第050回国会 決算委員会 第4号
昭和四十年十月二十五日(月曜日)
   午前十時三十五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十月二十一日
    辞任         補欠選任
     瀬谷 英行君     横川 正市君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         藤原 道子君
    理 事
                谷口 慶吉君
                相澤 重明君
    委 員
                木内 四郎君
                久保 勘一君
                八木 一郎君
                大森 創造君
                岡  三郎君
                柴谷  要君
                竹田 現照君
                横川 正市君
                黒柳  明君
                高山 恒雄君
                岩間 正男君
                山高しげり君
   国務大臣
       通商産業大臣   三木 武夫君
   政府委員
       総理府総務副長
       官        細田 吉藏君
       通商産業政務次
       官        堀本 宜実君
       通商産業大臣官
       房長       川原 英之君
       通商産業省貿易
       振興局長     高島 節男君
       通商産業省企業
       局長       島田 喜仁君
       通商産業省重工
       業局長      川出 千速君
       通商産業省軽工
       業局長      伊藤 三郎君
       通商産業省石炭
       局長       井上  亮君
       通商産業省鉱山
       保安局長     森  五郎君
       中小企業庁長官  山本 重信君
       中小企業庁次長  影山 衛司君
       建設省住宅局長  尚   明君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        池田 修蔵君
   説明員
       法務省刑事局刑
       事課長      伊藤 栄樹君
       外務省アジア局
       南東アジア課長
       補佐       股野 景親君
       大蔵省大臣官房
       会計課長     瀬戸山孝一君
       大蔵省大臣官房
       財務調査官    青山  俊君
       大蔵省証券局企
       業財務課長    安井  誠君
       大蔵省国際金融
       局短期資金課長  藤岡真佐夫君
       国税庁直税部法
       人税課長     茂串  俊君
       通商産業省企業
       局消費経済課長  小島 英敏君
       通商産業省企業
       局産業立地部長  中川理一郎君
       労働省労働基準
       局監督課長    藤繩 正勝君
   参考人
       日本輸出入銀行
       副総裁      藤沢徳三郎君
       石炭鉱業合理化
       事業団理事長   工藤昭四郎君
       石炭鉱業合理化
       事業団理事    町田 幹夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和三十八年度一般会計歳入歳出決算、昭和三
 十八年度特別会計歳入歳出決算、昭和三十八年
 度国税収納金整理資金受払計算書、昭和三十八
 年度政府関係機関決算書(第四十八回国会内閣
 提出)(継続案件)
○昭和三十八年度物品増減及び現在額総計算書
 (第四十八回国会内閣提出)(継続案件)
○昭和三十八年度国有財産増減及び現在額総計算
 書(第四十八回国会内閣提出)(継続案件)
○昭和三十八年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (第四十八回国会内閣提出)(継続案件)
    ―――――――――――――
○委員長(藤原道子君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について報告いたします。
 去る十月二十一日、瀬谷英行君が委員を辞任され、その補欠として横川正市君が選任されました。
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○委員長(藤原道子君) これより、昭和三十八年度決算外三件を議題といたし、通商産業省、中小企業金融公庫、日本開発銀行、日本輸出入銀行及び石炭鉱業合理化事業団の決算について審査を行ないます。
 この際、お諮りいたします。当委員会に提出されております、中小企業金融公庫、日本開発銀行、日本輸出入銀行及び石炭鉱業合理化事業団の決算の概要については、口頭報告を省略し、これを本日の会議録の末尾に掲載することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤原道子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、会計検査院の検査報告についても、説明を省略し、後日文書をもって提出願うことといたし、これらの報告につきましても本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤原道子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。
○大森創造君 いまから能率的に質問を申し上げますけれども、話が途中でしり切れトンボになっては困りますから、わかりやすく能率的にひとつ御答弁を願いたいと思います。
 まず大蔵省の方にお伺いいたしますけれども、私は三、四日前から大蔵省の大臣ほか五、六人の局長に出席を要求していたのでありますけれども、大阪へ行かれたと、それで私のお出まし願う局長がほとんどお見えになっていない。きょうの大阪の行事はどういうもので、どなたがおいでになりましたか、大蔵省の方にお答えいただきたい。早く、時間とらないでやってくださいよ。
○委員長(藤原道子君) 大蔵省短期資金課長、見えていますか。
○説明員(藤岡真佐夫君) 私直接の担当でございませんが、聞くところでは、貨幣大試験で大臣それから各関係局長などが関西へ行ったというぐあいに聞いております。
○大森創造君 これはひとつ、私の質問が終わるまでの間に、会計課長か、それから官房長に来てもらって、その点はお答えいただきたいと思います。よろしゅうございますか。きょうの計量試験なるもの、大阪造幣局の計量試験なるものに出席した人数、大臣以下どういう方々が行かれたか、これはひとつ官房長もしくは会計課長にあとからお答えいただきたいと思います。
 それじゃ、その次に移ります。まず労働省にお伺いしますが、労働者の賃金というものは労働者にとって生活の根源であること、これは申すまでもございません。現在の長期不況によって賃金の遅欠配が全国的に蔓延しております。現在全国の遅欠配額がどのくらいになって、昨年比との増加率はどうか――昨年よりもふえているだろうと思いますけれども、その増加率はどうか、こういうことをひとつ概略でよろしゅうございますからお答え願います。概略お答え願って、あとは資料でひとつ御提出いただきます。
○説明員(藤繩正勝君) 昨年来の嫌気後退の影響を受けまして、倒産企業数が相当高い水準にあることは、御承知のとおりでございますが、賃金不払い事件もそういう経済の動向を反映いたしまして昨年後半以降増加の傾向を続けておりまして、ことしの六月末――これが一番新しい統計でございますが、六月末現在の賃金不払い未解決事件は、件数で二千七百三十七件、金額では約二十億八千七百万円となっております。このうち金額では石炭鉱業が約八億五千七百万円で一番大きいのでございますが、これを除きますと、一般産業の不払い金額は十二億二千九百万円でございます。石炭は従来から御承知のような状態にございますし、また退職金がほとんどでございまして、これは一応別に考えますと、一般産業ではそのようになっておりまして、かなり増加の傾向が強い。昨年の同期に比べて約二倍になっているというような状態でございます。また、この不払い金額約二十億円の総額のうち定期給与の占める割合は三七%でございます。また、件数では建設業、土木建築関係が最も多く、千四百四十六件で、全体の五三%を占めております。しかも小零細規模のものが多く、それがまた業種業態の複雑性あるいは出かせぎ労働者の問題と結びついて解決の困難なものも少なくないという状態でございまして、ただいま先生おっしゃいましたように、賃金は労働者の生活に直接関係を持つものでございますので、労働省といたしましても重大な関心を持っているわけでございまして、このような出かせぎ労働者の関係は非常に重大だと考えておりまして、労働行政の面で対策を強化することはもとよりでございますが、建設省とも種々建設行政の上での有効な手段というようなものもないかどうかということで定町に連絡会議を持ちまして、対策を検討している次第でございます。
○大森創造君 大蔵省の会計課長、官房長、おいでになったならばすぐ連絡してください、そのほうに質問を移しますから、能率的にやりますから。
 二番目に労働省にお伺いします。
 賃金遅欠配は労働基準法二十四条違反はもちろんでございますけれども、労働省としてはどういう措置をとっておりますか、一般的なことでけっこうですから簡単に。
○説明員(藤繩正勝君) 賃金遅欠配は、先ほど申し上げましたように、賃金が労働者の生活の重要なるかてでございますから、われわれとしては重大な関心を持っているわけでございますが、法二十四条で労働基準法違反事件としてこれを処理するということがオーソドックスなやり方でございますけれども、事は監督を加えてこれを検察庁に送致する、処罰を加えるということだけではなかなか解決をいたしません。刑事的な処分と並行いたしまして、実際に労働者に賃金が支払われるようにという点でいろいろな努力が必要なわけでございまして、特に、先ほど申し上げましたように、建設業等に見られますように累次の下請関係で仕事が行なわれているというような場合には、末端の零細な業者のところで不払いが起こるということが多々ございますので、監督署といたしましては、一方におきましては監督を進めると同時に、たとえば元請等に参りましてかわって払っていただくような要請をするとか、あるいは関係の金融機関等にも場合によっては話をつけるとか、いろいろそういう周辺的な努力もいたしまして問題の解決に当たっている次第でございます。
○大森創造君 以下質問することについては、三木通産大臣、それからきょうお見えになりませんが、福田大蔵大臣、それから藤井政務次官、通産省の軽工業局長などにひとつ心をとめてお聞きいただきたいと思うのです、以下質問を申し上げることについて。
 それで、労働省にお伺いしますけれども、最大の――最大であるかどうか、とにかく大きな遅欠配をしたマルマンという会社について労働省のとった措置について簡単にお答え願います。
○説明員(藤繩正勝君) 株式会社マルマンは、本年の一月の賃金支払いから、動くデパートと言われましたあの新しい企画が当たりませんで、そういったことが原因となりまして、賃金の不払いが発生しております。その後逐月その金額がふえまして、ことしの七月末では約一億一千万に達したのであります。労働基準局といたしましては、本年二月に賃金不払いが発生したという情報を得まして、直ちに実態の把握とその是正の勧告を行ないました。その後も再三監督指導を行なってまいりましたが、不払い金額が累増する一方、思うようにその解決がはかられませんでしたので、ことしの八月二十七日に強制捜査に踏み切りまして、これは新聞にも報道されましたですが、その結果、九月二十九日に検察庁へ事件を送致いたしたのでございます。その後マルマンは、六億円の協調融資を大和、東海、三和、勧業、この四銀行から受けることができるようになりまして、この一億一千万の賃金不払いに充てるということになりまして、この十月の十五日から支払いを開始しまして、二十日に一応完了したという報告を受けております。ただ、退職者もかなりあります関係上、退職者がまだ出てこないというようなことで、ごく一部現実に払われておりませんが、大部分支払いを完了したというふうに報告を受けております。
○大森創造君 マルマンの遅欠配は、その期間が十カ月に及んでいる。その間、従業員の生活は破綻に瀕している。家の立ちのきを受けたり、それから夫婦別れをしたり、病気になったり、高利貸しに追われたり、回復できない被害が続出しております。もっと短期間に手が打てなかったものかどうか、労働省に伺いたいと思います。
○説明員(藤繩正勝君) 先ほどもお答えいたしましたように、できるだけ早く、しかも単に刑事的な制裁を加えるということだけで能事終われりとするだけでなく、現実に労働者が救済されるという点に重点を置いてやっておりますが、したがいまして、マルマンの問題につきましても、二月にはさっそくにマルマンを臨検いたしまして、それから三月、六月、七月と、三回にわたって是正のための計画を樹立させ、自主的な解決をはかってまいったのでございますが、どうもはかばかしくないということで、先ほど申したような処理をいたしたのでございます。
○大森創造君 その自主解決というものを、マルマン自身はどういうふうに努力しましたか。
○説明員(藤繩正勝君) 会社は、一月に不払いを発生いたしましたのでございますが、監督署の指示に従いまして、不払い解消のための計画を樹立いたしまして、監督署のほうに誓約書も出しておるわけでございます。その結果、一部については賃金の支払いが行なわれたわけでございますが、何せ先ほど御報告しましたような事情で、必ずしもスムーズに誓約を履行することができなかったというわけでございます。ただ、事件を送致しましたあとで、新聞報道等にも相当大きく出たというような関係も影響があったというふうに考えておりますが、関係銀行の協調融資が可能になって、幸い不払い資金が一応解決をしたということは、不幸中の幸いであるかと考えております。
○大森創造君 次にお伺いしますけれども、マルマンは従業員に割り当てや給料天引きで強制的に株式、社債を買わせている。その社債は全然市場性のないもので、質屋へ持っていっても取らないで、現金にかえられない。そういうものを強制的に天下り的に賃金として割り当てる。こういう措置に反対した一課長――前田と申しますが、これは即日首になったのですね。この点も問題ではないかと思うのです。
 それからまた、マルマンは、全員経営者だという名目の、そういう思想教育をしておいて、残業を心理的に強制しておいて、その賃金を支払っていない。こういう点は問題になりませんか、労働省として。
○説明員(藤繩正勝君) 御承知のように、マルマンは非常に特異な経営方法をとっております。いま先生がおっしゃったように、従業員が一人々々経営者であるというようないわば一種の経営哲学と申しましょうか、そういう考え方でやっておったことは、御指摘のとおりでございます。マルマンの従業員は大きく言って二つに分けられると思うのでございますが、一つはカウンセラーという名前で一種の外勤労働者でございますが、これはわれわれのほうとしては通常の新聞記者等の労働形態と同じようなものであるというふうに見ております。もう一つは、事務員等の内勤労働者でございます。そこで、御指摘のような時間外労働の扱い等についても、若干問題があるように聞いております。今回の不払い事件と並行いたしましてそのような是正をせしめる措置もとっておるわけでございますが、ただ、いま御指摘のような点につきましては、さらに詳細われわれのほうとしても十分把握、指導を加えたいと考えます。
○大森創造君 一応労働省としては、結局送検した理由は、賃金不払いということ、基準法二十四条違反ということで送検したものと思いますけれども、ここでお伺いしたいことは、司法処分に付しても賃金の遅欠配解消がないときは、従業員とすれば具体的にどういう措置をとったらいいのですか。
○説明員(藤繩正勝君) 基準法に基づく労働者の保護措置といたしましては、基準法二十四条の措置があるわけでございまして、基準局といたしましては、事務的に申し上げれば、事件を検察庁に送致いたしますと、一応そこで事件は終わるわけでございますが、一般的に言ってマルマンの場合は幸い事件が一応落着に近づいておりますけれども、一般的に申し上げまして、事件を送致したからといって、それで現実に労働者に不払い賃金が全部渡るということは必ずしも期待できない場合も多いわけでございます。そこで、われわれといたしましては、事件を送致したからといってそこで終わりということにせずに、なお引き続いて監督指導を加え、先ほど申し上げましたように、場合によっては元請業者あるいは関係銀行というふうなところにあっせん等の努力をいたしておるわけでございますが、何せ自由企業をたてまえとするわけでございますので、監督署としては十分そういったような努力をするということでとどまらざるを得ないわけでございます。
○大森創造君 わかりましたけれども、賃金の遅欠配で生活に困窮している労働者には、実際問題として訴訟する金も時間もないわけです。そこで、一方民法三百六条では共益費用に次いで雇人の給料について先取り特権を認めていて、事実問題として企業倒産のときは、公訴公課のほかに金融機関が会社の主要財産を押えておりまして、従業員が債務名義を確立して先取り特権を行使しようとしても、時間的に間に合わないで泣き寝入りとなる。それでは実際問題として労働者の賃金遅欠配というのは救われないわけです。法律的にはこれこれこれという規定がございましても、実際は泣き寝入りになる。何かその特別立法――労働者の賃金確保のための特別立法みたいなようなものをお考えになる必要がございませんか。
○説明員(藤繩正勝君) 労働者の生活を保護するというわれわれ労働省の行政の立場から申し上げますと、先生の御指摘のように、単に基準法二十四条だけでなく、一歩進んで賃金債権確保のための特別の法律というものがほしいわけでございますけれども、しかしこの問題につきましては、従来から国会でもたびたび問題になっておりますけれども、現行法の、いま先生御指摘のように、労働基準法のみならず、一般民法、商法、あるいは会社更生法、破産法等におきましても、賃金債権についてはある程度の優先的取り扱いがなされておるわけでございます。そこで、さらに一歩進んで特別立法をするかどうかという点になりますというと、公租公課との関係、特にその他の私法上の債権との関係、この点につきまして慎重に検討をしなければならないわけでございます。先ほど申し上げましたように、多くの不払い事件が類似の下請関係の末端で起こっておるというような事情にあります関係で、単に賃金債権だけを特別に優先的に取り扱うというような場合には、場合によりますと下請代金との関係でおかしなことも生じてくることも考えられます。その辺のことにつきましては、専門の法務省ともなお十分検討をいたしたいと考えております。
○大森創造君 民法や商法や会社更生法やその他の法の規定はございますが、これは抜け穴だと思います。実際に会社が倒産した場合には、賃金の確保ができないような事情です。ただ、あなたがおっしゃられたように、土建の下請なんかにしても、下請のまた下請の賃金がもらえなかったというのが労働省に殺到しておりますが、そこで提案でございますが、聞いてください。
 一、賃金は労働者の生活の源泉であるから、この法律の定めによって最終的には国がその支払いの保証をする。
 二、賃金の定例日支払いがやむなくずれざるを得ないときは、事前に主務官庁の許可を得て従業員に周知し、その同意を得ること。
 三、賃金の遅欠配期間が二カ月以上に及ぶときは、従業員代表を含む債権者会議で支払い計画を立て、主務官庁の認可をとること。
 四、不良企業については、国が破産の申請をするか、会社更生法の適用申請を経営者に命じること。
 五、賃金債権は、他の債権者の抵当権設定の有無を問わず、会社財産について先取り特権を有し、仮処分申請、債務名義の確立などは従業員にかわり国が行なうこと。
 六、賃金遅欠配による生活困窮者に対し、より救済融資の道を開くこと。
 七、本法違反の企業代表者には体刑を科し得るようにすること。
 こういうことを私が考えましたが、あなたの感想はいかがですか。法的な準備をすることは、あなたの一存ではできないでしょうが、法制のほうやその他労働省の幹部の方と相談されて、何か法的規制の措置をする必要はございませんか。
○説明員(藤繩正勝君) 十分検討させていただきたいと思います。
○大森創造君 これは抜け穴なんですから、ほんとうに検討して、いまはやりの前向きの姿勢で法律制定をやってください。
○説明員(藤繩正勝君) 先生の御提案は、賃金不払い解決のためには、きわめて有効な有意義的な御提案だと思いますが、非常に問題が多多あるやに思いますので、法務省その他関係官庁とも十分検討の上措置いたしたいと思います。
○大森創造君 検討の上のあとがよく聞こえなかったのですが、検討の上どうするのですか、もう一回。検討の上、これではわからない。
○説明員(藤繩正勝君) 非常に複雑な問題があると思いますので、十分検討さしていただきたいと思います。
○大森創造君 私が七つの提案をしましたが、こういうことを徹底すればある程度解消する向きもあるのですね、これは法律改正をしなくても。ですから、一番は法で規制すること、これをいま研究してもらいたい。その次には、いま私が提案したような考え、これは直ちに採用できる面もあると思うから、これをやってもらいたいということを要望しておきます。
 その次に通産省にお伺いいたします。
 割賦販売法の十一条によれば、前払い式割賦販売業者は通産省の登録を受けることになっており、登録の資産から負債を引いた額が資本総額の百分の九十になったときは契約締結禁止命令を出すことになっているが、マルマンの場合はどういう措置をおとりになりましたか。
○国務大臣(三木武夫君) 事務当局からお答えいたします。
○政府委員(島田喜仁君) 通産省の調べによりますと、ただいま御指摘の条件にはまだはまっておりません状況でございまして、したがいまして法的には何らの措置をとっておりません。
○大森創造君 登録業者には三カ月に一回財産調査報告を出させて検討するということになっているだろうと思います。
 そこで、マルマンは、本年の五月十九日付で東京通産局に提出した財産報告では、昨年の十二月三十一日現在の前払い式割賦販売の前売り金、これは幾らになっているか、お調べになっておりますか。
○説明員(小島英敏君) ただいまの昨年末の数字は、ちょっと手元にございませんが、一番新しい数字で九月二十日現在の数字でございますが、ただいまのお話の前売り金は二億五千万でございます。
○大森創造君 通産省の企業局に出した――本年の三月三十一日に出したはずなんだ。これは幾らになっておりますか。
○説明員(小島英敏君) お答えいたします。四十年三月三十一日現在の前売り金は二億一千万円でございます。
○大森創造君 とにかく、その通産省の企業局に出した財産報告というものの前売り金の金額とそれから東京通産局に出した金額が大きく食い違っていることは間違いないのです。これはでたらめな報告なんです。これはよく覚えておいてください。
 で、前払い式駅売は、品物を渡す前に善良な消費者から金を集めるのだから、社会に及ぼす影響が非常に大きい。マルマンでは仕入れ先にも相当の不払いがございます。前売り金はガスライター工場の建設や不用な用地買収のために出した支払い手形決済に使われた疑いが十分ございます。客への商品納入がおくれたり、不良品を半強制的に取らせて、相当迷惑を及ぼしております。こういう悪質業者に対する監査について、通産省はどういうことをいたしましたか。どの程度のことがわかっておりますか。
○説明員(小島英敏君) お答えいたします。
 私たちは、実はマルマンが動くデパートを始めましてから、なかなか、この計画自身が非常に新しい移動販売という形でございますし、しかも、ガスライターなり時計バンドなりの業界においては一流の会社でございますけれども、非常に意欲的な計画で動くデパートを始めた。しかも、その内容等につきまして、かなり初めの計画では固定給なども高い水準でカウンセラーを大ぜい雇ってやるというようなことで、かなり問題はあるという感じはいたしました。ですけれども、何分にもやはりこれは一つの流通合理化と申しますか、販売形態といたしましては、通信販売、カタログ販売ということが今後日本の流通合理化の一つの方向でもございますし、当初のそのねらいとしては決して否定すべきものではございません。
 それからもう一つ申し上げたいことは、どこまでもこの前払い式割賦販売の業者に対する登録と申しますものは、非常に軽微の形式的な要件を備えておれば登録できるわけでございまして、認可制とか免許制とかというものとは全然性格を異にするものでございます。そのために、いままで定期的な財産報告書等はもちろん調査してございます。それから東京通産局で定期的に立ち入り検査もいたしておりますが、これは先ほど申しましたような純資産額が資本金の九割を割っていないかどうか。この場合も、割ったら必らずその登録を取り消すとか、新規契約を停止しなければいけないということではございませんで、判った場合には取り消したり登録申請を消除――消すことかできるという一つの裁量の余地が残っております。その点は別といたしまして、あと法の運営上、たとえば営業所を変更したり何かしますと、必ず届出をしなければなりませんが、さらにその営業保証金としてきまった金額を積まねばなりませんが、それらの点が確実に実施されておるかどうかということを形式的に審査する権限しか現在の法制では認められておりませんので、現在までのところ、実はマルマンについて東京通産局が検査をしてまいりました過程において、これほど大きな、実はマルマンの経営自身が問題になるというようなことは予想できなかったわけであります。
