第052回国会 農林水産委員会 第4号
昭和四十一年十一月一日(火曜日)
   午後零時二十四分開会
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   委員の異動
 十月二十八日
    辞任         補欠選任
     鶴園 哲夫君     前川  旦君
 十月二十九日
    辞任         補欠選任
     前川  旦君     大河原一次君
 十一月一日
    辞任         補欠選任
     大河原一次君     前川  旦君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         山崎  斉君
    理 事
                園田 清充君
                野知 浩之君
                武内 五郎君
                渡辺 勘吉君
                宮崎 正義君
    委 員
                青田源太郎君
                梶原 茂嘉君
                小林 篤一君
                田村 賢作君
                仲原 善一君
                堀本 宜実君
                中村 波男君
                前川  旦君
                村田 秀三君
                矢山 有作君
                黒柳  明君
   国務大臣
       農 林 大 臣  松野 頼三君
       通商産業大臣   三木 武夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮出 秀雄君
   説明員
       警察庁保安局保
       安課長      雨森 和雄君
       法務省刑事局刑
       事課長      石原 一彦君
       大蔵大臣官房財
       務調査官     細見  卓君
       国税庁次長    中嶋 晴雄君
       農林省園芸局長  八塚 陽介君
       林野庁長官    若林 正武君
       通商産業省通商
       局次長      原田  明君
       通商産業省通商
       局輸入業務課長  高谷 武夫君
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  本日の会議に付した案件
○農林水産政策に関する調査
 (バナナ等輸入果実その他に関する件)
 (国有林野の払下げ等に関する件)
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○委員長(山崎斉君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 前回の本委員会の散会に際し混乱が生じましたことにつきましては、委員長としてまことに遺憾に存じます。
○武内五郎君 去る十月二十五日並びに二十六日における農林水産委員会の運営につきまして、共和グループの不正融資並びに新たに台湾バナナ輸入に関して取り上げられた質問の続行中に、山崎委員長がとりました措置は、議会民主主義のルールをじゅうりんした行為であって、われわれは断じて容認することはできないのであります。さきに決算委員会における与党委員の退場といい、また今回の暴挙といい、政府自民党が、国民の前に堂々と説明のできない不正をみずから肯定したものであって、佐藤総理の劈頭の言明も、国民を欺瞞する以外の何ものでもないと考えられるのであります。
 本日は、本委員会を再開するにあたりまして、委員長から遺憾の旨意思表示がありまして、私どもは、これは単に本委員会に限らない、両院を通じて厳粛に反省し、将来かかる事態の惹起を見ないように十分なる配慮をすべきであると考えるのであります。
    ―――――――――――――
○武内五郎君 次に、前回の委員会における、農林大臣に対してわが社会党の渡辺委員からの要請がありました共和製糖グループに関する調査報告について、大臣の日取り等の関係もあって、約束は十一月上旬ということでありましたが、その日取りを明確にしていただきたいと思います。したがって、この日取りによって本委員会を開催する日取りの決定を見なければなりませんので、その点について、その委員会の日程等については委員長において適当なる処置をとられるように希望しておきます。
○国務大臣(松野頼三君) 先般、十一月上旬と申しまして、その後経過報告についての報告書が提出いたされましたが、しかし、その内容を検討いたしますと、まだまだ政府自身が再調査を命ずる点が多々ありましたので、先週の土曜日に再調査を命じまして、その報告を近々中に聴取いたします。したがって、今日の見通しでは、十五日中には中間的でも御報告できるかと思います。これは、もちろん、農林省のみならず、関係の大蔵省とも協議をいたしますが、十五日中には政府として中間的な報告の提出はできるという見通しでございますので、上旬を四、五日延期をしていただきたい。延期される理由は、再調査をさせる点がありましたので、再調査の期間の延期であります。
○武内五郎君 この調査の報告にあたりましては、大臣みずから行なっていただくようにお願いしたいと思います。
○国務大臣(松野頼三君) 私の責任で、私も目を通して、責任の上に出したいと思います。したがって、四、五日の猶予は、大蔵省とも関係がありますので、両省の協議をいたします。一番大きな原因は、再調査を命じております。これもそんな何週間もかかるというものではありません。何日のうちに私はその調査はできると思います。したがって、今日の見通しでは、十五日中というのが私の見通しであります。
○委員長(山崎斉君) ただいまの農林大臣の御答弁の線に沿いまして、報告が提出される時期とも関連いたしまして、本委員会の次回の開会は理事会によって決定したいと考えます。
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○委員長(山崎斉君) それでは、バナナ等輸入果実その他に関する件を議題といたします。
 御質疑のある方は順次御発言を願います。
○黒柳明君 質問いたします。
 通産大臣と農林大臣にお答えを願いたいと思いますが、去る四十年十二月十日、帝国ホテルにおきまして、日本バナナ輸入組合理事長砂田勝次郎氏を激励する会、こういう会が催されましたが、そこの場に大臣が出席なされたか否か、御返事を承りたいと思います。
○国務大臣(三木武夫君) そんな会議には出席いたしません。
○国務大臣(松野頼三君) その会があったことも私は知りませんので、もちろん出席もいたしておりません。
○黒柳明君 通商局のほうにお伺いいたします。
 この砂田勝次郎さんは、いまも言いましたように、日本バナナ輸入組合の理事長であり、代議士の砂田重民さんとは兄弟であると、こういうような関係にあることは通商局のほうじゃ御存じであると思うんですが、いかがでしょう。さらに、お知りのことがあったら、お話しをしていただきたいと思います。
○説明員(原田明君) お答えいたします。
 砂田理事長が故砂田重政先生の御令息であられるということは存じております。砂田理事長は、砂田産業というバナナ輸入会社の社長であられます。以上のことを存じております。
○黒柳明君 大臣にしばらく聞いていていただきたいと思うんですが、ここにバナナ業者関係の日刊の通信紙がございます。それは、ただいま申しました砂田勝次郎氏を激励する会、十二月十日の翌日、十二月十一日に発行された内容でございますが、若干長くなると思うんですが、はしょって読みますから、聞いていていただきたいと思います。
 日本バナナ輸入組合理事長砂田勝次郎氏を激励する会は既報の通り、十日正午から午後二時までの間、帝国ホテル「孔雀の間」で開かれた、参会者は故砂田重政氏に縁りのある政界人が多く、世話人の岸信介元首相、川島自民党副総裁、赤城同政調会長をはじめ中村文相、中村運輸相、清瀬前衆院議長、田中同副議長、南条、神田、青木、増田、石田、松田、江崎前・元大臣のほか、自民党国会議員多数、バナナ業界からは樋口荏原青果社長、岡崎磯やバナナ社長、陳杏村輸出同業公会駐日弁事処主任などの顔も見えた、席上、岸、田中、赤城、今松、江崎、川島の諸氏ら、業界から樋口荏原青果社長の激励の辞があり、これに対し令兄の砂田重民代議士、勝次郎両氏より謝辞があり、清瀬前衆議院議長の音頭で乾杯した、砂田勝次郎氏に寄せられた主な激励の辞は次の通り
 ◇岸元首相=台湾バナナにとって日本は重要な市場であるが、輸入する日本では激しい競争があり、取引が円滑を欠くうらみがあった、そこで、かねて安定した取引でバナナ輸入を増進したいという考え方があったがなかなかまとまらなかった、ところが最近漸やくバナナ輸入組合が出来、勝次郎君が組合長に就任することになった、大きくいえば日華両国のため、バナナ業界は勿論、砂田君自身にとつても慶ばしいことである、御健闘をいのる
 ◇田中衆議院副議長=御長男は政界で、御次男は実業界でそれぞれ大成の道を歩まれているのはまことに慶ばしい、ことに御次男の勝次郎君に対して、今日のような盛大な激励会が催されることを考えれば、同君の経済界における将来は期して待つべきである、自重自愛をいのる
 ◇赤城自民党政調会長=ノリとバナナには政治家はタッチすべきではない、というジンクスがある、しかし韓国からはノリ、台湾からはバナナを買うことは外交上、貿易上止めるわけにはいかない、私も農林大臣としてタッチしたが、別に“黒い霧”にもかからなかった、現在バナナには関税の問題国産果実との競合の問題などであるが、こうした状況の中で少壮実業家の勝次郎氏が組合長になったことは心強く感じている、“黒い霧”にかからぬよう大いに活躍してもらいたい
 ◇川島自民党副総裁=日本の果樹栽培は世界で最も発達しており、外国から輸入した果物は到底太刀打ち出来ない、しかし台湾バナナだけは別だ、ところでバナナの輸入で今度輸入組合が結成され、台湾と対等で取引が行われることになった、どうかこの体制を崩さず、過当競争を避けて安いバナナが大衆の手に入るよう勝次郎君にがんばってもらいたい、国民の期待は大きい
 以上でございますが、この記事の中に出てまいります輸出同業公会の駐日弁事処主任陳杏村女史という方は、担当の所管大臣でございます通産大臣、農林大臣とも当然御存じである、このように思うんですが、御存じであるか否か。あるいは、もう一つ、この記事をいまお聞きになって、この事態をどのようにお感じになりますか。その二点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(三木武夫君) これは、日本では、バナナの愛好者が、愛好といいますかバナナを食べる人たちが相当おるわけですから、これは輸入しなけりゃならぬわけです。これが正常な輸入がされるならば、そういう励ます会というようなものが行なわれて、そうしていろいろ激励されるということは、そのこと自体が私は何も悪いことだとは思わない、これは。だれかが輸入しなけりゃならぬ。私は、そういうバナナとかノリとかいう会合には出ない、それだけのことであります。それは、そういう会はなんにも非難さるべきものだとは私は思わない。それから何とか名前を言われましたけれども、私はそういう人には面識はありません。
○国務大臣(松野頼三君) ただいま言われた方は、女史と言われたから、たぶん女性だろうと思いますが、女性か男性か初めて聞く名前ですから、全然私はわかりません。
○黒柳明君 感想はいかがでしょうか、いまの記事をお聞きになって。
○国務大臣(松野頼三君) ただいまの一、二の方が言われた中には、ごもっともなお話があるように思います。したがって、ただいま読み上げられたこと自身の中において、私がいまこの場で判断して、非常識だとか、おかしいじゃないかとか、そういう感じは私は受けません。いまのお読みになったところだけでは、その会におればまた別ですけれども、私また初めてお読みをいただいて、朗読された範囲では、どうという感じはありません。ああそんなのがあったのかなというのがすなおな私の感じです。
○黒柳明君 確かに、両大臣の御発言のとおりだと思います。私も、日華貿易親善、あるいは外交上、こういう激励会をやること自体決して悪いことはない、このように思います。しかしながら、このことが、だんだん順を追って質問もし、また話もしていきたいと思いますが、今日のバナナの業界をおおう黒い霧の発生の一つの原因にもなっている。そういう黒い霧をさらに深める一つの場にもなる、こういうことになると、これは両大臣がお話しされたようなことじゃ済まされないのじゃないか。何も私は激励会をやるだけでここで取り上げる、そういうことは毛頭考えておりません。これはあとのほうに出てくると思います。まあ大臣の立場としては、女史とか何とか初めてお聞きになった、これはごもっともだと思うのです、重要なポストにいらっしゃいますから。
 今度は、通商局のほうですが、通商局のほうは、これは責任上決して陳杏村女史を知らない、こういうことはないと思いますし、また、この砂田勝次郎氏との関係がどういう関係であるか、これも御存じだと思いますから、ひとつ説明をお願いしたいと思います。
○説明員(原田明君) 陳杏村氏は、あるバナナ会社、たしか丸大商事と申しました会社の社長をしておられる方である、こういうふうに存じております。砂田勝次郎さんとどういう御関係がおありになるかというほうは、詳しく存じておりません。
○黒柳明君 大臣の時間が短いので、次長のほうもなるべく短く御答弁される、けっこうだと思うのですが、わかっている事実はどんどんしゃべっていただきたい、こう注文をつけておきます。
 説明が不十分ですから、私のほうで説明を補足したいと思います。けれども、もし不正確な点があったら、誤りがあったら、ひとつ訂正もしていただきたいと、こう思います。
 砂田勝次郎氏と陳杏村氏との関係は、陳杏村氏は、台湾バナナ輸出業者がつくっている連合組織である、ただいま申しました輸出同業公会の理事長もやったことがある。すなわち、台湾バナナ輸出業界の大物なんです、この人は。このことは決して知らないということはないと思いますが、いまの説明には知って言わなかったか知らないで言わなかったかわかりませんが、それが一点。
 二点は、この公会は、かつて日本が台湾バナナ輸入を自由化した当時から、国民政府によって輸出総量の五〇%の割り当てを与えられて、わが国の国内バナナ輸入業者に対して絶大な支配力を持っておる、こういう人が陳杏村。
 三つ目、陳杏村氏の令息に当たる人で謝哲義と謝哲信、こういう人がおります。今度はむすこさんのことですが、それぞれ砂田という日本人商社名をつけた多数のバナナ輸入会社を実質的に支配し、まかされております。この陳杏村氏のむすこさん二人が。たとえば、これは例として、謝哲信さんが取り締まっている会社は三興商事とか、いま言いました砂田産業その他です。謝哲義さんが取締役のポストにある会社としては福光貿易その他です。まだまだ数多くあります。それが三番目の関係です。
 四番目、この駐日弁事処は、日本の業者がかつて輸入バナナ一かごに何百円というリベートを持参しなければ台湾バナナを輸入しない、そういうようなことでリベートを取って、外為法違反容疑で警察から取り調べを受けた事件がある、こういうような点もはっきりしております。
 以上の四点、これは私が調べた陳杏村氏に関係すること、あるいは砂田勝次郎さんに関係すること、その他の事実です。これは私も自信をもって間違いがないと――謄本やなんかあります。これは客観的情勢から見て調べたことです。このことは、当然、いま説明が言われてみれば、そんなことはわかっていたと次長さんのほうはおっしゃるかもわかりませんけれども、そのことを説明していただきたかったと思うのです。
 そこで、通産大臣と農林大臣にお伺いしたいと思いますが、先ほども、通産大臣は、激励をする会、問題がないじゃないかと。私も、そのとおりだと、こう申しました。ところが、いま私が陳杏村氏についてあげた四点のこと、これは登記の書類によって調べたことなんです。また、バナナ輸入業界の精通者の意見、あるいは関係者の話も若干入っています。これは、あくまでも意見ですから、間違いがあるかもしれません。で、冒頭に言ったわけです。しかし、これはきわめて重大な問題です。通商局としても、もしこういう事実がわからなければ調査もし、また、私の発言に誤りがあったならば訂正もしてもらいたい、こう思うのです。こういう立場から、通産大臣として、こういうような裏面を持った、背景を持った、つながりを持った関係から、まず一点として、先ほど来の激励会が開かれた。まだまだあるのであります。まず一点として、そういう会が開かれているのです。こういうことを見ますと、黒い霧を晴らすためには、激励会をやったっていいじゃないかと、それだけじゃ済まされない。その背後関係、事実関係をあげただけでも、こういう四点があがっている。これに対して、もし次長さんのほうでこの事実を知らないとしたら、誤りがあるとしたら、至急大臣のほうでどういう関係があるのか結論を出していただきたい。そして、いま話題になっております綱紀粛正とか、黒い霧を晴らすとか、そういう問題に対して、さきに共和製糖グループ関係で、松野農林大臣が、私が陣頭指揮で黒い霧を晴らす、こういうことをおっしゃったと同じような態度を示していただきたい、こう思う。要望すると同時に、いま言った関係性を至急調査をさしていただきたい。いかがでしょうか。
○国務大臣(三木武夫君) 私は、いまいろいろお話を承って、その会合に出た人、それも私知らないのです。いまあなたが読み上げられて、ああそういう会があったのかということですけれども、それはおそらく出席された人がみな黒い霧に関係があるよう言われると、はなはだ迷惑するに違いない、出た人は。何も知らないで代議士というのはよく出ますね。わりあいいろんな案内状が来るから、一番出席率がいいのは代議士で、いろいろな会合があったらあまり深く考えないで出るのですね、代議士は。だから、激励するということなら、砂田さんのむすこさんを激励するということで出席した人が非常に多いと思いますから、そういう背景がどうのこうのといって出席したものではないので、その出席した者が黒い霧に関係があるというような印象は、私は出席した人のために弁じておかなければならぬ。それはそういうものではない。私もこの背景ということはいまお話を聞いて初めてわかったので、砂田勝次郎君と謝とかいう女性との関係とか、いろんなことは初めて承ったので、この点はいまここでいろいろ背景についてどうであるかというようなことはお答えしかねるわけです。こっちは、調べてみなければわかりません。
 ただ、私は言えることは、バナナ、バナナといって国会で何回も何回もこの問題が論議されること自体に対して、私どもは、これはもうよくないことだ。こういう問題が、毎回毎回いろんな委員会で取り上げられるということ自体に対して、これは非常に遺憾なことである。国会の名誉からいっても、政治家がその間に関係しておるとかいろんなことは、そういうことを言われることによって本人たちも不愉快にも思っておるでしょうし、あるいはまた、国民から見ても、政治家の品格のために、そういうものに政治家が関係をしていろんな利権をとっておるというふうな疑いを持たすことは議会の品位のためにもよくない。この問題については、よく言われるペーパー業者といいますか、権利だけ持っておって、そしてあまり輸入の業務もしないで、ただいくらかもうけておるような人もあるという、こういうふうなこともよく言われて、衆議院の商工委員会でもペーパー業者などのことが問題になったので、この実態はよく私は調査をしてみたい。バナナに対する疑問、これはやはり国民の前に解明したい、こういう決意であります。
 そこで、弊害のある点は、たとえば一番問題は、バナナに少しもうけが多過ぎる、そういう点から、みんなバナナ、バナナということで、もしその利益が非常に不当なものであるとするならば――不当とは言えぬとしても、不当ということは取り消しましょう、不当でないにしても、少しもうけ過ぎるような場合には、もう少し消費者に対してもその利益は返すべきで、そういうものであったならば、流通機構というものに対しても、これは審議会でもつくって、輸入組合の中で流通機構というものをもう一ぺん検討してみよう。あまりむやみにもうけて、そしてバナナを食べる人に対してはせっかくもっと安いバナナが食えるのを高いバナナを食わす、これはよくないわけですから、フェヤーなことではないですから、流通機構というものも一ぺん輸入組合で審議会をつくって、農林大臣もむろんこれを明朗化することに対してはわれわれと同じ考えでありますから、流通機構というものも検討を加える。
 それからバナナの輸入の実態というものに対して調査をする。そして、もしそれでやはり非常に利益というものが多過ぎるというものなら、その超過利得と思えるものに対しても何らかのやっぱり適宜の方法を講ずるような方法をやはり検討してみたいと事務当局に向かっても私は指示をしたのです。あまりこれはもうけが多過ぎるところにやっぱり問題があるのではないか。そんなにもうけが多いならば、そのもうけを何かやっぱり何らかの方法で吸収する方法というものは考えらぬか。これはなかなかむずかしい問題でしょうが、研究してみるようにという指示を先週したのです。
 私の願いは、バナナ問題が毎回毎回国会の議論になるということを、この機会にやはり国民の疑惑にこたえて、もしそういうものがあるならばこれはメスを入れるべきであるし、また、いろいろないま申したような点で改善を加えられてもっと明朗なバナナの輸入というものの態勢ができるならば、思い切って改革をしたい。バナナから黒い霧を払いたい、これが私の強い決意であることを申し上げておきたいと思います。
