんな現象はございませんか。
○政府委員(柴田護君) 予算規模がふくれておりますので、過去に比べますれば赤字の額は多くなってまいっております。起債制限も一般財源の二割でございますので、したがって、二割をこせば再建になってくる。したがって、規模がふくれておりますので、どうしても額がふえてまいっております。
○林虎雄君 地方財政の中で占めておる人件費についてお尋ねしたいわけですが、人件費の積算方法でございますけれども、大体昭和二十五年の決算を基礎として、その上に年々昇給分とか人員の増加の分とかいうような積み上げ方式をとっていたものではないかと思いますが、当時はまだ戦後の落ちつかない時代でありましたので、統計の不備であるとか特殊事情もありまして、まあ財政計画に持ち得る人員数であるとか単価等についていろいろ議論があったように、古いことでありますけれども幾らか記憶をしておるわけでありますが、当時何か常に自治庁と大蔵省との間にいまの点が、給与の実態について論争といいますか、意見が繰り返されて結論が出ないままであったというふうに思いますけれども、当時私の記憶によりますと、大蔵省では地方公務員の実質の給与というものは一人当たり五百円多いとか、七百円高過ぎるとか、そんなような議論があったように思いますが、そんなことで結局地方財政計画というものが、人件費が大蔵省との話し合いが十分つかないで、十分つかないといいますか、妥協で打ち切られた点があると思いますが、それは二十五年から三十年ごろの状況であったと思いますけれども、この点については現在の事情とはよほど違っておりますか、その点どうでしょうか。
○政府委員(柴田護君) 私も、古いことでございますので、記憶が明確でございませんけれども、たしかいまお話しになりました点は、昭和二十五年の財政計画をつくります際、当時は財政計画でもって平衡交付金の額をきめておりましたが、その平衡交付金の額が多いか少ないかという議論のときに、地方公務員の給与が高い低いという問題になって、お話のような議論が激しく繰り返されたことがございます。その後、毎年毎年この問題の是正を叫びながら、なかなか話がつきませんで、結局昭和三十年の交付税率引き上げによって片づけたのでございますが、そのときに、第一回の企業実態調査をいたしております。その結果、人数と単価を今日のような形に置きかえて計算をいたしました、補助職員だけはそのままになっておりますけれども。その問題は、したがってそれ以後給与実態調査が行なわれて明確になりますたびに是正をしてまいっておるのでございまして、今回も給与実態調査の結果がわかりましたので、必要なものは是正をいたしたわけでございます。つまり人数の合理化、それから積算単価は国家公務員、同一学歴、同一経験年数を持っているとすれば、国家公務員でありせば幾らの給与を支払うベきか、いわゆるラスパイレス方式といわれる計算をいたしておりました。したがって、その間につきましては往年のような争いは大蔵省との間にはございません。ただ、お話のように補助職員の問題の扱いにつきましては、依然として議論が残っております。
○林虎雄君 「財政計画の説明」の十五ページの第九表目、いまお話の実態調査の結果、一般職員について十万八千人というものの違いがあって、これを計画に入れたということでございますが、いままでこうした差額というものは、地方団体をずいぶん財政的に圧迫してきたという結果になろうと思いますが、人件費のほかに事業の超過負担分――事務費、事業費等の超過負担分についても、同じような事情にあると思うわけであります。つまり計画と決算との開き、まあこれは当然あるとして、開きは主として一般財源で充当される。これは弾力性があればけっこうでありますけれども、しかし、それで計画に算入されていない分ですね、計画上の一般財源、すなわち計画での一般行政経費のうちで国庫補助負担金の伴わないものに計上されている分、あるいは投資的経費のうちで同じように国庫補助負担金の伴わないものに計上している分、あるいは歳入のうちで税収等で計画以上に収入のあった分でそれが片づけられているというふうに思いますけれども、ちょっと言い方がややこしくなりましたけれども、つまり超過負担分は、従来歳入のうちで税収等で計画以上の収入があった分が一応まかなったというふうに思いますが、その関係はどう解釈されますか。
○政府委員(柴田護君) お説のとおりだろうと考えております。