○大森創造君 前払い式割賦販売業者が客と契約をするとき、当然商品の指定があると思うのですが、その指定は、なるべく機種、規格まで契約時点できまっているほうが割賦販売法の趣旨にかなうと考えるが、どうですか。
○説明員(小島英敏君) お答えいたします。御質問のとおり、私たちもそのように考えます。やはり、特定商品であることが望ましいと思いますし、そういう線で通達も出しております。
○大森創造君 契約時には、そこまで具体的に指定しなくても、少なくとも政令に明記してある分類の指定がなければならないと考えるが、いかがですか。
○説明員(小島英敏君) 品目指定につきましては、必ずしも、品目を指定しておりませんものは
 一切前払い式の販売をしてはいけないということは、この法律では言っておりません。実際問題といたしましては、消費財を中心に、ほとんどおもだった商品が全部指定されておりますので、指定されていないものを売ることによって消費者が非常に迷惑をこうむるということは、私たちの判断ではいままでなかったと考えております。
○大森創造君 政令の指定商品分類よりももっと抽象的、包括的な商品指定は、結局指定がないのと同じだと思いますが、いかがですか。
○説明員(小島英敏君) 包括的な指定と申されますのは、どういう点でございましょうか。
○大森創造君 マルマンでは、前払い式割賦販売の契約をするときには、積み立て額の範囲でいつでも好きなものを買えるという口上で言われる、ごとく、そうして金を集めて、いつでも好きなものをお持ちください――割賦販売法の制約があるので、家庭百貨に通ずるリビング・セットなる商品名をマルマンが考え出したわけです。これによって、契約高はマルマンの全体の前払い式販売総額の六〇%に達しております。こういう契約のしかたは割賦販売法で許されている範囲をこえていると私は考えますが、いかがですか。
○説明員(小島英敏君) 実は調べましたところ、営業当初におきまして、いま御指摘のような、いつでもほしいものを買えるというような、何でも買えるというような広告をした事実がございます。それで、これは私のほうとしましても、非常に好ましくない。つまり、前払い式割賦販売と申しますのは、普通の現金販売に比べまして、金を積んだ分だけ安く買える、相当安く物が買えるというところに前払い式割賦販売のいいところがございますので、商品も極力固定しまして、特定して現金で買う場合は幾らなのに、この方式でやれば幾らだ、安く買えるというようなことで、初めて消費者のほうではその辺の判断ができるわけでございますので、いまの何でも将来品目は選定できるということでは、はなはだこの趣旨に反しますので、これは会社のほうに申しまして、訂正いたさせまして、会社のほうもその後訂正をいたしまして、たとえば結婚コースとか何とかコースというのがございますが、それはいずれも中で、十万円セットとか二十万円セットとか一応金額的な表示になっていますけれども、この中には、十万円のセットの場合には、たとえば鏡台が幾ら、たんすが幾らというふうに、すべて商品が特定されております。営業を始めた当初の広告には一部そのようなことがありました点は事実でございますが、その後その点は是正されていると私たちは信じております。
○委員長(藤原道子君) 大森君に申し上げます。実は通産大臣が午前中というお約束でございますので、他の委員からも通達大臣への御質問があるそうでございます。通産大臣の御質問を早くしていただきたいと思います。
○大森創造君 通産大臣にお伺いします。順序が逆になりましたが、いまから通産省、それから大蔵省のほうに、マルマンなる会社について法律違反の事実があることを質問していきたいと思ったのだが、順序があべこべになりました。とにかくマルマンという会社は、はでにやったけれども、非常に失敗をしております。それから法律違反をたくさんやっている。これについて、五億九千万か六億かの特別協調融資をいたしました。この特別協調融資について、通産大臣はどういう程度関係しておりますか。
○国務大臣(三木武夫君) 直接の関係はありません。しかし、協調融資によって、賃金の不払い、これが払うことになる。それから割賦販売による二億五千万をこの年末までに支払う。労働者、それから割賦販売による加入者に迷惑をかけないで、そしてガスライターとバンド等を中心にして会社の再建をはかるというような解決を見たという報告を受けております。
○大森創造君 動くデパートというものを始めたのはいつからいつまでですか、これは通産省に。
○説明員(小島英敏君) 昨年の五月に始めまして、現在はすでにやめております。
○大森創造君 いつまでやりましたか。
○説明員(小島英敏君) お答えいたします。本年の三月ごろから漸次縮小いたしてまいりまして、八月十日で一切その仕事を打ち切っております。
○大森創造君 片山社長と三木通産大臣は知っておるのですか。どういう関係でございますか。
○国務大臣(三木武夫君) 私は明治大学の卒業であります。片山君も明治大学卒業生で、面識はありますけれども、そう深く、彼の人となり、いろいろな事業の内容については承知いたしておりません。
○大森創造君 九月四日の晩に軽工業局長と藤井勝志政務次官とマルマンの片山社長が大蔵大臣の家に行ったでしょう。夜の八時ごろ。その事実はどうですか。
○政府委員(伊藤三郎君) 九月四日の晩に軽工業局長が大蔵大臣のところへ行ったかという点でございますが、私に関する限りそういう事実はありません。
○大森創造君 きょう欠席された藤井政務次官とそれから片山社長が、図書館長の河野さんの案内で九月の四日の晩に大蔵大臣のところへ行って、この協調融資のあっせん方を依頼したのが、事実なんです。きょうはみな欠席だ。そこで、会計課長か官房長か来ておりますか。
○委員長(藤原道子君) 青山財務調査官が見えております。
○大森創造君 そこであなたにお伺いしたいと思うのですが、きょうは、私は四、五日前から局長や大臣や次官の出席を求めていたのだが、きょうは全部いない。大阪へ出張された。一体だれが何人くらい何のために行かれましたか。
○説明員(青山俊君) 私は担当が銀行局でございまして、そのほうのきょうは担当課長がまだ参っておりませんので、正確にはお答えいたしかねますが、貨幣大試験というものが毎年一回大阪の造幣局で行なわれるわけでございまして、そのときには大臣以下関係の局長が大阪へ出張するわけでございまして、ちょうど本日がその日に当たっているわけでございます。本日は、大臣、政務次官、それから局長の数は私いまはっきりわかりませんが、大部分の局長が大阪へ出張いたしております。
○大森創造君 貨幣の計量試験なるものに毎年これは行っているのですか。私は、大臣とそれから係の者が行けばいいと思うのだ。現地には造幣局の局長もいるし、何十人か何百人か役人がいるのに、計量試験に毎年恒例にそういう大人数を繰り出しているわけですか。
○説明員(青山俊君) これは毎年そういうことで参っております。
○大森創造君 そういう必要があるとあなたは考えますか。何人行ったのですか。大臣と政務次官、事務次官は全部行ったのですか、行った人の名前を言ってください。
○説明員(青山俊君) 私は直接そのほうの担当をいたしておりませんので、先ほど申し上げましたように、はっきりだれが行っているかいま詳細申し上げられませんけれども、事務次官はこちらへ残っておりまして、大臣、政務次官、それから関係の局長が向こうへ出張いたしているわけでございます。
○大森創造君 私は、常識的に考えられないですね。その造幣局の計量試験なるものにそれほどの人数が、大臣以下、政務次官三人、それから関係局長がほとんど出払ってしまうというようなことは、私はそういう必要があるとは常識的に考えられない。いかがですか。
○説明員(青山俊君) これは貨幣大試験という試験を行ないますと同時に、そのときには関西の財界といろいろ財政金融の問題につきまして懇談をいたすことになっておりまして、その関係で担当の関係のある局長が大臣に随行する、こういういままでのしきたりになっているわけでございます。
○大森創造君 いままでのしきたりなら、私はやめてもらったほうがいいと思うのですよ。関西財界と懇談するということならば、その名目で行きなさいよ。これはいわゆる公的な懇談でないでしょう、関西財界との懇談というものは。計量試験という名目で行ったのでしょう。会計課長おりますか――どういう名目で何人行きましたか。
○説明員(青山俊君) いま会計課長まだ参っておりませんので、その点は後刻お答えさしていただきたいと思います。
○大森創造君 私がマルマンの協調融資について一番肝心なところを聞こうと思うのだけれども、その関係の局長や政務次官が全部出払っている。私の考えでは、恒例によってそういうことをやっているならば、これは改めてほしいと思う。その必要はないと思うのです。財界と懇談するといっても、一体だれが行ったのだ。大臣と次官が行けばいいのか、大臣もしくは局長の一人くらい行けばいいのじゃないか。大蔵大臣は、緊縮財政だ、国家財政が苦しいということを言っている。一方、国会はあるのですよ、きょう。私は出席要求は四、五日前からやっているのですよ。で、総勢どのくらい行ったのか。おそらく金魚のふんみたいにどやどや行ったのと違いますか、大臣、局長以下。私はこういうことは改めてほしいと思うのだが、会計課長から正式にお答え願いたいと思う。大臣以下だれが行ったのか。きょうは決算委員会があって、私の答弁要求者が何人かいたわけですよ。全部出てこない。それでもいいのでしょうか。これは私は、こういうことをやられたのでは、国会の審議はできませんよ。マルマンの問題の肝心なところを質問しようと思うと、その人がいないのですから。そこでこれはひとつ国会対策の問題として、あるいは委員会のあり方として、こういうことが許されていいかどうか、 ついでに、国税庁長官もきょうは行っちゃったのですね。それから労働省の局長もいない。国会の質問よりも優先するのですか、計量試験なるものは。財界との懇談会というのは、これは民間との、財界との懇談会であって、政治的には、いかほど基準が高くても、これは表面には出ないものだと思う。これは会計課長がいたらばお答え願いたいと思う。いままでの恒例なら、こういう恒例は改めてもらいたい。質問できませんから、国会での。
 会計課長来ていますか。
○委員長(藤原道子君) 大森君に申し上げます。見えてないんです、さがしていますけれども。
○大森創造君 それでは、この次にお尋ねします。
 マルマンという会社は――時間がないから必要とあればあとの機会にいたしますが、不良会社ですよ。これは五つの銀行が協調融資に踏み切ったんだけれども、五つの銀行というのはどういう銀行ですか、知っている人があればお答えください。
○政府委員(伊藤三郎君) 三和銀行、東海銀行、大和銀行、勧業銀行の四行が協調融資をいたしました。そのほかに東洋信託銀行に対する返済金の延期が行なわれました。
○大森創造君 通産大臣、この協調融資の是非はあなたには問いません。どの程度関係しましたか。
○国務大臣(三木武夫君) 是非ですか。
○大森創造君 是非はあなたに問いません。この協調融資の問題について通産大臣はどの程度関係をしましたか。
○国務大臣(三木武夫君) まあ、こういういま中小企業の倒産が非常に多い、できる限り地方の通産局でも、中小企業の倒産に対しては、不況対策の相談室も設けて、局長が陣頭に立ってやれ、倒産すれば関連産業があるし働いておる人が職を失うので、そういうことで、いろんな不況問題についての報告は受けるんでありますが、この問題についても、私の記憶にあるのは、話がついてそういうことでやるという報告で、途中においても、協調融資の相談ができておるという報告は、相談進行中という程度の報告は受けた記憶がございます。
○大森創造君 私は大蔵省の方にお伺いいたしますが、保全経済会というのが昔ありました。それから西村金融の事件があった。そういう事件にかんがみて、大衆に迷惑をかけないという意味で預り金云々の法律ができたんだろうと思うんです。大蔵省の方どういうふうにお考えになりますか。
○説明員(青山俊君) ただいま先生の御指摘になりましたのは、「出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律」というのをおさしになっていらっしゃるんだろうと思いますが、やはり金融機関というものは、正規の免許を受けた金融機関で、大事な預金者のお金を預かるわけでございます。そういう点で、それぞれ根拠法規がございますが、いまお話しのような問題がかつてありましたわけで、そういうことの再び起こりませんように、この法律によりまして、かってに預かり金をするというふうなことのないように、特別の法律に基づく以外には預かり金を禁止するという規定を設けたわけでございます。
○大森創造君 証券取引法及び有価証券の募集又は売出の届出等に関する省令は、運営のポイントとしては、主として証券業者及び取引所上場会社を対象としているものと思うが、これら法令適用の対象は、これに限らず、すべての一般企業体に及ぶものと考えるが、もしこれら一般の企業体がこれら法令の定める手続を踏むことなく有価証券の売り出し発行を行なった場合どうなるのか、またその際その証券は有効であるのか、これをひとつお伺いします。
○説明員(青山俊君) 担当の安井企業財務課長からお答えいたします。
○説明員(安井誠君) お答え申し上げます。
 証券取引法によりますと、証券取引法第四条という規定がございまして、「有価証券の募集又は売出は、発行者が当該有価証券に関し大蔵大臣に届け出で、且つ、その届出の効力が生じているものでなければ、これをすることができない。」、こういうふうに規定があるわけでございます。この場合の「募集又は売出」の概念につきましては、一取引法の第二条に規定がございまして、第二条の三項に募集に関しまして定義がございます。第四項に売り出しについての定義があるわけでございます。第三項は「この法律において有価証券の募集とは、不特定且つ多数の者に対し均一の条件で、あらたに発行される有価証券の取得の申込を勧誘することをいう。」、繰り返しますと、不特定かつ多数の者に対し均一の条件で新たに発行される有価証券の取得の申し込みを勧誘することがこの募集という定義にされているわけでございます。売り出しは、同じく第二条の第四項に「この法律において有価証券の売出とは、不特定且つ多数の者に対し均一の条件で、既に発行された有価証券の売付の申込をし、又はその買付の申込を勧誘することをいう。」、繰り返しますと、不特定かつ多数の者に、かつ均一の条件で、すでに発行された有価証券の売り付けの申し込みをし、または買い付けの申し込みを勧誘することをいう、こうなっているわけでございます。
 この第四条の違反につきましては、証券取引法の百九十八条に罰則がございまして、「第四条第一項の規定による届出を必要とする有価証券について、その届出の効力を生じていないのに当該有価証券の募集若しくはその取扱又は売出若しくはその取扱をした」場合には、罰則の規定が設けてあるわけでございます。
○大森創造君 それでね、このマルマンの場合は、株式について発行しても大蔵省に届け出も通知もないでしょう。
○説明員(安井誠君) マルマンの場合は、私ども大蔵省に対しまして通知も届け出もございません。
○大森創造君 そうするというと、どういうことになるんですか、一体これは罰則は。
○説明員(安井誠君) 第四条を先ほど読み上げたのでございますが、募集または売り出しにつきまして大蔵省に届け出が要る、こういうふうに書いてあるわけでございます。この場合に、先ほど申し上げました、募集につきまして、不特定かつ多数の者に対し、かつ均一の条件でという概念がついているわけでございます。募集または売り出しにつきまして全部大蔵省に届け出をしなければならないということにはなっていないわけでございます。
○大森創造君 それではお伺いしますがね。マルマンの場合は、証取法上の合法的な手続を踏むことなくして証券を不特定多数の者に売りつけたという事実がある。調べてわかっているだろうと思うんですが、不特定多数の者に現実に売りつけておる。これは詐欺罪じゃないか。
○説明員(安井誠君) 私どものほうで、マルマンの問題につきまして、実は関東財務局のほうでそのようなうわさを聞きまして、一、二回事情聴取等をいたしておりますが、現在までのところ、不特定または多数に該当するかどうか、その他非常にこまかい問題につきまして、事情を調査しておる段階でございます。直ちに、何と申しますか、この違反に該当するかどうかきめかねております。と申しますのは、証券取引法の規定で私どものほうに与えられております権限では、二十六条という規定があるのでございますが、届け出が行なわれますと、その届け出をいたしました有価証券の発行者に対しましては必要な調査、検査をする権限が与えられているわけでございますが、届出書が提出される前の段階におきましては調査する権限が証券取引法上はないわけでございます。したがいまして、大蔵省の事情聴取も、全く任意の事情聴取以外にはできないわけでございまして、犯罪捜査を目的といたしておりませんので、調査は続けておりますけれども、まだ確実にこれに該当するという結論には達しておりません。
○大森創造君 株式の問題では、私があなたに申し上げておきますが、これは不特定多数の者に無数に売っているでしょう、大蔵省に届け出しない株式。これは事実だから申し上げておく。この際申し上げておきますが、非常にじみな問題のようだけれども、通産省の監督行政というものは末端について徹底していないと思うのです。
 そこで、マルマンの問題については、監督官庁では、あなたのほうの末端の方がどの程度調べておられるのか、これはあとで書類を出していただきたい。おそらく、私のわかっていることは、あなたのほうはわかっていないんだから。株式は無届けでしょう。
 もう一つ伺います。今度社債を発行しました。この社債は、合法的な手続を経ないで、従業員の給料から天引きですよ。さっき申し上げたように、この社債はいささかも市場性がない、金融機関で取ってくれない、ただの紙切れですよ。これを、課長は幾ら、部長は幾らというので、天引き社債です。質屋でも取ってくれないような、そういう社債をやっている。こういう問題については、監督官庁としてどういう措置をとるおつもりか。法律的にどの点が違反になっているのでしょうか。
○説明員(安井誠君) ただいま大森先生の御質問がございました社債の問題につきましても、証券取引法は、有価証券の概念の中に社債が入っているわけでございまして、したがいまして、問題といたしましては、株式の場合と社債の場合とはわれわれとしては同じ問題だと考えております。金額につきましては、証券取引法に関します省令におきまして、届け出を要する金額は株式、社債とも募集の場合には五千万円以上となっております。五千万円以上というのは単なる原則でございますが、株式、社債とも売り出しの場合にはその金額がさらに低くなるということでございます。一千万円ということが省令の一条に書いてございます。
○大森創造君 そこで、マルマンでは昨年十一月以降住宅営業をしている。これは企業資金の調達の手段に始めたらしいのです。いま不況下でございますから、あらゆる方法をとるわけです。事実、賃金の欠配、下請の不払いによって、建て主というか、契約者に相当の迷惑をかけた。月賦の住宅、これは月賦住宅会社の規制はどうなっておりますか。建設省住宅局長お答えいただきたい。資金調達のためにこういう月賦住宅会社というものをつくり、そして建て主に対して非常に迷惑をかけている。実際家を建てていない。
○政府委員(尚明君) 建設省の所管の法律で、住宅を販売するものを取り締まるという法律は、宅地建物取引業法でございます。この法律に基づきますれば、このように注文者等に迷惑を及ぼすようなことがございますと、一番きついものとしましては体刑及びあれがございますが、大臣が一般的監督をして公正な取引が行なわれるようにしているわけでございます。しかし、マルマンのその事故につきましては、まだ詳細は私どもわかっておりません。
○大森創造君 これは私は詐欺的なやり方だと思うのです。資金を集めるために、そういう月賦住宅会社を建てたのです。これはあとからよく御調査をいただきたいと思うのですが、そのマルマンの会社の中の担当課長がそのことについて、こういう無謀な企画はやめるべきだというので反対をなさった。たちどころに、そのことを言うと、翌日首になっている、片山社長から。このように、企業が資金繰りのためにあるゆる方法をとっているわけです。
 そこで、国税庁の長官、きょうは大阪に出張したと聞いておりますが、国税庁にお伺いいたします。所得税法第四十条によれば、勤労所得税の年末調整によって過納額が出た場合には、徴収義務者はこれを本人に還付する、または次年度に過納分を充当することになっているが、本人にも還付しないし、また次年度にも充当しないでそのままにしておく、つまりその期間その過納分は企業の運転資金にばけているが、これが税法上はっきりしている場合にはどうするか、国税庁はかかる場合いかなる措置をとられるか、これをお答えいただきたい。
○説明員(青山俊君) 法人税課長からお答え申し上げます。
○説明員(茂串俊君) お答え申し上げます。源泉徴収制度は、御承知のとおり、原則として徴収義務者がいわゆる納税者とそれから徴税機関の間に介在いたしまして、そういった還付とか充当とかという問題は、一応国と徴収義務者との関係において処理されるというたてまえになっております。したがって、いまお話しの点につきましても、かりに国に対して納め過ぎがあったという場合には、徴収義務者がその納め過ぎの税金を還付する、そうして徴収義務者と給与所得者との間は、本人との間は別途に両者の間において処理するというたてまえになっております。
○大森創造君 それは事実の説明で……。
○委員長(藤原道子君) 大森君にちょっと申し上げますが、通産大臣の時間もあるようでございますので、一時間もたっておりますから、ひとつお含み願いたいと思います。
○大森創造君 いまのは事実の説明で、いま私の申し上げたようなことをやっているわけです。それに対してどういう措置をしているのですか、国税庁としては。
○説明員(茂串俊君) 質問の御趣旨を私もちょっと理解しかねますが、徴税当局としては、納め過ぎの事実があったかどうかということ、これはむしろないのじゃないか。というのは、私どものほうで調べた限りにおきましては、むしろマルマンにつきましては、未納分の徴収税額が相当に昨年十一月以来でございます。これにつきましては、徴収決定をいたしまして、強制徴収をただいましている現状でございます。したがって、国に対して納め過ぎという問題はないのじゃないかと私は考えております。
○大森創造君 納め過ぎじゃないのです。私の質問したのはこういうことです。所得税法によりますれば、勤労所得税の年末調整によって過納額が、出た場合には、徴収義務者はこれを本人に還付する、または次年度に充当することになっているが、これを本人にも還付しないし、次年度にも充当しないでそのままにしておく、つまりその期間過納税金は企業の運転資金にばけている。この場合、これがはっきりしている場合にはどうするか。それでいいのですか、そういうことをやって。
○説明員(茂串俊君) はっきりしている場合には、当然是正すべきだと思います。そういうお話がございましたら、徴収義務者から給与所得者に対しまして至急に還付する、または翌期以降に充当するという措置をとらせるべきだと思います。
○大森創造君 そこで、その他にもいろいろございますけれども、こういう不良な会社、放漫な経営をしている会社に四つの銀行が六億の協調融資に踏み切ったといういきさつは、私はコネだろうと思うのです。個人的なコネ、片山社長と三木通産大臣は学校が一緒だということですね。一番最初の発端は、片山社長がきょう大阪に行っている藤井政務次官のほうに話をつけ、それから話が始まった。軽工業局長、このいきさつを知っているでしょう。あなたの関係した範囲でお答えいただきたい。
○政府委員(伊藤三郎君) 去る八月の終わりころだったと思いますが、マルマンの融資につきまして、藤井次官から私のほうへ、軽工業局の所管の産業のことでもあるし、銀行のほうに善処を要望してもらいたいという話はございました。
○大森創造君 それでは、九月の何日かな、あなたとそれから藤井政務次官とそれから片山社長ほか五人の役員が政務次官室で協調融資の取りきめをしたときに、あなたは出ていますね、いかがですか。
○政府委員(伊藤三郎君) 協調融資の取りきめではございませんで、四行のほうが、協調融資をするにつきまして、藤井政務次官と通産省のほうと立ち会い人になってもらいたい、そういう銀行側の希望がございまして、通産省としましては、私のほうが所管の事業でございますので、軽工業局が立ち会い人になるのが適当であろう、しかもその立ち会いの内容につきましては、別にこれによって役所として義務を負うというようなものではございませんので、立ち会い人と、銀行の承認する人間を株式会社マルマンの役職員に入れることを片山社長が銀行に対して誓約をするという程度のことでございますので、この程度であれば差しつかえないであろうということで、上司の承認を得まして、私が立ち会い人になりまして、したがいまして、そういう関係で、四行の方々、藤井政務次官と一緒に会合をしたわけでございます。
○大森創造君 私は質問を途中でやめますが、これは重大問題だと思います、いまの問題は。これは政務次官室で、いままで申し上げたように、幾らもありますよ。不良会社のマルマンなるものに協調融資をする、そのために、軽工業局長と藤井政務次官が、政務次官室で、会社の社長以下五人を入れて、立ち会い人の署名捺印をしたのですね、銀行側の要望によって。この一言をお答え願いたい。しかも、上司の指示によってということを言われましたね。もう一回お答え願います、肝心なところですから。
○政府委員(伊藤三郎君) 銀行側の要望によりまして、立ち会い人になることについて上司の承認も得まして、署名捺印もしたわけでございます。
