第051回国会 農林水産委員会 第18号
昭和四十一年四月十五日(金曜日)
   午後一時十三分開会
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   委員の異動
 四月十五日
    辞任         補欠選任
     大河原一次君     野溝  勝君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         山崎  斉君
    理 事
                野知 浩之君
                和田 鶴一君
                武内 五郎君
                宮崎 正義君
    委 員
                青田源太郎君
                梶原 茂嘉君
                櫻井 志郎君
                園田 清充君
                任田 新治君
                温水 三郎君
                森部 隆輔君
                八木 一郎君
                川村 清一君
                鶴園 哲夫君
                中村 波男君
                野溝  勝君
                森中 守義君
                矢山 有作君
                北條 雋八君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  福田 赳夫君
       農 林 大 臣  坂田 英一君
   政府委員
       大蔵大臣官房財
       務調査官     川村博太郎君
       大蔵省主計局次
       長        武藤謙二郎君
       大蔵省銀行局長  佐竹  浩君
       農林政務次官   後藤 義隆君
       農林大臣官房長  大口 駿一君
       農林省農林経済
       局長       森本  修君
       農林省農政局長  和田 正明君
       農林省農地局長  大和田啓気君
       農林省畜産局長  桧垣徳太郎君
       食糧庁長官    武田 誠三君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮出 秀雄君
   説明員
       農林省農政局参
       事官       横尾 正之君
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  本日の会議に付した案件
○農林水産政策に関する調査(農業基本法に関す
 る件)(食糧自給体制等に関する件)(土地改
 良長期計画等に関する件)
○委員長(山崎斉君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について報告いたします。
 本日大河原一次君が委員を辞任され、その補欠として野溝勝君が選任されました。
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○委員長(山崎斉君) 農林水産政策に関する調査を議題といたします。
 まず、農業基本法に関する件について質疑を行ないます。野溝君。
○野溝勝君 私は予算も終わり、まあ大体国会としての委員会の審議も低調になったなどと言われておりますが、私はさように考えておりません。特に、農業問題などはいま重大な関心を払わなければならぬときであると思っております。このときに私は本委員会におきまして、特に感情的とか、あるいはイデオロギー的とか、そういうものの考え方でなくて、日本の農政をどうするかということを真剣に質疑していきたいと思います。なお、農林省が考えておりましても、その裏づけをなす財政関係については、大蔵大臣の意向を伺う必要がありますので、本委員会へお招きをして質疑を重ねていきたいと思います。
 御承知のように、佐藤内閣におきましては安定成長路線というものを打ち出しております。前の池田内閣当時の高度経済成長から安定成長路線に移っているわけです。これは申すまでもなく、財政経済政策全体のことで、単に一階層にたよらず、全国民階層全般にわたっての安定成長路線と解釈しておるわけであります。そのときに農林政策はこの安定成長路線とどういう位置づけをされておるかという点について、ひとつ坂田農林大臣からお伺いしたいと思います。
○国務大臣(坂田英一君) 野溝委員の、つまり安定路線の問題でございますが、農林関係といたしましては、やはりむしろ一般の産業とは進み方が、ものの性質上非常におくれるという点がございまするので、全体からみますると、現在の情勢から言いますれば、若干いろいろの所得の面においても農家所得――農業所得でなしに農家所得全般から見て、若干増加いたしておるという実態にはあると思います。これは農業所得ではございません、農家の全体の所得を通じての話でございます。そういうぐあいで、一般の産業面においては多少、現在いわゆる成長がおくれておるという、そういう状態から見ますと、それに比較しまして農業のほうは若干進んでおる、こういう実態でございます。しかしながら、この問題、これは比較の問題でございまして、相変わらず一般の産業に比較いたしまして所得は低いということは、これはもう変わってはおりませんのでございます。
○野溝勝君 農林大臣の御答弁でございますが、そうした経済的な問題につきましては、これからあと各論にわたりまして私が質問していきたいのです。最初はおおまかな考え方だけあなたからお聞きしておきたいと思ったのです。特に他産業とは経済的な成長のしかたの度合いというものがややおくれておるといいますけれども、ややどころじゃない、数字にあらわれているごとくでございます。
 そこで、特に私が真剣にこの委員会で発言を求めて聞かんとするのは、現在の食糧の世界情勢は非常に逼迫しております。御承知のごとく、前年は社会主義のソビエトですらも小麦不足で、アメリカから小麦を入れる、前年は中共におきましてはカナダから数百万トンの小麦を入れた。さらに最近におきましてはインド及びインドネシアが食糧危機でございます。こういうときに、御承知のごとく、世界の余剰食糧の可能量――供給力というものは、わが国が必要とする準内地米は五十万トンぐらいしかないわけです。的確な数字はなかなか国連においてもまだつかめません。そういう情勢の中におきまして、これらの国がどうしてこういう食糧の危機なり不足なりを招いたかということについて、日本の政府として、私は反省しておるかどうかという点です。
 それに関連してお聞きしたいことは、計画経済をやっておる社会主義の国でさえも重化学工業を重点にやりまして、その方面に対する高度経済成長を盛んにやってきたのでございます。私は池田さんの高度経済成長を失敗だとか、失敗でないとかいうことよりも、これからどうするかということについて、真剣に私は質問したいと思っておるんです。
 そこで、日本の農政というものがこの危機に対する反省の上にこたえておるかどうかというこの点なんです。その点を私は大臣にどういうふうに考えておられるか、また、自分としてはどういうふうにしようとしておるのか、こういう点をひとつ、あなたの構想をお聞かせ願いたい。
○国務大臣(坂田英一君) 野溝委員の御質問のほんとうの意味はちょっととりにくいのでございますが、私は現在の農業の実態から申しますというと、全般の産業のようには、進むも退くも早くものが進まないという実態にあると思います。これは私は日本の農業だけでなしに、全般的に農業はさようなものであると存じます。
 そこで、先ほどお答え申し上げたことについては、ことばが足らないために申し上げたことにちょっと誤解を来たしたのではないかと思いまするので、その点とも関連して申し上げたいと思うのでございますが、いわゆる高度成長の最中におきましては農業はとてもそれについていけない、そういう意味において比較をいたしますと、農家の所得その他の面において非常なおくれを見ておった。ところがいまのような状態になりますというと、その比較の面において農業のほうはやはり引き続いて若干なりとも進展が見られる、そういう意味において申し上げたのでありまして、全体の比較において農業はまだ所得の上においてもすべて他の産業に比しては低いということを申し上げねばならぬのでありますが、そういう点を申し上げましたので、先ほどの御質問に対して補充的に申し上げなければならぬかと思いますので、この点をまずつけ加えて申し上げるのでございます。
 それから、現在の行政でまいりますというと、この農業の問題は、先ほど申しましたように、非常にテンポがいずれにしてもおそいということが、これは本質的な点もあろうと思う、いかに努力をしても本質的な点であろう、こう私は思うのでございます。したがいまして、これらの行政を進める際においては、一定の方向に、つまり農業基本法なら基本法の方向に向かって進む際においても、やはりその点を十分のみ込みながら、しかし着々とその方向に進めつつ、それらの情勢をながめつつ、これは進めていく必要がある、こう考えておるわけでございます。
○野溝勝君 坂田さん、私の聞かんとするのは、そういう各論的なお話はこれからお伺いいたします。所得格差の問題その他については各論的の問題としてお聞きしますが、日本の農政というものは世界情勢その他国内のいろいろな事情から見て、どういうふうに考えておるかという点をお伺いしたわけです。そこで、特に最近マスコミなどは盛んにこの問題を取り上げている、私は非常に関心を高めてうれしいと思っています。真剣に私は民族産業防衛の観点に立って、いまこそ政治家も反省しなければならぬと思う。政府はもちろんであります。あとからも申しますが、国債政策をやって日本の財政をやっていくという、こういう状態になってきておるわけなんです。そこで、農業がいまのような状態になってくるというと、ますますこれから輸入もふえてくるわけです。特に私が憤慨するのは、きょうの新聞です。藤山君が主宰した物価懇談会において中山伊知郎君のあの主張なんです。あんなことでは何を考えておるかということを言いたいんです。
 そこで、私はむしろ、あなたの答弁のほうは、私は時間の関係もありますから、そう詳しくはなかなかできません。でありますから、私は、政府の出した、あなたのほうから出した資料に基づきまして、これから各論的に質問いたしますが、さらに、先般東南アジア開発閣僚会議が開かれ、開発、農業、貿易、援助等の問題が論ぜられ、特に農業開発会議設定がきめられたり、日本の農業と関連のある問題が出ております。特に食糧問題については、あなたも少し言われたそうでございますが、押えられたらしい。これは今日に始まった問題じゃないんです。米はすでにばく大なる八十万トン近くの輸入をしているんですね。そういう情勢の中にあって、政府が非常に農業軽視といいましょうか、過小評価しておるようなこの考え方は、私に大きな誤りをおかすものだと思うんです。そういう点であなたに私は日本の農政というものを、具体的に言えば、農業基本法をもって今日の事態に処していくことができると確信するのか、どうか。すでにこの問題については、同僚であります矢山委員が予算委員会においてお聞きしたわけですが、予算委員会ではまだ明確なる回答は得られていない。というのは、佐藤総理とあなたの間に意見の違いがある、そういうような点も非常にありますので、この際あなたは忌憚なく言ってください。この基本法の体制をもって、農業政策の基幹とする、しかし、なかなか思うようにいかぬから、これを思い切って改革をしようとも、あるいは政策を転換しようとも、今回は間に合わないから、とにかく来たるべき予算年度におきまするまでに間に合わせる、こういう考えを持っておるとか、おらないとかいう、そういう構想をお聞かせを願いたい。構想がなければ、いまの基本法の政策をもって、それで足れりというふうに考えておるのか、どうするんですか。その点は、ひとつ、あなたは裸になって――あの食糧困難のときに、私が日本農民組合を戦後再建するときに、あなたは農林省の特産課長として食糧の危機に際して、わらじをはいて東奔西走されてイモの増産に努力されたことを私は承知しております。あなたも私と会見したときに、真剣になって食糧の危機を叫んで大いに共鳴したものじゃございませんか。今日の事態は、きのうの物価問題懇談会の状況のように、食糧は輸入に依存するという、こういう考え方すら出しておるような状態でございます。百姓はどうすればいいのですか。こういう点についてひとつあなたに忌憚なく、あなたいつまでも大臣やっておるわけじゃないですから、ひとつあなたの気持ちをざっくばらんに私はお聞かせ願いたいと思う。
○国務大臣(坂田英一君) 野溝委員のお心持ちは非常に私たちにも響くわけでございます。ただ、ここで申し上げたい点は、アジア閣僚懇談会においては、この前参りましたのは八カ国参りました。その八カ国参りました国のうちで、タイ国だけが少しばかり輸出できる国でありまして、あとは全部足らない国ばかりでございます。そこで、いわゆる食糧問題に努力してきた日本としては、これらの不足する地帯に対してどうして自給できるかという問題、それからそれらの技術協力、そういった問題について協力をするという問題を提供したわけでございます。この点については閣僚諸公においても反対はなかったわけでございます。新聞等を見るといろいろの誤伝があったように聞いておりますが、それは単なる誤伝でございます。これはそういうことで進みましたわけでございまして、各国ともそういう問題について非常に感激をいたしておったように私は見ておるわけでございます。ただ、この際に食糧以外の問題としてどういう問題があったかという問題については、私はその当時においてまだ的確に発表はいたさなかったのでございまするが、家畜のえさのうちでトウモロコシやマイロのようなものは、国内でも増産をでき得る限りするのはいいが、やはり必要なところからこれらのものは輸入するのがよかろうという意見を持っておるのでございまして、そういう点についていろいろ論じ合ったわけでございまして、いま申し上げましたアジア閣僚会議においては私の意見どおりそれらが進んでおるのでございまして、別の意見がないわけでございます。ただ、そういうことで寄った各国も、ぜひともこれらの問題を審議したいということに相なっておるわけでございまして、向こうからまた農業会議をやりたいというのでそれを進めておるということでございますから、この点はよく御了承を願いたいと思います。
 それから物価問題懇談会においていろいろの問題があるいは出されたかとも存ずるのでございまするが、これは日本といたしましては、たとえば米のような食糧についてはいまから十年ほど以前においては御存じのとおり六千四百万石程度のものが平年作であるというのでございましたが、現在は八千三、四百万石に伸びておるわけです。だから非常な米の増産ができ上がってきておるわけでございます。そのために当時七千万人の人口であったにもかかわらず、現在一億に近くても米の自給量は九六%以上に到達しておるということで、食糧の増産という問題については日本として相当努力を払っておることは御了承のとおりでございます。しかし、現在のところ、二、三年の経過を見ますというと、米の生産も減少の傾向が若干見られるのでございます。天候の関係もあり、いろいろの関係がございまして、そういう関係にございます。しかし、実態としては九六%程度の自給が可能になっておるのでございまして、私はやはり主要なる食糧についてはどうしても自給に向かって進みたい、こう考えていろいろ各種政策を立て、また、それらのものを完成すべき方向に向かっておるわけでございます。
