第049回国会 決算委員会 第4号
昭和四十年九月二日(木曜日)
   午前十時三十七分開会
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   委員の異動
 九月二日
    辞任         補欠選任
     松澤 兼人君     久保  等君
     佐野 芳雄君     矢山 有作君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         藤原 道子君
    理 事
                谷口 慶吉君
                相澤 重明君
                二宮 文造君
    委 員
                稲浦 鹿藏君
                木内 四郎君
                園田 清充君
                内藤誉三郎君
                宮崎 正雄君
                山崎  斉君
                大森 創造君
                岡  三郎君
                久保  等君
                柴谷  要君
                横川 正一君
                黒柳  明君
                岩間 正男君
                山高しげり君
   国務大臣
       文 部 大 臣  中村 梅吉君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        池田 修蔵君
   説明員
       科学技術庁研究
       調整局長     高橋 正春君
       文部大臣官房会
       計課長      岩間英太郎君
       文部省管理局長  天城  勲君
       会計検査院事務
       総局第二局長   樺山 糾夫君
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  本日の会議に付した案件
○小委員長の報告
○昭和三十八年度一般会計歳入歳出決算、昭和三
 十八年度特別会計歳入歳出決算、昭和三十八年
 度国税収納金整理資金受払計算書、昭和三十八
 年度政府関係機関決算書(第四十八回国会内閣
 提出)
○昭和三十八年度物品増減及び現在額総計算書
 (第四十八回国会内閣提出)
○昭和三十八年度国有財産増減及び現在額総計算
 書(第四十八回国会内閣提出)
○昭和三十八年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (第四十八回国会内閣提出)
○昭和三十九年度一般会計国庫債務負担行為総調
 書(第四十八回国会内閣提出)
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○委員長(藤原道子君) それではただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について報告をいたします。
 本日、松澤兼人君、佐野芳雄君が委員を辞任され、その補欠として久保等君、矢山有作君が選任されました。
○委員長(藤原道子君) 国有財産に関する小委員長から発言を求められておりますので、これを許します。
○相澤重明君 去る八月三十一日、国有財産に関する小委員会における運営についての御報告を申し上げまして、委員の皆さんの御理解をいただきたいと思います。
 国有財産に関する小委員会におきましては、本委員会から付託をされまして審議を進めてまいりましたが、非常に多くの関心が持たれまして、また投書等も参りました。したがって、これらの取り扱いについて次のように決定をいたしました。
 国有財産の管理、処分に関する投書等が当委員会に参っておりますので、この取り扱い方については、調査室で投書のあったものをお尋ねをしてまとめ、そうしてこれを関係各省に出して、できるだけその関係各省の調査に基づいてこれを処理をする、結果は報告をいただくという取り扱い方をいたしました。
 以上、小委員会といたしまして、満場一致決定をして、今後の運営をはかるということになっておりますので、以上御報告を申し上げます。
○委員長(藤原道子君) ただいまの小委員長の報告のとおり御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤原道子君) では、御異議ないものと認めます。
○委員長(藤原道子君) それでは、昭和三十八年度決算外三件を議題といたします。
 本日は文部省の決算について審査を行ないます。
 まず、文部省の決算の説明を聴取いたします。中村文部大臣。
○国務大臣(中村梅吉君) 昭和三十八年度文部省所管一般会計歳入歳出決算の大要について御説明申し上げます。
 まず、文部省所管の歳入につきましては、歳入予算額百七十四億百九十七万円余であります。これに対しまして、収納済み歳入額は百九十一億九千八百九万円余でございます。差し引き十七億九千六百十二万円余の増加となっております。その増加額のおもな内訳は、学校付属病院等収入の官業益金及び官業収入十七億一千二百六十八万円余であります。
 次に、文部省所管の歳出につきましては、歳出予算額三千六百七十六億五千四十三万円余、前年度からの繰り越し額三十二億八千五百九十三万円余、予備費使用額二十二億二千七百八十七万円余を加えた歳出予算税額三千七百三十一億六千四百二十一万円余に対しまして、支出済み歳出額は三千六百六十八億一千六百七十六万円余であります。その差額は六十三億四千七百四十六万円余となっております。このうち、翌年度へ繰り越しました額は、四十三億五十二万円余でございます。不用額は二十億四千六百九十四万円余であります。支出済み歳出額のうち、主要な事項は、義務教育費国庫負担金千九百四十九億二千八百五十九万円余、国立学校運営費九百四十二億九千九百八十六万円余、科学技術振興費三十九億一千二十五万円余、文教施設費三百二十二億六千四百六十一万円余、教育振興助成費百九十九億九千四百四十万円余、育英事業費八十億五千二百十万円余、青少年対策費九億九千五百万円余、オリンピック東京大会実施準備費二十八億四千九百十八万円余となっております。
 次に、翌年度繰り越し額四十三億五十二万円余について御説明申し上げます。
 財政法大十四条の三第一項の規定による明許操り越しの金額は四十億七千百六十三万円余でありまして、その内訳のおもなものは、文教施設費で、用地の選定、気象条件、設計の変更等により、工事の施行に不測の日数を要しましたため、年度内に支出を終わらなかったものであります。
 財政法第四十二条ただし書きの規定による事故繰り越しの金額は二億二千八百八十八万円余でありまして、その内訳のおもなものは、国立学校運営費のうち研究用原子炉購入費で、放射能被爆防護施設の材料である重晶石が不足し、その入手に不測の日数を要し原子炉の取り付けがおくれましたため、年度内に支出を終わらなかったものであります。
 次に、不用額二十億四千六百九十四万円余についてでありますが、その内訳のおもなものは、教育振興助成費のうち義務教育諸学校給食用脱脂粉乳購入費補助金で、義務教育諸学校のミルク給食の開設がおくれたため補助金を要することが少なかったことにより、不用となったものであります。
 次に、文部省におきまして予備費として使用いたしました金額は二十二億二千七百八十七万円余でありまして、その内訳のおもなものは、公立文教施設災害復旧費補助であります。
 なお、昭和三十八年度予算の執行にあたりましては、予算の効率的な使用と経理事務の厳正な処理に努力してまいったのでありますが、会計検査院から不当事項九件の御指摘を受けましたことは、まことに遺憾でありまして、今後は一段と事務の適正をはかり、このようなことのないよう努力してまいりたい所存であります。
 以上、昭和三十八年度の文部省所管一般会計歳入歳出決算につきまして、その大要を御説明申し上げた次第でございます。
○委員長(藤原道子君) 次に、会計検査院当局から検査報告を聴取いたします。樺山第二局長。
○説明員(樺山糾夫君) 検査報告に掲げましたものは、役務一件、補助金七件、その他一件、合計九件でございますが、まず二〇六号は、新潟大学で建築工事の設計を部外に委嘱した設計謝金として百二十五万円を支払っておりますが、実際にはそのうちの一部の事項は設計を行なわせていなかったので七十一万円が過払いとなっていたものでありますが、本院の注意により金額を返納させております。
 次の補助金関係の七件でございますが、これは初等中等教育助成費などに関するものでありますが、これを内容別に見ますと、実施事業が不足しているのに対して過大な精算を行なっているものが五件、補助の対象とは認められないものに補助金を交付したものが二件となっております。
 次に、二一四号は、北海道大学の演習林におきまして労務者の賃金につけ増しをしたりあるいは立木の売り払い代金などを歳入に入れないなどの方法で約八百七万円の資金を捻出してこれを演習林の運営経費等に充てていったものでございますが、このように法規を無視した経理はきわめて遺憾な事態と存じております。
 以上簡単でございますが、御説明を終わります。
○委員長(藤原道子君) では、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は、順次御発言を願います。
○山高しげり君 社会教育関係団体の補助事業というものを文部省が持っておいでになっておりますが、そのことにつきまして少しくお尋ねを申し上げたいと思います。
 社会教育関係団体というのはどの程度の団体をさしておいでになるのですか。
○説明員(岩間英太郎君) 社会教育関係団体と申しますのは非常にたくさんあるわけでございまして、まあ言ってみますと、社会教育関係で、社会教育に関していろいろ研究あるいは社会教育活動を行なっております団体はすべて社会教育団体であるというふうに私ども考えております。
○山高しげり君 その中にいわゆる婦人団体に関する補助事業があるようでございますが、そのことに重点を置いてお伺いをしたいと思います。いわゆる地域婦人団体等が補助金――これもいわゆる補助金をいただいております場合に、その金額が非常にまちまちのようでございますが、補助をなさいます基準というものはどの辺に置かれておりますのでしょうか。
○説明員(岩間英太郎君) 補助金の額につきましては、これは予算との関連もあるわけでございまして、私どもが希望しております額が必ずしも予算に計上されるというわけではございませんが、その予算の範囲内におきまして補助の対象を大体二分の一以内というふうなことで定額の補助を現在行なっておるわけでございます。地域の婦人団体につきましては最低十万円、それから最高五十万円程度まで補助をするというのがただいまの実態でございます。
○山高しげり君 その十万から五十万というのは非常に開きがあるようでございますが、それはその事業の内容でおきめになるのでございましょうか。どういう基準でその金額をおきめになるのでしょうか。
○説明員(岩間英太郎君) 団体につきましては、その会員の数、それから活動の内容、いろいろ分かれておるわけでありまして、別に一定の規格があってそういうものができておらないわけでありますから、したがいまして、その対象に応じましてその規模あるいは活動の内容、そういうものをこちらのほうで見まして、大体予算の金額もある程度限られておりますので、その範囲で補助を申し上げるというふうなことになります。
○山高しげり君 私どもが考えますと、各府県にございますいわゆる地域婦人団体というようなものは大なり小なり似たような仕事をしておるかと思います。そこで各県から本年度事業計画を出しまして補助をいただくような申請をしておるかと思いますけれども、その場合に、御当局の方針でございますね、一つの県に毎年重ねてその事業成績をあげていくような考え方で、一貫した方針で補助をなさる場がありますのか、あるいはその年度々々において自由にお考えになりますのか。こういうことは、たとえばその方針がございますれば結果がまた自然そこに生まれてくるように思いますので、私どもが考えます場合には、各県を平均にお扱いになられて、どの県もひとしく業績があがるように御指導をなさるというのが文部省の御方針ではなかろうかと思うのでございますけれども、あるいはまた、特に重点を置いてこの事業をひとつ十分にその県で伸ばさせよう、そのことが日本の社会教育の発展のために有意義であるというふうにお考えになって、重点的に補助をなさるような場合もあって差しつかえないと思うのでございますが、数字だけを見ますと、そのただいまおっしゃった十万から、五十万という開きがなかなか大きゅうございますし、それを数年間に重ねて見ますと、ある幾つかの県において毎年その最高額に近いものがいっておると思う。そうしてまた、ある県はいつでも最低の十万程度を続けておるというような結果が見られて、そのことがちょっと考えると幾らか均衡を欠いているのじゃないかというような印象を与えられるのでございます。その辺ひとつ御答弁をお願い申し上げます