○大森創造君 そうすると、銀行側が要望したのですから、裏を返せば、あなた方が判こを押さなければ銀行は協調融資をしない。コマーシャルベースに乗らないのですよ。それが証拠に、三和銀行も東海銀行も渋ったのです、このマルマンという会社については。条件として、片山社長がワンマンだから、これの退陣と、それから動くデパートの経営の放棄ということを条件にして金を貸そうという申し出があったのだから、これは三和銀行。しかし、マルマンのほうからけられたから、それからは金を貸してないのですよ。そこで、経理のほうの担当課長なる者が再三百万円貸してくれ、二百万円貸してくれと言っても、袖にして金を貸さなかった。いまの軽工業局長の答弁によっても明らかだ。銀行側の要望によって、藤井政務次官とあなたが署名捺印をした。誓約書でしょう、何かを誓約した。そのことは、銀行としては融資するに必要条件だ。こういうことを政務次官室でやっていいですか。大蔵省の設置法に書いてありますか。そういう不良業者の融資について、そこまで熱を入れて、あなたとそれから藤井政務次官が判こを押されたことによって金が出たのでしょう。あなたの判と藤井次官の判こがものをいったということをお認めになりますか。
○政府委員(伊藤三郎君) 誓約書は、先ほど申しましたように、片山社長から銀行に対する誓約書でございまして、私がなりましたのは立ち会い人でございます。私が判こをつけば銀行が金を貸すというようなものでないことは、これは大森委員もよく御承知のとおりであろうと思います。先ほど申しましたように、立ち会い人と、銀行の承認する人間を株式会社のマルマンの役職員に入れるということを、片山社長も銀行のほうに誓約しておるわけでございます。それの立ち会いであります。
○大森創造君 大森委員御承知のとおりなんて、そんなこと私は知りませんよ。知るものですか。大体、あなたにおっしゃられるまでもなく、誓約書なるものは、片山社長から銀行に入れたことは、私はわかりますよ。しかし、それならあなた、立ち会い人がその誓約書に判こを押さなかったならば金は出なかったでしょう、どうです。あなたと藤井政務次官は私財はどのくらいありますか、六億ありますか。
○政府委員(伊藤三郎君) 立ち会い人でございますので、別にその誓約書の違背に対して私財をもって責任を持つとか、そういうことではございません。
 先ほど申しておりますように、立ち会い人と、銀行の承認した人間を株式会社マルマンの役職員に入れるということでございます。
○大森創造君 そういう理屈が通るなら、世の中は甘いものですよ。それなら、誓約書なんかやるべきでないのだから。藤井個人、それからあなた軽工業局長と大蔵政務次官が立ち会い人で判こを押した、そのことを信用して銀行は融資に踏み切らざるを得ないですよ。常識じゃありませんか。それから、この融資について、先行き暗い、あと三億、四億要るのじゃないかと思うのですよ。こういうことの保証もあなたやらなければならぬと思うのですよ。一企業が失敗して、その失敗の原因は通産行政の監督の誤りにあると思う。それのあと始末のためにあなたが判こを押すというのは、丁寧過ぎますよ。丁寧以上ではありませんか。こういうことをやっていいものですか、軽工業局長は大蔵政務次官と。ぼくは頼みたいやつは幾らもある。マルマンよりも輸出商品の額が多くて困っている企業がたくさんある。あなた判こ押してくれますな。これはあなたがやったことをいいと思っておりますか。
 ここらで第一段の質問を終わっておきます、通産大臣に質問がありますから。あと継続いたしますから、はっきりしてくださいよ、あとで。
○政府委員(伊藤三郎君) 先ほど申しますように、判こをつきましたのは立ち会い人としての問題でございます。したがいまして、将来株式会社マルマンがさらに数億要するかもしれぬというお話でございますが、そういう場合について、さらに借り入れについて役所でどうこう保証するというようなことはございません。その程度の立ち会いのことでございますので、銀行側の要望もありましたので、その程度のことであれば差しつかえないというふうに考えて署名捺印したわけでございます。
○大森創造君 銀行に私聞いているのですよ。藤井次官とあなたの判こ――立ち会い人の判こがなければ融資はいたしませんということを聞いているのですよ。私は、この問題は一マルマンの問題じゃないと思うのですよ。政治家が御丁寧にマルマン社長ほか五人を政務次官室へ呼んで、そうしてマルマンが金を貸してくれということについていろいろな要望があって――銀行側に対する、それに軽工業局長――監督官庁でしょう、監督官庁というか所管官庁、それの局長と政務次官が誓約書に判こをつくということ、そんなことが許されていいものですか、いまどき。これは、銀行の人はこう言っているのですよ。支店長の段階では、いまでも金を出したくないと、マルマンには。先行きがリスクが多過ぎると言うのです。その場合に、所管の官庁の長と――日本全体の中小企業の監督の立場にある軽工業局長と、それから大蔵省の政務次官が判こを押すということは、軽率どころか、おかしいじゃありませんか。その判こがなかったならば銀行は金を貸さなかったであろうということを言っているのですよ。
 ここで委員長に私はお願いをしたいのですが、これは一マルマンの問題ではないと思うのですよ。銀行と官僚と政治家との結託、なれ合い、こういうものが多いので、これはここで一応私はこの質問を打ち切りますが、あとから継続いたしますから、この問題はテストケースですから、そこで日をあらためて、三和銀行、東海銀行、大和銀行、勧業銀行、この頭取か審査部長か責任者においで願うと同時に、あなたにも、それから政務次官にも、関係者の方においで願って、問題点だけは解明したいと思う。どうもいまの御答弁ではおかしいと思います。あなたの判こがなかったならば協調融資は実現できなかった、私はちゃんとその証拠をにぎっている。こんなことがいまどき行なわれていいのですか。一応あとから継続しますから、軽工業局長答弁してください。
○政府委員(伊藤三郎君) 銀行としましては、協調融資をするにつきまして、会社側の再建計画について十分調査をした上で、銀行の判断で決定をしたものだというふうに考えております。ただ、会社の再建につきまして、経営陣の問題等もございまして、立ち会い人としての署名捺印を求められたわけでございます。それ以上の責任を私は負っているわけではございません。その程度のことであれば、そうしてこの会社の再建ができるならば、差しつかえないという判断のもとに署名捺印をしたわけであります。
○大森創造君 あなたが私の言うことをはっきりお認めになれば、それでいいんですよ。だけれども、立ち会い人の判こが、しかも軽工業局長ですよ、所管の局長ですよ、マルマンの。それから金を握っている大蔵省の政務次官ですよ。これが判こを押したということは、どの程度の影響力を銀行に与えるか、どういうふうにお考えになりますか、あなたは。伊藤さん、藤井さん個人で判こを押したって、銀行は融資しません。しかし、軽工業局長という職掌、それから大蔵政務次官という職掌がものをいっている、その権限が、官吏の地位が。これは不謹慎だと思いませんか。悪いことをしたなと思ったら、言ってください。
○政府委員(伊藤三郎君) 私のほうで所管しております事業の再建が円滑に進みますようにということを念願いたしますのは、職制上当然のことでございますので、私としては悪いことをしたとは考えておりません。
○大森創造君 これは悪いことの最たるものだと思う。しかも、委員会でそれを認めないということは、よけい悪い。銀行は、軽工業局長と大蔵政務次官二人の誓約書における立ち会い人の判こがなかったならば金を出さないというのです、私に。これは単なる立ち会いで判こを押したから差しつかえないという御見解ですか。ぼくは幾らも頼まれているのだ。こういう問題については、私のところに来ている。しかも、これは不良会社ですよ。監督行政の誤りで、これほどの赤字を出しているのです。どの点から見ても、法律違反を犯している、このマルマンという会社は。
 この一番もとは、ここで今度お伺いいたしますが、伊藤軽工業局長は片山社長を知っているのですか、いつから知っているのですか。個人的なコネなんですよ、これは。
○政府委員(伊藤三郎君) 私が会いましたのは、たぶん八月の終わりころが最初だったと思います。
○大森創造君 これは藤井政務次官と片山さんが同郷なのです。三木通産大臣は同学なのです、明治大学の。そこで、事の起こりは、藤井政務次官のところへ片山社長が泣きついたことに始まる。その政務次官室で立ち会い人の判こを押すまでになった。そのうしろに三木さんと大蔵大臣がいる。これは政治的なコネがなかったならば、これより金に困っていて、それから重要な産業であっても金が出ないという例が全国に多いだろうと思う。これは軽工業局長の答弁は、私満足しません。法制局長、それから銀行局長などに、それから銀行当局にお伺いしたいと思う。そういう立ち会い人の判こを押すことが是か非か。
○国務大臣(三木武夫君) 私も名誉のために発言をしておきます。同学といっても、何十万人も卒業生があるわけで、それに全部コネを感じていろいろ通産行政をやっておるのではございません。おそらく通産行政とすれば、できるだけ倒産を少なくする、救済ができるものならば。そして、もし倒産ということになれば、社会的な影響力を持っているわけですから、これはみな下請に関連する産業があるし、働いている労働者があるし。だからこれは、それでも非常に内容がどうにもならぬものを救済する義務はないけれども、できるだけ救済ができるならばこれを救済する。そして、いままでやっておる事業で、内容についても改革するものがあれば改革して、そして事業を続けていくということが、これは社会的に見ても必要なんで、伊藤局長にしても、片山個人に対して何らのコネがあるわけではない。陳情から始まったんです。そういうことですから、いかにも通産大臣、軽工業局長がコネでこれをやったという大森君のその前提の認識は、この際やはり解消しておいてもらいたい。これは全国においても、いろんな問題があれば、われわれのところへも持ってくるものがあるのですよ。あれば、私個人としても、中小企業金融公庫なんかに何とかできないかと言う場合がある。そういうことで、これがコネによってこの問題が始まったということは、独断に過ぎるということを申し上げておきます。
○大森創造君 通産大臣の一般論はわかるのだ、ぼくは。一般論は。しかしね――それから軽工業局長も個人的なコネはないですよ。あるのは、きょう御欠席の藤井政務次官なんだ。藤井政務次官が片山さんから泣きつかれた。下請業のほうの陳情は、これはもうそういうでっち上げをやったんですよ、何人か連れてきて。事の起こりはそういうことなんですよ、通産大臣のおっしゃるとおり。私は通産大臣や軽工業局長を誤解してはいませんよ。藤井さんなんだから、この問題起こしたのは。それで、だんだんめぐりめぐって、通産大臣がいま言われましたような一般論において、いいじゃないかと、ある程度の援助といいますか、アドバイスすることはいいんじゃないかという、示唆を与えることはわかるのです。しかし、私はそれでは済まされないと思うのです。大蔵政務次官の部屋で、片山社長、役員五人、そしてあなたと藤井さんが誓約書に判こを押したから金が出たという事実は、これは、いま三木通産大臣の答弁いかんにかかわらず、済まされないと思う。あとで継続します。
○委員長(藤原道子君) 大森君に申し上げます。まだ御質問中で、さぞ御納得いかないでしょうが、日をあらためて、あなたの御要望にございますことは重大ですから、さらに究明を続けるということにしたいと思います。
○大森創造君 それで、大蔵省の会計課長来ていますか。このことだけ最後に申し上げておきます。あとの機会に質問を譲りますが、会計課長……
○委員長(藤原道子君) 会計課長来ておりません。
○大森創造君 大蔵省の方聞いてください。(「大蔵省来てない」と呼ぶ者あり)それでは委員長聞いてください。
 きょう大阪の造幣局の計量試験なるものに、大臣、政務次官以下おも立った局長が全部行った。それに局長ばかりでないと思うのです。係の人がたくさん行っただろうと思うのだが、そういうことは恒例と、慣例といいますけれども、そういうことは少しオーバーだと思うのだな、いまどき、緊縮財政のおりから。これの経緯をひとつ大蔵省のほうから書いてもらいたいということと、それから、いまの問答、私納得しません。三木通産大臣のいまの御説明は、それなりで了解いたしますが、肝心なところは納得しませんから、軽工業局長は自分のやったことが是と言っている、私は非と言っているのだから、これは納得しませんから、日をあらためて、軽工業局長と藤井政務次官と、それから三和銀行と東海銀行、これがメイン銀行になっていますから、その責任者の方、そういう人に後日ここにおいで願って、もう少しはっきりさせたいと思うのです、一マルマンのことではございませんから。これをひとつ委員長に要望して、そしてこの委員会で御了承をいただいて、一応きょうのところはこれでストップしたいと思います。
○委員長(藤原道子君) 承知いたしました。よく理事と相談しまして、さよう決定したいと思います。
○相澤重明君 関連して。通産大臣が、大森委員の質問に対して、個人的な問題と別に、一般論の御答弁いただいたんですが、私は、決算委員会ですから、大事なところについてはやはりお尋ねしておかなければならぬと思うのですが、会計検査院が、先ほど大森委員の質問にあるように、割賦問題等については改善策をあなたのほうに求めておられる。やはり通知がおくれるとか、あるいは機械類がどうとかというような問題がこれはある。中小企業が非常にこの設備近代化等によって苦労しておるということは、これはもう通産行政として、あなたが先ほどから御答弁されておるのですが、その製造業者の間の問題で、機械類割賦信用保険の運営等についても十分でない。通産省はどうするのだ、こういうことを会計検査院があなたのほうに改善策を、意見を求められておる。そうすると、いまの大森委員の指摘したのは、はしなくも、その代表的なものが指摘をされておる。一体、通産省としては、会計検査院のそういう指摘事項に対して、どういうふうにあなたのほうでは改善したのか、御答弁いただきたい。
○国務大臣(三木武夫君) 技術的には改善いたした点もございますので、これは事務当局からお話をいたしますが、割賦制度そのものについては、私はこういう考えを持っている。割賦販売審議会等もあって、これは消費者の保護の立場もありましょうし、また、中小企業の振興という面からも、これはかなり重要な問題なので、今後の割賦制度というものに対しては、審議会等においてもこれは十分検討をする必要があるのではないか、割賦制度そのものを。会計検査院から指摘のあったような点では、事務的に改善を加えた点もございますので、重工業局長からお答えをいたします。
○政府委員(川出千速君) 機械保険の問題についてお答え申し上げます。
 会計検査院から御指摘がございました点は、おもな点は二点ございました。機械保険制度の運用につきまして二点の点が指摘されたわけでございます。その一つは、機械保険は包括保険制度をとっておりまして、年度ごとに一本の包括保険を、国と機械保険に加入をする企業とが結ぶわけでございます。そして、その個々の保険関係は、割賦販売契約をする、ことに政府のほうに通知をすることになっておるわけでございますが、その通知に漏れがあったことが指摘されたわけでございます。これははなはだ遺憾なことでございまして、その後、現在漏れがないように実地検査――機械保険に加入しております企業の実地検査を詳細にやることにいたしまして、もしそういうものがあったら、実地に発見をして指摘をするということを行なっております。
 それから事務処理体制も合理化いたしまして、従来、機械保険制度のいろんな台帳が不備であったためにその発見がおくれた面もございますので、業種別、企業別、いろいろな台帳を整備いたしまして、そういうことの発見をすみやかにやるように措置をいたしておるわけでございます。それからまた、保険契約者と被保険者――これは、保険契約者は大体機械のメーカーの場合が多うございます。それから被保険者は商社の場合が多いわけでございます。この保険契約者と被保険者が異なる場合に、その通知漏れが起きる場合があることが発見されましたので、その両者の連絡を密にするために、機械保険の業務細則を改正いたしまして、その両者が分かれておる場合には、委任状をあらかじめとることにいたしまして、連絡を強化することにつとめておる次第でございます。簡単に申し上げますと、通知漏れの問題につきましては、さような措置をとって、そういうことの絶滅を期しておるわけでございます。
 もう一つの点は、機械保険制度が、事故が起きますと――これは貸し倒れ状態になった場合に事故が起きたと判定をするわけでございます。そのときに、政府は保険金を加入者に払うわけです、契約者に払うわけでございます。しかしながら、販売をした機械はそのままあるわけでございますから、これを保険金を受けた企業は転売をいたしまして回収金が入りますと、それを政府に通知をし、さらに将来それを納入することになるわけでございます。この回収金の納入の通知がきわめておくれておるという指摘を受けたわけでございまして、平均しまして三カ月近いおくれをしておる。これははなはだ遺憾なことであるという指摘を受けたわけでございます。これにつきましても、自後、厳重にその取り締まりをすることにいたしまして、これも実施検査の強化のほかに、たとえば三カ月以上おくれをしたものについては、保険金の支払いの計算の場合に利息分を見てやらないとか、あるいは、さらに一年以上回収金の報告がかりにおくれたような場合には、一たん払った保険金の取り戻しをします。これはまあ一番ひどい罰でございますけれども、そういうことを保険加入者に周知徹底をいたします。それと同時に、実地検査を強化いたしまして、さような不始末が起きないように現在しておる次第でございます。以上でございます。
○相澤重明君 通産大臣、いま重工業局長が、検査院から指摘されたことに対する答弁をされたわけですが、私は、先ほど大森委員の指摘された、軽工業局長と大臣政務次官が立ち合ったことの一つの問題をいま提起したわけです。私は、むしろそれは氷山の一角であって、他のこういう問題をたくさん調べてみると、それでは、あなたが一般論として言う、中小企業の倒産が多いからそれを全部救わなければいかぬ、関連産業の従業者も困る――それが全部できますか。そこが私、問題だと思う。当決算委員会で問題になるのは、何億という金が金融機関から一特定メーカーには出るかもしれないけれども、多くの倒産する中小企業に対してどうする。しかも、いま製造業者に対する機械類の割賦問題について、政府自身に通知がおそい。その間一体業者はどうなる。これは従業員が大ぜいいるのです。こういう、いまの重工業局長の改善策というものが述べられても、それは平均三カ月であって、台風手形なんていうものがたくさん出ているじゃないですか。利子を払います――利子を現実に払ってない、そういう問題がたくさんわれわれには指摘をされているわけです。ですから、いま大森委員の指摘したのは、その代表的なものを指摘をされたので、これはきわめて私は重大だと思う。あなたは、先ほどの伊藤軽工業局長から、マルマンのこの問題について、藤井政務治官と伊藤局長と、そうして銀行側の代表と一緒に立ち会ったということは、報告を受けたのですか。三木通産大臣の答弁を願います。
○国務大臣(三木武夫君) 銀行が協調融資でやっていて、その間、いろいろ軽工業局長が骨折っておるという話は、私は報告を受けております。
○相澤重明君 ですから、あなたは話を受けていると言う、現実に。先ほど大森委員の指摘したことをあなたは承知の上で局長にやらしたというわけですね。
○国務大臣(三木武夫君) いかにも、いま質問されておる方が、何かコネで不正なことをやったような――そういう前提ではない。一切のものが、何とかこれを助けられるものなら助けたいという前提でありますから、こういうふうなケースはいろいろほかにもあるわけであります。毎日通産局などにはこういう話がいつも持ち込まれている。相談室があるわけです。そういうことで、銀行とも軽工業局長がいろいろ話をするということは、報告を私は受けているわけです。
○相澤重明君 それでは大臣、あなたはそういう一般論としての答弁をされているわけですね。しかも、大森委員の指摘のマルマンの問題については、これは大森委員の質問が、いかにも大臣と局長がまあ関係――コネがあるような前提で質問されておるというようなことで、誤解を解くためにあなたは答弁されている。しかし、なかなかそう、全体のわれわれの委員会で聞いておって、そういうふうに納得できるかどうかという問題がある。それは、中小企業の倒産があまりにも多い。その多い中に、いわゆる不良と言われるマルマンの問題に対して、政府が立ち会って協調融資が行なわれて、改善策をとりつつある、こういういままでの審議のやりとりですよ。
 私はこの際、ひとつ資料要求をしたいのでありますが、少なくとも一千万円以上の出資によるところの、いまは十月ですから、七月、八月、九月、の最近の倒産の件数をあげてみてください。そのうち、政府がそういう指示をしたというのは何件あったか、ひとつあげてみてください。あなたのほうで、たとえばいまの重工業局長、軽工業局長のほうのそういうアドバイスがあって立ち直った件数というものは何件あるのかあげてみてください。マルマンもその一つでしょう。やはり国のいわゆる資金が流通をされる、あるいはまた、特に国の関係の金融機関に対しては国が出資をする、助成をする、こういうことから考えていけば、この問題はやはり私は政治的な問題も多分に含んでいる、こういうふうに解釈せざるを得ないのです。これはわれわれがいま聞いたところですよ。だから、それを解明するには、いまのその倒産をした件数をあげて、その件数の中で、通産省が具体的に、あなたのほうの監督下にあるところの倒産をしたものに対して、自分たちは、これだけの手当てをしたのだけれどもだめだった、こういう報告ができるようにならなければ、そのことに意味がないじゃないですか。私は、ひとつ問題をしぼって、きょうは重工業局長、軽工業局長、二人の局長の――二人の所管でよろしい、二人の所管の問題の資料を提出してもらいたい。
○委員長(藤原道子君) ただいま相澤委員から資料の要求がございました。これについて至急御提出願いたいと思いますが、それぞれの局長の御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(三木武夫君) そういう趣旨はよくわかります。ただ、しかし、倒産――これは立ち直ったものは倒産しなかったわけですから、倒産の件数ということについて、まあいろいろあっせんしたりして倒産しないで立ち直ったものは、統計の中で出てこないわけです。どうにもならなくて倒産したようなものが統計に出るわけですから、どういうものが倒産をして、それはいろいろやったけれどもなかなかうまくいかなかったというようなことは、調査のできる範囲のことは資料として提出いたします。
○相澤重明君 私の申し上げたのは、七、八、九でけっこうですから、重工業、軽工業、それぞれの局長から、出資金一千万円以上の倒産したものをあげてもらうことが一つ。
 それから、先ほど大森委員の御質問に関連をして、この割賦問題についての政府に対する通知がおくれておる。こういうことで、保険金回収の問題で改善策を検査院から政府に求められておる。
 その求められておることに対しては、一般論の回答がある。したがって、その間に、七、八、九のうちにも、あなたのほうで、政府自身がこれはこうしたならばよいだろうと言って立ち直った件数があるだろうというのです。いま大森委員の指摘したようなマルマンの問題があるでしょう。倒産の件数を報告してもらう。
 それから、その間に政府が協調融資なり、あるいはアドバイスをしたりして、当然普通でいくならば倒れるけれども、倒れなくて生き返ったという件数をあげてみてくださいと、それを言っているのです。
○国務大臣(三木武夫君) 石炭なんかには非常にあるのです。これはもういまにもつぶれそうでやってきて、それで、われわれのところから銀行にも話をして、最近でもありました。ですから、出せるものは、そういうものはお出しいたしましょう。ただ、しかし、いま言ったように、つぶれないで済んでおるものについては、いろんなあの手この手がありますから、あの手この手というのは、本人自身も努力しただろうし、役所も話してあげるということで、単一に通産省がやったからこれが助かったということは明白に言えないような場合もありますので、その資料というものは御満足がいくかどうかわかりませんが、言われることはわかりますので、できるだけ御趣旨に沿うことにいたします。
○大森創造君 通産大臣、それから軽工業局長、その他の関係の方に申し上げますが、一般論じゃないのですよ。私はテストケースとしてマルマンの問題をきょうは質疑したのですから……。
 そこで、軽工業局長は契約書に立ち会い人の署名捺印をされたことを是とされているが、私は、全国の通産行政を預かる局長としては、これは行き過ぎどころか悪いことだという判断に立っている。しかし、あなたは是としているから、これは次回に持ち越しますから、どうしても藤井政務次官、軽工業局長、三和銀行と東海銀行の責任者には、次回においで願って、このことはただしたいと思いますので、次回に譲ります。こんなことが政務次官室で会社の役員が五人も来てあなたが判こを押す、そのために金が出る。いま相澤委員が言われたとおり、金に困っている会社が幾らでもあるから、そういうことが行き過ぎであるということで、これはさらに次回に延ばしますから。大蔵省の設置法にこれは出ていないはずですから。業者五人を寄せてそこで署名捺印するということは、大蔵省設置法には書いてない。それをあなたは是とされておるのだから、これは次回に譲りますから、委員長、理事各位において、銀行責任者と藤井政務次官と軽工業局長と大蔵大臣と、次回においで願うようにお願いいたします。
○岡三郎君 一言、私聞いておってよくわからないのですが、伊藤さんが言っていることは、そうすると何のために判を押したのか、それを聞きたいのです。あなたの言うことを聞いているというと、判こを特別に押す必要はない。協調融資をしなさい、あっせんする、困っているのだろうから。それは一般論的に言っていいわけです。何とか立ち直ってもらいたい、しかし、何のために判こを押したのか、判こを押したわけを話してください。これがわからないのだ。あなたの言っていることを聞いているというと、少しもわからない。なぜあなたが判こを押さなければならなかったのか。大蔵省の藤井さんと一緒に立ち会って判こを押したわけを話してください。どういう効果があったのか。
○政府委員(伊藤三郎君) マルマンの片山社長から銀行に対して誓約書を入れているわけです。その中に、立ち会い人及び銀行の承認する者を役職員に加える、あるいは、その他いろいろ事業の改善をするということが書いてあるわけです。その意味の立ち会い人としての署名捺印をしたわけであります。