 それから、基本法の根本問題についてでございますが、現在の基本法においては、ご存じのとおりにやはり生産性の向上という問題いわゆる反当たり収量という問題よりも、一人当たり労働生産性を上げるという問題に非常に力が入り、しこうして、また農家の所得を向上させるという点に非常に力が入っておることは御了承のとおりでございまして、これらは申し上げるまでもないことでございまするが、さような方向に向かって基本法の趣旨に沿ってでき得る限りのことを進めておるわけでございます。しかし、農政の根本から考えまして、野溝委員も御同感であろうと思いますが、それのみならず、農政のきわめて重要な面がこれだけでなしに大きな面が残されておる、こう思います。それらの問題は農業基本法の前文においてはっきりとそれらをうたっておるわけでございます。前文ではっきり生産性の向上及び所得の向上という問題以外の農村としての重要問題は、おわかりのことを申し上げてたいへん恐縮でございますが、前文にはっきりとこれをうたっておることは御了承のとおりでございます。しかし、最近の情勢から言うと、やはり一人当たりの労働生産性をふやすべきである、そうして所得全体の均衡をはかるべく努力する、こういう基本法の目的というものも、現在としては非常に大事な問題でございまするので、その線に向かって努力を払ってまいりたい、こういうのが私どもの考え方でございます。しかし、この基本法に基づいてのいろいろやっておる一つ一つの施策について見ますと、これはどれもこれも十分間違いなくいっておるかということになりますというと、物によっては全体はよくいっているにしても、部分的にはやはりまだ足らないことも、初めてのことでありますからいろいろ出ております。こういうことのために、全般としてこれらの問題に対して非常に疑問を持つということがあるのではないかと思いまして、私も就任早々、たとえば構造改善事業については全体の問題として十分調べる必要があるというので、調査をいたしたようなわけでございまして、部分的に見ますというとある地帯においてはまだいろいろの事情がある、これは大きなむずかしい問題でございまするので、改めるべきものは改めつつ、これらの方向に向かって進んでいきたい、かように考えておるわけでございます。
○野溝勝君 大臣、私が聞いた核心に触れておらぬのですが、私はあなたの言われる農政に対する考え方、大まかにいえば農業基本法の精神を中核としてやっていくのか、いままではなかなか目的を達することができないから、こういう考え方で大いにやろうと思いますという考えなのか、その点をお聞きしたいと思ったんでございますが、なかなか要点に触れません。聞くところによると、大蔵大臣が二時から本会議があるからということでございますから、先に大蔵大臣から質問いたします。
 私は、大蔵大臣、あなたにこの間大蔵委員会においても申し上げましたとおり、農業の地位というものは非常に重要だと思うのです。特に大蔵大臣は農林大臣もやったこともあり、さらに農政のこともよくわかっておると思うのであります。そんな関係から、特に本委員会に委員長の了解を得て、お招きをしてお聞きするのですが、私が先ほど言いましたが、いま実際世界の食糧事情、農業事情から見ても、日本農業から見ても非常に危険な状態にきておるわけなんです。私は池田前総理がやった当時の高度経済成長政策は、農民には何らの恩典はないじゃないかという、そういうことをいま一々言うのではない。しかし、いまお互い行政府も立法府も真剣に反省しなければならない時だと思っているのです。この間、大蔵委員会においても、国際収支の問題について農林物資の輸入、食糧等の輸入についての加速度的な増大ですね、これを今後の事情から見るというと、この国際収支の面にも非常に危機がくる、財政的見地から真剣に大臣考えてもらいたいということを私は申し上げたわけです。そこで、きょう私は農林、大蔵両大臣のいるところで、日本の農政というものは農林省が立案したものか、表看板は農林省になっておるが、実際はどこか、具体的にいえば、日本の重化学工業、産業資本家なり、金融資本家なりが一つの案を出して、それを農林省が、いわばそれに何といいましょうか、修正を少しした程度で、日本の農政というものはやっているんじゃないでしょうか。特にこれは忌憚なくお聞きしますが、すでに経団連、同友会その他等々から何回も提言等が出ておるわけです。早い話が、池田内閣がやった当時の政策はそれと裏づけているわけです。と申すのは、御承知のごとく、これは今週のエコノミストにも出ております、ごらんください。美土路達雄君が出しておりますが、日本農業の展望の提言された歴史が出ておりますが、その中の一こまを申し上げますと、まず第一に、企画庁の経済研究所長の林雄二郎君が、四十年十一月に国民生活審議会の席上で、二十年後の農業という題で話をしております。その話の内容は、農村人口は全人口の一割程度、一人当たりの所得は百六十二万円、各自自動車を利用して農場へ出勤する、こういうものです。
 それから第二は、食管制度の分析、産業計画会議委員長松永安左衛門、これはどういう人か知らぬ、電力会社のエキスパートとは聞いておりますが、百姓のエキスパートだとは聞いていない、この人がこういうことを出しておる、これは四十年三月、十五年後の日本の農業、高生産性を形成する、その長期目標として、農家戸数は将来三百万、半分くらい、新規農業投資は八兆八千億、八兆八千億で日本の百姓を買ってしまう、農業関連の投資として十一兆円、基幹農家は百万ないし百五十万戸でよろしい、モデル的中核農家は一戸十ヘクタール、年収二百万円、十ヘクタールという、これは量が抜けておる、おかしいじゃないですか、こういうことを、あなたたちはどういうふうにこれに対して抵抗したのか、この際聞いておきたい。十ヘクタール二百万、これは実際私考えるね、日本のやはり産業資本、金融資本、経済同友会等のいろいろ意見が出ているわけでありますが、そういう諸君が、貿易を振興するためには食糧を外国から買ってきてもよろしいと、そのためには日本の工業品を出す、百姓は貿易の犠牲にする、露骨には言っておりませんが、私は今日の百姓の状態から見てそういうことになっておるのです。それから、きょうはほんとうに両大臣がいるところでございますから申し上げておきますが、四十年三月経済同友会の提言ですが、農業近代化への提言、三回にわたって出ておりますが、省略します。それで経済審議会長の石川君からも、今度木川田さんにかわる予定ですが、その他財界、経済界、調査会、各方面から出ております。特に経団連の副会長の植村さん、永野富士製鉄の社長と中山伊知郎氏と、この三人が中心になりまして、国際的観点から見た日本の農業問題、どういうことが書いてあるかというと、まとめますと、日本の農家は現在の三割に減らしてもよろしい、こういうことをいっております。大体大同小異でございます。全部一致しておるわけではないが、ちょうど農業基本法を出す当時における池田前総理の意見がそうでございましたが、そうすると、日本の農政というものはどこから出ておるかということについて、私はほんとうに深く反省しなければならぬと思うのです。もちろん工業も必要でございます。何も農業一辺倒の農本主義ではありません。私は、しかし、民族産業としてのこれを軽く見た社会主義の国でさえも食糧の危機があったということを是認したのでございます。いわんや自由主義の国で、今日におきましてはどういう一体状態になっておるか、四十万戸も五十万戸もの農家の土地が崩壊してくるではありませんか、こういう中におきまして、この意見を聞いたんじゃないといえばそれまでのものでございますが、もっと私は行政の中心であるところの農林省あたりからひとつ意見を出して、工業方面の意見とひとつ対決するような意見を出したらよい、けんがやれという意味ではないですが。農業の位置づけに対する私は意見というものを堂々と出してくれたらいいのではないですか、農業基本法というものの流れる精神というものは、この精神から生まれておるのです。ですから、白書等も実際にはぴんとこないものがあるのです。ありきたりという白書なんです。どうかひとつここで大蔵大臣、農林大臣、特にそういう点に対して私はまあ御所見をこの際聞いておきたいと思います。財界からの提言を中心にしていくのか、いや、参考にはしても、そういうことはしない、あくまでも日本の農業の位置づけに対しては農林省が中心になってやるという考えなのか、この点をひとつ私は農林大臣から先にお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(坂田英一君) もちろんこれは、農林省ばかりではございませんが、農林省が主になってすべて農業政策を立てておるわけでございます。なお、いろいろお話がありましたが、さようないろいろの、同友会等のいろいろの研究の結果というものがあった場合に、参考にすべきものはそれはもちろんいたしまするけれども、そういうことによって農業政策を立てるのではございません。十分この農業の根本的な考え方をもって進めるわけでございます。先ほど申しましたように、農業のやつはそう簡単にいくものではないのでありまして、相当の時間をかける。もちろんアメリカといえども、農林大臣のフリーマンのごときも、三百万人農業から出したらかえっていいんじゃないか――あそこの国は日本と違って余っておる国ですが、そういう議論があったときに、いまの農務長官が全般的にそれに反対をして、そしてアメリカの世論を、それに対する非常な反対をやって、現在落ちついておるようなわけでございます。もちろん現実の問題としては、それは人の減るということもありましょうが、そういうことでございまして、農林省で立ててまいるわけでございます。
○野溝勝君 では、また後刻各論にわたって農林大臣からお伺いいたします。
 それでは大蔵大臣に、私は三点をあげましてあなたの御所見を簡明にお聞きしておきたいと思う。
 まず第一は、先ほど農林大臣も格差の点を認めております。所得格差、その点はまことに遺憾だということを認めております。農業が今日振るわないその原因は、私は所得格差にもあると思うんです。こればかりではないですけれども、所得格差が私は大きな原因をなしておる。で、こまかい数字のことは申しません、すでにおわかりだと思う。ただ一点申し上げたいと思うのは、御承知のように、労働生産性、生産指数の比較でございますが、これは政府で出したのでございますから、この数字に間違いがあるとするならば政府がうそをついたということになるんですが、生産指数の比較ですが、昭和三十五年を一〇〇といたしまして、三十六年は一〇二、三十七年が一〇七、三十八年が一〇五、三十九年が一一〇。これに対して鉱工業の指数ですが、三十五年を一〇〇とすれば、三十六年が一〇八、三十七年が一一九・七、それから三十八年が一二七。それから労働生産性の比較は省略いたします。このほか、就業者一人当り実質国民所得の比較を見ますると、これは三十九年の統計しか私は得ていませんが、大体農業は、第二次産業、第三次産業に比べて三分の一以下です。基調は一向に変っていない。こういう所得格差ですね。これは私は、農業が非常に成長したといいましても、この格差というものは、経済成長期においてますます拡大するわけであるから、このままいくならばやはりこのはなはだしい格差というものは変わらないように思うのです。詳細の数字はここにありますが……。大蔵大臣も農林大臣をやられて非常に経験されておるのですから、そういう点についてどういうふうに一体大蔵大臣としては考えておるか、この点が一つ。
 それから農業基本法のうち、特に私が聞きたいのは、予算効率の問題ですが、予算効率の問題でお聞きしたいことは、最近御承知のごとく、非常に農業というものがだんだんと追い込められてきまして、専業農家というものは、統計にもあらわれておるとおり、二割ぐらいしかないですね。兼業農業とは主体性のない農業なんですね。こういうふうになってくると、幾ら農業の近代化、構造改善、いろいろ進めてみても、なかなか所得の格差がこうはなはだしくて、さらに経営上困難になってくれば、やはり農業を放棄して農業外の収入というものにたよらざるを得ないのですね。こういう点をひとつ大臣は、農林大臣とともにどういうふうに今後善処しようと思うのか、ひとつ聞いておきたい。
 それからいま一つは、税制の問題ですが、この税制の問題などについても、今回は大幅の大減税だと言われておりますけれども、特別減税などにつきましても、農業関係は、予約減税などで十億円ぐらいのものです。きょう中山君も、物価懇談会において、予約減税だの、あれは時期別格差加算金などというものは間違っておる、私も理論的にそれは間違っておると思う。いつもこれが臨時立法として出るときに私は言っておる。それは百も承知なんです。しかし、それならば所得格差をどうするか、こういう点を真剣に考えて、基幹の問題を考えないで末梢的な問題のみを取り上げるという技術的見解には私は反対なんです。そこで、その問題についてひとつ大臣はどういうふうに考えておられるか。
 それから最後に、農林金融の問題です。これはいまの財政金融から真剣に考えなければならぬ時期だと思っております。農林という名前はいいが、農林といっても、何千何百億というものは農林中金でも出しておりますが、根本的に問題がある。昭和四十年四月末現在の貸し出し状況をみると、貸し出し総額七千六百七十八億六千三百万円、そのうち系統内の貸し出しというものはわずか八・六%、系統外へ出しているものが実は八〇・三%、農林大臣、あなたのほうで監督しておるんだから間違いないでしょう。この農林中金資料にちゃんと出ておる。この数字は間違いないと思う。こういうような状態です。そういうことでは何の一体農林金融かわからない、さらに驚くなかれ、これは大蔵大臣も知っておるわけです。このうちコールローン一万九百九十五億八百万円まことにこれはおかしいことですね、これが二割二分です、系統内の金融に八%出しておる、八〇%も系統外に出して、そのコールかせぎが二割二分、高利貸しのようなこんなまねをしておって一体系統内の農林金融としてだれが一体受けつけますか、二兆円を突破するところのばく大なる預金をさして、これで一体私は農林大臣も大蔵大臣も単に農林という字がついておるからこれを支援しなければならぬという態度はいかぬと思う。こういう点についてどういうふうに一体考えるのです、どういうふうに一体金融政策をしていくか、また、農民金融として徹底した勤労農民なり耕作農民に安い金利で安易に長期に借りられる方法はどういうふうにするかということを真剣に私は考えてもらいたいと思うのです。これを申し上げまして、大蔵大臣に関する質問といたしましてはこれをもって私は一応終わりますけれども。
