第051回国会 逓信委員会 第7号
昭和四十一年三月八日(火曜日)
   午前十時四十八分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         田中  一君
    理 事
                植竹 春彦君
                新谷寅三郎君
                西村 尚治君
                光村 甚助君
    委 員
                古池 信三君
                谷村 貞治君
                久保  等君
                鈴木  強君
                野上  元君
   政府委員
       郵政政務次官   亀岡 高夫君
       郵政省電気通信
       監理官      畠山 一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        倉沢 岩雄君
   説明員
       日本電信電話公
       社総裁      米沢  滋君
       日本電信電話公
       社経理局長    中山 公平君
   参考人
       国際電信電話株
       式会社社長    大野 勝三君
       国際電信電話株
       式会社副社長   八藤 東禧君
       国際電信電話株
       式会社常務取締
       役        板野  学君
       国際電信電話株
       式会社常務取締
       役        清田 良知君
       国際電信電話株
       式会社常務取締
       役        竹内彦太郎君
       国際電信電話株
       式会社常務取締
       役        甘利 省吾君
       国際電信電話株
       式会社研究所長  新川  浩君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に
 関する調査
 (国際電気通信事業に関する件)
 (郵政省の所管事項及び日本電信電話公社の業
  務概況に関する件)
    ―――――――――――――
○委員長(田中一君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 まず、委員長及び理事打合会の協議事項について御報告いたします。
 本日の委員会においては、参考人の出席要求について御決定願った後、国際電電株式会社の事業概況の説明を聴取し、これに対する質疑を行ない、引き続き、郵政省の所管事項及び日本電信電話公社の事業概況について質疑を行なうことになりましたので、御了承願います。
    ―――――――――――――
○委員長(田中一君) これより議事に入ります。
 郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題といたします。
 まず、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査のうち、国際電気通信事業に関する調査のため、参考人から意見を聴取することとし、国際電信電話株式会社社長大野勝三君、同副社長八藤東禧君、同常務取締役板野学君、同常務取締役清田良知君、同常務取締役竹内彦太郎君、同常務取締役甘利省吾君、同研究所長新川浩君の七君を参考人に決定いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田中一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(田中一君) まず、国際電信電話株式会社の業務について、簡単に御説明願います。大野参考人。
○参考人(大野勝三君) それでは、私から最近の国際電信電話事業の概況につきまして御報告いたします。
 まず、昭和四十年度の四月から本年一月に至る十ヵ月間の業務の概況について申し上げます。
 全般的に見まして、国際通信の需要は、国内経済の不況にもかかわらず、貿易の伸長を反映し、また、海底ケーブル利用による通話品質の向上、待ち合わせ時分の短縮等、通信サービスの改善にささえられまして、比較的順調な推移を示しております。
 業務別に見てまいりますと、国際電報の取り扱い数は、昭和三十三年を谷間としまして、三十七年に一時横ばいとなりましたほかは、わずかながら、毎年順調に上昇の傾向をたどっておりまして、本期間の取り扱い数は四百十九万余通となり、国際加入電信及び専用線サービスの伸びにもかかわらず、前年同期に比べてわずかではありますが、増加となっております。
 国際加入電信につきましては、昭和三十一年の業務開始以来、毎年、著しい取り扱い量の増加を示しておりまして、本期間中の取り扱い数は九十万余度となり、前年同期に比べまして一割五分の増加となっております。これは後に述べます専用線サービスの販売増を考え合わせますと、かなり好調な伸びを示しているものと言えるかと存じます。
 次に国際電話でありますが、このほうは国際電報と同様に、昭和三十三年を底といたしまして以後順調な上昇を示してまいりましたが、特に海底ケーブルの開通後は、通話サービスの改善に伴い、通信量は大幅な増加を示しております。
 本期間中の取り扱い数は四十二万度弱となり、前年同期に比しまして三割八分の増加となっております。
 最後に、専用電信回線業務につきましては、昭和三十七年十月から一般商社に対して販売を開始いたしまして以来、毎年増加を示しておりますが、昭和四十一年一月末の販売回線総数は、九十一回線となっております。
 次に、当社の経理の概況を申し上げますと、まず、昭和四十年度上期の収支状況は、営業収益七十億六千八百余万円で、前期に比べまして二億七千二百余万円の増加となっております。
 一方、営業費用は総額五十一億六千百余万円でありまして、前期に比べて一億二千七百余万円の増加となりました。
 これらに、営業外損益及び特別損益を加減いたしました四十年度上期の収支差額は、十億一千八百余万円となり、前期に比べて七千三百余万円の増加となりました。
 なお、四十年度下期につきましては、ただいま期の途中でありますので、確定的なことは申し上げかねますが、現在までのところ、引き続き、順調に推移いたしております。
 次に、当社の資産状況について申し上げますと、昭和四十年九月三十日現在の総資産額は、二百八十八億二千九百余万円でありまして、そのうち、流動資産は九十六億九千六百余万円、固定資産は百九十一億三千三百余万円となっております。
 一方、負債総額は、百五十九億一千九百余万円で、そのうち、流動負債は四十七億九千三百余万円、固定負債は八十億九千三百余万円、引き当て金が三十億三千三百余万円となっておりまして、差し引き、当社の純資産額は、百二十九億九百余万円となっております。
 次に、当社業務の関係におきまして当面のおもなる事柄についての御説明を申し上げますと、まず第一に、衛星通信の関係がございます。
 昭和三十九年八月「世界商業通信衛星組織に関する暫定制度を設立する協定」がワシントンにおいて署名されまして、当社はその特別協定に加盟する通信事業体として政府から指名されたのでありますが、これによりまして、当社は世界商業通信衛星機構のメンバーとなり、関係の諸会合に随時代表者を送りまして、加盟各国と協力して、衛星通信実用化への準備に参画いたしております。この通信衛星系の総経費は、差し向き二億ドルでありまして、当社はその約百分の二を分担することになっております。
 なお、右の国際組織ができましてから八カ月経ちました昨年四月、大西洋上にインテルサット第
 一号F一衛星、この衛星はアーリーバードと呼ばれておるのでありますが一が打ち上げられまして、この衛星を利用しまして、すでに欧米間におきましては、実験及び商用通信が行なわれておりますことは、皆さま御承知のとおりであります。
 さらに、本年夏には、このアーリーバード型衛星を改良いたしましたインテルサット第二号衛星のうち、一個が太平洋上に打ち上げられる計画になっております。この星が上がりますと、わが国でもいよいよ衛星通信が可能になってまいりますので、当社といたしましては、現在茨城県十王町にあります衛星通信所の実験施設を実用化の施設といたしますために、急遽その拡充整備をいたしております。それとともに、中央局とその茨城の通信所を結ぶマイクロ波連絡線も建設することにいたしまして、目下、その関係工事を進めております。
 第二に、東南アジア海底ケーブル関係でございますが、日本と台湾、香港、フィリピン、ベトナム、カンボジア、タイ、マレーシアーこれはシンガポールですが――及びインドネシアを結びます全長約五千四百海里に及ぶ海底ケーブル建設計画の構想は、昭和三十四年の国際電気通信連合の会議におきまして、わが国からこれを提示し、採択されたものであります。
 その後、政府におかれましては、二回にわたってこの計画を主題とする国際会議を開催せられ、必要な諸問題を検討され、その結果に基づいて、関係諸国と折衝が進められておるように承知いたしております。
 この計画は、その実現の暁におきましては、東南アジア方面とわが国との通信関係を改善する上に非常に役立つものと考えるのでありまして、当社といたしましては、その早期実現を期待して、目下政府御当局の御指導を仰ぎつつ、これが実現に御協力を申し上げておる次第であります。
 第三に、日本海海底ケーブルの問題でございますが、御承知のとおり、現在日本とヨーロッパを結びます有線の連絡といたしましては、長崎から日本海の海底を経由いたしましてウラジオストックに至り、さらに、シベリアの大陸を横断いたしまして、遠く北欧のヘルシンキに至ります連絡の電信回線がございます。このうち、日本海を通過いたします海底線の部分は、布設以来百年近くを経過いたしておりまして、いまでは全く旧型のものとなっておりますので、これを近代的な高品質の新型海底電話ケーブルに引き直しまして、日本と欧州諸国との通信を改善強化しようとする話が、この二、三年来、直接には、現在の海底電信ケーブルを所有いたしておりますデンマークの大北電信会社と当社との間で行なわれてきたのでありますが、このほど、関係当事者の間におきまして、原則についての大筋の意見の一致を見ましたものの、なお最終的結論には至りませず、さらに今後折衝を続けることと相なっておる次第でございます。
 第四に、日韓広帯域通信路の関係でございますが、日本と韓国との間の通信需要は、ここ数年来著しい増加を示しており、ことに日韓両国の国交正常化に伴いまして、彼我の通信連絡路を一そう緊密にいたします必要が出てまいったのでありますが、これ以上、短波無線回線の拡充をいたしますことは、周波数の関係から非常に困離な状況にあります。そこで、新たにいわゆる対流圏散乱方式によります広帯域通信幹線を建設することについて、このほど、韓国側逓信当局と当社の間に話し合いが妥結をいたしましたので、昭和四十二年末完成を目標にいたしまして、目下鋭意その準備を進めております。
 第五に、ケーブルシップ関係でございますが、太平洋ケーブル系保守の万全を期することにつきましては、何ぶんにも、米本土からハワイ、グアムを経て、日本及びフィリピンに及びます長大なケーブル系のことでございますから、現在のアメリカ電話電信会社保有のケーブル船一隻をもってしましては、どうしてもその保守を十分に果たすことはむずかしゅうございます。そこで、かねがね関係者の間におきまして、この保守を強化する方策について協議を進めておりましたところ、昨年秋、昭和四十二年すなわち来年の半ばごろまでに就船可能となることを目標として、当社において新鋭のケーブル修理船を建造することが必要であるとの結論に達しまして、目下その準備を進めておりますが、建造予定のケーブル修理船は、総トン数四千トン、航海速力約十六ノット、ケーブル搭載量は約三百海里などというような点を目標にいたしておりまして、このケーブル線の維持費その他の経費は、太平洋ケーブル系の関係七社の間で分担することになっておるのでございます。
 最後に、新送受信所の建設について申し上げます。
 現在埼玉県入間郡の福岡にございます当社の福岡受信所及び大阪府堺市にございます当社の河内送信所が、いずれも大都市の周辺にございますために、次第にその付近が開発されまして住宅化されてまいりまして、空中線敷地の拡張あるいは空中線の建設などには非常に困難を生ずるような状態になっております。そこで、今回、茨城県北浦村に新受信所を、また、三重県上野市に新送信所をつくりますのを機会に、それぞれこれらの新しい送信所、受信所に、福岡の場合におきましては、これを昭和四十三年末を目標にいたしまして、大部分を新しい北浦の受信所に、あるいは一部を小室の受信所にというふうに移転をいたします。河内の場合におきましては、四十二年の半ばごろを目標にいたしまして、一部、つまり送信アンテナを建設するのに非常に都合の悪いような部分とか、将来の拡張部分などを逐次そちらの上野の新送信所のほうに移してまいりまして、現在非常に都市問題その他で困っておりますこの窮状を救済し、また、送受信の完全を期したい、かように考えておる次第でございます。
 なお、新しい送信所並びに受信所は、いずれも遠隔制御方式によりまして運用する計画となっておるのでございます。
 以上簡単でございますが、概況を御報告いたします。
○光村甚助君 いま社長がお読みになった内容でわれわれは質問するのですが、これは聖徳太子じゃあるまいし、あるいはすっと覚えて質問せいと言われても困るのですがね。大体どうして国会に資料をお出しにならないか。一つもらいましたけれども、その社長がお読みになったものとだいぶ違うのです。こういうことじゃ実際ちょっと困りますがね。担当者から御答弁願います。社長が読んだだけで、これで質問しなさいと言ったって、これは無理じゃないですか。そんな長いのを読んでいただいて、さあこれから質問しなさい――自民党さんでも、そんな頭のいい人はおられるかしれぬが、私じゃちょっと質問できませんね、それじゃ。委員長どうされます。
○委員長(田中一君) いま読まれた文章はせんだって手元に送っていただいた最近における事業概況、昭和四十一年二月、これですか。もしこれとするならば、内容がだいぶ違いますがね、それと。
○参考人(八藤東禧君) 担当者というお話がございますので、私から光村先生のお話に対しまして御答弁申し上げますが、私どもといたしまして、社長からこの席上、会社の概況について御説明相なるということを承っておりましたので、私たちといたしまして準備はいたしたのでございますが、それを社長がその原稿をそのとおり棒読みされないで、さらに詳細におつけ加えになったことは御指摘のとおりでございますが、ここに書いてお手元に出しましたのと別に、私がちょうど持ち合わせておりましたのを、この席において、何か原稿はないかというお話でございますので差し上げただけでございまして、それをもととして社長がふえんされたのでございますが、どうぞ、刷りものと社長のふえんされたものとに差はありましても、その点は御了承願いたいと思います。
○鈴木強君 これは従来、国際電電の事業概要というものは国会に報告してなかったわけですね。今度新しくこういう方法をとったものですから、ですから、御報告なさるときには、郵政省の場合でも、電電公社の場合でも、NHKの場合でも、全部あなたが読まれたと同じものを、各委員に先に配ってもらうわけであります。そうして、それに対してわれわれが質問するというのが国会のルールなんですね。ですから、その点初めてですから、おそらく悪意があってやらなかったとは思いませんけれども、これからずっとそういう方式を続けていくわけですから、少なくとも、八藤さんのその説明じゃ納得できないわけであります。要するに、そういう国会の慣習がありますから、ですから、お読みになるものを、あらかじめ私たちのほうに配ってもらえばよかったわけですね。ですから、今後そういうふうにしてもらいたいと私は思うのですよ。