○岡三郎君 そうするというと、そういうケースはたびたびあるわけですか。つまり、ごく普通に、こわれかかった会社を何とか立て直してやろうというふうなときに、立ち会い人として判こを押しておる、これは私が聞いておっても特例中の特例に属するのじゃないか、一般論じゃないと思います。そういう判こを押すことはたびたびありますか。
○政府委員(伊藤三郎君) 私の知っている範囲では初めてでございます。また、押しました趣旨としましては、所管の事業が円滑に再建されまして、関連する下請業者、労働者、そういう者のためになるということでありますれば、銀行の要望もあることでありますので、この程度は差しつかえないというふうに判断いたしたわけであります。
○岡三郎君 判を押されたというのは、やっぱりよくよくのことだと思いますが、それで、その点はあとで大森さんが質問するから、私はそれ以上この点は聞きませんが、もう一つお聞きしたいのは、あなたは上司の命令というか、承諾を受けたと言いますが、その上司というのはどなたですか。つまり、判こを押していいかどうか、自分ではいろいろと考えて、初めての問題だから――こういうことはずいぶんマルマンにだけあなたはひいきしているのじゃないかと言われるのですが、悪意とか善意でなくて、特段の片寄った行政面において、特定の会社に対して行き過ぎておるということを言われたと思うのですが、それについては、あなたは上司の命というか、そういうことで承諾を得て判こを押したと言われました。だれですか、それは。
○政府委員(伊藤三郎君) 事務次官と大臣に事前に口頭でお話をしたわけでございます。
○岡三郎君 それで判こを押していいということで判こを押した。そのときに、なぜ、大臣とか事務次官に判こを押すことについて承諾を求めなければいけなかったのですか。そんな、あなたは協調融資や何かで立て直しをやってやるのはあなたの権限である、あたりまえで普通のことじゃないですか、一般論的に言って。軽工業局長が、軽工業がおかしくなっているときにやってやる、こういうときに、なぜ上の命令をもらったのですか。判こを押すのは、そのときの心境はどういうことなんですか。これはうまくないからやはりもらったのですか。
○政府委員(伊藤三郎君) 協調融資のあっせん等の場合に、銀行のそういう要請がない場合が普通であろうと思いますが、たまたま、そういう要請がございまして、署名捺印ということをするにつきましては、職務に関係することでございまして、そういう意味で、次官、大臣の了承を得たわけでございます。
○大森創造君 軽工業局長、大蔵政務次官という肩書き入りの署名捺印かな。
○政府委員(伊藤三郎君) 肩書き入りでございます。
○柴谷要君 大臣は……。
○委員長(藤原道子君) ぎりぎり一時までいいですね、大臣お願いします。
○岡三郎君 ついでに三木さん、そのときに軽工業局長が判こを押すのに伺いを立てたのは、どういうことでそれは判こを押してやれ、こう言ったのですか、三木さんは。
○国務大臣(三木武夫君) これは私、今度のケースに限らず、救えるものならばやっぱり救いたいというのが私の基本の観念であります。それを、限度を越えてというわけにはいかない、救えないものもある、救えるものは救いたいということが私の基本的な考え方であります。それ以外に個人的なものはありません。
○柴谷要君 私はいまの問題と全然違うのでございますが、大臣にお尋ねをいたしたいと思います。それは、所管は経済企画庁でございますけれども、最も関連のあるお仕事でございますので、この際、大臣に御見解をお尋ねをしておきたいと思います。と申しますのは、東北開発株式会社が計画をいたしておりましたむつ製鉄株式会社というものがございます。これは青森県の下北半島の一画にあるむつ市に製鉄所をつくる、こういうことで、むつ製鉄株式会社をつくって鋭意検討をしておる。その検討の段階の中では、非常に砂鉄量も多くて有望な製鉄所ができる、こういうことで実は東北地方における開発の一端として、まことに喜ばしいことだと、かように考えておった。ところが、最近のニュースによりますというと、このむつ製鉄が何か閣議で否決をされ設立が危ぶまれてきた、こういうようなうわさが流れてきておるのでございますが、この経緯について、大臣おわかりでございましたら、ひとつお聞かせをいただきたい。
○国務大臣(三木武夫君) 私が自民党の幹事長をしておりますときに、これは非常に陳情を受けまして、ああいう下北半島にひとつ企業の拠点ができれば好ましいと思って努力をしたわけです、何とかそれができないかと。ところが、どうしてもやはり採算の点から企業が成り立たないということで、もう、むつ製鉄というものは白紙に返ったような状態になっておる。下北半島の開発というものについては今後別の角度から考えるけれども、あの製鉄の事業そのものは白紙に返らざるを得ないという現状のようでございますが、必要がございますれば、事務当局からもう一度詳細にお答えしてもよろしゅうございます。
○柴谷要君 実は決算委員会でも昨年これは詳細に調べておりますし、また、大蔵委員会でも実は詳しく調べておる。まあ詳細にわたってよく知っておりますが、ただ閣議決定がなされて、もはや、むつ製鉄株式会社というものはつくらないと決定をされたのか、それにかわって別な何か新しく企業を企てられておられるのか、これをお尋ねすれば事足りると思いますが、むつ製鉄株式会社をつくるということで、青森県自体も相当の資金を投入したんですね。また、東北開発株式会社も真剣にこれに資金を投入した。このやり方が、政府自体がこういう計画を立ててそうして努力した結果、採算が合わないからやめるんだ、こういうことでよろしいものでしょうか。どうも私は、ただ採算が合わないからやめたんだ、そのほうが賢明だと、こう言えば賢明かもしれませんけれども、何年一体かかっておるか。しかも、むつ製鉄株式会社の役員諸君は非常な検討をされて、採算間違いなしという確信を持って、何案か所管官庁に提出すると同時に、通産省にも出しているわけです。これには私は一つ疑念を持ったのは、間違いなしという案があるにもかかわらず、これを一蹴されたという点なんです。この点について、ひとつそういうことはないんだ、あくまで、むつ製鉄というものをつくり上げても、あれは採算が合わぬ、むしろ土地の開発のためにならぬ、こういう結論だけでおやめになったのか、こういうことであるのか、ひとつ担当局長からお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(川出千速君) 先生御指摘のとおりに、本件の直接担当官庁は経済企画庁でございます。これは地域開発の点からでございます。たまたま、むつ製鉄のやる事業が重工業局の関係になっておるわけでございまして、従来電気と砂鉄で、砂鉄から電気銑をつくりますと、あるいはステンレスをつくると、最終的な計画の一つとして酸化チタンをつくりますと、これは重工業関係ではございません。いろいろな計画がむつ製鉄側から経済企画庁のほうに出されておりまして、私どものほうには経済企画庁のほうから通産省としてどういうような考えを持っておるだろうかというような意見の問い合わせはあったことはございます。直接むつ製鉄からのほうではございません。それに対しまして採算、主として採算点あるいは将来の需給状況から見て問題点が多いという意見を述べたことはございます。
○柴谷要君 実は経済企画庁のほうからも意見を聞いたことがあるんですけれども、経済企画庁のほうでは、できることならば地域格差是正というような、池田内閣当時の眼目である地域格差をなくすためにも、特に青森県の下北半島といえば非常に一戸当たりの収入も少ない僻村である、そういうところへ工場誘致ができるなら、そこへつくってやろうということで、青森県の県庁自体も膨大な資金を投入したんですね。そうして期待をかけて、そこにむつ製鉄所ができるということで、県をあげてそれに努力をした。その間、むつ製鉄株式会社なるものをつくっていろいろなことをやらしてきた。採算は可能だという結論が出たにかかわらず、経済企画庁は、これを認めなかった。その背後にある通産省もこれを認めない。こういう姿が今日のつまり廃止と、こういう形になって出てきたんじゃないか。それについては、実は千葉県下に鉄の会社が何か共同のものをつくり上げて、これに、むつ製鉄をつくり上げるとたいへんな影響があるというので、それも考慮に入れているのではないかといううわさが飛んでいるのですが、これは事実かどうか。
○政府委員(川出千速君) そのような事実はございません。
○柴谷要君 まあ、ないという言明でございますから、それ以上追及いたしませんけれども、とにかく、あまりにも地方民に期待をかけさせ過ぎて、そして今日できないということは、それを逆に言えば、地元の人たちが期待をしておっただけに失望感というものは強いんですね。それが政治に反映をしてくるわけです。不信感を植えつけるわけですね。ですから、実は、むつ市に行きましたときに、むつ製鉄所ができるというので非常な地元の人たちは活気にあふれておりました。ところが、最近行ってみまするというと、全く火の消えたような状態なんです。まことにどうも、私は、むつ市の皆さんは、青森県の皆さんはまことに気の毒だと思う。今日までだまされておったと言っても過言でないと思う。なぜ、もっと早く見切りをつけて他に転換をはかってやらなかったか、こう思うのですけれども、通産大臣、いままでのやり方よかったとお思いになりますか、それとも、手落ちがあった、県民あるいはむつ市民に対して済まなかったとお思いであるかどうか、この点をひとつお聞かせ願いたいと思う。
○国務大臣(三木武夫君) これは手ぎわがよかったとは言えないですね。こういうような地元も相当な出資をしたのですから、やはりこういうふうな、そのときそのときによって企業採算にも変化が来ますから、一つの企業を計画するときには、かなり長期的な見通しでやらないと、そのときにはよくても、ちょっと時間がたつ間に変化も起こるでしょうから、そういう悪条件がいろいろ重なったのですが、これは手ぎわがよかったとは言える問題ではない。今後やはりこういう問題をする場合には、よほど反省の材料として、地元にも迷惑をかけることですから、やらなければならぬということの、大きなこれは教訓になると思います。いままで、なぜかというのは、あれだけ熱を入れたので何とかあそこに製鉄所をつくれないかということで、いますぐにぴしゃっとやめるのもなんだから、何とかくふうがないのかということが、あれを延ばした原因ですよ。それはやはりどうしてもぐあいが悪いというなら、もっと早くやったほうが地方への迷惑も少なかったわけですが、地元も非常な熱を入れておる、われわれ党におった者は、何とかしてあげなければならぬというわれわれ立場をとっていたのですが、なかなか踏み切りをつけずに少し長引かしたような原因もあると思いますが、今後よき教訓としなければならぬ問題であるというふうに反省をいたしております。
○柴谷要君 くどいことを申し上げません。がよくおわかりのことと思いますけれども、とにかく、むつ市民なり青森県民に対してこの失業感を一日も早く解消していただくように、他の転換の方策をお考えいただくように要望をして質問を終わります。
○黒柳明君 初めに、本委員会に若干関係のないことで申しわけございませんが、先ほど大森委員の発言がございまして、関係することで一言申したいと思うのですが、私も輸出保険特別会計のことに関しまして、アジア局長に今日答弁を求めました。ですが、アジア局長は何かアメリカ大使館のほうに用事があるというわけで出席されておりません。それから課長、参事官おのおのインドネシアとか、あるいはポルトガルとか、各大使館に行っているらしいですが、要するに、先ほどの大蔵関係の役人が出てこないと同じように、この外務当局の、今日の出席しない原因もまあそこに理由はあるにしても、あくまでも国会優先でございますし、また、国会軽視の態度は、国民の信頼をも裏切るものじゃないかと、こういうふうなことで、わが公明党自体としましても、この問題について徹底的に厳重なる、当局に抗議をしよう、こういうふうに思っております。残念ながら、今日外務当局の力がだれも出席しておりませんで、また、関係御当局の方がこのことを念頭に置かれまして、これからの国会、委員会の運営の上においても、万全を期していただきたい、こう要望するものでございます。
 本論に入りますが、私は工業用地の問題で通産省にお伺いしたいと思います。
 通産省の企業局の工場適地調査、三十三年から三十六年まで、百六十六地区行なわれた、このように記憶しておりますが、三十七年から四十年度までの地域別、どのくらい行なわれましたか、まず御答弁お願いします。
○説明員(中川理一郎君) ちょっといま手元に資料持っておりませんので、しばらく時間をおかりしたいと思います。
○黒柳明君 私が調べたところにおきますと、大体三十七年から四十年まで、八十六地区と――聞いていますか、よろしいですか、計三百二地区と、このように計算しておりますですが、ひとつ簡単な数字でございますので、頭に記憶していただきたいと思うんです。この三百二地区の全部が工場適地面積――そのうちの工場適地面積はどのくらいになるか、まずこれをお伺いしたいと思います。
○説明員(中川理一郎君) 大体七億坪ぐらいが団地のいま面積というふうに考えております。
○黒柳明君 それは通産省関係だけでございますか。全体としてですか。
○説明員(中川理一郎君) これは、運輸省等におきまして港湾造成をなさいまして、そして、そのしゅんせつの土壌によりまして埋め立てるといった形のものを除きまして、内陸部等につきまして調査いたしました結果、団地の適地として七億坪というふうに考えております。
○黒柳明君 まあ、この工業用地の問題については、日本住宅公団あるいは産炭地振興事業団、東北開発あるいは県の公社、こういうようなところがやっておりますが、それは全体を含めてどのくらいにのぼるか、その数字をお願いしたいと思います。
○説明員(中川理一郎君) 今年度の県の公社と地方自治体でやっております計画は、大体私どもの適地調査と相談の上でやっていただいておりますので、それらのものは含まれておりますけれども、住宅公団、それから産炭地振興の特別の角度でおやりになっておる数字は、いま申し上げた数字には入っておりません。
○黒柳明君 ですから、その全体の数字のコントロールはどこでやっておるのですか。
○説明員(中川理一郎君) 私どもの手元には、いまのその数字はございません。これは調べて、もしわかりましたら御連絡したいと思います。
○黒柳明君 ですから、数字はないと、全体的なそういう数字を掌握するのはどこの――企画庁なのか、あるいは通産省なのか、どこでやっているか、こういう質問です。
○説明員(中川理一郎君) 工業地帯についての適地ということでございますと、私どものほうで調べなければいけないはずのものでございます。ただ、住宅公団の団地等につきましては、いまのところ私、数字を持っておりませんので、後刻取り寄せまして御答弁いたしたいと思います。
○黒柳明君 この全体的なものは企画庁にもないし通産省にもないのです。これは私の調べたものでございます。何から何までみんな調べておりますのですから、ひとつ、さっきの大森委員の質問じゃございませんが、私どもの勉強以上に、関係当局なんですからもっともっと勉強していただきたい、こう思いますのですが、この数字はございません。ですから、私が要望したいことは、こういう関係各庁、公社にしましても、住宅公団にしましても、この工業用地を推進しているのは通産省の企業局ですから、そこですべてコントロールしなければならないのじゃないか。そういう資料は当然手元にあって、随時それは提出できるようにしておかなければならないんじゃないか、こういうことを要望すると同時に、また一つのアイデアを提案するわけでございますから、ひとつ、それに沿ってできるものであったら努力していただきたい、こういうわけでございます。
 それで、いま七億坪、こういう御答弁ございましたが、そのうち、通産省関係の工業用地として造成済みのもの、あるいは企業に売却済み、あるいは造成済みでも売れないもの、この内訳をお願いしたいと思います。
○説明員(中川理一郎君) 私どものほうで調査しております数字によりますと、現在計画を持っておりますけれどもまだ整地その他の工事に着工していないもの、それから着手済みでございますけれども未完成なもの、それから完成いたしましたがまだ売れていないものという三つの区分に従いまして簡単にお答えいたしたいと思います。
 未着工のものにつきましては、件数で百四十四件でございます。造成面積の総合計が一億二千三百五十六が九千平米でございます。それから着手済みでございましてまだ工事が完成してないものというものが百五十六件、二億九千八百九十三万六千平米でございます。完成をいたしましたけれどもまだ売れておらないというものが六十四件、二千四百一万九千平米、かようなことになっております。
○黒柳明君 それで通産大臣にお伺いしたいと思います。前回の本委員会で政府の……
○説明員(中川理一郎君) ちょっと数字を間違えましたので、委員長、これは完成済みの……。
○黒柳明君 こちらでわかっていますからけっこうでございます。いまの数字は全然どこかの数字と間違えたのじゃないかと思いますから。
○説明員(中川理一郎君) 二千四百万平米のうち、ほんとうに完全に売れていないのがその約三分の一くらいでございます。
○黒柳明君 御苦労さまでした。
 通産大臣にお伺いしたいと思いますが、前回の本委員会におきまして、政府の政策の失敗、不況対策について通産大臣このようにおっしゃっておりますですが、日本民族のバイタリティーはたいしたものであるから、政府は自由経済の体制の上ではむしろ押えぎみでいくべきだと、こういうような発言をしております。このようなことで、いまの工業適地地区の調査、これは通産省の、先ほど言いましたように、企業局が先頭に立って推進しておるわけでございますが、通産大臣は押えぎみでいくべきだ、こういうような発言ということは、反省している気持ちがおありであるからこういう発言がなされたのじゃないかと思いますが、そうなりますと、工業用地の先導役としての通産大臣が、過去あるいは現在、あるいは何か具体的な反省されることがあるのか、また、将来にわたって改めるべき点がおありであるか、こういうような点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(三木武夫君) 私、前回、いま御引用になりました点は、非常に権力を持っているから、景気が非常な速度で伸びてきているときには、むしろ政府としたら慎重に慎重にというような態度も必要なんではないか、これは経済の非常な高度成長過程における政府の態度としてこういうものも要るのではないかということを申し上げたのでございます。この工業立地の問題は、これは非常に長い目で見なければならぬわけであります、将来の日本の産業の発展ということで。だから、これは押えぎみというか、そう押えて押えてというわけにもいかない。こういうふうなのは、やはり一つの先行投資のようなものですから、そういう意味で工業立地のようなものは調査もしたり、あるいは工場のできるようなことは相当押えるというよりも、できるだけこういう整備というものはしておく必要があるのではないか。いずれにしても、日本の経済は、これはこういう人口のサイズ、能力、輸出の将来から考えて、もっともっとやはり大きくなっていくでしょうから、そういうことも考えて、工業的な立地というような面からは、工業用地などはできるだけ先行投資の形で準備をして将来の発展に備えるという必要が私はあると思っております。
○黒柳明君 そこで、最も現在工業化の盛んな地域の工業団地造成の事業を受け持っております日本住宅公団の工業団地の分譲の最近の状況について、何か大臣は御意見をお持ちでしょうか。
○国務大臣(三木武夫君) 最近の事情については、意見を持っておるかと御質問になる趣旨は、何かあなたに御批判があるだろうと思いますのですが……
○黒柳明君 そのとおり。
○国務大臣(三木武夫君) 私も、私自身としてはあんまり存じておりません。
○黒柳明君 たとえば栃木県の真岡団地、こういう団地がございますが、来月から分譲募集されることになっております。ここの真岡市長の岩崎市長、これについて通産大臣はいろいろ市長が心配しておることを御存じだと、このように思っておりますが、通産大臣のもとで長年働いていた人でございますから。結局、この真岡団地の例を見ますと、非常に不便な、立地条件も悪くて、それから企業誘致が心配されている、このような話を聞いております。非常にりっぱなパンフレットもつくってございますが、駅から二時間も三時間もかかるようなところに工業団地ができる。こういうようなことは、すでに日本住宅公団の売れ行き――最近の売れ行きは非常に悪いです。ここに一覧表がございますが、これは青梅ですけれども、西東京団地の場合は、募集面積は十四万七千四百坪に対して、応募面積は四千坪、実際に契約できたのは二千坪という、全体の坪に対して〇・〇三倍の募集率しかございません。こういうように非常にいま工業団地に対しての工場誘致が、不況なときに、不振なときに来て、また来月特に立地的条件が悪い真岡団地が募集を始める、これは非常に危険なことじゃないか、このように思うわけです。その意味から、大臣は何かお考えはないか、こういうわけでございます。
○説明員(中川理一郎君) 先生のいまの御質問は住宅公団の団地でございますので、私どものほうはつまびらかにしないのでございますけれども、全般的に私どもが関係しております地方の公共団体がつくります工場適地の造成につきましても、同じような問題点がございまして、最近の不況の状況と、先ほど大臣がお話しになりましたように、工場の立地、適地というものは長期的にはやはり確保しておかなければいかぬという考え方との調節をはかる意味合いにおきまして、私ども、地方自治団体につきましては、地価の借上がり等の問題がございますので、買収その他の措置はできる限り講じてもらいたいけれども、造成事業等については、これは最近の景気状況等も考え合わせて、できるだけスローダウンしてもらうという指導をやっておりまして、これはとりもなおさず、地方公共団体の土地造成事業から来る財政的な負担を大きくしないで、しかも長期的な、必要な工場についての準備体制を整えておくというつもりで指導しておるわけでございます。お尋ねの公団のほうは、まことに申しわけないのですが、事情をつまびらかにしておりませんので、できれば建設省のほうからお聞き取り願えればと思うわけでございます。
○黒柳明君 もう一回くどいようでございますが、企業局があくまで先導役になって工業用地の調査を始める、それについて住宅公団のほうは知らない、こういうわけにいかないと思うのですが、その点をもう一回、先ほどの意見も含めてもう一回反省をしていただきたい、こう思うわけです。
 いまスローダウンしておる、このようなおことばでございましたけれども、それはどういうスローダウンの指導をしておる、こういうようなおことばですけれども、ここに野村総合研究所が出しています、本年六月に出しておる総合研究というのがあるのですが、ここでは上場会社一部、二部合わせて百九十九の会社の調査をした結果が出ております。あくまでも今後四十五年まで――所得倍増計画三十六年から四十五年までの、その工場誘致の中期変更でもやればよかったと思うのですが、それがなされてないために、あと必要面積は三百万坪だと、こうございます。ところが、首都圏あるいは近畿圏合わせていま募集を始めている面積は三千万坪に余る。これは住宅公団五百万坪、さらにそういうものを合わせますと、ばく大な工場誘致の募集がこれから始まる予定になっております。そういう点については、どのようにお考えになりますか
○説明員(中川理一郎君) すでに土地買収を了しまして造成工事を行ないましたものにつきましては、おそらく、その財政事情等から見まして、企業の誘致のための土地の売却を進めなければならぬ事態になっていると思います。それらの造成事業が始まりましたときは、御承知のように、成長率の非常に高い時期でございました。最近の設備投資意欲の減退に伴いまして、その間に非常に矛盾が出ておるということは御指摘のとおりだろうと思うわけでございます。私どもが、いままで造成済みのものにつきましては、遺憾ながら手の打ちようがないわけでございまして、これらには、できるだけその土地土地に適した企業の誘致をはかる上の協力をしてやらなければならぬと考えますけれども、今後の造成事業につきましては、できるだけ、土地はつくったけれども買い手がないという状況のないように、実は私のほうで協力しておりますのは、自治省から大蔵省に出ます、地方公共団体が行ないます工業用地の取得造成に関する経費を起債という形で用意しておるわけでございますが、その間に地方公共団体側が考えております場所が、私どもの行ないました適地調査による適地であるかどうかということの通産省側の意見というものと、それらがはたしていまの経済情勢等から見まして、土地の造成が終わったときに工場進出の可能性があるものかどうか、あるとしても、それはどれくらいのテンポで進むものかということの判断を、自治省も大蔵省も起債を認めるにあたりまして、私どものほうの意見を尊重して聞いてくれている状況でございますので、その辺のところにつきましては、個別の各県、あるいは市町村単位にもございますが、地方公共団体から出てまいります今後の造成計画につきまして、場合によっては、早いものについては、必ずしもそこにいま土地をつくってもすぐ工場が来るという見通しの困難なものにつきましては、なるべく計画を繰り延べさせる等の指導をいたしておりまして、ことしの起債のワクとして若干大きなものを言っておりますのは、むしろ面積的にはことしと同程度の面積を考えておりまして、起債の中身についての要求をしておる、こう考えておるわけでございます。
○黒柳明君 ただいま、要するに、造成済みのものはしようがない、こういうような発言ございましたけれども、じゃ造成済みのものはどのくらいあるか、握っておりますですか。
○説明員(中川理一郎君) 住宅公団の分でございますか。