○国務大臣(福田赳夫君) 私も野溝さん同様農村の現状ですね、非常に心配しておる。農村の維持育成これは大事な行政だと思うのです。いま所得格差問題を中心にしてお話がありましたが、私の記憶いたしますところでは、大体農業生産が多少のでこぼこありまするけれども、年に三%ぐらいふえる――三%ふえるということは農業人口が現実におきましては、三十万、四十万減ります。ですから一戸あたりの所得ということになりますると四%若干こえる状況ではないか、そんな感じがいたします。それにいたしましても、安定成長率というもの七、八%、これに比べると開きがあるわけで、何とかしてその間のギャップを埋める施策というものが必要である、こういうふうに考えるわけであります。しかし、私はその埋め方というものがただ単なる所得保障的なものであってはいけない、やっぱり農村の生産性を向上するために農村にかわって政府が投資をするという考え方をとるべきである、そういうふうに考えるわけでありますが、しかし、生産性向上のための諸施策これは農林省が全力を掲げてやる問題でありまするが、しかし、それだけでは足らないので、農村環境――農家という問題、農業という問題のその環境、つまり農村対策という問題があると思います。この問題を度外視して農業問題というものは私は解決できないと思います。あるいは農業の労働力の問題あるいは厚生省の所管する諸問題もございます。あるいは建設省の所管する諸問題もある。私は、農業生産性を担当する農林省は、これはもとよりでありますけれども、農村対策という見地から政府が総がかりになって初めて解決できるんじゃないか、そういう感じがしてならないのであります。つまり総がかりでやらなければ解決できない問題である。それで、その中心をなすのはやはり生産性向上政策でありまするが、たとえば、いまでも相当いろいろ農村対策は行なわれておると思うのです。たとえば国民年金という問題がある。この発想ですね、これは私もそういう問題の推進、創設に参画したのですが、農村にひとつ年金をという考え方であります。まあつとめ人は大かたいろいろな意味における年金制度がある。中小企業の人で特殊なものはそういう制度はありませんけれども、ところが、ただ、ないおもなものは農村である。農家が一生働いて、そうして何らの老後の保障がない。何とか考えなきゃならぬということから国民年金という制度が始まっておるわけです。実態は農家年金である、そういうふうに考えておるわけでありますが、あるいは国民健康保険、こういう問題にいたしましても、その対象とするところは農村なんであります。そういうふうにいろいろなことを考えており、また、今後も考えなければならぬ問題かと思いまするが、とにかく農村というものは、私は日本の全体の産業形成また立地計画、そういうような観点から見てきわめて重大なことであり、私どもの財政経済の面から見ましても、やっぱり食糧を今日八割程度自給しておりますが、これを大幅に割るというような状態は、私は健全な日本の経済の姿じゃない、こういうふうに思います。そういうことを考えましても、農業として農家が立っていけるような施策というものを真剣に考えなければならぬ、そういうふうに思うわけであります。
 税制のことにつきまして触れられましたが、これはいま農村は所得税あたりから見ましても納税者が非常に減ってまいりました。人数は忘れましたが、所得税の額は、今度の減税後におきましては所得税額が二十億を割ると、こういうような状態にあるわけであります。さらに私どもは課税最低限の引き上げというものに今後努力していくんですが、その均てん度合いというものは、これらの農業従事者、農業所得に対して特に重く響いていく、特に恩恵的に響いていく、かように考えておるわけであります。まあ農村の税の問題は、そういうふうに考えてみますと、ウエートはなくなってきておるように思うんです。ただ金融の問題、いま御指摘がありましたが、私もこれは非常に頭が痛い問題でありまして、いま系統金融のあり方、いまの数字自体につきまして、私もちょっと納得しかねる点があるのですが、系統内でもっと貸しておると思います。系統及び系統関連というものを合わせますと、これはもう大半がそういうほうに使われておると思いますが、それにしても系統外に相当の金が流れる。そういうことを是正するためにいま近代化資金という制度がとられておるわけです。ただ、問題でありますのは、私はこの国家的補助のない、近代化資金に該当しない普通の農業系統融資が非常に金利が高いという問題です。つまり金融機関としての近代化、合理化という問題を農業系統金融においていかに実現していくか、こういう問題であります。いろいろな意見が出ておりまするが、いずれもなかなか一長一短あって、しかもその間には政治的な配慮をもって考えなければならぬ性格のものも伏在しておるわけでありまして、非常にむずかしいのでありまするが、私もこれをむずかしいからと言ってほおっておくわけにはいかぬ。今後もいろいろ御意見等も承らしていただきまして、そうして農林省が中心になってやるべきことですが、協力してこの系統金融というものが農業の、ただいま申し上げましたような使命ですね、実現のためにお役に立つように動くというふうにいたしたいものだと、かように考えておるわけであります。
○野溝勝君 私はですね、ここで、あなたとその資料に基づいて論争したくはありませんが、ただ、この一点だけはひとつ大蔵当局も認識しておいてください。
 系統外と系統内の数字は違うと言っておりますが――銀行局長、そこで君、誤った指図をしては困る。これはまあ大臣に……。系統外、系統内、この系統内というのは、特に農業に関係があるから私は系統内だと見るとするなら、それは間違っておると思います。たとえば系統外で出しておるのは化学肥料、農業機材、農薬、合成樹脂加工、包装資材、酒類、砂糖、びん、かん詰め、植物性食用油、生糸、乳牛、食肉加工、飼料、食品問屋、遠洋漁業、製氷、冷蔵、漁業資材、紙パルプ、木材加工、これは農業と関係がないということは、私はないと思います。しかし、耕作農民はできやしないのですから、経営の主体がどこにあるかということによって決定を、判断をしなければならないと思うのです。こういうことは擬装ですから、こういう点において、私は系統外、系統内ということを申したわけですが、その点を、十分私はその内容を検討してもらいたいと思います。
 それから、大蔵大臣が非常に税の問題で、農村には二十億円くらいしかの所得税の課税がない。これは私もよく承知しておりますけれども、大体そのくらいしかないという、五百何十万戸の戸数に、その所得税を納める戸数がそれくらいしかないということは、いかに所得格差がはなはだしいかという点を、これはやはり大臣、よく検討してもらわなければならぬ。
 それから最後に、私はもう一つ、これは大臣お忙しいから私は注文しておきますが、非常に大臣も努力されておるけれども、農林省がいろいろ考えておるその点について、特に日本の予算を検討すればおわかりのとおりで、あまりにもひどいですね、ひどいのだ、予算が。と申すのは、これは河野君が、昭和二十九年だと思ったが、農林大臣をやったときに、補助政策というものは、いい悪いは別として、あのとき融資政策に切りかえたわけですが、それ以来農林予算というものは半減した。戦前ですら一六ないし一七%もあったのですよ。これは特に大蔵大臣は銀行局長や主税局長もやっておったからよくわかっていると思うのですが、いまどうです。ワクにはめられたように、毎年一〇%前後じゃありませんか。予算のワクは大きくなりましても比率はやっぱりそのとおりなんですね。こまかい数字は私は申し上げませんけれども、おわかりのとおりです。こういう点についても私は十分検討して、予算措置などについても大蔵大臣は特に私は留意願いたいと思うのです。まあ以上を私申し上げて、大臣お急ぎのようでございますから、私の意見、質問は終わりますが、私は結論として、先ほど申したとおり、単に私は政府を糾弾するとか、そういう意味じゃないですよ。あげ足をとってどうという意味ではないのです。真剣に日本の農業というものの地位がこのままじゃ非常に危険なんですよ。一部成功したあれもあります。あるけれども、なかなかそういう状態に至っておらぬのです。だから私はこういう点についてひとつ、前の政策をやってきたからそれをちょっと直すわけにいかぬと、だんだんベトナム戦争みたいにどろ沼の中に入るようなことはやめて、私は考えてもらいたいと思う。どんな人だってなかなか政策はそれは思うようにいきませんよ。財政金融との関係もあればいろいろな事情もありましょう。しかし、納得のできるようにやっていかなきゃいかぬのです。それには何としてもやはり所得がつり合うかどうかというところに問題があるのでございまして、私は、ほかの白書が出ておったり、ほかの教授がいろいろ言う意見などは参考にはするけれども、関心を持ちません。皆この所得の点について真剣に考えておらない。私はほんとうに日本の民族産業として、農業はどうなってもいいというのなら別でございますけれども、いまのように兼業農家ばかりどんどんできてしまって、専業農家は二割、こんな状態になってくるととんでもないことになりますから、これは両大臣にとくと私は御配慮を願いたい。これをもって私は大蔵大臣に対する意見を終わります。
○委員長(山崎斉君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(山崎斉君) 速記を起こして。
○国務大臣(坂田英一君) この金融の面から申しますと、この農林中金の預金がとにかく非常に伸びて、預金のほうが非常に伸びる。そうしていま御指摘のように、数量はそうほとんどたいしたことではございませんけれども、員外の貸し付けがふえておる。もちろん関連産業のほうが大部分でございますけれども、大体お話しの関連産業のほうが相当伸びている。あるいはそのほかの金融機関にも貸し付けられておるというのが、いままでの関係からいくと事実でございます。と申しますのは、一つは農村のほうとしても預金はして、その預金の金利を高くしてもらって、それを有効に利用してもらうというような方向のものがいままで非常に多い。そういうことのために、いろいろな問題がそこに発生してまいっておるということ、これは野溝委員もよく御存じのことでありますが、こまかくは申しませんが、そういう実態であるわけでございます。ところがいま現在、この金利が非常に下がってきたといったような問題を機会にしまして、この系統金融の使い方等についても非常にこれは考えなければならないということは真剣に考えられておりますので、また、農林省といたしましても、これらがいまお話しのように、やはり主としてこれは員外利用という方向にでき得る限り向いていくことが必要である、こう思うのでございます。したがって、その一つの方法として近代化資金の道をおいて、それらに対して国の助成をして近代化資金というものを相当程度出していくということを前もってやったわけでございまするが、最近の、いまの農林中金等の貸し付けその他に対する問題につきましても、それらのことを中心にしてただいま検討を加えつつあるわけでございます。本質としては、もちろんそういう方向に、いわゆる員外利用として、そういうところに重点を置いて進むようにいたさなければならぬことは言うまでもないのです。ただ、現実問題として非常に、そういろ農村のほうとしての問題とすれば、やはり金利を高くしてもらっていきたい、あるいは下のほうの単協のほうとしては、むしろ金融によって金利をもらって、そしてそれでもって購買事業なり、利用事業なりをやっておるという方向に出ておるようなこともあったりして、まことにその点は私どもとしても現在の情勢になってみますというと、なおさらこれを改めていかなきゃならぬというので、現在それらの点の是正について十分考究中でございます。大体そういうことでございます。
○野溝勝君 数字のことですから、また機会をとらえて十分話したいと思うんですが、農林大臣、あなたは熱心にやられておるでしょうけれども、どうもピントが合わないんだな、私らとの間には。あなた自身はそれで熱心にやられておるんだが、私どもの角度は農業というものは合わない、農業というものはだめだぞ、こういう意味なんですよ。あなた自身も農業が自給自足のできるように、まあ経済がそういうふうな自立性を持てる程度に努力するということについては一致しているでしょう。それなら、いまの格差をどうするかという点についても、これは一致しておるわけなんですね。ところが、少々格差はあるというだけではおかしいんですよ。少々あるというような考えでおれば、農業やっていけないから放棄するのですね。主管大臣としては、こういう点を私は大蔵大臣にやはり強くひざをまじえて折衝してもらいたいと思うのですよ。その意味で私は大蔵大臣を招致というか、ここへ招いたんですがね、委員長にお願いして。ですから、それで銀行局長、あなたからひとつ大蔵大臣によくもう一回伝えてくれ。大体国民所得――あなたも知っておるけれども、ちゃんと書いておいてくれよ。産業別国民所得で、これは最近の新しいのですが、三十五年十二兆のうち農業は一兆三千億、三十六年が十四兆中農業は一兆四千億、三十七年が十五兆七千億中一兆五千八百億、三十八年が十八兆中一兆六千八百億、三十九年は二十兆中一兆八千億で、構成比はどんどん下がってきている。三十九年農業所得は八・九%、鉱工業とか第二次産業は、四九・六。サービス業、製造業、卸業第三次産業が三八・五%、これは政府統計だから間違いない。「ポケット農林水産統計」、農林大臣の管轄だ。あなた決裁したに違いない。われわれの同僚委員である農林委員である鶴園さんなども、ちゃんとこの統計は見ておる。ですから、こういう点から見ても、いかに私は格差がはなはだしいかということは幾何級数的に――算術的にじゃないのです。二から四、四から八というふうにぐぐっといくのだね。だからそういう点から見ても、少々格差があるというような農林大臣の感覚はどうかと思うのです。そこで、さらに三十九年度の農家の生活水準は、勤労者世帯の七九・二%だったが、これは年率一六%もの高率で依存度を高めている。農外所得五二・二%を含めての農家全体の数字である、こういうのも出ておりますが、あなたの言うように、それは非常に農外所得というものがあるのですから、それを含んでおるのですから、そういう点があなたとぼくとの少し考えが違っておる点だと思うのです。そういう点もひとつ十分考えて、今後とも格差の点について、所得の点について真剣に考えなければ、農業基本法など、あなたたちが考えておりましても、なかなか前進をしないということを申しておる。近代化資金といっても、普通妥当性を持った、農家のいわゆる所得じゃないですから、そういう点をひとつ――きょうは農林省の局長諸君も出ておられるようでございますから、中堅の諸君がひとつ真剣になって、日本を守るのですからね、これは。農林省を守るのじゃないですよ。大事な時期でございますから、十分私はそういう点について深く検討もされておることでありましょうが、強く推進をしていただきたいと思うのです。
 これは答弁はよろしゅうございますけれども、希望しておきます。
 次に、問題の中心でございまする農業基本法の問題について、少しくお伺いしてみたいと思います。
 先ほど来、大臣もいろいろ申されましたが、どういう一体政策でいくのかということに対して明確なお答えがありません。右へ行っているのか左へ行っているのか、どうも私にはさっぱり受け取れないのでございまするが、話の大体経緯から見まして、農業基本法を中心に農政をやっていこうというようなふうにも伺えたのでございますから、この際あらためてお伺いしたいと思います。
 農業基本法は、すでに目的に示されておるとおりでございます。しかし、目的に示されてはおりますが、その目的のとおりにいっておらないのでございます。こういう点について、とにかく農業基本法の目的は、所得の均衡、格差の是正ということに重点があるのですね。それが以上申し上げたとおりでも、基本法の精神にあたっていないのだ、実際は私が数字で示すごとく。ですから、こういう基本法について、私自身は、もう過去のあれにとらわれるのでなくて、本年度は間に合いませんよ、本年度は間に合いませんが、来年度はこれはむしろ、私は局長連中に聞きたい。大臣はいつまでやっているかわからぬから、どなたでもよろしい。責任のある局長からお伺いしたいのでございます。基本法に基づいた政策を修正するといったのではあれだが、総理大臣でさえ、政策の中で、高度経済成長から、安定路線を言っているじゃないですか。だから、その精神に沿って、あなた方も発言していいと思うのです。できると思う。あなたたちの感覚をひとつ、お聞きしたいと思う。どなたでもよろしゅうございます。局長からどなたか。
○国務大臣(坂田英一君) 農業基本法の問題、この問題でございますが、この生産性向上、あるいは所得の向上という問題、これを第一条の目標として進めておるのでございます。この基本法を、いま修正するということは、別にその必要を認めないのであって、この基本法の趣旨に沿って、さらに一そう一段と努力をすべきものである、こう考えておるのであって、これを修正するという考えを持っていないのでございます。何か、これらについての問題について、私どもは、いま申しましたように、部分的にいろいろ、基本法に基づいてやっておりまする事業、あるいは事業についてこれらはどうするかという、そういう点はあると思いまするけれども、この基本法をいま改正するとか、そういう段階ではないと、かように考えております。