○黒柳明君 確かに通産大臣のおことばのこれまたとおりであると思いますし、また、大臣の快刀乱麻たる御処置を国民も期待しておると思うんです。ところが、事実は、その大臣のおことばと反して、まだまだメスが届きそうで届かない、こういうところがごろごろこの国会の周辺にもころがっているような感覚がするわけなんです。それで、ただいまの激励する会においても、あっちこっちに国会議員が顔を出す。まあ顔を出すこと自体はそれはいいとは思うんですが、それが自分の利権にあるいは票かせぎにつながるような、そういうあさましい出席のしかた自体はうまくない。まして、この激励をする会は、それ以上の深いものがあるわけなんです。万一、まあこれは万一ですが、砂田さんが台湾バナナ華僑のかいらいとして日本の政界とのつながりを利用されているとする、こう仮定をした場合、元総理大臣、あるいは各現職の大臣、自民党の国会議員の最高幹部の方々が多数お出になって励ます会を開いた、こういうことになると、国民大衆のいまの国会審議、あるいは総理はじめ通産大臣のおことば、それを期待している国民大衆の常識センスとはまるっきり離れたものになる、こういうようなことになるんですよ。先ほど、この点に対して調べさすようにする、こういうふうにおっしゃいましたのですけれども、こういう四つの関係から国民はこういうことを疑惑に思っておるのです。それに対して、国民は、快刀乱麻たるメスを入れると言ったって、何だそういう背景がありながら――激励会に出る全部が全部関係があるとは私も言いません。ところが、明らかに関係を持っておる人がいるわけです。それで、そういう励ます会をつくって、やがてこれが割り当て問題に発展していくんですよ。こういう関係性があっても、さらに大臣は、そういう励ます会があったっていいじゃないか、こういうふうにおっしゃるのかどうか、私はその点をもう一回くどいようですが、質問したいと思います。
○国務大臣(三木武夫君) これはいまあなたがお読み上げになりましたこのことだけの判断でありますから、それがいろいろな背景があってくれば、またこれの価値評価は違ってきますが、いま読み上げられたようなことだけで出席した者を責めることは私は酷だと思います。そう言ったら、やはり代議士はみんなつき合いなんですから、わりあい出席率がいい。この点が、いろいろな会に案内が来て、それに出たためにみんな黒い霧だと言われたら本人のためにならぬので私は申し上げたので、それがいろいろな深い因果関係があって、そしてそれが単純な励まし会でないということならば、別の批判を加えざるを得ないということでございます。
○黒柳明君 農林大臣にお伺いしたいと思います。
 まことに失礼な質問になると思うのですが、近々東南アジアの御旅行に行かれる、こういう話を聞きまして、台湾も冒頭に寄られる、こういう御予定らしいのですが、前回のアメリカ、さらに南米の問題もございますので、こんなことはないとは思いますけれども、これはうわさのほんのうわさだと思うのですけれども、大臣は、台湾に行かれて、いまの八百八十万バスケット、それにプラスの割り当てをとってくるのじゃないか、こういうような話も、これはうわさだと思うのですが、大臣は一笑に付すでしょうが、あるいは、それがバナナ関係業者に流れるのじゃないかということが、大臣のお耳に入るかどうか、私の耳には入ってくる。私も、そんなばかなことはないのじゃないか、さきで失礼ですけれどもこりていることじゃないかと、こういうようなことがあったんですけれども、念のために、台湾に行かれる目的、また、バナナとのこういう関係はない、こういうふうに私も思いますが、その点はいかがでございますか。
○国務大臣(松野頼三君) あつものにこりてなますを吹く、バナナ一本食べることもしないで、私は米の話を主にして参ります。バナナの一本も食べずに行く気持ちでおりますので、それはもうほんとうに霧というか雲というか、架空の架空の架空の話、十分私の態度を見ていただきたいと思っております。
○黒柳明君 どうもありがとうございました、失礼な質問をして。
 通産大臣にお願いしたいと思いますが、いまの激励会から話は続きますが、昭和四十一年の三月三十一日、その砂田グループに対して、輸入台湾バナナの特別割り当ての問題、あるいは調整割り当ての問題ですか、省内ではこのように呼んでいると思うのですが、これに対して非常に大臣が頭を痛められた、こういうことは事実だと思うのですが、それについてはどのようなことがあり、どのような意見をお持ちでしょうか。
○国務大臣(三木武夫君) これは非常に技術的な問題でありますので、次長からその経緯についてお答えをいたすことにいたします。
○説明員(原田明君) お答えいたします。
 私どもは、台湾バナナを自由化に戻しました以後、輸入秩序の維持ということを目標にしまして割り当てを実施いたしております。現在台湾には割り当ては実施いたしておりますが、割り当ての総数量を制限するということには目的はございませんで、自由化のまま、もし台湾が出したい、こちらが入れたいということがございましたら、いくらでも入れるという立場をとっております。しかしながら、輸入業界の競争は非常に過激でございます。とうてい業者間の話がまとまるような筋ではございませんので、輸入業者間の競争をおさめる手段といたしまして割り当てを実施することにいたしました。その手段といたしまして、過去の実績に基づく割り当てを行なったわけでございます。もし製造会社みたいなものでございますと、たとえば鉄鋼ならば、高炉がいくらあるかということで、鉄鉱石の輸入、いくら使うかということがわかるわけでございますが、輸入業者の場合にはそういう適当な基準がございませんので、現在までほとんどすべての物資につきまして過去の実績をもとにするということがとられておる基準でございます。これは、ある期間、特に最近の期間においてその実績を上げたということは、そういう事業活動を実際に行なう能力があって実行したということでございますので、最も適切でございます。また、この基準をとりますことによって、初めて業者間の過当競争を何とかおさめて、まあまあその割り当てに従って輸入の商売をいたしましょうという納得がつくのが通例でございます。
  〔委員長退席、理事野知浩之君着席〕
 そういうわけで、バナナにつきましても、去年の七月から輸入の割り当てを実施いたしました際、いかなる基準をとるかということが問題になりまして、いろいろ検討をいたしましたが、結局、割り当ての実績をとらざるを得ないということに結論がなりました。三十八年と三十九年、こちらは自由化されていた時代でございますが、その期間における割り当て実績をもとにいたしまして、七月−九月間の割り当ての基準をつくったわけでございます。このとき、割り当て実績をとるか、通関実績をとるかということはだいぶ検討をいたしたわけでございます。七月は、ちょうどバナナの出回りの最盛期でございまして、割り当てがおくれますとバナナが腐敗いたしますし、台湾のほうの側ではバナナが岸に出て待っておるという非常に切迫した事態でございましたので、この際は早急に割り当てを実施する必要があった。それには、通関という船積み実績をとることは技術的に不可能でございました。したがいまして、割り当てを受けたという実績によって七月−九月の実績基準を作成をいたしたわけでございます。その後、十月−三月も同じような割り当ての基準でやったわけでございます。
 ところが、このときになりまして、輸入業界のうち一部の者から、割り当て実績というものの解釈について疑問が提出をされたわけでございます。と申しますのは、割り当ての実績と申しますのは、自由化されていた時代、自由化されておりますので、いくらでも割り当てはもらえるわけでございますが、形式的には一応自動割り当ての証明書というものをもらわなければならないわけでございます。その割り当て実績をもらいまして……
○黒柳明君 すみません、発言中ですけれども、よろしいでしょうか。
○理事(野知浩之君) ええ。
○黒柳明君 その経過はまたあとでお伺いをいたします。いま私が質問したことは、大臣は、その特別調整割り当て、そのことで非常に頭を悩ました、これは事実です。それについて、どうお思いになるか。そのときの時点においてどうお考えになるか。その問題について大臣はどう判断されるか。その割り当て部分についてはまたあとでお伺いします。大臣の御出席の時間が限られておるものですから、途中で失礼ですが……。
○国務大臣(三木武夫君) 私は常に注意しておるのは、バナナというものはいろいろうわさの多いものだから、これはだれから見ても公正な基準によって割り当てるように、基準の構成をするにしても、説明のつく、だれが見ても納得のいくような公正な方法でやるようにという指示を総括的に与えておるわけで、こまかいいろいろな実際上のことは、黒柳さん、実際は私はタッチをしていない。ただ、全般的に公正な基準によってやるようにということを口をすっぱくして言っておることは事実でございます。そういう点で私の部下を私は信頼をいたしておる、こういうことを申し上げます。
○黒柳明君 次長さんにお伺いをします。
 そのとき、砂田グループにどれだけ特別割り当て、調整割り当てがあったか、それが第一点。
 それから今度は、四十年四月の割り当てには、この砂田グループははみ出ているわけです。それに対して国内業者は特に輸入組合として相当な反対があって、結論としては砂田グループが特別割り当ての獲得に成功した、こういう事実があるわけです。さらにほかの会社もありますが、ともかくこういう割り当てに対してはみ出しちゃった。それをさらに調整割り当てをしなければならなかった。これには何らかの手落ちがあってこういう事態が発生したのではないか。この点はいかがでしょう。
○説明員(原田明君) 特別調整割り当てと一般に呼ばれております措置につきましては、十九社に対して割り当てが行なわれて、補整が行なわれたわけでございます。その中に御指摘の砂田産業も入っておりますが、私どもとしましては、砂田産業であるから補整をしたということではございませんで、先ほど御説明申し上げておりましたとおり、大臣からの御指示に基づきまして、割り当ては公正に行なうべきである、しかも定めました割り当て基準に従って公正にやる、こういう趣旨を貫きます場合に、その割り当て基準の解釈につきまして、こういうクループから――クループと申しますか、別々の会社でございますから、グループと申しては必ずしも妥当じゃないかと思いますが、そういうことに利害関係を持つ数社から、そのときにとっておりました割り当て基準の解釈から見ればわれわれのところには割り当てがもう少しもらえるはずであると、しかし、あなた方がおとりになっている割り当てられました割り当てではもらっておらないが、それはどういうわけだと、こういう陳情があったわけであります。それは、先ほど申し上げまして途中になりました割り当て基準の解釈の問題につながるわけでございますので、この点をちょっと御説明を続けさせていただきたいと存じますが、その場合に、割り当て実績と申しますのは、自動割り当ての割り当てをもらった実績でございますが、この自動割り当ての割り当て書は、輸入貿易管理令の第九条第一項に基づく割り当てでございます。しかし、同じ輸入貿易管理規則の第五条の第四項で割り当てを……
○黒柳明君 簡単にお願いいたします。あとでやりますから。
○説明員(原田明君) すぐ終わりますから。割り当てを使わなかった場合には、返還をしなければならないことになっております。それで、大部分の会社は返還をしてまいったわけでございます。と申しますことは、その割り当て書は使われなかったわけでございますから、私どもとしましては、その使われなかった、返還された割り当ては、割り当てがなかったものとして割り当て基準のもとになる実績から控除いたしたのであります。ところが、それをやりますと、その場合に返還をしなくて控除されなかったというものが出ていると、非常に不公平になるという問題が生ずるわけでございます。そこで、その間の不公平を調整する必要がどうしても生じてまいりました。つまり、割り当て実績によって割り当てをするといいながら、結果としては船積み実績によって割り当てをしておるのは不当であるという議論をわれわれのほうに陳情として受けたことがあります。そこで、私どものほうでは、部内で何べんも会合を開きまして、この点の基準の解釈につきまして議論を重ねました結果、その当時の発表としては、割り当て実績によって割り当てますという発表をいたしております。
 それにもかかわらず、割り当てを受けていながら船積みがないからということで差っ引いたのはけしからぬという議論にもまことに根拠があるというふうな判断をしたわけであります。しかし、他方、実際には返還をしておりまして使っていない割り当てでございますから、割り当てを受けたということで割り当てをもらうのも不公平である。これは非常に多くの方々の議論でもありましたけれども、しかし、法解釈といたしましては、割り当てをもらっているという者には割り当てをやるべきであって、船積みが実績でなくて、割り当て実績をとったのでございますから、船積みがなくてもやるべきである、こういう議論が出ました。結局、その間の調整をとりまして、私どもとしては、やはり基準に公正という立場を貫くということにいたしますと、割り当てを割り当て実績で割り当てをもらった者にはやらなきゃならぬということになりますので、その点の調整をあとになってやったというのが特別調整割り当てでございます。
○黒柳明君 通産大臣にお伺いします。
 ところが、四十年四月十日ですか、 四十年の七月から九月に対しての割り当てをきめたわけです、基準を。この一たんきまった割り当て基準が、政治力によって――私はあえて政治力と言います。またこれは追っかけてその理を説明したいと思います。割り当てが変わっていく。一たんきまった割り当てが変わっていく。何のために割り当てをしたか。輸入秩序を守るために割り当てをしたのです。その輸入秩序を守るためにきめた割り当てが、政治の力によってきまっていくというような割り当ての仕方だと、非常にこれはおかしいのじゃないか。なぜ政治力かといいますと、もう一回反復するようですが、繰り返してまとめて言いたいと思いますが、さっきの砂田勝次郎氏を励ます会、ここには、先ほど言いましたように、自民党の大物の各先生方がずらっと出席されております。そこに台湾バナナの総元締めである陳杏村さんも出席している。ところが、この砂田勝次郎さんは、御存じのように、現自民党代議士重民さんの兄弟である。重政さんの御令息でもある。また、この陳杏村さんの息子さん、謝哲信、謝哲義さんは、いずれも砂田勝次郎さんを代表取締役とする砂田産業そのほかの先ほどあげましたような各会社、砂田グループに首を突っ込み、実質的にはその権限を握っている、こういうような関係があるわけです。こういう関係を見ていきますと、砂田勝次郎さんを励ます会は、これは私の言い過ぎかもわかりませんが、考えようによると、砂田グループに対して、特別割り当てを促進する会じゃないか、このような疑惑もここで生じてくるじゃないか。ですから、あえて政治権力と結んで不当なる割り当てをここで推進するようなことがあったならば、その根拠が輸入秩序を保つ、こういう趣旨から発足した割り当てが無意味になるのじゃないか、こういうことを私はあえて言いたいと同時に、この点についてどういうふうにお感じになるか。
 また、もう一点は、現在、割り当て量は八百八十万バスケット、こういうふうに聞いております。ところが、これに対してもまた将来調整を加える方針であるのか、その見通しをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(三木武夫君) 私は常々に原田次長にも言っておることは、どんなに政治的に力がかかってきても、その圧力に対して何らの影響を受けてはいかぬ、そういう場合には私に言いなさいということを非常に言っておるのです。これはやはりそういうことで圧力によって行政が曲げられるということは一番いけないことでありますから、彼を常に私は激励もしている。そういうことがあったら私のところに言ってきなさいということで、そういう次長の処置は、何も特別に砂田産業というものに便宜を与えたというようなことは絶対にない。原田次長を私は信頼をしておるわけです。これは砂田産業だけでなしに、十九社に対して――砂田、砂田と、こう言うと、一軒だけにしたように聞こえますが、十九社に対してやった。これは基準を変えたのではないので、基準の解釈というものを忠実に公正にやるということであって、基準そのものを変えたということではないわけで、今年度はこういう解釈上の疑問というものが起こらないように明確なものにいたしたのでありまして、基準を変えるような意思は全然持っておりません。
○黒柳明君 以上、第一点、砂田勝次郎氏を激励する会、また不当割り当て、クエッションマークですか、をめぐる黒い霧、こういう一幕でおしまいにします。
 第二点、通産省の次長にお伺いします。
 昭和四十年の七月から九月までの三カ月の割り当て基準ですね、これはきまっているわけです。私も読みました。これを各社別にきめるのに作業をやったと思うのですが、いつ、何日ぐらい、どこで行なわれたか。
○説明員(原田明君) 四十年の七月から九月の一番当初の割り当てを実施いたします際の作業は、非常に忙しい時期であります。かつ、自由化を二年間やっていたあとでまた割り当てに戻すという時代であります。資料が非常にたくさんございます。割り当てなどをしようということで準備がされておらない状態のところに、しかも急速にやらなければならないということで、徹夜で作業をやったというふうに聞いております。その七月の割り当てが行なわれました直前までかかってやったというふうに聞いております。
○黒柳明君 いつ、どこで、何日。
○説明員(原田明君) 正確な日取りは、調査の上お答えいたします。
○黒柳明君 担当の人が、やった人がおるのじゃないですか、この席上に。
○説明員(原田明君) 当時の者は皆かわっておりますので、ここにおりません。さっそく調べましてお答えいたします。
○黒柳明君 輸入業務課長は出ませんでしたか。
○説明員(原田明君) 輸入業務課長も、当時の輸入業務課長ではございません。交代しております。
○黒柳明君 割り当てをきめるのに、どこでやったかわからないのですか、何日間やったか。おかしいですね。そのとき通産省の人たちが出たわけでしょう、相当。わからないはずはないと思うんですけれどもね。
○説明員(原田明君) 作業の大部分は役所で行なわれたと私は理解をいたしておりますが、その場所その他につきましても全部調べました上でお答えいたします。
○黒柳明君 すぐ調べて、場所だけでもけっこう、すぐ調べて、返事を持ってきてください、大至急。では、この問題は、すぐ調べて、終わったらすぐやります。問題を移します。
 私、この前の委員会が中途で終わったときに、バナナ業者との――失礼なことだとは思ったけれども、国会議員と結びつく会社を若干列挙しました。その問題についてまた触れてみたいと思いますが、さらに二社またふえております。ですから、計六社についてここで読み上げたいと思うのです、さきに発表した四社を含め。
 一社は、関門貿易。住所は千代田区外神田六丁目十五番地の十一。関係者は、前自治大臣の吉武恵市さん、取締役です。
 それからもう一つは、これは新聞でも出ておりました砂田産業。住所が千代田区永田町二丁目二十九。関係者は、先ほど言いました砂田勝次郎さん、これは重民さんの弟さん。
 それから先ごろあげました四社で、まず恵比寿興業。河野洋平さんをはじめとする河野元大臣の家族の方です。
 それから台湾バナナ貿易。千代田区永田町二の二十九。これは前防衛庁長官の小泉純也さん。
 日蓬産業。中央区銀座二丁目二番地。大竹平八郎さんの奥さんとむすこさん。
 それから大亜産業。住所が港区赤坂田町五丁目四番地。前衆議院議長船田中さんの現秘書の蓮実進さん。
 この六社で、国会議員あるいは国会議員の家族あるいはその秘書の人が関係をしておる会社である、こういうことが調査の結果判明しております。これは私が言うのじゃなくて、ちゃんとここに登記がございますから、この登記によって明らかです。また、通産大臣は、こんなことに関係したっていいじゃないかと、こういうふうにおっしゃると思うのですが、私はそのこと自体決して悪いとは言おうと思っておりません。むしろ国会議員が黒い霧に関係があるんだということを言われておる巷間のうわさを否定したい、こう思うから、ここで取り上げたい、こう思います。
 そこで、通商局の次長さんにお伺いいたしますが、この問題は、台湾バナナ貿易株式会社の元防衛庁長官の小泉純也さんは、昭和四十一年の七月十八日に取締役に就任し、十月の十三日に辞任しておる。これは登記ではっきりしておる。この台湾バナナ貿易株式会社は、神戸所在の有名な建隆貿易株式会社のダミー的存在である、こういわれておる。これは業界の人々もそう話しておるし、これは間違いない事実です。調べたところでは、ここにリストがございますけれども。ですから、通産当局としてこの辺についての解明をしていただきたい。もしこれが事実であるとするならば、これはちょっとうまくないのじゃないか。それを証明するために、会社の創立のときの株主名簿を出していただきたい。あるいは三年間の輸入実績、割り当て実績、それを資料として出していただきたい。いかがでしょう。
○説明員(原田明君) 手元に現在はございませんので、整えまして提出したいと思います。
○黒柳明君 さらに、大亜産業、日蓬産業、恵比壽産業について、創立当時の株主名簿、さらに過去三年間の輸入実績、割り当て実績、そこらあたりがはっきりしますと、ダミーであるかということが明瞭になってくる、ペーパーであるかということも明瞭になってくると思いますので、この資料提出に御協力をお願いできるかどうか、伺いたいと思います。
○説明員(原田明君) 個別会社の割り当て数量は、私ども公開はいたさないことになっておりますので、その点お含みをいただきました上で委員会に提出をさせていただきたいと存じます。
 なお、建隆と御指摘の会社がダミーであるかどうかというのは、私どもうわさとして聞いているだけでございまして、これを証拠づけるのははなはだむずかしいかと存じます。また、こういう会社が割り当てを幾らずつもらっており、かつ輸入を幾らずつもらっておるかということがわかりましても、それだけでこの会社がダミーであるかペーパーであるかというようなことを判定することもきわめて困難ではないかというふうに存じております。
○黒柳明君 そうすると、委員長決裁によって資料提出も可能である、こういうことですか。
○説明員(原田明君) 会社自体の登記簿とかそういうものを会社が私どもに提出を承諾いたします場合には可能でございます。割り当て実績その他役所のほうで行なっている事務については、私どものほうから提出可能でございます。
○黒柳明君 それと、先ほどの関門貿易株式会社についても、計六社について、先ほど言いました三点のことの資料要求をお願いいたします。それによって、いま次長さんのお話ですけれども、ダミーであるかどうか、こんなことは、当事者なんですから、はっきりわかっております。ここに聞いている人たちは、全部いまの話はわかっているんですよ。次長さんだけが一人そういうことをおっしゃいますけれども、これはちょっとおかしいのじゃないか、私はこのように思いますが、とにかく資料要求をお願いしたいと思います。