○説明員(岩間英太郎君) 三十九年度を例にとりますと、ただいま先生が御指摘いただきましたように、各都道府県につきまして均等に婦人団体に対しまして育成を行なう場合、婦人活動の促進をはかるというような趣旨でもって大体各都道府県の教育委員会が適当と認めました団体につきまして、都道府県段階の地域の婦人団体四十六団体に対しまして補助を行なっております。また、そのほか四団体ほどでございますが、私どももいま御指摘いただきましたように、まず第一には、各都道府県にすべてひとしくと申しますか、全国的にやはり婦人活動というものを促進していかなければならないということで補助金を要求しておりますし、また実施いたしておるつもりでございます。またさらに、後ほど御指摘いただきましたように、特別な社会教育というものにつきまして重点的にこの活動を促進するということでございますが、その点につきましてはまだ予算が十分ございませんので、必ずしも意図するようにはまいっておらないような実情だと思います。ただいま御指摘ございましたように、各都道府県の婦人団体に対しまして、まあ低いところにはいつまでも低く、あるいは高いところにはいつまでも高くというふうなこと、御指摘のとおり、そういうことがあっては方針としてはならないような感じもいたすわけでございます。その点の是正につきましては、今後とも十分考えてまいりたいと思います。
○山高しげり君 相当な開きがあること、そうしてそれに対して将来是正を考えてもいいというような御答弁でございますが、これはぜひそんなふうに願いたいと思います。重点を置いての考え方もあってもいいけれども、いままでは特にそのことは行なっていないようなお話しでございますので、それも了承をいたしました。ところが、最高額をもらっておりまするような地方で申請をいたしましたような事業を実施いたしておりましても、事業というものは予算を請求するときには数字でありますけれども、仕事の実績は質ということも考えられることでございまして、第三老が客観的にそれを観察いたしましたときに、必ずしも当局の御意見向どおりに実績があがっておるかいないかというような問題もあるかと感じますけれども、それにつきましては、お金は出しっぱなしと、仕事の結果について何かそれをごらんになるというようなことがあるのでございましょうか。
○説明員(岩間英太郎君) 私どものほうでは補助金を交付いたしました場合には、実績を徴しまして、これによりまして、どういう事業を行なったのか、あるいはその事業が適切だったか、そういうことを中身を見まして、それから補助金の確定を行なうというふうな仕組みになっております。したがいまして、婦人団体のいろいろな活動はきわめて重要でございますので、私どももかねてから関心を持っておるところでございますから、そういう点につきましてはその実績を十分考えながらやっていっておるつもりでございます。
○山高しげり君 実績を徴して、中身を見てやっているというおことばでございますから、これはもう少し文部省御当局の実際のお仕事ぶりを拝見した上でまた機会を見ましてお尋ねをしたいと思いますが、一口に申せば、地方の教育委員会もついていらっしゃることで、いわゆる予算の取りじょうずというものがやはりこれはどこにもあることでございますけれども、私どもやはり実績に重きを置きたいわけでございまして、その点どうぞ厳重になさっていただきたいと思います。開きの是正もぜひお願いいたしますし、ことにその基準を守ってなるべく均等にお願いをしたいと思うわけでございます。
 最後に一言、今回の参議院の選挙にあたりまして、文部省から地方の婦人団体にあてて特定の候補者の推薦等を行なう場合には補助金を取りやめることがあるかもしれないというような警告をお出しになったと伝える向きがございますが、御当局としてこの点いかがでございましょうか。これは課長さん以外の、もう少し責任のある御当局に御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(中村梅吉君) ただいま事務当局に確かめましたら、正式に通知、通牒等は出していないようでございますが、元来、基本的には政治活動をする団体には補助をしないというたてまえになっておりますので、その点の注意方をしたようでございます。まあ特定の候補者を推薦するということになりますと、それも一つの広い意味の政治活動になり、また、あるいは間接的にはその候補者に裨益することに相なるかと思いますので、まあ社会教育活動をなさいまする婦人団体におかれましては、それは個人として構成メンバーの個人がなさるのは自由でありますが、団体としてなさらないように、私ども希望いたしておる次第でございます。
○山高しげり君 正式な文書等は出さないけれども、ある程度の注意はしたということでございますね。それならばもう一つ伺いますけれども、文部省としては、実質的な特定候補に対する援助のような形の動きを、地方のそれら団体に文部省側から慫慂をなさったというようなことはございませんか。
○国務大臣(中村梅吉君) いまお話のような点は、私の承知する限りでは全無なかったと思います。
○山高しげり君 私ただいまの御答弁で決して満足をいたし、了承はいたしておりませんけれども、時間の関係もございますので、本日の質問はこれで打ち切ります。
○岡三郎君 ちょうど文部大臣が来ておりますので、少し当面する問題について伺いたいんですが、第一番に学校とか研究機関、こういうものを地方は移転すべきである。これは都市の過密化というような問題とかね合わせて、いろいろと国策としていままで論じられてきたわけですが、政府の施策として筑波山ろくに研究学園都市をつくる、そういう施策がありまするが、牛歩のようにおそいわけですね。その間に大都市の人口というものはどんどんふくれ上がってくる、そういうふうな中において、先般、大蔵大臣が東大の移転について触れられておった問題があると思うのです。文部当局として都市の過密化とともに学園のあり方、そういう問題についてどういうふうにお考えになっておるのか、具体的に基本方策というものをお伺いしたいと思うのです。これは当面する昭和五十年、いわゆる昭和四十年から五十年、ここ十年間の人口の増加の推計とか、いまいろいろなものがいわれておりまして、都市の交通問題とあわせて非常に大きな問題になっているわけです。したがって、文部省自体としても、非常に大きな要素として御検討いただかなきゃならぬと思うのです。この点について、文部省の基本的な考え方をお伺いしたい。
○国務大臣(中村梅吉君) 東京その他周辺の既成市街地につきましては、工場、学校等の制限に関する法律もできておりますので、そういう法律の精神はできるだけ、もう既成市街地の混雑したところには、大学その他学校施設を過度に拡大しないようにという精神が含まれておると思います.したがいまして、その精神は尊重してまいりたいと思いますが、ただ、現在ございます大学を、たとえば筑波山ろくの研究学園都市に移転をするというようなことは、これは世間の意見も尊重し、また、大学の学内の意見も尊重していくべき性質のもので、無理には強行いたしかねる問題であると、私はさように存じております。東京大学について世間の話題になったことがあるようでありますが、現在のところ文部省としては、東京大学の移転については全然考えてもおりませんし、計画もございません。国立大学のうちで教育大学が、大学の性質上、また大学の学内においても、筑波山ろくにそういう権威ある研究学園都市ができるならば、そして自分らの望ましいような構造のものができるならば移転してもいいという内意はあるようでございますが、その他につきましては、具体的にどうということは現在のところないように考えております。
○岡三郎君 そうするというと、先般、田中前大蔵大臣が東京大学の移転について触れられておったわけですが、こういう問題はこれは放言ですか。いわゆる放言というと無責任な発言ということになりますが、そうなんですか。これは文部省としてもそういうことは全然関知しておらぬし、考えておらぬ、こういうことですか。いまの御答弁からいうとそうなる。
○国務大臣(中村梅吉君) 文部省としては、いま御指摘のございました田中大蔵大臣時代の発言については、全然連絡もありませんし、関知もいたしておりません。したがって、おそらく当時の田中大蔵大臣として、過密状態解決のために、一つの自分の希望意見を述べられたことだと思い、して、私どもはそういうふうに受け取っております。
○柴谷要君 関連して。大臣ただいまそういう御答弁でございますけれども、前任者である愛知文部大臣が、かつて大蔵委員会で、田中蔵相に対して当問題を質問しましたそのときに、出席されましてね、やはり過密問題を解消するためには、そういうことも考えなければならぬだろう、文部省としては、これから大いに検討してみる、こういう御答弁をなさっているのですが、そういうことは、文部省として、一向に、あなたの代になったら、そういうものは帳消しになってしまって、かかったことなんですか。ちょっと関連がなさ過ぎると思うのですね。それは政府自体として、本格的な閣議決定にはなっていないかもしれませんが、とにかく東京――都市の過密という問題を、政府自体としても考えられて、とにかくその一環としての学園の移転という問題は、真剣に田中当時の大蔵大臣も考えられ、愛知文部大臣もお考えになっておられた。ところが、中村文部大臣になられたら、とたんにそれは雲散霧消してしまったということであるとするならば、これは政府自体が考え方があいまいなのか、自民党さんにそういう熟思がないのか、この点がちょっと、われわれ期待をしておった者の一人としては、非常にその御答弁が納得いかない点があるのですが、ひとつ、まあ、大臣を責めようとする気持ちはないのです、われわれ東京都民が日々苦しんでいるものですから、何とかこの改善をしてもらいたいということで、できることならば、学園の移転等はまず行なわれることが妥当ではないか、こう考えているがゆえにこういう質問をするわけですが、検討される用意があるのか。それとも現在の中では文部省はそういうことはさらさらないと、こういうことを明言されるのか、この点をひとつ明らかにしておいてもらいたい。
○国務大臣(中村梅吉君) 東京所在の大学の地方移転につきましては、これは私は検討に値する重要な問題だと思っております。ただ、考え方としまして、力をもって移転させるということはいかがなものであろうかと、やはり学内の意見その他世間の世論、そういうものの機運の熟するのを待ってやると、目下筑波山ろくの研究学園都市に移転の考え方があり、まあ大体一歩でも半歩でも歩き出しているというのが教育大学だけである、こういう状況でございまして、なお、私は事務当局にも私の全体としての考え方を伝えてあるのでございますが、力をもって移転するということは困難ではないか。したがって、機運の熟する状況等を見ながら検討をしていく。しかし、さらにもう一つ進んだ基本方針としては、東京の過密状態の中にある大学というものは、内容の充実はけっこうであるけれども、拡張というものはもう文部省はできるだけ差し控えてさせないようにしていこう、もし拡張をする必要があれば、その拡張をすべきものは地方大学を育成して、地方大学の充実強化をはかっていこう、あるいは拡張をはかっていこうという方針でいくことが、ぼくは正しいと思うわけです。事務当局はどう考えるかという協議を、私は事務当局に呼びかました。事務当局も、それはまことに時代に適したことで、地方大学の充実拡張については、これを中心に力を注いでいきたい、こういうことでございますから、いまのところさように考えている次第でございます。
○岡三郎君 いまの大臣の答弁聞けばわかるんですが、私の、質問に対してはそういう答えではなくて、全然それは関知しておらんし、文部省としては何にもそういう連絡がない、全然関知しない、それでは問題は無責任過ぎると思うんですね。これは新聞記事にも出ておるし、委員会においてもいろいろと討議されたことであって、私の言わんとすることは、非常に人口が増加している、これに対して各方面から対策というものが立てられなくてはならんじゃないか、そういうことを言っているわけです。文部省当局自体として、昭和五十年の推定人口、東京なり神奈川なり千葉ですね、いわゆる東京湾沿岸、こういう都道府県の人口増加をどういうふうに見ておりますか。東京の例を一つとってみれば、東京の昭和五十年度における推定人口をどれくらいに見ておるわけですか。
○国務大臣(中村梅吉君) 先ほどの点から一応お答え申し上げますが、田中大蔵大臣がそういう発言をなさったと、これはたぶん記者会見かなんかの話題に出たんだと思いますが、正式には文部省として協議を受けていないということでございます。ただ、願うことならば、そういう機運ができていくことについて、今後検討の価値は十分ある、かように存じております。ただ、東京大学等につきましては、世間にも、あるいはおそらく政府部内にもあったと思いますが、まず移すならば首都を移転をして、人口の過密化を解決しろという意見もあり、あるいは大学ならば、ほかの大学をかれこれ言うよりは、中心をなしておる東京大学を富士山麓に移したほうがいいじゃないかという思いつき的な議論はいろいろございますが、煮詰ったものは現在のところないと、こういう次第でございます。