○野溝勝君 私は、さっきから大臣に申し上げておるとおり、あげ足をとろうとか、そういうような気持ちでやっておるのじゃないのですよ。だけれども、あんた自身が認めているじゃないですか。
 それから、私が先ほど、農林金融の問題でも、税制の問題でも、たとえば所得関係のいろいろな問題でも、まあ福田君は、社会保障の問題、年金と言ったけれども、農業年金なんというのは、何を言っているんだ。無拠出年金じゃないじゃないか。拠出年金じゃないか。そんなものは、まあこっちは反対じゃないけれども、そんなことが農業基本法の目的をいかすことには、ならぬのですよ。
 だから私は、変えろとか何とか言うのじゃなくて、十分検討してくださいと言うのですよ。その検討は、それを守るということでなくて、農民にこたえる、前向きの姿勢で考えてくれと、こう言うのですよ。それに加えて、前にやった政策を少しぐらい、手直しといいましょうか、反省するということは、これはだれでもあたりまえのことなんでして、それは何も坂田君が悪いというのじゃないですよ。坂田農林大臣がこうだと言うのじゃないのだ、私は。そう言うのじゃないのですよ。そんなこと、私は言いません。
 一つ一貫した流れでございますから、だれがやっても、そうあれはできません。それは承知しています。しかし、そのくらいの気魄と意気を持って前進してもらいたいというのが、私の質問の底を流れる精神なんですよ。そのことをひとつお答えいただきたい。
○国務大臣(坂田英一君) いや、御質問の真意はわかっているのですけれども、私もいま御質問にお答えするときに、十分その趣旨に沿うようなことばが出ないために、いろいろ誤解が出ていると思う。私は、農業基本法をいま改正しなければならんというふうには考えておりません、ということなんです。しかし、この基本法に基づいていろいろ事業をやっており、あるいは政策を立てられている、そのこと自体の中には、これは全部万全であるということを考えているのではありませんので、それらの中において、現在やりました中でやはりこれは、この点は改正すべきである、この点はこういう方向に力を入れるべきであるというような問題については、それぞれの問題ごとに、考えを持っているということを申すのであって、基本法そのものの改正の必要は、いまのところない、こう考え、お答えしているのであって、さような意味合いに御了承を願えればおわかりを願えるのじゃないかと、こう考えているわけでございます。
○野溝勝君 これ以上もういたしませんよ。責任を問われるように考えておられるらしいから、これ以上私は言いません。しかし、そういう点はほんとに、先ほども申し上げたとおり、大臣、強い要望があった、意見があったということだけは、ひとつこのことを、東南アジア閣僚会議における食糧問題も出ているわけですから、あなたもそういう点を非常に憂慮して言われているわけですから、特にきょう私がここで、委員会で発言したことに対して、私は、あなたの、今後の貿易上についても、日本の農業を守る意味においても、参考といいますか、一つの何といいますか、バックアップにはなると思うのです。ですから、この点は、強く閣議においても主張してください。特に佐藤総理にも強く要望して、誤まった後進国援助政策を、農民の犠牲の名においてやられたのでは困るから、真剣にお願いしますよ。
 それから、時間も制約されているようでございますから、先ほど大臣は、冒頭におきましてもお答え願ったのですが、自給方針を立てていく、こう言われましたね。そうすると、農業基本法というのは、果樹、園芸、畜産、これが選択的拡大品目でこういうことはうたっているが、これはひとつも農業基本法にうたってないのだが、食糧の自給関係については、どういう点で農業基本法の精神でやられるのですか。それは基本法に一体なぜ特に果樹、園芸、畜産をうたって、食糧のことをうたってないのですか。
○国務大臣(坂田英一君) いまの御質問でありますが、それは、農業総生産の拡大という問題に包括される問題でございますが、これは、特に食糧の自給という問題はきわめて重要でありますので、その点に向かって、できる限りの努力を払ってまいるという考え方でございます。
 ただ、食糧の自給の問題のときに、将来の自給の達成がどういうふうになるかといったような見通し等については、いろいろの見通しの問題が出てまいります。その当時、長期見通しのときには、一応は米穀等については、数字上の問題としては、若干余るのじゃないかという予想が出たことがございます。しかし、それは統計上そういうふうに出たのでありますけれども、その当時としても、やはり災害が起こったり、いろいろの問題があるからして、そういう数字が出ても、現実の問題としてはそういうことではないという問題がございまして、実は私はその当時衆議院におりまして、それをそういうふうに変えないとこれは通さないといって押えたことがございまするので、よく記憶しておりますが、そういうふうなことにいたしたわけでございます。数字はそういうふうに出ておっても、災害とかいろいろな問題があるからそれはできないという問題を十分了承して、そうして文章の上においてはさように直して通したつもりでございます。その当時のことを記憶いたしますのでございます。それで、はたして将来はどうなるかという問題もございまするが、現在のところ、若干、ここ二、三年ぐらいは停滞のきみにあるわけでございまして、これらの問題は、でき得る限りの努力を払ってまいりたい。かように存じておるわけでございます。
○野溝勝君 私は、あなたの答弁の中でお話がありましたが、あなたなどは、自由党に、まだ大臣になる前にはね、やっぱりそういう意見でしたな。自給自足。食糧のね、自給自足。そういう強い方針だった。あなたが農林省の、先ほど言ったとおり、特産課長やって、イモの生産には非常に熱を持って、あのときには自給自足を、私が農民組合の代表として折衝したときには、そういう主張をされておったのですから、その後も自民党に入ってからそういう主張をされておったんだが、大臣になると、とたんにまあぼやけてきたということはおかしい。それで、先ほど聞くというと、また本質に返った。自給自足の方針が。私の言うのは米ばかりじゃないですよ。耕種農業全体についての食糧ですからね。なたねであろうと大豆であろうと、みなこれは食糧です。先ほど自給の方針でいくと言っておるのだが、どうもその点がはっきりしないのだが、その点であいまいにされておると、実際に食糧生産する諸君も熱が入らぬですよ。ただ米だけじゃないです。なたねの現状見てごらんなさい。大豆見てごらんなさい。麦見てごらんなさい。ゆゆしきことだと思うのですね、私は。私は各県における数字をここで申しません。私はほんと大臣真剣なんだがな。ですから、そういう点で、もっと全体的な、米はじめ耕種農業に対する食糧問題、政策に対して、ほんとうに今後自給体制の方針でいくというならば、農業基本法の法律を改正しなくても、何とか行政的に私はやっていかなければならぬのじゃないかと思うのです。それには予算の裏づけもあるでしょう。だから、私はきょう大蔵大臣をここに招いて質問しているのでございます。そういう点に対するこの私の意見に対して、ひとつ農林大臣と大蔵大臣と折衝して、この間の、食糧全体に対する自給計画、政策、こういう点をお話ししてみる元気はないかな。その気力をひとつお聞きしたい。
○国務大臣(坂田英一君) 野溝委員の熱情ある食糧自給問題については、私ども敬服する一人でございます。しかし、何でもかんでも自給ということもなかなか困難な情勢にありまするので、その点になりますると、またよく考えてまいりたい点もございます。で、短い時間で申すのはたいへん恐縮でありまするけれども、たとえば最近のような情勢のもとにおいて、やはり生活程度の向上、それからやはり栄養の関係等からして、たとえば肉類の問題が非常に増強しておる。そうすると、やはり畜産の増強というものは非常に大切になる。しかもこれを輸入するということは、よほど困難な問題でございまするので、そういう点からいきますというと、でき得る限り、肉類の自給を考えていかなければならない。こういう問題になると思う。それから、たとえば今度は蔬菜の問題にしても、生鮮食料を必要とするものでございますから、でき得る限り国内の自給という問題、これはもう申さないでも野溝委員もよく御存じのことを申すので恐縮でございますけれども、これもやはり自給でいかなければならぬと、こういうことでございます。そういうわけで、やはり自給すべきものと、それからまたある程度は輸入にまっていったほうがいいというものと、これはやはり区別して考えないと、現在のように小さな面積で人口は一億からいるのでございますから、どれもこれも自給というわけにはいきませんから、これらの点からいくと、やはり重点的に自給すべきものはどれ、それからして、しからざるものについては、これはやはり輸入にまたなければならぬ、こういうこと。それから畜産にいたしましても、たとえば飼料の草類、いわゆるつまり牛の飼料の中心である草類のごときものは、これはやはり国内でできるだけ自給しないとこれは困難でありますから、そういう方向にいきますけれども、そうでないものについてはやはり、たとえばトウモロコシあるいはマイロといったようなものになりますると、これも全部日本の中で自給をするというわけにはいきません。これらはやはり輸入によってある程度いく。これを輸入と国内生産と両方でありますが、そういうことによって進めていきたいのでありまして、どれもこれも自給というわけにはいきません。それらの関係はよく国際情勢なり、あるいは価格の問題あるいは日本国内における生産の実態ということ、それから土地利用の状態というもの等を比較対照いたしまして、いろいろの問題を検討していきたいと、こう考えておるので、この点は野溝委員も同感であろうとは思うのでございまするけれども、御無礼でございますが、そういうつもりで申しておるわけでございまするので、御了承を願いたいと思います。
○野溝勝君 まあ時間もありませんので、結論に入りたいと思いますから急ぎますが、私は問題によっては、あなたのおっしゃるとおり、輸入もしなければならぬ。えさのごとく、濃厚飼料のごとく絶対不足のものは、これは輸入しなければならぬと思うのですよ。これはわかっておりますがね。しかし、食糧方面は自給自足ができるのですから、だからそういう点は輸入なんということばは出してはいかぬと思うのですよ。やはりこれは自給自足の体制で、どうすれば増産できるか、生産できるか、米にしても食糧にしても蔬菜にしても同じことなんです。そういう点はやはり所得との問題がありますから、そういう点を真剣に――所得の問題についてはみんな触れていないのだな。少し成長率がおくれておるという程度でごまかしておりますけれども、それはいかぬです。その点をやはり強く強調したほうがいいですよ。そうすれば農民がそれこそ希望を持てるのですよ。だから大体基本法なども所得の保障ということはないのだな。大体においては安定的な所得とか言っておりますけれども、価格政策をみればわかるが、実際は市場相場、時価相場なんですよ。そういうところに私は農業の特に食糧関係の行き詰まりが出てくると思うのですよ。あなたはたいしたことはないというふうに思っておりますが、そんなものではないのですよ。さっき私が兼業農家の話をしたとおり、容易なことではありませんから、あなた大臣のうちにその点を思い切って努力をしてください、その点を大きな声で。
 それから、畜産に関して私お聞きしますが、それは確かに畜産の増産も必要ですが、特に畜産と言っても、おもに酪農ですが、酪農などはどうでございますか。これも問題が多い、間違ってることはお互いに是正しようじゃありませんか。そんなに固執する必要はありませんよ。間違っていることは、これは国のためならぬのですからね。不足払い制度を設け、四十一年度は九十九万トンを対象として始めるわけだが、この原料乳の不足払い制度の内容を検討しますというと、一升当たり保証価格が六十九円四十三銭基準取引価格が五十九円六十四銭この差が九円ばかりあるわけです。さらに乳製品安定指標価格は、バター、脱脂乳、加糖練乳、脱脂加糖練乳、これは全部くるむんですが、これを見ると、市販の実勢価格に比べて大体一割程度低くなっているんだな。そうなってくるというと、まあ原料乳の不足払いをするといって、ここに九円のあれを設けてあるけれども、実際の安定指標価格は実勢価格に対して大体一割程度安くなっているんですな。一割安くなっている。したがって、安定指標価格からの逆算乳価である基準価格は下げられていく、これでは実際酪農家もやりづらいんです。この点は農林省出身の方がそれぞれの乳業メーカーには社長とか何とかといってすわっておられるから遠慮しているんじゃないかと思うんです。百姓のためにやるのか、出身官僚である先輩のためにやるのか、ここら辺をひとつ少し真剣に私は考えたほうがいいんじゃないかと思いますね。これはまあ深く言いませんけれども――言えといえば言いますけれども、こういうことはあまりこまかいことになるから省略いたしますが、そういう点をひとつ考えて十分検討してもらわぬと、百姓は酪農、畜産業をやる気にはなりません。
 そこで、いま一つ問題は、いまのえさの問題ですね。えさの問題などについて政府はどういうふうに考えておるか。私は長い間えさの問題については強調しておったのでございますが、ことしの食管会計の輸入飼料勘定を見ると、繰り入れが四十三億あるんだな。これは売買差額と管理などで、取り扱い業者がそっくりもうけている勘定だ。今後飼料政策をどういうようにしてやっていくんでございますかな。そして農家のほうには割り高に、コーンでも、コウリャンでも売り込まれている。当然草地農業へ向かわなければならない。ニュージーランド、オーストラリアを私見てきましたが、あそこらの草地農業は国がやっているのだからね。そういう点もいろいろ検討してみないと、草地農業といったって乳は出ないよ。それじゃ採算とれません。そうかといって、高い飼料買ったんじゃ、これまた採算とれません。行こか戻ろか峠の茶屋というのが百姓の心境なんです。困っている。そういう点、大臣、飼料政策としてどういうように考えておるんでしょう。これはこまかい問題でございますが、あなたが畜産、畜産と盛んに言うから、特に私は畜産の問題をこの際聞いておきたいと思う。御所見をひとつお聞かせ願いたい。
○国務大臣(坂田英一君) この飼料問題につきましては、先ほどお話を申しましたとおり、もちろん草だけでいくわけではございませんので、牛のほうであれば、主として草等に力を入れるのでございますが、なお、その他の濃厚飼料につきましては、それぞれ国内のものも使いまするが、多くはやはり輸入によるものが非常に多いという状況でございます。そういう関係からいたしまして、えさに向かわす場合には特別に安くこれを配給する必要がありまするので、その濃厚飼料のうちの一割五分見当になりますか、そういうものについては国が特別に安い価格でそれらを買ってまいる、こういう方向でやっておるわけでございます。
 なお、そのほかに、先ほど草だけではと申されましたけれども、やっぱり草地の造成ということは非常に大切でございますので、今度の土地改良の造成の際においても、草地については四十万町歩の造成をやっていく、こういうことで進めておる。
 なお、裏作の問題もございまするので、それらについてもいま一応の計画といたしましては、さらに裏作の増強を十分やってまいる、こういうようなことで、国内の草を中心としての国内飼料、それから輸入によるところのもの、あるいは現在日本にありまする麦その他の穀物等にいたしましても、それらを必要な分量については飼料の方向に向かわしてまいるというようなことで進めてまいりたいと、こう考えておるわけでございます。ごく概要でございますが……。