 次に、いまの国会議員あるいはその家族、秘書の方との関係を調べていくにあたって、六百六十数社バナナの会社があるわけですから、それの謄本をとっていったのですが、その謄本をとっていく過程において、非常に幽霊会社が出てきた。その幽霊会社は、輸入組合員として登録されてある。当然輸入割り当ても受けてある。ところが、現住所に行っても、登録がしてない。ということは、これは脱税をするためではないか、何かそこに幽霊会社としておかしな存在がある、このように思うわけなんですが、それを調べた結果を、相当数ありますけれども、若干読み上げてみます。登記の不明な幽霊会社です。割り当ては受けております。輸入組合の名簿にも載っております。登記はないです。若干読んでみます。
 安永商店、住所千代田区外神田三の二の十一、代表者安永義雄。
 台湾青果物輸入連盟組合、住所大田区入新井四の八十一守屋ビル、代表者松本武雄。
 岩手バナナ輸入加工組合、住所盛岡市南大通二の十の三、代表者高橋政吉。
 愛知中央台果株式会社、住所岡崎市八帖町字向田七十八の二、代表者宇佐美和夫。
 北九州青果株式会社、住所北九州市小倉区浅野町二、代表者百合野稔。
 以下ずっと列記できますが、非常に数多くのそういうおかしい幽霊会社がここに浮かび上がってくる。そうして、これは、先ほども言いましたように、税金対策か何かでこういうことがされているのではないか、こういうことが常識的に頭に浮かびます。それについて、どのように処置をされ、また、現在どのような対策をとっているのか、それについて大臣、次長さん、それから国税庁の長官がいらっしゃらないので、どなたか出席していると思うので、三者からお伺いしたいと思います。どう処置するか、現在どういう対策を立てているか。
○国務大臣(三木武夫君) 私は黒柳さんに言っているのは、国民の疑惑を解きたい、この機会に。これは一つのやはり機会でありますから。そういう点で、幽霊会社で、それが税金を免れるための幽霊会社、これは違法の行為でありますから、こういうものに対しては割り当てということもむろん考えなければならぬでしょうし、これの実態を調査をいたすことにいたしております。そして、もっと輸入を明朗なものにするという私の趣旨からいたしましても、この実態の調査をいたさなければなりませんので、それをいたすことにいたしたいと思います。
  〔理事野知浩之君退席、委員長着席〕
○説明員(原田明君) いま御指摘いただきました会社がどういう意味で幽霊会社であるかどうか、私どもは証拠を持っておりませんが、私どもも幽霊会社に割り当てをするつもりは全然ございませんので、割り当てをいたします際、あやしいと思われます会社からは納税証明書の提出を求めまして、納税をしているという証拠がない場合には割り当てを行なわないたてまえをとっております。ただ、現在私どもが調べましたところでは、割り当てをもらっている会社は、すべて輸入のインボイスその他、自己の名義で輸入をしたかっこうになっております。その意味で、書類の手続上はどうにも幽霊会社であるという断定がきわめて困難な実情にございます。また、ペーパー業者という概念と違う幽霊会社という概念であるのか、そこらも非常に問題でございますので、なお調査検討させていただきまして、十分に検討したいと思います。それから輸入組合は、組合員の会社からは全部謄本をとっているものと私どもは承知をいたしております。
○黒柳明君 私は、そこら辺のことが非常におかしいと思うんですよ。まあおかしいと言っては酷評かもわかりませんけれども、輸入割り当てをするわけです。その輸入割り当てが業者にとっては生命です。死活の問題です。多くとりたい、みんなが。そこからいろいろ黒い霧が発生するわけです。政治家と結びつくのです。その割り当てをする通産省が、先ほども言ったような業者との結びつきを知らない、あるいはこういうことも知らないで割り当てをするのであったらば、いま言ったように、その背景を知って一これは国税庁のほうにも言っていただかなければならぬのですけれども、そういう背景を知らないで割り当てをぼんぼんしてしまうと、そこに問題が起こる。
 それはそれとして、その次に入っていきますけれども、国税庁の人に聞きます。この問題をお願いします。
○説明員(中嶋晴雄君) ただいまの御質問は、台湾バナナの輸入割り当てを受けた会社について、登記が済んでいない会社があるではないかというような御質問だと思います。それが脱税目的ではないかというようなお話だと思うのでございますが、私ども実はそういう事実をつかんでおりませんので、会社が幽霊会社であるかどうかということをただいまのところ申し上げる事実を持っておりません。ただ、適正な課税はいたしておる、かように考えております。
○黒柳明君 全部が幽霊会社じゃないにしても、中には住所変更してあるところもあります。ところが、三年、二年の間登記をしていない。こういうものも脱税の何かにおいがするのではないか。全部幽霊会社と言うのではありません。その点、国税庁のほうも何らかの手を打ちつつある、また、これから手を打たれるのではないかと思いますけれども、当然こういうことは知っておられるのではないかと思います。
 それからもう一点は、バナナ業者から一これは政治献金ですから別にやましいことではない、りっぱなことですが、全日本青果貿易、東食、日本バナナ協会などから、これは名前をあげて失礼なんですが、民社党の中村時雄さんの後援会である時交会や、自民党、あるいは国民協会、その他計五社に対して政治献金がある。これ自体は違法なものではございません。ただ、こういうところの事実の裏に隠された、要するにハンド・ツー・ハンドで、相当のお金がばらまかれておるのじゃないか。現に、これはうわさだけれども、公然の秘密である。これはほんのうわさです。
 こんなことを言っては失礼ですけれども、名前をあげなければいいのじゃないかと思いますけれども、昭和四十年六月三日から四日あたり、いわゆる輸入割り当てをする直前に、第二組合を結成して、第二組合の人たちが、業者が七社集まって百万から三百万くらい集めて、一千万を某代議士に贈って、その政治的背景によって第一組合をつぶそうとした。こういううわさも公然の秘密らしい。
 さらに、四十一年四月二十二日赤坂の某料亭において、同じく業者が集まって、同じく一千万くらいを出して、そうして代議士、国会議員に出して自分のほうのアンチ派に対しての工作をしてもらう、こういうようなことで八百万から一千万くらい動いたのじゃないか。これまた公然の秘密らしいのですが、こういうことは残念ながら確たる証拠はございません。だけれども、証拠がないからこの問題はきめ手にならない、こういうわけにはいかない。かえって証拠がないところにこそ黒い霧が立ちこめ、いつまでたっても疑惑が晴れないのじゃないか。
 私の言いたいことは、国税庁の方に質問したいことは、こういう政治家の人たち、バナナ政治家の脱税の問題、そこまで手をつける意思がおありかどうか、お伺いしたいと思います。
○説明員(中嶋晴雄君) ただいまの御質問の点は、私ども、そういう事実があるのかないのか、まず事実がはっきりしなければ何とも申し上げられませんが、ただ、所得説の申告は、これは国民だれでもございますけれども、適正な申告をしていただいて、その上に国の財政が営まれる、かように考えておるわけでございます。
○黒柳明君 いまのわかりましたですか、場所、日にち。
○説明員(原田明君) 先ほど御説明申し上げましたとおり、当初の作業は、輸入自由化時代からの戻りでございます。非常にたいへんな作業であった。当初は輸入業務課の事務室で行なっておりましたが、時間が切迫してまいりまして計算が全然間に合わなくなりました。そのとき、輸入組合の設立準備会から計算事務協力の申し入れがございました。これは、将来、輸入組合は、シェア協定をつくって、同様な作業をやって、それによって輸入秩序の維持をはかるという目的のために設立を通産省から呼びかけていた段階でございます。設立準備会の部屋に計算機を持ち込みまして、そこで数日間徹夜作業をやったというふうに聞いております。
○黒柳明君 事務所はどこですか。
○説明員(原田明君) 準備会の事務所は、ホテル・ニュー・ジャパンでございます。
○黒柳明君 何日ですか、日にちは。
○説明員(原田明君) 数日間と聞いております。四日から五日と聞いております。
○黒柳明君 五日間行なわれた。――もうめんどうくさい。時間もたっちゃいますからね。五日間ホテル・ニュー・ジャパンで行なわれた。通産省からだれとだれが出たか。業者側でだれが出たか。いま、業者が準備委員会のほうから出たと言いますけれども、もとの業者関係はどういう関係か。いかがでしょう。
○説明員(原田明君) 当時の輸入業務課長並びに課長補佐ら、担当の事務官二名並びに課員数名が出席をいたしております。
○黒柳明君 もとの業者関係は。
○説明員(原田明君) ちょっと聞き取れないのですが……。
○黒柳明君 もとの業者関係。まだ組合ができてない前でしょう。準備委員会でしょう。
○説明員(原田明君) これは組合設立の準備委員会を構成していた各団体がございます。その事務局から出たというふうに聞いております。
○黒柳明君 その費用は幾らぐらいかかったか、それから支払いの年月日。
○説明員(原田明君) いま直ちに調べがございませんので、後ほど調査の上お答えいたします。
○黒柳明君 すぐ電話で聞いてください。支払い年月日と、幾ら出ているか、すぐお願いします。
 そこで、割り当ての業務ですけれども、たしか忙しい云々とおっしゃいましたのですけれども、この割り当て業務は輸入貿易管理令の第九条に基づく通産省の業務だと思いますが、そうですが。
○説明員(原田明君) さようでございます。
○黒柳明君 先ほども若干触れましたけれども、この割り当ての数というのは、これは業者にとっては非常に重要な影響があるんです。この割り当てを多くとりたいと、こんなようなことで皆やっきになるわけですけれども、その業者に直接利害関係があるそういう内容をもった業務を、数社の業者、数人の業者を呼んでどうして通産省当局がやらなければならないか。そのあたりの理由はどうでしょう。
○説明員(原田明君) 数人の業者を呼んでやったというのは誤りでございまして、準備会を構成する各団体から事務局員が出て計算事務を手伝ったというのが正確でございます。輸入組合は、先ほど申し上げましたように、みずからの手で輸入秩序を維持いたしますためにシェアを自分できめるという作業をやらなければならなかったのですが、そのためにはほとんど同種の作業をみずからの手でやるということになるわけでございますし、その場合に設立の準備会を構成している各団体から全部事務局員が出てきております。きわめて公平な立場で計算の事務を手伝っていただいたということでございまして、一部の業者とだけ割り当ての計算、割り当てをやったということではないと承知をいたしております。
○黒柳明君 そうすると、通産当局は、この第九条に基づいた業務を執行する権限といいますか能力がないのか、それが第一点。
 それからたとえ仕事がいかに忙しいにしても、そういう忙しいときこそどさくさにまぎれて間違いがある。間違いが起こったときの責任は業者に負わせるわけにいかないという。それでもなおかつそういう者を入れて手伝わせなければならないのか。その点はいかがですか。
○説明員(原田明君) 先ほど申し上げましたとおり、非常に事態は切迫しておりまして、バナナは腐る寸前にあるというような状態にございました。数日を争ってこちらに入れなければならない、そのためには割り当てを実施いたさなければならぬ、こういう状態にございました。したがいまして、その当時の状態といたしまして、ほとんど徹夜で通産省関係だけで計算をいたしましたけれども、それは間に合うということが不可能という状態に立ち至ったわけでございます。この場合、手伝いをいたしました者は、あくまで計算を事務的に手伝うだけでございます。もちろんそれから生じます責任その他はすべてこの場合通産省に帰するということになるわけでございます。
○黒柳明君 大臣にお伺いします。
 たとえいくら忙しいにしても、たとえばこういうことがあるんですよ。どろぼうを取り締まる、調書をつくる、その取り締まり当局が、向こうの被容疑者の関係をそこに入れて調書をつくったら、どういうことになるかと思いますか。管理される人のほうを呼んで、そしてそういう業務をやらせるほど、それほど通産省は無能なのか。たとえどんなに忙しくたって、それを遂行するだけの能力がないのか。またその次にそういうことが起こったら、そういうことをやり得るのかどうか。私は綱紀の紊乱じゃないかと、こう思うんです。いかがですか。
○国務大臣(三木武夫君) いま、黒柳さん、どろぼうの例をとってお聞きになったんですけれども……
○黒柳明君 たとえばです。
○国務大臣(三木武夫君) これは、輸入組合をつくろう、秩序のある輸入をするためにやっぱり組織を一本にせなきゃいかぬというので、輸入組合の準備会でそれに一部の人が参加をしたということで、これは犯罪の場合に例をとって言われることは少し事実が酷であると思います。ただ、計算をするためにどうしても組合としては協力を得なければできなかったので、計算をするのに協力をしたんでしょうが、しかし、こうやってあとになってこういう場合に言われてみると、やはり通産省がそういう割り当てなどをするのですから、出向いて行くということはやっぱり誤解を生ずる。それは、徹夜であっても、通産省の中でやるとか、そういうことはやはり李下の冠という話もありますから、こういう点は今後はたとえそれが  このときは、これによってみな準備会の人たちが寄って来ているわけですから、計算も一人一人に割り当てを幾らというのじゃなしに、昭和三十八年から四十年までの実績というものが中心になって、そういう実績の計算ですから、人間の顔を見て幾ら幾らという割り当てでなくて、一つの基準年次における実績が基礎になっているわけでありますから、そういう計算をするというために非常に急を要した場合でそういうことをいたしたと思いますので、そのことがこの割り当てに対して不公正なことがあったということに対しては、私は……
○黒柳明君 そこまで言ってない。
○国務大臣(三木武夫君) そういうことはない。しかし、こういうことはやはり誤解を生じやすいから、今後はそういう――そのときの事情にはやむを得ない点もございましたけれども、今後はこういうことはいたさせない方針でございます。このときは、しかし、これによっていろんな黒い霧の発生の原因がここにあるように言われることは事実に相違しておる。しかし、今後は、バナナを明朗なものにしたいというのが私の願いでありますから、いやしくもそういう誤解を生ずるようなことは今後はいたさせない方針であることを明らかにいたします。
○黒柳明君 仮定の問題として、いままだ報告が来ませんが、費用が全部業者負担としたら、たいへんなことだと思うんです。大臣、いかがでしょう、仮定の問題として。
○国務大臣(三木武夫君) これは、業者と、こう言うのですけれども、設立準備会ということで、それがバナナの輸入秩序を確立するためにそういう組合をつくってやろうという方針にのっとってやったのですから、単純なバナナ業者と言えない性格を持っておったと思いますが、この支払は……
○黒柳明君 いや、仮定の問題として、業者が払ったとしたらうまくないじゃないかと、こう思うんですけれども、それはいかがでよう。
○国務大臣(三木武夫君) そういうことはあると思いますけれども、それは組合の準備会が払ったのかもしれませんよ。しかし、その払ったことも一もし払ったとしたら払ったことも、こういう場所へ行ってやることも、このことに不正が行なわれたということは、私は断じてそういうことは信じません。しかし、いやしくも誤解を生ずるようなことは今後はいたさないほうがいい。だから、今後はやらせないということを申し上げておるのでございます。
○黒柳明君 大臣のおことばはよくわかるような気がするんです。確かに、そういうことをやっちゃうまくない。今後はやらさないのでありましょうけれども、一点わからないことがある。このことがそういう割り当てに不当なことがあったということは信じませんと。これは信ずる信じないということは大臣の主観だと思うんです。客観情勢はどういうことであったか、大臣は御存じですか。客観情勢を知っての上でそういう発言をしなきゃうまくないと、こう思うんです。いかがですか。
○国務大臣(三木武夫君) 信じないということは、いま申したように、ある基準の年次があるわけでしょう。その実績によって割り当てをするので、基準なしにいろいろ人によって割り当てをきめたわけではないわけですし、このときの会というのはそういう計算だけであって、何もそれに対して不公正な取り扱いをするとかなんとかいう余地はないのであります。しかし、それでは、あなたが、信じないということでは不適当であるというのならば、そういうことはこれによって不公正な取り扱いはいたさないと言い切りましょう。
○黒柳明君 いま、大臣が、計算だけをやったと、こういうふうにおっしゃいましたですけれども、どういう事実をもって、この場合において計算だけをやったのだと、こういう御発言で断定できるのでしょうか。
○国務大臣(三木武夫君) 私は、こういうことなんです、黒柳さん、バナナというものに対しては口をすっぱくしている……
○黒柳明君 いやいや、いまのことに答えて。
○国務大臣(三木武夫君) いまのことで答えているわけです。それで、これにかかわり合った係官が、この割り当てをやる基準というものは役所でつくったわけですから、それの計算のみであったんだから、基準をつくる会ではないという部下の報告を私は信用をするわけでございます。そういうことで私はいま申し上げたのでございます。
○黒柳明君 部下とは――たいへん突っ込んだことでしつこいと思いますが、どなたのことをおっしゃいますか。
○国務大臣(三木武夫君) 現在のところは、ここにおる原田次長、これがバナナを担当しておる責任者であります。この報告を私は信頼をする……。
○黒柳明君 いま、原田さんは、そのときの係じゃない、何も知らないといって調査をしておる。原田さんは、そのとき計算したかどうかわからないわけです。先ほど、このことは知らないと言ったわけです。いま調べている。その原田さんが計算したというそのことはいま発言できるわけがない。そのことについても調べなきゃわからないわけじゃないですか。いかがでしょう。
○説明員(原田明君) 当時の者からの報告で七月−九月の基準は役所でつくったわけです。その役所のつくりました基準は、三十八年と九年の二年間における割り当て実績に基づきまして、それが各会社別に幾らあるかというのを計算をいたしました。四十年七月−九月から割り当てます百五十万かごという総量をその比率で分けると各社が幾らになるかという計算をする作業でございます。したがいまして、この作業は当然計算だけやったということになるわけでございますので、その旨を申し上げたわけでございます。
○黒柳明君 私はそれを信じたいと思いますけれどもね。だけれども、そこに矛盾があるじゃないですか。先ほど言ったことは、何も私知りません、そのときの課長は違う課長です、そのメンバーが違ってますと言うけれども、その一点だけは報告を受けていますと。それじゃ、ほかの事実にわたっても責任者として報告を受けて、現実を客観情勢をどうして把握しないか。そこらあたりは責任者として怠慢じゃないか。私はこれ以上その時点において質問しません、時間も迫っていますから。費用の額も来ませんし……。
 それからその四十年の七月の割り当てをきめる時点において、バナナ業者から輸人実績の報告を出さした、こういう事実がありますでしょうか。いかがですか。
○説明員(原田明君) 当時の割り当て実績で行くか、通関――船積みの実績で行くかということは、確定をいたしております。非常に両説が強うございました。その意味で、通関実績も一応調べるべきではないかという立場から、輸入業者に対しまして輸入の通関の実績を報告をしていただくように正式に輸入注意事項でもってお願いをした事実がございます。
○黒柳明君 そうすると、輸入実績をとったと、こういうわけですね。とって、それが相当数になったと。それの処置はどのようにしたわけですか。
○説明員(原田明君) その輸入通関実績表をとりまして、それを計算をしてみようということで、それも同じように作業を始めたわけでございます。ところが、御存じかと思いますが、割り当てに基づきまして輸入いたしますときの輸入の通関は、二百かごというような単位で船積みの配船などをやっているとかいろいろな関係がございまして、非常にこまかく分割をされて船積みされてまいります。したがいまして、一つの会社の船積み通関の資料だけで茶箱に何ばいというようなふうに非常に膨大な資料が通産省に届いたわけでございます。それを計算をしますべく、ほとんどこれも徹夜で計算の作業をやったわけでございますが、結局、資料上のミスその他もかなりございまして、そういう確認作業は進展をいたしませず、他方、発券の期日というものが切迫をいたしましたので、輸入通関実績による割り当ては不可能という判断に達しました。割り当て実績でもって行くということにきめたわけでございます。その調査表は、その後ずっと通産省で保管をいたしておりましたが、最近、輸入組合におきましても、同じような立場からやはり組合の中に通関実績を基準にすべきであるということを主張するごく一部の会社がございます。また、組合の立場から見ましても通関というものも把握しておるほうが役に立つ場合があるかもしれないということがございますので、組合で通関実績を調査しようという話がきまりました。各組合員に、ことしの五月、輸入実績を証明する資料の提出を求めたわけでございます。ここで、各組合員は銀行に参りまして、再び輸入実績証明書の作成を依頼をしたわけでございます。これは本人がこれだけ通関しましたと言うのでは証拠力がございませんので、銀行の証明を要するわけでございます。ところが、銀行は、昭和三十二年の九月の輸入注意事項で、同じ実績証明用の輸入承認書の写しを二度つくってはいけないという二重作成を禁示せられておりますので、断わったわけでございます。したがいまして、それでは現在すでに通産省に提出をしたその同じ証明書を業者のほうに返還をしてくれという要望がございました。そこで、通産省では、この申し入れに基づきまして、五月の三十一日に各提出した責任者を招きまして、上記の資料を返還をいたしました。それは現在輸入組合にあるというふうに承知をいたしております。
○黒柳明君 それから法務省の刑事課長さん、いらっしゃっていますか。このニュー・ジャパンの業者と通産省当局との作業というか、いま数字は来ませんのですが、私たちのほうで調べたところ、大体五十万円くらい業者のほうから出ておりますが、これは明らかに職務と直接に結びついた供応じゃないか、何かこれが刑法に触れるのじゃないかと、このように思いますが、この点はいかがでしょうか。