 なお、東京の人口が昭和五十年にはどのくらいになるかという推定は、おそらく事務当局も正確なデータを持っていないと思います。主として首都圏計画をやっております首都圏整備委員会のほうが中心でいろいろな計画はあると思いますし、そういうものは資料を得ておると思いますが、いずれにしましても、概念的に考えて、このまま置けば東京は一そう過密化する。いかにして過密化を防ぐかということについては、さきに国会で、工場や学校等の一定規模以上のものはもうつくらせない、ただ、特に社会的に必要であると認められるような場合には、都道府県知事がその許可権を持って処理する場合もある、こういうようなただし書きは法律についておりますが、原則として一定規模以上のものはもうつくらせないというような締め出し措置は講じておるわけでございますが、さらにこれをできるだけ過密化を防ぐ、むしろ過密化を防ぐよりも、さらに積極的に疎開、分散化をはかるというようなことについては、おそらくいままで国会できめてこられました新産都市の法律にいたしましても、あるいは工特地域の法律にいたしましても、できるだけ工場等もそういう方面に分散をしたいということのようでございますから、学校にいたしましても、これ以上の集中は避けるということ、私は基本方針として正しいことであろうと、かように存じておる次第でございます。
○岡三郎君 私の言っていることは、東京大学を一つの例に出したわけですが、いま言ったように、年々に東京にしても二十万をこえている人口増、そういうことからいうと、これはまあだんだんと周辺に広がっていって、これは交通問題から水の問題から教育の問題から、すべてにわたって何とか対策を立てなきゃいかぬ。これは文部省だけらち外にいるというわけにいかぬと思うんです。国の総合的な対策として、しかもこういうふうな過密化されてくる状況の中においては、教育環境としてもうまくない、こういうことはもう指摘されているとおりだと思う。そういう面について、やはり文部省としても国の方策に沿って、どういうふうにすべきかという青写真ぐらいはつくっておくべきじゃないか。しかも教育大学の移転の問題等についても、筑波山麓のいまの進捗状況からいっていつごろになる予定なんです、これは。
○国務大臣(中村梅吉君) まだそのころは私どもも、おそらく事務当局も見当ついていないと思います。大体研究学園都市の整備をするのに、概数聞いているところによりますと五千億円くらいを要する。そうすると五千億という大金を短期間、あるいは数年間のうちに投じていくということになりますと、国の産業経済、財政の事情ともにらみ合って、速度に緩急の度合いがあろうかと思いますので、どうもそういう点を考えますと、日本の経済が安定成長に完全に切りかえがついて、そして財政規模はこのくらいの事情でいけるという財政当局の見通しがつかない限りは、その基本が固まらない限りは、どうもいま、何年度には移転が完了できるという見通しを立てがたい状態にあるわけでございます。
○岡三郎君 まあ大臣がしばしば更迭して、事務当局もこういう問題について真剣になっておらぬから、私はこういう状態に放置されていると思うのです。過密都市の問題についてはずいぶん論じられてきているけれども、まあこの問題について真剣に、継続的にやはり推進するということがなければ、やがて私は行き詰まってしまうと思うのです。隣の神奈川県においても人口四百万をこえて、昭和五十年においては六百万から六百五十万、こういうふうに一応内輪で推定されているわけです。いまの状況から見れば七百万に達するかもわからぬ、こういわれている。そうすると東京を中心とした都市の過大というものは、これは特に学園というものが非常に広域な面積を占めていることは御存じのとおりだと思うのです。そういう点でやはり早稲田大学が、あれは本庄市ですか、移転するということについてもなかなかうまくいっていない。自治体当局との関連があるのでしょうけれども、しかしこういう問題についても、やはり国民全体の世論の中において、できるだけ都市の過密を避けるための施策というものを進めなければいかぬという、そういう大方針からなされていると思うので、私は東京のみならず、大阪を中心とした文教施設、研究施設、こういうものをやはり文部省自体としても、抜本的に移転して、そうして静かなところで十分教育ができ、研究ができるような態勢を積極的に推進するという姿勢が、私は必要じゃないかと思うのです。これはもういまの状況からいけば、人口集中というものを阻止するわけにいきませんからね。そういう点で、これ以上ふやさぬということをいってもふえてくるわけです。そういう点で積極的にやはり国の施策の一環として、文教施設というものについてどうするのだということをお考え願いたいと思う。これは東京大学について検討するといわれておりますが、東京大学だけではないのです。筑波山麓の学園都市も十年計画ということで立てられて、ずいぶん前から、河野一郎元国務相から、大臣からもこういう問題についてはずいぶん視察、調査というものをなされて、緒についてからもう何年もたつけれどもはっきりしない。こういう点もやはり関係各省が、特に学園都市といわれているからには、文部省が積極的にやるのかどうか。金はかかるのです。かかるけれども、実際にそういう計画を、方針を立てて、実際問題としてやって、その結果は何かというと、土地の値上がりだけを促進したという結果におちいっているといわれているのですがね。こういう点についても、ひとつ文部省としてやってもらいたいと思うのです。その問題が一つ。
 それからもう一点は、最近における大学の入学試験の問題ですがね。大学の入試について、最近文部省としても、定員というものを拡大するということから、いよいよ背に腹はかえられなくなって、私学の水増し分を、これを認めたといわれて、最近発表されておるわけですが、だいぶん大学設置については、設置基準というものをきびしく査定してやっておる。半面、最近における卒業者の急激な増加ということによって、いろいろと対策を立てられておるわけですが、水増し分を計画の中に入れて、これを認めるというふうに発表されておるわけですがね。こういう点について、一体大学の設置基準という問題との関係から、もう目をつぶっても、これはもうどれだけふやしてもしようがないんだ、こういう形でここ三年ほどいって、で、三年たったならば、これまたもとへ戻すのか。一ぺん水増し分を認めたら、これは今後ともきびしい、そういう面の監督というものはできにくくなるんじゃないか。そうするというと、当面する入学難緩和について、これは父兄の期待にこたえるといっても、抜本的な、やっぱり文部省としての対策がなきゃならぬと思うのです。そういうふうな点で、水増し分を認めるということにおいて、今後の文部省の行政監督という立場からいって、どういうふうに考えられておるのか。
○説明員(天城勲君) 明年度の大学生の増員問題に関しまして、いま考えておりますことが最近新聞にも出まして、いま御指摘のような問題が報ぜられておりますけれども、水増し分を認めるとか、あるいはこれを公認するとかという意味ではございませんでして、御案内のように私立大学の学生定員につきましては、新しい大学の設置あるいは学生部の増設のときに、設置委員会において基準に照らして認可をいたしておりますが、その認可された人数が、われわれまあ定員と考えておるわけでございますが、実際に各大学の事情で、それ以上の学生をとっているわけでございます。これは従来とも指定統計でも明らかになっておりまして、措置されておる定員よりも実員のほうが上回っている実情でございます。しかし、これを現在の行政体制において、この増員、定員以上の増員について、これを抑制するという措置は、現在のわれわれの立場でございません。しかし私立大学におきましても、新しい学部、学科の増設、定員の増等の御希望がございますので、われわれとしては、正式に認可されたものにつきましては、できるだけ措置をいたしたいと考えておりまして、特に最近の大学生の急激な増員に対しましては、私学振興会の融資を通しまして、資金のあっせんをいたしているわけでございます。全体といたしまして、どうしても定員と実員の違いが出ておりますが、特にここ三年ほどは、いわゆる急増期ということばで言われているように、高等学校から大学の進学者が非常にふえてまいりますので、この期間をどういうふうに見当づけるかということで、過日発表したような一つの推計をいたしたわけでございます。そのうちで、実際に私立大学から増設のあるものにつきましては、そのように措置をいたします。しかし、現実にそれ以上の増員があるという事実も、これは目をおおっても現実にあるということを申し上げたわけでございまして、これも必ずしも望ましいことではございませんので、この急激な増員の時期が過ぎていくならば、やがて定員と実員というものが合致する方向に向かっていくだろうということを私たちも期待しておりますし、またその間に、御存じの私学振興の調査会の審議も進めておりますので、何らか大学の質の水準に関しまして、具体的な案が出ることを、いま期待しながら審議会を進行しているわけでございます。
○岡三郎君 聞いておるというと、わかったようなわからぬような答弁で、了解に苦しむのですがね。いまの天城さんの答弁は、認めていないのだけれども、そこにあるからこれは見のがしているのだと、こういうことですか。
○説明員(天城勲君) 認めるというて、要するに、公認するとかしないという前の一つの事実でございます。ですから、それがいいとか悪いということは別として、事実は事実として認めざるを得ないということをいま申し上げたわけでございます。いままでは定員措置についてだけ問題を議論しておるわけでございますが、本年度のように、かなり定員を上回った増員が現実にございましたものですから、この事実はやはり率直に事実として、みんなでというか、事実として見るほうがいいのじゃないか。こういうふうにこの数字は加えたわけでございまして、この三年間は、この差というものがしばらく続くのじゃないかということを率直に申しておるわけでございます。
○岡三郎君 それがわからぬ。結局、文部省としては、定員に対して実員ですね。それを認めたということでしょう。それははっきり言ってもらいたい。認めているのか認めていないのか、わけのわからぬことでは監督ができない。はっきり言ってもらいたい。
○説明員(天城勲君) たいへんことばのあやで恐縮なんですが、認めるも認めないも、その前に事実として存在しておるわけでございまして、行政上認めるという措置は、われわれにはできませんのです。そういう意味では認めるということばは、われわれには申しにくいのです。
○岡三郎君 だいぶ苦しいようだから、ここでそれ以上この問題については、あとに回すとして、実際に認めたということになって、私学のほう自体、講堂というか、教室というか、とにかく三割から四割、半分くらい出て、こないからやっていられるのであって、みんな出てきたらあふれちゃって、何ともならぬということを言っているわけです。こういう現実をまた見て、目をつぶっているということになれば、大学というのは一体何しているということになるのです。教育の立場から言うと、出てこないことを前提にして水増しして、その水増しを認めないと言いながら認めて、大学の設置基準とか、そういうものは片方でやかましく言いながら、そうしてどうもこれだからやむを得ない。これではやはり問題は解消しないと思う。だから私は、実員というものについて、いまのベビーブーム以後、こういうふうな多くの卒業生というものを受け入れるようにいろいろと苦労しているけれども、あまりにも文部省当局としては無責任じゃないか。大学、しかも私立大学におんぶして、そうしてこの際乗り切ろうということに尽きると思うのですがね。私立大学の現状は、まじめに出ればあふれちゃうから、ある程度の学生はマージャン屋かどこかに行って過ごしてもらうとか、あるいはどこかに行って適当にレジャーをするとか、そうして青少年の不良化とかへったくれ言っている。こういう態度は、私は成り立たないと思う。現状は、出席しないことを当てにして、大学が水増し入学を許しているというこの現状について、やはりもう少し姿勢を正してもらわなければいかぬと思う。
 いまのところはもうとにかく、何とかかんとかいってもしようがないと言われるけれども、このことは過去十年前からわかっていることなのです。いま始まったことじゃないのです。十年も十数年も前からこうなるということは想定されていて、これについて、非常に各都道府県等においても、高等学校の増設等についても非常に四苦八苦してきたわけです。しかし、かなり金も使ってやってきておりますね。ところが、国立大学というものをふやして――ふやすのかふやさぬのか知らないけれども、国立大学というものは微々たる定員増ですね。金のかかるところはどんどん見過ごして、みんなが入りたがっている国立大学のワクというものは、九牛の一毛というのは大げさだけれども、たいしたことにならぬ、これでは納得しないですね。しかも、いまふえているところの大学というのは、受験生からいえばたいした魅力がない。そんなことを言うとおこられるけれども、ということになるならば、やはり集中してくる学校というものに対する受験率というものは非常にきびしいものになってくると思う。こういう点で、文部省の意見としては、もっとふやせよという気持ちはわからぬでもないけれども、有名大学、総合大学はみな大都市にある、だからこれ以上ふやせない、こういうことを言って地方に分散している。ところが、その地方のほうに入りたがらないで、みんな東京に集まってきたいわけですね、ほとんどが、そういう現象の中において、私は先ほど学園の分散ということも言ったわけですがね。やっぱり積極的にこういう面について方向づけというものをとっていただきたい、そういうふうなことをお願いするわけです。