○林虎雄君 景気の上昇期には税収の伸びがよいので、いまのようなこともまあ計画以上の収入額で、超過する額が多いから収入額でこれをカバーすることができるのでしょうけれども、いまのような下降期には、今度は非常に因ってくるのではなかろうかと思います。計画の計上額が収入支出ともにぎりぎりの線になると、これからいまの景気の状況では予想されますので、計画を超過した部分は実際の収支では始末ができなくなってくる。これが赤字になる。それがいまの状況だと思いますけれども、そのように理解していいですか。
○政府委員(柴田護君) 超過負担分の問題が、すぐ赤字に結びつくかといいますと、やはりそこには問題があるのじゃないだろうかと私は思います。しかし、超過負担というものがいろいろあって、それが一般財源を圧迫をして財政を苦しくする結果、ほかの経費の財源が支弁できなくなって歳出を執行しております途中において赤字が出ちまうというようなことはあり得ることでありまして、まあ一つの間接原因になっておるかもしれません。この問題は何とか直したいという気持ちはずっと強く持っておりまして、機会あるごとに関係省庁にはやかましく言ってきているのでございますけれども、なかなかはかばかしくない。私どももどのような方法をとるべきかということについては、従来の行きがかりを捨てて考え直さなければいかぬだろうという気持ちを持っております。
○林虎雄君 地方公共団体の個々の財政は、当然、独立自主的なものでありますから、中にはかなりかってな使い方といいますか、使い過ぎをする団体もないとはいえませんから、決算にはこのような団体の支出もすべて入ってきますから、その総計は計画と開きがあることは当然ですけれども、国としては、この程度の支出は適当であるということの基準というものがあると思いますが、その基準というものをどういうふうに考えていますか。たとえば市町村長の放漫的なやり方があったと仮定して、使い過ぎた場合に、基準をこのくらいオーバーしたということが、一応全体を自治省のほうで見るとわかると思いますが、そういう基準というものは一応お持ちになっておいでと思いますが、どうですか。
○政府委員(柴田護君) 実はそういう一般的の基準というのは、技術的にもつくるのはむずかしゅうございますし、私ども実は持ち合わせておりません。ただ一般的にいいますれば、赤字が、いわゆる交付税と基準財政需要額の二割をこえた場合は、税の全額と交付税の額ですから、一般財源と申しますか、一般財源のたしか二割だったと思いますが、二割をこえたら起債を制限するという規定があるわけでございます。したがって、少々財政運営を間違って足を踏みはずして赤字が出ても、二割をこすような赤字を出せば、その団体は借金をする能力がないのだという基準が法律的にはある。そういうわけでございまして、私どもは、実は地方団体を指導いたしております場合には、財政というのは収支が合って財政なんであって、収支が合わなければ財政じゃないのだといったようなことも言っておりまして、収支均衡というのが当然だという前提でもって指導をいたしてまいっておるわけでございますので、その足の踏みはずし方を、この程度まででもっていいか悪いといったようなことを実は申したことはないのであります。
○林虎雄君 数多い地方公共団体でありますから、基準というものはあっても、結局当該団体の財政力というものの違いもありますし、さまざまでありますから、一がいにはいえないと思いますが、そういう点は別として、たとえば市長、町村長、議員等が公選で上がることに基因をして、必要以上というか――必要以上という言い方はちょっととうかと思いますが――財政力以上に住民にサービスをし過ぎるとか、あるいは行政や財政運営の未熟というようなことも指摘されることをしばしば聞いておるわけでありますけれども、その最近の赤字の要因とういものは、地方市長あるいは議会の運営の未熟によるのか、あるいは地方財政計画の立て方にあるのか、この点、どのようにお考えになっておられますか、聞きたいわけでありますが、例外は、必要以上に使い過ぎたとかいうむちゃなところもありますけれども、そうでない、まじめにやってもなおかつ財政力が伴わないで、ぎりぎりになって赤字が出てきている団体が多いと思いますけれども、こういう一般的な問題として考える場合に、地方財政の立て方が一体適正であったのか、地方団体のやり方が未熟であったのか、この点の御見解どうですか。