○参考人(八藤東禧君) 私、担当者といたしましておわびを申し上げます。私ども参考人としてお呼び出しを毎年受けていただいておる次第でございまして、昨年もたしか当席上にお呼び出しになった、その前もその前も、ここ数年私が会社に入りましてこういうことがあった、そのとおりにやったわけでございますが、これから御方針がお変わりになったということで存じませんで、御指摘のとおり食い違いがあったかもしれません。その点はどうぞ――ただ参考人の立場で私どもお呼び出しを受けて御説明を申し上げる在来のつもりでございました。よくわかりました。来年から……。
○委員長(田中一君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(田中一君) 速記を始めて。
○鈴木強君 きょうは、私、公社の方に一つだけお尋ねしておきたいことがございますが、それは三月一日のこの委員会でも、電電公社の外債の発行について質問をいたしました。その際、中山経理局長から、二月十七日に証券取引委員会に登録を済ませて、さらに、これが具体的進捗のために、現地に公社の代表を派遣している、こういう御答弁をいただいたのですが、その後の情報によりますと、せっかくの外債の発行が延期された、こういう話を聞くのですが、これは一体、どういうわけでございますか。その理由を伺いたい。
○説明員(米沢滋君) 御質問にお答えいたします。
 電電公社といたしまして、過去四回米国におきまして外債を発行いたしております。第五回目の発行に対しましては、いままで四回目までが比較的条件がよく発行されておりましたので、五回目の発行に対して、コマーシャルベースでもちろん考えるわけでありますが、あまり条件が悪くなってはいけないということを前々から考えておりました。実は、昨年の十一月に開銀債が発行されて、その後、開銀債の発行の条件は従来より少し悪かったのでありますが、一応発行されて、その後の米国の市況が良好でありましたので、政府関係方面ともいろいろ打ち合わせした上で、先般経理局長がここで御説明申し上げましたように、二月十七日に米国の証券取引委員会に登録届け出をいたしました。実は、その後の市況の状況をいろいろ見ておりまして、私たちといたしましては、最終的にはこれは経営委員会できめるわけでありますが、きょうの時点できめるということを考えておったわけでありますが、ところが、米国側におきまして、最近大量の新規起債の需要がありまして、ここ一、二週間、特に債券の利回りが上昇しておりますが、現在これをやったといたしますと、非常に条件が悪いし、また、発行予定額の二千万ドル自身も十分得られない。正確にいうと千五百万ドルも十分に得られないという予想がありましたので、従来の条件等に比べまして非常に悪い条件で出すということは、コマーシャルベースをたてまえとしております外債発行に対して、あまり好ましくないと思いましたので、延期するようにいたしました。
○鈴木強君 これは外債の発行は、私たちは、基本的には賛成できない立場ですから、むしろ延期になったことはけっこうだというふうに言えるのだが、しかし、事が、やはりわれわれが何回も論議してきたような問題ですから、特に証券取引委員会に登録を済ましてしまったあとで、それが延期になるというようなことは、ちょっとやり方としては、ていさいが悪いと思うのですよ。ですから、ただ単にアメリカ市場において需要が非常にふえて、そのために、日本の国債千五百万ドルも発行するのもむずかしかろうと、そういうことは二月十七日に登録をして、三月、きょうになって、十何日かたっておりますが、そういう段階で、二十日足らずで、そういう事情が変わったとも言えぬのですね。ですから、そういうような経済界における見通しというものを全然考えないで登録だけしたからということにもとれるのじゃないですか。少し私は大蔵省のほうも踏み切ったことに対する情勢の甘さもあったかと思うが、それを真に受けてやった公社のほうも、少し間が抜けておると思うのですね。そういう意味で私は、やはり対外信用との関係もありますし、発行できないということになると、電電公社の株がいままで非常によかったということが、国民から見ると不審を感ずるようなこともあるわけですから、この経過は、いま総裁が言われたような程度の説明では納得できませんよ。そんなに甘い判断でやっておるのですか。
○説明員(中山公平君) お答え申し上げます。
 御指摘のように、登録の届け出をしましてから延期という点につきましての判断の甘さがあったのではないかということについて、われわれもいろいろと考えておるところでございますけれども、最近の登録後のアメリカにおきます市場の動向というものが、全くいままでかってないものでございました。アメリカの現地におきましても、きわめて異常な、いままで経験もしなかったような状況であるということでございまして、具体的に数字を申し述べますと、現地のほうからの報告によりますと、三月に入りまして三日間にアメリカの事業債の登録が四億五千万ドルにのぼっておる。なお、予定といたしましては、この後まだ続きまして、三月ひと月で七億五千万ドル程度の起債計画になるのではないかというようなことがございまして、なお、これに伴いまして、こういったことを控えまして、金利の、いわゆる債券の利回りでございますが、これもアメリカの長期国債につきましても、二月の九日に四・六%だったものが、二十三日には四・七%に上昇、なお、民間の長期社債につきましても、二月の九日に五・二六だったものが、二十三日には五・三五%に上昇する、こういったことでございまして、私どもも、開銀債を発行されまして以後のアメリカの市況ということにつきましては、十分状況を見ておりまして、発行の困難性ということについて危惧も持っておったことは事実でございますけれども、いま申しましたような登録後の状況ということは、こちらにおきましても、また、現地においても、予想を隔絶したようなものがございました次第でございまして、この状況におきましては、先ほど総裁も御説明申しましたように、より有利な発行ということを期待する上においては、しばらく延期をして、市況を見るということが得策ではなかろうかということで、政府のほうとも御相談をいたしまして、それに踏み切った次第でございます。
○鈴木強君 昨年は、このお話が出ましてから、経理局長以下ずっと長い間向こうに滞留して交渉に当たりましたね。ことしは経理局長もこっちに残っておるのですがね。やはりこういうこと一つをとってみましても、もう少し副総裁が行くとか、あるいは総裁が行くとか、そういう対外的な問題で、ある程度情勢判断というものをちゃんとして、礼を尽くしてやるということも考えておかなきゃならぬと思うのですね。何かことしはそういう点、担当官が二人くらい、大蔵省の連中と行ったらしいですけれどもね。その辺の姿勢の中にもちょっと従来よりも軽く見ているようなことがあるのじゃないだろうか。しかし、逆に利子平衡税などの問題もありまして、海外に流出するドルを防ごうというのが、これはアメリカの基本方針ですよ。そういう立場がきつくなっている段階ですから、少なくも、情勢判断について非常に甘さがあって、結局、こういうことになったのじゃないかと私は思うのですがね。ですから、もう少し、いま経理局長の言われたように、三月に入って事業債四億五千万ドルというものが三日間で出てきた、さらにこれが多くなっていくだろう、これはアメリカ経済の全体から見て一つの計画があるはずですよ。日本の場合だって、国債を発行する場合でも、あるいは公社債を発行する場合でも、大体の資金のワクというのは、当初経済の成長と関連して考えられているはずなんです。それを年間どういうふうに発行していくかということもおよそわかっているはずですよ。そういうことをかいもくつかまないで、三月になって向こうがこういうふうになったから驚いて、それじゃやめちゃおうというような、そういう態度は少し無責任過ぎますがね。
○説明員(米沢滋君) 先ほど経理局長が行ってないというお話でございましたが、実は行広総務理事を派遣しておりまして――担当官二人のほかに行広総務理事を先般派遣いたしておりまして、いまアメリカに行っていろいろ交渉させておる次第であります。
 それから何といいますか、開銀債が昨年十一月に発行されましたけれども、私ちょっとそのときに申し上げましたが、この条件というものが、これは昨年の四月に電電公社が出しました応募者利回り六・〇三一に対しまして六・七四一という状態でありまして、われわれといたしまして、この市況については初めからだいぶ心配はしておったんでありますが、しかし、政府関係方面ともいろいろ打ち合わせいたしまして、この際、第五回目の電電公社債を出そうということになって、それで、この市況の状況に対しましては、決してそう甘く見ておったわけではございません。しかし、結果的には、二月十七日に米国の証券取引委員会に出したときには、大体開銀債程度でいけるんじゃないか、公社としては開銀債よりももう少しいい条件に、応募者利回りをいい条件にしたいと思ったんでありますが、しかし、その後の急速な何といいますか、状況の変化等によりまして、このあまりひどい発行額というものは、将来の公社の何といいますか外債の銘柄等にもあまり好影響はないと思いますし、それからまた、千五百万ドル自身が十分に得られないことになりますと、そちらのほうの影響もまずいと思いまして、これを延期するようにした次第であります。
○鈴木強君 まあ、ここでいろいろやっておってもしようがないんで、現実には延期になっているわけですから、私は、この延期というのが、はたしていつまで延期になるのかわかりませんがね。昭和四十年度の予算総則においての外債、国内債を含めての公社の資金計画というものはきまっているわけですね。また、四十一年度も同様な方向で提出されておるわけですから、おそらく四十年度の外債が発行できないのじゃないかと私は思うのですね、いまの見通しでは。そうなれば、延期するというのは当然四月になるだろうと思うのですよ。だから、私は、いっそのこと、もうこれから長期計画を推進する場合、国内で資金を調達して、外国などにたよらぬでいくと、日本の電信電話事業というものはやはり国内の資金によって確立していくのだという、こういうやはり基本的な立場に立ったほうがいいと思うのですよ、私は。外貨を使ってアメリカへ何回も行って、しかも、それがだめだというようなことよりかえっていいと思う。そう安い利息で、人のふんどしで相撲をとろうといったって、そうはいかぬですよ。何ぼ安くなるか知りませんけれどもね、たいしたことないですよ。だから、むしろ延期するなら、いっそのこと無期延期して、これでピリオドを打つと、今後外債にたよらぬというようなところまで結論出したらどうですか、総裁。
○説明員(米沢滋君) 四十年度におきましては、私たち必ずしも外債を出さなければならぬとまでは考えていないのでありまして、予算総則におきましても、国内債でもいいし、また外債でもいいと、こういうふうになっておったわけでありまして、結局、国内債が十分得られれば、必ずしも外債を出す必要もないし、また、公社の全体の資金量から考えますと、二千万ドルというのは、それほど大きな額ではございません。パーセンテージから言えば大きくないものですから、国内債が得られれば、外債の発行に踏み切る必要は考えておりません。
○鈴木強君 それで、三月に入ってからこうふらふらされますと、七十二億二千万円としても、実際、この資金はどっから調達するかという問題とも関連してきますね。ですから、もう外債を二月にやれるだろうということで資金計画を組んで、国内債の発行をそれだけ遠慮しなければならぬわけですね。いまになると、もうとても三月中無理だということになれば、その分だけは急いでやらなければ合わないわけでしょう、資金計画が。その点はどうですか。踏み切って、国内債でいくというふうにきめたのですか。
○説明員(米沢滋君) この問題につきましては、今後大蔵省あるいは郵政省といろいろ打ち合わせしなければならぬと思いますが、方向といたしましては、国内債を発行していただくか、あるいは、それが十分できない場合には、一時借り入れ金で過ごすか、その両方やるか、その辺の打ち合わせを今後急速にしたいと思います。
○鈴木強君 一時借り入れ金をするといったって、日歩八厘の利息がつくでしょう。短期借り入れをしても、それはあなた、百二十億のワクはたしか予算総則で認めていますがね。公社の場合、その範囲内でやることはけっこうですが、やはり八厘の利息がついて、しかも、年度を越しちゃいかぬという制約もあるわけですからね。三月中から四月に切りかえていくということができないわけでしょう。ですから、やはりそこのところは、資金調達の面で、いま百億補正し――百億の債務負担行為を補正で認めたという、そういう段階ですからね、何億だってほしいところでしょう。そのために既定計画がどうなっていくか、これはまた国民として、また、われわれとして黙っているわけにいかない。やはりはっきりどっちかにして、短期借り入れもいいですけれども、それよりもむしろ私は、長期安定性のある方向に国内債を発行していったらどうですか。
○説明員(中山公平君) 七十二億円四十年度の予算で成立いたしておりました政府保証債のうちで、これだけが発行に穴があくというような状況にいま来ておるわけでありますが、総裁も申し上げましたように、私どもといたしましては、これをできるだけ国内債に切りかえて、それで年度内に発行をしていくように努力をまず第一にしたいということで、政府のほうにもお願いをいたす所存でございます。
 なお、いろいろ三月も迫っておりますので、総裁が申し上げましたのは、なおそれをもってしても全額の国内債の発行がむずかしいという場合に、必要な程度の一時借り入れということに努力をしていく、こういうことにいたしまして、経常費及び建設工事の進捗ということに支障のないようにしていきたい。
 なお、一時借り入れ金の年度越しの問題でございますが、これにつきましては、法律的には、認可をいただきましたら、年度越しは可能なように相なっております。先生御指摘のように、実際問題としては、過去において一回くらい公社の場合例があった程度で、あまり行なわれてはおりませんが、そういうことに相なっております。
○鈴木強君 政務次官、この外債の発行が延期されたということは、やはり政府の責任もこれはあるでしょう。大蔵省のやはり相当、責任であると思うのですね。ですから、いま申し上げたような公社の資金需要というのは、これがもし延期になりますと穴があくわけですね。私は、この穴のあく分については、ちゃんと国内債の発行においてカバーしてやる、こういうきちっとした姿勢を政府に出してもらいたい。そのしりぬぐいは政府がやはりすべきですよ。そういう意味において、政務次官からひとつ、そうやるのだという所信を承りたいと思います。
○政府委員(亀岡高夫君) 鈴木先生仰せのとおり、四十年度の公社の既定計画がスムーズに実行されるというたてまえからいきまして、どうしても一応外債に期待した七十二億二千万円というものが、ここでちょっと延期をせざるを得ない情勢になってまいりましたので、まあこの七十二億二千万円の手当てにつきましては、政府といたしましても、目下関係の向きと緊密な連絡をとりまして、そうして公社の既定計画が十二分に完遂できますように、円滑な資金の調達ということを目標にいたしまして、よりより協議中でございます。
○鈴木強君 いや、協議中はけっこうですがね、ちゃんと既定計画が支障なくやれるように裏づけをしてもらわなければ困るわけですよ。それをしてくれるんでしょう。
○政府委員(亀岡高夫君) その線に向かって最大の努力を尽くしている次第でございます。