 いま言ったようなことで、大学のやはり授業自体、特に私立大学については、無理に監督するということじゃなくて、実際にいって、生徒のための学園になるように、こういうものについて適切なる指導というものをとるためには、授業料値上げというものを避けるために、やはり私学振興会等を通じて、もっと積極的に私学の援助をするなら援助をするという姿勢を、私はとらなければならぬと思うんです。ただ、私学のほうは経営上無理してとらなければならぬ現状に置かれている。それを見過ごしてきているわけじゃないけれども、振興会を通じての私学に対する援助というものは非常に少ない。抜本的にもうちょっと検討してもらいたい。国民のほうからいえば、国立大学に入りたいんだけれども、定員のワクが少ないから私立のほうにもいかなければならぬという親の気持ちの中において、私立のほうが、有名な早稲田とか慶応とか、その他二、三の大学は別としても、かなり無理した学校経営というものが非常に多い。これはもう私立大学独自にとっても、国の方針に沿って子弟の教育をやらなければならぬという気持ちもわかるけれども、実際からいって援助額が非常に少ない、こういうふうに考えるわけで、この点については中村文部大臣の、やはり文部大臣に就任した一つの大きな問題としては、国立大学の内容を充実するとともに、私学の内容を健全経営といいますか、内容充実のためには画期的な応援態勢というか、支援態勢というものをつくってもらわなければいかぬと思うんです。そういう点について文部大臣の見解を聞きたいと思うんです。
○国務大臣(中村梅吉君) お話しのように、従来も私学振興については力をいたしてきたところでございますが、ちょうど御指摘のように、人口構造はわかっておったことで、大学生がふえることもかねてからわかっておったことに違いありませんが、なかなかそれに備える道が講ぜられずにまいりまして今日にまいりましたので、来年度以降におきましても、増設拡張を希望するものに対しては、極力十分な援助をいたしたいというつもりで、来年度予算編成に当たりましては、おそらく今年度の数倍にこういうような私学振興の資金もふやしてまいりたい、その努力に最善を尽くしたいと思っている次第でございます。
 そこで、いろいろこれには何とか、急増する学生の希望にもこたえなければなりませんし、いたしますが、私学としましても、いずれ三、四年たちますと、急激にまた学生が減ることも、これも事実見通しがついてわかっておりますから、拡張増設をしたいものに対しては極力援助をして、そうしてもらうようにいたしますが、また、私学の立場からいえば、学生がそれでは減ったときに一体どうしてくれるのだということにもなりますから、私学としても無制限に拡張することも困難ないろいろな事情があるわけでございます。そこで、実はそういう時期に備えまして、前の国会で、私学振興対策調査会をつくって、私学に対してどういう援助をすることが健全であり、国家資金を使ってやるのには妥当であるかということを十分に掘り下げて研究をしていただくことになっておりますから、私どもはこの調査会を通しまして、さらに健全にして強力な私学振興方策を進めるようにつとめてまいりたい、できるだけ早い時期にこの調査会の結論をいただいて、御答申をいただき、その答申の精神を生かしてまいりたい、かように実は存じているような次第でございます。
 いずれにしましても、先ほども実員問題がございましたが、実際の状況として、国立にすれば、むやみに拡張しても、教授陣営との関係もございますし、ただ、拡張も、かりに財政が許すにいたましても、教授陣営の整備、その他の関係等を見ますと、国立大学として権威のないことをさせるわけにもまいりませんし、これらにもそういう限度がございます。いろいろ考え合わせまして、頭痛はち巻きでございますが、何とかできるだけ学生の進学の希望にこたえたい、こういう方向に向かいまして、目下せっかく努力中でございます。いろいろ御指摘の点にはごもっともの点が非常に多いのでございまして、われわれも参考にさしていただきまして、最善を尽くしていきたいと思っております。
○岡三郎君 いま言った中で、私は私学の質の改善といいますか、こういうものについて、何も国がコントロールする必要はないけれども、実際的にいって財政的な支援というものがあまりにも等閑視されている。そういうふうな面で日本の教育水準を上げるには、私学全体の水準を上げることに尽きるのではないかというふうにも考えているわけです。こういう点で、いま言われたように、四倍程度の予算要求をするという話です。四倍程度ではなくて、もっと画期的に要求して、やはり蒙を開かぬと、同じ国民に生まれながら、頭脳のいい者は安いところへ行けるけれども、それほどでない者は高い月謝を出さなければいけないという、こういう矛盾、私は逆にいえば、頭のいいやつはもっと取ってもいいけれども、頭の悪い者ほど安いところで卒業さしてやらなければ不公平じゃないかという考え方を持っているのです、教育水準を上げるためには。そういう点でいま四倍、四倍というと、大臣どのくらいの予算要求ですか。また放言に終わったのでは困るのだ、具体的なことなんだから。要求額を削られないようにわれわれもやらなければならぬけれども。
○国務大臣(中村梅吉君) 私、実は四倍ではなくて数倍と申し上げたつもりであります。まだ予算要求中で、予算が固まったわけでございませんから、正確に申しかねるのでございますが、できるだけ十分の私学振興対策を講じたいと思っておれます。同時に、明年度についてはどうもそれでも足らぬじゃないかというお話が出るかと思いますが、いずれにしましても、国費を使っての私学振興、援助でございますから、できるだけそれは妥当性のあるものでなければならない。どういう角度でいくのが、妥当性があり、貴重な国費を使って差しつかえないものであるか、こういう点について目下調査会で検討を開始していただいているわけでございますので、ここで掘り下げて検討をしていただいて、これならば筋道も立つし、効率も上がるし、国家資金を投入するなり、貸し付けしても差しつかえないのだと、こういう適切な結論が得られれば、引き続きさらに拡張をし、充実をしてまいりたい。ただ、いまもコントロールという話が出ましたが、私どもとしては、私学振興に力を注いでまいりますが、私学をコントロールしようというような考えは目下全然持っておりません。できるだけ私学の自主的な発展、充実を期待してまいりたいと、かように存じております。
○岡三郎君 時間が制限されているので、文部大臣が長々と答弁されてありがたいのですけれども、どうも抽象的な答弁が多いので、会計課長でも、そから局長でもいいけれども、私学振興に対する予算要求について、大体いま根回しされておると思うんですが、ちょっと数字的に言ってもらいたいと思うんですが、簡単に言ってもらいたい。
○説明員(天城勲君) 現在私立学校振興会への貸し付け金の希望に関していろいろ検討いたしておりますが、一ついまお話しの学生増員分の施設につきましては、私立大学から明年の増員の希望が出ております。これが審議会で決定されますと、何人ということが出ますので、その分を見込みたいと思っておりますが、現在約三万五千ほどの増員希望が大学から出ておりますので、この分は新設分として融資の対象に入れたいと、こう考えております。
 それから既設の建物におきましても、なお基準に満たないものもございますので、その分につきましては……。
○岡三郎君 総額幾らと言ってもらいたい。
○説明員(天城勲君) そういたしますと、合計といたしまして、現在考えておりますのが三百五十億ほどの金額を計算いたしております。
○岡三郎君 従来、大体大蔵省に提出して、減額される率はどのくらいですか、いままでの経緯から見て。それも簡単に、数字があると思うんだ。
○説明員(岩間英太郎君) 三分の二ぐらいはとれております。
○岡三郎君 三分の二ぐらいはとれている。本年は幾らだったんですか。
○説明員(岩間英太郎君) 政府の出資が十億、それから貸し付け金、財政投融資資金からの借り入れが百億でございます。合計百十億でございます。
○岡三郎君 そうするというと、いまの局長の答弁でいうと、いまの三百幾らという金よりもさらに増加してくる傾向ですか。調査会の答申とか何とかを待って、それをなお取り入れるという話があったんですが、そうすると概算で四百億ぐらい要求するということになりますか。それがはっきりしないと、われわれやりようがないからな。
○説明員(天城勲君) いま申し上げましたように、振興会への貸し付け金の要求額が三百五十億でございます。
○岡三郎君 時間がないのではしょります。
 次にもう一つ、大学の選抜方法ですね。入学試験、選抜方式についていろいろと論議されて、いまの試験地獄についていろいろと検討せられて、文部省もいろいろとやっておるわけですが、内申制度というものについて、昭和四十一年ですね、はっきりしたところを伺いたいんです。これをどういうふうに重視して、入学試験にこれを取り入れるのか、この点ひとつお答え願いたいと思うんです。
○説明員(天城勲君) 私は直接の所管でないので、たいへん恐縮でございますが、私の存じておりますところだけを申し上げたいと思います。
 御存じのとおり、大学教育を受ける能力というものをいろいろ見るのが選抜でございますが、高等学校時代の成績というものはかなり高く評価すべきだという意見が専門家の間からも出ております。現在入学試験の方法につきましては、文部省に入学選抜の専門の委員会がございまして、ここで昨年来それらの点について御検討が進められてまいりまして、時期は忘れましたが、この春だと思いますけれども、入学試験に高等学校の成績を十分見るという意見が出ております。ただ、これを一律に同時に全国の学校に実施するというわけじゃございませんで、本年度は各大学の考えで実施していくという態勢になっております。
○岡三郎君 そうするとまた混乱が起こると思うのですがね。各大学のまあ主体性でやると言われておりますが、文部省として、いわゆる高等学校の教育効果というものを重視するというふうな方向から、高等学校在学中のその生徒の学業、そういうものを取り入れて選抜したいという、こういう意向は間違いないですか。
○説明員(天城勲君) 委員会の御見解もそういう形でございます。われわれもそれは正しいことだし、賛成しているわけでございます。ただ、実施につきましては、各大学が学生選抜の主体を持っておりますので、できるだけ大学でそういう方向をとっていくようにお話ししておるわけで、一律にということはやっておりません。
○岡三郎君 そうするというと、文部省の考え方をいま聞いているのですね。文部省としては、内申というものについて直視していきたいと、できるだけこれを取り入れていきたいという方向は持っているのだが、実際に実施する大学が、これをどういうふうに取り上げていくか、大学のそれは自由になっていると、こういうことですか。
○説明員(天城勲君) さようでございます。
○岡三郎君 そうするというと、将来にわたって、ここのところ、昭和四十一年、四十二年、四十三年と、将来にわたって見るというと、内申制度というものを文部省としては強化していく、これから。つまり、いまの教育の中において、その高等学校の教科課程というものを十分履修した者が入っていけるのだと、いわゆる受験技術というものにおちいって、非常にこの受験地獄というものが深刻化されてきているけれども、本来の教育を十分修めることによって大学に入れるのだという方向づけというものを私はしてほしいと思うのです。そのためにはやはり、中学は高等学校に対して責任をしょい、高等学校は大学に対して責任を持つという姿勢の中において、そのそれぞれの生徒の研さんというものを求めなきゃいかぬと思うのです。学校の教育というものは二の次であって、一発の受験でうまくいけば、それでいけるのだということは、これはうまくないと思うのですね。そういう点で、各大学がこれを実施するということになるわけですが、文部省のほうとしては、内申というものについて、これをできるだけ尊重してやるような、そういう方向づけというものをすると思うのですが、その点はどうなんですか。
○説明員(天城勲君) 私ちょっとことばが足りませんでしたけれども、先ほどの調査会で御審議いただいた点につきましては、文部省も賛成いたしまして、その趣旨を各学校、府県にも通知申し上げております。
 それから、補足いたしますと、内申書の重視の問題につきましては、大学でいろいろ御意見がございまして、きわめてまあ良心的な考え方で申しますと、若干その後の追跡調査、入学時における試験あるいはその他のテストと、入学の進め方につきまして、同等学校時代の成績というものを関連づけた、少し追跡調査というものをしていきたいという意見がございまして、これらのことがだんだん熟していけば、高等学校の成績が重視されるという方向にだんだんいくのではないかとわれわれは考えておりますし、また、それを期待いたしております。
○岡三郎君 そうする場合に、この内申というものは、高等学校の三年の内申ですか。
○説明員(天城勲君) 詳しいこと覚えておりませんが、全部、一年から三年まで全部を含めてと思っております。