○政府委員(柴田護君) 赤字原因というのは団体ごとに異なっておりますし、しかも中身をいろいろ調べてまいりますれば、いろいろな原因が重なってきておるわけでございまして、一がいにどうこうといえない。どの団体にも多少とも国でも反省すべき点を持っておりますし、同時にまた、財政運営のまずさとういものもあるわけでございますし、また、まずさの中でもものごとを知らないためのまずさ、それからまた、知っておって、なおかつまずかったというようなものもあるわけでございます。一がいにはいえないかと思いますが、ただ全体として地方財政がどこもここも同じような傾向を示すということになりますれば、これはやはり罪は財政計画なり、政府の財政措置という問題にあったということが強くいえると思いますけれども、先ほど来申し上げましたように、赤字団体の数はあまり変わらない、しかし、赤字額はふえてきておるという傾向は、やはり特殊の団体にひそむ要因というものが、財政運営のまずさと結び合っておるというように思うのでございます。私は、最近の財政状況をずっと見てまいりまして感じますことは、やはり都市を中心にした財政、この辺に制度的にも運営面にもいろんな問題がひそんでおるというように痛感するのでございます。
○林虎雄君 地方財政の中で人件費がなかなか大きなウエートを占めておりますし、いつもこれが問題の中心になるようでありますが、この人件費につきまして、つい最近の朝日新聞に柴田局長が意見を述べておりますが、地方財政の赤字といいますか、地方財政が困窮しておる一つの原因といいますか、に対して、親方、日の丸的な考え方を捨てて財政の仕組みを根本的に再検討し、病根を切開すべきだというふうに述べられているようですが、この御意見の具体的な内容は何でございますか。
○政府委員(柴田護君) 私は実はそういうことを言った覚えはないのでございます。どこで聞きましたのか、そういうぐあいに書いておるのでございますけれども、ただ、私が人件費の問題で非常に心配いたしておりますのは、人件費というものは、どうしても景気の変動に応じて伸縮自在というわけにいきませんので、したがって、財政的には非常に大きな圧力になる可能性が強い。それともう一つは、やはり住民は、地方団体を別に失業救済機関と心得ておりませんから、少ない人員でやはり能率を上げてもらいたいというのが住民の希望するところだろうと思うのでございます。そうしますと、やはり少数精鋭主義という形に将来は持っていくべきであろうと、それからまた、そういうような形に持っていくためには、それにふさわしい財政制度というものを考えていかなければいかぬだろう、ただ、めったやたらに人員を減らせというだけが能じゃないのでございまして、心配いたしますのは人件費の安定ということであります。常に財政のワクの中で人件費というものが適当な比率を保っておる、こういう状態を招来するためには、歳出の中の人件費のあり方をどうすればいいか、それからまた、歳入の構成をどうすればいいかということを考えていくべきものじゃなかろうか、したがって、そういうことがら問題になりますのは、やはり施設職員、先ほど申し上げましたが、施設職員というものをどのように理解し、どのように財政計画の中に糾合していくべきかということじゃなかろうかと、こういうことを実は考えておるわけでございます。したがって、新聞が親方、日の丸といいましたのは、とかく施設をどんどんふやして人間を雇っても、あとは地方財政計画で見てくれるのだというような考え方をとられちゃ困るぞと、そういうことを言っておりますので、それをそういうぐあいに書いたのかもしれません。私が一番問題にしておりますのは、いま申し上げましたような歳出と歳入のバランスというものを、人件費というものを中心にして考えた場合に、どのようなあり方を求めるべきかということを心配しておるのでございまして、それは人件費の削減という意味じゃなくして、むしろ人件費と申しますか、給与関係経費の安定という立場から取り上げていくべきである、こういうことを考えておるのでございます。
○林虎雄君 この計画の中に、地方交付税でありますが、これがまあ自治省の努力で〇・六%ふえまして二九・五ということになったわけでありますけれども、最初、私の記憶によりますと、超過負担というものが大体八百億以上あるといわれておった。このうち六百七十億ぐらいの程度は地方財政計画に計上しなければならないとして、自治省は大蔵省と折衝したように外部では伺っておるわけですが、この折衝の経過はどんなようなものでありますか。これも最初拒否しまして、ゼロ回答して、その後、皆さん方の努力で若干ふえたわけでありますが、大蔵省の拒否したという理由といいますか、そういうものはどこにあったか、それを聞きたいと思います。六百七十億をカバーするとすれば、おそらく交付税率を自治省のほうでは三〇%くらいにしようというお考えで主張されたと思いますが、二九・五ということで落ちついたようでありますが、妥協したといいますか、やむを得ないということで自治省のほうでも折れたと思いますが、この大蔵省がゼロ回答したという理由と、それから自治省が三〇%以上でなければならないとしたのに二九%で妥協したというところに、四十年度の地方財政計画のがなり無理があるような、そんな印象を受けますけれども、この点どうでしょうか。