○説明員(石原一彦君) 本日と明日、全国次席検事会同がありますので、刑事局長が議長を勤めておりますので、私がかわりに参りました。
 ただいま、供応、まあ贈収賄罪という疑いがあるのではないかというお話でございましたが、本日の会同の目的は、検察の重点でございまして、公務員犯罪に対して厳正なる態度をとるという方針が確認されているわけでございます。しかし、いまお話を承っておりますと、いわば贈収賄罪につきましては、職務の関連性というものが非常にむずかしいわけでございます。それから供応でありましてもわいろでございますが、わいろは職務に関する不法な利益でございますが、ただいまお話を承っただけでは、直ちに犯罪が成立するということにはならないのではなかろうか。むしろ私ども証拠によって判断しなければなりませんのですが、いまのお話だけでは、まだそう断定する証拠にはならないのではないかというぐあいに考えます。
○黒柳明君 問題を変えたいと思います。
 まだ金額がきませんか。−昭和四十一年五月十四日、通産省のバナナ関係の責任者が例の伊東の山岸園でもてなしを受けた。これは衆議院でもありましたが、通産大臣が遺憾の意を述べた。このことは既報の事実ですから、次長さんにお伺いするのですが、そのとき通産省側で出席した人はだれか、業者側から出たのがだれか、名前を教えていただきたいと思います。
○説明員(原田明君) 通産省側からは、今村貿易振興局長と、それから輸入業務課、企画課及び農水産課という三課の課長、及びその下におります数名の係官であります。それから業界からは、輸入組合のこれは職員のレクリエーション旅行であるというふうに聞いておりますので、輸入組合の職員が女子職員を含みまして約二十五名ぐらいがバスに乗って行ったというふうに聞いております。それから、組合の委員と言っておりますが、常任理事に当たる役員約十五名、総員約五十名程度が行かれたというふうに聞いております。
○黒柳明君 大臣は二時までだという約束ですから、もう一、二問お願いします。
 先ほどの砂田勝次郎を励ます会、この質疑でも触れた謝哲信、その方は出ておりましたですね。――出ています。それから小泉純也さんの辞任したあと、台湾バナナ貿易――建隆という華商の会社だと、こう思うんですが、その代表取締役の佐久間正己さん、その方も出席している。まあ台湾の人と仲よくすることは、当然悪いことじゃないんです。ところが、バナナ関係の当局者が、華僑あるいはその華僑のかいらいと目されるような人たちと飲食をともにする、こういうことは非常にうまくない。まあ大臣も遺憾の意をあらわしたわけですが、その後この真相をよくお尋ねになってみたでしょうか。先ほどの励ます会、これと非常にケースがよく似ているんです。もう励ます会はくどくどとここで言う必要がないと思いますが、このことは非常によく似ている。その点からみても、一脈通ずる。大臣のお考えはどうでしょうか、真相を聞いてみたかどうか。それと、先ほどの砂田勝次郎を励ます会とそれからいまの伊東における山岸園における問題とは非常に一脈通ずる点がある。この両方を比較してみて、大臣の御意見を承りたい。
○国務大臣(三木武夫君) 励ます会は、私はきょう初めて聞いたのですが、このことでいろんな不正があれば別ですけれども、きょう聞いた中で感想といいますか、私の意見は、前に述べたとおりでございます。しかし、この伊東の件については、私もこれは真相を確かめました。これは、いま次長の話がありましたように、ちょうどそのときに通産省の人事異動があって、たしか今村君も次長から局長になったときです。輸入組合を、バナナを一本にするというために、一年間これを軌道に乗せるために非常に苦心をして、その間何もレクリエーションもなかったし、そういうことでレクリエーションをし、かたがたそういう要請があったりしたので、そういうことでひとつ来賓として出てくれという非常に熱心な勧誘を受けて、そして自分もそう深く意にとめないで出ていたのでありますが、考えてみるとこれは適当でないということで、私にも今後十分注意をしたいという話をしておりました。まあその行ったときの気持ちは、そのことによって業者と結びつけてそしていろいろ便宜をはかるというような考え方があったことは絶対にない。ただ、しかし、伊東まで行って、一緒に、レクリエーションであろうが、歓送迎会であろうが、こういうところに出るのは私もやはりまずいと思っております。
 そういうことで、これは厳重に注意を与えまして、そういうことは普通の社会慣習といっても、割り当てを通産省がしておるのですからね。そういうふうな慣習は日本の中に間々ありますけれども、しかし、いやしくも割り当てを通産省がやっていく以上は、そういうことでもし疑いを持たれた場合に、それは絶対にそういうことで便宜をはかることはないということを言い切りますよ。しかし、いろいろこうやって話題になるだけでも非常に明朗を欠くではないかということで、私も十分に注意をし、今後もこういうことは絶対にやらさないということでございますが、感想はどうだと聞かれれば、それはほめたことではない、そういうことはやるべきではない。いやしくもそういう割り当てをやるような役所はもうコーヒー一ぱいもごちそうになってはならぬ、それは一つの役人のモラルだと私は思っております。
○黒柳明君 刑事課長さんにお伺いしたいのですが、この山岸園の問題で――公務員の供応問題がいろいろありますね。先ほども検事会同においてそういう問題を取り上げ、綱紀の紊乱ははなはだしいわけです。この山岸園の問題は、公務員犯罪の激増しておる折りから、一般的状況から見て、あるいは刑事問題と結びつかないか、供応贈収賄にならないか、こういう点はいかがですか。
○説明員(石原一彦君) 先ほどのホテル ・ニュー・ジャパンにおける計算の共同作業でございますか、それとややニュアンスが違うようにも思います。通常の儀礼を越えたものがあったかどうかという点は明らかに問題になる点があろうと思いますが、ただいまのお話だけで直ちに収賄罪が成立すると断言することは、現在のお話だけではいたしかねる、かように考えます。
○黒柳明君 じゃ、大臣にもう五、六分御足労いただきまして、華商の問題を、きょうは外務省を呼んでおりませんので、通産大臣にお答え願うのは若干はずれておる点もありますが、常識的なことですから、ひとつ大臣のお考えを述べていただきたいと思います。
 日本人が、現在、台湾に行って、そして日本人の商社を在日華僑のようにどんどんつくることはできない、どんどん登記することはできないわけです。そうすると、何か不平等のように感じるのですが、この点はいかがでしょう。――もう一回言います。在日華僑に限らず、外国人がどんどん土地を買ったりなんかして商社をつくる、登記する、こういうことがあるわけです。これはたとえばバナナの問題に関係もするんですけれども、日本人が外国に行った場合には、在日華僑のようにどんどん登記することはできない、商社をつくることはできないわけです。何か不平等だ、こういうふうに感じるわけですが、こういう観点はいかがでしょうか。御意見は。
○国務大臣(三木武夫君) これは、いま、普通の場合は、たとえばアメリカ、西欧諸国というものは、そこへ日本が資本を持って行っていろんな事業を興したりすることには何らの制約がないのですが、台湾の場合は、私の解釈ではいま台湾でもできるのではないかと思うのですが、これは次長から少し答えることにいたします。
○説明員(原田明君) またおしかりを受けるのではないかと思いますが、日本国と中華民国との間の平和条約という条約がございまして、その議定書の中でお互いに最恵国待遇を与えるということが約束されております。その場合に、「法人への参加並びに事業活動及び職業活動の遂行に関して、一方の当事国が他方の当事国に対し最恵国待遇を与えることが、実質的に内国民待遇を与えることとなるときは、いつでも、この当事国は他の当事国が最恵国待遇に基き与える待遇よりも有利な待遇を与える義務を負わない。」と、こうなっております。しかし、現在、日本とアメリカ合衆国との間に最恵国待遇及び内国民待遇がございまして、一定の制限業種以外には内国民待遇が与えられておると思います。したがって、それが均てんをいたしまして、法律上日本の事業活動が特に制限をされておるということはないのではないかというふうに考えますが、実態の問題としてそれがどのように運用されておるかというのは、商売上の問題でございますので、在日華僑が日本において自由な活動をされると同程度の自由さが日本の台湾にある会社に必ず与えられておるかどうかというのは、明言できないのではないかというふうに考える次第でございます。
○黒柳明君 たとえば、大臣、日本のバナナ組合が六、四あるいは八、二で台湾バナナ業者に実権が握られている、こういうことがあるわけなんです。それについてはどのようにお感じになりますか。
○国務大臣(三木武夫君) これは、やはりこういう背景には――技術的なことは次長からお答えするでしょうが、背景にはこういう点があるんですね。案外日本のバナナの需要というものは強い。したがって、いま三年間の間に八倍になってもバナナが売れる。そういう点で、台湾の供給力というものがだんだんふえてきておるけれども、必ずしも今後の日本の需要というものが無制限とも言えないでしょうが、日本の需要に合致したような供給力になるかどうかというのは疑問なくらいにまだやっぱり日本ではバナナの輸入が相当にあるというわけであります。そういう点で、どうしても売り手市場になりやすい性質をバナナは持っておるんですね。そういう点で、輸入組合などをつくったのも、向こうは割り当てをやっておるわけですから、どうしてもこちらがいろいろな国辱的なことも行なわれたりするので、輸入組合で秩序をつくろうということになったわけで、実際問題としてどの程度華僑といいますか台湾側にバナナの輸入が握られておるかという問題は、これはなかなか計算はむずかしいでしょうが、次長からその点についてはお答えいたすことにいたします。
○説明員(原田明君) その前に、先ほどの私の引用条文が間違っているのではないかと考えますので、ちょっと……。日本と中華民間との間の平和条約の議定書の2に、「海運、航海及び輸入貨物に関する最恵国待遇並びに自然人及び法人並びにその利益に関する最恵国待遇。」というのがございまして、「この待遇には、税金の賦課及び徴収、裁判を受けること、契約の締結及び履行、財産権、法人への参加並びに一般にあらゆる種類の事業活動及び職業活動(金融活動及び一方の当事国がその国民にもっぱら留保する活動を除く。)の遂行に関するすべての事項を含むものとする。」というふうに書いてございますので、おそらくバナナ輸入事業というふうなものに与える仕事は法律上は制限されていない、こういうふうに条約上は制限されていないというふうに考えております。
 それから華僑の問題でございますが、華僑の問題は実態上はなかなか把握しにくい問題でございます。私どもも、会社の社長さんが華僑の方でいらっしゃるところ、これはわりにはっきりいたしておるようでございますので、それを調べました結果は、大体二三、四%程度が華僑の会社で輸入組合中あられるのではないか。ただ、一般に、混血といいますか、社長さんは華僑ではないけれども華僑系であるといわれるものがいくらあるかという判断は、人によりまして非常に違っております。七、八%であるという非常に狭い立場をとる方から、二〇%に及ぶという方、さらにひいてはもうちょっと高いという方まで、非常にたくさんおられるようであります。したがいまして、非常に狭い意味で解しますと、華僑並びにその系統というのは三割余り、それから非常に広く解しますと五五%ないしそこら以上というくらいになるのではないかと考えております。
 ただ、この場合に、華僑の方であるというだけの理由でその事業活動を制限するというような差別をやるということは、これは非常にむずかしい相談ではないか。
 それからまた、華僑の方が、実際問題といたしまして台湾のほうの輸出業者の方と関係が非常に深くて、実力をお持ちでありながら、かつ船も華僑の方がお持ちという関係がございますので、そういう関係から、どうしてももし野放しというような状態になった場合には、華僑の方が実力がおありになって強くなるという状態が起こるのではないかというふうに一般にいわれているようでございます。
 ただ、現在、私どもが輸入秩序を確立するという目的で割り当てをやっております場合に、そういう意味で華僑を押えるという目的でやっておるというようなことは一切ございませんで、輸入秩序の維持、それから安いバナナを消費者に供給いたす、台湾との重要なバナナ貿易が健全な発達をいたすというような観点から見て特に弊害が起こらない限りは、華僑であるからという理由で行政上何らかの差別的ないしは抑圧的な措置をとるというのはいかがかというふうに存じておる次第でございます。この問題はしかし非常にむずかしい問題でございますので、なお十分実態の把握その他今後の検討を進めさしていただきたいというふうに考えております。
○黒柳明君 最後に、大臣にいまに関連してですが、私は何も日本人と台湾の人が仲よく手を結んで貿易をする、こういうことがだめだと言っておらない。あくまで自民党・政府が、失礼な話ですが、不平等のもとに国民を追い込んで、そうしてある政治家が華商と結託してそちらに利益を与える。そういうようなことをやっておったんでは――そういう事実がどこにあると言われても、私はここにあると断言はできません。ですけれども、先ほどからの一連のこういう話を聞いていれば、決してないとは言えない。ありそうだということが、非常ににおいがぶんぷんとしてくる。また、事実あるという話である。そういうもとにおいてむしろ通産省の役人の方をおこってもしようがないじゃないか。いまのような台湾バナナをめぐる黒い霧の根本はそこにある。華商と政治家との結び合い、それが日本の商社と華商との不平等、利益配当が不平等になる、こういう結果にあらわれているんじゃないか。これを根本的に解決していきませんと、いま次長さんの話ではないけれども、むずかしいには違いないけれども、そのむずかしいところを克服してそうして打ち破っていきませんと、この問題は最終的な結論は出ない。これは私の私見でございますが、この点、重ねて大臣の御意見をお伺いしたい。
○国務大臣(三木武夫君) 最初に申し上げたように、いろいろこういうことで政治家も迷惑をされている人がたくさんあると思います。そういうことで、こういう問題はできるだけ解明をして明朗なものにしたいということを考えておりますので、いま最初に黒柳さんの質問に私が答えたように、いろいろな方法を検討してみましょう。そうして、このバナナの輸入というものが国会の問題にならないようなものにしたいと願っているわけでございます。今後、したがって、野放しはできないわけですね、この問題は、割り当てをしているのですから。だから、やはり割り当て基準というものを厳正にして、輸入組合というふうなものが要るわけであります。これは健全に育っていくということが中心だとは思いますが、その間不法なこと、違法なことがあるならば、これはやはりメスを入れなければならない。ただうわさだけというようなことではなかなかむずかしい点がありますが、しかし、そういう不法とか違法のようなことがあれば、これはもう断固として排除しなければならないし、また、そういう疑惑を残す余地のないような仕組みというものは考えられないであろうか、いまのやり方について。そういうことで、輸入組合それ自体、基本方針は変わりないけれども、そういう中にあって何かもっと明朗なものにするためにこの際やる方法があるのではないかというようなことで検討を加えておるのでありますから、この問題は多少の時間はかかると思いますけれども、できるだけメスを入れて国民の疑惑を解きたいというのが私の決意であるということを最後に申し上げておきたいと思います。
○黒柳明君 どうもありがとうございました。
 次には、刑事課長さんにお伺いしたいと思いますが、先ほどのホテル・ニュー・ジャパンの割り当て作業の問題、あるいは山岸園のもてなしの問題、これについては見解は伺っているわけですが、これは今後どのような処置をなさるつもりであるか、重ねてですけれども、お伺いしたいと思います。今後どのような処置をするつもりであるか。
○説明員(石原一彦君) おそらく、御質問の趣旨は、直ちに捜査するかしないかということではないかと思います。これは、従前委員会で申し上げておりますとおり、捜査の秘密に属することでございますので、答弁は差し控えさせていただきたいと思います。ただ、私ども従前から、何か犯罪的なものがあるというような資料を得ましたときには、しかるべく検察庁に送るという方法をとっております。これは投書であるとかその他の申告であるとかというものも全部同じでございますが、そういうふうにしております。今回のこの委員会の議事につきましても、議事録ができましたあと私ども検討させていただきまして、しかるべく善処いたしたいと、かように考えております。
○黒柳明君 問題がかわりますが、四十年二月三日に、神戸所在の建隆貿易株式会社及び大永航業株式会社、これはいずれも台湾に輸出会社、船を持っている会社で、自分で持ち船でバナナの輸出入をしているわけです。その荷を受けている建隆グループ、これがあるわけです。それが非居住者のためにする居住者への支払いですか、為替管理法の第二十七条違反の容疑で起訴されて、公判係属中だということを聞いておりますが、その起訴事実の概要と、できれば公判の過程についてお伺いしたいと思います。
○説明員(石原一彦君) 昨晩質問の通告を受けまして、もう現地の検察庁は帰っておりましたので、けさ電話をいたしまして、電話の聞き取りでありますので正確であるかどうかはっきりしない点もございますが、一応調べたところを申し上げます。
 建隆貿易株式会社は、昭和四十年一月八日、おそらくいわゆる外為法違反ではないかと思いますが、それで事件を受理いたしまして、昭和四十年二月三日に起訴いたしております。被告人は、おそらく建隆貿易株式会社の代表取締役の陳建忠という人であろうと思います。
 起訴されました起訴事実の概要でございますが、昭和三十八年七月三十一日ごろから昭和三十九年十月十七日ごろまで、約百回でございますか、合計一億二千六百万円余の金を、ただいま黒柳先生が申されましたように、非居住者のためにする支払いをしたという事実が一点でございます。あとの一点は、昭和三十八年四月ごろから三十九年八月七日ごろまで、約六回にわたりまして、合計二千四百二十一万円余を非居住者である者にかわって受領したという点でございます。
 それで、現在までにすでに公判が五回開かれておるようでございまして、次の公判は十一月二十四日というぐあいになっております。
○黒柳明君 建隆グルーブのことでそのほかの何か事実がないでしょうか。西独からバナナボートを輸入して、やはり外為管理法違反というようなことで捜査をされておる、こんなことを聞いておりますが、これはいかがですか。
○説明員(石原一彦君) ただいまの点は、承知いたしておりません。ただ、先ほど大永航業でございますかという名前が出ましたが、その件につきましては、検察庁で受理いたしましたが、起訴猶予になっておるというぐあいに承知いたしております。
○黒柳明君 警察庁のほうにお伺いをしたいんですが、いまの建隆グループの西ドイツからのバナナボートの問題ですね、これは兵庫県警の保安課でお調べになっておるのでおわかりになっておると思いますが、いかがですか。
○説明員(雨森和雄君) その件は、詳しく捜査をしたということを聞いておりません。いま刑事課長が申されました点は、警察で立件いたしまして送致して起訴されております。
○黒柳明君 一番冒頭に出ましたが、台湾の輸出同業公会の駐日弁事処ですね、国内業者の輸入したバナナ一かごについて数百円のリベートをやっておる、こういうようなうわさで為替管理法違反で調べた。ところが、リストにはそれが載っかっていない、犯罪容疑は成り立たない、こういうようなことがあったという話を聞いているんですが、その事実はいかがですか。
○説明員(雨森和雄君) この点は、いま先生の御指摘にありましたように、この三件ともいずれも外国為替及び外国貿易管理法違反でございますけれども、これが直接バナナの輸入代金の差額であるというようなことは出ておりません。
○黒柳明君 そのことは私も聞きましたけれども、ただ、帳簿に載っかってない――当然帳簿に載っけるばかはないと思う。堂々と為替管理法違反をやっていることを帳簿に載っけるばかはいないと思います。だけれども、先ほどお話ししましたように、陳杏村という人は非常に大物です。駐日華僑の中心ですし、それからまた、この輸入に対してリベートももらっている。一ところにまとまって集まっている。こういうような大立て者。また、日本の政界にも相当の結びつきがある。日本の警察当局が、リストだけを見て、載っかってないからこれは起訴できないという、そんな無能力じゃないと思うんです。こんな幼稚園みたいなことの捜査で起訴できないと、こんなことではなくて、変な言い方ですが、何かそこにあって起訴できなかったという事実でもあるんじゃないか、こう思うんですけれども、変な質問で申しわけございませんが、いかがでしょう。
○説明員(雨森和雄君) もちろん疑いがあれば捜査をいたしますのですが、この件につきましては、いまおっしゃいましたような事実を証明するような証拠を得られなかった、こういうことで、外国為替及び外国貿易管理法違反は、いずれもそういう差額の代金ではなくて、港湾費用その他を立てかえて払った、こういうことで立件いたしております。
○黒柳明君 国税当局にお伺いいたしたいと思いますが、先ほどから何回も言ったように、台湾バナナの輸入業者の徴税の問題、ペーパー・ブローカー、ダミーの問題ですが、国税当局は、ダミーの一覧表などをお持ちになって税金問題をお考えになっているんじゃないか、こう思うんです。この点いかがでしょう。
○説明員(中嶋晴雄君) お尋ねの台湾バナナ貿易ほかいろいろなバナナの輸入業者につきましては、それぞれの法人税の調査におきまして課税処理をしてきております。ただ、最近年度につきましては、これはまだ調査未済のものもございますので、きわめて最近時まで調査したかと言われますと、これはまだしておりません、こういうふうに申し上げる以外にございません。
○黒柳明君 ダミーの会社を疑いがあるというようなことで会社の一覧をとるというような、こういうこともおやりになったことないんですか。あるいは、そういうことをやろうという意見もないですか。