○鈴木強君 それでは、この問題は私はこの程度にとどめまして、もう一つ、資料の要求を兼ねて、ちょっと総裁に所見を聞いておきたいことがあるのですが、それは、最近データ通信の開発を公社で進められていると思うのですが、しかし、これがどうも電信というか、それからテレックス、テレタイプというものと違った第三の通信だというようなぐあいに宣伝されているのですね。私は、まだその内容わかっておりませんので、意味はさっぱりわからない。それで、公社内部において、一体、このデータ通信というものについて、どういう考え方をもっていま進めているのか、技術局は技術局として、そのデータ通信というものの何か方向に向かっていろいろ研究をされている。これは電信なんですか、テレックス、テレタイプと同じなんですか。電子計算機をくっつけて、コンピューターを入れてやるかどうか、それはわかりませんが、従来のように回線を回してやる、端末が自営、直営、いろいろあるでしょうが、そういうものと、もう一つは、電子計算機を公社が保有して、それによってデータ通信を全国的に、企業の場合でもやるとか、いろいろあると思うのです。これが電信でないようなことを考えて進められておる。かつて皆さんは、CAMAの問題でカールソン方式の問題を当時考えてはおったのだが、これは実用化しないで、CAMA一本だ、一本だとやっておって、それで、今日CAMAがどうなっておりますか。私はそれと同じように、もう少し運用、営業、それから技術ですね、こういったラインにおける意思統一をきちっとして、そして、一体、データ通信というものはどういうものであるかということの性格を明らかにして、それから技術開発をしてもらわないといかぬと思うのですね。私は、そのデータ通信がどうもよくわからぬものですから、少し誤った批判をしておるかもしれませんが、間違っておったら指摘してもらいたいと思いますが、そこで、ぜひひとつ、公社がいま考えておる幾つかの構想があると思いますから、そういう構想について、資料として出せるものはぜひ出していただきたい。私は大いに意見がありますから、国会の意見もひとつ聞いてもらうようにしてもらいたいと思いますが、まあ大体その考え方と資料についてひとつお願いしたいのですが。
○説明員(米沢滋君) ただいまデータ通信、第三のコミュニケーションだというお話がございましたが、アメリカあたりでよくデータ通信が第三通信だ、こういうように言っておるので、おそらく、そういう外国で言っていることが出たと思います。公社といたしまして、いまいろいろ検討しておるところでございまして、資料は別途、検討中のものも含めまして、技術的なものを入れて提出したいと思います。
○鈴木強君 外国の場合、ウエスタン・ユニオンあたり、それからヨーロッパあたりでも多少やっておると思いますが、そういった各国のデータ通信というものの方式とか、経営の問題とか、内容等についても、ひとつぜひ資料としてほしいわけですから、それも含めて総裁お願いします。
○説明員(米沢滋君) じゃ、提出いたしますから。
○鈴木強君 じゃ、きょうは、公社のほうはこれで終わります。
○委員長(田中一君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(田中一君) 速記を起こして。
 資料は配付されましたか。
○参考人(八藤東禧君) お届け申し上げました。
○委員長(田中一君) 引き続き、国際電電のほうに質疑を行ないます。
○鈴木強君 最初に会社にお尋ねしますが、会社法第十二条に基づいて、毎営業年度の事業計画というものを郵政大臣の承認を得るために認可申請をやることになっておりますが、四十一年度の認可申請はもうお出しになりましたですか。
○参考人(八藤東禧君) お答え申し上げます。
 二月の中旬、郵政省のほうに願い出てあります。
○鈴木強君 二月の中旬ということでなくて、二月何日でしょうか。
○参考人(八藤東禧君) 十八日でございます。
○鈴木強君 その認可申請の事業計画の内容ですね、これは資料としていただけますか。
○参考人(八藤東禧君) ただいま郵政省に、郵政大臣に認可申請中でございまして、いかようにこれが決定いたしますか、今後のお示しを待っておる次第でございますので、これを提出申し上げてよろしいかどうか、郵政省のほうのお指図を待ちたいと思います。
○鈴木強君 これは政務次官、私たちは、「KDD」という、これは会社で発行している新聞がありますが、この中に、「昭和四十一年事業運営の一般方針――今年の重点施策は」というのが公になっていますね。われわれのほうにも配付されています。形式的に副社長の言うように、いま認可申請中だから会社としては郵政省当局のお考えも聞いてと、これは御無理ないと思いますね。そこで、もうこれははっきりしていることですしするので、こういうものをはっきり国会のほうにもできるだけ出してもらいたいと思うのですよ。この認可申請をして、認可するかしないかは、あなた方のおやりになることですから、私たちはそこに介入するわけでも何でもないですから、一体、四十一年度を、今日の電波国際通信の非常に問題の多いときに、この際どう進んでいくだろうかということを常にわれわれ関心を持っているわけですから、むしろ、率先して私はこういうものはきょうあたり、先ほども光村委員からもお話がありましたが、国会へ出す資料として出してほしかったんです。ですから、次の機会にぜひ出していただきたい。
○政府委員(亀岡高夫君) 次の機会までに、仰せの資料を提出させることにいたします。
○鈴木強君 そこで、いま郵政省としては、二月十八日にKDDから認可申請のあったこの取り扱いはどの段階までいっておるんでしょうか。いつごろ認可になりますか。
○政府委員(亀岡高夫君) ただいま事務当局に検討さしておりますので、経過の現況を事務当局から御報告申し上げます。
○政府委員(畠山一郎君) ただいま事務的に細部にわたりまして詳細に検討中でございます。やはり検討は相当数次にわたってこまかく実施いたしますので、大体一カ月ばかりと考えております。すなわち、二月十八日に認可申請書が出ておりますので、あと一週間程度と、そういうふうに考えております。
○鈴木強君 その経過はわかりました。ただ、私心配するのは、昨年この委員会でも特に問題になりましたように、政務次官、たしか四月か五月の初めころにその認可をしているんですね。これはどういういきさつかわかりませんが、四月から新年度でスタートしていこうというのに、まだ認可になっていないということも、これもちょっとぶざまですね。ですから、ひとつ昨年の轍を踏まないように、いま畠山監理官の言われるような一カ月をめどにやっておられるそうですからことしはひとつその点念には念を入れてお願いをしておきます。早期に認可するのは認可して、そして、それに対する施策を早目に会社のほうで打ち立てて実行計画に入ると、こういうふうにぜひお取り計らいをいただきたいと思います。その点、政務次官から……。
○政府委員(亀岡高夫君) 事務当局を督励いたしまして、できるだけ年度内に早急に認可をする方向に向かって指導していきたいと思います。
○鈴木強君 それから私まだその内容を見せていただかないのでよくわからないのですから、この質問は少し早まっておるかもわかりませんが、われわれが常日ごろ心配をするのは、世界商業通信衛星の実用化も近い。また、東南アジアに対するケーブルの施設、こういった金のかかる計画もあると思うのです。ですから、おそらく、あとから私は会社の経営状態も伺ってみたいと思いますし、先ほど社長からも報告もあるようですが、なかなかこの広範な計画を推進する場合に、会社独自の力によってはなし得ないだろうという点も考えられるわけですから、資金的な面における――建設資金的な面における配慮等も十分に、これは政府として、国際通信という政策を推進するという立場を政府は持っているわけですから、そういう意味において、ひとつ配慮をいただくようにお願いしたいと思うのですよ。いずれまた、この計画の内容が私たち拝見でさましたら、次の機会にもっと突っ込んだ具体的なこういう問題について御所見を承りたいと思いますが、きょうは概念的にですけれども、その基本的な考え方だけ、そういう点は政府としてもちゃんとめんどうを見てやるんだと、そういう気持ちがあるかどうか、それだけひとつ聞いておきたい。
○政府委員(亀岡高夫君) 御趣旨の線、十分配慮して指導してまいりたいと思います。
○鈴木強君 その点よろしくお願いいたします。
 それから会社のほうの第二十五期の営業報告、それから第二十六期の営業報告ですね、いまちょっと報告を聞いたのですけれども、第二十六期の営業収支というのは、さっき報告されたものとは違うのでございましょう。これはどうなりますか、特に負債の点ですね、借金の点。
○参考人(八藤東禧君) 先ほど社長から御報告申し上げましたように、二十六期につきましては、まだ途中でございますので、推定が多分に入っております。三月三十一日に締め切りまして二十六期が確定されることになります。二十五期は確定されております。
○鈴木強君 これは三月三十一日までのことですから、いまここで確定した数字まで私も要求するわけじゃないのですが、さっき申し上げたような四月以降の広範な拡充計画をやる場合、一体、帳じりはどうなるのかということをおおよそわれわれは知りたいわけですよ。これの負債総額百五十九億一千九百万円、このうち、流動負債が四十七億、固定負債八十億、引き当て金三十億、こういうものを差し引いて純資産が百二十九億ということですね。この百五十九億の負債は、いろいろな種類があると思いますがね。太平洋で海底ケーブルを布設した場合の借金もあるでしょう。当座四月になってすぐ返さなければならぬ金ですね、そういうものはどの程度あるのですか。
○参考人(八藤東禧君) 先生御承知置きのように、太平洋海底ケーブル建設にあたりまして、米国から約九十億円借金をいたしました。これを据え置き三年、十二年でございましたが返すことになっておりまして、毎年七億二千万円返していくことになっておりまして、すでに現在までにその約定どおりに返済を開始しております。したがいまして、四十一年度と申しますか、二十五期、二十六期各期ごとに三億六千万円返還をしていくことになっております。
○鈴木強君 そうすると、太平洋ケーブルの分は、あと残っているのは幾らなんですか。
○参考人(八藤東禧君) お答えいたします。
 七十五億六千万円でございます。これは一月三十一日現在でございます。
○鈴木強君 そうしますと、四十一年度は一半期ごとに三億二千万円……。
○参考人(八藤東禧君) 三億六千万円。
○鈴木強君 三億六千万円を償還していかなければならぬわけですね。
○参考人(八藤東禧君) さようでございます。
○鈴木強君 それでは、二十六期の営業収支については、いまの段階で、従来二十五期より以上の多少収入が上向く、利益金がが多くなるということが判断できるのですか、それとも、同じくらいか、後退するか、そこら辺はどうでしょうか。
○参考人(大野勝三君) ただいまお話がございましたように、二十六期は二十五期よりも若干収益の増があるのではないかと予想いたしております。
○鈴木強君 そのほかには、借金を当座すぐ返さなければならぬというのはないのですか。
○参考人(大野勝三君) 仰せのとおりでございます。
○鈴木強君 それから次に伺いたいのは、このKDDの皆さんのほうで発行している宣伝誌の中にもございますが、広帯域通信幹線網というのが盛んに出てくるわけですね。これはおそらく太平洋ケーブルの接続、これも一つの広帯域通信かもしれません。そのほか、商業通信衛星の問題とか、あるいは東南アジアに向けての通信とか、こういうものを言うのだろうと思うのですが、もう少しこの概念を、私どもよく理解していないものですから、一体、この広帯域通信幹線網というものは、どういうものなのか。それから、この計画というものは大体どうなのか。その概要をちょっとお聞きしたい。
○参考人(八藤東禧君) お答え申し上げます。
 これは、鈴木先生のほうが私よりお詳しいかもしれませんが、技術的には、後ほど竹内博士から御説明申し上げますが、私どもの了解しておりますところでは、要するに、高性能の多数回線が一つの設備によって疎通し得るところの技術の総称だと思っておるのでございまして、内容といたしましては、御指摘のとおり、フォア・ワイヤケーブル、あるいは衛星通信、あるいはマイクロウエーブ通信と、いろいろ多種多様な技術が開発され、かつ、現在実用に供されているわけでございます。
 で、わが社にとりましても、広帯域通信ケーブルが何台あるかこれもまた先生の御指摘のとおり、すでにでき上がっておりますものといたしましては、太平洋ケーブルがございますが、今後、宇宙通信のシンコム衛星、あるいは英連邦の布設中でございますところの東南アジア・ケーブル、SEACOMと申しますが、サウス・イースト・アジア・コモンウェルス、これとの接続を行なうという問題、あるいは、先ほど社長から御報告申し上げましたとおりに、東南アジア・ケーブルをしく問題、また、現存するところの日本海ケーブルをこのフォア・ワイヤケーブルにかえていく問題、また、同じく社長から先ほど御報告申し上げましたけれども、日韓国間におけるところのスキャターシステム、これらのものを本年、来たる年度よりの新規計画として取り上げ、かつまた、今日まで実施しておるような各種の作業を継続していく、かように計画しておるわけでございますが、なお、さらに正確に、竹内常務より、広帯域通信の概念について、補足説明を加えさせていただきたいと思います。
○参考人(竹内彦太郎君) 御説明申し上げます。
 広帯域通信と申しますのは、通信を送る電波、あるいは電気の波の幅を広くとりまして、多数の通信を同時に送ることを総称して申しておりまして、そういう種類のものはどういうものかと申しますと、マイクロウエーブとか、あるいは同軸マイクロとか、あるいは将来出てまいります衛星通信というようなものに利用されます。一般には、大体、電話――チャンネルで申しまして、数十チャンネル以上のものが同時に使われるものを総称して申しております。
 そこで、私どものほうとしていま考えられるものは、マイクロウエーブの数十チャンネル以上、あるいは数百チャンネル以上のもの、あるいはVHF、あるいはマイクロでスキャター通信と申します。これも数十チャンネルとれるものでございます。
 それから、いま現に使っております日本‐アメリカ間における同軸海底ケーブル、これが百二十八回線、電話でとれます。
 それから、将来出てまいります衛星通信として、第一段階としては数十チャンネル、また、将来のベーシック式のものになりますと、数百チャンネルのものがとれるようになってまいります。
 以上が大体広帯域幹線と称するものでございます。
○鈴木強君 副社長、いまあなたの言われた各方面への広帯域通信の計画というものは大体わかりましたが、特に、昨年私が質問いたしました中で、世界商業通信衛星の計画については、これはCCIRでもかなり検討を加えておる問題ですね。プラン委員会ですか、あそこでもいろいろ検討しているように聞いておるのですが、それとの関係で私はちょっと記憶にないから伺いたいのですが、今度あなたのほうで、この「世界商業通信衛星暫定組織の計画に即応し衛星通信の商用化を図るため、本夏打上げ予定のHS303A衛星による衛星通信のための諸施設を整備する。」、こういうふうにこれに書いてありますね。そこで、私、ちょっとここで聞いておきたいのは、べーシックシステム、これはどうなっているのか、ひとつこれとの関係ですね。ですから、その計画を繰り上げてやろうとしているのじゃないかと思いますけれども、その辺との関連は従来のHS303というものと、今度打ち上げるHS303Aというものとの関係ですね、これをちょっと伺いたい。
○参考人(八藤東禧君) お答え申し上げます。