○黒柳明君 住宅公団住宅公団ということじゃなくて、私は先ほど来これで三回目ですが、あくまでも通産省の企業局が工場の立地条件適当であるかどうかということを調査しているんじゃないですか。その調査に基づいて住宅公団なり産炭事業、あるいは県の公社なりがそれを適当と認めたところが、今度は工場誘致が始まり募集が始まる、こういう関係になっていると思うのですが、造成済みのものはしかたがない――その造成済みの坪数が非常にばく大になるわけです。先ほども言いましたように、あと三百万坪必要である、こういう各業界からの意見が出ております。それに対して、通産省、また住宅公団だけを含めても四千万坪、その十倍にものぼるこれらの工業用地が公募を始める、こういうことになっておるわけです。それに対して、いま意見をお伺いしておるわけです。
○説明員(中川理一郎君) 私どものほうで承知しております数字によりますと、土地の造成が終わりましたけれども、まだ未売却であるという形で用地が残っておりますものが、全国で八百十万平米ございます。
○黒柳明君 それは通産省だけじゃないですか。
○説明員(中川理一郎君) 先ほどお断わりしましたように、いまのところ、私どものほうで手元に持っております数字が、先生おっしゃいました通産省の数字でございまして、その他のものは入っておりません。
○委員長(藤原道子君) 通産大臣の御退席まで時間がわずかでございますから、大臣に対してだけの御質問を先にしてください。
○黒柳明君 いまの数字に関連して、まことにしつっこいようでございますが、県の公社、開発公社あるいは市、県などの分譲を含めた全体の数字は――私、先ほどちょっと誤解を招くような発言をしたと思うのですが、含めて全部で四千万坪にのぼる、こういうデータが出ておるわけです。ですから、建設省が八百万坪、それに対して三百万坪、それだって三倍近くになるわけですね。全体のものを合わせて十倍くらいになるわけです。こういうくどいことはくどくど申し上げませんから、こういうデータを勉強しましたので、ひとつこの点を考えてもらいたいと思います。
 それからまた関連することで大臣にお伺いしたいと思うのですが、せんだっての万国博のときに、大阪商工会議所のあっせんで、工場の適地用地のあっせんについて、一万何千社に手紙を出した、そのうち来たのは十三社、こういうことが日経に出ておる。私はそれを見て非常にショッキングを覚えたわけです。そういうことを含めて――十月四日の日経に出ております。いま、これは御存じだと思うのですが、一万六千社にこのあっせん方を出して、来たのはわずか十三社、こういうことは非常にショッキングなニュースじゃないかと思うのですが、それについて、冒頭に私が言った、過去、現在に反省する点はないか、あるいは将来に対してどのような意見を持っておるか、またそこに戻るわけですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(三木武夫君) それは私、初耳です。そういうふうな、万博のほうが、企業に対して何のためにそういう通知を出したのか、私自身としては全然存じておりませんが、事務当局のほうで何か知っておればお答えいたします。
○黒柳明君 ちょっと誤解があるので――万国博のほうじゃなくて、大阪会議所のあっせんで行なわれた、こういうことなんです。
○政府委員(島田喜仁君) ちょっと承知しておりませんので、また調べてみたいと思います。
○黒柳明君 じゃ、もう一つ通産大臣にお伺いしたいと思いますが、新産都市十三地区が指定されておりまして、また秋田が加えられる、こういうことでございますが、その成果が、経企庁の報告ですと、少しずついいほうに進んでおる、こういうことですけれども、ここに十月二十一日の朝日新聞があります。ここを読みますと、「新潟地区に新しく進出した工場は、いままでのところ従業員五十七人のコンクリート工場だけであり、松本諏訪地区ではセメント会社一社だけ」です。さらに、「倉敷市などのように財政を破たんさせる心配もあるとみている」ところもある。要するに、新産業都市は工業用地を一応造成したにはしたけれども、そこに誘致する工場が来ない、こういうふうなことで、非常に実態に対して甘い評価である、こういうふうな批判が政府部内でもある、こういうふうなことが出ておりますけれども、これに関しては大臣はどのような所見を持っておりますか。
○国務大臣(三木武夫君) ちょうど新産業都市の指定が行なわれたときに経済の不況期に向かったわけですけれども、各企業とも設備投資というものを手控えるという風潮が出てきたので、ちょうど出ばなをくじかれたような形になったわけですが、しかし、まあ私が思いますのに、東京とか、あるいは京浜、阪神、こういうふうな工場地帯というものも飽和点に来ておるのですから、それからまた、日本の人口、所得、産業、いろんな点から言っても、でき得る限り工場がある一点に集中しないで分散されるということが好ましいし、また、それだけの立地条件というものを持っておるわけですから、新産業都市は少し多過ぎる感はいたしますけれども、指定を受けたところは受けたなりに、いろんな条件を持っておるんですから、やはり日本の景気の回復、あるいは産業もさらに発展していくでありましょうから、そういう場合には生きてくる日があるのではないか。いまはちょいと足踏みした状態だけれども、その間にいろんな立地的な条件のすぐれたものを持っておりますから、これは将来、長い目で見れば、新産業都市というものが、全然この政策というものは誤りではなくして、やはりそういう地方開発をやろうという政府の意欲が生きる日はあるのではないか。少し目盛りを長くして見る必要があるのではないかということで、私は非常に悲観的には見ていない。
○黒柳明君 私も大臣の意見がそのまま長い目で見て必ず回復することを祈っておりますし、あくまでも日本の国を代表した議員として、その新産業都市が悪い方向に向かうことは望んでおりません。あくまでもいまの工業用地の分譲の現状から見て、将来これがこのままいったならば非常に危険なことではないかと、地元の負担もふえる、政府はそれに対して補助金を出す力もない、来る工場もないと、こうなったら、新産都市がそのまま立ち消えになっちゃうのではないか、こういう心配のもとで発言したわけでございますが、今後とも、通産行政に関して、ほんとうに国民の意に沿うような行政をしていただきたい。最後に要望しておしまいにいたします。ありがとうございました。
○岩間正男君 委員長、ちょっとちょっと。
○委員長(藤原道子君) 午後にしてくださいませんか。
○岩間正男君 退席される前にちょっと。通産大臣が午後からおいでにならぬ、これはどういう御用かわかりませんが、決算委員会の運営について要望しておきたい。各省別にやるんで、大臣が出席されるのは、一年を通じて決算委員会には一回か二回でしょう。そうすると、たいていは午前中なんだ。午前中と言っても、十時半から始まりますから、一時間半くらいになるのです。そうすると、各党の質問があるわけですよ。あとのほうの質問者というのは質問ができないのだな、大臣にね。そういう形の運営になっているというのは、これは大臣にも都合があると思いますが、年間に一日や二日の繰り合わせができないというふうには私は考えないのです。したがって、今後の運営については必ずいてほしい。きょうはまあどういうことになるかわかりませんけれども、私は、特にこれは決算委員会の運営について、今後この点を取り計らっていただきたいと思う。いままで見てますというと、午前中でたいてい退席、そうすると、あとのほうは、実際聞きたいことがあっても聞けない。それから、あとのほうで、大臣がいない場合の質問の中で、やはり通産行政なり、非常に参考になる問題もあるわけですよ。大臣としては非常にいい勉強の機会だと考えられるわけです。そういう点から言って、私はぜひこの点を取り計らっていただきたい。きょう簡単にあと十分くらいでやっていいですか、これどうです。
○国務大臣(三木武夫君) 十分ならよろしいです。
○岩間正男君 いいですか。じゃ、その点先にやっておきます。
○委員長(藤原道子君) ほんとうに十分で終わりますか。
○岩間正男君 十分で終わります。
 それじゃ、時間がないから、資料要求みたいなことになるのですが、二つの問題を聞きたい。
 一つは、昨年十二月に結ばれました二千万ドルの対韓援助の問題があるわけです。これは三月の予算委員会で、私は外務省のほうに聞いているわけです。その後の経過が、これはどうなったのか。通産省に移管されて、もうすでに仕事を開始しているのじゃないかと思うのです。それについて、どういうような経過をたどり、現在どんな進行状態か。それから、それについての品目、数量、こういうものが資料的に出せるなら出してほしいと、こういうふうに思うのですが、まずこの点。
 第二点は、ベトナム特需の問題、これは年間、最近約二億ドルというふうに言われていると思うのでありますが、この問題についても最近、そうですね、十年間の経緯を表にして出してもらいたい。十年間――一九五五年から六四年になりますか、六五年の上半期だけでいいですね。そこまでの、さらにその数最、それから契約、支払いの方法、それから日本の全体の貿易額に占める割合、特に東南アジア貿易に占める割合、こういうものを資料として出してほしいと思うのです。
 この二点、いかがですか。
○国務大臣(三木武夫君) 最初の韓国に対しての、いまどうなっているかということ、ここに資料があるからお答えいたします。
 十月の十八日現在で、韓国政府から契約の確認申請があったものが七十三件、千五十五万九千ドル、それから、そのうち、輸出の承認を受けたものは四件、五十五万六千ドルであります。残余のものについては、目下通産省及び日本輸出入銀行において審査中でございます。
 御要求のあった資料は提出をいたします。
○政府委員(高島節男君) ただいまの韓国に対しまする二千万ドルの実施状況は、大臣のお話のとおりでございますが、計数を資料といたしまして、今後提出いたさせていただきます。
 それからベトナムの関係は、特需ということでございますと、これは一括した形でアメリカ軍に引き取られておりまして、向け先は、これはたいてい特需というかっこうで出ておりましてわかりませんが、対ベトナムの貿易の実態でございましたら、これは十年間で表ができるかと思います。
○岩間正男君 特需はどこで扱います、特需関係は。
○政府委員(高島節男君) 非常に技術的になって恐縮でございますが、特需は、米軍が日本において一括いたしまして、物を調達して出ております。したがって、その特需で調達されました品物がいずれの国へ向いていくか、米軍直接に使っているものが大部分と思いますが、どこ向けかということはわからないのであります。
○岩間正男君 その米軍調達の実態はどこで把握できますか。
○政府委員(高島節男君) 調達の実態は、おそらく外務省において、ある程度実態把握をいたしているかと思いますが、しかし、事実、その点は、特需として一括してとっておりますので、統計その他はないかと心得ます。
○岩間正男君 これは通産省には全然通告がないのですか。通産省は全然これはノータッチのものですか、どうですか。
○政府委員(高島節男君) その点はタッチいたしておりません。武器等のものは、これはそれぞれ届け出制になっておりまして、法規がございますから、その分は別途の法規でやっております。
○岩間正男君 これは通告もないのですか。通告もなくて、あなたたちは全体の調整ができないじゃないですか。どうなんですか。これは大臣にお聞きするので、通産省の行政の中で、それは米軍の調達かもしらぬけれども、日本の物資需給の面からいくと、非常に深い関係、ことに二億ドルというのは相当膨大な数量でしょうが、問題は、全然通産省がノータッチでいるということ、そのこと自体が、私はこれはおかしいと思うのですがね、大臣に聞きたい、大臣、どうですか。
○国務大臣(三木武夫君) 全体は把握しているのですよ。個々の取引についてタッチはしていないということでございます。
○岩間正男君 全体把握しているだろうから、その中でお聞きしますが、次の軍需調達品についてはどうなっているか。ジェット燃料油、ガソリン、灯油、トラック、同部品、ジープ、キャタピラ、鉄条網、セメント、土のう、携帯食、食糧、農薬、医薬品、血液、通信器、各種用紙、化学薬品、化学ガス、軍服、軍靴、弾薬包、ナパ一ム、こういうものについて、数量があなたのほうで把握されているだろうから、出してもらいたい。そうすればわかります。
○政府委員(高島節男君) 品目の内容がどの程度の分類になっているか、ちょっと自信がありませんが、全体といたしまして……
○岩間正男君 詳細は速記録を見ればわかりますから、できるだけやってください。
○委員長(藤原道子君) 他の御発言がなければ、午前中の審査はこの程度で終わります。
 午後二時に再開いたします。
   午後一時十一分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時二十四分開会
  〔理事相澤重明君委員長席に着く〕
○理事(相澤重明君) ただいまから決算委員会を再開いたします。
 藤原委員長が他に出席いたしますので、理事の私がかわって議事運営を行ないます。
 午前中に引き続き、昭和三十八年度決算外三件を議題とし、通商産業省、中小企業金融公庫、日本開発銀行、日本輸出入銀行及び石炭鉱業合理化事業団の決算について審査を行ないます。
 まず、前町の委員会におきまして釧路市の爆発事故に関する件について、政府より発言を求められておりますので、これを許します。
○政府委員(細田吉藏君) 前回の本委員会におきまして、去る十月五日に釧路で起こりました旧日本軍の爆発物による小学生の災害の事故に対し御質問がございまして、私、答弁の中で保留をさせていただきました問題につきまして、御報告を申し上げたいと思います。
 まず、この事故に対して、政府としての窓口と申しましょうか、担当と申しましょうか、そういうものが明確になっておらないのはいけない、早急にこれをきめるべきである、こういうことでございまして、私おあずかりをしておったわけでございますが、関係閣僚、また関係各省の協議の結果、窓口といたしましては、総理府の審議室においてこの問題を取り扱う。もちろん、それぞれの個々の問題がございまして、担当省があるものについては、それぞれの担当省で扱うことは、これはもう当然のことでございますけれども、窓口といたしましては、総理府審議室においてこの問題を取り扱う、かように決定をいたした次第でございます。
 なお、本件につきましては、旧日本軍の爆発物によって起こった事故であるという点、また、いたいけな学童が多数死傷されたと、こういったきわめて特異性のある事故でございますので、死者並びに負傷者に対しまして、内閣総理大臣の名前をもちまして、それぞれ弔慰金並びにお見舞い金を差し上げることに決定をいたしまして、一昨二十三日に、私、釧路に参りまして、四人の死者の御遺族の方にお目にかかり、弔意を表すると同時に、総理の意向をお伝えいたしまして弔慰金を差し上げ、また、労災病院並びに釧路の日本赤十字病院に入院しておられる重傷者の方々をお見舞い申し上げて、昨日帰ってまいったような次第でございます。
 事故の原因等につきましては、一応の事情の聴取をいたしましたけれども、この点につきましては、現地の警察においてもいろいろまだ調査をいたしておるようでございます。詳細のところにつきまして、責任を持ってこれが原因であるといったような点についてお答えする段階ではございません。また、爆発いたしました古いドラムかんの、これも完全な形じゃございませんが、ドラムかんの形をいたしております爆発物につきましても、現地の方々のお話によりますと、まだ確たる旧日本軍のものであるというところまでつかめておらないそうでございます。大体そういう可能性が非常に強いということでございますが、この点も明確にいたすために、これを専門のところでいま鑑定をしていただいておるという段階だそうでございます。もっとも、その次の日の六日に同じ海岸に上がりました、やや被害を起こしましたものより大きなものが着いておりますが、これにつきましては、旧日本海軍のものであることが確認されておりまして、これにつきましては、自衛隊において処理をいたしたということでございます。したがいまして、厳密にはいま調査をいたしておるわけでございますが、まあ大体現地の方のお話を総合いたしますと、旧日本軍のものには大体間違いがないだろうというお話でございます。
 なお、死者四名の方につきましては、前回もこの決算委員会で話が出ておりましたところでございますが、重軽傷のところは、現地へ参りますと多少人数が変わってまいりまして、重傷者は合計十四名でございまして、うち十一名がただいま入院をしておられまして、三名は通院をしておられる状況でございます。それから軽傷者は十八名でございまして、重軽傷合わせまして三十二名、こういうことに相なっておるのでございます。
 なお、この海岸にこうしたものが二日続けて漂着したわけでございまして、とりあえずの抽選といたしましては、地元の警察におきまして厳重なパトロールをいたし、また、この種のものが漂着いたしました場合の措置等につきまして、付近の市民の皆さん方に、これが処置についてはPRを十分にいたしておるという釧路の市当局並びに警察の話でございました。
 その後の経過について概略御報告申し上げました次第でございます。
○理事(相澤重明君) 委員長から、当委員会の竹田委員の質疑に対して、さっそく政府が緊急措置の努力をされたことについては、敬意を表しておきます。
 それでは、竹田君。
○竹田現照君 さっそく釧路に行かれたことについて、どうも御苦労さまでございました。
 前回の委員会でもお話ししましたとおり、特に北海道の海岸でこの種の危険があることは事実でありますから、今後もこういう危険を取り除く措置を関係機関で早急にやっていただくとともに、今後この種事故の発生する危険がなしとはしないので、事故が発生することを想定しても、災害補償を含めての法律上の取り扱いについて、政府として検討をされて、何らかの措置をとっていただくように要望いたしたいと思います。
○政府委員(細田吉藏君) 現地の道庁また市当局、教育委員会当局、それからさらに海上保安庁の出先、これらの皆さん方にお集まりをいただきまして、これまでの状況、また今後の見通し等についての一応の話し合いはいたしましたけれども、しかし、何しろ短時間でございまして、私参りましたのは、主として弔問並びにお見舞いが主で参ったものでございますから、今後、窓口は中央政府としてはきまりましたので、このようなことが今後繰り返されてはいけないわけでございますので、そういう点について十分御連絡をいただき、そして、どのようにしてこうした危険物を取り除けるか、また、災害を再びしないか、こういうような点について、現地は現地として十分なひとつ検討の結果をわれわれに御連絡をいただきたいと、かように申してまいったわけでございます。中央といたしましては、ただいまお話がございましたような点を含めまして、今後この問題を検討いたしていただき、そして、このようなことを再び繰り返さないようにいたしたいと、かように考えている次第でございます。
○理事(相澤重明君) 速記止めて。
  〔速記中止〕
○理事(相澤重明君) 速記を起こして。
○岩間正男君 運営の問題ですがね。資料の要求が各委員からずいぶん出されているのですがね。それで、これが、あと、しり切れトンボになってしまうというような例がなきにしもあらずですからね。これをきちんと何かどこかでまとめてやっておられるとは思うのですけれどもね。提出がおくれているのがずいぶんある。そういう点で、督促をして十分に審議に間に合うような措置を、特に委員長のほうから取り計らっていただきたいと思うのですが、どういうふうになっておりますか、その点。
○理事(相澤重明君) いままでは各委員の要望の資料については提出を極力させておったわけでございますが、足りない点については、いま委員部を通じて資料提出を求めております。
 速記とめて。
  〔速記中止〕
○理事(相澤重明君) 速記起こして。
○黒柳明君 私は輸出保険特別会計についてお伺いしたいと思います。
 午前中の委員会でも申しましたように、肝心の外務省当局が出席しておりませんので、また核心については後日の会議に譲りたいと思います。きょうは一応大まかな質問だけをしたいと思います。
 すでに問題になっております株式会社平岡、そういう会社の保険金の詐欺事件についての概要及びそのあと始末はどうなったか、通産省及び法務省にお伺いいたします。
○政府委員(高島節男君) 株式会社平岡に関します保険金の問題についてはお答えいたします。
 株式会社平岡は、昭和三十五年の七月から三十六年一月までの間に、アメリカに向けまして、ゴムはきものを商品といたしまして、輸出保険契約六件を締結し、普通輸出保険の個別保険に付保したということになっております。そして、その後、アメリカで関税が引き上げられて保険事故が発生したというので、三十五年の十二月に二千百万円にのぼる保険金の支払いを受けているということでございます。
 それから、たちまして、昭和四十年の一月に、地方検察庁の特捜部で、平岡に関しまして脱税事件を中心に取り調べが行なわれました。その際に、この保険金の受け取りの内容が詐欺ではないかという容疑が発生いたしました。これらの付保対象になりました輸出契約の偽造、あるいは商社に対しまする国内メーカーからの供給契約の申告には虚偽があったのではないか、こういう疑いが出てまいったわけであります。
 そういう形で事件になりまして、それからあとの通産省のとりました処置として、私は新任でございまして、その当時の状況を聞いてみますと、平岡は、この事件につきまして、申告に虚偽があったということを認めたのでございます。したがって、通産省としましては、四十年の三月に支払いました三千百万余の支払い保険金に対しまして、これの返還を命じまして、保険の金額は回収をいたしましております。こういったのが、今日までの平岡の保険金詐欺事件の経緯に相なっております。
○説明員(伊藤栄樹君) ただいまお尋ねの、株式会社平岡関係者によります輸出保険金詐欺の事実関係につきましては、ただいま通産省から御紹介がありました。おおむね、そのとおりでございます。この事件につきましては、東京地方検察庁において捜査をいたしまして、本年の一月二十八日及び二月十日の二回に分けまして、関係者合計七名を公判請求をいたしまして、現在公判係属中でございます。
○黒柳明君 政務次官にお伺いしますが、通産省は民間企業に対して輸出に貢献したそういうような認定書を出している事実がございますか。
○政府委員(堀本宜実君) 輸出の認定書が輸出金額、輸出の比率及び輸出の伸長率等を点数にいたしまして、そしてそれを認定をいたすようにいたしておるわけでございます。ただいまのお尋ねにつきましては、認定書を出しておる、こういうことになるわけでございます。詳細は局長のほうからお答えをいたしたいと存じます。
○政府委員(高島節男君) 通産省におきましては、輸出振興意欲を喚起するという目的から、輸出認定の制度をとっておりまして、これは一定の輸出の金額や輸出の比率やあるいは輸出の伸び方、そういうもので点数制をとりまして、この一定点数以上のものに対しまして、これを認定していくという形で輸出振興の気風をあおるという制度をとって毎年一度、そういう催しを六月の貿易記念日でございましたか、六月末ぐらいだったと思いますが、そういう催しをやっておるわけであります。
○黒柳明君 この認定書の内容でございますが、いま局長も表彰ということばをお使いになる予定だったと思うのですが、表彰、こういうふうにいわれているこの事実についてはどうでしょうか。
○政府委員(高島節男君) 表彰というほどの気持ちでは実はございませんで、私もまだしろうとでございますが、そういった企業を認定してやる、こういったところの段階にとどまっております。ただ、その人間が結果的に申しまして、一定のライン以上の輸出を確保したということを認定いたしておりますから、国民全体が、輸出というのはいいことだ、こういう感じの上で認定をされますので、それはその人間に対してある意味で非常にいい、輸出を伸ばそうという気合いと申しますか、意欲をそそるのではないかと思います。別段正式の表彰というようなことではございません。そういう認定するという制度にいたしております。
○黒柳明君 趣旨はよくわかりましたですが、事実問題として、この認定状に対しては表彰、こういうようなことばを使われております。そういう内容であったならば、表彰なんということばは絶対に使わないようにして認定と、こういうふうに改めていただきたいと思いますし、その輸出に貢献した企業、こういうことをうたってあるんです。輸出に貢献したということは、あくまでも株式会社平岡の場合には、これは言えないんじゃないかと思うのですよ。それに対してその認定状を出した理由を聞かしていただきたいと思います。
○政府委員(高島節男君) 本制度は輸出金額とか、輸出比率とか、輸出の伸び率とかというものを計数的にとらえまして、それを整備して認定という結果を出しております。株式会社平岡のケースは、経過を申しますと、昭和三十九年の六月に輸出貢献企業の認定を受けております。この認定を受けました際には、ただいま御質問のございました、いわゆる平岡事件としましての問題が起こっていなかった段階でございますので、当時の情勢としては、輸出の実績があり、伸び率が高く、あるいは比率が高いということから、平岡を貢献の企業の認定にしたということだろうと思います。輸出貢献ということを非常に主観的に見ますとむずかしいことになりまして、これは算定がつきませんが、一定以上のそういった算式に基づいた要件が当時合致しておったと思います。それにもちろんこういった事件を起こしました場合には、これは欠格要件ということになってまいりますが、当時そういった段階にございませんでしたので、認定をいたしたものと思います。
○黒柳明君 事件を起こす前に認定されていたといいますが、認定書を出したのはいつですか。
○政府委員(高島節男君) 三十九年の六月二十八日に認定書を交付いたしております。
○黒柳明君 そうすると、事件の起こったのは三十六年であり三十七年である。これは認定書を出す前じゃないですか。いまの答弁と食い違っておると思いますが、どうでしょうか。
○政府委員(高島節男君) 私が最初に申し上げましたのは、保険金のその詐取の原因行為が行なわれた時期を、三十五、六年でございましたか、その時期として申し上げました。事件として表面に出ましたのが四十年の一月でございます。それまでの間は、残念ながら役所側のほうはもちろん全然気がついておらなかったという状態でございます。