○説明員(中嶋晴雄君) バナナの輸入業者には、先生御承知のように、総合商社もございますれば、食品業者もございます。また、御質問のようなペーパー・ブローカーあるいはダミーといわれるようなものもあると思いますが、そういうようなものを集計して、それだけの法人税調査あるいは個人所得の調査をやっているわけではありませんで、それぞれの税務署におきまして法人税の調査をやっておるわけでありまして、その中で把握されておるというふうに考えております。
○黒柳明君 これは次長さんのほうまで行っているかどうか、国税庁のほうから、ダミーの会社を知りたいと。バナナのことを一生懸命調べている方に、ぜひリストを教えていただきたい、こういうようなことになって、上からの指示であるか、その人が何か疑惑があるんじゃないかということでやっておられるのか、その点は、はっきりわかりません。ですけれども、当然ダミーについて納税について考えられる、これがこれからのバナナの問題についての霧を晴らしていくところの一つの方法、一つの手段じゃないか、こう思うんですが、いかがでしょう。
○説明員(中嶋晴雄君) ただいま申し上げましたように、バナナ輸入業者だけを取り出してリスト・アップしてそれだけの課税処理をするということは、いましていないのでございますが、お話の点もございますので、十分税の調査につきましては万全を期してまいりたい、かように考えております。
○黒柳明君 念のためですけれども、こちらで調べたダミー、例の建隆関係を見ますと、十一あがってきます。井出商店、栄建商行、永昌貿易、建隆貿易、建泰洋行、台湾バナナ貿易、それから大東桜貿易、中信物産、東新商事、東生貿易、丸大と、名古屋、東京、神戸、大阪の各所にわたっています。
 それからさらに、建隆と同じような大きな信義ですね、華僑の大きな会社ですが、その関係のダミーであると思われるのは、亜細亜貿易、九神青果貿易、太平洋青果物、中日加工業輸入協会、東山貿易、東来貿易、日台産業、根本物産と、東京から神戸、横浜、札幌と、こういう各地にわたっております。
 まあ私のほうがこういうことを質問する筋合いのものじゃないのですが、こういうこともひとつこれから国税庁のほうで手がけていただいて、この疑惑を晴らしていただきたい、こう思います。
 それからペーパー・ブローカーあるいはダミーの決算状況あるいは納税状況は、それではどのようになっておりますか。
○説明員(中嶋晴雄君) 先ほどから申し上げておりますように、そういうバナナの輸入割り当てを受けた者全部につきましてリスト・アップいたしましてそれぞれについて調査を実はいたしておりません。一般の法人税調査あるいは所得税調査のワク内でやっておりますので、ただいまお尋ねの点につきましても、ここで確たる御返答ができないのは、はなはだ遺憾でございます。
○黒柳明君 法務省の刑事課長さんと、それから警察庁、それから国税庁の次長さんを含めて、いままでいろいろやってきたのですが、最高責任者が三省庁ともお見えになっていないのが非常に残念なんですが、今後の問題として、いまあげましたような脱税問題あるいは為替管理法違反問題、そういうようなことに関して、ひとつ各省庁にお帰りになったら、上司の方に申し上げて、しかるべく万全の処置をとって、そうしてまた、政府のほうでも、黒い霧を晴らすと。通産大臣はじめ姿勢を正すと。次長さんも何とかがんばろうと、信頼される部下ですから。それで、全面的な善処をするべくがんばっていただきたいと思います。
 最後に、委員長に。いま私がいろいろ申し上げましたのですが、冒頭言ったように、中にはこっちの調査資料が不足で訂正しなければならぬ点もあると思うのですが、その点も含め、あるいは資料要求もしましたのですが、そのことも含めて、今後の問題をまた質疑する上において非常に大切なことばかりだと思いますから、資料提出に対しての善処をお願いしたいと思います。
 以上で終了します。
○宮崎正義君 通商局次長に私が質問した流通機構等の問題についてまだ回答を得ていないので、先日の私の問いに対して考え方を明らかにしていただきたいと思います。
○説明員(原田明君) バナナの価格を安く消費者に供給いたします場合の一番の手は、輸入をふやすことにあると思いますが、しかし、御指摘のとおり、現在の流通機構が合理化してまいるということもこれと並行して進めなければならない問題だと思います。この点、私どものほうは直接所管でございませんので、今後農林省と密接に御連絡をとって進めてまいりたいと存ずるのでございますが、バナナの流通機構の場合に一番むずかしいと考えられますのは、バナナが非常に腐りやすい商品であるという特性を持っているということ、それから現在のところはまだ台湾が主たる供給地でございまして、その他のところからの輸入は思ったほどは伸びていないという状態にあるという点かと思います。それにいたしましても、たとえば船が入ります港の数は現在よりもう少しふやしてもいいのではないかというような問題とか、あるいは現在まで竹かごで持ってまいりましたものをカートンに入れまして運送を非常にたやすくかつ低廉にするというような問題、これはすでに現在実行に入りつつあるような状態に聞いております。それからまた、物理的ないし化学的な方法でバナナをかなりの程度に熟成させましてから、何かバナナが呼吸をするのをとめまして、その以後急速に腐りやすい状態になるのを防いで、ある程度保管がきくようにして、需給調整が可能になるような方法を検討するとか、そういう幾つかの問題が考えられるように聞いております。また、実際問題としては、現在、輸入業者、加工業者、卸、小売りと行きますようなそういう段階におきまして、流通がなお円滑かつ迅速にいくような方法というような問題も、エコノミストないし学識経験者等の御意見も伺った上で、輸入組合等においても至急に審議、検討させるようにしたいというふうに考えております。このような問題を通じまして、できるだけ流通機構の合理化をはかるという方策について農林省とも御相談をして積極的に進めてまいりたいというふうに考えております。
○宮崎正義君 問題は、その中間で、輸入されたバナナがその当時より約四倍くらいになって消費者に渡っていく。輸入した価格にたとえば関税を払って手数料を払って、その価格の倍価格になって消費者のところにいく。その浜相場の建て方の問題それから輸入業者のマージンの問題、ダミーあるいはペーパー業者の中間の取り入れる問題、それらの点について、この前は、私は、通産省としては積極的な輸入業者に対する考え方はどうなんだというような質問をしたはずなんですけれども、この点について答弁願いたいと思います。
○説明員(原田明君) 浜相場のほうは直接私どもの所管ではございませんが、私見として申し上げますならば、いままでの浜相場の建て方は、どちらかといいますと、輸入業者の立場が強く、その委員の構成などにつきましても、もう少し買い手のほうの立場を強くするというようなことも考えられるのではないかと思います。ただ、浜相場は、それ自体が直ちに悪いかどうかという点はかなり問題ではないかと思います。むしろ、こういう標準価格みたいなものがあるということで、こういう相場によって変動の激しいものの変動幅がかなり狭められて安定化しているという面もあるのではないかという気もいたしますので、こういう点はさらに検討しました上で改善の方向を出すということに持っていくのが適当ではないかと考えております。
 輸入業者のマージンにつきましては、これは前回ちょっと私のほうからも御報告申し上げた点でございますが、結局、こういう非常に腐りやすいバナナみたいな商品では、全体の供給量がある程度以上に増加しません間は、消費者がそれを召し上がるので、必ずある程度高い価格で売れてしまうという状態が起こります。もし供給のほうが少しでもふえますと、たちまち黒くなったバナナは値が下がるわけでありますし、また、バナナのたたき売りというものが出現することになるわけでありますが、まだそういう状態になっておりません。したがいまして、現在の状態では、消費者に至りますまでの間、輸入業者、加工業者、卸、小売りというどこかの段階でだれかが利益をあげられるという可能性が残っているわけであります。やはり、私どもとしましては、全体の供給量をふやすということがまず最大の要件であろうかというふうに考えております。現在、輸入組合の中には加工業者の大部分が入っておられます。全芭連と申しますか、全国芭蕉卸売加工協同組合連合会――協同組合を構成なさっておるりっぱなお方がほとんど全部入っておられます。この方々は、輸入の実績をお持ちでございますので、輸入も行なっておられます。したがいまして、輸入をされ、かつ加工もされて、できるだけ安く売ろうという努力を非常になさりやすい立場にもございます。しかし、たとえば北海道、九州といいましたような地方の小売り屋さんあたりになりますと、運送やその他の関係で、どうしてもリスクをかなり見て、経費ないし利益というものを幅をある程度おとりにならないとバナナは扱いにくいというような情勢がおありのように聞いております。それからまた、たとえばスーパーマーケットに直売りをするというような場合にも、大量に実施がされますならば、これはある程度値は下がるかと思いますが、いわゆる小売り業者対スーパーマーケットの問題という事態に突入するおそれがあるのではないかという懸念もございます。したがいまして、こういう全般を考慮いたしまして、やはり基本的解決は、輸入をふやすことにあるというふうに考えますが、いま直ちに輸入の供給量を倍にしてしまうというようなことは、現実の供給力その他の状況から見て実現が非常にむつかしいように考えられます。したがいましてその間、こういうもうかり過ぎるという状態をいかにして是正をするかということが先決ではないかということでございます。
 その方法といたしましては、一番公平でかつ国家目的というものに合致するということになりますと、関税を上げるという手が一番すっきりするという説もございます。この関税を上げるというのもなかなかむつかしい制度でございます。現在すでに七〇%というのは、国際的に見ましても関税水準としては非常に高い水準でむつかしい状態にあります。したがいまして、まあ暫定的に輸入は非常に急速に現在はふえつつございますので、輸入の供給量が相当程度増大いたしますまでの間、当分もうけ過ぎという状態を是正するために、いわゆる差益を徴収するという方法はどうだと、そうして、その差益を一部、一次産品の発展途上国からの購入でございますとか、あるいは国内果樹産業の保護といいましたような、非常に国家的目的のために使用するというのがいいのではないか、こういう説もございます。こういう具体的な案につきましては、先ほど大臣から御報告がございましたとおり、目下私どものほうで関係省庁とも御相談して鋭意検討中でございます。いまの段階はそういう段階でございます。
○宮崎正義君 浜相場が、加工業者と輸入業者の五人ずつの構成でできておりますね。その構成を、消費者側のほうからの面が取り入れられるということもこれは考えなきゃならない問題だと思うのです。
 それから同時に、変動があるといっても、一定の基準、平均の基準は出ているはずです。そういう点から考えていきましても、この点にもう少しメスを入れなければならないのじゃないかと、こう思うわけです。
 それから消費者のほうの側からいけば、安いものを入れてもらえばいいんだ、次長の説明に言うように輸入をふやしていくんだということになれば、これは、各国の状況、各国から輸入しているその数もふやしていくという考え方に当然なっていくと思うのです。そういう点から考えてみましても、中共バナナ等も今後どういうふうにしようと考えているのか、そういう関連したところからもお伺いしてみたいと思います。
 この点についてまず考え方を伺っておきたいと思います。
○説明員(原田明君) 現在、バナナは、自由化されておりまして、台湾につきましても割り当ては実施しておりますが、量を制限するという意図がないことは、先ほど御報告申し上げましたとおりでございます。その他の地域のバナナは全く自由化されております。したがいまして、中共につきましても、中共から入れたいという方は、いくらでも自由にお入れいただいてけっこうである、できるだけたくさん品質優良なものが入ってくるというのは非常にけっこうである、かように考えております。ただ、現在までの中共からの輸入実績はさほど多くはございませんで、六五年が二千八百七十九トン、それからことしの一月−七月で千二百九十トンという状態にとどまっているようでございます。
○宮崎正義君 中共バナナと台湾バナナとの価格、この点はどういうふうな開きになっておりますか。
○説明員(原田明君) 台湾のバナナは、現在八ドルという見当になっております。中共のバナナは、台湾のバナナほど大量に、かつ品質優秀、均一といったようなものが輸入されておりませんので、この価格を直ちに比較するというのはいかがかと存じますが、現在まで私どもが伺っておりますところでは、中共バナナはC&Fで六ドル五十ぐらいで、かなり安価であるというように聞いております。
○宮崎正義君 中共バナナも安価であるというふうなお話でありますが、これより積極的に安いバナナを入れていくという方針をやらなければならいのじゃないか、こう思うわけなんですが、将来に対する考え方等が言われておりませんが、この点について。
○説明員(原田明君) 中共のバナナに限らず、品質のいいものをいくらでもたくさん入れていただいてけっこうであるというように考えております。ただ、現在のところは、まだ中共バナナを大量に入れますにはかなり品質その他においてコマーシャルに問題があるというように聞いておりますので、そういう点の改善その他をはかっていただきまして、業界が進んで中共バナナを入れればもうかるというような状態になるように希望しております。
○宮崎正義君 たとえば台湾バナナ以外の他国の輸入の品物が波止場に入ってきたそのときにたまたま土曜日であった。これは台湾バナナもそうだと思いますが、輸入バナナが土曜日であった。そのときには、検疫等が土、日は行なわれていない、こういうことで問題が起きているということも聞いているわけです。同時に、少量の輸入の国から来るときには荷揚げがあと回しにされるというようなことも聞いているわけですが、こういうようなことはあるのでしょうか。
○説明員(原田明君) バナナは非常に腐りやすい商品でございますので、検疫担当の官庁のほうにもできるだけ便宜をはかるようにお願いはいたしております。したがいまして、最盛期等におきましては、土曜日に入ったものも便宜をはかっていただくような方法をとっておられるように聞いておりますが、通常、最盛期でない場合には、土曜日のものは月曜日というふうに回る状態があるということも聞いております。
 それから少量輸入国はあと回しになるというようなことは、別に少量輸入国であるからあと回しになるというふうなことは聞いておりませんので、何かそのときの荷役やそういうところの事情によるものではないかというふうに推察をいたしております。
○宮崎正義君 ところが、たいがいしゃくし定木にこれがなされているということを聞いているんです。土曜日に入ったらば検疫もやらない、また保税倉庫等もあと回しにやるとかというようなことも聞いているわけですが、こういう点どうですか、保税倉庫等について大蔵省のほうの見解は。
○説明員(細見卓君) お答えします。
 そのような差別は一切ないと承知いたしております。ただ、先ほどお話がありましたバナナの大量のほうが先になるというようなことは、おそらく荷役の関係で、専用の荷役関係があって、それが専用でないものは若干あと回しになるということが事実問題として起こっているのじゃないかと思いますが、役所の取り扱いとしての差別というものは一切ございません。
○宮崎正義君 それがあってはならないと思う。当然のことだと思うのですが、ワンロットの倉庫がとれない、そういうようなことをずいぶん聞かされているわけです。そういう点を聞いているものですから、念を押して伺っているわけです。こういう点もこの際、特に輸入の食糧品のものについては、特に土曜日に入港してきたものに対しても十分に私は手を打ってやる、優先的にやっていくようにしなければならないのじゃないかということを申し上げておきたいと思います。
 それから輸入のバナナを入れてくる、いま数量をふやしていくという計画のもとに、フィリピンのバナナの問題が持ち上がってきておるようですが、フィリピンの状態がどのような傾向になっているのか、御説明願いたいと思います。
○説明員(原田明君) フィリピンは、台湾の南で、気候的にもわりと似通っているはずでありますが、台湾のバナナの生産が、品種改良、増産その他バナナ栽培の農家体制が非常に整ってうまくいっておりますのに比べまして、現在までのところ、フィリピンは、バナナの生産に関してはあまり進展というか、進歩が見られておらないように感じております。ただ、日本の業界の中で、フィリピンにおいて十分バナナの開発が可能であると着眼をせられまして、フィリピンにおけるバナナ開発に努力しておられるところがあるわけでございまして、将来そういう努力が実りまして、フィリピンからのバナナも相当程度日本に入ってくるというふうになりますならば、消費価格の引き下げというようなものに寄与するところ大ではないかというふうに考えております。
○宮崎正義君 もっと詳細を話していただきたいと思います。たとえば、ミンダナオ島に日本の業者がどれくらいいま開発を進めている、これが何カ年後にどうなるかというような見通し、それとあわせての台湾バナナの輸入の状態の見通し、あるいは、中共等との総合的な輸入体制の確立といいますか、そういった面の上からもう一歩さらにフィリピンの問題をお話をしてもらいたいと思います。
○説明員(原田明君) フィリピンのバナナにつきましては、現在二、三の団体が開発をしておられるようでありますが、特にミンダナオ島に進出をしておられる方もございます。その方々からも一応御計画は伺うわけでありますが、何ぶんにも計画と実際の進行がなかなか一致いたしませず、そういう計画の実現性といいますか、特に向こうの現地の方々がどのくらい力をお入れになりまして、どのくらい勤勉にお働きになるかということが、この事業がどのくらい成功するかということにかかるのではないかと思います。いままでのところでは、御本人の方々の御計画だけがございまして、政府といたしまして、この程度の計画はこの程度に実現するであろう、したがいまして、それが台湾のバナナあるいは日本全体のバナナの需給にどの程度影響力を持ち得るというようなところにいくほどに成熟しておらないきわめてプリミティブな段階で、これから大いにそういう方々に御努力をお願いしなければならない段階にあるというように考えております。
○宮崎正義君 フィリピンの計画をやっておられるのは、どのくらいの計画でやっておられるか、御存じないですか。
○説明員(原田明君) フィリピン政府の計画は存じておりません。
○宮崎正義君 バナナ業界で計画を立ててやっているわけですから、一応日本政府としてもそういう見通しの上に立たなければならないのではないかということを私は聞いているわけです。ですから、フィリピンではいまどのような開発をやって、何年後にはこういうふうになっていくんだという、少なくとも見通しを明らかにしなければならないのではないかとも思うわけです。それで伺っているわけですが、そういう面から推して、総合的な輸入計画というものがどういうふうに今後バナナの需給に適合していくかという総合的な考え方のことを聞きたいと思っているわけです。
○説明員(原田明君) 自由化いたしました三十八年には、台湾から百十万かご入りまして、その同じ時期に、台湾以外の分が四百四、五十万かご入りましたので、総輸入といたしまして五百五十万かご入っております。しかし、検疫やその他いろいろの関係がございまして、台湾以外のバナナの主たるものはエクアドルでございます。エクアドルは自由化とともに一時非常に伸びたのでございますが、かなり距離が遠く、熟成にひまがかかる、それから船が限られておりますので、日本が殺到いたしました結果、船賃が上がって採算が悪くなり、また、品質につきましても台湾ほど熟成しないものを持ってきたという関係から、消費者の嗜好がそれほど強くないというような、いろいろな関係で、その後は当初ほどの伸びを示しませんで、むしろ最近は減少ぎみの状態もございます。そのほかにタイその他の東南アジア諸国もございますが、フィリピンのバナナはまだそういう国として特掲する程度の数量にならない段階でございまして、こういうものを全部ひっくるめまして、日本のバナナ需給といたしましては、ことしの一月−九月で台湾バナナが六百二十六万かご、それから台湾以外を合わせまして百十一万かごで、そのうち百万かごはエクアドルでございますので、日本の需給計画というような観点からは、まだフィリピンのバナナはそう近い将来にのってくるというほどにはなかなか大きくならないのではないかというように考えております。
○宮崎正義君 フィリピンはあと二年ぐらいすれば三百万かごぐらいのものが十分可能であるということを聞いております。そういうことから考え合わせまして、品質等にもよりましょうけれども、かなり台湾バナナに類似した品種が取り入れられているということなんで、より積極的にこういう問題に突っ込んでいきながら調査もするべきだと私は思うのです。したがいまして、そういうふうなことから需給に対する総合計画をやらなければ当然いけないのじゃないか、こう思ったので申し上げたわけです。先ほど需要に疑問の点がある、輸入しやすいようにしていこうというふうなお話が大臣からありましたけれども、この需要等の問題について結論的に言えば、価格がどうなっていくかということだと思うのですが、農林省はどういうふうに価格の点について考え方を進めていこうとするのか、伺っておきたいと思います。
○説明員(八塚陽介君) ただいま、農林省のほうにおきましても、果実の需要につきまして長期見通し等の作業をやっておりますが、いずれそういう作業の結果、いろいろなデータが出てまいると思いますが、ただ、現在までのバナナの輸入量、これは先ほども通産省のほうからお話がありましたように、必ずしも供給が十分でございませんので、結果において需要に満たないというかっこうになっておりますが、相当のテンポでふえてはおるものの、ほぼ国内産の果樹の約一〇%未満になっておるのでございます。