○野溝勝君 草地農業はそれで努力するということですけれども、輸入飼料のことにつきまして具体的なお話がございませんでしたが、私はさっき四十三億と言いましたが、食管会計のあれから見るというと五百六十七億、この数字に間違いないでしょうか。
○政府委員(桧垣徳太郎君) 食糧管理特別会計の中の飼料勘定で四十一年度に売買を行ないます会計の総額としては、いまお話しの数字でございます。その売買の操作の過程において生じます予想の欠損額が四十三億ということでございます。
○野溝勝君 そこで、これは畜産局長からお聞きしてもいいですが、ね盛んに大臣は畜産、畜産と言うからお聞きするんですが、現在のこの輸入飼料の買い入れは、政府が業者に相当安く売って、業者もそのかわり安くするようにというわけであれしておりますですね。特にその分だけでも予算のあれから見ると四十三億が赤字だね。そうすると、政府が売買差損の二十億というものと、管理費をいま負担しておるわけだね。そうですね。そして業者を保護しておるわけだ。他方、輸入飼料メーカーには「保税措置」をとっている。そのメーカーは御承知のごとく、約五百社中の百六十社程度あるのだね。で、そのメーカーを保護して赤字を出して、国民大衆に利益しているのならいいのですけれども、メーカーが利益をしておるのだね。その間の矛盾をどういうふうに考えておるか。この点について検討されたことがあるのでございますか。いまのままでいかれるのですか。それを一つ聞いておきたいですね。現在の配合飼料七五%が輸入でありますからね。その間、これに対して検討したり何かしたことありますか。何しろこれは独占会社だからな。長い間問題なんですよ。こんなうまいことはないものね。ぬれ手でアワのつかみ取りというのはこのことだ。これは何とかならぬものですか。
○政府委員(桧垣徳太郎君) 御指摘のございました四十一年度の輸入飼料の政府の操作にかかわります勘定の損益四十三億というものがございます。そのうち、いろいろあるわけでございますが、売買差損と政府勘定関係の経費の合計が四十三億になっておるわけでございます。お話しの御趣旨十分理解してない点があるかと思いますが、この政府が操作いたします輸入飼料の大部分というものは、これは農業団体を通じまして、農家に供給をするというシステムをとっておるのでございまして、正確な数字はちょっと持ち合わせありませんが、全体の一八%ないし二〇%程度がいわゆる配合飼料の原料になっておるのでございます。で、私どもとしましても、政府の操作飼料のうち調整保管にかかわりますトウモロコシ、コウリャンというものは単体で農家にはまいりませんから、これは農業団体を含みます配合工場の原料として出さざるを得ない。しかし、単体としての需要の多いふすま等につきましては、これは農業団体を通じる単味飼料として供給する方針を貫いていきたいという考え方をとっておるのでございますが、現状におきましては、約一八%前後のものが加工用に回っておるのでございます。で、従前、昭和四十年度におきましては、主として問題になります専増産ふすまについて、三十九年まで加工用に向けております量のうち四分の一を削減をいたしまして、農業団体を通じる単味の農家へのストレートの配給に充てるということにいたしたのでございます。今後も配合工場の原料手当ての情勢をにらみながら、その方向に順次整備をいたしてまいりたいというふうに考えております。
 それから、配合工場の市場占拠の問題でございますが、御指摘のように、承認工場で百六、七十社をこえる数があるわけでございまして、占拠率の最も高いのは系統農業協同組合の配合飼料の占拠率が最も高く、約三五%ということでございまして、ものの見方にもよると思いますが、独占とか、あるいは寡占の状態は現在のところないのでございます。
○野溝勝君 私は、これからあとは議論になるが、現在のところないと言うけれども、あるのです。だからそういうことを一々ここで言うとあれになるから私は言わないけれども、そういうことじゃない。だから畜産局長、私はこの問題についてこまかくあれしないから、ひとつ資料であなたのほうから現在の動きについて、配合飼料それから原料、そういう需要のあれを資料で出してください。
 それから最後に一言、農林大臣、私はむしろこれは意見でございますが申し述べて、これで終わりますが、あと構造改善事業とか、いろいろこまかい近代化の問題であるとか、資金の問題、いろいろなことを聞きたいのですけれども、まあこの程度で私はあとはひざ詰めであなたと話し合っていきます。最後に言うことは、先ほどから申したとおり、畜産政策については原料乳価の保証、それと飼料の問題、これと真剣にやっぱり取り組んでもらいたい。
 それから農業基本法の政策については、法律ですぐいま改正ということもできないから、これは行政方面で十分考えてもらいたい。相当に予備金だってあるし、いろいろあるのだから、銀行局長、あなたはよく大蔵大臣に話をして、先ほど言ったんだが、格差をなるべくなくすことに努力をする、農業の立っていくように努力をすると言われておるのだから、あなたのほうもこれは主計関係ではあるけれども、あなたから伝えてくれ。予算の点について、農林省のほうにはうまみがないというようなことを言うけれども、それだけに、いまも言うとおり、所得税が二十億しかないんだ。税金を納めていても、そんな哀れな状態だ。ですからその点を真剣に考えて、日本の民族産業という点から考えて、大臣によく話してもらいたいと思う。私は以上をもって私の質疑を終わることにいたします。
    ―――――――――――――
○委員長(山崎斉君) 次に、食糧自給体制等に関する件について質疑を行ないます。
○園田清充君 ただいま委員長から、次の議題の御指摘がございましたが、先般中村委員、きょう引き続きまして野溝委員から非常にうんちくを傾けての御質問がございまして、私の申し上げたいことのほとんどを言い尽くされた感がございます。ただ私自体、少し角度を変えて、政務次官がいらっしゃいますので、ひとつ政務次官にお聞きを願いたいと思うのでございます。
 実は、私どもが十八年間地方自治の中に参与をしてまいりまして、国会に席を持って与野党の論議を聞いておりますと、食糧の自給体制と全然関係がないじゃないか、こういうお考え方があるかもしれませんけれども、私はまず食糧の自給体制の確立が可能であるかどうか、なかんずく米麦について、さっき野溝委員からも御指摘がございましたとおり、可能であるとするならばすみやかに達成をしていただきたい。と申しまするのは、一国の自主経済の確立、あるいは自主外交の展開という問題から考えてみまして、その国が本然の姿の中で、みずからの独自の意思を対外的に表彰し、あるいは貿易の振興その他外交を展開するにいたしましても、食糧自体を他国に依存するということは、長い目で見た場合、非常に日本の将来に危機を生ぜざるを得ないのでございます。いろいろ危機ということばには見方もございましょうが、こうした観点から考えますときに、いま輸入食糧に依存をしておる。ところが、昨年度の輸入食糧の実態を見てみますと、スペインまで手を伸ばして、準内地産米的な食糧の輸入をおやりになっている。ところが、第二次大戦後の世界の食糧事情というものを考えてみますと、植民地を解放されて独立をした。独立をいたしますと必然的に生活の程度が上がってくる。そういたしますと、他国に日本人が求める準内地産米的なものが日本の需給を満たすだけ輸入が可能であるかということについては非常に疑問が持たれるということが第一点。それからさっき政治ムードというようなことの御指摘がございました。農業の格づけの問題というのは、外米が非常に安い、しかも大量に生産をせられておるということが言われております。しかし、いま私が申し上げましたとおり、東南アジア、あるいは韓国、台湾。それがスペインまで手を伸ばさなければならない実態の中でものを考えた場合に、はたして輸入に依存して日本の国民食糧をいけるのかどうか、将来の問題に非常に危惧を持つのでございまして、第一点のこの問題につきましては、むしろ私はお二方から御質問がございましたので、すみやかにひとつ食糧の自給体制の確立を急いでいただきたいということの要望をいたしまして、四十一年産米の米価についてお伺いをいたしたいと思います。
 いろいろ質問の中にも、また国の政策の中にも、農業白書を見ましても、所得格差の是正という問題が出てまいっております。きょうの野溝委員の御質問を承ってみましても、農家所得が低い。また農林大臣も所得の低さというものは率直にお認めになっておる。その農家所得の中で四五%ないし五〇%を占める米というものに対する農家の期待、かつまた農家経済の好不況というものが稲作のできいかんによって影響を受けてまいりますことは御承知のとおりでございます。例年国会が終わりますと国会議員の方もお帰りになる。また組織農民の代表でございます私どもも、大阪夏の陣ではございませんけれども、夏場にかけて東京に陳情、坐り込むということを例年繰り返してまいったのがいままでの実情でございます。さっきからお話がございますとおり、四十一年度の米価について所得格差の是正ということがいわれ、かつまたひずみの是正ということが取り上げられておる現段階で、私は抜本的に、この段階でその農家所得の中に占める米の比重というものを考えていただいて、抜本的なひとつ米価の御決定を願う必要があるのじゃないかという気がいたしますとともに、特に、食糧庁長官にお願いをいたしたいことは、米が上がるからということで一切の物価高騰の責任があたかも米か農民に帰せられたようなことが政治の中で言われまして、そういうふうに受け取れる姿で例年米価決定をせられ、かつまた論議を生じたことが論議をせられておるのでございます。この米価というものの決定がすべてのものの責任を持たされるということは、私は所得の格差を是正しなければならないということからしてもおかしいと思う。だから、この二点について、食糧庁長官どうお考えになっておるか、ひとつお聞かせを願いたいと思います。
○政府委員(武田誠三君) 米価の問題につきましては、ただいま先生からもお話ございましたように、毎年非常にまあむずかしい問題に相なっておるわけでございます。本年産米の価格につきましては、具体的にはまだ作業の段階にも入っておりませんし、また基礎になりますデータもございませんので、どういうふうな姿になるかわかりませんのでございますが、米価の算定につきましては、現在の食糧管理法のたてまえというものに基づきまして、再生産可能ということを前提にいたしましての生産費所得補償という考え方で従来のように考えてまいりたいというように思っております。ただいま先生からお話ございました所得格差の是正というものを全面的に農産物価格でやるかどうかというような問題につきましては、これはまあ非常にむずかしい問題であろうと思うのでございます。で、ただ単に価格ということで、いわゆる格差是正、あるいは社会保障的な問題を解決するということは、これは無理な問題ではないかというように考えております。したがいまして、本年産米の米価につきましては、従来のような考え方を基本にいたしまして進めてまいりたいというように思っております。
○園田清充君 いま明確な答弁を求めることは少し無理かと思います。しかし、私がいま申し上げましたとおり、ひとつ適正な価格を決定するということで、農家が安んじて再生産ができるということについて、食糧庁長官として御努力を願いたいということを御要望申し上げておきます。
 それから次に、後継者養成の問題でございますが、これは官房長でもけっこうです。いま後継者養成ということで、農家の労働力が流出をしてあと継ぎがいないということで非常に困っている。この困っていることの、後継者ができない最大の要因はどこにあるとお考えになっているか、ひとつお答えを願いたいと思います。
○政府委員(大口駿一君) 一つだけの原因ではないと思います。一般論を申しますと、やはり農業の所得が他の産業に比べて著しく低いということが一つの根底にあると思いまするけれども、そのほかに、やはり都会にあこがれる風潮であるとか、あるいは農業の将来というものにとって、ややもすればきわめて悲観的な話がひんぱんに行なわれておるということとか、そういうことで若い青年が農村に踏みとどまって農業を担当しようとする意欲が非常にそがれておるということではなかろうかと思います。したがって、後継者を確保する対策と申しますのも、農業政策全体の効果によって農業の生産性を高めるということのほかに、先ほど大蔵大臣もいわれましたように、政府の各省の施策を通じまして農村の環境をよくするとか、あるいは政治の力を通じて農業というものに対する希望を若い青年たちが持つように、そういうムードをつくり上げていただくというようなことも後継者育成にははかり知れない効果のあることではなかろうかと思っております。
○園田清充君 いまお話をいただいたことと関連をいたしますけれども、もう一つ大きな要因があるのです。実はこれは私だけの県の問題じゃないと思う。先般農協をバックにいたしております農民政治連盟、この青壮年部の研修会がありましたので出てまいりましたが、ほとんどの会場で質問を受けますことは、現在の相続法の問題、いわゆる自営農業の育成ということをそれぞれ政府はじめ、都道府県で指導をしておられる。しかし、現実の問題、われわれが自営農業を営もうということで計画をやってみても、相続法の問題にぶつかって、その計画が親がなくなったのと同時にこわれていく、こうした希望のない、みずからひとつ農村に踏みとどまってという意欲を見せても、将来に希望のない農村にはとどまれない。また、計画の遂行はできないということで、ほとんどの会場で出た質問でございまして、いろいろ現下の相続法の問題等を検討いたしてみまして憲法と抵触する問題もいろいろ出ておるようでございます。農林省としては、生前贈与の問題でいろいろ御指導になっておるようでございます。しかし、安んじて後継者がみずから自営農業を営み農村にとどまるというならば、この辺で行政的な強力な指導、かつまた法改正という問題が生まれてこなければ、後継者の育成ということは非常に困難じゃないかという気がいたしますが、この点についてどうお考えになっているか、ひとつお聞かせを願いたいと思います。
○説明員(横尾正之君) ただいま御指摘がございましたように、相続の問題につきましてかねていろいろの御意見があることはよく承知をいたしております。実はそういったことにも関連をいたしまして、農林省におきまして、昨年、四十年の十一月に相当数の農家、具体的に申しますと四百七十二戸の農家につきまして、三十七年から三十九年に相続があったそういう農家につきまして調査を実施いたしたのでございます。その結果を概括的に申し上げますと、大部分の農家におきましては、農地が子供に分与されますのは生前に分与される場合が多い。相続の場合には、単独相続が圧倒的であるという形が出ております。それから少数でございますが、共同相続という形もありますけれども、形式的には共同相続をいたしましても、実質的には共同経営と申しますか、経営それ自体の細分化は生じないといったケースも相当ございます。四百七十二戸の調査でございますから、これをもってすべてが十分に克明に判明をいたすということをあまり断定的に申し上げることにつきましては、若干御異議があるかもしれませんが、大勢はこういうのではなかろうか。しかしながら、一方、御指摘のような点もございますので、そういった点につきましては十分配慮しつつ、農林省といたしましては、数は十分でありませんけれども、後継者に可及的に農地が細分されず一括贈与されますように、税法上の措置等を考えますと同時に、御承知のごとく、後継者対策等を講じまして、できるだけ実態に即応し、かつ農業の近代化にも即するような施策を進めてまいりましたし、今後もさらに強力にやってまいりたい、こういうように考えている次第であります。