○黒柳明君 三十九年の六月に認定して、四十年の二月認定書を出した、それと違いますわけですか。また、たとえ認定したあとに脱税事件及びトランジスター、ゴム底、そういう不正輸出事件が発覚した。こうなりますと、この認定を取り消すというような措置はとれないのですか。
○政府委員(高島節男君) 三十九年のおそらく六月の二十八日に認定いたしまして、そのときに賞状は……そのいまの書類の交付はやっておると思います。そういたしまして、四十年の一月に捜査及び起訴というところに事件が起こってまいっておりますが、認定は、当時の制度といたしまして、一回認定をいたしまして、そうすると、あくる年またその次に認定するかと、こういう形でございまして、すべて六月二十八日にそういう要件に該当しておるかどうかということで勝負をきめておったわけでございます。したがって四十年度の問題になってまいりましたときに、おそらくこの商社は相当の輸出実績及び伸び率を持っておったのではないかと思いますが、それは消却要件に該当するので、四十年の六月の認定のときには、これは当然落ちておる、こういう形でございます。
○黒柳明君 しつこいようで申しわけございませんが、認定した後において悪いことをやっておるならば、その後に認定を取り消すシステムはない、こういう確認でよろしいですか。
○政府委員(高島節男君) ちょっと私、認定の細則、取り消し条項があったかどうかを現在正確に記憶いたしておりません。取り消し条項は、当時おそらくそういうのに対してやっていませんところから見まして、これは私、制度上の常識的な想像でございますが、その段階においては要するに認定行為というのは一回で、その年はそこで終わってしまうものでございますから、次の年の問題として欠格要件が出るかどうかで措置しておるのではないかと思います。当時、私その職におりませんでしたので、その点は不明確でございます。
○黒柳明君 あくまでもここは国会の審議の場所ですから、常識で云々されると非常に困ると思いますから、法規上どういうことになっておるかということを、尋ねておるわけです。どうしてこういうことをしつこく聞くかと申しますと、先ほど冒頭に申し上げましたように、このたった一枚の認定状をもって、この株式会社平岡がベトナム救済事業の五億数千万円の全額を受けて、しかもこの事業を推進しておる、そこにまつわっておる不正事件がある。それでは株式会社平岡は、何によって外務省からベトナム救援事業を受けたかというと、通産大臣によって出されたたった一枚の認定書がたよりである、こういうふうなことで、まあややこしく聞いたわけです。またこの点については、先ほどから言いましたように、外務省当局がおりませんので後日に譲りたいと思いますが、あくまでも認定するにあたって、もっともっと慎重審議をした上で認定書を出すし、またそこに書いてある輸出に貢献した企業である、明かに貢献したかどうかもきちんと審査してもらいたいし、また、その六月十八日限度、認定したあとにも不正があるならば、当然これは取り消すべき問題であると、こうも思うわけでありますから、以上要望申し上げまして終わります。
○理事(相澤重明君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
○理事(相澤重明君) 速記を起こして。外務省南東アジア課長補佐股野景親君。
○説明員(股野景親君) ただいま黒柳先生から御指摘のございましたベトナム救済援助事業と商社平岡との関係でございますが、ただいま黒柳先生が御指摘になられましたとおり、ベトナム救済事業、これは昨年の八月及び十月の二回の閣議決定で総計約五億三千万円にわたる物資及び医療団の派遣がベトナムに行なわれたわけでございます。これが外務省所管の補助金の形で東南アジア文化友好協会に交付されまして、東南アジア文化友好協会がその事業を実施するにあたりまして、物資の航送の一部を株式会社平岡との間で契約を結びまして行なわせました次第でございます。五億三千万円が大体総額でございますが、そのうち、株式会社平岡が関係しております分は約四億三千万でございます。東南アジア文化友好協会が株式会社平岡との間にこのような契約を結びました最大の理由、そしてまた外務省側がこれを了承しましたその理由は、本件がたいへん緊急性を要する援助であるということで、その当時東南アジア文化友好協会と最も密接に協力して迅速に物資を調達し、これをベトナムに送り出す事業に十分足るだけの能力を持った商社、しかも東南アジア文化友好協会のほんとうに緊密なパートナーとして事業を行ない得るもの、そういう観点からこの平岡が選ばれたわけでございます。東南アジア文化友好協会と平岡との関係は、この株式会社平岡の社長の父親に当たられます平岡貞氏が東南アジア友好協会の有力会員であり、従来東南アジア文化友好協会が、人道上の目的また文化上の目的で諸般の事業を行なっておる際非常に貢献するところが大である。そこでこの経緯にかんがみまして、東南アジア文化友好協会としては非常に時間の限られていることではあるし、何とかこの平岡がやれないものか、そこでまたただいま御指摘のありましたとおりに、本件平岡が輸出貢献企業として表彰された直後でもあった次第であり、この平岡が物資調達及び発送の一部分を引き受けることを了承した次第でございます。
○黒柳明君 またそこに非常に問題がございますが、表彰、表彰ということばを使われているのです。それで外務省もその表彰状を一片のたよりにして、それをベトナム救援上許可をした、こういうわけです。いま密接な関係にあると、東南アジア文化友好協会と平岡株式会社が密接な友好関係があるということから、密接なということでごまかしてしまいましたが、それじゃこのベトナムの救済事業を決定するにあたっての委員会の模様を御存じですか。
○説明員(股野景親君) 本件閣議決定が行なわれましたのが、昨年八月の十一日でございます。そして東南アジア文化友好協会といたしましては、この株式会社平岡との売買契約等を結びますにつきまして、八月の十四日に緊急理事会を東南アジア文化友好協会で開催いたしまして、そこで株式会社平岡との間に契約を結ぶことについて了承を得た、そういうふうに承知いたしております。
○黒柳明君 それは委員会であって、この前に行なわれた小委員会、実行小委員会のときの様子を知っておりますですか。
○説明員(股野景親君) 本件の東南アジア文化友好協会が、本件の事業を実施するにつきまして、実行委員会というものをつくったことは事実でございますが、それはこの事業でただいま申し上げました八月十四日の緊急理事会を開きましたそのときに、実行委員を選択いたしまして、そしてその後実行委員会が主として本件の事業の推進に当たった、かように私ども承知いたしております。
○黒柳明君 実行委員会の内容、どういう発言が行なわれてどういう取引が行なわれて、どういうふうに推進されたか、その実行委員会における内容は御存じですか。御存じなければ別に、先ほど述べましたように、ここにおいて局長、課長、参事官みな逃げたあとで補佐の方に御迷惑かけるつもりはございませんから、この辺で終わりたいと思いますけれども、その小委員会で行なわれた発言内容、またその小委員会の構成メンバーというようなことが問題になると思うのですが、その点をお答え願いたいと思います。
○説明員(股野景親君) 実行委員会といたしまして選ばれた諸氏は五人でございまして、いずれも東南アジア文化友好協会の委員でございますが、名前を具体的に申し上げますと、大野、町田、津田、杉田、上村、この五氏であると承知いたしております。
○黒柳明君 そこに出た平岡関係の出席者の名前御存じですか。
○説明員(股野景親君) ただいまの五人の方のほかは、いずれも平岡に関係のある方はないと承知いたしております。
○黒柳明君 いやそのほかにですね、五人のほかに、この小委員会に平岡関係の会社の者が出席しておるわけなんですが……。
○説明員(股野景親君) 本件の実行委員会が事業の推進の主たる責任を負いました関係上、当然売買契約を結びました平岡とは、物資の発送につきまして常時協議する体制が必要でございましたので、実行委員会側と平岡との間に話し合いが持たれたことは確かにございます。
○理事(相澤重明君) 委員長から質問の要旨に答えるのに、いま黒柳委員の質問をしているのは、その席に平岡関係の者が何人おったか、こういう質問を含んでおりますから、そのことも答えてください。
○説明員(股野景親君) 何回もこのような実行委員会と平岡との話し合いが持たれておりますので、その一々についての詳細は、私どもも承知いたしておりませんが、おそらくただいま黒柳先生が御指摘になっておられるのは、その実行委員会の会合の第十三回におきまして、この実行委員会が開かれましたときに、ただいまの五人の実行委員のほかに、この売買契約等を結びました平岡側を代表して平岡社長及び三宅――当時の営業部長だと思いますが、これが出席しておった事実はございます。
○黒柳明君 また、このアジア文化友好協会の事務所は御存じでございますか。どこにあってどういう事務所であるか。
○説明員(股野景親君) 東南アジア文化友好協会の事務局は東京の池袋にございまして、専務理事、事務局長は加藤亮一氏でございます。加藤亮一氏は、同時に日本キリスト教団の池袋協会の牧師さんでもございます。
○黒柳明君 私は実際この目でその事務所に行って参りました。そうして確めて参りました。また後日、その資料の提出を要求しておきますが、非常に幼稚園の片すみにある。文字どおり、吹けば飛ぶような事務所のまたその事務所に東南アジア友好文化協会がある。そこがイコール株式会社平岡になっておる。また先ほど述べましたように、その実行委員会委員たるものが五人出ておりますが、そこに平岡社長以下部長、専務、主事、事務担当、みなそこに勢ぞろいしまして、しかも五億のベトナム救援事業の決定にあたって、委員会の場から、すぐその平岡の株式会社の手にストレートに移っていった、こういうことがここの議事録にはっきり出ておりますが、幾ら緊密の間にあったとか、あるいは、緊急の用事とか言われても、四億数千万の膨大な救援事業を、そういうように右から左に、競売もしないで、また審議も経ないで、そうして流す、こういうような事実は過去にございましたでしょうか。
 またもう一つ先ほど表彰と、こういうようなことをちょっと口にしましたが、はたしてこの平岡が、表彰に値する会社である、このようにお考えでございますか。
○説明員(股野景親君) 東南アジア文化友好協会は、まだ設立されてから時間もあまりたっておりません。現在発展段階にある団体でございまして、しかしながら、理事長には現在の石井光次郎法務大臣をいただきまして、いずれも主としてキリスト教及び仏教関係の指導的な事業に熱心な方々を委員としております。何ぶん若い団体でございますので、事務局等にまだりっぱな者がいないのは事実でございますが、当面東南アジア文化友好協会といたしましては、事務所等にお金を使うよりも、まず東南アジアの留学生を受け入れるための留学生会館を建設すると、そういうための事業に熱心になっておるので、事務所等については、あるいはまだ本来の望ましい姿までにいっておらないという点はあるかと思いますが、団体としては非常に熱意もあり、かつすでにその道では、かなりの実績もあげておる団体であると承知いたしております。
 また、株式会社平岡がかなり多額の金額をこの東南アジア文化友好協会による援助事業において扱ったということは事実でございますが、私どものほうといたしましては、何ぶん当時非常に緊急にこの援助を出さなければならないということで、扱い商社としては平岡がなったのは事実でございますが、同時に物資の選定等につきましては、膨大な種類にわたります医療薬品等につきましては、むしろ医薬療品輸出組合のほうで、すべて物資を公平な立場から選定してもらい、平岡はただそれを発送する役を受けたというだけに承知いたしております。
○黒柳明君 緊急緊急と言いますけれども、その緊急な客観的情勢を説明していただきたい。それからもう一つ、先ほど述べました表彰、そういうことばに値する会社であるかどうか、それを御説明願いたい。
 それからもう一つは、いま発展段階にあるから、事務所はちっぽけなものでもいいと、メンバーが石井光次郎さんをはじめ、りっぱな人であるからいい。ここに石井光次郎さんをはじめとしたお歴々がずらり並んでおりますけれども、この人一人々々にこのとき東南アジア協会というものは将来発展するものであるか、あるいはどのような考えを持っているものであるか、外務省当局としてきちっとした所感を聞いてから、平岡とのつきあいを始めたものであるかどうか。その点をお伺いしたい。
○説明員(股野景親君) 本件援助のきまりましたのは八月でございますが、その際私どもとして一番考慮いたしました事実は、その直前、すなわち七月のなかばに、当時のベトナムの首相から池田総理あてに書簡が参りまして、ぜひとも緊急に援助を出してほしいという要請がございましたので、これに応じまして一刻も早くベトナムの国民の窮状を救済するという意味から急いだ次第がございます。
 また、株式会社平岡が輸出貢献企業として表彰されたという点を私どもも考慮に入れたという点でございますが、これは通産省のほうでそのように御認定いただいたということを私どももそのまま了承した次第でございます。
 また、私どもは理事長の石井光次郎先生をはじめとして委員会の方々とも、この問題についてもちろん御連絡を申し上げておりますし、理事長の石井大臣をはじめとして本協会の発展には非常な熱意を持っておられると、このように承知いたしております。
○黒柳明君 どういう緊急的な客観情勢をもってそれを処理したか。その点についてまたお伺いしたいと思います。まずその点。
○説明員(股野景親君) 御承知のように、ベトナム援助は医療援助が中心でございまして、当時ベトナムで日本の医療団を出しました病院、これはサイゴン病院でございますが、ベット数は約五百ほどございます病院で、お医者と名のつく人間がたった一人しかいない。そしてそのほかにはインターンが三人ぐらいしかいない。また病院のベットもきわめて不足しておりまして、あるところでは一つのベットに二人の病人を寝かせなければならぬ。このように非常に窮迫した状況であるということを私ども聞きまして、これは一刻も早く措置を打たなければならない、そういう情勢に基づきまして出すことを急いだわけでございます。
○黒柳明君 そういう情勢はあるにしても、ともかく委員会の場において五人もの会社の者が――当然これは審議を経て、それからさらにまた競売もそういう過程を経て平岡なら平岡にいく、こういうことが本来のたてまえだと思うのです。それが委員会の場所に平岡の会社のメンバーは五人もずらっと並んでいる。これ自体はそういう中間的手段を経ないで、もうすぐ委員会が即平岡にまかせると、こういう趣旨の前提のもとに委員会が開かれ、また平岡株式会社の人たちがそこに臨んだんじゃないか、こういう憶測がなされますが、それについてどうですか。
○説明員(股野景親君) ただいま先生の御指摘になりました実行委員会とそれから平岡との間では、事業推進のために実際上事務的な問題で協議が持たれたわけでございます。またこの援助を引き受けますときに緊急理事会を開きましたときには、出席者はいずれも東南アジア文化友好協会の者のみでございまして、その席上において平岡の者が出席したという事実はないと承知いたしております。
○黒柳明君 先ほど出席したと言ったのじゃないですか、この実行委員会に。
○説明員(股野景親君) 先ほど私が申し上げました趣旨は、実行委員会は本件事業の推進を当たるその委員会として東南アジア文化友好協会の中に設けられたわけでございます。その実行委員会が事業推進にあたって平岡側と事務的に打ち合わせをしたということであって、それは東南アジア文化友好協会が平岡にまかせるというときの決定に平岡が参与しておったと、そういう意味ではございません。
○黒柳明君 何だかくだらない押し問答になって大ぜいの方に御迷惑をおかけすると思いますが、若干時間をほしいと思います。
 先ほど出席したと、こういうふうにはっきり言いましたが、いまは出席しないと、事務的な打ち合わせとしてそこにいたんだ、しかしこの小委員会はすべての議事を議事録としてつくる、こういうような規定がございまして、ここに議事録の写しがございますが、開催回数十三回、出席者は委員のほか平岡社長、三宅部長、加藤専務理事、水野主事、中村と、こうなっております。はっきり出席者と書いてございます。この点いかがですか。
○説明員(股野景親君) ひとつこの点は黒柳先生に御了解願いたいのでございますが、本件の事業を東南アジア文化友好協会が平岡との間に売買契約を結ぶ、これはそういう会は実行委員会ではございませんで、八月十四日に開かれました緊急理事会において決定された、そこの場には平岡の人間は出席していないという事実でございます。この八月十四日の緊急理事会におきまして、実行委員なるものが初めて任命され、その後実行委員会が発足して、その実行委員会と平岡との間に話し合いが持たれた、こういう経緯でございます。
○黒柳明君 ちょっと話がややこしくて行き違っておると思うのですが、小委員会、この委員会というのは、私が言っているのは小委員会ですよ。そこに五人が出席して、そこに平岡社長以下出席している。理事会のことを言っているのじゃないのです。
○説明員(股野景親君) その点は先生のおっしゃるとおりでございますが、しかし、これはもうすでに平岡との間に売買契約を結ぶということが東南アジア文化友好協会の全体の決定によってされた後に、実際上物を買い、物を送るという話し合いを平岡との間にするために、実行委員会と平岡との間の話し合いが開かれた、こういう趣旨でございます。
○理事(相澤重明君) 課長補佐、いま少し明確にしてください。八月の十一日に閣議決定があって八月の十四日にこの友好協会の緊急理事会を五人出席して開いて、そこで実行、委員会を持つことをきめた。その実行委員会には、実行委員会、いわゆる小委員会には平岡の関係者も出席しておった、こういうことですか。いま一度答弁。
○説明員(股野景親君) ただいま御指摘のありましたとおりに、緊急理事会が八月十四日に開かれ、そこで実行小委員会を発足せしめることがきまった。そのときには平岡の人間は出席いたしておりません。その後、そこで発足いたした実行小委員会が事業を推進するにあたって、実行小委員会として平岡の人間と話し合いを持った、こういう経緯でございます。
○理事(相澤重明君) いま一度。その緊急理事会は何時から何時まで、実行小委員会は何時から何時までか。
○説明員(股野景親君) 第一回の緊急理事会としては、東南アジア文化友好協会そのものの委員会でございます。これは八月の十四日の十二時から二時まででございます。その後実行委員会がそこで設けられまして、その後実行委員会が開かれたわけでございますが、実行委員会が第一問がいつ開かれたかは、私ども報告を受けておりませんが、いずれにせよ緊急理事会の開かれたあとであると承知いたしております。
○理事(相澤重明君) 委員長から再度お尋ねいたしますが、その実行委員会、小委員会が開かれたのは外務省では開いておらないのですか。聞いていないということは重大なことになりますね、あなたのいままでの発言からいくと。
○説明員(股野景親君) 私どもはこの実行委員会の活動の全体について報告を受けておりますが、個々の委員会の開かれた日については報告を受けておりません。委員会の活動状況の概要等については私ども報告を受けており、その要旨は黒柳先生にも別途御説明申し上げておる次第でございます。したがって、実行委員会が十三回会合を開き、それが第一回が何日の何時というふうに個々別々には報告を受けてないということでございます。大体実行委員会がどういう活動を行なったかということは報告を受けておる、こういうことでございます。
○理事(相澤重明君) そうすると、いまの課長補佐の言うのには、実行委員会が十三回開かれておるけれども、文書の報告もない、口頭だけで何回開かれたということだけですか。
○説明員(股野景親君) 実行委員会のただいま申し上げました全体の活動状況については、書面による報告を受けております。
○理事(相澤重明君) 書面による報告を受けておれば、その日時はわかっておりますね。
○説明員(股野景親君) これは、その日時がそこに付してございませんが、十三回開かれたという事実が、そこの書面に記されております。
○理事(相澤重明君) そんなでたらめな方法があるものか。委員長から特に注意しておくが、そういう報告で、いままでは外務省は進んできたのですか。会議の開かれたことはわかったけれども、日時は報告についていない、そういうようなことでもっていいのかね。外務省は、これはもう課長補佐だけでは、いまの答弁がむずかしいと思うが、外務省がそういうでたらめなことであったら話にならぬじゃないか。政務次官、政務次官はきょうほかに大臣もいないが、あなただけだ、いまのようなたとえば報告を受けて、しかも重大ないわゆるベトナム援助の五億三千万ものいわゆる資金調達による物資調達をするわけですから、そういう問題が議事録に年月日が書いてないというふうな報告があるかな。政務次官自身として、いま隣で聞いておって、そういう外務省の報告をすることをそのまま言うのはこれは過ごせぬと思うね。この今日の手前中の大森委員の通産省のマルマンの問題も含めて、いまの外務省のこのベトナム援助の問題を聞くと、全く政府といわゆる御用商人とが一致しておるというような印象をこの委員会で受けますよ。私はそうじゃないのだと思うけれども、そういう印象を受ける。これはいまの答弁のようなことを聞いておると、しかも議事をした年月日さえ書いてない報告を受けましたという話はないと思うね。政務次官どう思いますか。(笑声)
○政府委員(堀本宜実君) 十分にことの内容その他議事録を取り扱う事務規程等についての趣旨が不分明であり、不案内でございますので、外務省のとった議事録の詳細に、会議開催の経過が詳細にないということは遺憾だとは存じますが、全体外務省の事務規程の範疇にございますので、私が直ちにそのよしあしをここで決定を申し上げるということはできがたいかとも存じております。
○黒柳明君 委員長がすべて言っていただきましたので、私は申すことはございませんが、最後に、認定書いわゆる表彰状なるものが、かような外務省ならずほかの方面にわたっても悪影響を及ぼすことか考えられると思いますので、今後――先ほど申しまして繰り返すようですが、事業の内容あるいは認定された後の取り消し、そのようなことについて万全を尽くしていただきたいと存じます。以上でございます。
○理事(相澤重明君) なお、午前中の大森委員の質問に対して、大蔵省の会計課長がこれから出席をするそうでありますから、あとでその答弁については申し上げます。御了解願っておきたいと存じます。
○岩間正男君 ちょっと医療援助ですね。実質的にはこれは医療援助ということになると思うが、どういうことをやったのですか、その内容、事業内容をここではっきり聞いておきます。
○説明員(股野景親君) お答え申し上げます。
 医療援助の内容は、大きく分けまして二種類ございまして、一つは医療団をベトナムに派遣する、これはお医者さん四名、それから看護婦二名からなる六名の医療団を派遣いたしまして、そのほかにその第二といたしまして、医療物資の贈与でございますが、その内容は、ただいま申しましたようなベットを初めといたしまして、患者の心電計であるとか、その他非常に多種にわたります医療機械それから医薬品、救急箱、救急車等でございます。
○岩間正男君 しかしこれらの品目は、さっきのお話では四億三千万円というのですか、その内容は、あなたのほうでちゃんとつかんでおるわけですか、これはリストとして出していただけますか、血液なんかはどうなんですか。血液はこの中に入っておるわけですか、どうなんですか。
○説明員(股野景親君) 医療援助の内容につきましては、私ども承知いたしておりますので、別途リストにして御提出もできるかと思います。それから、血液が入っているかという御質問ですが、血液は入っていないと記憶いたしております。
○大森創造君 この際ですからお伺いしますけれども、援助の物資の中に、かんじんなトランジスタラジオが入っているでしょう。どのくらい送りました。
○説明員(股野景親君) これは、医療援助とは直接の関係はございませんでしたので、ただいま申し上げなかったわけでございますが、ラジオは約二万台をベトナムの、特に文部省の方面から、学校教育用として、それから、また非常に通信設備が悪い所でございますので、通信連絡用に、民心安定のためにほしいという要望がございましたので、その要望に応ずるためにラジオを出した経緯がございます。
○大森創造君 そういう品物がベトナムへいって、どういうところにどういうふうに配置されておるかということを、外務省、確認しておらないでしょう。いかがですか。
○説明員(股野景親君) ラジオにつきましては、ベトナムの、これは私どもの相手といたしましてベトナムの外務省を通じて、物資の配付を向こう側にお願いしたわけでございますが、ベトナムの文部省、それから内務省等を通じてこれが一般に配布されておると、かように承知いたしております。
○大森創造君 その問題の確認はできておらないはずですね、おそらくこれは。確認した資料をひとつあとで御提出していただきたいと思います。現地の大使館なり、公使館なりは、つかんでいないはずですよ。
 それから、いままでに問答があったと思いますけれども、平岡が五億数千万かの金をもらって、そして東南アジア友好協会なるものをトンネルにして、これをえじきにして平岡個人が扱ったものと、私は了解している。実質的にはそうだと思うのです。石井光次郎さんが出てこようと、だれが出てこようと、そういうものは一応、何というか、表面的なもので、会議などは開いているけれども、平岡なんかが五億数千万の金を一手に握って、そして出した。どうして平岡なんかにそういうものを全面的に委任なさったのかどうか。非常に疑惑が持たれると思うのだけれども、それはともかく、一体、こういう場合には入札をさせるとか、それから価格の点だとか、そんなことの手続が一切省略されているのと違いますか。平岡に特命でやったようなものでしょう。
○説明員(股野景親君) 扱い商社として、平岡がかなりの物資の部分を扱ったことは、先生御指摘のとおりでございますが、ものの価格の適正、それから品質等につきましては、先ほど申し上げました日本医薬療品輸出組合に全面的にお願いいたしまして、こちらの指定したものを平岡がただ扱ったというふうにさせて、その面で、平岡というよりも、この日本医薬療品輸出組合側が適正な価格と、そして適当な品目とを選んで、そして現地へ送った、そういう経緯であると、こう御了承願いたいと思います。