 価格の問題でございますが、バナナにつきましては、これは当然のことでございますが、もちろん需要は相当強い。したがって、価格はそんなに安くないことは事実でございますが、それにいたしましても、自由化いたしましたあと相当安くなっております。一方、国内産の他のリンゴであるとかあるいはミカンであるとか、そういう果樹の価格の動向を見ますと、これはやはり端的に言いますならばあまり上がっていない。どちらかというと頭打ちの傾向にございます。それに比較いたしますと、バナナ自体は、先ほど来のお話にありますように、ある程度値段が高いという感が原価等からいたしますとするわけでございますけれども、他の価格との関係からいくと、必ずしも上がり下がりの率で言いますとそれほど高くないということに相なっております。私どもといたしましては、果樹の生産というのは、いろんな観点から今後合理化を進めていく、あるいは生産性の向上をはかる。したがって、価格についても、できるだけ需要にマッチするように体制を整えていくということは必要であろうと思っております。何ぶん果樹は永年作物でございますし、農業のことでございますから、今後いろいろ努力をしてまいりたいとは思っておりますが、多少時間のかかることに相なるかと思っている次第でございます。
○宮崎正義君 輸入業者が加工工場を持っている。その業者が、卸市場を通さないで、小売り商人にバナナをおろしている。その価格と、加工工場から卸市場に来てそして小売り商人のほうに行っているバナナの価格、その違いは御存じでしょうか。
○説明員(八塚陽介君) ただいま手元にございませんので存じませんが、ただ、現在の流通機構では、はっきりした数字は存じませんが、一応卸売り市場を通す、形式的には通っているわけでございますが、実質的に卸売り市場でせりが行なわれるという数量は、比較的数量的には少ないということを聞いております。
○宮崎正義君 調べてないというのじゃ、私質問がこれからできないわけですが、わずかの数じゃないんです。非常に数が多いわけです。したがいまして、ここにも消費者価格というものが問題点として取り上げてこられなければならないと思うのです。いまお話ししましたように、輸入業者が加工工場を持っている、その業者が小売り商人のほうにバナナをおろすという弊害がどこにありますか。一般消費者に渡ってくるまでに、どうして卸市場を通さないで、小売り商人のほうに回り、消費者のほうに来るか。
○説明員(八塚陽介君) 先ほど私が申し上げましたことは、せりにかかる部分が、実質的なせりにかかる部分が少ないということを申し上げましたので、したがいまして、いま先生のお話になりましたような流通経路のほうが多いということを申し上げたわけでございます。
 それからそういうふうに通常の他の果実のように、せりに実質的にかからないというのはどういう理由かということに相なるわけでございますが、通常の中央卸売り市場でのせりというのは、御承知のように、産地から委託を受けまして、卸売り業者が生産者の委託によってせりをするということでございますが、バナナの場合は、御承知のように、すでに原価と申しますか、価格というのは非常にはっきりしているわけでございます。少なくともCIF価格あるいは関税込みの価格というところは非常にはっきりしておりますので、必ずしもそれが当然である、ないしはいいということではないと思いますが、自然せりにかかる部分というのが少なくなっているのであろうというふうに考えております。
○宮崎正義君 私の調べているところでは、その市場を経てきているのが安いのです。そういう点がある。多いから申し上げたわけです。いま局長の話だと、せりにかかるのが少ない。せりにかかったほうが安いという事実があるわけなんです。この点はどうなんでしょう。
○説明員(八塚陽介君) ちょっと先ほど申し上げましたように、私どもの資料といたしまして、せりにかかった部分が安いという資料をただいま持ち合わせておりませんので、その点を別にいたしまして、私どもも、やはり原則としては中央卸売り右場というせっかくのいわば公正な価格形式の場があるわけでございます。この中央卸売り市場というところでせりが行なわれるということは、むしろ推奨すべきと申しますか、推進すべき方向であろうと存じております。その意味におきましては、データその他あるいは価格については、いま申し上げましたように、現在ないわけでございますが、先生のおっしゃるような考え方に沿う考え方を持っていると言ってもいいかと思います。ただ、先ほど申し上げましたように、通常の国内産の果樹とやや違う形で輸入されております。あるいは加工を経なければいけないというような問題がありますので、必ずしも機械的にすぐせりにかけられないという事情もあろうかと思いますが、今後なおそういう点については検討を進めてみたいと思っております。
○宮崎正義君 市場から回ってくるのは品物がとだえがちになるというんですね。それで、勢いその輸入業者の加工工場を持っている者から直接受けてくるというのが品物を店頭になくさないための一つの便法でやっているというところもある。また、逆な面もある。こういうところから私は、二、三調べてみたのですが、以上のような結果が出ているのでその差が大きいわけなんです。したがいまして、個々の小売り商人の仕入れてくるその時点においても相当に価格の差があるというようなことをもう少し本気になって調べていかなければならないのではないか。そのことが消費者の方に安いバナナを供給していくという形に当然なるのじゃないかと、こう思うわけですが、この点はどうなんでしょうか。
○説明員(八塚陽介君) バナナを消費者に対して、安い、あるいはその間に不当な利得のない価格で供給をしていくということにつきましての基本的な態度、考え方といたしましては、単に農林省といわず、先ほど通産大臣も検討するというふうなお話もありましたように、私どもといたしましては、当然そういうあるいは一環として今後考えてまいりたいと存じております。何ぶん、決して言いわけを申すわけではありませんけれども、青果物につきましての流通の各段階における調査というのはなかなかむずかしい点がございますので、今後ともどういうふうにそういう点をやっていくか、いろいろ検討すべき点があろうかと思います。今後バナナについて流通機構をさらに検討いたします場合にも必要なことであろうかと思いますので、なお具体的にいろいろ検討してまいることにいたしたいと思っております。
 なお、バナナにつきましては、そういうことで、加工であるとか、輸入されまして中央卸売り市場を比較的通らないというような事情もございますが、一方、私どもといたしましては、小売り商あるいは市場、そういうような問題は、やはりバナナだけでは考えられない、むしろ青果物全体としての問題も多々あろうかというように考えておりますので、今後もそういう点についてなお改善の方途を進めたいというふうに考えているわけであります。
○宮崎正義君 これは飛躍して申し上げることになってしまうのですが、日本国内でバナナをつくる計画なんか立てられておりませんか。
○説明員(八塚陽介君) 国内でも特に温室等でバナナがあるかと存じますが、私どものほうで政策として取り上げる果樹としてバナナの植栽は考えておりません。
○宮崎正義君 これは私の考えですが、日本全土にわたって、地熱のある温泉源等が相当あるわけです。そういうところの地熱を利用して各地でやっているようなことを将来も大きく栽培をしていくというようような考え方だってあっていいのじゃないかと、こう思うわけなんです。随所で今日やっておるようですから、これをもう少し将来の上に立って考えてもできるのじゃないか、こう私は思うわけなんです。それで申し上げたわけですが、一笑に付してしまうのじゃなくて、将来の行き方として考えられるのじゃないか、こう思って申し上げたわけなんですが、この点はどうなんですか。
○説明員(八塚陽介君) 私どもの果樹に対します考え方、これは宮崎先生もすでに御承知で、実は私が園芸局長になります前に通りました果樹振興法で態度をきめていくわけでございます。もし国内産のバナナを農業政策として今後進めていくということであるならば、やはり果樹振興法というもので考えなければならないと思います。私どもも決して一笑に付すわけではございませんし、かつまた、私自身、技術的にバナナの国内における可能性を特に勉強をいたしたわけではございませんので、その点は申しわけないわけでございますが、いまの園芸局といたしましては、農業生産として農家のいわば経営作物としてのバナナは考えておりませんし、それから地熱を利用すれば、あるいは温室等でやれば、もちろんバナナはできないわけではないと思います。しかし、それによって国民のバナナの需要を満たしていき得るというふうにはちょっといまのところ考えられない。そういうことで、一笑に付したわけではございませんが、考えていないということを申し上げたのでございます。
○宮崎正義君 いずれにしても、そういうふうな地熱を利用しての考え方というものは当然できるのじゃないかと、こう私は言っておる。そのことを一笑に付さないでという意味ですから、考え違いをしないでください。
 今度は、通商局次長にお伺いしますけれども、先ほど同輩の黒柳議員から割り当て等のことにつきまして砂田産業等を取り上げておりましたけれども、業者間で柴田事件とか柴田問題ということが言われております。この点についてひとつ詳細に御報告願いたいと思います。
○説明員(高谷武夫君) 柴田問題ということだけでは十分に内容がわかりかねますが、たとえば一般世上にいわれております割り当ての実施期にあたりまして、他の地域のバナナの輸入割り当てを台湾産に変更してその輸入をはかったということかと想定いたしますが、その御説明でよろしいのでございましょうか。
○宮崎正義君 四十年分七月の初めごろだったですか、信用状の残りが切れるような段階になっているときに、いま課長の言われているようなことがあったわけですね。その間の事情を詳細に言っていただきたいと思います。
○説明員(高谷武夫君) 柴田産業ではございませんで、この問題の会社は、大蔵商事及び輸入食品株式会社の問題でございますが、この両社は、大蔵商事におきましてはたしか四十年六月十日にタイ国産バナナの輸入割り当てを取得し、輸入食品株式会社はマレーシア産の生鮮バナナの輸入割り当てを受けたわけでございます。この輸入割り当てにつきましては、当時、AIQ制度のもとでございましたので、原産地、船積み地、そういうものにつきまして拘束されていないわけでございまして、この割り当て証明書を銀行に持って行きまして、台湾を原産とするバナナの輸入のILに、七月の九日だったと思いますが、切りかえたわけでございます。これらの一連の行為は、法律上におきまして適法でございまして、通産省といたしましては、こういう行為が当時起こったという問題については、割り当てを七月から実施しようということで準備を進めていた関係で、いろいろ困った問題も起こったわけでございます。適法な行為でありまして、その輸入についてその情勢を見てまいったわけでございます。その輸入につきましては、台湾の中華民国政府のほうにおきましていろいろな制度がとられまして、全額輸入ということは達成されなかったというふうに承知しております。
○宮崎正義君 割り当てはどれくらいですか、タイの割り当てを台湾のほうに振りかえたのは。
○説明員(原田明君) 御指摘の柴田事件というような名前はいま初めて伺いますので、これは、そういう柴田事件というようなことで呼ばるべきものかどうか、私は非常に疑問に思っております。その点、まず、先生が御指摘といいますか御疑問になります点はどのケースかという点を確かめたいのでございますが、この問題でございましょうか。現在、大蔵商事、輸入食品株式会社事件の件を柴田事件というふうにお聞きになっていて、それを御質問しておりますのかどうか、ちょっとはっきり私のほうで柴田事件というのはどれかがつかめないのでございますが、いま輸入業務課長から申し上げましたのは、架田産業直接ではございませんで、大蔵商事、輸入食品の六月ごろにおける輸入割り当てを七月マレーシア・オリジンを台湾に切りかえた件ということと承知しておりますが、そのことをおっしゃっておりますかどうかという点だけちょっと確かめました上でお答えさしていただきたいと思います。
○宮崎正義君 私のは、業者のうわさを聞いているのですから、そういうふうな話があったということなんで、柴田産業がタイのバナナの輸入の割り当て証を台湾バナナの輸入の契約に振りかえたということを聞いたわけなんですが、そのことだと思うのですが、それがいまお話がありましたように大蔵商事であるならば、柴田産業というのは私は取り消さなければなりませんけれども、当時かなりの数が振り向けられたというんですが、じゃ、大蔵商事の割り当てはどれくらいの割り当てを持っておったのですか。それを台湾のほうに振りかえたのですか。
○説明員(原田明君) 私の記憶でございますので、正確でございませんですが、両社合わせまして約三十九万七千かごの自動割り当て制のもとに割り当てを持っておりまして、その原産地はマレーシアまたはタイということであった。それを七月に入りましてから銀行へ参りまして台湾からの輸入に切りかえまして、約十二万六千かご輸入を通関したというふうに聞いております。
○宮崎正義君 このときに、いまちょっと課長からお話がありましたけれども、通産省はこういうことをやられたので相当あわてられて、割り当ての行き方というものもここで考えられたというふうに受け取っていいのですか。
○説明員(原田明君) 当時は、台湾からの輸入が非常に過当競争になっておりまして、このままの状態ではとてもいかぬので、割り当てに戻そうという動きが非常に強くなっておりまして、すでにその準備をすべきであるという声もあったころでございます。自動割り当て制度のもとにおきましては、船積み地は拘束事項でございませんので、輸入したいと思う方がどこからでもお入れになれる。輸入割り当て証には一応その方が入れたいと思う原産地が書いてあるわけでございます。それを台湾にお切りかえになったということでございます。そのこと自体は合法的でございます。私どもは、この事実があったから特にどうというふうにあわてたというふうな事実はないものと考えております。
○宮崎正義君 そういうことをされて、大きく割り当てに影響してきたということはあるでしょうか。
○説明員(原田明君) 先ほど申し上げたとおり、輸入の割り当て実績で行くか、通関実績で行くかということは、非常に問題になっております。先ほどから御報告申し上げましたとおり、結局、通関実績はやろうと思って調べるところまでまいりましたが、技術的に調査不可能、ギブアップしたわけであります。したがって、輸入割り当てということになってしまったわけでございまして、この問題は直接にはそれとは関係はございません。
○宮崎正義君 いずれにいたしましても、先ほど来、黒柳委員から、割り当てをめぐってのいろいろのうわさ等が指摘されてまいりまして、いま申し上げましたようなよその割り当てのワクでもってそのワクを台湾に振り向けていった。これは自由貿易の上では合法的であると言うけれども、そういうことをすることによって業界のほうでは相当もめたということ、混乱を来たしたということも聞いております。ともかくも、そういう一切の行政の監督権のある立場において、今後のバナナの割り当て等に対しては疑惑の生じないような行き方をはっきりしていくということを私は再確認をしておきたいと思いますが、この点についてはっきり明言を願いたいと思います。
○説明員(原田明君) 御指摘のとおり、私どものほうで行ないました割り当ての基準といたしましては、船積み実績をとることが不可能でございましたので、割り当てに切りかえたわけでございます。ただ、業界の一部では、たとえば御指摘の二社のような場合に、もし船積み実績というものが基準になれば、それだけの実績が割り当て基準のもとになる実績に追加をされるわけであります。ほかの会社はそういうことはどうも好ましくないのではないかというような議論をされたところもあるように聞いております。いずれにいたしましても、こういう割り当てのやり方というものは、輸入される業界にとりましても非常に利害の多い問題でございますし、また、一般国民におかれましても、割り当てというものがありますためにとかく疑惑を招くというおそれもございますので、私ども、大臣の御指示に従いまして、今後とも、いま先生の御指摘どおり、ますます公正厳正にやってまいるというふうに努力いたすことを明言申し上げたいと思います。過去におきまして、割り当ての基準というものが、通常の表現でなされておりましたのでございますが、それですらその解釈をめぐって議論が起こったというような苦い経験もございますので、今回十月からの割り当て基準等におきましては、公表されました割り当て基準の中でそのような解釈上の疑問も起きないようにという点まで十分注意をいたしたつもりでございます。今後とも、そのような割り当てにつきましては、確固たる基準に基づきまして厳正にやってまいりたいというふうに考えております。
○宮崎正義君 最後に、これで私の質問は終わりたいと思いますが、大臣の御答弁の中にも、もうけ過ぎる、そういうところにもあるんじゃないかと。流通機構もまたこれは大いに検討しなければならぬのじゃないかと。これは、通産ばかりじゃなくて、農林省の側もこの問題についてははっきりした態度をとらなければならない、そのときに来ていると思うのであります。さらに、大臣は、輸入組合における審議会等もつくるようにしてそして価格の問題等については検討していこう、輸入バナナの諸問題について研究していこう、こういうふうに言われておりましたけれども、黒い霧が流されているとかあるいは多くの疑惑を持たれているバナナ輸入問題に対してすみやかに国民の前に明らかにしなければならぬという観点の上から、いま申し上げました大臣の今後の行き方をどのような時期に関係当局が実行されるか、その時期等をはっきりしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。この点について御答弁をお願いいたします。
○説明員(原田明君) 輸入組合におきまする流通審議会につきましては、すでにこの間からこのやり方について検討を重ねるように申しております。本日、第一回の研究会が開かれているはずでございます。ただし、本日の研究会は、まだ、学識経験者、あるいはもし必要ならば消費者代表、そういう委員がお入りになったというわけではございませんで、そういう運営のやり方等々を含めて、これからどうするかというところから出発をするということで、第一回の研究会を本日開いているというふうに聞いております。
 それから先ほど大臣から申されましたもうけ過ぎるので、そのためにすっきりさせるという手段でございます。この点は、通産省といたしましては、すでに現在、発展途上国からの開発輸入促進事業団というものについての構想に基づきまして予算要求をいたしております。ただし、この案の内容その他については、まだ今後関係各省ともお打ち合わせをする段階でございますので、こういう審議の進展によってできるだけ努力をいたしたいというように考えております。
○宮崎正義君 農林省、流通機構について……。
○説明員(八塚陽介君) 先ほどから申し上げておりますように、私どもといたしましては、青果物の流通機構、これはバナナだけの問題でなくて、いろいろ改善すべき点が多々あるというふうに考えておりますので、そういう流通機構の改善、これはまあいろいろな面を含みますが、中央卸売市場あるいは地方市場その他いろいろな面を含みますが、改善をやってまいるべく努力をいたしておるのでございます。バナナにつきましてもそのうちの一環としてやはり取り上げなければならないというふうに考えておりますが、先ほど来申し上げておりますように、全体の青果物の流通機構の中で考えていかなければならないのじゃないかというふうに考えておりますので、バナナについてだけいつどうこうということははなはだ申しかねるわけでございます。今後、一般的にそういう青果物の流通改善の方向に即しながら、かつまた通産省といろいろお打ち合わせをいたしながら改善をいたしていくというふうに考えておるのでございます。
○宮崎正義君 最後に、黒柳委員からも話がありましたけれども、確認の意味において資料要求をしたいと思うのでございますが、バナナの輸入割り当ての明細について、昭和三十六年から四十一年の年度別割り当て量の総数と割り当ての根拠、各輸入商社別割り当て量と割り当ての基準とした各輸入商社別輸入実績、三つ目は実績の範囲、実績の出し方といいますか、そういうものを公表して資料を提出していただきたい、こう思うわけです。よろしく御審議願います。
○説明員(原田明君) 先般来申し上げておりますとおり、個別会社の分は公開されないという御了解のもとに委員会に提出させていただきたいと思います。
 それから割り当ての範囲、出し方とおっしゃいますのは、割り当ての基準というふうに考えておりますので、基準ということで提出いたしたいと思います。
 個別会社の数字の入った資料をお出しいたしますときには、恒例といたしまして公文書をいただいておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
○宮崎正義君 いまの件、御審議願いたいと思います。
○委員長(山崎斉君) ただいまの資料要求の件は、委員長の名におきましてこれを通産省に依頼したいと思います。
 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(山崎斉君) 速記を始めて。
○宮崎正義君 長時間にわたりましてバナナ輸入問題につきまして質問をいたしまして、関係の方々、長い間どうもたいへんありがとうございました。
 以上で私の質疑を終わります。
○委員長(山崎斉君) 本件につきましてはこの程度にとどめます。
 速記を止めて。
  〔速記中止〕
○委員長(山崎斉君) 速記を起こして。
 それでは、暫時休憩いたします。
  午後三時四十一分休憩
     ―――――・―――――
  午後四時十分開会
○委員長(山崎斉君) ただいまから委員会を再開いたします。
 この際、委員の異動について報告いたします。
 ただいま、大河原一次君が委員を辞任され、その補欠として前川旦君が選任されました。
    ―――――――――――――
○委員長(山崎斉君) 国有林野の払い下げ等に関する件を議題といたします。
 御質疑のある方は順次御発言を願います。
○中村波男君 私は、本日は主として国有林の管理、運営についてお尋ねいたしたいと思うのでありますが、その前に、先般問題になりました、農地改革で買い上げましたところの農地の一部を旧地主に買収当時のいわゆる二円六十銭で売り戻すという問題が、世論の袋だたきにあいまして、大臣が検討中であるということでありますが、実際問題としては法と社会のいわゆる板ばさみになりまして、慎重審議に名をかりてこれをいつまでもほうっておくのではないか、実際問題として結論が出ないのではないか、そういう結果になりますと、結局従来行なわれておりましたように四千ヘクタールの当該農地がさみだれ売り渡しという形でうやむやのうちにそういう措置がとられるのではないか、こういうことも言われておるのでありますので、この機会に農林大臣としてのこの問題に対処される基本的な考え方、また、今日まで検討を進めておられまする状況についてお伺いをいたしまして、本問題に入ってまいりたい、こう思うわけであります。