○政府委員(柴田護君) 折衝の経過につきましては、私ども最初に地方財政の見通しを立てましたときには、お話のように地方財政の見通しが、相当程度の穴があくと、したがって国税減税に伴いまする部分については、これはこの際戻してもらいたい、こういう主張でありました。その際の見通しの基礎になりましたのは、お話のように超過負担等の解消のために約二百五十億程度のもの、これは先ほど御指摘がございましたが、六百億をこえると称せられる地方の超過負担の中で、大体是正すベきものを五百億と踏んだわけでございます。五百億と踏んで、大ざっぱに言って半分は国が背負うべきものだ、半分は地方財源が不足するということになるわけでございますので、二百五十億というものを実は織り込んで要求をした。しかし、大蔵省がゼロ回答といいますけれども、大蔵省は、ついにこの交渉にあたりましては正規の見解は示しておりません。ただ交渉の過程におきまして、私のほうの計算によれば金が余りますよといったような話はありましたけれども、正規の大蔵省としての見通しを発表された、また発表されて私どものほうにその書類をいただいたことはありません。ただ問題は、いろんな私どもの話に対しまして、いろいろ大蔵省の考え方を述べられましたが、結局二九・五で折り合ったということは、結果的には国にも金がなかったということが大きな原因であったと思いますが、私どももこの二九・五でもって主張が通って満足したというようなことでは決してございません。しかし、国家財政の状況等を考えてまいりますれば、またやむを得ないのではなかろうかということで、ほこをおさめたのが真相でございます。
○林虎雄君 それともう一つお聞きしたいのは、地方債と公債費の関係でありますが、計画では歳入で千六百三十億、歳出の公債費で千三百三十五億、いわば借金と返済額が接近してきておるように見受けられるわけでありますが、せっかく地方債を発行しても、実質は昭和四十年度の場合二百九十五億しかない勘定になるわけです。こういうふうに接近してくると、だんだん地方債が多くなれば公債費も多くなってまいりますから、この傾向で進めば、何のことはない、金を借りて右から左に返すということになりまして、実際地方債発行の意味というものがかなり薄れるというふうに思うわけでありますが、そのことは財政の不安定、そういうことになりますけれども、自治省は、この地方債の発行と公債費の累増といいますか、だんだんふえていくこの傾向について、長期展望といいますか、今後の見通しはどのようにお考えになっておられますが。
○政府委員(柴田護君) この問題はよくおしかりを受けるのでございますが、ただ事実は、おっしゃるように千六百億借金をして千三百億返すのだからということでございますけれども、地方財政の場合は、地方債を発行する団体がそれぞれ違うわけでございます。したがってまた公債費のありまする団体も、発行団体とは異にすることもよくあることであります。したがってこの計数だけで直ちに心配だというような情勢とは言えぬと思います。一般財源二兆強でございますが、これの五%といたしましても約千億でございます。まあ普通、公債費の限度額としていろいろ五%がいいとかあるいは一割がいいとか二割がいいとかいわれますけれども、それはともかくといたしまして、財政計画だけの観点から公債費問題をいま直ちに云々するというような状態ではないのじゃないかと思っておりますが、公債費が累増してまいりますれば、やはり財政計画全体としては望ましい姿だとは考えておりません。将来は、やはりこういった状態はなるべく避けるべきであろうと思いますけれども、このように財源の苦しい状態におきましては、一時的に地方債の力をもって仕事をしていくということもやむを得ぬのじゃなかろうか。したがって、また景気が非常にいいときにおきましては、繰り上げ償還といったようなことも考えられるわけでありまして、将来の問題は将来の問題といたしまして十分注意をいたしてまいらなければなりませんけれども、昭和四十年度に関しまする限りにおきましては、やむを得ない措置だと、このように考えております。