 前回におきましても鈴木先生から御質問がありましたとおり、現在の通信衛星暫定組織、これが世界で四十九カ国、現在五十カ国になりましたが、一九七〇年までの間に行なうべき計画として、大体三つの段階を考えておるのでありまして、最初の段階が、一つまたは二つ、三つの星を、幾つかの星を試験かつ運用の目的として大西洋の上に打ち上げていく、第二段階として、世界のほぼ重要な部分をカバーするところの衛星通信網を設定していく、第三段階がいま申し上げましたところの二つの段階の衛星につきまして改善、改良を加えていく、これを行なうことが、現在の世界各国によって組織されておるところの世界商業通信衛星暫定組織の任務であり、目的でございます。
 お話しのベーシックシステムというのは、私ども委員会においてしばしば論議したところでもございますが、一九六八年に、これはひとつ、ほぼ全世界の重要地点をカバーするところの衛星通信組織を設定しようじゃないか、こういうことで進んできたのでございますが、御存じのとおり、現在、宇宙開発につきましては、非常に各種の、目をみはるような実験や試験が行なわれておりまして、そのうちの一つに、アポロ計画と申しまして、月への軟着陸、着陸並びにそれからの復帰ということを目標とするきわめて膨大な計画がアメリカにおいて進行中でございます。これの先行段階といたしまして、現在、六番目までいっておりますが、ジェミニと申しますところの衛星が、そのつど打ち上げられまして、かつて数ヵ月前新聞紙上を非常ににぎわしましたところの宇宙のランデブー、また、今度目的としておるところのドッキングなんというのも、これはすべてこのアポロ計画の前提の重要な実験段階だと思います。この実験段階におきましても、実は若干、衛星通信がアーリーバード、先生のおっしゃいました303号が、ごく一部分でございますけれども、使用されたことがあるのでございますが、このアポロ計画がいよいよ急速に発展することになりまして、こうなりますと、インド洋、太平洋、大西洋、この各地域にわたるところの各関連実験通信局を経由いたしまして、アポロに向かって突進するところの衛星と地上の組織との間に電気通信を行なわなければならない。それについては、このアポロ自体として通信衛星を打ち上げるべきか、または、せっかく世界のおもな国が参加して現在発展中の暫定組織が持つところの星に、お客さんとして所要な改善をはかって参加すべきか、この問題が昨年の半ばごろから非常に論議されたところでございます。いろいろと関係各国で協議いたしました結果、それでは、ひとつこのアポロ計画の通信のための回線提供をわれわれの世界商業通信衛星暫定組織でも提供しようじゃないか、そうすることによって、アポロ計画のほうも、経済的にも進行するだろうし、また、この発展段階にあるところの世界商業通信衛星暫定組織として見ても、また経済的にも、技術的にも、運営的にも有利じゃなかろうかということで、話し合いがまとまりまして、一九六八年に予定されたところのベーシックシステム以前において、このアーリーバードを改良したところの星を打ち上げていく、それが303A号――インテルサット二号と言っておりますが、これを打ち上げていこうじゃないか、この計画に従いますると、太平洋上の上と、それからインド洋の上でございますか、これに二つ星を打ち上げまして、アポロ計画関連の地上局が五カ国でございましたか、アメリカとスペインとイギリスとオーストラリア、その地上局プラス二隻でございましたか、船舶の上に設定されますところの宇宙通信地上局、これらによってアポロ計画に必要なる通信衛星は提供できるというところで、六八年度の暫定組織以前に早めて、ひとつほぼ全世界をカバーするような星を打ち上げていこう、こういうことがきまりました次第でございます。したがいまして、べーシックシステム以前にこれは行なわれますが、私どもが国際委員会においていろいろ検討しました結果、これは協定の上に定められているところの第一段階ではない。アーリーバード段階ではない。これはむしろべーシックシステムのより早められた一つの段階として解釈し、条約を適用していこうということに解釈しておりまして、言いかえますれば、このたび上げられるものもべーシックシステムの一つの部分をなすものであるという解釈で進んでいこうじゃないか、こういうことになったのでございます。と同時にベーシックシステムのほうも、これは後ほど必要によりまして新川博士から御説明申し上げることにいたしまするが、べーシックシステムのほうもいわゆる静止型と申しますか、同軌型衛星でいくか、中高高度の幾つかの、数多くの星を上げたところの、ローテイトしていくところの星でもってやっていくか、これが非常に国際委員会において論議、検討されたのでございまするけれども、ごく最近の国際委員会におきまして、このグローバルシステムも静止衛星、同軌衛星でもっていこうじゃないかということを打ち出しまして、これに必要なるところの各種の製造その他についても、すでにコムサット、支配人であるところのコムサットを通じまして関係のメーカーとも連絡しまして、ほぼ所期の目的のとおり一九六八年には打ち上げられる。しかし、その前にインテルサット二号というものがことし中に打ち上げられて、これによって片や商業通信を行なう、片やアポロ計画にも参加していこうというふうなことに相なった次第でございます。
 ややまとまりのない御説明でございますが、概況はそういうことになっておる次第でございます。
○鈴木強君 これは郵政省に伺いたいのですが、ベーシックシステムのほうは、たしか昨年の事業計画で認可されていると思いますが、この新しいHS303Aというこの星との通信ですね、いま御説明のあったこの計画というのは、ベーシックシステムの協定の署名についての認可というものがあるから、ですから、これはその一環としてもう承認しているのだ、こういうふうにとっていいですか。これは郵政監理官のほう、どうですか。
○政府委員(畠山一郎君) 郵政省が認可いたしますのは、まず第一に世界商業通信衛星組織を設立するための協定というのがございますが、これは政府間協定でございます。その下に特別協定というのがございまして、これが通信事業者間協定でございますので、これが締結されましたときには、郵政大臣が認可いたしました。
 次に、この世界商業通信衛星組織のために分担金を支払うとか、あるいは国際電電の地上施設を整備するとかいうような計画につきましては、毎年の事業計画において認可いたしております。
 次に、衛星を利用いたしまして新しく回線を設定いたします場合には、公衆電気通信法の規定に基づきまして、新しい国際回線を設定するということで認可するということになろうかと思います。
○鈴木強君 そうしますと、ちょっとずれてくるのですよ。まだ実用化は一九六八年ですか、まだあとのことです。あとのことだが、現実には計画についてはどんどん準備をしなければならない。ですから、そういう準備行動というものは、郵政省としても認可をしているのかどうなのかということなんです。それなんです。簡単に言えば。
○政府委員(畠山一郎君) 準備行動と申しますと、具体的には十王地上局の整備ということになろうかと思いますが、これにつきましては一部四十年度事業計画の中に入っておりますが、大部分は四十一年度事業計画の中に入るということになろうかと思います。したがいまして、四十一年度事業計画は現在検討中でございますが、これが認可されますれば、郵政大臣の認可を受けた事業計画として地上局の整備を進める、こういうことになるわけでございます。
○鈴木強君 会社のほうの進捗状況といいますか、それはどうなっているのですか。いま非常に微妙な段階なんです。四十年度の計画の中には、私はなかったと思うのですがね、このHS303Aというやつは。ですから、これがないものが、現実にもうある程度準備行動として入っているということになると、ちょっと問題が起こるわけですよ。ですから、ベーシックシステムの協定を認めたことによってそれが一つの準備行動として動いている場合に、問題がどうあってもよろしいというのか。厳密に言えばやはり問題はありますよ、これは。四十年度は私はたしかないと思うのです、認可書の中に。そうなればその点はどうかということですね。だから会社のほうの状況を聞けばわかる。
○参考人(八藤東禧君) お答え申し上げます。これにつきましては、二つの側面があるわけでございます。一つの側面は、インテルサット二号を世界組織がやるかやらないかという問題でございまして、これは日本が現実にそれを使おうが使うまいが、すでに国際委員会において決定されましてインテルサット二号は打ち上げる、それに関連する先ほど御説明申し上げましたアポロ計画関係の国はもちろん使うし、それからあと残った商業通信のほうも、どこがどれだけ使うかということは、これまた別になるのでございますが、いずれにいたしましても、このインテルサット二号はすでに実行することに国際委員会で決定しております。
 それからこれに対応しまして、では日本としてはどうするかという問題、第二番目に、現在の十三の地上局はインテルサットにおいて公式の手続によって認められたところの地上局ではございません。と申しますのは、御承知のとおりアーリーバードだけが大西洋上にいま上がっているのでございまして、この星が上がってこの星を使う場合においては、関係各国は地上局部分は組織のものではなく自分の国のものでございますので、それぞれの国が設計し建設する、しかしそれをかってに使えるかというと、そうきまっていないのでございまして、委員会にうちの地上局を認めてくれと申請いたします。そこで技術的にいろいろ判定いたしまして、よしお前の国のこれは認めるとかいろいろやるわけでございます。この手続はまだとってございません。したがって、今後KDDとしては、まず国際的にこれを使うときまりまして、KDDが使う地上局をインテルサット関係地上局としてインテルサットの委員会に承認を求める段階が一つあるわけでございます。
 第二の段階には、いざ使うとなりましても、向こうがたとえばインテルサット二号を通じてアメリカと通信いたしますときでも、アメリカ側の業者とこっちとの間に業務協定が成立しなければならぬ。何回線使うとか、電話に使うとかあるいは電信に使うとか、いろいろこれはやらなければならぬ。それができまして両者の間に協定ができても、まだ委員会から何チャンネルという割当をもらわない限りは使えないわけでございます。したがいまして、第二段階で業者間で何チャンネル使おうじゃないかときまりますと、今度は第三段階としては、両方の国から委員会に向けて、おれたちはこのインテルサットを何チャンネル使う、これを承認しろという請求を出すわけでございます。これらの段階が、日本側として国際的にやらなければならぬ段階でございます。
 それからさらに先生がいまお示しになったように、国内的にKDDの事業計画としてどうなるかということでございます。そこで私どもといたしましては、グローバルシステムに対しましては、型がどうなるとかこうなるとか、いろいろ未確定でございましたが、やっと前回の委員会でこれは高々度ということで同軌式にきまりましたが、これにつきまして一九六八年に開始する予定のグローバルシステムに対する地上局の設計もきまり、これによってだんだんやっていきますが、お話のあったインテルサット二号について、早まったこれについて対応するためには、私どもはこのグローバルシステムの施設以前において現存する実験局、御存じのように十王局でございますが、これを何らか手直ししまして、これは差し向き早く実験し早く経験を積みたい、早くお客の用に供してみたいというところから直していこう、これが事業計画に盛り込まれていくわけでございます。しかし、地上局としては、私どもの会社の施設として、これは事業計画で予算に組み込んで手直ししていこうじゃないか、こういう段階になっておりまして、昭和四十一年度の事業計画にはそれを組み込んでおります。ただいま郵政省に御審議を願っておる、こういうことになろうと思います。
○鈴木強君 わかりました。四十一年度の事業計画の中に、いま私が指摘しましたHS303Aの商業化について認可申請しておるということですから、その申請が許可されますれば、具体的に国内通信としての実用化の方向に会社が進んでいけるわけですから、こういう点で了解しました。
 それから、これは各国もそれぞれの国情に応じて準備されておると思いますが、これは時間がありませんから、後ほどひとつ資料として、各国の受け入れ態勢、こういったものを、準備状況を出していただきたいと思います。
○参考人(八藤東禧君) 承知いたしました。
○鈴木強君 それからもう一つ、さっきの資料の観点ですけれども、二十六期のおおよその数字がつかめたら、できるだけ早く、四月に入ってからここに出してもらいたい。その点も一緒にお願いします。
○参考人(八藤東禧君) 承知いたしました。
○鈴木強君 それから次にお尋ねしたいのは、きのうも、ケーブルシップ会社ですか、つくられて、パーティをやられたようで、私も招待状をいただきましたが、私は出席できませんでしたが、このケーブル会社をつくるというのは、一体いつ郵政省の認可を得ておるのか、私は不敏にしてそれを知らない。昨年の事業計画の中にそういうことがあったかどうか、ちょっと私もはっきり記憶しておりませんから、ひとつ教えてくれませんか。
○参考人(八藤東禧君) お答え申し上げます。四十年度の事業計画の中に、このケーブルシップ関係の予算は組み込んでおりまして、御承認を受けたのであります。
○鈴木強君 これは会社法の第二条ですね。郵政大臣の認可を受けて付帯する業務を行うことができるわけです。しかし、私はこのケーブルシップをことさらに別の会社をつくってやらせなければならないという理由がわからない。そういう意味で、認可されておることですから、ちょっと時期おくれかもしれませんが、一応考え方を聞いておきたいと思うのです。これは社長を見ると、やはり大野さんが社長になっておられますね。だからそういうふうな何かこう、会社の名前は違うのだが内容は同じなんだね、これは。国際電信電話株式会社法に基づいて国際電気通信事業というものをやらなければならぬ、こう規定されておるわけですから、第一条において。「国際公衆電気通信事業を経営することを目的とする」こうあるのです。だからこのケーブルシップというのは、この第一条に入らないのでしょうかね。どうしてケーブルシップを特につくってやらなければならなかったかという、そのことを伺いたかったのです。
○参考人(大野勝三君) ただいま御指摘がございましたように、太平洋ケーブル系、これは非常に長いものでございますが、これをいつも完全な状態に保守し、維持していくということは、結局通信の安定を確保する上に不可欠の条件でございますから、保守維持という責任は、もちろん御指摘のとおり会社本来の業務であるということは間一違いないと思います。ただ、その保安維持をいかなる形でやるかということにつきましては、これは諸外国の例を見ましてもいろいろございまして、自分固有のケーブルシップでいざという場合に備えるといういき方もございますれば、第三者の保有しておりますケーブルシップを必要に応じて借り上げて、チャーターベースで使うという場合もありますし、あるいはそうではなくて、実際は専属にあるケーブル系の保守に当たらせるのでありますけれども、そのケーブルシップ自体の維持や運営はこれは別の法人にやらせるというような例もございます。最近の実例は、むしろ最後に申しましたようなのが通常でございまして、アメリカ電話電信会社の場合におきましても、先年横浜に参りまして、諸先生方にもごらんをいただいたと思うのでございますが、ロングラインズ号という一万一千トンのケーブルシップ、これは実はATTの固有の所有ではございませんで、ATTの子会社の持ち船でございます。ただ作業は全部ATTが請け負って専属に使うということになっておるわけでございます。わが社におきまして、さらばどういうわけでこれを別の会社にしたかと申しますと、本来、保守の責任は、もちろん国際電信電話会社が全面的に持っておりますが、この保守に当たらせるいわば物としての船それ自体は、むしろこれを別の法人といいますか、別の機関に持たせたほうがいろいろの点において好ましいということからそうなったのでありますが、そのおもなる理由といたしましては、第一には、この一隻の船だけを持ってこれを運航していきますためには、通信事業体である国際電信電話会社といたしましては、いろいろの点において不便がございます。早い話が船員を確保するにいたしましても、あるいは予備船員の準備の問題とかそういうようなことにしましても、だれか適当な専門の機関にそういうことをやらせますほうがより経済的であり、能率的であるということが言えるわけでございます。