○国務大臣(松野頼三君) 農地問題につきましての政令問題は、いままでの農地法によって今日までさみだれ的に返還をいたしましたものは、条件と基準がございます。かりに言うならば、公共のもの、あるいは公有であってすでに農地として使用しないもの。したがって、払い下げ対象というものは一般全部にはかってこれを今日までやっておったわけではございません。しかしながら、農地法の不備のために、ある場合には会計検査院から、ある場合には行管から、農地として使用しないものに対する処置を急げという実は勧告、指摘がございました。したがって、それに対処する意味で、ある意味においては前進をしましたが、結論的に先般の政令は必ずしも今日の事情としては適切じゃないという判断から、次官会議のまま保留をしております。あのまま実行する気持ちは今日ございません。ただし、これを改正するには、基本の農地法の改正がないと、あの政令改正の基本法が改正されなければ改正ができません。したがって、私は、今日、総体的な農地法を含めて種々検討した上であの政令の改正をしたい。したがって、あのままの政令を実行する気持ちはございません。したがって、今日は途中でございますが、あの政令はそのまま政令として施行せずに、農地法及び関係法を検討をした上で政令改正に当たりたいと、私はこう考えておりますので、いろいろ世間をお騒がせしたことについては私も深く考えさせられますが、しかし、現実においてそういう思想で今日進めていっておるつもりであります。
○中村波男君 本問題はまた別な機会に質問をし、意見も申し上げたいと思いますが、農林大臣は、決算委員会等で国有林の交換問題が追及されまして、また、そのずさんな国有林の払い下げ、交換等に対する国民のきびしい批判の前に、先般、公共性のあるもの、あるいは学校林等用途の明確であるもの以外については、基準を改定して今後の運営をきめるまでストップされる、こういう方針を明らかにされたのでありますが、それによりますと、大体十二月ごろまでに結論を出したい、こういうことのようでありますが、だいぶその時日も経過しておりますので、国有林の活用、運営についての農林大臣としての基本的なお考えをこの機会に承って具体的な質問に入ってまいりたい、こう思うわけであります。
○国務大臣(松野頼三君) 国有林の問題は、いままでやったことが必ずしも法律的に違法であるという観点で、私は申したわけではありません。いままでやっておった基準方法が必ずしも今日の事情に合わない、したがって、一時、交換、払い下げは停止して、基準改定を行なった上にこれを行なうということを言明いたしました。その間、特に学校林、公共林、あるいはすでに進んでおる一部のものというものがございます。かりに言えば、オリンピック施設の準備をしているものというような、これは払い下げでありません、貸し付けの場合でございます。そういう当然国民が納得し得るもの以外は、暫時、基準改定までに払い下げ、交換というものは停止いたしまして、私の基本は、過去のものは全部違法であるというその法律論から言っておるものではありません。行政的に今日の世論から考えて適切な処置とは思えないものもございますので、基準を改定したい。これは国有財産で、大蔵省との協議事項にもなります。こういうことを行なうまで暫時停止をしたわけであります。したがって、停止中といえども、必要なもの、これは主として公共団体、学校林、あるいは明らかに公共性のあるもの、これは貸し付けをするものがございます。しかし、特にいまこれだこれだといって急がなければならない特殊なものはございませんが、多少はございますので、その点だけは例外として、基本としてはすべてのものは基準改定まで停止するという方針を今日堅持しております。
○中村波男君 基準改定をされるということは明らかになりましたが、十二月ごろまでには結論を出される考えでありますかどうですか。
○国務大臣(松野頼三君) 十二月までに基準がきまればそれまでという意味でした。しかし、今日の大蔵省との協議事項で十二月までにできるかどうかわかりません。しかし、少なくとも十二月を過ぎても数ヵ月のうちに基準改定をしたい。それまでは、いかなることがあろうと、疑義のあるものは停止しておく。十二月という年限は、十二月を目途として実は大蔵省と基準改定をしたいという努力目標を置いたのでありまして、十二月という年限を切ったものではありません。十二月と思っておりますが、多少余裕をみていただきたいと思います。
○中村波男君 次の質問は、特に決算委員会あるいは先般の当委員会で問題になりました農林開発興業株式会社に交換されましたところの大阪の高槻、芦屋の剣谷、志賀町の天神山の交換に対しまして、おそらく私は国有財産法二十七条を適用されて交換をされたと思うのでありますが、この三つのそれぞれの交換をされました理由なり原則なりを御説明をいただきたいと思うわけであります。
○説明員(若林正武君) 林野庁が所管いたしております国有林野は、約七百五十万ヘクタールございます。この中には、孤立いたしておりまする小団地であるとか、あるいは境界が錯綜いたしております境界錯綜地というふうなものがございまして、従来から、遠くは明治三十二年から国有林野の特別経営事業というものを始めております。そういう事業の中で、あるいはまた、最近におきましては、昭和二十六年でございまするが、国有林野整備臨時措置法という法律の制定によりまして、ただいま申し上げましたような管理経営上非常に不利なものの整理をやってまいっておるわけであります。しかしながら、まだ現在におきましても相当そういうふうな国有林野がございまして、特に今回問題になりました大阪営林局管内におきましては、孤立小団地、たとえて申し上げますると、百ヘクタール未満というふうな小さいものをとってみますると、こういう孤立小団地が約五百カ所もございます。大阪営林局といたしましては、昭和三十七年以来、こういうふうな管理経営上非常に不利なものを整理をしてまいりたい、そういうことによりまして、奥地の国有林野に隣接をいたしました民有林というものを交換によって取得いたしまして経営の合理化をはかってまいりたいというふうな計画を立てて、推進をはかってまいっておったのでございます。かたがた、また、都市周辺の国有林で、これは必ずしも孤立小団地ということには相ならないかと思うのでございまするが、これを都市の膨脹あるいは人口の増大というふうなことと関連いたしまして、公園なりあるいは宅地造成等にそういった国有林野というものを活用することが国民の福祉ないしは地域開発というものに大きく寄与いたしまする場合には、土地の高度利用という見地から、国有林といたしましても、奥地山林との交換等によりまして、積極的に活用させる方針をとっておるのでございます。で、その場合におきまして、これが保安林である場合におきましても、その使命にかんがみまして相互の重要度あるいは必要性というふうなものにつきまして十分検討いたしました上で、保安林でありましてもこれを活用すべきであるという場合には、その保安林の効用にかわります施設を行なうことを前提といたしまして、保安効果に支障を来たさない限りにおきまして、地元市町村ないしは保安林の受益者等の意向を尊重した上で、こういうものは宅地造成その他に活用をはかってまいる方針をとっておるのでございます。
  〔委員長退席、理事野知浩之君着席〕
 いま先生からお話のございました三つの事案について申し上げますると、天神山につきましては、これは孤立小団地でございます。それから高槻につきましても、これは孤立小団地でございます。芦屋剣谷につきましては、ただいま申し上げました他の用途に転用したほうがいいというふうなケースに入ろうかと思うのでございます。
○中村波男君 いま長官の御説明によりますと、大阪営林局だけで小団地が五百カ所ある。その五百カ所について、いわゆる林業経営上交換をしたほうがよいという計画が立てられておりますかおらないか。
○説明員(若林正武君) 大阪営林局といたしましては、計画を樹立いたしております。
○中村波男君 そこで、計画を樹立される、そのことは営林局だけでできることでありますが、今度は相手が要ると思うわけであります。したがって、そういう計画があるということを、どのような方法で、一般にと申しまするか、知らせるという、そういう手続なり道なり、具体的に措置がとられておったかどうか、今後またとられる方法があるのかどうか、まずその点をお伺いしてまいりたいと思うわけであります。
○説明員(若林正武君) 当時、大阪営林局といたしましては、局といたしまして計画は持っておったようでございまするが、これを一般に公表いたしまして、交換の相手方をさがしたというふうなことはなかったようでございます。
○中村波男君 私は農林開発興業株式会社との三つの問題がそこから出てきているというふうに思うわけであります。農林開発興業株式会社は、決算委員会等でいろいろ論議されておりますのを見ましても、社長は、高橋喜寿丸といいます元重政農林大臣の秘書をやっておられた方である。役員には、重政元農林大臣の義兄等が入っておられる。そういう関係から、高槻にいたしましても、剣谷にいたしましても、天神山にいたしましても、交換のルートというものがついておるのではないか。ここに私はこの問題の、明朗を欠き、また、とかく批判を受ける病根と申しまするか、いわゆる素地としてのあやまちがあるのではないかと思います。
 そこで、この農林開発興業株式会社と当該三つを交換されます具体的ないきさつですね。おそらく、そのいきさつというものは、向こうから申し込みがあったということに書類上はなりますが、そうであったのか。あるいは、だれか知った人が、おられて、こういう計画があるということを内報すると申しまするか、漏らして、それが話に進んだのか。その点のいわゆる状況を具体的にひとつお聞かせいただきたいと思うわけであります。
○説明員(若林正武君) 交換の相手方でありまする農林開発興業のほうから申し出があったというふうに私どもは聞いております。
○中村波男君 そこで、大臣にお伺いいたしますが、九月二十八日の決算委員会における木戸林政部長の答弁によりましても、また、若林長官の答弁によりましても、交換というのは、御承知のように、国有財産法二十七条を適用して行なうのでありますから、一定の森林がほしいといった場合に、相手方がそれは金ではなく物でもらいたいというのが原則になっておるわけでございます。したがって、現金のかわりに森林を渡すのである。したがって、現在のところ、用途指定は行なわない、こういうことがはっきりいわれております。私は、法文上からいうならば、用途指定を義務づけておりませんので、いわゆる受けるところの山林が、林野庁の林業経営、国土保全の上に適確であり、また、金等の決済が心配のない相手であれば、だれでもよろしいということになろうかと思いますが、しかし、問題は、その価額が適正であったかということ、それからもう一つ、国の財産を処分いたしますたてまえというのは、私は、公的入札、競売入札が原則でなければならぬと思うわけであります。しかし、交換というのは山と山とをかえるのでありまするから、競売入札という方法も問題があろうと思いまするけれども、精神としてはそのような方法を基本にして考えなければならないのではないか。したがって、 これは、水かけ論になりますから、農林開発興業から申し入れがあったから計画を示して相談をいたしたのだと長官が言われれば、違いますという反論をする証拠もございませんけれども、私はそこに問題があるということをいま指摘いたしたのでありますが、こういう問題について、農林大臣はどう考えておられるかどうか。
○国務大臣(松野頼三君) 交換という制度は、一般的には、交換申し出があって、それが林野庁の施業案、計画に合致する場合にこれが行なわれるというのが一つの一般的な常識であろうと私は思います。これは、何も農林開発がそれだったというわけじゃありません。一般的に、町村有の山と国有林と交換をする場合は各所にあります。その場合は、大体そういう手はずを踏んで行なわれておると私は思います。ただ、今回の場合、おそらくその方法でこれは行なわれたのじゃなかろうか。私もその書類を見れば、同じような形式になっております。そこで、これを公告をするという場合だとこれはよしあしがあるのじゃないか。競売ならば公告はいいと私は思います。しかし、交換計画を事前に公告するということになると、善意な意味の場合でも、いたずらに価格をつり上げる。交換する向こうの価格もつり上げる。こっちの価格ももちろんそれは問題になりましょう。そういうわけで、必ずしもそういうふうなやり方はしていなかったと思います。しかし、いずれにしても、それじゃ特殊な者が特殊な方法で知っているじゃないか、不明朗じゃないか、これは御指摘の点は私もわかります。しかし、このものは公にして交換をするという制度にあらずして、申し出を受けて、それが林野庁の方針に合った場合においてのみ交換が実施されるんで、必ず申請すれば交換になるというものではないと私は思います。
○中村波男君 それで、高槻の交換のいきさつがこれまた決算委員会で大森委員の追及によりましてその間の事情がおぼろげながらわかってくるのでありますが、高槻と広島県との交換をされた。広島県の土地というのは、なるほど交換時点においては農林開発興業の所有でありますが、その直前までは野島福太郎という人が所有をしておる。そこで、交渉に当たられた人が重政さんの義兄である秋山文武という人である。どういう交渉のしかたをされたかというと、高槻の国有林の払い下げを話をつけたから、金では払い下げをしないから山を出さなければならないから売ってくれないか、こういう交渉が行なわれたことは明らかであります。この間のさらに事情としては、重政さんが農林大臣に就任をされたのが三十七年の七月ごろであった。その交渉が行なわれたのは就任後一、二カ月後の間である。ここにいわゆる純然たる農林開発と大阪営林局とたまたま交換ということが意見が一致したということではなしに、ここにいわゆる政治的取引のにおいがぶんぷんと私はすると思うのであります。農林開発が正式に登記をしておりますのは三十七年の十二月十日でありますが、いわゆる野島という人から秋山文武という人に仮登記をその前にしておることを見ましても、この間の事情は明らかであります。こういうところに今回の問題があると私は思うのでありまして、したがって、今後法を改正される上において、いまも競争入札はいろいろ弊害があると言われます。しかし、私は、交換計画があるとはいいながら、それは全く計画ではないのであって、そのときそのときに適当に交換をしてやったのではないかと思うのであります。林野庁としていわゆる国有林を活用するという立場で、あるいは農業用地とするなり、あるいは住宅用地とするなり、いわゆる国民的な立場で交換計画というものをきちっと立てまして、その上でやはりある程度こういう計画というものが周知されるような方法をとる。また、私は、山は山で買う、売るものは売るという方法をとっても一つの方法であろうと思うのであります。そういう点について、農林大臣はどう考えておられるかどうか。
○国務大臣(松野頼三君) 交換の基本というのは、すでにもう数年前から明確になっております。これは、各林業の審議会あるいは国有林の経営方針の中に明確になっております。それは、入り会いの場合、あるいは遠隔地の場合、飛び地の場合、これは経営合理化のためにやれということは各種の答申及び基本の中に入っております。しかし、どこをやれということはその中に入っておりません。しかし、基本の方針というのは、経営を合理化するという、その中に入り会いをしているときにお互いこれとこれとかえたほうがいいじゃないかとか、山の尾根を同じにしたらいいじゃないかとか、集団経営、これは基本の方針であります。ただ、御指摘のように、どこの山をどこをどうするのだという具体的なものは、これは基本の中に入っておりません。その方針に従って、各営林局でこの方針の一つの基本というものは持っております。ただ、おっしゃるように、どこをいつやるということはないじゃないかということは、御指摘のようにございません。ただ、基本方針ということは、今日でも、森林合理化あるいは国有林の経営合理化の基本であると私は思います。ただ、御指摘のように、場所がなかった。私も、今回この基準をきめるときには、売るものは売る、買うものは買うという方針をまず原則に立てたい。同時にもっと最初に、言うならば公有以外は交換はもうしたくないと実は私は思っておるのです。もし民間の場合には払い下げしてしまう。そうなれば、要するに公の払い下げですから、国有財産法による払い下げをする。買うときは買う。交換とかあるいはそういう場合には、公有的なもの、公共的なものにおいてのみそれを実施したい、こういう考えでいま基準の基本を実は考えておる。交換という制度、これを置きますと、これは評価問題でなかなかこれは政府よりも業者のほうはもっと専門ですから、政府でそれの管理監督は容易なものじゃない。今後は、公共の場合、これは交換を実施するけれども、民間の場合あるいは営利目的の場合には売り払ってしまう。しからずんば売り払わない。どっちにしても、交換とか貸し付けの制度はなるべくなくして、必要な場合には払い下げ、売り払い、これなどおっしゃるように国有財産法の規定によって明確に競売方針というものはとれるであろう。それを実は骨格として競売というものの基準というものをきめたいのです。
 したがって、今後は、おそらく民間的な交換はよほどの場合以外は私はないと思うのです。よほどの場合というのは何だというなら、公共団地をつくるとかという場合には、これは一つの住宅政策と言えるかもしれません。それでも私は売り払ったほうがきれいだと思います。貸し付けも同じです。建造物をつくる場合は、貸し付け契約というのは年限がありまして、こんな場合売ったほうがいいと思います。貸し付けというものもよしあし。借料の価格から逆算しますと、これも問題がある。
 こういう二点を、実は今回のいろんなことを考えて、私は基準というものをそういうところからきめたいというのでいまやっているわけであります。おそらくその方向が国民的に納得できる方法じゃなかろうか。ただ、過去は、昔のように遠隔地とかいうものは国有林の経営合理化という基本方針に従ってやられた。それが非常にいろいろな問題を派生したと私も実は考えておるわけで、農林開発興業がどうか、この内容は別ですけれども、確かにその点は今後の反省の一つの改善のいしずえにしたいと私は思っております。
○中村波男君 大体、大臣のこれに対処される基本的な考え方はわかりましたけれども、いまおっしゃるように、基本があるけれども、具体的な計画はない。ただ、私はここで指摘しておきたいと思うのは、今回こういう問題が起きたから、交換、売買等についての明朗を期するという立場でこれをとらえる前に、やはり国土利用という立場で国有林についての利用区分を明らかにいたしまして、そうしてそれに対処する方法として、貸し付ける方法もあるでありましょうし、売り払う方法もあるでありましょうし、それを財源として国土保全あるいは山間の山林農民をいわゆる労務的に吸収するというような立場における国有林の収得という問題も出てくると思いますので、従来のようにただ基本計画に基づいて政治的な圧力が加えられたり、あるいは政治的なルートによって不当に安く、また不当な払い下げが行なわれる、交換が行なわれるという道をまず断ってもらいたい。これが私の強い要望であります。
 そこで、滋賀県の志賀町天神山の交換についてでありますが、私の聞くところによると、地元の公共団体からも申し込みがあり、したがって、その調整に一カ年以上を要したというふうに聞くのでありますが、その間の事情を長官から承りたいと思うのであります。
○説明員(若林正武君) 交換渡し財産であります天神山国有林につきましては、昭和三十六年八月二十九日付をもちまして、地元の志賀町長から大津営林署長に対しまして、畑地造成用として払い下げてほしいという陳情書が出されたのでございます。さらに、昭和三十六年十月十六日付をもちまして、滋賀県知事から大阪営林局長に対しまして、増反用地といたしまして所属がえのための共同調査をしたい旨の申請があったのでございます。
 これに対しまして、大津営林署長は、昭和二十三年に緊急開拓で所属がえをいたしました付近の国有林約七ヘクタールが、十分に開墾されておりませず、また、一部が他に転用されているというようなことからいたしまして、天神山国有林を志賀町に処分したといたしましても、農用地として利用し得るのかどうか、具体的な計画等を含めました確答を得たい旨を志賀町に照会をいたしたのでございますが、その後回答を志賀町から得られなかったようでございます。で、くだりまして、昭和三十七年三月ごろでございまするが、大阪営林局は、右のような経過からいたしまして、共同調査に応じがたい旨を県に対しまして説明もし、県もこれを了承いたしております。
 大阪営林局は、志賀町が天神山国有林につきましての払い下げを断念をしたものといたしまして、昭和三十九年三月二十五日の第二回国有林野管理協議会におきまして、農林開発興業株式会社との交換の渡し財産として天神山国有林の処分の諮問をいたしております。その後、昭和三十九年七月、志賀町長が大津営林署に参りまして、地元に無断で会社に処分するのはおかしいという申し出があったのでございますが、大阪営林局長は、地元に反対のある交換を行なうことは当を得た処置でないといたしまして、農林開発興業株式会社との交換を保留いたしたのでございます。
 志賀町におきましては、昭和三十九年九月中旬ごろ、天神山国有林の払い下げを受けました場合の取り扱いを検討いたした模様でございますが、その結果といたしまして、天神山国有林所在部落は年々人口も減少しておりますし、町で事業を計画実行するよりも農林開発興業株式会社が観光開発をすることは地域開発のためであるとして、天神山国有林の交換による処分に志賀町として反対しないこととなったのであります。
 この点を確認いたしますために、昭和四十年六月、大阪営林局の係官及び大津営林署の係官が、志賀町役場におきまして志賀町長から確答は得ておるのでございます。
 以上でございます。