○大森創造君 このトランジスタラジオいうものは、どこの会社が扱って、それから価格は幾らというふうなことは外務省で押えておりませんね。
○説明員(股野景親君) これは、外務省側でこの問題――ラジオを送りますときには、最もラジオを送るということについて一番適当な日本電子工業会、これは業界と承知いたしますが、こちらと通産省側にお願いいたしまして、どの品目が一番適当であるかということを、日本電子工業会側からの御選定によっておまかせしたわけでございます。その結果、送られましたものは東芝と松下と三洋の三社からラジオが出された、かように承知いたします。
○大森創造君 とにかく平岡なる人物は、私のところにもずいぶん投書が来ているのです。これはあとの機会にいろいろな問題について詳しく御質問しようと思うのですが、平岡さんという人はたいへんな人物ですよ、これは。表彰されたかしらんけれども、私が調べた範囲ではたいへんなことですよ、この人は。こういういわくつきのところへ五億何千万のそういう仕事をまかせるという外務省の態度は、不見識だと思うのです。これはあとの機会に平岡さんの問題について、二時間ぐらい御質問申し上げますが、とんでもない会社です。目あきめくらもはなはだしいと思う、外務省は。こういうところに委任をするということは、平岡さんの問題についてちょうどいま質問が出ましたが、私の手元にも山ほどあるのです。平岡さんという人はいわく因縁、これはほんとに札つきの会社なんです。そこへ、いろんな点をはっきりさせないままに全面的に委任をしたというふうに私は了解しているのです。この問題については、私はあとの機会に譲りますが、平岡さんはそういう人物ですよ。
○理事(相澤重明君) それでは、先ほどの岩間君と大森君の言った資料要求については、資料を提出できますね。
○岩間正男君 もう一ぺんはっきりさせてから……。この東南アジア文化友好協会の機構、それから構成、役員、設立年月日、所在地、これをはっきり資料として出してもらいたい。それからもう一つは、さっきの四億三千万円ですか、これのリストですね、内容。それからその行き先、見積もり、いいですね。これは共同で要求したい。早く出してください。
○黒柳明君 四十八国会で審議未了になった予備費がまた出てくると思いますが、そのときに、このベトナム救援事業の問題はもう一度徹底的にやりたいと思います。私のほうにも平岡の会社の某当事者からうんと投書が来ております。山ほど資料がございます。大森先生やなんかともその点もまた御相談を申したいと思いますが、とにかく政務次官のほうには、企業の認定方法をもっと慎重審議の上やっていただきたい、こういうことを最後にお願いしたいと思います。
○理事(相澤重明君) それでは、先ほどの岩間委員、大森委員の再度にわたる資料要求ですね。この資料はすみやかに提出していただくように。
○説明員(股野景親君) ただいまの資料要求の点は、上司と相談いたしまして、できるだけ御要望に沿うように努力いたしたいと思います。
  〔理事相澤重明君退席、理事谷口慶吉君着席〕
○相澤重明君 私のは、きわめて事務的なことを二、三お尋ねしておきたいと思いますが、まず通産省の項で重工業関係、石炭関係は非常に大事なことでありますが、この石炭問題は、私どもとしても非常に頭の痛い点であったわけでありますが、石炭鉱業合理化事業団の現在の出資金は、総額幾らになっているか、資金運用はどういうふうになっているのか、ごく簡略に要領よく説明してもらいたい。
○参考人(工藤昭四郎君) 石炭鉱業合理化事業団の政府出資金は、二百十九億円でございます。
○相澤重明君 いま私の申し上げたのは、出資金が幾らと、それから現在の資金運用というのはどうなっているか。それを簡略に説明をしてもらいたい。
○参考人(工藤昭四郎君) 現在までに融資しております金額は約五百億円でございます。そのうち、財政投融資で扱っておりますのが三百五十億であります。あとの石炭鉱業の整備関係のものは、もう少したくさん使っておりますが、これは石炭の生産高にして年産約二千万トン程度のものになっております。
○相澤重明君 堀本政務次官、この事業団の資金運用の問題と、さらに石炭鉱業については開発銀行を通じて資金を出しておるわけです。したがって、現在までにこれらの政府の施策で石炭事業そのものについてはどういう効果があったか、これでよいのか、こういう点については通産省としても相当御検討をされておると思う。開発銀行は幾らのいま石炭鉱業に対して融資を行なっておるか。それから通産省は、このいわゆる事業団及び開発銀行等の資金において十分であるのかどうかという点をともにひとつお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(堀本宜実君) 三十四年度から三十八年度の合理化対策について御説明を申し上げたいと存じますが、炭価の千二百円引き下げが行なわれて、その計画が行なわれて、炭価を三十八年度において三十三年度に比例をいたしまして千二百円の引き下げが行なわれたわけでございます。なお、炭価のみならず、流通経費等についてもその引き下げを行ないまして、いわゆる石炭の重油に対する経済性の回復を目途としたものでございましたが、エネルギー革命の急激な進行によりまして、重油価格が予想外の低落を見たために、の経済性の回復がこの千二百円引き下げたにもかかわりませず行なわれなかったということは、まことに遺憾に存じておるわけでございます。しかしながら、その間、炭価は計画どおりに引き下げられるとともに、きびしい大規模な閉山合理化政策の遂行によりまして、生産能率が著しく向上をいたし、生産原価の大幅な引き下げが実現をされておりますることは、まことに喜ばしい結果であった、こういうふうに考えておるわけでございます。それにもかかわりませず、三十八年度の損益、つまり自産炭の損益が非常に大きく、トン当たり百七十八円の赤字、これはおおむね大手会社でございますが、となっておりまして、これは当初は予期しなかった、予期することのできなかった結果でございまして、その後いろいろ推移をいたしておりますが、詳細につきましては関係の局長から御説明を申し上げたいと思うのでございます。以上、いろいろその合理化の効果にかんがみまして、三十八年度に実施された石炭鉱業特別対策費は、所期の効果をあげ得たと考えておるわけでございます。
 なお、次にお尋ねのございました開発銀行の融資でございますが、これは三十九年度におきまして五百六十六億二千五百万円になっておるわけでございます。
○相澤重明君 政府にお尋ねをしておかなければならぬと思うのですが、まず第一に、現在の国内需要の目標ですね。いわゆる生産と消費という問題にかかってくると思うのですが、このことが第一次答申のいわゆる合理化の問題から、さらに第二次答申が出て、これを具体的にどういうふうに、いまの政務次官の答弁のように、対重油関係との比率を考えていった場合にどうしたらいいのかという問題が一つあると思う。そこでまず最初に、国内の産炭事業そのもので採算に乗る、いわゆる採算ベースに乗るところの事業というものは一体どのくらいの事業があるのか、メーカーでいったならばどういう名前、たとえば夕張であるとか三池であるとか、いろいろあると思う。そういうものが幾つぐらいあるのか。それからどうしてもこれは中小企業炭鉱がおもになると思うのですが、いわゆる採算ベースに乗らないものは、どうしても政府が助成しなければ、これは国内生産を維持することができないという点も出てくると思うのです。その点を区分けをして、採算ベースに合うところは一体どのくらいのケースがあるのか、メーカーがあるのか、その他は、いわゆる助成をしなければならぬ対象のものは、会社は何社ぐらいあるのかということを、ひとつ御答弁いただきたいと思います。
○政府委員(井上亮君) ただいま国内の需要の見通しにつきまして、第一次調査団以来の今日までの状況についての御質問と、それから採算に乗る事業についてのお話があったわけでございますが、まず最初に、最初の御質問にありました需要の見通しについて申し上げますと、需要の見通しにつきましては、これはちょうど日本におきましてエネルギー革命の影響を顕著に受け始めましたのは、大体昭和三十三年ないし昭和三十四年中ころからでございます。石炭産業がやや頭打ちになりました時期は、昭和三十年ころでございましたが、エネルギー革命の――これは諸外国共通の現象でございますが、顕著になりましたのは三十三、四年の時期でございました。御承知の千二百円引き下げというこの政策が実施されましたのは、昭和三十四年でございまして、これは御承知だと思いますが、昭和三十三年の石炭の販売価格に対しまして、昭和三十八年度には、おおむね年々に二百円ないし二百五十円ずつくらい炭価を引き下げまして、千二百円引き下げました。引き下げますと、たとえば御質問にありました重油との競争力がつくであろうという見通しを当初持っておったわけであります。御承知のように、この千二百円をきめました当時の重油の価格は、キロリットル当たりにしまして約九千円、それが昭和三十八年にはおそらくキロリットル当たり千円ぐらい下がるだろうという見込みであったわけであります。そうしますと、それに対抗しますためには、石炭の価格も千二百円くらい下げないと重油の価格に拮抗し得ないだろうという判断で、いわゆる千二百円引き下げが実施されたわけでありますが、御承知のように、エネルギー革命の進展に伴いまして、重油の値段は当初の予想を裏切りまして、昭和三十六、七年くらいから急速に下降カーブをたどりまして、目標年次には七千円とかあるいは今日では六千円に相なりまして、当初に比べまして三千円くらいキロリットル当たり安くなっております。今日の時代でこれを見ますと、重油に対抗できますのは産炭地域だけであります。科学的にいわゆる経済合理主義の立場で考えました場合に、北海道、九州においては対抗し得ますけれども、揚げ地つまり関東地方とか関西地方等におきましては、価格におきまして対抗し得ないという状況に相なっております。
 そこで、この需要の問題になるわけでございますが、結局重油の値段が産炭地域以外は石炭よりも安いということになりますと、石炭の需要は逐次減ってまいるわけでございます。今日そういう姿を呈しております。特に一般産業においてはそういう傾向をたどっております。しかし、その一般産業で減りました分は、できるだけ電力で補ってもらうというような政策をやっておるわけでございまして、これは第一次調査団におきまして、こういったエネルギー革命の影響を受けた需要減については、電力に一定量をやはり長期に引き取ってもらうという線をきめまして、需要業界の協力を得て、今日その線に従ってやっておるという状況でございます。で、第二次につきましてもほぼ同様の線で推移して今日にきております。
 そこで問題は、需要の点につきましては、今日大体五千万トン程度の出炭をいたしておるわけでございますが、この出炭をいたしました炭につきましては、需要の確保はさしたる困難は今日の状況ではございません。しかし、むしろ今日の石炭鉱業の苦境の一番大きい問題は、御指摘のありました、需要はあるけれども採算に乗らないという問題でございます。先ほど政務次官からも御答弁がありましたように、たとえばことしを例にとってみますると、大体純損益の関係で大手十七社の平均で七百円くらいの赤字が予想されております。来年度も大体五百円程度の赤字が予想されておるわけでございますが、そこで、採算に乗る事業は幾つあるかというお話でございますが率直に申し上げますと、ここ四、五年のうちには採算に乗る企業は一つもございませんと言って間違いではないのではないかというような惨たんたる実情にございます。ただ、今日時点でこれを申し上げますと、大体会社にいたしまして、大手では九州が一社、北海道が一、三社、それから常磐がぎりぎりとんとんぐらいというのが、大体いま先生御指摘の企業でございまして、そのほかの企業におきましては、軒並み採算には乗りがたいという状況でございます。
○相澤重明君 いまの局長の答弁で、実際に石炭産業そのものは非常な苦労をしておる、ほとんど採算ベースに乗る企業そのものは少ない、こういう答弁なわけですね。しかし、一方考えてみると、国鉄運賃等もまた値上げが行なわれるというようなことも、すでに国鉄運賃率等の改定のもう案ができておるわけですね。ただ政府の国会に提出する時期が、政治判断によって、ことしのうちになるか来年になるか、実施の時期がおくれるだけなものだと。そうすると、いまの話でいけば、ますます需要の問題として窮屈になってくることは当然だと私は思う。そうすると、いままでのこの石炭事業そのものがますます経営的に圧迫をされてくるということは、私は、政府がよほどこれらの事業に対するあたたかい手を差し伸べない限り、私は、今日の斜陽の産業といわれるが、崩壊の危機を阻止することはできないと、こう思うのです。いまの第二次答申に沿って、あなたのほうでは合理化問題等も進めておるというが、一体どういうふうに資金対策を立てておるのか。これは私はたいへんなことだと思う。その点について特に政府側の答弁を求めておきたいと思うのです。
○政府委員(井上亮君) 石炭鉱業の苦境の現状は、ただいま相澤先生御指摘のように、会社経理の悪化にあるわけでありますが、この悪化の原因はいろいろあるわけでありまして、非常に根深いものがございます。特に何が原因でということなしに、現行炭価水準のもとにおきましては、どうしても先ほど申しましたようなやはり五、六百円の赤字が残るわけでございますが、大きなやっぱり原因をなしておりますのは、一つには、やはり石炭鉱山の自然的、技術的条件があるわけでございます。これは埋蔵炭量としましては、まだ二十億トン程度ございますから、相当まだ採掘する余地はありますけれども、ただ御承知のように、これは日本だけではありません、外国も同じでありますが、年々やはり坑道掘進の深度が深くなり、かつ遠くなるというような、条件が年々やはり悪くなる。これに対して新鉱開発を積極的に進めていけば、また立ち直りがつくというものでありますけれども、そういった一つの条件があるわけであります。
 それから第二には、やはりこれに関連いたしますが、やはり保安対策の問題がございます。これをおろそかにして生産体制の確立はございませんので、そういった問題をやはりやっていかなければならないという問題が、生産とうらはらであるわけでございます。それからなお、労務者の労務構成が、先生御承知のように、近年とみに老齢化してきております。いわゆる中高年齢層が支配的な労働力になっております。この面から、やはりなかなか思うような機械化が思うように進んでいかないという面もございます。そういった技術的、あるいは自然的、あるいはそういった人の面等の問題があるわけでございますが、いずれにせよ、炭がありながら、なかなか思うような出炭も上がらない、出炭が上がらなければ、経理関係もますます悪くなるというような状況でございまして、いわゆるこういった事態に対する対策は、一面的な対策では、とうてい目的を達することは私はできないと考えております。しかしながら、まず石炭産業の今日の事態、崩壊の危機を救いますためには、やはり第一には、何と申しましても経理面から見ますと、過去の重荷を非常にしょっているわけです。これは先生方もう十分御承知のことですが、石炭鉱業は、石炭鉱業整備事業団としましての発足が昭和三十年からでございますが、そのころからいわゆる古い山の、老齢炭鉱の整備を始めてまいりました。今日まで二千万トン以上の山を休閉山させてきております。それから特にこの近々四、五年の間に、やはり手数百万トンの山を整理いたしております。大手の会社だけでも、閉山と合理化で解雇者の数が十万人をこえるというような状況に相なっております。退職金だけでも一千億円以上の金を調達して、まあ土地を処分するとか、その他の資産を処分するとかというようなことをして、まあ合理化をやってきた、あるいは老朽炭鉱の整備をやってきたというような閉山合理化、これに伴いますいろんな膨大な費用がいま借金として、いろいろな形の借金として残っておるわけであります。これをやはり何らかの形で処理いたしませんと、率直に言いますと、いまの現状ではこれを返していく見込みは、よほどの努力を必要とするというような状況にございます。したがって、こういった既往の、こういった何といいますか、重荷をどういうふうにするかという問題が一つ議論されておるわけでございます。それからこの重荷がありますために、また金融機関からのつなぎがなかなか借りられないということで、いよいよ企業経営としては、いまどん詰まりにきておるということでございますので、当面の金融の打開策、これをどうするかという問題がございます。しかし、だんだんこう詰めてまいりますと、やはり根底は炭を安定的に将来長きにわたって出す体制いかんということになりますので、こうなりますと、将来の労働力の確保の問題を含めたビルド対策を前向きにやっていかないと、石炭の将来性はないということになりますので、その政策が過去のそういった重荷を処理します問題とあわせまして、今後の政策の重要な点になると私は考えております。
○相澤重明君 あなたのいまの石炭事業に対する各面にわたる対策の発表があったのですが、その中でも安全対策というか、鉱山保安対策というものが非常に大事だ、私もそのとおりだと思うのです。ところが残念ながら、三十八年のあなたのほうで鉱山保安対策を進めた以降、非常に死傷者が多くなっているわけですね。こういう実際に労働者の災害事故というものが多い、この災害事故をやはりなくすことが何といっても大事な要件に私はなってくると思う。具体的にはどういうふうにやっているのか。私はかつて横浜の東洋化工の爆発をしたときに、当時池田勇人さんが通産大臣だったときに、一体通産省の監督官というものは幾人おると言ったら、いや監督官というものは三人きりおりませんと、こういう本会議で私の質問に対して答弁されたのです。その後、いわゆるこの爆発事故の問題については、政府もだいぶ努力をされたことはわかるのですが、鉱山関係については、特に最近は非常に死傷者が多いという点は、私どもの胸を痛めることばかりです。したがって、政府がせっかく三十八年度から発足をしたわけでありますが、現状についてどうやっておるのか、機構それからその実際の監督というものを少し説明を願いたいと思う。私は、いま私どもの調査室で調査をした結果に基づけば、稼働百万人当たりの死亡災害率は三十四年が六・三四だとすれば、三十八年は一五・八九だ、こういう全く三十八年にせっかく発足したのに、非常に残念ながら事故件数が多い。いわゆる死傷者の数が多いということはまことに遺憾だと思う。そこでそういう点について、政府は災害防止五カ年計画を樹立されたわけでありますが、その実施状況を少し御説開いただかないと、やはりペ−パー・プランに終わってしまうのではないか、こういう点を私どもはおそれるわけです。ひとつ御説明を願いたいと思います。
○政府委員(森五郎君) ただいま御指摘の鉱山災害防止五カ年計画でございますが、この計画は、去る三十八年発足いたしておるわけでございます。この計画の内容といたしましては、災害率につきまして昭和三十八年以降四十二年までの間に年々前年比一割減ということで、目標年次でございます昭和四十二年におきまして三十七年の災害率に比しておおむね半減する、ただしガス爆発であるとか、あるいは坑内出水による災害はこれを絶滅するということを目標に、国、各鉱山及び団体がそれぞれの立場で目的達成に協力するという計画でございます。ところが、ただいま先生御指摘のように、百万人当たりの死亡者プラス三日以上の休業の罹災者の数、これがいわゆる災害率でございますが、これは昭和三十七年の災害率は、全鉱山で、石炭も亜炭も、金属、非金属、石灰石、石油全部合わせまして六百五十二という数字になっております。したがいまして、目標四十二年にはこれを三百八十四に減少しようという計画でございますが、三十八年は六百六十九、三十九年は六百二十七、四十年の一月から六月は、これはまだ全部の確定した数字ではございませんが、大体六百三十三程度ということになっておりまして、思うように下がっておらないという実情であることは、先生御指摘のとおりであろうかと思うわけでございます。
 こういう事態につきまして、通産省といたしましては、特に相次いだ炭鉱重大災害にかんがみまして、石炭鉱山保安緊急対策というものを打ち出して災害の防止につとめておるわけでございます。すなわち、このやった内容といたしましては、本年五月以降、総合点検と申しまして、監督官が五、六名のグループをつくりまして、炭鉱を徹底的に検査をするということをやっておるわけでございます。これは、そういう総合点検月間を二回にわたって設定いたしまして、全国の八十一炭鉱、大手のほとんど入るわけでございますが、総合点検をいたしておるわけでございます。
 それに、総合点検をいたしまして、またそこでいろいろ指示をいたします。それをあとで追跡検査をする、不意に行って指示したことが守られておるかどうかということを点検するというやり方をとっておるわけでございます。そのために監督官の旅費その他出張費が要るものでございますから、御承知のように四十年度の予備費から七億八千四百九十万円、これは全部監督官の旅費だけじゃございませんが、その他もろもろの鉱山保安確保の緊急対策の費用といたしまして予備費が計上されておるわけでございます。
 それからもう一つ、この前、山野の炭鉱の爆発のあとでございますが、通産省の審議会に中央鉱山保安協議会というものがございます。そこで今後の石炭鉱山の重火災害をどうやって防ぐかということを諮問をいたしまして、いろいろ御議論をいただいたわけでございますが、いろいろあるんでございますが、その中の一番重要な問題といたしまして、石炭鉱山の骨格、構造が悪いんだ。たとえばガス爆発について申し上げますと、ガスがたまりやすいような構造になっておるということが、これは非常にぐあいが悪い。これを何とかして早く改造しなければいかんじゃないかということが、意見書として通産大臣に出されておるわけでございます。そこで中央鉱山保安協議会といたしまして、机上で議論ばかりしていても、これはぐあいが悪いので、現地の実情を調査しようということになりまして、七月に保安対策調査団というものを九州と北海道に派遣をいたしまして、全部で六鉱山を選びました。現場でもそれが必要であるということを確認いたしたわけでございます。すなわち、先ほど石炭局長から御説明ございましたように、現在の石炭鉱業が非常に経理的に不振であるために、やるべき坑道掘進をやっていないということがございまして、そのために坑内構造の改善であるとかそういった生産の基本的条件をやはり整備をする必要があるということに対しまして、これには相当お金が要ることでございますので、四十一年度の予算要求の中に、こういう改善に対する費用を計上したい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○相澤重明君 三十八年度の中小企業炭鉱の倒産の件数はどのくらいですか。それを出資金で、たとえば五百万とか一千万――一千万以下ぐらいでいいから、一千万以下だったらば何件ぐらいになっているか。それから中小企業庁はこの石炭事業に対して三十八年度は何件ぐらい融資を行なっておるか、その額は幾ら、また事業団としてはこれに対してどういう手当てがされたのか、それも合わせて関係者から御報告をいただきたい。
○政府委員(影山衛司君) 中小炭鉱向けの緊急貸し付けを中小企業金融公庫から年来実施してきておるわけでございます。その実績を申し上げますと、昭和三十八年度が百三十三件で十五億九千四百万円でございます。三十九年度におきましては九十三件で八億一千五百万円でございます。四十年になりまして、四月から八月の実績でございますが、十二件で一億四千四百万円ということになっております。
○政府委員(井上亮君) 中小炭鉱の閉山の規模でございますが、昭和三十一年度から昭和三十九年度まで累計いたしますと、大手、中小合わせまして二千百七十八万一千トンでございますが、このうち中小炭鉱は千七百二十一万九千トンでございます。これは三十一年以来三十九年度までの累計でございます。なお、三十八年度におきましては、大手、中小合わせまして全体の閉山しました規模は五百六十万トンになっております。そのうち中小炭鉱が二百九十九万五千トンでございます。
○相澤重明君 事業団は……。
○参考人(工藤昭四郎君) 三十八年度におきまして、中小企業百七炭鉱に対して四十七億円金を渡しております。
○相澤重明君 石炭鉱業合理化事業団で、一つ機構の点でお尋ねをしていきたいと思うのですが、現在の常勤の理事というのは何名なんですか。あなたは理事長ですが……。
○参考人(工藤昭四郎君) 理事長、監事を含めまして、全員で役員が九名でございます。
○相澤重明君 あなたの場合は常勤ですか。
○参考人(工藤昭四郎君) 非常勤でございます。
○相澤重明君 次に、この事業団の中には顧問制度というものがあるようですが、これはどういう性格ですか。
○参考人(工藤昭四郎君) 主として技術者でございまして、技術者及び学識経験者ですね、そういう人を顧問としてお願いしております。
○相澤重明君 現在は何人ですか、顧問は。
○参考人(工藤昭四郎君) 顧問としましては十五人おります。
○相澤重明君 この中には大蔵省の経験者は何名おりますか。
○参考人(工藤昭四郎君) 大蔵省関係は一人おります。
○相澤重明君 そうすると、いまあなたの言う技術者、学識経験者というのはどこの出身が多いのですか。通産省の関係者が多いのですか。それとも民間ですか。
○参考人(工藤昭四郎君) 民間の人が大多数でございます。
○相澤重明君 次に、嘱託関係がいるようですが、嘱託は現在何名ですか。
○参考人(工藤昭四郎君) 四十二名でございます。
○相澤重明君 嘱託関係の人たちはどういう仕事をしておるんですか。現在のあなたのところの事業団の職員の定数、それに対して、常勤に対するところの嘱託という数を見ると、一体嘱託というのはどういう仕事をしておるんですか。
○参考人(工藤昭四郎君) 職員の総数は、役員を除きまして、現在二百十二人でございまして、嘱託は主として石炭山の審査、鑑定、そういう方面をやっております。
○相澤重明君 そうすると、あなたのところでは、嘱託がいないと山の調査、あるいは診断等はできないということなんですか。