 それから第二には、これは万一のことを顧慮してのことでございますけれども、いずれ海上でいろいろ作業をいたしますので、どういう海難事故が起こるかもわかりません。そういう海難事故の場合などにおきましても、相手に非常な大きな損害を及ぼして当方にその責任があるといったような場合を想定いたしますと、国際電信電話会社が自体の船を持っております場合には、不測の災厄を自分で引き受けなければならぬということでありますけれども、これを別会社にいたしておきますと、その辺の処理が比較的円滑にいけるのじゃないかというようなことが考えられます。
 それから、船自体を持ち、これを運航するという場合には、いろいろとこれは別のまた政府の御監督も受けるというような関係もございまして、通信事業自体とはだいぶ趣の違った点がございますので、それやこれや考え合わせまして、別会社にこの船を持たせますけれども、船がケーブルの保守あるいは修理に従うという作業の面では、全面的に国際電信電話会社の指令によって動くようにいたしまして、ケーブル系の全体の保守に、その船に責任を持たせるということが可能であるというふうに考えたわけであります。
 それからもう一つ、これはこのごろの太平洋ケーブル系のような大きな長いケーブル系に特有な関係でございますけれども、どこどこまでの区間を限ってたとえばある一事業者が専属的に所有を持ち、保守の責任も持つというような、これは昔の電信ケーブルの場合にはそういうやり方でございましたけれども、最近の太い広帯域の電話ケーブルの場合におきますと、いろいろな関係業者がいわば一種のジョイントベンチャーというような形で、共同してそのケーブル系を持ち、共同して保守の責任に当たるというようなやり方がとられておりまして、太平洋ケーブル系の場合もこの例に漏れるものではございません。そこで、今度わが社で建造することにいたしましたケーブル修理船も、このケーブルシップそれ自体の維持費や、保守費そのほか一切の経費は、これは太平洋ケーブル系のために働く船でございますから、関係業者、つまりこれはただいまのところでは七社ばかりございますが、その七社の間でいわば分け持ちでその経費を持つ、こういう形になっておるわけでございます。つまり船自体は国際電信電話会社で全額出資の別会社が持ちますけれども、その別会社の船を持つために必要な諸経費は、つまりケーブル系の関係諸会社七社がこれを分担するということになります。そういたしますと、この経費分担の計算をいたします上におきましても、この船関係がわが社の本来の業務と切り離されて別会社で運営されているということが、たいへん計算を簡明にいたす上に便宜でございますので、それやこれや考え合わせまして、これを別会社で持たせるということに踏み切ったわけでございます。
○鈴木強君 まあ社長の言われることの中にも、私にもわかる点もありますけれども、ただ一番問題になるのは、国際電気通信というのは回線の保持、これはもう絶対の使命ですね、これは短波の場合でも、これはマイクロ――将来宇宙通信をやる場合でも、海底ケーブルの場合でも。ですから、その一番大事な施設を、何か少し御都合主義で経済的にどうとか、あるいは海難事故の場合には体かわしがいいとかいうのは、少し無責任的な態度とすら感じるような、そういう考え方というものが根底にあることについて、私はちょっと納得できないんですよ。ですからやっぱり、しかも分担を七社がして経費をまかなうなどということになりますと、これはやっぱりお互いに経費をまかなっておれば、その会社に対して利権もからんできましょうから、役員を置くとか置かぬとか、そういうことにまでなると思いますから、将来、ですからそういう複雑なものをつくるより、それはやっぱり金がかかりましても、臨機応変に間髪を入れずに保守ができるような体制を国際電電自体がお持ちになっておることが、これは一番必要ではないか、それは船員問題とかいろいろありますけれども、現に電電公社の場合でも千代田丸というのも釣島丸というのもあって公社独自で持って、これは距離的に近いからということがあるかもしれませんが、そういう体制にあるわけですから、これから東南アジアに向けてかなりの拡張をやろうという段階において、私はこれを安易な姿における会社組織にしたということは、少しどうも納得ができないという気持ちを持っておるものですからお伺いしているんですよ。少し安易なんじゃないんですかね。
○参考人(大野勝三君) もう鈴木先生のおっしゃるとおりでございまして、私どもも何としましても、この今度つくります船は、これは大体本来の受け持ち区域は西太平洋部分、大体東京‐グアム‐マニラ、この範囲を守備範囲と予定しておるのでございますけれども、事故が起こりました場合には、もう一切の万難を排しても最先にその事故現場にかけつけて、その修理を行なうという体制をつくり上げるということをまず眼目と考えておりまして、したがってこの船は別会社の持ち船ではありますけれども、そういう事故のためにおもむく作業そのもの、あるいはその行動ということについては、もう一〇〇%国際電信電話会社で自由にできる、そういう仕組みに考えておるわけでございます。いろいろ先ほど申し上げましたのは、さてどうしても船は持たなきゃならぬ、船を持てば金がかかる、そういう金がかかったりいろいろの問題は、最も実際的な立場で最も都合のいい方式を選んだらどうだろうかということできたのでありまして、そのことがかりに修理そのものを妨げるというような副作用を伴うものといたしますれば、これはもう絶対にそういう方法はとるべきではないと思いますが、ただいまのところでは、その辺の懸念はまずないと一応考えたわけでございます。なおついでに申し上げますと、先ほど申しましたアメリカ電信電話会社のロングラインズ号、これは大体ホノルルに始終待機しておりまして、ホノルルと米本土間あるいはホノルルからミッドウェーを経てグアムに至るその区間を受け持つというのでありますけれども、船は御承知のとおり一年に定期的にドックに入らなきゃなりません。ドックに入ったときに事故が起こったといってそれを差しおくわけにはまいりませんから、どっちからでも、いま申しました守備範囲は一応の予定でございますけれども、必ずしもそれにこだわらないでどっちからでも行く。それでも場合によりましては事故の起こった場所によりまして、たいへん現場にかけつけるのに日にちがかかります、航海日数が。そういうことのために手おくれになってはいけないというので、別にまた太平洋地域には、たとえば先ほどもちょっと話が出ました英連邦系のケーブルシステムが一部でき、あるいはどんどん建設されておりますので、その英連邦系のケーブル保守のための船が、これは三隻かそこら太平洋各地におりますから、そういう船も随時応援が願えるようにあらかじめ取りきめをしておる。それからわれわれのほうもこっちがあいていて先方でそういう事故が起こった場合応援に行くという、そういう相互援助の取りきめをいたしております。おっしゃるとおりケーブル系の保守それ自体を最大の眼目として万事考えておる次第でございます。
○鈴木強君 資本金は一億ぐらい出しているんですか。それで会社が出して、そうしてその会社を設立して、三月一日に。今度はその運営についてはまああなたが社長といっているから社長はだぶっているけれども、同じ社長ですわね。そういうふうなことにおいて経営の主体というものは、なるほど国際電信電話会社が持っておるというふうに判断してもいいと思うのですが、実際問題として一般の形においてはですね、一般の船舶通信法ですか、船舶職員法というか、そういったものの適用を受ける職員にこの乗務員は切りかわっていくわけでしょう。早い話が海員組合というのがありますわね。その中に会社の従業員が入っていくという形にならないでしょうか。そうなった場合に、これは労働組合の基本権ですから、ストライキということもやりますよ。せんだってもだいぶ長くやりましたが、そういうストライキに入るような行動は、あなたが社長になってもこれは食いとめられませんね。その場合にケーブルが故障になったというような場合に、国際電信電話会社が直接持っている場合と、会社にした場合の運用の方法というものが私は違ってくると思いますがね。そこはどうですか。そういうことはちょっと考えちゃいかぬかもしれないけれども、具体的な話になれば、そういうことも考えられるわけですよ。ですからやはり、じゃ、KDDが労働組合がストライキやったら同じじゃないかと、そう言えばそうかもしれません。しかし、そのウエートというやつは、多少のことは運用上における妙味が発揮できると思うのですが、ですからそこら辺の会社にしたという経緯が、どうも第二会社というか何というかわかりませんけれども、組織上変わってきてしまいますからね。その辺あなたはだいじょうぶだと、こうおっしゃるけれども、やっぱり不安を覚えるのですよ。一体三月一日に創立をして、これはちゃんとあれですか、株主総会開いてそうして役員もきめてスタートしたんだと思いますが、そうして一億円の資本金を出して船をつくるわけなんだが、一体その船は幾ら金がかかるのか、そうしてその船をつくる金は一体だれが出してくれるのか、この点も一緒に教えてもらいたい。
○参考人(大野勝三君) 最初におっしゃいましたことは、これまた全く私どもも一番懸念しているわけでございますが、そういう万一の場合ということは、これは避けがたいかもしれませんけれども、その万一の場合のために、先ほども申しましたようにまず第一次的にはロングラインズ号が出動いたしますが、そのほか太平洋の各地におりますいろいろな他の各業者のケーブルシップの利用できるやつにすぐ応援をしてもらうというような取りきめをいたしているわけでございます。それから船自体の建造はこれはまだ発注の直前でございまして、正確にどういう値段になりますか、契約がきまっておりませんので、何とも確かなところは申し上げかねますが私どものおおよその見当といたしましては、四千トン級のかなり特殊な設計を持った構造の船でございますから、まあ十六億から十七億の間ぐらいになるんじゃないかと見当をつけております。まだ確定いたしておりません。そういたしますと、資本金一億円の会社でそれだけの船を持つには、資金の手当てが必要でございますが、この所要の資金は全部国際電信電話会社から貸し付け金としてこのケーブルシップ会社に融通をするという、こういう計画になっております。
○鈴木強君 船は大体いつごろ竣工するのですか。そういう計画をお持ちになってやっているんでしょう。
○参考人(甘利省吾君) 現在、仕様書がほぼ完成しまして、契約の手続をいたしておりますので、大体目標といたしましては、来年の五月一ぱいということに予定いたしております。
○鈴木強君 新会社の定款ですね、それからこれからの事業計画、こういったものをひとつあとで出していただけませんでしょうか。これはまだいろいろ私伺いたい点がありますけれども、一応そういう内容を拝見してからまた次の機会に詳細な点はお伺いしたいと思いますが、それはよろしゅうございますか。
○参考人(大野勝三君) 承りました。
○鈴木強君 それから四十一年度計画の中にあります東南アジア海底ケーブル建設計画ですか、これは政府がこれからおそらく認可されると思いますけれども、具体的にはどういうふうなかっこうになりますか、東南アジア海底ケーブル建設計画というのは。
○政府委員(亀岡高夫君) 東南アジア・ケーブル建設計画につきましては、当面台湾、 フィリピン、ベトナム、カンボジア、タイ間ケーブル約二千五百海里、建設費の概算といたしまして約百二十四億円というのを目標にいたしまして建設したいということで、わが国とこれらの諸国との既設の太平洋ケーブル回線によって接続する。そうして通信をしていきたいということで、目下関係国とよりより折衝中でございます。外務省と協力いたしまして各国との了解をつけるために努力中でございます。
○鈴木強君 これは聞くところによりますと、何か特殊な法人格を持った会社組織のようなものをつくって、そしてそこでもって共同で投資をやつて、この投資の額についても分担をしてやるというような、そういう計画をお持ちのように伺っているのですけれども、それは事実ですか、そういうふうなことになるのですか。
○政府委員(亀岡高夫君) 大体ただいま鈴木先生のおっしゃったような線で考えておるわけでございますが、詳しい点は畠山監理官のほうから御説明いたします。
○政府委員(畠山一郎君) いま先生のおっしゃいました会社は、ケーブル建設保守会社のようなものでございます。問題は関係の各国が本来分担すべき建設費をすぐには出せないというような状態にあるということでございます。それに対しまして、日本としてあるいは政府としてどう援助するかという問題でございますが、一応いま郵政省として考えておりますのは、そのケーブル建設会社がケーブル建設の作業を行なうわけでございますが、完成いたしますと、関係の各国、もっと正確に申しますと、関係各国の通信事業体に対しまして、それぞれケーブルあるいは回線を販売するわけでございます。その場合に販売代金を延べ払いにすることにしたらどうか、そういたしますと、このケーブル建設会社がそれだけの資金手当てをしなければなりませんから、それを政府ベースの低利長期の融資でまかなってはどうであろうかという、郵政省といたしましては、そういう構想で関係の各国及び国内の関係各機関と折衝を進めている次第でございます。
○鈴木強君 これは会社のほうの「労務速報」というのを拝見しておりますが、これのナンバー・ワンに「東南アジア海底ケーブル建設計画の現状等について」この中に板野常務の説明がございますが、それを拝見いたしますと、いま監理官の言われたような台湾‐フィリピン‐タイ間の建設百二十四億円については、延べ払い条件等についても一応有利な条件を考えて大蔵、通産等とやっておられる、こういう情報があるのですが、これにはたとえばこの計画を実施する場合に、有利な資金を借りることができるかどうかということが一つ、それから関係国がこういったプランを承認して参加してくれるかどうかということが、二つ目の問題になると思います。それから三つ目には、米国とかあるいは香港等がそのでき上がった回線をどの程度それを一緒になってやってもらえるかという、具体的には買い上げてもらえるかというそういう問題があると思います。いずれにしても早い機会に国際会議等も開いて、これは郵政省、外務省、通産、大蔵等々とも十分連絡をとらなければなりませんが、そういう国際会議等を早く招集して、この構想があるなら、この構想について推進する必要があろうかと思います。聞くところによりますと、会議のほうが先ばしったとか先ばしらなかったとかいうことも聞いておりますが、やはり国際通信というのは、いまの時代に非常に急速な進歩をしたものでありますから、それぞれの科学的な開発も会社でやられていると思いますが、そういうことはどっちがどうとかいうことじゃなくて、政府として積極的にそういった計画を推進するように早くやりませんと、これはやはりイギリスはイギリスで隠密のうちに計画を進めているようにも私は聞いておりますから、これは早い時期に決断することが必要だと思います。もっと積極的に国際会議というか関係国の会議を開くということを、そういう点の御配慮を次官にお願いしたいと思いますが、その点はいかがでしょうか。