○林虎雄君 地方財政計画の一部を聞いたわけですけれども、人件費の趨勢、赤字の傾向、それからいま交付税率がまだ低過ぎるというようなこと、地方債の問題等、考えてみますと、これが結局地方税法の改正に一脈の関連を持っておるわけでありまして、なかなか問題もあると思いますが、きょうは時間も過ぎましたししますので、地方税法の改正については、またあらためてお聞きしたいと思います。
 そこで、最後に承りたいと思いますことは、国と地方公共団体との財政責任の分野を明らかにするという点でございます。昭和二十五年のシャウプ勧告に基づいて地方行財政の改正、改革が行なわれまして、そのとき、先ほどもお話がありましたように、地方財政平衡交付金制度ができたわけでありますが、その際、国は地方に対して一定水準の行政を行なうために必要な経費に対する地方財政の不足を補てんする最終の責任は国にあるということになったような記憶がありますが、その後、昭和二十九年に地方交付税と改められまして、所得税等三税の一定の割合で機械的に交付税が定められることになりましたが、地方交付税法六条によりまして、財源不足の場合は、この三税に対する比率を変更することができることになっておりますので、シャウプ勧告のときと同じように、国の最終責任といいますか、これは少しも変わらないと思うわけであります。とすれば、地方公共団体が適正な基準以上の、かってな支出額は別としても、給与費の計上不足であるとか、あるいは補助事業等の単価の評価過小に伴う地方超過負担というようなものは、当然国の責任として、最終責任としてこれを解決する、そういう責任があるというふうに思いますが、地方公共団体が、赤字団体が出てきて困って、また再建法の適用だといっておりますけれども、そういうことをしないで、もっと年々に国は交付税なりその他の適切な方法によって、地方団体のあるべき財政の姿を守っていく責任があるというふうに思うわけでありますが、この点の御解釈はどうですか。
○政府委員(柴田護君) 現在でもお話のように地方交付税法の六条の二の規定は生きておるわけでございます。したがって、標準的な規模におきます財政の執行について、これを財源的に保障するという責任は国にあるわけでございます。したがって、今日でもやはり財政計画を策定をし、これを交付税の算定にはね返して財源の均衡化をはかってまいっておるということでございます。ただ、まあ超過負担の問題につきましても、そういう観点からいいますれば同じような問題があるのであります。したがってまた、年々私どもはその合理化について努力を実は払ってきたわけでございますが、御指摘のようにまだまだ問題が残されておる。しかし、今日の状態では地方財政のワクの中である程度のものは吸収されておるわけでございますけれども、いろんな事情があってその間の合理化が十分にできていないということであります。まあ国自身の財政事情もございますので、これを一挙に片づけるということは、実際問題としてなかなかむずかしいかもしれませんけれども、私どもといたしましては、お話のような考え方とほぼ同じような考え方に立って今後とも努力をしてまいる、かような考え方でおるわけでございます。
○林虎雄君 最終の責任は国にあるということで、いろいろ自治省は御努力をされておるわけですけれども、なおかつ最終責任が不十分であるということは、数字の上にあらわれておると思いますが、これはいろいろむずかしい問題もあろうと思います。
 きょうほこの程度で終わります。
○委員長(天坊裕彦君) 両件に対する本日の質疑はこの程度にいたします。
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○委員長(天坊裕彦君) 参考人の出席要求についておはかりいたします。
 地方税法の一部を改正する法律案審査のため、来たる三月二十六日、参考人の出席を求めることとし、その人選等につきましては委員長及び理事に御一任願いたいと存じますが、さよう決定することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(天坊裕彦君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
 本日の審査はこの程度にいたしまして、次回は三月二十五日(木曜日)午前十時開会の予定でございます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時十三分散会
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