○岡三郎君 そうするというと、少なくともどの程度尊重されるかどうかは別にして、今年は各国立大学においては、内申書を一せいに取るということは間違いないですか。
○説明員(天城勲君) 従来とも高等学校の内申書は入学選抜の重要な資料ということはわれわれも考えておりますし、大学も全部やっておりますが、ただその度合いでございます。どの程度まで他のテストと比重をかみ合わせるかという問題だと思います。ただ二、三の学校で選抜試験をしないで、推薦だけで一部をとるというところもございますが、一般的には、程度の差はございますが、内申書というものはそれぞれ重要な資料として使っておるのが現状でございます。
○岡三郎君 時間がないから次に移ります、もう少しその点聞きたいのだけれども。
 その次に、先ほど地方大学の充実ということを大臣言われましたが、いわゆる新制大学が発足してかなり長年月がたっているわけですが、まだまだ地方の国立大学にタコの足大学といわれた、駅弁大学といわれたその形がずいぶん残っておると思うのです。一つの例として、横濱国立大学の例を申しまするというと、結局、最近、鎌倉の学芸学部ですか教育学部が焼けて、そうしてこれを横濱の清水ケ丘に集めるのか集めないのかはっきりしておらぬし、それから大船にあるPXの土地を、これをそれに使うとか使わないとか、いろいろな論議があって、国有地の使用等についていろいろと結着がつかぬ問題があると思うのですが、しかも、これは清水ケ丘のほうには三万坪程度を、零細な土地使用者から、大学を建設するということで、かなり前に土地を国として買い上げておる。それがいまカヤがはえて、カヤ原になって、非行少年のたまりになっている。背たけ以上にカヤが伸びて放置されておる。一部は運動場に使われておりますが、私はここに、国有財産の不当払い下げという問題もさることながら、国が使うと称して目的を言って安く買い上げたものを長期にわたってそれを使用しないで放置しておる。こういう形についてどういうふうにお考えになっておるのか。つまり、土地を出した者は、何とか教育のために協力するということで非常に安い価格でこれが買い上げられた。その後、建つどころか、野原になってカヤがはえほうだい、こういう状態のままでいいものかどうか。もしもこれを使わないならば、もとの所有者にこれは払い下げるべきである、返すべきであるという考え方を持っておるわけですが、横濱国立大学の場合における校舎の統合問題とかそういう問題に関連して見解を承りたい。
○説明員(天城勲君) 御指摘の事情につきまして最初に私お答え申し上げたいと思います。御質問のとおり、横濱国立大学の清水ケ丘の経済学部の土地でございますが、あの隣接地を、昭和三十年に大学全体の整備計画の一環の使用地として国で取得いたしました。ところが、その後大学の学内の事情によりまして、当初考えておりました整備計画の実施が中止になりましたので、一部は運動場として使用しておりますが、その他の点につきましては、いま御指摘のように、何も使っていない状況がございます。これはまことにわれわれも遺憾なことだと思っておるわけでございますが、充ほど御指摘の横濱全体の過密都市の中における大学のあり方という問題とも関連がございますが、一部では、新しい土地を求めて工学部も一緒に全部移ったらどうという話も出ておることも事実でございます。御指摘の大船の問題もその一つでございますが、その後、これも御存じのとおり、鎌倉の学芸学部の分校が火災で焼失いたしましたので、これはその分校の施設をどうしても速急に整備しなければならぬという状態にございます。したがいまして、現在はこの点につきましては、あの地において当面の学芸学部の施設の整備をいたすつもりでおるわけでございますが、なお現在、草ぼうぼうになってたいへんぶかっこうな申しわけないかっこうでございますが、当初はまだ赤土のままでございまして、風が吹いてたいへん御近所にも迷惑をかけておったので、あれは実は意識的に草を植えて、少しでもほこりを押えようと考えたのでございますが、逆にまた草が伸び過ぎておるような状況で、ことしはそういう点につきましてもできるだけ整備をいたしたいと考えております。
 簡単にわれわれのほうで考えております経過を申し上げました。
○岡三郎君 そうすると、学芸学部はどこへ建てるのですか。
○委員長(藤原道子君) なるべく要領よく簡潔に……。
○説明員(天城勲君) 現在のところは、清水ケ丘のこの土地にとにかく教育学部の授業ができる施設はつくらなければならぬ、こう考えております。
○岡三郎君 それはおかしいじゃないかね。その点はまたあとで言うが、とりあえずつくるというのは、バラックでつくるわけですか、どういうことなんですか。
○説明員(天城勲君) 簡易な建物になると思います。
○岡三郎君 そうすると、そこへ簡易な建物をつくって、そうして将来どうするというのですか。
○説明員(天城勲君) これは学内の問題でございまして、先ほど来、大臣も申し上げているように、学内の意見が一致しませんとどこでどうするということもなかなかわれわれできめかねますので、大学と十分相談して今後の土地をきめたいと思っております。
○岡三郎君 どうも文部省というところは肝心なところになるというと逃げちゃって……簡易なものをつくって、それでは国費がむだになるんじゃないですか。鎌倉の学芸学部の分校が焼けちゃった。そうして昭和三十年にはその隣接地に学芸学部をつくると言って三万坪民有地を買い上げた。そうしてそこへ当然学芸学部をつくるべく、そういうふうに土地が必要だというのでみんなが協力してやったのを十年間放置しておいて、焼けたらば、すんなりいくべきやつを今度は簡単なものを建てて臨時措置をする。将来そこへ建てるかどうかわからぬ。それでは地元が承知しないですよ。そんないいかげんなことで指導ができますか。国費のむだでしょう。ここへ建てるということで三万坪買って、安い金で買い上げて、そうして赤土だか草がはえ過ぎたとかは別にして、いずれにしてもそれを確保しておいて、そうしてそこには今度は簡易なものをつくって、将来は別だ。そんなことだったら早急に恒久的なものをどこへ建てるのだということをやってそのむだを省かなければいかぬと思うのですよ、国費のむだを。そうして、その三万坪は全部払い下げをしろとは言わぬけれども、一万坪程度使っているなら、あと二万坪は元の所有名に返すべきですよ。これは財産の不当払い下げと同じように、教育のためと言って、いやがっているのを無理に説得して買い上げて十年間放置して、今度はこれをまた使うのか使わぬのかわからぬという形で臨時的にそこに建てるのだと、それでは了承できませんね。これは逆に言うと、国費の乱費にもなりますよ。そういう臨時的なものをつくって、恒久的なものは別なんだ。だからその点一体はっきりしてもらいたいと思うのだが、要らなければ要らぬと言ってもらいたいんですよ。文部大臣、これはどうですか。十年間放置しておいていまさら結論がつかぬというのはおかしい。大船なら大船に持っていくとか、どこでもいいから結論を出すべきですよ。
○国務大臣(中村梅吉君) 実は私就任いたしましてから、大学には各地で統合その他の問題がありますから、問題のある大学の事情を聴取いたしました。そのうちの一つにこの横濱大学の問題がございまして、私といたしましては、どうするか早く結末をつけて、第三地点に移転したほうが、将来の横濱大学として理想的であるならあると早くきめて、その方向を立てるなりあるいはいたし方ないなら現状で早く再建をするなり、方針を早くきめるべきであると言っているのでありますが、ただ、事務当局としては、御承知のとおり、大学のそういう施設その他につきましては、大学が自主性といいますか、大学の教授会というものに強い発言権がありまして、教授会がまとまらないと方向がきまらないということで、事務当局は目下頭痛はち巻きでおるわけです。しかし、いずれにしましても、これは教授会の議はなるほど無視するわけにはいかないでしょうが、督促に督促をして、できるだけすみやかにこの方向をまずきめる。いま御指摘がありましたように、どうするかこれをきめないことには、非常にはた迷惑であると思いまして、そういう指示を実はいたしておる次第でございます。できるだけすみやかに方向をはっきりして、世間に御迷惑のかからないようにし、また、大学の将来もいいように方向づけてまいりたいと思います。
○相澤重明君 関連。文部大臣、せっかく御答弁いただいたのですが、私は岡委員と同じように横濱におるわけです。すぐ学校のそばにおるわけです。実際けしからぬですよ、十年もほうっておいて。いわゆる国有財産の管理が十分でないということが問題なんです。ですから、私は、少なくとも四十一年の予算編成をいまあなたやってるわけですね。だから、そういうところに、いま岡委員の言うように、やっぱりきちっと方針をきめちゃってやるべきだと思うのです。これがいつまでもたっておればまた三年でも五年でも延びますよ。私はおそらく文部省が基本方針というものをここできちっとしてしまわない限り、なかなか建たないと思うのです。ですから、私ども地元の住民の感情からいけば、何だせっかく学校に出してやったのに、草をはやしておくぐらいならば、値段がうんと高いのですから、払い下げてもらいたい、返してもらいたいという、こういう要求なんです、地元は。だけど、学校をつくってもらうなら学校を早くつくってもらいたい、こういうことを言ってるわけです。こういう住民感情を無視した国有財産の管理というものはないと思う。せっかくあなたも文部大臣になられて四十一年度の予算をやってるのですから、ひとつこの際私はここで、今月は九月で休みですが、少なくとも来月の国会から、十月の国会から引き続いて通常国会になるのですから、その方針をことしの、うちにきちっとしてしまう、予算要求をする、それぐらいの英断を下しなさいよ、あなたは。そんなことぐらいができない大臣じゃないと思うのだ。それくらいのことを言わなかったら、住民は納得しませんよ。何を一体やってるのだ、こういうことになりますから。ひとつ御答弁願います。
○国務大臣(中村梅吉君) 確かに十年もこういうことになってきておりますから、結果的には国有財産の管理がずさんであるということになっておりますが、事実問題としては、大学の学内の意思決定がなかなかきまらないということなんでありまして、文部省の場合、国立大学の場合には、施設にいたしましても、移転その他にいたしましても、文部省の意思だけで押しつけてやったというためしがなくて、全部学内の教授会というものに中心の発言権があるものですから、ここがまとまらないということにあるわけですから、その意見をまとめさせるように、これは極力ネジを巻いて、急速に結論を出させるように努力いたしたいと思います。
○岡三郎君 私は、急速ということばは、いま言ったように、もう一つ聞きたい、臨時校舎と言いますが、応急措置をする建物は、大体どのくらい金がかかるのですか。この問題をひとつ聞きたいのです。問題は、清水ケ丘に学芸学部をつくるということで三万坪取得して、そしてみんなが泣きの涙で、教育のためだということで説得をして、非常に零細な地主から取ったわけです。安い金で、いまから言えば問題にならぬですね。それでずっときた。だから、大学の自治というものを侵すことをわれわれは何も考えていませんよ。しかし、建てないなら建てないというふうにして処理をしてもらわぬと、非行少年のたまり場になっているのだ。いま、それがカヤが背たけ以上伸びているから、その中に入ったらたばこをのもうが何をしようが、外から見たらわからないのですよ、全然。周辺の住民は、大学当局に対してこの問題について二、三度陳情を出しているのです。ところが、最近において鎌倉の分校が焼けたということになれば、時期が来たわけですね。だから、清水ケ丘がうまくないならば、大学の意見として大船のPXのあとにつくるならつくる。いずれにしても、どっちつかずにおいておいて、臨時に何億かかけてまたつくって、それが使いものになるかならないか、国だからそういうむだができるかわかりませんが、焼けたならば断を下すべきでしょう、どこへつくるべきか。だから、私の言っているのは、学内がどういうふうにやるかについてはわれわれは干渉しませんよ。いいのですよ。清水ケ丘につくりたくなかったら大学はどこへつくってもいいのですよ。しかし、大学が学芸学部を移すということで取得した土地を、それならお返し願わなければならないと思うのです、当然。カヤの草っ原にしておいて、非行少年のたまり場にしておいて、周辺の住民が困っている。そういうふうな状況というものを見たときに、緊急というよりも、もう昭和四十一年の予算でどうするのか、これを使うのか使わないのかというだけの結論だけでも出してもらわなければ納得しないのです、これは。だから、学芸学部をつくるならば、応急措置でむだな国費を使わないでやってもらう。ほかに移すならば、その土地は学芸学部をつくるということで無理に取得したのですから、その土地はもとの地主にお返しする。その決着をつけて明瞭にしてもらいたいと思うのです。これは住民の上にあぐらをかいていると思われてもしかたがない。これは緊急に文部大臣は学校当局に言って、学内がこれに反対なら反対でいい、賛成なら賛成でやってもらう。賛成なら皆さんもぶつぶつ言っているけれども、気持ちよく、おそかったけれどもいいや、早くつくってくれ、こういうことになる。ほかに移すなら土地を返してくれ、こういう方向づけというものを文部大臣にしてもらいたいと思うのですね。緊急にしてもらいたいと思う。これは大学の自治を侵すのではなくて、大学のほうは無責任、文部省の監督が無責任です。これは早急にやってもらいたいと思うのですが、大臣どうですか。緊急じゃなくて、四十一年の予算に間に合うかどうか、やるべきですよ、これは。