○園田清充君 すべての統計上に出た数字、これは私はおっしゃるとおりだと思うのです。ただ問題は、たとえば平坦地農業あたりで米麦に依存をしておるという農家の相続の場合には、あなたのおっしゃるようなことが大体行なわれておると思うのです。ところが、果樹地帯、特に成熟地帯における問題あたりは、いろいろな家庭内の紛争を惹起しておるのがたくさんございます。これは私の県だけじゃないと思うのです。たとえば、はなはだしいのを見てみますと、おやじがなくなったところが、町に働きに行っていた人たちが当然相続の権利を主張して兄弟同士仲が悪くなって、そうしたことからわざわざ成熟木を切り倒して、そしておやじからもらったのは畑だからというので、畑だけをお前のほうにやろうというので成熟したものまでそうした措置をとっているのも一、二――これはそれがすべてだとは申しません。しかし、そういう例もございますので、農家の所得の高い家に限って多いと思います。それが一つの私どもの指導の理想ですから、だから、その理想の姿に近づいたものがもめごとを起こさないように、ひとつ御指導を願いたいと思います。
 それから、これはさっき先輩の任田委員から農地局長にお尋ねしようと思っておりましたけれども――いろいろ御注意もございましたので、私とも後藤次官にお願いかたがたひとつお尋ねをいたしますが、現在農村の若手労働力だけでなくして、季節労務者的な性格の中でもかなりの労働力が流出をいたしております。先日、大阪に参りますのに、私はひかりで隣の窓を見たら、同じ発の汽車に渡辺委員が乗っていらっしゃいました。どこにおいでですかと言いますと、やはり季節労務者になっている人たちが会いたいといっているからというので面会に行っておられる。そういったことから考えまして、救農土木と申しますか、こういうのを季節的に日本の地域に適合した姿の中でひとつお考えをいただきたい。ということは、ただ、農業の生産性を向上させるということだけではなくして、坂田農林大臣が掲げておられる三つの柱の一つ、農村福祉行政の推進ということから考えてみましても、一家団らんが可能であるかどうかということも、また、子供の教育上から考えてみましても、非常に重要なことだと思います。そこで、ひとつ従来の農地行政にそうしたいわゆる農家の福祉行政というものを加味して御検討いただき、かつまた実行していただける可能性があるかどうかということです。
○政府委員(大和田啓気君) 土地改良事業が農家の福祉にできるだけ役立つようにという趣旨で私どももやっておるわけで、たとえば最近におきまして農道に相当な力が入ってまいりましたのも、これも単に農業生産性の向上とか、あるいは流通改善ということ以外に、やはり農村社会をよくしようということが強く含まれておるわけでございます。直接、救農土木という形で私どもがやりましたのは、戦前もいろいろあるわけですが、戦後は、たとえばこの十カ年間ほどの事情を見ましても、災害がありました場合に、災害のひどい地帯に災害を受けた農家の家計を助ける、あるいはそういう地帯において生産基盤を特に強めるということで、土地改良事業が相当行なわれた例はございます。北海道の冷害でございますとか、あるいはその他の地域の風水害等に、三十一年からたしか三十五年くらいまでにかけて、相当予備費なり、あるいは補正予算なりでやった例はございます。ただ、私ども、いま言われました御趣旨が、出かせぎに出なくて済むようなふうに農村で労賃がかせげるように、一般的な救農土木の形で土地改良事業を進めたらどうかということでございますれば、多少私は土地改良事業の目的なり性格なりからいって、そういう事業を一般的にこう推し進めることがいいかどうかということについては、私は疑問に思っているわけでございます。土地改良事業は最近ずいぶん規模が大きくなって、国営、県営、団体営それぞれ有機的な連係でやっておりますので、救農土木という観点から取り上げることについては、私はどうも相当疑問があると思います。したがいまして、一般的な出かせぎ対策としては――出かせぎ対策ということばは悪いですが、出かせぎをしなくても済むように、所得を農村で得られるような、農村で安住できるといいますか、出かせぎをしないで済むような農村社会をつくるためには、これは農業自体をよくするということもありましょうし、工業の地方分散ということもありましょうし、また相当土地改良の規模が大きくなるに従って、いかに機械化されても、その地帯において労賃として相当なものが落ちることもこれは間違いございませんから、そういうことでおのずとこの対策を進めるということが至当ではないだろうか。
 なお、私も、いまの御意見を伺って検討することにやぶさかでありませんけれども、いまの私の気持ちを申し上げると以上のとおりでございます。
○園田清充君 まあ気持ちはわかるがとおっしゃるから、私もこれ以上申し上げませんが、それから次官にひとつお願いをしておきたいのです。というのは、いまの問題とも関連いたしますし、かつまた後継者の問題とも関連いたしますが、各学校に参りますと、新制中学就職指導係という先生がおり、これが自分の町づくり、村づくりということに対して希望あるアドバイスを与えずして、すべて町に行け、町へ行けという指導をやっている。これも一つは、子供自体が、農村の若手労働力というものが農村にいつかない一つの要因ではないかという気がいたします。そこで、また子供の気持ちの中からいたしましても、みんなが出ていく、自分だけが村に残るということは、何か脱落者的な印象を受けて非常に肩身の狭い思いをする。そこで、ひとつ文部省へ次官から御折衝を願いたいことは、まずおのれの郷土を愛するということ、町づくりということ、村づくりということ、そういうことの姿に誇りを持たせる教育をしていただき、かつまた、余った者が二次産業、三次産業に従事することをわれわれは決して否定をいたしません。しかし、今日の労働力の流動状況というものを見てみますと、必要以上にそうしたことの指導が徹底し過ぎているようなきらいがあると思いますので、この点についてはひとつ後藤次官から文部当局なりに、そうしたことの是正といいますか、そういうことで御折衝を願いたいと思います。
 時間がないので、大体三十分ということでございますので、最後に、農協の合併の問題についてお伺いをいたしますが、これはいろいろ諸般の政治情勢もあるようでございますので、私の申し上げたことについてだけお答え願いたいと思います。
 非常に当局の御指導の結果、大体率から申しますと、九割の都道府県において農協の合併が見られましたことは、皆さま方の御指導のたまものと深く敬意を表するわけでございます。ただ、地域的に見てみますと、まだ約二十の府県あたりにはかなり未合併の町村が残っておるような気がいたします。そういうことから考えあわせてみますと、今日まで御指導になった、そして合併ができたというところは、合併可能な条件を備えた組合だったと思いますが、そこで、これは今後に放置してよろしいかというと、決してそうはお考えになっていらっしゃらないと思いますが、時限法が切れましたし、今後のむずかしい問題あるいは農協自体の経済力の問題あるいは地域的の問題、いろいろ問題を包蔵していると思います。そういうことからして、従来法律があった時代と同等な強力な指導をなさっていただくお考えが当局にあるのかどうか、これだけ一つお聞かせを願いたいと思います。
○説明員(横尾正之君) ただいまもお話がございましたように、五年間の合併助成法の実績といたしましては、七千余りの組合に対しまして約六千三百くらいの合併が可能であるという状況で、達成率から言いますと、九〇%というような状況にもなっておりますので、従前の形のような補助を加えた形での合併助成につきましては、農林省といたしましてはこれを同様な形で継続することは考えておりませんが、御指摘のごとく、地域、地方によりましては、まだ合併すべくして合併の終わっていないといったところもございますので、そういった動きを受けまして今後合併を続けるための法的措置が必要であるということで、そのための措置が成立いたしますならば、農林省といたしましてはそれを受けまして、今後その方針に沿うて合併につきまして遺憾のない措置をとるようにしてまいりたい、こういうふうに存じております。
○園田清充君 大体与えられました時間がまいったようでございます。私も資料をたくさん持っておりましたけれども、ほんの上っつらだけなでたような質問に終始をいたしましたが、最後に一つお願いを申し上げておきたいことは、おそらく農林委員に席を持たれる、これは各議員さんが超党派的な考え方だと思います。というのは、さっき野溝議員からも御指摘ございましたように、今日の日本の国家行政の中おける農政の位置づけという問題、私どもが総体的に農政という姿を見てみますと、戦後だけを見てみましても、予算の上から見て、戦後の食糧難の時代には国家予算の約四分の一が農林予算に投入をせられたという決して遠い時代の話ではございません。かつまた、今日の日本のおかれておる諸般の経済状態から考えて、二次、三次産業に力を入れなければならないこともわかりますが、しかし、農が国の基本であるという考え方、姿勢を取り戻すことの必要性が世界の情勢から考えて今日ほど急なときはないと思います。特に坂田農林大臣は農政一本で国会にお出になってから、常にわれわれは御指導をいただいたのでありますが、その御努力、これはわれわれ深く多とするところでありますが、なおかつ、位置づけの問題につきましては、農林省一丸となって日本国政の中の位置づけにひとつ御努力を願うということを強くひとつお願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○政府委員(後藤義隆君) 先ほど園田委員からもお話がございましたが、実はある会合の席上で、農業高校を卒業した人が大部分の人が農業にとどまらないというようなふうな話が出て、どういうわけでそういうふうなことなのであろうかということで、農業高校の先生に青年が尋ねたところが、いまみたような魅力のない農業に自分のかわいい子供に対して農業をせよということをすすめるわけにはいかないということを言われた。しかし、それは、先生の指導が非常に間違っておるのですから、というような話があったのでありますが、これは一面やはり農業に対する魅力というものが薄らいだことでもあるが、それと同時に、これは農業高校の話であったのでありますが、中学にいたしましてもやはり同じでありまして、私はやはり文部省のほうに話して、農業に対してある程度踏みとどまって、農業の後継者としてやっていくようなふうに指導してもらうようなふうなことを文部省のほうに交渉することも必要じゃないかというようなふうにも考えますから、なお、それと同時に、ただいまお話もあったのでありますが、やはり農業に対して十分な魅力のあるようなふうな政策をとっていくということが非常に必要であると、こう思いますし、農業の位置づけというふうなことはやはり重要なことだと思っておりますから、ただいまお話しのありましたようなふうに、御期待に沿うようなふうに私ども農林省一丸となって将来やっていきたいというようなふうに考えております。
    ―――――――――――――
○委員長(山崎斉君) 次に、土地改良長期計画等に関する件について質疑を行ないます。
○任田新治君 長い間かかった土地改良計画でありますが、どうにかその概貌ができ上がって、つい先日閣議で決定されておるようでありますが、この土地改良の長期計画につきまして若干お話を伺いたい。もう一つは、がねがね渡辺委員あるいはきのうあたりも北條委員からの話が出ておったわけでありますが、未利用地の開発の問題、特に農業開発という面での問題、この二面につきまして若干質問いたしてみたい、このように思うわけであります。
 長期計画はとにかく、さしあたりといいますか、あるいは十年を限るというか、そのあたりがあまり明確ではありませんが、とにかく二兆三千億円の事業をやる、また、これとあわせて三千億の融資事業をやるということになっております。その内訳を見ますと、特に圃場整備というふうなことに相当の重点が置かれ、また、これをやるために必要な根本的なかんがい排水の事業をやる、また、これにあわせまして、最近おっかけて防災事業も入れようじゃないかということで、防災事業が若干入っているようであります。このような点、また、農用地の造成は、あくまで国内の食糧の自給率を高める、あるいは農地の壊廃にかわるものといたしましてやっていこうということで、とにかく相当の金額も支出されておる、このような姿になっておるわけでありますが、これだけのものを組み立てていくまでには、ずいぶんお骨が折れることだろうと、これは深く敬意を表しておるわけであります。ただ、私どもとしまして、これだけのものをさてやっていく場合に、いままでの既着工の事業がこの十年間の間にどういう姿になっていくのか、これが十年のうち、あるいは八年なり、あるいは五年なり、その間に済ましてしまうという考え方であるのか。また一方、新規にこれから着手していこうというものにつきまして、それが十年をはみ出して向こうのほうへ延びていく可能性はもちろんあるだろうと思うのですが、そのあたりの取り扱いを全体といたしてどうするのかというととがあるわけでありますが、あるいはいまの段階ではがっちり固まったものになっていないのかもしれませんが、いまの状況において農地局長さんの考え方をひとつお聞きしたい、こういうふうに思います。これが第一点。
 それから第二点は、この圃場整備でありますが、内容を見てみますと、区画整理の必要な面積がとにかく二百万町歩もあるのだと、この二百万町歩のうち、この十カ年間でとにかく八十五万町歩やりたい。その八十五万町歩のうち、いわゆる補助事業としてやるものが六十五万町歩、それから融資としてやるものが二十万町歩、こういうことになっておるようでありますが、特にこの圃場整備の事業というものは、今後ますますいわゆる生産性を高めるというような点、機械化作業が進んでいくということからいいますと、当然緊急に進めるべきものであるということは当然でありますが、しかし、これだけの膨大な面積を十カ年間でこなすということに非常な危惧の念を私は持つわけであります。しかもまたこれを見た場合に、地域的にどういうふうに扱うかと、これはいわゆる長期計画が樹立されていく方向にあったつい三カ年ほど前におきまして、その時分はいわゆる都市周辺の住宅地の建設の問題、あるいは工場の建設の問題、こういうものとからみ合いにおきまして区画整理がなされることは、農業政策としてはもったいないような感じが私はしたわけでありますが、特に私のように寒い地方に生まれた者といたしまして、またしかも今後日本の農業の中でも、あくまで最後まで残っていくだろうと予想されるところの水田地帯のものと、都市周辺であるいは道路がつき、あるいは宅地が建設される、また、工場が建設されていくというような、そういう下地のあるところに対して、農業の政策予算がついていくということ、この点がどうも私としてはかねがねあまりおもしろくないと思っておったわけですが、この点のある程度の規制を地域的に考えておられるかどうか、当然あると思いますが、ある程度具体的に何かお互いに政府部内におきまして話し合いがあるかどうか、この点もひとつ考えていただきたいと思うのですが、その点いまの御方針をひとつ承りたいと思うわけであります。
 それから、先ほど触れましたが、この農地三十五万ヘクタール、また、草地四十万ヘクタールの造成の問題があるわけですが、もちろんこれは、前に渡辺委員からの質問に対しましてある程度のお話があったようでありますが、いわゆる農地の壊廃、これに対応するところの補足的な考え方であるのか、いやそうではなくて、あくまで自給率を高めるための農地あるいは農用地の造成であるのか、こういう点についてもう一度お伺いしておきたいと、このように思います。