○政府委員(亀岡高夫君) 私も政務次官就任以来、東南アジア関係諸国との友好を深める一つの要素として、通信網を確保したいという気持ちから、郵政省として従来いろいろやってまいりました調査なり、関係国との折衝なりを基礎にいたしまして、ただいま鈴木委員の仰せのとおり促進をしたいということで、事務当局に対して指示を与えてきておったわけでありますが、ただいまのところ外務省とも協力いたしまして、できるだけ多くの国に参加してもらいたいという気持ちで、各国と個々に折衝をいままで重ねてきているわけでありますが、やはりなかなか微妙な各国間の関係がございまして、日本の思うような線になかなかリードできないで苦労しているという現況でございますけれども、今後とも外務省と緊密な連絡をとりまして、さらに大蔵省の協力もいただきまして、御趣旨のような線で促進をしたいというように考えている次第でございます。
○鈴木強君 これは「世界の主な大陸間海底同軸電話ケーブル網」というのがございますが、これを見ますと、SEACOMですね、英連邦の。かなりこのプランを持っておりますね、ダーバン‐モンパサ‐セイシェル島‐カラチ‐ボンベイ‐コロンボ‐ペナン、シンガポール‐ジャカルタ、ずっとバンコクからマニラ‐香港、こういうようなかなり計画を持っているわけでありますが、こういうものと、日本が建設しようとするこの海底ケーブルとの問題、私は現状の国際通信の姿というものをかなり変革してくると思います。今日東南アジアは何といっても東京、大阪関門局がアジアの関門局になっている。そういうふうな高い地位を占めているのでありますが、まごまごしておりますと、日本のメインである関門局というものが、南のほうにずれていくような気がいたします。シンガポールにするかペナンにするかわかりませんが、そういう危険性すらあると思うのです。いま特に私が次官にお願いしたのは、そういった国際競争の激しいときでありますから、それはやはり財政的援助というものを考えませんと、なかなかむずかしかろうと思うのです。ですからその辺もさっき私申し上げた、最初にあなたにお願いしましたね、国際通信のこれからの拡充計画に対するやはり政府としての財政的の援助といいますか、そういったものを期待しなければ、通信図が変わってしまうように思うのです。その辺もう一度私はこの問題を終わるについて、次官の決断をお願いしておきたいと思うのです。いずれ私はこの衛星通信については、いま放送衛星とか、一般の通信衛星とかいろいろ各界でいろいろな意見が出てまいりまして、三者三様の意見がありまして混乱しておるわけです。郵政省の電波監理局長の上田氏は、個人の私見として宇宙通信に対する個人の考え方を発表されております。また林龍雄先生もまた出しておる、新川先生もまた構想を持っておられる。いろいろ甘い考え方、それから辛い考え方いろいろありますから、これはまた私あらためてこの委員会で委員長にお願いして、通信衛星についてはそういった各界の皆さんの御意見を伺うような機会を持ちたいと思っておるのですが、そういった問題についても、やはり金がかかります。ですからやはり政府の各国に立ちおくれない通信政策を確立するのだという上に立ってのあたたかい援護射撃というものを、われわれは強く望んでいるわけですから、そういう意味で、もう一度くどいようですけれども、政務次官にお願いしておきたいと思います。
○政府委員(亀岡高夫君) 全くお説のとおりでございまして、私どもも鈴木委員の仰せのとおり、国際電気通信網の整備という面につきましては、政府もできるだけの努力を注いでまいりたいとこう考えておる次第でございます。
○鈴木強君 それからこれはまた私、きょう野上委員もまだ御質問があるようですから、もう一回あとで伺うことにいたしますが、もう一つ、二つ、実は緊急の問題がありますので、その点をお伺いしたいのですが、これはひとつ資料として時間がないから出していただきたいのですが、この計画にもあります日韓間の電信電話の拡充について、この広域帯通信幹線の建設を進めると書いてあるだけですから、よく内容がわかりません。しかし現実にわれわれは島根県の浜田市に散乱波による通信、送受信所の建設をしておるという計画があることも聞いておるわけです。したがって、現在の無線通信というものが、韓国の間において現状がどういうふうになっておるのか。それからこれをどういう理由によって浜田‐蔚山。いやこれは蔚山の近くに何とか山というのがあるそうですが、その山との間の散乱波通信をやるらしい、その先は京城までマイクロウエーブでやる。そういう構想があるようですから、現状の通信回線の状態と、それから取り扱い数、それから将来こういう施設をつくらなければ日韓間の通信はうまくいかないというそういう構想を持っておると思いますから、それを大体どういうふうな関係になっていくか、それから浜田とあっちのほうの通信については、これは日本電信電話公社との関係でどうなるか、この辺の構想と、建設資金はどのくらいかかってどうなってくるのか、その運営については一体どうなるのか、そういう点も含めてひとつ資料として出していただきたい。それからさっきの問題もありますから、またもう一回機会をあらためてお伺いしたいと思っております。
 それから最後に伺いたいのは、これは福岡の受信所の廃止問題ですが、私は先般自分の時間をとりまして現地を拝見さしていただきました。そういたしますとあそこへ行って見て驚いたのは、受信所のアンテナの下の中に、いっぱい家が建っているわけですね、一体どうして上にアンテナがあって下にどんどん家が入ってきて侵食されてしまっているのですね。あれだけの土地を確保しておったのですからもう少し手ぎわよく、あそこをこれからも使えるような早い手が打てなかったのかという気が一番先にしたわけです。それが一番問題ですから、最初にいまこの問題をめぐって組合と皆さんのほうで真剣に考えてくださっていると思いますから、まず逐次伺っておきますけれども、その土地の確保について、どうしてあんなに、どんどん家が建ってくるような下手なことをしたのか。もっと早目に手を打って、受信所としての地位を永久に確保するようなことができなかったのでしょうか。その点を伺っておきます。
○参考人(大野勝三君) 御承知のとおり、送信所にいたしましても、受信所にいたしましても、非常に膨大な敷地を必要といたしますので、いままでの過去の長い間のやり方といたしましては、もうどうしても所有しなければならない最小限度の土地は所有をいたしますけれども、アンテナの敷地といたしまして、広い地域を必要とする部分は大体借地できておるのでございます。それでそういたしますと、借地はアンテナでカバーされる広い面積を全部借地しておればこれもだいぶ話が違ってまいりましょうけれども、実際はアンテナの柱を建てている部分だけを借地しているということでございまして、したがってアンテナ下の部分は一般の自由に使える土地になっているというような場合も多うございます。福岡の場合もその例でございまして、御指摘のように、こうなる前になぜ手が打てなかったかと申されますと、全くどうも頭を下げざるを得ないのでありますけれども、御承知のとおり、初めに買っておけばよかったのですが、そういう借地方式で長くきておりますものを、いま急に土地を買い上げるということになりますと、今日の情勢では非常にこれはむずかしい。経済的にもむずかしゅうございます。金は幾ら出しても、売りたくないという地主もございますから、なかなか事がスムーズに運びません。それに一方、これは福岡はアンテナの下の部面は、これは相当長い間の土地の所有者などもよく理解をし、協力をしてもらいまして、最近まではあまり建物がなかったのでありますが、ごく最近ああいうふうに建物ができ始めましたのは、というのはいまのような借地、しかも柱のところだけは借地という事情もございますけれども、一つにはあの地域が非常に東京都の周辺の、いわばベッドタウンというのですか、非常に発展をしてまいりましたので、どうもそういう一つの社会情勢の変化というか、そういう波にどうも抗し切れないというような面もあったかと思うのでございます。一方われわれのほうからいたしますと、そういうふうにアンテナの下がかりにあき地であるとしても、周辺に市街地が形成されると、いろいろな工場がきたりしますと、そのための雑音の影響というものも避けがたいわけであります。このためにはどうしてももっと雑音の少ない、そしていろいろ条件がいい土地に新しい送信所なり受信所なりを設けるほうが、自他ともに得策ではないかというようなことで、今回福岡は結局大部分を新しくつくります北浦の受信所に、また一部はその近くにございます小室の受信所に移すことにいたしたわけであります。どうして手が打てなかったかとおっしゃいますと、全くどうも頭を下げざるを得ないのであります。
○鈴木強君 昭和三年にあそこが建ちまして、以来星霜ここに三十八年間幾多の人たちが事業愛をもって守り抜いてきたのですから、私も行ってきましたが、どうも離れがたい事業に対する愛着を持っておりますね。ですから死んだ子の年を数えるようなものだが、やはりみんなが考えるのは、どうして会社はもっと早くこの土地を確保するような手を打ってくれなかったかという考え方が根底に強くありますけれども、しかし現実にああいうふうにどんどん家が建てられて、夕べに一城、明日に一城という形でどんどん家が接近してくる、こういうことになりますと、また何とかしなければならないという気持ちもある。ですからそういった時代の進展それから事業の発達に伴って、いろいろと変化があるということはわかります。ですから、私はそういうことがあるだけに、この開局の問題については、ほんとうにあそこに働いている所員の気持ちというものを十分考えて、最高のひとつ手を打つことが、いま残された会社のとるべき道ではないだろうか、こう考えるわけです。ですから、北浦、小室なりにそれぞれ分かれているそうですが、小室も、いうならば最新的な受信所ですから、リモコンで何でも東京でやれる、人は要らないというようなシステムをしいております。福岡のはどうかと思いますけれども、いずれにしても、そういった現段階に置かれている所員の気持ちというものを、社長はよく御存じだと思いますから、そういう上に立って、労働組合もありますから、KDDの労働組合とせっかく話を進められていると思いますが、昭和四十三年でございますか、その開局になりますのは。ですから、早目に計画を、互いに腹を割ってどうしたらみんなが納得できるかという気持ちを、やはり根底に置いて話し合いをしていると思いますが、簡単にその状況等を報告していただけませんか。
○参考人(大野勝三君) いまおっしゃいましたと同じような気持ちで、私どもはすでに組合及び福岡の所員の人たちと話し合いを始めております。全くおっしゃるとおり、所員の方々につきましては、いわば不測の今度はできごとでございますから、お互いの事情もできるだけひとつ取り入れて、無理のないような方法で円満に移転ができますように、今後とも腹を割って話し合いを進めていく考えでございます。
○鈴木強君 それで、労使間における合理化に伴っていろいろな変化が出てまいりますが、その場合には、やはりあくまでも納得の上においてその問題を解決するということが筋だと思うのです。この電電公社と電電通の労働組合との間に、合理化に伴う基本的了解事項というのがございます。これは、第一番には、首切りはやらね、合理化によって首切りはやらぬ、これが大前提です。もう一つは、合理化がどんどん進んでいくことによって生産性が向上する、その場合には待遇をよくしていくのだという、簡単に言えばそういうことだと思うのです。私はいろいろ国際の職員の給料が高いとかという話も聞きますけれども、これは根本的にもう一回ここで論議しなければならぬ、そういう意見がもしあれば、設立当時の佐藤いまの総理が郵政大臣のときスタートしたのですから、そのときの思想というのは、国際並みの待遇を与えることです。そうして国際並みのレベルに会社をすることが要求されているのですから、成績があがれば国際並みの給料を与えることはあたりまえです。それをほかが低いからといって低いところに置いておく。私はその問題を繰り返しませんけれども、いずれにしても、労働条件というものを、待遇を改善していくということが、絶対必要だと思います。ですから、そういう意味において、せめて首切りはしないとか、あるいは労働条件は合理化が進展していくことに伴ってやってやるのだという、そういうような大筋の会社と組合間における確認事項といいますか、そのやり方は私はここで別にどうしろとかこうしろとか言いませんけれども、そういう思想に立って話し合いをする御決意はないでしょうか。私はそれをぜひやってもらいたいと思う。そうしませんと、これは非常に開局の問題についてはめんどうなことが起きますよ。どうですか。
○参考人(大野勝三君) 御趣旨は、もう全く私ども同感でございまして、その線に沿っていままでもやってきたつもりでございますが、これからもやっていきたいと存じます。
   〔委員長退席、理事光村甚助君着席〕
○鈴木強君 それから最後に一つ。会社の経営が非常に困難になってきておりますね。そこで、現在会社がとり得る道は、第十条によって社債を募集することが一つですね。いま資金手当てについてあなたにさっきお願いしましたが、その方法として国際電信電話株式会社法に基づいて一つは社債の募集ができるのです。もう一つは返済期間が一年をこえる資金を借り入れる場合にはこれは郵政大臣の認可が、もちろん社債の募集も郵政大臣の認可が要るわけですが、そういうことによって資金を調達する方法が一つあるのです、会社には。これはいままでとっておらないものですから。いずれにしてもそういう方法もあわせ考え、それからまた、田中角栄さんのときですか、料金を少し下げましたね、国際電報料金でしたか。そういうようなことも関連して料金体系に多少手心を加えて増収をはかるとか、こういうようなことをやっておるのですか。私たちは上げることは絶対反対ですよ。だからそういう意味において政府がめんどうを見てやれということを言っているわけですから、だからそういう点ですね、まず会社のほうとして、いま私が申し上げた十条の発動ないしはいま申し上げたようなことを考えておるかどうか。
○参考人(大野勝三君) 資金調達の手段として、あるいは道として、御指摘のようなふうに法律の保護もございますので、いざという場合には、それにもちろんたよらなければならないが、当分の間はそこまでいかないでもやれるという見込みでございます。
○鈴木強君 じゃ、これで終わります。
○理事(光村甚助君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
○理事(光村甚助君) 速記を始めて。
○久保等君 ちょっと資料要求。郵政省にお尋ねしたいと思いますが、国際電電の決算報告というものはあるのですか。損益計算書なり貸借対照表、そういったようなものは定期的に毎年とっておるのですか、いないのですか、国際電電から。
○政府委員(畠山一郎君) 定期的に半期ごとに提出されております。
○久保等君 それでは、先ほど来年度の事業報告について資料を提出されるようなお話があったのですが、参考までに四十年度の事業計画あるいは途中で事業計画の変更があったりした場合、当然これは郵政大臣が認可をするたてまえになっておりますが、そういった四十年度の事業計画変更分を含めて資料としてお出しを願いたいと思います。それから、いまいう決算報告的な報告書、これも普通年度過ぎのいつごろ、四十年度の場合だったら出る予定になっているのですか、いままでの例によると。
○政府委員(畠山一郎君) 国際電電では半年ごとに決算を行ないまして、その期がたとえば三月に終わる年度でございますと、五月末に株主総会にかかっておりますが、その少し前に郵政省に来ております。したがいまして、一カ月半ということになります。
○久保等君 三十九年度の上半期、下半期、それから四十年度の上半期の分をひとつお見せ願いたいと思います。それだけ資料を要求しておきます。
○理事(光村甚助君) 資料よろしいですか。
○政府委員(亀岡高夫君) 承知いたしました。
○野上元君 時間がなくてまことに申しわけないのですが、しばらくひとつごしんぼういただきたいと思います。