○国務大臣(中村梅吉君) まことにごもっともな次第で、私どもが簡単に考えれば、一応そういう鎌倉が焼失したときに、そういう方向で歩きだしたわけでございますから、既定方針を貫くということは文部省の立場としては一番筋が通っていると思うのです。ところが、大学の学内に、同じやるならば、ちょうど大船がそのころ話題に出たと思うのですが、どっかもっとスペースのあるいいところに越したほうがいいという意見が学内に出て、学内が動揺してきているというのが事実でございます。その後聞きますと、学内に大船に相当深い関心もあって、大船でいこうという意向もあったようですが、大船のほうは大船のほうで、駐留軍の一部がおりますから、これがいつ移転するのか、いつ移転が完了するか、交渉してもなかなかいつと言ってくれない。といっているうちに、今度は大船の駅の拡張をして、何かホームをつくりたいというような国鉄のほうにまた意見が出てきたりいたしまして、そうすると、駅の拡張に一部を取られると、せっかくの坪数がどうも期待しただけのものにならないというようなことで、学内では動揺を続けているというのが現状のようでございます。私どもは、動揺しないで、用地の三万坪を無理して取得して買ったのだから、その方向でいくということで、その方向で進むのが一番いいと思う。工学部の関係も何かあるということも聞きますが、工学部が狭くて困るなら、工学部がほかに越してもいいかもしれませんが、学芸学部としては既定方針で進んでもらうということに詰めてもらうのがわれわれとしては本筋じゃないかと、こう実は腹の中では考えておるわけでございます。予算編成までにきめろとおっしゃいますが、こちらが腹をきめることができましても、大学の自治というものは、私どもは就任してからいろいろやっておりまして、ほんとうに大学の自治というものはけっこうなことなんでしょうけれども、大学のことというのは、教授会できまらなければ文部省としても指令もできなければ指示もできないというあり方に現在あるわけで、まあ、大局的に言えばこの大学自治問題も、学問の自由については自治はいいかもしれませんが、そういうことについてはやっぱりある程度文部省の行政権があるかっこうにならなければ、いまの状態では、各大学何カ所か問題があるわけで閉口しているわけでございます。さような次第で、急速にはいたしますが、予算編成までに必ず詰めろと言われましても、どうも私としてもいま言明いたしかねる事情にありますので、それだけは御了承いただきたい。
○岡三郎君 やめようと思ったけれども、そんなあいまいな答弁では了承できない。というのは、いま局長のほうから、臨時なものをつくると。臨時なものをつくるその予算要求はするんでしょう。しかし、それはかなりの額になると思うのです、臨時なものでも。かりに、もしもそれを使うとなったら、臨時なものをまたこわして本建築をしなければならぬ。たいへんな国費のむだだと思うのです。それは大学の自治は当然守らなければならぬでしょうけれども、その問題といま言った土地の取得の経緯という問題を考えたときに、これは幾ら大学当局がどうのこうの言っても、文部省のほうとして臨時的なものをつくるということについては国費がむだだ、だから、土地を他に求めるなり何なりして、とにかくはっきりとした方向づけをしてもらいたいということを言えば大学のほうとして侵されることはないのです。だから、期限を切ってやっぱり三万坪の土地の返還要求というものは起こるわけです、これからぐずぐずしているなら。はっきりしないですから。ですから、この点について横濱国立大学のほうに対して、大学の自治は当然であるけれども、三万坪の土地を取得した経緯から見て、このまま放置することはたいへんなことになる。したがって、すみやかに方針というものを決定してそれに基づいて文部省としても予算編成しなければならぬ。臨時的なものをつくるということは国費のむだになる。大学の自治のために、そういう点の中で自治といっても学問の自由を侵すわけじゃないですから、いま大臣が言ったように、ですから、その点については強く期限を付して方針をきめてもらう。これは何ら法的な干渉をしているということにはならないと思う。十年むだに過ごしてきて、これからまた何年たつかわからないというところで、がまんできないというところです。ですから、この点はひとつ速急に大臣のほうから横濱国立大学のほうに言って、たとえば予算編成期で十一月なら十一月までに方針をきめてもらいたい。それでなかったならば国費のむだになるおそれがあるので、これは決算委員会としても放置できない。大学当局、文部省の監督というか、指導というものがなされなくて何億だか知らない金というものがむだになるということでは、これは許されないと思う。その点についてひとつ十一月ごろまでに方針をきめてもらうということを大学に強く要請するということは私は自治を侵すことにはならぬと思うのですが、大臣どうですか。
○国務大臣(中村梅吉君) 厳重に申し入れて、すみやかに学内の方針をきめさせる、その求めるという点は、私は御指摘のとおり、ごもっともだと思います。必ず実行して、厳重に申し入れをいたしたいと思います。
○岡三郎君 それは自治を侵すことにはならぬですよ。
 その期限は、十一月ごろの予算に間に合うのか。なぜかというと、臨時なものを建てると、これはまたいいかげんになってしまうのです。国費のむだになるばかりでなくて、地元としても割り切れない状態がますます深刻化するのですよ。ですから、予算の編成期ですね、仮校舎という問題ではなくて、本建築をどうするのか。これは予算的にいろいろと問題があるにしても、そういう必要があるから予算編成期に間に合うように文部省としても方針をきめなければならぬので、十一月ごろまでにおきめ願いたいということをやることは自治の侵害にはならないですよ。国費のむだをいま目前に控えているのですから、ここで言ってください、はっきり。
○国務大臣(中村梅吉君) 私のほうとしては、学内の意見をすみやかに統一するように期限をつけて督促をいたしたいと、かように存じております。
○岡三郎君 それはいつごろです、期限は。予算があるわけですから……。
○国務大臣(中村梅吉君) そういう時期を画してけっこうだと思います。
○岡三郎君 時期はいつごろなんです。予算というものはもうはっきりしているのですから、予算は暮れになってしまったらおしまいなんですから。
○国務大臣(中村梅吉君) 大学に対しては、大学教授会というのはまあ議論の多いところのように聞きますが、大学に対しては、われわれのほうはそういう予算編成期までの時期を画して、早く学内の意見統一をはかれ、そこへ再建するか、あるいは他の第三地を希望するのか方向をきるのように督促をいたしたいと思います。
○岡三郎君 すると、おそくても十二月までには、やりますね。十二月までにしなければ間に合わぬと思いますが、局長、予算要求するほうからいうといつです。仮校舎なんて許されぬのです。
○説明員(天城勲君) 御承知のように、十二月末には予算きまりますから。
○岡三郎君 きまりますからと言っても、答弁にならぬ。だから、十二月までにはきまっちゃうから、十一月の末とか十二月までにはきめさせますね。
○説明員(天城勲君) 私といたしましても、横濱大学にいまのご趣旨でできるだけすみやかにやるように相談をすすめたいと思っております。
○岡三郎君 それをいつでもいいから、十二月に予算きまっちゃうから、あなたが、局長に――一番延びるにしてもいつごろまでにはやりますと言ってください。自動的に常識で出てくるわけですから、これは文部大臣に言ってもらいたい。十二月にはきまっちゃうから、きまっちゃってからどうのこうのということはむずかしいから。
○国務大臣(中村梅吉君) ただ、こちらとしてはそういう期限を付して督促をいたしますが、大ぜいの頭数の多い機構でございますから、向こうがそのとおりに必ずやってくれるかどうか、人のことまでは責任を負いかねますが、こちらとしてはそういう目標で督促をいたしたいと思います。
○岡三郎君 そうすると、大学のほうがどういうふうにするか別です、それはわかりますがね、少なくとも文部省としては、十一月の末ぐらいまでには期限を付して大学に方針をきめてもらいたい。そうしなければ国費のむだになるし、土地の問題についても非常にこれは困難な問題が起こるということで、十一月の末というふうに考えていいですね。ここで言ってください。あと大学がどうきめるかは、これは別ですよ。
○国務大臣(中村梅吉君) 十一月の末までには方針をきめてもらいたいということを厳重に申し入れをいたしたいと思います。
○相澤重明君 そのいまの点で、大臣が様子を知らないから私から言っておくが、大船のPXのあと地ですね、この使用については、神奈川県知事と横濱市長と鎌倉市長がすでに打ち合わせしていることなんです。これはいま国立大学をここへ持ってくるということはできない。すでにきまっているんです。警察学校をどうするとか、消防学校をどうするとか、あるいは貿易学校をどうするかということは、すでに国鉄を通すことと一緒に地方自治体としてこれは長い懸案事項でやっているんです。そんなことを大学の教授会がどうだと言ったところで、飛び入りしたってなかなか簡単にきまるものじゃない。だから、さっきから言うように、当然学校を建てると言って買ってある土地をどうするかという問題は、いまの鎌倉の土地をどうするのかということにこれはきまってくるのです。そういう点で私は意見を、これはよけいなことだけれども、あなたが知らないからはっきり言っておきますよ。そうしてやれば、あなたの言ったとおりぴちっといくわけです。そういうことを申し上げておきます。
○大森創造君 文部大臣とそれから科学技術庁長官とその他関係する人が大ぜいおられると、この問題らちがあくと思うのですけれども、しかし、文部大臣とおそろいの方ではなかなからちがあかないと思いますけれども、ひとつ、私は政治的に解決できると思いますから、短時間ですが明確にお答えを願いたいと思います。
 これは日本の宇宙開発、特に衛星打ち上げのことについてお伺いいたしますけれども、これが文部省所管の東大とそれから学科技術庁のほうとに二またに分かれていて、しろうとの国会議員の私どものほうから見るというと、非常に国費のむだが多いという判断をしているわけです、結論的に言えば。それで、まず科学技術庁のほうにお伺いしますが、科学技術庁はそういう問題についてどういう機関がいつまでに人工衛星ロケットなどを打ち上げる計画があるのか、これをまず最初にお伺いします。
○説明員(高橋正春君) 科学技術庁といたしましては、昭和四十五年に実用衛星を打ち上げるという計画を持っております。文部省におきましては、私どもただいままで伺っております範囲におきましては、大型のミューロケットの開発を進められまして、昭和四十二年以降に科学衛星を打ち上げる、こういうような計画があるように伺っております。
○大森創造君 科学技術庁のほうで扱う機関はどういうものですか。
○説明員(高橋正春君) ただいまの御質問は……
○大森創造君 それを実施する機関。
○説明員(高橋正春君) 宇宙開発推進本部並びに航空宇宙技術研究所でございます。
○大森創造君 こういう問題を一元的にやるのがたてまえだと思うのだが、元来は私は科学技術庁のほうの所管だと思うのだが、これについてはどうですか。大臣にかわってあなたのほうで御答弁いただきたい。
○説明員(高橋正春君) 従来の経緯から申しますると、東大におきましては、昭和三十年以降、宇宙空間の科学観測という目的を持って開発を進めておいでになりました。科学技術庁におきましては、昭和三十五年以降宇宙空間の利用の実用化、言いかえますれば、将来考えられます通信衛星、航海衛星、そういうような実用衛星の開発を目的としまして、ロケットの開発を進めてきたわけであります。そういうような従来の目的がそれぞれ異なっておりまして、今日まで至ったわけでございますけれども、御指摘のとおり、今後両者の開発計画というものが進展いたしますと、国費におきましても相当大きな額が予想されます。さらに、日本におきますところの宇宙人口と申しまするか、宇宙の開発に関連いたします科学者、技術者の数、あるいは従来開発されましたところの技術を効率的に利用するためには、両者の協調と申しますか……
○大森創造君 よけいなことはいいですよ。私の質問、簡単なんですから。
○説明員(高橋正春君) それで一元化につきましては、去る三十九年の二月三日に、宇宙開発審議会から、「宇宙開発における重点開発目標とこれを達成するための具体方策いかん」という格間に対しましての答申が出ておりますが、これによりますると、「わが国の有する科学、技術、資金等を総合的、効率的に活用しうる一元的機構を設けることが理想であるが、引き続きこれに関し当審議会において審議検討することが適当であると考える。」旨の答申をいただいておりますので、今後宇宙開発審議会におきましてこの問題につきまして御審議をわずらわしまして、その結果につきまして慎重に対処いたしたいと考えております。
○大森創造君 そうすると、科学技術庁の下に宇宙開発審議会なるものが設置されていて、この宇宙開発審議会というものが、文部省を含めて、東大を含めて、日本の宇宙開発だとか、人工衛星の打ち上げという問題を全般的に扱う、統合的に扱うという機関ですね、この宇宙開発審議会なるものは。