 それから次は、観点を変えまして、この大事業を遂行するにあたりまして、いわゆるこの内容を見ますと、前に渡辺委員がお聞きになっておった内容でありますが、農地局長は、とにかく圃場整備につきましては、最近は年々、大体三万七、八千町歩の圃場整備をやっておる、また、農用地の造成につきましては年々二万町歩くらいのものをやっておるというような御答弁があったわけでありますが、それに対しまして圃場整備は、いま水田につきましては八十五万町歩を十年間でやろう、また、農用地造成については、とにかく農地、草地を合わせて七十五万町歩程度をやると、こういうような話になっておりますので、これを比較してみますとずいぶん量的に、従来の実績に比べて元気を出さなければならぬ、こういうことになるのですが、そこで私が危惧することは、技術陣容の、要するにこれだけの仕事を実地にやりますところの技術陣容の整備という問題についてどのようにお考えになっておるか。もちろん従来でも、農林省自体があるいは直接に研修所を設け、また間接にはいろいろの方法で、あるいは大学に委託をする、あるいは学会に委託をするというようなことで、研修等も行なわれておるわけでありますが、今度はなかなかそう簡単にまいらぬ。どうしても相当の力を入れていかなきゃこの仕事はでき上がらないという感じがするわけであります。この点についてひとつお伺いしたいと思います。
 それから次は、この仕事は農林省のいわゆる農地行政というか、そういうつもりの仕事ではありましょうが、もちろん外郭の、あるいは水資源公団あるいは愛知用水公団、こういうようなところの援助――援助といいますか割り当て、あるいはまた農地開発機械公団、このようなところの援助も得なければならぬ。もっとも、農地開発機械公団のほうの仕事は、あるいは若干性格が違いますから、あるいは政府部内の仕事の下請というか、ことばが悪いのですが、そういうものの中に入ってしまうかもしれませんが、とにかく関係の公団あたりの援助ないし役割りが相当あってしかるべきだというふうに思うのですが、この点はどういうふうになっておるのか。昨日いただいた内容のものを見ますと、とにかく継続事業は、関係の面積としまして八万ヘクタールある。しかし、新規は考えていないということになっておりますが、私自身として見た場合に、せっかくああした事業と技術があるものを、この際大いに新規事業におきましても活用したらいいじゃないかと、このように思うわけですが、この点についてのお考えをひとつ承りたいと思います。
 あと、この関係でまだ若干項目がございますが、ひとまずここまでにいたしまして、農地局長からひとつ御回答いただきたいと思います。
○政府委員(大和田啓気君) 非常に広範な御質問でございますので、うまくカバーできるかどうかわかりませんが、第一点の、国営事業につきましての進度の問題でございます。これは、従来特別会計でかん排事業と申し上げますれば七年、干拓で九年ということでやっておりますが、いろいろな事情で少しずつおくれてきておることは事実でございます。しかし、私どものいま経験いたすところによりますと、事業を長くかければかけるほど条件が変化いたしまして、国営が終わりましても県営なり団体営なりに、また追っかけて行かなければならぬということがございますので、やはり経済的な速度といいますか、私どもが当初考えておりますような特別会計でかん排七年、干拓九年という程度のものはぜひとも確保したいというふうに考えております。したがいまして、現在すでに着工されているものは、この十年間で国営の工事が完了できるようにいたしたい。しかも県営なり団体営なりも、この数年は相当よくなっておりますけれども、団体営と県営と国営との工事の進度のバランスをできるだけ保つように、できるだけ早目に国営の負担を、県営の着工にかかりたいというふうにも考えております。それから計画としては、長期計画は十年でございますけれども、十年で終わればあとは知らぬということではもちろんございませんし、私ども圃場整備を必要とする水田が二百万町歩というふうに、区画整理を伴う圃場整備を必要とする水田が二百万町歩、区画整理を伴わない水田の圃場整備が百万町歩というふうに考えておりますけれども、これも十年先のことは、現在計画では何も申し上げられませんけれども、大体二十年かからないうちに、それが完成できるようにというスピードで、国営なり県営なりを考えておるわけでございます。したがいまして、今後採択する国営事業につきましては、当然十年間で完了するというものだけではなくて、次の十年間といいますか、十年間の、現在の昭和四十年ないし四十九年の計画達成後にもずり込むようなつもりで、今後当然採択をいたしたいというふうに思います。しかし、採択をしたものについては、経済的なスピードで事業が進むように、これは私どもも十分配慮してまいりたいと思います。
 それから二番目の問題で、圃場整備で、これも御指摘のように、水田で四万町歩前後の年々の事業量がありますが、区画整理を伴う圃場整備、今後十年間に八十五万町歩といいますと、年八万五千町歩ですから、ほとんど倍あるいは倍に近い程度の事業量をこなすわけであります。それで私ども地域的に県別、あるいはブロック別に圃場整備の数字を現在配分はまだいたしておりません。したがいまして、どこの地帯でどれだけということ、これもまあいわば農林省から地区別な割り当てをするということもまた妙なものでございまして、土地改良その他の下から上がってくることで事業が進められるということでございますから、地域別あるいは県別という数字は持ちませんけれども、事柄の性質からいって、当然農業地帯に重点が置かれて、都市近郊地帯でいつ宅地化するかわからないような地帯は、できるだけ避けるように私どもも現在団体営の採択にあたってはそういうつもりで仕事をやっておるわけでございます。
 それから三番目の問題で、農地造成で十年間に三十五万町歩程度ということは、一体どういう意味があるのかというお尋ねでございますが、これは確かに、一方では今後十年間の農地の壊廃を見通しますと、大体三十五万町歩程度になるのではないかというふうに思います。したがいまして、今後十年間で壊廃するものを十分取り返して、しかも水田等につきましては反収を増加して、自給度の維持向上につとめるというつもりでおりますけれども、片方では、十年間で三十五万町歩の造成というのは、これも相当なある意味で気ばった計画でございまして、そうその夢のような大きな数字をつくりましても、実際の開拓はそうは進まないわけでございますから、私どもの技術陣営あるいは私ども通常玉と言っておりますけれども、開拓適地、干拓適地等々もにらんで三十五万町歩程度が適当ではないかと考えておるわけであります。それから圃場整備なりその他の土地改良事業を進める上に、いまの技術陣容で十分かどうかというお尋ねでございます。私ども土地改良事業の幅を広げるといいますか、事業量をふやすばかりでなしに、同時に質の向上ということも当然考えなければならないわけでございますから、従来から土木技術者のすぐれた人材の確保ということにおいてずいぶん骨を折っておるわけで、これは農地局の大先輩でございますからよくおわかりと思いますけれども、現在農業土木の技術者は、本省で大体百四十名程度、それから農業土木試験場を含めて、地方の出先機関約二千六百名技術者がおるわけです。それで、農業土木関係はまだいいわけでございますが、一般に自然科学部門で農林省といたしましてすぐれた新卒をとるということはなかなかむずかしくなっておるわけでございますけれども、私ども一つは伝統があるということもありますし、それから関係者の努力によりましてまずまず質のいい技術者の確保がいままでは大体うまくいっておると思います。今後もその点については、結局は人の問題でございますから、人のある程度の数と質のいい新卒の採用と、それからあわせ技術者の待遇改善といいますか、できるだけ働きやすいような環境をつくることに努力をいたしたいと思います。
 それから五番目の御質問で、水資源公団でありますとか、あるいは愛知用水公団、機械公団等々を活用することはどうかという御質問でございますが、これは一つ一つの公団等々について今後どれだけの事業量を新しくやらせるかというふうにはまだ確定的には考えておりません。今後全体の、県営、団体営、国営でも一般会計あり、特別会計あり複雑になっておりますが、その全体の構造の中に据えて、一体こういう公団の事業をどういうふうに進めるかということをあわせて検討してまいりたいというふうに考えます。
○任田新治君 大体中身はわかってまいりましたが、全体の基本方針といたしまして、いまの御方針で進むと同時に、具体的に調査というものが、従来数年かかってでき上がって積み重ねはあると思いますけれども、その積み重ねの中から最もいまの施設に合うというか、効率というか、経済べースでものを考えた場合のものをセレクトして、そうして他に積み上げられるその内容はほとんど総ワクができておる、二兆六千億でありますから、それにおさまっていくはずではありますが、その数字が面積的な数字あるいは国営、県営、団体営としての数字また工種による数字というものが大体固まって、いままで積み上げたものを一応ばらして、また積み上げ直していくというのは、でき上がるのが大体いつごろになりますか、これが第一点。
 それから圃場整備の問題、地域別に、あるいは施設に応じて、もちろんまた基本的な考え方としては都市周辺を避けるというようなことでお考えになっておるということを聞きまして、私ども非常に安心いたしました。ぜひその方向でやっていただきたいと思います。また、農地の造成の問題ですが、草地の問題は別といたしまして、農地の問題についてはいろいろ議論も多かろうと思います。これはまた別の機会に譲りたいと思います。
 それから、自然科学の部門について、特に新規採用がやりにくいというような話が出てまいりましたが、あるいはこれは伝統の問題もあり、また、待遇の改善の問題もあるということでありますが、実はある機会にこういう表があったのですが、とにかく農林省、通産省、運輸省、建設省、経済企画庁というようなところの各省の技術屋の待遇といいますか、上級職の採用試験を受けた人の、事務屋さん、あるいは技術屋さんの昇格の表がありますが、あるいはこれは官房長あたりのところへこれらのグループが、あるいは陳情あるいは意見を申し上げに行っておるかもしれませんが、たまたま私こういう表をもらっておるんですが、農林省の技術関係は、とにかく昭和二十八年以前に採用になった者がどうにか四等級になっておる。二十九年以降が五等級になっておる。ところが、各省の技術関係を見ますと、通産でも、あるいは運輸、建設におきましても、いずれも二十八年以前の採用者というものはすべて三等級、ないしはもうその大半が二等級になっておる、こういう実態があるわけであります。これは何も農地局という関係ではなくて、農林省全体のことだと思うんですが、これはどうもこういうことではなかなかいい技術者が集まらぬという気がします。ぜひともこういう点につきまして、いまからでもおそくない、ぜひとも考え方を変えて、何とか優遇していく道を講ぜなければならぬ、このように思いますが、官房長、いかがですか、この点。
○政府委員(大口駿一君) ただいまのお話しの、技術者と事務系統の職員との昇進速度の差というものは、各省の間でも違っておりまするし、また、農林省の中でも局別に非常に違っているのが実態でございます。ことに戦争中から戦後にかけまして、非常に新規採用をたくさんやりました年次は、どうしてもポストと人間とのバランスがとれないというようなことで、戦争中並びに戦後に急速に膨張した局ほど、そういう格差が開いておるのが実態でございます。ただ、御案内のように、昭和二十五、六年以降は、人事院試験をやりまして、その試験合格者から採用いたしておるわけでありまするので、その事務系統と技術系統の格差は実質的にも非常に縮まってきているのが現状でございますが、むしろ中間の年齢層の人に問題がある。最近の民間の給与と役所の給与の格差等の関係もありまして、優秀な技術者がなかなか役所に就職を希望したがらないという一般的な傾向は、農林省ばかりでなく、各省とも同じ問題で悩みを持っておると思いまするが、そういう問題を含めまして、やはり技術系統の職員の待遇の問題につきましては、広く人事管理の問題として、われわれ、各省の横の均衡等もにらみ合わせつつ、今後とも善処してまいりたいと思います。
○任田新治君 次は、この長期計画の問題ですが、さらに若干申し上げて御意見をお聞きしたいと思います。長期計画がいわゆる量的に膨大なものとしてでき上がってまいったわけですが、これを角度を変えて、遂行をやさしくすると申しますか、そういう方法の手段としてもちろん国が助成をしておるわけでありますが、この助成のしかたについて、従来のそれぞれの業種につきまして、あるいは工種といいますか、いわゆる事業費目につきまして、従来の補助率でもっていいかどうかという問題があろうかと思います。本年度の、昭和四十一年度の予算の編成にあたりまして、それぞれ御意見が出て、各業種について、五分あるいは一割というようなものもあったかと思いますが、政府部内で結局落ちつくところへ落ちつきましておるわけですが、どうも現状の補助率では、農家の皆さんがたいへんだろうというふうに思います。ましてや、いわゆるこれらの圃場整備の仕事ないしは構造改善の仕事を見た場合、フランスあるいはイタリーあるいはドイツのこれに対する政策なんかを見てみた場合に、まだまだ日本としては見劣りがするという感じがするわけであります。私としましては、ことしは、とにかくこの十年計画から言えば、第二年目にもうすでになってしまったわけでありますけれども、この際、来年はぜひとも根本的にこの補助率というものを各事業費目に応じまして検討しまして、そうして正々堂々と政府部内でひとつきめていただきたい、こういうふうに思うわけであります。
 ただ、私、この場合に若干気にかかることがあります。農地の災害復旧、耕地の災害復旧は、いわゆる激甚災の指定というようなものの指定を受けない限り、一般的な場合には補助率が、農地の災害復旧は五割です。この五割というものは、いわゆる天災を受けての施設の復旧に対して五割というような、こういう壁がありますと、いわゆる土地改良事業というものがこの五割の壁を突き破ろうと思いましても、なかなかこれはたいへんだと私は思います。どうしてもこの際、やはり災害復旧の農地の補助率をひとつ六割なり、あるいは六割五分まで上げていく、もちろん農地災害の中でも施設の災害復旧は、これに応じてやはり上げていかなければならぬ、こういうひとつ態度に進んでいただければというふうに思うわけであります。この点御意見をちょうだいいたしたい。
 それから最後にお願いしたい、ないしは御意見もいただきたいのですが、農地の集団化の問題、これはもちろん圃場整備という手段を通して実行すると非常に農家もやりやすい点もありますが、同時に、全国平均でとにかくこの零細な経営規模の農家が、平均にいたして六団地に分かれておるわけであります。その六団地に対して機械を入れようと思ったって入るものではありませんし、どうしても圃場整備をやらなければならぬ。あわせてまた、たとえ暫定的に、その補助の恩恵を受ける機械がなくても、ある程度の集団化をするということも必要だと思います。この農地の集団化、また、その後に来るところの登記の問題、換地処分の問題について、これがいわゆる直接農家と関係しております市町村の職員あるいは農協の職員が非常に難渋いたしている。何とかいわゆる制度上の新しい簡素化されたやり方をひとつつくってもらって、そうしてかけ足でやりませんといけない。従来の業務がずいぶん累積しておるはずでありますが、今後さらにこの圃場整備を八十五万町歩もやるということになりますと、これはまたたいへんな仕事でありまして、せっかくものができても、どこのだれが所有しておるのかさっぱりわからないままで数年あるいは数十年の年月がたってしまうということが起こるだろうと思います。この点について基本的に何か積極的な御方針があれば承りたいと思います。