 先ほどロングラインズ号の問題にからんで、ケーブルシップの建造問題が出たのですが、太平洋海底ケーブルを建設されたときに、おそらく両国の間に一つの協定があったと思うのですが、そのときには保守についてはロングラインズ号がやる、こういう一つの契約になっておったのじゃないでしょうか。
○参考人(大野勝三君) 太平洋ケーブル系の保守については、すべてのパートナーが責任を負うという契約でございまして、ロングラインズ号とかいう具体的な船は指定してございません。
○野上元君 しかし、実際には現実に動いている船はロングラインズ号以外にはなかったんじゃないですか。
○参考人(大野勝三君) おっしゃるとおりでございます。
○野上元君 したがいまして、当時日本としてはケーブルシップの問題を考えられたかどうか知りませんが、当時の状況から見ればロングラインズ号がやれる、こういう見通しを立てられておったと思うのですが、このケーブルシップを日本がつくって、ロングラインズ号の行動を補完していかなければならぬというような実績があらわれたので、その必要に基づいてやられるのですか。
○参考人(大野勝三君) 当初から、実はこれは協定にはございませんけれども、先ほど申しましたように、協定上にはすべて責任を負っておりますから、パートナーは、ロングラインズ号が現に建設を終わってしばらくは太平洋地域におるものといたしますれば、これに保守をたよることにするけれども、しかし、何ぶんにも広い太平洋地域の全面を一ぱいでは不十分でございますので、どうしても西側、まあ日本側に一ぱい修理船がほしいということで、関係者の間ではKDDがケーブルシップを一ぱい持つということは当初から暗黙の了解がありました。
○野上元君 先ほどの御説明によりますと、これはアメリカとの二国間の話し合いであって、今度KDDが子会社をつくられて、ケーブルシップをつくられるわけですが、それの守備範囲はもっぱら太平洋ケーブルの西太平洋面に属する、こういうお話がございました。それはもう相互援助の関係で若干の行動半径は広がると思いますが、原則としてアメリカとの間の話し合いであって、将来、皆さん方が予想されておる日本海海底ケーブル、あるいはまた東南アジアの海底ケーブル、あるいは日韓間の広域、広帯域通信が完成した場合における海底ケーブルの保守、こういうものについては全然このシップは責任を持たないのですか。
○参考人(大野勝三君) 最初は、実は国と国とのこれは話し合いでございませんで、業者同士の話し合いでできておるものでございますから、当初のパートナーはアメリカの電話電信会社と、ハワイの電話会社と、それにこの国際電電、その後、RCAとか、ITTとか、フィリピンのロング・ディスタンス・テレフォン・カンパニーとか入ってきましたけれども、いまでは七社になっております、関係業者が。この関係業者七社でいわば共同責任を持っておりますが、太平洋ケーブル系の保守に当たらせるために今度新しいシップができますと、さしむき第一次的にロングラインズ号とわが社のこの二隻が当たりますが、この二隻が当たるについて、その責任とか、経費の分担とか、そういうことについては、別途また関係業者の間で取りきめをいたします。その取りきめをいたします中に、もし手あきであればどっかのケーブルシップがほかの建設工事に行ったり、あるいはほかのケーブル糸の事故の修理に出向いたりすることは差しつかえない。ただし、それは本来のケーブル糸の修理に差しつかえを生じない限りにおいて認めよう。その場合には、しかしお互いの経費の分担の責任は免れますよといったような条項がおそらく正式取りきめができれば入ると思います。現にこれは大西洋ケーブル系の保守の場合にちょっとその先例が、ございますので、そういうふうになりますから、繰り返しになりますけれども、太平洋ケーブル系の保守を第一義といたしますが、余裕があるときはほかのほうに出動してよろしい、こういうことになるはずでございます。
○野上元君 わかります。あなたの言うことはわかりますが、私が心配するのは、太平洋の水域があまりにも広い、したがってロングラインズ号だけでは万全を期しがたいので、日本側においてもケーブルシップを建造する必要がある、こういうのが今度の理由だと思うんです。それを延長しますと、今度はこの日本のケーブルシップが西太平洋と将来敷設されるであろう日本海その他の海域におけるケーブルをも保守する責任を持つとするならば、これもまた広過ぎるということになって、日本はもう一つケーブルシップを建造しなきゃならぬ、こういう理屈にもなるし、将来そういう可能性もあるんじゃないですか、その点はどうなるんでございますか、それを考えて今度子会社を建てられるんじゃないんですか。
○参考人(大野勝三君) さしむきそこまでは考えておりませんのですけれども、御指摘のような日本海とか東南アジア・ケーブルの新しいケーブル系ができますれば、そのほうの保守に必要なら、もし一ぱいでは足りない、もう一ぱい要るということであれば、当然それは将来の課題としては浮き上がってくると思います。しかし、この場合には、東南アジア・ケーブル系にはまた別のパートナーが出てまいりますし、日本海のケーブル系にはさしむきは日本とデンマークとソ連ですけれども、この三者がさしむきの関係当事者になります。そういうことで、ソ連はケーブル系にはどこまで関与しますか、まだ問題はっきりしませんけれども、直接的にいえばデンマークと日本です。デンマークは現在すでに電信のケーブルがございますから、一ぱい修理船を、あれは香港と提携しております。そういうことで、この修理船でまかなえればよし、まかなえなければ新しいやつをもう一ぱいつくろうというような話が起こるかもしれません。その場合には、それはデンマークと私どもの話し合いでできることで、今度できますケーブルシップ会社とあるいは別の場面でそういうことが起こるかもしれません。ですから、先のことはちょっとわかりませんが、必要性が出るかもしれぬということはお説のとおりだと思います。
○野上元君 私は、大野さんの深慮遠謀をもってすれば、当然将来の見通しを見ながらこのシップ会社をつくられるのだと思ったのですが、一つだけつくるのに、子会社をわざわざつくってというような考え方もあると思うのですが、その点はあなたは可能性もあるということですから、将来をひとつ見たいと思うんですが、いずれにしてもまあ大きな関心をみんな持っていますから、事前によくひとつ関係の向きと御相談願いたい、かように申し上げておきます。
 それから、ただいま資料もらっただけで質問いたしますから、少し当たらないところがあろうかと思いますが、まず最初に会社の損益、収支の状況についてお伺いしたいんですが、二十二期の損益、収支の計算のやり方が、商法の改正によって変わっておりますね。したがいまして、当期利益金の中の比較を見ますると、二十一期に比べて相当ダウンしておりますが、これを旧方式に引き伸ばしたら、どのくらいの収益になるんですか、その点をひとつ御説明いただきたい。
○参考人(大野勝三君) ただいま二十一期、二期の数字を持ち合わせませんのですが、概略を申し上げますと、差は主として、利益に税金を込めて計上するか、あるいはもう税引きで計上するかということが大きな差でございますから、そうしてもしその二十二期以降は、税引きでなしに従来どおりのやり方をすれば、もちろん利益は少しずつ上昇しておりますから、前期よりはふえておるはずでございます。決して数字面で見るよりダウンしていないと思います。
○野上元君 経理担当の方がおられたらお聞きしたいんですが、具体的に聞きますと、二十一期と二十二期の利益金の差は、二十一期のほうが四億七千万円ですか多いわけですね。この四億七千万円が、たとえば税金になっておるのか、あるいは旧方式によればこの二十一期をこすだけの利益金があったのかどうかですね、その点だけが知りたいんですがね。
○参考人(清田良知君) ただいま手元に資料ございませんので正確には申し上げかねますが、たぶん二十一期よりも多少収益はふえているものだと存じております。つまり、税金だけでどういうふうになっていますか、その税金を引いて収益を計算すれば大体見当がつくと思います。できましたら、後ほど詳細に調べて提出いたします。
○野上元君 資料ないそうですから、これはやむを得ないと思いますが、あとで資料ができましたら、ついでのときにお知らせいただきたいと思います。というのは、私が知りたいのは、この損益の収支における利益が逐年増加しておるのか、あるいは少しずつ下がりつつあるのか、それを実は知りたかったのですが、計算方法が違ってしまっているものですから、計算ができないわけで、比較ができないのでちょっと聞いたわけですが、それともう一つは、この収支計算の説明によりますると、まあ利益金がずっと毎年上がっておるわけですが、最初のやつは三十五年ですね、十五期のやつは三十五年ですから、二十五期のやつは四十年です。その間五年間の差があるわけですが、したがってこれも、計算するのに、比較するのに非常に私は不適当だと思うのです。いわばここへ出ている数字はノミナルな数字ですから、これだけを比較してもだんだんよくなったとは言えないわけですね。実質的なものがどういうふうに動いてきたのかという点がなければ実際の営業内容が正確に比較検討できないと思うのですが、この実績に引き直したものはないのですか。
○参考人(八藤東禧君) この二十一期と二十二期の差は、これは明らかに利益金計上の方法は、商法の改正によりまして税引きの利益金を計上するということになったので、したがって大ざっぱに言えば半額その前までは税込みの利益金として計上しておった。そのほかのほうの収益のほう、これはこの間実績そのままでございまして、変わりましたのは当期利益金の差額でございます。
○野上元君 もう一つの質問の、たとえばそうであっても、物価の変動あるいはその他の経済情勢の変動によって、ノミナルな数字だけで前年度と比較していく、あるいは数年前と比較していくことは、必ずしも合理的じゃないと思うのですね。どうしても物価の変動等を十分に考慮した実質的な収益というものを三十五年度と比較していかないと、実際のKDDの経理内容がよくなったのかよくならなかったのかということが正確につかみにくいと思うのですが、実質的な収益の金額というものが出されておらないというと……。
○参考人(八藤東禧君) たいへん野上先生はアカデミックに非常に深い質問でございます。大体におきまして、おそらく私は、いずれの会社におきましても、何を基準にして実質を出すかということになると、学説もあれば、統計もあれば、いろいろ分かれるところだと思います。したがって、私どもとしては、現在あるようなさような特殊の理論的な、あるいは学説的な方法をもってそういう数字を出すということはいたしておりません。
○野上元君 私もこういう損益計算書にそれを出せと言うのじゃないのです。私は、あなたのほうは経営担当者なんですから、自分の事業がよくなったのか悪くなったのかということを比較する場合に、検討する場合には、ただ数字だけではまずいと思うのですね。三十五年度と四十年度では物価が相当変動していますね。おそらく三〇%くらい変動しているんじゃないかと思います。したがって、実質的なものはこれから三〇%引くとすると、三十五年と比較して一体四十年はどれくらいになるかということは、経営担当者として当然私は把握しておらなければならぬのじゃないか、こう思ったからちょっと聞いてみたのですが、これにそういう数字を出せということじゃないのです。参考としてやはりそういうものがないと正確な営業内容は把握できないのじゃないか、こう考えたのでちょっと質問してみただけです。将来ひとつ参考にしていただきたいと思うのです。
 それからもう一つは、KDDの場合は国際的な電信電話をやっておられるわけですね。国内は電信電話公社がやっておられる。事業の内容は大体同じだと思うのですが、主として営業方針から言いますと、電電公社の場合は需要に対する積滞数をいかに充足するかというのが一番大きな問題になっております。したがいまして、何カ年計画というような長期の計画を立ててこの需要積滞を解消していこう、こういう方針をとっておられるんですが、おたくのほうの営業の方針としては、需要の積滞数を解消していくのが方針なのか、それとも技術革新に伴ってサービスを改善し、そして市場を拡大して、そして営業内容をよくしていくという方針なのか、それはどちらの方針なんですか。
○参考人(八藤東禧君) お答え申し上げます。
 たいへん広範なむずかしい問題でございますが、しかし大体におきまして私どもが日ごろ仕事をさしていただいておるところの基本的な考え方としましては、電電公社におけるような、加入したいお客さんがいるのに加入できないのだというふうな問題は、これはほとんどないのでございます。ただ、通信がどんどんと伸びていく、しかしながらそれを運ぶだけの通路――回線ですか、そういうものがうまくマッチしていきませんと、お客さんがたいへん、どこかへ電報を打つのに何時間もかかる、誤謬が多い、電話をかけるのに一週間に三日、二時間もかかるのでは困るじゃないか、いろいろな問題があると思います。これはまた当方だけではいかんともいたしかたないことでございます。相手国の協力なくしてはできないことでございます。第三国の協力がなくてはできないことでございます。
 むしろ私どもの考えの第一点は、日本の国際電気通信が早く、そうしてできるだけ安く相手国に到達し、また相手国が打てるようにして、お客さんのトラフィックをさばいていく、そのために一体どういう施設をしなくちゃならないか、あるいはどこの国が一体悪いか、その国とよくするにはどうしたらいいのかということを絶えずやっておるわけであります。
 第二点のほうは、これは最近、世界の各国際電気通信事業のトップマネージメントのひとしく頭痛としておるところでございますけれども、衛星通信なり高圧式ケーブルというのは、在来の方式と違いまして、最初には非常に一これが五年、十年たったならば一ぱい、フルになるかもしれません。しかし、最初にはごく少数の、あまりそう多いいわゆるお客さんが来ない、来なくてもこの際これをやっていかなければいけないのだ、こういう問題がある。言いかえれば、簡単に申し上げれば、世界の電気通信技術の発展におくれるようなことをしてはいけない、必要の際においては、そこへ大胆にそういう新しい施設、技術を関係の国と協議の上にそれをあらかじめ建設していこうじゃないか、こういう問題があるわけです。
 これは国内の電電さんにしても同じような問題をお持ちだと思うのですが、いま申し上げたトラフィック、国際電気通信事業というものが早く、確実に、安くいくようにということと、いま申し上げたような新しい技術、施設というものをタイミングよく拡張していこう、この二つが私どものおもな考え方でございます。
○野上元君 おたくの経営は株式会社ですから、当然株式に対する配当があるわけですね。大体一割配当というような見当をつけられておる。そうして、従業員を多数かかえて、これに賃金を払わなければならぬということになると、一定の制約があるわけですね。株式会社としての制約があるわけですから、いま八藤さんが言われたような、大局的に立って、高所、大所からのことばかりを考えておれないと思うのですね。やはり収益というものを考えながらやらなければならぬと思うのですが、たまたまいまあなたが言われたような考え方がおたくの営業方針としてとられた場合に一も、収益との関係はバランスがとれておる、こうしう考え方ですか。