○説明員(高橋正春君) ただいまの宇宙開発審議会は科学技術庁の所掌に属するものでございませんで総理府に属し、総理の諮問機関でございます。したがいまして、当庁を含めまして全部の各省庁の宇宙開発に関するところの重要事項を審議することになっております。
○大森創造君 そこでわかりましたけれども、東大の関係がだいぶ先行していて、この間は、インドネシアにも輸出をして云々ということで、衆議院の科学技術委員会でも問題になりましたけれども、そういう東大で扱っている研究部門、あるいはプリンス自動車などに委託をしている問題、そういうもろもろの問題も総合的に調整して、そうして一元的にやるというのが宇宙開発審議会の性格なんですね。
○説明員(高橋正春君) 宇宙開発審議会の性格自体につきましては、先ほど申し上げましたとおり、わが国の宇宙開発に関しますところの重要事項を審議するという機関でございますが、先ほど申しましたような、一元化は理想であるがということにつきまして、さらに本答申におきましては、「一元的な機構が整備されるまでの過渡的措置として、当面各省庁行政機関において行なう宇宙開発の実用化と、大学において行なう宇宙科学の研究を相互に密接な連繋のもとに進めるため、本審議会をその相談しあう統一の場として随時活用することとする。」、このような答申をいただいておりますので、現時点におきましては、両省の宇宙開発計画というものは、宇宙開発審議会の場におきまして御検討いただき、かつ、調整がなされるものだろうと思っております。
○大森創造君 それでは別な角度からお伺いしますけれども、科学技術庁なるものは、宇宙開発審議会のもとに宇宙開発推進本部なるものがあって、そこでもって人工衛星とか科学衛星の打ち上げまでの研究をして、私の聞くところでは、昭和四十五年度までにこれを完成いたしますということを国会で明言したようですが、これは事実かな。
○説明員(高橋正春君) 事実でございます。
○大森創造君 それは自信があるのかな。私が聞いた限りでは、どうもあぶないというんだな。いまの人的構成やその他もろもろの関係、予算の面や年次計画もできていないということを聞いているのだが、これは自信があるのか。
○説明員(高橋正春君) 人工衛生開発自体につきましては、非常にむずかしい問題でございますけれども……
○大森創造君 簡単に言ってください、時間がないから。
○説明員(高橋正春君) 現在当庁におきましては、すでに四十年度をもちまして、四十五年打ち上げ計画の第一年といたしておるわけでございますので、四十一年度――来年度はその二年目に当たるわけでございます。五年計画の内容につきましては、宇宙開発審議会におきまして御審議をいただくことになっておりますけれども、当然当庁といたしましては、当初の目的を実現し得るような計画案を作成いたす所存でございます。
○大森創造君 一体予算は幾らくらいかかって、年次計画はできているのか。
○説明員(高橋正春君) 年次計画につきましては、ただいま検討中でございまして、本月の二十八日の宇宙開発審議会の場におきまして御審議を願うことになっております。
○大森創造君 一方、文部省、東大側に聞くが、その東大側のほうは糸川教授指導のもとに――これは文部大臣にお伺いします――これはどういう計画なんです。これはやる計画なんでしょう、やはり打ち上げまでを。
○国務大臣(中村梅吉君) 東大の宇宙航空研究所としましては、昭和四十二年度以降に科学衛星の打ち上げができる。いまのところでは、四十二年を目標にやっておるようでございます。しかし、いろいろ精密な問題がありますし、全国の各大学のこういう宇宙科学を研究しておる人、あるいは電気の関係もあるが、いろいろな学者が何十人も集まってそれぞれの専門知識を持ち寄ってやっておることでございますから、四十二年を目途にいまやっておるようでございますが、若干ずれるかもしれませんが、大体四十二年近くに科学衛星の打ち上げはできるものと私ども考えております。
○大森創造君 これは各新聞でこの問題は扱っておるので、私はこの面についてはしろうとでございまして、中村文部大臣と同じようにしろうとなんだ。だけれども、事は、この問題はやはり国会の場なり文部省や科学技術庁なりで政治的に決断をしないというと、ずるずるといきますな、これは。学者の思惑やセクト主義でずるずるといくことは火を見るよりも明らかです。だから、私はあえてここで提言をするわけだが、あなたは、というのは、文部大臣は鹿児島に行ってカッパー8か何かロケット打ち上げのときに、東大において糸川教授指導のもとにこういうものをやるということを指示するということを新聞で見たのだけれども、これは事実ですか。
○国務大臣(中村梅吉君) 指示するということは記憶がございませんが、東大が現在のように国際地球観測年における超高層物理現象の研究ということでいまやっておりまする科学衛星の研究は、私は実情を見たり聞いたりしまして、なるほど何十部門の精密な、学者なり技術が必要でございまして、これらが国公立の大学はもちろん私立大学に至るまでそういう専門の学者が宇宙航空研究所という東大の付属機関に集まりまして衆知を集めてやっていることでございますから、やはりこの機構で開発をしていくのが非常に適当であろう。でき上がってからこれを科学技術庁として、どう総合していかれるかは、これは実用衛星の段階になれば別だと思いますけれども、現段階ではそういうような機構がよかろうと、私どもも現場を見たりまた非常に何十部門にわたって精密な頭脳が必要である現状を見せられまして、そういう感じを持っております。
○大森創造君 そうすると、科学技術庁のほうでも、宇宙開発推進本部なるものが、国会で言明をして、これは液体燃料か何かをもとにしてやる、それは四十五年までに完成をするということであるが、東大のほうでは昭和四十二年までに完成するというのだが、こういうことをやっていいと思いますか。どういうところが違うか、しろうとの私にわかるように言ってください。一方は東大でやる、一方では科学技術庁でやるというが、どういうところが違うのか、その必要があるのかどうか。
○説明員(高橋正春君) 多少お答えにならぬかもしれませんけれども、両者の競合と申しまするか重複がやはり一番問題であろうと思いますけれども、その点につきまして具体的にこまかい点は申し上げられませんけれども、現時点におきましては、東大の開発いたしましたところの固体燃料ロケットにおきますところの技術と、科学技術庁が開発いたしましたところの液体燃料ロケットの技術の結合と申しますかコンバインと申しますか、そのような形におきまして四十五年の実用衛星計画を行なおうといたしているわけであります。
 もう少し具体的に申しますと、ロケットの下段部と申しますか、そういうものにつきましては東大の固体ロケットを使わせていただきまして、さらに必要な誘導、制御等を行ないますための科学技術庁の開発いたしましたところの液体ロケットをその上段部につけまして実用衛星の打ち上げをいたしたい、このように考えております。両者の技術的な問題につきましては協力は可能だろうと思っております。
○大森創造君 私はこれはそういうようには解釈しない。非常にダブる点があると思うんです。同じような人工衛星を――アメリカと違いますからね、日本は財政的に非常に貧乏なんだから。そこで、一方は東大でやり、一方では科学技術庁でやるというのだが、いまあなたの説明によると、もっともらしいことを言って、この段階までは東大のほうでやるのであるが、そのあとのほうはあなたのほうで受け継いでやるというのだが、いま東大のほうで計画しているのは、そうではない、打ち上げまでの計画をしている。ことに、東大の側は、文部省にお伺いしますけれでも、これは、佐藤総理大臣が、中国の核実験が昨年の十月にありましたね、その十月にあった直後、日本でもひとつ元気をつけよう、日本でもこういうものの打ち上げが可能なんだということで、これは科学技術庁なり文部省のほうに話をして、拙速主義でもいいからこの三年以内に打ち上げてみたらどうだ、これを言われたでしょう。文部大臣あるいは文部省の局長が言われたに違いない。そのために、科学技術庁では、まだまだ時間がかかるし、いろいろな点でまだ不備な点があるけれども、文部省、東大のほうならば間に合うかもしれぬということで、政治的に佐藤総理大臣が文部省のほうに圧力をかけた。どうですか、それで昭和四十二年度ということに繰り上げたのでしょう、あなたのほうは。それに違いないですよ。政治的発言をしないでくださいよ。
○国務大臣(中村梅吉君) わかりました。いま岡野大学局審議官が私の隣におります。岡野審議官は大学局ではこの方面を担当して専門に長年やっている人でありますので、佐藤総理からそういうようなお話のようなことがあったかと聞きましたら、さようなことは全然聞いておりませんということでございます。
○大森創造君 これは、岡野さんのほうにはなくても、上のほうにあったに違いないと思うんですよ。これは各新聞に書いてあります。そういうことによって昭和四十二年度までにひとつ繰り上げてやろう、そういう事実があったことは、ひとつあなたのほうでお調べ願ったらわかることだろうと思うのです。
 そこで、私がお伺いしたいのは、こういう科学技術庁でも計画をして昭和四十五年度につくる、糸川教授のほうでもつくるということなんだけれども、できるならば一元的にやりたいとはお考えになりませんか。これは文部省と科学技術庁の責任者にお伺いしたい。
○国務大臣(中村梅吉君) 大体、事の起こりは、科学技術庁で宇宙開発本部を持ち、東大で宇宙航空研究所を持っておる。私どもも在野時代から若干の疑問を持っておりまして、就任後この点について確かめてみましたところが、東大の宇宙研のほうでロケットの研究を始めましたのは昭和三十三年の国際会議で、国際地球観測年におけるところの超高層の物理現象を世界各国でそれぞれの地点で研究をしてもらいたいということになりまして、日本はアジアの日本の領土を中心とした地点でそういう超高層の物理現象の研究をしようということで、物理現象の研究をするのにはどうしてもロケットでやる以外にはない。そこで、三十三年のこの国際会議以来東大で学者が集まりましてこの研究を進めてきたわけでございます。したがって、東大の宇宙航空研究所というのは、そういう超高層の物理現象を精密に調査をする科学衛星を中心にして研究をやっておるわけであります。一方、科学技術庁のほうに実用衛星を目的とした宇宙開発本部というものができておる。しかし、宇宙開発本部ができましても、この基礎になるロケットの打ち上げというものに成功し、それからロケットのいろいろなそういう観測の精密な機械知識が集結してきませんとこれはできないことでございますから、全然無縁じゃなくて、大いにつながりがあるわけであります。そこで、愛知大臣のころには科学技術庁長官も兼務しておりましたので、愛知大臣としては、何とかこれを早く統一あるものに形づける必要がある、しかし、官庁として目的が違うのだから二つに分かれておるのはいいけれども、一本のコントロールのもとに置くべきだ、こういうような構想から、高木教授が東大の宇宙航空研究所の所長をしておりますが、この宇宙研究の所長の高木博士を科学技術庁の宇宙開発本部長に兼務さして、現在は、二つの機構でございますが、そのキャップは高木博士が一本でやっておるわけでございます。そして、こういう問題全体をコントロールして討議するのが宇宙開発審議会である。この審議会に各学者の方々やいろいろな関係者が集まっておるので、ここで討議をしてきめていく、こういうものになっておりますから、現在ちょっと見たところ私ども在野時代からこういう二本立てのような若干ふしぎな感じを持っておりましたが、検討してみまするというと、別段本質的には二本立てではないというふうに私は考えておりますので、現段階ではこのままの状態ならば開発を進めていくのがよかろうと、こう思っておる状態でございます。
○大森創造君 私の聞いた範囲では、東大では、中村文部大臣が行かれて見るというと、非常に学術的にこういう問題の研究を精通にされている人が多いようだけれども、実際はそうでなくて、こう講座制でもって、大学というものは不向きだというんです。こういうロケットの打ち上げみたいなことをやるのは大学として、不なれである。むしろ学問研究にじゃまになるという意見も非常に強いのです。私はきのう行って見たんです。そういう意見が圧倒的に多数です。それで、糸川教授のことで、悪いことではありませんけれども、プリンス自動車というものにずっと発注しておるんです、いままで。そうして、プリンス自動車のほうは、東大をトンネルとして国費を使って約三百人の技術者がこれで動いているということがある。だから、ここで疑問になるのは、東大から、国費を使って各種のロケットやその他のものを、これは防衛庁も使っておりますけれども、適正な値段でもって設計やその他の発注をやっておるかどうか。これは非常に疑惑があるんです、私に言わせれば。きょうは時間がありませんから証拠をお見せしませんが、ずいぶんあるんですよ。ぼくは森の石松のようにずばずば言うのが好きだから言うが、糸川教授は赤坂で有名ですよ。あの人は学者かもしれぬが、予算取りがじょうずだということで評価されておりますね。それで、糸川さんはずいぶんうそをついておるんです、いままで。昭和三十年から四年間のうちに十五億の予算を文部省から獲得している。これは相当権威のある人が私に言っている。政治力のある人で、文部省は甘いから。大学の学部を一つつくるのには二億もかかる。それにもかかわらず、十五億の予算を取ったでしょう、昭和三十五年ごろに。気球を上げて地球から三万メートルのところにアメリカの十分の一の費用でできるんだというようなことを放送をして、そして文部省から国費を十五億円ぐらい取ったが、これは事実できなかった。それと似たような発言を何回もやっている。最近もそういう発言をしている。このうしろにはプリンスがありますよ。これは御存じかと思うのですが、私の耳にはしきりにそれが入ってきておる。会計検査院の方おられますか。会計検査院の人は、なかなかむずかしい問題だけれども、東大で国費を使ってプリンス自動車のほうに発注した値段などが適正であるのかどうか、これは世間への宣伝は安い安いということを言っておりますが、安くはないという巷の批判なんで、こういう問題についてお調べになったことがございますか。