○政府委員(大和田啓気君) 第一の、補助率アップの問題でございますが、これは実は私どもも、土地改良をやって、その結果非常に農民に過重な負担がかかるようでは、かえって農業経営の改善の妨げになりますから、農家の負担の適正化ということについては従来からずいぶん一生懸命やっておるつもりでありますが、四十年度におきましても、四十一年度におきましても、それぞれ補助率なり、あるいは償還期間の延長をやってまいったわけです。それで、今後におきましても、農家負担の適正化については努力をいたすつもりでございますけれども、いま言われた災害復旧の補助率からまず上げて、全体の補助率に及ぼすということが非常にむずかしいことであることはよく御承知のとおりでございます。なかなか簡単なことではございませんで、私どもは、土地改良事業をうまく進めるために、やはり農家負担の適正化という観点から今後も十分検討し、また努力をしてまいりたいと思います。
 それから二番目の、農地の集団化に伴う換地処分のおくれの問題でございます。これも私実は非常に頭を痛くしている問題の一つなんであります。換地処分というのは非常にややこしいばかりでなしに、もう農業土木が先へ進んであと始末のじみな仕事でありますから、技術者もだんだん年をとって、新しい人がそれに入ってこないと――技術者というのは換地処分の技術者です。人の点でもなかなかうまく回らないために、確かに圃場整備、現在四万町歩前後の圃場整備が行なわれているにもかかわらず、だんだん未換地処分の面積が少しずつふえておる。換地処分の済んでいない土地がふえているわけであります。私どもも、四十一年度の予算において相当思い切って換地処分関係の補助額を、単価を引き上げて多少はよくなったろうと思いますし、また、換地処分をやる実務についての技術者の確保、あるいは訓練といいますか、養成についても相当の手を講じておるつもりでございます。で、土地改良長期計画を進めて圃場整備がどんどんふえてまいるわけでございますから、人の確保と、それから補助金だけの問題では決してございませんけれども、人の確保とその技術的な訓練については、今後土地改良を進める上の目立たない仕事ではありますけれども、非常に重要な仕事の一つとして私は十分重視してまいりたいと思います。
○任田新治君 時間があまりありませんので、未利用地の農業開発という問題について予定をしておりましたが、はしょりまして、ちょうど畜産局長おられますので、この利用開発の面について、これに付随してちょっと御意見をお伺いしたいと思います。
 日本の畜産技術は、とにかく、私は十分知りませんけれども、いわゆる家畜を個体として育てる、ないしは家畜衛生学的に育てていくというような感じが強かったように思います。いわゆる牛馬を役畜として飼いながら、そういう意味で、役畜としての大事さから育てていくというような感じで進んできた。それが今日の時代ではそうではなく、新しく食べるものという感覚になってきているわけでありますが、そういう点で、いわゆる畜産の経営技術というものがまだまだ未熟だと思うわけであります。一方、しばしば農林省の中で、干拓技術におきましては、御承知のとおり、五、六年前というか、七、八年も前からオランダのヤンセン教授あたりに来てもらって、そうして、そうした干拓技術を導入して、積極的にあるいは八郎潟あるいは鍋田干拓というようなことで、そのオランダ方式で干拓を進めている、また今後も進めていくわけでありますが、こういうようなことが一方においてなされておりますので、私ちょっと思いついていることではありますが、畜産においてもこの際、主として経営技術というような面からこのほうのたんのうな国から、しかも日本の気候風土というものに合った、比較的似通った国からそれらの畜産技術屋を呼びまして、ある程度長期にこれを呼びまして、そうして日本の国土というものを、あまり広くもないのですから、これを農業のいわゆる経営類型のような考え方でもって畜産経営技術から見て分類しまして、そうしてどの地域にはどういう草が必要であり、また、どれが適する、また、その上に立ってどういう程度の家畜を飼ってやっていけばどれだけの収入がある、いわゆる価格の変動というものがかりに安定をしたと見た場合に、少なくともここまでやればうまくそろばんがとれるのだというような意味合いの研究というか、いわゆるサゼスチョンをしてもらう、また、その上でもって国自体がいわゆる草地の造成なり、あるいはまた湿地牧野の改良なり、そういうものにおきまして少なくともここまでの国の補助がなければ畜産経営というものはやっていけないのだというようなひとつ線を出してもらってはどうかというふうに思います。また、もう一つは、これとあわせてわれわれが直接食べるところの牛そのものが日本の肉牛そのもののいわゆる増体効率と申しますか、こういうものと、それから外の国の牛の増体効率というものを比較した場合に明らかにそこにある程度の差がある。もちろん飼育のしかたにおいての差もありましょうが、とにかくそこに明らかに品種の上でも差があるわけでありますが、こういう面からいきまして、それらの優秀な、効率のいい牛を導入しまして、そうしてできるだけ早くこれをひとつ全国に普及するような方法をとってはどうか。もちろん金のかかる仕事をするのでありますけれども、具体的にそういう点の検討が相当なされていいのじゃないか、まあ、いまもなされているかもしれませんが。ぜひこの点を考えていただきたい。もちろんいまの時節でありますから、日本の在来の肉牛に対して外からのいわゆる種を人工的に入れるということもできましょうが、単にそれだけでなくて、いわゆる家畜そのものをひとつ輸入して大量的にやり、また、それが目で見て日本の畜産の振興にも役に立つ、農家自体がそれをながめていくというようなことにしてはどうかと思いますが、この点大臣なり、また畜産局長からひとつ御意見を承りたいと思います。
○国務大臣(坂田英一君) ごもっともなお説でございます。ただ、現在までにおきましてもずいぶん外国からのいろいろの指導を畜産においても受けておることは事実でございますが、それらについては畜産局長からお話しいたしますが、なお足らざるは十分これはやはり先進国の事情を見てくるなり、あるいは指導を受けるという方向で進めたいと思っておりますが、しかし、いままでも相当いろいろの点において指導を受けておることは事実でございまして、その点は畜産局長からお答え申し上げます。
○政府委員(桧垣徳太郎君) 任田先生のおっしゃいますように、日本の従来の畜産は、家畜の個体技術的な点ではかなり進歩をいたしておるのでございまして、獣医学的な面等では世界水準に達しておるといって過言でないと思うのであります。御指摘のように、経営技術につきましては、どうも昨日も申し上げましたように、まだ経済動物の飼育経営対象としての問題、あるいは経営というものは結局技術の組み合わせの問題でございますが、その点は世界の水準から見れば相当に劣っておるということは認めざるを得ないと存じます。畜産は、まあよけいなことでございますが、耕種のものと違いまして、迂回生産の技術でございますために、非常に技術の組み合わせが多いわけでございます。それだけにむずかしい。従来も特にわが国の技術として劣っております草地の造成、管理の関係につきましては、豪州、ニュージーランドあるいはFAOの技術援助におきまして、専門家の派遣を受けて指導を受けてまいったのでございます。現在北海道は、これは道単独のものでございますが、ニュージーランドからの技術者を長期招聘をいたしまして指導を受けておるというような実情もございます。経営技術の問題に相なりますと、実は従来施設的なものとしては、日本へもたとえば乳牛等の飼育におけるスタンチョン方式の導入でありますとか、あるいはデンマーク養豚の、デンマーク豚舎の導入でございますとか、あるいは養鶏におけるケージ養鶏の技術というようなものが入ってきておるのでございますが、最もおくれておると思われますものは、やはり草地、畜産の技術であると、私どもも認めております。これらの問題につきましては、実はわが国自身の国情が非常に違います。これは土地の問題と気象、風土の関係等違いますものですから、従来外国から来ました技術者もしばらくの間は戸惑ってしまうようでございます。でございますので、私ども畜産団体が、現在畜産の技術の相談を受けるという形でコンサルタント事業を国の助成、それから中央競馬会あたりの益金からの振興費助成によってやっておるわけでございますが、そういう事業との関連において私ども将来御指摘のようなことを考えてまいりたいと思っております。
 なお肉牛の、新しい産肉能力の高い外国からの肉牛の導入をはかったらどうかということでございますが、この点につきましても、従来から、国のほうでも、農林省としても世界的に有名な肉牛でございますアバーデンアンガス、それからヘレフォードの導入をいたしまして、現在岩手牧場それから十勝の牧場において肥育の試験と、それから在来といいますか、日本の肉牛とのF1、一代雑種の試験を実行中でございます。
 なお民間におきましても、あるいは都道府県におきましても、ごく最近、ただいま申し上げました二種の肉牛、それからフランスの世界的に有名な肉牛でございますシアロレー種というようなものの導入をはかっておりまして、私どもも昨日でございましたか、御説明を申し上げました民間輸入による牛肉の差益積み立て金の中から相当額をこの外国肉用種雄牛の導入に充てまして、それを草資源の多い府県に配置をするというようなことで、産肉能力の高い肉牛の造出という問題に手をつけてまいりたいというふうに思っております。
 なお、この問題は、ざっくばらんに申し上げますと、確かに産肉能力は高いのでございますが、日本の国情との関係におきましては、牧野衛生の問題についてなお問題がございます。また、外国種とのF1の実験は世界的にもあまりないのであります。そういうような問題を通じまして、農家にまで普及する段階はまだ早過ぎるのではないか、そういう結果を見ました上で、日本の肉牛も、従来の和牛の系統を基礎としながら新しい時代に沿った肉牛の造出ということにつとめてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○委員長(山崎斉君) 森中君から資料の要求の発言を求められておりますので、これを許します。森中君。
○森中守義君 水産庁長官が見えておりませんから、官房長に少し資料をお願いしておきたいと思います。
 ずいぶん多いのですが、一つは韓国ノリの需給調整協議会、これが設立をされて現在に至るまでの沿革、並びに現在の構成メンバーの経歴、それから会が設立されて毎年チャンピオンが選定をされておるようですが、これら選定をされたチャンピオンの年次ごとの商社名。
 その次に、ノリの流通協議会のやはり設立より現在に至る沿革、及び現在の構成メンバーの経歴。
 それから協議会がつくられて以来、各年度ごとの韓国ノリの輸入の総量及び総額並びに買い付けの方法。その次に、これまた同じように各年度ごとの国産及び輸入ノリいずれもの在庫の状況、その次に、各年度ごとの韓国ノリの買い付けの価格と国内における市販の価格、それから、あったかどうかわかりませんが、水産庁がたとえば韓国ノリに対して輸入の規制を行なったとか、あるいは在庫韓国ノリの市場への放出の規制を行なったとか、そういう事実があるかないか、もしあったならば状況表を出してもらいたい。
 その次に、大体年商五千万以上の取引を行なった商社、問屋等の業社一覧表と資本金、これは非常に無理な水産庁への注文かわかりませんが、もし通産あたりに関係があることであれば、これらとよく相談をして提出をしていただきたいと思います。
 それから、ノリの市場価格決定の実情。
 その次に、漁業の構造改善事業が発足して以来現在に至るノリの養殖のためにのみ投入した政府資金の年度別、地域別分類表、並びに先般来しばしば大臣がこういうことに対するビジョンと言われておりますから、向後五年間にわたってノリの養殖のためにおおむねどのくらいの資本の投入を予定をするのか、その予定の見込み額、これはあくまでも予定ということで出してもらってけっこうです。
 それから、国産ノリの荷さばきの状況、つまり全漁連等で扱ったいわゆる系統団体による集荷の状態とそれ以外のものの比率を出してください。
 それから、全ノリの組織の状態及び全漁連の組織の状態。
 それから、その次に、問屋の数及び問屋が団体をつくっておればそれらの団体の状況、それから仲買人の全国の数と、もし団体をつくっておるならばその団体の状態、こういうものをできるだけ早く御提出をいただきたいと思います。以上です。
○政府委員(大口駿一君) ただいま仰せられました資料は、私直接水産庁でございませんので、全部についてお答えができませんが、大体のものは御要望に沿い得ると思いますが、ただ、私、いまお話を伺っておって、ちょっとむずかしいのではないかと思われる点を二、三申し上げます。
 それは、完全な資料はなかなかむずかしいのではないかという気がいたします点を申し上げますと、各年度の韓国ノリの国内在庫の状態というのは、これは非常にむずかしいのじゃないかと思います、私は。
 それから、市販の価格、幾らで買ったかということは、記録ございますからわかっておると思いますけれども、相当古い時代からの韓国ノリの価格というのはなかなかむずかしいんで、あるいはノリの市場価格の統計をもってかえさせるのかどうか、その辺はくふうを要すると思いますが、おそらく、森中先生の御要望にぴたり合う資料は非常にむずかしいと思います。
 それから、輸入の規制を行なったことがあるかというのは、これは数量をきめて輸入しているわけでございますから、それがある意味では規制だと思いますが、放出の規制というのは、国内産の出回りを見ながらやっているわけで、これを規制と呼ぶか呼ばないかの問題ですが、それ以外に規制はないと思います。
 それから、政府資金の過去における予算、補助金の実績は、これは御要望のとおり詳細なのが出し得ると思いますが、今後五年のノリの予定額というのは、これはなかなか――どの程度に責任を持つかということにもよると思いますけれども、きわめてむずかしいのではないかということをあらかじめ申し上げておきます。
 あとの問題は、大体水産庁が努力をすればそろうものばかりだと思いまするので、なるべく御要望に沿うような内容のものを、なるべく早く提出するようにいたしたいと思います。
○森中守義君 官房長ね、よくわかります。ただ、その中で韓国の買い付け価格ですね、これは私はそうむずかしいことじゃないと思います。これはひとつぜひ調べてください。
○政府委員(大口駿一君) それは簡単にわかると思います。
○森中守義君 それから、今後五年間にどのくらい予定するかということは、財政当局の、相手もあることですけれども、一応いわゆるノリの養殖家をどう保護していくかという、つまり農林省としての保護政策の一環としてビジョンをここに示そうと、こういうわけだから、しばしば大臣もそれは言ってきましたからね、だから、さっき私は断わっておるように、あくまで予定でけっこう。大体どういう程度の保護政策をとっていこうとするのか、それを知りたいわけですから、そういう意味で出してもらってけっこうです。
○政府委員(大口駿一君) 委員会から正式に御要求のあった資料として出す部分と、それからややそれと責任の度合いが違うというと語弊があるかもしれませんけれども、純然たる非公式の事務的な試案というような形で出す部分とに分けていただくならば、いまの予定というのは、後者のような予定で出させていただくわけにいきませんでしょうか。
○森中守義君 あのね、何もむずかしいことを言っておるわけじゃないんです。国会法に定める資料の要求がどういうものであるかということは、官房長も御承知のとおりでしょうから、一応正規の要求として私は求めておるわけですから、あくまでも国会法の精神に基づいたものを出してもらわなければ困ります。
○政府委員(大口駿一君) なるべくそのようにいたします。
○委員長(山崎斉君) 農林水産政策に関する調査は、本日はこの程度にとどめ、散会いたします。
   午後四時三十五分散会