○参考人(八藤東禧君) 非常にむずかしい問題でございます。で、たとえば太平洋ケーブルの場合におきましても、私どもは――当時において百二十六チャンネル、現在においては百三十六チャンネル、回線があるわけです。日本は一体何チャンネル買うのだ。言いかえればどれだけジョイントベンチャーとして投資していくのか。その際、私どもはとるのに、五年なら五年、六年なら六年というものを考えて、その間における需要が十分疎通できるような限度のチャンネルを必要とするだろう。そうすれば、それに幾らかかる。これによって運ばれる通数は、予想とすれば、国際電信として日本がもらう金はこれだけある。そうすれば、これは大体においてそろばんが合うのじゃないか。こういう限度から予想される需要とそれからまた収益性ということをにらみ合わせながら、できるだけその間のバランスを失わないようにしていきたい、こういう考えでいきますが、たとえば東南アジアの非常におくれたところ、そういうところにどうしても回線を引かなくちゃならぬ。しかし、たまたまある年度の二、三年において極端にそことの貿易関係がばあっと上がることがある。お客のほうからすると、どうにかせいどうにかせいと言われる。そういう場合には、先行きはいざしらず、当面のお客の需要に応じて何らかの方法で通信の疎通の方法を改善しなきゃならぬ、施設もそうである。そうすると、それが一般的経営からいって赤字線なのかそれとも黒字線なのかということが出てくる。私たちはそれを、黒字線でなければいたしませんということは、これはやはり日本の国際電気通信事業を一人責任を負わせていただいてやっておる私どもとしては、もうからぬからやりませんということは言えないわけでございます。かといって、それではもうからないものも何でもやるか、それは先生も御指摘になったとおり、そこには一定のそれぞれのやはり大ざっぱながらも目安が出てくる。たとえば、ある国となぜ開いていない、ある国と開いているじゃないか。――その間に、両国間のトラフィックの状況から見たり、あるいは各種のデータ、資料から割り出してみて、これは当分、二、三年やっていればこうなるという見分けがつけば、現在もうからぬでも引くかもしれない。あるいは、ある国については、せっかくのお申し込みだけれども、もう少しお互いに需要を待ってからやることがいいんじゃないかということもありましょうし、それからまた、あるいは要員関係、いろいろな複雑なことからある線を引くか引かないかということでございますので、世界の需要を相手にしている商売でございますので、全部がこういう基準でやってるぞということはなかなか申し上げるわけにいかない。ケース・バイ・ケースということ。これは国際競争でございますから、国際間の話し合いがきまらなければできないということでございます。
○野上元君 まあ太平洋ケーブルを建設されるときもおそらくそういう計算はされたと思うんですが、そのときには十分に成り立つというふうに判断されたと思うんですね、相手国が相手国ですから。しかし、東南アジア、あるいはさらに計画されておる日本海海底ケーブルという場合にも――これもそう遠い将来じゃないと思うんですね。そうしますと、何らかの計算がなされつつあると思うんですが、太平洋ケーブルと比べてどういう差がありますか。
○参考人(八藤東禧君) ちょっと仮定の数字が多うございまして、たとえば日本海ケーブルでもグレート・ノーザンという会社といろいろ数字のやり取りをしておりますが、この二国間だけで見当のつかない問題――一体東ヨーロッパ、西ヨーロッパの国々はどれだけ参加してくるか、どれだけの需要があるか、あるいは宇宙通信が来たらどうなるかという、いろいろなファクターがございますので、ちょっといま、どうじゃそろばんの模様はとおっしゃいましても、まあ私たちなり一応の見積もりは立ててやっておるのでございますが、数字的に御説明申し上げるのはいまのところちょっと、相手のほうもまだきまっておりませんので、申し上げる段階でございません。
○野上元君 おそらく確実な数字は出ないと思いますが、大ざっぱに言ってペイするかどうかという見当はどうですか。
○参考人(板野学君) 大体四、五年たてばあれはペイするというような一応目算でやっております。
○野上元君 そうしますと、そういう場合の施設費は、いわゆる資金調達ですね、それは料金によってまかなうつもりなんですか、それとも借り入れ金あるいはまた利益金によってまかなおうとしているんですか。
○参考人(八藤東禧君) ただいま問題になっております日本海ケーブルの例をもっていたしまするならば、やはり当社の経常的な財政の負担力の範囲内においてできる、言いかえれば、料金とかあるいは借り入れ金なしに、これは蓄積をもって、自己資金をもって充て得るんではなかろうか、かように私どもとしては推定いたしております。
○野上元君 そうしますと、この各期の損益収支が出ておりますが、たとえば二十五期の十億一千八百万円ですか、これはまあ中途ですから、その前の二十四期の九億四千五百万円というものの配分がわかりますか。たとえば、それを労働に何ぼ配分した、あるいは配当にどれだけ配分するのか、あるいは社内留保にどれだけ配分するのかというようなことわかりますか。
○参考人(八藤東禧君) ただいまここにその具体的な数字は持ち合わせませんが、利益金処分というものは株主総会にかけることになっております。同時にまた郵政省にもお伺いすることになっておりますが、この中には配当金がありますし、積み立て金もございまするし、それからまた後期繰り越し金もございます。従業員の問題は、これは費用のほうに入ると思います。利益金の処分ではございません。
○野上元君 いまの配分の一つの原則的な比率というものは、会社にはあるのですか。
○参考人(八藤東禧君) お答え申し上げます。法定の積え立て金の場合は、これはきまっております。それからまた、現在一割配当を持続しておりますが、この配当率においても、当社の会社の性質から考えまして、そう高位にあらしむべきものではないというふうに考えておりまして、たとえば配当金一割をやっていくという考えを持っております。そうすると、あと役員の賞与、後期繰り越し金、この四つに利益は分かれております。大体そういう原則で私どもは利益の処分案をつくりまして、株主総会にかけ、あるいは郵政省の検査を受けるということになっております。
○野上元君 それは数字を検討すればすぐわかると思いますから、ここでは的確な数字はお持ちでないと思いますから、後ほどまた質問することにいたします。国内の電信電話公社の場合には、御承知のように、電信と電話をあわせて営業しているわけですが、電信の場合には非常に赤字が出ているわけです。電話はまあ収益率が高い。こういう関係はKDDの場合はどうなっておりますか。
○参考人(八藤東禧君) 会社におきまして、過去の、大体十二、三年になっておりますが、電話というものはむしろ赤字の経営ということが考えられております、ある線だけのことじゃなしに総合的に考えまして。電信はこれは黒字の業種として考えられておりまして、これはおそらく国内と違いまして、大体において外国においても国際電信というものは相当いわゆる黒字の経営になっております。電話においてはどうなっておりますか……。少なくとも電信においては、太平洋ケーブルの開通以来非常に最近は需要が出てまいりまして、言いかえれば資本の回転率が非常に高まってまいりまして、その結果としてこの収益関係では好調に向いていると思いますが、大体におきまして赤字かどうかということは、ただいま申し上げましたように、世界各国との電話を全部総合してみるとどうなるかということは、これはまた問題はあろうかと思います。
○野上元君 予想されたと言われるのですが、現実にもう何年かの実績を踏まえているわけですから、この実績に立って、電信は黒字、電話は赤字、こういうふうに判断してよろしいのですか。
○参考人(八藤東禧君) 太平洋ケーブルに関しまする限り、私たちが五年前引くか引かないか考えていろいろ予測を立てた数字から見ますと、大体において電信にはそう違いございません。それからテレックスにおいて、やや予測より需要が上回っております。それから電話においては、予測より需要が上がっているようでございます。ただ専用線関係におきましては、外国の需要によりまして、相手側の需要によりまして電信専用回線においては予測より非常に少ない。電話専用回線においては予測より急激に大きな幅を見せて上回っておる、こういう状況が太平洋ケーブルについては申されます。では、電話事業全般についてはどうかと、これは私たちもいろいろ原価計算やっております。いまのところ、ここに数字を持ち合わせておりませんですが、現在においてもまだとんとんには電話としては行ってないだろうと思っております。
○野上元君 そうしますと、国際電電の場合は、電信と電話とを別々に分けて独立会計を持っておるんじゃなくて、プールにされておるんでしょうか。
○参考人(八藤東禧君) さようでございます。特別会計はございません。
○野上元君 そうしますと、電話が赤字で電信が黒字だという計算は非常にむずかしいわけですね。
○参考人(八藤東禧君) おっしゃるとおりで、非常に理論的にむずかしい問題だと思うのでございます。原価計算制度は当社としても導入しております。それから、いろいろとやっておりますが、これも原価計算それ自体がなかなか問題が多いことでございます。理論的に、あるいは政策的に、数字のとり方、配分のしかたによってもずいぶん変わってくる。しかし、会社経営上そういうものは、人間でいえば脈であり、あるいは呼吸の数であり、血圧であるのでございますから、いろいろな方法で、いろいろな勉強のしかたをするということで、ただいま勉強中でございます。
○野上元君 そうしますと、電信料金あるいは電話料金は、その原価を計算する場合にはプールで計算されるんですか、電信料金は電信料金の一つの体系があり、電話料金は電話料金としての一つの体系があるのですか。
○参考人(八藤東禧君) お答え申し上げます。国際電気通信料金は、原価計算制度をもって料金制度を定めるという行き方になっておりません。御存じのように、各国の実に激烈な競争と闘争の歴史のもとにできておる料金が非常に多いのでございまして、決して原価がこうだからこれだけにしましょうということは、お互いに表面上では外交辞令に言うことはありましても、そういう筋合いの料金としては現在動いておらないようでございます。
○野上元君 その激烈な競争はわかりますが、競争の中に生きていくために、原価計算というのは必要なんじゃないでしょうか。
○参考人(八藤東禧君) おっしゃるとおりでございまして、私どもも原価計算制度をしきりと勉強しております。
○野上元君 その場合に、電信と電話と別個の原価計算をやらないで、全部プールして、その中から電信及び電話の料金をはじき出すのですか。
○参考人(八藤東禧君) どうも少し私の舌足らずで御了解をなかなか得ないようでございます。御存じのように、会社はいろいろの財務諸表というものをつくることになっております。その中に、損益計算書で、電信収入が幾らであるとか、収入が幾らであるとか、営業収入が幾らであるとか、こういう分け方においては、電信収入は幾ら、電話収入は幾らとは出ますが、支出のほうにおきましては、現在の財務諸表では、電話事業の支出は幾ら、電信事業の支出は幾らというふうになっておりません。これが一般の会社における財務諸表の取り扱い方だと思っております。また、そのようにやっております。一方において、そういうふうな商法なりあるいは関係各省の指導方針に基づくところの財務諸表と違いまして、われわれの経営の参考とするためには、いま言ったように、電話ではこれだけ割り振ってやろうとか、人件費はこれだけ、施設費はこれだけ、耐用年数はこれだけだとかいうことを、いろいろそれぞれの担当では勉強しておるようでございます。二種類あると思います。
○野上元君 国内の場合には、電信と電話とは同じコミュニケーションですけれども、性格が違うのだというので、電信は電信の料金体系があり、電話は電話の料金体系があるのですね。国際電電の場合は、それはないということですか。
○参考人(八藤東禧君) 各国とも同じようなやり方でやっていると思っております。しかし、体系とおっしゃるのは理論的なものでないということを申し上げたのですが、そういうふうな面では、できるだけお互いの取引の際には共通したルールでやり合いますから、共通したルールでいろいろと取引しております。
○野上元君 それからもう一つ。経営の上実態を簡単に知りたいのですが、これも損益収支の計算書を計算機ではじけばすぐわかるのですが、大体電電公社としては、企業の経営ということですから、おそらく損益分岐点というようなことは重要視されていると思うのですが、この損益分岐点というものは逐年下がりつつあるのですか、あるいは損益分岐点は上がりつつあるのですか。
○参考人(八藤東禧君) 損益分岐点、その他財務諸表については、ただいま勉強中でございますが、これこれとはっきり自信を持って申し上げる数字はいまのところ持っておりません。しかしながら、大ざっぱに言いまして、たとえば海底ケーブルを敷いた最初の二年、三年というのは、固定資産が非常に大きくなりますので、損益分岐点が上がってきます。プロフィットが上がれば、損益分岐点が下がってきます。あるいは耐用年数その他がございますので、そういうような国際電気通信の特殊事情があるということをお答え申し上げる以外にちょっとないと思います。
○野上元君 私は、それは固定資本を投じた場合には当然損益分岐点は上がる、これはどんなプライベートな企業でも同じだと思います。これは国際電電だけではございません。ただ私が心配しているのは、郵便事業のようにどんなことをしても損益分岐点が毎年上がっていくという事業もあるわけですね。そういう事業ではない、たとえば投下資本が大きかった場合には、当然損益分岐点は上がりますが、その翌年からは必ず分岐点は下がってきているかということを聞きたかったわけです。
○参考人(八藤東禧君) 種別、あるいは回線、あるいは方面別によって、いろいろ違うと思いますが、やはり御承知のように爆発的需要増加ということが最近国際的に共用語になっておりますが、現在の世界の政治、文化、経済の状況から見まして、今後ますます需要は上がっていくだろうと思っておりますが、その需要が上がっていくということは、いまあなたのおっしゃるとおり、大勢的にはある施設については十分今後とも発展の可能性があるのではないか、しかし、段階的に、時間的、期間的に区切った場合においては、上がり下がりはあるのではないか、こういうふうにお答え申し上げる以外にはないと思います。
○野上元君 当然パート、パートによってそれは違うと思いますが、全体としては企業として十分成り立つ企業である、こういうふうに解釈してよろしいのですか。
○参考人(八藤東禧君) 私たちはさように持っていきたいと思いますし、おおむねただいまのところではそういうふうに動いておりますが、しかし、今後いかなる新しい発展が出てくるか、それはわからないと思います。そういうものにつきましては、また別のことになると思います。
○野上元君 世界的な国際通信の需要の増加率といいますか、これは毎年のやつも一度知りたいと思うのですが、ここには簡単に書いてありますけれども、将来どういう傾向をたどるか、いわゆる成長率といいますか、どれくらいのものか一ぺん知りたいと思いますが、ひとつぜひ機会があったら資料を出してもらいたいと思います。
○参考人(八藤東禧君) できるだけ勉強いたしまして、不十分でございましょうけれども、集めました限りの資料はひとつごらんに入れたいと思います。
○野上元君 終わります。
○理事(光村甚助君) 他に御発言がなければ、本件についてはこの程度といたします。
 この際参考人の方々に一言お礼を申し上げます。皆さん方には、御多忙のところ、わざわざおいでくださいまして、長時間にわたりまして貴重な御意見を承わり、まことにありがとうございました。委員一同にかわりまして厚くお礼申し上げます。
 ちょっと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
○理事(光村甚助君) 速記つけて。
 次回の委員会は、三月十日木曜日午前十時を予定といたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時四十分散会
     ―――――・―――――