○中村波男君 なるほど、書面上から言えばそういういきさつのようでありますが、私の承知しておる範囲では、必ずしもそういうふうではないのでありまするけれども、それはそれといたしまして、そこで、交換については使途、目的が問題にならない、こういう方針をおとりになっているようでありますが、志賀町が承諾をいたしました一つの理由として、農林開発が観光として開発をしてくれるということを町の発展と考えて承諾をしておるのであります。そこで、剣谷、天神山、高槻のその後いろいろ使用目的が明記されて申請書が出ておりますが、どのように運営されておりますか、具体的にお聞きをしたいのであります。
  〔理事野知浩之君退席、委員長着席〕
○説明員(若林正武君) 高槻につきましては四十一年六月十六日、関西電力に一町四反四畝売り払いを農林開発興業がいたしております。それ以外の高槻の山林につきましては、交換当時のままに相なっております。
 天神山につきましては、これは交換当時のままになっております。
 芦屋剣谷につきましても同様でございます。
○中村波男君 それで、大臣にお尋ねいたしますが、交換の目的というのは別なものがありますから、いま私が言いましたように、いわゆる使途が明記されて申請は出されまするけれども、それが履行されないからといって、返還を求めたり、あるいは契約不履行として追徴金を取るということはできませんけれども、しかし、私は、国有林でありまするから、国の財産でありまするから、国民のものでございまするから、したがって、国有林野法の八条のいわゆる条項というものを十分尊重いたしまして、それに合致するような方法で交換をされなければならぬというふうに思うわけであります。特に志賀町の場合は、いわゆる放牧地ということと、緑地という目的が明記されて申請が出されており、志賀町の町長はじめ住民はそれを期待いたしまして権利を放棄いたしたと思うのでありますが、その後三年になんなんとする今日、まだ実行もされておらなければ、手のつけられる様子もない、こういうやり方というものがよいのか悪いのか、この点を明らかにしていただきたいと思うわけであります。
○国務大臣(松野頼三君) 大事な国の財産ですから、貸し付け等につきまして、使用目的違反の場合にはこれは当然制約できると思います。また、払い下げの場合も、その払い下げが申請と違法な場合には、これも私はチェックすることができるのじゃないかと思います。交換の場合は、その規定というのが明確に実はいままできまっておりません。そこに問題点が私はあると思います。それは、一つは、片一方の――交換ですから、片一方の財産を国が取得しておるというところにその制約規定というものがあるいは少し抜けておったのじゃないかと思いますけれども、その点は、実際私もこの立場に立ってみて、大事なところが少し検討が足らないという気がしております。
 貸し付け、売り渡しの場合には、ある程度条件というのが具備されていない場合には、それに対する制約ができると思います。
○中村波男君 そこで、農林開発というのは、明らかに投機的に交換をした。特に決算委員会等で問題になりましたように、高槻の山につきましては、いまも長官が説明のように、すなわち関西電力にたしか一万五千円で一町四反四畝を売却して六千三百八十万円を得ておる。
 そこで、お聞きをいたしたいのは、売り渡たされた高槻の山は坪二百三十円でありますが、この評価の積算をひとつ明らかにしていただきたいというふうに思うわけであります。もちろん、評価の方法といたしましては、固定資産税、相続税の課税標準価額と売買実例価額、さらに日本不動産研究所大阪支所、住友銀行高槻支店、高槻森林組合等の鑑定価額等をもとにいたされまして、そうして一反七万円であるという評価がなされておるのでありますが、一反七万円ということは、三百坪が七万円でありまするから、坪にいたしますと二百三十三円でございます。この内訳をひとつ具体的に御説明をしていただきたいと思います。
○説明員(若林正武君) 私ども評価をやります場合に、ただいま先生からお話のございましたように、固定資産税の課税標準価額、相続税の課税標準価額をもとにいたしました価格と、それから売買の実例価額、こういったものから基準価格というものを出しまして、この基準価格につきまして所要の修正が必要な場合には行ないまして鑑定評価額というものを算定をいたしまして、さらに第三者の鑑定評価額というものを勘案いたしまして評定価格というものをきめておるわけでございます。
 この高槻の国有林の評価につきましては、基準価格は、これは反当でございまするが、四万五千四百九十一円でございます。それから第三者の鑑定価格、鑑定を依頼いたしましたのは、日本不動産研究所大阪支所、住友銀行高槻支店と高槻森林組合の三者でございまするが、この鑑定価格が反当七万円でございます。評定価格といたしましては、この七万円を採用いたしております。
 以上でございます。
○中村波男君 そうしますと、これは山林という立場で評価をされておりますね。
○説明員(若林正武君) これは森林として評価をいたしております。
○中村波男君 そうしますと、答弁に食い違いがあるように思うのでありますが、九月一日の大森委員の質問に対しまして、長官は、「三分の二は宅地見込み地、三分の一につきましては緑地地帯の山林といったふうなことで評価をいたします。」と。これはどちらがほんとうでありますか。
○説明員(若林正武君) 九月一日の大森先生の御質問に対しましては、いま先生がお読みになったようなお答えを申し上げたのでございますが、その後調査をいたしました結果、森林と評価をいたしておりますので、御了承願いたいと思います。
○中村波男君 私は答弁のあげ足をとるつもりはありませんが、ここに私は語るに落ちるというこれが当たるのではないかと思うのであります。高槻の山というものを考えます場合に、相当部分が将来宅地になるということは、これはだれが見ても明らかであります。そういうものを見込まずに、ただ単なるいわゆるやせた山であるという、そういう上に立って評価を依頼し、評価をしたところに、一坪二百三十三円というような全く不当に、常識では考えられないような価格が出てきたのではないかと思うのであります。このことがいわゆる政治的取引でありまするから、いわゆる合法的の名にかりまして、作為的に評価がなされておるのではないかと思いますが、いかがですか。
○説明員(若林正武君) 評価をいたします場合に、そのときの最有効利用の原則と申しますか、そういう考え方で、この土地が何に使われたら一番いいだろうかというふうなことも考慮いたしまして実際には評価をいたしておるのでございます。申請の相手方の利用計画等もございまするが、もちろんこれらも参考にはいたすわけでございまするが、ただいま申し上げましたようなことで現実には評価というものを行なっておるのであります。
○矢山有作君 関連して。ちょっとお伺いしますが、いま答弁の問題を蒸し返して言うのはあげ足とりのような形になりますが、国会で答弁なさるときは、そのときどきの出まかせの答弁はこれはやめてもらわなければいかぬ。いまの中村委員が指摘された答弁というのは全くでたらめだ、これは。それから、いまあなたは、評価をする場合に、その土地の最有効利用の立場を考えて評価した、こうおっしゃった。そういう立場に立って評価するのに、坪が二百円や三百円の評価が高槻の土地になされて、それがあなた正しいと思われますか。
○説明員(若林正武君) 従来の評価基準というのがございまして、それに基づきましてその当時におきましても適正に評価をいたしておるというふうに考えておりますので、妥当なものだというふうに確信をいたしております。
○矢山有作君 それじゃお伺いしますが、高槻の土地を見て、最有効利用という立場をとるならば、どういうふうに利用したのが最有効利用ということになりますか、高槻のあの土地の場合。
○説明員(若林正武君) 高槻の交換をいたしました国有林の地形等を見ますと、傾斜が強うございまして、宅地造成というふうなことで考えましても非常に多額の資本を投下しなきゃならぬというふうなことで、むしろ山林経営のほうがいいのではないかというふうなことで当時評価されたというふうに考えております。
○矢山有作君 それは、長官、こじつけもはなはだしいじゃないですか。私も現地を大体見ておりますが、ああいう土地を目して純然たる山林経営の立場しか考えられぬ、しかも最有効利用という立場に立って山林としての使用しか考えられぬというのは、それはこじつけもはなはだしい。そういう考え方で国有林の評価をあなた今後もやっていくということになると、これはたいへんな国損を引き起こしますよ、将来にわたって。そういう考え方を改めなければいけませんよ。あなた、現地を知っているでしょう。自分たちがやったことは、間違いであっても、間違っていると言わないで、正しいものだといって押し通そうとする官僚の独善的な考え方がそこに出ておる。あなたが今日の立場に立って判断してみなさい。あれを最有効利用の立場に立って考えて、山林で坪が二百円や三百円ということは冗談にも言えないはずですよ。
○説明員(若林正武君) 先生からお話がございましたが、私は現地は承知いたしておらないのでございます。今後の評価のやり方につきましては、先ほどから大臣から御答弁申し上げておりますように、評価の基準等につきましては慎重に検討してまいるつもりでおります。
○矢山有作君 あのね、これだけ問題になっておるのに、現地を見ないでいいかげんな答弁をするという姿勢もけしからぬというんだ。それから、第一、申請書には放牧地として使うという申請があったのでしょう。そうすると、交換を申し出た相手方自体が、山林じゃございません、ここは放牧地として大いに利用できるんだという立場をとっているわけでしょう。そうすれば、ほかの問題を一切抜きにしても、山林として考えたらいいのか、放牧地として考えたらいいのか。そういうことになれば、放牧地として考えたほうが、おそらく山林として考えるよりももっと評価は上回るのじゃないかと思います。そういうふうないろいろなことを考えて判断して答弁しなきゃ、そのときどきの出まかせの答弁をしてもらっちゃ困りますよ。そういう態度をとっておれば、われわれのほうはやはり国会軽視と言わざるを得なくなる。
○中村波男君 いま矢山委員から指摘がありましたとおり、これだけ重大な問題が起きておるのに、長官も就任されてから相当日にちがたっておるのでありまするから、一度現地を見て――山林以外には使用目的として不適当であるということを言われましたが、申請書には放牧地として申請をいたしておる。とにかく、書類はどのように書いても、話がついたのだから形式だと、そういうことがここにも裏づけられるのじゃないかと、こういうふうに私は思うのです。したがって、今後再びこういうことのないように、国民の財産でありまするから管理には今後万全を尽くさせますと決算委員会で答弁をされておりますが、実際その問題の山林を一度も見ずに、どう対処されるつもりでありますか。そこに全く言いのがれの答弁で、いわゆる適正でなかったと存じますと、こういうことで国会で水かけ論に終わってしまうのでありますが、できたことはやむを得ぬといたしましても、再びこういう問題を起こさないためには、今度こそひとつ真剣に対処してもらいたい、こういうことをまず申し上げておきます。
 それからもう一つ、国有地の交換については、四千平方メートル以上は長官の決裁で、農林省と大蔵省が協議するということになると思うのであります。したがって、こういう問題が大阪の営林局で進められる過程において、これは本省にお伺いといいまするか、報告と申しまするか、きまってしまってから決裁を受けに来たのか、初めからそういう計画が提示されて、林野庁はそれにオーケーを与えて、たまたま農林開発興業が交換の申し入れをしたから話を進めたといういきさつがあるのか、その間の事情をひとつつまびらかにしてもらいたい。
○説明員(若林正武君) 当時、営林局長のほうから農林大臣のほうに上申がございまして事務を進めたというふうに聞いております。
○中村波男君 それはいつごろですか、上申のあったのは。
○説明員(若林正武君) 高槻の事案につきましては、昭和三十八年七月八日でございます。
○渡辺勘吉君 ちょっと次の質問の前に関連して。私は、大臣に少しはっきりした責任を明らかにしてもらいたい。国有林の交換については、申請の目的には、いま現実に高槻が問題になっているが、それが放牧地になっておる。しかし、交換したあとそれが何にされようと、その件に関する限りは規制がない。今後改めると言うけれども、従来きわめて枚挙にいとまのないほどこの交換問題についてはいわゆる黒い霧というか問題が内在しておる。私は、いやしくも国有林を管理する、その最高責任者である農林大臣は、今後はその基準を明確にし云々ということは今後の問題である。しかし、従来こういうルーズな処理をした責任は、これは免れることができない。しかも、いま長官の答弁では、かなり傾斜があるから云々ということがあったけれども、平地から何度の傾斜があるのか。傾斜があっても、その高台に住宅団地として開拓する適地であるという問題もあるし、事実、有効利用とすれば、山林とあなたは言うたけれども、目的の放牧地、あるいはさらに都市近郊の立地条件からして宅地化することも周知の事実である。そういう非常に大きな好条件にあるものを、交換であるから申請は目的は何でもいいと、あとは知らぬという従来の政府のとってきた態度がいろいろなまた問題を各所において惹起している。従来そういうルーズな処理をしてきたことについて、大臣はどういう一体責任を感じますか、これからは別として。
○国務大臣(松野頼三君) いままでの交換をずっと顧みますと、必ずしも適切な管理及び規定というものが不備であったと私は思います。基本的に言うならば、使用目的によって交換をしたら、その使用目的に応ずる実行まで監視する規定というものがやはりあるべきであると私は思います。しかし、いままでのところは、その申請の当時審査をして決定すると、その後まで追跡的な責任追及ができないと、これがすべての問題における交換の問題だと思います。その辺が今後改めるべきところであるし、また、この当時は、おそらく牧野あるいは山林という趣旨で評価をしたのじゃなかろうか。しかし、現実にはそうじゃなかった。そのあとの処理が、まあ私から言うならば、何らかこれが基準がいまでもあるなら、これは追跡的にこの問題を是正をしたい気持ちでおります。そのつもりでいろいろ法規的に研究しましたけれども、なかなか今日のすべての法律ではそこまでの規定ができないのじゃないか。これは、高槻のみならず、多少ほかに気になるところもないわけじゃありません。使用目的をいまだに実行していないというものならば返還命令が出せりゃせぬか、実はこの辺まで林野庁長官に研究をさせたのであります。しかし、結論において、まだその見通しはありません。したがって、今日私が考えてみると、確かに農林省における一つの盲点であったと、これがまあ今日私自身が考えさせられる点であります。
○渡辺勘吉君 ただ考えさせられるというだけでは、これは済まされぬと思う。これは何もいまに始まったことじゃなくて、そういう追跡をする行政的な一つの規制がないにしても、いやしくも貴重な国有林を交換の場に供した場合に、それが申請の目的のとおり適正に運営されているかどうかをアフターケアをするのは、これは当然の責任じゃないですか。規定がないからまあほおかぶりでどうでもいい、そういういわゆる形式的な、官僚的な、規定がなければあとはどうなろうとやむを得ないというところに幾多の問題を惹起していると思う。それをただこれからはやらなけりゃならぬと思うということでは済まされぬと思うんですよ。あなたはずっと前から所管の大臣じゃないからあれだろうけれども、われわれ国民とすれば、そういう一つのルーズなあり方というものをどういう一つの政治責任によって処置されるか、そういうことがここで明らかにならなければ、今後の問題は別として、従来起こってきた、それは単に一件、二件にとどまらない。一体、追跡調査をした経過がありますか、いままで。そういう行政の立場から何もそういうこともやっていないのですか。その点はどうです、一体。
○国務大臣(松野頼三君) 今日は、指導的にそれをやる以外に権限権能がありません。私がこれを何とか返還させようと思いましても、それにはさせるだけの根拠というものが1私は今日までその問題に取り組みましたけれども返還要求というような権利というものがはたしてやれるか、あるいは、裁判及び一般的にこれが勝てるかという見通しだと、残念ながらそこまでの見通しはまだ私たち明確じゃありません。そういうことはこの問題に取り組むときに私自身が考えて、官僚的じゃなしに、一般の国民常識として使用目的違反ということで、これが返還命令が出せないだろうかということを第一に私は考えた一人であります。しかし、そうなれば、裁判をしなければならない。民事においてはたして勝てるかどうかという裁判の問題であります。残念ながら、確証までは私は今日の研究の結果はありません。したがって、今日は、行政指導と申しますか、そのときの申請書をたてにその申請の実行を迫るということが今日私ができる最高限のことなんです。私はできるならば返還命令を出せるかということで林野長官にその前に検討させました。貸し付けの場合には可能であります。貸し付けているんですから、使用目的違反なら貸し付け契約を取り下げる。また、今日、払い下げの場合もできる。払い下げはできる。ただ、問題は交換のところが抜けておって、しかもこれが今日問題で、私たちは最善にこのことを現実に尽くして、私の責任というならば私の責任でこの問題を完全に今後再びないように完全に法律的に行政的に防ぐ、今後起こらないようにすること、同時に、過去においてもそれを実行させること、この二つが私の責任、権限だと私は思います。
○渡辺勘吉君 関連ですから、これだけに質問はとどめますが、いままで交換について行政指導を固々加えたことがあるかどうかを聞きます。それは各年次別の具体的な資料がありますから、その一件一件について、これを行政的に規制するものはない、盲点であると、これは明らかなことでありますが、盲点であるけれども、貸し付けあるいは売り渡しと同等のそれに近い目的に沿うようなことになるために行政指導をやったことがありますかありませんか。一件一件具体的にありますか。どうですか。
○国務大臣(松野頼三君) 私になりましてから、交換はまだ一件もやっておりません。
○渡辺勘吉君 いや、従来です。
○国務大臣(松野頼三君) 従来の問題については、林野長官からお答えいたさせます。
○説明員(若林正武君) 従来、一件一件につきまして行政指導をやったかどうかという問題につきましては、必ずしも十分ではなかったというふうに思います。
○中村波男君 評価額について、芦屋の剣谷について、さっきの高槻と同じように具体的に数字をひとつお示しいただきたい。
○説明員(若林正武君) 芦屋剣谷の評価につきましてでございますが、全体の渡し地の中で、宅地見込み地といたしまして三万一千七百九十六坪、それから同じく宅地見込みとございますが、これは高圧線の下になります分でございますが、これが千二十四坪、それから緑地といたしまして六千三百二十七坪、同じく高圧線下の緑地でございますが、これは四百七十八坪、こういうふうに現地を分けましてそれぞれ評価をいたしておりますが、算定価格でございまするが、坪当たり平均で申し上げますると、二千七百六十円でございます。それから第三者の鑑定価格でございまするが、これは日本不動産研究所、それから勧業不動産の鑑定価格の平均でございますが、これが二千百二十円、評定価格といたしましては二千四百四十円でございます。これに立木の評価額を足しまして、土地及び立木関係の合計によります坪当たりの価格は二千四百九十七円というふうに相なっております。
○中村波男君 時間も割り当てられたのが経過いたしましたから、この辺で質問を終わりたいと思うのでありますが、この三つの交換地を通じまして言えることは、いわゆる時価と引き比べて交換価格が常識では考えられないほど安いということです。高槻にいたしますならば、三千五百万円で売られた土地が、いわゆる四十億というような根抵当として評価をされておる。芦屋剣谷にいたしましても、すでに二万、三万と宅地として売られておるものが、二千四、五百円で交換をされておる。こういうようないわゆる実態の上に立ちまして今後どうするかという問題が私が大臣並びに長官に申し上げたいすべてであるわけであります。
 そこで、最後に、過日の決算委員会におきまして、大森委員が、農林開発興業株式会社にいわゆる交換された三件を含めまして八件申請がなされておるがどうかという質問について、長官は、軽井沢と北海道の……ちょっと忘れましたけれども、二カ所ある、こういうことを答弁されておりますが、そのとおりでありますか。
○説明員(若林正武君) 調査をいたしました結果、すでに交換が終わっておりますのが三件、それから申請が出ておりますのが神戸市の表山、宇治市の八軒谷、それから申請が出されておりますが昨年の八月二日に取り下げをいたしましたものが二件、これは西宮市の北山、高槻市の安満山、それから申請の出ておりますのでもう一つ軽井沢町の長倉山、以上の八件でございます。
○中村波男君 さいぜんも指摘いたしましたように、長官の答弁というのはでたらめに過ぎると思うのであります。大森委員の質問については、軽井沢と斜里の二件であるというふうに答弁をされておる。そこで、私が先般国有林野管理処分未処理案件の一覧表を資料として請求いたしましたのを見ると、軽井沢一件だけしか登載されていない。これは故意にこういうものを出されたのか、全く議会軽視といいますか、林野庁の事務担当がいかにお粗末であるかということを証明しておるようなものだと思いますが、こういう問題についてどうお考えになりますか。
○説明員(若林正武君) 先般提出いたしました資料は、林野庁にあがってきたものだけでございます。したがって、営林局にございますのはそこに載っておらないのでございます。
○中村波男君 それでは、時間も参りましたから、またほかの問題でいろいろ質問をいたしたいととがありますが、きょうはこの辺で質問を終わりたいと思いますが、そこで、局まで申請をされておる未処理のものを含めまして一覧表をひとつ提出を願いたい。これは委員会としてひとつ資料提出をお願いしたいと思うわけであります。
 以上で質問を終わります。
○説明員(若林正武君) すみません、交換の事案だけでよろしゅうございましょうか。交換だけですか。
○中村波男君 未処分のやつは全部、貸し付け、払い下げ、交換……。
○説明員(若林正武君) 相当膨大なものになるのでありますが……。――それでは、早急に調査をいたしまして、取りまとめて提出いたします。
○委員長(山崎斉君) 本件につきましては、この程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十二分散会