○説明員(樺山糾夫君) 東大が公表いたしましたロケットの値段につきましては、一応検討いたしまして、現在のところ特に不当というものは見当たらないのですが、ただ、ただいま先生おっしゃいましたように、この問題はいろいろな点がございます。非常にむずかしい面もございます。なお今後十分に検討いたしたいと思います。
○大森創造君 いま会計検査院がいみじくも言ったように、非常にこの問題はむずかしいあるいきさつがございますということは、それは端的に裏を返せば相当なことがあるんです、これは。そうして、私の想像では、いま文部大臣がいまのようなことで二元化されているそうだけれども、高木さんの宇宙航空研究所とそれから科学技術庁の宇宙開発推進本部と兼任させたのは愛知文部大臣のころです。科学技術庁長官のこれは一元化をはかるべくそういう措置をしたのだと思うのだが、この高木さんの発言たるやおかしいです、はっきり言うと。これは答申を出した側のメンバーでしょう。宇宙開発審議会のメンバーでしょう、高木さんは。
○説明員(樺山糾夫君) そうでございます。
○大森創造君 その高木さんが答申を出しましたのですね。日本の宇宙開発情勢を見ながら開発、生産の統一的な審議をする場がこの宇宙開発審議会ということを申しながら、一方、東大の関係のところへ行くというと、いまの科学技術庁のほうではどうもいろんな点で弱体だから、筋はそうであるけれども、東大のほうでやったほうがいいのじゃないかという発言をしている事実がある。そこで、よけい混線してくる。そこで、私の申し上げるのは、時間がないからここで結論的に申し上げますが、これは二本立てのままには変わりがないんですよ。このままずるずると押していったら、ますます一元がしにくいんですよ。いまの文部大臣の発言もさることながら、私は二元化されていると思うんです。そうして国費のむだ使いは膨大だと思うんです、貧弱な日本の財政で。これはわき道にそれますが、どこまでやろうと思っておるんですか、こういうロケットの打ち上げを。人工衛星の打ち上げというものは、最終的に火星ロケットと月ロケットを予想しておるのでしょう。科学技術庁並びに文部省でお知りになったならばひとつお調べ願いたい。これは子供の火遊びじゃないのですから、どこまでやりますか。金はおそろしくかかりますよ。
○説明員(高橋正春君) 現時点におきましては、当初といたしましては、四十五年を計画にいたしますところの実用衛星の実現というところの段階で考えております。
○柴谷要君 聞こえなかったから、もう一ぺん言ってください。
○説明員(高橋正春君) 現時点におきましては、先ほど申し上げましたような航海衛星、通信衛星その他の実用衛星の開発という段階で考えておりまして、いわゆる有人衛星その他のところまでは現時点におきましては計画等はございません。
○大森創造君 これはいま発足の段階でございますから、何というか、政治的に――これこそ政治だと思う。私は東大というものがあってぐっと動き出したならば、あと三年、五年、十年たったらえらいことになると思うのだが、収拾がつかなくなるだろうと思うんです。いまの問題は科学技術庁長官、文部大臣あたりで話をして、そこでネックになるのは何かというと、私の観測ではおそらくプリンス自動車との関係だろうと思うんです。そこで、現在プリンス自動車というものはなかなか技術的には優秀なところがあるから、そういうものを東大とのコネクションで仕事を進めるのではかくして、科学技術庁の宇宙開発審議会なり宇宙開発推進本部というものに帰属せしめるというような思い切った措置をとるのが私は筋だと思うのだが、いかがでしょう。文部大臣でもあるいは科学技術庁でもいいんですから……。
○国務大臣(中村梅吉君) 私どももこういうむずかしい問題はよくわかりませんが、問題は学識経験者が集まって方向づけを御審議いただきまする審議会でこういう問題を今後も討議していただきたいと思います。まずさしあたりの状態としましては、ほんとうの開発時代でございますから、全国のいろいろなこういう一々こまかい部品に関係することまで、あるいは燃料からすべての関係にわたった学者の知能が動員されるということが必要でございます。目下学者の知能動員の段階でございますから、こういう点から見れば、東大の研究所が中心になりまして学者の動員をして開発の一定の地点までには到達をしていく。そうして開発したときには科学技術庁としてこれを実用衛星として通信その他に使っていくとすればどういうふうにやるか、これはまたこれから先の問題で、これらを一貫してひとつ審議会でそういう問題をよく討議して結論づけをいただきたい、かように考えております。
○大森創造君 時間がないからやめますけれども、きょうここだけのことではとても済みません、事柄は重大でありますから。中村さんの見解と私は違うんですよ。現在ネックが非常にあるから筋道が通らないというところに隘路があるだろうと思うんです。しかし、政治というものは、そういうネックを排除して、あるべき姿に戻すことだと思う。中村さんは、自分でおっしゃるようにしろうとであるというが、実情はそうじゃないんですよ。先ほど申し上げたようなことなんですよ、端的に言うと。そのために、国策的に財政貧弱な日本が人工衛星とかあるいは観測用のロケットとかというようなものをやるから、三十億――三十八億でしょう、ことしは。そうして一学部の学部設立が二億円とか、それから研究費は微々たるものです。そのときにじゃんじゃんこっちのほうに金をつぎ込んでいる。それから一方、今度は、科学技術庁のほうでもそれは似たようなことをやるということは、いまの段階で二本立てでも差しつかえないようなことを文部大臣と科学技術庁のほうが言っておられるけれども、問題の所在はそういうところにはないと思う。これは区別すべきだと思う、やっかいであるけれども。これはここで押し問答をしていても始まりませんから、あとの機会に譲りまして、あと二、三分……。
 給食の問題について、中村さんやそれから佐藤総理大臣が僻地の問題についてやるということを言明されましたね。そのことについて、今年度の予算でどう措置するおつもりか、これをお伺いします。
○国務大臣(中村梅吉君) 今年度といたしましては、僻地給食については臨時措置としての特別対策は三級以上の市町村をピックアップしましたが、四十一年度には、二級地も一級地も、僻地と名のつくものに対しては全部高率補助をするようにしてまいりたい。ただ、高率補助の六割ないし八割ということになっておりますが、これはそれぞれその市町村の財政指数できめていく、財政指数五〇%以下のものに対して高率補助をやる、こういう財政指数をものさしにいたしまして、もう何級とか級はかまわずに、全部の一級以上五級までの僻地市町村に対して高率補助をととのえてまいりたい、かように考えております。
○大森創造君 昭和三十八年度の決算を見ると、給食の施設とかいろいろ補助をやりましたけれども、不用額として十二億くらい出ておるわけですよ。そこで、今度は、佐藤総理が何かでショックを受けて具体化した問題があるわけですね。辺地の数十以上の小・中学校について、ことしの二月から給食を漏れなく実施したい、これは中村さんも御存じだろうと思う。それからとりあえず実施財源の乏しい市町村に僻地給食のために総額四億六千万円の特別補助を実施するようという要望があったはずなんです。しかし、これは現行ではできないんですよ。それで僻地の給食は返上しているんですよ。御存じでしょう。これは、数などはいま求めませんけれども、現行のままではとてもできないので、父兄負担の問題だとかあるいは積算単価が高いなどということがございますから、せっかくこういう総理大臣の要望があり、それからなま乳の配給の問題などがありますから、このことが予算上計上されても不用額として計上されたり実施されぬことがないような、実効のあがるような措置を今度の予算からとってもらいたいと思いますが、それについて自信のある御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(中村梅吉君) 前に不用額を生じましたのは、一斉に全国の学校について乳給食を完了しようということで予算確保をいたしたわけでございますが、その際には、努力をした結果、小学校が九一%、中学校が六二%というところで終わりましたので、その実施のできなかった部分の予算が不用額として残った、こういうことになったわけでございます。来年度といたしましては、極力予算の不用額を生ずるようなことがないように、完全実施の計画どおりできるように進めてまいりたいと思います。
 ただ、問題は、この施設をする施設費の単価、たとえば建物を建てる単価、こういうものが大蔵省では坪単価を給食施設の単価を三万九千円と押えておりますが、実際には三万九千円ではできない。そこで地元負担額というものができますので、地元がなかなか実施しにくい市町村が出てくるわけでございますから、これらの単価についても努力をしてまいりたい。あるいは、同時に、いま考えておりますことは、特に僻地になりますと、貧弱な市町村、府県が多いわけでございますから、これらに対しては、国がとにかく高率補助までして実施の完了をしたいという目途で努力するのでありますから、県でもやはり県内の市町村である以上、県民なんですから、国からの高率補助をしても地元が苦しくても県は舌も出さないというのはひどいじゃないか、県もそういう地元の貧弱市町村に対して何らかの措置を講じてもらいたいということを呼びかけていくつもりでございます。現在も呼びかけつつありますが、年度の途中でございますから、非常に県もやりにくいのです。年度の途中補正予算を組みましてやっていただいている県が何県か出てきておりますが、全体の県としては年度の途中で、しかも収入の見込みが非常に減って歳入欠陥を生じておる年だけに、非常に年度の途中で苦しいようでありますから、少なくとも新年度から県も若干の御協力をいただいて貧弱市町村でも実行のできるように計らっていきたい、こう思って、国のほうも全力を尽くしますが、今後も苦しい貧弱市町村に対しては県も考えていただきたい、こういうことで総合して成果をあげるようにしていきたいと思っております。
○大森創造君 お話はわかるんですけれども、予算を計上しても多額の不用額ができて実際に生かされていないんです。とにかく、都会地のほうは間食もするし恵まれている生徒が多いにもかかわらず均てんしている、一番困っている僻地やそれから農山村のほうではその恩恵に浴さないという隘路はどこかといえば、中村大臣が御存じのとおりなんですから、これは県ばかりでなくて、市町村とそれから父兄負担というものにメスを入れていかなければならないと思う。そうでないとどうしてもだめです、作文だけになってしまいますから。その点をことしあたりから、給食の問題については年来主張されていることですから、ことしあたりからひとつ画期的なものを出していただきたいということを要望しておきます。
 それから中村大臣は、さっきのロケットの問題について、軽く答弁をされましたけれども、これは事重大だと思うので、さっき私が申し上げたとおり、国会の決算委員会の場で私に対する答弁以外に、町の声やそれから学名の声というものはそれほど単純なものではありませんから、これはきょうは科学技術庁長官はいろいろ用事があってここへ来られませんが、この問題はことしじゅうくらいに解決しないと取り返しのつかない問題になると思うので、文部大臣として所管の東大の関係についてこうであって、それからこちらのどなたですか大臣でない方がおいでになりましたけれども、この程度の答弁しか出てこないということは、私は委員会が始まる前からそう思っていた。しかし、それ以上の問題があるということでございますから、ひとつ日を改めてこの問題についてはもう少し究明したいと思うのです。何十億というか、あるいは何百億という金の国費のむだづかいということがあと三年、五年たったら出てきましょう、いま日進月歩の世の中ですから。ですから、この問題についてひとつ文部省と科学技術庁、政府としての政策的な観点から、そこを統一的にやるという必要がありますから、これはひとつあとで機会を持ちたいと思います。
 これで終わります。
○委員長(藤原道子君) 他に御発言がなければ、本月の調査はこの程度にとどめたいと思います。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時散会