○参考人(工藤昭四郎君) 現在では人手が不足しております。したがって、その補充の意味と専門的な技術で補ってもらうという意味で嘱託を置きました。
○相澤重明君 あなたのほうでは、それでは通産省に対して、これではやっていけない、人手が不足している、こういう定員増の要求を三十八年度は幾人いたしました。四十年度は幾人要求したのですか。
○参考人(工藤昭四郎君) 四十年度は人員増加の要求はしておりません。それは現状で足りておるわけでございます、嘱託がおりますから。
○相澤重明君 三十八年度の答弁はなかったけれども、四十年度については定員の増の要求はしなかった。しかし、あなたの先ほどの答弁では、人手が足りないから嘱託を置く、こういう話でしたね。いわゆる専門家の技術者を定員に入れることはできない、そういうものは嘱託でなければ採用できない、こういうことですか、どうなんです。
○参考人(町田幹夫君) 私からちょっと補足説明させていただきますが、先ほど理事長から申しました人手不足という意味がやや説明不十分かと思いますが、人手不足という意味は、量的な不足と申すよりは質的な不足という意味でございまして、普通の民間人ではなかなか職員としては、いわゆるオーソリティーと申しますか、非常に専門家の方でございますね、そういう方はなかなか得にくいわけでございまして、それともう一つは、私のほうは職員といたしましては、定年制を行なっておりますが、嘱託の方はどちらかと申しますと、相当お年を召した専門的な権威者でございまして、そういう方は職員と申すよりは、これは昔は調査員、あるいは審査員と申しておりましたのですが、そういう権威者でございまして、そういう方は職員としてよりは嘱託としてお願いするほうが適当だということで任命いたしておるわけでございます。
○相澤重明君 これは通産省はいかがですか、いまの事業団の説明によると、技術者のいわわゆる十分明るい人は嘱託でなければ求めることが不可能であるという答弁と同じだと私は思う。したがって、二百十二人の定員のほかに調査員というような、いわゆる前のことばでいえばそういう人たちを含んで四十二人の嘱託を置く、こういう答弁がいま事務当局からなされたわけですね、事業団のほうから。政府としてはやはりそういうせっかくの事業団というものをつくりながら、実際の定員というものを置かないで、そしてそういう嘱託でなければ実際のいい仕事ができぬという、そういうようなことをあなたのほうでは黙って見過ごしてきたのですか。それとも、そういう必要はない、やはりいまの事業団が言うようなことは正しいという考えでこの事業団を発足させたのかどうか。この点はたいへん大事なところになりますから、政府のひとつ答弁を求めておきたい。
○政府委員(井上亮君) ただいま事業団から答弁いたしましたが、私率直に申し上げまして、これはまあ政府のほうから見まして合理化事業団に望みますことは、また絶えず望んでおるわけでございますが、非常にばく大な国の金を使いまして、炭鉱の終閉山、あるいはそれに伴いまして発生いたします離職者、あるいは鉱害の被害者、こういう者のお世話をする機関でもあるわけでございます。そういった意味では、特に国のばく大な金を扱うという意味におきまして、できるだけ厳正な立場で審査を行ない、決定を行ない、かつはまた事柄の性質上、離職者あるいは鉱害被害者ととの接触が多いわけですから、親切にしてあげなければいかぬというようなことをモットーにして、絶えず事業団に接しておるわけでございますが、ただいまの嘱託の件につきましても、これは私はやはり交付決定、たとえば金を決定する交付決定というような事業団のそういったポイントにつきましては、やはり職員が中心になりまして、最終判断を協議をしてきめるというような立場で運営をしてもらいたいと思うわけでございすが、ただ何ぶんにも、たとえば閉山の公示を出しますときに現地調査をいたします。現地調査をいたしますときに、やはりその閉山いたします山の炭量とか、あるいは機械設備の価値の問題だとか、いろいろ相当長い時間を費やしまして、現地におりまして専門的に調べなければいかぬ業務が相当多いわけでございます。そういった関係もありますので、なかなか形式的な単なる職員だけで十分そういうことができ得ないという場合があるわけでございます。そういう場合にはやはり調査員を活用するということもやむを得ないのではないかというふうに考えております。ただし、もう一つのやはり理由としましては、これは事業団側は御答弁しませんでしたが、これは私の類推ですが、炭鉱の終閉山の問題は昭和三十一年以来今日までやっておりますが、だいぶいわゆる老朽炭鉱の閉山業務といいますものは近年とみに進みまして、今後いわゆる老朽炭鉱の終閉山という業務が少し縮小できるのじゃないかというような見通しがあるわけでございますので、そういった観点もやはりあわせまして、専門家を一番有利に使う方式というような配慮があったのではないか。ただ、できますならば、できるだけ責任のある形でというのがより望ましいというふうに私は考えております。
○相澤重明君 時間の関係で、できるだけはしょって私の質問を終わりたいと思うのですが、嘱託の給与条件はどういうふうになっていますか。たとえば一人どのくらいの金額を支払っておるか。
○参考人(町田幹夫君) 嘱託は常勤でございまして、人によって若干違いますが、大体六万円ないし七万円程度を支給いたしております。
○相澤重明君 それじゃこの二百十二人の職員の平均給与は幾らですか。
○参考人(町田幹夫君) 三万八千円ぐらいになっております。
○相澤重明君 先ほどの局長の答弁では、やはりできるだけ現地の調査等を行なうことを目的としておると私は思うのです。ところが、この調査員のおるところはどこなんです。これは大多数が本部ではないですか。本部に駐在をしておるというのか、本部に勤務をしておるというのか、それで九州なり北海道に調査員が行くということになったらば交通費はただじゃないでしょう。交通費はかかるんでしょう。それを職員の給与が三万幾らで、嘱託の給与が六万幾らで、その上にさらに本部から――なぜ北海道なり九州に派遣する調査員を本部にほとんど置かなければいけないのですか。四十二名のうち二十名は本部でしょう、この報告によれば。そういう調査員が――いわゆる現職の職員よりは、調査員がいなければ調査ができないという実情なんですか。私はこの点はたいへん疑問を持つわけです。二百十二人に嘱託が四十二人、もっと実際に働ける職員の給与条件をよくして、そして先ほど局長からも答弁のあるように、この仕事をする場合の最終決定は本部が行なうんでしょう。嘱託員が調査をしてそれで決定するわけじゃないでしょう。そういうことになると、私はこの点についての機構上の問題、人事の配置の問題、こういう点については政府自身がいま少し検討しなければいけないんじゃないですか。
 そこでまあお尋ねしますが、理事長は、あなたはたいへんな肩書きを持っておる、仕事が多いと思うのですが、あなたはこの事業団に対して月に何回ぐらい御出席になるのですか。
○参考人(工藤昭四郎君) 定例で出ておりますのは一週に一回役員会に出ます。しかし、その他の問題につきましては、常時連絡がとれますから、それでやっております。
○相澤重明君 そうすると、あなたは都民銀行におるのが多いんですか。それともいまの事業団に来るのが多いんですか。連絡がとれるということは、どちらがあなたの常勤の立場なんですか。
○参考人(工藤昭四郎君) 都民銀行におるのが多いのでございます。
○相澤重明君 これは事業団の方からお聞きをするのがいいと思うのですが、たいへん失礼な話ですが、理事長、副理事長を含んで、理事の給与の内容を明らかにしてもらいたい。いまあなた方はどのくらいの給与を取っているのか。
○参考人(工藤昭四郎君) 副理事長は月額二十六万円で、理事は月額二十一万円、監事が十六万円でございます。理事長は現在無報酬でございます。
○相澤重明君 そうしますと、いま職員の給与条件というものと役員の報酬等がいま述べられたわけでありますが、顧問についてはどういう報酬を取っておるのですか。
○参考人(工藤昭四郎君) 顧問の方々につきましては、報酬はございません。無報酬です。
○相澤重明君 無報酬ということは、顧問会議なり、あなたのほうで相談されたときなり、そうしたときには実費支弁ということですか。
○参考人(工藤昭四郎君) お答え申し上げますが、ときどき集まるようなことはありますけれども、実費も差し上げてございません。
○相澤重明君 名、実ともに無報酬――。
○参考人(工藤昭四郎君) そうです。
○相澤重明君 どこからおいでになっても一銭も支払わない。つまり、たとえばこの中に萩原吉太郎さんという北海道の人がおりますが、その人が顧問会議を北海道でやるとは限りませんね。東京にもおいでになる。あるいは平田敬一郎さんという人がおる。この人は東京におるから北海道へ行って顧問会議ということもないだろうけれども、そういう場合でも、これはその人の会社の負担、その人の自己負担、こういうことで事業団としては一切めんどうを見ておらぬ。実費も支給しない。こういうことですか。いまのあなたの答弁だというと、一銭も出していないということでしょう。これは決算上ですからね。あなたのほうでほんとうに顧問の人たちに一銭も出していないということになれば、決算をこれはやはり明らかにしていかなければならぬから、顧問には一銭も出していないのですね。いま一度答弁を願います。
○参考人(工藤昭四郎君) 無報酬であると申し上げましたことは、定期的に差し上げてないということでありまして、顧問のうち地方におられる方が東京へお集まり願うときは、旅費だけは差し上げます。
○相澤重明君 アドバイスする総務部長がそんなことでは困るじゃないですか。少なくとも決算委員会に出て、あなたのほうの事業計画、その決算の報告というものは出ているわけですね。名実ともに無報酬ということは、一銭も出さぬということだよ。理事長が少なくとも国会の決算委員会において、この三十八年度のあなたのほうの決算をしてもらうのに、名実ともに無報酬ということは、一銭も出しておらない、そういう理事長が実際の内容を知らないようなことじゃ困るわけだ。決算というものはだれがやる。会社の決算というものはあなたが最終的に受けるんでしょう。あなたが最終的に目を通さなければ政府に提出できないでしょう。その運営の最高の責任者であるあなたが総務部長のアドバイスで、いわゆる顧問にしても、名実ともに一銭も出しておりません、そういう答弁は私はないと思う。いま一度しっかり腹を据えて答弁してもらいたい。
○参考人(工藤昭四郎君) 答弁申し上げます。報酬と旅費とは私は別と考えております。報酬は差し上げません。旅費だけは地方の人に差し上げておる、そういう意味であります。
○相澤重明君 いまの報酬、旅費等の問題の区別をすればそうかもしらぬ。私の指摘しているのはそういうことじゃなかった。
 そこであなたにお尋ねをいたしますが、あなたの顧問の中で、いわゆる国有財産の払い下げを受けた人とか、あるいは貸し付けを受けている人が現在おりますか、あるいはおらないか。あるいはあなたの理事の仲間で――理事長を含んだ理事の仲間で、いま事業団としての家を持っているのかどうか。全部自己の家であるかどうか。あるいは借り上げといいますか、そういうようなことで持っておるのかどうか。こういう点についてひとつ御答弁をいただきたいと思う。
○参考人(工藤昭四郎君) 役員のうちで一人が社宅に入っておりますが、あとは全部自分の家から通勤しております。顧問の方で国有財産の払い下げを受けたということは新聞では承知をいたしておりますが、そのほかにおいてはそういう方はいらっしゃらないというふうに存じます。
○相澤重明君 これは私はなぜそういうことをお尋ねするかというと、この経理の内容を拝見いたしまして、たいへん努力しておるあとというものは見られるけれども、先ほど申しました斜陽産業といわれる、あるいは崩壊の危機といわれる事業関係に関係しておりますから、その苦しい仕事をしておる職員が非常な努力をしておるわけです。その職員の給与関係というものは必ずしも私は十分ではないとこう思う。しかるに、他面役員給与等の報酬等を見た場合、これでいいのか。しかもその上に、職員よりはむしろ嘱託に、先ほどの答弁をいただいておると重点が移っておるように思う。六万円からの――これは平均ですから、六万円からのいわゆる嘱託というものは、職員の給与の三万円から引き延ばせば倍に通ずる。二百十二人の三万円の職員の給与と、四十二人の嘱託の給与の六万の平均という答弁からいえば、まさに半数近いものがいわゆる嘱託にまかなわれるということになる、給与問題は。しかも、その上にプラス理事者の報酬給与というものを考えれば、職員の給与というものは全く微々たるものです。これじゃ私は熱意を持ってほんとうに仕事をするにも気の毒だと思う。そういうこの決算のいろいろな各面に対するところの資料の提出をいただいておるのですが、私はこの嘱託制度は、いまのような答弁ではわれわれとしては納得できない。嘱託を本部の東京に置いて、そして山の中心は北海道であり、九州である。しかもその人たちが調査をするのだ、こういうことでは私はこの事業団のあり方そのものが十分とは言えないと思う。こういう点についてはひとつ再検討願いたいと思うのですが、これは政務次官なりあるいは局長なりに御答弁を願っておきたい。
○政府委員(堀本宜実君) ただいま御指摘になりました事業団の嘱託並びに職員、あるいは役員に関しまする給与等につきましては、御指摘もございまして、十分今後検討をしてまいりたい、かように存じます。
○相澤重明君 次に、輸出入銀行でアラスカ・パルプの件について報告だけ願っておきます。あとこまかい点は、三十八年度から今日までの経過と実績を資料で御提出いただきたいのですが、一応アラスカ・パルプの現況について報告願っておきます。
○参考人(藤沢徳三郎君) それではアラスカ・パルプの現況につきまして申し上げます。御承知のとおり、アラスカ・パルプは国際的な化学繊維の需要の減退に伴いますパルプ価格の低落とか、あるいは大部分を借り入れ金に依存してまいりましたために、金利の負担が大きい、また設備費の割高といったようないろいろな原因が重なりまして、業況は従来低迷を続けておりました。しかしながら、三十九年度以降には生産量もふえまして、十七万三千トンというぐあいに、以前から見ますと相当に伸びております。そしてようやくフル操業の段階に達したということが申せるかと思います。この間、三十七年度には設備の増設もございまして、その効果が出てまいったわけでございます。また、三十九年五月には倍額増資をいたしまして、新しい資本金七十億円ということになりました。その結果、資本構成が是正されまして、金利負担が大巾に軽減された次第でございます。またパルプ専用船、あるいは木材の専用船というような特別の専用船の就航もございまして、そのほかコストを減らすためにいろいろと企業努力をしてまいっております。木材の収益も大きく寄与いたしまして、最近ではようやく経営が軌道に乗りつつあるということが申せるかと思います。将来の見通しにつきましては、引き続き生産面あるいは販売面、両面におきまして会社も非常に努力をいたしております。私どももいろいろとそれについてアドバイスもし、監督もいたしております。品種を漸次多様化する、あるいはなお一そうコストを縮減するというような諸措置を講じておる次第でございます。先行きにつきましては、今後とも比較的明るい期待が持てるのじゃないかと、こういうふうに考えております。さらに、同社といたしましては、体質改善策といたしまして紙パルプの製造設備増設、
  〔理事谷口慶吉君退席、理事相澤重明君着席〕
あるいは製材事業についてもさらに積極化をするといったような計画を立案しておりますので、収益向上についても期待が持てるのではないかと考えておる次第でございます。
○理事(相澤重明君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
○理事(相澤重明君) 速記を起こして。
 午前中の大森君の質問に対し保留いたしました点につき、大蔵省当局から発言を求められておりますので、これを許します。
○説明員(瀬戸山孝一君) 午前中、大森委員の御質問に対しまして、私どもの銀行局の財務調査官が御説明申し上げたのでありますが、たまたまはっきりした資料がございませんので、午前中はそのままになりまして、ただいま私午前中の御質問の趣旨を体しまして、お答えを申し上げる次第でございます。
 大森委員の御発言の趣旨は、こういうときに何も大臣以下局長がぞろぞろそろって貨幣大試験に行く必要がはたしてあるかと、主管の局長だけ随行して行けばいいんじゃないかというような御質問の趣旨だと承っております。また、どういった局長が行ったかという御質問であったと伺うのでありますが、実は慣例だと申し上げますならば、これはあるいはおしかりを受けるかと存じますが、一つは慣例でもございますし、もう一つは、実はそれ以上に重要なことは、御案内のとおりただいま財政の転換期に実は至っておるわけでございます。租税収入がとにかく思わしくないというよりも、予期以上の減収を来たす、したがって、何か財源を何しなくちゃいかぬということで、まあ公債政策に政府が踏み切ったというようなことでございまして、それに対するいろんな議論を活発にいままでジャーナリズムを通じて伺ってきておるわけでございます。大臣は、まあ東京都におきましては、いろんな機会にお出ましいただいてお話等もしていただくわけでございますが、関西等につきましては、あまりそういう御出張の機会もないということで、特に今回はそういった意味におきまして、大試験の機会を利用いたしまして、さしあたり今年度の補正の問題とか、あるいは来年度の予算の問題等を現下の経済情勢に照らしていろいろ御説明もし、またそれぞれの大阪におきまする経済界、あるいは新聞記者の皆さん方等の会見で質問も受けるというようなかっこうの場を、実はこのたびの機会を利用してさしていただいたようなわけでございます。したがいまして、局長五名随行いたしております。主税局長、理財局長、関税局長、証券局長、銀行局長が随行いたしております。並びに、あと次長一人と課長四名随行いたしておりますが、やはりそういった財政金融全般にわたります大臣のお話のときのいろんな御質問等に対しまして十分お答えをするというような意味におきまして、関係局長がまあお供してまいったと、こういうことでございます。したがいまして、まあなるほど局長五名も一ぺんに大臣に従って席をあけるということは、あるいはいかがかという気持ちもいたしますが、特にことし等はそういう財政の転換期でございます。そういった趣旨を十分ひとつ関西の財界、経済界に訴える、公債の市中消化の問題、さしあたってそういう問題もございますし、そうなりますれば、金融界の協力というものはぜひとも必要でございます。そういった観点から、大挙してと申しますか、多人数がこういうぐあいに行ったということでございまして、この点何とぞ御了解をいただきたいと思う次第でございます。
○大森創造君 そういう大挙して行く問題が是か非かという問題は大蔵大臣にお伺いします、お帰りになってからゆっくり。私は不適当だと思うんですよ。大蔵大臣が行って、それから政務次官二人行ったでしょう、二人とも。そういう必要がありますか。計量試験、貨幣の目方をはかる式典なんだ。いま金融逼迫のおりからだから、財界と懇談会などというが、あなたにお伺いしたいのは、一体何人だれが行って、それからどういう名目で行ったか。大蔵省の出張のあれに書いてあるでしょう。それに財界の懇談のためなんと書いてありますか。どういう名目で行ったんですか。形式上、あなたのほうの書類扱い上、どういう名目で出張されましたか。何人。大臣が行って、政務次官二人行く。きょうは午前中の質問で私は質問にならなかった。私が大蔵省の関係局長、大臣、ことに藤井政務次官、そういう人の出席を要求したのはいまから五日前だ。それからきのうになってからでしょう、これこれの行事でもって全部出払っている。残っている局長は一体だれがいるのですか、大蔵省に。その名分論は大臣が帰ってきてから私はまたお伺いするが、私のほうでちゃんと名ざしをして、そして委員会で質疑応答するということが肝心の問題ですよ。藤井政務次官なんかいないと困る。それからその他の関係局長がいないと困るんですよ。質問にならなかったのです。それで国会開会中であって、一年に一回か二回かしか私のほうは質疑をする機会がない。そのときにごっそりと計量試験なるものに出かける根拠があるか。委員会とそれから計量試験とどっちが重大なのか。私はその行った人数、それからどういう名目で行かれたか、これをひとつ事務的にお答えいただきたい。
○説明員(瀬戸山孝一君) お答えを申し上げます。出張をいたしましたのは、大臣以下全部で十九名でございます。大臣、政務次官二人、局長五名、局長は主税、理財、関税――税関のほうの関税であります。関税局長、証券局長、銀行局長、それに主計局の次長が一人行っております。それから課長が四名でございまして、文書課長、それから理財局の総務課長、国際金融局の総務課長並びに文書課の広報室長、四名でございます。あとは随行でございます。
○大森創造君 あとは随行というと、総計で何人行ったことになる。
○説明員(瀬戸山孝一君) 総計で十九名でございます。
○大森創造君 どういう名目で出かけたのか。
○説明員(瀬戸山孝一君) 失礼しました。名目は、造幣局におきまする貨幣大試験出席のためでございます。
○大森創造君 だから、いま言ったように、財界と懇談なんてのはよけいなことですよ。あなたのほうの出張の目的には書いてないはずだ。一方、国会があるんだ。で、私が質問を要求している。それにもかかわらず、ほとんど大蔵省は出払いじゃないか。いま残っている局長はだれですか。
○説明員(瀬戸山孝一君) 残っておりますのは国有財産局長と主計局長でございます。それから国際金融局長は海外出張中、それから国税庁長官は病気で休んでおります。官房長も病気で休んでおります。
○大森創造君 私は常識的にこれほど行く必要ないと思うんです。そして、ことに藤井勝志大蔵政務次官は名ざしをしてこちらへおいでを願うように私は言った。そのほかの局長についても。それにもかかわらず、十九人――もっと行っているはずなんだけれども。常識的に私はわからないんですよ。財界との懇談なら懇談という目的を付して行ったらいいと思うんだけれども、そういうことじゃないでしょう。十九人も国会開会中に、しかも、私が五、六日前から関係の局長に本委員会に出席するように要求をしたにもかかわらず、その計量試験なるものに十九人行く必要ありますか。大臣が行って、それから政務次官が二人ともおそろいで出かけていかれる、こういうことを慣例とお考えならば、これはやめていただきたいけれども、その是非、それからどういうことを改めるかということは大臣でないとおわかりでないと思いますが、あなた、どう思いますか。十九人行く必要があると思いますか、計量試験に。大蔵省みずから範を垂れにゃいけませんよ。大臣は、そんなに無力ですか、いま。局長全部従えて、課長も従えて。国会じゃきょうの私の質問はしり切れトンボだ、おかげさまで。そんな必要がありますか。政治の姿勢を正すなんて言ったって、十九人も行って、そして向こうでいろいろやる、それだけ必要がありますか。必要性を認めますか、あなたは。
○説明員(瀬戸山孝一君) お答えを申し上げます。確かに両政務次官お二人、局長五人、課長が四人、あとまあ随行の者でございますが、一行二十名となりますと、たしかにいま先生おっしゃったような多いという感じも、私もそういう気持もしないわけではございません、率直に申し上げまして。しかし、やはり最初に申し上げましたが、そういう財政の転換期だから、ひとついろいろ御説明を関西財界にしようという趣旨が実はございまして、まあこの程度のあれはしようがないんじゃなかろうかということで、実は私も会計課長として金を支出したということでございまして、その点は御指摘を受けまして、なるほどどうも謙虚に振りかえってみて、あるいは多いのかなという感じもいたさないこともございません。
○大森創造君 大体大臣が出かけて、政務次官が二人までいくなんということはおかしいですよ。あなた自身もそう思うでしょう。多過ぎるということ、そんなことは……。それで国会の審議ができないというようなことはおかしいと思う。しかし、これはあなた答弁の限りでないから、藤井政務次官と福田大蔵大臣とそれから関係の局長は、いずれ日をあらためてお伺いすることになるから、そのときに大臣にあらためてお伺いしたいと思う。そこで、あなたに要求することは出張した人の人数、こまかさないで出してください。十九人じゃないでしょう、もっと行っているはずです。金魚のふんみたいにばんばんついて行ったはずです。その宿泊場所、人数、それから旅費、そういうようなものを、この旅行について一切の資料を出していただきたいということと、それからこれは委員長に重ねて申し上げますが、東海銀行、三和銀行の責任者、藤井政務次官と大蔵大臣はいずれ機会を見てひとつ午前中の質問を徹底する必要がありますから、これはひとつ委員会のほうにお願いいたします。あなたのほうにはそれだけの資料をお願いしまして、質問を終わります。
○説明員(瀬戸山孝一君) ただいま私十九名と申しましたが、これは私会計の支出の判をついたあれから申し上げましたので、もう一回確かめてみます。秘書課と文書課に確かめて、人数に移動があれば、あるいは私の間違いであれば直しますし、もう一回あれします。
○大森創造君 私は、委員会があって、国会開会中であるのに、去年もことしも計量試験に出ることになっておるという、単に慣例だろうと思うのだが、これは悪い慣例だからやめてもらいたいということです。そういう必要がないということです。大臣が行って関係の局長が一人ぐらい行けばいいので、政務次官が二人も出ていくということは必要ないですよ。これは大臣に質問します、しかたがありませんから……。
○理事(相澤重明君) 委員長から、先ほどの大森委員の資料要求については、すみやかに提出するように瀬戸山会計課長にお願いいたします。
○説明員(瀬戸山孝一君) わかりました。
○理事(相澤重明君) なお、委員長から、大森委員の御要求について、委員長、理事打ち合わせ会で決定いたします。
 他に御発言がなければ、本日の審査はこの程度にとどめたいと思います。
 本日はこれにて散会をいたします。
   午後四時四十三分散会
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